Cocoa ingredients, edible product having a polyphenol content elevated, their preparation, and medical use

申请号 JP2005209992 申请日 2005-07-20 公开(公告)号 JP4732045B2 公开(公告)日 2011-07-27
申请人 マース インコーポレーテッドMars Incorporated; 发明人 エス キーリー,カーク; エム ゲイアー,ハンス; エイチ シュミッツ,ハロルド; エム スナイダー,ロドニー; エフ ジュニア ハマーストーン,ジョン; ジェイ ホワイタクル,エリック; イー マイアーズ,メアリー; ジェイ ジュニア ロマンクズィーク,レオ;
摘要
权利要求
  • 焙煎したカカオニブまたはその画分、チョコレート液、あるいは部分的脱脂ココア固形物の製造における、275以下の発酵係数を有するカカオ豆の使用。
  • 说明书全文

    関連出願の記載
    米国先願同時継続出願である1994年10月3日出願の第08/317,226号(許可済み、現米国特許第5,554,645号)、1996年4月2日出願の第08/631,661号、1996年9月6日出願の第08/709,406号、1997年4月2日出願の第08/831,245号について論及し、参考文献として本分中に取り入れた。

    発明の技術分野
    本発明は、高められたココアポリフェノールレベルを有するココア成分、それを製造する工程、その利用法、およびそれを含む組成物に関する。 さらに明確には本発明は、高められたココアポリフェノール(特にプロシアニジン)含有量を有するココア成分の製造法を提供する。 当該ココア成分は、完全にまたは部分的に脱脂されたココア固形物、カカオニブとそれに由来する画分、ココアポリフェノール抽出物、ココアバター、チョコレート液、およびそれらの混合物を含む。

    本発明はまた、カカオ豆から脂肪を抽出するためおよび/またはカカオ豆を加工してポリフェノール、特にプロシアニジンの保持されたレベルを有するココア成分を産生するための、多目的に使える新規な製法に関する。 本発明は、加工設備、維持、エネルギー、および労働の全経費について、有意により複雑でなく、出発物質と比べて維持されたポリフェノール濃度を有する成分を得るという付随利益を伴う製法を提供する。

    関連技術の記載
    本開示において文献は、各々完全な引用文を以って引用されている。 これらの文献は本発明が関係する技術の最近の状況に関連しており、本文中に引用した文献は、各々参考文献として本文中に組み入れられている。

    ココア成分を含んでいる菓子および他の食用組成物は、非常に独特の味と口触りとを有しており、長い年月にわたって人々に楽しまれてきた。 例えば、チョコレートの独特の風味と口触りは、数多くの成分ならびに製造工程の組み合わせの結果である。 チョコレートの口触りおよび香り/風味が、最終的なチョコレート製品の好ましさに大いに影響することは周知である。 従って、ココア成分を用いる通常の製法の主な焦点は、独特のチョコレートの口触りと、香り/風味の開発にある。 原産国での商品としてのカカオ豆の選別から、最終的なチョコレートのテンパリングおよび凝固までのチョコレート製造工程全体を通して、最終産物の適切な口触りおよび/または香り/風味の開発は、行なわれる選択、および用いられる工程のパラメーターを規定する。

    チョコレートは、脂肪マトリックス中に分散した固体粒子を含んでいる。 チョコレートの口触りに影響する因子は、固体の粒子サイズの分布、脂肪マトリックス物質の物性、およびいかにしてチョコレートが作られるかを含む。

    ココアバターは、一般的にチョコレートにおいて主要素をなす脂肪である。 ココアバターは室温(21℃ないし24℃)では固体であり、従ってほとんどのチョコレートは室温では硬く固形であり、最初のひとかじりでうまく「ポキッ」と折れる。 室温を超えると脂肪相が次第に溶け、約36℃で完全に溶ける。 口の中での、体温におけるこの素早い溶解が、なめらかでクリーミーな口触りを与え、それが結果的に強い風味のインパクトを生じる。

    ココア製品の風味/香り特性は、数多くの固体および脂肪成分ならびに製造の工程の組み合わせに依存する。 製品の風味/香り特性は、(1)最初のカカオ豆の選別(すなわち、発酵のレベル、遺伝子型、系統、その他)、(2)豆の加工法(すなわち、洗浄、焙煎、殻の除去、その他)、(3)ココア成分の加工(すなわち、粉砕すること)、および(4)最終的な製品を形作るための最終的な加工(すなわち、ココア成分および他の材料の選択、コンチング(conching)その他)に依存する。

    良好な風味と他の望ましい特性とを得るための、豆の選別、それらの発酵、それらの洗浄および加工の、いくつかの役割は周知であり、以下に記述されている。

    1. カカオ豆 カカオ豆は、赤道の南北約20度の緯度範囲における温暖な湿潤気候に見られるカカオの木に由来する。 一般にアオギリ科 (Sterculiacae)のカカオノキ( Theobroma cacao )の種子には、主に二種類:クリオロ(Criollo) およびフォラステロ(Forastero) が知られており、フォラステロはいくつかの変種に分けられる。 第三のグループはトリニタリオ(Trinitario )と呼ばれ、本質的にはクリオロとフォラステロの間の交雑種であって、野性では見られない。 収穫されたばかりの生のクリオロ豆は薄茶色であるが、フォラステロ豆は紫色である。

    カカオ豆は、外側の殻によって覆われた内側のニブから成る。 通常の乾燥の後、豆の殻は豆の重量の約12ないし15%であり、一方ニブと残りの分の量は約85ないし88%である。 カカオニブの化学成分についての典型的な分析データは、脂肪含有量が48ないし57%;テオブロミン含有量が0.8ないし1.3%;カフェイン含有量が0.1ないし0.7%;全窒素含有量が2.2ないし2.5%;灰分が2.6ないし4.2%;の範囲であり、含水量は2.3ないし3.2%である(非特許文献1参照)。

    2. 豆の発酵 カカオ豆の加工の初期の一段階である発酵は、適切な風味および/または風味の先駆物質の開発にとって重要である。 以前は、カカオ豆の発酵および乾燥は「きわめて重大であり、それに続く豆のどんな工程もこの段階における実施を修正できない」と信じられた(非特許文献2)。 発酵および乾燥の工程の間に、さやから取り出された未発酵の湿った豆は、最終的には6パーセントの最適水分含有量が保持されているものと仮定すると、その重量の約65パーセントを失う( Minifie、第14頁)。 乾燥カカオ豆の発酵レベルは、典型的には「カットテスト」(以下にさらに定義する)により測定される。

    最終的なココアまたはチョコレートの風味が発酵と密接に関係していることは、この技術においては周知である。 例えば、もし豆を果肉から洗浄分離し、発酵なしに乾燥させると、ニブは発酵し乾燥したカカオ豆の茶色または紫がかった茶色にはならず、そのかわりにスレートのような灰色になる(非特許文献3)。 スレート色の未発酵の豆から作られたチョコレートは、明らかなチョコレートの風味がなく一般的には非常に苦く渋い味がする(Beckett、第13頁)。

    従って、未発酵のカカオ豆よりも完全に発酵したカカオ豆の方が、風味/香りの観点からより望ましく、一般的により高い値段で売れる。 発酵したカカオ豆は通常、チョコレート液を作るために使用される。

    不完全に発酵した豆は、通常ココアバターに加工される。 ココアバターの品質は、不完全発酵に影響されない。 しかしながらココア固形物の品質は、それらが十分な色、風味/香りを含まないという理由から影響を受け、廃棄されるかまたは価値の低い用途用に販売される。 チョコレート液および/または部分的脱脂ココア固形物は、一部不完全発酵した豆を含む不均一な豆の素材から作られることがあるが、結果として得られる液体または固形物は、次に続く処理または加工を必要とする。 不完全発酵した豆は通常は商業用には加工されないため、それらは一般的に市販されない。

    3. 豆の洗浄 いったんカカオ豆が選別されると、それらは付着している物質を除去するために洗浄され、そしてさらに加工される。 最初の段階は、付着している非ココア物質を除去するための豆の洗浄から成る。 通常の豆の洗浄は、重式、振動式、または吸引式の作業台である洗浄機を用いて、大きさまたは密度により、付着している非ココア物質を豆から分離する(非特許文献4;Beckett、第55頁参照)。

    現在のカカオ豆の洗浄技術は、一般的に分離能において10ないし15%の密度差が限界である。 このことは、豆と付着した非ココア物質との正確な分離の達成効率を減少させ、従ってこの工程での清浄な豆の生産量を減少させる。 さらに、通常の洗浄機は詰まりやすくなり、頻繁なクリーニングを必要とする。 このこともまた、洗浄能率および工程全体の清浄な豆の生産量を減少させる。

    さらに、通常の洗浄機は、洗浄中に豆を破砕する傾向があり、そのことは洗浄後に得られる完全な豆のパーセンテージを減少させる。 これらの破損した豆の断片は、後に焙煎してふるい分ける間に問題を生じる可能性がある。 例えば、豆の小さい断片は、焙煎している間に用いられる高温で容易に焦げるであろうし、風味の観点から受け入れ難い焦げた灰のような風味を生じる結果となるかもしれない。 豆の小さい断片もまた、それらが殻の吸引の間に失われ、全体の生産効率が低下する結果となるという理由から、ふるい分けの工程の効率を減少させるかもしれない。

    4. 豆の焙煎 ほとんどの通常の方法では、豆全体またはニブの焙煎は、チョコレート液または部分的脱脂ココア固形物の製造における基本的な段階である。 豆全体の焙煎は、以前にはカカオ豆の天然の風味および香りを発生させるためと、豆の水分含有量を約2重量%よりも減少させるために、決定的なものであると信じられた。 豆全体の焙煎はまた、殻をほぐすため、ふるい分けの工程の間に容易に除去することが可能になる。 カカオの焙煎の度合は、時間/温度に依存する関係にあり、時間は5から120分間まで可変であり、豆全体の温度は一般的に120から150℃まで可変である。 豆全体の予焙煎の場合には、最初の加熱段階は100℃のやや下で行なうことができ、続いてニブを約130℃まで上げた温度で焙煎する(Minifie、特に第37頁および第45ないし46頁;Cook、第146ないし152頁;Beckett、第55ないし64頁;およびCarter, Jrの特許文献1参照のこと)。

    5. ふるい分け−殻の除去 ふるい分けの作業は、所望の豆の内側の部分(ニブ)と豆の外側の部分(殻)への分離に役立つ。 ふるい分けの工程による分離の原理は、ニブと殻との明らかな密度の差異に依存している。 標準的なふるい分け機は、ふるい分けと吸引とを組み合わせた動きを利用する。 殻は、通常の焙煎および/または他の加熱段階の間に離される。 離された後、豆は一般的に、ふるい分けの間の殻の除去を容易にするために、カカオニブの天然の破断線に沿ってカカオ豆を粉砕するためのローラーの間で破砕される( Jonesの特許文献2; Carter, Jr. の特許文献1; Minifie、第47ないし51頁;Cook、第152ないし153頁;およびBeckett、第67ないし68頁参照のこと)。

    いくつかのカカオ豆加工技術は、ニブからの殻の分離を助けるための加熱前処理を含む。 これは豆に熱い空気、蒸気、または赤外線加熱による熱ショックを与えることを含む( Zuilichem等の特許文献3; Newton の特許文献4; Minifie、第44ないし43頁;Cook、第155頁;およびBeckett、60ないし62頁参照のこと)。

    赤外線加熱前処理は、赤外線加熱を用いて豆を素早く加熱しかつ膨張させる。 これが殻をほぐす。 この方法は、豆を赤外線に1.5分間と2分間の間の時間曝すことから成り、その間に豆は一般的に約100ないし110℃の温度に加熱される。 用いた赤外線照射は、2と6ミクロンの間の波長を有しており、それは秒あたり0.7ないし1.2x10 メガサイクルの範囲内の周波数に相当する。

    6. チョコレート液および他のココア成分の形成 ふるい分け後の、通常のカカオ加工における次の段階は、ニブの摩砕を含む。 ニブの摩砕は一般的に二段階で行なわれ、最初の摩砕では固体のニブを液体ペーストに変え、最後の摩砕段階で所望の粒子サイズにする。 これらの段階のいずれも設備、維持、およびエネルギー集約的である。

    洗浄し焙煎したカカオニブのココアバター含有量は、一般的に50ないし58重量%まで変化する。 摩砕の間、ニブは例えば粉砕機にかけることによりすりつぶされ、焦茶色の液体「溶液」になる。 流動性は細胞壁の破壊と加工の間のココアバターの放出とによるものである。 部分的脱脂ココア固形物の摩砕された粒子は、ココアバターの中に懸濁している。 時にはこの液体は、カカオ豆の加工用の機械装置が入手できない製菓および製パン産業において、有用な製品として市販されることもある。

    他の通常のカカオ加工は、液体からのココアバターの分離を含む。 これは、ココア固形物からココアバターを分離するための、バッチごとの液圧ポットプレス(「液圧プレス」)を用いて行なわれる。 結果として得られるココアバターは、続いてろ過され、透明で固体を含まないココアバターを生じる。 バターは、殻つきの全豆または、あまり頻繁ではないが、ニブからバターを抽出するための連続的なスクリュープレスによっても生産することができる( Carter, Jrの特許文献1;およびMinifie、特に71ないし72頁参照のこと)。

    液圧プレスまたはスクリュープレスのいずれかの結果として得られたココアケーキは、ココア粉末に粉砕されてもよい。 ココアケーキは、一般的には10ないし12%のココア脂肪または20ないし22%のココア脂肪を含んでいる( Minifie、第72ないし76頁;Cook、第169ないし172頁;およびBeckett、78ないし82頁参照のこと)。 液圧によって得られたココアケーキから得られるココア粉末は、通常ココアケーキを粉砕することにより生産される。 もし天然のココア粉末が所望であれば、ココアケーキを直接ココアケーキミルに送り込む。 もしアルカリ化したココア粉末が所望であれば、アルカリ化の工程からの当該ケーキをミルに送り込む。 液圧をかけることにより、あらかじめ粉砕されたココア粒子の凝集物であるココアケーキが産生される。 従って、液圧からのココアケーキ用のココアケーキミルは、これらの凝集物のサイズを減少させるよう設計されている。

    天然のココアケーキまたは天然のココア粉末を、アルカリ化によりさらに加工し、ケーキの色および風味の特性を変えることができる(Chalinの特許文献5;Wiant等の特許文献6; Minifie、第61ないし67頁;Cook、第162ないし165頁;およびBeckett、71ないし72頁参照のこと)。 アルカリ化の工程は、加工のいくつかの異なる段階のいずれにおいても用いることができ、通常は炭酸ナトリウムまたはカリウムであるが、これらに制限されないアルカリの溶液または懸濁液を用いた、豆、液体、ニブ、ケーキ、または粉末のいずれかの処理を含む。 アルカリ化の後、ココア固形物は乾燥され、さらに冷却される。 乾燥したココア固形物は、次に粉砕され、アルカリ化されたココア粉末を生じ、その後冷却して包装される。

    7. カカオ豆のポリフェノール類およびその用途 カカオ豆はポリフェノール類を含む。 これらのポリフェノール類は最近抽出され、生物学的活性についてふるい分けられた。 ココアポリフェノール抽出物、特にプロシアニジンは、有意な生物学的効用を有することが発見された。 この抽出物またはそれらからさらに分離した化合物は、一般的に実験室規模で、カカオ豆を粉末化し、当該粉末を脱脂し、さらに当該脱脂粉末から活性化合物(複数の化合物)を抽出および精製することにより調製されてきた。 当該粉末は一般的に、カカオ豆および果肉を凍結乾燥し、当該凍結乾燥された豆の果肉および殻を除去し、さらに殻を取った豆またはニブを摩砕することにより調製する。 活性化合物(複数の化合物)の抽出は、溶媒抽出技術により行なわれ、抽出物はゲルろ過クロマトグラフィー、調製用高速液体クロマトグラフィー技術(HPLC)またはかかる方法の組み合わせにより精製される(Romancyzk等の特許文献7参照のこと)。

    現在では、ポリフェノールの回収率はカカオ豆の発酵の度合と明らかに反比例することがわかっている。 従って、原料物質として発酵した豆を使用することは、チョコレートの風味のためには重要であるが、豆に由来するココア化合物(複数の化合物)において得られるポリフェノールの量を減少させる。

    また、例えば焙煎の段階において、より高い加工温度および/またはより長い加工時間は、原料の豆に由来するココア化合物(複数の化合物)において得られるポリフェノールの量を減少させる。 従ってココア化合物は従来多量のポリフェノールを有するように製造されてはこなかった。 この技術におけるこれらの問題は、これまで認識されていなかった。

    米国特許第5,252,349号明細書

    米国特許第2,417,078号明細書

    米国特許第4,322,444号明細書

    英国特許第1,379,116号明細書

    米国特許第3,997,680号明細書

    米国特許第5,009,917号明細書

    米国特許第5,554,645号明細書

    Pearson's Composition and Analysis of Foods, 9th Ed., 1991 Chocolate, Cocoa and Confectionery : Science and Technology, 3rd Ed., Bernard W. Minifie, p.13, 1989 Industrial Chocolate Manufacture and Use, 2nd Ed., ST Beckett, p.13 Minifie, p.35; Chocolate Production and Use, 3rd Ed., L. Russell Cook、pp.144 - 146

    発明の目的
    本発明の目的は、先行技術における上記の難点および/または不足を克服することである。

    さらに明確には、本発明の目的は、高められたココアポリフェノールレベルを有するココア化合物を製造するための、カカオ豆の選別および/または加工法を提供することである。

    本発明のもう一つの目的は、前処理した豆に存在しているココアポリフェノールの有意な量が、加工された豆に保持されている、カカオ豆の加工法を提供することである。

    本発明のまた別の目的は、それぞれ高められたココアポリフェノールレベルを有する、カカオニブまたはそれらの部分、チョコレート液、および完全にまたは部分的に脱脂したココア固形物を含むココア成分と、当該ココア成分を含んでいる製品とを提供することである。

    本発明の付加的な目的は、ココアポリフェノールまたはそれらの誘導体の高められたレベルを有している、チョコレート、チョコレート風味の菓子、チョコレート風味の組成物、食用組成物、補足物、およびそれらの組み合わせを製造する方法を提供することである。

    本発明のさらなる目的は、本発明の製品を用いて、哺乳類の健康を改善する方法を提供することである。

    本発明のさらにもう一つの目的は、高レベルのココアポリフェノールを含んでいるココア化合物、特にチョコレート液の風味/香り特性を改善する方法を提供することである。

    本発明のさらにもう一つの目的は、加工されたカカオ豆の量当り、高いココアバター産生量を有するココアバターおよびココア固形物を製造する方法を提供することである。

    本発明の別の目的は、空気流動床密度分離システムを用いて、豆をふるい分け、殻の部分を内側の部分から除去する方法を提供することである。

    本発明の別の目的は、豆を焙煎する段階または液体摩砕(liquor milling)する段階なしに、高品質のココアバターを製造する方法を提供することである。

    本発明のこれらの、および他の利益は、詳細な説明、実験データ、および実施例によって以下に提供する技術からさらに明らかになるであろう。

    発明の概要
    本発明は、改良された特性または特徴を有するココア化合物を形成するための新規で用途の広い方法と、これらの方法から得られた産物と、さらにこれらの産物の利用法とに関する。 さらに明確には、本発明は高められたココアポリフェノールレベルを有するココア化合物の製造法に関する。 カカオ豆の原料の選別を含むいくつかのカカオの加工段階のパラメーターは、結果として有用性が高いココア成分を生じるよう、カカオ豆に存在している有意な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら調整および/または操作されている。 従って、本発明は、出発材料に比較して保持されたレベルのココアポリフェノールを有しているココア成分を取得する方法に関し、さらにそれらの方法によって製造された製品に関する。 本発明は、通常の工程の間に生じる有意で有害なココアポリフェノールの損失を避けるようにする。

    本発明はまた、本発明の方法によって製造される高いレベルのココアポリフェノールを有する新規なココア成分に関する。 さらに明確には、本発明は、普通に製造されたココア成分との比較において、より高いレベルのココアポリフェノールを有している、カカオニブまたはそれらの部分、チョコレート液、部分的にまたは完全に脱脂したココア固形物、ココアポリフェノール抽出物、およびそれらの組み合わせを含めた、新規なココア成分に関する。

    本発明はまた、食用製品、チョコレート、チョコレート風味の菓子、チョコレート風味の組成物、経口摂取可能な製品、消化しやすい製品、咀嚼可能な組成物、およびそれらの組み合わせを含めた、新規なココア成分を含んでいる新規な組成物に関する。 従って本発明は、高レベルのココアポリフェノールを有している新規な製品と、ココアポリフェノール添加物またはそれらの誘導体を含んでいる新規な製品にある。 当該添加物は、カカオ豆からの抽出物またはそれらのココア成分でよく、または合成物でもよい。

    本発明はさらに、許容できる風味/香り特性と共に高レベルのココアポリフェノールを有するココア成分を提供するための、ココア成分、特にチョコレート液の処理に関する。 当該処理は、ココア成分中に存在するかもしれない望ましくない物および/または異臭の除去、添加物を用いた香り/風味の操作、またはココアポリフェノールの異なるレベルおよび香り/風味の異なる程度を有するココア成分の配合を含む。

    本発明はまた、カカオ豆またはそれらの成分からココアポリフェノール抽出物を製造する方法と、食用組成物への添加物としての当該抽出物の使用に関する。

    本発明はまた、ココアポリフェノールを含んでいる製品、特に高められたレベルのココアポリフェノールを含んでいる製品を用いる、哺乳類の、特にヒトの健康を改善する新規な方法に関する。 これらの方法は、以下の一以上の活性を提供するための、ココアポリフェノールの使用を含む:歯周疾患の減少、抗歯肉炎、抗歯根膜炎、アテローム性動脈硬化症の減少、LDL酸化防止剤、高血圧の減少、抗腫瘍性物質、抗酸化薬、DNAトポイソメラーゼII酵素阻害剤、シクロオキシゲナーゼモジュレーター、リポオキシゲナーゼモジュレーター、一酸化窒素(NO)またはNOシンターゼモジュレーター、非ステロイド性抗炎症剤、アポトーシスモジュレーター、血小板凝集モジュレーター、血液またはインビボのグルコースモジュレーター、抗菌物質、および酸化的DNA損傷活性阻害剤。

    1. 用語「チョコレート」とは固形または半可塑性食品をいい、脂肪相内に固形分散物を含むチョコレートまたはチョコレート様組成物を呼称する。 当該用語は米国同一性標準(SOI)、CODEX栄養物規定および/または他の国際標準に従う組成物ならびに米国同一性標準または他の国際標準に従わない組成物を包含する。 該用語は、特に他と同一と見ない限り、甘味チョコレート、苦みの混じった甘味のもしくは甘味を抑えたチョコレート、ミルクチョコレート、バターミルクチョコレート、脱脂乳チョコレート、混合乳製品チョコレート、甘味ココア・植物脂肪コーティング、甘味チョコレート・植物脂肪コーティング、ミルクチョコレート・植物脂肪コーティング、植物脂肪ベースコーティング、白色チョコレートまたはココアバターもしくは植物脂肪もしくはそれらの組み合せで作られたコーティングを含むパステル、栄養学的に改変したチョコレート様組成物(カロリー低減成分で作られたチョコレートまたはコーティング)、および低脂肪チョコレートを包含する。

    合衆国においては、チョコレートは連邦食品医薬品化粧品法の下で食品医薬品局(FDA)により制定された同一性標準に従わねばならない。 多種チョコレートに対する定義と標準が米国では十分に確立されている。 標準化していないチョコレートとは、標準化チョコレートの特定範囲外の組成物を有するチョコレートである。

    本発明チョコレートの脂肪相は、ココアバター、ミルク脂肪、無水ミルク脂肪、バター油、他の植物脂肪、およびこれら脂肪の改変物(ココアバター代替物、等価物および置換物であるCBR、CBEおよびCBS)ならびに合成脂肪またはこれら脂肪とココアバターの混合物を包含する。 ミニフィー(Minifie)、100〜109ページ参照。

    該チョコレートは糖シロップ/固形物、転化糖、水解乳糖(ラクトース)、メイプル糖、褐色糖、糖蜜、蜂蜜、糖代替物などを含んでいてもよい。 「糖代替物」という用語は、充填剤、糖アルコール(グリセロールなどのポリオール)、または強力甘味剤またはその組み合せを包含する。 種々度合いの甘味度を有する栄養性炭水化物甘味剤は当該技術分野で一般に使用されるものでり、例えば、サトウキビもしくは甜菜からのスクロース、デキストロース、フルクトース、ラクトース、マルトース、グルコースシロップ固形物、コーンシロップ固形物、転化糖、水解ラクトース、蜂蜜、メイプル糖、褐色糖、糖蜜などであるが、これらに限定されるものではない。 糖代替物は部分的に栄養性炭水化物甘味剤と置き換わってもよい。 強力甘味剤とは、アスパルテーム、シクラメート、サッカリン、アセスルファム−K、ネオへスぺリジン・ジヒドロカルコン、スクラローズ、アリテーム、ステビア甘味剤、グリシルリチン、ソウマチン(thaumatin)など、およびその混合物を包含する。 好適な高活性甘味剤はアスパルテーム、シクラメート、サッカリン、およびアセスルファム−Kである。 糖アルコールの例は当該技術分野で一般に使用されるものであり、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、イソマルト、ラクチトールなどを包含する。

    該チョコレートは充填剤を含んでいてもよい。 ここに定義する「充填剤」という用語は当該技術分野で一般に使用されるものであり、ポリデキストロース、セルロースおよびその誘導体、モルトデキストリン、アラビアゴムなどを包含する。

    該チョコレート製品は乳化剤を含んでいてもよい。 安全で適切な乳化剤の例は当該技術分野で一般に使用されるものであり、大豆、べにばな、とうもろこしなどの植物源から誘導されるレクチン、ホスファチジルコリンまたはホスファチジルエタノールアミンのいずれかまたは両方に富む分別化レシチン、モノ−およびジ−グリセリド、モノ−およびジ−グリセリドのジアセチル酒石酸エステル(DATEMともいう)、食用脂肪または油のモノ−およびジ−グリセリドのリン酸一ナトリウム誘導体、ソルビタン・モノステアリン酸エステル、ヒドロキシ化レクチン、グリセロールおよびプロピレングリコールのラクチル化脂肪酸エステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪および脂肪酸のプロピレングリコールモノ−およびジ−エステル、または米国FDA規制ソフトキャンディ区分用に許可になり得る界面活性剤を包含する。 さらに、他の界面活性剤も使用できるが、その例としては、ポリグリセロール・ポリリシノール酸エステル(PGPR)、ホスファチジル酸アンモニウム塩(例:YN)、スクロースエステル、オート(oat)抽出物、または、チョコレートまたは同様の脂肪/固形系または混合物に適していることが判明している分散剤を包含する。

    2. 「チョコレート風味菓子」という用語は、チョコレートの味/芳香を有し、ココア画分を含む食物製品であるが、「チョコレート」は除く。 これらの製品は常温で長期間(例えば、1週間以上)安定であり、通常の大気条件下、18〜30℃で微生物学的に貯蔵安定であることが特徴である。 例としてはチョコレート風味硬質キャンディ(飴玉)、噛み菓子(chewables)、チューインガムなどである。

    3. 「チョコレート風味組成物」という用語は、ココア画分を含み、チョコレートの味/芳香を有するチョコレート風味組成物をいうが、「チョコレート」は除く。 例としてはチョコレート風味ケーキ食品、アイスクリーム、シロップ、焼き菓子などである。

    4. ここで用いる用語「脂肪」とは、チョコレートおよびチョコレート様製品に通常用いることのできるトリグリセリド、ジグリセリドおよびモノグリセリドをいう。 脂肪は天然産脂肪および油をいい、例えば、ココアバター、圧縮ココアバター、エキスペラーココアバター、溶媒抽出ココアバター、精製ココアバター、ミルク脂肪、無水ミルク脂肪、分別ミルク脂肪、ミルク脂肪代替物、バター脂肪、分別バター脂肪、ココアバター等価物(CBE)、ココアバター置換物(CBS)、ココアバター代替物(CBR)、カロリー低減脂肪および/またはカプレニン(登録商標:Caprenin)などの合成的に修飾した脂肪を包含する。 カロリー低減脂肪の例としては、USP4,888,196(Ehrman)に記載のカプロカプリルオベーイン(一般にカプレニン(登録商標)として知られる)であるが、本公報は本明細書に文献として包含する。

    5. 「食物製品」という用語は、すべての食物製品、例えば、21CFRセクション101.12に記載の食物製品を含む。 当該用語はチョコレート風味組成物(例えば、ケーキ、ヌガー、プディングなど)ならびにチョコレート風味を有しない組成物(例えば、カラメルなど)を含む。

    6. 「発酵係数」という用語は、カカオ豆バッチの発酵レベルを数値定量することである。 発酵係数は100(未発酵・発酵途上)ないし400(発酵終了)の範囲である。

    発酵の度合いを評価するために、一般に、カカオ豆を工業等級標準で定義される品質評価のための標準切断試験に付す。 色調ならびに豆の発酵、乾燥および/または貯蔵中に生じる欠陥の目視観察のために、半分にした豆を板上に広げる。

    豆はその色調および外観に応じて4つの発酵カテゴリーに分けられる:(a)発酵終了、例えば、褐色の色調が優勢であるとき;(b)一部発酵、例えば、紫色/褐色;(c)紫色(発酵進行中);および(d)灰色(発酵途上および/または未発酵豆)。

    紫色/褐色豆はすべての豆が露出面上全体にあるいは斑点として青、紫または青紫色を示すものを包含する。 紫色豆はすべての豆が全露出面に渡って完全な青、紫または青紫色を示すものを包含する。 このものはまた、色調にかかわりなくどの豆も灰色であるが、それ程優勢ではないものをも包含する(このような状況において、優勢は半分以上であることを意味する)。

    「発酵係数」はカカオ豆の発酵を特徴づけるための等級化系により決める。 発酵途上または未発酵である灰色は1とし、紫色は2とし、紫/褐色は3とし、褐色は4とする。 このカテゴリーに入る豆の割合に加重数を掛ける。 このように、100%褐色豆のサンプルに対する「発酵係数」は100×4、すなわち400であり、一方、100%紫色豆のサンプルに対する発酵係数は100×2、すなわち200である。 50%灰色豆および50%紫色豆からなるサンプルの発酵係数は150{(50×1)+(50×2)}である。

    トリニタリオ(Trinitario)およびフォラステロ(Forastero)型から導かれるカカオ豆に適用可能な切断試験をクリオロ(Criollo)型から導かれるカカオ豆に適用してもしなくてもよいが、例えばこの場合、豆の色調は完全な紫色から薄い黄褐色まで変化する。 従って、色調にもとづく切断試験は、色調が薄い黄褐色豆の場合のカタンゴ(Catango)(またはカトンゴ(Catongo))などの紫色の素となるアントシアニン色素を欠く特定のココア遺伝子型には適用し得なかった。 他の例外としては他のテオブロマ(Theobroma)種、ヘラニア(Herrania)種およびその種間または種内交差種から誘導される「カカオ豆」である。 これらの種からの豆は黄褐色色調である。 これらの型の豆については、発酵のレベルを改良標準切断試験法により決定することができる。 豆の表面(二等分とした)は色調の変化よりもむしろ発酵に際して形成される線、亀裂または割れ目の程度を、改良試験法を用い調べる。

    図1(a)〜(d)はカカオ豆の発酵に際しての二分切断豆の表面変化を説明する。 図1(a)〜(d)から認められるように、線/亀裂の数および二分切断豆の全面を横断して広がる程度が、豆を発酵するにつれ増大する。 図1(a)は未発酵カカオ豆の二分切断豆を描写するが、この場合その表面は比較的なめらかである。 図1(b)〜(d)は発酵したカカオ豆を描写するが、図1(d)は発酵終了カカオ豆を描写するものである。 カカオ豆発酵が進むにつれ、その表面に小枝様の線または亀裂が入る。 この改良試験はまた、発酵係数を概算するのに使用可能であり、その場合、図1(a)に対応するカカオ豆は100、図1(b)は200、図1(c)は300、そして図1(d)は400とする。

    上記カテゴリーの定義が一般的指針となるが、これらカテゴリーによる評価法は、チョコレートおよびココア製造工程に熟達した通常技術者の技術範囲に入るものである(ウッド(Wood)ら、ココア、第4版(1985)参照;特に、511〜513ページを参照文献としてここに包含する)。

    7. 豆中または成分中のココアポリフェノール・レベルの数値表現または質的特性は、実施例5に記載したレベルを評価する方法を用いて検出または測定し得る量をいう。

    8. 「有意な量」という用語は、特定の成分もしくは組成物もしくは産物の基本的特性を維持する量を意味する。

    9. 「チョコレート液」という用語は、カカオニブを磨り潰して形成した黒褐色液状「液体」をいう。 その流動性は製造過程における細胞壁の破壊とココアバターの放出により、磨砕したココア固形粒子がココアバターに懸濁し、懸濁液となったためである(参照: チョコレート、ココアおよび菓子類;科学と技術 、第3版、著者:バーナード・W.ミニフィー(Bernard W. Minifie)。

    10. 「適正な平均的品質のカカオ豆」という用語は、果肉材料から分離・乾燥したカカオ豆であって、比較的無菌であり、無害寄生であるものをいう。 そのような豆は市販商品であり、生産工程の次工程(すなわち、赤外線加熱、焙煎、圧搾など)用原料を形成する。 この用語は遺伝子的に修飾したまたは生産した豆を含む。

    11. 「未加工の新たに採取したカカオ豆」という用語は、カカオの鞘から新しく採取した種または豆をいい、果肉からの分離以外の加工処理工程には付されないものである。 この用語は遺伝子的に修飾したまたは生産した豆を含む。

    12. 「部分的脱脂ココア固形物」という用語は、殻を除いた部分的に脱脂したカカオニブから誘導される固体部分をいい、ココア粉末、ココアケーキ、ココアポリフェノール抽出物、アルカリ化粉末もしくはケーキなどを含む(チョコレート液およびココアバターを除く)。

    13. 「ココアポリフェノール」という用語は、カカオ豆およびその誘導体中に存在するポリフェノール化合物をいう。 該用語ココアポリフェノールはカカオ豆およびその誘導体から抽出されるポリフェノールならびに構造類似の合成物を包含するものとする。

    用語ポリフェノールはカカオ豆から抽出されるプロアントシアニジンおよびその誘導体、ならびに構造類似の合成物を包含し、また、カカオ豆から抽出されるプロシアニジンおよびその誘導体、ならびに構造類似の合成物を包含する。

    とりわけ、「ココアポリフェノール」という用語は、式An(nは1を示す)で示されるモノマー(用語上はポリフェノールとしているが)または式An(nは2〜18の整数である)で示されるオリゴマーである;ただし、Aは式:

    ただし、
    Rは3-(α)-OH, 3-(β)-OH, 3-(α)-O-糖、または3-(β)-O−糖であり;
    隣接モノマー間の結合は4位、6位または8位にあり;
    4位のモノマーへの結合はアルファまたはベータの立体配位をもち;
    X, YおよびZはA,水素および糖からなる群から選択されるが、ただし、少なくとも1個の末端モノマー、それに対する隣接モノマーの結合は4位にあり、任意にはY=Z=水素である;
    当該糖はフェノール性部分により任意に置換されている;そして その塩、誘導体および酸化産物である。

    有利には、該糖はグルコース、ガラクトース、キシロース、ラムノース、およびアラビノースよりなる群から選択される。 R, X, Y およびZ のいずれかまたはすべての糖がいずれかの位置でエステル結合を介してフェノール部分により任意に置換されていてもよい。 該フェノール部分はカフェイン酸、桂皮酸、クマリン酸、フェルルン酸(ferulic acid)、没食子酸、ヒドロキシ安息香酸およびシナピン酸よりなる群から選択される。

    1またはそれ以上のココアポリフェノール化合物を同時に、例えば、1またはそれ以上の化合物を含む製剤中に組み合せて用いることができる。

    ここに用いる「オリゴマー」という用語は上記式の化合物をいい、その場合、nは2ないし18、およびそれ以上である。 nが2のとき、該オリゴマーは「ダイマー(2量体)」である;nが3のとき、オリゴマーは「トリマー(3量体)」である;nが4のとき、オリゴマーは「テトラマー(4量体)」である;nが5のとき、オリゴマーは「ペンタマー(5量体)」である;そしてnが18までおよび18以上のオリゴマーについては同様の命名法が適用可能であり、例えば、nが18のとき、オリゴマーは「オクタデカマー(18量体)」という。

    用語「ココアポリフェノール」は以下の文献にさらに記載があり、ここに参照文献として包含する:米国特許出願番号08/317,226(出願日:1994年10月3日;許可、USP 5,554,645);米国特許出願番号08/631,661(出願日:1996年4月2日);米国特許出願番号08/709,406(出願日:1996年9月6日);および米国特許出願番号08/831,245(出願日:1997年4月2日)。

    14. 「処理する」という用語はカカオ豆の処理法を意図するものであって、乾燥、加熱(例:焙煎、赤外線加熱など)、化学処理(例:抗微生物剤での処理)、再水和、圧搾、溶媒抽出、マイクロ波補助抽出などを含む。

    15. 「ココア成分」という用語は殻を除去したココア脱殻粒から誘導される画分を意図し、チョコレート液、部分的または完全に脱脂したココア固形物(例えば、ケーキまたは粉末)、ココア抽出物、ココアバター、カカオニブまたはその一部などを含む。

    発明の詳細な説明
    A. カカオ豆の選定 上述のように、発酵したカカオ豆をココア成分とするために常套の方法を利用する。 本出願人は、カカオ豆中のココアポリフェノールレベルが発酵処理中劇的に低下するのを見出した。 図2は異なる出所のカカオ豆から、発酵の度合いを変えて誘導した液体のペンタマー含量を示す。 このグラフに示すデータは、豆を視覚的に色分けすることにより集めたものである。 等級づけに用いるカテゴリーは灰色、紫色、紫褐色、および褐色であった―――この標準カテゴリーは切断試験の際の豆の発酵レベルを等級づけるために産業上使用されるものである。 各サンプル(300g)を還流式オーブン中で150℃15分間焙煎した。 焙煎した豆を次いで破砕し、風圧分離した。 液体はメランゲ(Melange:混合)製粉装置を用い、1時間のサイクル時間で調製した。 発酵を連続目盛り(x−軸)とするために、異なる色調には加重数を付与した。

    これらの結果は、発酵中の豆が発酵終了豆よりも高いポリフェノールレベルを有することを示している。 発酵中の豆を加工処理することにより、よりポリフェノール含量の高い液体を調製することが可能である。

    従って、本発明の一側面は、発酵途上にあるカカオ豆からココアポリフェノールを高レベルに含有するココア成分を製造する方法に関わる。 発酵途上にあるカカオ豆または発酵途上にあるカカオ豆と発酵終了カカオ豆との混合品を使用することは、ココアポリフェノールを高レベルに含有するココア成分を提供することである。

    それ故、本発明の一つの態様は発酵係数が375より低いカカオ豆、好ましくは325より低い豆、有利には275より低い豆、さらに有利には225より低い豆、望ましくは175より低い豆、最も望ましくは150より低い豆を使用することに関する。 他の好適な態様によると、発酵係数が125より低い発酵途上のカカオ豆、あるいはさらに約100の豆が使用される。

    B. 高レベルポリフェノール含有ココア成分の製造法 本発明一態様の概要を図3に示す。 本発明の方法は3つの型の生成物を製造する方法のある工程を改良するものである。 方法改良の1つ(改良法A)はカカオ豆中のポリフェノールレベルに比例する保存レベルのポリフェノールを含むココア固形物の製造を可能とする。 ポリフェノールは通常の製法によるよりも高レベルで産生物中に保存されている。 改良法Bはポリフェノールを必ずしも同時に保存することなくココアバターの製造を可能とする。 改良法Cは常套の固形物/脂肪分離製法に比例して高い含量のポリフェノールをもつココア固形物および脂肪産物の製造を可能とする。

    本発明の広範な態様において、高含量ココアポリフェノールを含有するココア成分は以下の工程からなる方法で製造される:
    (a) 有意量のココアポリフェノール含量を保持しながら、ココアポリフェノール含有カカオ豆を処理して、処理カカオ豆とする工程;および
    (b) 処理カカオ豆からココア成分を製造する工程。

    本発明方法により、有意量のココアポリフェノールが保存される。

    カカオ豆は、適正な平均的品質のカカオ豆、未加工の新たに採取したカカオ豆またはその組み合せである。 カカオ豆は100ないし400の範囲の発酵係数を有する未発酵、発酵途上、発酵終了の豆、またはその混合物である。 好ましくは、カカオ豆は発酵途上のものであって、最高レベルのココアポリフェノールを含むココア成分の生産を可能とするものである。

    本発明の一態様は適正な平均的品質のカカオ豆であるカカオ豆を加工処理する方法に関し、それによって製造されるココア成分のココアポリフェノール含量は、適正な平均的品質のカカオ豆のココアポリフェノール含量重量で25ないし100%である。 好ましくは、製造されるココア成分のココアポリフェノール含量は、適正な平均的品質のカカオ豆のココアポリフェノール含量重量で35%より多く、有利には45%より多く、さらに有利には55%より多く、そして最も有利には65%より多い。 他の好適な態様によれば、その保存量は重量で75%より多く、望ましくは85%より多く、より望ましくは95%より多く、そして最も望ましくは99%より多い。

    本発明の他の態様は未加工の新たに採取したカカオ豆を加工処理する方法に関し、それによって製造されるココア成分のココアポリフェノール含量は、未加工の新たに採取したカカオ豆のココアポリフェノール含量重量で5ないし100%である。 好ましくは、製造されるココア成分のココアポリフェノール含量は、未加工の新たに採取したカカオ豆のココアポリフェノール含量重量で10%より多く、有利には15%より多い。 さらに有利には20%より多く、そしてなおさらに有利には25%より多い。 一つの好適な態様によれば、その保存量は30%より多く、有利には35%より多く、より有利には40%より多く、そして最も好ましくは45%より多い。 さらになお好適な態様によれば、その保存量は50%より多く、有利には55%より多く、より好ましくは60%より多く、そして最も好ましくは65%より多い。 なおさらに好適な態様によれば、その保存量は70%より多く、有利には75%より多く、より好ましくは80%より多く、そして最も好ましくは85%より多い。

    加工処理工程は加熱処理(例えば、焙煎、赤外線加熱など)、乾燥、化学処理などを含む。 好ましくは、処理工程ではその原料のココアポリフェノール含量を有意に減少させることなくチョコレート味を醸し出す。

    本発明の一態様によれば、カカオ豆の処理工程は、有意量のココアポリフェノール含量を保持、加熱処理カカオ豆としながら、チョコレート味を醸し出すに十分な時間、高温度でカカオ豆を加熱処理することからなる。

    加熱処理とは、焙煎、赤外線加熱、高温度での乾燥およびその組み合せである。

    本発明の一態様によれば、カカオ豆の加熱は120℃より高いIBT(豆内部温度)で少なくとも1分間行うが、該加熱処理豆のココアポリフェノール含量(全脂肪)は前処理カカオ豆のココアポリフェノール含量の重量で少なくとも75%であり、有利には80%より多く、より望ましくは85%より多く、さらに好ましくは90%より多く、最も好ましくは95%より多い。

    本発明の他の態様によれば、カカオ豆の加熱は140℃を越えるIBT(豆内部温度)で少なくとも1分間行うが、該加熱処理豆のココアポリフェノール含量(全脂肪)は前処理カカオ豆のココアポリフェノール含量の重量で少なくとも60%であり、有利には65%より多く、より望ましくは70%より多く、さらに好ましくは75%より多く、最も好ましくは80%より多い。

    本発明のさらに他の態様によれば、カカオ豆の加熱は160℃を越えるIBT(豆内部温度)で少なくとも1分間行うが、該加熱処理豆のココアポリフェノール含量(全脂肪)は前処理カカオ豆のココアポリフェノール含量の重量で少なくとも40%であり、有利には45%より多く、より望ましくは50%より多く、さらに好ましくは55%より多く、最も好ましくは60%より多い。

    本発明のさらに別の態様によれば、カカオ豆の加熱は120℃を越えるIBT(豆内部温度)で少なくとも1分間行うが、該加熱処理豆のココアポリフェノール・ペンタマー含量(全脂肪)は前処理カカオ豆のココアポリフェノール・ペンタマー含量の重量で少なくとも60%であり、有利には65%より多く、より望ましくは70%より多く、さらに好ましくは75%より多く、最も好ましくは80%より多い。

    本発明の他の態様によれば、カカオ豆の加熱は140℃を越えるIBT(豆内部温度)で少なくとも1分間行うが、該加熱処理豆のココアポリフェノール・ペンタマー含量(全脂肪)が前処理カカオ豆のココアポリフェノール・ペンタマー含量の重量で少なくとも25%であり、有利には30%より多く、より望ましくは35%より多く、さらに好ましくは40%より多く、最も好ましくは50%より多い。

    本発明の他の態様によれば、カカオ豆の加熱は160℃を越えるIBT(豆内部温度)で少なくとも1分間行うが、該加熱処理豆のココアポリフェノール・ペンタマー含量(全脂肪)が前処理カカオ豆のココアポリフェノール・ペンタマー含量の重量で少なくとも15%であり、有利には20%より多く、より望ましくは25%より多く、さらに好ましくは30%より多く、最も好ましくは35%より多い。

    焙煎は伝導および対流の組合わせによりカカオ豆もしくは脱殻粒に外部からの熱を当てることからなる。 通常の焙煎条件では、水分と揮発性物質が脱殻粒片の内部から放散する。

    本発明の一態様によれば、焙煎は、好ましくは、豆内部温度を95ないし160℃として30秒ないし5時間、有利には、95ないし150℃で1分ないし3時間、より好ましくは95ないし140℃で1分ないし1時間、最も好ましくは95ないし120℃で1分ないし1時間実施する。

    赤外線加熱は、豆の殻を急速に加熱するように赤外線を当てることからなる。 殻はそれ自体乾燥し、膨張し、次いで脱殻粒から離れる。

    好ましくは、赤外線加熱は豆内部温度を95ないし135℃として1ないし5分間、有利には95ないし125℃、より好ましくは95ないし115℃、最も好ましくは95〜110℃で実施する。

    好ましくは、赤外線加熱工程時間は8分より短く、有利には7分より短く、さらに好ましくは6分より短く、最も好ましくは5分より短い。 好適な態様によれば、時間は4分より短く、有利には3分より短く、さらに好ましくは2分より短く、最も好ましくは1分より短い。

    一態様によれば、該処理はカカオ豆を乾燥して乾燥カカオ豆とすることからなる。 乾燥は外界温度または高温度で、好ましくは、有意な量のココアポリフェノール含量を保存しながらチョコレートの味を醸し出すのに十分な時間実施する。 乾燥は一般にカカオ豆の水分を重量で7%以下に減少させる。 好ましくは、乾燥はカカオ豆の水分を重量で4%より低い値に、有利には3%より低く、より好ましくは2%より低く、最も好ましくは1%より低くする。

    本発明のこの態様は、さらに、乾燥カカオ豆からの高含量ココアポリフェノールを含むチョコレート液を製造する工程を含んでもよい。 チョコレート液は通常の磨砕法により製造することができる。 好ましくは、チョコレート液は磨砕に際し冷却して、ココアポリフェノールがさらに損耗するのを減少させる。

    他の態様によれば、カカオ豆はココアポリフェノールを含む未加工の新たに採取したカカオ豆であり、その処理は以下の工程からなる:
    (i) 未加工の新たに採取したカカオ豆を少なくとも部分的に発酵させて、少なくとも部分的に発酵したカカオ豆とする工程;および
    (ii) 少なくとも部分的に発酵したカカオ豆を、有意量のココアポリフェノール含量を保持し、加熱処理カカオ豆を形成させながら、チョコレートの味を醸し出すのに十分な時間、高温度で加熱処理する工程。

    好ましくは、カカオ豆は発酵係数が約125より小さい、未加工の新たに採取したカカオ豆である。

    他の態様によれば、該処理は以下の工程からなる:
    (i) ココアポリフェノールを含有するカカオ豆を乾燥して乾燥カカオ豆とする工程;および
    (ii) 有意量のココアポリフェノール含量を保持しながら、赤外線加熱処理カカオ豆を生成するのに十分な時間、高温度で該乾燥したカカオ豆を赤外線加熱処理する工程。

    さらに他の態様によれば、該カカオ豆は殻を有し、その処理は以下の工程からなる:
    (i) 有意量のココアポリフェノール含量を保持し、赤外線加熱処理カカオ豆を形成させながら、殻をほぐすのに十分な時間、高温度でカカオ豆を赤外線加熱処理する工程;および
    (ii) 赤外線加熱処理したカカオ豆を、有意量のココアポリフェノール含量をさらに保持し、焙煎処理カカオ豆を形成させながら、チョコレートの味を醸し出すのに十分な時間、高温度で焙煎処理する工程。

    さらなる態様によれば、該処理は以下の工程からなる:
    (i) 有意量のココアポリフェノール含量を保持し、赤外線加熱処理カカオ豆を形成させながら、その水分を重量で5%よりも小さい値に低下させるのに十分な時間、高温度でカカオ豆を赤外線加熱処理する工程;および
    (ii) 赤外線加熱処理したカカオ豆を、有意量のココアポリフェノール含量をさらに保持し、焙煎処理カカオ豆を形成させながら、チョコレートの味を醸し出すのに十分な時間、高温度で焙煎処理する工程。

    本発明の他の態様によれば、該処理は以下の工程からなる:
    (i) ココアポリフェノールを含有するカカオ豆を乾燥して乾燥カカオ豆とする工程;
    (ii) 該乾燥カカオ豆を、有意量のココアポリフェノール含量を保持し、赤外線加熱処理カカオ豆を形成させながら、チョコレートの味を醸し出すのに十分な時間、高温度で赤外線加熱処理する工程;および
    (iii) 赤外線加熱処理したカカオ豆を、有意量のココアポリフェノール含量をさらに保持し、焙煎処理カカオ豆を形成させながら、チョコレートの味をさらに醸し出すのに十分な時間、高温度で焙煎処理する工程。

    驚くべきことに、カカオ豆のポリフェノール含量は豆処理制御することにより維持または保存されることが見出されている。 図4を参照すると、グラフによる表示が、通常のチョコレート液加工処理工程(曲線A)または本発明一形態による加工処理工程(曲線B)に際してのカカオ豆またはその部分に存在する総ココアポリフェノールのレベルを説明する。 グラフから判断し得るように、ポリフェノール含量の当初の損失が発酵に際して起こり、追加の損失が焙煎に際して起こり、さらに、液体、ニブ、ケーキまたは粉末のアルカリ化(チョコレートの製造中)に際しても損失が起こる。

    本発明によると、生成したココア成分のココアポリフェノール含量が、適正な平均的品質のカカオ豆におけるココアポリフェノール含量の、重量で25ないし100%であり、有利には35ないし100%、より望ましくは45ないし100%、より好ましくは55ないし100%、さらにより好ましくは65ないし100%である。

    本発明は、適正な平均的品質のカカオ豆についてのみならず、未加工の新たに採取したカカオ豆についても、ココアポリフェノール含量の高いレベルを維持することを許容する。 本発明方法を用いると、生成したココア成分のココアポリフェノール含量は、未加工の新たに採取したカカオ豆におけるココアポリフェノール含量の、重量で5ないし100%であり、有利には未加工の新たに採取したカカオ豆におけるココアポリフェノール含量の10ないし75%、好ましくは15ないし50%、より好ましくは20ないし45%、最も好ましくは30%以上である。

    一態様によると、赤外線加熱カカオ豆のココアポリフェノール含量は、適正な平均的品質のカカオ豆におけるココアポリフェノール含量の、重量で少なくとも55%であり、好ましくは少なくとも65%、有利には少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも85%、最も好ましくは少なくとも95%である。

    赤外線加熱カカオ豆のココアポリフェノール・ペンタマー含量は、適正な平均的品質のカカオ豆におけるココアポリフェノール・ペンタマー含量の、重量で少なくとも30%であり、好ましくは少なくとも35%、有利には少なくとも40%、さらに好ましくは少なくとも45%、最も好ましくは少なくとも50%である。

    赤外線加熱と焙煎工程を組み合せて用いたとき、焙煎カカオ豆のココアポリフェノール含量は、好ましくは、赤外線加熱カカオ豆におけるココアポリフェノール含量の、重量で少なくとも75%であり、有利には少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、最も好ましくは少なくとも90%である。 また、焙煎カカオ豆のココアポリフェノール・ペンタマー含量は、赤外線加熱カカオ豆におけるココアポリフェノール・ペンタマー含量の、重量で少なくとも40%であり、有利には少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、最も好ましくは少なくとも70%である。

    本発明の好適な一側面は、高レベルのココアポリフェノールを含有するチョコレート液の製造に関する。 それ故、本発明方法により製造されるココア成分は、好ましくは、チョコレート液を包含する。

    従って、本発明の一態様は高含量のココアポリフェノールを含むチョコレート液の製造法に関し、その方法は以下の工程からなる:
    (a) ココアポリフェノールを含むカカオ豆を、その有意量のココアポリフェノール含量を保持しながら処理し、処理カカオ豆を形成させる工程;および
    (b) 該処理カカオ豆から高含量のココアポリフェノールを含むチョコレート液を製造する工程。

    好ましくは、チョコレート液中のココアポリフェノール含量は、カカオ豆のココアポリフェノール含量の、重量で少なくとも65%であり、有利には少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも85%であり、最も好ましくは90%より多い。

    好ましくは、チョコレート液中のココアポリフェノール・ペンタマー含量は、カカオ豆のココアポリフェノール・ペンタマー含量の、重量で少なくとも45%であり、有利には少なくとも55%、さらに好ましくは少なくとも60%であり、最も好ましくは75%より多い。

    本発明はまた、ココア成分、特にチョコレート液を処理して、許容し得る芳香/味特性をもつ高レベルのココアポリフェノールを有するココア成分を提供することに関する。 当該処理とはココア成分中に存在する不要のまたは損ねた味の除去を含む。 この味は多様なレベルのココアポリフェノールおよび多様な度合いの芳香/味を有する添加物またはココア成分の混合物を用いて改変してもよい。

    チョコレート液またはココア成分は次いで加熱処理して、不要のもしくは損ねた味を除去する。

    引き続く加熱処理は、好ましくは、65℃と140℃の間の温度で5分ないし24時間、有利には約75ないし130℃で5分ないし2時間、さらに好ましくは約85ないし120℃で5分ないし1時間、最も好ましくは約95ないし110℃で5分ないし30分間実施する。

    好ましくは、引き続く加熱処理は損ねた味の除去を容易にするために攪拌下に行う。 加熱は損ねた味の除去を促進するために減圧下に行ってもよいが、好ましくはその場合の圧力は26インチ(660mm)水銀以下である。 チョコレート液またはココア成分はまた、加熱処理に際して気化してもよい。 図5はチョコレート液のペンタマーレベル対加熱時間に関し、異なる加熱処理温度(75℃、95℃、125℃)の影響を図示するものである。 図5は100℃を越える温度での長時間処理は避けるべきであることを示す。

    一態様によると、該液体またはココア成分は次いで蒸気で直接加熱する。

    好ましくは、チョコレート液のココアポリフェノール含量は、カカオ豆のココアポリフェノール含量の、重量で少なくとも55%であり、有利には少なくとも65%、より好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは少なくとも85%である。

    好ましくは、チョコレート液のココアポリフェノール・ペンタマー含量は、カカオ豆のココアポリフェノール・ペンタマー含量の、重量で少なくとも45%であり、有利には少なくとも55%、より好ましくは少なくとも65%、最も好ましくは少なくとも75%である。

    本発明の他の側面は、アルカリ化工程を用いずに、および/または通常の焙煎工程を用いずにチョコレート液を調製する方法に関する。

    本発明の一態様は非アルカリ化チョコレート液の調製方法に関し、その方法は以下の工程からなる:
    (a) 赤外線照射によりカカオ豆を加熱する工程;および
    (b) 加熱したカカオ豆からチョコレート液を製造する工程;
    ただし、チョコレート液は続いてアルカリ化されるものではない。

    本発明の他の態様はチョコレート液を調製する方法に関し、該方法は以下の工程からなる:
    (a) 赤外線照射によりカカオ豆を加熱し、その殻をほぐす工程;および
    (b) 引き続く加熱工程なしに、加熱したカカオ豆からチョコレート液を調製する工程。

    本発明のこの態様によると、加熱は赤外線ヒーターを使用することにより実施する。 適切な赤外線ヒーターはマイクロナイザー株式会社(英国)が製造したものである。 赤外線による加熱は、通常の加工処理条件に比べて高い温度で実施するが、これによってしっかりと付着している殻をカカオニブから除去するのを促進するのみならず、未加工豆を軽く焙煎する。 赤外線加熱により実施される熱加工処理のレベルは、通常の豆ロースターを必要ないものとする。 赤外線による加熱は豆から殻をふくらませ、脱離させて殻のふるい分け除去を容易にする。 赤外線加熱は、好ましくは、高温度で実施し、未加工豆を充分に焙煎し、それによってさらに豆を焙煎する必要性を除く。 通常の豆焙煎工程を除き得ることは、本方法または工程のコストを簡単にし、かつ、低減する。

    好ましくは、この加熱によりカカオ豆の含湿量が重量で7%より低くなるようにすることができるが、好ましくは5%より低く、有利には4%より低く、さらに好ましくは3%より低く、最も好ましくは2%より低くする。

    上述のように、カカオ豆のココアポリフェノール含量は発酵に際し劇的に低下する。 本発明の一側面は、発酵途上あるいは未発酵カカオ豆をココア成分の製造に使用することに関係する。 好ましくは、該カカオ豆は発酵係数が375より小さいもの、有利には350より小さいもの、さらに好ましくは325より小さいもの、最も好ましくは300より小さいものである。

    さらに他の態様によると、高次発酵途上のカカオ豆を使用する。 好ましくは、該カカオ豆は発酵係数が275より小さいもの、有利には250より小さいもの、さらに好ましくは225より小さいもの、最も好ましくは200より小さいものである。 発酵係数が150より小さいカカオ豆あるいは未発酵豆(すなわち、発酵係数が約100)もまた使用してよい。

    本発明の他の側面によると、この方法はココアポリフェノールを含有する未加工の新たに採取したカカオ豆を、少なくとも部分的に発酵させて、少なくとも部分的に発酵したカカオ豆とし、次いで、少なくとも部分的に発酵したカカオ豆を処理する工程からなる。 好ましくは、少なくとも部分的に発酵したカカオ豆は発酵係数が375より小さいもの、さらに好ましくは200より小さいもの、最も好ましくは150より小さいものである。

    本発明の他の側面は、食用、食物摂取用または医薬用として使用するためのココアポリフェノールをカカオ豆から商業的に製造する方法に関し、その工程は以下の工程からなる:
    (a) カカオ豆を加工処理し、ココア固形物からココアバターを分離する工程;および
    (b) ココア固形物からココアポリフェノールを抽出する工程であるが、その際の加工処理は圧搾、マイクロ波介在抽出(USP 5,002,784、ペア(Pare)ら)参照)、溶媒抽出またはその組み合せからなる。

    本発明の他の態様は、ココアポリフェノールをカカオ豆から商業的に製造する方法に関し、その工程は以下の連続した工程からなる:
    (a) カカオ豆からココアポリフェノールを抽出する工程;および
    (b) ココア殻からココア成分を分離する工程。

    一つの好ましい態様によると、ココアポリフェノールの量を増大させるために、カカオ豆は発酵途上とする。 好ましくは、カカオ豆の発酵係数を375より小さいもの、より好ましくは350より小さいもの、最も好ましくは325より小さいものである。

    C. 高レベルココアポリフェノール含有ココア成分
    1. チョコレート液 上記の方法を用い、高レベルココアポリフェノール含有チョコレート液を得る。

    本発明製品中、1グラム成分当たりのココアポリフェノール量に関連付けて本発明製品を特徴づける場合、その成分は必ずしもココアポリフェノールを含有しているとは限らないが、むしろ、ココアポリフェノールを含有しているのが本製品である。

    一つの態様は、発酵係数が375より大きい適正な平均的品質のカカオ豆から製造したチョコレート液に関するが、該チョコレート液はチョコレート液の1グラム当たり少なくとも5500μgのココアポリフェノールを含むものであり、好ましくは少なくとも6000μg、有利には少なくとも7000μg、さらに好ましくは少なくとも8000μg、最も好ましくは少なくとも9000μgのココアポリフェノールを含む。 好ましくは、該チョコレート液はチョコレート液1グラム当たり少なくとも500μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含むものであり、有利には少なくとも600μg、さらに好ましくは少なくとも700μg、最も好ましくは少なくとも800μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    他の態様は、発酵係数が375より大きいカカオ豆から製造したチョコレート液に関するが、該チョコレート液はチョコレート液1グラム当たり少なくとも16,500μgのココアポリフェノールを含むものであり、有利には少なくとも20,000μg、さらに好ましくは少なくとも25,000μg、最も好ましくは少なくとも30,000μgのココアポリフェノールを含む。 好ましくは、該チョコレート液はチョコレート液1グラム当たり少なくとも1,500μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含むものであり、より好ましくは少なくとも1,750μg、有利には少なくとも2,000μg、さらに好ましくは少なくとも2,500μg、最も好ましくは少なくとも3,000μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    さらに他の態様は、ココアバター、部分的脱脂ココア固形物およびココアポリフェノールを含むチョコレート液に関するが、当該部分的脱脂ココア固形物は脱脂ココア固形物1グラム当たりココアポリフェノールを少なくとも33,000μg含むものであり、有利には少なくとも40,000μg、さらに好ましくは少なくとも50,000μg、最も好ましくは少なくとも60,000μgのココアポリフェノールを含む。 好ましくは、該チョコレート液は脱脂ココア固形物1グラム当たり少なくとも3,000μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含むものであり、より好ましくは少なくとも3,500μg、有利には少なくとも4,000μg、さらに好ましくは少なくとも5,000μg、最も好ましくは少なくとも6,000μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。 好ましくは、該チョコレート液は、発酵係数が375より小さい発酵途上カカオ豆、有利には350より小さく、さらに好ましくは300より小さく、最も好ましくは250より小さい発酵途上カカオ豆から実質的に誘導される。

    2. 高レベルココアポリフェノール含有部分的脱脂ココア固形物 本発明の一態様は高レベルのココアポリフェノールを含有する部分的脱脂ココア固形物に関する。 好ましくは、該ココア固形物は脱脂ココア固形物1グラム当たり少なくとも33,000μgのココアポリフェノールを含有するが、有利には少なくとも40,000μg、さらに好ましくは少なくとも50,000μg、最も好ましくは少なくとも60,000μgのココアポリフェノールを含む。 好ましくは、該ココア固形物は脱脂ココア固形物1グラム当たり少なくとも3,000μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含有するが、有利には少なくとも3,500μg、さらに好ましくは少なくとも4,000μg、より好ましくは少なくとも5,000μg最も好ましくは少なくとも6,000μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    好ましくは、該部分的脱脂ココア固形物は、発酵係数が375より小さい発酵途上カカオ豆、有利には350より小さく、さらに好ましくは300より小さく、最も好ましくは250より小さい発酵途上カカオ豆から実質的に誘導される。

    該部分的脱脂ココア固形物はケーキまたは粉末の形態であってもよい。

    D. ココアポリフェノール含有新規食用品の調製法 本発明の一態様は高含量のココアポリフェノールを有するココア成分含有食用品の調製法に関し、その工程は以下の工程からなる:
    (a) ココアポリフェノールを含むカカオ豆を、その有意量のココアポリフェノール含量を保持しながら処理し、処理カカオ豆を形成させる工程;
    (b) 処理カカオ豆からココア成分を製造する工程;および
    (c) 該成分を該食用品に包含させる工程。

    該ココア成分は、カカオニブ、チョコレート液、部分的または完全に脱脂したココア固形物、ココアポリフェノール抽出物およびその混合物からなる群より選択することができる。

    本発明の他の態様は高含量のココアポリフェノールを含有する食用品の調製法に関し、ココアポリフェノール添加物またはその誘導体を添加することからなる。 該ココアポリフェノール添加物は、加工処理過程のいずれの段階でも他の食用組成物成分と混合してもよいし、または加工処理後に食用品に添加してもよい(すなわち、ココアポリフェノールを製品に吹き付ける)。

    好ましくは、該ココアポリフェノール添加物はカカオ豆からの抽出物またはそのココア成分である。 ココアポリフェノール添加物は実質的に純粋であっても(例えば、重量で95%以上の純度)あるいは他の成分と混合してもよい。

    該ココアポリフェノール添加物は合成物であっても、天然誘導物であってもよい。

    E. 高レベルココアポリフェノール含有チョコレートの調製法 高レベルのココアポリフェノールを含有する該ココア成分は、通常の方法でチョコレートを調製するのに使用し得る。

    本発明の一側面は最終チョコレート製品の味の調整に関する。 高レベルのココアポリフェノールを含有するココア成分を使用すると、一般に最終製品の味/芳香に効果がある。 高いココアポリフェノール含量は一般に苦味と収斂味に関係する。 ココア成分の苦味・収斂性を減ずるために、種々の方法が用いられる。 本発明の一態様によると、製品の味/芳香をマスクするため、あるいは減ずるために風味添加物を用いる。

    本発明のこの側面は、種々レベルのココアポリフェノールを含有する少なくとも2種のチョコレート液を使用することに関する。 例えば、発酵したカカオ豆(低ココアポリフェノールレベルを有する)から誘導される第一のチョコレート液と発酵途上の豆(高ココアポリフェノールレベルを有する)から誘導される第二チョコレート液が有利に使用される。 そのような混合物の使用は強力な味/芳香特性ならびに高レベルのココアポリフェノールを保有するチョコレートの製造を可能とする。

    本発明の一つの好ましい側面は、チョコレートの加工処理において2段階加熱処理(スプリット・ホット・コンキング;split hot conching)を用いることである。 低レベルのココアポリフェノールを保有する第一チョコレート液は、風味を出すために高温度での加熱処理に付される。 第一チョコレート液は低レベルのココアポリフェノールを有するので、それを高温に付してもよい。 加熱処理した第一チョコレート液は、次いで、高レベルのココアポリフェノールを保有する第二チョコレート液と組合わせ、さらに、最終チョコレート製品に加工処理する。 この方法を用い、高レベルのココアポリフェノールを含有するチョコレート液は必ずしも高温に曝す必要がなく、それによって有意なポリフェノールの低減を防止する。

    本発明の一態様はチョコレートを調製する方法に関し、その方法は以下の工程からなる:
    (a) 発酵係数が375より大きいカカオ豆からのチョコレート液を、以下のものからなる群より選択される少なくとも1種の添加物と組み合せ、最初の混合物を形成させる工程:
    (i) 少なくとも1種の脂肪;
    (ii) 少なくとも1種の糖;
    (iii) ミルク固形物;および
    (iv) その混合物;
    (b) 当該最初の混合物を約200℃より低い温度に5分ないし24時間加熱する工程;
    (c) 当該最初の混合物を冷却する工程;
    (d) 当該最初の混合物と、発酵係数が375より小さいカカオ豆からの第二チョコレート液と残りの成分とを組み合せて、第二の混合物を形成させる工程;および
    (e) 当該第二の混合物をコンキングする工程。

    好ましくは、該ミルク固形物は重量で12%より多いかまたは等しい量である。

    従って、本発明の一態様はチョコレート組成物を調製する方法に関し、その方法は以下の工程からなる:
    (a) 発酵係数が375より大きいカカオ豆からの第一チョコレート液、ココアバターおよび糖を組合わせ、最初の混合物を形成させる工程;
    (b) 当該最初の混合物を約200℃より低い温度に5分ないし24時間加熱する工程;
    (c) 当該最初の混合物を冷却する工程;
    (d) 当該最初の混合物と、発酵係数が375より小さいカカオ豆からの第二チョコレート液と残りの成分とを組み合せて、第二の混合物を形成させる工程;および
    (e) 当該第二の混合物をコンキングする工程。

    本発明の他の態様は以下の工程からなる方法に関する:
    (a) ココアポリフェノール高含量のチョコレート液(好ましくは、発酵係数が375より小さいもの)を少なくとも1種の成分と組合わせ、好ましくは140℃より低い温度、より好ましくは100℃より低い温度で5分間ないし24時間加熱する工程;
    (b) 混合物を冷却する工程;
    (c) 残りの成分を組み合せる工程;および
    (d) 第二の混合物をコンキングする工程。

    本発明の他の態様は以下の工程からなる方法に関する:
    (a) ココアポリフェノール高含量のチョコレート液、好ましくは発酵係数が375より小さいものを、好ましくは140℃より低い温度で5分間ないし24時間加熱する工程;
    (b) 加熱したチョコレート液を他のチョコレート成分と組み合せる工程;および
    (c) コンキング工程。

    本発明の他の態様は以下の工程からなるチョコレートの製造法に関する:
    (a) 発酵係数が375より大きいカカオ豆からの第一チョコレート液と他の残りの成分とを約200℃より低い温度で5分間ないし24時間加熱する工程;
    (b) 第一チョコレート液を冷却する工程;
    (c) 冷却した第一チョコレート液を、発酵係数が375より小さいカカオ豆からの第二チョコレート液と組合わせ、第二混合物とする工程;および
    (d) 該第二混合物をコンキングする工程。

    好ましくは、第二チョコレート液の発酵係数は350より小さく、有利には300より小さく、さらに好ましくは275より小さく、最も好ましくは250より小さい。 好ましい態様によると、第二チョコレート液の発酵係数は225より小さく、有利には200より小さく、さらに好ましくは150より小さく、最も好ましくは125より小さい。

    F. ココアバターおよび部分的脱脂ココア固形物の製造法 さらに本発明の他の側面は、必ずしも同時にポリフェノールを保存しないココアバターの製造に関する。 本発明のこの側面は、ココアバターおよびココア粉末を調製するためのカカオ豆の加工処理法に関する。 特に、この方法はカカオ豆を洗浄し、準備する工程、カカオ豆の赤外線加熱工程、殻の除去工程、ココア固形物からココアバターを抽出するためにスクリュープレスする工程、天然ココアケーキを磨砕する、および/または天然ココアケーキをアルカリ化する工程、およびアルカリ化ケーキを磨砕する工程からなる。 この方法はスクリュープレスしたニブから天然ココアバターおよび粉末(天然および/または価値付加アルカリ化粉末)を抽出する。 本発明はココアバターとココア粉末を製造するためのカカオ豆加工処理法を提供するが、この方法は豆焙煎と液体磨砕を必要とせず、メンテナンス、エネルギーおよび労働に関して有意に複雑さの低い工程なので、総資産の必要性は低い。

    本発明の一態様は以下の工程からなるココア固形物およびココアバターの製造法に関する:
    (a) 外側ココア殻と内側ココア粒を有するカカオ豆を、赤外線放射を用い、115℃より高い内部温度に加熱する工程;
    (b) 殻をニブから分離する工程;および
    (c) ニブをスクリュープレスすることによりココアバターを次いで抽出する工程。

    一つの好ましい態様は、(a) カカオ豆を洗浄するための空気流動層密度分離工程;(b) 洗浄したカカオ豆を、115℃を超える高温で赤外線加熱する工程;(c) 殻の除去工程;(d) ニブをスクリュープレスしてココアバターとココアケーキを製造する工程;(e) ココアケーキをアルカリ化する工程;および(f) 天然および/またはアルカリ化ココアケーキを空気選別ハンマー破砕してココア粉末を製造する工程からなる。

    本発明のさらなる態様は以下の工程からなるココア固形物およびココアバターの製造法に関する:
    (a) カカオ豆を含む混合物を洗浄し、非ココア固形物からカカオ豆を分離する工程;
    (b) 外側ココア殻と内側ココア粒を有するカカオ豆を、赤外線放射を用い、125℃より高い内部温度に加熱する工程;
    (c) ニブから外側ココア殻を除去する工程;
    (d) ニブをスクリュープレスしてココアバターを抽出し、ココアケーキ固形物を得る工程;および
    (e) ココアバターを室温に冷却する工程。

    好ましくは、加熱は120℃より高いIBT(豆内部温度)、有利には125℃より高く、さらに好ましくは130℃より高く、最も好ましくは135℃より高いIBTで実施する。 加熱により、カカオ豆の水分含量は、好ましくは、重量で約3%ととなる。

    本発明の他の好ましい態様は、カカオ豆を125℃までのまたは125℃を超える温度に赤外線加熱してその殻を軽く焙煎し、殻をほぐす赤外線加熱の用途および軽く焙煎した豆からココアバターを抽出するためのスクリュープレスの使用に関する。

    一態様によると、豆の表面温度を約160ないし約170℃に加熱する一方、豆の内部温度は、好ましくは約130ないし約140℃に加熱する。 得られるニブは圧搾前、その水分含量が約3%に減少しているのがよい。 赤外線加熱への露光時間は、好ましくは、約0.5ないし4分であるが、これはニブの含湿量により変化し得る。 赤外線ヒーター通過の際の豆の高さは豆約2個分とするのがよい。

    本発明の他の好ましい態様によれば、赤外線加熱豆は、赤外線加熱工程に続いて外気温まで冷却する。 このことはスクリュープレス工程に先立つ赤外線加熱による連続した水分損耗を避けることになる。 スクリュープレスに付されるニブは、2〜6%の通常の操作水分範囲である約3%の水分含量をもつ。

    加熱処理後、カカオ豆は室温まで冷却し、次いで、スクリュープレス工程に先立って約80℃ないし約90℃の温度に予加熱する。

    一つの好ましい態様によれば、加熱工程に先立って、流動床分離機を用い豆を洗浄する。 好ましくは、空気流動床密度分離機での洗浄に先立って、カカオ豆を予洗浄工程に付す。

    好ましくは、分離工程は、圧搾工程に先立つてカカオニブから殻を分離するためのふるい分け工程を包含する。

    好ましくは、スクリュープレスはココアバターおよびココアケーキ固形物を形成する。 一態様によると、該ココアケーキ固形物は次いでアルカリ処理し、アルカリ化ココアケーキ固形物とする。 該アルカリ化ココアケーキ固形物は次いで磨砕してココア微粉末としてもよい。

    本発明のさらに他の態様はカカオ豆のふるい分け方法に関し、その方法は空気流動床密度分離機を用い、カカオ豆の内部豆部分から殻を分離することからなる。 好ましくは、空気流動床密度分離機はそこに導入した材料を均一化する手段とすくなくとも1つの振動スクリーンからなっており、有利には、該空気流動床密度分離機は3つの振動スクリーンを含んでいる。 驚くべきことに、99.5%以上の殻が本発明方法により除去されるが、好ましくは、その場合、殻と共に除去される内部豆部分は重量で1.1%以下である。

    G. ココアポリフェノール含有新規食用品 上記方法を用い、ココアポリフェノール含有新規食用組成物、特に、高レベルココアポリフェノールを含有する組成物が調製される。 該新規組成物は以下の理由で通常の組成物と識別し得る:(1)本発明組成物は、比較対照の通常製品(すなわち、チョコレート、チョコレート風味菓子類など)に比べ、高レベルのココアポリフェノールを含んでいる;および/または(2)本発明組成物は、ココアポリフェノールを含まない比較対照組成物(すなわち、ライスケーキ、チョコレート味/芳香のない食用組成物など)とは対照的にココアポリフェノールを含んでいる。

    1. 同一性標準チョコレート 本発明の一態様は、チョコレート1グラム当たり少なくとも3,600μgのココアポリフェノールを含む同一性標準チョコレートに関し、好ましくは、少なくとも4,000μg、有利には少なくとも4,500μg、さらに好ましくは少なくとも5,000μg、最も好ましくは少なくとも5,500μgのココアポリフェノールを含む同一性標準チョコレートに関する。 一つの好ましい態様によると、該同一性標準チョコレートはチョコレート1グラム当たり少なくとも6,000μgのココアポリフェノールを、有利には少なくとも6,500μg、さらに好ましくは少なくとも7,000μg、最も好ましくは少なくとも8,000μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の他の態様は、チョコレート1グラム当たり少なくとも200μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む同一性標準チョコレートに関し、有利には少なくとも225μg、さらに好ましくは少なくとも275μg、最も好ましくは少なくとも300μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む同一性標準チョコレートに関する。 一つの好ましい態様によると、該同一性標準チョコレートはチョコレート1グラム当たり少なくとも325μgのココアポリフェノール・ペンタマーを、有利には少なくとも350μg、さらに好ましくは少なくとも400μg、最も好ましくは少なくとも450μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    2. ミルク固形物含有同一性標準チョコレート さらに本発明の他の態様は、ミルク固形物含有の同一性標準チョコレートに関し、チョコレート1グラム当たり少なくとも1,000μgのココアポリフェノールを、有利には少なくとも1,250μg、さらに好ましくは少なくとも1,500μg、最も好ましくは少なくとも2,000μgのココアポリフェノールを含む。 一つの好ましい態様によると、該同一性標準チョコレートはチョコレート1グラム当たり少なくとも2,500μgのココアポリフェノールを、有利には少なくとも3,000μg、さらに好ましくは少なくとも4,000μg、最も好ましくは少なくとも5,000μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の他の態様はミルク固形物含有の同一性標準チョコレートに関し、チョコレート1グラム当たり少なくとも85μgのココアポリフェノール・ペンタマーを、有利には少なくとも90μg、さらに好ましくは少なくとも100μg、最も好ましくは少なくとも125μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。 一つの好ましい態様によると、該同一性標準チョコレートはチョコレート1グラム当たり少なくとも150μgのココアポリフェノール・ペンタマーを、有利には少なくとも175μg、さらに好ましくは少なくとも200μg、最も好ましくは少なくとも250μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    好ましくは、同一性標準ミルクチョコレートは、重量で12%を超えるかまたは12%に等しい量のミルク固形物を含む。

    3. ココア成分含有チョコレート 本発明の他の態様はココア成分含有チョコレートに関し、該チョコレートはチョコレート1グラム当たり少なくとも3,600μg、好ましくは少なくとも4,000μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも4,500μg、さらに好ましくは少なくとも5,000μg、最も好ましくは少なくとも5,500μgのココアポリフェノールを含む。 一つの好ましい態様によると、該チョコレートはチョコレート1グラム当たり少なくとも6,000μg、有利には少なくとも6,500μg、さらに好ましくは少なくとも7,000μg、最も好ましくは少なくとも8,000μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の他の態様は、チョコレート1グラム当たり少なくとも200μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも225μg、さらに好ましくは少なくとも275μg、最も好ましくは少なくとも300μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。 一つの好ましい態様によると、該チョコレートはチョコレート1グラム当たり少なくとも325μg、有利には少なくとも350μg、さらに好ましくは少なくとも400μg、最も好ましくは少なくとも450μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    4. ミルク固形物含有チョコレート さらに本発明の他の態様はミルク固形物含有チョコレート(例えば、ミルクチョコレート)に関し、該チョコレートはチョコレート1グラム当たり少なくとも1,000μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも1,250μg、さらに好ましくは少なくとも1,500μg、最も好ましくは少なくとも2,000μgのココアポリフェノールを含む。 一つの好ましい態様によると、該チョコレートはチョコレート1グラム当たり少なくとも2,500μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも3,000μg、さらに好ましくは少なくとも4,000μg、最も好ましくは少なくとも5,000μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の他の態様はミルク固形物含有チョコレートに関し、該チョコレートはチョコレート1グラム当たり少なくとも85μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも90μg、さらに好ましくは100μg、最も好ましくは少なくとも125μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。 一つの好ましい態様によると、該チョコレートはチョコレート1グラム当たり少なくとも150μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも175μg、さらに好ましくは少なくとも200μg、最も好ましくは少なくとも250μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    好ましくは、該チョコレートは重量で12%を超えるかまたは12%に等しい量のミルク固形物を含む。

    5. ココア成分含有チョコレート さらに本発明の他の態様は、脂肪相と、適正な平均的品質のカカオ豆からのココアポリフェノール含有ココア成分とを含むチョコレートに関し、該ココア成分は適正な平均的品質カカオ豆の、重量で少なくとも25%のココアポリフェノールを含有し、好ましくは少なくとも35%、有利には少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも60%、そして最も好ましくは少なくとも75%含有する。

    本発明のさらなる態様は、脂肪相と、適正な平均的品質のカカオ豆からのココアポリフェノール・ペンタマー含有ココア成分とを含むチョコレートに関し、該ココア成分は適正な平均的品質カカオ豆の、重量で少なくとも15%のココアポリフェノールを含有し、好ましくは少なくとも20%、有利には少なくとも25%、さらに好ましくは少なくとも35%、そして最も好ましくは少なくとも50%含有する。

    さらに本発明の他の態様は、ココア成分と少なくとも1種の脂肪からなり、さらにココア成分1グラム当たり少なくとも7,300μgのココアポリフェノールを含むチョコレートに関し、さらにココア成分1グラム当たりのココアポリフェノール含量は、好ましくは少なくとも8,000μg、有利には少なくとも9,000μg、さらに好ましくは少なくとも10,000μg、そして最も好ましくは少なくとも12,000μgである。

    本発明の他の態様は、ココア成分と少なくとも1種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに該チョコレートはココア成分1グラム当たり少なくとも360μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、好ましくは少なくとも480μg、有利には少なくとも600μg、さらに好ましくは少なくとも720μg、そして最も好ましくは少なくとも800μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    6. ココア固形物含有チョコレート 本発明の他の態様は、部分的脱脂ココア固形物と少なくとも一種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに、該チョコレートは脱脂ココア固形物1グラム当たり少なくとも23,100μgのココアポリフェノールを含み、好ましくは少なくとも24,000μg、有利には少なくとも26,000μg、さらに好ましくは少なくとも28,000μg、そして最も好ましくは少なくとも30,000μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の他の態様は、部分的脱脂ココア固形物と少なくとも一種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに、該チョコレートは脱脂ココア固形物1グラム当たり少なくとも1,000μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、好ましくは少なくとも1,200μg、有利には少なくとも1,400μg、さらに好ましくは少なくとも1,600μg、そして最も好ましくは少なくとも1,800μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    本発明の他の態様は、部分的脱脂ココア固形物と少なくとも一種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに、該チョコレートは脂肪1グラム当たり少なくとも10,500μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも15,000μg、さらに好ましくは少なくとも17,500μg、そして最も好ましくは少なくとも20,000μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の他の態様は、部分的脱脂ココア固形物と少なくとも一種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに、該チョコレートは脂肪1グラム当たり少なくとも520μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも750μg、さらに好ましくは少なくとも900μg、そして最も好ましくは少なくとも1,200μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    本発明のさらなる態様は、部分的脱脂ココア固形物と少なくとも一種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに、該チョコレートは1カロリー当たり少なくとも630μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも750μg、さらに好ましくは少なくとも900μg、そして最も好ましくは少なくとも1,000μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の他の態様は、部分的脱脂ココア固形物と少なくとも一種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに、該チョコレートは1カロリー当たり少なくとも32μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、好ましくは少なくとも50μg、有利には少なくとも60μg、さらに好ましくは少なくとも72μg、そして最も好ましくは少なくとも100μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    本発明のさらなる態様は、部分的脱脂ココア固形物と少なくとも一種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに、該チョコレートは乳化剤1グラム当たり少なくとも1,200,000μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも1,500,000μg、さらに好ましくは少なくとも1,800,000μg、そして最も好ましくは少なくとも2,200,000μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の他の態様は、部分的脱脂ココア固形物と少なくとも一種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに、該チョコレートは乳化剤1グラム当たり少なくとも58,000μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも78,000μg、さらに好ましくは少なくとも100,000μg、そして最も好ましくは少なくとも120,000μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    7. チョコレート液含有チョコレート 本発明のさらなる態様は、チョコレート液と少なくとも一種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに、該チョコレートはチョコレート液1グラム当たり少なくとも10,200μgのココアポリフェノールを含み、好ましくは少なくとも12,000μg、有利には少なくとも14,000μg、さらに好ましくは少なくとも16,000μg、そして最も好ましくは少なくとも18,000μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の他の態様は、チョコレート液と少なくとも一種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに、該チョコレートはチョコレート液1グラム当たり少なくとも500μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、好ましくは少なくとも525μg、有利には少なくとも550μg、さらに好ましくは少なくとも575μg、そして最も好ましくは少なくとも600μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    8. 追加のチョコレート 本発明のさらなる態様は、少なくとも1種のミルク成分と少なくとも一種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに、該チョコレートはミルク成分1グラム当たり少なくとも8,400μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも9,000μg、さらに好ましくは少なくとも10,000μg、そして最も好ましくは少なくとも12,000μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の他の態様は、少なくとも1種のミルク成分と少なくとも一種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに、該チョコレートはミルク成分1グラム当たり少なくとも465μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、好ましくは少なくとも1,000μg、有利には少なくとも2,000μg、さらに好ましくは少なくとも3,000μg、そして最も好ましくは少なくとも3,500μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    本発明のさらなる態様は、少なくとも1種の糖と少なくとも一種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに、該チョコレートは糖1グラム当たり少なくとも7,100μgのココアポリフェノールを含み、好ましくは少なくとも10,000μg、有利には少なくとも13,000μg、さらに好ましくは少なくとも16,000μg、そして最も好ましくは少なくとも18,000μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の他の態様は、少なくとも1種の糖と少なくとも一種の脂肪からなるチョコレートに関し、さらに、該チョコレートは糖1グラム当たり少なくとも350μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、好ましくは少なくとも550μg、有利には少なくとも850μg、さらに好ましくは少なくとも1,100μg、そして最も好ましくは少なくとも1,350μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    9. チョコレート風味菓子 本発明のさらなる態様は、ココア成分を含むチョコレート風味菓子(例えば、チョコレート風味飴玉)に関し、該チョコレート風味菓子は健康上の有益性を与えるためにチョコレート風味菓子1グラム当たり有効量のココアポリフェノールを含有する。 好ましくは、該チョコレート風味菓子(チョコレートは除く)はチョコレート風味菓子1グラム当たり少なくとも1μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも2μg、さらに好ましくは少なくとも5μg、そして最も好ましくは少なくとも10μgのココアポリフェノールを含む。 一態様によると、該チョコレート風味菓子はチョコレート風味菓子1グラム当たり少なくとも25μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも50μg、さらに好ましくは少なくとも100μg、そして最も好ましくは少なくとも150μgのココアポリフェノールを含む。

    該ココア成分は以下のものからなる群より選ばれる:(a) チョコレート液;(b) 部分的または完全に脱脂したココア固形物;(c) カカオニブまたはその画分;(d) ココアポリフェノール抽出物;および(e) その混合物。

    本発明の他の態様はココア成分を含むチョコレート風味菓子に関し、該チョコレート風味菓子は健康上の有益性を与えるためにチョコレート風味菓子1グラム当たり有効量のココアポリフェノール・ペンタマーを含有する。 好ましくは、該チョコレート風味菓子(チョコレートは除く)はチョコレート風味菓子1グラム当たり少なくとも1μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも2μg、さらに好ましくは少なくとも5μg、そして最も好ましくは少なくとも10μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。 一態様によると、該チョコレート風味菓子はチョコレート風味菓子1グラム当たり少なくとも25μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも50μg、さらに好ましくは少なくとも100μg、そして最も好ましくは少なくとも150μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    本発明のさらなる側面はココア成分を含むチョコレート風味菓子(チョコレートは除く)に関し、該チョコレート風味菓子は健康上の有益性を与えるためにココア成分1グラム当たり有効量のココアポリフェノールを含有する。 好ましくは、該チョコレート風味菓子はココア成分1グラム当たり少なくとも1μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも2μg、さらに好ましくは少なくとも5μg、そして最も好ましくは少なくとも10μgのココアポリフェノールを含む。 一態様によると、該チョコレート風味菓子はココア成分1グラム当たり少なくとも25μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも50μg、さらに好ましくは少なくとも100μg、そして最も好ましくは少なくとも150μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の他の態様はココア成分を含むチョコレート風味菓子(チョコレートは除く)に関し、該チョコレート風味菓子は健康上の有益性を与えるためにココア成分1グラム当たり有効量のココアポリフェノール・ペンタマーを含有する。 好ましくは、該チョコレート風味菓子はココア成分1グラム当たり少なくとも1μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも2μg、さらに好ましくは少なくとも5μg、そして最も好ましくは少なくとも10μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。 本発明の一態様によると、該チョコレート風味菓子はココア成分1グラム当たり少なくとも25μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも50μg、さらに好ましくは少なくとも100μg、そして最も好ましくは少なくとも150μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    10. チョコレート風味組成物 本発明のさらなる側面はココア成分を含むチョコレート風味組成物(チョコレートを除く;例えば、チョコレート風味アイスクリームなど)に関し、該チョコレート風味組成物は健康上の有益性を与えるためにチョコレート風味組成物1グラム当たり有効量のココアポリフェノールを含有する。 好ましくは、該チョコレート風味組成物はチョコレート風味組成物1グラム当たり少なくとも1μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも2μg、さらに好ましくは少なくとも5μg、そして最も好ましくは少なくとも10μgのココアポリフェノールを含む。 本発明の一態様によると、該チョコレート風味組成物はチョコレート風味組成物1グラム当たり少なくとも25μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも50μg、さらに好ましくは少なくとも100μg、そして最も好ましくは少なくとも150μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の他の態様はココア成分を含むチョコレート風味組成物に関し、該チョコレート風味組成物は健康上の有益性を与えるためにチョコレート風味組成物1グラム当たり有効量のココアポリフェノール・ペンタマーを含有する。 好ましくは、該チョコレート風味組成物はチョコレート風味組成物1グラム当たり少なくとも1μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも2μg、さらに好ましくは少なくとも5μg、そして最も好ましくは少なくとも10μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。 本発明の一態様によると、該チョコレート風味組成物はチョコレート風味組成物1グラム当たり少なくとも25μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも50μg、さらに好ましくは少なくとも100μg、そして最も好ましくは少なくとも150μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    本発明のさらなる側面はココア成分を含むチョコレート風味組成物に関し、該チョコレート風味組成物は健康上の有益性を与えるためにココア成分1グラム当たり有効量のココアポリフェノールを含有する。 好ましくは、該チョコレート風味組成物はココア成分1グラム当たり少なくとも1μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも2μg、さらに好ましくは少なくとも5μg、そして最も好ましくは少なくとも10μgのココアポリフェノールを含む。 本発明の一態様によると、該チョコレート風味組成物はココア成分1グラム当たり少なくとも25μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも50μg、さらに好ましくは少なくとも100μg、そして最も好ましくは少なくとも150μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の他の態様はココア成分を含むチョコレート風味組成物に関し、該チョコレート風味組成物は健康上の有益性を与えるためにココア成分1グラム当たり有効量のココアポリフェノール・ペンタマーを含有する。 好ましくは、該チョコレート風味組成物はココア成分1グラム当たり少なくとも1μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも2μg、さらに好ましくは少なくとも5μg、そして最も好ましくは少なくとも10μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。 本発明の一態様によると、該チョコレート風味組成物はココア成分1グラム当たり少なくとも25μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも50μg、さらに好ましくは少なくとも100μg、そして最も好ましくは少なくとも150μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    11. 追加の製品 本発明の他の側面は、ココアポリフェノール添加物またはその誘導体を含有する食用または摂取可能なまたは咀嚼可能な製品に関する。 一態様によると、該ココアポリフェノール添加物はカカオ豆からの抽出物またはそのココア成分であるか、または該ココアポリフェノール添加物は該ココアポリフェノールに構造的に類似のまたは同一の合成化合物である。 好ましくは、該製品は製品1グラム当たり少なくとも1μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも2μg、さらに好ましくは少なくとも5μg、そして最も好ましくは少なくとも10μgのココアポリフェノールを含む。 本発明の一態様によると、該製品は製品1グラム当たり少なくとも25μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも50μg、さらに好ましくは少なくとも100μg、そして最も好ましくは少なくとも150μgのココアポリフェノールを含む。

    他の態様によると、該製品は製品1グラム当たり少なくとも1μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも2μg、さらに好ましくは少なくとも5μg、そして最も好ましくは少なくとも10μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。 一態様によると、該製品はココア成分1グラム当たり少なくとも25μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも50μg、さらに好ましくは少なくとも100μg、そして最も好ましくは少なくとも150μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    従って、本発明の一態様は、ココアポリフェノール添加物またはその誘導体および第二摂取可能成分を含有する摂取可能製品に関する。

    本発明の他の態様は、ココアポリフェノール添加物またはその誘導体を含有する咀嚼可能組成物(例えば、チューインガム)に関する。

    本発明の他の態様は、適正な平均的品質のカカオ豆からのココアポリフェノール分を含むココア成分含有食用組成物に関し、該ココア成分は適正な平均的品質のカカオ豆の少なくとも重量で25%のココアポリフェノール分を含み、有利には少なくとも35%、さらに好ましくは少なくとも50%、そして最も好ましくは65%のココアポリフェノール分を含む。

    本発明のさらなる目的は、未加工の新たに採取したカカオ豆からのココアポリフェノール分を含むココア成分含有食用組成物に関し、該ココア成分は未加工の新たに採取したカカオ豆の少なくとも重量で5%のココアポリフェノール分を含み、好ましくは少なくとも10%、有利には少なくとも15%、さらに好ましくは少なくとも20%、そして最も好ましくは25%のココアポリフェノール分を含む。

    さらに本発明の他の態様は、食用組成物と少なくとも1μgのココアポリフェノールを含有する食用製品に関し、該食用製品はチョコレート味とチョコレート芳香を実質的に含まない(すなわち、ココアポリフェノール抽出物で被覆したライスケーキ)。 好ましくは、該製品は製品1グラム当たり2μgのココアポリフェノールを含み、有利には少なくとも5μg、さらに好ましくは少なくとも10μg、そして最も好ましくは少なくとも20μgのココアポリフェノールを含む。 本発明の一の好ましい態様によると、該製品はココア成分1グラム当たり少なくとも50μgのココアポリフェノールを含み、有利には製品1グラム当たり少なくとも100μg、さらに好ましくは少なくとも150μg、そして最も好ましくは少なくとも200μgのココアポリフェノールを含む。

    他の態様によると、チョコレート芳香/味を有しない該製品は、製品1グラム当たり少なくとも2μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には少なくとも5μg、さらに好ましくは少なくとも10μg、そして最も好ましくは少なくとも20μgのココアポリフェノールを含む。 一の好ましい態様によると、該製品はココア成分1グラム当たり少なくとも50μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含み、有利には製品1グラム当たり少なくとも100μg、さらに好ましくは少なくとも150μg、そして最も好ましくは少なくとも200μgのココアポリフェノールペンタマーを含む。

    本発明のさらなる目的は、発酵係数が375より小さい、好ましく有利には350より小さい、より好ましくは325より小さい、そして最も好ましくは300より小さいカカオ豆から実質的に誘導される非アルカリ化チョコレート液を含む食用組成物に関する。 好ましい態様によると、該発酵係数は275より小さく、好ましくは250より小さく、有利には225より小さく、より好ましくは200より小さく、そして最も好ましくは175より小さい。 特に好ましい態様によると、該発酵係数は150より小さく、有利には125より小さく、そして最も好ましくは約100である。

    H. 使用法 上記のココア成分およびココアポリフェノール含有製品を使用して、哺乳動物、特にヒトの新規健康改善方法が実用化され得る。 本発明の製品は、1997年4月2日出願、係属中の米国特許出願番号 08/831,245に検討された使用法のいずれについても使用することができる。

    本発明の他の態様は哺乳動物に対し有効量のココアポリフェノールを有効な期間、毎日投与することにより哺乳動物の健康を改善する方法に関する。 有利には、該有効期間は60日より長い期間である。 一側面において、哺乳動物の健康はココアポリフェノール含有食用組成物を、60日より長い期間、毎日摂取することにより改善される。 好ましくは、該食用組成物は少なくとも1μg、有利には少なくとも5μg、さらに好ましくは少なくとも10μg、より好ましくは少なくとも25μg、最も好ましくは少なくとも50μgのココアポリフェノールを含む。 他の側面において、哺乳動物の健康はココアポリフェノール含有チョコレートを、60日より長い期間、毎日摂取することにより改善される。 好ましくは、該チョコレートは少なくとも1μg、有利には少なくとも5μg、さらに好ましくは少なくとも10μg、より好ましくは少なくとも25μg、最も好ましくは少なくとも50μgのココアポリフェノールを含む。

    本発明の一態様は哺乳動物に対し有効量のココアポリフェノール・ペンタマーを有効な期間、毎日投与することにより哺乳動物の健康を改善する方法に関する。 有利には、該有効期間は60日より長い期間である。 一側面において、哺乳動物の健康はココアポリフェノール・ペンタマー含有非チョコレート食用組成物を、60日より長い期間、毎日摂取することにより改善される。 好ましくは、該食用組成物は少なくとも1μg、有利には少なくとも5μg、さらに好ましくは少なくとも10μg、より好ましくは少なくとも25μg、最も好ましくは少なくとも50μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。 他の側面において、哺乳動物の健康はココアポリフェノール・ペンタマー含有チョコレートを、60日より長い期間、毎日摂取することにより改善される。 好ましくは、該チョコレートは少なくとも1μg、有利には少なくとも5μg、さらに好ましくは少なくとも10μg、より好ましくは少なくとも25μg、そして最も好ましくは少なくとも50μgのココアポリフェノール・ペンタマーを含む。

    該ココアポリフェノールまたはココアポリフェノール・ペンタマーは、歯周病縮小作用、抗歯肉炎作用、抗歯周炎作用、アテローマ性動脈硬化症縮小作用、LDL酸化抑制作用、高血圧緩和作用、抗新生物形成作用、抗酸化作用、DNAトポイソメラーゼII酵素阻害作用、シクロ−オキシゲナーゼ調節作用、リポキシゲナーゼ調節作用、NOまたはNO-シンターゼ調節作用、非ステロイド抗炎症作用、アポトーシス調節作用、血小板凝集調節作用、血液またはインビボグルコース調節作用、抗微生物作用、および酸化的DNA損傷活性抑制作用からなる群より選択される活性を有する。

    さらに本発明の他の態様において、有効量のココアポリフェノールまたはココアポリフェノール・ペンタマーを哺乳動物に投与することにより、哺乳動物における生理的応答が惹起される。

    惹起された応答は一定期間維持されるか、あるいは惹起された応答はそれを必要とする哺乳動物に有益となり、有利には、内的または外的ストレス因子の影響を調節する。

    惹起された応答は、酸化的ストレス指標(例えば、 インビボ酸化的防御指標の増大またはインビボ酸化的ストレスの低下など)の引き下げ、抗ウイルス応答、抗細菌応答、サイトカインレベルの引き下げ、T-細胞産生レベルの増大、高血圧の引き下げ、および血管拡張を含み、ストレス因子は酸化的ストレス、ウイルスストレス、細菌ストレス、サイトカインの上昇レベル、T-細胞産生の減少レベル、高血圧、および狭窄血管を含む。

    本発明化合物または本発明化合物含有組成物は、歯周病縮小作用、抗歯肉炎作用、抗歯周炎作用、アテローマ性動脈硬化症縮小作用、LDL酸化抑制作用、高血圧緩和作用、抗癌作用、抗腫瘍作用、抗新生物形成作用、抗酸化作用、DNAトポイソメラーゼII酵素阻害作用、DNA酸化損傷抑制作用、抗微生物作用、シクロ−オキシゲナーゼおよび/またはリポキシゲナーゼ調節作用、NOまたはNO-シンターゼ調節作用、アポトーシス、血小板凝集調節作用、血液またはインビボ・グルコース調節作用、および非ステロイド性抗炎症作用などの用途を有する。

    本発明化合物または該化合物含有組成物により引き出される生理活性に加えて、ココア中に存在する他の化合物または非ココア天然資源からの他の化合物を含む組成物を組み合せて、天然産ココアポリフェノール、特にココア・プロシアニジンに相乗効果を生じさせることができる。

    NOおよび/またはNOシンターゼ調節への相乗効果の一態様は、例えば、以下のとおりである。 多くの食物が適切な量のL-アルギニンを含有しているが、必ずしも本発明化合物を含有してはいない。 L-アルギニンがNOシンターゼの基質であり、NO依存血管拡張がL-アルギニンの補給を受けた過コレステロール血症において有意に改善され(クーク(Cooke)ら、Circulation 83、1057〜1062、1991)、かつ、本発明化合物がNOレベルを調節するとすれば、上皮依存性血管拡張において相乗的改善が期待される。 1.0ないし1.1g/100gのL-アルギニンレベルが非甘味ココア粉末について報告されている。 これを根拠として、ピーナッツなどL-アルギニンの豊富な他の天然物も、NOおよびNOシンターゼ調節に関連した最大の利益入手手段に組み入れられるだろう。

    他の態様はプロシアニジンを含有する非ココア資源の使用に関する。 例えば、肉桂皮はプロシアニジン類および関連化合物について分析試験されており(モリモト(Morimoto)ら、Chem.Pharm.Bull. 33:10、4338〜4345、1985;モリモトら、Chem.Pharm.Bull. 33:10、2281〜2286、1985;モリモトら、Chem.Pharm.Bull. 34:2、633〜642、1986;およびモリモトら、Chem.Pharm.Bull. 34:2、643〜649、1986)、その幾つかは構造的にココアプロシアニジンに関連がある。 さらに、肉桂皮は、1692年以来、チョコレート飲料手段の一部であったことが報告されている(コー(Coe)、SDおよびコー、MD、 チョコレートの真の歴史 、テームズ・アンド・ハドソン有限会社、ロンドン、1996)。 肉桂皮(プロシアニジン含有)をココア(プロシアニジン含有)に入れて、ココアスナック、SOIまたは非SOIチョコレート、飲料または食用材料を調製すると、相乗的生理効果を発揮させ得ると期待される。 同様に、種々柑橘類の精油の添加は、固有のココアプロシアニジンとの間に相乗効果を発揮すると期待される。 天然に発現された柑橘類精油は多くのビオフラボノイドおよび複雑なテルペノイドを含むが、その幾つかはゲラニオールなどの生理的性質を有する(バーク(Burke)ら、Lipids 32:2、151〜156、1997)。 特筆すべきことは、蒸留した柑橘油はビオフラボノイドを欠き、まじりあった油はセスキテルペンとその酸素化型を含み、異なる割合のテルペン炭化水素を含有し、そのすべてがココアプロシアニジンの多くの生理学的用途と相乗作用をもつように操作することができる。

    熟練した技術者は、広範な式、成分(例えば、ワインまたは茶固形物)、加工処理および混合物を取り扱うこれら実施例から多くの変更可能性を認め、天然産レベル・分布状態のココアプロシアニジンを、他の同一または異なる植物化学物質を含む天然物と組み合せて用い、その相乗作用効果を合理的に利用することになる。 さらに、熟練した技術者は、種々の組合わせの中で、非ココア植物化学物質の混在物を調製用成分として加え、SOIまたは非SOIチョコレート、ココア・ベース・スナック、飲料、シロップ、ココア、フレーバリングまたは補足物とすることができることを認めることになる。

    次の実施例は、本発明の範囲にはいる幾つかの製品とその製造法の例証である。 それらは勿論、決して本発明を限定すると考えられてはならない。 本発明に関しては数多くの変化と変形を作ることができる。

    すなわち、熟練した技術者は、これらの実施例の中に、広範囲な処方、成分、加工処理、および混合物をカバーして多様なチョコレートの用途に対して本発明化合物の天然に産出するレベルを合理的に調節する多くのバリエーションを認めるだろう。

    実施例1−ココア給源と調製法 三つの承認されたココア園芸品種(エンリケら、ココア栽培変種登録IICA、トゥリアルバ、コスタリカ1967;エンジェルス、カカオの遺伝資源:キャティーコレクションのカタログ、テクニカルビュレタン、7、コスタリカ1981)を代表する幾つかのテオブロマカカオ遺伝子型が世界の三つの主要なカカオ生産原産地から得られた。 この研究に用いられたこれらの遺伝子型のリストは表2に示されている。 収穫されたココア莢を開きパルプ付きの豆は凍結乾燥のために移動した。 パルプは人の手で凍結乾燥マスから取り除かれ豆は次のように分析に付した。 未発酵の凍結乾燥カカオ豆は最初に人の手で外被を剥き、テクマーミルを用いて微細な粉末マスにすり潰した。 得られた粉末マスはついで溶媒として再蒸留ヘキサンを用いるソックレー抽出により一夜脱脂した。 残存溶媒は環境温度で真空により脱脂マスから除去された。

    実施例2ーココアポリフェノール抽出法 A. 方法1
    ココアポリフェノールは、ジャラルとコリン、Phytochemistry 第6巻、1377-1380頁(1978年)、により述べられた方法の変法を用いて実施例1の脱脂した未発酵凍結乾燥カカオ豆から抽出した。 ココアポリフェノールは50gバッチの脱脂ココアマスから、70%アセトン/脱イオン水 2×400 mlついで70%メタノール/脱イオン水 400ml で抽出した。 抽出液はプールし、溶媒は部分的真空下に保ったロータリーエバポレーターを用い 45 ℃ で蒸発により除去した。 生じた水相は脱イオン水で1Lに希釈しクロロホルム2× 400 ml で抽出した。 溶媒相は捨てた。 水相はついで4×500 mlの酢酸エチルで抽出した。 生じたエマルジョンはすべてソーバル28S遠心分離機上10 ℃ で 2000×g 30分の操作で遠心分離により分離した。 合一した酢酸エチル抽出液に脱イオン水 100-200ml を加えた。 溶媒は部分的真空下に保ったロータリーエバポレーターを用い 45 ℃で蒸発により除去した。 生じた水相は液体窒素中で凍結、ラブコンコ凍結乾燥システム上での凍結乾燥がそれに続いた。 異なったココア遺伝子型から得られた粗プロシアニジンの収率は表3にリストされている。

    B. 方法 2
    今一つは、ココアポリフェノールはまた実施例1の脱脂した未発酵凍結乾燥カカオ豆から70%含水アセトンで抽出してもよい。 脱脂素材 10 gを溶媒 100 ml で 5〜10分間 スラリー状にする。 スラリーを 15 分間 4℃ で3000×gで遠心分離し、上澄液をグラスウールを通す。 濾液は部分真空下で蒸留に付し、生じた水相を液体窒素中で凍結、ラブコンコ凍結乾燥システム上での凍結乾燥がそれに続く。 粗プロシアニジンの収率は出発素材の 15-20% の範囲で変動する。

    何らかの特定の理論に結びつけようと思わなければ、粗収率の差異は、異なった遺伝子型、地理上の原産地、園芸品種、および調製法、に出会った変化を反映する、と信じられている。

    実施例3−発酵の程度の操作を介してココアポリフェノールのレベルを変化させる カカオ豆(トリニタリオココア、SIAL 659)が、t0(時間=0時間)からt120(時間=120時間)に及ぶ発酵期間のさまざまな段階で発酵中の豆のマスから取り出された豆のサンプルを移動し分析することにより、さまざまな程度の発酵に曝された。 結果を表4に示す。

    実施例4−本発明プロセスを用いてカカオ豆からココアポリフェノール脱脂ココア固形分を得る方法約7から8重量%の当初水分を含む市販で入手できるカカオ豆を11”×56”のスカルペレーター(皮むき機)(米国ミネソタ州ミネアポリス、カーター デイインターナショナル製作)を用いて予備クリーニングした。 カカオ豆 大略 600 袋(39,000kg)を6.5時間にわたって予備クリーニングした。 豆を投入ホッパーに供給しそこでは流速は強制供給ロールにより制御した。 豆は回転するワイヤーメッシュの皮むきリールの外側上に供給された。 豆はワイヤーメッシュリールを通り続いて空気吸引室を通りそこで軽いゴミ、埃および繊維が製品の流れから吸い出された。 皮むきリールを通らなかった豆は排斥流に搬送された。 この排斥流は、大きな豆の塊、木切れ、石、等から成っていた。 生じた排斥物の量は、大略 150kg、すなわち出発素材の0.38% であった。 生じた予備クリーニング処理製品は重量約38,850 kg で、豆クリーニング段階に移された。

    スカルペレーターからきた予備クリーニング処理製品はついでさらにカマスインターナショナルSV4ー5空気流動床密度分離機(AFBDS、米国アイダホ州ポコテロ、カマス インターナショナル製作)を用いてクリーニングした。 約 38,850kgの カカオ豆を約 6.5時間にわたってAFBDSに供給した。 この装置は石、金属、ガラスのような殆ど全ての重い不純物、ならびに黴びたまた虫害を受けたカカオ豆のようなより軽い使用に適しない素材を豆から除去し、実質的に使用可能なカカオ豆だけを含む、クリーニング処理した豆製品を生じた。 生じた重い不純物は重量にして約50 kg、また軽い使用できない素材は重量にして約151 kgであった。 上に述べた予備クリーニングならびにクリーニング段階の後、全部で約38,649 kg のクリーニング処理した豆を得た(クリーニング後で99.1%収率)。

    クリーニング処理したカカオ豆をついで赤外加熱装置を通した。 使用した装置は、マイクロレッド20電気振動マイクロナイザー(英国、英国法人マイクロナイジング カンパニー社製作)であった。 このマイクロナイザーを時間当たり約1,701 kgの速度で運転した。 マイクロナイザーの振動床中の豆の深さは約2インチ、換言すれば豆2-3個の深さであった。 マイクロナイザーの表面温度は約 165℃に設定され、結果としてIBT約 135℃、時間は1から1.5 分の範囲、となった。 この処理はカカオの殻を速やかに乾燥させカカオニブから剥離させた。 マイクロナイザーに供給されたカカオ豆の殆どすべては丸ごとの豆であり、豆もしくは殻の小さな破砕片を殆ど含まなかったので、赤外加熱段階でスパークもしくは発火は観測されなかった。 マイクロナイザー前段の振動スクリーンにより分離した破砕片は、風力分離段階に先立ち製品の流れに再導入した。

    マイクロナイザー後の豆は約 3.9 重量%の水分含量を持っていた。 豆は約 135 ℃のIBTでマイクロナイザーから現れ、更なる水分のロスを最小限に抑えるため直ぐに約3分のうちに約 90℃の温度に冷やされた。 加熱段階後利用可能な豆の全量は約36,137 kg であった。

    ついで豆は、ジュピター ミトラ セイタ風力分離機(インドネシア、ジャカルタ、ジュピター セイタ製作)を用いて風力分離に付した。 風力分離段階は豆に亀裂をいれて殻をゆるめ、より軽い殻をニブから分離させ、一方同時に殻排斥の流れに伴って失われるニブの量を最小限に抑えた。 風力分離機への供給速度は時間当たり約1,591 kgであった。 生じた製品は利用可能なニブ約 31,861 kg、排斥された殻 4,276 kgを含んでいた。 出発素材からの利用可能なニブの総収率は約 81.7 %であった。

    得られたカカオニブは、ダップス10-6圧搾機(米国オハイオ州ジャーマンタウン、ダップス カンパニー社製作)を用いて圧搾した。 時間当たりニブ 約 1,402 kgという安定した着実な供給を二つのスクリュープレスにしてバターを搾り取った。 圧搾機は約 10% のココア固形分を含むココアバター約 16,198kg 、および約 10%のバターを含むココア固形分 15,663 kg を生産した。

    ココアバターをさらにシャープレスP3000傾瀉遠心分離機(米国ミズーリ州N.カンザスシティー、ジェンキンス遠心分離機レビルダー製作)を用いて加工した。 遠心分離は結果として遠心力によるバターからの固形分の除去をもたらした。 遠心分離はバター中の 10% の固形分を 約1-2%固形分に減らし、また結果として 13,606 kgのバターと バター約 40-45%を含むココア固形分 2,592 kg を生じた。

    1-2% 固形分を含むバターをさらにプレート・フレーム濾過機(ジュピターミトラセイタ製作)を用いて加工し、この機械はバターから残りの固形分を除去して透明なココアバター約 13,271 kg と バター40-45%を含むココア固形分 約 335 kgを生産した。

    遠心分離機とフィルタープレスから取り出されたココア固形分は脂肪約40-45%を含み、バッチ水圧プレスで圧搾して脂肪 10%のココアケーキを生じた。 この素材は約1,186kg の透明なバターと1,742 kgのココア固形分を生じた。

    到来した豆からの透明バターの全収量は14,456 kg 、すなわち37.1%であった。 到来した豆から生産された全ココア固形分は17,405 kg、すなわち44.6% であった。 バターは引き続いて冷却固化し包装された。

    実施例5−在来法および本発明法により加工された種々の試料中のココアポリフェノールレベルの定量化法 ココアポリフェノール抽出液を、さまざまなココア給源(表5に示す)から試料6-7 g をテクマーA-10分析ミルを用いて5分間磨砕するか、または液体の場合はさらに磨砕することなくチョコレート液試料 6-7 g から、調製した。 試料をついで50 mlポリプロピレン遠心分離管に移し、ヘキサン大略 35 mlを加え、試料を1分間激しく振盪した。 試料をインターナショナル エクイップメント カンパニー社IECPR-7000 遠心分離機を用いて10分間3000rpmで回転した。 ヘキサン層を傾瀉後、脂肪抽出プロセスをもう2回繰り返した。 大略1 g の脱脂素材を 15 mlポリプロピレン遠心分離管に量りいれ、70%アセトン:29.5%水:0.5%酢酸 溶液5 ml を添加した。 試料をサイエンティフィック インダストリーズ ヴォアテックス ジェニー2を用いて30秒間渦巻きを起こさせ,IECPR-7000遠心分離機中で10分間 3000rpm で回転させた。 溶液はついでミレックス-HV0.45μフィルターを通して 1 ml ハイポバイアルに濾過し入れた。 ココアポリフェノール抽出液は、HPモデル1046Aプログラマブル螢光検出器およびダイオード アレー検出器を備えたヒュウレット パッカード1090 シリーズIIHPLCシステムによって分析した。 分離はスペルコ スペルガードLC-Si 5μ保護カラム(20×2.1 mm)に連結した 5 μ スペルコ スペルコシル LC-Siカラム(250×4.6 mm)上 37℃で行われた。 プロシアニジンは次の条件下リニアグラジエントにより溶出した:(時間 %A、%B、%C);(0、82、14、4)、(30、67.6、28.4、4)、(60、46、50、4)、(65、10、86、4)、引き続いて再平衡5分。 移動層組成はA=ジクロロメタン、B=メタノール、C=酢酸:水容量比1:1。1ml/minの流速を用いた。 成分は、λex=276 nmおよびλem=316 nmの螢光により、または280nmでUVにより検出された。 大略 1 mg/ml
    濃度のエピカテキンが外部標準として用いられた。
    HPLC条件:
    250×4.6 mm スペルコ スペルコシル LC -Siカラム (5μm)
    20×2.1 mmスペルコ スペルガードLC-Si(5μm)保護カラム検出器:フォトダイオード アレー、280 nmで螢光 λex=276 nm;λem=316 nm
    流速:1 ml/min
    カラム温度:37℃

    グラジエント CH 2 Cl 2メタノール 酢酸/水(1:1)
    0 76 20 4
    25 46 50 4
    30 10 86 4

    9圧搾ココアケーキ、3ココアミール、3圧搾ココア粉末試料、3液体試料、3豆試料、および2ニブ試料を含む試料セットが上述の方法によりプロシアニジンレベルを求めて分析された。 結果を表5に示す。 プロシアニジンレベルを本発明方法により脱脂したスラウェシ試料に対して以前に報告されたレベルと比較した。 サンチェス豆からのスクリュープレスココアケーキ(比較試料No.E2)は、本発明の加工試料中に見いだされたそれに極めて近いプロシアニジンレベルを含んでいたが、全プロシアニジンは30%さらに少なかった。 さらに本発明プロセスは、高次オリゴマーの極めて高いレベルを保持する、すなわちE2試料からの五量体レベルは、本発明プロセスからの(試料#937-59)3,168 μg/g に比して1983 μg/gであった。

    さらに、次の(a)から(d)までのココア給源の試料セットが既述の方法によりココアポリフェノールレベルを求めて分析された:
    (a) 本発明による加工処理を前にしたスラウェシの未処理豆(RB-1)、
    (b) ポリフェノールが保持される温度、すなわち大略100-110℃、にその温度を調節することにより赤外加熱段階で修正を加えた点を除き、実施例4に従い、本発明のプロセスから得られたカカオニブ(MN-1)、
    (c) 本発明プロセスから得られた無脂肪のココア固形分の2つの試料((MS-120およびMS-150)、
    (d) 加工処理を前にした在来プロセスのスラウェシ未処理ニブ(RN-1およびRN-2)、
    および
    (e)スラウェシ、在来の方法で加工し部分的に脱脂したココア固形分(CS-1およびCS-2)。

    結果を表6に示す。

    RB-1 およびMS-120のような本発明の固形分から抽出されたポリフェノールはリゴーら、(1993年)J.Chrom.654巻:255-260頁、の方法を修飾することによるプレパラティブ順相クロマトグラフィーによって精製することができる。 分離は、5μスペルコシルLC-Si100Aカラム (50×2cm)上、適当な保護かラムを用い、環境温度で行われる。 プロシアニジンは次の条件下、リニアグラジエントにより溶出される:(時間、%A、%B、流速);(0、92.5、7.5、10);(10、92.5、7.5、40);(30、91.5、18.5、40);(145、88、22、40);(150、24、86、40);(155、24、86、50);(180、0、100、50)。 使用に先立ち、移動相成分は次のプロトコルにより混合することができる:
    溶媒A調製(82%メチレンクロリド、14%メタノール、2%酢酸、2%水):
    1. 水 80 ml を量り 4 Lボトルに調合する。
    2. 酢酸 80 ml を量り同じ4 Lボトルに調合する。
    3. メタノール 560 ml を量り 同じ4 Lボトルに調合する。
    4. メチレンクロリド 3280 ml を量り同じ4 Lボトルに調合する。
    5. ボトルに蓋をしてよく混合する。
    6. 高純度ヘリウムで5から10分間混合物をパージして脱ガスする。
    1から6を 2回繰り返して溶媒A8容を得る。

    溶媒B調製(96%メタノール、2%酢酸、2%水):
    1. 水 80 ml を量り 4 L ボトルに調合する。
    2. 酢酸 80 ml を量り同じ4 Lボトルに調合する。
    3. メタノール 3840 ml を量り 同じ4 Lボトルに調合する。
    4. ボトルに蓋をしてよく混合する。
    5. 高純度ヘリウムで5から10分間混合物をパージして脱ガスする。

    ステップ1から5を繰り返して四(4)容の溶媒Bを得ることができる。 移動層組成は、A=酢酸2%、水2%を含むメチレンクロリド;B=酢酸2%、水2%を含むメタノール、で宜しい。 カラム負荷は 7 ml 中0.7g で宜しい。 成分はUVにより 254nmで検出できる。

    この方法により、プロシアニジンを本発明の固形分から得ることができる。

    RB-1、MN-1、MS-120、およびMS-150から得られる全ポリフェノール組成により立証されるように、本発明プロセスはポリフェノール濃度の少なくとも70%保持、少なくとも 85%保持さえ(すなわち、85-89%、MS-150を見よ)、そして少なくとも95%保持ほども(すなわち、95-100%、MS-120を見よ)もたらしている;ところが、在来プロセスは、ポリフェノール濃度の大略(50% を下回る)から70%を下回る保持を結果として生じている(CS-1、CS-2を見よ)。

    さらに、RN-1は褐色豆大略 25% を含む豆ストックから由来しRN-2は褐色豆大略10%を含む豆ストックから由来するように、RN-1とRN-2は構成出発素材中の褐色豆(換言すれば十分発酵した豆)の異なった濃度を代表する。 これらの給源の各々から得られた全ポリフェノール濃度によって立証されるように、出発豆ストック中に存在する褐色豆の濃度は、そのような給源から得られるであろう全ポリフェノール濃度に逆比例し、その結果、高パーセンテージの褐色豆を含む豆ストックから由来するこれらの試料は比較的低い量のポリフェノールを与えるだろう(そして逆に、発酵が足りないスレート色および/または紫色の豆は比較的大量のポリフェノールを与えるだろう)。

    表6の各構成物の脂肪パーセントも測定された。 本発明プロセスは在来法に由来するそれに匹敵する脂肪レベルを得た。

    実施例6−空気流動床密度分離機を用いるカカオ豆の風力分離 カマス インターナショナル製作の空気流動床密度分離機((AFBDS)を、カカオ豆の風力分離機としてのその有効性を確認するために試験した。西アフリカおよび中央アメリカからの豆のブレンドを 約 4分間 約150℃で加熱して殻を離し、遠心式豆ブレーカーで亀裂を入れた。亀裂の入った豆はAFBDSによって分離され、この分離機は、0.29から0.99%の間のニブレベルの殻と6.7から8.7%の間の殻レベルのニブ、を結果として生じた。ニブレベル中の殻は許容できるけれども、殻中のニブのかなりの部分は殻の大きな破片の中に残存しているニブの破片の結果であることが観察された。殻の大きな破片は、砕けた卵殻に似て、分離室の上部に運ばれた。これらの殻は典型的にはその中に取り込まれたニブの大きな破片を含み、これがニブを殻の流れに運んだのである。このニブのロスを減らすためには、殻のサイズを小さくするのに適し、またニブのサイズを小さくすることがない、システムが求められた。

    フォローアップの試みはAFBDSの第二室と第三室の間の素材の流れをふるい分けることから成っていた。 この素材は0.375インチのスクリーン開口を持った振動スクリーンで分離された。 このスクリーンは実質上ニブのロスを伴うことなく成功裏に殻の大破片を素材から回収した。 スクリーンを通過した素材は第三分離室に戻され殻とニブは引き続いて室内で分離された。

    ニブの中の殻の量は非常に少ないことが認められたが、殻の流れの中に小さなニブのロスがなお残った。 第三室からの殻中のニブを再利用するために、0.11インチ開口サイズを持った今一つの振動スクリーンが用いられた。 このスクリーンは成功裏に殻から残存リブを分離した。

    第四室は典型的には岩石、石などのような重い不純物を取り除くために用いられた。 風力分離機としてはこの部屋は必要とされないだろう、というのは風力分離機は典型的にはこれらの物質を含まない素材を受け入れるだろうからである。 実際には、第四室へのフローの5% が1室を通過し2および3室上を通過するだろう。

    表7は風力分離機としてのAFBDSの成績の纏めである:

    上の結果から分かるように、AFBDSは風力分離機として用いることができ、在来の風力分離プロセスよりも遥かに巧みな分離を提供する。 AFBDSの使用は驚くべきことにニブ製品中の殻の量に対するFDAの要求に合致し、非常に高い収率のニブを与える。

    実施例7−本発明の一つの具体化により低発酵カカオ豆からチョコレート液を得る方法
    7.9 重量%の当初水分を含む市販で入手できるサンチェスカカオ豆を加工処理に用いた。 カットテストは豆300に対して行われ、その豆を43.7% スレート色、13.0% 紫色、22.0%紫褐色、17.7% 褐色、に分類した。 この豆は約 210の発酵係数を有していた。

    豆はFMCリンクベルトロースターを用いて熱処理した。 約 50 kg の豆3バッチを別々に速度 1.5 kg/min.、滞留時間22分、でロースターを通して供給した。 焙煎の程度はリンクベルト中の空気温度を127 ℃、159 ℃、および181 ℃に制御することにより三つの50 kgバッチで変化させた。 結果として生じた豆内部温度(IBT)ならびに最終的な豆の水分は各バッチに対し表8にリストされている。 焙煎した豆は、殻からカカオニブを分離するために亀裂を入れバウアマイスター破砕/風力分離機(マシーン#37100)中で風力分離した。 集められたニブの試料を、表8にも示されているように、オリゴマー含量を求めて分析した。

    焙煎したサンチェスカカオニブをついで、2.9kg/minの速度でカール&モンタナリミルを通して供給しニブをすり潰してチョコレート液にした。 ミル中では、ニブは供給ホッパーから固定および回転破砕プレートの間の狭い空間に落ち、粒子サイズを数百ミクロンに減じてニブ中に含まれる脂肪を放出した。 予備ミル処理した液体を分析用に収集し、さらに加工処理に付した。 予備ミル処理した液体の加工処理温度、水分、およびポリマー含量を測定し、表8に報告している。

    予備ミル処理した液体を、ついでさらにその粒子サイズを減じて脂肪放出を達成するために、10 kg バッチとしてスッェグバリ Q1循環磨砕ボールミル中でバッチあたり20分間加工処理した。 予備ミル処理した液体をミーリングチャンバーを通してポンプ注入した。 ミーリングチャンバーは攪拌された再循環タンク中にオーバーフローしそのタンクから液体は連続的にミーリングチャンバー中にポンプで戻された。 仕上がった液体を分析用に収集した。 仕上がった液体の加工処理温度、水分、およびオリゴマー含量を測定して表8に示す。

    表8に示されるように、焙煎温度が127 ℃から181 ℃に(もしくはIBT が 119℃から162 ℃に)上げられるにつれて、
    全プロシアニジンのレベルは24,618 μg/gから12,786 μg/gに減少する。 減少は高次オリゴマーで特に著しい、
    すなわち五量体レベルは1,953μg/g から425 μg/g へ減少する。 従って、焙煎温度はココアポリフェノール、
    特に高次オリゴマーの保持にあたっては重要な因子である。

    実施例8−本発明プロセスの今一つの具体化を用い発酵したカカオ豆からチョコレート液を得る方法
    6.7 重量%の当初水分を含む市販で入手できる西アフリカのカカオ豆をFMCリンクベルトロースターを用いて処理した。 豆 300 に対して行われたカットテストはそれらを 2.7%スレート色、1.6 %紫色、25.7% 紫褐色、70% 褐色、に分類した。 豆は発酵係数363 を持っていた。 約 50 kg の豆 3 バッチを 1.5 kg/minの 速度で 22分の滞留時間をもってロースターを通して供給した。 焙煎の程度はリンクベルト中の空気温度を131 ℃、156 ℃、および183 ℃に制御することにより三つの50 kgバッチで変化させた。 生じた豆内部温度(IBT)ならびに最終的な豆の水分は各バッチに対し表9にリストされている。 焙煎した豆は、殻からカカオニブを分離するために亀裂を入れバウアマイスター破砕/風力分離機(マシーン#37100)中で風力分離した。 集められたニブの試料を、表9に示されているように、オリゴマー含量を求めて分析した。

    焙煎した西アフリカのカカオニブをついで、2.9kg/minの速度でカール&モンタナリミルを通して供給しニブをすり潰して液体にした。 ミル中では、ニブは供給ホッパーから固定および回転破砕プレートの間の狭い空間に落ち、粒子サイズを数百ミクロンに減じてニブ中に含まれる脂肪を放出した。 予備ミル処理した液体は、分析用に収集し、さらに加工処理に付した。 予備処理した液体の加工処理温度、水分、およびオリゴマー含量を測定し表9に報告する。

    西アフリカの予備ミル処理した液体を、ついでさらにその粒子サイズを減じて脂肪放出を達成するために、10 kg バッチとしてスッェグバリ Q1循環磨砕ボールミル中でバッチあたり20分間加工処理した。 予備ミル処理した液体をミーリングチャンバーを通して供給した。 ミーリングチャンバーは攪拌された再循環タンク中にオーバーフローしそのタンクから液体は連続的にミーリングチャンバー中にポンプで戻され、ついに従来通りの粒子サイズに到達した。 仕上がった液体を分析用に収集した。 仕上がった液体の加工処理温度、水分、およびオリゴマー含量が測定され表9に報告されている。

    表9に示されるように、焙煎温度が131 ℃から183 ℃に(もしくはIBT が 121℃から163 ℃に)上げられるにつれて、全プロシアニジンのレベルは8,181 μg/gから2,815μg/gに減少する。 減少は高次オリゴマーで特に著しい、すなわち五量体レベルは402μg/gから62 μg/g へ減少する。 従って、低発酵(実施例7)および発酵(実施例8)カカオ豆いずれも焙煎した場合、焙煎温度はココアポリフェノール、特に高次オリゴマーの保持にあたっては重要な因子である。 実施例8で生産された液体はさらにココアバターおよびココア粉末に加工することができた。 ココア固形分は高レベルのプロシアニジンを含有するだろう。 液体のバターおよび粉末への加工処理はカール&モンタナリ製のような水圧プレスを用いて行うことができた。 実施例8の液体を 200から 215 ℃に加熱できた。 ついで液体をプレスポットにポンプ注入する。 ポットが液体で満たされると水圧ラムを始動する。 ココアバターは非常に細かいメッシュのスクリーンを通して圧搾される。 生じた製品はココアケーキとココアバターである。 ココアケーキに含まれる無脂肪のココア固形分は当初の液体に存在したと同量のプロシアニジンを含むだろう。 このプロセスを介して生産されたココアケーキは食品に使用することができた。

    実施例9−カカオ豆を赤外加熱して強化されたレベルのココアポリフェノールを含有するチョコレート液を生産する方法 当初水分 7.4重量% 、発酵係数レベル 233 (31%スレート色、29%紫色、22%紫褐色、および17%褐色)、を持つ全く並の品質(FAQ)のスラウェシカカオ豆を出発素材として選んだ。 カカオ豆をついで赤外加熱装置を通した。 使用した装置は、赤外ガス振動マイクロナイザー(英国、英国法人マイクロナイザーカンパニー社製作)であった。 赤外ヒーターを通る豆の供給速度、および赤外ヒーターの床アングルを変えて豆が受ける熱処理の量を制御した。 赤外ヒーター中で豆が過ごす時間量(滞留時間)は床アングルと供給速度で決定された。 実施例素材を調製するために用いた時間は下の表10にリストされている。 マイクロナイザーの出口で豆のIBTを測定した、これらの値も表10に示されている。 赤外ヒーターを出た豆の表面温度はIBTよりも高い。 速やかな表面冷却は1分以内に表面温度をIBTに近づける。 赤外加熱の初期の目的は豆全体を加熱して殻をほぐすことである。 本実施例では、豆に対する熱負荷を増す、すなわち高温短時間(HTST)、による斬新な方法でスラウェシの豆を焙煎するためにマイクロナイザーを用いた。 赤外加熱の間マイクロナイザー中で発火は観測されなかった。 全部で 25 kg の未処理豆を各セットポイントで赤外加熱した。

    赤外加熱した豆はさらに加工処理してチョコレート液とした。 この液体は実験室スケール液体加工処理装置を用いて生産された。 同じ加工処理は実施例7に参照されているプラントサイズの設備を用いて行うことができた。 異なったIBTで赤外ヒーターを出て集められた赤外加熱豆の試料 1 kgを破砕してより小さい破片にした。 これは殻からのニブの分離を容易にするために行われる。 殻を除くのに用いられた実験室装置はイングランドのジョン ゴードン社製作のリミプリミタ ココア破砕機であった。 亀裂を入れた豆は次に実験室スケール風力分離システムを通した。 用いられた装置はイングランドのジョン ゴードン社製作のカタドアCC-1であった。 この加工処理の結果、ニブと殻は分離された。

    カカオニブは次にミルにかけてきめの粗い液体とした。 これはイングランドのパスカル エンジニアリング社製作のメランジュを用いて行った。 この装置はこのニブを破砕しすり潰してチョコレート液とする。 メランジュ中の液体に対する標準の操作温度は大略 50 ℃である。 ニブをきめの粗い液体とするこの同じプロセスは実施例7に述べたカール&モンタナリミルを用いてより大きな生産規模で行うことができた。 カカオニブは各実験にあたってメランジュ中1時間すり潰された。 この循環時間は、ニブを液体に変えるに十分であった。 ココアポリフェノールの含量を赤外加熱温度と関係づけて各資料に対して測定した。 これらの値は下の表10に含まれている。

    表10に示されるように、カカオ豆の豆内部温度が 107℃ から148 ℃に上げられるにつれて全プロシアニジンレベルは 39,690μg/gから 23,937μg/gに減少する。 減少は、高次オリゴマーで特に著しい、すなわち五量体レベルは、3,098 μg/ から695μg/に減少する。 従って、どのような加熱であれ、加熱に起因するカカオ豆の豆内部温度はすべてココアポリフェノール、特に高次オリゴマー、の保持に当たっては重要な因子である。

    実施例10
    同一基準(SOI)および非同一基準(非SOI)のダークチョコレート調合物およびミルクチョコレートの調合物
    本発明の化合物または本発明で実施される方法により得られる化合物の組合せの調合物はヒトに適用するためと家畜に適用するための分配賦形剤として同一基準および非同一基準のダークチョコレートとミルクチョコレートに調製できる。 実施例4のココアポリフェノール固形物は同一基準および非同一基準のチョコレート、飲料、スナック、焼いた食品を調製するための粉末または液体として使用され、また調理用材料として使用される。

    下記はこれらのチョコレート調合物を調製する場合に使用される処理工程を説明している。

    非同一基準のダークチョコレートの製法
    1. 遊離脂肪(ココアバターと無水乳脂肪)の40%を除く全ての成分を30ー35゜Cの範囲の温度に維持してバッチ処理する。
    2.20ミクロンの粒径に精製する。
    3.1時間にわたり35゜Cで乾式コンチェ(dry conche)する。
    4. 充分なレシチンと10%ココアバターを湿式コンチェ(wet conche)周期の開始時に加える;1時間にわたり湿式コンチェする。
    5. 残りの全ての脂肪を加え、必要に応じて標準化し、35゜Cで1時間混合する。
    6. こねて、成形し、チョコレートを包装する。

    同一基準のダークチョコレートの製法
    1. 乳脂肪以外の全ての成分を60゜Cの温度でバッチ処理する。
    2.20ミクロンの粒径に精製する。
    3.3.5時間にわたり60゜Cで乾式コンチェする。
    4. レシチンと乳脂肪を加え、1時間にわたり60゜Cで混合する。
    5. 必要に応じて標準化し、1時間にわたり35゜Cで混合する。
    6. こねて、成形し、チョコレートを包装する。

    非同一基準のミルクチョコレートの製法
    1. 砂糖、全乳粉、およびココアバターの66%をバッチ処理し、2時間にわたり75゜Cでコンチェする。
    2. バッチを35゜Cまで冷却し、ココア粉末、バニリン、チョコレート液およびココアバターの21%を加え、20分間にわたり35゜Cで混合する。
    3.20ミクロンの粒径に精製する。
    4. ココアバターの残りを加え、1.5時間にわたり35゜Cで乾式コンチェする。
    5. 無水乳脂肪とレシチンを加え、1時間にわたり35゜Cで湿式コンチェする。
    6. 標準化し、こねて、成形し、そのチョコレートを包装する。

    同一基準のミルクチョコレートの製法
    1. ココアバターの65%と乳脂肪を除く全ての成分を60゜Cの温度でバッチ処理する。 2.20ミクロンの粒径に精製する。
    3.3.5時間にわたり60゜Cで乾式コンチェする。
    4. レシチン、ココアバターの10%と無水乳脂肪を加える;1時間にわたり60゜Cで湿式コンチェする。
    5. 残りのココアバターを加え、必要に応じて標準化し、1時間にわたり35゜Cで加熱する。
    6. こねて、成形し、そのチョコレートを包装する。

    調合物に使用されたココアポリフェノールココア固形物および市販のチョコレート液は調合物に混入される前に実施例5の方法により、ココアポリフェノールとココアポリフェノールペンタマーの合計の含有量について分析された。 次に、これらの値を使って各チョコレート処方の予想濃度を計算した。 非同一基準のダークチョコレートと非同一基準のミルクチョコレートの場合、製品を同様に分析して合計のココアポリフェノールとココアポリフェノールペンタマーの含有量を求めた。 結果を表11と12に示す。

    実施例11
    ココアポリフェノールの含有量を強化したココア粉末の乾燥飲料ミックス
    ココアポリフェノールの含有量を強化した実施例4のココア粉末を含有した乾燥飲料ミックスは下記の調合により調製された:

    成分 %
    蔗糖 65.0667
    麦芽粉 11.9122
    ココアポリフェノールに富んだココア粉末 18.0185
    アルカリ化されたココア粉末 4.0041
    バニリン 0.0025
    レシチン 0.9960
    100.00

    乾燥成分を上記調合によりバッチ処理し、1時間にわたり針金の泡立て器を使うキッチンエイドプロフェッショナルミキサー(モデルKSM50P)で2番の速度で混合する。 レシチンはニロエアロマチックアグロメーター(モデルSTREA/1)で調理で使用する前に塊状に固められた。

    乾燥飲料ミックスは実施例5の方法により評価され、下記のココアポリフェノール含有量を有することが判明した:
    ココアポリフェノール含有量:
    ペンタマー含有量:221μg/g
    合計ポリフェノール含有量:4325μg/g
    茶さじ2杯の乾燥飲料ミックス(30g)をミルク(8オンス、2%脂肪)に加えてチョコレート風味の飲料を作った。

    実施例12
    ココアポリフェノールの含有量を強化させたチョコレート液を含む香りのよいソース
    ココアポリフェノールの含有量を強化させた実施例7のチョコレート液を含有するモレソースを下記の調合により調製した:

    成分 %
    チリ粉末 2.4
    オリーブ油 4.8
    ヒメウイキョウ 0.39
    シナモン 0.21
    とろ火で煮たトマト 90.8
    チョコレート液(実施例7のもの) 1.4
    100.00
    油とスパイスをマグナライトソースパン(長い柄の付いている深鍋)(41/4.5qt.)に入れてホットポイントストーブ(モデルRS744GONIBG)にかけて中位の高熱(生成物温度102゜C)で約20秒の加熱を行った。 とろ火で煮たトマトおよびチョコレート液を油/スパイス混合物に加えて、生成物温度85゜Cで5分間調理した。

    そのソースを実施例5の方法により評価したところ下記のココアポリフェノール含有量を有することが判明した:
    ポリフェノール含有量:
    ペンタマー含有量:痕跡量合計ポリフェノール含有量:213μg/g
    当該技術に精通した者なら、例えばさらにチョコレート液を加えることによりさらに高いココアポリフェノール含有量、特にペンタマー含有量を増量した生成物を得るなどの調理法を変更する方法は容易に理解できるであろう。

    実施例13
    ココアポリフェノールの含有量を強化させたココア粉末を含むシリアル生成物
    シリアルを下記の調合により調製した:
    成分 %
    薄力粉 37.09
    強力粉 16.64
    グラニュー糖 30.33
    重炭酸ナトリウム 0.19
    燐酸モノカルシウム 0.19
    モノステアリン酸グリセロール 0.43
    塩 1.73
    ココア粉末(実施例4のもの) 13.40
    100.00
    ココア粉末以外の全ての成分を小さなリボン混合機に入れて、3分間混合した。 混合サイクルの終了時に混合された材料の全てを空気の作用でアキュレートフィーダーへ送る。 乾燥混合物が時速40kgでアキュレートフィーダーにより、ココアポリフェノールココア粉末も時速6.18kgでKトロンフィーダーにより、共にベルナープフライダラー二軸スクリュ押し出し機(モデルZSK57弾丸状先端付き)の中へ供給される。 水が毎時1.2リットルの速度で添加された。 押し出し機を標準的な操作方法を使って始動した。 乾燥混合物と水の供給速度は目標に合わせて調整した。 スクリュウRPMは200に設定された。 ココア供給装置は目標に合わせて調整され、シリアル管が集められた。 空のシリアル管がクリンパー(波形を付ける装置)の中に供給され、2フィートの長さに集められる。 波形を付けた端部をぷつんと切って別個の枕状のものを調製した。

    結果:
    ペンタマー含有量:23μg/g
    合計のポリフェノール含有量:3453μg/g

    実施例14
    ココアポリフェノール抽出物で作られた調理済みバニラプディング
    標準的な調理済みバニラプディングが下記の調合により調製された:
    成分 %
    JELL-Oバニラプディングミックス 95.00
    ココアポリフェノール抽出物 5.00
    100.00
    プディングを下記の手順で調理した:
    ココアポリフェノール抽出物を実施例2(方法1)の抽出方法により調製し、ハミルトン・ビーチ・ブレンドマスター混合機(モデル番号50100、型B12)を使って細かく粉砕した。 抽出物の5%を乾燥プディングミックスに加え、針金の泡立て器を使って混合した。 全乳の2カップをマグナ・ライト・ソースパン(長い柄の付いている深鍋)のプディング混合物に加えた。 乾燥混合物とミルクをポットポイントストーブ(モデルRS744GON1BG)にかけて中位の熱で加熱しながら針金の泡立て器を使って絶えず攪拌し、混合物を充分に沸騰させた。 プディングを冷まして、貯蔵容器に注ぎ込み、冷蔵庫に保存した。

    結果:
    ペンタマー含有量:70μg/g
    合計ポリフェノール含有量:1559μg/g

    実施例15
    ココアポリフェノールの含有量を強化したチョコレート液を含むブラウニー
    従来の調理法の甘くないチョコレートの代わりに実施例7のチョコレート液を使って下記の調合によりブラウニーを作った:
    成分 %
    ショートニング 12.50
    チョコレート液 9.41
    砂糖 37.60
    万能小麦粉 23.48
    ベーキングパウダー 0.14
    塩 0.14
    卵 16.60
    バニラ 0.13
    100.00
    下記の手順でブラウニーを作った:
    ココアポリフェノールチョコレート液とショートニングをキッチンエイドK45ボウルに入れた。 次に、そのボウルを345gの沸騰した湯(100゜C)を入れたマグナライトソースパン(長い柄の付いている深鍋)(41/4.5qt.)の上部に置いた。 この二重沸騰鍋を次にホットポイントストーブ(モデル番号RS744GON1BG)の上で低い加熱で溶解するまで加熱し、火から降ろした。 砂糖、卵およびバニラを溶解混合物中に混合した。 残りの乾燥成分を混合し、その生地を油を塗った13”x9”x2”のパン焼き用平鍋に拡げた。ホットポイントオーブン(モデル番号RS744GON1BG)で350゜Fで約30分にわたりブラウニーが鍋の側面からはがれるまで焼いた。

    結果:
    ペンタマー含有量:97μg/g
    合計ポリフェノール含有量:2981μg/g

    実施例16
    ココアポリフェノールの含有量を強化したココア粉末を使ったチョコレートクッキー
    実施例4のココア粉末を使って下記の調合によりチョコレートクッキーを作った:
    成分 %
    柔らかいバター 30.50
    精製粉砂糖 7.60
    ふるいをかけない小麦粉 45.80
    ココアポリフェノールココア粉末 15.30
    水 0.35
    バニラ抽出物 0.45
    100.00
    下記の方法を使ってクッキーを作った:
    オーブンを予め325゜Fに加熱する。 バターと砂糖4分の1とをキッチンエイドモデルKSM90で約2分間クリーム状にする。 残りの成分を加えてよく練る(約3分間)。 生地を複数の小さなボールに成形し、油を塗らないクッキー用シートの上に置く。 クッキーを325゜Fで15〜17分間焼いた。

    結果(焼いた後):
    ペンタマー含有量:46μg/g
    合計ポリフェノール含有量:3841μg/g

    実施例17
    ココアポリフェノール抽出物を使う米とソースミックス
    米とソースミックスを下記の調合を使って調製する:
    成分 %
    調味料ミックスw/チーズ 11.0
    乾燥野菜 2.00
    乾燥米 83.00
    ココアポリフェノール抽出物 4.00
    100.00
    全ての成分をストーブにかけたソースパンに入れて混ぜ合わせ、沸騰させる。 混合物が沸騰したら、火を細めて、混合物を約10分間ぐつぐつ煮る。

    加工中の損失を全く仮定していない理論的結果:
    ペンタマー含有量:1190μg/g
    合計ポリフェノール含有量:15,000μg/g
    米とチーズソースミックスを下記の調合を使って調製する:
    成分 %
    調味料ミックスw/チーズ 22.0
    乾燥野菜 3.00
    乾燥米 71.00
    ココアポリフェノール抽出物 4.00
    100.00
    全ての成分を2と4分の1カップの水と茶さじ1〜2杯のバターと共にソースパンに入れて混ぜる。 混合物を沸騰させ、次に約10分間ぐつぐつ煮て水分をほとんど吸収させる。 次に、米ミックスを約5分間放置してチーズソースを濃厚化させる。

    加工中の損失を全く仮定しない理論的結果:
    ペンタマー含有量:1190μg/g
    合計ポリフェノール含有量:15000μg/g

    実施例18
    ココアポリフェノールの含有量を強化したココア粉末を使用する押し出し成形されたエネルギー棒
    天然のココア粉末の代わりにココアポリフェノールの含有量を強化させた実施例4のココア粉末を使って、下記の料理法によりエネルギー棒を調製した:
    成分 %
    炭水化物シロップ 20-30
    果実/果実製品 10-15
    タンパク質粉末(ミルクまたは大豆源) 5-20
    微量養素 4-5
    単糖類 10-20
    麦芽デキストリン 10-15
    カリカリの米/米 10-13
    ココアポリフェノールココア粉末 8-12
    脂肪 2-5
    香味料 0.1-1.5
    JHデイ50ガロン入りジャケット付きステンレススチール二重腕シグマ型刃混合機で成分を混合した。 この混合機のジャケットを50゜Cに設定した。 炭水化物シロップ、脂肪および果実/果実製品を混合機で混ぜ合わせ、約5分間均質に混ざるまで50 rpmで混合した。 混合機を運転しながら、残りの成分を下記の順で徐々に加え、均質になるまで混合した:添加順序:微量養素、香味料、ココア粉末、単糖類、麦芽デキストリン、タンパク質粉末、およびカリカリ米/米。 混合されたエネルギー棒の塊をウエルナー・レハラ連続ロープ押し出し機のホッパーへ送る。 押し出し機は40゜Cのジャケットで覆い、その混合物の塊を柔らかく成形し易いように保つ。 この混合物の塊をノズルブロックを通ってコンベアーのベルト上に押し出し成形し、得られた細長い成型物をを冷却用トンネルの中へ送り込んだ。 断裁機を使って15〜20゜Cの冷却用トンネルを出てきた際の長さにその棒を切断した。

    結果:
    ペンタマー含有量:22μg/g
    合計ポリフェノール含有量:1710μg/g

    実施例19
    ココアポリフェノール抽出物を含有するベビー食品
    ココアポリフェノール抽出物を含有する野菜のベビー食品を下記の調合を使って調製する:

    野菜は蒸したり、電子レンジを使ったり、または茹でたりして調理される(食物のピューレを薄めるために残した少量の水を使う)。 調理した後で、全ての成分を混合し、混合機に入れて、滑らかなピューレとなるまでよく混合する。

    加工中に全く損失がないことを仮定した理論的結果:
    合計のペンタマー含有量:1488μg/g
    合計のポリフェノール含有量:18758μg/g

    実施例20
    ココアポリフェノールの含有量を強化したココア粉末を使うペット食品
    ココアポリフェノールの含有量を強化したココア粉末を使って缶詰のドッグ/キャットフードを下記の調合を使って調製する:

    肉、動物副産物、シリアル成分およびココアポリフェノールココア粉末を金属またはプラスチックの容器に入れて密封し、市販用に滅菌するのに充分な温度と圧力で処理する。 製品は缶詰ペットフード用に3.0以上のF0値(フーリエ数)を有する密閉した容器に入れて加熱処理する。

    加工中に全く損失がないことを仮定した理論的結果:
    ペンタマー含有量:107μg/g
    合計ポリフェノール含有量:1554μg/g

    実施例21
    ココアポリフェノールの含有量を強化したココア粉末を使う乾燥ペットフード
    ココアポリフェノールの含有量を強化したココア粉末で下記の調合を使って乾燥押し出し成形ドッグ/キャットフードを調製する:
    成分 %
    穀類、肉/肉副産物、肉の粉餌 57-66
    乳副産物 24-33
    着色料、ビタミン、ミネラル 3
    ガム質、乳化剤、香味料、保存料ココアポリフェノールココア粉末 5
    粉餌は約20秒間連続調理押し出し機で処理され、約10秒間145゜Cに達する。 湿った成形片のペットフードは従来のベルト乾燥機により125゜Cの空気温度に約10分間さらして乾燥される。 次に製品は動物の脂肪および/または加水分解された動物の組織で覆われる。

    加工中に全く損失がないと仮定した理論的結果:
    ペンタマー含有量:107μg/g
    合計ポリフェノール含有量:1554μg

    実施例22
    ココアポリフェノールココア粉末を使うチョコレートシロップ
    ココアポリフェノールココア粉末を含有するチョコレートの彩り用およびサンデートッピング用シロップを下記の調合を使って調製する:

    CC-801の1ポンド当たり、上記調合からの水1ガロンを小さな桶で180゜Fまで加熱する。 CC-801はかき混ぜて完全なバッチを均質化する用意ができるまで別にしておく。 水の残りを水蒸気ジャケットで覆った桶に加える。 蔗糖、無脂肪のミルク固形物およびコーンシロップ固形物をこの順序で混入する。 次に、残りの成分を適当な順に加える。 混合物を185゜Fまで加熱し、5分間保持する。 CC-801溶液を加えて充分に混合する。 バッチは1000psiである(もし均質化していないなら、安定剤35%を増加する)。 得られた生成物をきれいに消毒した容器にポンプで汲み上げ、40゜Fでクーラーに保存しておく。

    加工中に全く損失がないと仮定した理論的結果:
    ペンタマー含有量:171μg/g
    合計ポリフェノール含有量:2486μg/g

    実施例23
    硬いキャンディ
    リー&ジャクソン、第1版、 砂糖菓子とチョコレートの製造 、176〜186頁(1995年)に記載の方法により下記の調合を使って、沈殿型の成形された硬いキャンディを調製する。

    硬いキャンディの調合 %
    砂糖 42.85%
    高麦芽糖コーンシロップ 38.09%
    水 12.19%
    緩衝乳酸 1.90%
    香味料 0.19%
    着色料 0.0057%
    ココアポリフェノールココア粉末 4.77%

    加工中に全く損失がないと仮定した理論的結果:
    ペンタマー含有量:102μg/g
    合計ポリフェノール含有量:1482μg

    実施例24
    ココアポリフェノールココア粉末を使う米ケーキ
    ココアポリフェノールココア粉末で覆われた米ケーキを下記の成分を使って調製した:
    ぷっと膨れた米ケーキ(米国特許第4,888,180号に示された方法と類似の方法により作られた)
    N-タック(コーンシロップ固形物30%溶液)
    ココアポリフェノールココア粉末ミックス 調製された米ケーキをN-タック溶液の薄い層で覆った。 N-タック溶液で覆われた米ケーキはすぐにココアポリフェノールミックスを入れた袋に入れて、そのミックスをまぶした。 次に、そのケーキを振って余分に付いたココアポリフェノールミックスを払い落とした。 そのケーキに二回目のN-タック溶液とミックスでの処理を施した結果、約4gのココアポリフェノールミックスがぷっと膨れた米ケーキにまぶされたことになる。

    実施例25
    ココアポリフェノール抽出物を使う果実と穀類練り物棒
    下記の調合により、いちごの詰め物を調製した:

    果実の詰め物を作るために、キサンタンガムを混合機で冷水中で水和化した。 コーンシロップ固形物、水、果実ピューレ、ココアポリフェノール抽出物およびグリセリンをストーブの上に載せて中位加熱から高温加熱までの範囲の加熱を使ってワール熱伝対温度計で測定した温度230゜Fまで加熱した。 混合物を火から降ろして冷ました。 水和化されたガムを混合物に加え、216゜Fまで加熱した。 混合物を再び火から降ろして少なくとも5分間冷ました。 酸、着色料、リンゴ粉末および溶かした脂肪を混合物に加えてからさらに2分間冷ました。 香味料を混合物に加えて十分混合した。

    結果:
    ペンタマー含有量:349μg/g
    合計ポリフェノール含有量:12,771μg

    練り物を包む皮は下記の調合により作った:

    練り物の皮を作るために、アラビアゴム、ケライトCM、重炭酸ナトリウム、酸性ピロ燐酸ナトリウム、塩、ケルコGFSおよびグリセリンを水中で混合機を使って水和化した。 レシチンを溶かした脂肪中にかき混ぜた。 残りの乾燥成分は混合ボウルに加えた。 脂肪の混合物をキッチンエイド混合機を使って速度2で乾燥成分に加えた。 ゴム混合物をゆっくりと混合ボウルに加えた。 混合後に、生地を手でこねてボール状にした。 この生地を15分間濡れた紙タオルで覆って粘着性を減らすようにした。 ロンド・シーター(ソイヤー・ロンド社STE533)を使って生地の厚さを2.5mmにした。 生地を重さ33gの4”x4”の正方形に切断した。

    練り物袋を使って、19.5gの果実詰め物を生地の各正方形の上部に塗布した。 この生地を巻き上げて棒状にして、棒の両端をひだ付けシール密閉した。 ナイフを使って、棒の上部に穴をいくつか開けて熱を逃がす助けをして、棒が爆発するのを防いだ。

    棒を375゜Fで6分30秒焼いた。 仕上がった焼いた棒の重さは45.5gであった。

    結果:
    ペンタマー含有量:105μg/g
    合計ポリフェノール含有量:5,851μg

    実施例26
    ココアポリフェノールの含有量を強化したココア粉末を使うキャラメルチュウ

    キャラメル部分を前記調合によりバッチ処理し、攪拌しながらグロウエンやかんの蒸気で混合した。 混合物を攪拌しながらゆっくりと235゜Fまで加熱し、200゜F以下に冷却した。

    完全なチョコレートチュウを作るために、ココアポリフェノールココア粉末とフォンダン砂糖を混合した。 キャラメル部分(最終組成物の67%)をホバート混合機に入れた。 混合しながら、ココア/砂糖プレミックス(最終組成物の33.0%)をゆっくりと加えた。 調合物を所望の厚さ(10mm)まで平らな板状にした。 冷却して寝かせた後(約2時間後)に調合物を所望の寸法(20mm平方)に切断した。

    結果:
    ペンタマー含有量(ココア140゜Fで添加):95μg/g
    合計ポリフェノール含有量(ココア140゜Fで添加):2195μg/g

    キャラメル部分を前記調合によりバッチ処理し、攪拌しながらグロウエンやかんの蒸気で混合した。 混合物を攪拌しながらゆっくりと235゜Fまで加熱し、200゜F以下に冷却した。

    完全なチョコレートチュウを作るために、ココアポリフェノールココア粉末とフォンダン砂糖を混合した。 キャラメル部分(最終組成物の67%)をホバート混合機に入れた。 混合しながら、ココア/砂糖プレミックス(最終組成物の33.0%)をゆっくりと加えた。 調合物を所望の厚さ(10mm)まで平らな板状にした。 冷却して寝かせた後(約2時間後)に調合物を所望の寸法(20mm平方)に切断した。

    結果:
    ペンタマー含有量(ココア140゜Fで添加):178μg/g
    ペンタマー含有量(ココア200゜Fで添加):178μg/g
    合計ポリフェノール含有量(ココア140゜Fで添加):4036μg/g
    合計ポリフェノール含有量(ココア200゜Fで添加):3941μg/g

    実施例27
    ココアポリフェノールの含有量を強化したココア粉末を使う砂糖錠剤
    下記の調合により湿式法錠剤を作った:

    ゼラチンを水に浸し、蔗糖をココアポリフェノールココア粉末と予め混合した。 ゼラチンを水和化した後、90゜Cに加熱し、アラビアゴムを高せん断で添加した。 この溶液を香味料と共に蔗糖/ココア混合物の4分の1の中に混合し、残りの蔗糖/ココアをゆっくりと混合しながら添加した(ホバートまたはキッチンエイドウルトラパワー混合機で)調合物を10〜15分間混合してから、所望の厚さ(-5mm)に平らな板状に延ばした。 乾燥後所望の形(円盤)に打ち抜いてからさらに最終的な含水量約3〜6%に乾燥した。

    分析結果:

    実施例28
    グラノーラ棒
    下記の調合によりグラノーラ棒を調製した:
    結合剤 %
    63D. E. コーンシロップ 64.11
    部分硬化大豆油(6034) 7.9
    ココアポリフェノールココア粉末 10
    炭酸カルシウム 7.4
    グリセリン 7
    赤砂糖(顆粒) 1
    粉塩 1.5
    大豆レシチン 0.3
    プロピル没食子酸塩溶液 0.04
    バニラ抽出物 0.75
    100%
    結合剤を調製するために、硬化大豆油とチョコレート液を55〜64゜Cの電子レンジで溶解した。 大豆レシチンを溶解した油に分散し、混合物をクイシナート混合機に注入した。 コーンシロップとグリセリンを電子レンジで70゜Cに予め加熱し粘度を低下させてから油、レシチンおよび液体と共にクイシナート混合物に加えた。 成分をクイシナートで約30秒混合した。 乾燥配合成分をゆっくりとクイシナートに加え、約1〜2分間またはよく混合されるまで混合した。

    ココアポリフェノールココア粉末を使ってファッジ調合物を下記の料理法により作った:

    ファッジのトッピングを作るために、上記レシペにより乾燥成分をキッチンエイド混合機に入れて低速で約3〜4分間またはよく混合されるまで混合した。 硬化大豆油を55〜64゜Cの電子オーブンで溶解した。 大豆レシチンを溶解油に分散した。 油/レシチン混合物を低速で稼働しているホバート混合機の混合乾燥成分の中に注ぎ込んだ。 混合機の速度を徐々に増して、水、グリセリンおよび高過労コーンシロップをその混合物に加えた。 得られたファッジのトッピングは2〜3分間または充分に混ざり合うまで混合した。

    完成品の棒は下記の調合により作られた:
    グラノーラのレシペ:
    カリカリした米 30.2
    ミニ小麦フレーク 33.7
    赤砂糖オート麦 36.1
    100%

    完成品のプロフィール: %
    チョコレート 37
    (5%ココアポリフェノールココア粉末)
    グラノーラ/米 21
    結合剤 21
    ファッジ 21
    100%
    完成品は下記のように作られた:
    グラノーラを結合剤と混合し、綿棒でろう紙の上に約15mmの高さに平らに延ばした。 ファッジのトッピングをグラノーラの土台の上に平らに延ばして、約1時間固まらせた。 得られた棒を下記の寸法に切断した:
    高さ 15mm
    幅 25mm
    長さ 84mm
    次に、切断された棒にココアポリフェノールチョコレートをコーティングした。

    結果:
    ペンタマー:104μg/g
    合計ポリフェノール:2215μg/g

    実施例29
    シナモンキャラメルを使うココアポリフェノールミルクチョコレート
    ココアポリフェノールミルクチョコレートを86゜F〜88゜Fで手でこねた。 次に、こねたチョコレートを使って様々な形の金型で外殻を作った。 標準のキャラメル965gを55゜Cまで暖めた。 ココアポリフェノールココア粉末20gとシナモン15gを暖めたキャラメルに加えてよく混合した。 そのキャラメルを冷まして、次に練り物をチョコレートの外殻に入れた。 次に、その外殻に練ったチョコレートの底を付けて金型から取りだした。 成形片は6gのココアポリフェノールミルクチョコレートと4gの2.0%ココアポリフェノールココア粉末含有キャラメルから成る。

    完成品:
    成分 使用濃度%
    ココアポリフェノールミルクチョコレート 60
    ココアポリフェノールキャラメル 40
    100%
    結果:
    ペンタマー:79.8μg/g

    実施例30
    チョコレート味ヌガーを使うココアポリフェノールミルクチョコレート
    ココアポリフェノールミルクチョコレートを86゜F〜88゜Fで手でこねた。 次に、こねたチョコレートを使って様々な形の金型で外殻を作った。 チョコレート味ヌガーの製法を使ってフラッペを作る。 ココアポリフェノールココア粉末5gをスラリー104gに加え、フラッペ92.40%対スラリー7.60%の割合でフラッペに切るように混ぜた。 次に、完成したチョコレート味のヌガーを冷たいテーブルの上で平らに延ばし、成形された外殻にぴったり合うように切断した。 次に、外殻に練ったココアポリフェノールチョコレートの底を付けて金型から取りだした。 成形片はココアポリフェノールミルクチョコレート22.5gとチョコレート味ヌガー12.5gとから成る。

    結果:
    ペンタマー:80.3μg/g

    実施例31
    チョコレート味ヌガーを使うココアポリフェノールのダークチョコレート
    ココアポリフェノールミルクチョコレートを86゜F〜88゜Fで手で練った。 次に、練ったチョコレートを使って様々な形の金型で外殻を作った。 チョコレート味のヌガーの製法を使ってフラッペを作る。 ココアポリフェノールココア粉末5gとココアポリフェノールのダークチョコレート75gをスラリー104gに加え、フラッペ92.40%対スラリー7.60%の割合でフラッペに切るように混ぜた。 次に、完成したチョコレート味のヌガーを冷たいテーブルの上で平らに延ばし、成形された外殻にぴったり合うように切断した。 次に、外殻に練ったココアポリフェノールチョコレートの底を付けて金型から取りだした。 成形片はココアポリフェノールダークチョコレート22.5gとチョコレート味ヌガー12.5gとから成る。

    ココアポリフェノールチョコレート味ヌガー

    結果:
    ペンタマー:43.2μg/g

    以下に本願発明のさらに別の態様を記載する:

    1. 高められたココアポリフェノール含有量を有するココア成分を製造する方法において、
    (a)ココアポリフェノールを含んでいるココア豆を、それらの有意な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら処理し、処理されたココア豆を形成すること;および(b)前記処理されたココア豆から前記ココア成分を製造すること、
    の工程を含んで成る製造法。

    2. 態様1記載の方法において、前記ココア成分が、ココアニブ、チョコレートリカー、部分的にまたは完全に脱脂したココア固形物、ココアポリフェノール抽出物、およびそれらの混合物から成る群より選択されることを特徴とする方法。

    3. 態様1記載の方法において、前記ココア豆が375より小さい発酵係数を有することを特徴とする方法。

    4. 態様1記載の方法において、前記ココア豆が全く平均的な品質のココア豆であり、製造された前記ココア成分の前記ココアポリフェノール含有量が前記全く平均的な品質のココア豆の前記ココアポリフェノール含有量の25ないし100重量%であることを特徴とする方法。

    5. 態様1記載の方法において、前記ココア豆が収穫されたばかりの生のココア豆であり、製造された前記ココア成分の前記ココアポリフェノール含有量が前記収穫されたばかりの生のココア豆の前記ココアポリフェノール含有量の5ないし100重量%であることを特徴とする方法。

    6. 態様1記載の方法において、前記処理することが、前記ココア豆を高温において、それらの有意な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら、チョコレートの風味の発生に十分な時間をかけて熱処理し、熱処理したココア豆を形成することを含む方法。

    7. 態様1記載の方法において、前記処理することが、前記ココア豆を乾燥して乾燥ココア豆を作ることを含む方法。

    8. 態様7記載の方法において、前記乾燥することが、高温において、それらの有意な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら、チョコレートの風味の発生に十分な時間をかけることである方法。

    9. 態様7記載の方法において、前記乾燥ココア豆から、高められたココアポリフェノール含有量を含んでいるチョコレートリカーを製造する段階をさらに含む方法。

    10. 態様1記載の方法において、前記乾燥されたココア豆が、あるココアポリフェノール含有量を含んでいる収穫されたばかりの生のココア豆であって、前記処理が、
    (i)前記収穫されたばかりの生のココア豆を、少なくとも部分的に発酵させて、少なくとも部分的に発酵したココア豆を作ること;および(ii)前記少なくとも部分的に発酵されたココア豆を、高温において、それらの有意な量のココアポリフェノール含有量を保持しながらチョコレート風味の発生に十分な時間をかけて熱処理し、熱処理したココア豆を作ること、
    を含んで成る方法。

    11. 態様10記載の方法において、前記少なくとも部分的に発酵したココア豆が375より小さい発酵係数を有することを特徴とする方法。

    12. 態様10記載の方法において、前記熱処理の段階が赤外線加熱を含むことを特徴とする方法。

    13. 態様1記載の方法において、前記処理が、
    (i)あるココアポリフェノール含有量を含んでいるココア豆を乾燥すること、および(ii)前記乾燥ココア豆を、高温において、それらの有意な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら、赤外線加熱ココア豆の形成に十分な時間をかけて赤外線加熱すること、
    を含んで成る方法。

    14. 態様13記載の方法において、前記ココア豆が、約125より小さい発酵係数を有する収穫されたばかりの生のココア豆であることを特徴とする方法。

    15. 態様1記載の方法において、前記ココア豆が殻つきであり、前記処理が、
    (i)前記ココア豆を、高温において、それらの有意な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら、殻をほぐすのに十分な時間をかけて赤外線加熱し、赤外線加熱したココア豆を作ること;および(ii)前記赤外線加熱したココア豆を、高温において、さらにそれらの有意な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら、チョコレート風味の発生に十分な時間をかけて焙煎し、焙煎したココア豆つくるること、
    を含んで成る方法。

    16. 態様15記載の方法において、前記ココア豆が375より小さい発酵係数を有することを特徴とする方法。

    17. 態様1記載の方法において、
    (i)前記ココア豆を、高温において、それらの有意な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら、それらの水分を5重量%より低くなるまで減少させるのに十分な時間をかけて赤外線加熱し、赤外線加熱したココア豆を作ること;および(ii)前記赤外線加熱したココア豆を、高温において、さらにそれらの有意な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら、チョコレート風味の発生に十分な時間をかけて焙煎し、焙煎したココア豆つくるること、
    を含んで成る方法。

    18. 態様17記載の方法において、前記赤外線加熱が、85ないし135℃の豆の内部温度において、10秒間ないし5分間行なわれることを特徴とする方法。

    19. 態様17記載の方法において、前記焙煎することが、95ないし160℃の豆の内部温度において、30秒間ないし5時間行なわれることを特徴とする方法。

    20. 態様17記載の方法において、前記赤外線加熱したココア豆のココアポリフェノール含有量が、前記ココア豆のココアポリフェノール含有量の少なくとも65重量%であることを特徴とする方法。

    21. 態様17記載の方法において、前記赤外線加熱したココア豆のココアポリフェノール五量体の含有量が、前記ココア豆のココアポリフェノール五量体含有量の少なくとも50重量%であることを特徴とする方法。

    22. 態様17記載の方法において、前記焙煎したココア豆のココアポリフェノール含有量が、前記赤外線加熱したココア豆のココアポリフェノール含有量の少なくとも75重量%であることを特徴とする方法。

    23. 態様17記載の方法において、前記焙煎したココア豆のココアポリフェノール五量体の含有量が、前記赤外線加熱したココア豆のココアポリフェノール五量体含有量の少なくとも60重量%であることを特徴とする方法。

    24. 態様1記載の方法において、前記処理することが、ある含有量のココアポリフェノールを含んでいるココア豆を、高温において、それらの十分な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら、チョコレート風味を発生させるに十分な時間をかけて焙煎し、焙煎されたココア豆を作ることを含む方法。

    25. 態様1記載の方法において、
    (i)ある含有量のココアポリフェノールを含んでいるココア豆を乾燥して乾燥ココア豆を作ること;
    (ii)前記乾燥ココア豆を、高温において、それらの十分な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら、チョコレート風味を発生させるに十分な時間をかけて赤外線加熱し、赤外線加熱したココア豆を作ること;および(iii)前記赤外線加熱したココア豆を、高温において、それらの十分な量のココアポリフェノール含有量をさらに保持しながら、チョコレート風味をさらに発生させるに十分な時間をかけて焙煎し、焙煎されたココア豆を作ることを含む方法。

    26. 高められたココアポリフェノール含有量を有するチョコレートリカーを製造する方法において、
    (a)ココアポリフェノールを含んでいるココア豆を、それらの有意な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら処理し、処理されたココア豆を形成すること;および(b)前記処理されたココア豆から高められた含有量のココアポリフェノールを含んでいるチョコレートリカーを製造すること、
    の工程を含んで成る方法。

    27. 態様26記載の方法において、前記チョコレートリカーが引き続き熱処理され、望ましくない物または異臭を除去することを特徴とする方法。

    28. 態様27記載の方法において、前記引き続き熱処理することが65と140℃の間の温度で、5分ないし24時間であることを特徴とする方法。

    29. 態様27記載の方法において、前記チョコレートリカーが、引き続き蒸気を用いて直接加熱されることを特徴とする方法。

    30. 態様26記載の方法において、前記ココア豆が、375より小さい発酵係数を有することを特徴とする方法。

    31. 態様26記載の方法において、前記チョコレートリカーの前記ココアポリフェノール含有量が、前記ココア豆ココアポリフェノール含有量の少なくとも25重量%であることを特徴とする方法。

    32. 態様26記載の方法において、前記チョコレートリカーの前記ココアポリフェノール五量体の含有量が、前記ココア豆のココアポリフェノール五量体の含有量の少なくとも45重量%であることを特徴とする方法。

    33. 非アルカリ化チョコレートリカーを作る方法において、
    (a)赤外線照射を用いてココア豆を加熱すること;および(b)前記加熱したココア豆からチョコレートリカーを製造すること、
    を含んで成り、前記チョコレートリカーが引き続いてアルカリ化されないことを特徴とする方法。

    34. 態様33記載の方法において、前記加熱することが、前記ココア豆の水分を5重量%より低くなるまで減少させることを特徴とする方法。

    35. チョコレートリカーを作る方法において、
    (a)赤外線照射を用いてココア豆を加熱すること;および(b)前記加熱したココア豆から、引き続いて加熱する段階なしにチョコレートリカーを製造すること、
    の工程を含んでなる方法。

    36. ココア豆から食用の、経口摂取可能な、または製薬成分として使用するためのココアポリフェノールを製造する法であって、
    (a)ココア豆を処理し、ココア固形物からココアバターを分離すること;および(b)前記ココア固形物からココアポリフェノールを抽出すること、
    を含んで成り、前記処理することが、圧搾、マイクロ波補助抽出、溶媒抽出、またはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする方法。

    37. 態様36記載の方法において、前記ココア豆が375より低い発酵係数を有することを特徴とする方法。

    38. ココア豆からの食用の、経口摂取可能な、または製薬化合物として使用するためのココアポリフェノールの製造法であって、
    (a)前記ココア豆からココアポリフェノールを抽出すること、および(b)ココア殻よりココア成分を分離すること、
    を含んで成る方法。

    39. 態様38記載の方法において、前記ココア豆が375より低い発酵係数を有することを特徴とする方法。

    40.375より低い発酵係数を有する全く平均的な品質を有するココア豆から製造されるチョコレートリカーであって、前記チョコレートリカーが、チョコレートリカーのグラム当り少なくとも5500μgのココアポリフェノールを含むことを特徴とするチョコレートリカー。

    41. 態様40記載の方法において、前記チョコレートリカーがチョコレートリカーのグラム当り少なくとも500μgのココアポリフェノール五量体を含むことを特徴とするチョコレートリカー。

    42.375より低い発酵係数を有するココア豆から製造されるチョコレートリカーであって、前記チョコレートリカーがチョコレートリカーのグラム当り少なくとも16,500μgのココアポリフェノールを含むことを特徴とするチョコレートリカー。

    43. 態様42記載の方法において、前記チョコレートリカーがチョコレートリカーのグラム当り少なくとも1,500μgのココアポリフェノール五量体を含むことを特徴とするチョコレートリカー。

    44. ココアバター、ココア固形物、およびココアポリフェノールを含んでいるチョコレートリカーであって、前記ココア固形物が、脱脂したココア固形物のグラム当り少なくとも33,000μgのココアポリフェノールを含むことを特徴とするチョコレートリカー。

    45. ココアバター、ココア固形物、およびココアポリフェノールを含んでいるチョコレートリカーであって、前記ココア固形物が、脱脂したココア固形物のグラム当り少なくとも3,000μgのココアポリフェノール五量体を含むことを特徴とするチョコレートリカー。

    46. 態様44記載のチョコレートリカーにおいて、前記リカーが実質的に不完全発酵したココア豆に由来することを特徴とするチョコレートリカー。

    47. 態様45記載のチョコレートリカーにおいて、前記リカーが実質的に不完全発酵したココア豆に由来することを特徴とするチョコレートリカー。

    48. 脱脂したココア固形物のグラム当り、少なくとも33,000μgのココアポリフェノールを含んでいるココア固形物。

    49. 脱脂したココア固形物のグラム当り、少なくとも3,000μgのココアポリフェノール五量体を含んでいるココア固形物。

    50. 高められた含有量のココアポリフェノールを含んでいるココア成分であって、前記成分が:
    (a)ある含有量のココアポリフェノールを含んでいるココア豆を、高温において、それらの十分な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら、チョコレートの風味の発生に十分な時間をかけて処理し、熱処理したココア豆をつくること;および(b)前記熱処理したココア豆から前記ココア成分を製造すること、
    を含む工程によって製造されることを特徴とする成分。

    51. 高められた含有量のココアポリフェノールを含んでいるチョコレートリカーであって、前記チョコレートリカーが:
    (a)ある含有量のココアポリフェノールを含んでいるココア豆を、高温において、それらの十分な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら、チョコレートの風味の発生に十分な時間をかけて処理し、熱処理したココア豆をつくること;および(b)前記熱処理したココア豆から、高められた含有量のココアポリフェノールを含んでいるチョコレートリカーを製造すること、
    を含む工程によって製造されることを特徴とするチョコレートリカー。

    52. 態様51記載のチョコレートリカーにおいて、前記チョコレートリカーが、異臭を除去するために引き続いて加熱されることを特徴とするチョコレートリカー。

    53. 非アルカリ化チョコレートリカーであって、
    (a)赤外線を用いてココア豆を加熱すること;および(b)前記加熱されたココア豆から、チョコレートリカーを製造すること、
    を含む工程により製造され、前記チョコレートリカーが引き続いてアルカリ化されないことを特徴とするチョコレートリカー。

    54. 高められた量のココアポリフェノールを含んでいるチョコレートリカーであって、前記チョコレートリカーが:
    (a)赤外線照射を用いてココア豆を加熱すること;および(b)前記加熱したココア豆から、次に続く加熱の工程なしにチョコレートリカーを製造すること、
    を含む工程によって製造されることを特徴とするチョコレートリカー。

    55. 高められた含有量のココアポリフェノールを有するココア成分を含んでいる食用製品を製造する方法であって、
    (a)ある含有量のココアポリフェノールを含んでいるココア成分を、それらの十分な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら処理し、処理されたココア豆をつくること;
    (b)前記処理されたココア豆から前記ココア成分を製造すること;および(c)前記成分を前記摂取可能な製品中に含ませること、
    の工程を含んで成る方法。

    56. 態様55記載の方法において、前記ココア成分が、ココアニブ、チョコレートリカー、ココア固形物、ココアポリフェノール抽出物、およびそれらの混合物より成る群より選択されることを特徴とする方法。

    57. 高められた含有量のココアポリフェノールを有する摂取可能な製品を作る方法であって、前記製品にココアポリフェノール添加物またはそれらの誘導体を添加することを含むことを特徴とする方法。

    58. 態様57記載の方法において、ココアポリフェノール添加物が、ココア豆からの抽出物またはそれらのココア成分であることを特徴とする方法。

    59. 態様57記載の方法において、ココアポリフェノール添加物が合成物であることを特徴とする方法。

    60. チョコレートを作る方法であって、
    (a)375より大きい発酵係数を有するココア豆からのチョコレートリカーを、
    (i)1以上の脂肪;
    (ii)1以上の糖;
    (iii)乳固形物;および (iv)それらの混合物、
    から成る群より選択される、1以上の添加物と組み合わせて第一混合物をつくること;
    (b)前記第一混合物を約200℃より低い温度で5分間ないし24時間加熱すること;
    (c)前記第一混合物を冷却すること;
    (d)前記第一混合物を、375より小さい発酵係数を有するココア豆からの第二のチョコレートリカーおよび残りの材料と組み合わせ、第二混合物を作ること;および(e)前記第二混合物をコンチングすること、
    の工程を含んで成る方法。

    61. 態様60記載の方法において、前記乳固形物が12重量%以上の量であることを特徴とする方法。

    62. チョコレートの製造法であって、
    (a)375より大きい発酵係数を有するココア豆からの第一のチョコレートリカーを、約200℃より低い温度で5分間ないし24時間加熱すること;
    (b)前記第一のチョコレートリカーを冷却すること;
    (c)前記第一の冷却したチョコレートリカーを、375より小さい発酵係数を有するココア豆からの第二のチョコレートリカーおよび残りの材料と組み合わせ、第二混合物を作ること;および(d)前記第二混合物をコンチングすること、
    の工程を含んで成る方法。

    63. チョコレートのグラム当り少なくとも3,600μgのココアポリフェノールを含んでいるチョコレートの鑑定基準。

    64. チョコレートのグラム当り少なくとも200μgのココアポリフェノール五量体を含んでいるチョコレートの鑑定基準。

    65. 乳固形物を含み、チョコレートのグラム当り少なくとも1,000μgのココアポリフェノールを含んでいるチョコレートの鑑定基準。

    66. 乳固形物を含み、チョコレートのグラム当り少なくとも85μgのココアポリフェノール五量体を含んでいるチョコレートの鑑定基準。

    67. 態様65記載のチョコレートの鑑定基準であって、12重量%以上の量の前記乳固形物が含まれているチョコレートの鑑定基準。

    68. 態様66記載のチョコレートの鑑定基準であって、12重量%以上の量の前記乳固形物が含まれているチョコレートの鑑定基準。

    69. ココア成分を含んでいるチョコレートであって、前記チョコレートが、チョコレートのグラム当り少なくとも3,600μgのココアポリフェノールを含むことを特徴とするチョコレート。

    70. ココア成分を含んでいるチョコレートであって、前記チョコレートが、チョコレートのグラム当り少なくとも200μgのココアポリフェノール五量体を含むことを特徴とするチョコレート。

    71. 乳固形物を含み、チョコレートのグラム当り少なくとも1,000μgのココアポリフェノールを含んでいるチョコレート。

    72. 乳固形物を含み、チョコレートのグラム当り少なくとも85μgのココアポリフェノール五量体を含んでいるチョコレート。

    73. 脂肪相と、全く平均的な品質のココア豆からのココアポリフェノール含有量を含んでいるココア成分とを含み、前記ココア成分が、全く平均的な品質のココア豆のココアポリフェノール含有量の少なくとも25%を含むことを特徴とするチョコレート。

    74. ココア成分と1以上の脂肪とを含み、さらにココア成分のグラム当り少なくとも7,300μgのココアポリフェノールを含んでいるチョコレート。

    75. 部分的に脱脂したココア固形物と1以上の脂肪とを含み、さらに脱脂したココア固形物のグラム当り少なくとも23,100μgのココアポリフェノールを含んでいるチョコレート。

    76. 部分的に脱脂したココア固形物と1以上の脂肪とを含み、さらに脂肪のグラム当り少なくとも10,500μgのココアポリフェノールを含んでいるチョコレート。

    77. 部分的に脱脂したココア固形物と1以上の脂肪とを含み、さらにカロリー当り少なくとも630μgのココアポリフェノールを含んでいるチョコレート。

    78. 部分的に脱脂したココア固形物と1以上の乳化剤とを含み、さらに乳化剤のグラム当り少なくとも1,200,000μgのココアポリフェノールを含んでいるチョコレート。

    79. チョコレートリカーと1以上のの脂肪とを含み、さらにチョコレートリカーのグラム当り少なくとも10,200μgのココアポリフェノールを含んでいるチョコレート。

    80.1以上の乳成分と1以上の脂肪とを含み、さらに乳成分のグラム当り少なくとも8,325μgのココアポリフェノールを含んでいるチョコレート。

    81. 糖と1以上の脂肪とを含み、さらに糖のグラム当り少なくとも7,100μgのココアポリフェノールを含んでいるチョコレート。

    82. 脂肪相と、全く平均的なココア豆からのココアポリフェノール五量体含有量を含んでいるココア成分とを含んでなるチョコレートにおいて、前記ココア成分が、前記全く平均的なココア豆からのココアポリフェノール五量体含有量の少なくとも25%を含んでいることを特徴とするチョコレート。

    83. ココア成分と1以上の脂肪とを含み、さらにココア成分のグラム当り少なくとも360μgのココアポリフェノール五量体を含んでいるチョコレート。

    84. 部分的に脱脂されたココア固形物と1以上の脂肪とを含み、さらに、部分的に脱脂されたココア固形物のグラム当り少なくとも1,000μgのココアポリフェノール五量体を含んでいるチョコレート。

    85. 部分的に脱脂されたココア固形物と1以上の脂肪とを含み、さらに、脂肪のグラム当り少なくとも520μgのココアポリフェノール五量体を含んでいるチョコレート。

    86. 部分的に脱脂されたココア固形物と1以上の脂肪とを含み、さらに、カロリー当り少なくとも32μgのココアポリフェノール五量体を含んでいるチョコレート。

    87. 部分的に脱脂されたココア固形物と1以上の乳化剤とを含み、さらに乳化剤のグラム当り少なくとも58,000μgのココアポリフェノール五量体を含んでいるチョコレート。

    88. チョコレートリカーと1以上の脂肪とを含み、さらにチョコレートリカーのグラム当り少なくとも500μgのココアポリフェノール五量体を含んでいるチョコレート。

    89.1以上の乳成分と1以上の脂肪とを含み、さらに乳成分のグラム当り少なくとも465μgのココアポリフェノール五量体を含んでいるチョコレート。

    90. 糖と1以上の乳化剤とを含み、さらに糖のグラム当り少なくとも350μgのココアポリフェノール五量体を含んでいるチョコレート。

    91. ココア成分を含んでいるチョコレート風味の菓子であって、前記チョコレート風味の菓子が、チョコレート風味の菓子のグラム当り、健康利益を提供するために効果的な量のココアポリフェノールを含むことを特徴とする菓子。

    92. 態様91記載のチョコレート風味の菓子であって、チョコレート風味の菓子のグラム当り、少なくとも1μgのココアポリフェノールを含むことを特徴とする菓子。

    93. ココア成分を含んでいるチョコレート風味の菓子であって、前記チョコレート風味の菓子が、チョコレート風味の菓子のグラム当り、健康利益を提供するために効果的な量のココアポリフェノール五量体を含むことを特徴とする菓子。

    94. チョコレート風味の菓子のグラム当り、少なくとも1μgのココアポリフェノール五量体を含むことを特徴とする、態様93記載のチョコレート風味の菓子。

    95. ココア成分を含んでいるチョコレート風味の菓子であって、前記チョコレート風味の菓子が、ココア成分のグラム当り、少なくとも15,155μgのココアポリフェノールを含むことを特徴とする菓子。

    96. ココア成分を含んでいるチョコレート風味の菓子であって、前記チョコレート風味の菓子が、ココア成分のグラム当り、少なくとも1,335μgのココアポリフェノール五量体を含むことを特徴とする菓子。

    97. ココア成分を含んでいるチョコレート風味の組成物であって、前記チョコレート風味の組成物が、チョコレート風味の組成物のグラム当り、少なくとも500μgのココアポリフェノールを含むことを特徴とする組成物。

    98. ココア成分を含んでいるチョコレート風味の組成物であって、前記チョコレート風味の組成物が、チョコレート風味の組成物のグラム当り、少なくとも10μgのココアポリフェノール五量体を含むことを特徴とする組成物。

    99. ココア成分を含んでいるチョコレート風味の組成物であって、前記チョコレート風味の組成物が、ココア成分のグラム当り、少なくとも5,260μgのココアポリフェノールを含むことを特徴とする組成物。

    100. ココア成分を含んでいるチョコレート風味の組成物であって、前記チョコレート風味の組成物が、ココア成分のグラム当り、少なくとも110μgのココアポリフェノール五量体を含むことを特徴とする組成物。

    101. (a)375より大きい発酵係数を有するココア豆からのチョコレートリカーを、
    (i)1以上の脂肪;
    (ii)1以上の糖;
    (iii)乳固形物;および (iv)それらの混合物、
    から成る群より選択される、1以上の添加物と組み合わせて第一混合物をつくること;
    (b)前記第一混合物を約200℃より低い温度で5分間ないし24時間加熱すること;
    (c)前記第一混合物を冷却すること;
    (d)前記第一混合物を、375より小さい発酵係数を有するココア豆からの第二のチョコレートリカーおよび残りの材料と組み合わせ、第二混合物を作ること;および(e)前記第二混合物をコンチングすること、
    の工程を含んで成る方法により製造されるチョコレート。

    102. 態様101記載のチョコレートであって、約12重量%以上の量の前記乳固形物が含まれていることを特徴とするチョコレート。

    103. (a)375より大きい発酵係数を有するココア豆からの第一のチョコレートリカーを、約200℃より低い温度で5分間ないし24時間加熱すること;
    (b)前記第一のチョコレートリカーを冷却すること;
    (c)前記第一のチョコレートリカーを、375より小さい発酵係数を有するココア豆からの第二のチョコレートリカーおよび残りの材料と組み合わせ、第二混合物を作ること;および(d)前記第二混合物をコンチングすること、
    の工程を含んで成る方法により製造されるチョコレート。

    104. 高められた含有量のココアポリフェノールを有する1以上のココア成分を含んでいる食用製品であって、前記食用製品が、
    (a)ココアポリフェノールを含んでいるココア豆を、それらの十分な量のココアポリフェノール含有量を保持しながら処理し、処理したココア豆をつくること;
    (b)前記処理したココア豆から前記ココア成分を製造すること;および(c)前記ココア成分を前記摂取可能な製品中に含ませること、
    の工程を含む方法により製造されることを特徴とする製品。

    105. ココアポリフェノール添加物またはそれらの誘導体を含んでいる食用製品。

    106. 態様105記載の食用製品であって、前記ココアポリフェノール添加物がココア豆からの抽出物またはそれらのココア成分であることを特徴とする製品。

    107. 態様105記載の食用製品であって、前記ココアポリフェノール添加物が合成物であることを特徴とする製品。

    108. ココアポリフェノール添加物またはそれらの誘導体と、第二の摂取可能な成分とを含んでいる摂取可能な製品。

    109. 態様1記載の方法によって製造されるココア成分を含んでいる食用製品。

    110. 態様26記載の方法によって製造されるチョコレートリカーを含んでいる食用製品。

    111. ある含有量のココアポリフェノールを含む全く平均的な品質のココア豆からのココア成分を含んでいる食用組成物であって、前記ココア成分が前記全く平均的な品質のココア豆のココアポリフェノール含有量の少なくとも25%を含むことを特徴とする組成物。

    112. ある含有量のココアポリフェノールを含む収穫されたばかりの生のココア豆からのココア成分を含んでいる食用組成物であって、前記ココア成分が前記収穫されたばかりの生のココア豆のココアポリフェノール含有量の少なくとも5%を含むことを特徴とする組成物。

    113. 態様112記載の組成物であって、前記ココア成分が、
    (a)チョコレートリカー;
    (b)部分的にまたは完全に脱脂したココア固形物;
    (c)ココアニブまたはそれらの部分;
    (d)ココアポリフェノール抽出物;および(e)それらの混合物、
    から成る群より選択されることを特徴とする組成物。

    114. 食用組成物と少なくとも1μgのココアポリフェノールとを含んで成る食用製品であって、前記食用組成物が実質的にチョコレートの風味およびチョコレートの香りがないことを特徴とする製品。

    115.375より小さい発酵係数を有するココア豆に実質的に由来する、非アルカリ化チョコレート液を含んで成る食用組成物。

    116. ココアポリフェノール添加物またはそれらの誘導体を含んで成る咀嚼可能な食用組成物。

    117. 効果的な量のココアポリフェノールを、効果的な期間にわたって毎日哺乳類に投与することを含む、哺乳類の健康改善法。

    118. 態様117記載の方法であって、前記効果的な期間が60日より長いことを特徴とする方法。

    119. 哺乳類の健康改善法であって、少なくとも1μgのココアポリフェノールを含む非チョコレート食用組成物が、哺乳類により60日間より長い期間にわたり毎日摂取されることを含む方法。

    120. 哺乳類の健康改善法であって、少なくとも1μgのココアポリフェノールを含むチョコレートが、哺乳類により60日間より長い期間にわたり毎日摂取されることを含む方法。

    121. 態様120記載の方法であって、前記チョコレートが少なくとも25μgのココアポリフェノールを含む方法。

    122. 効果的な量のココアポリフェノール五量体を、効果的な期間にわたって毎日哺乳類に投与することを含む、哺乳類の健康改善法。

    123. 哺乳類の健康改善法であって、効果的な量のココアポリフェノール五量体が、哺乳類により60日間より長い期間にわたり毎日摂取されることを含む方法。

    124. 哺乳類の健康改善法であって、少なくとも1μgのココアポリフェノール五量体を含む非チョコレート食用組成物が、哺乳類により60日間より長い期間にわたり毎日摂取されることを含む方法。

    125. 哺乳類の健康改善法であって、少なくとも25μgのココアポリフェノール五量体を含むチョコレートが、哺乳類により60日間より長い期間にわたり毎日摂取されることを含む方法。

    126. 態様117記載の方法であって、前記ココアポリフェノールが、歯周疾患の減少、抗歯肉炎、抗歯根膜炎、アテローム性動脈硬化症の減少、LDL酸化防止剤、高血圧の減少、抗腫瘍性物質、抗酸化薬、DNAトポイソメラーゼII酵素阻害剤、シクロオキシゲナーゼモジュレーター、リポオキシゲナーゼモジュレーター、酸化窒素(NO)またはNOシンターゼモジュレーター、非ステロイド消炎剤、アポトーシスモジュレーター、血小板凝集モジュレーター、血液またはインビボのグルコースモジュレーター、抗菌物質、および酸化的DNA損傷活性阻害剤から成る群より選択される活性を有することを特徴とする方法。

    127. 態様122記載の方法であって、前記ココアポリフェノール五量体が、歯周疾患の減少、抗歯肉炎、抗歯根膜炎、アテローム性動脈硬化症の減少、LDL酸化防止剤、高血圧の減少、抗腫瘍性物質、抗酸化薬、DNAトポイソメラーゼII阻害剤、シクロオキシゲナーゼモジュレーター、リポオキシゲナーゼモジュレーター、酸化窒素(NO)またはNOシンターゼモジュレーター、非ステロイド消炎剤、アポトーシスモジュレーター、血小板凝集モジュレーター、血液またはインビボのグルコースモジュレーター、抗菌物質、および酸化的DNA損傷活性阻害剤から成る群より選択される活性を有することを特徴とする方法。

    128. 哺乳類において生理学的応答を引き出す方法であって、効果的な量のココアポリフェノールを哺乳類に投与して前記応答を引きだすことを特徴とする方法。

    129. 請求の範囲128記載の方法において、前記引き出された応答が、ある期間持続することを特徴とする方法。

    130. 請求の範囲128記載の方法において、前記引き出された応答が、それらを必要としている哺乳類に利益を提供することを特徴とする方法。

    131. 請求の範囲130記載の方法において、前記引き出された応答が、内的または外的ストレス要因を調整するための利益を提供することを特徴とする方法。

    132. 態様129記載の方法において、前記応答が、酸化的ストレス指数の低下、抗ウイルス性応答、抗細菌性応答、サイトカインレベルの低下、T細胞産生レベルの増加、高血圧の低下、および血管の拡張から成る群より選択されることを特徴とする方法。

    133. 態様130記載の方法において、前記ストレス要因が、酸化的ストレス、ウイルス性ストレス、細菌性ストレス、高められたサイトカインレベル、減少したT細胞産生レベル、高血圧、および血管狭窄から成る群より選択されることを特徴とする方法。

    134. ココア固形物およびココアバターの製造法であって、
    (a)外側のココア殻と内側のココアニブとを有するココア豆を、赤外線照射を用いて、125℃より高い内部温度まで加熱すること;
    (b)前記ニブより前記殻を分離すること;および(c)続いて前記ニブをスクリュープレスしてココアバターを抽出すること、
    の工程を含んで成る方法。

    135. 請求の範囲134記載の方法において、前記加熱の段階に先立ち、前記豆を流動層分離機を用いて洗浄することを特徴とする方法。

    136. 請求の範囲134記載の方法において、前記分離する工程が、圧搾の工程に先立ってココアニブから殻を分離するためにふるい分けする工程を含むことを特徴とする方法。

    137. 請求の範囲134記載の方法において、前記スクリュープレスがココアバターおよびココアケーキ固形物を形成することを特徴とする方法。

    138. 請求の範囲137記載の方法において、前記ココアケーキ固形物が引き続いてアルカリ化処理され、アルカリ化したココアケーキ固形物を形成することを特徴とする方法。

    139. 請求の範囲138記載の方法において、前記アルカリ化したココアケーキ固形物が引き続いて粉砕され、微細なココアパウダーを製造することを特徴とする方法。

    140. 請求の範囲134記載の方法において、前記加熱が、約3重量%の水分を有するココア豆を生じる結果となることを特徴とする方法。

    141. 請求の範囲134記載の方法において、前記加熱が、約160℃から約170℃までの範囲の表面温度までであることを特徴とする方法。

    142. 請求の範囲134記載の方法において、前記加熱が、約. 5から約4分間の範囲の時間であることを特徴とする方法。

    143. 請求の範囲134記載の方法において、前記ココア豆が、前記加熱の後に室温まで冷却され、引き続いてスクリュープレスの工程に先立ち、約80℃と約90℃の間の温度に予加熱されることを特徴とする方法。

    144. 請求の範囲135記載の方法において、前記空気流動層密度分離機で洗浄する工程に先立ち、前記ココア豆を予洗浄することを特徴とする方法。

    145. 請求の範囲134記載の方法において、前記加熱が、125℃より高い温度までであることを特徴とする方法。

    146. 請求の範囲134記載の方法において、前記ニブが、前記ココアバターの抽出に先立ち、予加熱されるを特徴とする方法。

    147. ココアバターとココアケーキ固形物とを製造する方法であって、
    (a)ココア豆を含む混合物を洗浄して非ココア固形物からココア豆を分離すること;
    (b)外側のココア殻と内側のココアニブとを有するココア豆を、赤外線照射を用いて125℃より高い内部温度まで加熱すること;
    (c)前記ニブより前記外側のココア殻を分離すること;
    (d)前記ニブをスクリュープレスしてココアバターを抽出し、ココアケーキ固形物を残すこと;および(e)前記ココアバターを室温に冷却すること、
    の工程を含んで成る方法。

    148. 態様147記載の方法において、前記ココアケーキ固形物が引き続きアルカリ化され、アルカリ化されたココアケーキ固形物を形成することを特徴とする方法。

    149. 態様147記載の方法において、前記洗浄工程が、前記混合物を空気流動層密度分離機を通過させることを含む方法。

    150. ココアバターの製造法であって、ココア豆を赤外線照射を用いて、125℃より高い内部温度まで加熱する工程を含み、前記ココアバターが引き続きココア豆からチョコレートリカーの形成なしに直接抽出されることを特徴とする方法。

    151. ココア豆をふり分ける方法であって、空気流動層密度分離機を用いて、ココア豆の内側の豆の部分から殻を分離することを含む方法。

    152. 態様151記載の方法であって、前記空気流動層密度分離機が、その中に導入された材料をホモジナイズするための手段と、少なくとも一つの振動篩とを含んで成ることを特徴とする方法。

    153. 態様152記載の方法であって、前記空気流動層密度分離機が、さらに三つの振動篩を含むことを特徴とする方法。

    154. 態様151記載の方法であって、内側の豆の部分から前記殻を離すためのふるい分けに先立ち、前記豆が熱処理されることを特徴とする方法。

    155. 態様151記載の方法であって、前記殻の99.5%より多くが除去されることを特徴とする方法。

    156. 態様151記載の方法であって、1.1重量%より少ない前記内側の豆の部分が、殻と共に除去されることを特徴とする方法。

    図1(a)〜(d)はカカオ豆醗酵に際しての半分に切断した豆の表面変化を説明する:図1(a)は未醗酵カカオ豆の半断面を示す;図1(b)~(d)は発酵させたカカオ豆を示し、図1(d)は完全に発酵したカカオ豆を図示する。

    図2は5種のカカオ豆サンプルについてのココアポリフェノール/発酵の関係をグラフ表示するもので、縦軸は脱脂カカオ豆から誘導されるチョコレート液からのココアポリフェノール・ペンタマー(μg/g)のレベルを表し、横軸は発酵係数(下記定義)による発酵の程度である。

    図3は本発明方法の概要、およびこの工程(工程の選択は生成物の経済性および/または副産物に基づく)により生産される種々の生成物を示す。

    図4は通常のチョコレート液加工処理工程(曲線A)および本発明1態様による加工処理工程(曲線B)におけるカカオ豆またはその部分に存在する総ココアポリフェノールのレベルを示すグラフ表示である。

    図5は3段階の異なる温度で加熱処理したチョコレート液サンプルについてのココア・ポリフェノールレベル/加熱温度/加熱時間の関係を示すグラフ表示であり、縦軸は脱脂チョコレート液からのココアポリフェノール・ペンタマー(μg/g)のレベルを表し、横軸は加熱処理時間である。

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