フェイススプライン成形装置及びフェイススプライン成形方法

申请号 JP2011135425 申请日 2011-06-17 公开(公告)号 JP5815297B2 公开(公告)日 2015-11-17
申请人 NTN株式会社; 发明人 木村 隆宏; 松永 浩司;
摘要
权利要求

等速自在継手の外側継手部材の底壁バック面にフェイススプラインを成形するフェイススプライン成形装置であって、 フェイススプラインを成形するための歯部を有し、軸心が前記外側継手部材の軸心に対して所定度で傾斜するパンチ部材と、外側継手部材のカップ部の開口端面を受ける端面受面とを有する受け台と、外側継手部材のカップ部の底壁内面を受ける内面受面を有する軸部材と、受け台と軸部材とを相対的に軸方向に変位させる移動機構と、移動機構を制御してカップ部の開口端面とカップ部の底壁内面との同時受圧を可能とする制御手段とを備え、同時受圧時において、外側継手部材の軸心廻りのパンチ部材の回転によるパンチ部材揺動運動にて、底壁バック面にパンチ部材の歯部による塑性変形によってフェイススプラインを成形することを特徴とするフェイススプライン成形装置。受け台と軸部材との相対的な軸方向の変位は、前記軸部材の軸方向の移動であることを特徴とする請求項1に記載のフェイススプライン成形装置。前記移動機構は、ねじ構造で構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフェイススプライン成形装置。前記移動機構は、サーボモータを用いたサーボ機構にて構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフェイススプライン成形装置。フェイススプラインを成形するための歯部を有し、軸心が前記外側継手部材の軸心に対して所定角度で傾斜するパンチ部材と、外側継手部材のカップ部の開口端面を受ける端面受面とを有する受け台と、外側継手部材のカップ部の底壁内面を受ける内面受面を有する軸部材とを備えたフェイススプライン成形装置を用いて、外側継手部材の底壁バック面にフェイススプラインを成形するためのフェイススプライン成形方法であって、 受け台と軸部材とを相対的に軸方向に変位させることによって、カップ部の開口端面とカップ部の底壁内面との同時受圧状態を形成し、その後、この同時受圧状態を維持しつつ外側継手部材の軸心廻りのパンチ部材の回転によるパンチ部材揺動運動を行って、底壁バック面にパンチ部材の歯部による塑性変形によってフェイススプラインを成形することを特徴とするフェイススプライン成形方法。受け台にてカップ部の開口端面を受けた状態を基準として、受け台と軸部材とを相対的に軸方向に変位させて、軸部材にてカップ部の底壁内面を受ける状態とすることによって、パンチ部材揺動運動には、カップ部の開口端面とカップ部の底壁内面との同時受圧状態とすることを特徴とする請求項5に記載のフェイススプライン成形方法。カップ部の底壁内面の受圧面積をS1とし、カップ部の開口端面の受圧面積をS2とし、塑性変形時の成形荷重をPとし、カップ部の底壁内面にかかる荷重をP1としたときに、P1=S1・P/(S1+S2)とすることを特徴とする請求項6に記載のフェイススプライン成形方法。軸部材にてカップ部の底壁内面を受けた状態を基準として、受け台と軸部材とを相対的に軸方向に変位させて、受け台にてカップ部の開口端面を受ける状態とすることによって、パンチ部材揺動運動には、カップ部の開口端面とカップ部の底壁内面との同時受圧状態とすることを特徴とする請求項5に記載のフェイススプライン成形方法。カップ部の底壁内面の受圧面積をS1とし、カップ部の開口端面の受圧面積をS2とし、塑性変形時の成形荷重をPとし、カップ部の開口端面にかかる荷重をP2としたときに、P2=S2・P/(S1+S2)とすることを特徴とする請求項8に記載のフェイススプライン成形方法。

说明书全文

本発明は、フェイススプライン成形装置及びフェイススプライン成形方法に関する。

近年、車輪用軸受装置(駆動車輪用軸受装置)として、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化されたものがある。すなわち、このような車輪用軸受装置は、図11に示すように、外径方向に延びるフランジ101を有するハブ輪102と、このハブ輪102に外側継手部材103が固定される等速自在継手104と、ハブ輪102の外周側に配設される転がり軸受100とを備える。

等速自在継手104は、前記外側継手部材103と、この外側継手部材103の椀形部(カップ部)107内に配設される内側継手部材108と、この内側継手部材108と外側継手部材103との間に配設されるボール109と、このボール109を保持する保持器110とを備える。また、内側継手部材108の中心孔の内周面にはスプライン部111が形成され、この中心孔に図示省略のシャフトの端部スプライン部が挿入されて、内側継手部材108側のスプライン部111とシャフト側のスプライン部とが係合される。

また、ハブ輪102は、筒部113と前記フランジ101とを有し、フランジ101の外端面114(反継手側の端面)には、図示省略のホイールおよびブレーキロータが装着される短筒状のパイロット部115が突設されている。

そして、筒部113のカップ部107側端部の外周面に切欠部116が設けられ、この切欠部116に前記転がり軸受100の内方部材を構成する内輪117が嵌合されている。ハブ輪102の筒部113の外周面のフランジ近傍には第1内側軌道面118が設けられ、内輪117の外周面に第2内側軌道面119が設けられている。なお、ハブ輪102のフランジ101にはボルト装着孔112が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ101に固定するためのハブボルトがこのボルト装着孔112に装着される。

転がり軸受100の外方部材105は、その内周に2列の外側軌道面120、121が設けられる。外方部材105の第1外側軌道面120とハブ輪102の第1内側軌道面118とが対向し、外方部材105の第2外側軌道面121と、内輪117の軌道面119とが対向し、これらの間に転動体122が介装される。

ハブ輪102の筒部113には仕切壁124が設けられ、この仕切壁124の貫通孔124aに連結用ボルト部材125が挿通されている。また、カップ部107の底壁126にはねじ孔127が設けられ、このねじ孔127に前記ボルト部材125が螺着される。

従来においては、カップ部107の底壁126のハブ輪対向面(バック面)と、ハブ輪102の筒部113の椀形部対向面とに、それぞれフェイススプライン128、129を設け、フェイススプライン構造にてトルク伝達構造を構成するものがある(特許文献1)。ここで、フェイススプライン128、129とは、径方向に延びる複数の凸条と径方向に延びる複数の凹条とが周方向に沿って交互に配設されたものである。

このようなフェイススプライン構造では、ガタなしでトルク伝達ができる、ハブ輪対向面と椀形部対向面との間のスティックスリップ音発生を抑えることができる、組立性に優れている、軽量化できる等の利点がある。

ところで、このようなフェイススプラインの成形には、フェイススプラインの塑性加工するための歯形(歯部)が形成されたパンチと、中心軸が所定度だけ傾斜する揺動軸とを備え、揺動軸に揺動運動をさせて、塑性変形により成形するものがある(特許文献2)。

特開昭63−184501号公報

特開2009−274515号公報

前記特許文献2に記載の成形装置等を用いて、外側継手部材の底壁のバック面にフェイススプラインを成形する場合、カップ部の開口端面と、カップ部の底壁内面とを受け部材にて受ける必要がある。すなわち、開口端面と底壁内面とを下方から受けて、揺動軸に揺動運動をさせてパンチをカップ部の底壁のバック面に押し付けることになる。

ところが、カップ部内の軸方向寸法のバラツキにより、カップ部の底壁内面のみの受圧、又はカップ部の開口端面のみの受圧となる場合がある。このような場合には、加工ワーク(外側継手部材)が不安定な状態での塑性変形となる。このため、カップ部の内部において変形が生じる。

カップ部の底壁内面のみの受圧である場合、揺動形成加工中にワーク(外側継手部材)がふらつき、局部的にカップ外径面がカップの開口端面を受けている部材に接触して、カップ部内径が縮径するおそれがある。また、カップ部の開口端面のみの受圧である場合、カップ部の底壁内面を受けていないので、カップ部の底壁内面が変形して、カップ部内への塑性流動が発生し、カップ部内径が縮径するおそれがある。

そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、外側継手部材のカップ部の内径の変形抑制が可能であって、フェイススプラインを安定して成形することができるフェイススプライン成形装置及びフェイススプライン成形方法を提供しようとするものである。

本発明のフェイススプライン成形装置は、等速自在継手の外側継手部材の底壁バック面にフェイススプラインを成形するフェイススプライン成形装置であって、フェイススプラインを成形するための歯部を有し、軸心が前記外側継手部材の軸心に対して所定角度で傾斜するパンチ部材と、外側継手部材のカップ部の開口端面を受ける端面受面とを有する受け台と、外側継手部材のカップ部の底壁内面を受ける軸部材と、受け台と軸部材とを相対的に軸方向に変位させる移動機構と、この移動機構を制御してカップ部の開口端面とカップ部の底壁内面との同時受圧を可能とする制御手段とを備え、同時受圧時において、外側継手部材の軸心廻りのパンチ部材の回転によるパンチ部材揺動運動にて、底壁バック面にパンチ部材の歯部による塑性変形によってフェイススプラインを成形するものである。

本発明のフェイススプライン成形装置によれば、受け台と軸部材とを相対的に軸方向に変位させることによって、カップ部の開口端面とカップ部の底壁内面との同時受圧が可能である。このため、カップ部内の軸方向寸法にばらつきがあっても、同時受圧状態で、底壁バック面にパンチ部材の歯部による塑性変形を施すことができる。

受け台と軸部材との制御手段による相対的な軸方向の変位は、前記軸部材の軸方向の移動であるようにできる。また、移動機構は、ねじ構造で構成しても、サーボモータを用いたサーボ機構にて構成してもよい。

本発明のフェイススプライン成形方法は、フェイススプラインを成形するための歯部を有し、軸心が前記外側継手部材の軸心に対して所定角度で傾斜するパンチ部材と、外側継手部材のカップ部の開口端面を受ける端面受面とを有する受け台と、外側継手部材のカップ部の底壁内面を受ける内面受面を有する軸部材とを備えたフェイススプライン成形装置を用いて、外側継手部材の底壁バック面にフェイススプラインを成形するためのフェイススプライン成形方法であって、カップ部の開口端面とカップ部の底壁内面との同時受圧状態とし、その後、この同時受圧状態を維持しつつ外側継手部材の軸心廻りのパンチ部材の回転によるパンチ部材揺動運動を行って、底壁バック面にパンチ部材の歯部による塑性変形によってフェイススプラインを成形するものである。

本発明のフェイススプライン成形方法によれば、カップ部内の軸方向寸法にばらつきがあっても、同時受圧状態で、カップ部内の変形を抑制し、底壁バック面にパンチ部材の歯部による塑性変形を施すことができる。

受け台にてカップ部の開口端面を受けた状態を基準として、受け台と軸部材とを相対的に軸方向に変位させて、軸部材にてカップ部の底壁内面を受ける状態とすることによって、パンチ部材揺動運動には、パンチ部材揺動運動にはカップ部の開口端面とカップ部の底壁内面との同時受圧状態することができる。

この場合、カップ部の底壁内面の受圧面積をS1とし、カップ部の開口端面の受圧面積をS2とし、塑性変形時の成形荷重をPとし、カップ部の底壁内面にかかる荷重をP1としたときに、P1=S1・P/(S1+S2)とするのが好ましい。これによって、同時受圧状態を有効に形成できる。

また、軸部材にてカップ部の底壁内面を受けた状態を基準として、受け台と軸部材とを相対的に軸方向に変位させて、受け台にてカップ部の開口端面を受ける状態とすることによって、パンチ部材揺動運動には、パンチ部材揺動運動にはカップ部の開口端面とカップ部の底壁内面との同時受圧状態とすることができる。

この場合、カップ部の底壁内面の受圧面積をS1とし、カップ部の開口端面の受圧面積をS2とし、塑性変形時の成形荷重をPとし、カップ部の開口端面にかかる荷重をP2としたときに、P2=S2・P/(S1+S2)とするのが好ましい。これによって、同時受圧状態を有効に形成できる。

本発明のフェイススプライン成形装置では、カップ部内の軸方向寸法にばらつきがあっても、同時受圧状態で、底壁バック面にパンチ部材の歯部による塑性変形を施すことができる。このため、カップ部の内径変化を抑制しつつフェイススプラインを安定して成形することができる。

受け台と軸部材との制御手段による相対的な軸方向の変位を軸部材の軸方向の移動で行うものであって、軸部材の軸方向の移動機構がねじ構造で構成されるものであれば、移動機構を簡単な構造で構成でき、低コスト化を図ることができる。また、受け台と軸部材との制御手段による相対的な軸方向の変位を軸部材の軸方向の移動で行うものであって、軸部材の軸方向の移動機構がサーボモータを用いたサーボ機構で構成されるものであれば、目標値に対する精度も良く、速度範囲も広く、応答性も良い等の利点がある。

本発明のフェイススプライン成形方法では、カップ部の底壁内面にかかる荷重やカップ部の開口端面にかかる荷重を制御することによって、カップ部の内径変形を安定して抑制することができ、高品質の製品を提供できる。

本発明の実施形態を示すフェイススプライン成形装置の成形加工前の断面図である。

前記フェイススプライン成形装置の成形加工中の断面図である。

前記フェイススプライン成形装置にて成形したフェイススプラインを有する外側継手部材を用いた車輪用軸受装置の断面図である。

フェイススプラインの正面図である。

前記フェイススプライン成形装置の制御部の構成ブロック図である。

前記フェイススプライン成形装置を用いたフェイススプライン成形方法のフローチャート図である。

前記フェイススプライン成形装置を用いた他のフェイススプライン成形方法のフローチャート図である。

本発明の他の実施形態を示すフェイススプライン成形装置の断面図である。

前記図8に示すフェイススプライン成形装置を用いたフェイススプライン成形方法のフローチャート図である。

前記図8に示すフェイススプライン成形装置を用いた他のフェイススプライン成形方法のフローチャート図である。

車輪用軸受装置の断面図である。

以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。

図3は本発明の等速自在継手を用いた車輪用軸受装置を示し、外径方向に延びるフランジ11を有するハブ輪2と、このハブ輪2に外側継手部材3が固定される等速自在継手4と、ハブ輪2の外周側に配設される転がり軸受10とを備える。外側継手部材3は、その内径面5に複数のトラック溝6が形成されたカップ部7を有する。

等速自在継手4は、前記外側継手部材3と、この外側継手部材3のカップ部7内に配設される内側継手部材(図示省略)と、この内側継手部材と外側継手部材3との間に配設されるトルク伝達部材としてのボール(図示省略)と、このボールを保持する保持器(図示省略)とを備える。

また、ハブ輪2は、筒部13と前記フランジ11とを有し、フランジ11の外端面14(反継手側の端面)には、図示省略のホイールおよびブレーキロータが装着される短筒状のパイロット部15が突設されている。

そして、筒部13のカップ部7側端部の外周面に切欠部16が設けられ、この切欠部16に前記転がり軸受10の内方部材の一部を構成する内輪17が嵌合されている。ハブ輪2の筒部13の外周面のフランジ近傍には第1内側軌道面18が設けられ、内輪17の外周面に第2内側軌道面19が設けられている。このように、転がり軸受10の内方部材は、ハブ輪2の筒部13の一部と前記内輪17とで構成される。なお、ハブ輪2のフランジ11にはボルト装着孔12が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ11に固定するためのハブボルトがこのボルト装着孔12に装着される。

転がり軸受10の外方部材23は、その内周に2列の外側軌道面20、21が設けられる。外方部材5の第1外側軌道面20とハブ輪2の第1内側軌道面18とが対向し、外方部材5の第2外側軌道面21と、内輪17の軌道面19とが対向し、これらの間に転動体22が介装される。

ハブ輪2の筒部13には仕切壁24が設けられ、この仕切壁24の貫通孔24aに連結用ボルト部材25が挿通されている。また、カップ部7の底壁26にはねじ孔27が設けられ、このねじ孔27に前記ボルト部材25が螺着される。

カップ部7の底壁26のバック面26aにはフェイススプライン28が設けられ、ハブ輪2の筒部13の端面13aには、前記フェイススプライン28に噛合するフェイススプライン29が設けられる。フェイススプライン28は、図4に示すように、径方向に延びる複数の凸条28aと径方向に延びる複数の凹条28bとが周方向に沿って交互に配設されたものである。また、フェイススプライン29も同様、径方向に延びる複数の凸条と径方向に延びる複数の凹条とが周方向に沿って交互に配設されたものである。

図1は、カップ部7の底壁26のバック面26aに、フェイススプライン28を成形するフェイススプライン成形装置を示している。フェイススプライン成形装置は、図2に示すように軸心が外側継手部材3の軸心に対して所定角度で傾斜するパンチ部材50と、外側継手部材3のカップ部7の開口端面51を受ける端面受面52とを有する受け台53と、外側継手部材3のカップ部7の底壁内面55を受ける内面受面56を有する軸部材57とを備える。軸部材57はその軸心方向に沿って矢印A,B方向の往復動が可能である。

パンチ部材50は、基盤60と、この基盤60の下面に設けられる円環部61とを備え、この円環部61の下面にフェイススプライン成形用の歯部(歯形)62が設けられている。そして、このパンチ部材50は、図示省略の回転軸に取り付けられる。

受け台53は、凹部65が設けられたブロック体からなる。また、凹部65の底壁65aには、貫通孔66が設けられている。この場合、凹部65の内径面は、フェイススプライン28を成形する外側継手部材3のカップ部7の外径面に対応している。すなわち、図1に示すように、カップ部7は、その開口部が下方に開口した状態で、凹部65に嵌合され、カップ部7の開口端面51が、凹部65の底壁65aの内面である端面受面52にて受けられる。この嵌合状態では、カップ部7の軸方向長さの開口側の略半分が凹部65内に嵌入する。また、外側継手部材3はその軸心廻りの回転が規制される。

受け台53は基台67上に支持台68を介して載置固定される。すなわち、基台67は、軸心孔67aを有するブロック体からなり、支持台68は、前記軸心孔67aよりも大径の軸心孔68aを有するブロック体からなり、ボルト部材69を介して基台67に固定される。そして、受け台53がボルト部材69を介して支持台68に固定される。

軸部材57は、その先端が、フェイススプライン28を成形する外側継手部材3のカップ部7の底壁内面55に対応する形状の内面受面56とされる。この場合、底壁26にねじ孔27が設けられているので、軸部材57の先端部が扁平円錐台形状とされ、内面受面56は、この扁平円錐台の周面でもって形成される。

軸部材57は移動機構70(図5参照)によって上下動が可能とされる。移動機構70としては、例えば、ねじ軸とこのねじ軸に螺合するナット部材とを備えたものである。すなわち、ナット部材をその軸心廻りに回転させることによって、ねじ軸をその軸心方向に移動させることができる。この場合、ボールねじ機構が好ましい。また、移動機構70として、サーボモータを用いたサーボ機構であってもよい。すなわち、前記ボールねじ機構において、ナット部材をサーボモータで回転駆動させるようにすればよい。

ところで、この移動機構70は制御手段71にて制御される。制御手段71は、マイクロコンピュータ等で構成でき、軸部材57の軸方向移動量を制御することになる。

次に、前記のように構成されたフェイススプライン成形装置を用いたフェイススプライン成形方法を、図6等のフローチャート図を使用して説明する。まず、カップ部7の開口端面51を受け台53の端面受面52にて受けた状態とする(ステップS1)。すなわち、外側継手部材3のカップ部7をその開口部が下方に開口するように、受け台53の凹部65に嵌合させる。この状態では、図1の図面の左半分に示すように、軸部材57の内面受面56とカップ部7の底壁内面55との間に隙間40が設けられている。

次に、軸部材57をその軸心方向に沿って前記隙間40が埋まる分の寸法Sだけ矢印A方向に上昇させる(ステップS2)。そして、カップ部7の底壁内面55に、軸部材57の内面受面56を接触させて、カップ部7の底壁内面55をこの軸部材57にて受ける状態とする(ステップS3)。すなわち、図1の図面の右半分に示す状態とする。これによって、カップ部7の開口端面51とカップ部7の底壁内面56との同時受圧状態とする。すなわち、外側継手部材3のカップ部7の開口端面51から、カップ部7の底壁内面56の最深部までの深さ寸法X分だけ、軸部材57の先端面が、軸部材57の受け台53の凹部65の底面(端面受面52)から突出した状態となる。

この状態で、揺動成形加工を開始する(ステップS4)。すなわち、図2に示すように、パンチ部材50を、その軸心L1を外側継手部材3の軸心Lに対して所定角度で傾斜させた状態で、パンチ部材50を外側継手部材3の底壁26のバック面26aに押し当てるとともに、外側継手部材3の軸心Lの廻りにパンチ部材50を回転させる。これによって、パンチ部材50に揺動運動を発生させ、底壁26のバック面26aにフェイススプライン28を成形する。このように、フェイススプライン28が成形された外側継手部材3は、その後、熱硬化処理、研削加工等が施されて仕上げられる。なお、外側継手部材3の軸心Lに対するパンチ部材50の軸心L1の傾斜角度としては、例えば、4〜6°程度とされる。

前記のように構成されたフェイススプライン成形装置を用いたフェイススプライン成形方法としては、図7のフローチャート図に示す方法も可能である。この場合、まず、カップ部7の底壁内面55を軸部材57の内面受面56にて受けた状態とする(ステップS5)。すなわち、外側継手部材3のカップ部7の開口端面51から、カップ部7の底壁内面56の最深部までの深さ寸法X分よりも、軸部材57の先端面を軸部材57の受け台53の凹部65の底面(端面受面52)から突出した状態とする。この状態で、外側継手部材3の開口端面51と受け台53の凹部65の底面(端面受面52)との間に隙間(図示省略)が設けられる。

次に、軸部材57をその軸心方向に沿って矢印B(図1参照)方向に下降させる(ステップS6)。そして、カップ部7の開口端面51を、受け台53の凹部65の底面(端面受面)52に接触させて、カップ部7の開口端面51を受け台53の端面受面52にて受ける状態とする(ステップS7)。これによって、カップ部7の開口端面とカップ部7の底壁内面56との同時受圧状態とする。この状態で、外側継手部材3のカップ部7の開口端面51から、カップ部7の底壁内面56の最深部までの深さ寸法X分だけ、軸部材57の先端面が、軸部材57の受け台53の凹部65の底面(端面受面52)から突出した状態となる。この状態で、揺動成形加工を開始する(ステップS8)。これによって、底壁26のバック面26aにフェイススプラインを成形することができる。

本発明のフェイススプライン成形装置およびフェイススプライン成形によれば、受け台53と軸部材57とを相対的に軸方向に変位させることによって、カップ部7の開口端面51とカップ部7の底壁内面55との同時受圧が可能である。このため、カップ部7内の軸方向寸法にばらつきがあっても、同時受圧状態で、底壁バック面26aにパンチ部材50の歯部62による塑性変形を施すことができ、カップ部7の内径変化を抑制しつつフェイススプライン28を安定して成形することができる。なお、本発明のフェイススプライン成形装置およびフェイススプライン成形によれば、カップ部7の底壁内面55のみで受圧したものに比べてカップ部7の内径の変形量を約1/10に低減できる。

受け台53と軸部材57との制御手段71による相対的な軸方向の変位を軸部材57の軸方向の移動で行うものであって、軸部材57の軸方向の移動機構70がねじ構造で構成されるものであれば、移動機構70を簡単な構造で構成でき、低コスト化を図ることができる。また、受け台53と軸部材57との制御手段71による相対的な軸方向の変位を軸部材の軸方向の移動で行うものであって、軸部材57の軸方向の移動機構70がサーボモータを用いたサーボ機構で構成されるものであれば、目標値に対する精度も良く、速度範囲も広く、応答性も良い等の利点がある。

図8に示すフェイススプライン成形装置は、揺動成形加工時のカップ部7の底壁内面56に係る荷重を調整できるものである。すなわち、軸部材57を上下動させる移動機構70として油圧機構72が用いられる。

このようなフェイススプライン成形装置を用いたフェイススプラインを図9に示すフローチャート図を用いて説明する。まず、ステップS10で示すように、カップ部7の開口端面51を受け台53の端面受面52にて受けた状態とする。次に、ステップS11へ移行して、軸部材57を上昇させて、ステップS12に示すように、カップ部7の底壁内面55を軸部材57の内面受面56にて受けた状態とする。

その後は、パンチ部材50の歯部62をカップ部7の底壁26のバック面26aに押し付けて、ステップS12に示すように、P1=S1・P/(S1+S2)であるか否かを判定する。ここで、カップ部7の底壁内面55の受圧面積をS1とし、カップ部7の開口端面51の受圧面積をS2とし、塑性変形時の成形荷重をPとし、カップ部7の底壁内面55にかかる荷重をP1とする。なお、荷重P1は油圧機構72の押圧荷重で測定することができる。

ステップS12でP1=S1・P/(S1+S2)であれば、ステップS13へ移行して前記揺動成形を開始することになる。また、ステップS12でP1=S1・P/(S1+S2)でなければ、移動機構70として油圧機構72にて圧制御(調整)して、P1=S1・P/(S1+S2)とする。この方法によれば、同時受圧状態を有効に形成でき、カップ部7の内径変形を安定して抑制することができる。

また、図8に示すフェイススプライン成形装置では、次の図10に示す方法によってもフェイススプライン28を成形することができる。まず、カップ部7の底壁内面55を軸部材57の内面受面56にて受けた状態とする(ステップS15)。その後、ステップS16に移行して軸部材57を下降させて、ステップS17に示すように、カップ部7の開口端面51を受けるようにする。

その後は、パンチ部材50の歯部62をカップ部7の底壁26のバック面26aに押し付けて、ステップS18に示すように、P2=S2・P/(S1+S2)であるか否かを判定する。ここで、カップ部7の底壁内面55の受圧面積をS1とし、カップ部7の開口端面51の受圧面積をS2とし、塑性変形時の成形荷重をPとし、カップ部7の開口端面51にかかる荷重をP2とする。なお、荷重P1は油圧機構72の押圧荷重で測定することができる。

ステップS18でP2=S2・P/(S1+S2)であれば、ステップS19へ移行して前記揺動成形を開始することになる。また、ステップS18でP2=S2・P/(S1+S2)でなければ、移動機構として油圧機構にて圧力制御(調整)して、P2=S2・P/(S1+S2)とする。この方法によれば、同時受圧状態を有効に形成でき、カップ部7の内径変形を安定して抑制することができる。

前記図8に示すフェイススプライン成形装置にてフェイススプライン28を成形した場合(図9や図10に示すフローチャートに従って成形した場合)においても、前記図1に示すフェイススプライン成形装置にてフェイススプライン28を成形した場合(図6や図7に示すフローチャートに従って成形した場合)と同様、カップ部7の底壁内面55のみで受圧したものに比べてカップ部7の内径の変形量を約1/10に低減できる。

前記フェイススプライン成形装置及びフェイススプライン成形方法で成形したフェイススプライン28を有する外側継手部材3では、カップ部内径において変形が少ない高品質の外側継手部材となる。また、このような外側継手部材3を用いた等速自在継手では、フェイススプライン構造のメリットを有効に生かせる等速自在継手となる。

以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、本発明に係る外側継手部材を用いて等速自在継手を構成する場合、等速自在継手として、アンダーカットフリータイプやバーフィールドタイプの固定式等速自在継手であっても、トリポードタイプ、ダブルオフセットタイプ、クロスグルーブタイプ等の摺動式等速自在継手であってもよい。

3 外側継手部材 4 等速自在継手 26a バック面 26 底壁 28 フェイススプライン 50 パンチ部材 51 開口端面 52 端面受面 53 受け台 55 底壁内面 56 内面受面 57 軸部材 62 歯部 70 移動機構 71 制御手段

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