走行制御装置及び走行制御方法

申请号 JP2013558684 申请日 2013-02-12 公开(公告)号 JPWO2013122030A1 公开(公告)日 2015-05-11
申请人 日産自動車株式会社; 发明人 菅野 健; 健 菅野; 利通 後閑; 利通 後閑; 雅裕 小林; 雅裕 小林;
摘要 走行制御装置は、後方障害物検出センサ13e〜13hと、側方障害物検出センサ19a〜19dと、後方移動準備検出部9と、センサ19a〜19hが検出した障害物について警告を行う警告部と、後方障害物検出センサ13e〜13hが検出する障害物61との距離が第1リスク以下となった場合或いは側方障害物検出センサ19a〜19dが検出する障害物61との距離に基づくパラメータが第2リスク以下となった場合に、警告を行うように警告部を制御する制御部とを有する。自車1が後方へ移動する準備を検出し、側方障害物検出センサ19a〜19dが検出する障害物との距離に基づくパラーメータが第2リスクより大きくなっている場合、制御部は、側方障害物検出センサ19a〜19dが障害物を検出できなくなってから保持時間が経過するまでの間、第1の警告しきい値を大きくする。
权利要求

自車の後方に進入する障害物及び前記障害物との距離を検出する後方障害物検出部と、 前記自車の後側方を含む所定の側方検出領域に進入する障害物及び前記障害物との距離を検出する側方障害物検出部と、 前記自車が後方へ移動する準備を検出する後方移動準備検出部と、 前記後方障害物検出部或いは前記側方障害物検出部が検出した障害物について警告を行う警告部と、 前記後方障害物検出部が検出する前記障害物との距離が第1の警告しきい値以下となった場合或いは前記側方障害物検出部が検出する前記障害物との距離に基づくパラメータが第2の警告しきい値以下となった場合に、前記警告を行うように前記警告部を制御する制御部と、を有し、 前記自車が後方へ移動する準備を前記後方移動準備検出部が検出し、前記側方障害物検出部が検出する前記障害物との距離に基づくパラーメータが第2の警告しきい値より大きくなっている場合、前記制御部は、前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなってから保持時間が経過するまでの間、前記第1の警告しきい値を大きくする ことを特徴とする走行制御装置。前記後方障害物検出部或いは前記側方障害物検出部が検出した前記障害物との距離から前記障害物との相対速度を推定する相対速度推定部を更に備え、 前記保持時間は、前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなった時の前記障害物との距離及び前記障害物との相対速度に基づいて定められることを特徴とする請求項1に記載の走行制御装置。前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなった時の前記障害物との距離が、前記第2の警告しきい値よりも大きい側方警告しきい値以下である場合に限り、前記制御部は、前記第1の警告しきい値を大きくすることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の走行制御装置。前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなった時に前記後方障害物検出部が障害物を検出していない場合に限り、前記制御部は、前記第1の警告しきい値を大きくすることを特徴とする請求項3に記載の走行制御装置。前記保持時間は、前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなった時の前記障害物との距離及び前記障害物との相対速度に基づいて定められた時間と、予め設定された時間のうちの短い時間であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の走行制御装置。複数の前記後方障害物検出部を有し、 前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなった時に障害物を検出している前記後方障害物検出部がある場合、前記制御部は、障害物を検出している前記後方障害物検出部を除く他の後方障害物検出部について、前記第1の警告しきい値を大きくすることを特徴とする請求項4に記載の走行制御装置。前記制御部は、前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなった時の前記障害物との相対速度が速くなるほど、前記第1の警告しきい値を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の走行制御装置。自車の後方に進入する障害物及び前記障害物との距離を検出する後方障害物検出部と、 前記自車の後側方を含む所定の側方検出領域に進入する障害物及び前記障害物との距離を検出する側方障害物検出部と、 前記自車が後方へ移動する準備を検出する後方移動準備検出部と、 前記後方障害物検出部或いは前記側方障害物検出部が検出した障害物について警告を行う警告部と、を有する走行制御装置を用いた走行制御方法であって、 前記後方障害物検出部が検出する前記障害物との距離が第1の警告しきい値以下となった場合或いは前記側方障害物検出部が検出する前記障害物との距離に基づくパラメータが第2の警告しきい値以下となった場合に、前記警告を行うように前記警告部を制御し、 前記自車が後方へ移動する準備を前記後方移動準備検出部が検出し、前記側方障害物検出部が検出する前記障害物との距離に基づくパラーメータが第2の警告しきい値より大きくなっている場合、前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなってから保持時間が経過するまでの間、前記第1の警告しきい値を大きくする ことを特徴とする走行制御方法。

自車の後方に進入する障害物及び前記障害物との距離を検出する後方障害物検出部と、 前記自車の後側方を含む所定の側方検出領域に進入する障害物及び前記障害物との距離を検出する側方障害物検出部と、 前記自車が後方へ移動する準備を検出する後方移動準備検出部と、 前記後方障害物検出部或いは前記側方障害物検出部が検出した障害物について警告を行う警告部と、 前記後方障害物検出部が検出する前記障害物との距離が第1の警告しきい値以下となった場合或いは前記側方障害物検出部が検出する前記障害物との距離に基づくパラメータが第2の警告しきい値以下となった場合に、前記警告を行うように前記警告部を制御する制御部と、を有し、 前記自車が後方へ移動する準備を前記後方移動準備検出部が検出し、前記側方障害物検出部が検出する前記障害物との距離に基づくパラメータが第2の警告しきい値より大きくなっている場合、前記制御部は、前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなってから保持時間が経過するまでの間、前記第1の警告しきい値を大きくする ことを特徴とする走行制御装置。前記後方障害物検出部或いは前記側方障害物検出部が検出した前記障害物との距離から前記障害物との相対速度を推定する相対速度推定部を更に備え、 前記保持時間は、前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなった時の前記障害物との距離及び前記障害物との相対速度に基づいて定められることを特徴とする請求項1に記載の走行制御装置。前記自車が後方へ移動する準備を前記後方移動準備検出部が検出し、前記側方障害物検出部が検出する前記障害物との距離に基づくパラメータが第2の警告しきい値より大きく、且つ前記第2の警告しきい値よりも大きい側方警告しきい値以下である場合、前記制御部は、前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなってから保持時間が経過するまでの間、前記第1の警告しきい値を大きくする ことを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の走行制御装置。前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなった時に前記後方障害物検出部が障害物を検出していない場合に限り、前記制御部は、前記第1の警告しきい値を大きくすることを特徴とする請求項3に記載の走行制御装置。前記保持時間は、前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなった時の前記障害物との距離及び前記障害物との相対速度に基づいて定められた時間と、予め設定された時間のうちの短い時間であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の走行制御装置。複数の前記後方障害物検出部を有し、 前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなった時に障害物を検出している前記後方障害物検出部がある場合、前記制御部は、障害物を検出している前記後方障害物検出部を除く他の後方障害物検出部について、前記第1の警告しきい値を大きくすることを特徴とする請求項4に記載の走行制御装置。前記後方障害物検出部或いは前記側方障害物検出部が検出した前記障害物との距離から前記障害物との相対速度を推定する相対速度推定部を更に備え、 前記制御部は、前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなった時の前記障害物との相対速度が速くなるほど、前記第1の警告しきい値を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の走行制御装置。自車の後方に進入する障害物及び前記障害物との距離を検出する後方障害物検出部と、 前記自車の後側方を含む所定の側方検出領域に進入する障害物及び前記障害物との距離を検出する側方障害物検出部と、 前記自車が後方へ移動する準備を検出する後方移動準備検出部と、 前記後方障害物検出部或いは前記側方障害物検出部が検出した障害物について警告を行う警告部と、を有する走行制御装置を用いた走行制御方法であって、 前記後方障害物検出部が検出する前記障害物との距離が第1の警告しきい値以下となった場合或いは前記側方障害物検出部が検出する前記障害物との距離に基づくパラメータが第2の警告しきい値以下となった場合に、前記警告を行うように前記警告部を制御し、 前記自車が後方へ移動する準備を前記後方移動準備検出部が検出し、前記側方障害物検出部が検出する前記障害物との距離に基づくパラメータが第2の警告しきい値より大きくなっている場合、前記側方障害物検出部が前記障害物を検出できなくなってから保持時間が経過するまでの間、前記第1の警告しきい値を大きくする ことを特徴とする走行制御方法。

说明书全文

本発明は、走行制御装置及び走行制御方法に関する。

車両に搭載された障害物センサを用いて車両の周囲に接近する障害物を検出する技術が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。

特許文献1では、車両の後部に、車両の後方を検出領域とする超音波センサと、車両の後側方を検出領域とする超音波センサとが搭載されている。車両の後側方を検出領域とする超音波センサは、後方遠方まで障害物を検出できる検知領域を有しているのに対し、車両の後方を検出領域とする超音波センサは、自車近傍までしか障害物を検出できない。よって、自車の真後ろの遠方には、障害物を検出できない不検知領域が存在することになる。

特開2009-280109号公報

車両の後側方を検出領域とする超音波センサでは、障害物を検出していても障害物との距離や接近時間が警告しきい値を下回らなければ、警告を発しない。そこから障害物が自車後方の不検知領域に移動した場合、車両の後方を検出領域とする超音波センサが障害物を検出するまで、いずれの超音波センサも障害物を検出できないため、障害物の検出が遅れる場合がある。

本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、不検知領域に障害物が入り込んでも適切に障害物を検出して、車両後退時における警告タイミングの遅れや未警告を抑制する走行制御装置及び走行制御方法を提供することである。

本発明の第1態様に係わる走行制御装置は、後方障害物検出部と、側方障害物検出部と、後方移動準備検出部と、警告部と、制御部とを有する。後方障害物検出部は、自車の後方に進入する障害物及び障害物との距離を検出する。側方障害物検出部は、自車の後側方を含む所定の側方検出領域に進入する障害物及び障害物との距離を検出する。後方移動準備検出部は、自車が後方へ移動する準備を検出する。警告部は、後方障害物検出部或いは側方障害物検出部が検出した障害物について警告を行う。制御部は、後方障害物検出部が検出する障害物との距離が第1の警告しきい値以下となった場合或いは側方障害物検出部が検出する前記障害物との距離に基づくパラメータが第2の警告しきい値以下となった場合に、警告を行うように警告部を制御する。自車が後方へ移動する準備を後方移動準備検出部が検出し、側方障害物検出部が検出する障害物との距離に基づくパラーメータが第2の警告しきい値より大きくなっている場合、制御部は、側方障害物検出部が障害物を検出できなくなってから保持時間が経過するまでの間、第1の警告しきい値を大きくする。

本発明の第2態様に係わる走行制御方法は、前記後方障害物検出部と、前記側方障害物検出部と、前記後方移動準備検出部と、前記警告部とを有する走行制御装置を用いた走行制御方法であって、後方障害物検出部が検出する障害物との距離が第1の警告しきい値以下となった場合或いは側方障害物検出部が検出する障害物との距離に基づくパラメータが第2の警告しきい値以下となった場合に、警告を行うように警告部を制御し、自車が後方へ移動する準備を後方移動準備検出部が検出し、側方障害物検出部が検出する障害物との距離に基づくパラーメータが第2の警告しきい値より大きくなっている場合、側方障害物検出部が障害物を検出できなくなってから保持時間が経過するまでの間、第1の警告しきい値を大きくする。

図1は、実施の形態に係わる走行制御装置の車両レイアウト例を示す模式図である。

図2は、実施の形態に係わる走行制御装置の構成を示すブロック図である。

図3は、図2の自車両情報取得部21の具体的な構成例を示すブロック図である。

図4は、図2の周辺情報取得部22の具体的な構成例を示すブロック図である。

図5は、図2の制御判断情報演算部24の具体的な構成例を示すブロック図である。

図6は、走行制御処理を実行する際の走行制御装置の動作を示すフローチャートである。

図7は、自車速と第1リスク(第1の警告しきい値)との関係の一例を示すグラフである。

図8は、障害物との相対速度と補正ゲインとの関係の一例を示すグラフである。

図9は、側方障害物検出センサ19cが障害物を検出可能な側方検出領域KR1〜KR7、及び後方障害物検出センサ13e〜13hの各々が障害物を検出可能な後方検出領域MR1〜KR4を示す平面図である。

図10は、自車1後方近傍を自車1の駐車方向PDに対して斜めの方向ADに走行する車両61の様子を示す平面図である。

以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付している。

[走行制御装置] 図1を参照して、実施の形態に係わる走行制御装置の車両レイアウト例について説明する。車両1(以後、「自車」という)には、ブレーキランプ4a、4b、エンジンやモータを含む駆動発生装置の始動及び停止を指示するイグニッションスイッチ18、自車1の前方PDに接近する障害物を検出する前方障害物検出センサ13a〜13d、19e、自車1の後方に接近する障害物を検出する後方障害物検出センサ13e〜13h、自車1の側方に接近する障害物を検出する側方障害物検出センサ19a〜19d、自車の駆動力を発生する駆動力発生装置36、制動力発生装置27、アクセルペダル操作反力発生装置30、ドライバに対して障害物の接近を報知する報知装置33と、自車1全体を制御する車両制御装置2(制御部)とが搭載されている。なお、車両制御装置2は、実施の形態に係わる走行制御装置の制御部に相当する。

前方障害物検出センサ13a〜13dは例えば自車1のフロントバンパ内に設けられ、後方障害物検出センサ13e〜13hは例えば自車1のリアバンパ内に設けられている。前方障害物検出センサ13a〜13d及び後方障害物検出センサ13e〜13hとしては、超音波を用いて自車1から比較的近傍の領域に進入する障害物及び障害物との距離を検出するソナー探知機を用いることができる。側方障害物検出センサ19a〜19dは、自車1の前方PD寄り及び後方寄りの左右のフェンダーにそれぞれ1つづつ配置され、前方障害物検出センサ19eは、例えば自車1のフロントバンパ内に設けられている。側方障害物検出センサ19a〜19d及び前方障害物検出センサ19eとしては、電磁波を用いて自車1から比較的遠方までの領域に進入する障害物を検出するレーダ探知機を用いることができる。よって、側方障害物検出センサ19a〜19d及び前方障害物検出センサ19eが障害物を検出可能な距離は、前方障害物検出センサ13a〜13d及び後方障害物検出センサ13e〜13hが障害物を検出可能な距離よりも長い。車両制御装置2は、ECU(Engine Control Unit)等の演算処理装置により構成され、演算処理装置内のCPUが予め格納されたコンピュータプログラムを実行することにより自車1全体の動作を制御する。

図2を参照して、実施形態に係わる走行制御装置の構成を説明する。実施形態に係わる走行制御装置は、自車1の情報を取得する自車両情報取得部21と、自車周辺の情報を取得する周辺情報取得部22と、システム状態選択部23と、制御判断情報演算部24と、周辺情報取得部22により検出された障害物に対して警告を発する警告装置とを備える。ここで、警告装置には、障害物接近の警告として制動力を発生する制動力発生系(25〜27)と、障害物接近の警告としてアクセルペダル操作反力を発生するアクセルペダル操作反力発生系(28〜30)と、障害物接近の警告としてドライバへの警報を行う報知系(31〜33)と、障害物接近の警告として駆動力制御を行う駆動力制御系(34〜36)とが含まれる。

図3に示すように、自車両情報取得部21は、自車1の車輪20a〜20dにそれぞれ設置された車輪速センサ11a〜11dと、自車1のアクセルペダルに設置されたアクセル開度検出部5と、自車1のブレーキペダルの位置を検出するブレーキペダル位置検出部6と、自車1のシフトポジションを検出するシフトポジション検出部9(後方移動準備検出部)と、走行制御装置のオン/オフ用のスイッチの状態を検出するSW操作認識部3と、自車1のステアリングの操を検出するステアリングセンサ10と、自車1の加減速度を検出する加減速度センサ12とを備える。

車輪速センサ11a〜11dは、自車1の車輪20a〜20dそれぞれの回転速度を検出する。自車速演算部40は、車輪20a〜20dの回転半径を考慮し、車輪20a〜20dそれぞれの回転速度から、自車速(車輪速)を演算する。更に、自車速演算部40は、自車速を積分することにより移動距離を演算する。ブレーキペダル位置検出部6は、ドライバがブレーキペダルを踏み込んでいるか否か、及び、ブレーキペダルの踏み込み量を検出する。シフトポジション検出部9は、現在のトランスミッションの状態を検出するために、シフト位置の状態を検出する。自車1が後方へ移動する準備を検出する一例には、シフトポジション検出部9が後退(R)ポジションを検出することが含まれる。SW操作認識部3は、走行制御装置のスイッチ状態及びイグニッションスイッチ18のスイッチ状態を検出する。ステア角演算部41は、ステアリングセンサ10により検出されたステアリングの操舵角に対して、必要に応じてフィルタ処理を施す。加減速度演算部42は、加減速度センサ12により検出された自車1の加減速度に対して、必要に応じてフィルタ処理を施す。自車両情報出力部43は、自車1の車輪速、アクセル開度、ブレーキペダルの位置、シフト位置、走行制御装置のオン/オフ用のスイッチの状態、ステアリング操舵角及び加減速度を、自車両情報として、システム状態選択部23或いは制御判断情報演算部24へ転送する。自車速演算部40、ステア角演算部41、加減速度演算部42及び自車両情報出力部43は、図1の車両制御装置2の一部分として構成することができる。もちろん、車両制御装置2とは異なる演算処理装置を用意し、その演算処理装置内のCPUが予め格納されたコンピュータプログラムを実行する。これにより、自車速演算部40、ステア角演算部41、加減速度演算部42及び自車両情報出力部43の動作を実現しても構わない。

図4を参照して、周辺情報取得部22の詳細な構成例を説明する。周辺情報取得部22は、周辺障害物検出センサ37として、図1に示した自車1の前部、後部、及び側方部に設置された前方障害物検出センサ13a〜13d、19e、後方障害物検出センサ13e〜13h、及び側方障害物検出センサ19a〜19dを備える。相対距離算出部39は、周辺障害物検出センサ37が検出した障害物からの距離の値に対して必要に応じてフィルタ処理を施す。相対速度推定部38は、障害物との距離から障害物との相対速度を推定する。相対速度の符号は、障害物が自車1に近づく方向を正とし、遠ざかる方向を負とする。更に、相対速度推定部38は、側方障害物検出センサ19a〜19dにより検出された障害物との距離及び相対速度から、障害物が自車1に接近するまでに要する時間(接近時間)を算出する。接近時間は、例えば、障害物との距離を相対速度で除算したTTC(衝突時間)であってもよい。障害物有無判断部44は、周辺障害物検出センサ37が障害物を検出したか否かを示す信号を出力する。周辺情報出力部45は、自車1の前方PD、後方、及び側方に存在する障害物の有無、障害物との距離及び相対速度、接近時間及び後述する障害物の検出方向或いは検出角度を、周辺情報として、システム状態選択部23或いは制御判断情報演算部24へ転送する。相対距離算出部39、相対速度推定部38、障害物有無判断部44及び周辺情報出力部45は、図1の車両制御装置2の一部分として構成することができる。もちろん、車両制御装置2とは異なる演算処理装置を用意し、その演算処理装置内のCPUが予め格納されたコンピュータプログラムを実行する。これにより、相対距離算出部39、相対速度推定部38、障害物有無判断部44及び周辺情報出力部45の動作を実現しても構わない。

システム状態選択部23は、SW操作認識部3により検出された走行制御装置のオン/オフ用のスイッチの状態に基づいて、システム状態をオン状態とするかオフ状態とするかを決定する。

図9を参照して、側方障害物検出センサ19cを例に取り、側方検出領域について説明する。自車1の左後方側のリアフェンダに設置された側方障害物検出センサ19cは、自車1の側方を含み、側方障害物検出センサ19cを中心として自車1の側方から後方に向けて広がる所定角度の扇状領域(側方検出領域)に進入する車両60a、60bを検出することができる。側方障害物検出センサ19cは、側方検出領域を複数の検出角度領域KR1〜KR7に分割し、複数の検出角度領域KR1〜KR7に進入する障害物及び障害物との距離を、検出角度領域KR1〜KR7毎に検出してもよい。例えば、電磁波を側方検出領域内において平方向に走査することにより、障害物が検出された検出角度領域KR1〜KR7を特定することができる。分割数は、7つに限定されるものではなく、より少なく又は更に多くの数に分割しても構わない。ただし、側方障害物検出センサ19cは、これに限定されるものではなく、複数の検出角度領域KR1〜KR7に分割しなくてもよい。この場合、検出した障害物について検出角度或いは検出方向は検知されない。なお、その他の側方障害物検出センサ19a、19b、19dについても側方障害物検出センサ19cと同様である。なお、自車の側方とは、自車1の駐車方向PDに対して垂直な方向であって、図9における側方とは、左側の側方を例示している。自車の後方とは、自車1の駐車方向PDに対して180°回転した方向である。複数の検出角度領域KR1〜KR7の後方側境界は、側方障害物検出センサ19cから後方に伸びる半直線よりも側方側に位置する。

後方障害物検出センサ13e〜13hは、自車1のリアバンパから後方に向かって広がる後方検出領域MR1〜KR4に進入する障害物をそれぞれ検出することができる。後方障害物検出センサ13e〜13hと、後方検出領域MR1〜KR4は一対一に対応している。隣接する後方検出領域MR1〜KR4の一部は互いに重複している。また、後方検出領域MR1〜KR4の一部は、左側の側方において、側方障害物検出センサ19cの側方検出領域の一部分とも重複している。図示は省略するが、右側の側方においても、側方障害物検出センサ19dの側方検出領域の一部分と重複している。

図5を参照して、図2の制御判断情報演算部24の具体的な構成例を説明する。制御判断情報演算部24は、側方障害物検出センサ19a〜19dの検出結果と後方障害物検出センサ13e〜13hの検出結果を連携させるか否かを判断する連携判断部47と、警告の判断基準となる第1リスク(第1の警告しきい値)を演算する第1リスク演算部48と、警告の判断基準となる第2リスク(第2の警告しきい値)を演算する第2リスク演算部49とを備える。連携判断部47の判断結果及び第1リスク演算部48及び第2リスク演算部49の演算結果は、制動制御判断部25、アクセルペダル操作反力判断部28、報知判断部31、及び駆動力制御判断部34へそれぞれ送信される。

第1リスク演算部48は、先ず、第1リスクのベース値を算出する。第1リスクのベース値は、後方障害物検出センサ13e〜13hにより検出される障害物との距離に基づく警告を行うか否かを判断する上での基準値となる。第1リスクのベース値は、自車速に応じて変化する距離である。例えば、図7に示すように、自車速が速くなるほど、第1リスクのベース値は大きくなる。自車速が零の場合、所定の値を取るようにオフセットしてもよい。また、相対速度推定部38が算出した接近時間に応じて、第1リスクのベース値を変更してもよい。よって、例えば、第1リスク演算部48は、図7のグラフに示す自車速と第1リスクのベース値との関係を示すデータ及び接近時間と第1リスクのベース値との関係を示すデータを参照して、自車速及び接近時間から第1リスクのベース値を演算してもよい。

そして、第1リスク演算部48は、第1リスクのベース値から、各警告制御に対応した係数を用いて各警告制御に対応する第1リスクを算出する。例えば、制動制御については、係数R1_K1をベース値に乗算し、アクセルペダル操作反力制御については、係数R1_K2をベース値に乗算し、報知制御については、係数R1_K3をベース値に乗算し、駆動力制御については、係数R1_K4をベース値に乗算することで、各警告制御について重みを変えて各々の第1リスクを算出することができる。例えば、各係数を0以上1以下の値とし、且つ、R1_K1 ≦ R1_K2 ≦ R1_K4 ≦ R1_K3 とする。これによって、報知、駆動力制御、アクセルペダル操作反力制御、制動制御の順番で作動するような重み付けが可能になる。

第2リスク演算部49は、先ず、第2リスクのベース値を算出する。第2リスクのベース値には、第2リスク(距離)のベース値、及び、第2リスク(接近時間)のベース値が含まれる。第2リスク(距離)のベース値は、側方障害物検出センサ19a〜19dにより検出される障害物との距離に基づいて警告を行うか否かを判断する上で基準値となる。第2リスク(接近時間)のベース値は、相対速度推定部38により算出される接近時間に基づく警告を行うか否かを判断する上での基準値となる。第2リスク(距離)のベース値は、自車速に応じて変化する。具体的には、第1リスク(距離)と同様にして、自車速が速くなるほど、第2リスク(距離)のベース値は大きくなる。例えば、第2リスク演算部49は、自車速と第2リスク(距離)のベース値との関係を示すデータを参照して、自車速から第2リスク(距離)のベース値を演算すればよい。また、第2リスク(距離)のベース値は、第1リスクのベース値とは異なった値であってもよい。この場合、第2リスク(距離)のベース値は、第1リスクのベース値よりも大きい値であることが望ましい。自車速が0の場合、所定の値を取るようにオフセットしてもよい。また、相対速度推定部38が算出した接近時間に応じて、第2リスク(距離)のベース値を変更してもよい。

そして、第2リスク演算部49は、第2リスク(距離)のベース値及び第2リスク(接近時間)のベース値から、各警告制御に対応した係数を用いて各警告制御に対応する第2リスク(距離)及び第2リスク(接近時間)を算出する。例えば、制動制御については、係数R2_K1をベース値に乗算し、アクセルペダル操作反力については、係数R2_K2をベース値に乗算し、報知制御については、係数R2_K3をベース値に乗算し、駆動力制御については、係数R2_K4をベース値に乗算することで、各制御について重みを変えて各々の第2リスク(距離)及び第2リスク(接近時間)を算出する。例えば、各係数を0以上1以下の値とし、且つ、R2_K1 ≦ R2_K2 ≦ R2_K4 ≦ R2_K3 とする。これによって、報知、駆動力制御、アクセルペダル操作反力制御、制動制御の順番で作動するような重み付けが可能になる。

連携判断部47は、側方障害物検出センサ19a〜19cと後方障害物検出センサ13e〜13hとを連携させるか否かを判断し、連携させると判断した場合、第1リスクに対して補正を加える。具体的には、自車1のシフト位置がR(後退)ポジションに位置しているとシフトポジション検出部9が判定し、側方障害物検出センサ19a〜19cが検出する障害物との距離に基づくパラーメータが第2の警告しきい値より大きくなっている場合、連携判断部47は、側方障害物検出センサ19a〜19cが障害物を検出できなくなってから保持時間が経過するまでの間、第1リスク(第1の警告しきい値)を大きくする。これにより、側方障害物検出センサ19a〜19cが検出できなくなった障害物を、後方障害物検出センサ13e〜13hが早期に検出できるようにする。ここで、「障害物との距離に基づくパラーメータ」には、側方障害物検出センサ19a〜19cが検出する障害物との距離、及び相対速度推定部38が算出した接近時間が含まれる。パラーメータが障害物との距離である場合、「第2の警告しきい値」は第2リスク(距離)であり、パラーメータが接近時間である場合、「第2の警告しきい値」は第2リスク(接近時間)である。

図2に戻り、制動力発生系(25〜27)は、障害物接近の警告として制動力制御を行うか否かを判断する制動制御判断部25と、制動制御部26と、制動制御部26による制御にしたがって、障害物接近の警告として制動力制御を行う制動力発生装置27とを備える。アクセルペダル操作反力発生系(28〜30)は、障害物接近の警告としてアクセルペダル操作反力制御を行うか否かを判断するアクセルペダル操作反力判断部28と、アクセルペダル操作反力制御部29と、アクセルペダル操作反力制御部29による制御にしたがって、障害物接近の警告としてアクセルペダル操作反力制御を行うアクセルペダル操作反力発生装置30とを備える。報知系(31〜33)は、障害物接近の警告としてドライバへの警報を行うか否かを判断する報知判断部31と、報知制御部32と、報知制御部32による制御にしたがって、障害物接近の警告としてドライバへの警報を行う報知装置33とを備える。駆動力発生系(34〜36)は、障害物接近の警告として駆動力制御を行うか否かを判断する駆動力制御判断部34と、駆動力制御部35と、駆動力制御部35による制御にしたがって、障害物接近の警告として駆動力制御を行う駆動力発生装置36とを備える。

算出された各々の第1リスク、第2リスク(距離)及び第2リスク(接近時間)は、制動制御判断部25、アクセルペダル操作反力判断部28、報知判断部31、駆動力制御判断部34へそれぞれ送信される。

制動制御判断部25は、以下に示すA01〜A03のいづれかの条件が成立した場合に障害物接近の警告として制動力を発生させると判断する。ただし、後方障害物検出センサ13e〜13hにより検出された障害物との距離を「後方センサ検出距離」とし、側方障害物検出センサ19a〜19dにより検出された障害物との距離を「側方センサ検出距離」とし、相対速度推定部38により算出される接近時間を「側方センサ接近時間」とする。制動制御用の係数R1_K1或いはR2_K1を乗算した第1リスク、第2リスク(距離値)及び第2リスク(接近時間)を、制動用第1リスク、制動用第2リスク(距離値)及び制動用第2リスク(接近時間)とする。

A01 制動用第1リスク>後方センサ検出距離 A02 制動用第2リスク(距離値)>側方センサ検出距離 A03 制動用第2リスク(接近時間)>側方センサ接近時間

制動制御部26は、制動制御判断部25が制動による警告を作動させると判断した場合、所定の変化率でブレーキ圧を増加させ、所定の目標ブレーキ圧に到達したら、その状態を維持する。保持する時間が所定時間(例えば0.8秒)に達した場合、若しくは、車速=0となってから所定時間経過した場合に、所定の変化率でブレーキ圧を0まで減少させる。なお、所定の変化率、所定の目標ブレーキ圧は、ともに自車速或いは障害物との距離に応じて変更してもよい。制動力発生装置27は、制動制御部26により演算された目標ブレーキ圧になるように各車輪20a〜20dに対する実際のブレーキ圧を制御する。

アクセルペダル操作反力判断部28は、以下に示すA04〜A06のいづれかの条件が成立した場合に障害物接近の警告としてアクセルペダル操作反力を発生させると判断する。ただし、アクセルペダル操作反力用の係数R1_K2或いはR2_K2を乗算した第1リスク、第2リスク(距離値)及び第2リスク(接近時間)を、APD用第1リスク、APD用第2リスク(距離値)及びAPD用第2リスク(接近時間)とする。

A04 APD用第1リスク>後方センサ検出距離 A05 APD用第2リスク(距離値)>側方センサ検出距離 A06 APD用第2リスク(接近時間)>側方センサ接近時間

アクセルペダル操作反力制御部29は、アクセルペダル操作反力判断部28がアクセルペダル操作反力を発生させると判断した場合、所定の変化率で反力指令値を増加させ、所定の反力指令値に到達したら、その状態を維持する。保持する時間が所定時間(例えば0.8秒)に達した場合、所定の変化率で反力指令値を0まで減少させる。なお、所定の変化率、所定の反力指令値は、ともに自車速或いは障害物との距離に応じて変更してもよい。アクセルペダル操作反力発生装置30は、アクセルペダル操作反力制御部29により演算された反力指令値になるようにアクセルペダルの操作反力を制御する。

報知判断部31は、以下に示すA07〜A09のいづれかの条件が成立した場合、障害物接近の警告として音声又はブザーなどによる警報を行うと判断する。ただし、警報用の係数R1_K3或いはR2_K3を乗算した第1リスク、第2リスク(距離値)及び第2リスク(接近時間)を、警報用第1リスク、警報用第2リスク(距離値)及び警報用第2リスク(接近時間)とする。

A07 警報用第1リスク>後方センサ検出距離 A08 警報用第2リスク(距離値)>側方センサ検出距離 A09 警報用第2リスク(接近時間)>側方センサ接近時間

報知制御部32は、報知判断部31が警報を行うと判断した場合、所定時間、ブザー駆動信号のオン及びオフを繰り返す。報知装置33は、報知制御部32で演算したブザー駆動信号に基づき、警報を行う。例えば、所定の音色「ピッ、ピッ」という音を繰り返し発生させる。若しくは、障害物を上記条件を満たしている間は、警報を鳴らし続けるようにしても構わない。更に、警報と同時に、メーター内に設置したインジケータなどの発光物を点灯、点滅するようにしてもよい。

駆動力制御判断部34は、以下に示すA10〜A12のいづれかの条件が成立した場合、障害物接近の警告として駆動力制御を行うと判断する。ただし、駆動力用の係数R1_K4或いはR2_K4を乗算した第1リスク、第2リスク(距離値)及び第2リスク(接近時間)を、駆動力用第1リスク、駆動力用第2リスク(距離値)及び駆動力用第2リスク(接近時間)とする。

A10 駆動力用第1リスク>後方センサ検出距離 A11 駆動力用第2リスク(距離値)>側方センサ検出距離 A12 駆動力用第2リスク(接近時間)>側方センサ接近時間

駆動力制御部35は、駆動力制御判断部34が駆動力制御を行うと判断した場合、所定の変化率でアクセル開度の低減量を増加させる。アクセル開度の低減量が所定値に到達したら、その状態を維持する。所定時間その低減量を維持したら、アクセル開度の低減量を0まで減少させる。最終的なエンジンのスロットル開度は、ドライバ操作のアクセル開度から、駆動力制御部35により演算されたアクセル開度の低減量を減算した値となる。なお、所定の変化率、アクセル開度の低減量所定値は、ともに自車速或いは障害物との距離に応じて変更してもよい。駆動力発生装置36は、駆動力制御部35で演算した最終的なエンジンのスロットル開度に基づきエンジン出力を制御する。

このように、障害物の接近時間に基づいて警告を判断することにより、後方障害物検出センサ13e〜13h或いは側方障害物検出センサ19a〜19dが検出する障害物との距離が遠方であっても、その障害物が高速で自車1に接近している場合には、その障害物に対して警告を実施することができる。これにより、障害物に対する潜在的な危険を認識でき、適切なタイミングで警告を実施することができる。

なお、図2に示す、システム状態選択部23、制御判断情報演算部24、制動制御判断部25、制動制御部26、アクセルペダル操作反力判断部28、アクセルペダル操作反力制御部29、報知判断部31、報知制御部32、駆動力制御判断部34及び駆動力制御部35は、図1の車両制御装置2の一部分として構成することができる。もちろん、車両制御装置2とは異なる演算処理装置を用意し、その演算処理装置内のCPUが予め格納されたコンピュータプログラムを実行する。これにより、システム状態選択部23、制御判断情報演算部24、制動制御判断部25、制動制御部26、アクセルペダル操作反力判断部28、アクセルペダル操作反力制御部29、報知判断部31、報知制御部32、駆動力制御判断部34及び駆動力制御部35の動作を実現しても構わない。

[走行制御処理] 以上説明した構成を有する走行制御装置の制御部は、自車1が後退する際、以下に示す走行制御処理を実行することにより、後方障害物検出センサ13e〜13h或いは側方障害物検出センサ19a〜19dが検出した障害物について、適切な警告タイミングで警告を行うことができる。以下、図6に示すフローチャートを参照して、走行制御処理を実行する際の走行制御装置の動作について説明する。

図6に示すフローチャートは、システム状態選択部23が走行制御装置のオン/オフ用のスイッチがオン状態であると判断し、且つ、シフトポジション検出部9が自車1のシフト位置がR(後退)ポジションに位置していると判定したタイミングで開始され、走行制御処理はステップS1の処理に進む。そして、この走行制御処理は、走行制御装置のオン/オフ用のスイッチがオン状態であり、且つ、自車1のシフト位置がRポジションに位置している限り、繰り返し実行される。また、走行制御処理を開始するタイミングは、上記条件に限定されることはなく、例えば上記条件に加えて車速が所定値以下、ステアリング操舵角が所定値以下等の条件を付加してもよい。

ステップS1の処理では、第1リスク演算部48及び第2リスク演算部49が、第1リスク或いは第2リスクを、警告制御毎に求める。つまり、制動用第1リスク、制動用第2リスク(距離値)、制動用第2リスク(接近時間)、APD用第1リスク、APD用第2リスク(距離値)、APD用第2リスク(接近時間)、警報用第1リスク、警報用第2リスク(距離値)、警報用第2リスク(接近時間)、駆動力用第1リスク、駆動力用第2リスク(距離値)、及び駆動力用第2リスク(接近時間)を算出する。

ステップS2及びS3の処理では、連携判断部47が、側方障害物検出センサ19a〜19cと後方障害物検出センサ13e〜13hとを連携させるか否かを判断する。連携させる場合、側方障害物検出センサ19a〜19cが検出できなくなった障害物を、後方障害物検出センサ13e〜13hが早期に検出できるように、ステップS1で算出した第1リスクを大きな値に補正する。

具体的には、図10に示すように、自車1の後方を走行する車両61(障害物)は、側方検出領域KR1〜KR7に進入し、側方障害物検出センサ19cにより検出される。その後、車両61は、側方検出領域KR1〜KR7から外れることにより側方障害物検出センサ19cは障害物を検出できなくなる。このように、一度検出された障害物が側方検出領域KR1〜KR7から外れることにより検出できなくなった、すなわち、側方障害物検出センサ19cが障害物をロストした場合(S2でYES)、その後、後方障害物検出センサ13e〜13hの検出結果を用いてその障害物について早期に警告を発することが望ましい。そこで、障害物との距離に基づくパラーメータ(距離、或いは接近時間)が第2リスク(距離、接近時間)より大きくなっている場合、連携判断部47は、側方障害物検出センサ19cが障害物を検出できなくなってから保持時間が経過するまでの間、第1リスクが大きくなるように補正する(ステップS3)。これにより、側方障害物検出センサ19cがロストした障害物に対して、後方障害物検出センサ13e〜13hを連携させることができる。これにより、後方障害物検出センサ13e〜13hの検出結果に基づく警告のタイミングが早まるので、その障害物を早期にドライバに警告することができる。保持時間が経過した後、補正した第1リスクを補正前の値に戻す。一方、障害物が側方検出領域KR1〜KR7で検出されていれば(S2でNO)、ステップS1で算出した第1リスクは補正しない。

なお、側方障害物検出センサ19cが障害物が検出できなくなった時に、後方障害物検出センサ13e〜13hが障害物を検出しているか否かは問わない。つまり、後方障害物検出センサ13e〜13hがロストした瞬間に、後方障害物検出センサ13e〜13hのいずれかの後方検出領域MR1〜MR4の中に障害物に進入していてもいなくても構わない。後方障害物検出センサ13e〜13hが障害物をロストした瞬間に、第1リスクよりも障害物との距離が離れていれば、第1リスクが大きくすることにより、後方障害物検出センサ13e〜13hの検出結果に基づく警告のタイミングを早めることができる。

ステップS4の処理では、制動制御判断部25、アクセルペダル操作反力判断部28、報知判断部31、及び駆動力制御判断部34の各々が、上記した条件A01〜A12にしたがって障害物接近の警告を行うか否かを判断する。警告を行うと判断した場合(S4でYES)に限り、ステップS5において障害物接近の警告を実行する。

ここでは、側方障害物検出センサ19cを例に取り説明したが、側方障害物検出センサ19a〜19dのいずれか1つ或いは複数に置き換えて実施しても構わない。

[ステップS2及びS3の詳細] ステップS3における第1のリスクの補正方法の第1例としては、第1リスクのベース値に対して1以上の数である補正ゲインを乗算する方法がある。補正ゲイン(固定値)として1以上の数(例えば、2)を第1リスクに乗算することにより、第1のリスクは大きな値に補正され、警告タイミングを一律に早めることができる。また、側方障害物検出センサ19a〜19dが障害物を検出できなくなった時の障害物との相対速度に応じて補正ゲインを変化させても構わない。この場合、図8に示すように、障害物との相対速度が速くなるほど補正ゲインを大きくすることが望ましい。障害物との相対速度が速くなるほど警告タイミングを早めることができるので、適切な警告制御が可能となる。

ステップS3における第1のリスクの補正方法の第2例としては、第1リスクのベース値を、図7に示した自車速によらず、一定の値、例えば2mに設定する方法がある。これにより、より確実に自車1の後方に存在する障害物に対して早期に警告を発することができる。なお、自車1の形状に応じて、複数の後方障害物検出センサ13e〜13hのうち、中央部の後方障害物検出センサ13f、13gについてのみ、第1のリスクのベース値を大きくしてもよい。

保持時間は、図10に示すように、側方障害物検出センサ19cが障害物を検出できなくなった時の障害物との距離(D)及び障害物との相対速度(VK)に基づいて定めてもよい。例えば、(1)式にしたがって、保持時間(TK)を算出することができる。ここで「FST」は、自車1の全幅を考慮したオフセット値であり、例えば2.5mである。

TK=(D+FST)/VK ・・・(1) 或いは、保持時間は、側方障害物検出センサ19cが障害物を検出できなくなった時の障害物との距離(D)及び障害物との相対速度(VK)に基づいて定められた時間と、予め設定された時間のうちの短い時間であってもよい。これにより、保持時間がより短くなるため、早期に警告を行うことができる。もちろん、保持時間は、(1)式を用いた演算を行って求めることなく、予め設定された時間であっても構わない。

側方障害物検出センサ19cが障害物を検出できなくなった時の障害物との距離(D)が、第2リスク(距離値)よりも大きい側方警告しきい値以下である場合に限り、ステップS2において連携すると判断して、第1リスクを補正してもよい。ここで、「側方警告しきい値」は、例えば7mである。これにより、警告が不要な遠方において側方障害物検出センサ19cが検出できなくなった障害物を連携の対象から外すことができる。

更に、側方障害物検出センサ19cが障害物を検出できなくなった時に後方障害物検出センサ13e〜13hが障害物を検出していない場合に限り、ステップS2において連携すると判断して、第1リスクを補正してもよい。側方障害物検出センサ19cが障害物を検出できなくなった時に後方障害物検出センサ13e〜13hが障害物を検出していれば、第1リスクを補正しなくても、後方障害物検出センサ13e〜13hの検出結果に基づいて適切な警告制御を行うことができるからである。

以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、側方障害物検出センサ19a〜19dが障害物を検出できなくなってから保持時間が経過するまでの間、第1リスク(第1の警告しきい値)を大きくすることにより、後方障害物検出センサ13e〜13hの検出結果に基づいて早期に警告を行うことができる。よって、警告タイミングの遅れや未警告を抑制することができる。

保持時間を、側方障害物検出センサ19a〜19dが障害物を検出できなくなった時の障害物との距離(D)及び障害物との相対速度(VK)に基づいて定める。これにより、側方障害物検出センサ19a〜19dで検出できなくなった障害物を後方障害物検出センサ13e〜13hで検出する確度が向上し、警告の遅れや未警告を抑制することができる。

側方障害物検出センサ19a〜19dが障害物を検出できなくなった時の障害物との距離(D)が、側方警告しきい値以下である場合に限り、第1リスクを大きくすることにより、早期に警告を行う必要がないほど遠方において検出できなくなった障害物を排除して、不要な警告制御を抑制できる。

側方障害物検出センサ19a〜19dが障害物を検出できなくなった時に後方障害物検出センサ13e〜13hが障害物を検出していない場合に限り、第1リスクを大きくしてもよい。障害物を側方障害物検出センサ19a〜19dが検出できなくなった時に後方障害物検出センサ13e〜13hが障害物を検出していない場合、障害物の検出情報を側方障害物検出センサ19a〜19dから後方障害物検出センサ13e〜13hへ引き継ぐことができない。そこで、このような場合に、保持時間が経過するまでの間、第1リスクを大きくすることにより、警告の遅れや未警告を抑制することができる。

保持時間は、側方障害物検出センサ19a〜19dが障害物を検出できなくなった時の障害物との距離及び障害物との相対速度に基づいて定められた時間と、予め設定された時間のうちの短い時間であってもよい。これにより、保持時間が短くなるため、早期に警告を行うことができる。

側方障害物検出センサ19a〜19dが障害物を検出できなくなった時の障害物との相対速度が速くなるほど、第1リスクを大きくしてもよい。これにより、相対速度が速くなるほど警告のタイミングを早めることができるので、警告の遅れや未警告を抑制することができる。

(変形例) 側方障害物検出センサ19a〜19dが障害物を検出できなくなった時の後方障害物検出センサ13e〜13hの検出状況に応じて、後方障害物検出センサ13e〜13h毎に、第1リスクを補正してもよい。側方障害物検出センサ19a〜19dが障害物を検出できなくなった時に、障害物を検出している後方障害物検出センサ13e〜13hがある場合、第1リスク演算部48は、障害物を検出している後方障害物検出センサを除く他の後方障害物検出センサについて、第1リスクを大きくする。側方障害物検出センサ19a〜19dが障害物を検出できなくなった時に障害物を検出している後方障害物検出センサ13e〜13hを除いた他の後方障害物検出センサ13e〜13hを用いて、早期の警告制御を実施することができる。また、誤って警告タイミングを早めてしまうことが抑制される。

或いは、図9に示すように、後方障害物検出センサ13e〜13hのうち、最も左側に配置された後方障害物検出センサ13eの後方検出領域MR1に隣接する車両60aが進入し、所定距離(例えば40cm)以下で検出されている場合、最も左側に配置された後方障害物検出センサ13eの検出結果を無視してもよい。或いは、最も左側に配置された後方障害物検出センサ13e及び左から2番目に配置された後方障害物検出センサ13fの検出結果を無視してもよい。これにより、複数の後方障害物検出センサ13e〜13hのうち、一部の後方障害物検出センサが隣接する車両60aを検出している場合であっても、誤って警告タイミングを早めてしまうことが抑制される。無視する方法としては、側方障害物検出センサ19a〜19dが障害物を検出できなくなった時に、障害物を所定距離(例えば40cm)以下で検出している後方障害物検出センサ13e〜13hについて、第1リスクを0に設定すればよい。これにより、障害物を所定距離(例えば40cm)以下で検出している後方障害物検出センサ13e〜13hの検出結果に基づいて警告を行うことが回避される。

特願2012−029722号(出願日:2012年2月14日)の全内容は、ここに援用される。

以上、実施例に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。

本実施形態に係わる走行制御装置及び走行制御方法によれば、後方障害物検出センサ13e〜13hが検出する障害物について、早期に警告を行うことができる。よって、警告タイミングの遅れや未警告を抑制することができる。よって、本発明は、産業上の利用可能性を有する。

2…車両制御装置(制御部) 9…シフトポジション検出部(後方移動準備検出部) 13e〜13h…後方障害物検出センサ(後方障害物検出部) 19a〜19d…側方障害物検出センサ(側方障害物検出部) 27…制動力発生装置(警告部) 30…アクセルペダル操作反力発生装置(警告部) 33…報知装置(警告部) 36…駆動力発生装置(警告部) 38…相対速度推定部 61…車両(障害物)

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