High density biochemical array chip

申请号 JP2013527283 申请日 2011-08-31 公开(公告)号 JP2013536692A 公开(公告)日 2013-09-26
申请人 コンプリート・ゲノミックス・インコーポレーテッド; 发明人 ステイカー,ブライアン・ピイ;
摘要 生化学アッセイに有用なアレイチップが提供され、このチップは、第1のピッチに従って付着地点が配設されたフィールド領域、及び、第2のピッチに従って1次元スポットパターンを有する、少なくとも1つのトラック領域を含み、この第2のピッチは、第1のピッチより密でなく、第1のピッチの非整数倍であり、これにより、1次元モワレ平均化をトラック領域に適用することができ、これにより、比較的高い 密度 の付着地点を有した状態で、チップと光学機器との整列を得ることができる。
【選択図】図3
权利要求
  • 少なくとも1つのフィールド領域及び少なくとも1つのトラック領域を備える基材;
    前記少なくとも1つのフィールド領域の第1のパターン形成されたアレイに設置した実験地点であって、前記第1のパターン形成されたアレイは第1のピッチによって画定される、実験地点;並びに、
    前記少なくとも1つのトラック領域の第2のパターン形成されたアレイに設置した整列地点であって、前記第2のパターン形成されたアレイは第2のピッチによって単一のディメンションに沿って画定される、整列地点を備える、アッセイ用チップであって、
    モワレ平均化に基づく整列を可能にするために、前記第1のピッチは第2のピッチと異なり、第2のピッチの非整数倍である、アッセイ用チップ。
  • 前記少なくとも1つのフィールド領域は、1つの前記実験地点あたり1つの物体空間ピクセルの密度を有する、請求項1に記載のチップ。
  • 前記少なくとも1つのフィールド領域は、1つの前記実験地点あたり2つの前記物体空間ピクセルの密度を有し、
    前記少なくとも1つのフィールド領域内の前記実験地点は、市松模様パターンに配設される、請求項1に記載のチップ。
  • 前記少なくとも1つのフィールド領域は、1つの前記実験地点あたり4つの物体空間ピクセルの密度を有する、請求項1に記載のチップ。
  • 前記少なくとも1つのトラック領域の整列地点は、生化学実験を支援する働きをする、請求項1に記載のチップ。
  • 前記整列地点のうち選択されたものは、事前に選択したパターンに従って削除される、請求項1に記載のチップ。
  • 前記整列地点のうち選択されたものは、疑似ランダムパターンに従って削除される、請求項1に記載のチップ。
  • 前記実験地点及び前記整列地点は、生化学実験を支援するよう構成される、請求項1に記載のチップ。
  • 前記実験地点及び前記整列地点以外の基材エリアは、標的核酸の結合を阻害するよう構成される、請求項1に記載のチップ。
  • 前記実験地点及び前記整列地点は、DNAナノボールの付着を支援するよう構成される、請求項1に記載のチップ。
  • 前記単一のディメンションは、水平ディメンションである、請求項1に記載のチップ。
  • 前記単一のディメンションは、垂直ディメンションである、請求項1に記載のチップ。
  • 前記少なくとも1つのトラック領域は、無地点帯によって前記少なくとも1つのフィールド領域と分離される、請求項1に記載のチップ。
  • 前記単一のディメンションは、垂直ディメンションであり、前記少なくとも1つのトラック領域の幅は:前記物体空間ピクセルのサイズの3倍、前記物体空間ピクセルの5倍のうちの一方である、請求項1に記載のチップ。
  • 前記基材は更に、前記少なくとも1つの垂直トラック領域と実質的に直交して配置される水平トラック領域を備え;
    前記水平トラック領域は、前記第2のパターン形成されたアレイに従って、第2のディメンションに沿って配置される、トラック地点を備え、前記第2のディメンションは、前記単一のディメンションと実質的に直交する、請求項1に記載のチップ。
  • 少なくとも1つのフィールド領域及び少なくとも1つのトラック領域を備える基材;
    前記少なくとも1つのフィールド領域の第1のパターン形成されたアレイに設置した実験地点であって、前記第1のパターン形成されたアレイは第1のピッチによって画定される、実験地点;並びに、
    前記少なくとも1つのトラック領域の第2のパターン形成されたアレイに設置した整列地点であって、前記第2のパターン形成されたアレイは第2のピッチによって単一のディメンションに沿って画定される、整列地点を備えるチップであって;
    前記第1のピッチは第2のピッチと非整数倍だけ異なり;
    前記標的核酸は、前記実験地点及び前記整列地点に付着させられる、チップに関して、
    撮像機器を用いて、標的核酸が配置された前記チップの画像を得ること;
    前記少なくとも1つのトラック領域の前記整列地点に付着させられた前記標的核酸から放出される、前記画像に記録される信号に基づくモワレ平均化を少なくとも部分的に用いることにより、前記単一のディメンションに関する第1の補正整列タームを相関論理によって決定すること;及び、
    前記補正整列タームに基づいて、前記単一のディメンションに沿って前記チップと前記撮像機器を自動的に整列することを含む、方法。
  • 前記チップの前記基材は更に、前記少なくとも1つの垂直トラック領域と実質的に直交して配置される水平トラック領域を備え、前記水平トラック領域は、前記第2のパターン形成されたアレイに従って、第2のディメンションに沿って配置される、トラック地点を備え、前記第2のディメンションは、前記単一のディメンションと実質的に直交する、請求項16に記載の方法であって、
    前記第2のトラック領域の前記整列地点に付着させられた前期標的核酸から放出される、前記画像に記録される信号に基づくモワレ平均化を少なくとも部分的に用いることにより、前記第2のディメンションに関する前記第2の補正整列タームを前期相関論理によって決定すること;及び、
    前記第2の補正整列タームに基づいて、前記第2のディメンションに沿って前記チップと前記撮像機器を自動的に整列することを更に含む、請求項16に記載の方法。
  • 前記単一のディメンションに関する前記補正整列タームを前記相関論理によって決定することは:
    前記少なくとも1つのトラック領域の前記整列地点に付着させられた前記標的核酸から放出される、前記画像に記録される前記信号;及び 前記少なくとも1つのトラック領域内の削除地点のパターンを表す情報に少なくとも部分的に基づいて、前記補正整列タームの一部として、トラックピッチの整列の誤差を決定することを更に含む、請求項16に記載の方法。
  • 前記標的核酸は、DNAナノボールを備える、請求項16に記載の方法。
  • 前記整列地点のサブセットは、削除パターンを形成するために選択的に削除され、
    前記補正整列タームを前記相関論理によって決定することは、前記削除パターンを表す順番に並べたデータセットに少なくとも部分的に基づいて前記補正整列タームを算出することを更に含む、請求項16に記載の方法。
  • 说明书全文

    優先権主張;関連出願の相互参照 本出願は、米国特許法第35条119項(e)の下で、2010年8月31に「高密度生化学アレイチップ(HIGH−DENSITY BIOCHEMICAL ARRAY CHIPS)」という名称で出願された米国仮特許出願第61/378844号(その内容全体は参照により、本出願で述べたのと同じとして援用される)の優先権を主張するものであり;また本出願は、米国特許法第35条119項(e)の下で、2010年8月31に「同期トラックを有する高密度生化学アレイチップ(HIGH−DENSITY BIOCHEMICAL ARRAY CHIPS WITH SYNCHRONOUS TRACKS)」という名称で出願された米国仮特許出願第61/378848号(その内容全体は参照により、本出願で述べたのと同じとして援用される)の優先権をも主張するものである。

    本発明は米国連邦政府による資金提供を受けた研究開発の下でなされた発明ではない。

    コンパクトディスクで提出された、「配列リスト」、表、又はコンピュータプログラムリストの添付物はない。

    本明細書は化学アレイチップ、特に光学技術による化学分析に使用される生化学アレイに関する。

    化学アッセイ及び生化学アッセイに使用されるもの等のアレイチップを用いれば、多数の生化学実験を並行して実施することが可能である。 例えば、生化学アレイチップは、生化学実験を並行して処理するためのシステムの一部とすることができる。 アレイチップは、シリコン若しくはガラスウェハ又はその他の材料製の、剛性で平坦な基材を有する。 生体分子、試薬、蛍光マーカ及びその他の化学化合物を、正則パターンでアレイチップに添付する。

    使用する化学化合物及び混合物、温度、インキュベーション時間及びその他のパラメータを実験の特定のタイプに対して適切に定める正確なプロトコルに従って、アレイチップ全体を試薬で洗浄することにより、生化学実験をアレイチップ上で実施することができる。

    いくつかの動作環境において、生化学実験は、DNA塩基(A、C、G又はT)それぞれに異なる色の染料(例えば赤、緑、青又は黄色)が対応するように生化学反応を設計することによりDNA塩基を識別するための、蛍光撮像と共に使用することができる。 例えば、蛍光顕微鏡又はその他の適切な光学系を、アレイチップに設置及び/又は実行する生化学実験の画像を得るために用いてよい。 観察される色は、その特定の実験ステップにおけるDNA塩基を示す。 従って、このようなDNA実験によってアレイチップからのデータ抽出は、チップ上で行われ得る何百万もの、又は何十億さえある生化学実験によって放出される蛍光の色を記録することに基づくものである。

    しかし、密な生化学アレイチップの蛍光画像から有益なデータを得ることは、空間解像度、精度及び速度の重要性が競合するせいで複雑なものとなる。 個別の実験を明確に分析するために、画像は十分に高い倍率で得る必要がある。 同時に、実験を正確に識別するために、画像は十分に広い視野をカバーしなければならない。 最後に、大規模な研究に関して、十分なスループットを得るために、及びシーケンシング操作を商業レベルで実行可能とするために、撮像及び画像処理を十分な速さで行わなければならない。

    本明細書において、高密度アレイチップの原理及び様々な実施形態を記載し、このアレイチップは、このチップに設置する生化学実験の撮像及び画像処理に関わる競合する重要性に対処するものである。 例えば、ここに記載する高密度アレイチップは、チップの画像からデータを迅速に抽出できるようにしながら、チップ上で極めて高い密度の生化学実験をどのように達成するかという問題に対処する。 更に、ここに記載する高密度アレイチップはまた、アレイチップと撮像機器との間のリアルタイムの整列を動作中にどのようにして提供するかという問題にも対処し、この撮像機器は、チップに設置する生化学実験の画像を得るために用いるものである。 ここに記載する様々な実施形態及び原理において示すように、チップの他の領域とは異なるピッチ及び/又は異なる密度を有する1つ以上のトラック領域の形態でアレイチップ上の情報をエンコードすることにより、これらの問題に対処する。

    例えば、ここに記載する高密度アレイチップは、チップの全エリアのうち小さな割合を占めるトラック領域を備え、チップの残りのエリアは、異なる及び/又はより密なアレイグリッドを有する領域が占める。 アレイチップの1つ以上のトラック領域としてエンコードされた情報を、撮像機器(例えば蛍光顕微鏡カメラ)とチップを整列するのに必要な時間を削減し、同時にこのような整列のリアルタイム調節を提供するための動作において使用する。 撮像機器のリアルタイム整列は、アレイチップ上の1つ以上のトラック領域の画像から抽出した情報に基づいて整列の誤差を連続的に監視し、続いて、整列の誤差に基づいて整列を補正して、撮像機器をアレイチップにわたって移動させ、アレイチップに設置する生化学実験の画像を得ることにより、達成される。

    ここに記載する原理及び実施形態によると、生化学アッセイに適したアレイチップの設計が提供され、ここで、チップは、第1のピッチに従って付着地点と共に配設されるフィールド領域と、トラック領域に1次元モワレ平均化を適用することができるよう、第1のピッチより密でなく、また第1のピッチの非整数倍である第2のピッチに従って配設される1次元スポットパターンを有する少なくとも1つのトラック領域とを含み、これにより、より高い密度の付着地点を用いてチップの光学機器に対する整列を得ることができる。

    例示的実施形態では、アッセイ用チップは:フィールド領域及びトラック領域を備える基材;フィールド領域の第1のパターン形成されたアレイに設置した実験地点であって、第1のパターン形成されたアレイは第1のピッチによって画定される、実験地点;並びに、トラック領域の第2のパターン形成されたアレイに設置した整列地点であって、第2のパターン形成されたアレイは第2のピッチによって単一のディメンションに沿って画定される、整列地点を備える。 モワレ平均化に基づく整列を可能にするために、第2のピッチは第1のピッチと異なり、第1のピッチの非整数倍である。

    この実施形態のある態様では、フィールド領域は、1つの実験地点あたり1つの物体空間ピクセルの密度を有する。 別の態様では、フィールド領域は1つの実験地点あたり2つの物体空間ピクセルの密度を有し、フィールド領域内の実験地点は市松模様パターンに配列される。 更に別の態様では、1つの実験地点あたり4つの物体空間ピクセルの密度を有する。

    ある態様では、トラック領域の整列地点は、生化学実験を支援する働きをする。 別の態様では、整列地点のうち選択されたものは、事前に選択したパターンに従って削除される。 更に別の態様では、整列地点のうち選択されたものは、疑似ランダムパターンに従って削除される。

    ある態様では、フィールド領域の実験地点及びトラック領域の整列地点はどちらも、生化学実験を支援するよう構成される。 ある態様では、フィールド領域の実験地点及びトラック領域の整列地点は、DNAナノボールの付着を支援するよう構成される。

    ある態様では、アレイチップの基材の、(フィールド領域の)実験地点及び(トラック領域の)整列地点とは異なるエリアは、標的核酸の結合を阻害するために化学的に処理される。

    ある態様では、それに沿ってトラック領域が配置される単一のディメンションは平ディメンションである。 別の態様では、この単一のディメンションは垂直ディメンションである。

    ある態様では、トラック領域は無地点帯によってフィールド領域と分離される。 別の態様では、トラック領域のサイズは:物体空間ピクセルのサイズの3倍、物体空間ピクセルの5倍のうちの一方である。

    ある態様では、アレイチップの基材は更に、垂直トラック領域と実質的に直交して配置される水平トラック領域を備え、ここで、水平トラック領域は、第2のパターン形成されたアレイに従って、第2のディメンションに沿って配置される、トラック地点を備え、この第2のディメンションは、それに沿ってトラック領域が配置される単一のディメンションと実質的に直交する。

    例示的な実施形態では、本方法は:標的核酸が配置されたチップの画像を得る撮像機器を備え、チップは:フィールド領域及びトラック領域を備える基材と、第1のピッチによって画定されかつフィールド領域に配置される第1のパターン形成されたアレイに配置される、実験地点と、第2のピッチによって単一のディメンションに沿って画定される第2のパターン形成されたアレイに配置される、整列地点とを備え、第2のピッチは第1のピッチと異なり、第1のピッチの非整数倍であり、標的核酸は実験地点及び整列地点に付着させられ;また、本方法は、トラック領域の整列地点に付着させられた標的核酸から放出される、画像に記録される信号に基づくモワレ平均化を少なくとも部分的に用いることにより、単一のディメンションに関する補正整列タームを相関論理によって決定すること;及び、補正整列タームに基づいて、単一のディメンションに沿ってチップと撮像機器を自動的に整列することを含む。

    この実施形態のある態様では、チップの基材は更に、垂直トラック領域と実質的に直交して配置される水平トラック領域を備え、ここで、水平トラック領域は、第2のパターン形成されたアレイに従って、第2のディメンションに沿って配置される、トラック地点を備え、この第2のディメンションは、単一のディメンションと実質的に直交する。 この態様では、本方法は更に:
    第2のトラック領域の整列地点に付着させられた標的核酸から放出される、画像に記録される信号に基づくモワレ平均化を少なくとも部分的に用いることにより、第2のディメンションに関する第2の補正整列タームを相関論理によって決定すること;及び、第2の補正整列タームに基づいて、第2のディメンションに沿ってチップと撮像機器を自動的に整列することを含む。

    この実施形態のある態様では、単一のディメンションに関する補正整列タームを相関論理によって決定するステップは更に:トラック領域の整列地点に付着させられた標的核酸から放出される、画像に記録される信号と、少なくとも1つのトラック領域内の削除地点のパターンを表す情報とに少なくとも部分的に基づいて、補正整列タームの一部として、トラックピッチの整列不良の誤差を決定することを含む。

    ある態様では、チップに付着させられた標的核酸は、DNAナノボールを備える。 別の態様では、トラック領域の整列地点のサブセットを選択的に削除して削除パターンを形成し、補正整列タームを相関論理によって決定するステップは更に、削除パターンを表す順番に並べたデータセットに少なくとも部分的に基づいて補正整列タームを算出することを含む。

    添付の図面と関連する以下の詳細な説明を参照することにより、本発明をより良く理解することができる。

    図1は、高密度生化学アレイチップの一部の上面平面図であり、フィールド領域及びトラック領域のための例示的なパターンの図も挿入されている(縮尺は正確ではない)。

    図2は、例示的な高密度生化学アレイチップの上面平面図であり、フィールド領域及び1つのトラック領域の詳細を示す、高密度生化学アレイチップの1つのフィールドの図も挿入されている(縮尺は正確ではない)。

    図3は、例示的な高密度生化学アレイチップの1つのフィールド領域及び1つのトラック領域のサブフィールドの上面平面図であり、ピクセルの上面に対する付着地点のレイアウトパターンの1つの実施形態を、相対縮尺及び配置を図示して説明するものである。

    図4は、例示的な高密度生化学アレイチップの1つのフィールド領域及び1つのトラック領域のサブフィールドの上面平面図であり、物体空間ピクセルの上面に対する付着地点のレイアウトパターンの別の実施形態を、相対縮尺及び配置を図示して説明するものである。

    図5は、フィールド領域及びトラック領域の周期は他方の非整数倍になっていることを説明するための、図4の一部分の詳細である。

    図6は、1次元「モワレ平均化」技術を説明する図である。

    図7は、削除パターンを使用したオフセット決定を説明する図である。

    以下の記載では、説明を目的として、本発明の全体的な理解を提供するために多数の具体的な詳細について述べる。 しかし、本発明はこれらの具体的詳細の全て又はいくつかを用いずに実現してよいことは、当業者には明らかであろう。

    選択する定義 「アレイチップ」(又は単に「チップ」)とは、核酸又はマクロ分子を付着させて生化学アッセイを形成できる地点のアレイを担持する、平坦又は実質的に平坦であることが好ましいがそれに限定されない表面を有する、固体相支持体(例えば基材等)を指す。 核酸又はマクロ分子は、ある地点に付着させられると共有結合して、アレイチップの剛性支持体となり得るか、又は非共有結合し得る。 典型的には、付着させられる核酸又はマクロ分子の、その地点の配置からの識別は、少なくとも初めは不可能であるが、シーケンシング、ハイブリダイゼーション、プローブ解読等のアレイ上での特定の操作によって決定し得る。 例えば米国特許第6396995号;米国特許第6544732号;米国特許第6401267号;米国特許第7070927号;国際公開特許第2006/073504号;国際公開特許第2005/082098号;米国公開特許第2007/0207482号;米国公開特許第2007/0087362号を参照するとよい。

    「蛍光体」とは、特定の吸収スペクトル内でエネルギを吸収し、異なる(ただし同様に特定の)放出スペクトルでエネルギ(例えば光等)を再放出する官能基を含む、又はこのような官能基からなる、いずれの分子のことである。 マーカとして使用するのに好ましい蛍光体は、フルオレセイン、カスケードブルー、ヘキサクロロフルオレセイン、テトラクロロフルオレセイン、TAMRA、ROX、FAM、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、テキサスレッド、エオシン、Thermo Fisher Scientific(ウォルサム、マサチューセッツ)から入手可能なDyLight蛍光体ファミリー、及びMolecular Probes(ユージーン、オレゴン)から入手可能なAlexa蛍光体ファミリーを含むがこれらに限定されない。

    「画像空間」とは、カメラ内のピクセルの群によってカバーされるエリアのことを表し、「画像空間ピクセル」とはカメラのピクセルのことを表す。

    「論理」とは、1つ以上のプロセッサによって実行された際に、1つ以上の機能を実施するため、及び/又はデータを1つ以上の結果の形態に戻すために動作することができる、指示のセットのことである。 様々な実施形態及び実装において、いずれのこのような論理を、1つ以上のプロセッサによって実行可能な1つ以上のソフトウェア構成要素として、特定用途向け集積回路(ASIC)及び/若しくは書き換え可能ゲートアレイ(FPGA)等の1つ以上のハードウェア構成要素として、又は1つ以上のソフトウェア構成要素と1つ以上のハードウェア構成要素のいずれの組み合わせとして実装してよい。 いずれの特定の論理のソフトウェア構成要素(1つ又は複数)を、制限なく、スタンドアローン又はクライアント−サーバソフトウェアアプリケーションとして、1つ以上のソフトウェアモジュールとして、1つ以上の機能ライブラリとして、並びに1つ以上の静的及び/又は動的リンクライブラリとして、実装してよい。

    核酸との関連で使用される「マクロ分子」は、測定可能な3次元構造を有する核酸を意味し、これは、副次的構造(例えばアンプリコン)を含む線形核酸分子、分岐核酸分子、及び、例えば相補配列、回文構造、又は核酸内に3次元構造要素を発生させるその他の配列挿入物といった、相互作用する構造要素を有する、独立したシーケンスの複数の別個のコピーを含む。

    ここで用いられる「核酸」「オリゴヌクレオチド」「ポリヌクレオチド」「オリゴ」又はこれらの文法的均等物は一般に、共に共有結合した少なくとも2つのヌクレオチドを表す。 核酸は一般に、リン酸ジエステル結合を含むが、場合によっては、ホスホラミダイト、ホスホロジチオエート、若しくはメチルホスホラミダイト結合等の代替のバックボーン;又はペプチド核酸バックボーン及び結合を有する核酸類似体を含んでよい。 その他の核酸類似体としては、ロックド核酸、陽性バックボーン、非イオンバックボーン、及び非リボースバックボーンを含む二環構造を有する核酸類似体が挙げられる。 分子の安定性を増強するために、リボース−リン酸バックボーンの修飾を行ってよく;例えばPNA:DNEハイブリッドは、ある環境ではより高い安定性を呈することができる。

    「物体空間」とは、アレイチップ等の物体のエリアのことであり、よって、「物体空間ピクセル」とは、アレイチップ等の物体上のエリアの単位を表す。 物体空間ピクセルのサイズは典型的には、画像空間ピクセル(即ちカメラピクセル)のサイズと、カメラを使用して物体空間の画像を得る際に適用される倍率とによって決定される。 倍率は、画像空間ピクセル(即ちカメラピクセル)のサイズと、カメラが観察する画像空間ピクセルに対応する物体空間エリアの実際のサイズとの比である。 例えば、16倍の倍率だと、カメラは8μmのピクセルを用いて500nmの物体空間ピクセルを観察することができる。 様々な実施形態では、物体空間ピクセルのサイズは、幅200〜1000nm、長さ200〜1000nmであってよく;好ましい態様では、物体空間ピクセルのサイズは320nm×320nm、より好ましくは600nm×600nm、更により好ましくは500nm×500nmであってよい。 いくつかの実施形態では、物体空間ピクセルのサイズは、アレイチップ上の地点のサイズと実質的に同じか又は若干大きいように選択され、これにより、単一の分離した地点のみが1つの物体空間ピクセルに対応する。 これにより、動作中に、アレイチップ上の地点から放出されるエネルギ(例えば光)の強度を、単一のカメラピクセルで確実に記録できる。

    「ピッチ」(「周期」とも呼ぶ)は、例えばアレイ等のパターンを画定する均一な距離を表す。 アレイチップ又はその領域のピッチとは、チップ上のアレイグリッドに配置されたいずれの2つの隣接する地点の中心間の均一な距離のことであり、これによりチップのアレイ又はその領域を画定するものである。 カメラのピッチとは、いずれの2つの隣接するカメラピクセルの中心間の均一な距離のことであり、これがカメラのピクセルアレイを画定する。

    標的核酸に関する「配列決定」とは、標的核酸中のヌクレオチドの配列に関する情報の決定を意味する。 このような情報は、標的核酸の部分的、及び全配列情報の識別又は決定を含み得る。 配列情報は、統計的信頼度又は確実性の変化によって決定してよい。 ある態様では、この用語は、標的核酸内の異なるヌクレオチドから始める、標的核酸内の複数の接触したヌクレオチドの識別と順列の決定を含む。

    「地点」(「スポット」とも呼ぶ)とは、チップの他の地点と重ならない、空間的に画定されたチップ上のエリアのことであり;即ち、アレイチップ上の地点は空間的に分離されており、特定のパターンに配設することができる。 アレイチップ上では、ある地点は典型的には、核酸又はマクロ分子(1つ又は複数)の付着に適した寸法(例えば長さ、幅、及び場合によっては深さ又は高さ)を有するように構成される。 地点の例としては、くぼみ、隆起エリア、マイクロウェル、ビーズ等が挙げられるがこれらに限定されない。

    「標的核酸」とは、遺伝子、調節エレメント、ゲノムDNA(ヒトDNAを含むがこれに限定されない)、cDNA、RNA(mRNA、rRNA、siRNA、miRNA等を含む)、及びこれらのフラグメントから得られる核酸(又はそのマクロ分子)のことである。 標的核酸は、試料から得られる核酸、又は増幅反応の成果物等の二次核酸であってよい。

    アレイチップ撮像 画像ベースの技術は、チップ上に実験が設置される地点の位置によって、アレイチップ上の独立した生化学実験を識別する。 例えば、地点から放出されるエネルギ(例えば光等)の強度を画像として記録し、続いてこの画像を処理して、チップ上の地点の位置を決定する。 生化学実験を、例えば2次元(例えばX−Y)平面座標系におけるその実験のチップ上での位置の座標によって識別してよい。 アレイチップの画像は典型的には、使用する座標系に関して実験の地点の位置を測定及び/又は算出することができるよう、十分に大きいエリアを含む。 いくつかの従来のアプローチでは、この目的のために慣用の整列マーク(例えばクロスエッチング等)を使用する;しかし、このようなマークの欠点として、蛍光顕微鏡でこれらを観察するのが困難であること、材料の非適合性、及びチップエリアが無駄になることが挙げられる。 対照的に、ここに記載する高密度アレイチップは、(特定のパターンに配設される)生化学実験そのもの、及びそれらから放出されるエネルギを使用して、識別の助けとする。

    様々な動作環境において、アレイチップ上に設置される生化学実験の画像を、蛍光顕微鏡に取り付けたカメラを含む撮像機器を用いて得てよい。 顕微鏡の倍率によって、1回でカメラピクセルによって「見る」ことができる生化学実験地点の数が決定され;同様に、この倍率によって、(画像空間内の)カメラピクセルのサイズと、観察される、かつカメラピクセルに対応するチップエリアのサイズとの比が決定される。 例えば、16倍の倍率だと、カメラは8μmのピクセルを用いて500nmのチップエリア(例えば物体空間ピクセル)からの信号を記録することができる。 よって、データをアレイチップから抽出し得るrateは、チップ上の各スポットに対応するカメラピクセルの数にある程度左右される(スポットのサイズは物体空間ピクセルのサイズより小さいと仮定した場合)。 例えば、1つのスポットあたり20のカメラピクセルを動作させる1メガピクセルのカメラは、50000スポットを撮像することができる。 同一のカメラを、1スポットあたり2つ(又は更に1つ)のカメラピクセルで作動させた場合、1つの画像あたりのスポットの数は10倍(又は20倍)増加する。 ピクセル対スポットの比率が低い(例えば1:1、2:1及び4:1等)と、撮像スループットが大いに向上するため、これは極めて望ましいが、これにより、動作中にカメラピクセルとアレイチップのスポットを整列するという極めて厳しい要件が、課されもする。

    ここに記載する原理及び実施形態によると、アレイチップ上の生化学実験のための地点の空間的パターンを緻密に設計することは、蛍光撮像によるデータ獲得の精度及び速度向上の助けとなる。 以下に記載する特定のレイアウト原理により、極めて高密度の生化学アレイの迅速な撮像が可能となり、よって、ゲノムシステム等の大規模撮像システムのスループットが改善される。 更に、ここに記載する新規のチップ設計は、チップの整列及び識別の精度向上の助けとなると同時に、生化学実験地点として使用可能なチップのエリアを最大化する。

    ここに記載するように、わずかなオフセットを補正するための正確な整列は、モワレ平均化を利用して、サブピクセルのX−Y整列の誤差を補正することによって達成される。 モワレ平均化において、撮像要素(例えばカメラ)のピクセルに対応する物体空間ピクセルの周期が、チップのトラック領域内の地点を画定する周期の非整数倍になるように、倍率を意図的に設定する。 ピクセルレベルの正確な整列は、事前に定義され、疑似ランダム配置された地点(ここでは削除又は予約地点と呼ぶ)のセットを設けることにより達成され、この地点では、生化学材料をチップに付着させないようになっており、これにより、絶対的な位置識別のための登録マーカとして、アレイの削除地点をパターンマッチングスキームで使用することができる。 高密度アレイチップのための、初期登録並びにそれに続く縮尺、回転、X−Yオフセットの補正のための更なる技術は、以下の文献に記載される:(1)第1の文献として、本明細書で述べたのと同じとして援用される、「DNAシーケンシング用アレイの正確な登録のための方法及びシステム(METHOD AND SYSTEM FOR ACCURATE REGISTRATION OF ARRAY FOR DNA SEQUENCING)」という名称で2011年4月22日に出願された米国特許出願番号12/092618号があり、また(2)第2の文献として本明細書で述べたのと同じとして援用される、「サブピクセル整列を用いる高密度生化学アレイの撮像のための方法及びシステム(METHOD AND SYSTEM FOR IMAGING HIGH DENSITY BIOCHEMICAL ARRAYS WITH SUB−PIXEL ALIGNMENT)」という名称で2010年10月26日に出願された米国特許出願番号第12/912641号。

    トラック領域を有する高密度アレイチップ ここで図1に戻ると、ある実施形態による高密度生化学アレイチップが示されている。 チップ100は剛性の平坦な基材をベースとし、長さ、幅とも数センチメートルに都合良く寸法決めされている。 典型的なチップの寸法は、例えば2.5cm×7.5cm×0.1cmであってよい。 より小さいチップ(例えば1辺約0.5cm未満)も可能であるが、これはいくつかの動作環境においては取り扱いに不便となり得、また、より大きなチップ(例えば1辺約10cm超)だと、必要な平坦さを維持するのが困難となり得る。 いくつかの実施形態では、ここに記載する原理により設計されたチップは、10億以上の生化学実験を支援することができる。 例えば、DNAナノボールを用いたcPAL(これについては後に別の段落で記載する)では、各実験は直径約300nmの円形エリア内で実施される。 別の実施形態では、生化学実験を、直径(若しくは長さ及び幅)30〜1000nm、又は直径(若しくは長さ及び幅)200〜500nmでさえあるチップの地点上で実施してよい。

    撮像における問題を対処できるものにするために、アレイチップをミクロン〜ミリメートルサイズのフィールド;例えばフィールド105に分割する。 ある実施形態では、典型的なフィールドは500μm×500μmであり;よって、典型的なチップは数百〜数千のフィールドに分割してよい。 その他の実施形態では、フィールドのサイズは320〜1600μm×320〜1600μm、600μm×600μm、又は1.6mm×700μmでさえあってよい。

    図2は、高密度生化学アレイチップの1つのフィールド205の図である。 このフィールドは、水平なXディメンションに実質的に沿って整列されたトラック領域(例えばトラック領域220)と、Xディメンションに実質的に垂直に、垂直なYディメンションに沿って整列されたトラック領域(例えばトラック領域224、226)によって分離されるサブフィールド(例えば210、212、214)に分割されている。 拡大視野230は、トラック領域226によって分離された2つのサブフィールド内のスポットを示す。 図1及び2のチップは、サブフィールドを分離するトラック領域以外の整列のために使用されるいずれのマーク又はフィーチャを含まない。 トラック領域の特性、トラック領域を敷設する原理、及びトラック領域とサブフィールドとの関係については、以下に詳細に論述する。

    図3は、例示的な実施形態による高密度生化学アレイチップの1つのフィールドのサブフィールドの一部の図である。 円形エリア330は、図2の視野230のフィールドと同一の拡大視野を表す。 この視野において、説明のみを目的として、トラック領域326は太破線380及び381を境界としている;しかし実際には、このような破線はアレイチップ自体には存在しない。

    図3に示す実施形態では、垂直トラック領域326の幅は物体空間ピクセル3つ分の長さと等しくなるよう設定され、これは適用可能な倍率に従ったカメラ(又は画像空間)ピクセルに対応する。 この実施形態では、水平トラック領域の高さはトラック領域326の幅と同一であってよい。 いくつかの実施形態では、垂直トラック領域の幅(及び同じく、水平トラック領域の高さ)は、隣接する非トラック領域のアレイグリッドにおける物体空間ピクセル5つ分に等しくてよい。 図3に示すように、無地点帯によって、隣接する領域340及び345のそれぞれからトラック領域326が分離される。 動作時、これらの無地点帯は、より密に集合する領域340及び345に設置された実験から放出される光信号が、トラック領域326の地点に設置された実験から放出される信号に干渉するのを防ぐ。 別の実施形態では、トラック領域を、無地点帯によってフィールド領域から分離する必要はなく;寧ろ、これらの実施形態では、トラック領域が、無地点帯による分離なしにフィールド領域に埋め込まれていても、相関論理を用いて、トラック領域の画像に記録された信号を正しく処理してよい。 例えば、相関論理を、フィールド領域からの「オンピッチ」信号と、これとは異なる、トラック領域の「オフピッチ」信号とを、「オンピッチ」信号がゼロへの平均化によって容易にキャンセルされる傾向を有するという性質に基づいて区別するように構成してよい。

    図3の実施形態では、領域340及び345は、トラック領域326の両側にある隣接するサブフィールドの一部分である。 蛍光スポット(例えば351、352及び353)はサブフィールドにあり;また、蛍光スポット(例えば360、362)はトラック領域326に見られる。 この実施形態では、サブフィールドスポットに設置された生化学実験と、トラック領域スポットに設置された生化学実験には;又は、実験にタグ付けするために用いる蛍光マーカには、違いがない。 白い丸(例えば361)は、スポットの意図的な不在、例えば削除スポットを表す。 このような削除スポットは、アレイチップ上の地点をパターン配置するために使用されるフォトリソグラフィマスク上の対応するフィーチャを削除することにより、好都合に作製される。 ここに記載する原理によると、削除スポットは好ましくは、トラック領域の使用可能なスポット位置の5%以上を占めるが、15%未満でもある。 トラック領域のスポットは、生化学又は蛍光分子のための付着地点であり、フィールド領域内の地点と同一又は同様である。 削除スポットは付着地点の不在であってよく、又は、削除スポットは、生化学又は蛍光分子と結合するのを阻害又は防止するためにその後化学的に処理された、付着地点であってよい。

    単に説明のみを目的として、図3の細破線(例えば370、371)は、特定の倍率でチップを撮像するために使用されるカメラにおける物理ピクセル(例えば画像空間ピクセル)の境界に対応する物理ピクセル間の境界を示す。 よって、カメラのピクセル周期よりも非常に細かい解像度で図3は描かれているとはいえ、図中の細破線で区切られたピクセルを有するカメラによって得られる領域330の画像は、ピクセル周期より細かい空間的特徴を分析することはできない。 このような制限にも関わらず、トラック領域に置けるスポットのレイアウトにより、以下に記載するように、スポットをサブピクセル解像度でピクセルに整列することができる。

    図3に示すチップ上のスポットのレイアウト(従って、動作時におけるチップ上の生化学実験のレイアウト)は、アレイチップ上のサブフィールドの一部である領域340及び345において、物体空間ピクセルとアレイスポットの2:1の比を備える。 即ち、領域340及び345内のエリアは、1つのアレイスポットあたり2つの物体空間ピクセルという密度で構成される。 トラック領域が、フィールドの全エリアのほんの数パーセントしか占めない限りにおいて、およそチップ全体にわたって2;1のピクセル:スポット比が維持される。 しかし、以下に更に記載するように、より高密度のレイアウトも可能である。

    例えば、図3は、サブフィールド領域のスポットが、アレイ上に市松模様パターンで設置されているアレイチップを示す。 市松模様パターンを有するアレイは、√2×アレイピッチのスポットピッチを有し、これは、いずれの2つの隣接するスポットの中心間の斜距離である。 例えば、500nmの物体空間ピッチを有するアレイに関して、市松模様パターンを画定するスポットピッチは、√2×500=707nmである。 別の方法で考えると、市松模様パターンに配置されたスポットを有するアレイでは、隣接する各横列のスポットは縦列±1つ分だけオフセットされる。

    蛍光撮像では、チップスポットからの光は典型的には、水平に又は垂直に、方向のスポットではなく隣接するスポットへとにじみ出ることがあるため、市松模様パターンをアレイチップに使用することが役に立つ。 よって、アレイチップのスポットを市松模様パターンに設置することで、1つのスポットあたり2つの物体空間ピクセル(従って2つのカメラピクセル)という極めて高い密度が可能になり、その一方で同時に、撮像機器の電子装置内でにじみ出る信号からのクロストークを最小化することができる。

    図4は、例示的実施形態による高密度生化学アレイチップの1つのフィールドのサブフィールドの一部の図である。 図4では、サブフィールド内における物体空間ピクセル(従ってカメラピクセル)とアレイスポットの比が1:1になっているが、それ以外は図4は図3と同じである。 円形エリア430は、図2の視野230及び図3の視野330のフィールドと同一の拡大視野を表す。 この視野において、説明のみを目的として、トラック領域426は太破線を境界としている;しかし実際には、このような破線はアレイチップ自体には存在しない。

    図4に示す実施形態では、垂直トラック領域426の幅はアレイ(又は物体空間)ピクセル3つ分の長さと等しくなるよう設定され、これは適用可能な倍率に従ったカメラ(又は画像空間)ピクセルに対応する。 この実施形態では、アレイチップ上の水平トラック領域の高さはトラック領域426の幅と同一であってよい。 他の実施形態では、垂直トラック領域の幅(及び同じく、水平トラック領域の高さ)は、隣接する非トラック領域のアレイグリッドにおける物体空間ピクセル5つ分に等しくてよい。 図4に示すように、無地点帯によって、隣接する領域440及び445のそれぞれからトラック領域426が分離される。 動作時、これらの無地点帯は、より密に集合する領域440及び445に設置された実験から放出される光信号が、トラック領域426の地点に設置された実験から放出される信号に干渉するのを防ぐ。 他の実施形態では、トラック領域を、無地点帯によってフィールド領域から分離する必要はなく;寧ろ、これらの実施形態では、トラック領域が、無地点帯による分離なしにフィールド領域に埋め込まれていても、相関論理を用いて、トラック領域の画像に記録された信号を正しく処理してよい。 例えば、相関論理を、フィールド領域からの「オンピッチ」信号と、これとは異なる、トラック領域の「オフピッチ」信号とを、「オンピッチ」信号がゼロへの平均化によって容易にキャンセルされる傾向を有するという性質に基づいて区別するように構成してよい。

    領域440及び445は、トラック領域426の両側にある隣接するサブフィールドの一部分である。 蛍光スポット(黒い点で示す)はサブフィールド及びトラック領域に見られる。
    サブフィールドスポットによって表される生化学実験と、トラック領域スポットで表される生化学実験との間には;又は、これらを見分けるために使用される蛍光マーカには、違いがない。 白い丸(例えば461)は、スポットの意図的な不在(例えば削除スポット)を表す。 このような削除スポットは、アレイチップ上の地点をパターン配置するために使用されるフォトリソグラフィマスク上の対応するフィーチャを削除することにより、好都合に作製されてよい。

    図4に示すチップ上のスポットのレイアウト(従って、動作時におけるチップ上の生化学実験のレイアウト)は、アレイチップ上のサブフィールドの一部である領域440及び445において、物体空間ピクセルとアレイスポットの1:1の比を備える。 即ち、領域440及び445内のエリアは、1つのアレイスポットあたり1つの物体空間ピクセル(従って、1つのカメラピクセル)という密度で構成される。 このレイアウトによって、各フィールド画像が極めて多くの情報を含有するようになる。 例えば、図4に示す実施形態では、チップエリアの約5%をトラック領域のために使用し、チップエリアの残りの95%を、1つのアレイスポットあたり1つの物体空間ピクセル(従って1つのカメラピクセル)という最大密度で使用する。

    ここに記載する原理による他の実施形態では、アレイチップの非トラック領域の地点は、1つの地点あたり4つの物体空間ピクセル(従って4つのカメラピクセル)の密度をもたらすようなレイアウトで設置してよい。 このような4:1の地点あたりピクセル密度は、図3及び図4に示した地点密度よりも低いものの、従来のアレイチップの密度と比較すればなお極めて高い密度であり;本出願の出願時点において、市販の生化学アレイチップは10:1〜25:1の範囲の地点あたりピクセル密度を有する。

    カメラピクセルと1/4(0.25)ピクセル周期のアレイスポットとの整列のずれは、容認し難いデータ取得誤差につながり得るため、ここに記載する高密度アレイチップの設計は、撮像誤差のためのわずかな余地を残す。 このような処理を行うために、所望の許容誤差内での整列を提供する、トラック領域を有するアレイチップを設計するための技術と、整列誤差の補正にモワレ平均化を用いるための技術とを以下に記載する。

    トラック領域構造のためのパラメータの決定 ここに記載する原理及び実施形態によると、トラック領域内の地点(「トラック地点」とも呼ぶ)のレイアウトは、カメラピクセルとアレイ上の地点との整列のための所望の許容誤差に従って決定される。 特定のサブピクセル整列許容誤差(即ちトラック領域のピッチ)を達成するために必要なトラック地点の数を決定するために、以下のような計算を使用することができる。

    例として、完璧に事前に整列されたシステムに対して、整列許容誤差計測誤差として5nmが要求され、カメラピクセルとアレイチップ上の地点との整列のためにモワレ平均化を使用するものとする。 トラック内のいずれの地点とアレイとの測定誤差は±0.5ピクセルもの大きさであり得、よって、個々の物体空間ピクセルの平均誤差iは約0.25ピクセルであり、例えば、

    である。


    モワレ平均化のために、平均整列誤差は、全整列誤差の合計の平均と補正整列値の間の差、即ち


    であり、ここでNは測定の回数(例えば信号を放出するトラック地点の数)であり、「correct_value」は実際の(ただし不明である)整列誤差である。 例えば、所望の精度が物体空間ピクセルの1/40である場合、所望のNは約100である。

    アレイチップが8つのトラック領域を有し、各トラック領域が、それぞれ59のトラック地点を有する8つのサブ領域を有する場合、全部で8×8×59=3776のトラック地点が存在する。 DNAにおいて、標的核酸は平均して1/4の時間だけ信号を生成する(例えば、標的核酸はA、T、C又はGのどれかに関する信号を発生させる)ので、トラック地点の約1/4しか信号を放出しないと予測できる。 即ち、動作中に、約994(つまり3776/4)の地点が信号を放出すると予測できる。 上の等式(1)によると、N=994を用いて、理論上の平均整列誤差は

    で表すことができる。 よって、500nmの物体空間ピクセルに関して、理論上の平均整列誤差は、


    である。 500nmの物体空間ピクセルを有するアレイチップの実際の観察により、トラックサブ領域あたり59トラック地点に関して実際に測定される誤差は約5nmであることが確認されており、これは理論値に近い。

    上述の計算は、トラック領域内に単一のディメンション(例えば水平なXディメンション又は垂直なYディメンション)に沿って配設された特定の数のトラック地点によって、X−Y整列誤差を算出するために、及びカメラピクセルとアレイチップ地点を所望の許容誤差内に整列するために、モワレ平均化を用いることができることを示す。 (ある実施形態では、5nmの許容誤差は、DNAにおいて正確な信号強度測定を得るのに十分であることに留意されたい。)更に、上述の計算は、トラック領域に対して約5%のアレイチップエリアしか失うことなく、極めて小さい整列許容誤差(例えば5nm等)を達成できることを示しており、これは、効率的な動作のためにアレイスポットの高い密度が必要とされるような実装形態(ハイスループットDNA等)において極めて有用である。

    モワレ平均化を用いることによる整列補正 ここに記載する高密度アレイチップ(例えば図3及び図4に示すようなもの)のトラック領域は、撮像システムが複数の同時動作、即ち:(1)フィールドとサブピクセルの正確な整列;及び(2)ピクセル座標系における地点の絶対的な配置、において使用できるように設計される。 これらの動作のうち第1のもの、即ちフィールドとサブピクセルの正確な整列の基盤となる原理について、図5及び6と関連して論述する。

    図5は、高密度生化学アレイチップにおける、サブフィールドスポットの周期と、整列トラックスポットとの間の関係を示す図である。 図5は、カメラピクセルとアレイスポットの2:1の比を有し、スポットが市松模様パターンで配設されたチップのフィールド内の、サブフィールド505及び隣接するトラック510の小さい区画を示す。 (ただし、図5に関する論述全体は、仮にピクセルとスポットの比が1:1であっても変化しない。)細破線(例えば515、520)は、特定の倍率でチップを撮像するために使用するカメラの物理ピクセル(例えば画像空間ピクセル)の境界に対応する、物体空間ピクセル間の境界を示し、太破線530は、サブフィールド領域505とトラック領域510の間の境界を示す。 (細破線515、520及び太破線530は、単に説明目的でのみ図5に含まれるものであり;実際にはこのような破線はアレイチップ自体には存在しないことに留意されたい。)

    サブフィールド505内のフィールドスポット(例えば540、541及び542)は、X及びYディメンションにおいて周期λ Fで反復し、このλ Fはフィールドスポットに関する周期である。 トラック領域510のトラックスポット(例えば550、551及び552)は、Yディメンションにおいて周期λ Tで反復し、このλ Tはトラック領域に関する周期である。 (トラックスポット反復周期の測定にあたって、白い丸(例えば560)として描かれている削除スポットが含まれる。)アレイチップの設計によって、λ Fとλ Tとの間に意図的な、非整数倍のミスマッチが存在し;即ち、nを整数として、λ T ≠nλ Fである。 このミスマッチは図5において、物体空間ピクセルの中央付近にあるいくつかのトラックスポット(例えばトラックスポット552)として容易に確認でき、その他のトラックスポットはピクセルの境界付近にある(例えばトラックスポット550)。

    フィールドスポットの周期が、チップの撮像に使用するカメラのピクセル周期に(適用される倍率下で)対応する物体空間ピクセル周期と同一であるか、又はその整数倍である場合、フィールドスポットの周期とトラックスポットの周期との比整数倍の比を注意深く選択することにより、動作中にチップ上にカメラとスポットとを正確に整列する能が向上する。 物体空間ピクセル内でのトラックスポットの配置の多様性を平均して、平均トラックスポット位置を算出することができるため、精度の向上が得られる。 もし、トラックスポットの周期がカメラピクセルの周期と同一であれば、λ P /√2もの大きさの誤差が結果として発生することになる(ここでλ P 、即ち物体空間ピクセル周期は、λ Fに等しいか、又はその整数分の1である。)この1次元モワレ平均下整列技術を、図6に示す。

    図6に、物体空間ピクセル周期λ Pの整数倍ではないトラックスポット周期λ Tを、トラックスポットの撮像の、概念的な1次元の例で示す。 図6では、スポット600、605等を含むトラックスポットの列は、スポット間の周期又はピッチλ Tを有する。 ピクセル620、625、630等を含む物体空間ピクセル(これは、適用される倍率において、カメラピクセルと1:1で対応する)の列は、周期λ Pを有する。 説明を目的として、図6の例では、8λ T =9λ P (即ち、λ T =1.125λ P )とする。 トラックスポットをピクセルの列(ピクセルに「1」から「9」まで標識した列640に示すような)で観察する場合、トラックスポット及び物体空間ピクセルは9ピクセル毎に整列される。 トラックスポットとピクセルの相対位置は、間に挟まったピクセル内で互いを通って移動する。 挿入図650は、互いに重なり合う「1」から「9」までの物体空間ピクセルの拡大図である。 トラックスポットは重なったピクセルにわたって一様に広がる。 トラックスポットのピッチとピクセルの周期との間の差は、同等のステップでのピクセルの長さのサンプリングにつながる。 重なり650における全てのトラックスポット配置の平均は、因数1/√Nによって低減された誤差を用いたピクセル座標内での最適なトラックスポット配置の推定につながり、ここでNは反復の間のピクセルの数であり;この例ではN=9である。 実際には、ある実施形態では、アレイチップはN=59、125の物体空間ピクセルにわたって一様に広がるトラックスポットで構成され、これにより、トラックスポットピッチλ T =125/59λ P 、又はλ T =2.119λ Pが得られる。 別の実施形態では、アレイチップはN=67、125の物体空間ピクセルにわたって一様に広がるトラックスポットで構成され、これにより、トラックスポットピッチλ T =125/67λ P 、即ちλ T =1.866λ Pが得られる。

    よって、トラックスポットの配置は、以下に記載するように、モワレ平均化を用いたサブピクセルの精度によって決定してよい。

    ピクセル座標系におけるスポットの絶対的な配置を決定するための動作は、以下のように、トラック領域内のスポットのレイアウトにエンコードされる情報に基づいて実施することができる。 トラックスポットの位置が既知である場合、フィールドスポットの位置は、チップ上のサブフィールド及びトラックスポットの既知のレイアウトに基づいて算出することができる。 しかし、トラックスポットの位置はなお、整数個のトラックスポット周期のオフセット誤差にさらされ得る。 つまり、動作中、上述のように、サブピクセル精度でカメラピクセルを物体空間ピクセルと整列することができるが、1つ以上のピクセルの整列のずれがまだ存在し得、これによって特定のカメラピクセルが誤った物体空間ピクセルに整列される。 このような「1を法とする」トラックスポットピッチの曖昧さは、図5に削除スポット560として示したもの等の削除トラックスポットを用いることによって解決することができる。

    トラックスポット(従って、アレイチップの製造に際してトラックスポットに対して固定されるフィールドスポット)の絶対的な配置は、図7に示すようなトラックスポット削除パターンの分析によって決定してよい。 図7では、トラック705は通常の照明スポット(例えば706)及び削除スポット(例えば707)の両方を有し、これらはそれぞれ、チップ上のアクティブな付着地点及び削除された付着地点に対応する。 説明を目的として、マスク710、715及び720を、既知の削除パターンとトラックスポットの画像との相互相関の概念化の助けとして示す。 マスク710及び715は削除パターンと(スポットのプラス又はマイナス1つ分だけ)位置がずれており、一方で、マスク720は削除パターンと整列されている。 位置がずれたマスク710又は715は、トラック705と重なり、712等の透明な開口を通って光が伝達される。 その一方で、(トラック705の削除パターンと正確に整列された)マスク720がトラック705と重なる場合、これらは削除スポットの配置と並んでいるため、その開口を通って極めてわずかな光しか通過しない。 グラフ725は、マスクパターンと、削除パターンによってエンコードされたトラックの画像との相互相関の間の、伝達される光とオフセットの関係を表す。 伝達される光の強度は、マスクとトラックが互いに対して適切なオフセットにある時に急激に低下する。 マスクと削除スポットのこの相関特性は、相関論理によって利用され、この相関論理は、入力として、トラックスポットから記録された強度を表す順序付きデータセットと、削除スポットのマスクを表す順序付きデータセット(これは既知であり、物体空間ピクセル座標系に対して固定されている)とを得るために、及び、出力として、ピクセル座標系における、(全ピクセル中の)トラックスポットの正確な配置からのオフセットを特定する整列誤差タームを生成するために、構成される。

    トラック領域に関する削除パターンが疑似ランダムである場合、パターンは広い空間範囲を有し;例えば、パターンとトラック領域の画像との間の相互相関においてたった1つのピークしか見られない。 削除パターンが周期的、又は部分的に周期的である場合、2つ以上のピークが相互相関に見られる場合がある。 よって、トラック領域の位置を所与の情報無しに識別しなければならない場合、疑似ランダム削除パターンは強力である。 その一方で、削除パターンが厳密に疑似ランダムである必要がない場合には、初期の大まかな整列で十分であり得る。

    整列補正のためにモワレ平均化を使用する例示的方法 動作時、アレイチップ上に標的核酸が配置されている場合、モワレ平均化を用いて、補正整列タームを算出し、このタームを初期チップ登録プロセス中(例えば、撮像の前のシーケンシング装置段階でチップが添付される時)及びチップの画像を連続的に得るプロセスの間(例えば、撮像中に撮像機器の整列を連続的に補正する送り制限において)に適用することができる。 単一のディメンション(Xディメンション又はYディメンション等)に関する補正整列タームE Tは、以下の式:
    T =λ T ×e cl +e sp
    で表され、ここでE Tは特定の単一のディメンションに関する補正整列タームであり、λ Tは単一のディメンションに沿った、トラック領域内の地点のピッチであり、e clは、全ピクセルを示す整数値である、トラックピッチ(全ピクセル)整列のずれの誤差であり、e spはモワレ平均化を用いて決定されるサブピクセル誤差である。 サブピクセル誤差e spのサイズは、以下の不等式:

    で表される物体空間ピクセルのサイズ(長さ又は幅)より小さく、ここで、λ

    Tは単一のディメンション(例えばXディメンション又はYディメンション)に沿った、トラック領域内の地点のピッチである。 実際には補正整列はXディメンション及びYディメンションの両方において必要であり得るため、第1の補正整列タームを、チップ上の水平なトラック領域からの情報に基づいてXディメンションに関して算出し、第2の補正整列タームを、チップ上の垂直なトラック領域からの情報に基づいてYディメンションに関して算出する。 そして、2つの補正整列ターム両方を、カメラピクセルとアレイチップ上のスポットとの間の所望の整列を達成するために適用する。

    例示的実施形態では、アレイチップの整列のための方法は、複数のステップを含む。 第1のステップでは、(標的核酸が配置された)トラック領域内の地点の画像を取得し、画像に記録された信号の強度を、順序付きデータセットに変換する。 例えば、撮像機器内のカメラは、単一のディメンションに沿って配置されたトラック領域の1つ以上の画像を撮影してよく、画像処理論理が、トラック地点から放出された信号の強度及び位置を(例えば線形プロファイルとして)示す順序付きデータセット(ここでは「トラック地点データセット」と呼ぶ)を生成してよい。

    次のステップでは、トラック地点データセットを、トラック領域の地点ピッチによって画定されるトラック地点の既知の/予測された位置を(例えば線形プロファイルとして)表す順序付きデータセット(ここでは「予測されたデータセット」と呼ぶ)と相関させる。 モワレ平均化を用いて、この相関はそれに沿ってトラック領域が配置される特定のディメンションに関するサブピクセル誤差へと戻る。 例えば、相関論理によって、トラック地点データセットと予測されたデータセットとの掛け合わせに基づいて、サブピクセル誤差を得ることができる。 別の例では、相関論理は、トラック地点データセット及び予測されたデータセットを入力とし、トラック地点データセットに記録された各信号を、トラック地点データセットの1つの独立したメンバーに関連づける(離散化する)。 モワレ平均化を実施するために、相関論理は、予測されたデータセットを、トラック地点データセットに対して、サブピクセルの増分において±1トラックピッチ(〜2ピクセル)物体空間ピクセル分だけシフトさせる。 各シフトに関して、相関論理は:(a)記録された信号を表すトラック地点データセットの各メンバーに関するX 2誤差を、このメンバーから、予測されたトラック地点を表す予測されたデータセット内の最も近いメンバーまでの距離に基づいて計算し;また、(b)このシフトによって計算された全てのX 2誤差の平方の合計を計算する。 次に、相関論理は、全てのシフトから計算された最も小さい平方誤差合計に基づいて、サブピクセル誤差を決定する。 このタイプのモワレ平均化は、単一のディメンションに沿って、全トラック領域に関してサブピクセル誤差を決定し、従って、チップ製造時にトラック領域に対して固定されるチップのフィールド領域に関するサブピクセル誤差も決定する。 モワレ平均化メカニズムは、いくつかの物理空間ピクセルの中心からの各独立したトラック地点の正確なオフセットを実際に知ったり決定したりすることなく、信号を放出した全てのトラック地点の誤差タームerror iを効果的に平均化する。 このステップにおける動作は、Xディメンションに関して(水平なXディメンションのトラック領域を表すトラック地点データセットに対して)、及びYディメンションに関して(垂直なYディメンションのトラック領域を表すトラック地点データセットに対して)、別個に実施してよく、これにより、Xディメンションに関するサブピクセル誤差とYディメンションに関するサブピクセル誤差をそれぞれ決定する。

    次のステップでは、トラック地点データセットを、トラック領域の削除スポットの1つ以上のパターンを(例えば線形プロファイルとして)表す順序付きデータセットと相関させる。 この相関は、それに沿ってトラック領域が配置される特定のディメンションに関するトラックピッチ整列のずれの誤差へと戻る。 例えば、相関論理は、トラック地点データセット及び削除データセットを入力としてよい。 そして、相関論理はトラック地点データセットと削除データセットを比較し、トラック地点データセットに最も厳密に適合する1つの削除データセットを決定する。 そして、相関論理は全ピクセルにおいて、トラックピッチの整列のずれの誤差を、トラック地点データセットと、それと適合する削除データセットとの間のオフセットとして計算する。 このステップにおける動作は、Xディメンションに関して(水平なXディメンションのトラック領域を表すトラック地点データセットに対して)、及びYディメンションに関して(垂直なYディメンションのトラック領域を表すトラック地点データセットに対して)、別個に実施してよく、これにより、Xディメンションに関するトラックピッチ整列誤差とYディメンションに関するトラックピッチ整列誤差をそれぞれ決定する。

    次のステップでは、上述の等式(2)を用いて、トラック領域内の地点のピッチ(これは既知である)、トラック領域に関して計算されたサブピクセル誤差、及びトラック領域に関して計算されたトラックピッチ整列誤差に基づいて、それに沿ってトラック領域が配置されるディメンションに関して補正整列タームを決定する。 例えば、補正論理は、等式(2)並びに計算されたサブピクセル誤差及びトラックピッチ整列誤差を用いて、トラック領域に関する補正整列タームを計算してよい。 このステップにおける動作は、Xディメンションに関して(水平なXディメンションのトラック領域を表すトラック地点データセットに対して)、及びYディメンションに関して(垂直なYディメンションのトラック領域を表すトラック地点データセットに対して)、別個に実施してよく、これにより、Xディメンションに関する補正整列タームとYディメンションに関する補正整列タームをそれぞれ決定する。

    最後のステップでは、カメラピクセルと、アレイチップのアレイグリッドとを、Xディメンション及びYディメンションに関する補正整列タームの量によって整列することができる。 例えば、撮像機器の横方向オフセットシステムは、Xディメンションに関する補正整列タームに基づいてカメラにおける画像の位置をシフトするために、検流計を調整することができる。 撮像機器の時間遅延統合(TDI)オフセットシステムは、Yディメンションに関する補正整列タームに基づいてカメラのパルスタイミングを調整することができる。 この様式では、カメラピクセルとアレイチップのアレイグリッドとを、チップにおけるトラック領域のレイアウトを上述のようにそれに関して設計した許容誤差内で、互いに整列することができる。

    トラック地点のレイアウトの設計及びここに説明したモワレ平均化に基づく整列の原理は、アレイチップに設置される生化学実験の検査の様々な段階で、様々な方法において使用してよい。 例えば、いくつかの実施形態では、ここに記載するような、トラック領域情報に基づくモワレ平均化整列を用いて、撮像の前のシーケンシング装置段階でチップが添付される時、初期チップ登録のプロセス中にアレイチップを整列してよい。

    他の実施形態では、ここに記載するような、トラック領域情報に基づくモワレ平均化整列を用いて、前方送り制限ループにおいて、チップの画像を連続的に得るプロセス中に、アレイチップを整列してよく、ここで、チップの各スキャンを行った後に撮像機器の整列を連続的に補正する。 例えば、チップの隣接する2つの縦列のスキャンは、無視できる誤差オフセット(例えば10〜20nm又はそれ未満)を生むため、整列精度を有意に失うことなく、複数のスキャンにわたってX及びYディメンションに関する補正整列タームを集積することができる。 よって、縦列をスキャンしてそのX及びYディメンションに関する補正整列タームを計算した後、前方送り論理は、これら2つのタームを、これより前にスキャンした縦列に関して集積された、対応する補正整列タームに加えてよい。 この様式では、現在スキャンされているチップ縦列に関する、X及びYディメンションに関する補正整列タームを使用して、次のチップをスキャンする前に撮像機器を調整することができ、これによって前方送りの整列を達成できる。

    要するに、高密度生化学アレイチップのレイアウトは、チップから抽出され得る生化学実験データの率に影響を及ぼす。 実験の密度の高さは、実験の撮像される反復周期を、カメラのピクセル周期(又はピクセル周期の小さな整数倍)に適合させることによって達成することができる。 データ取得速度は、整列、絶対的配置、及び、例えば蛍光顕微鏡によって得られた実験画像のフィーチャの識別に左右される。 非同期トラックを用いたチップのレイアウトにより、所望の許容誤差内での整列が可能となる。 モワレ平均化を非同期トラックと共に用いて、サブピクセル整列を決定してよく、同時にトラック削除パターンは、正確なトラックピッチ整列のために使用し得る1を法とする誤差の分解を促進する。 モワレ平均化を目的として、X及びYディメンションの補正整列タームを、製造時における、通常のフィールド領域において地点が存在するグリッドを有するトラック領域内の位置間の意図的な整列のずれを反映した情報から獲得する。 所望の許容誤差内の必要な精度を達成するために、素数(例えば59又は67等)を用いて、このような意図的な整列のずれを画定し、整列を決定する。

    DNAシーケンシングの動作環境において、ここに記載するようなトラック領域を有するアレイチップの例示的実施形態によって、シーケンシング装置は、シーケンシング装置が画像を取得するのと少なくとも同等の速さで、撮影される画像のアレイチップに対する配置を抽出することができる。 例えば、それぞれ1秒間に30フレーム(30fps)の速さでアレイチップの画像を得る2つのカメラを備えるシーケンシング装置では、15秒毎に1000の画像がシーケンシング装置を通り抜ける。 ここに記載するようなトラック領域を有するアレイチップを用いることにより、シーケンシング装置(又はその構成部品)は、各画像のチップに対するX−Y配置を、15ミリ秒またはそれ未満の間に決定することができる。 具体的には、ここに記載するようなトラック領域を有するアレイチップを用いることにより、ある実装形態では、シーケンシング装置は、5nmの精度で、10ミリ秒の速さで、画像のX−Y配置を決定することができた。

    アレイチップの構成 いくつかの実施形態では、アレイチップは、1つ以上の層(例えば、反射層及び/又は蛍光増幅層等)を基材上に配置することによって構成される。 例えば、アレイチップの基材は、それ自体が反射性材料(例えば金属又はブラッグ反射器等)からなってよく、又は、蛍光反射層をその上に配置できる剛性の支持体をもたらす、コーティング可能な実質的にいずれの材料のベースであってよい。 基材の蛍光反射層は、薄く透明で絶縁性の層、又は薄く透明で絶縁性の層の積層体から作製されてよく、このような絶縁性材料は、SiO 2 、TiO 2 、Ta 25 、HfO 2 、ZrO 2 、MgO、Si 34 、MgF 2及びYF 3を含むがこれらに限定されない。

    いくつかの実施形態では、アレイチップ上の地点(例えばトラック領域内の地点及びフィールド領域内の地点等)は、チップ基材の蛍光反射層のくぼみ又は隆起エリアによって画定してよい。 このような実施形態では、アレイチップの地点は幅及び/又は長さ30〜1000nmであってよく、好ましい態様では、このような地点は幅及び/又は長さ200〜500nm、更に好ましくは幅及び/又は長さ約300nmであってよい。 別の特定の態様では、アレイチップの地点は、0.2μm〜10μmの距離だけ離間してよい。 標的核酸(例えば標的核酸のマクロ分子等)をアレイチップ上に配置して、アッセイを形成することができる。 標的核酸は理想的には、極めて高い密度及びここに含まれる独立した核酸の構成の個別の分析をもたらすような様式で、各個別の地点内に配置される。 特定の態様では、アレイチップの各地点は、単一のマクロ分子を受容するよう構成されており、マクロ分子をチップ上に配置する際、各地点には単一のマクロ分子が付着する。 いくつかの実施形態では、アレイチップ上の地点に付着させられた標的核酸分子間の距離によって、標的核酸分子内の核酸分子の構成の少なくとも30%、好ましくは核酸分子の構成の少なくとも50%、より好ましくは核酸分子の構成の少なくとも70%、更に好ましくは核酸分子の構成の少なくとも90%に関する個別の分析(例えば配列決定等)がもたらされる。

    ここに記載するアレイチップの1つ又は複数の基材層は、様々な多層コーティング技術を用いて構成することができる。 多層コーティング設計の最適化は、1つ以上の既知の又は後に開発される技術を適用することによって行うことができる。 例えば、基材のベースは、以下の方法のいずれの1つによってコーティングすることができる:熱及び/又は電子ビーム蒸着、複製、転写、フィルム蒸着、CVDタイプ(例えばLPCVD、PECVDのような)のプロセスによるもの、又は(例えばDCマグネトロンスパッタリングのような)スパッタリング等のPVDタイプのもの。 イオン補助蒸着プロセス、及びゾル−ゲルプロセスを用いることができる。 基材層は任意に、結合又は分子接着によって基材ベースに転写してよい。

    アレイチップ基材の蛍光層にくぼみ又は隆起エリアがあることが望ましい実施形態では、反射性基材ベース(又はその反射層)上での多層蒸着を用いて、所望の構造を生成してよい。 例えば、例えばSi 34 (反射率n=2.0を有する)のような高めの反射率を有する材料の層を用い、これを、SiO 2 (n=1.48)等の低めの光学反射率を有する絶縁性材料上に配置して、多層絶縁性蛍光層を設計することができる。 3つ以上の材料を含む多層コーティングを含む、その他のコーティング材料も、同様に使用することができる。 いくつかの実施形態では、その上に施された材料から放出される蛍光信号の検知を改善するために、様々な構造を蛍光層に構成してよく;このような増強構造の例は、2008年10月30日に出願された米国特許出願番号第12/261447号に記載されており、その内容全体は、参照により、本明細書で全て述べたように援用される。

    ダマスカス技術等の複数の使用可能な技術を用いてエッチングを施すことができ、これによって、絶縁層に開口が選択的にエッチングされる。 一般的に、フォトレジスト材料を絶縁層の上に重ね、開口のパターンをリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト層に描画する。 続いて、異方性エッチングを用いて、絶縁層に開口を形成する。 そしてフォトレジスト材料を除去する。 複数の層及び深さが必要である場合、このようなプロセスにおいて、異方性エッチングプロセスに対して異なる耐性を有する2つ以上のマスク層を使用する必要がある。

    生化学アッセイにおけるトラック領域を有するアレイチップの使用 ここに記載する原理及び実施形態は、生化学アッセイのシステム全体の一部として使用することができる、改良されたアレイチップを提供する。 好ましい態様では、ここに記載するアレイチップを用いて、核酸マイクロアッセイを用いた発現及びトランスクリプトーム分析、PCR及びその他のポリヌクレオチド増幅反応、SNP分析、プロテオーム分析等及び特定の核酸配列決定を含むがこれらに限定されないポリヌクレオチド分析を行ってよい。 以下の特許出願は、ここに記載されるアレイチップと関連して使用することができる様々なアッセイに関する更なる情報を提供する:2006年6月13日に出願された米国特許出願番号第11/451691号、2007年2月24日に出願された米国特許出願番号第11/679124号、2008年12月1日に出願された米国特許第12/325922号、及び、2008年10月30日に出願された米国特許出願番号第12/261548号に記載されているような様々なシステム;この段落で言及したこれらの出願の内容の全ては、参照により、本明細書中で述べたのと同じとして援用される。

    いくつかの実施形態では、ここに記載するアレイチップは、例えばオリゴヌクレオチドの捕捉を用いてチップの基材に付着させられた試料に対して複製及び/又は増幅(例えば、サークル依存型複製、サークル依存型増幅、又はポリメラーゼ連鎖反応増幅)を実施するにあたって使用するのに適するよう適合されてよい。

    例えば、PCR、又は温度調節を厳密に制御する必要があるその他の反応と共に用いることが想定される実施形態等の特定の実施形態では、ここに記載するアレイチップは、試料及びPCR混合物の迅速な加熱及び冷却(例えば、熱サイクリング)を可能にする温度制御手段を備えてよい。 典型的には、アレイチップに電子加熱要素又はペルチェ素子を設ける。 アレイチップはまた、(例えば冷却手段の設置によって)改善された空冷を提供するよう適合されてもよい。 大半の応用において、3℃〜105℃の範囲の温度制御で十分である。

    配列決定 ここに記載するトラック領域を有するアレイチップは、様々な生化学分析に使用してよい。 このような分析の1つの例は、配列が未知である標的核酸の配列決定である。 様々な実施形態では、ここに記載するアレイチップを用いて標的核酸マクロ分子の配列を決定するために、様々なシーケンシング方法論を用いてよく、これには、米国特許第6864052号、第6309824号、及び第6401267号で開示されているようなハイブリダイゼーション法;米国特許第6210891号、第6828100号、第6833246号、6911345号、MarguliesらによるNature437、376〜380ページ(2005年)、及びRonaghiらによるAnal. Biochem. 242、84〜89ページ(1996)で開示されているような合成シーケンシング法;並びに、米国特許第6306597号、ShendureらによるScience309、1728〜1739ページ(2005)に開示されているようなライゲーションベース法等を含むがこれらに限定されず、これらを参照して教示を得る。

    いくつかの実施形態では、ここに記載するアレイチップを、全ヒトゲノムのDNAシーケンシングのために使用してよい。 ヒトゲノムシーケンシングサービスの商用的な実行可能性は、DNAを迅速及び正確にシーケンシングする能力にある程度左右される。 よって、生化学アレイチップをDNAシーケンシングのために用いることができ、このアレイチップは、並行する多数のDNA実験を支援することができ、また、迅速かつ正確なゲノムデータ取得を促進することができる。 DNAシーケンシングにおいて、使用する化学化合物及び混合物、濃度、温度、インキュベーション時間及びその他のパラメータを実験の特定のタイプに対して適切に定める正確なプロトコルに従って、アレイチップ全体を試薬で洗浄することにより、生化学実験をアレイチップ上で実施する。

    ヒトゲノムのDNAシーケンシングの1つの例は、Complete Genomics社(カリフォルニア、マウンテンビュー)によって商用に開発された高精度な、組み合わせプローブ−アンカライゲーション(cPAL)シーケンシングである。 cPALシーケンシング技術は、パターン形成されたアレイチップに装填される自己集合DNAナノボール(ここでは「DNB」とも呼ぶ)からの各塩基を独立してアッセイすることに基づく。 cPALシーケンシングの第1のステップは、DNBのランダムな組み合わせを生化学アレイチップに装填することである。 DNBは、アダプタ及びDNAフラグメントの同一の配列の、直列に連結された複数のコピーを含有する、マクロ分子コンカテマーであり;このようなコンカテマーの製造については、例えばRadoje Drmanacらによる、2006年6月13日に出願された米国特許出願番号第11/451691号に記載されており、この文献の内容の全ては、参照により、本明細書中で完全に述べたのと同じとして援用される。 DNBのセットは、全ヒトゲノムにわたって全体的に広がることのできるDNAフラグメントを含有するが、DNBが最初に、(トラック領域の地点及びフィールド領域の地点を含む)アレイチップの地点に付着する際、いずれの特定のDNBがどの地点に行くかを制御することはできない。 その一方で、DNBがひとたびチップの地点に付着すると、DNBは、後続の液体処理ステップ全てにわたってそこに留まり、ある地点から別の地点に移動することはない。 後続の処理ステップでは、様々な試薬及びバッファでアレイチップ上のDNBを洗浄し、蛍光撮像機器を用いてDNBからの蛍光信号を記録する。

    より具体的には、cPALシーケンシング技術は、以下のステップの循環を含む。 まず、アンカをDNBの第1のアダプタに(典型的にはアダプタの1つの、5'又は3'末端に直接)ハイブリダイズする。 次に、例えば蛍光染料で標識された例えば8−merプローブの、完全に変質したプローブ集合に対して、このアンカを用いた酵素によるライゲーション反応が行われる。 プローブは、例えば塩基約60〜20個分、又は好ましくは塩基約7〜12個分の長さを有してよい。 いずれの所定のサイクルで、使用される8−merプローブの集合は、その1つ以上の位置の識別が、この8−merプローブに付着している蛍光体の識別と相関するような構造になっている。 例えば、7−merシーケンシングプローブを使用する場合、分散されたアダプタに直接隣接する塩基を識別するための、蛍光体で標識されたプローブのセットは、以下の構造を有してよい:3'−F1−NNNNNNAp、3'−F2−NNNNNNGp、3'−F3−NNNNNNCp、及び3'−F4−NNNNNNTp(ここで、「p」はライゲーションに使用可能なリン酸である)。 更に別の例では、分散されたアダプタから標的核酸への3つの塩基を識別するための、蛍光体で標識された7−merプローブは、以下の構造を有してよい:3'−F1−NNNNANNp、3'−F2−NNNNGNNp、3'−F3−NNNNCNNp、及び3'−F4−NNNNTNNp。 リガーゼが照会位置において相補性に関して判別する限りにおいて、蛍光信号によって塩基の識別が提供される。

    ライゲーション及び4色撮像を実施した後、アンカの8−merプローブ複合体は除去され、新しいサイクルが始められる。 T4 DNAリガーゼを用いて、ライゲーション接合から6以上もの塩基について正確な配列情報を得ることができ、これにより、1アダプタあたり少なくとも12塩基対(bp)(5'及び3'末端の両方から6つの塩基)、4アダプタDNBに対して合計48bp、5アダプタDNBに対して合計60bp等を利用することが可能になる。

    所定のサイクルがどの位置から情報を得ることを目的としているかに応じて、8−merプローブは異なる構造を取る。 具体的には、各8−merプローブの単一の位置は、それを標識する蛍光体の識別と相関を有する。 その上、蛍光体分子は、8−merプローブの、ライゲーション接合の対象とされる末端に対して反対側の末端に付着する。 例えば、アンカを、その3'末端が標的核酸に隣接するようにハイブリダイズしてよい。 標的核酸内への5つの塩基の配置を照会するために、変質した8−merプローブの集合を使用してよく、ここでプローブは8−merプローブの5'末端からの第5の核酸と相関し、この末端は、アンカにライゲーションされる8−merプローブの末端である。 8−merプローブは独立して、4つの蛍光体の1つによって標識され、ここで、Cy5の蛍光体はAと、Cy3はGと、テキサスレッドはCと、そしてFITCはTと相関する。 (この例では4つの蛍光体を使用してサイクルあたり1つの塩基を照会する場合について記載しているが、サイクルあたり8若しくは16又はそれ以上の蛍光体を使用してよく、これにより、いずれの1サイクル中に識別可能な塩基の数が増加する。)

    所望のシーケンシング量、使用する標識のタイプ、各ライブラリ構成内で使用されることなるアダプタの数、サイクルあたりに照会される塩基の数、DNBをアレイチップの表面上の地点に付着させる方法、シーケンシング動作の所望の速度、信号検知アプローチ等の様々な因子に応じて、cPALの多くの異なる変形例又はその他のライゲーションによるシーケンシングアプローチを選択してよい。

    変質した(例えば8−mer)プローブは、放射性部分、蛍光部分、比色部分、化学発光部分、蛍光体等の直接又は間接的な付着を含む様々な方法で標識することができる。 DNAを標識し、DNAアダプタを構成するための方法論の多くの包括的な報告により、本発明のオリゴヌクレオチドプローブを構成するために使用可能なガイダンスが提供される。 このような報告としては、KrickaによるAnn. Clin. Biochem. 、39、114〜129ページ(2002年);HauglandによるHandbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals、第10版(Invitrogen/Molecular Probes社、ユージーン、2006年);Keller及びManakによるDNA Probes、第2版(Stockton Press、ニューヨーク、1993年);並びにEckstein編のOligonucleotides and Analogues: A Practical Approach(IRL Press、オックスフォード、1991年)等がある。

    画像の取得は、市販の画像処理パッケージであるMetaMorphなど、当該技術分野で公知の方法によって行ってよい。 データ抽出は、例えばC/C++で書かれた一連のバイナリを含む論理によって実行してよく、また、ベースコーリング及びリードマッピングは、一連のMatlab及びPerlスクリプトによって実行してよい。 上述のように、照会される標的核酸内の各塩基(例えば、12の塩基に関して、各DNBの各標的核酸部分の5'及び3'末端両方から6つの塩基を読み出す)に関して、ハイブリダイゼーション反応、ライゲーション反応、撮像、及びプライマ除去反応を実施する。 所定の位置においてアレイチップ上の地点に付着させられた各DNBの識別を決定するために、生物的シーケンシング反応を実施した後、各視野(「フレーム」)を、4つの蛍光性の例えば使用される8−merに対応する、4つの異なる波長を用いて撮像する。 撮像プロセス中に、上述のようにアレイチップのトラック領域内の地点としてエンコードされる情報に基づくモワレ平均化を用いて、撮像機器のカメラピクセルとアレイチップ上の地点と整列してよい。 各サイクルからの画像をサイクルディレクトリに保存してよく、ここで、画像の数は、(例えば、4蛍光体技術を使用した場合は、)フレームの数の4倍となる。 そして、サイクル画像データを、下流の処理のために組織されたディレクトリ構造に保存してよい。

    データ抽出は典型的には、2つのタイプの画像データ:アレイチップの全DNBの位置を区別するための明るいフィールド画像;及び、各シーケンシングサイクル中に取得される蛍光画像セットを必要とする。 データ抽出ソフトウェアは明るいフィールド画像を用いて全対象を識別子、このような対象それぞれに関して、各シーケンシングサイクルに関する平均蛍光値を計算する。 いずれの所定のサイクルに関して、塩基がA、G、C、又はTであるかどうかを照会するための異なる波長で得られた4つの画像に対応する、4つのデータポイントが存在する。 これらの粗ベースコールを統合して、各DNBに関して不連続の、同類を対にしたシーケンシング読み出しが得られる。 このような同類を対にした読み出しそれぞれは、それぞれが約35bpの配列を表す2つのアームを含み、この2つのアームは長さ200〜500bpを有し得るDNAフラグメントの2つの末端から抽出されたものであり;よって、同類を対にした読み出しの2つのアームは、その元となるDNAフラグメントに対して約200〜300bpだけ離間し得る。 そして、抽出されたシーケンシング読み出しを、様々な技術や、1つ以上のコンピュータシステムによって実行可能な様々なアルゴリズムを用いて、基準ゲノムに対して適合させてよい。

    本発明の好ましい実施形態と関連して詳細に記載したように、多くの異なる形態の実施形態が本発明の条件を満たすものであるが、本開示は本発明の原理の例示と見なされるべきであること、並びに本開示は、本発明をここに説明及び記載した特定の実施形態に制限することを意図したものではないことを理解されたい。 当業者は、本発明の精神から逸脱することなく数多くの変形をなし得る。 本発明の範囲は請求項、及び本出願に由来するその均等物によって示される。 要約書及び発明の名称は本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではなく、というのも、これらの目的は、関係当局及び一般大衆が、本発明の一般的性質を迅速に判断できるようにすることであるからである。 合衆国法典第35巻第112条6に従って、以下の請求項において、「手段」という用語が使用されていない場合は、請求項中に列挙されるいずれの特徴又は要素も、手段及び機能の制限と解釈されるべきではない。

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