Multivalent macrolide antibiotic

申请号 JP2000553011 申请日 1999-06-08 公开(公告)号 JP2002517422A 公开(公告)日 2002-06-18
申请人 アドバンスド メディスン インコーポレーテッド; 发明人 ジョン エイチ. グリフィン,; ジョン エル. ペース,;
摘要 (57)【要約】 マクロライド系抗 生物 質、アミノ配糖体、リンコサミド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、および/または他の化合物を含む多結合化合物を開示する。 これらの化合物は、細菌性のリボソームRNAおよび/または1個以上のタンパク質(細菌中でのリボソームのタンパク質合成に関与する)に結合し、これらは、細菌感染を処置するのに有用である。 これらの化合物は、タンパク質の発現に有害な影響を及ぼし、そして抗菌性の効果を有する。 本発明の多結合化合物は、1個以上のリンカーに共有結合した2〜10個のリガンドを含む。 各リガンドは、マクロライド系抗生物質、アミノ配糖体、リンコサミド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、または他の化合物であり、これらの化合物は、細菌性のリボソームRNAおよび/または1個以上のタンパク質(細菌中でのリボソームのタンパク質合成に関与する)に結合する。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 以下の式(I): (L) p (X) qの多結合化合物、またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで、各Lは、
    独立して、以下からなる群から選択されるリガンドであって: 【化1】 各Xは、独立してリンカーであり;pは、2〜10の整数であり;そしてqは、
    1〜20の整数である、 多結合化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
  • 【請求項2】 qがpより小さい、請求項1に記載の多結合化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
  • 【請求項3】 各リンカーが、独立して、以下の式を有する、請求項2に記載の多結合化合物、またはその薬学的に受容可能な塩であって: −X a −Z−(Y a −Z) m −Y b −Z−X a − ここで、 mは、0〜20の整数であり; それぞれ別個に見出されるX aは、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−
    、−C(O)O−、−C(O)NR−、−C(S)、−C(S)O−、−C(S
    )NR−、または共有結合からなる群から選択され、ここでRは、以下の通りに規定される通りであって; それぞれ別個に見出されるZは、アルキレン、置換アルキレン、シクロアルキレン、置換シクロアルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アルキニレン、置換アルキニレン、シクロアルケニレン、置換シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、ヘテロシクレン、または共有結合からなる群から選択され: それぞれ別個に見出されるY aおよびY bは、−C(O)NR'−、−NR'C
    (O)−、−NR'C(O)NR'−、−C(=NR')−NR'−、−NR'
    −C(=NR')−、−NR'−C(O)−O−、−N=C(X a )−NR'−
    、−P(O)(OR')−O−、−S(O) n CR'R”−、−S(O) n −NR
    '−、−S−S−、および共有結合からなる群から選択され;ここで、nは0、
    1または2であり;そして それぞれ別個に見出されるR、R'およびR”は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロ環式からなる群から選択される、 多結合化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
  • 【請求項4】 前記化合物が、以下の式(II)を有する、請求項3に記載の多結合化合物、またはその薬学的に受容可能な塩であって: L'−X'−L' II ここで、各L'は、独立して、以下: 【化2】 からなる群から選択されるリガンドであり;そして X'は、リンカーである、 多結合化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
  • 【請求項5】 薬学的に受容可能なキャリア、および請求項1〜4のいずれか1項に記載の有効量の多結合化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を含有する、 薬学的組成物。
  • 【請求項6】 患者における細菌性の感染症を処置するための方法に使用するための組成物であって、該組成物は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を有効な抗菌量で含有する、 組成物。
  • 【請求項7】 多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するための方法であって、該方法が以下の工程: (a)リガンドまたはリガンドの混合物を同定する工程であって、ここで、各リガンドは、細菌性リボソームRNAおよび/またはリボソームタンパク質合成に関与する1つ以上のタンパク質に結合し、そして少なくとも1つの反応性官能基を含む、工程; (b)リンカーのライブラリを同定する工程であって、該ライブラリ中の各リンカーが、該リガンドの該反応性官能基の少なくとも1つに対して相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含有する、工程; (c)(a)で同定した該リガンドまたはリガンドの混合物の少なくとも2化学量論当量を、(b)で同定した該リンカーのライブラリと、該相補的な官能基が反応して該リンカーと少なくとも2つの該リガンドとの間に共有結合を形成する条件下で合わせることにより、多量体リガンド化合物ライブラリを調製する工程;および (d)上記(c)で調製した該ライブラリにおいて生成した該多量体リガンド化合物をアッセイし、多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定する工程;
    を包含する、方法。
  • 【請求項8】 多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するための方法であって、該方法が以下の工程: (a)リガンドのライブラリを同定する工程であって、ここで、各リガンドは、
    細菌性リボソームRNAおよび/またはリボソームタンパク質合成に関与する1
    つ以上のタンパク質に結合し、そして少なくとも1つの反応性官能基を含む、工程; (b)リンカーまたはリンカーの混合物を同定する工程であって、各リンカーが、該リガンドの該反応性官能基の少なくとも1つに対して相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含有する、工程; (c)(a)で同定した該リガンドのライブラリの少なくとも2化学量論当量を、(b)で同定したリンカーまたは該リンカーの混合物と、該相補的な官能基が反応して該リンカーと少なくとも2つの該リガンドとの間に共有結合を形成する条件下で合わせることにより、多量体リガンド化合物ライブラリを調製する工程;および (d)該(c)で調製した該ライブラリにおいて生成した該多量体リガンド化合物をアッセイして、多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定する工程;
    を包含する、方法。
  • 【請求項9】 多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するための反復方法であって、該方法が以下: (a)多量体化合物の第1のコレクションまたは反復を調製する工程であって、
    該多量体化合物は、レセプターを標的とする少なくとも2化学量論当量の該リガンドまたはリガンドの混合物をリンカーまたはリンカーの混合物と接触させることにより調製され、ここで該リガンドまたはリガンドの混合物は、細菌性リボソームRNAおよび/またはリボソームタンパク質合成に関与する1つ以上のタンパク質に結合し、そして、少なくとも1つの反応性官能基を含有し、そして該リンカーまたはリンカーの混合物は、該リガンドの少なくとも1つの該反応性官能基に対して相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含有し、ここで該接触させることが、該相補的な官能基が反応して該リンカーと少なくとも2つの該リガンドとの間に共有結合を形成する条件下で実施される、工程; (b)多量体化合物の該第1のコレクションまたは反復をアッセイし、該多量体化合物のうちのいずれかが多結合特性を有するならば、どの多量体化合物が有するのかを評価する工程; (c)上記の工程(a)および(b)を、多結合特性を有する少なくとも1つの多量体化合物が見出されるまで繰り返す工程; (d)上記の(a)〜(c)に記載される該第1の反復において見出された該多量体化合物に、どの分子制限が多結合特性を付与したか、または付与することと一致するかを評価する工程; (e)該第1の反復において見出される該多量体化合物に、多結合特性を付与する特定の分子制限に基づいて精緻化する多量体化合物の第2のコレクションまたは反復を作製する工程; (f)上記の(e)に記載される該第2のコレクションまたは反復において見出される該多量体化合物に、どの分子制限が増大した多結合特性を付与したか、または付与することと一致するかを評価する工程; (g)工程(e)および工程(f)を必要に応じて繰り返して、該分子制限に基づいてさらに精緻化する工程; を包含する、方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 (関連出願の相互参照) 本願は、1998年6月8日に出願された米国仮特許出願第60/088,4
    48号および1998年7月16日に出願された米国仮特許出願第60/093
    ,072号に対する利益を主張しており、その両方が、その全体において、本明細書中で参考として援用される。

    【0002】 (発明背景) (発明の分野) 本発明は、新規な多結合化合物(薬剤)およびこのような化合物を含む薬学的組成物に関し、この化合物は、マクロライド系抗生物質、アミノ配糖体、リンコサミド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、またはその他の化合物であり、これらの化合物は、細菌性のリボソームRNAまたは1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)に結合する。 これらの化合物は、種々の細菌性の感染症を処置するための抗菌剤として有用である。

    【0003】 (当該技術分野の状況) 生物は、生存するために、ポリペプチド(タンパク質)を生成する。 タンパク質を生成し得ない生物は、生存能を維持し得ない。 大部分の遺伝子はタンパク質をコードするので、「遺伝子発現」は、タンパク質合成とほとんど同義である。
    遺伝子発現は、2つの工程(転写および翻訳)を含む。 遺伝子は、開始コドン(
    翻訳を開始する)、終止コドン(翻訳を停止する)、および開始コドンと終止コドンとの間のコドン(種々のアミノ酸を選択的にコードする)のような様々なコドン(3つのヌクレオチドのユニット)を使用して、タンパク質をコードする。

    【0004】 翻訳は、ポリペプチドのRNAに指向される合成である。 このプロセスは、3
    つ全てのクラスのRNAを必要とする。 個々のアミノ酸の正確な付加のためのテンプレートはmRNAであり、なおtRNAおよびrRNAの両方がこのプロセスに関与する。

    【0005】 原核生物および真核生物は、リボソームを使用して、タンパク質を生成する。
    リボソームは、細胞質小器官であり、そして核小体において作製される、サブユニットと呼ばれる、タンパク質と3つの(原核生物)または4つの(真核生物)
    rRNA(リボソームリボ核酸)分子との大きな複合体である。 リボソームは、
    mRNA翻訳の部位として作用する。 一旦2つ(大および小)サブユニットが、
    核からのmRNAによって接続されると、リボソームは、mRNAを、アミノ酸の特定の配列またはポリペプチド鎖に翻訳する。

    【0006】 その不活性状態において、リボソームは、2つのサブユニット(大サブユニットおよび小サブユニット)として存在する。 小サブユニットがmRNAに遭遇したとき、このmRNAのタンパク質への翻訳のプロセスが始まる。 大サブユニットは、続くアミノ酸−荷電tRNAが互いに結合し、従ってペプチド結合の形成のために互いに十分近い、2つの部位が存在する。 A部位は、アミノ酸を保有する新たなtRNAを受容し、そしてP部位は、増殖中の鎖に付着されるtRNA
    を保有する。

    【0007】 tRNA(トランスファーRNA)は、mRNAとタンパク質との間のトランスレーターとして作用する特定のRNA分子である。 各tRNAは、特定のアンチコドンおよびアクセプター部位を有する。 各tRNAはまた、特定のチャージャータンパク質(charger protein)を有する;このタンパク質は、その特定のtRNAにのみ結合し得、そして正確なアミノ酸をアクセプター部位に接続させ得る。 この結合を作製するエネルギーは、ATPに由来する。 これらのチャージャータンパク質は、アミノアシル−tRNAシンセターゼと呼ばれる。 tRNAは、活性化アミノ酸をリボソームに運ぶ。 このリボソームは、活性化tRNAの正確な接近を確実にし、かつペプチド結合形成を触媒するに必要な酵素活性を含む、mRNAと会合する。

    【0008】 タンパク質合成は、そのタンパク質のN末端からC末端へと進行する。 リボソームは、5'〜3'方向でmRNAを「読む」。 活性な翻訳は、ポリリボソーム(ポリソームともまた称される)上でおこる。 このことは、1つより多いリボソームがどの時点においても所定のRNAに結合されてそれを翻訳し得ることを意味する。 鎖伸長は、リボソームに結合したポリペプチドのC末端へのアミノ酸の逐次付加によっておこる。 翻訳は、順序付けられたプロセスで進行する。 第1に、正確かつ効率的な開始がおこり、次いで鎖が伸長し、そして最後に、正確かつ効率的な終止がおこらなければならない。 3つ全てのこれらのプロセスは、特定のタンパク質を必要とし、これらのいくつかは、リボソーム会合型であり、そしてこれらのいくつかは、リボソームから分離されるが、一時的にリボソームと会合し得る。 mRNAは、この開始前複合体に結合される。

    【0009】 (翻訳の開始) 翻訳が起こる前に、リボソームは、その30Sおよび50Sサブユニットへと解離しなければならない。 開始前複合体と称される三重複合体は、イニシエーター、GTP、eIF−2および40Sサブユニットから構成されるように形成される。

    【0010】 原核生物および真核生物の両方における翻訳の開始は、特定のイニシエーターtRNA(これは、メチオニンを含む)を必要とする。 翻訳の開始は、開始(A
    UG)コドンの認識を必要とする。

    【0011】 ペプチド結合形成は、50Sサブユニット(ペプチジルトランスフェラーゼ)
    の23S rRNA成分によって触媒される。 タンパク質合成のための別の重要な部位は、30Sサブユニット(アミノアシル−tRNA部位)の16S rR
    NA成分である。 タンパク質合成が終止されるとき、放出因子タンパク質(re
    lease factor protein)が、終止コドンに結合し、GTP
    分解がおこり、そしてペプチジルトランスフェラーゼ活性が刺激されて、t
    RNAからのタンパク質の放出がおこる。

    【0012】 (新たなタンパク質の伸長) 第1の荷電tRNAがA部位において出現した後、リボソームはtRNAがP
    部位に存在するようにシフトする。 新たな荷電tRNA(mRNAのコドンに対応する)はA部位に侵入し、そしてペプチド結合が2つのアミノ酸の間に形成される。 この時点で、第1のtRNAは放出され、そしてリボソームは、2つのアミノ酸をゆするtRNAがこの時点でP部位に存在するようにシフトし、そして新たな荷電tRNAがA部位に結合する。 伸長のこのプロセスは、リボソームが終止コドンに達成するまで続く。

    【0013】 伸長は、特定の非リボソームタンパク質を必要とする。 ポリペプチドの伸長は、循環様式でおこる。 アミノ酸付加の1つの完了回の終わりに、A部位は空になり、そしてmRNAの次のコドンによって指示されるこの次のアミノアシル−t
    RNAを受容する準備が整う。 このことは、この次のアミノ酸がペプチド鎖に接続される必要があるだけでなく、リボソームが次のコドンまでmRNAを伝えていかなければならないことを意味する。 各々のこの次のアミノアシル−tRNA
    は、eEF−1a−GTP複合体によりリボソームへもたらされる。 正確なtR
    NAがA部位に堆積されたとき、GTPは加水分解され,そしてeEF−1a−
    GDP複合体は解離する。 さらなる翻訳事象が生じるために、GDPは、GTP
    と交換されなければならない。 このことは、eIF−2Bによって触媒されるe
    IF−2とともにおこるGTPの交換と同様に、eEF−1bgによって行われる。 P部位のtRNAに接続されたペプチドは、A部位のアミノアシル−tRN
    Aでアミノ基に転移される。 この反応は、ペプチド転移と称されるプロセスにおいてペプチジルトランスフェラーゼによって触媒される。 伸長されたペプチドは今や、A部位のtRNA上に存在する。 A部位は、次のアミノアシル−tRNA
    を受容するために開放されることを必要する。 A部位からP部位にペプチジル−
    tRNAを移動させるプロセスは、転位(translocation)と称される。 転位は、GTP加水分解にカップリングされたeEF−2によって触媒される。 転位において、リボソームは、mRNAに沿って移動し、その結果、mR
    NAの次のコドンは、A部位の下に存在する。 転位後、eEF−2はリボソームから放出され、そしてこの循環が再度開始し得る。

    【0014】 (タンパク質の終止) リボソームが終止コドンに達したとき、アミノアシルtRNAは、空のA部位に結合しない。 このことは、リボソームが、その大および小サブユニットへ侵入するように合図し、新たなタンパク質およびmRNAを放出させる。 次いで、タンパク質は、翻訳後修飾を受け得る。 例えば、特定の場所でタンパク質分解(タンパク質切断(protein−cutting)酵素によって切断されても、
    そのアミノ酸のいくつかが改変されていても、リン酸化もしくはグリコシル化されてもよい。

    【0015】 (タンパク質合成インヒビター) 細菌において、リボソームRNAが、例えば、リガンドのこのリボソームRN
    Aへの結合を通じて不活化される場合、タンパク質合成は悪影響を受け、そしてこの細菌は死ぬようである。 細菌感染を処置するために使用される多くの抗生物質(特に、MLS抗生物質)が、翻訳を阻害することによって機能する。 阻害は、翻訳の全ての段階(開始から伸長から終止まで)でもたらされ得る。 多くの抗生物質は、16Sおよび23SリボソームサブユニットでリボソームRNAに主に接続され、そしてタンパク質合成を阻害することによって細菌の増殖を阻害すると考えられている。

    【0016】 クロラムフェニコールは、タンパク質分解性ペプチジルトランスフェラーゼを阻害する。 ストレプトマイシンおよびネオマイシンは、原核生物のペプチド鎖開始を阻害し、またmRNAミスリーディングを誘導する。 テトラサイクリンは、
    原核生物アミノアシル−tRNAがリボソーム小サブユニットに結合することを阻害する。 エリスロマイシンは、リボソーム大サブユニットを通じて原核生物転位を阻害し、そしてフシジン酸は、エリスロマイシンと類似の様式で機能する。

    【0017】 エリスロマイシンのようなMLS抗生物質は、種々の感染(たとえば、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌および嫌気性細菌によって引き起こされる感染)を処置するために、長年にわたり使用されてきた。 多くの細菌は、薬物耐性になる。
    細菌がどのように薬物耐性になるかの1つの理論は、それらのリボソームRNA
    が変異し、その結果その抗生物質がもはやリガンドとしてそのRNAに結合しないことである。

    【0018】 多数のマクロライド系抗生物質は、経口で生物学的に利用可能であるが、胃腸管の接触して、いくらかの程度分解して、下痢のような有害な副作用を生じさせる産物を形成する。 この理由のために、天然に存在するマクロライド系抗生物質(例えば、エリスロマイシン)の多くの誘導体は、6位でエステル化されて、経口投与後の分解産物の形成を最小化する。

    【0019】 より高いバイオアベイラビリティーを有し、そして分解にあまり供されず、そしてリボソームRNAについての改善された親和性を有する、抗生物質として有用な薬剤を提供することが利点である。 本発明は、このような薬剤を提供する。

    【0020】 (発明の要旨) 本発明は、新規な多結合化合物(薬剤)に関し、この化合物は、マクロライド系抗生物質、アミノ配糖体、リンコサミド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、またはその他の化合物であり、これらの化合物は、リボソームRNAおよび/または1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)に結合する。 本発明の多結合化合物は、特に、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌、および嫌気性細菌のための抗菌剤として有用である。

    【0021】 従って、その組成物局面の1つにおいて、本発明は、1つ以上のリンカーに共有結合した2〜10個のリガンドを含む多結合化合物、およびその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここでこのリガンド各々は、マクロライド系抗生物質、アミノ配糖体、リンコサミド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、または、その他の化合物であり、これらの化合物は、リボソームRNA
    、および/または細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与し、そしてタンパク質に合成に悪影響を与える1つ以上のタンパク質に結合する。

    【0022】 別のその組成物局面において、本発明は、以下の式I: (L) p (X) q I の多結合化合物、およびその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここで、各Lは、
    独立して、マクロライド系抗生物質、アミノ配糖体、リンコサミド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、または、その他の化合物を含むリガンドであって、これらの化合物は、リボソームRNAおよび/または1以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)に結合する、リガンドであり;各Xは、独立してリンカーであり;pは、2〜10の整数であり;そしてqは、1〜20の整数である。

    【0023】 好ましくは、qは、本発明の多結合化合物において、p未満である。

    【0024】 好ましくは、式Iの多結合化合物中の各リガンドLは、独立して、以下からなる群より選択される:エリスロマイシンおよびエステルプロドラッグ/その誘導体(例えば、エリスロマイシンステアレートおよびエリスロマイシンエストレート);クラリスロマイシン(clarithromycin)、ロキシスロマイシン(roxythromycin)、アジスロマイシン(azithromy
    cin)、オーレオマイシン、オレアンドマイシン、スルフィソキサゾール、スピロマイシン、トロレアンドマイシン、ジョサマイシン(josamycin)
    、サイトバリシン(cytovaricin)、ラインゾリド(linezol
    id)、エペレゾリド(eperezolid)、クリンダマイシン(Anti
    robeR)、リンコマイシン、キヌプリスチン(quinupristin)
    、ダルホプリスチン(dalfopristin)(Synercid,Rho
    ne−Poulenc Rorer)、ストレプトマイシン、アミカシン(am
    ikacin)、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、トブラマイシン、ネチルマイシン、パロモマイシン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、デクロマイシン、メタサイクリン、
    スペクチノマイシン、およびオキシテトラサイクリン、ならびにそのアナログ(
    これらは当業者に周知である)。 適切なアナログの例としては、アルキル化アナログ、エステル化アナログ、アミド化アナログ、アルコキシル化アナログ、スルホン化アナログ、カルボキシル化アナログ、ハロゲン化アナログ、リン酸化アナログ、チオール化アナログ、およびヒドロキシル化アナログが挙げられる。

    【0025】 なお別のその組成物局面において、本発明は、以下の式II: L'−X'−L' II の多結合化合物、およびその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここで、各L'は、独立して、マクロライド系抗生物質、アミノ配糖体、リンコサミド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、または、その他の化合物を含むリガンドであり、これらの化合物は、リボソームRNAおよび/または1以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)に結合する、リガンドであり;そしてX'は、リンカーである。

    【0026】 好ましくは、式IIの多結合化合物において、各リガンドL'は、独立して、
    マクロライド系抗生物質、オキサゾリジノン、リンコサミド、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、およびアミノ配糖体からなる群より選択され、そしてX
    'は、リンカーであり;そしてその薬学的に受容可能な塩。

    【0027】 好ましくは、上記の実施態様において、各リンカー(すなわち、X、X'またはX'')、独立して、以下の式: −X a −Z−(Y a −Z) m −Y b −Z−X a − を有し、ここで、 mは、0〜20の整数であり; それぞれ別個に見出されるX aは、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−
    、−C(O)O−、−C(O)NR−、−C(S)、−C(S)O−、−C(S
    )NR−、または共有結合からなる群から選択され、ここでRは、以下の通りに規定され; それぞれ別個に見出されるZは、アルキレン、置換アルキレン、シクロアルキレン、置換シクロアルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アルキニレン、置換アルキニレン、シクロアルケニレン、置換シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、ヘテロシクレン、または共有結合からなる群から選択され: それぞれ別個に見出されるY aおよびY bは、−C(O)NR'−、−NR'C
    (O)−、−NR'C(O)NR'−、−C(=NR')−NR'−、−NR'
    −C(=NR')−、−NR'−C(O)−O−、−N=C(X a )−NR'−
    、−P(O)(OR')−O−、−S(O) n CR'R''−、−S(O) n −N
    R'−、−S−S−、および共有結合からなる群から選択され;ここで、nは0
    、1または2であり;ならびにそれぞれ別個に見出されるR、R'およびR''
    は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロ環式からなる群から選択される。

    【0028】 なお別のその組成物局面において、本発明は、薬学的組成物を提供し、この組成物は、薬学的に受容可能なキャリアならびに1つ以上のリンカーに共有結合される2〜10のリガンドを含む有効量の多結合化合物およびその薬学的に受容可能な塩を含み、ここでこのリガンドの各々は、独立して、マクロライド系抗生物質、アミノ配糖体、リンコサミド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、またはその他の化合物であり、これらの化合物は、リボソームRNAおよび/または1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)に結合する。

    【0029】 本発明はまた、薬学的に受容可能なキャリアおよび有効量の式IまたはIIの多結合化合物を含む薬学的組成物に関する。

    【0030】 本発明の多結合化合物は、効果的な抗生物質である。 従って、その方法の局面の1つにおいて、本発明は、細菌感染を処置するための方法を提供する。

    【0031】 例えば、細菌感染を処置するために使用される場合、本方法は、細菌感染を有する患者に、薬学的に受容可能な組成物を投与する工程を包含し、この組成物は、薬学的に受容可能なキャリア、ならびに治療的有効量の、1つ以上のリンカーに共有結合される2〜10のリガンドを含む有効量の多結合化合物およびその薬学的に受容可能な塩を含み、ここでこのリガンドの各々は、独立して、マクロライド系抗生物質、アミノ配糖体、リンコサミド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、またはその他の化合物を含み、これらの化合物は、リボソームRNAおよび/または1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)に結合する。

    【0032】 本発明はまた、多様な多量体化合物の大きなライブラリを生成するための一般的な合成方法に関し、この多量体化合物は、リボソームRNAおよび/または1
    つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)に関する多結合特性を保有するための候補体である。 本発明により提供された多様な多量体化合物ライブラリは、多量体化合物のライブラリを提供するためにリンカー(単数または複数)をリガンド(単数または複数)と組み合わせることによって合成され、ここでこのリンカーおよびリガンドの各々は、共有結合を可能にする相補的官能基を有する。 リンカーのライブラリは、好ましくは、原子価、リンカーの長さ、リンカーのジオメトリおよび剛性、親水性または疎水性、両親媒性、
    酸性、塩基性および分極のような多用な特性を有するように選択される。 リガンドのライブラリは、好ましくは、同じリガンド上に多様な結合点、さもなくば同じリガンドの同じ部位で異なる官能基、などを有するように選択される。

    【0033】 本発明はまた、多様な多量体化合物の大きなライブラリを生成するための一般的な合成方法に関し、この多量体化合物は、細菌性リボソームRNAおよび/または1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)
    に関する多結合特性を保有することについての候補体である。 本発明によって提供される多様な多量体化合物ライブラリは、多量体化合物のライブラリを提供するためにリンカー(単数または複数)をリガンド(単数または複数)と組み合わせることによって合成され、ここでこのリンカーおよびリガンドの各々は、共有結合を可能にする相補的官能基を有する。 リンカーのライブラリは、好ましくは、結合価、リンカーの長さ、リンカーのジオメトリおよび剛性、親水性または疎水性、両親媒性、酸性、塩基性ならびに極性および/もしくは分極のような多様な特性を有するように選択される。 リガンドのライブラリは、好ましくは、同じリガンド上に多様な結合点、さもなくば同じリガンドの同じ部位で異なる官能基、などを有するように選択される。

    【0034】 本発明はまた、多様な多量体合化合物のライブラリに関し、この多量体化合物は、細菌性リボソームRNAおよび/または1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)に関する多結合特性を保有することについての候補体である。 これらのライブラリは、上記の方法によって調製され、そしてどの分子制約が、細菌性リボソームRNAおよび/または1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)を標的化するリガンドまたはリガンドのクラスに多結合特性を与えるかの、迅速かつ効率的な評価を可能にする。

    【0035】 従って、その方法の局面の1つにおいて、本発明は、細菌性リボソームRNA
    および/または1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)に関する多結合特性を保有する多量体リガンド化合物を同定するための方法に関し、この方法は以下の工程を包含する: (a)細菌性リボソームRNAおよび/または1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)に結合するリガンドまたはリガンドの混合物を同定する工程であって、ここで各リガンドが少なくとも1つの反応性官能基を含む、工程; (b)リンカーのライブラリを同定する工程であって、このライブラリ中の各リンカーが、このリガンドのこの反応性官能基の少なくとも1つに対して相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含む、工程; (c)(a)で同定したリガンドまたはリガンドの混合物の少なくとも2化学量論当量を、(b)で同定したリンカーのライブラリと、相補的な官能基が反応してリンカーと少なくとも2つのリガンドとの間に共有結合を形成する条件下で合わせることにより、多量体リガンド化合物ライブラリを調製する工程;および (d)上記(c)で生成した多量体リガンド化合物をアッセイし、多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定する工程。

    【0036】 別のその方法の局面において、本発明は、多結合特性を保有する多量体リガンド化合物を同定するための方法に関し、この方法は以下の工程を包含する: (a)細菌性リボソームRNAおよび/または1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)に結合するリガンドのライブラリを同定する工程であって、各リガンドが少なくとも1つの反応性官能基を含む、工程; (b)リンカーまたはリンカーの混合物を同定する工程であって、各リンカーが、リガンドの反応性官能基の少なくとも1つに対して相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含有する、工程; (c)(a)で同定したリガンドのライブラリの少なくとも2化学量論当量を、(b)で同定したリンカーまたはリンカーの混合物と、相補的な官能基が反応してリンカーと少なくとも2つのリガンドとの間に共有結合を形成する条件下で合わせることにより、多量体リガンド化合物ライブラリを調製する工程;および (d)上記(c)で生成した多量体リガンド化合物をアッセイし、多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定する工程。

    【0037】 多量体リガンド化合物ライブラリの調製は、2つ以上の化学量論当量の(a)
    で同定されたリガンドと(b)で同定されたリンカーとの逐次組み合わせまたは同時組み合わせのいずれかによって達成される。 逐次付加は、異なるリガンドの混合物が使用されてヘテロマー化合物または多量体化合物が調製されることが確実である場合に好ましい。 リガンドの同時付加は、調製される多量体化合物の少なくとも1一部がホモ多量体化合物である場合におこる。

    【0038】 (d)に引用されるアッセイプロトコルは、上記(c)で生成された多量体リガンド化合物ライブラリで行われ得るか、または好ましくは、このライブラリの各メンバーが、調製用液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)によって単離される。

    【0039】 その組成物局面の1つにおいて、本発明は、多結合特性を保有し得る多量体リガンド化合物のライブラリに関し、このライブラリは、以下の工程を包含する方法によって調製される: (a)細菌性リボソームRNAおよび/または1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)に結合するリガンドまたはリガンドの混合物を同定する工程であって、各リガンドが少なくとも1つの反応性官能基を含む、工程; (b)リンカーのライブラリを同定する工程であって、ライブラリ中の各リンカーが、リガンドの反応性官能基の少なくとも1つに対して相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含有する、工程;および (c)少なくとも2化学量論当量の(a)で同定したリガンドまたはリガンドの混合物と、(b)で同定したリンカーのライブラリとを、相補的な官能基が反応してリンカーと少なくとも2つのリガンドとの間に共有結合を形成する条件下で合わせることにより、多量体リガンド化合物ライブラリを調製する工程。

    【0040】 別のその組成物局面において、本発明は、細菌性リボソームRNAおよび/または1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)
    に結合する多結合性リガンド化合物のライブラリに関し、このライブラリは、以下の工程を包含する方法によって調製される: (a)細菌性リボソームRNAおよび/または1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)に結合するリガンドのライブラリを同定する工程であって、各リガンドが少なくとも1つの反応性官能基を含む、工程; (b)リンカーまたはリンカーの混合物を同定する工程であって、各リンカーが、リガンドの反応性官能基の少なくとも1つに対して相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含有する、工程;および (c)少なくとも2化学量論当量の(a)で同定したリガンドのライブラリと(b)で同定したリンカーまたはリンカーの混合物とを、相補的な官能基が反応してリンカーと少なくとも2つのリガンドとの間に共有結合を形成する条件下で合わせることにより、多量体リガンド化合物ライブラリを調製する工程。

    【0041】 好ましい実施態様において、本発明の方法またはライブラリ局面のいずれかで使用される、リンカーのライブラリは、以下を含む群から選択される:可撓性リンカー、剛性リンカー、疎水性リンカー、親水性リンカー、異なるジオメトリのリンカー、酸性リンカー、塩基性リンカー、異なる極性および/もしくは分極のリンカー、ならびに両親媒性リンカー。 例えば、1つの実施態様において、リンカーライブラリにおける各リンカーは、異なる鎖長のリンカーおよび/または種々の相補的な反応基を有するリンカーを包含し得る。 このようなリンカー長は、
    好ましくは約2〜100Åの範囲であり得る。

    【0042】 別の好ましい実施態様において、リガンドまたはリガンドの混合物は、上記リガンドの異なる部位において反応性官能基(reactive functio
    nality)を有するように選択され、その結果、上記多量体リガンド化合物の上記リガンドの配向性の範囲を提供する。 このような反応性官能基としては、
    例として以下のものが挙げられる:カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、カルボキシルエステル、アミン、ハライド、、プソイドハライド、イソシアネート、
    ビニル性不飽和、ケトン、アルデヒド、チオール、アルコール、酸無水物、ボロネート(boronate)およびそれらの前駆体。 リガンドの反応性官能基は、リンカーの反応性基の少なくとも1つと相補的であるように選択され、その結果、リンカーとリガンドとの間で共有結合が形成され得ることは、勿論、理解される。

    【0043】 他の実施態様において、多量体リガンド化合物はホモマー(すなわち、各リガンドは異なる位置に取り付けられ得るが、各々のリガンドが同一である)であるか、またはヘテロマー(すなわち、リガンドの少なくとも1つが他のリガンドと異なる)である。

    【0044】 本明細書中に記載の組み合わせ方法に加えて、本発明は、どのような分子の制約が、多結合特性を、細菌性リボソームRNAおよび/または1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)を標的とする多量体化合物またはリガンドのクラスに与えるかを理論的に評価するための反復的なプロセスを提供する。 詳細には、この方法の局面は、細菌性リボソームRNAおよび/または1つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)に関する多結合特性を有する、多量体リガンド化合物を同定するための方法に関し、この方法は以下の工程を包含する: (a)多量体化合物の第1コレクションまたは第1反復(iteration
    )を調製する工程であって、これは、細菌性リボソームRNAおよび/または1
    つ以上のタンパク質(細菌中でのリボソームタンパク質合成に関与する)を標的とする少なくとも2化学量論当量のリガンドまたはリガンドの混合物を、リンカーまたはリンカーの混合物と接触させることで調製され、ここで、上記リガンドまたはリガンドの混合物は少なくとも1つの反応性官能基を含有し、上記リンカーまたはリンカーの混合物は、リガンドの少なくとも1つの反応性官能基に対して相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含有する;ここで、上記接触工程は、上記リンカーと少なくとも2つの上記リガンドとの間に共有結合を形成するように相補的な官能基が反応する条件下で行われる、工程; (b)多量体化合物の上記第1コレクションまたは第1反復をアッセイし、上記の多量体化合物のうちいずれかが多結合特性を有するならば、どの多量体化合物が有するのかを評価する、工程; (c)少なくとも1つの多量体化合物が多結合特性を有することが見出されるまで、上記の(a)および(b)のプロセスを繰り返す工程; (d)上記(a)〜(c)に記載の第1反復で見出された多量体化合物(単数または複数)に対して、どのような分子の制約が多結合特性を与えるかを評価する工程; (e)上記第1反復で見出された多量体化合物(単数または複数)に対して多結合特性を与える特定の分子制約を作成する多量体化合物の第2コレクションまたは第2反復を生成する、工程; (f) 上記(e)に記載の第2コレクションまたは第2反復で見出された多量体化合物(単数または複数)に対して、どのような分子の制約が増大した多結合特性を与えるかを評価する工程; (g)必要に応じて、工程(e)および(f)を繰り返して、上記分子の制約をさらに作成する、工程。

    【0045】 好ましくは、工程(e)および(f)は、少なくとも2回、より好ましくは2
    〜50回、さらに好ましくは、3〜50回、さらにより好ましくは、少なくとも5〜50回繰り返される。

    【0046】 (発明の詳細な説明) 本発明は、マクロライド抗生物質、アミノグリコシドおよびリンコサミド(l
    incosamide)、オキサゾリジノン(oxazolidinone)、
    ストレプトグラミン(streptogramin)、テトラサイクリンまたは他の化合物である多結合(multibinding)化合物に関する。 これらの化合物は、好ましくは、タンパク質発現を阻害し、そして抗細菌性活性をもたらす様式において、細菌のリボソームRNAおよび/または細菌においてリボソームのタンパク質合成に関与する1つ以上のタンパク質に結合する。 そして本発明は、このような化合物を含む薬学的組成物および抗細菌性処置の方法に関する。 このような化合物、組成物または方法を議論する場合、以下の用語は、他に示されない限り以下の意味を有する。 任意の規定されない用語は、当該分野で認識される意味を有する。

    【0047】 「アルキル」との用語は、分枝したまたは分枝していない飽和炭化水素鎖のモノラジカル(monoradical)をいい、これは、好ましくは、1個〜4
    0個の炭素原子、より好ましくは、1個〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは、1個〜6個の炭素原子を有する。 この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、n−デシル、テトラデシルなどのような群により、例示される。

    【0048】 「置換アルキル」との用語は、以下からなる群から選択される1個〜5個の置換基、そして好ましくは1個〜3個の置換基を有する上記で定義したようなアルキル基をいう:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−
    SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。

    【0049】 「アルキレン」との用語は、分枝したまたは分枝していない飽和炭化水素鎖のジラジカルをいい、これは、好ましくは、1個〜40個の炭素原子、より好ましくは、1個〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは、1個〜6個の炭素原子を有する。 この用語は、メチレン(−CH 2 −)、エチレン(−CH 2 CH 2 −)
    、プロピレン異性体(例えば、−CH 2 CH 2 CH 2 −および−CH(CH 3 )CH 2 −)などのような基により、例示される。

    【0050】 「置換アルキレン」との用語は、以下からなる群から選択される1個〜5個の置換基、そして好ましくは1個〜3個の置換基を有する上記で定義したアルキレン基をいう:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−S
    O−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。 あるいは、このような置換アルキレン基としては、
    アルキレン基上の2置換体が、アルキレン基に融合される1つ以上のシクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、複素環式またはヘテロアリール基を形成するために融合される置換アルキレン基が挙げられる。 好ましくは、このような融合された基は、1個〜3個の融合された環構造を含む。

    【0051】 「アルカリール」との用語は、−アルキレン−アリール基および−置換アルキレン−アリール基をいい、ここで、アルキレン、置換アルキレンおよびアリールは、本明細書中で定義したとおりである。 このようなアルカリール基は、ベンジル、フェネチルなどにより、例示される。

    【0052】 「アルコキシ」との用語は、アルキル−O−基、アルケニル−O−基、シクロアルキル−O−基、シクロアルケニル−O−基およびアルキニル−O−基をいい、ここで、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびアルキニルは、本明細書中で定義したとおりである。 好ましいアルコキシ基には、
    アルキル−O−があり、これには、例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシなどが挙げられる。

    【0053】 「置換アルコキシ」との用語は、置換アルキル−O−基、置換アルケニル−O
    −基、置換シクロアルキル−O−基、置換シクロアルケニル−O−基および置換アルキニル−O−基をいい、ここで、置換アルキル、置換アルケニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニルおよび置換アルキニルは、本明細書中で定義したとおりである。

    【0054】 「アルキルアルコキシ」との用語は、−アルキレン−O−アルキル基、アルキレン−O−置換アルキル基、置換アルキレン−O−アルキル基および置換アルキレン−O−置換アルキル基をいい、ここで、アルキル、置換アルキル、アルキレンおよび置換アルキレンは、本明細書中で定義したとおりである。 好ましいアルキルアルコキシ基は、アルキレン−O−アルキルがあり、これには例として、メチレンメトキシ(−CH 2 OCH 3 )、エチレンメトキシ(−CH 2 CH 2 OCH 3
    )、n−プロピレン−イソ−プロポキシ(−CH 2 CH 2 CH 2 OCH(CH 32
    )、メチレン−t−ブトキシ(−CH 2 −O−C(CH 33 )などが挙げられる。

    【0055】 「アルキルチオアルコキシ」との用語は、−アルキレン−S−アルキル基、アルキレン−S−置換アルキル基、置換アルキレン−S−アルキル基および置換アルキレン−S−置換アルキル基をいい、ここで、アルキル、置換アルキル、アルキレンおよび置換アルキレンは、本明細書中で定義したとおりである。 好ましいアルキルチオアルコキシ基には、アルキレン−S−アルキルがあり、これには、
    例として、メチレンチオメトキシ(−CH 2 SCH 3 )、エチレンチオメトキシ(
    −CH 2 CH 2 SCH 3 )、n−プロピレン−イソ−チオプロポキシ(−CH 2 CH 2 CH 2 SCH(CH 32 )、メチレン−t−チオブトキシ(−CH 2 SC(CH 33 )などが挙げられる。

    【0056】 「アルケニル」との用語は、分枝したまたは分枝していない不飽和炭化水素基のモノラジカルであり、これは、好ましくは、2個〜40個の炭素原子、より好ましくは、2個〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは、2個〜6個の炭素原子を有し、ならびに少なくとも1個の不飽和ビニル部位、そして好ましくは1
    個〜6個の不飽和ビニル部位を有する。 好ましいアルケニル基としては、エテニル(−CH=CH 2 )、n−プロペニル(−CH 2 CH=CH 2 )、イソ−プロペニル(−C(CH 3 )=CH 2 )などが挙げられる。

    【0057】 「置換アルケニル」との用語は、以下からなる群から選択される1個〜5個の置換基、そして好ましくは1個〜3個の置換基を有する上記で規定されたアルケニル基をいう:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオへテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−
    SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。

    【0058】 「アルケニレン」との用語は、分枝したまたは分枝していない不飽和炭化水素基のジラジカルをいい、これは、好ましくは、2個〜40個の炭素原子、より好ましくは、2個〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは、2個〜6個の炭素原子を有し、ならびに少なくとも1個、そして好ましくは1個〜6個の不飽和ビニルの部位を有する。 この用語は、エテニレン(−CH=CH−)、プロピニレン異性体(例えば、−CH 2 CH=CH−および−C(CH 3 )=CH−))などの基により、例示される。

    【0059】 「置換アルケニレン」との用語は、以下からなる群から選択される1個〜5個、そしてより好ましくは1個〜3個の置換基を有するの上記で定義したアルケニレン基をいう:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオへテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−
    SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。 さらに、このような置換アルキレン基には、そのアルキレン基上の2個の置換基が融合して、このアルケニレン基に融合した1個またはそれ以上のシクロアルキル基、置換シクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換シクロアルケニル基、アリール基、複素環式基またはヘテロアリール基を形成するものが挙げられる。

    【0060】 「アルキニル」との用語は、不飽和炭化水素のモノラジカルをいい、これは、
    好ましくは、2個〜40個の炭素原子、より好ましくは、2個〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは、2個〜6個の炭素原子を有し、ならびに少なくとも1個および好ましくは1〜6個のアセチレン(三重結合)不飽和部位を有する。
    好ましいアルケニル基としては、エチニル(−C≡CH)、プロパルギル(−C
    2 C≡CH)などが挙げられる。

    【0061】 「置換アルキニル」との用語は、以下からなる群から選択される1個〜5個の置換基、そして好ましくは1個〜3個の置換基を有する上記で定義したアルキニル基をいう:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオへテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、
    −SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。

    【0062】 「アルキニレン」との用語は、不飽和炭化水素のジラジカルを意味し、これは、好ましくは、2個〜40個の炭素原子、より好ましくは、2個〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは、2個〜6個の炭素原子を有し、ならびに少なくとも1個のアセチレン(三重結合)不飽和部位、そして好ましくは、1個〜6個のアセチレン(三重結合)不飽和部位を有する。 好ましいアルケニレン基としては、エチニレン(−C≡C−)、プロパルギレン(−CH 2 C≡C−)などが挙げられる。

    【0063】 「置換アルキニレン」との用語は、以下からなる群から選択される1個〜5個の置換基、そして好ましくは1個〜3個の置換基を有する上記で定義したアルキニレン基をいう:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオへテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。

    【0064】 「アシル」との用語は、HC(O)−基、アルキル−C(O)−基、置換アルキル−C(O)−基、シクロアルキル−C(O)−基、置換シクロアルキル−C
    (O)−基、シクロアルケニル−C(O)−基、置換シクロアルケニル−C(O
    )−基、アリール−C(O)−基、ヘテロアリール−C(O)−基および複素環式−C(O)−基をいい、ここで、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、
    置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中で定義したとおりである。

    【0065】 「アシルアミノ」または「アミノカルボキシル」との用語は、−C(O)NR
    R基をいい、ここで、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式であるか、または両方のR基は、結合して、複素環式基(例えば、モルホリン)を形成し、ここで、アルキル、置換アルキル、
    アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中で定義したとおりである。

    【0066】 「アミノアシル」との用語は、−NRC(O)R基を意味し、ここで、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは複素環式であり、ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中で定義したとおりである。

    【0067】 「アミノアシルオキシ」または「アルコキシカルボニルアミノ」との用語は、
    −NRC(O)OR基をいい、ここで、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは複素環式であり、ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中で定義したとおりである。

    【0068】 「アシルオキシ」との用語は、アルキル−C(O)O−基、置換アルキル−C
    (O)O−基、シクロアルキル−C(O)O−基、置換シクロアルキル−C(O
    )O−基、アリール−C(O)O−基、ヘテロアリール−C(O)O−基および複素環式−C(O)O−基をいい、ここで、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中で定義したとおりである。

    【0069】 「アリール」との用語は、単環(例えば、フェニル)または複数の縮合(融合)環(例えば、ナフチルまたはアンスリル)を有する6個〜20個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環式基をいう。 好ましいアリールとしては、フェニル、ナフチニルなどが挙げられる。

    【0070】 このアリール置換基に対する定義により他に束縛されていない限り、このようなアリール基は、必要に応じて、以下からなる群から選択される1個〜5個の置換基、好ましくは1個〜3個の置換基で置換し得る:アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリール、−SO 2 −ヘテロアリールおよびトリハロメチル。 好ましいアリール置換基には、アルキル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチルおよびチオアルコキシが挙げられる。

    【0071】 「アリールオキシ」との用語は、アリール−O−基をいい、ここで、このアリール基は、上記で定義したとおりであり、これには、必要に応じて置換したアリール基(これもまた、上で定義されている)が含まれる。

    【0072】 「アリーレン」との用語は、上記で定義したアリール(置換アリールを含む)
    から誘導されるジラジカルをいい、そして1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,2−ナフチレンなどにより、例示される。

    【0073】 「アミノ」との用語は、−NH 2基をいう。

    【0074】 「置換アミノ」との用語は、−NRR基を意味し、ここで、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群から選択されるが、但し、Rの両方が水素になることはない。

    【0075】 「カルボキシアルキル」または「アルコキシカルボニル」との用語は、「−C
    (O)O−アルキル」基、「−C(O)O−置換アルキル」基、「−C(O)O
    −シクロアルキル」基、「−C(O)O−置換シクロアルキル」基、「−C(O
    )O−アルケニル」基、「−C(O)O−置換アルケニル」基、「−C(O)O
    −アルキニル」基および「−C(O)O−置換アルキニル」基をいい、ここで、
    アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、
    置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニルは、本明細書中で定義したとおりである。

    【0076】 「シクロアルキル」との用語は、3個〜20個の炭素原子の環状アルキル基をいい、これは、単環または多縮合環を有する。 このようなシクロアルキル基には、例として、単環構造(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなど)、または多環構造(例えば、アダマンタニルなど)が挙げられる。

    【0077】 「置換シクロアルキル」との用語は、以下からなる群から選択される1個〜5
    個の置換基、そして好ましくは、1個〜3個の置換基を有するシクロアルキル基をいう:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、
    シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、
    チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、
    ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−
    アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−S
    2 −ヘテロアリール。

    【0078】 「シクロアルケニル」との用語は、4個〜20個の炭素原子の環状アルケニル基をいい、これは、単環または多縮合環および少なくとも1点の内部不飽和を有する。 適当なシクロアルケニル基の例には、例えば、シクロブト−2−エニル、
    シクロペント−3−エニル、シクロオクト−3−エニルなどが挙げられる。

    【0079】 「置換シクロアルケニル」との用語は、以下からなる群から選択される1個〜
    5個の置換基、そして好ましくは1個〜3個の置換基を有するシクロアルケニル基をいう:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、
    アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO
    −アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−
    SO 2 −ヘテロアリール。

    【0080】 「ハロ」または「ハロゲン」との用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードをいう。

    【0081】 「ヘテロアリール」との用語は、少なくとも1個の環(1個より多い環が存在する場合)内に1個〜15個の炭素原子および酸素、窒素およびイオウから選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する芳香族基をいう。

    【0082】 このヘテロアリール置換基に対する定義により他に束縛されていない限り、このようなヘテロアリール基は、必要に応じて、以下からなる群から選択される1
    個〜5個の置換基、好ましくは1個〜3個の置換基で置換し得る:アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、
    アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、アリール、
    アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリール、−SO 2 −ヘテロアリールおよびトリハロメチル。 好ましいアリール置換基には、アルキル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチルおよびチオアルコキシが挙げられる。 このようなヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジルまたはフリル)または多縮合環(例えば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)を有し得る。 好ましいヘテロアリールとしては、ピリジル、ピロリルおよびフリルが挙げられる。

    【0083】 「ヘテロアリールオキシ」との用語は、ヘテロアリール−O−基をいう。

    【0084】 「ヘテロアリーレン」との用語は、上記で定義したヘテロアリール(置換ヘテロアリールを含む)から誘導されるジラジカル基をいい、そして2,6−ピリジレン、2,4−ピリジレン、1,2−キノリニレン、1,8−キノリニレン、1
    ,4−ベンゾフラニリレン、2,5−ピリジニレン、2,5−インドレニルなどにより、例示される。

    【0085】 「複素環」または「複素環式」との用語は、その環内に1個〜40個の炭素原子および1個〜10個のヘテロ原子、好ましくは、1個〜4個のヘテロ原子(これは、窒素、イオウ、リンおよび/または酸素から選択される)がある単環または多縮合環を有するモノラジカル飽和または不飽和基をいう。

    【0086】 この複素環式置換基に対する定義により他に束縛されていない限り、このような複素環式基は、必要に応じて、以下からなる群から選択される1個〜5個、好ましくは、1個〜3個の置換基で置換し得る:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、
    アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、
    アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO
    −アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。 このような複素環式基は、単環または多縮合環を有する。 好ましい複素環式としては、モルホリノ、
    ピペリジニルなどが挙げられる。

    【0087】 窒素複素環およびヘテロアリールの例には、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリジン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、
    フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、モルホリノ、ピペリジニル、テトラヒドロフラニルなど、およびN−アルコキシ−窒素含有複素環が挙げられるが、これらに限定されない。

    【0088】 「ヘテロシクロオキシ」との用語は、複素環式−O−基をいう。

    【0089】 「チオヘテロシクロオキシ」との用語は、複素環式−S−基をいう。

    【0090】 「ヘテロシクレン」との用語は、本明細書中で定義した複素環から誘導されるジラジカル基をいい、そして2,6−モルホリノ、2,5−モルホリノなどにより、例示される。

    【0091】 「オキシアシルアミノ」または「アミノカルボニルオキシ」との用語は、−O
    C(O)NRR基をいい、ここで、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは複素環式であり、ここで、アルキル、
    置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中で定義したとおりである。

    【0092】 「スピロ結合化シクロアルキル基」との用語は、両方の環に共通の1個の炭素原子を介して別の環に結合されるシクロアルキル基をいう。

    【0093】 「チオール」との用語は、−SH基をいう。

    【0094】 「チオアルコキシ」との用語は、−S−アルキル基をいう。

    【0095】 「置換チオアルコキシ」との用語は、−S−置換アルキル基をいう。

    【0096】 「チオアリールオキシ」との用語は、アリール−S−基をいい、ここで、このアリール基は、上で定義したとおりであり、これには、必要に応じて置換したアリール基(これもまた、上で定義されている)が挙げられる。

    【0097】 「チオヘテロアリールオキシ」との用語は、ヘテロアリール−S−基をいい、
    ここで、このヘテロアリール基は、上で定義したとおりであり、これには、必要に応じて置換したアリール基(これもまた、上で定義されている)が挙げられる。

    【0098】 1個またはそれ以上の置換基を含有する上記基のいずれかに関して、もちろん、このような基は、立体的に非実用的なおよび/または合成的に実現不可能な置換または置換パターンを含有しないことが理解される。 それに加えて、本発明の化合物は、これらの化合物の置換から生じる全ての立体化学的な異性体を含む。
    ここで、この異性体は、リガンド、リンカー、またはリガンドおよびリンカーを含む多価構築物を生じる異性体である。

    【0099】 「薬学的に受容可能な塩」との用語は、本発明の多結合化合物の生物学的有効性および特性を保持する塩であって、生物学的またはその他で有害ではない塩をいう。 多くの場合では、本発明の多結合化合物は、アミノ基および/またはカルボキシル基、またはそれと類似した基の存在によって、酸および/または塩基の塩を形成できる。

    【0100】 薬学的に受容可能な塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基から調製され得る。 無機塩基から誘導した塩には、例としてのみ、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩が挙げられる。
    有機塩基から誘導した塩には、以下のような第一級アミン、第二級アミンおよび第三級アミンの塩が挙げられるが、これらに限定されない:アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換アルケニルアミン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアルキルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換シクロアルキルアミン、ジ置換シクロアルキルアミン、トリ置換シクロアルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ(シクロアルケニル)アミン、置換シクロアルケニルアミン、ジ置換シクロアルケニルアミン、トリ置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリヘテロアリールアミン、複素環アミン、ジ複素環アミン、トリ複素環アミン、混合したジ−およびトリアミン(この場合、このアミン上の置換基の少なくとも2個は、異なっており、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式などからなる群から選択される)。 その2個または3個の置換基がアミノ窒素と一緒になって複素環基またはヘテロアリール基を形成するアミンもまた、含まれる。

    【0101】 適切なアミンの例には、例としてのみ、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソプロピル)アミン、トリ(n−プロピル)アミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン(hydr
    abamine)、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N−
    アルキルグルカミン(glucamines)、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N−エチルピペリジンなどが挙げられる。 また、本発明を実施する際に、他のカルボン酸誘導体(例えば、カルボン酸アミド(
    カルボキサミド、低級アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミドなどを含む))が有用であることが理解されるはずである。

    【0102】 薬学的に受容可能な酸付加塩は、無機酸および有機酸から調製され得る。 塩を誘導する無機酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸硝酸、リン酸などが挙げられる。 塩を誘導する有機酸には、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、
    シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。

    【0103】 「薬学的に受容可能なカチオン」との用語は、薬学的に受容可能な塩のカチオンをいう。

    【0104】 「保護基」または「ブロッキング基」との用語は、これらの化合物(それらの中間体を含む)の1個またはそれ以上の水酸基、チオール基、アミノ基またはカルボキシル基に結合した場合に、これらの基で反応が起こるのを防止する任意の基をいい、これらの保護基は、この水酸基、チオール基、アミノ基またはカルボキシル基を回復するために、従来の化学工程または酵素工程により、除去され得る。 使用される特定の除去可能ブロッキング基は、重要ではないが、好ましい除去可能ヒドロキシルブロッキング基には、以下のような従来の置換基が挙げられる:アリル、ベンジル、アセチル、クロロアセチル、チオベンジル、ベンジリジン、フェナシル、t−ブチル−ジフェニルシリルおよび任意の他の基(これは、
    ヒドロキシル官能基上へと化学的に導入され得、後に、その生成物の性質と適合性の穏やかな条件にて、化学方法または酵素方法にいずれかにより、選択的に除去され得る)。

    【0105】 好ましい除去可能なチオールブロッキング基には、ジスルフィド基、アシル基、ベンジル基などが挙げられる。

    【0106】 好ましい除去可能アミノブロッキング基には、以下のような従来の置換基が挙げられ、これらは、その生成物の性質に適合性の従来の条件により、除去され得る:t−ブトキシカルボニル(t−BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CB
    Z)、フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)、アリルオキシカルボニル(ALOC)など。

    【0107】 好ましいカルボキシル保護基には、エステル(例えば、メチル、エチル、プロピル、t−ブチルなど)が挙げられ、これらは、その生成物の性質に適合性の穏やかな条件により、除去され得る。

    【0108】 「任意の」または「必要に応じて」とは、引き続いて記述された事象、状況、
    または置換が起こり得るかまたは起こり得ないこと、およびこの記述が、該事象または状況が起こる場合および該事象または状況が起こらない場合を含むことを意味する。

    【0109】 本明細書中で使用される場合、用語「リガンド」は、リボソームRNAおよび/または細菌におけるリボソームのタンパク質合成に関与する1個またはそれ以上のタンパク質に結合する化合物を示す。 酵素により認識されるリガンドの特定領域は、「リガンドドメイン」と呼ばれる。 リガンドは、酵素それ自体に結合し得るか、または結合のための1個またはそれ以上の非リガンド成分の存在に必要であり得るかのいずれかである(例えば、Ca -2 、Mg +2または水分子は、種々のリガンド結合部位に対するリガンドの結合に必要である)。

    【0110】 本発明において有用なリガンドの例は、本明細書中に記載される。 リガンドとして有用な化合物の一般的なクラスとしては、マクロライド抗生物質、オキサゾリジノン、リンコサミド(lincosamide)、ストレプトグラミン(s
    treptogramin)、テトラサイクリンおよびアミノグリコシドが挙げられる。 マクロライド抗生物質の例としては、エリスロマイシンおよびそのエステル誘導体(例えば、エリスロマイシンステアレートおよびエリスロマイシンエストレート(estolate);クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、
    アジスロマイシン、ストレプトマイシン、オーレオマイシン、オレアンドマイシン、スルフィソキサゾール、スピラマイシン、トロレアンドマイシン(trol
    endomycin)、ジョサマイシンおよびサイトバリシン(cytovar
    icin)が挙げられる。 オキサゾリジノンの例としては、リネゾリド(lin
    ezolid)およびエペレゾリド(eperezolid)が挙げられる。 リンコサミドの例としては、クリンダマイシン(AntirobeR)およびリンコマイシンが挙げられる。 ストレプトグラミンの例としては、キヌプリスチン(
    quinupristin)およびダルフォプリスチン(dalfoprist
    in)(Synerecid,Rhone−Poulene Rorer)が挙げられる。 アミノグリコシドの例としては、ストレプトマイシン、アミカシン、
    ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、トブラマイシン、ネチルマイシンおよびパラモマイシンが挙げられる。 テトラサイクリンの例としては、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、デクロマイシン(declomycin)、メタサイクリンおよびオキシテトラサイクリンが挙げられる。

    【0111】 当業者は、特異的な分子認識および結合活性に必須でないリガンド構造の部分は、実質的に変化され得、(例えば、以下で規定されるような付属基を用いて)
    関連のない構造と置き換えられるかまたは置換され得、そしていくつかの場合において、結合相互作用に影響を及ぼすことなく全体的に省略され得ることを理解する。 リガンドに対する主な要件は、リガンドが以下に規定されるようなリガンドドメインを有することである。 用語リガンドは、細菌性リボソームRNA、および/または細菌におけるリボソームのタンパク質合成に関与する1つ以上のタンパク質への結合において有用であることが公知の化合物(例えば、公知の薬物)に限定されることを意図しないことが理解される。 当業者は、用語、リガンドが細菌性リボソームRNA結合特性と通常会合しない分子に対して等価に適用され得ることを理解する。 さらに、下限に近い活性をを示すか、またはモノマーとして有用な活性を欠くリガンドは、多価性によって付与される利点のために、多価化合物として非常に活性であり得ることに留意すべきである。

    【0112】 「多結合化合物」または「多結合剤(multibinding agent
    )」との用語は、以下で定義するように、多価性を発揮し得、かつ1以上のリンカー(これらは、同一であってもよいし、または異なっていてもよい)に共有結合した2個〜10個のリガンドを有する化合物をいう。 多結合化合物は、それらへの結合に利用可能にされる非連結リガンドの凝集物を超える、生物学的効果および/または治療的効果を提供する。 すなわち、多結合化合物に付着するリガンドの生物学的効果および/または治療的効果は、リガンド結合部位(レセプター)に結合するために利用可能にされる同量の非連結リガンドによって達成される効果よりも優れている。 句「生物学的効果および/または治療的効果の上昇」としては、例えば、親和性の上昇、標的に対する選択性の上昇、標的に対する特異性の上昇、効の上昇、効果の上昇、毒性の低下、活性または作用の持続時間の改良、副作用の低下、治療指数の上昇、バイオアベイラビリティーの改良、薬物動態の改良、活性スペクトルの改良などが挙げられる。 本発明の多結合化合物は、上記効果の少なくとも1つ、および好ましくは、1つより多くを示す。

    【0113】 用語「効力」とは、リガンドが所望の生物学的効果または治療的効果を達成し得る最小濃度を意味する。 リガンドの効力は、代表的には、そのリガンド結合部位に対するその親和性に比例する。 いくつかの場合において、この効力は、非線形的に、その親和性と相関し得る。 2つの薬剤(例えば、多結合剤およびその非連結リガンドの凝集物)の効力を比較する際に、各々の用量応答曲線は、同じ試験条件(例えば、インビトロまたはインビボでのアッセイ、適切な動物モデル)
    下にて、決定される。 この多結合剤が、この非結合リガンド凝集物よりも低い濃度で、同等の生物学的効果または治療的効果を生じるとの知見は、効力の上昇を示す。

    【0114】 本明細書中で使用され得る場合、用語「一価」とは、本明細書中で定義した1
    個のリガンドと、本明細書中で定義した1個のリガンド結合部位との間の単一結合の相互作用をいう。 リガンドの複数のコピーを有する化合物は、その化合物の1個のリガンドだけがリガンド結合部位と相互作用しているとき、一価を示すことに留意すべきである。 一価の相互作用の例は、以下に示される。

    【0115】

    【化3】

    本明細書中で使用される場合、用語「多価」とは、1個またはそれ以上の細菌性リボソーム(これらは、同一であってもよいし、または異なっていてもよい)


    上の2個〜10個の連結リガンド(これらは、同一であってもよいし、または異なっていてもよい)および2以上の対応するレセプター(リガンド結合部位)の同時に起こる結合をいう。

    【0116】 例えば、2つのリガンド結合部位に同時に結合するリンカーによって連結される2つのリガンドは、二価とみなされ;従って、連結される3つのリガンドは、
    三価の例である。 3つのリガンドを保有する多価化合物対一価結合の相互作用を例示する、三価の結合の例は、以下に示される:

    【0117】

    【化4】

    リンカーに連結されるリガンドの複数のコピーを含む全ての化合物は、多価の現象(すなわち、多結合剤の生物学的効果および/または治療学的効果が、リガンド結合部位(レセプター)に結合するのに利用可能にされる非連結リガンドの凝集物の合計よりも大きいこと)を必ずしも示さないことが理解されるべきである。 多価が生じるために、リンカーによって連結されるリガンドは、所望のリガンド配向結果をもたらし、それによって、多結合事象を生じるために、特定の様式で、リンカーによってそれらのリガンド結合部位に指示されるべきである。

    【0118】 用語「選択性」または「特異性」は、異なるリガンド結合部位(レセプター)
    についてのリガンドの結合優先度の尺度である。 別のリガンド結合部位に対するその標的リガンド結合部位に関するリガンドの選択性は、K d (すなわち、各リガンド−レセプター複合体についての解離定数である)のそれぞれの値の比、または生物学的効果がK dより低く観察される場合、それぞれのEC 50 (すなわち、2つの別個のリガンド結合部位(レセプター)と相互作用するリガンドに対する最大応答の50%を生成する濃度)の比によって与えられる。

    【0119】 用語「リガンド結合部位」は、細菌性リボソームRNA上の部位を示し、これは、リガンドドメインを認識しそしてそのリガンドに結合パートナーを提供する、細菌におけるリボソームのタンパク質合成に関与する特定のRNAおよび/または1つ以上のタンパク質上の部位であり得る。 リガンド結合部位は、単量体構造または多量体構造によって規定され得る。

    【0120】 生物学的多価結合相互作用に関与するリボソームのリガンド結合部位は、それらの分子内会合および分子間会合によって種々の程度に束縛され(例えば、このような高分子構造は、単一構造に共有結合され、多量体構造において非共有結合的に会合され、膜またはポリマーマトリクスなどに組み込まれ得る)、それゆえ、同じ構造が溶液中のモノマーとして存在する場合よりも、小さな並進および回転の自由度を有することが認識されるべきである。

    【0121】 用語「不活性有機溶媒」は、単なる例として以下を含むものと組み合わせて記載されている反応の条件下で不活性である溶媒を意味する:ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、ジオキサン、ピリジンなど。 他に反対の記載がない限り、本明細書中に記載される反応において使用される溶媒は、不活性溶媒である。

    【0122】 用語「処置」は、哺乳動物(特に、ヒト)における病理的状態の任意の処置をいい、そして以下を含む: (i)病理的状態が被験体において生じるのを防止することであって、この被験体は、この状態にかかりやすくあり得るが、この状態であるとまだ診断されておらず、従って、この処置は疾患状態に対する予防的処置を構成すること; (ii)病理的状態を阻害すること(すなわち、その発達を阻止すること); (iii)病理的状態を軽減すること(すなわち、病理的状態の後退を起こすこと);あるいは (iv)病理的状態により媒介される状態を軽減すること。

    【0123】 用語「リガンドを用いる処置によって調整される病理的状態」は、全ての疾患状態(すなわち、病理的状態)(これは、一般に細菌性リボソームRNAおよび/または細菌中でのリボソームのタンパク質合成に関与する1つ以上のタンパク質に対するリガンドを用いて有用に処置されることが、一般に当該分野において認識される)、および本発明者らの発明の特定の多結合化合物によって有用に処置されることが見出されている疾患状態を包含する。 このような疾患状態は、単なる例として、細菌性感染の処置を含む。

    【0124】 本明細書中に記載される組成物および方法で処置され得る細菌の例としては、
    以下が挙げられる:グラム陽性球菌(例えば、ブドウ球菌および連鎖球菌)、グラム陽性杆体(例えば、コリネバクテリウム属および1類ジフテリア)、バチルス属、ミコバクテリアおよびNocardia、グラム陰性杆体(例えば、腸グラム陰性杆体)、Pseudomonas、弯曲グラム陰性杆体、パルボバクテリアおよびHaemophilus、グラム陰性球菌(例えば、Neisser
    ia)、偏性嫌気性菌(例えば、Clostridium)、非胞子(non−
    sporing)嫌気性菌、ならびに独特な細菌(例えば、スピロヘータ、リケッチアおよびクラミジア)。 細菌性疾患の特定の例としては、クラミジア、淋病、サルモネラ症、細菌性赤痢、結核、梅毒、細菌性炎、細菌性セプシス、尿路感染症、細菌性上部気道感染(bacterial upper respir
    atory tract infection)、中炎およびライム病が挙げられる。

    【0125】 特定の理論に束縛されることを望まないが、本明細書中に記載される化合物は、それらの16Sまたは23Sリボソームサブユニットへの、または細菌性リボソーム上に存在する1つ以上のタンパク質への結合、およびタンパク質合成の阻害によって細菌の増殖を阻害すると考えられる。

    【0126】 用語「治療学的に有効量」は、上記に定義されるような、処置の必要がある哺乳動物に投与される場合、このような処置をもたらすに十分な多結合化合物の量をいう。 治療学的に有効量は、処置される被験体および疾患状態、被験体の体重および年齢、疾患状態の重症度、投与の様式など(これは、当業者により容易に決定され得る)に依存して変化する。

    【0127】 用語「リンカー」(記号X、X'またはX''によって適切に同定される)は、多価であり得る化合物を提供する様式で、2〜10個のリガンド(上記に同定される通り)と共有結合する基をいう。 他の特徴の中で、リンカーは、そこへのリガンドの複数のコピー(これは、同じでも異なってもよい)の連結を可能にする、リガンド配向要素(ligand−orienting entity)である。 いくつかの場合において、リンカーは、それ自体、生物学的に活性であり得る。 しかし、用語「リンカー」は、固体不活性支持体(例えば、ビーズ、ガラス粒子、繊維など)を包含することには及ばない。 しかし、本発明の多結合化合物は、所望される場合、固体支持体に連結され得ることが理解される。 例えば、
    固体支持体へのこのような連結は、分離および精製プロセスにおける使用ならびに同様の用途のために、なされ得る。

    【0128】 用語「ライブラリー」は、少なくとも3個、好ましくは、10 2 〜10 9個、より好ましくは、10 2 〜10 4個の多量体化合物をいう。 好ましくは、これらの化合物は、それの合成を容易に可能にする単一の溶液または反応混合物中にて、多数の化合物として調製される。 1つの実施態様では、この多量体化合物のライブラリーは、多結合特性について、直接的にアッセイされ得る。 別の実施態様では、この多量体化合物のライブラリーの各メンバーは、まず、単離され、そして必要に応じて、特徴付けられる。 このメンバーは、次いで、多結合特性について、
    アッセイされる。

    【0129】 用語「コレクション」は、逐次または同時(例えば、組み合わせて)のいずれかで調製される一組の多量体化合物を意味する。 このコレクションは、少なくとも2個のメンバー、好ましくは、2個〜10 9個のメンバー、およびなおより好ましくは、10個〜10 4個のメンバーを含む。

    【0130】 用語「多量体化合物」は、少なくとも1個のリンカーを介して共有結合された2個〜10個のリガンドを含有する化合物(その化合物は、多重結合特性(これは、本明細書中で定義されている)を有し得るかまたは有し得ない)をいう。

    【0131】 用語「擬似ハライド」は、ハロゲンと類似の様式にて置換反応で反応する官能基いう。 このような官能基には、例として、メシル基、トシル基、アジド基およびシアノ基が挙げられる。

    【0132】 多価結合が認められる程度は、リガンドと連結するリンカーが、これらのリガンドを利用可能なリガンド結合部位のアレイに提示する効率に依存する。 リガンド結合部位との多価相互作用のためにこれらのリガンドを提示することを超えて、このリンカーは、リンカーによって定義されるディメンジョン内で起こるこれらの相互作用を、空間的に束縛する。 従って、リンカーの構造的特徴(原子価、
    ジオメトリー、配向、サイズ、可撓性、化学組成など)は、それらの活性を決定する際に重要な役割を果たす、多結合因子の特徴である。

    【0133】 本発明において使用されるリンカーは、細菌性リボソームRNAのリガンド結合部位および/または細菌においてリボソームのタンパク質合成に関与する1つ以上のタンパク質のリガンド結合部位へのリガンドの多価結合を可能にするように選択される。 このような部位は、レセプター構造のどこにでも位置される。

    【0134】 リガンドは、リガンドのリンカーへの共有結合を提供する従来の化学的技術を使用して、リンカーに共有結合される。 このような結合を生じる反応化学は、当該分野に周知であり、そしてリンカーおよびリガンド上の相補的な官能基の使用を包含する。 好ましくは、このリンカー上の相補的な官能基は、このリガンド上で結合のために利用可能な官能基に関連して、または結合のためにリガンドに導入され得る官能基に関連して、選択される。 また、このような相補的な官能基は、当該分野で周知である。 例えば、適当な周知の活性化剤の存在下にて、このリガンドまたはリンカーのいずれかのカルボン酸とリンカーまたはリガンドの第一級アミンまたは第二級アミンとの間での反応は、このリガンドをリンカーに共有結合するアミド結合の形成を生じる;このリンカーまたはリガンドのいずれかのアミン基とリンカーまたはリガンドのスルホニルハライドとの間での反応は、このリガンドをリンカーに共有結合するスルホンアミド結合の形成を生じる;そしてこのリンカーまたはリガンドのいずれかのアルコール基またはフェノール基とリガンドまたはリンカーのアルキルハライドまたはアリールハライドとの間での反応は、このリガンドをリンカーに共有結合するエーテル結合の形成を生じる。

    【0135】 以下の表Iは、多数の相補的な反応基およびそれらの間の反応によって形成されて得られた結合を例示する。

    【0136】

    【表1】

    このリンカーは、リガンドドメイン−リガンド結合部位の相互作用を保持する位置、具体的には、このリガンドのリガンドドメインがそれ自体を配向してリガンド結合部位への結合を可能にする位置で、このリガンドに結合される。 このような結合のための位置および合成プロトコルは、当該分野で周知である。 リンカーの用語は、このリガンドの一部とはみなされない全てのものを含む。

    【0137】 このリガンドドメインが示される相対的な配向は、このリガンドのリンカーへの結合の特定の点、およびその骨格のジオメトリーに由来する。 リガンド上のどこで受容可能な置換がなされ得るかの決定は、代表的には、このリガンドおよび/または同種の構造活性相関(SAR)の先行知識ならびに/あるいはリガンド−レセプター複合体についての構造的情報(例えば、X線結晶学、NMRなど)
    に基づく。 共有結合のためのこのような位置および合成方法は、当該分野で周知である。 選択されたリンカー(またはそのリンカーの重要な部分(例えば、リンカーの2個〜10個の原子))への結合に続いて、一価のリンカー−リガンド結合体は、関連したにアッセイおいて、活性の保持について試験され得る。

    【0138】 適切なリンカーおよびリガンドは、以下で十分に議論される。

    【0139】 ここで、多結合剤は、二価化合物(例えば、リンカーXに共有結合される2つのリガンド)であることが、好ましい。

    【0140】 (方法論) リンカーは、リガンドの複数のコピーに共有結合している場合、生体適合性で、実質的に非免疫原性の多結合化合物を提供する。 この多結合化合物の生物学的活性は、リンカーの結合価、ジオメトリー、組成、サイズ、可撓性または堅さなど、そして次に、多結合化合物の全体構造、ならびにリンカー上の、アニオン電荷またはカチオン電荷の有無、リンカーの相対的な疎水性/親水性などに非常に感受性である。 従って、リンカーは、好ましくは、多結合化合物の生物学的活性を最大にするように選択される。 リンカーは、分子の生物学的活性を増強するように選択され得る。 一般に、リンカーは、多価性を許容するように、2個以上のリガンドをそれらのリガンド結合部位に配向する任意の有機分子構築物から選択され得る。 この点において、リンカーは、「骨格」としてみなされ得、ここで、
    所望のリガンド−配向の結果をもたらすために、リガンドはこの骨格上に配置され、それによって、多結合化合物を生成する。

    【0141】 例えば、単環式基または多環式基を含有する骨格基を含めることによって、アリール基および/またはヘテロアリール基を含めることによって、または1つ以上の炭素−炭素多結合(アルケニル基、アルケニレン基、アルキニル基またはアルキニレン基)を組み込む構造によって、異なる配向が達成され得る。 他の基はまた、分枝鎖種または直鎖種であるオリゴマーおよびポリマーを含み得る。 好ましい実施態様において、環式基(例えば、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環式など)の存在によって堅さが与えられる。 他の好ましい実施態様において、環は、6員環または10員環である。 さらにより好ましい実施態様において、環は芳香族環(例えば、フェニルまたはナフチル)である。

    【0142】 リンカーの異なる疎水性/親水性特性ならびに変化した部分の有無は、当業者によって容易に制御され得る。 例えば、ヘキサメチレンジアミン(H 2 N(CH 26 NH 2 )または関連のポリアミン由来のリンカーの疎水性特性は、市販の「J
    effamines」に見出されるように、アルキレン基をポリ(オキシアルキレン)基に置換することによって、実質的により親水性であるように改変され得る。 親水性/疎水性を制御することによって、化合物が血液/脳関門を横切る能力が制御され得る。 これは、CNS効果を最大化または最小化することが望まれる場合に、重要であり得る。

    【0143】 上記の結合パターンがリンカーの成分として使用され得る分子構造の例を、以下に示す。

    【0144】

    【化5】

    リガンドドメイン提示のための適切な骨格ジオメトリーおよび大きさの同定は、増大した活性を有する多結合化合物の構築に重要な工程である。 系統的な空間調査のストラテジーが、反復プロセスによる好ましい骨格の同定の支援に使用され得る。 多くのストラテジーが、分子設計の当業者に公知であり、そして本発明の化合物を調製するために使用され得る。

    【0145】 ここに示した構造以外のコア構造が、リガンドの最適骨格の表示配向を決定するために使用され得ることに留意すべきである。 このプロセスは、同一の中心コア構造の複数のコピー、または異なる型の表示コアの組み合わせの使用を必要とし得る。

    【0146】 上記のプロセスは、3量体およびより高い価数の化合物に拡大され得る。

    【0147】 上記のように生成したコレクションの個々の化合物の各々のアッセイは、所望の増加した活性(例えば、効力、選択性など)を有する化合物のサブセットを導く。 Ensemble Molecular Dynamicsのような技術を使用するこのサブセットの分析は、所望の特性に有利である骨格の配向を提供する。 幅広い多様性のリンカーが市販されている(例えば、Available
    Chemical Directory(ACD)を参照のこと)。 本発明の使用に適切であるリンカーの多くが、この範疇に入る。 他は、当該分野で周知の方法により容易に合成され得、そして/または以下に記載される。

    【0148】 好ましい骨格ジオメトリーを選択した場合、リンカーの物理的特性は、それらの化学的組成を変化させることにより、最適化され得る。 リンカーの組成は、多数の方法で変化され、多結合化合物のための所望の物理的特性を達成し得る。

    【0149】 従って、リンカーの組成のための多数(plethora)の可能性が存在すると理解され得る。 リンカーの例には、脂肪族部分、芳香族部分、ステロイド部分、ペプチドなどが挙げられる。 特定の例は、ペプチドまたはポリアミド、炭化水素、芳香族基、エーテル、脂質、カチオン性基またはアニオン性基、あるいはそれらの組み合わせである。

    【0150】 例が以下に示されるが、種々の変化がなされ得、そして等価なものが本発明の真の精神および範囲を逸脱することなく置換され得ると理解するべきである。 例えば、リンカーの特性は、補助基(ancillary group)をリンカーの中にまたはリンカー上に添加または挿入することにより改変され、例えば、
    多結合化合物の溶解度(水、脂肪、脂質、生物学的流体などにおいて)、疎水性、親水性、リンカーの可撓性、抗原性、安定性などを変化し得る。 例えば、リンカー上へのまたはリンカー中への1つ以上のポリ(エチレングリコール)(PE
    G)基の導入は、多結合化合物の親水性および水溶性を高め、分子量および分子の大きさの両方を増加し、そして非PEG化リンカーの性質に依存して、インビボでの保持時間を増加し得る。 さらに、PEGは抗原性を減少し得、そして潜在的にリンカーの全体の的な堅さを高める。

    【0151】 リンカーの水溶性/親水性を高める補助基、および結果的に得られた多結合化合物は、本発明の実施に有用である。 従って、例えば、エチレングリコール、アルコール、ポリオールの小さな繰り返し単位(例えば、グリセリン、グリセロールプロポキシレート、単糖およびオリゴ糖を含む糖類など)、カルボキシレート(例えば、グルタミン酸、アクリル酸などの小さな繰り返し単位)、アミン(例えば、テトラエチレンペンタミン)など)のような補助基を使用して、本発明の多結合化合物の水溶性および/または親水性を高めることは本発明の範囲内である。 好ましい実施態様において、水溶性/親水性を改善するために使用される補助基はポリエーテルである。

    【0152】 本明細書中に記載される多結合化合物の親油性および/または疎水性を高めるためにリンカーの構造内に親油性補助基を組み込むことはまた、本発明の範囲内である。 本発明のリンカーに有用な親油性基には、単なる例として、上記のような、非置換であるかまたは他の基で置換されるかのいずれかであり得るアリール基およびヘテロアリール基が挙げられるが、リンカーへのそれらの共有結合を可能とする基で少なくとも置換される。 本発明のリンカーに有用な他の親油性基には、より高い濃度に達するまで水性媒体中で二分子層を形成しない脂肪酸誘導体が挙げられる。

    【0153】 小胞あるいは他の膜構造(例えば、リポソームまたはミセル)に取り込まれているかまたは固定されている多結合化合物を生じる補助基の使用はまた、本発明の範囲内である。 用語「脂質」とは、二分子層またはミセルを形成し得る任意の脂肪酸誘導体をいい、その結果、脂質物質の疎水性部分はこの二分子層の方へ配向し、一方、親水性部分は水相の方へ配向する。 親水性の特性は、リン酸基、カルボン酸基、硫酸(sulfato)基、アミノ基、スルフヒドリル基、ニトロ基および当該分野で周知の他の類似の基の存在に由来する。 疎水性は、20個までの炭素原子の長鎖の飽和脂肪族炭化水素基および不飽和脂肪族炭化水素基、ならびに1個以上のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび/または複素環式基により置換されるそのような基を含むがこれらに限定されない基を含有することによって与えられ得る。 好ましい脂質はホスホグリセリドおよびスフィンゴ脂質であり、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、パルミトイルエオイル(palmitoyleoyl)ホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジル−エタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジステアロイル−
    ホスファチジルコリンまたはジリノレオイルホスファチジルコリンを含む代表的な例が使用され得る。 リンを含まない他の化合物(例えば、スフィンゴ脂質ファミリーおよびグリコスフィンゴ脂質ファミリー)はまた、脂質として示される基の範囲内である。 さらに、上記の両親媒性脂質は、トリグリセリドおよびステロールを含む他の脂質と混合され得る。

    【0154】 リンカーの可撓性は、嵩高くそして/または堅い補助基を含むことによって操作され得る。 嵩高いかまたは堅い基の存在は、リンカー内の結合、またはリンカーと補助基との間の結合、またはリンカーと官能基との間の結合の回りの自由な回転を妨げ得る。 堅い基には、例えば、コンホメーションの不安定性が、その基(例えば、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基および複素環式基)の中の環および/または多重結合の存在によって制限される基が挙げられ得る。 堅さを付与し得る他の基には、オリゴ鎖またはポリプロリン鎖のようなポリペプチド基が挙げられる。

    【0155】 堅さはまた、内部の水素結合により、または疎水性の減弱により付与され得る。

    【0156】 嵩高い基には、例えば、大きな原子、イオン(例えば、ヨウ素、硫黄、金属イオンなど)または大きな原子を含む基、多環式基が挙げられ得、この多環式基は芳香族基、非芳香族基および1個以上の炭素−炭素多重結合(すなわち、アルケンおよびアルキン)を組み込む構造を含む。 嵩高い基にはまた、分枝鎖または直鎖の種であるオリゴマーおよびポリマーが挙げられ得る。 分枝状である種は、直鎖の種よりも単位分子量増加当たりの構造の堅さを増加すると期待される。

    【0157】 好ましい実施態様では、堅さは、環式基(例えば、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環式など)の存在により付与される。 他の好ましい実施態様では、リンカーは1個以上の6員環を含む。 なおさらに好ましい実施態様では、その環は、例えば、フェニルまたはナフチルのようなアリール基である。

    【0158】 堅さはまた、静電的に付与され得る。 従って、補助基が正また負のいずれかに荷電している場合、同様に荷電した補助基は、存在するリンカーを、同じ電荷の各々の間で最大の距離を与える立体配置に強いる。 同じ電荷の基をお互いにより接近させるエネルギーコストは、そのリンカーを、同じ電荷の補助基の間の分離を維持する立体配置に保持する傾向にある。 さらに反対の電荷を帯びる補助基は、それらの逆に荷電した対照物に引き付けがちであり、そして潜在的に分子間および分子内の両方のイオン結合をし得る。 この非共有結合的メカニズムは、リンカーを、反対の電荷の基の間の結合を可能にするコンホメーションに保持する傾向にある。 荷電されるか、あるいはリンカーへの付加に続いて脱保護(pHの変化、酸化、還元、または保護基の除去を生じる当業者に公知の他のメカニズムによるカルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基またはアミノ基の脱保護を含む)した場合に潜在的な電荷を帯びる補助基を付加することは、本発明の範囲内である。

    【0159】 上記の観点では、適切な配向、制限された/制限されない回転、所望の程度の疎水性/親水性などを提供するリンカー基の適切な選択が、十分に当該分野の範囲内であることは明らかである。 本明細書中に記載される多結合化合物の抗原性の除去または減少はまた、本発明の範囲内である。 特定の場合では、多結合化合物の抗原性は、例えば、ポリ(エチレングリコール)のような基の使用により除去または減少され得る。

    【0160】 上記で説明されるように、本明細書中で記載される多結合化合物は、リンカーに結合される2〜10個のリガンドを含み、このリンカーは、それらが酵素に、
    その上のまたはその中のリガンド結合部位との多価相互作用のために提示されるような様式で、リガンドと結合する。 このリンカーは、これらの相互作用が、このリンカーにより規定されるディメンション内で起きるように、空間的に制約される。 この因子および他の因子は、単結合形態で利用可能にされる同数のリガンドと比較した場合、多結合化合物の生物学的活性を増加させる。

    【0161】 本発明の化合物は好ましくは、実験式(L) P (X) q (ここで、L、X、pおよびqは上記定義の通りである)により表される。 これは、これらのリガンドが、多価の目的を達成するため一緒に結合され得る幾つかの様式を含むと意図され、そしてより詳細な説明が以下に記載される。

    【0162】 上記に留意したように、このリンカーは、リガンドが結合される骨格としてみなされ得る。 従って、これらのリガンドは、この骨格の任意の適切な位置(例えば、直鎖の末端、または任意の中間の位置)で結合され得ると認識されるべきである。

    【0163】 最も単純でかつ最も好ましい多結合化合物は、L−X−Lとして表され得る二価化合物であり、ここで、各Lは独立して、同じであっても異なってもよいリガンドであり、そして各Xは独立して、リンカーである。 このような二価化合物の例は、図56(ここで、陰影付きの丸の各々がリガンドを表す)で提供される。
    三価化合物はまた、直線状の様式で(すなわち、繰り返し単位L−X−L−X−
    Lの配列として)表され得、ここで、Lはリガンドであり、そしてそれぞれの出現で同じであっても異なってもよく、Xも同様であり得る。 しかしながら、三量体はまた、中心コアに結合した3個のリガンドを含有するラジカル多結合化合物であり得、それゆえ(L) 3 Xとして表される(ここで、リンカーXには、例えば、アリール基またはシクロアルキル基が挙げられ得る)。 本発明の三価化合物および四価化合物の例証は、それぞれ図57および図58に見出され、ここでまた陰影付きの丸がリガンドを表す。 四価化合物は、例えば、以下の直線状のアレイで L−X−L−X−L−X−L 例えば、以下の分枝状アレイで

    【0164】

    【化6】

    (ブタンの異性体(n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチルおよびt−ブチル)と類似の分枝状構築物)、または例えば、以下の四面体のアレイで

    【0165】

    【化7】

    (ここで、XおよびLは、本明細書中で定義される通りである)で表され得る。


    あるいは、コアリンカーに4個のリガンドが結合した上記のようなアルキル誘導体、アリール誘導体またはシクロアルキル誘導体として表され得る。

    【0166】 同様の配慮が、図59に例示されるような、5〜10個のリガンドを含む本発明のより高次の多結合化合物に適用される。 しかし、アリールまたはシクロアルキルのような中心リンカーに結合される多結合剤に関して、存在するリガンドの数を収容するのに十分なリンカー上の結合部位がなければならないという自明な制約があり;例えば、ベンゼン環は、6個より多くのリガンドを直接収容し得ず、一方、多環リンカー(例えば、ビフェニル)はより多数のリガンドを収容し得る。

    【0167】 あるいは、特定の上記の化合物は、以下の環状の鎖の形態およびその変形として表され得る:

    【0168】

    【化8】

    上記バリエーションの全ては、式(L)

    P (X)

    qにより定義した本発明の範囲内であると意図される。

    【0169】 上記を考慮すると、好ましいリンカーは、次式 −X a −Z−(Y a −Z) m −Y b −Z−X a − により表され得: ここで: mは0〜20の整数であり; 各々別個に出現するX aは、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−、−C
    (O)O−、−C(O)NR−、−C(S)、−C(S)O−、−C(S)NR
    −または共有結合からなる群より選択され(ここで、Rは下記に定義した通りである); 各々別個に出現するZは、アルキレン、置換アルキレン、シクロアルキレン、
    置換シクロアルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アルキニレン、置換アルキニレン、シクロアルケニレン、置換シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、ヘテロシクレンまたは共有結合からなる群より選択され; 各々別個に出現するY aおよびY bは、

    【0170】

    【化9】

    −S−S−または共有結合からなる群より選択され; ここで: nは0、1または2であり;そして 各々別個に出現するR、R'およびR''は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、


    ヘテロアリールおよび複素環からなる群より選択される。

    【0171】 さらに、リンカー部分はその中の任意の原子で、1個以上のアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、
    シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環の基により、必要に応じて置換され得る。

    【0172】 本発明の1つの実施態様では、リンカー(すなわち、X、X'またはX'')
    は表IIに示したリンカーから選択される:

    【0173】

    【表2】

    本発明の別の実施態様において、リンカー(すなわち、X、X'またはX''


    )は、以下の式を有する:

    【0174】

    【化10】

    ここで、 各R

    aは、独立して、共有結合、アルキレン、置換アルキレンおよびアリーレンからなる群より選択され; 各R

    bは、独立して、水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群より選択され;そして n'は、1〜約20の範囲の整数である。

    【0175】 リンカーの上記の観点から、用語「リンカー」は、用語「多結合化合物」と組み合わせて使用される場合、その多結合化合物内に、隣接する共有結合的な単一リンカー(例えば、L−X−L)および隣接しない複数の共有結合的なリンカー(L−X−L−X−L)の両方を含む。

    【0176】 (リガンド) 細菌性リボソームRNAおよび/または細菌におけるリボソームのタンパク質合成に関与する1つ以上のタンパク質に結合する任意の化合物、ならびに好ましくは、そのような結合を介してタンパク質発現を阻害する任意の化合物は、本明細書中に記載される化合物を調製するためのリガンドとして使用され得る。 このようなリガンドは、当業者に周知である。

    【0177】 好ましくは、式Iの多結合化合物における各リガンド(L)は、独立して、図1に示される式の化合物から選択される。

    【0178】 図1に示されるリガンド(およびそれらの前駆体/シントン)は、当該分野で周知であり、そして当該分野で認識された開始物質、試薬および反応条件を使用して容易に調製され得る。 例示の目的のために、以下の特許および刊行物は、図1に示される式を有するリガンドの調製において有用な化合物、中間体および前駆体または本発明における使用に適切な関連する化合物を開示する。

    【0179】

    【数1】

    これらの特許および刊行物の各々は、あたかも各個々の特許または刊行物が、


    具体的かつ個々に、その全体において本明細書中で参考として援用されているのと、同じ程度まで、その全体が本明細書中で参考として援用される。

    【0180】 クロラムフェニコール、エリスロマイシン(erythromicin)、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、ジリスロマイシン(dirithrom
    ycin)、フルリスロマイシン(flurithromycin)、クリンダマイシン、リンコマイシン、キノプリスチン(quinopristin)、ダルフォプリスチン(dalfopristin)、ストレプトグラミン(str
    eptogramin)、リネゾリド(linezolid)、U−10048
    0、U−101603、U−94901、U−101244、プリスチナマイシン(pristinamycin)、MJ−347−81F4A、HMR−36
    47、L−708299、A−184656、L−708365、L−7016
    77、レキシトロマイシン(lexithromycin)、RU−64004
    、CP−227182、CP−426027、TEA−0769、CP−279
    107、RU−56006、RU−6652、RU−59616、L−7444
    34、L−744433、L−740893、L−709936、ロイコマイシン(leucomycin)、A−179796、エペレゾリド(eperez
    olid)、およびU−100480のような薬物は、50Sリボソームサブユニットへの結合を通じてリボソームのタンパク質生合成を阻害する。 これらは、
    細菌性感染、一般に、およびより詳細には、Pneumocystis car
    inii感染を処置するために使用され得る。

    【0181】 テトラサイクリン、クロロテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、デメクロサイクリン、メタサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、CL−
    331002、グリシルサイクリン(glycylcycline)、CL−3
    31928,CL−344667、CL−329998およびPAM−MINO
    のような薬物は、30Sリボソームユニット上のアミノアシルtRNA部位への結合を通じてリボソームのタンパク質生合成を阻害する。 これらは、一般に細菌性感染を処置するために使用され得る。

    【0182】 ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ネチルマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、スペクチノマイシン、ダクチノマイシン(dactimicin)、パラモマイシンおよびトロスペクトマイシン(t
    rospectomycin)のような薬物は、30Sリボソームユニットへの結合を通じてリボソームのタンパク質合成を阻害する。 これらは、一般に細菌性感染を処置するために使用され得る。

    【0183】 フシジン酸およびプルプロマイシン(purpuromycin)のような薬物は、可溶性タンパク質因子への結合を通じてタンパク質合成を阻害する。 これらは、一般に細菌性感染を処置するために使用され得る。

    【0184】 (多結合化合物の調製) 本発明の多結合化合物は、以下の一般的な方法および手順を用いて、利用可能な出発物質から容易に調製され得る。 代表的または好ましい処理条件(すなわち、反応温度、時間、反応試薬のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、他の処理条件もまた、他に言及することがなければ使用され得ることが理解される。 至適反応条件は、使用する特定の反応試薬または溶媒に伴って変化し得るが、
    そのような条件は、寛容的な至適化手順により、当業者によって決定され得る。

    【0185】 さらに、当業者に明らかであるように、従来の保護基は、特定の官能基が望ましくない反応を起こすのを防ぐ必要があり得る。 特定の官能基に対する適切な保護基および保護および脱保護に適切な条件の選択は、当該分野において周知である。 例えば、多くの保護基ならびにそれらの導入および除去は、T. W. Gre
    eneおよびG. M. Wuts、Protecting Groups in
    Organic Synthesis、第二版、Wiley、New York
    、1991およびそこで引用される参考文献に記載される。

    【0186】 細菌性リボソームRNA、および/または細菌性リボソーム中に存在する1つ以上のタンパク質に結合し、そして好ましくはタンパク質の発現を阻害するか、
    またはそうでなければ逆にタンパク質の発現に影響を及ぼす、任意の化合物は、
    本発明においてリガントとして使用され得る。 さらに以下に詳細に記載されるように、多くのそのような化合物は、当該分野において公知であり、そして任意のこれらの公知の化合物またはそれらの誘導体は、本発明においてリガンドとして使用され得る。 代表的に、リガンドとしての使用のために選択される化合物は、
    少なくとも1つの官能基(例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基またはカルボキシル基など)を有し、これにより、化合物はリンカーに容易に結合され得る。 そのような官能基を有する化合物は、当該分野において公知であるかまたは従来の試薬および手順を用いて、公知の化合物の慣用的な修飾により、調製され得る。 上記に示された特許および出版物は、適切に官能化されたマクロライド系抗生物質、アミノ配糖体、リンコサミド(lincosamides)、オキサゾリジンオン類(oxazolidinone)、ストレプトグラミン(s
    treptogramins)、テトラサイクリン、ならびに細菌性リボソームRNAおよび/または細菌におけるリボソームタンパク質合成に関与する1つ以上のタンパク質と結合する他の化合物、およびそれらの中間体(これらは、本明細書中でリガンドとして使用され得る)の多くの例を提供する。

    【0187】 リガンドがリンカーに結合する場合、すくなくとも1つのリガンドが、細菌性リボソームRNAおよび/または細菌においてリボソームタンパク質合成に関与する1つ以上のタンパク質と結合する能力を保持するならば、リガンドは、リガンド上の任意の利用可能な位置を通してリンカーと共有結合され得る。 リンカーのリガンドへの特定の結合部位は、公知の構造活性関係に基づくことが好ましい。 好ましくは、リンカーは、構造活性研究が、広範な種々の置換がレセプターの活性を喪失することなしに、許容されることを示すリガンド上の部位に結合される。

    【0188】 以下の方法を使用して、本発明の他の多結合化合物を調製し得ることが、当業者に理解される。 リガンド前駆体、例えば、脱離基または求核基を含むリガンドは、従来の試薬および条件を用いて、求核基または脱離基を含むリンカー前駆体に共有結合し得る。

    【0189】 スキームA(図2)に示されるように、エリトロマイクラミン(erythr
    omyclamine)とFmoc保護したグリシン(glycinal)との反応産物、続いて得られたイミンの還元および脱保護による反応産物(化合物1
    03)は、リガンドダイマーを生じる慣用的なアミド化条件下で二塩基酸と反応され得る。

    【0190】 スキームB(図3)に示されるように、エリトロマイクラミンのアミンは、保護され得、そして反応性ヒドロキシ基は、反応してイミダゾリド(これは、ジアミンと反応してリガンドダイマーを形成し得る)を形成し得る。

    【0191】 スキームC(図4)に示されるように、イミダゾリドは、アミノ酸と反応し得る。 得られた化合物は、慣用的な条件を用いて(103)中のフリーのアミノ基と結合し得るカルボン酸基を有する。

    【0192】 スキームD(図5)に示されるように、イミダゾリドは、2当量のアミンと反応してジウレア化合物を形成し得る。

    【0193】 スキームE(図6)に示されるように、2当量のアミン含有化合物は、アジピン酸のような二塩基酸と反応してジアミドを形成し得る。

    【0194】 スキームF(図7)に示されるように、イミダゾリドは、アミノ酸と反応してウレア結合を形成し得、そしてアミノ酸由来のフリーのカルボン酸基は、アミンと結合してリガンドダイマーを形成し得る。

    【0195】 スキームG(図8)およびスキームH(図9)に示されるように、アミン基を含む2つの分子は、二臭化物か二塩基酸と反応して所望の化合物を形成し得る。

    【0196】 スキームI(図10)に示されるように、アルデヒド基を含む2当量のリガンドは、2つのアミン基を含むリンカーと反応し得、そして得られたイミンが還元されてジアミンが形成され得る。

    【0197】 スキームJ(図11)に示されるように、アミン基を含むリガンドは、アルデヒド基を含むリンカーと反応し得、そして得られたイミンが還元されてジアミンが形成され得る。

    【0198】 スキームK(図12)に示されるように、二級アミンを含むリガンドは、Fm
    oc保護したグリシンと反応し得、そして得られたアミンを脱保護して一級アミン誘導体が形成され得る。 2当量の一級アミンは、二塩基酸と反応してリガンドダイマーを形成し得る。

    【0199】 スキームL(図13)に示されるように、芳香族アミン基を有するリガンドは、反応してイミダゾリドを形成し得る。 この2当量のイミダゾリドは、ジアミンと反応してジウレア化合物を形成し得る。

    【0200】 スキームM(図14)に示されるように、スキームLからのイミダゾリドは、
    アミノ酸と反応してアミド結合を形成し得、そしてフリーのカルボン酸基は、第二のリガンド上でアミン基と反応して混合リガンドとダイマーを生成し得る。

    【0201】 スキームN(図15)に示されるように、2当量のα−β不飽和ケトン部分を有するリガンドは、ジチオールと反応して、リガンド上の二重結合にチオールが付加された後、所望の産物を形成し得る。

    【0202】 スキームO(図16)に示されるように、一級アミン基を有する2当量のリガンドは、適切な条件下で二塩基酸と反応してジアミド反応産物を形成し得る。

    【0203】 スキームP(図17)に示されるように、α−β不飽和ケトンを有する1当量のリガンドは、二重結合にチオールが付加されるように、チオール基およびカルボン酸基を含むリンカーと反応し得る。 次いで、フリーのカルボン酸は、第二のリガンド上のアミン基と自由に反応してダイマーを形成し得る。

    【0204】 スキームQ(図18)に示されるように、不飽和エステル結合を有する2当量のリガンドはまた、チオール基が二重結合に付加されるような条件下でジチオールリンカーと反応して所望の産物を形成し得る。

    【0205】 スキームR(図19)に示されるように、得られる産物が、次いで第二のリガンド(不飽和エステル部分を含む)と反応し得る反応性チオール基を含むように、α−β不飽和ケトンを含む1当量の第一のリガンド、と1当量のジチオールとが反応して混合ダイマーを形成し得る。

    【0206】 スキームS(図20)に示されるように、不飽和エステル部分を含む1当量のリガンドが、チオールおよびカルボン酸部分を含む1当量のリンカーと反応してフリーのカルボン酸基を含む中間体を形成し得る。 次いで、このカルボン酸基は、第二のリガンド上のフリーのアミン基と反応して、混合ダイマーを形成し得る。

    【0207】 スキームT(図21)に示されるように、1を超えるアミン基を有するリガンドは、ジハライド(dihalide)と反応してダイマーの混合物を形成し得る。

    【0208】 スキームU(図22)に示されるように、一級アミン基および1つ以上のさらなる二級アミン基を有するリガンドは、第二のリガンド上のアルデヒド基と選択的に反応して、中間体リンカー分子を必要とせずにダイマーを形成し得る。

    【0209】 スキームV(図23)に示されるように、一級アミン基および1つ以上のさらなる二級アミン基を有するリガンドは、2つの酸性基を含むリンカー分子と選択的に反応してダイマーを形成し得る。

    【0210】 スキームW(図24)に示されるように、保護されていないアミン基および1
    つ以上のさらなる保護されたアミン基を有するリガンドは、2つのブロモ基を有するリンカー分子と選択的に反応してダイマーを形成し得る。

    【0211】 スキームX(図24A)に示されるように、保護されていないアミン基および1つ以上のさらなる保護されたアミン基を有するリガンドは、ハライド基およびカルボン酸基を有するリンカー分子と選択的に反応して、フリーのカルボン酸基を有する中間体を形成し得、次いで、これをアミン基を含む別のリガンドと反応させて混合ダイマーを形成し得る。

    【0212】 スキームY(図25)に示されるように、アミン基を有する1当量のリガンドは、2つの酸性基を有する1当量のリンカーと反応して、フリーのカルボン酸基を有する中間体を形成し得る。 この中間体は、保護されていないアミン基および1つ以上のさらなる保護されたアミン基を含む第二のリガンドと反応して、混合ダイマーを形成し得る。

    【0213】 スキームZ(図25A)に示されるように、二級アミン基を有するリガンドは、ハライドおよびカルボン酸基を含むリンカー分子と反応して、フリーのカルボン酸基を有する中間体を形成し得る。 次いで、この中間体は、フリーのアミン基を有する第二のリガンドと反応して混合ダイマーを形成し得る。

    【0214】 スキームAA(図26)に示されるように、イミダゾリド基(および図26中の保護されたアミン基)を含む1当量のリガンドは、2つのアミン基を有する1
    当量のリンカー分子と反応して、フリーのアミノ基を有する中間体を形成し得る。 この中間体は、イミダゾリド基を有する第二のリガンドと反応して、混合ダイマーを形成し得る(図26中、保護されたアミン基は次いで脱保護される)。

    【0215】 スキームBB(図27)に示されるように、フリーの一級アミン基を有する1
    当量のリガンドは、1当量の二塩基酸と反応して、フリーのカルボン酸基を有する中間体を形成し得る。 この中間体は、フリーのアミン基を有する第二のリガンドと反応して混合ダイマーを形成し得る。

    【0216】 スキームCC(図28)に示されるように、ウレタン基およびフリーのカルボン酸基を含む中間体リガンド/ダイマーは、フリーのアミン基を含む第二のリガンドと反応して混合ダイマーを形成し得る。

    【0217】 スキームDD(図29)に示されるように、イミダゾリドまたは他の活性化カルボン酸基を有する1当量のリガンドは、2つのアミン基を有する1当量のリンカーと反応して、フリーのアミン基を有する中間体を形成し得る。 この中間体は、イミダゾリドまたは他の活性化カルボン酸基を有する第二のリガンドと反応して混合ダイマーを形成し得る。

    【0218】 スキームEE(図30)に示されるように、2つのフリーのアミン基を有する1当量のリガンドは、ハライドおよびカルボン酸基を有するリンカーと反応して、フリーのカルボン酸基を有する中間体の混合物を形成し得る。 次いで、これらの中間体は、フリーのアミン基を有する第二のリガンドと反応して、リガンドダイマーの混合物を形成し得る。

    【0219】 スキームFF(図31)に示されるように、イミダゾリドまたは他の活性化カルボン酸基を有する1当量のリガンドは、2つのアミン基を有する1当量のリンカーと反応して、フリーのアミン基を有する中間体を形成し得る。 そしてこの中間体は、イミダゾリドまたは他の活性化カルボン酸基を有する第二のリガンドと反応して混合ダイマーを形成し得る。

    【0220】 スキームGG(図32)に示されるように、アミン基を含む第一のリガンドと二塩基酸との反応により形成された中間体は、フリーのアミン基を有する第二のリガンドと反応して混合ダイマーを形成し得る。

    【0221】 スキームHH(図33)に示されるように、イミダゾリド基を含む第一のリガンドとアミン基およびカルボン酸を含むリンカーとの反応により形成された中間体は、フリーのアミン基を有する第二のリガンドと反応して混合ダイマーを形成し得る。

    【0222】 スキームII(図34)に示されるように、イミダゾリド(imidiazo
    lide)または他の活性化カルボン酸基を含むリガンドと2つのアミン基を有するリンカーとの反応により形成された中間体は、イミダゾリド(imidia
    zolide)または他の活性化カルボン酸基を有する第二のリガンドと反応して混合ダイマーを形成し得る。

    【0223】 スキームJJ(図35)に示されるように、アミン基を有するリガンドは、ハライドおよびカルボン酸基を有するリンカーと反応して、フリーのハライド基を有する中間体を形成し得る。 この中間体は、フリーのアミン基を有する第二のリガンドと反応して混合ダイマーを形成し得る。

    【0224】 スキームKK(図36)に示されるように、イミダゾリドまたは他の活性カルボン酸基を有するリガンドは、一級アミン基およびハライド基を有するリンカーと反応して、ハライド基を有する中間体を形成し得る。 ハライド基は、第二のリガンド上のアミンと反応して混合ダイマーを形成し得る。

    【0225】 スキームLL(図37)に示されるように、二級アミン基を有するリガンドは、ハライド基およびカルボン酸基を有するリンカーと反応して、フリーのカルボン酸基を有する中間体を形成し得る。 この中間体は、フリーのアミン基を有する第二のリガンドと反応して混合ダイマーを形成し得る。

    【0226】 スキームMM(図38)に示されるように、二級アミン基を有する1当量のリガンドは、1当量のジハライドリンカーと反応してハライド基を有する中間体を形成し得る。 この中間体は、2つのフリーのアミン基を有する第二のリガンドと反応して、混合ダイマーの混合物を形成し得る。

    【0227】 スキームNN(図39)に示されるように、二級アミン基を有する1当量のリガンドは、ハライド基およびカルボン酸基を有するリンカーと反応して、フリーのカルボン酸基を有する中間体を形成し得る。 この中間体は、アミン基を有する第二のリガンドと反応して混合ダイマーを形成し得る。

    【0228】 スキームOO(図40)に示されるように、アミノ基を含むリガンドおよび2
    つのカルボン酸基を有するリンカーより形成された中間体は、アミン基を有する第二のリガンドと反応して混合ダイマーを形成し得る。

    【0229】 スキームPP(図41)に示されるように、不飽和ケトン基を含むリガンドとチオールおよびカルボン酸基を有するリンカーとの反応により形成された中間体は、アミン基を有する1当量の第二のリガンドと反応して、混合ダイマーを形成し得る。

    【0230】 スキームQQ(図42)に示されるように、不飽和エステル基を含むリガンドとチオール基およびカルボン酸基を有するリンカーとの反応によって形成された中間体は、アミン基を有する1当量の第二のリガンドと反応して、混合ダイマーを形成し得る。

    【0231】 スキームRR(図43)に示されるように、二級アミン基を有するリガンドとハライド基およびカルボン酸基を有するリンカーとの反応により形成された1当量の中間体は、アミン基を有する第二のリガンドと反応して、混合ダイマーを形成し得る。

    【0232】 スキームSS(図44)に示されるように、一級アミン基を有するリガンドは、チオール基およびカルボン酸基を含むリンカーと不飽和エステル基を有するリガンドとの反応より形成された中間体と反応して、混合ダイマーを形成し得る。

    【0233】 スキームTT(図45)に示されるように、アミン基を有する1当量のリガンドは、2つのカルボン酸基を有する1当量のリンカーと反応して、フリーのカルボン酸基を有する中間体を形成し得る。 そしてその中間体は、アミン基を有する第二のリガンドと反応して、混合ダイマーを形成し得る。

    【0234】 スキームUU(図46)に示されるように、イミダゾリド基を含むリガンドとアミン基およびカルボン酸基を含むリンカー分子との反応によって形成された中間体は、フリーのアミン基を有する第二のリガンドと反応して、混合ダイマーを形成し得る。

    【0235】 スキームVV(図47)およびスキームWW(図48)に示されるように、不飽和エステル基を含むリガンドとチオール基およびカルボン酸基を含むリンカーとの反応により形成された中間体は、アミン基を有する第二のリガンドと反応して、混合ダイマーを形成し得る。

    【0236】 スキームXX(図49)に示されるように、保護されていないアミン基(および、図に示されるような、4つの保護されたアミン基)を含むリガンドと2つのハライド基を含むリンカーとの反応により形成された中間体は、アミン基を含むリガンドと反応して、混合ダイマーを形成し得る。 この保護されたアミン基は、
    次いで脱保護され得る。

    【0237】 スキームYY(図50)に示されるように、保護されていないアミン基を含む第一のリガンドは、ジハライドリンカーと反応して、フリーのハライド基を有する中間体を形成し得る。 この中間体は、2つの保護されていないアミン基を有するリガンドと反応して、混合ダイマーの混合物を形成し得る。 この保護されたアミン基は、次いで、脱保護され得る。

    【0238】 スキームZZ(図51)に示されるように、アミン基を有する1当量のリガンドは、1当量のジハライドと反応して、フリーのハライド基を有する中間体を形成し得る。 この中間体は、2つのフリーのアミン基を有する第二のリガンドと反応して、混合ダイマーの混合物を形成し得る。

    【0239】 スキームAAA(図52)に示されるように、2つの二級アミン基を有する1
    当量のリガンドとハライド基およびカルボン酸基を有する1当量のリンカーとの反応により形成される2つの中間体は、一級アミン基を含む第二のリガンドと反応して、混合ダイマーの混合物を形成し得る。

    【0240】 スキームBBB(図53)に示されるように、アミン基を含む1当量の第一のリガンドは、2つのイソチアネート基を有する1当量のリンカー分子と反応して、ウレア結合およびフリーのイソチアネート基を有する中間体を形成し得る。 この中間体は、アミン基を有する第二のリガンドと反応して、2つのウレア結合を有する混合ダイマーを形成し得る。

    【0241】 スキームCCC(図54)に示されるように、アミン基を有するリガンドは、
    2つのカルボン酸基を有するリンカーと結合して、フリーのカルボン酸基を有する中間体を形成し得る。 この中間体は、アミン基を有する第二のリガンドと反応して、混合ダイマーを形成し得る。

    【0242】 スキームDDD(図55)に示されるように、アミン基を有するリガンドは、
    ハライド基およびカルボン酸基を含むリンカーと反応して、フリーのカルボン酸基を有する中間体を形成し得る。 この中間体は、アミン基を有する第二のリガンドと反応して、混合ダイマーを形成し得る。

    【0243】 上記の各反応スキームにおいて、特定の抗生物質またはそれらの組み合わせを列挙する。 しかし、これらのスキームは、類似した反応基を有する他のリガンドに適用可能であることが意図される。

    【0244】 本明細書中に記載されるリガンドのような分子と本明細書中に記載されるリンカー分子とをカップリングするための他の方法が、当業者に周知である。 例えば、ハライド、トシレートまたは他の脱離基を有する2当量のリガンド前駆体は、
    2つの求核基(例えば、フェノキシド基)を含むリンカー前駆体と容易にカップリングしてダイマーを形成し得る。 この反応で使用される脱離基は、例えば、クロロ、ブロモ、またはヨードのようなハロゲン、またはトシル、メシルのような硫酸基などを含む任意の従来の脱離基であり得る。 求核基がフェノールである場合、フェノールヒドロキシル基を効率的に脱プロトン化する任意の塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムエトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどを含む)が使用され得る。 求核置換反応は、代表的には、不活性希釈液(例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトン、2−ブタノン、1−メチル−2
    −ピロリジノンなど)中で、行われる。 この反応の完了後、ダイマーは、代表的には、抽出、濾過、クロマトグラフィーなどのような従来の手順を使用して単離される。

    【0245】 さらなる実例として、親水性リンカーを有するダイマーが、求核基を含むリガンド前駆体および脱離基を含むポリオキシエチレン(例えば、ポリ(オキシエチレン)ジブロミド(ここで、オキシエチレン単位の数は、代表的には、1〜約2
    0の整数である))を使用して形成される。 この反応では、2モル当量のリガンド前駆体が、過剰の炭酸カリウムの存在下で、1モル当量のポリ(オキシエチレン)ジブロミドと反応して、ダイマーを形成し得る。 この反応は、代表的には、
    N,N−ジメチルホルムアミド中で、温度約25℃〜約100℃の範囲で、約6
    〜48時間の間行われる。

    【0246】 あるいは、リガンドを連結しているリンカーは、いくつかの工程において調製され得る。 詳細には、リガンド前駆体は、最初に「アダプター」(すなわち、一方の末端に脱離基、およびアダプターが中間のリンカー基にカップリング可能である他方の末端に別の官能基を有する二官能性基)にカップリングされ得る。 いくつかの場合、中間体リンカーにカップリングするために用いられる官能基は、
    一時的に保護基(「PG」)でマスクされる。 アダプターの代表的な例としては、実例として、tert−ブチルブロモアセテート、1−Fmoc−2−ブロモエチルアミン、1−トリチル−2−ブロモエタンチオール、4−ヨードベンジルブロミド、プルパジルブロミドなどが、挙げられる。 リガンド前駆体がアダプターにカップリングされ、そして保護基がアダプターの官能基から除去され(保護基が存在する場合)て中間体を形成した後、次いで、この2モル当量の中間体は、中間体のリンカーとカップリングしてダイマーを形成する。

    【0247】 リガンド前駆体は、脱離基および保護基の両方を含むアダプターとカップリングして、保護された中間体を形成し得る。 この反応で使用される脱離基は、実例として、クロロ、ブロモ、またはヨードのようなハロゲン、またはトシル、メシルのような硫酸基などを含む、任意の従来の脱離基であり得る。 同様に、実例として、メチル、tert−ブチル、ベンジル(「Bn」)および9−フルオレニルメチル(「Fm」)エステルのようなエステルを含む任意の従来の保護基が使用され得る。

    【0248】 保護された中間体は、次いで、従来の手順および反応試薬を使用して脱プロトン化し、脱プロトン化された中間体を形成し得る。 例えば、tert−ブチルエステルは、ジクロロメタン中で95%トリフルオロ酢酸で容易に加水分解される;メチルエステルは、テトラヒドロフラン/水中で水酸化リチウムで加水分解され得る;ベンジルエステルは、触媒(例えば、炭素上のパラジウム)の存在下で、水素化分解により除去され得る;そして、9−フルオレニルメチルエステルは、DMF中で20%ピペリジンを使用して、容易に切断され得る。 所望ならば、
    他の周知の保護基および脱保護手順が、これらの反応において使用され、脱プロトン化された中間体を形成し得る。

    【0249】 同様に、アミン官能基を有するアダプターを有するリガンド前駆体が、調製され得る。 リガンド前駆体は、脱離基および保護されたアミン基を含むアダプターとカップリングして、保護された中間体を生成し得る。 この反応において使用される脱離基は、任意の従来の脱離基であり得る。 同様に、実例として、トリチル、tert−ブトキシカルボニル(「Boc」)、ベンジルオキシカルボニル(
    「CBZ」)および9−フルオレニルメトキシ−カルボニル(「Fmoc」)を含む任意の従来のアミン保護基が、使用され得る。 アダプターをリガンド前駆体とカップリングさせた後、得られる保護された中間体は、従来の手順および反応試薬を用いて、脱保護化され、アミン基を含むリガンド前駆体が生成される。 例えば、トリチル基は、アセトン中で塩化水素を用いて容易に除去される;Boc
    基は、ジクロロメタン中で95%のトリフルオロ酢酸を用いて除去される;CB
    Z基は、触媒(例えば、炭素上のパラジウム)の存在下で水素化分解により除去され得る;そして、9−フルオレニルメトキシカルボニル基は、DMF中で20
    %ピペリジンを用いて容易に切断されて脱ブロックされたアミンを生成し得る。
    他の周知のアミン保護基および脱プロトン化手順は、アミン含有中間体および関連した化合物を形成するためのこれらの反応において使用され得る。

    【0250】 アダプター(例えば、フリーのカルボン酸基またはフリーのアミン基を含むアダプター)を有するリガンド前駆体は、相補的な官能基を有する中間体のリンカーと容易にカップリングして、本明細書中に記載されるような多結合化合物を形成し得る。 例えば、1つの成分が、カルボン酸基を含み、かつ他方の成分がアミン基を含む場合、このカップリング反応は、代表的には、従来のペプチドカップリング反応試薬を使用し、そして従来のカップリング反応条件下(代表的には、
    トリアルキルアミン(例えば、エチルジイソプロピルアミン)の存在下で)で行われる。 この反応における使用に適切なカップリング試薬は、実例として、カルボジイミド(例えば、エチル−3−(3−ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミド(EDC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)など)、および他の周知のカップリング反応試薬(例えば、N,N−カルボニルジイミダゾール、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(
    BOP)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N
    '−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)など)を含む。 必要に応じて、周知のカップリングプロモーター(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドオキシベンゾトリアゾール(HOBT)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)など)が、この反応において使用され得る。 代表的には、このカップリング反応は、温度約0℃〜約60℃の範囲で、約1〜約72時間の間、不活性希釈液(例えば、THF)中で行われダイマーを生成する。

    【0251】 本明細書中に記載される多結合化合物はまた、広範な種々の他の合成反応および反応試薬を使用して調製され得る。 例えば、アリールイオダイド、カルボン酸、アミンおよびホウ酸の官能基を有するリガンド前駆体が調製され得る。 ヒドロキシメチルピロールは、Mitsunobu反応条件下で、種々のフェノールと容易にカップリングして、脱プロトン化の後、官能化された中間体を提供し得る。 このMitsunobu反応は、代表的には、ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)およびトリフェニルホスフィンを用いた、室温で約48時間のヒドロキシメチルピロールおよび適切なフェノールの反応により、行われ得る。 必要ならば、次いで従来の手順および反応試薬を用いた脱プロトン化は、官能化された中間体を生成する。

    【0252】 この官能化された中間体は、多結合化合物の合成において使用され得る。 例えば、アリールイオダイド中間体は、ビス−ホウ酸リンカーとカップリングしてダイマーを提供し得る。 代表的には、この反応は、還流しているトルエン中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、炭酸ナトリウムおよび水の存在化で、2モル当量のアリールイオダイドと1モル当量のビス−ホウ酸とを接触させることによって行う。

    【0253】 アリールイオダイド中間体はまた、アクリレート中間体またはアルキン中間体とカップリングしてダイマーを形成し得る。 これらの反応は、代表的には、2モル当量のアリールイオダイド中間体を、N,N−ジメチルホルムアミド中でジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ヨウ化銅(I)およびジイソプロピルエチレンアミンの存在化で、1モル当量のアクリレートまたはアルキンのいずれかと接触させることにより行われ、それぞれのダイマーを得る。

    【0254】 当業者に容易に明らかであるように、本明細書中に記載されるか、または当該分野において公知の合成手順を改変して、本明細書の範囲内の広範な種々の化合物を生成し得る。

    【0255】 (コンビナトリアルライブラリ) 本明細書に記載される方法は、それ自体、多結合特性を所有する多量体化合物を同定するためのコンビナトリアルアプローチに役立つ。

    【0256】 具体的には、標的上の結合部位の関連したアレイに関する多結合化合物の個々のリガンドの正しい並置のような因子は、多結合化合物とその標的との相互作用を最適化する際に、また、多価性による生物学的な利点を最大にするために、重要である。 1つのアプローチには、特定の標的に対して関連性がある多結合パラメータに及ぶ特性を備えた候補多結合化合物のライブラリを同定することがある。 これらのパラメータには、以下が挙げられる:(1)リガンドの素性、(2)
    リガンドの配向、(3)この構造物の原子価、(4)リンカーの長さ、(5)リンカーのジオメトリ、(6)リンカーの物理的特性、および(7)リンカーの化学的官能基。

    【0257】 多結合特性を持っている可能性のある多量体化合物(すなわち、候補多結合化合物)であって、そして複数のこのような変数を含む多量体化合物のライブラリが調製され、これらのライブラリは、次いで、選択したリガンドおよび望ましい多結合パラメータに対応する通常のアッセイによって、評価される。 これらの変数の各々に関連した要件は、以下で示す: (リガンドの選択) 単一リガンドまたはリガンドセットは、そのライブラリが特定の生体標的、すなわち、細菌リボソームRNAおよび/または細菌におけるリボソームタンパク質合成に関与する1つ以上のタンパク質への(好ましくは、タンパク質発現を阻害するか、そうでなければ悪影響を及ぼす様式の)結合、に対して向けられる候補多結合化合物のライブラリへの組み込みについて、選択される。 選択するリガンドに対する唯一の要件は、それらが、選択した標的と相互作用できるということである。 それゆえ、リガンドは、公知薬剤、公知薬剤の改良型、公知薬剤または公知薬剤の改良型の基質の下部構造(これらは、この標的と相互作用する能力がある)、または他の化合物であり得る。 リガンドは、好ましくは、既知の有利な特性(これは、多結合形状に持ち越されるかまたはそこで増強されるように、
    考案され得る)に基づいて、選択される。 有利な特性には、ヒトの患者において立証された安全性および効能、適当なPK/ADMEプロフィール、合成の容易さ、および望ましい物理的特性(例えば、溶解性、logPなど)が挙げられる。 しかしながら、先のリストのうちの不利な特性を示すリガンドでも、多結合化合物形成工程を通じてさらに有利な特性が得られる場合があることを記すことは、重要である;すなわち、このような基準に基づいて、必ずしも、リガンドを除外すべきではない。 例えば、ヒトの患者に有効である程には特定の標的で充分に効力がないリガンドは、多結合形状で提示されるとき、非常に効力があってかつ有効となり得る。 機構とは無関係の毒性副作用があるために、効力があって有効ではあるが有用性がないリガンドは、多結合化合物としては、高い治療指数(毒性と比べた高い効力)を有し得る。 短いインビボ半減期を示す化合物は、多結合化合物としては、長い半減期を有し得る。 リガンドの有用性を限定する物理的特性(例えば、低い溶解性、疎水性、親水性が原因の乏しいバイオアベイラビリティー)は、多結合形状では、合理的に変調され得、所望の有用性に合わせた物理的特性を備える化合物が提供される。

    【0258】 (配向:リガンド結合点および連結化学反応の選択) 各リガンドについて、このリガンドをリンカーに結合する数個の点が選択される。 このリガンド/リンカー上で選択した結合点は、相補的な反応性官能基を含有するように、官能基化される。 これにより、複数の相対的配向でリガンドをそれらの標的結合部位(単数または複数)に提示する効果を精査すること(重要な多結合設計パラメータ)が可能となる。 結合点を選択する唯一の要件には、これらの点の少なくとも1個に結合することがリガンドの活性を妨げないということがある。 このような結合点は、構造上の情報(それが入手できるとき)により、
    確認できる。 例えば、その標的に結合したリガンドの共晶構造を検査すると、リンカー結合がそのリガンド/標的相互作用を妨げない1個またはそれ以上の部位を同定できる。 あるいは、核磁気共鳴によってリガンド/標的結合を評価すると、リガンド/標的結合には必須ではない部位が同定できる。 例えば、その開示の全体が本明細書に参考として援用されるFesikら、米国特許第5,891,
    643号を参照のこと。 このような構造上の情報が入手できないとき、リガンドに対する構造−活性関係(SAR)の利用により、実質的な構造上の変化が可能である位置および可能でない位置が示唆される。 構造上の情報およびSAR情報の両方がないとき、ライブラリは、単に、このリガンドを複数の異なる配向で提示できる複数の結合点で、選択される。 このライブラリの引き続いた評価は、どの点が結合に適当であるかを示す。

    【0259】 この単量体リガンドの活性を妨げる結合位置もまた、このような化合物が固有の活性を妨げない様式で結合された少なくとも1個のリガンドを持っているという条件で、このライブラリ中の候補多結合化合物に含めるのが有利であり得ることを強調しておくのは、重要である。 この選択は、例えば、単一標的分子に関連したヘテロ二価相互作用に由来する。 例えば、その標的に結合したリガンドを考慮し、次いで、この第1の結合部位(これは、形式的なリガンド結合部位の一部ではない標的の要素および/または膜のような形式的な結合部位を取り囲むマトリックスの要素を含む)に近接した部位にて第二リガンドを同じ標的と相互作用させるリンカーを用いて、同じリガンドの第二コピーをそれに結合することにより、このリガンドを改変することを考慮する。 この時、この第二リガンド分子の相互作用に最も有利な配向は、この第1の結合部位にて、このリガンドの活性を妨げる位置で、このリンカーと結合することにより、達成され得る。 このことを考慮する別の方法には、多結合構造に関連した個々のリガンドのSARが、しばしば、単量体形状での同じリガンドのSARとは異なることがある。

    【0260】 前述の考察は、異なる結合点(その1個は、この単量体リガンドの結合/活性を妨げ得る)を介して単一リンカーに結合された同じリガンドの2個のコピーを持つ二量体状化合物の二価相互作用に焦点を当てた。 二価の利点はまた、共通の標的または異なる標的に結合する2個の異なるリガンドを持つヘテロマー状構造物を用いても、達成され得ることがまた、理解できるはずである。

    【0261】 一旦、このリガンド結合点が選択されると、これらの結合点で可能な化学結合型を同定する。 最も好ましい化学結合型には、容易でかつ一般的に形成されるリガンド(または保護形状のリガンド)の全体的な構造に適合性であって、典型的な化学的条件および生理学的条件下にて安定かつ本質的に無毒であって、そして多数の利用可能なリンカーに適合性であるものがある。 アミド結合、エーテル、
    アミン、カルバメート、尿素およびスルホンアミドは、好ましい連鎖のほんの数例である。

    【0262】 (リンカー選択) 候補多結合化合物のライブラリを作製するのに使用されるリンカーのライブラリでは、このリンカーのライブラリで使用されるリンカーの選択は、以下の因子を考慮する: (原子価) 大ていの場合、このリンカーのライブラリは、二価リンカーを用いて開始される。 リガンドと、その結合部位に対する2個のリガンドの正しい並置とを選択することにより、このような分子は、生物学的な利点を与えるのに充分な値よりも高い標的結合親和性および特異性を示すことが可能になる。 さらに、二価リンカーまたは構造物もまた、典型的には、小分子の所望の体内分布特性を保持する適度のサイズである。

    【0263】 (リンカーの長さ) リンカーは、リガンド間距離(これは、所定の二価相互作用に好ましい距離を含む)の範囲を測ることができる範囲の長さで、選択される。 ある場合には、好ましい距離は、標的の高精度の構造上の情報から、ある程度正確に概算できる。
    高精度の構造上の情報が利用できない他の場合には、隣接レセプタ上または同じレセプタ上の異なる位置のいずれかにある結合部位間の最大距離を概算するために、簡単なモデルを利用できる。 2個の結合部位が同じ標的(または複数のサブユニット標的に対する標的サブユニット)上で存在している状況では、好ましいリンカー距離は、2〜20Åであり、さらに好ましいリンカー距離は、3〜12
    Åである。 2個の結合部位が別個の標的部位上に存在している状況では、好ましいリンカー距離は、20〜100Åであり、さらに好ましい距離は、30〜70
    Åである。

    【0264】 (リンカーのジオメトリおよび剛性) リガンド結合部位、リンカーの長さ、リンカーのジオメトリおよびリンカーの剛性の組合せは、候補多結合化合物のリガンドが三次元で表示され、そしてそれによりその結合部位に提示され得る実行可能な方法を決定する。 リンカーのジオメトリおよび剛性は、名目上、化学的な組成および結合パターンにより決定されるが、これらは、制御され得、そして多結合アレイでの別の拡張機能(span
    ning functiopn)として、系統的に変えられる。 例えば、リンカーのジオメトリは、2個のリガンドをベンゼン環のオルト位置、メタ位置およびパラ位置に結合することにより、またはシクロヘキサン核の周りの1,1−位置対1,2−位置対1,3−位置対1,4−位置での、シスまたはトランス配置にて、またはエチレン不飽和の点でのシスまたはトランス配置で、変えられる。 リンカーの剛性は、このリンカーに対して可能な異なるコンホメーション状態の数および相対エネルギーを制御することにより、変えられる。 例えば、1,8−オクチルリンカーで結合した2個のリガンドを持つ二価化合物は、2個のリガンドがビフェニルリンカーの4,4'−位置に結合した化合物よりも、ずっと多い自由度を有し、従って、堅くない。

    【0265】 (リンカーの物理的特性) リンカーの物理的特性は、名目上、リンカーの化学構造および結合パターンにより決定され、そしてリンカーの物理的特性は、それを含む候補多結合化合物の全体的な物理的特性に影響を与える。 リンカー組成の範囲は、典型的には、その候補多結合化合物中の一定範囲の物理的特性(疎水性、親水性、両親媒性、極性、酸性および塩基性)を与えるように、選択される。 リンカーの物理的特性の特定の選択は、それらが結合するリガンドの物理的特性に関連して行われ、そして好ましくは、その目標は、有利なPK/ADME特性を備えた分子を生成することである。 例えば、リンカーは、インビボで容易に吸収および/または分配できないほどに親水性または疎水性がありすぎないように、選択される。

    【0266】 (リンカーの化学的官能基) リンカーの化学的官能基は、リンカーをリガンドに接続し、そしてこのパラメータの初期検査を広げるのに充分な範囲の物理的特性を与えるべく選んだ化学的性質と適合するように、選択される。

    【0267】 (コンビナトリアル合成) 上で概説した方法によってn個のリガンド(nは、選択した各リガンドに対する異なる結合点の数の合計により、決定される)およびm個のリンカーのセットを選択すると、(n!)m個の候補二価多結合化合物のライブラリが調製され、
    これは、特定の標的に対する関連した多結合設計パラメータに及ぶ。 例えば、全ての可能な組合せで結合された2個のリガンド(1個は、2個の結合点(A1、
    A2)を有し、そして1個は、3個の結合点(B1、B2、B3)を有する)から生成したアレイは、少なくとも15個の可能な多結合化合物の組合せを与える。 A1−A1 A1−A2 A1−B1 A1−B2 A1−B3 A2−A2
    A2−B1 A2−B2 A2−B3 B1−B1 B1−B2 B1−B3
    B2−B2 B2−B3 B3−B3 これらの組合せの各々を10個の異なるリンカーにより結合するとき、150個の候補多結合化合物のライブラリが得られる。

    【0268】 このライブラリのコンビナトリアルの性質を考えれば、共通の化学的性質は、
    好ましくは、これらのリガンド上の反応性官能基をこれらのリンカー上の相補的な反応性官能基と結合するのに、使用される。 従って、このライブラリは、それ自体、有効な並行合成法に役立つ。 このコンビナトリアルライブラリは、当該技術分野で周知の固相化学反応を使用でき、ここで、そのリガンドおよび/またはリンカーは、固体支持体に結合される。 あるいは、好ましくは、このコンビナトリアルライブラリは、溶液相で調製される。 合成後、候補多結合化合物は、必要に応じて、例えば、クロマトグラフィー法(例えば、HPLC)により、活性についてアッセイする前に、精製される。

    【0269】 (ライブラリの分析) どの化合物が多結合性を持っているかを決定するために、このライブラリ中の候補多結合化合物の特性および活性を特徴付けるのに、種々の方法が使用される。 種々の溶媒条件下での溶解度およびlogD/clogD値のような物理的定数が決定できる。 NMR分光法および計算法(computational)の組合せは、流体媒体中での候補多結合化合物の低エネルギーコンホメーションを決定するのに、使用される。 このライブラリのメンバーが所望の標的および他の標的に結合する性能は、種々の標準方法により決定され、これには、レセプタおよびイオンチャンネル標的に対する放射性リガンド置換アッセイ、および多くの酵素標的に対する動力学的阻害分析が挙げられる。 インビトロ効能(例えば、レセプタアゴニストおよびアンタゴニストに対する)、イオンチャンネル遮断薬、
    および抗菌活性もまた、決定できる。 薬理学的なデータ(経口吸収、外にめくれた消化管(everted gut)の浸透、他の薬力学的パラメータを含めて)および効能データは、適当な方法で、決定できる。 このようにして、多結合設計パラメータに重要な構造−活性関係が得られ、これは、次に、将来の研究に向けて使用される。

    【0270】 このライブラリのメンバーのうち、本明細書中で定義したような多結合性を示すものは、通常の方法により、容易に決定できる。 まず、多結合性を示すメンバーは、(インビトロおよびインビボの両方で)、通常のアッセイを含めた上記の通常の方法により、確認される。

    【0271】 第二に、多結合性を示す化合物の構造を同定することは、当該技術分野で認められた手順によって、達成できる。 例えば、このライブラリの各メンバーは、適当な情報で暗号化またはタグ化でき、後の時点で、関連したメンバーの構造を決定できるようになる。 例えば、Dowerら、国際特許出願公開第WO93/0
    6121号;Brennerら、Proc. Natl. Acad. Sci. ,U
    SA,89:5181(1992);Gallopら、米国特許第5,846,
    839号を参照のこと;これらの各々の内容は、その全体が本明細書中で参考として援用されている。 あるいは、関連した多価化合物の構造はまた、当該分野で公知の方法(例えば、Hindsgaulら、カナダ特許出願第2,240,3
    25号(これは、1998年7月11日に公開された)により記述された方法)
    により、候補多価化合物の可溶性で非タグ化ライブラリから、決定できる。 このような方法は、前面アフィニティークロマトグラフィーを質量分光法と結びつけて、候補多結合化合物の構造およびレセプタとの相対的な結合親和性の両方を決定する。

    【0272】 二量体状候補多結合化合物について上で示した方法は、もちろん、三量体状候補化合物およびそのさらに高次のアナログに拡張できる。

    【0273】 (さらなるライブラリの追従合成および分析) 最初のライブラリの分析によって得られた情報に基づいて、この方法の任意の要素には、特定の相対的なリガンド配向、リンカーの長さ、リンカーのジオメトリなどにより規定された1個以上の有望な多結合「リード」化合物を確認することがある。 次いで、これらのリードの周りで、さらなるライブラリが作製でき、
    活性関係に対して、構造に関する情報をさらに提供する。 これらのアレイは、典型的には、標的(アンタゴニズム、部分アゴニズムなど)での標的親和性および/または活性をさらに最適化するために、そして/あるいは物理的特性を変えるために、リンカー構造のさらに集中した変化を持つ。 古典的な医薬化学、生化学および薬理学のアプローチと共に多結合設計の新規な原理を使用する反復再設計/分析により、その標的に対する治療剤としての生物学的な利点を示す最適な多結合化合物を調製し確認できる。

    【0274】 この手順にさらにみがきをかけるために、適当な二価リンカーには、例としてのみ、以下から誘導したものが挙げられる:ジカルボン酸、ジスルホニルハライド、ジアルデヒド、ジケトン、ジハロゲン化物、ジイソシアネート、ジアミン、
    ジオール、カルボン酸の混合物、スルホニルハライド、アルデヒド、ケトン、ハロゲン化物、イソシアネート、アミンおよびジオール。 各場合では、このカルボン酸、スルホニルハライド、アルデヒド、ケトン、ハロゲン化物、イソシアネート、アミンおよびジオールの官能基は、このリガンド上の相補的な官能基と反応されて、共有結合を形成する。 このような相補的な官能基は、以下の表で例示されるように、当該技術分野で周知である: 代表的な相補的な結合の化学反応 第一反応性基 第二反応性基 連鎖 ヒドロキシル イソシアネート ウレタン アミン エポキシド β−ヒドロキシアミン スルホニルハライド アミン スルホンアミド カルボン酸 アミン アミド ヒドロキシル アルキル/アリールハライド エーテル アルデヒド アミン(および還元剤) アミン ケトン アミン(および還元剤) アミン アミン イソシアネート 尿素。

    【0275】 代表的なリンカーには、以下で示すようにX−1〜X−418として同定された以下のリンカーが挙げられる:

    【0276】

    【化11】

    (薬学的処方物) 医薬品として用いられる場合、本発明の化合物は通常、薬学的組成物の形態で投与される。 これらの化合物は経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、および鼻腔内を含む様々な経路によって投与され得る。 これらの化合物は注射および経口の組成物としてどちらも有効である。 このような組成物は当該薬学分野において周知の様式で調製され、そして少なくとも1つの活性化合物を含む。

    【0277】 本発明はまた、薬学的組成物を包含し、この薬学的組成物は、活性成分として、薬学的に受容可能なキャリアと会合した、1つ以上の本明細書中で記載される化合物を含有する。 本発明の組成物の作製時に、活性成分は通常、賦形剤と混合、賦形剤で希釈、あるいはカプセル、袋、紙または他の容器の形態であり得るそのようなキャリア中に封入される。 賦形剤が希釈剤として働く場合、それは固体、半固体、または液体物質であり得、それは活性成分のビヒクル、キャリアまたは媒体として作用する。 従って、これらの組成物は錠剤、丸剤、散剤、トローチ剤、サシェ剤(sachet)、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、エマルジョン、溶液、シロップ剤、エアロゾル剤(固体としてまたは液体の媒体中で)、例えば10重量%までの活性化合物を含む軟膏、軟および硬ゼラチンカプセル剤、
    坐剤、滅菌注射溶液、および滅菌包装散剤の形態であり得る。

    【0278】 処方物の調製において、他の成分と組み合せる前に、適当な粒径を提供するために活性化合物を製粉する必要があり得る。 活性化合物が実質的に不溶性である場合、それは通常200メッシュより小さい粒径まで製粉される。 活性化合物が実質的に水溶性である場合、処方物中で実質的に均一な分布を提供するために、
    この粒径は、通常、製粉することによって、例えば約40メッシュに調節される。

    【0279】 適切な賦形剤のいくつかの例は、ラクトース、デキストロース、スクロース、
    ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、珪酸カルシウム、微結晶性セルロース、
    ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセルロースを含む。 処方はさらに以下を含み得る:タルク、ステアリン酸マグネシウム、
    および鉱油のような滑沢剤;湿潤剤;乳化および懸濁剤;メチル−およびプロピルヒドロキシ−ベンゾエートのような保存剤;甘味料;および矯臭剤。 本発明の組成物は、当該分野で公知の手順を用いることによって、患者に投与した後に活性成分の迅速な放出、持続性の放出または遅延した放出を提供するために処方され得る。

    【0280】 組成物は好ましくは単位投与量形態で処方され、それぞれの投与量は約0.0
    01から約1g、より通常には約1から約30mgの活性成分を含む。 「単位投与量形態」という用語は、ヒト被験体および他の哺乳動物の単位投与量として適切な、物理的に分離した単位を指し、それぞれの単位は、適切な薬学的賦形剤と組み合せて、望ましい治療的効果を生じるように計算された、所定量の活性物質を含む。 好ましくは、上記の式Iの化合物は、薬学的組成物の約20重量%を超えずに、より好ましくは、約15重量%を超えずに用いられ、残りは、薬学的に不活性なキャリアである。

    【0281】 活性化合物は広い投与量範囲にわたって有効であり、そして一般的には薬学的に有効な量で投与される。 しかし、実際に投与される化合物の量は、処置される状態、選択される投与経路、投与される実際の化合物およびその相対的な活性、
    個々の患者の年齢、体重および応答、患者の症状の重篤度などを含む、関連する状況を考慮して、医師によって決定されることが理解される。

    【0282】 錠剤のような固体の組成物を調製するために、主な活性成分は、薬学的賦形剤と混合されて、本発明の化合物の均一な混合物を含む固体の予備処方組成物を形成する。 これらの予備処方組成物が均一であると言う場合、活性成分が組成物全体に均等に分散していて、その結果、組成物が、等しく有効な単位投与量形態(
    例えば、錠剤、丸剤、およびカプセル剤)に、容易に細分割され得ることを意味する。 この固体の予備処方物は次いで、例えば0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含む、上記で記載された型の単位投与量形態に細分割される。

    【0283】 本発明の錠剤または丸剤は、延長した作用の利点を与える投与量形態を提供するために、コーティングまたは別な方法で調合され得る。 例えば、錠剤または丸剤は内部投与構成成分および外部投与構成成分を含み得、後者は前者を覆う被膜の形態である。 2つの構成成分は、腸溶性層によって分離され得、この腸溶性層は、胃での分解に抵抗し、そして内部構成成分を完全なままで十二指腸を通過させるように働くか、または放出を遅らせるように働く。 様々な物質が、そのような腸溶性層またはコーティングのために使用され得、そのような物質には、多くのポリマー性酸、およびポリマー性酸の、セラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースのような物質との混合物が挙げられる。

    【0284】 経口または注射による投与のために本発明の新規組成物が組み込まれ得る液体の形態は、水溶液、適切に味をつけたシロップ、水性または油性の懸濁液、およびコーン油、綿実油、ごま油、ココナッツオイル、またはピーナッツ油のような食用油を含む味つけしたエマルジョン、ならびにエリキシル剤および同様の薬学的ビヒクルを含む。

    【0285】 吸入または吸送のための組成物は、薬学的に受容可能な水性または有機溶媒中の溶液および懸濁液、あるいはその混合物ならびに粉末を含む。 液体組成物または固体組成物は、前出で記載されたように、適切な薬学的に受容可能な賦形剤を含み得る。 好ましくは、組成物は、局所または全身効果のために、経口または鼻呼吸経路によって投与される。 好ましくは薬学的に受容可能な溶媒中の組成物は、不活性ガスの使用によって噴霧され得る。 噴霧溶液は、噴霧デバイスから直接吸入され得るか、またはこの噴霧デバイスは、フェイスマスクテント、または間欠的陽圧呼吸器に接続され得る。 溶液、懸濁液、または粉末組成物は、好ましくは経口または鼻腔内に、適当な様式で処方物を送達するデバイスから投与され得る。

    【0286】 以下の処方の実施例は、本発明の代表的な薬学的組成物を例示する。

    【0287】 (処方実施例1) 以下の成分を含有する硬質ゼラチンカプセルを調製する: 量 成分 (mg/カプセル) 活性成分 30.0 デンプン 305.0 ステアリン酸マグネシウム 5.0 上記成分を混合し、そして340mgの量で、硬質ゼラチンカプセルに充填する。

    【0288】 (処方実施例2) 以下の成分を用いて、錠剤調合物を調製する: 量 成分 (mg/錠剤) 活性成分 25.0 微結晶セルロース 200.0 コロイド状二酸化ケイ素 10.0 ステアリン酸 5.0 これらの成分を混合し、そして圧縮して、錠剤(各々は、240mgの重さである)を形成する。

    【0289】 (処方実施例3) 以下の成分を含有する乾燥粉末吸入器処方物を調製する: 成分 重量% 活性成分 5 ラクトース 95 この活性成分をこのラクトースと混合し、そしてこの混合物を乾燥粉末吸入器に添加する。

    【0290】 (処方実施例4) 以下のようにして、錠剤(各々は、活性成分30mgを含有する)を調製する: 量 成分 (mg/錠剤) 活性成分 30.0mg デンプン 45.0mg 微結晶セルロース 35.0mg ポリビニルピロリドン(滅菌水中の10%溶液として) 4.0mg カルボキシメチルデンプンナトリウム 4.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg タルク 1.0mg 全量 120mg この活性成分、デンプンおよびセルロースを、No. 20メッシュU. S. ふるいに通し、そして充分に混合する。 得られた粉末に、ポリビニルピロリドンの溶液を混合し、これを、次いで、16メッシュU. S. ふるいに通す。 そのように生成した顆粒を、50℃〜60℃で乾燥し、そして16メッシュU. S. ふるいに通す。 次いで、これらの顆粒に、No. 30メッシュU. S. ふるいに予め通したカルボキシメチルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを添加し、混合後、錠剤機で圧縮して、錠剤(各々は、120mgの重さである)を得る。

    【0291】 (処方実施例5) 以下のようにして、カプセル(各々は、40mgの薬剤を含有する)を製造する: 量 成分 (mg/カプセル) 活性成分 40.0mg デンプン 109.0mg ステアリン酸マグネシウム 1.0mg 全量 150.0mg この活性成分、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、No. 2
    0メッシュU. S. ふるいに通し、そして150mgの量で、硬質ゼラチンカプセルに充填する。

    【0292】 (処方実施例6) 以下のようにして、座薬(各々は、25mgの活性成分を含有する)を製造する: 成分 量 活性成分 25mg 飽和脂肪酸グリセリド 2,000mg この活性成分を、No. 60メッシュU. S. ふるいに通し、そして必要な最小の熱を用いて予め溶融した飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。 この混合物を、
    次いで、2.0gの見かけ容量の座薬金型に注ぎ、そして冷却させる。

    【0293】 (処方実施例7) 以下のようにして、懸濁液(各々は、5.0mLの用量あたり、50mgの薬剤を含有する)を製造する: 成分 量 活性成分 50.0mg キサンタンガム 4.0mg カルボキシメチルセルロースナトリウム(11%) 微結晶セルロース(89%) 50.0mg スクロース 1.75g 安息香酸ナトリウム 10.0mg 香料および染料 任意の量 純水 5.0mL この活性成分、スクロースおよびキサンタンガムを混合し、No. 10メッシュU. S. ふるいに通し、次いで、この微結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの予め製造した水溶液と混合する。 この安息香酸ナトリウム、香料および染料を、この水の一部で希釈し、そして攪拌しながら添加する。 次いで、必要な容量を生じるのに充分な水を添加する。

    【0294】 (処方実施例8) 以下のようにして、処方物を調製し得る: 量 成分 (mg/カプセル) 活性成分 15.0mg デンプン 407.0mg ステアリン酸マグネシウム 3.0mg 全量 425.0mg この活性成分、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、No. 2
    0メッシュU. S. ふるいに通し、そして425.0mgの量で、硬質ゼラチンカプセルに充填する。

    【0295】 (処方実施例9) 以下のようにして、処方物を調製し得る: 成分 量 活性成分 5.0mg トウモロコシ油 1.0mL (処方実施例10) 以下のようにして局所製剤を調製し得る: 成分 量 活性成分 1〜10g 乳化ワックス 30g 液体パラフィン 20g 白色軟パラフィン 100gまで 白色軟パラフィンを溶融するまで加熱する。 液体パラフィンおよび乳化ワックスを取り込み、そして溶解するまで攪拌する。 活性成分を添加し、そして攪拌を分散するまで継続する。 次いでこの混合物を固体になるまで冷却する。

    【0296】 本発明の方法で採用される別の好適な製剤は、経皮送達デバイス(「パッチ」
    )を採用する。 このような経皮パッチを用いて、制御された量の本発明の化合物の連続的または非連続的注入を提供し得る。 薬学的薬剤の送達のための経皮パッチの構造および使用は当該分野で周知である。 例えば、1991年6月11日に発行され、その全体が参考として本明細書に援用される、米国特許第5,023
    ,252号を参照のこと。 このようなパッチは、薬学的薬剤の、連続的、拍動的、または要求送達のために構築され得る。

    【0297】 本発明における使用のための他の適切な製剤は、Remington's P
    harmaceutical Sciences、Mace Publishi
    ng Company、Philadelphia、PA、第17版(1985
    )に見出され得る。

    【0298】 (有用性) 本発明の多結合化合物は、マクロライド抗生物質、アミノグリコシド類、リンコサミド類、オキサゾリジノン類、ストレプトグラミン類、テトラサイクリンまたは細菌リボソームRNAおよび/または細菌中のリボソームタンパク質合成に関与する1つ以上のタンパク質を結合することが知られている他の化合物である。 従って、本発明の多結合化合物および薬学的組成物は、細菌感染の処置および予防に有用である。

    【0299】 本明細書で記載される化合物を用いて処置され得る細菌感染の例は、グラム陽性、グラム陰性および嫌気細菌感染を含む。

    【0300】 このような状態を処置または改善することに用いられるとき、本発明の化合物は、代表的には、このような処置を必要とする患者に、薬学的に受容可能な希釈剤および少なくとも1つの本発明の化合物の有効量を含む薬学的組成物によって送達される。 患者に投与される化合物の量は、投与されている化合物および/または組成物、予防または治療のような投与の目的、患者の状態、投与の様式などに依存して変動する。

    【0301】 治療用途では、組成物は、細菌感染に既に罹患している患者に投与される。 この使用のために有効な量は、患者における障害の程度または重篤度、患者の年齢、体重および一般状態などのような因子に依存して担当医の診断に依存する。 本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物の1つ以上を含み得る。

    【0302】 上記のように、患者に投与される化合物は、上記の薬学的組成物の形態にあって、これは、経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内などを含む種々の経路により投与され得る。 これらの化合物は、注射可能および経口送達可能な薬学的組成物の両方として有効である。 このような組成物は、薬学分野で周知の様式で調製され、そして少なくとも1つの活性化合物を含む。

    【0303】 本発明の多結合化合物はまた、プロドラッグの形態で、すなわち、インビボで生物学的に活性な化合物に変換される誘導体として投与され得る。 このようなプロドラッグは、代表的には、例えば、カルボン酸基、水酸基またはチオール基が、インビボで加水分解して個々の基に戻るエステル、ラクトンまたはチオエステル基のような生物学的に分解し易い基に変換されている化合物を含む。

    【0304】 これらの化合物は、どの多量体リガンド化合物が、多結合性質を所有しているかを同定するためにアッセイされ得る。 最初に、各々が少なくとも1つの反応官能性を含むリガンドまたはリガンドの混合物、および各々が、リガンドの反応性官能基の少なくとも1つに相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含むリンカーのライブラリを同定する。 次に、少なくとも2つの化学量論的に等価なリガンドまたはリガンドの混合物を、相補的な官能基が反応してリンカーと少なくとも2つのリガンドとの間の共有結合を形成する条件下で、リンカーのライブラリと組み合わせることにより、多量体リガンド化合物のライブラリを調製する。 ライブラリ中に生成された多量体リガンド化合物は、多結合性質を所有する多量体リガンド化合物を同定するためにアッセイされ得る。 この方法はまた、リガンドのライブラリ、およびリンカーまたはリンカーの混合物を用いて実施され得る。

    【0305】 多量体リガンド化合物ライブラリの調製は、リンカーとの2つ以上の化学量論的等量のリガンドの逐次的または同時の組み合わせのいずれかにより達成され得る。 この多量体リガンド化合物は、二量体、例えば、ホモダイマーまたはヘテロマーであり得る。 ヘテロマーリガンド化合物ライブラリは、第1リガンドおよび第2リガンドを逐次的に添加することにより調製され得る。

    【0306】 多量体リガンド化合物ライブラリの各メンバーは、例えば、調製液体クロマトグラフィーマススペクトル法(LCMS)によりライブラリから単離され得る。
    リンカーまたはリンカー類は、可撓性リンカー、剛性リンカー、疎水性リンカー、親水性リンカー、異なるジオメトリのリンカー、酸性リンカー、塩基性リンカー、異なる分極率のリンカーおよび/または分極または両親媒性リンカーであり得る。 これらのリンカー類は、異なる鎖長のリンカーを含み得、および/またはこれらは、異なる相補反応基を有する。 1つの実施態様では、このリンカー類は、約2〜100Åの範囲の異なるリンカーの長さを有するように選択される。 リガンドまたはリガンドの混合物は、リガンド上の異なる部位で反応官能性を有し得る。 この反応官能性は、リガンド上の反応官能性が、リンカー上の反応性基の少なくとも1つに相補的であり、その結果、リンカーとリガンドとの間に共有結合が形成され得る限り、例えば、カルボン酸類、カルボン酸ハライド類、カルボキシルエステル類、アミン類、ハライド類、擬ハライド類、イソソアネート類、
    不飽和ビニル、ケトン類、アルデヒド類、チオール類、アルコール類、無水物類、ボロネート類、およびそれらの前駆体であり得る。

    【0307】 従って、多価性質を所有する、多量体リガンド化合物のライブラリが形成され得る。

    【0308】 多結合性質を所有する多量体リガンド化合物は、リガンドの少なくとも2つの化学量論的等量もしくは細菌リボソームRNAおよび/または細菌におけるリボソームタンパク質合成に関与する1つ以上のタンパク質を標的にするリガンドの混合物を、リンカーまたはリンカーの混合物と接触させることにより、最初のコレクションまたは多量体化合物の反復(ここでリガンドまたはリガンドの混合物は少なくとも1つの反応官能性を含み、そしてリンカーまたはリンカーの混合物は、リガンドの反応性官能基の少なくとも1つに相補的反応性を有する少なくとも2つの官能基を含む)を調製することによる反復方法において同定され得る。
    リガンド(単数または複数)およびリンカー(単数または複数)は、リンカーと少なくとも2つのリガンドとの間に共有結合を形成する条件下で反応させる。 多量体化合物の最初のコレクションまたは反復は、もしあれば、どの化合物が、多結合性質を所有するかを評価するためにアッセイされ得る。 このプロセスは、少なくとも1つの多量体化合物が、多結合性質を所有することが見出されるまで繰り返され得る。 最初の反復において、多量体化合物(単数または複数)に多結合性質を与えるか、または与えることに一致する特定の分子抑制を評価することにより、特定の分子抑制に関して合成された多量体化合物の第2のコレクションまたは反復がアッセイされ得、そして必要に応じて、この分子抑制に関してさらに合成するために、この工程が繰り返される。 例えば、この工程は、2〜50回の間から、より好ましくは、5〜50回の間繰り返され得る。

    【0309】 以下の合成および生物学的実施例は、本発明を例示するために提供され、そしていかなる方法においても本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。 他であることが記載されていなければ、すべての温度は摂氏である。

    【0310】 (実施例) 以下の実施例において、以下の略語は以下の意味を持つ。 略号が規定されていない場合、それは、その一般に受容される意味を有する。

    【0311】 Å=オングストローム cm=センチメートル DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド DMF=N,N−ジメチルホルムアミド DMSO=ジメチルスルホキシド EDTA=エチレンジアミン四酢酸 g=グラム HPLC=高速液体クロマトグラフィー MEM=最小必須培地 mg=ミリグラム MIC=最小阻止濃度 min=分 mL=ミリリットル mm=ミリメートル mmol=ミリモル N=規定 THF=テトラヒドロフラン μL=マイクロリットル μm=マイクロメートル(ミクロン) (分析的実施例) (実施例1:結合試験) 親和性標識研究を行うための方法(例えば、クロラムフェニコールを用いる)
    は、当業者に公知である。 例えば、Cooperman、「Functiona
    l sites on the E. coli ribosome as de
    fined by affinity labeling」531〜554頁(
    1980)、Chamblissら、Ribosomes−Structure
    ,Function and Genetics,University Pa
    rk Press、Baltimore;Cooperman,Affinit
    y labeling of ribosomes, Methods Enz
    ymol. 164:341−361(1988);およびJaynesら、Bi
    ochemistry、17:561−569(1978)。 このような方法を使用して、細菌のタンパク質合成に関与するリボゾームRNAの種々の位置および/またはタンパク質への本発明の化合物の結合を決定し得る。

    【0312】 (生物学的実施例) (実施例1:抗細菌活性の決定) (抗細菌活性のインビトロ決定) 細菌を入手し、そしてリボソームタンパク質合成を阻害する抗生物質を含む異なる抗生物質に対するその細菌の感受性に基づいて表現型決定した。 最小阻止濃度(MIC)を、NCCLSガイドラインの下で、微量希釈ブロス手順において測定する。 これらの化合物を、96ウェルのマイクロタイタープレート中でMu
    eller−Hintonブロスに系列希釈する。 細菌株の一晩培養物を、60
    0nmにおける吸光度を基に希釈し、その結果、各ウェルにおける最終濃度は、
    5×10 5 cfu/mlであった。 プレートを35℃のインキュベーターへと戻す。 翌日(または、Enterococcus株の場合には24時間後)、MI
    Cをプレートの肉眼検査によって決定する。

    【0313】 このモデルにおいて試験され得る細菌株は、本明細書に記載される株を包含するがそれらに限定されない。 増殖条件は、各特定の株について必要に応じて改変され得る。 本明細書において記載される株についての増殖条件および増殖培地は、当該分野において公知である。

    【0314】 (殺傷時間の決定) これらの細菌を殺傷するに必要な時間を決定するための実験を行う。 これらの実験は、StaphylococcusおよびEnterococcusの両方の株を用いて行う。

    【0315】 手短には、いくつかのコロニーを寒天プレートから選択し、そして約1×10 8 CFU/mlの濁度に達するまで定常的な振盪の下で35℃にて増殖させる。
    そのサンプルを、約6×10 6 CFU/mlにまで希釈し、そして定常的な振盪の下で35℃にてインキュベートする。 種々の時間にて、アリコートを取り出し、そして5つの10倍系列希釈を行う。 流動プレート(pour plate)
    方法を使用して、コロニー形成単位(CFU)の数を決定する。

    【0316】 (抗細菌活性のインビボ決定) (マウスにおける急性寛容性研究) これらの研究において、評価される化合物を、静脈内もしくは皮下のいずれかで投与し、そして5〜15分間観察した。 有害な効果がない場合、その用量を第二群のマウスにおいて増加させる。 この用量の増分を、死亡が発生するまで継続するか、そうでなければ、用量を最大化させる。 一般に、用量選択は、20mg
    /kgで始まり、そして最大寛容用量(MTD)が達成されるまで各回20mg
    /kgずつ増加させる。

    【0317】 (マウスにおけるバイオアベイラビリティー研究) マウスに、評価される化合物を、静脈内もしくは皮下のいずれかで、治療的用量(一般に、約50mg/kg)にて投与する。 動物のグループを、尿および糞を分析のために収集され得るように代謝用ケージに入れる。 動物のグループ(n
    =3)を、種々の時間(10分間、1時間および4時間)にて屠殺する。 血液を、心臓穿刺により収集し、そして次の器官を採取する:肺、肝臓、心臓、脳、腎臓および脾臓。 組織を秤量し、そしてHPLC分析のために調製する。 組織のホモジネートおよび流体についてのHPLC分析を使用して、その化合物の濃度を決定する。 その化合物に対する変化から生ずる代謝産物もまた決定する。

    【0318】 (マウス敗血症モデル) このモデルにおいて、細菌の適切なビルレント株(最も通常には、S.aur
    eus、またはE. faecalisもしくはE. faecium)を、マウスの腹腔内に投与する(N=5〜10マウス/グループ)。 この細菌を、ビルレンスを増強するために、ブタ胃粘素と合わせた。 細菌の用量(通常、10 5 〜10 7細胞)は、3日間の期間にわたってマウスの全てにおいて死亡を誘導するに充分である用量である。 細菌が投与された1時間後に、評価される化合物を、単回用量で、静脈内(IV)または皮下のいずれかで投与する。 各用量を、代表的には、最大約20mg/kgから最小1mg/kg未満での範囲の用量で、5〜10
    匹のマウスのグループに投与する。 陽性コントロール(通常、βラクタム感受性株を用いるβラクタム)を各実験において投与する。 その動物の約50%が救われる用量を、その結果から算出する。

    【0319】 (好中球減少症大腿モデル) このモデルにおいて、評価される化合物の抗細菌活性を、細菌(最も通常にはS.aureus)の適切なビルレント株に対して評価する。 マウスは、最初、
    0日目および2日目において、200mg/kgのシクロホスファミドの投与によって好中球減少症にされる。 4日目に、そのマウスを、単回用量の細菌の筋肉内注射(IM)によって左前大腿にて感染させる。 そのマウスには、細菌投与の1時間後に化合物が投与される。 種々の後の時間(通常、1時間、2.5時間、
    4時間および24時間)にて、そのマウスを屠殺する(各時点あたり3匹)。 大腿を切除し、ホモジナイズし、そしてCFU(コロニー形成単位)の数値をプレートすることにより決定する。 血液もまたプレートして、血液中のCFUを決定する。

    【0320】 (薬物動態学的研究) 評価される化合物が血液から取り出される速度を、ラットまたはマウスのいずれかにおいて決定し得る。 ラットにおいて、試験動物の頸静脈にカニューレを挿入する。 化合物を尾静脈注射によって投与し、そして種々の時点(通常、5分、
    15分、30分、60分、ならびに2時間、4時間、6時間および24時間)で、血液をそのカニューレから取り出す。 マウスにおいてもまた、化合物を、種々の時点で、尾静脈注射によって投与する。 血液を通常、心臓穿刺によって得る。
    残りの化合物の濃度を、HPLCによって決定する。

    【0321】 (調製実施例) (実施例1:スキームAによる式Iの化合物である(113)の調製) エリトロミクラミン(100)(10mmol)を、メタノール:無水ジメチルホルムアミドにおいてスラリー化し、室温にて攪拌し、そしてジイソプロピルエチルアミン(20mmol)およびFmocグリシナール(101)(10m
    mol)(Salviら、Tetrahedron Lett.1994、35
    、1181−1184に記載されるように調製する)を用いて系列的に処理する。 2時間後、反応混合物を冷水浴において冷却し、そしてシアノホウ素水素ナトリウム(4mmol)およびトリフルオロ酢酸(30mmol)を用いてさらに処理する。 さらに2時間後、粗生成物を減圧下で濃縮し、そして逆相HPLCにより分して所望の生成物(102)を得る。

    【0322】 次いで、上記の生成物(102)を、無水ジメチルホルムアミド(10mL)
    に溶解し、室温にて攪拌し、そして過剰のピペリジン(1.0mL)を用いて処理する。 1時間後、粗生成物を減圧下で濃縮し、そして逆相HPLCにより分画して所望の生成物(103)を得る。

    【0323】 コハク酸(104)(2.0mmol)を10mLの無水ジメチルホルムアミドに溶解し、そしてヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0mmol)
    を用いて系列的に処理する。 室温で15分間攪拌した後、活性化したコハク酸を化合物(103)(4.0mmol)を用いて処理し、そしてカップリング反応混合物を室温で一晩攪拌する。 揮発物を減圧下で除去し、そして粗製物を逆相H
    PLCにより分画して、適切な画分の凍結乾燥の後に標記生成物を得る。

    【0324】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0325】

    【化12】

    (実施例2:スキームBによる式IIの化合物である(108)の調製) エリトロミクラミン(100)(34.0mmol)を、THF中に窒素雰囲気下で溶解する。 ジクロロメタンに溶解したジ−tert−ブチルジカーボネート(Boc

    2 O)(68.0mmol)を攪拌された溶液に滴下して加える。 反応の経過をTLCで追跡し、そして攪拌をその反応が完了したと判断されるまで室温にて継続する。 その反応混合物をエバポレートし、濾過により収集される沈澱物を与える。 沈澱物をエーテルでリンスして、所望の生成物を得、これを、ジクロロメタン中の無水酢酸を用いて処理し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する。 次いで、この生成物(10mmol)をトルエン中に溶解し、氷水浴中で攪拌し、そしてK

    2 CO

    3 (100mmol)およびカルボニルジイミダゾール(10mmol)を用いて系列的に処理する。 氷浴を除去し、そしてその反応混合物を室温にまで暖める。 このように生成したイミダゾリン(105


    )を、以下に記載するカップリング反応においてさらなる操作なしに使用する。

    【0326】 1,4−ジアミノブタン(106)(2.0mmol)をトルエン/DMF中に溶解し、室温にて攪拌し、そしてジイソプロピルエチルアミン(4.0mmo
    l)および上記のように調製したイミダゾリン(105)(4.0mmol)を用いて系列的に処理する。 2時間後、揮発物を減圧下で除去し、そして粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して所望の生成物(107)を得る。

    【0327】 化合物(107)(2.0mmol)を、THF中に溶解する。 トリメチルシリルトリフレート(20mmol)およびルチジン(30mmol)を加え、そしてその反応を、TLCにより追跡する。 完了したと判断されるときに、その反応物を、テトラブチルアンモニウムフルオリド(30mmol)を用いて処理し、そしてその反応をTLCにより追跡する。 完了したと判断されるときに、その混合物を、メタノールで2倍に希釈し、そして1時間還流下で加熱する。 揮発物を減圧下で除去し、そしてその粗製物を逆相HPLCにより分画して、適切な画分の凍結乾燥の後に標記生成物を得る。

    【0328】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0329】

    【化13】

    (実施例3:スキームCによる式IIIの化合物である(112)の調製) DMF中の実施例2に記載されるように調製した(105)(6mmol)および6−アミノカプロン酸(109)の溶液。 反応の経過を薄層クロマトグラフィーにより追跡する。 反応が生じた場合に、その反応混合物を減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 所望の化合物(110)を、HPLCの使用による粗生成物の精製により得る。

    【0330】 化合物(110)(4.0mmol)を10mLの無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして化合物(103)(4.0mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol
    )およびPyBOP(4.0mmol)を用いて系列的に処理し、そしてカップリング反応混合物を室温にて一晩攪拌する。 揮発物を減圧下で除去し、そして粗製物を逆相HPLCにより分画して、適切な画分の凍結乾燥の後に所望の生成物(111)を得る。

    【0331】 化合物(111)(2.0mmol)を、THF中に溶解する。 トリメチルシリルトリフレート(20mmol)およびルチジン(30mmol)を加え、そしてその反応を、TLCにより追跡する。 完了したと判断されるときに、その反応物を、テトラブチルアンモニウムフルオリド(30mmol)を用いて処理し、そしてその反応をTLCにより追跡する。 完了したと判断されるときに、その混合物を、メタノールで2倍に希釈し、そして1時間還流下で加熱する。 揮発物を減圧下で除去し、そしてその粗製物を逆相HPLCにより分画して、適切な画分の凍結乾燥の後に標記化合物を得る。

    【0332】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0333】

    【化14】

    (実施例4:スキームDによる式IVの化合物である(203)の調製) 化合物(201)(1.0mmol)を、トルエン中に溶解し、氷水浴中で攪拌し、そしてK

    2 CO

    3 (10mmol)およびカルボニルジイミダゾール(1.


    0mmol)を用いて系列的に処理する。 氷浴を除去し、そしてその反応混合物を室温にまで暖める。 このように生成したイミダゾリド(202)を、以下に記載するカップリング反応においてさらなる操作なしに使用する。

    【0334】 1,4−ジアミノブタン(106)(0.5mmol)を有するトルエン/D
    MF中の(202)の溶液(1.0mmol)を必要に応じて封入容器中で加熱し、そしてTLCによりその反応を追跡する。 完了したと判断されたときに、その混合物を酢酸エチルと水との間に分画し、そしてその有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてその溶媒を減圧下で除去した。 残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して標記生成物を得る。

    【0335】 化合物(201)は、J. Med. Chem. 1998,41,3727−3
    735において報告されている。

    【0336】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0337】

    【化15】

    (実施例5:スキームEによる式Vの化合物である(206)の調製) アジピン酸(205)(2.0mmol)を、10mLの無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、化合物(204)(4.0mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol


    )およびPyPOB(4.0mmol)を用いて系列的に処理し、そしてこのカップリング反応混合物を室温で一晩攪拌する。 揮発物を減圧下で除去し、そしてその生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより分画して、標記化合物を得る。

    【0338】 化合物(204)は、J. Med. Chem. 1996,49,673−67
    9において報告されている。

    【0339】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0340】

    【化16】

    (実施例6:スキームFによる式VIの化合物である(208)の調製) トルエン/DMF中の実施例4に記載されるように調製した(202)(1.


    0mmol)および6−アミノカプロン(109)(6mmol)の溶液を、アルゴン下で磁性攪拌器および乾燥管を装着したフラスコ中で調製する。 その反応の経過を薄層クロマトグラフィーによって追跡する。 反応が生じたときに、その反応溶液を、酢酸エチルを用いて希釈し、そして水性HCl、および次いで水を用いて洗浄する。 有機層を乾燥させ(Na

    2 NO

    4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 所望の化合物(207)を、HPLCの使用による粗生成物の精製によって得る。

    【0341】 化合物(207)(4.0mmol)を10mLの無水ジメチルホルムアミドに溶解し、そしてヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0mmol)を用いて系列的に処理し、そしてそのカップリング反応混合物を室温にて一晩攪拌する。 揮発物を減圧下で除去し、そして粗製物を逆相HPLCにより分画して、
    適切な画分の凍結乾燥の後に標記生成物を得る。

    【0342】 化合物(204)は、J. Med. Chem. 1996,49,673−67
    9において報告されている。

    【0343】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0344】

    【化17】

    (実施例7:スキームGによる式VIIの化合物である(303)の調製) 10mmolの1,6−ジブロモヘキサン(302)および40mmolの炭酸カリウムを有するDMF中の化合物(301)の20mmolの溶液を、必要に応じて加熱し、そしてその反応をTLCにより追跡した。 反応が生じたときに、その反応溶液を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを、逆相HPLCにより分画して、適切な画分の凍結乾燥の後に標記生成物を得る。

    【0345】 化合物(301)はU−57930Eであり、そしてAntimicrobi
    al Agents Chemother. 21:902−905(1982)
    において報告されている。

    【0346】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0347】

    【化18】

    (実施例8:スキームHによる式VIIIの化合物である(403)の調製) 10mmolの1,4−ジブロモブタン(402)および40mmolの炭酸カリウムを有するDMF中のストレプトマイシン(401)の20mmolの溶液を必要に応じて加熱し、そしてTLCによりその反応を追跡する。 反応が生じたときに、その反応溶液を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを、逆相HPL


    Cにより分画して、適切な画分の凍結乾燥の後に標記生成物を得る。

    【0348】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0349】

    【化19】

    (実施例9:スキームHによる式VIIIの化合物である(404)の調製) アジピン酸(205)(2.0mmol)を、10mLの無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そしてヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、


    ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyPOB(4.0mm


    ol)を用いて系列的に処理する。 室温で15分間攪拌した後、活性化されたアジピン酸をストレプトマイシン(401)(4.0mmol)で用いて処理し、


    そしてこのカップリング反応混合物を室温で一晩攪拌する。 揮発物を減圧下で除去し、そしてその粗製物を逆相HPLCにより分画して、適切な画分の凍結乾燥の後に標記化合物を得る。

    【0350】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0351】

    【化20】

    (実施例10:スキームIの式IXの化合物である(406)の調製) 1,4−ジアミノブタン(106)(10mmol)をメタノール:無水ジメチルホルムアミド中でスラリー化し、室温で攪拌し、そしてジイソプロピルエチルアミン(20mmol)およびストレプトマイシン(401)(20mmol


    )を用いて系列的に処理する。 2時間後、その反応混合物を氷水浴中で冷却し、


    そしてシアノホウ素水素ナトリウム(4.0mmol)およびトリフルオロ酢酸(30mmol)を用いてさらに処理する。 さらに2時間後、粗生成物を、10


    倍容量のアセトニトリルを滴下して加えることによって沈澱させ、次いで、逆相HPLCにより分画して標記生成物を得る。

    【0352】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0353】

    【化21】

    (実施例11:スキームJの式Xの化合物である(409)の調製) ストレプトマイシン(401)(10mmol)をメタノール:無水ジメチルホルムアミド中でスラリー化し、室温で攪拌し、そしてジイソプロピルエチルアミン(20mmol)およびFmocグリシナール(101)(10mmol)


    (Salviら、Tetrahedron Lett.1994、35,118


    1−1184に記載されるように調製する)を用いて系列的に処理する。 2時間後、その反応混合物を氷水浴中で冷却し、そしてシアノホウ素水素ナトリウム(


    4.0mmol)およびトリフルオロ酢酸(30mmol)を用いてさらに処理する。 さらに2時間後、粗生成物を、10倍容量のアセトニトリルを滴下して加えることによって沈澱させ、次いで、逆相HPLCにより分画して所望の生成物(407)を得る。

    【0354】 次いで、上記の生成物(407)を無水ジメチルホルムアミド(10mL)中に溶解し、室温にて攪拌し、そして過剰のピペリジン(1.0mL)を用いて処理する。 1時間後、その粗生成物を、100mLのアセトニトリルを激しく攪拌しながら滴下して加えることによって沈澱させる。 粗生成物を逆相HPLCによって分画することによって所望の生成物(408)を得る。

    【0355】 化合物(408)(20mmol)をメタノール:無水ジメチルホルムアミド中でスラリー化し、室温で攪拌し、そしてジイソプロピルエチルアミン(20m
    mol)およびストレプトマイシン(401)(20mmol)を用いて系列的に処理する。 2時間後、その反応混合物を氷水浴中で冷却し、そしてシアノホウ素水素ナトリウム(4.0mmol)およびトリフルオロ酢酸(30mmol)
    を用いてさらに処理する。 さらに2時間後、粗生成物を、10倍容量のアセトニトリルを滴下して加えることによって沈澱させ、次いで、逆相HPLCにより分画して標記生成物を得る。

    【0356】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0357】

    【化22】

    (実施例12:スキームKの式XIの化合物である(504)の調製) テトラサイクリン(501)(10mmol)をメタノール:無水ジメチルホルムアミド中でスラリー化し、室温で攪拌し、そしてジイソプロピルエチルアミン(20mmol)およびFmocグリシナール(101)(10mmol)(


    Salviら、Tetrahedron Lett. 1994、35,1181


    −1184に記載されるように調製する)を用いて系列的に処理する。 2時間後その反応混合物を氷水浴中で冷却し、そしてシアノホウ素水素ナトリウム(4.


    0mmol)およびトリフルオロ酢酸(30mmol)を用いてさらに処理する。 さらに2時間後、粗生成物を、減圧下で濃縮し、次いで、逆相HPLCにより分画して所望の生成物(502)を得る。

    【0358】 次いで、上記の生成物(502)を無水ジメチルホルムアミド(10mL)中に溶解し、室温にて攪拌し、そして過剰のピペリジン(1.0mL)を用いて処理する。 1時間後、その粗生成物を、減圧下で濃縮し、次いで、逆相HPLCによって分画して所望の生成物(503)を得る。

    【0359】 アジピン酸(205)(2.0mmol)を、10mLの無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(40mmol)およびPyBOP(4.0mmol)を用いて系列的に処理する。 15分間室温で攪拌した後、活性化したそのアジピン酸を、化合物(503)(4.0mmol)を用いて処理し、そしてカップリング反応混合物を室温にて一晩にて攪拌する。 揮発物を減圧下で除去し、そして粗製物を逆相HPLCにより分画して、適切な画分の凍結乾燥の後に標記生成物を得る。

    【0360】 化合物(501)は、Can. J. Chem. 1965,43,1382−1
    388;CAS 1771−31−9、53864−51−0において報告されている。

    【0361】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0362】

    【化23】

    (実施例13:スキームLによる式XIIの化合物である(507)の調製) 化合物(505)(1.0mmol)をトルエン中に溶解し、氷/水浴中で攪拌し、そしてK

    2 CO

    3 (10mmol)およびカルボニルジイミダゾール(1.


    0mmol)を用いて系列的に処理する。 氷浴を除去し、そしてその反応混合物を室温にまで暖める。 このように生成したイミダゾリド(506)を、以下に記載するカップリング反応においてさらなる操作なしに使用する。

    【0363】 1,4−ジアミノブタン(106)(2.0mmol)を有するトルエン/D
    MF中の(506)の溶液(1.0mmol)を必要に応じて封入容器中にて加熱し、そしてその反応をTLCにより追跡する。 完了したと判断されるときに、
    揮発物を減圧下で除去し、そしてその粗製物を逆相HPLCにより分画して、適切な画分の凍結乾燥後に標記生成物を得る。

    【0364】 化合物(505)は、J. Med. Chem. 1994、37,3205−3
    211において報告されている。

    【0365】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0366】

    【化24】

    (実施例14:スキームMによる式XIIIの化合物である(509)の調製) 6−アミノカプロン酸(109)(6mmol)を有する、トルエン/DMF


    中に、実施例13において記載されるように調製した(506)の溶液(6.0


    mmol)を必要に応じて封入容器中にて加熱し、そしてその反応をTLCにより追跡する。 完了したと判断されるときに、揮発物を減圧下で除去し、そしてその粗製物を逆相HPLCにより分画して、適切な画分の凍結乾燥後に所望の生成物(508)を得る。

    【0367】 化合物(508)(4.0mmol)を10mLの無水ジメチルホルムアミドに溶解し、そして実施例12において記載されるように調製した化合物(503
    )(4.0mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0mmo
    l)を用いて処理し、そしてカップリング反応混合物を室温で一晩攪拌する。 揮発物を減圧下で除去し、そして粗製物を逆相HPLCにより分画して、適切な画分の凍結乾燥の後に標記生成物を得る。

    【0368】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0369】

    【化25】

    (実施例15:スキームNによる式XIVの化合物である(605)の調製) プリスタナマイシンI(601)(10mmol)を、MeOH中に溶解し、


    室温で攪拌し、そしてホルマリン(11mmol)、モルホリン(11mmol


    )、およびメタンスルホン酸(1mmol)を用いて系列的に処理し、次いで、


    40℃にまで8時間の間加熱する。 この反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液と酢酸エチルとの間で分画する。 有機相を無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、


    そして揮発物を減圧下で除去して、粗モルホリン付加物(602)を得、これを、さらなる精製なしに使用する。

    【0370】 化合物(602)を、酢酸エチル中に溶解し、酢酸ナトリウムおよび酢酸の混合物を用いて処理し、そして45℃にまで4時間加熱する。 次いで、この反応混合物を重炭酸ナトリウム溶液を用いて洗浄し、乾燥し、濾過し、エバポレートし、そしてクロマトグラフィーにより精製して所望の生成物(603)を得る。

    【0371】 ピペラジン(5.0mmol)を、10mLの無水テトラヒドロフラン中に溶解し、そしてドライアイス/アセトン浴中にて窒素下で攪拌する。 1.0Mのブチルリチウムの溶液(11mmol)を、シリンジにより添加し、そしてその混合物を15分間攪拌する。 この点にて、1mLの無水テトラヒドロフラン中のエチレンスルフィドの溶液(11mmol)を5分間に亙って、シリンジにより滴下して加える。 次いで、この反応混合物を、冷却浴から取り出し、そして室温にまで緩除に上昇させ、ここで、2時間攪拌する。 次いで、この反応混合物を、塩化アンモニウムを用いてクエンチする。 次いで、揮発物を減圧下で除去し、そして粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより分画してピペラジンチオール(604)を得る。 アセトン中に5mmolの(604)を有するアセトン中の10mmolの(603)の溶液を、−20℃に冷却し、そしてこの反応をTL
    Cにより追跡する。 完了したと判断されるときに、揮発物を減圧下で除去し、そして粗製物を逆相HPLCにより分画して、適切な画分の凍結乾燥の後に表記生成物を得る。

    【0372】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0373】

    【化26】

    (実施例16:スキームOによる式XVの化合物である(608)の調製物) HClを用いてpH2にまで酸性化した水中のキヌプリスチン(606)の溶液(5mmol)に亜鉛(40mmol)を加える。 この反応混合物を濾過し、


    そして濾過物をNa

    2 CO

    3を用いて希釈し、CH

    2 Cl

    2を用いて抽出し、MgS


    4で乾燥し、そして濃縮する。 粗生成物をシリカゲルによるクロマトグラフィーによって精製して化合物(607)を得る。

    【0374】 アジピン酸(205)(2.0mmol)を、10mLの無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そしてヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、
    ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0mm
    ol)を用いて系列的に処理する。 15分間室温で攪拌した後、活性化したそのアジピン酸を、化合物(607)(4.0mmol)を用いて処理し、そしてカップリング反応混合物を室温にて一晩にて攪拌する。 揮発物を減圧下で除去し、
    そして粗製物を逆相HPLCにより分画して、適切な画分の凍結乾燥の後に標記生成物を得る。

    【0375】 その化学を、以下の反応スキームにおいて詳述する。

    【0376】

    【化27】

    (実施例17:スキームPによる、式XVIの化合物(611)の調製) 実施例15に記載したように調製した、20mmolの(603)および20


    mmolの3−メルカプトプロピオン酸(609)を含むアセトン溶液を−20


    ℃に冷却し、この反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物をクロマトグラフィーによって精製し、所望の生成物(610)を得る。

    【0377】 化合物(610)(4.0mmol)を10mL無水ジメチルホルムアミドに溶解し、続けて、実施例16に記載したように調製した化合物(607)(4.
    0mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0mmol)と共に処理し、このカップリング反応混合物を一晩、室温で攪拌する。 揮発性溶媒を真空下で除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物を得る。

    【0378】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0379】

    【化28】

    (実施例18:スキームQによる、式XVIIの化合物(613)の調製) 20mmolのプリスチナマイシンII(612)および実施例15に記載されるように調製した10mmolの(604)を含むアセトン溶液を−20℃に冷却し、この反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、


    この混合物を酢酸エチルと水との間で分配し、この有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムによって乾燥させ、真空下で溶媒を除去する。 この残渣をクロマトグラフィーによって精製し、標題構造物を得る。

    【0380】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0381】

    【化29】

    (実施例19:スキームRによる、式XVIIIの化合物(616)の調製) 20mmolの(603)および20mmolの1,6−ヘキサンジチオール(614)を含むアセトン溶液を−20℃に冷却し、この反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、所望の生成物(


    615)を得る。

    【0382】 20mmolの(615)および20mmolのプリスチナマイシンII(6
    12)を含むアセトン溶液を−20℃に冷却し、この反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物を得る。

    【0383】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0384】

    【化30】

    (実施例20:スキームSによる、式XIXの化合物(618)の調製) 20mmolのプリスチナマイシンII(612)および20mmolの3−


    メルカプトプロピオン酸(609)を含むアセトン溶液を−20℃に冷却し、この反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物(617)を得る。

    【0385】 化合物(617)(4.0mmol)を10mL無水ジメチルホルムアミドに溶解し、実施例16に記載したように調製した化合物(607)(4.0mmo
    l)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0mmol)で処理し、このカップリング反応混合物を一晩、室温で攪拌する。 揮発性溶媒を真空下で除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物を得る。

    【0386】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0387】

    【化31】

    (実施例21:スキームTによる、式XXの化合物(702)、(703)、


    および(704)の調製) 10mmolのα,α'−ジブロモ−p−キシレンおよび40mmolの炭酸カリウムを有する20mmolのスペクチノマイシン(701)のDMF溶液を必要なだけ加熱し、この反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物(617)を得る。

    【0388】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0389】

    【化32】

    (実施例22:(806)、(807)、および(808)の調製) ゲンタマイシンC

    1 (801)(10mmol)をメタノール:無水ジメチルホルムアミド中でスラリー化し、室温で攪拌し、続いてジイソプロピルエチルアミン(60mmol)およびベンズアルデヒド(50mmol)で処理した。 2


    時間後、この反応混合物を氷水浴中で冷却し、さらにシアノ水素化ホウ素ナトリウム(20mmol)およびトリフルオロ酢酸(70mmol)で処理した。 さらに2時間後、10倍容量のアセトニトリルへの滴下によって粗生成物を沈殿させ、次いで、逆相HPLCによって分画し所望の生成物(802)を得た。

    【0390】 化合物(802)(10mmol)をメタノール:無水ジメチルホルムアミド中でスラリー化し、室温で攪拌し、続いてジイソプロピルエチルアミン(20m
    mol)および(Salviら、Tetrahedron Lett.1994
    ,35,1181−1184によって記載されるように調製した)Fmocグリシナール(101)(10mmol)で処理する。 2時間後、この反応混合物を氷水浴中で冷却し、さらにシアノ水素化ホウ素ナトリウム(4.0mmol)およびトリフルオロ酢酸(30mmol)で処理する。 さらに2時間後、10倍容量のアセトニトリルへの滴下によって粗生成物を沈殿させ、次いで、逆相HPL
    Cによって分画し所望の生成物(803)、(804)、および(805)を得た。

    【0391】 次いで、上記の分離した(803)、(804)、および(805)を個別に無水ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、室温で攪拌し、そして過剰のピペリジン(1.0mL)で処理する。 1時間後、粗生成物を減圧下で濃縮し、
    次いで逆相HPLCによって分画し、化合物(806)、(807)、および(
    808)を得る。

    【0392】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0393】

    【化33】

    (実施例23:(803)、(804)、(805)、(813)、(814


    )、(815)、(816)、および(817)の調製) ゲンタマイシンC

    2 (809)(10mmol)をメタノール:無水ジメチルホルムアミド中でスラリー化し、室温で攪拌し、続いてジイソプロピルエチルアミン(60mmol)およびベンズアルデヒド(50mmol)で処理する。 2


    時間後、この反応混合物を氷水浴中で冷却し、さらにシアノ水素化ホウ素ナトリウム(20mmol)およびトリフルオロ酢酸(70mmol)で処理する。 さらに2時間後、10倍容量のアセトニトリルへの滴下によって粗生成物を沈殿させ、次いで、逆相HPLCによって分画し所望の生成物(811)を得る。 同じ様式でゲンタマイシンC

    3 (810)から化合物(812)を調製する。

    【0394】 化合物(811)(10mmol)をメタノール:無水ジメチルホルムアミド中でスラリー化し、室温で攪拌し、続いてジイソプロピルエチルアミン(20m
    mol)および(Salviら、Tetrahedron Lett.1994
    ,35,1181−1184によって記載されるように調製した)Fmocグリシナール(101)(10mmol)で処理する。 2時間後、この反応混合物を氷水浴中で冷却し、さらにシアノ水素化ホウ素ナトリウム(4.0mmol)およびトリフルオロ酢酸(30mmol)で処理する。 さらに2時間後、10倍容量のアセトニトリルへの滴下によって粗生成物を沈殿させ、次いで、逆相HPL
    Cによって分画し所望の生成物(803)、(804)、(805)、および(
    813)を得、次いで逆相クロマトグラフィーによって分離する。 化合物(81
    4)、(815)、(816)、および(817)を同じ様式で(812)から調製しそして分離する。

    【0395】 次いで、上記の分離した(803)、(804)、(805)、および(81
    3)を個別に無水ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、室温で攪拌し、
    そして過剰のピペリジン(1.0mL)で処理する。 1時間後、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、化合物(806)、(807)、(808)、および(818)を得る。 同じ様式で、(814)、(815)、(816)、および(817)からそれぞれ化合物(820)、(821)、および(822)を調製しそして分離した。

    【0396】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0397】

    【化34】

    (実施例24:スキームUによる、式XXIの化合物(824)の調製) 実施例22に記載されるように調製した、化合物(806)(10mmol)


    をメタノール:無水ジメチルホルムアミド中でスラリー化し、室温で攪拌し、続いてジイソプロピルエチルアミン(20mmol)およびストレプトマイシン(


    401)(10mmol)で処理する。 2時間後、この反応混合物を氷水浴中で冷却し、さらにシアノ水素化ホウ素ナトリウム(4.0mmol)およびトリフルオロ酢酸(30mmol)で処理する。 さらに2時間後、10倍容量のアセトニトリルへの滴下によって粗生成物を沈殿させ、次いで、逆相HPLCによって分画し所望の生成物(823)を得る。

    【0398】 メタノール中の(823)(5mmol)の溶液を、10%Pd/Cの存在下で、35psiにて一晩水素化する。 反応が完了したと判断した場合、真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物を得る。

    【0399】 ★★★注意:化合物(806)を本実施例に示すが、同じ手順を化合物(80
    7)、(808)、(818)、(819)、(820)、(821)、(82
    2)、および(829)についても実施して、ストレプトマイシンを有する各々のダイマーを提供し得る。

    【0400】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0401】

    【化35】

    (実施例25:スキームVによる、式XXIIの化合物(828)の調製) テレフタル酸(826)(2.0mmol)を10mL無水ジメチルホルムアミドに溶解し、続いてヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0mmol


    )で処理する。 室温で15分間攪拌した後、実施例22に記載したように調製した化合物(806)(4.0mmol)で、この活性化した二酸を処理し、このカップリング反応混合物を室温で一晩攪拌する。 揮発性溶媒を真空下で除去し、


    粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、所望の生成物を得る。

    【0402】 (827)(5mmol)のメタノール溶液を、10%Pd/Cの存在下で、
    35psiにて一晩水素化する。 反応が完了したと判断した場合、真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物を得る。

    【0403】 ★★★注意:化合物(806)を本実施例に示すが、同じ手順を化合物(80
    7)、(808)、(818)、(819)、(820)、(821)、および(822)についても実施して、それぞれのダイマーを提供し得る。

    【0404】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0405】

    【化36】

    (実施例26:スキームWによる、式XXIIIの化合物(830)の調製) 実施例23に記載するように調製した20mmolの(811)および80m


    molのトリエチルアミンのTHF溶液を40mmolのトリフルオロ無水酢酸で室温で1時間処理する。 得られる生成物(11.7mmol)のメタノール溶液を、10%Pd/Cの存在下で、35psiにて一晩水素化する。 反応混合物を濾過し、そして濾液を濃縮し乾燥させる。 この粗生成物を逆相HPLCによって精製し、所望の化合物(829)を得る。

    【0406】 10mmolの1,6−ジブロモヘキサン(302)および40mmolの炭酸カリウムを有する20mmolの化合物(829)のDMF溶液を、必要なだけ加熱し、この反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物を得る。

    【0407】 ★★★注意:化合物(811)を本実施例に示すが、同じ手順を化合物(80
    2)および(812)についても実施して、それぞれの生成物を提供し得る。

    【0408】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0409】

    【化37】

    (実施例27:スキームXによる、式XXIVの化合物(831)の調製) 20mmolの3−ブロモプロピオン酸(833)および200mmolの炭酸カリウムを有する、実施例26に記載したように調製した20mmolの化合物(829)のDMF溶液を、必要なだけ加熱し、この反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、所望の生成物(8


    34)を得る。

    【0410】 化合物(834)(4.0mmol)を10mL無水ジメチルホルムアミドに溶解し、続いてヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0mmol)で処理する。 室温で15分間攪拌した後、化合物(806)(4.0mmol)と共に、この活性化した酸を処理し、このカップリング反応混合物を室温で一晩攪拌する。 この混合物をNaOH水溶液(25mmol)で2倍に希釈し、そして5
    0℃まで1時間加熱する。 揮発性溶媒を真空下で除去し、粗生成物を逆相HPL
    Cによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物を得る。

    【0411】 ★★★注意:化合物(806)を本実施例に示すが、同じ手順を化合物(80
    7)、(808)、(818)、(819)、(820)、(821)、および(822)についても実施して、化合物(829)を有する各々のダイマーを提供し得る。

    【0412】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0413】

    【化38】

    (実施例28:スキームYによる、式XXYの化合物(832)の調製) コハク酸(104)(2.0mmol)を10mL無水ジメチルホルムアミドに溶解し、続いてヒドロキシベンゾトリアゾール(2.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(2.0mmol)およびPyBOP(2.0mmol)で処理する。 室温で15分間攪拌した後、実施例11に記載したように調製した化合物(408)(2.0mmol)で、この活性化した二酸を処理し、このカップリング反応混合物を室温で一晩攪拌する。 揮発性溶媒を真空下で除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、所望の生成物(


    835)を得る。

    【0414】 化合物(835)(4.0mmol)を10mL無水ジメチルホルムアミドに溶解し、続いてヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0mmol)で処理する。 室温で15分間攪拌した後、実施例22に記載したように調製した化合物(806)(4.0mmol)で、この活性化した二酸を処理し、このカップリング反応混合物を室温で一晩攪拌する。 揮発性溶媒を真空下で除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物を得る。 得られる生成物(11.7mmol)のメタノール溶液を、10%Pd/Cの存在下で、35psiにて一晩水素化する。 この反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して乾燥させる。 この粗生成物を逆相HPLCによって精製し、標題生成物を得る。

    【0415】 ★★★注意:化合物(806)を本実施例に示すが、同じ手順を化合物(80
    7)、(808)、(818)、(819)、(820)、(821)、および(822)についても実施して、化合物(408)を有する各々のダイマーを提供し得る。

    【0416】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0417】

    【化39】

    (実施例29:スキームZによる式XXVIの化合物(902)の調製) 10mmolの3−ブロモプロピオン酸(833)および20mmolの炭酸カリウムを有する、10mmolの化合物(301)のDMF溶液を、必要なだけ加熱し、この反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、所望の生成物(901)を得る。

    【0418】 化合物(901)(4.0mmol)を無水ジメチルホルムアミドに溶解し、
    続いてヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0mmol)で処理する。
    室温で15分間攪拌した後、実施例1に記載されるように調製した化合物(10
    3)(4.0mmol)で、この活性化した酸を処理し、このカップリング反応混合物を室温で一晩攪拌する。 揮発性溶媒を真空下で除去し、粗生成物を逆相H
    PLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物を得る。

    【0419】 化合物(301)はU−57930Eであり、そしてAntimicrobi
    al Agents Chemother,21:902−905(19892
    )に報告されている。

    【0420】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0421】

    【化40】

    (実施例30:スキームAAによる、式XXVIIの化合物(905)の調製) 1,4−ジアミノブタン(106)(4.0mmol)をDMF中に溶解し、


    室温で攪拌し、続いて、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)、および実施例2に記載されるように調製したイミダゾリド(105)(4.0mmo


    l)で処理する。 2時間後、揮発性溶媒を真空下で除去し、粗生成物を逆相HP


    LCによって精製し、所望の生成物(903)を得る。

    【0422】 化合物(903)(2.0mmol)をDMF中に溶解し、室温で攪拌し、続いて、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)、および実施例4に記載されるように調製したイミダゾリド(202)(2.0mmol)と共に処理する。 2時間後、揮発性溶媒を真空下で除去し、粗生成物を逆相HPLCによって精製し、所望の生成物(904)を得る。

    【0423】 化合物(904)(2.0mmol)をTHFに溶解する。 トリメチルシリルトリフラート(20mmol)およびルチジン(30mmol)を加え、そしてこの反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、この混合物を、フッ化テトラブチルアンモニウム(30mmol)で処理し、そして反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、この混合物をメタノールで2倍に希釈し、1時間加熱還流する。 真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物を得る。

    【0424】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0425】

    【化41】

    (実施例31:スキームBBによる、式XXVIIIの化合物(905)の調製) コハク酸(104)(8.0mmol)を10mL無水ジメチルホルムアミドに溶解し、続いてヒドロキシベンゾトリアゾール(10mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(8.0mmol)およびPyBOP(8.0mmol)で処理する。 室温で15分間攪拌した後、実施例1に記載したように調製した化合物(103)(8.0mmol)で、この二酸を処理し、このカップリング反応混合物を室温で一晩攪拌する。 揮発性溶媒を真空下で除去し、粗生成物を逆相HP


    LCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、所望の生成物(906)を得る。

    【0426】 化合物(906)(2.0mmol)を10mL無水ジメチルホルムアミドに溶解し、続いてヒドロキシベンゾトリアゾール(2.5mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(2.0mmol)およびPyBOP(2.0mmol)で処理する。 室温で15分間攪拌した後、化合物(204)(2.0mmol)で、
    この活性化した酸を処理し、そしてこのカップリング反応混合物を室温で一晩攪拌する。 揮発性溶媒を真空下で除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物を得る。

    【0427】 化合物(204)は、J. Med. Chem. 1996,49,673−67
    9に報告されている。

    【0428】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0429】

    【化42】

    (実施例32:スキームCCによる、式XXIXの化合物(909)の調製) 実施例3に記載されるように調製した、化合物(110)(4.0mmol)


    を無水ジメチルホルムアミドに溶解し、続いてヒドロキシベンゾトリアゾール(


    5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPy


    BOP(4.0mmol)で処理する。 室温で15分間攪拌した後、この活性化した酸を化合物(204)(4.0mmol)で処理し、このカップリング反応混合物を室温で一晩攪拌する。 揮発性溶媒を真空下で除去し、粗生成物を逆相H


    PLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、所望の生成物(908)を得る。

    【0430】 化合物(908)(2.0mmol)をTHFに溶解する。 トリメチルシリルトリフラート(20mmol)およびルチジン(30mmol)を加え、そしてこの反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、この混合物をフッ化テトラブチルアンモ二ウム(30mmol)で処理し、そしてこの反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、この混合物をメタノールで2倍に希釈し、1時間加熱還流する。 真空下で揮発性溶媒を除去し、
    粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物を得る。

    【0431】 化合物(204)は、J. Med. Chem. 1996,49,673−67
    9に報告されている。

    【0432】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0433】

    【化43】

    (実施例33:スキームDDによる、式XXXの化合物(911)の調製) 1,4−ジアミノブタン(106)(2.0mmol)を有する、実施例2に記載されるように調製した(105)(2.0mmol)のトルエン/DMF溶液を必要なだけ密閉容器内で加熱し、この反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物を逆相HP


    LCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、所望の生成物(922)を得る。

    【0434】 実施例4に記載されるように調製した化合物(202)(1.0mmol)を有する、上記生成物(922)(1.0mmol)のDMF溶液を必要なだけ密閉容器内で加熱し、この反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、所望の生成物(910)を得る。

    【0435】 化合物(910)(2.0mmol)をTHFに溶解する。 トリメチルシリルトリフラート(20mmol)およびルチジン(30mmol)を加え、そしてこの反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、この混合物をフッ化テトラブチルアンモニウム(30mmol)で処理し、そしてこの反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、この混合物をメタノールで2倍に希釈し、1時間加熱還流する。 真空下で揮発性溶媒を除去し、
    粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物を得る。

    【0436】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0437】

    【化44】

    (実施例34:スキームEEによる、式XXXIの化合物(923)および(


    924)の調製) 10mmolの3−ブロモプロピオン酸(833)および20mmolの炭酸カリウムを有する、10mmolのスペクチノマイシン(701)のDMF溶液を必要なだけ加熱し、この反応をTLCによって追跡する。 反応が完了したと判断した場合、真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、所望の生成物(912)および(913)を得る。

    【0438】 化合物(912)(4.0mmol)および(913)(4.0mmol)を個別に無水ジメチルホルムアミドに溶解し、続いて、実施例1に記載されるように調製した化合物(103)(4.0mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0mmol)で処理し、そしてこのカップリング反応混合物を室温で一晩攪拌する。 真空下で揮発性溶媒を除去し、粗生成物を逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥後、標題生成物を得る。

    【0439】 この化学合成を以下の反応スキームに下述する。

    【0440】

    【化45】

    (実施例35:スキームFFを介する、式XXXIIの化合物(915)の調製) 1,4−ジアミノブタン(106)(4.0mmol)を、トルエン/DMF


    中に溶解し、室温で撹拌し、そして連続的に、ジイソプロピルエチルアミン(4


    . 0mmol)およびイミダゾリド(imidazolide)(105)(4


    . 0mmol)(実施例2に記載されるように調製)で処理する。 2時間後、揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、所望の産物(903)を生成する。

    【0441】 化合物(903)(2.0ml)をトルエンに溶解し、室温で撹拌し、そして連続的に、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびイミダゾリド(506)(2.0mmol)(実施例13に記載されるように調製)で処理する。 2時間後、揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、所望の産物(914)を生成する。

    【0442】 化合物(914)(2.0ml)をTHF中に溶解する。 トリメチルシリルトリフレート(20mmol)およびルチジン(30mmol)を添加し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、混合物をテトラブチルアンモニウムフルオライド(30mmol)で処理し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、混合物をメタノールで2倍に希釈し、還流で1時間加熱する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0443】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0444】

    【化46】

    (実施例36:スキームGGを介する、式XXXIIIの化合物(916)の調製) 実施例31に記載されるように調製された化合物(906)(2.0mmol


    )を、10mLの無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.5mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(


    2.0mmol)およびPyBOP(2.0mmol)で処理する。 室温での1


    5分間の撹拌後、活性化した(activated)酸を、化合物(503)(


    2.0mmol)(実施例12に記載されるように調製)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0445】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0446】

    【化47】

    (実施例37:スキームHHを介する、式XXXIVの化合物(918)の調製) 実施例3に記載されるように調製された化合物(110)(4.0mmol)


    を、無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmo


    l)およびPyBOP(4.0mmol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(503)(4.0mmol)(実施例12に記載されるように調製)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、所望の産物(908)を生成する。

    【0447】 化合物(908)(2.0ml)をTHF中に溶解する。 トリメチルシリルトリフレート(20mmol)およびルチジン(30mmol)を添加し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、混合物をテトラブチルアンモニウムフルオライド(30mmol)で処理し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、混合物をメタノールで2倍に希釈し、還流で1時間加熱する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0448】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0449】

    【化48】

    (実施例38:スキームIIを介する、式XXXVの化合物(921)の調製) 実施例13に記載されるように調製された化合物(506)(1.0mmol


    )を有するDMF中の、実施例33に記載されるように調製された化合物(92


    2)(1.0mmol)の溶液を、必要に応じて密封された容器内において加熱し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、所望の産物(920)を生成する。

    【0450】 化合物(920)(2.0ml)をTHF中に溶解する。 トリメチルシリルトリフレート(20mmol)およびルチジン(30mmol)を添加し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、混合物をテトラブチルアンモニウムフルオライド(30mmol)で処理し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、混合物をメタノールで2倍に希釈し、還流で1時間加熱する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0451】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0452】

    【化49】

    (実施例39:スキームJJを介する、式XXXVIの化合物(1001)の調製) 3−ブロモプロピオン酸(833)(4.0mmol)を、無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0


    mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP


    (4.0mmol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、


    化合物(204)(4.0mmol)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、所望の産物(1000)を生成する。

    【0453】 2mmolの化合物(301)および20mmolの炭酸カリウムを有するD
    MF中の上記の化合物(1000)の2mmolの溶液を、必要に応じて加熱し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0454】 化合物(204)は、J. Med. Chem. 、49:673〜679(19
    96)において報告される。

    【0455】 化合物(301)は、U−57930Eであり、そしてAntimicrob
    ial Agents Chemother. 、21:902〜905(198
    2)において報告される。

    【0456】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0457】

    【化50】

    (実施例39A:スキームKKを介する、式XXXVIIの化合物(1012


    )の調製) 3−ブロモプロピルアミンヒドロブロミド(1011)(20mmol)を有するDMF中の、実施例4に記載されるように調製された(202)(20mm


    ol)の溶液を、必要に応じて密封された容器内において加熱し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、混合物を、酢酸エチルと水、および水で洗浄した有機相との間で分配し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で溶媒を除去する。 残留物をクロマトグラフィーで精製し、所望の産物(1002)を生成する。

    【0458】 10mmolの化合物(301)および20mmolの炭酸カリウムを有するDMF中の上記の化合物(1002)の10mmolの溶液を、必要に応じて加熱し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0459】 化合物(301)は、U−57930Eであり、そしてAntimicrob
    ial Agents Chemother. 、1982、21:902〜90
    5において報告される。

    【0460】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0461】

    【化51】

    (実施例40:スキームLLを介する、式XXXVIIIの化合物(1004


    )の調製) 20mmolの3−ブロモプロピオン酸(833)および40mmolの炭酸カリウムを有するDMF中の化合物(301)の20mmolの溶液を、必要に応じて加熱し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、混合物を、酢酸エチルと水、および水で洗浄した有機相との間で分配し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で溶媒を除去する。 残留物をクロマトグラフィーで精製し、所望の産物(1003)を生成する。

    【0462】 上記の産物(1003)(4.0mmol)を、無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)
    、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0m
    mol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(5
    03)(4.0mmol)(実施例12に記載のように調製)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、
    表題に記載の産物を生成する。

    【0463】 化合物(301)は、U−57930Eであり、そしてAntimicrob
    ial Agents Chemother. 、1982、21:902〜90
    5において報告される。

    【0464】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0465】

    【化52】

    (実施例41:スキームMMを介する、式XXXIXの化合物(1006)および(1007)の調製) 20mmolの1,6−ジアミノヘキサン(302)および40mmolの炭酸カリウムを有するDMF中の化合物(301)の20mmolの溶液を、必要に応じて加熱し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、所望の産物(1005)を生成する。

    【0466】 10mmolのスペクチノマイシン(701)および20mmolの炭酸カリウムを有するDMF中の、上記の化合物(1005)の10mmolの溶液を、
    必要に応じて加熱し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、
    適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0467】 化合物(301)は、U−57930Eであり、そしてAntimicrob
    ial Agents Chemother. 、1982、21:902〜90
    5において報告される。

    【0468】

    【化53】

    (実施例42:スキームNNを介する、式XLの化合物(1010)の調製) 20mmolの化合物(301)および40mmolの炭酸カリウムを有するDMF中の、20mmolの6−ブロモヘキサン酸(1008)の溶液を、必要に応じて加熱し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、反応混合物を、減圧下で濃縮し、そして残留物をクロマトグラフィーによって精製し、所望の産物(1009)を生成する。

    【0469】 上記の化合物(1009)(4.0mmol)を無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)
    、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0m
    mol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(5
    03)(4.0mmol)(実施例12に記載されるように調製)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0470】 化合物(301)は、U−57930Eであり、そしてAntimicrob
    ial Agents Chemother. 、1982、21:902〜90
    5において報告される。

    【0471】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0472】

    【化54】

    (実施例43:スキームOOを介する、式XLIの化合物(1101)の調製) 実施例31に記載されるように調製した化合物(906)(4.0mmol)


    を無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol


    )およびPyBOP(4.0mmol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(607)(4.0mmol)(実施例16に記載されるように調製)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0473】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0474】

    【化55】

    (実施例44:スキームPPを介する、式XLIIの化合物(1102)の調製) 実施例17に記載されるように調製した化合物(610)(4.0mmol)


    を無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol


    )およびPyBOP(4.0mmol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(103)(4.0mmol)(実施例1に記載されるように調製)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0475】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0476】

    【化56】

    (実施例45:スキームQQを介する、式XLIIIの化合物(1103)の調製) 実施例16に記載されるように調製した化合物(617)(4.0mmol)


    を無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol


    )およびPyBOP(4.0mmol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(103)(4.0mmol)(実施例1に記載されるように調製)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0477】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0478】

    【化57】

    (実施例46:スキームRRを介する、式XLIVの化合物(1105)の調製) 実施例29に記載されるように調製した化合物(901)(4.0mmol)


    を無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol


    )およびPyBOP(4.0mmol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(607)(4.0mmol)(実施例16に記載されるように調製)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0479】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0480】

    【化58】

    (実施例47:スキームSSを介する、式XLVの化合物(1113)の調製) 化合物(301)(10mmol)をメタノール:無水ジメチルホルムアミド中でスラリー化し、室温で撹拌し、そして連続的に、ジイソプロピルエチルアミン(20mmol)およびFmocグリシナル(glycinal)(101)


    (10mmol)(Salviら、Tetrahedron Lett.199


    4、35、1181〜1184に記載されるように調製した)で処理する。 2時間後、この反応混合物を氷水浴中で冷却し、そしてシアノ水素化ホウ素ナトリウム(4.0mmol)およびトリフルオロ酢酸(30mmol)を用いてさらに処理する。 さらに2時間後、揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、所望の産物(1106


    )を生成する。

    【0481】 次に、上記の産物(1106)を無水ジメチルホルムアミド(10mL)中に溶解し、室温で撹拌し、そして過剰のピペリジン(1.0mL)で処理する。 1
    時間後、粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、所望の産物(1112)を生成する。

    【0482】 実施例20において記載してように調製した化合物(617)(4.0mmo
    l)を、10mLの無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0mmol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(1112)(4.0mmol)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0483】 化合物(301)は、U−57930Eであり、そしてAntimicrob
    ial Agents Chemother. 、1982、21、902〜90
    5において報告される。

    【0484】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0485】

    【化59】

    (実施例48:スキームTTを介する、式XLVIの化合物(1108)の調製) 化合物(204)(10mmol)を、無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そしてアジピン酸(205)(10mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(20mmol)およびPy


    BOP(10mmol)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 NaOHを用いる脱保護の後、揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、所望の産物(1107)を生成する。

    【0486】 上記の化合物(1107)(4.0mmol)を、無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol
    )、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0
    mmol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(
    607)(4.0mmol)(実施例16に記載されるように調製)で処理し、
    そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0487】 化合物(204)は、J. Med. Chem. 、1996、49、673〜6
    79において報告される。

    【0488】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0489】

    【化60】

    (実施例49:スキームUUを介する、式XLVIIの化合物(1109)の調製) 実施例6において記載されるように調製した化合物(207)(4.0mmo


    l)を、無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0m


    mol)およびPyBOP(4.0mmol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(607)(4.0mmol)(実施例16に記載されるように調製)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0490】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0491】

    【化61】

    (実施例50:スキームVVを介する、式XLVIIIの化合物(1110)


    の調製) 実施例17において記載されるように調製した化合物(610)(4.0mm


    ol)を、無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0


    mmol)およびPyBOP(4.0mmol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(204)(4.0mmol)(実施例16


    に記載されるように調製)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0492】 化合物(204)は、J. Med. Chem. 、1996、49、673〜6
    79において報告される。

    【0493】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0494】

    【化62】

    (実施例51:スキームWWを介する、式XLIXの化合物(1111)の調製) 実施例20において記載されるように調製した化合物(617)(4.0mm


    ol)を、無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0


    mmol)およびPyBOP(4.0mmol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(204)(4.0mmol)(実施例16


    に記載されるように調製)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0495】 化合物(204)は、J. Med. Chem. 、1996、49、673〜6
    79において報告される。

    【0496】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0497】

    【化63】

    (実施例52:スキームXXを介する、式Lの化合物(1201)の調製) 20mmolの1,6−ジブロモヘキサン(302)および40mmolの炭酸カリウム有するDMF中の、実施例26に記載されるように調製された化合物(829)の20mmolの溶液を、必要に応じて加熱し、そして反応をTLC


    によって追跡する。 完了と判断した時、粗生成物を、クロマトグラフィーによって精製し、所望の産物(1200)を生成する。

    【0498】 10mmolの化合物(301)および20mmolの炭酸カリウム有するD
    MF中の、上記の化合物(1200)の10mmolの溶液を、必要に応じて加熱し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、この反応混合物を水で2倍に希釈し、NaOH(50mmol)で処理し、必要に応じて脱保護を行うために加熱する。 粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0499】 化合物(301)は、U−57930Eであり、そしてAntimicrob
    ial Agents Chemother. 、1982、21、902〜90
    5において報告される。

    【0500】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0501】

    【化64】

    (実施例53:スキームYYを介する、式LIの化合物(1202)および(


    1203)の調製) 20mmolのスペクチノマイシン(701)および20mmolの炭酸カリウムを有するDMF中の、実施例52において記載されるように調製された化合物(1200)の20mmolの溶液を、必要に応じて加熱し、そして反応をT


    LCによって追跡する。 完了と判断した時、この反応混合物を水で2倍に希釈し、NaOH(50mmol)で処理し、そして必要に応じて、脱保護を行うために加熱する。 粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0502】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0503】

    【化65】

    (実施例54:スキームZZを介する、式LIIの化合物(1205)および(1206)の調製) 20mmolの1,6−ジブロモヘキサン(302)および40mmolの炭酸カリウムを有するDMF中の、化合物(301)の20mmolの溶液を、必要に応じて加熱し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、


    揮発物を減圧下で除去し、そして次の工程においてさらなる精製を伴わずに使用される所望の産物(1204)を生成する。

    【0504】 10mmolのスペクチノマイシン(701)および20mmolの炭酸カリウムを有するDMF中の、上記の化合物(1204)の10mmolの溶液を、
    必要に応じて加熱し、そして反応をTLCによって追跡する。 完了と判断した時、揮発物を減圧下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、
    適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0505】 化合物(301)は、U−57930Eであり、そしてAntimicrob
    ial Agents Chemother. 、1982、21、902〜90
    5において報告される。

    【0506】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0507】

    【化66】

    (実施例55:スキームAAAを介する、式LIIIの化合物(1207)および(1208)の調製) 実施例34において記載されるように調製した化合物(912)(4.0mm


    ol)および(913)(4.0mmol)を、無水ジメチルホルムアミド中に別々に溶解し、そして実施例11に記載されるように調製した化合物(408)


    (4.0mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0mmol


    )で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0508】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0509】

    【化67】

    (実施例56:スキームBBBを介する、式LIVの化合物(1211)の調製) 密封したチューブ内において、1,3−フェニレンジイソシアネート(120


    9)(41.0mmol)を、無水アセトニトリル中に溶解する。 この溶液に、


    実施例11に記載されるように調製した化合物(408)(41.0mmol)


    を添加し、そしてこのチューブを、シリコンオイル浴中に部分的に浸し、そして65℃に加熱し、16時間撹拌する。 この反応混合物を冷却し、次にエバポレートして、さらなる精製を行わずに次の工程において使用され得る粗生成物(12


    10)を生じる。

    【0510】 密封したチューブ内において、化合物(1210)(30.0mmol)を、
    無水アセトニトリル中に溶解する。 この溶液に、実施例12に記載されるように調製した化合物(503)(30.0mmol)を添加し、そしてこのチューブを、シリコンオイル浴中に部分的に浸し、そして85℃に加熱し、16時間撹拌する。 この反応混合物を冷却し、次にエバポレートして粗生成物を生じ、これを逆相HPLCによって精製して、表題に記載の産物を生成する。

    【0511】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0512】

    【化68】

    (実施例56A:スキームCCCを介する、式LVの化合物(1213)の調製) コハク酸(104)(8.0mmol)を、10mLの無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(10.0m


    mol)、ジイソプロピルエチルアミン(8.0mmol)およびPyBOP(


    8.0mmol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(835)(8.0mmol)(実施例28に記載されるように調製)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、所望の産物(1212)を生成する。

    【0513】 上記の化合物(1212)(4.0ml)を、10mLの無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0m
    mol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(
    4.0mmol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(503)(4.0mmol)(実施例12に記載されるように調製)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 揮発物を真空下で除去し、そして粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0514】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0515】

    【化69】

    (実施例57:スキームDDDを介する、式LVIの化合物(1215)の調製) 10mmolの6−ブロモヘキサン酸(1008)および20mmolの炭酸カリウムを有するDMF中の、実施例26に記載されるように調製された化合物(829)の10mmolの溶液を、必要に応じて加熱し、そして反応をTLC


    によって追跡する。 完了と判断した時、この反応混合物を減圧下で濃縮し、そしてクロマトグラフィーによって残留物を精製し、所望の産物(1214)を生成する。

    【0516】 上記の化合物(1214)(4.0ml)を、無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして連続的に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.0mmol)、
    ジイソプロピルエチルアミン(4.0mmol)およびPyBOP(4.0mm
    ol)で処理する。 室温での15分間の撹拌後、活性化した酸を、化合物(50
    3)(4.0mmol)(実施例12に記載されるように調製)で処理し、そしてカップリング反応混合物を、室温で一晩撹拌する。 この反応混合物を水で2倍に希釈し、NaOH(50mmol)で処理し、必要に応じて脱保護を行うために加熱する。 粗生成物を、逆相HPLCによって分画し、適切な画分の凍結乾燥の後に、表題に記載の産物を生成する。

    【0517】 化学合成を、以下の反応スキームにおいて詳述する:

    【0518】

    【化70】

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 図1は、代表的なマクロライド抗生物質、アミノグリコシドおよびリンコサミド(lincosamide)、オキサゾリジノン(oxazolidinon
    e)、ストレプトグラミン(streptogramin)、テトラサイクリンの概略図である。 これらを使用して、本発明の化合物を調製し得る。

    【図2】 図2は、式Iの化合物の調製の概略図である。

    【図3】 図3は、式IIの化合物の調製の概略図である。

    【図4】 図4は、式IIIの化合物の調製の概略図である。

    【図5】 図5は、式IVの化合物の調製の概略図である。

    【図6】 図6は、式Vの化合物の調製の概略図である。

    【図7】 図7は、式VIの化合物の調製の概略図である。

    【図8】 図8は、式VIIの化合物の調製の概略図である。

    【図9】 図9は、式VIIIの化合物の調製の概略図である。

    【図10】 図10は、式IXの化合物の調製の概略図である。

    【図11】 図11は、式Xの化合物の調製の概略図である。

    【図12】 図12は、式XIの化合物の調製の概略図である。

    【図13】 図13は、式XIIの化合物の調製の概略図である。

    【図14】 図14は、式XIIIの化合物の調製の概略図である。

    【図15】 図15は、式XIVの化合物の調製の概略図である。

    【図16】 図16は、式XVの化合物の調製の概略図である。

    【図17】 図17は、式XVIの化合物の調製の概略図である。

    【図18】 図18は、式XVIIの化合物の調製の概略図である。

    【図19】 図19は、式XVIIIの化合物の調製の概略図である。

    【図20】 図20は、式XIXの化合物の調製の概略図である。

    【図21】 図21は、式XXa、XXbおよびXXcの化合物の調製の概略図である。

    【図22】 図22は、式XXIの化合物の調製の概略図である。

    【図23】 図23は、式XXIIの化合物の調製の概略図である。

    【図24】 図24は、式XXIIIの化合物の調製の概略図である。

    【図24A】 図24Aは、式XXIVの化合物の調製の概略図である。

    【図25】 図25は、式XXVの化合物の調製の概略図である。

    【図25A】 図25Aは、式XXVIの化合物の調製の概略図である。

    【図26】 図26は、式XXVIIの化合物の調製の概略図である。

    【図27】 図27は、式XXVIIIの化合物の調製の概略図である。

    【図28】 図28は、式XXIXの化合物の調製の概略図である。

    【図29】 図29は、式XXXの化合物の調製の概略図である。

    【図30】 図30は、式XXXIの化合物の調製の概略図である。

    【図31】 図31は、式XXXIIの化合物の調製の概略図である。

    【図32】 図32は、式XXXIIIの化合物の調製の概略図である。

    【図33】 図33は、式XXXIVの化合物の調製の概略図である。

    【図34】 図34は、式XXXVの化合物の調製の概略図である。

    【図35】 図35は、式XXXVIの化合物の調製の概略図である。

    【図36】 図36は、式XXXVIIの化合物の調製の概略図である。

    【図37】 図37は、式XXXVIIIの化合物の調製の概略図である。

    【図38】 図38は、式XXXIX−AおよびXXXIX−Bの化合物の調製の概略図である。

    【図39】 図39は、式XLの化合物の調製の概略図である。

    【図40】 図40は、式XLIの化合物の調製の概略図である。

    【図41】 図41は、式XLIIの化合物の調製の概略図である。

    【図42】 図42は、式XLIIIの化合物の調製の概略図である。

    【図43】 図43は、式XLIVの化合物の調製の概略図である。

    【図44】 図44は、式XLVの化合物の調製の概略図である。

    【図45】 図45は、式XLVIの化合物の調製の概略図である。

    【図46】 図46は、式XLVIIの化合物の調製の概略図である。

    【図47】 図47は、式XLVIIIの化合物の調製の概略図である。

    【図48】 図48は、式XLIXの化合物の調製の概略図である。

    【図49】 図49は、式Lの化合物の調製の概略図である。

    【図50】 図50は、式LI−AおよびLI−Bの化合物の調製の概略図である。

    【図50】 図50は、式LI−AおよびLI−Bの化合物の調製の概略図である。

    【図51】 図51は、式LII−AおよびLII−Bの化合物の調製の概略図である。

    【図52】 図52は、式LIII−AおよびLIII−Bの化合物の調製の概略図である。

    【図53】 図53は、式LIVの化合物の調製の概略図である。

    【図54】 図54は、式LVの化合物の調製の概略図である。

    【図55】 図55は、式LVIの化合物の調製の概略図である。

    【図56】 図56は、リンカーに対して異なる形態で付着される2個のリガンドを含む多結合(multibinding)化合物の例を示す。

    【図57】 図57は、リンカーに対して異なる形態で付着される3個のリガンドを含む多結合化合物の例を示す。

    【図58】 図58は、リンカーに対して異なる形態で付着される4個のリガンドを含む多結合化合物の例を示す。

    【図59】 図59は、リンカーに対して異なる形態で付着される5〜10個のリガンドを含む多結合化合物の例を示す。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/5377 A61K 31/5377 4C086 31/65 31/65 4H006 31/7036 31/7036 4H045 31/7048 31/7048 31/7056 31/7056 A61P 31/04 A61P 31/04 C07C 275/42 C07C 275/42 C07D 263/28 C07D 263/28 453/02 453/02 493/04 106 493/04 106A 498/18 498/18 519/00 519/00 C07H 15/236 C07H 15/236 15/238 15/238 15/26 15/26 17/08 17/08 B C07K 2/00 C07K 2/00 4/00 4/00 G01N 33/53 G01N 33/53 M 33/566 33/566 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ペース, ジョン エル. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94960, サン アンセルモ, インディアン ロ ック ロード 63 Fターム(参考) 4C056 AA01 AB01 AC02 AD01 AE02 BA01 BB11 BC10 4C057 BB02 BB03 CC03 DD01 JJ42 JJ44 JJ55 KK13 4C064 AA06 CC01 DD01 EE09 FF01 GG20 4C071 AA01 BB01 CC13 DD25 EE07 FF16 HH18 LL01 4C072 AA03 BB03 CC05 CC11 EE09 FF11 GG09 HH07 MM02 4C086 AA03 BC17 CA01 CB17 CB22 EA01 EA02 EA07 EA11 EA13 MA03 MA04 MA09 MA10 NA14 ZB35 4H006 AA01 AA03 AB20 BJ30 BN20 BR70 4H045 AA10 AA30 BA11 BA13 BA14 BA15 BA16 BA31 BA51 BA53 EA29 EA50 GA22

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