【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、強磁性材料の切削加工からの残滓を再生する方法、ならびに、請求項1から6 までの方法を実施するための装置に関する。 【0002】 【従来の技術】ドイツ連邦共和国特許出願公開第373 9496号明細書から、不純物を含む液体、特に金属の切削加工の際に使用される加工液を清浄化するのに用いられるベルトフィルタ装置は公知である。 このようなベルトフィルタ装置は、液体を供給する汚液室を備えている。 この汚液室の下方には、フィルタ底部が配置されており、その上にフィルタフリースが存在する。 このフィルタフリースは残滓の堆積量に依存して自動的に徐々に移動する。 この残滓はフィルタフリースと一緒に装置から搬出され、捕捉容器に達する。 この残滓は、大部分の金属屑または金属塵の他に、研磨剤残分、たとえばコランダム材料を含んでいる。 その他に、この残滓は油またはエマルションが著しく付着している。 【0003】この混合物は、さらに再生することなしに、許可された廃棄事業によりおよび特別な廃棄物集積場にだけ廃棄することができる。 さらに、この混合物を焼却プラントに供給することも試みられた。 金属、ならびに、コランダムについて成分に基づき、この処理は不経済でありかつ費用がかかる解決手段である。 溶融炉で金属を溶融させることは、同様に高い不純物の割合のために有利でない。 【0004】ドイツ連邦共和国特許出願公開第3725 528号明細書から、懸濁液、スラッジ等の圧搾または脱水装置は公知である。 しかし、残滓に付着した油の除去は高圧下でさえ不可能であることが示された。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題は、生じた残滓の再生、分離、ひいてはリサイクルを可能にする方法および装置を提供することであった。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明により請求項1により解決される。 前記課題を解決するための方法を実施する装置は、請求項7に記載されている。 【0007】提示した方法の著しい利点は、金属粒子、 または研磨剤粒子に付着した油、もしくは、エマルションの引き離しである。 残滓を洗浄液中で運動させることにより、および、油溶性物質の相互作用および容器内容物の連続的運動により、このような引き離しが達成される。 【0008】研磨残滓が主に鋼、または、鋼鋳造物、たとえばクランク軸、カム軸、シリンダヘッドまたはシリンダライナから生じるため、この金属研磨残滓は、磁気的分離により固体の形で存在する他の残滓と分離することができる。 【0009】粒子に付着した油を引き離した後、有利には、容器壁に生じさせた磁場により、強磁性成分を容器壁に堆積させる。 従って、この洗浄液は、それになお含まれる他の成分、たとえばコランダムと共にフィルタ装置を介して循環し、この成分を洗浄液から濾別する。 【0010】第2の濾過段階において、強磁性成分は、 磁場を遮断することにより再度洗浄液と混ざり、この成分を取り出すために第2のフィルタ装置に供給される。 この洗浄液から粒子を残らず除去した後、この洗浄液を洗浄水再生容器に供給する。 分離容器は、再度再生洗浄液で満たされ、洗浄液、つまり分離容器への残滓の新規の投入を行うことができる。 【0011】本発明の有利な実施態様において、容器内での撹拌運動に対して付加的に、洗浄液およびそれに含まれる成分の循環を行うことができる。 この循環により、容器内での固体成分の沈殿を回避することが保証される。 【0012】この洗浄液は、時間の経過と共に油が濃くなり、所定の時間後に交換することができる。 しかし、 この溶液を洗浄液中に含まれる油の分離を行う容器に供給することも可能であり、かつ、本発明による1実施態様により規定されている。 【0013】このフィルタ装置は、本発明の1実施態様により乾燥装置を備えていてもよい。 この乾燥装置はたとえば濾滓の除湿を行う圧縮空気乾燥機であり、圧縮空気−スラッジ再生フィルタとして公知である。 濾滓の乾燥およびこの圧縮空気−スラッジ再生フィルタからの搬出を行った後、フィルタを洗浄液で逆洗する。 【0014】この方法のもう一つの有利な実施態様は、 分離容器内に相応して配置した反らせ板により、 a)汚染物質で負荷された洗浄液を磁場から誘導し、それと共に、通過する強磁性成分だけを磁石に引き寄せ、 b)磁場により容器壁に堆積した強磁性成分の巻き込みを回避し、 c)容器内壁の早期の摩耗を防ぐことができる。 【0015】請求項7に記載したように、この装置は分離容器を備えており、この分離容器は良好な流動、ひいては、固体粒子に付着する油の良好な引き離しを保証するばかりか、液体が流動しないかまたはわずかに流動し、磁場が影響を及ぼす領域をも有している。 【0016】この全ての装置は、洗浄液の循環、強磁性成分の濾別、および、残留成分の濾別のために、本発明の1実施態様により循環ポンプが必要である。 容器、ならびに、フィルタ装置につながるこの多様な導管分枝は、弁、たとえば遠隔制御可能な電磁弁を介して切り替えられる。 このためには、たとえば時間制御含めた制御装置が必要であり、その結果、一定の時間基準により、 洗浄液の循環、個々の成分の濾別、乾燥、供給およびフィルタの逆洗が行われる。 分離容器は、簡単な場合には、円筒状の中空体であり、その下端には漏斗状の搬出部が備えられている。 この円筒状の中空体の外壁には永久磁石または電磁石が配置されており、この磁石により分離容器内に磁場を生じさせることができる。 電磁石は、制御装置を介して直接、接続ならびに、遮断され、 一方、永久磁石は、同様に、制御装置を介して、容器壁方向、または、容器壁とは反対方向への運動を、たとえばアクチュエータを用いて遂行させることにより作用させられる。 これらの磁石は、有利な実施態様において微極性または粗極性であり、この結果、容器壁の形状に応じて、容器内壁への強磁性粒子の適切な堆積を生じさせる。 【0017】円筒状の分離容器の代りに、もう一つの実施態様において、容器は多数の平面から構成されていてもよい。 【0018】洗浄液として、たとえば水中での油の乳化を引き起こす界面活性剤含有溶液が適している。 【0019】この方法について使用するために適当な洗浄液は、たとえば部分安定エマルションであってもよく、これは運動の際に乳化し、ひいてはこの期間に油を粒子から引き離し、静止期間において成分中で洗浄活性物質と油とが分離しその結、果油を再利用するために、 たとえば遠心分離機を用いて再生することができる。 【0020】 【実施例】本発明を、次に、実施例につき詳説する。 【0021】図1に示した切削加工のからの強磁性材料の残滓を再生する装置は、その上側に投入口があり、かつ、振動篩別装置11を備えている充填箇所10を有している。 この振動篩別装置は、誤って残滓に達している部品を除去するために利用される。 充填箇所10の下方には、スクリュー供給装置12の形の供給装置がある。 このスクリュー供給装置は、駆動モータにより駆動される。 この駆動モータの制御は、装置の総合的な制御と同様に適当な制御装置を介して行う。 このスクリュー供給装置12は、残滓を直接、容器14に搬入する。 この容器は、円筒形の上部と、漏斗状の搬出部とから構成されている。 容器中には、撹拌装置15が設置されており、 この撹拌装置は、プロペラ16で容器内容物の混合を行う。 この容器の円筒形の外壁の外周面に永久磁石17があり、この永久磁石は半径方向に動くことができるように配置されており、従って、容器壁から離間することができる。 さらに2個の圧縮空気−スラッジ再生フィルタ18、19が備えられている。 このようなフィルタは、 たとえば、Mann+Hummel GmbH 社の VKD 5028 またはベルギー国 Hydromation 社の 7-87 2.5M の印刷物から公知である。 この圧縮空気−スラッジ再生フィルタ18、 19は、供給された液体中に含まれているスラッジを堆積させるフィルタ面を備えている。 このスラッジを、続いてたとえば圧縮空気を強力に送り込み、このフィルタ中で乾燥させ、この後残留湿度はわずかな値に減少しており、搬出装置20、21を経てそれぞれ運搬容器2 2、23に供給される。 図から明らかなように、全ての構成要素は導管を介して相互に接続している。 この導管中には弁V1〜弁V13が配置されている。 これらの弁は、異なる導管を接続し、または、異なる作業工程とって相応する導管を開放および閉鎖する役目をする。 【0022】全ての系中に含まれる液体を循環させるために、唯一の循環ポンプ24が設置されている。 【0023】さらに、容器25が、系中に含まれる液体を分離するために設置されている。 この分離相およびそれに必要な装置は以下に記載する。 同時にこの容器25 は、液体の貯蔵容器としても機能し、この液体は洗浄液であり、かつ、研磨残滓に付着している油を引き離し、 接続するのに適している。 【0024】分離容器14は、導管26を介してポンプ24と接続している。 ポンプ24から、導管27は容器25まで達する。 双方の導管中には、弁V3および弁V 5が備えられている。 ポンプ24から出発し、導管28 は圧縮空気−スラッジ再生フィルタ18、19まで達する。 この導管中には、弁V4、V7、V10、V13があり、さらにこの導管は交差点29で導管30、31と接続されている。 導管31は、弁V2を介して分離容器14の上方の供給部に達する。 導管30は、弁V6を介して容器25の上方の供給部に達する。 フィルタ18の搬出部から、導管32は、弁V11を介して導管30に達する。 同様に、フィルタ19の搬出部から、導管33 は、弁V8を介して導管31に達する。 さらに、双方のフィルタ18、19の搬出部は、なお、導管34および弁V9、V12を介して導管31と接続しており、この導管31は、分離容器14の上方の供給部に達する。 導管28は、導管35および弁V1を介して、分離容器1 4のもう一つの供給部に接続されている。 容器25は搬出部36を有しており、この搬出部にはポンプ37がある。 このポンプの後方には、たとえば遠心分離機38のような油の分離に適した装置が接続されている。 分離された油は、油捕集容器39に達する。 【0025】図2は、分離容器14の上から見た図を示す。 ここでは、プロペラ16を確認することができ、このプロペラは分離容器中にある成分を混合するようになっている。 この容器中では、この円筒形の外壁の内周面に、反らせ板40、41、42、43、44が設けられている。 これらの反らせ板は、それぞれ分離容器14の外壁に配置された永久磁石17a〜17eの前方にある。 永久磁石17eで示したように、各々は多数の個々の磁石から構成され、磁化方向は主に半径方向に延びている。 容器壁の材料は非磁性であるため、磁石から生じた磁場は、容器の内部空間内に影響を及ぼす。 この磁場ライン45は主に図により示されている。 それぞれの磁石17a〜17eは、容器壁から離間することができる。 この工程の表現について、磁石17bは容器壁から離間されている。 容器と磁石との間隔は、磁場が容器の内部にもはや作用しない程度に計られる。 【0026】磁石および反らせ板の機能は、次の方法の進行の記載で詳説する。 【0027】図3から図9は、それぞれ全体の装置を示している。 個々の方法工程がこれらの図に示されている。 特に、これらの図から、どの導管ラインが液体の循環に対して開放されているかが認識できる。 開放されている導管ラインは、矢印で、貫流方向を認識できるようにしてある。 【0028】まず、図3に示したように、充填箇所10 中に、切削加工からの強磁性材料、たとえば水および油を付着している研磨剤残滓が存在することが前提である。 この残滓は、振動篩別装置を介してスクリュー供給装置12に達し、容器14に供給される。 たとえば、4 0kgの量が、約400lの容量を有する容器中に装填される。 この容器は、まず、洗浄液で満たされる。 この洗浄液は容器25中に存在し、そこから導管27を介してポンプ24へ、さらに導管32、33を介してフィルタ18、19に供給され、このフィルタから導管35を介して離れ、弁V1を介して分離容器14に流入する。 この液体の誘導は、逆洗を引き起こし、ひいては、圧縮空気−スラッジ再生フィルタ中に配置されたフィルタ面を清浄化する。 さらに、弁V2が開放され、弁V8およびV11が封鎖されている場合、導管31を介して、再生フィルタ18、19を迂回することができる。 こうして分離容器は洗浄溶液で満たされる。 分離容器中の洗浄液が十分な量になった後にようやく、スクリュー供給装置12は用意した量の残滓を分離容器14に送り込む。 同時に、撹拌装置15が稼働し、洗浄液と残滓との混合を行うことができる。 この混合段階は図4に示してある。 【0029】撹拌装置15を用いた混合と共に、容器内容物の循環は、ポンプ24が稼働し、相応する弁V3、 V4、V7およびV1が開放されている際に、導管2 6、28および35を介して循環を生じさせることにより行われる。 容器内容物のこのような混合および循環は、残滓に付着する油がこの残滓から離れるまで続けられる。 【0030】図5中では次の方法工程が示される。 【0031】この方法工程の間に、撹拌装置15を用いた洗浄液の運動、ならびに、導管26、ポンプ24、導管28および35を介する循環が維持される。 この段階の間に、今まで容器壁から離れていた永久磁石17a〜 17eを容器壁に当接させ、磁場が容器中に影響するようにする。 【0032】図2において、容器中に存在する液体が、 プロペラ16の運動に基づき、主に回転流を生じることを矢印46、47、48で表す。 永久磁石を容器の外壁に当接するように動かした後、液体中に含まれる強磁性対粒子は回転運動からそれて、磁石17aに示したように、磁場の領域に堆積する。 反らせ板40〜44は、その際、磁場ライン領域中の流れを静め、もしくは、反らせ板の相応する配置により流動しない空間を作り出す役目をし、 a)汚染物質を負荷している洗浄液を磁場から誘導し、 それと共に、通過する強磁性成分だけを磁石に引き寄せ、 b)磁場により容器壁に堆積した強磁性成分の巻き込みを回避し、 c)容器内壁の早期の摩耗を防いでいる。 【0033】強磁性成分を、永久磁石の磁性作用領域で容器内壁に堆積させた後、洗浄水中にはたんに残滓の非強磁性成分、つまりたとえば研磨工程において研磨剤から離れたコランダムが存在するに過ぎない。 【0034】この予備分離の期間が終了すると、図6に示したような次の工程において、直江期待中に含まれる成分、つまり残留した研磨スラッジの濾別を行う。 このため、さらに撹拌器15を用いて撹拌しながら、液体を導管26およびポンプ24、導管28を介して供給する。 この導管28および開放している弁V13を介して、液体は圧縮空気−スラッジ再生フィルタ18に達し、そこから導管34を介して分離容器14に戻される。 この循環路は分離容器14中にある全ての液体が、 数回フィルタ18を通過し、液体中に含まれる残滓が残留せずに完全に濾過されることが保証されるまで維持される。 この工程の間に、もちろん永久磁石は作用したままであり、つまり強磁性成分は分離容器14の壁に堆積している。 【0035】図7による次の方法工程において、永久磁石17a〜17eを、容器壁から外側に移動させ、つまり磁場が分離容器内に影響しなくなり、これにより強磁性成分は容器壁から離れる。 撹拌装置15はさらに稼働しており、その結果この成分は再度液体に混ぜられる。 この液体は、今度は、導管26を介し、ポンプ24を経て、さらに導管28を介して圧縮空気−スラッジ再生フィルタ19に供給される。 この濾過した液体は、弁V9 および導管34を介して分離容器14に再度戻される。 この期間の間、強磁性成分はフィルタ19中に堆積する。 同時にフィルタ18中にある残滓は、圧縮空気を供給して乾燥させる。 【0036】図8による次の方法工程において、分離容器14は空になる、つまりこの液体は、導管26、弁3、ポンプ24および弁4、導管30、弁6を介して容器25中に達する。 【0037】この液体が完全に分離容器14から除去された後、図9による最後の方法工程、フィルタ19中に含まれる残滓、つまり強磁性成分の乾燥が後続し、その他に、容器25中で、油と洗浄水との分離が行われる。 この分離した油は、搬出部36およびポンプ37を介して、分離装置、もしくは、遠心分離機38に供給される。 この遠心分離機は、油中に含まれる水残分およびスラッジ残滓を分離し、この油は油捕集容器中に達し、遠心分離機から分離した水、もしくはスラッジは導管49 を介して容器25に戻される。 【0038】フィルタ18および19中での乾燥工程が終了した後、それぞれ搬出装置20、21のフラップを開放する。 乾燥し、かつ、もはや分けられて存在する残滓は、運搬容器22、23に達する。 この残滓は、ほとんど乾燥したコンシステンシーで存在し、さらに、この残滓は油を有していないか、または極めて少ない割合の油を含有するため、問題なく再分離または廃棄することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】分離方法を実施するための装置の構造 【図2】図1に示した分離容器の上から見た図 【図3】異なる工程での図1に示した装置 【図4】同上 【図5】同上 【図6】同上 【図7】同上 【図8】同上 【図9】同上 【符号の説明】 10 充填箇所、 11 振動篩別装置、 12 スクリュー供給装置、 13駆動モータ、 14 分離容器、 15 撹拌装置、 16 プロぺラ、17a,1 7b,17c,17d,17e 永久磁石、 18,1 9 圧縮空気−スラッジ再生フィルタ、 20,21 搬出装置、 22,23 運搬容器、24 循環ポンプ、 25 容器、 26,27,28 導管、 29 交差点、 30,31,32,33,34,35 導管、 36 搬出部、 37ポンプ、 38 遠心分離機、 39 油捕集容器、 40,41,42,43, 44 反らせ板、 45 磁場ライン、 46,47, 48 矢印、 49導管、 50 研磨残滓、 51 洗浄液、 V1〜V13 弁 フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−193742(JP,A) 特開 昭63−225547(JP,A) 特開 昭62−171677(JP,A) 特開 平1−273583(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) B03C 1/00 - 1/32 B23Q 11/00 C02F 11/12 B01D 36/00 |