Chemical constructs

申请号 JP2000574478 申请日 1999-10-05 公开(公告)号 JP2002526512A 公开(公告)日 2002-08-20
申请人 グラクソ グループ リミテッド; 发明人 アルフレッド、パイオ; アレッシオ、ザラメラ; コリーヌ、ケイ; ジェフリー、マーティン、ウィリアムズ; ジャン、ジョセフ、サイシンスキー; シルビー、ジェハンヌ; カール、マッキューン スティーブン; スティーブン、ポール、ワトソン; ピーター、ジョン、マレー; ロビン、アーサー、エリス、カー;
摘要 (57)【要約】 本発明は、固相合成に用いられる化学構築物であって、連結基Yを介してそこに結合された基質Rを有する固相支持体Qを含んでなり、連結基Yは直交かつ選択的に開裂可能な第1および第2の開裂部位を有し、第2の開裂部位は選択的に開裂可能であって基質を遊離し、かつ、第1の開裂部位は第2の開裂部位と固相支持体の間の 位置 にあり、選択的に開裂可能であって基質と連結基Yの少なくとも一部を含んでなるフラグメントFrを遊離し、第1の開裂部位における開裂が第1の開裂部位における化学フラグメントFrに、化学フラグメントFrを例えば質量分析などの装置に増感させる増感基G(アミノ基など)を含んでなる部分を形成または導入することを特徴とする化学構築物を提供する。 該構築物を使用する分析法ならびに中間構築物も提供される。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 固相合成に用いられる化学構築物であって、基質Rを有する固相支持体Qを含んでなり、基質Rは連結基Yを介して固相支持体Qに連結され、連結基Yは直交かつ選択的に開裂可能な第1および第2の開裂部位を有し、第2の開裂部位は選択的に開裂可能であって基質を遊離し、かつ、第1の開裂部位は第2の開裂部位と固相支持体の間の位置にあり、選択的に開裂可能であって基質と連結基Yの少なくとも一部を含んでなるフラグメントFrを遊離し、第1の開裂部位における開裂が第1の開裂部位における化学フラグメントFrに、化学フラグメントFr
    を例えば質量分析などの装置に増感させる増感基Gを含んでなる部分を形成または導入することを特徴とする、化学構築物。
  • 【請求項2】 化学フラグメントFrがフラグメントの質量スペクトルに特徴的なサインを付与する手段を含む、請求項1に記載の化学構築物。
  • 【請求項3】 特徴的なサインがフラグメントFrにピーク分割同位体標識を組み込むことによって提供される、請求項2に記載に化学構築物。
  • 【請求項4】 ピーク分割同位体標識が H/ H(D)、 79 Br/ 81 Br、 12 C/ C、 14 N/ 15 Nおよび 16 O/ 18 Oから選択される1以上の同位体対によって規定される、請求項3に記載の化学構築物。
  • 【請求項5】 フラグメントの質量スペクトルに特徴的なサインを付与する手段が第1と第2
    の開裂部位の間に位置する、請求項2〜4のいずれか一項に記載の化学構築物。
  • 【請求項6】 第1および第2の開裂部位が第1および第2のリンカー基L およびL によって規定される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化学構築物。
  • 【請求項7】 スペーサー基Aがリンカー基L とL の間に挿入され、スペーサー基Aが、
    請求項2〜5のいずれか一項で定義されたフラグメントFrの質量スペクトルに特徴的なサインを付与する手段を含む、請求項6に記載の化学構築物。
  • 【請求項8】 連結基Yが式L −A−L を有する、請求項7に記載の化学構築物。
  • 【請求項9】 基Aが一般式NH−Alk−NH−X (式中、X は水素またはアラルキル基であり、かつ、Alkはアルキレン基である)を有する、請求項8に記載の化学構築物。
  • 【請求項10】 増感基Gがイオン化可能な基であり、質量分析条件下でイオン化可能である、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の化学構築物。
  • 【請求項11】 基Gが質量分析条件、例えばエレクトロスプレー質量分析条件下でイオン化されて陽イオンを形成し得る、請求項10に記載の化学構築物。
  • 【請求項12】 基Gが塩基性アミノ基である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化学構築物。
  • 【請求項13】 塩基性アミノ基が第一級アミノ基である、請求項12に記載の化学構築物。
  • 【請求項14】 塩基性アミノ基が第三級アミノ基である、請求項12に記載の化学構築物。
  • 【請求項15】 第三級アミノ基が環状アミノ基である、請求項14に記載の化学構築物。
  • 【請求項16】 環状アミノ基がN−メチルピペラジノである、請求項15に記載の化学構築物。
  • 【請求項17】 塩基性アミノ基がカルバメート基の光化学開裂に由来する、請求項12または13に記載の化学構築物。
  • 【請求項18】 ピーク分割同位体標識が置換または非置換アルキレンジアミン基内に含まれている、請求項3〜17のいずれか一項に記載の化学構築物。
  • 【請求項19】 アルキレンジアミン基がN−ベンジル基によって置換されている、請求項18
    に記載の化学構築物。
  • 【請求項20】 N−ベンジル基が、ピーク分割重水素で置換されているメチレン基を有する、
    請求項19に記載の化学構築物。
  • 【請求項21】 第1の開裂部位が、酸性条件下での開裂、塩基により触媒される開裂、酸化開裂、還元開裂、求核置換、1,2ビス求核試薬による開裂、求電子置換、ならびに熱、光化学および酵素開裂からなる化学現象群から選択される1つの化学現象によって選択的に切断可能であり、かつ、第2の開裂部位が、上記の群から選択される異なる化学現象によって選択的に切断可能である、請求項1〜20のいずれか一項に記載の化学構築物。
  • 【請求項22】 第1の開裂部位が、 (i)光化学開裂、例えばニトロベンジルカルバメート基の光化学開裂; (ii)酸化後の求核置換による開裂、例えば、チオピリミジンの酸化後のアミン(例えば、N−メチルピペラジンなどの第二級アミン)による求核置換; (iii)求核置換、例えばチオレート求核試薬(例えば、DBUなどの強塩基の存在下でのメルカプトエタノール)によるスルホンアミドの開裂; (vi)ヒドラジンもしくはヒドロキシルアミンまたはその誘導体などの1,2
    −ビス求核試薬による、エナミン基(特にカルボニル基に共役したエナミン基を含有するもの、例えば、1−[4,4−ジメチル−2,6−ジオキソ−シクロヘキシリデン]エチルアミノ)の開裂;および (vii)遷移金属により触媒されるアリルオキシカルボニルアミノ基の開裂、
    例えばパラジウム(0)により触媒されるアリルオキシカルボニルアミノ基の開裂 から選択される1つの化学現象によって開裂可能である、請求項21に記載の化学構築物。
  • 【請求項23】 第2の開裂部位が酸性条件下または光分解によって開裂される、請求項22に記載の化学構築物。
  • 【請求項24】 第1の開裂部位がスルホンアミドリンカー基によって規定され、かつ、第2の開裂部位が所望により酸性条件下で開裂可能なRinkリンカーなどの基によって規定される、請求項21または22に記載の化学構築物。
  • 【請求項25】 第1の開裂部位が酸化後の求核置換による開裂を受けやすいチオピリミジンリンカーによって規定され、かつ、第2の開裂部位が所望により酸性条件下で開裂可能なRinkリンカーなどの基によって規定される、請求項21または22に記載の化学構築物。
  • 【請求項26】 第1の開裂部位がdde基によって規定され、かつ、第2の開裂部位が所望により酸性条件下で開裂可能なRinkリンカーなどの基によって規定される、請求項21または22に記載の化学構築物。
  • 【請求項27】 第1の開裂部位が光化学条件下で開裂可能であり、かつ、第2の開裂部位が酸性条件下で開裂可能なRinkリンカーなどの基によって規定される、請求項2
    1または22に記載の化学構築物。
  • 【請求項28】 第1の開裂部位がパラジウム(0)などの遷移金属によって開裂し得るアリルオキシカルボニルアミノなどの基によって規定され、かつ、第2の開裂部位が所望により酸性条件下で開裂可能なRinkリンカーなどの基によって規定される、請求項21または22に記載の化学構築物。
  • 【請求項29】 第1の開裂部位が酸化後の求核置換によって開裂する、請求項21または22
    に記載の化学構築物。
  • 【請求項30】 求核試薬がアミンである、請求項29に記載の化学構築物。
  • 【請求項31】 アミンがピペリジンなどの環状アミンである、請求項30に記載の化学構築物。
  • 【請求項32】 フラグメントFrが、紫外線、可視光または蛍光分光光度法によるFrフラグメントの分析を補助する発色団C uを含む、請求項1〜31のいずれか一項に記載の化学構築物。
  • 【請求項33】 発色団C uが少なくとも2.5の主要logE max値を有する、請求項32
    に記載の化学構築物。
  • 【請求項34】 主要logE max値が基質Rの主要logE max値の少なくとも1.5倍である、請求項33に記載の化学構築物。
  • 【請求項35】 連結基Yを介して固相支持体Qに結合された基質Rを有する固相支持体Qを含んでなり、 フラグメントFrは基質と連結基Yの少なくとも一部を含んでなり、かつ該部分は紫外線、可視光または蛍光分光光度法によるフラグメントFr uの分析を補助する発色団C uを含み、発色団C uは少なくとも2.5の主要logE max値を有し、ここで、(i)この主要logE max値は基質Rの主要logE max
    の少なくとも1.5倍であるか、または(ii)発色団C uをが基質Rによる 吸収から離れた波長に吸収ピークを有する、請求項1〜34のいずれか一項に記載の化学築物。
  • 【請求項36】 連結基Yを介して固相支持体Qに結合された基質Rを有する固相支持体Qを含んでなり、フラグメントFrは基質と連結基Yの少なくとも一部を含んでなり、
    かつ該部分は紫外線、可視光または蛍光分光光度法によるフラグメントFr uの分析を補助する発色団C uを含み、ここで発色団C uと基質Rの吸収特性が、所定の測定波長において、発色団による吸収バンドと基質Rによる吸収バンドとの重複から生じる基質R(またはいずれかのフラグメントもしくはフラグメントを含む構築物)の定量における誤差が10%未満、好ましくは5%未満であるような、請求項1〜35のいずれか一項に記載の化学構築物。
  • 【請求項37】 発色団がアリール基を含む基である、請求項32〜36のいずれか一項に記載の化学構築物。
  • 【請求項38】 アリール基が、1以上の環状炭素原子が所望によりヘテロ原子によって置換されていてもよい縮合多環式アリール基である、請求項37に記載の化学構築物。
  • 【請求項39】 縮合多環式アリール基がナフチル、フェナントレニル、およびアントラセニル基からなる群より選択される、請求項38に記載の化学構築物。
  • 【請求項40】 縮合多環式アリール基がアントラセニル基である、請求項39に記載の化学構築物。
  • 【請求項41】 縮合多環式アリール基がダンシル(1−ジメチルアミノ−5−ナフチルスルホニル)基である、請求項39に記載の化学構築物。
  • 【請求項42】 第1の開裂部位で構築物を開裂させて化学フラグメントFrを遊離し、化学フラグメントFr上の、質量分析増感基G(例えば、質量分析条件下でイオン化可能な基)を含む開裂部位で開裂反応が起こり、次いで化学フラグメントを質量分析、例えば、エレクトロスプレー質量分析に付すことを含んでなる、請求項1〜
    41のいずれか一項に記載の構築物を分析する方法。
  • 【請求項43】 式Q−Y'(式中、Q'は基Qの反応性形態または保護形態である)を有し、
    請求項1〜42のいずれか一項で定義された化学構築物を製造するために用いられる中間化学構築物。
  • 【請求項44】 式Q−L −A (式中、QおよびL は請求項1〜43のいずれか一項の定義に同じであり、A はピーク分割同位体標識を含むスペーサー基Aの反応性形態または保護形態である)の中間構築物。
  • 【請求項45】 一般式Q−L −NH−Alk−NH−X (式中、X は水素またはアラルキル基であり、かつAlkはアルキレン基である)を有する、請求項44に記載の中間構築物。
  • 【請求項46】 (i)連結基Yを介して固相支持体に結合された基質Rを有する固相支持体Q
    を含んでなり(ここで、Q、YおよびRは請求項1〜45のいずれか一項の定義に同じ)、連結基Yは直交かつ選択的に開裂可能な第1および第2の開裂部位を有し、第2の開裂部位は選択的に開裂可能であって基質を遊離し、かつ、第1の開裂部位は第2の開裂部位と固相支持体の間の位置にあり、選択的に開裂可能であって基質と連結基Yの少なくとも一部を含んでなるフラグメントFrを遊離し、該部分が、紫外線、可視光または蛍光分光光度法によるフラグメントFr uの分析を補助する発色団C uを含む、化学構築物を準備し、 (ii)第1の開裂部位で連結基を開裂させてフラグメントFrを遊離し、さらに (iii)フラグメントFrを紫外線、可視光または蛍光分光光度分析に付して基質Rを定量する ことを含んでなる、固相構築物の分析方法。
  • 【請求項47】 (i)連結基Yを介してそこに結合された基質Rを有する固相支持体Q(例えば、平均径が90μm〜250μmの範囲である樹脂ビーズ)を含んでなり(ここで、Q、YおよびRは請求項1〜46のいずれか一項の定義に同じ)、各固相支持体に基質Rが10ナノモル以下、好ましくは5ナノモル未満、より好ましくは2ナノモル未満の量で存在し、連結基Yは直交かつ選択的に開裂可能な第1および第2の開裂部位を有し、第2の開裂部位は選択的に開裂可能であって基質を遊離し、かつ、第1の開裂部位は第2の開裂部位と固相支持体の間の位置にあり、選択的に開裂可能であって基質と連結基Yの少なくとも一部を含んでなるフラグメントFrを遊離し、該部分が、紫外線、可視光または蛍光分光光度法によるフラグメントFrの分析を補助する発色団C uを含む、化学構築物を準備し、 (ii)固相支持体、または20個を超えない複数の固相支持体(好ましくは1
    0未満、より好ましくは5未満、例えば1個の固相支持体)を単離し、 (iii)第1の開裂部位で連結基が開裂して基質Rを含むフラグメントFr uが遊離するように固相支持体を処理し、さらに (iv)フラグメントFr uを紫外線、可視光または蛍光分光光度分析に付して基質Rを定量する ことを含んでなる、固相構築物の分析方法。
  • 【請求項48】 請求項1〜47のいずれか一項で定義された複数の化学構築物を含むライブラリーを作製し、さらにライブラリーを生物学的試験に付して生物学的に活性な基質を同定することを含んでなる、医薬上有用な基質の同定方法。
  • 【請求項49】 同定された生物学的に活性な基質と医薬上許容される担体とを配合して医薬組成物を形成する工程をさらに含む、請求項48に記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 発明の分野本発明は固相合成に用いられる化学構築物、該構築物を用いる固相合成産物の検出および/または同定法に関する。

    【0002】 発明の背景固相合成は長年固相合成分野で知られており、またより最近では非ペプチドの合成にもますます用いられて来ている。

    【0003】 固相合成は組合せ化学および薬剤開発の新規なリード化合物の可能性ある供給源としての化学ライブラリーの作出の分野で特定の適用が見出されている(例えば、Anthony W. Czamik, Analytical Chemistry News and Features, June 1, 1
    998, pp378A-386AおよびThe Combinatorial Index, Barry A. Bunin, Academic
    Press, San Diego 1998参照)。 組合せ化学法の特徴は、比較的少ない反応数で比較的限られた数の分子構成ブロックから極めて多数の異なる化合物を製造できることである。 組合せ化学では「分割とプール」アプローチを用いるが、そこでは固相支持体につなぎ止められた化学出発物質の懸濁物をN個の部分に分け、その各々を異なる試薬と反応させる。 次ぎにN個の反応の生成物をプールし、十分混合し、得られたプールをN'個の部分に分け、再び各部分を異なる試薬と反応させる。 一連の反応に複数のステップがある場合はこの手順を何回も繰り返す。
    例えば、3段階の反応については、反応混合物を各段階で10個に分割する場合、各プールは他の部分と再び組み合わせる前に異なる試薬と反応させるが、このプロセスによって形成される全化合物数は10 =1000となる。 従って分割とプール技術を用いることで、最小の反応数(上記の場合では30)で多数の異なる分子が合成できる。

    【0004】 固相支持体(例えば樹脂ビーズ)の各々はそれにつなぎ止められている単一の生成分子を有するので原則として各反応生成物は、それぞれ単一の固相支持体を単離してその支持体から生成物を開裂させることにより、簡単に分離して分析したり、あるいは生物学的試験を施すことができる。 しかしながら組合せ法によって作製された多数の化合物は、各化合物の同定および特性決定が実行不能であり得ることを意味する。 結局、これらの化合物は通常はまず固相支持体上または支持体から開裂させた後に試験し、いくつかの生物学的活性を示す化合物だけが次ぎに同定される。 行われる生物学的試験を最小限にするには、化合物を所定の化合物数を含むプールで試験して、不活性プールを排除して、活性プールをさらに検討すればよい。 これらの化合物の生物学的活性は、短時間で多数の化合物の分析を可能にする高処理量自動アッセイ法を用いて分析することができる。

    【0005】 組合せライブラリーの合成に典型的に用いられる樹脂ビーズは架橋ポリスチレン樹脂から誘導され、通常90μmおよび250μmのオーダーの直径(すなわち、裸眼でようやく見える)を有する。 一定重量または一定容量の樹脂中のビーズの数は平均ビーズ径にもよるが、例えば150μmのビーズ径では樹脂塊1m
    gにつきおよそ500個である。 ビーズへの典型的な化合物添加量は0.1〜0
    . 4mmolg −1のオーダーであるので上記に示された寸法のビーズは個々にビーズ当たり化合物約1ナノモルの化合物添加量を有することになる。 従って固相構築物を用いて研究する化学者が直面する問題の1つは、各化合物が極めて少量だけライブラリーに存在するかもしれず、所定の固相に存在する化合物は生物学的試験と同定の双方に割り当てるには必ずしも十分でないので、組合せライブラー中の種々の化合物をいかにして同定および特性決定するかということであることが分かるであろう。

    【0006】 組合せライブラリー中の化合物をいかにして同定するかという問題に対して知られている1つのアプローチとして、化合物の特性が決定できるコードタグを有する各々の支持体を提供することがある。 従って例えば、所望の標的化合物の構築に並行して、固相支持体上の一連のステップでコードタグを構築すればよく、
    このコードタグは生成化合物の合成履歴を反映し、各生成化合物に独特なものである。 このコードタグは通常、生成化合物を構築するのに用いられる化学に直交するタイプの化学反応を用いて支持体で構築され、これによりコードユニットと生成化合物が確実に混乱しないようになる。 生成化合物が試験され、その生物学的活性が確認されたら、次いでこのコードタグを解読して化合物を同定することができる。

    【0007】 もう1つのアプローチでは、Geysen et al., Chemistry & Biology, 1996, Vo
    l. 3, No. 8, pp679-688およびWO97/37953に記載のように、同位体標識などのコードタグを特に固相と基質の間のリンカー基に組み込めばよい。 このアプローチは、直交化学を用いる別個のコードタグの形成を必要とせず、それによって関与する全体の合成ステップ数が減るという利点がある。

    【0008】 固相化学者が直面するさらなる問題としては、所定の一連の反応の生成物を定量するのが困難であるということである。 組合せ法の一部であるかどうかにかかわずいずれの固相合成法でも、一連のステップにおいて所定の反応ステップに最適な条件を決定することは困難である。 また反応の進行をモニターして特定の反応が完全に進行したかどうかを決定することも困難である。 これはある段階が完全に進行できないことが副生成物の形成をもたらし、それによりそうでなければ比較的簡単な分離手法になるものを複雑にする、多段階固相合成においては特に重要である。 ある反応ステップまたは一連のステップで複数の生成物が形成される場合、あるいはある反応ステップが完全に進行しなかった場合には、絶対量として、または他の反応生成物に対する相対濃度としてのいずれかで反応生成物を定量する手段ががあることは極めて有効である。 生成物がミリグラム量で生じる場合には定量は種々の機械的方法、例えば核磁気共鳴(nmr)分光光度法を用いて行うことができる。 しかしながら分析に利用できる生成物の量が1ナノモルといった少量であり得る場合には定量はずっと困難になる。

    【0009】 固相合成の生成物を測定するには破壊的分析法と非破壊的分析法の双方が知られているが(The Combinatorial Index, 同上参照)、固相合成に伴って認識される問題の1つに、固相支持体で行われる反応をモニターすることは通常の液相反応をモニターすることよりも一般により困難であるということである(例えば、上記のCzamikの論文を参照)。 このことは特に、かかる方法によって作出された多数の化合物を分析するのに迅速高処理量法を用いる必要がある組合せ化学法の生成物ついてはその通りである。 質量分析などの技術は高処理量分析が得られる手段として理想的に適合できる可能性があるが、必ずしも総ての化合物が質量分析条件下で保証された応答を生じるわけではないという本質的な問題がある。
    実際、多くの化合物はマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)およびエレクトロスプレー質量分析法など、分子の著しいフラグメンテーションを引き起こさずに分子イオンを検出しようとするいわゆる「ソフトな」質量分析法にとっては「目に見えない」ものである。 これに関して「ソフト」とは単にフラグメントでない分子イオンを与えるスペクトル法を意味する。 この理由の1つとして、MALDIおよびエレクトロスプレー条件下では多くの化合物、特にペプチドは検出可能な質量スペクトル応答が得られるほど十分にはイオン化されないということがある。

    【0010】 Geysen et al.(同上)はリンカーにリジンなどの容易にイオン化できる塩基性中心を導入することを示唆してこの問題に取り組んでおり、さらに構築物を質量分析に増感させる荷電基を与えるため、後処理中にアルキル化によってその塩基性中心を定量し得ることを示唆している。 しかしながら、このアプローチの1
    つの欠点として、種々の合成ステップ中にアミン基を検出する必要があり、結局分析に先立ちアミン基を脱保護する必要があるということである。

    【0011】 Geysenのアプローチの発展はCarrasco et al. Tetrahedron Letters, 1997, 3
    8, No. 36, pp6331-6334に記載されている。 Carrascoの方法は第1のリンカー基を介して筆者が「イオン化タグ」とも呼んでいる基に結合された樹脂ビーズを含んでなる構築物を形成することを含む。 この「イオン化タグ」は次ぎに第2のリンカー基を介して基質と結合される。 第1および第2のリンカー基は直交開裂し、すなわちそれらは異なる化学を用いて選択的に開裂させることができる。

    【0012】 Carrasco et alで開示されている特殊な例では、第1のリンカー基は光化学的に開裂可能であり、一方、第2のリンカー基は化学的に開裂可能である。 Carras
    coによって用いられた「イオン化タグ」は配列(C末端から読むと)Gly−P
    he−Lys−Alaを有し、かつ、リジンに結合したN−(2−トリメチルアンモニウム)−アセチル基を有するテトラペプチド鎖である。 イオン化タグの目的は2つある。 1つには、構築物をマトリックス支援レーザー脱離イオン化(M
    ALDI)質量分析によって検出できるようにするすでにイオン化されている「
    増感基」を提供することであり、もう1つには、構築物に質量を付加し、それによって質量スペクトルで低分子量ピークによってスワンピング(swamped)またはマスキングされないで基質分子を検出できるようにすることである。

    【0013】 しかしながらCarrascoの構築物を用いる場合、特に構築物において用いられる「イオン化タグ」にはいくつかの重要な潜在的問題がある。 さらに詳しくは、第四級アンモニウム増感基は化学者がその構築物上で行いたい化学種の多くとは適合しないと考えられる。 このように例えばトリメチルアンモニウム基は潜在的に化学的反応性があり、さらにこの陽イオン基はイオン交換中心としても陰イオンとの複合体としても機能し得る。

    【0014】 発明の概要本発明の目的は、公知の方法に固有の問題を避け、かつ、質量分析を用いる固相合成技術の生成物の検出および同定手段を提供する、固相支持体上の化学反応をモニターする手段を提供することにある。

    【0015】 従って第1の態様では、本発明は、固相合成法に用いられる化学構築物であって、基質Rを有する固相支持体Qを含んでなり、基質R連結基Yを介して固相支持体Qに連結され、連結基Yは直交かつ選択的に開裂可能な第1および第2の開裂部位を有し、第2の開裂部位は選択的に開裂可能であって基質を遊離し、かつ、第1の開裂部位は第2の開裂部位と固相支持体の間の位置にあり、選択的に開裂可能であって基質と連結基Yの少なくとも一部を含んでなるフラグメントFr
    を遊離し、第1の開裂部位における開裂が第1の開裂部位における化学フラグメントFrに、化学フラグメントFrを例えば質量分析などの装置に増感させる増感基Gを含んでなる部分を形成または導入することを特徴とする化学構築物を提供する。

    【0016】 本発明の構築物において、増感基Gは構築物の「骨格」の開裂によって形成または導入される。 これは、基質の合成を通じて増感基が存在する場合、または側鎖の開裂もしくはペンダント増感基からの保護基の除去によって増感基が明らかになる場合といった公知の構築物(例えばCarrasco et al., 同上参照)とは対照的である。

    【0017】 増感基GはフラグメントFr、従って間接的には基質Rを所定の分析法、特に質量分析法による分析に対してより高い感受性とする。 従って増感基Gは質量分析、特にエレクトロスプレーイオン化質量分析に対応する条件下で容易にイオン化して強いシグナルを与える基であり得る。

    【0018】 固相支持体からの化学フラグメントFrの選択的開裂の際に認められたイオン化可能な増感基は、そのフラグメントが質量分析において強い応答を与えるのに確実に十分にイオン化されるように働く。 このことにより、好適なイオン化基が存在せず、高処理量質量スペクトル技術による分析が問題となる固相法によって合成された多くの分子に固有の問題が克服される。

    【0019】 イオン化可能な基としては、例えば塩基性アミノ基またはカルボキシレート基が挙げられるが、特には塩基性アミノ基である。 本明細書において「塩基性アミノ基」とは特に容易にプロトン化するアミノ基をいうことが分かるであろう。

    【0020】 塩基性アミノ基は第一級アミノ基、第二級アミノ基または第三級アミノ基であってよい。 塩基性アミノ基が第三級アミノ基である場合、それは例えばピペリジノ、ピペラジノ、ピロリジノまたはモルホリノなどの環状アミノ基が挙げられ、
    現在のところピペリジノまたはピペラジノ(例えばN−メチルピペラジノ)が好ましい。

    【0021】 本発明によれば、塩基性アミノ基など増感基Gを含む部分は化学フラグメントFr(以降、分析フラグメントともいう)が固相支持体から開裂された際に第1
    の開裂部位に形成または導入される。 このようにして増感基Gを形成する利点としては、構築物の化学を妨害する既存または予め形成されていた増感基の潜在的な問題を回避できることにある。 さらに独立に保護されている増感基を持つ必要性もなくなり、それにより付加的な脱保護という問題である、第1および第2の開裂部位における開裂のために化学者が利用できる化学現象(化学作用)が限定され得るという必要性がなくなる。 このように例えば、保護されたペンダント増感基が存在しており、例えば脱保護に必要とされる条件がトルフルオロ酢酸などの酸の使用を含んでいた場合、このことにより第2の開裂部位が構築物の残部に基質を結合する際に酸に不安定な開裂部位の使用が有効に避けられる。 本発明の構築物はかかる問題を回避するものである。

    【0022】 増感基Gを構成する原子または官能基は樹脂からのフラグメントFrの開裂に先立って構築物内にマスキング形態で存在してもよく、この開裂条件は単に増感基Gを脱マスキングする働きをするに過ぎない。 あるいは、増感基Gを構成するまたは含有する原子または官能基は開裂反応時に開裂部位に導入され得る。 例えば、増感基が塩基性アミノ基であれば、アミノ基の窒素原子は開裂前に構築物内に存在していてもよいし、または開裂反応時に導入されてもよい。

    【0023】 増感基Gが開裂反応時に外部の供給源から導入される場合、それはより大きな化学部分の一部を形成していてもよい。 例えばG基は基X−Gの一部として導入されてもよく、ここで、Xは求核試薬または求電子試薬の残基、例えば窒素または硫黄ベースの求核基、例えば式G−Alk−Nuc{ここで、Alkは所望により酸素、窒素および硫黄から選択される1以上のヘテロ原子が挿入されていてもよいアルキレン基(例えばC 2−20 、好ましくはC 2−6アルキレン基である)であり、Nucはアミン(例えば、NHまたはNR'(ここでR'はC 1− アルキル基である))またはチオレート基などの求核試薬であり、かつNuc
    はアミンまたはチオレート基などの求核試薬である}の基である。

    【0024】 化学フラグメントFrはフラグメントの質量スペクトルに特徴的なサインを付与する手段を含むことが好ましい。 このサインは有利には「ピーク分割」同位体標識をフラグメントに組み込むことによって提供され得る。 ピーク分割同位体標識はいくつかの安定な同位体形態で存在する少なくとも1つの原子を含んでなる。 所定の原子が同位体の混合物で標識されるようにフラグメントFrの1以上の特定の原子を同位体標識することにより、分子イオンの質量スペクトルが特徴的なパターンとして明らかになるが、その正確なパターンは個々の同位体の相対量によって異なる。 従って例えばフラグメントFrの所定の原子が、原子の50%
    が一方の同位体形態となり、50%がもう一方の同位体形態となるように標識されるとすれば、質量スペクトルはピークがほぼ同じ高さの特徴的な二重線としての分子イオンを示すことになる。

    【0025】 ピーク分割原子の目的は分析フラグメントFrに由来する質量スペクトルのいずれかのピークに特徴を与える特徴的なパターンを与え、それにより無関係な物質によるピークからかかるピークを識別することにある。

    【0026】 同位体ピーク分割標識として使用できる原子の例としては、 H/ H(D)
    79 Br/ 81 Br、 12 C/ 13 C、 14 N/ 15 Nおよび16 O/ 18
    が挙げられる。

    【0027】 フラグメントFrは単一のピーク分割同位体標識を含んでもよいし、または1
    以上のかかる標識を含んでもよい。 例えば同位体標識は単一の臭素原子であってもよく、この場合には固相支持体からの開裂後に遊離した分析フラグメントFr
    の分子イオンが二重線として現れる。 第2の、または二次的なピーク分割標識を導入することにより、分子イオンについてより複雑なピークパターンが作られる。

    【0028】 同位体ピーク分割標識は第1の開裂部位と第2の開裂部位の間に位置することが好ましい。

    【0029】 第1および第2の開裂部位は第1および第2のリンカー基L およびL によって規定される。 「スペーサー基」Aは2つのリンカー基L とL の間に挿入することができ、スペーサー基Aは典型的には同位体ピーク分割標識を含む。 従って本発明の1つの好ましい具体例では、以下で定義されるように、連結基Yが式L −A−L を有する(ここで、L は第1の開裂部位を規定する第1のリンカー基であり、Aはピーク分割同位体標識を含む化学基(スペーサー基)であり、かつ、L は第2の開裂部位を規定する第2のリンカー部位である)化学構築物が提供される。

    【0030】 第1および第2の開裂部位は直交かつ選択的に開裂可能であり、すなわち開裂部位の一方において開裂を行うのに用いられる条件は他方を開裂しない。 広範な種々のタイプの開裂反応が使用でき、例えば酸により触媒される開裂、塩基により触媒される開裂、金属により触媒される開裂、酸化開裂、還元開裂、求核置換、1,2ビス求核試薬による開裂、求電子置換、ならびに熱、光化学および酵素開裂から選択される反応が挙げられる。

    【0031】 光化学条件下で選択的に開裂されて増感基G(例えばアミン基)を露出または導入することができるリンカー基の例としては、ο−ニトロベンジルカルバメート基などのカルバメート基が挙げられ、ここでは最初の開裂がベンジルメチレン基とその隣接する酸素原子との間で起こった後、二酸化炭素が失われて塩基性アミノ基が得られる。

    【0032】 求核置換によって開裂し得る(例えば、増感基Gの露出または導入を目的とする)リンカー基の例としてはスルホンアミドリンカー基が挙げられ、ここではスルホンアミドのアリール(例えば、フェニル)環が、好ましくはアリール環のオルト位にニトロ基などの電子求引基を含む(例えば、Kay et al. Tetrahedron L
    etters- 1997, 38(39)参照)。 アミノ部分とスルホニル部分の間のリンカーの開列は、1,8−ジアゾ二環式[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、モノホリンまたは炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下でチオールまたはチオレート求核試薬などの求核試薬によって行うことができる。 求核置換によって開裂し得る基のさらなる例としては、5−カルボキシ−2−メルカプトピリミジンなどのメルカプトピリミジン基づく「セーフティーキャッチ(safety catch)」リンカーが挙げられ、酸化条件下で反応させてスルホキシドまたはスルホン結合を生じた後に求核性アミノ基と反応して2−アミノピリミジンを形成する。 かかるリンカーは例えばピリミジンまたはN置換ピペラジン(例えば、N−メチルピペラジン)などの環状アミン、または酸化剤、好ましくは過酸もしくはペルオキシ一硫酸カリウム(例えば「オキソン」)などの過塩といった比較的穏やかな酸化剤でまず酸化した後のアミノ基含有チオレート求核試薬(例えばジメチルアミノエチルチオレート)と反応させることにより開裂し得る。

    【0033】 第1または第2の開裂部位/リンカーのいずれか、または双方、好ましくは第1のもの「セーフティーキャッチ」種のものであってよく、すなわちこの開裂部位またはリンカー基は第2のステップにおいて開裂を受け得る前に第1のステップで化学修飾されなければならない(例えば、増感基Gを露出または導入することを目的として)。 かかる組合せ方の利点は偶然に起こる開裂の可能性を避けるまたは著しく少なくすることである。 「セーフティーキャッチ」メカニズムの一例は、第1のステップにおける官能基(例えば上記のメルカプトピリミジン基づく「セーフティーキャッチ」リンカー)の酸化を含み、この酸化は官能基を次の開裂ステップにおける求核試薬による置換をより受けやすくする働きをする。 求核試薬は構造においてかなり違っている。 例えば1つの具体例では、求核試薬はアミノ含有求核試薬であってもよく、このアミノ基は求核置換作用に寄与してアミノ基(増感基G)が直接開裂部位に結合するようにする。 あるいはもう1つの具体例では、アミノ基(すなわちその他の増感基)は硫黄求核試薬など、開裂部位に結合するようになる別の求核試薬を含有する基(例えば、ジアルキルアミノアルキル−チオレートアニオン)に存在してもよい。

    【0034】 本発明の構築物に用いるのに好適な別のクラスのリンカー基としては、ヒドラジンおよびヒドロキシルアミンなどの1,2ビス求核試薬によって開裂可能なリンカー基クラスがある。 あるエナミン系、例えばエナミンがカルボニル基に共役しているエナミン系において、かかるビス求核試薬を用いて窒素原子と隣接する炭素原子の間の結合を開裂することができる。 かかる基の例としては、アミノ窒素原子と結合した1−[4,4−ジメチル−2,6−ジオキソ−シクロヘキシリデン]−エチル(dde)基などのオキソ置換シクロアルキリデン環に基づく基がある。 これらの構築物は好ましくはエナミン系が第1の開裂部位を規定し、上記のように窒素原子と隣接する炭素原子の間の結合の破断が質量分析増感剤として機能するアミン基を露出するように設定される。

    【0035】 第1または第2のいずれか、好ましくは第1の開裂部位は遷移金属、好ましくはパラジウム(0)の作用下で開裂可能なリンカー基によって規定され得る。 かかるリンカー基の例としては、開裂時に質量分析増感剤として作用し得るアミン基を遊離するアリルオキシカルボニルアミノ基が挙げられる。

    【0036】 酸性条件下で選択的に開裂し得るリンカーの例としては適宜置換されたベンジルオキシカルボニル基および適宜置換されたジフェニル−メチルアミノ基が挙げられ、双方ともトリフルオロ酢酸の作用によって開裂し得る。

    【0037】 酸開裂性リンカー基の特定の例はThe Combinatorial Index, Barry A. Bunin,
    Aademic Press, San Diego 1998に示されている。 なお、この開示は参照することにより本明細書の一部とされる。 「Rink」または「Knorr」種のリンカーは典型的にはN−保護1−アミノ−1,1−ジフェニルメタン部分を含み、
    このアミノ基は脱保護されると基質に結合可能となり、そのフェニル環の1つは例えばジメトキシ基および第2の結合点を提供するカルボキシアルキルオキシ置換基を有するその他のもので置換されている。 TFAによる開裂では末端カルボキシアミド基を有する基質化合物が生じる。 「Wang」種のリンカーは典型的には置換フェノキシアセチル基を含み、このアセチル基は1つの結合点を提供し、フェニル環のベンジルヒドロキシル基は第2の結合点を形成する。 基質のカルボキシル基とベンジルヒドロキシル基の間にはエステルが形成されてもよく、このエステル基は次ぎにTFAによって開裂して末端カルボキシレート基を有する基質化合物を遊離する。

    【0038】 塩基性条件下で選択的に開裂し得るリンカーの例としてはエステル結合含有基が挙げられる。

    【0039】 1つの具体例では以降に定義される化学構築物が提供され、ここでは第1の開裂部位が選択的に開裂可能であって増感基G(特にアミノ基)を形成または導入し、この開裂は酸性条件下での開裂、塩基により触媒される開裂、パラジウム(
    0)により触媒される開裂、酸化開裂、酸化後の求核置換、還元開裂、求核置換、1,2−ビス求核試薬による開裂、求電子置換、ならびに熱、光化学および酵素開裂からなる化学現象から選択される1つの化学現象によって達成され、かつ、第2の開裂部位は上記の群から選択される異なる化学現象によって選択的に開裂可能である。

    【0040】 酸性条件下で開裂可能な基を用いて第1の開裂部位を形成することができるが、現在のところ第1の開裂部位は酸性条件に安定であることが好ましい。

    【0041】 好ましい具体例では、第1の開裂部位は開裂可能であって増感基Gを形成または導入し、この開裂は (i)光化学開裂、例えばニトロベンジルカルバメート基などのカルバメート基の光化学開裂; (ii)酸化後の求核置換による開裂、例えば、チオピリミジンの酸化後のアミン(例えば、N−メチルピペラジンなどの第二級アミン)による求核置換; (iii)求核置換、例えばチオレート求核試薬(例えば、DBUなどの強塩基の存在下でのメルカプトエタノール)によるスルホンアミドの開裂; (iv)ヒドラジンもしくはヒドロキシルアミンまたはその誘導体などの1,2
    −ビス求核試薬による、エナミン基(特にカルボニル基に共役したエナミン基を含有するもの、例えば、1−[4,4−ジメチル−2,6−ジオキソ−シクロヘキシリデン]エチルアミノ)の開裂;および (V)遷移金属により触媒されるアリルオキシカルボニルアミノ基の開裂、例えばパラジウム(0)により触媒されるアリルオキシカルボニルアミノ基の開裂から選択される1つの化学現象によって達成される。

    【0042】 上記の好ましい具体例では、第2の開裂部位は例えば酸性条件下または光分解によって開裂し得る。

    【0043】 1つの好ましい具体例では、第1の開裂部位はスルホンアミドリンカー基によって規定され、かつ、第2の開裂部位は所望によりRinkリンカーなどの酸性条件下で開裂可能な基によって規定される。

    【0044】 もう1つの好ましい具体例では、第1の開裂部位は酸化後の求核置換による開裂を受けやすいチオピリミジンリンカーによって規定され、かつ、第2の開裂部位は所望により酸性条件下で開裂可能なRinkリンカーなどの基によって規定される。

    【0045】 さらなる好ましい具体例では、第1の開裂部位は上記のようなdde基によって規定され、かつ、第2の開裂部位は所望により酸性条件下で開裂可能なRin
    kリンカーなどの基によって規定される。

    【0046】 より一層好ましい具体例では、第1の開裂部位は上記のような光化学的に開裂可能なカルバメート基によって規定され、かつ、第2の開裂部位は所望により酸性条件下で開裂可能なRinkリンカーなどの基によって規定される。

    【0047】 もう1つの好ましい具体例では、第1の開裂部位はパラジウム(0)などの遷移金属によって開裂し得るアリルオキシカルボニルアミノなどの基によって規定され、かつ、第2の開裂部位は所望により酸性条件下で開裂可能なRinkリンカーなどの基によって規定される。

    【0048】 例えば直交開裂可能な第1および第2のリンカー基L およびL によって規定されるものなど、第1および第2の開裂部位を作ることで、単純に異なる開裂条件によって化学フラグメントFrまたは基質Rのいずれかを構築物から選択的に分離することができる。 このことは特定の反応ステップに関して条件を至適化するよう設計された実験で、化学者は構築物を、分析フラグメントFrを開裂させるのに好適な条件に曝し、それにより分析を行って残りの各反応の結果を測定することが可能となる。 同様に予備反応(例えば組合せライブラリーまたはスケールアップ反応または商業生産などの次ぎに続く予備反応など)の際、品質管理(QC)は、反応槽から1以上の固相支持体を取り出し、第1の開裂部位で構築物を開裂し、さらに得られたフラグメントFrを分析して特定の反応ステップが完了したかどうかを知ることによって行うことができる。 一方、第1の開裂部位ではなく、例えば第2のリンカー基上の第2の開裂部位における開裂によって、
    反応生成物Rが固相支持体から遊離する。 このように本発明の構築物の利点は、
    特定の処理ステップを至適化するための実験的レベル、また予備的なレベルの双方でリンカー基を改変することなくそれらを使用できることである。

    【0049】 本発明の1つの具体例では、フラグメントFr、より好ましくはスペーサー基Aはアルキレンジアミン基またはアミノアルコキシ基を含む。 アルキレン基の正確な大きさとその置換度はこれまでのところ重要ではないと思われるが、例示すればその鎖は炭素原子2〜30個の長さ、例えば炭素原子20個まで、より典型的には炭素原子10個未満であってよく、特に例示すれば置換されていても置換されていなくてもよいエチレンまたはプロピレンジアミンまたはアミノアルコール基が挙げられる。 アルキレンジアミン基またはアミノアルコールは典型的には上記で定義されたようなピーク分割同位体標識を含む。 2つのアミノ基は各々第1および第2のリンカー基それぞれ結合させることができる。 スペーサー基Aの質量を増すためには、アルキレンジアミン基をアリール基、すなわち例としてはN−ベンジル基などのN−アリールで置換すればよい。 N−アリール基は所望により1以上の置換基で置換されていてもよい。

    【0050】 好ましい場合であるがスペーサー基が1以上の質量スペクトルピーク分割同位体標識を含むとき、それらはアルキレン鎖かまたはアルキレン鎖と結合している置換基のいずれかに位置していてよい。 従って例えば、アルキレンジアミン中の2個のアミノ基のうちの一方と結合しているN−ベンジル基はピーク分割原子である重素で置換されているメチレン基を有していてよい。 あるいは、アルキレンジアミン上の置換基に存在するアリール環(例えば、N−ベンジル基)はピーク分割ブロミン原子で置換されていてよく、アリール基の1つの特定の例としてはN−ο−ブロモベンジル基がある。

    【0051】 アルキレンジアミンおよびアミノアルコール基はスペーサー基の特殊な例として示されているが、代わりのスペーサー基を使用することもできる。 例えばスペーサー基は、所望により酸素、窒素または硫黄などの1以上のヘテロ原子がされていてもよい鎖内に30までまたはそれ以上の炭素原子を含有する炭化水素鎖から形成されていてもよい。 さらに別の代替のスペーサーとしては、例えば1以上のアミノ酸を含有するペプチド鎖が挙げられる。 スペーサーの正確な性質および長さは、そのスペーサーが構築物の化学を妨害しない限り、これまでのところ重要であるとは思われない。

    【0052】 化学フラグメントFr、特にスペーサー基A、ならびに質量分析を用いる同定の手段の提供はまた、他の分析技術による同定を可能にするさらなる1以上の増感剤によっても提供できる。 例えば、スペーサー基は紫外線(U.V.)または蛍光分光光度法による同定を可能とする発色団を含み得る。

    【0053】 さらに詳しくは、反応混合物中に存在する基質の相対量(例えば別の基質Rに対するもの)または絶対量のいずれかを測定するために行われる定量分析を考慮するため、連結基YおよびフラグメントFrは、紫外線、可視光または蛍光分光光度法、特には紫外線分光光度法によってフラグメントFrの分析を助ける発色団C uを含んでもよい。

    【0054】 従ってもう1つの態様では、本発明は固相構築物の分析方法を提供し、その方法は、 (i)連結基Yを介して固相支持体Qに結合された基質Rを有する固相支持体Qを含んでなり(ここで、Q、YおよびRは上記の定義に同じ)、連結基Yは上記で定義されたように直交かつ選択的に開裂可能な第1および第2の開裂部位を有し、第2の開裂部位は選択的に開裂可能であって基質を遊離し、かつ、第1の開裂部位は第2の開裂部位と固相支持体の間の位置にあり、選択的に開裂可能であって基質と連結基Yの少なくとも一部を含んでなるフラグメントFrを遊離し、該部分が、紫外線、可視光または蛍光分光光度法(好ましくは紫外線分光光度法)によるフラグメントFr uの分析を補助する発色団C uを含む、化学構築物を準備し、 (ii)第1の開裂部位で連結基を開裂させてフラグメントFrを遊離し、さらに (iii)フラグメントFrを紫外線、可視光または蛍光分光光度分析に付して基質Rを定量する ことを含んでなる。

    【0055】 本発明の上記方法の態様によれば、分光光度分析を用いて与えられたサンプル中に存在する基質Rの絶対量を測定してもよいし、またはこれを用いてサンプル中の別の成分(例えば1を超える基質Rが存在する場合)に対して存在する基質Rの相対量(例えばモル比に関する)を測定してもよい。 本願において基質Rの定量方法という場合には、特に断りのない限り、絶対量測定と相対量測定の双方が含まれる。

    【0056】 基質Rに存在する発色団のいずれかが分析を妨害しないようにするためには、
    発色団は典型的にはそれを基質から識別する実質的な吸収バンドを持つように選択する。 従って例えばこのような吸収バンドは、基質の重要な吸収バンドのいずれとも離れていればよい。 あるいは、発色団の吸収バンドは基質の重複バンドをいずれも効果的にスワンピングするような強度のものであってもよい。 発色団C uは主要logE max値が少なくとも2.5であることが好ましい。 この主要logE max値は基質Rの主要logE max値の少なくとも1.5倍であることがさらに好ましい。

    【0057】 溶液中の化合物によるUV照射の吸収と化合物濃度との間の関係は、式E=a
    /cl(ここで、Aはサンプル溶液の吸光度または光学密度であり、cはモル濃度であり、lはサンプルの光路長であり、かつ、Eはモル吸光率である)で表すことができるBeer−Lambertの法則によって定義される。 モル吸光率Eは所定の化合物について所定の波長で一定であり、通常、E max −最大吸収バンドでのモル吸光率で表される。 EまたはE max値は特に断りのない限り典型的には10 −2 mol −1の単位で表され、本明細書でEまたはE max値という場合かかる単位をさす。 EまたはE max値は非常に大きいことがあるので、log当量がしばしば用いられ、かかるlog当量は本明細書ではlog
    max値で表される。

    【0058】 所定の化合物はしばしばいくつかの異なる波長に主要吸収ピークまたはバンドを持つので、これはよくいくつかのE max値で定義することができる。 本発明に関しては「主要E max値」という表記を用いて最大吸収を生じる波長におけるE maxを表す。 このように本発明の構築物では発色団C uは好ましくは主要logE max値が少なくとも2.5であり、典型的には基質Rの主要E maxの少なくとも1.5の主要logE max値を有する。 しかしながらさらに典型的には、発色団C uは基質Rの主要logE maxの少なくとも2倍、より通常には2.5倍、特には3倍の主要logE max値を有する。

    【0059】 化合物の分析は主要な極大値の吸光度を測定することによって行えるが、存在する化合物の量を測定する代わりに二次的なバンドまたはより小さな極大値の測定を用いてもよい。 一般に、測定が行われる波長は基質Rおよび発色団C の正確な吸収特性によって異なり、その場合ごとに測定できる。

    【0060】 発色団C は、それがいずれの主要な吸収バンドからも離れた吸収バンドを有している限り、基質Rのいずれの発色団からも識別できる。 このことは、発色団の吸収バンドが基質Rによる主要な吸収のいずれとも離れた、またはいずれとも有意な程度(例えば、個々の吸収ピークの曲線下面積(a.u.c)に対して5
    %未満の重複)では重複しないことを意味する。 本明細書において主要な吸収とは、1以上のlogE値を有する吸収を意味する。

    【0061】 本発明の1つの好ましい具体例では、固相合成に用いられる化学構築物であって、連結基Yを介してそこに結合された基質Rを有する固相支持体Qを含んでなり(ここで、Q、YおよびRは上記の定義に同じ)、連結基Yは上記で定義されたように直交かつ選択的に開裂可能であり、フラグメントFrは基質と連結基Y
    の少なくとも一部を含んでなり、かつ該部分は紫外線、可視光または蛍光分光光度法によるフラグメントFr の分析を補助する発色団C を含み、発色団C は少なくとも2.5の主要logE max値を有し、ここで、(i)この主要l
    ogE max値は基質Rの主要logE maxの少なくとも1.5倍であるか、
    または(ii)発色団C が基質Rによる吸収から離れた波長に吸収ピークを有する化学構築物が提供される。

    【0062】 構築物にUV発色団がすれば合成の生成物の定量が行えるようになる。 かかる定量は(i)絶対的定量または(ii)相対的定量、あるいはその双方であってよい。 「絶対的定量」とは基質分子または基質分子を含有するフラグメントもしくは構築物の絶対量が測定できることを意味し、一方、「相対的定量」とは本明細書においては反応混合物中のある基質(または基質を含有するフラグメントもしくは構築物)の別の成分(副生成物または出発物質または別の基質)に対する量の測定を意味する。

    【0063】 UV発色団は典型的には、典型的な基質分子の最大吸収が認められる波長から通常離れている、固有または特徴的な波長において極めて強い吸収を持つように選択される。 しかしながら発色団の吸収が基質または基質Rに対して非常に大きい場合には、基質および発色団による吸収の重複が基質量の測定精度に対して最小限の影響しか及ぼさない。 一般に重複する吸収バンドは、導入される重複誤差が10%以下、好ましくは約5%以下である限り、有意な分析が行われるのを阻むことはないはずである。 従って相対存在量および絶対モル吸収値に関して発色団を規定する代替のものとしては、発色団Cおよび基質による吸収との関係は、
    基質Rと発色団の吸収バンド間の重複のいずれに起因する誤差の程度に関して定義できる。

    【0064】 このようにさらなる具体例では、本発明は、固相合成に用いられる化学構築物でえあって、連結基Yを介してそこに結合された基質Rを有する固相支持体Qを含んでなり(ここで、Q、YおよびRは上記の定義に同じ)、上記で定義されたように連結基Yは直交かつ選択的に開裂可能であり、フラグメントFrは基質と連結基Yの少なくとも一部を含んでなり、かつ該部分は紫外線、可視光または蛍光分光光度法によるフラグメントFr の分析を補助する発色団C を含み、ここで発色団C と基質Rの吸収特性が、所定の測定波長において、発色団による吸収バンドと基質Rによる吸収バンドのいずれかの重複から生じる基質R(またはいずれかのフラグメントもしくはフラグメントを含む構築物)の定量における誤差が10%未満、好ましくは5%未満であるような化学構築物を提供する。

    【0065】 発色団の例としてはアリール基を含有する基、好ましくは縮合多環式アリール基、例えば1以上(例えば、1個、2個または3個)の環状炭素原子が所望によって窒素、硫黄または酸素などのヘテロ原子で置換されていてもよいC 〜C 多環式アリール基がある。 多環式アリール基の例としては、ナフチル、フェナントレニルおよびアントラセニル基などの多環式炭化水素、ならびにアクリジンまたはフェナントロリンなどの多環式ヘテロアリール基が挙げられる。 かかるアリール基または多環式基は所望により好ましくは所定の反応スキームに用いられる反応条件に関して不活性かつ/または非阻害性の置換基で置換されていてもよい。

    【0066】 かかる置換基の例としてはアルキルおよびアルコキシ(例えば、炭素原子1〜
    20個、好ましくは炭素原子1〜6個のアルキルおよびアルコキシ)が挙げられ、各々所望により1以上の不飽和結合を含んでいてもよく、また所望により酸素、窒素および硫黄から選択される1以上のヘテロ原子;アミノ(好ましくは保護されたアミノ、または一もしくは二置換アミノ、例えばジメチルアミノ);フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードなどのハロゲン;アルキルチオ(例えばC −30アルキルチオ、好ましくはC 1−6 )、ヒドロキシ、保護された(例えばアシル化)ヒドロキシ、チオ、保護された(例えばアシル化)チオ、トリフルオロメチル、ニトロ、アルキルスルホニル、アリール(例えば所望により置換されていてもよいフェニル、チエニル、フラニル)およびアリールアルキル(例えばベンジルおよびフェネチル)が挿入されていてもよい。

    【0067】 その他の発色団の例としては高度に共役したアリールまたは非アリール構造が挙げられる。 ただし、かかる化合物は固相化学、いわゆるG−J−M{ここでG
    は電子供与基(例えばアミノまたはアルコキシ)であり、Jは複数の共役アレイ、例えば二重結合であり、かつ、Mは電子求引基(例えばニトロまたはスルホニル)であり、GおよびA基は共役した多重結合アレイを介して電気的に結合している}型の「プッシュプル」系で用いられる合成条件下では不活性である。 発色団の一例としてはダンシル(1−ジメチルアミノ−5−ナフチルスルホニル)基がある。

    【0068】 発色団の厳密な性質、その化学特性およびその吸光度特性は、所定の合成に用いられる化学現象種にもよるが、その場合ごとに測定できる。 しかしながら発色団は合成に用いられる反応物および反応条件に対して不活性であるのが最も好ましい。

    【0069】 現在のところ好ましい発色団としては、アントラセニルおよびダンシル(5−
    ジメチルアミノ−1−ナフチルスルホニル)基が挙げられ、アントラセニルが特に好ましい。

    【0070】 基質Rの定量は絶対的定量、または合成混合物中の基質Rと別の成分の相対量(例えば別の基質、または出発物質、または副生成物)が測定される相対的定量のいずれかであり得る。 相対的定量は、発色団C が各基質に分光光度分析の基礎として使用できる共通の特徴的な吸光度セットを付与するということを使用するものである。

    【0071】 本発明の1つの具体例では、本発明の構築物の同定および/または分析は1個のビーズ、または少数のビーズ、例えば1〜20個のビーズ、より通常には10
    個未満のビーズで行われる。 かかるビーズは典型的には90μm〜250μmの範囲の平均径を有し、化合物添加量は0.1mmolg −1 〜0.4mmolg −1であり、個々のビーズの平均添加量は10ナノモル未満、しばしば5ナノモル未満、例えばおよそ1ナノモルである。

    【0072】 従って1つの特定の具体例では、本発明は固相構築物の分析方法を提供し、その方法は、 (i)連結基Yを介してそこに結合された基質Rを有する固相支持体Q(例えば、平均径が90μm〜250μmの範囲である樹脂ビーズ)を含んでなり(ここで、Q、YおよびRは上記の定義に同じ)、各固相支持体に基質Rが10ナノモル以下、好ましくは5ナノモル未満、より好ましくは2ナノモル未満の量で存在し、連結基Yは上記で定義されたように直交かつ選択的に開裂可能な第1および第2の開裂部位を有し、第2の開裂部位は選択的に開裂可能であって基質を遊離し、かつ、第1の開裂部位は第2の開裂部位と固相支持体の間の位置にあり、
    選択的に開裂可能であって基質と連結基Yの少なくとも一部を含んでなるフラグメントFrを遊離し、該部分が、紫外線、可視光または蛍光分光光度法によるフラグメントFrの分析を補助する発色団C を含む、化学構築物を準備し、 (ii)固相支持体、または20個を超えない複数の固相支持体(好ましくは1
    0未満、より好ましくは5未満、例えば1個の固相支持体)を単離し、 (iii)第1の開裂部位で連結基が開裂して基質Rを含むフラグメントFr
    が遊離するように固相支持体を処理し、さらに (iv)フラグメントFr を紫外線、可視光または蛍光分光光度分析に付して基質Rを定量する ことを含んでなる。

    【0073】 本発明のUV発色団含有構築物の使用の重要な利点は、極めて少量の基質化合物、例えば分割・混合組合せ法で用いられる大きさの単一の樹脂ビーズから典型的に得ることができる1ナノモルオーダーの量に対する量的情報を得るのに使用できるということである。 分割・混合法によって形成される組合せライブラリーでは、各ビーズは典型的にはただ1つの基質化合物だけを含むが、ライブラリーとしては種々の基質を有する複数のビーズを含む。 種々の基質を含むビーズの混合物の分析には問題があるので、通常、1つのビーズについて分析を行う必要がある。 本発明の構築物により、単一のビーズのレベルで、特に0.1〜0.4m
    molg −1の添加量で、直径90μm〜250μmのオーダーの大きさのビーズで効率的かつ正確に分析を行うことができるようになる。

    【0074】 第1および第2の開裂部位が第1および第2のリンカー基L およびL によって規定される構築物では、「スペーサー基」Aは2つのリンカー基L およびL の間に挿入され、このスペーサー基Aはそこに結合されたUV発色団を含み得る、または持ち得る。 このように本発明の1つの具体例では、上記で定義されたような、連結基Yが式L −A−L {ここで、L は第1の開裂部位を規定する第1のリンカー基であり、Aはそこに結合されたUV発色団を含むまたは有し、かつ所望によりピーク分割同位体標識を含むC 化学基(スペーサー基)
    であり、かつ、L は第2の開裂部位を規定する第2のリンカー基である}を有する化学構築物が提供される。

    【0075】 発色団C はフラグメントFr の主鎖または骨格の必須部分として(例えば、スペーサー基Aの一部として)形成されてもよいし、あるいはペンダント基であってもよい。 このように例えばそれがペンダント基である場合にはそれは直接、または所望により1以上の酸素、窒素もしくは硫黄原子が挿入されていてもよいアルキレン鎖(例えば炭素原子1〜6個)を介して、またはエーテル、チオエーテル、アミド、スルホンアミドもしくはエステル結合によってAと結合し得る。 スペーサー基Aがアルキレンジアミン基またはアミノアルコキシ基を含む場合、発色団C は例えば(直接、または上記に定義されたように所望により挿入されていてもよいアルキレン鎖を介して)アミノ基またはアミノ基の1つの窒素原子と結合していてもよい。 例えば、発色団C はエチレンもしくはプロピレン鎖によって、またはスルホニル基によって窒素原子に結合していてもよい。

    【0076】 ベンジル基のような置換基がアルキレンジアミンスペーサー基Aのアミノ基の1つに結合している化合物では、発色団C はその他のアミノ基と直接または間接的に結合し得る。 現在のところ好ましい1つの具体例では、発色団C はポリエチレン鎖を介してジアミンスペーサー基の一方の末端で窒素原子と結合したアントラセニルまたはフェナントレニル基などの多環式アリール基である。

    【0077】 固相支持体Qは固相合成、特に組合せ化学で用いるのに好適ないずれのタイプの固相支持体であってもよい。 従って単に例示であるが、固相支持体はビーズ、
    固相面、固相基質、粒子、ペレット、ディスク、キャピラリー、中空ファイバー、ニードル、充実ファイバー、またはシリカゲルなどの有機もしくは無機ゲル、
    およびフラーレンから形成された粒子などの不溶性有機粒子の形態をとってもよい。

    【0078】 ビーズの例としては、セルロースビーズなどの高分子ビーズまたは樹脂ビーズがあり、特に例示すれば、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂およびジメチルアクリルアミド樹脂などの官能基化ポリマーをはじめとする、樹脂ビーズが製造可能な物質が挙げられる。 好適な支持体の例としては上記のBanin A.によるThe Combinatoial Indexに挙げられている。 官能基化樹脂の例としては、その表面にアミノ基または水酸基を提供するよう修飾された架橋ポリスチレンが挙げられる(例えば、Nicholas K. TerrettによるCombinatorial Chemistry, Oxford
    University Press, 1988参照)。

    【0079】 固相支持体の合成履歴の決定を容易し、分割・プール組合せ合成において固相支持体の混合を制御する手段を提供するには、固相支持体(例えばビーズの類)
    を反応シーケンス中、透過性標識容器に制限することができ、それにより容器内の透過を通じて流れる反応物と溶媒の結果として合成が起こる。 所定の反応混合物は複数の容器を含んでもよく、各反応ステップの終了時に容器を取り出すことができ、例えば高周波標識であり得る標識によって同定することができる。 かかる容器の例としては、小型高周波タグを含んだLa Jolla, California, USAのIro
    riから入手可能なポリスチレンメッシュ「Kan」(商標)容器がある。

    【0080】 もう1つの態様では、本発明は上記で定義されたような構築物を分析する方法を提供し、その方法は構築物を第1の開裂部位で開裂させて化学フラグメントF
    rを遊離し、この開裂反応で化学フラグメントFr上に質量スペクトル増感基(
    例えば質量分析条件下でイオン化可能な基)が形成され、次ぎにこの化学フラグメントを質量分析、例えばエレクトロスプレー質量分析に付すことを含んでなる。

    【0081】 フラグメントFrの分析で構築物の反応履歴に関する情報が得られる。 このように質量分析により、所定の反応シーケンスで所望の基質が形成されたかどうかが容易に決定できる。 従ってフラグメントFrの分析を用いて、固相反応シーケンスの基質または生成物を同定するだけでなく、反応の進行を追跡することもできる。

    【0082】 本発明はまた、上記で定義されたような構築物を分析する方法であって、構築物を第1の開裂部位で開裂させて化学フラグメントFr を遊離し、さらにそのフラグメントを紫外線、可視光または蛍光分光光度分析、例えば定量的紫外線分析に付すことを含んでなる方法を提供する。

    【0083】 開裂生成物は、クロマトグラフィーカラムから溶出した種々の化合物の濃度を測定する手段を提供するよう設置可能なUV検出器を用い、クロマトグラフィー、好ましくはHPLCなどの液体クロマトグラフィーに付すことができる。 クロマトグラフィーカラムは次ぎに基質の同定を目的とする別の分析手段に接続することができる。 好ましい分析手段は質量分析であり、従って本発明の方法および構築物は連結された単一の一連の分析手順で基質の同定と定量の双方を達成する手段を提供する。

    【0084】 さらなる態様では、本発明は上記で定義されたような化学構築物の製造に用いられる中間化学構築物を提供し、この中間化学構築物は式Q−Y'(式中、Y'
    はY基の反応性形態または保護形態であり、かつ、QおよびYは上記の定義に同じ)を有する。

    【0085】 なおさらなる態様では、本発明は式Q−L −A (式中、QおよびL1は上記の定義に同じであり、かつ、A は分割同位体標識および所望により発色団C を含むスペーサー基Aの反応性形態または保護形態である)の中間構築物を提供する。 特定の具体例では、中間構築物は一般式Q−L −N(Alk−C
    −Alk−NH−X (式中、Alkはアルキレン基であり、かつ、X は水素または」アラルキル基である)を有する。 中間構築物は好ましくは H/ H(
    D)、 79 Br/ 81 Br、 12 C/ 13 C、 14 N/ 15 Nおよび16 O/ Oなど、ピークを分割する原子の組合せで同位体標識される。

    【0086】 本発明はさらに、医薬上有用な基質の同定方法であって、上記で定義されたよな複数の化学構築物を含むライブラリーを作製し、そのライブラリーを生物学的試験に付して生物学的に活性な基質を同定する方法を提供する。 この方法はこのようにして同定された生物学的に活性な基質を医薬上許容される担体とともに配合して医薬組成物を形成するさらなるステップを含んでもよい。

    【0087】 例示的具体例の説明以下、限定されるものではないが実施例により本発明を説明する。

    【0088】 実施例では以下の略号を用いる。 略号 AcOH 酢酸 DMF ジメチルホルムアミド DCM ジクロロメタン DMAP 4−ジメチルアミノピリジン DIC ジイソプロピルカルボジイミド TFA トリフルオロ酢酸 DIPEA ジイソプロピルエチルアミン HATU 2−(1H−9−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1
    ,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート DMSO ジメチルスルホキシド PyBOP(登録商標) ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート HOBT N−ヒドロキシベンゾトリアゾール AA アミノ酸

    【0089】 実施例1 光分解性開裂可能な第1開裂部位を含有する構築物の製造光分解可能な構築物をスキーム1に示される反応スキームに従って製造した。
    この実施例では、エチレンジアミン鎖の1個のアミノ基に結合した置換ニトロベンジルオキシカルボニルリンカー基の光分解性開裂が遊離アミノ基を遊離させ、
    その結果、質量分析計におけるイオン化を受けることが可能となり、それにより特徴的な分子イオンが形成されるのが可能となる。 この実施例では、エチレンジアミン連結基はその他のアミノ基に結合した同位体標識されたベンジル基を有するが、その作用は開裂産物の質量スペクトル中に特徴的な分割ピークを提供し同定を補助することである。

    【0090】 実施例1の実験に用いられた化合物番号はスキーム1の化合物番号に該当する。

    【化1】

    【0091】 スキーム1の実験ビーズ径が130μm〜160μmの範囲で0.4mmolg −1で充填されたテンタゲルNH (Rapp Polymere)(樹脂1)(30g、12.0mmol)
    をDMFで膨潤させ、これにDMF(420ml)中のHOBT(9.3g、6
    9.0mmol)、DIC(6.48ml、41.4mmol)および4-[4
    −(1−ヒドロキシエチル)−2メトキシ−5−ニトロフェノキシ]ブタン酸(
    11.8g、39.4mmol)の溶液を加え、混合物を16時間振盪した。 次いで、この樹脂から水を抜き、DMF、次いでMeOHさらにDCMおよび最終的にMeOHで洗浄した。 次いで、これを真空乾燥させて樹脂2を得た。

    【0092】 樹脂2(3g、11.9mmol)をDCN(400ml)中のカルボニルジイミダゾール(19.3g、119mmol)の溶液で処理し、全体をゆっくりと攪拌しながら50℃で5時間加熱した。 次いで、樹脂から水を抜き、DCM、
    次いでEt O、DCM、Et Oで洗浄し、真空乾燥させて樹脂3を得た。

    【0093】 樹脂3(15g、4.35mmol)をDMF(200ml)で膨潤させ、これにDMF(20ml)中の1−ベンジル−1−t−ブトキシカルボニル−1,
    2−ジアミノエタン(17)(2.71g、10.9mmol)および1−(ジジュウテロベンジル)−1−t−ブトキシカルボニル(16)(2.71g、1
    0.9mmol)の溶液を加え、全体をゆっくりと攪拌しながら50℃で16時間加熱した。 樹脂から水を抜き、DMF、次いでEt O、DCMさらにEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂を真空乾燥させた。 次いで、樹脂をTFA(95%
    )水溶液とDCMの1:4溶液で処理し、30分間振盪した。 次いで、樹脂から水を抜き、DCMと、次いでEt O、DCMさらにEt Oで洗浄し、樹脂を真空乾燥させた。 次いで、樹脂をDMF中のDIPEAの10%溶液とともに1
    時間振盪し、水を抜き、さらに洗浄を前記のように反復し、樹脂4を得た。

    【0094】 樹脂4(3g、0.84mmol)にDMF(30ml)中のHATU(0.
    96g、2.52mmol)、DIPEA(0.89ml、5.04mmol)
    およびp−[(R,S)−α−[1−(9H−フルオレン−9−イル)−メトキシホルムアミド]−2,4−ジメトキシ−ベンジル]フェノキシ−ブタン酸(1
    . 42g、2.52mmol)の溶液を加え、全体を16時間振盪した。 次いで、樹脂から水を抜き、DMF、およびDCMで洗浄した。 樹脂にDMF(30m
    l)中の20%ピペリジンの溶液を加え、全体を1時間振盪した。 次いで、樹脂から水を抜き、DMF、DCM、次いでEt O、DCMさらにEt Oで洗浄し、樹脂を真空乾燥させた。

    【0095】 樹脂5(20mg,0.004mmol)をDMF(1ml)中のHATU(
    15mg、0.04mmol)、DIPEA(14μl、0.08mmol)および安息香酸(5mg、0.04mmol)の溶液で処理し、全体を6時間振盪した。 次いで、樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMさらにE
    Oで洗浄し、真空乾燥させて樹脂6を得た。 光開裂とそれに続くMS分析によるこの樹脂の構築物分析は図Iに示されている(一般開裂条件参照)。

    【0096】 図1から分かるように、樹脂から開裂した分析フラグメント中の増感アミン基のおよびピーク分割基の存在は2つの特徴的な二重線パターンを有する強い分子イオンを示す。

    【0097】 光分解性リンカーを介する樹脂の構築物分析の一般法樹脂の小量のサンプル(約0.5mg)をDMSO(50μl)に懸濁し、U
    V光に30分間曝す。 次いで、溶液を質量分析で分析する。 (あるいは、0.2
    %ヒドラジン水和物含有DMSOを溶媒として用いることもできる)。 正のエレクトロスプレーモードで作動させてフィニガンMAT LCQイオントラップ質量分析計で質量スペクトルを得た。 スキャン幅100−1500s.
    m. u。 スキャンサイクル時間1.4秒;イオン時間200マイクロ秒。

    【0098】 実施例2 第1開裂部位に「セーフティーキャッチ」チオピリニジンリンカー基を含む構築 物の製造第1開裂部位にチオピリニジン「セーフティーキャッチ」リンカーを含む構築物を以下のスキーム2に示される反応スキームに従って製造した。 以下の実験の記載において用いられる構築物番号はスキーム2の番号に該当する。

    【0099】

    【化2】

    【0100】 スキーム2の実験 DMF(8ml)中の4−(クロロメチル)安息香酸(0.27g、1.6m
    mol)、PyBOP(登録商標)(0.83g、1.6mmol)およびDI
    PEA(0.56ml、3.2mmol)の溶液を20分間振盪し、次いで、ビーズ径が130μm〜160μmの範囲で0.32mmolg −1で充填されたテンタゲルNH2(Rapp Polymere)樹脂1(1g、0.32mmol)にこの溶液を加え、全体を5時間振盪した。 次いで、樹脂から水を抜き、DMF、DCM
    、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂(8)を真空乾燥させた。

    【0101】 樹脂8(1g、0.32mmol)にジオキサン(4ml)およびエタノール(1ml)中のチオ尿素(0.58g、7.7mmol)のスラリーを加え、全体を80℃で16時間加熱した。 樹脂から水を抜き、DMF(×5)、DCM(
    ×5)、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄して樹脂9を得た。 次いで、樹脂を真空乾燥させた。

    【0102】 樹脂9(1g、0,31mmol)にDMF(10ml)中のメチル−2−(
    ジメチルアミノメチレン)−3−オキソブタノエート(0.17g、0.96m
    mol)およびトリエチルアミン(65μl、0.48mmol)の溶液を加え、全体を80℃で16時間加熱した。 樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 樹脂(10)を真空乾燥させた。 次いで、樹脂10(0.5g、0.15mmol)をTHFと2NのNaOH
    水溶液1:1混合物(4ml)で処理し、2時間振盪した。 次いで、樹脂から水を抜き、THF/H O、10%AcOH/THF、THF/H 、THF
    、DMF、DCM、Et O、DCM、Et Oで洗浄し、真空乾燥させて樹脂11を得た。

    【0103】 樹脂11(50mg、0.015mmol)にDMF(1ml)中のPyBO
    P(登録商標)(24mg、0.045mmol)およびDIPEA(16μl
    、0.09mmol)の溶液、次いで、DMF(1ml)中の1−t−ブトキシカルボニル−1−(o−ブロモベンジル)−ジアミノエタン(18)(15mg
    、0.045mmol)の溶液を加え、全体を3時間振盪した。 樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂にDCM(20%、1ml)中の95%TFA水溶液の溶液を加えて2時間振盪した。 樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMで洗浄し、DMF中の10%DIPEAとともに10分間振盪した。 樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 樹脂(12)を真空乾燥させた。

    【0104】 樹脂12(50mg、0.015mmol)にDMF(2ml)中の4−[4
    −(1−(Fmoc−アミノ)エチル)−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ
    ]ブタン酸(23mg、0.045mmol)、DIPEA(16μl、0.0
    9mmol)およびHATU(17mg、0.045mmol)の溶液を加え、
    全体を3時間振盪した。 樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCM
    さらに最終的にEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂をDMF(3ml)中の20
    %ピペリジンで処理し、全体を1時間振盪した。 次いで、樹脂(13)から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄し真空乾燥させた。

    【0105】 樹脂13にDMF(2ml)中の安息香酸(11mg、0.09mmol)、
    DIPEA(16μl、0.09mmol)およびHATU(17mg、0.0
    45mmol)の溶液を加え、全体を2時間振盪した。 次いで、樹脂(14)から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 ピリミジン開裂条件(以下に記載)とそれに続くMS分析によるこの樹脂の構築物分析が図2に示されている。

    【0106】 ピリミジンリンカーを介する樹脂の構築物分析の一般法樹脂の少量のサンプル(0.5mg)を0.01Mのm−クロロペル安息香酸(0.5ml)で2時間処理する。 次いで、樹脂から水を抜き、DCM、Et O、DCMで洗浄しする。 樹脂をDMF(50μl)中の0.02MのN−メチルピペラゾンで処理し、次いで、加え12時間振盪する。 次いで溶液を除去し、
    質量分析によって分析する。

    【0107】 実施例3 種々のピーク分割基を含む構築物の製造種々の質量分析ピーク分割基が製造されており、これらは以下の表1に例示されている。

    【0108】

    【化3】

    【0109】

    【表1】

    【0110】 実施例1では、ピーク分割基を表1の重水素標識化合物と非標識化合物16/
    17の混合物によって導入し(樹脂4の参照文献参照)、他方、実施例2ではピーク分割基をブロモベンジル化合物18によって導入した(樹脂12の参照文献参照)。

    【0111】 別のピーク分割基を含む樹脂を以下に記載の化合物19/20および21/2
    2を用いて製造した。

    【0112】 アミン19/20の使用樹脂3(0.6g、0.18mmol)にDMF中の1−t−ブトキシカルボニル−1,2−ジアミノエタン(20)(110mg、0.68mmol)と二重15 N標識1−t−ブトキシカルボニル−1,2−ジ( 15 N)アミノエタン(19)(112mg、0.68mmol)の溶液を加え、全体を50℃で3時間加熱した。 次いで、樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂を真空乾燥させた。

    【0113】 アミン21/22の使用樹脂3(1.66g、0.58mmol)にDMF中の1−t−ブトキシカルボニル−1,5−ジアミノペンタン(21)(295mg、1.45mmol)
    と二重15 N標識1−t−ブトキシカルボニル−1,2−ジ( 15 N)アミノペンタン(22)(295g、1.45mmol)の溶液を加え、全体を50℃で4時間加熱した。 次いで樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCM
    さらに最終的にEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂にDCM(20%、1ml)
    中の95%TFA水溶液の溶液を加え、2時間振盪した。 樹脂から水を抜き、D
    MF、DCM、Et O、DCMで洗浄し、次いで、DMF中の10%DIPE
    Aとともに10分間振盪した。 次いで、樹脂(23)を真空乾燥した。

    【0114】 実施例4 ジペプチド基質を含む構築物の製造実施例1および2では、各場合における基質または標的化合物はモデル化合物ベンズアミドである。 以下の実施例では、基質として、第2リンカー基としてのRinkリンカーまたはWangリンカーのいずれかに結合したジペプチドを含む構築物を製造した。 各場合において、光分解性第1リンカー基を用いた。 この構築物を製造するために用いた反応スキームは以下のスキーム3および4に示されている。

    【0115】

    【化4】

    【0116】

    【化5】

    【0117】 アミノ酸例の実験 Rink樹脂24の製造樹脂23(100mg、0.042mmol)にDMF(1ml)中のp−[
    (R,S)−α−[1−(9H−フルオレン−9−イル)−メトキシホルムアミド]−2,4−ジメトキシ−ベンジル]−フェノキシブタン酸(240mg、0
    . 42mmol)、DIC(65μl、0.42mmol)およびHOBT(5
    7mg、0.42mmol)の溶液を加え、全体を4時間振盪した。 次いで、樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂をDMF(2ml)中の20%ピペリジンで処理し、3
    0分間振盪した。 次いで、樹脂(24)から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂を真空乾燥させた。

    【0118】 Wang樹脂27の製造樹脂23(100mg、0.042mmol)にDMF(1ml)中の4−ホルミルフェノキシ酢酸(23mg、0.13mmol)、DIC(20μl、0
    . 13mmol)およびHOBT(17mg、0.13mmol)の溶液を加え、全体を4時間振盪した。 次いで、樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂を真空乾燥させた。 次いで、樹脂をDCM中のテトラブチルアンモニウムボロヒドリドの溶液で処理し、16時間振盪した。 次いで、樹脂(27)から水を抜き、DCM、DMF
    、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂を真空乾燥させた。

    【0119】 樹脂上のアシル化ジペプチド配列の製造

    【表2】

    【0120】 樹脂25および28はそれぞれ樹脂24および27を所望のFmoc保護したアミノ酸と反応させ、次いで脱保護し、さらに第2のアミノ酸へのカップリングと脱保護を反復することによって製造した(一般法参照)。 次いで、無水酢酸を用いて末端アミノ基をアシル化した(以下の方法参照)。

    【0121】 光開裂とそれに続くMS分析によるこれらの樹脂の構築物分析から表3の図に示される質量スペクトルが得られた。

    【0122】

    【表3】

    【0123】 アミノ酸をリンカーにカップリングする一般的な/典型的な方法所望の樹脂24および27(30mg、約0.014mmol)にDMF(1
    ml)中のFmoc保護したアミノ酸(0.14mmol、10Eq)、DIC
    (22μl、0.14mmol、10Eq)およびHOBT(19mg、0.1
    4mmol、10Eq)の溶液を加えた。 次いで、全体を5時間振盪した。 次いで、樹脂から水を抜き、DCM、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂をDMF(2ml)中の20%ピペリジン溶液での処理によってFmoc保護基を除去し、30分振盪した。 次いで、樹脂から水を抜き、DCM、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にE
    Oで洗浄した。 次いで、樹脂を真空乾燥させた。

    【0124】 ジペプチドのアセチル化樹脂(30mg、約0.014mmol)にDCM(1ml)中の無水酢酸(
    15ml、0.14mmol)の溶液、次いで、DMAP(1mg、0.008
    mmol)を加え、全体を2時間振盪した。 次いで、樹脂から水を抜き、DCM
    、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂を真空乾燥させた。

    【0125】 前記の実施例から分かるように、本発明の構築物によれば、固相法によって形成される小分子が質量分析によって迅速、かつ、容易に分析できるようになる。
    質量スペクトル増感剤としてイオン化できる基およびピーク分割同位体を提供することによって、各場合の結果が、分子イオンが特徴的な二重線として現れ、かつ、フラグメントまたは無関係の物質によるピークが無視でき、容易に解釈される質量スペクトルとなっていた。

    【0126】 実施例5 第1開裂部位にスルホンアミドリンカーを含む構築物の製造酸不安定性「Rink」型リンカーを介してエチレンジアミン質量スペクトルピーク分割基に連結され、次に、スルホンアミドリンカーを介して樹脂に連結されたモデル基質として安息香酸を含む構築物を以下のスキーム5に示されるように製造した。 この実施例では、強な塩基の存在下でのスルホンアミドのメルカプトエタノールでの開裂により質量分析の増感アミノ基を有する分析フラグメントが遊離する。

    【0127】

    【化6】

    【0128】 化合物3aの製造

    【化7】

    【0129】 乾燥ジクロロメタン(40ml)中の2−ニトロ−4−メチルベンゾエートスルホニルクロリド1(1.10g、3.90mmol)とトリエチルアミン(0
    . 39g、3.90mmol)の攪拌溶液に乾燥ジクロロメタン(20ml)中のアミン2a(1.00g、3.9mmol)を30分間にわたって0℃で加えた。 反応混合物をさらに2時間室温で攪拌し、次いで、真空濃縮して黄色の油状物質を得た。 溶出剤として[MTBE:ヘキサン(1:1)]を用いるクロマトグラフィーとそれに続くMTBE(5ml)とヘキサン(2ml)からの再結晶化による精製により白色フレークとしてスルホンアミド3a(1.53g、79
    %)を得た;融点129〜130℃;R 0.31[MTBE:ヘキサン(1:
    1)]。 ;(実測:C,53.2;H,5.6;N,8.5;S,6.4.C 22 H 25 D N O SはC,53.3
    ;H,5.5;N,8.5;S,6.5%を必要とする)δ H (DMSO-d 6 ) 1.40 (9H, s, H-l8), 3.05
    (2H, m, H-9), 3.20 (2H, dt, J3 and l3, H-l0), 3.9 (3H, s, O-Me), 7.10-7.
    35 (5H, m, H-13, 14 and l5), 8.09 (lH, d, J8, H-6), 8.35 (1H, d, J8, H-5
    ), 8.40(1H, m, H-8), 8.45 (1H, s, H-3),; δ C (DMSO-d 6 ) 27.8 (C-l8), 40.9
    (C-9 および 10), 45.9 (C-11), 53.0 (O-Me), 79.1 (C-17), 124.8 (C-13), l
    27.0 (C-l4 および l5), 128.3 (C-6), 130.0 (C-13), l32.9 (C-5), 134.2 (C-
    12), 136.4 (C-1), 147.5 (C-4), 154.7 (C-2), 163.5 (C-16 およびC=0); MS (
    エレクトロスプレー +ve)m/z 496 (MH) + ; HPLC, R, 6.07分

    【0130】 化合物4aの製造

    【化8】

    【0131】 メタノール(2ml)中のエステル3a(0.40g、0.80mmol)を1Mの水酸化ナトリウム水溶液(1.60ml、1.60mmol)で処理し、
    室温で1時間攪拌した。 次いで、反応物を真空濃縮し、残渣を水(10ml)に溶解し、次いで、0℃にて1Mの塩酸(1.80ml、1.80mmol)で酸性化した。 得られた白色沈殿をジクロロメタン(3×10ml)で抽出した。 合した有機抽出液をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na SO )、減圧下で蒸発させて白色の固体として酸4aを得た(0.34g、88%);融点143〜1
    45℃;R 0.58[MTBE:ヘキサン(1:1)]。 δ H (DMSO-d 6 ) 1.29
    (9H, s, H-l8), 3.02 (2H, m, H-9), 3.20 (2H, dt, J3 および l3, H-10), 7.
    10-7.40 (5H, m, H-13,14 および 15), 8.06 (1H, d, J8, H-6), 8.28 (lH, s,
    H-3), 8.30 (lH, d, J8, H-3); δ C (DMSO-d 6 ) 27.9 (C-18), 40.9 (C-9 および
    l0), 45.9 (C-11), 79.1 (C-17), 124.5 (C-13), 127.1 (C-l4 および 15), 12
    8.4 (C-6), 129.5 (C-13), 132.5 (C-5), l39.2 (C-12), 147.3 (C-1), 155.1 (
    C4), 164.8 (C-l6 および C=0); (実測: MH + , 482.l56364 C 21 H 23 D 2 N 3 O 8 S はMH+
    , 482.l56615を必要とする); HPLC, R t 5.65 分

    【0132】 化合物3bの製造

    【化9】

    【0133】 乾燥ジクロロメタン(40ml)中の2−ニトロ−4−メチルベンゾエートスルホニルクロリド1(1.10g、3.90mmol)とトリエチルアミン(0
    . 39g、3.90mmol)の攪拌溶液に乾燥ジクロロメタン(20ml)中のアミン2b(0.95g、3.9mmol)を30分間にわたって0℃で加えた。 反応混合物をさらに3時間室温で攪拌し、次いで、真空濃縮して黄色の油状物質を得た。 溶出剤として[MTBE:ヘキサン(1:1)]を用いるクロマトグラフィーとそれに続くMTBE(5ml)とヘキサン(2ml)からの再結晶化による精製により白色フレークとしてスルホンアミド3b(1.51g、79
    %)を得た;融点131〜132℃;R 0.28[MTBE:ヘキサン(1:
    1)];(実測:C,53.7;H,5.4;N,8.4;S,6.5。C 22 H 27 N O SはC,53.5;H,5.
    5;N,8.5;S,6.5%を必要とする)δ H (DMSO-d 6 ) 1.38 (9H, s, H-l8), 3.l0 (2H,
    t,J8, H-9), 3.24 (2H, t, J8, H-l0), 3.95 (3H, s, O-Me), 4.32 (2H, s, H11
    ), 7.l3-7.32 (5H, m, H-13, 14 および 15), 8.09 (1H, d, J8, H-6), 8.29 (1
    H, s, H-3), 8.32 (1H, d, J8, H-3); δ C (DMSO-d 6 ) 28.3 (C-l8), 40.2 (C-9
    および 10), 46.2 (C-11), 53.2 (O-Me), 79.3 (C-17), 125.1 (C-13), 127.2 (
    C-14 および 15), 128.6 (C-6), 130.3 (C-13), l33.1 (C-5), 134.4 (C-12), 1
    36.6 (C-1), 147.6 (C-4), l63.7 (C-16 および C=0); MS (エレクトロスプレー
    -ve) m/z 492 (MH) - ; HPLC, R t 5.99 分

    【0134】 化合物4bの製造

    【化10】

    【0135】 メタノール(2ml)中のエステル3b(0.40g、0.80mmol)を1Mの水酸化ナトリウム水溶液(1.60ml、1.60mmol)で処理し、
    室温で1時間攪拌した。 次いで、反応物を真空濃縮し、残渣を水(10ml)に溶解し、次いで、0℃にて1Mの塩酸(1.80ml、1.80mmol)で酸性化した。 得られた白色沈殿をジクロロメタン(3×10ml)で抽出した。 合した有機抽出液をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na SO )、減圧下で蒸発させて白色の固体として酸4bを得た(0.36g、93%);融点123.7
    〜124.8℃;R 0.59[MTBE:ヘキサン(1:1)]。 δ H (DMSO-
    d 6 ) 1.42 (9H, s, H-18), 3.12 (2H, m, H-9), 3.22 (2H, m, H-10), 4.38 (2H,
    s, H11), 7.18-7.42 (5H, m, H-l3, l4 および 15), 8.11 (1H, d, J8, H-6),
    8.39 (1H, d, J8, H-3); 8.45 (1H, s, H-3); δ C (DMSO-d 6 ) 27.8 (C-18), 40.
    1 (C-9 および 10), 45.9 (C-11), 79.1 (C-17), 124.8 (C-13), 126.9 (C-14
    および 15), 128.4 (C-6), 129.9 (C-13), 132.9 (C-5), 135.8 (C-12), 137.9
    (C-1), 147.5 (C-4), l53.9 (C-2), 163.7 (C-16 および C=0); MS (エレクトロスプレー -ve) m/z 478 (MH) - ; HPLC, R t 5.56 分

    【0136】 化合物5の製造

    【化11】

    【0137】 DMF(4ml)とジクロロメタン(2ml)中の、平均ビーズ径が150μ
    mで0.4mmolg −1で充填されたアミン樹脂(アルゴゲル−NH )(0
    . 37g、0.15mmol)の懸濁液に安息香酸(4a)(0.22g、0.
    45mmol)および安息香酸(4b)(0.22g、0.45mmol)、次いでPyBOP(0.47g、0.9mmol)およびHOBT(0.12g、
    0.90mmol)、4分後ヒューニッヒ塩基(0.21g、1.80mmol
    )を加えた。 反応物を窒素とともに18時間攪拌し、次いで、樹脂をジクロロメタン(6×10ml)、DMF(6×10ml)、ジクロロメタン(6×10m
    l)、エーテル(2×10ml)で洗浄し、真空乾燥させて黄色の固体としてスルホンアミド樹脂5を得た(0.43g、97%);カイザーテストは陰性であった;ブロモフェノールブルーテストは陰性であった。

    【0138】 化合物6の製造

    【化12】

    【0139】 ジクロロメタン(2ml)に保護樹脂(0.39g、0.13mmol)を懸濁し、トリフルオロ酢酸(2×4ml)で5分間処理した。 溶媒を濾去し、樹脂をDMF中の10%DIPEA溶液(3×5ml)、ジクロロメタン(6×5m
    l)、DMF(6×5ml)、ジクロロメタン(6×5ml)、エーテル(2×
    5ml)で洗浄した。 次いで、DMF(4ml)とジクロロメタン(2ml)にアミン樹脂を懸濁し、Rink酸(0.51g、0.90mmol)、次いで、
    PyBOP(0.47g、0.9mmol)およびHOBT(0.12g、0.
    90mmol)を加えた。 4分後、ヒューニッヒ塩基(0.21g、1.80m
    mol)を加えた。 反応物を窒素とともに18時間攪拌し、次いで、樹脂をジクロロメタン(6×10ml)、DMF(6×10ml)、ジクロロメタン(6×
    10ml)、エーテル(2×10ml)で洗浄し、真空乾燥させて黄色の固体としてスルホンアミド樹脂6を得た(0.43g、100%);カイザーテストでは陰性であった;ブロモフェノールブルーテスでトは陰性であった;樹脂充填は定量的Fmoc基開裂から推定して98%。

    【0140】 化合物7の製造

    【化13】

    【0141】 樹脂(6)(0.20g、0.06mmol)をDMF中の20%ピペリジン溶液(2×3ml)で10分間処理した。 溶媒を濾去し、樹脂をDMF(6×3
    ml)、ジクロロメタン(6×3ml)、エーテル(2×3ml)で洗浄した。
    この樹脂をDMF(1ml)とジクロロメタン(1ml)に懸濁し、安息香酸(
    12mg、0.01mmol)、次いで、PyBOP(52mg、0.1mmo
    l)およびHOBT(13mg、0.1mmol)を加えた。 4分後、ヒューニッヒ塩基(26mg、0.2mmol)を加えた。 反応物を窒素とともに3時間攪拌し、次いで、樹脂をジクロロメタン(6×1ml)、DMF(6×1ml)
    、ジクロロメタン(6×1ml)、エーテル(2×1ml)で洗浄し、真空乾燥させて黄色の固体としてスルホンアミド樹脂7を得た(51mg、100%);
    カイザーテストでは陰性であった;ブロモフェノールブルーテストでは陰性であった。

    【0142】 化合物8の製造

    【化14】

    【0143】 少量の樹脂(7)を脱保護溶液A(0.5ml)で1時間処理した。 樹脂を濾過し、次いで、得られた溶液をエレクトロスプレー質量分析で分析した;MS(
    エレクトロスプレー −ve)m/z 582/584(M−H);HPLC、
    R,4.49分。 溶液A;MeCN(3ml)中のメルカプトエタノール(0.23ml、3.0
    mmol)およびDBU(0.67ml、4.5mmol)

    【0144】 実施例5 第1開裂部位にddeリンカーを含む構築物の製造 Rink型リンカーを介してエチレンジアミン質量スペクトルピーク分割物に、従って「dde」リンカーを介して樹脂に連結された安息香酸モデル基質を含む構築物を以下のスキーム6に示される反応スキームに従って製造した。 ヒドラジンを用いるdde基によって規定される第1開裂部位での構築物の開裂により質量分析の増感基として遊離アミノ基を有する分析フラグメントが生じる。

    【0145】

    【化15】

    【0146】 一般法 HPLCはC 18逆相カラム(Supelco、Supelcosil ABZ+、3.3mm。
    4.6mmΦ)を用いてHewlett Packard1050計測器で実施した。 方法A:
    移動相として10〜95%溶媒B勾配(1ml/分)。 [溶媒A:水中の1%T
    FA、溶媒B:MeCN:水(10:1)中の0.5%TFA、8分勾配時間]
    または方法B:移動相として10〜95%溶媒B勾配(1ml/分)を用いるC 18逆相カラム(Dynamax 60A、25mm、6mmΦ)[溶媒A:水中の1%
    TFA;溶媒B;MeCN:水(10:1)中の0.5%TFA、10分勾配時間]。 融点は50℃から2℃分−1で開口管を加熱する際にMettler FP5自動融点装置で実施し、補正はしなかった。

    【0147】 化合物10の製造

    【化16】

    【0148】 ジメチルホルムアミド(50ml)中のアジピン酸一エチルエステル(5.3
    3ml、30mmol)の溶液に4−ジメチルアミノピリジン(4.03g、3
    3mmol)、次いで、ジイソプロピルカルボジイミド(5.17ml、33m
    mol)を加えた。 25分後、ジメチルホルムアミド(25ml)中のジメドン(4.63g、33mmol)の溶液を加え、48時間攪拌を続けた。 反応混合物を酢酸エチル(300ml)で希釈し、0.5MのKHSO (2×100m
    l)、水(100ml)、飽和ブライン(50ml)で洗浄し、次いで乾燥させて(MgSO )、濾過して蒸発させた。 得られたスラリーを酢酸エチル(25
    0ml)でトリチュレートし、濾過して残渣を酢酸エチルで洗浄した。 合した濾液を蒸発させて黄色のゴム質を得、これを固相抽出によって精製し(1.5”×
    4”カラム、溶出剤:ジクロロメタン)、黄色の油状物質として化合物10を得た(7.43g、84%)。δ H (CDCl 3 , 400MHz): 4.04 (q, 2H, H 2 , 7 Hz), 2
    .97 (t, 2H, H 4 , 7.5 Hz), 2.46 (s, 2H, H 13 ), 2.28 (s, 2H, H 14 ), 2.26 (d,
    2H, H 7 , 7.5 Hz), 1.60 (m, 4H, H 5,6 ), 1.00 (s, 6H, H 16 ). δ C (CDCl 3 , 400
    MHz): 205.l5 (C-12), 197.58 (C-11), l95.08 (C-3), 173.47 (C-8), 112.02 (
    C-10), 60.27 (C-2), 52.67 (C-4), 46.80 (C-l3), 40.04 (C-14), 34.15 (C-7)
    , 30.72 (C-15), 28.23 (C-l6), 24.64 (C-5), 24.01 (C-6), 14.31 (C-1). ν m ax (cm -1 ): 2960 (OH), 1734 (C=0 エステル), 1665 (C=0 ketone), l564, 1445
    , 1143. MS: (エレクトロスプレー +ve) m/z 297 (MH) + (エレクトロスプレー -
    ve), 295 (MH) - . HP LC 法A: 5.31 分, 97%. 254nm

    【0149】 化合物11の製造

    【化17】

    【0150】 テトラヒドロフラン(5ml)中の化合物10の溶液に2Mの水酸化ナトリウム溶液(2ml、4mmol)を加えた。 3時間後、反応混合物を10%塩酸水溶液(50ml)の上に注ぎ、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。 合した有機相を乾燥させ(MgSO )、濾過して蒸発させて、灰白色の固体として化合物11を得た。 δ H (CDCl 3 , 400MHz): 2.99 (dd, 2H, H 2 , 5 Hz), 2.47 (s, 2
    H, H 10 ), 2.34 (dd, 2H, H 5 , 5Hz), 2.29 (s, 2H, H 11 ), 1.63 (m, 4H, H 3,4 ),
    1.00 (s, 6H, H 13,14 ). δ C (CDCl 3 , 400 MHz): 205.l5 (C-9), 197.58 (C-8),
    195.08 (C-1), l73.47 (C-6), 112.02 (C-7), 52.96 (C-2), 47.11 (C-10), 40.
    40 (C-l1), 33.92 (C-5), 30.72 (C-12), 28.23 (C-13,l4), 24.64 (C-3), 24.0
    1 (C-4). ν max (cm -1 ): 3030 (酸 OH), 1702 (酸C=0), 1646 (ケトンC=0). 融点
    : 58.2℃. MS:(エレクトロスプレー +ve) m/z 269 (MH) + (エレクトロスプレー
    -ve), 267 (MH) + . HPLC 方法 A: 4.15 分,97%., 254nm.

    【0151】 化合物12の製造

    【化18】

    【0152】 ジクロロメタン(2ml)中の化合物11(268.4mg、1mmol)の溶液にジクロロメタン(3ml)中のN−(t−ブトキシカルボニル)−N−ジアミノエタン(187.3mg、0.75mmol)とN−(t−ブトキシカルボニル)−N−(α−ジジュウテロ)ベンジルジアミノエタン(189.3、g
    、0.75mmol)の溶液と、次いでジイソプロピルエチルアミン(348.
    4μl、2mmol)を加えた。 20時間攪拌した後、反応混合物を蒸発させ、
    酢酸エチル(25ml)に再溶解し、10%クエン酸溶液(3×10ml)、水(10ml)、および飽和ブライン(10ml)で洗浄した。 有機相を乾燥させ(MgSO )、濾過して蒸発させ、次いで、フラッシュクロマトグラフィー(
    クロロホルム中の1〜3%メタノール)によって精製して黄色のゴム質として化合物12を得た。 (474.5mg、95%)。 δ H (CDCl 3 , 400MHz): l3.50 (
    bs, 1H, H 20 ), 7.30 (m, 5H, H l7 ), 4.45 (bd, 1H, H 18 ), 3.47 (bd, 4H, H 15,1 6 ), 2.90 (m, 2H, H 2 ), 2.40 (t, 2H, H 5 , 7.4Hz), 2.30 (s, 4H, H 10,11 ), 1.7
    5 (m, 2H, H 4 ), 1.45 (m, 11H, H 3,l9 ). ν max (cm -1 ): 3030 (酸 OH), 1730 (C
    =0, Boc, 酸), 1690 (ケトンC=0), 1570 (共役エナミン). MS: (エレクトロスプレー +ve) m/z: 503, 501 (MH) + (エレクトロスプレー -ve), 502, 499 (MH) - .
    HPLC 法 A: 5.35 分,>97%. 230, 254nm.

    【0153】 化合物13の製造

    【化19】

    【0154】 ジクロロメタン(6ml)中の化合物12(310mg、0.62mmol)
    の溶液に1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(110.8mg、0.82mmo
    l)およびPyBOP(426.6mg、0.82mmol)を加えた。 5分後、ジクロロメタン(1ml)中の平均ビーズ径が150μmのアミノメチルアルゴゲル(登録商標)(500mg、0.205mmol、0.41mmol/g
    充填物)の懸濁液にこの溶液を加えた。 反応混合物を5分間攪拌し、次いで、ジイソプロピルエチルアミン(285.7μl、1.64mmol)を加えて、1
    6時間攪拌を続けた。 樹脂をDMF(5×)およびDCM(5×)で洗浄し、次いで真空乾燥させて樹脂13を得た(573.5mg)樹脂はブロモフェノールブルーテスト陰性であった。

    【0155】 化合物14の製造

    【化20】

    【0156】 樹脂13(475.5mg)をジクロロメタンで膨潤させ、次いで、ジクロロメタン(1ml)中のフェノール(60mg)の溶液、次いで、トリフルオロ酢酸(3ml)で処理した。 反応混合物を10分間攪拌し、次いで、水分を除き、
    ジクロロメタン(2×)で洗浄した。 反応を反復し、次いで、樹脂をジクロロメタン(1×)、ジメチルホルムアミド中の20%ジイソプロピルエチルアミン(
    3×)、ジメチルホルムアミド(5×)およびジクロロメタン(5×)で洗浄してアミノ樹脂中間体を得た(これはブロモフェノールブルーでは陽性であった)
    。 ジクロロメタン(2ml)にこの樹脂を懸濁し、ジメチルホルムアミド(2m
    l)中のC−4リンク酸(351.5mg、0.62mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(110.8mg、0.82mmol)およびPyBOP
    (426.6mg、0.82mmol)からなる予備形成溶液で処理した。 5分後、ジイソプロピルエチルアミン(285.7μl、1.64mmol)を加え、反応混合物を3時間攪拌し、その後、樹脂はブロモフェノールブルーテストでは陰性であった。 樹脂をDMF(5×)およびDCM(5×)で洗浄し、次いで真空乾燥させて樹脂14を得た(500.9mg)。

    【0157】 樹脂14の少量のサンプル(約0.5mg)をジメチルホルムアミド中の2%
    ヒドラジンで30分間処理した。 次いで、溶液をエレクトロスプレー質量分析で分析し、イオン700/702を得た。

    【0158】 化合物15の製造

    【化21】

    【0159】 樹脂14(65mg)をジメチルホルムアミド中の20%ピペリジン(2×3
    ml×10分)で処理し、次いで、ジメチルホルムアミド(5×)およびジクロロメタン(5×)で洗浄した。 樹脂はカイザーテストでは陽性であり、ジクロロメタン(1ml)に懸濁し、次いで、ジメチルホルムアミド(2ml)中の安息香酸(127mg、1.04mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(
    140mg、1.04mmol)およびPyBOP(541mg、1.04mm
    ol)からなる予備形成溶液で処理した。 5分後、ジイソプロピルエチルアミン(541mgμl、2.08mmol)を加え、反応混合物を72時間攪拌し、
    その後樹脂はカイザーテストでは陰性であった。 樹脂をDMF(5×)およびD
    CM(5×)で洗浄し、次いで、真空乾燥させて樹脂15を得た(60mg)。

    【0160】 樹脂の少量のサンプル(約0.5mg)をジメチルホルムアミド中の2%ヒドラジンで30分間処理した。 次いで、溶液をエレクトロスプレー質量分析で分析し、イオン582/584を得た。

    【0161】 実施例6 4×4×4組合せ合成による64メンバーのライブラリーの製造 4×4×4組合せ合成手順を用いる、種々のジアミド基質を含む64メンバーのライブラリーの構築物を製造することによって、組合せライブラリーの作製における本発明の構築物の有用性が証明されている。 ビーズの合成履歴を決定する手段を提供するために、また明確に制御されるビーズの分類および混合を可能にし(単に単純な統計的な分布によってのみ決定されるではなく)、その結果ライブラリーの64メンバー総てが形成されるために、多量の樹脂ビーズを64個の高周波標識したIroriI MicroKan(商標)容器に充填した。 Irori
    , of La Jolla, California, USAから入手できるMicroKan(商標)容器はポリプロピレンメッシュ側壁、30mgまでの樹脂収容力および330μlの内容積を有するポリプロピレン容器である。 MicroKan(商標)容器の使用は、分割・プール組合せ合成の合成される化合物数に関して利益をもたらすが、MicroKan(商標)容器は高周波タグをつけて提供され、これが各容器が同定され、従って反応シーケンスを通してモニターされるのを可能にするので、樹脂ビーズ上にコード構築物を構築する必要がない。 従って、各容器は反応シーケンスの最後で唯一の基質を含むので、容器の合成履歴がたどられ、各容器における基質の同一性を決定し、各反応工程が計画に従って進んだという経過を仮定することができる。

    【0162】 ジアミド基質を第1開裂部位にチオピリミジンセーフティーキャッチリンカー、N−ベンジルピーク分割基を有するジアミノエタン連結基、基質をジアミノエタン連結基に結合する第2開裂部位に感光性リンカーを含む足場上に構築した。

    【0163】 N−ベンジルジアミノエタンピーク分割基および感光性ピリミジンリンカー基を含む中間体構築物を以下のスキーム7に示される反応シーケンスによって製造し、その後の合成工程および組合せライブラリーの製造はスキーム8に示されている。 各スキームの実験の詳細は以下に示されており、実験に用いられた化合物および構築物番号は2つのスキーム中の構築物/化合物番号に該当する。

    【0164】

    【化22】

    【0165】 ピリミジン構築物の実験 DMF(40ml)中の4−(クロロメチル)安息香酸(3.91g、23m
    mol)、HATU(8.74g、23mmol)およびDIPEA(7.95
    ml、46mmol)の溶液を20分間振盪し、次いで、平均ビーズ径が150
    μmで0.46mmolg −1で充填されたアルゴゲル樹脂1(1g、0.46
    mmol)にこの溶液を加え、全体を5時間振盪した。 次いで、樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂(2)を真空乾燥させた。

    【0166】 樹脂2にジオキサン(80ml)とエタノール(20ml)中のチオ尿素(8
    . 4mg、110mmol)のスラリーを加え、全体を80℃16時間で加熱した。 樹脂から水を抜き、DMF(×5)、DCM(×5)、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄して樹脂3を得た。 次いで、樹脂を真空乾燥させた。

    【0167】 樹脂3にDMF(100ml)中のメチル−2−(ジメチルアミノメチレン)
    −3−オキソブタノエート(2.4g、13.8mmol)およびトリエチルアミン(0.96ml、6.9mmol)の溶液を加え、全体を80℃で16時間加熱した。 樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂(4)を真空乾燥させた。 次いで、樹脂4
    をTHFと2NのNaOH水溶液の1:1混合物(100ml)で処理し、2時間振盪した。 次いで、樹脂から水を抜き、THF/H O、10%AcOH/T
    HF、THF/H O、THF、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄し、次いで、真空乾燥させて樹脂5を得た。

    【0168】 樹脂5(5g、2.3mmol)にDMF(30ml)中のPyBOP(登録商標)(3.6g、6.9mmol)およびDIPEA(2.4ml、25mm
    ol)の溶液、次いで、DMF(1ml)中の1−ベンジル−1−t−ブトキシカルボニル−1,2−ジアミノエタン(0.86g、3.5mmol)および1
    −(ジジュウテロベンジル)−1−t−ブトキシカルボニル−1,2−ジアミノエタン(0.86g、3.5mmol)の溶液を加え、全体を4時間振盪した。
    樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt
    で洗浄した。 次いで、樹脂にDCM(20%、30ml)中の20%THF水溶液の溶液を加え、2時間振盪した。 樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMで洗浄し、DMF中の10%DIPEAとともに10分間振盪した。
    樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMさらに最終的にEt
    で洗浄した。 次いで、樹脂(6)を真空乾燥させた。

    【0169】

    【化23】

    【0170】 スキーム8の実験 DMF(10ml)にフォトリンカー酸11(0.416g、1.47mmo
    l)、DIPEA(0.51ml、2.94mmol)およびPyBOP(0.
    765g、1.47mmol)を溶解し、10分間静置した。 次いで、樹脂6(
    0.7g、0.294mmol)にこれを加え、4時間振盪した。 樹脂から水を抜き、DMF、DCM、Et O、DCMで洗浄し、次いで、DMF中の10%
    DIPEAとともに10分間振盪した。 樹脂から水を抜き、DMF、DCM、E
    O、DCMさらに最終的にEt Oで洗浄した。 次いで、樹脂(7)を真空乾燥させた。

    【0171】 還元アミノ化工程の一般手順 DCM(30ml)中に16個のirori MicroKan(商標)容器(各々10mg、0.004mmol樹脂7を含む)を含む容器に予備混合したDCM
    (2ml)中のアミン(量に関しては以下の表を参照)および酢酸(46μl、
    0.768mmol)の溶液を加え、20分間振盪した。 次いで、容器にDCM
    (5ml)中のテトラメチルアンモニウムボロヒドリド(0.404mg、1.
    54mmol)と酢酸(46μl、0.768mmol)の混合物を加え、容器を16時間振盪した。 次いで、容器から水を抜き、MicroKan(商標)容器をDCM、DMF、DCMおよびEt Oで洗浄した(各3回)。

    【0172】

    【化24】

    【0173】 アミノ酸を用いるアシル化工程の一般手順 DMF(30ml)中に16個のIrori MicroKan(商標)容器を含む4個の容器(各容器は10mg、0.004mmolの樹脂8を含む)の各々にDMF(5ml)中のPyBOP(333mg、0.64mmol)、DIPE
    A(224μl、1.28mmol)および1種のアミノ酸(量については以下の表参照)の溶液を加え、混合物を16時間振盪した。 次いで、容器から水を除き、MicroKan(商標)容器をDMF、DCM、DMF、DCMおよびE
    Oで洗浄した(各3回)。 次いで、64個のMicroKan(商標)容器総てを含む容器にDMF中のピペリジン(20%)の溶液を加え、3時間振盪した。 次いで、容器から水を抜き、MicroKan(商標)容器をDMF、DC
    M、DMF、DCMおよびEt Oで洗浄した(各3回)。

    【0174】

    【化25】

    【化26】

    【0175】 酸を用いるアシル化工程の一般手順 DMF(30ml)中に16個のIrori MicroKan(商標)容器(各容器は10mg、0.004mmolの樹脂9を含む)を含む4個の容器の各々にDMF(5ml)中のPyBOP(333mg、0.64mmol)、DIPE
    A(224μl、1.28mmol)および1種の酸(量については表3参照)
    の溶液を加え、混合物を16時間振盪した。 次いで、容器から水を除き、Mic
    roKan(商標)容器をDMF、DCM、DMF、DCMおよびEt Oで洗浄した(各3回)。

    【0176】

    【化27】

    【化28】

    【0177】 樹脂10の分析的開裂の一般手順樹脂10をDCM中のメタ−クロロ−ペル安息香酸(mcpba)の10%溶液で4時間処理する。 次いで、溶液を濾去し、ビーズをDCMで洗浄する。 次いで、64個のMicroKan(商標)容器各々からの1個のビーズをDMSO
    中の1−メチルピペラジンの10%溶液で処理し、16時間静置する。 次いで、
    得られる開裂した溶液をエレクトロスプレー質量分析による分析に付す。 開裂した分析構築物の質量スペクトルは以下の表で列の最初のものが「構築物開裂」において同定されるスペクトルに示されている。 最初の4個の単量体の組合せの質量スペクトルが図11〜14に示されている。

    【0178】 樹脂10の光分解の一般手順 64個のMicroKan(商標)容器各々からの1個のビーズをDMSO(
    0.2%H NNH を含む)中で膨潤させ、次いで、光分解に4時間付し、溶液をエレクトロスプレー質量分析による分析に付す。 ライブラリーの光分解開裂産物の質量スペクトルは以下の表で列の最初のものが「UV開裂」において同定されるスペクトルに示されている。 最初の4個の単量体の組合せの質量スペクトルが図15〜18に示されている。

    【0179】

    【表4】

    【表5】

    【0180】 図の質量スペクトルから分かるように、構築物が第2開裂部位で光分解的に開裂され、基質を遊離する場合には、基質上にいずれかの容易にイオン化できる基がないということは質量スペクトルが強い分子イオンを示さず、従って、基質の同定が困難であるということを意味する。 しかしながら、ビーズへの構築物が第1開裂部位で開裂されて基質ならびに増感およびピーク分割基を含む分析フラグメントを遊離する場合には、強く、特徴的で、かつ、容易に同定可能な分割分子イオンが生じ、それによって基質が同定されるのが可能となる。 ほとんどの場合では、質量スペクトルの分子イオンからの基質の同定は各MicroKan(商標)中の樹脂ビーズの既知の合成履歴から予測される同一性と関連していた。 しかしながら、ある反応では、基質は用いられた開裂条件下で酸化産物を形成し、
    セーフティーキャッチリンカーを開けたが、かかる酸化産物は質量スペクトルのM+16イオンのように容易に同定できる。 従って、本発明の構築物のさらなる利点は、計画に従って特定の反応が進行しなかった場合に測定する手段を提供することである。

    【0181】 本発明の二重リンカー構築物は開裂により質量分析増感基を含む分析構築物が遊離されるか、または基質が放出されるのいずれかを可能にする。 従って、構築物は1個のビーズレベルで構築物が1個のリンカーしか含まず、かつ、質量分析増感基を含まなかった場合には可能でなかったであろう方法でQC手順が実施されるのを可能にする。

    【0182】 実施例7 第1開裂部位にAllocリンカーを含む構築物の製造第1開裂部位にアリルオキシカルボニル(「Alloc」)リンカーおよび第2開裂部位に酸不安定性Rinkリンカーを含む構築物の例をスキーム9に示される反応スキームに従って製造した。 この実施例では、パラジウム(0)を用いてアリルオキシカルボニル基をジアミノエタン基のアミノ基から開裂し、遊離アミノ基を放出し、これは次いで質量分析増感基として機能し得る。

    【0183】

    【化29】

    【0184】 スキーム9の実験 一般法この節では、化合物番号はスキーム9の化合物番号に該当する。 総ての洗浄は記載された溶媒で5倍量で実施した。 標準洗浄手順A:DMF、
    DCM、DMF、DCM、Et O、DCMおよびEt O、総て各5倍量。

    【0185】 DMF(0.5ml)に市販の酸2(65mg、0.115mmol)(Neos
    ystems)を溶解し、これにDIPEA(40μl、0.23mmol)、次いでHATU(44mg、0.115mmol)を加えた。 この混合物を5分間静置し、次いで、市販の平均ビーズ径が150μmで0.46mmolg −1で充填されたアルゴゲルNH2(樹脂1)(50mg、0.023mmol)に加え、
    2時間振盪した。 次いで、樹脂から水を抜き、標準洗浄手順Aに従って洗浄し、
    次いで、真空乾燥させた。 次いで、樹脂をDCM、TFAおよびTESの溶液(
    1ml、それぞれ95:2:5)で2時間処理し、次いで、前記のように洗浄して水を抜き、次いで、このDCM、TFA、およびTESでの処理を1時間反復した。 樹脂を標準洗浄手順Aに従って洗浄して水を抜き、樹脂3を得た。

    【0186】 次いで、樹脂3(50mg、0.023mmol)をDCM(1ml)中の4
    −ニトロフェニルクロロホルメート(23mg、0.115mmol)の溶液で処理し、16時間振盪した。 次いで、樹脂から迅速に水を抜き、DCMおよびE
    Oで洗浄して樹脂4を得た。 これにDCM(1ml)中のアミン7(50m
    g、0.2mmol)および8(50mg、0.2mmol)およびDIPEA
    (70□l、0.4mmol)の溶液を直接加え、16時間振盪した。 次いで、
    樹脂から水を抜き、標準洗浄手順Aに従って洗浄し、次いで真空乾燥させた。 次いで、この樹脂をDCM(1ml)中の20%TFAの溶液で処理し、2時間振盪した。 樹脂から水を抜き、DMF(2ml)中の10%DIPEAの溶液で洗浄し、次いで、水を抜き、標準洗浄手順Aに従って洗浄し、次いで、真空乾燥させて樹脂5を得た。

    【0187】 DMF(0.5ml)にRink酸9(65mg、0.115mmol)を溶解し、DIPEA(40□l、0.23mmol)およびHATU(44mg、
    0.115mmol)を加え、この混合物を5分間静置した。 次いで、樹脂5(
    25mg、0.012mmol)にこの溶液を加え、2時間振盪した。 標準洗浄手順Aに従って樹脂を洗浄し、水を抜き、真空乾燥させた。 次いで、樹脂をDM
    F(1ml)中のピペリジンの20%溶液で1時間処理した。 標準洗浄手順Aに従って樹脂を洗浄し、水を抜き、真空乾燥させた。 DMF(0.5ml)に安息香酸(14mg、0.115mmol)を溶解し、DIPEA(40□l、0.
    23mmol)およびHATU(44mg、0.115mmol)を加え、この混合物を5分間静置した。 次いで、樹脂にこの溶液を加え、2時間振盪した。 標準洗浄手順Aに従って樹脂を洗浄し、水を抜き、真空乾燥させて樹脂6を得た。

    【0188】 樹脂6の開裂:方法1樹脂6(0.5mg)をDCM中で膨潤させ、次いで、(Ph P) Pd(
    0)(2.7mg、2.3E −3 mmol)、次いでモルホリン(10ml、0
    . 11mmol)を加え、混合物を1時間振盪した。 液体のサンプルを取り、エレクトロスプレー質量分析によって分析して図17に示されるような分析を得た。 これまでの実施例に関するように、質量分析増感基およびピーク分割基の存在が強い分子イオンが形成され、容易に同定されるのを可能にする。

    【0189】 樹脂6の開裂:方法2樹脂6(0.5mg)をDMSO、THFおよび0.5MのHClの混合物(
    0.5ml、それぞれ2:2:1)中で膨潤させ、次いで、(Ph P) Pd
    (0)(2.7mg、2.3E −3 mmol)、次いで、モルホリン(10ml
    、0.11mmol)を加え、混合物を1時間振盪した。 液体のサンプルを取り、エレクトロスプレー質量分析によって分析して図18に示されるような分析を得た。

    【0190】 実施例8 アントラセニルUV発色団を含む構築物の製造 UVスペクトロメトリーを用いて固相反応の産物に関する正確な定量情報を提供することができるということを証明するために、アントラセニルUV発色団を含む構築物を以下のスキーム10、11および12に示される合成経路に従って製造した。 構築物は第1開裂部位にスルホンアミドリンカー、第2開裂部位にR
    inkリンカーをともなって、エチレンジアミン鎖が2つのリンカーを連結し、
    ジアミン鎖の2個の窒素原子がUV発色団の接着点として働き、ピーク分割重水素標識ベンジル基または非標識ベンジル基をともなって提供される。

    【0191】 以下のスキーム10は非樹脂結合型中間体構築物の合成を例示し、スキーム1
    1はスキーム10の構築物の樹脂支持体への接着と、その後の樹脂に対する反応を例示し、スキーム12は種々の基質基の構築物への接着とそれに続く開裂実験を例示する。 以下の実験節では、用いられる化合物番号はスキーム10、11および12において同定される化合物に該当する。

    【0192】

    【化30】

    【0193】 スキーム10の実験

    【化31】

    【0194】 化合物12(x= H、 H)の製造乾燥ジクロロメタン(1ml)中のアミン( x=H、H )(11)(0.05
    mmol)の溶液に乾燥トリエチルアミン(25μl、0.2mmol)を加えた。 次いで、乾燥ジクロロメタン(0.5ml)中の2−ニトロ−4−メチルベンゾエートスルホニルクロリド(10)(25mg、0.1mmol)の溶液を滴下し、混合物を15分間攪拌した。 溶媒を真空蒸発させて、残渣を溶出剤として2:1ヘキサン/酢酸エチルを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、無色の油状物質としてスルホンアミド(12)(23.3mg、95%
    )を得た、R 17/50[ヘキサン−酢酸エチル(2:1)];(実測:C,53
    .7;H,5.4;N,8.4;;S,6.5。 C 22 H 27 N O SはD,53.3;H,5.5;N,8.5;S,6.5%を必要とする); δ H (DMSO-d 6 ) 1.38 (9H, s, H-18), 3.lO (2H, t, J8, H-9), 3.2
    4 (2H, t, J8, H-lO), 3.95 (3H, s, O-Me), 4.32 (2H, s, H11), 7.13-7.32 (5
    H, m, H-13, 14 およびl5), 8.09 (1H, d,J8, H-6), 8.29 (1H, s, H-3), 8.32
    (1H, d, J8, H-3); δ C (DMSO-d 6 ) 28.3 (C-l8), 40.2 (C-9 および10), 46.2 (
    C-1l), 53.2 (O-Me), 79.3 (C-17), 125.1 (C-13), l27.2 (C-14 および15), l2
    8.6 (C-6), l30.3 (C-13), 133.1 (C-5), l34.4 (C-12), 136.6 (C-1), l47.6 (
    C-4), 163.7 (C-16 およびC=0); MS (エレクトロスプレー -ve) m/z 494 (MH)-
    ; HPLC, Rt 6.8 分

    【0195】 化合物12(x= H、 H)の製造乾燥ジクロロメタン(1ml)中のアミン( x= H、 )(11)(0.
    05mmol)の溶液に乾燥トリエチルアミン(25μl、0.2mmol)を加えた。 次いで、乾燥ジクロロメタン(0.5ml)中の2−ニトロ−4−メチルベンゾエートスルホニルクロリド(10)(25mg、0.1mmol)の溶液を滴下し、混合物を15分間攪拌した。 溶媒を真空蒸発させて、残渣を溶出剤として2:1ヘキサン/酢酸エチルを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、無色の油状物質としてスルホンアミド(12)(23.5mg、9
    4%)を得た、R 17/50[ヘキサン−酢酸エチル(2:1)];(実測:
    C,53.2;H,5.6;N,8.5;;S,6.4。 C 22 H 25 D N O SはD,53.3;H,5.5;N,8.5;S,6.
    5%を必要とする); δ H (DMSO-d 6 ) 1.40 (9H, s, H-18), 3.05 (2H, m, H-9), 3
    .20 (2H, dt, J3 および13, H10), 3.9 (3H, s, O-Me), 7.lO-7.35 (5H,m, H-l3
    , l4 and l5), 8.09 (lH, d,J8, H-6), 8.35 (1H, d,J8, H-5), 8.40 (1H, m, H
    -8), 8.45 (1H, s, H-3),; δc (DMSO-d 6 ) 27.8 (C-18), 40.9 (C-9 および10), 45.9 (C-1
    1), 53.0 (0-Me), 79.1 (C-l7), 124.8 (C-l3), 127.0 (C-14 およびl5), 128.3
    (C-6), l30.0 (C-13), 132.9 (C-5), 134.2 (C-12), l36.4 (C-1), l47.5 (C-4
    ), l54.7 (C-2), 163.5 (C-16 and C=0); MS(エレクトロスプレー +vc) m/z 496
    (MH) + ; HPLC, R t . 6.8 分

    【0196】 化合物13および1の製造

    【化32】

    ジ−t−ブチルアゾジカルボキシレート(32.6mg、142μmol)を窒素下、乾燥テトラヒドロフラン(0.5ml)に溶解し、窒素下、乾燥テトラヒドロフラン(1ml)に溶解した、トリフェニルホスフィン(37.1mg、


    142μmol)、3−(9−アントラセン)プロパノール(17.6mg、7


    4μmol)およびスルホンアミド12(X=H、Hおよび

    H、

    H(35m


    g、71μmol)の攪拌溶液に滴下した。 1時間後にはtlcにより反応が完了したと思われ、この溶液をほぼ乾固した。

    【0197】

    【化33】

    【0198】 残渣を10%トリエチルアミンを含有する2:1ヘキサン/酢酸エチルを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して無色の油状物質としてスルホンアミド13を得た(45mg、90%)。 R 15/38 (ヘキサン/酢酸エチル(2:1))
    ; MS(エレクトロスプレー+ve) m/z 612, 614 (MH-Boc) , MS(エレクトロスプレー-ve) m/z 756, 758 (M-H+蟻酸塩) HPLC, R 6.9分. 2Mの水酸化ナトリウム水溶液(0.35ml、0.7mmol)をメタノール−1,4−ジオキサン(
    4:1)(2ml)中のエステル13(0.25g、0.35mmol)の溶液に滴下した。 室温で1時間攪拌した後(単相を確保する必要に応じてメタノール−ジオキサン(約1ml)をさらに加える)、溶液を弱酸性にするのに十分な2
    MのHClを加えた。 この溶液を酢酸エチル(50ml)と水(10ml)の入った分液フラスコに移し、分離後、水相をさらに酢酸エチル(25ml)で抽出した。 合した有機抽出物を乾燥させ(MgSO )、減圧下で蒸発させて無色の油状物質として酸1を得た(0.23g、94%); R 2/40 [ヘキサン/酢酸エチル(2:1)];δ H (CDCl 3 ) 1.40 (9H, br. d, tBu), 1,90 (2H, br. m, CH 2 ), 3
    .3-3.7 (8H, br. m, 4xCH 2 ),7.lO-8.30 (l7H, br. m, Arom. H); MS (エレクトロスプレー +ve) m/z: 697, 699 HPLC, R t . 7.2 分

    【0199】

    【化34】

    【0200】

    【化35】

    【0201】 スキーム11および12の実験

    【化36】

    乾燥窒素でフラッシュした反応器に入れた乾燥アミノメチルアルゴゲル(登録商標)(平均ビーズ径150μlを有し、0.4mmolg

    −1で充填)を乾燥ジクロロメタン(5ml)で膨潤させた。 窒素でフラッシュした分液フラスコにおいて安息香酸(1)(0.67g、0.93mmol)、PyBOP(0.7


    28g、1.4mmol)および1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(0.1


    9g、1.4mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド(2ml)に溶解し、得られた溶液を2分攪拌した後、カニューレにより樹脂の懸濁液に移した。 ゆっくりとした窒素流を溶液に通し、5分間吸引させて確実に混合した後、ジイソプロピルエチルアミン(0.49ml、2.8mmol)を加えた。 攪拌を18時間続けた後、樹脂(2)から水を抜き、洗浄(ジクロロメタン(3×7ml)、ジメチルホルムアミド(3×7ml)次いでジクロロメタン(3×7ml))し、真空乾燥させた。 2の分析サンプルによるカイザーテストは陰性であった。

    【0202】

    【化37】

    【0203】 樹脂2(0.35mmol)をジクロロメタン(3ml)で膨潤させ、フェノール(66mg、0.7mmol)、次いでトリフルオロ酢酸(4.5ml)を加えた。 樹脂を窒素流を用いて5分間ゆっくりと攪拌し、次いで樹脂から水を抜き、ジクロロメタン(2×5ml)で洗浄した。 この工程を繰り返し、水抜き後に樹脂を洗浄(ジクロロメタン(3×8ml)、ジクロロメタン中10%ジイソプロピルアミン(2×6ml)、次いでジクロロメタン(4×8ml))し、真空乾燥させた。 分析サンプルによるカイザーテストは陽性であった。 窒素でフラッシュした反応器に入れた樹脂を乾燥ジクロロメタン(5ml)で膨潤させた。 窒素でフラッシュした分液フラスコにおいてC−4RINK酸(0
    . 795g、1.4mmol)、PyBOP(1.46g、2.8mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.378g、2.8mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド(3ml)に溶解し、得られた溶液をカニューレにより樹脂の懸濁液に移した。 この混合物を、窒素流を溶液に通して吸引させることにより、ゆっくりと攪拌し、5分後に乾燥ジイソプロピルエチルアミン(0.98
    ml、5.6mmol)を加えた。 攪拌を機械的振盪機で18時間続けた後、樹脂(3)から水を抜き、洗浄(ジクロロメタン(3×8ml)、ジメチルホルムアミド(3×5ml)次いでジクロロメタン(3×5ml))し、真空乾燥させた。 分析サンプルによるカイザーテストは陰性であった。

    【0204】

    【化38】

    【0205】 樹脂3のサンプル(50mg、14μmol)を1:1ジクロロメタン/ジメチルホルムアミド(2ml)中の20%v/vピペリジンで15分間処理した。
    樹脂から水を抜き、洗浄(ジクロロメタン(3×2ml)、ジメチルホルムアミド(3×2ml)次いでジクロロメタン(3×2ml))し、次いで真空乾燥させ、分析サンプルによるブロモフェノールブルーテストは陽性であった。 樹脂の入った反応器を窒素でフラッシュし、乾燥1:1ジクロロメタン/ジメチルホルムアミド(0.5ml)を加えた。 窒素でフラッシュした分液フラスコにおいてPyBOP(57mg、110μmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(15mg、110μmol)および好適な酸(4a〜d)(55μmol)を乾燥1:1ジクロロメタン/ジメチルホルムアミド(0.5ml)に溶解し、この溶液を樹脂の懸濁液に少量ずつ加え、窒素流を溶液に通して吸引させて確実に均質混合した。 18時間攪拌した後、樹脂から水を抜き、洗浄(ジクロロメタン(3×2ml)、ジメチルホルムアミド(4×2ml)次いでジクロロメタン(
    3×2ml))し、真空乾燥させて樹脂5a〜dを得た。 各々の分析サンプルによるカイザーテストは陰性であった。

    【0206】 4つの樹脂それぞれの少量のサンプルをアセトニトリル中のDBU/メルカプトエタノールで処理して6a〜dを得た。 これらをHPLCおよび低解像度質量スペクトルにより分析した: 6a(R=3-ジメチルアミノベンゾイル) HPLC R 4.51分, MS(エレクトロスプレー+
    ve) m/z 843.7および845.7; 6b(R=2-ナフチルアセトイル) HPLC R 5.41分, MS(エレクトロスプレー+ve) m/
    z 863.4および865.4; 6c(R=4-ペンテノイル) HPLC R 4.98分, MS(エレクトロスプレー+ve) m/z 778.
    7および780.7; 6d(R=t-ブチルアセトイル) HPLC R 5.18分, MS(エレクトロスプレー+ve) m/z
    795.0および797.0.

    【0207】 相対的定量ほぼ同量(約50mg)の樹脂5aおよび5bを合し、ジクロロメタン(2m
    l)中の4−メルカプト安息香酸(43mg、20μmol)およびモルホリン(49μmol)で処理した。 1時間後、溶液を流し、樹脂をジクロロメタン(
    2×1ml)で洗浄した。 これらの合した洗液を酢酸エチル(10ml)で希釈し、まず50%重炭酸ナトリウム飽和水溶液(3ml)、水(3ml)次いでブライン(2ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。 濾液を蒸発させて6aおよび6bの混合物約5mgを得た。 この混合物の成分比をまずHPLCにより調べ、254nmおよび386nmにおけるピーク面積を比較した。 これは H NMRスペクトルの特徴的な共鳴の積分の大きさから決定される比と相関した。

    【0208】

    【表6】

    【0209】

    【表7】

    【0210】 同様に、樹脂5cおよび5dの混合物から6cおよび6dの混合物を得、その比をさらにHPLCにより調べた。 これは H nmrスペクトルを用いて求めた比と相関した。

    【0211】

    【表8】

    【0212】

    【表9】

    最後に、6a、6b、6cおよび6dを1つの溶液に合し、これをHPLCおよび

    H nmrを用いて前の通り分析した:

    【0213】

    【表10】

    【0214】

    【表11】

    【0215】 樹脂3(214mg、59μmol)を1:1ジクロロメタン/ジメチルホルムアミド(3ml)中の20%v/vピペリジンで60分間処理した。 樹脂から水を抜き、洗浄(ジクロロメタン(3×3ml)、ジメチルホルムアミド(3×
    3ml)次いでジクロロメタン(3×3ml))し、次いで真空乾燥させ、分析サンプルによるブロモフェノールブルーテストは陽性であった。 次いで反応器を窒素でフラッシュし、樹脂を乾燥1:1ジクロロメタン/ジメチルホルムアミド(2ml)を膨潤させた。

    【0216】 窒素でフラッシュした分液フラスコにおいてPyBOP(245mg、470
    μmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(64mg、470μmol)
    および4−ペンテン酸(6.0μl、59μmol)、3−ジメチルアミノ安息香酸(19.5mg、120μmol)とt−ブチル酢酸(23μl、180μ
    mol)の混合物を乾燥1:1ジクロロメタン/ジメチルホルムアミド(1ml
    )に溶解し、この溶液を樹脂の懸濁液に少量ずつ加えた。 ゆっくりとした窒素流を混合物に通し、5分後にジイソプロピルアミン(165μl、940μmol
    )を加えた。 18時間攪拌した後、樹脂(7)から水を抜き、洗浄(ジクロロメタン(3×4ml)、ジメチルホルムアミド(4×4ml)次いでジクロロメタン(3×4ml))し、真空乾燥させた。 7の分析サンプルによるカイザーテストは陰性であった。

    【0217】 樹脂7の少量のサンプルをアセトニトリル中のDBU/メルカプトエタノールで処理して6a、6cおよび6dの混合物を得、これらの成分の相対量をHPL
    Cにより調べ、254および386nmにおけるピーク面積を比較した(表)。

    【0218】 次いで7の1個のビーズを選択して同様に開裂した。 成分比をさらにHPLC
    を用いて求めた。

    【0219】 約200mgの樹脂7(0.056μmol)をジクロロメタンで膨潤させ、
    過剰な溶媒を流し去った。 フェノール(10.5mg、0.112μmol)、
    次いで、この添加量が全体の3分の1となるようジクロロメタン中の80%トリフルオロ酢酸を加えた。 2時間攪拌した後、淡赤色の溶媒を丸底フラスコに流し入れ、樹脂を蒸留ジクロロメタン(3×3ml)で洗浄した。 合した有機物を乾固して第一級アミド8a、8cおよび8dの混合物を得た。 これらの成分比を H nmrスペクトルの特徴的な共鳴の積分の大きさを求めて調べた。

    【0220】

    【表12】

    【0221】

    【表13】

    【0222】

    【表14】

    【0223】 上記の表にある結果は、UV法により得られた比と十分に確立されかつ証明されたnmr分析法により得られた比との間に極めて優れた相関があることを示している。 よって固相合成の反応生成物についての定量情報を与える非常に厳密な手段がUV検出と分析を用いて得られることがデータにより示される。 特に重要なのは、UV分析により分析に利用できる化合物量がわずか1ナノモルのオーダーであるといった1ビーズレベルであっても定量的データが得られる厳密な手段が提供されることがわかったことである。

    【0224】 実施例9 UV発色団としてダンシル基を含有する構築物の製造第2のUV発色団含有構築物を製造したが、今回はアントラセニル基ではなくダンシル基をUV発色団として含有した。 構築物に導く一連の工程が下記スキーム13に示されている。 スキーム13よりわかるように、構築物はスルホンアミドリンカー基が第1開裂部位を与えて分析フラグメントの解離を可能にし、さらにRinkリンカーが第2開裂部位を与えて基質の解離を可能にするという実施例8の構築物に類似している。 しかしながら、本実施例ではスルホンアミド窒素と結合させるよりも、発色団とエチレンジアミン鎖とRinkリンカーとの間に位置するリジン基とを結合するほうがよい。

    【0225】

    【化39】

    【0226】 スキーム13の実験以下の実験詳細において、化合物または構築物番号とはスキーム13で確認される化合物または構築物をいう。

    【0227】 化合物3aの製造

    【化40】

    【0228】 乾燥ジクロロメタン(40ml)中の2−ニトロ−4−メチルベンゾエートスルホニルクロリド1(1.10g、3.90mmol)とトリエチルアミン(0
    . 39g、3.90mmol)の攪拌溶液に乾燥ジクロロメタン(20ml)中のアミン2a(1.00g、3.9mmol)を30分間にわたって0℃で加えた。 反応混合物をさらに2時間室温で攪拌し、次いで、真空濃縮して黄色の油状物質を得た。 溶出剤として[MTBE:ヘキサン(1:1)]を用いるクロマトグラフィーとそれに続くMTBE(5ml)とヘキサン(2ml)からの再結晶化による精製により白色フレークとしてスルホンアミド3a(1.53g、79
    %)を得た; 融点 129-130℃; R 0.31 [MTBE:ヘキサン(1:1)]; (実測: C,53.2
    ; H,5.6; N,8.5; S,6.4. C 22 H 25 D N O SはC,53.3; H,5.5; N,8.5; S,6.5
    %を必要とする。 );δ H (DMSO-d 6 ) 1.40 (9H, s, H-18), 3.05 (2H, m, H-9), 3.
    20 (2H, dt, J3 および 13, H-10), 3.9 (3H, s, O-Me), 7.10-7.35 (5H, m, H-
    13, 14 および 15), 8.09 (1H, d, J8, H-6), 8.35 (lH, d, J8, H-5), 8.40 (1
    H, m, H-8), 8.45 (1H, s, H-3),; δ C (DMSO-d 6 ) 27.8 (C-l8), 40.9 (C-9 および 10), 45.9 (C-11), 53.0 (O-Me), 79.1 (C-17), 124.8 (C-13), 127.0 (C-
    14 および 15), 128.3 (C-6), 130.0 (C-13), 132.9 (C-5), 134.2 (C-l2), 136
    .4 (C-1), 147.5 (C-4), 154.7 (C-2), 163.5 (C-l6 および C=0); MS (エレクトロスプレー +ve) m/z 496 (MH) + ; HPLC (方法 A), R t 6.07 分

    【0229】 化合物4aの製造

    【化41】

    【0230】 メタノール(2ml)中のエステル3a(0.40g、0.80mmol)を1Mの水酸化ナトリウム水溶液(1.60ml、1.60mmol)で処理し、
    室温で1時間攪拌した。 次いで、反応物を真空濃縮し、残渣を水(10ml)に溶解し、次いで、0℃にて1Mの塩酸(1.80ml、1.80mmol)で酸性化した。 得られた白色沈殿をジクロロメタン(3×10ml)で抽出した。 合した有機抽出液をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na SO )、減圧下で蒸発させて白色の固体として酸4aを得た(0.34g、88%); 融点 143-145℃
    ; R 0.58 [MTBE:ヘキサン(1:1)];δ H (DMSO-d 6 ) 1.29 (9H, s, H-18), 3.02 (
    2H, m, H-9), 3.20 (2H, dt, J3 および l3, H-10), 7.l0-7.40 (5H, m, H-13,
    14 および 15), 8.06 (1H, d, J8, H-6), 8.28 (1H, s, H-3), 8.30 (1H, d, J8
    ,H-3); δ C (DMSO-d 6 ) 27.9 (C-18), 40.9 (C-9 および 10), 45.9 (C-1l), 79.
    1 (C-l7), l24.5 (C-l3), 127.1 (C-l4 および 15), 128.4 (C-6), 129.5 (C-13
    ), l32.5 (C-5), 139.2 (C-12), 147.3 (C-1), 155.1 (C-4), 164.8 (C-16 および C=0); (実測: MH + , 482.156364 C 21 H 23 D 2 N 3 O 8 S MH + , は482.l56615を必要とする); HPLC (方法 A), R t 5.65 分

    【0231】 化合物3bの製造

    【化42】

    【0232】 乾燥ジクロロメタン(40ml)中の2−ニトロ−4−メチルベンゾエートスルホニルクロリド1(1.10g、3.90mmol)とトリエチルアミン(0
    . 39g、3.90mmol)の攪拌溶液に乾燥ジクロロメタン(20ml)中のアミン2b(0.95g、3.9mmol)を30分間にわたって0℃で加えた。 反応混合物をさらに3時間室温で攪拌し、次いで、真空濃縮して黄色の油状物質を得た。 溶出剤として[MTBE:ヘキサン(1:1)]を用いるクロマトグラフィーとそれに続くMTBE(5ml)とヘキサン(2ml)からの再結晶化による精製により白色フレークとしてスルホンアミド3b(1.51g、79
    %)を得た; 融点 131-132℃; R 0.28 [MTBE:ヘキサン(1:1)]; (実測: C,53.7
    ; H,5.4; N,8.4; S,6.5. C 22 H 27 N O SはC,53.5; H,5.5; N,8.5; S,6.5%を必要とする。 );δ H (DMSO-d 6 ) 1.38 (9H, s, H-l8), 3.10 (2H, t, J8, H-9), 3
    .24 (2H, t, J8, H-10), 3.95 (3H, s, O-Me), 4.32 (2H,s, H11), 7.13-7.32 (
    5H, m, H-l3, 14 および l5), 8.09 (1H, d, J8, H-6), 8.29 (lH, s, H-3), 8.
    32 (lH, d, J8, H-3); δ C (DMSO-d 6 ) 28.3 (C-18), 40.2 (C-9 および l0), 46
    .2 (C-11), 53.2 (O-Me), 79.3 (C-l7), l25.1 (C-13), 127.2 (C-14 および 15
    ), l28.6 (C-6), l30.3 (C-13), 133.1 (C-5), l34.4 (C-12), l36.6 (C-1), l4
    7.6 (C-4), 163.7 (C-l6 および C=0); MS (エレクトロスプレー -ve) m/z 492
    (MH) - ; HPLC (方法A), R t 5.99 分

    【0233】 化合物4bの製造

    【化43】

    【0234】 メタノール(2ml)中のエステル3b(0.40g、0.80mmol)を1Mの水酸化ナトリウム水溶液(1.60ml、1.60mmol)で処理し、
    室温で1時間攪拌した。 次いで、反応物を真空濃縮し、残渣を水(10ml)に溶解し、次いで、0℃にて1Mの塩酸(1.80ml、1.80mmol)で酸性化した。 得られた白色沈殿をジクロロメタン(3×10ml)で抽出した。 合した有機抽出液をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na SO )、減圧下で蒸発させて白色の固体として酸4bを得た(0.36g、93%); 融点 123.7-124
    .8℃; R 0.59 [MTBE:ヘキサン(1:1)];δ H (DMSO-d 6 ) 1.42 (9H, s, H-18), 3.
    l2 (2H, m, H-9), 3.22 (2H, m, H-10), 4.38 (2H, s, H11), 7.18-7.42 (5H, m
    , H-13, 14 および l5), 8.11 (1H, d, J8, H-6), 8.39 (lH, d, J8, H-3); 8.4
    5 (lH, s, H-3); δ C DMSO-d 6 ) 27.8 (C-18), 40.1 (C-9 および l0), 45.9 (C-
    11), 79.1 (C-l7), 124.8 (C-13), 126.9 (C-l4 および 15), 128.4 (C-6), 129
    .9 (C-13), 132.9 (C-5), 135.8 (C-12), 137.9 (C-1), l47.5 (C-4), l53.9 (C
    -2), l63.7 (C-16 および C=0); MS (エレクトロスプレー -ve) m/z 478 (MH) - ; HPLC (方法A), R t 5.56分

    【0235】 化合物5の製造

    【化44】

    【0236】 DMF(4ml)とジクロロメタン(4ml)中の、平均ビーズ径が150μ
    mで0.4mmolg −1で充填されたアミン樹脂(アルゴゲル−NH )(0
    . 80g、0.32mmol)の懸濁液に安息香酸(4a)(0.46g、0.
    96mmol)および安息香酸(4b)(0.46g、0.96mmol)、次いでPyBOP(0.99g、1.92mmol)およびHOBT(0.26g
    、1.92mmol)、4分後、ヒューニッヒ塩基(0.49g、3.84mm
    ol)を加えた。 反応物を窒素とともに18時間攪拌し、次いで、樹脂をジクロロメタン(6×10ml)、DMF(6×10ml)、ジクロロメタン(6×1
    0ml)、エーテル(2×10ml)で洗浄し、真空乾燥させて黄色の固体としてスルホンアミド樹脂5を得た(0.94g、97%);カイザーテストは陰性であった;ブロモフェノールブルーテストは陰性であった。

    【0237】 化合物6の製造

    【化45】

    【0238】 ジクロロメタン(2ml)に保護樹脂5(0.85g、0.34mmol)を懸濁し、トリフルオロ酢酸(2×4ml)で5分間処理した。 溶媒を濾去し、樹脂をDMF中の10%DIPEA溶液(3×5ml)、ジクロロメタン(6×5
    ml)、DMF(6×5ml)、ジクロロメタン(6×5ml)、エーテル(2
    ×5ml)で洗浄した。 次いで、DMF(4ml)とジクロロメタン(2ml)
    にアミン樹脂を懸濁し、FMoc−Lys(Dde)−OH(0.86g、1.
    62mmol)、次いで、PyBOP(0.84g、1.62mmol)およびHOBT(0.22g、1.62mmol)を加えた。 4分後、ヒューニッヒ塩基(0.42g、3.24mmol)を加えた。 反応物を窒素とともに18時間攪拌し、次いで、樹脂をジクロロメタン(6×10ml)、DMF(6×10m
    l)、ジクロロメタン(6×10ml)、エーテル(2×10ml)で洗浄し、
    真空乾燥させて黄色の固体としてスルホンアミド樹脂6を得た(0.96g、1
    00%);カイザーテストは陰性であった;ブロモフェノールブルーテストは陰性であった;樹脂充填は定量的Fmoc基開裂から推定して99%。

    【0239】 化合物7の製造

    【化46】

    【0240】 樹脂(6)(0.93g、0.28mmol)をDMF中の20%ピペリジン溶液(2×5ml)で10分間処理した。 溶媒を濾去し、樹脂をDMF(6×5
    ml)、ジクロロメタン(6×5ml)、エーテル(2×4ml)で洗浄した。
    この樹脂をDMF(5ml)とジクロロメタン(5ml)に懸濁し、Rink酸リンカー(0.92g、1.62mmol)、次いで、PyBOP(0.84g
    、1.62mmol)およびHOBT(0.22g、1.62mmol)を加えた。 4分後、ヒューニッヒ塩基(0.42g、3.24mmol)を加えた。 反応物を窒素とともに3時間攪拌し、次いで、樹脂をジクロロメタン(6×5ml
    )、DMF(6×5ml)、ジクロロメタン(6×5ml)、エーテル(2×3
    ml)で洗浄し、真空乾燥させて黄色の固体としてスルホンアミド樹脂7を得た(1.02g、98%);カイザーテストは陰性であった;ブロモフェノールブルーテストは陰性であった。 樹脂充填は定量的Fmoc基開裂から推定して94
    %。

    【0241】 化合物9a〜dおよび10a〜dの製造

    【化47】

    【0242】 樹脂(7)(70mg、0.02mmol)をDMF中の20%ピペリジン溶液(2×1ml)で10分間処理した。 溶媒を濾去し、樹脂をDMF(6×1m
    l)、ジクロロメタン(6×1ml)、エーテル(2×1ml)で洗浄した。 この樹脂をDMF(0.5ml)とジクロロメタン(0.5ml)に懸濁し、好適な酸(8a〜d)(0.15mmol)、次いで、PyBOP(0.08g、0
    . 15mmol)およびHOBT(0.02g、0.15mmol)を加えた。
    4分後、ヒューニッヒ塩基(0.04g、0.30mmol)を加えた。 反応物を窒素とともに3時間攪拌し、次いで、樹脂をジクロロメタン(6×1ml)、
    DMF(6×1ml)、ジクロロメタン(6×1ml)、エーテル(2×1ml
    )で洗浄し、真空乾燥させて黄色の固体としてスルホンアミド樹脂9a〜dを得た;4つのもの全てにおいてカイザーテストおよびブロモフェノールブルーテストは陰性であった。

    【0243】 4つの樹脂それぞれの少量のサンプルをアセトニトリル中のDBU/メルカプトエタノールで処理して10a〜dを得た。 これらを低解像度質量スペクトルおよびRP HPLC(方法A)により分析した: 10a(R'=Z-Gly-) MS(エレクトロスプレー+ve) m/z 961および963 (MH) ; HPLC,
    R 4.01分. 10b(R'=Boc-Abu-) MS(エレクトロスプレー+ve) m/z 955および957 (MH) ; HPLC
    , R 4.09分. 10c(R'=1-ナフチルアセトイル-) MS(エレクトロスプレー+ve) m/z 938および939
    (MH) ; HPLC, R 4.28分. 10d(R'=Boc-Phe-) MS(エレクトロスプレー+ve) m/z 1017および1019 (MH) ; HP
    LC, R 4.42分.

    【0244】 化合物11a〜dおよび12a〜dの製造

    【化48】

    【0245】 樹脂(9a〜d)(約70mg、0.02mmol)をDMF中の10%ヒドラジン溶液(3×1ml)で30分間処理した。 溶媒を濾去し、それぞれの樹脂をDMF(6×1ml)、ジクロロメタン(6×1ml)、エーテル(2×1m
    l)で洗浄した。 次いで、それぞれの樹脂にジクロロメタン(1ml)中の塩化ダンシル(40mg、0.15mmol)およびトリエチルアミン(15mg、
    0.15mmol)を少量ずつ加えた。 4時間の反応時間の後、樹脂をジクロロメタン(6×1ml)、DMF(6×1ml)、ジクロロメタン(6×1ml)
    、エーテル(2×1ml)で洗浄し、真空乾燥させて黄色の固体としてスルホンアミド樹脂11a〜dを得た;4つのもの全てにおいてカイザーテストおよびブロモフェノールブルーテストは陽性であった。

    【0246】 4つの樹脂それぞれの少量のサンプルをアセトニトリル中のDBU/メルカプトエタノールで処理して12a〜dを得た。 これらを低解像度質量スペクトルおよびRP HPLC(方法B)により分析した: 12a(R'=Z-Gly-) MS(エレクトロスプレー+ve) m/z 1030および1032 (MH) ; HPLC
    , R 4.77分. 12b(R'=Boc-Abu-) MS(エレクトロスプレー+ve) m/z 1024および1026 (MH) ; HP
    LC, R 4.94分. 12c(R'=1-ナフチルアセトイル-) MS(エレクトロスプレー+ve) m/z 1007および10
    09 (MH) ; HPLC, R 5.47分. 12d(R'=Boc-Phe-) MS(エレクトロスプレー+ve) m/z 1086および1089 (MH) ; HP
    LC, R 5.82分.

    【0247】 構築物にUV発色団および質量分析増感基を含めることで、UV検出および質量分析法を併用したHPLCの簡易かつ十分に確立された手順により固相合成生成物の迅速かつ簡易な定性および定量分析が可能になることが上記の実施例からわかる。

    【0248】 上記実施例は単に本発明を例示することを意図しており、請求の範囲において限定されるものではない。 本発明の原理から逸脱することなく、実施例において例示される構築物に数多くの置換および改変が可能であり、かかる総ての改変および置換は本願に含めるものとされることは容易に理解できよう。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 実施例1に記載の構築物の光分解生成物の質量スペクトルを示す。

    【図2】 実施例1に記載の構築物におけるチオピリミジンリンカー基の開裂により生成されたフラグメントの質量スペクトルを示す。

    【図3】 実施例4に記載の構築物の光分解生成物の質量スペクトルを示す。

    【図4】 実施例4に記載の構築物の光分解生成物の質量スペクトルを示す。

    【図5】 実施例4に記載の構築物の光分解生成物の質量スペクトルを示す。

    【図6】 実施例4に記載の構築物の光分解生成物の質量スペクトルを示す。

    【図7】 実施例4に記載の構築物の光分解生成物の質量スペクトルを示す。

    【図8】 実施例4に記載の構築物の光分解生成物の質量スペクトルを示す。

    【図9】 実施例7に記載の構築物を含む、「Alloc」−リンカーのパラジウム(0
    )開裂によって生成された分析フラグメントの質量スペクトルを示す。

    【図10】 実施例7に記載の構築物を含む、「Alloc」−リンカーのパラジウム(0
    )開裂によって生成された分析フラグメントの質量スペクトルを示す。

    【図11】 実施例6に記載の組合せライブラリーに属するもののうち4つに関する第1または第2の開裂部位のいずれかでの開裂の後、基質または基質を含む分析フラグメントのいずれかの質量スペクトル比較を示す。

    【図12】 実施例6に記載の組合せライブラリーに属するもののうち4つに関する第1または第2の開裂部位のいずれかでの開裂の後、基質または基質を含む分析フラグメントのいずれかの質量スペクトル比較を示す。

    【図13】 実施例6に記載の組合せライブラリーに属するもののうち4つに関する第1または第2の開裂部位のいずれかでの開裂の後、基質または基質を含む分析フラグメントのいずれかの質量スペクトル比較を示す。

    【図14】 実施例6に記載の組合せライブラリーに属するもののうち4つに関する第1または第2の開裂部位のいずれかでの開裂の後、基質または基質を含む分析フラグメントのいずれかの質量スペクトル比較を示す。

    【図15】 実施例6に記載の組合せライブラリーに属するもののうち4つに関する第1または第2の開裂部位のいずれかでの開裂の後、基質または基質を含む分析フラグメントのいずれかの質量スペクトル比較を示す。

    【図16】 実施例6に記載の組合せライブラリーに属するもののうち4つに関する第1または第2の開裂部位のいずれかでの開裂の後、基質または基質を含む分析フラグメントのいずれかの質量スペクトル比較を示す。

    【図17】 実施例6に記載の組合せライブラリーに属するもののうち4つに関する第1または第2の開裂部位のいずれかでの開裂の後、基質または基質を含む分析フラグメントのいずれかの質量スペクトル比較を示す。

    【図18】 実施例6に記載の組合せライブラリーに属するもののうち4つに関する第1または第2の開裂部位のいずれかでの開裂の後、基質または基質を含む分析フラグメントのいずれかの質量スペクトル比較を示す。

    【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書

    【提出日】平成12年11月30日(2000.11.30)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】特許請求の範囲

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【特許請求の範囲】

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 311/18 C07C 311/18 C07D 239/42 C07D 239/42 Z G01N 27/62 G01N 27/62 V 30/48 30/48 D 33/531 33/531 B // C07M 5:00 C07M 5:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 Glaxo Wellcome Hous e,Berkeley Avenue G reenford,Middlesex UB6 0NN,Great Brita in (72)発明者 シルビー、ジェハンヌ イタリー国ベローナ、ビア、アレッサンド ロ、フレミング、2、グラクソ、ウェルカ ム、ソチエタ、ペル、アチオニ内 (72)発明者 コリーヌ、ケイ イギリス国ケンブリッジ、レンズフィール ド、ロード、ザ、ユニバーシティ、オブ、 ケンブリッジ、ユニバーシティ、ケミスト リー、ラボラトリーズ、グラクソ、ウェル カム、ケミストリー、ラボラトリー内 (72)発明者 スティーブン カール、マッキューン イギリス国ハートフォードシャー、スティ ーブネージ、ガネルズ、ウッド、ロード、 グラクソ、ウェルカム、ピーエルシー内 (72)発明者 ピーター、ジョン、マレー イギリス国バーミンガム、アストン、サイ エンス、パーク、ホルト、コート、サウ ス、10、アストン、モレキュルズ、リミテ ッド、オーエスアイ、ファーマスーティカ ルズ内 (72)発明者 アルフレッド、パイオ イタリー国ベローナ、ビア、アレッサンド ロ、フレミング、2、グラクソ、ウェルカ ム、ソチエタ、ペル、アチオニ内 (72)発明者 ジャン、ジョセフ、サイシンスキー イギリス国ケンブリッジ、レンズフィール ド、ロード、ザ、ユニバーシティ、オブ、 ケンブリッジ、ユニバーシティ、ケミスト リー、ラボラトリーズ、グラクソ、ウェル カム、ケミストリー、ラボラトリー内 (72)発明者 スティーブン、ポール、ワトソン イギリス国ハートフォードシャー、スティ ーブネージ、ガネルズ、ウッド、ロード、 グラクソ、ウェルカム、ピーエルシー内 (72)発明者 ジェフリー、マーティン、ウィリアムズ イギリス国ケンブリッジ、レンズフィール ド、ロード、ザ、ユニバーシティ、オブ、 ケンブリッジ、グラクソ、ウェルカム、ケ ミストリー、ラボラトリー内 (72)発明者 アレッシオ、ザラメラ イタリー国ベローナ、ビア、アレッサンド ロ、フレミング、2、グラクソ、ウェルカ ム、ソチエタ、ペル、アチオニ内 Fターム(参考) 4C084 AA17 AA27 MA01 4H006 AA01 AA03 AB80 AB84 BJ50 BP30 BR70 BS10 RA10

    QQ群二维码
    意见反馈