首页 / 国际专利分类库 / 化学;冶金 / 冶金 / 合金 / 包含不同层,涂层或部分金属陶瓷的最后产物 / 超硬質の平坦な打撃面を有するピックツール

超硬質の平坦な打撃面を有するピックツール

申请号 JP2015533572 申请日 2013-09-25 公开(公告)号 JP5972470B2 公开(公告)日 2016-08-17
申请人 エレメント、シックス、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング; ELEMENT SIX GMBH; エレメント、シックス、アブレイシブズ、ソシエテ、アノニム; ELEMENT SIX ABRASIVES S.A.; 发明人 フランク、フリートリッヒ、ラハマン; ロバート、フライズ; ベルント、ハインリッヒ、リーズ;
摘要
权利要求

ピックツールであって、 ピック本体部に移動不能に取り付けられた打撃用部材を備え、 前記打撃用部材が、打撃用構造部を含み、 前記打撃用構造部が、超硬合金基材に接合された層であって多結晶ダイヤモンド(PCD)材料からなる層の形態であり、かつ平坦な打撃面を画定し、 前記打撃面が、刃先を画定し、 前記刃先は、前記打撃面の面内に円弧状の先端部を含み、かつ前記打撃面の面内に、前記先端部から分かれる略直線状の向かい合った刃セグメントを含み、前記刃先の長さは、前記刃先の向かい合った端部の間の直接的な距離の1.05〜1.5倍であり、 前記層の厚さは、少なくとも2.5ミリメートルであり、前記厚さは、前記打撃面から、前記打撃用構造部の対向する境界まで測定される、 ピックツール。前記刃先が、丸みを帯びている、または面取りされている、請求項1に記載のピックツール。前記先端部が、前記打撃面の面内で略尖形であり、前記刃先の複数の部分の間に頂点を形成している、請求項1又は2に記載のピックツール。前記刃先に隣接する前記PCD材料の少なくとも1つの領域が、前記PCD材料に含まれるダイヤモンド砥粒間の空隙を含んでいる、請求項1から3のいずれか一項に記載のピックツール。ダイヤモンド砥粒間の隙間内に充填材を含む前記刃先に隣接する前記PCD材料の少なくとも1つの領域において、前記充填材の含有量は、前記領域内の前記PCD材料の5重量パーセントより大きい、請求項1から4のいずれか一項に記載のピックツール。前記打撃用構造部が、積層構造で層として配置された複数のグレードのPCD材料を含み、隣接する層が、ダイヤモンド砥粒間の相互成長によって互いに直接的に結合されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のピックツール。前記打撃用構造部が、中間基材体積部および遠位基材体積部を含む基材に接合され、前記中間基材体積部が、前記打撃用構造部と前記遠位基材体積部との間に配置され、 前記中間基材体積部は、前記PCD材料の平均ヤング率の少なくとも60パーセントを有する中間材料を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のピックツール。前記ピックツールが、道路粉砕または採鉱のための装置用である、請求項1から7のいずれか一項に記載のピックツール。請求項1から8のいずれか一項に記載のピックツールおよびキャリア装置を含むアセンブリであって、 前記ピックツールおよび前記キャリア装置は、前記ピックツールを移動不能に前記キャリア装置に取り付けることができるように協働的に構成されている、アセンブリ。前記キャリア装置が、道路粉砕または採鉱のための装置用のドラムを備える、請求項9に記載のアセンブリ。請求項1から8のいずれか一項に記載のピックツールを製造する方法であって、 前記方法が、 複数のダイヤモンド砥粒および炭酸コバルトの前駆体材料を含む集合体を提供するステップと、 前記炭酸コバルトを対応するコバルト酸化物に変換するステップと、 コバルト金属の分散体を形成するよう前記コバルト酸化物を還元するステップと、 前記集合体を、超硬炭化タングステンを含む基材に接触させるステップと、 前記集合体を予焼結ディスク構造部に形成するステップと、 PCD材料の層からなる層を含む構造部を提供するために、前記コバルト金属の存在下で前記ダイヤモンド砥粒が互いに相互成長可能な圧および温度に前記ディスク構造部をさらすステップであって、前記PCD材料の前記層の全体の厚さが、少なくとも2.5ミリメートルであり、かつPCD材料の前記層は、前記基材に接合されており、前記PCD材料が、前記構造部の実質的に平坦な面を画定する、ステップと、 前記構造部から複数のセグメントを切断するステップであって、実質的に平坦なセグメント面を有する前記各セグメントが前記PCD材料によって画定され、前記セグメント面は前記セグメント面の面内に先端部を含む刃を画定する、ステップと、 刃先が前記セグメントの前記刃から形成され、前記刃先は、前記打撃面の面内に円弧状の先端部を含み、かつ前記打撃面の面内に、前記先端部から分かれる略直線状の向かい合った刃セグメントを含み、前記刃先の長さは、前記刃先の向かい合った端部の間の直接的な距離の1.05〜1.5倍である打撃用部材を設けるために前記各セグメントを処理するステップと、 前記打撃用部材が前記ピック本体部に対して移動することができないように前記ピック本体部に前記打撃用部材を取り付けるステップと、 を含む方法。前記方法が、前記刃先に丸みを帯びた部分または面取り部分を形成するステップを含む、請求項11に記載の方法。

说明书全文

本開示は、一般に、ピックツール、ピックツールを備えたアセンブリ、およびピックツールを製造する方法のための超硬質打撃用部材に関し、特に道路粉砕や採鉱のためのものに関するが、これに限定されない。

国際公開第2008/105915号パンフレットに、非平坦な界面で超硬金属炭化物の基材に結合した超硬質材料を有する高耐衝撃性ツールが開示されている。この界面で、基材は、基材の円筒状のリムから基材に形成された高く平坦な中心領域までのテーパ面を有する。超硬質材料は、1.27〜3.17ミリメートルの半径を有する鋭い先端部を伴う、尖形の形状を有する。また、超硬質材料は、先端部から基材の平坦な中心領域に2.54〜12.7ミリメートルの厚さを有する。他の実施形態では、基材は非平坦な界面を有していてもよい。

国際公開第2010/083015号パンフレットに、非円形断面を有するシャンク部と、このシャンク部から遠位に先端領域を含むヘッド部と、このヘッド部からシャンク部を分離する肩部と、先端領域の先端に取り付けられた切削インサートとを備える非回転式の採掘カッタのピックが開示されている。切削インサートは、炭化タングステンから形成された本体部と、超硬質材料から形成された要素とを含み、この超硬質材料から形成された要素は本体部に結合され、超硬質材料から形成された要素の第1の面の少なくとも一部が、切削インサートの切削面に露出している。

英国特許出願公開第2170843号明細書に、採鉱機械用の切削ツールが開示されており、この切削ツールは、ドラムの表面等の面に取り付けるのに適した一方の端部および反対側の作業端を有する保持突起と、この突起の作業端に接合されツールに刃先を設ける研削用成形体の当たり面を提示するインサートとを備える。インサートが接合されている突起の作業端は、成形体の当たり面の背後全体にある。

国際公開第2008/105915号

国際公開第2010/083015号パンフレット

英国特許出願公開第2170843号明細書

高耐摩耗性および高耐破壊性を有する超硬質先端を備えたピックツールが必要とされている。

第1の態様から見ると、ピック本体部に接合された打撃用部材が提供されている。この打撃用部材は、ピック本体部に移動不能に取り付けられた打撃用部材を備え、この打撃用部材は、打撃用構造部を含み、この打撃用構造部は、超硬質材料を含み、かつ平坦な打撃面を画定し、この打撃面は、打撃面の面内に先端部を含む刃先を画定し、この刃先に隣接する打撃用構造部の少なくとも1つの近位体積部の厚さは、少なくとも約2ミリメートル、少なくとも2.5ミリメートル、少なくとも3ミリメートル、または少なくとも4ミリメートルであり、上記厚さは、打撃用構造部の打撃面から、対向する境界までである。

打撃用部材およびピックツールのさまざまな組み合わせおよび構成が、本開示によって想定され、非限定的かつ非網羅的な以下の例が、互いに1つまたは複数を組み合わせて使用され得る。

いくつかの例示的な構成では、近位体積部の厚さは、刃先全体に実質的に沿って、少なくとも約2ミリメートル、少なくとも2.5ミリメートル、少なくとも3ミリメートル、または少なくとも4ミリメートルとすることができる。いくつかの例示的な構成では、近位体積部すなわち打撃用構造部全体の厚さは、最大で約8ミリメートル、最大で約6ミリメートル、または最大で約4ミリメートルとすることができる。

いくつかの例示的な構成では、打撃用構造部は、基材に接合することができる超硬質材料を含む層の形態であってもよく、この層の平均の厚さは、少なくとも2つのミリメートル、少なくとも2.5ミリメートル、少なくとも3ミリメートル、または少なくとも4ミリメートルである。いくつかの例示的な構成では、打撃用構造部は、超硬合金基材に接合された層の形態であってもよい。

いくつかの例示的な構成では、近位体積部の厚さは、刃先から離れた打撃用構造部の遠位体積部の厚さよりも実質的に大きくてもよい。

いくつかの例示的な構成では、近位体積部は、打撃面に平行な方向に刃先から少なくとも約2ミリメートルまたは少なくとも約4ミリメートル延在するか、または、近位体積部は、刃先から打撃面の反対側の端部に延在していてもよい。

いくつかの例示的な構成では、刃先は、丸みを帯びているか、または面取りされてもよい。

刃先がピック本体部の近位端から突出して、分解される物体を切断可能に露出しているように、打撃用部材およびピック本体部を構成することができる。いくつかの例示的な構成では、ピック本体部が遠位端にシャンクを含むことができ、このシャンクは、駆動装置に取り付けられたベースへの取り付けのために構成されている。

いくつかの例示的な構成では、刃先は、先端部から分かれる略直線状の向かい合った刃セグメント(すなわち部分)を含むことができる。さまざまな例示的な構成では、先端部は、打撃面の面内で、円弧状、略尖形、または略直線状であってもよい(直線状の先端部では、複数の点による線が、ピック本体部から略等距離に突き出るかもしれない)。

いくつかの例示的な構成では、刃先の向かい合った端部が、第1の距離だけ直接的に離間してもよく、この端部の間の刃先の長さが第2の距離であり、打撃用部材は、第1の距離に対する第2の距離の比が、少なくとも約1.05、およびまたは、最大で約1.5であることができるように構成されている。

いくつかの例示的な構成では、超硬質材料は、多結晶ダイヤモンド(PCD)材料、多結晶立方晶窒化ホウ素(PCBN)材料、または炭化ケイ素に結合されたダイヤモンド(SCD)材料を含み得るか、またはこれらの材料から構成され得る。

いくつかの例示的な構成では、打撃用構造部は、PCD材料を含むことができ、刃先に隣接する少なくとも1つの領域において、PCD材料に含まれるダイヤモンド砥粒間に空隙が含まれていてもよい(例えば、充填材は、酸浸出により除去されていてもよい)。領域内のPCD材料は、約2重量パーセント未満の充填材を含んでいてもよい。

いくつかの例示的な構成では、打撃用構造部はPCD材料を含むことができ、刃先に隣接するPCD材料の少なくとも1つの領域において、ダイヤモンド砥粒間の隙間内に充填材を含むPCD材料から構成され得、この充填材の含有量は、領域内のPCD材料の5重量パーセントより大きい。例えば、充填材は、コバルト等の、ダイヤモンドのための触媒材料を含んでもよい。

いくつかの例示的な構成では、打撃用構造部は、実質的にPCDの単一グレードから構成されてもよく、また、層状または積層配置のようなさまざまな方法で配置された複数のPCDグレードを含んでもよい。例えば、打撃用構造部は、積層構造で層として配置されたPCD材料の複数のグレードを含んでいてもよく、隣接する層は、ダイヤモンド砥粒の相互成長によって(例えば、ダイヤモンド砥粒を直接相互結合することによって)互いに直接的に結合されている。

いくつかの例示的な構成では、基材は、中間基材体積部および遠位体積部を含むことができ、中間基材体積部は、超硬質構造部と遠位基材体積部との間に配置されている。中間基材体積部は、超硬質材料の少なくとも60パーセントの平均ヤング率を有する中間材料を含んでもよい。

いくつかの例示的な構成では、打撃用部材は、ピック本体部に移動不能に取り付けられてもよく、ピックツールを、協働的に構成されたキャリア装置に回転不能に取り付けるように構成することができる。

ピックツールは、道路粉砕または採鉱のための装置用であってもよい。

第2の態様から見ると、本開示によるピックツールおよびキャリア装置を備えるアセンブリが提供され、このピックツールおよびキャリア装置は、ピックツールを回転不能にキャリア装置に取り付けることができるように協働的に構成されている。キャリア装置は、道路粉砕または採鉱のための装置用のドラムを含むことができる。

第3の態様から見ると、本開示によるピックツールを製造するための方法が提供されている。この方法は、基材に接合された超硬質材料の層を含むディスク等の構造部を提供するステップであって、この超硬質材料は、ディスクの実質的に平坦な面を画定し、この層は、平坦な面から層の対向する境界への層の厚さが少なくとも約2ミリメートルである少なくとも1つの領域を含む、ステップと、構造部からセグメントを切断するステップであって、実質的に平坦なセグメント面を有するセグメントが超硬質材料によって画定され、セグメント面はセグメント面の面内に先端部を含む刃を画定し、先端部が領域から切断されるようにセグメントは構造部から切断され、先端部に隣接する超硬質材料の近位体積部の厚さが少なくとも約2ミリメートルである、ステップと、刃先がセグメントの刃から形成される打撃用部材を設けるためにセグメントを処理するステップと、打撃用部材がピック本体部に対して移動することができないようにピック本体部に打撃用部材を取り付けるステップとを含む。

いくつかの例では、この方法は、構造部から複数のセグメントを切断するステップ、および、複数の打撃用部材を設けるためにセグメントを処理するステップを含んでもよい。

いくつかの例では、超硬質材料は、PCD材料を含んでもよく、そして、いくつかの例では、超硬質材料の層は、少なくとも約2ミリメートル、少なくとも2.5ミリメートル、少なくとも約3ミリメートル、または少なくとも約4ミリメートルの平均厚さを有することができる。超硬質層の厚さは、最大で約8ミリメートル、最大で約6ミリメートル、または最大で約4ミリメートルとすることができる。

いくつかの例示的な構成では、超硬質材料は、多結晶ダイヤモンド(PCD)材料、多結晶立方晶窒化ホウ素(PCBN)材料、または炭化ケイ素に結合されたダイヤモンド(SCD)材料を含み得るか、またはこれらの材料から構成され得る。

いくつかの例では、この方法は、複数のダイヤモンド砥粒およびダイヤモンド砥粒の相互成長を促進するための触媒材料源を含む集合体を提供するステップと、この集合体を予焼結構造部に形成するステップと、多結晶ダイヤモンド材料を含む構造部を提供するために、ダイヤモンド砥粒が触媒材料の存在下で相互成長が可能である圧および温度にこの予焼結構造部をさらすステップとを含むことができる。

さまざまな例では、触媒材料源は、混合粉末のような集合体内に分散した砥粒の形態、または、ダイヤモンド砥粒もしくはダイヤモンド砥粒に付着した粒子のコーティングの形態であってもよい。触媒材料源は、触媒材料、または触媒材料を得ることができる前駆体材料を含むことができる。例えば、触媒材料源は、コバルトまたはコバルトを含む化学化合物を含み得るか、またはこれらから構成され得る。いくつかの例では、この方法は、前駆体材料から触媒材料を提供するために、例えば加熱することによって、集合体を処理するステップを含むことができる。

いくつかの例では、この方法は、超硬炭化タングステンを含む基材と集合体を接触させるステップを含むことができる。

いくつかの例では、この方法は、刃先に丸みを帯びた部分または面取り部分を形成するステップを含むことができる。

いくつかの例では、層全体の厚さを、少なくとも約2ミリメートルとすることができる。

いくつかの例では、基材が凹部を含むことができ、この凹部に隣接する領域にある超硬質材料の層の厚さを少なくとも約2ミリメートルとすることができる。

本開示を例示するための非限定的な配置例は、添付の図面を参照して以下に説明される。

例示的なピックツールの模式的な斜視図である。

例示的なピックツールの別の模式的な斜視図である

例示的な打撃用部材の模式的な平面図である。

例示的な打撃用部材の別の模式的な平面図である。

例示的な打撃用部材の模式的な断面図である。

例示的な打撃用部材の別の模式的な断面図である。

例示的な打撃用部材のさらに別の模式的な断面図である。

例示的な打撃用部材のさらに別の模式的な断面図である。

平面図(上図)に示される例示的な打撃用部材と、そのA−A部分の模式的な断面図(下図)である。

刃先に隣接する例示的な打撃用部材の模式的な部分断面図である。

刃先に連接する例示的な打撃用部材の別の模式的な部分断面図である。

超硬質ディスクの模式的な平面図であり、そこから切断される打撃用先端部の例示的なセグメントの輪郭を示す図である。

ディスクの模式的な平面断面図である。

打撃用部材のセグメントの模式的な平面図である。

例示的なディスクの模式的な断面図およびそこから切断され得る打撃用部材を製造するための例示的なセグメントを示す図である。

道路粉砕機のための例示的なドラムの模式的な斜視図である。

図1および図2を参照すると、例示的なピックツール100はそれぞれ、各超硬合金支持体120にろう付けされた打撃用部材110を備え、この超硬合金支持体120は各スチールベース130にろう付けされている。スチールベース130は、道路粉砕用ドラムまたは道路粉砕もしくは採鉱のための他のキャリア装置(不図示)に取り付けられたベースブロック(不図示)に、ピックツール100を連結するためのシャンク132を備える。シャンク132は、ピックツール100の打撃用部材110の、刃先114と反対側の端にある。ピックツール100とキャリア装置との間の連結機構は、ピックツール100が、使用中にキャリア装置に対して回転することができないように構成され得るため、打撃面112および刃先114は、使用中に分解される物体を切断するのに適した向きのままになることを確実にする。図1に示す特定の例示的な構成では、ピックツール100に含まれる超硬合金材料の量を低減するために、ピックツール100は、打撃用部材110の両側に1対の一般に凹状の側面134A、134Bを設けるように構成されている。この凹状の側面134A、134Bは、部分的にスチールベース130、そして部分的に超硬合金支持体120によって形成されている。

これらの例では、打撃用部材110は、超硬合金基材に接合された多結晶ダイヤモンド(PCD)材料の層を含む(この基材は、支持体120の内部に形成されたそれぞれの凹部内に配置されているため、図1または図2に表示されていない)。これらの例では、PCDの層は、約2〜約2.5ミリメートルの厚さである。略平坦な打撃面112は、基材との境界面に対向するPCD材料の主な露出面によって画定される。打撃面112は、使用中に分解される物体(不図示)を切断することができるように、ピック本体部120を最遠まで越えて突出した刃先114を画定する。刃先114は、打撃面112の面内に先端部115を含む。図1に示す特定の例では、先端部115は略尖形であり、刃先114の略直線状の分かれた部分116A、116Bの対間に頂点を形成している。

図2および図3を特に参照すると、例示的な打撃用部材110の先端部115は、各刃先114の、略直線状の分かれた部分116A、116Bの各対間に円弧状移行部を形成し打撃面112の面内で湾曲することができる。打撃面112の面積は、図1に示した例よりも実質的に小さく、PCD材料は、超硬合金材料よりも提供するのにより費用がかかるため、ピックツール100の費用を削減する側面を有する可能性が高い。

図4を特に参照すると、例示的な打撃用部材110の刃先は、先端部115と、この先端部115の向かい合った刃部116とを含み、平面図で見た場合に、刃114が打撃用部材110の両側の点A、B間に延在する。刃先114の対向する端部A、Bは、直接に第1の距離D1だけ離間され、刃先114の長さは、第2の距離D2となっている。いくつかの例では、打撃用部材110は、第1の距離D1に対する第2の距離D2の比が少なくとも約1.05、およびまたは最大で約1.5とすることができるように構成され得る。これにより、横方向および縦方向に延在する刃先間の適切なバランスを達成する可能性が高く、その結果、一方の切断または掘削効率と他方の破壊抵抗との間のバランスがとれる。

図5を特に参照すると、例示的な打撃用部材110は、PCD材料から成り超硬合金基材113に接合された打撃用構造部111を含み、PCD打撃用構造部111は、PCD打撃用構造部111の基材113との境界104に対向する平坦な打撃面112を画定している。この特定の例では、PCD打撃用構造部111は複数の層117を含み、連続した層117が、交互に配置された異なるグレードのPCD材料を含んでいる。他の構成を他の例で使用することができるが、この例では、層117は、一般に、打撃面112に平行に配置されている。各層117は、約30〜300ミクロンの範囲の厚さを有することができる。この例では、打撃用構造部111の打撃面112から対向する境界104へ測定されたPCD打撃用構造部111の全体の厚さTは、約3ミリメートルである。この例では、基材113との界面での打撃用構造部111の境界104は、略平坦で打撃面112に平行であり、打撃用構造部111の厚さTは、打撃用構造部111全体にわたって略一定である。先端部115と刃先114もまた、図面に示されている。

図6を特に参照すると、例示的な打撃用部材110は、超硬合金基材113に接合されたPCD打撃用構造部111を含み、PCD打撃用構造部は、PCD打撃用構造部111の基材113との境界104に対向する平坦な打撃面112を画定している。この特定の例では、PCD打撃用構造部111は、打撃面112に隣接する(および基材113から離れた)体積部119を含み、ダイヤモンド砥粒間に空隙が含まれている。いくつかの例では、体積部119は、打撃面112から、少なくとも約50ミクロンから約400ミクロンの深さまで延在してもよい。空隙は、例えば、酸での処理により充填材を除去することによって作成され得る。この例では、打撃用構造部111の打撃面112から対向する境界104に測定されたPCD打撃用構造部111の全体の厚さTは、約3ミリメートルである。この例では、基材113との界面での打撃用構造部111の境界104は、略平坦で打撃面112に平行であり、打撃用構造部111の厚さTは、打撃用構造部111全体にわたって略一定である。先端部115と刃先114もまた、図面に示されている。

図7を特に参照すると、例示的な打撃用部材110は、超硬合金基材113に接合されたPCD打撃用構造部111を含み、このPCD打撃用構造部は、PCD打撃用構造部111の基材113との境界104に対向する平坦な打撃面112を画定している。この特定の例では、打撃用部材110は、PCD打撃用構造部111よりも実質的に柔らかい材料から成る保護層109を含み、この保護層109は、PCD打撃用構造部111の打撃面112に接合されている。保護層119は、少なくとも約10ミクロンまたは少なくとも約50ミクロン、最大で約200ミクロンの厚さを有することができる。保護層109は、超高圧(例えば、少なくとも約5.5GPa)および高温(例えば、少なくとも約1,250℃)でPCD材料を焼結する工程中にその中にPCD材料が含まれていたジャケットまたはカプセルからの材料を含むことができる。さまざまな例では、保護層は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、またはタンタル(Ta)等の高融点金属を含み得る。保護層は、それ自体がサブ層から形成され得る。例えば、金属炭化物を含むサブ層を、PCD打撃用構造部に接合してもよく、元素または非炭化合金の形態で金属を含むサブ層が、サブ層上に存在してもよい。この金属炭化物を含むサブ層は、PCD材料が焼結された、またはPCD材料による集合体内での、金属とダイヤモンドからの炭素との間の化学反応により生じる可能性がある。他の例では、保護層109を、例えば、化学蒸着(CVD)または物理蒸着(PVD)により、焼結工程の後に、PCD打撃用構造部111上に堆積させることができる。打撃面112および打撃用構造部111の対向する境界104から測定されるPCD打撃用構造部111の厚さTは、約3ミリメートルである。この例では、基材113との界面での打撃用構造部111の境界104は、略平坦で打撃面112に平行であり、打撃用構造部111の厚さTは、打撃用構造部111全体にわたって略一定である。先端部115と刃先114もまた、図面に示されている。

図8を特に参照すると、例示的な打撃用部材110は、PCD材料からなり超硬合金基材113に接合された打撃用構造部111を含み、PCD打撃用構造部111は、PCD打撃用構造部111の基材113との境界104に対向する平坦な打撃面112を画定している。この特定の例では、基材113は、中間基材体積部113−Iおよび遠位体積部113−Rを含み、この中間基材体積部113−Iは、PCD打撃用構造部111と遠位基材体積部113−Rとの間に配置されている。いくつかの例では、中間基材体積部113−Iは、PCD打撃用構造部111の体積よりも大きくてもよく、または中間基材体積部113−Iは、PCD打撃用構造部111の体積よりも小さくてもよい。中間基材体積部113−Iは、超硬質構造部111の平均ヤング率の少なくとも60パーセントを有する中間材料を含む。中間基材体積部113−Iは、PCD打撃用構造部111と基材113の遠位基材体積部113−Rの中間の剛性を有し、基材113の遠位基材体積部113−Rは、少なくとも約650GPa、最大で約900GPaのヤング率を有する材料を含むことができる。特定の例では、中間基材体積部113−Iは、炭化物砥粒およびダイヤモンド砥粒を含み、打撃用構造部111のヤング率は、少なくとも約1,000GPaである。打撃用構造部111の打撃面112から中間基材体積部113−Iと対向する境界104に測定されるPCD打撃用構造部111の厚さTは、約2ミリメートルとすることができる。この例では、基材113との界面での打撃用構造部111の境界104は、略平坦で打撃面112に平行であり、打撃用構造部111の厚さTは、打撃用構造部111全体にわたって略一定である。先端部115と刃先114もまた、図面に示されている。

図9は、例示的な打撃用部材110を、平面図(上図)とそのA−A部分に対応する断面図(下図)に模式的に示している。打撃用構造部111は、PCD材料から成り、打撃用構造部111の境界104で基材103に接合されている。先端部115は、刃先114の、略直線状の分かれた部分116A、116Bの対間に円弧状移行部を形成し、打撃面112の面内で湾曲している。この例では、PCD打撃用構造部111の境界104は、その全範囲にわたって平坦ではなく、刃先114に隣接する基材113内に深く突出する部分を含む(基材113に対応する窪みがある)。打撃用構造部111の近位体積部107は、このように刃先114に隣接して設けられ、この近位体積部107の厚さTは約3ミリメートルである。刃先114から離れた遠位体積部106は、約2ミリメートルの厚さを有する。近位体積部107は、打撃面112と平行に刃先114から約3ミリメートルの距離Lだけ延在している。

図10および図11は、各刃先114に隣接する打撃用部材を部分的に示している。各図において、打撃用構造部111は、PCD材料から成り、打撃用構造部111の境界104で超硬合金基材113に接合されている。刃先114に隣接する打撃用構造部111の厚さTは約2.5ミリメートルであり、刃先114は、打撃面112によって画定されている。図10に示す例では、刃先114は研がれ(丸く)、図11に示す例では、刃先114は面取りされている。

打撃用部材を製造する方法が、図12A、図12B、および図12Cを参照して説明されよう。例示的な方法は、ディスク200から複数のセグメント310を切り出すステップと、それぞれの完成した打撃用部材を設けるために、各セグメントを処理するステップを含む。この例では、ディスク200は、約70ミリメートルの直径を有する円形であり、超硬合金基材213に接合し形成されたPCD材料の層211を含む(本明細書中で使用される、「接合し形成された」という語句は、PCD材料がダイヤモンド砥粒と焼結することによって形成されるのと同じ工程で、PCD材料が基材に接合された状態になることを意味し、この工程の例は以下に説明される)。特定の例では、PCD層211は、約2〜約2.5ミリメートルの厚さとすることができる。他の例では、この層211は実質的により厚くてもよく、比較的厚いPCD層211は、その他が同じであれば、破壊に対してより耐性があることを期待されている。ディスク200は、外周側218で繋がっている1対の平坦な対向する主要端面を有し、1つの主要面212は、PCD材料によって画定されている。

図12Aを参照すると、複数のセグメント310を、スクラップ構造部220を残して、ディスク200から切断することができる。このスクラップ構造部250の体積を減らすために、できるだけ多くのセグメント310をディスク200から切断することができるように、所定の切断配置が構成され得る。

例示的な切断されたセグメント310は、図12Cに示されている。切断されたセグメント310は、意図された打撃用部材のように実質的に構成され得る。例えば、セグメント310の少なくともいくつかは、各先端部315がその両側のセグメントの先端部間に位置するように、交互に配置されてもよい。セグメント310を、放電加工装置(EDM)を用いて切断することができ、このEDMはディスクを通じて導電性ワイヤを動かす(ワイヤがディスクに対して垂直に延びる)。また、PCD材料を切断するために他の方法を使用してもよい。次に、それぞれの完成した打撃用部材を形成するために、切断された各セグメント310を、例えば、最終的な寸法、耐久性、および表面仕上げに研削することによって処理することができる。各セグメント310の先端部315を含む刃314は、面取りされ、または丸みを帯びるようにされて、それぞれの打撃用部材のそれぞれの刃先を形成することができる。

複数の打撃用構造部を作製する例示的な方法が、図13を参照して説明されよう。超硬炭化タングステン材料を含む基材213に層211の境界204で接合されたPCD材料から成る層211を含む、ディスク構造部200が提供され得る。このPCD層211は、非平坦な境界204に対向するディスク200の略平坦な面212を画定している。層211は平坦な面212から層211の対向する境界204への層211の厚さTが、約3ミリメートルである第1の領域207を含む。この例では、層211は、層211の厚さが約2ミリメートルである第2の領域206を含む。この方法は、ディスク300から単一のセグメント310(または複数のセグメント310)を切断するステップを含み、このセグメント310は超硬質材料によって画定された略平坦なセグメント面312を有し、このセグメント面312は、セグメント面312の面内に先端部315を含む刃314を画定している。セグメント310は、先端部315が第1の領域207から切断されるようにディスク200から切断され、この先端部315はディスク200を通る線Aに対応し、この先端部315に対向するセグメント310の端部はディスク200の第2の領域206を通る平面Bに対応する。

一般に、ダイヤモンド砥粒と共に焼結し、基材ディスクに接合されたPCD層を形成するために、複数のダイヤモンド砥粒を含む集合体を超硬合金基材ディスクに配置し、そして、ダイヤモンドのための触媒材料の存在下で得られた予焼結アセンブリを、ダイヤモンドがグラファイトよりも熱力学的により安定になる超高圧および高温にさらすことによってPCDディスクを作製することができる。超硬合金基材内のバインダ材料は、コバルト、鉄、ニッケル、またはこれらのいずれかを含む混合物や合金等の、触媒材料源を提供することができる。触媒材料源は、例えば、混合粉末またはダイヤモンド砥粒上の付着物の形態で、ダイヤモンド砥粒の集合体の中に提供されてもよい。触媒材料源を、集合体と基材本体部との間の境界以外の集合体の境界に近接して提供することができ、例えば、焼結したPCD打撃用構造部の打撃用先端部に対応し得る集合体の境界に隣接して提供することができる。ダイヤモンドのための触媒材料(およびまたは触媒材料のための前駆体材料)が集合体に含まれる方法は、PCDの比較的厚い層を作ることができる側面を有する可能性が高い。触媒材料源が基材に含まれるが、集合体に含まれない例では、触媒材料が集合体を通じて均一に浸透しない可能性があるため、PCD層の実質的に達成可能な厚さは、集合体を通じて融解した触媒材料の浸透によって制限される可能性がある。

いくつかの方法では、ダイヤモンド砥粒の集合体は、触媒材料のための前駆体材料を含むことができる。例えば、集合体は、特定の金属炭酸塩の結晶中に、金属炭酸塩の前駆体材料を含むことができ、この方法は、(例えば、熱分解すなわち分解によって)、バインダの前駆体材料を対応する金属酸化物に変換するステップと、ダイヤモンド粒子の塊を有する金属酸化物ベースのバインダの前駆体材料を混合するステップと、ダイヤモンド粒子の表面に分散した金属酸化物の前駆体材料を作成するために、この混合物を粉砕するステップとを含む。金属炭酸塩の結晶を、炭酸コバルト、炭酸ニッケル、炭酸銅などから選択することができ、特に炭酸コバルトが選択され得る。金属酸化物の平均粒径が約5nm〜約200nmの範囲になるまで、触媒の前駆体材料を粉砕することができる。金属酸化物を、例えば炭素存在下で真空式および/または素還元によって、金属分散体に還元することができる。炭酸コバルト結晶等の金属炭酸塩の熱分解を制御することにより、例えば、コバルト酸化物(Co3O4)のような、対応する金属酸化物を作成する方法が提供され、これにより、還元されてコバルト金属分散体を形成することができる。酸化物の還元を、炭素存在下で真空式および/または水素還元によって、行うことができる。

ディスク構造部200は、複数のダイヤモンド砥粒とコバルト源とを含む集合体を提供し、そして、予焼結アセンブリを提供するためにこの集合体を超硬合金基材の表面に接触させることによって提供され得る。基材の表面は、焼結されたPCD層の第1の領域の207に対応するように複数の凹部を含むことができる。予焼結アセンブリは、基材に接合されたPCD層を設けるために、直接一緒にダイヤモンド砥粒を焼結するのに適した圧力および温度にさらされる。

いくつかの例示的な方法では、集合体は、実質的に遊離したダイヤモンド砥粒、またはバインダ材料によって一緒に保持されたダイヤモンド砥粒を含むことができる。集合体は、顆粒、ディスク、ウエハ、またはシートの形状であってもよく、コバルト等のダイヤモンドのための触媒材料、およびもしくは、例えば、異常なダイヤモンド砥粒の成長を減少させる添加剤を含んでもよく、または集合体は、触媒もしくは添加剤を実質的に含まなくてもよい。

いくつかの例示的な方法では、バインダ材料によって一緒に保持された複数のダイヤモンド砥粒を含むシートの形状で、集合体を提供することができる。シートを、例えば、押出成形またはテープキャスティングなどの方法によって作製することができ、ここで、スラリーに、所望の各PCDグレードを作製するのに適したそれぞれのサイズ分布を有するダイヤモンド砥粒が含まれ、そして、バインダ材料は、表面上に広がって、乾燥できる。また、米国特許第5766394号明細書および第6446740号明細書に記載されるような、ダイヤモンド含有シートを作製するための他の方法も使用され得る。ダイヤモンド支持層を堆積させるための別の方法は、溶射等の吹付け法を含む。バインダ材料は、メチルセルロースまたはポリエチレングリコール(PEG)等の水系の有機バインダを含んでもよく、異なるサイズ分布やダイヤモンドの含有量を有するダイヤモンド砥粒、およびまたは添加剤を含む異なるシートが提供され得る。例えば、約15ミクロン〜約80ミクロンの範囲の平均サイズを有するダイヤモンド砥粒を含むシートを提供することができる。ディスクがシートから切断され得るか、またはシートが細分化されてもよい。また、シートは、コバルト等のダイヤモンドのための触媒材料、およびまたはこの触媒材料のための前駆体材料、ならびにもしくはダイヤモンド砥粒の異常成長を抑制するためのまたはPCD材料の特性を高めるための添加剤を含むことができる。例えば、シートは、約0.5重量パーセント〜約5重量パーセントの、炭化バナジウム、炭化クロム、または炭化タングステンを含むことができる。

セメントまたはバインダ材料がコバルト等のダイヤモンドのための触媒材料を含む、超硬合金を含む基材本体部が提供され得る。基材本体部は、PCD打撃用構造部が形成されるべき非平坦または略平坦な近位端を有することができる。例えば、この近位端は、PCD内の残留応力を低減または少なくとも緩和するように構成され得る。一般的に円錐形の内部表面を有するカップ、ジャケット、またはキャニスタを、基材本体部上にダイヤモンド集合体を組み立てる際に使用するために提供することができ、このダイヤモンド集合体は、ダイヤモンド含有シートのアセンブリの形態であってもよい。集合体を、カップに入れ、内部表面に対して実質的にコンフォーマルに適合するように配置することができる。基材本体部を、次に、最初に入る近位端と共にカップに挿入し、ダイヤモンド砥粒の集合体に押圧することができる。予焼結アセンブリを形成するために、基材本体部は、その上に配置されかつ第1のカップと相互に係合または接合している第2のカップによって、集合体に対してしっかりと保持され得る。

基材ディスクの主表面に対して配置された集合体層を含む予焼結アセンブリを、超高圧プレス用のカプセルに入れることができる。予焼結アセンブリは、次に、少なくとも約5.5GPaでの超高圧および少なくとも約1,300°Cでの温度にさらされて、ダイヤモンド砥粒を焼結し、基材本体部上に焼結されたPCD打撃用構造部を含む構造部を形成する。

次に、刃先がセグメントの端部から形成される打撃用部材を設けるために、例えば、刃先に面取り部すなわち研がれた部分を形成することで、セグメントを処理することができる。次に、打撃用部材を、ピック本体部に取り付けることができる。

各完成した打撃用部材を、ろう付け材料によってピック本体部に接合することができる。適切なろう付け材料の層を、打撃用部材の基材と、打撃用部材を収容するように構成されているピック本体部の領域との間に接触するように配置することができ、ろう付け合金をその融点以上に加熱後、冷却することにより、片側の打撃用部材と反対側のピック本体部に結合したろう層が設けられる。熱的に安定なPCD、または多結晶の立方晶窒化ホウ素(PCBN)もしくは炭化ケイ素接合のダイヤモンド(SCD)等の他の熱的に安定な超硬質材料からなる打撃用部材は、ろう付け時の熱劣化に対して比較的強い可能性が高い。

いくつかの例では、打撃用部材を機械的手段によってピック本体部に取り付けることができるように、打撃用部材およびピック本体部が協働的に構成され得る。例えば、溝型の機構を用いることができ、すなわち打撃用部材の側面は、ピック本体部内に形成された凹部の両側に形成されている対応するフランジ構造部と合致することができる。いくつかの例では、ろう付けや機械的手段の組み合わせが使用されてもよい。

より柔らかいマトリックス構造内に分散した(例えば、石など)の堅い構造を有する物体を破壊するために打撃用部材が使用される例では、一般に打撃用部材、特に刃先の構成を、物体の組成に応じて選択することができる。例えば、本開示による打撃用部材を備えたピックを、タール系のマトリックス中に分散された石の粒を含み得るアスファルトを含む道路や舗装体を破壊するために使用することができる。

ドラム400を備える例示的なピックアセンブリが図14に示されており、複数のピックツール100が、それぞれのピックホルダを介してドラム400の湾曲面410に取り付けられている。ドラム400の回転軸Dは、ドラム400の中心軸に沿って延在し、その湾曲面410に平行である。このドラムは、回転軸Dを中心に回転するようにドラムを駆動することができる駆動車に搭載されることが可能である。

作業中、ドラム400が回転駆動されるようにピックツール100を駆動することができる。ピック100は、ドラム400上に配置され、ドラム400が使用中に回転駆動されると、ピックツール100の刃先と打撃面が、分解される物体内(例えば、道路や岩など)に駆動され得る。打撃用部材の刃先が物体を切断すると、物体から除去された材料は、打撃面上を通過する。したがって、ピックツールの超硬質打撃用構造部は、物体から材料を切り離しながら、物体を切断および掘削するように駆動され得る。

非回転式のピックは、回転式のピックよりも、より予測可能な方法で摩耗し得る側面を有することが可能である。なぜなら、回転式のピックは、ピックのシャンクとホルダとの間に堆積するデブリに因って、使用の際に回転できなくなる傾向があるためである。

これらを含む開示された打撃用部材およびピックは、良好な作業寿命と高い材料除去効率を有することができる。開示された構成は、物体すなわち分解される形成物を貫通する際のピックの有効性を強化する側面を有することができ、その結果、作業が効率化される。

打撃用構造部が薄すぎる場合には、使用中に早く破損する可能性がある。ただし、提供される打撃用構造部は十分に厚い場合、実質的に平らな打撃面を含む比較的簡単な構成で打撃用部材を使用することができる。少なくとも、これらは比較的単純な形状を有し、例えば、ディスクから切断され得るため、製造が比較的容易かつ効率的である可能性が高い。

比較的厚い超硬質打撃用構造部は、触媒材料が基材のみで提供される方法とは対照的に、超硬質材料を焼結するための触媒材料が、焼結される集合体の超硬質材料の砥粒と組み合わせて提供される方法でより容易に製造され得る。特定の理論に拘束されるべきではないが、焼結される集合体を通じた集合体の外部源(例えば、基材)からの融解した触媒材料の浸透により、焼結され得る構造部の厚さが制限され得るためであるかもしれない。例えば、超硬質砥粒に混合砥粒またはコーティングとして、集合体内に触媒材料を提供することによって、この問題を克服する可能性があり、十分に厚い超硬質構造部を焼結することを可能にする。

超硬質構造部が異なるグレードの超硬質材料の交互の層を含む、または打撃面が保護コーティングで被覆されている打撃用部材は、破壊リスクの低下、すなわち実質的に破壊を遅らせる側面を有することができる。また、超硬質構造部に隣接する基材の領域が比較的高い弾性(例えばヤング)率を有する打撃用部材も、この側面を有することができる。打撃面に隣接する超硬質材料が空隙を含む打撃用部材は、打撃面と刃先の形状を、摩耗の過程によって分解される材料の種類などの使用条件に適合することが可能である側面を有することができる。特定の理論に拘束されるべきではないが、打撃面と刃先に隣接する超硬質材料の耐摩耗性がわずかに低下すると、それが物体に当たる際の、超硬質構造部の破壊の可能性を低減することができる。これは、例えば、多結晶の超硬質構造部内の超硬質材料の砥粒間の充填材の少なくとも一部を除去することによって、およびまたは打撃面に接合したより柔軟な材料の層を組み込むことにより、達成され得る。いくつかの例では、耐破壊性を、打撃面に隣接する超硬質砥粒間に充填材を保持することによって高めることができる。一般に、耐破壊性を向上させる手段が、結果として耐摩耗性を低下させる可能性があり、超硬質材料や使用条件に依存し得るこれらの側面間のトレードオフが達成される必要がある。

本明細書で使用される特定の用語および構想を、以下に簡単に説明する。

合成および天然ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド(PCD)、立方晶窒化ホウ素(cBN)および多結晶cBN(PCBN)材料は、超硬質材料の例である。本明細書において、人工ダイヤモンドとも呼ばれる合成ダイヤモンドは、製造されたダイヤモンド材料である。本明細書において、多結晶ダイヤモンド(PCD)材料は、複数のダイヤモンド砥粒の集合体を含み、その実質的な部分は、直接互いに相互結合し、ここでのダイヤモンドの含有量は、この材料の少なくとも約80体積パーセントである。ダイヤモンド砥粒間の隙間を、合成ダイヤモンドのための触媒材料を含み得る充填材料で少なくとも部分的に充填することができ、またはこれらは実質的に空であってもよい。本明細書において、合成ダイヤモンドのための触媒材料は、合成ダイヤモンド砥粒の成長、およびまたは合成もしくは天然ダイヤモンドが熱力学的に安定である温度および圧力での合成もしくは天然ダイヤモンド砥粒の直接の相互成長を促進することができる。ダイヤモンドのための触媒材料の例としては、Fe、Ni、CoおよびMn、ならびにこれらを含む特定の合金がある。PCD材料からなる本体部は、ダイヤモンド砥粒間に間隙を残して、触媒材料が隙間から除去された少なくとも1つの領域を含むことができる。

本明細書において、PCDグレードはPCD材料の変形であり、ダイヤモンド砥粒の体積含有率およびまたはサイズ、ダイヤモンド砥粒間の隙間領域の体積含有率、ならびに隙間領域内に存在し得る材料の組成の点で特徴づけられる。異なるPCDグレードは、異なる微細構造や、弾性(すなわちヤング)率E、弾性率、抗折力(TRS)、靭性(例えば、いわゆるK1C靭性)、硬度、密度、および熱膨張率(CTE)等の異なる機械的特性を有し得る。また、異なるPCDグレードは、使用中に異なって機能することができる。例えば、異なるPCDグレードの摩耗率と耐破壊性が異なっていてもよい。

本明細書において、PCBN材料は、金属またはセラミック材料を含むマトリックス内に分散した立方晶窒化ホウ素(cBN)の砥粒を含む。

超硬質材料の他の例は、炭化ケイ素(SiC)等のセラミック材料や共結合したWC材料等の超硬合金材料を含むマトリックスによって一緒に保持されたダイヤモンドまたはcBN砥粒を含む特定の複合材料を含む(例えば、米国特許第5453105号明細書または第6919040号明細書に記載されている)。例えば、特定のSiC結合のダイヤモンド材料は、SiCマトリックス中に分散した少なくとも約30体積パーセントのダイヤモンド砥粒を含むことができる(SiC以外の形態で少量のSiを含んでいてもよい)。SiC結合のダイヤモンド材料の例は、米国特許第7008672号明細書、第6709747号明細書、第6179886号明細書、第6447852号明細書、および国際公開第2009/013713号パンフレットに記載されている。

多結晶または複合材料の成分の重量または体積パーセント量が測定される場合、その含有量が測定される材料の量は十分に大きく、この測定により、材料のバルク特性が実質的に示されることが理解されている。例えば、PCD材料が相互成長するダイヤモンド砥粒と、ダイヤモンド砥粒間の隙間に配置されたコバルト充填材を含む場合、PCD材料の体積または重量パーセントによる充填材の含有量は、ダイヤモンド材料への充填材の平均の比が(同じグレードの)PCD材料のバルク試料内のそれの実質的に適正な表現であるように、ダイヤモンド砥粒の体積の少なくとも数倍であるPCD材料の体積上で測定されるべきである。

QQ群二维码
意见反馈