アドレス可能アレイでのリガーゼ検出反応を用いた核酸配列の相違の検出

申请号 JP2011098299 申请日 2011-04-26 公开(公告)号 JP5634937B2 公开(公告)日 2014-12-03
申请人 コーネル・リサーチ・ファンデーション・インコーポレイテッドCornell Research Foundation, Incorporated; コーネル・リサーチ・ファンデーション・インコーポレイテッドCornell Research Foundation, Incorporated; リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミネソタ; リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミネソタ; ボード・オブ・スーパーバイザーズ・オブ・ルイジアナ・ステイト・ユニバーシティ・アンド・アグリカルチュラル・アンド・メカニカル・カレッジBoard of Supervisors of LOUISIANA STATE UNIVERSITY and Agricultural and Mechanical College; ボード・オブ・スーパーバイザーズ・オブ・ルイジアナ・ステイト・ユニバーシティ・アンド・アグリカルチュラル・アンド・メカニカル・カレッジBoard of Supervisors of LOUISIANA STATE UNIVERSITY and Agricultural and Mechanical College; 发明人 フランシス・バラニー; ジョージ・バラニー; ロバート・ピー・ハマー; マリア・ケンプ; ヘルマン・ブロック; モニブ・ザービ;
摘要
权利要求
  • 1以上の捕捉オリゴヌクレオチドの結合に好適なアレイ位置を有する固体支持物;および 該固体支持物上のアレイ位置にある 捕捉オリゴヌクレオチドのコレクションを含む装置 であって、
    ここで、該コレクションの捕捉オリゴヌクレオチドの各タイプは、16より多いヌクレオチドを有し、かつ該コレクション中の捕捉オリゴヌクレオチドの別のタイプのヌクレオチド配列と並べた場合に少なくとも25%のヌクレオチドにおいて相違するヌクレオチド配列を含んでおり、
    該コレクション中の各捕捉オリゴヌクレオチドが、同一のハイブリダイゼーション条件下で相補的ヌクレオチド配列を含んでいる核酸分子とハイブリダイズし
    該相違の捕捉オリゴヌクレオチドが固体支持物上の相違するアレイ位置で結合される装置。
  • 該固体支持物が、プラスチック、セラミック、金属、樹脂、ゲル、ガラス、シリコンおよびこれらの組み合わせ体からなる群より選ばれる材料でつくられる、請求項 の装置。
  • 該固体支持物が、球体、プレート、鎖、スライド、ディスク、膜、フィルムおよびこれらの組み合わせ体からなる群より選ばれる形態にある、請求項 または の装置。
  • 該固体支持物が、全てのアレイ位置に結合した捕捉オリゴヌクレオチドを有する位置アレイを有する、請求項 1−3いずれか一項記載の装置。
  • 該固体支持物がウェル、隆起 またはエッチング溝を有する、請求項 1−4いずれか一項記載の装置。
  • 該固体支持物がミクロタイタープレートの形態にある、請求項 1−5いずれか一項記載の装置。
  • リンカーが該固体支持物に該捕捉オリゴヌクレオチドを連結する、請求項 1−6いずれか一項記載の装置。
  • 固体支持物がオレフィン、アミノ、ヒドロキシル、シラノール、アルデヒド、ケト、ハロ、アシルハライドまたはカルボキシル基で官能化されている、請求項 1−7いずれか一項記載の装置。
  • 固体支持物が3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピ ルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノメチルフェネチルトリメトキシシランおよびこれらの混合物からなる群より選ばれるアミン化合物との反応により、アミノ基で官能化されている、請求項 の装置。
  • 固体支持物が、オレフィン含有シランで官能化されている、請求項 1−7いずれか一項記載の装置。
  • オレフィン含有シランが、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N'−(4−ビニルベンジル)エチレンジアミン、トリエトキシビニルシラン、トリエチルビニルシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリメチルシランおよびこれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項 10の装置。
  • 固体支持物が、オレフィン含有モノマーで重合化される、請求項 1−7いずれか一項記載の装置。
  • オレフィン含有モノマーが、官能基を含む、請求項 12の装置。
  • オレフィン含有モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、4−ビニル安息香酸、イタコン酸、アリルアミン、アリルエチルアミン、4−アミノスチレン、2−アミノエチルメタクリレート、塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル、クロロスチレン、ジクロロスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、ビニルベンジルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレートおよびこれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項 13の装置。
  • 固体支持物が、アクリル酸、アクリルアミド、メタクリル酸、ビニル酢酸、4−ビニル安息香酸、イタコン酸、アリルアミン、アリルエチルアミン、4−アミノスチレン、2−アミノエチルメタクリレート、塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル、クロロスチレン、ジクロロスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、ビニルベンジルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、およびその混合物からなる群から選ばれるモノマーと、
    アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、4−ビニル安息香酸、イタコン酸、アリルアミン、アリルエチルアミン、4−アミノスチレン、2−アミノエチルメタクリレート、塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル、クロロスチレン、ジクロロスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、ビニルベンジルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、スチレン、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、N,N'−メチレンジアクリルアミド、N,N'−フェニレンジアクリルアミド、3,5−ビス(アクリロイルアミド)安息香酸、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレート(14/3EO/OH)トリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレート(7/3EO/OH)トリアクリレート、トリメチロールプロパ ンプロポキシレート(1PO/OH)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシレート(2PO/ )トリアクリレー トおよびこれらの混合物からなる群より選ばれるモノマーと一緒に重合化される、請求項 12の装置。
  • 固体支持物上のコレクション中の各捕捉オリゴヌクレオチドのタイプが、異なるヌクレオチド配列を有する、請求項 1−15いずれか一項記載の装置。
  • 該コレクション中の各捕捉オリゴヌクレオチドが、20−25ヌクレオチドを含む、請求項1−16いずれか一項記載の装置。
  • 該コレクション中の1以上の捕捉オリゴヌクレオチドが、相補的ヌクレオチド配列を含む核酸分子とハイブリダイズされる、請求項1−17いずれか一項記載の装置。
  • 说明书全文

    本出願は1996年2月9日付の米国仮出願60/011,359の利益を享受する。

    本発明は、米国保健研究所認可番号GM−41337−06、GM−43552−05、GM−42722−07およびGM−51628−02による政府資金でもってなされた。 米国政府が一定の権利を有し得る。

    (発明の分野)
    本発明は、連結反応相、捕捉反応相および検出反応相を用いて核酸中の核酸配列の相違を検出することに関する。 連結反応相は第1オリゴヌクレオチドプローブと第2オリゴヌクレオチドプローブとの連結検出反応を利用する。 第1プローブは標的配列特異的部分とアドレス可能アレイ(array:配列)特異的部分を有し、第2プローブは標的配列特異的部分と検出用標識を有する。 捕捉反応相は、固定化捕捉オリゴヌクレオチド(少なくともこのいくつかはアドレス可能アレイ特異的部分に相補的である)アレイを有する固体支持物に連結したオリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズすることを含む。 固体支持物にハイブリダイズした連結オリゴヌクレオチドの標識が検出反応相において検出される。

    (発明の背景)
    配列相違の検出 高度に多形的な座の大規模多量解析が、父親検定および法医学(Reynolds et al., Anal. Chem., 63:2-15(1991))、臓器移植のドナーとレシピエントの組み合わせ(Buyse et al., Tissue Antigens, 41:1-14(1993) and Gyllensten et al., PCR Meth. Appl, 1:91-98(1991))、遺伝疾患の診断、予後および出産前の相談(Chamberlain et al., Nucleic Acids Res., 16:11141-11156(1988) and LC Tsui, Human Mutat., 1:197-203(1992))および発ガン変異(Hollstein et al., Science, 253:49-53(1991))などについて個体の実際的な同定に必要である。 さらに、核酸解析による感染疾患診断の費用効率はパネル試験における多重規模で直接的に変動する。 これらの適用の多くは、時に密接なスペース座の多重性において単一塩基の相違の識別に依存している。

    多数の配列領域を含むサンプル中に1以上の選択ポリヌクレオチド配列の存在を検出するのに、様々なDNAハイブリダイゼーション技法が利用される。 フラグメント捕捉と標識による簡単な方法において、選択された配列含有のフラグメントが固定化プローブにハイブリダイゼーションされる。 捕捉フラグメントは検出可能なレポーター部分を含有する第2プローブへのハイブリダイゼーションによって標識される。

    広く用いられている他の方法はサザンブロット法である。 この方法において、サンプル中のDNAフラグメントの混合物はゲル電気泳動により分別されて、ニトロセルローズ・フィルター上に固定される。 フィルターをハイブリダイゼーション条件で1以上の標識プローブと反応さすことにより、プローブ配列含有のバンドが同定される。 この方法は、与えられたプローブ配列含有の制限酵素DNA消化においてフラグメントを同定するのに、および制限フラグメント長・多形性("RFLP")を解析するのに、特に有用である。

    ポリヌクレオチドサンプル中の、与えられた単数または複数の配列の存在を検出する他の方法に、ポリメラーゼ連鎖反応による配列の選択的増幅がある。 Mullis et alの米国特許第4,683,202号およびRK Saiki, et al., Science 230:1350(1985)。 この方法において、選択した配列の反対側の末端部分に相補的なプライマーがプライマー開始複製の連続ラウンドを熱サイクリングと共に推進するのに用いられる。 増幅配列は種々の技術により容易に同定することができる。 この方法は、ポリヌクレオチド含有サンプル中の低コピー配列の存在を検出するのに、例えば体液サンプル中の病原菌配列を検出するのに特に有用である。

    さらに最近、既知の標的配列をプローブ連結方法によって同定する方法が報告されている。 NM Whiteley et al.の米国特許第4,883,750号、DY Wu et al., Genomics 4:560(1989)、U. Landegren et al., Science 241:1077(1988)およびE. Winn-Deen et al., Clin. Chem. 37:1522(1991)。 オリゴヌクレオチド連結アッセイ("OLA")として知られる一つの方法において、所望の領域にまたがる2つのプローブまたはプローブエレメントが標的領域とハイブリダイズされる。 プローブエレメントの向かい合う末端においてプローブエレメントが隣接の標的塩基に対になると(塩基対)、この2つのエレメントは、連結反応により、例えばリガーゼ処理により結ばれる。 連結エレメントは検定されて、標的配列の存在が明らかにされる。

    この方法の修飾として、連結プローブエレメントは相補的プローブエレメント対について鋳型として働く。 プローブエレメントの2つの相補対の存在における変性、ハイブリダイゼーションおよび連結反応の継続的サイクルでもって、標的配列は幾何的すなわち指数的に増幅され、非常に少量の標的配列が検出および/または増幅されるのを可能とする。 この方法をリガーゼ連鎖反応("LCR")と呼ぶ。 F. Barany, "Genetic Disease Detection and DNA Amplification Using Cloned Thermostable Ligase," Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:189-93(1991)およびF. Barany, "The Ligase Chain Reaction (LCR) in a PCR World," PCR Methods and Applications, 1:5-16(1991)。

    核酸配列相違の多重検出についての他の方式はGrossman et al.の米国特許第5,470,705号に開示されている。 そこでは、検出可能標識と電荷/翻訳摩擦ドラッグの顕著な比率とを有する配列特異的プローブが標的にハイブリダイズされ、そして一緒に連結される。 この技法は、嚢胞性線維症・透過膜レギュレーター遺伝子の大規模多重解析についてGrossman, et al., "High-density Multiplex Detection of Nucleic Acid SequencesおよびOligonucleotide Ligation Assay and Sequence-coded Separation," Nucl. Acids. Res. 22(21):4527-34(1994)で用いられた。

    Jou, et al., "Deletion Detection in Dystrophin Gene by Multiplex Gap Ligase Chain Reaction and Immunochromatographic Strip Technology," Human Mutation 5:86-93(1995)は、いわゆる"ギャップリガーゼ連鎖反応"の利用に関し、各エクソンについてのプローブ上の相違するハプテンに特異的な抗体を有する免疫クロマトグラフィー上で読まれる増幅産物でもって、多重エクソンの同時に選択された領域を増幅する。

    遺伝子スクリーニング分野などにおいて、標的ポリヌクレオチドにおける多数の配列の各々の存在・不存在を検出するのに有用な方法に関して、必要性が増大している。 例えば400種もの変異が嚢胞性線維症に関連している。 この疾患に対する遺伝子的前処置のためのスクリーニングにおいて、"嚢胞性線維症"の積極的な同定を行うために、対象者のゲノムDNAにおける可能性のある相違する遺伝子配列変異のすべてを検査することが最適である。 1回のアッセイで可能性ある変異部位のすべての存在・不存在を検査するのが理想的である。 しかし、上記した先行技術は、便利な自動的な単一アッセイとして多数の選択配列を検出するのに容易に用いることができない。

    固相ハイブリダイゼーションアッセイにおいては、多数の液体処理工程を必要とし、単一ヌクレオチド・ミスマッチ識別に要するストリジェンシィを保持するために、いくつかのインキュベーションおよび洗浄温度を注意深くコントロールしなければならない。 最適ハイブリダイゼーション条件がプローブ配列によって大きく変わるので、この方法の多重化は困難である。

    対立遺伝子特異的PCR産物は一般に同じ大きさを有し、与えられた増幅チューブは、各反応チューブに関連するゲル・レーンでの産物バンドの存在・不存在によって計られる。 Gibbs et al., Nucleic Acids Res., 17:2437-2448(1989)。 この方法は、異なるプライマーの組み合わせを有する多数の反応チューブに試験サンプルを分割することを要し、アッセイ費用が増大する。 PCRも、1つの反応チューブ中で対立遺伝子プライマーを競合せしめるように相違する蛍光染料を付着せしめることにより、対立遺伝子を識別するが(FF Chehab et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86:9178-9182(1989))、多重解析へのこの経路は、現在の機器および染料化学でもっては経済的にスペクトル的に分解できる染色が比較的少ないので、規模が限られている。 粗大側鎖による修飾塩基の取り込みが、その電気泳動的運動能によって対立遺伝子PCR産物を識別するのに用いられるが、この方法は、ポリメラーゼによるこれら修飾塩基の取り込みの成功性からして、およびこれらの基の唯一つによって大きさが相違する比較的大きいPCR産物を分解するための電気泳動能からして、限定されたものである。 Livak et al., Nucleic Acids Res., 20:4831-4837(1989)。 各PCR産物は単一変異のみを探すのに用いられ、多重化を難しくする。

    対立遺伝子特異的プローブの連結反応は一般的に、対立遺伝子シグナルを分解するのに、固相捕捉反応(U. Landegren et al., Science, 241:1077-1080(1988); Nickerson et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:8923-8927(1990))またはサイズ依存分離法(DY Wu, et al., Genomics, 4:560-569(1989) and F. Barany, Proc. Natl. Acad. Sci., 88:189-193(1991))を用い、後者の方法は連結プローブのサイズ幅が狭いので多重規模では限定されている。 ギャップリガーゼ連鎖反応は追加の工程、すなわちポリメラーゼ伸長を必要とする。 より複雑な多重化へ電荷/翻訳摩擦ドラッグ(translational frictional drag)の明白な比率を有するプローブを用いることは、長い電気泳動時間かあるいは検出の他の形態の使用を必要とする。

    ポリヌクレオチドサンプルにおける多重選択配列の存在・不存在を検出するための迅速な単一アッセイ方式が必要である。

    核酸分析のためのオリゴヌクレオチドアレイの使用 固体支持物上に固定されたオリゴヌクレオチドの順位アレイがDNAを配列決定し、分別し、単離し、操作するために提案される。 クローン一本鎖DNA分子の与えられた長さを持つすべての可能なオリゴヌクレオチドプローブへのハイブリダイゼーションが分子中に存在する対応相補的DNAセグメントを理論的に同定することが認められる。 このようなアレイにおいて、各オリゴヌクレオチドプローブは、相違する予め定められた位置で固体支持物上に固定される。 DNA分子におけるすべてのオリゴヌクレオチドセグメントはかかるアレイでもって観察される。

    オリゴヌクレオチドのアレイを用いてDNA分子の配列決定を行う方法について、その1例がDrmanac, et al.の米国特許第5,202,231号に開示されている。 これは、複数のオリゴヌクレオチドの付着する固体支持物に標的DNAを適用することを含む。 標的DNAセグメントのオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションおよびハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドの重複セグメントの集合によって、配列が読み取られる。 アレイは一定の長さが11−20ヌクレオチドであるすべての可能なオリゴヌクレオチドを利用するが、このアレイがどのように構築されるかについてほとんど情報がない。 参照、AB Chetverin,et al.,"Sequencing of Pools of Nucleic Acids on Oligonucleotide Arrays,"BioSystems 30:215-31(1993); WO92/16655 to Khrapko et al.; Kuznetsova, et al., "DNA Sequencing by Hybridization with Oligonucleotides Immobilized in Gel. Chemical Ligation as a Method of Expanding the Prospects for the Method," Mol. Biol. 28(20):290-99(1994); MA Livits, et al., "Dissociation of Duplexes Formed by Hybridization of DNA with Gel-Immobilized Oligonucleotides," J. Biomolec. Struct. & Dynam. 11(4):783-812(1994)。

    SouthernのWO89/10977は、既知の点突然変異、遺伝子フィンガープリント法、連結反応分析法および配列決定法に核酸サンプルを分析するのに用いるハイブリダイゼーション反応が可能であるオリゴヌクレオチドのアレイを保持する支持物の利用を開示している。 支持物上の選択されたパターンにヌクレオチド塩基を置くことにより、マトリックが形成される。 このことは、ヒドロキシルリンカー基がペン・プロッターまたはマスキングにより集められたオリゴヌクレオチドでもって支持物に適用され得ることを示している。

    CantorのWO94/11530も、ハイブリダイゼーションによる配列決定工程を実施するのにオリゴヌクレオチドを利用することに関する。 オリヌクレオチドは張り出し末端を有する二重らせんである。 この末端に標的核酸が結合し、次いで二重らせんの非張り出し部分に連結している。 付着の前に集められたバイオティニル化オリゴヌクレオチドを捕捉するストレプタビジン−コート・フィルターペーパーを用いて、アレイが構築される。

    ChetverinのWO93/17126は、核酸を分別および観察するのに選択されたバイナリーオリゴヌクレオチドを用いている。 これらのアレイは隣接可変性ヌクレオチド配列に付着した一定のヌクレオチド配列を有し、両者は共有連結分子によって固体支持物に結合している。 一定のヌクレオチド配列はハイブリダイズ鎖のPCRによる増幅を可能とするプライミング領域を有する。 分別は可変性領域へのハイブリダイゼーションによって行われる。 これらのバイナリーアレイ上でのフラグメント核酸を配列決定、単離、分別および操作することも開示されている。 高められた感受性を有する一つの具体化において、免疫オリゴヌクレオチドは、それにハイブリダイズした短い相補的領域を有し、カバーされていないオリゴヌクレオチドの部分を残す。 相補的核酸が免疫オリゴヌクレオチドに塩基対形成するように、アレイはハイブリダイゼーション条件が整えられる。 DNAリガーゼはアレイ上で短い相補的領域と相補的核酸とを結びつけるのに用いられる。 オリゴヌクレオチドのアレイをいかにつくるかについてはほとんど開示がない。

    Fodor et al.のWO92/10588は、オリゴヌクレオチドのアレイへのハイブリダイゼーションによる核酸の配列決定、フィンガープリントおよびマッピングについての方法を開示している。 オリゴヌクレオチドのアレイは、大きい相違するオリゴヌクレオチドの合成を可能とする非常に大規模な同定ポリマー合成によってつくられる。 この方法において、基質表面が官能化され、オリゴヌクレオチドを基質上に集めるリンカー基が供給される。 オリゴヌクレオチドが付着する領域は、選択的に活性化された保護基(基質または個々のヌクレオチドサブユニット上に)を有する。 一般的に、これは、露出された場所が脱保護されるように変化する立体配置のマスクを用いる光線でアレイを可視化することを含む。 脱保護された場所は保護ヌクレオチドとの化学反応を起こし、可視化されるオリゴヌクレオチド配列を伸長する。 バイナリーマスク方式は、一定の時間で2以上のアレイをつくるのに用いられる。 検出はハイブリダイゼーションが生じている領域の位置付けによってなされる。 参照、Fodor et al.の米国特許第5,324,633号および第5,424,186号、Pirrung et al.の米国特許第5,143,854号および第5,405,783号、Pirrung et al.のWO90/15070、AC Pease, et al., "Light-generated Oligonucleotide Arrays for Rapid DNA Sequence Analysis", Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:5022-26(1994)。 KL Beattie et al., "Advances in Genosensor Research," Clin. Chem. 41(5):700-09(1995)は、あらかじめ集めたオリゴヌクレオチドプローブの固体支持物への付着を開示している。

    このようなアレイへのハイブリダイゼーションによる配列決定の方法には多くの欠点がある。 第一に、非常に多数のオリゴヌクレオチドを合成することを要する。 第二に、正しくハイブリダイズされ適切に対になったらせんと誤って対になったらせんの識別が弱い。 最後に、ある種のオリゴヌクレオチドは標準的条件においてハイブリダイズするのが困難で、このようなオリゴヌクレオチドは拡大ハイブリダイゼーションによってのみ同定が可能となる。

    本発明はこれらの欠点を技術的に克服することを目的とする。

    (発明の概要)
    本発明は、複数の標的ヌクレオチド配列における1以上の単一塩基の変更、挿入、欠失または転座により相違している複数の配列の1以上を同定する方法に関する。 この方法は連結反応相、捕捉反応相および検出反応相を含む。

    連結反応相は、複数の配列相違がある1以上のヌクレオチド配列を潜在的に含有するサンプルを準備することを要する。 この相では複数のオリゴヌクレオチドが利用される。 各セットは第1オリゴヌクレオチドプローブと第2オリゴヌクレオチドプローブとを含む。 前者は標的特異的部分およびアドレス可能特異的部分を有し、後者は標的特異的部分および検出レポーター標識を有する。 特定のセットにおける第1および第2オリゴヌクレオチドプローブは、対応する標的ヌクレオチド配列に互いに隣接してハイブリダイズするときに、一緒に連結反応するのに適したものである。 しかし、第1および第2オリゴヌクレオチドプローブは、サンプル中に存在する他のヌクレオチドとハイブリダイズするときに、該連結反応を干渉するミスマッチを有する。 リガーゼも用いられる。 サンプル、複数のオリゴヌクレオチドプローブセットおよびリガーゼが混和されて、混合物とする。 変性処理およびハイブリダイゼーション処理を含む1以上のリガーゼ検出反応サイクルに、この混合物をかける。 変性処理には、ハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドを標的ヌクレオチド配列から分離することが含まれる。 ハイブリダイゼーションには、サンプル中にもし存在すれば、オリゴヌクレオチドプローブセットを隣接位置で塩基特異的な方式でその夫々の標的ヌクレオチド配列にハイブリダイズすること、およびお互いに連結して、(a)アドレス可能アレイ特異的部分、(b)一緒に結合した標的特異的部分および(c)検出可能レポーター標識を含有する連結産物配列を形成することを含む。 オリゴヌクレオチドプローブセットは、その夫々の標的ヌクレオチド配列以外のサンプル中のヌクレオチド配列にハイブリダイズし得るが、1以上のミスマッチの存在によって一緒に連結せず、そして変性処理際に個々に分離する。

    次の相は捕捉反応相である。 この相は、特定の部位に固定された捕捉オリゴヌクレオチドを有する固体支持物を準備することを含む。 捕捉オリゴヌクレオチドはアドレス可能アレイ−特異的部分に相補的である。 連結反応相を行った後に、混合物を固体支持物に、アドレス可能アレイ特異的部分を捕捉オリゴヌクレオチドに塩基特異的方式でハイブリダイズするのに効果的な条件で、接触せしめる。 結果として、アドレス可能アレイ特異的部分が固体支持物上に、相補的捕捉オリゴヌクレオチドを有する部位で捕捉される。

    捕捉反応相の次は検出反応相である。 この段階において、連結産物配列のレポーター標識が特定部位で固体支持物に捕捉される。 固体支持物に結合したレポーター標識の存在が検出されたときに、サンプル中の1以上のヌクレオチド配列の夫々の存在が明らかにされる。

    本発明はまた、リガーゼ、複数のオリゴヌクレオチドセットおよび固定化捕捉オリゴヌクレオチドを有する固体支持物を含む本発明の方法を実施するためのキットに関する。

    本発明の他の態様は固体支持物上にオリゴヌクレオチドのアレイを形成する方法に関する。 この方法は、オリゴヌクレオチドの付着に適する各部位のアレイを有する固体支持物を提供する。 リンカーまたは表面(非加分解であり得る)は、各々のアレイ位置でオリゴヌクレオチドを固体支持物に結合するのに適切であり、固体支持物に付着する。 固体支持物上のオリゴヌクレオチドは、マルチマー・ヌクレオチドの付着のための選択アレイ部位の活性化および活性アレイ部位でのマルチマー・ヌクレオチドの付着についての一連のサイクルによって形成される。

    本発明の他の態様は、固体支持物上のオリゴヌクレオチドのアレイ自体に関する。 固体支持物はオリゴヌクレオチドの付着に適した各部位のアレイを有する。 オリゴヌクレオチドを固体支持物に結合させるのに適したリンカーまたは支持物(非加水分解性であり得る)は、アレイ位置の各々で固体支持物に付着する。 オリゴヌクレオチドのアレイは、16以上のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドで占められたアレイ位置の少なくともいくつかを有する固体支持物上に位置する。

    本発明は先行技術システムに対し多数の優れた点を有し、特に複合遺伝子系の多重解析を実施する能力で優れている。 結果として、サンプル中の多数のヌクレオチド配列の相違が1度に検出される。 本発明は、例えば癌変異、遺伝性(生殖細胞系)変異、感染症の検出に有用である。 この技術は環境監視、法医学および食品産業においても用いることができる。

    さらに、本発明は、正常な配列の高度な素性において変異の定量的検出を提供し、密接なクラスター変異の検出を可能にし、アドレス可能アレイを用いる検出をもたらし、そして自動化に適用できる。 PCRの感受性をLDRの特異性に結びつけることによって、偽−正シグナル世代、多重化でのプライマー干渉、得た定量データでの限界および自動化の適切性などの対立遺伝子特異性PCRにおいて起きる共通の困難を除去できる。 さらに、単一塩基変異をなくするためにLDRの特異性に基づくことによって、オリゴヌクレオチドプローブアレイの主な遺伝性の問題(すなわち、ヘテロ接合サンプルにおけるすべての位置での単一塩基変化をなくする能力がないこと)が克服された。 PCR/LDRは癌検出における現在の要望:クローナル・マーカーとして作用する変異を適格にし、最小残留疾患および微小転移を検出することに答える。

    相違するサンプルの分析を実施する際に、アレイ含有の固体支持物を再使用できる。 このことは、製造する必要のある固体支持物の量を軽減し、サンプル分析の費用を下げる。

    本発明はまた、オリゴヌクレオチドの合成およびその固体支持物への付着に大きい適応性を付与する。 オリゴヌクレオチドは固体支持物とは別に合成され、支持体の特別の表面に付着される。 この技術は、完全長のオリゴヌクレオチドまたはペプチドヌクレオチド同族体("PNA")を固体支持物に付着するのに利用できる。 また、短いヌクレオチドまたは同族体セグメント(ダイマー、トリマー、テトラマー等)が固体支持物上での完全長オリゴマーへのセグメント縮合またブロック合成法において用いられる。

    (発明および図面の詳細な説明)
    本発明は、複数の標的ヌクレオチド配列における1以上の単一塩基の変更、挿入、欠失または転座により相違している複数の配列の1以上を同定する方法に関する。 この方法は連結反応相、捕捉反応相および検出反応相を含む。

    連結反応相は、複数の配列相違がある1以上のヌクレオチド配列を潜在的に含有するサンプルを準備することを要する。 この相では複数のオリゴヌクレオチドが利用される。 各セットは第1オリゴヌクレオチドプローブと第2オリゴヌクレオチドプローブとを含む。 前者は標的特異的部分およびアドレス可能特異的部分を有し、後者は標的特異的部分および検出レポーター標識を有する。 特定のセットにおける第1および第2オリゴヌクレオチドプローブは、対応する標的ヌクレオチド配列に互いに隣接してハイブリダイズするときに、一緒に連結反応するのに適したものである。 しかし、第1および第2オリゴヌクレオチドプローブは、サンプル中に存在する他のヌクレオチドとハイブリダイズするときに、該連結反応を干渉するミスマッチを有する。 リガーゼも用いられる。 サンプル、複数のオリゴヌクレオチドプローブセットおよびリガーゼが混和されて、混合物とする。 変性処理およびハイブリダイゼーション処理を含む1以上のリガーゼ検出反応サイクルに、この混合物をかける。 変性処理には、ハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドを標的ヌクレオチド配列から分離することが含まれる。 ハイブリダイゼーションには、サンプル中にもし存在すれば、オリゴヌクレオチドプローブセットを隣接位置で塩基特異的な方式でその夫々の標的ヌクレオチド配列にハイブリダイズすること、およびお互いに連結して、(a)アドレス可能アレイ特異的部分、(b)一緒に結合した標的特異的部分および(c)検出可能レポーター標識を含有する連結産物配列を形成することを含む。 オリゴヌクレオチドプローブセットは、その夫々の標的ヌクレオチド配列以外のサンプル中のヌクレオチド配列にハイブリダイズし得るが、1以上のミスマッチの存在によって一緒に連結せず、そして変性処理際に個々に分離する。

    次の相は捕捉反応相である。 この相は、特定の部位に固定された捕捉オリゴヌクレオチドを有する固体支持物を準備することを含む。 捕捉オリゴヌクレオチドはアドレス可能アレイ−特異的部分に相補的である。 連結反応相を行った後に、混合物を固体支持物に、アドレス可能アレイ特異的部分を捕捉オリゴヌクレオチドに塩基特異的方式でハイブリダイズするのに効果的な条件で、接触せしめる。 結果として、アドレス可能アレイ特異的部分が固体支持物上に、相補的捕捉オリゴヌクレオチドを有する部位で捕捉される。

    捕捉反応相の次は検出反応相である。 この段階において、連結産物配列のレポーター標識が特定部位で固体支持物に捕捉される。 固体支持物に結合したレポーター標識の存在が検出されたときに、サンプル中の1以上のヌクレオチド配列の夫々の存在が明らかにされる。

    しばしば、多数の単一塩基の変異、挿入または欠失が所望の配列の同じヌクレオチド位置で起こり得る。 この方法は、オリゴヌクレオチドセットを提供し、そこでは第2オリゴヌクレオチドプローブが共通で、かつ検出可能標識を含有し、第1オリゴヌクレオチドプローブは相違するアドレス可能アレイ特異的部分と標的特異的部分とを有する。 ミスマッチなしに問題の配列にハイブリダイズしたときに、第1オリゴヌクレオチドプローブは、第1連結反応の接合部における第2隣接オリゴヌクレオチドプローブへの連結反応に適している。 相違する第1隣接オリゴヌクレオチドプローブは、接合部でのミスマッチのないハイブリダイゼーションのみが連結反応を可能とする接合部において、相違する識別塩基を含むであろう。 各々の第1隣接オリゴヌクレオチドは相違するアドレス可能アレイ特異的部分を含み、そして特異的塩基変更は相違するアドレスでの捕捉により識別されるであろう。 この方式において、複数の相違する捕捉オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つの単一塩基が他の核酸と異なる追加の核酸配列を多重検出するために固体支持物上の相違する位置で付着される。 他の方法において、第1オリゴヌクレオチドプローブは共通のアドレス可能アレイ特異的部分を含み、第2オリゴヌクレオチドプローブは相違する検出可能標識と標的特異的部分を有する。

    このような編成は、少なくとも一つの単一塩基が他の核酸と相違する追加の核酸配列の多重検出を可能とする。 核酸配列は、このような多重検出を実施するときに同一または相違の対立遺伝子上に存在し得る。

    本発明は、本発明を実施するためのキットにも関し、これは、リガーゼ、複数の相違するオリゴヌクレオチドプローブセットおよび固定化捕捉オリゴヌクレオチドを有する固体支持物を含む。 標的ヌクレオチド配列の準備的増幅のためのプライマーもキットに含まれ得る。 増幅がポリメラーゼ連鎖反応であると、ポリメラーゼもキット中に含まれる。

    図1および2は、毛管またはゲル電気泳動/蛍光定量を用いる先行技術のリガーゼ検出に比較した本発明方法についての流れ図である。 図1は生殖細胞系変異検出に関し、図2は癌検出を示す。

    図1は、Li−Fraumeni症候群の因であるp53変異などの生殖細胞系変異の検出を表す。 工程1において、DNAサンプルの製造後、エクソン5−8はホットスタート条件下でTaq(すなわちThermus aquaticus)ポリメラーゼを用いてPCR増幅される。 反応の終了時に、Taqポリメラーゼを100℃10分間加熱で変性する。 工程2で、産物を20倍に対立遺伝子特異的かつ共通のLDRプライマー含有の新鮮なLDR緩衝液で薄める。 1管は一般に各プライマーを約100−200フェムトモル含む。 工程3で、リガーゼ検出反応をホットスタート条件でTaqリガーゼを加えることにより開始する。 LDRプローブはその隣接プローブに、接合部位で完全な相補性を与える標的配列の存在下でのみ、連結する。 産物を2つの相違するフォーマットで検出する。 第1フォーマット4aは先行技術で用いられており、蛍光標識LDRプローブが相違する長さのポリAまたはヘキサエチレンオキシド・テイルを含有する。 このように、各LDR産物は、少ししか相違のない運動性の正常DNAとの連結の結果にピークのラダーをもたらす。 生殖細胞系変異は電気泳動描写図に新たなピークを生じるであろう。 新ピークの大きさは元のサンプルにおける変異の量とほぼ同じである。 すなわち、ホモ接合正常は0%、ヘテロ接合担体は50%、ホモ接合変異は100%である。 第2フォーマット4bは本発明に関するものであり、各対立遺伝子特異的プローブは、例えば5'末端で24の追加のヌクレオチド塩基を含有する。 これらの配列は、アドレス可能なアレイ上の相補的アドレス配列に特異的にハイブリダイズする特殊なアドレス可能配列である。 LDR反応において、各対立遺伝子特異的プローブは、対応する標的配列の存在において、隣接蛍光標識共通プローブに連結する。 野生型および変異の対立遺伝子はアレイ上の隣接アドレスに捕捉される。 未反応プローブは水洗いして除く。 黒点は野生型対立遺伝子についての100%シグナルを表す。 白点は変異対立遺伝子について0%シグナルを表す。 灰色点は生殖細胞系の1つの位置、各対立遺伝子について50%シグナルを表す。

    図2は、p53腫瘍サプレッサー遺伝子における体細胞変異の検出を表すが、一般的にすべて低感受性変異検出である。 工程1において、DNAサンプルがつくられ、エクソン5−9は蛍光PCRプライマーを用いて3フラグメントとして増幅されたPCRである。 工程2において、これは毛管またはゲル電気泳動を用いて工程2においてPCR産物の蛍光定量を可能とする。 工程3において、この産物はマーカーDNAの1/100希釈でもってスパイクされる(3フラグメントの各々につき)。 このDNAは、癌サンプルに見られるが、適当なLDRプライマーで容易に検出される変異を含んでいることを別にすると、野生型のDNAに相同性である。 工程4の混合DNA産物は、変異またはマーカー対立遺伝子にのみ特異的なすべてのLDRプローブを含む緩衝液で20倍に希釈する。 工程5において、リガーゼ反応はホットスタート条件でTaqリガーゼの追加によって始まる。 LDRプローブは、接合部位で完全に相補的である標的配列の存在においてのみ、その隣接プローブに連結する。 産物は図1記載の同じ2フォーマットにおいて検出される。 工程6aは先行技術で用いられるものであるが、産物は毛管またはゲル電気泳動で単離され、蛍光シグナルが定量される。 変異ピーク対マーカーピークの比率は、100で割った元のサンプルに存在の癌変異の大体の量を示す。 工程6は本発明のものであり、産物はアドレス可能なアレイ上の相補的配列への特異的ハイブリダイゼーションによって検出される。 変異点のマーカー点に対する蛍光シグナル比率は、100で割った元のサンプルに存在する癌変異の大体の量を示す。

    本発明に従ったリガーゼ検出反応法は、図3−10を参考にして最も良く理解される。 これは、一般に、出典明示により本明細書の一部とするBarany et al.のWO90/17239, F. Barany et al., "Cloning, Overexpression and Nucleotide Sequence of a Thermostable DNA Ligase-encoding Gene”, Gene, 109:1-11(1991)およびF. Barany, “Genetic Disease Detection and DNA Amplification Using Cloned Thermostable Ligase”, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:189-193(1991)に記載されている。 本発明に従い、リガーゼ検出反応は、相補的オリゴヌクレオチド2セットを使用できる。 これは、出典明示により本明細書の一部とする三つの前記の引用文献に記載のリガーゼ連鎖反応として既知である。 あるいは、リガーゼ検出反応はオリゴヌクレオチド連結アッセイとして既知の1サイクルを含み得る。 Landegren, et al., “A Ligase-Mediated Gene Detection Technique”, Science 241:1077-80(1988);Landegren, et al., “DNA Diagnostics -- Molecular Techniques and Automation”, Sicence 242:229-37(1988);およびLandegren et al., 米国特許第4,988,617号参照。

    リガーゼ検出反応相中、変性処理を80−105℃で行い、ハイブリダイゼーションを50−85℃で行う。 各サイクルは、変性処理および熱ハイブリダイゼーション処理を含み、全体で約1から5分の長さである。 典型的に、連結検出反応は2から50サイクルの反復される変性およびハイブリダイジングを含む。 この方法のリガーゼ検出反応相の全時間は1から250分である。

    オリゴヌクレオチドプローブセットは、リボヌクレオチド、デオキシヌクレオチド、修飾リボヌクレオチド、修飾デオキシリボヌクレオチド、ペプチドヌクレオチドアナログ、修飾ペプチドヌクレオチドアナログ、修飾リン酸−糖骨格オリゴヌクレオチド、ヌクレオチドアナログおよびこれらの混合物であり得る。

    一つの変法において、オリゴヌクレオチドプローブセットのオリゴヌクレオチドは、各々66−70℃のハイブリダイゼーションまたは融点(即ち、T )を有する。 これらのオリゴヌクレオチドは20−28ヌクレオチド長である。

    DNAアレイの連結産物の捕捉前に、アドレス可能ヌクレオチドアレイ特異的部分を含む非変換LDRオリゴヌクレオチドプローブを化学的または酵素的に破壊することが望ましいことがある。 そうでなければ、このような非変換プローブは、相補的配列を含む固体支持物のアレイのアドレスでの結合に関して、連結産物と競合する。 破壊は、末端で遮断され、互いのプローブの連結に関与しないLRDプローブと組み合わせて、エキソヌクレアーゼIII(出典明示により本明細書の一部とするLH GuoおよびR. Wu, Methods in Enzymology 100:60-96(1985))のようなエキソヌクレアーゼを使用することにより達成できる。 遮断分子はレポーター基またはホスホロチオエート基である。 出典明示により本明細書の一部とするTT Nikiforow, et al., “The Use of Phosphorothioate Primers and Exonuclease Hydrolysis for the Preparaton of Single-stranded PCR Products and their Detection by Solid-phase Hybridization”, PCR Methods and Applications, 3:p.285-291(1994)。 LRD法の後、反応混合物とエキソヌクレアーゼのインキュベーションにより、非連結プローブを選択的に破壊する。 連結プローブは、エキソヌクレアーゼ反応の開始に必要な遊離3'末端の除去のために保護されている。 この方法は、特にLDR反応が少量の産物しか製造しない場合、シグナル対ノイズ比の増加をもたらす。 非連結オリゴヌクレオチドが捕捉オリゴヌクレオチドと捕捉に関して競合するため、このような連結オリゴヌクレオチドとの競合はシグナルを低下させる。 この実験の更なる利点は、非ハイブリダイズ標識含有配列が分解し、従って、それらが洗浄によりDNAアレイから容易に除去できるため、標的無関係背景シグナルの原因となりにくいことである。

    上記のようなオリゴヌクレオチドプローブセットは、検出に適したレポーター標識を有する。 有用な標識は、発色団、蛍光分子、酵素、抗原、重金属、磁気プローブ、色素、燐光性基、放射活性物質、化学ルミネセント分子および電気化学的検出分子を含む。 捕捉オリゴヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、修飾リボヌクレオチド、修飾デオキシリボヌクレオチド、ペプチドヌクレオチドアナログ、修飾ペプチドヌクレオチドアナログ、修飾リン酸−糖骨格オリゴヌクレオチド、ヌクレオチドアナログおよびこれらの混合物の形であり得る。 本発明の方法が複数のオリゴヌクレオチドセットを使用するとき、第2のオリゴヌクレオチドプローブは同じであり得るが、第1のオリゴヌクレオチドプローブのアドレス可能アレイ特異的部分は異なる。 あるいは、第1のオリゴヌクレオチドプローブのアドレス可能アレイ特異的部分は同じであり得るが、第2のオリゴヌクレオチドプローブのレポーター標識が異なる。

    本発明の連結検出反応相前に、サンプルを好ましくは初期標的核酸増幅法により増幅する。 これはサンプル内の標的ヌクレオチド配列の量を増加させる。 例えば、初期標的核酸増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応法、自己維持配列複製またはQ−βレプリカーゼ介在RNA増幅により達成し得る。 ポリメラーゼ連鎖反応が好ましい増幅法であり、出典明示により本明細書の一部とするH. Erlich et al., “Recent Advances in the Polymerase Chain Reaction”, Science 252:1643-50(1991);M. Innis, et al., PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Academic Press: New York(1990);およびR. Saiki, et al., “Primer-directed Enzymatic Amplification of DNA with a Thermostable DNA Polymerase”, Science 239:487-91(1988)に完全に記載されている。 出典明示により本明細書の一部とするJ. Guatelli, et al., “Isothermal, in vitro Amplification of Nucleic Acids by a Multienzyme Reaction Modeled After Retroviral Replication”, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874-78(1990)は、自己維持配列複製法を記載する。 Q−βレプリカーゼ介在RNA増幅は、出典明示により本明細書の一部とするF. Kramer, et al., “Replicable RNA Reporters”, Nature 339:401-02(1989)に記載されている。

    本発明に従ったポリメラーゼ連鎖反応法および続くリガーゼ検出法の使用は図3に示す。 ここで、二つの多形性(即ち、対立遺伝子相違)のホモまたはヘテロ接合性は同じ遺伝子上にある。 あるいはこのような対立遺伝子相違は異なる遺伝子上に存在し得る。

    図3に示すように、標的核酸は、二本鎖DNA分子の形で存在するとき、鎖を分離するために変性させる。 これは、80−105℃の温度での加熱により達成される。 ポリメラーゼ連鎖反応プライマーを次いで添加し、典型的に20−85℃で鎖にハイブリダイズさせる。 熱安定ポリメラーゼ(例えば、サーマス・アクアティクスポリメラーゼ)をまた添加し、温度を50−85℃に調節して、プライマーがハイブリダイズする核酸の長さに沿ってプライマーを伸張させる。 ポリメラーゼ連鎖反応の伸張相後、得られた二本鎖分子を80−105℃に加熱し、分子を変性させて鎖を離す。 これらのハイブリダイゼーション、伸張および変性段階は適当なレベルまで標的を増幅させるために何回も反復し得る。

    この方法のポリメラーゼ連鎖反応相が完了すると、連結検出反応相を図3のように始まる。 二本鎖DNA分子として存在する場合、80−105℃、好ましくは94℃で標的核酸を変性した後に、標的ヌクレオチド配列の一つの鎖の連結検出反応オリゴヌクレオチドプローブをリガーゼ(例えば、図3に示すようなサーマス・アクアティクスリガーゼのような熱安定性リガーゼ)と共に添加する。 次いで、オリゴヌクレオチドプローブを標的核酸分子とハイブリダイズさせ、典型的に45−85℃、好ましくは65℃の温度で共に連結させる。 連結反応の接合部で完全な相補性が存在するとき、オリゴヌクレオチドは共に連結できる。 可変性ヌクレオチドがTまたはAのとき、標的ヌクレオチド配列内のTの存在は、アドレス可能アレイ特異的部分Z1を有するオリゴヌクレオチドプローブのレポーター標識Fを有するオリゴヌクレオチドプローブへの連結をもたらし、標的ヌクレオチド配列内のAの存在は、アドレス可能アレイ特異的部分Z2を有するオリゴヌクレオチドプローブのレポーター標識Fを有するオリゴヌクレオチドへの連結をもたらす。 同様に、可変性ヌクレオチドがAまたはGであるとき、標的ヌクレオチド配列内のTの存在は、アドレス可能アレイ特異的部分Z4を有するオリゴヌクレオチドプロ−ブのレポーター標識Fを有するオリゴヌクレオチドへの連結をもたらし、標的ヌクレオチド配列内のCの存在は、アドレス可能アレイ特異的部分Z3を有するオリゴヌクレオチドプローブのレポーター標識Fを有するオリゴヌクレオチドへの連結をもたらす。 連結に続き、物質を再び変性に付し、ハイブリダイズ鎖を離す。 ハイブリダイゼーション/連結および変性段階は、1回以上のサイクル(例えば、1から50サイクル)で行い、標的シグナルを増幅し得る。 蛍光連結産物(およびアドレス可能アレイ特異的部分を有する非連結オリゴヌクレオチドプローブ)をハイブリダイゼーションにより、アドレス可能アレイの特定のアドレスにおけるZ1、Z2、Z3およびZ4部分に相補的な捕捉プローブを捕捉する。 次いで、連結オリゴヌクレオチドの存在を本来オリゴヌクレオチドの一つに存在する標識Fの力で検出する。 図3において、連結産物配列は、アドレス可能アレイ特異的部分Z1およびZ3と相補的な捕捉オリゴヌクレオチドを有するアレイとアドレスでハイブリダイズするが、一方、アドレス可能アレイ特異的部分Z2およびZ4を有する非連結オリゴヌクレオチドは、その相補的捕捉オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする。 しかしながら、連結産物配列のみが標識Fを有するため、その存在のみが検出される。

    図4は、本発明に従ったPCR/LDR法の流れ図であり、特定部位での可能性のある塩基を特定する。 アドレス可能アレイ特異的部分Z1、Z2、Z3およびZ4に相補的なアドレスでの蛍光シグナルの出現は、標的ヌクレオチド配列においてそれぞれA、G、CおよびT対立遺伝子の存在を示す。 ここで、標的ヌクレオチド配列中のAおよびC対立遺伝子の存在は、それぞれZ1およびZ3部分に相補的な捕捉オリゴヌクレオチドプローブを有する固体支持物のアドレスにおける蛍光により示される。 図4において、アドレス可能アレイ特異的部分は識別され得るオリゴヌクレオチドプローブ上にあり、識別され得る塩基はこれらのプローブの3'末端である。

    図5は、本発明による、二つの近接部位の可能な塩基の存在を検出するためのPCR/LDR法についての流れ図である。 ここで、LDRプライマーは重複し得るが、接合部で完全な相補性が存在する限り、まだ連結可能である。 このことは、重複プライマーが互いに妨害する対立遺伝子特異的PCRのような他の手段とLDRとを区別する。 図5において、第1ヌクレオチド位はAおおびC対立遺伝子でヘテロ接合であるが、第2ヌクレオチド位はG、CおよびA対立遺伝子にヘテロ接合である。 図4のように、アドレス可能アレイ特異的部分は識別され得るオリゴヌクレオチドプローブ上にあり、識別され得る塩基はこれらのプローブの3'末端にある。 レポーター基(例えば、蛍光標識)は共通オリゴヌクレオチドプローブの3'末端である。 これは例えば、個々に2つの正常および2つの擬似遺伝子を有し、イントロン2スプライス部位(ヌクレオチド656)で、三つの可能な単一塩基(G、AおよびC)が存在する場合21ヒドロキシラーゼ遺伝子で可能である。 また、これは薬剤耐性(例えば、AZTに)株の発生を示すHIV感染における低発生量変異の検出にも使用できる。 図5に戻って、アドレス可能アレイ特異的部分Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7およびZ8に相補的なアドレスでの蛍光シグナルの発生は、AおよびC対立遺伝子でのヘテロ接合部位におけるそれぞれA、G、CおよびTの存在、ならびにG、CおよびT対立遺伝子でのヘテロ接合部位におけるそれぞれA、G、CおよびTの存在を示す。

    図6は、本発明に従ったPCR/LDR法の流れ図であり、挿入(プローブの上左セット)および欠失(プローブの下右セット)が区別できる。 左で、正常配列はポリA路中に5つのAを含む。 変異配列は路に付加的な2つのAの挿入を有する。 従って、アドレス可能アレイ特異的部分Z1(正常配列を意味する)およびZ3(2塩基対挿入を意味する)を有するLDR産物は、共通プライマーへの連結により蛍光標識される。 LDR法(例えば、熱安定性リガーゼ酵素を使用した)はモノヌクレオチド反復における単一塩基の挿入または欠失の区別が困難ではないが、対立遺伝子特異的PCRは、3'塩基が両方の対立遺伝子に関して同じままのため、このような相違を区別できない。 右で、正常配列は(CA)5反復(即ち、CACACACACA)である。 変異は正常配列より二つ少ないCA塩基を含む(即ち、CACACA)。 これらはアドレス可能アレイ特異的部分Z8(正常配列を意味する)およびZ6(2CA欠失を意味する)アドレスでの蛍光LDR産物として検出される。 種々の感染作用因子の医薬への耐性は、本発明を使用してまた測定できる。 図6において、Z1およびZ3に相補的な捕捉オリゴヌクレオチドを有するアドレスでの蛍光標識Fにより示される連結産物配列の存在は、正常および変異ポリA配列の両方の存在を証明する。 同様に、Z6およびZ8に相補的な捕捉オリゴヌクレオチドを有するアドレスでの蛍光標識Fにより示される連結産物配列の存在は、正常CA反復および一つの反復単位が欠失した配列の両方の存在を証明する。

    図7は、本発明による、過剰の正常配列存在下での低発生量変異を検出するためのアドレス可能アレイ特異的部分を使用したPCR/LDR法の流れ図である。 図7は、K−ras遺伝子のコドン12である、グリシン(“Gly”)をコードする配列GGTを示す。 アスパラギン酸(“Asp”)をコードするGATへのGからAへの変異をわずかな割合の細胞が含む。 野生型(即ち、正常配列)のためのLDRプローブは反応から無くなる。 正常LDRプローブ(識別できる塩基=Gを有する)が含まれる場合、それらは共通プローブと連結し、変異標的に由来するシグナルを覆う。 代わりに、図7に示すように、アドレス可能アレイ特異的部分Z4に相補的な捕捉オリゴヌクレオチドを有するアドレスでの蛍光標識Fを有する連結産物配列の存在は、アスパラギン酸コード変異体の存在を示す。

    図8は、本発明による、アドレス可能アレイ特異的部分が共通オリゴヌクレオチドプローブ上に位置し、区別され得るオリゴヌクレオチドプローブがレポーター標識を有するPCR/LDR法の流れ図である。 対立遺伝子相違は異なる蛍光シグナルF1、F2、F3およびF4により区別可能である。 この方法は、各位置がある基で明示されるのが予め分かるので、対立遺伝子のより濃い使用を可能にする。 これは、その発光スペクトルと最小の重複がある蛍光基を必要とし、多重スキャンを必要とするという欠点を有する。 低発生量の対立遺伝子(例えば、癌関連変異)の検出に理想的には適していない。

    図9は、本発明による隣接および近接の両方の対立遺伝子を検出するPCR/LDR法の流れ図である。 隣接変異は互いにすぐ隣に存在し、オリゴヌクレオチドプローブの1セットが結合の3'末端の塩基を識別し(異なるアドレス可能アレイ特異的部分Z1、Z2、Z3およびZ4の使用により)、一方、オリゴヌクレオチドプローブの他のセットが、結合の5'末端の塩基を識別する(異なる蛍光レポーター標識F1、F2、F3およびF4の使用により)。 図9において、Glyおよびアルギニン(“Arg”)をそれぞれコードする疾病遺伝子(例えば、嚢胞線維症のCFTR)のコドンは生殖細胞系変異の候補物である。 図9の検出結果は、Gly(GGA;部分Z2および標識F2を有する連結産物配列により示される)がグルタミン酸(“Glu”)(GAA;部分Z2および標識F1を有する連結産物配列により示される)に変異し、Arg(CGG;部分Z7および標識F2を有する連結産物配列により示される)がトリプトファン(“Trp”)(TGG;部分Z8および標識F2を有する連結産物配列により示される)に変異している。 従って、患者は、化合物へテロ接合個体(即ち、両方の遺伝子で対立遺伝子変異を有する)であり、この疾病を有している。

    図10は、本発明に従ったPCR/LDR法の流れ図であり、単一コドンに関して可能なすべての単一塩基変異を検出する。 ほとんどのアミノ酸コドンは3番目の塩基で変性をし、従って、最初の二つの位置はタンパク質レベルですべての可能な変異を決定できる。 これらのアミノ酸はアルギニン、ロイシン、セリン、スレオニン、プロリン、アラニン、グリシンおよびバリンである。 しかしながら、あるアミノ酸はコドンの全3塩基により決定され、3個の隣接位置における変異を識別するオリゴヌクレオチドプローブが必要である。 図10に示すように、4つの可能な塩基を3'末端から二番目の位置に含む4つのオリゴヌクレオチドを設計することにより、および3'末端に4つの可能な塩基を含む4つの捕捉オリゴヌクレオチドを設計することにより、この問題は解決される。 レポーター標識を有する共通オリゴヌクレオチドは、コドン変性に対応し、同じアレイアドレスで捕捉される異なる連結産物配列を識別する二つの蛍光のみを有する。 例えば、図10に示されるように、グルタミン(“Glu”)コードコドン(即ち、CAAおよびCAG)の存在は、部分Z1および標識F2を含む連結産物配列の存在により示される。 同様に、Gluのヒスチジン(“His”)コード変異(コドンCACによりコードされる)の存在は、部分Z1および標識F2を有する、および部分Z7および標識F2を有する連結産物配列の存在により示される。 プライマーZ1およびZ7が同一配列であるという事実のため、このアッセイに内部過剰が組み入れられる。

    本発明の特に重要な態様は、サンプル内の標的ヌクレオチド配列を定量できる能力である。 これは内部(即ち、標準確立物質をサンプルと共に増幅および検出するとき)または外部(即ち、標準確立物質を増幅せず、サンプルと共に検出するとき)であり得る標準を確立することにより、多くの方法で達成できる。

    一つの定量法に従い、レポーター標識により発生したシグナルを検出する。 このシグナルは、分析するサンプルから製造された連結産物配列の捕捉によりもたらされる。 このシグナルの強度を、既知の量の標的ヌクレオチド配列を有するサンプル内の連結産物配列の捕捉により発生したシグナルにより製造した目盛曲線と比較する。 結果として、分析するサンプル内の標的ヌクレオチド配列の量が測定できる。 この方法は外部標準の使用に関する。

    本発明に従った他の定量法は内部標準に関する。 ここで、既知量の1以上のマーカー標的ヌクレオチド配列をサンプルに添加する。 さらに、複数のマーカー特異的オリゴヌクレオチドプローブセットをリガーゼ、前記のオリゴヌクレオチドプローブセットおよびサンプルと共に添加して、混合物とする。 マーカー特異的オリゴヌクレオチドプローブセットは、(1)マーカー標的ヌクレオチド配列に相補的な標的特異的部分および固体支持物上の捕捉オリゴヌクレオチドに相補的なアドレス可能アレイ特異的部分を有する第1オリゴヌクレオチドプローブおよび(2)マーカー標的ヌクレオチド配列に相補的な標的特異的部分および検出可能レポーター標識を有する第2オリゴヌクレオチドプローブを含有する。 特定のマーカー特異的オリゴヌクレオチドセット中のオリゴヌクレオチドプローブは、対応するマーカー標的ヌクレオチド配列が互いに隣接してハイブリダイズするときに、連結するのに適している。 しかしながら、サンプルに存在する他のオリゴヌクレオチド配列かまたは添加したマーカー配列とハイブリダイズするとき、このような連結を妨害するミスマッチがある。 固体支持物に捕捉された連結産物配列の存在はレポーター標識の検出により同定される。 次いで、サンプル内の標的オリゴヌクレオチド配列の量を、既知の量のマーカー標的ヌクレオチド配列から発生した捕捉連結産物の量を捕捉した他の連結産物配列の量と比較することにより決定する。

    本発明に従った他の定量法は、複数の配列相違を有する2以上の複数の標的ヌクレオチド配列を含むサンプルの分析を含む。 ここで、標的ヌクレオチド配列に対応する連結産物配列は、前記方法により検出および識別される。 サンプル内の標的ヌクレオチド配列の相対的量を、次いで発生した捕捉連結産物配列の相対適量と比較することにより定量する。 これはサンプル内の標的ヌクレオチド配列の相対的レベルの定量測定を提供する。

    本発明のリガーゼ検出反応相は、オリゴヌクレオチド産物増幅を達成するためのリガーゼ連鎖反応方法により進められる。 この方法は、出典明示により本明細書の一部とするF. Barany, et al., “Cloning, Overexpression and Nucleotide Sequence of a Thermostable DNA Ligase-enoding Gene”, Gene 109:1-11(1991)およびF. Barany, “Genetic Disease Detection and DNA Amplification Using Cloned Thermostable Ligase”, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:189-93(1991)に完全に記載されている。 増幅を達成するためのリガーゼ連鎖反応の代わりに、転写ベース増幅法を使用できる。

    好ましい熱安定リガーゼは、サーマス・アクアティクス由来のものである。 この酵素はこの生物から単離できる。 出典明示により本明細書の一部とするM. Takahashi, et al.,“Thermophillic DNA Ligase”, J. Biol. Chem. 259:10041-47(1984)。 あるいは、組換え的に製造できる。 サーマス・アクアティクスリガーゼおよびサーマス・セモフィルスリガーゼのこのような単離および組換え製造法は、出典明示により本明細書の一部とするBarany, et al.のWO90/17239およびF. Barany, et al., “Cloning, Overexpression and Nucleotide Sequence of a Thermostable DNA-Ligase Encoding Gene”, Gene 109:1-11(1991)に記載されている。 これらの引用文献はリガーゼおよびそのコードDNAの完全な配列情報を含む。 他の適当なリガーゼは、エシェリキア・コリリガーゼ、T4リガーゼおよびピロコッカスリガーゼを含む。

    連結増幅混合物はサケ精子DNAのような担体DNAを含み得る。
    好ましくは熱ハイブリダイゼーション処理であるハイブリダイゼーション段階は、連結反応の接合部の識別し得るヌクレオチドを基にしたヌクレオチド配列の間を識別する。 標的ヌクレオチド配列間の相違は、例えば、単一核酸塩基相違、核酸欠失、核酸挿入または核酸転座であり得る。 一個以上の塩基が関与するこのような配列相違もまた検出できる。 好ましくは、オリゴヌクレオチドプローブセットは、実質的に同じハイブリダイゼーション条件下で標的ヌクレオチド配列にハイブリダイズするように、実質的に同じ長さである。 結果として、本発明の方法は、感染性疾患、遺伝的疾患および癌の検出を可能とする。 環境監視、法医学および食物科学においても有用である。

    広範囲の感染性疾患が本発明の方法で検出できる。 典型的に、それらは細菌、ウイルス、寄生虫および真菌感染作用因子によりもたらされる。 種々の感染作用因子の医薬に対する耐性もまた本発明を使用して測定できる。

    本発明により検出できる細菌感染作用因子は、大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌、クレブシエラ、シュードモナス、リステリア・モノサイトゲネス、マイコバクテリウム・ツベルクローシス、マイコバクテリウム・アビウム−イントラセルラレ、エルシニア、フランシセラ、パスツレラ、ブルセラ、クロストリディア、ボルデテラ・ペルツシス、バクテリア状物、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・ニューモニア、B−溶血性連鎖球菌、コリネバクテリア・レジオネラ、ミコプラズマ、ウレアプラズマ、クラミジア、ナイセリア・ゴノレア、ナイセリア・メニンギティデス、ヘモフィラス・インフルエンザ、エンテロコッカス・ファエカリス、プロテウス・ブルガリス、プロテウス・ミラビリス、ヘリコバクター・ピロリ、トレポネマ・パラジウム、ボレリア・ブルグドルフェリ、ボレリア・レクレンティス、リケッチア病原菌、ノカルディアおよびアクチノマイセテスを含む。

    本発明で検出できる真菌感染作用因子は、クリプトコッカス・ネオフォルマンス、ブラストミセス・デルマティティディス、ヒストプラスマ・カプスラタム、コシディオイデス・イミティス、パラコシシオイデス・ブラシリエンシス、カンジダ・アルビカンス、アスペルギルス・フミガウトゥス、フィマイセテス(リゾプス)、スポロスリックス・シェンキー、クロモマイコシスおよびマドゥロマイコシスを含む。

    本発明により検出できるウイルス感染作用因子は、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトTリンパ球好性ウイルス、肝炎ウイルス(例えば、B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス)、エプスタイン−バールウイルス、サイトメガロウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、オルソミクソウイルス、パラミクソウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、ラブドウイルス、ポリオウイルス、トガウイルス、ブニャウイルス、アレナウイルス、ルベラウイルスおよびレオウイルスを含む。

    本発明により検出できる寄生虫作用因子は、プラスモジウム・ファルシパルム、プラスモジウム・マラリア、プラスモジウム・ビバックス、プラスモジウム・オバレ、オンコベルバ・ボルブルス、レイシュマニア、トリパノソーマ種、シストソーマ種、エンタモエバ・ヒストリティカ、クリプトスポリジウム、ギアルディア種、トリコモナス種、バラチジウム・コリ、ウシェレリア・バンクロフティ、トキソプラスマ種、エンテロビウス・バーミクラリス、アスカリス・ルンブリコイデス、トリシュリス・トリシウラ、ドラクンクルス・メディネシス、吸虫類、ジフィロボスリウム・ラトゥム、タエニア種、ニューモシスティス・カリニおよびネカター・アメリカニスを含む。

    本発明はまた感染作用因子による医薬耐性の検出にも有用である。 例えば、バンコマイシン耐性エンテロコッカス・ファエシウム、メチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス、ペニシリン耐性ストレプトコッカス・ニューモニアエ、多剤耐性マイコバクテリウム・ツベルクローシスおよびAZT耐性ヒト免疫不全ウイルスを本発明によりまた同定できる。

    遺伝的疾患もまた本発明の方法により検出できる。 これは染色体および遺伝的異常のための出生前スクリーニングまたは遺伝的疾患のための出生後スクリーニングにより行い得る。 検出可能な遺伝的疾患の例は:21ヒドロキシラーゼ欠損症、嚢胞線維症、フラジレX症候群、ターナー症候群、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ダウン症候群または他のトリソミー、心臓疾患、単一遺伝子疾患、HLAタイピング、フェニルケトン尿症、鎌状赤血球性貧血、テイ・サックス病、サラセミア、クラインフェルター症候群、ハンチントン病、自己免疫疾患、リピドーシス、肥満欠損、血友病、代謝の先天性異常および糖尿病を含む。

    本発明の方法により検出できる癌は、一般的にオンコジーン、腫瘍抑制遺伝子またはDNA増幅、複製、組換えまたは修復に関与する遺伝子を含む、これらの例は:BRCA1遺伝子、p53遺伝子、家族性大腸ポリポーシス、Her2/Neu増幅、Bcr/Abl、K−ras遺伝子、ヒト乳頭腫ウイルスタイプ16および18、白血病、大場癌、乳癌、癌、前立腺癌、脳腫瘍、中枢神経系腫瘍、膀胱癌、黒色腫、肝臓癌、骨肉腫および他の骨癌、精巣および卵巣癌、ENT腫瘍およびヘテロ接合性の損失を含む。

    環境監視の領域で、本発明は、天然および工学的生態系ならびに都市廃棄水浄化システムおよび貯水槽中または生物改善を行っている汚染領域のような微小生態系における病原性および常在性微生物の検出、同定および追跡に使用できる。 新陳代謝生体異物であり得る遺伝子を含むプラスミドの検出もまた可能であり、集団機能的研究における特異的標的微生物の追跡、または環境的および工学的植物における遺伝的に修飾された微生物の検出、同定または追跡をする。

    本発明は、また、軍務上の人的あるいは犯罪上の検査、父親検定および家族関係解析のためのヒト同定、HLA適合性タイプ分類、および汚染に関する血液、精液または移植臓器のスクリーニングを含む種々の領域または法医学領域で使用できる。

    食物および飼料産業において、本発明は広範囲の適用を有する。 例えば、ビール、ワイン、チーズ、ヨーグルト、パン等の製造のための酵母のような製造生物の同定および特徴付けのために使用できる。 使用の他の領域は汚染に対する産物および処理(例えば、家畜、滅菌および肉処理)の品質コントロールおよび保証に関する。 他の使用は、育種目的の植物、球根および種子の特徴付け、植物特異的病原体の同定および種々の家畜感染の検出および同定を含む。

    望ましくは、オリゴヌクレオチドプローブは、連結反応の接合部における完全相補性のため、対応する標的ヌクレオチド配列と互いに隣接してハイブリダイズするとき、連結反応の接合部で互いに連結するのに適している。 しかしながら、セット中のオリゴヌクレオチドプローブがサンプル内に存在する他のヌクレオチド配列とハイブリダイズするとき、連結を妨害する連結反応の接合部の塩基ミスマッチがある。 最も好ましくは、ミスマッチは連結反応の接合部の3'塩基に隣接した塩基である。 あるいは、ミスマッチは連結反応の接合部に隣接した塩基であり得る。

    本発明の方法は100アトモルから250フェムトモルの量の第1および第2のヌクレオチド配列の検出が可能である。 LDR段階を一次ポリメラーゼ指向増幅段階と組み合わせることにより、本発明の全過程が、サンプル内の1分子の少なさの標的ヌクレオチド配列を検出できる。 更に、しばしばピコモル量であるPCR修飾産物は上記範囲内に容易に希釈し得る。 リガーゼ検出反応は、マッチした連結産物配列の割合の.005より少ないミスマッチ連結産物配列の形成の割合を達成する。

    連結反応相が完了すると、捕捉反応相が開始される。 捕捉相の間、混合物は45−90℃の温度で、60分までの時間で固体支持物と接触する。 ハイブリダイゼーションは容量排除またはカオトロピック剤の添加により加速し得る。 アレイが数ダースから数百のアドレスから成る場合、正確な連結産物が適当なアドレスにハイブリダイズする機会を有することが重要である。 これは、使用する高温でのオリゴヌクレオチドの熱移動、アレイ表面と接触する液体の機械的移動、または電場によるアレイを交差したオリゴヌクレオチドの移動により達成し得る。 ハイブリダイゼーション後、アレイを連続して低ストリンジェンシー洗浄緩衝液で、次いで高ストリンジェンシー洗浄緩衝液で洗浄する。

    安定な形態でハイブリダイズする捕捉オリゴヌクレオチドおよびアドレス可能なヌクレオチドを選択することが重要である。 これには、捕捉オリゴヌクレオチドがアドレス可能アレイ特異的部分とハイブリダイズするよりも低い温度で、オリゴヌクレオチドセットが標的ヌクレオチド配列とハイブリダイズするように、オリゴヌクレオチドセットおよび捕捉ヌクレオチドを配列させることが必要である。 オリゴヌクレオチドがこの形態に設計されていないと、標的とハイブリダイズする同じオリゴヌクレオチドセット由来の隣接未反応オリゴヌクレオチドの捕捉により、擬似陽性シグナルがもたらされることがある。

    検出反応相は、特定のオリゴヌクレオチドセットの連結が起こるときに走査および同定をなし、連結を試験サンプル内の標的オリゴヌクレオチドの存在・不存在と相関せしめることを含む。 走査は走査電子顕微鏡、共焦顕微鏡、電化結合装置、走査透過電子顕微鏡、赤外線顕微鏡、原子力顕微鏡、電気的コンダクタンスおよび蛍光または燐光造影により行うことができる。 相関処置はコンピューターで行う。

    本発明の他の態様は、固体支持物上にオリゴヌクレオチドのアレイを形成する方法に関する。 この方法は、オリゴヌクレオチドの結合にそれぞれ適した位置のアレイを有する固体支持物の提供を含む。 固体支持物にオリゴヌクレオチドを結合させるのに適したリンカーまたは支持物(好ましくは非加水分解可能)をそれぞれのアレイの位置で固体支持物に結合させる。 固体支持物上のオリゴヌクレオチドのアレイは、マルチマーヌクレオチドの付着のための選択したアレイ位置を活性化すること、および活性化アレイ位置でのマルチマーヌクレオチドを付着することの一連のサイクルによって形成される。

    本発明の更に別の態様は、固体支持物上のオリゴヌクレオチドのアレイそれ自体に関する。 固体支持物はオリゴヌクレオチドの結合にそれぞれ適したアレイを有する。 固体支持物にオリゴヌクレオチドを結合させるのに適したリンカーまたは支持物(好ましくは非加水分解可能)を各アレイの位置で固体支持物に結合させる。 オリゴヌクレオチドのアレイは、16ヌクレオチドより大きいオリゴヌクレオチドにより占められているアレイ位置の少なくともいくつかにより固体支持物上に配置される。

    アレイ形成法において、異なるマルチマーオリゴヌクレオチドセット由来のマルチマーオリゴヌクレオチドを固体支持物上の異なるアレイ位置に結合する。 結果として、固体支持物は異なる位置に結合したマルチマーオリゴヌクレオチドの異なるグループのアレイの位置を有する。

    1,000の異なるアドレスが、LDRオリゴヌクレオチドプローブの標的特異的配列(例えば、約20から25量体)に共有的に結合した独特な捕捉オリゴヌクレオチド配列(例えば、24量体)であり得る。 捕捉オリゴヌクレオチドプローブ配列は標的配列またはサンプルに存在し得るゲノムの他の配列のいずれとも相同性を有しない。 このオリゴヌクレオチドプローブを次いでそのアドレス可能アレイ特異的部分、即ちアドレス可能な固体支持物アレイ上の捕捉オリゴヌクレオチドと相補的な配列により捕捉する。 この概念は例えば、p53 R248変異の検出のための二つの可能なフォーマット(図13A−B)に表される。

    図13A−Bにおいて、図の上部はp53腫瘍抑制遺伝子のコドン248における生殖細胞系変異の存在を同定するために設計したオリゴヌクレオチドプローブの二つの別な形態を示す。 野生型配列はアルギニン(R248)をコードし、一方、癌変異はトリプトファン(R248W)をコードする。 図の下部は捕捉オリゴヌクレオチドの模式図である。 太い水平線はアドレス可能アレイと接触する膜または固体表面を示す。 細い曲線は柔軟性リンカーアームを示す。 やや太い線はCからN方向で固体表面に結合した捕捉オリゴヌクレオチド配列を示す。 説明の目的のために捕捉オリゴヌクレオチドを垂直に書き、B部分のリンカーアームが“伸びている”ように見えるようにした。 アームが柔軟であるので、捕捉オリゴヌクレオチドは、塩基対相補性により指図されるように、各場合に5'とCおよび3'とNでハイブリダイズ可能である。 ヌクレオチドハイブリダイゼーションの同じ指向が、オリゴヌクレオチドがN末端で膜に付着している場合に可能である。 この場合、DNA/PNAハイブリダイゼーションが標準逆向き平衡5'から3'および3'から5'である。 他の修飾糖−リン酸骨格が同様の形態で使用される。 図13Aは、3'末端に識別し得る塩基CまたはTを含むことにより、野生型および変異のp53を識別するように設計した二つのLDRプライマーを示す。 正確な標的DNAおよびTthリガーゼの存在下で、識別し得るプローブは共通下流オリゴヌクレオチドに共有的に結合する。 下流オリゴヌクレオチドは蛍光標識される。 識別し得るオリゴヌクレオチドはそれぞれの各5'末端の独特なアドレス可能アレイ特異的部分Z1およびZ2の存在により識別する。 黒点線は標的依存的連結が起こっていることを示す。 連結後、アレイのユニークなアドレスにおけるアドレス可能アレイ特異的部分の相補性により、オリゴヌクレオチドプローブを捕捉し得る。 連結および未反応の両方のオリゴヌクレオチドプローブをオリゴヌクレオチドアレイにより捕捉する。 未反応蛍光標識共通プライマーおよび標的DNAを続いて高温(約65℃から80℃)および低塩で洗い流す。 変異シグナルはアドレス可能アレイ特異的部分Z1に相補的な捕捉オリゴヌクレオチドでの蛍光シグナルの検出により識別されるが、野生型シグナルはアドレス可能アレイ特異的部分Z2に相補的な捕捉オリゴヌクレオチドで見られる。 ヘテロ接合性がアドレス可能アレイ特異的部分Z1およびZ2に相補的な捕捉オリゴヌクレオチドでの等しいシグナルにより示される。 シグナルは蛍光イメージ剤を使用して定量し得る。 このフォーマットは、各対立遺伝子に関して独特なアドレスを使用し、低レベルのシグナル(30から100アトモルのLDR産物)の非常に正確な検出の達成に好ましい。 図13Bは、識別可能なシグナルが蛍光イメージ剤を使用して定量し得ることを示す。 このフォーマットは、5'末端に異なる蛍光基F1およびF2を有することによりオリゴヌクレオチドプローブが識別されるユニークなアドレスを使用する。 いずれのオリゴヌクレオチドもその3'末端にアドレス可能アレイ特異的部分Z1を含む共通下流オリゴヌクレオチドプローブに連結し得る。 この形態で、野生型および変異の両方のLDR産物はアレイの同じアドレスで捕捉され、その異なる蛍光で識別される。 この形態はアレイのより有効な使用を可能にし、可能性のある多くの生殖細胞系変異の検出を試みる場合に好ましいことがある。

    固体支持物は広範囲の物質から製造できる。 基材は、生物学的、非生物学的、有機、無機、またはこれらの組み合わせであり得、粒子、鎖、沈殿物、ゲル、薄板、管、球体、容器、毛細管、パッド、切片、フィルム、プレート、スライド、ディスク、膜等として存在する。 基材は、ディスク、立方体、円などの簡便な形を有し得る。 基材は好ましくは平らであるが、種々の別の表面アレイを取り得る。 例えば、基材は合成が行われる盛り上がったまたは窪んだ領域を含み得る。 基材およびその表面は好ましくは、固い支持物を形成し、その上でここに記載の反応が行われる。 基材およびその表面はまた適当な光吸収特性を提供するために選択される。 例えば、基材は重合化ラングミュア・ブロッドゲットフィルム、機能化ガラス、Si、Ge、GaAs、GaP、SiO 、SiN 、修飾シリコンまたは(ポリ)テトラフルオロエチレン、(ポリ)ビニリデンジフロリド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルクロライド、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)またはこれらの組み合わせのような種々のゲルまたはポリマーの一つであり得る。 他の基材は、本明細書のレビューにより当業者には容易に明らかである。 好ましい態様において、基材は平ガラスまたは一結晶シリコンである。

    ある態様に従い、基材の表面は所望の表面特性を提供するために既知の方法でエッチングする。 例えば、溝、v−溝、メサ構造、盛り上がったプラットホーム等の形により、蛍光源からの光回収の最大化のための反射“鏡”構造等と共に、合成領域が衝突光の焦点内により近く置かれ得る。

    固体支持物表面は、通常、常にではないが、基材と同じ物質で構成される。 従って、表面は広範囲の材料、例えばポリマー、プラスチック、セラミックス、ポリサッカライド、シリカまたはシリカベース物質、炭素、金属、無機ガラス、膜またはこれらの複合物から構成され得る。 表面は基材表面にしっかりと付着している結合膜により官能化される。 好ましくは、表面官能性はシラノール、オレフィン、アミノ、ヒドロキシル、アルデヒド、ケト、ハロ、アシルハライドまたはカルボキシル基のような反応性基である。 ある場合、このような官能性は基材に先在する。 例えば、シリカベース材料はシラノール基を有し、ポリサッカライドはヒドロキシル基を有し、合成ポリマーは、それらが製造されたモノマーに依存して、広範囲の官能基を含み得る。 あるいは、基材が所望の官能基を含まない場合、このような基は基材に一回以上の段階で結合させ得る。

    適当に修飾されたガラス、プラスチックを含む種々の商品として入手可能な物質または炭水化物の表面または種々の膜を使用できる。 物質に依存して、表面官能基(例えば、シラノール、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ)は始めから(恐らく、コーティングポリマーの一部として)存在し得、または官能基の導入のために別の段階(例えば、プラスマアミノ化、クロム酸酸化、官能化側鎖アルキルトリクロロシランでの処置)が必要である。 ヒドロキシル基は数回の方法により安定なカルバメート(ウレタン)結合に包含されることになる。 アミノ官能基は直接アシル化されるが、一方カルボキシル基は、例えば、N,N'−カルボニルジイミダゾールまたは水溶性カルボジイミドで活性化し、アミノ官能化化合物と反応させる。 図11に示すように、固体支持物は出発官能基Xを有する膜または表面であり得る。 官能基の変形は(必要に応じて)種々の方法で行い得、共有結合において基Y*の一つの対を意味する基X*を提供する。 図11はPEG(即ち、ポリエチレングリコール)の合体を特に示すが、反応の同じレパートリーが炭水化物(ヒドロキシルを有する)、リンカー(カルボキシルを有する)および/または適当な官能基(アミノまたはカルボキシル)で伸張されているオリゴヌクレオチドの結合に使用される(いかに必要であろうとも)。 ある場合、基X*またはY*は予備活性化される(別の反応で単離可能な種);あるいは、活性化がその場で起こる。 図11に記載のようなPEGに関して、YおよびY*は同じ(同一二官能性)または異なり(異種二官能性)得る;後者の場合、Yは化学的に更に制御するために保護できる。 非反応アミノ基は、アセチル化またはサクシニル化により遮断され、過剰な非ハイブリダイズDNAを“防止する”中性または陰性の電荷環境を確実にする。 装電レベルは標準的分析法により測定できる。 出典明示により本明細書の一部とするFields, et al., “Principles and Practice of Solid-Phase Peptide Synthesis”, Synthetic Peptides:A User's Guide, G. Grant編集者, WH Freeman and Co.:New York, p. 77-183(1992)。

    官能基をシリカベース支持物表面に適用させる一つの試みは、所望の官能基(例えば、オレフィン、アミノ、ヒドロキシル、アルデヒド、ケト、ハロ、アシルハライドまたはカルボキシル)を有する分子か、または所望の官能基含有の他の分子Bに結合できる分子Aを有する分子かのいずれかでシラン化することである。 前者の場合、ガラスまたはシリカベース固体支持物の、例えばアミノ基での官能化は、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピリジトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノメチルフェニルトリメチルシランまたはこれらの混合物のようなアミン化合物と反応させることにより、行う。 後者の場合、分子Aは好ましくはビニル、アクリレート、メタクリレートまたはアリルのようなオレフィン基を含み、分子Bはオレフィン基および所望の官能基を含む。 この場合、分子AおよびBを共に重合化させる。 ある場合、シラン化表面を修飾して、その特性を修飾することが望ましい(例えば、生体適合性を付与するため、および機械的安定性を増加させるため)。 これは分子Bと共にオレフィン分子Cの付加により達成でき、分子A、BおよびCを含むポリマーネットワークを製造する。

    分子Aは下記の式により定義される:

    〔式中、


    はHまたはCH


    は(C=O)−O−R

    、官能置換基を有するかまたは有しない脂肪族基、官能置換基を有するかまたは有しない芳香族基もしくは官能置換基を有するかまたは有しない混合脂肪族/芳香族基;


    はO−アルキル、アルキルまたはハロゲン基;


    はO−アルキル、アルキルまたはハロゲン基;


    はO−アルキル、アルキルまたはハロゲン基;そしてR

    は官能置換基を有するかまたは有しない脂肪族基、官能置換基を有するかまたは有しない芳香族基もしくは官能置換基を有するかまたは有しない混合脂肪族/芳香族基である〕。 分子Aの例は、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N'−(4−ビニルベンジル)エチレンジアミン、トリエトキシビニルシラン、トリエチルビニルシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシランおよびビニルトリメチルシランを含む。

    分子Bは上記の一個以上の官能基を含むモノマーであり得る。 分子Bは下記の式により定義される:

    〔式中、


    (i)R

    はHまたはCH


    は(C=O)、そしてR

    はOHまたはCl


    または


    (ii)R

    はHまたはCH

    そしてR

    は(C=O)−O−R

    、官能置換基を有するかまたは有しない脂肪族基、官能置換基を有するかまたは有しない芳香族基もしくは官能置換基を有するかまたは有しない混合脂肪族/芳香族基;そしてR

    はOH、COOH、NH

    、ハロゲン、SH、COClまたは活性化エステルのような官能基;そしてR

    は官能置換基を有するかまたは有しない脂肪族基、官能置換基を有するかまたは有しない芳香族基もしくは官能置換基を有するかまたは有しない混合脂肪族/芳香族基である〕。 分子Bの例は、アクリル酸、アクリルアミド、メタクリル酸、ビニル酢酸、4−ビニル安息香酸、イタコン酸、アリルアミン、アリルエチルアミン、4−アミノスチレン、2−アミノエチルメタクリレート、塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル、クロロスチレン、ジクロロスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、ビニルベンジルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルメタクリレートまたはポリ(エチレングリコール)メタクリレートを含む。

    分子Cは分子A、分子Bまたは両方に重合化でき、所望により上記の一個以上の官能基を有し得る分子であり得る。 分子Cはアクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、4−ビニル安息香酸、イタコン酸、アリルアミン、アリルエチルアミン、4−アミノスチレン、2−アミノエチルメタクリレート、塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル、クロロスチレン、ジクロロスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、ビニルベンジルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、スチレン、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリアリレート、N,N'−メチレンジアクリルアミド、N,N'−フェニレンジアクリルアミド、3,5−ビス(アクリロイルアミド)安息香酸、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロルプロパンエトキシレート(14/3EO/OH)トリアクリレート、トリメチロルプロパンエトキシレート(7/3EO/OH)トリアクリレート、トリエチルプロパンプロポキシレート(1PO/OH)トリアクリレートまたはトリメチオルプロパンプロポキシレート(2PO/PHトリアクリレート)のようなモノマーまたはクロスリンカーであり得る。

    一般に、官能基は支持物に最後に結合するオリゴヌクレオチドの出発点として働く。 これらの官能基は、リンカーまたはハンドルの使用として考えられるように、固体支持物に付着する有機基と反応性であるか、またはこのような基と反応性であるように修飾できなければならない。 官能基はまた支持物に種々の所望の特性を付与する。

    固体支持物の(必要であれば)官能化の後、相補的オリゴヌクレオチド捕捉プローブの担体部位として作用し得る活性化官能基を含む適合したポリマーネットワークを支持物に接合できる。 この方法の利点は、捕捉プローブのキャパシティーがこのように明白に増加し、一方、中間固体から液体相の物理的特性が良好に制御できることである。 最適化の対象であるパラメーターは、官能基含有モノマーのタイプおよび濃度ならびに使用するクロスリンカーのタイプおよび相対的濃度を含む。

    官能性支持物の表面は好ましくはリンカー分子の層を備えるが、リンカー分子は本発明の必須要件でないことは理解されるであろう。 リンカー分子は、好ましくは完全な支持物内のポリマーを、支持物にさらされた分子と自由に相互作用させるのに充分な長さである。 リンカー分子は充分な暴露を提供するために6−50原子長でなければならない。 リンカー分子は、例えば、アリールアセチレン、2−10モノマー単位を有するエチレングリコールオリゴマー、ジアミン、二酸、アミノ酸またはこれらの組み合わせであり得る。
    別の態様に従って、リンカー分子はその親水性/疎水性特性に基づいて選択され、ある受容体に対する合成ポリマーの提示を改善する。 例えば、親水性受容体の場合、親水性リンカー分子は好ましくは受容体が合成ポリマーにより密接に近づくことを可能とする。

    他の別の態様に従って、リンカー分子はまた中間位置に光開裂可能基を備える。 光開裂可能基は、好ましくは保護基と異なる波長で開裂される。 これは、異なる光の波長にさらす方法により、合成の完了後に種々のポリマーの除去を可能にする。

    リンカー分子は、例えば(ポリ)トリフルオロクロロエチレン表面を使用して、炭素−炭素結合を介して、または好ましくはシロキサン結合(例えば、ガラスまたは酸化シリコン表面を使用して)により支持物に付着できる。 支持物の表面とのシロキサン結合は、一つの態様において、トリクロロシリル基を担持するリンカー分子の反応を介して形成され得る。 リンカー分子は、所望により規則正しい配置で、即ち、重合化モノマーの頭基の一部として結合し得る。 別の態様において、リンカー分子は支持物の表面に吸着される。

    DNAまたはPNA合成のための出発リンカーの付着前に、相補的官能化を有するPEGスペーサーを挿入することはしばしば望ましい。 出典明示により本明細書の一部とするG. Barany, et al., “Novel. Polyethylene Glycol-polystyrene(PEG-PS) Graft Supports for Solid-phase Peptide Synthesis”, CH SchneiderおよびAN Eberle.編, Leiden, The Netherlands:Escom Science Publishers 267-268(1993);Zalipsky, et al., “Preparation and Application of Polyethylene Glycol-polystyrene Graft Resin Supports for Solid-phase Peptide Synthesis”, Reactive Polymers, 22:243-58(1994);JM Harris編, “Poly(Ethylene Glycol)Chemistry:Biotechnical and Biomedical Applications”,(1992), Plenum Press:New York。 同様に、デキストラン層を必要に応じて挿入できる。 出典明示により本明細書の一部とするCass, et al., “Pilot, A New Peptide Lead Optimization Technique and Its Application as a General Library Methods, in Peptides - Chemistry, Structure and Biology:Proceedings of the Thirteenth American Peptides Symposium”, RS HodgesおよびJA Smith, 編(1994), Escom:Leiden, The Netherlands;Lofas et al., “A Novel Hydrogel Matrix on Gold Surface Plasma Resonance Sensors for Fast and Efficient Covalent Immobilization of Ligands”, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1526-1528(1990)。 特に好ましいリンカーは、インドール部分の有効なそして特異的なトラップのために、トリス(アルコキシ)ベンジルカルボニウムイオンと希酸である。 DNAオリゴヌクレオチドは、合成され、アミノ酸残基トリプトファンで終わり、トリス(アルコキシ)ベンジルエステル(過敏酸不安定(“HAL”))またはトリス(アルコキシ)ベンジルアミド(“PAL”)リンカーにより修飾された支持物に有効に結合することができる(出典明示により本明細書の一部とする[F. Albericio, et al., J. Org. Chem., 55:3730-3743(1990);F. AlbericioおよびG. Barany, Tetrahedron Lett., 32:1015-1018(1991)]。他の有効な急速化学反応は、チオールとブロモアセチルまたはマレイミド官能基の反応を含む。一つの変法において、アミノ官能化DNAの末端をブロモ酢酸無水物で修飾し、ブロモアセチル官能を支持物上の容易に確立されるチオール基により捕捉する。あるいは、プローブの末端に結合したN−アセチル、S−トリチルシステイン残基は、開裂および脱保護後、遊離チオールを提供し、それは支持物上のマレイミド基により捕捉される。図12に示すように、化学的合成プローブはいずれの末端でも伸張できる。提案の化学反応を更に変えることは容易にできる。図12Aはプローブのアミノ基がブロモ酢酸無水物により修飾されていることを示す;ブロモアセチル官能は支持物上のチオール基により捕捉される。図12Bは、プローブの末端に結合したN−アセチル、S−トリチルシステインが、開裂および脱保護後、遊離チオール基を提供し、それを支持物上のマレイミド基により捕捉することを示す。図12Cはオリゴトリプトファニル末端(n=1から3)を含むプローブを示し、これはHAL−修飾固体支持物の希酸での処理後に捕捉される。

    本発明のアレイを製造するために、固体支持物はDNAオリゴヌクレオチドまたはPNAオリゴマーで充填されていなければならない。 これは前合成プローブの結合または支持物上の直接組み立ておよび側鎖脱保護(オリゴマーの遊離無しの)により達成される。 更に、支持物環境は有効なハイブリダイゼーションを可能にするようなものであることが必要である。 この目的のために、二つの因子を同定し得る:(i)支持物の充分な親水特性(例えば、PEGまたは炭水化物分子)および(ii)プローブを支持物骨格から離す柔軟性リンカーアーム(例えば、ヘキサエチレンオキシドまたは長いPEG鎖)。 多くの明示する“平表面”が分子レベルではかなり厚いことは注意すべきである。 最後に、支持物物質は非特異的結合または固有の蛍光による明白な背景シグナルを提供しない。

    本明細書で使用されるリンカー分子およびモノマーには官能基をつけ、それに保護基を結合させる。 好ましくは保護基は、基質の反対側にあるリンカー分子の遠位末端またはターミナル末端上である。 この保護基は、負の保護基(即ち、暴露時にリンカー分子とモノマー分子との反応性を低くする保護基)または正の保護基(即ち、暴露時にリンカー分子とモノマー分子との反応性を高くする保護基)のいずれでもあり得る。 負の保護基の場合、更に再活性化工程が必要とされる。 幾つかの実施態様では、加熱により再活性化が行われる。

    リンカー分子上の保護基は、広範囲の正の光反応基から選択でき、好ましくは、o−ニトロベンジル誘導体またはベンジルスルホニルなどのニトロ芳香族化合物がある。 好ましい実施態様では、6−ニトロベラトリルオキシカルボニル("NVOC")、2−ニトロベンジルオキシカルボニル("NBOC")、ベンジルオキシカルボニル("BOC")、フルオレニルメトキシカルボニル("FMOC")、またはα,α−ジメチル−ジメトキシベンジルオキシカルボニル("DDZ")が使用される。 一実施態様では、ニトロ基に対しオルソの位置にベンジル水素を含有するニトロ芳香族化合物、即ち、式:

    式中、R

    はアルコキシ、アルキル、ハロ、アリール、アルケニルまたは水素であり;R

    はアルコキシ、アルキル、ハロ、アリール、ニトロまたは水素であり;R

    はアルコキシ、アルキル、ハロ、ニトロ、アリールまたは水素であり;R

    はアルコキシ、アルキル、水素、アリール、ハロまたはニトロであり;R

    はアルキル、アルキニル、シアノ、アルコキシ、水素、ハロ、アリールまたはアルケニルである、の化合物を使用している。 使用できるその他の物質には、o−ヒドロキシ−α−メチルシンナモイル誘導体がある。 光除去可能な保護基は、例えば、Patchornik, J.Am.Chem.Soc.92:6333(1970)およびAmit et al.,J.Org.Chem.39:192(1974)に記載されており、両方とも出典明示により本明細書の一部とする。

    別の実施態様では、正の反応基を溶液中で試薬と反応させるために活性化させる。 例えば、カルボニルに結合させる場合、5−ブロモ−7−ニトロインドリン基は420nmに露光すると反応を受ける。

    第2の別の実施態様では、リンカー分子上の反応基は、シンナメート基を含む広範囲の負の光反応基から選択される。

    あるいは、この反応基は、電子ビームリトグラフィー、X線リトグラフィーまたはその他の放射線照射により活性化または誘導体化される。 電子ビームリトグラフィーに適した反応基はスルホニル基である。 例えば、電流源へ暴露するなどのその他の方法を使用してもよい。 他の反応基および活性化法もこの開示内容を考慮して使用できる。

    結合分子は、例えば、半導体産業では知られた、例えば、Sze,VLSI Technology,McGraw-Hill(1983)およびMead et al.,Introduction to VLSI Systems,Addison-Wesley(1980)、出典明示により全て本明細書の一部とする、に記載のタイプの光リトグラフィー技術を用いて適切なマスクを介して露光するのが好ましい。 この光は、基質が保護基の除去に必要な光波長に対して透過性である限り、保護基含有表面または基質の後面に向けることができる。

    マスクは、一実施態様では、不透明材の層で選択的に被覆した透過性支持物質である。 基質表面上に所望の精密なパターンで不透明材を残して、不透明材の一部を除去する。 このマスクは、基質表面に直接的に接触させる。 マスクの“開口部”は、基質から光除去可能な保護基を除去したい基質上の位置に対応する。 整列(Alignment)は、整列マークを精密使用して、前述のパターン形成工程で連続マスクを塗布するという常用の整列技術を用いて実施でき、または、もっと精巧な技術を用いてもよい。 例えば、Flanders et al.,"A New Interferometric Alignment Technique."App.Phys.Lett.31:426-428(1977)、出典明示により本明細書の一部とする、に記載の技術などのインターフェロメトリー技術を使用してもよい。

    基質に与える光のコントラストを増強するために、幾つかの実施態様によればマスクと基質の間にコントラスト増強材を提供するのが望ましい。 このコントラスト増強層は、キノンジアジドなどの光分解される分子または、対象の波長で一時的に漂白される物質から構成され得る。 物質の一時漂白により、光の透過力が大きくなり、それによってコントラストが増強する。 別法として、クラッディングしたファイバーオプティクス束によりコントラスト増強を提供することもできる。

    光は、常用の白熱光源、レーザー、レーザーダイオードなどに由来するものであり得る。 非平行化光源を使用するならば、厚層または多層マスクを提供して、基質上に光が分散するのを防ぐのが望ましい場合もある。 更に幾つかの実施態様では、合成を制御するために異なる波長に対して感受性の基を利用するのが望ましい場合もある。 例えば、異なる波長に対して感受性の基を用いることにより、ポリマー合成における分枝位置を選択すること、またはある種のマスキング工程を排除することが可能である。

    別法として、変調レーザーまたはダイオード光源下で基質を変質(translated)させることもできる。 このような技術は、例えば、Feyrer et al.の米国特許第4,719,615号、出典明示により本明細書の一部とする、に議論されている。 別の実施態様では、レーザー電流測定スキャナーを利用する。 その他の実施態様では、常用の液体結晶(以下、“光バルブ”と称する)またはファイバーオプティクス光源上でまたはこれと接触させて合成を行うこともできる。 液体結晶を適切に変調することにより、光を選択的に制御して、光を基質の所定の領域に接触させることができる。 あるいは、光を選択的に与える光ファイバー列の末端で合成を行ってもよい。 露光位置を制御するその他の手段は、当業者には明らかであろう。

    ペプチド合成用リンカーおよびハンドルの開発は、Fields, et al.,"Principles and Practice of Solid-Phase Peptide Synthesis," Synthetic Peptides:A User's Guide , G.Grant, Editor.WHFreeman and Co.:New York,p.77-183(1992);G.Barany,et al.,"Recent Progress on Handles and Supports for Solid-phase Peptide Synthesis", Peptides-Chemistry,Structure and Biology;Proceedings of the Thirteenth American Peptide Symposium ,RSHodges and JASmit
    h,Editor,Escom Science Publishers:Leiden,The Netherlands pp.1078-80(1994)、

    出典明示により本明細書の一部とする、に記載されている。 このテクノロジーはDNAおよびPNAにも容易に拡大可能である。 特に対象となるのは、PAL(Albericio,et al.,"Preparation and Application of the 5-(4-(9-Fluorenylmethyloxycarbonil)Aminomethyl-3,5-Dimethoxyphenoxy)Valeric Acid(PAL)Handle for the Solid-phase Synthesis of C-terminal Peptide Amides under Mild Conditions,”J.Org.Chem.,55:3730-3743(1990)、出典明示により本明細書の一部とする)およびエステル(HAL)(Albericio,et al.,"Hypersensitive Acid-labile(HAL)Tris(alkoxy)Benzyl Ester Anchoring for Solid-phase Synthesis of Protected Peptides Segments,“Tetrahedron Lett.,32:1015-1018(1991)、出典明示により本明細書の一部とする)リンケージの開発であり、これらは酸により切断する際にそれぞれ、いわゆるセグメント縮合(segment condensation)アプローチ用の基礎単位(building blocks)として使用できるC−末端ペプチドアミドおよび保護ペプチド酸を提供する。 PALまたはHALリンケージの切断により酸において生成した安定化カルボニウムイオンは、トリプトファニル−ペプチドに奪われる。 この反応はペプチド合成に有害であり、適切なスカベンジャーの使用により(一部)妨害可能であるが、オリゴ−Trp−末端標識DNAおよびPNA分子をHAL−修飾表面により化学的に捕捉するという積極的な応用性を有する。

    当分野ではオリゴヌクレオチドアレイを作る数種のアプローチが認識されている。 Southern,et al.,"Analyzing and Comparing Nucleic Adia Sequences by Hybridization to Array of Oligonucleotides:Evaluation using Experimental Models",Genomics,13:1008-1017(1992);Fodor, et al.,"Multiplexed Biochemical Assays with BiologicalChips",Nature,364:555-556(1993);Khrapko, et al.,"A Method for DNA Sequencing by Hybridization with Oligonucleotide Matrix",J.DNA Seq.Map.,1:375-388(1991);Van Ness, et al.,"A Versatile Solid Support System for Oligodeoxynucleoside Probe-based Hybridization Assays",Nucleic Acids Res.,19:3345-3550(1991);Zhang,et al.,"Single-base Mutational Analysis of Cancer and Genetic Diseases Using Membrane Bound Modified Oligonucleotides",Nucleic Acids Res.,19:3929-3933(1991);K.Beattie,"Advances in Genosensor Research",Clin.Chem.41(5);700-06(1995)、出典明示により本明細書の一部とする。 これらのアプローチは、3つのカテゴリーに分けることができる:(i)標準法によるオリゴヌクレオチドの合成および空間的アレイにおけるその一度で一つずつの付着;(ii)短いオリゴヌクレオチドを合成するためのシリコンチップ上での光リトグラフィーマスク法および光化学的脱保護(Fodor,et al.,"Multiplexed Biochemical Assays with Biological Chips",Nature,364:555-556(1993)およびRJLipshutz,et a.,"Using Oligonucleotide Probe Arrays To Assess Genetic Diversity",Biotechniques 19:442-447(1995)、出典明示により本明細書の一部とする)および(iii)非マスク領域に単一塩基を添加することによる、短いオリゴヌクレオチドを合成するための物理的マスキング(Southern, et al.,"Analyzing and Comparing Nucleic Acid Sequences by Hybridization to Arrays of Oligonucleotides:Evaluation Using Experimental Models",Genomics,13:1008-1017(1992);Maskos,et al.,"A Study of Oligonucleotide Reassociation Using Large Arrays of Oligonucleotides Synthesised on a Glass Support",Nucleic Acids Res.,21:4663-4669(1993)、出典明示により本明細書の一部とする)。

    オリゴヌクレオチドアレイ、なかには256もの独立アドレスを含有するものもある、の構築についてはかなりの進歩があったが、これらの方法は、特定のDNA配列をハイブリダイゼーションにより検出するにはあまり好ましくない。 より具体的には、より長いオリゴヌクレオチドを含有するアレイは、現在、単に一度に一アドレスを付着させることにより合成できるが、そのため、可能なサイズが限定される。 連続してオリゴヌクレオチドを付着させる現今の方法ではおよそ1時間かかるので、1,000アドレスのアレイには、24時間無休で調製しても40日以上必要である。 8ないし10量体の短いオリゴヌクレオチドを含有するアレイは、単一塩基の相違を効率よく検出するにはもっと長い分子が必要とされるため、商業的応用性をもたない。

    これらの従来法は、依然として、本発明検出法のオリゴヌクレオチドのアレイを担持する該支持物の製造に有用であり得る。 しかしながら、より好ましいアプローチがある。

    相対的に小さいが十分に定義された領域においてオリゴヌクレオチドまたはPNAオリゴマーを良好に充填した固体支持物を製造するのが望ましい。 現在、市販されている蛍光イメージ剤は、50μm平方ピクセル当たり3アトモル程度の低いシグナルを検出できる。 従って、アレイ上の妥当なサイズのアドレスまたは"スポット”は、約4×4ピクセルまたは200μm平方である。 CCD検出の場合、より小さいアドレスを用いてもよい。 このようなアドレスの検出限界は、“スポット”当たり約48アトモルであり、これは蛍光DNA配列決定機を用いる場合の検出限界100アトモルに匹敵する。 200μm平方当たり充填できるオリゴヌクレオチドの容量は、潜在的シグナル対ノイズ比率の指標を与える。 20fモルを充填すると、シグナル対ノイズ比率約400対1を与え、200フェムトモルであると、優れたシグナル対ノイズ比率約4000対1が可能である。 オリゴヌクレオチドまたはPNAオリゴマーは、可撓性“リンカーアーム”上および簡易ハイブリダイゼーション用の固体支持物の“外側”または“表面”上にあるべきである。 支持物は、非蛍光性であるべきであり、ハイブリダイゼーションとも干渉せず、非特異的結合による高いバックグラウンドシグナルも与えないものであるべきである。

    固体支持物上の相補的捕捉オリゴヌクレオチドアドレスは、DNAまたはPNAのいずれかであり得る。 PNA/DNA二重らせんはDNA/DNA二重らせんよりもかなり強いため、PNAベースの捕捉は、約1℃/塩基対程度、DNAベースの捕捉よりも好ましい。 M.Egholm,et al.,"PNA Hybridizes to Complementary Oligonucleotides Obeying the Watson-Crick Hydrogen-bonding Rules",Nature,365:566-568(1993)、出典明示により本明細書の一部とする。 従って、T =72℃の24量体DNA/DNA二重らせんの場合、対応する一つのPNA鎖との二重らせんは、"予想”T =96℃を有する(上記“経験則”は、得られた融解点が80℃以上であり、あまり正確でないので、実際の融解点は僅かに低いかもしれない。)さらに、DNA/DNAとPNA/DNAとの融解温度の差は、低塩ではより顕著になる。

    DNA/DNA二重らせんの融解温度は、[4n(G・C)+2m(A・T)]℃として見積もることができる。 捕捉オリゴヌクレオチドと、G・C/A・T含量の差から生じるもう一方とハイブリダイズしたその相補的アドレス可能なアレイ特異的部分とから形成される二重らせん間のT 差を狭めることにより、オリゴヌクレオチド捕捉を最適化できる。 チミンの位置で5−プロピニル−dUを使用すると、DNA二重らせんのT は一置換当たり1.7℃平均で増大する。 Froehler, et al.,"Oligonucleotides Containing C-5 Propyne Analogs of 2'-deoxyuridine and 2'-deoxycytidine,"Tetrahedron Lett.,33:5307-5310(1992)およびJ.Sagi,et al.,Tetrahedron Letters,34:2191(1993)、出典明示により本明細書の一部とする。 捕捉図式におけるこれと同一の置換は、このような二重らせん成分間のT 差を下げ、二重らせん全てのT を上げるべきである。 下記の構造式を有する5−プロピニル−dUのホスホルアミダイト誘導体は、出典明示により本明細書の一部とした前述のFroehlerおよびSagiの文献に従い調製できる。

    Fmocアミノ保護基を持つ5−プロピニルウラシルPNAモノマーは、下記の合成により製造できる(ここで、DMFはN,N'−ジメチルホルムアミドであり、DCCはN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、HOBtは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールであり、THFはテトラヒドロフランである):



    Egholm et al.,"Peptide Nucleic Acids (PNA).Oligonucleotide Analogues with an Achiral Peptide Backbone",J.Am.Chem.Soc.,114:1895-1897(1992)およびEgholm,et al.,"Recognition of Guanine and Adenine in DNA by Cytosine and Thymine Containing Peptide Nucleic Acids (PNA)",J.Am.Chem.Soc.,114:9677-9678(1992)、出典明示により本明細書の一部とする、に記載の方法を用いる。 上記の合成図式は、5−プロピニルウラシル塩基成分を持つPNAモノマーの製造を説明するものである。 まず、ヨード酢酸を用いて5−ヨードウラシルをアルキル化し、次いで、プロピニル基をPd/Cu触媒により塩基部分に結合させる。 この図式中の残りの工程は、上記文献の方法に従う。 これらのモノマーは、合成DNAおよびPNA鎖中に組み込むことができる。

    アレイを合成する好ましい一般的な方法には2つある。 第1の方法では、全長DNAオリゴヌクレオチドまたはPNAオリゴマーが好ましく、これを続いて固体支持物または膜に共有結合させる。 第2の方法では、続いて固体支持物に多量体を加えることにより、特別に設計したPNAオリゴマーまたはDNAオリゴヌクレオチドを構築する。 これらの多量体を固体支持物または膜表面上の特定の列またはカラムに加える。 得られた“チェッカーボード”パターンは、全長PNAまたはDNAのユニークのアドレス可能なアレイを創製する。

    図14−16は、全長DNAオリゴヌクレオチドまたはPNAオリゴマーを製造し、続いて、それらの全長分子を固体支持物に結合させる異なる方法を示す。

    図14A−Eは、個々の全長オリゴヌクレオチドを方眼中の適切な位置に結合させることにより、DNAまたはPNAオリゴヌクレオチドのアレイを構築する方法を示している。 図14Aのアレイは、オリゴヌクレオチドをアレイ表面の16の200μm×200μm領域に結合させた場合に作られるオリゴヌクレオチドパターンを示す。 それぞれ個々の200μm×200μm領域は、表面に結合させているユニーク配列と共にDNAまたはPNAを含有する。 個々の正方形区画領域は、200μmほど隣の区画と離れている。 従って、図14Aのアレイは、3mmずつの領域において64(8×8)の異なるオリゴヌクレオチドを支持することができる。 アレイの構築を多重にするために、800μm間隔で離した16の区画をその特異的オリゴヌクレオチドに同時に結合させる。 そのため、図14B−14Eに示したように、8×8方眼を4機械工程のみで構築してもよい。 これらの図表では、黒四は、この合成工程において変更している位置を示し、斜線付け四角は、より早い段階で合成される領域を示す。 第1工程(図14B)は、オリゴヌクレオチドをA1、E1、I1、M1、A5、E5、I5、M5、A9、E9、I9、M9、A13、E13、I13およびM13位置に同時に固定化する。 次の工程(図14C)では、機械を再編成してカラムCにて開始する。 列1が完了したら、次の工程(図14D)を列3で開始する。 最終的に、残った16オリゴヌクレオチドを固定化して、8×8の方眼を完了する(図14E)。 こうして、8×8アレイの構築は、個々のスポット反応を64回行う代わりに、4つの合成工程に減らすことができる。 この方法は、容易に拡張されるものであり、同時に96のオリゴマーをスポットできる装置を用いて迅速により大きいアレイを構築することができる。

    図15A−Eは、図14に記載のアレイ構築プロセスの展望図を示す。 図15A−Eには、4つの異なる24量体を同時にスポットできる機械を用いた4×4(16)アレイの構築を図示している。 まず、図15Aに示すように、機械にA1、E1、A5およびE5位置で4つのオリゴマーを付ける。 次に、図15Bに示すように、機械を水平に動かし、C1、G1、C5およびG5位置で4つのオリゴマーを付ける。 次に、図15Cに示すように、機械の位置を変え、A3、E3、A7およびE7の位置で4つのオリゴマーを付ける。 最後に、図15Dに示したように、機械にC3、G3、C7およびG7位置で残り4つのオリゴマーを付ける。 完了したアレイは、図15Eの展望図に示したように、16の24量体を含有する。

    図16A−Cは、図14に示したように、16の異なるオリゴヌクレオチドをアレイ方眼G上の異なる位置に同時に結合させることができるアプリケーション装置2の図を示す。 上側図(図16A)の黒四角は、空間的に互いに600μmほど離れた16の200μm×200μm領域を示す。 図示した装置は、異なるオリゴヌクレオチドを含有する管をアレイ上の異なる位置の上のロート型チャンバーに充填することができる16の投入窓を持つ。 この装置の側面図(図16B−C、それぞれ線16B−16Bおよび16C−16Cに沿っている)は、ロート型チャンバー4がこの装置下のアレイ上の適切な領域と一直線に並ぶことを示している。 更に、2つのバルブ6と8(図16A−Cの格子柄四角)は、16の独立した反応チャンバーにおいて液体流を制御する。 一方のバルブ6は、投入窓10から液体が入るのを制御するのに対し、もう一方のバルブ8は、真空ライン12に取付けて、反応チャンバー4を充填および洗浄できるようにする。 この装置を、まずアレイの適切な200μm×200μm領域上に並べる。 次に、装置全体をアレイにしっかりと押し付けて、各位置の上に閉鎖反応チャンバーを形成する。 アレイの上には各位置の周辺に設けた10μm隆起Rが存在するので、アレイ上の隣接領域にオリゴマーが漏出するのを防ぐ緊密封止を確実に形成できる。 次に、真空ライン12のバルブ8を開け、一方で、溶液投入窓10のバルブ10を閉める。 こうして、反応チャンバー4から空気を除去し、チャンバー内を陰圧状態にする。 その後、真空ライン12のバルブ8を閉め、溶液投入窓10のバルブ10を開ける。 陰圧のため、溶液は反応チャンバー4内へ流れる。 このプロセスは、反応チャンバー内に気泡が形成する可能性を排除し、さらに200μm×200μm領域にわたるオリゴヌクレオチドの分布も確実にする。 オリゴヌクレオチドを活性化アレイ表面に結合させた後、投入バルブ6を閉じ、真空ライン12のバルブ8を開けて、装置をアレイ表面から持ち上げて、反応チャンバーから余分な溶液を完全に除去する。 第2の装置は、ここでアレイ上の次の16位置に再編成され得る。

    図15ないし26は、PNAまたはDNA、マルチマーをそれぞれ連続して固体支持物に添加することによる、固体支持物上でのPNAオリゴマーまたはDNAオリゴヌクレオチドの異なる構築様式を示す。

    マルチマーでアレイを組立てる一例として、このようなアセンブリーはテトラマーを用いて達成できる。 4つの塩基をテトラマーとして配列できる可能な256(4 )通りの中でも、ユニーク配列を持つ36種が選択できる。 選択したテトラマーはそれぞれ、その他のものとは少なくとも2塩基異なり、2つの二量体が互いに相補であることはない。 更に、アドレスの自己対形成またはヘアピン形成により生じるテトラマーは排除されている。

    最終的なテトラマーは、表1に挙げており、適当に1から36の番号を付けた。 このテトラマーのユニークセットは、時々、所望の24量体捕捉オリゴヌクレオチドアドレス配列の設計単位として使用される。 この構造は、段階的(一度に一塩基)または集中的(テトラマー基礎単位)合成手法により組立てることができる。 その他のセットのテトラマーも上記の規則にしたがって設計され得る。 セグメントアプローチは、テトラマーに唯一限定されるというものではなく、他の単位、すなわち、ダイマー、トリマー、ペンタマーまたはヘキサマーも使用できる。


    テトラマーの番号付図式により、数字6つの列として各アドレスを略式表記できることに注意(例えば、下記表2の第2欄)。 36テトラマーのユニークセット(表1)から設計される24量体アドレスの概念により、起こり得る構造は非常に多数であり得る。 36

    =2,176,782,336。

    図17は、お互いに少なくとも2塩基異なる36のテトラマーのうち考えられる多くの設計の一つを示す。 チェッカーボードパターンは、考えられる256のテトラマー全てを示す。 1つの四角は、チェッカーボードの左側の最初の2塩基とそれに続く上側の2塩基を表す。 各テトラマーは、お互いに少なくとも2塩基異なっていなればならず、非相補性であるべきである。 テトラマーは、白四角で示しており、その相補物は、(番号)'として挙げている。 従って、相補的配列GACC(20)およびGGTC(20')は、このスキームでは相互に相いれないものである。 更に、テトラマーは、非パリンドローム性、例えば、TCGA(暗色斜線付き四角)であり、かつ非反復性、例えば、CACA(上部左から下部右の暗色斜線付き四角)でなければならない。 36のテトラマーとほんの1塩基ずつ異なるその他全ての配列に明灰色の陰を付けている。 4つの潜在的なテトラマー(白四角)は、それらが全てA・TまたはG・C塩基のいずれかであるので選択されなかった。 しかしながら、下記に示したように、A・T塩基のT 値は、ほぼG・C塩基レベルまで上げることができる。 従って、全てのA・TまたはG・C塩基テトラマー(白四角のものを含む)は、テトラマー設計に使用できる可能性がある。 更に、チミンは、捕捉オリゴヌクレオチドアドレス配列内で、並びに、オリゴヌクレオチドプローブアドレス可能アレイ特異的部分において使用する場合、5−プロピルウリジンで置換してもよい。 これにより、A・T塩基対のT が〜1.7℃増大する。 そのため、個々のテトラマーのT 値は、およそ15.1℃ないし15.7℃であるべきである。 全長24量体のT 値は、95℃またはそれ以上であるべきである。

    この概念を例示説明するために、36のテトラマー配列6つのサブセットを使用してアレイ:1=TGCG;2=ATCG;3=CAGC;4=GGTA;5=GACC;および6=ACCTを構築した。 このユニークセットのテトラマーは、必要な24量体アドレス可能なアレイ特異的部分および24量体相補的捕捉オリゴヌクレオチドアドレス配列の設計単位として使用できる。 この実施態様は、5つのアドレス可能なアレイ特異的部分(表2に挙げた配列)の合成を含む。 テトラマーの番号付けスキームにより、数字6つの列("Zip code"と称する)として各部分("Zip #"と称する)を略式表記できることに注意。


    これらのオリゴマーはそれぞれ、その5'末端に酸化ヘキサエチレンリンカーアームを含有し[P.Grossman,et al.,Nucl.Acids Res.,22:4527-4534(1994)、出典明示により本明細書の一部とする]、ガラススライドまたは別の材料の表面への結合に適したアミノ官能基を末尾に持つ。 コンジュゲーション法は、遊離の表面官能基によって変わる[Y.Zhang, et al.,Nucleic Acids Res.,19:3929-3933(1991)およびZ.Guo, et al.,Nucleic Acids Res.,34:5456-5465(1994)、出典明示により本明細書の一部とする]。

    合成オリゴヌクレオチド(正常かつ相補的方向、捕捉ハイブリダイゼーション用またはハイブリダイゼーション/ライゲーション用のいずれか)を天然塩基またはヌクレオチド類似体のいずれかを用いてDNAまたはPNAのいずれかとして調製する。 天然塩基に対して完全な相補性を持つこのような類似体対はともかくT 値(例えば、5−プロピニル−ウラシル)を増大する。

    捕捉オリゴヌクレオチドはそれぞれ、交差反応性の機会を最小化するために実質的な配列相違性を持つ−−図17および表1参照。 段階的合成を実施して一度に塩基を導入するよりもむしろ、保護PNAテトラマーを基礎単位として使用できる。 これらは、調製容易であり、対応する保護オリゴヌクレオチド中間体は、内部ヌクレオチドホスフェートリンケージを更に保護する必要がある。 所定のアドレスでの24量体の構築は、段階的合成と比較して、全収率が改善される見込みのある6つの合成工程しか必要としない。 このアプローチは、全体的に、支持物上の失敗配列(failure sequence)の存在を排除しており、それはモノマーを一度に表面へ一つずつ加える場合に生じることがある。 従って、前述の技術とは反対に、偽シグナル(false signal)の確率は低い。 更に、各アドレスの失敗配列は短くて少なくとも4塩基が不足しているため、これらが正確なハイブリダイゼーションを妨害したり、不正確なハイブリダイゼーションを導く危険はない。 この見識もまた、“キャッピング”工程が必要でないことを意味する。

    下記に説明するように、マスキング技術により、幾つかのアドレスを同時に作ることが可能である。 このアレイ製造プロセスの直接的な結果として、更に幾つかの利点が注目される。 各24量体アドレスは、その最も近隣の24量体と3テトラマー、または少なくとも6塩基異なる。 低塩では、PNA/DNAハイブリッドにおけるそれぞれの塩基不適合(ミスマッチ)が融解温度を8℃下げる。 このため、正確なPNA/DNAハイブリダイゼーションのT は、不正確なハイブリダイゼーションよりも高く、少なくとも48℃である。 また、近隣の24量体は12量体ずつ離れており、これらは、どれともハイブリダイズせず、検出プロフィールにおいて“デッド”ゾーンと呼ばれる。 PNAアドレスは、でこぼこした再利用可能なアレイを得る。

    下記の説明は、36のユニークPNAテトラマーの調製を開示し、そのアレイを調製するための機械的/化学的方法を示す。 この技術を使用して、PNA24量体の25アドレスを持つ5×5アレイを作ることができる。 あるいは、36のテトラマー全てを組み込んで、1,296アドレスのフルサイズのアレイを作ることもできる。

    図18A−Gは、ユニーク24量体アドレスの5×5アレイを作るためのPNAテトラマーの添加を示す模式図である。 この製造装置は、マルチチャンバー装置を表面90゜回転させることにより、各カラムまたは列にPNAテトラマーを添加することができる。 循環多岐管(circular manifold)は、テトラマー付加の循環置換を可能にする。 そのため、複雑なユニークアドレスも単純なアルゴリズムを用いてつくることができる。 まず、テトラマー添加では、PNAテトラマー、1、2、3、4および5を、それぞれ、図18Aに示したように、5つのカラムそれぞれにおいてその表面に連結させる。 チャンバーを90゜回転させた後、図18Bに示したように、PNAテトラマー6、5、4、3および2を隣接列に加える。 第3段階で、図18Cに示したように、テトラマー3、4、5、6および1(循環置換に注意)をカラムに加える。 第4段階では、図18Dに示したように、テトラマー2、1、6、5および4を隣接列に加えるなど。 このプロセスは、後の図23E−Gに示した方法で継続する。 図の下には、各位置でユニーク24量体を作るテトラマー配列を示している。 中列の配列1−4−3−6−6−1;2−4−4−6−1−1;3−4−5−6−2−1;4−4−6−6−3−1および5−4−1−6−4−1は、表2に全長で示している。 循環置換方式でのテトラマーの添加を用いて、より大きいアレイを作ることができる。 テトラマー添加は、循環パターンに限定する必要はなく、その他多くの組み合わせで添加して、お互いにすくなくとも3テトラマー異なる、これは少なくとも6塩基と解釈する、ユニークアドレスを形成できる。

    本発明は、対立遺伝子特異的PCR、分別的ハイブリダイゼーション、またはハイブリダイゼーションによる塩基配列を用いた既存の変異検出法に比べて大きい特異性を有する。 これらの方法は、2つの類似のオリゴヌクレオチドで単−塩基の違いを区別するのに、ハイブリダイゼーションのみに依存している。 そういったハイブリダイゼーションについてのノイズに対するシグナルの割合は、アレイにおける2つの最も近似する捕捉オリゴヌクレオチドでなされるものよりも顕著に低い。 横3列、縦3列でテトラマー付加を変えるようにアドレスを設計すると、得られるアドレスは、その近傍のものに比して少なくとも3つのテトラマーが異なることになる。 各テトラマーは、他のテトラマーと少なくとも2塩基異なるため、得られるアドレスは他のアドレスとは少なくとも6塩基異なる。 しかしながら、実際には、大部分のアドレスで、非常に多くの塩基が他のほとんどのアドレスと異なる。

    この点について下記の2つのアドレスジップ12およびジップ14を用いて説明する。 これらの2つのアドレスは、図18および20(後程、言及)に示した25アドレスの中で最も関係がある。 これら二つのアドレスは、すべての変更位置(下線で表示)においてテトラマーを共通して有している。
    ジップ 12(2-4-4-6-1-1)=24量体5'−ATCG GGTA GGTA ACCT TGCG TGCG −3'
    ジップ 14(4-4-6-6-3-1)=24量体5'−GGTA GGTA ACCT ACCT CAGC TGCG −3'

    加えて、それらは12ヌクレオチド帯を共通して有し、最後の4つ(下線で表示)が共通である。 :
    ジップ 12(2-4-4-6-1-1)=24量体5'−ATCG GGTA GGTA ACCT TGCG TGCG −3'
    ジップ 14(4-4-6-6-3-1)=24量体5'− GGTA GGTA ACCT ACCT CAGC TGCG −3'

    何れの表示においてもオリゴヌクレオチド間に少なくとも8の違いがある。 下線のヌクレオチドにおけるジップ12またはジップ14に相補的なオリゴヌクレオチドは、低温(例えば37℃)でこれらのアドレスの両者とハイブリダイズできるが、完全に相補的なオリゴヌクレオチドのみが高い温度(例えば70℃)でハイブリダイズする。

    さらに、ジップ3等の他の捕捉オリゴヌクレオチドにおいて、共通ヌクレオチドの数はかなり少ない(下線で示す)。
    ジップ 12(2-4-4-6-1-1)=24量体5'−ATCG GGTA GTA T TG CG TGCG−3'
    ジップ 3(3-6-5-2-2-3)=24量体5'−CAGC ACCT ACC G AT CG CAGC−3'

    従って、ハイブリダイゼーションにおいてジップ12とジップ3とを識別する能力は、いずれの既存の方法を使ってなすものよりも非常に大きい。

    縦列または横列のどちらかにPNAテトラマーを運送する前に、図19Aの修飾ガラスまたはシリコンの表面上に、変更チャンバーおよび壁(それぞれ200μmの厚さ)を有するマルチ−チャンバー装置を押し付ける。 チャンバー間の漏れを無くすべく、10μmのリッジ(黒線)を作るために表面をエッチングする。 最初に、可変性スペーサー(リンカー)を配列表面に付着する。 第1工程では、図19Bに示すようにPNAテトラマー1、2、3、4および5を5つの縦列の表面にそれぞれ連結する。 次いでマルチ−チャンバー装置を90゜回転する。 図19Cに示すように、テトラマー6、5、4、3および2を隣接の横列に付加する。 その操作を合計3回繰り返し、24量体のPNAオリゴマーを合成する。 得られた横列および縦列内の各完全24量体は、ユニークPNA配列となり、それゆえ所望のアドレス可能アレイとなる。 短いオリゴヌクレオチド配列は、同じ方向での3ラウンドの合成から得られる半分の長さ12量体を表す。 各24量体は3テトラマーが近傍のものと異なり、各テトラマーは他のものと少なくとも2塩基異なるので、各24量体は、隣のものと少なくとも6塩基(すなわち、25%のオリゴヌクレオチドの違い)異なることになる。 そのため、誤ったアドレスは、24塩基中に6ミスマッチを有する。 それゆえ、特に75−80℃のハイブリダイゼーションの条件では誤りのアドレスにおいて捕捉されない。 加えて、特に短い12量体配列が格子上のどれかの24量体配列内にみられる一方で、アドレス可能アレイ−特異的部分は50℃以上では12量体配列とハイブリダイズしない。

    開始表面が遊離アミノ基を含み、非切断性アミド連鎖がPNAのC末端を支持体に結合し、PNA鎖がそのアドレスで維持されるように、直交側鎖脱保護が完全セグメント縮合アッセンブリー上で行われなければならない。 簡単なマスキング装置が、200μm間隙、200μmバリアーを含むように設計されて、各5テトラマーを個々の横列において固体支持物と結合せしめる(図20A)。 テトラマーの第1セットを付加した後、マスキング装置を90゜回転させ、5テトラマーの第2セットを加える(図20B)。 これはケーキに砂糖の衣を横列にかけ、その後、縦列にかけることに例えることができる。 横列と縦列の交点ではより砂糖の衣がかかり、同様に各交点ではユニーク配列であるオクタマーができることとなる。 合計6サイクル、この手順の繰り返しによりユニークな24量体を含む25の正方形ができ、残りの正方形には通常の12量体が含まれている(図20Cおよび21A-G)。 シリコンまたはガラスには、シールをきっちりと確実にする10μmのリッジを含み、チャンバーは減圧状態となる。 環状の多岐管(図26)は、5横列(または縦列)に運ぶ前に6テトラマーの環状順列をする。 この設計により、幾つかの配列が隣接配列の中に同じ3つのテトラマーを含むにもかかわらず、常に互いに少なくとも3つのテトラマーが異なるユニークな24量体ができる。 このマスキング装置は、アレイがモノマーと別もののテトラマーで構築されるという点を除けばSouthern,et al., Genomics, 13:1008-1007(1992)およびNucleic Acids Res.,21:2267-2268(1993)、出典明示により本明細書の一部とする、に開示のマスキング技術と考え方は同じである。

    代わりに、もし各位置を分離するマスクが使用されると、不完全12量体配列の産物は除去される。 第1工程では(図19Dに示すように)、PNAテトラマー1、2、3、4および5は各5縦列における表面と連結する。 マルチ−チャンバー装置を90゜回転する。 テトラマー6、5、4、3および2は、図19Eに示すように、隣接の横列に加えられる。 その操作を合計3回繰り返して24量体PNAオリゴマーを合成する。 得られる横列および縦列内の各完全24量体は、ユニークPNA配列を表し、それゆえ所望のアドレス可能アレイとなる。 加えて、各24量体は、PNAオリゴマーのない200μm領域により隣接のオリゴマーから分離される。

    シリコンまたはガラス表面は、光化学的にエッチングされ、チェックボードパターンで隆起する10μmの網目状の格子をつくる(図20参照)。 一つおきの正方形(200μm×200μm)が活性化され、C 18アルキル スペーサーおよびPEG親水性リンカー(MW 400-4,000)の付着を可能にし、そのため各正方形は少なくとも1ブランク正方形および四方の2リッジでもって分離される。

    PNAテトラマーを使った全般的アレイの実施例は、36縦列または横列の何れかに36の異なるテトラマーを一度に添加することにより行う。 何れかのテトラマーを何れかの縦列に添加する最も簡単な方法は、36全てのテトラマー溶液をミニバルブへのチュービングにより一つだけ開いた環状多岐管に付着させることである。 環状多岐管の他のサイドは、個々の横列(または縦列)つながる36の何れかのミニバルブに付着し得る。 チャンバー(横列)に対し多岐管およびミニバルブを回転させることにより、何れか一つの横列にテトラマーを一度に一つずつポンプで入れることができる。 これは、物理的回転を必要とする機械装置であり、あるいはまた一連のインポート(テトラマー)およびエクスポート(横列)チャンネルにもとずいて電子マイクロバルブを使うことにより行われる。 この方法は実に早く進行し(次回の使用のための多岐管洗浄も含めて5秒)、36全ての横列に添加するのに36×5=180秒しか要しない。

    横列または縦列をさらに早く満たすことのできる方法は、それら全てを同時に満たすことである。 これは図20に5×5アレイとして説明している。 シリコンまたはガラス表面はシールをしっかりと確実なものとする10μmのリッジを含み、チャンバーは上記の減圧技術より満たされる。 環状多岐管は、5つの横列(または縦列)に運送される前に6テトラマーの環状順列を可能にする。 図20では、第1工程は5、4、3、2、1である。 マルチ−チャンバー装置を回転させたとき、番号順または逆順の何れかで加え続けることができる。 実施例においては、第2工程で2、3、4、5、6という番号順で使用する。 第2工程では、環状順列(逆)は、1、6、5、4、3で与えられる。 第4工程(順)は4、5、6、1、2。 第5工程は(逆)4、3、2、1、6。 第6工程は5、6、1、2、3。 これは、36横列(または縦列)中に36テトラマーを拡張する。 この方法では、最初のアドレスにより定義される他の1,295の位置とともに、各々の位置での36 =2,176,782,336から1つの位置での36 =2,176,782,336に、アレイのアドレスをつくる際の変化の可能性が制限される。 これはなお、必要となる異アドレス数を充分に越えている。 さらに、各アドレスは、全て他のアドレスと少なくとも6ヌクレオチド異なることとなる。

    これら全ての配置は、ちょうど幾つかのシリコンチップが同一ウェーハ上で造られるように、まとまって製造されることに注意すべきである。 これは特にテトラマーの考え方についてそうであり、与えられた横列または縦列内に同一のテトラマーを加えることを必要とするからである。 このように、1つの横列が10アレイの1線をカバーすることができると、それは10×10格子=100アレイが1度に製造できる。

    代わって、図20に関する方法では、1度のサイクルで20量体のオリゴヌクレオチドが合成できる。 捕捉オリゴヌクレオチドは、選択ハイブリダイゼーションの条件下において、その相補的アドレス可能アレイ特異的部分を捕捉するために、充分な長さがあることが重要である。

    図21A−Gは、アドレス可能アレイ(凡例)の構成についての概要的な断面図を示している。 図21Aは、融通性のあるスペーサー(リンカー)のアレイ表面への付着を示している。 図21Bは、オリゴヌクレオチド テトラマーの第1横列の合成を示している。 第1横列だけに、テトラマー1が含まれることは明らかである。 マルチ−チャンバー装置は、異なるテトラマーをそれぞれ含む追加の横列が第1横列の後にあるように、設置される。 図21Cには、オリゴヌクレオチド テトラマーの第1縦列の合成を示している。 マルチ−チャンバー装置または表面を90゜回転させる。 テトラマー9、18、7および12を隣接のチャンバーに加える。 図21Dは、オリゴヌクレオチド横列合成の第2ラウンドを示している。 第1横列にはテトラマー2が含まれる。 図21Eは、オリゴヌクレオチド合成の第2ラウンドを示している。 第2ラウンドにおいて、テトラマー34、11、14および23を隣接のチャンバーに加える。 図21Fは、PNA横列合成の第3ラウンドを示している。 第1横列はテトラマー3を含む。 図21Gは、縦列合成の第3ラウンドすなわちテトラマー16、7、20、29の添加後のアレイ構造を示している。 与えられた横列および縦列内の全ての24量体オリゴヌクレオチドは、ユニークであり、それゆえ所望のアドレス可能アレイとなることに注意すべきである。 各24量体は近傍のものとは3テトラマーが異なり、テトラマーは互いに少なくとも2塩基異なるため、各24量体は隣のものとは少なくとも6塩基異なる。 各ミスマッチは有意にTm値を下げ、24塩基中に6つのミスマッチがあると35℃という温度でさえ交差ハイブリダイゼーションするようになる。 短い12量体配列は他のものと同一性がある。 しかし、24量体とはまったく共通していない。 特に12量体配列は、格子上に24量体、例えば17-1-2-3-28-5、の他の所にみられるけれども、オリゴヌクレオチドは50℃よりも高い温度では12量体とハイブリダイズしない。

    図22A−Cは、図19−21記載のアレイ格子Gの構築を可能とするマスキング装置2の図を示している。 図22Aは、装置2およびアレイ格子Gを配置した上面図であり、一方、側面図の図22B−22Cは、それぞれ図22Aの線22B−22Bおよび線22C−22Cに沿ったものである。 マスキング装置は、200μmの間隙および200μmのバリアーを含み、個別横列で固体支持物に5テトラマーの各々が結合するのを可能にする。 テトラマーの第1セットを添加した後、マスキング装置を90゜回転し、5テトラマーの第2セットを添加する。 これは、ケーキに砂糖の衣を横列にかけ、その後、縦列にかけることに例えることができる。 横列および縦列の交点ではより砂糖の衣がかかり、同様に各交点ではユニーク配列のオクタマーができることとなる。 合計6サイクルについてこの手順の繰り返しにより、ユニークな24量体を含み空間的に離れている25の正方形ができ、残りの正方形には共通の12量体が含まれる。 シリコンまたはガラス表面は、シールをきっちりと確実にする10μmのリッジRを含み、真空ライン12にバルブ8をつなげると、チャンバー4は減圧となる。 マルチ−チャンバー装置を膜または活性化固体表面に押し付け、シールをしっかりとする。 バリアーをゴムまたは他の材料で覆い、チャンバーからチャンバーへの相互汚染を防ぐ。 膜または固体支持物表面を適度に溶媒で湿らせることを確実に行わねばならない。 真空ライン12につながるバルブ8を閉じた後、続けて表面の活性化、脱保護およびバルブ6の開放によりライン10を通してチャンバー4へテトラマーを加える。 チャンバーをゆるめ、膜を90度回転させ、再度締める。 テトラマーの第2ラウンドは、上記の減圧およびテトラマー適用工程により行う。 バルブ ブロックアッセンブリー(図25A−C)は、適当な横列への各テトラマーの経路となる。 別法として、円柱状の多岐管(図26A−D)は、5横列(または縦列)に運送される前に6テトラマーの環状順列を可能とする。 幾つかの配列が連続配列内に同一の3テトラマーを含むが、この設計で、互いに少なくとも3テトラマーの違いが常にあるユニークな24量体がつくられる。

    図23A−Cは、図19(図19D−19E)にアレイ構築方法の展開図を示す。 図23Aに示すように第1工程において、PNAテトラマー1、2、3、4および5は、各5縦列の表面にそれぞれ連結する。 縦列における5位置のそれぞれは分離されており、オリゴヌクレオチドが結合していないそれら位置の間に200μmの間隙がある。 図23Bに示したように、マルチ−チャンバー装置を90゜回転する。 テトラマー6、5、4、3および2を隣接の横列に加える。 横列における5位置のそれぞれは分離されており、オリゴヌクレオチドが結合していないそれらの間に200μmの間隙がある。 図23Cに示したように、与えられた横列および縦列内の各完成24量体はユニークPNA配列を表す。 図19−22に示した設計とは異なり、このアレイ設計では、各完成24量体の間に半分の長さである12量体は含まれない。 それは分離位置を有するマスクを使用するためである。

    図24A−Cは、図23に記載の配置格子Gの構築を可能とするマスキング装置2の設計を示している。 図24Aは、装置2およびアレイ格子Gを配置した上面図であり、一方、側面図の図24Bおよび図24Cは、それぞれ図24Aの線24B−24Bおよび線24C−24Cに沿ったものである。 マスキング装置は200μmの間隙および200μmのバリアーを含み、アレイ格子Gの個別位置で固体支持物に5テトラマーの各々が結合するのを可能にする。 テトラマーの第1セットを添加した後、マスキング装置または表面を90゜回転し、5テトラマーの第2セットを添加する。 合計6サイクルについてこの手順の繰り返しにより、ユニークな24量体を含み空間的に離れている25の正方形ができ、残りの正方形には共通12量体が含まれる。 シリコンまたはガラス表面はシールをきっちりと確実にする10μmのリッジRを含み、真空を用いて始まる手順をチャンバー4にほどこし、チャンバー2内を減圧にする。 真空ライン12につながるバルブ8を開くことにより、この減圧は行われる。 マルチ−チャンバー装置を膜または活性化固体表面に押し付け、シールをしっかりとする。 バリアーをゴムまたは他の材料で覆い、チャンバーからチャンバーへの相互汚染を防ぐ。 膜または固体支持物表面を適度に溶媒で湿らせることを確実に行わねばならない。 真空ライン12へつながるバルブ8を閉じた後、続けて表面の活性化、脱保護およびバルブ6の開放によりライン1
    0を通してチャンバー4へテトラマーを加える。 チャンバーをゆるめ、膜を90度回転させ、再度締める。 テトラマーの第2ラウンドは、上記の減圧およびテトラー適用工程により行う。 バルブ ブロックアッセンブリー(図25A−C)は、適当な横列への各テトラマーの経路となる。 別法として、円柱状の多岐管(図26A−D)は、5横列(また縦列)に運送される前に6テトラマーの環状順列を可能とする。 この設計はオリゴヌクレオチドを含まない領域により互いに離れているユニークな24量体をつくりだす。

    図25A−Cは、共通のチャンバー18を通して6つのインプット ポート10を5つのアウトプット ポート16につなげるバルブブロックアッセンブリー4を示す。 各6つのインプット ポート10および5つのアウトプット ポート16は、バルブ6およびバルブ20をそれぞれ含み、バルブは液体の流速を制御する。 6つのインプット チューブ10には異なる溶液を含み、バルブ ブロックアッセンブリー14により5つのアウトプット ポート16のうちの一つにインプットの液体のうちの一つを同時に経路とし得る。 これは、インプット ポート10のうち一つのバルブ6およびアウトプット ポート16のバルブ20のうちの一つを同時に開放することにより行われ、液体がチャンバー18に満たされ、オープン バルブ20につながるアウトプット ポート16を通じて排出される。 バルブブロックアッセンブリー14は、溶媒源22およびバルブ24および8を通して真空源12とそれぞれつながっている。 それは、液転移の間にセントラルチャンバー18の洗浄を行うためである。 溶媒をチャンバー18に満たし、減圧を利用してチャンバーからすべての液を除く。 これは、次の液転移工程のチャンバー18の準備であり、液体の相互汚染を防ぐ。

    図26A−Dは、インプット液の6つの異なるチューブを5つの異なるアウトプットチューブへと転移する円筒多岐管アッセンブリー114を示す。 多岐管自体が、通常セントラルスポーク134につながり、分離するハーフ114Aおよび114Bを含む。 それら、いずれのハーフも独立して回転する。 下部114Bは、ドリルで穴をあけた6つのチャンネル130をともなう円筒ブロックである(図26C参照。それは、図26Bの線26C−26Cにおける図26Bの下部である)。 6つそれぞれのチャンネル130を6つの別個のインプット チューブ110に付着する。 インプット チューブ110には、バルブ106を含む。 それは、バルブ108のある真空ライン112およびバルブ124のある溶媒ライン122、これらにつながるバルブ136のあるライン138を通して、試薬、溶媒または減圧のいずれかのためのインプット チャンネル130につながっている。 これは、異なる液体が多岐管のチャネル130および132に入り、液転移での超過液のチャンネル130および132の洗浄をすることになる。 多岐管の上部は(図26A参照。それは、図26Bの線26A−26Aに沿ったものであり図26Bの上図である)、ドリルで穴をあけた5つのチャンネル132をともなう円筒ブロックである。 5つのチャンネル132は、それぞれ異なるアウトプット チューブ116につながる。 多岐管114Aおよび114Bの二つのハーフは、異なるインプット チャネル130が異なるアウトプット チャンネル132と1線になるように独立して回転する。 これは、同時に5つのアウトプット チューブに6つのチューブ インプット溶液を移すことを可能とする。 多岐管の下半分114Bは、各インプット ポート110が隣のアウトプット ポート116と1線になるために、60゜回転できる。 この様に、各インプット ポート110は何れかのアウトプット ポート116と1線になることができる。 図26A−Dの環状多岐管は、図26A−Cのバルブ ブロックアッセンブリーと異なる。 その形成物は、6インプット液の5つを5アウトプット ポートに同時に転移する。 それは、インプット ポートをアウトプット ポートにつなぐ5チャンネルがあるためである。 この考え方は、36位置に一度に36テトラマーを運ぶという考えにたやすく拡張できる。

    本発明は、従来技術システムを越える多くの利点がある。

    本発明によるDNAアレイを含む固体支持物は、捕捉ラベルから出るシグナルの位置が配列の存在を同定するようにアレイ上の特異的な位置に連結産物配列をハイブリダイゼーションすることにより、配列を検出する。 特異的多重LDR産物の高処理量検出のため、アドレス可能アレイ特異的部分は、固体支持物上の指定されたアドレスに各LDR産物を導く。 他のDNAチップ法が溶液一対一表面ハイブリダイゼーションにおける解離温度の微妙な違いにより極めて似た配列を区別しようとするのに対し、本発明では、溶液をもとにしたLDR反応におけるハイブリダイゼーション前に、必要とする特異性を獲得する。 それゆえ、本発明は、互いに非常に異なる配列をともなう捕捉オリゴヌクレオチドのアレイの設計を可能とする。 各LDR産物にはユニークアドレス可能アレイ特異的部分があり、それは固体支持物上の特異的なアドレスにおける捕捉オリゴヌクレオチドにより選択的に捕捉される。 固体支持物上の相補的捕捉オリゴヌクレオチドが修飾DNAまたはPNAの何れかであるとき、LDR産物は高温において捕捉される。 これによりハイブリダイゼーションの時間は短縮され、非特異的結合は減少する。 結果として、ノイズに対するシグナルの割合が改善される。

    本発明の他の利点は、PCR/LDRにより近似のクラスター変異、単一塩基の変化ならびに短いリピートおよび欠失を検出できることである。 これらは、対立遺伝子特異的PCRまたはハイブリダイゼーションによる検出では行えない。

    本発明では、DNA合成の誤りによる偽ハイブリダイゼーションシグナルを避けることができる。 正しくないアドレスに対するハイブリダイゼーションTm値に非常に大きな相違が生じるように、アドレスは設計される。 対照的に、直接ハイブリダイゼーション法は微妙な違いに依存する。 本発明では、DNA合成の誤り、バンドの拡大化または偽バンドの移動の何れかの結果によるゲル電気泳動または毛管電気泳動の偽データ解釈の問題も除去できる。

    連結産物の存在を検出するために捕捉オリゴヌクレオチドを利用することは、分別的ハイブリダイゼーションによるオリゴヌクレオチドの単一塩基の相違を検出する必要性をなくす。 対立遺伝子特異的PCR、分別的ハイブリダイゼーションまたは配列決定−バイ−ハイブリダイゼーションによる従来技術である他の方法は、解析しようとする各々の新規な配列毎に最適化されたハイブリダイゼーション条件を有さねばならない。 多様な変異を同時に検出しようとする際、ハイブリダイゼーション条件を最適化することは難しくまた不可能である。 対照的に、本発明は、正しいシグナルの、標的配列には拘わらない、かつハイブリダイゼーション条件が一定である、高度の特異的検出についての一般的な方法である。 本発明は、従来技術において現在用いられているいかなる方法よりも大きい顕著な信頼性をもって、異なるオリゴヌクレオチド配列を識別する融通性のある方法を提供する。

    本発明のアレイは、普遍的であり、癌変異、遺伝性(生殖細胞系)変異および感染症の検出に有用である。 さらなる利点は、アレイが再利用可能であり、サンプルあたりのコストが低いことである。

    本発明は、オリゴヌクレオチドの合成およびそれらの固体支持物への付着に非常に大きな融通性を与える。 オリゴヌクレオチドは、固体支持物とは別に合成され、支持物上のユニークな表面に接着し得る。 オリゴヌクレオチドのマルチマーセグメント(それは中間体バックボーン保護(例えばPNA)を必要としない)は、合成されて、固体支持物上に連結する。 これらの合成的方法に捕捉オリゴヌクレオチド アドレスの設計を付け加え得ることでもって、新たな利点が達成される。 固体支持物をこのように産生することは、全自動製造を可能とし、人間の介入をなくし、したがって汚染の心配がない。

    本発明のアレイの重要な利点は、前に付着した捕捉オリゴヌクレオチドとともに再利用ができることである。 そういった再利用する固体支持物をつくるために、固体支持物に捕捉オリゴヌクレオチドを結合する連結構成物を除去せずに、捕捉オリゴヌクレオチドを除去しなければならない。 この目的達成のために様々な方法が用いられる。 例えば、固体支持物を95−100℃の蒸留水で処理し、室温の0.01N NaOHにさらし、90−95℃の50%ジメチルホルムアミドで処理する。 通常、この手順は5分間で捕捉オリゴヌクレオチドを除去するのに利用できる。 これらの条件は、DNA−DNAハイブリダイゼーションに適しており;DNA−PNAハイブリダイゼーションには別の分離切断を必要とする。

    本発明を下記の実施例により説明するが、これに限定されるものではない。
    (実施例)

    実施例1−固体支持物への捕捉オリゴヌクレオチドの固定化 固定化のための固体支持物は、ガラスであり、特に顕微鏡のスライドである。 空間的なアドレス可能アレイにおける捕捉ヌクレオチドの固定化、すなわちガラス(例えば顕微鏡スライド)あるいはシリコン(例えばチップ)、膜(例えばナイロン膜)、ビーズ(例えばパラマグネチック ビーズまたはアガロース ビーズ)またはプラスチック支持物(例えばポリエチレン シート)などの他の支持物への固定化は、下記の5工程より構成される。
    A. 支持物のシラン処理

    シラン処理剤は3−アミノプロピル トリエトキシシラン(“APTS”)を用いた。 代わりに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(K.L.Beattie,et al.,"Advances in Genosensor Research," Clin.Chem., 41:700-706(1995);U.Maskos,et al.,"Oligonucleotide Hybridizations on Glass Supports:a Novel Linker for Oligonucleotide Synthesis and Hybridization Properties of Oligonucleotides Synthesized in situ," Nucleic Acids Res., 20:1679-1684(1992);C.F.Mandenius,et al.,"Coupling of Biomolecules to Silicon Surfaces for Use in Ellipsometry and Other Related Techniques," Methods Enzymol., pp.388-394(1988)、出典明示により本明細書の一部とする)、または3−(トリメトキシシリル)プロピル メタクリレート(M.Glad,et al.,"Use of Silane Monomers for Molecular Imprinting and Enzyme Entrapment in Polysiloxane-coated Porous Silica,"J.Chromatogr.347:11-23(1985);E.Hedborg,et al.,"Some Studies of Molecularly-imprinted Polymer Membranes in Combination with Field-effect Devices,"Sensors and Actuators A 37-38:796-799(1993);and M.Kempe,et al.,"An Approach Towards Surface Imprinting Using the Enzyme Ribonuclease A,"J.Mol.Recogn.8:35-39(1995)、出典明示により本明細書の一部とする)は、最初に行うシラン処理剤として使われる。 シラン処理の前に、支持物を洗浄し、支持物表面を疎水性にした。 ガラススライド(Fisher Scientific,Extra thick microslides,frosted cat.#12-550-11)を80℃、5分間、濃度水溶性NH OH-H -H O(1:1:5,v/v/v)でインキュベーションし、蒸留水で洗浄した。 支持物は、文献記載(C.F.Mandenius,et al.,"Coupling of Biomolecules to Silicon Surfaces for Use in Ellipsometry and Other Related Techniques,"Methods Enzymol.,pp.388-394(1988);Graham,et al.,"Gene Probe Assays on a Fibre-Optic Evanescent Wave Biosensor,"Biosensors & Bioelectronics,7:487-493(1992);J〓nsson,et al.,"Adsorption Behavior of Fibronectin on Well Characterized Silica Surfaces,"J.Colloid Interface Sci.,90:148-163(1982)、出典明示により本明細書の一部とする)のように蒸留水、エタノールおよびアセトンで洗浄した。 支持物を無水アセトン(99.7%)中の2%(v/v)3−アミノプロピル トリエトキシシラン(Sigma,St.Lousi,MO)溶液で、室温で夜通しシラン処理した(Z.Guo,et.al.,"Direct Fluorescence Analysis of Genetic Polymorphisms by Hybridization with Oligonucleotide Arrays on Glass Supports,"Nucl.Acids Res.22:5456-65(1994)出典明示により本明細書の一部とするに従い改善)。 支持物は、徹底して無水アセトンで洗浄し、減圧デシケーター内、80℃で乾燥させた。

    B. 官能基(例えばカルボキシル基またはアミノ基)によるシラン処理した固体支持物の誘導合成 シラン処理剤がAPTSのとき、所望のアミノ官能性を直接導入した。 官能基を既に含んでいる適当なシラン処理促進剤[例えば、重合アクリレート(M.Glad,et al.,"Use of Silane Monomers for Molecular Imprinting and Enzyme Entrapment in Polysiloxane-coated Porous Silica,"J.Chromatogr.347:11-23(1985);E.Hedborg,et al.,"Some Studies of Molecularly-imprinted Polymer Membranes in Combination with Field-effect Devices,"Sensors and Actuators A 37-38:796-799(1993);and M.Kempe,et al.,"An Approach Towards Surface Imprinting Using the Enzyme Ribonuclease A,"J.Mol.Recogn.8:35-39(1995)、出典明示により本明細書の一部とする)で表面を官能性化した3−(トリメトキシシリル)プロピル メタクリレート]の選択をするか、または[例えば、写真石版術(Fodor,et al.,"Ligt-Directed,Spatially Addressable Parallel Chemical Synthesis,"Science,251:767-773(1991);Fodor,et al.,"Multiplexed Biochemical Assays with Biological Chips,"Nature,364:555-556(1993)、出典明示により本明細書の一部とする)で使用される保護アミノ基の、局所的に光をあててる光脱保護を行った後に]所望の官能基を含む試薬でアミノ−官能性化表面を反応するか、いずれかにより他の官能基を導入できる。

    C. 官能基の活性化 固体支持物の官能基はアミノ基であった。 直径1mm、3.25mm離れているドットが5×5アレイであるプレハブマスクを使って、1−2%トリエチルアミン(生じた酸を洗浄するため)の入る無水ジメチルホルムアミド(“DMF”;Aldrich,Milwaukee,WI)中において、70 mg/ml ジスクシンイミジル アジピン酸 エステル(Hill,et al.,"Disuccinimidyl Esters as Bifunctional Crosslinking Reagents for Proteins,"FEBS Lett,102:282-286(1979);Horton,et al.,"Covalent Immobilization of Proteins by Techniques which Permit Subsequent Release,"Methods Enzymol.,pp.130-141(1987)、出典明示により本明細書の一部とする)を含む少量(典型的には0.2から10μl)の溶液をギルソンP−10ピペットで固体支持物に適用した。 次いで、反応は、覆いをして室温で連続30分間進行さした。 その後、さらにジスクシンイミジル アジピン酸 エステルを加えた。 合計で1時間の反応後、支持物を無水DMFで洗浄し、減圧したデシケーター内で室温で乾燥した。

    官能基がカルボキシル基である場合、固体支持物は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド ヒドロクロライド(“EDC”)と反応させた。 Frank,et al.,"Simultaneous Multiple Peptide Synthesis Under Continuous Flow Conditions on Cellulose Paper Discs as Segmental Solid Support,"Tetrahedron,44:6031-6040(1988)、出典明示により本明細書の一部とする。 この反応前に、0.1N HClでの短時間処理により固体支持物の表面をプロトン化する。 上記プレハブマスクを使って、1M EDC(Sigma,St.Louis,MO)、1mM 5'アミノ修飾オリゴヌクレオチドおよび20mM KH PO ,pH=8.3を含む少量(0.2から1.0μl)の新しい溶液を固体支持物に適用した。 反応は1時間続けて行った。 その後、支持物を蒸留水で洗浄し、減圧したデシケーター内で室温で乾燥した。

    D. アミノ官能性化捕捉オリゴヌクレオチドと前活性化固体支持物との結合 EDC活性化固体支持物以外の支持物に関して、上記プレハブマスクを再び使い、20mM KH PO ,pH 8.3中の1 nmol/μl 5'アミノ修飾オリゴヌクレオチド(すなわち、Table2の配列)の少量液(0.2から1.0μl)を活性化支持物に適用した。 反応は室温で続けて1時間行った。
    E. 固体支持物上の残存反応基の失活

    捕捉プローブ非依存方法において固体支持物上で反応産物が非特異的に捕捉されるのを防止するために、相補的オリゴヌクレオチドプローブ捕捉後の固体支持物表面上の残存反応基を失活させる必要がある。 そこで、支持物を5分間、室温で0.1N 水酸化ナトリウム内でインキュベートした。 代わりに、失活は、0.2M リシン、pH=9.0で行い得る。 失活後、支持物表面を中性化するため0.1N リン酸ナトリウム緩衝液 pH7.2で支持物を洗浄した。 蒸留水による最後の洗浄後、支持物を減圧デシケーター内で室温で乾燥し、保存した。

    実施例2−検定システムの設計 ハイブリダイゼーション試験、およびGeneAmp In Situ PCR System 1000(商標登録)(Perkin Elmer,Applied Biosystems Division,Foster City,CA)(G.J.Nuovo,PCR in situ Hybridization,New York:Raven Press(2nd ed.1994)、出典明示により本明細書の一部とする)を用いる高速処理形態による捕捉オリゴヌクレオチドプローブ-捕捉オリゴヌクレオチドのハイブリッドの洗浄試験に関して、半自動なカスタム設計検定システムを作製した。 そのシステムの一般フローチャートを図27に示す。 そのシステムは、サンプル 充填装置およびマルチプル ポート システムを通じて、液貯蔵器のバッテリーおよび廃液貯蔵器につながるフロースルー ハイブリダイゼーション チャンバーからなる。 液の流れはポンプで調節される。 ポンプは、そのアッセブリーラインの末端に設置し、システムの液漏れおよび汚染を防ぐため、軽減圧保持条件下で操作する。 ハイブリダイゼーション チャンバーおよび液貯蔵器は、GeneAmp In Situ PCR System 1000(商標登録)に正確に合うように設計しているので、ハイブリダイゼーションおよび検定の洗浄工程の間、温度は正確に調節され、維持される。

    システムの個々の部分は、以下に詳しく説明する。
    A. ハイブリダイゼーション チャンバー ハイブリダイゼーション チャンバーとは、フロースルーの特性を調節するため手を加えたin situ PCR試薬保持システムである。 保持システムは、ガラス顕微鏡スライド(76×25×1.2±0.02 mm)およびシリコンゴム膜を含む。 それらは、薄いスレンレス スチール クリップでスライドに締め付けられている。 内側にある金属クリップの卵形縁により、スライドにシリコンの円盤の端を圧縮する。 このスライドは、ハイブリダイゼーション プローブおよび洗浄液の保持を確実し、水および気体のシールをしっかりとするのに充分な力をもつ。 保持体積はおよそ50 μlである。 固定化捕捉オリゴヌクレオチドのアレイは、シリコンの円盤でカバーするスライド(おおよそ13mm×15mm)の中心部分に保持される。 異なる部分の集合は、in situ PCRシステムの製造業者により供給される集合用手段で容易に行われる。 一旦、集合させると、ハイブリダイゼーションの入口と出口は、12"チュービングの2本の針 25G3/4およびマルチプル サンプル ルアー アダプター(Becton Dickinson,Rutherford,NJ)を挿入することによりつくられる。プローブ標的ハイブリッドの洗浄の間のアップおよびアクロス(up-and-across)の流型を確実にするため、針を斜めに挿入する。

    B. 液体貯蔵器 相違する洗浄溶液を含む貯蔵器は、GeneAmp In Situ PCR System 1000(商標登録)の熱ブロックの垂直スロットに合うようにカスタム設計された。 各貯蔵器は、プレハブ シリコン ガスケット(Nunc,Inc.,Napierville,IL)を含む2つのガラス顕微鏡チャンバースライド(25×75×1mm)から成り、それらはシリコン シーラント(Dow Corning,Midland,MI)を使って互いに接着していた。 出口は、シリコン ガスケットに通す12"ロング チュービングの針 21G3/4およびマルチプル サンプル ルアー アダプター(Becton Dickinson,Rutherford,NJ)の挿入によりつくられた。チュービングのない二番目の針21G3/4は、気体の入口をつくるためにシリコン ガスケットに通して挿入した。液貯蔵器は、漏れがなく、熱ブロックのスロット内に当てはまる。その熱ブロックで貯蔵器は、含まれる液への熱伝導を良く確保する金属板に締め付けて固定される。各貯蔵器の体積は約2mlである。

    C. マルチ ポート システムおよびサンプル充填装置 液貯蔵器、サンプル充填装置およびハイブリダイゼーション チャンバーは、液の単向的な流れを手動で制御できるマルチプル ポート システムを通じて連結される。 そのシステムは、互いに雄-雌結合で連結するルアー アダプター(Kontes Scientific Glassware/Instruments,Vineland,NJ)をともなう一連の3方向ナイロン ストップコックからなる。 液貯蔵器からの雌ルアー アダプターは、雄どうしをつなぐルアー アダプター結合器(Biorad,Richmond,CA)を通じてマルチ ポート 雌 ルアー アダプターと連結する。 サンプル充填装置は、液貯蔵器につながるポートおよびハイブリダイゼーション チャンバーに連結するポート間に位置する。 それは、ルアー アダプターを通じてマルチ ポート システムに直接つながる1ml シリンジ(Becton Dickinson,Franklin Lakes,NJ)からなる。 液の流れは、所望の方向にストップコックのつまみを回転させることにより手動で制御できる。

    D. 廃液貯蔵器 ハイブリダイゼーション チャンバーからの出口チュービングは、ルアー アダプター(Becton Dickinson,Franklin Lakes,NJ)をともなう20ml シリンジからなる廃液貯蔵器につながる。 そのプランジャーは固定位置に確保されている。 ポンプは、12"ロングチュービングである針21G3/4およびプランジャーのゴム ガスケットに通じるマルチプル サンプル ルアー アダプターの挿入により連結する。ポンプが稼働すると、ハイブリダイゼーション チャンバーを通して液体貯蔵器から廃液貯蔵器へ液を流すシリンジ内で僅かに減圧が生じる。

    E. ポンプ ぜん動性ポンプP−1(Pharmacia,Piscataway,NJ)は、システムを通じて液の流れを制御するのに利用された。 システム内を僅かに減圧するためにポンプはアッセンブリーラインの末端に設置した。 ポンプの入口チュービングは、3方向ナイロン ストップコックを通して廃液貯蔵器の出口チュービングへつながる。 この構造により廃液貯蔵器内の減圧解放は重力により容易に排水を行う。

    実施例3−ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件 異なる捕捉オリゴヌクレオチドの捕捉特異性を調べるために、6つのテトラマー中3つ(すなわち、24のヌクレオチド中12)が共通である2つの捕捉オリゴヌクレオチドプローブを用いてハイブリダイゼーション実験を行った。 本実施例では、異なる捕捉オリゴヌクレオチドを区別するのが最も難しい場合を示す。 一般的に、共通のテトラマーがより少ない方の捕捉オリゴヌクレオチドを選び、それを用いてアドレス可能なアレイ上にある異なる増幅産物を分離する。

    典型的に、文献に記載の標準的な方法にわずかな修飾を加えた方法で、オリゴヌクレオチド合成品12および合成品14(表3参照)各10ピコモルについて、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(New England Biolabs、Beverly、MA)10単位、2.22MBq(60μCi)[γ− 32 P]ATP、50mM Tris−HCl、pH8、10mM MgCl 、1mM EDTA、および10mMジチオトレイトールを含有する用量20μl中で、その5'末端を標識した。 取り込まれなかった放射活性ヌクレオチドは、極微粒DNA等級セファデックスG−25(Pharmacia、Piscataway、NJ)を詰めたカラムで濾過して取り除いた。 セファデックスは、10mM酢酸アンモニウム中4℃で一晩前以て膨潤させておいた。 標識オリゴヌクレオチドプローブを真空乾燥し、ハイブリダイゼーション溶液(0.5M Na HPO [pH7.2]、1%結晶等級BSA、1mM EDTA、7%SDS)に溶かした。 標識オリゴヌクレオチドプローブ合成品12および合成品14の比活性は、それぞれ、2.86×10 cpm/ピコモルおよび2.43×10 cpm/ピコモルであった。

    400ピコモルのアミノ連結捕捉オリゴヌクレオチド12および14(表3参照)を、前章に記載したように、カルボキシル誘導体化およびアミノ誘導体化の両方のガラス顕微鏡スライドに配置し反応させた。 相補的オリゴヌクレオチドプローブ合成品12とハイブリダイズして左上および右下斜め方向の位置に陽性反応を示し、相補的オリゴヌクレオチドプローブ合成品14とハイブリダイズして左下および右上斜め方向の位置に陽性反応を示すように、捕捉オリゴヌクレオチドを2×2マトリックスアレイに固定した。

    放射標識オリゴヌクレオチドプローブ合成品12および合成品14(表3参照)を、それぞれ、2.5ピコモル/100μlおよび4.1ピコモル/100μlの濃度でハイブリダイゼーション溶液に溶かした。 ハイブリダイゼーション溶液に5μlの2%ブロモフェノールブルーマーカーを加えて、プローブがアッセイ系を移動するのを監視できるようにした。 次いで、放射標識プローブ100μlを注入し、ハイブリダイゼーションチャンバーに移した。 70℃で15分間ハイブリダイゼーションを行った。

    ハイブリダイゼーション後、ハイブリダイゼーションチャンバーを、順次、2ml低ストリンジェンシー洗浄緩衝液(2×SSC緩衝液には300mM塩化ナトリウムおよび30mMクエン酸ナトリウムが含有されている)で2回、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(「SDS」)および2ml高ストリンジェンシー洗浄緩衝液(0.2×SSC、0.1%SDS)で2回、70℃にて洗浄した。 (1×SSC緩衝液には150mM塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸ナトリウムが含まれている)。

    実施例4−捕捉オリゴヌクレオチドプローブの検出 捕捉オリゴヌクレオチド−オリゴヌクレオチドプローブハイブリッドを洗浄した後、シリコンディスク、針および金属カバークリップをガラス顕微鏡スライドから取り去り、残りの液体をキムワイプ(Kimberly-Clark、Roswell、GA)で吸収した。 捕捉オリゴヌクレオチドプローブをリン・イメージ剤(Molecular Dynamics、Sunnyvale、CA)を用いて視覚化し定量した。 ガラス顕微鏡スライドをリン・イメージ剤スクリーンに21時間あてた後、試験した異なる固体支持物についてデータを集積した。 得られた像を図28に示す。 定量データは表4Aおよび4Bに示す。

    使用した条件下では、NH 官能基化スライドで得られたシグナルおよび交差反応性データは、COOH官能基化スライドで得られたデータよりも良好であった。

    実施例5−捕捉オリゴヌクレオチドの固定パラメーターの最適化 ポリマーを文献の方法を用いてスライド上に配置した。 Barnard,et al.「A Fibre-optic Sensor With Discrete Sensing Sites」Nature 353:338-40(1991);Bonk,et al.「Fabricarion of Patterned Sensor Arrays With Aryl Azides on a Polymer-coated Imaging Optical Fiber Bundle」Anal.Chem.66:3319-20(1994);Smith,et al.「Poly-N-acrylylpyrrolidone--A New Resin in Peptide Chemistry」Int.J.Peptide Protein Res.13:109-12(1979)。 これらは出典明示により本明細書の一部とする

    400ピコモルのアミノ連結捕捉オリゴヌクレオチド12および14(表3参照)を、4つの同じ光源が配置された点状ポリマーを有するガラス顕微鏡スライドに2×2の形式で配置し、反応させた。 相補的オリゴヌクレオチドプローブ合成品12とハイブリダイズして上下の位置で陽性反応を示し、相補的オリゴヌクレオチドプローブ合成品14とハイブリダイズして左右の位置に陽性反応を示すように、オリゴヌクレオチドをスポットした。

    放射標識オリゴヌクレオチドプローブ合成品12(表3参照)をハイブリダイゼーション溶液に溶かし、濃度を2.4ピコモル/100μlとした。 ブロモフェノールブルーマーカー(2%溶液で5μl)をハイブリダイゼーション溶液に加えて、プローブが系を移動するのを監視できるようにした。

    100μlの放射標識プローブ合成品12をハイブリダイゼーションチャンバーに移した。 70℃で15分間ハイブリダイゼーションを行った。 ハイブリダイゼーション後、ハイブリダイゼーションチャンバーを、順次、1mlの低ストリンジェンシー洗浄緩衝液(2×SSC、0.1%SDS)で3回および1mlの高ストリンジェンシー洗浄緩衝液(0.2×SSC、0.1%SDS)で3回、70℃にて洗浄した。

    ガラス顕微鏡スライドをリン・イメージ剤スクリーンに24時間あてた後、試験を行った全ての異なるスライドについてデータを集積した。 得られた像を図29に示す。 定量データは表5に示す。

    化学的固定により、目的に沿って製造された特殊なポリマーマトリックスを使用できるようになり、このポリマーマトリックスにより核酸増幅産物を効率的に捕捉するために必要とされる適当な物理的特性が付与される。 固定した捕捉オリゴヌクレオチドの特異性は現在の方法に比べて比較的良く、これにより1つのミスマッチ、欠失、および挿入が分別的ハイブリダイゼーションにより見分けられる(KLBeattie,et al.「Advances in Genosensor Research」Clin.Chem.41:700-06(1995)、これは出典明示により本明細書の一部とする)。 最後に、本発明のアッセイ系により全核酸オリゴマーの同定が可能となることが実証される。

    実施例6−固相支持物へのアドレス可能なオリゴヌクレオチドプローブの捕捉 捕捉オリゴヌクレオチド固定化に関する別法を用いて、ポリマーで被膜したスライドがアドレス可能なオリゴヌクレオチドプローブを捕捉する能力について、試験を行った。 3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートを用いてシラン化した後、モノマーをスライド上でポリマー化した。 1つには、ポリエチレングリコール含有クロスリンカーを用いてCOOH官能基のついたポリマー層を形成させ、他方には、ポリエチレングリコール−メタクリル酸モノマーをスライド上でポリマー化しOH官能基を形成させた。 実施例1のEDC活性化法を用いてCOOH官能基のついたスライドを活性化した。

    「水分含有量の少ない」アセトン中に0.2M 1,1'−カルボニルジイミダゾール(「CDI」)(Sigma Chemical Co.、St.Louis、Mo.)を含む、かたく栓をした50mlプラスティック製使い捨てチューブ(Corning Inc.、Corning、NY)において、OH官能基のついたスライドを一晩室温でインキュベートして活性化した(AJ.T.Baker、Phillipsburg、NJ)。 次いでスライドを「水分含有量の少ない」アセトンで洗浄し、室温で真空乾燥した。

    アミノ連結捕捉オリゴヌクレオチド14を両側の前以て印をつけた箇所に手でスポットした(1スライドにつき4箇所)。 反応はフード中で行い、スポットしたオリゴヌクレオチドの量は2×0.2μl(0.8ナノモル/μl)であった。 全反応時間は1時間であった。 次いで、前以て印を付けたそれぞれの点の上にプロピルアミンを数滴たらすことによって、スライドの反応を15分間かけて停止した。 反応停止後、スライドを0.1Nリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)中で5分間インキュベートし、2回蒸留したH Oで洗浄し、真空乾燥した。

    スライド上の相補的捕捉オリゴヌクレオチドは放射活性標識オリゴヌクレオチドプローブ合成品14(表3)とハイブリダイズした。 100μlの放射標識オリゴヌクレオチドプローブ合成品14(2.8ピコモル;6,440,000cpm/ピコモル)をハイブリダイゼーションチャンバーに移した。 0.5M Na HPO [pH7.2]、1%結晶等級BSA、1mM EDTA、7%SDS中で15分間70℃でハイブリダイゼーションを行った。 ハイブリダイゼーション後、ハイブリダイゼーションチャンバーを、順次、2ml低ストリンジェンシー洗浄緩衝液(2×SSC、0.1%SDS)で2回および2ml高ストリンジェンシー洗浄緩衝液(0.2×SSC、0.1%SDS)で2回、70℃で洗浄した。 (1SSC緩衝液には、150mM塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸ナトリウムが含まれている)。

    ガラス顕微鏡スライドをリン・イメージ剤スクリーンに30分間あてた後、両方のスライドについてデータを集積した。 ガラス顕微鏡スライドをリン・イメージ剤スクリーンに30分間あてた後、データを集積した。 表6および図30参照。

    この試験では、COOH官能基を含有するポリマーで覆われたスライドよりもOH官能基を含有するポリマーで覆われたスライドの方が良好な結果が得られた。

    20%アミン含有モノマーを用いてポリマー化し、4%EGDMAまたはHDDMAで架橋した事前調製の(ポリHEMA)−含有ポリマーを用いて、約275アトモルの放射活性標識連結産物配列(これは、リン・イメージ剤スクリーンに23時間あてると視覚化できる(表5))を捕捉することができた。 ポリエチレン−メタクリル酸ポリマー調製物を用いると、約10.6フェムトモルの連結産物配列を捕捉することができた。 この反応は30分間あてた後に検出できた。

    実施例7−膜支持物を用いた捕捉オリゴヌクレオチドの検出 膜支持物を用いて異なる捕捉オリゴヌクレオチドの捕捉特異性を調べるために、捕捉オリゴヌクレオチドプローブ12および14(表3)を用いてハイブリダイゼーション実験を行った。

    OH−官能基化ナイロン膜(Millipore、Bedford、Massachusetts)の細長い断片を、一晩、カルボニルジイミダゾールの「水分含量の少ない」アセトン0.2M溶液に浸した。 この細長い断片をアセトンで洗浄し、真空で乾燥させた。 20mM K HPO (pH8.3)溶液(表3)中の2用量の0.2μl(1mM)捕捉オリゴヌクレオチド12および14を特殊なブロッティング装置(Immunetics、Cambridge、Massachusetts)を用いて膜に移した。 相補的オリゴヌクレオチドプローブを実施例3に記載したように放射活性標識した。 このオリゴヌクレオチドプローブを真空乾燥し、200μlハイブリダイゼーション緩衝液(0.5M Na HPO [pH7.2]、1%結晶等級BSA、1mM EDTA、7%SDS)に溶かした。 ハイバイド(Hybaid)・ハイブリダイゼーション・オーブンにおいて、1.5mlエッペンドルフチューブの800μlのハイブリダイゼーション緩衝液中15分間60℃で膜をプレハイブリダイズさせた。 このチューブを500μlの不活性カルナウバ臘(Strahl&Pitsch,Inc.、New York、New York)で満たし、ハイブリダイゼーション総容積を減少させた。 プレハイブリダイゼーション後、200μlの放射標識プローブを加えた。 15分間60℃で膜をハイブリダイズさせた。 ハイブリダイゼーション後、膜を60℃で、15分間1mlの低ストリンジェンシー洗浄緩衝液(2×SSC、0.1%SDS)で2回、15分間1mlの高ストリンジェンシー洗浄緩衝液(0.2×SSC、0.1%SDS)で2回洗浄した。 捕捉したオリゴヌクレオチドプローブは、リン・イメージ剤(Molecular Dynamics、Sunnyvale、CA)を用いて定量した。 リン・イメージ剤スクリーンに45分間あてた後、データを集積した。 結果は表7に示すが、捕捉ヌクレオチド12および14の活性は、それぞれ、112pic/アトモルおよび210pic/アトモルである。

    ハイブリダイゼーション温度およびハイブリダイゼーション時間は同系統の実験でも検討した。 表8に示すデータ(ここで捕捉オリゴヌクレオチド12および14の活性は、それぞれ、251pic/アトモルおよび268pic/アトモルである)は、以下の条件で得られた結果を示す:800μlのハイブリダイゼーション緩衝液中65℃で15分間プレハイブリダイゼーション;1mlのハイブリダイゼーション緩衝液中65℃で15分間ハイブリダイゼーション;1mlの低ストリンジェンシー洗浄緩衝液を用いて65℃で5分間2回洗浄;および1mlの高ストリンジェンシー洗浄緩衝液を用いて65℃で5分間2回洗浄。

    表9に示されたデータ(ここで捕捉オリゴヌクレオチド12および14の活性は、それぞれ、487pic/アトモルおよび506pic/アトモルである)は、以下の条件で得られた結果を示す:150μlのハイブリダイゼーション緩衝液中で70℃で15分間プレハイブリダイゼーション;200μlのハイブリダイゼーション緩衝液中70℃で15分間ハイブリダイゼーション;800μlの低ストリンジェンシー洗浄緩衝液中70℃で5分間2回洗浄;および800μlの高ストリンジェンシー洗浄緩衝液中70℃で5分間2回洗浄。

    表10に示したデータは、以下の条件で得られた結果を示す:150μlのハイブリダイゼーション緩衝液中70℃で15分間プレハイブリダイゼーション;200μlのハイブリダイゼーション緩衝液中70℃で5分間ハイブリダイゼーション;800μlの低ストリンジェンシー洗浄緩衝液中70℃で5分間2回洗浄;および800μlの高ストリンジェンシー洗浄緩衝液中70℃で5分間2回洗浄。

    表11に示したデータは以下の条件で得られた結果を示す:150μlのハイブリダイゼーション緩衝液中70℃で5分間プレハイブリダイゼーション;200μlのハイブリダイゼーション緩衝液中70℃で1分間ハイブリダイゼーション;800μlの低ストリンジェンシー洗浄緩衝液中70℃で2分間2回洗浄;および800μlの高ストリンジェンシー洗浄緩衝液で5分間2回洗浄。


    これらのデータにより、捕捉オリゴヌクレオチドプローブのその相補的配列へのハイブリダイゼーションは特異的であることが実証される。 ガラススライドを用いて行った前の実験と比べて、かなり多くの量(すなわち、アトモル量に対してフェムトモル量)のオリゴヌクレオチドプローブが膜支持体に再生的に捕捉された。 これら2つの非常に密接な関連性がある捕捉オリゴヌクレオチドプローブ間における平均交差反応性は約1%であった。 しかし、アレイ上の別の捕捉オリゴヌクレオチド対におけるこれらの数値はかなり良好であろう。 一般的に、このような数値は当該分野で公知の方法、すなわち、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション(「ASO」)、またはハイブリダイゼーションによるシークエンス(「SBH」)などの別のハイブリダイゼーション法を用いると得ることができない。

    実施例8−ガラス表面の洗浄 ガラススライド(Fisher Scientific、Extra thick microslides、スリガラス商品番号#12-550-11)を濃NH OH−H −H O(1:1:5、v/v/v)水溶液中、80℃で5分間インキュベートし、蒸留水で濯いだ。 二度目のインキュベートは濃HCl−H −H O(1:1:5、v/v/v)水溶液中80℃で5分間行った。 J〓nsson,et al.「Absorption Behavior of Fibronectin on Well Characterized Silica Surfaces」J.Colloid Interface Sci.90:148-163(1982)参照。 これは出典明示により本明細書の一部とする。 スライドを完全に蒸留水、メタノールおよびアセトンで濯ぎ、室温で自然乾燥した。

    実施例9−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランのシラン化 実施例8により調製した洗浄済スライドを24−48時間、室温で、2.6mlの3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(Aldrich Chemical Company,Inc.Milwaukee,Wis.商品番号#23,579-2)、0.26mlトリエチルアミンおよび130mlトルエンからなる溶液中でインキュベートした。 E.Hedborg,et al.、Sensors Actuators A,37-38:796-799(1993)参照。 これは出典明示により本明細書の一部とする。 スライドを完全にアセトン、メタノール、蒸留水、再びメタノール、再びアセトンで濯ぎ、室温で自然乾燥させた。 図31参照。

    実施例10−ジクロロジメチルシランを用いたシラン化 実施例8により調製した洗浄済スライドを15分間、室温で、12mlジクロロジメチルシランおよび120mlトルエンからなる溶液中でインキュベートした。 スライドを完全にアセトン、メタノール、蒸留水、再びメタノール、および再びアセトンで濯ぎ、自然乾燥させた。

    実施例11−メタクリル酸誘導体化ガラスを用いたポリ(エチレングリコール)メタクリル酸のポリマー化 2.2gポリ(エチレングリコール)メタクリル酸(Aldrich Chemical Company,Inc.Milwaukee,Wis.商品番号#40,953-7)(平均分子量〜306g/mol)および50gの2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)の3.5mlアセトニトリル溶液を氷上で冷却し、3分間アルゴン気流下で脱気した。 次の工程はアルゴン雰囲気下グローブボックス中で行った。 5−15滴のポリマー化混合物を、実施例8および9により調製したメタクリル酸誘導体化ガラススライドに配置した。 メタクリル酸誘導体化ガラススライドおよびポリマー化混合物を、実施例10によりシラン化した第2のガラススライドで覆い、2つのガラススライドを押し合わせ、クリップで固定した。 スライドは続けて真空デシケーターに移した。 ポリマー化は55℃で熱的に始まるか、または366nmで光学的に始まった。 図32参照。

    実施例12−メタクリル酸誘導体化ガラスを用いたアクリル酸およびトリメチロールプロパンエトキシレート(14/3EO/OH)のポリマー化 0.5gアクリル酸(Aldrich Chemical Company,Inc.Milwaukee,Wis.商品番号#14,723-0)、1.83gトリメチロールプロパンエトキシレート(14/3EO/OH)トリアクリレート(Aldrich Chemical Company,Inc.Milwaukee,Wis.商品番号#23,579-2)および50mgの2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)の3.5mlアセトニトリル溶液を氷上で冷却し、3分間アルゴン気流下で脱気した。 次の工程は実施例11に記載したようにグローブボックス中で行った。 スライドは続けて真空デシケーターに移し、実施例11に記載のようにポリマー化した。 図33参照。

    実施例13−メタクリル酸誘導体化ガラスを用いたポリ(エチレングリコール)メタクリレートおよびトリメチロールプロパンエトキシレート(14/3EO/OH)トリアクリレートのポリマー化 0.55gポリ(エチレングリコール)メタクリレート(Aldrich Chemical Company,Inc.Milwaukee,Wis.商品番号#40,953,7)、1.64gトリメチロールプロパンエトキシレート(14/3EO/OH)トリアクリレート(Aldrich Chemical Company,Inc.Milwaukee,Wis.商品番号#23,579-2)および50mgの2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)の3.5mlアセトニトリル溶液を氷上で冷却し、3分間アルゴン気流下で脱気した。 次の工程は実施例11に記載したようにグローブボックス中で行った。 スライドは続けて真空デシケーターに移し、実施例11に記載のようにポリマー化した。 図34参照。

    本発明は説明するために詳細に記載したが、説明のためのみに詳述したのであり、以下の請求の範囲で定義している本発明の精神および範囲からそれない限り、当業者は修飾を施すことができることを理解されたい。

    図1は、点変異などの生殖細胞系変異の検出のための先行技術および本発明によるポリメラーゼ連鎖反応("PCR")/リガーゼ検出反応("LDR")を表す流れ図である。

    図2は、癌関連変異の検出のための先行技術および本発明によるPCR/LDRを表す流れ図である。

    図3は、同じ遺伝子上の2つの多形性(すなわち対立遺伝子の相違)でのホモおよびヘテロ接合性を検出するための対立遺伝子特異的プローブ上のアドレスを用いる本発明のPCR/LDRを表す模式図である。

    図4は、与えられた部位ですべての可能な塩基を識別する対立遺伝子特異的プローブ上のアドレスを用いる本発明のPCR/LDRを表す模式図である。

    図5は、2つの近接部位で可能な塩基の存在を検出するための対立遺伝子特異的プローブ上のアドレスを用いる本発明のPCR/LDRを表す模式図である。

    図6は、挿入および欠失を識別する対立遺伝子特異的プローブ上のアドレスを用いる本発明のPCR/LDRを表す模式図である。

    図7は、正常配列の過剰な存在における低発生量の変異(コドン内)を検出するのに対立遺伝子特異的プローブ上のアドレスを用いる本発明のPCR/LDRを表す模式図である。

    図8は、アドレスが共通のプローブ上に位置し、対立遺伝子の相違が相違する蛍光性シグナルF1、F2、F3およびF4により識別される本発明のPCR/LCRの模式図である。

    図9は、隣接および近接の対立遺伝子の両方が検出される本発明のPCR/LCRの模式図である。

    図10は、単一コドンについてすべての可能な単一塩基変異が検出される本発明のPCR/LCRの模式図である。

    図11は、固体支持物への共有結合修飾、移植およびオリゴマー付着についての化学反応を示す。

    図12A−Cは、固体支持物へのオリゴヌクレオチドの共有付着についての化学反応を示す。

    図13A−Bは、オリゴヌクレオチドプローブ捕捉についての2種のフォーマットを示す。 図13Aにおいてアドレス可能アレイ特異的部分が対立遺伝子特異的プローブにある。 対立遺伝子は夫々アドレスZ1およびZ2上の蛍光シグナルの捕捉によって識別される。 図13Bにおいて、アドレス可能アレイ特異的部分が共通プローブ上にあり、対立遺伝子は蛍光F1およびF2(2つの対立遺伝子に対応する)の捕捉によって夫々識別される。

    図14A−Eは、固体支持物上の種々の部位での完全長の個々の24量体オリゴマーを点在させることによるオリゴマーの8×8アレイを構築するためのプロトコールを表す。

    図15A−Eは、図14A−Eの8×8アレイ構築プロトコールの展望図である。

    図16A−Cは、図14A−Eから図15A−Eでの固体支持物上に完全長の個々の24量体オリゴマーを点在するのに用いる器材を表す。

    図17は、一連の特別24量体をつくるのに用い得る少なくとも2塩基が相違する36テトラマーを用いる本発明の設計を示す。

    図18A−Gは、特別の25量体アドレスの5×5アレイをつくるためのPNAテトラマーの追加を示す。

    図19A−Eは、6テトラマーを配列的に結合することによる24量体8×8アレイを構築するためのプロトコールを表す。

    図20A−Cは、図19B−Cの8×8アレイ構築プロトコールの展望図である。

    図21A−Cは、図19B−Cのアドレス可能アレイの合成についての構造的断面図である。

    図22A−Cは、図19B−C、20A−Cおよび21A−Gでの固体支持物上の24マーの8×8アレイを合成するのに用いる機器の模式図である。

    図23A−Cは、図19(図19D−19E)の8×8アレイ構築プロトコールの展望図である。

    図24A−Cは、図16D−Eおよび図24A−Cでの固体支持物上で24量体の5×5アレイを合成するのに用いる機器の模式図である。

    図25A−Cは、6インプット溶液を5アウトプット口に導き得るバルブ・ブロック・アッセンブリーの模式図である。

    図26A−Dは、6インプット溶液を5アウトプット口に同時に送り得る管状多岐管の図である。

    図27は、本発明の方法を実施するためのアッセイシステムの模式図である。

    図28は、相違する誘導表面についてのリン・イメージ図である。

    図29は、ポリマー・マトリックスの相違するクロスリンク条件についてのリン光可視図である。

    図30は、−OH官能化スライドについてのリン・イメージ図である。

    図31は、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランでシラン化ガラススライドをつくるための反応図を示す。

    図32は、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランでシラン化ガラススライド上に重合ポリ(エチレングリコール)メタクリレートをつくるための反応図を示す。

    図33は、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランでシラン化ガラススライド上に重合アクリル酸およびトリメチロルプロパンエトキシレート(14/3 EO/OH)をつくるための反応図を示す。

    図34は、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランでシラン化ガラススライド上に重合ポリ(エチレングリコール)メタクリレートおよびトリメチロルプロパンエトキシレート(14/3 EO/OH)をつくるための反応図を示す。

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