Compound library that was labeled with a radioactive isotope

申请号 JP2006502335 申请日 2004-02-27 公开(公告)号 JP2006519374A 公开(公告)日 2006-08-24
申请人 エクセレロン リミテッド; 发明人 ガーナー、ロナルド、コリン; ラピン、グラハム、ジョン;
摘要 【課題】
【解決手段】化合物のうち少なくとも2つが、 放射性 同位元素がAMS活性放射性同位元素であることを特徴とする放射性同位元素でラベルされ、各化合物はその化学的同一性と構造に関する情報を備える化合物またはその薬学的に許容可能な塩のライブラリ。 化合物がその化学的同一性と構造に関する情報を備え、さらに放射性同位元素が先に定義したAMS活性放射性同位元素であることを特徴とする放射性同位元素を含む、固体支持体に結合する先に定義した化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有する固体支持体。 各化合物がAMS活性同位元素を用いてラベルすることを特徴とするその化学的同一性と構造に関する情報を備える、複数の化合物をラベルする放射性同位元素を含む請求項1から19のいずれかに記載の化合物ライブラリの作製方法とそのためのキット。 先に定義したAMS活性放射性同位元素でラベルした化合物を含む本発明のライブラリをスクリーニングし、スクリーニングからサンプルを得るか、あるいは、代謝研究用に同定した化合物を提出して、そこからサンプルを得て、それから該サンプルをAMS検出することを含む、1以上の候補化合物を選択する方法。 AMS検出により更に研究するための( 生物 )医学、農芸化学、環境などのスクリーニングでの先に定義したライブラリ、放射性同位元素でラベルした化合物を備える固体支持体、または方法の使用。
权利要求
  • 少なくとも2つの化合物は、放射性同位元素がAMS活性放射性同位元素であることを特徴とする放射性同位元素でラベルされ、各々の化合物がその化学的同一性と構造に関する情報を備える化合物またはそれらの薬学的に許容可能な塩のライブラリ。
  • AMS活性放射性同位元素は1×10 -5以下の範囲で自然界にわずかに存在する(have low natural background) 請求項1記載のライブラリ。
  • AMS活性放射性同位元素は2,3週間を超える(in excess a few weeks)長い半減期を持つ請求項1または2記載のライブラリ。
  • AMS活性放射性同位元素はライブラリの化合物に直接的に取り込まれ(incorporated)、前記化合物自体の劣化以外では、そこから分離できない請求項1から3のいずれかに記載のライブラリ。
  • AMS活性放射性同位元素はライブラリの化合物に共有結合的に取り込まれる( incorporated)請求項1から4のいずれかに記載のライブラリ。
  • 化学式Iの複数の化合物またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む請求項1から5のいずれかに記載のライブラリ:
    ここで、各リングは異なり、AMS活性放射性同位元素 を含む化合物であり、
    mは放射性同位元素の取り込み割合(percent incorporation)の値であり、ゼロを超えて1%までの分数であり、
    tはnがゼロまたは全積算数(a whole number integer)である化合物の化学的同一性(同定)と構造に関する情報を備えるタグである。
  • 化学式Iの各化合物は、mはゼロを超えて0.1%までであり、僅かにラベルされ、その一成分(a proportion thereof)は放射性同位元素を含まない請求項6記載のライブラリ。
  • 取り込み割合(percent incorporation)(m)は最大の比放射能の測定値(a measure of maximum specific activity)であり、100%取り込み(100% incorporation)は、与えられた量の物質を取り込み(taking a given amount of subustance)、全ての分子がその放射性同位元素当量(its radioactive equivalent)で置換される1つの特定の原子を有する、1分子当り1つの放射性同位元素を含むものとして定義される請求項6または7に記載のライブラリ。
  • 取り込み割合(percent incorporation)(m)は1×10 -12から0.1%の範囲内にある請求項6から8のいずれかに記載の化合物のライブラリ。
  • 与えられた化合物に対する取り込み割合(percent incorporation)は式(2)
    取り込み割合(% incorporation)(m)=(100×比放射能)/(最大比放射能) (2)
    により求められる請求項6から9のいずれかに記載の化合物のライブラリ。
  • 1分子当たり1つの放射性同位元素を基準とする(100%取込みに相当)、最大比放射能が式(1)
    ln2/t 1/2 ×N (1)
    により得られ、
    ここで、ln2は自然対数log2(=0.6932)であり、t 1/2は放射性同位元素の分単位の半減期であり、Nは1ミリモル(化合物のモル数×6.0225×10 20 )中の放射性同位元素の原子の数である請求項8から10のいずれかに記載の化合物のライブラリ。
  • 1つのAMS活性放射性同位元素が、水素、ベリリウム、炭素、アルミニウム、リン、塩素、カルシウム、マンガン、鉄、セレン、ヨウ素、バリウム、およびウランあるいはプルトニウムなどのランタニドおよびアクチニドの(複数の)AMS活性放射性同位元素から選択される請求項1から11のいずれかに記載の化合物のライブラリ。
  • 1以上のいずれかの 2 H、 3 H、Baの同位元素、 10 Be、 14 C、 17 O、 18 O、 26 Mg、 26 Al、 32 Si、 36 C1、 41 Ca、 55 Fe、 57 Fe、 60 Fe、 53 Mn、 55 Mn、 79 Seおよび 129 I、 236 U及び 239 Puのうちから1つのAMS活性放射性同位元素が選択される請求項1から12のいずれかに記載のライブラリ。
  • それぞれが密閉された瓶(sealed vial)の中に入っているかまたは強固な支持体に支持された、固相または液相あるいはそれらの混合体(mixtures)に存在する複数個の化合物を含む請求項1から13のいずれかに記載の化合物のライブラリ。
  • ハイスループットスクリーニングに使用するのに適した化合物のアレイとして提供される請求項1から14のいずれかに記載のライブラリ。
  • AMS検出技術の感度により、数ナノモルあるいは数ミリモルの少量、通常数ミリグラム、最大で数モルまたは数グラムまでの化合物を含む請求項1から15のいずれかに記載のライブラリ。
  • 5から5×10 6の化合物を含む請求項1から16のいずれかに記載のライブラリ。
  • 少なくとも化合物の40%から実質的に化合物の100%が僅かにラベルされた請求項1から17のいずれかに記載のライブラリ。
  • 化学的または生化学的なライブラリである請求項1から17のいずれかに記載のライブラリ。
  • 化学的な同一性と構造に関する情報を備える化合物であり、放射性同位元素を含み、該放射性同位元素が前記請求項1から19のいずれかに定義されたAMS活性放射性同位元素であることを特徴とする請求項1から19のいずれかに定義された化合物またはその薬学的に許容可能な塩を持つ固体支持体。
  • それぞれの化合物がその化学的同一性と構造に関する情報を備え、複数の化合物をラベリングする放射性同位元素を備え、AMS活性放射性同位元素によりラベリングされていることを特徴とする請求項1から19のいずれかに記載の化合物のライブラリの作製のための方法。
  • ラベリングは単一若しくは多段階の合成経路または生合成の一環として行われるか、または市販されているか既に合成された化合物またはそれらの混合物に専用の化学的若しくは生合成的なラベリングステップとして行われる請求項21に記載の方法。
  • AMS活性放射性同位元素が豊富にある環境で生化学的生成物を生成する微生物の培養によって生合成が行われ、ラベルされた生成物を収穫する請求項21または22に記載の方法。
  • 合成前駆体または中間体または生化学的培養基質を僅かにラベリングして、それから他の前駆体または中間体と反応させること、またはその中で放射性同位元素が合成品または生合成品に取り込まれるように微生物を培養することを含む請求項21から23のいずれかに記載の方法。
  • 合成前駆体または中間体または生化学的培養基質をラベリングし、その比放射能(specific activity)を決定し(detrermining)、望みの取り込み割合(percent incorporation)を与えるのに必要な比放射能を決定し(detrermining)、十分な量の対応するラベルしていない合成前駆体または中間体または生化学的培養基質と結合(combine)させ、望みの取り込み割合(desired percent incorporation)を有する同質の生成物として単離することを含む請求項21から24のいずれかに記載の方法。
  • 僅かにラベルした前駆体または中間体または生化学的培養基質を使用する合成または生合成の方法で、望みの取り込み割合の放射性同位元素が取り込まれる請求項25に記載の方法。
  • 請求項21から26のいずれかに定義した本発明の方法を用いて、複数の分離した反応物質の1以上の組(set)と、状況に応じて各組(set)に反応するある量の1以上の共通の反応物質(common reactants)を含み、各反応物質は区別可能な組成を持ち、構造あるいは同一性に関する情報を備え、少なくとも一つの共通の機能性を共有することを特徴としており、少なくとも一組または一つの共通の反応物質(common reactant)が前記定義されたAMS活性放射性同位元素によりラベルされている請求項1から19のいずれかに定義した本発明のライブラリを作製するためのキット。
  • 請求項1から19のいずれかにおいて前記定義されたAMS活性放射性同位元素でラベルした化合物を含む本発明のライブラリのスクリーニングと、該スクリーニングからサンプルを得ることあるいは代謝研究のために識別された化合物を選び出すこととそこからサンプルを得ること、そしてサンプルのAMS検出(detection)を行うことを含む1以上の候補化合物を選択するための方法。
  • AMS検出(detection)はスクリーニングサンプルで実施されるか、対象のヒト、動物或いは植物に候補の放射性同位元素でラベルした化合物を投与することによって行われ、その対象から取得された代謝サンプルのAMS検出が行われる請求項28に記載の方法。
  • AMS検出のためのサンプルは、前記スクリーニングから抽出される、たとえば細胞や細胞膜のサンプル、または組織や細胞、血液や尿のような体液、糞、植物組織、土壌、虫などの土壌生物およびそれらに類するものなどの、ヒト、動物または植物から抽出された投与サンプルである請求項28または29のいずれかに記載の方法。
  • スクリーニングはヒトあるいは動物の生物医学的分析(assay)あるいは同類のもの、例えば受容体(レセプター)結合試験などのタンパク質結合試験である請求項27または29のいずれかに記載の方法。
  • スクリーニングサンプル又は、請求項27から30のいずれかに記載の方法を使用して、請求項1から19のいずれかに記載のライブラリから同定された1以上の候補化合物を投与された1以上の対象のヒト、動物あるいは植物に存在する1以上の放射性同位元素でラベル化された化合物から得られるAMS活性放射性同位元素のAMS検出のための方法。
  • AMS検出によるさらなる研究のための(生物)医学的、農芸化学的、環境的そして同類のもののスクリーニングにおいて請求項1から32のいずれかに前記定義された方法あるいは放射性同位元素でラベルされた化合物を含むライブラリ、固体支持体の使用法。
  • (生物)医学的スクリーニングは、代謝特性を評価(assess)するために、例えば結合、抑制作用(binding, inhibitory effect)または、その他の機能などの化合物の活性、反応性のためであり、農芸化学のスクリーニングは、例えば結合、抑制作用(binding, inhibitory effect)または、その他の機能などの化合物の活性、反応性のためであり、植物、昆虫などの代謝を評価し、環境スクリーニングは、例えば結合、抑制作用(binding, inhibitory effect)または、その他の機能などの化合物の活性、反応性のためであり、土壌、水のまたは堆積物の吸収作用または吸着作用、拡散、浸出、劣化、散逸または光分解の評価をする請求項33に記載の使用法。
  • AMS無線探知技術を使用して、サンプルの中に化合物の存在を検出し、例えばサンプルの複製起点により化合物の配置を、あるいはどのような配置やサンプルであっても化合物の量を検出する請求項33または34のいずれかに記載の使用法。
  • 说明书全文

    本発明は、個々の(individual)化合物の検出のために放射性同位元素でラベルした化合物のライブラリ、その製造方法、望ましい特徴を示す候補化合物をライブラリから選択する方法と、同時のあるいはその後の研究におけるその検出、そしてその化合物の選択と検出における使用法に関し、さらに特に本発明は個々の化合物の検出のためにAMS(加速器質量分析)活性同位元素でラベルした化合物のライブラリ、その製造方法、望ましい特徴を示す候補化合物をライブラリからの選択する方法とそのAMSによる検出、そして化合物の選択、特に薬剤のスクリーニング、および生体内にその代謝の特徴をもたらすAMS検出に於けるその使用法に関する。

    創薬方法と薬学とバイオ産業の発展は、いくつもの候補の薬剤の最初の選択に続く多くの異なる取り組みを必要とし、第一段階は薬の生産量の拡大、臨床前の毒物検査、GMP(医薬品製造管理及び品質管理基準)の作製(manufacture)、動物吸着、拡散、代謝、排泄(ADME)調査などである。 第二段階のトライアルに入る前に3つのうち1つの薬が薬物動態(PK)、薬理作用あるいは毒物の問題で落とされてしまうであろう。 この方法は莫大なコストがかかり、それは市場で売られる調合薬の高いコストに反映する。 その上薬剤の候補の高い失敗の確率は市場で売られる合格したもののコストをさらに増加させる。

    つい最近ではトライアル中の成功の割合を向上させることを期待して最初の薬剤の候補の選択を改善し、上市へのスピードを向上させる新しい技術が採用されてきている。 例えば今やより多くの数の候補からハイスループットスクリーニングを使用して候補の微かな量で薬剤の選択が行われている。 さらにスクリーニングされた候補薬剤は、コンビナトリアル化学的アプローチ(combinatorial chemistry approach)から得られる何百何千ものアナログ化学物質を含む化学ライブラリから選ばれる。 コンビナトリアル化学的アプローチ(combinatorial chemistry approach)は、化合物のタグか化合物の番号のどちらの形式ででも構造の情報を提供するライブラリから、その構造が明らかである必要がない多数の化合物がスクリーニングされる可能性があることでさらに優位である。 ライブラリからの多くの候補の選択において、トライアルの次のステージのための薬剤生産の拡大のためにそれらは次に同定され進められる。

    加えて加速器質量分析(AMS)は、生体内の代謝作用の特徴を表すのに使用していたかつての生体内の技術に次第に取って代わりつつあり、化合物の生体内での代謝作用の正確な評価に大きな進歩を与えている。 このことがAMS技術の超過敏性に依存している画期的に新しい概念であるヒトマイクロドージング(human microdosing)(ヒト第0相(Human Phase 0))の発展を導いてきた。

    マイクロドージング(microdosing)法においては早期のADME(吸収・分布・代謝・排泄)とPK(薬物動態)情報を得るために1以上の薬剤候補が極微量ヒトに投与される。 この情報は適切な薬剤の候補の選択のための方法の一環として、極小投与された薬剤から更に取り込むのに適切なPK条件を持っているものを選択するために使用される。 低用量のスクリーニングADME調査は、薬剤が後で初回通過(first pass)などの不適当な代謝、短過ぎる半減期、乏しい生物学的利用などのために発展経路で落とされる必要が無くなることを確実にする。 ヒトマイクロドージングは薬剤候補の選択において第一相試験での脱落(attrition)を劇的に少なくする。

    WO97/01098

    WO01/59476

    ラピン、G アンド ガーナー、RC(2003)「加速器質量分析を用いて放射標識した(radiolabelled)薬物とその代謝産物の高感度の検出」第11章:ウィルソン、ID(編集)分離の生物分析的分離ハンドブック4巻 エルセビアーサイエンス BV アムステルダム Cao,X;Moran,E. J. ;Siev,D. ;Lio,A. ;Ohashi,C. ;Mjalli,A. M. M. Bioorg. & Med. Chem. Lett. ,1995,5,2953−2958 Nakamura,M. ;Inoue,J. ;Yamada,T. Bioorg. & Med. Chem. Lett. ,2000,10,2807−2810 Vogel J S(1992)生物医学的AMSのための汚れのないグラファイトの迅速生産、放射性炭素(Rapid production of graphite without contamination for biomedical AMS, Radiocarbon)、34,344−350 Nakamura,M. ,Inoue,J. and Yamada,T. (2000)Bioorg and Med Chem Lett 10 2807−2810

    AMSアプローチを用いるには、しかしながら、従来の方法による初めの候補選択の後、候補化合物の放射性同位元素でラベルしたバージョン(radio labelled version)が必要であり、これは放射性同位元素でラベルした候補の旧来からの(custom)合成を必要とする。 合成が必要なマイクロドージング法は僅かな量だけであるが、旧来からの(custom)合成とスケールアップの必要性は選択法にはボトルネックとなり、コストがかかり、遅延の原因となる。 従って、コストを削減し、創薬の方法を迅速化するためにこの段階を促進することが望ましい。

    驚くことに今や我々は候補化合物の選択に使用するために放射性同位元素でラベルした化合物からなり、続いてその検出、例えばその結合における配置による検出または個々のライブラリメンバーに関係する生体内での代謝特性の検出により化合物の運命を決定する改善されたライブラリを準備することが可能であることを発見した。 これはある段階で、多大な時間を必要とする合成を待つ間全体の選択を事実上中断する選別手順で選択された候補薬物類の放射性同位元素による旧来からの(custom)ラベリングの必要性を排除する。 その上必要な代謝特性を欠く候補化合物はかなり早い段階で薬物選択から排除され、選択過程での脱落を劇的に少なくするであろう。

    そのため、本発明の広い態様では、少なくとも2つの化合物が、放射性同位元素がAMS活性放射性同位元素であることを特徴とする放射性同位元素でラベルされ、各々の化合物がその化学的同一性(同定)と構造に関する情報を備える化合物またはそれらの薬学的に許容可能な塩のライブラリが提供される。

    AMSは1/1000兆の検出感度で長命の同位元素の効率的な検出に使用され、アトモルからゼプトモルでの14 Cレベル(10 -18 −10 -21モル)で分析可能である。 AMSは放射性投与を受けたヒトから得られる体液の放射性サンプルの液体シンチレーション計測を実行する。 AMSの最も特筆すべき利点のひとつは比較的短い分析時間で放射能のレベルを検出および定量化でき、そのレベルは非常に低いので、人間被験者へ投与されるのに必要な被爆量は法規情報を必要とする放射能の規定されたレベルを下回る。

    AMS活性放射性同位元素はAMS分析の影響を受けやすいどのような同位元素でも含んでいる。 AMS活性放射性同位元素は例えば1×10 -5 %以下の範囲から例えば1×10 -15 %までの低い自然バックグラウンドを持つのが望ましい。 AMSの感度はAMS活性放射性同位元素が14 Cで0.00000000001%の非常に低い自然バックグラウンドを持つという事実に依存している。 13 Cのバックグラウンドは 1.1%であり、これは比較すると非常に大きい。 これは13 Cでの取り込み率(incorporation rate)は14 Cよりも非常に高いといわざるを得ないことを意味する。 AMSはまた、マイナスイオンを生み出し、分析するので、AMS活性放射性同位元素はマイナスイオンを形成することができることが望ましい。 AMS活性放射性同位元素は取り扱い易さのためには数週間を超えて数千年までの長い半減期を持つことが望ましい。 できればAMS活性放射性同位元素はヒトの代謝作用に適するようにAMS活性レベルでは毒性が無く、生物医学的に利点があることが(are of biomedical interest) 望ましい。

    本発明のライブラリは、先に定義したスクリーニングでの検出の目的に役立つことが予想され、前記化合物に直接取り込まれるかタグ(tag)または同類のものとして化合物と関係するAMS活性放射性同位元素を含む。 AMS活性放射性同位元素はライブラリにおいて直接化合物に取り込まれ、例えば代謝の低下など化合物自体の劣化以外では、そこから分離できないことが望ましい。 よって放射性同位元素は酸性状態で容易に開裂する可能性のあるリンケージまたは容易に加分解されるリンケージ以外の手段で結合されている。

    放射性同位元素は化合物に共有結合的に取り込まれていることが望ましい。 さらにAMS活性放射性同位元素はライブラリの化合物の化学的構造を構成する原子として存在し、所望の放射性同位元素(radioactive isotope)として取り込まれるか置換され、化合物と関係するタグまたはビーズ(bead)に取り込まれないことが望ましい。 最も望ましくは、AMS活性放射性同位元素は周期的なリング原子かヘテロ原子、望ましくは芳香族のリング原子またはヘテロ原子として、または単結合、2重結合または3重結合の飽和又は不飽和原子などの脂肪族炭素チェーン原子またはヘテロ原子または同等のものとして存在している。

    したがって放射性同位元素は化合物の不可欠な(integral)部分を形成している。 これが例えばビーズ、その上に化合物が支えられている支持体(support)などのタグに、または既知の化合物の合成の方法や同定の情報を与える識別タグに適用された放射性同位元素ラベルと異なっていることは評価されるべきである。 それにもかかわらず放射性同位元素でラベルした化合物は、代謝性の切断(metabolic cleavage)に対して回復があり、そのためにAMS活性である、タグか他の含有成分に放射性同位元素が存在している本発明のライブラリに想定されるかもしれない(may be envisaged)。

    望ましくは、ライブラリは、化学式(I)の複数の化合物またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む:

    ここで、各リングは異なり、AMS活性放射性同位元素

    を含む化合物であり;


    mは放射性同位元素の取り込み割合(percent incorporation)の値であり、ゼロを超えて1%までの分数であり;


    tはnが0または全積算数(a whole number integer)である化合物の化学的同一性と構造に関する情報を備えるタグである。

    望ましくは、mは分数であり、ゼロを超えて0.1%の範囲にある。 そこでは化学式(I)の各化合物が僅かにラベルされ(lightly labelled)、その一部は放射性同位元素を持たない。 化学式(I)の異なる化合物は同じか異なる放射性同位元素を含んでいる可能性があり、化学式(I)のどんな一つの化合物も同じか異なる分子に存在する同じか異なる放射性同位元素を含んでいる可能性がある。 従ってひとつのライブラリは複数の僅かにラベルした化合物として適切に存在しているか、または複数のラベルした化合物と、要望どおり適切な結合%で僅かにラベルした化合物を与えるために組み合わされた、より少量の対応する複数の完全にラベルした化合物として存在する可能性がある。

    望ましくは、化学式(I)のどれかひとつの化合物の放射性同位元素でラベルした化合物の割合は、その化合物をサンプリングする際に、AMS検出の限界内にあるサンプルを提供するようになっている。 従って望ましくは放射性同位元素はAMS検出の限界内の量で存在する。 本発明のライブラリの特筆すべき利点は、放射性同位元素でラベルした化合物が超低量でAMS検出とスクリーニングのために提供され、AMS方法を使用して分析されるそれらの反応においてのみライブラリから化合物を分析するのに相応しく僅かにラベルされているAMS技術の超高感度性にある。

    僅かにラベルした化合物についての言及は、望ましくは、先に定義した範囲での取込み(incorporation)割合での値に対応して、AMS活性な量で存在する放射性同位元素を含む化合物についてである。 取り込み割合は最大の比放射能の測定値(a measure of maximum specific activity)であり、100%取り込み(100% incorporation)は、与えられた量の物質を取り込み(taking a given amount of substance)、全ての分子がその放射性同位元素当量(its radioactive equivalent)で置換される1つの特定の原子を有する、1分子当り1放射性同位元素を含むものとして定義される。

    望ましくは、取り込み割合は1×10 -12から0.1%の範囲であり、さらに望ましくは1×10 -10から0.1%である。 よって本発明のライブラリは、AMSが放射性同位元素でラベルしたライブラリをトレースするのに他に類を見ないほど適しているという事実とAMSの分析力を生かしている。

    取り込み割合は直接には得られないが化合物の比放射能(specific activity)から計算される。 比放射能の最大値はdpm/mmoleで与えられ、これが平均して、全工程で核の崩壊が起こる数−毎分ごとの崩壊数−であり、放射能(放射活性)の基本ユニットである。 しかしながら取り込みパーセントはすべての放射性同位元素で比較可能な正規化した関数であり、放射性同位元素によって決まる比放射能の期間よりも有益である。 例えばAMS活性放射性同位元素としての14 Cは本発明のライブラリの化合物の中に、dpm/mmolで与えられる量で、5から12、望ましくは7から10の範囲で、例えば7.3438から9.8562(ANUサッカロース)で、存在しているかもしれない。 その他の同位元素の値は異なるであろう。

    したがって望ましくは、与えられた化合物に対する取り込み割合は次の方程式1で決定される:
    取り込み割合(m)=(100×比放射能)/(最大比放射能) 方程式1

    どの放射性同位元素にとっても(1分子あたりひとつの放射性同位元素が100%取り込みに相当することをベースとして)、比放射能の最大値は次の方程式2により得られる:
    1n2/t 1/2 × N 方程式2
    ここで、ln2は自然対数log2(=0.6932)であり、t 1/2は放射性同位元素の分単位の半減期であり、Nは1ミリモル(化合物のモル数×6.0225×10 20 )中の放射性同位元素の原子の数である。
    (ラピン、G アンド ガーナー、RC(2003)「加速器質量分析を用いて放射標識した(radiolabelled)薬物とその代謝産物の高感度の検出」第11章:ウィルソン、ID(編集)分離の生物分析的分離ハンドブック4巻 エルセビアーサイエンス BV アムステルダム)

    方程式2は放射性同位元素の半減期により時間が経てば減少する放射活性(radioactivity)(dpm値)を考慮に入れていない(つまり、時間ゼロでの最大の比放射能を計算している)。

    次の例は14 Cの最大比放射能(1分子あたりにひとつの放射性同位元素に基づいて)を計算している。 14 Cの半減期は5730年であり、短期間の放射活性の縮小は無視してよい。 次の実例におけるユニットは次の通りである:
    Bq=ベクレル(放射能強度)=60dpm
    kBq: 60 × 10 3 dpm
    GBq: 60 ×10 9 dpm
    kBq/mmole:理論上の最大比放射能(1分子あたりにひとつの放射性同位元素に基づいて)
    mmole=10 -3 mole
    amole=10 -18 mole
    方程式2より:
    0.6932/(5730×365.3×24×60)×6.0225×10 20 =1.385×10 11 dpm=2.3083×10 6 kBq/mmole

    このように、 14 Cにとって理論上の最大比放射能は2.3083GBq/mmole(1分子あたりにひとつの放射性同位元素に基づいて)である。 これは100%取り込みに等しい。

    したがって、本発明による僅かにラベルした化合物の取り込み割合は前記方程式1により適切に割り出される。

    比放射能81.6dpm/mmoleのライブラリの化合物(X22)を用いて、例えば、:
    これは0.00136kBq/mmol
    仮に100%取り込み=2.3083×10 6 kBq/mmolであると、前記方程式1を用いて、化合物X22の取り込み割合は5.8×10 -8 %である。 この非常に低い取り込みレベルは十分にAMSの感度の範囲内である。 AMSは同位元素の割合を計測する(今の例では12 C: 14 C)。 ライブラリの化合物の分析の場合にはバックグラウンドのレベルは1.46amoles 14 C/mgCであった。 化合物X22のアイソトープ比は766.49amoles 14 C/mgC(つまり、約524倍のバックグラウンド)であった。 この繊細さのレベルはリガンド結合などの多くの適用に必要とされる以上である。

    また、実験室の動物やヒトにライブラリの化合物を投与することも可能である。 典型的なヒトへの放射能投与は、仮にAMSが分析方法として用いられるならば、7.4kBqである。 例として、ライブラリの化合物の投与が100mgで分子量が350であったとすると、比放射能は7.4kBq/0.2857mmole、または25.9kBq/mmoleである。 仮に100%取り込み=2.3083×10 6 kBq/ mmoleとすると、25.9kBq/mmoleは0.001%取り込みである。

    AMS活性放射性同位元素はAMS検出技術による検出に敏感に反応するどんな放射性同位元素からも選択可能である。 放射性同位元素は半減期で放射活性が変化し、より少量か、より大量で検出が可能になり、ここでは特定の放射性同位元素は特に同位元素の化学的性質かその放射特性によって特定の想定される用途に適切である。 多くの原子はいくつかの異なる放射性同位元素を作ることが可能であり、そのある特定のものは放射能探知(radiodetection) に適しており、あるものはその他の技術に適している。 従って望ましくは、ライブラリは放射性原子(radioatom)の性質と、所望の用途のためのライブラリの適合性を示すために存在する特別な同位元素を特定する。 例えば、 129 IでラベルしたライブラリはAMS検出に便利であり、一方、 131 Iでラベルしたライブラリは高活性であっても利用範囲が限られる可能性がある。 同様に14 CでラベルしたライブラリはAMS検出に便利であり、一方、 13 Cでラベルしたライブラリは、例えばWO97/01098に開示されたようなNMR検出などの他の多くの放射能による技術で広範囲に使用されるが、AMS検出には役に立たない。 特に適切でない放射性同位元素は、陰イオンの形成に機能せず、特に窒素の放射性同位元素は顕著である。

    従って本発明のライブラリの化合物は、水素、ベリリウム、炭素、アルミニウム、リン、塩素、カルシウム、マンガン、鉄、セレン、ヨウ素、バリウム、ウランやプルトニウムなどのランタニドおよびアクチニドのAMS活性放射性同位元素から選択されるAMS活性放射性同位元素を適切に含む。 望ましくは、本発明のライブラリは、AMS検出に反応する同位元素から選択された同位元素、望ましくは2 H、 3 H、Baの同位元素、 10 Be、 14 C、 17 O、 18 O、 26 Mg、 26 Al、 32 Si、 36 Cl、 41 Ca、 55 Fe、 57 Fe、 60 Fe、 53 Mn、 55 Mn、 79 Se、 129 I、 236 U、 239 Puから、最も望ましくは3 H、 14 C、 36 Clのひとつかそれ以上から選択された放射性同位元素ラベルした化合物を備えている。

    望ましい実施例では、本発明はAMS活性放射性同位元素が14 C放射性同位元素であること;あるいは36 Clまたは3 H放射性同位元素であること、または該14 C放射性同位元素に36 Clまたは3 H放射性同位元素を追加したものであることを特徴とする先に定義した化合物のライブラリを含む。

    望ましくは、本発明による化合物のライブラリは、固相または液相、通常は溶液相、またはそれらの混合体に存在する複数の化合物を含み、各化合物は、当技術分野で知られているように、固体支持体に支持されるか、密閉された瓶等の中に入っている。 化合物ライブラリとタグが付加されたビーズなどの化合物支持体またはキャリアは、ビーズに結合した化合物のスクリーニングを容易にする。 あるいは、ライブラリはスクリーニングするために、ビーズから外され、個々に分けられるかまたは10から100、100から1000以上のセットの化合物にグループ分けされた、支持されていない化合物を含む。 固相ライブラリは、粒子またはビーズ、キャピラリ、中空ファイバ、ニードル、固体ファイバなどとして市販されている、小さく画成可能な(definable)固体支持体に支持された化合物を含む。 固体支持体は無孔性でも多孔性でもよく、また、変形可能でも硬質でもよく、使いやすい構造と形状を持つ。 場合によっては、磁気ビーズまたは蛍光ビーズが有用である。 ビーズの直径は、一般に少なくとも10〜2000ミクロン、通常は少なくとも20〜500ミクロン、より通例では少なくとも50〜250ミクロンである。

    望ましくは、使用する固体支持体には、セルロースビーズ、細孔制御されたガラスビーズ、シリカゲル、ポリスチレンビーズ、特にジビニルベンゼンで架橋処理したポリスチレンビーズ、ポリエチレングリコール/ポリスチレンなどのグラフト共重合体ビーズ、ポリアクリルアミドビーズ、ラテックスビーズ、ジメチルアクリルアミドビーズ、特にN,N'−ビス−アクリロイルエチレンジアミンで架橋処理し、N−t−ブトキシカルボニル−. ベータ. −アラニル−N'−アクリロイルヘキサメチレンジアミンを含むもの、直鎖ポリスチレンがグラフトされた架橋処理したポリスチレンまたはフッ素化エチレンポリマーなどの疎水性ポリマーで被覆したガラス粒子などの合成物などが含まれる。

    本発明のライブラリでは、各化合物は、先に定義し、かつコンビナトリアルライブラリなどのライブラリの技術分野で一般的に知られている、その化学的同一性と構造に関する情報を備える。 また化合物は、存在する放射性同位元素の種類と、それらの例えば取り込み割合または比放射能などの量に関する情報を備える。 その備え付け(association)は、例えば化合物が(放出可能に)支持されるか、または化合物が結合するビーズまたは固体支持体に備えられる合成情報または合成メモリを具備するタグを用いた物理的結合により行われるか、または、各化合物のコンテナまたはくぼみ(well)、または位置に番号を付けるか索引を付けて、番号付けまたは索引付けされた化合物の化学的同一性に関する参照情報を提供することにより行われる。 ウェルプレートを使用すると、化合物の同定解析が簡単になる。

    放射性同位元素を用いて、ライブラリ中の化合物が結合する(is associated)ビーズなどの支持体にタグを付けることを含む多くの方法で、化学的同一性と構造に関する情報を提供することが知られている。 しかしながら、そのようなタグはサポートされていないアッセイを実行するために、または合成情報を読み込むために、容易に切断できるように設計されている。 例えばライブラリ化合物の構造の不可欠な要素が、代謝低下などの化合物自体の退化に基づいてのみ分離(diassociation)する程度まで化合物と不可逆的に結合する薬学的に許容可能なタグと結び付いていないにせよ、本発明のライブラリの放射性同位元素が各ライブラリ化合物に不可欠な要素として存在し、そこから取り外すことができないという点で、本発明は明確に区別できることが評価されるべきである。 従って、放射性同位元素は、容易に加水分解されるリンケージまたは酸性条件などで容易に切断されるリンケージ以外の手段により結合される。

    望ましくは、化合物のライブラリは、ハイスループットスクリーニングなどの使用に適した化合物のアレイとして提供される。 アレイは、コンビナトリアル化学の分野で知られているように、マイクロタイタープレートなどのプレート、セルアレイ、瓶またはボトルアレイ、サポートマトリクスまたはプレート、光ファイバアレイなどを含むか、複数の支持体または瓶、ボトルなどのコンテナを含んでも良く、そこでは支持体またはコンテナまたは化合物が、化合物ライブラリの構成要素として化合物を同定するか、化学的同一性と構造により化合物を同定する識別子またはタグでラベルされる。 場合によっては、ビーズなどの固体支持体に存在する化合物を含むライブラリは、反応混合物に残存する合成時に取り込まれていない放射性同位元素が、先に定義したライブラリまたは取り込み割合を超えるレベルで使用する際の汚染源となるのを避けるために単に洗い流されるだけであるので、作製の容易さと検出精度の面で都合がよい。

    化合物のタグは、化合物の反応履歴を解読するためのものである。 そして、生成品を大規模な合成で生成する。 反応履歴により明確に構造が定義される場合、同一または類似の反応系列が大規模バッチ(large batch)で生成品を生成するのに用いられる。 反応履歴により明確に構造が定義されない場合、大規模バッチで反応履歴を繰り返し、その結果得られる生成品を構造分析に使用する。 場合によっては、コンビナトリアル化学の反応系列が大量の生成品を生成するのに好ましい方法ではないことが分かる。

    本発明のライブラリと方法では、タグはAMS研究用の化合物に保持されてもよいし、該化合物から分離されてもよい;そして、AMS検出前に解読されてもよいが、AMS結果によってそれがさらなるトライアル候補として選択されることが示されるまで解読されないのが望ましい。

    ライブラリに存在する化合物の量はどれくらいでもよい。 特定の利点では、本発明のライブラリは、AMS検出法の感度に応じて、数ナノモルまたは数ミリモルの少量、通常数ミリグラム、最大で数モルまたは数グラムまでの化合物を含む。 化合物は0.1マイクログラムから10gの範囲、望ましくは1マイクログラムから100mgの範囲、例えば10マイクログラムから10mgの範囲の同一または異なる量で適当に存在する。 従来のラベルされていないライブラリは通常安価ではなく、また、同位元素も安価ではないので、これには二重の費用優位性がある。 また、小量の化合物に放射性同位元素でラベルすることはライブラリの費用を抑えるのに役立つ。 先に定義した本発明の望ましい実施例では、AMS活性ライブラリがAMS検出法を採用して化合物ライブラリに存在する化合物の量を減らす手段を提供し、それによって費用が削減できる。

    本発明のライブラリに含まれる化合物の数はどれくらいでもよい。 一般に、20から数百万の化合物を含むライブラリが提供される。 望ましくは、本発明のライブラリは、5から5×10 の化合物、例えば20から100万の化合物や、例えば20万以上の化合物などの2万5000以上または5万以上の化合物を含む。 ライブラリから選択した化合物を直接、放射性検出法にかけるメリットは、検出される化合物の数に応じて大きくなるので、特定の利点は2万5000を超える化合物からなる比較的大きいライブラリと関係がある。 一方、ライブラリのコストはライブラリの化合物の数に応じて高くなるので、20から2万5000の化合物からなる比較的小さいライブラリと関係する利点がある。

    1つの実施例では、全てのまたは実質的に全てのライブラリの化合物が、先に定義した量の放射性同位元素を含む。 化合物には同一のまたは異なる放射性同位元素が含まれる。 従ってライブラリは、AMSで各タイプの放射性同位元素に必要な種々のサンプル調製法から鑑みて、例えばAMSサンプル調製が正しく行えるように、ライブラリ・メンバそれぞれの放射性同位元素の同一性に関する情報を備える先に定義した化合物を含むのが望ましい。

    他の実施例では、ライブラリの化合物の一部が放射性同位元素を含む。 これは、必要な活性、反応性、機能性(functionality)などを示す候補化合物を第一次選択するためにライブラリをスクリーニングする方法において利点がある。 当該方法には、活性、反応性、機能性(functionality)などの観点から陽性とみなされる化合物から第二次選択すること(making a secondary selection)と、先におよび以下に定義したマイクロドージング法で放射性を検出する該第二次選択を進める(forwarding the secondary selection)ことが含まれる。 本発明の他の実施例では、当該第二次選択は、最高活性を示し、かつ、放射性同位元素を含む化合物を単に選択することである。

    前記化合物の少なくとも40%が僅かにラベルされるのが適当であり、望ましくは前記化合物の少なくとも50%が僅かにラベルされ、より望ましくは前記化合物の少なくとも75%が僅かにラベルされ、より望ましくは前記化合物の少なくとも90%が僅かにラベルされ、最も望ましくは前記化合物の全てまたは実質的に全てが僅かにラベルされることである。

    本発明のライブラリの化合物は、同一でも異なっても良いが、望ましくは異なる、2以上の放射性同位元素を含む。 先に定義したマイクロドージング法およびAMS検出法では、化合物が生体内で代謝されるのが通常であり、実際この代謝データこそが当該法で探索される。 従って、本発明のライブラリは、化合物の異なる部分(moieties)に不規則にまたは特定的に(specifically)複数の放射性同位元素を取り込んだ複数の化合物を含み、それによって潜在的活性部分と潜在的不活性部分の代謝経路が、活性部分と不活性部分のターゲットを運搬するサイト(the target delivery sites)に関する、より多くの包括的な代謝情報を示しながらモニターされるのが望ましい。

    前記ライブラリは構造的に異なっても類似でもよく、また、化学ライブラリまたは生化学ライブラリであるのが適当である。 望ましくは、1つの実施例ではライブラリは生化学合成の影響を受けにくい有機化合物、即ち合成で得られた非生化学的な化合物を含む。 他の実施例では、ライブラリはアミノ酸、ペプチド、核酸、脂肪酸、炭水化物などの個々のユニットで構成された生化学化合物を含む。 しかしながら、特定の利点は、ペプチドとオリゴヌクレオチド以外のライブラリを用いることで得られる。

    前記ライブラリは、コンビナトリアル合成または生合成から得られる共通の構造のアナログ化合物または特定の反応やメカニズムをターゲットにするのに適した共通の反応機能性を有する異種化合物を含むコンビナトリアルライブラリでも良く、または、未知の反応やメカニズムのタイプをターゲットにしたり調べたりするのに適した複数の構造タイプや反応機能性を示す構造的に多様な化合物でも良い。

    望ましくは、本発明のライブラリは、複数の小分子、通常天然のまたは合成化学的または生化学的な生物活性型の分子、および、例えば最大1000MWのそれらの類似体(アナログ)を含む。 あるいは、本発明のライブラリは、複数の比較的大きい分子、通常天然のまたは合成の生体分子、およびそれらの類似体を含み、例えばインシュリンアナログ、成長ホルモンアナログ、抗体類など、ペプチド、植物または遺伝子治療薬などの、放射性同位元素でラベルした組み換えタンパク質を含む放射性同位元素でラベルした生体高分子などが挙げられる。

    本発明の更なる態様では、化合物がその化学的同一性と構造に関する情報を備え、さらに放射性同位元素が先に定義したAMS活性放射性同位元素であることを特徴とする放射性同位元素を含む、固体支持体(solid support)に結合する化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有する固体支持体が提供される。

    固体支持体は、先に定義した化学ライブラリの分野で知られている、いずれの固体支持体でも適当であり、先に定義したその化学的同一性と構造に関する情報を備えるのが望ましい。 前記固体支持体は、本発明のライブラリについて先におよび以下に定義した更なる特徴によって特徴付けられる。

    本発明の更なる態様では、複数の化合物をラベルする放射性同位元素を含み、各化合物はその化学的同一性と構造に関する情報を備え、ラベリングにはAMS活性放射性同位元素が用いられることを特徴とする先に定義した化合物ライブラリを作製する方法が提供される。

    前記方法は、当技術分野で既知の技術を用いて裏付けられていないまたは裏付けられた、化合物の液相または固相ライブラリを作製する方法である。 ラベリングは、先に定義したライブラリに関する更なる特徴をもたらすように行われるのが望ましい。

    ラベリングは、いずれの既知の単一若しくは多段階の合成経路または生合成の一環として行われても良く、または、市販されているか既に合成された化合物またはそれらの混合物に専用の化学的若しくは生合成的なラベリングステップとして行われても良い。 放射性同位元素によるラベリングは、化合物をラベルするための当技術分野で既知の技術によって適当に行われる。 生合成は、放射性同位元素が豊富にある環境で生化学的生成物を生成する微生物を培養し、ラベルされた生成物を収穫することによって適当に行われる。 望ましくは前記豊富にある環境には先に定義したAMS活性放射性同位元素が含まれ、望ましくは先に定義したAMS活性量で含まれる。 生化学成分または代謝物質または微生物は、当技術分野で既知の前記豊富な環境で微生物を培養した結果としてラベルされることになる。

    望ましくは、前記方法は、合成前駆体または中間体または生化学的培養基質を僅かにラベリングし、それから他の前駆体または中間体と反応させること、またはその中で放射性同位元素が合成品または生合成品に取り込まれるように微生物を培養することを含む。 その方法で(whereby)、ある化合物、または本件の前駆体または中間体または培養基質中の放射性同位元素の取り込み割合をコントロールすることが常に可能なわけではない。 従って、前記方法は、合成前駆体または中間体または生化学的培養基質をラベリングし、その比放射能を決定し(detrermining)、望みの取り込み割合を与えるのに必要な比放射能を決定し(detrermining)、十分な量の対応するラベルしていない合成前駆体または中間体または生化学的培養基質と結合させ、望みの取り込み割合を有する同質の生成物として単離することを含むのが望ましい。 同質の生成物は、結合させたラベルした生成物とラベルしていない生成物との再結晶によって単離されるのが望ましい。

    その後、僅かにラベルした先駆体または中間体または生化学的培養基質を使用する合成または生合成の工程で、望みの取り込み割合の放射性同位元素が取り込まれる。

    これらの工程と技術は、放射性同位元素でラベルした化合物をグラムまたはミリグラムスケールのカスタム合成するのに利用できる。 このようなカスタム合成工程と技術をコンビナトリアル技術と組み合わせてコンビナトリアル放射性同位元素合成を行うことは当業者の専門知識の範囲内である。

    コンビナトリアルライブラリの作製方法は当技術分野で知られていて、パラレル合成またはシリーズ合成、中間体が多様な反応を得るために分割されたり、共通の反応(common reaction )を得るために混合されるスプリット&プール合成またはスプリット&ミックス合成などの技術が含まれる。 合成はマルチリアクタ合成装置など専用のコンビナトリアルリアクタで行っても従来の態様で行っても良い。

    従って、放射性同位元素でラベルするコンビナトリアル手法により、コア分子は先に定義した放射性同位元素でラベルされ、望ましくは僅かにラベルされ、それから複数のサンプルに分解された後、それぞれが1以上の段階で既知のまたは偶発的な、構造化したまたは様々な形を取り得る、誘導体試薬の回収を伴う反応によってコンビナトリアル変異を受け、その結果、放射性同位元素でラベルされた誘導体ライブラリがもたらされると考えられる。 あるいは、コア分子は複数のサンプルに分解された後、それぞれが1以上の段階で既知のまたは偶発的な、望ましくは僅かに、放射性同位元素でラベルされた誘導体試薬の回収を伴う反応によってコンビナトリアル変異を受け、その結果、望ましくは僅かに、放射性同位元素でラベルされた誘導体ライブラリがもたらされる場合もある。

    本発明のライブラリの化合物は、当技術分野で知られているように、分子構造の中心コアの様々なランダムサイトにおける改変(modifications)または特定サイトにおける改変(modifications)に伴って生じる反応により得られる場合がある。 例えば、多環式化合物を臭素化しても良く、そこで臭素化が複数のサイトで起きても、または、特定サイトに対して特異的なN−ブロモサクシイミドなどの臭素化剤を用いても良い。 概ね、反応には1つのサイトまたは均等サイトが関与し、例えばグリコールの2つの水酸基のうちの1つが関与する。

    大抵、本発明のライブラリの化合物は、2官能性化合物を除いて、同じ結合官能基、例えばアミノ酸とアミド結合、ヌクレオチドとリン酸エステル結合、またはそれらの類似化合物、例えばアミノイソシアン酸と尿素結合を用いて結合させる、少なくとも2段階の合成から得られる。 望ましくは、前記方法には、化学ユニットの付加または削除を含むシリアル合成、1つ以上の官能基の改変(modification)または導入に伴って生じる反応、開環、閉環などが含まれる。 化学ユニットは、天然と合成の両方共、求核剤、求電子剤、ジエン、アルキル化剤またはアシル化剤、ジアミン、ヌクレオチド、アミノ酸、糖、脂質、またはそれらの誘導体、有機モノマー、シントン、およびそれらの組み合わせなど多くの形態を取ることができる。 あるいは、アルキル化、アシル化、ニトロ化、ハロゲン化、酸化、還元、加水分離、置換、脱離、付加などを引き起す反応を伴う場合もある。 化合物は、非常に僅かな量の非オリゴマー、オリゴマーまたはそれらの組み合わせでもよく、反応履歴および適当な場合には組成が当技術分野で知られているタグによって明らかにされる。 非オリゴマーには、複素環式化合物、芳香族化合物、脂肪族化合物、およびそれらの組み合わせなど広範囲の有機分子が含まれ、例えばステロイド、抗生物質、酵素阻害剤、リガンド、ホルモン、ドラッグ、アルカロイド、オピオイド、テルペン、ポルフィリン、毒素、触媒、およびこれらの組み合わせが含まれる。 オリゴマーには、オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖類、ポリリピド(polylipids)、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエーテル、ポリ(リン誘導体)、例えばリン酸塩、ホスホン酸塩、ホスホルアミド(phosphoramides)、ホスホンアミド(phosphonamides)、亜リン酸塩、ホスフィンアミド(phosphinamides)など、ポリ(硫黄誘導体)、例えばスルホン、スルフォン酸塩、亜硫酸塩、スルフォンアミド、スルフェンアミドなどが含まれる。 この場合、リン誘導体と硫黄誘導体に関して示されるヘテロ原子のほとんどが、C,H,N,OまたはSと、それらの組み合わせに結合される。

    公知のコンニビナトリアル合成法は、関係する作用物質(agents)と条件の選択によって、各段階での反応の変化を可能にする。 従って、アミノ酸に関しては、例えばD−アミノ酸、アルファ位以外にアミノ基を有するアミノ酸、側鎖に異なる置換基またはアミノ基に置換基を有するアミノ酸など他のアミノ酸を用いたい場合には、共通の自然にコード化されたアミノ酸を用いてより広範な選択をすることで、関係する最大20個のアミノ酸が得られる。 異なる核酸に関しては、通常DNAとRNAのいずれかに用いられる最大4つの天然の核酸が存在し、それらの特定の核酸を使用することを選択しない場合には非常に多くが利用できる。 糖類と脂質に関しては、非常に多くの異なる化合物が存在し、それらは様々な置換によってさらに増加する。 この場合、これらの化合物の全てが合成に用いられる場合がある。 個々の有機化合物に関しては、選択が天文学的に大きくなる場合がある。 また、類似のアナログがある場合、尿素基、ウレタン基、カルボニルメチレン(carbonylmethylene)基などがペプチド結合と置き換わり;様々な有機基や無機基がリン酸塩結合と置き換わり;窒素または硫黄がエーテル結合で酸素と置き換わるか、逆の場合もある。

    本発明のライブラリは、生成しようとする生成物の基の性質によって異なる合成方法から得られる。 従って、前記方法には、前段階の結果を保有し、かつ次の段階の必要性を予想しつつ、段階的に(stage-wise)生成物の性質を変える能力について考慮に入れられなければならない。 各種ユニットが、ヌクレオチドやアミノ酸や糖類など同じ系統に属する場合には、前記合成方法は比較的十分に確立されていて、従来の化学が利用できることが多い。 従って、ヌクレオチドに関してはフォスフォアミダイトまたはホスファイトの化学を利用してもよく、オリゴペプチドに関しては従来の保護基が使用されるFmocまたはBoc化学を利用してもよく、糖類に関しては前記方法はあまり一般的ではないが、多糖合成に対して多数の保護基、反応性官能基および条件が確立されている。 他のタイプの化学に関しては、個々のユニットの性質に目が向けられ、それぞれに見合うような合成の機会が知られるようになるか、考え出されるであろう。

    場合によっては、本発明のライブラリには、合成の同一または異なる段階で取り込まれる同一または異なるブロックを有する化合物が含まれる。 例えばフィブロネクチン結合ユニット(RGDS)などの共通のペプチド機能性ユニット、ルイスX(Lex)などの多糖、ラクタム、ラクトン、ベンゼン環、オレフィン、グリコール、チオエーテルなどの有機基を合成中に取り入れたい場合がある。 このようにして、変化が取り入れられる分子のコンテクスト(molecular context)が得られる。 これらの事態は複数の選択肢がある2,3の段階だけに関わり、そこで多くの生成物が特定の機能的存在(functional entity)との関係で生成される。 これは、問題となる特性を持つことが知られているコア分子またはユニットに関係する多くの誘導体に関心がある場合に特定のアプリケーションとなる可能性がある。

    望ましくは、一つの実施例では、本発明のライブラリはコンビナトリアル合成過程の間に生成される数個の化合物をバッチ合成することによって得られる。 例えば、立体障害、電荷および/または双極子相互作用、代替の反応経路などを必要とする合成など思い切った例を実施することによって、他では形成されないまたは少ない生成量で形成される化合物の生成量を高めるための条件を最適化することできる。 このように、コンビナトリアル合成中の溶剤、温度、時間、濃度などの相違を含む反応条件を変えることができる。 さらに、化合物の活性特性を明らかにするアッセイを開発するために、コンビナトリアル合成よりもずっと高い特定の生成物の濃度(concentrations)を提供するバッチ合成を用いてもよい。

    望ましくは、本方法は、トレースレベルが14 Cの放射性同位元素で僅かにラベルした前駆体を含む、単一または混合の液相/固相で僅かにラベルしたライブラリの合成を含む。 前駆体は、例えば僅かに環をラベルした(ring labelled)安息香酸など、置換基がラベルされるのではなくコアがラベルされる(core labelled not substituent labelled)のが望ましい。

    望ましくは、本方法は、先に定義した二から六成分縮合、置換、または同様の反応、例えばUgi反応などの四成分縮合を含む((a)Cao,X;Moran,E.J.;Siev,D.;Lio,A.;Ohashi,C.;Mjalli,A.M.M.Bioorg.& Med.Chem.Lett.,1995,5,2953−2958、及び(b)Nakamura,M.;Inoue,J.;Yamada,T.Bioorg.& Med.Chem.Lett.,2000,10,2807−2810)。 これは、置換アルファ (アシルアミノ)アミドを形成するために、カルボン酸、アルデヒド、およびイソシアン化物を縮合する。 スキーム1と2では、四成分のうちのいずれか1つ以上の成分が、同一または異なるAMS活性放射性同位元素で僅かにラベルされる。

    スキーム1


    望ましくは、固相ライブラリには、固体に支持された先駆体、例えばアミン(スキーム2)が用いられる。


    スキーム2

    試運転は、ラベルされない('コールド')先駆体、例えば安息香酸などを用いる代表的なライブラリメンバで行ってもよい。 その結果、合成できないビルディングブロックとしてベンズアルデヒドを含むライブラリメンバが示され、そのようなものとしてこれらはライブラリから除去される。

    生化学ライブラリは、先に定義したAMS活性放射性同位元素が豊富な環境で微生物を培養することによって都合良く作製される。 公知技術には、ラベルした炭水化物と塩類の存在下でまたはラベルしたメタノール中でまたはラベルした藻類の溶解物中でバクテリアやイーストを培養すること、ラベルした二酸化炭素で藻を光合成培養すること、ラベルした媒体で哺乳類や昆虫の細胞を培養することなどがある。 微生物のいずれの成分も、例えばアミノ酸、脂肪酸、炭水化物、核酸などの、僅かにラベルした前駆体またはライブラリ化合物として採取できる。

    望ましくは、微生物は14 Cブドウ糖などの僅かに放射性同位元素でラベルした培養物で生育され、それから突然変異したバクテリアを生成するため突然変異を起こすことが促され、放射性同位元素でラベルした二次代謝物を発生させるコロニーを形成するためプレートされ、培養される。 採取は、培養物を分離し、バクテリアを溶解することにより、または分泌された代謝物質をリフトオフすることにより行われる。

    本発明のライブラリは、容易に混合や分離ができて、連続合成のための固体基板として機能する、先に定義した当技術分野で知られているようなライブラリに特有の既知の支持体上に提供されてもよい。 合成の種類に応じて、ビーズ(beads)は初期の反応物質を付着させる種々の方法で官能基化されても良い。 これらは、生成品がビーズから取り外しできることを希望するかどうかにより、エステル結合、アミド結合、アミン結合、エーテル結合などの安定結合を介して、または、硫黄、ケイ素、炭素原子を介して結合される。 便宜上ビーズ結合は永久的でも良いが、表1で例示したような切断可能なビーズと生成品とを結合するリンカー(linker)が用意されても良い。 2以上の異なる結合が、タグおよび/または生成品を区別して放出(differential release)できるようにするために用いられても良い。

    粒子に結合した結合基(linking group)の性質により、結合方法が、カルベンおよびニトレンまたは他の高反応性種と共に利用できるような、単結合または二重結合への挿入を可能にする場合には、ビーズの反応機能性は必要ではない。 この場合、切断可能な結合が製品またはタグをビーズに結合する結合基に付与される。

    望ましくは、生成品が取り外せないような方法で取り付けられる場合、ビーズがスクリーニングの間、生成品の結合を立体的に(sterically)妨げないように、ビーズとの結合が広げられる。 種々の結合が使用されるが、特にポリエチレンオキシ、サッカライド、ポリオール、エステル、アミド、それらの組み合わせなどの親水結合が用いられる。

    ビーズに存在する官能基(Functionalities)には、ヒドロキシ、カルボキシ、イミノハライド(iminohalide)、アミノ、チオ、活性ハロゲン元素(ClまたはBr)、擬ハロゲン(例えば、・・CF 3 、・・CNなど)、カルボニル、シリル、トシル、メシレート、ブロシラート(brosylates)、トリフラートなどが含まれる。 官能基を選択する際、識別子が通常ビーズに結合されるという事実に何らかの考慮がなされるべきである。 必要に応じて、2つの官能基が生成物または識別子の結合段階とタグの分離段階に適合するかどうかのみならず、同一または異なる官能基が生成物および識別子と結合するかどうかが考慮される。 特定量の生成物が選択的に放出されるように、異なる結合基を生成物に用いても良い。 場合によっては、粒子は各段階の前に部分的または完全に保護が外れる(deprotected)官能基を保護し、後者の場合、再び保護される場合がある。 例えば、ポリペプチド合成などでアミノはカルボベンゾキシ基で、ヒドロキシはベンジルエーテルで保護される。

    タグはライブラリ化合物から放出されて、それから例えば検出可能な分子と反応する検出手段にかけられる。 そのようなタグは極めて簡単であり、検出手段としてライブラリ化合物に結合するための同一の官能基を持っている。 例えば、ヒドロキシカルボキシル基に結合されることによってヒドロキシル基が放出され、それから、エステル化または検出が可能な分子と共にエステル化される。 例えば、炭素原子数が反応段階を示す間に(while the number of carbon atoms would indicate stage)、フルオロ−およびクロロアルキル基の組み合わせを用いて、バイナリモードで、フルオロおよび/またはクロロ基の数が選択決定される。

    望ましくは、本発明のライブラリは取り外し可能なタグを持つ化合物を含み、その化合物に対して当技術分野で既知の多数の官能基と反応物質(functionalites and reactants)がある。 置換されたベンジルエーテルまたはそれらの誘導体、例えばベンズヒドリルエーテル、インダニルエーテルなどが、酸性またはマイルドな還元反応条件によって切断される場合に、エーテルを用いるのは都合が良い。 その代わりに、弱塩基(mild base)が生成物を放出する働きをする場合に、ベータ脱離を用いてもよい。 マイルドな酸が特に捕獲するカルボニル化合物の存在下で機能する場合に、チオ類似体を含むアセタールを用いてもよい。 ホルムアルデヒド、塩化水素およびアルコール部分を化合させることにより、アルファクロロエーテルを形成する。 次に、これをビーズのヒドロキシ官能基に結合して、アセタールを形成しても良い。 様々な光解離性リンケージ(photolabile linkage)、例えばo−ニトロベンジル、7−ニトロインダニル、2−ニトロベンズヒドリルエーテルまたはエステルなどを用いても良い。 酸の半エステル(half-acid ester)またはアミドが形成される場合に、特に環状無水物と共に、エステルとアミドはリンカーとして機能し、それから、カルボジイミドなどのカップリング剤を用いてビーズ上のヒドロキシまたはアミノ官能基と反応させた。 ペプチドはその配列が酵素加水分解を受けやすい場合、特に酵素が特定の配列を認識するところでリンカーとして用いられる。 カルボネートとカルバメートは、例えばホスゲン、カルボニル・ジイミダゾールなどの炭酸誘導体と、弱塩基(mild base)を用いて生成される。 結合は、特に炭酸エステルでは、酸、塩基または強い還元剤、例えばLiAlH 4を用いて切断される。

    本発明の更なる態様では、複数の分離した反応物質の1以上の組(set)と、さらに任意に、各組と反応させるある量の1以上の共通の反応物質を含み、各反応物質は構造または同一性に関する情報を備えて区別可能な組成を持ち、少なくとも1組または1つの共通の反応物質が先に定義したAMS活性放射性同位元素でラベルした少なくとも1つの共通の官能基を共有することを特徴とする、先に定義した本発明の方法を用いて、先に定義した本発明のライブラリを作製するためのキットが提供される。

    前記キットは、本ライブラリの合成を行う際にタグとして用いる種々の試薬を提供する。 タグとして用いる試薬は、別々のコンテナ内にある、少なくとも4個、通常は5個の異なる化合物を含み、より一般的には少なくとも10個、最大約100個、より一般的には最大約36個の異なる分離した有機化合物を含む。 二次元測定の場合、検出方式は通常分析に使われる化合物に共通するので、検出用の共通の発色団、共通の原子などがある。 各識別子が事前に準備される場合には、それぞれが、物理的測定によって測定可能な選択と段階をコード化する区別可能な組成を持ち、少なくとも1つの共通の官能基を共有する化合物のグループまたは全てを含むことを特徴とする。

    あるいは、前記キットは、様々な識別子またはタグを提供するために結合可能な反応物質を提供する。 機能性有機化合物が同じ官能基を共有し、少なくとも1つの検出可能な特性に応じて区別できる場合には、反応物質は多数の分離した1官能性の、しばしば2官能性の有機化合物を通常4つ以上、一般的には1つ、合成の各段階毎に含む。 また、前記キットは、機能性有機化合物の中のある官能基と反応し、第2の有機化合物の各量に応じて区別できる混合物を形成することが可能な第2の有機化合物を、少なくとも1つ、通常は少なくとも2つ含む。 例えば、試薬には、グリコール、アミノ酸、またはグリコール酸が含まれ、その場合、様々な2官能性化合物が、存在するフッ素原子または塩素原子の数により区別され、段階を明確化する。 また、試薬にはヨードメタンが含まれ、その場合、ヨードメタンに放射性同位元素が全くない場合、 14 Cがある場合、そして1以上の3 Hがある場合がある。 2以上のヨードメタンを用いることにより、その放射性同位元素によって測定可能な各種混合物が得られる。 または、バイナリコードで使用できる多数の第2の有機化合物が得られる。

    本発明の更なる態様において、先に定義したAMS活性同位元素でラベルした化合物を含む本発明のライブラリをスクリーニングして、該スクリーニングからサンプルを得るか、あるいは代謝研究のために同定された化合物を提出して(submit)、そこからサンプルを得て、該サンプルのAMS検出を行うことを含む、医療用の1以上の候補化合物を選択する方法が提供される。 スクリーニングは、当技術分野で知られているように、望みの活性、反応性、抑制性(inhibition)、機能性(functionality)などを求めて行われ、ライブラリから放射性同位元素でラベルした1以上の候補化合物を同定する。 AMS検出はスクリーニング用のサンプルで行われるか、あるいは、被験者、被験動物若しくは被験植物に放射性同位元素でラベルした候補化合物を投与、例えば極微量投与(マイクロドージング)して、それから該被験者等から採取した代謝サンプルをAMS検出するのが適当である。 望ましくは、サンプルは、細胞や細胞膜のサンプルなどのスクリーニングから得られるサンプル、または、組織や細胞、血や尿などの体液、排出物、植物組織、土壌や虫などの土壌生物などの、ヒト、動物または植物から得られる投与対象のサンプルから、AMS用に調整される。

    従って、本発明の方法は、化合物の生体外での活性、反応性、抑制性または機能性(functionality)のスクリーニングと選択、および、選択された候補化合物の結合性または生体内の代謝情報、特にADMEおよびPK情報の提供に役立つ。

    スクリーニングは、ライブラリに含まれる各化合物からサンプルを採取し、必要なアッセイに供することによって公知の方法で行われる。

    スクリーニングには、公知のまたは新規な医学的、生物学的、環境的などのスクリーニングが用いられ、通常はヒトまたは動物のバイオメディカルアッセイなど、例えば受容体結合アッセイのようなタンパク質結合アッセイが用いられる。

    多種多様なアッセイと技術が、スクリーニングされた化合物の問題となる特性を測定するために商業上利用できる。

    スクリーニングは、先に定義したビーズなどの識別子と直接結合した化合物について行われ、化合物や化合物群が活性を示すかどうか調べるために1つのビーズ(single beads)または化合物群について行われる。 化合物群には千以上の化合物が含まれる。 このように、大きな化合物群は迅速にスクリーニングされ、より小さな化合物群に分けられる。

    一般的なスクリーニングによって、受容体などの特定の生物分子との結合が検出される。 受容体は、単一分子や、ミクロソームまたは細胞に結合した分子などである。 アゴニスト活性に関心がある場合、無傷の有機体または細胞を用いることが望まれる。 そして対象生成物の結合に対する反応が測定される。 場合によっては、特にシグナル変換(signal transduction)による生理作用に関心がある場合、ビーズから化合物を分離するのが望ましい。 結合に関心がある場合、ラベルした受容体が用いられる。 このラベルは蛍光剤、酵素、放射性同位元素などであり、受容体とビーズ上の化合物との結合が検出できる。 あるいは、抗体がラベルされる場合、シグナルを増幅させて問題となる受容体の変化を阻止でき、問題となる生成物への結合に影響を与える受容体に対する抗体が提供される。 また、リガンドを検出可能なラベルでラベルした場合、結合は受容体に結合したリガンドの置換により測定される。

    スクリーニングには、初期スクリーニングとしての結合性スクリーニングと、それに続く二次スクリーニングでの生存細胞を用いる生物学的活性スクリーニングを含む、二段階のスクリーニングがある。 ライブラリの作製に組み替え技術を用いることにより、細胞の遺伝的能力が大きく変動する。 その後、外来遺伝子または外来転写調節配列が生成されるので、遺伝子または配列と表面膜タンパク質との結合により観測可能なシグナル、例えば細胞内シグナルが得られる。 例えば、二次スクリーニングには、細胞の中にロイコ染料を導入することが含まれる。 この場合、前記ロイコ染料を有色生成物、特に蛍光生成物に変える酵素が、表面膜、特にベータ・ガラクトシダーゼとジガラクトシジルフルオロセン(digalactosidylfluorescein)に適当に結合することよって発現する。 このように、特定の細胞と特定の候補化合物とを結合させることによって、細胞の蛍光性がFACSを用いて測定され、その結果、活性候補化合物が同定される。 生成物が候補化合物から放出される場合でさえ、候補化合物が細胞に結合した状態を確実に保つために様々な技術が用いられる。 例えば、化合物は表面膜タンパク質に対する抗体を持つ。 例えば、細胞の表面にアビジンを結合させて、ビオチンを直接またはそのキャリアやビーズなどを介して候補化合物に結合させる。

    アッセイは、個々の化合物または化合物群またはそれらの組み合わせを用いて逐次行われる。 例えば、コンビナトリアル合成を行った後、約50〜10,000の化合物群は別々の容器に分けられる。 キャリアに結合すると、各容器で各化合物の一部が放出される。 部分的な放出は、生成物と粒子との異なる結合の結果として、または限られた量の試薬や条件などを用いた結果として起こるので、1キャリアが放出する化合物分子の平均数は1キャリア当りの化合物分子の総数より少ない。 そして、スクリーニング媒体には小容量の化合物の混合物が含まれる。 混合物は結合アッセイに用いられる。 この場合当該結合事情は、受容体に結合する既知の結合リガンドを阻害するもの、細胞の代謝プロセスを活性化または抑制するものなどになり得る。 様々なアッセイ条件が当技術分野で知られているような結合活性の検出に用いられる。 一旦ある群が活性であることが示されると、個々の化合物は同一または異なるアッセイによって合計3または4段階にわたる手順でスクニーニングされる。 この場合、大きい群はより小さな群に分割されるなどして、最終的に単一化合物がスクリーニングされる。 キャリア上の化合物は部分的にその都度放出され、その結果生じる混合物が適当なアッセイに用いられる。 アッセイは同一でも異なってもよく、さらに高度で時間のかかるアッセイをその後または最終段階で用いてもよい。

    あるいは、スクリーニングは、ハニカムの各窪みに0または1つの化合物を持たせて化合物をハニカム板上で分散する空間配列で行われても良い。

    スクリーニングは、加水分解活性、例えばエステラーゼ活性などの触媒活性を持つ化合物を同定するのに用いられる。 触媒スクリーニングでは、化合物は拡散試験用の基板によって囲まれた半固形マトリクスに埋め込まれる。 触媒活性が例えば光吸収変化または分割基板による蛍光検出などのマトリクスを害さないプロセスによって局所的に検出できると、触媒活性域の化合物は分離され、それらの識別子タグが解読される。

    スクリーニングは、阻害活性または活性化活性を持つ化合物を同定するのに用いられる。 酵素を阻害または活性化したり、結合反応を阻止する化合物が探索される。 酵素を阻害する化合物を検出するために、化合物を半固形マトリクスの中または当該阻害、活性化または阻止が観察可能なフィルタ上に拡散させるキャリアから化合物は適当に放出される。 それから、視覚化されるか、あるいはその他の方法で検出可能な阻害、活性化または阻止の範囲を形成する化合物が採取され、そのタグが解読される。

    望ましくは、この場合のタグ付けは、タグの一部が、以前とは異なる手段によって採取した後放出可能であり、ビーズに付けられたままの状態で切断可能なリンケージ、望ましくは光解離性(photolabile)リンケージによって化合物に結合されることによって行われる。

    透析膜は、支持された化合物の層が放射性同位元素でラベルされたリガンド/受容体のペアの層と分離されている場合に用いられる。 化合物の層は、前記ペアの層に拡散する化合物を放出しながら紫外線光で照射され、そこでは放射性同位元素でラベルされたリガンドが受容体に対する化合物の親和性に応じて放出される。 放射性同位元素でラベルされたリガンドは化合物の層の背部に拡散する。 放射性同位元素は化合物の近位にあるので、放射性放出(radioemission)と関係のある化合物が分析される。

    スクリーニングは、生物学的活性を持つ化合物を同定するのに用いられる。 使用目的によっては、微生物増殖抑制、ウイルス増殖抑制、遺伝子発現抑制または遺伝子発現活性などの生存細胞に影響を与える化合物を検出することが望ましい。 支持された化合物のスクリーニングは、例えば半固形媒体に支持体を埋め込み、埋め込まれた支持体から放出した化合物のライブラリが化合物を周囲の媒体中に拡散できるようにすることによって達成される。 バクテリアローン(bacterial lawn)内の溶菌斑(プラーク)などの作用が観察できる。 それから、増殖阻害または増殖活性または遺伝子発現への影響の範囲が視覚化され、当該範囲の中央にある化合物が採取されて分析される。

    スクリーニングには、作用が及ぶように(to be acted upon)分子または細胞などの組織が実質的に均一にゲルに埋め込まれる場合に、ゲルが含まれる。 ポリアクリルアミド、アガロース、ゼラチンなどの様々なゲル化剤が用いられる。 次に化合物は、化合物同士を十分に離して個々に検出できるようにゲル全体に分散される。 望みの化合物に加水分解活性のあることが予定されている場合、蛍光生成物を提供するゲルの中に基板が含まれて、ゲルの蛍光スクリーニングと、蛍光シグナルに結合した(associated)化合物の機械的な選択を可能にする。

    細胞はゲルに埋め込まれて、事実上セルローン(cellular lawn)を作る。 化合物は上記のように分散される。 1つの化合物の領域または化合物のない領域を規定するゲル全体にグリッド(a grid over a gel defining areas of one or no compound)を設置する技術が当技術分野で知られている。 細胞毒性は、ライブラリの化合物を放出し、十分な時間培養し、それから生体染色剤をゲル全体に分散することによって検出される。 その後、色素を吸収した細胞または色素を吸収しなかった細胞が区別できる。

    当技術分野で知られているように、いつシグナルが変換されたかを示すために、細胞の遺伝子を組み換えることができる。 その発現が活性化されることが知られている遺伝子の多くの受容体がある。 遺伝子がそのような受容体に敏感なプロモータの転写制御下にあるサイトに外来遺伝子を挿入することによって、蛍光シグナルなどの検出可能なシグナルを生じさせる酵素を生成することができる。 そして、蛍光細胞に結合したライブラリ化合物が、その反応過程を得るために分析される。

    本発明の方法には、1以上の化合物、例えば成功したスクリーニングで5から100の化合物を選択し、本発明のライブラリから選択した化合物の中から放射性同位元素でラベルしたサンプルを準備し、その後の研究で放射性検出、例えば代謝、薬物動態などの研究でAMS検出を推進することが含まれる。

    AMSマイクロドージングは、ある量の候補化合物のみ、またはある量の候補化合物と被験者若しくは被験動物に対する適当なキャリアを投与することにより行う。 投与は、通常、経口、皮膚、口腔、膣、肛門、皮下若しくは鼻腔の経路により、または吸入により行う。 マイクロドーズは、放射性レベルがナノキュリーのオーダー(order)、例えばナノグラムまたはミリグラムのオーダーの低ドーズ量を加えるのに十分な化合物から構成されるのが適当である。 望ましくはマイクロドーズは1〜5ナノキュリーを含み、より望ましくは1マイクロシーベルトより低く、その結果、規制機関の承認が免除される。 従って、マイクロドーズは、本発明のライブラリの中の放射性同位元素でラベルした化合物を1マイクログラムから1ミリグラム含み、望ましくは1マイクログラムから500マイクログラム含む。

    数日、数週間または数ヶ月後に、組織または細胞、血液サンプル、尿または便からサンプルを採取する。 化合物の代謝率を検出し、急速にそして緩やかに代謝された化合物を示すために、間隔を置いてサンプルを採取するのが適当である。 当該方法は、WO01/59476に開示されていて、その内容を参照することにより本明細書に援用する。

    AMS結果の分析により、 14 Cなどの同位元素のカウント数、現代の(即ち天然の)同位体比および現代の同位体濃度が、現代の同位体のカウント数と割合の組み合わせとして示される。 pMC(現代炭素濃度)は、放射能に関するAMS用語であり、サンプルの炭素含有量の単位となる。 pMC=年代現代(times modern)×100。1年代現代(one times modern)=1952年の大気中の14 C/ 12 Cの比。 12 C/ 13 Cの比は比較的一定である。

    本発明の方法では、AMS分析のためにマイクログラムまたはそれより小さい組織または細胞から、数マイクロリットルの血または尿までのサンプルが作製される。 サンプルには、当技術分野で知られているように、植物組織、土壌、虫などの土壌生物も含まれる。

    前記サンプルは、当技術分野で知られているように、イオン源装置の内部に負イオンを発することが可能な形態で作製される。 サンプルの作製は、熱と電気によって伝導性固体を作製し、分画化せず、効率良く、そして実験装置内または実験装置上の同重核(isobars)による汚染または希同位体(rare isotope)の予想外の濃縮から保護される伝統的な方法により行われる。 サンプルと標準物との間の均質性および適合性は、全サンプルを最終のターゲット材料が作製される均質状態に戻すこと(reducing)によって確認(are ensured)される。 そして、元に戻された(Reduced)されたサンプルは、AMSで元素同位体比の分析を行う前に円筒アルミニウム陰極でタブレット型に圧縮される。

    例えば、同位体炭素でラベルしたライブラリ化合物を極微量投与することにより得られたサンプルはグラファイトに変換され、同位体ハロゲン化物でラベルしたライブラリ化合物を極微量投与することにより得られたサンプルは銀ハロゲン化物塩に変換され、同位体アルミニウムでラベルしたライブラリ化合物を極微量投与することにより得られたサンプルは酸化アルミニウムに変換され、同位体カルシウムでラベルしたライブラリ化合物を極微量投与することにより得られたサンプルはカルシウム二ハロゲン化物(calcium dihalide)またはカルシウム二無水物(calcium dianhydride)に変換される。 変換は、例えば炭素サンプル( 14 C含有)の場合、グラファイトに還元する前に二酸化炭素に酸化することにより、一般的には鉄またはコバルトの触媒またはバインダー上の水素または亜鉛で二酸化炭素を還元することにより行われる(Vogel J S(1992)生物医学的AMSのための汚れのないグラファイトの迅速生産、放射性炭素(Rapid production of graphite without contamination for biomedical AMS, Radiocarbon)、 34 ,344−350)。 酸化は、約8時間酸化銅などの酸化剤を用いて最大900度の火炉内で加熱したシールド管内で行われる。 冷却しながら約18時間の亜鉛および水素化チタンおよびコバルトなどの還元剤を触媒として用いて低温移動(cryogenic transfer)した後、その結果得られる二酸化炭素を第2のステップでグラファイトに還元する。 そして、コバルト/グラファイトは、AMSで元素同位体比の分析前に円筒アルミニウム陰極でタブレット型に圧縮される。

    あるいは、サンプルは、例えば内容が参照することにより本明細書に援用されるWO01/59476を改良した技術によって作製されても良い。 WO01/59476の方法によれば、サンプルは望ましくは導伝性のバイダーと均質混合され、そして、サンプルとバインダーの混合物をタブレット型に圧縮できる物質であるのが望ましい。 前記バインダーは、例えば検出すべき同位元素が14 Cである場合はグラファイト、コバルトまたはアルミニウムの粉末のいずれか一つまたはいずれかの混合物、または、例えば検出すべき同位元素がプルトニウムである場合は酸化アルミニウムと鉄または酸化鉄のいずれか一つまたはいずれかの混合物であるのがより望ましい。

    望ましくは、本発明の方法は、更なる段階で、AMS検出結果を分析して、望みの対象物の望ましい代謝プロフィールによって特徴付けられた1以上の候補化合物を同定し、医学的妥当性または有効性に関する更なる研究のために該同定された候補化合物を提供すること(forwarding)を含む。

    本発明の更なる態様では、先に定義したライブラリから同定した1以上の候補化合物を投与した1以上の被験者、被験動物または被験植物から採取した流体のサンプルに存在する1以上の放射性同位元素でラベルした化合物から得られた同位体をAMS検出する方法が提供される。

    本発明の更なる態様では、AMS検出により更に研究するための(生物)医学、農芸化学、環境などのスクリーニングでの先に定義したライブラリ、放射性同位元素でラベルした化合物を備える固体支持体、または方法の使用が提供される。

    望ましくは、(生物)医学的スクリーニングでは、化合物の活性、結合などの反応性、抑制作用またはその他の機能性(functionality)について行い、代謝特性を評価する;農芸化学的スクリーニングでは、化合物の活性、結合などの反応性、抑制作用またはその他の機能性について行い、植物、昆虫などの代謝を評価する;環境的スクリーニングでは、化合物の活性、結合などの反応性、抑制作用またはその他の機能性について行い、土壌、水または堆積物の吸収、吸着、拡散、侵出、代謝、分解、散逸または光分解の調査を評価する。

    本発明のライブラリは、化合物ライブラリが現在利用されているどんな用途にも役立ち、放射性同位元素の分析が、AMS放射性同位元素を検出する技術を用いて、サンプルの化合物の存在、例えばサンプルの起源に基づく(by origin of sample)化合物の位置、または、いずれの位置若しくはサンプルの化合物の量の検出を容易にする。 これは、化合物ライブラリの初期のスクリーニングの間、例えば所望の基板との結合が成功したことを示すのに役立つ。 あるいは、またはさらに、本発明の化合物ライブラリは、例えば望みの結合特性を持つなど、必要な活性を持つ化合物のスクリーニングおよび選択の後に、代謝サンプル(metabolic sample)の放射性検出など放射性同位元素の存在が必要な更なる研究を直接行うために、活性化合物であることがライブラリの初期スクリーニングで示され、選択されたライブラリ化合物の中から放射性同位元素でラベルしたサンプルを提供するのに役立つ。

    望ましくは、本発明のライブラリは、既知の方法で、細胞の受容体への結合があることを決定するため(for determining binding to receptors in cells)、動物実験のため、代謝物質の作用のメカニズムを調査するため、また代謝研究などのために、候補化合物を選択し、これらの化合物の中から放射性同位元素でラベルしたサンプルを提供するためのスクリーニング方法に用いる。 例えば、受容体結合は多くの放射性同位元素の代謝物質に関してスクリーニングされ、形成された受容体−リガンド複合体が採取され、問題のライブラリ代謝物質により結合する受容体を示す放射性同位元素が存在しているかどうかを決定するためにAMSの対象にする;または、スクリーニングは、医療用の候補化合物を選択し、被験者または被験動物に候補化合物を投与、望ましくは極微量投与し、その後代謝特性を測定するために被験対象から採取した流体サンプルをAMS検出することにより行われる。 従って、本発明のライブラリは、候補の中間体の検出とその合成、および放射性同位元素でラベルしたアナログの合成を必要とせずに、モジュール的接近法で候補化合物の代謝特性に関する生体内の代謝データを提供するのに役立つ。

    本発明について、以下の実施例および図面を参照しながら非限定的な方法で説明する。

    図1〜12は、ライブラリ化合物の反応スキームと構造を示す。

    実施例1 14 Cで環をラベルした安息香酸のトレースレベルを取り入れた液相/固相ライブラリの合成 化学ライブラリの作製に関する古典的な実施例を、Ugi反応で説明する(Cao,X.,Moran,E.J.,Siev,D.,Lio,A.,Ohashi,C.and Mjalli,A M M(1995)。Bioorg and Med Chem Lett 2953−2958、及び、Nakamura,M.,Inoue,J.and Yamada,T.(2000)Bioorg and Med Chem Lett 10 2807−2810)。 液体または固定化した樹脂で行われる反応は、4つの反応物質、このケースではカルボン酸、アミン、アルデヒド、およびイソシアン化物の縮合から成る。 最終生成物(即ちライブラリ化合物)は、異なる反応物質を選択することによって変わる。

    いくつかの予備実験に続いて、表1のような反応物質の混合物が用いられた。 反応X1からX19は溶液中で行った。 反応X21からX29は、TentaGel S−RAM樹脂を用いて行った。 この固体支持体はアミン基を前記反応に提供する。

    *-コード番号は必ずしも番号順というわけではない。 示した最終生成物は予備的な試行実験後に選択され、全ての反応混合物が望ましい生成物を形成するとは限らない。 これはUgi反応には珍しいことではない。

    反応と最終生成物を図1〜12に示す。

    1A−放射ラベルした前駆体の生成 全反応に一定のカルボン酸を14 Cでラベルした。 放射ラベルされない安息香酸(約1.5g)を約4200dpmの14 Cで環をラベルした安息香酸(シグマ)とともに温水に溶解し、その後冷却して再結晶させた(約97%僅かにラベルした14 Cで環をラベルした安息香酸が得られる)。

    1B−液相合成の基本手順 無水メタノール(0.5ml)にアミン(0.4mmol)とアルデヒド(0.4mmol)を加えた。 得られた溶液を28℃で10分間攪拌した。 この溶液に無水エタノール(1ml)中の14 Cで僅かに環をラベルした安息香酸(1Aから)(0.4mmol)を加え、続いてイソシアン化物(0.4mmol)を加えた。 反応物を28度で60時間攪拌した。 X4以外の全反応のために、混合物を真空で蒸発させ、残留物を酢酸エチル(10ml)と飽和塩化ナトリウム(10ml)に再溶解して、硫化マグネシウムで乾かし、濾過した。 粗製の(crude)縮合生成物を得るため、有機層を真空で蒸発させた。

    前記反応の完了後、生成物の特性を質量分析(結果を図1〜12に示す)により明らかにして、2つの化合物(X4およびX22、N−ベンジル−N−(シクロヘキシルシクロヘキシルカルバモイルメチル)ベンズアミドおよびN−(1−シクロヘキシルカルバモイルペンチル)ベンズアミドの特性は核磁気共鳴分光法(NMR)により明らかにした。

    実施例1B X4−X4の合成 上記1Bの基本手順を用いて、無水メタノール(0.5ml)にベンジルアミン(44マイクロリットル、0.4mmol)とシクロヘキサンカルボキシアルデヒド(48マイクロリットル、0.4mmol)を加えた。 得られた溶液を28℃で10分間攪拌した。 この溶液に無水エタノール(1ml)の14 Cで僅かに環をラベルした安息香酸(1Aから)(48mg、0.4mmol)を加え、続いてシクロヘキシルイソシアン化物(0.4mmol)を加えた。 反応物を28度で60時間攪拌して、得られた粗製の沈殿物を濾過し、氷のように冷たいメタノールで洗い、真空下で乾かして、粗製のN−ベンジル−N−(シクロヘキシルシクロヘキシルカルバモイルメチル)ベンズアミド(122mg、71%)を得た。

    1 H NMRδ (400MHz、CDCl 3 )7,55〜6.85(m、10H)、4.67(d、J16.2Hz、1H)、4.45(d、J16.2Hz、1H)、4.17(d、J9.5Hz、1H)、3.66(m、1H)、2.41(m、1H)、1.95〜1.45(m、10H)、1.40〜0.85(m、10H)。
    13 C NMRδ c (400MHz、CDCl 3 )24.6、25.5、25.7、25.7、26.3、29.7、30.2、32.6、32.9、36.1、47.7、52.9、66.7、126.6、127.2、127.4、128.2、128.4、129.6、136.7、137.0、169.2、174.0。
    質量/電荷数(Cl)433(M+H );(433.2853を検出、C 283722はM+H が必要、433.2855)

    1C−固相合成の基本手順 リンク樹脂(Rink resin)(1.1mmol 0.055g)のプロテクトをジクロロメタン(DCM)(3×1ml)の20%ピペリジンで外した。 樹脂は30分間50%DCM:メタノール(1ml)で膨張した。 アルデヒド(10等量、初期の樹脂荷重に基づく)を膨張前の樹脂に加えて、反応混合物を28℃で10分間攪拌した。 14 Cで僅かに環をラベルした安息香酸(1Aから、10等量)とイソシアン化物(10等量)を加え、樹脂を28℃で36時間攪拌した。 樹脂をDCM(10×5ml)で洗い、真空下で乾かした。 樹脂を3時間30%TFA:DCMM(1ml)で切断した。 樹脂を濾過して取り除き、濾過液を減圧下で濃縮して粗製の縮合生成物を得た。

    実施例1C X22−X22の合成 上記1Cの基本手順を用いて、リンク樹脂(Rink resin)(1.1mmol 0.055g)のプロテクトをジクロロメタン(DCM)(3×1ml)の20%ピペリジンで外した。 樹脂は30分間50%DCM:メタノール(1ml)で膨張した。 バレルアルデヒド(64マイクロリットル、10等量、初期の樹脂荷重に基づく)を膨張前の樹脂に加えて、反応混合物を28℃で10分間攪拌した。 14 Cで僅かに環をラベルした安息香酸(1Aから)(73ミリグラム、10等量)とシクロヘキシルイソシアン化物(76マイクロリットル、10等量)を加え、樹脂を28℃で36時間攪拌した。 樹脂をDCM(10×5ml)で洗い、真空下で乾かした。 樹脂を3時間30%TFA:DCM(1ml)で切断した。 樹脂を濾過して取り除き、濾過液を減圧下で濃縮して粗製のN−(1−シクロヘキシルカルバモイルペンチル)ベンズアミド(17.9mg、94%)を得た。

    1 H NMRδ (400MHz、CDCl 3 )7.82(d、J7Hz 2H)、7.54−7.42(m、3H)、6.61(d、J8Hz、1H)、4.63(ddd、J7、7、8Hz)、3.77(m、1H)、2.0−1.5(m、6H)、1.4−1.1(m、9H)、0.92−0.89(m、3H)。
    13 C NMRδ c (400MHz、CDCl 3 )13.9、22.4、24.7、25.4、27.7、32.3、32.6、32.8、48.8、53.9、127.2、128.6、132.0、133.4、167.6、171.3。
    質量/電荷数(Cl)317(M+H );(317.2227、C 192922にはM+H が必要、317.2229)

    実施例2−ライブラリサンプルのAMS分析 実施例1で使用した14 Cの安息香酸の前駆体のサンプルと、実施例1で得られたX4、X12、X19、X22のサンプルをヴォーゲルの方法(Vogel JS(1992)放射性炭素34 、344−350)を用いて黒鉛化し、NEC15SDH−2ペレトロンAMSシステムを用いて分析した。 端子電圧は、約22.5MeVの粒子エネルギーを持つ4.5MVであった。 中央の端末では電子が炭素原子から奪われ、正電荷を持つ炭素イオン( 121314+1から+6 )が生じた。 C +4イオンのエネルギーが最も大きいので、C +4イオンが測定のために選ばれた。

    安息香酸の出発原料の比放射能は1.56dpm/mgであった。 分析されたライブラリ化合物の比放射能は表2の通りであった。

    したがって、すべてのライブラリ化合物がすべて14 Cで僅かにラベルされた。 AMSの出力単位は「現代炭素濃度」(pMC)である。 平均バックグラウンド値は2.37pMCであった。 X4からX22の化合物は、それぞれ、約2500、3200、2200、800のpMC値を出した。 したがって、表2に示される比放射能は低いが、それらは十分にAMSの測定範囲内にある。

    これにより、ライブラリ化合物が、各化合物のADMEとPKを測定するために既知の方法で被験体に極微量投与するのに適当であることが示される。

    実施例2
    抗菌剤またはバクテリオファージのような潜在的に放射能(activity)を持つライブラリの化合物が市販されている。 各化合物のうち10mgが14 Cに代えて僅かに放射標識され、本発明による放射性同位元素でラベルしたライブラリが提供される。 この場合ライブラリは小さく、いずれの場合にも化合物はライブラリのシリアル番号とリファレンスでラベルした独立の瓶(vial)の中に存在し、いずれの場合にもライブラリ目録を用いてライブラリのシリアル番号とリファレンスを横断することにより(crossing)、その同一性(identity)が分かる。

    サルモネラ菌ミクロソームアッセイ(エームステスト(変異原性試験))を用いて、サルモネラ菌ミクロソームと結び付く受容体分子との結合性を検出するために、化合物をスクリーニングする。 その結果から、陽性の候補化合物が選択される。

    候補のライブラリ化合物は、既に放射性同位元素でラベルされているので、直接マイクロドージング(極微量投与)とAMSに付してもよい。 候補化合物は1被験者当り5μgの量で、異なる被験者にそれぞれ極微量投与できるように初めから作られる。 数ヶ月後に血液と尿のサンプルが各被験体から採取され、候補のライブラリ化合物のシリアル番号が付けられる。 当技術分野で知られているAMS用のサンプルが作られる。 AMSが行われ、それぞれの候補ライブラリ化合物の代謝特性を示すため結果が分析される。 これらから、許容可能なPK特性に基づくステージI臨床試験に進む候補化合物が選択される。

    実施例2
    この場合では、組換えヒト抗体のライブラリは、プールした必須の14 C−アミノ酸を用いて生合成的に14 Cでラベルされる。 AMSを用いて高い検出限界を可能にするため(エライザ法(酵素結合免疫吸着検定法)の検出限界より数千倍高い)、十分な放射能が取り込まれる。 ライブラリは、適当な受容体結合アッセイで受容体の結合性をテストすることにより、個々の放射性同位元素でラベルした抗体の活性についてスクリーニングされ、PK分析のための選択がなされる。 マイクロドージングは、実施例1の方法を使用して選択された候補のライブラリ抗体から作製したAMS用サンプルを用いて行われ、抗体を入れた(spiked with)ヒト血清と抗体を投与したネズミについて研究を行う。 本発明の方法は、放射性同位元素でラベルしたライブラリを作製し(この場合、化合物は前述の生合成法によって同時に放射性同位元素でラベルされるので、ライブラリのサイズとほとんど関係がない)、スクリーニングし、候補化合物を同定し、AMSを行うのに最低6週間かかる。

    特定の利点では、臨床前の毒物検査と臨床相試験が、本発明の方法により同定される、本発明の候補の放射性同位元素でラベルしたライブラリ化合物について行われる。 臨床相試験が完了するまでの全プロセスは12〜16週間かけて実行される。

    本発明の放射ラベルしたライブラリと、本発明の修正したスクリーニング方法で該ライブラリを使用することの利点は、候補化合物がマイクロスケールの量で一度だけで合成され、スクリーニングとマイクロドージング間に遅れがなく、最適なPK特性などを提供する活性の候補薬剤を同定するためのタイムスケールを縮小することであり、そのため、将来の調合薬たる候補化合物を取り巻くビジネスプランを基礎付ける中で始動への確実性がより大きくなり、多国籍の創薬グループや投資会社もより多くなる。

    ライブラリ化合物の反応スキームと構造を示す。

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