Method for manufacturing sprocket segment, and sprocket segment

申请号 JP2009036961 申请日 2009-02-19 公开(公告)号 JP2010188400A 公开(公告)日 2010-09-02
申请人 Komatsu Ltd; 株式会社小松製作所; 发明人 KAWAHARA SHIRO; KUSADA SHOHEI; WANG TAO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for manufacturing segment teeth, capable of improving forming-accuracy of the tooth face without increasing forging-pressure in a die when forging the segment teeth, to provide a die for manufacturing segment teeth, and to provide a segment teeth. SOLUTION: In the method for manufacturing segment teeth 10, a setup treatment is applied to a material; rough forging is applied to the material in a die in a state in which the material is inclined to the pressurizing direction; and then finish forging is applied to the material, so that the segment teeth 10 having five teeth are formed. COPYRIGHT: (C)2010,JPO&INPIT
权利要求
  • 円環状のフランジの外周面に複数の歯が配設されたスプロケットが周方向に複数に分割され、鍛造によって成形されるスプロケットセグメントの製造方法であって、
    前記スプロケットセグメントの素材を初期成形状態まで成形する初期成形ステップと、
    前記スプロケットセグメントの断面における歯筋方向を、金型内における鍛造方向に対して傾けた状態で仕上げ成形する仕上げ成形ステップと、
    を備えているスプロケットセグメントの製造方法。
  • 前記初期成形ステップと前記仕上げ成形ステップとの間に実施され、前記スプロケットセグメントの断面における歯筋方向を、金型内における鍛造方向に対して傾けた状態で前記初期成形状態から中期成形状態まで荒成形する荒成形ステップを、さらに備えている、
    請求項1に記載のスプロケットセグメントの製造方法。
  • 前記仕上げ成形ステップでは、鍛造成形時に、前記スプロケットセグメントの稜線付近にバリ部を形成する、
    請求項1または2に記載のスプロケットセグメントの製造方法。
  • 前記仕上げ成形ステップでは、鍛造成形時に、前記スプロケットセグメントの端面寄りにバリ部を形成する、
    請求項1または2に記載のスプロケットセグメントの製造方法。
  • 前記仕上げ成形ステップでは、前記スプロケットセグメントの取付部側の端部および歯部側の端部に形成された前記バリ部の一部を、前記スプロケットセグメントの金型取付面に対してほぼ同じ高さ位置において略平行な方向に沿って形成する、
    請求項3または4に記載のスプロケットセグメントの製造方法。
  • 円環状のフランジの外周面に複数の歯が配設されたスプロケットが周方向に複数に分割され、鍛造によって成形されるスプロケットセグメントであって、
    最内周側に配置される取付部と、
    前記取付部の外周側において軸方向左右に突出するように形成された略円環状のフランジ部と、
    前記フランジ部の外周面に沿って径方向に突出するように略等間隔で配置された複数の歯部と、
    前記取付部における内周側端部と、前記複数の歯部が形成された前記フランジ部の外周面における一方の稜線と、に沿って形成されたバリ除去加工部と、
    を備えているスプロケットセグメント。

  • 说明书全文

    本発明は、ブルドーザ等の建設機械や農業用車両を含む装軌車両のスプロケットを構成するスプロケットセグメントの製造方法およびスプロケットセグメントの製造用金型、スプロケットセグメントに関する。

    近年、例えば、油圧ショベルやブルドーザ等の建設機械、あるいは農業用車両等の装軌車両の下部走行体に用いられるスプロケットは、外周部分に複数の歯が設けられており、大型のものになると一体として成形することが困難である。 よって、周方向に複数に分割されたスプロケットセグメント単位で鍛造され、これを組み合わせて1つのスプロケットが構成される。

    このようなスプロケットセグメントの鍛造方法には、スプロケットセグメントの歯面に垂直な方向に加圧成形する縦打ちと呼ばれる方法と、歯面に平行な方向に加圧成形する横打ちと呼ばれる方法とがある(特許文献1〜10参照)。

    しかしながら、上記従来のスプロケットセグメントの製造方法では、縦打ち、横打ちともに以下のような問題を有している。
    すなわち、縦打ちの製造方法を採用した場合には、歯面にバリが生じないため歯面の精度を高く維持できるものの、歯先等へ確実に材料を充填させるために金型内の圧が高くなりやすいため金型が壊れ易いという問題がある。

    一方、横打ちの製造方法を採用した場合には、鍛造時におけるアンダーカットが生じない等の利点があるものの、歯面に対してほぼ垂直にバリが形成され、その後のバリ取りによって精度よく歯面を成形することは困難であるという問題がある。
    本発明の課題は、鍛造成形時における金型内の成形圧力を高くすることなく、歯面の成形精度を向上させることが可能なスプロケットセグメントの製造方法、スプロケットセグメントを提供することにある。

    第1の発明に係るスプロケットセグメントの製造方法は、円環状のフランジの外周面に複数の歯が配設されたスプロケットが周方向に複数に分割され、鍛造によって成形されるスプロケットセグメントの製造方法であって、初期成形ステップと、仕上げ成形ステップと、を備えている。 初期成形ステップは、スプロケットセグメントの素材を初期成形状態まで成形する。 仕上げ成形ステップは、スプロケットセグメントの断面における歯筋方向を、金型内における鍛造方向に対して傾けた状態で仕上げ成形する。

    ここでは、例えば、ブルドーザ等の装軌車両の下部走行体に用いられる円環状のスプロケットを周方向に複数分割して円弧状に形成されるスプロケットセグメントの製造方法において、初期成形状態まで成形した後のスプロケットセグメントを、その断面において歯筋方向を金型内の鍛造方向(圧縮方向)に対して傾けた状態で仕上げ鍛造成形(斜め鍛造)を行う。 なお、上記鍛造方向とは、ハンマまたはプレス等の鍛造機械において稼動する金型部の進行方向を意味している。

    ここで、スプロケットセグメントの歯筋方向を鍛造方向に対して傾けるとは、複数の歯の内周側に配置された取付部の両端を結ぶ線を回転軸として所定度だけ傾けた状態を意味している。
    これにより、金型内において鍛造方向に対して斜めに傾いた状態で成形されるため、スプロケットセグメントの一部に形成されるバリ部分を、歯面に掛からない領域(例えば、スプロケットセグメントの稜線付近等)に成形することができる。 また、金型内において斜めに配置されているため、縦打ちの鍛造成形時における成形圧力と比較して、成形圧力の上昇を抑制することができる。 この結果、歯面の成形精度を向上させることができるとともに、縦打ち成形時に生じる成形圧力の上昇という問題を回避することができる。

    第2の発明に係るスプロケットセグメントの製造方法は、第1の発明に係るスプロケットセグメントの製造方法であって、荒成形ステップを、さらに備えている。 荒成形ステップは、初期成形ステップと仕上げ成形ステップとの間に実施され、スプロケットセグメントの断面における歯筋方向を、金型内における鍛造方向に対して傾けた状態で初期成形状態から中期成形状態まで荒成形する。

    ここでは、素材から初期成形状態まで成形する、いわゆるつぶし(初期成形ステップ)と仕上げ成形(仕上げ成形ステップ)との間に、初期成形状態から中期成形状態までの荒成形を行う荒成形ステップを用いている。 そして、この荒成形時にも、上述した斜め鍛造で成形を行う。
    これにより、仕上げ成形前に、ある程度製品の形状に近い荒成形まで行うステップを介することで、より精度の高いスプロケットセグメントの成形を行うことができる。

    第3の発明に係るスプロケットセグメントの製造方法は、第1または第2の発明に係るスプロケットセグメントの製造方法であって、仕上げ成形ステップでは、鍛造成形時に、スプロケットセグメントの稜線付近にバリ部を形成する。
    ここでは、仕上げ成形を行う仕上げ成形ステップにおいて、金型内において鍛造方向に対して斜めに傾けた状態で成形する際に、スプロケットセグメントにおける稜線付近に沿ってバリが形成されるように成形を行う。

    ここで、スプロケットセグメントにおける稜線付近とは、スプロケットセグメントにおける外周側に突出した複数の歯の山部分を結ぶ尾根に沿った線の近傍を意味している。
    これにより、横打ちで鍛造成形した場合のように、スプロケットセグメントの歯面にバリが形成されることを回避して、歯面の成形精度を向上させることができる。

    第4の発明に係るスプロケットセグメントの製造方法は、第1または第2の発明に係るスプロケットセグメントの製造方法であって、仕上げ成形ステップでは、鍛造成形時に、スプロケットセグメントの端面寄りにバリ部を形成する。
    ここでは、仕上げ成形を行う仕上げ成形ステップにおいて、金型内において鍛造方向に対して斜めに傾けた状態でスプロケットセグメントを成形する際に、スプロケットセグメントの幅方向における端面寄りの線に沿ってバリが形成されるように成形を行う。
    ここで、スプロケットセグメントの幅方向における端面寄りとは、スプロケットセグメントにおける外周側に突出した複数の歯の幅方向における端面に沿った線の近傍を意味している。

    これにより、横打ちで鍛造成形した場合のように、スプロケットセグメントの歯面にバリが形成されることを回避して、歯面の成形精度を向上させることができる。

    第5の発明に係るスプロケットセグメントの製造方法は、第3または第4の発明に係るスプロケットセグメントの製造方法であって、仕上げ成形ステップでは、スプロケットセグメントの取付部側の端部および歯部側の端部に形成されたバリ部の一部を、スプロケットセグメントの金型取付面に対してほぼ同じ高さ位置において略平行な方向に沿って形成する。
    ここでは、仕上げ成形を行う仕上げ成形ステップにおいて、金型内において鍛造方向に対して斜めに傾けた状態でスプロケットセグメントを成形する際に、スプロケットセグメントの稜線付近等に沿って形成されるバリが、金型取付面に対して略平行な方向に沿って形成される。
    これにより、金型内において鍛造成形される際に、金型を押し付けたときのずれを防止してバランスよく成形することができる。

    第6の発明に係るスプロケットセグメントは、円環状のフランジの外周面に複数の歯が配設されたスプロケットが周方向に複数に分割され、鍛造によって成形されるスプロケットセグメントであって、取付部と、略円環状のフランジ部と、複数の歯部と、バリ除去加工部と、を備えている。 取付部は、最内周側に配置される。 略円環状のフランジ部は、取付部の外周側において軸方向左右に突出するように形成されている。 複数の歯部は、フランジ部の外周面に沿って径方向に突出するように略等間隔で配置されている。 バリ除去加工部は、取付部における内周側端部と、複数の歯部が形成されたフランジ部の外周面における一方の稜線と、に沿って形成されている。

    ここでは、例えば、ブルドーザ等の装軌車両の下部走行体に用いられる円環状のスプロケットを周方向に複数分割して円弧状に形成されるスプロケットセグメントであって、取付部における内周側端部と複数の歯部が形成されたフランジ部の外周面における一方の稜線とに沿ってバリ除去加工部が形成されている。
    ここで、スプロケットセグメントの稜線とは、スプロケットセグメントにおける外周側に突出した複数の歯の山部分を結ぶ尾根に沿った線の近傍を意味している。

    つまり、本発明のスプロケットセグメントは、鍛造成形時において、金型内において鍛造方向に対して斜めに傾いた状態で成形されるため、フランジ部の外周面における一方の稜線等に沿ってバリが形成される。 そして、鍛造成形後にバリ部を除去する加工を行って、バリの部分にバリ除去加工部が形成される。
    これにより、鍛造成形時にスプロケットセグメントの一部に形成されるバリの部分を、歯面に掛からない領域(例えば、スプロケットセグメントの稜線付近等)に成形することができる。 よって、バリ除去加工部が歯面に影響することを回避して、歯面の加工精度を向上させることができる。 また、スプロケットセグメントが金型内において斜めに成形されるため、縦打ちの鍛造成形時における成形圧力と比較して、成形圧力の上昇を抑制することができる。 この結果、歯面の成形精度を向上させることができるとともに、縦打ち成形時に生じる成形圧力の上昇という問題を回避することができる。

    本発明に係るスプロケットセグメントの製造方法によれば、歯面の成形精度を向上させることができるとともに、縦打ち成形時に生じる成形圧力の上昇という問題を回避することができる。

    本発明の一実施形態に係るスプロケットセグメントを用いたスプロケットを搭載したブルドーザの構成を示す斜視図。

    図1のブルドーザに搭載されたスプロケットの構成を示す斜視図。

    (a)〜(c)は、図2のスプロケットを構成するスプロケットセグメントの構成を示す全体斜視図、正面図、側面図。

    図3のスプロケットセグメントの鍛造成形後の構成を示す斜視図。

    図4の鍛造成形後のスプロケットセグメントの構成を示す側面図。

    図4のスプロケットセグメントを鍛造成形する金型の構成を示す模式図。

    図6の金型の上側に配置される第1金型を示す斜視図。

    図6の金型の下側に配置される第2金型を示す斜視図。

    図3のスプロケットセグメントの製造工程の流れを示す説明図。

    図3のスプロケットセグメントの製造工程の流れを示す説明図。

    図3のスプロケットセグメントの製造工程の流れを示すフローチャート。

    本発明の他の実施形態に係る3枚歯のスプロケットセグメントの製造工程の流れを示す説明図。

    本発明の一実施形態に係るスプロケットセグメント10の製造方法およびこれにより製造されたスプロケットセグメント10を搭載したブルドーザ1について、図1〜図11を用いて説明すれば以下の通りである。

    [ブルドーザ1の構成]
    本実施形態に係るブルドーザ1は、不整地において整地作業を行う建設機械であって、図1に示すように、主として、キャブ2、車体フレーム3、ブレード4、リッパ(作業機)5、および走行装置7を備えている。
    キャブ2には、運転者(オペレータ)が着座するためのオペレータシート(運転席)や各種操作のためのレバー、ペダルおよび計器類等が内装されている。
    車体フレーム3は、ブレード4やリッパ5等の作業機構および走行装置7が取り付けられており、その上部にはキャブ2が載置されている。
    ブレード4は、車体フレーム3の前方に設けられており、地面を削り取って土砂を押し運ぶための作業機であって、ブレード操作レバーの操作に応じて油圧シリンダによって駆動される。

    リッパ5は、車体フレーム3の後方に設けられており、略鉛直下向きに突出する先端のシャンク部分を岩石等に突き刺して、走行装置7による牽引力によって切削、破砕を行う。 また、リッパ5は、ブレード4と同様に、リッパ操作レバーの操作に応じて油圧シリンダによって駆動される。
    走行装置7は、スプロケット9(図2参照)を介して、車体フレーム3の左右下部にそれぞれ設けられた一対の無端状の履帯7aを回転させることで不整地における走行を可能としている。

    [スプロケットセグメント10の構成]
    本実施形態に係るスプロケットセグメント10は、図2および図3(a)〜図3(c)に示すように、ブルドーザ1等の装軌車両の下部走行体に用いられるスプロケット9が周方向に分割された5枚歯を含む略円弧状の部材であって、クロムモリブデン鋼によって成形されている。

    このスプロケットセグメント10の詳細な成分としては、C(0.4wt%)、Si(0.2wt%)、Mn(1.45wt%)、P(0.01wt%)、S(0.01wt%)、Cr(0.18wt%)、Mo(0.03wt%)、B(0.0015wt%)を含み、それ以外の残部がFeおよび不可避的不純物によって構成されている。
    また、スプロケットセグメント10は、取付部11と、フランジ部12と、5つの歯部13と、バリ除去加工部21(図5(b)参照)と、が一体として成形されている。

    取付部11は、複数のスプロケットセグメント10を組み合わせて円環状のスプロケットを構成した際に下部走行体の駆動部に対して取り付けられる部分であって、図3(a)〜図3(c)に示すように、略円弧状のスプロケットセグメント10における径方向における最内部(最内周側)に配置されており、内周側に向かって突出している。
    フランジ部12は、取付部11の径方向外側(外周側)に配置されており、図3(c)等に示すように、略円弧状のスプロケットセグメント10の軸方向における両側に突出するように形成されている。

    5つの歯部13は、スプロケットセグメント10の最外周側の面(歯面12a)から径方向外側に向かって突出するように形成されている。
    バリ除去加工部21は、図5(b)に示すように、鍛造成形時に生じるバリ部14(図4参照)を機械加工によって除去した加工跡であって、バリ部14が形成されるスプロケットセグメント10の稜線付近に沿って形成されている。

    バリ部14は、図4に示すように、仕上げ成形時(鍛造成形時)に、スプロケットセグメント10の稜線付近から側面部分、取付部11の端部にかけて形成される。 本実施形態では、バリ部14は、上記稜線付近であって、歯部13の幅方向における一方の端部に形成されたR部(R面)13aか、それよりも外側の側面に沿って形成されている。 よって、バリ部14が歯面12aに影響することはなく、歯面12aおよび歯部13を精度よく成形することができる。

    ここで、スプロケットセグメント10の稜線付近とは、5つの歯部13によって形成される山の部分を結ぶ尾根に沿った線の近傍をいう。 これにより、バリ部14が歯面12a上に形成されることを回避して、歯面12aの加工精度を向上させることができる。 なお、このバリ部14を含むスプロケットセグメント10の成形体10aの製造用の金型(スプロケットセグメントの製造用金型)50および製造工程については、後段にて詳述する。

    [スプロケットセグメント10の製造用の金型50]
    本実施形態では、上述した構成を備えたスプロケットセグメント10の製造工程において、図6に示す製造用の金型50を用いている。
    金型50は、主として、上型となる第1金型部51と下型となる第2金型部52とを備えている。 金型50内では、取付部11の長手方向両端を結ぶ線を回転軸として鍛造方向に対して所定の角度だけ歯筋方向が傾いた状態でスプロケットセグメント10が鍛造成形(荒成形、仕上げ成形)される。 この鍛造成形時には、金型50内においてスプロケットセグメント10が斜めに配置されるため、歯面12aに掛からないようにスプロケットセグメント10の稜線付近に沿ってバリ部14を形成することができる。 また、金型50内において鍛造方向に対して傾けた歯面がそのまま抜け勾配となるため、抜け勾配を意識した形状、取り代を設ける必要がない。

    第1金型部51は、図6に示すように、金型50の上半分として配置されており、図7に示すように、3つのステップ(つぶし成形、荒成形、仕上げ成形)にしたがって順次成形するための型彫りがなされている。
    第2金型部52は、図6に示すように、金型50の下半分として配置されており、図8に示すように、第1金型部51と同様に、3つのステップ(つぶし成形、荒成形、仕上げ成形)にしたがって順次成形するための型彫りがなされている。

    第1金型部51(図7参照)と第2金型部52(図8参照)との間において、第2成形ステップの荒成形と第3成形ステップの仕上げ成形とでは、上述したスプロケットセグメント10を鍛造方向に対して、歯筋方向を斜めに傾けた状態で鍛造成形を行う。 なお、この鍛造成形時における金型50内のスプロケットセグメント10の傾きは、上述したバリ部14が歯面12aに掛からない位置、つまり稜線付近に沿って形成される角度で設定される。
    また、本実施形態の金型50では、図6に示すように、上述したバリ部14のうち、取付部11側のバリ部14aと、歯部13側のバリ部14bとが、金型取付面に対して略平行になるように形成される。

    <スプロケットセグメント10の製造方法>
    ここで、上述したスプロケットセグメント10の製造工程について、図9〜図11を用いて説明すれば以下の通りである。

    すなわち、本実施形態のスプロケットセグメント10は、図9および図10に示すような工程を経て、丸棒状態の素材からスプロケットセグメント10へと成形されていく。
    具体的には、図11のフローチャートに示すように、まず、ステップS11において、素材を加熱処理する。
    次に、ステップS12において、加熱された丸棒状の素材を鍛造用ハンマもしくはプレス等の鍛造機械に設置した金型50内の第1成形ステップでつぶし成形を行い、図9に示すように、スプロケットセグメント10の大まかな形状に近づける。

    次に、ステップS13において、つぶし成形後の成形体を金型50内の第2成形ステップで、図9に示すように、鍛造用ハンマによって荒成形を行う。 このとき、荒成形後の成形体10aには、稜線付近に沿ってバリ部14が形成される。
    次に、ステップS14において、荒成形後の成形体10aを金型50内の第3成形ステップで、図9に示すように、鍛造用ハンマによって仕上げ成形を行う。

    次に、ステップS15において、図9に示すように、仕上げ成形後の成形体10aのバリ部14をプレスによって除去するバリ抜き処理を行う。 これにより、スプロケットセグメント10が成形される。
    その後、ステップS16において、図10に示すように、スプロケットセグメント10に含まれる複数の歯部13のうち、両端に配置された歯部13を曲げ加工によって適正位置へ加工する。
    最後に、ステップS17において、スプロケットセグメント10を熱処理した後、図10に示すように、機械加工によってボルト穴等を形成する。

    [本スプロケットセグメント10の製造方法の特徴]
    (1)
    本実施形態のスプロケットセグメント10の製造方法では、図9〜図11に示すように、金型50内において、まず丸棒状の素材につぶし成形(ステップS12)を行い、次いで鍛造方向に対してスプロケットセグメント10の歯筋方向を傾けた状態で荒成形(ステップS13)を行った後、仕上げ成形(ステップS14)を行って、5枚歯のスプロケットセグメント10を成形する。

    これにより、横打ち鍛造では歯面上に形成されてしまうバリ部を、歯面に掛からない位置、例えば、図4等に示すように、スプロケットセグメント10の稜線付近等に沿って形成することができる。 よって、縦打ち鍛造と比較して金型50内における成形圧力を低減し、かつ横打ち鍛造と比較して歯面12aの精度を向上させることができる。
    また、金型50内において鍛造方向に対して歯筋方向を傾けて鍛造成形することで、歯面がそのまま抜け勾配となるため、抜け勾配や取り代を設けたり、鍛造成形後の機械加工の必要がないという利点もある。

    (2)
    本実施形態のスプロケットセグメント10の製造方法では、図4に示すように、荒成形および仕上げ成形時の鍛造成形において生じるバリ部14を、スプロケットセグメント10の稜線に沿って形成する。
    これにより、歯面12aや歯部13に対してバリ部14が影響することを回避して、精度よくスプロケットセグメント10を成形することができる。

    (3)
    本実施形態のスプロケットセグメント10の製造方法では、図4に示すように、歯部13の幅方向端部に形成されたR部13a付近に沿って、バリ部14を形成する。
    これにより、歯面12aや歯部13に対してバリ部14が影響することを回避して、精度よくスプロケットセグメント10を成形することができる。

    (4)
    本実施形態のスプロケットセグメント10の製造方法では、図4に示すように、歯部13の幅方向端面寄りに、バリ部14を形成する。
    これにより、歯面12aや歯部13に対してバリ部14が影響することを回避して、精度よくスプロケットセグメント10を成形することができる。

    (5)
    本実施形態のスプロケットセグメント10の製造方法では、図6に示すように、金型50の金型取付面に対してほぼ同じ高さ位置において略平行になるように、バリ部14を形成する。
    これにより、金型内において鍛造成形する際に、金型同士のずれを防止してバランスよく成形することができる。

    (6)
    本実施形態のスプロケットセグメント10の製造用金型は、図6に示すように、第1金型部51と第2金型部52との間において、鍛造方向に対して傾けた状態でスプロケットセグメント10の成形体10aを成形する。
    これにより、横打ち鍛造では歯面上に形成されてしまうバリ部を、歯面に掛からない位置、例えば、図4等に示すように、スプロケットセグメント10の稜線付近等に沿って形成することができる。 よって、縦打ち鍛造と比較して金型50内における成形圧力を抑制し、かつ横打ち鍛造と比較して歯面12aの精度を向上させることができる。

    (7)
    本実施形態のスプロケットセグメント10は、図4および図5(b)に示すように、最内周側に配置される取付部11と、取付部11の径方向外側において軸方向左右に突出するフランジ部12と、フランジ部12の外周面(歯面12a)から径方向外側に突出する5つの歯部13と、を備えている。 そして、バリ部14を除去したバリ除去加工部21が、スプロケットセグメント10の稜線付近に沿って形成されている。
    これにより、バリ除去加工部21が、歯面12aや歯部13等に影響することを回避して、歯面12a等を高精度に成形することができる。

    [他の実施形態]
    以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。

    (A)
    上記実施形態では、5枚歯のスプロケットセグメント10の製造方法について例を挙げて説明した。 しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
    例えば、図12に示すように、3枚歯のスプロケットセグメント110を、成形体110aからバリ部114を除去して成形してもよい。

    (B)
    上記実施形態では、つぶし成形、荒成形、仕上げ成形の3工程の鍛造成形を行う例を挙げて説明した。 しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
    例えば、荒成形を省略して、つぶし成形と仕上げ成形の2段階でスプロケットセグメントを成形してもよい。

    (C)
    上記実施形態では、鍛造成形時に生じるバリ部14が、金型50の取付面に対して略平行になるように成形した例を挙げて説明した。 しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
    例えば、バリ部の成形角度としては、金型取付面に対して傾斜するように成形されてもよい。

    本発明のスプロケットセグメントの製造方法は、歯面の成形精度を向上させることができるとともに、縦打ち成形時に生じる成形圧力の上昇という問題を回避することができるという効果を奏することから、各種車両に用いられるスプロケットのスプロケットセグメントの製造方法に対して広く適用可能である。

    1 ブルドーザ 2 キャブ 3 車体フレーム 4 ブレード 5 リッパ 7 走行装置 7a 履帯 9 スプロケット10 スプロケットセグメント10a 成形体11 取付部12 フランジ部12a 歯面13 歯部13a R部14 バリ部14a,14b バリ部50 金型51 第1金型52 第2金型110 スプロケットセグメント110a 成形体114 バリ部

    特公平3−39773号公報(平成3年6月14日公告)

    実用昭60−181238号公報(昭和60年12月2日公開)

    実用昭60−181239号公報(昭和60年12月2日公開)

    特公平3−41251号公報(平成3年6月21日公告)

    特公平3−41252号公報(平成3年6月21日公告)

    特開昭52−30994号公報(昭和52年3月9日公開)

    特公昭58−17895号公報(昭和58年4月9日公告)

    特開平10−137890号公報(平成10年5月26日公開)

    特開昭60−102247号公報(昭和60年6月6日公開)

    特表平7−501492号公報(平成7年2月16日公表)

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