Synthesis of N- replacement oligomer

申请号 JP50131797 申请日 1996-06-04 公开(公告)号 JP3943593B2 公开(公告)日 2007-07-11
申请人 カイロン コーポレイション; 发明人 リチャード エイ. ゴールドスミス,; ダーン エイ. ゴフ,; レイナ サイモン,; ロナルド エヌ. ザッカーマン,; アーロン シー. シグマンド,; バーバラ オー. スコット,; ケリー スペア,; サイモン ヌグ,; ヤゾン ペイ,; チャールズ ケイ. マーロウ,; ルッツ リッチター,;
摘要
权利要求
  • N−置換ポリアミド から誘導されたヘテロ環式縮合環有機化合物のライブラリーを合成する方法であって、 該化合物の各々が、ペプトイド骨格の環化に由来する少なくとも1つの縮合環構造を含み、該方法が以下の工程
    a)その表面上にアミンを誘導体化した複数の固体支持体表面を提供する工程;
    b)該固体支持体表面を複数の分割量に分割する工程;
    c)工程(b)の各分割量の表面上の アミンを アミン による求核置換 する能力を有する脱離基を含む異なる第1サブモノマーアシル化剤を用いてアシル化して、該各分割量の表面上の求核剤に結合したアシル基を得、 該アシル基はその上に求核置換のための脱離基を配置し、そして該反応を完結させる工程;
    d)工程(c)の各分割量の支持体表面をプールし、そして混合する工程;
    e)工程(d)の該プールを複数の分割量に分割する工程;
    f)(e)の各分割量上のアシル化された固体支持体を、アミノ基を含む十分な量の第2サブモノマー置換剤と反応させて、アシル化時に付加された脱離基の求核置換を行い、ここで、各分割量の該アシル化されたアミンは異なる第2サブモノマーと反応し、そして該反応を完結させる、工程
    g)工程(f)の反応した分割量をプールし、固体支持体上にN−置換ポリアミド化合物のライブラリーを得る工程
    h)該工程(b)〜(g)または工程(b)〜(g)のサブセットを十分な回数繰り返し、所望の数のサブモノマーを共有結合させる、工程;
    i)該反応した分割量をプールし、固体支持体表面上にN−置換ポリアミド化合物のライブラリーを得る工程;および
    j)該N−置換ポリアミドを、該N−置換ポリアミドを環化させる試薬と接触させ、ヘテロ環式縮合環有機化合物を生成する工程
    、を包含する方法
  • 請求項1に記載の方法であって
    ここで、該サブモノマー の各々は、カルボン酸、酸ハロゲン化物、クロロホルメート、ハロ−アルケン酸、ハロゲン化スルホニル、1級アミン、2級アミン、アルコキシアミン、セミカルバジド、アシルヒドラジド、カルバゼート、イソシアネート、イソチオシアネートからなる群より選択される化合物またはその置換された誘導体である 、方法
  • 前記少なくとも1つのサブモノマーは、オルト−ハロベンゼン誘導体である、請求項1に記載の方法。
  • 前記工程j)の環化工程がパラジウム触媒Heck反応を包含する、請求項3に記載の方法。
  • N−置換ポリアミドから誘導されたヘテロ環式有機化合物のライブラリーを合成する方法であって、該化合物の各々が、ペプトイド骨格の環化に由来する少なくとも1つのヘテロ環構造を含み、該方法が以下の工程:
    a)その表面上にヒドロキシル部分を誘導体化した複数の固体支持体表面を提供する工程;
    b)該固体支持体表面を複数の分割量に分割する工程;
    c)工程(b)の各分割量の表面上の該ヒドロキシルを、アミンによる求核置換する能力を有する脱離基を含む異なる第1サブモノマーアシル化剤を用いてアシル化して、該各分割量の表面上の求核剤に結合したアシル基を得、該アシル基はその上に求核置換のための脱離基を配置し、そして該反応を完結させる工程;
    d)工程(c)の各分割量の支持体表面をプールし、そして混合する工程;
    e)工程(d)の該プールを複数の分割量に分割する工程;
    f)(e)の各分割量上のアシル化された固体支持体を、アミノ基を含む十分な量の第2サブモノマー置換剤と反応させて、アシル化時に付加された脱離基の求核置換を行い、ここで、各分割量の該アシル化されたアミンは異なる第2サブモノマーと反応し、そして該反応を完結させる、工程;
    g)工程(f)の反応した分割量をプールし、固体支持体上にN−置換ポリアミド化合物のライブラリーを得る工程;
    h)該工程(b)〜(g)または工程(b)〜(g)のサブセットを十分な回数繰り返し、所望の数のサブモノマーを共有結合させ;ここで、工程(c)の繰り返しにおいて、該アシル化が工程(f)のアミノ基上で行われる、工程;
    i)該反応した分割量をプールし、固体支持体表面上にN−置換ポリアミド化合物のライブラリーを得る工程;および
    j)該N−置換ポリアミドを、該N−置換ポリアミドを環化させる試薬と接触させる工程
    、を包含する方法であって、ここで、
    該第1サブモノマー の各々独立して、式HOOC−CH(R 1,3 )−Brの置換アシル化剤であり;
    該第2サブモノマー の各々独立して式R 2または4 −NH 2 1級アミンであり;
    該脱離基 の各々独立してハロゲンであり;そして
    該工程(b)〜(g)を1回繰り返し、該ヘテロ環式有機化合物が、独立して、以下の式、
    、を有するテトラ置換−2,5−ジケト−1,4−ピペラジン化合物であり、ここで、R 1,2,3 は、独立して、窒素または炭素原子に結合可能な任意の側鎖であり、該側鎖は、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、−OH、−NR a b (ここで、R a およびR b は各々独立して、−Hまたは低級アルキルである)、−OR a 、−C(O)R a 、−OC(O)R a 、−C(O)OR a 、−OC(O)OR a 、−(CH 2 n −CX 1 2 3 (ここで、nは0〜6であり、そしてX 1〜3 は各々独立して、Hまたはハロである)、−NC(O)R a 、−C(O)NR a b 、−OC(O)NR a b または−NC(O)NR a b からなる群より選択され、そしてここで、a、bは1〜100の整数である、
    方法。
  • N−置換ポリアミドから誘導されたヘテロ環式有機化合物のライブラリーを合成する方法であって、該化合物の各々が、ペプトイド骨格の環化に由来する少なくとも1つのヘテロ環構造を含み、該方法が以下の工程:
    a)その表面上にヒドロキシル部分を誘導体化した複数の固体支持体表面を提供する工程;
    b)該固体支持体表面を複数の分割量に分割する工程;
    c)工程(b)の各分割量の表面上の該ヒドロキシルを、アミンによる求核置換する能力を有する脱離基を含む異なる第1サブモノマーアシル化剤を用いてアシル化して、該各分割量の表面上の求核剤に結合したアシル基を得、該アシル基はその上に求核置換のための脱離基を配置し、そして該反応を完結させる工程;
    d)工程(c)の各分割量の支持体表面をプールし、そして混合する工程;
    e)工程(d)の該プールを複数の分割量に分割する工程;
    f)(e)の各分割量上のアシル化された固体支持体を、アミノ基を含む十分な量の第2サブモノマー置換剤と反応させて、アシル化時に付加された脱離基の求核置換を行い、ここで、各分割量の該アシル化されたアミンは異なる第2サブモノマーと反応し、そして該反応を完結させる、工程;
    g)工程(f)の反応した分割量をプールし、固体支持体上にN−置換ポリアミド化合物のライブラリーを得る工程;
    h)該工程(b)〜(g)または工程(b)〜(g)のサブセットを十分な回数繰り返し、所望の数のサブモノマーを共有結合させ;ここで、工程(c)の繰り返しにおいて、該アシル化が工程(f)のアミノ基上で行われる、工程;
    i)該反応した分割量をプールし、固体支持体表面上にN−置換ポリアミド化合物のライブラリーを得る工程;および
    j)該N−置換ポリアミドを、該N−置換ポリアミドを環化させる試薬と接触させる工程
    、を包含する方法であって、ここで、
    第1サブモノマーの各々および第3サブモノマーの各々は、独立して、以下の式、HOOC−CH(R 1,3 )−Brの置換アシル化剤であり;
    第2サブモノマーの各々は、独立して、式R 2 −NH 2 を有する1級アミンであり;
    脱離基の各々は、独立して、ハロゲンであり;そして
    該工程(b)〜(d)を1回繰り返し、ヘテロ環式有機化合物の各々は、独立して、以下の式、
    、を有すトリ置換−2,5−ジケト−モルホリン化合物であり、ここで、R 1,2,3 は、独立して、窒素または炭素原子に結合可能な任意の側鎖であり、該側鎖は、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、−OH、−NR a b (ここで、R a およびR b は各々独立して、−Hまたは低級アルキルである)、−OR a 、−C(O)R a 、−OC(O)R a 、−C(O)OR a 、−OC(O)OR a 、−(CH 2 n −CX 1 2 3 (ここで、nは0〜6であり、そしてX 1〜3 は各々独立して、Hまたはハロである)、−NC(O)R a 、−C(O)NR a b 、−OC(O)NR a b または−NC(O)NR a b からなる群より選択され、そしてa、bは1〜100の整数である、
    方法。
  • 請求項1に記載の方法であって、ここで、
    第1サブモノマーの各々は、独立して、以下の式、 Br−CH 2 −CH=CH−COOHの3−ハロ置換アルケン酸であり;
    第2サブモノマーの各々は、独立して、式R 2 −NH 2を有する1級アミンであり;
    反復工程(c)の第1サブモノマーの各々は、独立して、 オルト脱離基を有するベンゾイルハロゲン 化物であり、ここで、該第1サブモノマーは、以下の式、
    を有し;
    前記ヘテロ環式有機化合物の各々は、独立して、以下の式、
    を有する 1−(2H)−イソキノリノン化合物であり、ここで、XはRと同じであり、そして独立して、芳香族環に結合可能な任意のモイエティーであり、1,2,3,4は独立して、窒素または炭素原子に結合可能な任意の側鎖であり、該側鎖は、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、−OH、−NR ab (ここで、R aおよびR bは各々独立して、−Hまたは低級アルキルである)、−OR a 、−C(O)R a 、−OC(O)R a 、−C(O)OR a 、−OC(O)OR a 、−(CH 2n −CX 123 (ここで、nは0〜6であり、そしてX 1〜3は各々独立して、Hまたはハロである)、−NC(O)R a 、−C(O)NR ab 、−OC(O)NR abまたは−NC(O)NR abからなる群より選択され、そしてここでa、bは1〜100の整数である
    方法
  • 請求項 に記載の方法であって、ここで、
    前記 アミン誘導体化固体支持体が、P−NH−(C=O)−CH 2 −NHRの式を有するモノペプトイドで誘導体化されており、ここで、Pは該固体支持体であり、
    第1サブモノマーの各々は、独立して、式 HOOC−CH=CH−CH(R')Brを有するハロ置換アルケン酸であり;
    第2サブモノマーの各々は、独立して、 以下の式、
    を有する1級アミンであり;
    ヘテロ環式有機化合物 の各々は、以下の式、
    を有する テトラヒドロイソキノリンであり、ここで、nは1、2、または3であり;そしてXおよびYはRと同じであり、そして独立して、芳香族環に結合可能な任意のモイエティーであり、R、R'は独立して、窒素または炭素原子に結合可能な任意の側鎖であり、該側鎖は、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、−OH、−NR ab (ここで、R aおよびR bは各々独立して、−Hまたは低級アルキルである)、−OR a 、−C(O)R a 、−OC(O)R a 、−C(O)OR a 、−OC(O)OR a 、−(CH 2n −CX 123 (ここで、nは0〜6であり、そしてX 1〜3は各々独立して、Hまたはハロである)、−NC(O)R a 、−C(O)NR ab 、−OC(O)NR abまたは−NC(O)NR abからなる群より選択され、そしてここで CAPは式−H、Rを有するキャッピングモイエティーであるか、または以下の式、
    を有するモイエティーからなる群より選択される、
    方法
  • 請求項1に記載の方法であって、ここで、
    前記固体支持体に結合するアミンの各々は、独立して、式P−NR 1 −(C=O)−CH 2 −NR 2 −(C=O)−CH 2 Lを有するペプトイドであり、ここでPは該固体支持体でありそしてLは脱離基であり
    第1サブモノマーの各々は、独立して、以下の式、
    を有する ハロ置換アリール1級アミンであり;
    第2サブモノマーの各々は、独立して、以下の式、 A−(C=O)−CH=CHR 1 を有する置換アルケン酸であり;そして
    該ヘテロ環式有機化合物の各々は、独立して、以下の式、
    有する3'−ジヒドロイソキノリノンであり、ここで、XはRと同じであり、そして独立して、芳香族環に結合可能な任意のモイエティーであり、R、R 1 、R 2 は独立して、窒素または炭素原子に結合可能な任意の側鎖であり、該側鎖は、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、−OH、−NR a b (ここで、R a およびR b は各々独立して、−Hまたは低級アルキルである)、−OR a 、−C(O)R a 、−OC(O)R a 、−C(O)OR a 、−OC(O)OR a 、−(CH 2 n −CX 1 2 3 (ここで、nは0〜6であり、そしてX 1〜3 は各々独立して、Hまたはハロである)、−NC(O)R a 、−C(O)NR a b 、−OC(O)NR a b または−NC(O)NR a b からなる群より選択され、そしてここでa、bは1〜100の整数であり、ここでa、bは各々独立して1〜100の整数であり、そして、Aは、独立してハロゲンである、
    方法。
  • 請求項1に記載の方法であって、ここで、
    前記固体支持体に結合するアミンの各々は、独立して、式P−NH−(C=O)−CH 2 −NR−(C=O)−CH 2 Lを有するペプトイドであり、ここでPは該固体支持体でありそしてLは脱離基であり;
    第1サブモノマーの各々は、独立して、以下の式、
    を有するアリール置換1級アミンであり;
    第2サブモノマーの各々は、独立して、以下の式:
    のハロ置換アリール酸ハロゲン化物であり;そして
    該ヘテロ環式有機化合物の各々は、独立して、以下の式、
    を有するフェナントリドンであり、ここで、X、Y、X′およびY′はRと同じであり、そして独立して、芳香族環に結合可能な任意のモイエティーであり、R、 1 、R 2は独立して、窒素または炭素原子に結合可能な任意の側鎖であり、該側鎖は、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、−OH、−NR ab (ここで、R aおよびR bは各々独立して、−Hまたは低級アルキルである)、−OR a 、−C(O)R a 、−OC(O)R a 、−C(O)OR a 、−OC(O)OR a 、−(CH 2n −CX 123 (ここで、nは0〜6であり、そしてX 1〜3は各々独立して、Hまたはハロである)、−NC(O)R a 、−C(O)NR ab 、−OC(O)NR abまたは−NC(O)NR abからなる群より選択され、ここで、a、bは1〜100の整数であり、そして、Aは、独立してハロゲンである
    方法
  • N−置換ポリアミドから誘導されたヘテロ環式有機化合物のライブラリーを合成する方法であって、該化合物の各々が、ペプトイド骨格の環化に由来する少なくとも1つの縮合環構造を含み、該方法が以下の工程:
    a)その表面上にアミンを誘導体化した複数の固体支持体表面を提供する工程;
    b)該固体支持体表面を複数の分割量に分割する工程;
    c)工程(b)の各分割量の表面上の該アミンを、アミンによる求核置換する能力を有する脱離基を含む異なる第1サブモノマーアシル化剤を用いてアシル化して、該各分割量の表面上の求核剤に結合したアシル基を得、該アシル基はその上に求核置換のための脱離基を配置し、そして該反応を完結させる工程;
    d)工程(c)の各分割量の支持体表面をプールし、そして混合する工程;
    e)工程(d)の該プールを複数の分割量に分割する工程;
    f)(e)の各分割量上のアシル化された固体支持体を、アミノ基を含む十分な量の第2サブモノマー置換剤と反応させて、アシル化時に付加された脱離基の求核置換を行い、ここで、各分割量の該アシル化されたアミンは異なる第2サブモノマーと反応し、そして該反応を完結させる、工程;
    g)工程(f)の反応した分割量をプールし、固体支持体上にN−置換ポリアミド化合物のライブラリーを得る工程;
    h)該工程(b)〜(g)または工程(b)〜(g)のサブセットを十分な回数繰り返し、所望の数のサブモノマーを共有結合させる、工程;
    i)該反応した分割量をプールし、固体支持体表面上にN−置換ポリアミド化合物のライブラリーを得る工程;および
    j)該N−置換ポリアミドを、該N−置換ポリアミドを環化させる試薬と接触させて、ヘテロ環式有機化合物を生成する工程
    、を包含する方法であって、ここで、
    前記 アミン誘導体化固体支持体 が、P−NH−(C=O)−CH 2 −NR 1 の式を有するモノペプトイド で誘導体化されており、ここで、Pは該固体支持体であり、
    第1サブモノマーの各々は、独立して、 式HOOC−CH=CH−CH(R 2 )Brを有するハロ置換アルケン酸であり
    第2サブモノマーの各々は、独立して、 式R 3 −NH 2 の一級アミンであり、
    前記工程(c)の第一のサブモノマーの各々が、保護されたアミン置換基を有し、式R 4 −CH(NHPG)−COOHを有し、
    ヘテロ環式有機化合物の各々は、独立して、以下の式、
    を有する モノケトピペラジンであり、ここで、PGは、FmocおよびBocからなる群より選択されるアミン保護基であり ;R 1 、R 2 、R 3 、R 4は、独立して、窒素または炭素原子に結合可能な任意の側鎖であり、該側鎖は、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、−OH、−NR ab (ここで、R aおよびR bは各々独立して、−Hまたは低級アルキルである)、−OR a 、−C(O)R a 、−OC(O)R a 、−C(O)OR a 、−OC(O)OR a 、−(CH 2n −CX 123 (ここで、nは0〜6であり、そしてX 1〜3は各々独立して、Hまたはハロである)、−NC(O)R a 、−C(O)NR ab 、−OC(O)NR abまたは−NC(O)NR abからなる群より選択され、そしてここで、a、bは1〜10の整数である
    方法
  • 支持体上に結合する10以上の異なる化合物を特徴とする、 ヘテロ環式縮合環有機化合物のライブラリーであって、ここで、該化合物 の各々は、ペプトイド 骨格の環化から誘導される 少なくとも1つのヘテロ環式 縮合環構造含み 、そしてここで、該化合物は、回収可能な量かつ分析可能な量で該ライブラリー中に存在する、ライブラリー。
  • N−置換ポリアミドから誘導されたヘテロ環式有機化合物のライブラリーを合成する方法であって、該化合物の各々が、ペプトイド骨格の環化に由来する少なくとも1つの縮合環構造を含み、該方法が以下の工程:
    a)その表面上にアミンを誘導体化した複数の固体支持体表面を提供する工程;
    b)表面上の該アミンを、アミンによる求核置換する能力を有する脱離基を含む第1サブモノマーアシル化剤を用いてアシル化して、該各分割量の表面上の求核剤に結合したアシル基を得、該アシル基はその上に求核置換のための脱離基を配置させる工程;
    c)該アシル化された固体支持体を、アミノ基を含む十分な量の第2サブモノマー置換剤と反応させて、アシル化時に付加された脱離基の求核置換を行う工程;
    d)該工程(b)または工程(b)〜(c)を十分な回数繰り返し、所望の数のサブモノマーを共有結合させる、工程;
    e)得られた該N−置換ポリアミドを、該N−置換ポリアミドを環化させる試薬と接触させてヘテロ環式縮合環有機化合物を生成する工程
    、を包含し、ここで、少なくとも1つのサブモノマーは、オルト−ハロベンゼン誘導体であり、そして該工程e)の環化は、パラジウム触媒Heck反応を包含する、方法。
  • 請求項13に記載の方法であって、
    前記第1のサブモノマーは、式Br−CH 2 −CH=CH−COOHの3−ハロ置換アルケン酸であり;
    該第2のサブモノマーは、式R 2 −NH 2 の一級アミンであり;
    反復される工程(c)の該第1サブモノマーは、オルト脱離基を有するベンゾイルハロゲン化物であり、以下の式:
    を有し、そして該ヘテロ環式有機化合物が以下の式:
    を有する 1−(2H)−イソキノリノン化合物であり、ここで、
    XはRと同じであり、そして独立して、芳香族環に結合可能な任意のモイエティーであり、R 1,2,3,4 は独立して、窒素または炭素原子に結合可能な任意の側鎖であり、該側鎖は、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、−OH、−NR a b (ここで、R a およびR b は各々独立して、−Hまたは低級アルキルである)、−OR a 、−C(O)R a 、−OC(O)R a 、−C(O)OR a 、−OC(O)OR a 、−(CH 2 n −CX 1 2 3 (ここで、nは0〜6であり、そしてX 1〜3 は各々独立して、Hまたはハロである)、−NC(O)R a 、−C(O)NR a b 、−OC(O)NR a b または−NC(O)NR a b からなる群より選択され、そしてここでa、bは1〜100の整数である、
    方法。
  • 請求項13に記載の方法であって、ここで、
    前記 アミン誘導体化固体支持体 が、P−NH−(C=O)−CH 2 −NHRの式を有するモノペプトイドで誘導体化されており、ここで、Pは該固体支持体であり、
    第1サブモノマーの各々は、独立して、式HOOC−CH=CH−CH(R')Brを有するハロ置換アルケン酸であり;
    第2サブモノマーの各々は、独立して、以下の式、

    を有するアリール1級アミンであり;
    ヘテロ環式有機化合物の各々は、以下の式、

    を有するテトラヒドロイソキノリノンであり、ここで、nは1、2、または3であり、そしてXおよびYはRと同じであり、そして独立して、芳香族環に結合可能な任意のモイエティーであり、R、R'は独立して、窒素または炭素原子に結合可能な任意の側鎖であり、該側鎖は、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、−OH、−NR a b (ここで、R a およびR b は各々独立して、−Hまたは低級アルキルである)、−OR a 、−C(O)R a 、−OC(O)R a 、−C(O)OR a 、−OC(O)OR a 、−(CH 2 n −CX 1 2 3 (ここで、nは0〜6であり、そしてX 1〜3 は各々独立して、Hまたはハロである)、−NC(O)R a 、−C(O)NR a b 、−OC(O)NR a b または−NC(O)NR a b からなる群より選択され、そしてここでCAPは式−H、Rを有するキャッピングモイエティーであるか、または以下の式、

    を有するモイエティーからなる群より選択される、
    方法。
  • 請求項13に記載の方法であって、ここで、
    前記固体支持体に結合するアミンの各々は、独立して、式P−NR 1 −(C=O)−CH 2 −NR 2 −(C=O)−CH 2 Lを有するペプトイドであり、ここでPは該固体支持体でありそしてLは脱離基であり;
    第1サブモノマーの各々は、独立して、以下の式、

    を有するハロ置換アリール1級アミンであり;
    第2サブモノマーの各々は、独立して、以下の式、A−(C=O)−CH=CHR 2 を有する置換アルケン酸であり;そして
    該ヘテロ環式有機化合物の各々は、独立して、以下の式、

    を有する3'−ジヒドロイソキノリノンであり、ここで、XはRと同じであり、そして独立して、芳香族環に結合可能な任意のモイエティーであり、R、R 1 、R 2 は独立して、窒素または炭素原子に結合可能な任意の側鎖であり、該側鎖は、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、−OH、−NR a b (ここで、R a およびR b は各々独立して、−Hまたは低級アルキルである)、−OR a 、−C(O)R a 、−OC(O)R a 、−C(O)OR a 、−OC(O)OR a 、−(CH 2 n −CX 1 2 3 (ここで、nは0〜6であり、そしてX 1〜3 は各々独立して、Hまたはハロである)、−NC(O)R a 、−C(O)NR a b 、−OC(O)NR a b または−NC(O)NR a b からなる群より選択され、そしてここでa、bは各々独立して1〜100の整数であり、そして、Aは、独立してハロゲンである、
    方法。
  • 請求項13に記載の方法であって、
    ここで、
    前記固体支持体に結合するアミンの各々は、独立して、式P−NH−(C=O)−CH 2 −NR−(C=O)−CH 2 Lを有するペプトイドであり、ここでPは該固体支持体でありそしてLは脱離基であり;
    第1サブモノマーの各々は、独立して、以下の式、

    を有するアリール置換1級アミンであり;
    第2サブモノマーの各々は、独立して、以下の式:
    のハロ置換アリール酸ハロゲン化物であり;そして
    該ヘテロ環式有機化合物の各々は、独立して、以下の式、
    を有するフェナントリドンであり、ここで、X、Y、X′およびY′はRと同じであり、そして独立して、芳香族環に結合可能な任意のモイエティーであり、R、R 1 、R 2 は独立して、窒素または炭素原子に結合可能な任意の側鎖であり、該側鎖は、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、−OH、−NR a b (ここで、R a およびR b は各々独立して、−Hまたは低級アルキルである)、−OR a 、−C(O)R a 、−OC(O)R a 、−C(O)OR a 、−OC(O)OR a 、−(CH 2 n −CX 1 2 3 (ここで、nは0〜6であり、そしてX 1〜3 は各々独立して、Hまたはハロである)、−NC(O)R a 、−C(O)NR a b 、−OC(O)NR a b または−NC(O)NR a b からなる群より選択され、ここで、a、bは1〜100の整数であり、そして、Aは、独立してハロゲンである、
    方法。
  • N−置換ポリアミドから透導されたヘテロ環式有機化合物を合成する方法であって、該方法が以下の工程:
    a)その表面上にヒドロキシル部分を誘導体化した固体支持体表面を提供する工程;
    b)表面上の該ヒドロキシルを、アミンによる求核置換する能力を有する脱離基を含む第1サブモノマーアシル化剤を用いてアシル化して、該各分割量の表面上の求核剤に結合したヒドロキシル基を得、該アシル基はその上に求核置換のための脱離基を配置させる工程;
    c)該アシル化された固体支持体を、アミノ基を含む十分な量の第2サブモノマー置換剤と反応させて、アシル化時に付加された脱離基の求核置換を行う工程;
    d)該工程(b)または工程(b)〜(c)を十分な回数繰り返し、所望の数のサブモノマーを共有結合させ、工程(b)の繰り返しにおいて、該アシル化が工程(c)のアミノ基において行われる、工程;
    e)得られた該N−置換ポリアミドを、該N−置換ポリアミドを環化させる試薬と接触させてヘテロ環式縮合環有機化合物を生成する工程
    、を包含し、ここで、
    該第1サブモノマーの各々が独立して、式HOOC−CH(R 1,3 )−Brの置換アシル化剤であり;
    該第2サブモノマーの各々が独立して式R 2または4 −NH 2 の1級アミンであり;
    該脱離基の各々が独立してハロゲンであり;そして
    該工程(b)〜(c)を1回繰り返し、該ヘテロ環式有機化合物が、独立して、以下の式、

    を有するテトラ置換−2,5−ジケト−1,4−ピペラジン化合物であり、ここで、R 1,2,3 は、独立して、窒素または炭素原子に結合可能な任意の側鎖であり、該側鎖は、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、−OH、−NR a b (ここで、R a およびR b は各々独立して、−Hまたは低級アルキルである)、−OR a 、−C(O)R a 、−OC(O)R a 、−C(O)OR a 、−OC(O)OR a 、−(CH 2 n −CX 1 2 3 (ここで、nは0〜6であり、そしてX 1〜3 は各々独立して、Hまたはハロである)、−NC(O)R a 、−C(O)NR a b 、−OC(O)NR a b または−NC(O)NR a b からなる群より選択され、そしてここで、a、bは1〜100の整数である、
    方法。
  • N−置換ポリアミドから誘導されたヘテロ環式有機化合物を合成する方法であって、該方法が以下の工程:
    a)その表面上にヒドロキシル部分を誘導体化した固体支持体表面を提供する工程;
    b)表面上の該ヒドロキシルを、アミンによる求核置換する能力を有する脱離基を含む第1サブモノマーアシル化剤を用いてアシル化して、該各分割量の表面上の求核剤に結合したヒドロキシル基を得、該アシル基はその上に求核置換のための脱離基を配置させる工程;
    c)該アシル化された固体支持体を、アミノ基を含む十分な量の第2サブモノマー置換剤と反応させて、アシル化時に付加された脱離基の求核置換を行う工程;
    d)該工程(b)または工程(b)〜(c)を十分な回数繰り返し、所望の数のサブモノマーを共有結合させ、工程(b)の繰り返しにおいて、該アシル化が工程(c)のアミノ基において行われる、工程;
    e)得られた該N−置換ポリアミドを、該N−置換ポリアミドを環化させる試薬と接触させてヘテロ環式縮合環有機化合物を生成する工程
    、を包含し、ここで、
    第1サブモノマーの各々および第3サブモノマーの各々は、独立して、以下の式、HOOC−CH(R 1,3 )−Brの置換アシル化剤であり;
    第2サブモノマーの各々は、独立して、式R 2 −NH 2 を有する1級アミンであり;
    脱離基の各々は、独立して、ハロゲンであり;そして
    該工程(b)を1回繰り返し、環式有機化合物の各々は、独立して、以下の式、

    を有すトリ置換−2,5−ジケト−モルホリン化合物であり、ここで、R 1,2,3 は、独立して、窒素または炭素原子に結合可能な任意の側鎖であり、該側鎖は、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、−OH、−NR a b (ここで、R a およびR b は各々独立して、−Hまたは低級アルキルである)、−OR a 、−C(O)R a 、−OC(O)R a 、−C(O)OR a 、−OC(O)OR a 、−(CH 2 n −CX 1 2 3 (ここで、nは0〜6であり、そしてX 1〜3 は各々独立して、Hまたはハロである)、−NC(O)R a 、−C(O)NR a b 、−OC(O)NR a b または−NC(O)NR a b からなる群より選択され、そしてa、bは1〜100の整数である、
    方法。
  • N−置換ポリアミドから誘導されたヘテロ環式有機化合物を合成する方法であって、該方法が以下の工程:
    a)その表面上にヒドロキシル部分を誘導体化した固体支持体表面を提供する工程;
    b)表面上の該ヒドロキシルを、アミンによる求核置換する能力を有する脱離基を含む第1サブモノマーアシル化剤を用いてアシル化して、該各分割量の表面上の求核剤に結合したヒドロキシル基を得、該アシル基はその上に求核置換のための脱離基を配置させる工程;
    c)該アシル化された固体支持体を、アミノ基を含む十分な量の第2サブモノマー置換剤と反応させて、アシル化時に付加された脱離基の求核置換を行う工程;
    d)該工程(b)または工程(b)〜(c)を十分な回数繰り返し、所望の数のサブモノマーを共有結合させ、工程(b)の繰り返しにおいて、該アシル化が工程(c)のアミノ基において行われる、工程;
    e)得られた該N−置換ポリアミドを、該N−置換ポリアミドを環化させる試薬と接触させてヘテロ環式縮合環有機化合物を生成する工程
    、を包含し、ここで、
    前記アミン誘導体化固体支持体が、P−NH−(C=O)−CH 2 −NR 1 の式を有するモノペプトイドで誘導体化されており、ここで、Pは該固体支持体であり、
    第1サブモノマーの各々は、独立して、式HOOC−CH=CH−CHR 2 Brを有するハロ置換アルケン酸であり;
    第2サブモノマーの各々は、独立して、式R 3 −NH 2 の一級アミンであり、
    前記工程(c)の第一のサブモノマーの各々が、保護されたアミン置換基を有し、式R 4 −CH(NHPG)−COOHを有し、
    ヘテロ環式有機化合物の各々は、独立して、以下の式、

    を有するモノケトピペラジンであり、ここで、PGは、FmocおよびBocからなる群より選択されるアミン保護基であり;R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は、独立して、窒素または炭素原子に結合可能な任意の側鎖であり、該側鎖は、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、−OH、−NR a b (ここで、R a およびR b は各々独立して、−Hまたは低級アルキルである)、−OR a 、−C(O)R a 、−OC(O)R a 、−C(O)OR a 、−OC(O)OR a 、−(CH 2 n −CX 1 2 3 (ここで、nは0〜6であり、そしてX 1〜3 は各々独立して、Hまたはハロである)、−NC(O)R a 、−C(O)NR a b 、−OC(O)NR a b または−NC(O)NR a b からなる群より選択され、そしてここで、a、bは1〜10の整数である、
    方法。
  • 说明书全文

    関連する出願のクロスリファレンス
    本出願は、本発明者らが先に出願した米国特許出願第08/277,228号(1994年7月18日出願)(係属中)の一部継続出願である。 米国特許出願第08/277,228号は、本発明者らが先に出願した米国特許出願番号第08/126,539号(1993年9月24日出願)(現在では放棄されている)の一部継続出願であり、米国特許出願番号第08/126,539号は、本発明者らが先に出願した米国特許出願第07/950,853号(1992年9月24日出願)の一部継続出願である。 これらの出願は、その全体に関して本明細書中に参考として援用され、そしてこれらの出願に対し、本発明者らは、米国特許法第120条に基づき優先権を主張する。
    発明の分野
    本発明は、全般的に化学合成技術に関する。 さらに特定すると、本発明はN-置換オリゴマーの合成に関し、特に固相合成法を用いた、ポリ(N-置換グリシン)(本明細書中では、ポリNSGという)の形態のペプチド様化合物に関する。 本発明はまた、ヘテロ環式有機化合物(ここでは、N-置換グリシンモノマー単位が骨格を形成する)の固相合成に関する。 本発明はまた、生物学的活性に関してアッセイされるべきこのようなヘテロ環式有機化合物の組み合わせのライブラリーまたは混合物に関する。
    発明の背景
    ペプチド合成のための古典的な固相法に類似の標準的方法がNSGの合成に適用され得る。 このような方法に従って、N,α-Fmoc保護(および側鎖が保護された)NSGが活性化され、次いで、固体支持体結合アミノ基にカップリングされる。 次いで、Fmoc基が除去され、続いて次のモノマーが付加される。 このように、オリゴマー性のNSGは、N-置換グリシンの縮合ホモポリマーとして調製され得る。 このようなアプローチは、保護されたN-置換グリシンモノマーの適切な量の異なる異なるセットを調製する時間および費用のために望ましくない。 Fmocまたは他の保護基を付加することおよび除去することは、時間を浪費し、効率的でない。
    薬学的に活性な新しい有機薬剤(すなわち、結合に必要とされる3次元構造を有する化合物)を発見するための1つのアプローチは、主に、精製されたレセプターのX線結晶学に頼っている:一旦、結合部位が同定されれば、有機分子は、利用し得る立体空間および電荷分布に適合するように設計される。 しかし、精製されたレセプターを得ることはしばしば困難であり、X線結晶学を適用し得るようなレセプターを結晶化することはさらにより困難である。 また、結合部位が完全に同定された後でさえも、適切なリガンドを発明することが重要である。 概して、薬学的に活性な有用な化合物を設計することは、レセプターを同定し、精製し、そしてこれらのレセプターに結合した化合物の構造を同定し、その後、このような化合物を合成することに関する困難さのような多くのファクターを有するので、非常に困難である。
    新しい薬剤を発見するための別のアプローチは、公知の生物学的に活性な化合物を模倣する化合物を合成することである。 しかし、活性化合物の活性モイエティーまたは活性構造の構成部分が一般的には知られていないので、新しい化合物を合成する方法は、主に、試行錯誤し、各化合物を個々に合成そしてスクリーニングすることに頼っている。 この方法は、任意の単一の化合物に対する成功の見込みが相対的に低いので、時間の浪費であり、高価である。
    結晶学を用いるタンパク質の特定の3次元構造を決定する試み、または公知の生物学的活性ペプチドを模倣する特定のペプチドを合成する試みよりもむしろ、技術は組み合わせのライブラリーの製造に関して開発されている。 より詳細には、生物学的に活性なペプチドを単離する試みは、非常に多くの数の異なるペプチドを、同じ時間、同じ反応容器内で製造する。 次いで、合成された組み合わせのライブラリーはアッセイされ、そして活性分子が単離されそして分析される。 組み合わせのライブラリーは本質的に米国特許第5,266,684号に開示される。 米国特許第5,266,684号は、ほぼ全面的に、ライブラリー中の各反応生成物が20種の天然アミノ酸から構成されるペプチドであるライブラリーの合成に関する。
    薬学的に活性な化合物は、しばしば、高度に置換されたヘテロ環であるので、多数の関連する置換されたヘテロ環化合物をすばやくかつ比較的安価に、迅速に合成するための方法が必要とされる。 このアプローチは、生物学的活性を与える構造的な構成部分が知られていない化合物候補の群の各メンバーを別々に合成する問題を克服する。
    発明の要旨
    各N-置換モノマーが、固体基体上において、直接2つの「サブモノマー」から組み立てられるという合成方法が開示されている。 サブモノマー上の基本構造および置換基を種々変化させることによって、広範囲の異なるオリゴマーが製造され得る。 そのいくつかは、天然のタンパク質および核酸またはそれらの部分の構造および活性を模倣する。
    N-置換オリゴマー、例えば、N-置換グリシン(ポリNSG)は、2つのサブモノマーから調製されるモノマーからなる。 第1サブモノマーは、求核置換し得る脱離基を含むアシル化剤(例えば、ハロ酢酸)であり、そして第2サブモノマーは、-NH 2基を含む(例えば、1級アミン)。 サブモノマーを用いたポリマー合成の方向は、カルボキシからアミノ方向である。
    各モノマーの固相アセンブリー−および同時に生じるポリマー形成−は、N,α-保護モノマーの必要性を除く。 反応性の側鎖官能基のみが保護されていることが必要である。
    さらに、各サブモノマーは、アミド(アミノ酸を含む)のオリゴマーの合成に予め用いられるモノマーより、構造が単純である。 多くのサブモノマーは、市販されている。 これは、ポリNSG合成に必要な時間および費用を劇的に低減する。
    本発明の第1の目的は、固体基体支持体上で直接ポリ(N-置換アミド)を合成する方法を提供することである。
    本発明の他の目的は、N-置換グリシンのポリマーのようなN-置換オリゴマー(このオリゴマーは、広範囲の種類の側鎖置換基を有し得る)を合成するための固相法を提供することである。
    本発明の利点は、この方法が、固相法を用いた以前の通常の合成より効率良く行われ得るということである。
    本発明の重要な実施態様は、本明細書で、ポリN-置換アミドという特定のタイプのオリゴマー、特にポリ(N-置換グリシン)を合成するための、自動で、かつ高効率の固相法である。
    本発明の他の利点は、この方法がN,α-保護モノマーを必要としないということである。
    本発明の特徴は、合成の間、反応性の側鎖基のみが保護されているかまたはブロックされていることが必要であることである。
    本発明のさらに他の利点は、モノマー(およびオリゴマー)の各サブモノマーが、迅速でそして効率の良い合成をし得る単純な構造を有していることである。
    本発明の他の特徴は、本発明に関連して用いられる多くのサブモノマー成分が市販されていることである。
    本発明はまた、環式有機化合物の混合物に関する。 本発明によれば、各環式有機化合物は、生成物の混合物が得られるように改変される置換基を有するペプトイド(peputoid)骨格から構成される。 さらに、本発明は環状および/または非環式前駆体化合物から、環式有機化合物の組み合わせのライブラリーを調製する方法に関する。
    本発明の第1の目的は、ペプトイド由来で、かつ固体基体に共有結合するかまたは固体支持体から切断される、多くの環式有機化合物を含む混合物(ライブラリー)(このライブラリーは、少なくとも1つの生物学的に活性な環式有機化合物を含む)を提供することである。
    本発明の別の目的は、ペプトイド由来の環式有機化合物のライブラリー(このライブラリーは、少なくとも1つの生物学的に活性な環式有機化合物を含む)を得る方法を提供することである。
    本発明は、N-置換グリシン(NSG)(これは、ペプトイド骨格に関連して直線状であり得る)の混合物を特徴とする。 あるいは、NSGのペプトイド骨格は、ヘテロ環式構造(これは、必要に応じて、ヘテロ環に共有結合したペプトイドを有する)を形成し得る。 好ましくは、環状構造は、高度に置換されたイソキノリノン、イソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリノン、フェナントリドン、モノケトピペラジン、ピロリジン、ベンゾジアゼピンなどの化合物であり、これらの化合物は、1)ペプトイド骨格の分子内環化または2)ペプトイド骨格とアクセプター分子との分子間環化反応により形成される。
    本発明の別の目的は、天然タンパク質または生物学的に活性な他の化合物の活性をある程度模倣する化合物を得るために、このような環式有機化合物のライブラリーをスクリーニングするための方法論を提供することである。
    本発明の別の目的は、新規化合物を製造することであり、この新規化合物は、本発明の合成環式有機化合物の増強された結合親和性により薬物に対して生化学的に標的化することを提供するように、生物活性化合物(例えば、薬学的に活性な薬剤)にさらに結合する本発明の環式有機化合物である。
    本発明の利点は、この方法論を用いて、固体支持体に結合した、最強のレセプター結合親和性または最適化された他の標的生物学的活性を有する環式有機化合物を合成し得、そして単離し得ることである。
    本発明の別の利点は、本発明の環式有機化合物およびライブラリーを用いて、レセプター相互作用(すなわち、このような化合物と天然のレセプター部位との間の相互作用)を検討し得ることである。
    本発明の別の利点は、本発明の環式有機化合物およびライブラリーを使用して、レセプター相互作用(すなわち、このような化合物と天然のレセプター部位との間の相互作用)を調べ得ることである。
    本発明の別の目的は、薬物設計方法論を提供し、それにより、ペプトイド由来の環式有機化合物(これらの化合物は、同じレセプター部位に結合する生物活性なタンパク質または生物活性な他の分子と同じまたはより強い天然のレセプター部位に対する親和性を有する)を設計することである。
    本発明の別の特徴は、化学合成の方法論を、固相反応技術(これは、規定のライブラリーを製造することを可能にする)と関連させて使用し、そしてこの固相反応技術をオートメーション化して、環式有機化合物および/またはライブラリーを商業的な量で製造することを可能にすることである。
    本発明のさらに別の特徴は、基体に結合した本発明の環式有機化合物が、天然のペプチドまたは他の生物活性分子と比較して、これらが含む結合に関して異なる構造を有するだけでなく、天然のペプチドまたは他の生物活性分子を用いては可能ではあり得ない異なる三次元構造を有することである。
    本発明のこれらのおよび他の目的、利点、および特徴は、構造、合成、および使用法の詳細を読むことにより当業者に明らかとなり、そして以下にさらに十分に記載する。 参考文献は、付随する一般構造式および合成スキーム(これらは本明細書の一部を形成する)のために準備した。 ここで、同種の記号は、全体にわたって、同種の分子モイエティーを意味する。
    【図面の簡単な説明】
    図1は、4つの分離ライブラリーのIC 50値(および相対的な結合親和性)を測定するために用いられた競合的結合アッセイの結果を示すグラフである。
    図2は、本発明に従うイソキノリノンの混合物についての典型的な液体高圧液体クロマトグラムのダイアグラムである。 このダイアグラムは、固体支持体上での分子内Heck反応により合成された2-置換1-(2H)-イソキノリノンの7成分混合物についての逆相HPLCクロマトグラムを表す。
    詳細な説明
    本発明のペプトイド化合物およびペプトイド誘導の環式有機化合物、ライブラリーおよび結合体、ならびにこれらの作製するための方法を記載する前に、本発明が、本明細書中に記載される特定のペプトイド、環状およびヘテロ環式化合物、ならびにこれらの置換体に限定されないことが理解される。 なぜなら、このような化合物はおよび方法は、勿論、変化し得るからである。 本明細書中で用いられる用語は、特定の実施態様のみを記載するためのものであって、本発明の範囲が添付の請求の範囲によってのみ限定されるということを意図しないこともまた理解される。
    本発明は、種々の異なる局面(これらは、新規な環状またはヘテロ環式有機化合物および結合体、環式化合物のライブラリー、このような環状またはヘテロ環式の化合物、ライブラリーおよび結合体を合成する方法、ならびにこのようなライブラリーから所望の生物学的活性を有する所望の環式化合物を単離する方法を包含する)を含む。 さらに、本発明のこれらの局面のそれぞれの範囲内で、本発明は、多数の特定の実施態様を含む。 本発明の本質は、処理技術を提供し、それによって当業者が天然分子または生物学的に活性な合成分子の生物学的活性を模倣する分子(しかし、本発明の分子は、天然分子または合成分子と比較して異なる化学構造を有する)を製造しそして単離するために、本明細書中に開示されそして記載される情報を使用し得ることを含む。 用語「模倣する」は、製造された分子が、同じ活性、より強い活性、より弱い活性を有してもよいし、そして/または生物学的に活性な天然分子もしくは生物学的に活性な合成分子の効果をブロックしてもよいという点で、漠然と使用される。
    本明細書および添付の請求の範囲の全体にわたって、単数の形態「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示していない限り、複数の指示物も含むことに注意すべきである。 従って、例えば、「環式有機化合物(a cyclic organic compound)」に関しては、このような環式有機化合物の混合物を包含し、「反応性出発化合物(reactive starting compound)」に関しては、このような反応性出発化合物の混合物を包含し、そして、「合成方法(the method of synthesis)」に関しては、本開示を読んだ時に当業者に思い浮かぶ複数のこのような方法を包含する。
    本明細書に記載されている全ての刊行物は、本発明の特徴を開示し、そして記載するために、本明細書中で参考として援用されている。
    他に定義されない限り、本明細書に用いられている全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解されている意味と同じ意味を有する。 本明細書において記載されているものと同様または同等のいかなる方法および物質も、本発明の実施または試験において用いられ得るが、好適な方法および物質はここに記載される。
    多くの用語は、好都合に提供された以下の定義によって明細書中全体にわたって定義され、そして用いられる。
    オリゴマー
    用語「オリゴマー」には、本発明の方法によって製造されるポリマー(例えば、ポリNSG)が含まれる。 これには、いかなる長さのホモポリマー、コポリマー、およびインターポリマーも含まれる。 さらに詳細には、オリゴマーは、1種類の繰り返しモノマー、2種類の交互にならんだモノマーユニット、ランダムにならんだ2種類またはそれ以上のモノマーユニットおよび/または互いに故意に間隔をあけたユニットを含み得る。 製造されるポリアミドのタイプにかかわらず、本発明のポリアミドは、2工程サイクル(以下で詳細に記載する)を繰り返すことを含む同じ一般手順によって製造される。 この2工程サイクルでは、新しいモノマーユニットが、所望の長さのオリゴマーが得られるまで、各サイクルにおいて付加される。 オリゴマーは、好ましくは、2個〜100個のモノマー、さらに好ましくは2個〜50個、または2個〜20個、そして最も好ましくは2個〜6個のモノマーである。
    アシルサブモノマー
    用語「アシルサブモノマー」は、本発明の方法において用いられるアシル化剤をいう。 アシルサブモノマーは、反応性のカルボニルまたはカルボニルの等価物、およびアミンによる求核置換によって置換され得る脱離基を含む。 「カルボニルまたはカルボニル等価物」は、限定されないが、カルボン酸、エステル、アミド、無物、アシルハライド、およびイソシアネート(本発明のポリカルバメートの合成において)を包含する。 用いられるエステルおよびアミドは、一般に、「反応性の」形態、例えば、DIC付加物などである。 アシルサブモノマーは、さらに側鎖を含み得る。 適切なアシルサブモノマーは、限定されないが、ブロモ酢酸、3-ブロモプロピオン酸、2-ブロモプロピオン酸、2-ブロモエチルイソシアネート、2-ブロモエチルクロロホルメート、6-フェニル-3-ブロモヘキサン酸、4-ブロモメチル安息香酸、4-ブロモメチル-2-メトキシ安息香酸、5-ブロモメチル-ピリジン-2-カルボン酸などを包含する。
    アミノサブモノマー
    用語「アミノサブモノマー」は、アシルサブモノマーにおける脱離基の求核置換をもたらし得るアミノ基を含有する化合物をいう。 このアミノ基は、1級、2級、または3級であり得る。 3級アミンを加えることによって、4級アンモニウム塩を生じ、そして好ましくは鎖終止剤(chain terminator)(すなわち、オリゴマーのさらなるアシル化が不可能となる)として用いられる。 現在のところ好ましいアミノサブモノマーは、1級アミンおよびヒドラジンであるが、アミド、カルバメート、尿素、カルバジド、カルバゼート、セミカルバジドなどもまた適切である。
    側鎖
    用語「側鎖」は、窒素原子または炭素原子のいずれかにて、本発明の化合物のポリアミド骨格に結合する基をいう。 側鎖は、以下であり得る:H、ヒドロキシ、

    ここで、R

    a 、R

    b 、R

    c 、およびR

    dは、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、またはアラルキニルであり;


    ここで、R

    a 、R

    b 、R

    c 、およびR

    dは、それぞれ、0個〜6個のハロ、NO

    2 、-OH、低級アルキル、-SH、-SO

    3 、-NH

    2 、低級アシル、低級アシルオキシ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、トリハロメチル、-CN、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、または低級アルキルスルホニルで置換され、そしてここでa、b、c,dは、独立して1〜100の整数である。


    ポリアミド


    用語「ポリアミド」は、上記のように、本発明のオリゴマーを記載するために本明細書において用いられる。 ここで、オリゴマーは、以下で記載のようなポリ(N-置換グリシン)に限定されない。 本発明のポリアミド化合物は、反応スキーム1において示される2工程サイクルを繰り返すことによって製造される。 ポリアミド鎖のカルボニルに対してα炭素原子上の置換基が常に水素である場合には、得られるポリマーはポリ(N-置換グリシン)であり、それに対し、α-炭素上の置換基が水素以外のモイエティーである場合には、得られる化合物はN-置換ポリアミドである。 N-置換ポリアミドは、本明細書でさらに記載されるように、ポリカルバメートを包含する。 用語「ペプトイド」は、本発明のN-置換ポリアミドを記載するために本明細書中で使用される。 用語「ペプトイド骨格」は、アミド結合を形成しそして1つのサブモノマーを次のサブモノマーに結合する共有結合した原子の鎖を記載するために、本明細書中で使用される。


    ポリ(N-置換グリシン)


    用語ポリ(N-置換グリシン)、オリゴ(N-置換)グリシン、およびポリNSGは、本明細書において相互交換可能に用いられ、そして本発明の方法論を用いて製造される。 ポリNSGはペプチドではない。 すなわち、ポリNSGは、ペプチド結合で結合される天然に存在するアミノ酸から構成されない。 しかし、ポリNSGは、天然に存在するペプチドおよびタンパク質に親密に関連した構造上の特徴(例えば、反応性部位)を有するように設計され得、そして、潜在的な治療剤として、および/またはアッセイにおける結合部位として有用である。 本明細書に開示されているポリNSGは、広範囲の種類の側鎖置換基(通常、天然のアミノ酸に見られる置換基および天然に存在しない他の置換基を含む)を有するように設計され得る。 例えば、本発明は、公知の薬物のファルマコフォア(pharmacophore)(例えば、フェノキシフェニル、2-アダマンチルなど)と似た側鎖を有する化合物を合成することを可能にする。


    サブモノマー


    用語「サブモノマー」は、本発明の方法において用いられる有機反応成分をいい、これは、本発明の工程において基体結合材料に添加される。 本発明の「アシルサブモノマー」(スキーム1.Aの第1サブモノマー)は、任意のアミノ基(例えば、-NH

    2 、-NRH、または-NR

    2 )によって求核置換し得る脱離基を含むアシル化剤である。 「アミノサブモノマー」(スキーム1.Aの第2サブモノマー)は、-NH

    2基を含む置換剤反応成分である。 本発明の局面において、2つのサブモノマーは、反応して本発明のサイクルにおいてモノマーユニットを形成し、そしてこのサイクルを繰り返すことによって、ポリNSGを製造する。


    本発明の別の実施態様では、サブモノマーは、固体支持体樹脂またはペプトイド誘導固体支持体樹脂に連続的に添加され、連続的に環化される骨格を形成する。 環化のためのペプトイド骨格の調製において、サブモノマーの段階的な添加は、最終生成物に、側鎖および環置換基を導入する。


    サブモノマー合成の詳細は、本明細書中、本発明者らの親出願である米国特許出願第07/950,853号において、および本発明者らの刊行物、R. Zuckermannら、

    J. Am Chem. Soc. (1992)

    l14 :10646-7において、記載されており、これらはすべて本明細書中で参考として援用されている。


    分子モイエティー


    用語「分子モイエティー」は、オリゴマー主鎖の窒素原子または炭素原子に結合可能ないかなる原子または原子団をも含み、それにより、オリゴマーの主鎖において側鎖が形成される。 例えば、CH

    3 (R

    1 )NC(O)CH(R

    2 )CH

    3において、R

    1は、オリゴマー主鎖の窒素原子に結合可能な分子モイエティーであり、それにより、窒素原子に結合する側鎖が形成される。 そして、R

    2は、オリゴマー主鎖の炭素原子に結合可能な分子モイエティーであり、それにより、炭素原子に結合する側鎖が形成される。 このように、広範囲の種類の分子モイエティーが用いられ得ることは、ポリペプチドまたはポリアミド合成の当業者に容易に明らかである。 分子モイエティーには、水素、およびヒドロカルビルモイエティー(例えば、アルキル、アリール、およびアリールアルキルモイエティー)を含み、これらには限定されない。 以下の式Iの新規なポリ(N-置換グリシン)において、窒素に結合可能な分子モイエティーの少なくとも1つは、H以外である(すなわち、窒素上に置換された側鎖を形成する)。


    有機化合物


    「有機化合物」は、炭素、水素、窒素、酸素、硫黄、およびリン原子から構成される分子を意味する。 本明細書中で使用されるように、有機化合物は、その全体が炭素および水素から形成される環式化合物もしくは非環式化合物であり得るか、または1個以上のヘテロ原子(酸素、窒素、硫黄およびリン原子を含む)を含み得る。


    環式有機化合物


    「環式有機化合物」は、ペプトイド骨格の環化に由来する少なくとも1つの環状構造を有する有機化合物を意味する。 環状構造は、炭素および水素から構成される炭化水素であり得、そして脂肪族または芳香族であり得る。 環状構造は、環状骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子を含むヘテロ環であってもよい。 ヘテロ環状構造は、飽和であっても不飽和であってもよい。 環状構造は、縮合していても、環式化合物の範囲内で分離していてもよい。


    炭化水素、ヒドロカルビル、ヒドロカルビレン


    「炭化水素」は、化合物を示し、それに対し、「ヒドロカルビル」および「ヒドロカルビレン」は、それぞれ1個または2個の水素が除去された基を示す。 それぞれは、完全に水素原子および炭素原子で構成されており、そして飽和または不飽和の脂肪族、脂環式、または芳香族であり得る。 環が含まれる場合には、その構造は、通常、1個、2個、3個またはそれ以上の環を含み、これらの環は、縮合、または架橋、またはスピロ縮合(spiro-fused)し得る。


    置換基、置換された、置換可能な位置、および誘導体


    置換基は、第1の分子の一部であって、第1の分子の他の原子または基に置き換わる原子または基を示す。 分子が置換される場合には、それは、1個またはそれ以上の置換基を有する分子の誘導体である。 本発明の任意のサブモノマーにおける有用な置換基には、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロチオ、二置換アミノなどが包含され、これらは、窒素または炭素に結合している水素のような原子と置き換わる。 置換可能な位置は、第1の分子における置き換えられた原子または基の結合部位である。


    プリンまたはピリミジン塩基


    「プリンまたはピリミジン塩基」は、天然のヌクレオシド塩基(例えば、A、T、G、C、またはU)、および1個またはそれ以上のアルキル、カルボキシアルキル、アミノ、ヒドロキシル、ハロゲン(すなわち、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード)、チオール、またはアルキルチオール(ここで、アルキル基は1個から約6個までの炭素原子を含有する)によって置換されたプリンおよびピリミジンを含む天然のヌクレオシド塩基の誘導体を包含する。 プリンおよびピリミジンの限定されない例としては、2,6-ジアミノプリン、5-フルオロウラシル、キサンチン、ヒポキサンチン、8-ブロモグアニン、8-クロログアニン、8-アミノグアニン、8-ヒドロキシグアニン、8-メチルグアニン、8-チオグアニン、2-アミノプリン、5-エチルシトシン、5-メチルシトシン、5-ブロモウラシル、5-エチルウラシル、5-ヨードウラシル、5-プロピルウラシル、2-メチルアデニン、メチルチオアデニン、N,N-ジメチルアデニン、8-ブロモアデニン、8-ヒドロキシアデニン、6-ヒドロキシアミノプリン、6-チオプリン、4-(6-アミノヘキシル/シトシン)などが挙げられる。


    脱離基


    「脱離基」は、アミン、例えば、-NH

    2によって求核置換し得るモイエティーを意味する。 いかなる脱離基も、求核置換によって容易に除去されるという条件で、本明細書において用いられ得る。 本発明において有用な脱離基の限定されない例としては、ハロ(例えば、ブロモ、クロロ、ヨード)、O-トシル、O-トリフリル、O-メシルなどが挙げられる。


    基体


    「基体」または個体支持体」は、ペプチド合成において用いられる通常の固体支持材料である。 このような基体または支持体の限定されない例としては、種々の固体支持体、および固体支持体の連結材(例えば、光切断可能な、DKP-形成リンカー(DKPとは、ジケトピペラジンである;例えば、本明細書中で参考として援用されているWO90/09395を参照のこと)、TFA、HF、フッ化物イオン、または還元で切り離し可能なリンカー、および塩基に不安定なリンカーである)が挙げられる。 固体支持体は、複数の固体支持体粒子(例えば、ビーズ)を含む。 これは、別々の反応のためにいくつかの部分(portions)または「分割量(subamount)」に分けられ得、そして所望のように再結合され得る。 反応スキームにおける記号「P--」は、ペプトイドオリゴマーを共有結合する固体支持体(例えば、ポリスチレンビーズ)を表す。 一般的に、電子供与性基(例えば、-NH

    2または-OH)の形態を有する樹脂が固体支持体表面上に誘導体化され、適切な反応性部位を提供する。


    保護基


    「保護基」とは、保護基が結合する原子、通常酸素または窒素が、通常合成反応において望ましくない反応または結合に関係することを妨げ得るいかなる基をも意味する。 保護基はまた、カルボン酸、チオールなどの反応または結合を妨げることも知られている。 このような基およびこれらの調製および導入は、当該技術分野において通常のものであり、そしてこれらには、塩、エステルなどが包含される。


    電子求引性基


    「電子求引性基(EWG)」は、反応物に共有結合するモイエティーを意味し、EWGは、ポリアミド骨格部分の反応物への求核付加を活性化し得る。 本発明に有用な電子求引性基の非限定的な例として、ニトロ、カルボニル、シアノ、スルホンなどが挙げられる。


    電子供与性基


    「電子供与性基(EDG)」は、反応物に共有結合するモイエティーを意味し、EDGは、反応物の他の部分での電子密度を増大させ得る。 本発明に有用な電子供与性基の非限定的な例として、アルキル、アミン、ヒドロキシル、アルコキシなどが挙げられる。


    実質的に完全に反応を進めること


    「実質的に完全に反応を進めること」は、反応物の濃度、触媒、温度および他の条件が適切であるような条件下で反応を行い、80%を越える、好ましくは90%を越える、より好ましくは95%を越える、固体支持体に結合した中間化合物が反応することを意味する。


    回収可能な量


    「回収可能な量」は、分離時に当該分野で利用可能な技術によって混合物の他の成分から回収可能量が分離されるような濃度で存在する、混合物中の化合物の量を意味する。


    分析可能な量


    「分析可能な量」は、混合物中に検出されそして同定され得る、混合物中に存在する化合物の量を意味する。 混合物の成分がほぼ等モル量で存在する場合、好ましくは、少なくとも10pmol、より好ましくは50pmolの化合物が混合物中に存在する。


    組み合わせのライブラリー


    「ライブラリー」または「組み合わせのライブラリー」または「ペプトイド誘導ライブラリー」などは、本明細書中で相互交換可能に用いられ、固体支持体上においてサブモノマー出発物質から合成される有機化合物の混合物を意味する。 このライブラリーの化合物がペプトイドである場合、このペプトイドは環状または非環式であり得る。 ライブラリーは、10以上、好ましくはl00以上、より好ましくは1,000以上、そしてさらにより好ましくは10,000以上の、互いに異なる有機分子(すなわち、10種の異なる分子であって、同じ分子の10個のコピーではない)を含む。 異なる分子はそれぞれ、その存在が数種の手段(例えば、単離、分析、またはレセプターもしくは適切なプローブを用いて検出され得る)によって決定され得るような量で存在する。 異なる分子のそれぞれの実際の量(これは、その存在が決定され得るために必要とされる)は、使用される実際の手順のための変化し、そして、単離検出および分析のための技術が進歩するにつれて変化し得る。 分子が実質的に等モル量で存在する場合、100ピコモル(pmol)以上の量は、検出可能である。


    用語「プール」は、混合物を形成するための、誘導体化されたまたは誘導体化されていない固体支持体粒子の組み合わせを意味する。 プールされた物質は、ペプトイドライブラリーまたは最終生成物の調製における中間体を含む。 プールの一部は「分割量」である。


    サブモノマーからのモノマーの合成方法


    本発明の基本的な方法において、各N-置換モノマーは、本明細書においてサブモノマーといわれている2つの反応成分から、固体基体(支持体)上で直接合成される。


    各モノマーは、2工程を含む合成サイクルによって製造される。 第1工程は、アミン(例えば、-NH

    2基)によって求核置換し得る脱離基を含む第1サブモノマーアシル化剤(例えば、ハロ酢酸)を用いて行われる基体結合アミンのアシル化を含む。 このモノマー合成サイクルの第2工程は、十分な量(通常過剰量)の、アミン(例えば、-NH

    2 )を含む第2サブモノマー置換剤(例えば、1級アミン)を提供することによる脱離基(例えば、ハロゲンまたはトシル)の求核置換によって側鎖を導入することを含む。 この2工程方法は、反応スキーム1.Aに示される。


    しかし、反応スキーム1.Aはまた、反応スキーム1.Bに示されるように、逆方向にも行われ得る。 さらに詳細には、反応スキーム1.Aのように、「基体結合アミン」を用いて反応を開始するのでなく、基体に結合するアシル化剤サブモノマーを用いて反応を開始し得る。 従って、カルボン酸基は、基体の表面から伸びており、そして第1工程においてアミンと反応する。 この時点で、アミン基は、基体から外側に伸び、そして上記の反応スキーム1.Aの第1工程のように、サブモノマーアシル化剤を用いてアシル化に供される。


    反応スキーム1(AまたはB)の基本的な2工程方法は、モノマーユニットを産生し、そして繰り返されて、以下の構造Iのモノマーのように、任意の所望の長さのポリマー(以下の式Vの通り)を産生し得る。 この構造において示される変更可能な箇所は、所望の結果を得るために変更され得る。 さらに、基本的なサブモノマー構造はまた、構造II、III、およびIVにおけるような異なるモノマー/ポリマー構造を得るために以下のように変更され得る。


    上記のそれぞれにおいて、「P」は固相表面であり、各R

    1およびR

    3は、独立して、炭素原子に結合する任意の分子モイエティーであり、R

    2およびR

    4は、独立して、窒素原子に結合する任意の分子モイエティーであり、そしてnは、1〜10(好ましくは1または2)の整数である。 R

    1 、R

    2 、R

    3 、およびR

    4のいずれも、以下の20個の天然アミノ酸に結合する20個の異なる側鎖モイエティーを含み得る:すなわち、グリシンの-H;アラニンの-CH

    3 ;バリンの-CH(CH

    3 )

    2 ;ロイシンの-CH

    2 CH(CH

    3 )

    2 ;イソロイシンの-CH(CH

    3 )CH

    2 CH

    3 ;セリンの-CH

    2 OH;スレオニンの-CHOHCH

    3 ;システインの-CH

    2 SH;メチオニンの-CH

    2 CH

    2 SCH

    3 ;フェニルアラニンの-CH

    2 -(フェニル);チロシンの-CH

    2 -(フェニル)-OH;トリプトファンの-CH

    2 -(インドール基);アスパラギン酸の-CH

    2 COO

    - ;アスパラギンの-CH

    2 C(O)(NH

    2 );グルタミン酸の-CH

    2 CH

    2 COO

    - ;グルタミンの-CH

    2 CH

    2 C(O)(NH

    2 );アルギニンの-CH

    2 CH

    2 CH

    2 -N-(H)-C(NH

    2 )

    + -NH

    2 ;ヒスチジンの-CH

    2 -(イミダゾール)

    +基;およびリジンの-CH

    2 (CH

    2 )

    3 NH

    3

    +


    反応スキームI(AおよびB)には、本発明に関連して用いられる試薬を意味する数種の略語が含まれる。 例えば、DMSOはジメチルスルホキシドを意味し、DICはN,N-ジイソプロピルカルボジイミドを意味し、そしてDMFはN,N-ジメチルホルムアミドを意味する。


    本発明の2工程方法の各工程は、およそ20℃の室温および1気圧の圧で通常行われる。 しかし、反応はまた、約5℃から約80℃の間の広範囲の温度にわたって行われ得、そして用いられる溶媒に依存して変化する。 温度に依存して、2工程反応スキーム1の時間は、約5分から約24時間の範囲内で変化し得る。 上記温度、時間、および試薬は、大気圧で反応を行うために適応し得る。 他の圧力も用いられ得る。


    サブモノマーが液体である場合には、各工程は溶媒の非存在下で行われ得る。 しかし、サブモノマーが固体である場合、またはこの反応を促進するためには、不活性溶媒が用いられ得る。 適切な不活性溶媒としては、エーテル(例えば、ジオキサン)、ブロックされたアミド(例えば、ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド)などが包含される。


    反応成分の割合は、変更され得る。 しかし、最高収率を得るためには、基体結合材料の約1.01から10倍量、好ましくは約1.5から5倍量のサブモノマーを供給することが望ましい。


    スキーム1において示される本発明の2工程サイクルにおいて、基体に結合している2級アミンは、好ましくは、1級アミンから調製されるアミンであり、そして基体支持体ベース表面または固相(「P」の文字で表される)に(従来の方法論を用いて)結合される。


    サイクルの第1工程は、アミン(例えば、-NH

    2 )によって求核置換し得る脱離基を含むアシル化剤(例えば、スキーム1に代表的に例示されるハロ酢酸、および特に、ブロモ酢酸)を含む第1サブモノマーと、基体結合2級アミンとを反応させて、アシル化アミンを得ることによって行われるアシル化である。


    本発明の2工程モノマー合成方法の第2工程は、骨格の窒素およびモノマーユニットの側鎖またはR2基が付加される工程である。 この第2工程において、アシル化アミンは、十分な量の、-NH

    2基(例えば、1級アミンまたは2級アミン、アルコキシアミン、セミカルバジド、カルバゼート、アシルヒドラジドなど)を含む第2サブモノマー(これはR

    2基(すなわち、側鎖基)を含み、このR

    2基はオリゴマーにおいてこのモノマーの位置で付加される)と反応する。 第2サブモノマーの反応は、好ましくは、十分な量(通常は過剰量)の、脱離基の求核置換を生じる第2サブモノマーを加えることによって達成される。 これは、スキーム1において示される臭素として代表的に例示される。


    サブモノマー法による環状ペプトイドの調製


    環状ペプトイドは、サブモノマー法によって調製される。 このような一般的な反応スキームは、以下に示される。


    環化をもたらす重要な反応は、側鎖の求核原子によるN-末端ブロモアセトアミドの置換であり、それにより、固体支持体上に「先端から側鎖(head-to-side-chain)」の環状構造を生じる。 側鎖の求核原子は、標準的なサブモノマー条件によってオリゴマーの所望の部分に導入される。 典型的な求核原子は、保護され得るチオールおよびアミンである。 この目的の好適にサブモノマーは、Moz-NH-CH

    2 -CH

    2 -NH

    2 、Alloc-NH-CH

    2 -CH

    2 -NH

    2 、およびTrt-S-CH

    2 -CH

    2 -NH

    2である。 次いで、オリゴマーは、所望の長さまで合成され、そしてブロモアセトアミド基で終止される。 次いで、側鎖の求核原子は、選択的に脱保護され、そして環化が行われる。


    製造された環状ペプトイドの特定の例および得られる収率は、以下に示される。 特定の環構造を有しそしてペプトイドから誘導される環式化合物は、本明細書中、実施例19〜31において提供される。


    3量体


    サブモノマー法によるカルバメート合成


    NSG-ペプトイドアプローチを組み合わせのライブラリー合成に拡張する場合、さらなるタイプのオリゴマー性構造(これは、サブモノマー法を用いて調製され得る)は、オリゴN-置換カルバメート(NCS)(スキーム3の化合物1)を含む。 NSG-ペプトイドと同様に、NSCは、安価で市販の出発物質を用い、固体支持体上で2工程で調製され得る。 骨格炭素は、2-ブロモメチルクロロホルメート(BECF)から誘導され;骨格窒素および側鎖原子は、市販の1級アミンから誘導される。


    NSC骨格は、NSCライブラリーの構造的差異を増加させる。 拡張した構造では、NSCの側鎖は、ペプトイドまたはNSG-ペプトイドの場合より遠く離れている。 これは、遠位のレセプター部位に結合するために活性なファルマコフォアが必要である場合のレセプター系において特に有用である。 NSG-ペプトイドと同様に、カルバメート結合は、NSCの構造的差異に加えて、カルバメート結合に関してシスまたはトランスであり得る。 NSC骨格のコンホメーションは、骨格中にアミドモイエティーとカルボニルモイエティーとの間に水素結合が存在しないので、NSG-ペプトイドよりも束縛が小さい。 また、NSCおよびNSG-ペプトイドの合成はサブモノマー法を用いるモジュールであるので、カルバメートモジュールはペプチド、ペプトイドまたは他の固相ライブラリーに組み込まれ得る。 オリゴN-置換カルバメートの一般的構造(これは、本発明の方法によって調製され得る)を以下に示す。


    フォトリソグラフィー法


    本発明の方法はまた、Pirrungらの米国特許第5,143,854号(これは、本明細書中で参考として援用されている)によって記載されている光学的に扱われる(optically-addressed)空間的アレイ技法にも適用され得る。 この技法は、半導体マスク技術のアナログを用いて、アレイ中のあらゆる基体の表面上にオリゴマー性の化合物を形成する。 光に不安定な保護基が、表面結合化合物を反応から保護するために用いられる。 特定の化合物(すなわち、アレイにおける特定の領域)に対して他のモノマーを加えるために、その領域のみを照明することまたは照射することによって、その領域中の化合物を脱保護する。 このことは、例えば、注意深く照準した光源もしくはレーザー、または所望の領域のみ照明が行われるマスクを用いて達成される。 半導体型のフォトリソグラフィー法を用いて、本方法は、非常に小さいサイズにスケールダウンされ得る。 光に不安定な適切な保護基には、限定されないが、以下のものが含まれる:6-ニトロベラトリルオキシカルボニル、(NVOC:3,4-ジメトキシ-6-ニトロベンジルオキシカルボニル)、2-ニトロベンジルオキシカルボニル、α,α-ジメチル-ジメトキシベンジルオキシカルボニル(DDC)、5-ブロモ-7-ニトロインドリニル、o-ヒドロキシ-α-メチルシンナモイル、および2-オキシメチレンアントラキノン。


    Pirrungらの方法は、空間的に決まったアレイにおいて合成されたオリゴマーのアミノサブモノマーにおける末端を保護するために光に不安定な保護基を用いることによって、本発明の方法に応用される。 例えば、アシルサブモノマーは、反応ゾーンのアレイ中の平面基体(例えば、8×12、20×20、100×100など)に結合する。 次いで、第1アミノサブモノマーが、全てのアシルサブモノマーに結合され、次いで、例えば、NVOCで保護される。 ゾーンは、次のモノマー(アシルサブモノマーおよびアミノサブモノマー)を結合するために選択され、そして残りのゾーンは、反応を妨げるためにマスクされる。 この選択されたゾーンは、照明または照射によって脱保護され、続いて、次のアシルサブモノマー、次いで、次のアミノサブモノマーと反応される。 次いで、末端アミノサブモノマーは、(次の合成時にさらに改変されるのでなければ)NVOCによって再び保護され、そしてこのゾーンは結合される次のモノマー用に選択される。 このサイクルは、全てのオリゴマーが合成されるまで繰り返される。 次いで、この化合物は、この支持体から切り離され得るか、またはインサイチュでアッセイされ得る(典型的には、蛍光標識された抗体またはリガンドを結合する能力をアッセイすることによる)。


    ハロメチル安息香酸


    本発明の1つの実施態様において、第1サブモノマーは、ハロゲン化有機酸(例えば、ブロモ酢酸、クロロメチル安息香酸など)である。 このサブモノマーの合成によって、いくつかの異なるハロ酸(例えば、ブロモ酢酸およびクロロメチル安息香酸)を同じポリマー鎖へ組み込んで、ハイブリッド骨格を発生し得る。 さらに、他の誘導される芳香族酸もまた、用いられ得る。


    アシルヒドラジド


    アシルヒドラジド、カルバゼート、セミカルバジドおよび下式の関連の化合物:


    (ここで、Xは、単結合、-O-、-N-、またはヒドロカルビレン基である)が、本発明の方法において、第2サブモノマー置換剤として、アミンの代わりに用いられ得る。


    アシルヒドラジドを用いるサブモノマー合成によって生じるオリゴマーは、水素結合ドナー、および各側鎖において置換されるアクセプター基を有する。 これは、2級および3級の構造モチーフを安定化させ得る。


    アシルヒドラジドは、カルボン酸/エステルおよびヒドラジドから容易に調製される:


    同様に、カルバゼートおよびセミカルバジドは、アルコールまたはアミン、p-ニトロフェニルクロロホルメート、およびヒドラジンから調製され得る:


    このように、ヒドラジンは、オリゴ(N-置換)ポリマー骨格をカルボン酸、アルコール、およびアミンと結合し得る「アダプター分子」として見なし得る。 したがって、サブモノマー合成は、アミンベースの多様性だけでなく、アルコールおよびカルボン酸の多様性も包含するようにに拡張され得る。 非常に多くの数のアルコールおよびカルボン酸が市販されており、そして他のものは、公知の技法によって容易に製造され得る。


    置換剤は、広範囲の求核性、立体障害、揮発性、側鎖保護基(存在する場合)、溶解性などを有し得る。


    別の方法で反応工程を妨げる基を含有しない、あらゆる通常のアミン(例えば、1級アミン)が用いられ得る。 これは、保護された形態での基を有するアミンを含む。 この保護は、続いて除去され得る。 好ましいアミンの限定されない例には、4-(2-アミノエチル)モルホリン、アニリン、ベンジルアミン、シクロペンチルアミン、N-Boc-1,6-ジアミノヘキサン、グリシン-OtBu、ヘキシルアミン、2-メトキシエチルアミン、メチルアミン、チラミンなどが包含される。


    本発明の別の実施態様においては、第2サブモノマーはアシルヒドラジドである。 このようなサブモノマーの利点は、各側鎖において、水素結合ドナーおよびアクセプター基を提供することによって、2級および3級のモチーフを安定化することであり得る。 アシルヒドラジドは、従来の技法を用いて、カルボン酸およびエステルおよびヒドラジドから容易に調製され得る。


    同様に、カルバゼートおよびセミカルバジドは、通常、例えば、アルコールまたはアミン、p-ニトロフェニルクロロホルメート、およびヒドラジドから調製され得る。


    オリゴマーを合成する方法


    スキームIの基本的な2工程方法により、モノマーユニットが得られる。 本発明の別のそして重要な実施態様は、アシル化および置換の2工程サイクルを繰り返すことを含む、オリゴマー合成方法に関する。 本発明の特に好適な実施態様は、オリゴマー(例えば、ポリNSG)を製造する方法である。


    工程1および2では、任意の所望の回数のサイクルで繰り返されて、所望の数のモノマーユニットが得られ得る。 各サイクルの工程のそれぞれにおいて、スキーム1.Aにおいて示される可変基R

    1およびR

    4は、異なる側鎖モイエティーを製造するために、変更され得る。 末端Nは、本明細書において、R

    4およびHに連結することが示される。 しかし、これは、他のサイクルにモノマーユニットを加えさせるために行われる。 実際の末端-N含有基は、以下の式VのポリNSGについて定義されるように、R

    3および/またはR

    4にアルキルおよび/またはアシル基を提供することによって、キャップされ得る。 可変基R

    2およびR

    3は、任意の所望の側鎖モイエティーおよび生成オリゴマーを得るために、各サイクルの各工程において変更され得る。 従って、反応スキーム1.Aおよび1.Bはともに、所望の側鎖基および任意の所望の末端モイエティーを有する任意の所望のオリゴマーを製造するように、実行され得るということが理解され得る。


    異なるR基が、各サイクルの工程2において適切な第2サブモノマーを用いることによって分子中に正確に配置される。 得られるポリNSGは、モノマーユニットの所望の配列からなる。


    オリゴマー混合物を製造すること


    ポリアミドの混合物を製造するために本発明を用いることもまた可能である。 この混合物は、第2サブモノマーの混合物を、工程1のアシル化アミンと反応させる(工程2において)ことによって、既知量の各ポリアミドを有する。 各第2サブモノマーとアシル化アミンとの反応についての反応速度定数を知ることまたは計算することによって、得られたポリNSG中の各生成物の量比を計算すること、および得えられるポリNSGの混合物の組成を正確に決定することが可能である。 このような方法論は、1993年7月6日に発行された米国特許第5,225,533号において反応速度定数に基づいて通常のアミノ酸を反応させることによって通常のペプチドの混合物を製造することに関して記載されている。


    さらに、本発明の方法は、個々のポリエチレンバッグを用いたMerrifield法の改変を教示するHoughten,RA,

    Proc Natl Acad Sci USA (1985)

    82 :5131-5135などの他の方法に適用され得る。 これは、一般のMerrifield法において、所望のペプチドのC末端アミノ酸は、固体支持体に結合し、そしてこのペプチド鎖は、連続的アミノ酸残基の付加によって形成される。 したがって、鎖はN末端へと伸張する。 この付加は、以下を含む連続的工程において行われる:脱保護、保護化形態での次のアミノ酸残基の結合、ペプチドの脱保護、次の保護化残基の結合など。


    Houghten法においては、固体支持体に結合したC末端アミノ酸を含有する個々のポリエチレンバッグは、例えば、支持体に結合した異なるC末端残基を含有する20個のバッグが、次に結合される同じ保護化アミノ酸残基を用いて同時に脱保護され、そして処理され、次いで回収され、そして、所望に応じて、均一にまたは別々に処理され得るように連続的結合手法を通して混合され、そして配合され得る。 この手法で得られる生成物は、それぞれ異なるペプチド配列を含有する一連のポリエチレンバッグである。 各バッグは多くのペプチドを含有するが、いずれのバッグにおける全てのペプチドも同じである。 次いで、各バッグにおけるペプチドは、回収され、そして例えば、生物学的アッセイによって個々に試験され得る。


    本発明は、混合物中に予め決められた量の異なるポリNSGを含むポリNSGの混合物を製造するために他の方法とともに用いられ得る。 混合物中には等モル量の各ポリNSGが含まれる。 各ポリNSGが、回収され、そして分析され得るような量で、混合物中に存在するような方法が用いられ得る。 ポリNSGのこのような混合物は、固体支持体ビーズのプールを等量部分に分割すること、唯一のNSGを各部分に結合させること、次いでこれらの部分を混合することを含む合成アルゴリズムによって生成され得る。 (Furka,A.ら(1991)

    Int. J. Pep. Pro. Res. ,37:487-493;Lam,K.ら(1991)

    Nature ,354:82-84;Houghten,R.ら(1991)Nature,

    354 :84-86;Zuckermann,Rら(1991)PCT特許出願WO 91/17823;Zuckemann,Rら(1992)

    Proc. Natl. Acad. Sci.,

    89 :4505-4509を参照のこと。これらは本明細書中で参考として援用されいている。)。


    本発明の方法はまた、Geysen,HM. ら、

    Proc Natl Acad Sci USA (1984)

    81 :3998-4002によって考案された代替法においても用いられ得る。 第4,833,092号、第5,194,392号、WO86/06487号およびWO86/00991号を参照のこと。 この方法は、Merrifieldシステムの修飾法である。 この方法では、C末端アミノ酸残基は、ポリエチレンピンの形態で固体支持体に結合され、そしてこれらのピンは、残りのアミノ酸残基と結合するために連続して、個々にまたは集合的に処理される。 支持体からペプチドを切り離すことなく、これらのペプチドは、次いで、効率よく、所望の活性(例えば、所定の抗体またはレセプターとの相互作用)について、効果的にそして個々に評価される。 このGeysenの手法は、個々の異なるペプチドを産生するにもかかわらず、合成および試験手法の両方の効率をかなり向上させる。 ペプチドはまた、ピンから切り離され、そして溶液中でアッセイされ得る。


    自動合成


    サブモノマーを反応させることによるNSGオリゴマーの調製は、自動合成機に適用し得る(Zuckermann, RN, Kerr, JM, Siani, M.およびBanville, S., Int. J. Peptide Protein Res.(1992)、第40巻、497-506頁、および米国特許第5,252,296号を参照のこと)。 モノマー付加(スキーム1に示されるように)の各サイクルは(1)アシル化工程、および(2)置換工程の2工程を含む。 ただし、N,α-脱保護工程はない。


    2級アミンのアシル化は、アシルサブモノマーをカップリングする場合に特に困難であり得る。 従って、アシル化は、強力なアシル化剤混合物としてカルボキシレート活性化剤(例えば、カルボジイミド)の存在下で、アシル化剤を使用することによって促進され得る。 従って、それは、第1サブモノマー(例えば、ハロ酢酸)を用いた基体結合2級アミンのアシル化の第1工程について望ましくあり得る(Lindner, W, Robey, FA,

    Int. J. Peptide Protein Res. , 30, 794-800(1987);Robey, FA, Fields, RL,

    Anal.Biochem. ,177,373-377(1989);Wetzel, R., Halualani, R., Stults, JT,Quan, C.,

    Bioconjugate Chem. , 1, 114-122(1990));Fisther,

    E. Ber. Dtsch. Chem. Ges. (1904),

    37 :3062-3071は、適切なカルボキシレート活性化方法を用いる。 カルボジイミド、ハロアセチルハライド、または他の適切な活性化剤もまた用いられ得る。


    本発明の2工程方法における第2工程は、アミノ基(例えば、-NH

    2 、-NRH、-NR

    2基)を含む過剰の第2サブモノマーを用いて、一般にハロゲン(基体結合α-ハロアセトアミドとして)である脱離基の求核置換により側鎖を導入する。 この置換の効率は、脱離基の選択(例えば、脱離基がハロ原子である場合(例えば、I>Cl))によって調節される。


    側鎖上のカルボキシル、チオール、アミノおよび他の反応性基の保護は、望ましくない副反応を最小にするために望ましい。 しかし、数種の側鎖モイエティー(例えば、インドール、イミダゾール、フェノール)は置換またはアシル化に対して穏やかに反応するため、保護なしで好適に使用され得る。


    オリゴマー


    本発明の新規な方法の使用によって、反応スキーム1および上記で示されるように、下式Iの広範囲のオリゴマーが製造され得る:


    ここで、


    Rは上記で定義される側鎖であり;


    Zは、単結合、-O-、-NC(O)W-であり、ここでW-は、単結合、-O-、または-N-であり;


    Yはヒドロカルビレン基またはArであり、ここでArは、アリーレン、1個〜4個のヘテロ原子を有するヘテロアリーレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、1個〜4個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキレンであり、ここで、Arは、1個から3個の環を有し、そして上記環は、単結合またはアルキレン基によって連結されるか、または縮合、架橋、またはスピロ縮合される。 Arは、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、-OH、-NR

    a R

    b (ここで、R

    aおよびR

    bは、それぞれ独立して、-Hまたは低級アルキルである)、-OR

    a 、-C(O)R

    a 、-OC(O)R

    a 、-C(O)OR

    a 、-OC(O)OR

    a 、-(CH

    2 )

    n -CX

    1 X

    2 X

    3 (ここで、nは、0〜6であり、そしてX

    1 〜X

    3は、それぞれ独立して、Hまたはハロである)、-NC(O)R

    a 、-C(O)NR

    a R

    b 、-OC(O)NR

    a R

    b 、または-NC(O)NR

    a R

    bからなる群より選択される1個〜6個の置換基で置換され得;そして


    nは2から2,000の整数である。


    クロロメチル安息香酸がブロモ酢酸の代わりに用いられる場合には、オリゴマーは下式IIを有する:


    RおよびR

    1は、窒素原子に結合可能ないかなるモイエティーであり得るが、それぞれは好ましくは、独立して、1個から30個の炭素原子を含有するヒドロカルビルである。


    このオリゴマーを合成する好ましい方法は、アシル化工程1を改変して、メタまたはパラクロロメチル安息香酸無水物のようなアシル化剤をも含有させることである。 従って、p-クロロメチル安息香酸の約0.6M溶液は、カルボキシレート活性化剤(例えば、約0.5当量のジイソプロピルカルボジイミド)と、約30分間室温で合わされる。 次いで、沈澱した(ジイソプロピル尿素)が濾過によって除去されて、アシル化溶液が得られる。 次いで、アシル化反応が上記のように行われる。 予備活性化工程は、酢酸モイエティーと比べて、安息香酸モイエティーの活性化速度が遅いために用いられる。


    本発明のN-置換オリゴマーは、反応スキーム1における反応成分の1種または両方を変更することによって変えられ得る。 特に、反応は、アシルヒドラジド、カルバゼート、セミカルバジド、または以下の構造を有する関連の化合物を用いて行われ得る:


    ここで、Xは、-O-、-N-、または単結合であり、そしてR

    1は、反応スキーム1において上記で定義された通りである。 このような反応成分が反応スキーム1において用いられる場合、N-置換オリゴマーが生じる。 ここで、このオリゴマーは、下式IIIによって表される:


    ここで、


    Xは、単結合、O、N、またはヒドロカルビレン基であり;


    Yは、ヒドロカルビレン基またはアリーレンであり;そして


    R

    1は、反応スキーム1において上記で定義された通りである。


    アルコキシアミン


    オリゴマーを合成するために用いられる第2サブモノマーがアルコキシアミンである場合には、このオリゴマーは下式IVを有し得る:


    ここで、Yは、ヒドロカルビレン基(例えば、メチレン)、または-CH

    2 C

    6 H

    4 -であり、そしてR

    1は上記で定義されたとおりである。


    アルコキシアミンを用いて反応スキーム1を行う場合、アルコキシアミンはDMSO中1.0〜2.0M溶液として置換反応(工程2)に用いられる。


    新規なポリアミド構造は、側鎖がα-炭素よりもむしろ(またはα-炭素に加えて)窒素上に置換されている点でポリペプチドとは異なる。 本発明の1つの実施態様は、下式Vを有する化合物に関する:


    ここで、


    R

    1およびR

    4は、それぞれ独立して、窒素原子に結合可能な任意のモイエティーであり;


    R

    2およびR

    3は、それぞれ独立して、炭素原子に結合可能な任意のモイエティーであり、これは、-H、または1個から6個の炭素原子を含有するアルキルモイエティーを含み、好ましくは-CH

    3であり、さらに好ましくは-Hであり;


    Xは、それぞれ独立して-HNR

    5であり、ここで、R

    5は、R

    1と同様であり、そしてXは、好ましくは、-NH

    2 、-OH、H、および直鎖または分枝鎖アルキル(1個〜6個の炭素)または2つの低級アルキル、あるいはXは、-OR

    6であり、ここでR

    6は-Hまたは低級アルキル(1個〜6個の炭素)であり;


    mは1から2,000、好ましくは2〜100、さらに好ましくは2〜12、そして最も好ましくは3〜8の整数であり;そして


    nは1から10の整数、そして好ましくは1または2である。


    R

    1 、R

    2 、R

    3 、およびR

    4 (特に、R

    4 )について有用なモイエティーの限定されない例としては、天然に存在する以下のアミノ酸上に存在する側鎖モイエティーが包含される:すなわち、グリシンの-H;アラニンの-CH

    3 ;バリンの-CH(CH

    3 )

    2 ;ロイシンの-CH

    2 CH(CH

    3 )

    2 ;イソロイシンの-CH(CH

    3 )CH

    2 CH

    3 ;セリンの-CH

    2 OH;スレオニンの-CHOHCH

    3 ;システインの-CH

    2 SH;メチオニンの-CH

    2 CH

    2 SCH

    3 ;フェニルアラニンの-CH

    2 -(フェニル);チロシンの-CH

    2 -(フェニル)-OH;トリプトファンの-CH

    2 -(インドール基);アスパラギン酸の-CH

    2 COO

    - ;アスパラギンの-CH

    2 C(O)(NH

    2 );グルタミン酸の-CH

    2 CH

    2 COO

    - ;グルタミンの-CH

    2 CH

    2 C(O)NH

    2 ;アルギニンの-CH

    2 CH

    2 CH

    2 -N-(H)-C(NH

    2 )

    + -NH

    2 ;ヒスチジンの-CH

    2 -(イミダゾール)

    +基;およびリジンの-CH

    2 (CH

    2 )

    3 NH

    3

    + 。 R

    1 〜R

    4 (特にR

    1およびR

    3 )について他の有用なモイエティーには、1個〜6個の炭素を含有するアルキル(直鎖または分枝鎖);アリール、アラルキル、ヌクレオシド塩基およびこれらの誘導体、炭水化物、および脂質が含まれる。


    通常のアミノ酸には多くの周知の修飾された形態(例えば、O-ホスホセリン;O-ホスホスレオニン;O-ホスホチロシン;N-ホルミルメチオニン;およびグリシンアミド)があり、そしてこれらの修飾されたアミノ酸の側鎖はまた、式VおよびVIの化合物におけるR基として容易に用いられる。


    用いられる典型的なR基には、ファルマコフォアおよび天然のアミノ酸およびそれらの誘導体が含まれる。 生じるポリNSGは、生物学的に活性(例えば、模擬的)であるか、または天然のレセプター部位に付着する天然に存在のペプチドまたは非ペプチド分子の活性をブロックする。


    いくらかの化合物および化合物の基もまた、本発明の重要な局面である。 1つの好ましいサブクラスは、式VIの化合物である:


    ここで、


    R

    9は、水素結合および塩基対を形成し得るヘテロ環式ヌクレオシド塩基(例えば、A、T、G、CまたはU、またはその誘導体)を含むプリンまたはピリミジン塩基;


    R

    1は、上記で定義されたとおりであり、そして好ましくは-H、または1個から6個の炭素原子を含有するアルキルモイエティー、さらに好ましくは-CH

    3 、最も好ましくは-Hであり;


    mは、1から5の整数、好ましくは2であり;


    nは、1から2,000の整数であり;そして


    Xは、単結合、-O-、-NR-、またはO=CO-である。


    有用性


    本発明の個々のオリゴマーおよびオリゴマーの混合物は、通常の窒素ベースのオリゴマー、タンパク質、ポリアミド、およびポリペプチド様オリゴマーの用途と同様の種々の用途に有用である。 これらは、例えば、タンパク質(例えば、酵素、レセプター、抗体など)、核酸、炭水化物、脂質を含む種々のモイエティー分への結合において1つまたはそれ以上の特性を有し得、さらに酵素と反応して生成物を形成し得るか、または例えば、ワクチンまたはプローブを含む診断用試薬のための抗原性化合物のような他の特性を有し得る。 本発明の液体オリゴマーはまた、溶媒、不凍液などを含む機能性流体としての有用性を見い出し得る。 本発明の固体オリゴマーはまた、食品用添加物として、そして、商業的および研究的適用における診断用材料および他の技術的材料用支持体としての有用性を見い出し得る。 上式のような化合物はまた、酵素阻害剤として、そしてアフィニティークロマトグラフィーと関連して、用いられ得る。


    式VIの化合物は、DNAおよびRNAへの結合において有用であり、そして例えば、プローブとしておよび/またはアンチセンス技術において用いられ得る。 有用なプローブは、式VIの化合物を合成することによって製造され得る。 ここで、R

    9は、ヌクレオシド塩基であり、mは2であり、そしてさらに、この化合物のモノマーユニットは、ポリマーと適切なDNAまたはRNA標的とのハイブリダイゼーションを起こさせるように設計され、予め決定された配列中に配置されたプリンまたはピリミジンヌクレオシド塩基を有する。


    反応スキーム1によって製造される化合物および化合物の混合物には、式I、II、III、IV、V、VI、およびVIIに含まれる化合物およびその混合物が包含される。 これらの化合物またはこの混合物は、上記で示すように、種々のレセプターに結合する。 従って、このような化合物またはその混合物は、支持体と結合して有用なアッセイデバイスを提供し得る。


    式VIの化合物はプローブとして用いられるので、ポリマーに適切な標識を結合することが好ましい。 適切な標識およびその結合の手段は、当業者に公知であり、そして放射性、蛍光、および酵素標識などを包含する。


    式VIのポリマーはまた、R

    9がプリンまたはピリミジン塩基である場合、アンチセンス技術において用いられ得、そしてこのポリマーにおける塩基の配列は、病原性であることが知られている特定のDNAおよびRNA分子にハイブリダイゼーションして、転写または翻訳を妨げるように設計される。 アンチセンス技術と関連して用いられる場合、R

    1モイエティーは、細胞および細胞の核への化合物の送達を提供するために脂質部分であり得る。


    式VIの化合物に関連する化合物は、本発明の合成方法を用いることによって、Nielsen, PE, Exholm, M., Berg, RH. らのScience,254(1991)1497に開示されているが、R

    1基は、種々の所望の性質(例えば、脂質部分としてのR

    1を用いる細胞浸透性の改良)を有する式VIの新規な化合物を得るために変更され得る。 「脂質部分」は、長鎖脂肪族炭化水素およびその誘導体を含有するモイエティーを意味する。 この鎖上の官能基(一般的に末端基)には、カルボン酸、アルコール、アミン、アミノアルコール、およびアルデヒドが含まれる。 この用語はまた、ワックス、脂肪、および誘導した化合物を包含する。


    さらに、R

    1モイエティーは、金属キレート剤、ヌクレアーゼなどに対する部位特異的結合ポイントとして用いられ得る。


    上記の合成された本発明のオリゴマーの混合物は、もしあるとすれば、NSGが所与の生物学的活性、例えば、公知のレセプターに結合する活性を有することを決定するために、それらがスクリーニングされ得ることにおいて有用である。 このような混合物を用いる方法は、1991年4月23日に発行された米国特許第5,010,175号に教示されており、これらは本明細書中で参考として援用されている。


    診断および治療


    本発明は、治療に効果的な量の下式VIの化合物をその中に分散して有する薬学的に受容可能な賦形剤キャリアを含む薬学的処方物をインビトロでまたはインビボで哺乳類(ヒト)細胞に投与することを包含するアンチセンス治療の方法を包含する:


    全ての可変基は、上記定義通りである。


    本発明はまた、効果的な量の本発明のオリゴマーおよび生理学的に受容可能な賦形剤またはキャリアを含む診断または治療のための組成物を包含する。


    ペプチドおよびポリアミドタイプの試薬と用いるための生理学的に受容可能で、かつ薬学的に受容可能な賦形剤およびキャリアは、当業者に周知である。


    本明細書で用いられるような「生理学的または薬学的に受容可能なキャリア」によって、投与のためのいかなる実質的に無毒のキャリアをも意味する。 オリゴマーが用いられるとき、そのキャリア中においてはオリゴマーは、安定で、かつ生物学的に利用可能なままである。 例えば、このオリゴマーは、通常の手法で、液体中に溶解され、媒体中に分散または乳化されて、液体調製物を形成し得るか、または半固形物(ゲル)または固体キャリアと混合して、ペースト、軟膏、クリーム、ローションなどを形成し得る。


    適切なキャリアには、水、石油ゼリー(ワセリン)、ペトロラタム、鉱油、植物油、動物油、有機および無機ワックス(例えば、微結晶ワックス、パラフィンワックス、および切ロウ)、天然ポリマー(例えば、キサンタン、ゼラチン、セルロース、またはアラビアゴム)、下記のような合成ポリマー、アルコール、ポリオール、水などが含まれる。 好ましくは、無毒性のために、キャリアは、実質的に水に混和可能な、水混和性キャリア組成物である。 このような水混和性キャリア組成物には、上記の1種またはそれ以上の成分と共に製造されるものが含まれ得るが、持続性または遅延性放出キャリアもまた含まれ得る。 これには、水含有組成物、水に分散可能または水溶性組成物(例えば、リポソーム、マイクロスポンジ、マイクロスフェア、またはマイクロカプセル、水ベースの軟膏、油中水型または水中油型エマルジョン、またはゲル)が含まれる。


    本発明の1つの実施態様においては、キャリアは、持続性放出キャリアまたは遅延性放出キャリアを包含する。 このキャリアは、オリゴマーの放出を持続または遅延し得るいかなる材料であり、より効率の良い投与を提供する。 その結果、タンパク質増殖因子の投与回数および/または投与量の減少、操作の簡易性、および延長または遅延効果のうちの1種またはそれ以上をもたらす。 オリゴマーの放出を得るために、キャリアは、診断または治療のための環境領域に晒された場合、あるいは、オリゴマーがキャリアに充填される度合に依存する拡散または放出によってオリゴマーを放出し得る。 このようなキャリアの限定されない例には、リポソーム、マイクロスポンジ、マイクロスフェア、または天然および合成ポリマーのマイクロカプセルなどがあげられる。 湿った環境における持続性または遅延性放出のための適切なキャリアの例には、ゼラチン、アラビアゴム、キサンタンポリマーが包含され;導入の度合によっては、リグニンポリマーなどが包含され;油性、脂肪性、またはワックス性の環境下では、熱可塑性または可撓性熱硬化樹脂またはエラストマーが包含される。 熱可塑性樹脂には、例えば、ポリビニルハライド、ポリビニルエステル、ポリビニリデンハライド、およびハロゲン化ポリオレフィン、エラストマーには、例えば、ブラシリエンシス(brasiliensis)、ポリジエン、およびハロゲン化天然および合成ゴム、および可撓性熱硬化性樹脂には、例えば、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが含まれる。


    好ましくは、持続性または遅延性放出キャリアは、リポソーム、マイクロスポンジ、マイクロスフェア、またはゲルである。


    本発明の組成物は、任意の適切な手段(これには、注射、経皮、眼内、経粘膜、ブカール(bucal)、臓内、および経口が含まれる)によって投与される。 要求されなければ、非経口用組成物は、所望の位置で約24時間から48時間オリゴマーを維持する;このように、持続性放出処方物は用いられ得る。 持続性放出処方物は、注射可能、およびインプラント可能な処方物を含む。


    所望であれば、1種またはそれ以上のさらなる成分がキャリア中に組み合わされ得る:例えば、加湿剤、ビタミン、乳化剤、分散剤、湿潤剤、臭気改良剤、ゲル化剤、安定化剤、推進剤(propellant)、抗菌剤、日焼け止め剤など。 診断上の薬学的処方物の当業者は、適切な特定のさらなる成分およびその量を容易に選択し得る。 さらなる成分の適切な限定されない例には、ステアリルアルコール、イソプロピルミリステート、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート、プロピレングリコール、水、アルカリ金属またはアルカリ土類金属ラウリルスルフェート、メチルパラベン、オクチルジメチル-p-アミノ安息香酸(Padimate O)、尿酸、レチクラン(reticulan)、ポリムコ多糖、ヒアルロン酸、アロエベラ、レシチン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、トコフェロール(ビタミンE)などが含まれる。


    好ましくは、このキャリアは、注射用のpH平衡緩衝水溶液である。 しかし、好ましいキャリアは、投与の様式によって変わる。


    投与のための組成物は、通常組成物の全重量に比して約0.0001重量%から約90重量%のオリゴマーを含有し、好ましくは全組成物に比して約0.5重量%から約20重量%のオリゴマーを含有し、そして特に、全組成物に比して約2重量%から約20重量%のオリゴマーを含有する。


    治療または診断のために用いられるオリゴマーの効果的な量は、もちろん、1種またはそれ以上の因子(例えば、用いられる特定のオリゴマー、患者の年齢および体重、処方物およびキャリア成分のタイプ、使用頻度、行われる治療または診断のタイプなど)に依存して変えられ得る。 これらの因子および本明細書を考慮して、用いるための正確な量を決定することは、当業者にとって簡単なことである。


    実施例


    以下の実施例は、本発明の合成を行う方法の完全な開示および記載を当業者に提供するために示され、そして本発明者らが発明とみなす範囲を限定することを意味するものではない。 用いられる数値(例えば、量、温度など)に関する正確さを確実にするために努力がなされてきたが、いくらかの実験誤差および偏差は斟酌されなければならない。 他に指示がない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏であり、そして圧力は大気圧またはそれに近い。


    オリゴマー合成は、自動合成機によって行われた(Zuckermann, RN, Kerr, JM,, Siani,M.およびBanville, S., I

    nt. J. Peptide Protein Res. (1992),第40巻、497-506頁)。 この合成は、ジケトピペラジン形成を妨げるために、Rinkアミドポリスチレン樹脂を用いて行われた(Rink, H.,

    Tetrahedron Lett. , 28 3787-3790(1987))(50μmol,置換レベル0.45mmol/g)。 しかし、当業者に公知の種々の通常のペプチド合成樹脂が、ポリスチレンの代わりに用いられ得る。


    アシル化反応を、DMF(0.83mL)中のブロモ酢酸(600μmol,83mg)の添加、次いでDMF(170μL)中のN,N'-ジイソプロピルカルボジイミド活性化剤(660μmol,103μL)の添加によって行った。 反応混合物を、室温で30分間撹拌した。 置換工程に続く前に、各アシル化を、1回繰り返した。


    置換反応を、1級アミン(2.0mmol)をジメチルスルホキシド(1.0mL)の2.5M溶液として添加し、次いで、室温で2時間撹拌することによって行った。 置換反応の最適化を、0.25Mから2.5Mまでアミン濃度を変化させることによって行った。


    水(10mL)中の95%トリフルオロ酢酸を用いて、オリゴマー固体支持体を室温で20分間処理することによって得られたオリゴマーの脱保護/切断を行い、次いで濾過および凍結乾燥した。


    実施例1〜8


    サブモノマー法によって、8種の代表的なペンタNSGを、求核性に乏しく、立体的に障害があり、そして側鎖が保護されたアミンを含む種々のアミンから調製した。 全ての化合物を、質量分析による確定により、首尾よく合成し、その単離された粗生成物の収率は、52%と90%との間であり、そして、純度は、一般に、85%より大きかった(HPLCによる)。 この5量体の純度、収率、および質量分析データを得、以下の表IIIに示す。


    ペンタNSG合成の最適化を、クロロ、ブロモ、およびヨード酢酸と、アニリンおよびシクロヘキシルアミンの両方との組合せを用いて行った。 ブロモ酢酸およびヨード酢酸は、ペンタ-(N-フェニルグリシン)の形成において、クロロ酢酸より優れていることを示した(それぞれ、収率79%、83%、および5%未満)。 全ての3つのハロアセチル化合物により、75%を越える収率で、ペンタ-(N-シクロヘキシルグリシン)オリゴマーが得られた。 しかし、アシル化反応に、0.6M N-ヒドロキシベンゾトリアゾールを加えると(Robey, FA, Harris, TA, Hegaard, NHH, Nguyen, AK, Batinic, D.

    Chimica Oggi 27-31(1992))、ペンタ-(N-シクロヘキシルグリシン)ポリマーの収率は5%未満であった。


    さらなる最適化の研究においては、n-ブチルアミン、シクロプロピルアミン、およびジフェニルエチルアミンについて、1級アミンのモル濃度を、ブロモ酢酸を用いて、0.25M(4.0当量)から2.5M(40当量)まで変化させた。 1.0M以上のn-ブチルアミンおよびシクロプロピルアミン濃度、および2.5M以上のジフェニルエチルアミン濃度を用いて、5量体を、80%を越える収率で得た。


    実施例9


    25量体、[(Nn-ブチルグリシン)

    4 (N-(3-アミノ-プロピル)グリシン)]

    5を、サブモノマー法によって合成し、それによって、より長いオリゴマーの調製のためのこの方法の有用性を示した。 分析的HPLCを、C4逆相HPLCカラム(Vydac, 25cm×4.6mm)およびグラジエント溶出(溶媒A:H

    2 O/0.1% TFAおよび溶媒B:CH

    3 CN/0.1% TFA;35分において10%〜75% B)を用いてRainin HPXシステムコントローラーで行った。 質量分析によって、86%収率および65%純度(HPLC)で得られたこの化合物の正体を確認した(MH+=2850.9)。


    本明細書において示されたように、自動的な合成技術を用いた広範囲の種々のオリゴマー性NSGの効率の良い合成は、これらのポリマーを、多様なペプチド様ライブラリーの生成および迅速なスクリーニングのための魅力的な候補にする。


    実施例10


    ジメチルホルムアミド(DMF)および200μlのジイソプロピルカルボジイミド中の固体支持体結合アミンを、室温で30分間、DMF中の0.6Mブロモ酢酸800μlで2回アシル化した。 このアシル化された固体支持体結合アミンを、DMF 2mLで3回洗浄した。


    アシル化固体支持体結合アミンを、表IVの1級アミン1mLのジメチルスルホキシド(DMSO)中1〜2M溶液を用いて、室温で2時間処理した。 上記の工程を繰り返して、5量体を形成した。 所望の5量体生成物を、2mLのDMFで3回洗浄し、そして標準のアセトニトリルグラジエント(30分間で0〜60%)を用いた逆相HPLCを行って、85%より高い純度で所望の5量体を得た。


    列挙された全てのアミン化合物は、他に注意がない場合以外は、DMSOに2M溶解した。 チラミンは、溶解するのが遅かったが、熱水浴中で穏やかに暖めることにより、このプロセスの速度は速まった。 フェノール官能基を保護するための必要性はなかった。 メチルアミンは、かなり揮発性であったが、その水への高い溶解性により、水溶液として用い得た(容器から希釈されない)。 アニリンは、最少の求核性アミンであったが、2M濃度でなお作用した。


    DMSO中に化合物を溶解し、次いで等モルの水性HClを加えることによって、塩酸塩を調製した。 次いで、この塩沈澱物を、遠心分離によって除去し、そしてこの上澄液をモレキュラーシーブで乾燥した。


    Rinkアミドリンカーを有するペプトイドオリゴマーを、以下のようにして切断した:


    支持体結合オリゴマー25〜50μmolを、室温で20〜30分間、2〜4mLの95%トリフルオロ酢酸/5%水と反応させ;等量の水で希釈し、凍結乾燥し、3〜6mLの氷酢酸に再溶解し、そして再凍結乾燥した。 このオリゴマーは、通常、オイルよりむしろ粉末であった。


    実施例11


    表VおよびVIに記載の化合物を、式VIIIで表される5量体として合成した:


    ここで、R=表VおよびVIに挙げられた側鎖。 全てのオリゴマーを、逆相HPLCで分析し、そしてLSIMS質量分析によって特徴付けた。


    全ての化合物を、上記の固相サブモノマー法(上記の修飾を含む)によって合成した。


    実施例12


    本発明の方法を使用し、-NH

    2によって置換される第2サブモノマーとしてアルコキシアミンを用いて、Bn-X-Bn-X-Bn形式(ここで、BnはN-ベンジルグリシンである)の5量体を合成した。 このアルコキシアミンがメトキシアミンである場合には、この収率は76%であり、そしてHPLCによる純度は90%であった。 フェニルメトキシアミンがアルコキシアミンとして用いられる場合には、この収率は56%であり、そしてHPLCによる純度は50%であった。


    実施例13


    α

    1

    アドレナリン作動性レセプターのためのリガンドの合成


    化合物の一般的な合成


    オリゴマー合成を、Rinkアミドポリスチレン樹脂(0.61mmol/g,1%架橋、100〜200メッシュ)で行った。 N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、塩化メチレン、氷酢酸、およびトリフルオロ酢酸(TFA)を、市販の供給者から得、そしてさらに精製せずに用いた。 ピペリジン、ブロモ酢酸、N,N-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、フェネチルアミン、4-アミノビフェニル、チラミン、および他の試薬を、Aldrichから得、そしてさらに精製せずに用いた。


    全ての反応を、10cmの粗いガラスフリットを備えた2.0L容器において、室温で行った。 樹脂-試薬スラリーの撹拌を、各工程で200rpmで回転振盪することによって行った。 樹脂-試薬スラリーの濾過を、真空の適用によって達成した。


    2.0L容器にRinkアミド樹脂(100g,0.061mol)を入れた。 この樹脂を、穏やかな撹拌によってDMF(1.5L)中で一時的に膨張させ、そして排出させた。 次いで、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基を、20%ピペリジン/DMF(1.7L,1×5分、次いで1×20分)で処理することによって、除去した。 次いで、この樹脂を、DMF(6×1.7L)で洗浄した。 この化合物の残りを、ブロモ酢酸によるアシル化およびアミンによる置換のサイクルを3回行うことによって、合成した。


    一般的なアシル化条件(0.061mol固体支持体樹脂):


    固体支持体結合アミンを、インサイチュで、DICを用いた活性化によってブロモアセチル化した。 オリゴマー−固体支持体に、ブロモ酢酸(0.67M,900mL)のDMF溶液、次いでDIC(ニート、93mL,0.60mol)を加えた。 この反応混合物を、室温で30分間撹拌した。 この混合物を排出し、そしてこの反応を1回繰り返した。 固体支持体をDMF(3×1.7L)で洗浄した。


    一般的な置換条件(0.61mol):


    固体支持体結合ブロモアトアミドを、アミンをDMSO溶液(1〜2M,1.0L)として加えることによって置換した。 この反応混合物を、室温で2時間撹拌した。 この反応混合物を排出し、そしてこの固体支持体をDMF(3×1.7L)で洗浄した。 チラミンおよびフェネチルヒドラジンを1.0Mで用いながら、フェネチルアミンおよび4-アミノビフェニルを2.0M濃度で用いた。


    一般的な切断および精製:


    合成完了後、固体支持体をCH

    2 Cl

    2 (3×1.7L)で洗浄し、そして5分間風乾した。 完全長の3量体を、室温で15分間、95% TFA/5%水(1.5L)で処理することによって、固体支持体(0.061mol)から切断した。 次いで、この固体支持体を、95% TFA/5%水(1×1.0L)およびCH

    2 Cl

    2 (1×1L)で洗浄した。 濾液をプールし、そして溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。 残渣を、氷酢酸(150mL)で溶解し、そして凍結乾燥した。


    実施例14


    Nhtyr-Nbiph-Nhpheの合成


    化合物Nhtyr-Nbiph-Nhpheを、添加する第1アミンとしてフェネチルアミン、添加する第2アミンとして4-アミノビフェニル、そして添加する第3アミンとして4-ヒドロキシフェネチルアミンを用いて、上記の実施例13に記載のようにして、合成した。


    合成完了後、固体支持体を、CH

    2 Cl

    2 (3×1.7L)で洗浄し、そして5分間風乾した。 完全長の3量体を、室温で15分間、95% TFA/5%水(1.5L)で処理することによって、固体支持体(0.061mol)から切断した。 次いで、この固体支持体を、95% TFA/5%水(1×1.0L)およびCH

    2 Cl

    2 (1×1L)で洗浄した。 濾液をプールし、そして溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。 残渣を、氷酢酸(150mL)に溶解し、そして凍結乾燥して、淡黄色粉末を得た(1.7g,収率82%)。 粗生成物の純度が90%であることを逆相HPLCによって決定した。 この生成物をFAB質量分析した(MH

    + =565)。


    実施例15


    Nhtyr-Npop-Nhpheの合成


    化合物Nhtyr-Npop-Nhpheを、添加する第1アミンとしてフェネチルアミン、添加する第2アミンとして4-アミノ-1-フェノキシベンゼン、そして添加する第3アミンとして4-ヒドロキシフェネチルアミンを用いて、上記の実施例14に記載のようにして、合成した。


    実施例16


    骨格可変基の合成


    いくつかの段階で、ブロモ酢酸の代わりに3-ブロモプロパン酸および2-ブロモプロバン酸を用いたこと以外は、上記の実施例14に記載のようにして、以下の化合物を調製した:


    実施例17


    さらなる化合物の合成


    チラミンの代わりに、フェネチルアミン、フェネチルヒドラジン、および3,4-メチレンジオキシフェネチルアミンを用いたこと以外は、上記の実施例14に記載のようにして、化合物Nhphe-Nbiph-Nhphe、Nzhphe-Nbiph-Nhphe、およびNoco-Nbiph-Nhpheを調製した。 化合物Nhphe-Nbiph-Nhpheを、さらにN-ベンジル化して、Bz-Nhphe-Nbiph-Nhpheを製造した。


    実施例18


    フェネチルアミンの代わりに、3-トリフルオロメチルフェネチルアミン、2-クロロフェネチルアミン、3-クロロフェネチルアミン、4-クロロフェネチルアミン、2,4-ジクロロフェネチルアミン、3-ブロモフェネチルアミン、4-ヨードフェネチルアミン、3-ヒドロキシフェネチルアミン、4-ヒドロキシフェネチルアミン、2,4-ジヒドロキシフェネチルアミン、2-メチルフェネチルアミン、3-メチルフェネチルアミン、4-メチルフェネチルアミン、2,4-ジメチルフェネチルアミン、2,4,6-トリメチルフェネチルアミン、3-エチルフェネチルアミン、4-エチルフェネチルアミン、4-ヘキシルフェネチルアミン、3-ニトロフェネチルアミン、2-アミノフェネチルアミン、4-アミノフェネチルアミン、2,4-ジアミノフェネチルアミン、2-メトキシフェネチルアミン、3-メトキシフェネチルアミン、4-メトキシフェネチルアミン、2,4-ジメトキシフェネチルアミン、2,4,6-トリメトキシフェネチルアミン、3,4-ジメトキシフェネチルアミン、2-エトキシフェネチルアミン、3-エトキシフェネチルアミン、4-エトキシフェネチルアミン、3-プロポキシフェネチルアミン、4-ブトキシフェネチルアミン、4-t-ブトキシフェネチルアミン、3-メトキシメチルフェネチルアミン、4-メトキシメチルフェネチルアミン、3-(2-メトキシエチル)フェネチルアミン、4-(2-メトキシエチル)フェネチルアミン、4-(2-ヒドロキシエチル)フェネチルアミン、4-(3-ヒドロキシプロピル)フェネチルアミン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェネチルアミン、4-フェニルフェネチルアミン、4-(2-クロロフェニル)フェネチルアミン、4(2-アミノフェニル)フェネチルアミン、3-(2,4,6-トリメチルフェニル)フェネチルアミン、4-フェノキシフェネチルアミン、4-(3-クロロフェノキシ)フェネチルアミン、4-(4-アミノフェノキシ)フェネチルアミン、3-ベンジルフェネチルアミン、4-フェネチルフェネチルアミン、3-アセチルフェネチルアミン、4-アセチルフェネチルアミン、4-(2-フェノキシエチル)フェネチルアミン、および3-ベンジルオキシフェネチルアミンを用い、そして/または、4-アミノビフェニルの代わりに、3'-トリフルオロメチル-4-アミノビフェニル、2'-クロロ-4-アミノビフェニル、3-クロロ-4-アミノビフェニル、4'-クロロ-4-アミノビフェニル、2',4'-ジクロロ-4-アミノビフェニル、3-ブロモ-4-アミノビフェニル、4'-ヨード-4-アミノビフェニル、3'-ヒドロキシ-4-アミノビフェニル、4'-ヒドロキシ-4-アミノビフェニル、2',4'-ジヒドロキシ-4-アミノビフェニル、2'-メチル-4-アミノビフェニル、3'-メチル-4-アミノビフェニル、4'-メチル-4-アミノビフェニル、2',4'-ジメチル-4-アミノビフェニル、2',4',6'-トリメチル-4-アミノビフェニル、2',3,4',5,6'-ペンタメチル-4-アミノビフェニル、3'-エチル-4-アミノビフェニル、4'-エチル-4-アミノビフェニル、4'-ヘキシル-4-アミノビフェニル、3'-ニトロ-4-アミノビフェニル、2'-アミノ-4-アミノビフェニル、4'-アミノ-4-アミノビフェニル、2',4'-ジアミノ-4-アミノビフェニル、2'-メトキシ-4-アミノビフェニル、3'-メトキシ-4-アミノビフェニル、4'-メトキシ-4-アミノビフェニル、2',4'-ジメトキシ-4-アミノビフェニル、2',4',6'-トリメトキシ-4-アミノビフェニル、3',4'-ジメトキシ-4-アミノビフェニル、2'-エトキシ-4-アミノビフェニル、3'-エトキシ-4-アミノビフェニル、4'-エトキシ-4-アミノビフェニル、3'-プロポキシ-4-アミノビフェニル、4'-ブトキシ-4-アミノビフェニル、4'-t-ブトキシ-4-アミノビフェニル、3'-メトキシメチル-4-アミノビフェニル、4'-メトキシメチル-4-アミノビフェニル、3'-メトキシエチル-4-アミノビフェニル、4'-メトキシエチル-4-アミノビフェニル、4'-ヒドロキシエチル-4-アミノビフェニル、4'-ヒドロキシプロピル-4-アミノビフェニル、4'-ヒドロキシエトキシ-4-アミノビフェニル、4'-フェニル-4-アミノビフェニル、4'-(2-クロロフェニル)-4-アミノビフェニル、4'-(2-アミノフェニル)-4-アミノビフェニル、3'-(2,4,6-トリメチルフェニル)-4-アミノビフェニル、4'-フェノキシ-4-アミノビフェニル、4'-(3-クロロフェノキシ)-4-アミノビフェニル、4'-(4-アミノフェノキシ)-4-アミノビフェニル、3'-ベンジル-4-アミノビフェニル、4'-フェネチル-4-アミノビフェニル、3'-アセチル-4-アミノビフェニル、4'-アセチル-4-アミノビフェニル、4'-(2-フェノキシエチル)-4-アミノビフェニル、および3'-ベンジルオキシ-4-アミノビフェニルを用い、そして/または、4-ヒドロキシフェネチルアミンの代わりに、フェネチルアミン、3-トリフルオロメチルフェネチルアミン、2-クロロフェネチルアミン、3-クロロフェネチルアミン、4-クロロフェネチルアミン、2,6-ジクロロフェネチルアミン、3-ブロモフェネチルアミン、4-フルオロフェネチルアミン、3-ヒドロキシフェネチルアミン、2,5-ジヒドロキシフェネチルアミン、2-メチルフェネチルアミン、3-メチルフェネチルアミン、4-メチルフェネチルアミン、2,4-ジメチルフェネチルアミン、2,4,6-トリメチルフェネチルアミン、3-エチルフェネチルアミン、4-エチルフェネチルアミン、4-ヘキシルフェネチルアミン、3-ニトロフェネチルアミン、2-アミノフェネチルアミン、4-アミノフェネチルアミン、2,4-ジアミノフェネチルアミン、2-メトキシフェネチルアミン、2,5-ジメトキシフェネチルアミン、2,3-ジメトキシフェネチルアミン、3,5-ジメトキシフェネチルアミン、3,4,5-トリメトキシフェネチルアミン、3-メトキシフェネチルアミン、4-メトキシフェネチルアミン、2,4-ジメトキシフェネチルアミン、2,4,6-トリメトキシフェネチルアミン、3,4-ジメトキシフェネチルアミン、2-エトキシフェネチルアミン、3-エトキシフェネチルアミン、4-エトキシフェネチルアミン、3-プロポキシフェネチルアミン、4-ブトキシフェネチルアミン、4-t-ブトキシフェネチルアミン、3-メトキシメチルフェネチルアミン、4-メトキシメチルフェネチルアミン、3-メトキシエチルフェネチルアミン、4-メトキシエチルフェネチルアミン、4-ヒドロキシエチルフェネチルアミン、4-ヒドロキシプロピルフェネチルアミン、4-ヒドロキシエトキシフェネチルアミン、4-フェニルフェネチルアミン、4-(2-クロロフェニル)フェネチルアミン、4-(2-アミノフェニル)フェネチルアミン、3-(2,4,6-トリメチルフェニル)フェネチルアミン、4-フェノキシフェネチルアミン、4-(3-クロロフェノキシ)フェネチルアミン、3,4-メチレンジオキシフェネチルアミン、6-メトキシ-3,4-メチレンジオキシフェネチルアミン、2-メトキシ-3,4-メチレンジオキシフェネチルアミン、4,5-メチレンジオキシフェネチルアミン、3-メトキシ-4,5-メチレンジオキシフェネチルアミン、4-(4-アミノフェノキシ)フェネチルアミン、3-ベンジルフェネチルアミン、4-フェネチルフェネチルアミン、3-アセチルフェネチルアミン、4-アセチルフェネチルアミン、4-(2-フェノキシエチル)フェネチルアミン、および3-ベンジルオキシフェネチルアミンを用いたこと以外は、上記の実施例14および17に記載のようにして、対応の化合物を調製する。


    オリゴN-置換カルバメートの合成


    オリゴN-置換カルバメートの一般的な合成スキームをスキーム3に示す。 2工程プロセスが考案され、これはアシル化およびアルキル化の改変スキームを用いた。 スキーム3において、nは、2〜2000、好ましくは2〜100、より好ましくは2〜10である。 R

    xおよびR

    yは、独立して、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、-OH、-NR

    a R

    b (ここで、R

    aおよびR

    bは各々独立して、-Hまたは低級アルキルである)、-OR

    a 、-C(O)R

    a 、-OC(O)R

    a 、-C(O)OR

    a 、-OC(O)OR

    a 、-(CH

    2 )

    n -CX

    1 X

    2 X

    3 (ここで、nは0〜6であり、そしてX

    1〜3は各々独立して、Hまたはハロである)、-NC(O)R

    a 、-C(O)NR

    a R

    b 、-OC(O)NR

    a R

    bまたは-NC(0)NR

    a R

    bからなる群より選択される任意の側鎖であり、ここで、a、bは、独立して1〜100の整数である。 以下の例示的なカルバメート合成の条件は、本明細書中に記載されるNSG-ペプトイドの合成のためのサブモノマースキームの後にモデル化された。


    アシル化工程(I)のために、2-ブロモエチルクロロホルメート(BECF)を用いた。 BECFは、室温で30分間、DIEAの存在下で、固体支持体に結合したサルコシンを定量的にアシル化する(ジクロロメタン中の、0.3M BECF、0.3M DIEA)。 アルキル化工程(II)のために、好ましい条件は、2Mアミン、DMSO、45℃、4時間である。 化合物2〜4の調製は、多くの場合、これらの条件を用いて行われる。 好ましい一般的な条件が開発されたので、温度および反応時間を、いくつかの化合物の合成において変化させた。 各反応工程後には、反応溶媒、そしてDCM、DMFおよび/またはMeOHで完全に洗浄される。


    例として、サブモノマー法によるオリゴN-置換カルバメート2a(R

    2 =ブチル、R

    3 =ベンジル)の合成を記載する。 固体支持体(FMOC-保護したRinkアミド樹脂)(250mg、0.43mmol/g)を20%ピペリジン/DMFで20分間処理して、N-末端FMOC基を除く。 完全な洗浄後、固体支持体を、標準方法を用い、FMOC-Sar-OHでアシル化した。 N-末端FMOC基を20%ピペリジン/DMFで除去した。


    上記の固体支持体をDCMで膨潤させ、そして排出させた。 DCM(5mL)中のブロモエチルクロロホルメート(180μL、1.67mmol)およびDIEA(260μL、1.5mmol)の溶液を固体支持体に添加し、そして固体支持体を30分間振盪した。 次いで、固体支持体を十分に洗浄した。 この固体支持体に、DMF(3.2mL)中のブチルアミン(790μL、8.0mmol)の溶液を添加し、そして穏やかに振盪しながら2時間反応させた。


    このアシル化を、ブロモエチルクロロホルメート(160μL、1.5mmol)、およびDIEA(260μL、1.5mmol)を用い、DCM(5mL)中で45分間繰り返した。 洗浄後、固体支持体を、DMF(3.2mL)中のベンジルアミン(875μL、8mmol)の溶液で2時間処理した。


    次いで、固体支持体を洗浄し、そして95%TFA/H

    2 Oを用いて90分間切断した。 得られた溶液をC-4 RP-HPLCおよびMSで分析した。 3つの主要なピークを、約1:2:1の比で得た。 MSは、正しい物質(以下の構造)であるべき真ん中のピークを示した。 初期の溶出ピークは、欠失生成物(deletion product)(BuNH

    2工程時の不完全な反応)であった。 最後のピークは、第2のアシル化反応からの生成物(すなわち、最後のベンジルアミン工程時の不完全な反応)であると思われる。


    一般的に、ブチルまたはベンジルは、上で定義された様な任意の側鎖であっても、ハロ、ニトロ、低級アルキル、低級シクロアルキル、-OH、-NR

    a R

    b (ここで、R

    aおよびR

    bは各々独立して、-Hまたは低級アルキルである)、-OR

    a 、-C(O)R

    a 、-OC(O)R

    a 、-C(O)OR

    a 、-OC(O)OR

    a 、-(CH

    2 )

    n -CX

    1 X

    2 X

    3 (ここで、nは0〜6であり、そしてX

    1〜3は各々独立して、Hまたはハロである)、-NC(O)R

    a 、-C(O)NR

    a R

    b 、-OC(O)NR

    a R

    bまたは−NC(O)NR

    a R

    bからなる群より選択されてもよい。


    表IおよびIIは、本明細書中に記載されたように調製されたN-置換カルバメートを一覧にする。 表Iは、一般構造3を有するNSCの置換基「X」の53種を一覧にする。 表IIは、一般構造4を有するNSCの置換基「X」の13種を一覧にする。 これらの結果は、置換が内部位置またはN-末端のいずれかである場合、多くの異なるN-置換カルバメートを調製するのに、広範囲のアミンを使用し得ることを示す。


    サブモノマー法による、高度に置換された環式化合物およびそのライブラリーの合成


    高度に置換された環状構造は、本発明のサブモノマー法と、有力な液相化学とを組み合わせることによって、固体支持体上で合成され得る。 1、2、3またはそれ以上の縮合環を有する環式化合物は、サブモノマー法によって、まず直線状ペプトイド骨格を合成し、次いで、分子内環化または分子間環化により、形成される。


    置換2-イソキノリノンは、まず、固体支持体に結合したアミンとハロ-2-アルケン酸とを反応させて不飽和モノペプトイドを生成することにより合成される。 o-ハロ-カルボン酸ハロゲン化物を用いるアシル化により、中間体の不飽和ペプトイドを得る。 パラジウム(O)により触媒される分子内Heck反応は、芳香族環に縮合した5、6および7員環の形成をもたらす。 本発明の方法により調製された置換イソキノリンの一般構造を以下に示す。


    3-ジヒドロイソキノリノン構造の合成は、方法の多様性を示す本発明の方法を用いて可能である。 固体支持体に結合した直線状ペプトイドを、1級アミンと反応させ、次いで、アルケン酸ハロゲン化物と反応させる。 得られる直線状ペプトイドを、Pd(O)により触媒されるHeck反応により分子内環化させる。 固体支持体に結合した縮合環化合物は、次いで、固体支持体から切断され得る。 イソキノリノン化合物の一般構造を以下に示す。


    置換テトラヒドロイソキノリンもまた、本発明の方法によって調製され得る。 このとき、直線状ペプトイド骨格が合成され、次いで環化される。 一般的に、固体支持体に結合したペプトイドを、ハロ-2-アルケン酸と反応させ、次いで、このハロゲン化物をo-ハロ-芳香族1級または2級アミンで求核置換させる。 パラジウム(O)により触媒される分子内Heck反応を行い、直線状ペプトイドを環化させる。 得られた分子は、アルケン性カルボン酸および1級または2級アミン(これらは第2工程において使用される)により提供される置換基を有する置換テトラヒドロイソキノリンである。 縮合環のサイズは、最終的なアミン反応物の側鎖の構造により制御される。 本発明に従って調製される置換イソキノリンの一般構造を以下に示す。


    3つの縮合環を含む化合物もまた、本発明の方法により合成され得、まず、アミン誘導体化固体支持体樹脂または直線状ペプトイドをアルケン酸と反応させ、次いで、置換アミンと反応させ、次いで、酸ハロゲン化物(これは、この酸ハロゲン化物に加えて求電子反応性基を含む)と反応させる。 この一連の反応は、適切な分子内環化反応の条件に供された場合、環構造を形成する直線状ペプトイドを生成する。 この環の骨格は、直線状ペプトイド骨格の一部およびペプトイド側鎖または置換基の共有結合により形成される。 環形成に関与する側鎖および置換基がそれら自身環状である場合、最終生成物は縮合環構造となる。 本発明のサブモノマー法に従って調製される3つの縮合環を含む化合物(例えば、フェナントリドン)の一般構造の例を、以下に示す。


    上記の構造において、X、X'、YおよびY'は、環化される間に求核置換を受けやすいオルト位にて反応性の求電子基との反応と競合するハロゲン化物であるべきではない。


    複雑な環構造の合成は、複雑な環式化合物の混合物を作製するためのサブモノマー法の多様性を示す。 モノケトピペラジンの混合物の合成を例として提供する。


    モノケトピペラジン混合物を、サブモノマー法による直線状ペプトイドを生成することにより調製する。 用いるサブモノマーを改変することにより、種々のペプトイド骨格を分子内環化のために調製し、それによってモノケトピペラジンの混合物を生成する。 ペプトイド骨格を調製するために使用されるサブモノマーは、環置換基およびペプトイド側鎖を決定する。 モノケトピペラジンの一般構造を以下に示す。


    モノケトピペラジンの混合物を、アルデヒド、次いで電子求引性基を有するアルケンまたはアルキンとさらに反応させ、以下に示されるようなより複雑な環構造を有するモノケトピペラジンの混合物(これは、モノケトピペラジンに縮合した5員環を有する)を調製し得る。


    1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン混合物の合成もまた、本明細書中にてサブモノマー法により示される。 この場合では、上記方法は、サブモノマーとして、ハロカルボン酸、1級アミン、α-アミノ酸エステル遊離塩基およびo-アジド-ベンゾイル塩化物を使用する。 これらのサブモノマーは、ペプトイド骨格を作り、そして環構造および側鎖置換基を提供する。 ベンゾジアゼピンジオン混合物の多様性は、サブモノマーを介して付加した改変された置換基の数によって制御される。 1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオンの一般構造を以下に示す。


    サブモノマー法による、ペプトイドからの環式化合物の調製


    一般的に、アミンまたはペプトイドで誘導体化した固体支持体は、第1サブモノマーによりアシル化(例えば、ハロ-アルケン酸またはハロ-酢酸との反応により)され、次いで、以下のような第2サブモノマー化合物のうちの1つと反応させる:置換1級または2級アミン;および1級または2級アミン(置換基が反応性モイエティーを有するもの)。 これは、続いてさらに、以下のうちの1つ以上と反応させる:酸ハロゲン化物(これは、アシル炭素に結合するハロゲン化物以外の反応性モイエティーを含む);イソシアネート;イソチオシアネート;および1級または2級アミン。 アミン、酸ハロゲン化物、イソシアネート、またはイソチオシアネートのようなサブモノマーの反応性モイエティーは、ペプトイド骨格へのサブモノマーの結合の後で、反応性モイエティーが環化され得るかまたは環化されやすいように配置される。 化合物が反応する順序、その構造、ならびに反応条件は、生成物の構造を決定する。 しかし、本明細書中に示される合成スキームが、連続する段階的な手順で、置換された小分子から比較的複雑な分子を合成するための、同様のいくつかの特徴を有することは、容易に理解され得る。 各場合において、直線状の置換ペプトイド骨格を形成し、次いで、環化され、高度に置換された環状生成物を生成する。 サブモノマー法は、環式化合物の種々のライブラリーを調製するための分割樹脂法(split-resin method)と容易に組み合わされる。


    サブモノマー法による、環式有機化合物の一般的な合成は以下の通りである。 第1サブモノマー化合物を、調製された固体支持体と反応させ、その結果、固体支持体上の実質的に全ての反応部位を、共有結合的に結合させた第1サブモノマー分子で占有させる。 次いで、第2サブモノマーを、第1サブモノマー上の反応部位と反応させる。 第1および第2サブモノマー分子は、置換アルケン性カルボン酸、置換アミン、置換酸ハロゲン化物、イソシアネート、イソチオシアネート、置換ハロゲン化スルホニルまたは置換クロロホルメートであり得る。 本発明の連続的なサブモノマー付加法は、直線状ペプトイド分子(これは、続いて、環化され、最終生成物を生成する)を調製するための基礎であることがわかり得る。


    分割されそして組み替えて反応させた固体支持体が、環状ペプトイド合成に関するサブモノマー法の特徴であり、サブモノマー法は、高度に置換された環状構造の混合物の製造を可能にする。 生成物の混合物は、本発明の2つの特徴により得られる:1)サブモノマー化合物上における可変置換基の組み合わせおよび相対的な位置、および2)選択的なサブモノマー付加時に分割しそして組み換えて反応させた固体支持体粒子から、環化の前に前駆体の直線状ペプトイドの混合物を生成すること。 混合物中に存在する異なる生成化合物の数は、1)固体支持体に結合する異なる第1サブモノマーの数;2)第1サブモノマーと反応させる異なる第2サブモノマー化合物の数;および3)第1および第2サブモノマー化合物の各々が有する可変置換基の数に伴い増加する。 本発明によれば、この方法論は、環式有機化合物のライブラリーの生成を可能にする。 より詳細には、出願人の方法は、同じ反応容器内かつ固体支持体上の独特で、ユニークでかつ異なる環式有機化合物の混合物を調製することに関する。 すなわち、反応容器内の環式有機生成物化合物は互いに異なり、そして反応容器中の各々の環式有機生成化合物は回収可能かつ分析可能な量で存在する。


    各反応が実質的に完結するように、固体支持体に結合したペプトイド化合物と、関連の量のサブモノマー反応物とを組み合わせることにより得られた環式有機化合物の混合物は、予測可能であり規定された量かつ環式有機化合物が回収され得分析され得るのに十分な量で、各反応生成物を含む。 得られる環式有機化合物の各々の量は、誘導体化された固体支持体の量が各反応において使用されるので予測可能であり、制御され、そして続く反応は各々完結するまで進行する。


    本発明の一般的な局面によれば、個々の環式有機化合物は、固体支持体上に前駆体化合物を固定化した後に固相合成技術のような方法論を用い、それによって、反応性モイエティーが、サブモノマー(これは、次に、さらなる一つ以上のサブモノマーと反応する)と反応させ、次いで環化させることによって製造される。 環化したペプトイド誘導体は、簡便な回収のために固体支持体に結合したままであり得る。 環化したペプトイド誘導体の切断はまた、必要に応じて、回収前または使用前に行われ得る。


    サブモノマー法により調製された種々の環化された化合物は、サブモノマーの反応の順によって部分的に制御されるので、特定の固体支持体は、分割され得、そして、続く各々のサブモノマー反応とともに組み換えられ、それによって、各部分が環化の前に組み合わされた時に直線状ペプトイド誘導体の混合物が形成されることが容易に理解される。 反応および反応条件が1より多い直線状ペプトイド誘導体と共通である場合、同じの反応が混合物に対して行われ得る。


    固体支持体上で合成された環式有機化合物のライブラリー


    レセプタータンパク質または他の分子の結合領域を最も効率的に調べるために、種々の置換基および/または環構造を有する環式有機化合物のライブラリーを作製することが一般的に好ましい。 ライブラリー中の種々の構造は、所望の結合特性を有する化合物を単離する機会を増大させる。 固体支持体上に環式有機化合物の集まりを合成するために、本明細書中に記載の方法を適用することによって、スクリーニングのための大きなグループが調製され得る。 例えば、相対的なレセプター結合親和性の分析のために種々の置換基を有するモノケトピペラジン誘導体のライブラリーを調製し得る。 このライブラリーは、小さく(およそ10種の異なる構造)もあり得または大きく(およそ1000種の異なる構造)もあり得る。


    このようなライブラリーは、生物活性ペプチドまたは他の分子(これは、必要な親和性でもって適切なレセプターに結合する)に対する環式有機アナログを同定するのに有用である。 例えば、仮定上のペプチドが公知の細胞表面レセプターに結合する場合、細胞表面レセプターを発現する細胞の培養物を調製し、結合に貢献する条件下でライブラリーを適用し、そしてこのライブラリーのメンバーが細胞表面レセプターに結合するもしくはレセプター応答を誘発する程度を測定し得る。


    このライブラリーの環式有機化合物とレセプターとを相互作用させた後、結合していない化合物を洗浄して除く。 多数の環式有機化合物が高い結合親和性を示す場合、結合条件を、最も高い親和性の環式有機化合物のみが結合したままであるように改変し得る。 次いで、得られた選択的な環式有機化合物を除去し、そして標準的な分析技術によって同定し得る。


    模倣されるべき生物活性分子の中の活性部分の関連構造が知られていない場合には、例えば、本発明の方法は、より大きなライブラリーを簡単に構築するために使用される。 ペプチドまたはエピトープの構造的形状に関して手がかりがない場合、広範囲の置換体および/または環構造のバリエーションを有する「万能の」ライブラリーは最も有効である。


    実施例19:サブモノマー法による高度に置換された1-(2H)-イソキノリノンの固相合成


    高度に置換された1-(2H)-イソキノリノンの合成に本発明の方法を用い、置換された直線状ペプトイド骨格を構築し、次いで、この骨格を環化し、所望の環式化合物の混合物を得る。 この合成の第1工程は、トランス-4-ブロモ-2-ブテン酸(ブロモクロトン酸;Ziegler, K.ら(1942)Justus Liebigs Ann. Chim.

    551 :80)を脱保護したRinkアミド樹脂にカップリングすることである(スキーム4)。


    それに続く、ペプトイド合成のサブモノマー法について開発された条件下でのS

    N 2アミン置換により、不飽和のモノペプトイドを得るが、α位での競合するS

    N 2'攻撃の証拠はない。 o-ヨード-カルボン酸、o-ブロモ-カルボン酸またはo-トリフルオロ-メタンスルホニル-カルボン酸によるモノペプトイドのアシル化により、ペプトイド骨格にパラジウム(0)触媒された分子内Heck反応を受け得る中間体を得る。 この反応は、電子求引性のカルボキサミド基により促進される。 o-ヨードまたはo-ブロモカルボン酸は、市販のアントラニル酸およびピリジンまたはピラジンカルボン酸のようなヘテロ環から容易に調製され得る。


    分子内Heck反応は、芳香族間に縮合した5員、6員または7員環を形成するための有力な方法である。 固体支持体上の化合物の分子間Heck反応が報告されている(Yu, K.-L.ら(1994)Tet. Lett.

    35 :8919-8922)。 しかし、本発明のサブモノマー法による環状構造の調製は、サブモノマー上の置換基を変化させることにより、環式化合物の混合物を提供する特有の能力を有する。


    代表的な調製において、固体支持体に結合したモノペプトイド1a(R=iBu;スキーム4)(これは、o-ヨードベンゾイルクロライドでキャップされている)を、DMA中、酢酸ナトリウムおよびPh

    3 Pの存在下で、Pd(Ph

    3 P)

    4を用いて85℃で5時間処理する。 環化が容易に起った(これは、固体支持体を95/5 TFA/H

    2 Oで処理して得られた粗生成物のHPLC分析によりすぐに明白であった)。 化合物1a(R=iBu;スキーム4)の切断によって得られる環化されないC末端アミドを、23.9分におけるブロードなピークとして溶出し、一方、環化された生成物は、保持時間18.7分のシャープなピークである(Vydac C-18分析HPLCカラムを用い、40分間にわたる、0.5% TFA水溶液中の0〜80%アセトニトリルの溶出溶媒勾配)。 環化された生成物をHMBC/HMQCスペクトルとROESY nmr実験とを組み合わせて分析し、構造2aを有することを示した。 HMBCスペクトルは、7.2ppmでのビニル性一重線(1H)(H-3)と56.7ppmでのイソブチル側鎖のメチレン炭素との間の特徴的な3-結合C,Hカップリング(3-bond C,H coupling)を示した。 これは、二重結合が環内に存在する場合にのみ可能である。 ROESYスペクトルは、7.2ppmでの一重線と、3.8ppmでのイソブチルメチレンの二重線および3.6ppmでのCH

    2 C(O)NH

    2基の一重線(2H)の両方との間に交差ピークを示した。 また、芳香族プロトンのいずれかとの交差ピークは存在しない。 これらの分析結果は構造2aに一致する。


    1(スキーム4)におけるヨード基に対して、置換基がオルト位に存在する場合、生成物2および3の混合物が得られた。 例えば、1d(R=iBu、X=5-メチル)の環化により、2d(HPLCによる保持時間=20.16)および3d(HPLCによる保持時間=21.33分)の混合物が1:3.2の比で得られた。 2dのプロトンnmrは、2aのものと非常によく似ている(7.8ppmにおけるH-3)が、3dは、6.2ppmにおいて対応する一重線(1H)を示す。 主要な異性体に対する構造3dの帰属をHMBC/HMQCおよびROESYにより確認した。 ROESY実験は、6.2ppmでの一重線と2.5ppmでの芳香族メチルとの間に強いNOE交差ピークを示したので、特に有益であった。 このことは、ビニル性プロトンが環外の二重結合上に位置し、Zの二重結合ジオメトリーであることを示す。


    化合物4(スキーム4、C-3にメチル基、R=フェニルエチル)を、スキーム4に従う不飽和サブモノマーとして4-ヨード-2-ペンテン酸を用いて調製した。 4-ヨード-2-ペンテン酸は、Blendermann, WGら((1983)J. Org. Chem.

    48 :3206-3213))に従い4-ブロモ-2-ペンテン酸のFinkelstein反応により合成した。 環化のために化合物2aの合成の時と同じ条件を用いて、化合物4を環外異性体として独占的に得る。


    Heck反応もまた、第1サブモノマーとして4-ブロモ-ペンテン酸、第2サブモノマーとして2-ブロモピリジン-3-カルボン酸を用い、化合物2aの合成に関して記載されたものと同じ条件下でそれぞれ反応させて、化合物5の合成にうまく拡張させた。


    他のo-ハロヘテロアリールカルボン酸への拡張は容易に想像し得る。 本発明の方法は、環状骨格を形成するサブモノマーとの反応の前に固体支持体をジペプトイドで誘導体化した場合に、同様に成功した。 このような反応が拡張した側鎖を有するイソキノリノンを生成する。 拡張したハイブリッドペプトイド/イソキノリノンは、より多数の可変置換基を有する:R1(アミンサブモノマーから誘導されるペプトイド側鎖を表す)、R2(アミンまたはアルケン酸サブモノマーから誘導される環置換基を表す)、およびX(酸ハロゲン化サブモノマーから誘導される芳香族置換基を表す)。


    置換イソキノリノンの混合物を合成する可能性は、これらの条件がいくつかの異なるアミン誘導側鎖および異なる芳香族置換パターンを含むモノペプトイドに拡張された場合に示される。 その結果を、100〜500mgスケールのポリスチレン固体支持体樹脂(0.05〜0.25mmol)で行われた反応について表VIIIに示す。


    異なる環状R基を有する2-置換1-(2H)-イソキノリノンのライブラリーを調製した(一般構造を参照のこと、図2)。 異なるアミン側鎖(R2)を有する7種のモノペプトイドを、サブモノマー法により別々に合成した。 固体支持体粒子を一緒に混合し、各モノペプトイドに関して等モル量の混合物を作製した。 次いで、組み合わせた、固体支持体に結合したモノペプトイドを、単一の反応混合物中でo-ヨード-ベンゾイルクロライドでアシル化した。


    次いで、得られた化合物を単一の反応混合物中でのHeck反応により環化させた。 環化した生成物を固体支持体粒子から切断した。 粗製の混合物の質量分析データは、7種の推定される混合物から予測される全ての親イオンを示した。 粗製の切断混合物のHPLC分析を図2に示す。 HPLCクロマトグラムにおける7つの主要ピークの同定は、エレクトロスプレー(electrospray)質量分析によって予測される生成物であることが別々に証明された。 この反応に使用されたサブモノマー上の置換基が、混合物中の種々の異なる環状ペプトイド誘導化合物を決定することは、容易にわかる。


    分子中のペプトイド部分は、容易に入手可能でありそしてロボティクス合成による高度に多様化した構築ブロック(building block)から迅速に組み立てられ得る(Zuckemann, RNら(1992)Int. J. Pept. Protein Res.

    40 :497-506)。 これは、10

    3 〜10

    4種の異なりかつ区別されるメンバーを含む設計されたライブラリーの合成を可能にする。


    表IXは、本発明の方法によって得られるさらなるいくつかのペプトイド誘導された高度に置換された1-(2H)-イソキノリノンの一覧である。 表IX中の化合物を、示された置換基を提供するために種々のアミンから得た。


    表IX中の化合物の全てを、質量分析およびnmrにより証明された通りに首尾良く合成した。 単離された粗収率は50%〜90%であり、精製物は80%を越える(HPLC分析による)。 得られた生成化合物の分子式および質量分析データは、式IXに示される予想された化合物に一致した。 一般的な例のように、化合物2eの合成の代表的な実験手順(以下のスキーム4)を以下に示す。


    Rinkアミド樹脂(約3g、Advanced Chemtech、約0.5mmol/g置換)を、250mL容量のシラン化ガラス容器中に入れそして約50mLのジメチルホルムアミド(DMF)中に約5分間浸した。 溶媒を乾燥し、そして固体支持体樹脂を、DMF中の20%v/vピペリジン(30mL)で、2×20分間、オービタルシェーカー上で200rpmで混合した。 溶媒を排出し、そして固体支持体を6×50mLのDMFで洗浄した。 脱保護された固体支持体を、次いで、2×30分間、DMF(25mL)中の4-ブロモ-2-ブテン酸(15mmol)およびジイソプロピルカルボジイミド(15mmol)で処理した。 次いで、アシル化された固体支持体を1×100mLおよび2×50mLのDMFで洗浄した。 DMSO(30mL)中のイソブチルアミン(4.4g、60mmol)を添加した。 2時間アルゴン下で混合した後、容器を排出し、そして固体支持体を、DMF、次いでCH

    2 Cl

    2で十分洗浄した。 続いて、真空下で一晩室温で乾燥した。 この固体支持体の140mgの部分を反応容器に充填し、そしてSymphony Multiple Peptide Synthesizer(Protein Technologies, Inc.)に置き、まず1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE)(2mL)中の2-ヨード-6-フルオロベンゾイルクロライド(2.4mmol)の溶液(新たに調製したもの)で処理し、次いで、1,2-DCE(2mL)中のEt

    3 N(2.4mmol)の溶液で処理した。 30分間混合した後、容器を排出し、そしてアシル化を繰り返した。 固体支持体をDMFおよび1,2-DCEで十分に洗浄し、そして、HPLC分析のために、アリコートを、室温で20分間、95/5(v/v)TFA/H

    2 Oで処理した。 固体支持体の残りを10mLのSchlenkチューブに充填し、そしてPd(Ph

    3 P)

    4 (35mg)、無水NaOAc(75mg)、Ph

    3 P(35mg)および無水N,N-ジメチルアセトアミド(8mL)で処理した。 チューブを2分間穏やかに排気し、次いでアルゴンガスを導入した。 次いで、密封したチューブを予め90℃に加熱したブロックヒーター中に置き、そしてオービタルシェーカー上で6時間200rpmで混合した。 次いで、固体支持体を濾別し、そしてDMF、H

    2 O、DMFで洗浄し、次いでDMF(5mL)中のジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(100mg)の溶液中で約10分間撹拌し、残留するPdを取り除いた(Kates SAら、(1993)Anal. Biochem.

    212 :303-310)。 固体支持体を、再び、DMF、THF、CH

    2 Cl

    2で洗浄し、次いで、95/5のTFA/H

    2 Oを用いて切断した。 切断された混合物を、HOAcおよびH

    2 Oで希釈し、そしてHPLCで分析した。 混合物を凍結乾燥し、次いで、HOAcから再凍結乾燥し、16.5mgの化合物2eを得た。


    実施例20:サブモノマー法による高度に置換されたテトラヒドロイソキノリンの固相合成


    環式化合物の多様性を生成するためのサブモノマー法の汎用性を、テトラヒドロイソキノリンの生成のための方法において使用されるサブモノマーを単純に変える能力により例示した。 本実施例において、高度に置換されたテトラヒドロイソキノリンは、本発明のサブモノマー方法により、実施例19に記載されるイソキノリンの合成の場合と同じ反応条件を用いて調製される。 各々の出発モノペプトイドおよび合成のサブモノマーの各々は、1つの化合物または各化合物の混合物を表すことが留意される。


    特定の例において、固体支持体粒子は、本明細書中に記載されるサブモノマー法に従うモノペプチドを用いて誘導体化される。 4-ブロモ-ペンテン酸サブモノマーを、まずモノペプトイドと反応させ、続いてo-ヨードベンジルアミンのような1級アミンと反応させる。 Pd(0)触媒されたHeck反応による分子内環化の適用により、テトラヒドロイソキノリンを生成する(スキーム5)。 第2のベンジルアミンが使用される場合、第2の置換基は、ペプトイド誘導環の窒素上に存在する。 第2の置換基またはキャップの例として、ペプトイド鎖、カルバメート、アミド、エステル、尿素、スルホンアミド、チオ尿素、アルキル、アリール、ペプチドなどが挙げられるが、これらに限定されない。 あるいは、「CAP」は、Heck環化後に除去され、次いで、さらに機能化され得る保護基であり得る。 このようなペプトイド誘導環窒素置換基は、サブモノマー法により合成され得る化合物のタイプに対する多様性の別のレベルを付加する。


    ペプトイド誘導された環のサイズは、窒素と芳香族環との間により長いアルキル鎖を有するアミンサブモノマーを使用することにより、増大し得る。 ペプトイド誘導環のサイズは、分子内の閉環における構造的な束縛によってのみ制限される。


    サブモノマー法によって合成され得るテトラヒドロイソキノリンの例として、以下のスキーム5において生成した一般構造が挙げられるが、これらに限定されない。


    ここで、Rは、1級アミンから誘導され、そしてR'は、アルキル、アリール、ペプチド、ペプトイド、ケトン、アミド、エステルなどであり得;nは、1、2または3であり;そしてX,Yは、アルキル、アリール、ハロなどである。


    実施例21:サブモノマー法による、高度に置換されたジヒドロイソキノリノン化合物の固相合成


    ジヒドロイソキノリノン化合物を、前記の実施例に記載された工程の改変を用いてサブモノマー法により容易に合成する。 ペプトイド誘導固体支持体粒子を、第1サブモノマーとしてアミン(求電子置換基を有する)と、そして第2サブモノマーとしてアルケン酸クロリドと最初に反応させる。 前記の実施例で記載されたように、ペプトイド誘導固体支持体の調整後に添加されるサブモノマーは、環状生成物の環骨格を築くサブモノマーである。 Heck反応による分子内環化は、アミンサブモノマーの求電子試薬を置換し、以下に示すスキームに従って、6員環を形成する。 本実施例では、アルケン酸の二重結合は、保持され、そして二重結合上の置換基の位置は、シスまたはトランス(スキーム6)のいずれかであり得る。


    本実施例に従って、ペプトイド誘導環、酸クロリドから誘導される芳香族環上の種々の置換基および他の可能な置換基は、前記の置換基のいずれかであり得る。 本明細中に記載の可能な環式化合物の全てにおいてのように、環状構造が結合するペプトイド鎖は、本発明のサブモノマー法により調製され得る、任意の直鎖、分枝状、または環状ペプトイドであってよい。 本実施例によって調製される環式化合物は、ペプトイド側鎖の支持体粒子への結合部位にて、固体支持体粒子から必要に応じて切断される。


    ベンズアゼピノンの合成は、サブモノマー法を用いて、例えば、第1サブモノマーとして4-ブロモ-ペンテン酸により、続いて第2サブモノマー(スキーム7参照)として1級アミンとの反応により達成される。 o-ヨード-もしくはo-4-ブロモ-アリール酢酸ハロゲン化物、またはo-ヨード-もしくはo-ブロモ-アリール酢酸は、ペプトイド鎖に添加された最後のサブモノマーである。 Heck反応による分子間環化は、ベンズアゼピジンを生成する。


    実施例22:サブモノマー法により高度に置換されたジヒドロイソキノリノンの固相合成


    ジヒドロイソキノン-3-オンをまた以下に示すようなサブモノマー法により調製した。 Rinkアミド固体支持体樹脂(150mg)をDMF中の20%ピペリジンで脱保護した(1×5分、1×20分)。 次いで、固体支持体をDMF中の0.6Mブロモ酢酸および0.6M DICでアシル化した(2×30分)。 次いで、固体支持体をイソブチルアミン(DMSO中2M)により室温で2時間アミン化した。 固体支持体を再びブロモ酢酸でアシル化し、次いで、DMSO中の2-ヨードベンジルアミンにより室温で2時間アミン化した。 次いで、得られたジペプトイドを同体積の1,2-ジクロロエタン中のトランス-クロトニルクロリド(0.6M)およびトリエチルアミン(0.6M)との処理(2×30分)によりアシル化した。 次いで、固体支持体をDMFおよびジクロロメタンで洗浄し、そして減圧下で乾燥した。 次いで、固体支持体をN,N-ジメチルアセトアミド(5mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(35mg)、無水酢酸ナトリウム(75mg)、トリフェニルホスフィン(35mg)と共にSchlenkチューブ中に置き、少し脱気した。 次いで、混合物をAr下において8時間90-95℃で加熱した。 固体支持体をDMFおよびジクロロメタンで洗浄し、次いで、DMF中のジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムの溶液と共に10分間撹拌し、次いで濾過し、DMFおよびジクロロメタンで洗浄し、そして室温で95/5 TFA/水により20分間処理した。 所望のジヒドロイソキノリン-3-オンを、C18 HPLCにより22.9分の保持時間を有する主生成物(m/e=344.2 C

    19 H

    25 N

    3 O

    3と予想される)として観察される。 準分取(semipreparative)HPLCにより2つの主要な画分を分離し、これらはプロトンNMRにより分析され、所望の環状ジヒドロイソキノリン-3-オンの2つの二重結合異性体の各々に対する予想されるピークを示した。


    サブモノマー法によるベンズアゼピノン誘導体の合成を、以下によりさらに例示する。 Rinkアミド固体支持体樹脂(150mg)をDMF中の20%ピペリジンで脱保護した(1×5分、1×20分)。 次いで、固体支持体をDMF中の0.6Mトランス-4-ブロモ-2-ブテン酸および0.6M DICと室温でカップリングした(2×30分)。 次いで、固体支持体をDMSO中の2Mフェネチルアミンにより室温で2時間処理した。 次いで、固体支持体をDMF中の0.6M 4,5-ジメトキシ-2-ヨードフェニル酢酸および0.6M DICでアシル化した(2×30分、室温)。 次いで、固体支持体をDMFおよびジクロロメタンで洗浄し、そして減圧下で乾燥した。 次いで、その固体支持体を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(35mg)、無水酢酸ナトリウム(75mg)、トリフェニルホスフィン(35mg)、無水N,N-ジメチルアセトアミド(5mL)と共にSchlenkチューブ中に置いた。 減圧下で少し脱気した後、混合物をAr下において6.5時間90℃で加熱した。 固体支持体をDMFおよびジクロロメタンで洗浄し、次いで、20分間95/5 TFA/水により処理した。


    粗反応混合物のHPLC分析は、NMRにより決定されたendoもしくはexo-二重結合異性体を含む主要なピークを示した。


    実施例23:サブモノマー法による、高度に置換されたテトラヒドロイソキノリンの合成


    テトラヒドロイソキノリン生成物の合成を以下のサブモノマー法により行った。 Rinkアミド固体支持体樹脂(150mg)をDMF中の20%ピペリジンで脱保護した(1×5分、1×20分)。 次いで、固体支持体をDMFで洗浄し、DMF中の0.6Mブロモ酢酸および0.6M DICで処理した(2×30分)。 固体支持体を再びDMFで洗浄し、0.6Mトランス-4-ブロモ-2-ブテン酸および0.6M DICと室温でカップリングした(2×30分)。 固体支持体をDMFで洗浄し、次いで、DMSO中の2M 2-ヨードベンジルアミンにより室温で2時間処理した。 次いで、得られたジペプトイドをDMF中の0.6M馬尿酸および0.6M DICでアシル化した(2×30分、1×1時間)。 このキャップされた中間体は、27.11分のC18 HPLC保持時間を有し、m/e=591.2(C

    26 H

    31 N

    4 O

    4 I)において予想されるエレクトロスプレープロトン化親イオンを得た。 次いで、その固体支持体を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(35mg)、無水酢酸ナトリウム(75mg)、トリフェニルホスフィン(35mg)、無水N,N-ジメチルアセトアミド(5mL)と共にSchlenkチューブ中に置いた。 減圧下で少し脱気した後、混合物をAr下において8時間90℃で加熱した。 固体支持体をDMFおよびジクロロメタンで洗浄し、次いで、20分間室温で95/5 TFA/水により固体支持体から切断した。 粗反応混合物の主成分は、C

    26 H

    31 N

    4 O

    4として予想されるm/e=463.3(FAB)を有する所望のテトラヒドロイソキノリンであった。


    サブモノマー法による他のテトラヒドロイソキノリンの調製は、以下の合成により例示される。 Rinkアミド固体支持体樹脂(150mg)をDMF中の20%ピペリジンで脱保護した(1×5分、1×20分)。 次いで、固体支持体をDMF中の0.6Mブロモ酢酸および0.6M DICでアシル化した(2×30分)。 次いで、固体支持体をイソブチルアミン(DMSO中2M)により室温で2時間アミン化した。 固体支持体をブロモ酢酸でアシル化し、DMSO中の2-ヨードベンジルアミンにより室温で2時間アミン化した。 次いで、得られたジペプトイドを、DMSO(4mL)中のアリルブロミド(0.34mL)およびジイソプロピルエチルアミン(0.10mL)の溶液の処理により一晩室温でアルキル化した。 次いで、固体支持体をN,N-ジメチルアセトアミド(5mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(35mg)、無水酢酸ナトリウム(75mg)、トリフェニルホスフィン(35mg)と共にSchlenkチューブ中に置き、少し脱気した。 次いで、混合物をAr下において8時間90-95℃で加熱した。 固体支持体をDMFおよびジクロロメタンで洗浄し、次いで、DMF中のジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムの溶液と共に10分間撹拌し、次いで濾過し、DMFおよびジクロロメタンで洗浄し、そして室温で20分間95/5 TFA/水により処理した。 所望のジヒドロイソキノリンを、C18 HPLCにより17.8分の保持時間を有する主生成物(m/e=316.1 C

    18 H

    25 N

    3 O

    2と予想される)として観察される。 粗組成物のプロトンNMRは単一の異性体を示し、二つのビニル基のプロトンが5.3ppmおよび5.9ppmにおける二つのダブレットとして観察される。


    実施例24:サブモノマー法による、ベンズアゼピンの固相合成


    テトラヒドロイソキノリンについて本明細書中で記載されたのと同様のサブモノマー合成手順により、3-ベンズアゼピンの合成を行った。 Rinkアミド固体支持体樹脂(150mg)をDMF中の20%ピペリジンで脱保護した(1×5分、1×20分)。 次いで、固体支持体をDMF中の0.6Mブロモ酢酸および0.6M DICでアシル化した(2×30分)。 固体支持体を4,5-ジメトキシ-2-ヨードフェネチルアミン(DMSO中2M)により室温で2時間アミン化した。 次いで、得られたジペプトイドを、DMSO(4mL)中の1.0Mアリルブロマイドの溶液の処理により一晩室温でアルキル化した。 次いで、固体支持体をDMFおよびジクロロメタンで洗浄し、そして減圧下で乾燥した。 次いで、その固体支持体を5mLのN,N-ジメチルアセトアミド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(35mg)、無水酢酸ナトリウム(75mg)、トリフェニルホスフィン(35mg)と共にSchlenkチューブ中に置き、少し脱気した。 次いで、混合物をAr下において7.5時間90〜95℃で加熱した。 固体支持体をDMFおよびジクロロメタンで洗浄し、次いで、20分間室温で95/5 TFA/水により処理した。 所望の3-アゼピンを、HPLCによりC

    15 H

    20 N

    2 O

    3と予想されるようなm/e=277.1を有する主生成物として観察した。 プロトンNMRは、単環式化合物が形成され、そして二重結合が環に対してexoであることを示した。


    実施例25:サブモノマー法により高度に置換されたフェナントリドンの固相合成


    3つの縮合環を有する化合物を生成するためのサブモノマー法の能力を、XおよびYが任意の芳香族環置換基であるフェナントリドン(スキーム8)の合成により示す。 このような合成の具体例において、モノペプチド誘導固体支持体粒子を置換芳香族1級アミンと反応させた。 この反応に続いてo-ヨード-安息香酸クロリドと反応させる。 芳香族置換基X'およびY'は、ペプトイド骨格合成の間の酸クロリド置換またはそれに続く環化の間の芳香族ヨーダイド置換のいずれもを妨害またはそのいずれもと競合しない任意の置換基である。 Heck反応による分子内環化は、3つの縮合環、芳香族置換基、およびペプトイド側鎖を有するフェナントリドンを生成する。 広範な化合物が反応のサブモノマーを変化させることにより合成されることは、容易に理解される。 さらに、本発明の方法に従って、このような化合物のライブラリーは、所望のサブモノマー反応段階において固体支持体粒子を分割および再結合することにより、作製され得る。 生成化合物は、調製後、必要に応じて固体支持体から切断される。 切断は、好ましくは、ペプトイド側鎖の固体支持体粒子への結合部位で起こる。


    サブモノマー法によるフェナントリドンの調製は、以下の合成によりさらに例示される(スキーム9を参照)。 ペプトイド合成のサブモノマー法に従って、化合物A(Rはイソプロピル;スキーム9)を調製した。 固体支持体樹脂(155mg)を室温で、2M 3-アミノベンゾトリフルオライドのDMSO溶液(X=EWG=3-CF

    3 )の3mL、または2M 2-エチルアニリンのDMSO溶液(Xは電子供与性基=2-Et)で2時間処理した。 各固体支持体樹脂をDMFおよび1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE)で洗浄し、次いで、1,2-DCE中の1.2M o-ヨードベンゾイルクロライドの2mLおよび1,2-DCE中の1.2Mトリエチルアミンの2mLにより、2回、30分間処理した。 アシル化した固体支持体樹脂CをDMFおよびジクロロメタンで洗浄し、そして真空下で一晩乾燥した。 各固体支持体のアリコートを95/5 TFA/水で切断し、そしてC18 HPLCで分析した。 切断された化合物C、X=3CF

    3は、31.3分の保持時間を有し、そして予想されたプロトン化親イオン(m/e=562.3)を与えた。 一方X=2-Etについては、保持時間は30.3分であり、そして予想通りm/e=522.3であった。 次いで、固体支持体の各バッチをSchlenkチューブに入れ、そして無水酢酸ナトリウム(80mg)、トリフェニルホスフィン(40mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)(40mg)およびN,N-ジメチルアセトアミド(8mL)で処理した。 混合物を真空下において簡単に脱泡し、そしてアルゴンガスを導入し、続いて、120℃で3.25時間加熱した。 冷却した反応混合物を濾過し、そして固体支持体をDMF、水、DMFおよびジクロロメタンで洗浄した。 次いで、固体支持体樹脂を5mLのジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(100mg)とともに10分間撹拌した。 次いで固体支持体をDMFおよびジクロロメタンで洗浄し、続いて、95/5 TFA/ジクロロメタンで20分間、室温で処理した。 Xが電子吸引性基(EWG)(例えば、トリフルオロメチル)であった生成化合物について、フェナントリドン(スキーム9の化合物E)が得られた。 これは以下の予想性能を有した:C18 HPLC保持時間=29.6分、m/e=434.2;プロトンNMRにより、構造は、2つの可能な位置異性体(regioisomer)の混合物として確認された。 Xが電子供与性基(EDG)(例えば、2-Et)であった場合については、化合物Fが主要な生成物であった。 切断媒体の増大した酸性または増大した切断時間により、N-R側鎖の消失は完全であった。 化合物F(X=2-Etである場合)は、27.1分間の保持時間を有し、そして予想されたm/e=282.2を示した。 プロトンNMRにより、構造を確認した。 本実施例のような、サブモノマー法を用いて、一般構造Fを有するフェナントリドンが、3-エチルアニリン、o-アニシジン、およびm-アニシジンから得られた。


    実施例26:サブモノマー法による高度に置換されたモノケトピペラジンの固相合成


    モノペプトイドから誘導された固体支持粒子をサブモノマー法に従って得ることにより、6員環誘導体の合成が達成される。 アルケン酸(例えば、4-ブロモ-ペンテン酸)をモノペプトイドと反応させる。 次いで、この反応の生成物を1級もしくは2級のアミンと反応させて、6員環ペプトイド誘導環生成物の合成に使用するための中間体生成物を生成する。


    モノケトピペラジンの合成のために、上記の中間体をα-ブロモカルボン酸と反応させ、例えば、次いで1級アミンと反応させる(スキーム10)。 続いての分子内Michael付加による環化により以下に示すモノケトピペラジンを生成する。 置換基は、本明細書中の以前の実施例に記載した置換基のうちの任意の置換基であり得る。


    異なる置換基パターンを有するモノケトピペラジンの合成のために、ペプトイド中間体を、保護されたアミン置換基を有するカルボン酸サブモノマーと反応させる。 以下の実施例(スキーム11)において、ペプチド合成の分野で周知の任意の適切な保護基(PG)(例えばFmoc、Bocなど)により、アミン基は保護される。 アミン置換体の脱保護に続いての環化により6員環モノケトピペラジンアナログが生成する。 所望であれば、環上の未置換窒素は、以下の環化により誘導され得る。 あるいは、このような誘導は、カルボン酸サブモノマーの成分として(例えば、N-アシル化α-アミノ酸として)導入され得る。


    これらのサブモノマー反応は、置換基の単純な変形により多くの他の生成物を生成するように変形され得る。 任意のR-基は、引き続く反応を受ける置換基を含み得、そのことによりサブモノマー法により生成される化合物のバラエティーを増大させる。 生成化合物は、直線状ペプトイドについて固体支持体粒子から切断され得る。


    さらに、モノケトピペラジン環システムは、より複雑な環構造を生成するためのさらなる反応を受け得る(スキーム12)。 例えば、モノケトピペラジンは、アクセプター分子(例えば、電子吸引性基(例えば、NO

    2 、カルボニルなどのEWG)を有するアルケン)の存在下で、二重結合上で芳香族アルデヒドと反応する。 他のアクセプター分子には、α、β-不飽和ケトン、エステル、スルホン、三重結合上にEWGを有するアルキン、または[3+2]環付加においてマイケルアクセプターもしくはジポラロフィルとして作用する任意の分子が含まれるがこれらには限定されない。 高度に置換されたピロリジンの形成は、環付加反応の結果である。 サブモノマー法によるピロリジンの合成を、以下の実施例28に記載する。


    サブモノマー法によるモノケトピペラジンの調製が提供される。 Rinkアミド固体支持体樹脂(0.51mmol/gm置換、5.7gm)をDMF中に膨潤させ、次いで、1×5分間および1×20分間、DMF中の20%ピペリジン(50mL)で処理した。 固体支持体をDMFで洗浄し、次いでDMF(50mL)中の0.6Mブロモ酢酸および0.6M DICで、2×30分間処理した。 固体支持体をDMFで洗浄し、次いでDMSO中の2.0Mイソブチルアミンの50mLで、室温にて2時間処理した。 固体支持体をDMFで洗浄し、そしてDMF(50mL)中の0.6Mトランス-4-ブロモ-2-ブテン酸および0.6M DICで、2×30分間カップリングした。 固体支持体をDMFおよびジクロロメタンで洗浄しそして真空下で乾燥した。 乾燥した固体支持体(1.5gm)をDMF中に膨潤させ、次いで、Fmoc-L-アラニン(15mmol)、HOBt(15mmol)およびDIC(15mmol)のDMF(25mL)溶液で、室温において45分間処理した。 次いで、固体支持体を、DMFおよびジクロロメタンで洗浄し、そして真空下で乾燥した。


    次いで、固体支持体樹脂(190mg)の2つの部分を、DMF中の20%ピペリジンの2.5mLで別々に処理して(1×5分間、1×20分間)、モノケトピペラジン、R=H、R1=Meを得た。 次いで、固体支持体の1つの部分を、1,2-ジクロロエタン(1,2-DCE)中の塩化ベンゾイル(2.4mmol)およびトリエチルアミン(2.4mmol)で処理して(4mL、2×30分間、室温)、ベンゾイル化モノケトピペラジン(R=C(O)Ph)を得た。 m/e=479.3は、C

    27

    34

    4

    4について予想された通りであった。


    固体支持体のもう1つの部分を室温において、フェニルイソシアネート(0.6M)およびトリエチルアミン(0.6M)の1,2-DCE(4mL)溶液で2×30分間処理して、尿素R=C(O)NHPhを得た。 HPLCにより2つの主要な生成化合物が観察され、そしてNMRによりジアステレオマーであると同定された。 両方の化合物についての質量スペクトルm/e=494.3は、C

    27

    35

    5

    4について予想された通りであった。 別のFMOCアミノ酸を首尾良く使用して、このタイプのモノケトピペラジン(プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、グリシン、およびバリンを含む)を作製した。 本実施例において作製される化合物の一般的な構造を以下に示す。


    モノケトピペラジンライブラリーは、様々なサブモノマーから作製されている。 α-ハロ酸は、以下の調製(スキーム13)においてサブモノマーとして使用された。 固体支持体樹脂A(140mg、スキーム13)を、先行する実施例に記載したように調製し、次いで、DMF中の0.6Mブロモ酢酸および0.6M DICで2×30分間処理した。 固体支持体をDMFで洗浄し、次いで、DMSO中の1.0Mシンナミルアミンの3mLで、4時間、室温において処理して、モノケトピペラジンB(R1=H;スキーム13)を得た。 単一の主要な生成物のピークが、HPLCにより得られ、そして回収された生成物は、C

    28

    36

    4

    3について予想された通り、m/e=477.3を有した。


    本合成においては、シンナミルアミンの代わりに、他の1級アミンを首尾良く使用した。 2官能性およびヘテロ環式の1級アミンが使用され得る。 R2=CH

    2 CH

    2 NH

    2およびR2=CH

    2 Ph(p−CH

    2 NH

    2 )のようなジアミンが使用された。 R2=CH

    2 CH

    2 (2-ピリジル)、CH

    2 CH

    2 (3-インドリル)、CH

    2 (3-ピリジル)、およびCH

    2 CH

    2 CH

    2 (N-モルホリノ)のようなヘテロ環式アミンが使用された。 R1はHに限定されない。 R1=MeまたはPhである場合の化合物を調製した。


    例えば、R1およびR2が変形された化合物を調製した。 固体支持体樹脂A(100mg、スキーム13)をDMF中のS(-)2-ブロモプロピオン酸(0.6M)およびDIC(0.6M)で処理した(2.5mL、2×30分間)。 固体支持体をDMFで洗浄し、次いでDMSO中の2.0Mシクロペンチルアミンの3mLで、2時間、室温において処理して、モノケトピペラジン(R=ベンジル、R1=Me、R2=シクロペンチル)を得た。 生成物は、2つのジアステレオマーの混合物であるとHPLCにより測定された。 各ピークの化合物は、C

    25

    38

    4

    3について予想されたm/e=443.2を与えた。 構造の帰属をプロトンNMRで確認した。


    モノケトピペラジンのライブラリーを以下のように調製した。 固体支持体樹脂A(スキーム14)を、以前の実施例に記載した一般的手順により調製した。 ここで(were)R基は8種の異なる1級アミンのうちの1つから誘導される。 本実施例において、Rは、アリルアミン、シクロプロピルアミン、アニリン、ベンジルアミン、シクロヘプチルアミン、n-ヘキシルアミン、4-アミノビフェニル、および2,2-ジフェニルエチルアミンから誘導される。 8種の異なる固体支持体を互いに混合して混合アミン固体支持体を作製した。 この工程は、自動化サブモノマー合成プロセスにおけるロボティック工程と等価なマニュアルである。 次いで、混合アミン固体支持体(100mg)をDMF(4mL)中のブロモ酢酸(0.6M)およびDIC(0.6M)で2×30分間アシル化した。 固体支持体をDMFで洗浄し、次いで、2時間、室温において、DMSO(4mL)中の2.OMフェネチルアミンで処理し、次いで、95/5 TFA/水での処理により切断して化合物B(R

    1 =H、R=8種類(various);スキーム14)を得た。 一般構造B(R

    1 =H)の8つの生成化合物が得られた:R=アリル、m/e=415.2;R=シクロプロピルメチル、m/e=429.2;R=Ph、m/e=451.2;R=ベンジル、m/e 465.3;R=シクロヘプチル、m/e=471.3;R=n-ヘキシル、m/e 459.3;R=4-ビフェニル、m/e=527.3;R=2,2-ジフェニルエチル、m/e=555.3。 類似のライブラリーを同じ8種のアミンおよび2-ブロモプロピオン酸から調製してB(スキーム14)(ここでR1=Meである)を得、そして2-ブロモフェニル酢酸から調製してB(スキーム14)(ここでR1=Phである)を得た。


    実施例27:サブモノマー法によるジケトピペラジンおよびジケトモルホリンの固相合成


    市販の構築ブロック(building blocks)からの、穏やかな条件を用いた、2,5-ジケト-1,4-ピペラジン(DKP)および3,4,6-トリ置換-2,5-ジケト-1,4-モルホリンの組み合わせライブラリーの、固体支持体での調製を記載する。 ジケトピペラジンファルマコフォアは、天然の産物に見出され、そして治療的適用が知られている。 この治療的適用としては、例えば、血小板活性化因子インヒビター(Shimazaki、N.ら(1987)J. Med. Chem.

    30 :1706-1711);フィトトキシン(Gelin, J. ら(1993)J. Org. Chem.

    58 :3473-3475);サブスタンスPのアンタゴニスト(Barrow, CJ ら(1993)J. Org. Chem.

    58 :6016-6021);および他の用途(Chu, M.ら(1993)Tetrahedron Lett.

    34 :7537-7540)である。


    固体支持体上のDKP合成のための一般的なアプローチをスキーム15に例示する。 合成は2つの工程を包含する:a)固体支持体が結合した臭化物の、1級アミンでの置換、およびb)活性化剤の存在下における、固体支持体が結合した2級アミンの、α-ブロモカルボン酸によるアシル化。 反応時間(>12時間)、温度、および過剰のアミンの組み合わせが、アミン置換反応を完結させ、そして化合物3を受容可能な収量で提供するためには、好ましい。 固体支持体が結合した2級アミンを、立体障害的に反応する場合は、アシル化工程(化合物5を与える)は、好ましくはTHFを溶媒として、そしてPyBrop

    ▲R▼を活性化剤として使用して、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の存在下で行われる。 高い温度および長い反応時間が、反応を完了させるために使用され得る。


    スキーム15の中間体化合物5は、ジケトモルホリンまたはジケトピペラジンのいずれかの合成に有用である。 固体支持体結合ブロミド5の環化により、対応するDKM(6)を形成し、この環化は、TFAを用いる処理により誘導可能である(スキーム15)。 この方法で調製されたDKMは、代表的には、HPLCおよび/またはGC/MSにより、単一生成物またはジアステレオマーの混合物であることが見出された。 あるいは、中間体化合物5は、1級アミンで処理されてブロミドを置換し得、化合物8で例示されるDKPを生じ得る。 得られた固体支持体結合化合物8を、TFAで処理して環化を促進し、そして保護基(もし存在すれば)を置換基から解放させる。


    1-N-ベンジル-4-N-イソブチル-2,5-ジオキソ-1,4-ピペラジンの合成。 THF(5mL)中のヒドロキシメチル固体支持体樹脂(0.5g、0.25mmol、充填量=0/50mmol/g)のスラリーに、ブロモ酢酸(104.2mg、0.75mmol)およびN,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(3mg、0.025mmol)を添加した。 活性化剤ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(117μL、0.75mmol)を、反応混合物に一度に添加した。 反応混合物を室温で30分間撹拌し、濾過し、そしてアシル化を繰り返した。 固体支持体を濾過し、そしてジメチルホルムアミド(DMF)(2×10mL)およびジクロロメタン(DCM)(2×10mL)で洗浄した。


    固体支持体結合ブロミド2(スキーム15;R

    1 =H、スキーム15)を、室温で24時間、ジメチルスルホキシド(DMSO)中のベンジルアミン(2M)溶液で処理した。 固体支持体を濾過し、そしてDCM(2×10mL)、メタノール(2×10mL)、そしてDCM(2×10mL)で洗浄した。 標準的なニンヒドリン試験により、固体支持体上のアミンの存在を確認した。


    DCM(5mL)中の固体支持体結合2級アミン3(スキーム15;R

    1 =H、R

    2 =ベンジル;0.5g、0.25mmol)のスラリーに、ブロモ酢酸(104.2mg、O.75mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(392μL、2.25mmol)を添加した。 活性化剤ブロモトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBrop)(349mg、0.75mmol)を、好ましくは一度に反応溶液に添加した。 反応溶液を室温で2時間撹拌し、濾過し、そして新鮮な試薬でアシル化を繰り返した。 得られた固体支持体5を濾過し、そしてDMF(2×10mL)およびDCM(2×10mL)で洗浄した。 標準的なニンヒドリン試験により、アシル化が完了したことを確認した。


    固体支持体5(スキーム15;R

    1 =H、R

    2 =ベンジル、R

    3 =H、スキーム15)を、21時間室温において、DMSO中のイソブチルアミン(2M)で処理した。 固体支持体を排出し、DCM(3×10mL)で洗浄し、そして溶出物をロータリーエバポレーターで濃縮した。 残渣を酢酸エチルに溶解し、そして20%酢酸/水およびブラインの溶液で洗浄した。 有機層を合わせ、Na

    2 SO

    4で乾燥し、そしてロータリーエバポレーターで濃縮して、所望のジケトピペラジンを得た。 NMRおよびGC/MSのデータは、親化合物C

    15 H

    20 N

    2 O

    2 (GC/MS、M=260)について予測された結果と一致した。 HPLC:14分。


    1-N-ベンジル-3-エチル-4-N-(2-メチル)プロピル-6-プロピル-2,5-ジオキソ-1,4-ピペラジン。 DMF(50mL)中のヒドロキシメチル樹脂(5.0g、2.50mmol、充填量=0.50mmol/g)のスラリーに、α-ブロモ吉草酸(0.984mL、7.50mmol)およびDMAP(30mg、0.25mmol)を添加した。 活性化剤DIC(1.17μL、7.50mmol)を、好ましくは一度に反応混合物に添加した。 反応混合物を室温で30分撹拌し、固体支持体樹脂を濾過し、そしてアシル化を繰り返して完全な反応を確実にした。 固体支持体を濾過し、そしてDMF(2×10mL)およびDCM(2×10mL)で洗浄した。


    固体支持体結合ブロミド2(スキーム15;R

    1 =プロピル)を、50℃において22時間、DMSO中のベンジルアミン(2M)の溶液で処理した。 固体支持体を濾過し、そしてDCM(2×10mL)、メタノール(2×10mL)、およびDCM(2×10mL)で洗浄し、固体支持体3(R

    1 =プロピル、R

    2 =ベンジル、スキーム15)を得た。 標準的なニンヒドリン試験により、固体支持体上のアミンの存在を確認した。


    THF(2mL)中の固体支持体3(R

    1 =プロピル、R

    2 =ベンジル;0.20g、0.10mmol)のスラリーに、2-ブロモ酪酸(107μL、1.0mmol)およびDIEA(348μL、2.0mmol)を添加した。 活性化剤PyBrop(466mg、1.0mmol)を、好ましくは一度に反応混合物に添加した。 標準的なニンヒドリン試験により、アシル化が完了したことを確認するまで、反応混合物を50℃で撹拌した。 得られた固体支持体5(R

    1 =プロピル、R

    2 =ベンジル、R

    3 =エチル、スキーム15)を濾過し、そしてDMF(2×10mL)、およびDCM(2×10mL)で洗浄した。


    固体支持体5(R

    1 =プロピル、R

    2 =ベンジル、R

    3 =エチル)を、24時間70℃において、DMSO中のイソブチルアミン(2M)で処理した。 固体支持体を排出させ、DCM(3×10mL)で洗浄し、そして溶出液(インサイチュで環化され、そして固体支持体から解放されたDKP生成物を含有する)を、ロータリーエバポレーターで濃縮した。 固体支持体を、1時間、95%TFA/5%水で処理して、TFA処理により環化されそして固体支持体から解放された所望のジケトピペラジン生成物を得た(スキーム15、化合物8、R

    1 =プロピル、R

    2 =ベンジル、R

    3 =エチル、R

    4 =イソブチル)。 DKP生成物を合わせ、そして分析した。 予想された通り、C

    20 H

    30 N

    2 O

    2に対するGC/MS(M)は、330であった。 HPLC:15.38分。


    3-プロピル-4-N-ベンジル-6-(1-メチル)エチル-2,5-ジオキソ-1,4-モルホリン。 THF中(15mL)の上記の固体支持体3(R

    1 =プロピル、R

    2 =ベンジル)(1.50g、0.75mmol)のスラリーに、(±)-2-ブロモ-3-メチル酪酸(1.36g、7.5mmol)およびDIEA(2.6mL、15mmol)を添加した。 活性化剤PyBrop(3.5g、7.5mmol)を、好ましくは一度に、反応混合物に添加した。 標準的なニンヒドリン試験により、アシル化が完結したことを確認するまで、反応混合物を50℃で撹拌した。 固体支持体を濾過し、そしてDMF(2×10mL)およびDCM(2×10mL)で洗浄した。 得られた固体支持体5(スキーム15、化合物6、R

    1 =プロピル、R

    2 =ベンジル、R3=(1-メチル)エチル)を、1時間、95%TFA/5%水の溶液で処理して、所望のジケトモルホリンを得た。 予想されたとおり、C

    17 H

    23 N

    1 O

    3に対するGC/MS(M)は、289であった。 HPLC:18.35分。


    ジケトピペラジンおよびジケトモルホリンのライブラリの合成。 スキーム16に示すスプリット/ミックスアプローチ(split/mix approach)を用いて、2つのライブラリーを調製した:a)140個の化合物の7プールからなる3,4,6-トリ置換-2,5-ジケト-1,4-モルホリンライブラリ、およびb)980個の化合物の23プールからなる1,3,4,6-テトラ置換-2,5-ジケト-1,4-ピペラジンライブラリー。 Wang固体支持体樹脂を、7等分に分割し、そして各部分を、DMF中のDIC(13当量)の存在下、α-ブロモカルボン酸1で処理した(12当量;表Xを参照のこと)。 反応混合物を、室温で2時間撹拌し、流出させ、そして反応を繰り返した。


    アシル化固体支持体2を、DCM中で合わせ、そして懸濁することにより、よく混合した。 固体支持体を、20等分に分割し、そして各部分を、表XI(これは、アミン置換基を列挙する)のアミン(DMSO中で1〜2M)で処理した。 各反応混合物を、50℃で40時間撹拌して、固体支持体結合2級アミン3を得た。 固体支持体を再び合わせ、よく混合し、そして7等分に分割した。 3のアシル化は、50℃においてTHF中で、PyBrop(10当量)およびDIEA(15当量)の存在下で、α-ブロモカルボン酸(4、10当量)の同じセットを用いて達成した。 各場合において、完全な反応が観察されるまで、反応の進行を固体支持体結合ニンヒドリン試験でモニターした。 洗浄後、アシル化した固体支持体5の7部分を、別々に除き、そしてそれぞれを室温で1時間、95%TFA/5%水で処理し、DCM(2×10mL)で洗浄し、そして合わせた濾液を別々にエバポレートして、7個のDKM残渣を得た。 残渣を、氷酢酸から3回凍結乾燥した。 7個のDKM残渣のそれぞれは、140個の3,4,6-トリ置換-2,5-ジケト-1,4-モルホリンを含有することが予想された(140=7×20)。


    残りのアシル化した固体支持体5を合わせ、混合し、そして23等分に分割した。 各部分を、表XIのアミン(DMSO中で1〜2M)で処理し、そして得られたスラリーを、96時間、70℃まで加熱した。 各固体支持体をDMSOおよびDCMで完全に洗浄し、そしてこの濾液を合わせ、そしてエバポレートした。 濾液残渣のそれぞれ(インサイチュで環化および解放されたDKPを含む)を、予め調製したカチオン交換樹脂(AG50W-X8樹脂、水素型;DMSO、メタノール、DCMのそれぞれで3回洗浄した)に添加し、そして室温で1時間、穏やかに撹拌した。 カチオン交換樹脂を排出させ、そしてDCM、メタノール、DCM、およびメタノールで洗浄した。 次いで、溶出液を真空下で濃縮して、部分的DKP濾液を得た。 23個の固体支持体のそれぞれを、別々に、上記のように95%TFA/5%水で処理し、DKPの残りを環化し、そして解放した。 反応混合物を別々に濾過して、対応する上記の部分的DKP濾液を得た。 切断した固体支持体を、別々にDCMで洗浄して、対応する上記の濾液を得、そしてエバポレートして23個のDKP残渣を得た。 各DKP残渣を、氷酢酸から3回凍結乾燥した。 名目上、最終的な23個の残渣のそれぞれは、980個の1,3,4,6-テトラ置換-2,5-ジケト-1,4-ピペラジンを含有した(980=7×20×7)。


    一般に、ジケトピペラジンおよびジケトモルホリンのライブラリーは、「スプリット/ミックス樹脂」アプローチを用いて調製され、ここで、固体支持体樹脂は交互に、単一の酸またはアミンとの反応のために、等しい部分に分割され、次いで、続く反応のための再分配の前に、共に混合された(スキーム16を参照のこと)。 この方法で合成されたDKMライブラリーは、名目上、140DKMの7プール中の980個のメンバーからなる(7個の酸×20個のアミン×7個の酸=980DKM)。 DKPライブラリーについては、さらなるアミン置換工程により、ライブラリーの名目上のサイズ(ジアステレオマーに関するいかなる考慮も除く)が、980個のメンバーの23個のプール中の22,540DKP(7個の酸×20個のアミン×7個の酸×23個のアミン=22,540DKP)まで増加する。 これらの計算は、ライブラリの多様性を増加させるいくつかのDKPを形成し得る、可能なジアステレオマーを除く。


    上記のDKP/DKMライブラリーの利点は、構造的および薬学的に化学型を区別する2つのライブラリーが、一般的な中間体から調製されたことである。 多様なライブラリの設計におけるこのようなストラテジーは、ライブラリー合成の効率を改善するのに有用である。


    実施例28:ペプトイド側鎖を有するピロリジン誘導体の固相合成


    分子間環化と組み合わせたサブモノマー法により、単環ピロリジン誘導体を合成する。 例えば、固体支持体結合モノペプトイドを、4-ブロモ-ペンテン酸と反応させ、次いで、1級アミンと反応させる。 次いで、得られた不飽和ペプトイド骨格を、Michael付加により、オレフィン上に電子求引基を有するアクセプター分子と反応させた。 この実施例を図示する以下のスキーム17から、ペプトイド側鎖および環置換基のそれぞれを変化させることにより、多くの異なりかつ識別される分子が合成され得ることがわかる。 変化し得るそれぞれの置換基は、ペプトイド骨格の合成に使用される種々のサブモノマーおよびアクセプター分子上の置換基により導入され得る。 この化合物を、必要に応じて、トリフルオロ酢酸(線状ペプトイドの切断に関して)を用いる加水分解により固体支持体から切断する。


    複雑な環構造を有するピロリジンを、本発明のサブモノマー法を用いて合成した(上記のスキーム10および下記のスキーム18を参照)。 壁が厚い(Heavy-walled)シラン化ガラスのバイアルに、固体支持体結合化合物A(スキーム18;R

    1 =イソブチル)(これは、アミノ酸からのモノケトピペラジンの合成について上記されたように調製した)75mgを移した。 N-ベンジルマレイミド(2.4mmol)、チオフェン2-カルボキシアルデヒド(2.4mmol)、およびトルエン(3mL)を添加した。 アルゴンを、溶液を通して1分間バブリングし、そして次いで、容器に堅くキャップをして、16.5時間105℃で加熱した。 固体支持体を濾別し、DMFおよびジクロロメタンで洗浄し、そして次いで、20分間95/5/ TFA/水で処理し、三環式化合物Bを固体支持体から切断した。 HPLC分析は、予想される495.1を有する親イオン(MH+)を生じる4本の主要ピークを示した。 この合成で好適に使用される他のアルデヒドには、ベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド、2-ブロモベンズアルデヒド、4-ジメチルアミノベンズアルデヒド、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、2,6-ジクロロベンズアルデヒド、キノリン-2-カルボキシアルデヒド、シンナムアルデヒド、およびピリジン-2-カルボキシアルデヒドが挙げられる。


    複数のマレイミドを用いて、さらなる合成が行われた。 固体支持体A(スキーム18;155mg)を、トルエン(3mL)、ベンズアルデヒド(3.2mmol)、および異なる3種のマレイミドの混合物(N-ベンジルマレイミド、N-エチルマレイミド、およびN-シクロヘキシルマレイミド、すべて1.1mmol)で処理した。 110℃で一晩加熱した後、生成混合物中において、化合物B(スキーム18)の一般構造を有する7個の生成物が同定された。


    ここで、R

    1 〜R

    4はアルキル、アリールであり;Arはアリールまたはヘテロアリールである;EWG(例えば、シンナメートまたはカルコン)で置換されるアルケンまたはアルキンが、マレイミドの代わりに使用され得る。


    サブモノマー法によるピロリジンのさらなる合成は、以下の手順により例示される。 固体支持体A(スキーム19;R=イソブチル)を、ペプトイド合成のサブモノマー法により調製した。 ペプトイド固体支持体(188mg)を、室温にて、DMF中のFMOC-グリシン、ジイソプロピルカルボジイミド、および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(すべて0.4M)の溶液4mLで処理した(2×30分)。 固体支持体をDMFで洗浄し、次いで、DMF中の20%ピペリジン3mLで処理(1×5分、そして1×20分)して、FMOC基を除去した。 次いで、中間体R=N(iBu)C(0)CH

    2 NH

    2 (化合物A、スキーム19)をベンズアルデヒド(1mL)および乾燥トルエン(4mL)と共に、1時間還流した。 固体支持体をジクロロメタンですすぎ、次いで、乾燥THF(4mL)中に溶解させた。 無水LiBr(1.6mmol)およびN-ベンジルマレイミド(1.6mmol)を添加し、次いでトリエチルアミン(1.6mmol)を添加した。 反応物を室温で17時間撹拌し、次いで、DMFおよびジクロロメタンで洗浄し、そして次いで、95/5 TFA/水で20分処理して、化合物B(スキーム19)を得た。 この化合物は、予想されたプロトン化マススペクトルを与えた(親イオン463.2、ここで、Ar=Ph、R1=ベンジル、そしてR=イソブチル(C

    26 H

    30 N

    4 O

    4 )である。


    ピリジンカルボン酸もまた、複雑な有機構造を作製するためのサブモノマー構築ブロック(submonomer building block)として使用され得る。 以下の実施例において、複雑な環構造を有するジヒドロピリジンを、サブモノマー法により調製する。 Rinkアミド固体支持体樹脂(300mg、0.55mmol/gm置換)を、DMF中の20%ピペリジン(4mL)で処理した(1×10分、そして1×20分)。 固体支持体を、DMFで6回洗浄した。 次いで、脱保護された固体支持体を、PyBrop

    ▲R▼ (1.2mmol)、イソニコチン酸(1.2mmol)、1,2-ジクロロエタン(4mL)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.7mL)を用いて、室温で一晩処理し、化合物A(スキーム20)を得た。 DMF(4mL)中の固体支持体A(200mg)と、2'-ブロモアセトフェノン(4mmol)を、45℃で1時間加熱した。 固体支持体をDMFで洗浄して、化合物B(スキーム20)を得、次いで、これをDMF(4mL)中のN-ベンジルマレイミド(0.50g)およびトリエチルアミン(0.25mL)と共に、室温で1時間撹拌した。 固体支持体を、DMFおよびジクロロメタンで洗浄し、そして真空中、室温で乾燥して化合物Cを得た(スキーム20)。 この固体支持体の半量を、95/5 TFA/水で20分間、室温にて処理し、化合物Cを固体支持体から切断した。 予想されたプロトン化親イオン(m/e=428)を得た。 固体支持体の残りを、DMF(4mL)中のN-メチルマレイミド(0.44g)を用いて、80℃にて16時間処理し、固体支持体Dを得た(スキーム20)。 これを洗浄し、そして95/5 TFA/水を用いて、室温で20分間、固体支持体から切断した。 化合物Dについて、予想されたプロトン化親イオン(m/e=539)を得た。


    Arは、芳香族またはヘテロ芳香族であり;マレイミドは、


    で置換され得;Xは、任意の芳香族環の置換基である。


    スキーム20と同様のサブモノマーの手順を使用して、スキーム21に示されるジヒドロピリジンを合成した。 固体支持体A(R=イソブチル;スキーム21)を、Rinkアミド固体支持体樹脂上でサブモノマー方法に従って調製した。 固体支持体(200mg)を、DMF(4mL)中の4,4'-ビピリジル(4mmol)(X=4-(4'-ピリジル))の溶液と共に45℃で1時間加温して、固体支持体−結合ピリジニウム塩Bを得た。 冷却された反応混合物に、N-ベンジルマレイミド(0.50gm)およびトリエチルアミン(0.25mL)を添加した。 室温で1時間混合後、固体支持体をDMFおよびジクロロメタンで洗浄して、化合物C(スキーム21)を得た。 誘導された固体支持体の半分を、95/5のTFA/水で室温にて20分間処理した。 得られた切断生成物は、予測した親イオンを与える(m/e=514、C

    29 H

    31 N

    5 O

    4 )。 固体支持体の残りを、DMF(4mL)中のN-メチルマレイミド(0.44gm)の溶液で80℃にて一晩処理した。 粗生成物を、上記のように固体支持体Dから遊離させた。 C

    34 H

    36 N

    6 O

    6 (R=イソブチル、R1=ベンジル、R2=メチル、X=4(4'-ピリジル))の予測される親イオン(m/e=625)を有する所望の生成物を得た。


    スキーム21の合成を、種々のX基を与える種々の3-または4-置換ピリジンを用いて行った。 以下のX基を有する化合物を合成する:4-シアノ、4-ホルミル、4-カルボキシアミド、4-フェニル、4-(5'-オキサゾリル)、4-カルボメトキシ、4-アセチル、4-p-クロロベンゾイル、3-フルオロ、3-ブロモ、3-メチル、3-シアノ、および3-カルボキシアミド。


    X=任意の芳香族環置換体;R

    1 =アルキル、芳香族、シクロアルキル、ヘテロ芳香族、ヘテロシクロアルキルなど;マレイミドは、


    またはカルコンにより置換され得る。


    実施例29:ペプトイド側鎖を有する5員環尿素またはチオ尿素の固相合成


    環状尿素を、固体支持体粒子に共有結合するペプトイドと、ハロアルケン酸(例えば、4-ブロモ-ペンタン酸)とをまず反応させ、続いて1級アミンと反応させることによるサブモノマー方法によって合成する。 次いで、得られた不飽和ペプトイドを、イソシアネートRN=C=O、またはイソチオシアネートRN=C=Sと反応させる。 塩基性条件下における分子内環化により、ペプトイド側鎖を有する5員環環状尿素(またはチオ尿素)を得る。 種々のこのような生成分子を、使用されるサブモノマーにおける置換基により制御して、ペプトイド骨格を形成する。 環化された生成物の固体支持体からの切断により、生物学的活性を試験し得る化合物の混合物を得る。


    サブモノマー方法による環状尿素のライブラリーの調製を以下の手順において例示した。 ペプトイド合成のサブモノマー方法に従って調製した100mgの固体支持体A(R1=イソブチル;スキーム22)の8つの部分を、室温にてDMF(4mL)、トランス-4-ブロモ-2-ブテン酸(2.4mmol)、およびジイソプロピルカルボジイミド(2.4mmol)で0.5時間処理した。 固体支持体をDMFで洗浄し、次いで各部分を、室温にて種々の1級アミンの2M DMSO溶液(3mL)で2時間処理した。 使用したアミンは、アリルアミン、シクロプロピルメチルアミン、ベンジルアミン、アニリン、シクロヘプチルアミン、n-ヘキシルアミン、4-アミノビフェニル、および2,2-ジフェニルエチルアミンであった。 得られた固体支持体B(スキーム22)をDMF、次いでジクロロメタンで洗浄した。 固体支持体を合わせて、真空下で乾燥した混合アミン固体支持体樹脂を生成した。 次いで混合固体支持体(75mg)を、DMF(4mL)、トリエチルアミン(4mmol)、およびフェニルイソシアネート(4mmol)で処理した。 室温で1時間後、温度を55℃まで上げ、そしてこの温度で一晩(15時間)維持した。 固体支持体をDMF,次いでジクロロメタンで洗浄し、そして室温にて95/5のTFA/水で20分間処理した。 化合物C(スキーム22)(ここで、R1=イソブチル、R2=8種、R3=フェニル)の生成混合物のエレクトロスプレー質量分析は、予測される環状尿素トリマーの8種全てのプロトン化親イオンを示した。 特定のR2基を含む親イオンのm/eは、以下で示される:アリル(373.2);シクロプロピルメチル(387.2);ベンジル(423.2);フェニル(409.2);シクロヘプチル(429.2);n-ヘキシル(417.2);ジフェニルエチル(513.3);4-ビフェニル(485.3)。


    混合アミン固体支持体樹脂B(スキーム22)を用いて、同様のライブラリを、以下の非限定的なイソシアネートのリストから調製した:アリルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、o-ブロモフェニルイソシアネート、p-クロロベンゼンスルホニルイソシアネート、2,4-ジメトキシフェニルイソシアネート、3-アセチルフェニルイソシアネート、2,6-ジブロモ-4-エチルフェニルイソシアネート、2-n-ブトキシカルボニルフェニルイソシアネート。 シクロヘキシルイソチオシアネートもまた使用されて、環状チオ尿素を生成する。 さらに、広範なアミンおよびイソシアネートを使用して、個々の尿素ダイマーならびにトリマーを生成する。


    環状尿素ダイマーの調製例を以下に提供する。 Rinkアミド固体支持体樹脂(150mg)をDMFで膨潤させ、次いでDMF中の20%ピペリジン(3mL)で1×5分および1×20分処理した。 固体支持体をDMFで洗浄し、次いでDMF(3mL)中の0.6Mトランス-4-ブロモ-2-ブテン酸および0.6Mジイソプロピルカルボジイミドの溶液で2×30分処理して、固体支持体A(スキーム23)を得た。 次いで、この固体支持体を、室温にてDMSO中のイソブチルアミンの2M溶液(3mL)で2時間処理して、固体支持体B(R1=イソブチル;スキーム23)を得た。 この固体支持体を、室温にて2,6-ジブロモ-4-エチルフェニルイソシアネート(3mmol)のDMF(3mL)溶液およびトリエチルアミン(3mmol)で1時間、次いで55℃で13時間処理した。 固体支持体をDMFおよびジクロロメタンで洗浄し、次いで室温にて95/5のTFA/水で20分間処理した。 次いで、得られた環状尿素ダイマーC(スキーム23)を酢酸から2回凍結乾燥して、粗生成物Cを得た。 m/eは、C

    17 H

    23 Br

    2 N

    3 O

    2の予測値であった。


    実施例30:1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン混合物の固相合成


    ペプトイド鎖を調製するサブモノマー方法に適用される固相合成のスプリット樹脂方法を、さらにAza-Wittig(Staudinger)反応と合わせて、1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオン混合物を調製した。 このような混合物の多様性は、合成において使用されるサブモノマーから誘導する。 サブモノマーは、α-アミノ酸、およびアントラニル酸の芳香族置換体から容易に調製される多数の市販の1級アミン、α-アミノ酸エステル塩酸塩を含む。


    サブモノマー方法による1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオンの合成は、ブロモ酢酸を用いるRinkアミド固体支持体樹脂(Advanced Chemtech、Louisville、KY)のアシル化、続いてイソブチルアミンでのアミン化によるモノペプトイド(化合物1;スキーム24)の調製から始まる(Zuckermann、RNら(1992)JACS

    114 :10646)。 ブロモアセチル化およびDMSO中のアミノ酸メチルまたはエチルエステル遊離塩基での置換は、中間体として化合物2を与える。 化合物2を、調製して直ぐのO-アジドベンゾイルクロライドで直接アシル化し、化合物3を生成した。 固体支持体-結合化合物3をトルエン中のBu

    3 Pで室温にて処理することにより、イミノホスホランを得る。 固体支持体を洗浄し、そして125℃より高い温度で2時間より長く、好ましくは130℃で5〜7時間加熱して、適切な特定のアミノ酸エステルを使用した場合にはベンゾジアゼピンジオンを得た。 固体支持体の95/5 TFA/H

    2 Oでの処理は、固体支持体からベンゾジアゼピンジオンを切断して化合物4を得た。 サブモノマーの置換基が変化する場合、化合物4は多くの化合物の混合物であり得ることが考えられ得る。 固体支持体からの切断の後、ベンゾジアゼピン生成物を、当業者に公知の標準技術により精製し得る。 例えば、化合物4を氷酢酸から2回凍結乾燥して粉末を得た。 表XIIに列挙される全ての生成物は、FABまたはエレクトロスプレー質量分析により予測される親イオンを示した。


    a)0.6Mブロモ酢酸、DMF中の0.6M DIC、2×30分、室温:b)DMSO中の2.0Mイソブチルアミン、2時間、室温:c)DMSO中のアミノ酸エステル遊離塩基2.0M、2時間室温:d)o-アジドベンゾイルクロライド0.5M、1,2-ジクロロエタン、1当量Et

    3 N、室温、2×30分:e)95/5 TFA/H

    2 O、20分、室温:f)トルエン中のトリブチルホスフィン0.6M、2×30分、室温:g)130℃、p-キシレン、5〜7時間。


    A 0.085〜0.5mmolの出発樹脂からの粗収率;

    b C-18RP HPLC(0.1%のTFAを含む水に対して0〜80%のアセトニトリルグラジエントで40分間、214nmでモニター)により決定された純度;

    cさらに24%非環化2時間;

    dさらに26%酸6分。


    表XIIの化合物を調製するのに使用されたアミノ酸エステルサブモノマーは、以下を含む:アラニン、フェニルアラニン、フェニルグリシンのL-アミノ酸エステル;チロシン、セリン、およびトレオニン(Ot-ブチルエステルとして保護されている);アスパラギン酸およびグルタミン酸(γ-またはδ-t-ブチルエステルとして保護されている);ならびにオルニチンおよびリシン(δ-またはε-BoC保護されている)。 幾つかの側鎖の立体障害は、当業者によって容易に決定され得るように生成物の収率に影響し得る。


    1,4-ベンゾジアゼピン-2,5-ジオンのライブラリの調製は、以下の側鎖を有する7つのモノペプトイド固体支持体の独立合成から始めた:3-アミノプロピル、テトラヒドロフルフリルメチル、シクロプロピルメチル、ピペロニル、ベンジル、シクロヘプチル、4-ビフェニリル。 これらを等モル量で混合し、次いでブロモ酢酸/DICと反応させ、続いてL-フェニルアラニンエチルエステルで処理して、固体支持体上に7つのジペプトイドの分枝混合物を得た。 O-アジドベンゾイルクロライドでアシル化し、Bu

    3 Pで処理し、そして130℃にてp-キシレン中で5時間環化し、続いてTFA/H

    2 O切断を行うことにより、逆相(C-18)HPLCにより7つの主要なピークを示す混合物を得た。 粗生成物のエレクトロスプレー質量分析は、7つの予測される全ての親イオンを示した。 アミン、アミノ酸、およびアジドサブモノマーを変化させてライブラリの多様性を拡張させ得る。


    固体支持体上の芳香族置換体の改変を行い、ライブラリーの多様性をさらに増加させ得る。 例えば、Suzuki条件下(Oh-e,Tら、Synlett.

    1990 :221;Deshpande、MS(1994)Tet.Lett.

    31 :5613)、固体支持体-結合化合物4oとフェニルボラン酸との反応は、対応する8-フェニルベンゾジアゼピンジオンを与える。 化合物4Pの3-ニトロ基のSnC12-H2Oでの還元(MeOH、還流3時間)は、8-アミノ誘導体を与える。 これを、固体支持体に結合している間にベンゾイルクロリドで続いてアシル化した。 ゆえに、サブモノマー方法により調製された、このまたは他のライブラリーに関して、ライブラリの多様性は、サブモノマーの置換基ならびにペプトイド骨格に組み込まれた後にこれら置換基を生成し得る改変により制御される。


    実施例31:各々ペプトイド側鎖を有する種々の環状構造の環化ペプトイド化合物のライブラリーの調製


    種々の環状構造を有する化合物の混合物を調製するサブモノマー法の変化は、以下の実施例にさらに実証される。 酸ハライド、カルボン酸、およびアミンが本発明の合成工程に共通のサブモノマーであることは上記の例から明らかである。 1つの環式化合物の合成工程が、種々の環式化合物の合成工程と同じサブモノマーを利用し得る場合、固体支持体-結合ペプトイド反応物を合わせ得、そして同じ容器中で反応させ得る。 共通反応の生成物を配分し得、そして種々の共通反応のために他の固体支持体結合ペプトイドと再配合させ得る。 配分および再配合ならびに共通および別々の反応の結果として、化合物の複雑なライブラリーを得る。 これらの化合物はサブモノマーにより導入される置換基において変化するばかりでなく、置換基が結合する環状構造においても変化する。 この手順により、サブモノマー法により種々の環状構造を有する化合物のライブラリーを得る。


    膨大な数の種々の環状構造の化合物および広範な置換基が、分子内または分子間環化を促進する反応と組み合わされる固相サブモノマー法により合成され得ることが本明細書中に記載される実施例から示され得る。 多数の種々独特なメンバーを含むライブラリーは、上記の組み合わされた合成方法に、固体支持体粒子の配分および配合方法をさらに適用させるとにより調製され得、その結果ペプトイド骨格は、環化の前に種々のサブモノマーにより構築する。


    本発明の環式化合物は、将来期待できる治療試薬として有用である。 本発明の環式化合物のライブラリは、多くの期待できる化合物が置換組成物における変化が制御されると同時に合成されることにおいて有用である。 多くの期待できる化合物を含むこのようなライブラリは、目的のレセプターとの結合、抗体との結合、ポリ核酸との結合などのような生物学的活性を素早くかつ便利にスクリーニングする。


    本願は、本願と同日に出願されたAttorney Docket No.06515/023001の「Combinatorial Libraries of Substrate-Bound Cyclic Organic Compounds」と題された出願に関する。 これは、本願同一人に譲渡される。


    本発明は、最も実用的で、かつ好ましい実施態様であるとみなされるものを、本明細書において、示し、そして記載している。 しかし、出発物質が本発明の範囲内のものから製造され得ること、およびこの開示を読むことによって、明らかな改変が当業者によってなされることが、理解される。

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