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Multilayer material corrosion resistance was improved (variant) and a method of manufacturing the same

申请号 JP2011528972 申请日 2008-09-26 公开(公告)号 JP2012503717A 公开(公告)日 2012-02-09
申请人 エヴゲニエヴィッヒ ロゼン,アンドレイ; 发明人 イヴァノヴィッヒ アブラモヴ,パヴェル; ジェンナディエヴィッヒ ウサティ,セルゲイ; ヴラディミロヴィッヒ キリー,ジェンナディ; ボリソヴィッヒ クリウコヴ,ドミトリー; アレクサンドロヴィッヒ ゴルドポロヴ,ジュリ; ヴァディミロヴィッヒ デニソヴ,イゴル; レオニドヴナ ペルヴクヒナ,オルガ; ボルイソヴィッヒ ペルヴクヒン,レオニド; ペトロヴィッヒ ペレリギン,ジュリ; セルゲーヴナ ロス,イリナ; アンドレーヴィッヒ ロゼン,アンドレイ; エヴゲニエヴィッヒ ロゼン,アンドレイ;
摘要 本発明は耐食性が向上した各種多層構造用材料の開発に関し、その多層材料は、多層材料の片面または両面で腐食性使用環境と直接的に 接触 する外側主要層と、それらの間に交互に配置した内側主要層および内側犠牲層との連続的接続を有する。 主要層は、金属材料で作製され、それら内部において後続的に生じる孔食タイプの腐食をともなう長期間に渡る不動態状態が特徴であり、一方、内側犠牲層は、深い孔食腐食中心が外側主要層および内側主要層内で先行して生じると、腐食性の使用環境に接触して一般的な腐食を生じること、並びに外側および内側主要層に関連する防護作用を有することを特徴とする。 そのような材料の製造方法を提案する。
【選択図】図1
权利要求
  • 奇数番目および偶数番目の層を互いの上に交互に配置して有し、連続した恒久的接続によって一体化された耐食性が向上した多層材料であって、前記材料が、
    −前記多層材料の片面または両面上で、アルカリ、酸性塩、または酸化剤でない陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境と接触する使用向けに設計され、かつ主要層としての奇数番目層および犠牲層としての偶数番目層を有し、
    −前記使用環境と接触中に、当該電気化学的総合電位から当該電気化学的再 不動態化電位までの間にある定常的電気化学的電位を有する、金属または合金 で作製された前記奇数番目の外側層および内側層と、
    −前記使用環境と接触中に、同一条件において前記隣接する奇数番目層の当 該定常的電気化学的電位よりも低い定常的電気化学的電位を有する、金属また は合金で作製された前記偶数番目の内側層と、
    を有する、多層材料。
  • 奇数番目および偶数番目の層を互いの上に交互に配置して有し、連続した恒久的接続によって一体化された耐食性が向上した多層材料であって、前記材料が、
    −前記多層材料の片面または両面上で、アルカリ、酸性塩、または酸化剤である陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境と接触する使用向けに設計され、かつ主要層としての奇数番目層および犠牲層としての偶数番目層を有し、
    −前記使用環境と接触中に、当該電気化学的総合電位から当該電気化学的再 不動態化電位までの間にある定常的電気化学的電位を有する、金属または合金 で作製された前記奇数番目の外側層および内側層と、
    −前記使用環境と接触中に、定常的電気化学的電位が、同一条件において外 側層の前記金属または合金の当該電気化学的電位より高く、かつ前記外側層材 料の当該電気化学的総合電位から前記外側層材料の当該電気化学的再不動 態化電位までの間にある値を有し、かつ前記奇数番目層の材料よりも低い水 素過電圧を有する、金属または合金で作製された前記偶数番目の内側犠牲層と、
    を有する、多層材料。
  • 奇数番目および偶数番目の層を交互に有し、連続した恒久的接続で一体化された耐食性が向上した多層材料であって、前記材料が、
    −前記多層材料の第1の奇数番目の外側層とアルカリ、酸性塩、または酸化剤でない陰イオンを有する酸の水溶液を含有する第1の使用環境との間の接触と、および前記多層材料の第2の偶数番目の外側層とアルカリ、酸性塩、または酸化剤である陰イオンを有する酸の水溶液を含有する第2の使用環境との間の接触とが、同時に行われる使用向けに設計され、並びに主要層としての奇数番目層および犠牲層としての偶数番目層を有し −前記第1の奇数番目外側層およびそれに最接近している前記奇数番目内側 層が、前記推定第1の使用環境と接触中に、当該電気化学的総合電位から当 該電気化学的再不動態化電位までの間にある定常的電気化学的電位を有す る金属または合金で作製され、
    −前記第1の奇数番目外側層に隣接する前記偶数番目内側層が、前記推定第 1の使用環境と接触中に、同一条件において前記隣接する奇数番目層の当該 定常的電気化学的電位よりも低い定常的電気化学的電位を有する金属または 合金で作製され、
    −前記第2の奇数番目層およびそれに最接近している前記奇数番目内側層が、
    前記推定第2の使用環境と接触中に、当該電気化学的総合電位から当該電気 化学的再不動態化電位までの間にある定常的電気化学的電位を有する金属 または合金で作製され、並びに −前記第2の奇数番目外側層に隣接する前記偶数番目内側層および前記奇数 番目内側層に隣接するその他の偶数番目層は、前記推定第2の使用環境と接 触中に、定常的電気化学的電位が、同一条件中で前記金属または合金の前記第 2の外側層の当該電気化学的電位よりも高く、かつ前記第2の外側層材料の 当該電気化学的総合電位から前記第2の外側層材料の当該電気化学的再不 動態化電位までの間にある値を有し、かつ更に前記隣接する奇数番目層の前 記材料よりも低い水素過電圧を有する金属または合金で作製された、
    多層材料。
  • 前記外側層が酸化されたアルミニウムメッキ層を更に含有する、請求項1、または2、または3のいずれか1項に記載の材料。
  • 前記材料が、シート、板、リボン、ストリップ、L字棒、みぞ形材、I字棒、円板、各種断面形状の棒、各種断面形状のパイプ、リング、開口形状のもしくは閉塞した中実形状製品、または中空形状設計輪郭の形状に製造される、請求項1、2、または3のいずれか1項に記載の材料
  • 金属および/またはその合金で作製され、かつある層を別の層の上に配置した層の連続した恒久的接続を形成する工程を含む、耐食性が向上した多層材料を製造する方法であって、前記方法が、
    −前記多層材料の片面または両面上の、アルカリ、酸性塩、または酸化剤でない陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境との接触中における耐食性が向上した多層材料の製造に向けて設計され、
    −前記奇数番目層の前記材料が、前記推定使用環境と接触中に、当該電気化学 的総合電位から当該電気化学的再不動態化電位までの範内の定常的電気化学 的電位を有する金属または合金を有し、並びに −前記偶数番目の層の前記材料が、前記使用環境と接触中に、同一条件中 で隣接する奇数番目の層の当該定常的電気化学的電位よりも低い定常的電気 化学的電位を有する金属または合金を有する、
    多層材料の製造方法。
  • 金属および/またはその合金で作製され、かつある層を別の層の上に配置した層の連続した恒久的接続を製造する工程を含む、耐食性が向上した多層材料を製造する方法であって、前記方法が、
    −前記多層材料の片面または両面上の、アルカリ、酸性塩、または酸化剤である陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境との接触中における耐食性が向上した多層材料の製造に向けて設計され、
    −前記奇数番目の外側層および内側層の前記材料が、前記推定使用環境と接 触中に、当該電気化学的総合電位から当該電気化学的再不動態化電位まで の範囲内の定常的電気化学的電位を有する金属または合金を有し、並びに −前記偶数番目の内側層の前記材料は、定常的電気化学的電位が、前記使用環境と接触中に、同一条件中で前記外側層の金属または合金の当該電気化学的電位よりも高く、かつ前記外側層材料の当該電気化学的総合電位から前記外側材料の当該電気化学的再不動態化電位までの範囲の値を有し、かつ更に前記奇数番目層の材料よりも低い水素過電圧を有する金属または合 金を有する、
    多層材料の製造方法。
  • 金属および/またはその合金で作製され、かつある層を別の層の上に配置した層の連続した恒久的接続を形成する工程を含む、耐食性が向上した多層材料を製造する方法であって、前記方法が、
    −前記多層材料の前記第1の外側層の、アルカリ、酸性塩、または酸化剤でない陰イオンを有する酸の水溶液を含有する第1の使用環境との接触と、前記多層材料の前記第2の外側層の、アルカリ、酸性塩、または酸化剤である陰イオンを有する酸の水溶液を含有する第2の使用環境との接触とが同時行われる状態で耐食性が向上した多層材料の製造に向けて設計され、並びに−少なくとも5層の材料の連続した恒久的接続を形成するために使用される方法であって、
    −前記第1の外側層の前記材料が、前記第1の推定使用環境との接触中に、
    当該電気化学的総合電位から当該電気化学的再不動態化電位までの範囲内 にある定常的電気化学的電位を有する金属または合金を有し、
    −前記第1の外側層に隣接する前記偶数番目の内側層の材料が、前記推定 第1の使用環境との接触中に、同一条件中で前記隣接する奇数番目層の当 該定常的電気化学的電位よりも低い定常的電気化学的電位を有する金属また は合金を有し、
    −前記第2の外側層の前記材料が、前記推定第2の使用環境との接触中に、
    当該定常的電気化学的電位から当該電気化学的再不動態化電位までの範囲 内にある定常的電気化学的電位を有する金属または合金を有し、
    −前記第2の外側層に隣接する前記偶数番目の内側層の前記材料および前記 奇数番目の内側層に隣接する前記偶数番目の前記材料は、前記推定第2の 使用環境との接触中に、定常的電化学的電位が、同一条件中で前記第2の 外側層金属または合金の当該電気化学的電位よりも高く、かつ前記第2の外 側層の前記材料の当該電気化学的総合電位から前記2番目の外側層の当該 電気化学的再不動態化電位までの範囲内にある値を有し、かつ更に前記隣 接する奇数番目層の前記材料より低い水素過電圧を有する金属または合金を 有する、
    多層材料の製造方法。
  • 前記複数層からなる前記複数材料の前記連続した恒久的接続が、当該両面で第1の使用環境と接触する使用向けに設計された前記第1多層材料の前記外側層の1つと、当該両面で第2の使用環境と接触する使用向けに設計された前記第2多層材料の前記外側層の1つとの一体化によって製造される、請求項8に記載の方法。
  • 金属または合金を有する前記偶数番目の前記材料が、推定使用環境との接触中に、腐食前の前記層における前記金属または合金の当該容積よりも大きい容積の腐食生成物を更に生成する、請求項6、または7、または8のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記偶数番目層と奇数番目層との間の前記連続した恒久的接続が、真空中、不活性ガス中、もしくは還元性ガス中の爆発溶接および/または拡散溶接、および/または高周波溶接、および/または圧延溶接、および/または手動式アーク表面溶着、および/または不活性ガスおよび混合物中で中実ワイヤまたはフラックス入りワイヤによる消耗性電極を用いる機械的表面溶着、および/または自動式アルゴンアーク表面溶着、および/またはフラックス使用リボン電極による自動式表面溶着、および/またはフラックス使用ワイヤ電極による自動式表面溶着、および/または活性ガスまたは不活性ガスおよびそれらの混合物中でのフラックス入りワイヤによる自動式表面溶着、および/または自己防護式フラックス入りのワイヤまたはリボンによる自動式表面溶着、および/またはエレクトロスラグ式表面溶着、および/または中実断面ワイヤまたはフラックス入りワイヤを用いるプラズマ式表面溶着、および/またはガス式表面溶着、および/または誘導加熱式表面溶着によって製造される、請求項6、または7、または8のいずれか1項に記載の方法。
  • 前記得られた多層材料の前記外側層がアルミニウムを用いて、好ましくは爆発メッキにより更にメッキされ、かつ当該得られたメッキ層が次いで、好ましくはマイクロアーク酸化によって酸化される、請求項6、7、または8のいずれか1項に記載の方法。
  • 多層材料が、シート、板、リボン、ストリップ、L字棒、みぞ形材、I字棒、円板、各種断面形状の棒、各種断面形状のパイプ、リング、開口形状の構造物製品もしくは閉塞した中実形状製品、または中空形状に設計した輪郭形状品に製造される、請求項6、7、または8のいずれか1項に記載の方法。
  • 说明书全文

    本発明は、電気化学、材料研究、および冶金学に関し、具体的には高度な耐食性および高度な機械的特性を有する構造材料、さらに詳細には多層の金属構造材料およびその製造方法に関する。

    今日まで、金属構造材料の耐食性は、高価であるが腐食性環境で高度な耐食性を有する金属またはそれらの合金の単一層構造材、またはそのような材料を層に構成して使用する多層材料の開発によって改善された。 概念上の腐食環境は、使用される材料の片面または両面が接触する特別な環境として考えるのではなく、むしろ腐食作用の大小または組成を無視した使用環境として考えられていた。 しかしながら多層材料の成分を選択する際に環境の特性を考慮すると、多層材料成分の最適な選択が容易になる。

    当技術分野では、多層材料を製造する方法が既知であり、多層材料は、少なくとも2つの被覆層と中間層および裏材料層との爆発接合によって得られる(特許文献1)。 2つの被覆層(クラッド層)は、Mo、W、Re、Ru、Pa、Pt、Au、Ag、およびそれらの合金を含む高度耐食性を有する材料の群から選択される。 中間層は、銅、銀、タンタル、およびニッケル合金を含む群から選択される材料で作製される。 裏材料層は、低合金鋼、ステンレス鋼、ニッケル、銅、アルミニウム、チタン、およびそれらの合金を含む群から選択される材料で作製される。

    同様に、3層を爆発溶接によって製造する3層金属材料が当技術分野で既知であり、その第1層はスチール、第2層は65%〜75%の銅および35%〜25%のニッケルを含有するニッケル−銅、並びにニッケル−銅層に隣接するチタン層である(特許文献2)。

    当技術分野で公知の更なる多層材料(特許文献3)は、スチールの母材層、そのスチール母材層に接合したニッケルまたはニッケル合金層、そのニッケル層に接合し最大限で0.01重量%の炭素を含有する低炭素鉄合金層、およびその低炭素鉄合金層に接合したチタン系材料の被覆層を有する。

    同様に当技術分野では金属間化合物が公知であり、そのものは、400MPaまたは400HV以上のヴィッカース硬度を有するマルテンサイト系ステンレス鋼の基体を有し、またはその基体は更に、例えばニッケル、鉄、および銅−ニッケル合金を含む群から選択される材料で作製された中間層を介して例えばチタンまたはチタン合金の層でコーティングされている。 これらの材料を製造する方法も公知である(特許文献4)。 その基体は硬質膜のような被覆が設けられ、被覆のトップ表面は、Ti−Ni金属間化合物、Ti−Fe金属間化合物、およびTi−Ni金属間化合物とTi−Cu金属間化合物との混合物を含む群から選択される化合物を含む金属間化合物の外側層として機能する。 更にその被覆は幾つかの層で構成され得る。 例えば、その被覆はTiF の内側層およびTiFeの外側層を有してもよく、またはTiCの内側層およびTiFeの外側層を有してもよく、またはTiNi下層およびTiNi の外側層を有してもよく、またはTiNiの下層およびTiCuの外側層を有してもよい。 更に前記材料は焼入れ硬化によってステンレス鋼の硬度にまで硬質化させ金属間チタン化合物の硬質膜を形成できる。 焼入れ硬化の手順には、組成物を900℃〜1150℃の温度で30秒〜5分間の加熱、それに続く1℃/秒以上の速度での冷却が含まれる。

    更に、当技術分野で既知のその他の方法が、実質的にロールの3層ストリップを製造するために使用され、そのものは主要部に炭素鋼を有し、その両側にオーステナイト級鋼の耐食性合金が板金で被覆される(特許文献5)。 3層ブランク材は肉盛り溶接または爆発溶接で製造され、次いでブランク材(blank)は910℃〜950℃の温度で熱間圧延され続いて10℃/秒〜100℃/秒の速度で冷却される。

    フェライトステンレス鋼またはオーステナイト系ステンレス鋼の冷間圧延板を低炭素鋼板と接合して製造される材料(特許文献6)が本発明に最も近い先行技術である。 ステンレス鋼の表面は0.1〜10.0μm厚さの錫または錫−鉛合金の層で被覆される。 塩環境中での使用の間に生じるステンレス鋼の孔食が、錫または錫−鉛合金の誘電率による電気化学的腐食の外側防護体によって、抑えられかつ防護される。 上記組成物の防護層は、その他の金属材料および合金、例えばニッケルまたはチタン合金を防護する目的には、錫および鉛のそれらの合金との付着性が低いという技術的理由のために使用できない。

    上記の発明は、得られた多層材料が使用されて接触する使用環境の特性を考慮しないで開発された。 そのため多層材料を構成する層の特性は、例えば厚さおよびコストを低減させる所望の効果を活かして使用できない。

    米国特許第5、323、955号

    米国特許第5、190、831号

    米国特許第4、839、242号

    米国特許第6、194、088号

    ソ連邦特許第1,447,612号

    日本特許第6,293,978号

    本発明は、同一のまたは異なった活性の腐食性環境と接触しながら使用できるように、材料の片面または両面の耐食性が向上した構造材料を開発することにある。

    本発明は、多層構造を有する耐食性向上材料の開発を目的とした。 多層構造は、連続的に接続した、外側主要層とそれらの間に配置した交互の内側主要層と内側犠牲層とを有する。 外側主要層は材料の片面または両面で腐食環境と直接的に接触し、内側主要層はその中での腐食の発生が孔食タイプの腐食であるように長期間不動態の状態に留まることができるであろう。 そして使用する腐食環境と接触する内側犠牲層は、深い孔食腐食中心が外側主要層および内側主要層で先行して発生している間には長期間一般的腐食状態に留まることができ、かつ外側主要層および内側主要層に関する限りでは防護効果を有することができるであろう。 更に、本発明はそのような材料を製造する方法の開発を目的とする。

    本発明の目的は、本発明に従って、互いの上に奇数番目層および偶数番目層を交互に配置して含み、連続した恒久的接続によって一体化された耐食性が向上した多層材料のバリアント(variant,選定可能品)を開発することによって達成した。 その結果材料は、アルカリ、酸性塩、または酸化剤でない陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境と、材料の片面または両面での接触使用に好適であるようになる。 前記の材料は、主要層としての奇数番目層と犠牲層である偶数番目層とを有し、前記材料は、
    −前記使用環境と接触中に、電気化学的総合電位から電気化学的再不動 態化電位までの間にある定常的電気化学的電位を有する、金属または合金の奇数 番目の外側層および内側層と、
    −前記使用環境と接触中に、同一条件において隣接する奇数番目層の定 常的電気化学的電位よりも低い定常的電気化学的電位を有する、金属または合金 の偶数番目の内側層と、
    を更に有する。

    更に、本発明の目的は、本発明に従って、互いの上に奇数番目層および偶数番目層を交互に配置して含み、連続した恒久的接続を介して一体化された耐食性が向上した多層材料のバリアントを開発することによって達成した。 その結果材料は、アルカリ、酸性塩、または酸化剤である陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境と、材料の片面または両面との接触使用に好適であるようになる。 前記の材料は、主要層である奇数番目層と犠牲層である偶数番目層とを有し、前記材料は、
    −前記使用環境と接触中に、電気化学的総合電位から電気化学的再不動態 化電位までの間にある定常的電気化学的電位を有する、金属または合金の奇数番 目の外側層および内側層と、
    −前記使用環境と接触中に、同一条件において外側層の金属または合金の電 気化学的電位より高く、かつ外側層材料の電気化学的総合電位から外側層材料 の電気化学的再不動態化電位までの間にある定常的電気化学的電位を有し、前 記金属または合金が隣接する奇数番目層の材料よりも低い水素過電圧を有する、
    金属または合金の偶数番目の内側犠牲層と、
    を更に含む。

    更に、本発明の目的は、本発明に従って、奇数番目層および偶数番目層を交互に含み、連続した恒久的接続を介して一体化された耐食性が向上した多層材料のバリアントを開発することによって達成した。 その結果材料は、第1の奇数番目外側層と、アルカリ、酸性塩、または酸化剤でない陰イオンを有する酸の水溶液を含有する第1の使用環境との間の接触と、第2の奇数番目外側層と、アルカリ、酸性塩、または酸化剤である陰イオンを有する酸の水溶液を含有する第2の使用環境との間の接触とが、同時に行われる使用に好適であるようになる。 前記の材料は、主要層である奇数番目層と犠牲層である偶数番目層とを有し、前記材料は、
    −推定第1の使用環境と接触中に、電気化学的総合電位から電気化学的再 不動態化電位までの間にある定常的電気化学的電位を有する金属または合金で 両者とも作製された、第1の奇数番目外側層およびそれに最接近している奇数番 目内側層と、
    −推定第1の使用環境と接触中に、同一条件において隣接する奇数番目層 の定常的電気化学的電位よりも低い定常的電気化学的電位を有する金属または 合金で作製された、第1の奇数番目外側層に隣接する偶数番目内側層と、
    −推定第2の使用環境と接触中に、電気化学的総合電位から電気化学的再 不動態化電位までの間にある定常的電気化学的電位を有する金属または合金で 両者とも作製された、第2の奇数番目層およびそれに最接近している奇数番目内 側層と、
    −推定第2の-使用環境と接触中に、定常的電気化学的電位が、同一条件 中で金属または合金の第2の外側層の電気化学的電位よりも高く、かつ第2の外 側層材料の電気化学的総合電位から第2の外側層材料の電気化学的再不動態 化電位までの間にある値を有し、かつ隣接する奇数番目層の材料よりも低い水 素過電圧をも有する金属または合金で作製された、第2の奇数番目外側層に隣接 する偶数番目内側層および奇数番目内側層に隣接するその他の偶数番目層と、
    を更に含む。

    本発明によって、多層材料に対してその外側層の上に酸化されたアルミニウムメッキ層を更に持たせることも可能である。

    更に本発明によって、多層材料を、シート、板、リボン、ストリップ、L字棒、みぞ形材、I字棒、円板、各種形状の棒、各種形状のパイプ、リング、開口形状の構造物製品、閉塞した中実形状製品、または中空形状に設計した輪郭形状品に本発明によって作製することが可能である。

    本発明の目的は更に、本発明に従って、金属および/またはそれらの合金で作製した層を互いの上に配置し、連続した恒久的接続を製作することを含む、耐食性が向上した多層材料を製造する方法を開発することによって達成した。 前記方法は、多層材料の片面または両面と、アルカリ、酸性塩、または酸化剤でない陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境との接触中における耐食性が向上した多層材料を製造するように意図され、その方法は、
    −奇数番目層の材料が、推定使用環境との接触中に電気化学的総合電位から電気化学的再不動態化電位までの間にある定常的電気化学的電位を有する金属または合金を有し、並びに −偶数番目層の材料が、前記使用環境との接触中に同一条件で隣接する奇 数番目層の定常的電気化学的電位よりも低い定常的電気化学的電位を有する 金属または合金を有する、
    ように製造される。

    加えて本発明の目的は、本発明に従って、金属および/またはそれらの合金で作製した層を互いの上に配置し、連続した恒久的接続を形成することを含む、耐食性が向上した多層材料を製造する方法を開発することによって達成した。 前記方法は、多層材料の片面または両面上に、アルカリ、酸性塩、または酸化剤である陰イオン有する酸の水溶液を含有する使用環境との接触中における耐食性が向上した多層材料を製造するように意図され、その方法は、
    −奇数番目の外側層および内側層の材料が、推定使用環境と接触中に電気化 学的総合電位から電気化学的再不動態化電位までの間にある定常的電気化学 的電位を有する金属または合金を有し、並びに −偶数番目の内側層の材料は、前記使用環境と接触中に、定常的電気化学 的電位が、同一条件にある外側層の金属または合金の電気化学的電位よりも高く、
    かつ外側層材料の電気化学的総合電位から外側材料の電気化学的再不動態化 電位までの間にある値を有し、かつ更に奇数番目層の材料よりも低い水素過 電圧を有する金属または合金を有する、
    ように製造される。

    更に本発明の目的は、本発明に従って、金属および/またはそれらの合金で作製した層を互いの上に配置し、連続した恒久的接続を形成することを含む、耐食性が向上した多層材料を製造する方法を開発することによって達成した。 前記方法は、第1の外側層とアルカリ、酸性塩、または酸化剤でない陰イオンを有する酸の水溶液を含有する第1の使用環境との間の接触と、および第2の外側層とアルカリ、酸性塩、または酸化剤である陰イオンを有する酸の水溶液を含有する第2の使用環境との間の接触とが、同時に行われる状態において耐食性が向上した多層材料を製造するのに適している。 前記連続した恒久的接続材料は、少なくとも5層を有し、それは、
    −推定第1の使用環境と接触中に、電気化学的総合電位から電気化学的再 不動態化電位までの間にある定常的電気化学的電位を有する金属または合金 を有する、第1の外側層の材料、
    −推定第1の使用環境と接触中に、同一条件にある隣接する奇数番目層の 定常的電気化学的電位よりも低い定常的電気化学的電位を有する金属または合 金を有する、第1の外側層に隣接する偶数番目の内側層の材料、
    −推定第2の使用環境と接触中に、電気化学的総合電位から電気化学的再 不動態化電位までの間にある定常的電気化学的電位を有する金属または合金を 有する、第2の外側層の材料、並びに −推定第2の使用環境と接触中に、定常的電気化学的電位が、同一条件に ある金属または合金の第2の外側層の電気化学的電位よりも高く、かつ第2の外 側層材料の電気化学的総合電位から第2の外側材料の電気化学的再不動態化 電位までの間にある値を有する金属または合金であって、前記金属または合金は 隣接する奇数番目層の材料よりも低い水素過電圧を有する金属または合金を有 する第2の外側層に隣接する偶数番目の内側層の材料および奇数番目の内側層 に隣接する偶数番目層の材料、
    を有するように製造される。

    更に本発明によって、推定使用環境と接触中に、腐食前の層にある金属または合金の容積よりも大きい容積の腐食生成物を更に形成できる、金属または合金である偶番目層の材料を使用することが合理的である。

    更に本発明に従って、多層材料を製造すると、多層材料の両面を第1および第2の使用環境と同時に接触する使用に対して、多層材料の両面を第1の使用環境と接触する使用に向けに設計された第1の多層材料の外側層の1つと、多層材料の両面を第2の使用環境と接触する使用に向けに設計された第2の多層材料の外側層の1つとを一体化させることによって、層材料の連続した恒久的接続を形成させることが可能である。

    更に本発明に従って、前記偶数番目層と奇数番目層との間に前記連続した恒久的接続を以下の方法で形成することが可能である。 すなわち、真空中、または還元性ガス中での爆発溶接および/または拡散溶接;および/または高周波溶接;および/または圧延溶接;および/またはアークによる手動式表面溶着;および/または不活性ガスまたはそれらの混合物中での、連続ワイヤまたはフラックス入りワイヤによる消耗電極を用いる機械的表面溶着;および/または自動式アルゴンアーク表面溶着;および/またはフラックス使用リボン電極による自動式表面溶着;および/またはフラックス使用ワイヤ電極による自動式表面溶着;および/または活性ガスまたは不活性ガスまたはそれらの混合物中でのフラックス入りワイヤによる自動式表面溶着;および/または自己防護式フラックス入りワイヤまたはリボンによる自動式表面溶着;および/またはエレクトロスラグ式表面溶着;および/または中実コアワイヤまたはフラックス入りワイヤを用いるプラズマ式表面溶着;および/またはガス式表面溶着;および/または誘導加熱式表面溶着、である。

    本発明に従って、得られた多層材料の外側層を、アルミニウムを用いて好ましくは爆発圧着により更に被覆し、次いで得られた被覆層を、好ましくはマイクロアーク酸化によって酸化することも可能である。

    本発明によって、多層材料は、シート、板、リボン、ストリップ、L字棒、みぞ形材、I字棒、円板、各種形状の棒、各種形状のパイプ、リング、開口形状の構造物製品、閉塞した中実形状製品、または中空形状に設計した輪郭形状品に作製することも可能である。

    本発明を、本発明による耐食性が向上した多層材料バリアントの説明、および本発明による多層材料を製造する方法を例示する実施例および付属する図を参照して更に説明する。

    本発明による多層材料の外側主要層に関するアノード分極曲線およびカソード分極曲線の線図であり、アルカリ、酸性塩または酸化剤でない陰イオンを有する酸の水溶液を含有する腐食性使用環境と接触するバリアントの外側層、およびそれらに隣接する内側犠牲層、に対するものである。

    本発明による多層材料の外側主要層に関するアノード分極曲線およびカソード分極曲線の線図であり、アルカリ、酸性塩または酸化剤である陰イオンを有する酸の水溶液を含有する腐食性使用環境と接触するバリアントの外側層、およびそれらに隣接する内側犠牲層、に対するものである。

    下記の実施例は本発明の可能性を縮小するものではなく、また特許請求の範囲を越えるものでもない。

    本発明による耐食性が向上した多層材料は、使用環境との接触中に特別な特性を有する金属および/またはその合金の主要層と犠牲層のとの間で、層の上に層を配置して連続した恒久的な接続を連続的に形成する工程を含む、本発明の方法によって製造できる。

    そのような接続は既存の技法で製造でき、その技法は本発明よれば、例えば、真空中、または不活性ガス中、または還元性ガス中での爆発溶接および/または拡散溶接;および/または高周波溶接;および/または圧延溶接;および/またはアークによる手動式表面溶着;および/または不活性ガスまたはそれらの混合物中での、消耗電極または中実ワイヤまたはフラックス入りワイヤを用いる機械的表面溶着;および/または自動式アルゴンアーク表面溶着;および/またはフラックス使用リボン電極による自動式表面溶着;および/またはフラックス使用ワイヤ電極による自動式表面溶着;および/または活性ガスまたは不活性ガスまたはそれらの混合物中でのフラックス入りワイヤによる自動式表面溶着;および/または自己防護式フラックス入りワイヤまたはリボンによる自動式表面溶着;および/またはエレクトロスラグ式表面溶着;および/または中実コアワイヤまたはフラックス入りワイヤを用いるプラズマ式表面溶着;および/またはガス式表面溶着;および/または誘導加熱式表面溶着、である。

    また、本発明による多層材料は、即時使用可能な品目、例えばパイプ、円板、複雑な3次元構成の品目、および異なった断面形状の、中実物体または中空物体の品目の形態で製造できる。 必要に応じ、多層材料から製造される品目は、例えば、板、リボン、シート、またはパイプは、冷間圧延または熱間圧延して所望の寸法を与えることができる。

    その上、本発明により、得られた多層材料の外側層をアルミニウムで、好ましくは爆発圧着により更に被覆し、次いで得られた被覆層を、好ましくはマイクロアーク酸化によって酸化することが可能である。

    本発明による耐食性が向上した多層材料を製造する方法は、本発明に従って多層材料と推定使用環境との接触で多層材料の層材料を不動態または活性状態にする原因となる電気化学的反応をもたらす特別な特性を有する材料または合金を使用する。 多層材料を作製するには、主要層の外側表面の片面または両面、並びに層間の境界領域を含めた、内側犠牲層および内側主要層と接触している使用環境の化学的および電気化学的活性に応じて、異なった材料または合金が使用される。

    腐食プロセスは材料が異なると異なったように進むことは周知である。 腐食は大抵の場合、耐食性材料または合金における孔食中心の形成から始まる。 例え取るに足らない数の局部的な孔食中心であっても、構造材料表面の連続性を分断させ、使用環境が入り込む経路開口部を生成し、進展してより深い腐食中心を生成し、材料強度を低減させる。 一般タイプの腐食は通例、耐食性が低い材料中で発生し物体の損壊の原因となり、各種腐食生成物の形成をもたらす。

    図1および図2は、耐食性金属材料1(金属または合金)のアノード分極曲線A およびカソード分極曲線K 、および耐食性が低い別の金属材料2(金属または合金)のアノード分極曲線A およびカソード分極曲線K の線図である。 図1は、アルカリ、酸性塩または酸化剤でない陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境と接触中のものであり、図2は、アルカリ、酸性塩または酸化剤である陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境と接触中のものである。 図にはまた、材料1および2の電気化学的電位が、分極電流密度iにどのように依存するかも示している。

    アノード分極曲線A (図1)は、材料1は前記環境と長期間接触する間にその状態を変え、従ってこの環境変化中では電気化学的電位Eで規定される化学的活性および電気化学的活性をも変えることを示す。

    材料1のアノード電位が酸化物化合物の形成に起因して徐々に増加するにつれて、アノードの電流密度iは減少する。 材料1の電気化学的電位は材料1の定常的電気化学的電位E SP1**からE SP1まで正の方向に移動する。 従って得られた化合物は材料1の腐食を抑制する防護膜を生成する。 酸化物化合物が形成されると、アノード分極電流密度は低下し、材料1の電気化学的電位は徐々に電気化学的総合電位E OP1まで上昇する。 その後は、その分極電流密度は実質上変化しないで留まるが、一方材料1の電気化学的電位は電気化学的総合電位E OP1から電気化学的再不動態化電位E PRP1まで上昇する。 材料1はこの範囲内で不動態の状態になっている。 E OP1のE PRP1までの範囲がより広がり、同時に分極電流密度がより低くなると、それだけ材料1の使用環境中での耐食性が高くなる。 耐食性材料1が使用環境と更に反応すると、腐食は、例えば材料中で孔食中心の形態で発生し始め、結果として、材料1の電気化学的電位がE PRP1を越えて増加するにつれて、得られた酸化物防護膜が不均一になるか、または材料1の表面が不均一になる。

    アノード分極曲線A とカソード分極曲線K の交点における材料1の状態は、その材料がアノードとして溶解するプロセスと還元反応が生じるカソードのプロセスとが定常状態にあると判定され、使用環境における定常的電気化学的電位E SP1およびそれぞれに可能な最小腐食電流を有すると評価される。 E>E SP1であると、耐食性材料1の孔食中心における材料溶解プロセスが徐々に優勢になり始め、E<E SP1であると、優勢なプロセスは材料1に関する酸素還元または水素還元である。 従って、上記の使用環境における材料1の使用中にもたらされる作用に応じて、主要な構造材層の耐食性は、材料1を不動態に近い状態に(図2)、好ましくは定常的電気化学的電位がE SP1の値によって特徴付けられる定常状態に近い状態に、または水素イオンまたは酸素分子が還元されるようになるカソード状態に(図1)維持することを確実にするその他の犠牲層によってその表面に保証される作用に基づいて増加することになる。

    耐食性が低い材料2のアノード分極曲線A およびカソード分極曲線K のパターンにより(図1)、材料2は、前記環境との反応で不動態化することができなく、材料2の溶解プロセスが優勢になり、材料2の電気化学的電位は、かなりの分極電流勾配でもっとゆっくりと変化することが分かる。

    材料1よりも高い耐食性を有する材料2のアノード分極曲線A およびカソード分極曲線K (図2)のパターンにより、材料2は変化しない状態にあり、一方材料1は不働態状態にあり、かつカソード曲線K とアノード曲線A の交点(E SP12)である電位値を有することが分かる。

    材料1および2が使用環境と電気化学的に反応すると、その環境の組成に応じて表面下層において水素が発生するかまたは酸素の還元が起こる。 還元された酸素の存在下では、腐食電流が材料1または2の溶解によって生じるか、または容易に溶解しない不活性化学化合物のような不働態化材料が形成される。 そして原子状水素の存在下では、前記使用環境において酸化物膜が材料の電気化学的電位を低下させることの強化が生じるため、腐食は抑制される。

    本発明に従って、構造的耐食性材料をかなりの長期間ゆっくりと生じる孔食状態に維持するという課題は、犠牲層の溶解生成物および特定方向に流れるようになる腐食電流に基づいて、主要層の材料において一般的な不働態材料状態にある平衡状態に維持される主要層材料を含む多層材料を開発することによって解決された。

    図1および図2は、材料2の犠牲層が材料1の主要構造層に及ぼす影響を例示する。 使用環境が酸化剤である陰イオンを含有するか、含有しないかに応じて、本発明の多層材料の主要層は、個別材料の耐食性が非常に高くはないが、隣接する内側犠牲層の電気化学的活性との組み合わせにおいてその主要層を特別な不働態状態に維持するのに役立つように異種材料で作製される。

    具体的には、本発明によって、使用環境と接触する外側主要層は、前記層の材料の定常的電位E SP1が、使用環境と反応する前記材料の不働態領域にあるように、すなわち材料1の定常的電位E SP1が式:E OP1 <E SP1 <E PRP1で記述されるように選択される。

    本発明により、材料1の定常的電位よりも小さい定常的電位を有する材料が、すなわちE SP2 <E SP1 (図1における曲線A およびK )が、酸化剤でない陰イオンを有する使用環境と反応する使用に好適な多層材料用の材料2として選択される。 材料2において生じるプロセスの影響の下で、材料2の電気化学的電位は材料1の電位よりも高く留まり、腐食電流が材料1と2との間の接触領域中の孔食経路において材料2に向かう方向になる結果として、材料1が防護される。 隣接する主要層をカソードに転換した状態で、内側犠牲層はアノードになって溶解し始める。

    使用環境が材料2と内側犠牲層との間の境界層に到達すると、材料2の一般的タイプの腐食が始まり、材料2は溶解し、材料1の境界面上で酸素が還元される。 結果として材料1の境界面上に酸化物化合物の膜が形成され、主要層の材料1における孔食プロセスが抑制され、使用環境が孔食経路を通過して流れる度合いが低減され、同様に材料2の溶解が抑制される。 その反応は内側犠牲層が完全に溶解されるまで続くことができる。 材料1のカソード分極曲線K は最初に曲線K 位置に移動し、孔食中心がゆっくりと生じる状態で(領域E SP1 )平衡プロセスの領域を形成する。 次いで防護性の酸化物膜が強化されるとK は曲線K **の位置に移動し、そこでは材料1と使用環境との間の化学反応が実際に抑制され、同様に耐食性が増加する。

    本発明に従って、腐食中心において材料の容積よりも大きい容積の腐食生成物を有する材料が主要層に使用される場合、孔食経路は徐々に溶滓(slag)で充満され、孔食腐食は抑制される。 このプロセスは、例えあったとしても、耐食性を顕著に高めるには不十分であり、本発明によればこのプロセスは多層材料の耐食性を高めるための追加的作用として働く。

    酸化剤である陰イオンを有する使用環境と反応する使用用途には、各種材料が、本発明に従って設計される多層材料の層として使用される。 前述の例のように、外側主要層の材料1は、特定の腐食環境と反応して防護性の酸化物膜を発生させ、かつ材料1の定常的電位がそのような材料の不動態領域内にある材料から選択され、すなわち材料1の定常的電位が式:E OP1 <E SP1 <E PRP1で記述されるものである。 材料2は、推定使用環境と接触中のその定常的電気化学的電位E SP2が材料1の電気化学的総合電位から材料1の電気化学的再不動態化電位までの範囲内であり:E OP1 <E SP2 <E PRP1であるように選択され、その場合、定常的電気化学的電位E SP2は、材料1の電位よりも高い:E SP2 >E SP1のようになる。 更に偶数番目犠牲層の材料2は、材料1の水素過電圧よりも低い水素過電圧を有することになる。 この場合、主要層の全材料1はアノードに転換し、内側犠牲層の材料2はカソードに転換する。 その結果、材料1は溶解する。 材料1の孔食経路と接触する領域における材料2において、第2の層で生じる反応は曲線K によって記述され、K は材料1および2の系の定常的電気化学的電位E SP12に相当する点でアノード分極曲線A と交錯する。 この値は第1の層の材料のE OP1からE PRP1の範囲内にあり、この場合材料1は不動態の状態に戻る。

    材料1と同一の材料が第3のおよび次に続く奇数番目の主要層に使用できる。 先行する犠牲層の一般的腐食領域が顕著に現れると、第3の層が使用環境と反応するだけであろう。 その場合第3の層は第2のアノードになり、図2の分極説明図に一致して不動態の状態であろう。 そのプロセスは不動態膜の溶解である化学的過程に限定されるので、反応は低速度で生じるであろう。 第3の層において生じる反応は第1の層におけるのと同一である。 第3の層で直通する孔食経路が形成されると、腐食プロセスが第4番目層で始まる。 このプロセスは第2の犠牲層における腐食プロセスと類似し、すなわち第4の層は第3の層および第5の層を防護する。 次に続く層における腐食プロセスもまた最初の3つの層におけるプロセスと類似している。

    多層材料が、材料の片面でアルカリ、酸性塩または酸化剤でない陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境と、その材料のその他の面でアルカリ、酸性塩または酸化剤である陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境とで同時に接触して使用される場合、本発明による多層材料は、多層材料の片面または両面で、アルカリ、酸性塩もしくは酸化剤でない陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境と接触する使用向けに設計された多層材料と、多層材料の片面または両面で、アルカリ、酸性塩もしくは酸化剤である陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境と接触する使用向けに設計された多層材料との連続した恒久的接続によって形成される。

    この場合、腐食プロセスの継続期間は、腐食中心が材料の各面の多層材料の中心領域に到達するときまでと推定される。 腐食時間の推定が各面で同一である場合、連続した恒久的接続が、アルカリ、酸性塩または酸化剤でない陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境と接触する使用向けに設計された多層材料の表面層の1つと、アルカリ、酸性塩または酸化剤である陰イオンを有する酸の水溶液を含有する使用環境と接触する使用向けに好適である本発明による多層材料の表面層の1つ、との間で実行される。

    その上、材料の1つの面で生じるプロセスは第1の場合で説明したプロセスと類似し、その他の面でのプロセスは第2の場合で説明したプロセスと類似している。

    アルカリ、酸性塩または酸化剤でない酸の水溶液を含有する環境中の片面での腐食の広がりに要する時間がより短い場合、第1の場合で説明した偶数番目の層と類似した中間層が、接続される層の間に配置される。 そしてこの環境中の片面での腐食の広がりに要する時間が反対側での時間よりも長い場合には、第2の場合で説明した偶数番目の層と類似した中間層が犠牲層として使用される。

    更に、本発明による多層材料は完成品目として、例えばパイプ、円板、複雑な3次元構成の品目、および異なった断面形状、中実物体または中空物体の品目を形成できる。 必要に応じて、多層材料から作製される即時使用可能な品目は、例えば、板、リボン、シート、またはパイプは、冷間圧延または熱間圧延して所望の寸法で調達できる。

    その上、得られる多層材料の外側層は、本発明に従って、更にアルミニウムを、好ましくは爆発メッキによってメッキし、次いで得られたメッキ層を、好ましくはマイクロアーク酸化によって酸化することができる。

    以下に記述する実施例は、本発明に従った多層材料を得るために使用された技法によって製造され、本発明の耐食性が向上した多層材料の幾つかのバリアントに関して実施された試験結果を例示する。

    使用される層材料の組成は表1〜6に示す。


    本発明の多層材料を使用環境の作用に長期間暴露した。 本発明の多層材料の耐食性C を、腐食中心が生じるまでの暴露期間の長さ、各層における腐食中心の存在、性質、および発生速度を、そのような使用環境と接触する外側主要層の耐食性C と比較して評価した。

    非破壊技法、例えばホログラフィック干渉計または超音波欠陥検出を使用して腐食発生をモニタすることができる。

    1%の塩化ナトリウム水溶液を含有する使用環境と多層材料の片面とが接触する使用に向けて、本発明に従って多層材料を製造した。 表1に組成が示され、定常的電気化学的電位E SPA =+0.2Vを有する耐食性鋼Aをその試験環境と接触する第1の外側主要層用の材料として使用し、そして第3の外側主要層を通常の環境と接触させた。 E SPAの値は、電気化学的総合電位E OPA =+0.05Vと電気化学的再不動態化電位E PRPA =+0.4Vとの間の範囲内にあった。

    上記の使用環境中でE SPA =+0.2Vよりも低いE SPB =−0.44Vの定常的電位を有する高級構造材炭素鋼Bを、内側犠牲層用の材料として使用した。

    その各面に10mm厚さの耐食性鋼Aおよび80mm厚さの炭素鋼Bの層を有する、寸法100×1,500×6,000の3層A−B−Aブランク材を、本発明による爆発溶接によって製造した。 ブランク材はそれぞれ2工程で製造し、耐食性鋼Aの1層を炭素鋼Bの層の片側と溶接した。 層(シート)は、シート間間隙を3〜7mm、爆薬のデトネーション速度を2,500〜2.900m/秒、および質量速度350〜440m/秒で溶接した。 3層材料の層は堅固に接合され、中間的組成物領域または分離した領域は検出されなかった。

    即時使用可能な3層材料シートの板形状サンプルを、外側層と上記環境−1%塩化ナトリウム水溶液−との間でかなりの長さの時間4350時間接触させて試験した。 材料Aの第1の外側層を使用環境と接触させ、第2の内側層Bおよび第3の外側層Aが通常の環境に面する状態でモニタした。 同時に材料Aの腐食中心および得られた腐食生成物、並びに材料AおよびBの内側層の境界面を+5℃〜220℃範囲の使用環境温度で調査した。

    その研究により、使用環境との長期の接触は、孔食中心を3層材料の第1の外側層Aにおいて発生させ、それらの数、深さ、および面積を非常にゆっくりと増加させることが分かった。 第1の層Aにおいて孔食中心が発生し、より深く成長すると、使用環境は孔食中心の経路に入り込む。 孔食中心における材料よりも大きな腐食生成物容積を有する材料が主要層として使用される場合、孔食経路は徐々に溶滓で塞がれ、孔食は抑制される。

    使用環境が内側犠牲層Bの境界面に到達するとき、材料Bが溶解すると材料Bの一般的腐食が始まり、酸素が層Aの境界面で還元される。 この場合、材料Bの境界面と隣接する材料Aの境界層上に酸化物化合物の膜が形成され、第1の外側主要層Aの材料における孔食および内側犠牲層の材料Bの損壊を抑制する。 第3の外側主要層は腐食を受けない。

    上記環境における3層材料の耐食性は、同じ厚さの同様な材料Aの単一層の耐食性よりも、使用環境温度に応じて3〜5.5倍高い。 より高度な耐食性増大がより高い環境温度で記録される。

    本発明の多層材料を、5℃〜220℃の温度で5%硫酸カリウム水溶液を含有する使用環境と多層材料の片面と接触する使用に向けて製造した。 その材料は3層を有し、外側主要層は材料Dで作製され、低合金鋼の内側犠牲層Cを不活性ガスおよび混合物の環境中で消耗電極を用いる機械的表面溶着によって接合した。 表面溶着した外側主要層は、表面溶着の目的で使用した消耗電極の組成Dと同一の組成を有した。

    上記の使用環境における耐食性鋼Dの定常的電位は、E SPD =+0.22Vである。 この値は電気化学的総合電位E OPD =+0.06Vと電気化学的再不動態化電位E PRPD =+0.45Vとの値の間の範囲内にある。 内側犠牲層の鋼Cの定常的電位E SPC =−0.4Vである。

    外側主要層Dは底部位置で2.0mm直径の電極を用い、ブランク材を180度反転させる2工程において、以下の条件下で表面溶着した。 280〜320アンペアの表面溶着電流;26〜32Vの表面溶着電圧;12〜16mmの突き出し距離;14〜18L/分の遮断用ガス流量。 表面溶着に先行して内側犠牲層Cをガスバーナーで550+50℃の温度に局部的に加熱した。 更に仕上げミーリングして削りしろ2.0mmを取り除き、各表面溶着層Dは、20.0mm厚さの炭素鋼Cの犠牲層に対して、5.0mm厚さを有した。 結果として、寸法30×400×1,000mmのD−C−Dの3層材料の板を製造した。

    研究により、外側主要層Dにおける孔食が生じると、使用環境は孔食経路を通過して内側犠牲層に到達し、鋼C層の溶解開始および鋼D層の境界面上の酸素放出をともなう一般的腐食が始まることが分かった。 使用環境中のD−C−D3層材料の一般的腐食速度は、同一厚さの類似した単一層材料Dの腐食速度よりも、使用環境温度に応じて1.9〜2.5分の1に低下する。 より高い使用環境温度において、顕著な耐食性増加が生じる。

    本発明に従って材料を、5℃〜80℃の温度で5%硫酸水溶液を含有する使用環境と材料の片面で接触する使用に向けて製造した。 その材料は3層を有し、外側主要層は材料Pで作製され、標準的品質の構造材炭素鋼Fの内側犠牲層を接合した。

    使用環境における第1のP層の定常的電位はE SPP =+0.35Vであり、電気化学的総合電位E OPP =0.1Vから電気化学的再不動態化電位E PRPP =+0.9Vまで範囲内である。 使用環境における鋼Fの定常的電位は E SPF =−0.5Vである。

    多層材料は、寸法10×1,500×3,000mmの鋼Fシートの表面に対し直径5.0mmの材料Pの棒を手動式アーク表面溶着して製造した。 両面を底部位置で、かつブランク材を180度反転させ以下の条件で表面溶着した。 60〜80アンペアの表面溶着電流;22〜24Vの表面溶着電圧。 表面溶着P層は各面で3.0mmの厚さであった。

    P層での腐食が発生し、使用環境が内側犠牲層に到達すると、構造材炭素鋼Fが溶解し水素ガスがP層の境界面から放出される。

    3層材料P−F−Pの上記の使用環境における耐食性は、同一厚さの単一層材料Pの耐食性より、使用環境の温度に応じて2.0〜2.3倍高かった。 より高い使用環境の温度において、顕著な耐食性増加が生じる。 また結果として、3層材料P−F−Pは16.0mm厚さの単一層材料Pよりも高い機械的強度を有した。

    本発明に従って多層材料を、空気中酸素の存在下5℃〜150℃の温度で5%塩酸を含有する使用環境と多層材料の片面で接触する使用に向けて製造した。 材料は3層であり、材料Qで作製した両方の外側主要層および接合した内側犠牲銅層Tである。

    使用環境中での第1外側層Qの定常的電位はE SPQ =+0.05Vであり、電気化学的総合電位E OPQ =−0.05Vから電気化学的再不動態化電位E PRPQ =+0.4Vまでの範囲内である。 使用環境における材料Tの定常的電位はE SPT =+0.1Vである。

    多層材料は以下の連続工程で製造した。 最初に爆発溶接は、爆薬のデトネーション速度を2,500〜2,900m/秒、シート間間隙を2.0〜4.0mm、および質量速度320〜360m/秒で実行した。
    2元金属のQ−Tブランク材は、1.0mm厚さの層Qを用いて寸法3×1,000×2,000mmシートでできている。 次いでこのように製造して得られた2元金属を500℃〜540℃に加熱し、両方のQ−Tブランク材は銅層Tを内側に面するように合わせて、100%圧下率で重ね圧延した。

    腐食が発生し、使用環境が内側犠牲層Tに到達すると、酸素が還元され、第1層Qの金属の溶解とともに生成された水酸化物イオンを放出し、主要層Qの孔食腐食を顕著に低減した不動態膜を形成した。

    3層材料Q−T−Qの上記の使用環境における耐食性は、3.0mm厚さの単一層材料Qの耐食性より、使用環境の温度に応じて7.0〜9.5倍高かった。 より高い使用環境温度において、高度の耐食性増加が生じる。

    本発明に従って多層材料を、5℃〜150℃の温度で20%硝酸カリウムを含有する使用環境と多層材料の両面で接触する使用に向けて製造した。 材料は5層であり、材料Gの奇数番目主要層および黄銅Sの偶数番目の犠牲層を有した。

    使用環境中での奇数番目の層材料Gの定常電位はE SPG =−0.23Vであり、電気化学的総合電位E OPG =−0.75Vから電気化学的再不動態化電位E PRPG =−0.04Vまでの範囲内にある。 使用環境中での材料Sの定常的電位はE SPS =−0.3Vであった。

    多層材料は、非消耗性電極を用いた手動式アルゴンアーク表面溶着および真空中での拡散溶接で製造した。

    黄銅Sの非消耗性電極を用いた手動式アルゴンアーク溶接を合金G用に使用し、合金Gの各層の上に1.2mm厚さの黄銅Sの層を製造し、黄銅層を研削し0.2mmの深さにした。 合金Sの各層を研削した後その厚さは1.0mm であった。 黄銅Sを有した両面の上に合金Gの第3の層を表面溶着した。

    表面溶着は、底部位置において、酸化ランタン添加剤を有する直径3mmの非消耗性タングステン電極を用いる有極性直流(direct−polarity direct current)によって、直径1.6mmの材料S添加ワイヤを使用して、120〜160アンペアの表面溶着電流、18〜22Vの表面溶着電圧、5〜7mm電極突き出し距離、および12〜16L/分の遮断用ガス(アルゴン)によって実行した。

    黄銅Sの表面溶着層は、互いに拡散溶接によって、真空中650℃+20℃の温度で、1.0〜1.2MPaの接触圧、1.0×10 −4 mmHgの残留圧、および1.5〜2時間の溶接時間で接合した。 最終のブランク材の寸法は7×200×600mmであった。

    腐食が発生し、使用環境はいずれかの面の内側犠牲層に到達すると、酸素が黄銅S上で還元され、奇数番目主要層の金属Gの溶解とともに不動態層を形成する水酸化物イオンを生成し、結果としてこれらの層の孔食腐食が顕著に減少する。 使用環境中での多層材料G−S−G−S−Gの耐食性は7.0mm厚さの材料Gの耐食性の7.0〜15.0倍である。

    本発明の方法によって、前記高度な耐食性材料である5層材料G−S−G−S−Gの製造が実現する。

    本発明の多層材料を、5℃〜110℃の温度で50%硝酸を含有する使用環境と多層材料の両面で接触する使用に向けて製造した。 材料は3層であり、耐食性鋼Hの奇数番目主要層、およびアルミニウムRの偶数番目の犠牲層を有した。

    使用環境中での奇数番目の層材料Hの定常電位はE SPH =+0.2Vであり、電気化学的総合電位E OPH =+0.1Vから電気化学的再不動態化電位E PRPH =+0.35Vまでの範囲内にある。 使用環境中での材料Rの定常的電位はE SPR =+0.25Vであった。

    耐食性鋼Hの上に1.0mm厚さの層Rを有する寸法2×1,000×2,000mmの2元金属H−Rブランク材を、1.6mm直径の溶接ワイヤにより、180〜260アンペアの表面溶着電流、24〜28Vの表面溶着電位、および15〜20L/分の遮断ガス流量のアルゴンアーク表面溶着によって製造した。 2元金属ブランク材のアルミニウム層を内側に面するように合わせて配置し、100%圧下率で重ね圧延した。 腐食が発生し使用環境が偶数番目の犠牲層に到達すると、アルミニウムRが、最初に不動態酸化物膜の形成によって、鋼H層上での水素放出をともなって溶解した。

    本発明に従って3層材料H−R−Hを製造する方法は、高度の耐食性、表面溶着の熱効果が小面積であるための高度の機械的特性、および高強度並びに偶数番目層の構造の均一性を有する材料を製造することを意図する。 使用環境における多層材料の耐食性は、同一厚さの合金Hの耐食性より、使用環境の温度に依存して5.0〜7.0倍高い。 より高い使用環境温度において、高度の耐食性増加が生じる。

    本発明に従って製造される5層材料を、その片面で50%硝酸溶液、(環境は酸化剤である陰イオンを含有する)と、その他の面で1%塩化ナトリウム水溶液(環境は酸化剤である陰イオンを含有しない)と接触する使用に向けて設計した。

    奇数番目の主要層−第1の層は50%硝酸溶液である使用環境と接触し、多層材料の第3の層は−前記環境中で定常的電位E SPM1 =+0.15Vを有する耐食性鋼Mで作製される。 この値は、電気化学的総合電位E OPM =+0.1Vから電気化学的再不動態化電位E PRPM =+0.3Vまでの範囲内である。 上記環境中で定常的電位E SPR =+0.2Vを有するアルミニウム合金Rを、硝酸と接する面の偶数番目(第2の)の犠牲層の材料用に選択した。

    1%塩化ナトリウム水溶液と接触する、外側の第5の層は、組成において第1の層および第3の層と類似する。 耐食性鋼Mは、1%塩化ナトリウム水溶液の環境中で定常的電位E SPM =+0.18Vを有する。 この値は、電気化学的総合電位E OPM =+0.04Vと電気化学的再不動態化電位E PRPM =+0.35Vとの間の値の範囲内にある。

    塩化ナトリウム溶液と接する面に配置される第4の層は構造材炭素鋼Nで作製される。 塩化ナトリウム溶液の環境に配置された第4の鋼Nの材料は、定常的電位E SPN =0.42Vを有する。

    多層材料を製造する方法は、第1の層および第3の層の耐食性鋼Mの上に層Rをアルゴンアーク表面溶着する工程、第3、第4および第5の層の間に耐食性鋼Mおよび鋼Nを爆発溶接する工程、および100%圧下率で圧延する工程を含んだ。

    各面に10mm厚さの耐食性鋼Mの層を有し、寸法100×1,500×6,000mmの、第3、第4および第5の層のブランク材M−N−Mは、爆発溶接で製造した。 ブランク材は2工程で溶接し、各工程は耐食性鋼Mの1層を、炭素鋼N層を使用してM層の片面に表面溶着する工程を含む。

    耐食性鋼Mの層を概略以下の条件で鋼Nの層と爆発溶接した。 2,600〜2,800m/秒の爆薬のデトネーション速度、4〜8mmのシート間間隙、および360〜420m/秒の質量速度。

    第3の層のフリーの面および鋼Mの第1の層の片面を厚さ2.0mmの第2の層R材料を用いてそれらの各面に表面溶着した。

    耐食性鋼は層Rを用いて概略以下の条件でアルゴンアークによって表面溶着した。 1.6mm直径の溶接ワイヤ、180〜260アンペアの表面溶着電流、24〜28Vの表面溶着電圧、および15〜20L/秒も遮断ガス流量。

    最終工程で、2元金属のブランク材は表面溶着したアルミニウム層を内側に面するように合わせて配置し、100%圧下率で重ね圧延した。

    腐食が発生し使用環境が硝酸と接触する面上の内側犠牲層に到達すると、合金Rが溶解し合金M層上で水素が放出された。 使用環境が塩化ナトリウム溶液と接触する面上の第4の層に到達すると、合金Nが溶解し水素が放出され、または酸素が還元され、合金M上に不動態膜が形成された。

    本発明に従って所望の化学的活性および電気化学的活性を有する特定の材料の層の間で連続した恒久的接続を得るように5層材料M−R−M−N−Mを製造するために使用される方法は、高度な耐食性、高度な機械的特性、アルミニウム表面溶着の熱的影響面積が小さいこと、および構造体の均一性を達成するのに役立つ。 上記環境における多層材料の耐食性は、同一条件下で、同一の厚さの材料Mの耐食性の15.0〜20.0倍高い。

    実施例1〜7に説明したように製造された多層材料に試験結果を表7に示す。

    表7より、使用試験の間に特定の使用環境と多層材料の片面または両面が接触する使用向けの、本発明による方法によって製造した本発明の多層材料は、単一材料で作製した同一厚さの単一層材料の耐食性よりも顕著に高い耐食性を有することがわかる。

    本発明に従った多層材料製品は、その中の層(複数)が特定の使用環境との接触中に所望の電気化学的活性および化学的活性を有する材料であり、構造用材料を作製するのに好適であり、高度な耐食性および全体として比較的薄い層および材料を有し、並びに経済的に合理的な主要層および犠牲層の材料の組合せを使用する。

    その上更に、本発明に従って製造される多層材料において、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、片面または両面で使用環境と接触する使用向けに設計された耐食性が向上した多層材料の製造方法に変更および改良を行うことができる。 例えば、電気化学および冶金学の技術分野の当業者には、多層材料が使用される条件に応じて、特に多層材料の耐食性に悪影響を与えないで材料コストを下げるために主要層(複数)の間で幾つかの犠牲層を使用できることが明白であろう。

    本発明による耐食性が向上した多層材料は、広く知られている技術および装置を使用して、本発明の方法に従った方法によって製造できる。 特定の腐食環境における使用に向けて作製された構造体の層材料の所望特性に応じて、多層材料は、異なった順番で使用されるさまざまな種類の層を有することができる。 所望の耐食性に寄与する材料のコストはやはり重要である。 本発明による多層材料は各種製造業で使用できる。

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