Antisense modulation of Pten expression

申请号 JP2001587136 申请日 2001-05-21 公开(公告)号 JP2003534011A 公开(公告)日 2003-11-18
申请人 アイシス・ファーマシューティカルス・インコーポレーテッド; 发明人 カウサート,レックス・エム; マッケイ,ロバート; モニア,ブレット・ピー;
摘要 (57)【要約】 PTENの発現をモジュレートするためのアンチセンス化合物、組成物および方法を提供する。 組成物は、PTENをコードする核酸を標的とするアンチセンス化合物、特にアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。 PTEN発現のモジュレーションおよびPTENの発現と関連した疾患または症状の治療のためにこれらの化合物を使用する方法を提供する。 このような症状には、糖尿病および過剰増殖性症状が含まれる。 動物において本発明の化合物を使用して、血中グルコースレベルを減少させる方法、PEPCK発現を阻害する方法、血中インスリンレベルを減少させる方法、インスリン耐性を減少させる方法、インスリン感受性を増大させる方法、血中トリグリセリドレベルを減少させる方法または血中コレステロールレベルを減少させる方法もまた提供する。 動物は好ましくはヒトである;動物は好ましくは糖尿病動物である。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】 PTENをコードする核酸分子を標的とする長さ8〜50核塩基の化合物であって、PTENに特異的にハイブリダイズし、そしてその発現を阻害する、
    前記化合物。 【請求項2】 アンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載の化合物。 【請求項3】 PTENがヒトPTENである、請求項1に記載の化合物。 【請求項4】 PTENがげっ歯動物PTENである、請求項1に記載の化合物。 【請求項5】 PTENがマウスPTENである、請求項4に記載の化合物。 【請求項6】 PTENがラットPTENである、請求項4に記載の化合物。 【請求項7】 SEQ ID NO: 8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19
    、20、21、22、23、25、26、27、28、29、30、31、33、34、35、36、38、40、41
    、42、43、44、45、46、47の少なくとも8-核塩基部分を含む配列を有する、請求項1に記載の化合物。 【請求項8】 SEQ ID NO: 48またはSEQ ID NO: 49の少なくとも8-核塩基部分を含む配列を有する、請求項1に記載の化合物。 【請求項9】 アンチセンスオリゴヌクレオチドが、少なくとも一つの修飾ヌクレオシド間結合を含む、請求項2に記載の化合物。 【請求項10】 修飾ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合である、
    請求項9に記載の化合物。 【請求項11】 アンチセンスオリゴヌクレオチドが、少なくとも一つの修飾糖部分を含む、請求項2に記載の化合物。 【請求項12】 修飾糖部分が、2'-O-メトキシエチル糖部分である、請求項1
    1に記載の化合物。 【請求項13】 アンチセンスオリゴヌクレオチドが、少なくとも一つの修飾核塩基を含む、請求項2に記載の化合物。 【請求項14】 修飾核塩基が、5-メチルシトシンである、請求項13に記載の化合物。 【請求項15】 アンチセンスオリゴヌクレオチドがキメラオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載の化合物。 【請求項16】 PTENをコードする核酸分子上の活性部位に対してハイブリダイズする化合物。 【請求項17】 活性部位が、SEQ ID NO: 8、9、10、11、12、13、14、15、1
    6、17、18、19、20、21、22、23、25、26、27、28、29、30、31、33、34、35、3
    6、38、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49の少なくとも8-核塩基部分に相補的な配列を含む、請求項16に記載の化合物。 【請求項18】 PTENをコードする核酸分子が、PTENの変異型をコードする、
    請求項1に記載の化合物。 【請求項19】 請求項1に記載の化合物および医薬的に許容可能な担体または希釈剤を含む組成物。 【請求項20】 コロイド分散システムをさらに含む、請求項19に記載の組成物。 【請求項21】 化合物がアンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項19
    に記載の組成物。 【請求項22】 細胞または組織中でPTENの発現を阻害する方法であって、前記細胞または組織を請求項1に記載の化合物と接触させ、それによりPTENの発現を阻害することを含む、前記方法。 【請求項23】 細胞または組織がヒト細胞または組織である、請求項22に記載の方法。 【請求項24】 細胞または組織がげっ歯動物細胞または組織である、請求項
    22に記載の方法。 【請求項25】 げっ歯動物細胞または組織がマウス細胞または組織である、
    請求項24に記載の方法。 【請求項26】 げっ歯動物細胞または組織がラット細胞または組織である、
    請求項24に記載の方法。 【請求項27】 細胞または組織が肝臓、腎臓、または脂肪細胞または組織である、請求項22に記載の方法。 【請求項28】 PTENがPTENの変異型である、請求項22に記載の方法。 【請求項29】 PTENと関連する疾患または症状を有する動物を治療する方法であって、前記動物に対して治療的または予防的有効量の請求項1に記載の化合物を投与し、それによりPTENの発現を阻害することを含む、前記方法。 【請求項30】 動物がヒトである、請求項29に記載の方法。 【請求項31】 疾患または症状が代謝性疾患または症状である、請求項29に記載の方法。 【請求項32】 疾患または症状が糖尿病である、請求項29に記載の方法。 【請求項33】 疾患または症状が2型糖尿病である、請求項29に記載の方法。 【請求項34】 疾患または症状が過剰増殖性症状である、請求項26に記載の方法。 【請求項35】 PTENがPTENの変異型である、請求項26に記載の方法。 【請求項36】 動物において血中グルコースレベルを減少させる方法であって、前記動物に対して請求項1に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。 【請求項37】 動物がヒトまたはげっ歯動物である、請求項36に記載の方法。 【請求項38】 血中グルコースレベルが血漿グルコースレベルまたは血清グルコースレベルである、請求項36に記載の方法。 【請求項39】 動物が糖尿病動物である、請求項36に記載の方法。 【請求項40】 細胞または組織中のPEPCK発現を阻害する方法であって、 前記細胞または組織をPTENの阻害剤と接触させ、それによりPEPCKの発現を阻害することを含む、前記方法。 【請求項41】 PTENの阻害剤がPTENをコードする核酸分子を標的とする長さ
    8〜50核塩基の化合物であり、前記化合物がPTENと特異的にハイブリダイズし、
    そしてその発現を阻害する、請求項40に記載の方法。 【請求項42】 動物における血中インスリンレベルを減少させる方法であって、前記動物に対して請求項1に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。 【請求項43】 動物がヒトまたはげっ歯動物である、請求項42に記載の方法。 【請求項44】 血中インスリンレベルが血漿インスリンレベルまたは血清インスリンレベルである、請求項42に記載の方法。 【請求項45】 動物が糖尿病動物である、請求項42に記載の方法。 【請求項46】 動物におけるインスリン耐性を減少させる方法であって、前記動物に対して請求項1に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。 【請求項47】 動物がヒトまたはげっ歯動物である、請求項46に記載の方法。 【請求項48】 動物が糖尿病動物である、請求項46に記載の方法。 【請求項49】 動物においてインスリン感受性を増大させる方法であって、
    前記動物に対して請求項1に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。 【請求項50】 動物がヒトまたはげっ歯動物である、請求項49に記載の方法。 【請求項51】 動物が糖尿病動物である、請求項49に記載の方法。 【請求項52】 動物において血中トリグリセリドレベルを減少させる方法であって、前記動物に対して請求項1に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。 【請求項53】 動物がヒトまたはげっ歯動物である、請求項52に記載の方法。 【請求項54】 動物が糖尿病動物である、請求項52に記載の方法。 【請求項55】 動物において血中コレステロールレベルを減少させる方法であって、前記動物に対して請求項1に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。 【請求項56】 動物がヒトまたはげっ歯動物である、請求項55に記載の方法。 【請求項57】 動物が糖尿病動物である、請求項55に記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 本出願は、1999年12月14日に出願されたPCT出願PCT/US99/29594の一部継続出願であり、このPCT出願は、1999年7月21日に出願され、現在はUS特許6,020,19
    9として発行されている、US特許出願シリアルNo.09/358,381の継続出願である。 【0002】 発明の属する分野 本発明はPTENの発現をモジュレートするための組成物と方法を提供する。 特に、本発明はヒトPTENをコードする核酸と特異的にハイブリダイズ可能なアンチセンス化合物、特にオリゴヌクレオチドに関する。 そのようなオリゴヌクレオチドは、PTENの発現をモジュレートすることが示された。 【0003】 発明の背景 細胞制御がもたらされる主要な機序の1つは、その次には細胞内の生化学的経路をモジュレートする、膜を横切る細胞外シグナルの変換によるものである。 タンパク質リン酸化は、細胞内シグナルが分子から分子へ伝達されて、最後に細胞反応を引き起こす1つの経過を表している。 これらのシグナル変換カスケードは高度に制御されており、複数のタンパク質キナーゼおよびホスファターゼファミリーおよびアイソフォームの存在により証明されるようにしばしば重複している。 【0004】 リン酸化は細胞内のそのような遍在する(ubiquitous)過程であり細胞の表現型は主としてこれらの経路の活性に影響されるので、多くの疾病状態および/あるいは障害は、これらのカスケードの分子構成要素における異常な活性化または機能的変異のどちらかの結果であると現在考えられている。 その結果、かなりの注意がキナーゼあるいはホスファターゼのどちらかの酵素活性を示すタンパク質の特徴付けに振り向けられている。 【0005】 PTEN(MMAC1およびTEP1としても知られる)は、インシュリンシグナル伝達経路におけるホスホイノシチド(phosphoinositide)ホスファターゼとして最近関連づけられた二重特異的(dual-specificity)タンパク質ホスファターゼである。 ヒト293細胞の研究において、PTENは、細胞成長シグナル伝達に関連する酸性脂質であるホスファチジルイノシトール3,4,5-三リン酸(PIP3)を脱リン酸化することが示された(MaehamaおよびDixon, J. Biol. Chem., 1998, 273, 13375-1
    3378)。 ショウジョウバエ(Drosophila)において、PTEN活性化および過剰発現の研究により、目の発生の間の細胞サイズおよび細胞周期進行の両方にPTENが影響を与えることが示された。 加えて、著者らは、PTENがインスリンシグナル伝達経路中で機能し、そしてインスリン受容体からのすべてのシグナルを、PTENによりアンタゴナイズすることができることを示した。 これらのデータは、PTENのモジュレーションが、変化したインスリンシグナル伝達をモジュレートするための手段に相当しうることを示唆している(Huang et al., Development, 1999, 126
    , 5365-5372)。 【0006】 PIP3は、インシュリン結合に続くホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3
    -キナーゼ)の作用により特異的に生成される重要なセカンドメッセンジャーである(Stephensら, Science, 1998, 279, 710-714)。 PTENの過剰発現は、PI3-
    キナーゼの活性に影響を与えずにインシュリン処理細胞においてPIP3のレベルを減少させることが示された(MaehamaおよびDixon, J. Biol. Chem., 1998, 273,
    13375-13378)。 これらの結果は、インシュリン結合により開始される下流の経路の制御因子としてPTENの役割を確立する。 線虫(Caenorhabditis elegans)においては、PTENホモログであるdaf-18がクローニングされ、そしてそれがPI3-キナーゼが関与するシグナル伝達カスケードをアンタゴナイズすることが示された(Gil et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1999, 96, 2925-2930)。 著者らは、このことが、PTENが哺乳動物グルコース恒常性において役割を果たしている可能性があり、そしてPTENがII型糖尿病に対する合理的な薬理学的標的である可能性があることを示し得ると示唆している。 【0007】 PTENタンパク質は、それぞれアクチンフィラメントと相互作用するタンパク質およびシナプス小胞に関連するタンパク質であるテンシン(tensin)およびオウキシリン(auxilin)に相同なアミノ末端ドメインも含有する(Liおよび Sun, C
    ancer Res., 1997, 57, 2124-2129; Liら, Science, 1997, 275, 1943-1947; St
    eckら, Nat. Genet., 1997, 15, 356-362)。 さらに、PTENは、細胞接着および運動性の制御に関連するサイトカインであるトランスフォーム成長因子ベータ(
    TGF-β)により抑制制御もされる(LiおよびSun, Cancer Res., 1997, 57, 2124
    -2129)。 合わせて考えると、これらのデータにより、PTENが細胞運動性を制御する一方でタンパク質キナーゼの活性を媒介することにより細胞内で二重の役割を果たすことが示唆される(Tamuraら, Science, 1998, 280, 1614-1617)。 【0008】 最終的に、多くの自然発生の点突然変異および胚細胞変異がPTENにおいて同定されている。 これらの変異は、脳、乳、前立腺、卵巣、皮膚、甲状腺、、膀胱および大腸を含むいくつかの癌性固形腫瘍(cancerous solid tumors)および細胞株から単離されており(Tengら, Cancer Res., 1997, 57, 5221-5225)、腫瘍抑制遺伝子としてPTENの分類を導いている。 PCT公開公報WO 99/02704には、PTEN
    タンパク質および改変PTENタンパク質、そしてそれらをコードする核酸が開示されている。 PTENまたは改変PTENタンパク質を含むか、または核酸分子を含む組成物を利用する診断方法および治療方法もまた、開示される。 【0009】 腫瘍試料に見出された最も共通する変異は、フレームシフト変異(17の乳癌において1 )、ミスセンス変異体(10の黒色色素細胞腫において1 )、ナンセンス変異およびスプライシング変異体( 5の小児膠芽腫うちの2 )であった。 ヘテロ接合性欠失(LOH)を示す腫瘍細胞株において、コーディング領域に影響する11
    のホモ接合性欠損が検出された。 2つの細胞株が9つのエクソン全てを欠失し、9
    つの細胞株がコーディング領域の一部のホモ接合性の欠損を有していた。 残りの
    65の細胞株には、3つのフレームシフト、1つのナンセンスおよび8つの非保存的ミスセンス変異が含有された(Tengら, Cancer Res., 1997, 57, 5221-5225)。 【0010】 PTENにおける既知の胚細胞変異は、Cowden病(CD)(Liaw ら, Nat. Genet.,
    1997, 16, 64-67; Nelenら, Hum. Mol. Genet., 1997, 6, 1383-1387; Tsouら,
    Hum. Genet., 1998, 102, 467-473)、 Lhermitte-Duclos病(LDD)(Liawら, N
    at. Genet., 1997, 16, 64-67)および Bannayan-Zonana 症候群(BZS、Bannaya
    n-Riley-Ruvalcaba 症候群、Ruvalcaba-Myhre-Smith 症候群およびRiley-Smith
    症候群としても知られる)として知られる3つの別個の常染色体優性の障害を起こす(Archら, Am. J. Med. Genet., 1997, 71, 489-493; Marshら, Nat. Genet
    ., 1997, 16, 333-334)。 これらの状態のすべては、胃腸のポリープ、腫瘍感受性の増加および発生障害の存在により特徴付けられている。 【0011】 現在、PTENの合成を効果的に阻害する既知の治療剤はなく、PTENの機能を阻害および/あるいは調査することを目的としたストラテジーは、マウスにおける遺伝子ノックアウトおよびPTEN発現のリボザイムベースおよびベクターベースのアンチセンス媒介性制御の使用を含んでいる。 【0012】 Di Cristofanoらは、胎児の致死性を結果として引き起こす相同組み換えによるマウスPTEN遺伝子の完全な崩壊を証明した(Di Cristofanoら, Nat. Genet.,
    1998, 19, 348-355)。 対して、PTEN+/-キメラマウスはそれらの野生型の同腹子と表現型的に同一であった。 しかし、死後の解析により、ヒトの疾病において観察されたものと類似している異常な病理学的状態が明らかになった。 【0013】 マウスにおいてエクソン3と5を標的とした崩壊を含む他の研究により、ホモ接合性のマウスは発生の9.5日までに死亡したこと、およびこれらの胚由来の不死化した細胞は様々なアポトーシス刺激に対する感受性が減少したことを示したことが証明された(Stambolic ら, Cell, 1998, 95, 29-39)。 これらの細胞は、P
    KB/Aktキナーゼの活性の構造的な上昇も示した。 合わせて考えると、これらの結果により、PI3-キナーゼ/PKB/Akt経路をネガティブに制御することによりPTENが作用することが示唆される。 【0014】 DevlinおよびClawsonは、完全長PTEN cDNA上のリボザイム-利用可能部位を同定し、そしてこれらの結果を使用して、PTEN転写物を制御することを目的としたリボザイム構築物を設計した(Proc. Am. Assoc. Cancer Res., 1999, 40, 438
    )。 【0015】 Tamuraらは、PTENの発現が、完全長センスPTENまたは完全長アンチセンスPTEN
    を含有する発現プラスミドを使用して、上方制御または下方制御された、マウス
    3T3細胞の安定トランスフェクト細胞株を確立した。 アンチセンス構築物は、細胞遊走を亢進した(Science, 1998, 280, 1614-1617)。 【0016】 PTENの機能を効果的に阻害することができる薬剤が長い間必要と考えられているままであり、アンチセンス技術は特異的な遺伝子産物の発現を減らすための効果的な手段として登場している。 従って、PTEN発現のモジュレーションに関して多くの治療的、診断的、研究的な応用において唯一有用であることが証明されるかもしれない。 【0017】 発明の概要 本発明は、PTENをコードする核酸を標的とし、そしてPTENの発現をモジュレートする、化合物、特にアンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。 本発明のアンチセンス化合物を含む医薬組成物およびその他の組成物もまた、提供する。 さらに、細胞または組織中でPTENの発現をモジュレートする方法であって、前記細胞または組織を、1またはそれ以上の本発明の化合物または組成物と接触させることを含む、前記方法を提供する。 さらに、治療的または予防的有効量の1またはそれ以上の本発明のアンチセンス化合物または組成物を投与することにより、PT
    ENの発現と関連する疾患または症状を有するか、またはかかっている可能性があると疑われる動物、特にヒトを治療する方法を提供する。 このような症状には、
    糖尿病および過剰増殖性症状が含まれる。 動物において本発明の化合物を使用して、血中グルコースレベルを減少させる方法、PEPCK発現を阻害する方法、血中インスリンレベルを減少させる方法、インスリン耐性を減少させる方法、インスリン感受性を増大させる方法、血中トリグリセリドレベルを減少させる方法、または血中コレステロールレベルを減少させる方法もまた提供される。 動物は、好ましくはヒトである;動物は、糖尿病動物であることもまた、好ましい。 【0018】 発明の詳細な説明 本発明は、PTENをコードする核酸分子の機能をモジュレートする際に使用するための、究極的には産生されるPTENの量をモジュレートする際に使用するための、オリゴマー化合物、とくにアンチセンスオリゴヌクレオチドを利用する。 これは、PTENをコードする1またはそれ以上の核酸と特異的にハイブリダイズするアンチセンス化合物または他のオリゴヌクレオチド化合物を提供することにより達成される。 本明細書中で使用する場合、用語“標的核酸”および“PTENをコードする核酸”は、PTENをコードするDNA、このようなDNAから転写されるRNA(プレ-
    mRNAおよびmRNAを含む)、およびこのようなRNAに由来するcDNAも含む。 オリゴマー化合物のその標的核酸との特異的ハイブリダイゼーションは、核酸の正常な機能を妨害する。 標的核酸の機能のそれに特異的にハイブリダイズする化合物によるこのモジュレーションは、一般的に“アンチセンス”といわれる。 妨害すべきDNAの機能には、複製および転写が含まれる。 妨害されるべきRNAの機能には、
    すべての生存に必要な機能、たとえばRNAのタンパク質翻訳部位への転移(trans
    location)、RNAからタンパク質への翻訳、1またはそれ以上のmRNA種を得るためのRNAのスプライシング、およびRNAに含まれる触媒活性またはRNAにより促進される触媒活性、が含まれる。 標的核酸機能によるこのような妨害の全体的な効果は、PTENの発現のモジュレーションである。 本発明の文脈において、“モジュレーション”とは、遺伝子の発現における増加(刺激)または減少(阻害)のいずれかを意味する。 本発明の文脈において、阻害は遺伝子発現のモジュレーションの好ましい形態であり、そしてmRNAは好ましい標的である。 【0019】 アンチセンスに対する特異的核酸を標的とすることが好ましい。 特定の核酸に対してアンチセンス化合物を“標的化する”とは、本発明の文脈において、複数工程のプロセスである。 プロセスは通常、その機能をモジュレートすべき核酸配列の同定からはじめる。 たとえば、このことは、その発現が特定の症状または疾患と関連する細胞の遺伝子(あるいはその遺伝子から転写されるmRNA)、または感染性病原体に由来する核酸分子でありうる。 本発明において、標的はPTENをコードする核酸分子である。 標的化のプロセスにはまた、アンチセンス相互作用のためにこの遺伝子内部に1または複数の部位を決定し、所望の効果、たとえばタンパク質の発現の検出またはモジュレーション、を結果として生じるようにすることを含む。 本発明の文脈において、好ましい遺伝子内部部位は、遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)の翻訳開始コドンあるいは終止コドンを含む領域である。 当該技術分野において既知であるように、翻訳開始コドンは、典型的には5'-AUG(転写されたmRNA分子において;対応するDNA分子においては5'-AT
    G)であるので、翻訳開始コドンはまた、“AUGコドン”、“スタートコドン”または“AUGスタートコドン”とも呼ばれる。 少数の遺伝子は、RNA配列5'-GUG、5'
    -UUGまたは5'-CUGを有する翻訳開始コドンを有し、そして5'-AUA、5'-ACGおよび
    5'-CUGが、in vivoで機能することが示された。 このように、それぞれの事例における開始アミノ酸は典型的にはメチオニン(真核細胞において)またはホルミルメチオニン(原核細胞において)であるにもかかわらず、用語“翻訳開始コドン”および“スタートコドン”は、多くのコドン配列を含むことができる。 真核細胞の遺伝子および原核細胞の遺伝子は、2またはそれ以上の代わりのスタートコドンを有する場合があり、そのいずれもが好ましくは特定の細胞型または組織においてまたは特定の条件のセットのもとにおいて、翻訳開始のために利用することができる、ということも、当該技術分野において既知である。 本発明の文脈において、“スタートコドン”および“翻訳開始コドン”は、そのようなコドンの1またはそれ以上の配列にかかわらず、in vivoで使用して、PTENをコードする遺伝子から転写されるmRNA分子の翻訳を開始する、1またはそれ以上のコドンのことをいう。 【0020】 遺伝子の翻訳終止コドン(または“停止コドン”)は、3つの配列、すなわち、5'-UAA、5'-UAGおよび5'-UGA(対応するDNA配列は、それぞれ、5'-TAA、5'-TA
    Gおよび5'-TGA)のうちの一つを有しうることも、当該技術分野において既知である。 用語“スタートコドン領域”および“翻訳開始コドン領域”は、翻訳開始コドンからいずれかの方向(すなわち、5'または3')に約25から約50の連続するヌクレオチドを含む、mRNAあるいは遺伝子の部分のことを言う。 同様に、用語“
    停止コドン領域”および“翻訳終止コドン領域”は、翻訳終止コドンからいずれかの方向(すなわち、5'または3')に約25から約50の連続するヌクレオチドを含む、mRNAまたは遺伝子の部分のことを言う。 【0021】 翻訳開始コドンと翻訳終止コドンとのあいだの領域のことを言うと当該技術分野において知られているオープンリーディングフレーム(ORF)または“コード領域”はまた、効果的に標的化されうる領域でもある。その他の標的領域には、
    翻訳開始コドンから5'方向におけるmRNAの部分、そしてしたがってmRNAの5'キャップ部位と翻訳開始コドンとのあいだのヌクレオチドまたは遺伝子上の対応するヌクレオチドを含むもの、のことをいうと当該技術分野において知られている5'
    非翻訳領域(5'UTR)、そして翻訳終止コドンから3'方向におけるmRNAの部分、
    そしてしたがってmRNAの翻訳終止コドンと3'末端とのあいだのヌクレオチドまたは遺伝子上の対応するヌクレオチドを含むもの、のことをいうと当該技術分野において知られている3'非翻訳領域(3'UTR)、が含まれる。 mRNAの5'キャップには5'-5'三リン酸結合を介して、mRNAの最も5'側の残基と結合するN7-メチル化グアノシン残基を含む。 mRNAの5'キャップ領域は、5'キャップ構造それ自体だけでなく、キャップに隣接する最初の50ヌクレオチドも含むと考えられている。 5'キャップ領域もまた、好ましい標的領域でありうる。 【0022】 いくつかの真核細胞mRNA転写物は直接的に翻訳されるが、多くは1またはそれ以上の“イントロン”として知られる領域を含有し、それらは翻訳される前に転写物から切り出される。 残りの(そしてしたがって翻訳される)領域は、 “エクソン”として知られ、そして一緒にスプライシングされて連続的なmRNA配列を形成する。 mRNAスプライス部位、すなわち、イントロン-エクソン結合もまた、
    好ましい標的領域である場合があり、そして特に異常なスプライシングが疾患と関与しているか、あるいは特定のmRNAスプライス産物の過剰産生が疾患と関与している状況において、特に有用である。 再構成または欠損による異常な融合結合もまた、好ましい標的である。 イントロンも有効である場合があり、そしてしたがって、たとえばDNAまたはプレ-mRNAを標的とするアンチセンス化合物のための標的領域が好ましい場合があることもまた、見出した。 【0023】 いったん1またはそれ以上の標的部位を同定したら、標的に対して十分に相補的な、すなわち、十分によくそして十分に特異的にハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドを選択し、所望の効果を得る。 【0024】 本発明の文脈において、“ハイブリダイゼーション”とは、相補的ヌクレオシドまたはヌクレオチド塩基間のワトソン-クリック素結合、フーグスティーン水素結合または逆フーグスティーン水素結合でありうる、水素結合を意味する。
    たとえば、アデニンおよびチミンは相補的な核塩基であり、水素結合を形成することを通じて対合する。 本明細書中で使用する場合、“相補的”とは、2つのヌクレオチド間で正確に対合するための能のことをいう。 たとえば、オリゴヌクレオチドの特定の位置のヌクレオチドがDNAまたはRNA分子の同一の位置でヌクレオチドと水素結合を形成することができる場合、オリゴヌクレオチドおよびDNA
    またはRNAは、その位置において互いに相補的であると考えられる。 オリゴヌクレオチドおよびDNAまたはRNA は、それぞれの分子中での十分な数の対応する位置が、互いに水素結合することができるヌクレオチドにより占められている場合、互いに相補的である。 したがって、“特異的にハイブリダイズ可能”および“
    相補的”は、安定でそして特異的な結合がオリゴヌクレオチドとDNAまたはRNA標的とのあいだで生じるような、十分な程度の相補性または正確な対合を示すために使用される用語である。アンチセンス化合物の配列は、特異的にハイブリダイズ可能であるために、その標的核酸の配列と100%の相同性がある必要はないことは、当該技術分野において理解されている。アンチセンス化合物は、標的DNAまたはRNA分子に対する化合物の結合が標的DNAまたはRNAの正常な機能を妨害して利用できないようにし、そして特異的な結合が所望される条件下、すなわち、in
    vivoアッセイまたは治療の場合には生理学的条件下、そしてin vitroアッセイの場合には、アッセイを行う条件下にて、非-標的配列に対するアンチセンス化合物の非-特異的結合を妨害するための十分な程度の相補性が存在する場合、特異的にハイブリダイズ可能である。 【0025】 標的にハイブリダイズし、そして標的の発現を阻害する本発明のアンチセンスおよびその他の化合物が実験を通じて同定され、そしてこれらの化合物の配列は、本発明の好ましい態様として以下に同定される。 これらの好ましい配列が相補的である標的部位は、本明細書中では“活性部位”と呼ばれ、そしてしたがって、標的化するためには好ましい。 理論により縛られることは望まないが、そのようにして同定された活性部位は、その利用性またはその他の理由のために、リガンド結合のために特に適していると考えられる。 したがって、本発明の別の態様には、これらの活性部位に対してハイブリダイズする化合物が包含される。 【0026】 アンチセンス化合物は、一般的に、研究用試薬および診断薬として使用される。 たとえば、当業者はしばしば、正確な特異性により遺伝子発現を阻害することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して、特定遺伝子の機能を解明する。 たとえば、アンチセンス化合物を使用して、生物学的経路の様々なメンバーの機能どうしを区別することもある。 アンチセンスモジュレーションは、したがって、研究用途としても使用された。 【0027】 アンチセンスの特異性および感受性も、治療用途として当業者に利用される。
    アンチセンスオリゴヌクレオチドを、動物およびヒトにおける疾患状態を治療する際の治療部分として使用した。 オリゴヌクレオチド薬物、すなわちアンチセンスおよびリボザイムオリゴヌクレオチド薬物の両方とも、は、ヒトに対して安全にそして効果的に投与され、そして多くの臨床試験が現在進行中である。 したがって、オリゴヌクレオチドは、細胞、組織および動物、特にヒトの治療のための治療計画において有用なものとして形成することができる、有用な治療様式でありうることが確立される。 【0028】 本発明の文脈において、用語“オリゴヌクレオチド”とは、リボ核酸(RNA)
    またはデオキシリボ核酸(DNA)のオリゴマーまたはポリマー、またはそれらの模倣体のことをいう。 この用語には、天然に存在する核塩基、糖および共有ヌクレオシド間(バックボーン)結合、および同様に機能する非-天然に存在する部分を有するオリゴヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドが含まれる。 このような修飾されたまたは置換されたオリゴヌクレオチドは、たとえば、細胞取り込みの亢進、核酸標的に対する親和性の亢進、そしてヌクレアーゼの存在下における安定性の増加などの望ましい特性のため、しばしば天然の型より好ましい。 【0029】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、アンチセンス化合物の好ましい形態である一方、本発明は、以下に記載するようなオリゴヌクレオチド模倣体(しかし、
    これらのものには限定されない)を含む、その他のオリゴマー化合物を包含する。 本発明に従う化合物は、好ましくは、約8〜約50核塩基(すなわち、約8〜約50
    の連結したヌクレオシド)を含むことが好ましく、そして約12〜約30核塩基を含むことがさらにずっと好ましい。 本発明は、また、核酸標的にハイブリダイズしそして標的の発現を阻害する、長さ約8〜約50核塩基のその他のオリゴマー化合物を包含することもまた意味している。 このような化合物には、リボザイム、外部ガイド配列(EGS)オリゴヌクレオチド(オリゴザイム;oligozymes)、およびその他の短い触媒性RNAまたは触媒性オリゴヌクレオチドが含まれる。 【0030】 当該技術分野において知られているように、ヌクレオシドは塩基-糖の組み合わせである。 ヌクレオシドの塩基部分は、通常はヘテロ環式塩基である。 このようなヘテロ環式塩基の2つの最も一般的なクラスは、プリンとピリミジンである。 ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合したリン酸基をさらに含む、ヌクレオシドである。 ペントフラノシル糖を含むそれらのヌクレオシドに対して、リン酸基は、糖の2'、3'または5'ヒドロキシル部分のいずれかに結合することができる。 オリゴヌクレオチドを形成する際に、リン酸基が隣接するヌクレオシドと互いに共有結合し、直鎖ポリマー化合物を形成する。 引き続いて、この直鎖ポリマー化合物のそれぞれの末端がさらに一緒になって、環状構造を形成することができるが、しかしながら、開環直鎖構造が一般的には好ましい。 オリゴヌクレオチド構造中において、リン酸基とは、一般的には、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間バックボーンを形成するものと言われる。 RNAおよびDNAの正常な結合またはバックボーンは、3'から5'のホスホジエステル結合である。 【0031】 本発明において有用な好ましい化合物の具体的な例には、修飾バックボーンまたは非-天然ヌクレオシド間結合を含有するアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。 本明細書中で定義する場合、修飾バックボーンを有するオリゴヌクレオチドには、バックボーン中にリン原子を保持するものや、バックボーン中にリン原子を有さないものが含まれる。 本明細書の目的のため、そして当該技術分野において時々参照される場合、そのヌクレオシド間バックボーン中にリン原子を有さない修飾オリゴヌクレオチドもまた、オリゴヌクレオシドであると考えることができる。 【0032】 好ましい修飾オリゴヌクレオチドバックボーンには、たとえば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3'-アルキレンホスホネートおよびキラルホスホネートを含むメチルおよびその他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3'-アミノホスホールアミデートおよびアミノアルキルホスホールアミデートを含むホスホールアミデート、チオノホスホールアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、および正常な3'-5'結合を有するボラノホスホネート、2'-5'結合したこれらの類似体、そしてヌクレオシドユニットの隣接する塩基対が、5'-3'に対して3'-5'または5'-2'に対して2
    '-5'に結合する、逆向きの極性を有するもの、が含まれる。 様々な塩、混合塩、
    そして遊離酸型も含まれる。 【0033】 上述したリン-含有結合の調製を教示する代表的な米国特許には、US特許: 3
    ,687,808;4,469,863;4,476,301;5,023,243;5,177,196;5,188,897;5,264,4
    23;5,276,019;5,278,302;5,286,717;5,321,131;5,399,676;5,405,939;5,
    453,496;5,455,233;5,466,677;5,476,925;5,519,126;5,536,821;5,541,30
    6;5,550,111;5,563,253;5,571,799;5,587,361;および5,625,050が含まれるが、これらには限定されず、それらの特定のものは、本出願により一般に所有されるものであり、そして参考文献としてそのそれぞれを本明細書中に援用する。 【0034】 リン原子を含まない好ましい修飾オリゴヌクレオチドバックボーンは、短鎖アルキルあるいはシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合へテロ原子そしてアルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間結合、または1またはそれ以上の短鎖へテロ原子またはヘテロ環式ヌクレオシド間結合により形成される、バックボーンを有する。 これらには、モルホリノ結合(部分的にヌクレオシドの糖部分から形成される);シロキサンバックボーン;スルフィド、スルホキシドおよびスルホンバックボーン;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチルバックボーン;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチルバックボーン;アルケン含有バックボーン;スルファメートバックボーン;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノバックボーン;スルホネートおよびスルホンアミドバックボーン;アミドバックボーン;および混合N、O、SおよびCH 2構成要素部分を有するその他のもの、を有するものが含まれる。 【0035】 上記のオリゴヌクレオシドの調製を教示する代表的な米国特許には、US特許
    : 5,034,506;5,166,315;5,185,444;5,214,134;5,216,141;5,235,033;5,26
    4,562;5,264,564;5,405,938;5,434,257;5,466,677;5,470,967;5,489,677
    ;5,541,307;5,561,225;5,596,086;5,602,240;5,610,289;5,602,240;5,60
    8,046;5,610,289;5,618,704;5,623,070;5,663,312;5,633,360;5,677,437
    ;および5,677,439が含まれるが、これらには限定されず、それらの特定のものは、本出願により一般に所有されるものであり、そして参考文献としてそのそれぞれを本明細書中に援用する。 【0036】 その他の好ましいオリゴヌクレオチド模倣体において、ヌクレオチドユニットの糖およびヌクレオシド間結合の両方、すなわち、バックボーンを、新規の基により置換する。 塩基ユニットは、適した核酸標的化合物とのハイブリダイゼーションのための維持される。 優れたハイブリダイゼーション特性を有すると示されたそのようなオリゴマー化合物の一つであるオリゴヌクレオチド模倣体は、ペプチド核酸(PNA)とも呼ばれている。 PNA化合物において、オリゴヌクレオチドの糖-バックボーンは、アミド含有バックボーン、特にアミノエチルグリシンバックボーンにより置換される。 核塩基を保持し、そしてバックボーンのアミド部分のアザ窒素原子に直接的または間接的に結合する。 PNA化合物の調製を教示する代表的な米国特許には、US特許: 5,539,082;5,714,331;および5,719,262が含まれるが、これらだけには限定されず、そのそれぞれを本明細書中に参考文献として援用する。 PNA化合物のさらなる教示は、Nielsenら(Science, 1991, 254
    , 1497-1500)中に見出すことができる。 【0037】 本発明の最も好ましい態様は、ホスホロチオエートバックボーンを有するオリゴヌクレオチドおよびヘテロ原子バックボーンを有するオリゴヌクレオシドであり、特に上述の米国特許5,489,677の-CH 2 -NH-O-CH 2 -、-CH 2 -N(CH 3 )-O-CH 2 -〔
    メチレン(メチルイミノ)またはMMIバックボーン〕、-CH 2 -ON(CH 3 )-CH 2 -、-
    CH 2 -N(CH 3 )-N(CH 3 )-CH 2 -および-ON(CH 3 )-CH 2 -CH 2 -〔ここで、天然のホスホジエステルバックボーンは-OPO-CH 2 -として示される〕そして上述の米国特許5,602,240のアミドバックボーンである。 上述した米国特許5,034,506のモルホリノバックボーン構造を有するオリゴヌクレオチドもまた好ましい。 【0038】 修飾オリゴヌクレオチドは、1またはそれ以上の置換糖部分も含有する。 好ましいオリゴヌクレオチドは、2'位で以下のものの一つを含む:OH;F;O-、S-、
    またはN-アルキル;O-、S-、またはN-アルケニル;O-、S-またはN-アルキニル;
    またはO-アルキル-O-アルキル、ここでアルキル、アルケニルおよびアルキニルは、置換または非置換のC 1 〜C 10アルキルまたはC 2 〜C 10アルケニルおよびアルキニルでありうる。 O[(CH 2n O] m CH 3 、O(CH 2n OCH 3 、O(CH 2n NH 2 、O(CH 2
    n CH 3 、O(CH 2n ONH 2 、およびO(CH 2n ON[(CH 2n CH 3 )] 2 、ここでnおよびmは1から約10である、が特に好ましい。 その他の好ましいオリゴヌクレオチドは、2'位に以下のものの一つを含む:C 1 〜C 10の低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリールまたはO-アラルキル、SH、SCH 3
    OCN、Cl、Br、CN、CF 3 、OCF 3 、SOCH 3 、SO 2 CH 3 、ONO 2 、NO 2 、N 3 、NH 2 、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、リポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を向上するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬理特性を向上するための基、そして同様の特性を有するその他の置換基を含む。 好ましい修飾には、2'-メトキシエトキシ(2'-O-CH 2 CH 2 OCH 3 、2'-O-(2-メトキシエチル)または2'-MOEとしても知られる)(Martin et al., Helv. Chim.
    Acta, 1995, 78, 486-504)、すなわち、アルコキシアルコキシ基が含まれる。
    さらに好ましい修飾には、2'-ジメチルアミノオキシエトキシ、すなわち、本明細書の以下の実施例に記載する場合、2'-DMAOEとしても知られるO(CH 22 ON(C
    H 32基、そして2'-ジメチルアミノエトキシエトキシ(当該技術分野において2'
    -O-ジメチルアミノエトキシエチルまたは2'-DMAEOEとしても知られる)、すなわち、本明細書中の以下の実施例において2'-O-CH 2 -O-CH 2 -N(CH 22とも記載される、が含まれる。 【0039】 その他の好ましい修飾には、2'-メトキシ(2'-O-CH 3 )、2'-アミノプロポキシ(2'-OCH 2 CH 2 CH 2 NH 2 )および2'-フルオロ(2'-F)が含まれる。 同様の修飾もまた、オリゴヌクレオチドのその他の位、特に3'末端ヌクレオチドまたは2'-5'結合オリゴヌクレオチド中の糖の3'位および5'末端ヌクレオチドの5'位において作製することもできる。 オリゴヌクレオチドは、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分などの糖模倣体を有する場合もある。 このような修飾糖構造の調製を教示する代表的な米国特許には、US特許: 4,981,957;5,118,800;5,319,
    080;5,359,044;5,393,878;5,446,137;5,466,786;5,514,785;5,519,134;5
    ,567,811;5,576,427;5,591,722;5,597,909;5,610,300;5,627,053;5,639,8
    73;5,646,265;5,658,873;5,670,633;および5,700,920が含まれるが、これらには限定されず、それらの特定のものは、本出願により一般に所有されるものであり、そしてそのそれぞれはその全体を参考文献として本明細書中に援用する。 【0040】 オリゴヌクレオチドには、核塩基(しばしば当該技術分野において単に“塩基”としても呼ばれる)修飾または置換も含まれうる。 本明細書中に使用される場合、“非修飾”または“天然”核塩基には、プリン塩基、アデニン(A)およびグアニン(G)、そしてピリミジン塩基、チミン(T)、シトシン(C)およびウラシル(U)が含まれる。 修飾核塩基には、その他の合成および天然核塩基、たとえば5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6-メチルおよびその他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよびその他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-ハロウラシルおよびシトシン、5-プロピニルウラシルおよびシトシン、6-アゾのウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよびその他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよびその他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、7-デアザグアニンおよび7-デアザアデニンおよび3-デアザグアニンおよび3-デアザアデニンが含まれる。 さらなる核塩基には、米国特許No. 3,687,808に開示されたもの、Concise
    Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering, pages 858-859、Kroschw
    itz, JI, ed. John Wiley & Sons, 1990に開示されたもの、Englisch et al.,
    Angewandte Chemie, International Edition, 1991, 30, 613に開示されたもの、そしてSanghvi, YS, Chapter 15, Antisense Research and Applications,
    pages 289-302, Crooke, ST and Lebleu, B. , ed., CRC Press, 1993により開示されたもの、が含まれる。 これらの核塩基の特定のものは、本発明のオリゴマー化合物の結合親和性を増加させるために特に有用である。 これらには、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシルおよび5-プロピニルシトシンを含む、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジンおよびN-2、N-6およびO-6置換プリンが含まれる。 5-メチルシトシン置換は、核酸二重鎖安定性を0.6〜1.2℃増加させることが示され(Sanghvi, YS, Crooke, ST and Lebleu, B., eds., Antise
    nse Research and Applications, CRC Press, Boca Raton, 1993, pp. 276-278
    )、そして現在は好ましい塩基置換であり、2'-O-メトキシエチル糖修飾と組み合わせた場合にさらにより特に好ましい。 【0041】 上述した修飾核塩基の特定のものおよびその他の修飾核塩基の調製を教示する代表的な米国特許には、上述したUS特許3,687,808、およびUS特許: 4,845,2
    05;5,130,302;5,134,066;5,175,273;5,367,066;5,432,272;5,457,187;5,
    459,255;5,484,908;5,502,177;5,525,711;5,552,540;5,587,469;5,594,12
    1;5,596,091;5,614,617;および5,681,941が含まれるが、これらには限定されず、それらの特定のものは、本出願により一般に所有されるものであり、そしてそのそれぞれは参考文献として本明細書中に援用し、そして米国特許5,750,692
    が含まれ、これは本出願により一般に所有されるものであり、そして参考文献として本明細書中に援用する。 【0042】 本発明のオリゴヌクレオチドのその他の修飾には、オリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、または細胞取り込みを向上する、化学的にオリゴヌクレオチドに結合する1またはそれ以上の部分または複合体が含まれる。 そのような部分には、
    脂質部分、たとえばコレステロール部分(Letsinger et al., Proc. Natl. Acad
    . Sci. USA, 1989, 86, 6553-6556)、コール酸(Manoharan et al., Bioorg. M
    ed. Chem. Let., 1994, 4, 1053-1060)、チオエーテル、たとえば、ヘキシル-S
    -トリチルチオール(Manoharan et al., Ann. NY Acad. Sci., 1992, 660, 30
    6-309;Manoharan et al., Bioorg. Med. Chem. Let., 1993, 3, 2765-2770)、
    チオコレステロール(Oberhauser et al., Nucl. Acids Res., 1992, 20, 533-5
    38)、脂肪族鎖、たとえば、ドデカンジオールまたはウンデシル残基(Saison-B
    ehmoaras et al., EMBO J., 1991, 10, 1111-1118;Kabanov et al., FEBS Lett
    ., 1990, 259, 327-330;Svinarchuk et al., Biochimie, 1993, 75, 49-54)、
    リン脂質、たとえば、ジ-ヘキサデシル-rac-グリセロールまたはトリエチルアンモニウム1,2-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-3-H-ホスホネート(Manoharan e
    t al., Tetrahedron Lett., 1995, 36, 3651-3654;Shea et al., Nucl. Acids
    Res., 1990, 18, 3777-3783)、ポリアミンまたはポリエチレングリコール鎖(M
    anoharan et al., Nucleosides & Nucleoside, 1995, 14, 969-973)、またはアダマンタン酢酸(Manoharan et al., Tetrahedron Lett., 1995, 36, 3651-3654
    )、パルミチル部分(Mishra et al., Biochim. Biophys. Acta, 1995, 1264, 2
    29-237)、またはオクタデシルアミンまたはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分(Crooke et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 1996, 277,
    923-937)が含まれるが、これらには限定されない。 【0043】 この様なオリゴヌクレオチド複合体の調製を教示する代表的な米国特許には、
    US特許: 4,828,979;4,948,882;5,218,105;5,525,465;5,541,313;5,545,7
    30;5,552,538;5,578,717, 5,580,731;5,580,731;5,591,584;5,109,124;5,
    118,802;5,138,045;5,414,077;5,486,603;5,512,439;5,578,718;5,608,04
    6;4,587,044;4,605,735;4,667,025;4,762,779;4,789,737;4,824,941;4,8
    35,263;4,876,335;4,904,582;4,958,013;5,082,830;5,112,963;5,214,136
    ;5,082,830;5,112,963;5,214,136;5,245,022;5,254,469;5,258,506;5,26
    2,536;5,272,250;5,292,873;5,317,098;5,371,241, 5,391,723;5,416,203,
    5,451,463;5,510,475;5,512,667;5,514,785;5,565,552;5,567,810;5,574
    ,142;5,585,481;5,587,371;5,595,726;5,597,696;5,599,923;5,599,928および5,688,941が含まれるが、これらには限定されず、それらの特定のものは、
    本出願により一般に所有されるものであり、そしてそのそれぞれは参考文献として本明細書中に援用される。 【0044】 所定の化合物中のすべての位置を均一に修飾されることが必要とはされず、そして実際に、一つ以上の上述した修飾を、単一の化合物中あるいはオリゴヌクレオチド中の単一のヌクレオシドにおいても組み込むことができる。 本発明には、
    キメラ化合物であるアンチセンス化合物も含まれる。 本発明の文脈において、“
    キメラ”アンチセンス化合物または“キメラ”は、2つまたはそれ以上の化学的に特徴的な領域を含有するアンチセンス化合物、特にオリゴヌクレオチドであり、それぞれが少なくとも一つのモノマーユニット、すなわち、オリゴヌクレオチド化合物の場合にヌクレオチドから形成される。これらのオリゴヌクレオチドは、典型的には少なくとも一つの領域を含有し、ここでオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドに対して、増加したヌクレアーゼ分解耐性、増加した細胞取り込みおよび/または標的核酸に対する増加した結合親和性を付与するように、修飾される。オリゴヌクレオチドの追加の領域は、RNA:DNAまたはRNA:RNAハイブリッドを切断することができる酵素に対する基質として働くことができる。例を挙げると、RNase Hは、RNA:DNA二重鎖のRNA鎖を切断する、細胞性のエンドヌクレアーゼである。RNase Hの活性化により、したがって、結果としてRNA標的の切断を引き起こし、それにより遺伝子発現のオリゴヌクレオチド阻害の効率を非常に向上させる。結果として、キメラオリゴヌクレオチドを使用する場合に、同一の標的領域に対してハイブリダイズするホスホロチオエートデオキシオリゴヌクレオチドの場合と比較して、しばしばより短いオリゴヌクレオチドにより匹敵する結果を得ることができる。RNA標的の切断は、ゲル電気泳動により、そして必要な場合には当該技術分野において既知の関連する核酸ハイブリダイゼーション技術により、日常的に検出することができる。 【0045】 本発明のキメラアンチセンス化合物は、2つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチド、修飾オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシドおよび/または上述したオリゴヌクレオチド模倣体の混成の構造として形成することができる。このような化合物は、 当該技術分野においてハイブリッドまたはギャップマーとも呼ばれている。このようなハイブリッド構造の調製を教示する代表的な米国特許には、
    US特許: 5,013,830;5,149,797;5,220,007;5,256,775;5,366,878;5,403,7
    11;5,491,133;5,565,350;5,623,065;5,652,355;5,652,356;および5,700,9
    22が含まれるが、これらには限定されず、それらの特定のものは、本出願により一般に所有されるものであり、そしてそのそれぞれは全体として参考文献として本明細書中に援用される。 【0046】 本発明の化合物は、周知の固相合成技術を介して、容易にそして日常的に作製することができる。 このような合成のための装置は、たとえばApplied Biosyste
    ms(Foster City, CA)を含むいくつかの供給者により販売されている。 このような合成のための当該技術分野において既知のいずれかその他の手段を、追加的にまたは代替的に使用することができる。 同様な技術を使用してホスホロチオエートおよびアルキル化誘導体などのオリゴヌクレオチドを調製することは周知である。 【0047】 本発明のアンチセンス化合物は、in vitroで合成され、そして生物学的起源のアンチセンス組成物またはアンチセンス分子のin vivo合成を指向するように設計された遺伝子ベクター構築物を含まない。 【0048】 本発明の化合物を、取り込み、分布および/または吸収を助けるために、たとえば、リポソーム、受容体標的化分子、経口、直腸、局所またはその他の製剤として、混合し、カプセル化し、複合体化することができ、またはそうでなければ、その他の分子、分子構造、または化合物の混合物と結合させてもよい。 そのような取り込み、分布および/または吸収を助ける製剤の調製を教示する代表的な米国特許には、US特許: 5,108,921;5,354,844;5,416,016;5,459,127;5,52
    1,291;5,543,158;5,547,932;5,583,020;5,591,721;4,426,330;4,534,899
    ;5,013,556;5,108,921;5,213,804;5,227,170;5,264,221;5,356,633;5,39
    5,619;5,416,016;5,417,978;5,462,854;5,469,854;5,512,295;5,527,528
    ;5,534,259;5,543,152;5,556,948;5,580,575;および5,595,756が含まれるが、それらには限定されず、そのそれぞれを参考文献として本明細書中に援用する。 【0049】 本発明のアンチセンス化合物は、いずれかの医薬的に許容可能な塩、エステル、またはそのようなエステルの塩、またはヒトを含む動物に投与する際にその生物学的に活性な代謝物または残留物を(直接的にまたは間接的に)提供することができるいずれか他の化合物を包含する。 したがって、たとえば、開示から、プロドラッグおよび医薬的に許容可能な本発明の化合物の塩、そのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩、およびその他の生物学的等価物も導き出される。 【0050】 用語“プロドラッグ”は、内在性の酵素またはその他の化学物質および/または条件の作用により、その体内または細胞内で活性化型(すなわち、薬物)に変換される、不活性型で調製される治療剤のことを示す。 特に、本発明のオリゴヌクレオチドのプロドラッグ版は、GosselinらのWO 93/24510(1993年12月9日に発行)またはImbachらのWO 94/26764に開示された方法に従うSATE[(S-アセチル-
    2-チオエチル)ホスフェート]誘導体として調製される。 【0051】 用語“医薬的に許容可能な塩”とは、生理学的または医薬的に許容可能な本発明の化合物の塩:すなわち、親化合物の所望の生物学的活性を保持し、そしてそれについての所望しない毒性効果を与えない塩のことをいう。 【0052】 医薬的に許容可能な塩基付加塩は、金属またはアミン、たとえばアルカリおよびアルカリ土類金属または有機アミンなどにより形成される。 カチオンとして使用される金属の例は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどである。 適したアミンの例は、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、およびプロカイン(たとえば、Berge et al., “Phar
    maceutical Salts,” J. of Pharma Sci., 1977, 66, 1-19を参照)である。前記酸性化合物の塩基付加塩は、遊離酸型を十分な量の所望の塩基と接触させて、
    共有結合様式で塩を生成することにより、調製する。 遊離酸型は、塩型を酸と接触させることにより、そして遊離酸を従来の様式で単離することにより、再生することができる。 遊離酸型は、そのそれぞれの塩型とは、極性溶媒中への溶解性などの特定の生理学的特性においていくらか異なっているが、しかしそれ以外は、本発明の目的のためには、塩はそれらそれぞれの遊離酸と等価である。 本明細書中で使用される場合、“医薬的な付加塩”には、本発明の組成物の構成要素の一つの酸型の医薬的に許容可能な塩が含まれる。 これらには、アミンの有機酸塩または無機酸塩が含まれる。 好ましい酸塩は、塩酸塩、酢酸塩、サリチル酸塩、
    硝酸塩およびリン酸塩である。 その他の適した医薬的に許容可能な塩は、当業者に周知であり、そして様々な無機酸および有機酸の塩基性塩が含まれ、たとえば、無機酸を有するものとしては、たとえば塩酸、臭化水素酸、硫酸またはリン酸など;有機酸を有するものとしてはカルボン酸、スルホン酸、スルホ酸またはリン酸またはN-置換スルファミン酸、たとえば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、シュウ酸、グルコン酸、グルカル酸、グルクロン酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、2-フェノキシ安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、エンボン酸(embonic acid
    )、ニコチン酸またはイソニコチン酸;そしてアミノ酸を有するものとしては、
    本来はタンパク質の合成に関連する20個のα-アミノ酸、たとえばグルタミン酸、またはアスパラギン酸など、そしてまた、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、
    エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-メチルベンゼンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、2-または3-ホスホグリセリン酸、グルコース-6-ホスフェート、N-シクロヘキシルスルファミン酸(シクラメートの形成を伴う)を有するもの、またはその他の酸有機化合物、たとえば、アスコルビン酸などを有するものが含まれる。 化合物の医薬的に許容可能な塩もまた、医薬的に許容可能なカチオンにより調製することができる。 適した医薬的に許容可能なカチオンは、当業者に周知であり、そしてアルカリ、アルカリ土類、アンモニウムおよび第四アンモニウムカチオンが含まれる。 炭酸塩または炭酸水素塩もまた可能である。 【0053】 オリゴヌクレオチドについて、医薬的に許容可能な塩の好ましい例には、(a
    )ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム、カルシウム、スペルミンおよびスペルミジンなどのポリアミンなどのカチオンにより形成される塩;(
    b)無機酸、たとえば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸などにより形成される酸付加塩;(c)有機酸、たとえば酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パルミチン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ポリガラクツロン酸などにより形成される塩;そして(d)塩素、臭素、およびヨウ素などの元素アニオンから形成される塩;が含まれるが、これらには限定されない。 【0054】 本発明のアンチセンス化合物は、診断薬、治療薬、予防薬、そして研究用試薬およびキットとして使用することができる。 治療薬として、PTENの発現をモジュレートすることにより治療することができる疾患または症状を有することが疑われる動物、好ましくはヒトを、本発明に従うアンチセンス化合物を投与することにより治療する。 本発明の化合物を、有効量のアンチセンス化合物を適した医薬的に許容可能な希釈剤または担体に添加することにより、医薬組成物中で利用することができる。 本発明のアンチセンス化合物および方法の使用はまた、予防的、たとえば、感染、炎症または腫瘍形成を予防しまたは遅延させるためにも有用である場合がある。 【0055】 これらの化合物がPTENをコードする核酸に対してハイブリダイズし、この事実を探求するためにサンドイッチアッセイおよびその他のアッセイを容易に構築することができるため、本発明のアンチセンス化合物は、研究用としてそして診断薬として有用である。 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドのPTENをコードする核酸とのハイブリダイゼーションは、当該技術分野において既知の手段により検出することができる。 このような手段には、オリゴヌクレオチドに対する酵素の複合化、オリゴヌクレオチドの放射標識またはいずれかその他の適した検出手段を含むことができる。 サンプル中のPTENのレベルを検出するためのこの様な検出手段を使用するキットもまた、調製することができる。 【0056】 本発明にはまた、本発明のアンチセンス化合物を含む医薬組成物および製剤が含まれる。 本発明の医薬組成物は、局所治療または全身治療が所望されるかどうか、そして治療すべき領域に依存して、多数の方法により投与することができる。 投与は、局所(眼を含み、および膣および直腸送達を含む粘膜に対するものを含む)、肺、たとえば、ネブライザーによるものを含む、粉末またはエアロゾルの吸入または吹き込みによるもの;気管内、鼻内、表皮、および経皮)、経口または非経口により行うことができる。 非経口投与には、静脈内、動脈内、皮下、
    腹腔内または筋肉内の注射または注入;または頭蓋内、たとえば、くも膜下投与または脳室内投与が含まれる。 少なくとも一つの2'-O-メトキシエチル修飾を有するオリゴヌクレオチドは、経口投与のために特に有用であると考えられている。 【0057】 局所投与のための医薬組成物および製剤には、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、滴剤、坐剤、スプレー剤、液剤、および粉剤が含まれうる。 従来からの医薬的な担体、液体、粉末または油状基材、増粘剤などは、必要とされるかまたは所望される場合がある。 コートしたコンドーム、手袋などもまた有用である。 【0058】 経口投与のための組成物および製剤には、粉末または顆粒、懸濁剤または水溶液または非水性媒体中溶液、カプセル、サシェ、または錠剤などが含まれる。 増粘剤、着香剤、希釈剤、乳化剤、分散助剤または結合剤が好ましい場合がある。 【0059】 非経口投与、くも膜下投与または脳室内投与のための組成物および製剤には、
    バッファー、希釈剤およびその他の適した添加物、たとえば浸透亢進剤、担体化合物、およびその他の医薬的に許容可能な担体または賦形剤もまた含有しうる、
    滅菌水溶液が含まれうる。 【0060】 本発明の医薬組成物には、溶液、エマルジョン、およびリポソーム含有製剤が含まれるが、これらには限定されない。 これらの組成物は、既成液体、自己乳化性固体そして自己乳化性半固体が含まれる、様々な構成要素から生成することができるが、これらには限定されない。 【0061】 単位用量剤形中に容易に提供ことができる本発明の医薬製剤は、医薬業界において周知の従来技術にしたがって調製することができる。 このような技術には、
    活性有効成分と1または複数の医薬的担体または1または複数の医薬的賦形剤とを組み合わせる工程が含まれる。 一般的には、均質にそして緊密に、活性有効成分と液体担体または正確に分割した固体担体またはその両方と組み合わせ、その後必要とされる場合には生成物を成型することにより、製剤を調製する。 【0062】 本発明の組成物は、たとえば錠剤、カプセル、液体シロップ、軟ゲル、坐剤、
    および浣腸剤などの、しかしこれらには限定されない、多くの可能性のある用量剤形のいずれか中に製剤化することができる。 本発明の組成物はまた、水性媒体、非水性媒体または混合媒体中の懸濁剤として製剤化することもできる。 水性懸濁剤はさらに、たとえば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールおよび/またはデキストランを含む懸濁剤の粘度を上昇させる物質を含有してもよい。 懸濁剤はまた、安定化剤を含有していてもよい。 【0063】 本発明の一態様において、医薬組成物を製剤化し、そして泡状物として使用することができる。 医薬的な泡状物には、エマルジョン、マイクロエマルジョン、
    クリーム剤、ジェリー剤、およびリポソーム剤などの製剤を含むが、これらのものには限定されない。 その性質において基本的に同様である一方、これらの製剤は、最終生成物の構成要素および密度において変化する。 このような組成物および製剤の調製は、一般的に医薬および製剤の分野における当業者に知られており、そして本発明の組成物の製剤に対して適用することができる。 【0064】 エマルジョン 本発明の組成物は、エマルジョンとして調製しそして製剤化することができる。 エマルジョンは、通常は直径0.1μmを超える液滴の形状で、一つの液体を別の液体中に分散させた典型的には不均質の系である(Idson, in Pharmaceutical D
    osage Forms, Lieberman, Rieger and Banker(Eds.), 1988, Marcel Dekker,
    Inc., New York, NY, volume 1, p. 199;Rosoff, in Pharmaceutical Dosage
    Forms, Lieberman, Rieger and Banker(Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc.,
    New York, NY, Volume 1, p. 245;Block in Pharmaceutical Dosage Forms,
    Lieberman, Rieger and Banker(Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New Yo
    rk, NY, volume 2, p. 335;Higuchi et al., in Remington's Pharmaceutica
    l Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA, 1985, p. 301)。 エマルジョンは、しばしば、互いに十分に混合され分散された2種の不混和性の液体相を含む二相システムである。 一般的には、エマルジョンは、油中水型の種(w/o)または水中油型の種(o/w)のいずれかでありうる。 液体相がバルクな油相中によく分離され微小滴として分散されている場合、得られた組成物を油中水型(w/o
    )エマルジョンと呼ぶ。 あるいは、油相がバルクな液体相中によく分離され微小滴として分散されている場合、得られた組成物を水中油型(o/w)エマルジョンと呼ぶ。 エマルジョンは、分散相と、液体相、油相のいずれか中に溶液としてあるいは別々の相としてそれ自体として存在していてもよい活性な薬物と、に加えて、さらに要素を包含していてもよい。 乳化剤、安定化剤、色素、および抗酸化剤などの医薬的な賦形剤が、必要に応じてエマルジョン中に存在していてもよい。 医薬的なエマルジョンは、たとえば、油中水中油型(o/w/o)および水中油中水型(w/o/w)エマルジョンの場合のような、2種以上の相を含む、マルチエマルジョンであってもよい。 このような複合製剤は、しばしば、単なる2成分のエマルジョンでは得られない、特定の利点を提供する。 o/wエマルジョンの個々の油滴が小さな水滴を含むマルチエマルジョンは、w/o/wエマルジョンを構成する。
    同様に、油性の連続相中に安定化された水の小球中に含まれる油滴のシステムは、o/w/oエマルジョンを提供する。 【0065】 エマルジョンは、熱力学的安定性をほとんど有さないかまたはまったく有さないことにより特徴付けられる。 しばしば、エマルジョンの分散相または不連続相が、外部相または連続相中に十分に分散され、そして乳化剤の手段または製剤の粘性を介してこの形態に維持される。 エマルジョンの相のいずれかは、エマルジョン-型軟膏基材およびクリームの場合の様に、半固体または個体であってもよい。 エマルジョンを安定化するその他の手段には、エマルジョンのいずれかの相中に含まれてもよい、乳化剤を使用することが含まれる。 乳化剤は、大きく4つのカテゴリーに分類される場合がある:合成サーファクタント、天然に存在する乳化剤、吸着基材、そして精密に分散された固体、である(Idson, in Pharmace
    utical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker(Eds.), 1988, Marcel
    Dekker, Inc., New York, NY, volume 1, p. 199)。 【0066】 合成サーファクタントは、界面活性剤としても知られているが、エマルジョンの製剤化において幅広い有用性が見出されており、そして文献においてもレビューされている(Rieger, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger
    and Banker(Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, NY, volume 1,
    p. 285; Idson, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and B
    anker(Eds.), Marcel Dekker, Inc., New York, NY, 1988, volume 1, p. 1
    99)。 サーファクタントは、典型的には、両親媒性であり、そして親水性部分と疎水性部分とを含む。 サーファクタントの疎水性の性質に対する親水性の性質の比率は、親水性/親油性バランス(HLB)と呼ばれ、そして製剤の調製においてサーファクタントを分類しそして選択する際の貴重なツールである。 サーファクタントは、親水性基の性質に基づいて別のクラスに分類される場合がある:非イオン性、アニオン性、カチオン性、および両性(Rieger, in Pharmaceutical Do
    sage Forms, Lieberman, Rieger and Banker(Eds.), 1988, Marcel Dekker, I
    nc., New York, NY, volume 1, p. 285)。 【0067】 エマルジョン製剤中で使用される天然に存在する乳化剤には、ラノリン、密ロウ、ホスファチド類、レシチンおよびアカシアが含まれる。 吸着基材は、水を吸収して、w/oエマルジョンを形成するが、それでもそれらの半固体の硬さを維持するような、親水性特性を有し、たとえば無水ラノリンおよび親水性ワセリンがある。 精密に分散された固体もまた、よい乳化剤として、特にサーファクタントと組み合わせて、そして粘着性の調製物中で使用された。 これらには、重金属水酸化物;ベントナイト、アタパルガイト、ヘクトライト(hectorite)、カオリン、モンモリロン石、コロイド状ケイ酸アルミニウムおよびコロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウムなどの非膨張性クレー;色素;および炭素またはトリステアリン酸グリセリンなどの非極性固体;などの極性の無機固体が含まれる。 【0068】 非常に様々な非-乳化性物質もまた、エマルジョン製剤中に含まれ、そしてエマルジョンの特性に寄与する。 これらには、脂質、油、ロウ、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪エステル、保水剤(humectants)、親水性コロイド、保存剤および抗酸化剤が含まれる(Block, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Ri
    eger and Banker(Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, NY, vol
    ume 1, p. 335;Idson, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger
    and Banker(Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, NY, volume 1,
    p. 199)。 【0069】 親水性コロイドまたは親水コロイドには、多糖類(たとえば、アカシア、寒天、アルギン酸、カラギーナン、グアルガム(guar gum)、インドゴム(karaya g
    um)、そしてトラガカント)、セルロース誘導体(たとえば、カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシプロピルセルロース)、そして合成ポリマー(たとえば、カルボマー(carbomers)、セルロースエーテル、およびカルボキシビニルポリマー)などの、天然に存在するガムおよび合成のポリマーが含まれる。 これらは、水中で分散しあるいは膨張して、強力な界面フィルムを分散相の滴の周囲に形成し、そして外部相の粘性を増大させることにより、エマルジョンを安定化させるコロイド溶液を形成する。 【0070】 エマルジョンはしばしば、微生物の増殖をすぐにサポートすることができる、
    炭水化物、タンパク質、ステロール、およびホスファチドなどの多数の活性物質を含有するため、これらの製剤はしばしば保存剤を含む。 エマルジョン製剤中に含まれる一般的に使用される保存剤には、メチルパラベン、プロピルパラベン、
    第4アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、p-ヒドロキシ安息香酸のエステル、そしてホウ酸が含まれる。 抗酸化剤もまた、一般的にエマルジョン製剤に添加して、製剤の変質を防止する。 使用される抗酸化剤は、トコフェロール、没食子酸アルキル(alkyl gallates)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、またはアスコルビン酸およびメタ重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤などのフリーラジカルスカベンジャー、およびクエン酸、酒石酸、およびレシチンなどの抗酸化剤シナージストであってもよい。 【0071】 外皮経路、経口経路、および非経口経路を介するエマルジョン製剤の使用およびそれらの製造のための方法は、文献中でレビューされてきた(Idson, in Phar
    maceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker(Eds.), 1988, Mar
    cel Dekker, Inc., New York, NY, volume 1, p. 199)。 経口送達のためのエマルジョン製剤は、製剤化が容易であり吸収および生物学的適合性の観点から効率的であるため、非常に幅広く使用されてきた(Rosoff, in Pharmaceutical Do
    sage Forms, Lieberman, Rieger and Banker(Eds.), 1988, Marcel Dekker, I
    nc., New York, NY, volume 1, p. 245;Idson, in Pharmaceutical Dosage F
    orms, Lieberman, Rieger and Banker(Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., N
    ew York, NY, volume 1, p. 199)。 ミネラル油-ベースの緩下剤、油溶性ビタミンおよび高脂肪栄養調製物は、一般的に、o/wエマルジョンとして経口的に投与される物質に含まれる。 【0072】 本発明の一態様において、オリゴヌクレオチドと核酸の組成物は、マイクロエマルジョンとして製剤化される。 マイクロエマルジョンは、水、油および単一の、光学的に等方性な、そして熱力学的に安定な液体溶液である両親媒性物質、のシステムとして定義されうる(Rosoff, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieb
    erman, Rieger and Banker(Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N
    .Y., volume 1, p. 245)。 典型的には、マイクロエマルジョンは、まず油を水溶性サーファクタント溶液中に分散させ、そしてついで一般的には中間鎖長アルコールである十分量の第4の構成要素を添加して、透明なシステムを形成することにより、調製されるシステムである。 したがって、マイクロエマルジョンは、
    界面活性分子の界面フィルムにより安定化される2種の不混和性の液体の、熱力学的に安定で、等方性な、透明の分散物質としても記載された(Leung and Shah
    , in: Controlled Release of Drugs: Polymers and Aggregate Systems, Rosof
    f, M., Ed., 1989, VCH Publishers, New York, pages 185-215)。 マイクロエマルジョンは、一般的には、油、水、サーファクタント、コサーファクタントおよび電解質を含む、3〜5種の構成要素を組み合わせることにより調製される。 マイクロエマルジョンが油中水型(w/o)であるかあるいは水中油型(o/w)であるかは、使用される油およびサーファクタントの特性に依存し、そしてサーファクタント分子の構造のその極性頭部と炭化水素尾部の幾何学的な畳み込みに依存する(Schott, in Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co.,
    Easton, PA, 1985, p. 271)。 【0073】 相ダイアグラムを使用した現象学的アプローチが広く研究され、そしてマイクロエマルジョンを製剤化するための方法についての、当業者に対する、包括的な知識が得られた(Rosoff, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Riege
    r and Banker(Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, NY, volume
    1, p. 245;Block, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and
    Banker(Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, NY, volume 1, p.
    335)。 従来のエマルジョンと比較して、マイクロエマルジョンは、自発的に形成される熱力学的に安定な小滴の製剤において、水-不溶性薬物を可溶化するという利点を提供する。 【0074】 マイクロエマルジョンの調製に使用されるサーファクタントには、イオン性サーファクタント、非-イオン性サーファクタント、Brij 96、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、テトラグリセロールモノラウレート(ML310)、テトラグリセロールモノオレエート(MO310)、ヘキサグリセロールモノオレエート(PO310)、ヘキサグリセロールペンタオレエート(P
    O500)、デカグリセロールモノカプレート(MCA750)、デカグリセロールモノオレエート(MO750)、デカグリセロールセクイオレエート(sequi oleate)(SO7
    50)、デカグリセロールデカオレエート(DAO750)、が、単独であるいはコサーファクタントと組み合わせて含まれるが、これらには限定されない。 コサーファクタントは、通常はエタノール、1-プロパノール、および1-ブタノールなどの短鎖アルコールであるが、サーファクタントフィルム中に浸透し、そして結果的にはサーファクタント分子のあいだで生成される空隙スペースのために不規則なフィルムを作製することにより、界面流動度を増大させるために働く。 しかしながら、マイクロエマルジョンは、コサーファクタントを使用することなく調製することができ、そしてアルコールフリーの自己乳化マイクロエマルジョンシステムが当該技術分野において知られている。 水相は、典型的には、水、薬物の水性溶液、グリセロール、PEG300、PEG400、ポリグリセロール、プロピレングリコールおよびエチレングリコールの誘導体であってもよいが、これらのものには限定されない。 油相には、Captex 300、Captex 355、Capmul MCM、脂肪酸エステル、中間鎖(C 8 -C 12 )モノ、ジ、およびトリ-グリセリド、ポリオキシエチル化グリセリル脂肪酸エステル、脂肪アルコール、ポリ糖化(glycolized)グリセリド、飽和ポリ糖化(glycolized)C8-C10グリセリド、植物油およびシリコーン油などの物質が含まれうるが、これらのものには限定されない。 【0075】 マイクロエマルジョンは、薬物溶解性および薬物の吸収亢進の観点から、特に興味深いものである。 脂質ベースのマイクロエマルジョン(o/wおよびw/oの両方)は、ペプチドを含む薬物の経口生物学的適合性を亢進させると提唱された(Co
    nstantinides et al., Pharmaceutical Research, 1994, 11, 1385-1390;Ritsc
    hel, Meth. Find. Exp. Clin. Pharmacol., 1993, 13, 205)。 マイクロエマルジョンは、薬物溶解性の向上、酵素的加水分解からの薬物の保護、膜流動度および膜透過性におけるサーファクタント-誘導性変化による薬物吸収の亢進の可能性、調製の容易性、固体用量剤形を超える経口投与の容易性、臨床的可能性の向上、および毒性の低減といった利点を提供する(Constantinides et al., Pharm
    aceutical Research, 1994, 11, 1385;Ho et al., J. Pharm. Sci., 1996, 85,
    138-143)。 それらの構成要素を周囲温度において一緒にしておくと、しばしば、マイクロエマルジョンが自発的に形成される場合がある。 このことは、易熱性(熱不安定性)薬物、ペプチドまたはオリゴヌクレオチドを製剤化する際に、特に利点でありうる。 マイクロエマルジョンは、美容用途および医薬用との両方において、活性構成要素の経皮的送達においても有効であった。 本発明のマイクロエマルジョン組成物および製剤は、胃腸管からのオリゴヌクレオチドおよび核酸の全身性吸収の増加を促進し、および胃腸管、膣、口腔(buccal cavity)およびその他の投与領域中で、オリゴヌクレオチドおよび核酸の局所的細胞取り込みを向上させることができる。 【0076】 本発明のマイクロエマルジョンはまた、ソルビタンモノステアレート(Grill
    3)、ラブラゾル(Labrasol)、および浸透亢進剤などの追加の構成要素および添加剤を含有して、製剤の特性を向上させ、そして本発明のオリゴヌクレオチドおよび核酸の吸収を亢進させることもできる。 本発明のマイクロエマルジョン中で使用される浸透亢進剤は、5つの幅広いカテゴリーのうちの一つに属するものとして分類することができる:サーファクタント、脂肪酸、胆汁酸、キレート剤、および非-キレート非-サーファクタント(Lee et al., Critical Reviews in
    Therapeutic Drug Carrier Systems, 1991, p. 92)。 これらのクラスのそれぞれは、上述した。 【0077】 リポソーム マイクロエマルジョン以外に、薬物の製剤化のために研究されそして使用された、多くの有機(organized)サーファクタント構造が存在する。 これらには、
    単層、ミセル、二重層および小胞が含まれる。 小胞、たとえばリポソーム、は、
    薬物送達の観点からそれらが提供する、その特異性および作用期間により、大きな興味をひきつけた。 本明細書中で使用される場合、“リポソーム”という用語は、球状の1または複数の二重層中に配置された、両親媒性脂質からなる小胞を意味する。 【0078】 リポソームは、親油性物質から形成される膜および水性の内部を有する、単一ラメラ小胞またはマルチラメラ小胞である。 水性部分には、送達すべき組成物が含有される。 カチオン性リポソームは、細胞壁と融合することができるという利点を有する。 非-カチオン性リポソームは、細胞壁とは効率的に融合することができないものの、マクロファージによりin vivoにおいて取り込まれる。 【0079】 無傷のほ乳動物皮膚を通過するために、脂質小胞は、適切な経皮的勾配の影響のもと、それぞれが直径50 nm未満であるような一連の微細な孔を通過しなければならない。 したがって、高度に変形しやすくそしてそのような微細な孔を通過することができるリポソームを使用することが好ましい。 【0080】 リポソームのさらなる利点には、以下のものが含まれる;天然のリン脂質から得られたリポソームは、生物学的適合性であり、そして生体分解性なものである;リポソームは、幅広い水溶性薬物および脂質可溶性薬物を含むことができる;
    リポソームは、その内部コンパートメント中のカプセル化した薬物を代謝および分解から保護することができる(Rosoff, in Pharmaceutical Dosage Forms, Li
    eberman, Rieger and Banker(Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York,
    NY, volume 1, p. 245)。 リポソーム製剤の調製において考慮すべき重要事項は、脂質表面荷電、小胞サイズ、そしてリポソームの水容積である。 【0081】 リポソームは、活性成分を作用部位に移送および送達するために有用である。
    リポソーム膜は、構造的に生体膜と類似しているため、リポソームを組織に使用する場合には、リポソームを細胞膜に溶け込ませるようにはじめる。 リポソームと細胞の溶融が進行するにつれて、リポソーム内容物は、活性剤が作用することができる細胞中へ移る。 【0082】 リポソーム製剤は、多くの薬物についての送達様式として、幅広い研究の焦点である。 局所投与のために、リポソームは、他の製剤を超えるいくつかの利点を提供するという証拠がますます多くなっている。 このような利点には、投与された薬物の高い全身性吸収に関連した副作用の減少、所望される標的での投与された薬物の蓄積の増加、そして親水性および疎水性の両方の様々な薬物を皮膚中に投与する能力、が含まれる。 【0083】 いくつかの報告は、リポソームが高分子量DNAを含む薬剤を皮膚中に送達する能力について詳細に説明した。 鎮痛剤、抗体、ホルモンおよび高分子量DNAを含む化合物を、皮膚に投与した。 投与の多くは、結果として外皮の上部を標的とした。 【0084】 リポソームは、2つの幅広いクラスに分けられる。 カチオン性リポソームは、
    マイナス(-)に荷電したDNA分子と相互作用して、安定な複合体を形成する、プラス(+)に荷電したリポソームである。 プラスに荷電したDNA/リポソーム複合体は、マイナスに荷電した細胞表面に結合し、そしてエンドソーム中に内部化される。 エンドソーム中の酸性pHにより、リポソームは破裂し、その内容物を細胞質中に放出する(Wang et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 1987, 147,
    980-985)。 【0085】 pH-感受性あるいはマイナスに荷電したリポソームは、DNAと複合体を形成するというよりは、DNAを捕捉する。 DNAおよび脂質の両方が同様に荷電するため、複合体の形成ではなく反発(repulsion)が生じる。 それにもかかわらず、いくつかのDNAは、これらのリポソームの水性内部中に捕捉される。 pH-感受性リポソームを使用して、チミジンキナーゼ遺伝子をコードするDNAを培養中の細胞単層に送達させた。 外来性遺伝子の発現が、標的細胞中で検出された(Zhou et al., J
    ournal of Controlled Release, 1992, 19, 269-274)。 【0086】 リポソーム組成物の1つの主要な型には、天然由来のホスファチジルコリン以外のリン脂質が含まれる。 天然のリポソーム組成物は、たとえば、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)またはジパルミトイルホスファチジルコリン(
    DPPC)から形成することができる。 アニオン性リポソーム組成物は、一般的に、
    ジミリストイルホスファチジルグリセロールから形成されるが、一方でアニオン性フソジェニックな(fusogenic)リポソームは、主として、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)から形成される。 リポソーム組成物の別の型は、たとえば、ダイズホスファチジルコリン(PC)、およびタマゴPCなどのPC
    から形成される。 別の型は、リン脂質および/またはホスファチジルコリンおよび/またはコレステロールの混合物から形成される。 【0087】 いくつかの研究では、皮膚へのリポソーム薬剤製剤の局所投与が評価された。
    インターフェロンを含有するリポソームをモルモット皮膚に対して使用すると、
    結果として皮膚のヘルペス潰瘍が減少したが、その他の手段(たとえば溶液またはエマルジョン)を介してインターフェロンの送達をしても有効ではなかった(
    Weiner et al., Journal of Drug Targeting, 1992, 2, 405-410)。 さらに、別の研究は、水性システムを用いたインターフェロンの投与に対する、リポソーム製剤の一部として投与したインターフェロンの効率を試験し、そしてリポソーム製剤は水性投与よりも優れていると結論付けた(du Plessis et al., Antiviral
    Research, 1992, 18, 259-265). 薬物の皮膚への送達におけるその有用性を決定するために、非-イオン性リポソームシステム、特に、非-イオン性サーファクタントおよびコレステロールを含むシステムを調べた。 Novasome TM I(グリセリルジラウレート/コレステロール/ポリオキシエチレン-10-ステアリルエーテル)およびNovasome TM II(グリセリルジステアレート/コレステロール/ポリオキシエチレン-10-ステアリルエーテル)を含む非-イオン性リポソーム製剤を使用して、シクロスポリン-Aをマウス皮膚の真皮中に送達した。 結果から、このような非-イオン性リポソームシステムは、シクロスポリン-Aが皮膚の別の層中に沈着することを促進する際に効果的であることが示された(Hu et al. STPPharma. Sci., 1994, 4, 6, 466
    )。 【0088】 リポソームには、“立体化学的に安定な”リポソームも含まれるが、この用語は本明細書中で使用される場合、1またはそれ以上の特殊な(specialized)脂質であって、リポソーム中に取り込まれた場合、そのような特殊な脂質を含まないリポソームと比較して、循環血中での寿命が長くなる脂質、を含むリポソームのことをいう。 立体化学的に安定なリポソームの例は、リポソームの小胞-形成性脂質部分の一部分が、(A)モノシアロガングリオシドG M1などの1またはそれ以上の糖脂質を含むか、または(B)ポリエチレングリコール(PEG)部分などの1
    またはそれ以上の親水性ポリマーにより誘導体化されている、ものがある。 いずれかの具体的な理論に縛られることを望むわけではないが、当該技術分野においては、ガングリオシド、スフィンゴミエリン、またはPEG-誘導体化脂質を含有する少なくとも立体化学的に安定なリポソームについて、これらの立体化学的に安定なリポソームの循環系での半減期が増加しているのは、細網内皮系(RES)の細胞中への取り込みが減少したことに由来すると考えられている(Allen et al.
    , FEBS Letters, 1987, 223, 42;Wu et al., Cancer Research, 1993, 53, 376
    5)。 【0089】 1またはそれ以上の糖脂質を含む様々なリポソームが、当該技術分野において既知である。 Papahadjopoulosら(Ann. NY Acad. Sci., 1987, 507, 64)は、モノシアロガングリオシドG M1 、硫酸ガラクトセレブロシドおよびホスファチジルイノシトールがリポソームの血中半減期を向上させる能力を報告した。 これらの知見は、Gabizonら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1988, 85, 6949)により述べられた。 米国特許No. 4,837,028およびWO 88/04924は、両方ともAllen
    らによるものであるが、(1)スフィンゴミエリンおよび(2)ガングリオシドG M 1または硫酸ガラクトセレブロシドエステル、を含むリポソームを開示する。 米国特許No. 5,543,152(Webbら)は、スフィンゴミエリンを含むリポソームを開示する。 1,2-sn-ジミリストイルホスファチジルコリンを含むリポソームは、WO
    97/13499(Limら)中に開示されている。 【0090】 1またはそれ以上の親水性ポリマーにより誘導体化された脂質を含む多くのリポソーム、およびその製造方法は、当該技術分野において既知である。 Sunamoto
    ら(Bull. Chem. Soc. Jpn., 1980, 53, 2778)は、PEG部分を含有する非イオン性界面活性剤、2C 12 15G、を含むリポソームを記載した。 Illumら(FEBS Lett.,
    1984, 167, 79)は、ポリスチレン粒子のポリマーグリコールによる親水性コーティングが、血中半減期の顕著な増加を引き起こすことに注目した。 ポリアルキレングリコール(たとえば、PEG)のカルボン酸(carboxylic)基の結合により修飾された合成リン脂質は、Searsにより記載されている(米国特許Nos. 4,426,
    330および4,534,899)。 Klibanovら(FEBS Lett., 1990, 268, 235)は、PEGまたはステアリン酸PEGにより誘導体化されたホスファチジルエタノールアミン(P
    E)を含むリポソームは、血液循環中での半減期が顕著に増加することを示す実験を記載した。 Blumeら(Biochimica et Biophysica Acta, 1990, 1029, 91)は、そのような知見をその他のPEG-誘導体化リン脂質、たとえば、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)およびPEGの組み合わせから形成されるDSPE-PEG、に拡張した。 共有結合したPEG部分をその外側表面に有するリポソームは、Fisherに対する欧州特許No. EP 0 445 131 B1およびWO 90/04384中に記載される。 PEGにより誘導体化された1〜20モル%のPEを含有するリポソーム組成物、およびその使用方法は、Woodleら(米国特許Nos. 5,013,556および5,356,63
    3)およびMartinら(米国特許No. 5,213,804および欧州特許No. EP 0 496 813 B
    1)により記載される。 多数のその他の脂質-ポリマー複合体を含むリポソームは、WO 91/05545および米国特許No. 5,225,212(両方ともMartinら)およびWO 94/
    20073(Zalipskyら)において記載される。 PEG-修飾セラミド脂質を含むリポソームは、WO 96/10391(Choiら)に記載される。 米国特許Nos. 5,540,935(Miyaz
    akiら)および5,556,948(Tagawaら)は、その表面に対して官能基部分をさらに誘導体化することができる、PEG-含有リポソームを記載する。 【0091】 核酸を含む限定的な数のリポソームが当該技術分野において既知である。 Thie
    rryらに対するWO 96/40062は、高分子量の核酸をリポソーム中にカプセル化するための方法を開示する。 Tagawaらに対する米国特許No. 5,264,221は、タンパク質-結合リポソームを開示し、そしてそのようなリポソームの内容物にはアンチセンスRNAが含まれうることを明らかにしている。 Rahmanらに対する米国特許No.
    5,665,710は、オリゴデオキシヌクレオチドをリポソーム中にカプセル化する特定の方法を記載する。 Loveらに対するWO 97/04787は、raf遺伝子を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを含むリポソームを開示する。 【0092】 トランスファーソーム(transfersome)は、リポソームのさらに別の型であり、そして非常に変形可能な脂質集合物であり、薬物送達ビヒクルの魅力的な候補物である。 トランスファーソームは、非常に変形可能であるため、小滴よりも小さな孔を介して容易に浸透することができる、脂質小滴として記載することができる。 トランスファーソームは、それらを使用する環境に適応することができ、
    たとえばそれらは、自己-最適性(皮膚の孔の形状に適応する)であり、自己-修復性であり、しばしば断片化されることなくそれらの標的に到達し、そしてしばしば自己-負荷性(self-loading)である。 トランスファーソームを作製するため、標準的なリポソーム組成物に対して、表面強力アクチベーター(edge-activ
    ators)、通常はサーファクタント、を添加することができる。 トランスファーソームを使用して、皮膚に対して血清アルブミンを送達した。 血清アルブミンのトランスファーソーム-媒介性送達は、血清アルブミンを含有する溶液を皮下に注入する方法と同様に効率的であることが示された。 【0093】 サーファクタントは、エマルジョン(マイクロエマルジョンを含む)およびリポソームなどの製剤において、幅広い用途が見いだされる。 多くの様々なタイプのサーファクタントの特性を、天然のサーファクタントおよび合成のサーファクタントの両方ともについて分類しそしてランク付けする最も一般的な方法は、親水性/親油性バランス(HLB)の使用によるものである。 親水性基(“ヘッド”
    としても知られる)の性質は、製剤に使用する様々なサーファクタントをカテゴリー化に対して最も有用な手段を提供する(Rieger, in Pharmaceutical Dosage
    Forms, Marcel Dekker, Inc., New York, NY, 1988, p. 285)。 【0094】 サーファクタント分子がイオン化されていない場合、非イオン性サーファクタントとして分類される。 非イオン性サーファクタントは、医薬生成物および化粧用生成物において幅広い用途を見いだされ、そして幅広いpH値にわたって使用することができる。 一般的には、それらのHLB値は、その構造に依存して、2〜約18
    の範囲にわたる。 非イオン性サーファクタントには、エチレングリコールエステル、プロピレングリコールエステル、グリセリルエステル、ポリグリセリルエステル、ソルビタンエステル、スクロースエステル、そしてエトキシ化(ethoxyla
    ted)エステルなどの非イオン性エステルが含まれる。 脂肪アルコールエトキシ化物(ethoxylates)、プロポキシ化(propoxylated)アルコール、およびエトキシ化/プロポキシ化ブロックポリマーなどの非イオン性アルカノールアミドおよびエーテルもまた、このクラスに含まれる。 ポリオキシエチレンサーファクタントは、非イオン性サーファクタントのクラスの最も一般的な構成物質である。 【0095】 サーファクタント分子が、水中に溶解しまたは分散させる場合に負(-)の荷電を有する場合、サーファクタントはアニオン性と分類される。 アニオン性サーファクタントには、石けんなどのカルボン酸エステル、アシルラクチレート(la
    ctylates)、アミノ酸のアシルアミド、アルキル硫酸塩およびエトキシ化アルキル硫酸塩などの硫酸のエステル、アルキルベンゼンスルホン酸エステル、アシルイセチオネート(isethionates)、アシルタウレート(taurates)およびスルホコハク酸塩などのスルホン酸エステル、およびホスフェートが含まれる。 アニオン性サーファクタントのクラスの最も重要な構成物質は、アルキル硫酸塩および石けんである。 【0096】 サーファクタント分子が、水中に溶解されまたは分散される場合に正(+)の荷電を有する場合、サーファクタントはカチオン性と分類される。 カチオン性サーファクタントには、第四アンモニウム塩およびエトキシ化アミンが含まれる。
    第四アンモニウム塩は、このクラスの最も使用される構成物質である。 【0097】 サーファクタント分子が正(+)の荷電または負(-)の荷電のいずれをも有する能力を有する場合、サーファクタントは両性として分類される。 両性サーファクタントには、アクリル酸誘導体、置換アルキルアミド類、N-アルキルベタイン類およびホスファチド類が含まれる。 【0098】 薬剤生成物、製剤およびエマルジョン中でのサーファクタントの使用は、以下にレビューされている(Rieger, in Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Dek
    ker, Inc., New York, NY, 1988, p. 285)。 【0099】 浸透亢進剤 一態様において、本発明は、様々な浸透亢進剤を使用して、核酸、特にオリゴヌクレオチドの、動物の皮膚に対する効率的な送達を達成する。 ほとんどの薬剤は、イオン化型および非イオン化型の両方において溶液中に存在する。 しかしながら、通常は、脂質可溶性あるいは親油性薬物のみが容易に細胞膜を通過する。
    非-親油性薬物でさえも、通過すべき膜を浸透亢進剤により処理される場合には、細胞膜を通過することができることを見出した。 非-親油性薬物の細胞膜を通じた拡散を補助することに加えて、浸透亢進剤はまた、親油性薬物の透過性も向上させる。 【0100】 浸透亢進剤は、5つの幅広いカテゴリー、すなわち、サーファクタント、脂肪酸、胆汁酸塩、キレート剤、そして非-キレート非-サーファクタント、の一つに属するものとして分類することができる(Lee et al., Critical Reviews in Th
    erapeutic Drug Carrier Systems, 1991, p.92)。 浸透亢進剤の上述したクラスのそれぞれは、以下にさらに詳細に記載される。 【0101】 サーファクタント:本発明に関連して、サーファクタント(あるいは“表面-
    活性剤”)は、水溶液中に溶解した場合に、溶液の表面張力または水溶液と別の液体とのあいだの界面張力を減少する化学的単位であり、粘膜を介するオリゴヌクレオチドの吸収が亢進されるという結果を伴う。胆汁酸塩および脂肪酸に加えて、これらの浸透亢進剤には、たとえば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテルおよびポリオキシエチレン-20-セチルエーテル(L
    ee et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1991, p
    .92);およびFC-43などのパーフルオロ化学物質エマルジョン(Takahashi et a
    l., J. Pharm. Pharmacol., 1988, 40, 252)が含まれる。 【0102】 脂肪酸:浸透亢進剤として機能する様々な脂肪酸およびその誘導体には、たとえば、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸(n-デカン酸)、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプレート、トリカプレート、モノオレイン(1-モノオレイル-rac-グリセロール)、ジラウリン、カプリル酸、アラキドン酸、グリセロール1-モノカプレート、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン、アシルカルニチン、アシルコリン、それらのC 1-10アルキルエステル(たとえば、メチル、イソプロピルおよびt-ブチル)、およびそれらのモノ-およびジ-グリセリド(すなわち、オレエート、ラウレート、カプレート、
    ミリステート、パルミテート、ステアレート、リノレエートなど)が含まれる(
    Lee et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1991,
    p.92;Muranishi, Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1
    990, 7, 1-33;El Hariri et al., J. Pharm. Pharmacol., 1992, 44, 651-654
    )。 【0103】 胆汁酸塩:胆汁の生理学的役割には、脂質および脂肪可溶性ビタミンの分散および吸収を促進することが含まれる(Brunton, Chapter 38 in: Goodman & Gilm
    an's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th Ed., Hardman et al.
    Eds., McGraw-Hill, New York, 1996, pp. 934-935)。 様々な天然の胆汁酸塩、
    およびその合成誘導体は、浸透亢進剤として機能する。 このように、用語“胆汁酸塩”には、胆汁の天然に存在する構成成分のいずれかだけでなく、それらの合成誘導体のいずれかが含まれる。 本発明の胆汁酸塩には、たとえば、コール酸(
    あるいはその医薬的に許容可能なナトリウム塩、コール酸ナトリウム)、デヒドロコール酸(デヒドロコール酸ナトリウム)、デオキシコール酸(デオキシコール酸ナトリウム)、グルココール酸(glucholic acid)(グルココール酸(gluc
    holate)ナトリウム)、グリココール酸(グリココール酸ナトリウム)、グリコデオキシコール酸(グリコデオキシコール酸ナトリウム)、タウロコール酸(タウロコール酸ナトリウム)、タウロデオキシコール酸(タウロデオキシコール酸ナトリウム)、ケノデオキシコール酸(ケノデオキシコール酸ナトリウム)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、タウロ-24,25-ジヒドロ-フシジン酸ナトリウム(STDHF)、グリコジヒドロフシジン酸ナトリウムおよびポリオキシエチレン-9-
    ラウリルエーテル(POE)が含まれる(Lee et al., Critical Reviews in Thera
    peutic Drug Carrier Systems, 1991, page 92;Swinyard, Chapter 39 In: Rem
    ington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., Gennaro, ed., Mack Publishin
    g Co., Easton, PA, 1990, pages 782-783;Muranishi, Critical Reviews in T
    herapeutic Drug Carrier Systems, 1990, 7, 1-33;Yamamoto et al., J. Phar
    m. Exp. Ther., 1992, 263, 25;Yamashita et al., J. Pharm. Sci., 1990, 79
    , 579-583)。 【0104】 キレート剤:本発明と関連して使用される場合、キレート剤は、それとともに複合体を形成することにより、金属イオンを溶液から取り除く化合物として定義することができ、粘膜を介したオリゴヌクレオチドの吸収を向上させるという結果を伴う。 本発明における浸透亢進剤としてのその使用に関して、キレート剤は、最も特性決定されたDNAヌクレアーゼがその触媒のために二価の金属イオンを必要としそしてしたがってキレート剤により阻害されることから、DNase阻害剤としても機能するという追加の利点を有する(Jarrett, J. Chromatogr., 1993,
    618, 315-339)。 本発明のキレート剤には、エチレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム(EDTA)、クエン酸、サリチル酸塩(たとえば、サリチル酸ナトリウム、5-メトキシサリチル酸塩およびホモバニリン酸塩)、コラーゲンのN-アシル誘導体、ラウレス-9およびβ-ジケトンのN-アミノアシル誘導体(エナミン)が含まれるが、これらには限定されない(Lee et al., Critical Reviews in Therap
    eutic Drug Carrier Systems, 1991, page 92;Muranishi, Critical Reviews i
    n Therapeutic Drug Carrier Systems, 1990, 7, 1-33;Buur et al., J. Contr
    ol Rel., 1990, 14, 43-51)。 【0105】 非-キレート非-サーファクタント:本明細書中で使用する場合、非-キレート非-サーファクタント浸透亢進性化合物は、キレート剤としてあるいはサーファクタントとしてわずかな活性しか示さないが、それにもかかわらず栄養粘膜を介してオリゴヌクレオチドの吸収を亢進する、化合物として定義することができる(Muranishi, Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1990,
    7, 1-33)。 浸透亢進剤のこのクラスには、たとえば、不飽和環状ウレア、1-アルキル-および1-アルケニルアザシクロ-アルカノン誘導体(Lee et al., Critic
    al Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1991, page 92);およびジクロフェナクナトリウム、インドメタシンおよびフェニルブタゾンなどの非-
    ステロイド性抗炎症性薬剤(Yamashita et al., J. Pharm. Pharmacol., 1987,
    39, 621-626)が含まれる。 【0106】 細胞レベルでオリゴヌクレオチドの取り込みを亢進する薬剤を、本発明の医薬組成物およびその他の組成物に添加することもできる。 たとえば、リポフェクチンなどのカチオン性脂質(Junichi et al, 米国特許No. 5,705,188)、カチオン性グリセロール誘導体、およびポリリジンなどのポリカチオン性分子(Lollo et
    al., PCT Application WO 97/30731)も、オリゴヌクレオチドの細胞性取り込みを亢進することが知られている。 【0107】 エチレングリコールおよびプロピレングリコールなどのグリコール、2-ピロールなどのピロール、アゾン(azone)、およびリモネンおよびメントンなどのテルペンを含むその他の薬剤を使用して、投与される核酸の浸透を亢進することができる。 【0108】 担体 本発明の特定の組成物は、製剤中に担体化合物も組み込む。 本明細書中で使用する場合、“担体化合物”または“担体”は、不活性である(すなわち、それ自体生物学的活性を有さない)が、しかし、たとえば、生物学的に活性な核酸を分解しまたはその循環からの除去を促進することにより生物学的活性を有する核酸の生物学的利用性を減少するin vivoプロセスにより、核酸として認識される、
    核酸、またはその類似体のことをいうことができる。 核酸と担体化合物(典型的には担体化合物を過剰量)の共投与により、おそらくは担体化合物と核酸との、
    一般的な受容体に対する競合により、結果として、肝臓、腎臓、またはその他の循環外レゼルボア中で回収される核酸の量の実質的な減少が引き起こされる。 たとえば、ポリイノシン酸、硫酸デキストラン、ポリシチジン酸あるいは4-アセトアミド-4'イソチオシアノ-スチルベン-2,2'-ジスルホン酸とともに共投与する場合、肝臓組織中での部分的ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの回収を減少することができる(Miyao et al., Antisense Res. Dev., 1995, 5, 115-121;T
    akakura et al., Antisense & Nucl. Acid Drug Dev., 1996, 6, 177-183)。 【0109】 賦形剤 担体化合物と対照的に、“医薬的な担体”または“賦形剤”は、医薬的に許容可能な溶媒、懸濁剤または動物に対して1またはそれ以上の核酸を送達するためのいずれかその他の医薬的に不活性なビヒクルである。 賦形剤は液体であってもあるいは固体であってもよく、そして、想定した計画された様式の投与により、
    所定の医薬組成物の核酸およびその他の構成要素と組み合わせた場合、所望のバルク、粘度などを提供するように選択される。 典型的な医薬的な担体には、結合剤(たとえば、α化コーンスターチ、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースなど);充填剤(たとえば、ラクトースおよびその他の糖、微結晶セルロース、ペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ポリアクリル酸またはリン酸水素カルシウムなど);潤滑剤(たとえば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、コロイド状シリコンジオキシド、ステアリン酸、金属性ステアリン酸、硬化植物油、コーンスターチ、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなど);崩壊剤(たとえば、
    スターチ、スターチグリコール酸ナトリウムなど);および湿潤剤(たとえば、
    ラウリル硫酸ナトリウムなど)が含まれるが、これらには限定されない。 【0110】 核酸と心身に有害には反応しない非-非経口性投与に適した医薬的に許容可能な有機賦形剤または無機賦形剤を使用して、本発明の組成物を製剤化することもできる。 適した医薬的に許容可能な担体には、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが含まれるが、これらには限定されない。 【0111】 核酸の局所投与のための製剤には、滅菌水溶液および非-滅菌水溶液、アルコールなどの一般的溶媒中での非-水溶液、または液体または固体油状基剤中の核酸の溶液が含まれてもよい。 溶液には、バッファー、希釈剤およびその他の適した添加剤を含有してもよい。 核酸と心身に有害には反応しない非-非経口性投与に適した医薬的に許容可能な有機賦形剤あるいは無機賦形剤を使用することができる。 【0112】 適した医薬的に許容可能な賦形剤には、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが含まれるが、これらには限定されない。 【0113】 その他の構成要素 本発明の組成物にはさらに、医薬組成物中に従来から見出されるその他の補助剤構成要素を、当該技術分野で確立した使用レベルで含有することができる。 このように、たとえば、組成物には、たとえば鎮痒薬、収斂剤、局所麻酔薬または抗炎症剤などの追加的で適合性な医薬的に活性な物質を含有することができ、または本発明の組成物の様々な用量剤形を物理的に製剤化する際に有用な追加の物質、たとえば色素、着香剤、保存剤、抗酸化剤、乳白剤、増粘剤および安定化剤など、を含有することができる。 しかしながら、このような物質は、添加される場合、本発明の組成物の構成要素の生物学的活性を過度に妨害すべきではない。
    製剤を滅菌することができ、そして所望の場合には、製剤の(1またはそれ以上の)核酸と心身に有害に相互作用しない補助剤、たとえば、潤滑剤、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、オスモル圧に影響を与える塩、バッファー、着色剤、
    着香料および/または芳香性物質などと混合することができる。 【0114】 水性懸濁液には、たとえば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールおよび/またはデキストランを含む、懸濁疫の粘度を増加する物質を含有することができる。 懸濁疫には、安定化剤を含有してもよい。 【0115】 本発明の特定の態様は、(a)1またはそれ以上のアンチセンス化合物、および(b)非-アンチセンスメカニズムにより機能する1またはそれ以上のその他の化学療法剤、を含有する医薬組成物を提供する。 このような化学療法剤の例には、
    ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ナイトロジェンマスタード、クロラムブシル、メルファラン、シクロホスファミド、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン(CA)、5-フルオロウラシル(5-FU)、フロキシウリジン(5-FUdR)、メトトレキセート(MT
    X)、コルヒチン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド、テニポシド、シスプラチンおよびジエチルスチルベストロール(DES)などの抗ガン薬物を含むが、これらには限定されない(一般的には、The Merck Manual of Diagnosi
    s and Therapy, 15th Ed., Berkow et al., eds., 1987, Rahway, NJ, pages
    1206-1228を参照)。 非ステロイド性抗炎症性薬物およびコルチコステロイドを含む抗炎症性薬物(しかしこれらには限定されない)、およびリビビリン(ribi
    virin)、ビダラビン(vidarabine)、アシクロビルおよびガンシクロバーを含む抗ウィルス性薬物(しかしこれらには限定されない)を、本発明の組成物中に組み合わせることができる(一般的には、The Merck Manual of Diagnosis and
    Therapy, 15th Ed., Berkow et al., eds., 1987, Rahway, NJ, pages 2499-2
    506 and 46-49, respectivelyを参照)。 その他の非-アンチセンス化学療法剤も、本発明の範囲に含まれる。 2つまたはそれ以上の組み合わせ化合物を、一緒にあるいは連続的に使用することができる。 【0116】 別の関連する態様において、本発明の組成物には第一の核酸を標的とする、1
    またはそれ以上のアンチセンス化合物、特にオリゴヌクレオチド、および第二の核酸標的を標的とする1またはそれ以上の追加のアンチセンス化合物、特にオリゴヌクレオチドを含有することができる。 数多くのアンチセンス化合物の例が当該技術分野で知られている。 2つまたはそれ以上の組み合わせ化合物を、一緒にあるいは連続的に使用することができる。 【0117】 治療用組成物の製剤化およびそれに引き続く投与は、当該技術分野の範囲内のものであると考えられる。 用量は、治療すべき疾患状態の重症度および反応性に依存し、数日間から数ヶ月間持続する治療経過、あるいは治癒が得られるかまたは疾患の減退が得られるまでの治療経過を伴う。 最適な用量スケジュールは、患者体内での薬物の蓄積を測定することから算出することができる。 当業者であれば、最適用量、投与方法、および反復頻度を容易に決定することができる。 最適な用量は、個々のオリゴヌクレオチドの比効力に依存して変更することができ、
    そして一般的には、in vitroおよびin vivo動物モデルにおいて効果的であることが見いだされるEC 50に基づいて見積もることができる。 一般的には、用量は、
    0.01 ug〜100 g/kg体重であり、そして1日、1週間、1ヶ月、あるいは1年に一度またはそれ以上与えることができ、あるいは2〜20年ごとに1度であってもよい。
    当業者は、体液あるいは組織における薬物の滞留時間および濃度に基づいて、投与のための反復頻度を容易に見積もることができる。 継続的な治療により、患者に維持療法を受けさせて、疾患状態の再発を防止することが好ましく、ここでオリゴヌクレオチドは、1日に1回またはそれ以上〜20年間ごとに1回で、0.01 ug〜
    100 g/kg体重の範囲で、維持用量で投与する。 【0118】 本発明特定のその好ましい態様にしたがって、具体的に記載されるが、以下の実施例は、本発明の説明のためにのみ提供し、そして本発明を限定することを意図するものではない。 【0119】 【実施例】 実施例1 オリゴヌクレオチド合成のためのヌクレオシドホスホールアミダイト デオキシ及び2'-アルコキシアミダイト 2'-デオキシ及び2'-メトキシβ-シアノエチルジイソプロピルホスホールアミダイトを販売元(例えば、Chemgenes, Needham MA またはGlen Research, Inc.
    Sterling VA)より購入した。 他の2'-O-アルコキシ置換ヌクレオシドアミダイトは、本明細書中で参考文献として援用される、アメリカ合衆国特許5,506,351に記載の通り調製する。 2'-アルコキシアミダイトを用いてオリゴヌクレオチドを合成するために、テトラゾール及び塩基のパルスデリバリー後の待機段階を360
    秒に増加した以外は、非修飾オリゴヌクレオチドのための標準サイクルを使用した。 【0120】 5-メチル-2'-デオキシシチジン(5-Me-C)ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドは、市販のホスホールアミダイト(Glen Research, Sterling VAまたはChem
    Genes, Needham MA)を用いて公表された方法〔Sanghvi ら、Nucleic Acids Res
    earch, 1993, 21, 3197-3203〕に従って合成した。 【0121】 2'-フルオロアミダイト 2'-フルオロデオキシアデノシンアミダイト 2'-フルオロオリゴヌクレオチドは、本明細書中で参考文献として援用される以前に記載の通り〔Kawasakiら、 J. Med. Chem., 1993, 36, 831-841〕、及び、アメリカ合衆国特許5,670,633に記載の通り合成した。 簡潔には、保護されたヌクレオシドであるN6-ベンゾイル-2'-デオキシ-2'-フルオロアデノシンは、市販の9-β-D-アラビノフラノシルアデニンを出発物質として使用し、そして文献手法を修正して、2'-α-フルオロ原子を2'-β-トリチル基のS N 2-置換により導入することより、合成した。 このようにN6-ベンゾイル-9-β-D-アラビノフラノシルアデニンは中程度の収量で3',5'-ジテトラヒドロピラニル(THP)中間体として選択的に保護した。 THP及びN6-ベンゾイル基の脱保護は標準的な手法論を用いて成され、そして標準手法を用いて5'-ジメトキシトリチル-(DMT)及び5'-DMT-
    3'-ホスホールアミダイト中間体を得た。 【0122】 2'-フルオロデオキシグアノシン 2'-デオキシ-2'-フルオログアノシンの合成はテトライソプロピルジシロキサニル(TPDS)で保護した9-β-D-アラビノフラノシルグアニンを出発物質として用い、そして、中間体であるジイソブチリルアラビノフラノシルグアノシンへの変換により成された。 TPDS基の脱保護に続いて水酸基のTHPによる保護によりジイソブチリルジ-THP保護アラビノフラノシルグアニンを得た。 選択的なO-脱アシル化及びトリフラート化に続き、フルオリドによる粗生成物の処理をし、その後
    THP基の脱保護をした。 標準的な方法論を使用し、5'-DMT-及び5'-DMT-3'-ホスホールアミダイトを得た。 【0123】 2'-フルオロウリジン 2'-デオキシ-2'-フルオロウリジンの合成は、2,2'-アンヒドロ-1-β-D-アラビノフラノシルウラシルを70%フッ化水素-ピリジン(hydrogen fluoride-pyridin
    e)で処理する、文献手法の修正により成された。 標準的な手法を用いて5'-DMT
    及び5'-DMT-3'ホスホールアミダイトを得た。 【0124】 2'-フルオロデオキシシチジン 2'-デオキシ-2'-フルオロシチジンは2'-デオキシ-2'-フルオロウリジンのアミノ化を介して合成され、次に選択的な保護によりN4-ベンゾイル-2'-デオキシ-2'
    -フルオロシチジンを得た。 標準的な手法を用いて、5'-DMT及び5'-DMT-3'ホスホールアミダイトを得た。 【0125】 2'-O-(2-メトキシエチル)修飾アミダイト 2'-O-メトキシエチル-置換ヌクレオシドアミダイトは、次の通り、あるいは、
    Martin, P.(Helvetica Chimica Acta, 1995, 78, 486-504)の方法に従って調製した。 【0126】 2,2'-アンヒドロ〔1-(β-D-アラビノフラノシル)-5-メチルウリジン〕 5-メチルウリジン(Yamasa, Choshi, Japanにより市販され入手可能な、リボシルチミン)(72.0 g、0.279 M)、ジフェニルカーボネート(90.0 g、0.420 M
    )及び炭酸水素ナトリウム(2.0 g、0.024 M)をDMF(300 mL)に加えた。 混合物を熱して攪拌しながら還流し、発生する二酸化炭素ガスを制御された方法で放出させた。 1時間後、わずかに黒ずんだ溶液を、低圧下、濃縮した。 得られたシロップを攪拌しながらジエチルエーテル(2.5 L)中に注いだ。 産物はガム状物を形成した。 エーテルをデカントし、そして、残渣を最小量のメタノール(約40
    0 mL)に溶解した。 溶液をフレッシュなエーテル(2.5 L)に注ぎ入れ、硬いガム状物を得た。 エーテルをデカントし、ガム状物を減圧オーブンで乾燥させ(60
    ℃、1 mm Hgで24時間)、得られた固体を砕いて淡い黄褐色の粉末にした(57 g
    、85%粗収率)。 NMRスペクトルは、そのナトリウム塩としてフェノールが混じった(約5%)構造と一致した。 その物質はさらに続く反応に用いられた(あるいはに酢酸エチル中のメタノールの勾配(10-25%)を利用したカラムクロマトグラフィーにより、さらに精製して融点222-4℃の白色の固体を得ることができる)。 【0127】 2'-O-メトキシエチル-5-メチルウリジン 2,2'-アンヒドロ-5-メチルウリジン(195 g、0.81 M)、トリス(2-メトキシエチル)ホウ酸(231 g、0.98 M)及び2-メトキシエタノール(1.2 L)を、2 L
    ステンレススチール圧力容器に加え、160℃に予熱した油浴中に設置した。 155-1
    60℃で48時間熱した後、容器を開き、そして、溶液を蒸発させて乾燥させ、次にメタノール(200 mL)中で磨砕した。 残渣を熱したアセトン(1 L)中に懸濁した。 不溶の塩を濾過し、アセトン(150 mL)で洗浄し、そして、濾過物を蒸発させた。 残渣を(280 g)をCH 3 CN(600 mL)に溶解させ、次に、蒸発させた。 シリカゲルカラム(3 kg)を0.5%Et 3 NHを含むCH 2 Cl 2 /アセトン/MeOH(20:5:3)中に充填した。 残渣をCH 2 Cl 2 (250 mL)中に溶解し、そして、シリカ(150 g)に吸着させた後、カラムにロードした。 生成物は充填溶媒とともに溶出され、160 g
    (63%)の産物を得た。 不純な分画をやり直すことにより、追加の物質を得た。 【0128】 2'-O-メトキシエチル-5'-O-ジメトキシトリチル-5-メチルウリジン 2'-O-メトキシエチル-5-メチルウリジン(160 g、0.506 M)をピリジン(250
    mL)と共に蒸発させ、次に、乾燥させた残渣をピリジン(1.3 L)に溶解した。
    ジメトキシトリチルクロリドの一番目のアリコート(94.3 g、0.278 M)を加え、そして、混合液を室温で1時間攪拌した。 ジメトキシトリチルクロリドの二番目のアリコート(94.3 g、0.278 M)を加え、そして、反応液をさらに1時間攪拌した。 メタノール(170 mL)を次に加え、反応を停止した。 HPLCにより、約70%
    の産物の存在が示された。 溶媒を蒸発させ、そして、CH 3 CN(200 mL)中で磨砕した。 残渣をCHCl 3 (1.5 L)に溶解し、次に、2×500 mLの飽和NaHCO 3及び2×50
    0 mLの飽和NaClにより抽出した。 有機層をNa 2 SO 4上で乾燥させ、濾過し、そして、蒸発させた。 275 gの残渣が得られた。 残渣を3.5 kgシリカゲルカラムで精製し、充填し、そして、0.5%Et 3 NHを含むEtOAc/ヘキサン/アセトン(5:5:1)で溶出した。 純粋な分画を蒸発させ、164 gの生成物を得た。 さらに約20 gが不純な分画より得られ、全収量183 g(57%)を得た。 【0129】 3'-O-アセチル-2'-O-メトキシエチル-5'-O-ジメトキシトリチル-5-メチルウリジン 2'-O-メトキシエチル-5'-O-ジメトキシトリチル-5-メチルウリジン(106 g、0
    .167 M)、DMF/ピリジン(562 mLのDMFと188 mLのピリジンから調製された3:1の混合液750 mL)、及び、無水酢酸(24.38 mL、0.258 M)を混合し、そして、室温で24時間攪拌した。 反応は、TLC試料にMeOHを添加し初めに急冷すること(que
    nching)によりTLCによりモニターした。 TLCにより判断した反応の終了時に、Me
    OH(50 mL)を加え、混合物を35℃で蒸発させた。 残渣をCHCl 3 (800 mL)に溶解し、次に、2×200 mLの飽和炭酸水素ナトリウム及び2×200 mLの飽和NaClにより抽出した。 水層を200 mLのCHCl 3で逆抽出した。 合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして、蒸発させ、122 g(約90%生成物)の残渣を得た。 残渣を3.5 kgシリカゲルカラムで精製し、そして、EtOAc/ヘキサン(4:1)で溶出した。 純粋な生成物分画を蒸発させ、96 g(84%)を得た。 後の分画より追加の1.
    5 gを回収した。 【0130】 3'-O-アセチル-2'-O-メトキシエチル-5'-O-ジメトキシトリチル-5-メチル-4-
    トリアゾールウリジン はじめの溶液は、3'-O-アセチル-2'-O-メトキシエチル-5'-O-ジメトキシトリチル-5-メチルウリジン(96 g、0.144 M)をCH 3 CN(700 mL)に溶かすことにより調製し、そして、とり置いた。 トリエチルアミン(189 mL、1.44 M)をCH 3 CN
    (1 L)中トリアゾール(90 g、1.3 M)溶液に加えて、-5℃に冷却し、そして、
    オーバーヘッドスターラーを使用して0.5時間攪拌した。 0-10℃に維持した攪拌溶液に、30分間、POCl 3を滴下して加え、そして得られた混合液をさらに2時間攪拌した。 はじめの溶液を後者の溶液に、45分間をかけて滴下して加えた。 得られた反応混合物をコールドルームに一晩保存した。 反応混合物から塩を濾過し、そして、溶液を蒸発させた。 残渣をEtOAc(1 L)に溶解し、次に、不溶の固体を濾過により除去した。 濾過物を1×300 mLのNaHCO 3及び2×300 mLの飽和NaClで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして、蒸発させた。 残渣をEtOAc中で磨砕し、表題の化合物を得た。 【0131】 2'-O-メトキシエチル-5'-O-ジメトキシトリチル-5-メチルシチジン ジオキサン(500 mL)及びNH 4 OH(30 mL)中3'-O-アセチル-2'-O-メトキシエチル-5'-O-ジメトキシトリチル-5-メチル-4-トリアゾールウリジン(103 g、0.1
    41 M)溶液を、室温で2時間攪拌した。 ジオキサン溶液を蒸発させ、残渣をMeOH
    (2×200 mL)と共沸させた。 残渣をMeOH(300 mL)に溶解し、2リットルステンレススチール圧力容器に移した。 NH 3ガスで飽和させたMeOH(400 mL)を加え、
    その容器を100℃、2時間熱した(完全な変換がTLCにより示された)。 容器の内容物を蒸発させて乾燥し、そして、残渣をEtOAc(500 mL)に溶解し、次に、飽和NaCl(200 mL)で1回洗浄した。 有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして、溶媒を蒸発させて85 g(95%)の表題の化合物を得た。 【0132】 N4-ベンゾイル-2'-O-メトキシエチル-5'-O-ジメトキシトリチル-5-メチルシチジン 2'-O-メトキシエチル-5'-O-ジメトキシトリチル-5-メチル-シチジン(85 g、0
    .134 M)をDMF(800 mL)に溶解し、次に、無水安息香酸(37.2 g、0.165 M)を攪拌しながら加えた。 3時間攪拌後、反応が約95%終了したことをTLCが示した。
    溶媒を蒸発させ、そして、残渣をMeOH(200 mL)と共沸させた。 残渣をCHCl 3 (7
    00 mL)に溶解し、飽和NaHCO 3 (2×300 mL)及び飽和NaCl(2×300 mL)で抽出し、MgSO 4で乾燥させ、次に、蒸発させて残渣(96 g)を得た。 残渣を、溶出溶媒として0.5%Et 3 NHを含むEtOAc/ヘキサン(1:1)を使用して、1.5 kgシリカカラムでクロマトグラフィーにより分離した。 純粋な生成物画分を蒸発させて、90
    g(90%)の表題化合物を得た。 【0133】 N4-ベンゾイル-2'-O-メトキシエチル-5'-O-ジメトキシトリチル-5-メチルシチジン-3'-アミダイト N4-ベンゾイル-2'-O-メトキシエチル-5'-O-ジメトキシトリチル-5-メチルシチジン(74 g、0.10 M)をCH 2 Cl 2 (1 L)に溶解した。 テトラゾールジイソプロピルアミン(7.1 g)及び2-シアノエトキシ-テトラ-(イソプロピル)亜リン酸塩(40.5 mL、0.123 M)を窒素気体条件下、攪拌しながら加えた。 得られた混合物は室温で20時間攪拌した(反応が95%終了したことをTLCが示した)。 反応混合物を飽和NaHCO 3 (1×300 mL)及び飽和NaCl(3×300 mL)で抽出した。 水層洗浄液をCH 2 Cl 2 (300 mL)で逆抽出し、次に抽出物を合わせ、MgSO 4で乾燥させそして濃縮した。 得られた残渣は、溶出溶媒としてEtOAc/ヘキサン(3:1)を使用して、1.5 kgシリカカラムでクロマトグラフィーにより分離した。 純粋な分画を合わせて、90.6 g(87%)の表題化合物を得た。 【0134】 2'-O-(アミノオキシエチル)ヌクレオシドアミダイト及び2'-O-(ジメチルアミノオキシエチル)ヌクレオシドアミダイト 2'-(ジメチルアミノオキシエトキシ)ヌクレオシドアミダイト 2'-(ジメチルアミノオキシエトキシ)ヌクレオシドアミダイト[当該技術分野において2'-O-(ジメチルアミノオキシエチル)ヌクレオシドアミダイトとしても知られる]は次の段落で記載される通り、調製される。 アデノシン、シチジン及びグアノシンヌクレオシドアミダイトは、環外のアミンがアデノシン及びシチジンの場合はベンゾイル基により保護され、また、グアノシンの場合はイソブチリルにより保護されることを除いては、チミジン(5-メチルウリジン)と同様に調製される。 【0135】 5'-O-tert-ブチルジフェニルシリル-O 2 -2'-アンヒドロ-5-メチルウリジン O 2 -2'-アンヒドロ-5-メチルウリジン(Pro. Bio. Sint., Varese, Italy, 100
    .0 g、0.416 mmol)、ジメチルアミノピリジン(0.66 g、0.013 eq、0.0054 mmo
    l)を、アルゴン気体条件下、周囲温度で、また、機械的に攪拌しながら、無水ピリジン(500 ml)に溶解した。 tert-ブチルジフェニルクロロシラン(125.8 g
    、119.0 mL、1.1 eq、0.458 mmol)を一度に加えた。 反応物は周囲温度で16時間攪拌した。 TLC(Rf 0.22、酢酸エチル)により反応が終了したことが示された。
    溶液を減圧下、濃縮して濃厚な油状物にした。 これを、ジクロロメタン(1 L)
    、及び、飽和炭酸水素ナトリウム(2×1 L)及びブライン(1 L)間で分配させた。 有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして、減圧下、濃縮して濃厚な油状物にした。 油を酢酸エチルとエチルエーテルの1:1の混合液(600 mL)に溶解し、次に、溶液を-10℃に冷却した。 得られた結晶生成物は、濾過により集めて、
    エチルエーテル(3×200 mL)で洗浄し、さらに、乾燥して(40℃、1 mm Hg,、2
    4 時間)、149 g(74.8%)の白色の固体にした。 TLC及びNMRは純粋な生成物と一致した。 【0136】 5'-O-tert-ブチルジフェニルシリル-2'-O-(2-ヒドロキシエチル)-5-メチルウリジン 2 Lステンレススチール、非攪拌圧力反応器にテトラヒドロフラン中のボラン(1.0 M、2.0 eq、622 mL)を加えた。 換気フード内で、手動で攪拌しながらエチレングリコール(350 mL、過剰量)を、水素ガスの発生がおさまるまで、はじめは注意深く加えた。 5'-O-tert-ブチルジフェニルシリル-O 2 -2'-アンヒドロ-5-
    メチルウリジン(149 g、0.311 mol)及び炭酸水素ナトリウム(0.074 g、0.003
    eq)を手動で攪拌しながら加えた。 反応器を密閉し、そして、内部温度が160℃
    に達するまで油浴中で熱し、そして次に16時間維持した(圧力< 100 psig)。 反応容器を周囲温度まで冷却し、そして、開けた。 TLC(望ましい生成物はRf 0.67
    及びara-T副生成物はRf 0.82、酢酸エチル)は約70%が生成物に変換したことを示した。 さらに副生成物ができるのを避けるため、反応を停止し、減圧下(10
    から1 mm Hg)、湯浴中(40-100℃)で、エチレングリコールを除くために使われるより極度の条件で、濃縮した。 [あるいは、一度低沸点溶媒がなくなったら、残りの溶液を酢酸エチルと水の間で分配し得る。 生成物は有機相にあるだろう。 ]残渣をカラムクロマトグラフィー(2 kgシリカゲル、酢酸エチル-ヘキサン勾配1:1から4:1)により精製した。 適切な分画を合わせ、除き、そして、乾燥させて、白色のカリカリ(crisp)した泡状物(84 g、50%)、混在した出発物質(17.4 g)、及び、純粋な再利用できる出発物質20 gを得た。 出発物質、純度の低い回収した出発物質をもとにした収率は58%だった。 TLC及びNMRは、99%の純度の生成物と一致した。 【0137】 2'-O-(〔2-フタルイミドオキシ)エチル〕-5'-t-ブチルジフェニルシリル-5-
    メチルウリジン 5'-O-tert-ブチルジフェニルシリル-2'-O-(2-ヒドロキシエチル)-5-メチルウリジン(20 g、36.98 mmol)を、トリフェニルホスフィン(11.63 g、44.36 m
    mol)及びN-ヒドロキシフタルイミド(7.24 g、44.36 mmol)と混ぜた。 その後、強い減圧条件下、40℃、2日間、P 2 O 5で乾燥させた。 反応混合液をアルゴンをフラッシュし(flushed)そして、無水THF(369.8 mL、Aldrich、確実に密閉させた瓶)を加えて、透明な液体を得た。 ジエチルーアゾジカルボン酸塩(6.98 mL
    、44.36 mmol)を反応混合液に滴下して加えた。 添加する速度は、生じる深い赤い色が次の滴を加える前にちょうど消えるように維持した。 添加が終了した後、
    反応物を4時間攪拌した。 その頃までに、TLCにより反応の終了が示された(酢酸エチル:ヘキサン、60:40)。 減圧下、溶媒を蒸発させた。 得られた残渣をフラッシュカラムにのせ、そして、酢酸エチル:ヘキサン(60:40)で溶出し、2'-O-(
    〔2-フタルイミドオキシ)エチル〕-5'-t-ブチルジフェニルシリル-5-メチルウリジンを白色の泡状物(21.819 g、86%)として得た。 【0138】 5'-O-tert-ブチルジフェニルシリル-2'-O-〔(2-ホルムアドキシイミノオキシ)エチル〕-5-メチルウリジン 2'-O-(〔2-フタルイミドオキシ)エチル〕-5'-t-ブチルジフェニルシリル-5-
    メチルウリジン(3.1 g、4.5 mmol)を無水CH 2 Cl 2 (4.5 mL)に溶解し、そして、メチルヒドラジン(300 mL、4.64 mmol)を-10℃から0℃において滴下して加えた。 1時間後、混合物を濾過し、濾過物を氷冷CH 2 Cl 2で洗浄し、そして、合わせた有機相を水、ブラインで洗浄して、次に、無水Na 2 SO 4で乾燥させた。 溶液を濃縮して2'-O-(アミノオキシエチル)チミジンを得て、それを次にMeOH(67.5
    mL)に溶解した。 これにホルムアルデヒド(20%水溶液、w/w、1.1 eq.)を加え、そして、得られた混合物を1時間攪拌した。 溶媒を減圧下で除き;残渣をクロマトグラフィーで分離して、5'-O-tert-ブチルジフェニルシリル-2'-O-〔(2-ホルムアドキシイミノオキシ)エチル〕-5-メチルウリジンを白色の泡(1.95 g、7
    8%)として得た。 【0139】 5'-O-tert-ブチルジフェニルシリル-2'-O-〔N,N-ジチルアミノオキシエチル〕
    -5-メチルウリジン 5'-O-tert-ブチルジフェニルシリル-2'-O-〔(2-ホルムアドキシイミノオキシ)エチル〕-5-メチルウリジン(1.77 g、3.12 mmol)を1 M p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPTS)の溶液に溶解した。 シアノホウ化水素ナトリウム(Sodi
    um cyanoborohydride)(0.39 g、6.13 mmol)を、10℃、不活性気体条件下で、
    この溶液に加えた。 反応混合物を10℃、10分間攪拌した。 その後、反応容器を氷浴から取り出し、室温で2時間攪拌し、反応をTLCでモニターした(CH 2 Cl 2中5%M
    eOH)。 NaHCO 3水溶液(5%、10 mL)を加え、そして、酢酸エチルで抽出した(2
    ×20 mL)。 酢酸エチル相を無水Na 2 SO 4で乾燥させ、蒸発させて乾燥状態にした。 残渣を、MeOH(30.6 mL)中の1 M PPTS溶液に溶解した。 ホルムアルデヒド(2
    0%w/w、30 mL、3.37 mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間攪拌した。 反応混合液を氷浴中で10℃に冷却し、シアノホウ化水素ナトリウム(0.39 g、6.13 m
    mol)を加え、そして、反応混合物を10℃、10分間攪拌した。 10分後、反応混合液を氷浴から取り出し、そして、室温で2時間攪拌した。 反応混合液に5%NaHCO 3 (25 mL)溶液を加え、そして、酢酸エチル(2×25 mL)で抽出した。 酢酸エチル層を無水Na 2 SO 4で乾燥させ、次に、蒸発させて乾燥状態にした。 得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、そして、CH 2 Cl 2中5%MeOHで溶出し、5'-O-tert-ブチルジフェニルシリル-2'-O-〔N,N-ジメチルアミノオキシエチル〕-5-メチルウリジンを白色の泡状物(14.6 g、80%)として得た。 【0140】 2'-O-(ジメチルアミノオキシエチル)-5-メチルウリジン トリエチルアミントリヒドロフルオリド(3.91 mL、24.0 mmol)を無水THF及びトリエチルアミン(1.67 mL、12 mmol、無水KOHで維持)に溶解した。 このトリエチルアミン-2HFの混合物を、次に、5'-O-tert-ブチルジフェニルシリル-2'-
    O-〔N,N-ジメチルアミノオキシエチル〕-5-メチルウリジン(1.40 g、2.4 mmol
    )に加えて、そして、室温で24時間攪拌した。 反応をTLC(CH 2 Cl 2中5%MeOH)によりモニターした。 溶媒を減圧下、取り除き、そして、残渣をフラッシュカラムにのせ、そして、CH 2 Cl 2中10%MeOHで溶出して、2'-O-(ジメチルアミノオキシエチル)-5-メチルウリジン(766 mg、92.5%)を得た。 【0141】 5'-O-DMT-2'-O-(ジメチルアミノオキシエチル)-5-メチルウリジン 2'-O-(ジメチルアミノオキシエチル)-5-メチルウリジン(750 mg、2.17 mmo
    l)を、強い減圧条件下、40℃で一晩、P 2 O 5で乾燥させた。 その後、無水ピリジン(20 mL)と共に蒸発させた。 得られた残渣をアルゴン気体条件下、ピリジン(11 mL)に溶解した。 4-ジメチルアミノピリジン(26.5 mg、2.60 mmol)、4,4
    '-ジメトキシトリチルクロリド(880 mg、2.60 mmol)を混合液に加え、そして、反応混合物を室温で、出発物質の全量がなくなるまで攪拌した。 ピリジンを減圧下取り除き、次に、残渣をクロマトグラフィーで分離し、そして、CH 2 Cl 2中10
    %MeOH(ピリジンを数滴含む)で溶出し、5'-O-DMT-2'-O-(ジメチルアミノ-オキシエチル)-5-メチルウリジン(1.13 g、80%)を得た。 【0142】 5'-O-DMT-2'-O-(2-N,N-ジメチルアミノオキシエチル)-5-メチルウリジン-3'
    -〔(2-シアノエチル)-N,N-ジイソプロピルホスホールアミダイト〕 5'-O-DMT-2'-O-(ジメチルアミノオキシエチル)-5-メチルウリジン(1.08 g
    、1.67 mmol)をトルエン(20 mL)と共に蒸発させる。 残渣にN,N-ジイソプロピルアミンテトラゾニド(0.29 g、1.67 mmol)を加えて、次に、強い減圧条件下、40℃で一晩、P 2 O 5で乾燥させた。 その後、反応混合物を無水アセトニトリル(
    8.4 mL)に溶解し、そして、2-シアノエチル-N,N,N 1 ,N 1 -テトライソプロピルホスホールアミダイト(2.12 mL、6.08 mmol)を加えた。 反応混合物を周囲温度で
    4時間、不活性気体条件下で攪拌した。 反応の進行を、TLC(ヘキサン:酢酸エチル 1:1)でモニターした。 溶媒を蒸発させ、次に、残渣を酢酸エチル(70 mL)
    に溶解し、そして、5%NaHCO 3水溶液(40 mL)で洗浄した。 酢酸エチル層を無水
    Na 2 SO 4で乾燥させ、また、濃縮した。 得られた残渣をクロマトグラフィーにより分離し(溶出溶媒としては酢酸エチル)、5'-O-DMT-2'-O-(2-N,N-ジメチルアミノオキシエチル)-5-メチルウリジン-3'-〔(2-シアノエチル)-N,N-ジイソプロピルホスホールアミダイト〕(1.04 g、74.9%)を泡状物として得た。 【0143】 2'-(アミノオキシエトキシ)ヌクレオシドアミダイト 2'-(アミノオキシエトキシ)ヌクレオシドアミダイト〔当該技術分野において、2'-O-(アミノオキシエチル)ヌクレオシドアミダイトとしても知られる〕
    は、次の段落で記載される通り、調製する。 アデノシン、シチジン及びチミジンヌクレオシドアミダイトは同様に調製する。 【0144】 N2-イソブチリル-6-O-ジフェニルカルバモイル-2'-O-(2-エチルアセチル)-5
    '-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)グアノシン-3'-〔(2-シアノエチル)-N,N-ジイソプロピルホスホールアミダイト〕 2'-O-アミノオキシエチルグアノシン類似体は、ジアミノプリンリボシドの選択的2'-O-アルキル化により得ることができる。 多様な重量のジアミノプリンリボシドは、Schering AG(Berlin)から購入することが可能であり、2'-O-(2-エチルアセチル)ジアミノプリンリボシドを、少量の3'-O-異性体と共に提供する。 2'-O-(2-エチルアセチル)ジアミノプリンリボシドは、アデノシンデアミナーゼ処理により分解され、そして、2'-O-(2-エチルアセチル)グアノシンに変換され得る(McGee, DPC, Cook, PD, Guinosso, CJ, WO 94/02501 A
    1 940203.)。 標準的な保護の手法は2'-O-(2-エチルアセチル)-5'-O-(4,4'-
    ジメトキシトリチル)グアノシン及び2-N-イソブチリル-6-O-ジフェニルカルバモイル-2'-O-(2-エチルアセチル)-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)グアノシンを与えるに違いなく、それは、還元され、2-N-イソブチリル-6-O-ジフェニルカルバモイル-2'-O-(2-エチルアセチル)-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)グアノシンを提供し得る。 前のように、水酸基はMitsunobu反応によってN-ヒドロキシフタルイミドにより置換することができ、そして、保護されたヌクレオシドは通常通り、ホスフィチル(phosphityl)化して、2-N-イソブチリル-6-O-
    ジフェニルカルバモイル-2'-O-(2-エチルアセチル)-5'-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)グアノシン-3'-〔(2-シアノエチル)-N,N-ジイソプロピルホスホールアミダイト〕を得ることができる。 【0145】 2'-ジメチルアミノエトキシエトキシ(2'-DMAEOE)ヌクレオシドアミダイト 2'-ジメチルアミノエトキシエトキシヌクレオシドアミダイト(当該技術分野において2'-O-ジメチルアミノエトキシエチル、即ち、2'-O-CH 2 -O-CH 2 -N(CH 22 、あるいは2'-DMAEOEヌクレオシドアミダイトとしても知られる)は、以下のように調製される。 他のヌクレオシドアミダイトは同様に調製される。 【0146】 2'-O-〔2(2-N,N-ジメチルアミノエトキシ)エチル〕-5-メチルウリジン 100 mLボンベ中で、テトラヒドロフラン中のボラン(1 M、10 mL、10 mmol)
    の溶液に、2〔2-(ジメチルアミノ)エトキシ〕エタノール(Aldrich、6.66 g、
    50 mmol)を攪拌しながらゆっくりと加える。 固体が溶解するにつれて水素ガスが発生する。 O 2 -,2'-アンヒドロ-5-メチルウリジン(1.2 g、5 mmol)、及び、
    炭酸水素ナトリウム(2.5 mg)を加え、そして、ボンベを密閉し、油浴中に入れ、そして、155℃にて、26時間加熱する。 ボンベは室温まで冷却し、そして、開封する。 粗溶液を濃縮し、そして、残渣を水(200 mL)およびヘキサン(200 mL
    )の間で分配した。 過剰量のフェノールを、ヘキサン層中で抽出した。 水層を酢酸エチル(3×200 mL)により抽出し、そして合わせた有機層を水で1回洗浄し、
    無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして、濃縮する。 残渣を、溶出溶媒としてメタノール/塩化メチレン1:20(2%トリエチルアミンを含む)を使用したシリカゲルカラムにかける。 カラム分画が濃縮されるにつれて、無色の固体が形成され、集められて、表題の化合物を白色の固体として得る。 【0147】 5'-O-ジメトキシトリチル-2'-O-〔2(2-N,N-ジメチルアミノエトキシ)エチル)〕-5-メチルウリジン 無水ピリジン(8 mL)中0.5 g(1.3 mmol)の2'-O-〔2(2-N,N-ジメチルアミノ-エトキシ)エチル)〕-5-メチルウリジン溶液に、トリエチルアミン(0.36 m
    L)及びジメトキシトリチルクロリド(DMT-Cl、0.87 g、2 eq.)を加えて、そして、1時間攪拌する。 反応混合物を水(200 mL)に注ぎいれ、そして、CH 2 Cl 2 (2
    ×200 mL)で抽出する。 合わせたCH 2 Cl 2層を飽和NaHCO 3溶液、続いて飽和NaCl溶液で洗浄し、次に、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。 溶媒の蒸発に続いて、Me
    OH:CH 2 Cl 2 :Et 3 N(20:1、v/v、1%トリエチルアミンを含む)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより、表題化合物を得る。 【0148】 5'-O-ジメトキシトリチル-2'-O-〔2(2-N,N-ジメチルアミノエトキシ)エチル)〕-5-メチルウリジン-3'-O-(シアノエチル-N,N-ジイソプロピル)ホスホールアミダイト ジイソプロピルアミノテトラゾリド(0.6 g)及び2-シアノエトキシ-N,N-ジイソプロピルホスホールアミダイト(1.1 mL、2 eq.)を、アルゴン気体条件下、C
    H 2 Cl 2 (20 mL)に溶解した5'-O-ジメトキシトリチル-2'-O-〔2(2-N,N-ジメチルアミノエトキシ)エチル)〕-5-メチルウリジン(2.17 g、3 mmol)に加える。
    反応混合液を一晩攪拌し、そして、溶媒を蒸発させる。 得られた残渣を、酢酸エチルを溶出溶媒として用いるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題の化合物を得る。 【0149】 実施例2 オリゴヌクレオチド合成 未置換及び置換ホスホジエステル(P=O)オリゴヌクレオチドを、自動DNAシンセサイザー(Applied Biosystems model 380B)で、ヨウ素による酸化を用いる標準的なホスホールアミダイト化学を使用して、合成する。 【0150】 亜リン酸塩結合の段階的チア化のため、標準的な酸化瓶を、アセトニトリル中
    0.2 M 3H-1,2-ベンゾジチオール-3-オン1,1-ジオキシド溶液に置き換えた以外は、ホスホロチオエート(P=S)は、ホスホジエステルオリゴヌクレオチドのためと同様に合成される。 チア化待機段階を68秒に増加し、そして、引き続いてキャッピング段階を行った。 CPGカラムからの分離、及び、55℃で(18時間)濃縮された水酸化アンモニウム中の脱ブロック化した後、2.5倍量のエタノールで2回沈殿することにより、オリゴヌクレオチドを0.5 M NaCl溶液から精製した。 ホスフィネートオリゴヌクレオチドを、本明細書中で参考文献として援用される、アメリカ合衆国特許5,508,270に記載の通り、調製する。 【0151】 アルキルホスホネートオリゴヌクレオチドは、本明細書中で参考文献として援用される、アメリカ合衆国特許4,469,863に記載の通り、調製する。 3'-デオキシ-3'-メチレンホスホネートオリゴヌクレオチドは、本明細書中で参考文献として援用される、アメリカ合衆国特許5,610,289あるいは5,625,050に記載の通り、調製する。 【0152】 ホスホールアミダイトオリゴヌクレオチドは、本明細書中で参考文献として援用される、アメリカ合衆国特許5,256,775あるいはアメリカ合衆国特許5,366,878
    に記載の通り、調製する。 【0153】 アルキルホスホノチオエートオリゴヌクレオチドは、本明細書中で参考文献として援用される、公開されたPCT出願PCT/US94/00902及びPCT/US93/06976(それぞれWO 94/17093及びWO 94/02499として公開)に記載の通り、調製する。 【0154】 3'-デオキシ-3'-アミノホスホールアミデートオリゴヌクレオチドは、本明細書中で参考文献として援用される、アメリカ合衆国特許5,023,243に記載の通り、調製する。 【0155】 ホスホトリエステルオリゴヌクレオチドは、本明細書中に参考文献として援用されるアメリカ合衆国特許5,023,234に記載の通り、調製する。 ボランリン酸オリゴヌクレオチドは、共に本明細書中で参考文献として援用される、アメリカ合衆国特許5,130,302及び5,177,198に記載の通り、調製する。 【0156】 実施例3 オリゴヌクレオシド合成 MMI結合オリゴヌクレオシドとも同一であるメチレンメチルイミノ結合オリゴヌクレオシド、MDH結合オリゴヌクレオシドとも同一であるメチレンジメチルヒドラゾ結合オリゴヌクレオシド、及び、アミド-3結合オリゴヌクレオシドとも同一であるメチレンカルボニルアミノ結合オリゴヌクレオシド、及び、アミド-4結合オリゴヌクレオシドとも同一であるメチレンアミノカルボニル結合オリゴヌクレオシド、そして、例えば、MMIとP=OあるいはP=S結合とを換えたものを有する混合バックボーン化合物は、そのすべてが本明細書中で参考文献として援用される、アメリカ合衆国特許5,378,825、5,386,023、5,489,677、5,602,240及び5,61
    0,289,に記載の通り、調製する。 【0157】 ホルムアセタール及びチオホルムアセタール結合オリゴヌクレオシドは、本明細書中で参考文献として援用される、アメリカ合衆国特許5,264,562及び5,264,5
    64に記載の通り、調製する。 【0158】 エチレンオキシド結合オリゴヌクレオシドは、本明細書中で参考文献として援用される、アメリカ合衆国特許5,223,618に記載の通り、調製する。 実施例4 PNA合成 ペプチド核酸(PNAs)は、ペプチド核酸(PNA)に関する様々な方法:Synthes
    is, Properties and Potential Applications, Bioorganic & Medicinal Chemis
    try, 1996, 4, 5-23のいずれかに従って、調製される。 それらはまた、本明細書中で参考文献として援用される、アメリカ合衆国特許5,539,082、5,700,922,、
    及び、5,719,262に従ってもまた、調製され得る。 【0159】 実施例5 キメラオリゴヌクレオチドの合成 本発明のキメラオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、または、混合オリゴヌクレオチド/オリゴヌクレオシドは、いくつかの異なる型でありうる。 これらは、結合ヌクレオシドの“ギャップ”セグメントが結合ヌクレオシドの5'あるいは3'“ウィング”セグメントの間に位置する第一の型、及び、“ギャップ”セグメントがオリゴマー化合物の3'あるいは5'端のどちらかに位置する、第二の“
    オープンエンド”型を含む。第一の型のオリゴヌクレオチドは、当該技術分野において、“ギャップマー”あるいはギャップ化オリゴヌクレオチドとしても知られる。第二の型のオリゴヌクレオチドは、当該技術分野において、“ヘミマー”
    あるいは“ウィングマー”としても知られる。 【0160】 〔2'-O-Me〕--〔2'-デオキシ〕--〔2'-O-Me〕キメラホスホロチオエートオリゴヌクレオチド 2'-O-アルキルホスホロチオエートを有するキメラオリゴヌクレオチド及び2'-
    デオキシホスホロチオエートオリゴヌクレオチドセグメントを、上記の通り、Ap
    plied Biosystems自動DNAシンセサイザーModel 380Bを使用して合成する。 オリゴヌクレオチドは、自動シンセサイザーを用い、及び、DNA部分には2'-デオキシ
    -5'-ジメトキシトリチル-3'-O-ホスホールアミダイトを、そして、5'及び3'ウィングには5'-ジメトキシトリチル-2'-O-メチル-3'-O-ホスホールアミダイトを使用して、合成する。 標準的な合成サイクルを、テトラゾール及び塩基のデリバリー後の待機段階を600秒に増加することにより修正し、RNAについては4回、2'-O-
    メチルについては2回繰り返した。 完全に保護されたオリゴヌクレオチドを支持体から解離し、そして、室温で一晩、3:1アンモニア/エタノール中で、リン酸基を脱保護し、その後、凍結乾燥により乾燥させる。 その後、室温で24時間、メタノールアンモニア中で処理することによりすべての塩基を脱保護し、そして、試料を再び凍結乾燥により乾燥させる。 ペレットをTHF中1 M TBAFに、室温で24時間懸濁し、2'位を脱保護する。 次に、反応を1 M TEAAで停止し、そして次に試料をrotovacにより1/2量に減少させ、G25サイズ排除カラムにより脱塩する。 回収したオリゴは次に、キャピラリー電気泳動により、また、質量分析により、収量について、また、純度について、分光光度的に分析される。 【0161】 〔2'-O-(2-メトキシエチル)〕--〔2'-デオキシ〕--〔2'-O-(メトキシエチル)〕キメラホスホロチオエートオリゴヌクレオチド 〔2'-O-(2-メトキシエチル)〕--〔2'-デオキシ〕--〔2'-O-(メトキシエチル)〕キメラホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、2'-O-(メトキシエチル)アミダイトを2'-O-メチルアミダイトに置き換えた2'-O-メチルキメラオリゴヌクレオチドのための上記の方法に従って、調製した。 【0162】 〔2'-O-(2-メトキシエチル)ホスホジエステル〕--〔2'-デオキシホスホロチオエート〕--〔2'-O-(2-メトキシエチル)ホスホジエステル〕キメラオリゴヌクレオチド 〔2'-O-(2-メトキシエチル)ホスホジエステル〕--〔2'-デオキシホスホロチオエート〕--〔2'-O-(2-メトキシエチル)ホスホジエステル〕キメラオリゴヌクレオチドは、2'-O-(メトキシエチル)アミダイトを2'-O-メチルアミダイトに置き換えた、2'-O-メチルキメラオリゴヌクレオチドについての上記の方法、キメラ構造のウィング部分中のホスホジエステルヌクレオチド間結合を作るためのヨウ素を用いる酸化、中央ギャップのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を作るための3,H-1,2ベンゾジチオール-3-オン1,1ジオキシド(Beaucage Reagent
    )を使用する硫化に従って、調製する。 【0163】 他のキメラオリゴヌクレオチド、キメラオリゴヌクレオシド及び混合キメラオリゴヌクレオチド/オリゴヌクレオシドは、本明細書中で参考文献として援用される、アメリカ合衆国特許5,623,065に従って合成される。 【0164】 実施例6 オリゴヌクレオチドの単離 制御孔ガラスカラム(Applied Biosystems)から分離し、そして、濃縮された水酸化アンモニウム中、55℃、18時間、脱ブロック化した後、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオシドは、0.5 M NaClから2.5倍量のエタノールを用いた2
    回の沈殿により精製する。 合成されたオリゴヌクレオチドは、変性ゲル上でのポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析され、そして、少なくとも85%の全長物質であると判断された。 合成により得られたホスホロチオエート及びホスホジエステル結合の相対的な量は、定期的に31 P核磁気共鳴分光器により検査され、
    そして、いくつかの研究のため、オリゴヌクレオチドをChiangら(J. Biol. Che
    m. 1991, 266, 18162-18171)により記載の通り、HPLCで精製した。 HPLC精製産物を用いて得られた結果は、非HPLC精製産物から得られたものと同様だった。 【0165】 実施例7 オリゴヌクレオチド合成−96ウェルプレート型 オリゴヌクレオチドを、固相P(III)ホスホールアミダイト化学により、標準的な96ウェル型に同時に96配列を構築することができる自動シンセサイザーで合成した。 ホスホロジエステルヌクレオチド間結合はヨウ素水溶液を用いる酸化によって得られた。 ホスホロチオエートヌクレオチド間結合は、無水アセトニトリル中3,H-1,2ベンゾジチオール-3-オン1,1ジオキシド(Beaucage Reagent)を使用した硫化により、生成した。 標準的な塩基保護β-シアノエチルジイソプロピルホスホールアミダイトは、商業販売者(例えば、PE-Applied Biosystems, Fos
    ter City, CAまたはPharmacia, Piscataway, NJ)から購入した。 非標準ヌクレオシドは、既知の文献、あるいは、特許の方法の通り、合成する。 それらは、塩基保護β-シアノエチルジイソプロピルホスホールアミダイトとして使用される。 【0166】 オリゴヌクレオチドを支持体から解離し、そして、高温度(55-60℃)にて、1
    2−16時間、濃縮NH 4 OHにより脱保護し、そして放出された生成物を次に減圧下で乾燥した。 乾燥した生成物を次に滅菌水に再懸濁して、マスタープレートを得て、そこからすべての分析及び試験プレート試料をロボットピペッターを使用して希釈する。 【0167】 実施例8 オリゴヌクレオチド分析−96ウェルプレート型 各ウェルのオリゴヌクレオチドの濃度を、試料の希釈及びUV吸収分光器により調査した。 個々の生成物の全長の完全性を、キャピラリー電気泳動(CE)により、96ウェル型(Beckman P/ACE TM MDQ)で、あるいは、個々に調製した試料については、市販のCE器具(例えば、Beckman P/ACE TM 5000, ABI 270)で、評価した。 塩基及びバックボーン構成は、エレクトロスプレー質量分光計を使用する化合物の質量分析により、確かめられた。 すべてのアッセイ検査プレートは、マスタープレートから、シングルあるいはマルチチャネルのロボットピペッターを使用して希釈した。 プレートは、プレート上の化合物の少なくとも85%が、少なくとも全長の85%であれば、許容可能であると判断した。 【0168】 実施例9 細胞培養及びオリゴヌクレオチド処理 標的核酸発現に対するアンチセンス化合物の効果は、測定可能なレベルで標的核酸が存在する場合、様々な細胞タイプのいずれにおいても、試験することができる。 これは、例えば、PCRあるいはノザンブロット分析を使って日常的に決定され得る。 以下の4つの細胞タイプは説明するために提供されるが、他の細胞タイプを日常的に使用することができる。 【0169】 T-24細胞: 移行上皮細胞(transitional cell)膀胱癌細胞株T-24細胞はAmerican Type C
    ulture Collection(ATCC)(Manassas, VA)より入手した。 T-24細胞は、日常的に、10%ウシ胎児血清(Gibco/Life Technologies, Gaithersburg, MD)、100
    u/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(Gibco/Life Technologies, G
    aithersburg, MD)を加えた、完全McCoy's 5A基本培地(Gibco/Life Technologi
    es, Gaithersburg, MD)で、培養した。 細胞は、日常的に、それが90%コンフルエンスに達したら、トリプシン処理及び希釈により継代した。 RT-PCR分析において使用するため、細胞を96ウェルプレート(Falcon-Primaria#3872)に7000細胞/ウェルの濃度でまいた。 【0170】 ノザンブロットあるいは他の分析のため、細胞を100 mmあるいは他の標準的な組織培養プレートにまき、そして、適切な量の培地及びオリゴヌクレオチドを使用して、同様の処理をすることができる。 【0171】 A549細胞: ヒト肺癌細胞株A549は、American Type Culture Collection(ATCC)(Manass
    as, VA)より入手した。 A549は、日常的に、10%ウシ胎児血清(Gibco/Life Tec
    hnologies, Gaithersburg, MD)、100 u/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(Gibco/Life Technologies, Gaithersburg, MD)を加えた、DMEM基本培地(Gibco/Life Technologies, Gaithersburg, MD)で培養した。 細胞は、日常的に、それが90%コンフルエンスに達したら、トリプシン処理及び希釈により継代した。 【0172】 NHDF細胞: ヒト新生児皮膚線維芽細胞(NHDF)は、Clonetics Corporation(Walkersvill
    e MD)より入手した。 NHDFは日常的に、提供者により推奨される通り添加した線維芽細胞成長培地(Clonetics Corporation, Walkersville MD)で維持した。 細胞は提供者により推奨される通り、10継代まで維持した。 【0173】 HEK細胞: ヒト胎児ケラチノサイト(HEK)はClonetics Corporation(Walkersville MD
    )より入手した。 HEK細胞は、日常的に、提供者により推奨される通り製剤化されたケラチノサイト成長培地(Clonetics Corporation, Walkersville MD)で維持した。 細胞は、日常的に、提供者により推奨される通り、10継代まで維持した。 【0174】 アンチセンス化合物の処理: 細胞が80%コンフルエンスに達したとき、オリゴヌクレオチドにより処理した。 96ウェルプレートで生育した細胞について、ウェルを200μLのOPTI-MEM TM -1減少血清培地(Gibco BRL)で一度洗浄し、次に3.75μg/mL LIPOFECTIN TM (Gibco
    BRL)及び150 nMの最終濃度の望ましいオリゴヌクレオチドを含む、130μLのOPT
    I-MEM TM -1で処理した。 4時間処理後、培地をフレッシュな培地に交換した。 オリゴヌクレオチド処理後16時間後に細胞を回収した。 【0175】 実施例10 PTEN発現のオリゴヌクレオチド阻害の分析 PTEN発現のアンチセンスモジュレーションは、当該技術分野において知られる様々な方法でアッセイすることができる。 例えば、PTEN mRNAレベルは、例えばノザンブロット分析、競合的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、あるいは、リアルタイムPCR(RT-PCR)により、定量され得る。 リアルタイム定量PCRが現在のところ好ましい。 RNA分析は、全細胞内RNA、あるいは、ポリ(A)+ mRNAについて行うことができる。 RNA単離の方法は、例えば、Ausubel, FM ら(Current Proto
    cols in Molecular Biology, Volume 1, pp. 4.1.1-4.2.9 及び4.5.1-4.5.3, Jo
    hn Wiley & Sons, Inc., 1993)に教示される。 ノザンブロット分析は、当該技術分野においては、日常的な方法であり、また、例えば、Ausubel, FMら(Cur
    rent Protocols in Molecular Biology, Volume 1, pp. 4.2.1-4.2.9, John Wil
    ey & Sons, Inc., 1996)に教示される。 リアルタイム定量(PCR)は、PE-Appli
    ed Biosystems(Foster City, CA)から入手可能な、市販のABI PRISM TM 7700 S
    equence Detection Systemを使用することにより、都合よく成し遂げられ、そして、製造者の指示に従って使用される。 PCRの他の手法もまた、当該技術分野において、既知である。 【0176】 PTENタンパク質レベルは、免疫沈降、ウエスタンブロット分析(イムノブロット)、ELISA、あるいは、蛍光活性化細胞分取器(FACS)といった、当該技術分野において既知である様々な手法により定量され得る。 PTENに対する抗体は同定され、そして、MSRSの抗体カタログ(Aerie Corporation, Birmingham, MI)といった、様々な供給者から入手することが可能であり、または、従来からの抗体作成方法により調製し得る。 ポリクローナル抗血清の調製方法は、例えば、Ausu
    bel, FMら(Current Protocols in Molecular Biology, Volume 2, pp. 11.12
    .1-11.12.9, John Wiley & Sons, Inc., 1997)に教示される。 モノクローナル抗血清の調製方法は、例えば、Ausubel, FMら(Current Protocols in Molecu
    lar Biology, Volume 2, pp. 11.4.1-11.11.5, John Wiley & Sons, Inc., 1997
    )に教示される。 【0177】 免疫沈降方法は、当該技術分野において標準的であり、また、例えば、Ausube
    l, FM ら(Current Protocols in Molecular Biology, Volume 2, pp. 10.16.
    1-10.16.11, John Wiley & Sons, Inc., 1998)において見いだすことができる。 ウェスタンブロット(イムノブロット)分析は、当該技術分野において標準的であり、例えば、Ausubel, FMら(Current Protocols in Molecular Biology,
    Volume 2, pp. 10.8.1-10.8.21, John Wiley & Sons, Inc., 1998)において見いだすことができる。 酵素免疫吸着測定法(ELISA)は、当該技術分野において標準的であり、また、例えば、Ausubel, FM ら(Current Protocols in Molec
    ular Biology, Volume 2, pp. 11.2.1-11.2.22, John Wiley & Sons, Inc., 199
    1)において見つけることができる。 【0178】 実施例11 ポリ(A)+ mRNA単離 ポリ(A)+ mRNAは、Miuraら(Clin. Chem., 1996, 42, 1758-1764)に従って、単離された。 ポリ(A)+ mRNA単離のための他の方法は、例えば、Ausubel, F.
    M.ら(Current Protocols in Molecular Biology, Volume 1, pp. 4.5.1-4.5.3,
    John Wiley & Sons, Inc., 1993)に教示される。 簡潔には、96ウェルプレート上で培養した細胞において、細胞から増殖培地を除き、そして、各ウェルを200
    μL冷PBSで洗浄した。 60μL溶解バッファー(10 mM Tris-HCl、pH 7.6、1 mM ED
    TA、0.5 M NaCl、0.5%NP-40、20 mMバナジル-リボヌクレオシド複合体)を各ウェルに加え、プレートをゆっくり揺り動かし、そして次に、室温で5分間インキュベートした。 溶解物55μLをオリゴd(T)をコートした96ウェルプレート(AGC
    T Inc., Irvine CA)に移した。 プレートを、60分、室温でインキュベートし、
    洗浄バッファー(10 mM Tris-HCl pH 7.6、1 mM EDTA、0.3 M NaCl)200μLで3
    回洗浄した。 最後の洗浄の後、プレートをペーパータオルに当てて、余分な洗浄バッファーを取り除き、そしてその後、5分間風乾した。 70℃に前もって熱した、溶出バッファー(5 mM Tris-HCl pH 7.6)60μLを、各ウェルに加え、プレートを90℃ホットプレートで5分間インキュベートし、そして、次に溶出物を新しい96ウェルプレートに移した。 【0179】 100 mmあるいは他の標準的なプレートに培養した細胞は、適する容量のすべての溶液を用いて、同様に処理し得る。 実施例12 全RNA単離 全mRNAは、Qiagen Inc.(Valencia CA)より購入したRNEASY 96 TMキット及びバッファーを用い、製造者の推薦する方法に従って単離した。 簡潔には、96ウェルプレート上で培養した細胞において、増殖培地を細胞から除き、そして、各ウェルを200μL冷PBSで洗浄した。 100μLのバッファーRLTを各ウェルに加え、そして、プレートを20秒間激しく揺り動かした。 70%エタノール100μLを次に各ウェルに加え、内容物を3回上下にピペッティングして混ぜた。 次に試料を排水回収トレイに合わせたQIAVAC TMマニホルドに取り付け、そして減圧装置に取り付けた、RNEASY 96 TMウェルプレートに移した。 減圧は15秒間行われた。 1 mLのバッファーRW1をRNEASY 96 TMプレートの各ウェルに加え、そして、再び減圧を15秒間行った。 その後、1 mLのバッファーRPEをRNEASY 96 TMプレートの各ウェルの添加し、そして減圧を15秒間行った。 バッファーRPE洗浄を次に繰り返し、さらに10分間減圧を行った。 プレートをQIAVAC TMマニホルドから取り外し、そしてペーパータオルにあてて乾燥させた。 プレートを次に、1.2 mL回収チューブを含む、回収チューブラックに合わせたQIAVAC TMマニホルドにもう一度取り付けた。 RNAを次に各ウェル中の60μLの水をピペッティングすることにより溶出し、1分間インキュベートし、そして次に、30秒間減圧を行った。 さらに60μLの水を用いて、溶出段階を繰り返した。 【0180】 繰り返しのピペッティング及び溶出段階を、QIAGEN Bio-Robot 9604(Qiagen,
    Inc., Valencia CA)を用いて、自動化することができる。 本質的には、培養プレート上で細胞を溶解した後、プレートをロボットデッキに移し、そこで、ピペッティング、DNase処理、及び、溶出段階が実行される。 【0181】 実施例13 PTEN mRNAレベルのリアルタイム定量PCR分析 PTEN mRNAレベルの定量は、ABI PRISM 7700 Sequence Detection System(PE-
    Applied Biosystems, Foster City, CA)を製造者の指示に従って使用して、リアルタイム定量PCRにより決定された。 これは、閉じられたチューブで、ゲルに基づいてなく、リアルタイムにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)産物のハイスループット定量ができる蛍光検出システムである。 PCRが終了した後に、増幅産物が定量される標準的なPCRとは対照的に、リアルタイム定量PCR産物はそれが蓄積するに従って定量される。 これは、PCR反応にフォワード及びリバースPCRプライマーの間に特異的にアニールし、そして2つの蛍光色素を含むオリゴヌクレオチドを含むことにより達せられる。 レポーター色素(例えば、Operon Technologies
    Inc., Alameda, CA またはPE-Applied Biosystems, Foster City, CAのどちらかから入手可能なJOEあるいはFAM)は、プローブの5'端に結合し、そして、クエンチャー色素(例えば、Operon Technologies Inc., Alameda, CAまたはPE-Applie
    d Biosystems, Foster City, CAのどちらかから入手可能なTAMRA)は、プローブの3'端に結合する。 プローブ及び色素が完全なとき、レポーター色素の発光は3'
    クエンチャー色素の近接により消失される。 増幅の間、プローブの標的配列へのアニーリングはTaqポリメラーゼの5'-エキソヌクレアーゼ活性により切断されうる基質を作り出す。 PCR増幅サイクルの伸長相の間、Taqポリメラーゼによるプローブの切断はプローブの残りから(そしてつまりクエンチャー部分から)レポーター色素を放出し、そして、配列特異的な蛍光シグナルが生み出される。 各サイクルで、さらなるレポーター色素分子はその対応するプローブから解離され、そして、蛍光強度は、ABI PRISM TM 7700 Sequence Detection Systemに組み込まれるレーザー光により、一定のインターバルでモニターされる。 各アッセイにおいて、未処理の対照試料由来mRNAの希釈系列を含む、並行した一連の反応は、試験試料の、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理後の阻害パーセントを定量するのに用いられる、標準曲線を生み出す。 【0182】 PCR試薬はPE-Applied Biosystems(Foster City, CA)より入手した。 RT-PCR
    反応は、25μLポリ(A)mRNA溶液を含む96ウェルプレートに、25μL PCRカクテル(1×TAQMAN TMバッファーA、5.5 mM MgCl 2 、各300μMのdATP、dCTP及びdGTP
    を、600μMのdUTP、フォワードプライマー、リバースプライマー、及び、プローブを各100 nM、20 U RNAseインヒビター、1.25 U AMPLITAQ GOLD TM及び12.5 UM
    uLV逆転写酵素)を加えることにより実行した。 RT反応は48℃で30分のインキュベーションにより実行された。 AMPLITAQ GOLD TMを活性化するために95℃にて10
    分間のインキュベーションした後、40サイクルの2段階PCRプロトコールを実行した:95℃15秒間(変性)続いて60℃1.5分間(アニーリング/伸長)。 刊行物に記載された配列情報(本明細書中でSEQ ID NO:1として援用されるGenBankアクセッション番号U93051)を使用して、PTENプローブおよびプライマーを、ヒトPTEN配列にハイブリダイズするように設計した。 【0183】 PTENについて、PCRプライマーは: フォワードプライマー:AATGGCTAAGTGAAGATGACAATCAT(SEQ ID NO: 2)、 リバースプライマー:TGCACATATCATTACACCAGTTCGT(SEQ ID NO: 3)、およびPCRプローブ:FAM-TTGCAGCAATTCACTGTAAAGCTGGAAAGG-TAMRA(SEQ ID NO: 4)、
    であり、ここでFAM(PE-Applied Biosystems, Foster City, CA)は蛍光レポーター色素であり、そして、TAMRA(PE-Applied Biosystems, Foster City, CA)
    はクエンチャー色素である。 【0184】 GAPDH用のPCRプライマーは: フォワードプライマー:GAAGGTGAAGGTCGGAGTC(SEQ ID NO: 5) リバースプライマー:GAAGATGGTGATGGGATTTC(SEQ ID NO: 6)であり、及びPCRプローブは:5' JOE-CAAGCTTCCCGTTCTCAGCC- TAMRA 3'(SEQ ID NO: 7)であり、JOE(PE-Applied Biosystems, Foster City, CA)は蛍光レポーター色素であり、そして、TAMRA(PE-Applied Biosystems, Foster City, CA)はクエンチャー色素である。 【0185】 実施例14 PTEN mRNAレベルのノザンブロット分析 アンチセンス処理の18時間後、単層の細胞を冷PBSで2回洗浄し、そして、1 mL
    RNAZOL TM (TEL-TEST “B” Inc., Friendswood, TX)に溶解した。 全RNAは製造者が推薦するプロトコルに従って調製した。 MOPSバッファーシステム(AMRESCO,
    Inc. Solon, OH)を用い、1.1%ホルムアルデヒドを含む1.2%アガロースゲルによる電気泳動により、20マイクログラムの全RNAを分離した。 Northern/Southe
    rn Transferバッファーシステム(TEL-TEST “B” Inc., Friendswood, TX)を使用して、一晩キャピラリートランスファーすることによって、RNAをゲルからH
    YBOND TM -N+ ナイロンメンブレン(Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway, N
    J)に移した。 RNAのトランスファーは、UV可視化により確認した。 メンブレンを
    STRATALINKER TM UV Crosslinker 2400(Stratagene, Inc, La Jolla, CA)を使用して、UV架橋により固定した。 【0186】 QUICKHYB TMハイブリダイズ溶液(Stratagene, La Jolla, CA)をストリンジェントな条件についての製造者の推奨を用いて使用して、フォワードプライマーAA
    TGGCTAAGTGAAGATGACAATCAT(SEQ ID NO: 2)およびリバースプライマーTGCACATA
    TCATTACACCAGTTCGT(SEQ ID NO: 3)を使用するPCRにより調製したPTEN特異的プローブにより、メンブレンをプローブ化した。 ローディング効率およびトランスファー効率における変異を正常化するため、メンブレンをストリップ化しそしてグリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)RNA(Clontech,
    Palo Alto, CA)についてプローブ化した。 PHOSPHORIMAGER TMおよびIMAGEQUANT TM Software V3.3(Molecular Dynamics, Sunnyvale, CA)を用いて、ハイブリダイズしたメンブレンを可視化し、そして、定量した。 データは未処理対照におけるGAPDHレベルに標準化した。 【0187】 実施例15 PTEN発現のアンチセンス阻害-ホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチドヌクレオチド 本発明に従って、一連のオリゴヌクレオチドを、刊行物に記載された配列(本明細書中でSEQ ID NO: 1として援用されるGenBankアクセッション番号U93051)
    を用いて、ヒトPTEN RNAの異なる領域を標的とするように設計した。 オリゴヌクレオチドは表1に示す。 標的部位は、配列ソース参照(Genbankアクセッションno
    . U93051)において与えられるように、オリゴヌクレオチドが結合する最初の(
    最も5'末端)ヌクレオチド番号により示される。 表1におけるすべての化合物は、ホスホロチオエートバックボーン(ヌクレオシド間結合)を全体に亘り有するオリゴデオキシヌクレオチドである。 化合物を、PTEN mRNAレベルに対する効果について、本明細書中の他の実施例に記載の通り、定量的リアルタイムPCRにより分析した。 データは2回の実験からの平均である。 存在する場合、“ND”は“データなし”を示す。 【0188】 【表1】

    【0189】 【0190】 表1に示されるように、SEQ ID NO: 9、10、11、12、13、14、15、16、17、18


    、20、25、26、27、28、29、30、31、33、34、35、36、37、38、40、41、43、45


    、46および47は、このアッセイにおいて、少なくとも30%のPTENの発現の阻害が証明され、そして、それゆえ好ましい。 これらの好ましい配列が相補的である標的部位は、本明細書中では“活性部位”と呼ばれ、そしてしたがって、本発明の化合物により標的化するためには好ましい部位である。 【0191】 実施例16 PTEN発現のアンチセンス阻害-ホスホロチオエート2'-MOEギャップマーオリゴヌクレオチド 本発明にしたがって、ヒトPTENを標的とする第二のシリーズのオリゴヌクレオチドを合成した。 オリゴヌクレオチド配列は、表2に示す。 標的部位は、配列ソース参照(Genbankアクセッションno. U93051)において与えられるように、オリゴヌクレオチドが結合する最も最初(最も5')のヌクレオチド番号により示される。 【0192】 表2中のすべての化合物は、両方の端(5'及び3'方向)を5-ヌクレオチドの“


    ウィング”によって挟まれた、10個の2'-デオキシヌクレオチドからなる中央“


    ギャップ”領域から構成される、長さが20ヌクレオチドの、キメラオリゴヌクレオチド(“ギャップマー”)である。ウィングは、2'-メトキシエチル(2'-MOE


    )ヌクレオチドからなる。 ヌクレオシド間(バックボーン)結合はオリゴヌクレオチド全体にわたりホスホロチオエート(P=S)である。 シチジン残基は、2'-MO


    Eウィングおよび5-メチルシチジンである。 【0193】 データは、本明細書中のその他の実施例中で記載されるように、リアル-タイム定量性PCRにより得て、そして2回の実験から平均化する。 存在する場合、“N.


    D.”は、“データなし”を示す。 【0194】 【表2】 【0195】 【0196】 表2に示されるとおり、SEQ ID NO: 8、9、10、11、12、13、16、17、18、19、


    20、21、22、23、25、26、27、28、31、33、34、35、36、37、38、40、41、42、


    43、44および47は、この実験において、少なくとも30%のPTENの発現の阻害が証明され、そして、それゆえ好ましい。 これらの好ましい配列が相補的である標的部位は、本明細書中で“活性部位”と呼ばれ、そしてしたがって、本発明により標的化するために好ましい部位である。 【0197】 実施例17 PTENタンパク質レベルのウエスタンブロット分析 ウエスタンブロット(イムノブロット分析)は標準的な方法を用いて行われる。 細胞をオリゴヌクレオチド処理の16-20時間後に回収し、PBSで1回洗浄し、Lae


    mmliバッファー(100 ul/well)に懸濁し、5分間煮沸し、そして、16%SDS-PAGE


    ゲルにロードする。 ゲルを1.5時間、150 Vで泳動し、そして、ウエスタンブロットのために、メンブレンにトランスファーする。 PTENに対する適する第一抗体を、第一抗体の種に対する放射ラベルした、あるいは、蛍光ラベルした第二抗体とともに使用する。 バンドをPHOSPHORIMAGER

    TM (Molecular Dynamics, Sunnyvale


    CA)を使用して、可視化する。 【0198】 実施例18 PTEN発現のアンチセンス阻害-ヒト、マウスおよびラット肝細胞における用量反応 本発明にしたがって、ヒトPTENを標的とするさらに2つのオリゴヌクレオチドを設計しそして合成した。 ISIS 116847(CTGCTAGCCTCTGGATTTGA, SEQ ID No: 48


    )およびISIS 116845(ACATAGCGCCTCTGACTGGG, SEQ ID No: 49)。 ISIS 116847


    についてのミスマッチ対照は、ISIS 116847の6塩基ミスマッチであるISIS 11684


    8(CTTCTGGCATCCGGTTTAGA, SEQ ID No: 50)であり、一方使用したユニバーサル対照は、ISIS 29848(NNNNNNNNNNNNNNNNNNNN, SEQ ID No: 51)であり、ここでN


    はA、G、TおよびCの混合物である。 ISIS 116847およびISIS 116845の両方とも、


    Genbankアクセッション番号U93051のコード領域を標的とし、ISIS 116847は位置


    1063で始まるものでありそしてISIS 116845は位置505で始まるものである。 【0199】 これらのオリゴヌクレオチド配列は、完全な相補性を有するマウスPTEN配列もまた標的とし、ISIS 116845はGenBankアクセッション番号U92437(座位名MMU924


    37;Steck et al., Nature Genet., 1997, 15,356-362)のヌクレオチド1453-14


    72を標的とし、そしてISIS 116847はそのヌクレオチド2012-2031を標的とする。


    同様に、これらのオリゴヌクレオチド配列は、完全な相補性を有するラットPTEN


    配列を標的とし、GenBankアクセッション番号AF017185のISIS 116845はヌクレオチド505-524を標的とし、そしてISIS 116847はそのヌクレオチド1063-1082を標的とする。 【0200】 すべての化合物は、長さ20ヌクレオチドのキメラオリゴヌクレオチド(“ギャップマー”)であり、5-ヌクレオチドの“ウィング”により両側(5'および3'方向)を隣接される10個の2'-デオキシヌクレオチドからなる中央部“ギャップ”


    領域から構成される。 ウィングは、2'-メトキシエチル(2'-MOE)ヌクレオチドから構成される。 ヌクレオシド間(バックボーン)結合は、オリゴヌクレオチド全体にわたり、ホスホロチオエート(P=S)である。 すべてのシチジン残基は、5


    -メチルシチジンである。 【0201】 データは、本明細書中に記載されたようにリアルタイム定量的PCRにより得て、2つの実験から平均化する。 用量反応性実験において、ヒト肝細胞培養細胞(HEPG2;American Type Cultu


    re Collection, Manassas, VA)、マウス初代肝細胞、およびラット初代肝細胞を、ISIS 116847およびそのミスマッチ対照、ISIS 116848により、非処置対照に対して正常化させた10、50、100および200 nMのオリゴヌクレオチドで、処置した。 すべて3種において、用量反応は、ビヒクルにより処置した対照と比較して、直線状であった。 【0202】 ヒトHEPG2細胞において、ISIS 116847は、PTEN mRNAレベルを、10 nMの用量の場合に対照の55%まで減少させ、そして200 nMの場合には対照の5%にまで減少させたが、その一方でミスマッチ対照オリゴヌクレオチドにより処置された細胞内でのPTEN mRNAレベルは、全体の用量範囲にわたって対照の90%よりも高いままであった。 【0203】 マウス初代肝細胞において、傾向はISIS 116847を用いた場合と同様であり、P


    TEN mRNAレベルを、10 nM程度の低い用量の場合に対照の85%まで減少させ、そして200 nMの用量の場合対照の2%まで減少させた。 一方、対照オリゴヌクレオチド、ISIS 116848は、PTEN mRNAレベルを減少させることができず、そして対照の85%またはそれよりも高いままであった。 【0204】 ラット初代肝細胞において、ISIS 116847は、PTEN mRNAレベルを、10 nM程度の低い用量の場合に対照の55%まで減少させ、そして200 nMの最高用量の場合には対照の10%まで減少させた。 対照オリゴヌクレオチド、ISIS 116848により処置した細胞内でのPTEN mRNAレベルは、全体の用量範囲にわたって対照の95%またはそれよりも高いままであった。 【0205】 実施例19 PTENのアンチセンス阻害の、脂肪および肝臓中でのmRNA発現に対する効果 以下の実施例においては、PTENのアンチセンス阻害剤を、db/dbマウス(Jacks


    on Laboratories, Bar Harbor, ME)中で試験する。 これらのマウスは、高血糖症であり、肥満であり、高脂血症であり、そしてインスリン耐性であり、そして糖尿病の標準的な動物モデルとして使用される。 【0206】 オスdb/dbマウス(14週齢)を同一の平均血中グルコースレベルを有する調和させた群(n=5)に分け、そして1週間に1回、4週間、10、25、50または100 mg/k


    gのISIS 116847または50 mg/kgのISIS 116845で処置した。 野生型マウスを同様に処置した。 対照には、塩類溶液、ISIS 116848(ミスマッチ対照)、ISIS 2984


    8(実施例18で検討したユニバーサル対照)およびISIS 116847のセンス対照が含まれる。 比較として、db/dbマウスを、II型糖尿病の治療において使用される経口抗高血糖剤であるトログリタゾン(troglitazone)によっても処置した。 この薬物は、主として、インスリン耐性を減少させ、筋肉組織および脂肪組織におけるインスリンに対する感受性を改善し、そして肝臓の糖新生を阻害するように働く。 28日目に、マウスを犠死させ、PTEN mRNAレベルを測定した。 【0207】 db/dbマウスをISIS 116847により処置すると、肝臓におけるPTEN mRNAレベルが、50 mg/kgでの対照の10%にまで用量依存的に減少することが示された。 ISIS


    116845により、PTEN mRNAレベルが50 mg/kgの用量での対照の22%にまで減少することが示された。 【0208】 野生型マウスにおいて、対照PTEN mRNAの5%のレベルには、100 mg/kgの用量のISIS 116847が必要とされた。 トログリタゾンだけでなくいずれの対照も、塩類溶液対照を越えるPTEN mRNAレベルに対する効果を有さなかった。 【0209】 同様な結果が脂肪において見られた。 db/dbマウスをISIS 116847により処置することにより、脂肪中のPTEN mRNAレベルが、50 mg/kgの対照の20%にまで用量-


    依存的に減少することが示された。 ISIS 116845により、PTEN mRNAレベルが、50


    mg/kgの用量での対照の35%にまで減少することが示された。 【0210】 野生型マウスにおいて、対照の18%のレベルには、100 mg/kgの用量のISIS 11


    6847が必要とされた。 トログリタゾンだけでなくいずれの対照も、塩類溶液対照を越えるPTEN mRNAレベルに対する効果を有さなかった。 【0211】 別の実験において、オスdb/dbマウス(14週齢)を同一の平均血中グルコースレベルを有する調和させた群(n=5)に分け、そして塩類溶液によりまたは20 mg


    /kgの用量のISIS 116847により、1日おき(q2d)または1週間に2回(q4d)、腹腔内で処置した。 両方のプロトコルについての対照は、ミスマッチ対照、ISIS 1


    16848であった。 マウスを、14日目に放血し、そして肝臓および脂肪内のPTEN mR


    NAレベルを測定した。 【0212】 ISIS 116847は、PTEN mRNAレベルが、db/dbマウスの肝臓および脂肪の両方において、q2dおよびq4dの投与スケジュールの両方の場合で、うまく用量-依存的に減少させたのに対して、ミスマッチ対照および塩類溶液で処置した動物では、


    PTEN mRNAが何ら減少しないことが示された。 【0213】 骨格筋におけるPTEN mRNAは、使用したアンチセンスオリゴヌクレオチドのいずれによっても何ら減少しなかった。 筋肉におけるこのような効果の欠損は、肝臓および脂肪のみにおいてPTENの発現が減少することが、高血糖を減少させるためには十分であるということを示す。 【0214】 実施例20 PTENのアンチセンス阻害の腎臓におけるmRNA発現に対する効果 オスdb/dbおよび野生型マウスを、1週間に1回、4週間、10、25、50または100


    mg/kgの濃度のISIS 116847により、または50 mg/kgの濃度のISIS 116845により、処置した。 対照には、塩類溶液、ISIS 116848(ミスマッチ対照)、ISIS 2984


    8(実施例18において検討したユニバーサル対照)およびISIS 116847のセンス対照が含まれた。 比較として、db/dbマウスを、トログリタゾンによっても処置した。 28日目に、マウスを犠死させ、そしてPTEN mRNAレベルを測定した。 【0215】 ISIS 116847により処置することにより、腎臓におけるPTEN mRNAレベルが濃度依存的に減少することが示され、50 mg/kgの場合に対照の70%にまで減少した。


    同じ用量の場合に、ISIS 116845は、PTEN mRNAレベルを対照の85%にまで減少させた。 【0216】 野生型マウスにおいて、対照の75%のレベルには、100 mg/kgの用量のISIS 11


    6847が必要とされた。 トログリタゾンだけでなく、いずれの対照も、塩類溶液対照を越えるPTEN mRNAレベルに対する効果を有さなかった。 【0217】 実施例21 時間および用量の関数としての、肝臓抽出物中のPTENタンパク質レベルに対するPTENのアンチセンス阻害(ISIS 116847)の効果 オスdb/dbおよび野生型マウス(14週齢)を、1週間に1回、4週間、塩類溶液、


    対照オリゴヌクレオチド、ISIS 29848(50 mg/kg)または10、25または50 mg/kg


    の濃度のISIS 116847により、処置した。 野生型マウスを、塩類溶液または100 m


    g/kgのISIS 116847により処置した。 マウスを28日目に犠死させ、そしてPTENタンパク質レベルを本明細書中の他の実施例で記載したようにウェスタンブロッティングにより測定した。 【0218】 db/dbマウスにおいて、ISIS 116847により処置することにより、塩類溶液対照またはミスマッチにより処置した動物と比較して、PTENタンパク質レベルにおける用量依存的な減少が引き起こされた。 【0219】 100 mg/kgで処置された野生型マウスにおけるタンパク質レベルは、50 mg/kg


    の用量で処置されたdb/dbマウスにおいて見られたレベルと同等まで減少した。


    対照の脂肪のないマウスとdb/dbマウスとの間では、PTENタンパク質の相対レベルにおいて、顕著な差は存在しなかった。 【0220】 実施例22 時間および用量の関数としての、PTENのアンチセンス阻害(ISIS 116847)の脂肪および腎臓中のPTENタンパク質レベルに対する効果 オスdb/dbおよび野生型マウス(14週齢)を、1週間に1回、4週間、塩類溶液または50 mg/kgのISIS 116847により、腹腔内注射により処置した。 マウスを28日目に犠死させ、そしてPTENタンパク質レベルを本明細書中の他の実施例中に記載されたウェスタンブロッティングにより測定した。 【0221】 脂肪におけるPTENレベルは、db/dbおよび野生型マウスの両方において、対照と比較してPTENアンチセンスにより減少し、そしてPTENレベルのわずかな減少がアンチセンス処置後の腎臓において見られた。 【0222】 実施例23 血中グルコースレベルに対するPTENのアンチセンス阻害の効果 オスdb/dbおよび野生型マウス(14週齢)を同一の平均血中グルコースレベルを有する調和させた群(n=5)に分け、そして塩類溶液または20 mg/kgの用量のI


    SIS 116847を、1日おき(q2d)または1週間に2回(q4d)、腹腔内注射することにより処置した。 両方のプロトコルに対する対照は、ミスマッチ対照、ISIS 116


    848であった。 血中グルコースレベルを、7日目および14日目に測定した。 【0223】 14日目までにdb/dbマウスにおいて、血中グルコースレベルは、両方の処置スケジュールについて減少した;開始時レベルの330 mg/dLから175 mg/dL(q2d)


    および170 mg/dL(q4d)になり、これらのレベルは、野生型マウスについては正常とみなされる範囲内に含まれる。 ミスマッチ対照レベルは、研究の間ずっと31


    0 mg/dLのままであった。 【0224】 野生型マウスにおいて、血中グルコースレベルは、研究の間ずっと、すべての処置群について一定のままであった(平均115 mg/dL)。 同様の実験において、オスdb/dbおよび野生型マウスを、1週間に1回、4週間、


    50 mg/kgのISIS 116847またはISIS 116845により処置した。 対照には、塩類溶液、ISIS 116848(ミスマッチ対照)およびISIS 29848(実施例18において検討したユニバーサル対照)が含まれる。 28日目に、マウスを犠死させ、そして血清グルコースレベルを測定した。 【0225】 db/dbマウスにおいて、ISIS 116847またはISIS 116845のいずれかによる処置により、血清グルコースレベルは、塩類溶液対照(480 mg/dL)と比較して、それぞれ240および280 mg/dLと減少した。 この減少は、統計学的に有意であった(


    p<0.005)。 ミスマッチ対照もユニバーサル対照も、血清グルコースレベルに対して何ら効果を有さなかった。 野生型動物において、ISIS 116847は、血清グルコースレベルを対照の場合(200 mg/dL)から減少させることができなかった。 【0226】 実施例24 時間および用量の関数としての、db/dbマウスの血中グルコースレベルに対する、PTEN(ISIS 116847)のアンチセンス阻害の効果 オスdb/dbマウス(14週齢)を、1週間に1回、4週間、塩類溶液または10、25または50 mg/kgのISIS 116847により、腹腔内で処置した。 血中グルコースレベルを、7日目、14日目、21日目、および28日目に測定した。 【0227】 研究の開始時点において、すべての群は、275 mg/dLの血中グルコースレベルを有し、4日目までに、塩類溶液により処置した動物においては350 mg/dLに、そして低用量のISIS 116847で処置した場合には320 mg/dLに、それぞれ上昇した。


    第1週目の最後の時点において、すべて3種の投与スケジュールで、血中グルコースの減少が示され、そして研究の間ずっと直線的な用量反応性の減少を示し続けた。 28日目には、アンチセンス処置した動物における血中グルコースレベルは、


    275 mg/dL(10 mg/kg用量)、175 mg/dL(25 mg/kg用量)および120 mg/dL(50


    mg/kg用量)であったが、一方で塩類溶液で処置した場合のレベルは、350 mg/dL


    のままであった。 4週間の研究の終了時点におけるオリゴヌクレオチド処置したマウスについての平均グルコースレベルは、塩類溶液処置した対照についての41


    8 mg/dLと比較して、194 mg/dLであった(p<0.0001)。 【0228】 実施例25 db/dbマウスの血中グルコースレベルに対する、PTENのアンチセンス阻害(ISI


    S 116847)の効果-インスリン負荷試験 オスdb/dbマウス(14週齢)を、塩類溶液または50 mg/kgのISIS 116847により、腹腔内注射により一回処置した。 インスリン負荷試験は、4時間の絶食の後1 U


    /kgのヒトインスリン(Lilly)の腹腔内注射を行った後に、行った。 21日目に、


    0分、30分、60分および90分の時点で尾から血液を採取し、そして血中グルコースレベルを、時間0における血中グルコースの%として測定した。 統計学的解析を、ANOVAを用いて繰り返し測定することにより行い、その後Bonferroni Dunn解析を行った(p<0.05)。 【0229】 21日目のISIS 116847による処置の結果、処置後90分の時点で対照の45%(55


    %の減少)にまで血中グルコースの有意な用量-依存的減少が引き起こされた(p


    <0.006)。 塩類溶液処置の結果、30%の減少が引き起こされた。 これらの研究から、PTENアンチセンスオリゴヌクレオチドは、インスリンに対する感受性を増大することができ(インスリン耐性を減少させ)そして処置により低血糖症が引き起こされないことが示される。 16時間絶食させたPTEN処置したマウス(db/dbおよび野生型の両方)におけるグルコースレベルは、正常なままであった。 【0230】 実施例26 血清トリグリセリドおよびコレステロール濃度に対する、PTENのアンチセンス阻害の効果 オスdb/dbおよび野生型マウスを、1週間に1回、4週間、10、25、50、または10


    0 mg/kgのISIS 116847または50 mg/kgのISIS 116845により処置した。 対照には、塩類溶液、ISIS 116848(ミスマッチ対照)、ISIS 29848(実施例18において検討したユニバーサル対照)およびセンス対照のISIS 116847が含まれる。 比較として、db/dbマウスをトログリタゾンによっても処置した。 28日目に、マウスを犠死させ、そしてトリグリセリドおよびコレステロールレベルを測定した。 【0231】 ISIS 116847によるdb/dbマウスの処置の結果、塩類溶液対照と比較して、トリグリセリドおよびコレステロールの両方ともの用量-依存的な減少が引き起こされた(トリグリセリドについては200 mg/dLから100 mg/dLへの減少、およびコレステロールについては130 mg/dLから98 mg/dLへの減少)。 50 mg/kgの用量のISI


    S 116845によりdb/dbマウスを処置した結果、トリグリセリドおよびコレステロールレベルの両方が、それぞれ130 mg/dLおよび75 mg/dLに減少した。 db/dbマウスのトログリタゾン処置により、トリグリセリドおよびコレステロールレベルが、それぞれ85 mg/dLに減少した。 【0232】 トリグリセリドおよびコレステロールレベルの両方が対照塩類溶液処置された動物と同様なままであったため(85と105 mg/dLの間)、野生型動物は、100 mg/


    kgの用量のISIS 116847を用いたアンチセンス処置に対して応答しなかった。 コレステロールおよびトリグリセリドにおいて見られた減少は、p<0.005で統計学的に有意であった。 【0233】 実施例27 体重に対するPTENのアンチセンス阻害の効果 オスdb/dbおよび野生型マウスを、1週間に1回、4週間、10、25、50、および10


    0 mg/kgのISIS 116847または50 mg/kgのISIS 116845により処置した。 対照には、塩類溶液、ISIS 116848(ミスマッチ対照)、ISIS 29848(実施例18において検討したユニバーサル対照)およびセンス対照のISIS 116847が含まれた。 比較として、db/dbマウスをトログリタゾンによっても処置した。 28日目に、マウスを犠死させ、そして最終的な体重を測定した。 【0234】 ISIS 116847により処置した結果、用量範囲にわたって体重の用量-依存的な増加が引き起こされ、高用量で処置された動物では平均8.7グラムの増加であったのに対して、塩類溶液処置した対照では2.8グラムの増加であった。 ミスマッチ対照またはユニバーサル対照オリゴヌクレオチドにより処置した動物は、体重が


    2.5〜3.5グラムの間で増加し、そしてトログリタゾン処置した動物は5.0グラム増加した。 【0235】 100 mg/kgのISIS 116847により処置した野生型動物は、野生型塩類溶液またはミスマッチ対照についての1.3グラムの増加と比較して、体重が2.0グラム増加した。 【0236】 PTENアンチセンス処置したマウスの体重増加は、塩類溶液または対照群における体重増加に対して、グルコースレベルが減少するのと同時に増加し始めた。 実施例28 肝臓重量に対するPTENのアンチセンス阻害の効果-前葉 オスdb/dbおよび野生型マウスを、1週間に1回、4週間、10、25、50または100


    mg/kgのISIS 116847または50 mg/kgのISIS 116845により処置した。 対照には、


    塩類溶液、ISIS 116848(ミスマッチ対照)、ISIS 29848(実施例18において検討したユニバーサル対照)およびセンス対照のISIS 116847が含まれた。 比較として、db/dbマウスをトログリタゾンによっても処置した。 28日目にマウスを犠死させ、そして肝臓の前葉の重量を測定した。 【0237】 高用量で処置したdb/db動物の肝臓重量は、1.2グラムであったのに対して、塩類溶液処置した対照では、0.75グラムの重量であった。 50 mg/kgの用量のISIS 1


    16845で処置したdb/db動物は、25 mg/kgの用量のISIS 116847で処置した動物(1


    .0グラム)と同等の肝臓サイズを有した。 ミスマッチ対照、ユニバーサル対照またはトログリタゾンで処置した動物は、平均1.0グラムの肝臓重量を有した。 【0238】 100 mg/kgのISIS 116847で処置した野生型マウス肝臓の重量は、野生型塩類溶液処置した対照の場合の0.5グラムと比較して、0.7グラムであった。 肝臓切片のBrdU(臭化デオキシウリジン)染色により、肝臓重量の増加は細胞増殖によるのではないこと、そして肝臓における炎症性浸潤の増加は存在しなかったことが示された。 長期間の研究により、肝臓重量の増加は逆戻りすることが示される。 【0239】 実施例29 db/dbマウスの肝臓におけるPEPCK mRNA発現に対する、PTENのアンチセンス阻害(ISIS 116847)の効果 PEPCKは糖新生の律速酵素であり、そして肝臓において優勢に発現しており、


    そこでは糖新生経路(アミノ酸からのグルコースの産生)において作用し、そして腎臓において優勢に発現しており、そこでは糖新生経路だけでなくグリセリン新生およびアンモニア新生としても作用する。 肝臓において、PEPCKは、インスリンによりネガティブに制御されており、そしてしたがって、糖尿病における高血糖症に対する潜在的な寄与因子とみなされた(Sutherland et al., Philos. T


    rans. R. Soc. Lond. B. Biol. Sci., 1996, 351, 191-199)。 【0240】 同一の平均血中グルコースレベルを有するオスdb/dbマウス(14週齢)を群に分け(n=5)、そして塩類溶液、ISIS 116847またはミスマッチ対照であるISIS 1


    16848により、1日おき(q2d)に腹腔内処置された。 マウスを第14日目に放血し、そして肝臓におけるPEPCK mRNAレベルを測定した。 【0241】 ISIS 116847で処置したマウスは、塩類溶液で処置した対照の65%にまでPEPCK


    mRNAを減少させることを示した。 ミスマッチ対照群は、塩類溶液で処置した対照の98%のままであった。 【0242】 実施例30 db/dbマウスの血清インスリンレベルに対する、PTENのアンチセンス阻害(ISI


    S 116847)の効果 オスdb/dbおよび野生型マウス(14週齢)を同一の平均血中グルコースレベルを有する調和させた群に分け(n=5)、そして塩類溶液または20 mg/kgの用量のI


    SIS 116847で、1日おき(q2d)または1週間に2回(q4d)、腹腔内注射により処置した。 両方のプロトコルに対する対照は、ミスマッチ対照であるISIS 116848


    であった。 マウスを第14日目に放血し、そして血清インスリンレベルを測定した。 【0243】 14日目に、q2dスケジュールで処置したdb/dbマウスは、塩類溶液処置(9 ng/m


    L)およびミスマッチ処置動物(12 ng/mL)と比較して、7.8 ng/mLの血清インスリンレベルを有した。 q4dスケジュールの場合、ISIS 116847で処置したdb/dbマウスの血清インスリンレベルが4 ng/mLに低下した一方、ミスマッチ対照レベルは12 ng/mLのままであった。 野生型マウスは、両方の処置スケジュールの経過の間ずっと、1 ng/mLの血清インスリンレベルを有した。 【0244】 実施例31 肝臓機能に対する、PTENのアンチセンス阻害の効果-AST/ALTレベル オスdb/dbおよび野生型マウス(14週齢)を同一の平均血中グルコースレベルを有する調和させた群に分け、(n=5)、そして塩類溶液、トログリタゾン、または20 mg/kgのISIS 116847により、1日おき(q2d)または1週間に2回(q4d)、


    腹腔内注射により処置した。 両方のプロトコルに対する対照は、ミスマッチ対照であるISIS 116848であった。 マウスを第14日目に放血し、そして肝臓酵素レベルを測定した。 【0245】 q2d処置スケジュールにおいて、塩類溶液処置した動物と比較して、125 IU/L


    (塩類溶液対照)から300 IU/L(両方のPTENオリゴヌクレオチド、ISIS 116847


    およびミスマッチ対照)へとALTレベルが上昇した一方、ASTレベルは、3つの処置群間で220 IU/Lから240 IU/Lの間のままであった。 【0246】 q4d処置スケジュールにおいて、ALTレベルは、125 IU/L(塩類溶液対照)から


    ISIS 116847で処置した動物では160 IU/Lへ、そしてミスマッチ対照については2


    00 IU/Lへ、上昇した。 ASTレベルは、220 IU/Lの塩類溶液対照レベルから、ISIS


    116847処置した動物についての160 IU/L、およびミスマッチ対照により処置した動物(200 IU/L)へと減少した。 比較として、ASTおよびALTレベルを、トログリタゾンにより処置した後に測定した。 両方の酵素のレベルは、260 IU/Lであることが見出された。 【0247】 同様の実験において、オスdb/dbおよび野生型マウスを、1週間に1回、4週間、


    10、25、50または100 mg/kgのISIS 116847または50 mg/kgのISIS 116845により処置した。 対照には、塩類溶液またはISIS 29848(実施例18において検討したユニバーサル対照)が含まれた。 比較として、db/dbマウスをトログリタゾンによっても処置した。 28日目にマウスを犠死させ、そしてASTおよびALTレベルを測定した。 【0248】 db/dbマウスをISIS 116847により処置した結果、用量範囲にわたってALTレベルの用量-依存的な増加が引き起こされ、高用量で処置した動物は250 IU/LのALT


    レベルを有した一方で、ASTレベルは165 IU/Lのままであった。 これらのレベルは、ALTレベルが塩類溶液処置した対照での110 IU/Lから上昇したことを示し、


    そしてASTレベルが塩類溶液処置した対照の220 IU/Lから減少したことを示した。 50 mg/kgの用量のISIS 116845により処置したdb/db動物は、145 IU/Lの遜色ないALTおよびASTレベルを有した。 ユニバーサル対照により処置した動物は、対照レベルと遜色ないALTおよびASTレベルを有し、そしてトログリタゾンにより処置した動物は、対照を超えてALTレベルが150 IU/Lにまで増加し、そしてASTレベルが200 IU/Lへと対照からは若干減少したことが示された。 【0249】 100 mg/kgのISIS 116847により処置した野生型マウスは、塩類溶液-処置した対照のALTおよびASTレベル(それぞれ、50 IU/Lおよび95 IU/L)と比較して、AL


    TおよびASTレベルが両方とも増加した(それぞれ、100 IU/Lおよび130 IU/L)。 【0250】 ALTレベルは、PTENアンチセンス処置した動物において若干上昇したが、ASTレベルは減少したことから、肝臓重量に対するPTENアンチセンスの効果は、毒性によるものではなかったことが示される。 【配列表】

    【手続補正書】 【提出日】平成15年1月9日(2003.1.9) 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書【補正対象項目名】特許請求の範囲【補正方法】変更【補正の内容】 【特許請求の範囲】 【請求項1】 PTENをコードする核酸分子を標的とする長さ8〜50核塩基の化合物であって、PTENに特異的にハイブリダイズし、そしてその発現を阻害する、
    前記化合物。 【請求項2】 アンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載の化合物。 【請求項3】 PTENがヒトPTENである、請求項1に記載の化合物。 【請求項4】 PTENがげっ歯動物PTENである、請求項1に記載の化合物。 【請求項5】 PTENがマウスPTENである、請求項4に記載の化合物。 【請求項6】 PTENがラットPTENである、請求項4に記載の化合物。 【請求項7】 SEQ ID NO: 8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19
    、20、21、22、23、25、26、27、28、29、30、31、33、34、35、36、38、40、41
    、42、43、44、45、46、または47の少なくとも8-核塩基部分を含む配列を有する、請求項1に記載の化合物。 【請求項8】 SEQ ID NO: 48またはSEQ ID NO: 49の少なくとも8-核塩基部分を含む配列を有する、請求項1に記載の化合物。 【請求項9】 アンチセンスオリゴヌクレオチドが、少なくとも一つの修飾ヌクレオシド間結合を含む、請求項2に記載の化合物。 【請求項10】 修飾ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合である、
    請求項9に記載の化合物。 【請求項11】 アンチセンスオリゴヌクレオチドが、少なくとも一つの修飾糖部分を含む、請求項2に記載の化合物。 【請求項12】 修飾糖部分が、2'-O-メトキシエチル糖部分である、請求項1
    1に記載の化合物。 【請求項13】 アンチセンスオリゴヌクレオチドが、少なくとも一つの修飾核塩基を含む、請求項2に記載の化合物。 【請求項14】 修飾核塩基が、5-メチルシトシンである、請求項13に記載の化合物。 【請求項15】 アンチセンスオリゴヌクレオチドがキメラオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載の化合物。 【請求項16】 PTENをコードする核酸分子上の活性部位に対してハイブリダイズする化合物。 【請求項17】 活性部位が、SEQ ID NO: 8、9、10、11、12、13、14、15、1
    6、17、18、19、20、21、22、23、25、26、27、28、29、30、31、33、34、35、3
    6、38、40、41、42、43、44、45、46、47、48、または49の少なくとも8-核塩基部分に相補的な配列を含む、請求項16に記載の化合物。 【請求項18】 PTENをコードする核酸分子が、PTENの変異型をコードする、
    請求項1に記載の化合物。 【請求項19】 請求項1に記載の化合物および医薬的に許容可能な担体または希釈剤を含む組成物。 【請求項20】 コロイド分散システムをさらに含む、請求項19に記載の組成物。 【請求項21】 化合物がアンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項19
    に記載の組成物。 【請求項22】 細胞または組織中でPTENの発現を阻害する方法であって、前記細胞または組織を請求項1に記載の化合物と接触させ、それによりPTENの発現を阻害することを含む、前記方法。 【請求項23】 細胞または組織がヒト細胞または組織である、請求項22に記載の方法。 【請求項24】 細胞または組織がげっ歯動物細胞または組織である、請求項
    22に記載の方法。 【請求項25】 げっ歯動物細胞または組織がマウス細胞または組織である、
    請求項24に記載の方法。 【請求項26】 げっ歯動物細胞または組織がラット細胞または組織である、
    請求項24に記載の方法。 【請求項27】 細胞または組織が肝臓、腎臓、または脂肪細胞または組織である、請求項22に記載の方法。 【請求項28】 PTENがPTENの変異型である、請求項22に記載の方法。 【請求項29】 PTENの発現を阻害することによりPTENと関連する疾患または症状を有する動物を治療するための、治療的または予防的有効量の請求項1に記載の化合物を含む、医薬組成物。 【請求項30】 動物がヒトである、請求項29に記載の医薬組成物。 【請求項31】 疾患または症状が代謝性疾患または症状である、請求項29に記載の医薬組成物。 【請求項32】 疾患または症状が糖尿病である、請求項29に記載の医薬組成物。 【請求項33】 疾患または症状が2型糖尿病である、請求項29に記載の医薬組成物。 【請求項34】 疾患または症状が過剰増殖性症状である、請求項29に記載の医薬組成物。 【請求項35】 PTENがPTENの変異型である、請求項29に記載の医薬組成物。 【請求項36】 動物において血中グルコースレベルを減少させる方法であって、前記動物に対して請求項1に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。 【請求項37】 動物がヒトまたはげっ歯動物である、請求項36に記載の方法。 【請求項38】 血中グルコースレベルが血漿グルコースレベルまたは血清グルコースレベルである、請求項36に記載の方法。 【請求項39】 動物が糖尿病動物である、請求項36に記載の方法。 【請求項40】 細胞または組織中のPEPCK発現を阻害する方法であって、 前記細胞または組織をPTENの阻害剤と接触させ、それによりPEPCKの発現を阻害することを含む、前記方法。 【請求項41】 PTENの阻害剤がPTENをコードする核酸分子を標的とする長さ
    8〜50核塩基の化合物であり、前記化合物がPTENと特異的にハイブリダイズし、
    そしてその発現を阻害する、請求項40に記載の方法。 【請求項42】 動物における血中インスリンレベルを減少させる方法であって、前記動物に対して請求項1に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。 【請求項43】 動物がヒトまたはげっ歯動物である、請求項42に記載の方法。 【請求項44】 血中インスリンレベルが血漿インスリンレベルまたは血清インスリンレベルである、請求項42に記載の方法。 【請求項45】 動物が糖尿病動物である、請求項42に記載の方法。 【請求項46】 動物におけるインスリン耐性を減少させる方法であって、前記動物に対して請求項1に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。 【請求項47】 動物がヒトまたはげっ歯動物である、請求項46に記載の方法。 【請求項48】 動物が糖尿病動物である、請求項46に記載の方法。 【請求項49】 動物においてインスリン感受性を増大させる方法であって、
    前記動物に対して請求項1に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。 【請求項50】 動物がヒトまたはげっ歯動物である、請求項49に記載の方法。 【請求項51】 動物が糖尿病動物である、請求項49に記載の方法。 【請求項52】 動物において血中トリグリセリドレベルを減少させる方法であって、前記動物に対して請求項1に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。 【請求項53】 動物がヒトまたはげっ歯動物である、請求項52に記載の方法。 【請求項54】 動物が糖尿病動物である、請求項52に記載の方法。 【請求項55】 動物において血中コレステロールレベルを減少させる方法であって、前記動物に対して請求項1に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。 【請求項56】 動物がヒトまたはげっ歯動物である、請求項55に記載の方法。 【請求項57】 動物が糖尿病動物である、請求項55に記載の方法。

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