Piston pin and its manufacturing method

申请号 JP36872499 申请日 1999-12-27 公开(公告)号 JP2001182830A 公开(公告)日 2001-07-06
申请人 Trw Automotive Japan Kk; ティーアールダブリュ オートモーティブ ジャパン株式会社; 发明人 YAGI KOJI; ITO TAKESHI; INAGAKI TAKAO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a piston pin capable of prolonging the lifetime of a processing tool while reducing its weight. SOLUTION: The body part 10 of a piston pin has divisions 10c and 10c ranging from the end 10a about axial direction to the coupling part 10b, and the inside surface of each hole 11 provided in the division 10c is formed in a funnel shape from a continuous convex curved surface so that the inside diameter of the hole 11 maximizes at the end 10a of the pin body 10 and lessens gradually toward the coupling part 10b.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 ピストンとコネクティング・ロッドとを連結するピストンピンにおいて、 中空穴を有するピストンピン本体の軸方向両端から前記コネクティング・ロッドが連結される連結部分までの各区間において、該区間における前記中空穴の内周面形状を、それぞれ前記ピストンピン本体の軸方向両端で前記中空穴の内径が最大となり、前記連結部分に向かって順次内径が小さくなるように、連続曲面によって略テーパー状に形成してなることを特徴とするピストンピン。
  • 【請求項2】 請求項1に記載のピストンピンにして、 前記連続曲面の範囲が、前記連結部分から少なくとも前記区間の略4分の1以上の範囲であることを特徴とするピストンピン。
  • 【請求項3】 請求項1又は2に記載のピストンピンにして、 前記区間における中空穴の内周面は、前記ピストンピン本体の前記区間内の中空穴内にパンチを打ち込んで、該中空穴を塑性加工することによって形成されることを特徴とするピストンピン。
  • 【請求項4】 請求項3に記載のピストンピンにして、 前記塑性加工は、冷間鍛造であることを特徴とするピストンピン。
  • 【請求項5】 ピストンとコネクティング・ロッドとを連結するピストンピンを冷間鍛造によって製造する方法において、 中空穴を有するピストンピン本体をダイス内にセットする工程と、 一対のパンチを前記ダイス内にセットされたピストンピン本体の中空穴の軸方向両端から押し込む工程とを有し、 前記一対のパンチは、前記中空穴の内径と略等しい外径を有する案内部と、該案内部から順次外径が大きくなるように案内部から連続した連続曲面によって略テーパー状に形成された成形部とを備えてなり、 前記案内部により前記パンチを前記ピストンピン本体の中空穴内に案内しつつ、前記成形部により、前記ピストンピン本体の軸方向端から前記コネクティング・ロッドが連結される連結部分までの各区間において、該区間における前記中空穴の内周面を、それぞれ前記ピストンピン本体の軸方向両端で前記中空穴の内径が最大となり、
    前記連結部分に向かって順次内径が小さくなるように、
    連続曲面によって略テーパー状に形成することを特徴とするピストンピンの製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、農耕機械、航空機等に使用されるレシプロ型内燃機関のピストンとコネクティング・ロッドとを連結するピストンピンに係り、詳しくは軽量化を図り、エンジン運転時のピストン系の慣性を低減する一方、加工性に優れたピストンピン及びその製造方法に関する。

    【0002】

    【発明が解決しようとする課題】軽量化を図り、エンジン運転時のピストン系の慣性力を低減するために、従来より種々のピストンピンが提案されている。 例えば、図9乃至図12に示すピストンピンがある。

    【0003】図9に示すピストンピン50は、クロム鋼等の鋼製の棒状素材を冷間鍛造、機械加工により、棒状素材の中心部に、外周面と同軸状に軽量化のための穴5
    1を形成した後、熱処理及び外周面の研削加工を施して製造される。 また、図10に示すピストンピン50は、
    棒状素材の軸方向中央部分を残して、棒状素材の軸方向両端部分に軽量化のための穴52を形成し、棒状素材の軸方向中央部分には穴52よりも小径の穴53をピアシングにより成形して製造される。

    【0004】図11に示すピストンピン50は、図9に示すピストンピンの穴51の軸方向両端部分(開口部付近)にテーパー状(円錐台状)穴54を形成して更に軽量化を図ったものである。 また、図12に示すピストンピン50は、同じく図10に示すピストンピンの穴52
    の開口部付近にテーパー状(円錐台状)穴55を形成して更に軽量化を図ったものである。

    【0005】図9乃至図12に示す各ピストンピン50
    は、材料歩留まり、生産性の観点から、通常、機械加工よりも冷間鍛造によって製造されている。 なお、穴5
    4、55をパンチを打ち込んで冷間鍛造により形成する場合、穴54と穴51との境界部分、穴55と穴52との境界部分には適当な丸みが形成され、パンチの打ち込み時、パンチのこれら境界部分に対応する箇所に応力集中が生じるのを回避するようにしている。

    【0006】図13及び図14は、ピストンピン50によってピストン60とコネクティング・ロッド65とを連結する状態を示している。 ピストンピン50を、ピストン60の一方の取付穴61からコネクティング・ロッド65の挿通穴66を通してピストン60の他方の穴6
    2に挿入することにより、ピストン60とコネクティング・ロッド65とが連結される。 ピストン60の作動時に、ピストンピン50は、その軸線と直な断面にせん断応力、圧縮応力を受けるが、これら応力は、ピストンピン50上のピストン60とコネクティング・ロッド6
    5との境界部分(コネクティング・ロッド65が連結されるピストンピン50上の連結部分56)で最大となり、該連結部分56から離れるにしたがって小さくなる。 したがって、強度上の観点からすると、ピストンピン50上の連結部分56において、最大せん断応力、最大圧縮応力に耐える肉厚があればよく、他の部分は軽量化を図るために肉厚を薄くすることが可能である。 図1
    1、図12に示すピストンピン50において、テーパー状の穴54、55を形成するのはこの理由による。

    【0007】図15及び図16は、ダイス70とパンチ80を利用して、図11に示すピストンピン50を製造する過程の一例を示している。 パンチ80は、穴54をテーパー状に成形する成形部81と、案内部82とを有する。 案内部82は、パンチ80を穴51内に押し込む過程で穴51の内径が縮小するのを防止する。 先ず図9
    に示すピストンピン50をダイス70の穴71内に挿入してセットし(図15参照)、次いで穴71の軸方向両端からパンチ80,80をピストンピン50の穴51内に同時に押し込んで(図16参照)、該穴51の軸方向両端部分をそれぞれテーパー状に成形して穴54を形成する(図11参照)。

    【0008】パンチ80を穴51内に押し込む過程では、図17に示すように、先ず成形部81と案内部82
    との間の遷移部分83が穴51の開口端縁に接触し、次いで成形部81が穴51内に進入するにつれて穴51を押し広げる。 成形部81が穴51内に所定の加工距離L
    だけ進入したら、それ以上の押し込みを停止する。 このとき、成形部81が受ける接触圧力は、成形部81のテーパー面と穴51の中心軸Xとの間の角度θにより決まり、角度θが大きいとそれだけ接触圧力が大きくなる。
    パンチ80が受ける摩擦負荷は、接触圧力角θや摩擦距離が大きいほど大きくなり、遷移部分83付近で最大となる。 このことは、図12に示すピストンピン50を製造する場合にも同様にである。

    【0009】上述したパンチ80では、冷間鍛造時における摩擦負荷について、充分に注意が払われておらず、
    成形部81と案内部82との間の遷移部分83における丸みの直径(図18参照)が僅かであり(遷移部分83
    に僅かに凸曲面が存在するだけで、この凸曲面が形成される範囲は、ピストンピン50の連結部分56から軸方向端までの距離の10分の1程度であり)、上述した加工を長期間繰り返すことによって、遷移部分83がピストンピン50(穴51の内周面)との摩擦によって摩耗したり、焼き付き等によって損傷したりするおそれがある。

    【0010】パンチ80の寿命を長くするには、摩擦負荷を軽減すればよく、この場合には角度θを小さくするか、加工距離Lを短くすることが考えられるが、これではピストンピンの穴の軸方向両端部でテーパー状に形成することによって必要な機械的強度を確保しつつ軽量化を図ることが出来なくなる。

    【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、軽量化を図りつつ加工工具の寿命を長くすることができる、ピストンピン及びその製造方法を提供することを目的とする。

    【0012】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明は、ピストンとコネクティング・ロッドとを連結するピストンピンにおいて、中空穴を有するピストンピン本体の軸方向両端から前記コネクティング・ロッドが連結される連結部分までの各区間において、該区間における前記中空穴の内周面形状を、それぞれ前記ピストンピン本体の軸方向両端で前記中空穴の内径が最大となり、前記連結部分に向かって順次内径が小さくなるように、連続曲面によって略テーパー状に形成してなることを特徴とする。

    【0013】本発明のピストンピンによれば、ピストンピンとしての機械的強度を維持しつつ軽量化を図ることが可能となる一方、ピストンピンを加工する加工工具の寿命を長くすることができる。 すなわち、ピストンピン本体の軸方両向端で中空穴の内径が最大となり、連結部分に向かって順次内径が小さくなるように連続曲面によって略テーパー状に形成してなるので、加工工具としてパンチを使用して塑性加工(冷間鍛造)する場合、パンチはその外周面形状を中空穴の内周面形状これに合わせて形成する必要があるが、この場合、パンチが受ける摩擦負荷を一様にすることができると同時にパンチに作用する最大摩擦負荷を減少させることが出来る。

    【0014】上記ピストンピンにおいて、前記連続曲面の範囲が、前記連結部分から少なくとも前記区間の略4
    分の1以上の範囲であれば、ピストンピン本体の軸方向両端部分の中空穴を加工する際にパンチが受ける摩擦負荷を一様にすることができ、また最大摩擦負荷を減少させることが可能となる。

    【0015】また、上記目的を達成する本発明のピストンピンの製造方法は、ピストンとコネクティング・ロッドとを連結するピストンピンを冷間鍛造によって製造する方法において、中空穴を有するピストンピン本体をダイス内にセットする工程と、一対のパンチを前記ダイス内にセットされたピストンピン本体の中空穴の軸方向両端から押し込む工程とを有し、前記一対のパンチは、前記中空穴の内径と略等しい外径を有する案内部と、該案内部から順次外径が大きくなるように案内部から連続した連続曲面によって略テーパー状に形成された成形部とを備えてなり、前記案内部によりパンチを前記ピストンピン本体の中空穴内に案内しつつ、前記成形部により、
    前記ピストンピン本体の軸方向端から前記コネクティング・ロッドが連結される連結部分までの各区間において、該区間における前記中空穴の内周面を、それぞれ前記ピストンピン本体の軸方向両端で前記中空穴の内径が最大となり、前記連結部分に向かって順次内径が小さくなるように、連続曲面によって略テーパー状に形成することを特徴とする。

    【0016】本発明のピストンピンの製造方法によれば、ピストンピンの軽量化を図ることが出来る一方、パンチの受ける負荷を軽減することが出来るので、長期間冷間鍛造を繰り返しても、パンチの摩耗や焼き付きが少なく、パンチの寿命を長くすることができる。

    【0017】

    【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例について添付図面を参照して説明する。 図1乃至図6に本発明のピストンピンの一実施例を示す。 図1は本発明のピストンピンの一実施例を示す縦断面図、図2は図1のA部分(区間10cの部分)の部分拡大断面図、図3及び図4
    はピストンピンをダイスとパンチを使用して冷間鍛造により製造する工程を説明するための縦断面図、図5は図3及び図4に示す製造工程で使用するパンチの部分側面図、図6はパンチをピストンピン本体の中空穴内に押し込む過程を詳細に説明するための図である。

    【0018】本実施例のピストンピンは、図1、図2に示すように、例えばクロム鋼等の鋼製の中空状ピストンピン本体10から構成される。 このピストンピン本体1
    0の中空穴11の軸方向両端部分における内壁面は、それぞれ連続した凸曲面によって漏斗状に形成される。

    【0019】すなわち、ピストンピン本体10の軸方向端10a、10aからコネクティング・ロッド45(図8参照)が連結される連結部分10b、10bまでの各区間10c、10cにおいて、該区間10c全体の中空穴11の内周面形状が、ピストンピン本体10の軸方向端10aで中空穴11の内径が最大となり、連結部分1
    0bに向かって順次内径が小さくなるように、連続した凸曲面により略テーパー状に形成されている。 連結部分10bの肉厚は、ピストン40(図8参照)の作動時に、ピストンピン(ピストンピン本体10)が受ける最大せん断応力や、最大圧縮応力等に耐えるように設定される。

    【0020】区間10cにおける中空穴11の内周面形状を、図2を参照して詳細に説明すると、円弧状の曲線からなる連続した凸曲面によって形成され、また連結部分10b、10b間である中空穴11の中央部分は、直線からなるストレートな円筒状曲面によって形成され、
    中空穴11の区間10cと中央部分は、連結部分10b
    で滑らかに連続している。 すなわち、ストレートな円筒状曲面を構成する直線は、連結部分10bにおいて、連続凸曲面を構成する曲線から該曲線の接線方向に延びるようにして連続している。

    【0021】次に、図3、図4を参照して上述したピストンピンを冷間鍛造によって製造する方法の一実施例を説明する。 先ず、第1工程で、図3に示すように、ダイス20内にピストンピン本体10をセットし、次いで、
    第2工程で、図4に示すように、ダイス20内のピストンピン10の中空穴11の両端開口部から該中空穴11
    内に、所定深さ、パンチ30を圧入するが、これら工程は従来と同じである。

    【0022】本実施例では、図5に示すパンチ30を利用する点に特徴を有している。 パンチ30は、中空穴1
    1の連結部分10b、10b間の内径と略等しいか、若干小径に形成された円柱状の案内部31と、該案内部3
    1に案内されつつ中空穴11の区間10cを成形するテーパー状(円錐台形状)の成形部32とからなる。 成形部32の外周面は、曲線からなる連続した凹曲面によって形成され、この凹曲面により中空穴11の区間10c
    の連続凸曲面が成形される。 案内部31と成形部32
    は、それらの間の遷移部分33において滑らかに連続するように形成されている。 すなわち、案内部31の円柱状外周面を構成する直線は、遷移部分33において、成形部32の凹曲面を構成する曲線の接線方向に延びるように、成形部32から連続している。

    【0023】なお、案内部31は、成形部32によって中空穴11を加工する際、該中空穴11の内径が縮小するのを防止する。 したがって、成形部32によって中空穴11の加工が進行するにつれて、ピストンピン本体1
    0の軸方向端10aが盛り上がる。

    【0024】次に、図6を参照してパンチ30をピストンピン本体10の中空穴11内に圧入する過程(軽量化のための穴の成形過程)を詳細に説明する。 案内部31
    により案内されてパンチ30がピストンピン本体10の中空穴11内に進入すると、まず案内部31と成形部3
    2との間の遷移部分33が中空穴11の開口端縁11a
    に接触し、次いで成形部32が中空穴11の開口端部分を押し広げるように塑性加工しつつ、パンチ30が加工距離Lだけ進入した時点(遷移部分33が加工距離Lだけ進入した時点)で加工が終了する。 加工終了時、中空穴11の開口端縁11aは、ピストンピン本体10の軸方向端10aの盛り上がりに伴って図6の一点鎖線に示す位置11a'に移動する。

    【0025】パンチ30の成形部32が最初に中空穴1
    1の開口端縁11aに接触するときの接触圧力角θは、
    遷移部分33付近の成形部32の凹曲面を構成する円弧の接線と、パンチ30の中心軸線Xとの間の角度に等しいので、開口端縁11a付近での接触圧力角θは極めて小さいものとなる。

    【0026】また、パンチ30が中空穴11内に進入するにつれて、開口端縁11aは位置11a'に移動して、パンチ30の開口端縁11aに接触する部分での接触圧力角θは順次大きくなる一方、該部分の塑性加工終了時点までの摩擦距離は順次小さくなる。

    【0027】したがって、パンチ30とピストンピン本体10との接触において、加工距離Lだけ移動する、遷移部分33近傍が小さな接触角度θとなり、遷移部分3
    3付近(遷移部分33及び該遷移部分33近傍の成形部32)が受ける摩擦負荷を、図17に示す遷移部分83
    近傍が受ける摩擦負荷に比して、小さくすることが出来る。 また、パンチ30の成形部32全体の摩擦負荷は、
    図17に示す成形部81が受ける摩擦負荷に比して、局部的に大きくなる所がなく、略一様とすることができる。

    【0028】図8は、図1に示すピストンピンを利用してピストン40とコネクティング・ロッド45とを接続して組み立てた、ピストン・アッセンブリである。 このピストン・アッセンブリでも、図13に示す場合と同様に、ピストンピン本体10を、ピストン40の一方の取付穴41からコネクティング・ロッド45の挿通穴46
    を通してピストン40の他方の穴42に挿入することにより、ピストン40とコネクティング・ロッド45とが連結される。 ピストン40の作動時に、ピストンピン本体10は、その軸線と直角な断面にせん断応力、圧縮応力を受けるが、これら応力はピストンピン本体10の連結部分10bで最大となり、該連結部分10bから離れるにしたがって小さくなる。 連結部分10bではピストンピン本体10の肉厚が厚く形成されていることから、
    ピストン40の作動時に作用するせん断応力、圧縮応力に耐えることができる。 また、ピストンピン本体10の連結部分10bから軸方向端10aまでの区間10cでは肉厚が順次薄くなって軽量化が図られており、エンジン運転時のピストン系の慣性力を低減することができる。

    【0029】図7は本発明のピストンピンの他の実施例を示す、図2に対応する部分拡大断面図である。 図1に示す実施例では、ピストンピン本体10の区間10c部分の中空穴11の内周面を、連結部分10bから軸方向端10aに至る全範囲で連続した凸曲面により構成した場合を示したが、図7に示す他の実施例では、ピストンピン本体10の区間10c部分の中空穴11の内周面を、連結部分10bから軸方向端10aの手前まで、連続した凸曲面に構成するが、軸方向端10a付近の点1
    0dから軸方向端10aにかけては、凸曲面を構成する曲線の接線方向に延びる直線T1に略近い直線T2からなる円錐面によって形成する。 換言すれば、ピストンピン本体10の区間10c部分の中空穴11の内周面を、
    連結部分10bから軸方向端10aまでの距離L1の略4分の3の範囲L2において、連続した凸曲面により形成している。

    【0030】上記他の実施例に示す中空穴11を加工する場合でも、中空穴11の開口端縁11aに最初に接触する、パンチ30の遷移部分33及び該遷移部分33近傍の成形部32が受ける摩擦負荷を小さくすることができる。 また、加工過程で、パンチ30の成形部32が受ける摩擦負荷を略一様とすることができる。

    【0031】なお、図1に示す実施例では、ピストンピン本体10の区間10c部分の中空穴11の内周面を、
    連結部分10bから軸方向端10aまでの距離の全範囲において、連続した凸曲面により形成し、また図7に示す実施例では、連結部分10bから軸方向端10aまでの距離L1の略4分の3の範囲L2において、連続した凸曲面により形成した場合を示したが、少なくとも連結部分10bから軸方向端10aまでの距離の略4分の1
    の範囲において連続した凸曲面を形成すれば、中空穴1
    1を加工するパンチ30が受ける摩擦負荷を軽減することができる。

    【0032】ちなみに、従来の場合、図18に示すように、境界部分56に僅かに凸曲面が存在するだけで、この凸曲面が形成される範囲L2は、連結部分から軸方向端までの距離L1の10分の1程度である。

    【0033】

    【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
    ピストンピン本体の軸方両向端で中空穴の内径が最大となり、連結部分に向かって順次内径が小さくなるように連続曲面によって略テーパー状に形成してなるので、ピストンピンとしての機械的強度を維持しつつ軽量化を図ることが可能となる一方、中空穴を塑性加工(冷間鍛造)する加工工具としてパンチを使用する場合、このパンチが受ける摩擦負荷を一様にすることができると同時に最大摩擦負荷を減少させることが出来、パンチの寿命を長くすることができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明のピストンピンの一実施例を示す縦断面図である。

    【図2】図1のA部分(区間10cの部分)の部分拡大断面図である。

    【図3】図1のピストンピンをダイスとパンチを使用して冷間鍛造により製造する工程を説明するための縦断面図である。

    【図4】図1のピストンピンをダイスとパンチを使用して冷間鍛造により製造する工程を説明するための縦断面図である。

    【図5】図3及び図4に示す製造工程で使用するパンチの部分側面図である。

    【図6】パンチをピストンピン本体の中空穴内に押し込む過程を詳細に説明するための図である。

    【図7】本発明のピストンピンの他の実施例を示す、図2に対応する部分拡大断面図である。

    【図8】図1に示すピストンピンを使用してピストンとコネクティング・ロッドとを接続して組み立てた、ピストン・アッセンブリの部分拡大縦断面図である。

    【図9】従来のピストンピンの縦断面図である。

    【図10】従来の別のピストンピンの縦断面図である。

    【図11】従来の別のピストンピンの縦断面図である。

    【図12】従来の別のピストンピンの縦断面図である。

    【図13】図11に示すピストンピンを使用してピストンとコネクティング・ロッドとを接続して組み立てた、
    ピストン・アッセンブリの部分拡大縦断面図である。

    【図14】図11に示すピストンピンを使用してピストンとコネクティング・ロッドとを接続して組み立てた、
    ピストン・アッセンブリの一部切り欠いて示した斜視図である。

    【図15】図11のピストンピンをダイスとパンチを使用して冷間鍛造により製造する工程を説明するための縦断面図である。

    【図16】図11のピストンピンをダイスとパンチを使用して冷間鍛造により製造する工程を説明するための縦断面図 である。

    【図17】従来技術において、パンチをピストンピン本体の中空穴内に押し込む過程を詳細に説明するための図である。

    【図18】図11に示すピストンピンのテーパー部と案内部との間の遷移部分を説明する部分断面図である。

    【符号の説明】

    10 ピストンピン本体 10a 軸方向端 10b 連結部分 10c 区間 11 中空穴 11a 開口端縁 20 ダイス 30 パンチ 31 成形部 32 案内部 33 遷移部分

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 孝雄 愛知県西春日井郡豊山町豊場志117 シ ャトー豊山606号 Fターム(参考) 3J044 AA06 AA18 CA25 DA09 EA10 4E087 CB03 HA35

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