性液体の増粘に有用なデンプン組成物

申请号 JP2016569777 申请日 2015-05-27 公开(公告)号 JP2017522401A 公开(公告)日 2017-08-10
申请人 テイト アンド ライル イングリーディエンツ アメリカス エルエルシーTate & Lyle Ingredients Americas LLC; テイト アンド ライル イングリーディエンツ アメリカス エルエルシーTate & Lyle Ingredients Americas LLC; 发明人 シー. カーウッド クリストファー; シー. カーウッド クリストファー; ハル マーシャル; ハル マーシャル; スケルディング ウィリアム; スケルディング ウィリアム; ヴィ. ウィーダーホールド マーヴィン; ヴィ. ウィーダーホールド マーヴィン;
摘要 本発明は、具体的に、例えば、嚥下障害を病んでいる人が使用するために、液体を増粘させるのに有用なデンプン製品及びデンプン組成物に関する。一態様において、本発明は、約1%〜約10%の範囲のヒドロキシプロピル化の程度;及び約400cP〜約3500cPの範囲のRVA 粘度 を有するアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンであって;ここで、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンが 牛 乳中に容易に分散可能なアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンを提供する。他の態様は、約1%〜約10%の範囲のヒドロキシプロピル化の程度;約400cP〜約3500cPの範囲のRVA粘度;及び約80%未満の相応する天然デンプンの表面タンパク質を有するアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンを提供する。
权利要求

約1%〜約10%の範囲のヒドロキシプロピル化の程度;及び 約400cP〜約3500cPの範囲のRVA粘度を有するアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンであって; ここで、前記アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンが乳中に容易に分散可能なものである、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。約1%〜約10%の範囲のヒドロキシプロピル化の程度; 約400cP〜約3500cPの範囲のRVA粘度;及び 約80%未満の相応する天然デンプンの表面タンパク質を有する、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンが牛乳中に容易に分散可能な、請求項2に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。約50%未満の相応する天然デンプンの表面タンパク質を有する、請求項1から3までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。約20%未満の相応する天然デンプンの表面タンパク質を有する、請求項1から3までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンが凝集された形態である、請求項1から5までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。約2%〜約15%の範囲の分レベルを有する、請求項1から6までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。約4%〜約7%の範囲の水分レベルを有する、請求項1から6までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。約6%〜約10%の範囲の水分レベルを有する、請求項1から6までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。約7.5%超過の範囲の水分レベルを有する、請求項1から9までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。約7.5%〜約10%の範囲の水分レベルを有する、請求項1から6までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。約16lb/ft3〜約18lb/ft3の範囲の嵩密度を有する、請求項1から11までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。70%の組成物が、U.S.#30スクリーン〜U.S.#120スクリーンを維持する、請求項1から12までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンが、約1%〜約8%の範囲のヒドロキシプロピル置換を有する、請求項1から13までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンが、約1.5%〜約6%の範囲のヒドロキシプロピル置換を有する、請求項1から13までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンが、約2%〜約5%の範囲のヒドロキシプロピル置換を有する、請求項1から13までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンが架橋されている、請求項1から16までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンが、ホスフェートによって架橋されている、請求項17に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンが、約700cP〜約2500cPの範囲のRVA粘度を有する、請求項1から18までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンが、トウモロコシデンプンに基づく、請求項1から19までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンが、Waxyトウモロコシデンプンに基づく、請求項1から19までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。任意の追加的な変性の量は、約1重量%未満のレベルである、請求項1から21までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。デンプンをヒドロキシプロピル化し、前記デンプンを表面処理してヒドロキシプロピル化デンプンを提供する段階、及び 前記ヒドロキシプロピル化デンプンをゼラチン化する段階を含む方法によって製造された、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。前記ヒドロキシプロピル化が、表面処理の前に行われる、請求項23に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。前記ヒドロキシプロピル化が、塩基性条件下で、プロピレンオキシドでデンプンを処理することによって行われる、請求項23又は24に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。前記方法が、更にデンプンを架橋する段階を含む、請求項23から25までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。ヒドロキシプロピル化デンプンが、表面処理の前に架橋される、請求項26に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。架橋は、塩基性条件下で、POCl3でデンプンを処理することによって行われる、請求項26又は27に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。表面処理は、プロテアーゼ処理である、請求項23から28までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。プロテアーゼは、サーモリシン、ペプシン、Arg−C、エラスターゼ及びトリプシンのうちの一つ以上である、請求項29に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。表面処理は、50〜70℃の範囲の温度でのサーモリシン処理である、請求項29に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。表面処理が、3未満のpHでの酸処理である、請求項23から28までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。表面処理が、機械的研磨である、請求項23から28までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。表面処理が、カルボヒドラーゼ処理である、請求項23から28までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。カルボヒドラーゼが、アミラーゼである、請求項34に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。ゼラチン化は、デンプンを噴霧調理することによって行われる、請求項23から35までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。前記方法が、更にアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンを凝集させる段階を含む、請求項23から36までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。請求項1から22までのいずれか一項に記載された特性を有する、請求項23から37までのいずれか一項に記載のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン。請求項1から38までのいずれか一項によるアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンを含む、デンプン組成物。アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンから本質的に成る、請求項39に記載のデンプン組成物。少なくとも約90重量%のアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンを含む、請求項39に記載のデンプン組成物。デンプン組成物が、マルトデキストリンを実質的に含まない、請求項39から41までのいずれか一項に記載のデンプン組成物。デンプンをヒドロキシプロピル化し、前記デンプンを表面処理してヒドロキシプロピル化デンプンを提供する段階、及び 前記ヒドロキシプロピル化デンプンをゼラチン化してアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンを形成する段階を含むアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンの製造方法。請求項24から38までのいずれか一項に更に記載されたような限定を有する、請求項43に記載の方法。水性液体を増粘させる方法であって、前記方法が、液体中に請求項39から42までのいずれか一項によるデンプン組成物を分散させて実質的に均質な増粘された液体を提供する段階を含む、方法。液体が、飲用可能な液体である、請求項45に記載の方法。液体が、水、飲料、スープ、ブロス、ソース、グレービー、シロップ、ドレッシング、薬物及び栄養補助剤から成る群から選択される、請求項45に記載の方法。液体が、牛乳である、請求項45に記載の方法。液体が水である、請求項45に記載の方法。液体が、約5℃〜約30℃の範囲の温度である、請求項45から49までのいずれか一項に記載の方法。デンプン組成物が、3分以下の間に液体中で掻き混ぜられて実質的に均質な増粘された液体を提供する、請求項45から50までのいずれか一項に記載の方法。

说明书全文

関連出願の相互参照 この出願は、2014年5月27日付で出願された米国仮特許出願第62/003,467号、及び2014年8月5日付で出願されたイギリス特許出願第1413832.5号の優先権を主張し、これらのそれぞれの全文は、本明細書に参照として含まれる。

技術分野 特定の態様において、本発明は、一般的に、デンプン製品及びデンプン組成物に関する。より特別の態様において、本発明は、より具体的に、例えば、嚥下障害を患っている人によって使用するための、性液体の増粘に有用なデンプン製品及びデンプン組成物に関する。

嚥下(swallowing)時の困難または不便さは、嚥下障害として知られている。嚥下障害は、鈍い咽喉損傷、手術によって引き起こされた障害、脳卒中、多発性硬化症、アスペルガー症侯群、食道癌、喉頭癌、シャーガス疾患(Chagus disease)、セリアック病(celiac)、嚢胞性繊維症、ハンチントン疾患、ニーマン−ピック病;筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー疾患、パーキンソン病のような神経学的症状;肥満症、ライリ−ディ症侯群、高コレステロール、強皮症 、及び糖尿病のような非常に様々な症状を伴うことができる。嚥下障害を有する人は、一般的に、気管を適切に閉鎖するとか、食品及び/または飲料の全体食物の塊を胃に推進する能が不足である。従って、嚥下障害の人は、食物または飲料をこれらのに誤って送る危険があり、これは、バクテリア感染、肺炎、及びさらに窒息の危険を与える。

嚥下障害は、特に、液体の嚥下に対して問題となり得る。これらは粘度が低いため、特に肺の中に滴りやすい。このような消費用の液体を増粘させることは、これらの問題を解決する一般的な方法である。増粘させることは、また、食物塊制御をより上手に助け、さらに優れた口腔刺激を提供し、これはまた、嚥下障害の症状を管理することを助けることができる。

改質食品デンプンは、嚥下障害の患者のための液体を増粘させるのにしばしば使用される。最も便利には、増粘させることは、例えば、所望の液体に乾燥粉末を添加し、以後掻き混ぜることによって提供時に行われることができる。しかし、デンプンを液体内に均質に混合することが困難であり得る。例えば、多くの場合にデンプンは急速に湿潤され、繊維質の糊状塊を形成し、潜在的に、ポケット内の乾燥材料の一部をトラッピングして、“フィッシュアイ(fish eyes)”または粉末塊を形成する。これらは消費者を非常に不快にしうる。従って、最小限に掻き混ぜて早く液体と共に均質に結合するデンプン増粘剤を備えることが好ましい。これは、特に、液体が乳である場合に困難であり得るものであって;牛乳内に存在する脂肪及びタンパク質懸濁の複雑な性質がデンプンの分散特性を、特に大量製造時の工程可変性に関して予測し難くする。これらの問題は、最終的には、信頼できる牛乳分散可能なデンプン増粘剤を提供することを困難にした。

従って、信頼することができ、容易に牛乳に分散可能な改善されたデンプン増粘剤に対する要求が依然存在する。

本発明の一態様は、約1%〜約10%の範囲のヒドロキシプロピル化の程度;及び約400cP〜約3500cPの範囲のRVA粘度を有するアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンであって; ここで、前記アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンが牛乳中に容易に分散可能なものである、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンである。

本発明の他の態様は、約1%〜約10%の範囲のヒドロキシプロピル化の程度; 約400cP〜約3500cPの範囲のRVA粘度;及び 約80%未満の相応する天然デンプンの表面タンパク質を有するアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンである。

本発明の他の態様は、デンプンをヒドロキシプロピル化し、前記デンプンを表面処理してヒドロキシプロピル化デンプンを提供する段階、及び 前記ヒドロキシプロピル化デンプンをゼラチン化する段階を含むアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンの製造方法である。

前記方法は、更に、ゼラチン化する前にデンプンを架橋する段階、及び/またはゼラチン化材料を凝集させる段階を含むことができる。

本発明の他の態様は、デンプンをヒドロキシプロピル化し、前記デンプンを表面処理してヒドロキシプロピル化デンプンを提供する段階、及び 前記ヒドロキシプロピル化デンプンをゼラチン化する段階を含む方法によって製造されたアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンである。

前記方法は、更に、ゼラチン化する前にデンプンを架橋する段階、及び/またはゼラチン化材料を凝集させる段階を含むことができる。

本発明の他の態様は、本明細書に記載されたアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンを含むデンプン組成物である。

本発明の他の態様は、水性液体を増粘させる方法であって、前記方法が液体中に本明細書に記載されたデンプン組成物を分散させて、実質的に均質の増粘された液体を提供する段階を含む方法である。

一態様において、本発明は、例えば、液体、例えば、飲料及びブロスのような飲用可能な液体を増粘するのに有用なアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンを提供する。アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンは、例えば、約1%〜約10%範囲のヒドロキシプロピル化の程度;及び約400cP〜約3500cP範囲のRVA粘度を有することができる。特に、特定の実施形態において、デンプン組成物は、牛乳中に容易に分散可能である。

当業者が理解するように、ヒドロキシプロピル化の程度は、乾燥デンプンの重量基準で重量パーセントとして計算される。ヒドロキシプロピル化の程度は、最終ヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンの所望の特性に応じて、本明細書の記載に基づいて当業者によって変更され得る。例えば、本明細書に記載されたヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンの特定の実施形態において、ヒドロキシプロピル化の程度は、約1%〜約10%の範囲である。本明細書に記載されたヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンの特定の具体的な実施形態において、ヒドロキシプロピル化の程度は、約1%〜約8%の範囲、または約1.5%〜約6%の範囲、または約2%〜約5%の範囲である。本明細書に記載された前記組成物の他の実施形態において、ヒドロキシプロピル化の程度は、約1%〜約5%の範囲、または約1%〜約6%の範囲、または約1.5%〜約5%の範囲、または約1.5%〜約8%の範囲、または約1.5%〜約10%の範囲、または約2%〜約6%の範囲、または約2%〜約8%の範囲、または約2%〜約10%の範囲である。

当業者が理解するように、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンの粘度は、このRVA粘度として測定され得る。RVA粘度は、ラピッドビスコアナライザーモデルRVA−4(Rapid Visco Analyzer Model RVA−4)を使用して、下記の過程によって測定された粘度として定義される。1.85gの測定しようとする物質、4.5gのプロピレングリコール及び25.65gのpH6.5バッファーを装置のカップに添加して5.5%の乾燥固形分ベース水性混合物を作る。装置の混合パラメーターは、次の通りである:1分間700rpmで混合し、47分間160rpmで混合。装置の温度パラメーターは、次のとおりである:35℃で15分、7分間35℃から95℃に加熱、95℃で10分維持、6分間95℃から35℃に冷却、35℃で10分維持、総48分。初期粘度は、時間=14.7分での測定値である。RVA粘度として本明細書で使用された最終粘度は、時間=47.4分での測定値である。

RVA粘度は、最終ヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンの所望の特性に応じて、本明細書の記載に基づいて当業者によって変更され得る。例えば、本明細書に記載された前記組成物の特定の実施形態において、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンのRVA粘度は、約400cP〜約3500cPの範囲である。例えば、本明細書に記載されたヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンの特定の具体的な実施形態において、RVA粘度は、約700cP〜約2500cPの範囲、または約400cP〜約3000cPの範囲、または約400cP〜約2500cPの範囲、または約400cP〜約2000cPの範囲、または約700cP〜約3500cPの範囲、または約700cP〜約3000cPの範囲、または約700cP〜約2000cPの範囲である。

例えば、特定の実施形態において、ヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンは、架橋される。架橋の量と種類は、ヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンに所望の粘度を与えるように当業者によって選択され得る。デンプンは、様々な方式で架橋され得る。例えば、特定の実施形態において、デンプンは、ホスフェートによって(例えば、デンプンをPOCl3で処理、または他の実施形態において、アルカリトリメタホスフェートまたはトリポリホスフェートで処理することによって形成されたモノまたはポリホスフェート架橋によって)架橋される。他の実施形態において、デンプンは、アルキレン架橋剤(例えば、エピクロロヒドリンとの反応によって形成されるように)、またはジカルボン酸架橋剤によって架橋される。当業者は、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンに所望の特性を付与するように、本明細書の記載に基づいて適切な架橋剤(など)を選択することができる。

特定の実施形態において、本明細書に記載されたヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンは、牛乳中に容易に分散可能である。本明細書で使用されるように、“牛乳中に容易に分散可能”は、物質が下記テストにパスすることを意味する:6.5gの物質を118gの2%牛乳に添加した後、10秒間置いた後、長い柄のついたスプーンで10秒間手で掻き混ぜる。掻き混ぜたサンプルを40秒間置いた後、10メッシュのふるいを介して注ぐ。このテストをパスするために、全体混合物がふるい上に残留する塊なくふるいを介して注がれ得る。

本発明者らは、特定の実施形態において、デンプン顆粒の表面タンパク質量の減少がヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンの分散性を大きく向上させ得ることを確認した。従って、本明細書に記載されたアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンの特定の実施形態において、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンは、約80%未満、約50%未満、またはさらに約20%未満の相応する天然デンプンの表面タンパク質を有する。当業者が理解するように、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンは、これが由来される相応する天然デンプンを有するだろう。天然デンプンの例は、下記でより詳細に説明される。デンプンの表面タンパク質は、測定され得る。下記により詳細に記載されたように、タンパク質の量は、多くの方式で、例えば、プロテアーゼ及びアミラーゼのような酵素処理、酸処理、塩基処理または機械的摩耗(mechanical abrasion)で減少され得る。

ヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンは、例えば、顆粒または粉末固体の形態で提供され得る。特定の実施形態において、ヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンは、約2%〜約15%(すなわち、重量基準)の範囲の水分レベルを有する。例えば、特定の実施形態において、ヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンは、約4%〜約7%の範囲の水分レベルを有する。他の実施形態において、デンプン組成物は、約6%〜約10%の範囲、または約7.5%〜約10%の範囲、または約6%〜約15%の範囲、または約7.5%〜約15%の範囲、または約6%〜約8.5%の範囲、または約7.5%〜約8.5%の範囲の水分レベルを有する。本発明者らは、特に、牛乳中での分散性は、含水量が約7.5%より高いときに、向上され得ることを確認した。

本明細書に記載されたデンプン組成物の特定の実施形態において、ヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンは、約13lb/ft3〜約20lb/ft3の範囲、例えば、約14lb/ft3〜約16lb/ft3の範囲の嵩密度 (bulk density)を有する。本明細書に記載されたヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンの特定の実施形態において、ヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンは、70%の組成物がU.S.#30スクリーン〜U.S.#120スクリーンを維持するように粒子サイズ分布を有する。また、本明細書に記載されたヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンの特定の好ましい実施形態は、実質的に微粒子がない。本明細書で使用されるように、“微粒子”は、125μm未満の最大直径を有する粒子である。一つの実施形態において、ヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンは、約15%未満、約10%未満、8%未満またはさらに約5%未満の微粒子を有する。もちろん、当業者が理解するように、製品からすべての微粒子を除去する必要がない場合もある。例えば、特定の実施形態において、ヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンは、約0.1%超過、約0.5%超過、1%超過またはさらに約3%超過の微粒子を含む。

特定の実施形態において、好ましい水分レベル、密度及び粒子サイズを提供するために、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンは、凝集された形態で提供され得る。当業者は、ヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンに所望の特性(例えば、粒子サイズ、密度、水分レベル及び微粒子の量)を付与するために、通常の凝集技術を調整することができる。

本開示の全般にわたって記述され、また下記でより詳細に記述されるように、デンプン製品は、アルファ化、すなわち、配合工程時に製造業者によってゼラチン化されて乾燥される。アルファ化デンプンは、更に強い加熱が必要なく、冷水または温水中に分散されるときに、粘度を生じさせる。アルファ化デンプンは、また予備調理されたデンプン、予備ゲル化されたデンプン、インスタントデンプン、冷水可溶性デンプン、及び冷水膨潤性デンプンとして当業界に知られている。

前記記載されたように、特定の実施形態において、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンは、実質的にゼラチン化(例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、またはさらに少なくとも約85%ゼラチン化)される。特定の実施形態において、デンプンのゼラチン化の程度は、約75%〜約99%、約80%〜約99%、または約85%〜約99%の範囲である。当業者は、示差走査熱量計(“DSC”)を利用してゼラチン化の程度を測定することができる。測定を行うために、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンを200μmよりも小さい粒子サイズで粉砕し、65%の含水量で水と混合する。次に、製品をDSC装置内で分当たり10℃の速度で10℃から100℃まで加熱させ、55℃〜85℃の範囲の融解(fusion)エンタルピーを測定し、原料、すなわち、非ゼラチン化ヒドロキシプロピル化デンプンの融解エンタルピーと比較する。下記により詳細に記載されたように、デンプンは、例えば、蒸気注入噴霧調理を介してデンプンを調理することによってゼラチン化され得る。

当業者は、本明細書に記載されたアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンが様々な種類のデンプンに基づくことができることを理解することができる。当業者は、本明細書の説明に基づいて、この性能、利用可能性及びコスト、及びアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンの所望の特性に基づいて特別なデンプンを選択することができる。

例えば、本明細書に記載されたアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンは、任意の天然供給源から由来されたデンプンに基づくことができる。本明細書で使用されるような天然デンプンは、植物から発見されるものであり、交雑、転位、逆位、形質転換、挿入、照射、化学的または他の誘導された突然変異、またはこの変異を含むための遺伝子または染色体工学の任意の他の方法を含む標準育種技術によって得られた植物から由来されたデンプンを含む。また、突然変異育種の知られた標準方法によって生成され得る前記一般組成物の誘導された突然変異及び変異から成長した植物から由来されたデンプンがまた天然デンプンとして使用するのに適合である。デンプンは、様々な供給源、例えば、穀物、塊茎及び根、豆及び果物から由来され得る。典型的な供給源またはデンプンはこれに制限されるものではないが、トウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモ、小麦、タピオカ、エンドウ、バナナ、オオバコ、麦、燕麦、ライ麦、ライ小麦、サゴ、アマランス、葛、カンナ、モロコシ、及び米を含み、この低いアミロース(waxy)及び高いアミロース変異体を含むことができる。一つの実施形態において、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンは、トウモロコシデンプン、例えば、ワキシートウモロコシデンプンに基づく。

本明細書に記載されたアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンの特定の実施形態において、デンプンは、アミロースと比較して高いレベルのアミロペクチンを有する。例えば、特定の実施形態において、デンプンの多糖類成分は、少なくとも約80%のアミロペクチン、少なくとも約90%のアミロペクチン、少なくとも約95%のアミロペクチン、少なくとも約98%のアミロペクチン、またはさらに少なくとも約99%のアミロペクチンである。例えば、デンプンは、ワキシーデンプン、例えば、ワキシートウモロコシデンプンまたはワキシージャガイモデンプンであってもよい。当業者は、また市販デンプンがしばしば他のデンプンによって一部レベル不純物を含むという点を認識するだろう。例えば、市販ワキシートウモロコシデンプンは、数パーセントのデント種トウモロコシデンプン不純物を含むことができる。例えば、市販ワキシートウモロコシデンプンは、不純物によって約10%未満または約7%未満のデント種デンプンを含むことができる。もちろん、当業者は、本明細書に記載されたアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンに所望の特性を付与するために、他の様々なデンプン、または様々なデンプンの混合物を選択することができる。

本明細書に記載されたアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンは、多数の技術を使用して製造することができる。例えば、特定の実施形態において、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンは、デンプンをヒドロキシプロピル化する段階、及び前記デンプンを表面処理してヒドロキシプロピル化デンプンを提供する段階を含む方法によって製造される。表面処理及びヒドロキシプロピル化は、選択的に他の段階などを介在して任意の手順で行われることができる。例えば、一実施形態において、ヒドロキシプロピル化は、処理の前に行われる。特定の実施形態において、例えば、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンに所望の粘度特性を付与するために、デンプンは、例えば、表面処理の前に架橋される。このような一実施形態において、ヒドロキシプロピル化デンプンは、表面処理の前に架橋される。

デンプンのヒドロキシプロピル化は、通常的なヒドロキシプロピル化技術を使用して、例えば、塩基性条件下で、プロピレンオキシドで処理することによって行うことができる。デンプンを高度の塩基性pH(例えば、約8.5〜約12.5、例えば、約10〜約12.5の範囲)で作ることができ、所望のレベルのヒドロキシプロピル化を提供するのに適した時間及び温度条件下で、プロピレンオキシドで処理することができる。pHは、任意の様々なもの、例えば、アルカリまたはアルカリ土類金属塩、例えば、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムで、例えば、使用されたデンプンの毎重量部当たり水酸化ナトリウムまたは等価の他のアルカリの約0.002〜約0.030重量部の範囲レベルに調整され得る。また、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、オルトリン酸二ナトリウム、及びオルトリン酸三ナトリウムのような加工補助剤を例えば、デンプンの重量部当たり使用された補助剤の約0.001〜約0.150重量部の範囲レベルで添加することができる。ヒドロキシプロピル化反応は、デンプン及びヒドロキシプロピル化の所望のレベルに応じて、様々な温度(例えば、20〜100℃)で様々な時間(例えば、3〜36時間)の間に様々な圧力(例えば、0.5〜5気圧、または雰囲気下)で行うことができる。デンプンをヒドロキシプロピル化する方式の一つの例において、ワキシートウモロコシデンプン、水、硫酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムを43.3℃(華氏温度110)で化合して11.6のpHを提供し、43.3℃(華氏温度110)で20〜24時間プロピレンオキシドと反応させる。過量のプロピレンオキシドを通常の技術を使用して除去することができる。

デンプンの架橋を、また例えば、任意の通常の方法を使用して行うことができる。架橋剤は、デンプンのアモルファス領域内の隣接する無水グルコース単位(例えば、アミロペクチンの)を結合させる。架橋は、顆粒が完全に膨潤し、結果的に崩壊されることを防止する。共有架橋構造は、また、顆粒が食品製造に有りがちな極端なpH及び高度のせん断工程に抵抗性があるようにすることができる。様々な架橋剤、例えば、二官能性エーテル化剤及び/またはエステル化剤、例えば、エピクロロヒドリン、ビス−β−クロロエチルエーテル、アジピン酸無水物のような二塩基性有機酸等価物、オキシ塩化リン(POCl3)、トリメタリン酸及びポリリン酸(例えば、このアルカリ及びアルカリ土類金属塩)、酢酸及び二−または三塩基性カルボン酸の線状混合無水物が使用され得る。また他の有用な架橋剤は、次亜塩素酸ナトリウムであり、これは、適切な量で適切なpH条件下で(例えば、11またはその以上)使用されるとき、架橋されたデンプンを提供する。本明細書に記載されたデンプン組成物の特定の実施形態において、架橋反応は、様々な条件下で行うことができる。例えば、POCl3を使用した架橋は、高度の塩基性pH(例えば、約8.5〜約12.5、例えば、約10〜約12.5の範囲、例えば、pH11.6で)で様々な温度[例えば、10〜100℃、20〜65℃、例えば、43.3℃(華氏温度110)]で十分な時間の間に行われて所望のレベルの架橋を提供することができ、以後の反応は、酸(例えば、塩酸、リン酸、硫酸)でpHを減少(例えば、約6.5に)させることによってクエンチすることができる。デンプンの架橋は、“Starch Derivatives:Production and Uses”by M.Rutenberg and D.Solarek,Starch:Chemistry and Technology,Chapter X,pp.324−332,1984、及び米国特許第2,328,537号及び第2,801,242号に更に記載されている。当業者が理解するように、デンプンの架橋は、ヒドロキシプロピル化の前または後に行われることができる。

特定の実施形態において、他の改質がアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンに存在してもよい。このような改質の例は、当業者によく知られているだろう。特定のこのような改質は、例えば、21 C.F.R.172.892に記載されており、その全文が本明細書に参照として含まれる。例としては、1−オクテニル無水コハク酸、無水酢酸、 酢酸ビニル、アクロレイン、無水コハク酸による変性、及び様々な酸化剤による漂白を含む。このような変性は、当業者によく知られており、例えば、MODIFIED STARCHES:PROPERTIES AND USES,Ed.Wurzburg,CRC Press,Inc.,Florida(1986)に記載されている。任意の追加的な改質は、特定の実施形態において、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン中で約10重量%未満、約5重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、またはさらに0.5重量%未満のレベルで提供される。しかし、特定の代替実施形態において、実質的に追加改質は存在しない。

前述のように、デンプンは、また例えば、分散可能な特性を有するアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン製品を提供することを助けるために、表面処理される。表面処理は、下記により詳細に記載されたように、様々な方式で行われることができる。表面処理は、例えば、ゼラチン化の前に行われることができる。また、前記で言及したように、本明細書に記載されたアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンの特定の実施形態において、デンプン顆粒は、これらの表面に実質的に減少されたタンパク質(例えば、相応する天然デンプンの表面タンパク質の約80%未満、約50%未満、または約20%未満)を有する。当業者は、本明細書に記載された表面処理を行ってアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンに所望のレベルの表面タンパク質を提供することができる。例えば、表面処理は、デンプンの表面からデンプンの少なくとも約20%、少なくとも約50%、またはさらに少なくとも約80%のデンプン(すなわち、表面処理が行われる材料と比較して)を除去するのに十分な条件及び時間の間で行うことができる。

例えば、本明細書に記載されたアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンの特定の実施形態において、デンプンは、プロテアーゼで(例えば、ヒドロキシプロピル化の前または後に、そして、架橋の前または後に)処理される。プロテアーゼ処理は、前記記載されたように、タンパク質の量を実質的に減少させるとか、または他にアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン製品の分散性を向上させる(例えば、牛乳分散可能なデンプンを提供するために)のに十分な条件下で行うことができる。適したプロテアーゼの例は、例えば、サーモリシン、ペプシン、Arg−C、エラスターゼ及びトリプシンを含む。例えば、デンプンは、上昇された温度(例えば、35〜75℃、50〜70℃、または約64℃)で数時間(例えば、1〜10、2〜8、または約4時間)の間にサーモリシンで処理されてデンプン顆粒の表面から一定量のタンパク質を除去するとか、または他にアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン製品の分散性を向上させる(例えば、牛乳分散可能なデンプンを提供)ことができる。当業者は、当業界に公知の酵素的消化過程に基づいてプロテアーゼ処理のための過程を開発するだろう。

本の明細書に記載されたアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンの他の実施形態において、デンプンは、アミラーゼのようなカルボヒドラーゼで(例えば、ヒドロキシプロピル化の前または後に、そして、架橋の前または後に)処理される。カルボヒドラーゼまたはアミラーゼ処理は、前記記載されたように、タンパク質の量を実質的に減少させるとか、または他にアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン製品の分散性を向上させる(例えば、牛乳分散可能なデンプンを提供するために)のに十分な条件下で行うことができる。カルボヒドラーゼ処理は、例えば、デンプン顆粒の表面層を除去して表面層と共に表面タンパク質を除去する条件下で行うことができる。適したカルボヒドラーゼの例は、例えば、ベタラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ及びγ−アミラーゼを含み;当業者が理解するように、カルボヒドラーゼは、組み合わせて順次にまたは同時に使用され得る。当業者は、当業界に公知の酵素的消化過程に基づいてカルボヒドラーゼ処理のための過程を開発するだろう。

他の実施形態において、表面処理は、前記記載されたように、タンパク質の量を実質的に減少させるとか、または他にアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン製品の分散性を向上させる(例えば、牛乳分散可能なデンプンを提供するために)のに十分な条件下で(例えば、ヒドロキシプロピル化の前または後に、そして、架橋の前または後に)酸による処理である。酸処理は、特に、デンプンが酸処理の前に架橋された場合に、これがアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンの粘度を適していないレベルで減少させないように行われることができる。例えば、デンプンは、前記記載されたように、タンパク質の量を減少させるとか、または他にアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン製品の分散性を向上させる(例えば、牛乳分散可能なデンプンを提供するために)のに十分な温度及び時間の間に強酸(例えば、塩酸、硫酸)で約3以下、さらに約2以下(例えば、約1〜約2.5、約1.3〜約2、約2、約1.5、または約1)のpHの水性媒質内で処理され得る。例えば、前記処理は、様々な温度(例えば、20〜100℃、または30〜80℃、または35〜55℃)で様々な時間(例えば、3〜36時間、または4〜20時間、または6〜10時間)の間に様々な圧力(例えば、0.5〜5気圧、または雰囲気下)で行われることができる。酸処理は、例えば、デンプン顆粒の表面層を除去して表面層と共に表面タンパク質を除去する条件下で行うことができる。様々な強酸、例えば、塩酸、硫酸、またはリン酸がpHを調整するために使用され得る。所望のレベルの反応が達成された時、反応混合物は、適した塩基(例えば、アルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムまたは重炭酸ナトリウム)で実質的に中和される(例えば、約5.5〜約8.5の範囲、約6.5、約7、または約7.5のpHで)ことができる。

もちろん、他の表面処理技術がデンプンの表面でタンパク質の量を減少させるとか、または他にアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン製品の分散性を向上させる(例えば、牛乳分散可能なデンプンを提供するために)ために使用され得る。例えば、一実施形態において、表面処理は、デンプンの表面でタンパク質の量を減少させるとか、または他にアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン製品の分散性を向上させる(例えば、牛乳分散可能なデンプンを提供するために)のに十分な条件下で行われる機械的研磨である。

本明細書に記載された任意の反応後に、デンプン製品または中間体は、不純物、例えば、本明細書に記載された変性、架橋及び/または表面処理作業時に導入されたものを実質的に除去するために洗浄され得る。当業者が理解するように、様々な方法及び装置がデンプン製品または中間体を洗浄するために使用され得る。例えば、デンプン製品または中間体は、水、希釈酸、希釈塩基またはバッファーを使用し、選択的に界面活性剤を添加して1回以上洗浄し、遠心分離、ろ過または沈澱により洗浄液から分離することができる。デンプン製品または中間体の洗浄時、有用な遠心分離装置の例は、Mercoノズル遠心分離機がある。

同様に、本明細書に記載されたデンプン製品は、任意の中間体または最終製品段階で、デンプンの固有の、あるいは工程中で引き起こされた風味、匂い、または色をデンプンから除去するために当業界に公知の任意の方法で精製され得る。デンプンを処理するための適した精製過程は、ヨーロッパ特許出願公開第554818号に開示されている。アルカリ洗浄技術がまた有用である。このような洗浄技術の例は、米国特許第4,477,480号及び第5,187,272号に記載されている。

ゼラチン化の所望の程度は、デンプンを調理することによって達成することができる。例えば、特定の実施形態において、ヒドロキシプロピル化表面処理されたデンプンは、噴霧調理で実質的にゼラチン化(例えば、前記のような程度に)される。当業者は、噴霧調理が様々な装置を使用して様々な方式で行われることができるということを理解するだろう。例えば、特定の実施形態において、噴霧調理は、Spraying Systems Co.及びDelevan Spray Technologiesから入手可能なものなどのように、2段階の蒸気注入された噴霧調理ノズルを使用して行われる。当業者は、通常的な噴霧乾燥工程を変更して所望の噴霧調理された製品を提供するだろう。前記工程は、例えば、約4.5〜約6の範囲のpHでデンプンスラリーを使用して行うことができる。前記工程は、例えば、約204.4℃(華氏温度400)〜約273.9℃(華氏温度525)の範囲(例えば、華氏温度約425、約450、約475または約500)のノズル注入口温度;及び約79.4℃(華氏温度175)〜約126.7℃(華氏温度260)(例えば、華氏温度約195、約210、約230または約250)の範囲のノズル排出口温度で行うことができる。前記工程は、例えば、約3500psig〜約5500psig、例えば、約4000psig〜約5000psigの範囲の圧力で行うことができる。蒸気圧力は、例えば、約130psig〜約165psig、例えば、約140〜約155psigの範囲であり得る。噴霧調理工程の実施形態は、米国特許第4,280,851号に記載されており、これは、ここにその全体が参照として本明細書に含まれ;当業者は、他の噴霧調理工程が使用するように適合され得ることを理解するだろう。特に、特定の実施形態において、噴霧調理された製品は、約4%〜約7%の範囲の水分レベルを有する、実質的に乾燥固体(例えば、微細粉末の形態)である。

もちろん、当業者は、他の工程などがデンプンを調理と乾燥するのに使用され得るということを理解するだろう。例えば、当業者は、ヒドロキシプロピル化表面処理されたデンプンが代替的に異なる作業で調理され、乾燥され得ることを理解するだろう。例えば、特定の実施形態において、ヒドロキシプロピル化表面処理されたデンプンは、先に調理されて所望の程度のゼラチン化を提供した後、乾燥されて所望の水分レベルを提供する。様々な種類の調理工程、例えば、ジェット−調理及び噴霧調理が使用され得る。好ましくは、水分(例えば、蒸気形態)が調理工程時に存在してゼラチン化を助ける。様々な乾燥技術、例えば、噴霧乾燥、加熱乾燥、トレイ乾燥及びドラム乾燥が使用されて乾燥された製品を提供することができる。乾燥された製品は、例えば、約4%〜約7%の範囲の水分レベルを有する、実質的に乾燥固体であり得る。当業者は、所望の程度のゼラチン化及び所望の含水量を提供するために、通常の調理及び乾燥過程を変更することができる。

本明細書に記載されたデンプン組成物の特定の実施形態において、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン(例えば、前記記載されたような乾燥製品)は、凝集されて凝集されたヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンを提供する。凝集は、当業者によく知られた任意の様々な方法、例えば、グラット(Glatt)流動層凝集機を使用した再湿潤化凝集(rewet agglomeration)を使用して行うことができる。当業者は、前記記載されたように、材料に所望の水分、粒子サイズ及び嵩密度特性を付与するために、凝集条件を調整することができる。凝集は、例えば、6%〜約10%の範囲、または約7.5%〜約10%の範囲、約6%〜約15%の範囲、または約7.5%〜約15%の範囲、または約6%〜約8.5%の範囲、約7.5%〜約8.5%の範囲の含水量を有する材料を提供するために、行われることができる。同様に、凝集は、凝集された材料が約13lb/ft3〜約20lb/ft3の範囲、例えば、約14lb/ft3〜約16lb/ft3の範囲の嵩密度を有するように行われることができる。同様に、凝集は、凝集された材料の70%がU.S.#30スクリーン〜U.S.#120スクリーンを維持するように行われることができる。凝集は、また微粒子が実質的にない材料を提供するために、行われることができる。一実施形態において、凝集されたヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンは、約15%未満、約10%未満、8%未満またはさらに約5%未満の微粒子を有する。もちろん、当業者が理解するように、製品からすべての微粒子を除去する必要がないことがある。例えば、特定の実施形態において、凝集されたヒドロキシプロピル化、アルファ化デンプンは、約0.1%超過、約0.5%超過、1%超過またはさらに約3%超過の微粒子を含む。

特定の実施形態において、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプン(例えば、前記記載されたような乾燥製品)は、凝集の前に粉砕され、例えば、凝集のための比較的均一なサイズの粒子を提供する。粉砕の種類及び程度は、日常的な実験に基づいて当業者によって選択され得る。

もちろん、当業者は、他の方法及び装置を使用して凝集物を提供することができることを理解するだろう。例えば、その全体が参照として本明細書に含まれる、米国特許第4,871,398号は、ゼラチン化された噴霧乾燥デンプン凝集体を製造するための連続方法を記載している。このような方法は、米国特許第4,280,851号に記載された種類の2つ以上のキャップされた二流体ノズルを使用する。2つ以上のノズルは、これらの噴霧パターンが交差するように乾燥タワー内に整列される。交差点は、塊化を避けるために、ノズルから充分に離れているが、粒子表面が十分に粘性であるので、凝集体内に粒子が付着するようにノズルに十分に近い。

本明細書に記載された方法は、本明細書に記載された特性を有するアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンを提供するために、当業者に適合することができる。

本明細書に記載されたアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンは、様々なデンプン組成物に剤型化され得る。従って、本発明の一実施形態は、本明細書に記載されたようなアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンを含むデンプン組成物である。例えば、特定の実施形態において、デンプン組成物は、アルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンで構成されるとか、または本質的にこれから構成される。もちろん、当業者は、他の成分、例えば、栄養素及び着香料がデンプン組成物に含まれ得ることを理解することができる。特定の実施形態において、デンプン組成物は、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%またはさらに少なくとも約99%の本明細書に記載されたようなアルファ化、ヒドロキシプロピル化デンプンを含む。

本明細書に記載されたようなデンプン組成物の特定の実施形態において、デンプン組成物は、マルトデキストリンを実質的に含まない。本発明者らは、マルトデキストリンの添加が牛乳分散性を向上させるのに理論的に役に立つが、深刻な工程及び製品不調和(インコンシステンシー)(例えば、pH安全性、流動性、緩い嵩密度、粘度、濃度に関して)が発生して信頼することができない分散性を有する製品を提供することができるということを確認した。本明細書に記載されたようなデンプン組成物の特定の実施形態において、デンプン組成物は、約5%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.1%未満、またはさらに約0.05%未満のマルトデキストリンを有する。

本発明の他の態様は、水性液体を増粘させる方法である。前記方法は、本明細書に記載されたようなデンプン組成物を液体中に分散させて実質的に均質な増粘された液体を提供する段階を含む。本明細書で使用されるように、実質的に均質な増粘された液体は、ふるい上に残留されるデンプンによる塊なしに10メッシュふるいを介して通過するだろう。好ましくは、デンプン組成物は、5分以下(例えば、4分以下、3分以下、2分以下、90秒以下、またはさらに1分以下)の間に液体中で掻き混ぜられて実質的に均質な増粘された液体を提供する。好ましくは、分散工程は、約6分未満(例えば、5分以下、4分以下、3分以下、2分以下、またはさらに90秒以下)がかかる。特定の実施形態において、デンプン組成物は、250mL液体当たり約15mL〜約50mLの範囲の割合で液体に添加される。特定の好ましい実施形態において、液体は、デンプン組成物がここに分散されるときに、約5℃〜約30℃の範囲の温度である。

当業者が理解するように、様々な水性液体を本明細書に記載されたデンプン組成物を使用して増粘させ得る。例えば、一実施形態において、液体は、飲用可能な液体である。飲用可能な液体の増粘化は、特に前記記載されたように、嚥下障害を病んでいる人々に有用であることができる。本明細書に記載されたように、増粘させ得る液体の例は、例えば、水、飲料、スープ、ブロス、ソース、グレービー、シロップ、ドレッシング、薬物及び栄養補助剤を含む。例えば、一実施形態において、液体は牛乳である。他の実施形態において、液体は水である。

本発明に対する様々な改質及び変形が本発明の範囲を逸脱せずになされ得ることは、当業者に明らかである。従って、本発明は、添付された特許請求の範囲及びこれらの等価物の範囲内にあれば、本発明の改質及び変形を含むものと意図される。

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