積層体に開口部を形成するためのシステムおよび方法

申请号 JP2015002010 申请日 2015-01-08 公开(公告)号 JP2015136788A 公开(公告)日 2015-07-30
申请人 ザ・ボーイング・カンパニー; The Boeing Company; 发明人 ゲーリー リプチンスキ; ウェスレー イー・ホールマン; エリック ウィンエム; ウィリアム ピー・ザンテソン;
摘要 【課題】異なる材料で形成された複数の層に対して、効果的および/またはコスト効率よく穿孔を行うためには、異なる複数の工具または異なる複数の工具用コーティングが必要になる。 【解決手段】切削工具100は、シャンク120を含み、切削工具100は、第1部分112をさらに含み、当該第1部分は、少なくとも第1コーティング116を含むか、または第1コーティング116および第2コーティング118の両方を含み、第1コーティング116は少なくとも部分的に第1部分112を被覆している。切削工具100は、シャンク120と第1部分112との間に第2部分114をさらに含み、第2部分114は第2コーティング118を含み、第2コーティング118は、少なくとも部分的に第2部分114を被覆する。 【選択図】図2
权利要求

積層体(230)に最終開口部を形成するための切削工具(100)であって、前記積層体は、少なくとも2つの層およびパイロット開口部(240)を含み、前記パイロット開口部は、パイロット開口寸法を有するとともに、前記少なくとも2つの層のうち少なくとも1つの層を貫通しており、前記切削工具(100)は、 シャンク(120)と、 第1部分(112)とを備え、前記第1部分は、少なくとも第1コーティング(116)を含むか、または前記第1コーティング(116)および第2コーティング(118)の両方を含み、前記第1コーティング(116)は少なくとも部分的に前記第1部分(112)を被覆し、 前記シャンク(120)と前記第1部分(112)との間に第2部分(114)をさらに備え、前記第2部分(114)は第2コーティング(118)を含み、前記第2コーティング(118)は、少なくとも部分的に前記第2部分(114)を被覆する、切削工具。前記第1部分(112)は、第1端面(250)および第1側面(252)を含み、前記第1側面(252)は、前記パイロット開口寸法よりも小さい最大第1側面径を有し、 前記第1コーティング(116)は、実質上完全に前記第1端面(250)を被覆しており、 前記第2部分(114)は、第2端面(260)および第2側面(262)を含み、前記第2側面(262)は、前記最大第1側面径よりも大きい少なくとも1つの第2側面径を有し、 前記第2コーティング(118)は、前記第1コーティング(116)とは異なる材料を含んでおり、前記第2コーティング(118)は、前記第2端面(260)の少なくとも一部を被覆している、請求項1に記載の切削工具(100)。前記第2部分(114)は、前記第1部分(112)に隣接しており、前記第1端面(250)は、略円板状であり、前記第2端面(260)は、略円環状である、請求項2に記載の切削工具(100)。前記第1端面(250)は第1端面切削エッジ(256)を含み、前記第2端面(260)は第2端面切削エッジ(266)を含んでいる、請求項3に記載の切削工具(100)。前記第1コーティング(116)は、前記第2コーティング(118)よりも高い耐摩耗性を有する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の切削工具(100)。前記第2部分(114)は、前記第1コーティング(116)を実質的に含まない、請求項1〜5のいずれか1つに記載の切削工具(100)。前記第1コーティング(116)および前記第2コーティング(118)は、前記第1部分(112)に沿って、少なくとも部分的に重なり合っている、請求項1〜6のいずれか1つに記載の切削工具(100)。前記第2コーティング(118)は、前記第1コーティング(116)を被覆する、請求項1〜7のいずれか1つに記載の切削工具(100)。前記第2コーティング(118)は、前記第1部分(112)を、実質上完全に被覆する、請求項1〜8のいずれか1つに記載の切削工具(100)。前記第1部分(112)および前記第2部分(114)のうち少なくとも1つはテーパー面を含む、請求項1〜9のいずれか1つに記載の切削工具(100)。少なくとも2つの層を含む積層体(230)を処理する方法であって、 切削工具(100)を提供することを含み、前記切削工具は、 シャンク(120)と、 第1部分(112)とを備え、前記第1部分は、少なくとも第1コーティング(116)を含むか、または前記第1コーティング(116)および第2コーティング(118)の両方を含み、前記第1コーティング(116)は少なくとも部分的に前記第1部分(112)を被覆し、 前記シャンク(120)と前記第1部分(112)との間に第2部分(114)をさらに備え、前記シャンク(120)、前記第1部分(112)、および前記第2部分(114)は、縦対称軸を共有し、前記第2部分(114)は第2コーティング(118)を含み、前記第2コーティング(118)は、少なくとも部分的に前記第2部分(114)を被覆し、 前記方法は、前記切削工具(100)を前記縦対称軸を中心として回転させ、前記切削工具(100)を前記積層体(230)内に付勢することにより最終開口部を形成することをさらに含み、前記最終開口部は、最終開口径を有するとともに、前記少なくとも2つの層を貫通しており、前記第1部分(112)は、パイロット開口部(240)よりも小さく、前記パイロット開口部は、パイロット開口寸法を有するとともに、前記少なくとも2つの層のうちの少なくとも1つを貫通しており、前記最終開口径は、前記パイロット開口寸法と略同一またはそれよりも大きく、前記最終開口部は、前記パイロット開口部(240)と略同軸状である、方法。前記積層体(230)における前記少なくとも2つの層は、第1層と第2層を含み、前記第1層は、前記第2層とは異なる材料を含んでいる、請求項11に記載の方法。前記積層体(230)における少なくとも2つの層は、複合材料を含む複合層(234)と、鉄材料を含む鉄層(232)とを含み、前記パイロット開口部(240)は、少なくとも前記鉄層(232)を貫通しており、前記切削工具(100)が前記積層体(230)内に付勢される際に、前記第1コーティング(116)は、前記鉄層(232)の前記鉄材料に接触しない、請求項11〜12のいずれか1つに記載の方法。前記パイロット開口部(240)は、前記鉄層(232)を貫通しており、前記複合層(234)は貫通していない、請求項13に記載の方法。前記切削工具(100)を回転させて前記積層体(230)内に付勢する際に、前記切削工具(100)を作業軸を中心として軌道周回させることをさらに含む、請求項11〜14のいずれか1つに記載の方法。

说明书全文

本開示は、積層体に開口部を形成するためのシステムおよび方法に関する。

例えば、航空機や航空機アセンブリ等の製品は、異なるタイプの材料で形成された複数の部品を含む場合がある。異なる材料で形成された複数の層が積層体に含まれている場合、この積層体に切削工具を用いて開口部を形成する(例えば、穿孔する)際に、穿孔処理が複雑になる可能性がある。この結果、組み立て前に穿孔を完了しようとすると、工具および処理に多大な費用がかかる可能性がある。異なる複数の層に対して、効果的および/またはコスト効率よく穿孔を行うためには、異なる複数の工具または異なる複数の工具用コーティングが必要になる場合がある。例えば、一般的に、ベアカーバイド工具(bare carbide tools)は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の穿孔に用いられる場合には、比較的磨耗が早い。ここで、CFRPを穿孔するために、ダイヤモンドコーティングを施した工具を用いて磨耗特性を向上させることが考えられる。しかしながら、ダイヤモンドコーティングは、鋼層における鉄と化学反応を起こしてしまう。このため、ダイヤモンドコーティングを鋼に対して使用することは不適切である。

したがって、複数層からなる積層体に開口部を形成するための切削工具であって、上述した課題に対処することを目的とした切削工具が有用である。

本開示の一例は、積層体に最終開口部を形成するための切削工具に関し、当該積層体は、少なくとも2つの層およびパイロット開口部を含み、当該パイロット開口部は、パイロット開口寸法を有するとともに、当該少なくとも2つの層のうち少なくとも1つの層を貫通している。上記切削工具は、シャンクを含む。上記切削工具は、第1部分をさらに含み、当該第1部分は、少なくとも第1コーティングを含むか、または第1コーティングおよび第2コーティングの両方を含み、当該第1コーティングは少なくとも部分的に当該第1部分を被覆する。上記切削工具は、シャンクと第1部分との間に第2部分をさらに含み、当該第2部分は第2コーティングを含み、当該第2コーティングは、少なくとも部分的に当該第2部分を被覆する。

本開示の一例は、少なくとも2つの層を含む積層体を処理する方法に関する。上記方法は、切削工具を用意することを含み、当該切削工具は、シャンクと、第1部分とを備え、当該第1部分は、少なくとも第1コーティングを含むか、または第1コーティングおよび第2コーティングの両方を含み、当該第1コーティングは少なくとも部分的に当該第1部分を被覆し、当該シャンクと当該第1部分との間に第2部分をさらに備え、当該シャンク、当該第1部分、および当該第2部分は、縦対称軸を共有し、当該第2部分は第2コーティングを含み、当該第2コーティングは、少なくとも部分的に当該第2部分を被覆する。上記方法は、切削工具を縦対称軸を中心として回転させ、切削工具を積層体内に付勢することにより最終開口部を形成することをさらに含み、当該最終開口部は、最終開口径を有するとともに、少なくとも2つの層を貫通しており、上記第1部分は、パイロット開口部よりも小さく、パイロット開口部は、パイロット開口寸法を有するとともに、少なくとも2つの層のうちの少なくとも1つを貫通しており、最終開口径は、パイロット開口寸法と略同一またはそれよりも大きく、最終開口部は、パイロット開口部と略同軸状である。

一般的な文言を用いて開示例を説明してきたが、以下では添付の図面について記載する。これらの図面は、必ずしも縮尺にしたがっていない。また、いくつかの図面において、同じ参照符号は、同一または同様の部品を示す。

本開示の一態様に係る、切削工具のブロック図である。

本開示の一態様に係る、図1に示す切削工具、および、切削工具により一部に穴があけられる積層体を示す模式断面図である。

本開示の一態様に係る、図2に示す切削工具の模式斜視図である。

本開示の一態様に係る、図1に示す切削工具であって、テーパー面を有する切削工具を示す模式側面図である。

図1に示す切削工具であって、異なるコーティング形態を有する切削工具の例を示す模式断面図である。

パイロット開口部の異なる配置を示す模式断面図である。

積層体の一部に対する開口部の形成を示す模式断面図である。

本開示の1以上の態様に係る、図2に示す切削工具の軌道周回を示す図である。

本開示の一態様に係る、図1に示す切削工具を用いて、積層体の一部に開口部を形成する方法を示すブロック図である。

航空機製造およびサービス方法を示すフロー図である。

航空機の模式斜視図である。

上記ブロック図において、様々な要素同士および/または部品同士を接続する実線は、機械的結合、電気的結合、流体結合、光学的結合、電磁結合、ならびに、その他の結合および/またはこれらの組み合わせを示すものとする。本明細書で用いる「結合」とは、直接的または間接的に結び付いていることを意味する。例えば、部材Aと部材Bとは直接的に結び付いていてもよいし、例えば、他の部材Cを介して、間接的に結び付いていてもよい。ブロック図に示されていない結合もあり得る。様々な要素および/または部品を接続する破線が示されている場合、これらの破線は、機能および目的の点で、実線で示されている結合と同様である。しかしながら、破線で示されている結合は、選択的なものであるか、或は、本開示の代替的な態様または任意の態様に関するものである。同様に、破線で示されている要素および/または部品は、本開示の別の態様または任意の態様を示す。環境要素が示されている場合、これらの要素は、点線で示されている。

以下では、開示される概念に対する理解を助けるために多くの詳細な説明を行う。開示される概念は、これら詳細事項の一部または全てが欠けていても実施可能である。他の例では、周知の装置および/または処理についての詳細を省き、本開示が不必要に曖昧になることを避けている。いくつかの概念は、具体例を用いて説明しているが、これらの具体例に限定されるものではない。

本明細書において、「一例」または「一態様」との表現は、その例または態様に関連して記載されている1以上の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。本明細書の随所に見られる「一例」または「一態様」という表現は、それぞれが同じ例または同じ態様に言及している場合といない場合がある。

図1〜12に示すように、また、特に図2を参照すると、本開示の一例は、積層体230に最終開口部1104(図11D)を形成するための切削工具100に関し、当該積層体は、少なくとも2つの層(例えば、鉄層232および複合層234)およびパイロット開口部240を含み、当該パイロット開口部は、パイロット開口寸法242を有するとともに、当該少なくとも2つの層のうち少なくとも1つの層(例えば、鉄層232)を貫通している。切削工具100は、シャンク120を含む。切削工具100は、第1部分112をさらに含み、当該第1部分は、少なくとも第1コーティング116を含むか、または第1コーティング116および第2コーティング118の両方を含み、第1コーティング116は少なくとも部分的に第1部分112を被覆している。切削工具100は、シャンク120と第1部分112との間に第2部分114をさらに含み、第2部分114は第2コーティング118を含み、第2コーティング118は、少なくとも部分的に第2部分114を被覆する。パイロット開口寸法242は、直径であってもよい。本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、「第1」、「第2」、および「第3」等の文言は、単に標識として用いられており、これらの文言に関する要素に対し、順序や位置についての要件を表すものではない。例えば、「第1」および「第2」オブジェクトは、単に「第1」および「第2」との標識が付与されているからといって、互いに隣接する位置に配置されたり、互いに特定の順序で配置されたり、他のオブジェクトに対して特定の順序で配置されたりする必要はない。さらに、「第1」および「第2」オブジェクトを用いたからといって、必ずしも「第3」オブジェクト、「第4」オブジェクト等の使用を要求または排除するものではない。

引き続き図2を参照すると、例えば、第1部分112および第2部分114は、切削部分として構成されているか、切削部分を含み、当該切削部分は、積層体230の1以上の層から材料を除去するために用いられる。例えば、第1部分112および/または第2部分114は、材料の除去等を行うように構成された1以上の歯、ひだ(flutes)、または溝(channels)を含む。通常、第1部分112および第2部分114は、積層体230から材料を除去するために、切削工具100の縦対称軸202を中心として回転し、積層体230内に付勢されるように構成されている。本明細書で用いられる「回転」との文言は、ボディ部の回転軸が、そのボディ部の重心を通ることにより、ボディ部がそれ自体を中心に回転またはスピンすることをいう。いくつかの例では、回転に加えて、切削工具100が軌道上を移動するようにしてもよい。様々な例において、切削工具100は、軸方向穿孔用および/または軌道周回穿孔用に構成されてもよい。代替的または追加的には、切削工具100は、追加の作業または他の作業用に構成されているとしてもよい。一例として、切削工具100はリーミング(reaming)に用いてもよい。シャンク120は、そのサイズが調整され、アクチュエータ210に切削工具100を固定するための面を提供するように構成されている。このアクチュエータは、切削工具100を回転、または、回転および軌道周回させて、切削工具100を積層体230内に付勢するために用いられる。図2に示す例では、シャンク120は、切削工具100を、アクチュエータ210のホルダ220に固定するために用いられている。シャンク120のサイズは、例えば、ホルダ220の開口部に受け入れられるように調整される。シャンク120は、様々な例において、円形状、四形状、または多角形状の断面を有し、かつ/または段差を有してもよい。ホルダ220(例えば、チャック)は、切削工具100のシャンク120を着脱可能に受け入れるように構成することができる。通常、アクチュエータ210は、切削工具100を回転および軌道周回するように、および/または切削工具100を積層体230内に付勢して積層体230における材料を除去するように(例えば、開口部を形成および/または拡大するように)、構成されている。様々な例において、アクチュエータ210は、特に、軸方向ドリルや、軌道周回ドリル等として構成される。

本明細書に記載されているコーティング(例えば、第1コーティング116および第2コーティング118)は、これらのコーティングが塗布される下地基材(例えば、第1部分112および/または第2部分114の外面)とは異なる1以上の材料を含んでもよい。いくつかの例では、切削工具100の第1部分112および/または第2部分114は、1以上のコーティングが塗布される基材として用いられるカーバイド材料で構成してもよい。例えば、第1コーティング116および第2コーティング118は、切削作業用に優れた耐久性、耐摩耗性、信頼性、および/または精度を提供するように選択された材料で構成される。第1コーティング116および/または第2コーティング118は、概して厚みが均一になるように塗布される。第1コーティング116および/または第2コーティング118は、例えば、化学蒸着(CVD)工程を用いて塗布することができる。他の例では、第1コーティング116および/または第2コーティング118は、スパッタ蒸着等の、物理蒸着(PVD)工程を用いて塗布することができる。コーティングの特定の組成、コーティングの厚み、および、コーティングの塗布に用いられる技術は、所定の用途における特定の要件に基づいて決定される。このような要件には、切削工具100によって処理される材料も含まれる。

例えば図2に示すように、切削工具100は、ボディ部110を含んでいてもよく、当該ボディ部は、第1部分112、第2部分114、およびシャンク120を含む。シャンク120は、シャンク端206に近接して配置され、第1部分112は、工具100の切削エッジ204に近接して配置され、また、上述したように、第2部分114は、シャンク120と第1部分112との間に配置される。図2に示す例では、シャンク120は、第2部分114の真隣に(当該部分と連続して)位置しており、第2部分114は、第1部分112の真隣に(当該部分と連続して)位置している。しかしながら、他の例では、上述した隣接関係はなくてもよく、追加の部分が設けられても良い。本明細書で説明したように、第1部分112および第2部分114は、切削用に構成された部分、すなわち切削部分を含む。いくつかの例では、第1部分112および/または第2部分114は、切削用に用いられない少なくとも1つの部分を含んでもよい。例えば、図2に示すように、切削工具100におけるボディ部110の第2部分114は、シャンク端206に近接する非切削部分115を含んでもよい。非切削部分115等の非切削部分は、いくつかの例においては、コーティングが施されており(例えば、第1コーティング116および/または第2コーティング118)、その他の例においては、コーティングが施されていなくてもよい。

図5〜7等を参照すると、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、第1コーティング116は、切削工具100の第1部分112を実質上完全に被覆しており、第2コーティング118は、当該工具の第2部分114を実質上完全に被覆している。他の例では、第1コーティング116は第1部分112を完全に被覆しておらず、かつ/または第2コーティング118は第2部分114を完全に被覆していなくてもよい。例えば、図2に示すように、第2部分114は、第2コーティング118が塗布されていない非切削部分115を含んでいる。

図2および図5〜7等を参照すると、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、第1コーティング116は、切削工具100の第2コーティング118とは異なる。例えば、第1コーティング116は、積層体230における特定の材料の切削および/または層の切削には不適切な第1材料で構成し、第2コーティング118は、積層体230における特定の材料の切削および/または層の切削に適切な材料であって、第1材料とは異なる第2材料で構成してもよい。本明細書において、積層体材料の切削に適切なコーティング材料とは、積層体材料の切削を目的とする通常の使用において、商業的に受け入れられているものを指し、例えば、当業者であれば理解できるように、積層体材料の切削に用いた際に、妥当なレベルまたは実用的なレベルの磨耗性、性能、および反応性を発揮するコーティング材料を指す。本明細書において、積層体材料の切削に不適切なコーティング材料とは、当業者であれば理解できるように、積層体材料の切削に用いるには非実用的または高価過ぎる材料を指し、例えば、切削特性が不十分であったり、材料間での望まれない相互作用、例えば、汚損や汚染等が生じさせるものをいう。例えば、特定の積層体材料に対してコーティング材料を用いた際に、そのコーティング材料が、当業者が予測するよりも早く磨耗するか、または、十分な性能を提供できない(例えば、必要な材料除去速度より低い、または、表面仕上げが劣る)場合、当該コーティング材料は、特定の積層体材料に対して使用するには不適切である。他の例として、コーティング材料が、積層体材料と化学反応を起こし、コーティング材料および/または積層体材料を汚損または破損する場合、当該コーティング材料は、この積層体材料に対して使用するには不適切である。

一例において、工具100の第1コーティング116は、積層体230の第1(一方の)層を切削する用途には適しているが、積層体230の第2(他方の)層を切削する用途には適しておらず、また、第2コーティング118は、積層体230の第2層を切削する用途に適している。この例では、積層体230の第2層にパイロット開口部240を設けてもよい。このパイロット開口部は、サイズを調整してもよく、このサイズ調整は、積層体230の第2層に開口部を形成するための切削工程において、第1コーティング116が、積層体230の第2層に接触せず、代わりに第2コーティング118が積層体230の第2層に接触するように行われる。

例えば図2に示すように、積層体230は、鉄層232、複合層234、および非鉄層236を含む。鉄層232は、鉄を含む材料で形成してもよいし、当該材料を含むもので形成してもよい。鉄を含む材料としては、例えば、炭素鋼等の鉄合金がある。複合層234は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等の複合材料で形成してもよいし、当該複合材料を含むもので形成してもよい。非鉄層236は、例えば、非鉄金属または非鉄合金(チタン、アルミニウム等)、もしくは繊維グラス等の材料から形成してもよいし、当該材料を含むもので形成してもよい。上述した例を参照すると、複合層234は、第1層であって、第1コーティング116を用いた切削が適切な層の例であり、鉄層232は、第2層であって、第1コーティング116を用いた切削が不適切な層の例である。図2に示すように、パイロット開口部240のパイロット開口寸法242は、第1部分112が通過するための隙間を提供できるようにサイズ調整される。この調整は、アクチュエータ210を操作して積層体230における材料を除去する(例えば、開口部を形成する)際に、第1コーティング116が、鉄層232に接触しないように行われる。パイロット開口部240および第2部分114は、第2コーティング118が鉄層232に接触して、鉄層232から材料を除去できるように(例えば、パイロット開口部240を拡大するために、および/もしくは、パイロット開口部240に対して所望の均一性または所望の仕上げを提供するために)サイズ調整または選択が行われる。

したがって、様々な例においては、切削工具100の第1部分112、およびパイロット開口部240に対してサイズ調整が行われることにより、切削工具の第1コーティング116が、第1コーティング116と共に使用するには不適切である材料に接触しない構成とし、さらに、第1コーティング116と共に使用するには不適切である材料の切削は、第2部分114(および第2コーティング118)を使用して行うようにする。図2に示すパイロット開口部240は、鉄層232のみを貫通しているが、他の例では、パイロット開口部240は、1以上の他の層(例えば、非鉄層236)を貫通し、かつ/または追加のパイロット開口部が他の層に設けられてもよい。異なる材料を含む第1コーティング116および第2コーティング118に関し、追加的または代替的に、第2コーティング118を塗布するために用いられるものとは異なる技術を用いて、第1コーティング116を切削工具100に塗布することができる。例えば、CVDを用いて第1コーティング116を塗布し、PVDを用いて第2コーティング118を塗布してもよい。

例えば図2を参照すると、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、切削工具100の第1コーティング116は、ダイヤモンド材料を含んでいる。ダイヤモンド材料は、例えば、CVD技術を用いて塗布されるダイヤモンドコーティングとすることができ、切削工具100の第1部分112に塗布される。例えば、ダイヤモンドコーティングを塗布する基材として、金属または合金を用いてもよい。金属または合金の種類によっては、ダイヤモンドコーティングを塗布する前に、前処理を行う必要が生じる場合がある。ダイヤモンドコーティングは、CFRP、繊維ガラス、チタン、およびアルミニウム等の材料を切削するために用いられてもよいが、鋼や他の鉄材料の切削には適さない可能性がある。さらに、ダイヤモンドコーティングは、表面の汚染および基材の欠陥に対する許容性が比較的低い。このため、基材に対するコーティングの接着が不十分な場合、その原因は、基材の汚染および欠陥や、不適切な基材の使用による可能性がある。様々な例においては、ダイヤモンドコーティングの厚みは比較的薄く、例えば、約0.0002インチ(約0.005mm)としてもよい。より厚みがあるコーティングを他の例で用いてもよい。様々な例においては、コーティングの粒径は、約0.00008インチ(約2マイクロメートル)としてもよい。より大きな粒径を他の例で用いてもよい。

通常、ダイヤモンドコーティングは、コーティングされていない切削面(例えば、カーバイド表面)や他のコーティング(例えば、窒化アルミクロム(AlCrN)コーティング)に比べて、優れた硬度および優れた耐摩耗性を有する。しかしながら、ダイヤモンドコーティングは、他のコーティングに比べると高価となり得る。さらに、ダイヤモンドコーティングは、特定の材料、例えば鉄材料を切削するには不適合または不適切である場合がある。ダイヤモンドコーティングが施された切削面を使用して鉄材料を切削すると、ダイヤモンドコーティングが施された切削面の汚損・汚染や、切削された鉄材料の汚損・汚染が生じることがある。例えば、鉄材料の切削により生じる摩擦および熱によって化学反応が生じ、この結果、ダイヤモンドコーティング内の炭素が、鉄材料内に拡散して、コーティングの汚染・汚損や、コーティングの加速・早期磨耗や欠陥が生じることがある。

上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、切削工具100の第2コーティング118は、AlCrN材料を含んでいる。AlCrNコーティングは、例えば、PVD工程を用いて塗布することができる。AlCrNコーティングは、塗布されていない面(例えば、カーバイド)に比べて、優れた硬度および耐摩耗性を有し得るが、ダイヤモンドコーティングに比べると、その硬度および耐摩耗性は低い。AlCrNコーティングは、鉄材料およびその他(例えば、複合)の材料の両方の切削に適する。このため、切削工具100を用いて鉄層および非鉄層の両方に開口部を形成する場合には、第1部分112および第2部分114にAlCrNコーティングを塗布してもよい。例えば、PVDによるAlCrNコーティングは、鋼またはその他の鉄材料の切削に適しており、さらにCFRP、繊維ガラス、チタン、およびアルミニウムの切削にも適している。したがって、いくつかの例では、ある材料を切削するために、第1コーティング116は不適切であるが、第2コーティング118であれば適切な場合がある。通常、AlCrNコーティングは、CFRPの切削に適しているといえる。しかしながら、CFRPに使用する場合には、AlCrNの磨耗特性と比較すると、ダイヤモンドコーティングの磨耗特性の方がより好ましいことは、当業者であれば分かるであろう。様々な例においては、ダイヤモンドコーティングおよび/またはAlCrNコーティングに対して、1以上の異なるコーティングを代替的または追加的に用いてもよい。

したがって、切削工具100の第1コーティング116がダイヤモンド材料を含んでおり、積層体230が鉄材料を含む少なくとも1つの層を含んでいる場合、切削工具100および積層体230は次のように構成されなければならない。すなわち、切削工具100を用いて積層体230を処理する際に、鉄材料の切削に適している第2コーティング118のみが鉄材料に接触し、第1コーティング116は鉄材料に接触しないように構成されなければならない。例えば、図2等に示すように、第1コーティング116は、切削工具100の第1部分112に限定して塗布され、パイロット開口部240は、鉄層232に形成され、さらに、第1部分112およびパイロット開口部240のサイズ調整は、切削工具100が積層体230内に付勢された際に、第1部分112および第1コーティング116が、鉄材料に接触しないように行われる。したがって、例えば、第1コーティング116(例えば、ダイヤモンドコーティング)は、第1コーティング116の好適な磨耗特性の利点を活かして、積層体230における1以上の材料(例えば、CFRP)を切削する場合に用いられ、第2コーティング118(例えば、AlCrNコーティング)は、第1コーティング116を用いた切削には適さない材料(鋼)や、その他の材料の切削に用いられるようにしてもよい。

例えば図5に示すように、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、工具100の第2部分114は、第1コーティング116を実質的に含まない。例えば、第1コーティング116を切削工具100に塗布する場合に、第2部分114をマスクしてもよい。図5等にも示すように、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、工具100の第1部分112は第2コーティング118を実質的に含まず、工具100の第2部分114は、第1コーティング116を実質的に含まない。

上述した様々な例において、第1コーティング116および/または第2コーティング118を、第1部分112または第2部分114のいずれか1つに実質的に限定して塗布してもよい。しかしながら、いくつかの例では、1以上のコーティングを複数の部分に塗布することもできる。

図6に示すように、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、切削工具100の第1コーティング116および第2コーティング118は、当該工具の第1部分112に沿って、少なくとも部分的に重なりあっている。図6および7に示すように、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、第2コーティング118は、第1コーティング116を被覆している。図7等を参照すると、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、第2コーティング118は、第1部分112を実質上完全に被覆している。いくつかの例において、第1コーティング116はダイヤモンド材料を含み、第2コーティング118はAlCrN材料を含む。

AlCrNコーティングは、ダイヤモンドコーティング上に塗布される場合にはダイヤモンド材料に十分に付着するが、ダイヤモンド材料は、AlCrNコーティング上に塗布される場合にはAlCrNコーティングに十分に付着しない可能性があることは、当業者であれば理解するであろう。AlCrN材料は、鉄材料と複合材料との両方の切削に適しており、AlCrNコーティングは、ダイヤモンドコーティング上に実用的または適切に塗布可能であるため、第2コーティング118は、第1コーティング116(ダイヤモンド)が既に塗布されている第1部分112を実質上完全に被覆してもよい。AlCrNコーティングが磨耗すると、ダイヤモンドコーティングが露出して、複合材料または非鉄(例えば、チタン)材料の処理に用いられることになる。しかしながら、ダイヤモンドコーティングは、AlCrNコーティング上に実用的または適切に塗布されず、また、ダイヤモンドコーティングは、鉄材料の処理には不適切であるため、いくつかの実施形態においては、ダイヤモンドコーティングは、第2コーティング118上に塗布してはならない。したがって、第1コーティング116および第2コーティング118が重なり合ういくつかの実施形態では、これらのコーティングは、付着特性に基づいて、特定の順序でのみ切削工具100に塗布される(例えば、第2コーティング118の前に第1コーティング116を塗布する)。

例えば図2を参照すると、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、第1コーティング116は、第2コーティング118よりも高い耐摩耗性を有する。例えば、上述したように、第1コーティング116は、第2コーティング118よりも高い耐摩耗性を有するダイヤモンド材料を含んでおり、当該第2コーティングは、AlCrN材料を含んでいる。なお、耐摩耗性は、必ずしも材料の硬度により決定されない場合がある。例えば、2つの材料は、互いに硬度が類似していても、耐磨耗性は異なる場合がある。当業者であれば、異なるタイプの耐摩耗性が存在することは理解するであろう。耐摩耗性の1つのタイプとしては、低応力摩擦またはスクラッチ摩擦がある。スクラッチ摩擦に対する材料の耐性の測定方法としては、乾燥砂ラバーホイール試験(Dry Sand Rubber Wheel Test)、またはASTM G65がある。乾燥砂ラバーホイール試験は、管理された一連の実験室条件下において、重量損失の点から材料を特徴付けるものである。実際の現場状況との相関関係は、他の磨耗パラメータの影響を受ける場合があり、そのようなパラメータとして、例えば、衝撃量、腐食量、または摩滅量等がある。しかしながら、材料の現場性能についての洞察は、材料の化学的性質および材料の微細構造に対する乾燥砂ラバーホイール試験の結果を考察することにより得ることができる。上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、切削工具100の少なくとも一部(例えば、シャンク120および/または非切削部分115)は、第1コーティング116および第2コーティング118よりも低い耐磨耗性を有する。

上述したように、様々な例において、切削工具100を用いて積層体230を処理する際に、第1コーティング116および第1部分112が、パイロット開口部240を含む積層体230の1以上の層(例えば、鉄層232)と接触しないように、切削工具100が構成される。再度図2を参照すると、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、第1部分112は、第1端面250および第1側面252を含んでいる。第1側面252は、パイロット開口寸法242よりも小さい最大第1側面径254を有する。第1コーティング116は、実質上完全に第1端面250を被覆している。第2部分114は、第2端面260および第2側面262を含んでいる。第2側面262は、最大第1側面径254よりも大きい少なくとも1つの第2側面径264を有する。第2コーティング118は、第1コーティング116とは異なる材料を含んでおり、第2コーティング118は、第2端面260の少なくとも一部を被覆している。

最大第1側面径254および第2側面径264は、切削工具100のボディ部110の下地材料、すなわち下地基材と、塗布されるコーティングの厚みを含んだ状態にて測定または決定される。いくつかの例では、第1部分112(第1側面252)の直径は、第1部分112の長さに沿って略一定であってもよい。これにより、第1部分112の直径は、その長さに沿ったいずれの位置であっても最大第1側面径254となる。同様に、第2部分114(第2側面262)の直径は、第2部分114の長さに沿って略一定であってもよい。これにより、第2部分114の直径は、その長さに沿ったいずれの位置であっても第2側面径264となる。なお、「直径」という文言が用いられているが、第1部分112および第2部分114の断面は、真円状または連続した円形状である必要はない。例えば、第1側面252および第2側面262に沿って、ひだ(flutes)、歯、または他の特異部が存在していてもよい。

切削工具100の第2側面径264は、パイロット開口寸法242と略同一またはそれよりも大きいサイズであり、これにより、第2側面径264を用いて、パイロット開口部240を含む積層体230の1以上の層(例えば、鉄層232)から材料を除去することができる。いくつかの例においては、第2側面径264は、パイロット開口部240よりも小さくてもよい。この場合にも、切削工具100を軌道周回させることにより、鉄層232から材料を除去することができる。最大第1側面径254は、パイロット開口部240よりも小さく、このため、第1コーティング116を鉄層232に接触させることなく第1部分112を積層体230内に付勢することができる。さらに、縦対称軸202を横断する方向における第1部分112の移動(例えば、切削工具100の軌道周回による移動)は、パイロット開口部240よりも小さい範囲に限定してもよい。これは、第1コーティング116と鉄層232との間の接触を避けるためである。

図2および3に示すように、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、第2部分114は、第1部分112に隣接しており、第1端面250は、略円板状であり、第2端面260は、略円環状である。例えば図3を参照すると、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、第1端面250は第1端面切削エッジ256を含み、第2端面260は第2端面切削エッジ266を含んでいる。上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、第1側面252は、第1側面切削エッジ258を含み、第2側面262は、第2側面切削エッジ268を含む。本明細書で用いられている、面の切削エッジとは、必ずしも面の全体を占有している必要はなく、また、2つの異なる面の境界に位置する必要もない。切削エッジは、面の一部であってもよい。さらに、いくつかの例においては、特定の面は、複数の切削エッジを含むこともある。様々な例において、切削エッジは、面上に形成されており、具体的には、2つの面の接続部および/または2つの面の接続部の近傍に形成されているとしてもよい。

図2および3に示すように、切削工具100の第1部分112および/または第2部分114は、概して円筒状である。しかしながら、様々な例において、これ以外の形状であってもよい。例えば図4に示すように、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、第1部分112および第2部分114のうち少なくとも1つはテーパー面を含む。例えば、第1部分112は第1テーパー面402を含み、第2部分114は第2テーパー面404を含んでもよい。いくつかの例においては、第1部分112および第2部分114のうち少なくとも1つは、その長さ略全体に沿ってテーパー状である側面を有してもよく、あるいは、テーパー状部分および非テーパー状部分を有する側面を有してもよい。いくつかの例では、第1部分112および/または第2部分114は、概して円錐状または円錐台形状にテーパーが付けられている。テーパー側面は、それ自体に沿って、ひだ(flutes)、歯、または他の特異部を有していてもよい。円錐状以外の形状、例えば、第1部分112および/または第2部分114に沿って異なる直径を有する形状を用いてもよい。したがって、いくつかの例では、第1部分112および/または第2部分114は、異なる直径を有する段差部を含んでもよい。

全体としては図1〜12、および、特に図13を参照すると、本開示の一例は、少なくとも2つの層(例えば、鉄層232および複合層234)を含む積層体230を処理する方法1300に関する。方法1300は、切削工具100を用意することを含む(工程1308)。図1および2に示すように、切削工具100は、シャンク120と、第1部分112とを備え、第1部分は、少なくとも第1コーティング116を含むか、または第1コーティング116および第2コーティング118の両方を含み、第1コーティング116は少なくとも部分的に第1部分112を被覆し、シャンク120と第1部分112との間に第2部分114をさらに備え、シャンク120、第1部分112、および第2部分114は、縦対称軸202を共有し、第2部分114は第2コーティング118を含み、第2コーティング118は、少なくとも部分的に第2部分114を被覆している。図13および図1〜2を参照すると、上記方法は、切削工具100を縦対称軸202を中心として回転させ、切削工具100を積層体230内に付勢することにより最終開口部1104(例えば、図11Dを参照)を形成することをさらに含み、当該最終開口部は、最終開口径1106を有するとともに、少なくとも2つの層を貫通しており、第1部分112は、パイロット開口部240よりも小さく、当該パイロット開口部は、パイロット開口寸法242を有するとともに、少なくとも2つの層のうちの少なくとも1つを貫通しており、最終開口径1106(例えば、図11Dを参照)は、パイロット開口寸法242と略同一またはそれよりも大きく、最終開口部1104は、パイロット開口部240と同軸状である(工程1312)。

1以上の開口部(例えば、パイロット開口部240および/または最終開口部1104)は、略円形状であってもよい。他の例においては、他の形状(例えば、楕円形状、スロット形状等)を有する開口部を用いてもよい。パイロット開口部240は、1つの層のみを貫通していてもよいし、複数の層を貫通していてもよい。さらに、いくつかの例では、複数のパイロット開口部(例えば、第1層における第1パイロット開口部および第2層における第2パイロット開口部)を設けてもよい。例えば、第2パイロット開口部は、第1パイロット開口部が位置する層に隣接していない層に設けられ、かつ/または、第2パイロット開口部は、第1パイロット開口部とは異なったサイズを有してもよい。第1および第2パイロット開口部は並置されてもよい。

本明細書に記載する方法の工程を説明する開示および図面は、必ずしも一連の工程を決定するものではない。むしろ、1つの例示的な順序が示されてはいるが、この一連の工程は当然ながら適宜変形可能である。さらに、本開示のいくつかの態様においては、本明細書に記載されている全ての工程を行う必要はない。

例えば図11Aを参照すると、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、方法1300を実行する際に、積層体230における少なくとも2つの層(例えば、鉄層232および複合層234)は、第1層(例えば、鉄層232)と第2層(例えば、複合層234)を含み、第1層(例えば、鉄層232)は、第2層(例えば、複合層234)とは異なる材料を含んでいる。本明細書で説明したように、複数の層のうちの1つは、工具100の第1コーティング116と第2コーティング118とのうちいずれか1つを用いた切削には適さない材料を含んでもよい。例えば、第1コーティング116は、鉄層232の切削には適さないダイヤモンド材料を含むとしてもよい。

例えば図2を参照すると、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、積層体230における少なくとも2つの層は、複合材料を含む複合層234と、鉄材料を含む鉄層232とを含み、パイロット開口部240は、少なくとも鉄層232を貫通しており、切削工具100が積層体230内に付勢される際に、第1コーティング116は、鉄層232の鉄材料に接触しない。したがって、例えば、工具100の第1コーティング116(例えば、ダイヤモンドコーティング)が、鉄層232の切削に適さない場合、第1コーティング116が鉄層232の鉄材料の切削に用いられることを防止したり、当該鉄材料と接触したりすることを防止することができる。本開示の一態様(例えば、図8〜10を参照)において、パイロット開口部240は、鉄層232を貫通しているが、複合層234は貫通していない。上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、最終開口部1104は、複合層234に形成され、この形成は、最終開口部1104が鉄層232に形成される前に行われる。例えば、図8〜10に示すように、切削工具100を、積層体230の底部から、積層体230内に付勢する場合、最終開口部1104(図11Dを参照)は、鉄層232よりも前に複合層234に形成される。上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、最終開口部1104は、鉄層232に形成され、この形成は、最終開口部1104が複合層234に形成される前に行われる。例えば、図8〜10から分かるように、切削工具100を、積層体230の頂部から、積層体230内に付勢する場合、最終開口部1104は、複合層234よりも前に鉄層232に形成される。

図2および8〜10等を参照すると、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、少なくとも2つの層は、複合材料を含む複合層234と、鉄材料を含む鉄層232と、少なくとも1つの追加層(例えば、非鉄層236)とを含み、パイロット開口部240は少なくとも鉄層232を貫通しているが、複合層234は貫通していない。図8〜10において、積層体230の例が示されており、パイロット開口部240は、鉄層232を貫通しているが、複合層234は貫通していない。パイロット開口部240は、鉄層232のみを貫通していてもよいし、1以上の他の層を貫通していてもよい。例えば、図8および図10に示すように、パイロット開口部240は、鉄層232および非鉄層236を貫通しているが、複合層234は貫通していない。図9に示すように、パイロット開口部240は、鉄層232のみを貫通している。いくつかの例において、パイロット開口部240は、図8および10に示すように、露出していてもよい(例えば、積層体230の外層を通っていてもよい)。他の例において、パイロット開口部240は、図9に示すように、隠されていてもよい(例えば、1以上の内層のみを貫通していてもよい)。なお、パイロット開口部240が隠されている例では、切削工具100が積層体230内に付勢される際に、積層体230は所定の位置に保持されていてもよく、かつ/または、パイロット開口部240と切削工具100との位置合わせを補助するために、外層は、パイロット開口部240の位置に対応する印もしくはガイドを含んでもよい。

パイロット開口部240は、鉄層232を貫通しているが、複合層234には貫通していない状態で、第1コーティング116(例えば、ダイヤモンドコーティング)を有利に用いて、複合材料を除去してもよい。この複合材料は、第1コーティング116よりも、第2コーティング118を速く磨耗させると考えられる。複合材料の除去を行う際、第1コーティング116が、鉄層232の切削に用いられないようにするか、または、当該鉄層と接触しないようにする。本明細書に記載したように、切削工具100の様々な部分に異なるコーティングを設けることにより、切削工具100の性能および/または耐用年数を向上させるとともに、材料とコーティングとの相互作用によって、汚損、汚染、その他の支障が生じることを避けることができる。したがって、あるタイプのコーティング(例えば、ダイヤモンドコーティング)を用いて切削工具100の特定の部分を被覆し、異なるタイプのコーティング(例えば、AlCrN等の耐摩耗性PVDコーティング)を用いて当該切削工具の他の部分を被覆することにより、ハイブリッド被覆切削工具を提供することができる。この切削工具を用いて複合積層体(例えば、複合層や鉄層等の、異なる材料からなる複数の層を含む積層体)に開口部を形成することができ、切削工具100は、切削工具100の各部位において、様々な目標耐摩耗性を有することになる。切削工具100を用いることにより、例えば、組み立てコストの削減および/または生産性の向上および/または品質の向上が可能である。なお、図8〜10に示す様々な積層体は、例示的な目的で一例として示されているのであって、何ら限定を意味するものではない。様々な例において、積層体の各層は、その数、タイプ、または配置が異なっていてもよい。

各例において、パイロット開口部240の配置は積層体230内で変更してもよく、さらに、積層体230を形成するための1以上の層のアセンブリに対してパイロット開口部240を形成するタイミングも変更してよい。上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、方法1300は、2つの層(例えば、鉄層232および複合層234)を組み立てて積層体230を形成する(工程1302)前に、パイロット開口部を形成する(工程1304)ことをさらに含む。例えば、いくつかの例において、鉄層232は、パイロット開口部240が既に鉄層232に形成された状態で提供されてもよく、このパイロット開口部は、鉄層232および複合層234(いくつかの例においては、これらの層に加えてさらに追加層)を接合して積層体230を形成する前に形成されたものであるとしてもよい。代替的には、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、方法1300は、2つの層(例えば、鉄層232および複合層234)を組み立てて積層体230を形成した(工程1302)後に、パイロット開口部を形成する(工程1305)ことをさらに含む。例えば、鉄層232(パイロット開口部240は、この鉄層にまだ形成されていない状態)および複合層234(いくつかの例においては、これらの層に加えてさらに追加層)を接合して積層体230を形成してもよく、これらの層を組み合わせた後で(例えば、所定の深さまで積層体を穿孔することにより)パイロット開口部240を形成してもよい。いくつかの例において、積層体230の形成前または後に、追加層(例えば、非鉄層236)にもパイロット開口部240を形成してもよい(工程1306)。

図11A〜11Dは、積層体230において、最終開口部1104を形成する一例を示す。図11Aに示すように、鉄層232と、複合層234と、非鉄層236とを含む積層体230を用意する(工程1302)。この鉄層は、積層体230の一方側に位置し、複合層は積層体230の他方側に位置し、非鉄層は、鉄層232と複合層234との間に介在している。他の例においては、異なる層または追加の層を用いてもよいし、かつ/または、層の特定の順序もしくは配向を変化させてもよい。図11Aに示すように、この例では、パイロット開口部240を形成する前に積層体230を組み立てている。様々な他の例、例えばパイロット開口部240が1以上の内層(図9を参照)にのみ提供される例においては、層を組み立てて積層体230を形成する前に、パイロット開口部を形成してもよい。

図11Bに示すように、一例において、パイロット開口部240を、鉄層232に形成し(工程1304)、さらに、非鉄層236(工程1306)にも形成する。パイロット開口部240の形成時に、その深さは、鉄層232および非鉄層236を貫通しているが、複合層234には貫通しない深さであるように設定してもよい。他の例では、パイロット開口部240は、鉄層232を貫通するが、非鉄層236は貫通しないように形成してもよい。パイロット開口部240が形成された後、切削工具100を積層体230内に付勢して最終開口部1104を形成する。

例えば図2、3、11Cおよび13を参照すると、切削工具100を回転させて積層体内に付勢すると、材料が除去される。例えば、切削工具100は、積層体の頂部から積層体230内に付勢される。切削工具100の第1部分112は、パイロット開口部240を通れるようにサイズ調整されている。このサイズ調整は、パイロット開口部240が貫通する鉄層232および非鉄層236に対して、第1部分が接触しないように行われる。第1部分112が複合層234に到達すると、第1端面切削エッジ256が、複合層234に接触して複合層234から材料を除去することにより、第1層開口部1102を形成する(工程1310)。この例では、第1層開口部1102は、パイロット開口部240よりも小さく、これによって、第1コーティング116が、積層体230におけるパイロット開口部240の貫通している(1つまたは複数の)層に接触しないようにしている。したがって、第1コーティング116は、複合材料を除去するために用いられるダイヤモンド材料を含むことができ、このダイヤモンド材料が、鉄層232と接触して、当該鉄層と化学反応を起こすことも避けることができる。

例えば、図2、3、11Dおよび13を参照すると、切削工具100を回転させて積層体230内に付勢すると、切削工具の第2部分114が、積層体の様々な層に接触することにより、材料の除去および最終開口部1104の形成を行う(工程1312)。図11Dに示す例では、最終開口部1104は、パイロット開口寸法242よりも大きい最終開口径1106を有している。他の例では、最終開口径1106およびパイロット開口寸法242は略同一サイズであってもよい。図面を見やすくするため、図11Cおよび11Dにおいては、切削工具100の第1部分112および第2部分114によって形成されたそれぞれの開口部は、異なる時に形成されたものとして示されている。しかしながら、第2部分114および第1部分112は、様々な例において、並行または同時に各層から材料を除去してもよい(例えば、第2部分114は、鉄層232に最終開口部を形成し、その一方で第1部分112は、複合層234に第1開口部を形成する)。例えば、第1部分112の長さ、ならびに、積層体230の各層の厚みおよび配置は、各層の厚みに応じて選択してもよい。これにより、切削工具100が、積層体230内に付勢される際に、第1層開口部1102および最終開口部1104が略同時または異なる時に形成される。図11A〜Dに示される例は、例示的な目的で提供されているのであって、何ら限定を意味するものではない。様々な例において、積層体の各層は、その数、タイプ、または配置が異なっていてもよい。

例えば、図12Aおよび13を参照すると、上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において、方法1300は、切削工具100を縦対称軸202を中心として回転させ、積層体230内に付勢する際に、切削工具100を、作業軸1204を中心として軌道周回させることを含む(工程1314)。本明細書で用いられている作業軸1204は、パイロット開口部240および/または最終開口部1104の対称軸である(図11D)。軌道周回は、最終開口部1104および/または第1層開口部1102の形成と共に行てもよい。軌道周回の際に、切削工具100は、縦対称軸202を中心として回転されるとともに、作業軸1204を中心として回転されてもよい。縦対称軸202と作業軸1204との間は、オフセット距離1202だけ離れている。したがって、切削工具100の特定部分を用いることにより、切削工具100の特定部分の直径よりも大きい開口部を形成することができる。図12Bに示すように、切削工具100を軌道周回させないで穿孔することにより形成された非軌道開口部1206は、切削工具100を軌道周回させて穿孔することにより形成された軌道開口部1208よりも小さい。概して、オフセット距離1202が長いほど、非軌道開口部1206と軌道開口部1208との間のサイズ差が大きい。一例として、最終開口部1104の最終開口径1106は、最終開口部1104の形成に用いられる切削工具100の第2側面径264よりも大きくしてもよい。他の例として、第1層開口部1102の形成は、その直径が、第1層開口部1102の形成に用いられる切削工具100の最大第1側面径254よりも大きくなるように形成してもよい。軌道周回穿孔を用いると、単一サイズの切削工具であっても、複数のサイズおよび/または形状の開口部を形成することができる。切削工具100の軌道周回運動を制御して、非円形軌道周回させることにより、非円形開口部を形成することもできる。パイロット開口部240のサイズ、オフセット距離1202、および最大第1側面径254を設定する際、切削工具100の第1コーティング116が、積層体230の1以上の層、例えば、鉄層232に接触しないよう設定する。

上述および/または後述する例および態様の要部の少なくとも一部を含み得る本開示の一態様において(例えば、図11Dを参照)、最終開口部1104は、積層体230の各層を貫通するように形成される。しかしながら、他の例においては、最終開口部1104は、積層体の全ての層を貫通するようには形成されていない場合がある(例えば、最終開口部1104は、カウンタボアまたは固定深度ボアとして形成されてもよい)。

本開示に係る要部の説明的かつ非包括的な例を付記1〜xに示す。これらの例は、請求項に記載されているものと記載されていないものとがある。

付記A1. 積層体230に最終開口部を形成するための切削工具100であって、当該積層体は、少なくとも2つの層およびパイロット開口部240を含み、当該パイロット開口部は、パイロット開口寸法を有するとともに、少なくとも2つの層のうち少なくとも1つの層を貫通しており、切削工具100は、 シャンク120と、 第1部分112とを備え、第1部分は、少なくとも第1コーティング116を含むか、または第1コーティング116および第2コーティング118の両方を含み、第1コーティング116は少なくとも部分的に第1部分112を被覆し、 シャンク120と第1部分112との間に第2部分114をさらに備え、第2部分114は第2コーティング118を含み、第2コーティング118は、少なくとも部分的に第2部分114を被覆する、切削工具。

付記A2. 第1部分112は、第1端面250および第1側面252を含み、第1側面252は、パイロット開口寸法よりも小さい最大第1側面径を有し、 第1コーティング116は、実質上完全に第1端面250を被覆しており、 第2部分114は、第2端面260および第2側面262を含み、第2側面262は、最大第1側面径よりも大きい少なくとも1つの第2側面径を有し、 第2コーティング118は、第1コーティング116とは異なる材料を含んでおり、第2コーティング118は、第2端面260の少なくとも一部を被覆している、付記A1に記載の切削工具100。

付記A3. 第2部分114は、第1部分112に隣接しており、第1端面250は、略円板状であり、第2端面260は、略円環状である、付記A2に記載の切削工具100。

付記A4. 第1端面250は第1端面切削エッジ256を含み、第2端面260は第2端面切削エッジ266を含んでいる、付記A3に記載の切削工具100。

付記A5. 第1コーティング116は、第2コーティング118よりも高い耐摩耗性を有する、付記A1〜A4のいずれか1つに記載の切削工具100。

付記A6. 第1コーティング116は、ダイヤモンド材料を含む、付記A1〜A5のいずれか1つに記載の切削工具100。

付記A7. 第2コーティング118は、AlCrN材料を含む、付記A6に記載の切削工具100。

付記A8. 第2部分114は、第1コーティング116を実質的に含まない、付記A1〜A7のいずれか1つに記載の切削工具100。

付記A9. 第1コーティング116および第2コーティング118は、第1部分112に沿って、少なくとも部分的に重なり合っている、付記A1〜A8のいずれか1つに記載の切削工具100。

付記A10. 第2コーティング118は、第1コーティング116を被覆する、付記A1〜A9のいずれか1つに記載の切削工具100。

付記A11. 第2コーティング118は、第1部分112を、実質上完全に被覆する、付記A1〜A10のいずれか1つに記載の切削工具100。

付記A12. 第1部分112および第2部分114のうち少なくとも1つはテーパー面を含む、付記A1〜A11のいずれか1つに記載の切削工具100。

付記A13. 第1部分112は、実質的に第2コーティング118を含まず、第2部分114は、実質的に第1コーティング116を含まない、付記A1〜A7に記載の切削工具100。

付記B14. 少なくとも2つの層を含む積層体230を処理する方法であって、当該方法は、 切削工具100を用意することを含み、切削工具は、 シャンク120と、 第1部分112とを備え、第1部分は、少なくとも第1コーティング116を含むか、または第1コーティング116および第2コーティング118の両方を含み、第1コーティング116は少なくとも部分的に第1部分112を被覆し、 シャンク120と第1部分112との間に第2部分114をさらに備え、シャンク120、第1部分112、および第2部分114は、縦対称軸を共有し、第2部分114は第2コーティング118を含み、第2コーティング118は、少なくとも部分的に第2部分114を被覆し、 上記方法は、切削工具100を縦対称軸を中心として回転させ、切削工具100を積層体230内に付勢することにより最終開口部を形成することをさらに含み、最終開口部は、最終開口径を有するとともに、少なくとも2つの層を貫通しており、第1部分112は、パイロット開口部240よりも小さく、パイロット開口部は、パイロット開口寸法を有するとともに、少なくとも2つの層のうちの少なくとも1つを貫通しており、最終開口径は、パイロット開口寸法と略同一またはそれよりも大きく、最終開口部は、パイロット開口部240と略同軸状である、方法。

付記B15. 積層体230における少なくとも2つの層は、第1層と第2層を含み、第1層は、第2層とは異なる材料を含んでいる、付記B14に記載の方法。

付記B16. 積層体230における少なくとも2つの層は、複合材料を含む複合層234と、鉄材料を含む鉄層232とを含み、パイロット開口部240は、少なくとも鉄層232を貫通しており、切削工具100が積層体230内に付勢される際に、第1コーティング116は、鉄層232の鉄材料に接触しない、付記B14〜B15のいずれか1つに記載の方法。

付記B17. パイロット開口部240は、鉄層232を貫通しているが、複合層234は貫通していない、付記B16に記載の方法。

付記B18. 上記少なくとも2つの層を組み合わせて積層体230を形成する前に、パイロット開口部240を形成することをさらに含む、付記B14〜B17のいずれか1つに記載の方法。

付記B19. 上記少なくとも2つの層を組み合わせて積層体230を形成を形成した後に、パイロット開口部240を形成することをさらに含む、付記B14〜B17のいずれか1つに記載の方法。

付記B20. 切削工具100を回転させて積層体230内に付勢する際に、切削工具100を作業軸を中心として軌道周回させることをさらに含む、付記B14〜B19のいずれか1つに記載の方法。

本開示における各例は、図14に示す航空機製造およびサービス方法1400、ならびに図15に示す航空機1402に関連して適用することもできる。生産開始前の工程として、例示的方法1400は、航空機1402の仕様決定および設計1404と、材料調達1406とを含む。生産中の工程として、部品および小組立品の製造1408と、システムインテグレーション1410とが行われる。その後、航空機1402は、例えば、認証および納品1412の工程を経て、就航1414に入る。顧客によるサービス中は、航空機1402は、定例のメンテナンスおよびサービス1416のスケジュールに組み込まれる(これは、改良、再構成、改修なども含む場合がある)。

例示的方法1400の各処理は、システムインテグレーター、第三者、および/またはオペレータ(例えば、顧客)によって実行または実施することができる。この説明のために言及すると、システムインテグレーターは、航空機メーカーおよび主要システム下請業者をいくつ含んでいてもよいが、これに限定されない。第三者は、売主、下請業者、供給業者をいくつ含んでいてもよいが、これに限定されない。オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス組織等であってもよい。

図15に示すように、例示的方法1400によって製造される航空機1402は、複数の高準システムおよび内装1422を具備した機体1420を含んでもよい。高水準システムの例としては、1以上の推進系1424、電気系1426、油圧系1428、および環境系1430が挙げられる。また、その他のシステムをいくつ含んでいてもよい。また、航空宇宙産業に用いた場合を例として説明したが、本開示の原理は、例えば自動車産業および造船産業等の他の産業に適用してもよい。

本明細書において図示または記載された装置および方法は、製造およびサービス方法1400の1つまたはそれ以上のどの段階において用いられてもよい。例えば、部品および小組立品の製造工程1408に対応する部品または小組立品は、航空機1402のサービス中に製造される部品または小部品と同様に組み立てまたは製造することができる。また、1以上の装置の態様、方法の態様、またはそれらの組み合わせを、例えば、実質的に航空機1402の組み立て速度を速めたりコストを削減したりすることによって、製造工程1408および1410で用いてもよい。同様に、限定するものではないが、1以上の装置の実施態様、1以上方法の実施態様、または、それらの組み合わせを、航空機1402のサービス中に、例えばメンテナンスおよびサービス1416に用いてもよい。

本明細書に開示されている装置および方法についての各例および態様は、様々な部品、特徴、および機能を含んでいる。当然ながら、本明細書に開示されている装置および方法についての様々な例および態様は、本明細書に開示されている装置および方法についての他の例および態様における部品、特徴、および機能を、どのような組み合わせで含んでいてもよく、このような可能性の全ては本開示の精神および範囲に含まれるものとする。

以上の記載および関連図面において開示による利点を述べたが、本開示に関連する当業者であれば、開示されている要部について多くの変形が予測可能であろう。したがって、本開示は、提供されている特定の例および態様に限定されるべきではなく、これらの変形も、添付する請求の範囲に含まれることは言うまでもない。さらに、上述した開示および関連図面は、特定の要素および/または機能の例示的組み合わせについて記載しているが、添付する請求の範囲から逸脱することなく、異なる要素および/または機能の組み合わせを用いることが可能であることを理解されたい。

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