Microarray provided with structured probe, and unstructured probe

申请号 JP2003124864 申请日 2003-04-30 公开(公告)号 JP2004004065A 公开(公告)日 2004-01-08
申请人 Agilent Technol Inc; アジレント・テクノロジーズ・インクAgilent Technologies, Inc.; 发明人 LEPROUST ERIC M; HIRSCHBERG DAVID L; DELENSTARR GLENDA C;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for accurately determining a background signal and discriminating an actual signal generated from a probe/targeted molecule. SOLUTION: A microarray for coupling to a target includes a unstructured probe (5) attached to the surface of a substrate, coupled to a target and generating a first signal (14), a structured probe (6) attached to the surface of the substrate and generating a second signal (15) and a light source for exciting the unstructured probe (5) and the structured probe (6). A read value for the first signal can be found accurately, by comparing the first signal generated from the unstructured probe (5) and the second signal generated from the structured probe (6). COPYRIGHT: (C)2004,JPO
权利要求
  • ターゲットが結合されるマイクロアレイであって、
    (a)基質表面と、
    (b)前記基質表面に付着させられて、前記ターゲットに結合し、第1の信号を生じる非構造化プローブと、
    (c)前記基質表面に付着させられて第2の信号を生じる構造化プローブと、
    (d)前記非構造化プローブ及び構造化プローブを励起させるための光源が含まれており、前記非構造化プローブによって前記第1の信号が生じ、前記構造化プローブによって前記第2の信号が生じることと、前記非構造化プローブによって生じる前記第1の信号と前記構造化プローブによって生じる前記第2の信号を比較することが可能であり、前記非構造化プローブに関して、前記第1の信号のより正確な読み取り値を求めることが可能であることを特徴とする、マイクロアレイ。
  • 前記構造化プローブが生体分子であることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロアレイ。
  • 前記生体分子が、蛋白質、アミノ酸、オリゴヌクレオチド、ペプチド、ヌクレオチド、炭水化物、多糖類、及び、脂質から構成される群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載のマイクロアレイ。
  • 前記非構造化プローブが生体分子であることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロアレイ。
  • 前記生体分子が、蛋白質、アミノ酸、オリゴヌクレオチド、ペプチド、ヌクレオチド、炭水化物、多糖類、及び、脂質から構成される群から選択されることを特徴とする、請求項4に記載のマイクロアレイ。
  • 前記非構造化プローブがラベルを付けられ、前記第1の信号を生じることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロアレイ。
  • 前記ターゲットがラベルを付けられ、前記第1の信号を生じることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロアレイ。
  • 前記光源がルミネセンス光であることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロアレイ。
  • 前記発光源が、蛍光、燐光、生物ルミネセンス光から構成される群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載のマイクロアレイ。
  • 前記構造化プローブが自己アニーリングすることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロアレイ。
  • 前記構造化プローブが、前記ターゲットのアニーリングを阻止するため、それ自体で折りたたみ可能であることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロアレイ。
  • 前記構造化プローブが擬似ノットであることを特徴とする、請求項11に記載のマイクロアレイ。
  • 前記構造化プローブがヘア・ピンであることを特徴とする、請求項11に記載のマイクロアレイ。
  • 前記構造化プローブがトリプレックスであることを特徴とする、請求項11に記載のマイクロアレイ。
  • 前記構造化プローブがクヮドラプレックスであることを特徴とする、請求項11に記載のマイクロアレイ。
  • 前記ターゲットが生体分子であることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロアレイ。
  • 前記生体分子が、蛋白質、アミノ酸、オリゴヌクレオチド、ペプチド、ヌクレオチド、炭水化物、多糖類、及び、脂質から構成される群から選択されることを特徴とする、請求項16に記載のマイクロアレイ。
  • マイクロアレイ基質表面に付着した非構造化プローブによって生じる第1の信号のより正確な読み取り値を求めるための方法であって、
    (a)前記マイクロアレイ基質表面上のターゲットに付着した非構造化プローブを照射して、第1の信号を生じさせるステップと、
    (b)前記マイクロアレイ基質表面に付着した構造化プローブを照射して、第2の信号を生じさせるステップと、
    (c)前記ターゲットに結合した前記非構造化プローブから生じる前記第1の信号と、前記マイクロアレイ基質表面に付着した前記構造化プローブから生じる前記第2の信号を比較して、前記第1の信号のより正確な信号強度読み取り値を求めるステップが含まれていることを特徴とする方法。
  • マイクロアレイに付着した非構造化プローブによって生じる信号強度レベルを求めるための方法であって、
    (a)前記マイクロアレイ上のターゲットに付着した非構造化プローブを照射して、第1の信号を生じさせるための第1の光源を設けるステップと、
    (b)前記マイクロアレイ上の構造化プローブを照射して、第2の信号を生じさせるための第2の光源を設けるステップと、
    (c)前記ターゲットに付着した前記非構造化プローブから生じる前記第1の信号強度レベルと、前記マイクロアレイ基質表面に付着した前記構造化プローブから生じる第2の信号強度レベルを比較して、前記第1の信号の改善された信号強度レベルを較正するステップが含まれていることを特徴とする方法。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、核酸分野に関するものであり、とりわけ、マイクロアレイ素子に用いられる構造化され又は組織化されたプローブに関するものである。
    【0002】
    【従来の技術】
    さまざまなポリヌクレオチド(RNA及びDNAのような)にアレイが既知のところであり、遺伝子検査、スクリーニング、及び、診断に利用されている。 アレイは、基質上に所定の構造をなすように配置される、異なるバイオポリマ又はヌクレオチドの領域によって形成される。 最も重要なことは、アレイは、検体の集団にさらされると、空間的に分離された各種成分の存在を表わしたパターンを示すということである。 ポリヌクレオチド及び/又はペプチドのアレイ結合パターンは、さまざまな適合するターゲットのラベルを利用して検出することが可能である。 次に、アレイに対する結合が済むと、これらのターゲットのラベルの定量化及び観測を実施して、アレイにおける全体パターンを求めることが可能である。
    【0003】
    マイクロアレイを製造するための方法が、いくつか立案されている。 DNAマイクロアレイは、「遺伝子発現プロファイリング」による大遺伝子集合の分析にとりわけ有効である。 さまざまな技法を用いることによって、アレイを利用して、ゲノム及びゲノムの部分を有効に分析することが可能になる。 プローブアレイは、さまざまな手段によって作り出されてきた。 しかし、遺伝子発現プロファイリングに用いられるアレイの製作には、2つの主要な方法が存在する。 第1の技法では、化学的方法を用いて、アレイ表面にin−situ(イン・シチュ)プロセスにしてポリヌクレオチド・プローブが合成される。 この技法では、アドレス指定可能な反応であるホスホラミダイトの化学反応が利用される。 第2の方法では、酵素的に又は化学的に合成されたポリヌクレオチド・プローブを、共有結合手段又は非共有結合手段によって表面に付着させ、取り付けることが可能である。 酵素的方法は、(100〜1000のヌクレオチド)からなるより大きいプローブの製作においてとりわけ有効である。
    【0004】
    プロセスにおいて設計されたマイクロアレイの製作においては、いくつかのステップが利用される。 イン・シチュ・プロセスにおける最初のステップは、ガラス基質又は類似型の材料の上に重合体層を付着させることである。 重合体層の付着が済むと、ホスホラミダイトの化学反応を利用して、マイクロアレイ上に段階的にオリゴヌクレオチドが形成される。 これは、最終的なポリヌクレオチドが形成されるまで、一度に1つずつ単量体を付加することによって実施される。 これらの技法を利用して構成するステップは、当該技術において周知のところであり、一般には結合のプロセスが含まれ、一連のオプションによるキャッピング、酸化、及び、デブロッキング・ステップがそれに後続する。 更に、最終的に構成されるオリゴヌクレオチドを用いて、既知の又は未知のアレイのターゲットを結合することが可能である。
    【0005】
    当該技術では、マイクロアレイを製作するために用いることが可能な他の方法が知られている。 例えば、オリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドの断片を、重合体表面上に直接付着させる。 付着プロセス後、付着したオリゴヌクレオチドは、更に、乾燥ステップ、及び、最終硬化ステップを施される。 硬化ステップには、熱、紫外線、又は、他の同様の物理的又は化学的方法を用いて、ポリヌクレオチドを表面に架橋結合するステップが含まれる。 ポリヌクレオチド又はその断片の代わりにcDNAが用いられるプロセスも、考案されている。
    【0006】
    上述の方法は、さまざまなサイズ及び設計のマイクロアレイを構成するために用いられてきた。 しかし、この利用プロセスには、アレイ表面のプローブから生じる信号の読み取り(即ち、ハイブリダイゼーション)に関連したいくつかの問題が生じる。 この利用プロセスによれば、アレイから生じる信号の最終読み取り全体に影響する可能性のある、分子の非特異的結合をもたらすかもしれない、さまざまな潜在的汚染が生じることになる。 例えば、ハイブリダイゼーション・プロセスには、いくつかの色素及びブロッキング又は染色剤が利用される。 色素又は試剤の中には、分析されるターゲット試料に付着するものもあれば、付着しないものもあり、プローブ又は基質表面への固着によって、汚染源となるものもある。 これらの汚染源がどんなものであるかは明らかではない。 しかし、これらの汚染に関するプローブ及び表面への結合メカニズムは、ファン・デル・ワールス相互作用及び素結合によるものである可能性が高い。 また、既知のように、これらの汚染は、プローブがターゲットに結合されることによって生じる最終蛍光信号だけではなく、フィーチャ領域内におけるバックグラウンド信号にも妨害を加えるか又は影響を及ぼすことになる。
    【0007】
    このバックグラウンド・ノイズ及び汚染の問題に対処するため、いくつか技法が開発されている。 しきい値レベルは、スキャナ又は検出器によって、強い信号だけを読み取って、プローブ・ターゲットの結合を判定できるように設定することが可能である。 他の技法には、一般に、フィーチャ位置の外側にある、弱蛍光発光領域を用いて、バックグラウンド判定に関する較正点を利用することが含まれる。 この技法には、最も弱い蛍光発光領域がプローブ・ターゲットの非結合領域に相当するものと仮定した技法が必要になる。 蛍光発光又は信号が最も強い領域は、プローブと蛍光タグを含むターゲット分子との結合に起因するものである。 この技法に関する最も重要な問題は、これらの領域が、発生する蛍光信号を妨害する蛍光汚染物又は他の何らかの漂遊汚染物と結合するか、又は、それらによる影響を受ける可能性があるという点である。
    【0008】
    尚、実施形態に関連する後述の説明において参照される従来の技術を以下に示す。
    (1)バイオポリマについて(特許文献1参照)
    (2)バイオポリママイクロアレイ作成他について(特許文献2乃至10参照)
    (3)ペプチドアレイの合成に関する方法について(特許文献11参照)
    (4)ポリヌクレオチドの合成(特許文献12乃至16、又は非特許文献1、2、3、及び4参照)
    【0009】
    【特許文献1】米国特許第5,948,902号明細書【特許文献2】米国特許第6,180,351号明細書【特許文献3】米国特許第6,242,266号明細書【特許文献4】米国特許第6,232,072号明細書【特許文献5】米国特許第6,171,797号明細書【特許文献6】米国特許第6,323,043号明細書【特許文献7】米国特許出願第09/302,898号出願明細書【特許文献8】米国特許第5,807,522号明細書【特許文献9】PCT公報WO95/25116号【特許文献10】PCT公報WO98/41531号【特許文献11】米国特許第5,449,754号明細書【特許文献12】米国特許第4,458,066号明細書【特許文献13】米国特許第4,500,707号明細書【特許文献14】米国特許第5,135,319号明細書【特許文献15】米国特許第5,869,643号明細書【特許文献16】欧州特許第0294196号明細書【非特許文献1】Caruthers著、「Science」、230号、1985年、p. 281−285
    【非特許文献2】Itakura他著、「Ann.Rev.Biochm.」、53号、p. 323−356
    【非特許文献3】Hunkapillar著、「Nature」、310号、1984年、p. 105−110
    【非特許文献4】「Synthesis of Oligonucleotide Derivatives in Design and Targeted Reaction of Oligonucleotide Derivatives」、(米国)、蛍光照明協会、CRC Press、p. 100以下参照【非特許文献5】Southern,E. M. 、Maskos,U. 、及び、Elder,J. K. 著、「Genomics」、13号、1992年、p. 1007−1017
    【0010】
    【発明が解決しようとする課題】
    本発明の目的は、バックグラウンド信号を正確に判定して、プローブ/ターゲット分子から生じる実際の信号を判別できるようにするための方法を提供することにある。
    【0011】
    【課題を解決するための手段】
    本発明によれば、先行技術のプロセス及び設計に関する以上の及びその他の問題点が解消される。 上述の及び後述の、本明細書において言及される技術は、参考までに本明細書において援用されているものであり、必ずしも本発明の先行技術であると認めるものではない。
    【0012】
    本発明によれば、ターゲット分子を結合するためのマイクロアレイが得られる。 マイクロアレイには、基質表面と、基質表面に付着して、ターゲットに結合し、第1の信号を生じる非構造化プローブと、基質表面に付着して、第2の信号を生じる構造化プローブと、構造化プローブ及び非構造化プローブを励起するための光源が含まれていて、前記非構造化プローブは、ターゲットに結合して、第1の信号を生じ、構造化プローブは、第2の信号を生じるようになっており、また、非構造化プローブによって生じる第1の信号と構造化プローブによって生じる第2の信号を比較することができるよう構成されるので、より正確に第1の信号を判別することが可能になっている。
    【0013】
    本発明によれば、マイクロアレイ上においてターゲットに結合する非構造化プローブによって生じる第1の信号を判別する方法も得られる。 この方法には、マイクロアレイ上の非構造化プローブを照射して、第1の信号を生じさせるステップと、マイクロアレイに付着した構造化プローブを照射して、第2の信号を生じさせるステップと、非構造化プローブから生じる第1の信号と構造化プローブから生じる第2の信号を比較して、より正確に第1の信号を判別するステップが含まれている。 本発明によれば、アレイ全域にわたる均一性と、バックグラウンド・ノイズの低減の両方が得られる。
    【0014】
    【発明の実施の形態】
    以下に添付図面を参照して、関連技術について説明しつつ、本発明の好適実施形態となるマイクロアレイについて詳細に説明する。
    【0015】
    本発明について詳述する前に、言うまでもないが、本発明は、特定の組成、プロセス・ステップ、又は、装置に制限されるものではない。 というのも、これらには、さまざまな可能性があるためである。 やはり、言うまでもなく、本明細書において用いられる用語は、特定の実施形態の説明だけを目的としたものであって、制限を意図したものではない。 本明細書に解説の方法は、解説される事象の、論理的に可能性のある任意の順序で、並びに、事象の解説順に実施することが可能である。 更に、ある範囲の値が提示されるが、もちろん、その範囲の上限と下限の間に介在する全ての値、又は、その提示された範囲内にある他の任意の提示値又は介在値は、本発明に包含される。 更に、解説される本発明の変更に関するオプションの特徴は、どれも、本明細書において解説の特徴とは別個に、又は、それらの任意の1つ以上と組み合わせて提示し、請求することができるように考慮されている。
    【0016】
    以下において別段の定義がない限り、本明細書において用いられる全ての技術及び科学用語は、本発明が属する技術の当業者が通常理解するものと同じ意味を有している。 更に、いくつかの要素は、明瞭化のため、本明細書において定義される。
    【0017】
    本明細書及び特許請求の範囲の各請求項において用いられる限りにおいて、単数形「ある〜」及び「その〜」には、文脈において明らかに別様であることが示されない限り、複数のものを表わす場合も含まれるという点にも留意しなければならない。 従って、例えば、「あるアレイ」に対する言及には、2つ以上のアレイへの言及が含まれ、「あるポリヌクレオチド」に対する言及には、複数のポリヌクレオチドへの言及が含まれること、その他の点についても同様である。
    【0018】
    本発明の解説及び請求において、下記の用語は、後で示される定義に従って用いられる。
    【0019】
    「アレイ又は配列」、「マイクロアレイ」、又は、「マイクロアレイ素子」は、その領域に関連した特定の1つ又は複数の化学的成分(例えば、ポリヌクレオチドアレイ(核酸)、ポリペプチド(例えば、蛋白質)等のようなバイオポリマ)を生じる、任意の2次元又は略2次元の構成をなす、アドレス指定可能領域を表わしている。 最も広義において、好ましいアレイ(配列)は、重合結合剤のアレイであり、この場合、重合結合剤は、ポリペプチド、蛋白質、核酸、多糖類、こうしたバイオポリマ結合剤の合成擬晶等の任意の1つとすることが可能である。 本明細書の実施形態の多くにおいて、アレイは、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、cDNA、mRNA、その合成擬晶等を含む、核酸のアレイである。 アレイが核酸のアレイである場合、核酸は、共有結合によって、核酸鎖に沿った任意の点においてアレイに付着させることも可能であるが、一般には、その末端(例えば、末端3′又は5′)に付着させられる。 時には、アレイは、蛋白質又はその断片といった、ポリペプチドのアレイである場合もある。
    【0020】
    あるアレイが、異なる成分(例えば、異なるポリヌクレオチド配列)の複数領域を備える場合には「アドレス指定可能」であり、従って、そのアレイにおけるある特定の所定位置(即ち、「アドレス」)にある領域(即ち、その配列の「フィーチャ」又は「スポット」)によって、特定のターゲット又は特定クラスのターゲットが検出される(あるフィーチャによって、そのフィーチャの非ターゲットが偶然に検出される場合もあり得るが)。 アレイのフィーチャは、必要というわけではないが、一般に、介在スペースによって離隔されている。 あるアレイの場合、「ターゲット」は、それぞれの領域において基質に結合されたプローブ(「ターゲットプローブ」)によって検出される、移動相にある成分(一般に流体)と呼ばれる。 ただし、「ターゲット」と「ターゲットプローブ」の任意の一方を、もう一方によって評価されるものとすることも可能である(従って、任意のいずれか一方を、もう一方と結合することによって評価されることになる、ポリヌクレオチドの未知の混合物とすることが可能である)。 「アレイレイアウト」は、基質上におけるフィーチャの位置決め、1つ以上のフィーチャ寸法、及び、ある特定位置における成分の指標といった、フィーチャに関する1つ以上の特性を表わしている。 「ハイブリダイゼーション」及び「結合」は、ポリヌクレオチドに関して、代替可能に用いられる。
    【0021】
    「バックグラウンド」又は「バックグラウンド・ノイズ」は、関心の対象である信号とは別個にして明確に識別される、バッファ、計器較正、計器エラー等、或いは他の発生源によって生じる信号を表わしている。 「バックグラウンド・ノイズ」は、計器のしきい値レベルの場合が多く、有効な計器測定結果を表わすものではない、ランダムで、予測不能の信号を生じる可能性がある。
    【0022】
    「バイオポリマ」は、1つ以上のタイプの反復単位からなる重合体である。 バイオポリマは、一般に、生体系において見受けられ、特に、多糖類(炭水化物のような)、ペプチド(この用語は、ポリペプチド及び蛋白質を含むように用いられる)、及び、ポリヌクレオチド、並びに、アミノ酸類似体又は非アミノ酸類、又は、ヌクレオチド類似体又は非ヌクレオチド類から構成されるか、又は、それらを含む化合物のような類似体を含んでいる。 これには、従来のバックボーンが、非自然発生バックボーン又は合成バックボーンに置き換えられたポリヌクレオチド、及び、1つ以上の従来の塩基が、ワトソン・クリック・タイプ、ウォッブル・タイプ等のような水素結合相互作用に関与することが可能な基((自然又は合成)に置き換えられた核酸(或いは、合成又は自然発生類似体)が含まれている。ポリヌクレオチドには、1つ以上のストランドが別のストランドとの完全なアライメントを施される場合もあれば、施されない場合もある、単一又は複数のストランド構造が含まれている。「ヌクレオチド」は、核酸のサブユニットを表わしており、リン酸基、5炭素糖、及び、窒素を含む塩基、並びに、重合体の形で(ポリヌクレオチドのように)、2つの自然発生ポリヌクレオチドの場合に類似した、あるアレイに固有のやり方で自然発生ポリヌクレオチドとハイブリッド形成することが可能な、こうしたサブユニットの官能類似体(合成か自然発生かにかかわらず)を有している。バイオポリマには、発生原因に関係なく、先行技術文献(その全てが参考までに本明細書において援用されている)に記載された、DNA(cDNAを含む)、RNA、オリゴヌクレオチド、及び、PNA、及び、他のポリヌクレオチドが含まれている(例えば、特許文献1参照)。「オリゴヌクレオチド」は、一般に、長さがヌクレオチド約10〜100個分のヌクレオチド多量体を表わしており、一方、「ポリヌクレオチド」は、任意の数のヌクレオチドを有するヌクレオチド多量体を含んでいる。「バイオモノマ」は、同じか又は異なるバイオモノマと連鎖して、バイオポリマを形成することが可能な単一単位(例えば、その一方又は両方が除去可能な保護基を備える可能性のある、2つの連鎖基を持つ単一アミノ酸又はヌクレオチド)を表わしている。
    【0023】
    ポリヌクレオチドに関して、「ハイブリッド形成」、「アニーリング」、及び、「結合」は、代替可能に利用される。 「結合効率」は、ある特定時間量において、ある特定の組をなす条件下で形成される結合生成物の絶対又は相対収率として測定される、結合反応の産出能を表わしている。 「ハイブリダイゼーション効率」は、結合効率の特定のサブクラスであり、結合成分がポリヌクレオチドである場合の結合効率を表わしている。 また、明らかに、本出願書類全体を通じて、「上」、「下」といった語は、相対的意味においてのみ用いられることになる。 「セット」は、1つのタイプの部材又は複数の異なるタイプの部材を備えることが可能である。
    【0024】
    「ヌクレオチド」は、核酸のサブユニットを表わしており、リン酸基、5炭素糖、及び、窒素を含む塩基、並びに、こうしたサブユニットの類似体を備えている。 「オリゴヌクレオチド」は、一般に、長さがヌクレオチド約10〜100個分のヌクレオチド多量体を表わしており、一方、「ポリヌクレオチド」は、任意の数のヌクレオチドを有するヌクレオチド多量体を含んでいる。
    【0025】
    「プローブ」又は「マイクロアレイプローブ」は、核酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、又は、それらの類似体のようなバイオポリマを表わしている。 この用語には、修飾糖、並びに、プリン又はピリミジン環に付着した有機及び無機脱離基も含まれるものとする。 本出願の目的上、「プローブ」には、オプションの「スチルト(段部、即ち凹部又は凸部)」の利用を含むこともできるし、含まないことも可能である。
    【0026】
    「遠隔場所」は、アレイが存在し、ハイブリダイゼーションが行われる場所以外の場所を表わしている。 例えば、遠隔場所は、同じ都市の別の場所(例えば、オフィス、実験室等)、異なる都市の別の場所、異なる州の別の場所、異なる国の別の場所等とすることが可能である。 上述のように、ある物が、別の物から「遠隔」であると示されると、その意味するところは、2つの物が少なくとも、異なる部屋又は異なる建物にあり、比較的長い距離だけ離れているということである。 情報の「通信」とは、適合する通信チャネルを(例えば、プライベート・ネットワーク又はパブリック・ネットワーク)介して電気信号としてその情報を表わすデータを送信することを表わしている。 ある物を「転送する」とは、物理的にそのものを輸送するか、別様にかはともかくとして、ある場所から次の場所にそのものを届けるという意味を表わしており、少なくとも、データの場合、そのデータを記憶している媒体を物理的に輸送するか、又は、そのデータを送信することを含んでいる。
    【0027】
    「基質表面」又は「第1の基質表面」は、同義であり、プローブを付着させるか、又は、形成することが可能な表面又は材料を表わしている。
    【0028】
    「構造化プローブ」は、それ自体の折りたたみ、自己アニーリング等が可能でターゲットの結合が可能な生体分子である。 構造化プローブには、制限するわけではないが、ヘア・ピン、ステム・ループ、バルジ、擬似ノット、トリプレックス、クヮドラプレックス、tRNA、ハンマーヘッド・リボザイム等を含むことが可能である。 「構造化プローブ」によって放出される蛍光信号は、マイクロアレイ素子に存在するバックグラウンド・ノイズを表わした相対的強度で放出される。 構造化プローブには、光源によって励起されると蛍光発光することが可能な蛍光分子が含まれている。 構造化プローブは、励起後で、かつ、基底状態への復帰前に、第2の信号を放出する。
    【0029】
    「非構造化プローブ」は、ターゲット又は他の指定の化合物を結合することが可能な生体分子を表わしている。 非構造化プローブがターゲット分子に結合されると、第1の信号が放出される。 プローブ又はターゲットには、光源による分子の励起後で、かつ、基底状態への復帰前に、第1の信号を放出するために利用可能な蛍光発光タグを含むことが可能である。
    【0030】
    「ターゲット」は、ヌクレオチド、ヌクレオシド、又は、それらの類似体のようなバイオポリマを表わしている。 この用語には、修飾糖、並びに、プリン又はピリミジン環に付着した有機及び無機脱離基も含まれるものとする。
    【0031】
    次に図を参照すると、図1乃至図3には、連続したほぼ平面の基質10の形態をとるマイクロアレイ12が示されており基質10にはフィーチャ間領域13によって離隔された複数フィーチャ16がその第1の基質表面11a全体に配置されている。 基質は、そのデータ収集走査を容易にするため透明材料から製作することが可能である。 フィーチャ16は、図示のように、アレイを形成するパターンをなすように配置されている。 パターンの範囲によって、走査領域(図に標示はない)が形成される。 第2の基質表面11bには、フィーチャが配置されていない。
    【0032】
    典型的なアレイには、通常、基質表面11aの異なる既知の位置に固定化された(即ち、共有結合又は非共有結合によって付着した)単量体アレイが異なる、少なくとも2つの識別可能な重合体が含まれている。 各位置或いは各フィーチャ間にスペースがあってもよいし、なくてもよい。 アレイの各識別可能な重合体アレイは、一般に、基質表面11aにおける重合体の複数コピーによる組成物として(例えば、基質表面におけるスポット又はフィーチャ16として)生じる。 スライド又は基質上に生じる識別可能な重合体アレイ、従って、フィーチャ16の数は、変動する可能性があるが、一般には、少なくとも10であり、その数は、少なくとも、50、100、500、1000、或いは、10,000もの多数になる可能性がある。 基質表面に生じるフィーチャの密度は、変動する可能性があるが、一般には、少なくとも、平方センチメートル当りで、約10のスポットであり、通常は、少なくとも、約100のスポットである。 この場合、密度は、10 /cm 以上もの高さになる可能性もあるが、一般には、スポットが、平方センチメートル当り約10 を超えない。
    【0033】
    フィーチャ16は、全て、組成が異なる可能性があるが、一部は同じである可能性もある(例えば、各フィーチャ組成の反復を考慮しなければ、残りのフィーチャは、全フィーチャ数の少なくとも5%、10%、又は、20%を占める可能性がある)。 いずれにせよ、各フィーチャは、図1乃至図3の各フィーチャ16の場合であれば、特定の配列を有するポリヌクレオチドが望ましい、成分又は成分の混合物の形態をなすプローブを備えているが、フィーチャ間領域13は、フィーチャ16と同じタイプの成分を備えていない(即ち、ポリヌクレオチドを備えるフィーチャ16の場合、ポリヌクレオチドが存在しない)。
    【0034】
    図3には、こうしたアレイ構成の概要が例示されており、フィーチャ16は、図示のように、異なるポリヌクレオチドアレイを備えている。 フィーチャ16は、少なくとも5又は10μm、通常は、1.0cm未満の幅(即ち、円いスポットの場合には直径)でよい。 極めて小さいスポット・サイズ又はフィーチャサイズが所望される実施形態の場合、フィーチャ16は、それぞれ、少なくとも1.0μmで、1.0mm未満の幅、通常は、500μm未満で、たいていは200μm未満の幅を備えることが可能である。 円形でないフィーチャは、上記直径範囲から生じる円いフィーチャ16の面積範囲に相当する面積を備えることが可能である。 フィーチャ16のプローブは、一般に、適合するリンカ(不図示)によって基質とリンクする。
    【0035】
    マイクロアレイ12が占める面積は、100cm 未満、又は、50、10、又は、1cm 未満の場合さえある。 多くの実施形態では、基質10は、長さが、4mmを超え、1m未満、通常は、4mmを超え、600mm未満、たいていは、400mm未満であり、幅が、4mmを超え、1m未満、通常は、500mm未満、たいていは、400mm未満であり、厚さが、0.01mmを超え、5.0mm未満、通常は、0.1mmを超え、2mm未満、たいていは、0.2mmを超え、1mm未満である、ほぼ矩形の固体として成形されることになる。 ある特定の表面領域に表示可能な異なるプローブ数を最大にするため、フィーチャを、基質のエッジにできるだけ接近して配置するのが望ましい場合が多い。
    【0036】
    図1におけるバーコードの形をとるマイクロアレイ識別子40は、マイクロアレイ12の1つに隣接して同じ基質10上に設けることによって、マイクロアレイ12と関連付けられる。 同じ基質上に2つ以上のマイクロアレイ12が存在する場合、所望であれば、対応する各マイクロアレイに隣接して、個別識別子を設けることが可能である。 識別子40には、マイクロアレイ12のレイアウトに関する情報を含むこともできるし、或いは、先行技術文献に解説のような方法で、こうした情報を含むファイルとリンクさせることも可能である(例えば、特許文献2参照)。 異なるアレイに関する各識別子40は、ある特定の識別子が、その基質10上にある1つのマイクロアレイ12又は複数のマイクロアレイだけにしか対応しない可能性が高くなるように、一意性のものとすることが可能である。 この構成は、識別子40を十分に長くし、基質10上の異なるマイクロアレイ12に対して、識別子をインクリメントするか、又は、別様に変化させることによって、或いは、先行技術文献に記載のように、大域的に一意性の識別子が選択されるやり方で(例えば、特許文献2参照)、大域的に一意性である識別子を選択することによっても、実施可能である。
    【0037】
    図1乃至図3におけるようなマイクロアレイ12は、特定場所における製作の場合の、ポリヌクレオチド前駆物質単位(単量体のような)、又は、既に得られたポリヌクレオチドのパルス・ジェットによる小滴付着を利用して、製作することが可能である。 こうした方法については、先行技術文献に詳細な説明がある(例えば、特許文献2、3、4、5、6、7参照)。 他の小滴付着方法を利用して、製作することも可能である。 また、小滴付着方法の代わりに、ピン・スポッティング及び先行技術文献に記載の技法(例えば、特許文献8及び9参照)を含む、他のアレイ製作方法を利用することも可能である。
    【0038】
    とりわけ、アレイが、上記先行技術文献に記載の光を当てる方法で製作される場合には、フィーチャ間領域12が存在する必要はない。 利用時、フィーチャは、図3のフィーチャ16a(16b及び16cは、他のアレイ決定されるフィーチャを示す)によって検出されるターゲットのように、ターゲット18とのハイブリッド形成によって、ターゲット18の検出を可能にする(ターゲット18の「 」は、蛍光ラベルのようなラベルを表わしている)。 アレイを利用した、試料中の特定成分(ターゲットアレイのような)の検出は、周知のところである。 フィーチャ16におけるプローブ4の層厚は、それが結合される任意の検出ターゲットと一緒にすると、500nm未満の場合が多く、更に、200、100、50、又は、20nm未満の厚さになる場合が多い。
    【0039】
    基質10の第1の基質表面11aは、所望のやり方で表面の特性を修正するのに役立つ化合物の1つ以上の異なる層によって修正することが可能である。 こうした修正層が存在する場合、一般に、その厚さは、単分子の厚さから約1mm、通常は、単分子の厚さから約0.1mm、たいていは、単分子の厚さから約0.001mmの範囲になる。 当該修正層には、金属、金属酸化物、重合体、小有機分子等のような、無機層及び有機層が含まれる。 当該重合体層には、ペプチド、蛋白質、ポリヌクレイン酸、又は、それらの擬晶(例えば、ペプチド・ヌクレイン酸等)の層と、多糖類、燐脂質、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリユリア、ポリアミド、ポリエチレンアミン、ポリ−アリーレン、ポリシロキサン、ポリイミド、ポリアセテート等の層が含まれており、重合体は、ヘテロポリマ又はホモポリマとすることが可能であり、個別の官能成分を付着(例えば、抱合)させることもできるし、させないことも可能である。
    【0040】
    バイオポリマアレイは、あらかじめ得られたバイオポリマ(例えば、合成又は自然発生よって生じた)を基質に付着させるか、又は、特定場所での合成法によって製作することが可能である。 あらかじめ得られたバイオポリマの付着方法には、先行技術文献に記載のように、ピン又は毛細管に装填して、表面に触れる方法(例えば、特許文献8参照)、又は、先行技術文献に記載のように、インク・ジェット・ヘッドのようなパルス・ジェットからの噴射によって付着させる方法(例えば、特許文献9、10参照)等が含まれている。 こうした付着方法は、1サイクルの付着によって、各フィーチャを形成するものとみなすことが可能である(即ち、あらかじめ得られたバイオポリマを基質に付着させるサイクルは、各特長毎に1つだけしかないということである)。 特定場所での制作方法の場合、最終フィーチャを形成するため、パルス・ジェット又は他の手段によって、ある特定のターゲット位置に複数の異なる試薬小滴が付着させられる(従って、このフィーチャのプローブは、アレイ基質上に合成される)。 特定場所での製作方法には、先行技術文献に記載のペプチドアレイの合成に関する方法(例えば、特許文献11参照)、及び、先行技術文献に記載のポリヌクレオチドに関する方法(例えば、特許文献2及び10参照)が含まれており、やはり、パルス・ジェットを用いて、試薬を付着させることが可能である。
    【0041】
    ポリヌクレオチドアレイを特定場所に製作するための方法では、一般に、フィーチャが形成されることになる複数の異なるアドレスのそれぞれにおいて、既知の化学反応によって、担体上にヌクレオシド試薬からポリヌクレオチドを形成する際に用いられる、同じ従来の反復手順に従うことになる。 この反復手順は、形成される各フィーチャにおける後続付着サイクル、即ち、(a)最初の反復において、亜リン酸塩の連鎖によって、選択された活性化ヌクレオシド(単量体単位)を官能化担体に結合し、後続の反復において、基質に結合したヌクレオシド(即ち、ヌクレオシドで修正された基質)を結合するステップ、(b)オプションにより、基質に結合したヌクレオシド上の未反応水酸基のブロッキング(「キャッピング」と称される場合もある)を行うステップ、(c)ステップ(a)の亜リン酸塩の連鎖を酸化して、リン酸塩の連鎖を形成するステップ、及び、(d)ステップ(a)で結合された現在の基質に結合したヌクレオシドから保護基を除去して(「保護除去」)、これらのステップの次のサイクルに備えて、反応点を生じさせるステップからなるサイクルの複数サイクルとみなすことが可能である。 結合は、アレイにとって望ましい特定のフィーチャ位置に活性化剤及び亜リン酸アミダイトの小滴を付着させることによって実施可能である。
    【0042】
    最終保護除去ステップが施されて、窒素塩基及びリン酸基が、既知の条件下における水酸化アンモニウム及び/又はメチルアミンによる処理によって、同時に保護除去される。 キャッピング、酸化、及び、保護除去は、適合する試薬層で基質全体を処理する(「フラッディング」)によって実施可能である。 官能化担体(最初のサイクルにおける)又は保護除去された結合ヌクレオシド(後続サイクルにおける)によって、基質に結合した成分に、ステップ(a)において結合されることになる次のヌクレオシドとの亜リン酸塩の連鎖を形成するための連鎖基が与えられる。 ヌクレオシド塩基の最終保護除去は、既知の方法における別のフラッディング手順によって、水酸化アンモニウムのようなアルカリ性条件を利用して実施可能である。 通常は、単一の単量体単位の付着には、単一パルス・ジェット又は他のディスペンサが割り当てられる。
    【0043】
    ポリヌクレオチドの合成に関する上記化学的現象については、先行技術文献に詳細な記載がある(例えば、非特許文献1、2、3及び4、特許文献12、13、14、15及び16参照)。 亜リン酸アミダイト及び亜リン酸トリエステル・アプローチが、最も広く用いられているが、他のアプローチには、リン酸ジエステル・アプローチ、リン酸トリエステル・アプローチ、及び、Hホスホン酸塩アプローチが含まれている。 基質は、一般に、最初の付着単量体に結合するように官能化される。 こうした連鎖成分との基質の官能化に適した技法については、先行技術文献に記載がある(例えば、非特許文献5参照)。 アレイ製作の場合、完成したアレイの異なるフィーチャが、異なる所望のバイオポリマアレイを備えることになるように、任意の1サイクルの間に、異なる単量体及び活性剤を基質の異なるアドレスに付着させることが可能である。 ポリヌクレオチドアレイを特定場所に製作する場合、各サイクル毎に、従来の酸化、キャッピング、及び、洗浄ステップといった、更に1つ以上の中間ステップが必要になる可能性がある(やはり、これらのステップは、フラッディング手順で実施可能である)。
    【0044】
    既に得られたバイオポリマの付着又はイン・シチュ法によるバイオポリマアレイの製作に関するさらなる詳細については、先行技術文献に記載がある(例えば、特許文献1、3、4及び5参照)。 既に得られたバイオポリマの付着又はイン・シチュ法によるアレイの製作では、一般に、アレイが形成されることになる、または、形成済みの基質表面の各領域(「アレイ領域」)が、1つ以上の試薬に対して完全にさらされる。 例えば、いずれの方法においても、アレイ領域を1つ以上の試薬にさらして、基質とバイオポリマ又はバイオモノマの両方に結合する適合層を表面に形成する場合が多い。 特定場所での製作の場合、一般に、アレイ領域は、やはり、酸化試薬、デブロッキング試薬、及び、オプションによるキャッピング試薬にさらされる。 同様に、とりわけ、既に得られたバイオポリマの付着による製作の場合、ターゲットとの非特異的結合によるフィーチャが存在しない表面の場所に対してブロッキングを施すのに適したブロッキング試薬に、アレイ領域をさらすのが望ましい可能性がある。
    【0045】
    図4には、基質表面11aのプローブ4に各種ターゲット18が結合した、マイクロアレイ12の概略図が示されている。 プローブ4には、非構造化プローブ5又は構造化プローブ6を含むことが可能である(構造化プローブ6は、図5乃至図6に示されている)。 ターゲット18は、非構造化プローブ5には結合するが、構造化プローブ6には結合しない(図5参照)。 ターゲット18は、マイクロアレイ12の基質表面11aに結合して、バックグラウンド・ノイズ問題、並びに、非構造化プローブ5に結合したターゲット18から得られる信号強度読み取り結果に対する影響を生じさせる可能性がある(図4参照)。 ターゲット18の全て又は一部が、基質表面11aに結合して、第1の信号14の信号強度に対する影響を生じさせる可能性がある(図4参照)。
    【0046】
    図5には、基質表面11aに非構造化プローブ5と構造化プローブ6の両方が付着した概略図が示されている。 構造化プローブ6が用いられる場合、ターゲット18は、基質表面11aと結合しない。 図5には、本発明の実施形態の1つにおける構造化プローブ6、即ち、ヘア・ピンが示されている。 構造化プローブ6は、ヘア・ピン、バルジ、ステム・ループ、tRNAタイプ構造、ハンマーヘッド・リボザイム・タイプ構造、擬似ノット、トリプレックス、及び、クヮドラプレックスから構成される群から選択可能である。 本発明は、これらの構造、及び、図面に示された構造(いくつかの構造化プローブについては、図6を参照されたい)だけに制限されるものと解釈すべきではない。 基質表面11a上において、いくつかの異なる構造化プローブ6を利用することが可能である。 更に、この図には、基質表面11a上における非構造化プローブ5と構造化プローブ6の両方の存在が示されているが、本発明の他の実施形態も可能である。 例えば、非構造化プローブ5及び/又は構造化プローブ6を別個に利用するのは、本発明の範囲内である。 例えば、基質表面11a上で非構造化プローブ5を利用して、第1の信号14の強度を測定することが可能である。 次に、同じ又は第2の基質表面(11b又は別のアレイ表面)上で構造化プローブ6を利用して、第2の信号15の強度を求めることが可能である。 更に、第1の信号14の強度と、第2の信号15の強度を比較して、第1の信号14のより正確な強度を求めることが可能である。 これは、一般に、構造化プローブ6によって生じるバックグラウンド・ノイズ又は吸収に相当する第2の信号15の強度を引くことによって実施される。
    【0047】
    構造化プローブ6には、さまざまなサイズ、形状、及び、構造を備えたさまざまな分子を含むことが可能である。 例えば、構造化プローブ6は、ペプチド、オリゴヌクレオチド、蛋白質、多糖類、アミノ酸、炭水化物、及び、ヌクレオチドから構成される群から選択可能である。 本発明にとって重要なのは、非構造化プローブ5のようにターゲット18と結合することができないように、構造化プローブ6を設計することである。 構造化プローブ6は、ターゲット18との結合を阻止する、さまざまな一次、二次、三次構造、或いは、四次構造さえ備えるように設計することが可能である(図6参照)。 例えば、構造化プローブ6は、アレイ(GT)n(AC)nに関して100以下の化合体を含むように設計することが可能である。 このタイプの一次オリゴヌクレオチドアレイは、構造化プローブ5の自己アニーリング又は折りたたみを可能にする。 構造化プローブ6は、それ自体の折りたたみが可能であり、従って、ターゲット18に結合することができない。 本発明に関して、65℃で折りたたみ構造又は安定構造を可能にする、当該技術において既知の他のアレイを利用することも可能である。 典型的な錯体には、ヘア・ピン、擬似ノット、トリプレックス、及び、クヮドラプレックスを形成するアレイを含むことが可能である。 本発明の構造化プローブによれば、アレイ全体にわたるノイズの均一性並びにバックグラウンド・ノイズの低減が可能になる。
    【0048】
    本発明の光源9(図4参照)には、当該技術において周知のさまざまなデバイスを含むことが可能である。 例えば、光源9は、レーザ、蛍光光度計、発光スペクトロメータ、レーザ又は同様のタイプの光源素子とすることが可能である。 更に、光源9は、蛍光、燐光、ルミネセンス光、又は、生物ルミネセンス光さえ生じることが可能である。 本発明の光源9は、非構造化プローブ5又は構造化プローブ6と相互作用する光を発生する。 例えば、光源9が蛍光の場合、プローブ4に光を当てると、規定の強度で信号が発生する。 第1の信号14(図4参照)又は第2の信号15(図5参照)のような信号は、非構造化プローブ5又は構造化プローブ6の一方又は両方に付着した分子又はタグを励起することによって生じる。 第1の信号14及び/又は第2の信号15は、プローブ4又はプローブ4に付着したタグ又は他の分子が励起した結果である。 信号は、分子又はプローブの励起後で、ただし、それぞれの基底状態への復帰前に、光の放出によって生じる。
    【0049】
    非構造化プローブ5は、オプションの発光タグ(図3にとして示す)を備えることもあれば、備えないこともあり得る。 非構造化プローブ5がオリゴヌクレオチドの場合、規定の波長及び強度の光を吸収し、放出することになる。 プローブ4の化学反応は、ヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドに限定する必要はない。 例えば、構造化プローブ6が、蛋白質、ペプチド、又は、トリプトファン、チロシン、又は、フェニルアラニンといった1つ以上の芳香族残基を備えた他の同様の分子である場合、発光スペクトルは、識別可能な固有のパターンを示すことになる。 次に、発光強度を測定して、最終発光レベルを求めることが可能である。
    【0050】
    本発明の重要な構成要素は、非構造化プローブ5及び構造化プローブ6(非構造化プローブによって生じた信号からバックグラウンドを取り除くために利用される)を、両方とも、同じ基質表面11a上に配置可能であるという事実である(図5参照)。 これによって、同じマイクロアレイ12から生じる信号強度を求めるための正確な方法が得られる。 この技法には、発光スペクトロメータを扱う仕事をする科学者にとってかなりの利点がある。 例えば、蛍光測定には、固有の計器設計(即ち、ランプ設計、ランプのオン/オフの調整、較正等)が原因で、読み取り値の変動が生じるという問題が生じることが多い。 これらの差異は比較的わずかであるかもしれないが、時間経過につれて累積され、最終信号の読み取り値及び強度に重大な影響を及ぼすことになる可能性がある。 更に、こうした影響は、信号の読み取り値が相対的な大きさによるものである(読み取り値は相対強度に基づいている)という事実によって更に増幅される。 従って、非構造化プローブ5と同じ基質表面11a上にバックグラウンド・ノイズを較正することが可能な構造化プローブ6を設けることによって、かなりの利点が得られる。 更に、より正確な第1の信号14の較正を可能にする測定が、同時に実施可能になる。 構造化プローブ6によって、バックグラウンド・ノイズの精密な近似を可能にする第2の信号15が生じ、非構造化プローブ5によって、第2の信号15に加えて、バックグラウンド・ノイズを含む、第1の信号が生じ、次に、ターゲット18に結合した構造化プローブ6の信号強度から、構造化プローブの強度(バックグラウンド・ノイズ)を引くことによって、非構造化プローブ5に関する第1の信号14を覚醒することが可能になる。 非構造化プローブ5及び構造化プローブ6による基質表面11aの構造化には、固有の計器誤差及び実験(ハイブリダイゼーション)誤差に関して概略を説明した上記の問題を解消する効果がある。
    【0051】
    本発明の装置について説明してきたが、次は、本発明の方法に関する説明の順番である。 本発明の方法によれば、マイクロアレイ12上のターゲット18に結合した非構造化プローブ5によって生じる第1の信号14のより正確な読み取り値を求める方法が得られる。 この方法には、マイクロアレイ12上の非構造化プローブ5を照射して、第1の信号14を生じさせるステップが含まれる。 これは、光源9によって実施される。 次に又は同時に、同じ又は異なる光源9を利用して、マイクロアレイ12上の構造化プローブ6を照射し、第2の信号15を生じさせる。 次に、非構造化プローブ5から生じる第1の信号14と構造化プローブ6から生じる第2の信号15を比較して、ターゲット18に結合した非構造化プローブ5から生じる第1の信号15のより正確な読み取り値が求められる。
    【0052】
    例1
    図7には、基質表面11aに非構造化プローブ5と構造化プローブ6が付着した、マイクロアレイが示されている。 マイクロアレイ及び試料は、既述の実施要綱に従って用意された。 この図には、ラベル(標識)付きターゲット18に結合した非構造化プローブ5の高い強度レベルが示されている(黄色又は緑の光は、強い信号を示す)。 無信号領域は、基質表面11a上における構造化プローブ6の配置位置を表わしている。
    【0053】
    例2
    図8には、基質表面11aに延びるさまざまなチャネルによって生じる信号の強度比較が示されている。 即ち、緑チャネルと赤チャネルは、両方とも、強度が似ており、アレイ表面における構造化プローブ6のそれぞれの配置位置(略チャネル列915〜945)で減衰する。
    【0054】
    例3
    図9には、GD3の負の制御プローブ性能とバックグラウンドを表わす信号(10のアレイ)を比較した1組のプロットが示されている。 左のグラフには、10の複製アレイについて、負の制御プローブGD3に関するバックグラウンドを取り除かれた平均赤信号対平均緑信号が示されている。 右のグラフには、同じアレイにおける赤と緑の平均されたバックグラウンドを表わす信号が示されている。 2つのグラフを比較すると、負の制御プローブのバックグラウンドは、そのスライドに対しては、平均されたバックグラウンドを表わす信号より低いので、バックグラウンドの補正に利用するのに適している。 各ポイントは、20のプローブの平均である。 実験に関する説明:ヒト・ヒーラcDNAターゲットは、Agilent Direct Labeling Kitを用いて、シアニン5又はシアニン3を組み込むことにより、20mgの全RNAから生成された。 シアニン3及びシアニン5ターゲットは、65℃で、17時間にわたり、各AgilentcDNAマイクロアレイとの混合及びハイブリッド形成が施された。 スライドは洗浄されて、アジレント社のスキャナで走査され、アジレント社の特徴抽出ソフトウェアを用いてフィーチャが抽出された。
    【0055】
    即ち、本発明は、ターゲットに結合するためのマイクロアレイであって、(a)基質表面と、(b)前記基質表面に付着させられて、前記ターゲットに結合し、第1の信号を生じる非構造化プローブと、(c)前記基質表面に付着させられて、第2の信号を生じる構造化プローブと、(d)前記非構造化プローブ及び構造化プローブを励起させるための光源が含まれており、前記非構造化プローブによって前記第1の信号が生じ、前記構造化プローブによって前記第2の信号が生じることと、前記非構造化プローブによって生じる前記第1の信号と前記構造化プローブによって生じる前記第2の信号を比較することが可能であり、前記非構造化プローブに関して、前記第1の信号のより正確な読み取り値を求めることが可能であることを特徴とするマイクロアレイを提供する。
    【0056】
    好ましくは、前記構造化プローブは、生体分子とされる。
    【0057】
    好ましくは、前記生体分子は、蛋白質、アミノ酸、オリゴヌクレオチド、ペプチド、ヌクレオチド、炭水化物、多糖類、及び、脂質から構成される群から選択される。
    【0058】
    好ましくは、前記非構造化プローブが生体分子とされる。
    【0059】
    好ましくは、前記生体分子が、蛋白質、アミノ酸、オリゴヌクレオチド、ペプチド、ヌクレオチド、炭水化物、多糖類、及び、脂質から構成される群から選択される。
    【0060】
    好ましくは、前記非構造化プローブがラベルを付けられ、前記第1の信号を生じる。
    【0061】
    好ましくは、前記ターゲットがラベルを付けられ、前記第1の信号を生じる。
    【0062】
    好ましくは、前記光源がルミネセンス光とされる。
    【0063】
    好ましくは、前記発光源が、蛍光、燐光、生物ルミネセンス光から構成される群から選択される。
    【0064】
    好ましくは、前記構造化プローブが自己アニーリングする。
    【0065】
    好ましくは、前記構造化プローブが、前記ターゲットのアニーリングを阻止するため、それ自体で折りたたみ可能である。
    【0066】
    好ましくは、前記構造化プローブが擬似ノットである。
    【0067】
    好ましくは、前記構造化プローブがヘア・ピンである。
    【0068】
    好ましくは、前記構造化プローブがトリプレックスである。
    【0069】
    好ましくは、前記構造化プローブがクヮドラプレックスである。
    【0070】
    好ましくは、前記ターゲットが生体分子である。
    【0071】
    好ましくは、前記生体分子は、蛋白質、アミノ酸、オリゴヌクレオチド、ペプチド、ヌクレオチド、炭水化物、多糖類、及び、脂質から構成される群から選択される。
    【0072】
    更に、本発明は、マイクロアレイ基質表面に付着した非構造化プローブによって生じる第1の信号のより正確な読み取り値を求めるための方法であって、(a)前記マイクロアレイ基質表面上のターゲットに付着した非構造化プローブを照射して、第1の信号を生じさせるステップと、(b)前記マイクロアレイ基質表面に付着した構造化プローブを照射して、第2の信号を生じさせるステップと、(c)前記ターゲットに結合した前記非構造化プローブから生じる前記第1の信号と、前記マイクロアレイ基質表面に付着した前記構造化プローブから生じる前記第2の信号を比較して、前記第1の信号のより正確な信号強度読み取り値を求めるステップが含まれていることを特徴とする方法を提供する。
    【0073】
    更に、本発明は、マイクロアレイに付着した非構造化プローブによって生じる信号強度レベルを求めるための方法であって、(a)前記マイクロアレイ上のターゲットに付着した非構造化プローブを照射して、第1の信号を生じさせるための第1の光源を設けるステップと、(b)前記マイクロアレイ上の構造化プローブを照射して、第2の信号を生じさせるための第2の光源を設けるステップと、(c)前記ターゲットに付着した前記非構造化プローブから生じる前記第1の信号強度レベルと、前記マイクロアレイ基質表面に付着した前記構造化プローブから生じる第2の信号強度レベルを比較して、前記第1の信号の改善された信号強度レベルを較正するステップが含まれていることを特徴とする方法を提供する。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】単一ヌクレオチド多形アレイを例示した図である。
    【図2】1つのアレイにおける複数スポット又は領域を示す、図1の一部の拡大図である。
    【図3】マイクロアレイ重合体ストランドの設計を示す、図1の一部の拡大図である。
    【図4】マイクロアレイ基質表面上の拡大された非構造化プローブを示す概略図である。
    【図5】図4に示すものと同様であるが、マイクロアレイ基質表面に構造化プローブが付着している、概略図である。
    【図6】本発明に用いることが可能なさまざまなタイプの構造化プローブを示す図である。
    【図7】非構造化プローブと構造化プローブが付着した実際のマイクロアレイを示す図である。
    【図8】典型的な基質表面におけるさまざまなチャネルによって生じる信号強度の比較結果を示す図である。
    【図9】バックグラウンドを表わす信号と対照して描かれた負の制御プローブを比較する1組のプロットである。
    【符号の説明】
    5 非構造化プローブ6 構造化プローブ9 光源10 基質12 マイクロアレイ13 フィーチャ間領域14 第1の信号15 第2の信号16 フィーチャ18 ラベル付きターゲット

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