How to prepare a sample to use for the biological reaction chip, to store

申请号 JP2003521327 申请日 2002-08-16 公开(公告)号 JP2005500530A 公开(公告)日 2005-01-06
申请人 ユニバーシティ オブ ペンシルベニア−センター フォー テクノロジー トランスファー; 发明人 スコット エル. ダイアモンド;
摘要 個々の化合物、化合物の混合物、または溶媒中の反応前混合物であるマスターライブラリーを貯蔵のために、さらにマスター蓄積成分を分配形成液(DFL)中へ送達することによる分配準備ライブラリーにおける利用のために調製する方法を規定する。 マスターライブラリー内の化合物として、ペプチド、タンパク質、有機化合物、医薬品化合物、RNA、DNAまたは細胞分画が挙げられる。 半永久的に貯蔵状態で保持できる分配準備ライブラリーは、製造または必要時に、高 密度 で基体上にマイクロアレイ化される。 これにより基体上の固定した既知 位置 に、DFL内のマスターライブラリー化合物と同一複製物である多数のライブラリーマイクロアレイが作られる。 DFLは所定の表面張 力 を有し、基体上の固 定位 置で拡散せず玉にもならない付着性のマイクロドットまたはスポット中に長期間、安定な様式でマスターライブラリー化合物を保持する。
权利要求
  • 貯蔵可能な分配準備ライブラリーを作製する方法が、分配形成液を調製することと、少なくとも1つの化学物質を含んでいるマスターライブラリーからの物質サンプルを該分配形成液に混合することとを含んでおり、
    このようにして形成される貯蔵可能な分配準備ライブラリーは、形成されるスポットが拡散せず、玉にもならず、長期間にわたり安定であるようなマイクロアレイを形成できることを特徴とする、
    貯蔵可能な分配準備ライブラリーを作製する方法。
  • 分配形成液を調製することと、
    少なくとも1つの化学物質を含み、分配準備ライブラリーを形成するためのマスターライブラリーからの物質サンプルを該分配形成液に混合することと、
    該分配準備ライブラリーを使って固体基体上に該分配準備ライブラリーの各スポットのマイクロアレイを形成することとを含む、
    貯蔵可能な分配準備ライブラリーを作製し利用する方法。
  • 前記マスターライブラリーがペプチド、タンパク質、有機化合物、医薬品化合物、RNA、DNA、および細胞分画からなる群より選ばれる化合物を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  • 前記分配形成液が決められた表面張力を有し、マスターライブラリー化合物を、拡散せず玉にもならない付着性スポット内で、前記マイクロアレイ上の固定位置において、長期間にわたり安定な様式で保持することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  • 前記分配形成液が、グリセロール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシドおよび水からなる群より選ばれる成分を少なくとも1つ含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  • 前記分配形成液が少なくとも1つの揮発性成分を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  • 前記分配形成液が水と混和し、かつ1〜10,000センチポアズの粘度を有することを特徴とする請求項6に記載の方法。
  • 前記分配形成液が、ポリアルコール、増粘剤、糖類、およびポリアルキレングリコールポリマーからなる群より選ばれる化合物を少なくとも1つ、さらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  • 固体基体と、
    マスターライブラリーおよび分配形成液の混合物を含有する該基体上の複数のスポットとを含むマイクロアレイであり、
    該分配形成液は、拡散せず、玉にもならない配置でスポットを保持するために充分な表面張力を有しており、さらに、
    該マスターライブラリーの化学成分は、分配形成液によって創出された付着による場合を除いて、該基体に対し、共有結合したり、他の方法で化学的に結合したりしないことを特徴とするマイクロアレイ。
  • 前記分配形成液がグリセロール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、および水からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含み、
    前記マイクロアレイは、1つ以上の試薬が該マイクロアレイ上に接触しており、発見または測定プロセスおよびそれに続く反応に適していることを特徴とする請求項9に記載のマイクロアレイ。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    本発明は、特別な生物反応チップ(マイクロアレイmicroarrays)と結びついて実施されるコンビナトリアルケミストリー法における改良に関する。
    【背景技術】
    【0002】
    化学物質のライブラリーは、コンビナトリアルケミストリー(combinatorial chemistry)の固相合成または液相合成の技術によって作製することができる。 ドイツ国立バイオテクノロジー研究センター(Braunschweig)のロナルド・フランクは、異なる固体支持体に結合されたいくつかの反応用基質と、単一の試薬とを組み合わせることの可能性を認識した最初の科学者であった(Frank, R.ら, Nucleic Acids Res. Vol. 11, pp. 4365-4377 (1983))。 固体支持体に結合された1個またはそれ以上の基質は、個々の基質がそれぞれの担体と共有結合して物理的に分離している状態で、任意の反応容器内に一緒にすることができる。 フランクの研究では、オリゴヌクレオチド合成のための固体支持体として紙ディスク(paper disks)が使われた。 各ディスクは、オリゴヌクレオチド重合に使用される1個だけのヌクレオチド基質を含んでいた。
    【0003】
    その後、カリフォルニア州La Jollaにあるスクリップス研究所のリチャード・ホウクテン(Richard Houghten)は、異なる支持体に結合された基質を組み合わせる方法を、樹脂ビーズ上における固相ペプチド合成に適用した。 1つ1つのビーズは約100μmの大きさであり、それだけでは小さすぎるために所望する物質のマイクロモル量を生成することができなかった。 そこで、Houghtenは、典型的には多数のビーズをティーバッグ類似の小さいポリプロピレン網袋に入れた。 各ティーバッグがそれぞれ反応容器から反応容器へと次々に移される際に、伸長するポリマー鎖への各アミノ酸の連続的付加が起こった。 このアプローチでは多数の反応容器が必要であり、またこのようにして伸長したペプチドを個々のビーズ支持体から最終的に回収することが必要であった。 しかしこのアプローチは、反応容器の数を上回る膨大な化合物合成の可能性を提供した。 異なる合成反応を受ける各ティーバッグ(すなわち、別種の反応容器にさらすという異なるプロトコル)は、英数字の記号などによってコード化された。 「ライブラリー」内にある化合物、すなわち、各種の反応容器内の出発物質に関して、作業者は、対象となる化合物を含めるか除外するかを完全に制御できる状態にあった。
    【0004】
    コンビナトリアルケミストリーのプロトコルを単純化する概念は、上記のようなものであり、必要とされる反応容器の数を減らすべく、分割・プール(split-and-pool)法を順序よく、部分的に用いることで、該概念はさらに進歩した。 ランダム分割・プール法は、固体支持体のサンプルを一定数のフラクションに分割する操作と、それぞれの副画分の組(subset)を、反応を行うために各々の反応容器に充填する操作と、該固体支持体を収集し互いに完全に再混合する操作とを、連続する分割、反応および再混合を伴って含む。 管理的な分割・プール法は、ビーズの識別とそれらの化学的履歴を規定する。 任意の既定固体支持体に結合している合成化合物の化学構造を決定するために、コード化する「主役」が取り入れられた。 なぜなら生成量が極めて少ないために、古典的手法ではその化学構造を決定することができないからである。 ある化合物およびコード解読ができる核酸の同時合成が、同じ反応混合物から同じ固体支持上で行われたケースがある。 その核酸は第二の合成化合物を生成する逐次的反応物質を識別するコード解読用タグを提供したのであった。 核酸タグは、有機反応系にも、それ以外の反応系にもほとんど対応しておらず、このため他のコード化技術が開発途上にある。 しかしながら分割・プール法または他のコンビナトリアルケミストリー手法が単純であろうと管理的なものであろうと、この技術の主要な推進は、科学界の関心の発展であり続けた。 初期の研究活動は、個々の医薬の化学者または他の化学者の実験施設において膨大で巨視的な操作で当初は始められた。
    【0005】
    対象となる化合物のライブラリーがすでに創出されてしまっている場合であっても、それらのライブラリーの取り扱いと評価が単純であることは、依然として現在の目標到達点である。 コンビナトリアルケミストリーの技術を介して作製された化学物質のライブラリーは、100個から1,000,000個またはそれ以上の個々の構成成分を、個別の試験管(または、マルチウェルプレートのウェル)内の個々の化合物として、あるいは個別の試験管(または、マルチウェルプレートのウェル)内に存在するサブ−ライブラリー混合物として含むことができ、多くの場合は実際に含んでいる。 マルチウェルプレートが使用される場合、通常、化合物は、96個、384個または1536個のウェルを有するプレートに入れられ、それぞれのウェルは、適切な溶媒内もしくは担体内に対象化合物を含有している。 化合物のうち非生物ライブラリーはしばしば、DMSO、エタノールまたはメタノールのような有機溶媒、10〜250マイクロリットル量を含むウェル内に存在する。 そのようなコンビナトリアルライブラリーの標準的な利用法においては、該ライブラリーの各ウェルから反応ウェルへの一定容量(0.1〜250マイクロリットル)のロボット移送(robotic transfer)が含まれる。 反応ウェルでは、ライブラリーからの化学物質の存在下で、ハイスループットスクリーニングと呼ばれるプロセスによってアッセイが行われる。 現在のところ、スクリーニング反応においてライブラリーの構成成分が消費される前に、少数の検査のみが実施可能である。 それゆえ、マスターライブラリーの各構成員について、何百、何千、または何万もののアッセイ試験を行うことを可能とするような技術を有することは、コンビナトリアルケミストリーおよびハイスループットスクリーニングの技術において、極めて有用なことである。
    【発明の開示】
    【課題を解決するための手段】
    【0006】
    個々の化合物、化合物の混合物または溶媒中の反応前混合物のマスターライブラリーを、貯蔵するため、ならびに「マスター蓄積成分(master stock constituents)」と「分配形成液(distribution formulation liquid;DFL)」との混合による「分配準備ライブラリー(Distribution-Ready Library)」におけるその後の利用のために、調製する方法を規定する。 マスターライブラリー内の個々の化合物として、ペプチド、タンパク質、有機化合物、医薬品化合物、RNA、DNA、または細胞分画が挙げられる。 分配準備ライブラリーは、半永久的に貯蔵状態で維持できる。 製造時または必要な場合に、分配準備ライブラリーは、基体(substrate)上に高密度でマイクロアレイ化(microarrayed)される。 ここで、基体上における固定した既知の位置において、DFL内のマスターライブラリー化合物と同一複製物である多数のライブラリーマイクロアレイ(Library Microarrays)が作られる。 DFLは、所定の表面張力を有し、基体上の固定位置において拡散せず玉にもならない付着性スポット中に、長期間にわたり安定である様式でマスターライブラリー化合物を保持する。 DFLは、付着性スポットのサイズを小さくするために、マイクロアレイ化された後に蒸発する揮発性成分を含んでよい。 化合物、化合物の混合物、または反応前混合物の、スライドに対する化学的な結合は必要としない。 ライブラリーマイクロアレイは、化学反応および生化学反応を行ったり、電磁放射線に曝露したり、あるいは生体細胞や細胞分画へ晒したりするのに適している。
    【発明を実施するための最良の形態】
    【0007】
    上記のように個々の化合物、化合物の混合物または溶媒中の反応前混合物のマスターライブラリーが、貯蔵のため、さらに「マスター蓄積成分」を「分配形成液(DFL)」へ移すことにより「分配準備ライブラリー」におけるその後の利用のために調製される。 マスターライブラリー内の個々の化合物として、ペプチド、タンパク質、有機化合物、医薬品化合物、RNA、DNAまたは細胞分画が挙げられる。 分配準備ライブラリーは、DFLの特性により半永久的に貯蔵状態で維持することができる。 製造時または必要な場合に、分配準備ライブラリーは基体(substrate)上に高密度でマイクロアレイされる。 これによって基体上における固定した既知の位置において、DFL内のマスターライブラリー化合物(群)と同一複製物である多数のライブラリーマイクロアレイが作られる。 DFLは所定の表面張力を有しており、基体上の固定位置において長期間にわたり安定な様式で、拡散せず玉にならない付着性スポット中にマスターライブラリー化合物を保持する。 DFLは、付着性スポットのサイズを小さくするために、マイクロアレイされた後に蒸発する揮発性成分を含んでよい。 化合物、化合物の混合物、または反応前混合物の、スライドに対する化学的結合は必要としない。 ライブラリーマイクロアレイは、化学反応および生化学反応を行ったり、電磁放射線を照射したり、あるいは生体細胞や細胞分画に曝露したりするのに適している。
    【0008】
    さらに詳しくは、本発明は、個々のマスター化合物、または溶媒中における化合物の個々のマスター混合物を利用もしくは貯蔵のために作製される方法に関する。 マスターライブラリー内の個々の化合物として、とりわけペプチド、タンパク質、有機化合物、医薬品化合物、RNA、DNAまたは細胞分画が挙げられる。 マスターライブラリーは、小型の有機分子ライブラリー(分子量<5,000)、二本鎖または一本鎖のDNAライブラリー、RNAライブラリー、タンパク質ライブラリー、タンパク質サブドメインライブラリー、蛍光発生基質ライブラリー、細胞溶解物、細胞分画、全細胞のライブラリー、または組織ライブラリー、あるいはサブライブラリー構成員の所定混合物または組合わせ混合物の集合体として定義できる。
    【0009】
    マスター混合物(図1に示す)のサンプル組成物として、限定されることはなく各種の例が挙げられる:ジメチルスルホキシド(DMSO)中の蛍光発生性ペプチド基質;DMSO中に酵素阻害剤と一緒の蛍光発生性ペプチド基質;DMSO中の酵素阻害剤;DMSO、メタノール、グリセロールまたはといった溶媒中で維持される、蛍光発生性ペプチド基質、酵素阻害剤、イオン性塩、緩衝剤、抗酸化剤、抗体、付着した化学構成成分を有する微小担体ビーズ;DMSO中に溶解した医薬品化合物;DMSO、メタノール、グリセロールまたは水といった溶媒中で維持される、クエンチされた蛍光発生性リン酸化ペプチド、ATP、ホスファターゼ阻害剤またはプロテアーゼ酵素;グリセロールおよび水における、RNAポリメラーゼ結合部位を含むDNA配列、GTP、ATP、UTP、CTPおよびマグネシウム;分子の特定R基において化学的不均一性を有する医薬化合物の溶解混合物;DMSO、メタノール、グリセロールまたは水といった溶媒中において維持される、医薬品化合物、ペプチド、抗体および蛍光発生性基質の溶解混合物。
    【0010】
    上記混合物は、所定の希釈状態に調製する際、構成成分の濃度が1倍〜1000倍で維持することができる。 典型的にはマスター混合物は、最終的な利用時には、1倍の濃度まで結局は薄められる。 たとえば、マスター混合物は、DMSO中において100ミリモル濃度の蛍光発生性ペプチドを含み得る。 この蛍光発生性ペプチドは、分配準備ライブラリーの形成の際に、10倍、10ミリモル濃度にまで薄められ、最終的なアッセイ反応で使用するときには、さらに10倍、1ミリモル濃度にまで薄められる。 なおその蛍光発生性ペプチドの望ましい最終濃度は、1ミリモル濃度である。
    【0011】
    本発明の重要な特徴は、DFL、すなわち分配形成液(distribution formulation liquid)である。 DFLは決まった組成を持ち、長期間の貯蔵中、安定した形態でマスターライブラリーの構成成分を維持する。 DFLは、ある表面張力を示すように所定の組成を有する。 これにより選択された特定の基体上の固定位置において、アレイ化(arraying)後に長期間にわたり安定である様式で、拡散せず玉にもならない付着性の液滴内にマスターライブラリー化合物を維持できる。 DFLは必ずというわけではないが、通常以下の性質をもつ:水と混和する;DMSO、エタノール、メタノールなどの一般的な有機溶媒と混和する;1〜10,000センチポアズの粘度を有し、適度に粘性である;核酸、ペプチド、タンパク質、糖、または20〜200ナノモルスケールのミクロ担体ビーズのような生体分子および生物試薬と相性が良い;アレイ化する(arraying)ときに使われる中空チップ、マイクロアレイピン、またはマイクロシリンジといったマイクロキャピラリー器具を出入りするのに充分な流動性がある;安定した有限のレンズを生成するように特定の接触を形成することができる。 この場合アレイ化後にスポット内の生物反応液が広がらず(接触角>0)、またそのようにして形成された安定的な付着性レンズは、該スポットが基体上で転がり得る(接触角<90)余りに低い付着性を有しない;さらにある構成成分の揮発性が充分に低く、このため反応ゾーンは完全には蒸発しない。 DFLはマイクロアレイ化または容積移送(positive displacement)によって表面に流動性混合物を小容量適用するのに好適な、ある揮発性成分(揮発性溶媒)ならびに不揮発性の構成成分(担体溶媒(carrier solvent)と呼ぶ)を含んでもよい。 その場合、揮発性溶媒を蒸発させると、担体溶媒の溶液中にあるマスター成分混合物の液体マイクロドット残渣であって、高度に局在化し長期間残留する残渣を形成する。 DFL中のそうした揮発性溶媒は、蛍光発生性もしくは色素原形成性基質の高濃度での確実な溶液を得るのに適している。 上記溶媒は、DMSO、クロロホルム、アセトン、5%酢酸、水、メタノール、エタノールまたはプロパノールのようなアルコール、エチルエーテル、またはアルカンであってもよい。
    【0012】
    上記のDFLを使って、分配準備ライブラリーを構築するのに必要な条件は、ライブラリーを貯蔵状態で無期限に維持することと、次に続くマイクロアレイ化操作のために適した環境を維持することである。 マスターライブラリーの個々の構成員は、DFLで先行充填されたウェルに添加される。 たとえば、一定容量の液体(1〜50マイクロリットル)がマスターライブラリーウェルから取り出され、DFLを10〜200マイクロリットル含むマルチウェルプレートのウェルに注入されて分配準備ライブラリーが形成される。 分配準備ライブラリーはマイクロアレイ化に使用され、室温または冷蔵温度(4℃)で保存されるか、もしくは凍結される(0℃、−20℃、または−80℃)。 分配準備ライブラリーもまた、次に限定するわけではないが96ウェル、384ウェル、1536ウェルのプレートを含む、マルチウェルプレートにて保存される。 DFLの組成によって分配準備ライブラリーは、上記環境のいずれにおいても、長期保存および安定性の面で適切なものになっている。
    【0013】
    本発明の中心となる、DFLの他の特徴は以下のとおりである。 DFLは、低揮発性で、任意の揮発性溶媒と混和するか、あるいは含水性の生体液と混和する「担体溶媒」を含んでよい。 DFLは、多くの場合、揮発性溶媒を蒸発させた後、蛍光発生性基質または色素原形成性基質を高濃度で、確実に溶液状態を維持するのに適している。 担体溶媒は、1,2−エタンジオール、2,3−ブタンジオールまたは1,2,3-プロパントリオール(グリセロール)のようなポリアルコールであってよい。 DFLの担体溶媒は、テキストラン、プルロニック・アシッド(pluronic acid)、ならびに、ペントース族、リボース族またはヘキソース族の炭水化物および関連する多糖類、またはポリエチレングリコールポリマーのような増粘剤を含んでよい。 DFLの担体溶媒は、次に示すような生体分子または生物分画物を含んでよい:ペプチド、タンパク質、酵素、抗体、膜脂質、細胞溶解物、ベシクルまたはリポソーム;あるいは微小径の固形もしくは多孔性のビーズであり、共有結合または非共有結合の手段によって、抗体、タンパク質、酵素、ペプチド、共有結合的に結合した脂質、または他の有機官能基といった任意の分子または巨大分子の実体物がその上に固定化されている。 上記の担体溶媒は、蛍光発生性基質、色素原形成性基質、酵素の補因子、阻害剤または活性化剤を含んでよい。 揮発性溶媒は、処方する粘度を低下させることで、流動物の取り扱いおよび送達を容易にする。 揮発性溶媒の蒸発は、不揮発性の反応性成分のさらなる濃縮を促進する。 不揮発性の担体溶媒およびその構成成分は、高い粘性の流動性を示し、かなりの降伏応力および表面張力を伴って、液体の動きを阻害する。 不揮発性担体溶媒およびその構成成分は、蛍光発生性基質もしくは色素原形成性基質、ならびに補因子および阻害剤もしくは活性化剤、または他の生物添加剤の保持が、結晶化または沈殿化することなく液体状態を維持することができるようにする。 DFLは緩衝剤、キレート化剤、抗酸化剤、β−メルカプトエタノールのような還元剤、または防腐剤のような抗菌剤を含んでもよい。
    【0014】
    DFLのサンプル処方を次に示す。 下記のものはいずれも、極めて典型的なDFL処方物である。 50%グリセロール、10%DMSOおよび40%水;80%グリセロール、10%DMSOおよび10%水;50%エチレングリコール、10%DMSOおよび40%水;90%グリセロールおよび10%水;90%グリセロールおよび10%DMSO。
    【0015】
    製造時または必要な場合に、分配準備ライブラリーは高密度で基体上にマイクロアレイ化される。 それによって、DFL内のマスターライブラリー化合物と同一複製物であり、基体上の固定した既知の位置においてDFL内に常在する、多数のライブラリーマイクロアレイまたは個々のマイクロアレイライブラリーセットが創製される。 DFLの揮発性成分は、マイクロアレイ上の各スポットは体積に対する表面積の比が高いがために、急速に蒸発することができる。
    【0016】
    マイクロアレイの基部を形成する固体基体への、化合物、化合物の混合物、または反応前混合物の化学的な結合は必要でない。 ライブラリーマイクロアレイは、化学反応および生化学反応の実施、電磁放射線の照射、生体細胞または細胞分画への曝露に適している。
    【0017】
    前記化合物、すなわち「分配準備ライブラリー」ウェルにもともと存在していた化合物の混合物のうちで、化合物群の一部またはすべての化学的連結は、分配準備ライブラリーのアレイ化に先立ち、結合の化学的作用でもって事前活性化された基体を使用することによって達成できる。
    【0018】
    揮発性溶媒がすべて蒸発した後の、マイクロアレイ上のマイクロドットまたはスポットの最終的な容量は、およそ1〜50ナノリットルでよい。 それらのスポットは以下のような流動体取扱い方法によって適用することができる。 直接容積式ポンプ操作; コンピュータ制御されている金属またはプラスチックのチップ(ピン)が、毛細管作用によってリザーバーから流動物液滴を取り出し、次いで固体表面に接触させるマイクロアレイ化;
    あるいは、ジェットプリンティング技術。 マイクロドット端間の分離距離は、10〜1000マイクロメートルに設定される。 分配準備ライブラリーからの液体送達のための面は、シリコン、ガラス、シリカ、石英、ポリスチレン、ナイロン膜、または他の多孔性または無孔性ポリマー膜を含む。 100個の複製物の組は、分配準備ライブラリーの各々のピンサンプリングからマイクロアレイ化される。 それぞれのウェルは、マイクロアレイヤー(microarrayer)のピンによって、分配準備ライブラリーの容量、100マイクロリットルに対して少なくとも1000回サンプル採取される。 必ずしもすべての分配準備ライブラリーが、一度に使われる必要はない。 分配準備ライブラリーは、必要である指令があったときには、繰り返し短期または長期貯蔵用に戻すことができる。
    【0019】
    マイクロアレイ化されたライブラリーのセットは、薬剤スクリーニング;薬剤−薬剤相互作用試験;または生物材料、生物製剤、生物分布;あるいは生物反応の測定または発見のために使える。 よってマイクロアレイ化されたライブラリーの複合的なセットは、薬剤スクリーニング;薬物−薬物相互作用の研究;生物材料、生物製剤、生物分布;生物反応の測定または発見において、複製定量のための複製として使用される。 このことはそうした試験もしくは測定のいずれの統計的信頼性を向上させるためである。 集合体に100から100万を超えるスポットを含む、マイクロアレイ化されたライブラリーのセットの多くは、標的タンパク質、標的脂質、標的有機分子に結合する分子、あるいは生物反応や生物的プロセスを阻害する分子の薬剤発見の一例として、ハイスループットスクリーニングに使用することができる。
    【図面の簡単な説明】
    【0020】
    【図1】図1は、マスターライブラリー、分配形成液(DFL)および分配準備ライブラリー(マスターライブラリーとDFLが混合されたときに生じる)の相互関係、ならびにそれらから作られるマイクロアレイ化ライブラリーの利用を示す概念図である。

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