無段変速機ベルト用エレメントの製造方法 |
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申请号 | JP2011511354 | 申请日 | 2010-03-24 | 公开(公告)号 | JPWO2010125876A1 | 公开(公告)日 | 2012-10-25 |
申请人 | 本田技研工業株式会社; | 发明人 | 成彦 大久保; 成彦 大久保; 和之 三田; 和之 三田; 真輔 大西; 真輔 大西; 慎太郎 中村; 慎太郎 中村; | ||||
摘要 | 左右の側辺及び下向きに先細のテーパ部を有するボディ部(22L、22R)と、該ボディ部から上方に延びるネック部と、該ネック部から上方に延びるヘッド部と、から成るCVTベルト用エレメントの製造方法は、該ヘッド部を向かい合わせた形態と該ボディ部を向かい合わせた形態の一方の形態で、偶数列のエレメントを取得可能な幅及び一様の厚さを有する金属帯状素材(31)を、該ボディ部の左右側辺(21L、21R)の輪郭に加えられた余肉(21b)の輪郭線(33L、33R)及び該ボディ部の下辺(32L、32R)の輪郭に加えられた余肉(32b)の輪郭線(58L,58R)に沿って打ち抜く第1打ち抜き工程と、該素材を厚さ方向に圧縮し、所定の凹凸部を形成すると共に肉を該輪郭線方向へ流動させながら該テーパ部を形成する塑性加工工程と、該素材から該エレメントを製品として打ち抜く第2打ち抜き工程を含む。 | ||||||
权利要求 | 無段変速機のプーリの左右のプーリ半体にそれぞれ当接する左右の側辺及び下向きに先細のテーパ部を有するボディ部と、前記ボディ部から上方に延びるネック部と、前記ネック部から上方に延びるヘッド部と、から成る、無段変速機ベルト用エレメントの製造方法であって、 前記ヘッド部を向かい合わせた形態と前記ボディ部を向かい合わせた形態の一方の形態で偶数列のエレメントを取得可能な幅及び一様な厚さを有する金属帯状の素材を準備する工程と、 前記金属帯状素材を、前記ボディ部の左右側辺の輪郭に、後続する加工工程を促進するため加えられた余肉の輪郭線及び前記ボディ部の下辺の輪郭に、後続する加工工程を促進するため加えられた余肉の輪郭線に沿って打ち抜く第1打ち抜き工程と、 前記素材を厚さ方向に圧縮し、所定の凹凸部を形成すると共に肉を前記縁へ流動させながら前記テーパ部を形成する塑性加工工程と、 前記素材から製品としての前記エレメントを打ち抜く第2打ち抜き工程と、 から成ることを特徴とする無段変速機ベルト用エレメントの製造方法。 前記ヘッド部を向かい合わせた形態において、向かい合わされた前記ヘッド部間にスリットを打ち抜き形成するスリット形成工程、を更に含む請求項1記載の無段変速機ベルト用エレメントの製造方法。 前記ヘッド部を向かい合わせた形態での前記第1打ち抜き工程は、 前記ボディ部の前記左右側辺の輪郭に加えられた前記余肉の前記輪郭線と、前記ボディ部の前記下辺の輪郭に加えられた前記余肉の前記輪郭線と、前記テーパ部のテーパ開始線とで囲まれた面積に、前記素材の厚さを掛けることによって定まる、前記製品の体積に対応する実塑性加工体積を、 前記ボディ部の前記左右側辺に加えられた前記余肉の前記輪郭線と、前記打ち抜き加工前の前記素材の幅方向の縁と、前記テーパ部の前記テーパ開始線とで囲われた面積に、前記素材の厚さを掛けることで定まる基準塑性加工体積の80%以下に設定して実行される、 請求項1記載の無段変速機ベルト用エレメントの製造方法。 前記ヘッド部を向かい合わせた形態での前記第1打ち抜き工程は、 前記ボディ部の前記左右側辺の輪郭に加えられた前記余肉の前記輪郭線と、前記ボディ部の前記下辺の輪郭に加えられた前記余肉の前記輪郭線と、前記テーパ部のテーパ開始線とで囲われた面積に、前記素材の厚さを掛けることで定まる、前記製品の体積に対応する実塑性加工体積を、 前記ボディ部の前記左右側辺の輪郭に加えられた前記余肉の前記輪郭線と、前記打ち抜き加工前の前記素材の幅方向の縁と、前記テーパ部の前記テーパ開始線とで囲われた面積に、前記素材の厚さを掛けることで定まる基準塑性加工体積の48%以下に設定して実行される、 請求項1記載の無段変速機ベルト用エレメントの製造方法。 |
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说明书全文 | 本発明は、無段変速機(CVT)に内蔵されるベルトの構成要素であるエレメントの製造方法に関する。 CVTは、車両の駆動系に広く採用されるようになってきた。 CVTには金属製ベルトが内蔵され、この金属製ベルトにエレメントと呼ばれる金属部品が含まれる。 エレメントに関する従来技術としては、特許文献1,2に開示された技術がある。 特許文献1に開示された技術を図17に基づいて説明する。 連続的にコイル材100からエレメント110が製造されるため、エレメント110が量産されるという、利点が有る。 特許文献2に開示される技術を図18に基づいて説明する。 そして、(a)のb−b線断面図である図18の(b)に示されるように、ボディ部121に下へ突のテーパ部124を備え、ヘッド部123に、ノーズ125と称する突起と、ホール126と称する凹部が設けられている。 このような形状のエレメント120は、図18の(c)、(d)を経て製造される。 左右2個のエレメント120、120を得ることができるため、歩留まりが良くなる。 しかし、テーパ部124、124を成形するには、特殊な圧延機が必要であるため、製造コストが嵩む。 すなわち、単独のテーパ部成形工程があることで、製造コストの増加を招いている。 本発明は、上記要求に応えるために、テーパ部成形工程を省略することができるエレメントの製造方法を提供することを課題とする。 本発明の一面によれば、無段変速機のプーリの左右のプーリ半体にそれぞれ当接する左右の側辺及び下向きに先細のテーパ部を有するボディ部と、前記ボディ部から上方に延びるネック部と、前記ネック部から上方に延びるヘッド部と、から成る、無段変速機ベルト用エレメントの製造方法であって、前記ヘッド部を向かい合わせた形態と前記ボディ部を向かい合わせた形態の一方の形態で偶数列のエレメントを取得可能な幅及び一様な厚さを有する金属帯状の素材を準備する工程と、前記金属帯状素材を、前記ボディ部の左右側辺の輪郭に、後続の加工工程の遂行を促進するため加えられた余肉の輪郭線及び前記ボディ部の下辺の輪郭に、後続の加工工程の遂行を促進するため加えられた余肉の輪郭線に沿って打ち抜く第1打ち抜き工程と� ��前記素材を厚さ方向に圧縮し、所定の凹凸部を形成すると共に肉を前記縁へ流動させながら前記テーパ部を形成する塑性加工工程と、前記素材から製品としての前記エレメントを打ち抜く第2打ち抜き工程と、から成ることを特徴とする無段変速機ベルト用エレメントの製造方法が提供される。 上記製造方法は、好ましくは、前記ヘッド部を向かい合わせた形態において、向かい合わせた前記ヘッド部間にスリットを打ち抜き形成するスリット形成工程を、更に含む。 好ましくは、前記ヘッド部を向かい合わせた形態での前記第1打ち抜き工程は、前記ボディ部の前記左右側辺の輪郭に加えられた前記余肉の前記輪郭線と、前記ボディ部の前記下辺の輪郭に加えられた前記余肉の前記輪郭線と、前記テーパ部のテーパ開始線とで囲まれた面積に、前記素材の厚さを掛けることによって定まる、前記製品の体積に対応する実塑性加工体積を、前記ボディ部の前記左右側辺に加えられた前記余肉の前記輪郭線と、前記打ち抜き加工前の前記素材の幅方向の縁と、前記テーパ部の前記テーパ開始線とで囲われた面積に、前記素材の厚さを掛けることで定まる基準塑性加工体積の80%以下に設定して実行される。 望ましくは、前記ヘッド部を向かい合わせた形態での前記第1打ち抜き工程は、前記ボディ部の前記左右側辺の輪郭に加えられた前記余肉の前記輪郭線と、前記ボディ部の前記下辺の輪郭に加えられた前記余肉の前記輪郭線と、前記テーパ部のテーパ開始線とで囲われた面積に、前記素材の厚さを掛けることで定まる、前記製品の体積に対応する実塑性加工体積を、前記ボディ部の前記左右側辺の輪郭に加えられた前記余肉の前記輪郭線と、前記打ち抜き加工前の前記素材の幅方向の縁と、前記テーパ部の前記テーパ開始線とで囲われた面積に、前記素材の厚さを掛けることで定まる基準塑性加工体積の48%以下に設定して実行される。 本発明による無段変速機ベルト用エレメントの製造方法によれば、金属帯状の素材を、ボディ部の左右の側辺の輪郭に余肉を加えて描いた線及び下辺の輪郭に余肉を加えて描いた輪郭線に沿って打ち抜く第1打ち抜き工程を含む。 そして、次の塑性加工工程で、素材を厚さ方向に圧縮し、所定の凹凸部を形成すると共に肉を縁へ流動させながらテーパ部を形成する。 すなわち、本発明によれば、所定の凹凸を形成する塑性加工工程で、テーパ部をも形成する。 結果、単独のテーパ部成形工程を省くことができる。 なお、準備した素材に、直ちに塑性加工に施すと、下辺への肉の流れが妨げられ、ボディ部が厚くなる。 また、ヘッド部を向かい合わせた形態において、向かい合わせたヘッド部とヘッド部との間にスリットを打ち抜き形成するスリット形成工程をさらに有する。 ヘッド部とヘッド部との間にスリットが形成されているため、ボディ部が厚くなることなく、素材は、所定の厚さになる。 また、(実塑性加工体積/基準塑性加工体積)を80%以下にすることで、肉の流れを円滑にすることができ、寸法精度の良いエレメントを製造することができる。 本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。 本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 ベルト13は、無端金属リングを重ねてなる積層リング14、14と、これらの積層リング14、14で支えられるエレメント20とからなる。 図2の(a)に示されるように、ボディー部22は、下向きに先細のテーパ部25を有し、ヘッド部24は、ホール26と、このホール26に進入可能な相補形状のノーズ27を有する。 また、テーパ部25は、図2の(b)に示されるように、下方に平行薄肉部25Bが延びる構成であってもよい。 ボディ部22が下向きに先細のテーパ部25を備えているため、ヘッド部24は、黒点28で点接触しながら相互に離間し、プーリの径(ピッチサークル径)に対応した曲率半径になるように屈曲する。 そのため、ベルト14は、通常のチェーンやベルトと同様の屈曲作用を発揮する。 次に、エレメント20の製造方法について説明する。 準備する素材31は以下に示される形態であっても良い。 さらには、図6に示されるように、ヘッド部24L、24Rを向かい合わせた形態、及びボディ部22L、22Rを向かい合わせ形態で幅方向にエレメントが6列に並ぶような素材31を準備してもよい。 ここで重要なことは、隣り合うエレメント20L、20Rが、ヘッド部24L、24Rを向かい合わせた形態、またはボディ部22L、22Rを向かい合わせ形態で、厚さが一様な金属帯状の素材31が準備されるということである。 次に、素材31の一部を切り欠く(第1打ち抜き工程)。 図7の(a)を参照して基準塑性加工体積を説明する。 図左のボディ部22Lの左右(図では上下)の側辺21L、21Lの輪郭に余肉21a、21aを加えて描かれる輪郭線33L、33Lと、素材の幅方向の縁57Lと、テーパ部開始線39Lとで囲われた部分(斜線を施した部分)を決める。 テーパ部開始線39Lについては図11で詳しく説明する。 次に、図7の(b)を参照して実塑性加工体積を説明する。 図左のボディ部22Lの左右の側辺21L、21Lの輪郭に余肉21b、21bを加えて描かれる輪郭線33L、33Lと、ボディ部22Lの下辺32Lの輪郭に余肉32bを加えて描かれる線58Lと、テーパ部開始線39Lとで囲われた部分(斜線を施した部分)を決める。 図7の(b)の形態になるように、線33L、58L、33L及び線33R、58R、33Rが打ち抜き線となるようにして、素材31を打ち抜く(打ち抜き工程)。 また、図8に示されるように、ボディ部22L、22Rを向かい合わせ形態で素材を、側辺21L、21Lの輪郭に余肉21b、21bを加え且つ、下辺32Lの輪郭32bに余肉を加えて描いた輪郭線33L、58L、33L及び輪郭線33R、58R、33Rに沿って打ち抜くことができる。 この場合も、実塑性加工体積の所望の値は、基準塑性加工体積の80パーセント以下であり、更に好適には48パーセント以下であった。 続いて、図9に示されるように、向かい合わせたヘッド部24Lとヘッド部24Rとの間に略長方形状のスリット35を打ち抜き形成する(スリット形成工程)。 次に、図10の(a)に示すダイ36に素材31を載せ、左右に斜面37L、37Rを備えているパンチ38を下降させ、板厚が小さくなるように素材31に塑性加工を施す。 なお、ダイ36とパンチ38との位置関係が、図10の(a)とは違って、パンチ38が下に位置し、パンチ38に素材31を載せ、パンチ38の上方にダイ36を設け、板厚が小さくなるように素材31に塑性加工を施してもよい。 すると、図10の(b)に示されるように、素材31に一対のテーパ部25L、25Rが形成できると共に中央のスリット35の幅が狭くなる(塑性加工工程)。 なお、塑性加工工程では素材31は、図11に示されるように、図左のテーパ部開始線39Lから左の部分が矢印(1)のように左へ張り出すことで、左のテーパ部25Lが円滑に形成される。 ここで、(実塑性加工体積/基準塑性加工体積)について検討する。 次に、図12の(a)に示されるようにヘッド部24Lの左右端の厚さT(1)、T(2)を計測し、ネック部の厚さT(3)を測定した。 そして、(T(1)+T(2))/2−T(3)の計算により、3点上下差を求める。 詳細には、(実塑性加工体積/基準塑性加工体積)において、5パーセント刻みで各測定ポイントを採り、1ポイント当たり7個のテストピースを用意した。 図7の(a)に示されるように、斜線を施した部分が大きいと、塑性加工の際に図11に示す矢印(1)、(2)の肉の流動が妨げられ、仕上がりの肉厚にばらつきが発生する。 一方、図7(b)に示されるように、斜線を施した部分が小さいと、塑性加工の際に図11に示す矢印(1)、(2)の肉流動が円滑となり、仕上がりの肉厚は均一になる。 そのため、図12の(b)で、0〜48%(斜線を施した部分が小さい)の範囲では3点上下差がなく、48%を超え100%に近づくほど3点上下差が大きくなった。 そこで、実塑性加工体積の所望の値は、80パーセント以下にした。 すると3点上下差で、−0.050mm〜+0.050mmの中に入った。 また、更に好適には48パーセント以下にした。 すると3点上下差で、狙い値:0μmに対して、差が0μmになった。 また、図11に示されるように、左のエレメントのテーパ部開始線39Lから右の部分が矢印(3)のように右へ張り出し、スリット35に進入する。 同様に、右のエレメントのテーパ部開始線39Rから左の部分が矢印(4)のように左へ張り出し、スリット35に進入する。 次に、図13に示されるように、成形が進んだ素材31を下型41と上型42で抑え、下型41からピン43、43を突き上げることで、ホール及びノーズ(図2、符号26、27)を形成する。 ホール及びノーズの形成は、塑性加工に含まれるため、図10で同時に実施することは差し支えない。 したがって、塑性加工工程では、切欠き部33L、33R及びスリット35が設けられた素材31を厚さ方向に圧縮し、肉を切欠き部33L、33R及びスリット35へ流動させながらテーパ部25L、25R及び所定の凹凸部(ホール26及びノーズ27)を形成するため、肉厚の均一化が容易に達成できる。 次に、図14に示されるように、素材31から製品としてエレメント20L、20Rを打ち抜く(第2打ち抜き工程)。 なお、この工程は、図13で同時に行っても良い。 その場合はホール及びノーズの位置決め精度が向上する。 以上に述べた製造方法で製造される無段変速機用ベルトのエレメントにおいて、より好ましい形態のエレメントを次に説明する。 そして、A点における板厚をTa、B点における板厚をTb、C点における板厚をTcとする。 なお、ネック部23の板厚はB点と同様にTbである。 また、ヘッド部の中央の板厚はTd(図16)とする。 すなわち、無段変速機のプーリに接しつつ厚み方向に環状に複数重ね並べられた際に内側に位置し、且つ当該プーリに接する左右の側辺21、21が形成されたボディ部22と、このボディ部22の外周向きに形成されたこのボディ部22よりも幅が狭いネック部23と、環状に複数重ね並べられた際に外側に位置し、且つネック部23を介して連続して設けられるヘッド部24とを備え、前記ボディ部22の略下半部に板厚が他部より薄く形成されたテーパ部25を有する無段変速機用ベルトのエレメント20Bにおいて、 このようにして形成されたエレメント20Bを複数環状に重ね並べられたベルトは、無段変速機用ベルトの内周側への湾曲変形が円滑に行われ、各エレメントの積層方向がヘッド部側へ曲がることなく良好な積層形状とすることができる。 しかも、複数のエレメントを環状に積層したときには、比較的厚肉の部分、すなわちヘッドの左右側端部(点C、C)及びネックの下部領域(点B)からなる3箇所(3点)が、隣り合うエレメントに接触するので、極めて安定した積層状態とすることができ、無段変速機用ベルトを形成したときには蛇行等を防止して効率のよい動力の伝達を行うことができる。 すなわち、図15、図16に示されるように、B点の板厚Tbよりも、A点の板厚Taが確実に小とされ、C点の板厚Tcよりも、B点の板厚Tbが同じか小とされる。 これにより、複数のエレメントを環状に積層して無段変速機用ベルトを形成したとき、C点とB点との接触により安定した積層状態とすることができる。 しかも各エレメントがヘッド部側に収束するように湾曲することが確実に防止できるので、無段変速機のプーリに掛け渡した際に前記無端積層リングとの不要な接触によるエレメントの損傷もなく、無段変速機における安定した動力の伝達を行うことができる。 本発明は、無段変速機の主要部品であるエレメントの製造に最適である。 10 無段変速機(CVT) 【0003】 【0004】 |