首页 / 国际专利分类库 / 作业;运输 / 铸造;粉末冶金 / 铸造造型 / 铸型或型芯(只适用于特种铸造工艺过程的入B22D);造型工艺(采用特种造型机的工艺,见该机的有关组) / カルシウムヘキサアルミネート含有鋳型及びフェースコート組成物並びにチタン及びチタンアルミナイド合金を鋳造するための方法

カルシウムヘキサアルミネート含有鋳型及びフェースコート組成物並びにチタン及びチタンアルミナイド合金を鋳造するための方法

申请号 JP2015555213 申请日 2014-01-21 公开(公告)号 JP6431853B2 公开(公告)日 2018-11-28
申请人 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ; 发明人 ビューレイ,バーナード・パトリック; エリス,ブライアン・マイケル; バンチェリ,スティーブン・フランシス; ヴァイマー,マイケル・ジェームス; マッキーバー,ジョアン;
摘要
权利要求

チタン含有物品を鋳造する鋳型(10)であって、 カルシウムヘキサアルミネートと、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート、及びマイエナイトを含むカルシウムアルミネートセメントと、を含むバルク(20)と、 チタン含有物品を鋳造するキャビティ(40)と、 前記バルクと前記キャビティとの間に配置された10ミクロン〜500ミクロンの内因性フェースコート(30)と を備え、 前記内因性フェースコートは、カルシウムヘキサアルミネートと、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート、及びマイエナイトを含むカルシウムアルミネートセメントと、を含む、鋳型。前記カルシウムヘキサアルミネートは、外形寸法が50ミクロン未満の粒子を含む、請求項1に記載の鋳型。前記カルシウムヘキサアルミネートが、前記鋳型の15重量パーセント〜50重量パーセントを構成する、請求項1に記載の鋳型。前記内因性フェースコートが、連続内因性フェースコート又は不連続内因性フェースコートである、請求項1に記載の鋳型。前記バルク及び前記内因性フェースコートが異なる組成物を有し、前記内因性フェースコートが、50ミクロン未満の粒子サイズを有するカルシウムアルミネートセメントを含む、請求項1に記載の鋳型。前記バルク及び前記内因性フェースコートが異なる組成物を有し、前記バルクが、50ミクロンよりも大きなアルミナ粒子を含む、請求項1に記載の鋳型。前記バルクが、50ミクロンよりも大きなアルミナ粒子を含み、前記内因性フェースコートが、50ミクロン未満のサイズのカルシウムアルミネートセメント粒子を含む、請求項1に記載の鋳型。前記内因性フェースコートが、重量分率で、前記バルクに比べて少なくとも20パーセント多いカルシウムモノアルミネートを有する、請求項1に記載の鋳型。前記内因性フェースコートが、重量分率で、前記バルクに比べて少なくとも20パーセント少ないアルミナを有する、請求項1に記載の鋳型。前記内因性フェースコートが、重量分率で、前記鋳型のバルクに比べて少なくとも20パーセント多いカルシウムモノアルミネート、少なくとも20パーセント少ないアルミナ、及び少なくとも50パーセント少ないマイエナイトを有する、請求項1に記載の鋳型。前記バルク中の前記カルシウムモノアルミネートが、0.05〜0.95の重量分率を含み、前記内因性フェースコート中の前記カルシウムモノアルミネートが、0.30〜0.95の重量分率を含む、請求項1に記載の鋳型。前記バルク中の前記カルシウムジアルミネートが、0.05〜0.80の重量分率を含み、前記内因性フェースコート中の前記カルシウムジアルミネートが、0.05〜0.30の重量分率を含む、請求項1に記載の鋳型。前記バルク中の前記マイエナイトが、0.01〜0.30の重量分率を含み、前記内因性フェースコート中の前記マイエナイトが、0.01〜0.05の重量分率を含む、請求項1に記載の鋳型。前記バルク中の前記カルシウムモノアルミネートが、0.05〜0.95の重量分率を含み、前記内因性フェースコート中の前記カルシウムモノアルミネートが、0.3〜0.95の重量分率を含み、 前記バルク中の前記カルシウムジアルミネートが、0.05〜0.80の重量分率を含み、前記内因性フェースコート中の前記カルシウムジアルミネートが、0.05〜0.30の重量分率を含み、 前記バルク中の前記マイエナイトが、0.01〜0.30の重量分率を含み、前記内因性フェースコート中の前記マイエナイトが、0.01〜0.05の重量分率を含む、請求項1に記載の鋳型。前記バルク中に外形寸法が500ミクロン未満の酸化アルミニウム粒子を更に含む、請求項1に記載の鋳型。前記カルシウムアルミネートセメントが、前記鋳型を作るのに用いられる前記組成物の30重量パーセントよりも多く含む、請求項1に記載の鋳型。酸化マグネシウム粒子、酸化カルシウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化チタン粒子、又はこれらの組成物を更に含む、請求項1に記載の鋳型。前記バルク中に酸化アルミニウムの中空粒子を更に含む、請求項1に記載の鋳型。酸化カルシウムを10重量パーセントよりも多く及び50重量パーセント未満を更に含む、請求項18に記載の鋳型。シリカを更に含む、請求項1に記載の鋳型。5重量パーセント未満の量のケイ酸塩を更に含む、請求項1に記載の鋳型。チタン含有物品を鋳造するのに用いられる鋳型のフェースコートであって、該フェースコートが、 カルシウムヘキサアルミネート、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート、及びマイエナイトを含み、前記フェースコートが、内因性フェースコートで10ミクロン〜500ミクロン厚であり、前記鋳型のバルクと、前記鋳型キャビティに開放した前記鋳型の表面との間に位置する、フェースコート。前記カルシウムヘキサアルミネートは、外形寸法が50ミクロン未満の粒子を含む、請求項22に記載のフェースコート。前記フェースコートは、50ミクロン未満の粒子サイズを有するカルシウムアルミネートセメントを含む、請求項22に記載のフェースコート。前記内因性フェースコートが、重量分率で、前記鋳型のバルクに比べて少なくとも20パーセント多いカルシウムモノアルミネート、少なくとも20パーセント少ないアルミナ、及び少なくとも50パーセント少ないマイエナイトを有する、請求項22に記載のフェースコート。前記内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの前記重量分率が0.30よりも多く、マイエナイトの前記重量分率が0.10未満である、請求項22に記載のフェースコート。前記内因性フェースコート中の前記カルシウムヘキサアルミネートが、0.01〜0.20の重量分率を含み、前記内因性フェースコート中の前記カルシウムモノアルミネートが、0.30〜0.95の重量分率を含み、前記内因性フェースコート中の前記カルシウムジアルミネートが、0.05〜0.30の重量分率を含み、前記内因性フェースコート中の前記マイエナイトが、0.01〜0.05の重量分率を含む、請求項22に記載のフェースコート。前記フェースコートが、シリカを更に含む、請求項22に記載のフェースコート。

说明书全文

最新のガス又は燃焼タービンは、信頼性、重量、出、経済性、及び作動耐用年数に関して最高の要求を満たす必要がある。このようなタービンの開発において、とりわけ、材料の選択、新しい好適な材料の研究、並びに新しい製造方法の研究は、各規格に適合し需要を満たす役割を果たしている。

ガスタービンに用いる材料は、チタン合金、ニッケル合金(超合金とも呼ばれる)及び高強度鋼を含むことができる。航空機エンジン用として、圧縮機部品にはチタン合金が一般的に使用され、航空機エンジンの高温部品にはニッケル合金が好適であり、高強度鋼は、例えば、圧縮機ハウジング及びタービンハウジングに使用される。例えば、圧縮機の構成要素のような高荷重又は高応力のガスタービン構成要素は、典型的には鍛造部品である。他方、タービンの構成要素は、典型的には、インベストメント鋳造部品として具現化される。

インベストメント鋳造は新しいプロセスではないが、インベストメント鋳造業界は、より込み入った複雑な部品に対する需要が増加するにつれて成長し続けている。高品質で精密な鋳造物に対する需要が多いことに起因して、インベストメント鋳造をより迅速に、効率的に、安価に、より高品質にする新しい方法の開発に対する必要性が依然としてある。

宝石鋳造及び歯科補綴産業で使用される、溶融シリカ、クリストバライト、ギプス、又は同様のものから成る従来のインベストメント鋳型化合物は、一般的に、チタン合金のような反応性合金を鋳造するのには適していない。この理由の1つは、鋳型チタンとインベストメント鋳型との間に反応があることに起因する。

チタン及びチタンアルミナイド合金と反応性が低い簡単なインベストメント鋳型に対する必要性がある。チタン合金鋳造としては、セラミックシェル鋳型による手法が予め採用されている。従来技術の実施例において、従来のインベストメント鋳型化合物の限界を低減するために、幾つかの追加の鋳型材料が開発されている。例えば、鋳造金属の固化による収縮を補償するために、酸化マグネシウム又はジルコニアが主要な成分として使用され、金属ジルコニウムが主成分に加えられた酸化膨張タイプのインベストメント化合物が開発された。従って、金属又は金属合金とあまり反応しないインベストメント鋳型からのニアネットシェイプ金属又は金属合金の容易な取り出しを可能にする、簡単で信頼性のあるインベストメント鋳造法に対する必要性もある。

カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを用いて記載された特定の引用文献が開示されている。例えば、Millerの米国特許第3,269,848号及び米国特許第3,312,558号のような引用文献は、スリップ鋳型を含む、カルシウムヘキサアルミネートの生成、並びにカルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントの形状の生成を開示している。しかしながら、このような引用文献は、反応性合金物品及びタービン構成要素のような特定の複合物品用の鋳型の構成要素としてカルシウムヘキサアルミネートの使用を開示していない。

Gnauck他の欧州特許出願第1178023 A1号のような他の引用文献は、酸化カルシウムと酸化アルミニウムの混合物と焼結助剤を組み合わせることによって生成されるカルシウムヘキサアルミネートを含有する高密度耐熱材料を開示している。カルシウムヘキサアルミネートは、90パーセントよりも大きなバルク比重を有するように生成される。しかしながら、これらの引用文献は、反応性合金物品及びタービン構成要素のための鋳型の構成要素としてカルシウムヘキサアルミネートの使用を開示していない。

McGowan他の米国特許出願第US 2008/0175990号のような他の引用文献は、カルシウムアルミネートセメントを有するカルシウムヘキサアルミネートの使用を開示している。このような引用文献は、アルカリ環境及び/又はアルカリ性環境のうちの少なくとも1つと接触状態にあるライナーの絶縁特性及び/又は貫入抵抗を改善するためのカルシウムヘキサアルミネートの使用を伴う方法を記載している。この方法は、本質的にカルシウムヘキサアルミネートクリンカーから成る耐熱凝集体を含む耐熱組成物用いてアルカリ環境及び/又はアルカリ性環境による摩耗を生じやすい表面を裏打ちするステップを含み、ここでヘキサアルミネートクリンカーは、ゼロから約50重量パーセント未満のマイエナイトを有する。このような引用文献はまた、アルファアルミナ及び酸化カルシウムから出発することによって安定なカルシウムヘキサアルミネートの物品を作る方法を記載している。このようにして生成される物品はまた、生成される形状が50%〜70%の気孔率を有するような燃焼材料を有することができる。引用文献に開示された実施例は、カルシウムヘキサアルミネートと共にカルシウムアルミネートセメントを使用するが、極めて低濃度のカルシウムアルミネートセメントの使用を伴う。例えば、引用文献は、1:4から1:14の範囲に及ぶカルシウムアルミネートセメント対カルシウムヘキサアルミネートの重量濃度を記載している。

米国特許第3,269,848号明細書

米国特許第3,312,558号明細書

欧州特許出願第1178023 A1号

米国特許出願第US 2008/0175990号明細書

米国特許第4,131,474号明細書

国際特許公開2010/034765A2

本開示の態様は、従来技術の限界を克服した、鋳型組成物、鋳造方法、及び鋳造物品を提供する。本開示の一部の態様は、航空宇宙産業用の構成要素、例えば、エンジンタービンブレードの製作を目的とすることができるが、本開示の態様は、あらゆる産業におけるあらゆる構成要素、特にチタン及び/又はチタン合金を含有する構成要素の製作で使用することができる。

本開示の1つの態様は、(i)カルシウムヘキサアルミネートと、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート、及びマイエナイトを含むカルシウムアルミネートセメントとを含むバルクと、(ii)チタン含有物品を鋳造するためのキャビティと、を備えるチタン含有物品を鋳造する鋳型である。1つの実施形態において、鋳型は更に、鋳型のバルクと鋳型キャビティとの間に約10ミクロン〜約500ミクロンの内因性フェースコートを含む。種々の実施形態において、カルシウムアルミネートセメント対カルシウムヘキサアルミネートの鋳型における重量濃度比は、1.3:1から1:2の範囲である。

本明細書で使用される場合、用語「内因性フェースコート」は、バルク鋳型配合物と共通して少なくとも1つの構成要素を含有することができる鋳型のフェースコート(表面塗膜)を意味する。対照的に、用語「外因性フェースコート」は、ペアレントバルク配合物の部品ではない構成要素を含有するフェースコートを意味する。鋳型の内因性フェースコートは、連続、実質的に連続、又は不連続とすることができる。

一般的に、鋳型は、少なくともカルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを含み、その両方が本明細書で記載されている。カルシウムヘキサアルミネートは、不活性な受動的充填剤様成分として機能し、カルシウムアルミネートセメントは、と反応して鋳型強度をもたらす活性な水硬性結合形成成分として機能する。本開示の鋳型の1つの利点は、その収縮が他の鋳型組成物と比較して比較的少ない点である。例えば、本開示の鋳型の種々の実施形態において、収縮は、2%未満、より詳細には1%未満、及び更により詳細には0.5%未満である。最小収縮は、構成要素の正確な寸法制御が望ましい構成要素を伴う用途で特に重要である。例えば、航空機エンジンで使用するタービンブレードのような高性能構成要素において、最小収縮を有する鋳型組成物が好ましい。

更に、種々の実施形態において、比較的低量のシリカ(例えば、2重量%未満)は、本開示の鋳型に使用することができる。

1つの実施形態において、カルシウムヘキサアルミネートは、外形寸法が約50ミクロン未満の粒子を含む。別の実施形態において、カルシウムヘキサアルミネートは、鋳型の約15重量パーセント〜約50重量パーセントを構成する。別の実施形態において、フェースコートは、連続内因性フェースコートである。1つの実施形態において、記載の鋳型は更に、シリカ、例えばコロイド状シリカを含む。

鋳型は、1つの実施例において、鋳型のバルク及び内因性フェースコートを含み、鋳型のバルク及び内因性フェースコートが異なる組成物を有し、内因性フェースコートが、約50ミクロン未満の粒子サイズを有するカルシウムアルミネートセメントを含む。別の実施形態において、鋳型は、鋳型のバルク及び内因性フェースコートを含み、鋳型のバルク及び内因性フェースコートが異なる組成物を有し、鋳型のバルクは、約50ミクロンよりも大きなアルミナ粒子を含む。別の実施例において、鋳型は、鋳型のバルク及び内因性フェースコートを含み、鋳型のバルクが約50ミクロンよりも大きなアルミナ粒子を含み、内因性フェースコートが、約50ミクロン未満のサイズのカルシウムアルミネートセメント粒子を含む。

幾つかの実施形態において、内因性フェースコートは、重量分率で、鋳型のバルクに比べて少なくとも20パーセント多いカルシウムモノアルミネートを有する。1つの実施形態において、内因性フェースコートは、重量分率で、鋳型のバルクに比べて少なくとも20パーセント少ないアルミナを有する。別の実施形態において、内因性フェースコートは、重量分率で、鋳型のバルクに比べて、少なくとも20パーセント多いカルシウムモノアルミネート、少なくとも20パーセント少ないアルミナ、及び少なくとも50パーセント少ないマイエナイトを有する。

内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は、1つの実施例において、0.30よりも多く、マイエナイト重量分率は0.10未満である。1つの実施形態において、鋳型のバルク中のカルシウムヘキサアルミネートは、約0.01〜0.30の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムヘキサアルミネートは、約0.01〜0.20である。1つの実施形態において、鋳型のバルク中のカルシウムモノアルミネートは、約0.05〜0.95の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネートは、約0.30〜0.95である。別の実施形態において、鋳型のバルク中のカルシウムジアルミネートは、約0.05〜約0.80の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムジアルミネートは、約0.05〜0.30である。更に別の実施形態において、鋳型組成物のバルク中のマイエナイトは、約0.01〜約0.30の重量分率を含み、内因性フェースコート中のマイエナイトは、約0.01〜0.05である。特定の実施形態において、鋳型のバルク中のカルシウムヘキサアルミネートは、約0.01〜0.30の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムヘキサアルミネートは、約0.01〜0.20であり、鋳型のバルク中のカルシウムモノアルミネートは、約0.05〜0.95の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネートは、約0.30〜0.95であり、鋳型のバルク中のカルシウムジアルミネートは、約0.05〜約0.80の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムジアルミネートは、約0.05〜0.30であり、鋳型組成物のバルク中のマイエナイトは、約0.01〜約0.30の重量分率を含み、内因性フェースコート中のマイエナイトは、約0.01〜0.05である。

1つの実施例において、鋳型は、鋳型のバルク中に外形寸法が約500ミクロン未満の酸化アルミニウム粒子を更に含む。1つの実施例において、酸化アルミニウム粒子は、鋳型を作るのに用いられる組成物の約35重量%〜約70重量%を構成する。これらの酸化アルミニウム粒子は、幾つかの実施形例において中空とすることができる。別の実施形態において、カルシウムアルミネートセメントは、鋳型を作るのに用いられる組成物の30%重量よりも多くを構成する。1つの実施形態において、鋳型は更に、酸化カルシウムを鋳型組成物の約10重量%よりも多く且つ約50重量%未満を含む。

1つの実施例において、鋳型は更に、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化カルシウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化チタン粒子、酸化ケイ素粒子、又はこれらの組成物を含む。

鋳型を作るのに用いられる初期カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液混合物中の固体のパーセントは、1つの実施例では、約65%〜約80%である。別の実施例において、鋳型を作るのに用いられるラージスケール(>50ミクロンのような)アルミナを有する最終カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液混合物中の固体のパーセントは、約75%〜約95%である。1つの実施形態において、初期前カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液混合物は、初期カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液混合物を作る前に使用することができ、初期前カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液混合物は約41%〜約65%の固体のパーセンテージを有する。

1つの実施形態において、その初期成分に基づく鋳型組成物は、限定ではないが、(i)2重量パーセント未満、及びより詳細な実施形態において1重量パーセント未満の量のシリカ、(ii)約20〜65重量パーセントの量のカルシウムアルミネートセメント、(iii)約15〜50重量パーセントの量のカルシウムヘキサアルミネート、及び(iv)約25〜40重量パーセントの量のラージスケールアルミナを含むことができる。別の実施形態において、その初期成分に基づく鋳型組成物は、限定ではないが、約5重量%未満の量のケイ酸塩を含むことができる。鋳型組成物にて使用するのに好適なケイ酸塩の実施例は、限定ではないが、アルミノケイ酸塩、カルシウムアルミノケイ酸塩、及び同様のものを含むことができる。

本開示の1つの態様は、本明細書で開示される鋳型において形成されたチタン含有物品である。物品は、1つの実施例において、チタンアルミナイド含有タービンブレードを含む。1つの態様において、本開示は、本明細書で開示するような鋳型であり、該鋳型は、チタン含有物品を形成する。1つの関連の実施形態において、チタン含有物品は、チタンアルミナイド含有タービンブレードを含む。

本開示の1つの態様は、カルシウムヘキサアルミネート、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート、及びマイエナイトを含む、チタン含有物品を鋳造するのに用いられる鋳型のフェースコート組成物であり、ここでフェースコート組成物は内因性フェースコートであり、厚みが約10ミクロン〜約500ミクロンで、鋳型のバルクと鋳型キャビティに開放している鋳型の表面との間に位置する。1つの実施形態において、カルシウムヘキサアルミネートは、外形寸法が約50ミクロン未満の粒子を含む。フェースコートは、1つの実施例において、約50ミクロン未満の粒子サイズを有するカルシウムアルミネートから構成される。1つの実施形態において、フェースコート組成物は更に、シリカ、例えばコロイド状シリカを含む。

1つの実施形態において、内因性フェースコートは、重量分率で、鋳型のバルクに比べて少なくとも20パーセント多いカルシウムアルミネート、少なくとも20パーセント少ないアルミナ、及び少なくとも50パーセント少ないマイエナイトを有する。内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は、1つの実施例では0.30よりも多く、マイエナイトの重量分率は0.10未満である。1つの実施形態において、内因性フェースコート中のカルシウムヘキサアルミネートは、0.01〜0.20の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネートは、0.30〜0.95の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムジアルミネートは、0.05〜0.30の重量分率を含み、且つ内因性フェースコート中のマイエナイトは、0.01〜0.05の重量分率を含む。

本開示の1つの態様は、チタン含有物品を鋳造するための鋳型を形成する方法であって、本方法は、(a)固体のパーセンテージが約65%〜約80%で初期スラリの粘度が約30〜約300センチポアズである、カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント混合物の初期スラリを提供するステップと、(b)ラージスケール(>50ミクロンのような)酸化物粒子を初期スラリに加えて、固体のパーセンテージが約75%〜約95%になるようにラージスケール酸化物粒子を有するカルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント混合物を含む最終スラリを生じるステップと、(c)消失性パターンを含有する鋳型キャビティ内に最終スラリを導入するステップと、(d)鋳型キャビティにおいて最終スラリを硬化して、チタン含有物品を鋳造するための鋳型を形成可能にするステップと、を含む。

本開示の1つの態様は、チタン及びチタン合金の鋳造法であって、本方法は、カルシウムヘキサアルミネート、カルシウムアルミネート、及び酸化アルミニウムを含むインベストメント鋳型組成物を得るステップを含み、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートを液体と組み合わせてカルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートのスラリを生成し、ラージスケールアルミナを有する最終カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネート/液体混合物中の固体が約75%〜約95%であり、結果として得られる鋳型は、内因性フェースコートを有し、本方法が更に、消失性パターンを含有する容器にインベストメント鋳型組成物を注入するステップと、インベストメント鋳型組成物を硬化するステップと、鋳型から消失性パターンを除去するステップと、鋳型を焼成するステップと、鋳型を鋳型鋳造温度まで予熱するステップと、溶融チタン又はチタン合金を加熱した鋳型に注入するステップと、溶融チタン又はチタン合金を固化し、固化したチタン又はチタン合金鋳造物を形成するステップと、固化チタン又はチタン合金鋳造物を鋳型から除去するステップとを含む。1つの実施形態において、本明細書で教示するような鋳造法によって作られるチタン又はチタン合金物品が請求項に記載される。

本開示の1つの態様は、カルシウムヘキサアルミネートと、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート、及びマイエナイトを含むカルシウムアルミネートセメントと、を含むチタン含有物品を鋳造するための鋳型組成物である。1つの実施形態において、鋳型組成物は、酸化アルミニウムの中空粒子を更に含む。本開示の別の態様は、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムヘキサアルミネートセメント(カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート、及びマイエナイトを含む)を含むチタン含有物品の鋳型組成物である。例えば、本開示の態様は、チタン含有及び/又はチタン合金含有物品又は構成要素、例えば、チタン含有タービンブレードを鋳造するために鋳型において用いることになる鋳型組成物を提供するのに特に好適とすることができる。

本開示のこれら及び他の態様、特徴、及び利点は、添付図面を参照しながら、本開示の種々の態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。

本発明として見なされる主題は、本明細書と共に提出した特許請求の範囲に具体的に指摘し且つ明確に特許請求している。本発明の上記及び他の特徴並びに利点は、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明から明らかである。

バルク及びキャビティを有する、本開示の鋳型の1つの実施形態の概略図。

バルク、キャビティ、及びバルクとキャビティとの間に配置された内因性フェースコートを有する、本開示の鋳型の1つの実施形態の概略図。

チタン含有物品を鋳造するための鋳型を形成する方法を示した、本開示の態様によるフローチャート。

チタン及びチタン合金のための鋳造法を示した、本開示の態様によるフローチャート。

本開示は、一般的に、鋳型組成物及び鋳型製造方法、並びに鋳型から鋳造された物品に関し、より具体的には、鋳型組成物及びチタン含有物品を鋳造する方法、並びにそのように成形されたチタン含有物品に関する。

インベストメントシェル鋳型におけるチタン及びその合金のインベストメント鋳造によるチタンベースの構成要素の製造は、鋳造物を「ニアネットシェイプ」に鋳造する必要があるという点で問題がある。すなわち、構成要素は、実質的に構成要素の最終の望ましい寸法に鋳造することができ、最終仕上げ処理又は機械加工の必要がほとんどないか又は全くない。例えば、一部の従来の鋳造は、鋳造物の表面仕上げを改善する化学ミリング又は研磨のみを必要とする場合がある。しかしながら、鋳造物の表面の下に位置するあらゆる表面下セラミック介在物は、典型的には、化学ミリング作業によっては除去されず、鋳型フェースコートと鋳型中の何らかの反応性金属(例えば、反応性チタンアルミナイド)との間の反応に起因して形成される場合がある。

宝石鋳造及び歯科補綴にて使用される、溶融シリカ、クリストバライト、ギプス、又は同様のものから成る従来のインベストメント鋳型化合物は、チタンとインベストメント鋳型との間で反応が起こる理由から、チタン合金のような反応性合金を鋳造するのには適していない。溶融合金と鋳型との間のあらゆる反応は、最終鋳造物の特性を劣化させることになる。この劣化は、ガス気泡に起因する不十分な表面仕上げ程度の簡単なものである場合があり、或いは、より深刻な事例では、鋳造の化学的性質、微細構造、及び特性が損なわれる恐れがある。

課題は、チタン及びチタンアルミナイド合金と有意に反応しないインベストメント鋳型を生成することであった。これに関して、構造的チタン及びチタンアルミナイド合金の要件を満たす何らかの従来の鋳込みセラミックインベストメント化合物は、存在するとしてもほとんどなかった。チタン及びチタンアルミナイド合金と有意に反応しないインベストメント鋳型に対する必要性がある。従来手法では、従来のインベストメント鋳型化合物の限界を低減することを目的として、幾つかの追加の鋳型材料が開発された。例えば、酸化マグネシウム又はジルコニアが主構成要素として使用され、金属ジルコニウムが主成分に加えられて鋳造金属の固化に起因する収縮を補償した酸化膨張タイプのインベストメント化合物が開発された。

しかしながら、従来技術のインベストメント化合物には限界がある。例えば、金属ジルコニウムの酸化膨張による鋳造金属の固化に起因する収縮を補償することを意図したインベストメント鋳型化合物は、幾つかの理由で実施が困難である。第1に、ワックスパターンは、ジルコニウムを有する新しいインベストメント化合物でその表面上にコーティングされ、次いで、コーティングされたワックスパターンは、ジルコニウムの必要量をできる限り小さくしようと試みて従来のインベストメント化合物に埋め込まれ、ワックスをジルコニウムでコーティングすることは極めて困難であり、高度に繰り返し可能ではない。第2に、複雑な形状の構成要素のワックスは、十分に均一な方法でコーティングすることはできない。加えて、コーティング層は、インベストメント鋳型ミックスがコーティング層及びパターンの周囲の外部に載置されたときにワックスから剥がれる可能性があり、その結果、チタンが外部に載置されたインベストメント鋳型ミックスと反応する。

本開示は、タービンブレード又は翼形部のようなニアネットシェイプのチタン及びチタンアルミナイド化合物を鋳造する新しい手法を提供する。本開示の実施形態は、例えば、航空宇宙、産業及び船舶産業で使用するための改良されたチタン及びチタン合金化合物を提供するインベストメント鋳型の組成物及び鋳造法を提供する。一部の態様において、鋳型組成物は、鋳型製造の間に鋳型強度を改善し及び/又は鋳造中の鋳造金属との耐反応性を向上させた相を含有する鋳型を提供する。本開示の態様による鋳型は、ニアネットシェイプ鋳造法に望ましい高圧で鋳造することができる。例えば、カルシウムアルミネートセメント、アルミナ粒子、カルシウムヘキサアルミネート、及び好ましい構成相を含有する鋳型組成物は、鋳造物に改善された特性を備えることが分かっている。

1つの態様において、鋳型の構成相は、カルシウムヘキサアルミネート(「CA6」とも呼ばれるCaO・6Al2O3)及びカルシウムモノアルミネートを含む。本発明者らは、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムモノアルミネートの組み合わせが種々の理由で望ましいことを見出した。カルシウムヘキサアルミネートの1つの利点は、アルミナを含有する鋳型配合物において遊離アルミナの量を減少させ、鋳型の反応抵抗を高める点である。カルシウムモノアルミネートに関して、カルシウムモノアルミネートは、鋳型製造の初期ステップ中にセメント粒子間の水硬性結合形成を促進することが本発明者によって理解され、この水硬性結合は、鋳型構成中に鋳型強度をもたらすと考えられる。また、カルシウムモノアルミネートは、チタン及びチタンアルミナイドベースの合金との極めて低い反応率を生じることが本発明者によって理解される。特定の実施形態において、カルシウムモノアルミネートは、本開示の鋳型組成物、例えばカルシウムアルミネートセメント(例えば、限定ではないが、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート、及びマイエナイトを含む)の形態でインベストメント鋳型に提供される。1つの態様において、鋳型組成物は、カルシウムアルミネートセメント及びアルミナすなわち酸化アルミニウムの混合物を含む。種々の実施形態において、カルシウムアルミネートセメント対カルシウムヘキサアルミネートの鋳型における重量濃度比は、1.3〜0.5の範囲である。

本明細書で使用される場合、化合物「カルシウムヘキサアルミネート」、「カルシウムモノアルミネート」、「カルシウムジアルミネート」、及び「マイエナイト」は、これらの化合物の全ての化学形態を含むよう最も広い意味で用いられる。例えば、カルシウムヘキサアルミネートはまた、CaO・6Al2O3とも呼ばれる(また「CA6」と略される)、カルシウムモノアルミネートはまた、CaAl2O4とも呼ばれ、カルシウムジアルミネートはまたCaAl4O7とも呼ばれ、マイエナイトはまたCa12Al14O33とも呼ばれる。本開示は、これらの化合物の機能特性を変えないレベルで不純物を含む場合でも、これらの化合物がその他の化学形態又は誘導体を含むことを企図する。

本開示の1つの態様において、鋳型組成物は、鋳造中に合金との最小反応を提供し、鋳型は、必要な成分特性を備えた鋳造物を提供する。本明細書で使用される場合、用語「最小反応」は、炭素、酸素、及び水素などの全侵入型化合物の取り込みが約2,000ppm未満であるような反応を意味する。鋳造の外部特性は、形状、幾何学形状、及び表面仕上げなどの特徴を含む。鋳造の内部特性は、機械的特性、微細構造、及び特定のサイズを下回り且つ許容限界内にある欠陥(細孔及び介在物など)を含む。

1つの実施形態において、鋳型は、鋳型のバルクと鋳型キャビティとの間に連続した内因性フェースコートを含有する。関連の実施形態において、内因性フェースコートは、約10ミクロン〜約500ミクロンである。場合によっては、フェースコートは、約50ミクロン未満の粒子サイズを有するカルシウムアルミネートを含む。鋳型組成物は、鋳型のバルクが約50ミクロンよりも大きなアルミナ粒子を含むようなものとすることができる。特定の実施形態において、フェースコートは、鋳型のバルクよりも少ないアルミナを有し、フェースコートは鋳型のバルクよりも多くのアルミネートを有する。

ラージスケール(>50ミクロンのような)アルミナ粒子を有する、初期カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液体ミックス中の固体、及び最終カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液体ミックス中の固体のパーセンテージは、本開示の1つの特徴である。1つの実施形態において、各々が固体の異なる範囲のパーセンテージを有する混合の複数段(例えば、初期前段、初期段、及び最終段)が存在してもよい。1つの実施例において、初期前カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液体ミックス中の固体のパーセンテージは、約41%〜約65%である。1つの実施例において、初期カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液体ミックス中の固体のパーセンテージは、約65%〜約80%である。別の実施例において、ラージスケール(>50ミクロンのような)アルミナ粒子を有する、最終カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液体ミックス中の固体は、約75%〜約95%である。初期カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント及び微細スケール(10ミクロン未満)アルミナは、水と混合して均一及び均質スラリを生成し、最終鋳型ミックスは、ラージスケール(>50ミクロンよりも大きいような)アルミナを初期スラリに加え、2〜15分間混合し均一ミックスを得ることによって形成される。

本開示の1つの態様の鋳型組成物は、チタンアルミナイド(TiAl)タービンブレード、例えば、TiAl低圧タービンブレードの低コスト鋳造物を提供する。鋳型組成物は、従来のシェル鋳型及びグラビティ(重力)鋳造を用いて作られた部品よりも機械加工及び/又は処理を必要としないニアネットシェイプ部品を鋳造する能力を提供することができる。本明細書で使用される場合、表現「ニアネットシェイプ」は、物品の初期生産品が物品の最終(正味)形状に近く、広範囲の機械加工及び表面仕上げなどの更なる処理の必要性を低減することを意味する。本明細書で使用される場合、用語「タービンブレード」は、蒸気タービンブレード及びガスタービンブレードの両方を意味する。

従って、本開示は、チタン及びチタンアルミナイド合金と有意に反応しない鋳型、例えば、インベストメント鋳型を製造する課題に対処する。加えて、本開示の一部の態様によれば、鋳型の強度及び安定性は、遠心鋳造のような高圧鋳造手法を可能にする。本開示の技術的利点のうちの1つは、1つの態様において、本開示が、例えばカルシウムアルミネートセメント、カルシウムヘキサアルミネート、及びアルミナインベストメント鋳型から生成できる正味形状鋳造物の疲労強度を改善できる点である。より高強度、例えば、より高い疲労強度であるほど、より軽量の構成要素を製作することが可能になる。加えて、より高い疲労強度を有する構成要素は、耐久性がより長くなり、従って、製品寿命コストをより低くすることができる。

鋳型組成物 本開示の態様は、チタン及びチタン合金の構成要素を改善することができるインベストメント鋳型の組成物を提供する。1つの実施形態において、カルシウムヘキサアルミネートは、カルシウムモノアルミネートと組み合わせて本開示の鋳型を形成する。本開示の1つの態様において、カルシウムモノアルミネートは、カルシウムアルミネートセメントの形態で提供することができる。カルシウムアルミネートセメントは、「セメント」又は「バインダ」と呼ぶことができる。特定の実施形態において、カルシウムアルミネートセメントは、アルミナ粒子状物質と混合されて鋳造可能インベストメント鋳型ミックスを提供する。カルシウムアルミネートセメントは、鋳造可能鋳型ミックスにおいて約30重量%よりも多くすることができる。特定の実施形態において、カルシウムアルミネートセメントは、鋳造可能鋳型ミックスにおいて約30重量%〜約60重量%である。鋳造可能鋳型ミックス(鋳型組成物)中のカルシウムアルミネートセメントの約30重量%よりも多い使用は、本開示の特徴である。適切なカルシウムアルミネートセメント化学的性質及びアルミナ配合の選択は、鋳型の性能の要因である。

1つの態様において、鋳型組成物、例えば、インベストメント鋳型組成物は、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメント、又はカルシウムヘキサアルミネート、カルシウムアルミネートセメント、及びアルミナ粒子の多相混合物を含むことができる。カルシウムアルミネートセメントは、バインダとして機能することができ、例えば、カルシウムアルミネートセメントバインダは、鋳型構造の主骨格構造を提供することができる。カルシウムアルミネートセメントは、鋳型中に連続相を含み、硬化及び鋳造中に強度を提供することができる。鋳型組成物は、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントから成ることができ、すなわち、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントは、他の成分がほとんどないか又は全くない実質的に鋳型組成物の基本成分のみを含むことができる。別の実施形態において、鋳型組成物は、カルシウムヘキサアルミネート、カルシウムアルミネートセメント及びアルミナから成ることができ、すなわち、カルシウムヘキサアルミネート、カルシウムアルミネートセメント、及びアルミナは、他の構成要素がほとんどないか又は全くない、実質的に鋳型組成物の基本成分のみを含むことができる。

1つの実施形態において、本開示は、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを含むチタン含有物品鋳型組成物を含む。別の実施形態において、鋳型組成物は更に、酸化物粒子、例えば中空酸化物粒子を含む。本開示の態様によれば、酸化物粒子は、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化カルシウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化チタン粒子、酸化ケイ素粒子、これらの組み合わせ、又はこれらの組成物とすることができる。1つの実施形態において、酸化物粒子は、1又はそれ以上の異なる酸化物粒子の組み合わせとすることができる。

鋳型組成物は更に、例えば、中空粒子、すなわち、中空コア又は実質的に酸化物によって取り囲まれた実質的に中空コアを有する粒子の形態の酸化アルミニウムを含むことができる。これらの中空酸化アルミニウム粒子は、約99%の酸化アルミニウムを含み、約10ミリメートル(mm)又はそれ以下の幅又は直径のような外形寸法を有することができる。1つの実施形態において、中空酸化アルミニウム粒子は、約1ミリメートル(mm)又はそれ以下の幅又は直径のような外形寸法を有する。別の実施形態において、酸化アルミニウムは、約10ミクロン(μm)〜約10,000ミクロンの範囲の外形寸法を有することができる粒子を含む。特定の実施形態において、中空酸化物粒子は、中空アルミナ球(典型的には、直径が100ミクロンよりも大きい)を含むことができる。中空アルミナ球は、鋳型組成物中に組み込むことができ、該中空球は、丸い粒子又は不規則凝集体のようなある範囲の幾何学形状を有することができる。特定の実施形態において、アルミナは、丸い粒子及び中空球の両方を含むことができる。1つの態様において、これらの幾何学形状は、インベストメント鋳型混合物の流動性を高めることが分かった。流動性を高めることで、典型的には、鋳型から製造された最終鋳造の表面特徴の表面仕上げ及び忠実度又は精度を改善することができる。

酸化アルミニウムは、外形寸法が約10ミクロン〜約10,000ミクロンの範囲の粒子を含む。特定の実施形態において、酸化アルミニウムは、外形寸法、例えば、直径又は幅が約500ミクロン未満の粒子を含む。酸化アルミニウムは、鋳型組成物の約0.5重量%〜約80重量%含むことができる。代替として、酸化アルミニウムは、鋳型組成物の約40重量%〜約60重量%含む。代替として、酸化アルミニウムは、鋳型組成物の約40重量%〜約70重量%含む。

1つの実施形態において、鋳型組成物は更に、酸化カルシウムを含む。酸化カルシウムは、鋳型組成物の約10重量%よりも多く且つ約50重量%未満とすることができる。1つの実施形態において、酸化カルシウムは、鋳型組成物の約30重量%よりも多く且つ約50重量%未満である。代替として、酸化カルシウムは、鋳型組成物の約25重量%よりも多く且つ約35重量%未満である。最終鋳型は、典型的には、2グラム/立法センチメートル未満の密度及び1平方インチ当たり500ポンド(psi)よりも大きい強度を有することができる。

本開示の1つの態様は、カルシウムヘキサアルミネートと、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート、及びマイエナイトを含むカルシウムアルミネートセメントと、を含むチタン含有物品を鋳造するための鋳型であり、鋳型は、鋳型のバルクと鋳型キャビティとの間に約10ミクロン〜約500ミクロンのフェースコート(例えば、内因性フェースコート)を有する。1つの実施形態において、カルシウムヘキサアルミネートは、外形寸法が約50ミクロン未満の粒子を含む。他の実施形態において、カルシウムヘキサアルミネートは、鋳型の約15重量パーセント〜約50重量でパーセントを構成する。別の実施形態において、フェースコートは連続内因性フェースコートである。

特定の実施形態において、本開示の鋳型組成物は、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを含む。カルシウムアルミネートセメントは、カルシウム及びアルミニウムを含む少なくとも3つの相又は成分、すなわち、カルシウムモノアルミネート(CaAl2O4)、カルシウムジアルミネート(CaAl4O7)、及びマイエナイト(Ca12Al14O33)を含む。内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は、0.30よりも多いとすることができ、マイエナイトの重量分率は、0.10未満とすることができる。1つの実施形態において、鋳型のバルク中のカルシウムヘキサアルミネートは、約0.01〜0.30の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムヘキサアルミネートは、約0.01〜0.20である。1つの実施形態において、鋳型のバルク中のカルシウムモノアルミネートは、約0.05〜0.95の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネートは、約0.30〜0.95である。別の実施形態において、鋳型のバルク中のカルシウムジアルミネートは、約0.05〜約0.80の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムジアルミネートは、約005〜0.30である。更に別の実施形態において、鋳型組成物のバルク中のマイエナイトは、約0.01〜約0.30の重量分率を含み、内因性フェースコート中のマイエナイトは、約0.01〜0.05である。

鋳型のバルク及び内因性フェースコートの正確な組成物は異なっていてもよい。例えば、鋳型のバルク中のカルシウムヘキサアルミネートは、約0.01〜0.30の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムヘキサアルミネートは、約0.01〜0.20であり、鋳型のバルク中のカルシウムモノアルミネートは、約0.05〜0.95の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネートは、約0.30〜0.95であり、鋳型のバルク中のカルシウムジアルミネートは、約0.50〜約0.80の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムジアルミネートは、約0.05〜0.30であり、鋳型組成物のバルク中のマイエナイトは、約0.01〜約0.30の重量分率を含み、内因性フェースコート中のマイエナイトは、約0.01〜0.05である。

カルシウムアルミネートセメント中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は、約0.2よりも多くすることができ、カルシウムアルミネートセメント中のマイエナイトの重量分率は、約0.15未満とすることができる。別の実施形態において、カルシウムアルミネートセメントは、鋳型組成物の重量で30%よりも多い。1つの実施形態において、カルシウムアルミネートセメントは、約50ミクロン又はそれ未満の粒子サイズを有する。

1つの実施形態において、鋳型のバルクのセメントに好適なこれらの相の重量分率は、カルシウムモノアルミネートの0.05〜0.95、カルシウムジアルミネートの0.05〜0.80、及びマイエナイトの0.01〜0.30である。1つの実施形態において、鋳型のフェースコート中のこれらの相の重量分率は、カルシウムモノアルミネートの0.30〜0.95、カルシウムジアルミネートの0.05〜0.30、及びマイエナイトの0.01〜0.05である。別の実施形態において、フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は、約0.3よりも多く、マイエナイトの重量分率は、0.1未満である。1つの実施形態において、鋳型のバルクのセメント中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は、約0.2よりも多く、マイエナイトの重量分率は、0.15未満である。

1つの実施形態において、カルシウムアルミネートセメントは、約50ミクロン又はそれ未満の粒子サイズを有する。50ミクロン未満の粒子サイズは、幾つかの理由で好ましい。微細な粒子サイズは、鋳型混合及び硬化中の水硬性結合の形成を促進すると考えられる。微粒子サイズは、焼成中の粒子間焼結を促進すると理解され、これは鋳型強度を増大させることができる。微細な粒子サイズは、鋳型及び鋳型において製造される鋳造物品の表面仕上げを改善すると考えられる。カルシウムアルミネートセメントは、粉体として提供することができ、その内因性粉体形態又は噴霧乾燥凝集体のような凝集形態のどちらかで使用することができる。カルシウムアルミネートセメントはまた、微細スケール(例えば、10ミクロン未満のサイズ)アルミナと事前配合することができる。微細スケールアルミナは、高温焼成中の焼結に起因して強度を増大させると考えられる。場合によっては、微細スケールアルミナの有無に関係なく、よりラージスケール(すなわち、10ミクロンよりも大きなサイズ)のアルミナを加えてもよい。

中空アルミナ粒子は、少なくとも2つの機能を果たし、すなわち、(1)強度低下を最小限にして鋳型の密度及び重量を減少させ、約2g/cc以下の密度で約500psi以上の強度レベルが得られ、(2)鋳型の弾性係数を減少させ、鋳造後の鋳型及び構成要素の冷却中のコンプライアンスを提供するのに役立つ。鋳型のコンプライアンス及び粉砕性の増大は、構成要素にかかる引張応力を低減することができる。

特定の実施形態において、鋳型はまた、例えば、アルミノケイ酸塩、カルシウムアルミノケイ酸塩、及び同様のものを含むケイ酸塩の小さな重量分率を含有することができる。詳細な実施形態において、鋳造と鋳型の反応を最小限にする目的で、バルク中のアルミノケイ酸塩及びカルシウムアルミノケイ酸塩の重量分率の合計は、典型的には、1つの実施形態では5%未満、別の実施形態では2%未満、及び更なる実施形態では1%未満に保持することができ、フェースコート中のアルミノケイ酸塩及びカルシウムアルミノケイ酸塩の重量分率は、典型的には、1つの実施形態では0.5%未満、別の実施形態では0.2%未満、及び更なる実施形態では0.1%未満に保持することができる。

カルシウムアルミネートセメント組成物 本開示の態様において用いられるカルシウムアルミネートセメントは、典型的には、酸化カルシウム及び酸化アルミニウムの3つの相又は構成要素、すなわち、カルシウムモノアルミネート(Al2O4)、カルシウムジアルミネート(CaAl4O7)、及びマイエナイト(Ca12Al14O33)を含む。カルシウムモノアルミネートは、典型的にはカルシウムアルミネートセメントに存在する水硬性無機質である。カルシウムモノアルミネートの水和反応は、インベストメント鋳型の高い初期強度をもたらす。マイエナイトは、水硬性結合の早期形成に起因して鋳型硬化の初期ステップ中に強度をもたらすので、セメントにおいて望ましいものである。しかしながら、マイエナイトは、典型的には鋳造前に鋳型の熱処理中に除去される。

1つの態様において、初期のカルシウムアルミネートセメント配合は、典型的には、セメント製造窯において焼成した後の熱力学的平衡状態にはない。しかしながら、鋳型製造及び高温焼成の後、鋳型組成物は、熱力学的に安定した構成に移動し、この安定性は、後続の鋳造プロセスにとって有利である。1つの実施形態において、セメント中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は、0.5よりも大きく、マイエナイトの重量分率は、0.15未満である。マイエナイトは、速硬性カルシウムアルミネートであり、硬化の初期ステップ中に鋳型のバルク及びフェースコートに強度を提供すると考えられるので、鋳型のバルク及びフェースコートの両方において鋳型に組み込まれる。消失性ワックスパターンは温度感受性があり、約35℃を超える熱暴露でその形状及び特性を失うので、硬化は、低温(例えば摂氏15度〜摂氏40度の温度)で行うことができる。30℃を下回る温度で鋳型を硬化することが好ましい。

カルシウムアルミネートセメントは、典型的には、高純度酸化カルシウム又は炭酸カルシウムと高純度アルミナを混合することによって生成することができ、この化合物の混合物は、典型的には、炉又は窯において高温、例えば1000〜1500℃の温度に加熱されて反応が可能になる。

セメント「クリンカー」として当技術分野で公知である、窯中で生成される結果として得られる生成物は、次に、粉砕、研磨、及び篩分けされて、好ましい粒子サイズのカルシウムアルミネートセメントを生成する。更に、カルシウムアルミネートセメントは、シリカ、ナトリウム及び他のアルカリなどの最小量の不純物と、酸化鉄とを有するように設計され処理される。1つの態様において、カルシウムアルミネートセメントの目標レベルは、Na2O、SiO2、Fe2O3、及びTiO2の合計が約2重量パーセント未満である。1つの実施形態において、Na2O、SiO2、Fe2O3、及びTiO2の合計は、約0.05重量パーセント未満である。

本開示の1つの態様において、アルミナ(Al2O3)中で35重量%を超えるバルクアルミナ濃度、及び65重量%未満の酸化カルシウムを有するカルシウムアルミネートセメントが提供される。関連の実施形態において、酸化カルシウムのこの重量は、50%未満である。1つの実施例において、セメントの最大アルミナ濃度は、約88%(例えば、約12%CaO)とすることができる。1つの実施形態において、カルシウムアルミネートセメントは、高純度のものであり、最大70%アルミナを含有する。カルシウムモノアルミネートの重量分率は、鋳造前に焼成鋳型において最大にすることができる。最小量の酸化カルシウムは、鋳造合金と鋳型との間の反応を最小限にするのに必要とされる場合がある。セメント中に50%よりも多くの酸化カルシウムが存在する場合、これはマイエナイト及びトリカルシウムアルミネートなどの相をもたらすことができ、これらは、鋳造中にカルシウムモノアルミネートほど機能しない。酸化カルシウムの好ましい範囲は、約50重量%未満及び約10重量%よりも大きい。

上述のように、鋳型におけるカルシウムアルミネートセメント/バインダ中の3つの相は、カルシウムモノアルミネート(CaAl2O4)、カルシウムジアルミネート(CaAl4O7)、及びマイエナイト(Ca12Al14O33)である。フェースコートを生成するセメント中のカルシウムモノアルミネートは、他のカルシウムアルミネート相に勝る幾つかの利点を有する。(1)カルシウムモノアルミネートは速硬性反応(但し、マイエナイトほど速硬ではない)を有するので鋳型に組み込まれ、硬化の初期ステップ中に鋳型に強度を提供すると考えられる。鋳型強度の急速生成は、鋳型の寸法安定性を提供し、この特徴は、最終鋳造構成要素の寸法一貫性を改善する。(2)カルシウムモノアルミネートは、鋳造されているチタン及びチタンアルミナイド合金に関して化学的に安定である。カルシウムモノアルミネートは、カルシウムジアルミネート及びより高いアルミナ活性を有する他のカルシウムアルミネート相に対して使用され、これらの相は、鋳造されているチタン及びチタンアルミナイド合金との反応性がより高い。(3)カルシウムモノアルミネート及びカルシウムジアルミネートは、低膨張相であり、硬化、ワックス除去、及びその後の鋳造中に鋳型において高レベルの応力形成を防止すると理解される。カルシウムモノアルミネートの熱膨張挙動は、アルミナと密接に適合している。

フェースコート 特定の実施形態において、鋳型は、鋳型のバルクと鋳型キャビティとの間にフェースコートを含有する。1つの実施形態において、フェースコートは、連続フェースコートである。別の実施形態において、フェースコートは、内因性フェースコートである。更なる実施形態において、フェースコートは、連続フェースコート及び内因性フェースコートの両方である。鋳型は、鋳型製造中に鋳型強度を向上させる相を含有するように設計され、連続フェースコートは、鋳造中の耐反応性を増大させるように設計される。鋳型は、ネットシェイプ鋳造法にとって望ましい高圧で鋳造することができる。鋳型組成物、フェースコート組成物、並びにフェースコート及び鋳型のバルクにとって好ましい構成相は、鋳造物に改善された特性を提供することが分かっている。連続フェースコートが本明細書で説明され、設計基準に応じて特定の利点を有するが、フェースコートはまた、不連続であることもできる。

フェースコートは、内部表面に隣接する鋳型の領域、又は鋳型における鋳型キャビティとして定義される。1つの実施形態において、フェースコートは、一般的に、約100ミクロン厚の領域と考えられる。特定の用途においてより有効にするために、フェースコートは連続的である。フェースコートの背後にあり鋳型キャビティから離れた領域は、鋳型のバルクと呼ばれる。1つの実施形態において、フェースコートは内因性フェースコートであり、該内因性フェースコートは、鋳型のバルクと共通して少なくとも1つの構成要素を含有するフェースコートを意味する。外因性フェースコートは、鋳型のバルクの一部ではない成分を含有するフェースコートである。

本開示の1つの態様は、カルシウムヘキサアルミネート、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート、及びマイエナイトを含む、チタン含有物品を鋳造するのに用いられる鋳型のフェースコート組成物であり、フェースコート組成物は、内因性フェースコートであり、厚さが約10ミクロン〜約500ミクロンで、鋳型のバルクと鋳型キャビティに開放した鋳型の表面との間に位置する。1つの実施形態において、カルシウムヘキサアルミネートは、外形寸法が約50ミクロン未満の粒子を含む。フェースコートは、1つの実施例において、約50ミクロン未満の粒子サイズのカルシウムアルミネートセメントから構成される。

内因性フェースコートの使用は、外因性フェースコートの使用に勝る特定の利点を有する。具体的には、イットリア又はジルコンのような鋳造に用いられる鋳型中の外因性フェースコートは、鋳型処理及び鋳造(具体的には高圧鋳造)中に縮退、クラック、及び剥離する可能性がある。外因性フェースコートから脱離されたフェースコート片は、鋳型が溶融金属で充填されるときに鋳造に同伴される可能性があり、セラミックフェースコートは最終部品において介在物になる。介在物は、鋳造物から生成される構成要素の機械的性能を低下させる。

1つの実施形態において、本開示は、インベストメント鋳型に内因性フェースコート組成物と、チタン及びチタン合金の鋳造構成要素を共に改良することができるバルク鋳型組成物と、を提供する。1つの実施形態において、鋳型は、カルシウムヘキサアルミネート、カルシウムアルミネートセメント、及びアルミナ粒子を含む。1つの実施例において、カルシウムアルミネートセメントは、幾つかの機能を果たす。第1に、セメントは、消失性パターンの除去によって生成される鋳型のキャビティに内因性フェースコートを生成し、第2に、セメントは、フェースコートの背後にある鋳型のバルク中のアルミナ粒子の間でバインダとして作用する。1つの実施形態において、鋳型におけるCaOのバルク組成物範囲は、10〜50重量パーセントである。1つの実施形態において、フェースコートにおけるCaOの組成物は、20〜40重量パーセントである。1つの実施形態において、最終鋳型は、2グラム/立法センチメートル未満の密度及び500psiよりも大きな強度を有する。

鋳型は、鋳型のバルク及び内因性フェースコートを含むことができ、鋳型のバルク及び内因性フェースコートが異なる組成物を有し、内因性フェースコートは、約50ミクロン未満の粒子サイズを有するカルシウムアルミネートセメントを含む。鋳型は、鋳型のバルク及び内因性フェースコートを含むことができ、鋳型のバルク及び内因性フェースコートが異なる組成物を有し、鋳型のバルクは、約50ミクロンよりも大きなアルミナ粒子を含む。鋳型は、1つの実施例において、鋳型のバルク及び内因性フェースコートを含み、鋳型のバルクが約50ミクロンよりも大きなアルミナ粒子を含み、内因性フェースコートは、約50ミクロン未満のサイズのカルシウムアルミネート粒子を含む。

本開示において提供されるようなネットシェイプ鋳造手法は、x線、超音波、又は渦電流などの非破壊法を用いてより詳細に低コストで検査できる部品を可能にする。過大な厚さセクションにおける検査放射線の減衰及び散乱に関連する問題が軽減される。場合によっては、より小さな欠陥を解像することができ、これにより機械的性能が改善された部品を提供できるようになる。

本開示は、チタン及びチタン合金の構成要素を改良することができる鋳型組成物及び鋳造プロセスを提供する。1つの実施形態において、鋳型は、カルシウムヘキサアルミネート、カルシウムアルミネートセメント、又はバインダ、及びアルミナ粒子を用いて構成される。1つの実施形態において、鋳型は、鋳型のバルクと鋳型キャビティとの間に内因性フェースコートを含有する。フェースコート中の粒子のサイズは、典型的には50ミクロン未満である。鋳型のバルク中の粒子のサイズは、50ミクロンよりも大きくすることができる。1つの実施形態において、鋳型のバルク中の粒子のサイズは、1mmよりも大きい。1つの実施形態において、フェースコート中の粒子のサイズは、50ミクロン未満であり、鋳型のバルク中の粒子のサイズは、50ミクロンよりも多い。一般的に、フェースコートは、連続内因性フェースコートであり、より有効にすることが可能となる。

内因性フェースコートは、重量分率で、鋳型のバルクに比べて少なくとも20パーセント多いカルシウムアルミネート、少なくとも20パーセント少ないアルミナ、及び少なくとも50パーセント少ないマイエナイトを有することができる。内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は、0.30よりも多いとすることができ、マイエナイトの重量分率は、0.10未満とすることができる。1つの実施例において、内因性フェースコート中のカルシウムヘキサアルミネートは、0.01〜0.20の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネートは、0.30〜0.95の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムジアルミネートは、0.05〜0.30の重量分率を含み、内因性フェースコート中のマイエナイトは、0.01〜0.05の重量分率を含む。内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの重量分率の増加により、鋳造中の鋳型と溶融合金の反応率が減少する。

内因性フェースコートは、重量分率で、鋳型のバルクよりも少なくとも20パーセント多いカルシウムモノアルミネートを有することができる。内因性フェースコートは、重量分率で、鋳型のバルクよりも少なくとも20パーセント少ないアルミナを有することができる。1つの実施例において、内因性フェースコートは、重量分率で、鋳型のバルクに比べて少なくとも20パーセント多いカルシウムアルミネート、少なくとも20パーセント少ないアルミナ、及び少なくとも50パーセント少ないマイエナイトを有することができる。

特定の実施形態において、フェースコートの構成相並びに鋳型のバルクの構成相は、鋳造の特性にとって重要である。本明細書で開示されるように、鋳型のフェースコートは、鋳造中の合金との反応を最小限にし、結果として鋳型は、鋳造物に必要な成分特性を提供する。鋳造の外部特性は、形状、幾何学形状、及び表面仕上げなどの特徴を含む。鋳造の内部特性は、機械的特性、微細構造、及び臨界サイズを下回る欠陥(細孔及び介在物など)を含む。

鋳型のフェースコート及び鋳型のバルクの構成相に関して、カルシウムモノアルミネート(CaAl2O4)は、少なくとも2つの理由から望ましい。第1に、カルシウムモノアルミネートは、鋳型製造の初期ステップ中にセメント粒子の間の水硬性結合形成を促進し、この水硬性結合は、鋳型構成中に鋳型強度を提供する。第2に、カルシウムモノアルミネートは、チタン及びチタンアルミナイド基合金との極めて低い反応率を生じる。

1つの実施形態において、フェースコートは、カルシウムヘキサアルミネート(「CA6」とも呼ばれる、CaO・6Al2O3)、カルシウムモノアルミネート(CaAl2O4)、カルシウムジアルミネート(CaAl4O7)、及びマイエナイト(Ca12Al14O33)、並びにアルミナを含む。1つの実施形態において、フェースコート中の粒子のサイズは、50ミクロン未満である。フェースコートにおいて、カルシウムモノアルミネート(CaAl2O4)、カルシウムジアルミネート(CaAl4O7)の組み合わせは、50重量パーセントよりも多く、アルミナ濃度は、50重量パーセント未満である。1つの実施形態において、フェースコート中に30重量パーセントよりも多くのカルシウムモノアルミネート(CaAl2O4)が存在する。フェースコートの背後で鋳型キャビティから離れた領域は、鋳型のバルクと呼ばれる。鋳型セクションのこのバルクにおいて、1つの実施形態では、カルシウムモノアルミネート(CaAl2O4)、カルシウムジアルミネート(CaAl4O7)、及びカルシウムヘキサアルミネートの組み合わせは、50重量パーセント未満であり、鋳型のバルク中のアルミナ濃度は、50重量パーセントよりも多い。

内因性フェースコートの使用は、外因性フェースコートの使用に勝る有意な利点を有する。チタン合金を鋳造するのに用いられる外因性フェースコートは、典型的には、イットリアベースのフェースコート又はジルコニアベースのフェースコートである。具体的には、鋳造するのに用いられる鋳型中の外因性フェースコートは、鋳型処理(消失性パターンの除去及び焼成のような)及び鋳造中に縮退、クラック、及び剥離する可能性がある。外因性フェースコートから脱離されたフェースコート片は、鋳型が溶融金属で充填されるときに鋳造に同伴される可能性があり、セラミックフェースコートは最終部品において介在物になる。介在物は、鋳造物から生成される構成要素の機械的性能を低下させる。

カルシウムアルミネートセメントは、セメント又はバインダと呼ばれ、1つの実施形態において、アルミナ粒子状物質と混合されて鋳造可能インベストメント鋳型ミックスを作る。カルシウムアルミネートセメントは、典型的には、鋳造可能インベストメント鋳型ミックス中で>30重量%であり、この割合のカルシウムアルミネートセメントの使用は、内因性フェースコートの形成に有利に作用する理由から、本開示の特徴である。出願人は、正しいカルシウムアルミネートセメントの化学的性質及びアルミナ配合の選択が鋳型の性能を決定する上で重要であることを見出した。1つの実施例において、カルシウムアルミネートセメントに関して、出願人は、チタン合金との反応を最小限にするよう特定の量の酸化カルシウム(CaO)を使用した。

1つの実施形態において、フェースコートは、約50ミクロン未満の粒子サイズのカルシウムアルミネートセメントを含む。別の実施形態において、カルシウムアルミネートセメントの粒子サイズは、約10ミクロン未満である。1つの実施形態において、鋳型のバルクは、50ミクロンよりも大きなサイズの粒子を有し、アルミナを含有することができる。

フェースコートは、鋳型のバルクよりも少ないアルミナ及びより多いカルシウムアルミネートセメントを有する。内因性フェースコートは、重量分率で、鋳型のバルクに比べて少なくとも20パーセント多いカルシウムモノアルミネート、少なくとも20%少ないアルミナ、及び少なくとも50パーセント少ないマイエナイトを有することができる。1つの実施例において、内因性フェースコート中のカルシウムヘキサアルミネートは、0.01〜0.20の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネートは、0.30〜0.95の重量分率を含み、内因性フェースコート中のカルシウムジアルミネートは、0.05〜0.30の重量分率を含み、且つ内因性フェースコート中のマイエナイトは、0.01〜0.05の重量分率を含む。内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネート及びジアルミネートの重量分率の増加により、鋳造中の鋳型と溶融合金の反応率が減少される。

初期セメントスラリは、30〜300センチポアズの粘度を有するように混合される。1つの実施形態において、粘度の範囲は80〜120センチポアズである。粘度が低すぎる場合、スラリは、懸濁液中に全ての固体を維持することなく、より重い粒子の沈降が起こり、硬化中に偏析が生じ、内因性フェースコートは形成されないことになる。粘度が高すぎる場合、カルシウムアルミネート粒子は、消失性パターンに分割することができず、内因性フェースコートは形成されないことになる。約2000〜8000センチポアズの粘度を有するように、カルシウムアルミネートセメント、カルシウムヘキサアルミネート、及びアルミナ粒子を有する最終スラリが混合される。1つの実施形態において、この最終スラリ粘度範囲は、300〜6000センチポアズである。最終スラリ/ミックス粘度が高すぎる場合、最終スラリミックスは、消失性パターンの周りを流動せず、鋳型の内部キャビティは、所要の最終部品を鋳造するのに適さないことになる。最終スラリミックス粘度が低すぎる場合、硬化中により重い粒子の沈降が起こり、鋳型は、鋳型のバルク全体にわたって所要の均一な組成物を有することはない。

インベストメント鋳型配合は、微細スケール(<50ミクロン)カルシウムアルミネートセメント粒子、微細スケール(<50ミクロン)アルミナ粒子、微細スケール(<50ミクロン)カルシウムヘキサアルミネート、及びよりラージスケール(>50ミクロンのような)アルミナ粒子の多相混合物から成る。内因性フェースコートは、50ミクロンよりも大きなアルミナ粒子を含有しない。水ベースのインベストメントミックス中で懸濁状態の微細スケールセメント粒子及びカルシウムヘキサアルミネート粒子が、鋳型製造中に優先的に消失性/ワックスパターンに分割して、カルシウムヘキサアルミネート、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート、及び遊離アルミナ粒子を含む微細スケール(<50、ミクロン)粒子に濃縮された内因性フェースコート層を形成するので、内因性フェースコートが形成される。1つの実施形態において、フェースコート中にはラージスケール(>50ミクロンのような)アルミナ粒子は存在しない。スラリ粘度及び固体充填率は、内因性フェースコートを形成する上での要因である。内因性フェースコート中にラージスケール(>50ミクロンのような)粒子がない場合、鋳型及び結果として得られる鋳造物の表面仕上げが改善される。内因性フェースコート中のカルシウムモノアルミネート及びカルシウムジアルミネートの重量分率の増加により、鋳造中に鋳型と溶融合金の反応率が減少される。

鋳型のバルクにおいて、カルシウムアルミネートセメントはバインダであり、バインダは、フェースコートの背後の鋳型構造の主骨格と考えられる。カルシウムアルミネートセメントは、鋳型において連続相であり、硬化及び鋳造中に強度を提供する。1つの実施形態において、鋳型組成物のバルクは、微細スケール(<50ミクロン)カルシウムアルミネートセメント粒子及びラージスケール(>50ミクロンのような)アルミナ粒子を含む。別の実施形態において、内因性フェースコート組成物は、カルシウムアルミネートセメント及びカルシウムヘキサアルミネートを含む。

フェースコートを構成するカルシウムアルミネートセメントは、少なくとも3つの相:カルシウムモノアルミネート(CaAl2O4)、カルシウムジアルミネート(CaAl4O7)、及びマイエナイト(Ca12Al14O33)を含む。1つの実施形態において、フェースコートはまた、微細スケールアルミナ粒子を含有することができる。1つの実施形態において、フェースコートはまた、カルシウムヘキサアルミネートを含むことができる。別の実施形態において、フェースコートの背後の鋳型のバルクは、カルシウムモノアルミネート(CaAl2O4)、カルシウムジアルミネート(CaAl4O7)、マイエナイト(Ca12Al14O33)、カルシウムヘキサアルミネート、及びアルミナを含む。アルミナは、ラージスケール(50ミクロンよりも大きいような)アルミナ粒子、例えば、中空アルミナ粒子として組み込むことができる。粒子は、丸い粒子又は不規則凝集体のような様々な幾何学形状を有することができる。アルミナ粒子サイズは、50ミクロンほど小さく及び10mmほど大きくすることができる。

1つの実施形態において、アルミナは、丸い粒子及び中空粒子両方から成り、これは、これらの幾何学形状によりインベストメント鋳型混合物の粘度が低下することに起因する。典型的には、鋳型のバルク中のアルミナ粒子サイズは、50ミクロンよりも大きい。粘度は、消失性パターンの周囲にインベストメント鋳型ミックスの鋳込み及び凝結の間にセメントが消失性パターン(ワックスのような)に分割する様態に影響を与える。粘度はまた、鋳型の表面仕上げ、並びに鋳型から製造された最終鋳造物の表面特徴の忠実度に影響を及ぼす。

特定の実施形態によれば、初期セメントミックスの粘度が低すぎる場合、スラリは、懸濁液中に全ての固体を維持することなく、より重い粒子の沈降が起こり、硬化中に偏析が生じ、内因性フェースコートは形成されないことになる。粘度が高すぎる場合、カルシウムアルミネート粒子は、消失性パターンに分割することができず、内因性フェースコートは形成されないことになる。最終ミックス粘度が高すぎる場合、最終スラリミックスは、消失性パターンの周囲を流動せず、空気がスラリミックスとパターンとの間に捕捉され、鋳型の内部キャビティは、所要の最終部品を鋳造するのには適さないことになる。最終スラリミックス粘度が低すぎる場合、硬化中により重い粒子の沈降が起こり、鋳型は、鋳型のバルク全体にわたって所要の均一な組成物を有さず、結果として得られる鋳造物の品質が損なわれることになる。

フェースコートを生成するカルシウムアルミネートセメント粒子状物質は、典型的には、50ミクロン未満の粒子サイズを有する。50ミクロン未満の粒子サイズは、第1に、微細な粒子サイズが鋳型混合及び硬化中に水硬性結合の形成を促進すること、第2に、微細な粒子サイズが焼成中に粒子間焼結を促進することができ、これにより鋳型強度を増大させることができること、第3に、微細な粒子サイズが鋳型キャビティの表面仕上げを改善することを含む、複数の利点を有する。カルシウムアルミネートセメント粉体は、内因性形態で、又は噴霧乾燥凝集体のような凝集形態の何れかで用いることができる。カルシウムアルミネートセメントはまた、ラージスケールアルミナと混合する前に微細スケール(<10ミクロン)アルミナと事前配合することができ、微細スケールアルミナは、高温焼成中に焼結によって強度を増大させることができる。しかしながら、アルミナ粒子がフェースコートに分割する場合、鋳造特性が低下する可能性がある。

例えば、アルミナ粒子がフェースコートに分割する場合、内因性フェースコートが鋳型のバルクよりも多くアルミナを有するように、溶融合金は、望ましくない方法でアルミナと反応し、表面欠陥及び鋳造物自体の内部に欠陥を生じるガス気泡を発生させることになる。強度及び疲労強度のような結果として得られる鋳造特性が低下する。現在開示されている方法は、鋳型のバルク中よりも内因性フェースコート中に有意に少ないアルミナを有するフェースコートの形成を可能にする。

室温から最終焼成温度までのフェースコート及び鋳型の処理、具体的には熱履歴及び湿度分布もまた重要とすることができる。焼成温度に対する加熱速度、及び焼成後の冷却速度は極めて重要である。フェースコート及び鋳型が過度に急速に加熱される場合、これらは、内部又は外部、或いは両方でクラックが生じる可能性があり、鋳造前のフェースコート及び鋳型のクラックは極めて望ましくなく、少なくとも不十分な表面仕上げを生じることになる。加えて、鋳型及びフェースコートが過度に急速に加熱される場合、鋳型のフェースコートがクラック及び剥離する可能性があり、これは、最悪の場合には最終鋳造において望ましくない介在物をもたらし、介在物がない場合でも不十分な表面仕上げをもたらす可能性がある。最大鋳型焼成温度に達した後にフェースコート及び鋳型が過度に急速に冷却される場合、フェースコート又は鋳型のバルクはまた、内部又は外部、或いは両方でクラックが生じる可能性がある。

初期セメントミックスの固体充填率及び最終鋳型ミックスの固体充填率は、以下の段落で説明されるように、鋳型構造及び鋳型内で内因性フェースコートを形成する能力に対して重要な影響を及ぼす。固体充填率のパーセンテージは、パーセンテージとして記載される、ミックス中の全固体をミックス中の液体及び固体の全質量で除算したものと定義される。1つの実施形態において、初期カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液体ミックス中の固体のパーセンテージは、約65パーセント〜80パーセントである。

初期カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液体ミックス中の固体充填率が、約65パーセント未満である場合、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメント粒子は、懸濁液の中に残らず、鋳型の硬化中に、セメント粒子が水から分離されることになり、組成物は、鋳型全体にわたって均一にならない。対照的に、カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液体ミックス中の固体充填率が過度に高い場合(例えば、約80パーセントよりも大きい)、ラージスケールアルミナを有する最終ミックスの粘度が過度に高くなり(例えば、加えられるラージスケールアルミナ粒子の量、サイズ、及び形態に応じて、約85%よりも大きい)、ミックス中のカルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメント粒子は、鋳型内の消失性パターンに分割することはできず、内因性フェースコートは形成されないことになる。

1つの実施形態において、ラージスケール(1つの実施形態では約50ミクロンよりも大きく、別の実施形態では約100ミクロンよりも大きいことを意味する)アルミナ粒子を有する最終カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液体ミックス中の固体のパーセンテージは、約75パーセント〜約95パーセントである。1つの実施形態において、ラージスケールアルミナ粒子を有する最終カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液体ミックス中の固体のパーセンテージは、約78パーセント〜約88パーセントである。別の実施形態において、ラージスケールアルミナ粒子を有する最終カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液体ミックス中の固体のパーセンテージは、約78パーセント〜約84パーセントである。特定の実施形態において、ラージスケールアルミナ粒子を有する最終カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント液体ミックス中の固体のパーセンテージは、約80パーセントである。

鋳型製造及び鋳造法 インベストメント鋳型は、セラミック成分のインベストメントミックスを形成し、消失性パターンを含有する容器にミックスを注入することによって形成される。パターン上に形成されたインベストメント鋳型は、完全に硬化されて、いわゆる「グリーン鋳型」を形成することを可能にする。内因性フェースコート及びインベストメント鋳型は、パターン上に形成され、これらは、完全に硬化されてこのグリーン鋳型を形成することを可能にする。典型的には、グリーン鋳型の硬化は、1時間〜48時間の間実施される。その後、消失性パターンは、溶融、溶解、点火、又は他の公知のパターン除去技術によってグリーン鋳型から選択的に除去される。ワックスパターン除去の典型的な方法は、オーブンワックス除去(150℃未満)、炉ワックス除去(150℃よりも高い)、蒸気オートクレーブワックス除去、及びマイクロ波ワックス除去を含む。

次いで、チタン合金並びにチタンアルミナイド及びその合金を鋳造するために、グリーン鋳型は、1時間を超える時間期間、好ましくは2〜10時間の間、600℃を上回る(例えば、600〜1400℃)温度で焼成されて、鋳造のための鋳型強度を高め、金属種(Fe、Ni、Cr)及び炭素含有種などの鋳型中のあらゆる望ましくない残留不純物を除去する。1つの実施例において、焼成温度は、少なくとも950℃である。鋳型を焼成する雰囲気は、典型的には周囲空気であるが、不活性ガス又は還元ガス雰囲気を使用してもよい。

焼成プロセスはまた、鋳型から水を除去し、マイエナイトをカルシウムモノアルミネートに転化する。鋳型焼成手順の別の目的は、鋳造前にフェースコート及び鋳型中に残るあらゆる遊離シリカを最小限にすることである。他の目的は、高温強度を増大させ、カルシウムモノアルミネート及びカルシウムジアルミネートの量を増大させることである。

鋳型は、室温から最終焼成温度まで加熱され、具体的には熱履歴が制御される。焼成温度に対する加熱速度及び焼成後の冷却速度は、典型的には調節又は制御される。鋳型が過度に急速に加熱される場合、鋳型は、内部又は外部、或いは両方でクラックを生じる可能性があり、鋳造前の鋳型クラックは極めて望ましくない。加えて、鋳型が過度に急速に加熱される場合、鋳型の内部表面はクラック及び剥離する可能性がある。これは、最終鋳造において望ましくない介在物をもたらし、介在物がない場合でも不十分な表面仕上げをもたらす可能性がある。同様に、鋳型が最高温度に達した後に過度に急速に冷却される場合、鋳型はまた、内部又は外部、或いは両方でクラックを生じる可能性がある。

本開示で記載される鋳型組成物は、チタン及びチタンアルミナイド合金に特に好適である。焼成後及び鋳造前のフェースコート及び鋳型組成物のバルクは、鋳型特性に、特に構成相に関して影響を及ぼす可能性がある。1つの実施形態において、鋳造目的で、鋳型中のカルシウムモノアルミネートの高重量分率、例えば、0.15〜0.6の重量分率が使用される。加えて、鋳造目的で、マイエナイトは感水性であり、鋳造中に水流出及びガス発生に関連する問題を提供する可能性があるので、例えば、0.01〜0.2の重量分率を用いてマイエナイトの重量分率を最小限にすることが望ましい場合がある。

焼成後、鋳型はまた、アルミノケイ酸塩及びカルシウムアルミノケイ酸塩の小さな重量分率を含有することができる。鋳造物と鋳型の反応を最小限にするために、バルク中のアルミノケイ酸塩及びカルシウムアルミノケイ酸塩の重量分率の合計は、典型的には、1つの実施形態では5%未満、別の実施形態では2%未満、及び更なる実施形態では1%未満に保持することができ、フェースコート中のアルミノケイ酸塩及びカルシウムアルミノケイ酸塩の重量分率は、典型的には、1つの実施形態では0.5%未満、別の実施形態では0.2%未満、及び更なる実施形態では0.1%未満に保持することができる。

本開示の1つの態様は、チタン含有物品を鋳造するための鋳型を形成する方法であって、本方法は、(a)固体のパーセンテージが約65%〜約80%及び粘度が約30〜約300センチポアズであるような、カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント混合物の初期スラリを提供するステップと、(b)ラージスケール酸化物粒子(50ミクロンよりも大きい)を初期スラリに加えて、最終スラリ中の固体のパーセンテージが約75%〜約95%になるように、ラージスケール酸化物粒子を有するカルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント混合物を含む最終スラリを生じさせるステップと、(c)消失性パターンを含有する鋳型キャビティ内に最終スラリを導入するステップと、(d)最終スラリを鋳型キャビティにおいて硬化して、チタン含有物品を鋳造するための鋳型を形成可能にするステップと、を含む。

1つの実施形態において、初期スラリを提供するステップは、液体とカルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを組み合わせて、カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント混合物の初期スラリを生成するステップを含み、初期スラリ中の固体のパーセンテージは、約65%〜約80%であり、初期スラリの粘度は、約30〜約300センチポアズである。

1つの実施形態において、初期スラリを提供するステップは、液体とカルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを組み合わせて、固体のパーセンテージが約41%〜約65%であるカルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント混合物の初期前スラリを生成するステップと、より多くのカルシウムヘキサアルミネート、カルシウムアルミネートセメント、及び/又は液体を初期前スラリに加えて、約65%〜約80%の固体のパーセンテージ及び約30〜約300センチポアズの粘度を有する初期スラリを生じるステップと、を含む。本明細書で使用される場合、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを液体と組み合わせることは、これらの化合物を液体と組み合わせる全ての実施可能な方法を含むことを意味する。例えば、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを液体と組み合わせることは、限定ではないが、(i)カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを共に混合して、次いで液体をカルシウムヘキサアルミネート/カルシウムアルミネートセメント混合物に加えること、(ii)カルシウムヘキサアルミネートを液体と混合して、次いでカルシウムアルミネートセメントを加えること、(iii)カルシウムアルミネートセメントを液体と混合して、次いでカルシウムヘキサアルミネートを加えること、(iv)カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを液体の中に同時に加えること、及び(v)カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを液体と混合することの他の何れかの変形及び順序と、を含むことができる。

特定の実施形態において、本開示の鋳型組成物は、インベストメント鋳型組成物を含む。インベストメント鋳型組成物は、ニアネットシェイプのチタン含有金属のインベストメント鋳型組成物を含む。1つの実施形態において、インベストメント鋳型組成物は、ニアネットシェイプのチタンアルミナイド物品を鋳造するためのインベストメント鋳型組成物を含む。ニアネットシェイプのチタンアルミナイド物品は、例えば、ニアネットシェイプのチタンアルミナイドタービンブレードを含む。

正しいカルシウムアルミネートセメントの化学的性質及びアルミナ配合の選択は、鋳造中の鋳型の性能の要因である。カルシウムアルミネートセメントに関して、チタン合金との反応を最小限にするために、遊離酸化カルシウムの量を調節することが必要とすることができる。セメント中の酸化カルシウム濃度が約10重量%未満である場合、アルミナ濃度が過度に高いことに起因して合金が鋳型と反応し、この反応は、鋳造において望ましくない酸素濃度レベル、ガス気泡、及び不十分な表面仕上げを発生させる。遊離アルミナは、チタン及びチタンアルミナイド合金と積極的に反応する可能性があるので、鋳型材料においてはあまり望ましくない。

セメント中の酸化カルシウム濃度が50重量%よりも大きい場合、鋳型は、環境から水及び二酸化炭素の取り込みの影響を受ける可能性がある。従って、インベストメント鋳型中の酸化カルシウム濃度は、典型的には50%未満に保持することができる。1つの実施形態において、インベストメント鋳型のバルク中の酸化カルシウム濃度は、10重量%〜50重量%である。1つの実施形態において、インベストメント鋳型のバルク中の酸化カルシウム濃度は、10重量%〜40重量%である。代替として、インベストメント鋳型のバルク中の酸化カルシウム濃度は、25重量%〜35重量%とすることができる。1つの実施形態において、フェースコート中のCaOの組成物は、20〜40重量パーセントである。別の実施形態において、鋳型のフェースコート中の酸化カルシウム濃度は、15重量%〜30重量%である。

溶融金属又は合金を鋳造する前に、インベストメント鋳型は、典型的には、特定の構成要素の幾何学形状又は鋳造されることになる合金に依存した鋳型鋳造温度まで予熱される。例えば、典型的な鋳型予熱温度は600℃である。典型的には、鋳型温度範囲は、450℃〜1200℃であり、好ましい温度範囲は450℃〜750℃、場合によっては、好ましい温度範囲は500℃〜650℃である。

1つの態様によれば、溶融金属又は合金は、当業者に公知の重力、反重力、圧力、遠心、及び他の鋳造技術を含むことができる従来の技術を用いて鋳型に注入される。真空又は不活性ガス雰囲気を使用してもよい。複雑な形状の薄壁の幾何学形状に対しては、高圧を使用する技術が好ましい。固化チタンアルミナイド又は合金鋳造物が、典型的には650度未満まで(例えば、室温まで)冷却された後、鋳造物は、鋳型から除去され、グリットブラスティング及び研磨などの従来の技術を用いて仕上げ処理される。

本開示の1つの態様は、チタン及びチタン合金の鋳造法であり、本方法は、(a)カルシウムヘキサアルミネート、カルシウムアルミネートセメント及び酸化アルミニウムを含むインベストメント鋳型組成物を得るステップを含み、インベストメント鋳型組成物は、液体とカルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを組み合わせて、約65%〜約80%の固体のパーセンテージを有するカルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント混合物の初期スラリを生成し、ラージスケール酸化アルミニウム粒子を初期スラリに加えてラージスケール酸化アルミニウム粒子を有するカルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント混合物を含む最終スラリを生じさせ、最終スラリ中の固体のパーセンテージが約75%〜約95%になるようにすることによって生成され、本方法が更に、(b)消失性パターンを含有する容器にインベストメント鋳型組成物を注入するステップと、(c)インベストメント鋳型組成物を硬化するステップと、(d)鋳型から消失性パターンを除去するステップと、(e)鋳型を焼成するステップと、(f)鋳型を鋳型鋳造温度まで予熱するステップと、(g)溶融チタン又はチタン合金を加熱鋳型に注入するステップと、(h)溶融チタン又はチタン合金を固化し、固化チタン又はチタン合金鋳造物を形成するステップと、(i)固化チタン又はチタン合金鋳造物を鋳型から除去するステップと、を含む。1つの実施形態において、本明細書で教示されるように鋳造法によって作られたチタン又はチタン合金物品が請求項に記載されている。

鋳型からの消失性パターンの除去と鋳型鋳造温度までの鋳型の予熱との間に、鋳型は、最初に約600℃〜約1400℃、例えば、約950℃又はそれよりも高い温度まで加熱又は焼成され、次いで室温まで冷却される。

1つの実施形態において、硬化ステップは、1時間〜48時間の間約30℃を下回る温度で行われる。消失性パターンを除去するステップは、溶融、溶解、点火、オーブンワックス除去、炉ワックス除去、蒸気オートクレーブワックス除去、又はマイクロ波ワックス除去のステップを含む。

1つの実施形態において、鋳型からチタン又はチタン合金を除去した後、鋳造物は、グリットブラスティング又は研磨で仕上げることができる。1つの実施形態において、固化鋳造物が鋳型から除去された後、固化鋳造物はX線によって検査される。

固化鋳造物は、鋳造及び仕上げ後に表面検査及びX線撮影を受けて、鋳造物内のあらゆる場所にてあらゆる表面下介在物粒子を検出する。X線撮影を利用して、鋳造物の外部表面の外観検査によっては検出できない介在物を見つけ出す。チタンアルミナイド鋳造は、従来のX線機器を用いてX線撮影(フィルム又はデジタル)を受けてX線写真を提供し、次いで、該X線写真が検査又は分析されて、あらゆる表面下介在物がチタンアルミナイド鋳造物内に存在しているかどうかを判断する。

本開示の別の態様は、チタン含有物品を鋳造する鋳造型の形成する方法である。本方法は、水などの液体とカルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを組み合わせて、液体中でカルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメントのスラリを生成するステップと、消失性パターンを含有する容器にスラリを導入するステップと、鋳型キャビティ中で硬化してチタン含有物品の鋳型を形成可能にするステップと、を含む。1つの実施形態において、本方法は更に、鋳型キャビティにスラリを導入する前に、酸化物粒子(例えば、中空酸化物粒子)をスラリに導入するステップを含む。

形成された鋳型は、グリーン鋳型とすることができ、本方法は更に、グリーン鋳型を焼成するステップを含むことができる。1つの実施形態において、鋳型は、例えば、チタン含有物品を鋳造するためのインベストメント鋳型を含む。1つの実施形態において、チタン含有物品は、チタンアルミナイド物品を含む。1つの実施形態において、インベストメント鋳型組成物は、ニアネットシェイプのチタンアルミナイド物品を鋳造するためのインベストメント鋳型組成物を含む。ニアネットシェイプのチタンアルミナイド物品は、ニアネットシェイプのチタンアルミナイドタービンブレードを含むことができる。1つの実施形態において、開示は、本明細書で教示するように、チタン含有物品鋳型組成物から形成された鋳型に関する。本開示の別の態様は、前述の鋳型で形成された物品に関する。

本開示の更に別の態様は、カルシウムヘキサアルミネート、カルシウムアルミネートセメント、及び酸化アルミニウムを含むインベストメント鋳型組成物を得るステップと、消失性パターンを含有する容器にインベストメント鋳型組成物を注入するステップと、インベストメント鋳型組成物を硬化するステップと、鋳型から消失性パターンを除去するステップと、鋳型を焼成するステップと、鋳型を鋳型鋳造温度まで予熱するステップと、溶融チタン又はチタン合金を加熱鋳型に注入するステップと、鋳造物を形成するように溶融チタン又はチタン合金を固化するステップと、固化チタン又はチタン合金鋳造物を鋳型から除去するステップと、を含む鋳造法によって作られたチタン又はチタン合金鋳造である。1つの実施形態において、本方法で使用するために得られたインベストメント鋳型は、内因性フェースコートとすることができる本明細書で説明するようなフェースコートを含む。1つの実施形態において、本開示は、本用途で教示する鋳造法によって作られたチタン又はチタン合金物品に関する。

表面粗度は、鋳造及び機械加工部部品の表面完全性を表す重要な指標のうちの1つである。表面粗度は、中心線平均粗度値「Ra」並びに光学形状測定によって測定された指定区域における平均PTV(ピークツウバレー)距離「Rz」によって特徴付けられる。粗度値は、外形又は表面の何れかで計算することができる。外形粗度パラメータ(Ra、Rq,...)がより一般的である。粗度パラメータの各々は、表面を記述する式を用いて計算される。使用中に多くの異なる粗度パラメータがあるが、Raは、はるかに一般的である。

平均粗度Raは高さの単位で表される。英単位形において、1Raは、典型的には、インチの「ミリオンス」で表される。これはまた「マイクロインチ」と呼ばれる。本明細書で指示されるRa値は、マイクロインチと呼ぶ。Ra値70は約2ミクロンに相当し、Ra値55は約1ミクロンに相当する。通常、タービンブレード、タービンベーン/ノズル、ターボチャージャー、往復エンジンバルブ、ピストン、及び同様のものなどの高性能物品の表面は、約20又はそれ未満のRaを有することが必要である。本開示の1つの態様は、チタン又はチタン合金を含み、その表面積の少なくとも一部分にわたって20未満の平均粗度Raを有するタービンブレードである。

溶融金属が益々高温に加熱されると、これら溶融金属は、反応がより増える傾向となる(例えば、鋳型表面で望まない反応を受けて)。このような反応は、金属部品を汚染する不純物の形成につながり、これは種々の有害な結果をもたらす。不純物の存在は、所望の基準を満たすことができないように金属組成を偏移させ、これによって目的とする用途に対して鋳造片の使用ができなくなる。更に、不純物の存在は、金属材料の機械的特性に悪影響を及ぼす可能性がある(例えば、材料の強度を低下させる)。

更に、このような反応は、ピット、気孔、及び粗度などの表面テクスチャリングをもたらす可能性があり、このことは、鋳造片の表面上に実質的に望ましくない粗度をもたらす結果となる。例えば、表面粗度を特徴付けるために当技術分野で公知の表面粗度値Raを用いると、ステンレス鋼合金及び/又はチタン合金を利用する鋳造片は、典型的には、良好な作業条件下で約100〜200のRa値を示す。

本開示の1つの態様は、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを含むチタン含有物品を鋳造するための鋳型組成物に関する。鋳型組成物は更に、中空アルミナ粒子を含む。物品は金属物品を含む。1つの実施形態において、物品は、チタンアルミナイド含有物品を含む。別の実施形態において、物品は、チタンアルミナイドタービンブレードを含む。更に別の実施形態において、物品は、ニアネットシェイプのチタンアルミナイドタービンブレードを含む。このニアネットシェイプのチタンアルミナイドタービンブレードは、組み込み前にほとんど又は全く材料除去する必要はない場合がある。

一般的に説明された開示内容は、以下の実施例を参照してより容易に理解することができ、これら実施例は、単に本開示の特定の態様及び実施形態の説明の目的で含まれており、本開示をどのようにも限定することを意図していない。

図1及び2は、本開示の鋳型の種々の実施形態を示す概略図である。図1は、バルク20及びキャビティ40を有する鋳型10を示し、バルク20は、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを含む。図2は、バルク20、キャビティ40、及びバルク20とキャビティ40との間に配置された内因性フェースコート30を有する鋳型10を示し、バルク20及び内因性フェースコートの両方は、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントであるが、異なる量又は特性で含む。

インベストメント鋳型組成物及び形成 カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントをアルミナと混合して、インベストメント鋳型ミックスを生成し、インベストメント鋳型の化学的性質の範囲を試験した。1つの実施例におけるインベストメント混合物は、70%アルミナ及び30%カルシアを有するカルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメント、アルミナ粒子、水、及びコロイド状シリカから成っていた。

鋳型の調製の1つの実施形態は以下の通りである。鋳型ミックスは、コンテナ中でセメント、水、及びコロイド状シリカを混合することによって調製される。混合の高剪断形態を用いることが好ましい。適切に混合されない場合、カルシウムアルミネートセメントミックスはゲル状になる可能性がある。セメントが混合物中で懸濁状態にあるときに、アルミナ粒子を加える。微細スケールアルミナ粒子がセメントと完全に混合されると、カルシウムヘキサアルミネート粒子状物質が加えられてスラリと混合される。微細スケールカルシウムヘキサアルミネート粒子状物質がセメントと完全に混合されると、ラージスケール(例えば、0.5〜1.0mm)アルミナ粒子が加えられ、セメントアルミナ配合物と混合される。最終ミックスの粘度は、考慮すべき要因であり、過度に低く又は高くないことが好ましい。混合後、インベストメントミックスは、制御された方式で、ワックスパターンのような消失性パターンを含有する容器に注入される。容器は、鋳型の外部幾何学形状を提供し、消失性パターンは内部幾何学形状をもたらす。正しい注入速度は考慮すべき要因であり、速度が過度に速い場合には鋳型中に空気が同伴される可能性があり、過度に遅い場合には、セメント及びアルミナ粒子状物質の分離が起こる可能性がある。

図3に示すように、1つの実施形態において、本開示の方法100は、カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント混合物の初期スラリを提供するステップ(110)を含む。初期スラリ中の固体のパーセンテージは、約65%〜約80%であり、初期スラリの粘度は、約30〜約300センチポアズである。1つの実施形態において、ラージスケール酸化物粒子は、初期スラリに加えられて、固体のパーセンテージが約75%〜約95%になるように、ラージスケール酸化物粒子を有するカルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント混合物を含む最終スラリを生じる(120)。最終スラリは、消失性パターンを含有する鋳型キャビティ内に導入される(130)。最終スラリは、鋳型キャビティ中で硬化して、チタン又はチタン含有物品を鋳造するための鋳型を形成可能にする(140)。

図4に示す別の実施例において、方法200は、カルシウムヘキサアルミネート、カルシウムアルミネートセメント、及び酸化アルミニウムを含むインベストメント鋳型組成物を得るステップ(210)を含む。1つの実施例において、インベストメント鋳型組成物は、カルシウムヘキサアルミネート及びカルシウムアルミネートセメントを液体と組み合わせて、約65%〜約80%の固体のパーセンテージを有するカルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント混合物の初期スラリを生成することによって生成される。次いで、ラージスケール酸化アルミニウム粒子を初期スラリに加えて、最終スラリを生じる。最終スラリは、固体のパーセンテージが約75%〜約95%になるようなラージスケール(>50ミクロンのような)酸化アルミニウム粒子を有する最終カルシウムヘキサアルミネート−カルシウムアルミネートセメント混合物を含む。インベストメント鋳型組成物は、消失性パターンを含有する容器に注入される(220)。インベストメント鋳型が硬化され、これにより鋳型組成物を提供する(230)。消失性パターンは、鋳型から除去され(240)、鋳型は焼成される(250)。鋳型は、鋳型鋳造温度まで予熱され(260)、溶融チタン又はチタン合金は、加熱鋳型に注入される(270)。溶融チタン又はチタン合金は、固化されて固化チタン又はチタン合金鋳造物を形成する(280)。最後に、固化チタン又はチタン合金鋳造物が、鋳型から除去される(290)。

カルシウムヘキサアルミネートは、典型的には、100ミクロン未満のサイズを有する粒子として組み込まれる。本開示で記載される実施例に用いるカルシウムヘキサアルミネート粉体は、場合によっては43ミクロン、一部の実施例において記載された20ミクロン未満の最大粒子サイズを有していた。ラージスケール(>50ミクロンのような)アルミナは、アルミナ粒子又はアルミナ気泡として組み込むことができる。粒子は、丸い粒子又は不規則凝集体のような様々な幾何学形状を有することができる。ラージスケールアルミナ粒子サイズは、50ミクロンほど小さく、10mmほど大きくすることができる。アルミナが丸い粒子及び気泡の両方から成ることは、これらの幾何学形状がインベストメント鋳型混合物の粘度を低下させるので好ましい。粘度の低下は、鋳型から生成された最終鋳造物の表面特徴の表面仕上げ及び忠実度を改善する。カルシウムアルミネートセメント粒子状物質は、典型的には、50ミクロン未満の粒子サイズを有する。50ミクロン未満の粒子サイズは、3つの理由から、すなわち、第1に、微細な粒子サイズが鋳型混合及び硬化中に水硬性結合の形成を促進すること、第2に、微細な粒子サイズが焼成中に粒子間焼結を促進することができ、これにより鋳型強度を増大させることができること、第3に、微細な粒子サイズが表面仕上げを改善することから好ましい。カルシウムアルミネートセメント粉体は、その内因性形態で、又は噴霧乾燥凝集体のような凝集形態で使用することができる。カルシウムアルミネートセメントはまた、ラージスケールアルミナと混合する前に、微細スケール(<10ミクロン)アルミナと事前配合することができ、微細スケールアルミナは、高温焼成中に焼結により強度を増大させることができる。同様に、カルシウムヘキサアルミネート粒子状物質は、典型的には、100ミクロン未満、好ましくは50ミクロン未満の粒子サイズを有し、このサイズでは、カルシウムヘキサアルミネート粒子状物質は、カルシウムアルミネートセメント粒子と密接に混合することができ、カルシウムヘキサアルミネート粒子状物質は、フェースコートの性能に寄与することができる。100ミクロン未満のサイズを有するカルシウムヘキサアルミネート粒子は、鋳型及びその後の鋳造構成要素の表面仕上げを改善することができる。

カルシウムヘキサアルミネートは、典型的には、100ミクロン未満のサイズを有する粒子として組み込まれる。本開示で説明する実施例に用いるカルシウムヘキサアルミネート粉体は、場合によっては43ミクロン、一部の実施例において説明された20ミクロン未満の最大粒子サイズを有した。

第1の実施例において、インベストメント鋳型を作るためのスラリ混合物は、商業的に配合された80%カルシウムアルミネートセメントの1354gから成った。カルシウムアルミネートセメントは、通常、組成物を80%アルミナに調整するために、アルミナと配合される70%カルシウムアルミネートセメントから成る。61パーセントの初期固体充填率を有するセメントスラリは、820.5gの脱イオン水及び90.5gのコロイド状シリカを用いて生成された。典型的な好適なコロイド状シリカは、Remet LP30、Remet SP30、Nalco 1030を含む。スラリが許容可能な粘度まで混合されると、20ミクロン未満のサイズ範囲の1354gのカルシウムヘキサアルミネートCA6をスラリに加えた。加えられたカルシウムヘキサアルミネートを有するミックスの固体充填率は75.6%であった。スラリを許容可能粘度に混合すると、0.85mm未満及び0.5mmよりも大きなサイズ範囲の1472gのアルミナ気泡をスラリに加えた。混合後、インベストメント鋳型ミックスは、制御された方式で、成形容器に注入された。最終鋳型ミックスの固体充填率は82.6%であった。鋳型ミックスは、満足のいく粘度及びレオロジーで十分に注入した。硬化後、成形部品は、良好な強度及び均一な組成物のものであった。

鋳型は、1000℃の温度で4時間焼成された。水を含まない最終鋳型組成物は、32.2%配合したカルシウムアルミネートセメント、32.2%カルシウムヘキサアルミネート、及び0.6%シリカを有する35%アルミナ気泡を含有した。鋳型は、従来技術によって教示されたものから遊離アルミナ活性を減少させた。

第2の実施例において、インベストメント鋳型を作るためのスラリ混合物は、677gの商業的に配合された80%カルシウムアルミネートセメントから成った。44.3%の初期固体充填率を有するセメントスラリは、820.5gの脱イオン水及び90.5gのコロイド状シリカを用いて生成された。スラリを許容可能粘度に混合すると、20ミクロン未満のサイズ範囲の2031gのカルシウムヘキサアルミネートをスラリに加えた。加えられたカルシウムヘキサアルミネートを有するミックスの固体充填率は75.6%であった。カルシウムアルミネートセメント及びカルシウムヘキサアルミネートのミックスは、混合することが困難で、粘度は、混合中の水硬性結合形成の結果としては過度に高かった。このミックス配合は、鋳型を作るのには適していなかった。

第3の実施例において、インベストメント鋳型を作るためのスラリ混合物は、1015.5gの商業的に配合された80%のカルシウムアルミネートセメントからなった。56.0%の初期固体充填率を有するセメントスラリは、820.5gの脱イオン水及び90.5gのコロイド状シリカを用いて生成された。スラリを許容可能粘度に混合すると、20ミクロン未満のサイズ範囲の1692.5gのカルシウムヘキサアルミネートをスラリに加えた。加えられたカルシウムヘキサアルミネートを有するミックスの固体充填率は、75.6%であった。スラリを許容可能粘度に混合すると、0.85mm未満及び0.5mmよりも大きなサイズ範囲の1472gのアルミナ気泡をスラリに加えた。混合後、インベストメント鋳型ミックスは、制御された方式で容器に注入された。最終鋳型ミックスの固体充填率は、82.6%であった。ミックス品質は、鋳型を作るのに許容可能であったが、最終ミックス粘度は、好ましいものよりも僅かに高かった。特定の実施例において、好ましい値は、約2000センチポアズ未満である。

鋳型は、41000℃の温度で時間焼成された。水を含まない最終鋳型組成物は、24.1%配合したカルシウムアルミネートセメント、40.3%カルシウムヘキサアルミネート、及び0.6%シリカを有する35%遊離アルミナ気泡を含有した。鋳型は、従来技術によって教示されたものから遊離アルミナ活性を減少させた。

第4の実施例において、インベストメント鋳型を作るためのスラリ混合物は、2708gの商業的に配合された80%のカルシウムアルミネートセメントからなった。61%の初期固体充填率を有するセメントスラリは、1641gの脱イオン水及び181gのコロイド状シリカを用いて生成された。スラリを許容可能粘度に混合すると、2708gのカルシウムヘキサアルミネートをスラリに加えた。加えられたカルシウムヘキサアルミネートを有するミックスの固体充填率は、75.6%であった。スラリを許容可能粘度に混合すると、0.85mm未満及び0.5mmよりも大きなサイズ範囲の2944gのアルミナ気泡をスラリに加えた。混合後、インベストメント鋳型ミックスは、制御された方式で、容器に注入された。最終鋳型ミックスの固体充填率は、82.6%であった。得られる鋳型は、約120mmの直径及び約400mmの長さを保有した。

鋳型は、1000℃の温度で4時間焼成された。水を含まない最終鋳型組成物は、32.2%配合したカルシウムアルミネートセメント、32.2%カルシウムヘキサアルミネート、及び0.6%シリカを有する35%アルミナ気泡を含有した。鋳型は、従来技術によって教示されたものから遊離アルミナ活性を減少させた。鋳型は、カルシウムヘキサアルミネートを含有した内因性フェースコートを保有した。

鋳型は、カルシウムアルミネート相及びカルシウムヘキサアルミネートから成った内因性フェースコートを有し、フェースコート厚は約100ミクロンであった。このようにして生成された鋳型は、チタンアルミナイドタービンブレードを鋳造するためにうまく使用され、Raが100未満の良好な表面仕上げを有し、2000ppm未満の酸素含有量を有した。

上記の説明は例証を意図するものであり、限定ではない点を理解されたい。例えば、上述の実施形態(及び/又はその態様)は、互いに組み合わせて用いることができる。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は物的事項を本発明の教示に適合するように多くの修正を行うことができる。本明細書で記載される材料の寸法及びタイプは、種々の実施形態のパラメータを定義することを意図しており、単に例証に過ぎず、限定を意味するものではない。上記の説明を精査すると、多くの他の実施形態があることが当業者には明らかであろう。従って、本発明の種々の実施形態の範囲は、添付の請求項並びに請求項が権利を与えられる完全な範囲の均等物を基準として定められるべきである。添付の請求項において、用語“を含む”及び“であって”は、それぞれ用語「備える」及び「において」の平易な相当語として使用されている。その上、添付の請求項において、「第1の」「第2の」「第3の」等の用語は、単なる標識として用いられ、これの対象に数値的条件を課すものではない。上記で説明した全てのこのような目的又は利点が特定の実施形態によって必ずしも達成できる訳ではない点を理解されたい。すなわち、例えば、本明細書で説明したシステム及び技法は、本明細書で教示又は提案することができる他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示された1つの利点又は利点のグループを達成又は最適化する様態で具現化又は実施できることは当業者には理解されるであろう。

限られた数の実施形態のみに関して本発明を詳細に説明してきたが、本発明はこのような開示された実施形態に限定されないことは理解されたい。むしろ、本発明は、上記で説明されていない多くの変形、改造、置換、又は均等な構成を組み込むように修正することができるが、これらは、本発明の技術的思想及び範囲に相応する。加えて、本発明の種々の実施形態について説明してきたが、本発明の態様は記載された実施形態の一部のみを含むことができる点を理解されたい。従って、本発明は、上述の説明によって限定されると見なすべきではなく、添付の請求項の範囲によってのみ限定される。

本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、更に、あらゆる当業者があらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること並びにあらゆる包含の方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。

10 鋳型 20 バルク 40 鋳型キャビティ

QQ群二维码
意见反馈