Butter |
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申请号 | JP2012285950 | 申请日 | 2012-12-27 | 公开(公告)号 | JP2013150600A | 公开(公告)日 | 2013-08-08 |
申请人 | Kao Corp; 花王株式会社; | 发明人 | MITOBE HIROYUKI; | ||||
摘要 | PROBLEM TO BE SOLVED: To provide butter increased in salty taste and good in flavor without increasing quantity of sodium in the butter.SOLUTION: Butter contains the following (A)-(C): (A) 0.3-0.75 mass% of sodium, (B) 0.1-0.7 mass% of potassium, and (C) 0.04-1.8 mass% glutamic acid or aspartic acid or combination thereof. | ||||||
权利要求 | 下記(A)〜(C)を含有するバター: (A)ナトリウム 0.3〜0.75質量%、 (B)カリウム 0.1〜0.7質量%、及び (C)グルタミン酸もしくはアスパラギン酸又はこれらの組合せ 0.04〜1.8質量%。 (A)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の比率((B)成分の含有量/(A)成分の含有量、モル比)が、0.1〜1.2である、請求項1に記載のバター。 (A)成分と(B)成分の総含有量が0.4〜1.45質量%である、請求項1又は2に記載のバター。 (C)成分としてグルタミン酸及びアスパラギン酸を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバター。 (A)成分の含有量に対する(C)成分の含有量の比率((C)成分の含有量/(A)成分の含有量、モル比)が、0.01〜1である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバター。 (B)成分の含有量に対する(C)成分の含有量の比率((C)成分の含有量/(B)成分の含有量、モル比)が、0.016〜5である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のバター。 (B)成分の含有量が0.3〜0.7質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバター。 塩化カリウムを含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のバター。 |
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说明书全文 | 本発明は、塩味が増強されたバターに関する。 食事場面におけるナトリウムの過剰な摂取は高血圧を引き起こし、心疾患や脳梗塞等の発症率を増加させることが知られており、これらの疾患を予防・改善するためには食塩に代表されるナトリウム塩の摂取量を減らすことが重要であるといわれている。 そのため、バターにおいても、より食塩含量を抑えたものが求められており、近年の有塩バターは従来のものよりも食塩含量が少なくなってきている。 バターは一般的に、生乳から分離したクリームをエージングさせ、チャーニング処理、ワーキング処理等を経て製造される。 また、バターの練圧工程においては通常、食塩が配合され、これにより風味と保存性が向上したいわゆる有塩バターが得られる。 従来、有塩バターは2.0質量%前後の食塩を含有するものであったが、世の中の健康志向を背景に減塩の方向に進み、現在、有塩バターとして販売されているものは、1.5質量%前後の食塩含有量となっている。 このような背景の下、ナトリウム含有量を抑えながら塩味を増強する技術が報告されている。 例えば特許文献1には、醤油等の液体調味料において、食塩9質量%以下とし、ナトリウム濃度3質量%程度に抑えながらも、カリウム0.5〜4.2質量%、酸性アミノ酸2質量%超とし、尚且つアスパラギン酸1〜3質量%及びグルタミン酸1〜2質量%にすることで、塩味を十分に感じられることが記載されている。 本発明は、バター中のナトリウムの増量に依らずして塩味が増強され、かつ、風味の良好なバターを提供する。 本発明者は上記課題に鑑み、鋭意検討を行った。 その結果、ナトリウム含有量を特定の範囲内に抑えたバターであっても、カリウムと、グルタミン酸もしくはアスパラギン酸又はこれらの組合せを特定量含有せしめることで塩味を増強することができ、しかもコクと風味の良好なバターが得られることを見い出した。 本発明はこれらの知見に基づき完成させるに至ったものである。 本発明は、下記(A)〜(C)を含有するバターに関する: 本発明のバターは、ナトリウムの含有量を抑えながらもより強い塩味を有し、かつ、風味も良好である。 本発明のバターについて以下に詳細に説明する。 本発明のバターは、バターの製造において配合する(A)ナトリウムの量を所定量に抑える一方、(B)カリウム及び(C)グルタミン酸もしくはアスパラギン酸又はこれらの組合せをそれぞれ特定量配合することで得られる。 本発明のバターに含有されるナトリウム((A)成分)は、食品成分表示上の「ナトリウム」または「Na」を指し、バター中に塩の形態で存在する。 当該ナトリウムは、本発明のバターの原料とするクリームと、本発明のバターの調製において配合するナトリウム塩とに由来する。 本発明のバターの調製において配合するナトリウム塩に特に制限はなく、無機ナトリウム塩であっても有機酸のナトリウム塩であってもよい。 上記無機ナトリウム塩としては、塩化ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム等が挙げられる。 また、上記有機酸のナトリウム塩としては、グルタミン酸ナトリウムやアスパラギン酸ナトリウム等のアミノ酸のナトリウム塩、イノシン酸ナトリウムやグアニル酸ナトリウム等の核酸のナトリウム塩、グルコン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム等が挙げられる。 本発明のバターは、上記ナトリウム塩の1種又は2種以上を含有することができるが、塩化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム及びアスパラギン酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上を好適に配合することができる。 ナトリウム塩を配合する目的で、天然塩、天日塩、岩塩、食卓塩等の食塩を配合してもよい。 本発明のバターは、ナトリウムの増量に依らずより塩味を増強したバターであり、当該バター中のナトリウム含有量は0.3〜0.75質量%の範囲内である。 ナトリウムの摂取量をより抑える観点から、当該バター中のナトリウム含有量は0.72質量%以下とすることが好ましく、0.7質量%以下であることがより好ましく、0.65質量%以下であることがさらに好ましく、0.6質量%以下であることがよりさらに好ましく、0.58質量%以下であることがよりさらに好ましく、0.5質量%以下であることがよりさらに好ましい。 また、風味の観点から、当該バター中のナトリウム含有量は0.32質量%以上とすることが好ましく、0.35質量%以上であることがより好ましく、0.38質量%以上であることがさらに好ましく、0.4質量%以上であることがよりさらに好ましい。 減塩と風味の両立の観点から、本発明のバター中のナトリウムの含有量は0.32〜0.72質量%とすることができ、0.35〜0.7質量%とすることがより好ましく、0.38〜0.65質量%とすることがさらに好ましく、0.4〜0.6質量%とすることがよりさらに好ましく、0.4〜0.58質量%とすることがよりさらに好ましい。 本発明のバターは、カリウム((B)成分)を含有する。 当該カリウムは、バター中に塩の形態で存在する。 当該カリウムは、本発明のバターの原料するクリームと、本発明のバターの調製において配合するカリウム塩とに由来する。 当該カリウム塩に特に制限はなく、無機カリウム塩であっても有機酸のカリウム塩であってもよい。 上記無機カリウム塩としては、塩化カリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム等が挙げられる。 また、上記有機酸のカリウム塩としては、グルタミン酸カリウムやアスパラギン酸カリウム等のアミノ酸のカリウム塩、イノシン酸カリウムやグアニル酸カリウム等の核酸のカリウム塩、グルコン酸カリウム、コハク酸カリウム、クエン酸三カリウム等が挙げられる。 本発明のバターには、上記カリウム塩の1種又は2種以上を含有することができるが、塩化カリウムを好適に配合することができる。 本発明のバター中のカリウムの含有量は、0.1〜0.7質量%である。 より塩味を増強しながらも苦味を抑える観点から、当該バター組成物中のカリウムの含有量は0.12〜0.7質量%であることが好ましく、0.15〜0.7質量%であることがより好ましく、0.2〜0.7質量%であることがさらに好ましく、0.3〜0.7質量%であることがよりさらに好ましく、0.4〜0.7質量%であることがよりさらに好ましい。 本発明のバター中のナトリウムとカリウムの総含有量は、0.4〜1.45質量%である。 風味バランスの観点から、0.5〜1.4質量%であることが好ましく、0.6〜1.3質量%であることがさらに好ましく、0.7〜1.2質量%であることがよりさらに好ましい。 本発明のバターは、グルタミン酸もしくはアスパラギン酸又はこれらの組合せ((C)成分)を含有する。 つまり、(C)成分は、グルタミン酸であってもよいし、アスパラギン酸であってもよいし、グルタミン酸及びアスパラギン酸であってもよいが、グルタミン酸及びアスパラギン酸であることが好ましい。 通常の無発酵バターには、ヒスチジン、システイン、システイン酸が含有されることが報告されている(例えば、International Dairy Journal, Volume 17, Issue 9, September 2007, Pages 1011-1020 参照)が、グルタミン酸やアスパラギン酸は含有されないか、含有されても極微量である。 本発明のバターに含有されるグルタミン酸は、バターの調製において配合する遊離(フリー)のグルタミン酸及びグルタミン酸塩の双方に由来しうる。 すなわち、本発明で規定するグルタミン酸の含有量は、アミノ酸分析装置により分析・定量される遊離のグルタミン酸の量をいう。 本発明のバターがグルタミン酸塩を含有する場合には、塩の部分は塩として、グルタミン酸の部分は、グルタミン酸として本発明を構成する。 本発明のバターに含有されるアスパラギン酸は、バターの調製において配合する遊離(フリー)のアスパラギン酸及びアスパラギン酸塩の双方に由来しうる。 本発明で規定するアスパラギン酸の含有量は、アミノ酸分析装置により分析される遊離のアスパラギン酸の値をいう。 本発明のバターがアスパラギン酸塩を含有する場合には、塩の部分は塩として、アスパラギン酸の部分は、アスパラギン酸として本発明を構成する。 本発明のバター中のグルタミン酸もしくはアスパラギン酸又はこれらの組合せの含有量は、0.04〜1.8質量%である。 カリウムによる苦味の低減、塩味増強及び風味の観点から、本発明のバター中のグルタミン酸もしくはアスパラギン酸又はこれらの組合せの含有量は、0.06〜1.5質量%であることが好ましく、0.08〜1.4質量%であることがより好ましく、0.1〜1.2質量%であることがさらに好ましく、0.4〜1.1質量%であることがよりさらに好ましい。 本発明のバターは、より良好な風味と味を得る観点から、上記ナトリウム((A)成分)の含有量に対する上記カリウム((B)成分)の含有量の比率(モル比)、すなわち、[バター中の(B)成分の含有量(モル)]/[バター中の(A)成分の含有量(モル)]が、0.1〜1.2であることが好ましく、0.2〜1.1であることがより好ましく、0.3〜1.1であることがさらに好ましく、0.4〜1.0であることがよりさらに好ましい。 本発明のバターは、塩味の強さと質の観点及びバターの風味とコクを保つ観点から、上記ナトリウム((A)成分)の含有量に対する上記グルタミン酸もしくはアスパラギン酸又はこれらの組合せ((C)成分)の含有量の比率(モル比)、すなわち、[バター中の(C)成分の含有量(モル)]/[バター中の(A)成分の含有量(モル)]が、0.01〜1であることが好ましく、0.01〜0.5であることがより好ましく、0.02〜0.5であることがさらに好ましく、0.03〜0.4であることがよりさらに好ましい。 本発明のバターは、塩味の強さと質を得る観点から、上記カリウム((B)成分)の含有量に対する上記グルタミン酸もしくはアスパラギン酸又はこれらの組合せ((C)成分)の含有量の比率(モル比)、すなわち、[バター中の(C)成分の含有量(モル)]/[バター中の(B)成分の含有量(モル)]が、0.016〜5であることが好ましく、0.02〜3であることがより好ましく、0.02〜2であることがさらに好ましく、0.03〜1であることがよりさらに好ましい。 本発明のバターには、本発明の効果を損なわない範囲で上記(A)〜(C)成分以外の成分を含有せしめたものも包含される。 また、本発明のバターは、乳脂肪分を含む油相を連続相とする油中水型の乳化組成物であって、少なくとも0〜10℃の温度で可塑性を示すものであれば特に制限はない。 また、その水相と油相の割合も特に制限されるものではないが、本発明のバターにおける水相と油相の割合は、水相:油相=40:60〜5:95(質量比)であることが好ましく、より好ましくは30:70〜10:90である。 カリウムは塩味を呈すると共に苦味も呈する。 したがって、通常のカリウム配合食品においては、塩味と苦味は互いにトレードオフの関係にある。 しかし、本発明のバターでは、カリウムと共に特定のアミノ酸を配合することで、カリウムの塩味増強作用をより高めながらも、逆に苦味は抑え、しかも、バターに求められる、乳脂肪に特有のまろやかで豊かな風味とコクも高められている。 以下、本発明のバターの調製について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 (1)生乳から遠心分離等により乳脂肪分を含むクリームを分離する(分離工程)。 また、本発明のバターは、食塩不使用バターを原料とし、これに特定量のナトリウム、カリウム、並びに、グルタミン酸及び/又はアスパラギン酸を配合・均質化して得ることもできる。 本発明のバターの製造におけるナトリウムの配合は、通常には1種又は2種以上のナトリウム塩の配合により行われる。 当該ナトリウム塩としては、塩化ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム等の無機ナトリウム塩や、グルタミン酸ナトリウムやアスパラギン酸ナトリウム等のアミノ酸のナトリウム塩、イノシン酸ナトリウムやグアニル酸ナトリウム等の核酸のナトリウム塩、グルコン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム等の有機酸のナトリウム塩が挙げられる。 当該ナトリウム塩としては、塩化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウムが好適に用いられる。 本発明のバターの製造におけるカリウムの配合は、通常には1種又は2種以上のカリウム塩の配合により行われる。 当該カリウム塩としては、塩化カリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム等の無機カリウム塩や、グルタミン酸カリウムやアスパラギン酸カリウム等のアミノ酸のカリウム塩、イノシン酸カリウムやグアニル酸カリウム等の核酸のナカリウム塩、グルコン酸カリウム、コハク酸カリウム、クエン酸三カリウム等の有機酸のカリウム塩が挙げられる。 当該カリウム塩としては、塩化カリウムが好適に用いられる。 本発明のバターの製造におけるグルタミン酸もしくはアスパラギン酸又はこれらの組合せの配合は、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸塩及びアスパラギン酸塩から選ばれる1種又は2種以上を配合して行うことができる。 また、これらの水和物を配合してもよい。 上記のグルタミン酸塩又はアスパラギン酸塩として、1種又は2種以上の塩を配合しうるが、ナトリウム塩又はカリウム塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。 本発明のバターの主原料となる生乳の由来に特に制限はなく、牛、山羊、羊等が挙げられるが、通常には牛乳が用いられる。 上述した実施形態に関し、本発明は以下のバターを開示する。 <1> <2> <6> <9> <12> <18> <21> <24> <27> 以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 [材料] [実施例1] [実施例2] [実施例13] [比較例1] [従来例1] 上記で得られた各バター中のナトリウム(Na)、カリウム(K)、各アミノ酸(グルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)、ヒスチジン)の含有量(単位:質量%)を食塩無添加バター中の含有量と配合量より求めた。 結果を下記表1に示す。 また、各成分の含有量のモル比(K/Na、(Glu+Asp)/Na、(Glu+Asp)/K)についても下記表1に示した。 (Na及びKの分析方法) (アミノ酸の分析方法) [試験例] バターの食味評価 上記実施例、比較例及び従来例で得られた各バターを室温下で30分放置して軟化させ、これをディスポミニスプーンに擦り切り一杯載せ(0.18〜0.19g)、スプーンが裏返しになるよう舌先にミニスプーンを載せ舌先でバターをかき出し食味評価(塩味の強さ、塩味の質、苦味の強さ、配合したアミノ酸由来の異味、減塩バターとしての適性)を行った。 評価後、微温湯で口を数回濯ぎ15分間の時間を置いて次の食味評価を行った。 食味の評価基準を下記に示す。 評価数値は5人の専門パネルにより決定した。 (評価基準) −塩味の質− −苦味の強さ− −アミノ酸由来の異味− −バターの風味(フレーバー)− −バターのコク− 結果を下記表1に示す。 表1の結果から、KClを配合し、従来例よりも単にカリウム含有量を高めたバターでは、カリウム含有量が本発明で規定する範囲内であっても、塩味がそれほど増強されない上に、塩味の刺激感が強くまろやかさに劣り、苦味も呈した(比較例5及び6)。 一方、カリウムの含有量を本発明で規定する範囲内で高めながら、さらに、グルタミン酸もしくはアスパラギン酸又はこれらの組合せの含有量を本発明で規定する範囲にまで高めると、塩味がより増強され、塩味の質もまろやかになり、苦味も抑えられた(実施例1〜10、13〜17)。 また、この傾向は、ナトリウム含有量がより高いバターにおいても認められた(実施例11及び12)。 実施例11及び12のバターはナトリウム含有量が比較的多い例であるが、塩味が強い分、バターの使用量をより抑えることができ、結果としてナトリウム摂取量の低減につながる。 また、グルタミン酸又はアスパラギン酸の含有量を高め過ぎると、アミノ酸由来の異味を感じ、風味に劣る結果となった(比較例1及び2)。 また、塩基性アミノ酸であるヒスチジンを配合しても、塩味の増強効果が認められない上に、ヒスチジンの異味を感じるバターとなった(比較例4)。 また、カリウムの含有量を本発明で規定するよりも高めてしまうと、アミノ酸を添加しても塩味の質と苦味が改善しきれず、味に劣る結果となった(比較例3)。 以上の結果から、ナトリウム、カリウム、並びに、グルタミン酸もしくはアスパラギン酸又はこれらの組合せの含有量のすべてを本発明で規定する範囲内とすることで、ナトリウムの増量によらずとも塩味を増強することができることがわかった。 [参考試験]水溶液系での塩味増強効果 (試験方法) −塩味の強さ− 表2の結果から、ナトリウムを0.788質量%含有するNaCl水溶液において、グルタミン酸を併存させると、これらが併存しないNaCl水溶液に比べて塩味が弱まることがわかった。 また、ナトリウムを0.720質量%含有するNaCl水溶液においてカリウムとグルタミン酸を併存させると、グルタミン酸を含有しないものに比べて塩味が弱まることがわかった。 また、ナトリウムを0.400質量%又は0.560質量%含有するNaCl水溶液においてもまた、カリウムとグルタミン酸又はアスパラギン酸とを併存させても塩味の増強はほとんど認められなかった。 このように、ナトリウム濃度が1質量%程度よりも低い水溶液では、カリウム及び酸性アミノ酸を配合しても、塩味の増強は認められなかった。 一方、上記実施例に示されるように、バター(W/O乳化系)においては、上記参考試験に用いた水溶液と同等のナトリウム濃度において、カリウムとグルタミン酸及び/又はアスパラギン酸とを配合することにより塩味が強く増強され、バター特有の風味とコクも向上する。 すなわち、上記の結果から、ナトリウム濃度が1質量%程度未満の範囲にある水溶液系とバター系との間で、配合したカリウム及び酸性アミノ酸の塩味に対する効果が相反することがわかった。 また、塩味の時間的変化についても評価したところ、水溶液系では塩味が急激に立ち上がり、唾液による希釈化とともに塩味は速やかに減じて行くのに対し、バター系では塩味が固体油脂の融解と共に立ち上がり、その減じ方も緩やかであり、塩味の質もまろやかであった。 |