Code scheme for solid phase chemical library

申请号 JP2000610606 申请日 2000-04-05 公开(公告)号 JP2002541226A 公开(公告)日 2002-12-03
申请人 グラクソ グループ リミテッド; 发明人 エイチ.マリオ、ギーセン;
摘要 (57)【要約】 本発明は物理的に異なるグループに分離できる複数の構築物を含む化学ライブラリーの一例を提供する。 各グループの構築物は、他の総てのグループの構築物の物理特性とは物理的に異なる、少なくとも一つの共通した物理特性を有する。 これらの物理特性はそのグループを試験し得る様式を表す。 これらの構築物は特にビーズ−リンカー−タグ−リガンド系である。 これらの物理特性は特にビーズの大きさまたは 密度 である。 好ましくは、ビーズの物理特性は用いられたリンカーのタイプの指標となり、これにより特定のアッセイで用いるのに好適な構築物の認識が容易となる。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 物理的に異なるグループに分けることができる複数の構築物を含む化学ライブラリーであって、ここで各グループ内の構築物は他の総てのグループの構築物の物理特性とは物理的に異なる少なくとも一つの共通した物理特性を有し、この各グループの共通した物理特性が、そのグループを試験し得るプロセスを表す、化学ライブラリー。
  • 【請求項2】 構築物の物理特性が、大きさ、密度、幾何学構造、色、磁性、電荷、および屈折率からなる群から選択される、請求項1に記載のライブラリー。
  • 【請求項3】 物理特性がカテゴリーに分類し得るものであり、少なくとも一つのグループのカテゴリーが他のグループのものとは異なる、請求項1に記載のライブラリー。
  • 【請求項4】 一つのカテゴリーが大きさであって、他の一つのカテゴリーが密度である、請求項3に記載のライブラリー。
  • 【請求項5】 各構築物が、リガンド成分、少なくとも一つの結合成分、および少なくとも一つのリガンドコード成分を含む複数の成分が結合している固相支持体を含んでなる、請求項1に記載のライブラリー。
  • 【請求項6】 各グループの構築物が、本質的に同じ様式で構築された結合成分を有する、請求項5に記載のライブラリー。
  • 【請求項7】 各グループの結合成分の構築様式が各グループに独自のものである、請求項6
    に記載のライブラリー。
  • 【請求項8】 リガンド成分が少なくとも2つの構成ブロックからなり、各固相支持体上の1
    以上の構成ブロックを決定するために各リガンドコード成分が読み取り可能である、請求項5に記載のライブラリー。
  • 【請求項9】 複数の固相支持体; 各固相支持体へ合成された少なくとも2つの構成ブロックを含んでなる化学化合物 を含んでなる固相支持体系であって、 該固相支持体が物理的に異なるグループに分けることができ、各グループの固相支持体が他の総てのグループの固相支持体の物理特性とは物理的に異なる少なくとも一つの共通した物理特性を有し、この各グループの共通した物理特性が、
    そのグループを試験し得るプロセスを表す、系。
  • 【請求項10】 固相支持体の物理特性が、大きさ、幾何学構造、密度、色、磁性、電荷、および屈折率からなる群から選択される、請求項9に記載の系。
  • 【請求項11】 物理特性がカテゴリーに分類し得るものであり、一つのグループのカテゴリーが他のグループのカテゴリーとは異なるものである、請求項9に記載の系。
  • 【請求項12】 一つのカテゴリーが大きさであって、もう一つのカテゴリーが密度である、請求項11に記載の系。
  • 【請求項13】 各固相支持体に結合した少なくとも一つのリガンドコードをさらに含んでなり、少なくとも一つの構成ブロックを同定するためにそれが読み取り可能である、
    請求項9に記載の系。
  • 【請求項14】 各化学化合物が第1、第2および第3の構成ブロックを含んでなり、第1および第2の構成ブロックを同定するために各リガンドコードが読み取り可能である、請求項13に記載の系。
  • 【請求項15】 固相支持体にリガンドコードを結合させるために少なくとも一つのリンカーをさらに含んでなる、請求項13に記載の系。
  • 【請求項16】 各グループの固相支持体が、本質的に同じ様式で構築されたリンカーを有する、請求項15に記載の系。
  • 【請求項17】 各グループのリンカーの構築様式が各グループに独自のものである、請求項1
    6に記載の系。
  • 【請求項18】 化学ライブラリーの作製方法であって、 複数の固相支持体グループを準備し、ここで、各グループは、他のグループの固相支持体の物理特性とは異なる少なくとも一つの共通した物理特性を有する複数の固相支持体を含み; 少なくとも一つの結合成分を固相支持体の各々に結合させ、その結合成分の結合様式が他のグループと比べて各グループに独自なものであり;さらに 各固相支持体上にリガンドを、各グループの固相支持体が同一のリガンドセットを受容するように合成すること を含んでなる、方法。
  • 【請求項19】 各グループの共通した物理特性が、そのグループを試験し得るプロセスを表す、請求項18に記載の方法。
  • 【請求項20】 グループを試験し得るプロセスが、直接結合アッセイ、菌叢アッセイ、および溶液アッセイからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  • 【請求項21】 大きさ、幾何学構造、密度、色、磁性、電荷、および屈折率からなる群から物理特性を選択することをさらに含んでなる、請求項18に記載の方法。
  • 【請求項22】 物理特性がカテゴリーに分類し得るものであり、一つのグループのカテゴリーが他のグループのカテゴリーとは異なるものである、請求項18に記載の方法。
  • 【請求項23】 一つのカテゴリーが大きさで、もう一つのカテゴリーが密度である、請求項2
    2に記載の系。
  • 【請求項24】 合成工程の前に、複数の固相支持体を、各位置が各々のグループに由来する少なくとも一つの固相支持体を含むように、物理的に異なる位置へ配置することをさらに含んでなる、請求項18に記載の方法。
  • 【請求項25】 合成工程が各固相支持体上に2つの構成ブロックを合成する(ただし、これらの固相支持体は異なる位置にある)ことを含んでなり、少なくとも一つのリガンドコード成分を固相支持体に結合させることをさらに含んでなり、このリガンドコード成分が2つの構成ブロックを表す、請求項24に記載の方法。
  • 【請求項26】 2つの構成ブロックを合成した後に固相支持体を組み合わせ、固相支持体を混合し、さらに固相支持体を複数の容器に割り当てることをさらに含んでなる、請求項25に記載の方法。
  • 【請求項27】 第3の構成ブロックを容器内にて各々の固相支持体上に合成することをさらに含んでなる、請求項26に記載の方法。
  • 【請求項28】 化学ライブラリーの評価方法であって、 少なくとも一つの共通した物理特性によって分類される複数の構築物を準備し; 構築物をそれらのタイプに基づいて各グループに分離し;さらに 各グループの構築物に対して異なるアッセイを実施すること を含んでなる、方法。
  • 【請求項29】 物理特性が密度であり、分離工程が、異なる密度を有する液体中に構築物を入れ、次いで、各液体の上部まで上がってきた構築物を取り出すことを含んでなる、請求項28に記載の方法。
  • 【請求項30】 少なくとも一つの物理特性が大きさであり、より大きな構築物が他の構築物の上へ来るように構築物を振盪することをさらに含んでなる、請求項28に記載の方法。
  • 【請求項31】 各構築物が、結合成分、リガンドコード成分およびリガンド成分を含む複数の成分を含んでなる、請求項28に記載の方法。
  • 【請求項32】 各グループの構築物が、各グループの共通した物理特性がそのグループを試験し得るプロセスを表すように、本質的に同じ様式で構築された結合成分を有する、請求項31に記載のライブラリー。
  • 【請求項33】 各グループの結合成分の構築様式が各グループに独自のものである、請求項3
    2に記載のライブラリー。
  • 【請求項34】 各グループの構築物が本質的に同じリガンド成分を含む、請求項28に記載の方法。
  • 【請求項35】 アッセイが、直接結合アッセイ、菌叢アッセイ、および溶液アッセイからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
  • 【請求項36】 化学ライブラリーの処理方法であって、 少なくとも一つの共通した物理特性によって分類される複数の構築物を準備し、ここで各タイプは同じリガンドセットを含み; 構築物をそれらのタイプに基づいて各グループに分離し;さらに 各グループの構築物に対して異なるアッセイを実施すること を含んでなる、方法。
  • 【請求項37】 物理特性が密度であり、分離工程が、異なる密度を有する液体中に構築物を入れ、次いで、各液体の上部まで上がってきた構築物を取り出すことを含んでなる、請求項36に記載の方法。
  • 【請求項38】 少なくとも一つの物理特性が大きさであり、より大きな構築物が他の構築物の上へ来るように構築物を振盪することをさらに含んでなる、請求項36に記載の方法。
  • 【請求項39】 少なくとも2つの化学ライブラリーを含んでなる化学ライブラリー系であって、 各化学ライブラリーは、その上へ少なくとも2つの構成ブロックが結合される複数の固相支持体を含んでなり、 各ライブラリーの固相支持体がそのライブラリーに共通した独自の物理特性を有し、これによって各固相支持体が属するライブラリーを同定することができる、系。
  • 【請求項40】 固相支持体の物理特性が、大きさ、幾何学構造、密度、色、磁性、電荷、および屈折率からなる群から選択される、請求項39に記載の系。
  • 【請求項41】 2つ以上の異なる化学ライブラリーの評価方法であって、 少なくとも2つの異なる化学ライブラリーを準備し、ここで各ライブラリーはその上に少なくとも2つの構成ブロックが結合している複数の固相支持体を含んでなり、各ライブラリーの固相支持体はそのライブラリーに共通した独自の物理特性を有し; この2つのライブラリーを合わせて複合ライブラリーを形成し; この複合ライブラリーの陽性の結果を調べ;さらに 物理特性に基づいて、各陽性結果がどのライブラリーに属するかを調べる ことを含んでなる、方法。
  • 【請求項42】 固相支持体の物理特性が、大きさ、幾何学構造、密度、色、磁性、電荷、および屈折率からなる群から選択される、請求項41に記載の系。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の背景】

    本発明は概してコンビナトリアル化学の分野に関し、特に固相化学ライブラリーのコードスキームに関する。 より詳細には、本発明は、構築物を種々のグループに物理的に分けることができるよう、異なる物理特性を有する構築物を作製することに関する。

    【0002】 新規な化学物質、特に医薬剤の研究分野における最近の動向は、薬剤発見の新しいリード化合物の有望なソースとしての、いわゆる「化学ライブラリー」の製造に集中している。 化学ライブラリーとは、意図的に作り出された異なる分子の集合であり、これは合成的または生合成的に製造して、種々の形式で生物学的活性に関してスクリーニングすることがでる。 化学ライブラリーの例としては、可溶性分子のライブラリー;樹脂ビーズ、シリカチップその他の固相支持体につなぎとめられた化合物のライブラリー;またはバクテリオファージその他の生物学的ディスプレーベクターに展示された組換えペプチドライブラリーが挙げられる。

    【0003】 本発明が特に注目するのは、典型的には樹脂ビーズの形態をとる、個々の固相支持体につなぎとめられた化学ライブラリーである。 化合物がつなぎとめられる個々の固相支持体を利用する化学ライブラリーの作出のためには種々の技術が提案されている。 かかる方法の一つに、固相支持体が複数の反応容器に入れられる「個別」法がある。 次に、これらの固相支持体上で種々の化学物質を合成するが、固相支持体は反応容器内に残る。 合成プロセスが完了した後、各固相支持体上の化学化合物は、固相支持体が除かれた反応容器を確認することにより容易に同定できる。 所定の反応容器内で固相支持体を維持する必要があることから、得られる化学ライブラリーの大きさは用いる反応容器の数によって制限される。

    【0004】 化学ライブラリーの大きさを極めて大きくする試みにおいて、混合・分割法が開発された。 混合・分割法では、固相支持体を個々の反応容器に入れ、各々の固相支持体上で第1の構成ブロックを合成する。 次に、固相支持体をともに混合し、反応容器に再分配し、そこで固相支持体上に第2の構成ブロックを合成する。
    これらの固相支持体を再び混合、再分配し、そこで固相支持体上にさらなる構成ブロックを合成してもよい。 このプロセスは必要に応じて多数回繰り返すことができる。 混合・分割法の例は、米国特許第5,503,805号に概して記載されている。 なお、この開示内容の全体は引用することにより本明細書の一部とされる。

    【0005】 ペプチドの固相合成における分割合成の一例として、樹脂支持体のバッチ(典型的には樹脂小ビーズ)はn個の画分に分割し、個別の反応で各アリコートに1
    個の単量体アミノ酸を結合させ、次に総ての樹脂粒子をともに十分に混合すればよい。 このプロトコールを全部でx回繰り返すことでeometric分布までの確率集合が得られる。 さらに、hypergdsによって支配されるように、可能性のあるリガンド(ligan)n 個の異なる分子の大部分を確実に表示するには、比較的多数のビーズを用いなければならない。 典型的な値は所望のリガンド数の約10倍のビーズである。

    【0006】 混合・分割化学ライブラリーが作製されれば、化合物を固相支持体から切断して、その化合物が所望の結果をもたらすかどうかを調べる試験を行えばよい。 もし所望の結果を示したら、その特定の化合物を同定する必要がある。 しかし、固相支持体は合成プロセス中1回以上混合・分割されたので、固相支持体上に化合物の同定を試みることが可能である。

    【0007】 その後さらに詳細に記載されているように、標識と化合物とを結合させる提案もされており、この場合、それらはそれらのコンビナトリアル工程を通じて進行する。 例えば、これらの化合物が樹脂ビーズにつなぎとめられている場合、この問題に対する先行技術の対策としては、合成の各ブロック結合工程と一致するビーズに化学識別タグを結合させることを含むものであった。 各タグの同定された特性は、次に、特定の合成工程でどの結合ブロックが結合したかを意味する。 次に、ビーズ上のタグのセットを読み取ることで、ビーズ上のリガンドの全体の構造を同定することができ、結果としてビーズをコード化できる。

    【0008】 化合物のコンビナトリアル・ライブラリーを作製するもう一つの方法は、個別法と混合・分割法の双方によって利用される技術を含む。 このハイブリッド法によれば、固相支持体を個別の位置に置き、各々の固相支持体上で、それらをそれらの個別の位置内に留めたままで化学物質セットを合成する。 リガンドコードはまた、各々の固相支持体にも結合させ、これを用い、それらの個別の位置でそれらの固相支持体上に合成された化学物質を同定することもできる。 次にこれらの固相支持体を混合・分割し、そこでさらに別の化学物質が各々の固相支持体上に合成される。 次に、直前の構成ブロックが付加された場合には、固相支持体の位置を知ることにより、またリガンドコードを読み取って付加された化合物を同定する(なお、これらの固相支持体はそれらの個別の位置にある)ことによって各々の固相支持体上の化学化合物を同定してもよい。 かかる技術は概してPCT国際出願PCT/US97/05701およびH. Mario Geysen, et al., Isotope
    or Mass Encoding of Combinatorial Libraries, Chem. & Biol. Vol. III, No
    .8, pp. 679-688, August 1996に記載されており、これらの開示内容の全体は引用することにより本明細書の一部とされる。

    【0009】 これまでに記載されているように、固相支持体はともに混合した後に反応容器に再分配されることから、固相支持体上で合成された場合にはリガンドの成分を同定する必要がある。 このように化学合成工程を同定して、固相支持体上で合成された最終の化合物を同定することができる。 この合成プロセスを記録するために種々のコードスキームが提案されている。 かかる技術の一つとしてパラレルコード法があり、ここではリガンドの構築とともにタグの連続的構築を行う。 これらのタグはバイナリータグとして用いられ、各ビーズの反応履歴を記録する。 次にこのコードは、電子捕獲キャピラリー・ガスクロマトグラフィーによって単一のビーズから直接読み取ることができる。 かかるプロセスは概して、Michael H.
    J. Ohlmeyer et al., Complex Synthetic Chemcal Libraries Indexed with Mol
    ecular Tags, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 90, pp. 10922-10926, Decem
    ber 1993に記載されており、この開示内容の全体は引用することにより本明細書の一部とされる。

    【0010】 もう一つのコード戦略では、高周波メモリータグと呼ばれるマイクロエレクトニック・デバイスの使用を提案している。 このタグは固相支持体に包埋することができ、独自のバイナリーコードを伴っている。 コードを読み取るには、このチップをコンピューター・インターフェース・トランシーバーの近くに置き(これによりチップに電源が入る)、その識別タグを読み取り、RFパルスでトランシーバーにコードを送信する。 かかる技術は概して、AW Czamik, Encooding Sta
    tegies and Combinatorial Chemistry, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 94,
    pp. 12738-12739, November 1997に記載されており、この開示内容の全体は引用することにより本明細書の一部とされる。

    【0011】 コンビナトリアル・ライブラリー周辺では、様々な化学者によって課せられる要求のために複雑さが増している場合が多く、ここではどのリガンドが陽性の結果を示すか決定するために異なるタイプのアッセイが望まれることが多い。 例えば、化学者にもよるが、コンビナトリアル・ライブラリーは直接的結合アッセイ、菌叢アッセイ、溶液アッセイなどに適合することが必要とされる場合がある。
    結果として複数のライブラリーを作製する必要があり、ここでは各々、同一の、
    しかし異なるプロセスを用いて構築されたリガンドセットを含み、従って各々のライブラリーでは異なるタイプのアッセイを用いることができる。 化学ライブラリーを評価するために異なるタイプのアッセイを使用することは概して、Daniol
    os, A. et al., Pigment Cells Res., 3, 38-43 (1990); Jayawickreme, CK,
    Proc. Natl. Acad. Sci. 91, 1614-1618;およびLam, Kit S., et al., "The 'On
    e-Bead-One-Compound' Combinatrial Library Method", Chem. Rev, 1997, 97,
    411-448に記載されており、この開示内容の全体は引用することにより本明細書の一部とされる。

    【0012】 容易に分かるであろうが、同一のリガンドで複数のライブラリーを構築するにはコストも時間もかかる。 従って、各グループが適当なアッセイ形式に適するように、グループに分離できる単一のライブラリーを構築する方法を提供することが望ましい。 さらに詳しくは、結合成分の結合様式を同定する方法を提供することが望ましく、これによりどのプロセスを用いて特定の構築物を試験すればよいかを決定することができる。 一つの態様では、構築物のグループを分離して種々の態様の構築物を同定するための可能性の数を増すさらなる方法を提供することが望ましい。

    【0013】

    【発明の概要】

    本発明は化学ライブラリーの一例、化学ライブラリーの作製方法、および化学ライブラリーの評価方法を提供する。 一つの具体例では、化学ライブラリーは、
    物理的に異なるグループに分けることができる複数の構築物を含んでなる。 各グループの構築物は、他の総てのグループの構築物の物理特性とは物理的に異なる少なくとも一つの共通した物理特性を有する。 このように、これらの構築物はそれらの共通した物理特性に基づいて異なるグループへ容易に分けることができる。

    【0014】 利用できる物理特性の例としては、大きさ、密度、幾何学構造、色、磁性、電荷、屈折率など、ならびに米国特許第5,708,153号(この開示内容は引用することにより本明細書の一部とされる)に記載のものが挙げられる。 一つの特定の態様では、物理特性はカテゴリーに分類することができる。 このように、
    少なくとも一つのグループのカテゴリーが他のグループのものと異なっていればよい。 一例として、一つのカテゴリーが大きさであって、他の一つのカテゴリーが密度であってもよい。 従って、化学ライブラリーは同じタイプ内の異なる物理特性および/または異なるタイプの物理特性を有する構築物を持ち得る。 このように、異なる物理特性の可能性の数を著しく高めることができる。

    【0015】 もう一つの特定の態様では、各構築物は複数の成分が結合している固相支持体を含んでなる。 かかる成分としては、例えば、リガンド成分および少なくとも一つの結合成分が挙げられる。 いくつかの場合では、構築物はまた1以上のリガンドコード成分を含み得る。 好ましくは各グループの構築物は本質的に同じ様式で構築された結合成分を有する。 このように(すなわち、結合成分の構築様式を知ることによって)、各グループの共通した物理特性は、そのグループを試験し得るプロセスを表し、リガンド成分を評価するのに用いるべき特定のタイプのアッセイを決定することができる。 従って、各グループの結合成分の構築様式は各グループに独自のものであることが好ましい。 一度構築物が分離および試験されると、陽性とみなされた個々の構築物を(適当であれば)解読してリガンドを決定することができる。

    【0016】 一つの特定の態様では、リガンド成分は3つの異なる構成ブロックからなる。
    さらに、各リガンドコード成分は各固相支持体上の2つの構成ブロックを決定するために読み取り可能である。 このように、リガンドコードを用い、固相支持体を個別の位置に置いたまま、合成された第1の2つの構成ブロックを決定することができる。 次に、これらの固相支持体を混合・分割し、そこで第3の構成ブロックを固相支持体上に合成してもよい。 第3の構成ブロックはそれ自体公知である。 従って、その化学組成物を作製するのに用いた構成ブロックは、リガンドコード成分を評価することによって容易に決定でき、一方、リガンド成分の結合様式はその構築物の物理特性に基づいて決定することがきでる。

    【0017】 本発明はさらに、化学ライブラリーの製造方法の一例を提供する。 本方法は、
    複数の固相支持体グループを用いるが、ここで、各グループは、他のグループの固相支持体の物理特性とは異なる少なくとも一つの共通した物理特性を有する複数の固相支持体を含む。 本方法は少なくとも一つの結合成分を各々の固相支持体に結合させることで進行する。 結合成分の結合様式は他のグループと比べて各グループに独自のものである。 さらに、各固相支持体上にリガンドを、各グループの固相支持体が同一のリガンドを受容するように合成する。 このように、結合成分の結合様式が容易に同定できる化学ライブラリーが作製される。 結合成分の結合様式を同定することは、リガンドを評価するためにグループを試験し得るプロセスが、固相支持体が属するグループの共通した物理特性を知ることによって容易に決定できるという点で有利である。 所望により、1以上のリガンドコード成分を結合させてもよい。 その結果、典型的には試験化合物が陽性の結果を示した後にリガンド成分を解読することによって特定のリガンドを同定することができる。

    【0018】 試験可能なプロセスが確認できる物理特性としては、大きさ、幾何学構造、密度、色、磁性、電荷、および屈折率などが挙げられる。 これまでに記載されたように、物理特性はカテゴリーに分類できるが、物理特性は所定のカテゴリー内またはあるカテゴリーにわたって異なっていてもよい。 一つの特定の態様では、グループを試験し得るプロセスとしては、直接結合アッセイ、菌叢アッセイ、および溶液アッセイなどが挙げられる。

    【0019】 一つの特定の工程では、合成工程前に複数の固相支持体を物理的に個別の位置に置く。 各々の位置は各々のグループに由来する少なくとも一つの固相支持体で提供される。 この配置を用いて、固相支持体が個別の位置にある状態で、1以上の構成ブロックを各固相支持体上で合成することができる。 この配置では、リガンドコード成分は構成ブロックを表すことが好ましい。 構成ブロックを合成した後、好ましくはこれらの固相支持体を混合して複数の容器に割り当て、そこで各々の固相支持体上でさらなる構成ブロックを合成する。 この方法では、リガンドは、リガンドコードを用いて最初の構成ブロックを決定することで同定することができる。 さらに、各グループを試験し得るプロセスは、各々のグループの共通した物理特性を決定することによって容易に決定することができる。 このように、固相支持体は、各グループが異なるアッセイを用いて試験されるグループへと分けることができる。 陽性の結果が得られれば、リガンドはリガンドコードを読み取ることによって決定できる。

    【0020】 本発明はさらに、化学ライブラリーを評価する方法の一例を提供する。 この方法によれば、少なくとも一つの共通した物理特性によって分類される複数の構築物が提供される。 これらの構築物はそれらのタイプに基づいてグループに分離されている。 分離後、各々のグループを評価することができ、各グループは評価プロセスに役立つ情報を含んでいる。 例えば、各グループはリガンドを評価するために異なるアッセイの実施を必要としてもよい。 さらに詳しくは、あるグループの構築物は、本質的に同じ様式で構築された結合成分を有してもよく、これにより各グループの共通した物理特性はそのグループを試験し得るプロセスを表す。

    【0021】 一つの特定の態様では、物理特性は密度である。 この方法では、これらの構築物は、異なる密度を有する液体中に構築物を入れ、次いで、各液体の上部まで上がってきた構築物を取り出すことによって分けることができる。 もう一つの例としては、少なくとも一つの物理特性が大きさであってもよい。 この構成では、構築物を篩にかけ、大きな構築物が他の構築物の上へ来るように振盪してもよい。
    次に、その大きな構築物を、好ましくは大きさに基づいて識別できるピッキング・デバイスを用いて集合体から取り出せばよい。

    【0022】 もう一つの具体例では、本発明は、少なくとも2つの異なる化学ライブラリーを含んでなる化学ライブラリー系の一例を提供する。 各化学ライブラリーは少なくとも2つの構成ブロックが結合している複数の固相支持体を含んでなる。 各ライブラリーの固相支持体は、各固相支持体が属するライブラリーの同定を可能とする、ライブラリーに共通の独自の物理特性を有する。 この方法では、これらのライブラリーを組み合わせて試験を助けてもよい。 所望であれば、特定の固相支持体が由来するライブラリーは、その物理特性を評価することにより容易に決定することができる。 固相支持体の物理特性は、好ましくは大きさ、幾何学構造、
    密度、色、磁性、電荷、および屈折率からなる群から選択される。

    【0023】 本発明はさらに、2つ以上の異なる化学ライブラリーを評価する方法の一例を提供する。 本方法によれば、少なくとも2つの異なる化学ライブラリーが提供され、各ライブラリーは少なくとも2つの構成ブロックが結合している複数の固相支持体を含んでなる。 さらに、各ライブラリーの固相支持体はそのライブラリーに共通した独自の物理特性を有する。 この2つのライブラリーを合わせて複合ライブラリーを形成し、この複合ライブラリーの陽性結果を調べる。 陽性の結果が認められれば、固相支持体の物理特性に基づいて固相支持体が属するライブラリーが同定される。

    【0024】

    【具体例の詳細な説明】

    本明細書において「構築物」とは、いくつかのタイプの固相支持体、1以上の結合成分、1以上のリガンド、および所望により1以上のリガンドコード成分をいずれかの組合せで含んでなる共有結合体をいう。

    【0025】 「リガンドコード成分」とは、固相支持体と結合でき、かつ、リガンド(これもまたその固相支持体に結合している)を構築するのに用いられた少なくとも1
    種の化学物質に関する情報を含む成分をいう。

    【0026】 「リガンド」とは、目的とする化学反応生成物をいう。 最終目的が構築物の他の部分からのリガンドの識別および/または切断である場合には、リガンドはより大きな構築物の一部であってもよい。

    【0027】 「結合成分」とは、一つの構築物の2つの部分をともに結合するのに好適な共有結合または分子部分をいう。

    【0028】 「固相支持体」とは、コンビナトリアル化学合成が実施可能な1以上の材料をいい、これにはビーズ、固相面、固相基質、粒子、ペレット、ディスク、キャピラリー、中空繊維、ニードル、充実繊維、セルロースビーズ、多孔質ガラスビーズ、シリカゲル、所望によりジビニルベンゼンで架橋したポリスチレンビーズ、
    グラフト共重合ビーズ、ポリアクリルアミドビーズ、ラテックスビーズ、ジメチルアクリルアミドビーズ、所望により架橋したN,N'−ビス−アクリロイルエチレンジアミン、疎性ポリマーであるフレレンで被覆した支持体および低分子量非架橋ポリスチレンなどの可溶性支持体が含まれる。

    【0029】 本発明は、異なるグループに分離できる異なる物理特性を有する構築物の一例を提供する。 グループの分離を可能とする物理特性は所定のグループ内の構築物の特定の特徴または態様の同定を助ける。 例えば、共通した物理特性を用いて、
    リガンドをスクリーニングした際にグループを試験し得るプロセスを同定することができる。 他の例としては、グループの共通した物理特性を用いて、合成プロセスで用いられた特定の構成ブロックを同定することができる。 さらに他の例としては、共通した物理特性を用いて、2つ以上のライブラリーを組み合わせた後、構築物が属する特定のライブラリーを同定することができる。

    【0030】 本発明の構築物は、構築物を少なくとも一つの共通した物理特性を有するグループに分けることができる広範な物理特性を持つよう構築できる。 例えば、使用できる物理特性としては、大きさ、密度、幾何学構造、色、磁性、電荷、屈折率などが挙げられる。 便宜には、物理特性はタイプに分類できる。 例えば、一つのタイプは大きさであってもよく、もう一つのタイプは密度であってもよい。 本発明は各タイプ内または異なるタイプにわたる違いを用いることができる。 例えば構築物は、それらの大きさに基づいて異なるグループに分離できるように種々の大きさを持つように構築することができる。 他の例としては、構築物のいくつかは異なる大きさを持ち、他の構築物は異なる幾何学構造を持つ。 従って、所定のタイプおよび/または種々のタイプ内の違いに基づいて種々の物理特性の組合せを提供することができる。

    【0031】 本発明とともに用いることのできる異なる物理特性の例は図1A〜1Cに示されている。 図1Aでは、固相支持体は4つのグループに分類され、各グループは異なる大きさを持つ。 次に種々の技術を用いて構築物を異なるグループに分けることができる。 例えば、異なる大きさの篩を用いて異なる大きさの構築物を篩い分けしてもよい。 あるいは、大きな構築物が上へ来るように構築物を振盪してもよい。 1999年1月29日出願の米国特許出願第09/240,758号(この開示内容の全体は引用することにより本明細書の一部とされる)に記載されるものなどのビーズピッキング装置を用いて最も大きな構築物を取り出してもよい。 次にこれらの構築物は再び振盪して、各々のグループのためにこのプロセスを繰り返してもよい。 その他の可能性のある分離技術としては、マグネット、蛍光活性細胞分別、および当技術分野で公知のその他の分離技術が挙げられる。

    【0032】 構築物を分けるもう一つのスキームが図1Bに示されている。 このスキームによれば、各グループの構築物は凡例P 〜P で示されるように異なる密度を持つ固相支持体を有する。 構築物をグループに分けるには、構築物を所定の密度を有する溶液中に入れると、最も低い密度を有するグループが溶液の上部まで上がって来る。 次にこれらの構築物を溶液から取り出せばよい。 その後、次に大きな密度を持つグループが溶液の上部に来るまで溶液の密度を高める。 以降、このプロセスをグループが分離されるまで繰り返す。

    【0033】 図1Cは構築物を異なるグループに分けるもう一つの例を示している。 図1C
    では、構築物は異なるタイプに分類される。 例えば、グループ1および2は密度によって分類され、グループ3は形状によって分類され、グループ4は大きさによって分類される。 さらに、グループ1および2の構築物は同一タイプ内で異なっている。 さらに詳しくはグループ1はグループ2とは異なる密度を有する。 次に種々の技術を用いて構築物をそれらの個々のグループに分けることができる。
    例えば、光学的検出を用いて大きさと形状の違いを決定してもよい。 密度の違いは、上述のように、異なる密度の溶液を用いて検出できる。 また、上述のように振盪法を用いてもよい。

    【0034】 固相支持体をグループに分類することの一つの利点は、各グループが異なるアッセイを用いて試験できることにある。 このように、種々のアッセイとともに使用できる一つのライブラリーを作製できるので、複数のライブラリーを構築する必要はない。 これは構築物の結合成分が固相支持体上で構築される様式を表す各グループの物理特性を割り当てることによって最良に達成される。 この原理を示すために、典型的な構築物10が図2Aに示されている。 構築物10は固相支持体12を含み、これに結合成分14、リガンドコード成分16、およびリガンド成分18が結合している。 結合成分14を一つだけ示しているが、これ以外の数および配置の結合成分も提供できることは明らかであろう。 例えば、結合成分はリガンドコード成分16とリガンド成分18の間に提供してもよい。 かかる構築物はPCT国際出願PCT/US97/05701に記載されており、この開示内容の全体は引用することにより本明細書の一部とされる。 構築物11のもう一つの例は図2Bに示されており、固相支持体12'と1対の結合成分13を含み、この結合成分を用いてリガンドコード成分15およびリガンド17に結合している。 かかる構築物は例えば米国特許第5,770,358号に記載されており、この開示内容の全体は引用することにより本明細書の一部とされる。 さらに本発明とともに使用できるその他のタイプの構築物も存在すると考えられる。 考察を便宜にするため、以下、構築物10と表記する。

    【0035】 構築物10の構築様式、特に結合成分の数、タイプおよび配置にもよるが、合成の後にリガンド成分18をスクリーニングするには種々のアッセイが必要とされる。 例えば直接結合アッセイ、菌叢アッセイ、溶液アッセイなどはいずれも、
    上記で引用することにより本明細書の一部とされたDaniolos, A. et al. Pigmen
    t Cells Res., 3, 38-43 (1990); Jayawickreme, CK, Proc. Natl. Acad. Sci
    . 91, 1614-1618;およびLam, Kit S., et al., "The 'One-Bead-One-Compound'
    Combinatorial Library Methods", Chem. Rev, 1997, 97, 411-448に概して記載されているような異なるタイプおよび/または配置の結合成分を使用するものである。菌叢アッセイでは、典型的にはアガロース溶液中の合成ビーズをメラニン保有細胞などの細胞を含むプレートに注ぐ。アガロースを固化した後、プレートを紫外線に曝してスキャンする。次に、立体顕微鏡を用いて応答領域上の個々のビーズを同定し、これを取り出す。直接結合アッセイでは、結合した標的を直接的視覚化(例えば、着色標的)によるか、または標的に共有結合させた酵素、放射性核種、蛍光プローブまたは色素などのリポーター群を用いて間接的に検出する。溶液アッセイでは、リガンドを固相支持体から液相へ切断し、ここで生物学的アッセイを実施することができる。かかるアッセイとしては、例えば、放射性標識されたリガンドを用いる競合受容体結合アッセイ、種々の酵素アッセイ、細胞に基づくシグナル変換アッセイ、抗菌アッセイ、抗ウイルスアッセイおよび抗癌アッセイが挙げられる。

    【0036】 典型的には、結合成分およびリガンドコード成分は合成プロセスの前に固相支持体12に結合させる。 このように、固相支持体12は結合成分の結合様式を同定するのに使用できる独自の物理特性を伴って提供される。 一度固相支持体が適当なリガンドコード成分と結合成分とともに提供されると、合成プロセスが進行して固相支持体へリガンド成分18が合成される。 以下にさらに詳細に記載するが、各グループが独立に評価できるように各々のグループの固相支持体へ同一セットのリガンドを合成することが好ましい。

    【0037】 ここで図3を参照すれば、構築物の処理方法の一例が示されている。 工程20
    で示されるように、各々同一セットのリガンドを有する複数のタイプの構築物がまさに記載のものと同様にして作製される。 工程22では、構築物はタイプに基づいて、すなわちそのグループに独自の共通した物理特性に基づいてグループに物理的に分離される。 一度構築物を物理的に分離すれば、各々のグループに対してアッセイを選択する。 アッセイのタイプは工程24で示されるようなグループに共通した物理特性に基づいて決定することができる。 工程26では、選択されたアッセイを各グループの構築物について実施してリガンドをスクリーニングする。 所望により工程27に示されるように、陽性の結果を示す構築物を解読してリガンドを同定する。

    【0038】 ここで図4を参照すれば、異なる物理特性によって定義される構築物のグループを有する化学ライブラリーを構築する方法の一例が示されている。 しかしながら、上述のように、本発明の分離技術は広範な構築物とともに使用できると考えられる。 図4のプロセスはある部分、上記で引用することにより本明細書の一部とされたPCT国際出願PCT/US97/05701、および上記で引用することにより本明細書の一部とされたH. Mario Geysen, et al., Isotope or Mass
    Encoding of Combinatorial Libraries, Chem. & Biol. III, No. 8, pp.679-6
    88, August 196に記載されている。 図4に示されているプロセスは複数のウェル30を有するプレート28を使用する。 示されているようにウェル30は10列10段に並べて計100ウェルとする。 図4に示されているように複数の固相支持体32は各々のウェル内に置く。 各々の固相支持体32は好ましくはすでに1
    以上の結合成分および1以上のリガンドコード成分を含む。 結合成分の結合様式は固相支持体の物理特性によって同定される。 図4Aに示されているように、ウェル30は参照番号P 〜P で示される4種の異なる密度を有する固相支持体32を含む。 もう一つのグループの固相支持体は他の固相支持体よりも著しく大きな大きさを有する。

    【0039】 固相支持体32の大きさは具体的用途によって異なり、約1μm〜約500μ
    lmの範囲の大きさであり得る。 各ウェル30は好ましくは各々のグループに完全なリガンドセットが確実にできるのに十分な各グループ由来の固相支持体を含む。

    【0040】 図4に戻って、ウェル30の各列は参照番号A 〜A 10で示され、10列の各々は参照番号B 〜B 10で示される。 これらの参照番号は各々のウェルに導入される特定の化学物質を模式的に示すために与えられるものである。 例えば、
    第1のウェルにおいて、各々の固相支持体は第1の2つの構成ブロックとしてA とB を受容する。 実施上、各々のウェルにどの化学物質が供給されるかを示す表を保持するのが好ましい。

    【0041】 第1の2つの構成ブロックが固相支持体上に合成された後、それらの固相支持体をプール34に移行して、そこでそれらを十分に混合する。 混合後、プール3
    4内の固相支持体を通常10個の反応容器36に等分する。 各々の反応容器36
    を参照番号C 〜C 10で模式的に示す。 これらの参照番号は関連の反応容器3
    6に加えられる第3の構成ブロックを示す。 図4Bに示されているように、反応容器36の数はウエル30の数の10分の1であるので、各反応容器は約10倍の数の固相支持体32を受容する。 10×10の出発マトリックス+1×10の最終マトリックスで示されるが、他の種々の大きさのマトリックスが使用できることは明らかであろう。 例えば、最終マトリックスも10×10のマトリックスであってよい。

    【0042】 第3の構成ブロックを各々の固相支持体上に合成した後、固相支持体をスクリーニングして陽性結果を決定することができる。 実施されるスクリーニングのタイプはその構築物が属するグループによって異なる。 従って、各々の反応容器3
    6内で固相支持体をスクリーニングする前に、各グループの共通した物理特性に基づいて固相支持体をグループに物理的に分ける。 固相支持体32を個々のグループに分ける場合、それらの反応容器36に対する固相支持体32のつながりが維持されているので、最後の構成ブロックは依然として同定可能である。

    【0043】 固相支持体32をそれらのカテゴリーに分ける方法の一例は、まず反応容器3
    6を振盪し、次にビーズ・ピッカーを用いて他の構築物の上に来るより大きな固相支持体を取り出す。 次に各々の反応容器36に溶液を導入して、最小密度の構築物を液体の上部に上がってくるようにする。 これらは上層から取り除くことができ、溶液の密度を高めて次の構築物が上部に上がって来るようにする。 このプロセスを総ての構築物がグループに分離されるまで繰り返す。

    【0044】 次に各々のグループを特定のグループに好適なアッセイを用いてスクリーニングしてもよい。 陽性の結果が認めれれば、固相支持体上のリガンドコード成分を用いて第1の2つの構成ブロックを同定すればよく、第3の構成ブロックはそれが取り出される反応容器36に基づいて決定される。 このように、リガンドは当技術分野で公知の技術を用いて容易に同定され得る。

    【0045】 本発明のもう一つの適用は、2つ以上の異なるライブラリーを組み合わせてプロセスにおける次の工程をより有効にすることができ、同時に所定の構築物が由来するライブラリーを同定することができることである。 例えば、2つ以上のライブラリーはスクリーニング前に組み合わせて図5に示されているようにスクリーニングプロセスをより有効にすることができる。

    【0046】 このプロセスは2つ以上の異なるライブラリーを準備することで始まる。 なお、便宜に表示するためにライブラリーAおよびNを示す。 一般にライブラリーが異なれば方法は異なる。 例えば、これらのライブラリーは、一方のライブラリーの構成ブロックおよび/または化学物質が他方のライブラリーとは異なるという点で異なり得る。 他の例としては、ライブラリーはそれらが異なる時点で作製されたという点で異なる。 さらに他の例としては、リガンドコード表示はライブラリー間で異なる。 さらに他の例としては、ライブラリーはライブラリー内の共通したリガンドセットを除いて異なるものであってもよい。

    【0047】 工程50に示されているように、総てのライブラリーを組み合わせて混合する。 工程52に示されているように、次に全ライブラリーを陽性結果に関してスクリーニングする。 1以上の陽性結果が認められる場合、その陽性を示した構築物の物理特性を評価して、工程54に示されているように構築物が由来するライブラリーを決定する。 このように、複数のライブラリーである最初のスクリーニングを実施して大量の構築物をスクリーニングするのに要される時間と労を軽減する。

    【0048】 以上、理解を明確にする目的で本発明は詳細に説明されている。 しかし、本発明の範囲内である種の変更や改変が実施できると考えられる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1A】 本発明の大きさが異なる4つのグループの構築物の模式図である。

    【図1B】 本発明の密度が異なる4つのグループの構築物を示す。

    【図1C】 本発明の、4つのグループのうちの少なくともいくつかで密度、形状、および大きさが異なる4つのグループの構築物を示す。

    【図2A】 本発明の構築物の一例の模式図である。

    【図2B】 本発明の他の構築物の模式図である。

    【図3】 本発明の化学ライブラリー評価法の一例の模式図である。

    【図4】 本発明の化学ライブラリー製造法のプロセスの模式図である。

    【図4A】 図4の個々のウェルの拡大図である(ラインA)。

    【図4B】 図4の反応容器の拡大図である(ラインB)。

    【図5】 本発明の2つ以上の異なるライブラリーの組合せとその後の評価を示す模式図である。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 エイチ. マリオ、ギーセン アメリカ合衆国ノースカロライナ州、リサ ーチ、トライアングル、パーク、ピー. オ ー. ボックス、13398、ファイブ、ムーア、 ドライブ、グラクソスミスクライン内 Fターム(参考) 2G045 AA40 FA11 FA34 FA36 GC06 GC08 GC09 GC12 4B063 QA01 QA18 QQ20 QR74 QS15 QX01 QX02 4G075 AA22 AA39 BA05 BA10 CA12 CA42 CA80 DA01 4H006 AA02 AC90 AD10

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