【0001】 (導入) (発明の分野) 本発明の分野は、多重アッセイ検出における使用のための分離可能な組成物である。 【0002】 (発明の背景) ヒトゲノムが明らかになる場合、特定の配列の存在を決定するためのアッセイを実行すること、ホモ接合体とヘテロ接合体とにおける対立遺伝子との間を区別すること、変異の存在を決定すること、細胞発現パターンを評価することなどについて、多くの機会が存在する。 多くのこれらの場合において、同じサンプルの多くの異なる特徴を、単一反応で決定することを望む。 また、1つ以上の病原体、その抗生物質耐性遺伝子、遺伝的サブタイプなどの存在を決定するのに関心がある。 【0003】 多くのアッセイにおいて、特定の配列(ゲノム配列、合成配列またはcDNA配列であろうと)の存在を決定するのに関心がある。 これらの配列は、特に遺伝子、調節配列、反復、多量体領域、発現パターンなどに関連し得る。 【0004】 異なる個体の配列が比較され、そして比較され続けている。 1,000塩基当たり約1つの多型が存在し、それによって個体間に多くの数の相違が存在することを予測し得ると考えられる。 その部位にその集団の実質的により小さな割合で存在する1つ以上の残りの塩基と共に、一般的なヌクレオチドが存在することが、単一ヌクレオチド多型(snp's)によって意図される。 【0005】 ほとんどの場合、snp'sは非コード領域で、主に遺伝子間にあり、しかしまた、エキソンおよびイントロンに存在する。 さらに、このsnp'sの大きな集団は、個体の表現型には影響しないが、明らかに遺伝子型に影響する。 このsnp'sは、多くの目的の性質を有する。 このsnp'sは遺伝するので、個体のsnp'sおよび/またはsnpパターンは、遺伝子の欠損(例えば、遺伝子の欠失、挿入および変異(遺伝子の1つ以上の塩基を含む)に関連する。標的遺伝子の単離および配列決定よりもむしろ、関連するsnp'sを同定するために十分である。 【0006】 さらに、このsnp'sは、個体を同定するために法医学において使用され得る。 他の遺伝的マーカーが利用可能である一方、多くのsnp'sおよび染色体におけるその広範な分布が、snp'sを魅力的な標的にする。 また、特定の表現型に関する複数のsnp'sを決定することによって、表現型に関連する遺伝子の決定を必要とするよりもむしろ、snpパターンを表現型の指標として、使用し得る。 【0007】 血液または他の生物学的液体中の多くの分析物または核酸配列(例えば、複数の病原体もしくは複数の遺伝子もしくは複数の遺伝的改変体)を決定する必要性は、多くの医薬の部門において増大して明確になってきた。 毒物学的に関連がある結果を決定するために複数の遺伝子の示差的発現を研究する必要性、またはウイルス汚染について輸血された血液を高感度でスクリーニングする必要性は、明らかに明白である。 【0008】 従って、ほとんどの複数の分析物アッセイ、または複数の核酸配列を検出するアッセイは、複数の段階を包含し、乏しい感度および乏しい動的範囲(分析物の濃度において2〜100倍の差異が決定される)を有し、そしていくらか洗練された計測が必要とされる。 【0009】 複数分析物のアッセイのための、いくつかの公知の古典的な方法は、以下を包含する: a. 2つの異なる分析物を区別するための、2つの異なる放射線同位体標識の使用。 【0010】 b. 2つ以上の分析物を区別するための、2つ以上の異なる蛍光標識の使用。 【0011】 c. 寿命および波長の両方が2つ以上の分析物を区別するために使用されるランタニドキレートの使用。 【0012】 d. 2つ以上の分析物を区別するための、蛍光標識または化学発光標識の使用。 【0013】 e. 2つ以上の分析物を区別するための、2つの異なる酵素の使用。 【0014】 f. 2つ以上の分析物を区別するための、酵素およびアクリジウムエステルの使用。 【0015】 g. 例えば、複数の分析物を同定し定量するためのアレイにおける、異なる分析物の空間的な分解能。 【0016】 h. 寿命またはジオキセタン形成が2つの異なるウイルス標的を定量するために使用されるアクリジニウムエステル標識の使用。 【0017】 従って、より高い感受性、広い動的範囲(標的レベルにおける10 3 〜10 4倍の違い)、より大きい程度の多重化、ならびにより少なくそしてより安定な試薬を有するアッセイは、複数分析物アッセイの簡易性および信頼性を増加する。 【0018】 潜在的にDNAのセンチモルガンにわたって分布している多くの塩基または配列を同定および定量する必要性は、主な挑戦を提供する。 いずれの方法も、必要とされる試薬の量を限定すること、およびシングルアッセイを提供することにおいて、正確、合理的、経済的であるべきであり、これは異なるsnp'sの区別または複数の遺伝子の区別および定量を可能にする。 【0019】 最後に、核酸配列が、生物学的または他の目的のためであり得る状況に対して極端な多様性を提供する一方、化合物の他の型(例えば、多重決定のための機会もまた提供し得るプロテオミクス(proteomics)におけるタンパク質)が存在する。 【0020】 (関連技術の簡単な説明) Holland(Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:7276)は、増幅と同時に特定の検出可能なシグナルを生成するための、PCR増幅において熱安定性酵素Thermus aquaticus DNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性を開示する。 【0021】 TaqManアッセイは、Nucleic Acid Research(1993)21:163761においてLeeらにより議論されている。 【0022】 White(Trends Biotechnology(1996)14(12):478−483)は、TaqMan(登録商標)アッセイにおける多重化した問題を議論している。 【0023】 Marino,Elecrophoresis(1996)17:1499は、低ストリンジェンシー配列特異的PCR(LSSP−PCR)を記載する。 PCR増幅した配列は、低ストリンジェンシー条件下で単一プライマー増幅に供されて、一定範囲の異なる長さのアンプリコンを生成する。 配列に差異がある場合、異なるパターンが得られる。 このパターンは、個体に特有であり、同一性試験についておそらく価値がある。 【0024】 1本鎖コンホメーション多型(SSCP)は、同様の結果を生じる。 この方法において、PCR増幅したDNAを変性し、1本鎖の配列依存性コンホメーションを、ゲル電気泳動の間にそれらの移動速度が異なることにより検出する。 上記のLSSP−PCRを用いると、異なるパターンにより、配列におけるそのシグナル差違が得られる。 しかし、LSSP−PCRもSSCPも、特定の配列情報を与えず、ともに、配列中で変化している任意の塩基が、検出され得るコンホメーション変化を生じるという疑わしい仮定に依存する。 Pastinen,Clin. Chem. (1996)42:1391は、標的DNAを増幅し、そしてアンプリコンを固定化している。 次いで、複数のプライマーを、3'側にあり、かつ目的のsnp(「一ヌクレオチド多型」)部位に連続した部位にハイブリダイズさせる。 コードとして働く各プライマーは、異なるサイズを有する。 このハイブリダイズしたプライマーは、蛍光標識されたジデオキシヌクレオシド三リン酸を用いて一塩基伸長される。 生成され、ゲル電気泳動により決定された蛍光産物の各々のサイズは、配列、従って、snpの位置を示す。 snp部位における塩基の同一性は、使用される三リン酸により規定される。 同様のアプローチは、サイズ分けが、質量分析により行われ、従って、標識の必要性がないことを除いて、Haff,Nucleic Acids Res. (1997)25:3749により採用されている。 しかし、両方法は、多数の部位のスクリーニングに、わずらわしい二次構造を有し得、かつ合成するには非常に高価でありうる、大量の非常に純粋なプライマーを要するという重大な限界を有する。 【0025】 Hacia,Nat. Genet. (1996)14:441は、オリゴヌクレオチドの高密度アレイを使用している。 標識したDNAサンプルを、96,600個の20塩基のオリゴヌクレオチドに結合させ、異なる個体から生成された結合パターンを比較した。 この方法は、SNPが直接同定されるという点で魅力的であるが、このアレイの費用は、高価であり、かつ非特異的ハイブリダイゼーションにより遺伝情報の正確さが混乱し得る。 【0026】 Fan(1997,10月6〜8日、IBC,Annapolis,MD)は、ヒト配列タグ化部位の大規模スクリーニングの結果を報告した。 一ヌクレオチド多型スクリーニングの正確性が、従来のABI再配列決定(resequencing)により決定された。 【0027】 質量分析を伴った対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションは、Ross,Anal. Chem. (1997)69:4197により議論されている。 【0028】 Hollandら、PNAS USA(1991)88:7276−7280は、PCR産物の検出のためにDNAポリメラーゼ5'−3'エキソヌクレアーゼ活性を使用することを記載する。 【0029】 米国特許第5,807,682号は、複数の核酸標的を検出するためのプローブ組成物を記載する。 【0030】 (発明の要旨) 個々の物理的なタグの特性に基づいた放出された同定タグの簡便な分離を提供する多重化した測定のための化合物および方法を提供する。 この方法は、1つの容器中で行われ得、同時にまたは連続して複数の試薬が添加されることを包含する。 1群の実施形態において、質量が分離を可能にする特徴に関与する。 動電学的分析のための1群の同定タグは、以下の領域として働く領域を有することにより特徴付けられる:(1)切断可能な連結領域;(2)質量改変領域;(3)電荷改変領域;および(4)検出可能な領域。 異なる領域の数は、分離および同定の方法に一部依存する。 これらの別個の領域を有する化合物は、この同じ部分でこれらの領域が組み合わされる他の化合物と関連した使用を見出す。 この化合物を形成するための基礎単位の使用が特に目的である。 ここで、合成は、複数の段階で同じ連結化学を用いた反復様式で行われる。 本発明の化合物は、同定試薬を提供するために、同定のための結合化合物に連結される。 ここで、アッセイ系における同定試薬標的の結合は、同定タグ(本明細書中以降、「eTag TMレポーター」という)の放出を生じる。 ここで、eTagレポーターは、区別され得る。 結合化合物に結合するための連結官能基を含む多数のeTagレポーターがキットにおいて提供され得るか、または基礎単位のキットは、結合化合物の合成とともにインサイチュでeTagレポーターを合成するために提供され得る。 核酸およびタンパク質の同定において本発明のeTagレポーターを使用することが特に目的である。 【0031】 (特定の実施形態の説明) 多重化した測定のための方法および化合物を提供し、ここでこの化合物は、サンプル中の相互結合化合物を検出するための結合化合物に連結され得る。 この方法は、示差的にeTagレポーターと結合体化した結合化合物の混合物を用いて、1つの容器中で複数の結合事象、同じ容器中でそれらの標的化合物に結合した結合化合物の同定eTagレセプターの放出、および1回のランにおいてこのタグの分離により放出された同定タグの検出を有することにより区別される。 このeTagレセプターは、それらの分離および検出を可能にする1以上の物理的特徴を有することにより区別される。 【0032】 この方法は、eTagレポーターに結合した結合化合物の混合物を用いる。 ここで、各eTagレポーターは、1回の分離ランにおいて独特に検出することを可能にする特徴を有する。 この方法は、eTagレポーター結合体化結合化合物をサンプルと合わせて、結合化合物が任意の相互結合パートナーに結合して、結合複合体を形成する条件下で複数の標的の存在を決定する工程を包含する。 結合が生じるに十分な時間の後、eTagレポーターは、同じ容器中で結合複合体から放出され得る。 種々の技術が、この複合体に結合したeTagレポーターを放出するために、結合化合物の性質に依存して用いられる。 次いで、この放出されたeTagレポーターは分離され、そして結合化合物になお結合したeTagレポーターから干渉なくそれらの区別し得る特徴により同定される。 複合体に結合したeTagレポーターと、この複合体に結合しないeTagレポーターとの間を区別するための技術は、複合体が切断のために存在することが必要な酵素反応、リガンド/レセプター結合による改変(ここで、このリガンドは、結合化合物の一部であり、その結果、切断後、結合化合物になお結合したeTagレポーターは改変される)、eTagレセプターの放出を生じる標的に対する二重の結合(ここで必要に応じて、結合化合物に結合したeTagレセプターは、改変などが行われる)などを含む。 。 【0033】 1セットのeTagレセプターは、特徴として質量を含む差違により区別される。 これらのeTagレポーターは、2以上のオリゴヌクレオチド、通常は、3以上のヌクレオチドに基づく差違に依存しないが、むしろ、多数の区別可能な化合物を提供するためにともに便宜的に合わされた有機化学的基礎単位に依存する。 従って、本来のeTagレポーターまたは結合化合物に結合体化したeTagレポーターは、結合化合物から放出された場合、2以上のヌクレオチドを有し得る一方で、放出されたeTagレポーターは、3以下、通常は2以下のヌクレオチドを有する。 質量/電荷比の差違により特徴付けられるeTagレセプターが特に目的である。 これらの化合物は、移動度の差違を有することにより区別され、そして以下の領域として働く領域を有することにより特徴付けられる:(1)切断可能な連結領域;(2)質量改変領域;(3)電荷改変領域;および(4)検出可能領域。 ここで、これらの領域は、別個かつ性質が異なり得、または組み合わされ得、区別をもたらす少なくとも2つの性質の異なる領域が存在する。 これらのeTagレポーターは、多重化された測定においてeTagレポーターとして用いられる種々の化合物の数をさらに拡げるように、1つの領域内で上記領域の全てを有する化合物と、キットおよびアッセイにおいて組み合わされ得る。 これらの化合物は、異なる領域が同じ部分に存在する(例えば、1〜2の領域)、他の化合物を伴う使用を見出す。 ここで、電荷改変領域はまた、検出可能領域または質量改変領域であり得る。 同定分子として働き得る複数の化合物を有することにより、標的化合物の混合物は、1つの容器中でアッセイされ得る。 移動度の差違に起因して同定可能な、結合化合物からのeTag TMレポーターの放出を生じるプロトコルを用いることにより、この分析は、非常に単純化される。 なぜなら、このeTagレポーターは、干渉物質を実質的に含まず、移動度の差違は、正確な検出および定量を可能にするからである。 eTagレポーターは、検出方法に依存して変化する。 10の異なる結合化合物に結合した少なくとも10のeTagレポーターの群は、測定において使用される。 このeTagレポーターは、同じ切断機構により同じ容器中で結合化合物から切断可能であり、分離および個々の検出を可能にする共有した特徴を有し、測定方法と適合し、そして約30〜3000ダルトンの分子量範囲、通常は約35〜1500ダルトンの分子量範囲にあることにより特徴付けられる。 このバリエーションは、質量分析器を用いた質量(ここで、電場が分離のために用いられる)、動電学を用いる質量/電荷比(この分離はまた、クロマトグラフィー(例えば、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー)を用いた篩い分けおよび/または吸着ポリマー、吸着を含み得る)(ここで極性およびファンデルワールス力が分離のために用いられる)などであり得る。 【0034】 特徴として質量に依存するeTagレポーターに関して、分析のために質量分析を用いる場合、各eTagレポーターにおける質量ユニットの差違は、わずか1つ、好ましくは少なくとも約2つ必要とする。 電気泳動に関しては、少なくとも約3つ、通常は質量/電荷比に関して5ユニット差、好ましくは、少なくとも約7つ、そして分離のために当業者がより短い距離の使用を望む場合は10以上を有する。 これらのユニット差は、以下で続けて議論されるように、類似の構造の分子について意図され、構造は、質量/電荷比を変化させることなく移動度に影響を及ぼし得る。 【0035】 大部分に関して、独立した領域を有するeTagレポーターは、以下の式を有する: 【0036】 【化1】
ここで、Lは、末端連結領域であり; Mは、質量改変領域であり;
Cは、電荷改変領域であり;
Dは、検出可能領域であり、eTagレポーターが分光光学的測定を用いて検出される場合に存在し、eTagレポーターが質量分析測定を用いて検出される場合には存在せず;
nは0または1であり、分光光学的測定の場合には1であり、質量分析測定の場合には0であり;そして
*はM、CおよびDが任意の部位で、そして独立しかつ性質が異なる領域でない場合に他の基のいずれかに結合され得ることを意図し、 M、CおよびDのいずれかが一緒になって、1つの領域において複数の官能基を提供し、そしてこの領域は、互いに直接結合され得るか、または連結基もしくは連結領域に散在され得る。 すなわち、1つの領域の一部は、別の領域の全体または一部により分離され得る。 また、先に示したように、異なる領域が3以上のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドを含む領域を含まず、通常は、2以上のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドを含む領域を含まない。
【0037】
eTagレポーターが結合化合物に結合される場合、このeTagレポーターは、以下の式を有する:
【0038】
【化2】
ここで、Bは、L'に結合した結合化合物であり;
L'は、Bへの結合の結果として改変された連結基であり;そして残りの文字は、先に規定されたとおりである。
【0039】
放出されたeTagレポーターは、以下の式を有する【0040】
【化3】
ここでL”は、連結領域の残基であり、この領域は、結合化合物の一部を含むか、または連結領域の一部のみを保持することにより、連結基と結合化合物を結合することにより作製された結合以外での切断により、多かれ少なかれ本来の連結基を含み得;そして残りの文字は、先に規定されたとおりである。
【0041】
領域の各々は、異なる官能基および合成プロトコルを用いる種々の方法で結合され得る。 ここで、連結の様式は、例えば、負に荷電した連結を生じるリン酸連結を有する領域の1つとして働き得る。
連結領域は、eTagレポーターの残りと、結合化合物との間での連結として機能する。 Lは、3つの側面を有する:活性化部分と反応することにより本質的にまたはそのようにされるかいずれかの反応性官能基;結合化合物に結合することにより形成される連結であり得る、切断可能な連結;および1以上の他の領域に結合するための基。 結合化合物に対する結合に関して、結合化合物の性質に依存して、異なる反応性官能基が用いられ得る。
【0042】
結合化合物がオリゴヌクレオチド(すなわち、DNA、RNA、それらの組み合わせ、およびそれらのアナログ(例えば、チオアナログ))である場合、アルコールと反応する基が通常用いられる。 反応性の基としては、ホスホルアミダイト、例えば、ジアルキルホスホルアミダイト(ここでアルキルは、1〜6の炭素原子のものである);アルキル,シアノエチルホスホルアミダイト(ここでアルキルは、1〜6の炭素原子のものである)など;トリアルキル亜リン酸もしくはトリアルキルリン酸(ここでアルキルは、1〜6の炭素原子のものである);カルボン酸もしくはその誘導体(例えば、アシルハライド)、無水物および活性エステル(例えば、ジニトロフェニルエステル);活性ハライド(例えば、α−ハロメチルオキソハライドおよび非オキソハライド(ここでハロは、原子番号17〜53のもの、クロロ、ブロモ、ヨードである))などが挙げられる。 この生成物は、エステル(無機酸エステルおよび有機酸エステルの両方)、およびエーテルである。 あるいは、いくつかの場合において、当業者は、代わりにアミノ酸(例えば、グリシンおよび置換されたグリシン)を用いて、連結ユニットとしてリン酸誘導体以外のものを用い得る。 この例では、eTagレポーターのユニットは、類似の化学物質を用いて、インサイチュでeTagレポーターを合成する。 例示的なリンカーは例示に過ぎず、網羅であることを意図しない。
【0043】
オリゴヌクレオチドの大部分に関して、切断は、ヌクレアーゼ活性(例えば、5'−3'ヌクレアーゼ活性)を有する酵素により切断される2つのヌクレオシド間のリン酸結合においてである。 従って、連結領域は、通常、適切な塩基(例えば、アデニン、シトシン、グアノシン、チミジンおよびウラシル)を有するオリゴヌクレオチドの末端ヒドロキシに結合するためのリン酸誘導体を含む。 引き続いて議論されるように、糖類、リボースまたはデオキシリボースの他の利用可能なヒドロキシ基は、他の領域のうちの1つと置換され得る。 ヌクレアーゼ活性以外の他の方法がeTagレポーター放出のために用いられる場合、他の官能基のいずれかがオリゴヌクレオチドに対する連結のために用いられ得る。 次いで、連結領域は、特定の切断を可能にする官能性実体を含む。
【0044】
特定の核酸配列の検出のためにオリゴヌクレオチドを用いる必要はない。 特定の配列(例えば、ssDNAまたはdsDNAのいずれか)を認識する結合化合物を用いることによって、異なるeTagレポーターをそれぞれ異なる結合化合物に付着させ得る。 核酸サンプルをeTagレポーター標識された結合化合物と合せることによってサンプル中に存在する配列に対して、結合化合物の結合が生じる。 種々のプロトコールが結合化合物の特性に依存して使用され得る。 例えば、ヘテロ環式化合物(特に、アゾール化合物(例えば、2原子の鎖(特に−NH−基を有するもの)によって連結されたピロール、イミダゾール、ヒドロキシイミダゾール、およびアミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸など))のオリゴマーが用いられる。アゾールは、通常−NH−基を含む2つの原子の架橋によって(望ましくは、2位から4または5位で)つながれる。これらの化合物は、dsDNAの浅いほうの溝において、配列に対する高い親和性および特異性をもって結合するヘアピンを形成する。例えば、本明細書において結合配列の開示のために特に参考として援用される米国特許第6,090,947号および同第5,998,140号を参照のこと。
【0045】
適切なオリゴマーをdsDNAサンプル(これは、インタクトdsDNAまたはフラグメント化dsDNAを含み得る)に加え、結合したオリゴマーを非結合オリゴマーから隔絶し、そしてdsDNAに結合したeTagレポーターを放出することによって、サンプル中のdsDNA配列の存在を迅速に決定し得る。 dsDNAに結合されたリガンドを有することにより(例えば、リガンドを有するプライマーを用いたPCRなどを使用して)、dsDNAに結合するタンパク質を用いて隔絶を果たすことができる。 あるいは、結合化合物に結合されたeTagレポーターに結合したビオチンまたは他のリガンド(これらは、eTagレポーターの放出において、結合化合物に保持される)を有することにより、放出されたeTagレポーターと反対の電荷を有するリガンドレセプターを添加し得、その結果、電気泳動においてeTagレポーターは、反対の方向に移動する。 この方法は、系の感度が、増幅を避けるのに適切である特定の利用を見出し得、かつ変性を伴わずに配列の存在を直接決定し得る。 この方法は、感染生物(例えば、細菌、ウイルスおよび原生生物)の決定、特定のキアスマの同定、ゲノムの同定などに利用を見出し得る。
【0046】
結合化合物との結合事象に利用される条件の下で安定であり、次いで、eTagレポーターに不利に影響することなく切断され得る多くの異なる機能的実体が存在する。 機能的実体は、化学的または物理的方法(酸化、還元、加溶媒分解(例えば、加水分解)、光分解、熱分解、電気分解、化学的置換などを含む)によって切断され得る。 特定の機能的実体は、チオエーテル(一重項酸素で切断され得る)、ジスルフィド(チオールで切断され得る)、ジケトン(過マンガン酸または、四酸化オスミウムで切断され得る)、β−スルホン、テトラアルキルアンモニウム、トリアルキルスルホニウム、テトラアルキルホスホニウムなど(ここでα−炭素は、カルボニル、ニトロなどで活性化され、塩基を用いて切断され得る)、キノン(ここで脱離は、還元を伴って生じる)、置換ベンジルエーテル(光化学的に切断され得る)、カーボネート(熱的に切断され得る)、金属キレート(ここで、配位子がより高い親和性を有する配位子で置換される)、および文献において公知の多くの他の機能的実体を含む。 切断のプロトコールは、米国特許第5,789,172号、同第6,001,579号およびここで援用される参考文献において記載される。
【0047】
eTagレポーターは、複数の標的実体が関与する決定において利用を見出す。 通常、少なくとも3つの標的実体、より通常には、少なくとも5つの標的実体、頻繁には、少なくとも約10個またはそれより多い標的実体に関心が持たれ、そして少なくとも約20個またはそれより多く、さらには約100個またはそれより多いものに関心が持たれ得る。 eTagレポーターの数は、通常、標的実体の数と等価であり、同じ状態であるが、同じeTagレポーターは、複数の関連する標的実体を同定するのに利用され得、次いで、個々の標的実体に関して結果を逆重畳し得る。 結合メンバーに結合したeTagレポーターは、サンプルに個々に添加され得るか、または合わせて添加され得、次いで、標的実体の存在を決定するよう処理される。
【0048】
可動性においてほぼ同様であり、通常互いに対する可動性において、関連しないeTagレポーターに対する可動性より近い2つのeTagレポーターを有することには、興味深い。 分析される対になった状態(例えば、対立遺伝子、MHC抗原、一塩基多型など)が存在する場合、電気泳動図において近接するeTagレポーターを有することによって(特に、これらが識別可能な検出可能領域(例えば、異なる波長で蛍光を発する蛍光剤)を有する場合)、サンプル中にこの対がないか、対の1つまたは両方が存在するか否かを迅速に決定する。
【0049】
遺伝子分析は、多くの形態をとり得、異なる情報の決定に関する。 遺伝子分析は、配列決定、特定の遺伝子または制御配列の存在に関する特定の配列の検出、生物の同定、異なる細胞、異なる細胞段階および外からの刺激に関する転写事象の同定、一塩基多型、対立遺伝子、反復配列、プラスチドDNA、ミトコンドリアDNAなどの同定、法医学などに関する。 それぞれの場合、アッセイすべき複合体サンプルが有され、ここで多くの結合事象に関心が持たれる。 それぞれの事象について、独特のeTagレポーターを提供することにより、1つのサンプルまたはいくつかのサンプルのアリコートを用いて、同じフラスコ内で多くのアッセイを同時に実施し得る。 例えば、アッセイが個々の容器において1つのヌクレオチドに関する場合、4つの容器を用いる(それぞれのヌクレオチドに対し1つ)。 たいていの場合、eTagレポーターは、アッセイ混合物の他の成分から分離され得、eTagレポーターについてアッセイする場合、これら他の成分からの妨害を実質的に減じる。
【0050】
ハイブリダイゼーションの結果として生じる核酸配列のリン酸結合の切断に関する多くの遺伝子分析がある。 ほとんどの部分について、最初の段階は、溶液中であるが、決定の最初の段階および続く段階において1つ以上の試薬を固体の支持体に結合し得る。 1つの技術は、米国特許第5,876,930号および同第5,723,591号に記載され、ここで、プライマーおよびプローブは標的配列に結合し、5'−3'ヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼを用いてプライマーを伸長することによって、末端ヌクレオチドは、標的DNAに沿ってポリメラーゼがプロセッシングするにつれて切断される。 eTagレポーターを末端ヌクレオチドおよび/または内部ヌクレオチドに結合させることによって、標的核酸が存在する場合、eTagレポーターは、放出される。 別の技術は、クレアバーゼと呼ばれる酵素を用い、これは、標的核酸、プライマー、およびプローブの3つのメンバーの複合体を認識する。 米国特許第5,719,028号を参照のこと。 クレバーゼにより放出されたeTagレポーターは、プローブの末端に接着され、ここで、3つの部分からなる複合体が形成される。
【0051】
一塩基多型(「snp」)の検出について、様々な複雑さの種々の技術が用いられ得る。 1つの技術において、snpのすぐ先にあるヌクレオチドにおいて終結するプライマーを用いる。 snpに相互するヌクレオチドに結合したプライマーおよびリガンドに結合したeTagレポーターが有され得る。 4つの容器(異なる標識ヌクレオチドをそれぞれ用いて)、または1つの容器(それぞれ異なる標識を有する標識されたヌクレオチド)のいずれかを有し得る。 3'−5'編集を有する種々のポリメラーゼを用いて、ミスマッチがまれであることを確認し得る。 次いで、伸長したプライマーは、例えば、リガンド(例えば、ビオチン)を有し、伸長した混合物を相互のレセプター(例えば、ストレプトアビジン)に接触することによって捕獲され得、支持体に結合して、eTagレポーターが放出され、分析され得る。 snpに対して同じヌクレオチドを有する目的の標的をグループ化することによって、このアッセイは、複数の標的に対して多重化し得る。 他の技術は、snpがミスマッチしているプローブを有することを含む。 ミスマッチヌクレオチドは、eTagレポーターを用いて標識される。 snpが存在する場合、eTagレポーター標識されたヌクレオチドは、検出のため放出される。 米国特許第5,811,239号を参照のこと。
【0052】
別のバリエーションでは、プライマーおよびプローブを連結し得、ここで、標的核酸にハイブリダイズする場合、一方は、他方の3'である。 切断可能な結合を有するeTagレポーターを有するプライマーおよびプローブの対の一方および別の因子との結合において切断可能な連結の切断を生じ得る因子を有するこの対の他方を有することによって、標的に結合する場合、プライマーおよびプローブは、共に連結され得る。 標的から連結された対を放出し得(例えば、加熱して)、プライマーおよびプローブのハイブリダイゼーションを可能にするために、混合物を冷却し、プライマーおよびプローブを標的に結合し、次いで、変性して連結したプライマーおよびプローブを放出し、多くの連結したプライマーおよびプローブを増幅することによってリサイクルし得る。 一旦所望の程度の増幅に達した場合、eTagレポーターの放出を生じるさらなる因子を提供し得る。
【0053】
PCRまたは他の増幅反応が、プライマーに関して利用され得る場合、プライマーは、リガンドで標識され得、これは、増幅されたDNAの配列決定を可能にし、次いで、リガンド相互のレセプターによって、DNAを隔絶し得て、このレセプターは、支持体に結合し、そしてプローブ配列に特異的なeTagレポーターを用いて標識されたプローブを添加する。 ハイブリダイゼーションおよび非特異的に結合した核酸もしくは結合しない核酸を除くために洗浄した後、eTagレポーターは放出されて、分析される。
【0054】
核酸アッセイの代わりに、タンパク質アッセイに関心が持たれ得る。 タンパク質の混合物の決定のため、インタクト細胞、インタクトウイルス、ウイルス感染細胞、溶菌液、プラスチド、ミトコンドリア、または他の細胞小器官、画分されたサンプル、または他のタンパク質の集合体を、それらのみでまたは他の化合物との組み合せにより、利用し得る。 タンパク質の混合物の任意の供給源が利用され得、ここで、複数のタンパク質を同定することにおいて関心持たれる。
【0055】
プロテオミクス(proteomics)は、最近現れ、ここで、外からの刺激(例えば、薬物、ウイルス)、物理的または化学的条件における変化(栄養および補因子の過剰または欠乏に関する)、ストレス、加齢、生物の特定の系統の存在、および生物および系統の同定、複数の薬物耐性などに応答する、代謝、有糸分裂、減数分裂の間の細胞内発現に関心が持たれる。 1のサンプル中の多数のタンパク質を同定するため、および検出される異なるタンパク質の何らかの定量化を提供するための手段を有することが必要である。 1つのアッセイにおいて、標的タンパク質に特異的な結合タンパク質を用い得る。 結合タンパク質の1つの官能基は、支持体(例えば、容器またはチャネル壁、磁性もしくは非磁性の粒子(例えば、ラテックス粒子)、デキストロース、セファロース、セルロース等)に結合され、ここで支持体は、標的タンパク質を支持体に対して隔絶することを可能にする。 最も一般に、抗体、特に抗血清よりモノクローナル抗体が利用されるが、前者もまた、利用を見出され得る。 いくつかの状況において、他のレセプター(例えば、レクチン、酵素、膜表面タンパク質など)が見出され得、そしていくつかの状況において、タンパク質に対するリガンドが、利用され得る。 相互しているメンバー、レセプターおよびリガンドは、共有結合または非共有結合を介して支持体に結合され得る。 活性化された表面は、利用を見出し、ここで表面は、活性な官能基を有し、これは、相互結合メンバーと反応して、表面(例えば、シリルクロライド改変ガラス、臭化シアン改変ポリサッカライドなど)への安定な結合を提供する。 タンパク質は、いくつかのプラスチック表面に密に結合し、その結果、共有結合は必要でない。 リガンドは、表面に結合するための活性な官能基を有するかまたは提供され得る。 必要とされる場合、表面への結合は、相互的結合メンバーにリガンドを結合することおよび支持体にリガンド結合メンバーを有すること(例えば、リガンドとしてビオチン、およびリガンド結合メンバーとしてストレプト/アビジン)によって、2つの工程において達せられ得るか、または表面に結合した抗Igを、標的タンパク質に結合した抗体に結合させ得る。 さらに、環境における変化が、局在化する場合、高濃度の相殺因子(例えば、アンモニアが産生されて、局在化した塩基性の環境を作る場合には、大容量の緩衝液(pH7)(例えば、200mMリン酸))を有し得る。
【0056】
サンプルは、相互的結合部分と合わされ、支持体に結合し得るか、または引き続いて支持体に結合し得る。 混合物の他の成分を洗い流した後、特定のレセプターに特異的なeTagレポーター分子で標識された標的タンパク質に対するレセプターが、結合した標的タンパク質に添加され、その結果、標的タンパク質を介して支持体に結合するようになる。 1つ以上のeTagレポーター分子は、レセプターに結合され、通常約20より多くなく、頻繁には約10より多くない。 数は結合親和性の減少の程度によって限定され、これは、eTagレポーター分子の数が増大することに関する。 通常、支持体に結合したレセプター、およびeTagレポーター標識されたレセプターは、標的タンパク質の異なるエピトープに結合するが、いくつかの状態において(ここで、標的は、複数の同じエピトープを有する)、レセプターは、同じエピトープに特異的であり得る。 標的タンパク質に特異的に結合しない、全てのeTagレポーター標識レセプターを洗い流したのち、eTagレポーター分子は、放出され、そしてアッセイされる。
【0057】
標的が、2つの相互的結合メンバーの結合を可能にする場合、またはこの事象を可能にするさらなる試薬が提供される場合、「チャネリング」またはエネルギー伝達に関しての決定を利用し得る。 例えば、米国特許第5,843,666号および5,573,906号を参照のこと。 文献中にチャネリングに関する多くの方法論があり、ここで、大部分において、チャネリングは、直接検出可能なシグナル(通常は、吸光または発光における変化)を産生することに関した。 チャネリングは、2つの試薬を有することに関し、ここで第1の試薬は、第2の試薬に近接する場合、検出可能シグナルを産生する。 eTagレポーターについて、検出可能シグナルは、結合成分からのeTagレポーターの放出である。 放出は、通常、短寿命の実体(例えば、化学種、または光活性化励起種)の産生の関数であるが、大量溶液と比較して局在的な環境の変化を生じ得る。 化学種に関して、例示的な種は、一重項酸素、過酸化水素、NADH、およびヒドロキシルラジカルを含む。 同じ標的部分に結合する相互的結合メンバーを有する2つの実体を用いる。 実体の1つは、活性種を産生する。 他の実体は、感受性官能基を有し、これは、活性種と相互作用してeTagレポーターの放出を生じるか、またはeTagレポーターを放出するように変化した局在化した環境に対応する。 いずれの活性種も、短寿命であって、その結果、近傍を越えるため、顕著なバックグラウンドを生じず、活性種が非活性になるか、またはスカベンジャーが用いられて、活性種を除去し、その結果、感受性官能基との反応に利用することが出来なくなり、標的に結合しない。
【0058】
反応種の産生因子は、酵素(例えば、オキシダーゼ(例えば、グルコースオキシダーゼ、キサンテンオキシダーゼ、D−アミノ酸オキシダーゼ、NADH−FMNオキシドリダクターゼ、ガラクトースオキシダーゼ、リン酸グリセリンオキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、およびアルコールオキシダーゼ、(これらは、過酸化水素を産生する)、ホースラディシュペルオキシダーゼ、(これは、ヒドロキシルラジカルを産生する)、NADHまたはNADPHを産生する種々のデヒドロゲナーゼ、アンモニアを産生して高い局在化pHを生じるウレアーゼ))を含む。 1つの切断可能な結合は、硫黄、またはセレンの酸化に基づき、ここで、チオエーテル、スルホキシド、またはこれらのセレンアナログは、活性化基に対してα−またはβ−位に存在し、これは、α水素を酸性活性化基にして、塩基によって除去され得るようにし、その結果、eTagレポーターに結合されるかまたはeTagレポーターの放出を伴う酸化に供される酸化官能基を放出する。 あるいは、1つの酸化状態において安定であり、そして別の酸化状態において不安的な金属キレートを利用し得る。 他の化合物は、α置換メチルキノンを含み、これは、脱離基(例えば、スルホニル、オキシ、アミノなど)を介して結合したeTagレポーターを有する。
【0059】
異種の系を用いることにより、切断を引き起こすための第1の因子は、表面に結合し得て、eTagレポーター(表面に結合される場合)の放出のための環境を提供する。 第2の因子がeTagレポーターの放出を生じるのに必要とされる場合、eTagレポーターが結合した結合化合物が表面に結合するのに十分な時間の後に、第2の因子は、添加される。 標的が核酸の場合、核酸は、ssDNA結合タンパク質を表面に結合させることによるか、当該分野で公知の他の慣用的な方法によって、表面を含む第1の因子に、結合され得る。 一旦標的が表面に結合した場合、標的核酸配列に相同性のeTagレポーター結合オリゴヌクレオチドが添加され、第2の試薬が続いて添加される。 リガンドおよびタンパク質を用いて、表面上にレセプター(これは、一端に結合する)を有し得て、そして異なる部位に結合して当該分野で「サンドイッチ」と呼ばれるものを形成する、eTagレポーター結合化合物を有し得る。
【0060】
一重項酸素について、種々の感作因子(例えば、スクアレート(squarate)誘導体)を利用し得る。 例えば、Ullmanら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91、5426〜5430(1994)を参照のこと。 本発明において利用を見出される組み合せの例は、米国特許第5,536,498号;同第5,536,834号;ここで援用される参考文献;H. H. WassermanおよびR. W. Murray. Singlet Oxgen、Academic Press、New York(1979);A. L. Baumstark、Singlet Oxgen、Vol. 2、CRC Press Inc. 、Boca Raton、FL 1983において見出され得る。 他の切断機構は、WO99/64519;WO99/13108;WO98/01533、およびWO97/28275において見出され得る。
【0061】
一重項酸素は、広く種々の二重結合と反応し、eTagレポーターの分離を伴うオキソ基への二重結合を切断を伴う。 例示されるオレフィンは、α−メチン(CH、少なくとも1つの水素原子を有する炭素原子)を有する炭素原子において置換されたビニルスルフィド、ビニルエーテル、エナミン、イミン、を含み、ここでビニル基は、環の中に存在し得、ヘテロ原子は、環の中に存在し得、または、環状オレフィン炭素原子上で置換され、そしてオレフィン炭素原子に結合した少なくとも1つから4つまでのヘテロ原子が存在する。 生じたジオキセタンは、自然に分解され得、外界温度より上の温度(通常、約75℃未満)で熱することによって、酸もしくは塩基との反応によって分解され得、または感作因子の存在下、もしくは非存在下で光分解性に分解され得る。 多くの論文が一重項酸素で分解され得る種々の化合物を記載し、ここで、論文は頻繁に発光に関心を持ち、その結果、化合物は、切断のみが、結合化合物からのeTagレポーターの放出に必要である本発明の目的について必要とされるより複雑になった構造を有する。 従って、ほとんどの部分について、合成の便宜性、結合化合物に連結した状態での安定性および結合の条件、ならびに放出の効率は、特定の構造を選択するにおいて主な因子である。
【0062】
より広い文献の例示である、関心の持たれる文献は、以下を含む:AdamおよびLiu、J. Amer. Chem. Soc. 94、1206〜1209、Andoら、J. C. S. Chem. Comm. 1972、477〜8、Andoら、Tetrahedron 29、1507〜13、1973、Andoら、J. Amer. Chem. Soc. 96、6766〜8、1974、AndoおよびMigita、同書 97、5028〜9、1975、WassermanおよびTerao、Tetra. Lett. 21、1735〜38、1975、AndoおよびWatanabe、同書 47、4127〜30、1975、Zaklikaら、Photochemistsry and Photobiology 30、35〜44、1979、およびAdamら、Tetra. Lett. 36、7853〜4、1995。 米国特許第5,756,726号もまた参照のこと。
【0063】
ジオキセタンの形成は、オレフィンの1つの炭素原子においてeTagレポーターで置換され、そして他の炭素原子において結合化合物に置換された活性化オレフィンとの一重項酸素の反応によって得られる。 例えば、米国特許第5,807,675号を参照のこと。 これらの化合物は、以下の式によって示される:
(eTagレポーター−W)(X)
n C α =C β (Y)(Z) ここで:
Wは、結合、ヘテロ原子(例えば、O、S、N、P、M(安定な共有結合を形成する金属を示す))または官能基(例えば、カルボニル基、イミノ基など)であり得、XまたはC
αに結合し得る; 少なくとも1つのXは、脂肪族、芳香族、脂環式、またはヘテロ環式であり、ヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)を介してC
αに結合して、他のXは、同じか異なり得て、さらに水素、脂肪族、芳香族、脂環式、またはヘテロ環式であり得て、通常、芳香族か、芳香族へテロ環式であり、ここで1つのXは、一般に、水素以外が、約1から20の、通常、1から12の、より通常には、1から8の炭素原子である場合、Yと一緒になって、これらが結合する炭素原子と共に環(通常、ヘテロ環式)を形成し得、そして1つのXが、0〜6、通常0〜4のヘテロ原子を有し、一方で、他のXは、少なくとも1つのヘテロ原子および最大6このヘテロ原子(通常1〜4個のヘテロ原子)を有する; Yは、Xの定義に入り、通常へテロ原子を介してC
βに結合し、示されるように、Xと一緒になって、ヘテロ環式環を形成し得る: Zは、通常、芳香族性であり、ヘテロ環式芳香族を含み、上に記載するように、約4〜12の炭素原子、通常、4〜10の炭素原子および0〜4のヘテロ原子を含み、上に記載するように、直接C
βに結合するかヘテロ原子を介して結合する; nは、eTagレポーターがC
αに結合するかXに結合するかに依存する1または2である; ここで、YおよびZの1つは、結合メンバーに結合する官能基を有するか、または結合メンバーに結合する。
【0064】
式に示されていないが、1つ以上のeTagレポーターを1つまたは両方のXに結合させることによって、複数のeTagレポーターを1つの分子に有し得る。
【0065】
例示的な化合物としては、S−(eTagレポーター)3−チオールアクリル酸、N−(eTagレポーター)、N−メチル 4−アミノ−4−ブタン酸、O−(eTagレポーター)、3−ヒドロキシアクロレイン、N−(4−カルボキシフェニル) 2−(eTagレポーター)イミダゾール、オキサゾール、およびチアゾールが挙げられる。
【0066】
式:−(CO)X
1 (A)の二価基で9位において置換されたN−アルキルアクリジニル誘導体もまた目的のものであり、ここで: X
1は、O、S、NおよびSeからなる群から選択されるヘテロ原子であり、通常は最初の3種のうちの1つであり、そしてAは、eTagレポーターで置換された、少なくとも2個の炭素原子、そして通常は6個以下の炭素原子の鎖であり、ここで好ましくは、Aの他の原子価は水素により満たされているが、この鎖は、他の基(例えば、アルキル、アリール、複素環式等の基)で置換され得、Aは、一般的には、10個以下の炭素原子である。 【0067】
ジヘテロシクロペンタジエン(置換されたイミダゾール、チアゾール、オキサゾ−ル等により例示される)のような複素環式化合物もまた目的のものであり、ここでこれらの環は、通常少なくとも1つの芳香族基で置換され、そしていくつかの例では、加水分解がeTagレポーターを放出するために必要である。
【0068】
テルル(Te)がそのTe原子に対してβの水素原子を有するエチレン基に結合したTe誘導体もまた目的のものであり、ここでこのエチレン基は、脂環式環または複素環式環の一部であり、これらの環は、オキソ基を有し得、好ましくは、芳香環に縮合され、そしてTeの他の原子価は、eTagレポーターに結合される。 これらの環は、クマリン、ベンゾオキサジン、テトラリン等であり得る。
【0069】
質量改変領域(電荷改変領域も検出可能標識も含まない)は、通常中性有機基、脂肪族、脂環式、芳香族または複素環式であり、ここでヘテロ原子は、アッセイプロトコルで採用される条件下で中性である。 ヘテロ原子は、オキシとしての酸素、または非オキソカルボニルもしくはオキソカルボニルとしての酸素、チオもしくはチオノとしての硫黄、ハロ、アミド、ニトロもしくはシアノとしての窒素、ホスファイトもしくはホスフェートトリエステルとしてのリン等であり得る。 好都合には、この領域は、以下であり得る:メチレン(ポリメチレンを含む)、アルキレンオキシ(ポリアルキレンオキシを含む)、特に2〜3個の炭素原子のアルキレン;アリールまたは置換アリール(例えば、フェニレン、ジフェニレン、シアノフェニレン、ニトロフェニレン、チオフェニレン、クロロフェニレン、フラニレン);アミノ酸(例えば、N−アシルグリシンアミドおよびポリグリシンアミド(置換グリシンアミドを含む));シクロペンチレン;ビス−ビフェニレン−E(ここで、Eは、カルボニル、オキシ、チオ、ウレイド、メチレン、イソプロピレンなど)等。 質量改変領域は、一般的には約1〜100個、より通常には1〜60個の水素以外の原子であり、一般的には、少なくとも1つの炭素原子および60個までの炭素原子ならびに約0〜40個のヘテロ原子、通常約0〜30個のヘテロ原子を有する。
【0070】
電荷改変領域は、存在する他の基、および分子中の中和されていない電荷の数を減少することかまたは中和されていない電荷の数を増加することのいずれが所望されるかに依存して変化する。 分子中の電荷は、電荷改変基以外(例えば、標識)に起因し得、領域間の接続基は、電荷改変領域、連結領域、およびeTagレポーターと共に保持される結合化合物の任意の残基中に含まれ得る。 大部分については、eTagレポーターは、全体として負電荷を有するが、いくつかの例において、特に正のeTagレポーターおよび負のeTagレポーターが同じ電気泳動分離において決定されるべき場合、全体として正電荷が存在し得る。 負電荷は、ホスフェート(ホスホネート、ホスフィネート、チオホスフェートなどを含む)、ボレート、カルボキシレート、スルホネート、エノレート、フェノキシドなどにより付与され得る。 正電荷は、アミンおよび置換アミン(例えば、アンモニウム)、スルホニウム、ヒドラジン、イミン、アミジン、金属イオン(特にキレートおよびメタロセンとして)等により付与され得る。 電荷改変領域は、水素以外の1〜60個の原子、通常約1〜30個の原子を有し得、ここで少なくとも1つのヘテロ原子(酸素、窒素、硫黄、ホウ素、リン、金属イオンなどであり得る)が存在する。
【0071】
質量改変機能および電荷改変機能を単一の領域において、ポリ(アミノ酸)を使用する簡便な様式で組み合わせ得、ここで天然に存在するアスパルテートおよびグルタメートは、負電荷を付与するように作用し得、そして天然に存在するリジン、アルギニンよびヒスチジンは、正電荷を付与するように作用し得る。 しかし、非天然アミノ酸(例えば、スルホン酸、ホスホン酸、およびボロン酸で置換されたアミノ酸)の使用を所望し得る。 他の領域と関連した適切な選択により、多数の異なる移動度が、達成され得る。 質量改変領域と組み合わせて使用される場合、異なる移動度を有するeTagレポーターの数は、大幅に拡大される。
【0072】
置換されたジオールもしくはジアミンと二塩基酸(ここで置換基は荷電されている)との組合せを使用して、ジエステルおよびジアミドを形成し得る。 このようなオリゴマーの例示は、ジオールまたはジアミノの組合せ(例えば、2,3−ジヒドロキシプロピオン酸、2,3−ジヒドロキシコハク酸、2,3−ジアミノコハク酸、2,4−ジヒドロキシグルタル酸など)である。 これらのジオール化合物またはジアミノ化合物は、二塩基酸により連結され得、これらの二塩基酸としては、上記に示される無機二塩基酸、ならびにシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、炭酸、クエン酸、酒石酸などのような二塩基酸が挙げられる。 あるいは、ヒドロキシルまたはアミンをアルキレン基もしくはアリーレン基、ジカルボニル、活性化ジハロ化合物などで連結し得る。 他の組合せとしては、置換ジチオールが挙げられ、これらは、ジエン、活性化ジハロ化合物などと共重合され得る。 従って、異なるモノマーの適切な選択により、低次オリゴマーが生成され得、次いで、これらは、分子量により分離され得る。
【0073】
検出領域としては、分光測定的および/または電気化学的に検出され得る任意の標識が挙げられ得る。 広範な種々の標識が、電気泳動デバイスにおける検出のために利用可能である。 一般的に使用される蛍光色素(fluorescer)としては、フルオレセインおよびフルオレセイン誘導体、ランタニド色素、ローダミンおよびローダミン誘導体、Cy−5、Cy−3、HEX、TET、スクアレートおよびシアニン色素が挙げられる。 これらの色素は、分子の全体の電荷に加えるかまたは減らすように、荷電されていても非荷電でもよい。 電気化学的標識もまた有用である(例えば、フェロセンおよびルテニウム錯体)。
【0074】
経済的および操作性の理由のために、一般的には、励起用レーザーの使用をできるだけ少なくすることが望ましい。 従って、エネルギー吸収体(absorber)を励起に対して一定に維持して、エネルギー吸収体/伝達物質(頻繁には、蛍光色素)の組合せ、およびエネルギー受容体(receiver)/放射体(通常、蛍光色素)の組合せを使用することが望ましく、ここで2つの実体間のエネルギー交換は、ストークスシフトの変化に起因する発光波長のバリエーションを可能にする。 色素の組合せとしては、フルオレセインとHEX(ex
488nm 、em 560nm )、およびフタロシアニン(ex 488nm 、em 690nm )が挙げられる。 エネルギー移動のための適切な近傍に結合されるべき蛍光色素の種々の組合せを提供し得る。 連結領域または質量改変領域におけるリボシル基は、エネルギー移動対のメンバーである連結のための1つのヒドロキシル基、および鎖への挿入のための2つのヒドロキシルを提供し、一方、2つの蛍光色素で置換されたデオキシリボースは、側鎖としてヒドロキシ基と反応し得る。 エネルギー移動対のメンバーが結合される、使用される特定の単位は、質量改変および/または電荷改変を生じるように選択され得る。 【0075】
eTagレポーターの移動度は、式(M/z)
2/3に従って質量/電荷比に依存するだけでなく、構造にも依存する。 剛直で分子を拡張させる、eTagレポーター内の実体は、抗力を増大させ、それにより移動度を減少させる。 従って、剛直な基(例えば、芳香族、5および6員環の複素環(例えば、テトラヒドロフラン)、ポリエンおよびポリアセチレン)を使用することにより、たとえ電荷に対する質量の比が有意に異ならなくとも、移動度の差異を増大し得る。 【0076】
ヌクレオチドを含むeTagの合成は、標準的なホスホラミダイト化学を使用するプローブ合成の間に固相支持体上のアセンブリにより容易に、かつ効率的に達成され得る。 eTagレポーターは、最後のヌクレオシド残基のカップリング後に、プローブの5'末端において構築され、これは、アッセイの間、eTagレポーターの一部になる。 eTagレポーターのビルディングブロックの末端の一方に、ヌクレオチドチオホスフェートフェートを結合し得る。 1つのアプローチでは、eTagレポーターは、単一またはいくつかのモノマーホスホラミダイトビルディングブロック(1つが検出可能な領域(例えば、色素)を含有する)から連続的に構築され、これらのビルディングブロックは、その質量対電荷比に基づいて独特の電気泳動移動度を有するeTagレポーターを生成するように選択される。 従って、eTagレポーターは、ホスフェートリンカーで架橋された種々の電荷対質量比のモノマー単位から構成される(図A)。 9質量単位だけ異なるeTagレポーターの分離(表1)は、実証された。 eTagレポーター合成に採用されたヌクレオシドホスホラミダイトは、最初に改変されるかまたは天然の残基であるかのいずれかである。 フルオレセインは、使用される最初の色素であったが、他の色素も同様に使用され得る。
【0077】
【化4】
(図A.)以前に記載した標準的なホスホラミダイトカップリング化学を使用した、固相支持体上のeTagレポーターの設計および合成。 ホスホラミダイトビルディングブロックと、その推定溶出時間との組合せのいくつかが、表2に示される。 図Bに示されるように、eTagレポーターは、シグナルの連続的スペクトルを生成(1つも同時に溶出することなく次々に溶出する)ように合成される(図B)。
【0078】
【化5】
(図B.)独特の電荷対質量比を有するように設計されたeTagレポーターの分離。
【0079】
【表1】
(表1.)LabCard(説明については実験項を参照のこと)上で分離されたeTagレポーター(検出:4.7cm;200V/cm)。
【0080】
【表2】
(表2.)eTagレポーターの推定溶出時間および実験的(
* )溶出時間。 C 3 、C 6 、C 9 、C 18は、Glen Research,Sterling VAからの市販のホスホラミダイトスペーサーである。 これらのユニットは、N,N−ジイソプロピル,O−シアノエチルホスホラミダイトの誘導体であり、これは、「Q」で示される。 C 3は、DMT(ジメトキシトリチル)オキシプロピルQであり;C 6は、DMTオキシヘキシルQであり;C 9は、DMTオキシ(トリエチレンオキシ)Qであり;C 12は、DMTオキシドデシルQであり;C 18は、DMTオキシ(ヘキサエチレンオキシ)Qである。 【0081】
上記のeTagレポーターの全ては、うまく作用し、そして容易に分離可能であり、そして40分後に溶出する。 より早く溶出するeTagレポーターを生成するために、高度に荷電した低分子量のeTagレポーターが必要とされる。 いくつかの型のホスホラミダイトモノマーは、早い溶出時間を有する高度に荷電したeTagレポーターの合成を可能にする。 ジカルボキシレートホスホラミダイト(図C)の使用は、モノマーのカップリングあたり3負電荷の付加を可能にする。 一般的リン酸化試薬と組合せたポリヒドロキシル化ホスホラミダイト(図D)は、高度にリン酸化されたeTagレポーターの合成を可能にする。 これらの試薬と他の質量改変リンカーホスホラミダイトとの組合せは、早い溶出時間を有するeTagレポーターの合成を可能にする。
【0082】
【化6】
(図C.)電荷改変基ホスホラミダイト(ECまたはCEは、シアノエチルである)
【0083】
【化7】
(図D.)ポリヒドロキシル化電荷改変基ホスホラミダイト。
【0084】
異なる電気泳動移動度を有する上述の標識結合体は、多重増幅および複数の標的(例えば、核酸標的)の検出を可能にする。 標識結合体は、一般的な標識のための様式と同様の様式で、酵素で切断可能な結合により、オリゴヌクレオチドに連結される。 当然のことながら、多重測定を行うための任意の数の標識結合体を調製することは、本発明の範囲内である。 従って、例えば、単一の分離チャネルで分離される40〜50種の異なる標識結合体、および単一のミクロ流体チップ上の96の分離チャネルを用いる96の異なる増幅反応では、4000〜5000の一ヌクレオチド多型を検出し得る。
【0085】
9質量単位だけ異なる(表1)eTagレポーターの分離は、図7に示されるように実証された。 プローブ合成の間の最後から2番目のカップリングは、最初に市販の改変された(および未改変の)ホスホラミダイト(表2)を使用して行われる。 この残基は、標的鎖におけるそのパートナーに対する水素結合を形成し得、そして質量改変基であるとみなされるが、潜在的に電荷改変基でもあり得る。 このカップリングの間に形成されるホスフェート架橋は、5'−ヌクレアーゼアッセイの間に切断される結合である。 最後のカップリングは、色素のホスホラミダイトアナログを使用して行われる。 フルオレセインは、簡便に使用されるが、他の色素も使用され得る。
【0086】
1つの合成アプローチをスキーム1に概説する。 市販の6−カルボキシフルオレセインから出発して、フェノール性水酸基を、酸無水物を使用して保護する。 ピリジン中の無水イソ酪酸を使用したが、他の変形が同等に適切である。 保護基としてのエステル官能基を選択することの重要性に注目することは重要である。 この種は、ホスホラミダイトモノマー合成の間およびオリゴヌクレオチド構築の間を通してインタクトなままである。 これらの基は、合成されたオリゴがアンモニアを使用して脱保護されるまで除去されない。 保護の後、次いで、粗製物質をインサイチュでDCCをカップリング剤として使用するN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS−エステル)の形成を介して活性化する。 DCU副生成物は、濾別され、そしてアミノアルコールを添加する。 多くのアミノアルコールが市販され、これらのうちのいくつかは、アミノ酸の還元から誘導される。 アミンのみが、N−ヒドロキシスクシンイミドを置換するのに十分反応性である。
【0087】
【化8】
標準的な抽出後処理で、収率95%の生成物が得られる。 この物質をホスフィチル化(phosphitylate)してホスホラミダイトモノマーを生成する(スキーム1)。 さらなるeTagレポーターの合成のために、対称ビスアミノアルコールリンカーが、アミノアルコールとして使用される(スキーム2)。 次いで、それ自体の第2のアミンは、ホスフィチル化反応の前に、多数のカルボン酸誘導体(表1)とカップリングされる。 この方法論を使用して、種々の電荷対質量比を有する数百、数千のeTagレポーターが、標準的な化学を使用してDNA合成機でのプローブ合成の間に容易に構築され得る。
【0088】
【化9】
さらなるeTagレポーターは、5−アミノフルオレセインを出発物質として使用する代替のストラテジーにより入手される(スキーム3)。 大容積の溶媒中での5−アミノフルオレセインの大過剰の二酸二塩化物への付加により、二量体形成よりもモノアシル化生成物の優勢な形成が可能となる。 フェノール基は、これらの条件下では反応性ではない。 水性後処理は、末端酸塩化物をカルボン酸に変換する。 この生成物は、6−カルボキシフルオレセインに類似し、そして同じ一連の工程を使用して、その保護されたホスホラミダイトモノマーに変換する(スキーム3)。 多くの市販の二酸二塩化物および二酸(SOCl
2または塩化アセチルを使用して二酸塩化物に変換され得る)が存在する。 この方法論は、第2の質量改変基が使用されるという点で非常に魅力的である。 このように、10種の市販の改変されたホスホラミダイトおよび10種の二酸二塩化物および10種のアミノアルコールを入手した場合、1000種の異なるeTagレポーターの可能性が存在する。 多くの市販の二酸二塩化物およびアミノアルコールが存在する(表3)。 これらの合成アプローチは、理想的には、コンビナトリアルケミストリーに適している。 【0089】
【表3】
(表3.)アミノ色素のeTagレポーターホスホラミダイトモノマーへの変換のために使用され得る質量改変基および電荷改変基。
【0090】
【化10】
置換アリール基は、質量改変領域および電荷改変領域の両方として作用し得る(表4)。 種々の官能基が、芳香族基(例えば、フェニル)上に置換されて、質量並びに電荷をeTagレポーターに与え得る。 アリール基は、末端基(ここで1つの連結官能基のみが必要であり、その結果遊離のヒドロキシル基がアシル化され得る)であり得るか;eTagレポーター鎖上に存在するヒドロキシルに側鎖として結合され得るか;または亜リン酸(phophite)エステル形成に役立ち得る2つの官能基(例えば、フェノール性ヒドロキシル)および他の置換基(例えば、ハロ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルコキシカルボニル、アルキルチオなど)を有し得、ここでこれらの基は、荷電していても荷電していなくても良い。
【0091】
【表4】
(表4.)質量改変基および電荷改変基としての安息香酸誘導体(各改変基の下に質量を記す)
種々のマレイミド誘導体化eTagレポーターも合成された。 これらの化合物は、続いて5'−チオール修飾DNA配列に生体結合体化(bioconjugate)され、そして5'−ヌクレアーゼアッセイにかけられた。 切断の際に形成された種を表5に示す。
【0092】
【表5】
(表5.)マレイミド連結前駆体から誘導体化されたeTagレポーター。
【0093】
結合化合物に連結するための適切な官能基を一方の末端に有するeTagレポーターが、構築され得る。 従って、オリゴヌクレオチドについては、連結部位のホスホラミダイトまたはリン酸エステルを、特にオリゴヌクレオチドが合成された後、まだ固体支持体上にある間にかつブロック基が除去される前に、オリゴヌクレオチド鎖(5'または3'のいずれか)に結合させる。 オリゴヌクレオチドをeTagレポーターに連結するための他の技術(例えば、オリゴヌクレオチド末端にeTagレポーター上の官能基と特異的に反応する官能基(例えば、還元的アミノ化条件下の、マレイミドおよびチオール、またはアミノおよびカルボキシ、またはアミノおよびケト)を有する)が存在するが、ホスホラミダイト付加が好ましい。 ペプチド結合化合物については、オリゴヌクレオチド官能基と同じくらい、種々の官能基が使用され得るが、ホスホラミダイト化学は、時々しか適切でないことがある。 従って、ペプチドに通常存在する官能基(例えば、カルボキシ、アミノ、ヒドロキシおよびチオール)は、共有結合を形成するための反応性官能基の標的であり得る。
【0094】
eTagレポーター標識核酸結合化合物を調製する際に特に興味が持たれるものは、固体支持体ホスホラミダイト化学を使用して、オリゴヌクレオチド合成の一部としてeTagレポーターを構築することである。 この手順を使用して、オリゴヌクレオチド鎖の5'または3'位(通常5'位)に次に続くホスフェートを結合する。 付加されたホスホラミダイトは、天然のヌクレオチドまたは非天然のヌクレオチドを有し得る。 ホスホラミダイト化学の代わりに、他の型のリンカー(例えば、チオアナログ、アミノ酸アナログなど)を使用し得る。 また、置換ヌクレオチドを使用し得、ここで質量改変領域および/または電荷改変領域は、このヌクレオチドに結合され得るか、またはリガンドがヌクレオチドに結合され得る。 このように、eTagレポーターの領域を含むホスホラミダイト連結が、付加され、それにより、オリゴヌクレオチド鎖の合成が完了した場合、分子を完成するためにeTagレポーターの領域の付加を続ける。 簡便には、一方の末端およびブロックされた官能基においてホスホラミダイトまたはリン酸エステルを有する異なる領域の各ビルディングブロックを提供し、ここで遊離の官能基は、ホスホラミダイト、主にヒドロキシルと反応し得る。 ある部位にホスホラミダイトを有し、そして別の部位に保護されたヒドロキシルを有する、異なる領域のための分子を使用することにより、eTagレポーターは、末端領域(保護ヒドロキシルを必要としない)まで構築され得る。
【0095】
合成例は、以下を使用する:ジオール(例えば、2〜3個の炭素原子のアルキレンを有する、アルキレンジオール、ポリアルキレンジオール);アルキレンアミンまたはポリ(アルキレンアミン)ジオール(ここでアルキレンは、2〜3個の炭素原子であり、そして窒素は、例えば、ブロック基または1〜6個の炭素原子のアルキル基で置換される);ここで、1つのジオールは、従来の保護基(例えば、ジメチルトリチル基)でブロックされる。 この基は、質量改変領域として作用し得、アミノ基は、同様に電荷改変領域として作用し得る。 所望の場合、質量改変基は、ホスホラミダイト化学により接続されるビルディングブロックを使用することにより構築され得る。 このようにして、電荷改変基は、質量改変基の間に点在し得る。 例えば、1個、2個、3個、n個の単位を有する一連のポリエチレンオキシド分子を調製し得る。 多数の負電荷を導入することが所望される場合、小ポリエチレンオキシド単位を使用し得、そしてホスフェート単位により結合される複数のポリエチレンオキシド単位を有することにより、質量および電荷改変領域を構築し得る。 あるいは、大きなスペーサーを使用することにより、より少ないホスフェート基が存在し、その結果大きな質量差がなくても、質量対電荷比の大きな差を有する。
【0096】
使用される化学は、オリゴヌクレオチド合成で使用される従来の化学であり、ここでヌクレオチド以外のビルディングブロックが使用されるが、反応は、従来のホスホラミダイト化学であり、そしてブロック基は、従来のジメトキシトリチル基である。 当然のことながら、自動化合成機に適合性の他の化学もまた使用され得るが、このプロセスにさらなる複雑性を付加する理由は存在しない。
【0097】
ペプチドについては、eTagレポーターは、連結基の化学およびペプチド結合化合物上の官能基の有効性に従って連結される。 例えば、標的化合物に特異的なFabフラグメントでは、チオール基は、チオエーテル形成のための活性オレフィン(例えば、マレイミド)の使用に有効である。 リジンが利用可能である場合、水中で反応し得る活性化エステル(例えば、ニトロフェニルエステルまたはペンタフルオロフェニルエステル、カルボジイミドを伴う混合無水物および炭酸ハーフエステル)を使用し得る。 文献には結合体化に関する豊富な化学が存在し、その結果、それぞれの特異な状況について、結合体化についての文献中に豊富な前例が存在する。
【0098】
一旦、eTagレポーターに結合した結合化合物が調製されると、これは既に議論したような多くの異なったアッセイおける用途を見出し得る。 このサンプルは溶解、タンパク質および脂質からの核酸分離およびその逆、ならびに異なった画分の濃縮を使用して処理され得る。 核酸に関連する決定において、DNAの供給源は任意の生物、原核細胞、および真核細胞、組織、環境サンプルなどであり得る。 DNAまたはRNAは従来の手段で単離され得、RNAは逆転写され得、DNAはPCRなどを用いて、増幅され、プライマーは続く処理での用途のためにリガンドと共に使用され得、DNAは制限酵素を使用してフラグメント化され得、特定の配列が、支持体などに結合した相同配列を使用して濃縮され得るか、または除去され得る。 タンパク質は、沈澱、抽出、およびクロマトグラフィーを使用して単離され得る。 このタンパク質は個々のタンパク質としてか、または様々な凝集体(例えば、細胞小器官、細胞、ウイルスなど)中に結合して存在し得る。 一旦、標的成分が予備的に処理されると、次いで、このサンプルはeTagレポーター標的化結合タンパク質と結合し得る。
【0099】
核酸サンプルについて、プロセッシング後、標的配列に対するeTagレポーターのプローブ混合物が、ハイブリダイゼーション条件下で、必要であれば他の試薬と共に、サンプルと合わせられる。 この反応が異種である場合、この標的配列は、eTagレポーターが結合するハイブリッドを隔離するための逆の(reciprocal)結合メンバーに対する結合についてのリガンドを有する。 この場合、eTagレポーター標識化プローブの有無の両方の場合において、リガンドを保持するDNAサンプルの全ては隔離される。 このサンプルを隔離し、非特異的結合eTagレポーター標識化プローブを、プローブ配列に基づいて事前に決定したストリンジェンシーの下で、高温での洗浄、塩濃縮、有機溶媒などを使用して除去した後、eTagレポーターを、分析のために電気泳動緩衝溶液中に放出した。
【0100】
均質アッセイについて、サンプル、eTagレポーター標識プローブ混合物および補助的な試薬を、反応混合物中で合わせ、結合領域の切断を支持する。 この混合物を、eTagレポーターをこの他の成分から分離するために処理し得る。 次いで、この混合物(eTagレポーターの濃縮がされるか、またはされない)を、電気泳動デバイス(通常は、微量流体電気泳動デバイスまたはキャピラリー電気泳動デバイスおよび電気泳動分離のために必要に応じて改変した培地)に移し得る。 この分離チャネルからインタクトなeTagレポーター分子を取り出したい場合、リガンドを、eTagレポーターが放出される場合に放出されないeTagレポーターに結合する。 あるいは、全体の電荷がeTagレポーターの電荷と逆になるようにeTagレポーターと反対の電荷を有する逆の結合メンバーを添加することによって、これらの分子は放出されたeTagレポーター分子から反対の電極の方へ移動する。 例えば、ストレプトアビジンが正電荷を保持する場合、ビオチンおよびストレプトアビジンを用い得る。 オリゴヌクレオチドの場合、eTagレポーター標識は少なくとも2つのヌクレオチドに結合し、ここでeTagレポーターの放出を伴って2つのヌクレオチド間で切断が生じ、ビオチン標識されたジヌクレオチドの末端のヌクレオチド(eTagレポーターがビオチン化ヌクレオチドなしで放出される)を伴う。 ペプチド分析物の場合、リガンドがペプチド分析物と共に保持される部位で切断が起きる。 例えば、eTagレポーターのメチオニンのメチル基を置換し得る。 改変メチオニンのピラゾロンを使用して、利用可能なリジンに結合し得る。 ピラゾロンのアミノ基はビオチンで置換される。 次いで、切断がブロモシアンにより達成され、eTagレポーターが放出されるが、ビオチンが、ペプチドおよび結合メンバーから放出されなかったeTagレポーターと共に残る。 次いで、アビジンを使用して極性を変化するか、またはこの結合化合物に結合したeTagレポーターを隔離する。
【0101】
eTagレポーターの電気泳動による分離は、従来の方法で実施され得る。 例えば、米国特許第5,750,015号;同5、866、345号;同5,935,401号;同6,103,199号および6,110,343号ならびにWO98/5269、ならびにこれらに引用される参考文献を参照のこと。 また、このサンプルを、従来の方法における質量分析法のために調製し得る。 例えば、米国特許第5,965,363号;同6,043,031号;同6,057,543号;および同6,111,251号を参照のこと。
【0102】
便宜のため、インサイチュでeTagレポーターを調製するためのビルディングブロックを含むキットが提供され得るか、または結合化合物に直接結合するためのeTagレポーターを組立て得る。 オリゴヌクレオチド合成の間にインサイチュでeTagレポーターを調製するために、ホスホルアミダイトまたはホスフェート提供し、ここで、このエステルは、特に1〜3個の炭素原子からのアルキル基およびシアノエチル基を含み、ホスホルアミダイトについて、ジアルキルアミノを提供し、ここでアルキル基は1〜4個の炭素原子のアルキル基であり、他の基は保護された水酸基であり、ここでこの保護基はオリゴヌクレオチド合成に対して一般的であり、例えばジメトキシトリチルである。 多くのeTagレポーター(すなわち、20以上である)に対して、1つのキットは少なくとも3つの各質量改変領域(mass−modifying regions)および電荷改変領域(charge−modifying regions)を提供し、各々は少なくともホスフェート連結基をおよび保護された水酸基を有する。 この2つの官能基は2以上の原子、通常は約60以下の原子によって分離されており、そしてビシナルであり得る(α、β〜α、ω)。 この化合物の性質は上で議論した。 最も単純な場合で、亜リン酸誘導体は電荷改変領域としての役割を担い、ゆえに、質量改変領域および電荷改変は単一の基として加えられ得る。 さらに、この化合物は少なくとも2つの検出可能な領域を有し、これは、リン酸リンカーおよび合成目的のために保護された他の官能基を有する蛍光剤である。 あるいは、連結のために使用され得る2つの官能基の存在を可能にする検出領域を有するかわりに、他の領域の1つは末端領域としての役割を果たし得る。 また、この領域の1つは、オリゴヌクレオチド鎖への直接的な連結のために便宜的にモノヌクレオチドまたはジヌクレオチドに連結され得、ここで切断がeTagレポーターに結合したヌクレオチドの3'部位で生じる。 三置換基または四置換基を使用することによって、エネルギー移動のための対を提供する検出可能な領域を提供し得る。 複数の発光因子を有して異なるeTagレポーターの数を拡大しつつ、1または2の異なるエネルギー移動因子を有することだけが必要である。
【0103】
有用である他の薬剤は、リガンド改変ヌクレオチドおよびそのレセプターを含み得む。 リガンドおよびレセプターとしては、ビオチンおよびストレプト/アビジン、リガンド、抗リガンド、例えば、ジゴキシンまたはそれの誘導体および抗ジゴキシンなどが挙げられる。 このオリゴヌクレオチドにリガンドを結合することにより、eTag結合オリゴヌクレオチドプローブおよびこのレセプターを有する標的を隔離し得、ハイブリダイズしていないeTagレポーター結合オリゴヌクレオチドを除去し得、次いで結合したeTagレポーターを放出し得るか、または逆の電荷のレセプターに結合し得、その結果、eTagレポーターとのリガンド−レセプター複合体が反対方向に移動する。
【0104】
このeTagレポーターを調製した場合、さらなる結合領域が存在し、これは、上の記載では亜リン酸誘導体またはモノヌクレオチド単位もしくはジヌクレオチド単位の亜リン酸誘導体によって提供され得る。 これらのeTagレポーターに対して、リン酸結合に限定する必要はなく、他の便宜的な化学、特に自動化された化学を使用し得る。 従って、亜リン酸および保護アルコールの代りに、カルボキシおよびアルコールまたはアミノ、活性化オレフィンおよびチオール、アミノおよびオキシ−カルボニルを使用し、特に還元アミノ化を用いる場合、活性化ハライドと共に水酸基を使用するかまたは別の水酸基を使用して、エーテルなどを形成し得る。 同一であるか、または異なった官能性を有する二官能性である化合物を使用し得、ここでこの化合物は、eTagレポーター生成のための二価酸およびジオールまたはヒドロキシ酸または環状エステルを有し得る。 これらのタイプの化合物の多くの例が既に多く記載されており、そして文献において周知である。 適切なモノマーおよび条件の選択によって、特定の反応順序(すなわち反応するモノマーの数)を選択し得るか、または異なった移動度によってこの混合物を分離し得る。
【0105】
収着、吸着および/または吸収に基づいた分離について、分化を提供するeTagレポーターの性質は比較的単純であり得る。 組成物(例えば、脂肪族化合物、芳香族化合物およびこれらのハロ誘導体)の差異を使用することにより、ガスクロマトグラフィーの使用、電気的陰性の原子が存在する場合、電子捕獲また陰イオン質量分析法の使用によって、決定を行い得る。 このような方法で、炭化水素またはハロゲン置換炭化水素を、妥当なリンカーに結合したeTagレポーターとして使用し得る。 米国特許第5、565、324号および同6,001,579号を参照のこと(これらは切断可能基および検出可能基に関する関連開示について参考として具体的に援用される)。
【0106】
このキットは、少なくとも2つの検出可能領域および少なくとも10、通常は少なくとも20、および頻繁には少なくとも50以上の、それらの移動度によって分離可能な異なるeTagレポーターを有するのに、十分な試薬を含む。
【0107】
20の異なったeTagレポーターについて、5個の異なった質量改変領域、1個のリン酸結合および4個の異なった検出可能領域を必要とするにすぎない。 120個の異なったeTagレポーターについて、10個の異なった質量改変領域、3つの異なった電荷改変領域および4つの異なった検出可能領域を必要とするにすぎない。 500の異なったeTagレポーターについて、25つの異なった質量改変領域、5つの異なった電荷改変領域および4つの異なった検出可能領域を必要とするにすぎない。
【0108】
本発明が使用され得る様々な様式の包括的であって排他的でない列挙について、以下の表が提供される。
【0109】
(認識事象によって、eTagレポーターの生成または改変が生じる)
【0110】
【表6】
【0111】
【表7】
以下の実施例は説明目的で提供されるのであって、限定目的で提供されるものではない。
【0112】
(実験)
(修飾されたフルオレセインホスホルアミダイトの合成調製)
(ピバロイル保護したカルボキシフルオレセイン):50mL丸底フラスコ中に、5(6)−カルボキシフルオレセイン(0.94g,2.5mmol)、炭酸カリウム(1.0g,7.5mmol)および20mLの乾燥DMFを入れた。 この反応物を窒素下で10分間撹拌した後、無水トリメチル酢酸(1.1mL、5.5mmol)を、シリンジで添加した。 この反応物を室温で一晩撹拌して、次いで濾過することにより過剰な炭酸カリウムを除去し、最後に50mLの10%HClに注入された。 粘性の黄色固体を溶液から沈殿させた。 この水溶液をデカンテーションして、残った溶液を10mLのメタノール中に溶解した。 10%HClへのこの溶液の滴下によって微細な黄色沈殿物を生成した。 この黄色沈殿を濾過し、そして空気乾燥してオフホワイトの固体を得た(0.88g、62%)。 TLC(45:45:10 Hxn、EtOAc、MeOH)。
【0113】
(保護化されたピバロイルカルボキシフルオレセインのNHSエステル):200mL丸底フラスコに、保護化したカルボキシフルオレセイン(2.77g、5.1mmol)および50mLのジクロロメタンを添加した。 N−ヒドロキシスクシンイミド(0.88g、7.6mmol)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(1.57g、7.6mmol)を添加して、この反応物を室温で3時間攪拌した。 次いで、この反応物を濾過して、沈澱したジシクロヘキシル尿素副生成物を除去し、そして減圧下で約10mLの溶媒に減じた。 冷却しながらヘキサンを滴下して黄橙色の固体を生成した。 この固体をヘキサンで粉砕して、濾過し、そして空気乾燥して3.17g(95%)の生成物を得た。 TLC(45:45:10 Hxn、EtOAc、MeOH)。
【0114】
(アルコール)100mLの丸底フラスコに、NHSエステル(0.86g、1.34mmol)および25mLのジクロロメタンを入れた。 この溶液を窒素下で攪拌し、その後アミノエタノール(81μl、1当量)をシリンジで添加した。 この反応物をTLC(45:45:10 Hxn,EtOAc,MeOH)によってモニタリングし、そしてこの反応が10分後に完結したことを見出した。 次いで、このジクロロメタンを減圧下で除去し、そして残渣をEtOAc中に溶解し、濾過し、そして1gのシリカゲルで吸収した。 これを50gのシリカゲルカラムに敷き詰めて、Hxn:EtOAc:MeOH(9:9:1)を用いて溶出し、125mg(20%)の精製した生成物を得た。
【0115】
(ホスホルアミダイト)125mgのこのアルコールを含む10mLの丸底フラスコに、5mLのジクロロメタンを添加した。 ジイソプロピルエチルアミン(139μl、0.8mmol)をシリンジで添加した。 この無色溶液が明るい黄色に変化した。 2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホルアミダイト(81μl、0.34mmol)をシリンジで添加すると、この溶液は直ちに無色となった。 1時間後、TLC(45:45:10 Hxn,EtOAc,MeOH)によって、この反応が、接近して溶出する2つの異性体の形成を伴って完結したこと示された。 物質をシリカゲルカラム(45:45:10 Hxn:EtOAc:TEA)で精製して、両方の異性体を一緒に単離し、130mg(85%)を得た。
【0116】
(カルボン酸)4mLのバイアル中に、12−アミノドデカン酸(0.1g、0.5mmol)および2mLのピリジンを入れた。 この懸濁液に、クロロチリメチルシラン(69μL、1.1当量)をシリンジで添加した。 全ての物質が溶解した(10分)後、NHSエステル(210mg、0.66当量)を添加した。 この反応物を、室温で一晩攪拌して、次いで水中へ注ぎ、黄色固体を沈澱させ、これを濾過し、水で洗浄し、そして空気乾燥した。 TLC(45:45:10 Hxn:EtOAc:MeOH)によって、2つの異性体の混合物が示された。
【0117】
(残りの合成についての一般手順)上記のように生成したカルボン酸を、ジクロロメタン中の1.5当量のN−ヒドロキシスクシンイミドおよび1.5当量のジシクロヘキシルカルボジイミドを用いるNHSエステル形成によって活性化する。 得られたジシクロヘキシル尿素を濾過した後、1当量の様々なアミノアルコールで処理することによってアミド結合形成し、末端アルコールを生成する。 上記の標準的な条件を使用した亜リン酸化によって、このホスホルアミダイトを得る。
【0118】
(フルオレセインホスホルアミダイトの合成)
【0119】
【化11】
(ビオチン化2'デオキシシトシンホスホルアミダイトの合成;スキーム番号1:)
(3',5'−O−ジ−t−ブチルジメチルシリル−2'−デオキシウリジン(1)の合成)
2'−デオキシウリジン(4gm、17.5mmol)およびイミダゾール(3.47gm、52.5mmol)を30mlの乾燥DMF中に溶解し、そしてt−ブチルジメチルシリルクロリド(7.87gm、52.5mmol)をこの攪拌した溶液に室温で添加した。 3時間後、シリカゲルのTLC(10%MeOH+90%CH
2 Cl 2 )によって、全ての出発物質がより高いR fを有する新たな化合物へと変換されたことを示した。 この溶液を、少量になるまで濃縮し、次いで約200mlのエーテルを添加し、そして飽和塩化ナトリウム水溶液を用いて3回洗浄した。 この有機層を無水Na 2 SO 4で乾燥し、そしてこの濾液をエバポレートし、無色粘着性の物質を得た。 この無色粘着性の物質は白色固体生成物に変換した(8gm、100%)。 この生成物をHNMRおよびES−MSで同定した。 【0120】
(3',5'−O−ジ−t−ブチルジメチルシリル−N
4 −(1,2,4−トリアゾロ)−2'−デオキシシチジン(2)の合成:) 1,2,4−トリアゾール(19.45gm,282mmol)を300mlの無水CH
3 CNに0℃で懸濁し、8mlのPOCl 3 、次いで50mlのトリエチルアミンを5分間かけて徐々に添加した。 1時間後、3',5'−O−ジ−t−ブチルジメチルシリル−2'−デオキシウリジン(1)(9gm、19.7mmol)を200mlの乾燥CH 3 CN中に溶解し、そしてこの反応物に20分間にわたって添加した。 この溶液を室温で16時間攪拌した後、TLC(100%エーテル)によって、全ての出発物質がより低いR fを有する新たな化合物に変換したことが示された。 この反応混合物を濾過し、CH 3 CNの体積を減じ、酢酸エチルで希釈し、そして飽和NaHCO 3水溶液で洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄した。 この有機層を、無水Na 2 SO 4で乾燥し、そしてこの溶媒をエバポレートし、トルエンから同時エバポレートして黄色固体生成物(10gm、100%)を得た。 この生成物をHNMRおよびES−MSで同定した。 【0121】
(3',5'−O−ジ−t−ブチルジメチルシリル−N
4 −(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノ)−2'−デオキシシチジン(3)の合成:) 4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン(10.44gm,47.4mmol)を100mlのジオキサン中に溶解して、次いで3',5'−O−ジ−t−ブチルジメチルシリル−4−(1,2,4−トリアゾロ)−2'−デオキシシチジン(2)(8.03gm,15.8mmol)を、200mlのジオキサン中に溶解して(これを約50℃まで加熱して、そしてこれを室温まで冷却した)、そして、4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミンへ激しく攪拌しつつ室温で10分で滴下した。 5時間後、シリカゲルのTLCによって、全ての出発物質が低いR
fを有する新たな化合物へと変換されたことを示し、この得られた混合物をエバポレートして乾固した。 この残渣をジクロロメタンに溶解し、そして5%炭酸水素ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄した。 この有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、エバポレートして乾固して黄色粘着性の生成物(7.87gm)を得た。 この生成物を、1%トリエチルアミンを添加したジクロロメタン中の0〜10%メタノール勾配で溶離するシリカゲルカラムで精製した。 この生成物を黄色っぽい粘性物質(5.66gm,54%)として得た。 この生成物をHNMRおよびES−MSで同定した。 【0122】
(3',5'−O−ジ−t−ブチルジメチルシリル−4−N−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノビオチン)−2'−デオキシシチジン(4)の合成)
3',5'−O−ジ−t−ブチルジメチルシリル−4−N−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノ)−2'−デオキシシチジン(3)(2.657g、4.43mmol)およびビオチン−NHSエステル(1.814g、5.316mmol)を、20mlの乾燥DMFに熔解し、そして約1mlのトリエチルアミンを添加した。 この混合物を室温で4時間撹拌した後、全てのDMFをエバポレートすることによって、この反応を止めて、黄色のゴム状物質を得た(4.36g)。 この物質をジクロロメタンに溶解し、そして飽和NaCl溶液で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして乾固するまでエバポレートした。 シリカゲルのTLC(5% MeOH+1% TEA+94% CH
2 Cl 2 )は、高い方のR fである新たな生成物の形成を示した。 この生成物を、(99% CH 2 Cl 2 +1% TEA)〜(1% MeOH+1% TEA+98% CH 2 Cl 2 )を使用するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色の泡状の生成物を得た(2.13mg、60%)。 この生成物を、HNMRおよびES−MSで同定した。 【0123】
(4−N−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノビオチン)−2'−デオキシシチジン(5)の合成)
3',5'−O−ジ−t−ブチルメチルシリル−4−N−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノビオチン)−2'−デオキシシチジン(4)(1.6g、1.8mmol)を、50mlの乾燥THFに溶解し、次いで、THF中の5.5mlのフッ化テトラブチルアンモニウムを2分で、室温で撹拌しながら添加した。 3時間後、シリカゲルのTLC(10% MeOH+1% TEA+89% CH
2 Cl 2 )は、小さいR fを有する新たな生成物が形成したことを示した。 溶媒をエバポレートして、黄色の油状生成物を得た。 (99% CH 2 Cl 2 +1% TEA)〜(7% MeOH+1% TEA+92% CH 2 Cl 2 )で溶離するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより、生成物をゴム状の無色の生成物として精製した(1.14g、97%)。 この生成物を、HNMRおよびES−MSで同定した。 【0124】
(4−N−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノビオチン)−2'−デオキシシチジン(5)のt−ブチルベンゾイル化)
4−N−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノビオチン)−2'−デオキシシチジン(5)(14.14g、21.5mmol)を、100mlの乾燥ピリジンに溶解した。 クロロトリメチルシラン(11.62g、107.6mmol)を添加し、この混合物を室温で2時間撹拌した。 4−t−ブチルベンゾイルクロリド(5.07g、25.8mmol)を添加し、この混合物を室温でさらに2時間撹拌した。 この反応混合物を氷浴で冷却し、そして50mlの水および50mlの28%アンモニア水溶液を添加することによって、この反応を止めた。 この溶液を室温で20分間撹拌し続け、次いで、高減圧下で乾固するまでエバポレートし、最終的に、トルエンから2回、共エバポレート(co−evaporate)した。 この物質を、ジクロロメタンに溶解し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回抽出した。 この有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、乾固するまでエバポレートし、ジクロロメタンに再溶解し、そしてシリカゲルカラムに適用した。 このカラムを、ジクロロメタン中0〜10%のメタノールの勾配で溶離し、そして生成物を白色の泡状物として得た(9.4g、53.5%)。 この生成物を、HNMRおよびES−MSで同定した。
【0125】
(5'−O−(4,4'−ジメトキシトリフェニルメチル)−4−N−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノビオチン)−2'−デオキシシチジン(7)の合成)
化合物(6)(10.82g、13.3mmol)を、乾燥ピリジンから2回、共沸し、次いで、ピリジン(100ml)に溶解し、そして4,4'−ジメトキシトリチルクロリド(DMT−Cl)(6.76g、19.95mmol)を添加し、そして得られた混合物を3時間撹拌した。 TLC(10% MeOH+1% TEA+89% CH
2 Cl 2 )は、大きなR fを有する新たな生成物が形成したこと、およびいくらかの出発物質が未反応のままであることを示し、次いで、さらなる量のDMTCl(2mg)を添加し、そして2時間撹拌し続けた。 エタノールを添加することによってこの反応を止め、そしてこの混合物を15分間撹拌した。 乾固するまでエバポレートし、そしてトルエンから共エバポレートした後、この物質をジクロロメタンに溶解した。 有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、乾固するまでエバポレートした。 この生成物を、ジクロロメタン/1%TEA中0〜5%のメタノールの勾配を使用するシリカカラムで精製した。 生成物を、白色の泡状物として得た(4.55g、31%)。 この生成物をHNMRおよびES−MSで同定した。 【0126】
(3'−O−[(ジイソプロピルアミン)(2−シアノエトキシ)ホスフィノ)]−5'−O−(4,4'−ジメトキシトリフェニルメチル)−4−N−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノビオチン)−2'−デオキシシチジン(8)の合成)
5'−DMT−ビオチンdC(7)(507mg、0.453mmol)を、乾燥アセトニトリル(30ml)およびジクロロメタン(5ml)に溶解し、次いで、ジイソプロピルアミン(73mg、0.56mmol)、テトラゾール(1.15ml、0.52mmol)および2−シアノエチルN,N,N',N'−テトライソプロピルホスファン(214mg、234μl、0.7mmol)を添加し、そしてこの混合物を、窒素下、室温で撹拌した。 2時間後、シリカゲルのTLC(45%/45%/5%/5%:酢酸エチル/ジクロロメタン/トリエチルアミン/メタノール)は、約30%のみの生成物が形成し、約70%の出発物質が未反応であることを示した。 出発物質のほとんどが変換されて、ほんの約%が未反応のまま残るまでさらなる試薬を添加した。 溶媒を乾固するまでエバポレートし、乾燥ジクロロメタンに溶解し、炭酸水素ナトリウム溶液(5%)で洗浄し、ブライン溶液で飽和し、次いで、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、乾固するまでエバポレートした。 (48%/48%/4%:酢酸エチル/ジクロロメタン/トリエチルアミン)〜(47%/47%/5%/1%:酢酸エチル/ジクロロメタン/トリエチルアミン/メタノール)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物を無色のゴム状生成物として得た(406mg、70%)。 この物質を、乾燥ベンゼンとジクロロメタンの混合物から3回、共エバポレートし、次いで、P
2 O 5およびNaOHペレットが入ったデシケーター中で、真空下で26時間乾燥し、その後、DNA合成に使用した。 【0127】
(ビオチン化2'−デオキシアデノシンホスホルアミダイトの合成;スキーム#2)
(8−ブロモ−2'−デオキシアデノシンの合成)
2'−デオキシアデノシン(7g、25.9mmol)を、約50℃まで加温することによって酢酸ナトリウム緩衝液(150、1M、pH5.0)に溶解し、次いで、30℃まで冷却し、次いで、100mlの同じ緩衝液中3mlの臭素を室温で15分間かけて、この反応物に滴下した。 6時間後、シリカゲルのTLC(CH
2 Cl 2中20% MeOH)は、全ての出発物質が新たな生成物に変換したことを示した。 撹拌しながらいくらかのメタ重亜硫酸ナトリウム(Na 2 S 2 O 5 )を添加することによって、この反応物を変色させ、この色は白色溶液に変化し、この反応物のpHを、NaOH(1M溶液)を添加することによって中和した。 この反応混合物を4℃(冷蔵庫)で16時間維持した。 翌日、この固体物質を濾過し、冷水で洗浄し、次いでアセトンで洗浄して、黄色の固体粉末の生成物を得た(5.75g、64%)。 この生成物の構造を、H NMRおよびES−MSで確認した。 【0128】
(N
6 −ベンゾイル−8−ブロモ−5'−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2'−デオキシアデノシン(1)の合成) 8−ブロモ−2'−デオキシアデノシン(7.7g、22.17mmol)を、乾燥ピリジンから共エバポレートすることにより乾燥し、固体を乾燥ピリジン(200ml)に懸濁し、続いて4,4'−ジメトキシトリフェニルメチルクロリド(DMT−Cl)(9g、26.6mmol)を添加した。 室温で4時間撹拌した後、シリカゲルのTLCは、新たな生成物が形成し、いくらかの出発物質が未反応のままであることを示した。 さらなる量のDMT−Cl(3g)を添加し、そして室温で2時間撹拌した。 TLCが、全ての出発物質が大きいR
fを有する新たな生成物に変換されたことを示すと、この反応混合物を0℃まで冷却し、そしてトリメチルクロロシラン(12.042g、14ml、110.85mmol)を冷却しながら滴下し、40分後、撹拌しながら、塩化ベンゾイル(15.58g、12.88ml、110.85mmol)を同様に添加した。 この反応物を室温で2時間反応させた。 冷水をゆっくりと添加し、次いで、濃アンモニア(30%、50ml)を添加することによって、この反応をクエンチした。 30分後、この反応混合物を乾固するまでエバポレートした。 残渣を水に溶解し、そしてこの溶液を酢酸エチルで3回抽出し、この有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、次いでブラインで洗浄した。 有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、乾固するまでエバポレートした。 この生成物を、シリカカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色の固体生成物を得た(6.79g、41.6%)。 この生成物の構造は、H NMRおよびES−MSで確認した。 【0129】
(N
6 −ベンゾイル−8−ブロモ−3'−O−t−ブチルジメチルシリル−5'−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2'−デオキシアデノシンの合成) 6N−ベンゾイル−8−ブロモ−5'−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2'−デオキシアデノシン(1)(14g、19mmol)およびイミダゾール(1.94g、28.5mmol)を、100mlの乾燥DMFに溶解し、そしてこの撹拌溶液にt−ブチルジメチルシリルクロリド(4.3g、28.5mmol)を室温で添加した。 4時間後、シリカゲルのTLC(CH
2 Cl 2中2.5% MeOH)は、全ての出発物質が大きいR fを有する新たな生成物に変換したことを示した。 この溶液を少量になるまで濃縮し、次いで、約400mlのエーテルを添加し、そして飽和NaCl水溶液で3回洗浄した。 有機相を無水Na 2 SO 4で乾燥し、そして濾液をエバポレートして、オフホワイトの泡状の生成物を得た(16.18g、100%)。 H NMRおよびDS−MSによりこの構造を確認した。 【0130】
(N
6 −ベンゾイル−8−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノ)−3'−O−t−ブチルジメチルシリル−5'−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2'−デオキシアデノシン(2)の合成) N
6 −ベンゾイル−8−ブロモ−3'−O−t−ブチルジメチルシリル−5'−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2'−デオキシアデノシン(8.31g、9.7mmol)を、200mlのエタノールに溶解し、次いで、4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン(6.75g、6.7ml、30mmol)を一度に添加し、そして50℃で撹拌し続けた。 16時間後、TLCは、全ての出発物質が小さいR fを有する1つの主生成物および他の少量の生成物に変換したことを示した。 溶媒を乾固するまでエバポレートし、ジクロロメタンに溶解し、ブライン溶液で3回洗浄し、無水Na 2 SO 4で乾燥し、エバポレートして、黄色のゴム状の物質を得た。 カラムクロマトグラフィー((1% TEA+CH 2 Cl 2 )〜(1% TEA+5% MeOH+CH 2 Cl 2 ))により、この主生成物をオフホワイトのゴム状物質として精製した(4.53g、47%)。 この生成物を、HNMRおよびES−MSで同定した。 【0131】
(N
6 −ベンゾイル−8−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノビオチン)−3'−O−t−ブチルジメチルシリル−5'−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2'−デオキシアデノシンの合成) N
6 −ベンゾイル−8−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノ)−3'−O−t−ブチルジメチルシリル−5'−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2'−デオキシアデノシン(4.53g、4.57mmol)およびビオチン−NHSエステル(3.12g、9.13mmol)を75mlのDMFに溶解し、数滴のTEAを添加し、そしてこの反応物を室温で撹拌した。 2時間後、シリカゲルのTLC(5% MeOH+1% TEA+94% CH 2 Cl 2 )は、出発物質および別の少量のスポットより小さな極性の1つの主生成物が小さいR fを有することを示した。 溶媒を乾固するまでエバポレートし、次いで、CH 2 Cl 2に溶解し、そして飽和NaCl溶液で3回洗浄し、有機層を乾燥し、乾固するまでエバポレートすると、黄色のゴム状の物質が残った。 この物質を、溶離液として(1% TEA+CH 2 Cl 2 )〜(1% TEA+2.5% MeOH+CH 2 Cl 2 )を使用することによってシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。 生成物を含む画分をエバポレートした後、黄色の固体物質を得た(3.16g、78%)。 この構造を、HNMRおよびES−MSで確認した。 【0132】
(N
6 −ベンゾイル−8−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノビオチン)−5'−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2'−デオキシアデノシン(3)の合成) N
6 −ベンゾイル−8−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノビオチン)−3'−O−t−ブチルジメチルシリル−5'−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2'−デオキシアデノシン(3.16g、2.6mmol)を、100mlの乾燥THFに溶解し、次いで、室温で撹拌しながら、THF中の約(3.25ml、3.25mmol)のフッ化テトラブチルアンモニウムを5分間で添加した。 8時間後、シリカゲルのTLC(10% MeOH+1% TEA+89% CH 2 Cl 2 )は、小さいR fを有する新たな生成物が形成したことを示した。 溶媒をエバポレートして、黄色の油状物質を得た。 (99% CH 2 Cl 2 +71% TEA)〜(5% MeOH+1% TEA+94% CH 2 Cl 2 )で溶離するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより、生成物を白色の泡状生成物として精製した(2.86g、100%)。 HNMRおよびES−MSでこの構造を確認した。 【0133】
(N
6 −ベンゾイル−8−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノビオチン)−3'−O−[(ジイソプロピルアミン)(2−シアノエトキシ)ホスフィノ)]−5'−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2'−デオキシアデノシン(4)の合成) N
6 −ベンゾイル−8−(4,7,10−トリオキサ−1−トリデカンアミノビオチン)−5'−O−(4,4'−ジメトキシトリチル)−2'−デオキシアデノシン(0.959g、0.86mmol)を、乾燥アセトニトリル(200ml)およびジクロロメタン(50ml)の混合物に溶解し、そしてジイソプロピルアミン(224μl、1.29mmol)、続いて2−シアノエチルN,N,N',N'−テトライソプロピルホスファン(404μl、1.29mmol)およびテトラゾール(2.6ml、1.2mmol、乾燥アセトニトリル中0.45M)を添加した。 さらなる続く反応を、室温で撹拌しながら、アルゴン下で行う。 1.5時間後、シリカゲルのTLC(5% MeOH+5% TEA+45% EA+45% CH 2 Cl 2 )は、出発物質(SM)のわずか約50%のみが新たな生成物に変換したことを示した。 上記と同じ量の試薬をこの反応物に添加し、そしてこの反応物を室温でさらに2時間撹拌し続けた。 TLCは、出発物質の約95%が大きいR fを有する新たな生成物に変換したことを示した。 溶媒を乾固するまでエバポレートし、次いでジクロロメタンに溶解し、5% 炭酸水素塩溶液で一回抽出し、続いて飽和ブライン溶液で抽出し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして乾固するまでエバポレートした。 シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(初めに(10% TEA+45% EA+45% CH 2 Cl 2 )、次いで(5% TEA+5% MeOH+45% EA+45% CH 2 Cl 2 ))。 生成物を含む画分をエバポレートした後、黄色のゴム状物質を得た(774mg)。 この物質を、乾燥ベンゼンおよびジクロロメタンの混合物から3回共エバポレートし、次いでP 2 O 5およびNaOHペレットの入ったデシケーターで、真空下で24時間維持し、その後DNA合成に使用した。 【0134】
(ビオチン−dCおよびビオチン−dAを含むオリゴヌクレオチドの合成)
ビオチン−dCおよびビオチン−dAを含み、部位特異的に位置するオリゴヌクレオチドの合成を、完全に自動化されたDNA合成機および市販の十分に保護されたデオキシヌクレオシドホスホルアミダイトを使用して、CPG支持体上で行った。 全てのこれらのオリゴヌクレオチドの合成は、1.0μmolスケールおよび0.4μmolスケールで行った。 ビオチン−dCおよびビオチン−dAのカップリング時間は、900秒に及んだ。 ビオチン−dCおよびビオチン−dAホスホルアミダイトのカップリング効率は、96%を越えることが見出された。 ビオチン化ホスホルアミダイトのカップリングの後、目的のeTAGレポーターを含む残りの残基を添加した。 オリゴヌクレオチドの合成が完了すると、これらを、65℃で1時間、濃アンモニアで脱保護した。 これらのオリゴヌクレオチドを、逆相HPLCで精製し、そしてOPCカラムで脱塩し、次いで、そのまま使用した。
【0135】
(ABI 394 DNA合成機におけるACLA1の合成的調製)
2.96mlの無水アセトニトリルをフルオレセインホスホルアミダイトの0.25gボトルに添加して、0.1M溶液を得ることによって、6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)ホスホルアミダイトを調製する。 次いで、このボトルを、標準的なボトル交換プロトコルを使用してABI 394 DNA合成機の位置8に装填する。 他の天然のdA
bz (0.1M:0.25g/2.91mL無水アセトニトリル)、dC Ac (0.1M:0.25g/3.24mL無水アセトニトリル)、dT(0.1M:0.25g/3.36mL無水アセトニトリル)、dG dmf (0.1M:0.25g/2.81mL無水アセトニトリル)のホスホルアミダイトモノマーを、ポート1〜4に同様の様式で装填した。 全て標準的なボトル交換プロトコルを使用して、アセトニトリルをサイドポート18に充填し、標準的なテトラゾール活性化剤をポート9に充填し、CAP Aをポート11に充填し、CAP Bをポート12に装填し、酸化剤をポート15に装填し、そして脱ブロック化した溶液をポート14に充填する。 【0136】
(DNA合成に用いられる標準的な試薬)
酸化剤:0.02Mヨウ素(MGBプローブに対して0.015)
脱ブロック:ジクロロメタン中3%トリクロロ酢酸活性化剤:無水アセトニトリル中の1H−テトラゾールHPLCグレードのアセトニトリル(0.002%の水)
キャップA:無水酢酸キャップB:N−メチルイミダゾール。
【0137】
次いで、目的の標的配列を、ポート8から末端カップリングと共に入力して、ACLA1をこの配列の5'末端に結合する。 次いで、所望のスケール(0.2mol、1.0molなど)のDNAが合成されるように、改変したサイクルを選択する。 この改変したサイクルは、6−FAMの任意の付加後800秒のさらなる待機工程を含む。 DNAが構築される支持体を含む標準的なDNA合成カラムは、次いで、DNA合成機の4つの位置のうちの1つに装填される。 eTagレポーターを含むDNAを、様々な標準的な500ÅCPG支持体(Pac−dA−CPG、dmf−dG−CPG、Ac−dC−CPG、dT−CPG)、ならびに3'−ビオチン、3'−アミノリンカーおよびマイナーグルーブ(minor grove)結合種を含む特定の支持体上で合成した。
【0138】
合成が完了すると、このカラムをこの合成機から取り出し、そして減圧下でかまたはこのカラムに空気または窒素を流すことによってのいずれかで乾燥して、残留したアセトニトリルを除去する。 次いで、このカラムを開け、そしてCPGを取り出し、そして1ドラムのバイアルに入れる。 濃アンモニア(2.0mL)を添加し、そしてこのバイアルを密閉し、そして65℃に設定した加熱ブロックに、最低2時間入れた。 2時間後、このバイアルを室温まで冷却し、その後アンモニア溶液を、パスツールピペットを使用して除去し、そして1.5mLエッペンドルフチューブに入れる。 この溶液を減圧下で濃縮し、そしてHPLC精製に供する。
【0139】
(ABI 394 DNA合成機におけるACLA2の合成的調製)
2.96mlの無水アセトニトリルをフルオレセインホスホルアミダイトの0.25gボトルに添加して、0.1M溶液を得ることによって、6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)ホスホルアミダイトを調製する。 次いで、このボトルを、標準的なボトル交換プロトコルを使用してABI 394 DNA合成機の位置8に装填する。 他の天然のdA
bz (0.1M:0.25g/2.91mL無水アセトニトリル)、dC Ac (0.1M:0.25g/3.24mL無水アセトニトリル)、dT(0.1M:0.25g/3.36mL無水アセトニトリル)、dG dmf (0.1M:0.25g/2.81mL無水アセトニトリル)のホスホルアミダイトモノマーを、ポート1〜4に同様の様式で装填した。 全て標準的なボトル交換プロトコルを使用して、アセトニトリルをサイドポート18に充填し、標準的なテトラゾール活性化剤をポート9に充填し、CAP Aをポート11に充填し、CAP Bをポート12に装填し、酸化剤をポート15に装填し、そして脱ブロック化した溶液をポート14に充填する。 次いで、目的の標的配列を、ポート8からの末端カップリングおよびチミジンのこの配列への5'末端への最後から二番目のカップリングと共に入力して、ACLA2を構築する。 次いで、所望のスケール(0.2mol、1.0molなど)のDNAが合成されるように、改変したサイクルを選択する。 この改変したサイクルは、6−FAMの任意の付加後800秒のさらなる待機工程を含む。 DNAが構築される支持体を含む標準的なDNA合成カラムは、次いで、DNA合成機の4つの位置のうちの1つに装填される。 eTagレポーターを含むDNAを、様々な標準的な500ÅCPG支持体(Pac−dA−CPG、dmf−dG−CPG、Ac−dC−CPG、dT−CPG)、ならびに3'−ビオチン、3'−アミノリンカーおよびマイナーグルーブ(minor grove)結合種を含む特定の支持体上で合成した。 【0140】
合成が完了すると、このカラムをこの合成機から取り出し、そして減圧下でかまたはこのカラムに空気または窒素を流すことによってのいずれかで乾燥して、残留したアセトニトリルを除去する。 次いで、このカラムを開け、そしてCPGを取り出し、そして1ドラムのバイアルに入れる。 濃アンモニア(2.0mL)を添加し、そしてこのバイアルを密閉し、そして65℃に設定した加熱ブロックに、最低2時間入れた。 2時間後、このバイアルを室温まで冷却し、その後アンモニア溶液を、パスツールピペットを使用して除去し、そして1.5mLエッペンドルフチューブに入れる。 この溶液を減圧下で濃縮し、そしてHPLC精製に供する。
【0141】
(ABI 394 DNA合成機でのACLA3の合成調製)
6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)ホスホルアミダイト(phophoramidite)を、0.1Mの溶液を与えるように、フルオレセインホスホルアミダイトの0.25グラムの瓶に、2.96mlの無水アセトニトリルを添加することによって調製する。 次いで、この瓶を、標準的な瓶交換プロトコールを使用して、位置8でABI 394 DNA合成機上にロードする。 他の天然(dA
bz (0.1M:0.25g/2.91mL無水アセトニトリル)、dC Ac (0.1M:0.25g/3.24mL無水アセトニトリル)、dT(0.1M:0.25g/3.36mL無水アセトニトリル)、dG dmf (0.1M:0.25g/2.81mL無水アセトニトリル))ホスホルアミダイト単量体を、同様の様式でポート1〜4にロードする。 全て標準的な瓶交換プロトコールを使用して、アセトニトリルを側面ポート18にロードし、標準的なテトラゾール(tetrazole)活性剤をポート9にロードし、CAP Aをポート11にロードし、CAP Bをポート12にロードし、酸化剤をポート15にロードし、そして逆ブロック(deblock)溶液をポート14にロードする。 次いで、目的の標的配列を、ポート8からの末端の連結、および配列の5'末端に対して最後から二番目の2つのチミジンの連結で入力してACLA3を構築する。 次いで、所望の規模のDNA(例えば、0.2μmol、10μmol、・・・など)が合成されるように、改変されたサイクルを選択する。 改変されたサイクルは、6−FAMの任意の添加後に、800秒のさらなる待機工程を含む。 次いで、DNAが構築される支持体を含む標準的なDNA合成カラムを、DNA合成機の4つの位置のうち1つにロードする。 eTagを含むDNAを、種々の標準的な500ÅのCPG支持体(Pac−dA−CPG、dmf−dG−CPG、Ac−dC−CPG、dT−CPG)、ならびに3'−ビオチン、3'−アミノリンカー、および副溝(minor grove)に結合する種を含む専門の支持体上で合成した。 【0142】
この合成の完了の際に、このカラムを合成機から除去し、そして残余アセトニトリルを除去するために、減圧下でかまたはカラムを通じた空気もしくは窒素の吹きつけによってかのいずれかで、乾燥させる。 次いで、このカラムを開き、そしてCPGを除去して1ドラムのバイアル中に置く。 濃縮されたアンモニアを添加し(2.0mL)、そしてこのバイアルを密封して、最低限2時間、65℃に設定したヒートブロック中に置く。 2時間後、このバイアルを室温まで冷却させ、その後、アンモニア溶液をパスツールピペットを使用して取り出し、1.5mLのEppendorfチューブ中に置く。 この溶液を、減圧中で濃縮し、HPLC精製にかける。
【0143】
(ABI 394 DNA合成機上のACLA16の合成調製)
6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)ホスホルアミダイトを、0.1Mの溶液を与えるように、フルオレセインホスホルアミダイトの0.25グラムの瓶に、2.96mlの無水アセトニトリルを添加することによって調製する。 次いで、この瓶を、標準的な瓶交換プロトコールを使用して、位置8でABI 394 DNA合成機上にロードする。 スペーサーホスホルアミダイトC3(0.25g)を、5.0mLの無水アセトニトリルに溶解させ、この合成機の位置5上にロードする。 他の天然(dA
bz (0.1M:0.25g/2.91mL無水アセトニトリル)、dC Ac (0.1M:0.25g/3.24mL無水アセトニトリル)、dT(0.1M:0.25g/3.36mL無水アセトニトリル)、dG dmf (0.1M:0.25g/2.81mL無水アセトニトリル))ホスホルアミダイト単量体を、同様の形式でポート1〜4にロードする。 全て標準的な瓶交換プロトコールを使用して、アセトニトリルを側面ポート18にロードし、標準的なテトラゾール活性剤をポート9にロードし、CAP Aをポート11にロードし、CAP Bをポート12にロードし、酸化剤をポート15にロードし、そして逆ブロック溶液をポート14にロードする。 次いで、目的の標的配列を、ポート8からの末端の連結、およびポート5からのC3スペーサーの最後から二番目の連結で入力してACLA16を構築する。 次いで、DNAの所望の規模(例えば、0.2μmol、10μmol、・・・など)が合成されるように、改変されたサイクルを選択する。 改変されたサイクルは、6−FAMの任意の添加後に、800秒のさらなる待機工程を含む。 次いで、DNAが構築される支持体を含む標準的なDNA合成カラムを、DNA合成機の4つの位置のうち1つにロードする。 eTagレポーターを含むDNAを、種々の標準的な500ÅのCPG支持体(Pac−dA−CPG、dmf−dG−CPG、Ac−dC−CPG、dT−CPG)、ならびに3'−ビオチン、3'−アミノリンカー、および副溝に結合する種を含む専門の支持体上で合成した。 【0144】
この合成の完了の際に、このカラムを合成機から除去し、そして残余アセトニトリルを除去するために、減圧下でかまたはカラムを通じた空気もしくは窒素の吹きつけによってかのいずれかで、乾燥させる。 次いで、このカラムを開き、そしてCPGを除去して1ドラムのバイアル中に置く。 濃縮されたアンモニアを添加し(2.0mL)、そしてこのバイアルを密封して、最低限2時間、65℃に設定したヒートブロック中に置く。 2時間後、このバイアルを室温まで冷却させ、その後、アンモニア溶液をパスツールピペットを使用して取り出し、1.5mLのEppendorfチューブ中に置く。 この溶液を、減圧中で濃縮し、HPLC精製にかけた。
【0145】
全ての他のeTagレポーターを、上記の様式と類似の様式で合成する。
【0146】
以下の表6は、異なるeTagレポーターおよびその構造の表を提供し、ここで、記号は、表2に規定された通りであり、簡便性のためにここで繰り返す。 C
3 、C 6 、C 9およびC 18は、Glen Research、Sterling、VAから市販されるホスホルアミダイトスペーサーである。 これらの単位は、N,N−ジイソプロピル、O−シアノエチルホスホルアミダイトの誘導体であり、Qによって示される。 下付き文字は、鎖中の原子の数を示し、DMTで保護された他の末端と共にQで終了するエチレンオキシの単位を含む。 下付き文字のA、T、CおよびGのない文字は、従来のヌクレオチドを示すが、 T NH2は、アミノチミジンを意図し、C Brはブロモシチジンを意図する。 図7において、これらの数は、以下の表6において番号が付されたeTagレポーターを示す。 【0147】
【表8】
【0148】
【表9】
【0149】
【表10】
(eTagレポータープローブのS1ヌクレアーゼ消化)
1.5mlのチューブに、10μMの濃度でeTagレポータープローブの10μlを添加し、10×S1ヌクレアーゼ反応緩衝液の1.5μlを添加し、0.5μlのS1ヌクレアーゼ(Promega、カタログ番号M5761、20〜100単位/μl)を添加し、そして最終容積を15μlにするように、3μlのTris−EDTA緩衝液を添加する。 この反応物を37℃で20分間インキュベートし、その後ヌクレアーゼを不活化するために96℃で25分間インキュベートする。
【0150】
【表11】
【0151】
【表12】
【0152】
【表13】
【0153】
【表14】
(細胞溶解物における特異的なmRNAの発現をモニターするための5'ヌクレアーゼアッセイ)
THP−1細胞(American Type Culture Collection、Manassas、VA)を、10%の胎仔ウシ血清(v/v)、2mMのL−グルタミン、10mMのHEPES、0.05mMの2−メルカプトエタノール(mercaptoethanl)を有するRPMI 1640培地中で、10nMの13−酢酸12−ミリスチン酸ホルボール(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)の存在下または非存在下で培養した。 誘導の24時間後、細胞を収集し、そして溶解緩衝液(20mMのTris pH7.5、0.5%のNonidet P−40、5mMのMgCl
2 、20ng/μlのtRNA)で溶解させる前に、25℃で5分間、PBSで2回洗浄した。 この溶解物を、5'ヌクレアーゼアッセイでの試験の前に、75℃で15分間加熱した。 【0154】
10マイクロリットルの細胞溶解物を、20μlの緩衝液(10mMのMOPS pH7.5、0.05%のTween−20、0.05%のNonidet P−40、12.5mMのMgCl
2 、100μMのATP、2U/μlのRnaseインヒビター)中の一本鎖の上流侵入DNAオリゴ(5'CTC−TCA−GTT−CT)、一本鎖の下流ビオチン化シグナルDNAオリゴ(eTag標識された)、および2ng/μlの5'ヌクレアーゼ(Cleavase IX)と組み合わせた。 この反応を、キャピラリー電気泳動による分析の前に、60℃で4時間実行した。 酵素の非特異的な活性に起因するバックグラウンドのシグナルを排除するために、1mg/mlアビジンの1μlを、eTag標識された切断されていないオリゴまたはeTag標識された非特異的に切断されたオリゴの全てを除去するために、この反応に添加した。 図8および図9は、アビジンの添加ありまたはなしの両方で実行した分離を示す。 【0155】
(eTagレポーターを使用した5'ヌクレアーゼ活性でのPCR増幅)
eTagレポーターを、表6に記載する。 調製されたこれらのeTagレポーターをスクリーニングして、はっきりした分離を提供した20個の候補を提供した。 31個のeTagレポーターを、TaqMan(以下の表の形式で示したような条件下の試薬)を使用して合成標的によって生成した。 合成標的を有する62個の反応が、存在した(eTagレポーターについて、1つの反応および1つの陰性コントロール)。 マスター混合物は、TaqManマスター混合物、プライマー(逆方向および順方向の両方)および水の溶液を調製する工程を包含する。 次いで、この混合物を、個々のPCRチューブに等分し、その後プローブおよびテンプレートを添加した。
【0156】
【表15】
次いで、個々の反応の全てを、分離マトリックスとしてPOP4を使用してABI 3100上で行った。 これらのサンプルを、0.5×TaqMan緩衝液中に1:20で希釈し、そして1(アビジン(10mg/ml)の1)を添加して任意のインタクトなプローブに結合させた。 このサンプルをABI 3100キャピラリー中に注入する前に、このサンプルをさらに、ホルムアミドで1:2に希釈した。 分離のためのABI 3100で、以下の条件を使用した。
【0157】
【表16】
一回の実行における複数のeTAGレポーターの引き続く分離を、図7に示すように達成し、その構造を、上記の表6において同定する。
【0158】
(eTagレポーターのプロテオミック(proteomic)アナログアッセイ)
(1−eTagレポーターおよびビオチンでのアミノデキストラン(分子量約500,000)の標識)
アミノデキストランを、高分子量の分子に対するeTagレポーターの放出を実証するたのモデルとして使用し、これはまた、タンパク質についてのモデルとしても役立つ。 10mgのアミノデキストランについてのアミノ基の数を、2×10
−8モルと計算した。 ビオチンとeTagレポーターとの1:4の比について、使用されるビオチンNHSエステルのモル数は、1.85×10 −6であり、マレイミドNHSエステルのモル数は、7.4×10 −6であった。 10.9mgのアミノデキストランを、0.1%PBS緩衝液の6mlに溶解させた。 次いで、10mgのビオチン−x−x NHSエステルおよび23.7mgのEMCSを一緒に、1mlのDMFに溶解させた。 このDMF溶液を、攪拌しかつ光を避けつつ、50μlの部分(30分間隔)でアミノデキストラン溶液に添加した。 DMF溶液の最後の添加後、この混合物を一晩維持した(攪拌しかつ光を避けつつ)。 次いで、この混合物を、10,000のカットオフ分子量の膜を使用して透析した。 この膜を、攪拌しつつ2lの水を含むビーカー中に浸した。 この水を、4回交換した(2時間間隔)。 この膜を、水中に一晩維持した(攪拌し、光を避けつつ)。 次いで、この溶液を凍結乾燥して、凍結乾燥された粉末を、eTagレポーター標識のために使用した。 【0159】
(2−eTagレポーターであるSAMSAとの、ビオチンおよびマレイミド標識したアミノデキストランの反応)
SAMSA[5−((2−(および−3)−S−アセチルメルカプト)スクシノイル)アミノ)フルオレセイン]を、eTagレポーターとして使用して、アミノデキストラン分子中のマレイミドと反応させた。 この目的のために、0.3mg(約5.3×10
−9モル)のビオチンおよびアミノデキストランで標識したEMCSを、10μlの水に溶解させ、次いで、eTagレポーターへのマレイミドの完全な変換のために、10倍のモル比のSAMSAと反応させた。 従って、1.1mgのSAMSA(約1.2×10 −6モル)を、0.1MのNaOH120μlに溶解させ、そして室温で15分間インキュベートした(チオール基の活性化のために)。 次いで、過剰のNaOHを6MのHCl2μlの添加によって中和し、そしてこの溶液のpHを、リン酸緩衝液(200mM、pH=7.0)の30μlの添加によって7.0に調整した。 活性化されたSAMSA溶液を、標識されたアミノデキストラン溶液10μlに添加し、1時間インキュベートした。 このeTagレポーター標識されたアミノデキストランを、Sephadex G−25(Amersham)を使用してゲル濾過によって精製し、そして精製されたサンプルを集めた。 【0160】
(3−標識されたアミノデキストランからのeTagの放出)
2μlのストレプトアビジンで被覆された増感剤ビーズ(100μg/ml)を、5μlの精製された、標識されたアミノデキストランに暗所で注意深く添加し、そして暗所で15分間インキュベートした。 次いで、この溶液を、680nmで1分間照射した。 eTagレポーターの放出を、CE
2 LabCard TMデバイスを使用するCEによって試験した。 図1に示すように、このCE 2 LabCardは、2つの部分;蒸発制御および注入/分離からなる。 この蒸発制御は、チャネルの中心の右に2つの緩衝液レザバ(直径2mm)および蒸発制御ウェル(直径1mm)を有するチャネル(幅450μm、および深さ50μm)を組み込む。 側面のウェル(補給ウェル)の容積は、4.7μlであり、中央のウェルの容積は、わずか1.2μlであり、そして中央のウェルの下のチャネルの容積は、約40nlである。 注入/分離部分であるCE 2デバイスの第二の部分は、幅120μm、深さ50μlの寸法の注入チャネルおよび分離チャネルからなる。 この注入チャネルは、蒸発制御ウェルに直接接続される。 これらのチャネルは、LabCard TM上にフィルム(MT40)を被せることによって閉鎖される。 【0161】
分離緩衝液(20mMのHEPES、pH=7.4および0.5%のPEO)でCE
2 LabCard TMデバイスを満たした後、300nlのアッセイ混合物を、中央のウェル(サンプルウェル)に添加し、図1に示したようにCEによって分離した。 【0162】
図2は、増感剤ビーズありまたはなしでの、精製された、標識されたアミノデキストランの電気泳動図を示す。 示されるように、増感剤ビーズの添加は、680nmの照射に対して増感剤によって生成される一重項酸素を使用する、アミノデキストランからのeTagレポーターの放出を導く。 この照射時間を最適化するために、ビーズおよび増感剤の同じ混合物を含む異なるチューブを、1〜10分の範囲の異なる長さの時間にわたって照射した。 1分より長い照射についてのeTagレポーターの放出には、有意な増大は存在しない。 図4は、eTagレポーターの放出に対する増感剤ビーズの濃度の効果を示す。 図4に示されるように、増感剤ビーズのより高い濃度は、標識されたアミノデキストランからのeTagレポーターのより高い放出を導く。 図5は、増感剤ビーズの濃度の関数として、eTagレポーターの放出についての直線状の較正曲線を示す。 さらに、eTagレポーターの放出に対する標識されたアミノデキストランの濃度の効果をまた試験し、そしてその結果を図6に示す。 観察され得るように、所定の濃度の増感剤ビーズに対してより低い濃度の標識されたアミノデキストランは、より効率的なeTagレポーターの放出(または標識されたアミノデキストランの量に対する、放出されたeTagレポーターのより高い比率)を導く。
【0163】
上記の結果から、本発明が、多重化された決定における使用のための、そして多重化された決定を実行するための組成物を調製する強力な方法を提供することが明らかである。 これらの方法は、他の分類の化合物の例示として、核酸およびタンパク質の両方を用いる同種および異種のプロトコールを提供する。 核酸の決定において、このプロトコールが1〜4の容器のみにおいて実行され得、そして多数のsnpが、優れた効率および正確さで短時間内に容易に決定され得る場合、snpの決定は、非常に単純化される。 他の配列については、原核生物および真核生物の両方由来のゲノムを調査し得る(原核生物については、薬物耐性、種、株などを含み、そして真核生物については、種、細胞型、外部刺激(例えば、薬物、環境における物理的変化など)に対する応答、変異、キアズマなどを含む)。 タンパク質の量を定量し得る場合、タンパク質によって、複数の経路に関する化学的環境および物理的環境の変化、表面タンパク質の集団における変化、加齢、新生物、活性化または他の天然に生じる現象に起因する変化に対する、宿主細胞、オルガネラなどの応答を決定し得る。
【0164】
特に核酸の決定の場合、このeTagレポーターが相同な標的配列の存在下で放出される場合に、目的のeTagレポーターを、プローブ、プライマーなどとして使用されるオリゴヌクレオチドの合成と共に都合よく合成し得る。 構築ブロックまたはeTagレポーターのキットを、異なる決定における使用のために提供する。
【0165】
本明細書中で言及する全ての刊行物および特許出願は、本発明が属する分野の当業者のレベルを示す。 各個々の刊行物または特許出願が、具体的にかつ個々に参考として援用されるように示される場合と同程度まで、本明細書中で示す全ての刊行物および特許出願は、参考として援用される。
【0166】
ここで本発明は完全に記載されているが、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく、多くの変化および改変がこれになされ得ることが、当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、酵素アッセイの間にCE
2 LabCard TMデバイスで利用した例示的高電圧構成を示す模式図である。 【図2】図2は、CE
2 LabCardを使用するeTagレポーター分析を示す2つの電気泳動図である。 この図は、増感ビーズありまたはなしで精製した標識アミノデキストランの分離を示す。 この増感ビーズの添加は、680nmでの照射の際に増感剤により生じた一重項酸素を用いたアミノデキストランからのeTagレポーターの放出を生じる。 実験条件:分離緩衝液20.0mM HEPES pH=7.4、および0.5% PEO;図1に示した電圧構成;アッセイ混合物は、29μg/mlストレプトアビジン被覆増感ビーズを有し、そして680±10nmフィルターおよび150Wランプを用いて680nmで1分間照射した。 【図3】図3は、CE
2 LabCardを用いるeTagレポーター分析を示す多重電気泳動図である。 この図は、種々の時間にわたり照射した、精製した標識アミノデキストランの分離を示す。 実験条件:分離緩衝液20.0mM HEPES pH=7.4、および0.5% PEO;図1に示した電圧構成;アッセイ混合物は、27μg/mlストレプトアビジン被覆増感ビーズを有し、そして680±10nmフィルターおよび150Wランプを用いて680nmで照射した。 【図4】図4は、CE
2 LabCardを用いるeTagレポーター分析を示す多重電気泳動図である。 この図は、種々の濃度の増感ビーズを用いた、精製した標識アミノデキストランの分離を示す。 増感ビーズの濃度が高いほど、標識アミノデキストランからのeTagレポーターのより高い放出が導かれる。 実験条件:分離緩衝液20.0mM HEPES pH=7.4、および0.5% PEO;図1に示した電圧構成;アッセイ混合物は、680±10nmフィルターおよび150Wランプを用いて680nmで1分間照射した。 【図5】図5は、増感ビーズ濃度の関数としてのeTagレポーター放出に関する線形較正曲線を示す。 結果を、CE
2 LabCardを用いて得た。 実験条件:分離緩衝液20.0mM HEPES pH=7.4、および0.5% PEO;図1に示した電圧構成;アッセイ混合物は、680±10nmフィルターおよび150Wランプを用いて680nmで1分間照射した。 【図6】図6は、eTagレポーター放出に対する標識アミノデキストランの濃度の効果を示すデータ曲線である。 この図において、所定の濃度の増感ビーズに対する標識アミノデキストランの濃度が低くなるほど、より効率的なrTagレポーター放出(または放出されたeTagレポーター 対 標識アミノデキストラン量のより高い比)が導かれる。 結果を、CE
2 LabCardを用いて得た。 実験条件:分離緩衝液20.0mM HEPES pH7.4、および0.5% PEO;図1に示した電圧構成;アッセイ混合物は、29μg/ml増感ビーズを有し、そして680±10nmフィルターおよび150Wランプを用いて680nmで1分間照射した。 【図7】図7は、個々のeTAGレポーターの分離を示す多重電気泳動図である。 この図は、ACLA番号により同定されたレポーターの獲得可能な分離を示す。
【図8】図8は、アビジンの添加なしで、プローブおよびプライマーの存在下での増幅反応後に生じた310分析器での分離を示す多重電気泳動図である。
【図9】図9は、アビジンの添加ありで、プローブおよびプライマーの存在下での増幅反応後に生じた310分析器での分離を示す多重電気泳動図である。
|