Template fixed β- hairpin loop mimetic and its use in phage display |
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申请号 | JP2005510543 | 申请日 | 2003-11-15 | 公开(公告)号 | JP2008500260A | 公开(公告)日 | 2008-01-10 |
申请人 | ウニベルジテート チューリッヒ; ポリファー リミテッド; | 发明人 | ヴレイブルート,ヤン,ヴィム; オブレヒト,ダニエル; ゴムベルト,フランク,オットー; ユング,フランソワーズ; ルーディン,クリスティアン; ロクーリオ,セルジオ; | ||||
摘要 | 一般式I: R 1 -Cys-Z-Cys-R 2 I [式中、2個のCys残基はジスルフィド結合により架橋されそれにより環状ペプチドを形成し; R 1 およびR 2 が好ましくは、Glu-ThrおよびThr-Lys;またはLys-ThrおよびThr-Glu;または Thr-GluおよびLys-Thr;またはThr-LysおよびGlu-Thr;またはLeu-GluおよびLys-Val;またはVal-LysおよびGlu-Leu;またはGlu-LeuおよびVal-Lys;またはLys-LeuおよびVal-Glu;またはAsn-GlyおよびLys-Val;またはVal-GlyおよびLys-Asn;またはGly-AsnおよびVal-Lys;またはGly-ValおよびAsn-Lys;またはGly-GlyおよびGly-Gly;またはGlu-Leu-LysおよびGlu-Val-Lys;またはLys-Val-GluおよびLys-Leu-Glu;またはLeu-Glu-LysおよびGlu-Lys-Val;またはVal-Lys-GluおよびLys-Glu-Leu;またはGlu-Lys-LeuおよびVal-Glu-Lys;またはLys-Glu-ValおよびLeu-Lys-Glu;またはLys-Glu-LeuおよびVal-Lys-Glu;またはGlu-Lys-ValおよびLeu-Glu-Lys;またはLys-Val-GlyおよびGly-Leu-Glu;またはGlu-Leu-GlyおよびGly-Val-Lys;またはVal-Lys-GlyおよびGly-Glu-Leu;またはLeu-Glu-GlyおよびGly-Lys-Val;またはVal-Gly-LysおよびGlu-Gly-Leu;またはLeu-Gly-GluおよびLys-Gly-Val;またはGly-Gly-GlyおよびGly-Gly-Glyであり;Zはn個のアミノ酸残基の鎖であってnは整数4〜20でありそしてこれらのn個のアミノ酸残基はそれぞれ独立していずれかの天然L-α-アミノ酸から誘導される]で表わされるテンプレート固定β-ヘアピン模倣体が提供される。 複数のこれらのテンプレートを含んでなるライブラリーは、テンプレート固定β-ヘアピン模倣体から誘導されるファージディスプレイの構築に利用すると標的と非常に高い結合定数をもつファージディスプレイライブラリーを作製することができる、従って、テンプレート固定β-ヘアピンライブラリーから誘導される大きいファージディスプレイのスクリーニングの利点と組合わせて、さらに、構造活性の研究、従って、強 力 な活性をもちかつ色々な型の標的に対する新規の選択性をもつ新しい分子の発見を大きく促進する。 |
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权利要求 | 一般式I: R 1 -Cys-Z-Cys-R 2 I [式中、2個のCys残基はジスルフィド結合により架橋されそれにより環状ペプチドを形成し; R 1およびR 2は、 ABおよびBC;またはBAおよびCB;またはCBおよびBA;またはBCおよびAB;またはCAおよびCA;またはACおよびAC;またはCAおよびCB;またはBBおよびCB;またはBBおよびBC;またはABおよびCC;またはBAおよびCC;またはCBおよびBB;またはBCおよびBB;またはCCおよびBA;またはCCおよびAB;またはBBおよびCC;またはCCおよびBB;またはACおよびBC;またはCBおよびCA;またはBCおよびAC;またはACおよびAB;またはBAおよびCA; AAおよびCC;またはCCおよびAA; またはABCおよびABC;またはBABおよびBCB;またはBCBおよびBAB;またはABBおよびBBC;またはCBBおよびBBA;またはACBおよびBAC;またはCABおよびBCA;またはBABおよびBCC;またはBCBおよびBAC;またはCCBおよびBBA;またはCCBおよびBAB、or CBBおよびCCA;またはACCおよびBBC;またはBCCおよびBAB;またはBCCおよびBAC;またはABBおよびBCC;またはBABおよびCCB;またはCABおよびCCB;またはBBBおよびBCC;またはCBBおよびBBB;またはBBBおよびCCB;またはBCCおよびBBB;またはABCおよびBBC;またはCBBおよびCBA;またはABCおよびACC;またはCCAおよびCBA;またはBACおよびACB;またはBCAおよびCAB;またはCBAおよびCBA;またはAABおよびBCC;またはCCBおよびBAA;またはBBCおよびACC;またはBBCおよびABC;またはBBCおよびBBC;またはBBCおよびBBB;またはBACおよびBCC;またはCCBおよびCAB;またはCCBおよびCBA;またはABCおよびBCC;またはCABおよびBCB;またはBCBおよびBBC;またはCBBおよびBCB;またはBCBおよびBBB;またはBBBおよびBCB;またはCBBおよびBCA;またはACBおよびBBC;またはCBBおよびCBB;またはBBBおよびBBB;またはBBBおよびBBC;またはAACおよびACC;またはCCAおよびCAA;またはAACおよびACB;またはBCAおよびCAA;またはAACおよびBCC;またはCCBおよびCAA;またはAABおよびCCB;またはBCCおよびBAA;またはABAおよびCBC;またはCBCおよびABA;またはABBおよびCBC;またはCBCおよびBBA;またはBAAおよびCCB;またはBCCおよびAAB;またはBBAおよびCBB;またはBBCおよびABB;またはBBAおよびCCB;またはBCCおよびABB;またはBBCおよびACB;またはBCAおよびCBB;またはBCBおよびCBB;またはBBCおよびBCB;またはBCBおよびCAB;またはBACおよびBCB;またはBCBおよびCBB;またはBACおよびACB;またはBACおよびACC;またはCCAおよびCAB;またはBACおよびBCC; BCCおよびAAC;またはCAAおよびCCB;またはCAAおよびCCA;またはACCおよびAAC;またはCBAおよびCCA;またはACCおよびABC;またはCBAおよびCBB;またはCBAおよびCCB;またはBCCおよびABC;またはCBBおよびCCA;またはCBBおよびCBB;またはCBBおよびCCB;またはB-CCおよびBBC;またはCCAおよびCAB;またはCCAおよびCBB;またはCCBおよびBBB;またはCCBおよびCAA;またはCCBおよびCBA;またはCCBおよびCBB;またはBBCおよびBCC;またはACBおよびBBC;またはACCおよびBBCであり;ここで AはAsn、Gln、Asp、Glu、Thr、SerおよびGlyのいずれか1つであり; BはVal、Ile、Ser、Thr、Phe、Tyr、TrpおよびGlyのいずれか1つであり;そして CはArg、LysおよびGlyのいずれか1つであり;そして Zはn個のアミノ酸残基の鎖であってnは整数4〜20でありそしてこれらのn個のアミノ酸残基はそれぞれ独立していずれかの天然L-α-アミノ酸から誘導される] で表わされるテンプレート固定β-ヘアピン模倣体。 R 1およびR 2が Glu-ThrおよびThr-Lys;またはLys-ThrおよびThr-Glu;または Thr-GluおよびLys-Thr;またはThr-LysおよびGlu-Thr;または Leu-GluおよびLys-Val;またはVal-LysおよびGlu-Leu;または Glu-LeuおよびVal-Lys;またはLys-LeuおよびVal-Glu;または Asn-GlyおよびLys-Val;またはVal-GlyおよびLys-Asn;または Gly-AsnおよびVal-Lys;またはGly-ValおよびAsn-Lys;または Gly-GlyおよびGly-Gly;または Glu-Leu-LysおよびGlu-Val-Lys;またはLys-Val-GluおよびLys-Leu-Glu;または Leu-Glu-LysおよびGlu-Lys-Val;またはVal-Lys-GluおよびLys-Glu-Leu;または Glu-Lys-LeuおよびVal-Glu-Lys;またはLys-Glu-ValおよびLeu-Lys-Glu;または Lys-Glu-LeuおよびVal-Lys-Glu;またはGlu-Lys-ValおよびLeu-Glu-Lys;または Lys-Val-GlyおよびGly-Leu-Glu;またはGlu-Leu-GlyおよびGly-Val-Lys;または Val-Lys-GlyおよびGly-Glu-Leu;またはLeu-Glu-GlyおよびGly-Lys-Val;または Val-Gly-LysおよびGlu-Gly-Leu;またはLeu-Gly-GluおよびLys-Gly-Val;または Gly-Gly-GlyおよびGly-Gly-Gly であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。 Zが-Arg-Gly-Asp-、 -Glu-Leu-Arg-、 -Arg-Lys-Lys-または -Lys-Gly-Phe- を含有するか、または -Val-Arg-Lys-Lys-[配列番号1]、 -Lys-Lys-Tyr-Leu-[配列番号2]、 -Trp-Leu-Asp-Val-[配列番号3]、 -Tyr-Ile-Arg-Leu-Pro-[配列番号4]、 -Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg-[配列番号5]、 -Ile-Lys-Val-Ala-Val-[配列番号6]、 -Pro-Pro-Xaa-Xaa-Trp-[配列番号7](配列中、Xaaはいずれの天然L-α-アミノ酸の残基であってもよい)、 -Leu-Trp-Tyr-Ser-Asn-His-Trp-Val-[配列番号22]、 -Lys-Trp-Phe-Ser-Asn-His-Tyr-Gln-[配列番号23]、 -Phe-Leu-Ala-His-Tyr-Ala-[配列番号24]または -Leu-Trp-Tyr-Ser-Asn-His-Trp-Val-Lys-Trp-[配列番号25] から成るかもしくはを含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。 請求項1〜3のいずれか1項に記載の複数の化合物を含んでなる、テンプレート固定β-ヘアピン模倣体のライブラリー。 テンプレート固定β-ヘアピン模倣体がファージコートタンパク質の少なくとも一部分と融合しかつテンプレート固定β-ヘアピン模倣体がファージまたはファージミド粒子の表面上にディスプレイされることを特徴とする、請求項4に記載のライブラリー。 立体配座的にβ-ヘアピンを安定化するテンプレートを有しかつ特異的結合パートナーと結合することができるテンプレート固定ヘアピンβ-模倣体をスクリーニングする方法であって、 a)請求項3または請求項4に記載のテンプレート固定β-ヘアピン模倣体のライブラリーを提供するステップ; b)ステップa)のライブラリーを結合パートナーと接触させるステップ c)ライブラリーから結合パートナーと非共有結合複合体を形成することができるペプチドを選択するステップ;および d)場合によっては、ペプチドを単離するかまたはステップc)のDNA分析により配列を決定するステップを含んでなる方法。 結合パートナーが抗体、酵素、受容体およびリガンドからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。 請求項6または7に記載の方法により決定され、かつ場合によっては単離されたペプチド。 請求項8に記載のペプチドの構造と同一の構造を有する合成ペプチド。 |
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说明书全文 | 本発明は、天然L-α-アミノ酸残基から成るある特定のペプチド配列の組成物および方法であって、ある特定のアミノ酸残基が、その鎖内の位置に応じて、ジスルフィド結合により架橋してそれにより環状ペプチドを形成するシステイン、および上記システインに隣接し、以下に規定したように、β-ヘアピンループ構造の形成と安定化を促進するためにテンプレートとして一緒に作用するある特定の型のジ-もしくはトリペプチド部分を形成することを特徴とする上記組成物および方法に関する。 これらのテンプレート固定ヘアピンループ模倣体は、安定性がありかつ拘束されているので、タンパク質結合パートナーに対してより高いまたは持続性のある活性を示すことができる。 上記テンプレートは、ライブラリースクリーニングおよび薬物スクリーニングのために、ヘアピンループ模倣体から誘導されるファージディスプレイの構築物中に移植することができる。 本発明の方法と組成物は相互作用するタンパク質をin vitroでスクリーニングしかつ同定するために利用することができる。 本発明はタンパク質からのエピトープを小さいペプチドまたはペプチド模倣体中に移すことが困難である場合に、さらなる効率的な標的に対するリード化合物を発見するツールとして役立ちうる。 タンパク質および生物活性ペプチドの表面ループは、タンパク質結合パートナーによる認識に関係付けられることが多い。 従って、これらのループを薬物発見の潜在的リード化合物として研究することは重要である。 特に、重要であるのはβ-ヘアピンであり:β-ヘアピンモチーフは自然において非常に豊富であり、多数のタンパク質リガンドの表面上および抗体の超可変ドメイン中に存在する。 β-ヘアピンモチーフは、短かいループまたはターンにより連結された2つの逆平行β-鎖から成り、H-結合ネットワークに応じて分類されている(Sibanda, BL; Blundell, TL; Thornton, JMJ Mol. Biol. 1989, 206, 759-777)。 コンビナトリアルおよびパラレル合成法を利用して、β-ヘアピンペプチド模倣体を作製する能力は現在確立されている(L. Jiang, K. Moehle, B. Dhanapal, D. Obrecht, JA Robinson, Helv. Chim. Acta. 2000, 83, 3097-3112)。 しかし、これらの分子を10 10または10 12の大きさのライブラリーで合成することはできない。 これを補うペプチド系リード化合物発見の方法は繊維状バクテリオファージ上のライブラリーのディスプレイであって、合成的に調製することができるライブラリーより数オーダー大きい10 10 〜10 12の大きさのライブラリーの調製が可能である。 さらに、迅速かつ安価な選択プロトコルを目的の標的と結合するこれらのライブラリーメンバーを同定するために利用することができる。 ファージディスプレイ技術は、周知のように、ジスルフィド拘束されたβ-ヘアピンループなどの環状拘束ペプチドの構築を可能にする(HB Lowman, Annu.Rev. Biophys. Biomol. Struct. 1997, 26, 401-24)。 これらのループは、受容体標的に対する親和性リガンドを単離することができる限られた数の立体配座(conformation)を表現する。 しかし、ただ1つのジスルフィド結合により安定化された環状ペプチドは、まだ立体配座的にはかなりフレキシブルである。 また、ジスルフィド結合形成と切断は可逆性でありかつフレキシビリティはペプチド拘束体が遺伝子IIIタンパク質のアミノ末端と融合しているという事実により増加することも周知である。 従って、かかるループ構築物を、ジスルフィド結合に隣接してβシート立体配座に利する、さらなる残基により安定化することが重要である(RH Hoess, Current opinion in Structural Biology 1993, 3, 572-579)。 これは受容体標的に対する高親和性リガンドを生じないかも知れない。 上記ペプチドループはループのNおよびC末端上のタンパク質足場により天然タンパク質足場に固定され、さらに天然タンパク質足場により誘導される逆平行βシートの水素結合により拘束されている。 ターンディスプレイに対するペプチド足場などの他の手法が提案されている(AG Cochran, RT Tong, MA Starvasnik, EJ Park, RS McDowell, JE Theaker, NJ Skeleton, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 625-632)。 この問題に対する他の可能な解決法は、折りたたまれたタンパク質の構造的拘束体を用いて小さい可変ペプチドセグメントを提示することである(P.-A. Nygren, M. Uhlen, Curr. Opin. Struc. Biol. 1997, 7, 463-469;GP Smith, SU Patel, JD Windass, JM Thornton, G. Winter, AD Griffiths, J. Mol. Biol. 1998, 277, 317-332;A. Christmannn, K. Walter, A. Wenzel, R. Krazner, R. Kolmar, Protein Eng. 1999, 12, 797-806)。 実際、タンパク質から小さいペプチド中へのエピトープ移動は問題を残している(AG Cochran Chem. Biol. 2000, 7, R85-R94)。 以下に記載する本発明は天然L-α-アミノ酸残基から成るペプチドテンプレートであって、その機能がペプチドループ骨格を安定化β-ヘアピン立体配座のヘアピン幾何中に拘束することにある上記ペプチドテンプレートを提供する。 これらのテンプレートを用いてテンプレート固定β-ヘアピンループ模倣体から誘導されるファージディスプレイを構築し、標的に対して非常に高い結合定数をもつファージディスプレイライブラリーを作製することができる。 本発明が提供するこの方法は、テンプレート固定β-ヘアピンループ模倣体から誘導される大規模なファージディスプレイのライブラリーのスクリーニングに有利に使用することができ、その結果、構造活性研究を、従って、強力な活性を有しかつ色々な型の標的に対して新規の選択性を有する新しい分子の発見を促進することができる。 次に定義した一般式Iのβ-ヘアピンループ模倣体の構造的かつ立体配座的によく規定された構造様式によって、ファージディスプレイライブラリーに核酸配列としてコードされた鎖Z内のキーアミノ酸残基またはモチーフを、立体配座的にロックされた配置で組み込むことができる。 これらのキーアミノ酸残基またはモチーフをβ-ヘアピン構造に沿ってシフトすることにより、重要なアミノ酸残基の新しい配置を走査することができる(キー配列の位置走査)。 あるいは、タンパク質配列をマッピングしてβ-ヘアピンループモチーフを検出することができる。 この技法は、総括すると、大きい表面および平滑なタンパク質界面における結合に重要なキーアミノ酸およびモチーフ(ホットスポット)を、その配列だけなくその空間的配置についても迅速に決定することを可能にする。 この情報は、究極的に小ペプチド模倣薬候補を設計するために利用することができる(Cunningham, BC; Wells, JA Curr. Opin. Struct. Biol. 1997, 7, 457;Obrecht, D.; Altorfer, M.; Robinson, JA Adv. Med. Chem. Vol.4, 1-68, JAI Press Inc., 1999)。 本発明のテンプレート固定β-ヘアピンループ模倣体は、一般式I: 例えば、Zは、キー配列である-Arg-Gly-Asp-、-Glu-Leu-Arg-、-Arg-Lys-Lys-および-Lys-Gly-Phe-の1つを含有するか、またはキー配列である-Val-Arg-Lys-Lys-[配列番号1]、-Lys-Lys-Tyr-Leu-[配列番号2]、-Trp-Leu-Asp-Val-[配列番号3]、-Tyr-Ile-Arg-Leu-Pro-[配列番号4]、-Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg-[配列番号5]、-Ile-Lys-Val-Ala-Val-[配列番号6]、-Pro-Pro-Xaa-Xaa-Trp-[配列番号7](ここで、Xaaはいずれかの天然L-α-アミノ酸の残基であってもよい)、-Leu-Trp-Tyr-Ser-Asn-His-Trp-Val-[配列番号22]、-Lys-Trp-Phe-Ser-Asn-His-Tyr-Gln-[配列番号23],-Phe-Leu-Ala-His-Tyr-Ala-[配列番号24]および-Leu-Trp-Tyr-Ser-Asn-His-Trp-Val-Lys-Trp-[配列番号25]の1つから成るかもしくは含有するものであり;これらのキー配列については、以下にさらに詳しく考察する。 本発明のテンプレート固定β-ヘアピン模倣体のライブラリーは、複数の上記一般式Iの化合物を含んでなる。 このテンプレート固定β-ヘアピン模倣体のライブラリーをファージコートタンパク質の少なくとも一部分と融合することができ、テンプレート固定β-ヘアピン模倣体がファージまたはファージミド粒子の表面上にディスプレイされる。 本発明はまた、立体配座的にβ-ヘアピン立体配座を安定化するテンプレートを有しかつある特定の結合パートナーと結合することができるテンプレート固定ヘアピンβ模倣体をスクリーニングする方法であって、 かかる方法において、結合パートナーは通常、抗体、酵素、受容体またはリガンドまたはそれらの断片もしくは部分である。 上記方法により決定され、かつ場合により単離されたファージペプチドおよびこうして決定され、かつ場合により単離されたペプチドの構造と同一の構造を有する合成ペプチドもまた、本発明の部分を形成する。 テンプレートを形成する構造エレメントはジスルフィド架橋された2個のCys残基と一緒に残基R 1およびR 2から成り、ここで残基R 1およびR 2は2個または3個のアミノ酸残基を含有し、以下に記載の通りβシート立体配座を安定化することができ、かつジスルフィド結合に隣接する逆平行β-鎖の反対の部位に位置するものであり;さらにこれらのテンプレートは鎖Zと連結するように方向付けられたN末端およびC末端を有する。 ペプチド鎖Zは対応するN末端およびC末端を介してテンプレートのC末端およびN末端とそれぞれ連結し、その結果、テンプレートと鎖Zは結合して環状構造を形成する。 アミノ酸残基としては、天然L-α-アミノ酸から誘導されるアミノ酸残基が考えられる。 以下に、本発明の目的に好適であるこれらのアミノ酸またはその残基、一般的に採用される通常使用に対応する略語の表を掲げる。 Ala A L-アラニン グループAは極性非荷電または酸性残基をもつ側鎖を含有するアミノ酸を含む。 極性非荷電残基は生理学的pHで非荷電である親水性側鎖を意味する。 かかる側鎖は典型的には水素結合供与基、例えば一級および二級アミドまたはアルコールを含有する。 酸性残基は、カルボン酸基を含有する親水性側鎖を意味する。 天然の極性非荷電または酸性L-α-アミノ酸はアスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、トレオニン、およびセリンである。 グリシンは中性βシート形成体としてグループAに含まれる。 このアミノ酸側鎖は、鎖内イオン結合(塩橋)または水素結合相互作用を逆平行βシートの反対位置のアミノ酸残基グループCと形成することができる。 さらに鎖内水素またはイオン結合相互作用をテンプレート内のトリペプチド部分のアミノ酸残基グループCと形成することができる(Ciani B. ら, J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 9038-9047;Searle, MS ら, J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 11615-11620)。 グループBは、小〜中サイズの疎水性、または芳香族もしくはヘテロ芳香族、または極性非荷電側鎖残基を含有するアミノ酸残基を含む。 疎水性小〜中サイズの残基は生理学的pHで非荷電であるアミノ酸側鎖を意味する。 芳香族アミノ酸残基は少なくとも1つの共役π電子系を有する環(芳香族基)を含有する疎水性アミノ酸を意味する。 さらに、これらのアミノ酸残基は水素結合供与基、例えば一級および二級アミンならびにアルコールを含有してもよい。 極性非荷電残基は生理学的pHで非荷電である親水性側鎖を意味する。 かかる側鎖は典型的には、水素結合供与基、例えばアルコールを含有する。 天然の小〜中サイズのL-α-アミノ酸、芳香族およびヘテロ芳香族L-α-アミノ酸ならびに極性非荷電L-α-アミノ酸は、バリン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファンである。 グリシンは中性βシート形成体としてグループBに含まれる。 アミノ酸側鎖は、鎖内疎水性-疎水性相互作用を逆平行βシートの反対位置にあるアミノ酸残基グループBと、または疎水性(π)-カチオン性相互作用を上記位置のアミノ酸残基グループCと形成することができる。 そしてさらに、鎖内疎水性または疎水性-カチオン性相互作用をテンプレート内のトリペプチド部分のグループBまたはCのアミノ酸残基と形成することができる。 グループCは極性カチオン性残基をもつ側鎖を含有するアミノ酸を含んでなる。 極性カチオンは生理学的pHでプロトン化する塩基性側鎖を意味する。 天然の極性-カチオンL-α-アミノ酸はアルギニンおよびリシンである(Ciani B. ら, J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 9038-9047;Searle, MS ら, J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 11615-11620)。 グリシンは中性βシート形成体としてグループCに含まれる。 アルギニンおよびリシンのアミノ酸側鎖は、鎖内カチオン性-疎水性(π)相互作用(JP Gallivan, DA Dougherty, Proc.Natl. Acad. Sci. USA 1999, 96, 9459-9464)をアミノ酸残基B型と、またはイオン結合相互作用(塩橋)もしくは水素結合相互作用を逆平行βシートの反対位置のグループAアミノ酸残基と形成することができる。 そして、さらにカチオン-疎水性(π)-相互作用をテンプレート内でトリペプチド部分のグループBのアミノ酸残基と鎖内形成することができる。 R 1およびR 2は好ましくは、 鎖Z中のそれぞれのアミノ酸残基の位置P 1 〜P nは次の通り明確に規定される:P 1はそのN末端がテンプレートのC末端と結合している鎖Zの第1アミノ酸を表わしそしてP nはそのC末端がテンプレートのN末端と結合している鎖Zの最後のアミノ酸を表わす。 有利なのは、鎖Zが2個、3個、4個、5個、6個または場合によっては10個までのアミノ酸残基のキー配列から成るかまたはそれらを含有し、その2個の末端メンバーは「定常」(「k」)である一方、他のメンバーは、全ての可能な組合せまたは順列において、同じく「定常」、もしくは「可変」(「x」)である。 2つの末端の「定常」メンバーは同じかまたは異なり、そして、同じことが残りの「定常」および/または「可変」メンバーにも適用される。 キー配列をオリゴ核酸配列中に移植し、ファージディスプレイされる本発明のペプチド中に翻訳させることができる。 特に好適な「定常」メンバー(「k」)はTrp、Arg、Tyr、Ile、Asp、His、Lys、GluおよびThrであり、さらなる好適な「定常」メンバー(「k」)はGln、Phe、MetおよびSerであり、そして好適な「可変」メンバー(「x」)はAla、LeuおよびValである。 2、3、4、5および6個のアミノ酸残基のキー配列は模式的に次の通り記述することができる: ある特定のキー配列が重要な生理活性ペプチド中に存在することは公知であり、例えば、 ファージディスプレイは、ポリペプチド変異体をコートタンパク質との融合タンパク質としてファージ、繊維状ファージ粒子の表面上にディスプレイする技法であり、「ペプチドとタンパク質のファージディスプレイ(Phage Display of Peptides and Proteins)」, BK Kay, J. Winter, J. Mc Cafferty 1996, Academic Pressに記載されている。 本明細書に記載の用語「コートタンパク質」は、少なくともその一部分がウイルス粒子の表面上に存在するタンパク質を意味する。 コートタンパク質は大きいコートタンパク質であってもまたは小さいコートタンパク質であってもよい。 用語「エレクトロポレーション」は、外来物質(タンパク質、核酸、等)を細胞中に取込むのに十分な条件下で細胞に電圧をかけることにより、外来物質を細胞中に導入する方法を意味する。 典型的な外来物質はDNAである。 「融合タンパク質」は、共有結合により一緒に連結された2つの部分を有するポリペプチドであって、それぞれの部分が異なる特性を有するポリペプチドである。 「ファージミド」は、細菌の複製起点、ColE1、および1コピーのバクテリオファージの遺伝子間領域を有するプラスミドベクターである。 ファージミドは、繊維状バクテリオファージを含むいずれの公知のバクテリオファージに基づいてもよい。 これらのベクター中にクローニングされたDNAのセグメントは、プラスミドとして増殖することができる。 これらのベクターを保持する細胞がファージ粒子の産生に必要な全ての遺伝子を備えていると、プラスミドの複製様式はローリングサークル型複製へ変化し、プラスミドDNAの1本鎖のコピーを作製してファージ粒子をパッケージングする。 ファージミドは感染性または非感染性ファージ粒子を生成することができる。 用語「ファージベクター」は異種遺伝子を含有し複製能力のある2本鎖の複製可能型バクテリオファージを意味する。 該ファージベクターはファージ複製およびファージ粒子形成を可能にするファージ複製起点を有する。 ファージは好ましくは繊維状バクテリオファージ、例えばM13ファージまたはその誘導体、ラムドイドファージ、例えば限定されるものでないが、φ80、ファージ21、82、424、432、λ.imm343、λ.imm21、λ.EMBLもしくはλb.gt.、またはそれらの全ての誘導体、遺伝子操作で作製した誘導体、およびハイブリッドである。 「ライゲーション」は2つの核酸断片の間にホスホジエステル結合を形成するプロセスである。 2断片のライゲーションのために、DNA断片の末端はお互いに適合している必要がある。 ほとんどの場合、末端はエンドヌクレアーゼ消化後に直接適合しうる。 しかし、最初は、エンドヌクレアーゼ消化後に通常生じる付着末端(staggered end)を平滑末端に転化してライゲーションに適合しうるようにする必要がありうる。 平滑末端を作るには、T4ポリメラーゼまたはクレノウのようなDNA修飾酵素を供給者が記載した条件下で使用する。 DNA精製はフェノール-クロロホルム、ゲル精製または市販のキットにより実施する。 エンドヌクレアーゼ消化後、DNAをポリアクリルアミドまたはアガロースゲル電気泳動を用いて精製し、その後、ライゲーションに使用することができる。 DNAは、標準の分子生物学技法(Sambrookら 「分子クローニング、実験室マニュアル(Molecular Cloning. A Laboratory Manual)」, Cold Spring Harbor,Laboratory Press, 1989)によるかまたは市販のキット、例えば、限定されるものでないが、QIAquickゲル抽出キット(Qiagen, Inc., Chatsworth, Calif.)を利用して精製することができる。 ライゲーション反応の前に、ライゲーションステップ中の自己ライゲーションを防止するために、直鎖化ベクター断片を、細菌塩基性ホスファターゼまたはウシ腸塩基性ホスファターゼを用いて処理してもよい。 ライゲーション反応は好ましくはT4 DNAリガーゼを触媒として用いる。 日常的に実施している研究者には公知のように、ライゲーション条件は、時間、温度、バッファー濃度、ライゲートするDNA分子の量、およびリガーゼとATPの量が様々でありうる。 「オリゴヌクレオチド」は短い長さの、1本もしくは2本鎖のポリデオキシヌクレオチドであって、公知の方法により化学的に合成される。 あるいは、もし標的アミノ酸配列が公知であれば、それぞれのアミノ酸残基に対する公知で好ましいコード残基を用いて、可能性のある核酸配列を推測することができる。 「結合パートナー複合体」は、お互いに特異的かつ検出可能な方法で結合している2個以上の分子の会合体、従って、リガンドの受容体、抗体および抗原との会合体を意味する。 本発明の化合物を得るための合成法はパラレルアレイ合成として実施すると有利であり、上記一般式Iのテンプレート固定β-ヘアピン模倣体のライブラリーが得られる。 かかるパラレル合成は、多数(通常24〜192種、典型的には96種)の一般式Iの化合物のアレイを高収率かつ規定した純度で、二量体および多量体副産物の生成を最小限にして取得することを可能にする。 この場合、官能基を付した固体支持体(すなわち、固体支持体+リンカー分子)、テンプレートおよび環化部位の適当な選択が重要な役割を果たす。 官能基を付した固体支持体は、適宜、好ましくは1〜5%ジビニルベンゼンと架橋したポリスチレン;ポリエチレングリコール・スペーサーをグラフト化したポリスチレン(Tentagel R );およびポリアクリルアミド樹脂から誘導する(Obrecht, D.; Villalgordo, J.-M, 「低分子量化合物ライブラリーの固体支持コンビナトリアルおよびパラレル合成(Solid- Supported Combinatorial and Parallel Synthesis of Small-Molecular-Weight Compound Libraries)」, Tetrahedron Organic Chemistry Series, Vol. 17, Pergamon, Elsevier Science, 1998も参照)。 固体支持体は、一端に固体支持体と結合するアンカリング基および他端に次の化学変換および切断操作で利用する選択的に切断可能な官能基を含有するリンカー、すなわち二官能スペーサー分子の方法によって、官能基が付されている。 本発明の目的に対しては、最終的に穏やかな酸性条件下でカルボキシル基を放出して、様々なアミノ酸のいずれの官能基に存在する保護基にも影響を与えないリンカーを設計しなければならない。 本発明の目的に好適であるリンカーは、アミノ酸のカルボキシル基と酸易分解性エステル、通常、酸易分解性ベンジル、ベンズヒドリルおよびトリチルエステルを形成し、この種のリンカー構造の例としては、2-メトキシ-4-ヒドロキシメチルフェノキシ(Sasrin Rリンカー)、4-(2,4-ジメトキシフェニル-ヒドロキシメチル)-フェノキシ(Rinkリンカー)、4-(4-ヒドロキシメチル-3-メトキシフェノキシ)酪酸(HMPBリンカー)、トリチルおよび2-クロロトリチルが挙げられる。 好ましくは、支持体は、最も好ましくは、1〜5%ジビニルベンゼンで架橋したポリスチレンから誘導し、そして2-クロロトリチルリンカーの方法により官能基を付す。 パラレルアレイ合成として実施する時に本発明の方法は以下に記載の通り有利に実施することができるが、上記式Iの単一化合物の合成を所望する場合にこの手順をどう改変すべきかは当業者に直ぐ判るであろう。 パラレル法により合成する化合物の全数と等しい数の反応容器(通常は24〜192個、典型的には96個)に、25〜1000mg、好ましくは100mgの適当な官能基を付した固体支持体、好ましくは1〜3%架橋ポリスチレンまたはテンタゲル(tentagel)樹脂を充填する。 使用する溶媒は樹脂を膨潤するものでなければならない、そして、かかる溶媒としては、限定されるものでないが、ジクロロメタン(DCM)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン(NMP)、ジオキサン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、エタノール(EtOH)、トリフルオロエタノール(TFE)、イソプロピルアルコール等が挙げられる。 少なくとも1成分の極性溶媒(例えば、20%TFE/DCM、35%THF/NMP)を含有する溶媒混合物が、樹脂結合ペプチド鎖の高反応性と溶媒和を確保するのに有効である(Fields, GB, Fields, CG, J. Am. Chem. Soc. 1991, 113, 4202-4207)。 穏やかな酸性条件下でC末端カルボン酸基を遊離し、側鎖の官能基を保護する酸易分解基に影響を与えない様々なリンカーの開発によって、保護されたペプチド断片の合成には大きな進歩がなされている。 2-メトキシ-4-ヒドロキシベンジルアルコールから誘導されるリンカー(Sasrin Rリンカー、Mergler ら, Tetrahedron Lett. 1988, 29 4005-4008)は希トリフルオロ酢酸(DCM中に0.5〜1%TFAを含有する)を用いて切断することができ、ペプチド合成中のFmoc脱保護条件に対して安定であり、Boc/tBuベースのさらなる保護基はこの保護スキームに適合しうる。 本発明の方法に好適である他のリンカーとしては、超酸易分解性の4-(2,4-ジメトキシフェニル-ヒドロキシメチル)-フェノキシ・リンカー(Rinkリンカー、Rink, H. Tetrahedron Lett. 1987, 28, 3787-3790)(ペプチドの除去には10%酢酸を含むDCM溶液または0.2%トリフルオロ酢酸を含むDCM溶液を必要とする);4-(4-ヒドロキシメチル-3-メトキシフェノキシ)酪酸から誘導されるリンカー(HMPB-リンカー、Floersheimer & Riniker, Peptides 1991,1990 131)(同じく1%TFA/DCMを用いて切断して全ての酸易分解性側鎖保護基を含有するペプチドを得る);および、さらに、2-クロロトリチルクロリド・リンカー(Barlos ら, Tetrahedron Lett. 1989, 30, 3943-3946)(氷酢酸/トリフルオロエタノール/DCM(1:2:7)の混合物を30分間用いてペプチド脱離が可能である)が挙げられる。 アミノ酸およびそれぞれの残基に対する好適な保護基は、例えば、次の通りである: 好ましくは、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)保護アミノ酸誘導体を、式Iのテンプレート固定β-ヘアピンループ模倣体を構築するためのビルディングブロックとして用いる。 脱保護、すなわち、Fmoc基の切断には、20%ピペリジンを含むDMF溶液または2%DBU/2%ピペリジンを含むDMF溶液を用いることができる。 反応物、すなわち、アミノ酸誘導体の量は反応チューブに最初に秤量した官能基を付した固体支持体の充填量1グラム当たりmmol(meq/g)に基づいて、1〜20当量(典型的には、ポリスチレン樹脂に対して0.1〜2.85mmol/g)である。 もし適切な時間内に反応を行わせることが必要であれば、反応物のさらなる当量を用いてもよい。 ホルダーブロックとマニホールドを組み合わせた反応チューブをリザーバ・ブロックに再挿入し、装置を一緒に固定する。 マニホールドを介してガスフローを開始し、環境を、例えば窒素、アルゴン、空気等で調節する。 また、ガスフローは、マニホールドを介して流す前に加熱または冷却してもよい。 反応ウェルの加熱または冷却は、反応ブロックを加熱することによって、あるいは、イソプロパノール/ドライアイスなどで外部的に冷却することによって行い、所望の合成反応の状態にもっていく。 攪拌は、振盪または磁気撹拌(反応チューブ内の)により行う。 好ましいワークステーション(これに限定されるものでないが)は、ACT 90、Symphoni abi 433Aペプチド合成機およびMultiSyn Tech's-Syro合成機である。 アミド結合形成には、アシル化ステップのためにα-カルボキシル基の活性化が必要である。 この活性化を一般に用いられるカルボジイミド、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC, Sheehan & Hess, J. Am. Chem. Soc. 1955, 77, 1067-1068)、またはジイソプロピルカルボジイミド(DIC, Sarantakisら, Biochem. Biophys. Res. Commun.1976, 73, 336-342)によって行う場合、得られるジシクロヘキシル尿素およびジイソプロピル尿素は一般に用いられる溶媒にそれぞれ不溶および可溶である。 カルボジイミド法の変法では、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt, Konig & Geiger, Chem. Ber 1970, 103, 788-798)がカップリング混合物への添加物として含まれる。 HOBtは脱水を防ぎ、活性化アミノ酸のラセミ化を抑制し、そして緩慢なカップリング反応を改善する触媒として作用する。 ある特定のホスホニウム試薬、例えば、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)(Castroら, Tetrahedron Lett. 1975, 14, 1219-1222;Synthesis, 1976, 751-752)、またはベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルロホスフェート(Py-BOP, Costeら, Tetrahedron Lett. 1990, 31, 205-208)、または2-(1Hベンゾトリアゾール-1-イル-)1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテラフルオロボレート(TBTU)、またはヘキサフルオロホスフェート(HBTU、Knorrら, Tetrahedron Lett. 1989, 30, 1927-1930)が直接カップリング剤として用いられていて;これらのホスホニウム試薬はまた、保護されたアミノ酸誘導体とのHOBtエステルのin situ形成に好適である。 さらに最近では、アジ化ジフェノキシホスホリル(DPPA)またはO-(7-アザ-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TATU)、またはO-(7-アザ-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)/7-アザ-1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOAt, Carpinoら, Tetrahedron Lett. 1994, 35, 2279-2281)もカップリング試薬として用いられている。 ほぼ定量的なカップリング反応が必須であるという事実により、反応の完了を立証する実験的確証を持つことが望ましい。 樹脂結合ペプチドのアリコートに対する陽性比色応答が第一級アミンの存在を定性的に示すニンヒドリン試験(Kaiserら, Anal. Biochemistry 1970, 34, 595)を、各カップリングステップの後に容易かつ迅速に行なうことができる。 Fmoc発色団が塩基により遊離される場合、Fmoc化学がその分光光度測定による検出を可能にする(Meienhoferら, Int. J. Peptide Protein Res. 1979, 13, 35-42)。 各反応チューブ内の樹脂と結合した中間体は、次の2方法のうちの1方法によって、純粋な溶媒に繰り返し接触させることにより過剰の保持試薬、溶媒および副産物を洗い落とす; 上記洗浄手順の両方を、TLC、GCなどの方法、または洗浄の検査によって、試薬、溶媒および副産物除去の効率をモニターしながら、約50回まで(好ましくは約10回)繰り返す。 反応ウェル内における試薬と樹脂結合化合物との反応、ならびにその後の過剰試薬、副産物および溶媒の除去に関する上述の手順を、それぞれの逐次的変換について、最終的な樹脂結合完全保護直鎖ペプチドが得られるまで繰り返す 完全保護直鎖ペプチドの固体支持体からの脱離は、ホルダーブロックおよびマニホールドと組合わせた反応チューブを、切断試薬(好ましくは3〜5ml)の溶液を含有する反応ウエルに浸漬することにより達成する。 ガスフロー、温度制御、攪拌、および反応モニタリングを上記の通りかつ所望のように実施して脱離反応を実施する。 ホルダーブロックおよびマニフォールドと組合わせた反応チューブを受器ブロックから取り外し、溶液レベルより上方であるが反応ウエルの上端より下方に引き上げ、ガス圧力をマニフォールド入口を通して(出口を閉じたまま)供給し、効率的に最終生成物溶液を受器ウエル中に排出する。 次いで反応チューブ内に残存する樹脂を3〜5mlの適当な溶媒を用いて上記の通り2〜5回洗浄し、脱離した生成物をできるだけ多く抽出する(洗い出す)。 こうして得た生成物溶液を、交差混合を避けるように注意しながら集める。 次いで、必要により、個々の溶液/抽出物を処理して最終化合物を単離する。 典型的な処理としては、限定されるものでないが、蒸発、濃縮、液/液抽出、酸性化、塩基性化、中和または溶液中の追加の反応が挙げられる。 固体支持体から切断しかつ塩基で中和した完全保護直鎖ペプチド誘導体を含有する溶液を蒸発させる。 この完全保護直鎖ペプチドを固体支持体から脱離させる前に、所望であれば、N末端アミノ酸残基の保護されたアミノ基を選択的に脱保護し、この遊離したアミノ基を、導入すべきアシル置換基に対応するアシル化剤を用いてアシル化することが可能である。 あるいは、システインの保護基を最初に選択的に取除いて、以下に記載のように環化を実施することができる。 樹脂からの切断および環状ペプチドの脱保護は以下の通り実施することができる。 完全保護ペプチド誘導体を、82.5%TFA、5%H 2 O、5%フェノール、5%チオアニソール、2.5%エタンチオール、または保護基を切断する他のスカベンジャーの組合わせを用いて処理する。 切断反応時間は通常30分間〜12時間、好ましくは約5時間である。 その後、ほとんどのTFAを蒸発させ、生成物をエーテルまたはそれに好適である他の溶媒を用いて沈降させる。 溶媒を注意深く除去した後、得られるペプチド誘導体を精製することができる。 次いで、環化(ジスルフィド架橋)を溶液中で、水、DMFなどの溶媒を用いて実施する。 様々な酸化試薬、例えばH 2 O 2 、空気、またはヨウ素を環化に用いることができる。 環化時間は約15分間〜24時間、好ましくは約40分間である。 反応の進行は、例えばRP-HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィ)および質量分析計によってフォローする。 次いで溶媒を蒸発により除去し、そして環状ペプチド誘導体をRP-HPLCにより精製する。 本発明のファージディスプレイプロセスは次の通り実施することができる:本発明のテンプレート固定β-ヘアピンループ模倣体をファージコートタンパク質の少なくとも一部分と融合させて、テンプレート固定β-ヘアピンループ模倣体を含有する融合タンパク質を形成させる。 該融合タンパク質は、以下に記載の公知のファージディスプレイ技法を用いて融合タンパク質をコードする遺伝子融合体を発現させることによって作ることができる。 ポリペプチド変異体をバクテリオファージ粒子表面上のコートタンパク質との融合タンパク質としてディスプレイすることによる、バクテリオファージのファージディスプレイは公知の技法である(Scott, JK and Smith, GP Science 1990, 249; 386)。 その有用性は、選択的にランダム化したタンパク質変異体(またはランダムにクローニングしたcDNA)の大きいライブラリーを、標的分子と高親和性で結合する配列について迅速かつ効率的に選別できるという事実にある。 典型的には、ポリペプチド変異体、例えば本発明のテンプレート固定β-ヘアピン模倣体を遺伝子IIIタンパク質と融合させてこれをウイルス粒子の一端にディスプレイさせる。 一価のファージディスプレイは、タンパク質またはペプチド配列を遺伝子IIIタンパク質の一部分と融合させて野生型IIIタンパク質の存在のもとで低レベルで発現させ、その結果、粒子がほとんど野生型遺伝子IIIタンパク質とたかだか1コピーの融合タンパク質をディスプレイする方法であり、本方法も本発明の範囲内で用いることができる。 本発明のテンプレート固定β-ヘアピン模倣体をディスプレイするための好適な遺伝子IIIベクターとしては、fUSE5、MKE 13(New England Biolabs, Inc)、fAFF1(Cwirlaら, Proc. Natl. Acad. Sci USA, 1990, 87, 6378-6382)、fd-CAT1、fdtetDOG、33、88、pComb3、pComb8、m663、pHEN1、pCANTAB5E genentechベクターCBなどが挙げられる。 タンパク質、ペプチドおよびそれらの突然変異体のファージディスプレイ法は、融合ポリペプチドをコードする遺伝子融合体と機能的に連結された転写調節エレメントを含有する複製可能なベクター変異体のファミリーを構築するステップ、好適な宿主細胞を形質転換するステップ、形質転換した細胞を培養してファージ粒子表面上に融合ポリペプチドをディスプレイするファージ粒子を形成させるステップ、ファージ粒子組換え体を標的分子と接触させて少なくとも粒子の一部分を標的と結合させるステップ、および、結合する粒子を結合しない粒子から分離するステップを含んでなる公知の方法であって、本発明によって使用することができる(O`Neil K.およびHoess R. , Curr. Opin Struct. Biol. 1995 5, 443-449)。 ファージのコートタンパク質をコードする遺伝子および融合タンパク質の所望のテンプレート固定β-ヘアピン模倣体部分をコードする遺伝子は、当技術分野で公知の方法により得ることができる(Sambrookら, Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor,Laboratory Press, pp. A1-A4 1989)。 遺伝子をコードするDNAを化学的に合成し(Letzinger and Khorona. J. Am. Chem. Soc. 1965, 87, 3526, ibd. 1966, 88, 3181;LJ McBride, MH Caruthers, Tetrahedron Lett. 1983, 24, 245-248)、次いでこれを突然変異させて変異体のライブラリーを以下に記載の通り調製することができる。 複数のDNA断片を一緒にライゲートして融合遺伝子を含有する機能性ベクターを作るためには、DNA断片の末端がお互いに適合しうるものでなければならない。 最初に、通常エンドヌクレアーゼ消化によって生じる粘着末端を平滑末端に転化してライゲーションに適合しうるようにすることが必要である。 末端を平滑化するために、DNAを好適なバッファー中で少なくとも15分間、15℃にてDNAポリメラーゼ1のクレノウ断片(Klenow)を用いて4種のデオキシヌクレオチド三リン酸の存在で処理する。 次いでDNAをフェノール-クロロホルム抽出およびエタノール沈降または他のDNA精製技法により精製する。 切断したDNA断片を、ゲル電気泳動を用いてサイズにより分離して選択する。 DNAをアガロースまたはポリアクリルアミドマトリックスを介して電気泳動してもよい。 電気泳動後、DNAをマトリックスから電気溶出(electroelution)または精製およびライゲーションの方法により抽出する。 一緒にライゲートするDNA断片のほぼ等モル量を溶液中に入れる。 溶液はまた、ATP、リガーゼバッファーおよびT4 DNAリガーゼなどのリガーゼも含有しうる。 ライゲーション後、外来遺伝子の挿入を終えたベクターを、標準の分子生物学の方法(Sambrookら, Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor,Laboratory Press, 1989)により精製して好適な宿主細胞中に形質転換する。 形質転換の好ましい方法は、当技術分野で公知の方法を用いて実施しうるエレクトロポレーションである。 ライブラリー構築のために、DNAは、コンピテント細胞懸濁液100マイクロリットル当たり0.05〜0.2マイクログラムの最終濃度で存在することが好ましい。 DNAを精製して夾雑物を除去することが好ましい。 DNAは公知の方法で精製することができるが、好ましい精製法はDNAアフィニティ精製の使用である。 DNA結合樹脂およびアフィニティ試薬を用いるDNAの精製は周知であり、当技術分野で周知のいずれかの方法(例えば、Biorad、Qiagene)を本発明に使用することができる。 エレクトロポレーションにより形質転換できるいずれかの好適な細胞を、本発明の方法の宿主細胞として利用することができる。 形質転換できる好適な宿主細胞としては、大腸菌(E.coli)などのグラム陰性細胞が挙げられる。 好適な大腸菌株としては、限定されるものでないが、XL1 Blue(Stratagene)、ElectroTen-Blue(Stratagene)、ER2738(New England Biolabs)、DH5α(Gibco)、MC1061(American Type Culture Collection(ATTC)、ATTC番号53338などが挙げられる。 生存生細胞の懸濁液1ml当たり約10 10コロニー形成単位以上の細胞濃度をエレクトロポレーション中に用いることが好ましい。 エレクトロポレーション後、細胞をSOC培地で増殖することが好ましい(SOC培地の調製については、例えば、Sambrookら, Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor,Laboratory Press, pp. A1-A4 1989を参照)。 もし複数のアミノ酸がポリペプチドサンプル中で互いに近接した位置にあれば、所望のアミノ酸置換の全てをコードする1つのオリゴヌクレオチドを用いて、これらのアミノ酸を同時に突然変異させることができる。 予め定めた位置に本発明のテンプレートをコードするなどの多義性(ambiguous)または非多義性のヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチドを合成することができる。 多義性の位置においては、全てのヌクレオチドの混合物または選択したサブセットのヌクレオチドが合成中に含まれる。 アミノ酸の完全なコレクションをコードするコドンは、例えば、NNKまたはNNSコドン(ここで、NはA、C、G、またはTであり、そしてKはGまたはTでありそしてSはGまたはCである)により実現することができる。 形質転換した細胞の選択後、これらの細胞を培養で増殖し、次いでベクターDNAを単離することができる。 当技術分野で公知の方法を用いて、ファージまたはファージミドベクターDNAを単離し、精製し、そしてDNA配列決定により分析することができる。 本発明は、よく規定された構造的特長をもつペプチドを合理的に設計しかつ分析するための新規システムの利点を実証する。 かかるテンプレート固定β-ヘアピン模倣体を含んでなるコンビナトリアルライブラリーおよびこれらを用いる方法は、タンパク質-タンパク質相互作用を究明するための有用な情報とツールを提供する。 本明細書に開示し、または本発明の開示に従って作製したテンプレート固定β-ヘアピン模倣体は、限定されるものでないが、酵素インヒビター、リガンドアンタゴニストまたはリガンドアゴニストを含む様々な生物学的または治療用薬剤の候補でありうる。 次の実施例は本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲をいずれかの方法で限定することは意図しない。 次の略語をこれらの実施例において使用する: 1 テンプレート拘束β-ヘアピン模倣体のペプチド合成 手順1 アミノ末端アミノ酸のアセチル化 完全保護ペプチド断片の切断と脱保護 粗ペプチドを1mlの10%CH 3 CNを含む水および0.5〜1mlのDMFに溶解し、セライト上で濾過し、そして調製用逆相HPLCにより精製した。 直鎖脱保護ペプチドの環化 得られた環状ペプチドを分析用HPLCおよびESI-MSにより分析した。 HPLC保持時間とESI-MSを含む分析データを実施例に示す。 分析用HPLC保持時間(RT、分表示)は、0.21cm x 15cmサイズのVYDAC 218MS5215カラム、5μmパッキングサイズ(シリカ)を用いて次の溶媒(A(H 2 O+0.02%TFA)およびB(CH 3 CN))および次の勾配により測定した:0分:92%A、8%B;8分:62%A、38%B;9〜12分:0%A、100%B、流量:0.4ml/分。 実施例1(n=8) 実施例3(n=10) 実施例4(n=10) 実施例5(n=10) 実施例6および7(n=10) 直鎖ペプチドを固体支持体上に手順1に従って次の配列:樹脂-R 2 -Cys-P10-P9-P8-P7-P6-P5-P4-P3-P2-P1-Cys-R 1で合成し、それを次いで、記載した通りアシル化し、切断し、脱保護し、精製しそして環化した。 HPLC保持時間(分)および質量は先に記載した勾配を用いて測定した:実施例6:RT=7.24分、[M+H] + = 977.0;実施例7:RT=6.24分、[M+H] + = 941.2。 実施例8(n=10) 実施例9(n=10) 実施例10(n=10) 実施例11(n=10) 実施例12(n=10) 実施例13(n=12) 実施例14(n=12) 2a. テンプレート固定β-ヘアピン模倣体のジスルフィド架橋形成の動力学を測定する方法 ジスルフィド架橋した環状ペプチドの量は、波長220nmにおいて、時点tの環状ペプチドのピーク面積百分率(手作業で積分した)−時点t0の環状ペプチドピーク面積百分率(手作業で積分した)に基づいて計算した。 2b. 円二色性を測定する方法 円二色性スペクトルは、Windows(登録商標) 95/NT. Version 1.52.01 [Build2]用の分光マネージャー(spectra manager)を備えたJasco J-715分光旋光計で取得した。 全ての測定は室温にて水中パス長0.1cmの石英セル内で実施した。 スペクトルは1nm帯域幅で記録し、5スキャン値を採集してシグナル対ノイズ比を改善し、かつ溶媒基線を記録してサンプルのスペクトルから差引いた。 全てのCDスペクトルを平滑化し(同じ値を用いて)、ペプチド残分(peptide residue)の分子楕円率単位(Mol. Ellip.)として報じた。 測定パラメーター:帯域幅:1.0 nm、応答:1s、感度:標準、測定範囲:240〜190nm、データピッチ:0.5nm、走査速度:50nm/min。 直鎖脱保護精製ペプチド溶液の濃度:TFA塩として水中10 -4 M。 次の実施例の前駆体としての直鎖脱保護精製ペプチドのpHおよび純度:実施例3:pH 6.38、純度91%;実施例4:pH 6.77、純度89%;実施例5:pH 6.01、純度98%;実施例9:pH 6.00、純度94%。 2c. 結果: 図1:実施例1及び2(n=8);テンプレートを有する実施例2の化合物の架橋形成速度をテンプレートを有しない参照としての実施例1と比較した。 図2:実施例3および4(n=10);テンプレートを有する実施例4の化合物の架橋形成速度をテンプレートを有しない参照としての実施例3と比較した。 図3:実施例5〜9(n=10);テンプレートを有する実施例6〜9の化合物の架橋形成速度をテンプレートを有しない参照としての実施例5と比較した。 図4:実施例3および10(n=10);テンプレートを有する実施例10の化合物の架橋形成速度をテンプレートを有しない参照としての実施例3と比較した。 図5:実施例5、11および12(n=10);テンプレートを有する実施例11および12の化合物の架橋形成速度をテンプレートを有しない参照としての実施例5と比較した。 図6:実施例13および14(n=12);テンプレートを有する実施例14の化合物の架橋形成速度をテンプレートを有しない参照としての実施例13と比較した。 図7:実施例3、4、5および9の化合物の直鎖ペプチド前駆体のCDスペクトル(ε、degxcm 2 /mol)、すなわち、ジスルフィド架橋形成前。 2d. 考察 図1〜6に記載した結果は、テンプレートとコア配列-Phe-Leu-Ala-His-Tyr-Ala-[配列番号24]をもつ化合物のジスルフィドフィンガー架橋形成速度は、上記コア配列を含有ししかしテンプレートをもたない化合物のそれと比較してより速いことを実証する。 この結果は、明らかに、本発明のテンプレートがβ-ヘアピン模倣体の形成を効果的に促進することを実証する。 それ自体が既に安定化βターンおよびβシート配列を含有するコア配列Z-Lys-Trp-Phe-Ser-Asn-His-Tyr-Gln-[配列番号23]の場合ですら、テンプレートがβ-ヘアピン模倣体の形成を促進することを実証することができる(図2および4参照)。 さらに、コア配列-Phe-Leu-Ala-His-Tyr-Ala-[配列番号24]を含有するがテンプレートを含有しない実施例5の化合物の直鎖前駆体のCDスペクトル(図7を参照)は高含量のコイルおよびへリックス構造と痕跡量のβシート構造を示すが、(同じコア配列を含有しかつテンプレートを含有する)実施例9の化合物の直鎖前駆体は高含量のβシート構造およびβターン構造を示す。 コア配列Lys-Trp-Phe-Ser-Asn-His-Tyr-Gln- [配列番号23]を含有するがテンプレートを含有しない実施例3の化合物の直鎖前駆体のCDスペクトルは、コイル構造とβシート構造の混合物を示すが、(同じコア配列を含有しかつテンプレートを含有する)実施例4の化合物の直鎖前駆体のCDスペクトルは高含量のβシート構造を示す。 これらの知見は、本発明のテンプレートがβ-ヘアピン模倣体の形成を誘導することを示す。 3. テンプレートを組み込んでいるファージディスプレイ用テンプレート固定β-ヘアピン模倣体配列の構築 実施例3[配列番号10]のテンプレート固定ヘアピン模倣体のファージディスプレイを、以下に説明するように実施する。 表5〜9に掲げた全ての他の配列については、対応する手順を用い、異なるオリゴヌクレオチドを使ってインサートDNAを作製する。 オリゴヌクレオチド1および2(以下参照)を用いてインサートDNAを構築する。 ベクターDNA中にクローニングするためのユニークなAccIおよびEagI制限酵素切断部位の位置に下線を引いた。 アニーリングのために、2μg(ほぼ170pmol)のオリゴヌクレオチド1および4.5μgのオリゴヌクレオチド2(ほぼ170pmol)を100mM NaClを含有する50μl TE(10mM Tris-HCL、pH 8.0、1mM EDTA)中でほぼ95℃に加熱する。 徐々に15〜30分間にわたって冷却した後に、アニーリングした2本鎖をDNAポリメラーゼIのクレノウ断片を用いて200μlの全容積中で伸張する。 反応条件はSambrookら, Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor,Laboratory Pressに概説されている。 得られるインサートDNAをEagIおよびAcc65Iにより供給者(New England Biolabs)が推奨する条件下で消化する。 混合物をフェノール/クロロホルムおよびクロロホルムを用いて抽出した後、エタノールを用いて水相を沈降させる。 沈降物を、標準の分子生物学手順(Sambrookら, Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor,Laboratory Press)により、8%未変性ポリアクリルアミドゲル上で精製する。 15μgのM13KEベクター(New England Biolabs)を、EagIおよびAcc65IによりNew England Biolabsが推奨する条件に従い消化する。 混合物をアガロース上で精製し、直鎖ベクターDNAをQIAquickゲル抽出キット(Qiagen)を用いて回収する。 オリゴヌクレオチド番号1 概要を説明すると、ライゲーションは一夜、16℃にてほぼ40ngの直鎖ベクター、ほぼ3:1モル過剰の2本鎖および200ユニットのT4リガーゼを含有する全容積20μlのT4 DNAリガーゼバッファー中で実施する。 ベクター単独、+および−リガーゼを含有する対照反応も実施してライゲーション効率およびベクター再ライゲーションによるバックグラウンドを決定する。 ライゲーション混合物を65℃にて15分間熱不活性化し、そして1μlアリコートを用いて次の100μl ElectroTen-Blue(登録商標)エレクトロポレーションコンピテント細胞(Stratagene)中へのエレクトロポレーションをNew England Biolabsが概説するように実施する。 エレクトロポレーション直後に、1ml SOC培地(2% Bactoトリプトン、0.5% Bacto酵母エキス、10mM NaCl、2.5mM KCl、10mM MgCl 2 、10mM MgSO 4 、20mMグルコース)をそれぞれのキュベットに加え、インキュベーションを30分間、37℃にて実施する。 そのアリコートを使って、それぞれの培養物をX-galおよびIPTGを含有する培地を用いる青色/白色選択により力価を測定する。 配列確認をするための個々のクローンを選択し、37℃にて4〜4.5時間インキュベーション後のXL1-Blueの一夜培養の1:100希釈物1ml中でインキュベートする。 長期保存および配列決定用のファージを、これらの液培養物から当技術分野で周知のプロトコルを応用して取得する。 手順2:(ランダム化したテンプレート固定β-ヘアピン模倣体ライブラリー) オリゴヌクレオチド1および3(それぞれ上段および下段を参照)を用いてインサートDNAを構築する。 ベクターDNA中にクローニングするためのユニークなAccIおよびEagI制限酵素切断部位の位置に下線を引く。 アニーリングのために、2μg(ほぼ170pmol)のオリゴヌクレオチド1および4.5μgのオリゴヌクレオチド3(ほぼ170pmol)を100mM NaClを含有する50μl TE(10mM Tris-HCL、pH 8.0、1mM EDTA)中でほぼ95℃に加熱した。 徐々に15〜30分間にわたって冷却した後に、アニーリングした2本鎖をDNAポリメラーゼIのクレノウ断片を用いて200μlの全容積中で、当技術分野で周知の反応条件(Sambrookら, Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor,Laboratory Press)を適用して伸張する。 得られるインサートDNAをEagIおよびAcc65IによりNew England Biolabsが推奨する条件下で消化する。 混合物をフェノール/クロロホルムおよびクロロホルムを用いて抽出した後、エタノールを用いて水相を沈降させる。 沈降物を、標準の分子生物学手順(Sambrookら, Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor,Laboratory Press)により、8%未変性ポリアクリルアミドゲル上で精製する。 15μgのM13KEベクター(New England Biolabs)を、EagIおよびAcc65IによりNew England Biolabsが推奨する条件に従い消化する。 混合物をアガロース上で精製し、直鎖ベクターDNAをQIAquickゲル抽出キット(Qiagen)を用いて回収する。 オリゴヌクレオチド番号1 最高のプラーク/マイクログラム入力ベクター比を提示するライゲーションをスケールアップして所望のライブラリー複雑度を得る。 ライブラリー構築用のDNAは最終濃度ほぼ0.1マイクログラム/100マイクロリットルのコンピテント細胞懸濁液にて存在する。 エレクトロポレーション直後、1ml SOC培地をそれぞれのキュベットに加え、SOC増殖物を5つのプールにグループ分けして30分間、37℃にてインキュベートする。 ライブラリー複雑度をいくつかの増殖物の力価を測定することにより決定し、残りをファージ増幅に用いた。 増幅するために、それぞれのSOC増殖物のプールを、XL1-Blueの一夜培養の1:100希釈液1リットルに加える。 インキュベーションは4.5〜5時間、37℃にて激しく攪拌しながら実施する。 これらの液培養からのファージは、上清を遠心分離により2回清澄化し、そしてファージ粒子をポリエチレングリコール(最終濃度3.3%ポリエチレングリコール-8000、0.4M NaCl)を用いて一夜、4℃にて沈降させることにより得る。 遠心分離後に得たペレットをTBSに再溶解し、懸濁液を遠心分離により清澄化し、そしてファージ粒子を上清からポリエチレングリコール(上記の通り)を用いて1時間、4℃にて沈降させることにより得る。 遠心分離後のファージペレットをTBS(50mM Tris-HCl、pH 7.5、100mM NaCl)に再懸濁して4℃にて保存する。 実施例1〜14に対応するDNA配列の表 2 /mol)を示す。 |