分散有機溶媒中の水分離器具及び水分離方法

申请号 JP2004570725 申请日 2003-11-28 公开(公告)号 JPWO2004050209A1 公开(公告)日 2006-03-30
申请人 和光純薬工業株式会社; 武田薬品工業株式会社; 发明人 デイヴィッド・ゴドウィン・コーク; 国久 井上; 国久 井上;
摘要 本発明は、 水 分散有機溶媒中の目的物が吸着されたり、汚染されたりしないと共に、短時間で且つ水分散有機溶媒の比重に拘わらず水を分離除去し得る水分散器具及び水分離方法を提供するものであり、筒状体の下端から上端までの間の立上り面に水分離膜を設け、該水分離膜で水分散有機溶媒を濾過することによって、水を分離して有機溶媒を通過させるように構成したことを特徴とする。
权利要求
  • 筒状体の下端から上端までの間の立上り面に水分離膜を設け、該水分離膜で水分散有機溶媒を濾過することによって、水を分離するように構成したことを特徴とする水分離器具。
  • 前記筒状体は、下端が閉鎖し上部に水分散有機溶媒注入口を有する請求項1記載の水分離器具。
  • 前記筒状体を、下部に水分離後の有機溶媒排出口を有する外筒内に位置させた請求項2記載の水分離器具。
  • 前記筒状体上端部を大径に形成し、該筒状体を前記外筒に嵌合させて、前記大径部で外筒上端に係止させる請求項3記載の水分離器具。
  • 前記筒状体側面若しくは底面を下端に向けて先細の斜面に形成し、該斜面に形成した開口に前記水分離膜を固定する請求項1〜4のいずれかに記載の水分離器具。
  • プレートに凹部として複数の外筒を間隔付けて形成し、該外筒に前記筒状体を嵌合させる請求項5に記載の水分離器具。
  • 前記水分離膜が、疎水性で有機溶媒不溶性のメンブランフィルターである請求項1に記載の水分離器具。
  • 前記メンブランフィルターが、テフロン(登録商標)製である請求項7に記載の水分離器具。
  • 前記メンブランフィルターのポアサイズが、0.1〜2μmである請求項8に記載の水分離器具。
  • 前記筒状体と外筒とは、金属、ガラス又はプラスチックスから形成される請求項1に記載の水分離器具。
  • 筒状体の下端から上端までの間の立上り面に設けた水分離膜で、水分散有機溶媒を濾過することによって、水を分離するように構成したことを特徴とする水分離方法。
  • 前記筒状体を、下端が閉鎖し上部に水分散有機溶媒注入口を有するように形成し、該筒状体を下部に水分離後の有機溶媒排出口を有する外筒内に位置させ、水分離後の有機溶媒は、筒状体の内側から外側に通過させる請求項11記載の水分離方法。
  • 前記筒状体側面若しくは底面を下端に向けて先細の斜面に形成し、該斜面に形成した開口に前記水分離膜を固定する請求項12に記載の水分離方法。
  • 前記水分散有機溶媒は、有機化学反応における反応液又は反応後処理液である請求項11に記載の水分離方法。
  • 说明书全文

    この発明は、分散有機溶媒中から水を分離除去する水分離器具及び水分離方法に係り、詳記すれば、有機溶媒中に存在する、主として有機化学反応により生成した水及び後処理に用いた水を除去するための水分離器具及び水分離方法に関する。

    有機化合物を製造する際に行われる工程では、反応により水が副生したり、水を用いて抽出、洗浄する等水を用いた後処理を行う場合が多い。 そのため、有機化合物を単離するには、分液や脱水等により水を除去する処理が必要であった。
    このような水を除去する脱水処理として、従来は、分液ロートを用いて分液するか、若しくはぼう硝やゼオライト等の脱水剤を充填したシリンジカラムに、試料(水分散有機溶媒)を通過させ、水を脱水剤に吸着させることにより行っていた。
    しかしながら、上記従来法は、次のような問題点があった。
    即ち、分液ロートでは、多数の被処理液(水分散有機溶媒)を同時並行処理(ハイスループット処理)できない。
    脱水剤を用いた場合では、(1)被処理液中の目的物の脱水剤への非特異的吸着により目的物の測定娯差(目的物の吸着による収率の低下)を招来する。 (2)非特異的吸着の程度がロット間で異なるため、ロット間で目的物の測定誤差が生じる。 (3)被処理液を処理するための時間がロット間により異なるので、自動化への適用に不向きである。 (4)カラムに吸着された目的物を流出させるために溶媒を使用する必要があり、その結果処理に長時聞を必要とする。 (5)脱水剤からの流出物により、被処理液が汚染され、目的物の純度低下をもたらす揚合が生じる。
    また、その下部の平坦な部分にフィルターを取り付けたチューブ(シリンジ)を用いて、有機層と水層を分離する方法もなされていたが、この方法では水より比重が重い有機層を含有する被処理液しか使用することができないという問題点を有していた。
    この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、被処理液である水分散有機溶媒中の目的物が吸着されたり、汚染されたりしないと共に、短時間で水を分離除去し、有機層の比重によらずに水分離を可能とし、且つ多数の被処理液を同時に処理することができるハイスループット処理に用いることができる水分離器具及び水分離方法を提供することを目的とする。

    上記目的に沿う本発明の構成は、筒状体の下端から上端までの間の立上り面に水分離膜を設け、該水分離膜で水分散有機溶媒を濾過することによって、水を分離するように構成したことを特徴とする。
    筒状体を、下端が閉鎖し上部に水分散有機溶媒注入口を有するように形成し、更には該筒状体を下部に試料排出口を有する外筒内に位置させ、水分離後の有機溶媒は、筒状体の内側から外側に通過させるのが好ましい。
    筒状体上端開口部を大径に形成し、該筒状体を前記外筒に嵌合させて、前記大径部で外筒に係止するように構成し、筒状体を着脱自在に分離し得るようにするのが、容易に洗浄できることから好ましい。 更に、このような場合外筒上部に空気抜き穴を有するようにするのがより好ましい。
    筒状体側面若しくは底面を下端に向けて先細の斜面に形成し、該斜面に形成した開口に前記水分離膜を固定するのが好ましい。 このようにすることによって、筒状体上端部を外筒に密に嵌合させても濾過された有機溶媒をスムーズに流出させることができると共に濾過面積を大きくすることができる。 尚、水分離膜を筒状体底面の位置に達するように構成すれば、水より比重の大きい有機溶媒も除去することができ、被処理液(水分散有機溶媒)中の有機溶媒の比重に拘わらず、水と有機溶媒の分離を容易に行うことが可能となる。
    プレートに凹部として複数の外筒を間隔付けて形成し、該外筒に前記筒状体を嵌合させて水分離器具を形成するのが、多数の被処理液(水分散有機溶媒)を同時並行処理(ハイスループット処理)する水分離器具として好ましい。 この場合、内筒も複数連接するように構成するのが、濾過器の組立て、洗浄作業が容易となることから好ましい。
    水分離膜としては、疎水性で溶媒不溶性のメンブランフィルターを使用するのが良く、メンブランフィルターとしては、テフロン(登録商標)製であるのが好ましい。
    メンブランフィルターのポアサイズは、0.1〜2μmであるのが好ましい。
    筒状体と外筒とは、金属、ガラス又はプラスチックスから形成するのが好ましい。
    本発明の水分離方法は、筒状体の下端から上端までの間の立上り面に設けた水分離膜で、水分散有機溶媒を濾過することによって、水を分離して有機溶媒を通過させるように構成したことを特徴とする。
    本発明の水分離方法は、更に筒状体を、下端が閉鎖し上部に水分散有機溶媒注入口を有するように形成し、該筒状体を下部に水分離後の有機溶媒排出口を有する外筒内に位置させ、被処理液(水分散有機溶媒)は、筒状体の内側から外側に通過させるのが、分離操作を良好に行えることから好ましい。 また、前記被処理液を筒状体の内側から外側に通過させるのは、自然落下が好ましい。
    被処理液としての水分散有機溶媒は、有機合成における反応液又は反応後処理液であるのが好ましい。 尚、ここでいう反応後処理液とは、反応液に不純物等を取り除くための処理をした反応液のことであり、例えば水や水溶液等を加えて有機溶媒中に溶けている水に可溶な不純物を取り除いた処理液等である。
    要するに本発明は、筒状体の側面若しくは斜面のような立上り面に水分離膜を設けることによって、水が下端に沈んでも立上り面から支障なく有機溶媒を通過させることができるようにしたことを要旨とするものである。 通常のフィルターのように、平坦な底面に水分離膜を設けたのでは、水が水分離膜を覆うので、有機溶媒は濾過し得ない。 しかして、本発明の如くして立上り面に疎水性メンブランフィルターを使用して有機溶媒から水を分離することは、従来全く行われていない。 また、本発明によれば、有機溶媒の比重に関係なく全ての有機溶媒を水と分離することが可能となる。
    尚、本発明で立上り面というのは、下端から上昇している面を意味するものであり、例えば側面、側面若しくは底面を先端に向けて下降傾斜させた斜面等を意味する。
    また、本発明で水を分離するというのは、完全に水を除去するということではなく、大部分の水を除去する意味であり、有機溶媒中に溶けている水は分離できないので、有機溶媒中から目的物を単離するのに支障が無い程度の若干の水が含有されていても許容される意味である。
    本発明の水分離器具を用いて水を分離して得た有機溶媒の回収率は、有機溶媒の水への溶解度がその種類によって異なるため、用いられる有機溶媒によってその値は若干変動するが、通常90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上である。

    図1は、本発明の一実施例を示す斜視図である。
    図2は、外筒に内筒を遊嵌させた状態の(a)平面図、(b)断面図である。
    図3は、本発明の内筒の他の実施例を示す斜視図である。
    図4は、本発明の内筒の他の実施例を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
    図5は、本発明の外筒の他の実施例を示す(a)正面図、(b)平面図、(c)側面図である。
    図6は、本発明の他の実施例を示す断面図である。
    図7は、本発明の他の実施例を示す断面図である。
    図8は、本発明の他の実施例を示す断面図である。

    次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
    図1は、本発明の一実施例を示すものであり、下端が閉鎖し上端が開口した筒状体1の外周には、対向して下方に細長い長孔(スリット)2が形成され、同長孔2には、水分離膜3が固定されている。 同長孔2は、筒状体1底面から、所定の高さLに形成され、底面から長孔に達するまでの水収容部4を形成している。 この高さLは、分離する水の量に応じて、所定の長さに設定すると良い。 尚、常圧では水は水分離膜を通過しないので、Lはゼロであっても良い。
    筒状体1は、下端が漏斗状に形成された有機溶媒排出口5を有する外筒6に遊嵌し、筒状体1上端に形成されたフランジ7で外筒6上端フランジ8に当接係止するようになっている。 また、外筒6には、空気抜き用の穴9(空気抜き穴)が設けられているが、これは自然落下により水分散溶媒と水とを分離する際に必要となるもので、これによりろ過された有機溶媒のスムーズな流出を可能とする。
    図2に示すように、筒状体1と外筒6とは、水分離膜3と外筒6の間で液が通る程度の隙間を有するように形成されている。 外筒の役目は濾過された有機溶媒をスムーズに流出させるためであり、これを用いることにより、有機溶媒が蒸発してフィルター上に結晶等が析出するのを防止できると共に有機溶媒の飛散を防止し夾雑物の混入を無くすことも可能となる。
    上記水分離器具は、筒状体1の内側から外側へ被処理液を通過させることによって、水を分離するものである。 外筒の底面開口に内筒を立設させ、内筒の外側(内筒と外筒との間)から内側へ水を通過させ、外筒底面開口から濾過した有機溶媒を排出させるようにしても良いが、上記図に示すようにするのが、筒状体と外筒とを容易に分離し得るように形成できることから好ましい。
    本発明における被処理液は、有機溶媒若しくは親油性溶媒、油等に水が混在したもの全てが含まれるが、特に実験室での有機合成または無機合成に於ける反応液(水分散有機溶媒)が好適である。 特に有機合成における反応液、中でも反応中又は反応後に水を添加した反応液の処理に好適である。 尚、水分散有機溶媒には、サラダ油、てんぷら油等の油類も含まれ、このようなものに対して本発明の筒状器具を用いることにより、油を捨てずに水のみを捨てることもできるので、本発明は環境を配慮した器具ということもできる。
    本発明における被処理液となり得る有機溶媒としては、水に不溶の有機溶媒であればよく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、ヘキサン、エーテル等が挙げられる。 酢酸エチル、ヘキサン、エーテル等の水より比重が軽いものが特に効果的である。 また、水より比重の重いもの、例えばジクロロメタン、クロロホルム等も分離可能である。
    水分散有機溶媒とは、水と有機溶媒が混在し且つ分離しているものであればよく、具体的には水層と有機層に分かれているもの等が好ましい。 また、水と有機溶媒の量の比は、何れが多くても差し支えない。
    本発明でいう水としては、通常の水だけでなく、上記有機溶媒に溶解しない親水性溶液、即ち有機溶媒と親和性を有さない水溶液全てが含まれる。
    図3は、本発明の筒状体の他の実施例を示すものであり、分離速度を早めるため、筒状体1外周に多数のスリット(長孔)2を交互に上下に形成し、その上面を水分離膜(図示省略)で覆っている。 このように形成すると、強度的に強く且つ濾過速度を早めることができる。
    上記実施例では、筒状体にスリットを形成しているが、これは格子状の開口部であっても或は網状の開口部であっても良く、開口部の形状は特に限定されない。
    図4及び図5は、本発明の他の実施例を示すものであり、内筒(筒状体)1′と外筒6′とからなる濾過器を多数連設して連設濾過器を形成している。
    連設内筒は、図4に示すように、下端が閉鎖し、上端部が大径の試料注入口11に形成された筒状体(四形)1′を横方向に多数(8個)連設し、1側部は先端が先細になるように斜辺(下降傾斜面)に形成され、同斜辺に形成された開口に水分離膜3′を貼設することにより構成している。
    連設外筒は、図5に示すように、プレート(四角形)10に凹部として下端が漏斗状有機溶媒排出口5′に形成された筒状体(四角形)6′を、縦方向と横方向に間隔付けて多数(縦方向に8個、横方向に6個)形成することにより構成している。 尚、上記実施例では、有機溶媒排出口5′は、プレート10下面から若干突出している。
    上記実施例では、図5の連設外筒の上端開口(内筒収納部)12に、図4の連設内筒を縦方向に全部で6列嵌合させて連設濾過器を形成するようになっている。
    上記水分離器具は、多数の濾過器が連設されているので、多種の有機溶媒試料を同時に水分離するのに適している。 また、水分離膜(フィルター)3′が斜めに設置(接着)されているため、試料とフィルターの接触面が大きくなっているから、分離時間を短縮することができる。 更に、該フィルターを立上り面下端の位置まで設置(接着)すれば、比重が水より重い有機溶媒の分離効率を向上させることが可能となる。
    図6〜図8は、本発明の他の実施例を示すものである。 図6は、立上り部がV字形になるように内筒6両側面が傾斜した例を示すものであり、図7は内筒両側面下部が、V字形の立上り面になるように傾斜した例を示すものであり、図8は底面に山形の凸状立上り部を複数(単一でも勿論良い)形成した例を示すものである。 尚、図6及び図7のV字形の立上り面と図8の山形の立上り面には、水分離膜3,3が貼着されている。
    本発明に使用する水分離膜は、溶媒不溶性且つ水不透過の疎水性のものであればよい。 具体的には、メンブランフィルターが好ましく、中でも疎水性の材質からなるものが好ましく、例えばポリプロピレン製やテフロン(登録商標)製のメンブランフィルターが特に好ましく、テフロン(登録商標)製のメンブランフィルターが最も好ましい。 メンブランフィルター以外でも、例えば、溶媒不溶性の繊維の表面に、疎水性となるようにシリコーン若しくはテフロン(登録商標)を吹き付けて加工した水分離膜を使用することもできる。
    メンブランフィルターを用いる場合、そのポアサイズは、通常0.1〜2μm、好ましくは0.2〜1μm、特に好ましくは0.5〜1μmである。 ポアサイズは大きすぎると水が透過してしまい、小さすぎると流速が低下し処理時間が長くなる。
    水分離膜は、筒状体(内筒)の内面に固定しても外面に固定しても良いが、作成の容易さから外面に固定するのが好ましい。
    筒状体1,1′及び外筒6,6′の材質は、金属、ガラス、プラスチック(ポリプロピレン、ポリエチレン等)等の試料(有機溶媒溶液)に溶解しない適当な材質から作ることができるが、特にプラスチックから形成するのが好ましい。
    次に、本発明の水分離器具を使用して実際に有機合成の反応液から水を分離した実施例を示す。 尚、使用した水分離膜は、ポアサイズ1μmのテフロン(登録商標)製メンブランフィルター(日本ポール株式会社からTF(PTFE)1000の商品名で市販されている)である。
    実施例 1(内筒5ミリリットルの水分離器具を化合物ライブラリーの合成に用いた例)

    24種類のアルキルカルボン酸(

    1a−x )のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(0.072mmol)溶液を、24個の反応容器に順次入れた。 続いて、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)(13.8mg,0.072mmol)と4−(N,N−ジメチル)アミノピリジン(DMAP)(4.4mg,0.036mmol)のDMF溶液(0.72ml)とを加え、さらに、一種類のアルキルアミン(

    2a )(0.06mmol)のDMF(0.5ml)溶液を室温で順に加え、室温で16時間攪拌した。 同様の操作を他の3種類のアミン(

    2b−d )についても行い、合計96種類の反応を同時に行った。 それぞれの反応液を酢酸エチル(3.5ml)で希釈し、水(2ml)を加え、攪拌し、静置した。 分注機を用いて下層の大部分を除去し、再び、5%クエン酸水溶液(2ml)を加え、攪拌し、静置した。 分注機を用いて下層の大部分を除去し、水(2ml)を加え、攪拌し、静置した。 分注機を用いて下層の大部分を除去し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(2ml)を加え、攪拌し、静置した。 分注機を用いて下層の大部分を除去し、再び、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(2ml)を加え、攪拌し、静置した。 分注機を用いて下層の大部分を除去し、水(2ml)を加え、攪拌し、静置した。 酢酸エチル層部分を水層部分と共に図1及び図2に示すような本発明の水分離器具を通して、水層部分を除去し、水分がほとんどない酢酸エチル層部分をバイアルに得た。 この酢酸エチル層の一部(0.002ml)を水とアセトニトリルの1対1の混合溶液(1ml)で希釈して、LC−MSを測定し、それぞれの化合物の純度と構造を確認した。 減圧下溶媒を留去した後、目的化合物

    3(a−d)(a−x)を得た。


    実施例 2(内筒60ミリリットルの水分離器具を合成に用いた例)


    化合物4(3.52g,12mmol)のDMF(40ml)溶液に、氷冷下水素化ナトリウム(576mg,14.4mmol)を加え、そのまま室温で15分間撹拌した。 続いて、氷冷下臭化ベンジル(2.46g,14.4mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。 減圧下DMFを留去した後、酢酸エチル(50ml)と水(30ml)を加え、10分間撹拌した後静置した。 下層の大部分を吸い上げて除去した後、0.1N HCl水溶液(20ml)を加え、10分間撹拌した後静置した。 同様の方法で下層を除去した後、水(30ml)を加え、10分間撹拌した後静置した。 同様の方法で下層の大部分を除去した後、残りの溶液を本発明の水分離器具を通して、水層部分を除去し、水分がほとんどない酢酸エチル層を得た。 減圧下溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物

    5aを3.00g,収率65%で得た。 上記の操作は、8種類の臭化物試薬(

    5a−h )を用いて並行して行い、対応する

    6a−hをそれぞれ得た(2.9〜4.8g,57〜99%)。

    水5mlと各種有機溶媒5mlとを混合した分散液を、本発明の水分離器具に通して、有機溶媒と水の分離を行った。 有機溶媒は、酢酸エチル、ヘキサン、ジエチルエーテル、クロロメタン及びクロロホルムの5種類を用いた。
    その結果、得られた有機溶媒量は、4.6〜4.9mlの範囲であった。 尚、溶媒の種類によっては、多少有機溶媒が内筒と外筒の間に残存することもあり、また、溶媒中に水分が若干溶解している(通常は1%以下、最大5%程度)場合もあった。
    以上の結果から、本発明の水分離器具を用いれば、ほとんどの水を除去することができ、高い回収率(約90%以上)で有機溶媒が得られることが分かった。
    本発明によれば、筒状体の立上り面に設けた水分離膜で、水分散有機溶媒を濾過することによって、水が下端に沈んでも、有機溶媒中の水を支障無く分離できる。

    本発明によれば、水分離膜を筒状体の立上り面に設けることによって、水分散有機溶媒中の有機溶媒の比重に拘わらず水分散有機溶媒中から支障無く水を分離できるので、特に多数の被処理液を同時に処理することができるハイスループット処理で有機溶媒含有反応液から水を分離する装置として、広く普及することが期待される。

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