Cutting methods and cutting equipment

申请号 JP2008179412 申请日 2008-07-09 公开(公告)号 JP5171444B2 公开(公告)日 2013-03-27
申请人 オークマ株式会社; 发明人 清 吉野;
摘要 A tool main spindle, whose cutting angle can be changed, is translated by an X-axis moving mechanism portion on an X-axis provided in a plane perpendicular to an axis of a work; and is translated on a Y-axis by a Y-axis moving mechanism portion. Cutting of the work is performed by setting the cutting angle of the tool main spindle to an angle of the cutting tool at which the work has large dynamic rigidity, and causing an axis of a cutting tool to cross the work axis, and cutting the work with the cutting tool toward the axis of the work by cooperatively operating the X-axis moving mechanism portion and the Y-axis moving mechanism portion.
权利要求
  • ワークの軸線に直交する方向から前記軸線に向けて切削工具を配置し、前記切削工具によるワーク切り込み角度を変更する角度変更手段を備えて切削加工を行う切削加工方法であって、
    ワークの動剛性が大きい角度を検出する角度検出ステップと、
    ワーク軸線に向かって切削工具を切り込む角度を、前記動剛性が大きい角度になるよう前記角度変更手段を調整する切り込み角度設定ステップと、
    設定された切り込み角度を維持して前記切削工具によりワークを切削する切削ステップと、を有することを特徴とする切削加工方法。
  • ワークの軸線に直交する方向から前記軸線に向けて切削工具を配置し、ワーク或いは切削工具のうち一方が回転して切削する切削加工装置であって、
    前記切削工具のワーク切り込み角度を変更する角度変更手段と、ワークの動剛性が大きい角度を検出する角度検出手段と、前記角度変更手段を制御する角度設定手段と、切削を制御する切削制御手段と、を有し、
    前記角度設定手段が、前記角度検出手段により検出された動剛性が大きい角度に一致するよう前記角度変更手段を制御すると共に、前記切削制御手段が、前記角度設定手段により設定された切り込み角度を維持して前記切削工具によりワークの切削を実施することを特徴とする切削加工装置。
  • ワークの軸線に対して垂直な方向に配置された工具主軸に前記切削工具が装着される一方、前記角度変更手段が、ワークの軸線に垂直な平面内に設けた第1軸上を移動する第1移動手段と、ワークの軸線に垂直な平面内に設けた前記第1軸とは異なる第2軸上を移動する第2移動手段と、前記工具主軸に設けた切り込み角度を変更可能とする工具主軸回動部とで構成され、
    前記角度設定手段が、前記角度検出手段により検出された動剛性が大きい角度になるよう前記工具主軸の切り込み角度を制御すると共に、前記第1移動手段及び前記第2移動手段を制御して前記切削工具の軸線をワークの軸線に交差させ、
    前記切削制御手段が、前記第1移動手段及び前記第2移動手段を制御して前記切削工具を2軸上で並進移動させて、前記交差状態を維持させながら回転しているワークに対してワークの回転中心に向かって切り込み制御する請求項2記載の切削加工装置。
  • ワークの軸線に対して垂直な方向に配置された刃物台に前記切削工具が装着される一方、前記角度変更手段が、前記刃物台の高さを調整する下サドルと、前記下サドル上で前記刃物台の切り込み角度を変更するための上サドルとからなる複合サドルで構成され、
    更に前記上サドルには、前記切削工具を設定された切り込み角度方向へ並進移動させる1軸移動手段を備え、
    前記角度設定手段が、前記角度検出手段により検出された動剛性が大きい角度に、前記刃物台の切り込み角度がなるよう前記上サドルの角度を制御すると共に、前記下サドルを制御して前記切削工具の軸線をワークの軸線に交差させ、
    前記切削制御手段が、前記1軸移動手段を制御して回転しているワークに対してワークの回転中心に向かって切り込み制御する請求項2記載の切削加工装置。
  • ワークの軸線に対して垂直な方向に配置され、工具回転手段を備えた工具主軸に前記切削工具が装着される一方、前記角度変更手段が、ワークの軸線に垂直な平面内に設けた第1軸上を移動する第1移動手段と、ワークの軸線に垂直な平面内に設けた前記第1軸とは異なる第2軸上を移動する第2移動手段と、前記工具主軸に設けた切り込み角度を変更可能とする工具主軸回動部とで構成され、
    前記角度設定手段が、前記角度検出手段により検出された動剛性が大きい角度になるよう前記工具主軸の切り込み角度を制御すると共に、前記第1移動手段及び前記第2移動手段を制御して前記切削工具の軸線をワークの軸線に交差させ、
    前記切削制御手段が、前記第1移動手段及び前記第2移動手段を制御して前記切削工具を2軸上で並進移動させ、前記交差状態を維持させながら前記切削工具を回転させて、ワークに対してワークの回転中心に向かって切り込み制御する請求項2記載の切削加工装置。
  • ワークの軸線に対して垂直な方向に配置され、工具回転手段を備えた刃物台に前記切削工具が装着される一方、前記角度変更手段が、前記刃物台の高さを調整する下サドルと、前記下サドル上で前記刃物台の切り込み角度を変更する上サドルとからなる複合サドルで構成され、
    更に前記上サドルには、前記切削工具を設定された切り込み角度方向へ並進移動させる1軸移動手段を備え、
    前記角度設定手段が、前記角度検出手段により検出された動剛性が大きい角度に、前記刃物台の切り込み角度が設定されるよう前記上サドルの角度を制御すると共に、前記下サドルを制御して前記切削工具の軸線をワークの軸線に交差させ、
    前記切削制御手段が、前記交差状態を維持させながら、前記1軸移動手段を制御して前記切削工具を回転させて、ワークに対してワークの回転中心に向かって切り込み制御する請求項2記載の切削加工装置。
  • 说明书全文

    本発明は切削加工に関し、特にワークにびびり振動等が発生し難く、精度の高い切削加工が可能な切削加工方法及び切削加工装置に関する。

    切削加工は、通常図11の説明図に示すような構成で行われる。 図11において、35は被切削加工物(ワーク)、36は刃物台、37は切削工具、38はモータであり、M1はワーク35の軸線、M5は工具軸線を示している。 この図11に示すように、刃物台36はワーク35の軸線M1と工具軸線M5が交差するように切削工具37を備え、モータ38によりX軸方向に並進移動可能となっている。 そして、外径切削加工は、切削工具によるワーク35の軸線方向切り込みを、ワーク35に対してモータ38によりX軸方向から行い、ワーク35を回転させながら切削工具37をワーク軸線M1方向に送ることで実施している。

    しかし、この加工方法で重切削を行うと、ワーク35の動剛性が小さい場合はびびり振動が発生して、ワーク加工面の仕上げ精度を悪化させたり、切削工具37を損傷させるなどの問題が生じる場合があった。 そこで、このような問題を解決するために、たとえば特許文献1や特許文献2に記載された切削加工方法が提案された。 特許文献1に記載されている方法は、ワーク35を旋削加工(切削加工)するにあたり、振れ止め装置をワーク35に当接させてワーク35の振動を抑えるものであった。 また、特許文献2に記載されている方法は、ワーク35の回転速度、即ち、主軸の回転速度を周期的に変動させて、びびり振動の抑制を図るものであった。

    実用新案登録2590593号公報

    特開昭49−105277号公報

    しかしながら、上記特許文献1に記載の方法は、ワーク35の振れ止め装置が加工機械内に設置されるため、加工領域が狭くなり工作機械の小型化には不向きであった。 一方、特許文献2に記載の方法は、加工中に主軸の回転速度を変動させるため、ワーク35の加工面に回転速度の変動に起因した筋目が残りやすく、仕上げ精度が悪化するといった問題があった。

    ここで、ワークのびびり振動と動剛性について説明すると、ワークのびびり振動は加工時に発生する振動現象で、加工条件やワークの動剛性等によって発生の有無が決まり、重切削など負荷の大きい加工条件で発生しやすく、ワークの動剛性が小さいと発生し易い。
    図12は動剛性の逆数であるワークの動コンプライアンスの一例を示している。 この図から、度30°方向は動コンプライアンスが小さく(動剛性の値が大きく)、120°方向は動コンプライアンスが大きく(動剛性が小さく)なっていることがわかる。 このように、ワークの動コンプライアンスには通常異方性があり、角度により動剛性が変化する。 これは、ワーク自体が円柱形状で等方的であっても同様であり、主軸台に内在している異方性の影響を受けるためである。

    この測定結果から、切削加工時にワークの回転中心に向かって切り込む角度が、ワークの動コンプライアンスが大きい120°の角度であればびびり振動が発生し易いが、動コンプライアンスの小さい30°の角度であればびびり振動が発生し難く良好な加工が可能となる。 また、切削工具が回転工具である場合の転削加工も同様であり、動コンプライアンスの小さい角度から切削加工すれば剛性の高い角度での加工となり、精度の高い加工が可能となる。

    そこで、本発明は、上記ワークの動剛性の特性を鑑みて成されたものであって、加工領域を狭くする事無く、また加工面の仕上げ精度を損ねることなく、びびり振動を抑制できると共に加工精度を向上できる汎用性の高い切削加工方法及び切削加工装置を提供することを目的としている。

    上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、ワークの軸線に直交する方向から前記軸線に向けて切削工具を配置し、前記切削工具によるワーク切り込み角度を変更する角度変更手段を備えて切削加工を行う切削加工方法であって、ワークの動剛性が大きい角度を検出する角度検出ステップと、ワーク軸線に向かって切削工具を切り込む角度を、前記動剛性が大きい角度になるよう前記角度変更手段を調整する切り込み角度設定ステップと、設定された切り込み角度を維持して前記切削工具によりワークを切削する切削ステップと、を有することを特徴とする。
    この方法によれば、ワークの回転中心に向かって切り込む角度をワークの動剛性の大きい方向に決定して加工するため、びびり振動の発生を抑えることができるし精度の高い加工を実施することができる。 加えて、振れ止め装置といった装置を必要としないため、加工領域に影響を与えず汎用性が高い。

    請求項2の発明は、ワークの軸線に直交する方向から前記軸線に向けて切削工具を配置し、ワーク或いは切削工具のうち一方が回転して切削する切削加工装置であって、前記切削工具のワーク切り込み角度を変更する角度変更手段と、ワークの動剛性が大きい角度を検出する角度検出手段と、前記角度変更手段を制御する角度設定手段と、切削を制御する切削制御手段と、を有し、前記角度設定手段が、前記角度検出手段により検出された動剛性が大きい角度に一致するよう前記角度変更手段を制御すると共に、前記切削制御手段が、前記角度設定手段により設定された切り込み角度を維持して前記切削工具によりワークの切削を実施することを特徴とする。
    この構成によれば、角度検出手段が動剛性が最も大きい角度を検出して、角度設定手段がワークの回転中心に向かって切り込む角度をその方向に設定して加工するため、びびり振動の発生を抑えることができ、精度の高い加工を実施することができる。 加えて、振れ止め装置といった装置を必要としないため、加工領域に影響を与えず汎用性が高い。

    請求項3の発明は、請求項2に記載の発明において、ワークの軸線に対して垂直な方向に配置された工具主軸に前記切削工具が装着される一方、前記角度変更手段が、ワークの軸線に垂直な平面内に設けた第1軸上を移動する第1移動手段と、ワークの軸線に垂直な平面内に設けた前記第1軸とは異なる第2軸上を移動する第2移動手段と、前記工具主軸に設けた切り込み角度を変更可能とする工具主軸回動部とで構成され、前記角度設定手段が、前記角度検出手段により検出された動剛性が大きい角度になるよう前記工具主軸の切り込み角度を制御すると共に、前記第1移動手段及び前記第2移動手段を制御して前記切削工具の軸線をワークの軸線に交差させ、前記切削制御手段が、前記第1移動手段及び前記第2移動手段を制御して前記切削工具を2軸上で並進移動させて、前記交差状態を維持させながら回転しているワークに対してワークの回転中心に向かって切り込み制御することを特徴とする。
    この構成によれば、工具主軸回動部を回動させることで切り込み角度を動剛性が大きい角度に容易に設定できる。 そして、第1移動手段と第2移動手段により切削工具を並進移動させて回転するワークを切削することができ、びびり振動の発生を抑えて精度の高い旋削加工を実施することができる。

    請求項4の発明は、請求項2に記載の発明において、ワークの軸線に対して垂直な方向に配置された刃物台に前記切削工具が装着される一方、前記角度変更手段が、前記刃物台の高さを調整する下サドルと、前記下サドル上で前記刃物台の切り込み角度を変更するための上サドルとからなる複合サドルで構成され、更に前記上サドルには、前記切削工具を設定された切り込み角度方向へ並進移動させる1軸移動手段を備え、前記角度設定手段が、前記角度検出手段により検出された動剛性が大きい角度に、前記刃物台の切り込み角度がなるよう前記上サドルの角度を制御すると共に、前記下サドルを制御して前記切削工具の軸線をワークの軸線に交差させ、前記切削制御手段が、前記1軸移動手段を制御して回転しているワークに対してワークの回転中心に向かって切り込み制御することを特徴とする。
    この構成によれば、刃物台の傾斜角度を変えることで、切り込み角度を動剛性が大きい角度に容易に設定できる。 そして、下サドルと上サドルにより切削工具の軸線をワークの軸線に交差させ、切り込み角度を維持させて回転するワークを切削することができ、びびり振動の発生を抑えて精度の高い旋削加工を実施することができる。

    請求項5の発明は、請求項2に記載の発明において、ワークの軸線に対して垂直な方向に配置され、工具回転手段を備えた工具主軸に前記切削工具が装着される一方、前記角度変更手段が、ワークの軸線に垂直な平面内に設けた第1軸上を移動する第1移動手段と、ワークの軸線に垂直な平面内に設けた前記第1軸とは異なる第2軸上を移動する第2移動手段と、前記工具主軸に設けた切り込み角度を変更可能とする工具主軸回動部とで構成され、前記角度設定手段が、前記角度検出手段により検出された動剛性が大きい角度になるよう前記工具主軸の切り込み角度を制御すると共に、前記第1移動手段及び前記第2移動手段を制御して前記切削工具の軸線をワークの軸線に交差させ、前記切削制御手段が、前記第1移動手段及び前記第2移動手段を制御して前記切削工具を2軸上で並進移動させ、前記交差状態を維持させながら前記切削工具を回転させてワークに対してワークの回転中心に向かって切り込み制御することを特徴とする。
    この構成によれば、工具主軸回動部を回動させることで、切り込み角度を動剛性が大きい角度に容易に設定できる。 そして、第1移動手段と第2移動手段により切削工具を並進移動させて回転工具によりワークを切削することができ、びびり振動の発生を抑えて精度の高い転削加工を実施することができる。

    請求項6の発明は、請求項2に記載の発明において、ワークの軸線に対して垂直な方向に配置され、工具回転手段を備えた刃物台に前記切削工具が装着される一方、前記角度変更手段が、前記刃物台の高さを調整する下サドルと、前記下サドル上で前記刃物台の切り込み角度を変更するための上サドルとからなる複合サドルで構成され、更に前記上サドルには、前記切削工具を設定された切り込み角度方向へ並進移動させる1軸移動手段を備え、前記角度設定手段が、前記角度検出手段により検出された動剛性が大きい角度に、前記刃物台の切り込み角度がなるよう前記上サドルの角度を制御すると共に、前記下サドルを制御して前記切削工具の軸線をワークの軸線に交差させ、前記切削制御手段が、前記1軸移動手段を制御して前記切削工具を回転させてワークに対してワークの回転中心に向かって切り込み制御することを特徴とする。
    この構成によれば、刃物台の傾斜角度を変えることで、切り込み角度を動剛性が大きい角度に容易に設定できる。 そして、下サドルと上サドルにより切削工具の軸線をワークの軸線に交差させ、切り込み角度を維持させながら回転工具によりワークを切削でき、びびり振動の発生を抑えて精度の高い転削加工を実施することができる。

    本発明によれば、ワークの回転中心に向かって切り込む角度をワークの動剛性の大きい方向に決定し加工することができる。 よって、びびり振動の発生を抑え、仕上げ面精度の高い加工を実施することができる。 加えて、振れ止め装置といった装置を別途必要としないため、加工領域に影響を与えず汎用性が高い。

    以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
    〈第1実施形態〉
    図1〜3は本発明に係る切削加工装置の第1の実施形態を示す説明図であり、図1はY軸方向から見た平面図、図2はワークの軸線方向から見た正面図を示している。 図1,図2において、1は切削加工装置の主軸台、2は主軸台1に回転可能に支持された主軸、3はワーク5を把持するための爪4を備えて主軸2の先端に設置されたチャック、6は切削工具、7は切削工具6を取り付ける工具主軸、8は工具主軸7をY軸方向に並進移動させるY軸移動機構部、9は切削加工装置の図示しない基台上に設置されて工具主軸7のX軸方向への移動を可能とするサドル、10はサドル9をX軸方向へ並進移動させるX軸移動機構部である。

    Y軸移動機構部8及びX軸移動機構部10は、ボールねじ機構で構成され、Y軸移動機構部8は、サドル9に設置されたY軸モータ8aにより駆動され、X軸移動機構部10は基台に設置されたX軸モータ10aにより駆動される。

    尚、M1はワークの回転中心であるワーク軸線、M2は工具主軸軸線、M3は工具軸線を示し、ワーク軸線M1に垂直な平面をXY平面としている。 そして、工具主軸7は、その先端部に、工具主軸軸線M2と工具軸線M3が交差する形で回転割り出し可能に切削工具6を保持し、切削工具の切り込み角度の変更を可能とするための工具主軸回動部L1を備えている。

    図3は、この切削加工装置を制御する制御装置を示している。 この図3に示すように、各種モータを制御するための数値制御装置40、動剛性の大きい角度を算出する角度検出装置41、主軸2の回転角度を検出する主軸角度検出器42、X軸モータ10a駆動によるX軸変位量を検出するX軸検出器43、Y軸モータ8a駆動によるY軸変位を検出するY軸検出器44、切削工具6の角度を検出する工具角度検出器45を備えている。
    尚、2aは主軸2を回転させる主軸モータ、7aは工具主軸回動部L1を駆動する工具主軸モータである。

    そして、数値制御装置40は、ワーク加工プログラムを記憶するプログラム記憶部47、加工プログラムを解析するプログラム解析部48、各種モータを制御する駆動制御部49を備え、角度検出装置41は、インパルスハンマ51、動コンプライアンス算出部52、動コンプライアンスから動剛性が最大となる角度を算出する演算部53を備えている。

    詳しくは、角度検出装置41において、インパルスハンマ51により生じた振動を動コンプライアンス算出部52にてフーリエ解析等の処理を行い、動コンプライアンス値に変更する。 演算部52では、動コンプライアンス値と主軸角度とが同時に入され、動コンプライアンスが最小(動剛性が最大)となる主軸角度=ワークの角度(θ)が求められる。 これは、インパルスハンマによる測定時に順次送られてくる動コンプライアンス値を以前に値と比較しながら小さい値と角度を残しても良いし、主軸(ワーク)1回転分の値を記憶し、その中の最小値の角度を選出しても良い。
    そして、演算部53により求められた動剛性が最大となる角度は、駆動制御部49に送られ、駆動制御部49では通常の加工プログラムを解析して生成された制御指令と合成し、モータ駆動信号を生成して各モータを制御する。

    このように構成された切削加工装置による切削加工は以下のように実施される。 まず上述した手順で動剛性が最大となる角度(θ)が求められる。 そして、この測定結果から、ワーク5の動剛性が大きい方向がX軸方向からθの角度である場合(図2に示した状態)、数値制御装置40により工具主軸7の工具主軸回動部L1が制御されて、ワーク5の軸線M1に向かって、即ち回転中心に向かって切り込む角度がθとなる。
    その後、数値制御装置40により、X軸モータ10a及びY軸モータ8aが操作されて、この角度において切削工具6の工具軸線M3がワーク軸線M1に交差する状態が維持され、切削工具がワーク軸線M1に向かって切り込む切削制御(旋削制御)が行われる。

    ワーク5に対する切削外径加工は、ワーク5を主軸2とともに回転させながら、切削工具の切り込み角度θを一定に保つと共に、工具軸線M3をワーク軸線M1に交差させた状態を維持させて切削工具を並進移動させて行われる。 即ち、切削工具6をワーク5に対してワーク軸線M1に向かって切り込んで切削される。
    切削工具6の並進操作は、X軸モータ10aとY軸モータ8aを協調動作させて工具主軸7を移動させることで実施され、こうしてワーク5の外周面が切り込まれる。 ついで、ワーク軸線M1に沿って送ることにより外径切削加工が行われる。

    尚、ワーク外周に溝入れ加工を行う場合も同様であり、外径切削と同様に切削工具6の角度を割り出し、X、Y軸の合成による移動動作で工具軸線M3に沿って工具主軸7を送り、切削加工が実施される。

    このように、ワークの回転中心に向かって切り込む角度をワークの動剛性の大きい方向に決定して加工するため、びびり振動の発生を抑えることができるし精度の高い加工を実施することができる。 加えて、振れ止め装置といった装置を必要としないため、加工領域に影響を与えず汎用性が高い。
    また、工具主軸回動部を回動させることで切り込み角度を動剛性が大きい角度に容易に設定できるし、X軸移動機構部とY軸移動機構部により切削工具を並進移動させることで、回転するワークに対してワーク軸線と工具軸線の交差状態を維持させて切削することができ、精度の高い旋削加工を実施することができる。

    〈第2実施形態〉
    図4は本発明に係る切削加工装置の第2の実施形態を示している。 この図4はワーク5の軸線方向から見た正面図であり、15はY軸方向に並進移動する下サドル、16は下サドル15をY軸方向に並進移動させるY軸移動機構部、18は下サドル15の上に配置され切削工具19に切り込み角度を与える上サドル、17は上サドル18の傾斜角度を調整するジャッキ、20は切削工具19が装着される刃物台、21は刃物台20を並進移動させるXS軸移動機構部である。

    上サドル18は、ワーク5側の一端が下サドル15に回転自在に連結され、他端が伸縮動作するジャッキ17で支持されている。 刃物台20は、上サドル18上に設けられたXS軸移動機構部21を介して上サドル18に設置され、上サドル18の最大傾斜方向へ並進移動可能に設置されている。

    Y軸移動機構部16及びXS軸移動機構部21は、ボールねじ機構で構成され、Y軸移動機構部16は、図示しない基台に設置されたY軸モータ16aにより駆動され、XS軸軸移動機構部21は上サドル18に設置されたXS軸モータ21aにより駆動される。 こうして、刃物台20は、下サドル15と上サドル18とからなる複合サドルにより上下移動すると共に、切り込み角度を変更でき、Y軸モータ16aとジャッキ17に設けられている図示しないジャッキ駆動モータを制御することで任意の切り込み角度に設定できる。 尚、M4は工具軸線を示している。

    図5は、この切削加工装置を制御する制御装置を示している。 上記図3に示す制御装置とは駆動制御部49が制御するモータ及び検出器の構成が異なり、XS軸モータ21a、このXS軸モータ21aの駆動による変位量を検出するXS軸検出器55、ジャッキ17を駆動するジャッキ駆動モータ17a、このジャッキ駆動モータ17aの駆動により変化する角度を検出するジャッキ角度検出器57を備えている。 尚、上記図3と同様の構成要素には同一の符号を付与し、説明を省略する。

    このように構成された切削加工装置による切削加工は以下のように実施される。 最初に、上述した第1の実施形態と同様の手順で動剛性が最大となる角度(θ)が求められる。 尚、この角度は、X軸方向からみた角度であり、図4は求めた角度θに設定した状態を示している。
    こうして求めた角度情報を基に、数値制御装置40によりジャッキ駆動モータ17aが制御されて、ワーク5の回転中心に向かって切り込む角度がθに設定される。

    そして、数値制御装置40は、ワーク軸線M1と工具軸線M4が交差するよう刃物台20の高さをY軸移動機構部16のY軸モータ16aで調整し、その後XS軸移動機構部21のXS軸モータ21aを制御して、刃物台20及び切削工具19を並進動作させてワーク5の回転中心に向かって切り込みが成され、切削加工が実施される。

    このように、ワークの回転中心に向かって切り込む角度をワークの動剛性の大きい方向に決定して加工するため、びびり振動の発生を抑えることができるし精度の高い加工を実施することができる。 加えて、振れ止め装置といった装置を必要としないため、加工領域に影響を与えず汎用性が高い。
    また、刃物台の傾斜角度を変えることで、切り込み角度を動剛性が大きい角度に容易に設定できるし、下サドルと上サドルにより切削工具の軸線をワークの軸線に交差させ、回転するワークに対してワーク軸線と工具軸線の交差状態を維持させて切削することができ、精度の高い旋削加工を実施することができる。

    尚、上記第1及び第2の実施形態では、ワーク5に対して切削工具6,19を移動させているが、切削加工はワーク5と切削工具6,19の相対的な移動により行われるものであり、切削工具6,19に対してワーク5が移動してもよい。

    〈第3実施形態〉
    図6,7は本発明に係る切削加工装置の第3の実施形態を示す説明図であり、図6はY軸方向から見た平面図、図7はワーク5の軸線M方向から見た正面図を示している。 上記第1の実施形態とは工具駆動機構は同様であるが、切削工具25自身が回転して転削加工を行う点が異なっている。
    図6,7において、24は工具回転モータ(図示せず)を内蔵した工具主軸、25は回転切削する回転工具(切削工具)、26はサドル9により工具主軸24を移動操作する主軸保持体であり、上記図1と同一の構成要素には同一の符号を付与してある。 尚、主軸保持体26には、切削工具25の切り込み角度の変更を可能とする工具主軸回動部L2が設けられている。

    また図8は、この切削加工装置を制御する制御装置を示している。 上記図3とは、制御対象に工具25を回転させる工具回転モータ25aが加わり、切削工具25の切り込み角度は工具主軸回動部L2を駆動する主軸保持体モータ26aで行われる点が異なっている。 尚、図3と同様の構成要素には同一の符号を付与して説明を省略する。

    このように構成された切削加工装置による切削加工は以下のように実施される。 最初に、上述した第1の実施形態で示した手順で動剛性が最大となる角度(θ)が求められる。 。 尚、この角度は、X軸方向からみた角度であり、図7は求めた角度θに設定した状態を示している。
    こうして求めた角度情報を基に、数値制御装置40により主軸保持体26の工具主軸回動部Lが回動操作されて、ワーク5の回転中心に向かって切り込む角度がθに設定される。 そして、数値制御装置40により、X軸モータ10a及びY軸モータ8aが制御され、この角度において切削工具25の工具軸線M3がワーク軸線M1に交差し、切削工具25がワーク軸線M1に向かって切り込みが実施される。

    ここでは、ワーク5を回転させずワーク5の切削加工が実施され、切削工具25の切り込み角度θを一定に保つと共に、工具軸線M3をワーク軸線M1に交差させた状態を維持させて、工具回転モータ25aにより切削工具25を回転させて実施される。 即ち、回転工具25をワーク5に対してワーク軸線M1に向かって切り込んでワークを転削加工する。

    尚、エンドミル等の工具を用いて、ワークの軸線方向に沿って工具を送ることにより外周に溝を加工したり、平面を加工したりする場合も同様であり、切削工具25の角度を割り出し、X,Y軸の合成による移動動作で工具軸線M3に沿って工具を送って切り込み、更に図示しないZ軸(ワーク軸線方向)の移動を行うことにより切削加工が行われる。

    このように、ワークの回転中心に向かって切り込む角度をワークの動剛性の大きい方向に決定して加工するため、びびり振動の発生を抑えることができるし精度の高い加工を実施することができる。 加えて、振れ止め装置といった装置を必要としないため、加工領域に影響を与えず汎用性が高い。
    また、主軸保持体の工具主軸回動部を回動させることで、切り込み角度を動剛性が大きい角度に容易に設定できるし、X軸移動機構部とY軸移動機構部により切削工具を並進移動させて回転工具によりワーク軸線と工具軸線の交差状態を維持させて切削することができ、精度の高い転削加工を実施することができる。

    〈第4実施形態〉
    図9は本発明に係る切削加工装置の第4の実施形態を示し、ワーク5の軸線方向から見た正面図を示している。 上記第2の実施形態とは工具駆動機構は同様であるが、切削工具29自身が回転して転削加工を行う点が異なっている。
    図9において、29は回転切削する回転工具(切削工具)、30はモータ(工具回転モータ)を内蔵した刃物台であり、上記図4と同一の構成要素には同一の符号を付与して説明を省略する。

    また図10は、この切削加工装置を制御する制御装置を示している。 上記図5とは、制御対象に切削工具29を回転させる工具回転モータ29aが加わった点が異なり、図5と同様の構成要素には同一の符号を付与して説明を省略する。

    このように構成された切削加工装置による切削加工は以下のように実施される。 まず第1の実施形態で示した手順で動剛性が最大となる角度(θ)が求められる。 尚、この角度は、X軸方向からみた角度であり、図9は求めた角度θに設定した状態を示している。 数値制御装置40によりジャッキ17のジャッキ駆動モータが制御されて、ワーク5の回転中心に向かって切り込む角度をθとしている。

    その後、数値制御装置40により、ワーク軸線M1と工具軸線M4が交差するよう刃物台30の高さがY軸移動機構部16のY軸モータ16aで調整され、その後XS軸移動機構部21のXSモータ21aが制御されて刃物台20及び切削工具19が並進動作して、回転させた切削工具29によりワーク5の軸線M1に向かって切り込みが成され、切削加工(転削加工)が実施される。

    尚、上記第3の実施形態と同様に、エンドミル等の工具を用いて、ワークの軸線方向に沿って工具を送ることにより外周に溝を加工したり、平面を加工したりする場合も同様であり、切削工具29の角度を割り出し、XS軸による移動動作で工具軸線M4に沿って工具を送って切り込み、更に図示しないZ軸(ワーク軸線方向)の動作を行うことにより切削加工が行われる。

    このように、ワークの回転中心に向かって切り込む角度をワークの動剛性の大きい方向に決定して加工するため、びびり振動の発生を抑えることができるし精度の高い加工を実施することができる。 加えて、振れ止め装置といった装置を必要としないため、加工領域に影響を与えず汎用性が高い。
    また、刃物台の傾斜角度を変えることで、切り込み角度を動剛性が大きい角度に容易に設定できる。 そして、下サドルと上サドルにより切削工具の軸線をワークの軸線に交差させ、切り込み角度を維持させながら回転工具によりワークを切削でき、びびり振動の発生を抑えて精度の高い転削加工を実施することができる。

    尚、上記実施形態は何れも、制御装置に角度検出装置41を設けて、自身の制御で動コンプライアンスを算出して動剛性が最大となる方向を求めているが、角度検出装置41は制御装置とは別体、即ち切削加工装置とは別体としても良く、必要なときに角度検出装置41を装着して動コンプライアンス等を求めても良い。

    本発明に係る切削加工装置の第1実施形態を示す平面説明図である。

    図1の正面説明図である。

    図1の切削加工装置の制御装置のブロック図である。

    本発明に係る切削加工装置の第2実施形態を示す正面説明図である。

    図4の切削加工装置の制御装置のブロック図である。

    本発明に係る切削加工装置の第3実施形態を示す平面説明図である。

    図6の正面説明図である。

    図6の切削加工装置の制御装置のブロック図である。

    本発明に係る切削加工装置の第4実施形態を示す正面説明図である。

    図9の切削加工装置の制御装置のブロック図である。

    従来の切削加工装置の概略図である。

    ワークの動剛性に異方性があることを示すワークの動コンプライアンス測定図である。

    符号の説明

    1・・主軸台、2・・主軸、2a・・主軸モータ、5・・ワーク、6・・切削工具、7・・工具主軸、8・・Y軸移動機構部(第2移動手段)、8a・・Y軸モータ、10・・X軸移動機構部(第1移動手段)、10a・・X軸モータ、15・・下サドル、16・・Y軸移動機構部(第2移動手段)、17・・ジャッキ、18・・上サドル、19・・切削工具、20・・刃物台、21・・XS軸移動機構部(1軸移動手段)、24・・工具主軸、25・・回転工具(切削工具)、25a・・工具回転モータ(工具回転手段)、26・・主軸保持体、29・・回転工具(切削工具)、29a・・工具回転モータ(工具回転手段)、30・・刃物台、40・・数値制御装置(角度変更手段)、41・・角度検出装置(角度検出手段)、M1・・ワーク軸線、M3,M4・・工具軸線、L1,L2・・工具主軸回動部。

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