Device having multiple molecular arrays

申请号 JP2003372120 申请日 2003-10-31 公开(公告)号 JP2004151109A 公开(公告)日 2004-05-27
申请人 Agilent Technol Inc; アジレント・テクノロジーズ・インクAgilent Technologies, Inc.; 发明人 SCHEMBRI CAROL T;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a microfluidic analysis system easy to produce, having high cost-efficiency and convenient to use, which can perform analyses on very small quantities of sample. SOLUTION: The multi-array device 600 includes a foundation structure with a plurality of array sites, and a plurality of individual pieces of a flexible array substrate 601, wherein an individual piece of the flexible array substrate is attached to each array site. COPYRIGHT: (C)2004,JPO
权利要求
  • 複数のアレイ部位を備えた基礎構造体と、可撓性アレイ基板の複数の個別部分とを含み、各アレイ部位に可撓性アレイ基板の個別部分が付着している、マルチアレイ装置。
  • 前記基礎構造体が、前記複数のアレイ部位の少なくとも1つを備える複数のプロングを支持するペデスタルを含む請求項1に記載のマルチアレイ装置。
  • 前記プロングが、前記ペデスタル上に、x−yグリッド・レイアウトをなすように配置されている請求項2に記載のマルチアレイ装置。
  • 前記プロングが前記ペデスタルに渡って線形に配置されている請求項2に記載のマルチアレイ装置。
  • 前記プロングが、マルチウェル・プレートにおけるウェルに対応するように配置されている請求項2に記載のマルチアレイ装置。
  • 前記ペデスタルに支持された複数の止め具プロングをさらに含む請求項2に記載のマルチアレイ装置。
  • 少なくとも2つのプロングに、該プロングから延びて止め具を形成する肩特徴が含まれる、請求項2に記載のマルチアレイ装置。
  • 複数のアドレス指定可能なプローブ集合体をさらに含み、各アドレス指定可能なプローブ集合体が、可撓性アレイ基板の前記複数の個別部分のそれ自体の1つに支持されている、請求項1に記載のマルチアレイ装置。
  • 少なくとも1つのアドレス指定可能なプローブ集合体が、少なくとも1つの他のアドレス指定可能なプローブ集合体と異なる、請求項8に記載のマルチアレイ装置。
  • 可撓性アレイ基板の各個別部分が可撓性ベースを含み、該可撓性ベースによって、アドレス指定可能なプローブ集合体が支持されている、請求項1に記載のマルチアレイ装置。
  • 可撓性アレイ基板の各個別部分が可撓性ベースを支持する可撓性支持体を含み、該可撓性ベースによって、アドレス指定可能なプローブ集合体が支持されている、請求項1に記載のマルチアレイ装置。
  • 可撓性アレイ基板の各個別部分が反射層を支持する可撓性ベースを含み、該反射層によって、アドレス指定可能なプローブ集合体が支持されている、請求項1に記載のマルチアレイ装置。
  • 前記基礎構造体が硬質である請求項1に記載のマルチアレイ装置。
  • 前記基礎構造体が、マルチウェル・プレートを含み、該マルチウェル・プレートが、複数のウェルが形成されているプレート本体を備え、該複数のウェルの少なくとも1つが、前記複数のアレイ部位の少なくとも1つを備える、請求項1に記載のマルチアレイ装置。
  • 各ウェルが、底面と、開放端と、該底面と該開放端との間に配置された側壁を備え、前記アレイ基板の個別部分の1つが、該ウェルの底面に配置されている、請求項14に記載のマルチアレイ装置。
  • 請求項2に記載のマルチアレイ装置と、一式の使用説明書とを含んでなるキット。
  • 前記マルチアレイ装置といっしょにパッケージされたマルチウェル・プレートをさらに含む、請求項16に記載のキット。
  • 請求項8に記載のマルチアレイ装置を用いて、複数のハイブリダイゼーションアッセイを実施する方法であって、
    a)複数の試料溶液を得るステップと、
    b)該複数の試料溶液のそれぞれと、該マルチアレイ装置の前記複数のアドレス指定可能なプローブ集合体の対応する1つを接触させるステップとを含み、該接触させるステップが並行して実施される方法。
  • c)前記接触させるステップが行われている間に、前記複数の試料溶液を混合するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  • 前記複数の試料溶液が、マルチウェル・プレートに保持され、前記混合するステップが、該マルチウェル・プレートに対して前記基礎構造体を移動させるステップを含む、請求項19に記載の方法。
  • 前記混合するステップが、前記マルチウェル・プレートに対して前記基礎構造体を上下に移動させるステップを含む、請求項20に記載の方法。
  • c)前記アレイを調べるステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  • 说明书全文

    本発明は、一般に、化学分析及び生物学的分析のための分子アレイに関するものであり、とりわけ、複数のアレイを備えた装置に関するものである。

    アレイ(DNA、RNA、または、蛋白質アレイ)は、周知のところであり、例えば、診断またはスクリーニング・ツールとして用いられている。 分子アレイとしても知られるこうしたアレイには、通常、基板上に所定の構造をなすように配置された、異なるプローブ分子(一般に、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドのような生体分子)からなる領域が含まれている。 これらの領域(「アレイフィーチャー(array features)」と呼ばれる場合もある)は、基板上のそれぞれの位置(「アドレス」)に配置される。 アレイは、試料にさらされると、試料と結合反応し、観測される結合パターンを示す。 この結合パターンは、アレイを調べる際に検出可能である。 例えば、試料中の全ての生体分子ターゲット(例えば、DNA)に、適切な標識(蛍光複合材料のような)で標識付けすることが可能であり、これにより、アレイを試料にさらした後、アレイ上において標識を正確に観測することが可能になる(例えば、蛍光パターンを観測することによって)。 種々の生体分子ターゲットが、所定の構造に従って正確に配置されているものと仮定すると、観測される結合パターンは、試料の一つ以上の成分の存在及び/または濃度を表示することになる。

    現在、ポリヌクレオチド・プローブアレイのほとんどが、ガラス基板上に形成されている。 多大な努を払って、シランの化学作用、または、ガラスに付着するコーティングに基づく、プローブ付着表面が開発されてきた。 大部分のアッセイは、蛍光に基づいているので、ガラス基板によって生じる蛍光が本質的に弱いということは、かなりの利点になる。 ガラスには、硬質(rigid)で、脆く、他の材料に対する付着が困難であるという欠点がある。

    生体分子のアレイは、一般に、事前に得た生体分子を部位特異的に基板上に配置するか、または、基板上に生体分子を部位特異的にインサイチュ合成することによって、基板上に製造される。 アレイの製造において、利用可能な生体分子の量は、通常、極めてわずかであり、高価である。 さらに、試験に利用可能な試料の量は、通常、やはり極めてわずかである。 従って、アレイ上の多数の異なるプローブに対して同じ試料を同時に試験することが好ましい。 これらの条件により、多数の極小で間隔の密なフィーチャーを備えたアレイが必要になる。 構成に従って、硬質基板(ガラスのような)上に、約1〜約20(以上)のこうしたアレイを製造することが可能である。 こうした基板は、手動で、または、機械で製造ツールに配置しなければならず、基板は、後で、そのそれぞれが、一つ以上のアレイを設けることが可能な基板セグメントをなすように切断される。 より多くのアレイを製造するには、製造装置に個々の基板を配置して、アライメントをとる必要がある。 さらに、基板上に高価なアレイを製造した後で、ガラスのような基板を正確に切断すると、破損による多少の損失が生じることになる。 うまく切断された基板セグメントは、一般に、試料にさらすための何らかの装置に個別に配置されることになり、やはり、多くの試料をそれぞれのアレイにさらすための反復操作が必要とされる。

    操作の必要を軽減することができ、基板を必要な試薬にすぐにさらすことができるようにする、簡便に多くのアレイを基板上に製造し、使用に備えて調整することが可能な手段を提供することが好ましい。 Lefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/032,608号明細書(2001年10月18日出願)、Schembriによってなされた米国特許出願番号第01/037,757号明細書(2001年10月18日出願)、およびLefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/167,662号明細書(2001年10月18日出願)には、アレイの製造に用いるのに適した可撓性基板材料について記載することによって、これらの問題に対処する教示を明らかにしたものがある。 これらの材料に形成される可撓性アレイによって、ガラス上に形成されるアレイと比較して、いくつかの利点が得られる。 可撓性基板材料の場合、製造プロセスが連続していて、ウェブ仕上げ(印刷物加工の別名でも知られる)テクノロジからの標準技術を用いるので、製造中における操作がより簡便であり、低コストである。 さらに、こうしたアレイ基板は、多様な改変を容易にするので、アレイの機能性を高めることが可能である。

    先行技術文献には、ロール・ツー・ロール製造プロセスにおける高分子フィルムを利用して、マイクロ流体装置を製造する方法を開示したものがある(例えば、特許文献1参照)。 先行技術文献には、核酸またはペプチド核酸プローブのような生体プローブに対して相補的で、それらと特異的にハイブリダイゼーションする生体分子を検出するための電気化学的方法を開示したものもある(例えば、特許文献2参照)。 先行技術文献には、さらに、ジンク・フィンガー蛋白質またはペプチドをプローブとして利用して、生体系にとって潜在的に毒性の可能性のある化合物を検出する方法を開示したものもある(例えば、特許文献3参照)。

    マイクロ流体システムに関する信号検出を可能にするための技術の一つには、先行技術文献(例えば、非特許文献1参照)に開示されたマイクロ流体チップに結合される単一フォトダイオードが必要とされる。 単一フォトダイオードは、マイクロ流体チップに結合されるが、ただ単なる電気変換器であり、電子信号処理またはシステム制御機能はない。

    先行技術文献(例えば、非特許文献2参照)に記載されているように、マイクロ流体システムと同じ基板に、電子回路も直接組み込まれた。 同じ基板上にマイクロ流体コンポーネントと電子コンポーネントとの両方を製造するのは、マイクロ流体コンポーネントを製造するよりもコストが高くつき、困難であるだけではなく、コンポーネントの製造に利用可能な材料及びプロセスの選択が制限を受けることにもなる。 シリコン上またはシリコン内に製造されるマイクロ流体コンポーネントは、非特許文献2に記載のように、シリコン基板上に電気及びデータ分析コンポーネントを直接製造することが可能である。 しかし、これは、高分子基板またはガラス基板の場合、実現が容易ではない。

    先行技術文献(例えば、特許文献4参照)には、アレイ表面の温度を変化させて、ターゲット分子の結合時における温度変化の範囲または速度に関する変化を検出することによって、核酸アレイにおけるハイブリダイゼーションを電子的に検出する方法が開示されている。

    先行技術文献(例えば、特許文献5参照)には、核酸結合部位を含む核酸抽出ゾーンが含まれている、小型化集積核酸診断装置及びシステムに関する記載もある。 先行技術文献(例えば、特許文献6)には、流体を混合するための特定の方法を含む、試料収集、調製、及び、分析操作を実施するための小型化集積核酸診断装置に関する記載もある。 先行技術文献(例えば、特許文献7参照)には、検体から核酸を収集し、増幅するための集積超小型PCR装置に関する報告もある。

    分子分析の利用が増すにつれて、種々の形状因子(form factors)が利用されている。 戦略の一つとしては、単一アレイ上に多数のフィーチャーを詰め込んで同時にスクリーニングできるようにすることである。 代替の戦略は、比較的少数のシーケンスを選択的にスクリーニングすることである。 シーケンスの少ないアレイは、小形になり、従って、利用する試料が小さくなり、大型のアレイよりもコスト及び利便性において有利になる可能性がある。 従って、利用に便利で、経済的なアレイフォーマットを備えることが好ましいということになる。

    マイクロ流体テクノロジを利用して、従来の技術よりもはるかに小規模の化学及び生物学的分析を実施することが可能なシステムが構築される。 分析、化学及び生物学的処理、及び、試料調製のためのマイクロ流体システムには、処理前及び処理後フルイディック操作コンポーネント、マイクロ流体コンポーネント、マイクロ流体システム間インターフェイス・コンポーネント、電子コンポーネント、環境制御コンポーネント、及び、データ解析コンポーネントといった構成要素のいくつかの組合せを含むことが可能である。 より小形で、より強力な分析システムを構築するには、高分子またはガラス基板に、オン・システム信号検出及び処理を可能にする電子コンポーネントを組み込むことが好ましい。

    米国特許出願公開第2002/0098124A1号明細書

    米国特許第6,391,558号明細書

    米国特許第6,235,538号明細書

    米国特許第6,403,317号明細書

    米国特許第6,168,948号明細書

    米国特許第6,197,595号明細書

    国際公開第94/05414号パンフレット

    Kramer他著、「An Optical MEMS−based Fluorescence Detection Scheme with Applications to Capillary Electrophoresis」、SPIE Conference on Microfluidic Devices and Systems、SPIE、1998年9月、第3515巻、p. 76−85 Mastrangelo他著、「Microfabricated Devices for Genetic Diagnostics」、Proceedings of the IEEE、1998年8月、第86巻、第8号、p. 1769−1787

    マイクロ流体システムのサイズが縮小され、複雑さが増すにつれて、マイクロ流体構造と有効な分析方法を組み合わせる簡便な方法の要求が増大している。 従って、本発明の目的は、生産が容易で、コスト有効度が高く、使い勝手の良い分析システムを提供することにある。 分析のための試料を入手するコストまたは困難さに鑑みて、本発明のもう1つの目的は、極めて少量の試料で分析を実施することが可能なシステムを提供することにある。

    上述の欠点の多くは、ほぼ本明細書に記載のとおりの装置及び方法を用いて克服することが可能である。 本発明によれば、複数のハイブリダイゼーション反応を並行して実施するための装置及び方法が得られる。 可撓性アレイ基板の複数個別部分を備える装置(「マルチアレイ装置」)には、複数のアレイ部位を備えた基礎構造体と、基礎構造体に付着した可撓性アレイ基板の複数の個別部分が含まれていて、可撓性アレイ基板の個別部分が、各アレイ部位を占めている。

    実施態様の1つでは、基礎構造体には、x−yグリッド・レイアウトをなすように配置された複数のプロングを支持するペデスタルが含まれている。 各プロングは、可撓性アレイ基板の個別部分が付着したアレイ部位を備えている。 実施態様の1つでは、各プロング毎に、可撓性アレイ基板の2つ以上の個別部分を付着させることが可能である。 プロングは、一般に、一定の間隔をあけて、96ウェルのマイクロタイタ・プレートのような、マルチウェル・プレートのウェルに対応するように配置されている。 もう1つの実施態様では、基礎構造体は、単一行のプロングを備えており、プロングは、マルチウェル・プレートの単一行(または列)と整合するように間隔をあけて配置されている。 ウェルは、ウェルとプロングの間にほとんど隙間がなくなるように、プロングと相補型に成形して、例えば、ハイブリダイゼーションのアッセイ中、少量の(高価である可能性のある)試料溶液を利用できるようにすることが可能である。 マルチアレイ装置の代替実施態様の場合、マルチウェル・プレートのウェルは、それぞれ、例えば各ウェルの底面のような、可撓性アレイ基板の個別部分を付着させることが可能なアレイ部位を備えている。

    いくつかの実施態様では、マルチアレイ装置が対応するマルチウェル・プレートと係合すると、他のプロング上にある可撓性アレイ基板の個別部分のそれぞれを、ウェルの底面及び/または側面からわずかに離れた状態に保持して、可撓性アレイ基板の個別部分が、ウェルの底面及び/または側面に接触しないようにする「止め具」の働きをする、「止め具」プロングが得られる。 もう1つの実施態様では、複数のプロングには、プロングから延びて止め具を形成し、可撓性アレイ基板の個別部分が、ウェルの底面及び/または側面に接触しないようにする肩特徴が含まれている。

    可撓性アレイ基板の各個別部分は、一般に、アドレス指定可能なプローブ集合体を支持している。 ある実施態様では、少なくとも1つのアドレス指定可能なプローブ集合体が、可撓性アレイ基板の異なる個別部分に存在する少なくとも1つの他のアドレス指定可能なプローブ集合体とは異なっていて、マルチアレイ装置上に異なるプローブ集合体が存在し、スクリーニングを並行して実施できるようになっている。

    本明細書に記載のようなマルチアレイ装置は、一般に、キットにして供給されることになる。 キットには、一般に、マルチアレイ装置と、1組の使用説明書が含まれている。 キットには、マルチアレイ装置といっしょにパッケージされたマルチウェル・プレートを含むことも可能である。

    本発明によれば、さらに、マルチアレイ装置を用いて、ハイブリダイゼーション反応を並行して実施する方法が提供される。 この場合、マルチアレイ装置には、複数のアレイ部位を備えた基本構造が含まれており、マルチアレイ装置には、さらに、アレイ部位に配置されたアレイ基板の複数の個別部分も含まれている。 この方法では、複数の試料溶液を得て、マルチウェル・プレートのウェルに配給される。 各試料溶液は、試料溶液中の標的分子と可撓性アレイ基板の個別部分に支持された相補性プローブ分子を結合させるのに十分な条件下において、十分な時間にわたって、マルチアレイ装置の可撓性基板の対応する個別部分に接触させる。 いくつかの実施態様では、試料溶液とアレイ基板の個別部分との接触は、マルチアレイ装置をマルチウェル・プレートと作動可能となるように嵌合させて、プロングがウェル内に入り込み、その結果、試料溶液と接触するようにして実施される。 各試料溶液には、例えば、それぞれ、異なる供給源からの、異なる標的または異なる1組の標的を含むことが可能であり、これによって、マルチアレイ装置を用いて、多くの試料溶液を同時かつ別個にアッセイすることが可能になる。 いくつかの実施態様では、ハイブリダイゼーションアッセイには、例えば、マルチアレイ装置及び/またはマルチウェル・プレートを振動または撹拌することによって、マルチウェル・プレートに対してマルチアレイ装置を移動させ、小さな動き(例えば、上下及び/または左右の)を誘発し、ウェル内のプロング周りで試料溶液が渦巻いて、その結果、試料溶液が混合されるようにして、試料溶液を混合するステップを含むことが可能である。 次に、試料溶液にさらした後で、マルチアレイ装置が調べられる。

    図面を容易に理解するために、同一の符号が使用される。 実際、その符号は、各図に共通である構成部分に対応させて示される。 図の各構成部分は、決まった縮尺で記載されていない。 図の混乱を避けるために、各々の特徴を示すための代表的な特徴が示される。 しかし、その機構の例がすべて記載されているわけではない。 すなわち、特定の例がスポットで示される。 また、記載される機構は、図の多くの場所に存在してもよく、ある符号によって1回記載されてもよく、または2〜3回記載されてもよい。 記載されていない機構は、図に記載された機構を参照することによって容易に理解される。 その図は、記載された機構を有する多くの構成部分を記載する。
    本発明について詳述する前に、いうまでもないが、別段の指示がない限り、本発明は、特定の材料、試薬、反応物質、製造プロセス等に制限されるものではなく、従って、変更可能である。 やはりいうまでもないが、本明細書において用いられる用語は、特定の実施態様のみを記述しようとするものではなく、制限することを意図したものではない。 本発明では、論理的に可能であれば、異なる順序でステップを実行することも可能である。 しかし、後述するステップが好ましい。

    明細書及び添付の請求の範囲において用いられる限りにおいて、「ある(a,an)」及び「その(the)」といった単数形には、その文脈において明らかに別の指示がなされていない限り、複数の指示物が含まれるという点に留意しなければならない。 従って、例えば、「ある不溶性支持体(an insoluble support)」の指示内容には、複数の不溶性支持体が含まれている。 本明細書及び添付の請求の範囲において、それに反する意図が明らかでない限り、下記の意味を有するものと定義されるいくつかの用語について言及する。 「実質的な(substantial)」または「実質的には(substantially)」は、物質、または、プロセスまたは事象の程度に言及するために用いられる場合、その物質、プロセス、または、事象が、その物質、プロセス、または、事象の機能を損なうほど逸脱することはないこと、どんなことがあろうと、約20%を超えて逸脱することはないか、あるいは、より一般的には、約10%、さらに、一般的には、約5%を超えて逸脱することはないことを表している。

    本明細書において用いられる限りにおいて、ポリヌクレオチドには、単一または複数の鎖構造が含まれるが、一つ以上の鎖のアライメントが完全にとれている場合もあれば、とれていない場合もある。 「ポリヌクレオチド」及び「オリゴヌクレオチド」という用語は、ポリデオキシヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含有する)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含有する)、プリンまたはピリミジン塩基のN−グリコシドである他の任意のタイプのポリヌクレオチド、及び従来の骨格鎖の代わりに、非天然または合成骨格鎖を用いた、あるいは、一つ以上の従来の塩基の代わりに、非天然または合成塩基を用いた他の高分子に対する総称とする。

    「ヌクレオチド」は、リン酸基、糖群、及び、塩基を含む窒素を含む核酸のサブユニット(DNA、RNA、それらの類似体のいずれにせよ)、並びに、こうしたサブユニットの類似体を表している。 「ヌクレオシド」は、糖基及び塩基を含有する窒素を含む核酸サブユニットを表している。 「ヌクレオシド成分」は、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、または、ヌクレオシド・ホスホルアミダイトにおけるように、より大きい分子の一部としての、糖群及び塩基を含有する窒素を備えた分子(ヌクレオシドにおけるような)を表している。 「ヌクレオチド単量体」は、より大きいオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド鎖に組み込まれない、単一ヌクレオチド・サブユニットに相当する分子を表しており、ヌクレオチド単量体は、ヌクレオチド単量体の意図する用途に必要であれば、活性化基または保護基を備えることも可能である。 「ポリヌクレオチド中間体」は、ポリヌクレオチドを化学合成するステップ間において生じる分子を表しており、ポリヌクレオチド中間体は、例えば、合成における後続のステップで酸化させると、リン酸塩になる亜リン酸塩中間体、または、後で保護解除される保護されたポリヌクレオチドといった、意図する最終生成物を得るため、さらなる反応にさらされる。 「オリゴヌクレオチド」は、一般に、長さが約2〜100のヌクレオチドからなるヌクレオチド多量体を表しており、一方、「ポリヌクレオチド」には、任意の数のヌクレオチドを備えたヌクレオチド多量体が含まれている。 明らかに、本明細書において用いられる限りにおいて、「ヌクレオシド」及び「ヌクレオチド」という用語には、例えば、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)、または、ウラシル(U)といった天然プリン及びピリミジン塩基だけではなく、修飾プリン及びピリミジン塩基、及び、修飾された他の複素環塩基も含有する成分が含まれることになる(これらの成分は、本明細書において、「プリン及びピリミジン塩基及びその類似体」と総称される場合もある)。 こうした修飾には、例えば、プリンまたはピリミジンのメチル化、プリンまたはピリミジンのアシル化等、あるいは、アセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、イソブチル、ベンゾイル等のような保護基の付加が含まれる。 プリンまたはピリミジン塩基は、上記の類似体とすることも可能であり、適切な類似体は、当業者にとって既知のところであり、添付の本文及び文献に記載がある。 一般的な類似体には、1−メチルアデニン、2−メチルアデニン、N6−メチルアデニン、N6−イソペンチルアデニン、2−メチルチオ−N6−イソペンチルアデニン、N,N−ジメチルアデニン、8−ブロモアデニン、2−チオシトシン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、5−エチルシトシン、4−アセチルシトシン、1−メチルグアニン、2−メチルグアニン、7−メチルグアニン、2,2−ジメチルグアニン、8−ブロモグアニン、8−クロログアニン、8−アミノグアニン、8−メチルグアニン、8−チオグアニン、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、5−エチルウラシル、5−プロピルウラシル、5−メトキシウラシル、5−ヒドロキシメチルウラシル、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−(メチルアミノメチル)ウラシル、5−(カルボキシメチルアミノメチル)−ウラシル、2−チオウラシル、5−メチル−2−チオウラシル、5−(2−ブロモビニル)ウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、擬似ウラシル、1−メチル擬似ウラシル、クエオシン、イノシン、1−メチルイノシン、ヒポキサンチン、キサンチン、2−アミノプリン、6−ヒドロキシアミノプリン、6−チオプリン、及び、2,6−ジアミノプリンが含まれるが、これらには限定されない。

    「ヌクレオチド間結合」は、自然界で見受けられる核酸のホスホジエステル結合、または、核酸及び核酸類似体の合成技術から周知の結合のような、二つのヌクレオシド成分間における化学結合を表している。 ヌクレオチド間結合は、リン酸塩または亜リン酸塩基を含むことが可能であり、リン酸塩または亜リン酸塩基の一つ以上の酸素原子が、置換基によって修飾されるか、例えば、硫黄原子、または、モノアルキルまたはジアルキル・アミノ基の窒素原子のような、別の原子によって置換される、結合を含むことが可能である。 分子相互作用との関連において、「結合(bond)」、「結合された(bound)」、「結合する(binds)」、または、「結合している(binding)」といった用語は、共有結合、イオン結合、素結合、疎水結合、または、混合モード結合(上記の組合せ)を含む、種々の化学結合モードを表すために用いられるものとする。 特定の意味が許されるか、または、必要とされる場合には、前後関係によって決まるものとする。

    本明細書で用いられる限りにおいて、「アミノ酸」という用語は、L、D、及び、非キラル形状の天然アミノ酸(アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン)だけではなく、修飾されたアミノ酸、アミノ酸類似体、及び、例えば、4−ニトロフェニルアラニン、イソグルタミン酸、イソグルタミン、蛛|ニコチノイル−リジン、イソニペコチン酸、テトラヒドロイソキノレイン酸、瘁|アミノイソ酪酸、サルコシン、シトルリン、システイン酸、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、箟アラニン、4−アミノ酪酸等のような、従来のオリゴペプチド合成に組み込むことが可能な他の化合物も含むことを意図したものである。 「オリゴペプチド」は、2〜約100のアミノ酸サブユニットを含有する分子である。 「ポリペプチド」は、任意の数のアミノ酸サブユニットを備えた分子を表している。

    「生体分子」は、一般に、生体から取り出すことが可能なタイプの分子、または、その類似体を表している。 生体分子には、例えば、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、糖蛋白質、ヌクレオチド単量体、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、糖類、多糖類、ホルモン、成長因子、ペプチドグリカン等が含まれる。 「生体分子流体(biomolecular fluid)」という用語は、生体液、生体分子、及び/または、他の生体物質または材料を含む任意の流体を表している。 生体液のいくつかの例には、血液、血漿、血清、蛋白質及び核酸を含有する溶液、尿、脳脊髄液、唾液、酵素混合物、及び、分析及び生物医学技術において周知の他の関連物質及び流体が含まれる。

    「アレイ」(「マイクロアレイ」と呼ばれる場合もある)には、これに反する意図が示されない限り、それに関連する特定の化学成分(「プローブを」または、「プローブ分子」と呼ばれる)が設けられたアドレス指定可能領域の任意の一次元、二次元、または、三次元配置(例えば、ポリヌクレオチド・シーケンス)が含まれる。 「生体アレイ(bioarray)」は、生体分子のアレイである。 アレイは、異なる成分による複数の領域(例えば、異なるポリヌクレオチド・シーケンス)を備えていて、アレイ上における特定の所定位置(「アドレス」)の領域(「アレイフィーチャー」またはアレイの「スポット」)において、特定のターゲットまたはターゲットクラスが検出されることになる(あるアレイフィーチャーによって、偶発的に、そのアレイフィーチャーのターゲットでないものが検出される場合もあるが)ので、「アドレス指定可能」である。 あるアレイの場合、「ターゲット」は、種々の領域で基板に結合されたプローブ(「ターゲットプローブ」と呼ばれる場合もある)によって検出される、移動相の成分(一般に流体)と呼ばれる。 プローブは、例えば、共有結合及び/または静電相互作用を含む相互作用によって基板と結合することが可能である。 しかし、「ターゲット」と「ターゲットプローブ」のいずれか一方は、もう一方によって評価されることになるものとすることが可能である(例えば、いずれか一方は、もう一方と結合することによって評価されるポリヌクレオチドの未知の混合物とすることが可能である)。 「アドレス指定可能なプローブの集合」は、アレイ表面によって支持されるか、または、支持されることを意図した、異なる成分の複数の領域を表している。 本発明のプローブ及びターゲットは、一般に、一本鎖であるが、これは、必要不可欠というわけではない。 「ターゲット溶液(「試料」または「試料溶液」とも呼ばれる)は、ターゲットを含む移動相を表している。 アレイに「問い合わせる(interrogating)」とは、アレイからの情報、とりわけ、アレイに結合しているターゲットに関する情報を求めることを表している。 「ハイブリダイゼーションアッセイ」は、ターゲット成分を含有する移動相に生体アレイを接触させるプロセスを表している。 「アレイフォーマット」は、アレイフィーチャーの位置、アレイフィーチャーのサイズ、または、ある特定位置における成分の表示といった、それぞれが異なるアドレス指定可能位置にある、複数の異なる成分を含んでいる、アレイの一つ以上の特性を表している。 「アレイ基板」は、アドレス指定可能なプローブの集合を支持する物を表している。 プローブの集合がアドレス指定可能なフォーマットで配置される表面部分は、「アレイ表面」と呼ばれる。

    シートまたはストリップ状の材料のような材料のサンプルが、亀裂を生じたり、破損したり、あるいはその意図する用途のために機能する材料の能力を実質的に変えることなく、直径が大きくとも6インチの管のような、実質的に円筒形状に巻くことが可能な場合、その材料は、本明細書の定義によるところの「可撓性」ということになる。 実質的にフラットな形態から、前述の直径6インチの円筒形状と実質的に同じ円弧を示す弧状形態まで曲げることができる場合、その構造体または装置は可撓性ということになる。 試料(または、材料、構造体、または、装置)は、意図する機能を実質的に損なうことなく、少なくとも5サイクルにわたって、繰り返し、前記円筒形状をなすように巻いては(または曲げては)、さらに、広げるのに耐えることができるのが好ましい。 これに関して、「実質的に」は、意図する機能に生じる変化が、5回繰り返し巻いて、広げる上記試験を受けた材料と、こうした試験を受けなかった材料とを対比して測定すると、その機能の20%未満、一般的には、10%未満、あるいは、さらに一般的には、5%未満になることを表している。 とりわけ可撓性アレイの場合、意図する機能としては、アレイが意図通りに用いられた場合に、特定のフィーチャーにおけるターゲット分子の結合を明確に決定できる信号を生じる能力が考えられる。 この曲げは、材料の弾性限界内でなければならない。 材料または構造の柔軟性に関する以上の試験は、20の温度で実施される。 可撓性に関する上記定義に合致しない場合、その材料は「硬質」である。

    「付着した(attached)」または「付着している(attaching)」には、直接的な付着または間接的な付着が包含され、従って、例えば、第2の材料に付着した第1の材料には、第1の材料が第2の材料に直接結合された実施態様と、第1の材料が第2の材料に間接的に結合されるように、各中間材料がすぐ隣接した材料に結合されるという条件で、一つ以上の中間材料が第1の材料と第2の材料の間に配置された実施態様が含まれる。 「配置された」または「配置する」には、直接接触するか、または、間接的に接触するように配置されている(または、配置する)ことが含まれており、従って、例えば、第2の材料に配置された第1の材料には、第1の材料が第2の材料に直接接触している実施態様と、第1の材料が第2の材料に間接的に接触するように、各中間材料がすぐ隣接した材料に結合されるという条件で、一つ以上の中間材料が第1の材料と第2の材料の間に配置された実施態様が含まれる。 「支持された(supported)」、「上に支持された(supported on)」、または、「支持する(supports)」には、直接接触するか、または、間接的に接触するように支持されている(または支持する)ことが含まれており、従って、例えば、第1の材料が第2の材料に直接接触している実施態様と、第1の材料が第2の材料に間接的に結合されるように、各中間材料がすぐ隣接した材料に結合されるという条件で、一つ以上の中間材料が第1の材料と第2の材料の間に配置された実施態様が含まれる。 「支持体(support:名詞として用いられる)」とは、他の別個の要素または材料を支えるか、または、それに接触して、要素/材料間における多少の接触以外に、要素/材料間に特定の配向作用が加えられないようにするある要素または材料を表しており、例えば、要素は、上/下または左/右または近/遠といった配向、または、それらの組合せ配向を施される可能性があり、要素/材料間の接触は、直接または間接の可能性がある。 アレイ基板上にアドレス指定可能なフォーマットをなすプローブ集合体が形成されるプロセスを表すために用いられる場合、「製造」または「製造する」には、単量体サブユニットから高分子プローブをインサイチュ合成するプロセス、並びに、当該技術において既知のアレイ基板表面上にアドレス指定可能なプローブ集合体を形成するための他の適切な方式が無制限に含まれる。

    本明細書において用いられる限りにおいて、「マイクロ流体の」という用語は、例えば、一般に、ミクロンまたはサブミクロンの規模で製造される、チャネル/またはチャンバといった、マイクロ流体機構を備えるコンポーネントまたはシステムを表している。 例えば、一般的なチャネルまたはチャンバは、少なくとも、約0.1ミクロン〜約1500ミクロンの範囲、より一般的には、約0.2ミクロン〜約1000ミクロンの範囲、さらに一般的には、約0.4ミクロン〜約500ミクロンの範囲の一次元断面寸法を備えている。 個々のマイクロ流体機構は、一般に、例えば、約10ナノリットル〜約5ミリリットル、より一般的には、約100ナノリットル〜約2ミリリットル、さらに一般的には、約200ナノリットル〜約500マイクロリットル、さらにそれより一般的には、約500ナノリットル〜約200マイクロリットルといった、ごく少量の流体を保持している。 本明細書において用いられる限りにおいて、「集積装置(integrated device)」は、二つ(以上)のコンポーネントが物理的に作動可能に組み込まれた装置を表している。 コンポーネントを(完全にまたは部分的に)互いに別個に製造し、その(完全または部分的)製造が済んでから、一緒にすることもできるし、あるいは、別個のコンポーネントを組み込んだ状態で、集積装置を製造することも可能である。 集積マイクロ流体アレイ装置には、マイクロ流体コンポーネントに接合されるアレイコンポーネントが含まれており、マイクロ流体コンポーネント及びアレイコンポーネントは、アレイコンポーネントのアレイ基板が、マイクロ流体コンポーネントのマイクロ流体機構と流体でつながるように、互いに連係した作動が可能である。 マイクロ流体コンポーネントは、マイクロ流体機構を含むコンポーネントであり、アレイコンポーネントと連係した作動が可能になっている。 アレイコンポーネントは、アレイ基板を含むコンポーネントであり、マイクロ流体コンポーネントと連係した作動が可能になっている。 「モジュール式」は、一緒に用いられる複数の標準化コンポーネントを備えたシステムまたは装置を表しており、あるタイプのコンポーネントの複数の異なる例の一つの代わりに、同じタイプのコンポーネントのもう一つを用いることによって、システムまたは装置の機能または能力を変化させることが可能であるが、こうしたシステムまたは装置において、標準化コンポーネントのそれぞれは、「モジュール」である。 「耐流体性(fluid tight)」は、シール、チャンバ、または、他の機構の基準を表すために用いられる場合、意図する境界(一般にはガスケットによって形成される)を越える流体の流れを阻止するが、シールの一方の側のような意図する境界内の流体が、ポートを介して、またはチャネルの全長に沿って、チャンバに流入/チャンバから流出するのを許容する能力を表している。

    本発明によれば、複合可撓性アレイ基板が得られる。 この文脈において、「複合(composite)」は、複数の可撓性層が一緒に接合されたアレイ基板、とりわけ、第1の可撓性層(「可撓性ベース」と呼ばれる)が第2の可撓性層(「可撓性支持体」と呼ばれる)によって支持されたアレイ基板を表している。 特定の実施態様の場合、複合可撓性アレイ基板は、厚さが約5〜800ミクロンの可撓性ベースと、厚さが約50ミクロン〜5ミリメートルの可撓性支持体を備えている。 次に、図1及び図2を参照すると、本発明の方法及び装置によれば、一般に、一つ以上のアレイ112がその正面111に沿って配置された可撓性ベース106を支持する、細長い可撓性支持体(例えば、ウェブ、テープ、フィルム、または、リボン)110を備えた可撓性アレイ基板100を含む、アレイアセンブリが製造され及び/または利用される。 アレイ112は、任意選択的に、アレイ間領域117によって離隔することが可能であり、可撓性ベースは、ベース間領域119によって離隔することが可能である。 このベース間領域119の重要性は、可撓性ベース106によって、追加層の支持が可能になり、かつ、可撓性支持体110には存在しない(または、可撓性支持体のものとは異なる)表面特質/修飾を備えることが可能になるか、あるいは、そのいずれかが可能になるという点にある。 可撓性ベース106の背面は、可撓性支持体110に直接的または間接的に結合されている。 図1には、三つの可撓性ベース106のみしか示されていないが、もちろん、可撓性支持体110、及び、それに用いられることになる実施態様は、少なくとも、5、10、20、50、または、100(さらには、少なくとも、500、1000、または、少なくとも、3000)といった、また、実施態様によっては、5,000、10,000、50,000、または、それ以上に達する任意の所望の数の可撓性ベース106を利用することが可能である。 アレイ112は、可撓性支持体110の縦方向に沿って、両端を突き合わせて配置されている。 一つ以上の可撓性ベース106上に支持されたアレイ112に適応するため、可撓性支持体110は、少なくとも100cm(または、少なくとも200cmまたは500cm)の長さにすることが可能であり、あるいは、1mを超える(または、2m、5m、または、10m、または、100mを超える)長さで、例えば、100cm未満の幅、あるいは、50cm、30cm、10cm、5cm、1cm、0.5cm、または、0.3cm未満の幅にさえすることが可能である。 図では、可撓性支持体110の幅にわたって、一つのアレイ112だけしか配置されていないが、より多くの(例えば、2,3、または、4、あるいは、5以上の)アレイ112を設けることも可能である。 従って、一般に、可撓性支持体110に沿って縦方向に配置されるアレイ112の数と、その幅にわたって配置されるアレイ112の数の比率は、少なくとも、10/1、20/1、50/1、100/1とすることが可能であり、あるいは、少なくとも、500/1または1000/1とすることさえ可能である。 同様に、図では、可撓性支持体110の幅にわたって、一つの可撓性ベース106だけしか配置されていないが、より多くの(例えば、2,3、または、4、あるいは、5以上の)可撓性ベース106を設けることも可能である。 従って、一般に、可撓性支持体110に沿って縦方向に配置される可撓性ベース106の数と、その幅にわたって配置される可撓性ベース106の数の比率は、少なくとも、10/1、20/1、50/1、100/1とすることが可能であり、あるいは、少なくとも、500/1または1000/1とすることさえ可能である。 代替実施態様の場合、可撓性ベース106は、図に示す可撓性ベース106の個別断片ではなく、可撓性支持体110上に支持された細長いリボンの形状をとる。

    意図する用途に従って、任意のアレイ112またはまたは全てのアレイ112を互いに同じにするか、または、異なるものにすることが可能であり、各アレイには、例えば、ポリヌクレオチドのような生体分子のプローブの複数スポットまたはフィーチャー116が含まれることになる。 典型的なアレイには、10以上、100以上、1000以上、または、1万以上のフィーチャーを含むことが可能であり、あるいは、10万以上のフィーチャーを含むことさえ可能である。 フィーチャー116の全てが、異なる場合もあれば、その一部または全てが同じ場合もあり得る。 アレイ112が、従来のインサイチュプロセスによって、あるいは、予め入手した成分を被着させることによって形成される場合、例えば、インクジェット・タイプ・ヘッドのように、パルス・ジェットを用いて、各サイクル毎に、各フィーチャーに試薬の小滴を被着させることによって、典型的には(ただし、不可欠というわけではないが)、生体分子のないフィーチャー間領域118が生じることになる。 しかし、フィーチャー間領域118は、種々のサイズ及び構成が可能であることは明らかである。 また、アレイ112を互いに離隔するスペースの必要がないことも明らかである。 特定の実施態様の場合、各フィーチャーには、所定のポリヌクレオチドが備えられている(ポリヌクレオチドの混合物の可能性もある)。 もちろん、通常は、正面111とプローブ(例えば、生体分子)の間に既知タイプのリンカー分子(図示せず)が存在する。 可撓性ベース106上のアレイ112は、試験用試料であるか、基準試料であるか、前記の組合せであるか、または、ポリヌクレオチド、蛋白質、多糖類等の既知の混合物であるかにかかわらず、任意のタイプの試料に対して試験を行うように設計することが可能である(その場合、アレイは、評価されるべき未知の配列を備えたフィーチャーから構成されていてもよい)。

    可撓性支持体110は、可撓性ベース106に隣接した両端縁113a、113bも備えており、その端縁の一方113aに沿って、情報標識156の形をとる識別子が設けられている。 情報を備える情報標識156の代わりに、他の光学または磁気識別子のような識別子を利用することも可能である。 各識別子は、関連するアレイ112に隣接して配置されている。 しかし、このように配置する必要はなく、識別子は、どこか他の場所に配置することが可能である。 さらに、二つ以上のアレイ112に関連した単一の識別子を設けることも可能であり、こうした一つ以上の識別子を可撓性支持体110の先端または後端(どちらも図示せず)に配置することが可能である。 端縁113bに沿って、それぞれ、対応する隣接アレイ112に関連した、アライメント基準115を設けることも可能である。 あるいはまた、情報標識156は、可撓性支持体110の裏表面114における端縁113a、113bの一方または両方に沿って配置することも可能である。 任意選択的に、端縁は、それぞれ、例えば、ロール形式でアレイ基板を処理する装置におけるトラクタ駆動部の歯付きリールに用いることが可能なような、可撓性支持体110を貫く、あるパターンをなす複数の穴と関連させることが可能である。

    図2には、アレイ基板100がいくつかの異なる層を備えることができることを示す、アレイ基板100の断面図の一部が例示されている。 可撓性支持体110は、可撓性ベース106と共に、アレイ基板100の最大厚部分を形成しており、任意的な中間結合層108を介して接合することが可能である。 ポリオレフィン・フィルムのような(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポロメチルペンテンのような)任意の適切な可撓性プラスチック、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、任意のフルオロカーボン重合体、または、他の適切な可撓性熱可塑性高分子フィルムを用いて、可撓性支持体110または可撓性ベース106を形成することも可能である。 可撓性支持体110の材料は、可撓性支持体110が用いられることになる条件下において、適切な寸法的、機械的、及び、化学的特性が得られるように、最適な選択が行われる。 例えば、可撓性支持体110によって支持されるポリヌクレオチドアレイは、水環境内において、長時間にわたり(例えば、12時間)高温(例えば、60)にさらされることになる。 ポリエステルまたはアラミドは、こうした条件にさらされると、膨張または劣化しやすい。 同様に、可撓性ベース106の材料は、可撓性ベース106がさらされることになる条件下において、適切な寸法的、機械的、及び、化学的特性が得られるように、最適な選択が行われる。 こうした条件は、可撓性支持体110の場合よりも厳しいものになる可能性がある。 例えば、可撓性ベース106に表面修飾を生じさせる条件には、高温(200を超える)が必要とされる可能性がある。 こうした表面修飾によって、可撓性ベース106は可撓性支持体よりもコストが高くつくことになるので、アレイ表面にプローブを付着させる働きをするのに必要な程度に、可撓性ベース106を制限するのが好ましいということになる。 アレイ112のタイプ及びアレイの利用条件が選択されると、先行技術文献等(例えば、Ho−Ming Tong、Luu T.Nguyen編、「New Characterization Techniques for Thin Polymer Films」、ISBN:0−471−62346−6;W.J.Feast、H.S.Munro、R.W.Richards編、「Polymer Surfaces and Interfaces II」、ISBN:0−471−93456−9;Tim H.Richardson編、「Functional Organic and Plymeric Materials:Molecular FunctionalityッMacroscopic Reality」、ISBN:0−471−98724−7;Ellis、高分子特性探索可能データベース「Polymers − A Property Database 」、英国、Bryan Sheffield University、ISBN/ISSN:0849310555;Irvin,I.Rubin編、「Handbook of Plastic Materials and Technology」;「Modern Plastic Encyclopedia」;「Plastic Design Library Chemical Resistance」;「Boedeker Material Selection guide for plastic」、[online]、インターネット<URL:http://www.boedeker.com/mguide.htm>参照)の多くの既知の高分子フィルム特性に関する出典を参照して、こうした条件下における寸法的、機械的、及び、化学的安定性に関して、アレイ基板100の材料を選択することが可能になる。 可撓性支持体110は、一般に、厚さが、約0.05mmを超えるか、または、0.2mm、0.5mm、1mm、または、2mmを超え(または、5mmを超え)、50mm未満(または、25または15mm未満)である。 可撓性ベース106は、一般に、厚さが、約5ミクロンを超えるか、または、10ミクロン、15ミクロン、20ミクロンを超え、約800ミクロン未満(または、約400、250、または、100ミクロン未満)である。 実施態様によっては、可撓性アレイ基板の厚さが、少なくとも約5ミクロンで、約800ミクロン未満というものもある。

    アレイ基板100には、任意的な反射層120、及び、ガラス層122の形態をなす光学的透過層も含まれている。 アレイ基板100の上面101には、フィーチャー間領域118によって随意に相互離隔された複数のフィーチャー116が存在し、ガラス層に122結合されたプローブ104が含まれている。 反射層120は、真空蒸着、プラズマ化学気相成長法、または、可撓性ベース106の他の手段によって、任意的な中間結合層124に被着させたアルミニウム、銀、金、プラチナ、クロム、タンタル、または、他の適切な金属フィルムとすることが可能である。 あるいはまた、反射層120は、誘電体ブラッグ・リフレクタ等として設計された複数の誘電体層を用いて構成することが可能である。 一般に、こうしたリフレクタは、屈折率の異なる二つの光学的に透明な誘電体からなる厚さが1/4波長の層を反復することによって形成される。 こうしたリフレクタに関する設計上の検討事項には、励起ビーム及び検出器に関する励起及び放出波長、及び、入射が含まれる。 当該業界においては、硬質の多層誘電体リフレクタが周知のところであり、米国コネチカット州のOriel Instrumentsから購入することが可能である。 ブラッグ・リフレクタの反射率を増すため、金属層が複数の誘電体層を支持して、反射層に金属層と複数の誘電体層とが含まれるようにすることが可能である。 結合層124(bonding layer)は、利用される場合には、利用される厚さにおいて可撓性であって、可撓性ベース106と反射層120の両方に結合する任意の適切な材料とすることが可能である。 反射コーティングを施されたプラスチック・フィルムは、周知のところであり、市販されている。 スパッタリング、プラズマ化学気相成長法、または、当該技術において既知の同様の技術によって、反射層120にガラス層122(この用語は、シリカを含めて使用される)を被着させることが可能である。 任意選択的に、反射層120のないガラス層122を使用することも可能である。 例えば、Sheldahl Corporation、Northfield、MN(wwwサイト、ga.com参照)、及び、カリフォルニア州サンディエゴのGeneral Atomic(wwwサイト、ga.com)といったいくつかのメーカは、金属及びガラス層でコーティングしたフィルムを提供する市販能力を有している。 ガラス層122は、1、10、または、100nmを超え、1000、700、または、400nm未満の任意の適切な厚さを備えることが可能であるが、一般に、厚さは、読み取り時にアレイフィーチャーの照射に用いられる光の波長の約1/4、または、その量の奇数倍である。 例えば、アレイ基板100がもはや可撓性でなくなるほど、層が厚くならないという条件で、40〜200nm、または、60〜120nm(さらには、80〜100nm)、あるいは、前記厚さの任意の一つの奇数倍(例えば、300nmを利用することが可能である)といった範囲になる。

    反射層120及び結合層124及び108は、それぞれ、厚さを、250nm未満、または、50、20、10、5、または、1nm未満にさえすることが可能である(ただし、いかなる場合でも、0.1または0.5nmを超える)。 ある例では、結合層124及び108は、それぞれ、10nmの厚さとすることが可能である。 反射層120は、特に、アレイ読み取り時にフィーチャーを照射するために用いられる光の波長に対して、不透明になるような厚さを備えるように選択することが可能である。 特定の実施態様の場合、反射層120の厚さは、約1750nm未満で、少なくとも40nmである。 実施態様によっては、反射層120の厚さは、約750nm未満で、少なくとも325nmという場合もある。 ガラス層122は、2000年1月28日にAndreas Dorsel等によって出願された米国特許出願番号第09/493,958号明細書(発明の名称「Multi−Featured Arrays With Reflective Coating」)に記載の厚さ及び透明性を備えることも可能であり、同時に、反射層120は、上記記載の出願に照射光に関連した反射率要件を満たすことが可能である。 例えば、反射層120は、入射光の少なくとも10%、または、少なくとも、20%、50%、80%、または、少なくとも90%、あるいは、入射光の少なくとも95%でさえ反射することが可能である。 ただし、ガラス層122及び反射層120が、それらの要件を満たさないこともあり得る。

    アレイ基板100の上記構成の場合、ガラス層122を利用すると、基板コーティング、フィーチャー製造、及び、アレイ使用に従来の化学反応を利用することが可能になる(例えば、ハイブリダイゼーションアッセイの実施に用いられる条件)。 ガラス基板上のアレイに関しては、こうした化学反応は、本明細書において引用されている参考文献に記載のように、周知のところである。 しかし、他の透明材料を利用することも可能である。 さらに、反射層120を利用すると、上記米国特許出願番号第09/493,958号明細書に記載の有用な特性が得られるだけではなく、プラスチック可撓性ベース106の好ましくない光学特性を回避することも可能になる(例えば、好ましくない蛍光、及び、入射光エネルギーを吸収する可撓性ベースの場合には、可撓性ベースを形成しているプラスチック材料の過熱及び可能性のある融解)。 反射層120は、強い蛍光を生じ、かつ、入射光をかなり吸収する可能性があるか、あるいは、そのいずれかである、可撓性ベース106材料を使用できるようにすることを考慮している。 例えば、可撓性ベース106に用いられるプラスチック材料は、少なくとも5または10(または、少なくとも、20、50、100、または、200)基準単位の蛍光を生じ、かつ、アレイ112の読み取りに用いられる照射光の少なくとも5%、10%、20%、または、50%(あるいは、少なくとも、70%、90%、または、95%でさえ)吸収することが可能か、あるいは、そのいずれかである。

    反射層120の代わりに非反射不透明層(例えば、適切な染色プラスチックまたは他の層)を用いると、やはり、可撓性ベース106の前述の材料を利用することが可能になるが、こうした場合、不透明層に多少の熱が生じる可能性がある。 反射層120または非反射不透明層は、可撓性ベース106と光学的に透明な層(例えば、ガラス層122)との間に配置されると、ガラス層122に入射する照射光の少なくとも10%が(または、少なくとも、20%、50%、80%、90%、または、95%でさえ)可撓性ベース106に到達できないようにすることが可能である。 非反射不透明層は、照射光の95%、90%、80%、または、50%未満を(または、10%未満さえ)反射することが可能である。 反射層120も不透明層も存在しない場合、少なくとも、アレイが蛍光の検出によって読み取られる状況においては、励起光によって照射されると、弱い蛍光を発する可撓性ベース106を利用するのが好ましいであろう。 この場合、可撓性ベース106は、200、100、50、または、20(あるいは、10または5)基準単位未満の蛍光を生じる可能性がある。 さらに、この場合、集束レーザ・ビームのある領域における移動が遅すぎると、入射する照射レーザ光の吸収、及び、後続の加熱を低減するため、可撓性ベース106は、比較的透明であることが好ましい。 例えば、可撓性ベース106は、光学的に透明な層に入射する照射光の少なくとも5%、10%、20%、または、50%(あるいは、70%、90%、または、95%でさえ)透過させることが可能である。 ここでの全ての反射及び吸収の測定は、反する指示がない限りにおいて、アレイ112の読み取りのため、光学的に透明な層に入射する照射光に関連して実施され、こうした照射光の全積分スペクトルにわたって、あるいはまた、アレイ結合分析の実施に利用される条件に従って、532nmまたは633nmまたは他の適切な波長において測定することが可能である。

    本発明によれば、さらに、適正な修正を施して、Lefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/032,608号明細書、Schembriによってなされた米国特許出願番号第01/037,757号明細書、およびLefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/167,662号明細書に記載の通りに、アレイが製造される、アレイを含む製品の製造方法も得られる。 こうした方法の場合、アレイは、可撓性支持体に直接または間接的に(介在する材料を介して)付着した可撓性ベース上に形成することが可能であるが、本発明では、可撓性支持体は、アレイ分子が支持されるか、または、支持されることを意図した可撓性ベースを支持するという点を除けば、ほぼLefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/032,608号明細書に記載の通りの可撓性ウェブに相当する。 可撓性支持体は、アレイ付着(製造)プロセスの間中、可撓性ベースを支える働きをすることが可能であって、かつ、アレイの取り扱いまたは操作のための処理表面としての働きをするといった、他の機能を果たすことが可能であるか、あるいは、そのいずれかが可能である。 可撓性ベースは、連続リボン構造を備える可撓性支持体の全長にわたって延びる、連続リボン構造をまた備えることが可能である。 実施態様によっては、可撓性ベースには、可撓性支持体の幅より広い連続リボン構造を備えるものもあり、あるいは、可撓性ベースの幅が、可撓性支持体とほぼ同じか、または、それより狭いという場合もある。 実施態様によっては、可撓性ベースの一つ以上の個別の部分が可撓性支持体によって支持されるという場合もある。 個別の部分は、可撓性ベースのより大きい部分(例えば、細長いリボン構造)をより小さい部分に切断することによって得ることが可能であり、これらは、さらに、可撓性支持体に付着させる。 これによって、可撓性支持体の制限された領域に結合された、所望の形状を備える可撓性ベース部分を利用することが可能になる。

    本発明によれば、さらに、適正な修正を施して、ほぼLefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/032,608号明細書、Schembriによってなされた米国特許出願番号第01/037,757号明細書、およびLefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/167,662号明細書に記載の通りに、アレイが製造される、アレイを含む製品の製造方法も得られる。 こうした実施態様の一つでは、Lefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/032,608号明細書に記載の可撓性ウェブが、ここでの可撓性ベースに相当し、可撓性支持体がない場合、アレイは可撓性ベース上に付着させることになる。 アレイの付着が済むと、可撓性ベースが、直接または間接的に(介在する材料を介して)可撓性支持体に付着させる。 可撓性支持体は、アレイハイブリダイゼーションプロセスの間中、可撓性ベースを支えるか、または、アレイリーダを支える働きをすることが可能あって、かつ、アレイの取り扱いまたは操作のための処理表面としての働きをするといった、他の機能を果たすことが可能であるか、あるいは、そのいずれかが可能である。

    本発明によれば、例えば、Lefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/032,608号明細書及び特許文献4(Bentsen等によってなされた米国特許出願公開第2002/0098124A1号明細書(2002年7月25日公開))に記載のようなロール・ツー・ロール法を用いた製造中における操作が容易な可撓性アレイ基板も得られる。 これらの方法には、可撓性アレイ基板の自動操作、及び、可撓性アレイ基板を製造及び利用するための自動装置も必要になる可能性がある。 同様に、本発明によれば、エンド・ユーザが、ロール・ツー・ロール法を利用して、または、可撓性基板上に支持されたアドレス指定可能なプローブ集合体を備えるテストストリップ等のような、異なる形状因子を利用して処理するのが容易なアレイ基板も得られる。

    当業者には明らかなように、アレイを含む製品の設計は、アレイリーダまたはスキャナに関する規格を含む、特定のシステムの要件に基づくものになる。 本発明によれば、十分に特性が解明された、大信号振幅の応用例を可能にするアレイの実施態様も得られる。 反射層及び透明層を備えた、本明細書に記載のアレイ基板によれば、アレイスキャンにおいて高感度が得られる。 このため、感度の低い、安価なスキャナを使用することが可能になる。

    実施態様によっては、アレイ基板が製造され、利用される条件に対する耐性を与える保護層をアレイ基板に含むものもある。 すなわち、アレイ基板の中には、酸またはキレート剤によって損傷を被る可能性のあるものが存在するということが判明した。 保護層によって、広範囲の条件に対するアレイの頑強性が増すので、例えば、アレイ製造及び/またはアレイハイブリダイゼーション中における試薬の選択といった、製造または使用条件の選択において自由度を増すことが可能になる。 保護層には、金属酸化物層を含むことが可能である。 アレイ基板に反射層が含まれる実施態様の場合、金属酸化物の保護層は、一般に、金属層上に支持される。 特定の実施態様の場合、金属酸化物層には、反射層に用いられる金属の酸化物が含まれる。 しかし、透明層が金属酸化物層に支持されている実施態様の場合、透明層の組成は、金属酸化物層の組成と異なるものとする。 換言すれば、特許請求の範囲に記載されている発明の特定の実施態様において用いられる金属酸化物は、その特定の実施態様において、透明層として用いてはならない。

    次に、図3を参照すると、保護層を備えたアレイ基板200の断面が例示されている。 アレイ基板200には、順に、任意的な支持体204、ベース206、金属層208、金属酸化物層210、及び、任意的な透明層212が含まれている。 金属酸化物層210の上には、複数の誘電体層を含む任意的なブラッグ・リフレクタ214を支持することが可能である。 任意的な支持体204が設けられる場合には、任意の適切な材料または材料の組合せから製造することが可能であり、ガラス・スライド、金属板、または、プラスチック・バー、あるいは、これらの材料の組合せのように、硬質のものにすることが可能である。 任意的な支持体が設けられる場合には、本明細書に記載のような、可撓性支持体とすることも可能である。 特定の実施態様の場合、可撓性支持体には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリエーテルイミジン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、または、ポリエチレンテレフタレートといった、一以上の材料を含むことが可能である。 任意的な結合層216を使用する場合には、結合層216は、すぐ隣接した材料の両方に結合する任意の適切な材料とすることが可能である。 本明細書に記載されているように、アレイ基板に透明層212を組み込むことによって、アレイを調べる間、信号を強化し、例えば、生体分子または他の分子のような物質の結合に適したアレイ基板表面に官能基を設けることも可能である。 当該技術において周知の、本明細書に開示の方法によって、アレイ基板200の表面202に修飾を施して、こうした官能基を設けることが可能である。

    保護層を備えたアレイ基板の特定の実施態様には、順に、ベース、ベースに支持された金属層、及び、金属層に支持された金属酸化物層が含まれている。 ベースは、任意の適切な材料または材料の組合せから製造することが可能である。 ベースは、ガラス・スライド、金属板、または、プラスチック・バー、あるいは、これらの材料の組合せのように、硬質のものにすることが可能である。 ベースは、本明細書に記載のような、可撓性ベースとすることも可能である。 特定の実施態様の場合、可撓性ベースには、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリエーテルイミジン、または、ポリプロピレンのような材料を含む可撓性プラスチック・シートが含まれる。 ベースは、一般に、反射層または反射層の一部の働きをする金属層を支持している。 金属層は、金属酸化物層を支持している。

    種々の実施態様において、金属層に選択される特定の金属には、クロム、アルミニウム、チタン、及び、タンタルが含まれるが、この金属は、任意の適切な金属、とりわけ、ベース上の平滑な層として被着させる場合に、反射率が少なくとも5%の元素金属、さらに細かくいえば、少なくとも、約10%、約20%、30%、40%、または、50%の元素金属から選択することが可能である。 クロムが良い選択であることが分っている。 クロム、アルミニウム、チタン、及び、タンタルの酸化物が、金属酸化物層に特に選択される酸化物であり、これらの酸化物によれば、例えば、製造または使用中におけるアレイ基板の劣化に対する耐性が得られる。 ある有効な実施態様には、ベースに支持されたクロム金属層に支持された、クロム酸化物層が含まれている。 実施態様によっては、金属酸化物層に、約1質量%未満のシリコンまたはアルミニウムの酸化物が含まれているものもある。 金属酸化物層には、例えば、クロム、アルミニウム、チタン、及び、タンタルから選択された金属の酸化物を含むことが可能である。 アレイ基板には、任意選択的に、一つ以上の任意的な結合層、透明層、支持体等のような、他の層または材料を含むことが可能である。

    多くの場合、金属酸化物は、不透明または黒色化合物であることが知られている。 こうした金属酸化物は、反射層の反射率を低下させることが可能である。 Iwatani等に付与された米国特許第5,827,409号明細書には、クロムのような金属の酸化物を用いて、液晶ディスプレイに用いられる薄膜上に不透明な黒色マトリックスを形成することが可能であるということを述べたものもある。 しかし、とりわけ、光学的方法を用いて、結果的に得られたアレイを調べることになる場合、アレイ基板には、反射表面が好ましい。 本発明のいくつかの実施態様では、(1)光の吸収に起因する加熱のしすぎによって基板に損傷を生じさせないようにして、金属表面が基板を調べるのに十分な光を反射できるようにするのに十分なほど薄く、かつ、(2)アレイ基板、及び、アレイ基板によって製造されるアレイの製造及び使用中に、用いられる化学反応及び条件に耐えるのに十分な保護を金属表面に施すのに十分なほど厚い酸化物層が、金属表面上に形成される。 実施態様によっては、酸化物層によって形成される保護層の厚さは、少なくとも約10nmか、または、基板の設計事項及び意図する用途に従って、少なくとも約5、25、または、100nmになる場合もある。 本明細書に記載のような設計事項は、本明細書に開示の技術における通常の技術範囲内である。

    光学的に調べる方法に用いることを意図した、アレイ基板上における許容可能な保護層の代替測定基準は、反射率である。 こうした実施態様の場合、保護層を備えたアレイ基板の反射率は、少なくとも約5%であり、実施態様によっては、少なくとも約10%の場合もあれば、少なくとも約20%の場合もあれば、少なくとも約30%の場合もあれば、少なくとも約40%の場合もあれば、少なくとも約50%の場合もあれば、少なくとも約60%の場合もある。 反射率は、表面に入射する全光の百分率として測定される。 反射率測定は、回折格子に白色光を利用し、反射率を測定することによって、可視スペクトル全体にわたって実施することが可能である。 アルミニウムの絶対反射率には十分に実証されているので、得られたスペクトルは、アルミニウムのコーティングが施されたシリコン・ウェーハから同じシステムで測定された反射率と比較することが可能である。

    もちろん、調べる方法がアレイ基板の反射率をあまり重要視しない場合のように、アレイ基板の意図する用途に従って、保護層は、上述よりもかなり厚くすることが可能である。 保護層を形成する金属酸化物層の厚さは、実施態様によっては、約25、100、または、500nmになる可能性がある。 金属酸化物層の厚さの上限は、一般に、基板の所望の反射率または柔軟性といった構造的な考慮事項によって決まる。 やはり、本明細書に記載のこうした設計上の検討事項は、本明細書に開示の技術における通常の技術範囲内である。

    金属酸化層は、任意の適切なプロセスによって形成可能である。 例えば、金属酸化層は、本明細書に記載の、反射層の形成に用いられるのと同じタイプのプロセスによって、反射層の所定位置に形成することが可能である。 金属及び酸化膜は、浸漬またはスプレイといった溶液相反応、または、スパッタリング、蒸着、化学蒸着、及び、プラズマ化学気相成長法といった、制御された雰囲気ベースのプロセスで、表面に付着させることが可能である。 これらのプロセスは、保護層、並びに、本明細書において教示のアレイ基板に存在する可能性のある、反射層、透明層といった他の層の形成にも役立つ可能性がある。 金属酸化物層の形成は、化学的酸化プロセスで、金属層の表面上の金属の一部を金属酸化物に転換することによって実施することも可能である。 米国特許第6,635,435号明細書には、クロム層を被着させ、酸化環境にさらすことによって、クロム酸化層を形成するプロセスについて述べたものもある。

    Pulker著、「Coritings on Glass」、Thin Filma Science and Technology、1984年、第6巻には、可能性のある液相反応法のいくつかについて述べたものもあり、この方法では、出発原料Cr(NO ・9(H O)及び次亜塩素酸クロムを含有する溶液で、表面に浸漬を施して、クロム酸化物を被着させる。 米国特許第6,004,448号明細書には、緩衝剤として錯化剤を含有する3価クロム溶液からのクロム酸化物の被着を伴う、もう一つの溶液相被着プロセスについて述べたものもある。

    米国特許第4,096,026号明細書には、制御された雰囲気ベースのプロセスのいくつかを含んでいるものもあり、COまたはCO 及び不活性ガスを含む雰囲気内にクロム金属のスパッタリングを実施することによって、クロム酸化物を被着させる方法について記載されている。 この特許の背景には、酸化物ターゲットから直接Cr を蒸着させる方法についての記載もある。 この特許に示されるところによれば、このプロセスを利用すると、用いられるCO 及びアルゴンの濃度に応じて、フィルム厚を100nmまで増すことが可能になる。 この特許の背景には、酸化物ターゲットから直接Cr を蒸着させる方法についての記載もある。 Iwatani等に付与された米国特許第5,827,409号明細書には、反応性スパッタリングによって基板上に金属酸化物を含む薄膜を形成する方法についての記載がある。 この方法には、被着される金属を含むターゲットが含まれている陰極の前の空間に、気体のアルゴン及び気体の酸素を送り込むステップと、ターゲットの正面と平行に基板を移動させる間、基板上の金属の金属酸化物を含む、その金属の濃度勾配を有する薄膜を被着させるステップが含まれている。 気体アルゴン及び気体酸素は、気体酸素の部分圧が、基板の移動方向の上流側または下流側において低下するように送り込まれる。 気体酸素は、気体窒素によって、所定の比率で希釈される。 薄膜は、元素金属の濃度勾配の調整中に被着される。

    金属層からのクロムがクロム酸化物に転換された転換プロセスは、クロム酸化物層の形成に適していることが判明した。 下記のプロセスが後続した。 ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のシートが、ベースとして選択された。 厚さ200nmのクロム層が、蒸着ツールによってPEEKシートに蒸着させられた。 (クロムは、ベースに対する蒸着またはスパッタリングを容易に行うことが可能である。)蒸着プロセスは、室温で実施された。 あるいはまた、クロムは、ベースの選択に応じて、約200〜約500の温度で、プラズマ化学気相成長法(PECVD)によって付着させることも可能である。 次に、PECVDツールまで移送された。 基板温度を200に保持している間に、ツールは排気によって600ミリトルまで低下させられた。 120ワットの低周波プラズマによって、酸化窒素(N O)が、700sccm(立方センチメートル毎分)の割合で送り込まれた。 この条件が、5分間にわたって保持された。 このプロセスを用いて形成されるアレイ基板は、試験を受け、基板の製造、基板上におけるアレイの製造、及び、アレイハイブリダイゼーションアッセイの実施に用いられる条件下において満足のいく機能を果たすことが判明した。

    可撓性アレイ基板上におけるアレイは当該技術において既知の方法、並びに、本明細書に記載の方法を利用して、実質的に次のように調製された。 Lipp−Terler(オーストラリア)から、厚さ100ミクロンで、両面とも平滑な、半結晶質ポリエーテルエーテルケトン・シートを入手した。 General Atomics(カリフォルニア州サンディエゴ)において、一方の表面に250nmのクロムを付着させ、上部の10nmをクロム酸化物に転換した。 General Atomicsでは、対をなす102.5nmの二酸化ケイ素の層を付着させ、70nmの二酸化チタンを2回付着させ、102.5nmの二酸化ケイ素の層で仕上げた。 この基板は、さらに、デシルトリクロロシラン及びウンデセニルトリクロロシランを含む混合シラン層によるコーティングが施された。 次に、当該技術において既知の方法によって、この二重結合が、−OH基に転換された。 次に、標準ホスホルアミダイト化学反応により、アレイが形成された。 標準的な硬質ガラス基板に対してこれらの可撓性アレイ基板を用いたアレイを比較するアレイハイブリダイゼーション実験によって、2色アレイハイブリダイゼーションの場合、両方の基板を正面からスキャンすると、可撓性アレイ基板によって、赤色チャネルで41倍強い信号が得られ、緑色チャネルで16倍強い信号が得られることが分った。

    可撓性アレイ基板は、当該技術において既知の任意の適切な方法で製造することが可能である。 Lefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/032,608号明細書、Schembriによってなされた米国特許出願番号第01/037,757号明細書、Lefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/167,662号明細書(全て2001年10月18日出願)及びBentsen等によってなされた米国特許出願公開第2002/0098124A1号明細書(2002年1月25日公開)には、本明細書の教示に従って、容易に調整することが可能な、可撓性アレイ基板を製造するための特定の方法に関する教示がある。 特定の実施態様の場合、可撓性アレイ基板には、一つまたは複数の反射層によるコーティングが施され、上述の出典に記載の二酸化ケイ素から構成される上部透明層を備えたポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリエーテルイミジン、または、ポリプロピレンといった可撓性プラスチック・シートが含まれている。 透明層は、当該技術において既知の、いつでも生体分子を受け入れることができる状態にする手段によって、誘導体化することが可能である。 可撓性の半結晶質ポリエーテルエーテルケトン・シートは、本発明の可撓性アレイ基板における可撓性ベース及び/または可撓性支持体のいずれか、またはそれらの両方の形成に役立つことが判明している。 蛍光検出が、アレイに対する結合の検出に用いることを意図したものである場合、可撓性ベースに支持された反射層は、ポリマーからの蛍光バックグラウンド信号を遮蔽する。 反射層は、当該技術において周知のプロセスによってポリマーにコーティングすることが可能な、任意の都合の良い金属とすることが可能である。 金属は、可撓性アレイ基板の製造及び利用に必要な後続プロセスに対して不活性であることが好ましい。 厚さが少なくとも100nmで、優先的には、200または250nmのクロム層は、レーザスキャンに対して十分に不透明であり、ほぼ全てのアレイ製造及びハイブリダイゼーションプロセスに対して不活性である。 5〜10nmの酸化クロム層を加えるか、または、クロム層の上部をクロム酸化物に転換すると、層は、クロロシランの使用によって発生する可能性のある塩酸に対して不活性になる。 あるいはまた、タンタル層を使用することも可能である。

    生体材料を金属層に結合することは可能であるが(VysisMuller等に付与された米国特許第6,306,589号明細書参照)、入射レーザ光が、表面から反射する際に、位相反転し、このノードで相殺し合うか、または、ほぼ相殺し合うことになるので、表面に結合した生体分子からの蛍光信号は、極めて弱いものになる。 対照的に、反射表面から入射レーザ光の波長の1/4だけ間隔をあけて生体分子を配置すると、かなり信号を強めることが可能になる。 米国特許第6,008,892号明細書及び米国特許第6,177,990号明細書(両方ともMolecular Dynamics社に発行)及びDorselによってなされた米国特許出願番号第09/493,958号明細書(2000年1月28日出願)を参照されたい。 正確な層厚は、金属表面における実際の相変化、透明層の屈折率、及び、入射レーザの波長によって決まる。 一般に、透明層は二酸化ケイ素であるが、チタン、アルミニウム、または、用いられる厚さにおいて透明な、当該技術において既知の他の任意の誘電体材料とすることも可能である。 透明誘電体層の厚さは、一般に、約40〜約400nmである。 システムの全反射率は、屈折率が異なるか、または、交互になった複数の誘電体層の上に層を形成することによって高めることが可能である。 例えば、二酸化ケイ素の単一四分の一波長層でコーティングされたクロムの反射率を計算すると、設計波長において35%の反射率になる。 (200nmのクロム、10nmのクロム酸化物、及び、102.5nmのSiO でコーティングされたPEEK基板の実際の反射率を測定すると、15%になった。)チタンの四分の一波長層(屈折率が2.1)を加えて、その後、二酸化ケイ素のもう一つの四分の一波長層(屈折率が1.45)を加えると、反射率の計算値は65%に増した。 (実際の反射率を測定すると、40%であった。)もう1対の層を加えると、反射率の計算値は82%に増し、実際の反射率を測定すると、60%であった。 金属層のない、8対のチタンと二酸化ケイ素による四分の一波長層でコーティングされたポリエーテルエーテルケトン基板上において、90%を超える反射率が測定された。 しかし、金属層がないので、わずかであるが、有意な量のPEEKのバックグラウンド蛍光を検出することが可能になる。

    アドレス指定可能なプローブ集合体は、全高分子被着法(whole polymer deposition)、インサイチュ合成法、フォトマスクを用いた感光性合成法(photolabile synthesis)、インクジェット被着法等を含む、アレイ製造技術において周知の任意の方法を用いて、アレイ表面に付着させることが可能である。 こうした方法については、Southernの米国特許第5,700,637号明細書、Pirrung等の米国特許第5,143,854号明細書、およびFodor他著、Science、1991年、251巻、p. 767−777、および国際公開第92/10092号パンフレットに記載がある。 例えば、プローブは、アレイ基板上の所定位置に合成することもできるし(インサイチュ合成)、あるいは、その製造後に、基板に付着させることも可能である。 適切な基板にプローブを固定化するための従来の技術については、例えば、Letsinger他著、Nucl. Acids Res、1975年、第2巻、p. 773−786;Pease他著、Proc. Nat. Acad. Sci. ,(米国)、1994年、第91巻、p. 5022−5026;Gait、M. J. 編、「Oligonucleotide Synthesis,Practical Aproach」、(英国)、IRL Press(1984年)に記載がある。 可撓性基板上におけるアレイ製造については、例えば、Lefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/032,608号明細書、Schembriによってなされた米国特許出願番号第01/037,757号明細書及びLefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/167,662号明細書(全て2001年10月18日出願)に記載がある。

    限定的なものではない例として、ポリヌクレオチドのアドレス指定可能なプローブ集合体を備えるアレイは、インサイチュ製造の場合におけるポリヌクレオチド前駆単位体(単量体のような)、または、予め入手したポリヌクレオチドのパルス・ジェットによる小滴付着を利用して、製造することが可能である。 こうした方法については、Caren等による米国特許第6,242,266号明細書、米国特許第6,232,072号明細書、米国特許第6,180,351号明細書、米国特許第6,171,797号明細書、米国特許第6,323,043号明細書、米国特許出願番号第09/302,898号明細書(1999年4月30日出願)に詳細な記載がある。 他の小滴付着法を用いて、製造することも可能である。 また、米国特許第5,599,695号明細書、米国特許第5,753,788号明細書及び米国特許第6,329,143号明細書に記載のように、小滴付着法の代わりに、フォトリソグラフィアレイ製造法を利用することも可能である。

    アレイには、少なくとも二つの別個のプローブが含まれており、これはアレイ表面の異なる既知の位置に付着した単量体シーケンスが異なる高分子といったものである。 各プローブは、例えば、アレイ基板に支持されたスポットまたはアレイフィーチャーとして、アレイ表面上の一つ以上のアドレス指定可能な空間位置に設けることが可能である。 アレイ基板に設けられた別個のプローブのスポットまたはフィーチャーは、一般に、あるパターンとして存在しており、このパターンは、アレイ基板表面にわたって、例えばスポット・グリッドのような編成された行列をなすスポット、基板表面にわたって、例えば一連の同心円または半円をなすスポットのような一連の曲線の列等の形態をとることが可能である。 アレイ上に存在する別個のプローブ、従って、スポットまたは同様の構造の数は可変であり、典型的なアレイは、約20cm 未満の領域内に、または、約10cm 未満の領域内においてさえ、約10を超えるか、約100を超えるか、約1000を超えるか、約1万を超えるか、または、約10万をさえ超えるフィーチャーを含むことが可能である。 従って、アレイ表面におけるフィーチャーの密度は、少なくとも1cm 当り10のフィーチャー、より一般的には、1cm 当り100のフィーチャー、及び多くは1cm 当り1000のフィーチャー、さらには、1cm 当り約40,000以上までのフィーチャーとすることが可能である。 例えば、フィーチャーは、約10・香`約1.0cmの範囲の幅(すなわち、円形スポットの場合には直径)を備えることが可能である。 他の実施態様には、各フィーチャーは、約1.0・香`約1.0mm、通常は、約5.0・香`約500・香Aさらに、一般的には、約10・香`約200・高フ範囲の幅を備えることが可能である。 非円形フィーチャーは、前記幅(直径)範囲を備えた円形フィーチャーと同等の領域範囲を備えることが可能である。 フィーチャーの少なくとも一部、または、全ての組成が異なっている(例えば、各フィーチャー組成のいかなる反復も排除される場合、残りのフィーチャーは、フィーチャーの総数の少なくとも約5%、10%、または、20%を占める可能性がある)。 一般に(ただし、ほとんどというわけではないが)、プローブ(例えば、フィーチャーを構成する、あるタイプの生体高分子または化学成分)のないフィーチャー間領域が存在する。 こうしたフィーチャー間領域は、一般に、アレイが試薬の小滴付着を伴うプロセスによって形成される場合に生じるが、例えば、フォトリソグラフィアレイ製造プロセスが用いられる場合には、生じない可能性がある。 しかし、フィーチャー間領域は、存在する場合、種々のサイズ及び構成になる可能性がある。 さらに、アレイは、基準マークと関連させることが可能である。 これらは、アッセイのスキャンまたは調査部分において、アレイの配向及び位置を識別する、可撓性アレイ基板上の位置マークである。 基準マークは、既知のパターンをなすように見える生体フィーチャーとすることが可能である。 基準マークは、当該技術において既知のパターン化されたクロムまたは他の材料とすることことも可能である。 基準マークは、表面にレーザ・アブレーションで形成することもできるし、表面に印刷されるインクまたは他の材料とすることも可能である。

    実施態様によっては、アレイ表面(フィーチャーまたはフィーチャー間領域が占めるアレイ基板表面部分)の占める領域は、約100cm 未満という場合もあり、あるいは、約50cm 未満、10cm 未満、または、1cm 未満という場合さえある。 実施態様によっては、アレイ表面が、約4cmラ約2mm未満のサイズ、または、約2cmラ約1mm未満のサイズの細長い形状を備えた領域を占めるものもある。 多くの実施態様では、アレイ基板は、一般に、ほぼ矩形の固体として成形されることになる(他の形状も可能であり、システム全体の設計上の検討事項によって決まることになる)。 こうした矩形固体は、一般に長さが約4mmを超え、約1m未満、通常は、約4mmを超え、約600mm未満、主として、約10mmを超え、約400mm未満である。 矩形固体の幅は、一般に約2mmを超え、約1m未満、通常は、約4mmを超え、約500mm未満、より一般的には、約400mm未満である。 矩形固体の厚さは、一般に約5ミクロンを超え、約800ミクロン未満、通常は、約10ミクロンを超え、約600ミクロン未満であり、約15ミクロンを超え、約400ミクロン未満という場合もある。 実施態様によっては、アレイ表面は、アレイ基板に形成されたグルーブ、チャネル、または、凹部の一部とすることが可能である。

    アレイ基板を含む、本明細書に記載の種々のデバイス及び装置では、種々のアレイ基板を利用することが可能であり、前記デバイス及び装置の前記アレイ基板に、プローブ集合体を支持することが可能である。 実施態様によっては、複数の独立したアレイ表面と一つのアレイ基板が関連づけられているものもある。 例えば、複数のアレイと一つのアレイ基板が安定に関連づけられていることが可能であり、この場合、アレイは、そのアレイ基板に関連づけられた他のアレイの一部または全てから空間的に分離されている。

    アレイ基板は、単一材料から製造することもできるし、あるいは、二つ以上の材料から製造することも可能である。 アレイ基板の性質は、かなり多様であってもよい。 それを製造することができる典型的な材料としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリ(エチレンテレフタレート)のようなプラスチックと、溶融石英(例えば、ガラス)と、シリコン・チップ、セラミックと、金属等が挙げられ、実施態様によっては、光学的に透明な物質が用いられることもあるが、これらには制限されない。 アレイ基板には、天然材料、とりわけ、セルロース材料、及び、例えば、濾紙、クロマトグラフ用紙等の繊維を含む紙といった、セルロースから得られる材料と、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリ(塩化ビニル)、ポリアミド、ナイロン、ポリ(ビニル・ブチレート)、架橋デキストラン、アガロース等のような合成または修飾された天然高分子と、単独で、または、他の材料と連係して用いられる材料と、生体ガラスを含めて、多種多様な他の材料を用いることが可能であるが、これらには制限されない。 アレイ基板には、例えば、長さが約5〜約75個のヌクレオチド範囲のオリゴヌクレオチドのような、短いオリゴホスホジエステルを容易に共有結合させることが可能なポリスチレンを含むことが可能である(例えば、Letsinger他著、Nucl.Acids Res.1975年、第2巻、p.773−786参照)。 先行技術文献によれば、アレイ基板には、ポリアクリルアミド(Gait他著、Nucl.Acids Res.1982年、第10巻、p.6243−6254参照)、並びに、シリカ(Caruthers他著、Tetrahedron Letters、1980年、第21巻、p.719−722参照)を含むことも可能である。 多くの実施態様では、アレイ基板の製造に用いられる材料の少なくとも一つは、ガラスである。

    アレイは、可撓性であることが好ましい。 特定の実施態様の場合、アレイ基板には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(例えば、半結晶質PEEK)、ポリイミド、及び、ポリプロピレンから選択される材料の層が含まれる。 実施態様によっては、アレイ基板が、平坦な表面を備える場合もある。 Lefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/032,608号明細書(2001年10月18日出願)には、可撓性基板を用いたシステムについての記載があり、可撓性基板、並びに、可撓性基板を用いて製造された可撓性アレイは、本発明において用いることが可能である。 Schembriによってなされた米国特許出願番号第01/037,757号明細書(2001年10月18日出願)には、本発明に利用可能な可撓性基板を用いたもう一つのシステムについての記載がある。 アレイ基板は、本明細書に記載されているような、及び、本出願と同日に提出された「可撓性支持体を備える複合可撓性アレイ基板」と題する、ドケット番号10020974−1が指定された、Schembriによる特許出願(2001年10月18日出願)に記載されているような、複数の層を備えた複合可撓性基板とすることが可能である。 アレイ基板を形成する材料は、一般に、温度範囲、pH範囲、溶剤組成、及び、キレート化剤及び界面活性剤の存在といった条件を含む、アレイを含んでなる装置が利用されることになる条件に適合するように選択するのが望ましい。 これらの材料によって、一般に、極めて弱い蛍光バックグラウンド、優れた光学特性、及び、機械的ロバストネスが得られることになる。 アレイが、蛍光検出法を利用するアッセイに用いることを目的としたものである場合、可撓性アレイ基板には、一般に、アレイ基板の可撓性ベースに用いられる材料から生じるバックグラウンド蛍光を低減するため、反射層が含まれている。 反射層の選択によって、結果として、調査するレーザ・ビームの位相がその表面においてほぼ180°変化する場合には、典型的には、反射層の上に約1/4波長の厚さの少なくとも1つの透明層を形成することができる。 所望の場合には、反射率を高めるため、追加対をなす、屈折率の異なる透明層を追加することも可能である。

    可撓性アレイ基板には、プローブを結合するための表面が含まれている。 ある実施態様では、透明層に官能基が設けられていて、プローブと表面の結合を可能にしている。 官能基は、例えば、ガラス表面のヒドロキシル基のように、透明層自体から生じる場合もあるし、あるいは、例えば、プローブを透明層に(間接的に)付着させることが可能なリンカー成分を生じさせる、透明層の表面修飾から得られる場合もある。 適切な表面修飾は、当該技術において既知のところであり、また、本明細書に引用の参考文献にも記載されている。 例えば、アレイ基板表面にはプローブの結合に、より適した表面にするため、当該技術において既知のプロセスによる修飾を施し、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、または、直接またはリンカー成分を介して選択されたプローブを結合するのに適した他の化学基といった、特定の表面官能基(表面上の化学基または成分)を付与することが可能である。 既知の金属酸化物表面の誘導体化手順では、例えば、アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)のようなトリアルコキシ3−アミノプロピルシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、2−アミノエチルトリエトキシシラン等といった、アミノアルキル・シラン誘導体が利用される。 APSは、金属及びシリコン表面の酸化物及び/またはシロキシル基と容易に反応する。 APSによって、本方法の実施に利用可能な一次アミノ基が得られる。 こうした誘導体化手順については、欧州特許第EP 0173356 B1号明細書に記載がある。 他のオルガノシラン結合剤を取り入れて、アレイ基板表面を官能化する方法については、例えば、Anderson他編、Alkins,Silane Coupling Agent Chemistry,Petrarch systems Register and Review、1987年及び米国特許第6,258,454号明細書に記載がある。 米国特許第6,258,454号明細書には、DNAアレイのインサイチュ合成に最適な表面の記載がある。 特定の実施態様の場合、アレイ基板には、蒸着及びスパッタリング・プロセスを用いて、真空チャンバ内で薄膜蒸着によって形成される材料層が含まれている。 Schembriによってなされた米国特許出願番号第10/037,757号明細書(2001年10月18日出願)に記載のように、こうしたプロセスは、例えば、真空蒸着、プラズマ化学気相成長法、または、他の手段によって、高分子フィルムのような可撓性材料に薄い金属層を被着させるのに利用可能である。 他の基板表面処理方法については、本明細書の教示に鑑みて、当業者には明らかであろう。

    実施態様によっては、アレイ基板が、例えば、シート、管材料、パッド、スライス、フィルム、ストリップ、ディスク等として存在する場合もある。 アレイ基板は、通常、フラットであるが、代替表面構造をとることも可能である。 基板にガラスまたは二酸化ケイ素の薄層を備えるように修飾を施すことにより、例えば、表面誘導体化ガラスまたはシリカ上または高分子膜上におけるプローブアレイを利用する下記の参考文献に記載のように、従来の化学作用を利用して、ガラス(または二酸化ケイ素)表面にプローブを付着させることが可能になる。 参考文献には、Guo他著、Nucleic Acids Res、1994年、第22巻、p. 5456−65;Maskos他著、Nucleic Acids Res、1992年、第20巻、p. 1697−84;Southern他著、Nucleic Acids Res、1994年、第22巻、p. 1368−73を含む。

    本発明の実施態様によっては、アレイコンポーネントと連係して作動可能なマイクロ流体コンポーネントを備える集積装置が得られるものもある。 実施態様の一つでは、マイクロ流体機構を備えたマイクロ流体コンポーネントが、マイクロ流体機構と流体でつながった、アドレス指定可能なプローブ分子(例えば、生体分子)集合を備えるアレイコンポーネントに結合されている。 特定の実施態様では、マイクロ流体コンポーネントには、マイクロ流体チャネル、マイクロ流体コンパートメント、及び、マイクロ流体流量調整素子のようなマイクロ流体機構を備えた構造が含まれている。 従って、マイクロ流体コンポーネントには、毛細管チャネル、分離チャネル、検出チャネル、リザーバ、弁、及び、ポンプのような既知の特徴を含むことが可能である。 アレイコンポーネントには、アドレス指定可能なプローブ分子集合を支持する可撓性アレイ基板が含まれている。

    次に図を参照すると、図4には、マイクロ流体コンポーネント314に結合されたアレイコンポーネント312を含む集積装置310の拡大図が示されている。 マイクロ流体コンポーネント314には、底面316及び上部318を備えた基板が含まれている。 マイクロ流体コンポーネント314は、一つ、または、二つ以上のマイクロ流体機構320a〜gを備えており、マイクロ流体機構は、基板によって形成することが可能である。 マイクロ流体チャネル、マイクロ流体コンパートメント、マイクロ流体リザーバ、及び、マイクロ流体流量調整素子といった、マイクロ流体機構については、その形状、並びに、その機能によって記載することが可能である。 (これらの用語は、相互に排他的ではなく、特定の特徴はこれらのカテゴリの二つ以上に分類されることがある。)マイクロ流体チャネルには、単純な流体輸送チャネル、分離チャネル、混合チャネル等のような特徴を含むことが可能であるが、これらには限定されない。 マイクロ流体コンパートメントには、特定のプロセスが実施される(ただ単に流体を輸送または保持するだけではない)流体処理コンパートメントを含むことが可能である。 こうしたプロセスには、制限するわけではないが、混合、標識付け、フィルタリング、抽出、精留、精製、沈殿、蒸解等が含まれる。 マイクロ流体リザーバには、試料、緩衝剤、洗浄液、希釈剤、または、廃液のような、ある量の流体を保持するようになっているウェルまたはチャンバのような構造が含まれる。 マイクロ流体流量調整素子には、ミクサ、弁、ポンプ、圧力調整器、質量流量調整器等が含まれているが、これらには限定されない。 マイクロ流体コンポーネント314には、オフ・コンポーネント装置またはコンポーネントと流体でつながるようにする、吸入ポート322及び排出ポート324といったマイクロ流体機構も含まれている。 マイクロ流体機構320a〜gは、互いに連係して作動可能であり、集積装置の意図する機能に基づいて、選択され、配置されている。 マイクロ流体機構を備えた装置及びその製造方法は、当該技術において周知のところであり、この技術及び本開示を考慮すれば、当業者には、種々のマイクロ流体機構及び機能を備えた本発明によるシステムの設計が可能である。

    とりわけ、図4に例示の実施態様を参照すると、マイクロ流体コンポーネント314は、例えば、分留または蒸解プロセスに適した内部流体処理コンパートメント320dを含む平面装置である。 「流体処理コンパートメント」という用語は、本明細書では、特定の試料調整プロセスが実施されるマイクロ流体コンポーネントの一部を表すために用いられる。 こうしたプロセスには、制限するわけではないが、混合、標識付け、フィルタリング、抽出、分留、精製、沈殿、蒸解等が含まれる。 マイクロ流体コンポーネント314には、さらに、弁のようなマイクロ流体流量調整素子320e、マイクロ流体リザーバ320b、320c、320f、及び、マイクロ流体チャネル320a、320gも含まれている。

    さらに図4を参照すると、アレイコンポーネント312には、底面334、任意的な中間スペーサ部分336、及び、上部338が含まれている。 アレイコンポーネント312の底面334には、アレイ基板332が配置されるウェル340が形成されている。 一般に、アレイ基板は、本明細書に記載されているような可撓性アレイ基板であり、特には、本明細書に記載されているような複合可撓性アレイ基板である。 他の可撓性アレイ基板には、Lefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/032,608号明細書、Schembriによってなされた米国特許出願番号第01/037,757号明細書、及びLefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/167,662号明細書(全て2001年10月18日出願)のような出典に記載のものが含まれる。 例えば、異なるシーケンスのポリヌクレオチドまたはポリペプチド、または、他の生体分子のような、アドレス指定可能なプローブ集合体342をアレイ基板332上に支持することが可能である。 中間部336には、開放スペース350が形成されている。 上部338には、光学的に透明とすることが可能なカバー354によって被覆された、開口部352が形成されている。 ウェル340は、任意的な中間スペーサ部分336の開放スペース350(もしあれば)、開口部352、及び、カバー354と連係して、アレイ基板332が配置されるチャンバを形成する。 透明カバー354を介してアレイ基板332を検査することができるので、アレイを調べることが可能になる。 チャンバは、例えば、チャネル340、320aを介して、マイクロ流体コンポーネント314のマイクロ流体機構と流体でつながっている。 上部338には、情報標識356のような識別子が含まれている。 ある実施態様の場合、上部338と任意的な中間スペーサ部分336(もしあれば)の一方または両方に、独立したカバー354の必要がなくなるように、光学的に透明な材料が含まれており、情報標識356は、底面334、任意的な中間スペーサ部分336、または、(図4に例示のように)上部338のどれにでも配置することが可能である。 例えば、中間スペーサ部分336を含むある実施態様では、開口部352及びカバー354を省略することが可能であり、その場合、上部338は連続した光学的に透明な材料(開口部352のない)になる。 もう一つの実施態様では、上部338は、アレイ基板332が配置されるチャンバの上に配置され、上部338に妨げられることなく、アレイをより有効に洗浄し、アレイを調べるため、反応後に、上部338(種々の実施態様において、可撓性であったり、あるいは、硬質であったりする)を剥がすことが可能である。

    集積装置310は、当該技術において既知の適切な任意の方法を用いて製造することが可能である。 ある実施態様では、集積装置310は、貼り合わせプロセスを含む総合プロセスにおいて製造される。 ある実施態様では、マイクロ流体コンポーネント314は、アレイコンポーネント312とは別個に製造される、すなわち、マイクロ流体コンポーネント314が、アレイコンポーネント312上にマイクロ流体コンポーネント314の未完成部分を付着させるか、または、その逆によって、製造されることはない。 特定の実施態様では、集積装置310の部分(符号316、318、334、336、338によって表示されている)は、集積装置の別個の物理層に相当する。 他の実施態様では、それらの部分(符号316、318、334、336、338によって表示されている)は、集積装置310の断面図に相当し、必ずしも、個別の物理的な層を表していない。 また、例えば、複数組のコンポーネントが、広いシートまたはストリップ状の材料を用いて製造され、後に最終製品を形成するため、分割(例えば、切断)されることになる場合、それらの部分(符号316、318、334、336、338によって表示されている)の一つ以上は、図4に例示の部分を越えて広がる可能性がある。 こうして、一つ、二つ、または、三つ以上のアレイ基板を備えた集積装置を製造することが可能になる。

    アレイコンポーネント312は、任意の有効な方法を用いてマイクロ流体コンポーネント314に接合することが可能である。 例えば、マイクロ流体コンポーネント314は、クランプ、クリップ、ブラケット、または、他の機械的締結具によってアレイコンポーネント312に接合することが可能である。 もう一つの例として、アレイコンポーネント312は、接着剤、超音波溶接、または、他のタイプの付着を利用して、マイクロ流体コンポーネント314に連係して作動可能な状態に維持することが可能である。 マイクロ流体コンポーネント314及びアレイコンポーネント312によって、一般に、マイクロ流体コンポーネント314上のマイクロ流体機構320a〜gとアレイ基板上に支持されたプローブとの間が流体で連絡することができるようにする耐流体性シール(fluid tight seal)が形成されている。 耐流体性シールは、マイクロ流体コンポーネント上の界面326とアレイコンポーネント312上の相補的な嵌合表面(表面に隣接したオリフィス330)との間に配置されたガスケットまたはシーリング材から形成することができ、あるいは、界面326が嵌合表面にぴったりとはまる場合には、ガスケットまたはシーリング材の追加が不要の場合もある。 界面326には、マイクロ流体機構320a〜gと流体でつながる排出ポート324を形成することが可能であり、この排出ポート324は、嵌合表面に形成された対応するオリフィス330とアライメントをとることが可能である。 (チャネル320a及びオリフィス330は、点線で描かれているが、点線は、これらの構成要素が、基板のような介在する材料によって妨げられて見えないことを表しているのは明らかである)。

    図5には、本発明による集積装置310のもう一つの実施態様が例示されている。 集積装置310は、マイクロ流体コンポーネント314に接合することが可能な(矢印で示すように)アレイコンポーネント312を備えている。 アレイコンポーネント312には、アレイ基板332を支持する担持体360が含まれている。 ある実施態様の場合、アレイ基板332は、担持体360に形成された凹所内に配置される。 担持体は、アレイ基板またはマイクロ流体コンポーネントの製造に関連して後述する材料を含む、任意の一つまたは複数の材料から製造することが可能である。 例えば、シーケンスの異なる一つまたは複数のポリヌクレオチド、または、他の生体分子といった、アドレス指定可能なプローブ集合体342は、アレイ基板332によって支持することが可能である。

    図5の実施態様におけるマイクロ流体コンポーネント314には、一つまたは二つ以上のマイクロ流体機構320h〜mが含まれている。 マイクロ流体コンポーネント314には、ウェル320mを含む、マイクロ流体機構320h〜mを形成及び/または支持するコンポーネント基板362が含まれている。 ウェル320mの上にアレイコンポーネントを配置すると、アレイ基板332を納めるチャンバが形成されるが、アレイ基板332は、マイクロ流体コンポーネント314のマイクロ流体機構と流体でつながっている。 いくつかの実施態様では、マイクロ流体コンポーネント314とアレイコンポーネント312の一方または両方が可撓性である。 例えば、担持体360は可撓性材料から製造されており、アレイ基板332は可撓性であるが、これによって、製造時に、複数アレイ基板332を支持する担持体360のシート(またはリボン)を複数のマイクロ流体コンポーネント(それ自体、可撓性シートまたはリボンをなすように形成することが可能な)に接合することが可能になる。 ある実施態様では、可撓性層は、例えば、マルチウェル・プレートとすることが可能な、あるいは、例えば、マルチウェル・プレートと界面をなすことが可能な硬質(可撓性ではない)ベース構造によって支持される。 マイクロ流体コンポーネント314には、さらに、マイクロ流体リザーバ320j、320k、内部流体処理コンパートメント320i、及び、マイクロ流体ポート320h、320lが含まれている。

    代替実施態様の中には、アレイ基板を支持する集積装置の一部が、それ自体、可撓性材料というものもあり、その場合、集積装置の前記部分は、アレイ基板またはアレイ基板の一部として機能することが可能である。 例えば、図4に例示の実施態様の場合、アレイコンポーネント312の底面334は、アレイ基板とすることが可能であり、アドレス指定可能なプローブ集合体342をその表面に支持することが可能である。 こうした実施態様の場合、可撓性底面334は、例えば、プローブの結合を促進し、あるいは、アレイからの信号検出を改善するのに適した表面修飾(アレイ基板として)を施すことが可能である。 特定の他の実施態様の場合、上部338は、アレイ基板332を支持することもできるし、あるいは、アレイ基板の働きをすることも可能である。 もう一つの例として、図5には、アレイコンポーネント312の担持体360は、アレイ基板とし、その表面にアドレス指定可能なプローブ集合体342を支持することも可能である。 こうした実施態様の場合、担持体360は、例えば、プローブの結合を促進するとか、あるいは、アレイからの信号検出を改善するといった、適切な表面修飾(アレイ基板として)を施すことが可能である。 特定の実施態様の場合、担持体360は、可撓性アレイ基板の可撓性支持体とすることが可能であり、符号332で示された特徴は、本明細書に記載のような、可撓性アレイ基板の可撓性ベースとすることが可能であり、この可撓性ベースには、さらに、反射層、透明層、及び、保護層、及び/または、本明細書に記載のような他の層または修飾のうちの一つ以上を含むことが可能であり、こうした実施態様の場合、可撓性支持体は、可撓性ベースを支持するだけではなく、マイクロ流体機構を密閉及び/または完成する働きも可能である。

    アレイ基板は、接着剤、超音波溶接のような任意の適切な方法によって、または、アレイ基板を所定位置に保持するのに適した集積装置の一部のような保持素子によって、チャンバ内の所定位置に保持することが可能である。 実施態様の一つでは、アレイは、製造後、担持体上に積層される。 アレイは、連続したストリップとして担持体に積層することもできるし、あるいは、個別アレイに切断して担持体の特定領域に積層することも可能である。 この積層プロセスは、アレイを納めるチャンバが形成されるように設計されており、チャンバは、部分的に、アレイ基板によって形成される。 この積層プロセスは、チャンバ及び/またはアレイと流体でつながるチャネル、導管、毛細管、及び/または、ポートのような特徴が得られるように設計することも可能である。 特定の実施態様の場合、アレイ基板は、マイクロ流体コンポーネントに積層される。

    可撓性基板アレイ(アドレス指定可能なプローブ集合体が可撓性基板に支持されたアレイ)は、例えば、集積装置を製造するため、ラミナーション法(lamination method)を使用して、硬質ガラスプレート上に製造されるアレイに比べて、より簡単に、集積マイクロ流体アレイ装置に組み込むことが可能である。 図6には、集積マイクロ流体アレイ装置366の一例が示されている。 集積マイクロ流体アレイ装置366には、二つのマイクロ流体コンポーネント314間に配置されたアレイコンポーネント312が含まれている。 アレイコンポーネント312は、アレイ基板332を収容するサイズが付与されたチャンバ370内に配置された、アドレス指定可能なプローブ集合体342を支持するアレイ基板332を備えている。 チャンバ370は、積層されていっしょにされた複数の可撓性層384によって形成されている。 マイクロ流体コンポーネント314は、可撓性層384によって形成されたマイクロ流体チャネル372を備えており、チャネル372は、チャンバ370と流体でつながっている。 例示の実施態様の可撓性層は、従って、アレイコンポーネントとマイクロ流体コンポーネントの両方の一部をなすので、チャンバ370を形成する可撓性層の部分は、アレイコンポーネントの一部を形成し、例えば、マイクロ流体チャネル372のようなマイクロ流体機構を形成する可撓性層の部分は、マイクロ流体コンポーネントの一部を形成している。 この構造の連続性によって、例えば、層構成による集積装置の製造が容易になる。 実施態様によっては、例えば、試料吸入ポート、ベント等のような、一つ以上の他のマイクロ流体機構が存在する場合もある。 図6の実施態様は、チャンバ370と流体でつながったチャネル376を含むシッパ(sipper)構造374を備えている。 シッパ構造374は、Barth等によってなされた米国特許出願番号第09/981,840号明細書(2001年10月17日出願)に記載のある流体処理構造である。 シッパ構造374は、例えば、試料または他の流体を取り込むため、ウェル内に入り込むまで延ばすことも可能である。 シッパ構造374は、中括弧378aで表示のようにチャンバのいずれかの側に設けて、チャンバと流体でつながるようにすることもできるし、あるいは、シッパ構造の一つの代わりに、例えば、中括弧378bで表示のように、ポート382に通じるリザーバ380のような、一つ以上の他の構造を利用することも可能である。 可撓性層384は、ポリイミド、PEEK、ポリプロピレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、及び、ポリエチレンテレフタレートといった高分子材料を含む任意の適切な材料または適切な材料の組合せから形成することが可能である。 可撓性層384によって、情報標識356または他の識別情報を付着させることが可能な領域も得られる。

    図6に示す実施態様の場合、アレイ基板332は、チャンバ370内に配置されている。 代替実施態様の場合、チャンバ370を形成する材料の可撓性層384の一つが、アレイ基板332の働きをすることが可能である。 こうした場合、プローブ342は、可撓性層/アレイ基板に被着させることが可能であり、さらに、結果として生じるプローブ342を支持する可撓性層は、一以上の他の可撓性層に積層される。 こうした実施態様の場合、アレイ基板の働きをする可撓性層は、例えば、プローブの結合を促進するとか、あるいは、アレイからの信号検出を改善するのに適した表面修飾(アレイ基板として)を施すことが可能である。 いくつかの実施態様では、アレイ基板323を所定位置に積層することによって、チャンバ370が完成する。 実施態様の中には、チャンバを形成する可撓性層384の一つが、他の可撓性層384の一つ以上に積層されると、チャンバ370を完成し、アレイの検分または問い合わせに使用されるウィンドウを形成する、光学的に透明なプラスチックの薄層が好ましいものもある。 ある実施態様では、可撓性層384は、マルチウェル・プレートとすることが可能な硬質(可撓性ではない)ベース構造によって支持することもできるし、あるいは、マルチウェル・プレートと界面をなすようにすることも可能であり、結果として、可撓性ではない(硬質の)構造が得られることになる。 他の実施態様の場合、集積マイクロ流体アレイ装置366は、可撓性である。

    図6に示すように、集積マイクロ流体アレイ装置366上に、関連するマイクロ流体機構を備えた複数の個別のアレイを設けることが可能である。 集積マイクロ流体アレイ装置366には、マルチウェル・プレート及びマルチウェル・プレートに用いられる装置といった、現在用いられている実験装置とよりうまく整合するように、周知の形状因子(例えば、寸法)を取り入れることが可能である。 例えば、マイクロタイタ・プレートに適したシッパを中心部に間隔をあけて配置することが可能である。 マイクロタイタ・プレートの所望のウェルにシッパの一つを押し込むことによって、このアセンブリに試料が注入される。 例えば、マイクロタイタ・プレートのポートまたはウェルに、圧力差を加えることによって、シッパに流体を導入し、そこから、チャネル372またはリザーバ380のような任意の介在するマイクロ流体機構を介して、チャンバ内に流体を送り込むことが可能である。 動作中に、圧力差または他の適切な輸送力を加えることによって、流体が、リザーバからアレイ基板を横切って、マイクロタイタ・ウェル内のシッパに向かって移動し、もう一度戻る(例えば、混合の助けとなるように)ようにすることが可能である。

    以上の説明から明らかなように、装置を利用している間、第2のシッパ(またはポート)を真空にして、試料が構造内に引き込まれる。 あるいはまた、マイクロタイタ・プレートのウェルに加圧することによって、試料または他の流体がチャンバ内に押し込まれ、第2のシッパ(またはポート)から空気が排出される。 シッパ・テクノロジによって、試料装填中の相互汚染の可能性がなくなり、注入器またはピペット、及び、構造を密封するための隔壁が不要になる。

    実施態様によっては、試料を加えた後、アセンブリをインキュベーション・オーブンに送ることもある。 この期間中に試料を混合して、拡散限界を克服するのが有利である。 混合法には、構造を回転させるとか、試料中で気泡を移動させるとか、構造を圧縮して、構造内で試料を変位させるといったものがある。 この構造の利点は、入力ポート及び出力ポートが極めて小さいので、再度のシーリングを必要としない点である。 蒸着は、極めて緩やかである。 あるいはまた、電極も含んでいる独立した浴槽内に、シッパを押し込むことが可能である。 電気泳動によって、アレイを横切って、試料を行ったり来たりさせて、混合させることも可能である(同様の方法が、Ackleyの米国特許第6,225,059号明細書に記載されている)。

    ハイブリダイゼーション期間の終了時に、アレイを洗浄するための手段がいくつか存在する。 電気泳動、圧力、または、真空によって、試料と洗浄緩衝液を交換することが可能である。 あるいはまた、アレイまたはアレイストリップは、写真フィルムの現像と類似の方法で、構造体から取り外して、開放浴槽内で洗浄し、乾燥させて、スキャンすることが可能である。

    マイクロ流体コンポーネントは、フォトリソグラフィ・プロセス、ウェットまたはドライケミカルエッチング、レーザ・アブレーション、または、伝統的な機械加工を含む、当該技術分野において周知の方法によって製造することが可能である。 可能性のある他の製造方法には、射出成形、高温エンボス加工、鋳造、または、型またはパターン化ツールを用いて、マイクロ流体コンポーネントを形成する他のプロセスが含まれる。 高分子、ガラス、シリコン、金属、及び/または、セラミックを含む任意の適切な一つまたは複数の材料を用いて、マイクロ流体コンポーネントを製造することが可能である。 ポリイミド、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン、または、ABSのような高分子が好ましい。 ある実施態様の場合、マイクロ流体コンポーネントが、可撓性材料から形成され、こうしたいくつかの実施態様では、マイクロ流体コンポーネントは、可撓性材料層を含む可撓性積層構造をなすようにアレイコンポーネントと接合される。 特定の実施態様では、マイクロ流体コンポーネントは、アレイコンポーネントが結合される前に、ほぼ製造が済んでいる。 もう一つの実施態様では、マイクロ流体構造は硬質であり、アレイ基板を収容するのに適したチャンバのハウジングを形成する。

    特定の実施態様では、実質的に製造されたマイクロ流体コンポーネントに接合される前に、アレイコンポーネントは実質的に製造さている。 実施態様のいくつかでは、二つのコンポーネントが、それぞれ、別個に製造可能なモジュール式構造を構成するように、アレイコンポーネントをマイクロ流体コンポーネントに結合する利点が得られる。 アレイコンポーネント及びマイクロ流体コンポーネントは、異なる材料及び製造方法を必要とする。 それらの製造を別個に行うことによって、製造プロセス及び異なる材料を統合する問題が解消される。 さらに、アレイコンポーネントをマイクロ流体コンポーネントと別個に製造することによって、品質管理手順を製造される装置のタイプに限定されたものにすることが可能になる。 さらに、アレイコンポーネント及びマイクロ流体コンポーネントは、別個に製造されるので、他のマイクロ流体コンポーネント及びアレイコンポーネントと交換することが潜在的に可能である。 従って、本発明によれば、個別のモジュール式コンポーネントの製造が可能になり、こうした別個のタイプのコンポーネントを選択し、互いに接合して、選択された別個のタイプのモジュール式コンポーネントに基づいて、所望の特性を備えた集積装置を形成することが可能になる。 従って、こうしたモジュール式コンポーネントによれば、非モジュール式構成のスキームに比べて、集積装置におけるさらに多様な機能の潜在的可能性が得られることになり、同時に、装置の在庫調査の必要が軽減される。 例えば、異なる目標を達成するため(例えば、異なるプローブ集合体に対する結合を分析するといった)、同じ設計のマイクロ流体コンポーネントに、異なるアレイコンポーネントを備えるようにすることが可能である。 同じマイクロ流体コンポーネントを利用して、異なる機能を備えたシステムを製造することによって、マイクロ流体コンポーネントの開発コストをかけずに済み、同時に、処理及び制御の自由度が得られることになる。

    他の製造プロトコルには、コンポーネントの接合前には、アレイコンポーネント及び/またはマイクロ流体コンポーネントを部分的に完成させることだけしか必要とせず、二つのコンポーネントの接合が済んでから、コンポーネントの最終アセンブリを仕上げることが可能なものもある。 ある実施態様の場合、アドレス指定可能な生体分子集合をアレイ基板に被着させる前に、アレイ基板がマイクロ流体コンポーネントに接合される。

    結果的に得られる集積装置が、所望の機能を果たす限りにおいて、アレイコンポーネント及びマイクロ流体コンポーネントは、互いに任意の空間的配向をなすことが可能である。 マイクロ流体コンポーネント及びアレイコンポーネントは、別個に製造することができるので、マイクロ流体コンポーネントの種々の位置に、アレイコンポーネントを結合することが可能である。 例えば、アレイコンポーネントは、マイクロ流体チャネル、チャンバ、または、ポートのどのすぐ上にも位置しないように、マイクロ流体コンポーネントに結合することが可能である。 あるいはまた、アレイコンポーネントは、例えば、信号を検出したり、あるいは、流体を通じさせたりするため、マイクロ流体チャネル、チャンバ、または、ポートのすぐ上に位置するように、マイクロ流体コンポーネントに結合することも可能である。 もう一つの実施態様の場合、集積装置には、マイクロ流体コンポーネントの同じ側または反対側に結合された二つ以上のアレイコンポーネントを含むことが可能である。 単一のアレイコンポーネントに二つ以上のマイクロ流体コンポーネントを結合させることが可能である。 可能性のある例の一つとして、第1のマイクロ流体コンポーネントによって、分離を実施するための構造が形成され、一方、第2のマイクロ流体コンポーネントによって、試薬を貯えて、供給する働きをする特徴が形成される。

    典型的な実施態様の場合、集積装置には、アレイを適正に識別して、例えば、アレイにおける位置に基づく特徴の識別といった、アレイに関する情報を含む電子ファイルのようなファイルに対してアレイをリンクさせる識別子(通常はバーコードである)を配置するためのスペースが設けられている。 後続のアレイスキャンまたは調査データとこのファイルをリンクすることによって、アッセイ結果の解釈に役立てることが可能である。 複数のアレイを備えた装置の場合、アレイ毎に一つの識別子または装置毎に一つの識別子を設けることが可能である。 ファイルは、マイクロ流体アレイ装置とキットにして、ディスク他の媒体で供給される。 あるいはまた、ファイルは、識別子から得られる情報を用いて、供給業者またはメーカのウェブ・サイトに問い合わせることによって、インターネットを介してアクセス可能である。 アレイリーダは、識別子から自動的に情報を得て、インターネットでファイルにアクセスするようにプログラムすることが可能である。

    本発明の実施態様の一つでは、マイクロ流体コンポーネントは、制御下においてアレイ表面に流体を送り込む(アレイ表面及びそれに結合されたプローブと一つ以上の流体を接触させるため)システムを提供する働きをする。 例えば、マイクロ流体コンポーネントは、アレイ表面に対する洗浄液、試料流体、及び/または、試薬の選択的経路指定、供給、及び/または、除去に利用することが可能である。 実施態様の一つでは、マイクロ流体コンポーネントは、複数の試料源(マルチウェル・プレートのような)からアレイコンポーネント内の複数の個別アレイ表面に個別流体試料を通じさせる働きをする。

    アレイコンポーネントには、アレイ表面のアドレス指定可能なプローブ分子集合と接触した状態に流体を保持するためのアッセイ室が含まれており、アッセイ室は、マイクロ流体コンポーネントがアレイコンポーネントに作動可能に接合されると、マイクロ流体コンポーネントのマイクロ流体機構と流体でつながるようになっている。 あるいはまた、マイクロ流体コンポーネントがアレイコンポーネントに作動可能に接合されると、流体をアレイ表面のアドレス指定可能なプローブ分子アレイと接触した状態に保つためのアッセイ室を形成することが可能になる。 例えば、(1)アレイ表面が、マイクロ流体コンポーネントと嵌合する、アレイコンポーネント表面の凹部またはウェル内にあるか、(2)マイクロ流体コンポーネントの表面に凹部が存在し、その凹部において、マイクロ流体コンポーネントがアレイコンポーネントと嵌合し、アレイ表面がアレイコンポーネントの対応する部位に位置するか、(3)アレイコンポーネントとマイクロ流体コンポーネントの間に、穴のあいたガスケットまたは他のスペーサ・タイプの材料が配置され、アレイ表面に対して穴のアライメントがとれるようになっているか、あるいは、(4)上記の二つ以上の組合せである場合に、そうなる可能性がある。 アッセイ室は、マイクロ流体機構の場合もあれば、マイクロ流体機構ではない場合もある、すなわち、マイクロ流体機構より幾分大きくなる場合もある(約1500ミクロン未満の断面寸法がないか、または、約5ミリリットルを超える容積を有している)。 代替実施態様の場合、アレイ室にアレイ基板を保持することができるし(アレイ基板が室内に配置される)、あるいは、アレイ基板によって、アレイ室の一部を形成し、アレイ表面がアレイ室の内部にさらされるようにすることも可能である。

    マイクロ流体コンポーネント及び/またはアレイコンポーネントにおいて、機能性及び/または性能の向上をもたらす、マイクロ流体、検出、及び、アレイ技術において既知の他の特徴を実現することが可能である。 アレイコンポーネント及びマイクロ流体コンポーネントは、互いに結合される別個のコンポーネントであるため、それぞれのコンポーネント・タイプに限定された品質管理手順を利用して、コンポーネントを個別に製造することが可能である。 さらに、アレイコンポーネント及びマイクロ流体コンポーネントは、独立したコンポーネントであるため、これらのコンポーネントは、他のマイクロ流体コンポーネント及びアレイコンポーネントと交換して、カスタム化された分析ツールを創成することが可能である。 例えば、さまざまに選択されたプローブ分子またはアレイが異なる空間フォーマットをなすように配置されたアレイを、単一設計のマイクロ流体コンポーネントに用いて、種々の設計基準に基づく新規の集積装置を作り出すことが可能である。

    マイクロ流体コンポーネントと連係して作動可能な電子処理回路要素によって、信号分析機能を向上させることが可能になる。 こうした回路要素は、電圧/電流供給、信号供給、信号検出、信号処理、信号フィードバック、及び、データ処理といった操作を実施することが可能である。 事例によっては、電子処理機能とマイクロ流体機能の分離が好ましいこともあるが、その場合、マイクロ流体コンポーネントの一部をなす回路要素(「オン・システム回路要素」)は、こうしたオフ・システム(遠隔)機能を支援するようになっている。 例えば、電気泳動の場合、マイクロ流体チャネルに高電圧を印加するため、比較的大きい電源が必要になるが、マイクロ流体チャネルから離して、電源を配置するのが最善である。 もう一つの例として、データ分析は、マイクロ流体システムから分離されたコンピュータを利用して実施するのが最善である。 しかし、マイクロ流体システムから分離された電気コンポーネントを利用すると、満たすのが困難な要件を備える電気的プロセスもある。 例えば、マイクロ流体システムから検出される極めてエネルギーの低い信号は、マイクロ流体システムから分離された信号処理コンポーネントに伝導される距離が遠くなると、劣化することになりがちである。 このような信号の劣化傾向を受けて、劣化する前に、検出される信号を増幅することが好ましい。 オン・システム電気処理は、マイクロ流体システム上の多くのセンサから収集される情報を用いて、マイクロ流体チップにおけるプロセスを制御しなければならない場合にも好ましい。 例えば、温度システム入力を利用して、マイクロ流体システムのヒータを制御することが可能である。

    マイクロ流体機構以外に、マイクロ流体コンポーネントには、マイクロ流体コンポーネントのマイクロ流体機構と関連して作動可能であるように、例えば、コンポーネント基板内及び/またはコンポーネント基板表面上に、オン・システム導電素子を組み込むことが可能である。 導電素子によって、マイクロ流体コンポーネント上またはコンポーネント内に含むことが可能な各種電気的機構間の電気的接続が可能になる。 これらの電気的機構には、(1)流体に対する直接接触部、(2)流体に接触している/接触していない、流体またはその含有物の流量または働きを制御する構造、(3)流体に直接接触しているセンサ、(4)流体に直接接触していないセンサ、(5)マイクロ流体コンポーネント内またはコンポーネント上に組み込まれた電気的加熱または冷却素子、(6)マイクロ流体コンポーネント内における表面電荷に影響する可能性のある素子、及び、(7)弁、ポンプ、及び、ミクサのような能動マイクロ流体制御素子を含むことが可能である。 電気的機構には、信号検出、信号処理、緩衝記憶、及び/または、制御機能といった種々の機能のうち任意の機能を実施することが可能な、演算増幅器、トランジスタ、ダイオード、マルチプレクサ、スイッチ、フィルタ等の組合せを含むことが可能な、予め製造された集積回路を含むことが可能である。 導電素子には、信号プロセッサ、信号読取装置、電源、及び/または、データ記憶システムのようなオフ・コンポーネント・システムに対する電気的接続を可能にするマイクロ流体コンポーネント上の接触パッドを含むことも可能である。

    マイクロ流体コンポーネントには、マイクロ流体コンポーネントの操作上の要件に従って、電界、磁界、伝導率、抵抗率、電流、誘電率、化学特性、光学特性、温度、圧力、及び/または、光を検出するための検出機構を組み込むことも可能である。 マイクロ流体コンポーネントには、例えば、信号の増幅、信号のフィルタリング、信号のアナログ・ディジタル変換、及び/または、信号入力に基づく論理的決定を行うことが可能な信号処理回路要素を組み込むことも可能である。 マイクロ流体コンポーネントには、例えば、電圧制御、電流制御、温度制御、及び/または、クロック信号発生が可能な制御回路要素を組み込むことが可能である。

    図7には、マイクロ流体コンポーネントからのマイクロ流体コンポーネント基板510の一部が例示されており、マイクロ流体コンポーネント基板510には、マイクロ流体チャネル520が形成されている。 マイクロ流体チャネル520は、一般に、マイクロ流体コンポーネント基板(不図示)上にある他のマイクロ流体機構、並びに、マイクロ流体コンポーネント基板510に形成されたウェル502内に配置された可撓性アレイ基板500を含むアレイコンポーネントと流体でつながっている。 可撓性アレイ基板500は、一般に、本明細書に記載のタイプの複合可撓性基板、または、Lefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/032,608号明細書、Schembriによってなされた米国特許出願番号第01/037,757号明細書及びLefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/167,662号明細書(全て2001年10月18日出願)に記載のようなアレイ基板である。 図7に例示の部分的なマイクロ流体コンポーネント基板510には、コンポーネント基板510内及び/またはコンポーネント基板510の表面上に形成された導電素子528及び530も含まれている。 導電素子528は、マイクロ流体コンポーネント基板510に結合された電子コンポーネント512まで延びている。 マイクロ流体コンポーネント基板510には、電子コンポーネントを接触パッド532に接続する、導電素子530も含まれている。 接触パッド532によれば、信号プロセッサ、信号読取装置、電源、及び/または、データ記憶システムといったオフ・チップ・システムに対する電気的接続を施すことが可能になる。 マイクロ流体コンポーネントに入力/出力接触パッド532を設けることによって、電子コンポーネントにこうした接触パッドを設ける必要がなくなる。

    いくつかの実施態様では、電子コンポーネント512は、種々の機能の任意の一つを実施することが可能な、予め製造された集積回路である。 あるいはまた、電子コンポーネントは、従来のプリント回路基板等のような適切な基板上に実装された一組の個別電子コンポーネントである。 「電子コンポーネント」という用語は、本明細書では、主として性質が電子的であって、後述の一つ以上の動作を実施する装置を表すために用いられる。 「集積電子マイクロ流体アレイ装置」という用語は、マイクロ流体コンポーネントに接合されたアレイコンポーネント、及び、マイクロ流体コンポーネントと連係して作動可能な電子コンポーネントを含む装置を表しており、マイクロ流体コンポーネント及びアレイコンポーネントは、マイクロ流体コンポーネントのマイクロ流体機構と流体でつながっている。 マイクロ流体コンポーネントに結合された単純なフォトダイオードだけを開示した上述のKramer等によるシステムとは対照的に、図7の電子コンポーネントは、信号検出、信号処理、緩衝記憶、及び/または、信号または流量制御といった機能を実施する、演算増幅器、トランジスタ、ダイオード、マルチプレクサ、スイッチ、フィルタ、論理回路、ディジタル・アナログ変換器、アナログ・ディジタル変換器等の組合せを組み込むことが可能な回路要素(不図示)を備えている。 電子コンポーネントは、ハンダ・バンプ(solder-bump)付着、金メッキ付着、または、導電性接着剤による付着といったフリップ・チップ接続を利用して、マイクロ流体コンポーネントに電気的に接続されるのが好ましい。 好ましい実施態様の場合、電子コンポーネントは、マイクロ流体コンポーネントの領域内に完全に納まるので、電子コンポーネントがマイクロ流体コンポーネントのエッジを越えて突き出すことはない。 あるいはまた、電子コンポーネントは、既知の技術を用いて、さらに、マイクロ流体コンポーネントに結合される、適切な基板に実装された個別電気デバイスから構成されている。 電子コンポーネントは、従来の半導体処理技術を利用して、マイクロ流体コンポーネントとは別個に製造される。

    電子コンポーネント512には、信号検出回路要素を含むことが可能である。 信号検出回路要素は、マイクロ流体コンポーネントの操作上の要件に従って、電界、電流、温度、導電率、低効率、磁界、誘電率、化学特性、圧力、または、光を検出することが可能である。 これらの特性の検出に利用される技術は、マイクロ流体及び電子技術において既知のところであり、これ以上の説明は控えることにする。 もちろん、電子コンポーネント内に他の現象を検出するための回路要素を組み込むことも可能である。 一例として、電子コンポーネント512を利用して、マイクロ流体チャネル520内の流体の導電率を測定することも可能である。 電子コンポーネントは、接触パッドのような1対の導電部材533及び535によって、コンポーネント基板510の表面と接触する。 マイクロ流体コンポーネントの基板材料は、二つの導電材料間における誘電体であるため、各接触パッドは、マイクロ流体チャネル520内の流体と容量結合する。 接触パッドの一方が、交流電源に接続され、もう一方の接触パッドが、検出器に接続されている場合、流体の導電率を測定することが可能である。 いくつかの用途の場合、例示のように、マイクロ流体チャネル内の流体に直接接触するセンサ534、536を設けることが可能である。 これらのセンサ534,536は、電子コンポーネントまたはオフ・デバイス回路要素と電気的につながることが可能である。 流体の動的導電率をモニタするための回路要素は、少なくとも部分的に、電子コンポーネント512内に収容されている。 特定の実施態様の場合、マイクロ流体コンポーネントには、マイクロ流体機構に隣接した薄い高分子シートが含まれており、測定感度を高めるため、電子コンポーネントの信号検出回路要素をマイクロ流体機構に近接して配置する(マイクロ流体機構と信号検出回路要素の間に高分子シートを配置して)ことが可能になる。

    電子コンポーネント512には、信号処理回路要素を含むことも可能である。 例えば、信号処理回路要素は、信号を増幅し、信号にフィルタリングを施し、信号をアナログからディジタルに変換し、信号入力に基づいて論理的決定を行うことが可能である。 可能性のある信号処理は極めて多く、もちろん、電子コンポーネントにおいて、いかなるタイプの信号処理回路要素でも実施されることが期待される。

    電子コンポーネント512によって、電圧制御、電流制御、温度制御、クロック信号発生等のような制御機能のための回路要素が得られるようにすることも可能である。 例えば、電子コンポーネントは、システムに入力される15ボルトの電力を電子コンポーネントによって利用される5ボルトに変換することも可能である。 電子コンポーネントは、正弦波信号のような特定の所望の信号を生成するために利用することも可能である。 前もって識別されたタイプのマイクロ流体流量制御素子(例えば、弁、ポンプ、及び、調整器)を操作するために、流量制御回路要素を組み込むことが可能である。 一例として、弁526は、導電素子528を介して、電子コンポーネントからの信号によって制御可能であり、弁は、ウェル502、マイクロ流体コンポーネント538、及び、マイクロ流体チャネル540の間において流れを導くことが可能である。 検出及び処理回路要素の場合と同様、可能性のある制御回路要素は極めて多く、従って、もちろん、電子コンポーネントにおいて、いかなるタイプの制御回路要素でも実施されることが期待される。

    電子コンポーネント512には、その働きを通じて、回路要素の動作を誘導または制御するソフトウェアまたはファームウェアを含むことも可能である。 例えば、電子コンポーネントには、特定の機能を果たすようにプログラムされたアルゴリズムを実行可能にする、プログラマブル論理回路を含むことが可能である。 これらの機能には、信号フィルタリング、信号フィードバック、制御操作、信号割り込み、及び、他の形態の信号処理を含むことが可能である。

    電子コンポーネント512は、マイクロ流体コンポーネントに結合された集積回路であることが好ましい。 マイクロ流体コンポーネントを電子コンポーネントに結合するには、接点ハンダを利用して、マイクロ流体コンポーネントと集積回路の対応する電気的接点を接続することが必要になる。 接点ハンダは、マイクロ流体基板が耐えることが可能な最高温度に合わせて調整することが可能である。 あるいはまた、良好な金接触バンプ、金接触パッド、または、導電性接着剤を利用して、電子コンポーネントとマイクロ流体コンポーネントとの電気的接触を行えるようにすることが可能である。 電気コンポーネントとマイクロ流体コンポーネントの結合は、非導電性接着剤または結合方法を利用して実施することも可能である。 電子コンポーネント512は、導電素子530及び接触パッド532を介して、遠隔(オフ・コンポーネント)システムと電気的につながっている。 図7のコンポーネント基板510には、集積回路と遠隔システムを接続するための接触パッドが含まれているが、接点が電子コンポーネント512に組み込まれる他の構成も可能である。

    ある実施態様では、集積装置に、コンポーネント基板内またはコンポーネント基板上の導電素子を介して電子コンポーネントと電気的につながっている電気、光、物理、または、化学センサが含まれている。 一例として、電子コンポーネントは、問題となる流体中の対応するターゲットに結合されたプローブから生じる信号を検出するように適応させることが可能である。 電子コンポーネントには、さらに、信号検出回路要素からのこうした信号を増幅するための信号増幅回路を組み込むことも可能である。 ある実施態様では、電子コンポーネントによって、システムの電気的機能の全てが得られるようにすることが可能であり、一方、マイクロ流体コンポーネントには、導電性機構が存在しない。 例えば、電子コンポーネントには、オフ・システム電気接続の全て、電気、光、物理、または、化学センサの全て、信号処理回路要素の全て、及び、データ接続の全てを含むことが可能である。 この実施態様の場合、電気的相互接続が不要のため、電子コンポーネント及びマイクロ流体コンポーネントを機械的に付着させることだけしか必要とされない。

    本発明によれば、さらに、可撓性アレイ基板を含むアレイコンポーネント、アレイコンポーネントと関連して作動可能なマイクロ流体コンポーネント(一般には、アレイコンポーネントに接続されて、単一「モジュール」を形成する)、及び、マイクロ流体コンポーネントと関連して作動可能な取り外し可能な電子コンポーネントを含むモジュール式システムが得られる。 これによって、例えば、電子コンポーネントから取り外し可能で、使い捨て可能なマイクロ流体コンポーネント及びアレイコンポーネントを利用することが可能になり、その一方で、電子コンポーネントは再利用可能である。 電子コンポーネントには、本明細書に記載の種々の機能を実施する回路要素が含まれる。

    電子コンポーネント512は、マイクロ流体コンポーネントの種々の位置に結合することが可能である。 図7に示すように、電子コンポーネントは、マイクロ流体チャネルまたはチャンバのすぐ上には配置されない。 電子コンポーネントが、マイクロ流体チャネルまたはチャンバのすぐ上に配置されない場合、電気接触パッドのアライメントだけしか必要とされないので、電子コンポーネントの配置は最低の正確度で行うことが可能になる。 例えば、約50〜200マイクロメートルの配置公差が許容される。 あるいはまた、集積回路は、電子コンポーネントに組み込まれた検出装置によって信号の直接検出を行えるようにするため、マイクロ流体チャネルまたはチャンバのすぐ上に配置することも可能である。

    マイクロ流体コンポーネントに二つ以上の電子コンポーネントを結合することも可能である。 図7を参照すると、コンポーネント基板510の、電子コンポーネント512から反対側に結合された、第2の電子コンポーネント513が示されている。 従来のボンド・ワイヤ541を用いて、電子コンポーネントの接触パッド543とコンポーネント基板510の接触パッド532との電気的接続を施すことが可能であるが、コンポーネントを電気的に接続する他の技術を用いることも可能である。 可能性のある一例として、電子コンポーネント512は、マイクロ流体制御機能に特有の集積回路チップとし、第2の電子コンポーネント513は、信号処理機能に特有の他の集積回路チップとすることが可能である。

    さらに図7を参照すると、例示の実施態様の場合、電子コンポーネント512は、マイクロ流体コンポーネントと電子コンポーネントとのフィードバック・ループを形成する働きをする。 例えば、電子コンポーネント512によってコンポーネント基板510のある領域の温度をモニタすることが可能である。 測定温度に応答し、電子コンポーネントは、所望の温度を実現または維持する必要に応じて、マイクロ流体コンポーネント基板におけるモニタ領域の温度を調整することが可能である。 マイクロ流体コンポーネントと電子コンポーネントとの間におけるフィードバックは、例えば、複数の温度変化を必要とする処理または分析技術に有用である。 温度制御は、特定のフィードバック実施の例として記載されるが、性能を向上させるため、マイクロ流体コンポーネントと電子コンポーネントの間で、他のオン・システム・フィードバック・ループを実施することも可能である。 ある実施態様の場合、電子コンポーネントの回路要素には、回路要素からの信号に応答して、マイクロ流体コンポーネントに直接フィードバックを行うための出力が含まれており、それによって、装置内で分離されたフィードバック・ループが形成されるようになっている。 例えば、マイクロ流体コンポーネントにフリップ・チップ結合された集積回路における信号処理回路要素を備えた電子コンポーネントは、測定、反応、濃縮、または、分離プロセスといった、種々のプロセスの制御を可能にする。

    電子コンポーネントをマイクロ流体コンポーネントに結合する利点は、二つのコンポーネントによって、各コンポーネントを個別に製造することが可能な、モジュール式構造が構成されるという点にある。 電子コンポーネント及びマイクロ流体コンポーネントの製造には異なる材料及び方法が必要とされる。 コンポーネントを別個に製造することによって、製造プロセスの問題と異なる材料を統合することによる問題が解消される。 さらに、電子コンポーネントとマイクロ流体コンポーネントを別個に製造することによって、品質管理手順を製造されている装置のタイプに限定することが可能になる。 例えば、集積回路製造の環境制御要件は、マイクロ流体コンポーネント製造と同じではない。 さらに、電子コンポーネント及びマイクロ流体コンポーネントは、別個に製造されるので、二つのコンポーネントは、他のマイクロ流体コンポーネント及び電子コンポーネントと交換可能である。 例えば、同じ設計のマイクロ流体コンポーネントに異なる電子コンポーネントを付けて、異なる目標を達成することが可能である。 同じマイクロ流体コンポーネントを用いて、異なる機能を備えたシステムを創成することによって、マイクロ流体コンポーネントの開発コストがかからず、同時に、処理及び制御の自由度が得られることになる。

    マイクロ加工技術に適した種々の方法及び材料のうちの一つ以上が、本発明の実施態様の製造において役立つ可能性がある。 例えば、いくつかの態様では、射出成形技術を用いて、種々の高分子材料または他の材料から諸部分を製造することが可能である。 シリカ、ガラス、または、シリコンのような材料の場合、エッチング、フライス加工、ドリル加工等の方法を用いて、例えば、装置内に種々の反応室及び流体チャネルを形成するウェル及び凹部といった、マイクロ流体機構を形成することが可能である。 これらの材料及び方法には、とりわけ、半導体及びマイクロエレクトロニクス産業において正規に用いられているようなマイクロ加工技術が適している。 これらの技術には、例えば、電着、低圧蒸着、フォトリソグラフィ、ウェット化学エッチング、反応性イオン・エッチング(RIE)、レーザ・ドリル加工等が含まれる。 これらの方法を用いて、装置の諸部分を製造する場合、一般には、半導体産業において用いられているのと同様の材料、すなわち、シリカ、シリコン、砒化ガリウム、ポリイミド基板を用いるのが好ましい。 マイクロ機械加工技術を用いて、マイクロ流体システムを形成することによって、三次元構造の広いアレイを形成することが可能であるが、こうした技術には、薄膜被着、フォトリソグラフィ、エッチング、及び、ボンディング技術の組合せを含むことが可能である。 これに関しては、シリコンによって有用な基板が得られる。 というのも、シリコンは、優れた強度及び硬度特性を備えており、数マイクロメートルのオーダの寸法を備えた構造が得られるように、マイクロ加工することが可能であるためである。 Kroy等の米国特許第5,252,294号明細書には、バイオテクノロジ用途において試料を処理するためのシリコン・ベースのマルチウェル装置の製造が報告されている。 マイクロ加工またはマイクロリソグラフィ技術によってシリコンに微細構造を製造することを必要とする、小型分離システムの生産について記載したものもある(例えば、Fan他著、Anal.Chem.,1994年、第66巻、第1号、p.177−184;Manz他著、Ad.in Chrom.,1993年、第33巻、p.1−66;Harrison他著、Sens.Actuators、199年、第B B10巻、第2号、p.107−116;Manz他著、Trends Anal.Chem.,1991年、第10巻、第5号、p.144−149;Manz他著、Sensors and Actuators、1990年、第B(Chemical)B1巻、第1−6号、p.249−255参照)。 こうしたマイクロ機械加工技術を利用して、シリコンまたはホウケイ酸ガラス・チップ上に小型化された個別の装置を形成する例が、Clark等の米国特許第5,194,133号明細書、Miura等の米国特許第5,132,012号明細書、Paceの米国特許第4,908,112号明細書、Sethi等の米国特許第4,891,120号明細書において見受けられる。

    フォトリソグラフィ法は、マイクロ流体機構の製造に利用可能であり、当該技術において周知のところである。 例えば、マイクロ流体コンポーネント基板にフォトレジストをオーバレイすることが可能である。 次に、フォトリソグラフィ・マスクを介して、電磁放射線源で照射し、コンポーネント基板表面上のチャンバ及び/またはチャネルのパターンを表したあるパターンで、フォトレジストを露光させることが可能である。 露光したフォトレジストを除去した後、露光材料にエッチングを施して、所望のウェル及びチャネルを形成することが可能である。 一般に、好ましいフォトレジストには、半導体産業において広く用いられているものが含まれる。 これらの材料には、ポリメチルメタクリレート(PMMA)及びその誘導体や、ポリオレフィン・スルホン等のような電子ビーム・レジストが含まれている(さらなる詳細については、例えば、Ghandi著、「VLSI Fabrication Principles」、Wiley、1983年、第10章に記載されている)。

    一例として、マイクロ流体コンポーネント基板の平面部分の一つの表面に形成されたウェルは、装置の種々のマイクロ流体コンパートメントを構成する。 コンポーネント基板のこの表面またはもう一つの平面部分の表面に形成されるチャネルは、この種々のマイクロ流体コンパートメントを流体でつなぐために用いられる流体チャネルを構成する。 次に、もう一つの平面部分が、最初の平面部分の上に配置して、結合されると、その結果、最初のコンポーネント基板部分のウェルによって、装置本体内にキャビティが形成され、このキャビティが、装置の種々のマイクロ流体コンパートメントになる。 同様に、コンポーネント基板の平面部分の一つの表面に形成されたグルーブが、もう一つの平面部分によって覆われると、装置の本体を通るマイクロ流体チャネルのような流体通路が形成される。 これらの平面部分を互いに結合するか、または、積層すると、装置の耐流体性の本体が得られる。 装置の平面部分の結合は、一般に、当該技術において既知のところであって、用いられる材料によって異なる可能性のある、種々の方法を用いて実施可能である。 例えば、一般に、接着剤を用いて、平面部材を互いに結合することが可能である。 高分子部分については、例えば、加圧を伴う加熱、溶剤型結合、接着剤、及び、音響溶接(acoustic welding)技術といった、種々の方法を用いて、それらの部分を互いに結合することが可能である。 関連する態様において、反応室/チャネル構造の薄い壁を形成する装置の一部として、接着テープを用いることが可能である。 上述の方法は、後で完全な集積装置にアセンブルされる装置の諸部分、または装置の独立した個別コンポーネントの製造に利用することも可能である。

    その他の実施態様には、本明細書に記載の材料及び技術の組合せを用いて、集積装置を製造することが可能なものもある。 場合によっては、集積装置に、射出成形プラスチック等による部分が含まれる可能性もあり、その一方で、集積装置の部分に、エッチングされたシリカまたはシリコンの平面部材等が含まれる可能性もある。 例えば、射出成形技術を利用して、平坦な表面に種々のマイクロ流体コンパートメントをなすいくつかの個別のキャビティを形成することが可能である。 それに対し、平面ガラス、シリカ、または、シリコン・チップまたは基板上に、例えば、流体チャネル等の追加の構成要素を製造することが可能である。 それに対し、さらに、可撓性高分子シートまたはテープ上に、さらなる構成要素を製造することも可能である。 一組の部分をもう一組の部分に張り合わせると、適切な流体チャネルによって相互接続された、種々のマイクロ流体コンパートメントが形成されることになる。

    特定の実施態様の場合、集積装置には少なくとも一つの射出成形、プレス整形、または、機械加工された高分子部分が含まれている。 この高分子部分の表面には、一つ以上のウェルまたは凹部が形成されており、一般的に一つまたは複数のアレイ基板を収容するサイズが付与された一つまたは複数のチャンバの壁のいくつかをなす。 これらの射出成形部分を製造する型または成形面は、一般に、当該技術において既知の方法を用いて製造することが可能である。 例えば、特許文献9(Anderson等の米国特許第6,197,595号明細書)参照。 射出成形または機械加工に適した高分子の例としては、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、及び、Kapton、Valox、Teflon、ABS、Delrin等のような市販の高分子が含まれる。 その表面に可撓性アレイ基板を含む第2の部分を成形高分子部分の表面に嵌合して、チャンバの残りの壁を形成することが可能である。 先行技術文献(例えば、国際公開第95/33846号パンフレット参照)には、個別のオリゴヌクレオチドアレイをパッケージ化するために用いられる装置についての記載がある。 この装置には、平面本体内に配置されたハイブリダイゼーション室が含まれている。 ハイブリダイゼーション室は、装置の本体のフロー・チャネルを介して、吸入ポート及び排出ポートと流体でつながっている。 本体には、嵌合されると、装置の本体を形成し、フロー・チャネル及びハイブリダイゼーション室を形成する複数の射出成形平面部分が含まれている。

    [集積装置の利用]
    ターゲット分子を含有する試料にアレイを接触させるため、アレイ及び試料は、試料がアレイのプローブと接触するのに十分な条件下において、及び、それに十分な時間にわたって一緒にされる。 実施態様の一つでは、アレイを試料の上に配置し、集積装置の一方の面を反転または回転させて、試料とアレイ全体を接触させる。 実施態様の中には、リザーバ内に保持することが可能な試料が、チャネルを通って、アレイ室内に流入し、アレイと接触するものもある。 他の実施態様には、試料が、例えば、ポートを介してマイクロ流体コンポーネント内に導入され、一つ以上のマイクロ流体機構によって輸送されるものもあり、この場合、試料には、精製または精留といった処理ステップを施して、その後、アレイと接触させることが可能である。 試料は、さらに、特定の結合対(そのそれぞれのターゲットに結合されるプローブ)の構成員間で結合している複合体が生じるのに十分な条件下において、それに十分な時間期間にわたって、アレイと接触した状態に維持される。 多くの実施態様においてこのステップの持続時間は、少なくとも約30分の長さであり、少なくとも12時間の長さである場合が多く、64時間以上もの長さになることもあり得るが、多くの場合、約17時間を超えることはない。 試料/アレイ構造は、一般に、約25℃〜約70℃の範囲の温度に維持されるが、通常は、約37℃〜約65℃の範囲の温度に維持される。 所望の場合、試料とアレイとの接触を確実にするため、例えば、撹拌または振動によって、試料を混合することも可能である。 流体を一様に変位させる方法であれば、どれでも、ハイブリダイゼーションのアッセイ中における混合に十分である。 当該技術において既知の方法には、アレイ表面に対する基材の変位(Schembriの米国特許第5,910,288号明細書参照)、チャンバ内における気泡の移動(Schembri等の米国特許第6,258,593号明細書及びSchembriの米国特許第6,186,659号明細書参照)、及び、圧電結晶及び流体交換を含む超音波技術が含まれている。 可撓性アレイの実施態様では、マイクロ流体コンポーネントに対してアレイを変位させることによって、流体を変位させ、結果として混合が生じるようにすることも可能である。

    ハイブリダイゼーションのアッセイの場合、厳格なハイブリダイゼーション条件下において、試料とアレイを接触させることによって、アレイ表面に付着したプローブ・シーケンスに対して相補的なターゲット核酸間に複合体が生じることになる、すなわち、プローブ核酸と試料に存在するその相補的なターゲット核酸の相互作用によって、アレイ基板の表面に二重鎖核酸が形成される。 厳格なハイブリダイゼーション条件の一例としては、50℃以上で、0.1×SSC(15mMの塩化ナトリウム/1.5mMのクエン酸ナトリウム)におけるハイブリダイゼーションがある。 厳格なハイブリダイゼーション条件のもう一つの例としては、50%ホルムアミド、1×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸3ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハート液、10%の硫酸デキストランの溶液中における、42℃での夜通しのインキュベーションと、それに続いて、0.1×SSC中における約65℃でのフィルタの洗浄が挙げられる。 核酸を伴うハイブリダイゼーションには、一般に、約30分〜約24時間かかるが、必要に応じて変更可能である。 他の厳格なハイブリダイゼーション条件については、当該技術において既知のところであり、適宜用いることも可能である。 厳格な条件とは、一般に、完全に相補的なプローブ及びターゲットと、ターゲットと一つ以上のミスマッチがあるプローブとの間において、信号に顕著で統計的に有意の差異を生じさせる条件である。

    インキュベーション・ステップが完了すると、アレイは、結合しなかった試料及び非特異的結合試料を基板から除去するため、通常は、少なくとも1回は洗浄されるが、一般には、少なくとも2回の洗浄サイクルが利用される。 アレイアッセイに用いられる洗浄剤は、当該技術において既知のところであり、もちろん、特定のアッセイに用いられる特定の結合対に応じて変えることが可能である。 例えば、核酸ハイブリダイゼーションを用いる実施態様の場合、問題となる洗浄剤には、当該技術において既知の、種々の濃度による、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、及び/または、クエン酸ナトリウム等のような塩溶液が含まれ、界面活性剤を含むことも可能であるが、これらには限定されない。 洗浄剤は、マイクロ流体コンポーネントのマイクロ流体リザーバから供給することもできるし、あるいは、集積装置外部の供給源から供給することも可能である。 実施態様の一つでは、洗浄液は、集積マイクロ流体装置に吸い込まれて、試料の全てが除去されるまで、試料を変位させる。 洗浄液が集積マイクロ流体装置を流れる間に、混合を用いて、隅に残った、または、領域に到達しにくい試料を希釈することが可能である。 もう一つの実施態様の場合、アレイ室を部分的に密閉するカバー層を取り除いて、アレイを露出させることもできるし、あるいは、マイクロ流体装置からアレイ自体を取り除くことも可能である。 露出したアレイは、所望の時間にわたって、所望の条件下で、洗浄液のタンクまたは容器内に納められる。

    上記アレイ/試料接触ステップ、及び、洗浄手順の後、次に、アレイを問い合わせるか、読み取って、例えば、検体に存在する同位体トレーサまたは蛍光標識のような信号発生システムを利用して、アレイ表面に結果として生じる、結合している複合体の存在が表示される。 試料中における検体の存在は、従って、基板表面に結合している複合体の検出から推論される。 比色定量、電量分析、蛍光定量、化学発光または生体発光手段を用いて、光の吸収、透過、または、発光、または、電気特定、または、他の測定可能特性を含む検体の特性を測定するといった、任意の適切な検出方式を用いることが可能である。 ある実施態様では、アレイを調べるのに、マイクロ流体コンポーネントからアレイコンポーネントを分離することが必要になる。 結果得られるデータは、アレイ上の各フィーチャーの位置及び識別コードを含むファイルとリンクされる。 アレイ識別子は、一般に、この関連付けを行うための手段である。 ファイルは、一般に、ディスケットまたはコンピュータ・ハードドライブのような任意の適切な媒体に記憶された電子ファイルである。

    [テストストリップ形態]
    次に、図8A〜8Cを参照すると、本発明によって得られるテストストリップアレイのいくつかの異なる実施態様が例示されている。 本明細書において用いられる限りにおいて、「個別のテストストリップアレイ」とは、可撓性アレイ基板を支持する基材ストリップを備えた任意の装置を表しており、可撓性アレイ基板は、アドレス指定可能なプローブ集合体を支持し、装置は、ほぼテストストリップに似た構造を備えている。 個別のテストストリップアレイは、通常は、長さが、一般に約1cm〜約20cmで、通常は約2cm〜約15cm、幅が、一般に約0.3cm〜約15cmで、通常は約0.5cm〜約8cm、厚さが、約5ミクロン〜約2500ミクロンで、通常は約25ミクロン〜約850ミクロン、多くの場合約40ミクロ〜約600ミクロンといった寸法を備えているが、これらの寸法は、それぞれ、対象とする個別のテストストリップアレイの特定の用途及び設計に応じて、既述の範囲外に変化する可能性がある。 本明細書において用いられる限りにおいて、「集合テストストリップアレイ」は、例えば、細長いリボンまたはシートを形成する、互いにエッジ同士を付着させた複数の個別のテストストリップアレイを備える任意の装置を表しており、より一般的には、集合テストストリップアレイは、切断すると、個別テストストリップアレイが得られる製造プロセスの製品である。 本明細書において用いられる限りにおいて、「テストストリップアレイ」は、文脈から、一方またはもう一方を表していることが示唆されない限り、一般に、個別のテストストリップアレイと集合テストストリップアレイの両方を表している。 個別のテストストリップアレイをユーザに供給することもできるし、あるいは、集合テストストリップアレイをユーザに供給し(例えば、ロール形態またはシート形態、すなわち、複数のテストストリップアレイを備える細長いリボンのロールまたはシート)、ユーザが、必要に応じて、集合テストストリップアレイから個別のテストストリップアレイを切り離すか、または、切り取るようにすることも可能である。 個別のテストストリップアレイを形成する細長いリボンまたはシートに対する穴あけ、刻み目付け等によって、このプロセスを助けることが可能である。

    図には、種々の実施態様が例示されている。 図8Aに示すように、本発明によるテストストリップアレイには、例示の実施態様の場合、本明細書に記載の可撓性支持体110である、基材ストリップが含まれている。 集合テストストリップアレイ401の場合、細長い高分子リボンの形態をなす可撓性支持体110の一部が示されている。 細長い高分子リボンには、可撓性支持体または任意の他の適合材料に関して上述の種々の材料のうち、任意の材料を含むことが可能である。 本発明によるテストストリップアレイには、基材ストリップ上に支持された可撓性アレイ基板も含まれている。 図8Aに例示の実施態様の場合、可撓性アレイ基板は、集合テストストリップアレイ401の可撓性支持体110に支持された可撓性ベース106の複数の個別部分として、または、個別のテストストリップアレイ400の可撓性支持体110に同様に支持された可撓性ベース106の個別部分として示されている。 可撓性ベース106は、本明細書で、可撓性ベースまたは他の任意の適切な材料に関して記載の種々の材料のうちの任意の材料を含むことが可能である。 可撓性ベース106には、複数のプローブ104が支持されている。

    基材ストリップを含むテストストリップアレイを例示した図8Bには、もう一つの実施態様が示されているが、この実施態様の場合、基材ストリップは、本明細書に記載の可撓性支持体110である。 集合テストストリップアレイ401には、細長い高分子リボンの形状を備えた可撓性支持体110の一部が示されている。 可撓性ベース106は、可撓性支持体110上に支持された細長いリボンの形状をなしている。 こうした実施態様には、図8Aに示すような、製造中に、可撓性ベースの個別部分を形成して、可撓性支持体に付着させる独立したステップが、不要になるという利点がある。 複数のプローブ104は、可撓性ベース106に支持されている。

    図8Cには、本発明によるテストストリップアレイのもう一つの実施態様が示されているが、この場合、可撓性支持体110は、両エッジ406、408を備えており、可撓性支持体110の両エッジ406、408には、穴パターン412が形成されている。 この穴パターン412によって、可撓性支持体110である細長い可撓性リボン形態物を、歯付きリムを備えたスプールまたはローラで操作することが可能になる。 こうした細長い高分子リボンの操作装置は、当該技術において既知のところである。 図8Cに示す実施態様には、図8A及び8Bに示すように、可撓性支持体116の一方のエッジに沿って配置されるのではなく、可撓性支持体110の中心に配置された可撓性ベース110も設けられている。 こうした実施態様は、通常の当業者であれば、本明細書及び引用された参考文献における開示に鑑みて、容易に製造することが可能である。

    個別のテストストリップアレイ400を集合テストストリップアレイ410から切り離すことによって、個別のテストストリップアレイ400を得ることが可能である。 可撓性支持体110及び/または可撓性ベース106に穴あけ405、刻み目付け等を施すことによって、集合テストストリップアレイ401から個別テストストリップアレイ400を容易に切り離すことが可能になる。 あるいはまた、切断工程によって、個別テストストリップアレイ400を集合テストストリップアレイ401から切り取ることも可能である。

    図に示すように、個別テストストリップアレイには、グリップ部分414と、アレイ部分418が含まれている。 個別テストストリップアレイのアレイ部分418には、可撓性アレイ基板、及び可撓性アレイ基板(例えば、可撓性ベース106)が重なっている基材ストリップの一部が含まれている。 個別のテストストリップアレイのグリップ部分414には、可撓性アレイ基板が重なっていない基材ストリップの一部が含まれている。 個別テストストリップアレイのグリップ部分414には、可撓性アレイ基板に接触せずに、テストストリップアレイを処理するための処理表面416が含まれており、これによって、可撓性アレイ基板のアレイ表面の損傷または汚染が回避される。

    基材ストリップは、図に示すように、可撓性支持体110とすることもできるし、あるいは、プラスチック、ガラス、木、金属、または、基材ストリップとして用いるのに適した他の材料といった材料から形成することが可能な硬質の担持体とすることも可能である。 基材ストリップは、テストストリップアレイの使用条件に耐えることを可能にする、熱安定性、化学的不活性、及び、物理的耐久性といった特質を備えることが好ましく、また、可撓性アレイ基板の支持及び結合が可能であることも好ましい(直接か、間接的かにかかわらず、また、接着剤、超音波、他の手段のいずれを利用するかにかかわらず)。 また、留意すべきは、本明細書の定義によれば、硬質基材ストリップ(または他の硬質構成要素)に結合された可撓性アレイ基板は、結果として得られるテストストリップ(または他の装置)が全体として「硬質」であったとしても、やはり、「可撓性」アレイ基板である。 可撓性アレイ基板は、本出願及びLefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/032,608号明細書、Schembriによってなされた米国特許出願番号第01/037,757号明細書及びLefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/167,662号明細書(全て2001年10月18日出願)のような他の出典に記載のもの、または、他の任意の既知出典に記載のものから選択することが可能である。

    もう一つの実施態様の場合、図9に例示のように、本発明によれば、a)基材ストリップ420、可撓性アレイ基板422、及び、アドレス指定可能なプローブ集合体104を含むテストストリップアレイ400、及び、b)テストストリップアレイ400の少なくとも一部を収容するようになっているハイブリダイゼーションセル424を具備した、アレイハイブリダイゼーションシステムが得られる。 実施態様の一つでは、個別テストストリップアレイは、可撓性アレイ基板が支持される硬質担持体である基材ストリップを備えている。 図9の場合、基材ストリップ420は、可撓性アレイ基板422を支持し、可撓性アレイ基板422は、複数のプローブ104を支持している。 図に示すように、例えば、硬質または可撓性テストストリップアレイのような個別テストストリップアレイ400は、ハイブリダイゼーションセル424と共に供給及び/または利用することが可能である。 個別テストストリップアレイ400の全てまたは一部が、矢印425で示されるように、ハイブリダイゼーションセル424に挿入される。 特定の実施態様の場合、ハイブリダイゼーションセル424には、個別テストストリップアレイ400のアレイ部分418の周りを密封して、流体がアレイ表面と接触する際、ほとんど流体の損失を生じることなく、問題となる流体(例えば、試料を含む流体)の混合を可能にする密閉室を形成する、ハウジング426が含まれている。 混合は、撹拌、回転、振動、または、他の既知の方法で実施可能である。

    図10に例示のもう一つの実施態様の場合、ハイブリダイゼーションセル424は、個別のテストストリップアレイを密閉して、流体がアレイ表面と接触する際、ほとんど流体の損失を生じることなく、問題となる流体(例えば、試料を含む流体)の混合を可能にする密閉室が得られるようにする。 混合は、撹拌、回転、振動、または、他の既知の方法で実施可能である。 図10に例示の実施態様は、開口部430を備え、さらに、開口部430に隣接したシーリング・ストリップ432も備えた、高分子メンブレン・ポーチである。 シーリング・ストリップ432は、ジッパ・ストリップ・シール(例えば、一般に、ジップ・ロック・シールと呼ばれるタイプの)、耐流体性シールで閉じられた開口部を密封する接着ストリップ、または、当該技術において既知の他の適合シーリング装置とすることが可能である。 代替実施態様では、開口部に隣接したポーチを1回以上折りたたみ、クリップで折りたたんだポーチを挟んで、ポーチを閉じる状態に耐流体性シールを保つことによって、開口部を密封することが可能である。 もう一つの実施態様の場合、クリップを用いて、ポーチを閉じた状態に保つことによって、ポーチを折りたたまずに、耐流体性シールが形成される。 ある実施態様では、ハイブリダイゼーションセルは、一般に知られた、ジッパ・ストリップ・シールを備えた再シーリング可能な小さな袋に似ている。

    図11には、個別テストストリップアレイのアレイ部分の周りを密封するように設計されたハイブリダイゼーションセル424が示されている。 ハイブリダイゼーションセルには、ぴったりとはまるカバー428を備えたハウジング426が含まれている。 カバー428は、ハウジング426にかぶせられると、ハウジング426を密封するようになっており、カバー428がハウジング426に対して所定位置につくと、ハウジング426とカバー428とによって、チャンバが形成される。 カバー428またはハウジング426には、ハウジング426にカバー428をかぶせると、耐流体性シールの形成を促進するガスケット429を含むことが可能である。 ハウジング426には、スロット434が形成されている。 スロット434は、個別のテストストリップアレイをぴったり収容するサイズが付与されている。 いくつかの実施態様では、スロットは、ガスケット、または、耐流体性シールの形成を助ける他の弾性材料を備えることが可能である。 ハウジングには、使用中、個別テストストリップアレイのアレイ部分を支持して、使用中における流体(試料)の循環及び混合を可能にするシム436のような一つ以上の隆起構成要素を含むことが可能である。

    図11に示す実施態様の使用中、試料流体はハウジング426内に収容されており、個別のテストストリップアレイ400のアレイ部分418は、ハウジング426内に配置されて、基材ストリップ420が、スロットに係合し、個別テストストリップアレイのグリップ部分がハウジングから突き出すようになっている。 カバーは、所定位置にはめられ、その結果、セルが閉じられる。 カバーは、例えば、クリップまたは他の締結具によって所定位置に保持することが可能である。 ハイブリダイゼーションセルを撹拌するか、回転させるか、あるいは、振動させることによって、試料流体が個別のテストストリップアレイのアレイ部分と接触すると、チャンバ内において試料流体の混合が誘発されるようにすることが可能である。 ハイブリダイゼーションセル424は、個別のテストストリップアレイのアレイ部分の周りにぴったりとはまる(その結果、個別のテストストップアレイのグリップ部分が締め出される)チャンバを形成するように設計されているので、利用しなければならない流体試料の量は、最小限に抑えられる。 これは、流体試料が高価か、または、入手しにくい場合には有利である。

    いくつかの実施態様では、ハイブリダイゼーションセルによって、チャンバ内に収容することを意図した個別のテストストリップアレイの長さ、幅、及び、厚さに対応する長さ、幅、及び、厚さの寸法を有するチャンバが形成される。 各寸法(長さ、幅、高さ)が個別のテストストリップアレイより10mm未満だけ大きいチャンバは、本明細書において、個別テストストリップアレイを「ぴったり納める」チャンバと呼ばれる。 同様に、いくつかの実施態様では、ハイブリダイゼーションセルによって、チャンバ内に収容することを意図した個別テストストリップアレイの長さ、幅、及び、厚さに対応する長さ、幅、及び、厚さの寸法を有するチャンバが形成される。 各寸法(長さ、幅、高さ)が個別テストストリップアレイのアレイ部分より5mm未満だけ大きいチャンバは、本明細書において、個別テストストリップアレイのアレイ部分を「ぴったり納める」チャンバと呼ばれる。 個別テストストリップアレイのアレイ部分には、可撓性アレイ基板がオーバレイする基材ストリップの一部と、可撓性アレイ基板が含まれている。

    識別子415は、テストストリップアレイに配置することが可能である。 識別子は、例えば、アレイに関する状況を提供するための通し番号、情報標識、バーコード等とすることが可能である。 識別子は、基材ストリップのグリップ部分、アレイ部分、基材ストリップの、可撓性アレイ基板から反対側の部分、または、他の任意の適合位置にさまざまに配置することが可能である。

    個別テストストリップアレイ上に存在する個別のプローブまたはフィーチャー(スポットまたは同様の構造)の数は、可変であり、典型的な個別テストストリップアレイは、約20平方センチメートル未満、または、約10平方センチメートル未満、または、一般に、約4平方センチメートル未満の領域に、約10を超える、約100を超える、約1000を超える、または、約5000を超えるフィーチャーを納めることが可能である。 ある個別テストストリップアレイは、一般に、約20平方センチメートル未満、または、約10平方センチメートル未満、または、一般に、約4平方センチメートル未満の領域に、約2万未満のフィーチャー、より一般的には、約1万5000未満のフィーチャー、または、約1万未満のフィーチャー、または、約6000未満のフィーチャー、または、約4000未満のフィーチャー、または、約2500未満のフィーチャーを納めることになる。

    テストストリップアレイは、個別のテストストリップアレイであるか、または、集合テストストリップアレイであるかに関係なく、ハイブリダイゼーションセルとキットにして供給することが可能である。 いくつかの実施態様では、個別のテストストリップアレイは、ユーザがハイブリダイゼーションセルとして用いることが可能な個別パッケージとして供給される。 ハイブリダイゼーションセルは、実施態様によっては、水蒸気透過度の極めて低い、アルミニウム箔とプラスチックの積層品のような積層されたパッケージング材料から製造することが可能である。 こうしたパッケージは、製造プロセスを能率化するためのウェブ処理装置で製造することが可能であり、輸送及び保存期間中、テストストリップを保護することが可能である。 もう一つの実施態様では、パッケージは、例えば、図10に示すものと同様のポーチとして供給することが可能な個別テストストリップアレイのような、ハイブリダイゼーションセルとして供給するように設計されている。 この実施態様の場合、ポーチを開いて、試料を付加し、パッケージを再シーリングするか、または、クリップで閉じる。 パッケージ化されたテストストリップは、反応持続時間にわたって、インキュベータ内に配置される。 さらに、ハイブリダイゼーション中は、パッケージを回転させ、撹拌し、振動させ、あるいは、揺すって、試料を混合させることが可能である。 ハイブリダイゼーションが終了すると、テスト・ハイブリッドアレイは、パッケージから取り出され、必要に応じて、緩衝液内で洗浄され、スキャン(調査)される。 あるいはまた、試料溶液をパッケージから除去して、パッケージ内において洗浄用緩衝液と入れ替えることも可能である。

    可撓性アレイ基板は、便宜上、種々の形態で、種々の装置に用いることが可能である。 いくつかの実施態様では、可撓性アレイ基板の複数の個別部分が、単一装置の一部をなすことが可能である。 可撓性アレイ基板の複数の個別部分を備えたこうした装置は、本明細書において、マルチアレイ装置(multi-array device)と呼ばれる。 実施態様の一つでは、マルチアレイ装置には、複数のアレイ部位を備えた基礎構造体(foundation structure)と、基礎構造体に付着した可撓性アレイ基板の複数の個別部分が含まれており、可撓性アレイ基板の個別部分が、各アレイ部位を占めている。 アレイ部位は、可撓性アレイ基板の個別部分が付着する、基礎構造体上の部位である。 基礎構造体は、一般に、並行したハイブリダイゼーション実験の実施に用いられるようになっている硬質構造である。

    図12には、マルチアレイ装置600の実施態様の一つの一部が例示されている。 例示の実施態様の基礎構造体には、x−yグリッド・レイアウトをなすように配置された複数のプロング604を支持するペデスタル602が含まれている。 少数のプロング604と共に、ペデスタル602の一部だけしか示されていないが、実際には、ペデスタル602は、もっと大規模なものにすることが可能であり、例示のプロング604を9以上支持することが可能である。 各プロング604は、ペデスタル602に取り付けられる近位端606と、ペデスタル602から遠くに位置する遠位端608を備えている。 遠位端608によって、複数のアレイ部位の少なくとも一つが得られる。 複数のプロング604は、それぞれ、アレイ部位の遠位端に、または、それに隣接して付着した可撓性アレイ基板610の個別部分を備えている。 所望の場合には、可撓性アレイ基板610の個別部分は、任意選択的に、プロング604の一つ以上において省略することが可能である。 実施態様の一つでは、複数のプロング604には、それぞれ、可撓性アレイ基板610の二つ、三つ、または、4つ以上の個別部分が付着している。 図では、可撓性アレイ基板610の個別部分は、ディスク形状であるが、通常は、矩形、正方形、多角形、円形、または、楕円形といった任意の構造を利用することが可能である。

    図に例示のプロング604は、円形であるが、任意の適切な構造を利用することが可能である。 プロング604は、一定の間隔をあけ、96ウェル(または384ウェル、または、1536ウェル)のマイクロタイタ・プレートのような、マルチウェル・プレートにおけるウェルに対応するように配置されている。 いくつかの実施態様では、プロング604は、マルチウェル・プレートにおける一つおき、二つおき、または、三つおきのウェルにはまるように配置されている。 こうした実施態様が利用されている間、残りのウェルは、可撓性アレイ基板610の個別部分と試料溶液の接触前または接触後の、独立したプロセス・ステップにおいて利用されることを意図した、反応液または洗浄液を保持することが可能である。 従って、この利用プロセスは、基礎構造体とマルチウェル・プレートを嵌合させて、ウェルの第1のサブセットによって、可撓性アレイ基板610の個別部分が収容され、次に、マルチウェル・プレートに対して基礎構造体を移動させて(例えば、1行または1列だけ移動させることによって)、ウェルの第2のサブセットによって、可撓性アレイ基板610の個別部分が収容されるようにすることを意図したものである。 いくつかの実施態様では、これが、2回または3回以上繰り返される場合もある。 基礎構造体のプロング604が、96ウェルのマイクロタイタ・プレートにおける三つおきのウェルに対応する実施態様の場合、基礎構造体は、24のプロング604を備えることになる。

    プロング604は、一般に、図示のように、ペデスタル602からほぼ垂直方向に延びているが、変更設計では、プロング604がペデスタル602からある角度をなして延びるようにすることも可能であり、その角度は、一般に、75〜90度の範囲、おそらくは、約60〜90度の範囲になるが、あるいは、約45度〜90度の範囲、または、約30度〜90度の範囲になる場合さえある。 可撓性アレイ基板610の個別部分は、基礎構造体に付着している。 実施態様のいくつかでは、可撓性アレイ基板610の複数の(例えば、少なくとも約2、4、6、8、または、12の)個別部分が基礎構造体に付着しているものもある。 特定の実施態様では、可撓性アレイ基板610の約8、12、24、96、192、384、768、または、1536までの個別部分を基礎構造体に付着させることが可能である。 いくつかの実施態様では、単一基礎構造体に付着させる可撓性アレイ基板610の個別部分数が、約4〜約768、または、約8〜約384の範囲にわたるものもある。 可撓性アレイ基板610の個別部分は、アレイ基板のより大きい部分を切断して、図示のディスク形状の構造のような所望の構造にするといった、任意の適切な方法で得ることが可能である。

    いくつかの実施態様では、一般に、基礎構造体のコーナまたは外側エッジに位置する、少数の(例えば、2、3、4、または、約10までの)「止め具」プロングが設けられている。 止め具プロングは、残りのプロングよりわずかに長くすることが可能であり、任意選択的に、アレイ部位(並びに、アレイ基板の個別部分)をなくすことも可能である。 これらのわずかに長い止め具プロングは、マルチアレイ装置が対応するマルチウェル・プレートに嵌合すると、「止め具」を形成して、残りのプロング604上の可撓性アレイ基板610の個別部分が、それぞれ、ウェルの底面よりわずかに上方で保持され、可撓性アレイがウェルの底面に接触しないようにする働きをする。 あるいはまた、基礎構造体のコーナまたは外側エッジに位置する、少数の(例えば、2、3、4、または、約10までの)「止め具」プロングは、残りのプロングよりわずかに短くし、個別可撓性アレイ基板をなくすことも可能である。 この代替例の場合、これらの短い止め具プロングは、マルチアレイ装置に関連したマイクロタイタ・プレートのウェルと対応せず、マルチウェル・プレートの上部または表面に対応するように配置される。 これらのわずかに短い止め具プロングは、マルチアレイ装置が対応するマルチウェル・プレートに嵌合すると、「止め具」を形成して、残りのプロング上のアレイが、それぞれ、ウェルの底面よりわずかに上方で保持され、可撓性アレイがウェルの底面に接触しないようにする働きをする。 さらにもう一つの代替例では、少なくとも少数の(例えば、2、3、4、約10)のプロング604自体が、プロングの構成要素である肩特徴(shoulder feature)612を含む形状を備えている、すなわち、プロング604の平滑な円筒形状(例示のプロングの場合)に加えて、プロング604には、プロング604から適正な距離だけ半径方向に延びて、止め具を形成し、可撓性アレイがウェルの底面に接触しないようにする肩特徴612を含んでいる。 図12には、こうした肩特徴612の実施態様が示されている。 例示の肩特徴は、マルチウェル・プレートの中央にプロング604を配置するのを助ける働きをし、例えば、ハイブリダイゼーションアッセイ中、ウェルの開放端を閉じて、蒸発を遅らせる働きもする円錐部分を備えている点に留意されたい。 あるいはまた、肩特徴612は、蒸発を遅らせ、止め具を形成するガスケットまたはOリングを含むことも可能である。 いくつかの実施態様では、プロング604のそれぞれが、こうした肩特徴612を備えている。 あるいはまた、基礎構造体は、例えば、ペデスタルの周辺の隆起エッジのような隆起特徴を含むことが可能であり、この隆起特徴によって、「止め具」が形成される。 実施態様の一つでは、追加の構造的特徴は不要であり、プロングは、マルチアレイ装置が対応するマルチウェル・プレートと機能的に関連するように嵌め込まれると、ペデスタルがマルチウェル・プレートに突き当たって、「止め具」を形成するように、適正な長さを備えている。

    可撓性アレイ基板610の個別部分は、所望の構造に製造することが可能な任意の可撓性アレイ基板とすることが可能である。 典型的な可撓性アレイ基板には、本出願及びLefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/032,608号明細書、Schembriによってなされた米国特許出願番号第01/037,757号明細書及びLefkowitz等によってなされた米国特許出願番号第10/167,662号明細書(全て2001年10月18日出願)のような他の出典に記載のものが含まれる。 可撓性アレイ基板610の個別部分は、一般に、前述の出典に記載のように得ることが可能な、可撓性アレイ基板のより大きい部分を切断することによって得られる。 特定の実施態様では、基礎構造体に可撓性アレイ基板の単一シートを付着させることが可能である。 基礎構造体上にある可撓性アレイ基板の単一シートにプロングの位置に対応する切削エッジを備えたダイを押し付けて、基礎構造体に付着したアレイ基板の複数の個別部分が形成される。 ダイ、及び、可撓性アレイ基板の「打ち抜かれた」残りの部分は、除去される。

    完成した実施態様において、一般に、可撓性アレイ基板610の各個別部分に、アドレス指定可能なプローブ集合体620が存在する。 プローブ620は、可撓性アレイ基板610の個別部分を基礎構造体に付着させる前に、可撓性アレイ基板610の個別部分に製造することが可能である。 あるいはまた、プローブ620は、可撓性アレイ基板610の個別部分を基礎構造体に付着させた後で、可撓性アレイ基板610の個別部分に製造することが可能である。 さらにもう一つの代替実施態様には、単一の可撓性アレイ基板を可撓性アレイ基板610の複数個別部分に分割する前に、単一の可撓性アレイ基板(例えば、シートまたはウェブ)上に複数のアドレス指定可能なプローブ集合体620を製造するステップが含まれる。 実施態様の一つでは、少なくとも一つのアドレス指定可能なプローブ集合体620が、可撓性アレイ基板610の異なる個別部分に存在する少なくとも一つの他のアドレス指定可能なプローブ集合体620と異なっていて、マルチアレイ装置600に異なる複数のプローブ集合体620が存在し、並行したスクリーニングを実施することができるようになっている。 この文脈において並行とは、複数のアッセイがほぼ同時に実施可能であることを表しており、アッセイは、異なる供給源からの試料溶液に対し、及び/または、異なるアドレス指定可能なプローブ集合体620を用いて(マルチアレイ装置600の設計に応じて)実施することが潜在的に可能である。

    図13には、複数のアレイ部位を備えた基礎構造体を含むマルチアレイ装置600のもう一つの実施態様の一部が例示されているが、このマルチアレイ装置には、アレイ部位に配置されたアレイ基板の複数の個別部分がさらに含まれている。 例示の実施態様の場合、基礎構造体は平面である。 基礎構造体には、ペデスタルを形成する細長いストリップ623が含まれている。 基礎構造体には、さらに、細長いストリップ623から延びるタブ(「タブ」625)の形状を備えるプロングが含まれており、タブ625は、細長いストリップに沿って線状に配置されている。 各タブ625は、細長いストリップ623に付着した近位端627と、細長いストリップ623から遠くに配置された遠位端629を備えている。 タブ625の遠位端629によって、複数のアレイ部位の少なくとも一つが得られる。 複数のタブ625は、それぞれ、アレイ部位に、タブ625の遠位端629にまたはそれに隣接して付着した可撓性アレイ基板610の個別部分を備えている。 所望の場合、可撓性アレイ基板610の個別部分は、任意選択的に、プロング(タブ625)の一つ以上から省略することも可能である。 図において、可撓性アレイ基板610の個別部分は、矩形の形状であるが、一般には、正方形、多角形、円形、または、楕円形といった任意の構造を利用することが可能である。 いくつかの実施態様では、可撓性アレイ基板610の第1の個別部分は、各タブ625の第1の側に配置され、可撓性アレイ基板610の第2の個別部分は、タブ625の、第1の側とは逆の第2の側に配置されている。 こうした実施態様によれば、一つのタブ625につき可撓性アレイ基板610の個別部分を一つだけしか備えない実施態様に比べて、スクリーニングされるプローブ620数を2倍にすることが可能になる。 タブ625は、一般に、細長いストリップ623に沿って等距離の間隔をあけて配置することが可能であるが、いくつかの実施態様では、間隔は、設計上の検討事項に応じて不規則にすることも可能である。

    可撓性アレイ基板610の個別部分は、例えば、アレイ基板のより大きい部分を切断して、図示の矩形形状の構造のような所望の構造にするといった、任意の適切な方法によって得ることが可能である。 次に、可撓性アレイ基板610の個別部分は、基礎構造体に付着される。 基礎構造体は、装置の製造及び使用条件下において、アレイ基板の個別部分を支持するのに適した安定構造をもたらす、任意の適切な材料または材料の組合せから製造することが可能である。 これらの材料は、当該技術において既知のところであり、当業者であれば、装置の製造及び使用条件を満たすように選択することが可能である。

    例示のタブ625は、矩形の形状であるが、任意の適切な構造を利用することが可能である。 タブ625は、一定の間隔をあけて、96ウェル(または384ウェルまたは1536ウェル)のマイクロタイタ・プレートのような、マイクロタイタ・プレートのウェルに対応するように配置されているが、他のマルチウェル・プレートを利用することも可能である。 実施態様によっては、細長いストリップ623が、8または12のタブ625を支持し、96ウェルのマイクロタイタ・プレートの単一の行または列に用いられる場合もある。 ある実施態様では、タブ625のうちの少なくとも少数(例えば、2、3、4、約10)のタブ自体が、タブ625の構成要素である肩特徴612を含む形状を備えている、すなわち、マルチウェル・プレートのウェル内に入り込むことを意図したタブ625の部分に加えて、タブ625には、タブ625から適正な距離だけ延びて、可撓性アレイがウェルの底面に接触しないようにする「止め具」を形成する肩特徴612も含まれている。 もう一つの実施態様では、止め具を形成する追加特徴は存在せず、マルチアレイ装置600が、マルチウェル・プレートに有効に作用するようにはめられると、タブ625の遠位端629が、マルチウェル・プレートのウェルの底面に接触する。 ウェルは、マルチアレイ装置600の矩形のタブ625を収容し、タブ625がウェルの中央に配置されると、ウェルとタブ625の間の隙間がほとんどなくなるような形状にすることが可能である。 隙間は約4mm未満しかないようにすることが可能であり、あるいは、より一般的には、約2mmまたは1mm未満しかないようにすることが可能である。 一般に、試料流体の循環を可能にするための隙間は、少なくとも約0.1mmになり、少なくとも約0.25mmになることさえある。 可撓性アレイ基板または基礎構造体が、実際に、ウェルを形成しているマルチウェル・プレートの一部に載置されるか、または、支持される場合には、隙間は、もちろん、0になる可能性がある。 こうしたわずかな隙間によって、例えば、ハイブリダイゼーションのアッセイ中に、少量の(高価である可能性のある)試料溶液を利用することが可能になる。 プロング604がタブ形状である(図13に例示のように)実施態様の一つでは、対応するマルチウェル・プレートは、プロング(タブ)との隙間がほとんどないスロット形状のウェルを備えることが可能である。

    本発明によれば、さらに、マルチアレイ装置を利用して、複数のハイブリダイゼーション反応を並行して実施する方法が得られる。 この場合、マルチアレイ装置には、複数のアレイ部位を備えた基礎構造体が含まれており、マルチアレイ装置には、さらに、アレイ部位に配置されたアレイ基板の複数の個別部分が含まれている。 この利用方法では、複数の試料溶液が得られ、マルチウェル・プレートのウェルに配給される。 各試料溶液は、試料溶液中のターゲット分子が、可撓性アレイ基板の個別部分に支持された相補的なプローブ分子と結合できるようにするのに十分な条件下で、十分な時間にわたって、マルチアレイ装置の可撓性基板の対応する個別部分と接触させる。 いくつかの実施態様では、試料溶液とアレイ基板の個別部分との接触は、マルチアレイ装置をマルチウェル・プレートに関連して作動可能であるようにはめて、プロングがウェル内に入り込み、その結果、試料溶液と接触するようにして、実施される。 各試料溶液には、例えば、それぞれ異なる供給源からの異なるターゲットまたは異なる一組のターゲットを含有することが可能であり、それによって、マルチアレイ装置を用いて、多くの(例えば、少なくとも、約2、または、4、または、8、または、12、及び、約96、または、384、または、1536までの)試料溶液を同時にかつ独立してアッセイすることが可能になる。 単一の同時アッセイの間に、可撓性アレイ基板の個別部分の全てを用いることができるとは限らず、例えば、マルチウェル・プレートのウェルには、空のままにしておかれるものもある。 新しいマルチウェル・プレートにおける対応するウェルには、第2の後続のアッセイにおいて試料溶液を充填することが可能であり、可撓性アレイ基板の残りの個別部分の一部または全てを利用して、試料溶液をアッセイすることが可能である。 代替例として、図13に示すような、基礎構造体が細長いストリップ623を備える実施態様の場合には、細長いストリップ632は、後で、ユーザが所望の長さに切断することが可能な比較的長いストリップ(例えば、所望の数のタブ625、従って、可撓性アレイ基板610の対応する数の個別部分を備える)として供給することが可能である。 いくつかの実施態様では、ハイブリダイゼーションアッセイには、例えば、マルチアレイ装置及び/またはマルチウェル・プレートの振動または撹拌によって、マルチウェル・プレートに対してマルチアレイ装置を移動させて、小さい動き(例えば、上下及び/または左右の)を誘発し、試料溶液がウェル内のプロング周りで渦巻いて、その結果、試料溶液が混合されるようにすることによって、試料溶液を混合するステップを含むことが可能である。

    図14及び15には、複数のアレイ部位を備えた基礎構造体を含むマルチアレイ装置600の代替実施態様が例示されているが、マルチアレイ装置600には、さらに、アレイ部位には、アレイ基板の複数の個別部分が含まれている。 図14及び図15には、それぞれ、マルチウェル・プレート630を含む基礎構造体の平面図及びラインAに沿った断面図が例示されている。 マルチウェル・プレートには、一般にはX−Yグリッド・フォーマットをなすように配置される、複数のウェル634が形成されるプレート本体632が含まれている。 ウェル634は、プレート本体632の上面638の開放端636、底面640、及び、開放端636と底面640の中間に配置された側壁642を備えている。 ウェル634は、それぞれ、例えば、前記ウェル634の底面640といった、可撓性アレイ基板610の個別部分が付着されるアレイ部位を備えている。 アレイ部位(及び可撓性アレイ基板610の個別部分)の代替位置は、底面640に隣接した側壁上である。 使用中、試料溶液(例えば、異なる供給源からの)をマルチウェル・プレート630のウェル634に分配することによって、可撓性アレイ基板610の個別部分がそれぞれの試料溶液と接触するようにする。 いくつかの実施態様では、マルチウェル・プレート内の一つおき、二つおき、または、三つおきのウェルだけに、可撓性アレイ基板610の個別部分が配置されている。 こうした態様を実施している間、残りのウェルは、可撓性アレイ基板610の個別部分とそれぞれの試料溶液の接触前または後の独立したプロセス・ステップにおいて用いられることを意図した、反応液または洗浄液を保持することが可能である。 基礎構造体が、三つおきのウェル内に可撓性アレイ基板610の個別部分を備える96ウェルのマイクロタイタ・プレートである実施態様の場合、基礎構造体は、可撓性アレイ基板610の24の個別部分を備えることになる。

    記載のようなマルチアレイ装置は、一般に、マルチアレイ装置の構造を受け入れるように設計された/マルチアレイ装置の構造と整合するように設計されたアレイリーダを用いて調べられる。 こうした設計上の検討事項は、当業者であれば、本明細書の開示に鑑みて明らかになるであろう。 一例として、図13に例示の実施態様を調べるためのアレイリ−ダ装置は、マルチアレイ装置のタブを受け入れるための複数スロットを備えることが可能である。 こうした複数スロットは、各タブ毎に示されるアレイを画像化するためのアレイリーダ装置の光学系に対して安定するように、マルチアレイ装置を保持する。

    本発明に記載のマルチアレイ装置は、一般に、キットとして供給される。 キットには、一般に、マルチアレイ装置と、一組の使用説明書とが含まれている。 キットには、マルチアレイ装置とともにパッケージされたマルチウェル・プレートを含むことも可能である。 ユーザは、本発明のキットを受け取ると、与えられる指示に従って、パッケージされたマルチアレイ装置を用いて複数の試料溶液(例えば、DNA、RNA、または、蛋白質試料)をアッセイする。 試料溶液にさらした後、マルチアレイ装置が調べられる。 調査は、通常、蛍光標識の試料(ポリヌクレオチドを含む試料のような)にさらした後、アレイの各フィーチャーにおける蛍光の位置及び強度を読み取ることが可能な適切なスキャナによって実施される。 例えば、こうしたスキャナは、カリフォルニア州パロアルトのアジレント・テクノロジ社から入手可能なDNA Microarray Scannerと同様のものとすることが可能である。

    本発明の実施態様によっては、マイクロ流体機構及びアレイを備えた集積装置が得られるものもある。 実施態様の一つでは、マイクロ流体チャネルのようなマイクロ流体機構を備えたマイクロ流体コンポーネントは、マイクロ流体機構と流体でつながった、アドレス指定可能なプローブ集合体(例えば、生体分子)を備えるアレイコンポーネントに隣接して配置されている。 いくつかの実施態様では、本発明のマイクロ流体コンポーネントが、可撓性かまたは硬質であり、一般に、プラスチックのような高分子から造られ、アレイコンポーネントには、一般に、可撓性アレイ基板に支持されたアドレス指定可能なプローブ集合体が含まれている。 特定の実施態様では、可撓性高分子基板は、マイクロ流体コンポーネントに接合されて、集積装置が得られるようにする担持体の一部に支持されるか、または、担持体の一部を形成する。 いくつかの実施態様では、アレイコンポーネントは、層を介在させずに、マイクロ流体コンポーネントに永久に付着させる。 実施態様の中には、マイクロ流体コンポーネントと、別個に製造されるアレイコンポーネントとを接合することによって、マイクロ流体コンポーネントとアレイコンポーネントの種々の組合せを利用して、カスタム化された試料処理及び分析ツールを作り出すことが可能なものもある。

    実施態様の一つでは、マイクロ流体コンポーネント及びアレイコンポーネントは、それぞれ、ほぼ平滑な界面を備えているので、界面を接合すると、マイクロ流体コンポーネントとアレイコンポーネントとの間に耐流体性シールを形成することが可能である。 実施態様によっては、ターゲット分子を含む試料にアレイをさらした後、アレイコンポーネントの上に配置された上部層を取り除いて、上部層に妨げられることなくアレイに接近して、アレイのより有効な洗浄及び/または調査を行えるようにすることが可能なものもある。 実施態様の一つでは、マイクロ流体コンポーネントに、Barth等の米国特許出願番号第09/981,840号明細書(2001年10月17日出願)に記載のあるような可撓性で伸縮性のシッパ構造によって形成されたマイクロ流体チャネルが含まれており、マイクロ流体チャネルは、アレイコンポーネントのアレイ表面と流体でつながっている。

    本発明のいくつかの実施態様では、チャンバのような流体収容構造、チャンバ内に配置された可撓性基板上のアレイ、及び、流体収容構造と流体でつながるマイクロ流体機構を備える集積装置も得られる。 流体収容構造は、例えば、ハイブリダイゼーション反応の間、試料をアレイと接触した状態に保持する働きをする。 マイクロ流体機構は、例えば、流体収容構造に試料を供給する働きをすることが可能であり、他のマイクロ流体機構を設けて、試料調製、精製、蒸解、混合等のような追加の機能を付与することも可能である。 使用中、一つ以上のマイクロ流体機構を介して、流体収容構造から試料を除去することが可能であり、一つ以上のマイクロ流体機構を介して、流体収容構造に洗浄液を送り込むことも可能である。 実施態様によっては、上部を取り除いて、アレイに接近し、アレイのクリーニング、乾燥、及び、調査を行えるようにすることが可能なものもある。 アレイが湿った状態でアレイを調査する場合、最終の洗浄液は、一般的には、アレイの調査中、所定の位置に置いたままにされる。

    本発明の実施態様によっては、可撓性アレイ基板を含む集積マイクロ流体装置を形成するための方法も得られる。 これらの方法には、例えば、生体分子のようなプローブと結合するのに適した可撓性アレイ基板の形成が含まれる。 こうした可撓性アレイ基板には、可撓性ベースが含まれており、さらに、可撓性ベース上に支持された反射層及び/または透明層を含むことも可能である。 いくつかの実施態様では、可撓性アレイ基板には、さらに、可撓性ベースを支持する可撓性支持体も含まれている。 可撓性アレイ基板は、プローブとの結合に適した官能基を含む表面を備えている。 プローブは、この表面の既知の位置に被着されて、または合成されてアレイを形成する。 可撓性アレイ基板は、適切なサイズに切断され(各切断部分が、一つ以上のアレイを備える)、マイクロ流体コンポーネントに付着させる。 あるいはまた、マイクロ流体コンポーネントに対するアレイコンポーネントの付着が、個別装置への最終分割前に行われる場合には、ウェブ処理または転換のようないくつかの製造プロセスを最適化することも可能である。 この方法には、さらに、流体チャネル及びチャンバを含むことが可能なマイクロ流体コンポーネントの形成も含まれている。 このコンポーネントは、可撓性でも、硬質でもかまわない。 本発明によれば、さらに、マイクロ流体コンポーネントをアレイコンポーネントに関連して作動可能であるように嵌合することによって、集積マイクロ流体アレイ装置を形成する方法も得られる。 ある実施態様では、マイクロ流体コンポーネント及びアレイコンポーネントは、モジュール構成をなしている。

    本発明には、さらに、マイクロ流体装置に試料を導入し、アレイを納めたチャンバ内に前記試料を送り込み、前記試料とアレイを接触させるステップを含む集積マイクロ流体アレイ装置を利用する方法も含まれている。 この試料は、試料とアレイとが接触している間に混合することが可能である。 この方法には、さらに、アレイの洗浄も含むことが可能である。 洗浄は、例えば、試料と洗浄液とを交換することによって実施可能である。 もう一つの例では、可撓性アレイコンポーネントをマイクロ流体コンポーネントから取り除いて、洗浄することも可能である。 さらにもう一つの例では、アレイをバルク洗浄液にさらすため、取り外すことが可能なカバー層が得られる。 アレイコンポーネントは、一般に、例えば、自動スキャナでスキャンして調査される。 識別子を読み取って、例えば、電子ファイルにおいて、データとアレイ設計に関する情報をリンクさせることが可能である。

    ある実施態様の場合、装置には、対象となる流体を保持するマイクロ流体機構を備えたマイクロ流体コンポーネント、アドレス指定可能なプローブ集合体を支持する可撓性アレイ基板を備えたアレイコンポーネント、及び、マイクロ流体コンポーネントに支持された電子コンポーネントが含まれている。 アレイコンポーネントは、マイクロ流体コンポーネントのマイクロ流体機構と連係して働き、例えば、試料溶液のような、対象となる流体を分析するようになっている。 アレイコンポーネントの可撓性アレイ基板は、一般的には、マイクロ流体コンポーネントのマイクロ流体機構と流体でつながっている。 電子コンポーネントは、信号検出、信号処理、緩衝記憶、及び/または、信号または流量制御といった一つ以上の機能を実施することが可能である。 電子コンポーネントには、演算増幅器、トランジスタ、ダイオード、マルチプレクサ、スイッチ、論理回路、ディジタル・アナログ変換器、アナログ・ディジタル変換器等の組合せを含むことが可能である。 いくつかの実施態様では、電子コンポーネントは、種々の機能の任意の一つを実施することが可能な、予め製造された集積回路である。 ある実施態様では、電子コンポーネントは、マイクロ流体コンポーネントと電子コンポーネントとの間にフィードバック・ループを形成する働きをする。 フィードバック・ループは、測定、反応、濃縮、または、分離プロセスといった各種プロセスを制御するため、マイクロ流体コンポーネントと電子コンポーネントとの間で実施可能である。 いくつかの実施態様では、電子コンポーネントは、電気コンポーネントを遠隔(オフ・コンポーネント)システムに電気的に接続する働きをする導電素子及び接触パッドと電気的につながっている。

    電子コンポーネントには、その働きを通じて、特定の機能を実施する回路要素の動作を誘導または制御するソフトウェアまたはファームウェアを含むことも可能である。 これらの機能には、信号フィルタリング、信号フィードバック、制御操作、信号割り込み、及び、他の形態の信号処理を含むことが可能である。 ある実施態様では、電子コンポーネントによって、電気センサ、光センサ、物理センサ、または、化学センサ、信号処理回路要素、及び、データ接続の一つ以上を得ることが可能である。 特定の実施態様の場合、マイクロ流体コンポーネントには、マイクロ流体機構に隣接した薄い高分子シートが含まれており、電子コンポーネントの信号検出回路要素とマイクロ流体機構を近接させて(高分子シートがマイクロ流体機構と信号検出回路要素の間に配置された状態で)、測定感度を高めることができるようになっている。

    いくつかの実施態様には、マイクロ流体コンポーネントに結合された二つ以上の電子コンポーネントを備える装置が含まれている。 実施態様の一つでは、例えば、マイクロ流体制御機能に限定された第1の電子コンポーネント、及び、信号処理機能に限定された第2の電子コンポーネントといったように、電子コンポーネントによって、装置のための異なる機能を与えることが可能である。

    本発明によれば、さらに、可撓性アレイ基板を含むアレイコンポーネント、アレイコンポーネントと関連して作動可能なマイクロ流体コンポーネント(一般には、アレイコンポーネントに接続されて、単一「モジュール」を形成する)、及び、マイクロ流体コンポーネントと関連して作動可能な取り外し可能な電子コンポーネントを含むモジュール式システムが得られる。 これによって、例えば、電子コンポーネントから取り外し可能で、使い捨て可能なマイクロ流体コンポーネント及びアレイコンポーネントを利用することが可能になり、その一方で、電子コンポーネントは再利用可能である。 モジュール式構成によって、カスタム化された処理及び分析ツールの創成に利用可能な、マイクロ流体コンポーネント、アレイコンポーネント、及び/または、電子コンポーネントの種々の組合せが得られることになる。

    本発明のいくつかの実施態様では、可撓性アレイ基板と、対象となる流体の分析に有用な可撓性アレイが得られる。 可撓性アレイ基板は、さらに、ミクロフルイディック装置に組み込むことも可能であるが、あるいは、ミクロフルイディック装置のない他の実施態様が有用である場合もあり、本発明の範囲内に含まれる。 可撓性アレイ基板には、一般に、高分子膜またはフィルムのような高分子材料から造られた可撓性ベースが含まれる。 本発明によれば、可撓性アレイを含む装置が得られるが、この場合、可撓性アレイには、アドレス指定可能なプローブ集合体を支持する可撓性ベースが含まれる。 また、可撓性支持体、可撓性ベース、反射層、及び、透明層をこの順に含んでなる可撓性アレイ基板も得られる。 ここで、透明層は、プローブを結合するための官能基を備えることが可能な表面を有している。

    実施態様の中には、可撓性アレイ基板を含むアレイが提供されるものもある。 これらの配列には、可撓性アレイ基板に結合した複数の異なるプローブが含まれている。 こうしたプローブは、一般に、生体分子であり、可撓性アレイ基板の既知の位置に配置されて、アレイを形成する。 いくつかの実施態様では、アレイ上におけるこうしたプローブ結合位置(「フィーチャー」)の密度は、1平方センチメートル当り少なくとも100のフィーチャーとすることが可能である。 アレイには、さらに、可撓性アレイ基板上におけるフィーチャーの位置を決めるのに役立つものとして、可撓性基板上の基準マークを含むことも可能である。

    実施態様のいくつかには、さらに、アレイを識別して、アレイ上の各プローブフィーチャーの位置及び識別コードを含むファイル(例えば、コンピュータまたはディスケットまたは他の媒体の電子ファイル)とリンクさせる、バーコードまたは情報標識のような識別子を含むことも可能である。

    本発明の実施態様のいくつかでは、アドレス指定可能なプローブ集合体を支持する可撓性アレイ基板を支持する、基材ストリップを備えた個別のテストストリップアレイが得られる。 複数の個別テストストリップアレイが、互いにエッジどうしで付着して、例えば、細長いリボンまたはシートを形成している、集合テストストリップアレイも得られる。 集合テストストリップアレイを製造し、その後で、切断することによって、個別テストストリップアレイを得ることが可能である。 種々の実施態様において、個別テストストリップアレイまたは集合テストストリップアレイ(例えば、ロール形態またはシート形態をなす)をユーザに供給することが可能である。

    個別のテストストリップアレイは、可撓性アレイ基板を支持するアレイ部分と、可撓性アレイ基板を支持しないグリップ部分を備えている。 本発明によれば、a)基材ストリップ、可撓性アレイ基板、及び、アドレス指定可能なプローブ集合体を含んでいて、基材ストリップによって可撓性アレイ基板が支持され、可撓性アレイ基板によってアドレス指定可能なプローブ集合体が支持されている、テストストリップアレイと、テストストリップアレイの少なくとも一部を受けるようになっているハイブリダイゼーションセルを具備する、アレイハイブリダイゼーションシステムが得られる。 テストストリップアレイは、種々の実施態様において、チャンバ内にある個別のテストストリップアレイの全てまたは一部を密閉する、ハイブリダイゼーションセルと連係して用いることが可能である。 使用中、ハイブリダイゼーションセルは、試料溶液と、可撓性アレイ基板上のアドレス指定可能なプローブ集合体を接触した状態に保持する。 特定の実施態様では、ハイブリダイゼーションセルは、個別のテストストリップアレイ全体、または、個別のテストストリップアレイのアレイ部分だけをしっかりと納めて、必要とされる試料溶液の量を最小限に抑える。

    テストストリップアレイは、個別のテストストリップアレイであるか、集合テストストリップアレイであるかはともかく、ハイブリダイゼーションセルと共にキットにして供給することが可能である。 いくつかの実施態様では、パッケージは、ハイブリダイゼーションセルの働きをするように設計されている、例えば、個別のテストストリップアレイは、ユーザがハイブリダイゼーションセルとして利用することが可能なポーチとして供給することが可能である。 ある利用方法では、ポーチを開いて、試料を加え、パッケージを再シーリングするか、または、締めて閉じる。 パッケージされたテストストリップアレイは、試料溶液中のターゲット分子とアドレス指定可能なプローブ集合体を結合させるのに十分な条件下において、十分な時間にわたって、インキュベータ内に納められる。 また、ハイブリダイゼーション中に、例えば、ハイブリダイゼーションセルを回転させ、撹拌し、振動させ、あるいは、混ぜ合わせて、試料を混合させることが可能である。 ハイブリダイゼーションが終了すると、テスト・ハイブリッドアレイは、パッケージから取り出され、必要に応じて、緩衝液内で洗浄され、スキャン(調査)される。 あるいはまた、試料溶液をパッケージから除去して、パッケージ内において洗浄用緩衝液と入れ替え、テストストリップアレイを洗浄することも可能である。

    本発明のいくつかの実施態様では、例えば、その製造及び/または使用中に、曝露される条件に対する耐性を付与する保護層を備えたアレイ基板が得られる。 保護層によって、広範囲にわたる条件に対するアレイ基板の頑強性が増し、例えば、アレイ製造及び/またはアレイハイブリダイゼーション中における試薬の選択といった、製造または使用条件の選択に関する自由度を増すことが可能になる。 保護層には、一般に、金属酸化物層が含まれている。 実施態様の中には、アレイ基板に、金属層を含む反射層が含まれているものもあり、金属酸化物の保護層は、一般に、金属層によって支持されている。 特定の実施態様において、金属酸化物層には、反射層に用いられる金属の酸化物が含まれる。

    特定の実施態様では、アレイ基板には、任意的な支持体、ベース、金属層、金属酸化物層、及び、任意的な透明層をこの順に含むことが可能である。 金属酸化物層によって、複数の誘電体層を含む任意的なブラッグ・リフレクタを支持することが可能である。 例えば、生体分子または他の分子のような物質をアレイ基板表面に結合するのに適した官能基を提供することが可能である。 保護層を備えたアレイ基板のいくつかの実施態様には、ベース、ベースに支持された金属層、及び、金属層に支持された金属酸化物層がこの順番に、含まれている。 種々の実施態様において、ベースは硬質ベースとすることもできるし、あるいは、可撓性ベースとすることも可能である。 種々の実施態様において、金属層に選択される特定の金属には、クロム、アルミニウム、チタン、及び、タンタル、または、ベース上の平滑な層に配置された場合に、少なくとも5%以上の反射率を示す任意の適切な元素金属が含まれる。 クロムが有効な選択であることが見出されている。 金属酸化層については、クロム、アルミニウム、チタン、及び、タンタルの酸化物が、特定の選択酸化物であり、これらの金属の酸化物は、例えば、製造中または使用中におけるアレイ基板の劣化に対する耐性を付与する。 ある有効な実施態様には、ベースに支持されたクロム金属層に支持されたクロム酸化物層が含まれている。 いくつかの実施態様では、金属酸化物層には、約1質量%未満のシリコンまたはアルミニウムの酸化物が含まれている。 アレイ基板には、任意選択的に、一つ以上の任意的な結合層、透明層、支持体等のような他の層または材料を含むことが可能である。

    金属酸化物層の厚さは、ある特定の用途について、アレイ基板にどの程度の反射率が必要とされるかに応じて、変化する可能性がある。 こうした実施態様の場合、保護層を備えるアレイ基板の反射率は、少なくとも約5%になるが、実施態様によって必要な場合には、5%をはるかに超えることもあり得る。 もちろん、アレイ基板の意図する用途しだいで、調査方法によって、アレイ基板の反射率にそれほど重きをおかなくても済むといった場合のように、保護層をかなり厚くすることも可能である。 金属層及び金属酸化物層は、浸漬またはスプレイといった溶液相反応、または、スパッタリング、蒸着、化学蒸着、及び、プラズマ化学気相成長法といった、制御された雰囲気ベースのプロセスで、表面に付着させることが可能である。 金属酸化物層の形成は、化学蒸着プロセスで、金属層の表面の金属の一部を金属酸化物に転換することによって実施することも可能である。

    アレイ基板は、ベースを得るステップと、ベースに支持された金属層を形成するステップと、金属層に支持された金属酸化物層を形成して、化学的劣化に対して耐性のあるアレイ基板を形成するステップとを含むプロセスを利用して形成された。 こうした方法を用いて形成されたアレイ基板を試験して、基板を製造し、基板上にアレイを製造し、アレイハイブリダイゼーションアッセイを実施するために用いられる条件下において、満足のいく機能を果たすことが判明した。

    本発明の実施には、特に指示のない限り、当該技術の範囲内にある、有機合成化学、生化学、分子生物学等の従来技術が用いられることになる。 こうした技術については、文字どおり、十分な記載がある。 本明細書において参照した、全ての特許、特許出願、及び、刊行物は、用語の定義に関して矛盾がある場合、本開示において定義の用語に決定権があるという条件で、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。

    本明細書に記載の実施態様は、本明細書において開示され、特許請求されている方法をいかに実施し、本明細書において開示され、請求されている成形材料をいかに利用するかについての完全な開示及び説明を当業者に提供するために提示されている。 数字(例えば、量、温度等)については正確さを確保するように努めたが、多少の誤差及び偏差があることを考慮すべきである。 特に指示のない限り、部は重量部であり、温度は、℃であり、圧力は大気圧またはそれに近い。 標準温度及び圧力は、20℃及び1気圧と定義されている。 典型的な実施態様については、現在、さらに詳細に再検討されている。

    本発明の以上の実施態様は、本発明を完全に開示するためかなり詳細に提示されているが、当業者であれば、本発明の精神及び原理を逸脱することなく、こうした詳細に関して、多くの変更を行うことが可能であるのは明白である。 従って、本発明は、添付の請求の範囲による制限しか受けないものとする。

    本発明による複合可撓性アレイ基板を例示した図である。

    本発明による複合可撓性アレイ基板の断面図である。

    保護層を備えたアレイ基板の断面図である。

    マイクロ流体コンポーネントに結合されたアレイコンポーネントを含む集積装置の拡大図である。

    本発明による集積装置の実施態様を例示した図である。

    アレイコンポーネント及びシッパ構造を備えた集積マイクロ流体アレイ装置の一例を示す図である。

    電子コンポーネント、マイクロ流体コンポーネント、及び、アレイコンポーネントを備えた装置の一部を例示した図である。

    図8A〜図8Cは、本発明によって得られるテストストリップアレイの実施態様を例示した図である。

    付属するハイブリダイゼーションセルを備えた個別テストストリップアレイの実施態様を例示した図である。

    シーリング・ストリップを備えた高分子膜ポーチであるハイブリダイゼーションセルの実施態様を例示した図である。

    個別テストストリップアレイのアレイ部分の周りを密封するように設計されたハイブリダイゼーションセル424を示す図である。

    本発明によって得られるマルチアレイ装置の実施態様の一部を例示した図である。

    マルチアレイ装置のもう一つの実施態様の一部を例示した図である。

    マルチウェル・プレートを含む基本構造の平面図である。

    マルチウェル・プレートを含む基本構造の断面図である。

    符号の説明

    600 マルチアレイ装置 602 ペデスタル 604 プロング 610 可撓性アレイ基板 612 肩特徴 620 プローブ集合体

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