鋼中Ti濃度の制御方法

申请号 JP2014168472 申请日 2014-08-21 公开(公告)号 JP2016044323A 公开(公告)日 2016-04-04
申请人 株式会社神戸製鋼所; 发明人 木村 世意; 島本 正樹; 大脇 章弘; 新堂 陽介; 杉村 朋子;
摘要 【課題】鋼中に含まれるTi濃度に関して、バラツキを抑えることができるようにする。 【解決手段】溶鋼に対して取鍋精錬を行って、Si:0.1〜3%、Al:0.0001〜0.005%を含有するシリコン脱酸鋼を製造するに際し、取鍋精錬の終了時点におけるスラグ組成は、CaO/SiO 2 を0.5以上1.8以下、Al 2 O 3 を4%以上20%以下、MgOを15%以下(0%を含まない)、TiO 2 を含む 酸化 物を添加することによってTiO 2 を1.5〜10%とし、さらに、CaO+SiO 2 +Al 2 O 3 +MgO+TiO 2 ≧90%、0.4≦TiO 2 /MnO≦5、1≦TiO 2 /T.Fe≦10を満たす。 【選択図】図1
权利要求

溶鋼に対して取鍋精錬を行って、Si:0.1〜3%(質量%を表す。以下同じ)、Al:0.0001〜0.005%を含有するシリコン脱酸鋼を製造するに際し、 前記取鍋精錬の終了時点におけるスラグ組成は、CaO/SiO2を0.5以上1.8以下、Al2O3を4%以上20%以下、MgOを15%以下(0%を含まない)、TiO2を含む酸化物を添加することによってTiO2を1.5〜10%とし、 さらに、CaO+SiO2+Al2O3+MgO+TiO2≧90%、0.4≦TiO2/MnO≦5、1≦TiO2/T.Fe≦10を満たす ことを特徴とする鋼中Ti濃度の制御方法。

说明书全文

本発明は、例えば、シリコン脱酸鋼を製造する際における鋼中Ti濃度の制御方法に関する。

従来より、取鍋精錬において、転炉、或いは、電気炉から出鋼した溶鋼に対して、Al(アルミニウム)やSi(シリコン)を添加することにより、鋼の脱酸を行う方法が知られている。このような鋼の脱酸処理において、脱酸後の鋼中の介在物を可及的に少なくしたり、鋼の成分を適切なものとするための技術が開発されている(特許文献1〜6など)。

例えば、特許文献1では、Alクラスタの少ない鋼材を製造することを目的として、スラグ組成を、CaO+Al2O3≧80%、SiO2≦3%、CaO/Al2O3=1.5〜4にする技術が開示されている。また、特許文献2では、ソーワイヤ鋼と製造することを目的として、鋼中のAl濃度を0.001〜0.002%に制限し、且つ、取鍋に施工した耐火物材質及びスラグ組成を規定する技術が開示されている。

特許文献3では、転動疲労による破損に対して良好な耐久性を有し、優れた転動疲労寿命を確保する事を目的として、鋼中のAl濃度を0.005%以下に制限する技術が開示されている。特許文献4では、酸化物系介在物を熱間圧延および冷間圧延工程で安定して伸展および微細化を図りうる高清浄度Si脱酸鋼を提供することを目的として、鋼中のAl濃度を0.003%以下に制限する技術が開示が開示されている。 特許文献5では、Si脱酸鋼中の全酸素濃度を15ppm以下に低減できるSi脱酸鋼の製造方法することを目的として、鋼中のAl濃度を0.003%以下、Ti濃度を0.0010%以下、Zr濃度を0.0001%以下、REM濃度を0.0005%以下に制限する技術が開示されている。さらに、特許文献6では、疲労強度に優れたSi脱酸鋼を提供することを目的として、鋼中のAl濃度を0.003%以下、Ti濃度を0.003%以下、Zr濃度を0.0010%以下に制限する技術が開示されている。

特開2014−037598号公報

特開2013−224480号公報

特開2010−7092号公報

特開2010−202905号公報

特開2002−194497号公報

特開2002−167647号公報

上記した特許文献1〜6を精査してみると、一部の文献には鋼中のTi濃度について開示されている技術があるものの、スラグ中のTiO2濃度を調整するという具体的記述はない。それゆえ、これらの技術を用いたとしても、鋼中に含まれる微量のTi濃度を適正に制御することができないのが実情である。即ち、鋼中に含まれる微量のTi濃度についてバラツキを抑制することが困難であった。

そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、鋼中に含まれるTi濃度に関して、バラツキを抑えることができる鋼中Ti濃度の制御方法を提供することを目的とする。

前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。 即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、溶鋼に対して取鍋精錬を行って、Si:0.1〜3%(質量%を表す。以下同じ)、Al:0.0001〜0.005%を含有するシリコン脱酸鋼を製造するに際し、前記取鍋精錬の終了時点におけるスラグ組成は、CaO/SiO2を0.5以上1.8以下、Al2O3を4%以上20%以下、MgOを15%以下(0%を含まない)、TiO2を含む酸化物を添加することによってTiO2を1.5〜10%とし、さらに、CaO+SiO2+Al2O3+MgO+TiO2≧90%、0.4≦TiO2/MnO≦5、1≦TiO2/T.Fe≦10を満たすことを特徴とする。

本発明によれば、鋼中に含まれるTi濃度に関して、バラツキを抑えることができる。

実施例A及び比較例Dにおける溶鉄の[Ti]濃度である。

実施例B及び比較例Eにおける溶鉄の[Ti]濃度である。

実施例C及び比較例Fにおける溶鉄の[Ti]濃度である。

以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。 製鋼工程では、転炉や電気炉にて溶鉄(溶鋼)の精錬が終了すると、溶鉄は取鍋に払い出され、取鍋による精錬(取鍋精錬)が行われるのが一般的である。取鍋に払い出された溶鋼中には、転炉や電気炉において脱炭や脱りんに用いられた酸素が残存している。そのため、取鍋精錬等において、例えば、Alを溶鋼に添加することにより、溶鋼中の酸素を除去する脱酸が行われている。Alにより脱酸した場合、Alの添加等によって溶鋼中で生成したアルミナやスピネルが非金属介在物として鋼材に含有されることがある。このようなことに鑑み、Alの添加量を出来るだけ制限し、その代わりに、Alよりも酸素との親和性が弱いSiを溶鋼に添加することにより、溶鋼の脱酸を行う方法がある。本発明では、少なくともSiを溶鋼に添加することによって、溶鋼の脱酸を行う処理を含むことを対象としている。

詳しくは、本発明は、転炉、或いは、電気炉から出鋼した溶鋼に対して取鍋精錬を行って、Si:0.1〜3%(質量%を表す。以下同じ)、Al:0.0001〜0.005%を含有するシリコン脱酸鋼を製造する方法を対象としている。Si濃度の下限値は0.1%としSi濃度の上限値は、3%としている。Si濃度が3%を超えてしまう、即ち、溶鋼に添加したSiが多く、溶鋼を強く脱酸してしまうと、シリカを主成分とする非金属介在物が溶鋼中に内包してしまうため、その上限値は、3%としている。なお、転炉、或いは、電気炉で精錬を行ってから取鍋精錬を行うことを前提としているが、取鍋精錬前の溶鋼の炭素濃度[C]を2%以下にできる精錬炉(製鋼炉)であれば、転炉や電気炉に限定されず、精錬炉の種類は問わない。

取鍋精錬に関して、当該取鍋精錬の終了時点におけるスラグ組成は、CaO/SiO2を0.5以上1.8以下、Al2O3を4%以上20%以下、MgOを15%以下(0%を含まない)としている。 次に、スラグ組成について詳しく説明する。 CaO/SiO2が0.5未満であると、SiO2を主体とする非金属介在物が生成しやすくなり、鋼材の疲労特性が悪化することから、0.5を下限としている。一方、CaO/SiO2が1.8を超えると、取鍋の内側に施工された耐火物がスラグによって侵食されやすくなる。即ち、耐火物の侵食量が増加して、耐火物の侵食に起因とする非金属介在物が鋼中に増加するため、1.8を上限としている。

Al2O3が4%より低いと、相対的にAl2O3よりもSiO2が多い状態となり、SiO2を主体とする非金属介在物が生成しやすくなることから、4%を下限としている。一方、Al2O3が20%より高いと、Al2O3を主体とする非金属介在物が生成しやすくなり、鋼材の疲労特性が悪化することから、20%を上限としている。 MgOは、取鍋の内側に施工された耐火物から不可避的に混入することがある。或いは、MgOは、スラグの融点や粘性を低下させるために、添加することがある。ここで、MgOが15%を超えてしまうと、MgOを主体とする非金属介在物が生成することがあり、鋼材の疲労特性が悪化することから、15%を上限としている。

さて、本発明では、シリコン脱酸鋼を製造するに際して、取鍋精錬を行う際に、TiO2を含む酸化物を添加することによって、TiO2を1.5〜10%としている。即ち、スラグには、TiO2が含まれることが必須であり、フラックス(造滓剤)の不純物として含むのではなく、意識的にスラグに添加している。 次に、スラグに向けてTiO2を添加することについて詳しく説明する。

発明者は、シリコン脱酸鋼、即ち、Siキルド鋼を製造するにあたって、取鍋精錬で溶鋼中のTi濃度を制御するため、スポンジTi、純Ti、或いは、金属Tiを含むFeTiなどの合金鉄を溶鋼に添加した。そのうえで、取鍋精錬時におけるスラグと溶鉄に分配される割合、即ち、Ti分配=(Ti)/[Ti]を求めた。なお、(Ti)は、スラグ中のTi濃度(質量%)、[Ti]は、溶鋼中のTi濃度(質量%)である。

その結果、スポンジTi、純Ti、Fiを含む合金鉄を溶鋼に直接添加した場合では、Ti分配は、200〜20000程度と高い値であった。このことは、スポンジTiなどの純Tiあるいは金属Tiを含むFeTiなどの合金鉄を溶鉄に添加しても、そのほとんどがスラグ中にTi酸化物として存在することになり、高価なチタンが無駄になってしまう。

また、スラグにFe、Mn、Siなど、Tiより酸化が弱い元素の酸化物(FeOx、MnO、SiO2など)が含まれる場合、添加されたTiによって、これらの酸化物の一部が還元されてしまう。この還元に消費されるTiの量を予測することは難しいので、結果として、溶鉄中のTi濃度や、スラグ組成を精度よく制御することが難しい。 そこで、発明者は、取鍋精錬の初期から、スラグへTiO2を添加し、スラグから溶鋼へTiとして分配させた方が、溶鋼中のTi濃度をより高い精度で制御できることを見いだした。また、この方法によって、高価な金属TiやTi含有合金鉄の使用量を抑制できることを見いだした。特に、数ppmから数十ppmの微量濃度に溶鉄中Tiを制御する場合、このスラグへTiO2を添加する方法では、溶鋼へ金属Tiを投入する方法よりも、制御精度が高いことを見いだした。

なお、確実に溶鋼に溶存Tiとして分配させるには、スラグのTiO2の濃度は1.5%以上、好ましくは2%以上必要である。一方、スラグのTiO2の濃度が10%を超えると、窒化物TiNを主体とする非金属介在物を生成しやすくなるため、10%を限度とするしている。 さらに、本発明では、取鍋精錬の終了時点におけるスラグ組成に関して、CaO、SiO2、Al2O3、MgO、TiO2の関係は、CaO+SiO2+Al2O3+MgO+TiO2≧90%を満たすこととしている。スラグに含まれるCaO、SiO2、Al2O3、MgO及びTiO2以外の残部は、MnO、FeO、Fe3O4、Fe2O3、P2O、V2O5などの不可避的に混入するものである。Ti分配の精度を上昇させるためには、不純物の濃度を10%未満にする必要がある。即ち、CaO+SiO2+Al2O3+MgO+TiO2≧90%にする必要がある。

スラグに不可避的に混入する成分のうち、MgOやFeO、Fe3O4、Fe2O3などのFeの酸化物(T.Fe)、Ti分配比のばらつきを大きくさせる成分である。そのため、本発明では、MgO及びT.Feの上下限値について、規定した。 これらMnO及びT.Feを規定するにあたって、MnOとT.Feとの両方を合わせた値を規定することが考えられるが、シリコン脱酸鋼の場合は、MnOとT.Feとを分けて考える必要がある。つまり、Alキルド鋼の場合は、Alがスラグを還元する力が強いため、スラグにおいて、MnO濃度とFe酸化物濃度との差は少ないが、シリコン脱酸鋼の場合は、スラグを還元する力がAlに比較すると弱いので、MnO濃度とFe酸化物濃度に差が生じやすくなる。加えて、Mn濃度が高い場合、スラグ中MnO濃度とT.Fe濃度との差がさらに大きくなる。このため、本発明のシリコン脱酸鋼の場合は、スラグ中のMnO成分とT.Fe成分とを分けて規定している。

詳しくは、MnOに関しては、TiO2/MnOを0.4以上5以下にする必要がある。T.Feに関しては、TiO2/T.Feを1以上10以下にする必要ある。このように、0.4≦TiO2/MnO≦5、1≦TiO2/T.Fe≦10を満たすことにすることにより、Ti分配比のばらつきを抑えることができる。なお、T.Feはスラグ中のFe酸化物に含まれるFeの濃度和である。

以上、本発明によれば、シリコン脱酸鋼を製造するに際し、取鍋精錬の終了時点におけるスラグ組成は、CaO/SiO2を0.5以上1.8以下、Al2O3を4%以上20%以下、MgOを15%以下(0%を含まない)としている。また、TiO2を含む酸化物を添加することによって、スラグ中のTiO2を1.5〜10%としている。スラグの組成に関し、CaO+SiO2+Al2O3+MgO+TiO2≧90%、0.4≦TiO2/MnO≦5、1≦TiO2/T.Fe≦10を満たすようにしている。

上述したスラグの組成を満たすようにすることにより、鋼材中のTi濃度を0.0005%〜0.01%にすることができる。なお、Ti濃度に関して、原理的には0.01%を超えるTi濃度にも適用することが可能であるが、この場合はスラグ中にTiO2を10%より多く含有させる必要がある。このような場合は、スラグにTiO2を添加するよりも、金属TiあるいはTiを含む合金を直接、溶鋼中に投入する方が経済的となることがある。加えて、上述したように、TiO2を10%より多く含有させた場合、窒化物TiNを主体とする非金属介在物が生成しやすくなる。このようなことから、鋼材中のTi濃度は、0.01%を上限としている。

一方、Mn、Cr、SiなどのTi以外の合金鉄や、取鍋の耐火物、TiO2以外のスラグ原料の中の不純物からTiが混入する場合があり、意図的にTiあるいはTiO2を添加しなくても鋼中のTi濃度が0.0002〜0.0004%程度になる場合がある。本発明は、意図的にTiO2をスラグに含有させることを骨子としていることから、鋼材中のTi濃度は、0.0005%を下限としている。

表1及び2は、本発明の鋼中Ti濃度の制御方法で処理を行った実施例と、本発明とは異なる方法で処理を行った比較例とをまとめたものである。

実施例及び比較例における実施条件について説明する。 実施例及び比較例では、誘導溶解炉を用いて2kgの電解鉄をアルミナ製のるつぼ内で溶解した。電解鉄は市販品を用いた。なお、純度は問わない。るつぼの材質として、アルミナ(Al2O3)を用いたが、1550℃以上の温度で、溶鋼(溶鉄)やスラグの侵食に耐えることができれば、材質は問わず、例えばマグネシア(MgO)でもよい。なお、 電解鉄の溶解は、溶鉄の酸化を防止するため、Ar気流中で行った。

溶鋼温度は、原料溶解後、誘導溶解炉の出力を調整することによって、1550〜1570℃の範囲に保持した。成分調整は、溶鉄に、所定量のカーボン粒、シリコンウェーハー屑、電解マンガン、Fe−Cr−C合金を添加して、溶鉄中の[C]、[Si]、[Mn]、[Cr]を所定濃度に調整した。また、比較例では、Ti分として70%含有するFe−Ti合金を溶鉄に添加し、溶鉄中Ti濃度調整も実施した。成分調整用の添加物は、予め、目的元素の含有濃度が分かっていれば銘柄は問わず、例えば、Fe−Si合金、Fe−Mn合金、Fe−Si−Mn合金などを組み合わせてもよい。

溶鉄の成分は、C=0.5〜1.1%、Si=0.14〜2.3%、Mn=0.16〜0.92%、Cr=0〜1.6%、Al=0.0001〜0.005%とした。 また、溶鉄の成分調整後、所定組成を有するフラックスを溶鉄上に40g添加した。 フラックスは所定組成になるように、市販の酸化物試薬あるいは炭酸化物試薬(SiO2、CaCO3、MgO、Al2O3、MnO2、TiO2)を予め混合して、1500℃で8時間焼成した。

そして、フラックス添加後、60分間、所定の温度で保持した後、誘導溶解炉の電源を切って、るつぼ内で溶鉄およびスラグを凝固させた。その後、溶鉄およびスラグから所定量のサンプルを切り出して、各々の成分分析を行った。 実施例及び比較例において、実施例A,B,Cは、TiO2をフラックスとして添加した例である。一方、比較例D,E,FはTiO2を一切添加していない例である。実施例A−実験7および実施例B−実験7は、TiO2添加とTi合金添加を併用した例である。

実施例Aと比較例Dは、シリコン強脱酸鋼で、溶鉄の[Ti]濃度目標が0.001%の鋼種群である。実施例Aと比較例Dにおいて、FeTiあるいはTiO2で添加したTi純分総量は、0.48〜0.49gである。 また、実施例Bと比較例Eは、シリコン弱脱酸鋼で、溶鉄の[Ti]濃度目標が0.007%の鋼種群である。実施例B及び比較例Eにおいて、FeTiあるいはTiO2を添加したTi純分総量は、1.96〜1.98gである。さらに、実施例Cと比較例Fは、シリコン弱脱酸Cr添加鋼で、溶鉄の[Ti]濃度目標が0.004%の鋼種群である。実施例C及び比較例Fは、FeTiあるいはTiO2を添加したTi純分総量は、1.38〜1.40gである。なお、シリコン強脱酸鋼、シリコン弱脱酸鋼、シリコン弱脱酸Cr添加鋼は、シリコン脱酸鋼である。また、「Si強脱酸」、「Si弱脱酸」という用語の定義に、[Si]濃度による区別はないが、鋼種群を相対比較するために、これらの用語を便宜上用いた。

実施例及び比較例では、上述した同一鋼種群の調整後の溶鉄[Ti]濃度のばらつき、即ち、標準偏差で比較することにより評価した。 実施例(実施例A、実施例B、実施例C)では、スラグ組成は、CaO/SiO2=5〜1.8、Al2O3=4〜20%、MgO≦15%(0%を含まない)、TiO2を含む酸化物を添加することによってTiO2=1.5〜10%としている。また、CaO+SiO2+Al2O3+MgO+TiO2≧90%、0.4≦TiO2/MnO≦5、1≦TiO2/T.Fe≦10にしている。

一方、比較例(比較例D、比較例E、比較例F)では、いずれもTiO2を含む酸化物を添加していない(スラグへのTiO2の添加量が零)。 図1〜3は、実施例及び比較例をまとめた図である。 図1は、実施例A及び比較例Dにおける溶鉄の[Ti]濃度であり、図2は、実施例B及び比較例Eにおける溶鉄の[Ti]濃度であり、図3は、実施例C及び比較例Fにおける溶鉄の[Ti]濃度である。

図1に示すように、実施例Aと比較例Dとを比較すると、溶鉄の[Ti]濃度の平均値は略同じであるが、比較例Dでは、標準偏差が0.00144に対して、実施例Aでは、標準偏差を0.00048に小さくすることができた。図2に示すように、実施例Bと比較例Eとを比較すると、溶鉄の[Ti]濃度の平均値は略同じであるものの、比較例Dでは、標準偏差が0.00443に対して、実施例Bでは、標準偏差を0.00179に小さくすることができた。さらに、図3に示すように、実施例Cと比較例Fとを比較すると、溶鉄の[Ti]濃度の平均値は略同じであるものの、比較例Fでは、標準偏差が0.00382に対して、実施例Cでは、標準偏差を0.00119に小さくすることができた。

つまり、本発明の鋼中Ti濃度の制御方法を行うことによって、Ti濃度が0.0005%〜0.01%の範囲内になる鋼中において、実施例では、Ti濃度のばらつきを、比較例に対して、1/3〜2/5程度に抑えることができた。 なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。

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