Ligand - tagged ligand array in order to identify the target interaction

申请号 JP2000534680 申请日 1999-02-26 公开(公告)号 JP2002505119A 公开(公告)日 2002-02-19
申请人 ライフスパン バイオサイエンシーズ, インコーポレイテッド; 发明人 グレナ シー. バーマー,;
摘要 (57)【要約】 本発明は、一般に、高処理能 力 スクリーニング方法に関する。 より詳細には、本発明は、リガンドのタグ化アレイを使用して、複数のリガンドと相互作用する複数のタンパク質または化合物を同時に同定するために容易に使用され得るスクリーニング方法を提供する。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 リガンド結合について標的をスクリーニングする方法であって、以下の工程: a. タグのライブラリーを提供する工程であって、各タグが既知のタグアドレスを有する、工程; b. リガンドのライブラリーを提供する工程であって、各リガンドがタグアドレスに対応するリガンドアドレスを有する、工程; c. 既知のアドレスを有するタグを各リガンドに結合させ、タグ化リガンドを作製する工程; d. 少なくとも2つのタグ化リガンドとともに標的をインキュベートする工程; e. タグ化リガンドが標的に結合するか否かを決定する工程;および f. 該タグ化リガンドに結合した既知のアドレスを有するタグを同定することによって、該タグ化リガンドを同定する工程であって、ここで該タグアドレスは、該対応するリガンドアドレスを示す、工程、 を包含する、方法。
  • 【請求項2】 前記タグがオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項3】 前記オリゴヌクレオチドが、組換えプラスミドのライブラリーから発現される、請求項2に記載の方法。
  • 【請求項4】 前記オリゴヌクレオチドを増幅する工程、および該増幅されたオリゴヌクレオチドを、各オリゴヌクレオチドの前記タグアドレスに対応する膜にハイブリダイズさせる工程をさらに包含する、請求項2に記載の方法。
  • 【請求項5】 各オリゴヌクレオチドが、2つの異なる非パリンドローム制限部位の同じセットを有する、請求項2に記載の方法。
  • 【請求項6】 各オリゴヌクレオチドが標識を含む、請求項2に記載の方法。
  • 【請求項7】 前記標識が、ビオチン、ジゴキシゲニン、および蛍光剤からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
  • 【請求項8】 前記リガンドが、cDNAライブラリーから発現されたタンパク質である、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項9】 前記標的が、cDNAライブラリーから発現されたタンパク質である、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項10】 前記標的タンパク質および前記リガンドタンパク質が、単一のcDNAライブラリーから発現される、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項11】 各タグアドレスが、マトリクスを参照することによって同定される、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項12】 各タグアドレスが、マイクロタイタープレート中のウェルおよび膜上の対応する位置によって提供される、請求項11に記載の方法。
  • 【請求項13】 各リガンドアドレスが、マイクロタイタープレート中のウェルおよび膜上の対応する位置によって提供される、請求項11に記載の方法。
  • 【請求項14】 前記標的が、マイクロタイタープレート中のウェルおよび膜上の対応する位置によって提供されるアドレスを有する、請求項11に記載の方法。
  • 【請求項15】 前記インキュベートする工程が、前記標的とともにインキュベートする前に、前記タグ化リガンドをプールする工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項16】 前記標的が、固体支持体に結合される、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項17】 インキュベートする工程が、前記タグ化リガンドとともに1つより多くの標的をインキュベートする工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  • 【請求項18】 リガンド結合について標的タンパク質を同時にスクリーニングする方法であって、以下の工程: a. 組換えオリゴヌクレオチドのライブラリーを提供する工程であって、各オリゴヌクレオチドが、マトリクスを参照することによって位置決めされた既知のタグアドレスを有する、工程; b. リガンドタンパク質の発現されたcDNAライブラリーを提供する工程であって、各リガンドタンパク質が、該タグアドレスに対応するリガンドアドレスを有する、工程; c. 各リガンドタンパク質を既知のタグアドレスを有するオリゴヌクレオチドに結合させ、タグ化リガンドタンパク質を作製する工程; d. 該タグ化リガンドタンパク質をプールする工程; e. 標的タンパク質の発現されたcDNAライブラリーを、該プールされたタグ化リガンドタンパク質とともにインキュベートする工程; f. タグ化リガンドタンパク質が標的タンパク質に結合するか否かを決定する工程; g. 該オリゴヌクレオチドを増幅する工程; h. 該増幅されたオリゴヌクレオチドを、各オリゴヌクレオチドの該タグアドレスに対応する膜にハイブリダイズさせる工程;および i. 該タグ化リガンドタンパク質に結合した既知のタグアドレスを有するオリゴヌクレオチドを同定することによって、該タグ化リガンドタンパク質を同定する工程であって、ここで該タグアドレスは、該対応するリガンドアドレスを示す、工程、 を包含する、方法。
  • 【請求項19】 癌細胞自己分泌リガンドについて同時にスクリーニングする方法であって、以下の工程: a. タグのライブラリーを提供する工程であって、各タグが既知のタグアドレスを有する、工程; b. リガンドタンパク質を発現する癌細胞cDNAライブラリーを提供する工程であって、各リガンドタンパク質がタグアドレスに対応するアドレスを有する、工程; c. 既知のアドレスを有するタグを各リガンドタンパク質に結合させ、タグ化リガンドタンパク質を作製する工程; d. 該癌細胞cDNAライブラリーから標的タンパク質を発現させる工程; e. 該タグ化リガンドタンパク質とともに該標的タンパク質をインキュベートする工程; f. タグ化リガンドタンパク質が標的タンパク質に結合するか否かを決定する工程;および g. 該タグ化リガンドに結合した既知のタグアドレスを有するタグを同定することによって、該タグ化リガンドを同定する工程であって、ここで該タグアドレスは、該対応するリガンドアドレスを示し、それによって癌細胞自己分泌リガンドを同定する、工程、 を包含する、方法。
  • 【請求項20】 マイクロタイタープレートのアレイであって、以下: a. タグのライブラリーを含むウェルを含む第1のプレートであって、ここで各ウェルは特有のタグを含み、それによって既知のアドレスを有する各タグを提供する、プレート; b. リガンドのライブラリーを含むウェルを含む第2のプレートであって、ここで各リガンドは既知のアドレスを有するタグに結合され、そして各ウェルは特有のリガンドを含み、それによって該オリゴヌクレオチドアドレスに対応するアドレスを有するリガンドを提供する、プレート、 を含む、アレイ。
  • 【請求項21】 第3のプレートをさらに含む請求項20に記載のプレートのアレイであって、該第3のプレートは、標的のライブラリーを含むウェルを含み、ここで各ウェルが、前記第2のプレート由来のプールされたタグ化リガンドと接触される特有の標的を含む、アレイ。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 (関連出願の相互参照) 適用されず。

    【0002】 (連邦政府の援助を受けた研究または開発) 適用されず。

    【0003】 (発明の分野) 本発明は、一般に、高処理能スクリーニング方法の分野に関する。 より詳細には、本発明は、複数のリガンドと相互作用する複数のタンパク質または化合物を同時に同定するために容易に使用され得る、リガンドのタグ化アレイを使用するスクリーニング方法に関する。

    【0004】 (発明の背景) 薬物発見における高処理能力スクリーニング方法は、伝統的に、単一の標的(
    例えば、ポリペプチド、ペプチド、または小さい化学分子)に対する数千もの潜在的なリガンド化合物を、マイクロタイターアッセイ方法論を使用して分析する工程を有している。 高密度アレイおよびマイクロチップ技術における最近の進歩により、これらの相互作用の数が減少し、そしてアッセイされ得る物質の数が増加している。 さらに、このような方法を使用してスクリーニングされる化合物の容量が、複数のリガンドと相互作用する複数の標的を同時に検出することにより、大幅に増加する。

    【0005】 有用な薬学的化合物の同定またはリード化合物の特性の改良のために分子のライブラリーをスクリーニングすることが有する偉大な価値にもかかわらず、このようなライブラリーをスクリーニングすることが困難であることによって、これらの方法が薬物発見および薬物開発においてなされるべきであったという衝撃が制限されてきた。 従って、薬物発見のため、およびリード化合物の開発のために、複数の標的−リガンド相互作用について同時にスクリーニングする方法を開発する必要性が存在したままである。

    【0006】 (発明の要旨) 従って、本発明は、複数の標的およびリガンドを同時にスクリーニングする方法を提供する。 この方法は、新規な薬理学的薬剤、診断剤、実験用薬剤、または他の有用な薬剤を同定するために使用され得る。 本発明の方法は、プールされたタグ化リガンドのアレイを使用する。 このアレイにおいては、各リガンドが、既知のアドレスを有する特有のタグに結合している。 タグアドレスはリガンドアドレスに対応する。 これにより、タグを同定することを介して、リガンドを同定することが可能になる。 この様式で、リガンドがプールされ得、そして同時に多数の標的と反応し得る。 なぜなら、タグにより、特定のリガンドを同定する手段が提供されるからである。 従って、1つの実施態様において、本発明は、部分的c
    DNA配列または全cDNA配列にコードされる、複数の標的ポリペプチドおよびリガンドポリペプチドをスクリーニングする高処理能力方法を提供する。

    【0007】 1つの局面において、本発明は、リガンド結合について標的をスクリーニングする方法を提供する。 この方法は以下の工程を包含する:a. 各タグが既知のタグアドレスを有する、タグのライブラリーを提供する工程;b. 各リガンドがタグアドレスに対応するリガンドアドレスを有する、リガンドのライブラリーを提供する工程;c. 既知のアドレスを有するタグを各リガンドに結合してタグ化リガンドを作製する工程;d. 標的を少なくとも2つのタグ化リガンドとともにインキュベートする工程;e. タグ化リガンドが標的に結合するか否かを決定する工程;およびf. そのタグ化リガンドに結合した、既知のアドレスを有するタグを同定することにより、そのタグ化リガンドを同定する工程(そのタグアドレスは対応するリガンドアドレスを示す)。

    【0008】 1つの好ましい実施態様において、このタグはオリゴヌクレオチドである。 別の実施態様において、このオリゴヌクレオチドは、組換えプラスミドのライブラリーから発現される。 別の実施態様において、各オリゴヌクレオチドは、2つの異なるエンドヌクレアーゼ制限部位の同じセットを有する。 別の実施態様において、この方法は、このオリゴヌクレオチドを増幅する工程、および増幅したオリゴヌクレオチドを、各オリゴヌクレオチドのタグアドレスに対応する膜にハイブリダイズさせる工程をさらに包含する。 別の実施態様において、各オリゴヌクレオチドは標識を含む。 別の実施態様において、この標識は、ビオチン、ジゴキシゲニン、および蛍光剤(fluorescer)からなる群より選択される。

    【0009】 1つの実施態様において、このリガンドは、cDNAライブラリーから発現されるタンパク質である。 別の実施態様において、この標的は、cDNAライブラリーから発現されるタンパク質である。 別の実施態様において、この標的タンパク質およびこのリガンドタンパク質は、単一のcDNAライブラリーから発現される。

    【0010】 1つの実施態様において、各タグアドレスまたは各リガンドアドレスは、マトリクスを参照することにより同定される。 別の実施態様において、各タグアドレスまたは各リガンドアドレスは、マイクロタイタープレート中のウェルおよび膜上の対応する位置によって提供される。

    【0011】 1つの実施態様において、インキュベートする工程は、その標的とともにインキュベートする前に、そのタグ化リガンドをプールする工程をさらに包含する。

    【0012】 1つの実施態様において、この標的は固体支持体に結合される。

    【0013】 1つの実施態様において、インキュベートする工程は、1つより多い標的をそのタグ化リガンドとともにインキュベートする工程をさらに包含する。

    【0014】 別の局面において、本発明は、リガンド結合について標的タンパク質を同時にスクリーニングする方法を提供する。 この方法は以下の工程を包含する:a. 組換えオリゴヌクレオチドのライブラリーを提供する工程(各オリゴヌクレオチドは、マトリクスを参照することによって位置決めされる、既知のタグアドレスを有する);b. リガンドタンパク質の、発現されたcDNAライブラリーを提供する工程(各リガンドタンパク質は、そのタグアドレスに対応するリガンドアドレスを有する);c. 各リガンドタンパク質を、既知のタグアドレスを有するオリゴヌクレオチドに結合して、タグ化リガンドタンパク質を作製する工程;d.
    これらのタグ化リガンドタンパク質をプールする工程;e. 標的タンパク質の、
    発現されたcDNAライブラリーを、これらのプールされたタグ化リガンドタンパク質とともにインキュベートする工程;f. タグ化リガンドタンパク質が標的タンパク質に結合するか否かを決定する工程;g. これらのオリゴヌクレオチドを増幅する工程;h. これらの増幅されたオリゴヌクレオチドを、各オリゴヌクレオチドのタグアドレスに対応する膜にハイブリダイズさせる工程;およびi.
    そのタグ化リガンドタンパク質に結合された、既知のタグアドレスを有するオリゴヌクレオチドを同定することによって、そのタグ化リガンドタンパク質を同定する工程(ここで、そのタグアドレスは対応するリガンドアドレスを示す)。

    【0015】 別の局面において、本発明は、癌細胞の自己分泌リガンドについて同時にスクリーニングする方法を提供し、この方法は、上記の工程を包含する。

    【0016】 別の局面において、本発明は、マイクロタイタープレートのアレイを提供し、
    このアレイは以下を含む:第1のプレート(この第1のプレートは、タグのライブラリーを含むウェルを含み、ここで、各ウェルが、特有のタグを含有し、それによって既知のアドレスを有するタグを提供する);および、第2のプレート(
    この第2のプレートは、リガンドのライブラリーを含むウェルを含み、ここで、
    各リガンドが、既知のアドレスを有するタグに結合され、そして各ウェルが特有のリガンドを含み、それによって、オリゴヌクレオチドのアドレスに対応するアドレスを有するリガンドを提供する)。

    【0017】 1つの実施態様において、このプレートのアレイは、標的のライブラリーを含むウェルを含む第3のプレートをさらに含み、ここで、各ウェルが第2のプレート由来のプールされたタグ化リガンドと接触される特有の標的を含む。

    【0018】 本発明の他の特徴、目的および利点、ならびに好ましい実施態様は、後の詳細な説明から明らかになる。

    【0019】 (発明の詳細な説明) (1.序論) 本発明は、複数の標的−リガンドの相互作用を同定するために同時に使用され得る化合物のアレイを、プールされたタグ化リガンド(このタグは、そのリガンドに対応する既知のアドレスを有する)を用いてスクリーニングする方法を提供する。 このように、本発明の方法およびキットは、例えば、タンパク質−タンパク質またはタンパク質−リガンド相互作用を決定するための、簡便かつ比較的安価な手段を提供する。 これらのスクリーニング方法は、化合物(例えば、標的タンパク質に結合する有機低分子、ペプチド、およびポリペプチド)の薬物発見、
    結合を増強または阻害した変異タンパク質の同定、DNA結合タンパク質の同定、癌自己分泌経路の同定、診断ならびに実験的用途を含む、種々の用途を有する。 本発明の方法は、部分的または全長のcDNAおよび遺伝子によってコードされる複数のポリペプチドリガンドおよび標的を、同時に高処理能力スクリーニングすることについて、特に有利である。 基本的に、この方法は、以下を提供する。

    【0020】 (A.タグ、リガンド、および標的のライブラリーの提供) タグ、リガンド、および標的のライブラリーを提供し、そして例えば、マイクロタイターディッシュのようなマトリクス中に、各ライブラリーを空間的にアレイする。 その結果、そのディッシュの各ウェルが単一のライブラリーのメンバーを有する。 そのアレイは、代表的には膜上に複写(duplicate)される。 好ましい実施態様において、このタグはベクターへクローニングされるオリゴヌクレオチドである。 別の好ましい実施態様において、そのリガンドおよび標的は、cDNAライブラリーより発現されるタンパク質である。

    【0021】 (B.タグをリガンドに結合することによるタグ化リガンドの提供) 各リガンドをタグおよびリガンドが互いに対応するような様式でタグに結合させる。 これによりそのタグアドレスに対応するリガンドについてのアドレスを提供する(例えば、空間的に、ここで、ウェルC1由来のタグは、ウェルB1由来のリガンドに結合される)。 タグまたはリガンドはまた、そのリガンドが標的に結合したか否かを決定するために、1つ以上の検出可能な部分を含む。 1つの好ましい実施態様において、既知のプライマーを用いてタグをプレートCから増幅させ、次いで結合試薬を用いてリガンドに結合させる。 別の好ましい実施態様において、このプライマーは、増幅されたオリゴヌクレオチドの3'末端でビオチン分子(標識)を、および増幅されたオリゴヌクレオチドの5'末端で一級アミン基(オリゴヌクレオチドをリガンドに結合させる手段)を取り込む。

    【0022】 (C.リガンド−標的相互作用の決定) 一旦リガンドをタグ化すると、そのタグ化リガンドをプールし、そして標的とともにインキュベートする。 反応物を洗浄し、次いで、リガンドまたはそのタグに結合した検出可能な部分(これはまた、ここで標的に結合する)を同定することによって、リガンド−標的の結合を決定する。

    【0023】 (D.タグ化リガンドの同定) それぞれのタグ化リガンドは、第1に、タグを参照(例えば、プレートC)のその地点上のそのアドレスと一致させ、次いで参照(プレートB)のその地点上のリガンドの対応するアドレスを解読することによって同定される。 従って、特定の標的と相互作用するリガンドの同定は、そのタグのアドレスを介して明らかにされる。 好ましい実施態様において、タグのアドレスは、オリゴヌクレオチドタグを増幅し、そしてそれをプレートCの複写膜にハイブリダイズさせ、これによってそのタグの供給源を示すことによって、決定される。

    【0024】 前述の各工程は、本明細書中の以下により詳細に記載される。

    【0025】 (II.定義) 本明細書中で使用する場合、以下の用語は、他に明記しない限り、これらに帰する意味を有する。

    【0026】 用語「タグ」とは、分子が他のタグ分子から区別されることを可能にする、認識可能な特性(例えば、区別可能なヌクレオチドまたはアミノ酸配列、形状、大きさ、質量、色、光学密度、示差的吸光度または光の放出、化学反応性、磁気特性または電気的特性など)を有する分子をいう。 好ましいタグの例としては、オリゴヌクレオチドタグおよび蛍光剤が挙げられる。

    【0027】 用語「リガンド」とは、標的分子に結合するかまたはそれと相互作用する分子をいう相対的な用語である。 代表的には、相互作用または結合の性質は、例えば、素相互作用、静電的相互作用、またはファンデルワールス相互作用による非共有結合であるが、結合はまた、共有結合であり得る。 このリガンドは、例えば、有機低分子、ペプチド、またはポリペプチドであり得る。

    【0028】 用語「標的」とは、リガンド分子に結合するかまたはそれと相互作用する分子をいう相対的な用語である。 代表的には、相互作用または結合の性質は、例えば、水素相互作用、静電的相互作用、またはファンデルワールス相互作用による非共有結合であるが、結合はまた、共有結合であり得る。 標的は、例えば、有機低分子、ペプチド、またはポリペプチド、あるいはポリヌクレオチドであり得る。

    【0029】 用語「アドレス」とは、分子の参照位置、代表的には、空間的な位置をいう。
    分子のアドレスは、例えば、マトリクスを参照することによってか、またはマイクロタイタープレートのウェルを参照することによってか、あるいは、膜上の位置を参照することによって提供され得る。 「マトリクス」とは、行および列中のエレメントのアレイをいう。

    【0030】 「核酸」とは、一本鎖形態または二本鎖形態のいずれかにおける、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド、およびそのポリマーをいう。 特に限定しない限り、この用語は、天然のヌクレオチドの公知のアナログを含む核酸を包含し、このアナログは、参照核酸と類似の結合特性を有し、そして天然に存在するヌクレオチドに類似する様式で代謝される(例えば、ホルホロチオエート、ホスホルアミデート、メチルホスホネート、キラル−メチルホスホネート、2−O
    −メチルリボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)など)。 他に示さない限り、特定の核酸配列もまた、その保存的に改変された改変体(例えば、縮重コドン置換体)および相補的な配列、ならびに明白に示された配列を暗に含む。 特に、
    縮重コドン置換は、1以上の選択された(もしくは全ての)コドンの3位が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換される配列を生成することによって達成され得る(Batzerら、Nucleic Acid Res.19
    :5081(1991);Ohtsukaら、J. Biol. Chem. 260
    :2605〜2608(1985);Rossoliniら、Mol. Cell
    . Probes 8:91〜98(1994))。 用語、核酸は、遺伝子、cD
    NA、および遺伝子によりコードされるmRNAと交換可能に使用される。

    【0031】 用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーをいうために、本明細書中で交換可能に使用される。 この用語は、1
    以上のアミノ酸残基が、対応する天然に存在するアミノ酸の人工的な化学的アナログであるアミノ酸ポリマーならびに天然に存在するアミノ酸ポリマーに適用される。

    【0032】 アミノ酸は、アミノ酸の周知の3文字記号によってか、またはIUPAC−I
    UB Biochemical Nomenclature Commissi
    onにより推奨される一文字記号により、本明細書中に参照され得る。 ヌクレオチドも同様に、その周知の一文字コードによって参照され得る。

    【0033】 「標識」は、分光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、
    または化学的手段により検出可能な組成物である。 例えば、有用な標識は、 32
    、蛍光色素、電子高密度試薬、酵素(例えば、ELISAに一般に使用されるように)、ビオチン、ジゴキシゲニン、または抗血清またはモノクローナル抗体が利用可能である場合、ハプテンおよびタンパク質を包含する。 この標識は、共有結合または非共有結合のいずれかで、タグおよび/またはリガンドに結合され、
    そして1を超える型の標識は、タグおよび/またはリガンドのいずれかあるいは両方に結合され得る。 従って、例えば、オリゴヌクレオチドタグは、ビオチン基に共有結合され得、次いで、このオリゴヌクレオチドタグは、リガンドに付着した蛍光剤を有するリガンドに結合される。

    【0034】 本明細書中で使用する場合、「核酸プローブまたはオリゴヌクレオチドプライマー」は、相補的配列の標的核酸に、1以上の型の化学結合を介して、通常は相補的な塩基対合を介して、通常は、水素結合形成を介して結合し得る核酸として定義される。 本明細書中で使用される場合、プローブは、天然(すなわち、A、
    G、C、またはT)あるいは改変された塩基(7−デアザグアノシン、イノシンなど)を含み得る。 さらに、プローブ中の塩基は、ハイブリダイゼーションを妨害しない限り、ホスホジエステル結合以外の連結によって結合され得る。 従って、例えば、プローブは、構成塩基がホスホジエステル結合ではなくペプチドにより結合しているペプチド核酸であり得る。 プローブは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに依存して、プローブ配列との完全な相補性を欠く標的配列に結合し得ることが当業者により理解される。 このプローブは、好ましくは、例えば、同位体、発色団、発光団、色素原で直接的に標識されるか、あるいは例えば、ストレプトアビジン複合体が後で結合し得るビオチンで間接的に標識される。 そのプローブの存在または非存在についてアッセイすることにより、選択した配列またはサブ配列の存在または非存在を検出し得る。

    【0035】 「標識された核酸プローブまたはオリゴヌクレオチド」は、共有結合によってか、リンカーを介してか、あるいは静電気的結合、ファンデルワールス結合または水素結合のいずれかで、標識に結合され、その結果、そのプローブの存在は、
    そのプローブに結合した標識の存在を検出することによって検出され得る。

    【0036】 「増幅」プライマーは、選択核酸配列の増幅についての基礎として働き得る、
    天然ヌクレオチドまたはアナログヌクレオチドのいずれかを含むオリゴヌクレオチドである。 それらは、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応プライマーおよびリガーセ連鎖反応オリゴヌクレオチドを含む。

    【0037】 例えば、細胞、あるいは核酸、またはベクターを参照して使用される場合、用語「組換え」は、その細胞、あるいはその核酸、またはそのベクターが、異種核酸の導入またはネイティブの核酸の変更によって改変されていること、あるいはその細胞が、そのように改変された細胞に由来することを示す。 従って、例えば、組換え細胞は、その細胞のネイティブ(非組換え体)の形態中に見出されない遺伝子を発現するか、あるいはそうでなければ異常に発現されたか、発現が低いかまたは全く発現しない天然の遺伝子を発現する。

    【0038】 「発現ベクター」は、組換え的または合成的に生成された、宿主細胞中で特定の核酸の転写を可能にする一連の特定の核酸エレメントを有する、核酸構築物である。 発現ベクターは、プラスミド、ウイルス、または核酸フラグメントの一部であり得る。 代表的には、発現ベクターは、プロモーターに作動可能に連結された転写されるべき核酸を含む。

    【0039】 「プラスミド」は、発現ベクターであり得るか、あるいはプラスミドが目的の組換え核酸に作動可能に連結されたプロモーター配列を含まない場合、プラスミドは単に、原核生物および/または真核生物中にクローン化された核酸の増殖を可能にする、自己複製の染色体外エレメントであり得る。

    【0040】 「プロモーター」は、核酸の転写を指向する核酸制御配列のアレイとして規定される。 本明細書中で使用される場合、プロモーターは、転写の開始部位に近い必要な核酸配列(例えば、ポリメラーゼII型プロモーターの場合は、TATA
    エレメント)を含む。 プロモーターはまた、必要に応じて、遠位のエンハンサーエレメントまたはリプレッサーエレメントを含み、これらのエレメントは、転写開始部位から数千塩基程度に位置され得る。 「構成的」プロモーターは、ほとんどの環境的かつ発達的条件下で活性であるプロモーターである。 「誘導性」プロモーターは、環境的または発達的調節下にあるプロモーターである。 用語「作動可能に連結された」とは、核酸発現制御配列(例えば、プロモーター、または転写因子結合部位のアレイ)と第2の核酸配列との間の機能的連結であって、ここで発現制御配列は、第2の配列に対応する核酸の転写を指向することをいう。

    【0041】 核酸の部分を参照して使用される場合、用語「異種」は、核酸が天然中に同じ関係に見出されない2以上の部分配列を含むことをいう。 例えば、核酸は、代表的に、新しい機能性核酸を作製するように配置された関連のない遺伝子からの2
    以上の配列を有して、組換え産生される。

    【0042】 句「〜に選択的(または特異的)にハイブリダイズする」とは、その特定のヌクレオチド配列が複雑な混合(例えば、総細胞性)DNAまたはRNAに存在する場合、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でその特定のヌクレオチド配列にのみ分子が結合するか、二重鎖化するか、またはハイブリダイズすることをいう。 句「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、プローブがその標的部分配列にハイブリダイズするが、他の配列にハイブリダイズしない下での条件をいう。 ストリンジェントな条件は、配列依存性であり、そして異なる状況では異なる。 より長い配列は、より高い温度で特異的にハイブリダイズする。 核酸のハイブリダイゼーションについての広範なガイドは、Tijs
    sen、Techniques in Biochemistry and M
    olecular Biology−−Hybridization with
    Nucleic Probes、「Overview of princip
    les of hybridization and the strateg
    y of nucleic acid assays」(1993)中に見出される。 一般に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度のpHで特定の配列に対して、熱融解点(T m )よりも約5〜10℃低く選択される。 T mは、
    標的に相補的なプローブの50%が平衡において標的核酸にハイブリダイズする(規定されたイオン強度、pH、および核酸濃度の下での)温度である(標的配列が過剰に存在する場合、T mでは、平衡においてプローブの50%を占める) 。 ストリンジェントな条件は、pH7.0〜8.3において、その塩濃度が約1
    . 0M未満のナトリウムイオン、代表的には約0.01〜1.0Mのナトリウムイオン濃度(または他の塩)であり、そしてその温度は、短いプローブについては少なくとも約30℃(例えば、10〜50個のヌクレオチド)であり、そして長いプローブ(例えば、50ヌクレオチドを超える)については少なくとも約6
    0℃である条件である。 ストリンジェントな条件はまた、ホルムアミドのような脱安定化剤の添加で達成され得る。

    【0043】 句「遺伝子産物をコードする配列」とは、例えば、構造RNA(例えば、rR
    NA)、tRNA、特定のタンパク質またはペプチドの一次アミノ酸配列、トランス作用の調節因子の結合部位、アンチセンスRNAまたはリボザイムのような配列情報を含む核酸をいう。 この句は、特定の宿主細胞において好ましいコドンに適合するように導入され得る、ネイティブの配列または配列の縮重コドン(すなわち、単一のアミノ酸をコードする異なるコドン)を包含する。

    【0044】 化合物、タンパク質、またはペプチドに言及する場合、化合物、ペプチド、またはタンパク質に句「特異的(もしくは選択的)に結合する」、または「〜と特異的(もしくは選択的)に反応性である」とは、タンパク質および他の生物製剤の異種集団におけるタンパク質の存在の決定である結合反応をいう。 従って、例えば、設計されたイムノアッセイ条件下で、この特定の抗体は、少なくともバックグランドの2倍のレベルで特定のタンパク質に結合し、そしてそのサンプル中に存在する他のタンパク質に、有意な量で実質的に結合しない。 代表的には、特定なまたは選択的な結合反応は、少なくともバックグランドシグナルまたはノイズの2倍であり、そして好ましくはバックグランドの10倍〜100倍を超える。

    【0045】 用語「基材」および「固体支持体」は、代表的には、強固または半強固な表面を有する材料(例えば、膜、マイクロタイターディッシュなど)を意味する。

    【0046】 「合成」とは、細胞中で産生される化合物(例えば、生きている宿主細胞中で増殖されるタンパク質および核酸ライブラリー)と対照的に、インビトロでの化学的または酵素的合成により生成される化合物をいう。

    【0047】 (III.タグ、標的、およびリガンドライブラリーの提供) (A.タグ、標的、およびリガンドライブラリーの一般的な概論) タグ、リガンド、および標的のライブラリーは、種々の異なる型の分子からなる。 代表的には、このリガンドおよび標的は、ポリペプチド、ペプチド、および有機低分子である。 ポリペプチドおよびタンパク質が好ましい実施態様である。
    標的分子はまた、核酸であり得る。 代表的には、タグは、蛍光剤およびオリゴヌクレオチドのような検出可能な分子である。

    【0048】 タグライブラリーについて、オリゴヌクレオチドのライブラリーは、代表的には、当業者に公知の標準的な技術を使用してコンビナトリアル合成により得られる(例えば、米国特許第5,677,195号および米国特許第5,412,0
    87号を参照のこと)。 オリゴヌクレオチドライブラリーはまた、オリゴヌクレオチドを合成することによってか、または小さな核酸フラグメントをクローニングし、次いで必要に応じて、以下に記載のように発現ベクター中にオリゴヌクレオチドをサブクローニングすることによって調製され得る。 オリゴヌクレオチドは、例えば、BeaucageおよびCaruthers、Tetrahedr
    on Letts. 22:1859〜1862(1981)により始めて記載された、固相ホスホルアミダイトトリエステル法に従って、Van Devant
    erら、Nucleic Acid Res. 12:6159〜6168(19
    84)に記載されるように自動化合成機を使用して、化学的に合成され得る。 オリゴヌクレオチドの精製は、例えば、PearsonおよびReanier,J
    . Chrom. 255:137〜149(1983)に記載されるように、ネイティブのアクリルアミドゲル電気泳動によってか、または陰イオン交換HPLC
    によって達成され得る。 蛍光剤のライブラリーは、蛍光結合体化ヌクレオチドを、標準的な方法論(例えば、Molecular Probes、Handbo
    ok of Fluorescent Probes and Researc
    h Chemicals(Haugland編、第6版)によってオリゴヌクレオチド中に組み込むことにより得られる。

    【0049】 標的およびリガンドのライブラリーについて、有機低分子のライブラリーは、
    当業者に公知のコンビナトリアル方法(例えば、ThompsonおよびEll
    man、Chem. Rev. 96:555〜600(1996)を参照のこと)
    により得られる。 ペプチドのライブラリーはまた、コンビナトリアル合成(例えば、米国特許第5,143,854号;米国特許第5,677,195号)を使用して得られ得る。 ペプチドおよびポリペプチドのライブラリーはまた、以下に記載されるように、発現ベクター中に核酸をクローニングすることによって得られ得る。 天然産物のライブラリー(例えば、微生物発酵ブロス)はまた、リガンドライブラリーとして使用され得る。 ペプチドライブラリーは、当業者に公知の方法によってインビトロでの化学合成によって、例えば、標準的な固相合成によって調製され得る。 標準的な方法は、独占的な固相合成、部分的な固相合成法、
    フラグメントの縮合、古典的な溶液合成、および組換えDNA技術(例えば、M
    errifield,J. Am. Chem. Soc. 85:2149(1963
    )を参照のこと;また、複数のペプチド合成の「ティーバッグ」法(Hough
    ton、Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 82:5131〜
    5135(1985)を参照のこと;分割合成法(Furkaら、Int.I.
    Peptide Protein、Res. 37:487〜493(1991)
    )を包含する。

    【0050】 (B.タグ、リガンド、および標的をコードする核酸ライブラリーの調製) (一般の組換え核酸方法) オリゴヌクレオチドライブラリーのクローニング、およびポリペプチドおよびペプチドをコードする核酸ライブラリーについて、本発明は、組換え遺伝学の分野における慣用技術を使用する。 本発明において一般の方法の使用を開示する基本的なテキストは、Sambrookら、Molecular Cloning
    、A Laboratory Manual(第2版、1989);Krieg
    ler、Gene Transfer and Expression:A L
    aboratory Manual(1990);およびCurrent Pr
    otocols in Molecular Biology(Ausubel
    ら、編、1994)を含む。

    【0051】 核酸について、大きさは、キロベース(kb)または塩基対(bp)のいずれかで与えられる。 これらは、アガロースまたはアクリルアミドゲル電気泳動、配列決定された核酸、あるいは公開されたDNA配列に由来した見積もりである。
    タンパク質について、大きさは、キロダルトン(kDa)またはアミノ酸残基数で与えられる。 タンパク質の大きさは、ゲル電気泳動から、配列決定されたタンパク質から、誘導体化されたアミノ酸配列から、または公開されたタンパク質配列から見積もられる。

    【0052】 クローン化された遺伝子および合成オリゴヌクレオチドの配列は、例えば、W
    alleら、Gene16:21〜26(1981)の二本鎖鋳型を配列決定するための鎖終結方法を使用して変化され得る。

    【0053】 (核酸単離のための方法) 一般に、ポリペプチドおよびペプチドの標的ならびにリガンドをコードする核酸配列は、cDNAおよびゲノムDNAライブラリーからクローン化されるか、
    またはオリゴヌクレオチドプライマーを用いる増幅技術を用いて単離され、次いで発現ベクターにサブクローニングされる。 同様に、インビトロの合成されたオリゴヌクレオチドタグは、発現ベクターにサブクローニングされ得る。

    【0054】 本発明の方法に用いるのに適した核酸の供給源としては、真核生物もしくは原核生物の供給源、非脊椎動物もしくは脊椎動物の供給源、哺乳動物もしくは非哺乳動物の供給源、および植物または他の高等真核生物の供給源が挙げられるがこれらに限定されない。

    【0055】 本発明の方法は、特にcDNAの使用に十分適している。 cDNAライブラリーを作製するため、mRNAは、逆転写酵素を用いてcDNAに作製され、組換えベクターに連結され、そして増殖、スクリーニングそしてクローニングのために、組換え宿主にトランスフェクトされる。 cDNAライブラリーを作製し、そしてスクリーニングするための方法は、周知である(例えば、GublerおよびHoffman,Gene 25:263〜269(1983);Sambr
    ookら、前出;Ausubelら、前出を参照のこと)。

    【0056】 ゲノムライブラリーのために、DNAは、組織から抽出され、そして機械的にせん断されるかまたは酵素的に消化されるかのいずれかが行われ、約12〜20
    kbのフラグメントを生じる。 次いで、このフラグメントは、勾配遠心分離により望ましくないサイズから分離され、そしてバクテリオファージλベクター中に構築される。 これらのベクターおよびファージは、インビトロでパッケージされる。 組換えファージは、BentonおよびDavis,Science 19
    6:180〜182(1997)に記載されるように、プラークハイブリダイゼーションによって分析される。 コロニーハイブリダイゼーションは、一般に、G
    runsteinら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 、72
    :3961〜3965(1975)に記載のように実行される。

    【0057】 標的およびリガンド核酸のクローニングの代替方法は、合成オリゴヌクレオチドプライマーの使用およびRNAまたはDNAテンプレートの増幅を組み合わせる(米国特許第4,683,195号および4,683,202号;PCR P
    rotocols:A Guide to Methods and Appl
    ications(Innisら、編、1990)を参照のこと)。 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびリガーゼ連鎖反応(LCR)のような方法は、mR
    NA、cDNA、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーから直接、核酸配列を増幅するために用いられ得る。 代表的には、ランダムオリゴヌクレオチドがプライマーとして用いられる。 制限エンドヌクレアーゼ部位は、プライマーに組み込まれ得る。 PCR反応により増幅される遺伝子は、アガロースゲルから精製され得、そして適切なベクターにクローニングされ得る。

    【0058】 核酸は、代表的に、複製および/または発現のために、原核生物細胞または真核生物細胞に形質転換される前に中間ベクターにクローニングされる。 これらの中間ベクターは、代表的に原核生物ベクターまたはシャトルベクターである。

    【0059】 オリゴヌクレオチドタグライブラリーをクローニングするために、オリゴヌクレオチドを、上記のように得る。 代表的には、オリゴヌクレオチドは、2つの異なる制限エンドヌクレアーゼ部位を含むアダプター分子のセットへ連結される。
    従って、オリゴヌクレオチドの構造は、以下のようである:5'−ANNNNN
    NNNNNNNC−3'。 ここで、Nは、A、T、U、GもしくはCまたはそれらのアナログであり、これらは合成的にか、または天然に存在するもののいずれかである。 Aは、第1の制限部位であり、そしてCは、第2の制限部位である(
    例えば、EcoRI、HindIII、PstI、BamHI、KpnI、Bg
    lI、SfiI)。 この様式で、ライブラリーのオリゴヌクレオチドの全ては、
    共通の3'および5'末端を共有する。 このアダプターは、合成の間、オリゴヌクレオチドに含まれ得、またはアダプターの連結を介して後期段階で付加され得る。 この制限エンドヌクレアーゼ部位は、オリゴヌクレオチドの発現ベクターへのクローニングのための手段として、およびオリゴヌクレオチドの増幅のためのプライマー部位として二重の目的を果たす。 オリゴヌクレオチドの長さは、重要ではなく、そして代表的には、約8〜約50ヌクレオチド長であり、好ましくは、約12〜約25ヌクレオチド長である。

    【0060】 (単離された核酸のサブクローニングおよび発現) ポリペプチドおよびペプチドをコードするオリゴヌクレオチドタグならびに標的/リガンド核酸を獲得した後、これらの核酸は、ベクターにクローニングされる。 代表的には、オリゴヌクレオチドタグは、個々のタグがこのクローニング手順により分離されるように、プラスミドベクター中にクローニングされる。 この標的リガンド核酸は、代表的には、発現ベクターにクローニングされ、ポリペプチドを生成する。

    【0061】 クローニングされた核酸の発現を得るため、発現ベクターは、直接転写のための強力なプロモーター、転写/翻訳ターミネーター、および(核酸がペプチドまたはポリペプチドをコードする場合)翻訳開始のためのリボソーム結合部位を含む。 適切な細菌プロモーターは、当該分野で周知であり、そして例えば、Sam
    brookら、およびAusubelら、に記載されている。 細菌の発現系は、
    例えば、E. coli、Bacillus sp、およびSalmonella
    において利用可能である(Palvaら,Gene 22:229〜235(1
    983);Mosbachら,Nature 302:543〜545(198
    3)。 このような発現系のためのキットは、市販されている。 哺乳動物細胞、酵母および昆虫細胞のための真核生物発現系は、当該分野で周知であり、そしてまた市販されている。

    【0062】 異種の核酸の直接発現のために用いられるプロモーターは、特定の適用に依存する。 このプロモーターは、好ましくは、異種の転写開始部位から、そのプロモーターがその天然の状態で転写開始部位から離れているのとほぼ同じ距離に位置する。 しかし、当該分野で公知のように、この距離におけるいくつかの変化が、
    プロモーター機能の損失なく、適応され得る。

    【0063】 プロモーターに加えて、発現ベクターは、代表的に、標的、タグおよび宿主細胞のリガンドをコードする核酸の発現のために必要なすべてのさらなるエレメントを含む転写単位または発現カセットを含む。 従って、代表的な発現カセットは、核酸配列および転写の効率的ポリアデニル化に必要なシグナルに作動可能に連結されるプロモーター、リボソーム結合部位、ならびに転写ターミネーターを含む。 核酸配列は、代表的には、切断可能シグナルペプチド配列に連結され、形質転換された細胞によって、コードされたタンパク質の分泌を促進し得る。 このようなシグナルペプチドとしては、とりわけ、組織プラスミノゲン賦活剤からのシグナルペプチド、インスリン、および神経成長因子、ならびにHeliothi
    s virescensの若年性ホルモンエステラーゼが挙げられる。 このカセットのさらなるエレメントとしては、エンハンサー、ならびに(ゲノムDNAが構造遺伝子として用いられる場合)機能的なスプライシングドナーおよびアクセプター部位を有するイントロンが挙げられ得る。

    【0064】 プロモーター配列に加えて、この発現カセットはまた、構造遺伝子の下流に転写終結領域を含み、有効な終結を提供しなければならない。 この終結領域は、プロモーター配列と同じ遺伝子から得てもよいし、または異なる遺伝子から得てもよい。

    【0065】 遺伝的情報を細胞に移入するために用いられる特定の発現ベクターは、特には重要でない。 真核生物細胞または原核生物細胞における発現のために用いられる従来のベクターはいずれも用いられ得る。 標準的な細菌の発現ベクターとしては、pBR322を基礎とするプラスミド、pSKF、pET23Dのようなプラスミド、ならびにGSTおよびLacZのような融合発現系が挙げられる。 エピトープタグはまた、組換えタンパク質に付加され、単離の便利な方法を提供し得る(例えば、c−myc)。

    【0066】 真核生物ウイルスからの調節エレメントを含む発現ベクターは、代表的には、
    真核生物発現ベクター(例えば、SV40ベクター、パピローマウイルスベクター、およびエプスタインバーウイルス由来のベクター)において用いられる。 他の模範的真核生物ベクターとしては、pMSG、pAV009/A + 、pMTO 10/A + 、pMAMneo−5、バキュロウイルスpDSVE、および任意の 他のベクターが挙げられ、これらは、真核生物細胞における発現のために有効であることを示す、SV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳房腫瘍ウイルスプロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ポリヘドリンプロモーター、または他のプロモーターの指示下でタンパク質の発現を可能にする。

    【0067】 いくつかの発現系は、チミジンキナーゼ、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ、およびジヒドロ葉酸リダクターゼのような、遺伝子増幅を提供するマーカーを有する。 あるいは、遺伝子増幅を含まない高い収率の発現系はまた、
    (昆虫細胞においてバキュロウイルスベクターを用いるように)、ポリヘドリンプロモーターまたは他の強力なバキュロウイルスプロモーターの指示下で、配列に適切である。

    【0068】 代表的に、発現ベクターに含まれるエレメントとしてはまた、E. coliで機能するレプリコン、組換えプラスミドを保有する細菌の選択を可能にする抗生物質耐性をコードする遺伝子、および真核生物配列の挿入を可能にするプラスミドの必須でない領域における特有の制限部位が挙げられる。 この選択された、特定の抗生物質耐性遺伝子は、重要でなく、当該分野で公知の任意の多数の耐性遺伝子が適切である。 この原核生物配列は、好ましくは、必要であれば、その配列が、真核生物細胞において、DNAの複製を邪魔しないように選択される。

    【0069】 標準的なトランスフェクション方法は、大量のタンパク質を発現する、細菌、
    哺乳動物、酵母または昆虫の細胞株を作製するために用いられる。 次いで、これは、標準的な技術を用いて精製される(例えば、Colleyら、J.Biol
    . Chem. 264:17619〜17622(1989);Guide to
    Protein Purification,Methods in Enz
    ymology、第182巻(Deutscher、編、1990)を参照のこと)。 真核生物細胞および原核生物細胞の形質転換は、標準的な技術に従って実行される(例えば、Morrison、J.Bact.132:349〜351
    (1977);Clark−CurtissおよびCurtiss,Metho
    ds in Enzymology,101:347〜362(Wuら、編、1
    983)を参照のこと)。

    【0070】 宿主細胞への外来ヌクレオチドの導入のために任意の周知の手順が用いられ得る。 これらの手順としては、リン酸カルシウムトランスフェクション、ポリブレン、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソーム、マイクロインジェクション、細胞質ベクター、ウイルスベクター、および宿主細胞に、クローン化されたゲノムDNA、cDNA、合成DNAまたは他の外来遺伝子物質を宿主細胞に導入するための任意の他の周知の方法の使用が挙げられる(例えば、S
    ambrookら、前出)。 特定の遺伝子操作手順が、標的およびリガンドタンパク質を発現し得る宿主細胞に少なくとも1つの遺伝子を成功裏に導入し得ることになれていることのみが必要である。 発現ベクターが細胞に導入された後に、
    形質転換された細胞は、タンパク質の有望な発現条件下で培養される。

    【0071】 (IV.アドレスを提供する工程) タグ、リガンドおよび標的ライブラリーの個々の成分は、それぞれアドレスを提供される。 好ましくは、このアドレスは、マトリクスへの位置(例えば、マイクロタイタープレート中のウェルまたはニトロセルロースもしくはナイロン膜上の位置)に関して、空間的に提供される。

    【0072】 基材の目的は、アレイの(例えば、標的の)の空間的位置付けを用い、個々の標的ポリペプチドの同定を可能にすることである。 任意の適切な基材が、アドレスを提供するために用いられ得る。 1つの実施例では、アドレスは、マイクロタイターディッシュのウェルにより提供され、そして、このアドレスは、代表的には、ナイロン膜のような基材上に複写される。 複写されたアドレスは、オリゴヌクレオチドがタグ化されたリガンドに結合される同定工程の間、ハイブリダイゼーションのために用いられる。 さらに、この複写アドレスは、結合工程に用いられ、ここでタグ化リガンドは、膜のような基材に、共有結合的かまたは非共有結合的にのいずれかで結合される標的とともにインキュベートされる。

    【0073】 別の実施例では、個々の標的ポリペプチドおよびそれらの対応する核酸配列(
    プレートA由来)は、プレートAのウェル中に置かれる個々のビーズ上に同時に結合体化される。 上記のように、プレートBのリガンドは、例えば、プレートC
    由来の蛍光標識オリゴヌクレオチドでタグ化され、そしてプールされる。 このプールされ、タグ化されたリガンドは、プールされた標的(ビーズと結合)と反応される。 蛍光活性化セルソーティングは、標的に結合したリガンドを同定するために用いられる。 従って、このFACSで同定されるビーズは、以下を含む:(
    1)リガンドタンパク質に結合する標的タンパク質、(2)標的をコードする核酸、および(3)標的と反応したリガンドを同定するタグ。 個々の標的およびリガンド分子は、ビーズおよびオリゴヌクレオチドタグ上に提示される遺伝子を増幅することにより同定され得る。 これらの増幅配列は、配列決定され得るか、またはプローブとして用いられ、プレートAおよびC上の標的およびタグを同定し得る。 上記のように、このタグは、さらに、プレートBのリガンドを同定するために用いられる。

    【0074】 基材は、必要に応じて、紙または膜(例えば、ニトロセルロースまたはナイロン)、マイクロタイターディッシュ(例えば、PVC、ポリプロピレンまたはポリスチレン)、試験管(ガラスまたはプラスチック)、ディップスティック(例えば、ガラス、PVC、ポリプロピレン、ポリスチレン、ラテックスなど)、微量遠心チューブ、またはガラス、シリカ、プラスチック、金属、もしくはポリマーのビーズ、あるいは本明細書で記載した他の基材である。 タグ、リガンドまたは標的は、必要に応じて、基材に、共有結合的に結合してもよいし、または非特異的結合(例えば、水素、静電気、またはファンデルワールス力)を通じて、非共有結合的に付着されてもよい。 好ましくは、標的は(基材への結合反応のため)、リガンドとの結合反応後の洗浄の容易さのために、基材に対して共有結合的にまたは非共有結合的にのいずれかで結合される(例えば、ナイロン膜上で標的プレートAの複写を作製することにより)。

    【0075】 広範な種々の有機ポリマーおよび無機ポリマー(天然および合成の両方)は、
    基材のための物質として使用され得る。 例証的なポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)、レーヨン、ナイロン、ポリ(ビニルブチレート)、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF),シリコン、ポリホルムアルデヒド、セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロースなどが挙げられる。 適切な他の物質としては、アッセイに依存して、紙、ガラス、セラミックス、金属、非金属、半導体物質、セメントなどが挙げられる。 さらに、ゲルを形成する物質(例えば、タンパク質(例えば、ゼラチン)、リポ多糖、ケイ酸、アガロースおよびポリアクリルアミド)が用いられ得る。 固相表面が多孔性である場合、種々の孔径が系の性質に依存して用いられ得る。

    【0076】 (V.リガンドのタグ化および標識化、標識の検出のためのアッセイ) このリガンドは、最初、リガンドのための対応するアドレスを提供するタグに結合される。 さらに、リガンドまたは標的のいずれかが、検出可能部分または標識に結合される。 これらは、リガンドが標識と相互作用するか否かを決定するための手段を提供する。 上記のように、このタグは、同じクラスの他のタグから識別され得る、蛍光剤およびオリゴヌクレオチドのような分子である。

    【0077】 このタグは、タグ化リガンドを作成するため、リガンドに直接結合される。 このタグは、当該分野で公知であり、そして選択したタグに適切な技術に従ってリガンドに結合される。 リガンドへのタグ連結のために用いられ得る官能基としては、カルボン酸、アルデヒド、アミノ基、シアノ基、エチレン基、ヒドロキシル基、メルカプト基などが挙げられ得る(例えば、Essential Mole
    cular Biology(Brown、編、1993);In Situ
    Hybridization Protocols(Cho、編、1994)を参照のこと)。

    【0078】 1つの実施例では、オリゴヌクレオチドタグは、以下の様式で、ポリペプチドリガンドに付着され得る。 オリゴヌクレオチドは、非パリンドロームの制限部位AおよびCに対応するプライマーを用いて、オリゴヌクレオチドライブラリーから増幅される。 Aプライマーは、アミノ酸修飾を含み、そしてCプライマーはビオチン化される。 従って、Aプライマーは、オリゴヌクレオチドの5'末端で最初のアミノを組み込む。 これは、EDC(Pierce,Rockford,I
    L)のようなカップリング試薬を用いてリガンドポリペプチドのカルボキシ末端と反応する。 さらに、Cプライマーは、オリゴヌクレオチドの3'末端でビオチン部分を組み込む。 これは、結合リガンドと標的との間の相互作用の検出のための検出可能部分または標識として働く。

    【0079】 上記のように、タグまたはリガンドのいずれかは、検出可能な部分または標識にさらに結合する。 この検出可能な部分または標識は、いつリガンドが、標的と相互作用するかを決定する手段を提供する。 検出可能な部分または標識は、上記のようにタグまたはリガンドに結合される。 検出可能な部分または標識は、検出可能な物理学的特性または化学的特性を有する任意の物質であり得る。 従って、
    標識は、分光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、電気的手段、光学的手段または化学的手段により検出し得る任意の組成物である。 本発明において有用な標識としては、磁気ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標))、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネートおよびその誘導体、テキサスレッド、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロンなど)、化学発光部分(例えば、ルシフェリンおよび2,3−ジヒドロフタラジンジオン)、放射標識(例えば、 3 H、 125 I、 35 S、 14 C、または32 P)
    、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、LacZ、CAT、アルカリホスファターゼおよびELISAにおいて慣用的に使用される他のもの)、比色標識(例えば、金コロイドまたは色ガラスまたはプラスチックビーズ(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど))、およびビオチンおよびアビジンもしくはストレプトアビジン、ジゴキシゲニンが挙げられる。 核酸、タンパク質、および他の分子を標識するための標識技術および結合技術に適した広範な種々の標識が、公知であり、そして科学文献、ならびに特許文献の両方において広範に報告されており、そして一般に、本発明に適用することができる。 標識の選択は、必要とされる感度、化合物の結合体化の容易さ、必要とする安定性、利用可能な計測器および処分設備(disposal provision)に依存する。

    【0080】 標識は、当該分野で周知の方法に従って、タグもしくはリガンドに直接的または間接的にカップリングされ得る。 上記のように、必要とされる感度、化合物との結合体化の容易さ、必要とする安定性、利用可能な計測器、および処分設備に依存する標識の選択により、広範な種々の標識が使用され得る。

    【0081】 非放射活性標識は、しばしば、間接的な手段によって結合される。 一般に、リガンド分子(例えば、ビオチン)は、分子に共有結合的に結合される。 次いで、
    このリガンドは、固有に検出可能であるか、またはシグナル系(例えば、検出可能な酵素、蛍光化合物、または化学発光化合物)に共有結合された別の分子(例えば、ストレプトアビジン)分子に結合する。 リガンドおよびそれらの標的は、
    抗体もしくは二次抗体との任意の適切な組み合わせで使用され得る。

    【0082】 分子はまた、シグナル生成化合物に(例えば、酵素もしくはフルオロフォアとの結合体化により)直接的に結合体化され得る。 標識としての目的の酵素は、主に、加水分解酵素(特に、ホスファターゼ、エステラーゼおよびグリコシダーゼ)、またはオキシドターゼ(oxidotase)(特に、ペルオキシダーゼ)
    である。 蛍光化合物としては、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロンなどが挙げられる。 化学発光化合物としては、ルシフェリンおよび2,3−ジヒドロフタラジンジオン(例えば、
    ルミノール)が挙げられる。 使用され得る種々の標識またはシグナル生成系の概説に関しては、米国特許第4,391,904号を参照のこと。

    【0083】 標識を検出する手段は、当業者に周知である。 従って、例えば、標識が放射活性標識である場合、検出手段としては、シンチレーションカウンターまたはオートラジオグラフィーにおけるような写真用フィルムが挙げられる。 標識が蛍光標識である場合、蛍光色素を適切な光波長で励起し、得られる蛍光を検出することによって検出され得る。 この蛍光は、写真用フィルムによって、電子感知器(例えば、電荷結合素子(CCD)もしくは光電子増倍管など)の使用によって可視的に検出され得る。 同様に、酵素標識は、その酵素に適切な基質を提供し、得られる反応産物を検出することによって検出され得る。 最後に、簡便な比色標識は、単に、標識に関連する色を観察することにより検出され得る。 従って、種々のディップスティックアッセイにおいて、結合された金は、しばしば、ピンク色を呈するが、種々の結合されたビーズはビーズの色を呈する。

    【0084】 あるいは、検出可能な部分または標識は、リガンドをコードする核酸を含むベクターに直接的に連結され得、リガンドタンパク質の一部分として発現される。
    例えば、βガラクトシダーゼ遺伝子、緑色蛍光タンパク質、または比色定量シグナルを生成するために使用され得る他のタンパク質が、クローニングされたリガンドタンパク質の先頭もしくは末端に配置される。 これは、リガンドおよび比色定量的に検出可能な部分の両方を含む融合タンパク質を産生する。 本実施例において、プレートCに由来するタグ化オリゴヌクレオチドは、プレートBの融合タンパク質の各々に結合される。 次いで、タグ化リガンドタンパク質は、プールされそしてプレートもしくは膜A上のタンパク質のアレイと反応する。 次いで、標的タンパク質と反応した融合タンパク質を比色定量反応で検出する。 上記のように、このリガンドの身元は、そのオリゴヌクレオチドタグの対応するアドレスによって決定される。 この方法の種々の改変は、融合タンパク質として、一次抗体により検出され得る任意のタンパク質を加えることを含み、次いで、このタンパク質は、市販のキットを使用して、二次抗体を用いる比色定量反応によって検出される。

    【0085】 (VI.標的リガンド相互作用および検出のためのアッセイ) タグ化リガンドおよび標的は、相互に結合する能力についてアッセイされる。
    好ましくは、タグ化リガンドをプールし、次いで、このタグ化リガンドのプールを、適切な条件下で、基材(例えば、ナイロン膜(標的についてのアドレスの複写である))に結合した標的と共にインキュベートする。 代表的には、タグ化リガンドおよび標的は、抗体/抗原結合に使用される条件(HarlowおよびL
    ane,Antibody:A Laboratory Manual(199
    8)を参照のこと)と同様の条件下でインキュベートされる。 例えば、このプールされたタグ化リガンドを、ほぼ生理学的な塩およびpH条件を有する緩衝液中に懸濁し、そしてこの緩衝液は、必要に応じて、非特異的な結合を防止するタンパク質を含む(例えば、PBS(リン酸緩衝化生理食塩水))中3% BSA(
    ウシ血清アルブミン)、もしくはPBS単独)。 このタグ化リガンドおよび標的を、室温下にて約30分間インキュベートする。 インキュベーションの時間および温度は重要ではない。 次いで、この反応物を、緩衝液(例えば、PBS中3%
    BSAもしくはPBS単独)で洗浄し、次いで、洗浄後に、標識に結合したままのタグ化リガンド上の標識を検出するために、適切なアッセイを行う。 標識を検出するためのアッセイは上記に記載され、そしてまたHarlowおよびLan
    e(前出)にも記載される。

    【0086】 当業者は、タンパク質結合アッセイにおいて、非特異的な結合を最小限にすることがしばしば所望されることを理解している。 特に、このアッセイが固体基材上に固定されたタンパク質を含む場合、この基材に対する非特異的な結合の量を最小にすることが所望される。 このような非特異的な結合を減少させる手段は、
    当業者に周知である。 代表的には、この技術は、基材をタンパク質様組成物で被覆することを含む。 特に、タンパク質組成物(例えば、ウシ血清アルブミン(B
    SA)、脱脂粉乳、およびゼラチン)は、広範囲に使用され、粉ミルクが最も好ましい。

    【0087】 (VII.タグを使用する結合リガンドの同定) 一旦、相互に結合する標的およびリガンドが同定されると、このタグは同定され、このリガンドの対応するアドレスが解読され得る。 タグを、任意の適切な手段(例えば、蛍光活性化を使用するソーティングもしくはスキャンニング、配列決定、ハイブリダイゼーション、および増幅)によって同定する。

    【0088】 1つの例において、オリゴヌクレオチドタグを、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
    R)を使用して、あるいは当業者に公知でかつ使用され、そして本明細書中以下で議論される他の増幅技術を使用して増幅する。 本発明の好ましい実施態様において、オリゴヌクレオチドタグは、(例えば、非パリンドローム制限部位AおよびCに対応する)適切なプライマーを添加し、PCR(通常、少なくとも約10
    サイクル、好ましくは約20〜25サイクルを使用する)を使用することによって、シグナルを提供したプレートA上の各部位から別々に増幅される。 使用されるサイクル数は、増幅される第1の核酸サンプルフラグメントおよび第2の核酸サンプルフラグメントの初期濃度に依存して変化する。 PCRの一般的な概説については、例えば、PCR Protocols:A Guide to Me
    thods and Applications(Innisら編,1990)
    、ならびに米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号を参照のこと。

    【0089】 一旦、オリゴヌクレオチドタグが増幅されると、クローンニングされたオリゴヌクレオチドを含むプラスミドのコロニーを含むか、またはプレートCと同じアドレスを有する複写フィルターに結合した増幅されたタグを有する、膜Cへのハイブリダイゼーションのためのプローブとして使用される。 代表的には、このP
    CR産物は、増幅に使用されるAプライマーおよびCプライマーにより標識される。 このプライマーは、膜C上の対応するオリゴヌクレオチドタグへのハイブリダイゼーションを検出するために、上記された検出可能な部分および標識(例えば、ビオチンおよび放射標識)を組み込む。

    【0090】 オリゴヌクレオチドタグのアドレスが決定された後、このリガンドの対応するアドレスが既知になる。 このリガンドおよび標的はさらに分析されて、それらの化学的な組成物を決定する。 例えば、このリガンドおよび標的が核酸によってコードされるポリぺプチドである場合、この核酸は配列決定され、このリガンドポリぺプチドおよび標的ポリぺプチドのアミノ酸配列が決定され得る。

    【0091】 (VIII.キット) 別の局面において、本発明は、本明細書中に記載の方法を実行するためのキットを提供する。 上記の方法において有用な試薬の組み合わせが、記載される方法におけるそれらの使用についての説明書と共にパッケージングされ得る。 特に、
    このようなキットは、各ライブラリー(例えば、タグライブラリー、リガンドライブラリーおよび標的ライブラリー)についての別々のマイクロタイタープレートおよび/または膜を含み得る。 このリガンドライブラリーおよび標的ライブラリーは、使用者によって提供され得るか、またはキットの一部分で有り得る。 好ましくは、このようなキットはまた、本明細書中に記載されるスクリーニング方法を実行するための説明書も含み得る。 さらに、このキットはまた、リガンドと標的との相互作用をアッセイ(例えば、ビオチン検出アッセイ)するための試薬も含み得る。 必要であれば、このキットは、タグをリガンドに結合するための試薬を含み得る。 さらに、このキットは、オリゴヌクレオチドタグを増幅するために使用され得る一組のプライマーを含み得る。

    【0092】 本発明は、特定の実施例についてより詳細に記載する。 以下の実施例は、例示のために提供され、そしていかなる様式においても本発明を限定することを意図されない。 当業者は、本質的に同じ結果を得るために変更され得るかまたは改変され得る、種々の重要ではないパラメーターを容易に認識する。

    【0093】 (実施例) (実施例1:オリゴヌクレオチドタグを使用してのタンパク質−タンパク質相互作用の同定) この実施例において、細胞内の各タンパク質の細胞内の全ての他のタンパク質との相互作用を同定する。

    【0094】 最初に、全長cDNAライブラリーを、目的の細胞株(例えば、癌細胞株)から作製する。 このライブラリーを、タンパク質を発現させるために、標準的な方法に従って発現ベクターに指向的に(directionally)クローニングする。 個々のコロニーを、96または384マイクロタイターウェル上に単離する(例えば、図1、プレートA−−標的プレートを参照のこと)。 マイクロタイタープレート中のコロニーのアレイを、膜上の位置がマイクロタイタープレート上の特定のウェルの位置に対応するように、ニトロセルロース膜またはナイロン膜(膜A)上に複写する。 この工程は、プレートB(リガンドプレート)を生成するために反復される。

    【0095】 第2に、オリゴヌクレオチドタグのライブラリーを作製する。 オリゴヌクレオチドを、標準的な方法論に従って合成する。 これは以下の構造を有する:5'−
    ANNNNNNNNNNNNC−3'、ここで、AおよびCは、制限エンドヌクレアーゼ部位を示し、これは非パリンドロームであり、互いに異なる。 NはA、
    G、C、U、もしくはT、またはそれらの合成的アナログもしくは天然に存在するアナログである。 適切なベクター(例えば、制限部位AおよびCを有するベクター)を、配列AおよびCを認識する制限エンドヌクレアーゼを用いて、ポリリンカー部位で消化する。 このオリゴヌクレオチドをベクター中に連結し、そしてE. coli中を相補鎖で満たし、次いで、E. coliをオリゴヌクレオチドライブラリーで形質転換する。 上記のように、個々のコロニーをマイクロタイタープレート中にアレイし、そして複写を膜上に作製する(図1、プレートC−−
    タグプレート、および膜C)。 これらのウェルおよび膜上の対応する部位は、オリゴヌクレオチドのための空間的なアドレスを提供する。 最後に、このオリゴヌクレオチドを、部位Aおよび部位Cに相補的なプライマーを使用して、アミノ改変Aおよびビオチン化Cプライマーを使用して増幅する。

    【0096】 次に、リガンドのライブラリーをオリゴヌクレオチドでタグ化する。 プレートCの各ウェルに対応するPCR産物を、プレートBの各ウェル中で発現されたタンパク質に結合し、その結果、プレートBおよびCのウェルが対応する。 例えば、ウェルC1からのオリゴヌクレオチドをウェルB1からのタンパク質に結合し、ウェルC2からのオリゴヌクレオチドをウェルB2中のタンパク質に結合する、など。 オリゴヌクレオチドは、カップリング剤(例えば、PierceからのEDC、第一級アミンにカルボキシル基を連結する)を使用して、タンパク質のカルボキシ末端に5'アミノ改変末端で結合される。

    【0097】 次に、このタグ化リガンドを、プレートAに対応する標的タンパク質と反応させる。 プレートBからのタグ化リガンドのアリコートをプールする。 このプールされたタグ化リガンドタンパク質を、プレートAに対応する膜A中の標的タンパク質のアレイと反応させる。 膜Aを、結合していないリガンドを除去するために大規模に洗浄し、そしてビオチン検出キットを使用して、プレートA上のどのコロニーがリガンドタンパク質に結合したのかを決定する。 この工程はまた、プレートAのタンパク質についての空間的なアドレスを提供する。

    【0098】 最後に、膜Aのタンパク質に結合したオリゴヌクレオチドタグおよび標的タンパク質を同定する。 結合したリガンドに由来するオリゴヌクレオチドタグを、P
    CRならびにビオチン化されたAプライマーおよびCプライマーを使用して増幅する。 AプライマーおよびCプライマーを、適切な制限エンドヌクレアーゼで消化することによってPCR反応物から除去し、そしてPCR反応物をストレプトアビジンカラム(ビオチン化プライマーを除去する)により精製する。 増幅されたオリゴヌクレオチドタグの各々を、プレートCに対応する膜Cにハイブリダイズさせ、オリゴヌクレオチドのアドレスを同定する。 一旦、このオリゴヌクレオチドタグのアドレスが確認されると、このリガンドの最初の供給源は、このリガンドの対応するアドレスを同定することによって解読される。 このリガンドおよび標的タンパク質は、プレートAおよびCの適切なウェル中のクローン化核酸インサートを配列決定することによってさらに同定される。 従って、プレートAタンパク質の身元を、オリゴヌクレオチドタグによってプレートBタンパク質の身元と相関付けすることにより、複数の標的リガンド相互作用を同時に同定することが可能である。

    【0099】 上記の説明は、例示的であり、かつ限定的でないことを意図されることが理解される。 上記の説明を読めば、多くの実施態様が当業者にとって明らかである。
    従って、本発明の範囲は、上記の記載を参照して決定されるべきではなく、添付される特許請求の範囲を参照して、そのような請求項が権利を与えられる等価物の全範囲と共に決定されるべきである。 特許出願および公開を含む、全ての文献および参考文献の開示は、全ての目的のために、本明細書中に参考として援用される。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 図1は、本発明の例について例証し、そしてプレートのアレイを示す。 ここで、プレートAは、標的プレートを表し、プレートBは、リガンドプレートを表し、そしてプレートCはタグプレートを表す。 この図はまた、(1)タグに対応するアドレスをタグ化リガンドに供給する工程、(2)タグ化リガンドをプールし、そしてそれらを標的と同時に反応させる工程、(3)結合したリガンドを同定する工程、(4)そのタグを増幅し、そしてそのタグアドレスを同定する工程、
    ならびに(5)対応するタグ化リガンドを同定する工程を概略的に示す。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/00 F Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 CA01 CA09 EA04 HA11 4B029 AA07 BB15 BB20 FA15 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ41 QQ79 QR33 QR48 QR56 QR59 QR66 QR84 QS34 QX01 QX02 QX07

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