ハイブリッド車両及びハイブリッド車両の制御方法

申请号 JP2014060192 申请日 2014-03-24 公开(公告)号 JP2015182570A 公开(公告)日 2015-10-22
申请人 いすゞ自動車株式会社; 发明人 鈴木 治雄; 瀬戸 洋紀;
摘要 【課題】内燃機関と電動発電機を備え、電動発電機でアシスト可能なハイブリッド車両において、高地走行状態においても、車両走行で要求される必要駆動 力 を確保すべく、ハイブリッドシステムとしての高地用最大許容出力を内燃機関の高地制限出力よりも大きくすることができるハイブリッド車両及びハイブリッド車両の制御方法を提供する。 【解決手段】ハイブリッド車両を制御する制御装置が、内燃機関が高地走行状態に入っているか否かを判定する高地走行判定手段を備え、この高地走行判定手段が高地走行状態に入っていると判定した場合には、内燃機関の高地制限出力Qemaxに加えて電動発電機の最大許容出力Qmmaxを、車両走行のための高地用最大許容出力Qhmaxとする。 【選択図】図2
权利要求

内燃機関と電動発電機を備え、該電動発電機でアシスト可能なハイブリッド車両において、 当該ハイブリッド車両を制御する制御装置が、 前記内燃機関が高地走行状態に入っているか否かを判定する高地走行判定手段を備え、 該高地走行判定手段が高地走行状態に入っていると判定した場合には、前記内燃機関の高地制限出に加えて前記電動発電機の最大許容出力を、車両走行のための高地用最大許容出力とする高地走行制御を行うように構成されることを特徴とするハイブリッド車両。前記制御装置の前記高地走行判定手段が、予め設定した第1期間内に前記内燃機関が高地走行状態に入ると判定した場合には、前記電動発電機の電力源となるバッテリの充電量を確保する充電量確保制御を、前記高地走行判定手段が高地走行状態に入っていると判定するまで行うように構成されることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。前記充電量確保制御が、前記電動発電機の電力源となるバッテリの放電を抑制する放電抑制制御、又は、前記内燃機関で発生する負荷量が予め設定した負荷量よりも小さい軽負荷運転のときに前記電動発電機による発電を行ってバッテリを充電する軽負荷時充電制御の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両。前記高地走行判定手段は、大気圧の時系列のデータを基にして、前記内燃機関が高地走行状態に入っているか否かを判定するともに、前記内燃機関が前記第1期間内に高地走行に入るか否かを判定するように構成されることを特徴とする請求項2又は3に記載のハイブリッド車両。内燃機関と電動発電機を備え、該電動発電機でアシスト可能なハイブリッド車両の制御方法において、 前記内燃機関が高地走行状態に入っているか否かを判定し、 高地走行状態に入っていると判定した場合には、前記内燃機関の高地制限出力に加えて前記電動発電機の最大許容出力を、車両走行のための高地用最大許容出力とする高地走行制御を行うことを特徴とするハイブリッド車両の制御方法。

说明书全文

本発明は、内燃機関と電動発電機を備え、電動発電機でアシスト可能なハイブリッド車両及びハイブリッド車両の制御方法に関する。

内燃機関と電動発電機を備え、電動発電機でアシスト可能なハイブリッド車両では、内燃機関のみを動源として走行するエンジン単独走行、電動発電機のみを動力源として力行走行するモータ単独走行、内燃機関と電動発電機の両方を動力源として走行するアシスト走行、ハイブリッド車両の制動力の回生エネルギーを利用して電動発電機で発電するモータ回生走行等の走行形態がある。

一方、内燃機関においては、高度3000m級以上の高地では、主にターボ式過給機の問題から内燃機関に要求される負荷に対して平地よりも低い出力制限を設けた高地モードを採用している。

つまり、ターボ式過給機は、大気圧が低くなると、コンプレッサの前後の圧力比(過給圧/大気圧)が高くなってコンプレッサにおけるサージが発生し易くなったり、吸気量を確保するためにターボ式過給機の回転数を増加させる必要が生じたりして回転数が限界点を超え易くなり、また、燃焼温度が高いと熱膨張の割合が高くなりタービンの仕事量が増加して回転数が増加し限界点を超え易くなる等、ターボ式過給機の稼働状況が厳しくなり、構成機器が損傷を受け易くなるという問題が生じる。

そのため、大気圧を監視して、高地走行状態に入っている場合には、ターボ式過給機の保護のために内燃機関の出力を落とす必要があり、内燃機関の出力を制限している。つまり、内燃機関の高地走行状態での運転に対して高地出力制限を設けている。

この高地での走行性能に関連して、高地での走行性能の低下をできる限り抑制可能にするために、大気圧の低下による内燃機関の出力低下を回転電機の反力トルクに反映し、その結果、回転電機の回転数制限およびそれに伴う内燃機関の出力制限が緩和されることにより、高地での走行性能の低下を抑制するように、気圧センサで検出される大気圧の低下に応じて、回転電機(モータ)の駆動を制御する駆動制御装置に与えられるシステム電圧を低下させると共に、内燃機関が出力可能な最大トルクに対する回転電機の反力トルクを算出し、その算出された反力トルクに基づいて回転電機の回転数を制御するハイブリッド車両が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

しかしながら、このハイブリッド車両では、高地でのシステム電圧の低下による回転電機の回転数制限が緩和されて、その結果、エンジンの出力制限が緩和されるとしており、高地におけるターボ式過給機の性能面からのエンジン出力制限に関するものではない。

特開2013−23185号公報

本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関と電動発電機を備え、電動発電機でアシスト可能なハイブリッド車両において、高地走行状態においても、車両走行で要求される必要駆動力に対してできるだけ大きな駆動力を発生すべく、ハイブリッドシステムとしての高地用最大許容出力を内燃機関の高地制限出力よりも大きくすることができるハイブリッド車両及びハイブリッド車両の制御方法を提供することにある。

上記の目的を達成するための本発明のハイブリッド車両は、内燃機関と電動発電機を備え、該電動発電機でアシスト可能なハイブリッド車両において、当該ハイブリッド車両を制御する制御装置が、前記内燃機関が高地走行状態に入っているか否かを判定する高地走行判定手段を備え、該高地走行判定手段が高地走行状態に入っていると判定した場合には、前記内燃機関の高地制限出力に加えて前記電動発電機の最大許容出力を、車両走行のための高地用最大許容出力とする高地走行制御を行うように構成される。

この構成によれば、高地走行制御で、高地用最大許容出力を、内燃機関の高地制限出力ではなく、この内燃機関の高地制限出力に、電動発電機でアシストできる最大許容出力を加えた値にするので、車両走行で要求される、より大きな出力に対応できるようになる。なお、この電動発電機でアシストできる最大許容出力は、バッテリの充電状態及び放電可能量によって変化するので、バッテリの状態に対応させて変化することになる。

また、上記のハイブリッド車両において、前記制御装置の前記高地走行判定手段が、予め設定した第1期間内に前記内燃機関が高地走行状態に入ると判定した場合には、前記電動発電機の電力源となるバッテリの充電量を確保する充電量確保制御を、前記高地走行判定手段が高地走行状態に入っていると判定するまで行うように構成されると、次の効果を奏することができる。

つまり、内燃機関が高地走行状態に、第1期間内に入ると判定した第1時点から入っていると判定した第2時点までの間、充電量確保制御で、第2時点以降における電動発電機によるアシストのための電力量を、消費せずに、若しくは、随時充電することで確保しておくことができる。また、第2時点以降においては電動発電機によるアシスト分だけ、内燃機関の駆動力に上乗せすることができるので、ハイブリッドシステムでの出力を、内燃機関の高地制限出力よりも大きく設定することができる。

上記のハイブリッド車両において、前記充電量確保制御が、前記電動発電機の電力源となるバッテリの放電を抑制する放電抑制制御、又は、前記内燃機関で発生する負荷量が予め設定した負荷量よりも小さい軽負荷運転のときに前記電動発電機による発電を行ってバッテリを充電する軽負荷時充電制御の少なくとも一方を含んで構成されると、次の効果を奏することができる。

つまり、バッテリの放電を伴うような、電動発電機のアシスト、モータ単独走行、及び、バッテリを電源とする電力機器の使用を停止する等する放電抑制制御、又は、内燃機関が軽負荷運転で電動発電機による発電を行う余裕があるときに電動発電機による発電を行ってバッテリを充電する軽負荷時充電制御の少なくとも一方で、容易にバッテリの充電量を確保することができる。

上記のハイブリッド車両において、前記高地走行判定手段は、大気圧の時系列のデータを基にして、前記内燃機関が高地走行状態に入っているか否かを判定するともに、前記内燃機関が前記第1期間内に高地走行に入るか否かを判定するように構成されると、次の効果を奏することができる。

つまり、大気圧で内燃機関が高地走行状態に入っているか否かを容易に判定でき、また、この大気圧の時系列の下降傾向と、判定時点での大気圧とから、このままの車両の走行状態、言い換えれば、車両が走行する道路の傾斜状態が継続するとした場合に、大気圧が、高地判定用大気圧を下回る時期(タイミング)を容易に算定できるので、この下回る時期を予め設定した第1期間と比較することで、容易に、内燃機関が、第1期間内に高地走行状態に入るか否かを判定することができるようになる。

そして、上記の目的を達成するための本発明のハイブリッド車両の制御方法は、内燃機関と電動発電機を備え、該電動発電機でアシスト可能なハイブリッド車両の制御方法において、前記内燃機関が高地走行状態に入っているか否かを判定し、高地走行状態に入っていると判定した場合には、前記内燃機関の高地制限出力に加えて前記電動発電機の最大許容出力を、車両走行のための高地用最大許容出力とする高地走行制御を行うことを特徴とする方法である。この方法によれば、上記のハイブリッド車両と同様の効果を奏することができる。

本発明のハイブリッド車両及びハイブリッド車両の制御方法によれば、内燃機関と電動発電機を備え、電動発電機でアシスト可能なハイブリッド車両において、高地走行状態に入っていると判定した場合には、高地走行制御で、高地用最大許容出力を、内燃機関の高地制限出力ではなく、この内燃機関の高地制限出力に、電動発電機でアシストできる最大許容出力を加えた値にするので、車両走行で要求される、より大きな出力に対応できるようになり、高地走行状態においても、ハイブリッドシステムとしての高地用最大許容出力を内燃機関の高地制限出力よりも大きくして、より大きな車両走行で要求される必要駆動力に対応できるようになる。

更に、高地走行制御を行う前に、電動発電機の電力源となるバッテリの充電量を確保する充電量確保制御を行うように構成すると、内燃機関が高地走行状態に入る時期を予測判定して、高地走行制御の前に充電量確保制御を行ってバッテリに十分な電力を蓄えておくことができるので、必要に応じて電動発電機でアシストする高地走行制御に移行した後には、バッテリに蓄えられた十分な電力量で電動発電機によりアシストすることができ、このアシストにより、内燃機関の高地制限出力より大きな出力を、ハイブリッドシステムとして十分出力することができるようになる。

本発明に係る実施の形態のハイブリッド車両の構成を模式的に示した図で、電動発電機によるアシスト状態を示す図である。

本発明に係る実施の形態のハイブリッド車両の制御方法の制御フローの一例を示す図である。

以下、本発明に係る実施の形態のハイブリッド車両、及びハイブリッド車両の制御方法について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、この実施の形態のハイブリッド車両(HEV)1は、エンジン(内燃機関)10と電動発電機(走行用電動機兼発電機)20と変速機30を備え、エンジン10の動力と電動発電機20の動力を変速機30を介して車輪34に伝達する車両であり、エンジン10と電動発電機20の両方を走行用の動力源とすることができる車両である。

なお、ここでは、図1のパラレル型ハイブリッド車両を例にして説明するが、必ずしもパラレル型ハイブリッド車両でなくてもよく、電動発電機20で内燃機関10が発生する駆動力をアシスト(補助)することができる機能を有するハイブリッド車両であればよい。

図1に示すように、このエンジン10の動力は、エンジン10に接続するトルクコンバータ13、接続状態のエンジン走行用クラッチ14と変速機30とプロペラシャフト31を介して差動装置(デファレンシャルギア)32に伝達され、更に、車軸33を介して車輪34に伝達される。

一方、電動発電機20の動力は、バッテリ22に充電(蓄電)された電力がインバータ21を介して電動発電機20に供給されることで発生し、この動力は、接続状態のモータ走行用クラッチ23と変速機30とプロペラシャフト31を介して差動装置32に伝達され、更に、車軸33を介して車輪34に伝達される。

これらにより、エンジン10の動力と電動発電機20の動力の一方又は両方が変速機30を介して、車輪34に伝達され、ハイブリッド車両1が走行する。

この図1の構成では、エンジン走行用クラッチ14の接続及び断絶の切り替えにより、エンジン10の動力の車輪34への伝達と遮断を行い、また、モータ走行用クラッチ23の接続及び断絶の切り替えにより、電動発電機20の動力の車輪34への伝達と遮断を行うが、エンジン10の動力又は電動発電機20の動力の伝達と遮断を適宜切り替えることができればよく、必ずしも、エンジン走行用クラッチ14又はモータ走行用クラッチ23を設けなくてもよい。

また、このエンジン10の吸気通路15にターボ式過給機12のコンプレッサ12aが設けられ、エンジン10の排気通路11にターボ式過給機12のタービン12bが設けられている。

そして、エンジン10と電動発電機20と変速機30を備えたハイブリッドシステム2、及び、ハイブリッド車両1の制御を行うための制御装置40が設けられ、この制御装置40により、エンジン10の全般の制御、インバータ21による電動発電機20の全般の制御、エンジン走行用クラッチ14の断接制御とモータ走行用クラッチ23の断接制御を含むハイブリッドシステム2の全般の制御を含むハイブリッド車両1の全般の制御等々を行う。

また、このハイブリッドシステム2を搭載するハイブリッド車両1を制御する制御装置40は、高地走行判定手段41を備えて構成される。この高地走行判定手段41は、大気圧Paの時系列のデータPa(i)(i=1,2・・・)を基にして、エンジン10が高地走行状態に入っているか否かと、予め設定した第1期間t1内にエンジン10が高地走行状態に入るか否かを判定する。この第1期間t1は、例えば、10分〜15分程度に設定される。

つまり、大気圧センサ(図示しない)で測定した、現時点での大気圧Pa(n)で、エンジン10が高地走行状態に入っているか否かを容易に判定でき、また、この大気圧Paの時系列Pa(i)(i=1,2・・・n)の下降傾向と、判定時点での大気圧Pa(n)とから、このままの車両の走行状態、言い換えれば、ハイブリッド車両1が走行する道路の傾斜状態が継続するとした場合に、大気圧Paが、高地判定用大気圧Pacを下回る時期(タイミング)txを容易に算定できるので、この下回る時期txを予め設定した第1期間t1と比較することで、容易に、エンジン10が、第1期間t1内に高地走行状態に入るか否かを判定することができる。

例えば、経過時間をtとし、ある時間増分Δt内での大気圧Paの減少分を−ΔPaとすると、直前の時系列データPa(n−1)を用いてΔPa=Pa(n−1)−Pa(n)となり、微分値dPa/dt(=ΔPa/Δt)と、判定時点(i=n)での大気圧Pa(n)とから、このままのエンジン10の運転状態が継続するとした場合に、大気圧Paが、高地判定用大気圧Pacを下回る時期(タイミング)txを容易に算定できる。Pac=Pa(n)−tx×ΔPa/Δtなので、tx=(Pa(n)−Pac)/(ΔPa/Δt)となる。この下回る時期txを予め設定した第1期間t1と比較することで、容易に、エンジン10が第1期間t1内に高地走行状態に入るか否かを判定することができるようになる。

なお、単に、判定時の大気圧Pa(n)と微分値dPa/dtだけでなく、その前の時系列データを用いて大気圧Pa(i)(i=1,2・・・)の推移を示す曲線を回帰分析などにより求めて、この曲線から大気圧Paが、高地判定用大気圧Pacを下回る時期(タイミング)txを算定することもできる。この場合はより正確に予測できることになり、より精度高い制御が可能となる。この高地判定用大気圧Pacは例えば、800hPa(約0.8気圧)〜900hPa(約0.9気圧)の間の大気圧に設定される。

また、高地走行判定手段41は、大気圧Paの時系列のデータPa(i)(i=1,2・・・)に加えて、大気温度Taのデータを加味して、第1期間t1内エンジン10が高地走行状態に入るか否かを判定するように構成されることが好ましい。これにより、大気温度Taによっても、吸気量が異なり、ターボ式過給機の運転状況が異なってきて、エンジン10で制限される出力が異なってくるため、この大気温度Taのデータを加味することにより、より精度よくエンジン10の出力制限が必要な高地走行状態に入る時期txを推定できるようになる。つまり、大気温度Taが高いと、比較的、空気密度が小さくなり吸気量(重量換算)が減少し、エンジン10の出力制限が早まるので、第1期間t1を長くする。一方、大気温度Taが低いと、比較的、空気密度が大きくなり吸気量が増加し、エンジン10の出力制限が遅くなるので、第1期間t1を短くする。

そして、制御装置40は、この高地走行判定手段41がハイブリッド車両1及びエンジン10が高地走行状態に入っていると判定した場合には、エンジン10の高地制限出力Qemaxに加えて電動発電機20の最大許容出力Qmmaxを、車両走行のための高地用最大許容出力Qhmax(=Qemax+Qmmax)とする高地走行制御を行うように構成される。

このエンジン10の高地制限出力Qemaxは、大気圧Paと大気温度Taなどからターボ式過給機を高地走行状態で安全に使用できる上限値として予め設定される値であり、低地で出力可能なエンジン出力より低く設定されている。また、この電動発電機20でアシストできる最大許容出力Qmmaxは、バッテリ22の充電状態及び放電可能量によって変化するので、バッテリ22の充電状態や放電可能量に密接な関係を持つバッテリ温度に対応して設定される。

この高地走行制御は、第2時点tb以降で行われ、車両走行に必要な要求駆動力Qtが高地制限出力Qemax以下の場合は、エンジン10のモータ走行用クラッチ23を断絶状態にして、要求駆動力Qtをエンジン10で発生し、一方、車両走行に必要な要求駆動力Qtが高地制限出力Qemaxより大きい場合は、要求駆動力Qtが高地用最大許容出力Qhmaxを超えていなければ、そのままとし、超えていれば、要求駆動力Qtを高地用最大許容出力Qhmaxに設定し直して、エンジン10で高地制限出力Qemaxを発生しつつ、要求駆動力Qtと高地制限出力Qemaxの差ΔQtmを、エンジン10のモータ走行用クラッチ23を接続状態にして電動発電機20で発生する。つまり、この差ΔQtm分の駆動力Qmを発生してアシストする。これにより、電動発電機20によるアシスト分の駆動力Qmだけ、エンジン10の高地制限出力Qemaxより大きい駆動力(Qemax+Qm)を発生して、要求駆動力Qtに対応することができる。

これにより、ハイブリッドシステム2で許容する高地用最大許容出力Qhmaxを、エンジン10の高地制限出力Qemaxではなく、このエンジン10の高地制限出力Qemaxに、電動発電機20でアシストできる最大許容出力Qmmaxを加えた値にするので、車両走行で要求される、より大きな出力に対応できるようになる。

そして、制御装置40は、この高地走行判定手段41が第1期間t1内にエンジン10が高地走行状態に入ると判定した場合には、電動発電機20の電力源となるバッテリ22の充電量を確保する充電量確保制御を、高地走行判定手段41が高地走行状態に入っていると判定するまで行う。

これにより、エンジン10が高地走行状態に、第1期間t1内に入ると判定した第1時点taから入っていると判定した第2時点tbまでの間、充電量確保制御で、第2時点tb以降における電動発電機によるアシストのための電力量を、消費せずに、若しくは、随時充電することで確保しておくことができる。また、第2時点tb以降においては電動発電機20によるアシスト分だけ、エンジン10の駆動力に上乗せすることができるので、ハイブリッドシステム2での高地用最大許容出力Qhmaxを、エンジン10の高地制限出力Qemaxよりも大きく設定することができる。

そして、この充電量確保制御では、電動発電機20の電力源となるバッテリ22の放電を抑制する放電抑制制御、又は、エンジン10で発生する負荷量Qeaが予め設定した負荷量Qecよりも小さい軽負荷運転のときに電動発電機20による発電を行ってバッテリ22を充電する軽負荷時充電制御の少なくとも一方を行う。

この放電抑制制御では、モータ走行用クラッチ23を断絶状態にして、バッテリ22の放電を伴うような、電動発電機20のアシスト、モータ単独走行を停止し、それと共に、バッテリ22を電源とする、その他の電力機器、例えば、エアコン等の使用を停止する。これにより、第2時点tb以降における電動発電機20によるアシストのための電力量を消費せずに確保しておくことができる。

一方、軽負荷時充電制御では、エンジン10の出力の一部を使用して電動発電機20で発電してもエンジン10に余裕がある軽負荷運転のときに電動発電機20による発電を行ってバッテリ22を充電する。なお、この軽負荷運転であるか否かは、エンジン10で発生する負荷量Qeaが予め設定した負荷量Qecよりも小さいか否かで判定する。これにより、容易にバッテリ22の充電量を確保することができる。

次に、本発明の実施の形態のハイブリッド車両の制御方法について、図2の制御フローを参照しながら説明する。この図2の制御フローは、ハイブリッド車両1の運転が開始されると、上級の制御フローから呼ばれて、通常のハイブリッド車両1の運転の制御と並行して実施され、ハイブリッド車両1の運転が停止されると、割り込みによりリターンに行って上級の制御フローに戻り、上級の制御フローと共に終了する制御フローとして示している。

この図2の制御フローが開始されると、ステップS11で、エンジン10が、予め設定した第1期間t1内に高地走行状態に入るか否かを判定する。この判定で、エンジン10が、第1期間t1内に高地走行状態に入らない場合は(NO)、通常のハイブリッド車両1の制御を他の制御フローで行い、予め設定した制御時間Δtiを経過した後、ステップS11に戻る。

一方、このステップS11の判定で、エンジン10が、第1期間t1内に高地走行状態に入る場合は(YES)、ステップS12に行く。このステップS12では、エンジン10が、高地走行状態に入っているか否かを判定する。

このステップS12の判定で、エンジン10が、高地走行状態に入っていない場合は(NO)、ステップS13に行き、電動発電機20の電力源となるバッテリ22の充電量を確保する充電量確保制御を、通常のハイブリッド車両1の制御よりも優先させて行い、予め設定した制御時間Δtiの間を経過した後、ステップS11に戻る。この充電量確保制御では、電動発電機20の電力源となるバッテリ22の放電を抑制する放電抑制制御、又は、エンジン10で発生する負荷量Qeaが予め設定した負荷量Qecよりも小さい軽負荷運転のときに電動発電機20による発電を行ってバッテリ22を充電する軽負荷時充電制御の少なくとも一方を行う。

一方、ステップS12の判定で、エンジン10が、高地走行状態に入っている場合は(YES)、ステップS14に行き、エンジン10の高地制限出力Qemaxに加えて電動発電機20の最大許容出力Qmmaxを、車両走行のための高地用最大許容出力Qhmaxとする高地走行制御を,通常のハイブリッド車両1の制御よりも優先させて行い、予め設定した制御時間Δtiの間を経過した後、ステップS11に戻る。

そして、ステップS11からステップS13又はステップS14を繰り返して実施し、ハイブリッド車両1の運転が停止されると、割り込みによりリターンに行き、上級の制御フローに戻って、この上級の制御フローの終了とともに、図2の制御フローも終了する。

また、図2の制御フローに従った制御によれば、エンジン10が高地走行状態に入っているか否かを判定し、高地走行状態に入っていると判定した場合には、エンジン10の高地制限出力Qemaxに加えて電動発電機20の最大許容出力Qmmaxを、車両走行のための高地用最大許容出力Qhmaxとする高地走行制御を行うことができる。

従って、上記のハイブリッド車両1及びハイブリッド車両の制御方法によれば、エンジン10と電動発電機20を備え、この電動発電機20でアシスト可能なハイブリッド車両1において、高地走行状態に入っていると判定した場合には、高地走行制御で、高地用最大許容出力Qhmaxを、エンジン10の高地制限出力Qemaxではなく、このエンジン10の高地制限出力Qemaxに、電動発電機20でアシストできる最大許容出力Qmmaxを加えた値にするので、車両走行で要求される、より大きな出力(要求駆動力)Qtに対応できるようになり、高地走行状態においても、ハイブリッドシステム2としての高地用最大許容出力Qhmaxをエンジン10の高地制限出力Qemaxよりも大きくして、より大きな車両走行で要求される必要駆動力Qtに対応できるようになる。

1 ハイブリッド車両(HEV) 2 ハイブリッドシステム 10 エンジン(内燃機関) 11 排気通路 12 ターボ式過給機 12a コンプレッサ 12b タービン 13 トルクコンバータ 14 エンジン走行用クラッチ 15 吸気通路 20 電動発電機(走行用電動機兼発電機) 21 インバータ 22 バッテリ 23 モータ走行用クラッチ 30 変速機 31 プロペラシャフト 32 差動装置(デファレンシャルギア) 33 車軸 34 車輪 40 制御装置 41 高地走行判定手段 G 排気ガス Pa 大気圧 Pa(i) 大気圧の時系列のデータ(i=1,2・・・) Pa(n) 制御時の大気圧 Pa(n−1) 大気圧の直前の時系列データ Pac 高地判定用大気圧 Qea エンジンで発生する負荷量 Qec 予め設定した負荷量(軽負荷運転の判定用閾値) Qemax エンジンの高地制限出力 Qhmax 車両走行のための高地用最大許容出力 Qm 電動発電機の駆動力 Qmmax 電動発電機の最大許容出力 Qt 車両走行に必要な要求駆動力 t 経過時間 t1 第1期間 ta 第1時点 tb 第2時点 tx 高地走行状態に入る時期(大気圧が高地判定用大気圧を下回る時期) Ta 大気温度 ΔPa 大気圧Paの減少分の大きさ ΔQtm 要求駆動力と高地制限出力の差 Δt 時間増分 Δti 制御時間

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