タンパク質又はペプチドのプリンティング方法、及び、タンパク質アレイ又はペプチドアレイ、並びに、機能性タンパク質又は機能性ペプチドの同定方法 |
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申请号 | JP2012530714 | 申请日 | 2011-08-25 | 公开(公告)号 | JPWO2012026541A1 | 公开(公告)日 | 2013-10-28 |
申请人 | 国立大学法人 東京大学; 国立大学法人 東京大学; 株式会社ニコン; | 发明人 | 一木 隆範; 隆範 一木; マニッシュ ビヤニ; マニッシュ ビヤニ; 博文 塩野; 博文 塩野; | ||||
摘要 | (a)特定の開口形状を有する微小凹部からなるマイクロ凹版において、前記微小凹部内に、核酸と無細胞タンパク質合成系を用意する工程と、(b)前記微小凹部中で合成される後記タンパク質又はペプチドと 接触 するように 基板 を前記マイクロ凹版と重ね合わせる工程と、(c)前記微小凹部内において、前記無細胞タンパク質合成系を用いて前記核酸からタンパク質又はペプチドを合成し、前記タンパク質又はペプチドを前記基板上に、前記微小凹部が有する特定の開口形状に沿って固定化する工程と、を有する。 | ||||||
权利要求 | (a)特定の開口形状を有する微小凹部からなるマイクロ凹版において、前記微小凹部内に、核酸と無細胞タンパク質合成系を用意する工程と、 (b)前記微小凹部中で合成される後記タンパク質又はペプチドと接触するように基板を前記マイクロ凹版と重ね合わせる工程と、 (c)前記微小凹部内において、前記無細胞タンパク質合成系を用いて前記核酸からタンパク質又はペプチドを合成し、前記タンパク質又はペプチドを前記基板上に、前記微小凹部が有する特定の開口形状に沿って固定化する工程と、を有することを特徴とするタンパク質又はペプチドのプリンティング方法。 前記タンパク質又はペプチドは、固相結合部位としてのアミノ酸配列を含み、前記基板は前記アミノ酸配列に親和性を有する固相結合部位認識部位を有する請求項1に記載のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法。 前記固相結合部位認識部位は、ニッケルイオン又はコバルトイオンである請求項2に記載のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法。 前記アミノ酸配列は、ポリヒスチジンである請求項2又は3に記載のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法。 (a)特定の開口形状を有する微小凹部からなるマイクロ凹版において、前記微小凹部内に、核酸と、ビオチン化ピューロマイシン誘導体と、無細胞タンパク質合成系を用意する工程と、 (b)前記微小凹部中で合成される後記タンパク質又はペプチドと接触するようにアビジンで修飾された基板を前記マイクロ凹版と重ね合わせる工程と、 (c)前記微小凹部内において、前記無細胞タンパク質合成系を用いて前記核酸からタンパク質又はペプチドを合成し、前記タンパク質又はペプチドを前記基板上に、前記微小凹部が有する特定の開口形状に沿って固定化する工程と、を有することを特徴とするタンパク質又はペプチドのプリンティング方法。 前記ビオチン化ピューロマイシン誘導体は、下記一般式(1)で表される化合物である請求項5に記載のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法。 Zは、前記式(2)で表される基である請求項6に記載のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法。 前記無細胞タンパク質合成系は、独立に精製されたタンパク質合成に必要な因子のみからなる請求項1〜7のいずれか一項に記載のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法。 前記工程(a)において、前記核酸は固相結合部位で修飾されたDNAであり、固相結合部位認識部位で修飾された磁気ビーズにより固定化されたものである請求項1〜8のいずれか一項に記載のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法。 前記工程(a)において、前記核酸はビオチンで修飾されたDNAであり、ストレプトアビジンで修飾された磁気ビーズにより固定化されたものである請求項1〜9のいずれか一項に記載のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法。 請求項1〜10のいずれか一項に記載のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法を用いて製造されたことを特徴とするタンパク質アレイ又はペプチドアレイ。 請求項11に記載のタンパク質アレイ又はペプチドアレイを用いて、機能性スクリーニングを行い、前記機能性スクリーニングにより特定された、前記工程(c)において固定化されたタンパク質又はペプチドを、前記工程(a)において対応する微小凹部内の核酸を用いて同定することを特徴とする機能性タンパク質又は機能性ペプチドの同定方法。 |
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说明书全文 | 本発明は、タンパク質又はペプチドのプリンティング方法、及び、これらの方法により製造されたアレイ、並びに、該アレイを用いた機能性タンパク質又は機能性ペプチドの同定方法に関する。 本願は、2010年8月27日に、日本に出願された特願2010−191060号、及び2010年11月18日に、日本に出願された特願2010−258302号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。 近年、基板への分子パターニング方法は、バイオチップやバイオセンサーといった様々な生物学的用途に用いられている。 特に、サブマイクロオーダーでの大面積パターニングが可能なマイクロコンタクトプリント法(以下、μCP法)が注目を集めている。 μCP法は、ホトリソグラフィックパターニングに必要な強酸や強塩基を必要としないため、タンパク質や他の生体分子のパターニングに適用されている。 しかしながら、タンパク質や他の生体分子は、変性や分解を受けやすいものであるため、上記μCP法においても様々な改良が行われてきている(例えば、非特許文献1)。 Jamesら、Langmuir、第14巻、第741〜744頁、1998年 しかしながら、非特許文献1で提案されている方法は、凸版印刷技術を利用したものであり、タンパク質等の生体分子を直接プリンティングする方法であるため、インクとして用いられる該タンパク質は乾燥しやすく、例えば保存安定性の低いタンパク質をプリンティングする方法としては改良の余地がある。 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、保存安定性の低いタンパク質又はペプチドに与えるダメージを低減し、前記タンパク質又はペプチドを任意の形状にプリントすることができるタンパク質又はペプチドのプリンティング方法、及び、これらの方法により製造されたアレイ、並びに、該アレイを用いた機能性タンパク質又は機能性ペプチドの同定方法を提供することを目的とする。 本発明者らは上記の課題を解決するため、鋭意研究を行った結果、凹版印刷(インタリオプリンティング)技術を応用することにより課題を解決できることを見出した。 すなわち本発明の一実施態様は、下記(1)〜(12)を提供するものである。 1及びX 2のうち少なくとも一方は、下記式(5)で表される基であり、他方は、蛍光基又は水素原子である。 *は結合部位を表す。 ]
(9)本発明の一実施態様におけるタンパク質又はペプチドのプリンティング方法は、前記工程(a)において、前記核酸は固相結合部位で修飾されたDNAであり、固相結合部位認識部位で修飾された磁気ビーズにより固定化されたものであることが好ましい。 本発明のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法によれば、保存安定性の低いタンパク質やペプチドにダメージを与えずに、前記タンパク質又は前記ペプチドが任意の形状にプリントされたタンパク質アレイ又はペプチドアレイが得られる。 ≪タンパク質又はペプチドのプリンティング方法≫ 工程(a)は、特定の開口形状を有する微小凹部12からなるマイクロ凹版11において、前記微小凹部12内に、核酸と無細胞タンパク質合成系19を用意する工程である。 前記マイクロ凹版11は、複数の微小凹部12からなることが好ましい。 本実施形態においては、個々に壁を有する微小凹部12からなるマイクロ凹版11を用いるため、基板15へのタンパク質又はペプチド17のプリントの際に、各スポット間のリーク等の心配が無く、微細な形状のパターン印刷が可能となり、後記する工程(c)において、前記微小凹部12の有する特定の開口形状がそのまま基板15上にプリントされ、スポット形状に反映される。 マイクロ凹版11の表面及び微小凹部12内壁を、DNA等生体分子の非特異吸着防止用ブロッキング剤、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)や2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)で好適にコーティングすることができる。 かかるブロッキング剤をコーティングすることで、基板表面や微小反応槽の内壁への生体分子の非特異吸着を抑制することができる。 マイクロ凹版11に用いられる基板材料は、透明なガラス又はポリマー材であることが好ましく、リークを抑える目的からは、ポリジメチルシロキサンなどのエラストマー材料であることがより好ましい。 なお、マイクロ凹版11に用いられる基板材料にエラストマー材料を用いる場合、微小なゴミなどの粒子が凹版と基板15との間に挟まれた時に生じる凹版全体の基板との密着性に及ぼす悪影響がエラストマーの局所的な変形により回避される利点がある。 工程(a)において、微小凹部12内に用意される核酸は、プリンティングに用いられるタンパク質又はペプチドをコードするものであれば特に限定されないが、DNA又はmRNAが好ましく、取り扱い安さの観点からDNAであることが好ましい。 前記固相は、後にDNAを回収する観点から、ビーズであることが好ましく、短時間でマイクロ凹版11中の各微小凹部12に配列させることが可能であるという観点から磁気ビーズであることがより好ましい。 本実施形態において、固相として磁気ビーズを用いる場合には、マイクロ凹版11に用いられる基板材料下に、磁性体板が配設されていることが好ましい。 かかる磁性体の材料としては、ニッケル、ニッケル合金、鉄および鉄合金などの金属を好適に用いることができ、本実施形態においては残留磁化の大きな磁性材料を用いることが好ましい。 磁気ビーズ14の微小凹部12への充填率は微小凹部12の直径に依存し、微小凹部12の直径が磁気ビーズ14の直径よりも若干広い方が充填率が高く、好ましくは微小凹部12の径は磁気ビーズの直径の1〜2倍である。 また、1個の微小凹部12に1個の磁気ビーズ14を充填する上で、微小凹部12の深さは、好ましくは磁気ビーズ14の直径の1〜2倍である。 微小凹部12は、親水化されていることが好ましく、該微小凹部12を酸素プラズマ照射などにより親水化処理することにより、微小凹部12内部への磁気ビーズを分散させた液の充填が容易になり、充填率が向上する。 本実施形態において、微小凹部12内に核酸を用意する際には、DNAライブラリーなど複数種類のDNAの混合物をDNA増幅試薬と混合し、混合物を適当なバッファーなどで希釈して、微小凹部12に分注してもよい。 また、DNAライブラリーとしては、進化分子工学的用途に好適に用いられるものとして、遺伝子変異が導入された変異DNAライブラリーを用いてもよい。 ここで、各微小凹部12に確率的にDNAが1分子になるように希釈して分注を行うことが好ましい。 DNAと増幅試薬と希釈との前後は特に限定するものではなく、分注後、DNAが増幅するのに適するように、マイクロ凹版11の条件を設定し、反応を行わせると、微小凹部12毎に異なる種類のDNAが増幅される。 工程(b)は、前記微小凹部12中で合成される後記タンパク質又はペプチド17と接触するように基板15を前記マイクロ凹版11と重ね合わせる工程である。 更に、後記工程(c)により、配列上に固定化された核酸の位置情報を変更することなく、該核酸からタンパク質又はペプチドを合成し、該タンパク質又は該ペプチドを基板上にプリントすることができる。 前記微小凹部12が有する前記開口形状は任意であるが、少なくとも1つのビーズを充填可能な形状であることが好ましい。 例えば、前記微小凹部12が有する前記開口形状は、円形状、四角状、六角状、ライン状、などであってもよい。 前記工程(b)において用いられる基板15としては、ガラス基板、シリコン基板、ポリマー基板、金属基板等が挙げられる。 工程(c)は、前記微小凹部12内において、前記無細胞タンパク質合成系19を用いて前記核酸からタンパク質又はペプチド17を合成し、前記タンパク質又はペプチド17を前記基板15上に、前記微小凹部12が有する特定の開口形状に沿って固定化する工程である。 無細胞タンパク質合成系とは、適当な細胞から抽出されたタンパク質合成能を有する成分からなるタンパク質翻訳系であり、この系にはリボゾーム、翻訳開始因子、翻訳伸長因子、解離因子、アミノアシルtRNA合成酵素等、翻訳に必要な要素が含まれている。 このようなタンパク質翻訳系として、大腸菌抽出液、ウサギ網状赤血球抽出液、小麦胚芽抽出液等が挙げられる。 合成されるタンパク質は、分解や変性により失活しやすいため、基板へのプリントの際にはできるだけ安定な状態で該タンパク質を維持する必要がある。 本実施形態においては、微小凹部12内で合成したタンパク質17を、そのまま基板15にプリントするため、タンパク質の失活を極力抑えたアレイ18を作製することができる。 前記工程(c)において、無細胞タンパク質合成系19に用いられる核酸がDNA13である場合には、無細胞タンパク質転写系を用いて前記DNA13からmRNA16を合成する工程が含まれる。 前記mRNA16は、スクリーニングすべきタンパク質をコードする固定化されたDNA13から、RNAポリメラーゼにより転写させることにより得られる。 RNAポリメラーゼとしては、例えばT7RNAポリメラーゼが挙げられる。 工程(c)において、前記タンパク質又はペプチド17の合成に続いて、前記タンパク質又はペプチドの基板15への固定化が行われる。 具体的には、工程(a)において、マイクロ凹版11上の微小凹部12に、必要な試薬や材料(核酸)を添加した後に、工程(b)において、基板15を用いて上からマイクロ凹版11に封をし、密閉状態にする。 工程(c)において、試薬を混ぜた先から、DNA13→mRNA16→タンパク質17の一連の転写/翻訳反応が進行し、さらに翻訳されたタンパク質17の有するタグが前記基板15に結合する。 本実施形態において、タンパク質又はペプチドを基板に固定するため、前記タンパク質又は前記ペプチドは、固相結合部位としてのアミノ酸配列を含み、前記基板は前記アミノ酸配列に親和性を有する固相結合部位認識部位を有することが好ましい。 次に、重ね合わせた前記基板15を前記マイクロ凹版11から剥がす(工程d)。 前記基板15でのスポットの形状は、前記微小凹部12の有する特定の開口形状がそのまま反映されたものである。 さらに、前記基板15上のスポットは、対応するマイクロ凹版11上に固定化されたDNA13の位置情報を変更することなくプリントされたものである。 このようにしてタンパク質又はペプチド17が固定化された基板15をPBS等で洗浄して、タンパク質アレイ又はペプチドアレイ18が製造される(工程e)。 [第2実施形態] 工程(a)において、微小凹部12内に用意される核酸としては、固相に固定化されたDNAが好ましい。 固定化には、アビジン−ビオチン結合を利用した方法が好ましく、アビジンを固相に固定化し、ビオチンをDNAに結合させた方法がより好ましい。 工程(b)において用いられる基板15はアビジンで修飾されており、後記工程(c)において、ビオチン化された合成タンパク質又はペプチド17を固定することができる。 ここで、基板15の修飾に用いられるアビジンとしては、使い勝手の良さからストレプトアビジンが好ましい。 本実施形態において、ビオチン化ピューロマイシン誘導体10とは、ピューロマイシンとビオチン化されたヌクレオチドの複合体である。 ピューロマイシンは、3'末端がアミノアシルtRNAに化学構造が類似している化合物であり、翻訳系においてタンパク質の合成がされた際に、合成されたタンパク質のC末端に結合する性質を有する。 そのため、本実施形態においては、タンパク質又はペプチド合成の際、工程(a)において、微小凹部12内に用意されたビオチン化ピューロマイシン誘導体10が、合成されたタンパク質又はペプチド17のC末端に結合する。 本実施形態において、前記ビオチン化ピューロマイシン誘導体は、前記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。 前記一般式(1)において、Zは、前記式(2)、(3)、又は(4)で表される基である。 1及びX 2のうち少なくとも一方は、下記式(5)で表される基であり、他方は、蛍光基又は水素原子である。 ] 前記式(2)〜(4)、(6)中、X 1及びX 2のうち少なくとも一方は、前記式(5)で表される基(ビオチン)である。 具体的には、X 1又はX 2のみがビオチンであってもよく、X 1及びX 2の両方がビオチンであってもよい。 ピューロマイシン誘導体がビオチンを有することにより、工程(c)においてタンパク質又はペプチド17が合成される際、そのC末端にビオチンが付加される。 従って、本実施形態においては、鋳型として用いるcDNAの末端にヘキサヒスチジンや他のペプチド・タンパク質タグをコードする塩基配列を付加しておく必要がない。 前記式(1)中、X 1又はX 2がビオチンでない場合、X 1又はX 2は、蛍光基又は水素原子である。 蛍光基としては、fluorescein 、rhodamine 、Cy dye、Alexa(登録商標)Fluor、HiLyte(商標名)Fluor等、タンパク質又はペプチドの蛍光標識に汎用される蛍光色素が挙げられる。 ビオチン化ピューロマイシン誘導体10が蛍光基を有することにより、作製したタンパク質アレイ又はペプチドアレイ中に固定されたタンパク質又はペプチドの量を、蛍光強度を測定することにより確認することができる。 微小凹部12に添加された反応溶液総量におけるビオチン化ピューロマイシン誘導体10の濃度としては、1μM〜100μMが好ましく、10μM〜50μMがより好ましい。 1μM以上の場合、タンパク質のビオチン化の効率が低くなりすぎず、100μM以下の場合、タンパク質の発現量が低くなりすぎない。 合成されるタンパク質は、分解や変性により失活しやすいため、基板へのプリントの際にはできるだけ安定な状態で該タンパク質を維持する必要がある。 本実施形態においては、微小凹部12内で合成したタンパク質17を、そのまま基板15にプリントするため、タンパク質の失活を極力抑えたアレイ18'を作製することができる。 ≪タンパク質アレイ又はペプチドアレイ≫ ≪機能性タンパク質又は機能性ペプチドの同定方法≫ 前記機能性スクリーニング方法は、タンパク質又はペプチドの有する所望の機能に依存するものであるが、タンパク質又はペプチドの活性を測定する場合、例えば以下の工程が挙げられる。 本実施形態のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法により製造されたタンパク質アレイ又はペプチドアレイは、対応するマイクロ凹版上に固定化された核酸の位置情報を変更することなく基板上にプリントされたものである。 よって、該タンパク質アレイ又は該ペプチドアレイを用いて、前記機能性スクリーニングにより特定されたスポットに対応するマイクロ凹版上の微小凹部内のDNAを回収し、その塩基配列を解析することにより、特定の機能を有するタンパク質等、及び該タンパク質等をコードするDNAを同定することができる。 本実施形態の機能性タンパク質又は機能性ペプチドの同定方法によれば、高密度化タンパク質アレイ又はペプチドアレイから所望の機能を有するタンパク質又はペプチドを迅速に同定することができるため、進化分子工学的用途に好適に用いられる。 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 (cDNA結合磁気ビーズの作製) (cDNA結合磁気ビーズの凹版への導入) 図5中、凹版の各々の凹部に1つずつcDNA結合磁気ビーズが導入されている。 このように、効率よく磁気ビーズがマイクロウェルモールド中に導入されていることが確認された。 (ガラス基板を用いたGFP−Hisタグタンパク質のパターニング) 図6に示されるように、ガラス基板上にGFP由来の蛍光スポットがアレイ状に並んでいることが観察された。 このことから、GFP−HisタグcDNA結合磁気ビーズが導入された凹版に対応して、GFP−Hisタグタンパク質がNi−NTAで修飾されたガラス基板上にパターニングされていることが確認された。 以上の結果から、本実施形態のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法によれば、マイクロウェルモールドといった微小構造体の中でタンパク質又はペプチドの合成を行い、合成されたタンパク質又はペプチドを微細なパターン形状で基板表面に固定化することができる。 従って、本実施形態のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法によれば、基板に任意のサイズ及び形状のタンパク質を印刷することができる。 (蛍光標識ビオチン化ピューロマイシン−ヌクレオチド複合体の合成) (無細胞転写/翻訳系を用いたタンパク質合成及びビオチン化) 図7中、レーン1は蛍光標識ビオチン化ピューロマイシン−ヌクレオチド複合体及び蛍光標識ピューロマイシン−ヌクレオチド複合体未添加のGFP発現サンプル、レーン2は蛍光標識ピューロマイシン−ヌクレオチド複合体を10μM添加したGFP発現サンプル、レーン3は蛍光標識ビオチン化ピューロマイシン−ヌクレオチド複合体を2μM添加したGFP発現サンプル、レーン4は蛍光標識ビオチン化ピューロマイシン−ヌクレオチド複合体を10μM添加したGFP発現サンプル、レーン5は蛍光標識ビオチン化ピューロマイシン−ヌクレオチド複合体を40μM添加したGFP発現サンプル、矢印は目的タンパク質であるGFPを示す。 上段及び下段の電気泳動結果は、同一のゲルを異なるイメージング法を用いて解析したものである。 上段(GreenScan)は、GFPによる蛍光イメージを取得した結果であり、下段は、Cy5による蛍光イメージを取得した結果である。 (スライドガラスを用いたビオチン化GFPタンパク質のパターニング) 図8中、左上のスポットは蛍光標識ピューロマイシン−ヌクレオチド複合体を10μM添加したGFP発現サンプル、右上のスポットは蛍光標識ビオチン化ピューロマイシン−ヌクレオチド複合体を2μM添加したGFP発現サンプル、左下のスポットは蛍光標識ビオチン化ピューロマイシン−ヌクレオチド複合体を10μM添加したGFP発現サンプル、右下のスポットは蛍光標識ビオチン化ピューロマイシン−ヌクレオチド複合体を40μM添加したGFP発現サンプルを示す。 左上のスポットにおいて蛍光が観察されない一方、その他のスポットにおいては、蛍光標識ビオチン化ピューロマイシン−ヌクレオチド複合体の用量依存にスポットの蛍光強度が強まっていることが確認された。 以上の結果から、本実施形態のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法によれば、マイクロウェルモールドといった微小構造体の中でビオチン化タンパク質又はビオチン化ペプチドの合成を行い、合成されたビオチン化タンパク質又はビオチン化ペプチドを微細なパターン形状でアビジン修飾された基板表面に固定化することができる。 従って、本実施形態のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法によれば、基板に任意のサイズ及び形状のタンパク質を簡便にかつ効率よく印刷することができる。 更に、本実施形態のタンパク質アレイ又はペプチドアレイは、上記の様に本実施形態のタンパク質又はペプチドのプリンティング方法を用いて、簡便でかつ効率よく製造されるものであるため、近年遺伝子レベルで診断が行われている生活習慣病やガンなどに関連する遺伝子や、病原細菌やウイルスの遺伝子の一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism、SNP)解析に柔軟に対応することができる。 そして、本実施形態のタンパク質アレイ又はペプチドアレイによれば、かかる一塩基多型診断をタンパク質レベルで迅速にかつ詳細に行うことができる。 本発明は、生活習慣病やガンなどに関連する遺伝子や、病原細菌やウイルスの遺伝子の一塩基多型解析の分野において利用が可能である。 1、11…マイクロ凹版、2、12…微小凹部、3…核酸、4、14…磁気ビーズ、5、15…基板、10…ビオチン化ピューロマイシン誘導体、13…DNA、16…mRNA、7、17…タンパク質又はペプチド、9、19…無細胞タンパク質合成系、18、18'…タンパク質アレイ又はペプチドアレイ。 |