Apparatus and method for molding the mold

申请号 JP2010544500 申请日 2010-07-20 公开(公告)号 JP4853593B2 公开(公告)日 2012-01-11
申请人 新東工業株式会社; 发明人 修一 井出; 貴之 小宮山; 拓也 新田; 豊 波多野; 修司 高須;
摘要
权利要求
  • 鋳型が造型される位置に搬出入移動可能に設けられた下鋳枠と、
    該下鋳枠の上面に装着され、両面にパターンを有するマッチプレートと、
    前記下鋳枠の下端に連結可能で、かつ、側壁面に鋳型砂導入孔を有する昇降可能な下盛枠と、
    前記下鋳枠、前記マッチプレート及び前記下盛枠と共に下造型空間を形成可能とするように昇降可能な下スクイズボードと、
    前記マッチプレートの対向上方に固設された上スクイズボードと、
    前記マッチプレート及び前記上スクイズボードとともに上造型空間を形成可能とする上鋳枠と、
    前記下スクイズボードを昇降させる枠セットスクイズシリンダと、
    空気配管と油圧配管とを含み、前記枠セットスクイズシリンダをエアオンオイル方式で駆動する駆動機構と、
    前記駆動機構を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記下鋳枠、前記マッチプレート、前記下盛枠及び前記下スクイズボードによって下造型空間を画成すると共に、前記マッチプレート、前記上スクイズボード及び前記上鋳枠によって上造型空間を画成する際には、前記枠セットスクイズシリンダを低圧で作動させ、
    前記下スクイズボードを上昇させて鋳型砂を圧縮して上鋳型と下鋳型とを同時に造型する際には、前記枠セットスクイズシリンダを増圧シリンダにより高圧で作動させて鋳型砂を圧縮し、
    前記上鋳型を前記マッチプレートの上面側の前記パターンから抜型すると共に、前記下鋳型を前記マッチプレートの下面側の前記パターンから抜型する際には、前記増圧シリンダを停止させて低圧で前記枠セットスクイズシリンダを動作させ前記下スクイズボードを下降させるように制御し、
    前記抜型の際の低圧で前記枠セットスクイズシリンダを動作させ前記下スクイズボードを下降させることで、前記下鋳枠、前記マッチプレート及び前記下盛枠が下降されて上鋳型の抜型が行われ、下降途中においてレール部材に係合することで前記下鋳枠及び前記マッチプレートの下降が停止されるとともに、前記下スクイズボード及び前記下盛枠の下降が続行されて下鋳型の抜型が行われる鋳型造型装置。
  • 前記駆動機構の前記油圧配管内に圧力スイッチが設けられており、
    前記下スクイズボードを上昇させて鋳型砂を圧縮して上鋳型と下鋳型とを同時に造型する際には、前記枠セットスクイズシリンダを増圧シリンダにより高圧で作動させるとともに、前記油圧配管内の油圧が所定の値になったことを前記圧力スイッチが感知したときに、前記増圧シリンダを停止させることを特徴とする請求項1記載の鋳型造型装置。
  • 前記駆動機構の前記油圧配管内に圧力スイッチが設けられており、
    前記下スクイズボードを上昇させて鋳型砂を圧縮して上鋳型と下鋳型とを同時に造型する際には、前記枠セットスクイズシリンダを増圧シリンダにより高圧で作動させるとともに、前記油圧配管内の油圧が0.1MPaから21MPaの間の所定の値になったことを前記圧力スイッチが感知したときに、前記増圧シリンダを停止させることを特徴とする請求項1記載の鋳型造型装置。
  • 前記制御手段は、前記上鋳型を前記マッチプレートの上面側の前記パターンから抜型すると共に、前記下鋳型を前記マッチプレートの下面側の前記パターンから抜型する工程の後に、抜型された前記上鋳型及び前記下鋳型の間の位置から前記マッチプレートをパターンシャトルシリンダにより排出させるようにし、前記マッチプレートが排出された後に、前記増圧シリンダを停止させたままの低圧で枠セットスクイズシリンダを動作させ前記下スクイズボードを上昇させて鋳型合わせするように制御することを特徴とする請求項1、2、3のうちのいずれか1項に記載の鋳型造型装置。
  • 前記制御手段は、前記鋳型合わせの後に、前記上鋳枠を上昇させることで前記上鋳枠から前記上鋳型を抜枠し、前記上鋳型を抜枠した後に、前記増圧シリンダを停止させたままの低圧で枠セットスクイズシリンダを動作させ前記下スクイズボードを下降させるとともに、独立して昇降可能な下盛枠を下降させることにより前記下盛枠から前記下鋳型を抜枠するように制御することを特徴とする請求項4に記載の鋳型造型装置。
  • 前記低圧が、0.1MPa〜0.6MPaであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちのいずれか1項に記載の鋳型造型装置。
  • 前記パターンシャトルシリンダは、0.1MPa〜0.6MPaの空気圧によって作動されることを特徴とする請求項4 または5に記載の鋳型造型装置。
  • 前記パターンシャトルシリンダは、電動シリンダであることを特徴とする請求項 4または5に記載の鋳型造型装置。
  • 前記枠セットスクイズシリンダにより前記下スクイズボードと一緒に昇降される下スクイズフレームに取り付けられ、前記下盛枠を昇降させる下盛枠シリンダが、0.1MPa〜0.6MPaの空気圧によって作動されることを特徴とする請求項6乃至請求項8のうちのいずれか1項に記載の鋳型造型装置。
  • 前記駆動機構は、
    圧縮空気源と、該圧縮空気源に連通遮断可能に一端を接続されたオイルタンクとを含み、
    前記枠セットスクイズシリンダは、前記圧縮空気源に連通遮断可能に接続された戻りポートと、前記オイルタンクに油圧配管で連通遮断可能に接続された行きポートとを有し、
    前記増圧シリンダは、前記圧縮空気源に連通遮断可能に接続された行きポートと戻りポートを有すると共に、前記オイルタンクに連通可能に接続され、且つ前記枠セットスクイズシリンダに前記油圧配管で常時連通するように接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のうちのいずれか1項に記載の鋳型造型装置。
  • 前記圧縮空気源とオイルタンクとが、第1ソレノイドバルブと第1バルブとで連通遮断可能とされ、
    前記圧縮空気源と増圧シリンダとが、第2ソレノイドバルブで連通遮断可能とされており、
    前記増圧シリンダは行きポートと戻りポートとを有すると共に、各ポート毎に第2バルブが設けられ、この第2バルブを該第2ソレノイドバルブで駆動することによって、前記行きポートと前記戻りポートとを交互に連通遮断可能とされており、
    前記圧縮空気源と枠セットスクイズシリンダとが、第3ソレノイドバルブによって連通遮断可能とされていることを特徴とする請求項10記載の鋳型造型装置。
  • 前記第1ソレノイドバルブ、第2ソレノイドバルブ、及び第3ソレノイドバルブのうちの少なくとも2つがマニホールドを介して一体的に接続されていることを特徴とする請求項11記載の鋳型造型装置。
  • 前記駆動機構は、
    圧縮空気源と、該圧縮空気源に連通遮断可能に一端を接続されたオイルタンクとを含み、
    前記枠セットスクイズシリンダは、前記圧縮空気源に連通遮断可能に接続された戻りポートと、前記オイルタンクに油圧配管で連通遮断可能に接続された行きポートとを有し、
    前記増圧シリンダは、前記圧縮空気源に連通遮断可能に接続された行きポートと戻りポートを有すると共に、前記オイルタンクに連通可能に接続され、且つ前記枠セットスクイズシリンダに前記油圧配管で常時連通するように接続され、
    前記圧縮空気源には、モールド押し出しシリンダ、パターンシャトルシリンダ、上枠シリンダ、及び下盛枠シリンダのうちの一つ又は複数のシリンダが連通遮断可能に接続されており、
    前記モールド押し出しシリンダは、抜枠後の上下鋳型を搬送ライン側に押し出すシリンダであり、
    前記パターンシャトルシリンダは、上下造型空間画成前に上鋳枠及び下盛枠の間の位置にマッチプレートを挿入するとともに、抜型後に上鋳型及び下鋳型の間の位置からマッチプレートを排出させるシリンダであり、
    前記上枠シリンダは、上鋳枠を昇降させるシリンダであり、
    前記下盛枠シリンダは、下盛枠を昇降させるシリンダである ことを特徴とする請求項1〜 のうちのいずれか1項に記載の鋳型造型装置。
  • 鋳型が造型される造型位置に搬出入移動可能に設けられた下鋳枠と、該下鋳枠の上面に装着され、両面にパターンを有するマッチプレートと、前記下鋳枠の下端に連結可能で、かつ、側壁面に鋳型砂導入孔を有する昇降可能な下盛枠と、昇降可能な下スクイズボードとによって下造型空間を画成すると共に、前記マッチプレートの対向上方に固設された上スクイズボードと、上鋳枠とによって上造型空間を画成する上下造型空間画成工程と、
    前記下造型空間と前記上造型空間に対して同時に鋳型砂を導入する鋳型砂導入工程と、
    前記下スクイズボードを上昇させて鋳型砂を圧縮して上鋳型と下鋳型とを同時に造型する造型工程と、
    該上鋳型を前記マッチプレートの上面側の前記パターンから抜型すると共に、前記下鋳型を前記マッチプレートの下面側の前記パターンから抜型する抜型工程と、
    前記上鋳枠から前記上鋳型を抜枠すると共に、前記下盛枠から前記下鋳型を抜枠する抜枠工程と、を含み同時に上鋳型及び下鋳型を造型する鋳型造型方法において、
    前記上下造型空間画成工程においては、空気配管と油圧配管とを含む駆動機構によりエアオンオイル方式で駆動されるとともに、前記下スクイズボードを昇降させる枠セットスクイズシリンダを、低圧で作動させることにより上造型空間及び下造型空間が画成され、
    前記造型工程においては、鋳型砂の前記圧縮が、前記枠セットスクイズシリンダを、増圧シリンダにより高圧で作動させることによりなされ、
    前記抜型工程においては、前記増圧シリンダを停止させて低圧で前記枠セットスクイズシリンダを動作させ前記下スクイズボードを下降させることで、前記下鋳枠、前記マッチプレート及び前記下盛枠が下降されて上鋳型の抜型が行われ、下降途中においてレール部材に係合することで前記下鋳枠及び前記マッチプレートの下降が停止されるとともに、前記下スクイズボード及び前記下盛枠の下降が続行が下降されて下鋳型の抜型が行われる鋳型造型方法。
  • 前記造型工程において、前記駆動機構の前記油圧配管内に圧力スイッチが設けられており、
    前記下スクイズボードを上昇させて鋳型砂を圧縮して上鋳型と下鋳型とを同時に造型する際には、前記枠セットスクイズシリンダを増圧シリンダにより高圧で作動させるとともに、前記油圧配管内の油圧が所定の値になったことを前記圧力スイッチが感知したときに、前記増圧シリンダを停止させることを特徴とする請求項14記載の鋳型造型方法。
  • 前記駆動機構の前記油圧配管内に圧力スイッチが設けられており、
    前記下スクイズボードを上昇させて鋳型砂を圧縮して上鋳型と下鋳型とを同時に造型する際には、前記枠セットスクイズシリンダを増圧シリンダにより高圧で作動させるとともに、前記油圧配管内の油圧が0.1MPaから21MPaの間の所定の値になったことを前記圧力スイッチが感知したときに、前記増圧シリンダを停止させることを特徴とする請求項14記載の鋳型造型方法。
  • 前記抜型工程の後に、抜型された前記上鋳型及び前記下鋳型の間の位置から前記マッチプレートをパターンシャトルシリンダにより排出させるようにし、前記マッチプレートが排出された後に、前記増圧シリンダを停止させたままの低圧で前記枠セットスクイズシリンダを動作させ前記下スクイズボードを上昇させて鋳型合わせすることを特徴とする請求項14、15、16のいずれか1項に記載の鋳型造型方法。
  • 前記鋳型合わせの後に、前記上鋳枠を上昇させることで前記上鋳枠から前記上鋳型を抜枠する工程が設けられ、前記上鋳型を抜枠した後に、前記増圧シリンダを停止させたままの低圧で枠セットスクイズシリンダを動作させ前記下スクイズボードを下降させるとともに、独立して昇降可能な下盛枠を下降させることにより前記下盛枠から前記下鋳型を抜枠する工程が設けられることを特徴とする請求項17に記載の鋳型造型方法。
  • 前記低圧が、0.1MPa〜0.6MPaであることを特徴とする請求項14乃至請求項18のうちのいずれか1項に記載の鋳型造型方法。
  • 前記パターンシャトルシリンダは、0.1MPa〜0.6MPaの空気圧によって作動されることを特徴とする請求項17 または18に記載の鋳型造型方法。
  • 前記パターンシャトルシリンダは、電動シリンダであることを特徴とする請求項 17または18に記載の鋳型造型方法。
  • 前記枠セットスクイズシリンダにより前記下スクイズボードと一緒に昇降される下スクイズフレームに取り付けられ、前記下盛枠を昇降させる下盛枠シリンダが、0.1MPa〜0.6MPaの空気圧によって作動されることを特徴とする請求項19乃至請求項21のうちのいずれか1項に記載の鋳型造型方法。
  • 前記駆動機構は、
    圧縮空気源と、該圧縮空気源に連通遮断可能に一端を接続されたオイルタンクとを更に含み、
    前記枠セットスクイズシリンダは、前記圧縮空気源に連通遮断可能に接続された戻りポートと、前記オイルタンクに油圧配管で連通遮断可能に接続された行きポートとを有し、
    前記増圧シリンダは、前記圧縮空気源に連通遮断可能に接続された行きポートと戻りポートを有すると共に、前記オイルタンクに連通可能に接続され、且つ前記枠セットスクイズシリンダに前記油圧配管で常時連通するように接続されていることを特徴とする請求項14乃至請求項22のうちのいずれか1項に記載の鋳型造型方法。
  • 前記圧縮空気源とオイルタンクとが、第1ソレノイドバルブと第1バルブとで連通遮断可能とされ、
    前記圧縮空気源と前記増圧シリンダとが、第2ソレノイドバルブで連通遮断可能とされており、
    前記増圧シリンダは行きポートと戻りポートとを有すると共に、各ポート毎に第2バルブが設けられ、この第2バルブを該第2ソレノイドバルブで駆動することによって、前記行きポートと前記戻りポートとを交互に連通遮断可能とされており、
    前記圧縮空気源と枠セットスクイズシリンダとが、第3ソレノイドバルブによって連通遮断可能とされていることを特徴とする請求項23記載の鋳型造型方法。
  • 第1ソレノイドバルブ、第2ソレノイドバルブ、及び第3ソレノイドバルブのうちの少なくとも2つがマニホールドを介して一体的に接続されたことを特徴とする請求項24記載の鋳型造型方法。
  • 前記駆動機構は、
    圧縮空気源と、該圧縮空気源に連通遮断可能に一端を接続されたオイルタンクとを更に含み、
    前記枠セットスクイズシリンダは、前記圧縮空気源に連通遮断可能に接続された戻りポートと、前記オイルタンクに油圧配管で連通遮断可能に接続された行きポートとを有し、
    前記増圧シリンダは、前記圧縮空気源に連通遮断可能に接続された行きポートと戻りポートを有すると共に、前記オイルタンクに連通可能に接続され、且つ前記枠セットスクイズシリンダに前記油圧配管で常時連通するように接続され、
    前記圧縮空気源には、モールド押し出しシリンダ、パターンシャトルシリンダ、上枠シリンダ、及び下盛枠シリンダのうちの一つ又は複数のシリンダが連通遮断可能に接続されており、
    前記モールド押し出しシリンダは、抜枠後の上下鋳型を搬送ライン側に押し出すシリンダであり、
    前記パターンシャトルシリンダは、上下造型空間画成前に上鋳枠及び下盛枠の間の位置にマッチプレートを挿入するとともに、抜型後に上鋳型及び下鋳型の間の位置からマッチプレートを排出させるシリンダであり、
    前記上枠シリンダは、上鋳枠を昇降させるシリンダであり、
    前記下盛枠シリンダは、下盛枠を昇降させるシリンダであることを特徴とする請求項14〜 16のうちのいずれか1項に記載の鋳型造型方法。
  • 说明书全文

    関連出願の相互参照

    この出願は、日本国特許庁へ出願された特許願第2009−278252号(出願日2009年12月8日)、特許願第2010−103806号(出願日2010年 4月28日)、及び特許願第2010−135821号(出願日2010年 6月15日)の利益を主張しており、当該出願の開示事項の全体が参照により本明細書に組み込まれているものとする。

    本発明は、鋳型を造型するための装置及び方法に関する。 より詳しくは、油圧ポンプを用いる代わりに、空気圧を高圧の油圧に変換する増圧シリンダを用いて、鋳型造型空間を画成して鋳型砂を圧縮することにより、上鋳型と下鋳型とを同時に造型する鋳型造型装置及び鋳型造型方法に関する。

    従来、下盛枠と下スクイズボードによって下造型空間を画成した後、ブロータンクから上下造型空間に同時に鋳型砂を導入し、下スクイズボードを上昇させて上鋳型と下鋳型とを同時に造型した後、上鋳型と下鋳型とを共にパターンプレートから抜枠してから、上鋳枠から上鋳型を抜枠すると共に下盛枠から下鋳型を抜枠して造型する方法及び装置は公知である(特許文献1参照)。

    この造型方法及び装置は、例えば、油圧駆動と空気圧駆動との両方を用いた造型装置で実現されるが、次のような問題点がある。 まず、油圧駆動では油圧ユニットが必要であり、油圧ポンプ、油圧バルブなどのイニシャルコストが高くなる。 また、空気圧駆動では枠セット、スクイズ時に必要な出を確保するには大きなシリンダが必要となる。

    一方、本願の出願人は、鋳型造型機において、空気圧機器と油圧機器を組み合わせた駆動機構によって、スクイズのシリンダにエアオンオイル駆動を用い、枠をセットする時とスクイズ時との圧力を切り換えて作動することを試みている(特許文献2)。 ここで、エアオンオイル駆動とは、低圧の空気圧を油圧に変換して使用する空気圧・油圧の複合機能による駆動方式をいう。

    しかしながら、特許文献2に記載の駆動機構では、上鋳型と下鋳型とを同時に造型することは想定していない。 したがって、上下鋳型の同時造型のためには、どのようなタイミングで各シリンダのエアオンオイル駆動の圧力を切り換えれば鋳型造型機が適正な作動をするかについては未知数である。 当然ながら、特許文献2には、抜型工程、鋳型合わせ工程については何らの記載もない。

    ところが、抜型工程や鋳型合わせ工程においても、適正な速度、圧力制御が重要である。 例えば、抜型工程においては上鋳型と上模型、下鋳型と下模型の抜型を静かにゆっくり行う必要がある。 速度制御が適切に行われない場合には鋳型の品質の低下を招く。 空圧駆動の2速制御ではその調整が困難であり、1速制御としてゆっくり動作させた場合には多大な動作時間を要する。 反対に高速の抜型を行った場合には鋳型の製品部分は抜型不良(砂型崩れ)を起こし良質な鋳型とならない。

    また鋳型合わせ工程においても、造型した上鋳型と下鋳型を密着させるため、鋳型を合わせる圧力が高い場合や速度が速い場合には衝撃により鋳型がつぶれ若しくは崩れることにより不良が発生する可能性がある。

    特開昭59―24552号公報

    特公昭43―2181号公報

    本発明の目的は、エアオンオイル駆動を最適に発揮させ、空気圧と増圧シリンダを用いて空気圧を増圧して、高油圧に変換させ造型の各工程を動作させて上鋳型と下鋳型とを同時に造型する鋳型造型装置及び方法を提供することにある。 即ち、本発明の目的は、枠セットスクイズシリンダが、枠セット、スクイズ、抜型、鋳型合わせ工程の担う重要な役割を果たしていることに鑑み、油圧ユニットを用いないで、空気圧と増圧シリンダを用いて空気圧を増圧して高圧の油圧に変換させ、最適のタイミングで各工程を動作させて上鋳型と下鋳型とを同時に造型する鋳型造型装置及び方法を提供することにある。

    本発明に係る鋳型造型装置は、鋳型が造型される位置に搬出入移動可能に設けられた下鋳枠と、
    該下鋳枠の上面に装着され、両面にパターンを有するマッチプレートと、
    前記下鋳枠の下端に連結可能で、かつ、側壁面に鋳型砂導入孔を有する昇降可能な下盛枠と、
    前記下鋳枠、前記マッチプレート及び前記下盛枠と共に下造型空間を形成可能とするように昇降可能な下スクイズボードと、
    前記マッチプレートの対向上方に固設された上スクイズボードと、
    前記マッチプレート及び前記上スクイズボードとともに上造型空間を形成可能とする上鋳枠と、
    前記下スクイズボードを昇降させる枠セットスクイズシリンダと、
    空気配管と油圧配管とを含み、前記枠セットスクイズシリンダをエアオンオイル方式で駆動する駆動機構と、前記駆動機構を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記下鋳枠、前記マッチプレート、前記下盛枠、及び前記下スクイズボードによって下造型空間を画成すると共に、前記マッチプレート、前記上スクイズボード及び前記上鋳枠とによって上造型空間を画成する際に、前記枠セットスクイズシリンダを低圧で作動させるようにし、前記下スクイズボードを上昇させて鋳型砂を圧縮して上鋳型と下鋳型とを同時に造型する際に、前記枠セットスクイズシリンダを増圧シリンダにより高圧で作動させて鋳型砂を圧縮するように制御する。

    本発明に係る鋳型造型方法は、鋳型が造型される造型位置に搬出入移動可能に設けられた下鋳枠と、該下鋳枠の上面に装着され、両面にパターンを有するマッチプレートと、前記下鋳枠の下端に連結可能で、かつ、側壁面に鋳型砂導入孔を有する昇降可能な下盛枠と、昇降可能な下スクイズボードとによって下造型空間を画成すると共に、前記マッチプレートの対向上方に固設された上スクイズボードと、上鋳枠とによって上造型空間を画成する上下造型空間画成工程と、
    前記下造型空間と前記上造型空間に対して同時に鋳型砂を導入する鋳型砂導入工程と、
    前記下スクイズボードを上昇させて鋳型砂を圧縮して上鋳型と下鋳型とを同時に造型する造型工程と、
    該上鋳型を前記マッチプレートの上面側の前記パターンから抜型すると共に、前記下鋳型を前記マッチプレートの下面側の前記パターンから抜型する抜型工程と、
    前記上鋳枠から前記上鋳型を抜枠すると共に、前記下盛枠から前記下鋳型を抜枠する抜枠工程と、を含み同時に上鋳型及び下鋳型を造型する鋳型造型方法において、
    前記上下造型空間画成工程において、前記下造型空間が、駆動機構によりエアオンオイル方式で駆動される枠セットスクイズシリンダを作動させることによって画成されると共に、前記上造型空間が、前記枠セットスクイズシリンダを低圧で作動させることにより画成され、
    前記造型工程において、鋳型砂の前記圧縮が、前記枠セットスクイズシリンダを、増圧シリンダにより高圧で作動させることによりなされる。

    本発明の鋳型造型装置及びその方法によれば、下造型空間を画成すると共に鋳型砂を圧縮する際に下スクイズボード等を昇降させる枠セットスクイズシリンダをエアオンオイル方式で駆動する駆動機構を設け、この駆動機構を適切に制御することができる。 本発明によれば、空気圧を供給するのみで高出力を発生させて上下鋳型を同時に造型でき、さらに、最適のタイミングでスクイズ工程を動作させることができると共に、このエアオンオイル方式の駆動を制御して工程に合わせた適切な下スクイズボード等の作動を可能とする。 よって、本発明は、構成の簡素化、コンパクト化を実現し、メンテナンスを容易にできると共に、抜型不良等のない高品質の鋳型を造型することができる。 また、本発明は、特に、空気圧と増圧シリンダを用いて空気圧を増圧して高圧の油圧に変換させるので専用の油圧ユニットを必要としないのみならず、高出力が必要な時のみ増圧させるため増圧装置も小さくでき、従来では実現できない程度の装置の小型化を実現する。 さらに、本発明は、油圧ユニットを設けないことによりシーケンサ等の制御手段自体の構成も大幅に簡素化でき、具体的には、油圧ポンプ等を駆動するサーキットブレーカやマグネットスイッチ等の回路が不要にでき、低コスト化を実現すると共に装置の小型化を実現する。
    明細書の一部に含まれ、それを構成する添付図面は、本発明の好ましい実施形態を概略的に示し、上述の一般的説明および以下の好ましい実施形態の詳細な説明と共に、本発明の要旨を説明するのに役立つ。

    本発明の第1の実施形態の鋳型造型装置の一例を示す正面図である。

    図1の装置の側面図である。

    図1の装置の平面図である。

    図1の装置の下スクイズボード周辺の概略拡大図である。

    図1の装置の上枠シリンダ周辺の概略拡大図である。

    図1の装置の電気系統及び空油圧系統を示すブロック図である。

    図1の装置の枠セットスクイズシリンダ駆動機構の空油圧回路図である。

    図8(A)は図1の鋳型造型装置を用いた本発明の鋳型造型方法を示す工程図であり、図8(B)は図8(A)の各工程における複数のシリンダの動作を示す工程図である。

    図1の鋳型造型装置の動作説明図であって、図8(A)の本発明の鋳型造型方法におけるパターンシャトルイン工程終了状態を示す図である。

    図1の装置の動作説明図であって、図8(A)の鋳型造型方法における砂入れ工程終了状態を示す図である。

    図1の装置の動作説明図であって、図8(A)の方法におけるスクイズ工程終了状態を示す図である。

    図1の装置の動作説明図であって、図8(A)の方法における抜型(ドロー)工程終了状態を示す図である。

    図1の装置の動作説明図であって、図8(A)の方法におけるパターンシャトルアウト工程終了状態を示す図である。

    図1の装置の動作説明図であって、図8(A)の方法における鋳型合わせ工程終了状態を示す図である。

    図1の装置の動作説明図であって、図8(A)の方法の抜枠工程において上鋳枠から上鋳型の抜き出す状態を示す図である。

    図1の装置の動作説明図であって、図8(A)の方法における抜枠工程終了状態を示す図である。

    本発明の第2の実施形態の鋳型造型装置の駆動機構の一例を概略的に示す配管系統図である。

    本発明の第3の実施形態の鋳型造型装置を示す側面図であって、その配管系統を部分的に示す側面図である。

    以下、本発明を適用した鋳型造型装置及び鋳型造型方法について、図面を参照して説明する。 まず、第1の実施形態として、図1〜図16を用いて本発明を適用した鋳型造型装置100について説明する。

    1. 第1実施の形態 本実施形態の鋳型造型装置100は、鋳型が造型される位置に搬出入移動可能に設けられた下鋳枠と、該下鋳枠の上面に装着され、両面にパターンを有するマッチプレートと、前記下鋳枠の下端に連結可能で、かつ、側壁面に鋳型砂導入孔を有する昇降可能な下盛枠と、前記下鋳枠、前記マッチプレート及び前記下盛枠とともに下造型空間を形成可能とされ、且つ昇降可能な下スクイズボードと、前記マッチプレートの対向上方に固設された上スクイズボードと、前記マッチプレート及び前記上スクイズボードとともに上造型空間を形成可能とされる上鋳枠と、前記下スクイズボードを昇降させる枠セットスクイズシリンダと、空気配管及び油圧配管を含み、前記枠セットスクイズシリンダをエアオンオイル方式で駆動する駆動機構と、前記駆動機構を制御する制御器とを備える。
    本実施形態の鋳型造型装置100において、前記制御器は、前記下鋳枠、前記マッチプレート、前記下盛枠、及び前記下スクイズボードによって下造型空間を画成すると共に、前記マッチプレート、前記上スクイズボード及び前記上鋳枠とによって上造型空間を画成する制御をなす。 その制御は、前記枠セットスクイズシリンダを低圧で作動させ、前記下スクイズボードを上昇させて鋳型砂を圧縮して上鋳型と下鋳型とを同時に造型する際に、前記枠セットスクイズシリンダを増圧シリンダにより高圧で作動させて鋳型砂を圧縮するようになされる。

    この鋳型造型装置100を用いた本発明の鋳型造型方法は、上鋳型及び下鋳型を同時に造型する所謂同時鋳型造型方法に関する。 より詳しくは、鋳型が造型される造型位置に搬出入移動可能に設けられた下鋳枠と、該下鋳枠の上面に装着され、両面にパターンを有するマッチプレートと、前記下鋳枠の下端に連結可能で、かつ、側壁面に鋳型砂導入孔を有する昇降可能な下盛枠と、昇降可能な下スクイズボードとによって下造型空間を画成すると共に、前記マッチプレートの対向上方に固設された上スクイズボードと、上鋳枠とによって上造型空間を画成する上下造型空間画成工程と、前記下造型空間と前記上造型空間に対して同時に鋳型砂を導入する工程と、前記下スクイズボードを上昇させて鋳型砂を圧縮して上鋳型と下鋳型とを同時に造型する工程と、該上鋳型を前記マッチプレートの上面側の前記パターンから抜型すると共に、前記下鋳型を前記マッチプレートの下面側の前記パターンから抜型する工程と、前記上鋳枠から前記上鋳型を抜枠すると共に、前記下盛枠から前記下鋳型を抜枠する工程と、を含み同時に上鋳型及び下鋳型を造型する鋳型造型方法に関する。
    本発明の鋳型造型方法の一実施形態においては、前記造型空間画成工程において、前記下造型空間が、駆動機構によりエアオンオイル方式で駆動される枠セットスクイズシリンダを作動させることによって画成される。

    更に本実施形態の鋳型造型方法においては、上述のように前記下造型空間を画成すると共に、前記上造型空間が、前記枠セットスクイズシリンダを低圧で作動させることにより画成される。 前記造型工程においては、前記枠セットスクイズシリンダを、増圧シリンダにより高圧で作動させて、鋳型砂を圧縮する。

    ここで、本明細書において「造型位置」とは、造型機のコラムに囲まれた位置をいう。
    「マッチプレート」とは、パターンプレートの両面に模型を有するプレートをいう。
    「上下造型空間画成」とは、下造型空間を画成した後に上鋳型造型空間を画成することを含む。 或いは、下造型空間の画成と同時に、上鋳型造型空間を画成することも含む。
    「壁面に鋳型砂導入孔を備えた下盛枠」とは、鋳型砂が導入される孔を側面(壁)に設けた下盛枠をいう。
    「鋳型砂」とは、その種類を問わないが、例えば、ベントナイトを粘結剤とする生型砂が好適である。
    「鋳型砂を導入する」とは、例えば、壁面に鋳型砂導入孔を備えた上鋳枠及び下盛枠から空気等によって導入することができるが、本発明はこれに限定されるものではなく、砂導入方法は問わない。
    「下スクイズボード」とは、下鋳枠の下造型空間に充填した鋳型砂を密閉させて圧縮するボードをいう。
    「エアオンオイル駆動を適用した枠セットスクイズシリンダ」は、エアオンオイル作動するシリンダである。
    ここで本発明の一つの実施形態においては、下盛枠が、下スクイズボードに対して、「独立に、かつ同時に昇降可能である」ことが好ましい。 この場合、下盛枠だけが、下スクイズボードとは独立して下盛枠シリンダによって昇降可能であると共に、下スクイズボードが枠セットスクイズシリンダによって昇降すると、下盛枠が、下スクイズボードと同時に昇降可能となる。

    「増圧シリンダ」とは、パスカルの原理を利用した増圧シリンダであって、低圧の空気圧を高圧の油圧に変換して使用する空気圧・油圧の複合機能を持つシリンダである。 エアオンオイル駆動では、油圧ポンプは不要であり、空気圧源のみを用いる。
    「パターンシャトルシリンダ」とは、パターンを上下に備えたマッチプレートを造型位置と待機位置に前進及び後退させるシリンダをいう。

    以下、本実施形態の鋳型造型装置及び方法について、図面を参照して更に具体的に説明する。

    本実施形態の鋳型造型装置100は、図1〜図5に示すように、概略的には、上鋳型及び下鋳型からなる鋳型を造型する鋳型造型部100Aと、鋳型造型部100Aに下鋳枠を進入及び後退させる下枠進退駆動部100Bと、鋳型造型部で造型された鋳型を外部に押出すモールド押出部100Cと、鋳型造型部100Aに鋳型砂を供給する鋳型砂供給部100Dとを備えている。

    (1) 鋳型造型部100A
    鋳型造型装置100は、門型フレーム1を備える。 門型フレーム1は、下部ベースフレーム1aと上部フレーム1bとを、平面視四隅においてコラム1cを介して一体的に連結して構成される。

    図4に示すように、下部ベースフレーム1aの上面中央部には、枠セットスクイズシリンダ2が上向きに取り付けられている。 枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aの先端には、下スクイズフレーム3の上端部3aを介して下スクイズボード4が取り付けられている。 枠セットスクイズシリンダ2の本体部2bは、下スクイズフレーム3の下端部3bの中央に設けられた挿通孔3cに挿通されている。
    下部ベースフレーム1aの平面の四隅には、少なくとも高さ10mm以上の摺動ブッシュ(図示せず)を設けて、下スクイズフレーム3の平状態を保持することが好ましい。

    下スクイズフレーム3の下端部3bには、枠セットスクイズシリンダ2を囲むように、4個の下盛枠シリンダ5が鉛直状態で取り付けられている。 各下盛枠シリンダ5の上側のピストンロッド5aは、下スクイズフレーム3の下端部3bに設けられた挿通孔3dを通り、その先端に下盛枠6が取り付けられている。

    下盛枠6の内面6aは、下方へ向かうに従って下盛枠6の内部空間が狭くなるようにテーパー状に形成されており、下スクイズボード4が気密状態を保ちながら下盛枠6へ嵌入し得る構成である。 下盛枠6の側壁部6bには、鋳型砂導入孔6cが設けられている。 下盛枠6の上面には、位置決めピン7を立ててある。

    上記のように、枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aの先端には、下スクイズフレーム3の上端部3aを介して下スクイズボード4が取り付けられ、下スクイズフレーム3の下端部3bには、下盛枠シリンダ5が取り付けられ、下盛枠シリンダ5の上側のピストンロッド5aの先端には、下盛枠6が取り付けられている。 このため、枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aが伸縮動作をすると、同時に、下スクイズボード4、下スクイズフレーム3、下盛枠シリンダ5及び下盛枠6が一体となって上昇又は下降する。 また、下盛枠シリンダ5の上側のピストンロッド5aが伸縮動作をすると、下盛枠6が上昇又は下降する。

    図5に示すように、上部フレーム1bの下面には、上スクイズボード8が固定して設けられており、上スクイズボード8は下スクイズボード4の上方対向位置にある。 上部フレーム1bには、エアシリンダからなる上枠シリンダ9が下向きに固定して設けられている。 上枠シリンダ9のピストンロッド9aの先端には、上鋳枠10が取り付けられている。

    上鋳枠10の内面10aは、下方へ向かうに従って上鋳枠10の内部空間が広くなるようにテーパー状に形成されており、上スクイズボード8が気密状態を保ちながら嵌入し得る構成である。 特に図7に明らかなように、上鋳枠10の側壁部10bには、鋳型砂導入孔10cが設けられている。

    上スクイズボード8と下スクイズボード4との中間位置には、後述する下鋳枠23が進入可能で、かつ、進入した下鋳枠23が昇降可能となる空間Sが形成されている。

    コラム1cの内側には、同一水平面上を左右方向(左右方向とは、図1の図示の状態を基準に定めるものとする。以下、同様である)へ平行に延びる一対の走行レール11が配設されている。

    (2) 下枠進退駆動部100B
    下枠進退駆動部100Bは、コラム1cの左方又は右方(図1の実施形態においては左方)に配置される。

    下枠進退駆動部100Bは、右向きに配置されたパターンシャトルシリンダ21を備える。 パターンシャトルシリンダ21のピストンロッド21aの先端には、マスタープレート22が水平状態で取り付けられる。 マスタープレート22は、ピストンロッド21aの先端から上方へ離隔し得るようピストンロッド21aの先端に取り付けられる。

    マスタープレート22の下面には、下鋳枠23が取り付けられる。

    マスタープレート22の上面には、上下面に模型を備えたマッチプレート24が取り付けられる。

    マスタープレート22は、平面の四隅にそれぞれ鉛直状態のローラアーム22aを備える。 各ローラアーム22aの上端及び下端には、それぞれ鍔付ローラ22b、22cが配設されている。

    下側の4個の鍔付ローラ22cは、パターンシャトルシリンダ21のピストンロッド21aが後退状態にあるときには、同一水平面上を左右方向へ平行に延びる一対のガイドレール25に沿って転動可能に、一対のガイドレール25上に接触する。 上記ピストンロッド21aが前進状態になると、鍔付ローラ22cは一対のガイドレール25上から離れて、コラム1cの内側へ移動する。

    上側の4個の鍔付ローラ22bは、パターンシャトルシリンダ21のピストンロッド21aが後退状態のときは、右側の2個の鍔付ローラ22bのみがコラム1cから延びる一対の走行レール11の左端部の上に載り、上記ピストンロッド21aが前進状態になると、左側の2個の鍔付ローラ22bも一対の走行レール11の上に載るように構成されている。

    (3) モールド押出部100C
    モールド押出部100Cは、コラム1cの左方又は右方(図1では左方)に配置される。

    モールド押出部100Cは、右向きに配置されたモールド押出シリンダ31を備える。 モールド押出シリンダ31のピストンロッド31aの先端には、押出プレート32が連結されている。

    (4) 鋳型砂供給部100D
    鋳型砂供給部100Dは、上部フレーム1bに配設される。

    鋳型砂供給部100Dは、鋳型砂供給口41と、鋳型砂供給口41を開閉するサンドゲート42と、サンドゲート42の下方に配置されたエアレーションタンク43とを備えている。 特に図9に明らかなように、エアレーションタンク43の先端は、上下方向へ二股状に分岐して砂導入孔43aを構成する。

    次に上述の鋳型造型装置100の電気系統及び空油圧系統について説明する。
    図6に示すように、鋳型造型装置100の電気系統は制御手段としてのシーケンサ200を備えており、このシーケンサ200にタッチパネル300(図1〜図3)、ソレノイドバルブSV1,SV2,SV3,SV5,SV6,SV7,SV8、及びカットバルブCVを電気的に接続して構成されている。 また、シーケンサ200には、モールド押出シリンダの帰端(後退端)を検出するためのセンサ、後述する圧力スイッチPS、供給される圧縮空気が一定圧力以上であることを監視する圧力スイッチ、各シリンダの行き端、帰り端を確認するリードスイッチ又は近接スイッチ、スクイズ時に鋳型が一定の厚さに満たない厚さにならないよう監視する近接スイッチなど各種センサ201が電気的に接続される。

    ソレノイドバルブSV1,SV2,SV3及びカットバルブCVは、図7に示す枠セットスクイズシリンダ駆動機構400の構成要素であり、後述する。

    ソレノイドバルブSV5は、モールド押出シリンダ31に対し圧縮空気の給排気を行い、ピストンロッド31aを前進及び後退させるソレノイドバルブである。

    ソレノイドバルブSV6は、パターンシャトルシリンダ21に対し圧縮空気の給排気を行い、ピストンロッド21aを前進及び後退させるソレノイドバルブである。

    ソレノイドバルブSV7は、上枠シリンダ9に対し圧縮空気の給排気を行い、ピストンロッド9aを前進(下降)及び後退(上昇)させるソレノイドバルブである。

    ソレノイドバルブSV8は、下盛枠シリンダ5に対し圧縮空気の給排気を行い、ピストンロッド5aを前進(上昇)及び後退(下降)させるソレノイドバルブである。

    以下に、枠セットスクイズシリンダ駆動機構400について説明する。
    図7に示すように、枠セットスクイズシリンダ駆動機構400は、圧縮空気源401とオイルタンク402と増圧シリンダ403とを備え、空気圧回路404と油圧回路405の複合回路からなるエアオンオイル駆動で構成される。 エアオンオイル駆動とは、空気圧を油圧に変換して使用する空気圧、油圧の複合機能による駆動をいう。 エアオンオイル駆動では、油圧ポンプを用いた専用の油圧ユニットを使用せず、圧縮空気源のみを用いる。

    1) 空気圧回路404
    空気圧回路404について説明する。
    オイルタンク402は上部に空気圧室402aを有しており、空気圧室402aは、ソレノイドバルブ(第1ソレノイドバルブ)SV1に連動して2位置制御されるバルブ(第1バルブ)V1によって、圧縮空気源401及び大気(サイレンサ406)のいずれか一方と連通状態となる。 ソレノイドバルブSV1は、非通電時には、バルブV1の制御ポートをサイレンサ407に連通してバルブV1を非作動状態に保ち、オイルタンク402の空気圧室402aをサイレンサ406に連通し、空気圧室402a内を大気圧に保つ。 また、ソレノイドバルブSV1は、通電時には、バルブV1の制御ポートを圧縮空気源401に連通してバルブV1を作動状態に保ち、オイルタンク402の空気圧室402aを圧縮空気源401に連通し、空気圧室402a内に圧縮空気を供給する。

    増圧シリンダ403は、シリンダ部403aとピストン部403bとを備える。 シリンダ部403aは、上部の空気圧室403cと下部の油圧室403dとを有し、空気圧室403cの断面積と油圧室403dの断面積との面積比は、大きな値、例えば10:1に設定されている。 ピストン部403bは、シリンダ部403aの空気圧室403cに配され、空気圧室403cを上部空気圧室403eと下部空気圧室403fに区画する大径ピストン部403gと、大径ピストン部403gから下方へ延び、先端部が油圧室403dに配される小径ピストン部403hとにより構成される。 増圧タシリンダ403は、上記面積比が10:1の場合、圧縮空気圧の10倍の油圧を発生する。

    増圧シリンダ403の上部空気圧室403eは、ソレノイドバルブ(第2ソレノイドバルブ)SV2に連動して2位置制御されるバルブ(第2バルブ)V2aによって、圧縮空気源401及び大気(サイレンサ408)のいずれか一方と連通状態となる。 ソレノイドバルブSV2は、非通電時には、バルブV2の制御ポートをサイレンサ407に連通してバルブV2aを非作動状態に保ち、増圧シリンダ403の上部空気圧室403eをサイレンサ408に連通し、上部空気圧室403e内を大気圧に保つ。 また、ソレノイドバルブSV2は、通電時には、バルブV2aの制御ポートを圧縮空気源401に連通してバルブV2aを作動状態に保ち、上部空気圧室403eを圧縮空気源401に連通し、上部空気圧室403e内に圧縮空気を供給する。 圧縮空気源401とバルブV2aとの間の空気圧配管には、レギュレータ409が配設されている。

    増圧シリンダ403の下部空気圧室403fは、ソレノイドバルブSV2に連動して2位置制御されるバルブV2bによって、圧縮空気源401及び大気(サイレンサ410)のいずれか一方と連通状態となる。 ソレノイドバルブSV2は、非通電時には、バルブV2bの制御ポートを圧縮空気源401に連通してバルブV2bを作動状態に保ち、増圧シリンダ403の下部空気圧室403fを圧縮空気源401に連通し、下部空気圧室403f内に圧縮空気を供給する。 また、ソレノイドバルブSV2は、通電時には、バルブV2bの制御ポートをサイレンサ411に連通してバルブV2aを非作動状態に保ち、下部空気圧室403fをサイレンサ410に連通し、下部空気圧室403f内を大気圧に保つ。

    枠セットスクイズシリンダ2は、本体部(シリンダ部)2bと、本体部2bの内部に配されるピストン2cと、ピストン2cから上方へ延びるピストンロッド2aとを備え、上述したように、ピストンロッド2aの先端に下スクイズボード4が連結されている。 本体部2bは、上部の空気圧室2dと下部の油圧室2eとを有し、ピストン2cは、空気圧室2dと油圧室2eとを区画する。

    枠セットスクイズシリンダ2の空気圧室2dは、ソレノイドバルブ(第3ソレノイドバルブ)SV3によって、圧縮空気源401及び大気(サイレンサ407)のいずれか一方と連通状態となる。 ソレノイドバルブSV3は、非通電時には、空気圧室2dをサイレンサ407に連通して空気圧室2d内を大気圧に保つ。 また、ソレノイドバルブSV3は、通電時には、空気圧室2dを圧縮空気源401に連通して空気圧室2d内に圧縮空気を供給する。

    2) 油圧回路405
    続いて、油圧回路405について説明する。
    油圧回路405は、オイルタンク402と枠セットスクイズシリンダ2の油圧室2eとの間を油圧配管412で流体連通すると共に、オイルタンク402側の油圧配管部412aの途中にスピードコントローラSC及びカットバルブCVを配置し、枠セットスクイズシリンダ2側の油圧配管部412bに増圧シリンダ403の油圧室403dを流体連通し、さらに、枠セットスクイズシリンダ2側の油圧配管部412bに圧力スイッチPSを配置して構成される。 圧力スイッチPSで油圧配管部412b内の作動オイル402bが所定の圧力に到達したことが監視される。

    カットバルブCVは、非通電時には、オイルタンク402と枠セットスクイズシリンダ2の油圧室2eとの間、及び、オイルタンク402と増圧タシリンダ403の油圧室403dとの間を遮断状態に保つ。 また、カットバルブCVは、通電時には、圧縮空気圧により作動し、オイルタンク402と枠セットスクイズシリンダ2の油圧室2eとの間、及び、オイルタンク402と増圧シリンダ403の油圧室403dとの間を連通状態に保つ。

    カットバルブCVに作動オイル流量を調節できる2速制御用カットバルブを用いることにより、枠セットスクイズシリンダ2を高速及び低速の2速に応答よく作動させることができる。

    次に、上述の鋳型造型装置100を用いた本実施形態の鋳型造型方法について説明する。
    図8(A)に示すように本鋳型造型方法は、パターンシャトルイン工程S1、枠セット工程S2、砂入れ工程S3、スクイズ工程S4、抜型(ドロー)工程S5、パターンシャトルアウト工程S6、鋳型合わせ工程S7、抜枠工程S8、モールド押出工程S9の一連の工程からなる。

    まずは、枠セットスクイズシリンダ駆動機構400の動作を上述した工程に対応させて説明する。

    (1)造型開始時 造型開始時は、ソレノイドバルブSV1、SV2は、共に非通電状態に保持され、ソレノイドバルブSV3及びカットバルブCVは、共に通電状態に保持される。

    ソレノイドバルブSV3は、通電状態にあるため、枠セットスクイズシリンダ2のピストン2c及びピストンロッド2aは下端(下降端)にあり、下スクイズボード4は下端(下降端)に保持される。

    カットバルブCVは、通電状態にあるため、オイルタンク402と枠セットスクイズシリンダ2の油圧室2eとの間、及び、オイルタンク402と増圧シリンダ403の油圧室403dとの間を流体連通状態に保つ。

    (2)パターンシャトルイン工程S1
    パターンシャトルイン工程S1では、造型開始時と同様、ソレノイドバルブSV1、SV2は、共に非通電状態に保持され、ソレノイドバルブSV3及びカットバルブCVは、共に通電状態に保持される。

    (3)枠セット工程S2
    枠セット工程S2では、ソレノイドバルブSV1への通電を開始すると共にソレノイドバルブSV3への通電を停止する。 ソレノイドバルブSV1への通電が開始され、また、ソレノイドバルブSV3への通電が停止されると、枠セットスクイズシリンダ2の油圧室2eに供給されてきた作動オイル402bは、ピストン2cを上昇させ、ピストンロッド2aを介して下スクイズボード4は上昇して行き、枠セットが行われる。

    (4)スクイズ工程S4
    スクイズ工程S4では、ソレノイドバルブSV1及びカットバルブCVへの通電を停止すると共にソレノイドバルブSV2への通電を開始する。

    ソレノイドバルブSV2への通電開始により、増圧シリンダ403の上部空気圧室403e内に供給されてきた圧縮空気は、大径ピストン部403gを押下げる。 この大径ピストン部403gの下降に伴い小径ピストン部403hが油圧室403d内の作動オイル402bを押出す。 押出された作動オイル402bは、枠セットスクイズシリンダ2の油圧室2eに供給されるので、下スクイズボード4が上昇し、スクイズ工程が行われる。

    なお、スクイズ工程S4は、圧力スイッチPSによって作動オイル402bが所定の圧力に到達したことを検知して完了となる。

    (5)抜型(ドロー)工程S5
    抜型(ドロー)工程S5では、ソレノイドバルブSV2への通電を停止すると共にソレノイドバルブSV3及びカットバルブCVへの通電を開始する。 ソレノイドSV2への通電停止により、ピストン部403bは上端(上昇端)まで上昇する。

    カットバルブCVへの通電開始により、オイルタンク402と枠セットスクイズシリンダ2の油圧室2eとの間、及び、オイルタンク402と増圧シリンダ403の油圧室403dとの間が流体連通状態に復帰する。

    ソレノイドバルブSV2への通電が停止されると共にソレノイドバルブSV3及びカットバルブCVへの通電が開始されると、枠セットスクイズシリンダ2のピストン2cが圧縮空気圧によって押下げられるので、油圧室2e内の作動オイル402bが押出される。 この押出された作動オイル402bは、増圧シリンダ403の油圧室403d及びオイルタンク402内に戻る。 従って、枠セットスクイズシリンダ2のピストン2cは下降し、増圧シリンダ403のピストン部403bは上昇する。

    (6)鋳型合わせ工程S7
    鋳型合わせ工程S7では、枠セット工程S2時と同様、先ずソレノイドバルブSV1への通電を開始すると共にソレノイドバルブSV3への通電を停止する。 この状態では、オイルタンク402内の作動オイル402bは、空気圧室402a内に供給されてくる圧縮空気による押下力を受けてオイルタンク402内から押出され、スピードコントローラSC及びカットバルブCVを経て枠セットスクイズシリンダ2の油圧室2eに供給される。 従って、枠セットスクイズシリンダ2のピストン2cは上昇する。

    (7)抜枠工程S8
    抜枠工程S8では、ソレノイドバルブSV1への通電を停止すると共にソレノイドバルブSV3への通電を開始する。 ソレノイドバルブSV3への通電開始により、枠セットスクイズシリンダ2の空気圧室2dは圧縮空気源401に連通し、空気圧室2dに圧縮空気が供給される。 このため、枠セットスクイズシリンダ2のピストン2cが圧縮空気圧によって押下げられるので、油圧室2e内の作動オイル402bが押出される。 この押出された作動オイル402bは、オイルタンク402内に戻る。 従って、枠セットスクイズシリンダ2のピストン2cは下降する。

    以下に、本発明の上述した実施形態の鋳型造型方法の一連の工程を工程順に説明する。
    図8(B)は各工程におけるシリンダの動作を表している。

    1)造型開始時(図1、図2、図3、図4、図5)
    造型開始時、鋳型造型部100Aにおいて、枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aは後退端に位置し、下スクイズボード4は下降端に位置する。 また、下盛枠シリンダ5の上側のピストンロッド5aは後退端に位置し、下盛枠6は下降端に位置する。 また、上枠シリンダ9のピストンロッド9aは前進端に位置し、上鋳枠10は下降端に位置する。

    下枠進退駆動部100Bにおいて、パターンシャトルシリンダ21のピストンロッド21aは後退端に位置し、マスタープレート22、下鋳枠23及びマッチプレート24は、それぞれ後退端に位置する。

    モールド押出部100Cにおいて、モールド押出シリンダ31のピストンロッド31aは後退端に位置し、押出プレート32は後退端に位置する。

    鋳型砂供給部100Dにおいて、エアレーションタンク43内に鋳型砂51(図9)が充填されている。

    2)パターンシャトルイン工程S1(図2、図9)
    パターンシャトルイン工程S1では、パターンシャトルシリンダ21のピストンロッド21aを前進させる。 このピストンロッド21aの前進により、マスタープレート22が前進し、上側の4個の鍔付ローラ22bのうち左側の2個の鍔付ローラ22bも一対の走行レール11上に載ると共に下側の4個の鍔付ローラ22cが一対のガイドレール25上から離れ、ピストンロッド21aが前進端まで前進したとき、マスタープレート22、下鋳枠23及びマッチプレート24が鋳型造型部100Aのコラム1cの内側の所定位置にセットされる。

    3)枠セット工程S2(図10)
    枠セット工程S2は、枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aを前進させて下スクイズボード4を上昇させると共に、下盛枠シリンダ5を前進させて下盛枠6を上昇させ、下盛枠6の位置決めピン7を下鋳枠23の位置決め孔(図示せず)に挿通し、下鋳枠23の下面に下盛枠6を重合し、下スクイズボード4、下盛枠6、下鋳枠23及びマッチプレート24により密閉された下鋳型空間を画成する。 ここで、下スクイズボード4と下スクイズフレーム3は一体であるため、枠セットスクイズシリンダ2を昇降させると、下スクイズフレーム3も下スクイズボード4と共に昇降可能である。

    次に、下スクイズフレーム3及び下スクイズボード4を一体的に上昇させ、位置決めピン7を上鋳枠10の下面に挿通し、下鋳枠23を上鋳枠10の下面に、マッチプレート24及びマスタープレート22を介して重合し、上スクイズボード8、上鋳枠10及びマッチプレート24により密閉された上鋳型空間を形成する。 この際の枠セットスクイズシリンダ2の前進出力は、持ち上げる構成の重量に対するものでよいため比較的に低圧のシリンダを採用することができる。

    なお、上鋳型空間が形成されたとき、枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aは前進端(上昇端)まで達していない。

    上鋳型空間が形成されたとき、下盛枠6の鋳型砂導入孔6cは、エアレーションタンク43の砂導入孔43aと合致する。

    なお、図10では、鋳型砂51が上鋳型空間及び下鋳型空間に充填された状態を示しているが、枠セット工程S2は、鋳型砂51が充填される前の状態である。

    4)砂入れ工程S3(図10)
    砂入れ工程S3では、鋳型砂供給部100Dにおいて、サンドゲート42(図2)を閉じ、エアレーションタンク43に圧縮空気を供給する。 エアレーションタンク43内の鋳型砂51は、圧縮空気の空気圧により、下側の砂導入孔43a及び下盛枠6の鋳型砂導入孔6cを経て下鋳型空間に導入されると共に、上側の砂導入孔43a及び上鋳枠10の鋳型砂導入孔10cを経て上鋳型空間に導入される。

    この砂入れ工程S3において、圧縮空気のみが、上鋳枠10及び下鋳枠23の側壁部に設置された排気孔(図示せず。)から外部に排出される。

    5)スクイズ工程S4(図11)
    スクイズ工程S4では、枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aを更に前進させ、上鋳型空間内の鋳型砂52及び下鋳型空間内の鋳型砂53を上スクイズボード8と下スクイズボード4とによって挟圧し、スクイズする。 このスクイズ工程S4においては、下スクイズボード4の上昇に伴い、下盛枠6、下鋳枠23、マッチプレート24及び上鋳枠10も上昇する。 このスクイズ工程S4により、上鋳型54及び下鋳型55が形成される。

    スクイズする際は、増圧シリンダ403(図7)を下降させ高圧の作動オイルを枠セットスクイズシリンダ2に供給し、所定の硬度を有する上下鋳型を造型する。 スクイズ開始後、増圧シリンダ403の下降を停止するタイミングは、圧力スイッチPS(図7)で行われる。 増圧シリンダ403による増圧(下降)を停止するタイミングは、0.1MPaから21MPaの範囲で設定することが好ましい。 21MPa超える場合は21MPa以上の耐圧を有する機器とする必要があるためコストアップとなる。 一方、0.1MPaより低い場合は鋳型を形成する硬度が得られない。

    なお、本実施の形態では、スクイズ工程開始時から増圧シリンダ403を下降させて枠セットスクイズシリンダ2を高圧で作動させているが、スクイズ開始初期は、増圧シリンダ403を停止させたまま低圧で枠セットスクイズシリンダ2を前進(上昇)させ、その後増圧シリンダ403を作動させてもよい。 スクイズ初期を低圧で作動させることにより、枠セットスクイズシリンダ2が高圧でスクイズするストロークを短くすることができるため、増圧シリンダのサイズを更にコンパクトにすることができる。

    6)抜型(ドロー)工程S5(図12)
    抜型(ドロー)工程S5では、枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aを後退させ、下スクイズボード4を下降させる。 下スクイズボード4の下降に伴い、下鋳枠23、マッチプレート24、マスタープレート22、下盛枠6も下降する。 下降途中において、マスタープレート22の上側の4個の鍔付ローラ22bが一対の走行レール11上に載り、マスタープレート22、下鋳枠23及びマッチプレート24の下降が停止し、下スクイズボード4及び下盛枠6が下降を続行する。

    枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aを後退させる際は、増圧シリンダ403(図7)による増圧(下降)を停止し、増圧シリンダ403を低圧で上昇させると共に同様に低圧で作動させる。 また、鋳型よりマッチプレートを抜く際は鋳型の製品面が崩れないように枠セットスクイズシリンダ2を低速で作動させることが好ましい。

    7)パターンシャトルアウト工程S6(図13)
    パターンシャトルアウト工程S6は、抜型(ドロー)工程S5において、マスタープレート22の上側の4個の鍔付ローラ22bが一対の走行レール11上に載ったとき、マスタープレート22は、パターンシャトルシリンダ21のピストンロッド21aの先端に連結状態となる。

    パターンシャトルアウト工程S6においては、パターンシャトルシリンダ21のピストンロッド21aを後退端まで後退させる。 ピストンロッド21aの後退により、マスタープレート22の下側の4個の鍔付ローラ22bは一対のガイドレール25上に載ると共に、マスタープレート22の上側の4個の鍔付ローラ22bのうち左側の2個の鍔付ローラ22bは一対の走行レール11上から離隔し、マスタープレート22、下鋳枠23及びマッチプレート24は、後退端(原位置)に復帰する。

    このパターンシャトルアウト工程S6終了後は、コラム1cの内側に中子を入れることが可能になり、必要に応じて中子入れが行われる。 但し、中子入れは本発明では必須ではない。

    8)鋳型合わせ工程S7(図14)
    鋳型合わせ工程S7は、枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aを前進させて下スクイズボード4を上昇させ、上鋳型54の下面に下鋳型55を密着させる。

    このときの枠セットスクイズシリンダ2の前進は、枠セット工程S2と同様に増圧シリンダを停止させたまま低圧で作動させる。 また、上鋳型54及び下鋳型55を密着させる直前は、密着の衝撃で鋳型が崩れないように、枠セットスクイズシリンダ2を低速とすることが好ましい。

    9)抜枠工程S8(図15、図16)
    抜枠工程S8では、図15に示すように上枠シリンダ9のピストンロッド9aを後退させ、上鋳枠10を上昇させる。 上鋳枠10の上昇により、上鋳枠10から上鋳型54が抜枠される。 抜枠後、上枠シリンダ9のピストンロッド9aを前進させ、上鋳枠10を下降端(原位置)まで復帰させる。

    続いて、枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aを後退させ、下スクイズボード4を下降端(原位置)まで復帰させる。 また、図16に示すように下盛枠シリンダ5の上側のピストンロッド5aを後退させ、下盛枠6を下降端(原位置)まで復帰させる。

    このときの枠セットスクイズシリンダ2の後退は、鋳型合わせ工程S7と同様に増圧シリンダは停止させたまま、低圧で作動させる。 また、枠セットスクイズシリンダ2の下降端の直前では、抜枠した鋳型に衝撃を与えないために枠セットスクイズシリンダ2を低速で作動させることが好ましい。

    10)モールド押出工程S9
    モールド押出工程S9は、モールド押出シリンダ31のピストンロッド31aを前進させて押出プレート32を前進させ、下スクイズボード4上の鋳型(上鋳型54及び下鋳型55)を搬送ラインに送り出す。
    その後、モールド押出シリンダ31のピストンロッド31aを後退させて、原位置まで復帰させる。

    なお、前述の枠セット工程S2、抜型(ドロー)工程S5、鋳型合わせ工程S7、及び抜枠工程S8において枠セットスクイズシリンダ2を前進又は後退させるための低圧作動の出力は、0.1MPaから0.6MPaとすることが好ましい。 枠セットスクイズシリンダ駆動機構400には上記で説明したエアオンオイル駆動を適用している。 一般的な鋳造工場では、圧縮空気源401の供給圧力は0.6MPa程度に設定されている。 0.6MPaを超えた圧力にすることは可能であるが、コンプレッサの能力を上げる必要がある。 よって省エネルギーの観点から0.6MPa以下とすることが好ましい。 また、0.1MPaより低い圧力では、駆動させる対象の重量やシリンダ内のパッキンなどの摩擦抵抗のために枠セットスクイズシリンダ2を駆動させることが困難である。

    なお、パターンシャトルシリンダ21のピストンロッド21aの前進及び後退は、0.1MPaから0.6MPaの空気圧で行われる。 上記で説明したようにパターンシャトルシリンダ21はマスタープレート22、下鋳枠23及びマッチプレート24を前進及び後退可能であればよいので、0.1MPaから0.6MPaの空気圧でよい。 上述のように一般的な鋳造工場の圧縮空気源の供給圧力は0.6MPa程度であるので、省エネルギーの観点より、パターンシャトルシリンダ21を作動させるための空気圧は0.6MPa以下が好ましい。 また、0.1MPaより低い空気圧では前進及び後進させる対象の重量やシリンダ内の摩擦抵抗などによりパターンシャトルシリンダ21を作動させることが困難である。

    本実施形態におけるパターンシャトルシリンダ21には空気圧シリンダを用いたが、これに代えて電動シリンダとしてもよい。 電動シリンダとすると、シリンダ21のための空気圧配管が不要になるので、さらに簡単な構成となる。

    また、下盛枠シリンダ5のピストンロッド5aを前進(上昇)及び後退(下降)させるための空気圧は、0.1MPaから0.6MPaでよい。 下盛枠シリンダ5は、下盛枠6、下鋳枠23及びマッチプレート24の持ち上げ、下盛枠6からの下鋳型の型抜に用いられているので0.1MPaから0.6MPaの空気圧で作動させることができる。 一般的な鋳造工場での圧縮空気源401の供給圧力は0.6MPa程度であるので省エネルギーの観点から下盛枠シリンダ5を作動させるための空気圧は0.6MPa以下が好ましい。
    また、0.1MPa未満では上昇させる対象の重量やシリンダ内の摩擦抵抗により下盛枠シリンダ5を作動させることが困難である。

    以上で説明したように本実施形態の鋳型造型方法では、枠セットスクイズシリンダ駆動機構400を空気圧回路と油圧回路の複合回路からなるエアオンオイル駆動(低圧の空気圧を高圧の油圧に変換して使用する駆動方式)としたので、空気圧を供給するのみで高出力を発生することができ、メンテナンスが容易でコンパクトなスクイズ機構を用いて上下鋳型を同時に造型することができる。

    また、鋳型を作る上で最も重要な工程であるスクイズ工程S4、枠セット工程S2に加え、抜型工程S5、鋳型合わせ工程S7に空気圧回路と油圧回路の複合回路からなるエアオンオイル駆動で作動する枠セットスクイズシリンダ2を適用しているため最適な時間で良質な鋳型を提供できる。

    圧縮性の高い空気で作動させる空気圧シリンダでは、速度切り替え制御をした場合に速度が瞬時に変化せず2速以上の速度制御に適していないが、圧縮性が極めて低い液体で作動させる油圧シリンダでは速度切り替えの応答が瞬時に行われ2速以上の制御が容易である。 空気圧シリンダを低速の1速で作動させた場合は鋳型を造型するのに多大な時間を要する。 また、逆に空気圧シリンダを高速の1速で作動させた場合には、抜型時に鋳型の製品部分が崩れたり、鋳型合わせ時に衝撃により鋳型がつぶれたりして鋳型不良となる。 そこで、エアオンオイル駆動を適用して油圧シリンダを用いて2速制御することで作動時間と鋳型不良の両方を解決し、最適な時間で良質な鋳型を提供できる。

    さらに、本実施の形態の鋳型造型方法によれば、専用の油圧ユニットを使用せず空気圧のみで油圧と同等の出力を得ることができる。 また、高出力が必要な時のみ増圧させるため増圧装置がコンパクトである。 油圧ポンプを備えた油圧ユニットを全く使用しないので、メンテナンスの際の部品交換コストも抑えられ、作業者の油圧や油圧機器に関する知識もほとんど必要ない。 加えて設置組付の際にも油圧専門の配管設置作業者等も必要ないため設置コストも抑えられる。

    さらに、本実施の形態の鋳型造型方法によれば、前記スクイズ機構を最大限に利用でき、かつ、空気圧と電気を供給するのみで同時に鋳型を造型できる。 また、エアオンオイル駆動に関する箇所のバルブ構成も大部分が空気圧バルブを用いているため作業者の空気圧の知識で対応可能である。 空気圧バルブは、油圧バルブに比べて重量が軽く取り扱いやすい。 さらに配管も大部分が空気圧用であるためメンテナンス時のハンドリングも容易となる。

    本実施形態の鋳型造型方法は、枠セットスクイズシリンダ2を枠セット工程S2、抜型工程S5、鋳型合わせ工程S7、抜枠工程S8では低圧で作動させ、高圧力が必要なスクイズ工程S4のみ増圧シリンダを作動させているので、枠セットスクイズシリンダ2の作動ストロークに比べ増圧シリンダのサイズをコンパクトにすることができる。

    更に、スクイズ開始後の増圧シリンダを停止させるタイミングを、油圧配管内の圧力スイッチによって監視しているので、毎回同じスクイズ力で鋳型を造型でき、品質の安定した鋳型を提供できる。

    また、本実施形態の鋳型造型方法では、パターンシャトルシリンダ21及び下盛枠シリンダ5を空気圧によって作動するので、油圧配管が複雑でなくなる。

    なお本実施形態において、鋳型砂導入にはエアレーションを使用したが、これに代えてブローを用いてもよい。 なお、本明細書においてエアレーションとは、0.05〜0.18MPaの低圧の圧縮空気による鋳型砂導入をいう。 ブローとは、0.2〜0.35MPaの高圧の圧縮空気による鋳型砂導入をいう。

    以上のように本発明を適用した鋳型造型装置100及び鋳型造型方法によれば、下造型空間を画成すると共に鋳型砂を圧縮する際に下スクイズボード等を昇降させる枠セットスクイズシリンダをエアオンオイル方式で駆動する駆動機構400を設け、この駆動機構400を適切に制御することができるので、空気圧を供給するのみで高出力を発生させて上下鋳型を同時に造型できる。 さらに、最適のタイミングでスクイズ工程を動作させることができると共に、このエアオンオイル方式の駆動を制御して工程に合わせた適切な下スクイズボード等の作動を可能とする。 よって、鋳型造型装置100は、構成の簡素化、コンパクト化を実現し、メンテナンスを容易にできると共に、抜型不良等のない高品質の鋳型を造型することができる。 また、鋳型造型装置100は、特に、空気圧と増圧シリンダを用いて空気圧を増圧して高圧の油圧に変換させるので専用の油圧ユニットを必要としないのみならず、高出力が必要な時のみ増圧させるため増圧装置も小さくでき、従来では実現できない程度の装置の小型化を実現する。 さらに、鋳型造型装置100は、油圧ユニットを設けないことによりシーケンサ等の制御手段自体の構成も大幅に簡素化でき、低コスト化を実現すると共に装置の小型化を実現する。 具体的には、鋳型造型装置100は、油圧ポンプ等を駆動するサーキットブレーカやマグネットスイッチ等の回路が不要になるので、制御手段自体の構成も大幅に簡素化できる。

    即ち、エアシリンダを使用した場合、空気は圧縮性の高い流体であるため、速度切り替え制御をした場合に速度が瞬時に変化せず、2速以上の速度制御に適していない。 しかし、その制御を油圧シリンダで行うことで動作時間の問題と抜型不良の問題を両方解決できる。 このように、油圧シリンダでは圧縮性が極めて低いため、速度切り替え時の応答が瞬時に行われるため2速以上の制御が容易である。
    尚、本発明を適用した第1の実施形態の鋳型造型装置100の駆動機構には、駆動機構400を用いるものとして説明したが、後述の第2の実施形態で説明する駆動機構500を用いてもよい。

    本発明を適用した鋳型造型装置100及び鋳型造型方法では、枠セットスクイズシリンダを、空気圧と増圧シリンダを用いて空気圧を増圧して高圧の油圧に変換させ、最適のタイミングで作動させているので、鋳型を作る上で最も重要な工程である(良い鋳物を作るには、良い鋳型が不可欠であるため)スクイズ工程、枠セット工程に加え、抜型工程、鋳型合わせ工程を枠セットスクイズシリンダを用いて作動しているのである。

    また、本発明を適用した鋳型造型装置100及び鋳型造型方法によれば、専用の油圧ユニットを使用せず空気圧のみで油圧と同等の出力を得ることができる。 高出力が必要な時のみ増圧させるため増圧装置がコンパクトである。 油圧ポンプを備えた油圧ユニットを全く使用しないので、メンテナンスの際の部品交換コストも抑えられ、油圧や油圧機器に関する知識もほとんど必要ない。 加えて設置組付の際にも油圧専門の配管設置作業者等も必要ないため設置コストも抑えられる。

    さらに、本発明を適用した鋳型造型装置100及び鋳型造型方法によれば、前記スクイズ機構を最大限に利用でき、かつ、空気圧と電気を供給するのみで同時に鋳型を造型できる。 即ち、油圧バルブに比べて空気圧バルブは重量が軽く取り扱いやすい。 エアオンオイル駆動に関する箇所のバルブ構成も大部分が空気圧バルブを用いているため作業者の空気圧の知識で対応可能である。 配管も大部分が空気圧用であるためメンテナンス時のハンドリングも容易となる。

    なお、上述した特許文献2に記載の機構では、配管の系統やバルブ構成が複雑で、専門の知識や経験を持ち合わせていても組付けやメンテナンスには時間を要するという問題がある。 特に、近年では、抜枠鋳型造型装置においても、高圧スクイズ造型が主流となりつつあり、最大スクイズ面圧が1.0MPaでスクイズされている。 例えば、縦450mm横350mmの見切面の鋳型サイズであっても、空気圧シリンダで出力を確保するには、空気圧0.6MPa時でも、直径約600mmのシリンダが必要となってしまい、設備が大型化して、イニシャルコストがますます高くなってしまう。

    本発明を適用した鋳型造型装置100及び鋳型造型方法では、下造型空間を画成すると共に、上造型空間を画成する工程は、前記枠セットスクイズシリンダを低圧で作動させて実行することができる。 ここで、上下造型空間を画成する際は枠セットスクイズシリンダを作動させる低圧は、例えば0.1MPaから0.6MPaとすることができる。 前記枠セットスクイズシリンダにおける枠セットのストロークはスクイズのストロークの3倍以上あるため、枠セット時に低圧の空圧を低圧の油圧に変換させて作動させることにより増圧シリンダを使用する必要がなくなり、増圧シリンダのサイズをコンパクトにすることができる。

    また、下スクイズボードを上昇させて鋳型砂を圧縮して上鋳型と下鋳型とを同時に造型する工程では、前記枠セットスクイズシリンダを、増圧シリンダにより高圧で作動させて、鋳型砂を圧縮することができる。
    前記枠セットスクイズシリンダを、増圧シリンダにより高圧で作動させて、鋳型砂を圧縮する工程が、枠セットと同じシリンダでなされるため、スクイズ機構が複雑ではなく簡単となる。 また、高圧力が必要なスクイズ時のみ増圧シリンダを作動させるので、増圧シリンダのサイズをコンパクトにすることができる。

    更に、スクイズ開始後、増圧シリンダを停止させるタイミングを、油圧配管内の圧力スイッチによってなすことができる。 そして、該増圧シリンダを停止させるタイミングが、油圧配管内の油圧が0.1MPaから21MPaの範囲で設定された圧力になったことを感知した圧力スイッチによってなされることができる。
    油圧配管内に圧力スイッチを設けることで、0.1MPaから21MPaの間の設定されたスクイズ圧力に到達したことを監視でき、それにより毎回同じスクイズ力で鋳型を造型できるため、品質の安定した鋳型を提供できる。 圧力を監視しない場合は、毎回異なったスクイズ力で鋳型を造型するので鋳型強度のばらつきが大きくなり、つまりは鋳物製品の寸法精度のばらつきが大きくなる。

    そして、前記上鋳型を前記マッチプレートの上面側の前記パターンから抜型すると共に、前記下鋳型を前記マッチプレートの下面側の前記パターンから抜型する工程が、前記増圧シリンダを停止させて低圧で枠セットスクイズシリンダを下降させることができる。
    これにより、枠セット工程と同様の理由から、増圧シリンダのサイズをコンパクトにすることができるというメリットがある。

    加えて、本発明を適用した鋳型造型装置100及び鋳型造型方法においては、前記上鋳型を前記マッチプレートの上面側の前記パターンから抜型すると共に、前記下鋳型を前記マッチプレートの下面側の前記パターンから抜型する工程の後に、前記増圧シリンダを停止させたままの低圧で枠セットスクイズシリンダを上昇させて鋳型合わせすることが好ましい。
    これにより、低圧で鋳型合わせができるので、鋳型を押しつぶすことがないというメリットがある。 高圧のみで鋳型合わせを行う場合は、鋳型を押しつぶさないようにするために機械的な方法を用いるか、減圧弁などで調整した配管系等を準備する必要があり、コストアップとなる。

    本発明を適用した鋳型造型装置100及び鋳型造型方法においては、鋳型合わせの後に、前記上鋳枠から前記上鋳型を抜枠する工程と、前記増圧シリンダを停止させたままの低圧で枠セットスクイズシリンダを下降させて前記下盛枠から前記下鋳型を抜枠する工程と、を更に加えてもよい。
    鋳型合わせの後の枠セットスクイズシリンダの下降が増圧シリンダを停止させたままの低圧で行うことができるので、枠セット工程と同様の理由から、増圧シリンダのサイズをコンパクトにすることができる。

    一方、本発明を適用した鋳型造型装置100及び鋳型造型方法の一つの実施形態によれば、パターンの作動がパターンシャトルシリンダによって行なわれ、このパターンシャトルシリンダは0.1MPaから0.6MPaの空気圧によって作動することができる。 さらに、このパターンの作動は電動シリンダによって行なわれてもよい。
    これにより、空気圧によりパターンの作動ができるので、油圧配管系が単純化するというメリットがある。

    或いは、本発明を適用した鋳型造型装置100及び鋳型造型方法においては、下盛枠シリンダが0.1MPaから0.6MPaの空気圧によって作動させてもよい。 これにより、油圧配管系が単純化するというメリットがある。

    2. 第2の実施形態 次に、図17を参照して本発明の鋳型造型装置及び鋳型造型方法の第2の実施形態について説明する。 この第2の実施形態では、まず鋳型造型装置の枠セットスクイズシリンダに用いるために好適な駆動機構について説明する。 併せて、この駆動機構を用いた鋳型造型装置について説明する。

    図17において、第2の実施形態の鋳型造型装置に用いられる駆動機構500は、圧縮空気源と、該圧縮空気源に連通遮断可能に一端を接続したオイルタンクと、前記圧縮空気源に連通遮断可能に戻りポートを接続すると共に、前記オイルタンクに油圧配管で連通遮断可能に行きポートを接続した枠セットスクイズシリンダと、前記圧縮空気源に連通遮断可能に行きポートと戻りポートを接続すると共に、前記オイルタンクと連通可能に接続した増圧シリンダであって、前記枠セットスクイズシリンダに油圧配管で常時連通するように接続している増圧シリンダと、を有する。

    ここで、本明細書において「圧縮空気源」とは、外部配管、圧縮空気タンク又はコンプレッサ等により圧縮空気を取り込み、又は発生する空気の源をいう。 通常、圧縮空気源として工場圧縮空気の配管を用いることができる。

    また、「圧縮空気源に連通遮断可能に一端を接続したオイルタンク」とは、例えば、バルブを介して、圧縮空気源にオイルタンクの上部を連通遮断可能に接続されたオイルタンクを意味する。 従って、オイルタンク内の作動油の表面を圧縮空気で加圧することが可能であり、また、オイルタンク内の圧縮空気を排気することによって作動油の表面の加圧を止めることもできる。

    更に「圧縮空気源に連通遮断可能に戻りポートを接続すると共に、前記オイルタンクに油圧配管で連通遮断可能に行きポートを接続した枠セットスクイズシリンダ」とは、枠セットとスクイズに利用可能なシリンダであって、オイルタンクと連通させることにより、低圧の油圧によって枠セットを行い、更にオイルタンクとの連通を遮断し、後述の増圧シリンダを利用することによって高圧の油圧を発生させ、この高圧の油圧によってスクイズを行うことができるようになっている。

    そして「圧縮空気源に連通遮断可能に行きポートと戻りポートを接続すると共に、前記オイルタンクと連通可能に接続した増圧シリンダであって、枠セットスクイズシリンダに油圧配管で常時連通するように接続している増圧シリンダ」とは、パスカルの原理を利用した増圧シリンダであって、低圧の空気圧を高圧の油圧に変換する機能を有する空圧・油圧の複合システムのシリンダである。 このようなエアオンオイル駆動方式では、油圧ポンプは不要であり、駆動源として空圧源のみを用いることができる。

    第2の実施形態の抜枠鋳型造型装置において、「枠セットスクイズシリンダ」は、エアオンオイル駆動方式である。 ここで、本実施形態の抜枠鋳型造型装置においても、下盛枠が、下スクイズボードに対して、「独立に、かつ同時に昇降可能である」とは、上述のように下盛枠だけが、下スクイズボードとは独立して下盛枠シリンダによって昇降可能であると共に、下スクイズボードが枠セットスクイズシリンダによって昇降すると、下盛枠が、下スクイズボードと同時に昇降可能であることをいう。
    なお、第2の実施形形態における鋳型砂は、その種類を問わないが、例えば、ベントナイトを粘結剤とする生型砂に好適である。

    3. 第2の実施形態における駆動機構の配管系統 更に図17を参照して、第2の実施形態における駆動機構500の配管系統について説明する。 この配管系統は図17には概略的に示してある。 図17に示す駆動機構500は、圧縮空気源501と、オイルタンク502と、枠セットスクイズシリンダ503と、増圧シリンダ504とを備える。

    図17において、圧縮空気源501は圧縮空気を取り込み、又は発生する源である。 オイルタンク502の上部の一端は、空気配管Apによって圧縮空気源501に連通遮断可能に接続されている。 この連通遮断を可能にするために、ソレノイドバルブSV1と、ソレノイドバルブSV1によって作動可能なバルブV1が用いられている。 また、オイルタンク502の下部は、枠セットスクイズシリンダ503にポート503a(行きポート)に油圧配管を介して連通遮断可能に接続されている。 そして、この枠セットスクイズシリンダ503の他のポート503b(戻りポート)には、空気配管Apを介して圧縮空気源501が連通遮断可能に接続されている。

    更に、増圧シリンダ504は、ポート504aa(行きポート)、およびポート504ab(戻りポート)は圧縮空気源501と連通遮断可能に接続されている。 また、増圧シリンダ504のポート504bは、油圧配管Opを介してカット弁CVを通じてオイルタンク502と連通遮断可能に接続されている。 ここで増圧シリンダ504のピストン504Pとロッド504Rの面積比が10:1とすれば、圧縮空圧の10倍の圧力を有する油圧力に変換する事ができる。 オイルタンク502とカット弁CVの間にはスピードコントローラSpが設けられている。
    そして、増圧シリンダのポート504bは、枠セットスクイズシリンダ503に油圧配管Opを介して常時流体連通するように接続されている。 また、ソレノイドバルブSV1、ソレノイドバルブSV2、ソレノイドバルブSV3の少なくとも2つを、マニホールドを介して圧縮空気源501に一体的に接続している。

    以下、上述した第2の実施形態の抜枠鋳型造型装置における駆動機構500の動作を説明する。 図17において、枠セットスクイズシリンダ503は、抜枠鋳型造型装置の上下鋳枠のセットを行い、その後高出力でスクイズするために使用される。 まず、最初に鋳枠セットを行う。 鋳枠のセット開始時にはソレノイドバルブSV1を作動させて開放することにより、バルブV1を開く。 それと同時にカット弁CVを開く。 これによって、圧縮空圧によりオイルタンク502から枠セットスクイズシリンダ503へ作動油が供給される。 鋳枠のセット工程が完了し、セットされた鋳枠を保持するためバルブV1及びカット弁CVが閉じられる。 その後に鋳枠(図示せず)内に砂を充填し、鋳型砂の充填を完了する。 上記の工程までは通常の圧縮空圧で抜枠鋳型造型装置が操作される。

    その後、ソレノイドバルブSV2を作動させることによりバルブV2a、V2bを作動させ、圧縮空圧により増圧シリンダ504を作動させる。 ここで増圧シリンダ504はピストン4Pとロッド4Rの面積比が10:1であれば、圧縮空圧の10倍の圧力を持った油圧力に変換することができる。 作動油が所定の圧力に到達したことは例えば圧力スイッチPSで監視する。

    スクイズ工程終了後ドロー工程に移行するためソレノイドバルブSV3を開いて圧縮空圧によりドロー工程を行う。 それと同時にソレノイドバルブSV1を開くことでバルブV1が開く。 バルブV1とカット弁CVを開き使用した作動油は増圧シリンダ504とオイルタンク502に戻る。
    枠セットスクイズシリンダ503はスクイズフレームや鋳枠など重量物を持ち上げているため、それらの自重により枠セットスクイズシリンダを縮めることができる。 従って、ソレノイドバルブSV3は必ずしも必要ではない。
    抜枠工程時は低出力で操作を行えるためソレノイドバルブSV1を開放することでバルブV1を開放し、その結果、圧縮空圧のみで枠セットスクイズシリンダ503を作動させることができる。

    このように、ソレノイドバルブSV1、ソレノイドバルブSV2、ソレノイドバルブSV3の少なくとも2つを、マニホールドを介して圧縮空気源1に一体的に接続しているので、駆動機構を有する砂型造型設備は、設置、操作及びメンテナンスが容易になる。

    第2の実施形態においては、スクイズ工程は、下方から圧縮する方式としたが上方から圧縮する方式でもよい。 また、上下両方から圧縮する方式を採用することもできる。 なお、大型のエアシリンダを用いるか、又はブースターシリンダにて増圧し、エアオン方式を用いれば、鋳枠を反転することは可能である。 ただしここでいう鋳枠の反転とは、スクイズ工程を横方向からの圧縮で行うために実施する反転ではなく、砂入れを鋳枠の上方から行うために鋳枠を反転させることをいう。
    上述したように、図17に示される駆動機構500は、第1の実施形態(図1乃至図16)の鋳型造型装置100において、その駆動機構400に代えて用いてもよい。

    4. 第3の実施形態の抜枠鋳型造型装置の駆動機構 本発明の第3の実施形態について説明する。 図18は本発明の第3の実施形態の抜枠鋳型造型装置の側面図(一部正面図を含む)である。 その駆動機構の配管系統は概略的に示してあり、空圧のみの配管の一部を示している。 本発明の第3の実施形態の抜枠鋳型造型装置について、まず駆動機構について説明する。 図18において、駆動機構の内、枠セットスクイズシリンダ3を駆動する部分は、図17に示して上述した駆動機構500のものと同様な構成とすることができるので図示を省略してある。 図18において、砂型造型設備としての抜枠鋳型造型装置(以下、単に抜枠鋳型造型装置という)の駆動機構は、圧縮空気源1を有している。 空圧を利用したソレノイドバルブSV5乃至SV8は、マニホールドMhを介して圧縮空気源501に一体的に接続されている。
    そして、ソレノイドバルブSV5によって、圧縮空気源501とモールド押し出しシリンダ505とは連通遮断可能に接続されている。 またソレノイドバルブSV6によって、圧縮空気源1とパターンシャトルシリンダ506は連通遮断可能に接続されている。 更にソレノイドバルブSV7によって、圧縮空気源501と上枠シリンダ507は連通遮断可能に接続されている。 加えて、ソレノイドバルブSV8によって、圧縮空気源501と下盛枠シリンダCは連通遮断可能に接続されている。

    これらのソレノイドバルブは、抜枠鋳型造型装置に直接搭載するようにしても良いし、抜枠鋳型造型装置とは別に独立して設置しても良い。 これらのソレノイドバルブは、抜枠鋳型造型装置に直接搭載された、または独立して設置されたPLC(プログラマブルコントローラ)と電気配線により接続されている。
    また抜枠鋳型造型装置に搭載された、または独立して設置された制御盤(又は、タッチパネル方式)とPLCも電気配線により接続されている。 またPLCと制御盤(タッチパネル)は同一BOX内に配置しても良いし、それぞれ独立して配置するようにしても良い。
    手動操作時には制御盤(タッチパネル)からの指令がPLCを経由してソレノイドバルブへ電気信号が送られ、それによってソレノイドバルブが作動するようになっている。
    自動運転を行う場合には、制御盤(タッチパネル)からPLCに自動運転の信号を出すことにより、一連の動作指令がシーケンス制御にてPLCからそれぞれのソレノイドバルブに伝達され、造型運転が行われる。

    次に、図18に示される駆動機構の作動について説明する。 図18において、制御盤(図示せず)にはシーケンス制御回路(PLC)が組み込まれており、そのシーケンスに沿って抜枠鋳型造型装置が作動する。
    ソレノイドバルブSV5〜SV8は3位置(3ポート)ダブルソレノイドバルブであり、SV6のSOL−Aが作動した際にはシリンダ6が伸び側に作動し、SV6のSOL−Bが作動した際にはシリンダ6の縮み側に作動する。 SV6のSOL−AおよびSOL−Bのどちらにも指令が出されていない(指令が切れた)場合はバルブの中間位置に停止(作動)するように構成されている。 このとき、シリンダ506は指令が切れた際の位置を保持するように構成されている。

    同様にして、SV7のSOL−Aに駆動信号が入力されると上枠シリンダ507が下降し、SV7のSOL−Bに駆動信号が入力されると上枠シリンダ507が上昇する。 (SV7のSOL−A、SOL−Bのどちらにも駆動信号が入力されていない場合はどちらの配管も排気に繋がるようにされているため、上鋳枠の自重により上枠シリンダ507は下降する)。 加えてSV8は下盛枠シリンダCを作動させるようになっている。 上記のような駆動機構の動作を組み合わせることにより、スクイズ機構によって鋳物砂の圧縮がなされる。

    更に、以上の場合において、空圧を利用したソレノイドバルブSV5、SV6、SV7、SV8をマニホールドMhに一体的に接続することにより、設置、操作及びメンテナンスが容易になる。 加えて、上述した空圧を利用したソレノイドバルブ用のマニホールドと、枠セットスクイズシリンダ503を駆動するための駆動機構に用いた、空圧を利用したソレノイドバルブ用のマニホールドとを一体的に構成することも可能であり、このようにすることによって、設置、操作及びメンテナンスが極めて容易になる。 なお、空圧シリンダの少なくとも1つは電動シリンダであってもよい。

    本実施形態においても、スクイズ工程は、下方から圧縮する方式としたが、上方から圧縮する方式でもよい。

    5. 第3の実施形態の鋳型造型装置 上述のように、図18は本発明の第3の実施形態の抜枠鋳型造型装置の側面図(一部正面図を含む)である。 この図18を参照して本発明の鋳型造型装置の第3の実施形態について説明する。 その枠セットスクイズシリンダ503を駆動するための駆動機構については既に図18を参照して説明した通りである。

    図18において、門型のフレームFは、下部ベースフレーム511と上部フレーム512の四隅を連結するコラム513、513に一体的に連結接続されている。 下部ベースフレーム511の上面中央部には枠セットスクイズシリンダ514が上向きに取り付けられていて、枠セットスクイズシリンダ514のピストンロッド514aの先端には、下スクイズフレーム515を介して下スクイズボード516が取り付けられている。 また、下部ベースフレーム511の4隅には少なくとも10mm以上の摺動ブッシュが設けられ、この摺動ブッシュにより下スクイズフレーム515の水平を確保している。 下スクイズフレーム515の中央部に配置された枠セットスクイズシリンダ514の外側には、4個の下盛枠シリンダC、Cが取り付けられており、それらのピストンロッドCaの先端には下盛枠517が取り付けてある。 また、下スクイズフレーム515の中央には、枠セットスクイズシリンダ514を配置するための穴が開いており、枠セットスクイズシリンダ514の本体が貫通している。

    下盛枠517の内面は、下盛枠517の内部空間が下方向に向けて狭くなる様な形状を有し、かつ、側壁面に鋳型砂導入口(図示せず)を備えると共に下スクイズボード516が気密状に嵌入可能な開口部を備えている。

    そして、下スクイズボード516が、下スクイズフレーム515と一体に構成されている。 このため、枠セットスクイズシリンダ514が上昇すると下スクイズボード516は上昇し、下スクイズフレーム515に取り付けられた4個の下盛枠シリンダC、Cと共に上昇可能になっている。 また、下盛枠シリンダC、Cは、枠セットスクイズシリンダ514と独立に、かつ同時に作動可能になっている。 即ち、下盛枠517が2本以上のコラム513, 513に昇降可能に設けられた下スクイズフレーム515に上向きに取り付けられた複数の下盛枠シリンダCのロッドCaの上先端に連結すると共に、前記下スクイズボード516、下スクイズフレーム515とから構成される下スクイズユニットが、一体的に昇降可能に配置されている。 なお、下盛枠517の上面には位置決めピン517bが立ててある。

    下スクイズボード516に対向した上方には、上スクイズボード518が上部フレーム512の下面に固設されている。 上鋳枠520は、側壁面に鋳型砂導入口を備え、かつ内面は上鋳枠520の内部空間が下向きに広がるテーパー形状を有すると共に、上スクイズボード518が気密状に嵌入可能な大きさの開口部を備えている。 また、図18に示すように、上部フレーム512には、空気圧シリンダからなる上枠シリンダ507が下向きに固設されている。 また、そのピストンロッド522aの縮引動作により上鋳枠520が上昇するように取り付けられている。

    上スクイズボード518と下スクイズボード516の中間位置には、下鋳枠523が側方から通過可能な間隔を保つことができるようになっている。 コラム513、513の間を装置前後方向に移動できるように棒状の走行レールRが設けられている。 下鋳枠523の上面には、上下面に模型を備えたマッチプレート525がマスタープレート526を介して取り付けられ、配置されている。 そしてマスタープレート526の四隅にはローラアーム527を介して鍔付ローラ528が取り付けられている。 エアレーションタンク529は先端を二股状に分岐した砂導入孔530を有し、かつエアレーションタンク529の上部には、鋳型砂供給口(図示せず)を備えたサンドゲート532が配置されている。

    次に空圧用配管について説明する。 上述したように、図18に示す抜枠鋳型造型装置の駆動機構は、圧縮空気源501を有しており、該圧縮空気源501には、空圧を利用したソレノイドバルブSV5乃至SV8が、マニホールドMhを介して圧縮空気源501に一体的に接続されている。 そして、ソレノイドバルブSV5乃至ソレノイドバルブSV8は、それぞれモールド押し出しシリンダ505、パターンシャトルシリンダ506、上枠シリンダ507、下盛枠シリンダCに連通遮断可能に接続されている。

    以下、上述した本実施形態の抜枠鋳型造型装置の動作について説明する。 図18において、まず、圧縮空気源501に連通遮断可能に接続されたパターンシャトルシリンダ506によって、台車に載置されたマスタープレート526を造型ステーションに搬入する。 またマスタープレート526下部には下鋳枠523が装着されている。

    上鋳枠520と下鋳枠523を重ねて画成した上下の造型空間内に吹き漏れなく鋳型砂を充填するため上枠シリンダ507、下盛枠シリンダCの4本及び枠セットスクイズシリンダ514を作動させて上鋳枠520と下鋳枠523のそれぞれを密着させる。 この際の枠セットスクイズシリンダ514の出力は持ち上げる機械の重量に対するものでよいため低圧の作動流体でよい。

    次いで、エアレーションタンク529内の鋳型砂を上鋳枠520、下鋳枠523および下盛枠517内に吹き込む。 そして、充填した鋳型砂を圧縮するため枠セットスクイズシリンダ514で圧縮する。 このときに高圧の作動流体を枠セットスクイズシリンダ514に供給し所定の硬度を有する鋳型を造型する。 このように、高圧の出力が必要な時のみ油圧を増圧させるため、増圧装置をコンパクトなものにすることができる。

    続いて抜型工程について説明する。 抜型を行う際、枠セットスクイズシリンダ514を縮引させ、下降することで、まず上鋳枠520の中の上鋳型(図示せず)の抜型が開始される。 続いて下鋳枠523、マッチプレート525、マスタープレート526、ローラアーム527、鍔付ローラ528で一体的に構成されている台車Dの鍔付ローラ528がレール533の位置まで下降すると、鍔付ローラ528はレール533の上に乗る。 下鋳枠523は下盛枠517と密着した状態で、砂入れおよびスクイズされた後、枠セットスクイズシリンダ514の下降により一体で下降してきたが、台車Dの鍔付ローラ528がレール533に乗ったことにより台車D全体がレール533に乗り移る。 台車Dがレール533に乗り移った後も、枠セットスクイズシリンダ514は更に下降するため、台車Dがレール533に乗り移った直後から下鋳枠523と下盛枠517は分離され、それにより下鋳枠523中の下鋳型(図示せず)の抜型が開始される。 枠セットスクイズシリンダ514の縮引動作が完了すると抜型動作が終了する。

    次に、鋳枠合わせを行う。 鋳枠合わせは、パターンシャトルシリンダ506によって、マスタープレート526を造型ステーションから搬出する。 枠セットスクイズシリンダ514を伸ばし上下の鋳型を密着させる。 この時の枠セットスクイズシリンダ514の上昇出力は、スクイズ時の出力よりも小さい出力に設定してあるため、鋳型を押し潰すことはない。

    上鋳型を上鋳枠520から抜き出すため上枠シリンダ507により上鋳枠520を上昇させ抜枠する。

    枠セットスクイズシリンダ514を縮引させ、鋳型押出し位置に配置する。 更に下盛枠シリンダCを縮引させることで下盛枠517から下鋳型(図示せず)を抜枠する。 下スクイズボード516上面の上下鋳型はモールド押し出しシリンダ505によって駆動されるモールド押出板505aによって搬送ライン側に送り出される。

    上記の説明から明らかなように、第3の実施形態の抜枠鋳型造型装置は、第1の実施形態と同じスクイズ機構を用いており、エアオンオイル方式は枠セットスクイズシリンダのみに適用している。 よって、本実施例では、油圧ポンプを用いた専用の油圧ユニットを使用せず空圧のみで油圧と同等の出力を得ることができる。

    また、高出力が必要な時のみ増圧させるため、増圧装置がコンパクトである。 油圧ポンプを備えた油圧ユニットを全く使用しないで、高圧用のカット弁を1つだけしか使用していないため、メンテナンスの際の部品交換コストも抑えられ、作業者の油圧や油圧機器に関する知識もほとんど必要ない。

    さらに、第3の実施形態の抜枠鋳型造型装置において、枠セットスクイズシリンダ3を駆動する部分については、第2の実施形態の駆動機構500(図17)におけるものと同様な構成とすることができるので、空圧制御及び電気制御だけで作動し、油圧ポンプを有する油圧ユニットを使用しないため、組付、運転、メンテナンスが非常に簡単になる。

    加えて、マニホールドを利用すると、空圧制御機器の配置が分散せず、コンパクトになり、組付やメンテナンスが非常に簡単になるという利点がある。

    加えて、本実施例の抜枠鋳型造型装置では、上鋳枠を、抜枠時に、アクチュエータによって昇降可能にしてもよい。 これにより、抜枠ストロークが増えるため、安定した抜枠が実現できる。

    なお、本実施例の機械構成を用いた抜枠鋳型造型装置では、下スクイズボード516を、4本のコラムに昇降可能に設けられた下スクイズフレーム515と一体に構成することにより、パターンプレート525に模型が偏在していても、スクイズ時に下スクイズボード516が傾くことはない。 従って、鋳型の底面が水平で良質な鋳型を安定的に造型することができる。 また、下盛枠517と下スクイズボード516が一体で昇降しているので構造がシンプルになる。

    更に、加えて設置組付の際にも油圧専門の配管設置作業者等も必要ないため設置コストも抑えられるのである。

    本実施例において、型砂の吹き込みには、エアレーションを使用したが、ブロー方式によって型砂を充填するようにしても構わない。
    なお、本実施の形態においてエアレーションとは、0.05〜0.18MPaの低圧の圧縮空気を使用した型砂の充填をいう。 ブローとは、0.2〜0.35MPaの高圧の圧縮空気を利用した型砂の導入をいう。
    さらに、本実施の形態における駆動機構500に換えて、上述した第1の実施の形態で説明した駆動機構400を用いるように構成してもよい。

    以上のような第3の実施形態の砂型造型設備における駆動機構によれば、空圧を供給するのみで高出力を発生することができ、メンテナンスが容易でコンパクト化された駆動機構を提供できる。 即ち、本実施の形態によれば、専用の油圧ユニットを使用せず空圧のみで油圧と同等の出力を得ることができる。 高出力が必要な時のみ増圧させるため増圧装置がコンパクトである。 油圧ポンプを備えた油圧ユニットを全く使用しないで、高圧用のカット弁を1つだけしか使用していないため、メンテナンスの際の部品交換コストも抑えられ、作業者の油圧や油圧機器に関する特別な知識もほとんど必要ない。 加えて設置組付の際にも油圧専門の配管設置作業者等も必要ないため設置コストも抑えられる。
    また、本実施形態の駆動機構によれば、空圧と電気を供給するのみで砂型造型設備を運転することができる。 即ち、油圧バルブに比べて空圧バルブは重量が軽く取り扱いやすい。 エアオンオイル駆動に関する箇所のバルブ構成も大部分が空圧バルブを用いているため空圧の知識で対応可能である。 配管も大部分が空圧用であるためメンテナンス時のハンドリングも容易となる。
    更に、本実施の形態の抜枠鋳型造型装置は、空気圧を用いた上記駆動機構の効果を備え、造型設備を、空圧を供給するのみで運転操作できる。
    なお、上述した特許文献2では、大型シリンダが左右に1秒間に2往復から5往復しているが、本実施の形態では、増圧シリンダのヘッド側に圧力を送ることで高圧を発生させている。 従って、本実施の形態では、高圧用のバルブはカット弁だけで済むという利点がある。

    本実施の形態の砂型造型設備における駆動機構は、圧縮空気源とオイルタンクとが、第1ソレノイドバルブとオイルタンクの上部に繋がる空圧バルブで連通遮断可能とすることができる。 これによれば、特許文献2では不可欠なピストンの往復が低減されるという利点がある。
    また、本実施の形態の砂型造型設備における駆動機構は、圧縮空気源と枠セットスクイズシリンダとが、第3ソレノイドバルブで連通遮断可能とすることができる。 これによれば、シリンダの戻り動作を円滑に行えるという利点がある。
    更に、本実施の形態の砂型造型設備における駆動機構は、前記圧縮空気源と増圧シリンダとが、第2ソレノイドバルブで連通遮断可能とされており、増圧シリンダの行きポートと戻りポートは、各ポート毎に設けられたバルブを該第2ソレノイドバルブにより駆動することによって、交互に連通遮断できるようになっている。 これによれば、特許文献2で不可欠なピストンの往復が低減されるという利点がある。
    加えて、本実施の形態の砂型造型設備における駆動機構は、前記第1ソレノイドバルブ、第2ソレノイドバルブ、第3ソレノイドバルブの少なくとも2つが例えば、マニホールドにより一体的に接続することができる。 これによれば、空圧制御の命令位置が分散しないので駆動機構の制御装置がコンパクトになり、組付やメンテナンスが非常に簡単になるという利点がある。

    次に、本実施の形態の砂型造型設備における駆動機構は、枠セットスクイズシリンダが止まっているときに、この駆動機構の油圧を利用してモールド押し出しシリンダを作動させることができる。 これによれば、モールドを押し出す動作のみを行うため、安定したモールド押し出しができるという利点がある。
    また、本実施の形態の砂型造型設備における駆動機構は、圧縮空気源に連通遮断可能に接続されたパターンシャトルシリンダを更に備えることができる。
    また、マニホールドを使用した上で、ソレノイドバルブとパターンシャトルシリンダを連通可能とすれば、空圧制御の命令位置が分散しないので、駆動機構がコンパクトになり、組付やメンテナンスが非常に簡単になるという利点がある。
    更に、油圧配管内の油圧を計測するために圧力スイッチを使用すると、規定の油圧を確保しているかどうか確認ができるため、毎回の造型ごとに同じ面圧を確保でき、鋳型の品質が安定する。
    加えて、油圧配管内のカット弁とオイルタンクの下部油溜まり部との間にスピードコントローラを設けることができる。 これによれば、抜型時に下鋳枠が載っている枠セットスクイズシリンダの降下速度を調整できるので、抜型時の衝撃の発生を防止することができる。

    更に、本実施の形態の砂型造型設備における駆動機構は、圧縮空気源に連通遮断可能に接続された上枠シリンダを更に備えることができる。 これによれば、抜枠時に上枠シリンダによって上鋳枠を上昇させることができる。 よって、特許文献1で記載されているようなストッパピンが不要になるので、スクイズ機構の構造がシンプルになるという利点がある。 また、抜枠ストロークが増えるため、安定した抜枠が実現できる。
    また、マニホールドを利用すると、空圧制御の命令位置が分散しないので駆動機構がコンパクトになり、組付やメンテナンスが非常に簡単になるという利点がある。

    本実施形態の抜枠鋳型造型装置は、枠セットスクイズシリンダによって昇降可能な下スクイズボードと、該下スクイズボードに対して独立に、かつ同時に下盛枠シリンダによって昇降可能であると共に側壁面に鋳型砂導入孔を備えた下盛枠と、該下盛枠が昇降可能に設けられた下スクイズフレームに上向きに取り付けられた複数の下盛枠シリンダのロッドの先端に連結すると共に、前記下スクイズボード、前記下スクイズフレームとを含んで構成され、一体的に昇降可能な下スクイズユニットと、前記下スクイズボードの対向上方に固設された上スクイズボードと、上部フレームに固設されると共に上枠シリンダによって昇降可能であると共に側壁面に鋳型砂導入孔を備えた上鋳枠と、前記下スクイズボードと上スクイズボードの中間位置をパターンシャトルシリンダによって出・入移動可能に設けられると共に上面にマッチプレートを装着した下鋳枠と、上部フレームに固設されると共にそのピストンロッドの縮引動作により上鋳枠を上昇させる上枠シリンダと、を備えた鋳枠無しの上・下鋳型を同時に造型する抜枠鋳型造型装置であって、下スクイズボードを作動させる枠セットスクイズシリンダが、上述した駆動機構によって作動されることを特徴とする。

    本実施の形態の抜枠鋳型造型装置では、駆動機構で用いるエアオンオイル方式は枠セットスクイズシリンダのみに適用している。 このため、本実施の形態により、油圧ポンプを用いた専用の油圧ユニットを使用せず空圧のみで油圧と同等の出力を得ることができる。 また、高出力が必要な時のみ増圧させるため、増圧装置がコンパクトである。 油圧ポンプを備えた油圧ユニットを全く使用しないで、高圧用のカット弁を1つだけしか使用していないため、メンテナンスの際の部品交換コストも抑えられ、作業者の油圧や油圧機器に関する知識もほとんど必要ない。 加えて設置組付の際にも油圧専門の配管設置作業者等も必要ないため設置コストも抑えられる。

    加えて、本実施の形態の抜枠鋳型造型装置では、上鋳枠が、抜枠時に、アクチュエータによって昇降可能にすることができる。 これにより、抜枠ストロークが増えるため、安定した抜枠が実現できる。
    本発明の幾つかの実施例について説明した。 それでもなお、本発明の要旨及び目的から逸脱することなく、様々な変更例をなし得ることを理解されたい。 例えば、本明細書に説明した工程の幾つかは、順序独立としてもよい。 即ち、説明した順序とは異なる順序で実行することができる。

    2 枠セットスクイズシリンダ4 下スクイズボード5 下盛枠シリンダ6 下盛枠6c 鋳型砂導入孔8 上スクイズボード10 上鋳枠21 パターンシャトルシリンダ23 下鋳枠24 マッチプレート51 鋳型砂54 上鋳型(鋳型)
    55 下鋳型(鋳型)
    403 増圧シリンダ(空気圧回路及び油圧回路)
    PS 圧力スイッチ(センサ)
    501 圧縮空気源502 オイルタンクOp 油圧配管Ap 空気配管SV1 第1ソレノイドバルブSV2 第2ソレノイドバルブSV3 第3ソレノイドバルブSV4−SV8 ソレノイドバルブ
    V1 第1バルブV2a 第2バルブ503 枠セットスクイズシリンダ504 増圧シリンダMh マニホールド505 モールド押し出しシリンダ506 パターンシャトルシリンダ507 上枠シリンダ7
    C 下盛枠シリンダ512 上部フレーム513 コラム515 下スクイズフレーム516 下スクイズボード517 下盛枠518 上スクイズボード520 上鋳枠523 下鋳枠525 マッチプレート

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