Slide-fastener slider and its molding die

申请号 JP34980796 申请日 1996-12-27 公开(公告)号 JPH10179216A 公开(公告)日 1998-07-07
申请人 Ykk Corp; ワイケイケイ株式会社; 发明人 KOMURO SUSUMU; MINAMI HIROO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a high-quality slide-fastener slider which prevents the influences of cutting and springing-back when a pull holder is pressed and deformed or which prevents deformation of an upper wing piece. SOLUTION: In a slide-fastener slider, of the front and rear pole parts 4a, 4b of a roughly gate-shaped pull holder 4, the rear-end pole part 4a where a clearance is formed between it and an upper wing piece 1 is constructed of right and left side pieces suspended from a main body 4c, and one or more longitudinally extending ribs 4d are protrusively formed at the center of the back of the main body 4c. When the clearance is closed, local deformation of the upper wing piece does not cause even at the application of excessive pressure, the side pieces are first deformed, and when the pressure is released the pull holder 4 rises slightly because of its springing- back phenomenon, and at the same time the side pieces are elastically restored to their original shapes to keep the lower ends of the side pieces tightly stuck to the upper surface of the upper wing piece. Also, the ribs 4d projecting from the back of the pull holder 4 not only prevent occurring crack to the pull holder 4, etc., even under an excessive force when pressed, but also are prevented from making sliding contact with right and left inner ridges between a pull and the pull holder 4 simultaneously.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 前端部がダイヤモンド部(3) により連結された上下翼片(1,2)からなる胴体(B) と前記上翼片(1)
    の上面に固着された引手保持体(4) とが一体にダイカスト成形されてなるスライドファスナー用スライダーであって、 前記引手保持体(4) は少なくとも前端に柱部(4a)をもつ略門型をなしており、その前端柱部(4a)が前記上翼片
    (1) の後部上面に一体に固着され、その後端は前記上翼片(1) の上面との間に引手(5) の環状保持部(5a)の挿入間隙(D) を形成して成形されてなり、前記引手保持体
    (4) の後端柱部の構成部材が左右の側片(4b,1c) からなることを特徴とするスライドファスナー用スライダー。
  • 【請求項2】 前記引手保持体(4) の本体裏面の中央に長さ方向に延びる1本以上のリブ(4d)が突設されてなる請求項1記載のスライダー。
  • 【請求項3】 前記後端柱部が前記引手保持体(4) の後端部左右から下方に垂設された側片(4a)からなる請求項1又は2記載のスライダー。
  • 【請求項4】 前記上翼片(1) の上面中央部にあって、
    前記引手保持体(4) の前端柱部(4a)からスライダー胴体の後口にかけて引手(5) の環状保持部(5a)の外形に対応する形状の凹溝部(5b)が形成されてなる請求項3記載のスライダー。
  • 【請求項5】 前記後端柱部が前記上翼片(1) の上面後端部の中央部に立設された左右一対の側片(1c)からなる請求項1又は2記載のスライダー。
  • 【請求項6】 前記引手保持体(4) の本体(4c)の後端に前記上翼片(1) から立設された左右側片の先端に係合する係合段部(4f)が形成されてなる請求項5記載のスライダー。
  • 【請求項7】 引手(5) の環状保持部を前記引手保持体
    (4) と上翼片(1) との間の前記間隙(D) に挿入したのち、同引手保持体(4) の後端部を後口側に塑性変形させて前記引手(5) が取り付けられてなる請求項1〜6のいずれかに記載のスライダー。
  • 【請求項8】 対面する上下翼片と、前記上翼片の上面に固着された引手保持体とを一体にダイカスト成形するためのスライドファスナー用のスライダー成形金型(1)
    であって、 後端柱部(4b)を除く引手保持体(4)の上面、同保持体
    (4) の左右側面、及び上翼片(1) の上面の一部を一体に成形するためのキャビティ(11)を有する上型(10)と、 下翼片(2) の下面部を成形するためのキャビティ(21)を有し、前記上型(10)に相対的に接離動する下型(20)と、 上下型(10,20) による前記上下翼片(1,2) 及び引手保持体(4) の成形部を除く他の部分を成形するための外郭形態を有し、密接する前記上下型(10,20) の内部に前後から挿脱される2以上の摺動型(31 〜33) とを備え、 前記上型(10)と摺動型(31)とにより形成される前記後端柱部成形用のキャビティの断面形状が略逆C字状をなしており、 前記引手保持体(4) の内側面成形用摺動型(31)の上面に長手方向に延びるリブ成形用溝部(31a) を有してなる、
    ことを特徴とするスライドファスナー用スライダーの成形金型。
  • 【請求項9】 前記上下型(10,20) が相対的に上下方向に型開閉動作を可能としてなる請求項8記載の成形金型。
  • 【請求項10】前記上下型(10,20) の少なくともいずれかが前後に2分割され、分割された上下型(10,20) の少なくともいずれかの分割型が前後方向に接離動作を可能としてなる請求項8記載の成形金型。
  • 【請求項11】前記摺動型(31)が、前記上翼片(1) の上面中央部にあって、前記引手保持体の前端柱部からスライダー胴体の後口にかけて引手の環状保持部の外形に対応する形状の凹溝部成形用の膨出部(31b) を有してなる請求項8〜10のいずれかに記載の成形金型。
  • 【請求項12】対面する上下翼片と、前記上翼片の上面に固着された引手保持体とを一体にダイカスト成形するためのスライドファスナー用のスライダー成形金型(1)
    であって、 後端柱部(4b)を除く引手保持体(4)の上面、同保持体
    (4) の左右側面、及び上翼片(1) の上面の一部を一体に成形するためのキャビティ(11)を有する上型(10)と、 下翼片(2) の下面部を成形するためのキャビティ(21)を有し、前記上型(10)に相対的に接離動する下型(20)と、 上下型(10,20) による前記上下翼片(1,2) 及び引手保持体(4) の成形部を除く他の部分を成形するための外郭形態を有し、密接する前記上下型(10,20) の内部に前後から挿脱される2以上の摺動型(31 〜33) とを備え、 前記摺動型(31)の後端柱部成形部が断面略T字状をなしてなることを特徴とするスライドファスナー用スライダーの成形金型。
  • 【請求項13】 前記引手保持体(4) の内側面成形用摺動型(31)の上面に長手方向に延びるリブ成形用溝部(31
    a) を有してなる、
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、スライダー胴体及び引手保持体が一体にダイカスト成形される引手を後付けするタイプのスライドファスナー用スライダーとその成形金型に関する。

    【0002】

    【従来の技術】引手を後付けするタイプのスライドファスナー用スライダーは、スライダー胴体の上翼片の上面から略門型に立ち上がる引手保持体の後端柱部と前記上翼片との間に形成されている間隙から引手の環状保持部を挿入したのち、ペンチ等によって前記引手保持体の前端柱部を上翼片側に塑性変形させて引手をスライダー胴体に取り付けるものである。 従って、この種のスライドファスナーにあっては、スライダー胴体と引手との多様な組合せが可能であり、需要者の様々な要望に応えることができる。

    【0003】一方、前述の形態をもつスライダーの成形金型は、例えば実公平2−12889号公報に開示されているように、前記上翼片の上半部及び引手保持体の外郭を成形するための上型、前記下翼片の下半部の外郭を成形するための下型、前記上下翼片の残部の外郭と上記ダイヤモンド部とを成形する中型とを備え、前記上型と下型はそれぞれが左右に分割された第1及び第2の上下型からなり、前記中型も前後方向に2分割された第1中型と第2中型により構成されている。

    【0004】前記下型は断面が略凹字状をなしており、
    その凹溝部に前記中型が挿入され、第1及び第2の中型は上下の型内を前後に摺動し、第1及び第2の各上下型はそれぞれが左右に開閉する。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】しかして、従来の後付けタイプのスライダーは、引手を引手保持体に挿入したのち、その前端柱部を後方に押し倒すように押圧して塑性変形させるとき、同前端柱部に亀裂等が発生する場合もあり、成形材料や成形環境等の変化などにより成形される全てのスライダーが同一の物性を備えているとは限らず、前記亀裂等の発生を確実に防止することは困難である。 また、仮に前記押圧により所定の変形をなし得たとしても、スプリングバック現象は避けがたく上翼片の上面と後端柱部との間に僅かな間隙が残ることになる。
    この間隙をなくすため、前記押圧を大きくすると、前端柱部の切損ばかりでなく、同前端柱部の先端が上翼片の上面を押圧し、同翼片を変形させて内部のエレメント通路の断面寸法が得られなくなり、スライダーとしての商品価値を失う。

    【0006】一方、この後付けタイプのスライダーを成形するための成形金型は上述のごとく、高い加工精度が求められる構成部材の点数が多く複雑であり、金型の製作費が高くなるばかりでなく、多数取りが難しく、しかも前述の各構成部材の動き及び作動タイミングが複雑化することから、成形装置の作動機構も複雑化し、製品価格に大きな影響を与えている。

    【0007】本発明はかかる課題を解決すべくなされたものであり、その具体的な目的は前記引手保持体を押圧変形させるときの切損やスプリングバック、或いは上翼片の変形が発生しない高品質のスライドファスナー用スライダーと、構造が簡単で多数取りを可能とし、同時に生産性を向上させるとともに製造費の低減が図れるスライドファスナー用スライダーの成形金型を提供することにある。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】かかる目的は、本発明の主要部をなす前端部がダイヤモンド部により連結された上下翼片からなる胴体と前記上翼片の上面に固着された引手保持体とが一体にダイカスト成形されてなるスライドファスナー用スライダーであって、前記引手保持体は少なくとも前端に柱部をもつ略門型をなしており、その前端柱部が前記上翼片の前部上面に一体に固設され、その後端は前記上翼片の上面との間に引手の環状保持部の挿入間隙を形成して成形されてなり、前記引手保持体の後端柱部の構成部材が左右の側片からなる。

    【0009】そして、前記後端柱部は前記引手保持体の後端部左右から下方に垂設された側片からなる場合と、
    前記上翼片の上面後端部の中央部に立設された左右一対の側片からなる場合とがある。 また、前記引手保持体の本体の後端には前記上翼片から立設された左右側片の先端と係合する係合段部を形成することが好ましい。

    【0010】引手保持部材に前記左右側片を垂設する場合には、たとえ引手保持部材の上記塑性変形時に強力な挟圧力が作用したとしても、上翼片を変形損傷させる以前に後端柱部を構成する左右の側片が変形して、上翼片の変形が避けられる。 このとき、前記左右の側片は外側に開く方向に変形し、引手保持部材がスプリングバックすると前記側片も弾性的に原形に復帰して、前記スプリングバックによる後端柱部の浮き上がり分を吸収し、同柱部の下面は上翼片の上面に原形の状態で密接する。

    【0011】また、前記左右の側片を上翼片の上面後端部に立設する場合には、上記引手保持部材の本体の後端が必ずしも前記側片の上面に密接させる必要がないため、上記塑性変形量を少なくすることができる。

    【0012】更に好ましい態様によれば、前記引手保持体の本体裏面の中央に長さ方向に延びる1本以上のリブが突設されている。 引手保持体の裏面に突設された前記リブは、その前端柱部及び前記保持体の本体を補強する機能を有している。 また、本発明による前記リブの存在は、引手の引手保持部材の裏面摺動時に、引手が引手保持部材の裏面側稜線部と接触することが極力避けられようになり、たとえ両者が接触するとしても左右の稜線部に同時に接触することがなく、常に引手保持部材に対する引手の円滑な摺動操作が保障される。

    【0013】好ましくは、前記上翼片の上面中央部にあって、前記引手保持体の前端柱部からスライダー胴体の後口にかけて引手の環状保持部の外形に対応する形状の凹溝部が形成されている。 この上翼片の上面に形成される前記凹溝部は、引手保持体の後端部から側片が垂設されている場合に、上翼片の上面と引手保持体の後端柱部との間の上記間隙に引手の環状保持部を挿入するとき、
    同環状保持部の挿入をしやすくする。

    【0014】前記形態をもつ成形後の上記スライダーは、引手の環状保持部を前記引手保持体の後端部と上翼片との間の前記間隙に挿入したのち、同引手保持体の後端柱部を後口側に塑性変形させて前記引手が取り付けられる。

    【0015】かかる形態をもつ引手保持部体付きのスライダーは、次の主要な構成を備えた本発明の成形金型により高い生産能率で廉価に成形される。 すなわち、対面する上下翼片と、前記上翼片の上面に固着された引手保持体とを一体にダイカスト成形するためのスライドファスナー用のスライダー成形金型であって、後端柱部を除く引手保持体の上面、同保持体の左右側面、及び上翼片の上面の一部を一体に成形するためのキャビティを有する上型と、下翼片の下面部を成形するためのキャビティを有し、前記上型に相対的に接離動する下型と、上下型による前記上下翼片及び引手保持体の成形部を除く他の部分を成形するための外郭形態を有し、密接する前記上下型の内部に前後から挿脱される2以上の摺動型とを備え、前記上型と摺動型とにより形成される前記後端柱部成形用のキャビティの断面形状が略逆C字状をなしており、前記引手保持体の内側面成形用摺動型の上面に長手方向に延びるリブ成形用溝部を有していることを特徴としている。

    【0016】そして、前記上下型を相対的に上下方向に型開閉動作を可能とする場合と、前記上下型の少なくともいずれかが前後に2分割され、分割された上下型の少なくともいずれかの分割型を前後方向に接離動作を可能とする。 また、引手の環状保持部を上翼片と引手保持体との間の間隙に挿入しやすくするため、好ましくは前記摺動型が、前記上翼片の上面中央部にあって、前記引手保持体の前端柱部からスライダー胴体の後口にかけて引手の環状保持部の外形に対応する形状の凹溝部成形用の膨出部が形成される。

    【0017】また、前記成形金型に係る他の発明としては、上記後端柱部を上翼片の上面に成形する場合に、その成形用摺動型の上記側片成形部の断面を略T字状に形成する。

    【0018】以上の構成を備えた本発明の成形金型を採用することによる成形操作の手順の一例を説明すると、
    成形材料が充填された状態で成形材料が固化すると、先ず複数の摺動型が予め決められた方向に移動し、次いで上下型がそれぞれ上下に移動して上下型を型開すると、
    本発明の上記形態を有する引手保持体付きスライダー胴体が上下型のいずれかに残される。 ここでエジェクトピンが作動して前記キャビティ内に突出させて、前記成形品を型外に突き出す。 このあと、たとえば多数取りされた引手保持体付きスライダー胴体であれば、周知の分離手段により個々に分離される。 最後に、ファスナーテープに取付後又は単独の引手保持体付きスライダー胴体に既述したとおりの手順で引手保持体に引手を取り付ける。

    【0019】

    【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を図示実施例に基づき具体的に説明する。 なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。 図1〜
    図4は、本発明の代表的な実施例であるスライドファスナー用スライダーの引手が装着される以前のスライダー胴体Bの一形態を示している。 これらの図において、符号1は上翼片、2は下翼片、3は前記上下翼片1,2の後端部を連結するダイヤモンド部、4は引手保持体である。

    【0020】前記上下翼片1,2は、その後端から略中央位置にかけて、それぞれに左右の上下フランジ1a,
    2aを有しており、前記上下翼片1,2の間にはY字形の噛合エレメント案内通路が形成される。 前記引手保持体4は前後の端部に柱部4a,4bを有する略門型状をなしており、その前端柱部4aが前記上翼片1の前端部上面に一体成形されて起立し、成形時には前記後端柱部4bの下端は引手5の環状保持部5aが挿入できる間隙Dを形成して前記上翼片1の上面から浮き上がった状態にある。

    【0021】そして、前記引手保持体4は次のような本発明の特徴部をなす構成を備えている。 すなわち、前記後端柱部4bは本体4cの後端部の左右側面から下方に垂設された左右の側片から構成され、前後に貫通して前後方向及び下方を開放した空間部4b′が形成されている。 また、前記引手保持体4の裏面幅方向の中央には、
    前端柱部4aの基端から後端柱部4bにかけて長手方向に延びる2条の半円形断面のリブ4dが平行に突設されている。 更に、図示例にあっては、前記上翼片1の上面幅方向の中央に前記前端柱部4aから後端にかけて円弧状断面をもつ凹溝部1bが形成されている。 この凹溝部1bの断面形状は、前述の円弧状に限るものではなく、
    引手5の環状保持部5aの外形の一部に対応する形状であればよい。 前記リブ4dは必ずしも2条である必要はなく、例えば図5に示すごとく単一状であってもよく、
    この場合にはリブの幅が広く、断面が半楕円形であることが好ましい。

    【0022】かかる構成を備えた成形後の本実施例に係る引手保持体付きスライドファスナー用のスライダー胴体Bは、上翼片1と前記引手保持体4の後端柱部4bとの間に形成された間隙Dから引手5の環状保持部5aを挿入したのち、前端柱部4aの頂部付近と下翼片2との前端下面との間を、例えばペンチ等で挟圧すると前記柱部4aが前倒れ状に塑性変形して傾斜させ、同時に後端柱部4bの下端が上翼片1の後端部上面に当接して、上記間隙Dを閉塞するが、通常であればスプリングバック現象により僅かな間隙が残ることになる。 しかして、本発明によれば引手保持体4の後端柱部4bを上記形態とすることで、後述する機能が発揮され、後端柱部4bの下端が上翼片1の後端部上面に密接し上記間隙Dを完全に閉塞して、本発明のスライドファスナー用スライダーが完成する。

    【0023】引手保持体4の裏面に突設された上記リブ4dは前端柱部4a及び本体4cを補強する機能を有しており、前記塑性変形時に過度の挟圧力が加えられても切損したり亀裂が生じたりすることがない。 また、このリブ4dが存在しない場合には、引手5が引手保持体4
    の裏面に沿って摺動するとき、引手保持体4の裏面側稜線部(部)4eと引手5の環状保持部5aの内面とが摺接し、両者のメッキが剥げたり、摩耗したりしてギザギザ状の傷がつくばかりでなく、外観を損ねることになる。 しかるに、本発明による前記リブ4dの存在は図4
    に示すように引手5が引手保持体4の裏面に沿って摺動するとき、引手5が引手保持体4の裏面側稜線部4eと接触することが極力回避され、たとえ接触するとしても左右の稜線部4eに同時に接触することがないため、常に引手保持体4に対する引手5の円滑な摺動操作が確保される。

    【0024】また、引手保持体4の後端柱部4bを、従来のごとく中実に構成すると、引手保持体4の上記塑性変形時に強力な挟圧力が作用したとき、後端柱部の下端が上翼片1の上面を強力に押圧することになり、薄板状の上翼片1が局部的に変形し、裏面に突出する凹部が局部的に形成され、スライダーの円滑な摺動を阻害する。
    これに対して、本発明におけるごとく引手保持体4の後端柱部4bを上記形態とすると、たとえ引手保持体4の上記塑性変形時に強力な挟圧力が作用したとしても、上翼片1を変形させる以前に後端柱部4bを構成する左右の側片が変形して、上翼片1の変形を回避する。 このとき、前記左右の側片は、通常、外側に開く方向に変形し、引手保持体4がスプリングバックすると前記側片も弾性的に原形に復帰して、前記スプリングバックによる後端柱部4bの浮き上がり分を吸収し、同柱部4bの下面は上翼片1の上面に密接する。

    【0025】一方、前記上翼片の上面に形成される上記凹溝部1bは、上翼片1の上面と引手保持体4の後端柱部4bとの間の上記間隙Dに引手5の環状保持部5aを挿入するとき、図3に示すごとく同環状保持部5aの挿入をしやすくするためのものである。

    【0026】さて、以上の構成を備えたスライドファスナー用のスライダー胴体Bと引手保持体4とを一体成形するときは、以下に説明する本発明の成形金型が使われる。 図6及び図7は本発明に係る成形金型の代表的な構造例を示している。 なお、本発明の成形金型は図示例に限定されるものでなく、例えば図7に仮想線で示す如く、上下型10,20を前後に2分割することもできる。 この場合には、全ての金型を前後方向(同図の左右方向)に移動させるだけで足りるものであり、作動機構がより簡略化される。

    【0027】本発明のスライダー胴体B及び引手保持4
    を成形するための金型は、上型10、下型20、上型1
    0と下型20との間に配される第1〜第3の摺動型3
    1,32,33から構成される。

    【0028】前記上型10は、スライダー胴体Bのダイヤモンド部3の上端部と、上記上翼片1の左右肩部表面と、前記引手保持体4の上面及び左右側面の各外郭を成形するための略逆T字状の断面からなるキャビティ11
    が刻設されている。 上記下型20は断面が略凹字状をなしており、その底面に上記下翼片2の下面側の外郭を成形するためのキャビティ21が刻設されている。 前記第1摺動型31は、前記引手保持体4の内側輪郭を成形するとともに、上翼片1の上面中央部を成形するための外郭形状を有している。

    【0029】従って、図示例では第1摺動型31は上翼片1の後端面から引手保持体4の前端柱部4aの後側面までの成形部を有しており、同部の引手保持体4の後端柱部4bの成形部位における断面は図6に示すごとく略逆T字状をなしており、この後端柱部4bの成形部位と上型10との間に形成される後端柱部用成形キャビティは図6に示すごとく断面が略横C字状をなしている。 また、この第1摺動型31は図7に示すごとく前記引手保持体4の内側面に沿った形状と上翼片4の上面における幅方向の中央部に沿った外郭形態を有している。 引手保持体4の内側面に沿った表面には2本の連続して平行に延びる上記リブ4dの成形用凹溝31aが形成されており、また上翼片1の上面に形成される円弧断面の凹溝部1bを成形するために、同断面形状で膨出する膨出部3
    1bを有している。

    【0030】また、第2摺動型32は、左右対称の形態をもつ左右一組のブロック体32aが基端部32bで一体となった略凹字形状をなしており、上下翼片1,2の各左右外側面及び中央部を除く各左右の対向内面と、ダイヤモンド部3の前面部とを成形するための外郭形状を有している。 一方、前記第3摺動型33は、上下翼片1,2の各後側面及び左右を除く各中央部の対向内面と、前記ダイヤモンド部3の左右側面及び後側面とを成形するための外郭形状を有している。

    【0031】上下型10,20を密接させるとともに、
    第1及び第3摺動型31,33の後端部を上下に重ねた状態で、前記上下型10,20を密接したときに形成される後側の空洞部に挿入し、第2摺動型32を同じく上下型10,20を密接したときに形成される前側の空洞部に挿入すると、上述の形態を有する本発明のスライダー胴体B及び引手保持体4の成形用キャビティが形成される。 また、例えば前記上型10には亜鉛合金等からなる成形材料の溶湯を導入するための図示せぬ湯道が、前記上型キャビティ11に開口している。 更に下型20には、同下型20の内部を上下方向の型開閉方向に摺動操作され、下型20のキャビティ21に出入自在な図示せぬエジェクトピンが設けられている。 なお、図示は省略しているが、上記成形用キャビティは同一型に複数個が並設されており、前記湯道は途中で分岐して各キャビティに通じている図6及び図7は、スライダー胴体Bと引手保持体4との成形用キャビティ内に、前述の成形材料が充填された状態を示している。 この状態で成形材料が固化すると、先ず第1摺動型31及び第3摺動型33が後方(図面左方向)に移動するとともに、第2摺動型3
    2が前方(図面右方向)に移動する。 次いで、上下型1
    0,20がそれぞれ上下に移動して上下型10,20を開くと、成形された図1に示した形態からなる本発明のスライダー胴体Bと引手保持体4とは、下型20のキャビティ21内に載置状態で残される。 ここで図示せぬエジェクトピンが作動され前記キャビティ21に突出し、
    前記成形品を型外に突き出す。 このあと、多数取りされた引手保持体付きスライダー胴体Bは、例えば振動等による周知の分離手段により個々に分離される。 最後に、
    ファスナーテープに取付後又は単独の引手保持体付きスライダー胴体Bに既述したとおりの手順で引手保持体4
    に引手5を取り付ける。

    【0032】図8及び図9は本発明に係るスライダーの他の実施例を示している。 これらの図において、上記実施例と異なるところは上記引手保持体4の後端から垂設された左右の側片からなる柱部4bに代えて、同後端柱部を構成する左右側片1cを上翼片1の上面後端部に立設させるとともに、引手保持体4の後端の柱部4bを排除している点にある。 そのため、上記引手5を挿入するための間隙Dは、前記引手保持体4の本体後端と上翼片1に立設された前記側片1cとの間に形成されることになる。 更に、図示例では前記引手保持体4の後端の下面に、前記左右側片1cの上端に係合する係合段部4fを形成する。

    【0033】かかる構成を採用する場合には、引手5の環状保持部5aを前記間隙Dに挿入してから、前記引手保持体4を押圧して塑性変形させるとき、上記実施例とは異なり、引手保持体4の本体後端に前記側片1cの上端と係合する段部が形成されていることいることと相まって引手保持体4の本体後端を左右側片1cの上端に必ずしも密接させる必要がないため、その塑性変形量を減少させることができ、その結果、前記塑性変形時において引手保持体4に亀裂等が生じこともなくなる。

    【0034】かかる形態を有する引手保持体付きスライダー胴体を成形する場合の成形金型の要部を図10に示す。 同図から理解できるように、本実施例による成形金型にあっては、後端柱部を構成する左右側片1cを成形する上記第1摺動型31の後端柱部成形部位の断面形状を略T字形とすることで容易に成形できる。 この場合に、上型10のキャビティ形状は上記実施例と同様であってよく、したがって前記第1摺動型31の外郭形状を変更するだけで足りる。

    【0035】

    【発明の効果】以上詳述したように、本発明の引手を後付けするタイプの引手保持体付きスライダーによれば、
    引手保持体の後口側の柱部が本体から垂接される左右2
    枚の側片からなるため、引手の環状保持部を引手保持体と上翼片との間の間隙に挿入したのち、引手保持体の肩口側の柱部を押圧することにより塑性変形させて前記後口側の柱部を上翼片の上面に押し付け、前記間隙を閉塞する場合に、たとえ過度な押圧力を加えても上翼片の局部的な変形をもたらすことなく、前記側片が先に変形する。 また、前記押圧力を解除するとスプリングバック現象により引手保持体は僅かに立ち上がるが、同時に前記側片も弾性的に原形に復帰し、前記側片の下端は相変わらず上翼片の上面に密着した状態が維持される。

    【0036】左右の側片を上翼片の上面後端部に立設する場合には、前記引手保持体を押圧して塑性変形させるとき、上記実施例とは異なり、引手保持体の本体後端に前記側片の上端と係合する段部が形成されていることいることと相まって引手保持体の本体後端を左右側片の上端に必ずしも密接させる必要がないため、その塑性変形量を減少させることができ、その結果、前記塑性変形時において引手保持体に亀裂等が生じこともなくなる。

    【0037】また、前記引手保持体の裏面には長手方向に延びるリブが突設されているため、前記押圧時に過度な力が作用しても、引手保持体に亀裂が生じたり、或いは切損するようなことがなくなるばかりでなく、同リブの存在により引手が引手保持体の左右の内側稜線を同時に摺接することがなくなり、引手及び引手保持体の摺動面のメッキが剥がれたり、或いは傷が付くようなことがなく、外観の見栄えの衰えが少ない。

    【0038】更に、前記上翼片の幅方向の上面中央部の肩口側の柱部と上翼片の後端との間に長手方向に延び、
    引手の環状保持部の一部の外形に対応する断面形状を有する凹溝部を形成する場合には、引手保持体の上記柱部と上翼片との間に形成される間隙に引手の環状保持部を挿入しやすくなり、作業効率が向上する。

    【0039】また、前述のスライダーを成形するための本発明に係る成形金型は、簡単な構成からなり、かつ各型の作動方向も複雑でないため、設備費の低減を図ることが出来るばかりでなく、生産能率も向上し、しかもその金型構造に基づいて上述の形態を有するスライダーの多数取りが可能となる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の代表的な実施例である引手保持体付きスライドファスナー用のスライダー胴体の斜視図である。

    【図2】同スライダー胴体の一部を切開して示す側面図である。

    【図3】引手の挿入時の態様を説明するための同スライダー胴体の正面図である。

    【図4】引手との引手保持体との摺接状態を説明するための上記スライダー断面図である。

    【図5】同スライダー胴体の変形例を示す要部断面図である。

    【図6】本発明の代表的な実施例である前記スライダー胴体の成形金型の型閉時の状態を示す横断面図である。

    【図7】図6におけるII−II線の矢視断面図である。

    【図8】本発明の上記スライダーの他の実施例を一部切開して示す側面図である。

    【図9】引手の挿入時の態様を説明するための引手保持体付きスライダー胴体の正面図である。

    【図10】同スライダー胴体の成形金型の構造を示す横断面図である。

    【符号の説明】

    1 スライダー胴体の上翼片 1a フランジ 1b 凹溝部 1c 左右側片 2 同下翼片 2a フランジ 3 ダイヤモンド部 4 引手保持体 4a 前端柱部 4b 後端柱部 4b′ 空間部 4c 本体 4d リブ 4e 稜線部 4f 係合段部 5 引手 5a 環状保持部 10 上型 20 下型 31〜33 第1〜第3の摺動型 31a 成形用凹溝 31b 膨出部 32a ブロック体 32b 基端部 B スライダー胴体 D 間隙

    ─────────────────────────────────────────────────────

    【手続補正書】

    【提出日】平成10年2月12日

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項1

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正2】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項3

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正3】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項4

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正4】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項8

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正5】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項13

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正6】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】図8

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【図8】本発明の上記スライダーの他の実施例のスライ
    ダー胴体の斜視図である。

    【手続補正7】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】図9

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【図9】 同スライダー胴体の一部を切開して示す側面図
    である。

    【手続補正8】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】図10

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【図10】 図9における III−III 線断面図に対応する
    前記スライダー胴体の成形金型の構造を示す横断面図である。

    【手続補正9】

    【補正対象書類名】図面

    【補正対象項目名】図9

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【図9】

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