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申请号 | JP2006505983 | 申请日 | 2004-03-18 | 公开(公告)号 | JP4744433B2 | 公开(公告)日 | 2011-08-10 |
申请人 | エレクトロフォレティクス リミテッド; | 发明人 | アンドリュー・トンプソン; カルステン・クーン; クリスチャン・ハモン; ディーター・ロイシュリンク; ユルゲン・シェーファー; | ||||
摘要 | |||||||
权利要求 | 1つ以上の遊離アミノ基を含む分子を質量分析装置で特徴決定する方法であって、 (a) 分子中の1つ以上の遊離アミノ基は、アミノ基と反応可能な反応性官能基、及び反応性官能基と結合する3級アミノ基を含む質量タグ試薬と反応すること、及び(b) 分子を質量分析装置で特徴決定することを含み、 前記質量タグ試薬が次の化学式の1つを有する化合物から選択されることを特徴とする分子を質量分析装置で特徴決定する方法。 R 3 は、水素及びアルキル基から選択され、R 4 はアルキル基であり ; nは、0、1又は2の整数であり; 反応性官能基RFは、 アミノ基と反応可能であり、かつ炭酸類、アルケニルスルホン類、ハロアルカン類、マレイミド類、イソシアネート類、イソチオシアネート類、ケトン類、アルデヒド類、スルホン酸ハライド類、カルボン酸ハライド類の活性エステル、酸無水物エステル類 、アルケン類、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、ヒドロキシアザベンゾトリアゾールエステル、ニトロフェニルエステル、トリクロロフェニルエステル、及びペンタフルオロフェニルエステルから選択され; 並びに リンカーLは、アルキレン 基である 。 R 1 、及びR 2は、それぞれ独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、 及びシクロヘキシ ルから選択される請求項1に記載の方法。 R 3 、及びR 4 は 、それぞれ独立して水素、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基から選択される請求項1又は2に記載の方法。 nは、2である請求項1から3のいずれかに記載の方法。 RFは、炭酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、ヒドロキシアザベンゾトリアゾールエステル、ニトロフェニルエステル、トリクロロフェニルエステル、及びペンタフルオロフェニルエステルから選択される請求項1から4のいずれかに記載の方法。 Lは、置換又は未置換‐(CH 2 ) n ‐(式中nは1から5の整数)である請求項1から5のいずれかに記載の方法。 Lは、‐CH 2 ‐及び‐(CH 2 ) 3 ‐から選択される請求項6に記載の方法。 質量タグ試薬は、ジメチルアミノグリシンのエステルである請求項1から7のいずれかに記載の方法。 質量タグ試薬は、変更した同位体比を有する請求項1から8のいずれかに記載の方法。 次の原子タイプ、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、及びハロゲンの1つ以上の同位体比が、質量タグ試薬によって変更される請求項9に記載の方法。 同位体比は、 1 Hの一部、又は全部が 2 Hに、 12 Cの一部、又は全部が 13 Cに、 16 Oの一部、又は全部が 18 Oに、及び/又は 14 Nの一部、又は全部が 15 Nに置き換えられることで変更される請求項10に記載の方法。 分子は、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、アミノ酸、又は上記の誘導体を含む請求項1から11のいずれかに記載の方法。 方法が、 (a) 分子中の遊離アミノ官能基を質量タグ試薬で標識、 (b) 配列特異的切断試薬で分子を切断して切断産物を生成、 (c) 切断試薬により分子中に形成された遊離アミノ基を第2の質量タグ試薬を用いて標識、及び (d) 質量分析装置で得られた切断産物を分析 を含む請求項12に記載の方法。 分子の複数性が質量分析装置で解析され、前記解析は、少なくとも1つの分子の定量解析を含む請求項1から13のいずれかに記載の方法。 各分子の同定及び定量が質量分析装置で行えるように、複数の分子の各々は相違する同位体標識質量タグ試薬で標識される請求項14に記載の方法。 質量分析装置で特徴決定される標識分子用質量タグ試薬であって、前記質量タグ試薬が次の式の1つを有する、 R 3 は、水素及びアルキル基から選択され、R 4 はアルキル基であり ; nは、0、1又は2の整数であり; 反応性官能基RFは、アミノ基と反応可能であり、かつ炭酸類、アルケニルスルホン類、ハロアルカン類、マレイミド類、イソシアネート類、イソチオシアネート類、ケトン類、アルデヒド類、スルホン酸ハライド類、カルボン酸ハライド類の活性エステル、酸無水物エステル類、アルケン類、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、ヒドロキシアザベンゾトリアゾールエステル、ニトロフェニルエステル、トリクロロフェニルエステル、及びペンタフルオロフェニルエステルから選択され;並びに リンカーLは、アルキレン基である。 R 1 、及びR 2 は、それぞれ独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、及びシクロヘキシルから選択される請求項16に記載の質量タグ試薬。 R 3 、及びR 4 は、それぞれ独立して水素、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基から選択される請求項16から17のいずれかに記載の質量タグ試薬。 nは、2である請求項16から18のいずれかに記載の質量タグ試薬。 RFは、炭酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、ヒドロキシアザベンゾトリアゾールエステル、ニトロフェニルエステル、トリクロロフェニルエステル、及びペンタフルオロフェニルエステルから選択される請求項16から19のいずれかに記載の質量タグ試薬。 Lは、置換又は未置換‐(CH 2 ) n ‐(式中nは1から5の整数)である請求項16から20のいずれかに記載の質量タグ試薬。 Lは、‐CH 2 ‐及び‐(CH 2 ) 3 ‐から選択される請求項16から21のいずれかに記載の質量タグ試薬。 質量タグ試薬が、変更した同位体比を有する請求項16から22のいずれかに記載の質量タグ試薬。 次の原子タイプ、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、及びハロゲンの1つ以上の同位体比が、変更された請求項16から23のいずれかに記載の質量タグ試薬。 同位体比が、 1 Hの一部、又は全部が 2 Hに、 12 Cの一部、又は全部が 13 Cに、 16 Oの一部、又は全部が 18 Oに、及び/又は 14 Nの一部、又は全部が 15 Nに置き換えられることで変更される請求項24に記載の質量タグ。 質量分析装置で特徴決定される1つ以上の分子を標識する質量タグアレイであって請求項16から25のいずれかに定義される質量タグを2つ以上含むことを特徴とする質量タグアレイ。 アレイ中の全質量タグは同じ化学構造を有し、アレイの各質量タグが違う質量を有するようにアレイ中の各質量タグはアレイ中の他の質量タグのアイソトポマーである請求項26に記載の質量タグアレイ。 請求項16から27のいずれかに定義されるような質量タグを1つ以上、及び陽イオン交換樹脂を含むことを特徴とする標識検体分子精製用キット。 前記キットは、検体分子にタグを連結するための反応バッファー、陽イオン交換樹脂を洗浄するためのバッファー、及び陽イオン交換樹脂から標識ペプチドを溶出するためのバッファーから選択される1つ以上の成分を更に含む請求項28に記載のキット。 |
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说明书全文 | 本発明は、標識生体分子の精製、検出、及び分析(定量分析を含む)を支援するマーカーを用いて、不揮発性検体分子、特に生体分子を標識する方法に関し、特に、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)、及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)質量分析による分析に関する。 詳細には、本発明は、天然又は合成生体分子中のアミノ基を標識可能な活性官能基に結合した3級アミノ化合物に関する。 質量分析装置は、タンパク質及びペプチド同定、及び構造分析の強力なツールである。 マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置(MALDI TOF MS)は、ペプチドマスフィンガープリンティングにおいて、2次元ゲルを用いて分離したタンパク質を同定するための強力なツールとなっている(非特許文献1〜3)。 一方、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に連結したエレクトロスプレーイオン化(ESI)−タンデム質量分析計(MS/MS)は、複合タンパク質混合物の消化産物を分析するための好ましい技術として頭角を現している。 この方法は、特に、ペプチドの分離及び単離技術のための新しい技術、例えば、ICAT法(非特許文献4〜6)及びMudPIT法(非特許文献7〜10)等と組み合わせて用いられる。 ESI及びMALDIにより分析されたペプチドの配列情報は、プロトン化分子の衝突誘起解離(CID)後の生成イオンスペクトルからタンデム質量分析装置による分析で得ることができる。 しかしながら、ESI−MSは、より良いMS/MSスペクトルを生成する傾向があるため、ペプチド同定に特に有用である。 これは、ESI法の多くの特徴により有用となる。 ESIによるイオン化は、形成されたイオンに非常に少量の運動エネルギーを与える。 更に、大気圧イオン源が衝突によりイオン温度を急速に均衡にする。 これにより、イオンの加速を制御して正確な量の運動エネルギーを与えることができる。 更に、低エネルギーCIDに制御環境を提供する専用衝突セルを備えるタンデム質量分析器にESIを連結することは通例である。 同様に、高い操作圧力を有するイオントラップ、及びイオンの選択的活性化もまた制御したCID条件を提供する。 対照的に、MALDIは、ほぼ真空下で高エネルギーイオンを発生し、概してESIと異なるメカニズムで切断化をおこす。 また、MALDI測定器に衝突セルを有することは希であり、衝突セルを有する少数の測定器においては、対応するESI測定器よりも高い衝突エネルギーで操作される。 その上、一般的に1価のイオンしか生成しないMALDI(非特許文献11)よりも高い電荷状態で、ESIはイオンを発生する(非特許文献12)。 このことはより多くのイオンが、機器の機能範囲で分析可能となること、そして、より高い電荷状態のペプチドは複数のイオン群を生じさせるので、よりよいCIDスペクトルを概して与えることを意味し(非特許文献13)、このことは、より多くの配列情報とペプチドの両末端の配列情報とを提供することにつながる。 CIDにおいてペプチドが切断する現在認容されたモデルは次のとおりであるまずペプチド骨格がプロトン化し、続いてプロトン化したアミドのカルボニル部分をそのペプチド鎖中の次のN末端側のカルボニル残基が求核攻撃し、比較的に安定なオキサゾロンが形成され、その結果アミド結合が切断するに至り(非特許文献14及び15)2つの主な断片イオンシリーズ、それぞれbタイプ(N末端残留物を含む)及びyタイプ(C末端残留物)が得られる。 より高い電荷状態は、両方のイオンクラスの形成を促進し、ペプチド配列を完全に解明する可能性を高める。 しかしながら、MS/MSによりペプチド配列を決定するには、沢山の落とし穴がある。 例えば、bシリーズイオンは、カルボニル成分を失い、aタイプイオンと呼ばれるイオンシリーズを生成する可能性がある。 更に、ペプチドのCIDの問題として、異性体の(ロイシン及びイソロイシン)、又は同重体の(リジン及びグルタミン)アミノ酸の同定がある。 しかしながら、ペプチド類の化学修飾は、MS/MS分析の結果を向上できることが示された。 例えば、リジンの誘導体化によってグルタミンが区別可能になる。 (非特許文献16及び17)。 ペプチドのα−アミノ官能基のスルホン酸誘導体は、アスパラギン酸及びグルタミン酸を含むペプチド類等のイオントラップにおいて一般的に低いMS/MSスペクトルを与えるある種のペプチドについて、MALDI−イオントラップ型ペプチド分析で切断効率が上昇し、それによりスペクトルの改善が認められる(非特許文献18)。 強力な酸性官能基は、MALDIにおいて1価の電荷を有するペプチド類のアミド主鎖のプロトン付加を促進するために、切断効率の増加をもたらす。 また、ペプチドのスルホン酸誘導体は、陰イオンモードESI−MSの感度を向上することが示されている(非特許文献19)。 ペプチドのアミノナフタリンスルホン酸誘導体は、[M−H − ]イオンを効率良く生成するために、陰イオンモードにおける低いノイズレベルを利用することを可能ならしめ、結果として非常に高い感度を与える。 4級アンモニウム誘導体化試薬は、ペプチド分析のための高速原子衝撃法(FAB)(非特許文献20)、MALDI TOF(非特許文献21)、及びESI(非特許文献22)を含む多くの質量分析技術でテストされてきた。 一般的に、感度はFAB、MALDI、又はESIでは4級アンモニウム誘導体化によって著しい向上がなく、ESIにおいては感度の低下が報告されている(非特許文献22)。 しかしながら、これらのタグにより、切断反応が修飾され得る。 4級アンモニウムイオン誘導体化されたペプチドは、N末端に誘導体化したペプチの場合、a及びdシリーズイオンがより優勢となり、C末端でリジンに誘導体化したペプチドにおいては、より多くのy、v及びwシリーズを示すようになる(非特許文献23)。 更に他の例として、リジンのグアニジン化は、MALDI分析においてリジンを含むペプチドの検出感度を向上することが示されている(非特許文献16、24及び25)。 同様に、N−スクシンイミジル−2−(3−ピリジル酢酸)(SPA)は、ESI−MS/MS分析においてペプチド誘導体化に使用されている(非特許文献26及び17)。 SPA試薬は、CID断片化経路を変化させ、結果としてより複雑でない生成イオンスペクトル、及びbタイプイオンの形成を促進することが示されている。 ペプチドでのSPA反応は、選択的にα及びε−アミノ基で発生し、アルギニンのグアニジノ基との反応ではない。 ペプチドを誘導体化するための様々な他の試薬もまた開発されている。 ハロゲン化化合物、特に、ハロゲン化芳香族化合物は良く知られた電荷運搬体で、即ち、熱電子を非常に簡単に捕捉することは公知である。 フッ素化芳香族化合物に基づく様々な誘導体化試薬(非特許文献27)が、陰イオン質量分析法に使用可能な非常に高感度なイオン化及び検出方法である、電子捕獲検出法のために開発された(非特許文献28)。 先行技術で開示されている誘導体化試薬の各々なタイプは、使用するイオン化方法、及び使用する質量分析方法次第で異なる利点及び制限がある(再考のために非特許文献23参照)。 感度を向上させるメカニズムもまた、各々の群のタイプにより異なる。 誘導体化方法のいくつかは塩基性を増加させることによりプロトンと電荷の局在を促進させるが、他の方法は、標識したペプチドの界面活性を増加させ、これがマトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)及び高速原子衝撃法(FAB)の様な表面脱離技術における感度の向上をもたらす。 陰イオン質量分析法は、しばしば、バックグランドノイズがより少ないために感度がより高くなる。 上記で考察された反応の殆どは、全タンパク質ではなくペプチドに対して行われる。 概して、ペプチド誘導体化反応の動態は、全タンパク質のそれよりもより良好である。 これはおそらく、大きな折りたたまれたポリペプチド中においては、反応基の空間的アクセスビリティーがより低いからであろう。 大きいポリペプチドを上記試薬のいずれかを用いて標識する研究については、ほとんど報告がないが、これが、本発明の目的である。 Mann, M., P. Hojrup, et al. (1993). " Use of mass spectrometric molecular weight information to identify proteins in sequence databases. " Biol Mass Spectrom 22 (6): 338-45. Pappin, DJC, P. Hoejrup, et al. (1993). " Rapid identification of proteins by peptide-mass fingerprinting. " Curr Biol 3: 372-332. Yates, JR, 3rd, S. Speicher, et al. (1993). " Peptide mass maps: a highly informative approach to protein identification. " Anal Biochem 214 (2): 397-408. Gygi, SP, B. Rist, et al. (1999). " Quantitative analysis of complex protein mixtures using isotope-coded affinity tags. " Nat Biotechnol 17 (10): 994-9. Han, DK, J. Eng, et al. (2001). " Quantitative profiling of differentiation-induced microsomal proteins using isotope-coded affinity tags and mass spectrometry. " Nat Biotechnol 19 (10): 946-51. Smolka, MB, H. Zhou, et al. (2001). " Optimisation of the isotope-coded affinity tag-labelling procedure for quantitative proteome analysis. "Anal Biochem 297 (1) : 25-31. 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Chem. 63 (24): 2986-2989, " Gas chromatography/electron capture negative-ion mass spectrometry at the zeptomole level. " 1991 本発明の目的は、標識生体分子の精製ならびに、質量分析装置による標識生体分子の分析に有用である、生体分子、特にプロトン化可能な官能基を保持したタンパク質、に保護アミノ基を生成せしめるのに使用可能な方法及び標識体を提供することである。 本発明の目的は、質量標識体として所望の特徴を有する化合物、及びこの化合物により標識された検体の質量スペクトルを改善するための、それらの化合物の使用方法を提供することである。 本発明の第1の態様は、次の一般構造の基本質量タグ試薬を提供する: 式中、R 1 、及びR 2は、アルキル、又はアラルキル(例えば、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロヘキシル、ベンジル、又は置換ベンジル、及び好ましくはメチル、エチル、又はイソプロピル)であり;R 3 、R 4 、R 5 、及びR 6は、アルキル(例えば、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又は水素であり、好ましくはメチル、又は水素)であり;nは0〜2、好ましくは2を含み;Xはそれぞれ独立して、N−アルキル(アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル又はシクロヘキシル)、S又はOであり、好ましくは、XはOであり;RFは反応性官能基であり、好ましくは、炭酸類、アルケニルスルホン類、ハロアルカン類、マレイミド類、イソシアネート類、イソチオシアネート類、ケトン類、アルデヒド類、スルホン酸ハライド類、カルボン酸ハライド類の活性エステル、酸無水物エステル類、及びアルケン類を含む群より選択され、好ましくは、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ニトロフェニルエステル、トリクロロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル及びヒドロキシアザベンゾトリアゾールエステル等の活性炭酸エステルであり(Mizhiritskii and Shpernat 2002参照);Lはリンカーで、アルキレンリンカーであり、例えば、それぞれ独立して‐(CH 2 ) n ‐及び置換された‐(CH 2 ) n ‐(nは1〜5を含む)、及び‐(C 6 H 4 )‐等のフェニレン、及び好ましくは‐CH 2 ‐及び‐(CH 2 ) 3 ‐である。 上記の置換基は、特に限定されることなく、有機基、及び/又は、周期表のIIIA、IVA、VA、VIA、又はVIIA族のいずれかから1つ以上の原子、例えばB、Si、N、P、O、若しくはS原子、又はハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、又はI)を含み得る。 置換基が有機基を含む場合、有機基は、好ましくは、炭化水素基を含む。 炭化水素基は、直鎖、分鎖、又は環状基を含み得る。 炭化水素基は、独立して脂肪族、又は芳香族基を含み得る。 また、炭化水素基は、独立して飽和、不飽和基を含み得る。 炭化水素が不飽和基を含む場合、1つ以上のアルケン官能基、及び/又は、1つ以上のアルキン官能基を含み得る。 炭化水素が直鎖、又は分鎖基を含む場合、1つ以上の1級、2級及び/又は3級アルキル基を含み得る。 炭化水素が環状基を含む場合、芳香環、脂肪環、複素環基、及び/又は、これらの基の縮合環誘導体を含み得る。 従って、環状基は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、インデン、フルオレン、ピリジン、キノリン、チオフェン、ベンゾチオフェン、フラン、ベンゾフラン、ピロール、インドール、イミダゾール、チアゾール、及び/又は、オキサゾール基および上記基の位置異性体を含み得る。 炭化水素基の炭素原子数は特に限定されないが、好ましくは、炭化水素基が炭素原子数1〜40より成る。 従って、炭化水素基は、低級炭化水素基(炭素原子数1〜6)又は、高級炭化水素基(炭素原子数7以上、例えば、7〜40)であり得る。 環状基の環の原子数は、特に限定されないが、好ましくは、環状基の環が原子数3〜10、例えば、3、4、5、6又は7等を含む。 上記に記載の異種原子を含む群は、上記に定義する他の群と同様に、周期表のIIIA、IVA、VA、VIA、又はVIIA族から1つ以上のヘテロ原子、例えばB、Si、N、P、O、若しくはS原子、又はハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、又はI)を含み得る。 従って、置換基は、有機化学における一般的な官能基のいずれか1つ以上を含み、例えば、ヒドロキシ基、カルボン酸基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、アミン基、アミド基、イミン基、チオール基、チオエーテル基、硫酸塩基、スルホン酸基、及びリン酸塩基等を含み得る。 置換基は、またカルボン酸無水物、及びカルボン酸ハライド等これらの群の誘導体類も含み得る。 更に、全ての置換基は、上記で定義する置換基、及び/又は官能基の2つ以上の組み合わせも含み得る。 本発明の第1の態様の好適な実施形態において、基本質量タグ(BMT)試薬は、特徴的な同位体存在比分布を有する。 実施形態の1つは、BMTは1つ以上のハロゲン原子、又は重水素、 13 C及び/又は15 N等の安定した同位体の原子と置換される。 第2の実施形態において、BMT試薬は、同じ化合物の2つ以上の同位体の混合物を含み、標識イオン群に特徴的な同位体比を与える。 本発明は、また、質量分析装置で解析可能な1つ以上の分子を標識するための質量タグアレイを提供し、該アレイは上記に定義されるような質量タグを2つ以上含む。 実施形態の1つにおいて、アレイ中の全質量タグは、同じ化学構造を有し、アレイの各質量タグが違う質量を有するようにアレイ中の各質量タグはアレイ中の他の質量タグのアイソトポマーである。 これらのタグアレイは、同時に複数の検体を調査する場合に有用である。 本発明の特有な第2の態様は、次の工程を含むポリペプチドの分析方法を提供する。 本発明のこの態様の好適な実施形態において、標識ペプチドは、質量分析装置による分析の前に1つ以上の分析分離技術を適用して分離される。 より好ましい実施形態において、切断試薬により産生された標識ペプチドは、強陽イオン交換体(SCX)クロマトグラフィーを使用するペプチドの分析分離により精製される。 更により好ましい実施形態において、標識ペプチドは、標識ペプチドに次々に適用される多くの異なる分離技術での多次元分析分離の一部として、強陽イオン交換体(SCX)を使用するペプチドの分析分離により精製される。 また、本発明は、本発明の基本質量タグ及び標識検体分子精製用陽イオン交換樹脂を含むキットを提供する。 好適な実施形態において、キットは、検体分子にタグを連結するための反応バッファー、及び未反応タグを洗浄後、樹脂から溶出する標識ペプチドのための樹脂及びバッファーに反応バッファーを負荷後、陽イオン交換樹脂を洗浄するためのバッファーを更に含み得る。 好適な洗浄バッファーは、低pHで水及びアセトニトリルを含み、一方、好適な溶出バッファーは酢酸アンモニウムを含む。 好適な実施形態において、反応バッファーは、ホウ酸塩、尿素、及びチオ尿素を含む。 好ましくは、尿素及びチオ尿素は、複合濃度が少なくとも1Mで存在する。 3級アミノ基 本発明の第1の態様である基本質量タグ試薬は、アミノ活性官能基に結合する3級アミノ基を含む。 これらの試薬の目的は、天然又は合成生体分子、特にタンパク質、の中の1級アミノ基を、プロトン化可能な官能基を保持しつつ、保護することである。 これは標識生体分子の精製、及び質量分析装置による標識生体分子の分析にもまた有利であり、かつエレクトロスプレーイオン化、及びMALDI TOF等の検体のイオン化のために主にプロトン付加に頼るイオン化技術に特に有利である。 3級アミンは、容易にプロトン化するが、しかし求電子試薬への求核攻撃には直ぐには寄与しない。 3級アミノ基内で窒素に対する置換基は、窒素のアクセシビリティを変える、及び窒素のプロトン親和力を変えられるように容易に修飾可能である。 3級アミンは、CIDによるペプチド配列決定を容易ならしめる「移動性」プロトンを保持するため、ペプチドの標識として利点がある(Schlosser and Lehmann 2000; Wysocki, Tsaprailis et al. 2000)。 従って、本発明のタグは、質量分析装置で分析する場合に標識ペプチドが非標識ペプチドと同様の挙動を示す保護基を提供する。 同様に、本発明の好ましい化合物では、標識ペプチド及び未標識ペプチドのクロマトグラフィー分離と比較した場合に、保持時間には非常に小さな変化しか観察されない。 本発明の目的においては、直鎖アルキル鎖を介して反応性官能基に結合させれば、メチル基は窒素を保護するのに十分である。 例えば、N,N−ジメチルグリシンは、活性エステルの調製に優れた試薬である。 該化合物のN−ヒドロキシスクシンイミドエステルは、本発明により提供される好適なタグである。 立体障害がより大きい置換基もまた適用可能であるが、しかし非常に大きい置換基は標識生体分子のクロマトグラフィー特性を干渉するので好ましくない。 3級アミノ官能基を含む反応性タグ 本発明の第1の態様において、反応性3級アミノ基を含む分子を提供する。 このような試薬は、多くの市販されている中間体から調製可能である。 3級アミノ基がカルボン酸官能基に結合する化合物の多くが市販されている(下記実施例参照)。 カルボン酸官能基は、従来の化学的方法で容易に活性エステル又は酸塩化物に変換され得る(例えば、Solomons,“Organic Chemistry”, Fifth Edition, Wiley参照)。 好適な活性エステルは、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル、及びペンタフルオロフェニルエステルを含む。 反応性官能基 他の様々な反応性官能基は、本発明で使用するための3級アミノ含有反応性試薬の調製に適している。 下記表1に本発明の試薬に組み込まれ得る反応性官能基をいくつか列挙する。 これらの反応性官能基は、天然又は合成生体分子、特に、ペプチド及びポリペプチド中のアミノ基と反応し得る。 求核性官能基と反応する反応性官能基は、2つの物質間に共有結合を形成する。 共有結合は表の第3列に示す。 合成オリゴヌクレオチドへの応用においては、標識を可能にするために、合成の際に分子の末端に1級アミンがしばしば導入される。 下記のいずれの官能基も、本発明の化合物に導入し、質量マーカーを目的とする分子に付加させるために用いることができる。 必要に応じて、反応性官能基を他の反応性官能基を持つ他のリンカー基を導入するためにも使用可能である。 表1は、完全網羅することを意図しておらず、本発明は列挙した官能基のみの使用に限定されない。 ここで留意して欲しいのは、本発明の質量マーカーによるオリゴヌクレオチドの標識に関する用途において、上記の反応性官能基の一部又はそれらの得られる結合基は、オリゴヌクレオチド合成機に導入する前に保護しなければならないことである。 好ましくは、非保護エステル、チオエーテルとチオエステル、アミンとアミド結合は、通常、オリゴヌクレオチド合成機中で安定しないので避けるべきである。 多様な保護基が当分野公知であり、それらを使用すれば結合を望ましくない副反応から保護することができる。 或いは、アミン官能基を有するオリゴヌクレオチドは公知の標準方法を使用して調製可能であり、これらはN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル等のアミン反応性試薬で標識可能である。 特徴的な同位体存在比分布を有する基本質量タグ ペプチドは、特徴的同位体存在比分布を有しているが、しばしば、特定の特性を同定可能にするために、ペプチドの同位体存在比分布を変更することも価値がある。 ペプチド含有システインを同定する1つの方法は、ペプチドに特徴的同位体存在比分布を与える標識体でシステインをタグ付けすることである。 多くの標識、及びタグ付け手順が、この目的のために開発されてきた(Sechi and Chait 1998; Adamczyk, Gebler et al. 1999 ; Goodlett, Bruce et al. 2000; Sechi 2002)。 複合ペプチド混合物の一般的な分析において、ペプチドは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分離され、例えば、分析用ESIインターフェースを介した質量分析計に溶離物質が直接吹付けられる。 通常、ペプチドは、適切な機器でMS/MSにより同定される。 MS/MSによるペプチド同定は相応に時間が掛かるため、このタイプの分析の速度が試料中のペプチド同定用の機器の全体の処理能力を決める。 四重極/飛行時間型装置等の機器においては、MSモードでのスペクトルの捕捉が比較的早いので、MSモードにおいてイオンを生成しながら、どのイオン種を、MS/MSにより分析するかを決定することができる。 しかしながら、非修飾ペプチドを用いると、MSモード中のペプチドイオンと非ペプチド混入物の同定が難しいことがある。 これは、ペプチドでないイオンがMS/MS分析のためにしばしば選択され、ペプチド同定用機器の全体の処理能力を低下させることを意味する。 この問題を克服するために、本発明は、ポリペプチド及びペプチドの同位体存在比分布を変えるポリペプチド及びペプチド中のアミノ基を標識するためのタグを提供する。 殆どのペプチド、又はポリペプチドは、少なくとも1つのアミノ基を有するため、本発明は、MSモードにおいて、修飾同位体存在比分布により、ポリペプチド及びペプチドイオンを標識し、これら由来のイオンを、他のイオンから識別可能にする方法を提供する。 これは、ペプチドでないイオンをCIDにより分析する時間を無駄しないことを確実にすることが利点である。 従って、本発明の第1の態様の好適な実施形態において、特徴的な同位体比を有するBMT試薬が提供される。 ペプチド又はポリペプチドを標識するために使用する場合、これらのタグは、標識種の同位体比を修飾する。 実施形態の1つにおいて、通常、水素原子を置換することでタグに1つ以上のハロゲン原子を取り込み、特徴的同位体比を本発明のタグに付与可能である。 臭素(Steen and Mann 2002)及び塩素(Goodlett, Bruce et al. 2000)のどちらも、従来この目的に使用されており適当である。 これらの原子は、対応する水素化された種と比較してより高い質量の同位体ピークの強度を高める。 同様に、フッ素は、ほぼ一つの同位体よりなるので、標識された分子種の同位体比を変化させる。 すなわち、対応する水素化された種と比較してより高い質量の同位体の強度を低下させる。 ハロゲン原子は、また、タグ付けされたペプチドを識別する更なる手段を提供する質量欠損をおこす(Steen and Mann 2002)。 特徴的同位体比を付与するシステインを標識するための試薬は、同じ分子の天然のものと同位体を濃縮したものとの混合物から調製可能である(Adamczyk, Gebler et al. 1999)。 他の実施形態において、BMT試薬同位体の混合物を含むタグ試薬が提供される。 特別な原子種のための濃縮されたタグを合成するために同位体濃縮化合物を得ることができる。 例証の目的で下記実施例部分に規定されるタグについて検討する。 この中では、多くの試薬の構成単位の1つとしてブロモ酢酸が使用されている。 アルドリッチから99%の13 C濃縮ブロモ酢酸(Br l3 CH 2 l3 COOH)を得ることが可能である(シグマアルドリッチ(株)(Sigma−Aldrich Chemie GmbH)、Eschenstrasse5、82024、タウフキルへェン、ドイツ)。 従って、下記に記載の合成手順にこの試薬を導入するのは些細なことである。 このタグ自体が、特徴的な同位体存在比を有するであろうが、しかし、また天然の同位体存在比を含むブロモ酢酸から合成される試薬に対応してこの試薬を混合することも可能である。 2つのタグの異なる比率が、同位体存在比が制御されたタグの生成を可能にする。 BMT標識タンパク質から産生される切断ペプチドの更なる標識 本発明の第2の態様において、BMT標識ポリペプチドは、配列特異的切断試薬で切断され、切断ペプチドは質量分析装置で分析される。 本発明の第2の態様の好適な実施形態において、切断ペプチドは、ペプチドの切断により露出したアミノ基に更に標識される。 ポリペプチドの標識は他の遊離アミノ基を全てブロックしてしまっているので、切断ペプチドのN末端に新たに露出したアミノ基のみがこの時点で標識可能である。 更に、本発明のBMT試薬ですでにブロックされているため、親ポリペプチドのN末端ペプチドは、切断後に遊離アミノ基を有さない。 これは、親ポリペプチドのN末端断片を非N末端ペプチドから同定する手段を提供する。 実施形態の1つにおいて、非N末端断片は、N-ヒドロキシスクシンイミドビオチン(Pierce UK Ltd、チェスター、イギリス、又はシグマアルドリッチ(株)(Sigma−Aldrich)プール、ドーセット州、イギリス)等の購入可能なアミン反応性ビオチン試薬でビオチン化により標識可能であり、N末端ペプチドを単離可能にするアビジン化した支持体上に捕捉することができる。 また、非N末端ペプチドのα−アミノ基は、溶液中にN末端ペプチドを残す1級アミン反応性固相支持体と反応可能である。 他の実施形態において、BMT標識切断ペプチドは、アミン反応性ビオチン試薬で標識し、アビジン化した支持体上にペプチドを捕捉することにより、質量分析装置による分析の前にペプチドをコンディショニングすることができる。 ここでペプチドのコンディショニングとは、親ポリペプチドのイオン化及び標識に使用された金属イオン、界面活性剤、及び他の試薬を取り除くために揮発性バッファーでペプチドを洗浄することを意味する。 更に他の実施形態において、切断ペプチドは、MS/MSにより分析された有機分子質量マーカーが開示される国際公開第01/68664号パンフレット及び国際出願番号第PCT/GB02/04240号明細書に開示されるような他のタグで標識可能である。 これらの出願は、コリジョンにより開裂可能な基を用いて連結した二成分系質量マーカーを開示する。 数組のタグを合成するが、この場合に作成されるマーカーの全質量は二成分の質量の合計と同じになる。 質量マーカーはそれらの検体から切断後に分析してもよいし、あるいは検体に付加したまま検出してもよい。 本発明の文脈において、質量マーカーは同定中のペプチドに付加したまま検出される。 質量マーカーを適宜選定することにより、タンデム分析器の第1質量分析計において質量マーカーが付加されたペプチドをバックグランドから抽出することを可能にする。 第2工程の機器中でマーカーが衝突することにより、タグの二成分は互いに分離する。 これら成分の中の1個のみを第3質量分析計で検出する。 これにより、第1質量分析計で選定されたピークは質量マーカーしたペプチドであることが確認できる。 このプロセス全体により、分析のシグナル対ノイズ比が大幅に引き上げられ、感度が向上する。 質量マーカーをこのように設計すれば、並列する質量マーカーが展開する質量範囲が圧縮される。 更に、化学的に同一であり、質量も同一であるが質量分析装置により解像可能なマーカーを設計することができる。 これは、液体クロマトグラフィー質量分析(LC−MS)等の分析技術に必須であり、すなわち、異なるマーカーが異なるペプチド試料の移動度に及ぼす影響を最小にする必要があり、そうすれば、各試料からの対応ペプチドを質量分析計に一緒に流入することにより対応ペプチドの比率を測定することができる。 従って、これらのマーカーは、高い選択性をもった検出能を利用しておりかつ構造が密接に関連しているので、本発明の目的には最も好ましい。 ただし、他のマーカーも利用可能である。 タンパク質は、アミノ基に加えて、これらの官能基に対して反応する試薬を使用して標識可能である様々な求核性官能基を含む。 タンパク質は、一般的に、チオール、アミノ、ヒドロキシル、及びイミダゾール基を含む。 これらは、必要に応じて、全て適切な試薬で標識し得る。 本発明の好適な実施形態において、チオール基は、遊離アミノ基の標識よりも前に、標識される。 好ましい試薬はヨードアセトアミド、ビニルピリジン、フェニルビニルスルホン、及びマレイミド化合物を含むが、非常に多くのチオールの選択的標識方法が公知である。 標識生体分子の分析 本発明の第2の態様において、ポリペプチドの分析方法が提供される。 この方法は生体分子を反応性3級アミノ基含有化合物で共有結合標識する。 分析用のポリペプチド、ペプチド、又はポリペプチド、若しくはペプチドの混合物は電気泳動、クロマトグラフィー、又はアフィニティークロマトグラフィー等の従来の方法のいずれかで単離可能である。 質量分析計、特にMALDI TOF質量分析計の目的のため、ポリペプチド、又はタンパク質が塩又は界面活性剤、特に金属塩の不純物を含まないのが好ましい。 ポリペプチド、又はペプチド混合物を脱塩する様々な技術が公知であり、例えば、ゲル濾過、透析、又は疎水性樹脂の使用等がある。 特に便利で簡単なペプチドの脱塩方法は、C18充填材料を内蔵するピペットチップでペプチド、又はポリペプチド混合物の溶液の少量吸引によるものである。 塩、及び界面活性剤等の疎水性物質は、C18誘導体に対して親和性が少なく、ペプチドがC18マトリックスに付加する間に容易に洗浄される。 捕捉されたペプチド物質が、続いて、分析のための適切な揮発性バッファーで溶出可能である。 この種の「試料コンディショニング」は、ペプチドの分析の検出感度を実質的に向上する。 適切な樹脂が事前に充填されたピペットチップ、及びその使用説明書はミリポア社(Millipore)から「Zip Tip (R) 」(ベッドフォード、マサチューセッツ州、アメリカ合衆国)として市販されている。 必要であれば、脱塩処理は未反応タグを取り除く検体の標識後で行ってもよい。 発明者らは、また本発明のタグで標識したペプチドが陽イオン交換樹脂、特に強陽イオン交換樹脂に対して、タグ単独よりもより高い親和性を有することを認めた。 これにより、本発明のタグで標識したペプチドが、陽イオン交換樹脂との反応混合物を反応させることで、未反応タグから生成可能になる。 樹脂に標識ペプチドが付加し、一方で未反応タグ、界面活性剤、及びカオトロープが酸性水溶媒で洗浄可能である。 そして、標識ペプチドは、適切なバッファーで溶出可能である。 続く質量分析の目的のために、酢酸アンモニウム等の揮発性バッファーの溶出は、質量分析計と互換性のある形態のペプチドを回復するのに効果的である。 従って、ペプチドチップ、スピンカラム、及び陽イオン交換樹脂を充填したカートリッジは標識試料の有効な調製用器具であり、分析の前に標識ペプチドを容易にきれいにするのに用い得る。 タグペプチドの分析分離 本発明の第2の態様の好適な実施形態において、BMT標識タンパク質の切断により産生されたタグペプチドは、質量分析計による分析に先立ち、分析分離される。 殆どの分析分離技術は、本発明に適用可能なペプチドに使用可能であり、例えば、キャピラリー電気泳動(Moini 2002)、高速液体クロマトグラフィー(Morand, Burt et al. 2001)、キャピラリー等電点電気泳動(Tang, Harrata et al. 1997; Shen, Berger et al. 2000)、イオン交換クロマトグラフィー及びサイズ排除クロマトグラフィー(Liu, Lin et al. 2002)等が挙げられる。 より好適な実施形態において、多次元クロマトグラフィー法(Washburn, Wolters et al. 2001; Wolters, Washburn et al. 2001; Liu, Lin et al. 2002)がBMT標識タンパク質の切断により産生されたタグペプチドに適用される。 タグペプチドの定量分析 本発明は更に、分子の複数性を質量分析装置で解析する分子の解析方法を提供し、この解析においては少なくとも1つの分子の存在する量、又は2つ以上の分子の相対量の決定を含む。 この方法において、好ましくは、複数の分子のそれぞれは、本発明の異なる同位体標識質量タグ試薬で標識され、その結果、各分子の同定及び定量が質量分析装置で決定できる。 本発明のこれらの実施形態において、特に好ましくは、質量タグ試薬がDMG質量タグ試薬を含む。 本発明の方法及びタグを使用すれば、十分に高品質の質量スペクトルを得ることができるので、スペクトルを統合することによって、存在する種の量に関する信頼できるデータを得ることが可能である。 この手順の例が下記に規定され、試料スペクトルが、相違する同位体標識DMGタグを使用する二成分分析を表す図5に見られる。 同位体標識は、これらの分析に特に良く役立つ。 なぜならば、タグの化学構造は同一で、同一の質量スペクトルのイオンパターンをもたらし、同位体標識による質量差のおかげで各パターンが他のパターンにとって代わるためである。 この質量差は、タグの同位体標識の程度を変更することで調整可能である。 パターンが同一であるため、より簡単に比較及び統一され、相対量のより正確な比較及び決定が可能となる。 タグペプチドの質量分析装置 質量分析計の不可欠な特徴は次の通りである: エレクトロスプレーイオン化 エレクトロスプレーイオン化は、検体分子の希釈溶液を分析器中に「噴霧する」、すなわち微細なスプレー状態で注入することが必要である。 一般的に、溶液を荷電針の先端から乾燥窒素の気流及び静電界に噴霧する。 イオン化のメカニズムは十分に解明されていないが、次のようであると考えられている。 窒素気流中に溶媒が気化する。 小滴になると共に検体分子が濃縮される。 大部分の生体分子には正味の電荷があるとすると、溶解した分子の静電的な反撥力が増大する。 気化を続けるに従いその反撥力は最終的には滴の表面張力より大きくなるので、その滴は更に小さな滴に崩壊する。 このプロセスは時々「クーロン破裂」と言われる。 静電界はさらに滴の表面張力に打ち勝つのを助けるので、噴霧過程は促進される。 更に小さな滴からの気化が続き、破裂を繰り返す。 そして、溶媒も、生体分子も事実上、蒸気相に存在する状態となる。 この技術では、イオン化の過程でイオンに賦課されるエネルギー量が比較的に小さく、かつ群の中でのエネルギー分布の範囲が他の技術に比較すると狭い傾向にあるため、この技術は質量標識体を使用する場合には特に重要である。 電極を適切に配置して設定した電界を使用するとイオン化チャンバからイオンが加速されて出てくる。 電界の極性を変えて負及び正のいずれかのイオンを抽出してもよい。 電極間の電位差により、正及び負のいずれかのイオンが質量分析器に到達するかどうかが決まり、またイオンが質量分析計に入る際の運動エネルギーも決まる。 このことは質量分析計でのイオンの開裂を考察する際に重要である。 イオン群に賦課されるエネルギーが多いほど、検体分子が供給源に存在するガスとの衝突を介して開裂が起こる可能性が大きくなる。 電界を調節してイオン化チャンバからイオンを加速すれば、イオン開裂を制御することができる。 これは、標識生体分子からタグを除去する手段としてイオン開裂を利用する必要がある場合には有利である。 マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI) 光励起性マトリックスは「染料」、即ち、特別な周波数の光を強力に吸収する化合物であり、好ましくは、蛍光、又は、りん光によりそのエネルギーを放射せず、熱でエネルギーを消散する、即ち振動モードを介してエネルギーを消散するようなものである。 レーザー励起により生じるマトリックスの振動が、染料の急速な昇華を招き、同時に埋め込まれた検体を気相中に取り込む。 質量分析器飛行時間型質量分析器 名前が暗示する通り、飛行時間型質量分析器は、イオンが所定の電位差の影響下で所定の距離を移動する時間を計測する。 飛行時間型測定により、検出器にぶつかるイオンの質量電荷比の算出が可能となる。 これらの機器は、試料内のほぼ全てのイオンの出現を測定するので、結果として非常に高感度であるが、この技術で選択性を達成するのはより難しい。 この技術は、また、イオントラップ、又は四重極質量分析計で一般的に測定できるイオンより高い質量電荷比を弱めるイオンを検出可能である。 TOF質量分析器は、現在はMALDIと共に広く使用される。 イオントラップ イオントラップ分析計は、四重極質量分析計に関連するものである。 一般にイオントラップは3個の電極からなる構造をしており、すなわち各端に「キャップ」電極があり、それらによって空洞が形成されている円筒状電極である。 円筒状電極には正弦波高周波数電位を与え、キャップ電極にはDC又はAC電位でバイアスをかける。 空洞に注入されたイオンは円筒状電極の振動電界によりトラップ内の安定な円形軌道に拘束される。 しかし、与えられた振幅の振動電位に対して特定のイオンは不安定な軌道をとり、トラップから放出される。 振動高周波電位を変化することによって、トラップに注入したイオン試料をそれらの質量電荷比に応じてトラップから連続的に放出させることができる。 次に放出されたイオンを検出することによって質量スペクトルが生成される。 一般にイオントラップは、イオントラップの空洞に存在する少量の「浴ガス」、例えばヘリウムで操作される。 これにより装置の解像度と感度の両方が増加する。 その理由は、トラップに入ったイオンは本質的には浴ガスとの衝突を経て浴ガスの環境温度にまで冷却されるからである。 衝突すると、試料をトラップに導入した時のイオン化が増加し、それと共にイオン軌道の振幅と速度は減衰し、イオン軌道はトラップの中央近傍に保持される。 これは、振動電位を変更することにより軌道が不安定になったイオンは減衰している循環イオンに比べると急速にエネルギーを獲得し、緊密な束となってトラップから飛び出し、その結果、ピークが狭く大きくなることを意味する。 イオントラップは、タンデム質量分析計の構造を模倣することができ、実際に多重質量分析計の構造を模倣することにより、トラップイオンの複雑な分析が可能になっている。 試料から単一質量種をトラップに保持できる、すなわちその他の種は全てトラップから放出させることができ、保持した種は、注意しながら第1振動周波の上に第2振動周波を重ね合わせることにより励起することができる。 次に励起されたイオンは浴ガスと衝突し、十分に励起されると開裂する。 次にその開裂を更に分析することができる。 更なる分析のために他のイオンをトラップから排出することによって開裂イオンを保持し、その開裂イオンを励起して開裂させることができる。 十分な試料が存在する限りこのプロセスを反復することにより、更なる分析が可能になる。 留意すべきこととして、これらの機器は一般に誘導開裂後の開裂イオンを高い存在割合で保持する。 これらの機器及びFTICR質量分析計(後記)は、線形質量分析計に存在する空間的に解決されたタンデム質量分析装置というよりもむしろ一時的に解決されたタンデム質量分析装置の形態を代表するものである。 フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置(FTICR MS) 誘起開裂実験のために、これらの機器は、イオントラップと類似の方法、すなわち重要な単一種を除く全てのイオンがトラップから排出可能となるという方法で行うことができる。 衝突ガスをトラップに導入して開裂を誘起することができる。 その後に開裂イオンを分析することができる。 一般に切断産物と浴ガスとが結合すると、「受信板」が検出したシグナルのFT分析によって分析する場合に解像性が貧しくなる。 しかし、開裂イオンを空洞から放出させ、例えば四重極を備えるタンデム構成で分析することができる。 衝突誘導解離によるペプチド同定 本発明の第2の態様において、BMT標識ポリペプチド切断により産生されたタグペプチドは、質量分析装置で分析される。 この分析は、質量分析装置によるペプチドの同定を含む。 様々な質量分析器の構成が考えられる。 例えば、イオントラップ、三連四重極、四重極/飛行時間型、飛行時間型/飛行時間型及び連続セクター方式装置等がペプチドの切断及び、断片の質量決定のために使用される。 ペプチドのMS/MS及びMS n分析 タンデム質量分析計によって、質量対電荷の比を予め定められたイオンが衝突誘導解離(CID)によって選択され開裂される。 次に開裂を検出することにより、選択されたイオンに関する構造情報が得られる。 タンデム質量分析計でCIDによりペプチドを分析すると、特徴的な開裂パターンが観察され、このパターンによってペプチドの配列を決定することができる。 一般に天然ペプチドはペプチド骨格のアミド結合の位置で無作為に開裂され、そのペプチドに特徴的なイオンシリーズが得られる。 イオンの電荷がイオンのN末端断片に保持される場合には、n番目のペプチド結合での開裂に対するCID断片シリーズはa n 、b n 、c n等と表示される。 同様に、電荷がイオンのC末端断片に保持される場合には断片シリーズはx n 、y n 、z n等と表示される。 トリプシン、Lys−C及びトロンビンは、タンデム質量分析計にとって好ましい開裂剤である。 なぜならば、これらは分子の両末端に塩基性基、すなわちN末端にα−アミノ基、C末端にリジン又はアルギニン側鎖を有するペプチドを産生するからである。 これは二重荷電イオンの形成に有利であり、このイオンでは荷電中心が分子の両端にある。 CIDを行うと、これらの二重荷電イオンからC末端イオンシリーズ及びN末端イオンシリーズが産生される。 これを手がかりにしてペプチドの配列を決定する。 一般的に言うと、所定のペプチドのCIDスペクトルでは1個のみ、又は2個の可能なイオンシリーズが観察される。 四重極装置に特徴的な低エネルギー衝突ではN末端断片のbシリーズ、又はC末端断片のyシリーズが優勢である。 二重荷電イオンを分析する場合には両方のシリーズがしばしば検出される。 一般に、yシリーズイオンはbシリーズより優勢である。 一般に、ペプチドは、アミド主鎖のプロトン化とそれに続く分子内求核攻撃からの5員オキサゾロン構造の形成とプロトン化アミド結合の開裂に関するメカニズムによって切断する(Polce, Ren et al. 2000; Schlosser and Lehmann 2000)。 このメカニズムは、求核攻撃を実施するには、プロトン化アミドのN末端側のプロトン化アミドに隣接するアミド結合からのカルボニル基を必要とする。 荷電オキサゾロニウムイオンはbシリーズイオンを生じるが、N末端断片からC末端断片へのプロトン転移は、yシリーズイオンを生じる。 カルボニル基が適切に位置するためのこの必要条件は、N末端が保護されず、一般に、あるペプチド中のN末端と第2アミノ酸の間のアミドに対してbシリーズイオンが認められない場合、N末端アミノ酸に隣接するアミド結合での開裂の原因とはならない。 しかし、アセチル化N末端を有するペプチドは、このメカニズムの構造的必要条件を満たさず、このメカニズムによる第1アミノ酸直後のアミド結合で開裂が起こる可能性がある。 本発明の活性エステルタグでリジン、又はα−アミノ基に標識したペプチドは、もし、タグ分子中に適切に位置するカルボニル基がなければ、低エネルギーCID分析の間に、タグペプチドで有意な切断は見られないはずである。 これは、スペクトルの数に応じて、タグの質量が変化するものの、標識ペプチドのCIDスペクトルは未標識ペプチドのスペクトルときわめて類似するに違いないことを意味する。 質量の変化については、CIDスペクトル等の分析において容易に補正できる。 同様に、ペプチドは、ポストソースディケイ(PSD)と称されるプロセスにより飛行時間型(TOF)質量分析装置単独で同定可能である(Kaufmann, Chaurand et al. 1996)。 これは、特に遅延引き出しイオン光学を備えるTOF質量分析器において効果的である。 MALDIは、検体分子に対して高水準の運動エネルギーを付与する傾向があり、親ペプチドイオンの配列を推定するために使用できるイオン開裂の原因になり得る。 下記実施例は本発明のいくつかの特徴及び可能な実施形態を明らかにするが、他の実施形態も想定される。 実施例1 ジイソプロピルアミノ酢酸t−ブチルエステル 2 ブロモ酢酸t−ブチルエステル5.85g(30mMol)及びジイソプロピルアミン9.9ml(70mMol)をテトラヒドロフラン(THF)50ml溶媒を用いた還流下で5〜7時間攪拌した。 溶媒を取り除き、生成物を水に溶解し、溶液のpHを2規定水酸化ナトリウム(2N NaOH)を用いてpH11に調整した。 不均一の反応混合物を酢酸エチル(EtOAc)で抽出し、水で洗浄し乾燥した(硫酸ナトリウム)。 溶媒蒸発後の残留物をジクロロメタン/メタノール(10/1 v/v(容量))でシリカゲルカラムから溶出した。 ジイソプロピルアミノ酢酸塩酸塩 3 ジイソプロピルアミノ酢酸t−ブチルエステル2 5.4g(25mMol)を12M塩化水素(HCl)6.25ml(75mMol)と共に、水25ml中で60℃で2.5時間攪拌した。 真空中で水、及び過剰の塩化水素を蒸留した後、残留物をトルエンで共沸乾燥した。 ジイソプロピルアミノ酢酸(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エステル 4 ジイソプロピルアミノ酢酸塩酸塩(3)3.82g(19.5mMol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)50ml溶媒を用いて、N−ヒドロキシスクシンイミド2.24g(19.5mMol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド8.04g(39mMol)に加えた。 反応混合物を室温で16時間攪拌した。 残留物をろ過し、ろ液を真空で蒸発し乾燥した。 残留物をジクロロメタン(CH 2 Cl 2 )に溶解後、溶液を炭酸水素ナトリム(NaHCO 3 )で洗浄し乾燥して(硫酸ナトリウム)、溶媒は蒸発した。 そして、化合物をジイソプロピルエーテルから再結晶した。 (2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)酢酸t−ブチルエステル 5 ブロモ酢酸t−ブチルエステル1 14.8ml(100mMol)及び2,6−ジメチルピペリジン29.9ml(230mMol)をテトラヒドロフラン(THF)150ml溶媒を用いた還流下で5時間攪拌した。 溶媒を取り除いた後、生成物を水に溶解し、溶液のpHを2規定水酸化ナトリウム(2N NaOH)を用いてpH11に変えた。 不均一の反応混合物を酢酸エチル(EtOAc)で抽出し、水で洗浄し乾燥した(硫酸ナトリウム)。 溶媒蒸発後の残留物を、ジイソプロピルエーテルでシリカゲルカラムから溶出した。 (2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)酢酸塩酸塩 6 (2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)酢酸t−ブチルエステル(5)21.6g(95mMol)を12M塩化水素(HCl)23.75ml(285mMol)を用いて、水100ml中で60℃で2時間攪拌した。 真空中で水、及び過剰な塩化水素を蒸留した後、残留物をトルエンで共沸乾燥した。 (2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)酢酸(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エステル 7 (2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)酢酸塩酸塩(6)4.15g(20mMol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)50ml溶媒中で、N−ヒドロキシスクシンイミド2.3g(20mMol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド8.1g(40mMol)に加えた。 反応混合物を室温で16時間攪拌した。 残留物をろ過し、ろ液を真空で蒸発し乾燥した。 残留物をジクロロメタン(CH 2 Cl 2 )に溶解し、溶液は炭酸水素ナトリム(NaHCO 3 )で洗浄し乾燥して(硫酸ナトリウム)、溶媒は蒸発した。 そして、化合物がジイソプロピルエーテルから再結晶した(活性炭(A−Kohle))。 (ピペリジン−1−イル)酢酸ベンジルエステル 9 ブロモ酢酸ベンジルエステル8 11.45g(50mMol)をテトラヒドロフラン(THF)100ml溶媒中でピペリジン9.36g(110mMol)に注意深く加えた。 反応混合物を還流下で4時間攪拌した。 テトラヒドロフラン(THF)の蒸留後、残留物をジクロロメタン水溶液(CH 2 Cl 2 /H 2 O)に溶解し、溶液のpHを2規定水酸化ナトリウム(2N NaOH)を用いてpH10.5に調整した。 そして、生成物をジクロロメタン(CH 2 Cl 2 )に抽出し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。 溶媒の蒸発後、生成物を酢酸エチルを使用してクロマトグラフィー精製した。 (ピペリジン−l−イル)酢酸 10 (ピペリジン−1−イル)酢酸ベンジルエステル9 10.4g(44mMol)をパラジウムカーボン触媒(Pd/C)(5%)0.25gと共にメタノール100ml中で室温で攪拌した。 標準圧力下で反応混合物を水素(H 2 )で還元(水和)した。 触媒を取り除いた後、溶媒を蒸発し、残留物を酢酸エチル(EtOAc)で再懸濁し、ろ過した。 (ピペリジン−1−イル)酢酸(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エステル 11 (ピペリジン−1−イル)酢酸10 6g(42mMol)をジクロロメタン(CH 2 Cl 2 )100ml中でN−ヒドロキシスクシンイミド4.83g(42mMol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド9.53g(46.2mMol)に加えた。 反応混合物を室温で16時間攪拌した。 残留物をろ過し、ろ液を真空で蒸発し乾燥した。 そして、残留物をジエチルエーテルに溶解し、溶液をろ過した。 ろ液を再度還元し、残留物をジイソプロピルエーテルに溶解した。 溶液のろ過、及び溶媒の蒸発後、化合物がジイソプロピルエーテルから再結晶した。 (モルホリン−1−イル)酢酸ベンジルエステル 12 ブロモ酢酸ベンジルエステル8 11.45g(50mMol)をテトラヒドロフラン(THF)100ml溶媒中でモルホリン9.58g(110mMol)に注意深く加えた。 反応混合物を還流下で4時間攪拌した。 テトラヒドロフラン(THF)の蒸留後、残留物をジクロロメタン水溶液(CH 2 Cl 2 /H 2 O)に溶解し、溶液のpHを2規定水酸化ナトリウム(2N NaOH)を用いてpH10.5に調整した。 そして、生成物をジクロロメタン(CH 2 Cl 2 )に抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。 溶媒の蒸発後、生成物を酢酸エチルを使用してクロマトグラフィー精製した。 (モルホリン−1−イル)酢酸 13 (モルホリン−1−イル)酢酸ベンジルエステル12 11g(46mMol)をパラジウムカーボン触媒(Pd/C)(5%)0.25gとともにメタノール100ml中で室温で攪拌した。 標準圧力下で、反応混合物を水素(H 2 )で還元した。 触媒を取り除いた後、溶媒を蒸発し、残留物を酢酸エチル(EtOAc)で再懸濁し、ろ過した。 (モルホリン−1−イル)酢酸(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エステル 14 (モルホリン−1−イル)酢酸13 6.3g(44mMol)をN−ヒドロキシスクシンイミド5.06g(44mMol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド9.98g(48.4mMol)にジクロロメタン(CH 2 Cl 2 )100ml中で加える。 反応混合物を室温で16時間攪拌した。 残留物はろ過され、ろ液を真空で蒸発し乾燥した。 残留物をジエチルエーテルに溶解し、溶液をろ過した。 ろ液を再度濃縮し、残留物をジイソプロピルエーテルに溶解した。 溶液のろ過、及び溶媒の蒸発後、化合物がジイソプロピルエーテルから再結晶した。 ジメチルアミノ酢酸(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エステル 16 ジメチルアミノ酢酸15 5.15g(50mMol)をN−ヒドロキシスクシンイミド5.75g(50mMol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド11.05g(55mMol)にジクロロメタン(CH 2 Cl 2 )100ml中で0℃で加えた。 反応混合物を室温で20時間攪拌した。 残留物をろ過し、ろ液を真空で蒸発し乾燥した。 残留物をジエチルエーテルに溶解し、活性炭(A−Kohle)と混合した。 溶液をろ過し、蒸発した。 得られた油を少量のジエチルエーテルに溶解し、生成物の結晶を得た。 冷却した結晶溶液をろ過した。 結晶を再度ジエチルエーテルに溶解し、活性炭(A−Kohle)で処理し、溶液をろ過した。 これらの精製工程を1 H−NMRに純粋な生成物を得るまで数回繰り返した。 4−ジメチルアミノ酪酸ベンジルエステル 19 4−ジメチルアミノ酪酸塩酸塩18 25g(150mMol)、ベンジルアルコール27.4g(254mMol)及び4−トルエンスルホン酸一水和物29.5g(155mMol)をトルエン200mlを用いた還流下で攪拌し、約2時間かけて水分離器で水を取り除いた。 反応混合物を冷却後、トルエン相を水で4回抽出した。 そして、水相を酢酸エチル(EtOAc)で3回抽出し、溶液のpHを水酸化ナトリウム(NaOH)を用いてpH9.5に調整した。 生成物をエチルアセテートを用いて抽出した。 有機層を飽和塩化ナトリウム(NaCl)溶液で洗浄し、乾燥し、蒸発して純粋なベンジルエステルを得た。 4−ジメチルアミノ酪酸 20 4−ジメチルアミノ酪酸ベンジルエステル19 85g(380mMol)をパラジウムカーボン触媒(Pd/C)(5%)1gを用いてメタノール500ml中で攪拌した。 反応混合物を水素で4時間処理した。 触媒を取り除いた後、メタノールを蒸留した。 少量のエチルアセテートを残留物に加えると生成物が結晶化した。 そして、生成物をろ過し、エチルアセテートで洗浄した。 3−ジメチルアミノ酪酸−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エステルハイドロゲントシレート(hydrogentosylate) 22 3−ジメチルアミノ酪酸20 6.55g(50mMol)をN−ヒドロキシスクシンイミド5.75g(50mMol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド11.05g(55mMol)にジクロロメタン(CH 2 Cl 2 )100ml中で加えた。 反応混合物を室温で16時間攪拌した。 得られた尿素をろ過し、溶液を蒸発した。 アセトニトリル10mlに溶解した残留物を攪拌しながら4−トルエンスルホン酸一水和物9.51g(50mMol)の溶液にアセトニトリル溶液(30ml)中で加えた。 溶媒が真空下で蒸発し、生成物がアセトニトリル又はアセトンから再結晶した。 3−ジメチルアミノ酪酸−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エステルハイドロゲントシレート(hydrogentosylate) 22 3−ジメチルアミノ酪酸20 2.62g(20mMol)をN−ヒドロキシスクシンイミド2.3g(20mMol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物3.8g(20mMol)及びジシクロへキシルカルボジイミド8.25g(40mMol)にアセトニトリル100ml中で加えた。 反応混合物を室温で16時間攪拌した後、得られた尿素化合物を取り除き、ろ液を蒸発した。 残留物をアセトンから再結晶した。 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 線形回帰分析を、このデータについて行った。 回帰曲線についてパラメーターを推定した結果、未標識ペプチドの保持時間と比較してペプチドに対する単独タグの保持時間に1.67分の遅れがあると想定した時に、最小二乗誤差が最低であることが分かった。 図2の実線は、保持時間が標識及び未標識ペプチドに対して同じである地点を記録し、一方で、破線は回帰線を記録する。 この回帰のR 2値は、0.97であり、標識ペプチドのみに対するDMGタグの効果の正確なモデルであることを示した。 実施例6 ブロモ酢酸[ 13 C 2 ] 1.93g(13.89mMol)をベンジルアルコール1.54ml(14.88mMol)及びジメチルアミノピリジン(DMAP)0.2g(1.6mMol)とジクロロメタン(CH 2 Cl 2 )50ml中で混合した。 ジシクロヘキシルカルボジイミド3.07g(14.88mMol)を0℃で溶液に加えた後、反応混合物を室温で20時間攪拌した。 混合物をろ過し、残留物をジクロロメタン(CH 2 Cl 2 )で洗浄した。 飽和炭酸水素ナトリム(NaHCO 3 )溶液30mlをろ液に加えた。 溶液を5分間よく振った後、有機層が分離し、水相をジクロロメタン(CH 2 Cl 2 )で抽出した。 合わせた有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を蒸発させた。 生成物(3)をジクロロメタン(CH 2 Cl 2 )を使用してクロマトグラフィーにより精製した。 ジメチルアミノ酢酸[ 13 C 4, l5 N]ベンジルエステル 4 トルエンを用いて2.5Mブチルリチウム(BuLi)5.28ml(13.2mMol)を−50℃でテトラヒドロフラン(THF)40ml中に溶解したジメチルアミン[ 13 C 2, l5 N]塩酸塩(1)1.05g(12.88mMol)に滴状で加えた。 反応混合物を、反応温度が−10℃に達するまで攪拌して溶液を得た。 溶液は、−50℃に再度冷却され、ジイソプロピルエチルアミン2.26ml(13.2mMol)で混合したブロモ酢酸[ 13 C 2 ]ベンジルエステル(3)2.97g(13mMol)を混合物にテトラヒドロフラン(THF)15ml中で30分以内に液状で加えた。 そして、反応混合物を冷却浴で4時間放置してから室温で20時間攪拌した。 減圧下で溶媒の蒸発後、残留物を約40mlの炭酸水素ナトリム(NaHCO 3 )溶媒に溶解した。 反応混合物は、酢酸エチル(EtOAc)で何度か抽出され、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥した。 溶媒の蒸発後、残留物を酢酸エチル(EtOAc)を使用してクロマトグラフィーにより精製した。 ジメチルアミノ酢酸[ 13 C 4, l5 N] 5 ジメチルアミノ酢酸[ 13 C 4, l5 N]ベンジルエステル4 1.27g(6.4mMol)をパラジウムカーボン触媒(Pd/C)(5%)250mgと共にメタノール100ml中で室温で攪拌した。 標準圧力下で、反応混合物を水素(H 2 )で30分間水和した。 触媒をろ過で取り除いた後、溶媒を蒸発して白い化合物を得た。 ジメチルアミノ酢酸[ 13 C 4, l5 N]−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エステル 6 ジメチルアミノ酢酸5 0.65g(6.4mMol)をジクロロメタン(CH 2 Cl 2 )25ml中でN−ヒドロキシスクシンイミド0.74g(6.4mMol)及びジシクロヘキシルカルボジイミド1.38g(6.7mMol)に加えた。 反応混合物を室温で20時間攪拌した。 混合物をジイソプロピルエーテル70mlで希釈し、1時間攪拌し、ろ過した。 そして残留物をジイソプロピルエーテル25mlで洗浄し、ろ液を真空で蒸発し乾燥した。 そして、残留物をジクロロメタン(CH 2 Cl 2 )約10mlに溶解し、溶液を−5℃でジイソプロピルエーテル230mlに攪拌しながら加えた。 −5℃で1時間攪拌後、溶液をろ過し、減圧下で蒸発した。 残留物をジイソプロピルエーテル約50mlから再結晶化した。 実施例7 還元及びアルキル化工程 残留物を変性バッファー1,100μl(100mMホウ酸塩バッファー、0.4M尿素、0.2Mチオ尿素、及び0.4Mグアニジン塩酸塩、pH7.3)に溶解し、これを100mMトリス[2−カルボキシエチルホスフィン](TCEP)(Pierce)25μlに加えた。 30分間振った後、200mMヨードアセトアミド溶液(シグマ)75μlを加え、反応混合物を更に2時間振った。 タンパク質標識工程 溶液を各々600μlに平等に2分割した。 1つをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(2M)に溶解したDMG [ 13 C 4 , 15 N]標識体150μlと3時間反応させた。 他方、もう1つはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(2M)に溶解したDMG [ 12 C 4 , 14 N]標識体150μlで同じ時間反応させた。 3時間後、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(2M)に溶解した各DMG試薬150μlを各反応混合物に再度加え、一晩培養した。 タンパク質プーリング工程 この段階において、標識反応後、2つの異なる標識ポリペプチド混合物をトリフルオロ酢酸(TFA)1μlで酸性化し、DMG [ 12 C 4 14 N]標識体、及びDMG [ 13 C 4 15 N]標識体で標識されたポリペプチドを含む2つの混合物の一部を所定の割合にて混合した。 タンパク質精製及び消化工程 過剰な標識試薬、グアニジン塩酸塩及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を全て取り除くために、異なる標識ポリペプチド比率の混合物を分画分子量5,000を有するセントリコン装置を使用してサイズ排除遠心分離法により精製した。 66mM尿素、及び33mMチオ尿素を含むpH7.5の50mMホウ酸塩バッファーを希釈と回収を繰り返すために使用した。 各比率の混合物について250μlが回収された。 トリプシン5μg(sequencing grade modified trypsin、プロメガ(Promega))を各混合物に加え、pHを7.8に調整し、溶液を37℃で20時間反応させた。 実施例8 ペプチド同定はCID(選択ペプチドイオン衝突)に続き、SEQUESTによるMS/MSスペクトルの自動解釈により行われた(Yates, J.R., 3rd;Eng, J.K.;McCormack,A.L., Anal Chem.67(18) pp.3202−3210, “Mining genomes:correlating tandem mass spectra of modified and unmodified peptides to sequences in nucleotide databases”, 1995; MacCoss, M.J.;Wu,C.C.;Yates,J.R.3 rd , Anal Chem. 74 (21) pp.5593−5599、“Probability−based validation of protein identifications using a modified SEQUEST algorithm”, 2002)。 ペプチド対の定量分析は、DMG [ 12 C 4 14 N]及びDMG [ 13 C 4 15 N]標識ペプチドそれぞれの同位体パターンの統合後、MSモードで手動で行われた。 よって、DMG [ 12 C 4 14 N]標識ペプチド及びDMG [ 13 C 4 15 N]標識ペプチドからもたらされるピーク面積の比較が実測比となる。 本発明は、一例として図面を参照してより詳細に説明される。 12 C 4 14 N/ 13 C 4 15 N同位体標識を使用するCNBrタンパク質消化物の定量化研究のための手順を示す。 用いられるタンパク質は分子量が69293Daであるウシアルブミン(Bovine Albumin(ALB_BOVIN))であり、次の配列で表される: * VPQVSTPTLVEVSRの溶出時間の観察を示し、配列中の*は、安定同位体DMG 13 C 4 15 N(重)、又はDMG 12 C 4 14 N(軽)を示しており、本実験により、標識ペプチド対が正確に共溶出していることがわかる。 12 C/ 13 C 15 N DMG標識体を使用して区別して標識をされたペプチドK * VPQVSTPTLVEVSRの定量化を示し、 12 C/ 13 C 15 N DMG標識体から生じる5amu差により2つの同位体パターンの効果的な識別を際立たせており、また、定量分析を可能にするパターン間の質量差の実効性をも際立たせている。 12 C/ 13 C 4 15 N DMG標識体を使用する定量分析の精度を示す。 分析は、次の標識特徴を有する3つのペプチドに対して行われた。 ・DMG 12 C 4 14 N、及びDMG 13 C 4 15 N標識体の7つの異なる比率。 (1/3、1/2、2/3、1/1、2/1、3/2、及び3/1)・異なる標識体数。 ・異なるサイズ及び電荷状態。 以下の通り。 (DMG)PCTEDYLSLILNR (2+及び3+) K(DMG)VPQVSTPTLVEVSR (2+及び3+) (DMG)AALK(DMG)AWSVAR (2+及び3+) 図6のグラフは、上記3つのペプチドの7つの異なる期待比、及び観察比の回帰線を表す。 (参考文献) |