【技術分野】 【0001】 本発明は、新規なタイプのマトリックス材料中に埋め込まれた活性物質を含むマイクロカプセル、その様なマイクロカプセルを製造する方法及びそのマイクロカプセルを含む製品に関する。 【背景技術】 【0002】 天然に生起し且つ変性された多糖類及び天然に生起する親水コロイド、例えば、アルギネート、カラゲナン、ゼラチン、ペクチン、アラビアゴム及びアカシアゴムは、食品、補助食品、医薬及び農業製品における感応性活性物質、例えば、ビタミン及び芳香及び香料物質を、酸素、水蒸気及び放射線の影響と物理的影響から保護し、その活性物質の化学的及び/又は物理的劣化を避け、それらの貯蔵安定性を改善する為のマイクロカプセル化の為のマトリックス材料として広範囲に使用されている。 マトリックス材料として現在使用されている親水コロイドは、主として動物由来、例えば、哺乳類及び魚由来のゼラチン質材料である。 然しながら、動物由来のマトリックス材料の使用をベースとしたマイクロカプセル化製品は、菜食主義者用食品、ユダヤ教の掟に叶った食品及びイスラム教の掟に叶った食品の様な幾つかの製品では使用できない。 更に、動物由来の食品製品の使用を規制する法制化が、同様に、将来厳しくなる。 【0003】 動物由来のマトリックス材料の代替としてペクチン物質を使用する事が試みられてきたが、柑橘類或いは甜菜ペクチンの様なペクチン物質は、マイクロカプセル化された活性物質の劣化に対する保護だけであって、所望の貯蔵安定性を持つマイクロカプセル化製品は与えない事が分かった。 マルトース又はマルトースシロップ又は低分子量炭水化物、例えば、マルトデキストリンの混合物であって、任意に、高分子炭水化物、乳化剤及び任意に耐酸化剤を組合せた混合物から成る炭水化物マトリックス中に埋め込まれた脂溶性物質を含むカプセル化組成物が開示されている(特許文献1参照)。 甜菜ペクチンの様なペクチン材料を含む水性媒体を、カルボン酸エステル加水分解酵素とオキシダーゼ及び/又はペルオキシダーゼで、オキシダーゼ及び/又はペルオキシダーゼと一緒に使用する為の酸化剤の存在下に処理する事によって水性媒体をゲル化又はその粘度を増加させる方法が開示されている(特許文献2参照)。 その結果得られるゲル化又は粘稠製品は、例えば、食品用途での増粘剤及び/又は安定剤として、医学/医薬用途での薬剤カプセル化の為の材料として、及び医学/医薬並びに農業/園芸用途での緩慢な放出ビヒクルとして適当である事が記載されている。 【0004】 甜菜アラバンをα−L−アラビノフラノシダーゼで処理して得られる非分岐アラバン、例えば、甜菜由来の非分岐アラバン及び、ゲル化剤、乳化剤及びカプセル化材料としての用途が開示されている(特許文献3参照)。 その方法で酵素基体として使用される甜菜アラバンは、甜菜パルプのアルカリ処理によって得られ、原料甜菜アラバンは、一般的に、70〜85%のアラビノース、5〜10%のウロン酸、8〜15%のD−ガラクトース及び数%のラムノース並びにその他の単糖類を含む。 ビートペクチン、チコリーペクチン及びキクイモから選ばれる未変性ペクチンで少なくとも部分的に被覆された、好ましくは、高度にアセチル化された着色物質体を含む組成物が開示されている(特許文献4参照)。 オレンジフルーツペクチンアセチルエステラーゼ及び、エステラーゼをフルーツ又は野菜由来のペクチンの様な物質と接触させる方法が開示されている(特許文献5参照)。 甜菜ペクチンを、開示されているアセチルエステラーゼで脱アセチル化する事によって改善されたゲル化性が得られる。 【0005】 【特許文献1】 ヨーロッパ特許出願公開第1066761号明細書【特許文献2】 米国特許第5998176号明細書【特許文献3】 デンマーク特許出願第199101060号明細書【特許文献4】 国際公開第00/70967A1パンフレット【特許文献5】 国際公開第00/17368パンフレット【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明の目的は、非動物由来のマトリックス材料を含むカプセルであって、マトリックス材料中に埋め込まれた活性物質を化学的且つ物理的影響から保護する事のできるカプセルを提供する事である。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明のカプセルは、マトリックス材料が、ペクチン物質を、エステラーゼ(E.C.3.1)、グルコシダーゼ(E.C.3.2)、ペプチダーゼ(E.C.3.4)、プロテアーゼ(E.C.3.4)及びリアーゼ(E.C.4)から成る群から選ばれる一種以上の酵素で処理する事によって得られる事を特徴とする。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 未変性ペクチンのマトリックス材料を含むマイクロカプセルと比較して、本発明のマイクロカプセルで得られる改善された安定性は添付の図面から明らかである。 図1及び2は、時間の関数として、種々のマトリックス材料中に埋め込まれたビタミンAパルミテートを含むマイクロカプセルの効力を示す曲線を示す。 この曲線から、本発明のマイクロカプセル、即ち、プロテアーゼで処理されたペクチン、分岐β−ペクチン、脱アセチル化β−ペクチン、ラムノガラクトロナーゼで処理されたβ−ペクチン、リアーゼで処理されたβ−ペクチン、カルボキシペプチダーゼA又はBで処理されたβ−ペクチン及びフレーバーザイム500L(Flavourzyme 500L)(商標)で処理されたβ−ペクチン及びリアーゼで処理されたオレンジペクチンは、25℃、60%RH及び40℃、75%RHで、少なくとも20日間貯蔵された時に、マトリックス材料として未変性ペクチンを含むマイクロカプセルよりも顕著に良好な安定性を示す事は明らかである。 【0009】 本明細書で使用される「マイクロカプセル」と言う用語は、複数の固体又は液体微粒子をその中に埋め込んでいるマトリックス材料を含むそれぞれの粒子を意味する。 ペクチンは、(1⇒4)−α−グリコシド結合で結合された高分子量ポリガラクツロン酸であり、その内のカルボン酸基の幾つかは、メタノールでエステル化され、それらは、ポリマーのバックボーンが、豊富なラムノースで占められ且つ複雑な性質の側鎖、即ち、「毛様領域」を有する可撓性領域から成る。 又、ペクチンは、バックボーンが本質的にガラクツロン酸又は、メチル又はエチル基の様な非常に小さい側鎖を有するガラクツロン酸残基から成る硬質領域である「平滑領域」を含む。 米国特許第5,929,051号明細書は、現在知られているペクチン及びペクチン物質の一般的構造について更に詳細な検討を行っている。 本発明に関して使用される「ペクチン物質」と言う用語は、ペクチン、ペクチン酸及びペクチン酸の塩及びエステル(ペクテート)を包含し、このペクチン物質は40%以上のガラクツロン酸含有量を有する。 ペクチン物質のガラクツロン酸含有量は、好ましくは、50%以上、更に好ましくは65%以上である。 【0010】 本発明のマイクロカプセルのマトリックス材料は、好ましくは、毛様領域、即ち、ペクチンのラムノガラクツロナンバックボーンの側鎖の変性が出来る一種以上の酵素で処理されているペクチンから成る。 その様な酵素の好ましい例は、ラムノガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アラビナナーゼ、ガラクタナーゼ及びα−アラビノフラノシダーゼである。 その他の好ましいマトリックス材料は、ペクチンの平滑領域のバックボーンを変性して毛様領域を含む別々の要素を形成する事のできる一種以上の酵素で処理されているペクチンである。 その様な酵素の例は、ペクチンリアーゼと、ポリガラクツロナーゼとペクチンメチルエステラーゼの組合せである。 殆どのペクチンはタンパク質を、例えば、約1〜5%w/wの量で含み、そして驚くべきことに、その様なタンパク質を含むペクチンの保護性は、パパイン、ペプシン及びトリプシンの様なプロテアーゼで処理されると顕著に改善される事が分かった。 【0011】 本発明により変性されるペクチン材料は、好ましくは、甜菜、赤カブ、チャード、飼料ビート、ホウレン草ビート、シルバービート及びフォッダービートを含むビートの根(ベータバルガリスL.ケノポジアセア)(Beta vulgaris L. Chenopodiaceae)、或いは、オレンジ、グレープ、大豆、アマの種子、キクイモ、セロリ及びポテト由来のものである。 甜菜ペクチンは特に有用なペクチン物質である。 本発明のペクチン物質を変性するのに使用する酵素の定義で使用される酵素分類体系は、補足付「酵素命名法」(Enzyme Nomenclature 1992, Academic Press, san Diego, California)に記述されている。 加水分解酵素(E.C.3)のサブクラスを構成するエステラーゼ(E.C.3.1)は、ペクチンのエステル基の加水分解を触媒する酵素である。 ペクチン物質の変性の為の使用に好ましいエステラーゼは、ラムノガラクツロナン−アセチルエステラーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ及びペクチンメチルエステラーゼの様な脱アセチル化酵素である。 又、加水分解酵素(E.C.3)のサブクラスを構成するグルコシダーゼ(E.C.3.2)は、ペクチン中のグルコシド結合の加水分解を触媒する酵素である。 好ましいグルコシダーゼは、α−アラビノフラノシダーゼ、ガラクタナーゼ、アラビナナーゼ及びエンド及びエキソ−ポリガラクツロナーゼの様な脱分岐酵素である。 α−アラビノフラノシダーゼ、ガラクタナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ及びアラビナナーゼの混合物が特に有用である。 【0012】 又、加水分解酵素(E.C.3)のサブクラスを構成するペプチダーゼ及びプロテアーゼ(E.C.3.4)は、ペプチド結合の加水分解を触媒する。 好ましいプロテアーゼは、パパリン、ペプシン及びトリプシン(エンドペプチダーゼ)、及びカルボキシペプチダ−ゼA及びB(エキソペプチダーゼ)、並びにエンド−及びエキソ−ペプチダーゼの組合せ、例えば、フレーバーザイム500L(Flavorzyme 500L)(商標)である。 適当な市販のプロテアーゼの例としては、バリーリサーチ社のパパイン16000及びDSMギスト−ブロカデス食品スペシャリティー社のコラプリン(Collupulin)(登録商標)が挙げられる。 リアーゼ(E.C.4)は、二重結合への付加を触媒する酵素である。 好ましいリアーゼは、ペクチナーゼPLリアーゼである。 「脱アセチル化酵素」と言う用語は、ペクチンの毛様領域のバックボーン中のガラクツロン酸残基に共有結合したアセチル基を除去する事のできる酵素を意味する。 「ひげ剃り酵素」又は「脱分岐酵素」と言う用語は、ペクチンの毛様領域の側鎖の長さを減少させる事のできる酵素を意味する。 「ペクチンエステラーゼ」と言う用語は、ペクチンのバックボーン中のガラクツロン酸残基からエステル残基を除去する事の出来る酵素を意味する。 【0013】 実際には、ペクチン物質の酵素変性は次の様にして行われても良い。 ペクチン調製品の温度及びpHは、夫々に、使用される酵素の作用温度とpHに調節される。 酵素は、イオン交換水に溶解/希釈されてペクチン調製品に添加される。 反応は連続的に攪拌しながら行われ、必要に応じてpHが滴定によって調節される。 一定時間後に反応は、pHを下げる事によって停止される。 酵素を不可逆的に不活性化する為に、温度を10分間80℃まで上げる。 溶液の温度を下げてペクチンを、80%2−プロパノール中で沈殿させる(1:3)。 沈殿したペクチンは、ベルトプレス上で水抜きされ、70℃の乾燥室中に24時間置かれる。 乾燥後、ペクチンを粉砕して篩分けをする(DIN24)。 酵素処理の基体として使用されるペクチン調製品は、原料、例えば、甜菜から直接に得られた抽出物である事もできれば、或いは、精製されたペクチン生成物の溶液である事もできる。 甜菜ペクチンの抽出物は、次の様にして調製されても良い。 1)乾燥粒状ビートパルプを、強い無機酸、好ましくは硝酸と混合する。 2)パルプを、約1時間〜5時間、60〜80℃で、1.5〜2.5のpH範囲で徹底的攪拌で抽出する。 3)得られた混合物を、廃棄固体とペクチン含有液体とに分離する。 4)ペクチン含有液体を上述の酵素で処理する。 【0014】 ペクチン溶液は、ペクチン粉末を温(70℃)イオン交換水に添加して造られる。 この調製品を連続的に攪拌してペクチンを完全に溶解する。 本発明のマイクロカプセル中に含まれる活性物質は、貯蔵、運搬、取り扱い及び使用中に、その物質の物理的且つ化学的分解を避ける為に酸素、水分、光照射及び物理的影響からの保護が必要な物質である。 これらの活性物質は、更に、化学的或いは生物学システムにおいて活性であると定義される。 更に、保護マトリックスは、組成物に存在する他の物質との反応から、或いは、その使用中に接触するかも知れない物質との反応及び活性物質の所望の活性により有害な影響を有する物質との反応からこの活性物質を守る為に使用されても良い。 又、保護マトリックスは、例えば、液体及びくっつき易い為に取り扱いが難しいその他の物質を、使用中の取り扱い及び加工に適した固体形態、例えば、マイクロカプセルの粉末に変換するのに使用されても良い。 【0015】 本発明において使用に適した活性物質の例としては、脂溶性物質、例えば、ビタミン、脂肪酸、例えば、(n−3)脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)及びアイコサペンタエン酸(EPA)を含む魚油の形態で及び月見草油及び(n−6)脂肪酸のγ−リノール酸を含むヒマシ油の形態で添加されても良いモノ−及びポリ不飽和脂肪酸、カロチノイド、例えば、β−カロチン、ルテイン、リコペン、β−クリプトキサンチン及びゼアキサンチン、油脂、水溶性物質としてのビタミンC、アミラーゼの様な酵素、薬剤としてのグリセオフルビン、イブプロフェン、ベンゾジアゾピン、フェナセチン、ホルモン及びパラセタモール、及びその他の栄養補給剤、例えばミネラルが挙げられる。 追加の活性物質は芳香及び香料化合物である。 本発明のマイクロカプセルのマトリックス材料は、通常の添加剤、例えば、耐酸化剤、例えば、t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、t−ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸、アスコルビルパルミテート、アスコルビン酸ナトリウム、トコフェロール、TBHQ、エトキシキン、没食子酸プロピル、及びハーブの抽出物、即ち、ローズマリー抽出物、粉末剤、例えば、澱粉、変性澱粉、燐酸三カルシウム、ラクトース、マンニトール、エチルセルロース、凝固蛋白、凝固ゼラチン、カゼイン、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、金属石鹸、水素化ヒマシ油、ポリオキサイド、滑石粉及びシリケート、固化防止剤、例えば、燐酸三カルシウム及びシリケート、即ち、二酸化ケイ素及びナトリウムアルミニウムシリケート、可塑剤、例えば、炭水化物および炭水化物アルコール、例えば、サッカロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、転化糖、ソルビトール、マンニトール、マルトデキストリン、グリセリン及びそれらの混合物、好ましくはサッカロース、ラクトース、マルトデキストリン及びそれらの混合物を含んでも良い。 【0016】 又、本発明は、マトリックス中に埋め込まれた活性物質を含むマイクロカプセルを製造する方法であって、エステラーゼ(E.C.3.1)、グルコシダーゼ(E.C.3.2)、ペプチダーゼ(E.C.3.4)、プロテアーゼ(E.C.3.4)及びリアーゼ(E.C.4)から成る群から選ばれる一種以上の酵素で処理する事によって変性されるペクチン物質の水性媒体を用意する工程、前記溶液に少なくとも一種の活性物質を添加する工程、この様にして得られた混合物を微粉化して乾燥し、変性されたペクチン物質を含む、マトリックス中に埋め込まれた活性物質の複数の液体又は固体微粒子を含むそれぞれの粒子の塊を得る工程を含む方法に関する。 上記方法の最終工程は、通常の方法、例えば、噴霧冷却、噴霧乾燥、変性噴霧乾燥又はシート乾燥及び粉砕で行われても良い(WO91/06292参照)。 また、本発明は、上述のマイクロカプセルを含む製品に関する。 その様な製品の一般的な例は、食品、補助食品、飲料、薬理学的及び獣医学的製品、飼料、補助飼料、パーソナルケア製品又は家庭用品である。 本発明は、以下の実施例を以って更に詳細に記述される。 【実施例】 【0017】 実施例において、分子量(MW)は、次の通り、毛細管法の原理で測定された: 流出時間は、ペクチン/ヘキサメタホスフェート溶液に対して測定され、その後に、周知の式(WO00/58367、カルシウム感度を低下させたペクチン、第12頁参照)にならって分子量が計算された。 流出時間は二つの出口で測定された。 時間差が0.4秒以上の場合は、その差が妥当な値になるまで測定を繰り返した。 分子量の決定の為に使用された流出時間は、上述の同じ又は実質的に同じ測定結果の平均値である。 酵素変性ペクチン物質の調製 【0018】 実施例1 この実施例では、ペクチン物質は、甜菜由来のものであり(GENU beta pectin, lot 92455, CP Kelco ApS, Lille Skensved, Denmark)、酵素はパパイン(Collupulin(登録商標)papain batch R9741, DSMギスト−ブロカデス食品スペシャリティー社製、Delft, Netherlands)であった。 1000リットルのイオン交換水を70℃に加熱し、0.4MのNaClを溶解し、連続的に攪拌しながら20kgのペクチン物質を添加した。 ペクチンが完全に溶解した後、温度を45℃まで下げ、pHを2%(w/v)NH 3溶液で滴定して5.50に調整した。 240gのコラプリン(Collupulin)を凡そ5リットルのイオン交換水に周囲温度で溶解し、ペクチン溶液に添加した。 実験中、pHは2%(w/v)NH 3溶液で滴定して5.50で一定に保持された。 20分後、6127mlの2%(w/v)NH 3を添加し、pH2.50まで10%HNO 3溶液を添加して反応を停止した。 酵素を不可逆的に不活性化する為に、温度を80℃まで上昇させ、80℃で10分後に、溶液を50℃まで冷却し、変性ペクチンを80%2−プロパノール中(1:3)で沈殿させた。 沈殿したペクチンをベルトプレス上で水抜きし、70℃の乾燥室中に24時間置いた。 【0019】 乾燥後、ペクチンを粉砕し、篩分けを行った(DIN24)。 酵素処理されたペクチンのアセチル化度(%D(Ac))、エステル化度(%DE)、ガラクツロン酸含有量(%GA)および分子量(MW)が決定され、得られた結果が表1に示される。 【0020】 表1
【0021】
実施例2 この実施例では、ペクチン物質は甜菜由来のものであり(GENU beta pectin, lot 82899, CP Kelco ApS, Lille Skensved, Denmark)、使用された酵素は、α−アラビノフラノシダーゼ(α−ARA)(batch sp 580, PPJ4494)、アラビナナーゼ(batch sp 564, PPJ4381)及びガラクタナーゼ(batch sp 518, PPJ 4368)であり、全てノボノルディスク社製(Bagsvaerd, Denmark)であった。
1000リットルのイオン交換水を60℃に加熱し、連続的に攪拌しながら10kgのペクチン物質を添加した。 ペクチンが完全に溶解した後、温度を45℃まで下げ、pHを2%(w/v)NH
3溶液で滴定して4.50に調整した。 5gのアラビナナーゼ、35gのα−アラビノフラノシダーゼ及び35gのガラクタナーゼを凡そ1リットルのイオン交換水で周囲温度で希釈し、ペクチン溶液に添加した。 4時間後、pH3.00まで10%HNO 3溶液を添加して反応を停止した。 酵素を不可逆的に不活性化する為に、温度を80℃まで上昇させ、80℃で10分後に、溶液を20℃まで冷却し、変性ペクチンを80%2−プロパノール中(1:3)で沈殿させた。 沈殿したペクチンをベルトプレス上で水抜きし、70℃の乾燥室中に24時間置いた。 乾燥後、ペクチンを粉砕し、篩分けを行った(DIN24)。 酵素処理されたペクチンのアセチル化度(%D(Ac))、エステル化度(%DE)、ガラクツロン酸含有量(%GA)および分子量(MW)及び中性の糖類含有量が決定され、得られた結果が表2に示される。
【0022】
表2
【0023】
実施例3 この実施例では、ペクチン物質は、甜菜由来のものであり(GENU beta pectin, lot 92455, CP Kelco ApS, Lille Skensved, Denmark)、酵素はラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ(batch PPJ4456, ノボノルディスク社製(Bagsvaerd, Denmark)であった。
50リットルのイオン交換水を70℃に加熱し、連続的に攪拌しながら1kgのペクチン物質を添加した。 温度を50℃まで下げ、pHを2%(w/v)NH
3溶液で滴定して4.50に調整した。 10gのラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼをペクチン溶液に添加した。 連続的に攪拌しながら50℃で24時間後、pH2.50まで10%HNO 3溶液を添加して反応を停止した。 酵素を不可逆的に不活性化する為に、温度を80℃まで上昇させ、80℃で10分後に、溶液を50℃まで冷却し、変性ペクチンを80%2−プロパノール中(1:3)で沈殿させた。 沈殿したペクチンをベルトプレス上で水抜きし、70℃の乾燥室中に24時間置いた。 乾燥後、ペクチンを粉砕し、篩分けを行った(DIN24)。 アセチル化度(%D(Ac))、エステル化度(%DE)、ガラクツロン酸含有量(%GA)および分子量(MW)が決定され、得られた結果が表3に示される。 【0024】
表3
【0025】
実施例4 この実施例では、ペクチン物質は、甜菜由来のものであり(GENU beta pectin, lot 82899, CP Kelco ApS, Lille Skensved, Denmark)、酵素はラムノガラクツロナーゼ(batch PPJ4478, ノボノルディスク社製(Bagsvaerd, Denmark)であった。
50リットルのイオン交換水を70℃に加熱し、連続的に攪拌しながら1kgのペクチン物質を添加した。 温度を50℃まで下げ、pHを2%(w/v)NH
3溶液で滴定して4.50に調整した。 3.125gのラムノガラクツロナーゼを凡そ50mlのイオン交換水に溶解し、ペクチン溶液に添加した。 50℃で4時間後、pH2.50まで10%HNO 3溶液を添加して反応を停止した。 酵素を不可逆的に不活性化する為に、温度を80℃まで上昇させ、80℃で10分後に、溶液を50℃まで冷却し、変性ペクチンを80%2−プロパノール中(1:3)で沈殿させた。 沈殿したペクチンをベルトプレス上で水抜きし、70℃の乾燥室中に24時間置いた。 乾燥後、ペクチンを粉砕し、最後にペクチンを篩分けた(DIN24)。 アセチル化度(%D(Ac))、エステル化度(%DE)、ガラクツロン酸含有量(%GA)および分子量(MW)が決定され、得られた結果が表4に示される。 【0026】
表4
【0027】
実施例5 この実施例では、ペクチン物質は、甜菜由来のものであり(Batch no. 30003, Type SF H-25, CP Kelco製, Germany GmbH, Grossenbrode, Germany)、酵素は、エンゼコペクチナーゼPLリアーゼ(Enzyme Development Corp., Batch no. S-11677, 活性が26U/ml)であった。
55リットルのイオン交換水を70℃に加熱し、連続的に攪拌しながら2.75kgのペクチン物質を添加した。 ペクチンが完全に溶解された後、温度を45℃まで下げ、pHを10%(w/v)ソーダ溶液で滴定して4.50に調整した。 1.63mlのエンゼコペクチナーゼPLリアーゼをペクチン溶液に添加した。 実験中、pHは5%(w/v)ソーダで滴定して5.50で一定に保持された。 6時間後(粘度一定、9cP)、pH2.50まで10%(w/v)ソーダ溶液を添加して反応を停止した。 酵素を不可逆的に不活性化する為に、温度を80℃まで上昇させ、80℃で10分後に、溶液を50℃まで冷却し、次の手順で量を半分まで蒸発させた:溶液を蒸発器に移し、0.8barの真空下で加熱し、溶液を沸点(凡そ60℃)に到達させた。 溶液を50℃まで冷却し、変性ペクチンを80%2−プロパノール中(1:3)で沈殿させた。 沈殿したペクチンをベルトプレス上で水抜きし、70℃の乾燥室中に24時間置いた。 乾燥後、ペクチンを粉砕し、篩分けを行った(DIN24)。 酵素処理されたペクチンのアセチル化度(%D(Ac))、エステル化度(%DE)、ガラクツロン酸含有量(%GA)および分子量(MW)が決定され、得られた結果が表5に示される。
【0028】
表5
【0029】
実施例6 この実施例では、ペクチン物質は、甜菜由来のものであり(GENU beta pectin, lot 30003, CP Kelco製, Germany GmbH, Grossenbrode, Germany)、酵素は、カルボキシペプチダーゼB(Sigma, Batch no. 108H7406, 活性が176u/mg)であった。
40リットルのイオン交換水を70℃に加熱し、連続的に攪拌しながら1.6kgのペクチン物質を添加した。 ペクチンが完全に溶解された後、温度を45℃まで下げ、pHを10%(w/v)ソーダ溶液で滴定して7.50に調整した。 21mgのカルボキシペプチダーゼBをペクチン溶液に添加した。 実験中、pHは5%(w/v)ソーダで滴定して7.5で一定に保持された。 24時間後、pH2.50まで10%(w/v)ソーダ溶液を添加して反応を停止した。 酵素を不可逆的に不活性化する為に、温度を80℃まで上昇させ、80℃で10分後に、溶液を50℃まで冷却し、変性ペクチンを80%2−プロパノール中(1:3)で沈殿させた。 沈殿したペクチンをベルトプレス上で水抜きし、70℃の乾燥室中に24時間置いた。 乾燥後、ペクチンを粉砕し、篩分けを行った(DIN24)。 酵素処理されたペクチンのアセチル化度(%D(Ac))、エステル化度(%DE)、ガラクツロン酸含有量(%GA)および分子量(MW)が決定され、得られた結果が表6に示される。
【0030】
表6
【0031】
実施例7 この実施例では、ペクチン物質は、甜菜由来のものであり(GENU beta pectin, lot 30003, CP Kelco製, Germany GmbH, Grossenbrode, Germany)、酵素は、カルボキシペプチダーゼA(Sigma, Batch no. 127H7445, 活性が50u/mg)であった。
40リットルのイオン交換水を70℃に加熱し、連続的に攪拌しながら1.6kgのペクチン物質を添加した。 ペクチンが完全に溶解された後、温度を45℃まで下げ、pHを10%(w/v)ソーダ溶液で滴定して7.50に調整した。 21mgのカルボキシペプチダーゼAをペクチン溶液に添加した。 実験中、pHは5%(w/v)ソーダで滴定して7.5で一定に保持された。 24時間後、pH2.50まで10%(w/v)ソーダ溶液を添加して反応を停止した。 酵素を不可逆的に不活性化する為に、温度を80℃まで上昇させ、80℃で10分後に、溶液を50℃まで冷却し、変性ペクチンを80%2−プロパノール中(1:3)で沈殿させた。 沈殿したペクチンをベルトプレス上で水抜きし、70℃の乾燥室中に24時間置いた。 乾燥後、ペクチンを粉砕し、篩分けを行った(DIN24)。 酵素処理されたペクチンのアセチル化度(%D(Ac))、エステル化度(%DE)、ガラクツロン酸含有量(%GA)および分子量(MW)が決定され、得られた結果が表7に示される。
【0032】
表7
【0033】
実施例8 この実施例では、ペクチン物質は、甜菜由来のものであり(GENU beta pectin, lot 30003, CP Kelco製, Germany GmbH, Grossenbrode, Germany)、酵素は、フレーヴァーザイム500L(商標)(Novozymes, Denmark, Batch, no. HPN01200, 活性が500LAPU/g)であった。
50リットルのイオン交換水を70℃に加熱し、連続的に攪拌しながら2kgのペクチン物質を添加した。 ペクチンが完全に溶解された後、温度を45℃まで下げ、pHを10%(w/v)ソーダ溶液で滴定して5.50に調整した。 15mlのフレーヴァーザイム500Lをペクチン溶液に添加した。 実験中、pHは5%(w/v)ソーダで滴定して5.5で一定に保持された。 4時間後、pH2.50まで10%(w/v)ソーダ溶液を添加して反応を停止した。 酵素を不可逆的に不活性化する為に、温度を80℃まで上昇させ、80℃で10分後に、溶液を50℃まで冷却し、変性ペクチンを80%2−プロパノール中(1:3)で沈殿させた。 沈殿したペクチンをベルトプレス上で水抜きし、70℃の乾燥室中に24時間置いた。 乾燥後、ペクチンを粉砕し、篩分けを行った(DIN24)。 酵素処理されたペクチンのアセチル化度(%D(Ac))、エステル化度(%DE)、ガラクツロン酸含有量(%GA)および分子量(MW、毛細管調節(capillary tune method))が決定され、得られた結果が表8に示される。
【0034】
表8
【0035】
実施例9 この実施例では、ペクチン物質は、オレンジ由来のものであり(Batch no. 1001-60-1, CP Kelco製, Limeira, Brasil)、酵素は、エンゼコペクチナーゼPLリアーゼ(Enzyme Development Corp., Batch no. S-11677, 活性が26U/ml)であった。
55リットルのイオン交換水を70℃に加熱し、連続的に攪拌しながら940gのペクチン物質を添加した。 ペクチンが完全に溶解された後、温度を45℃まで下げ、pHを10%(w/v)ソーダ溶液で滴定して4.50に調整した。 0.55mlのエンゼコペクチナーゼPLリアーゼをペクチン溶液に添加した。 実験中、pHは5%(w/v)ソーダで滴定して5.50で一定に保持された。 1.5時間後(粘度一定、9cp)、pH2.50まで10%(w/v)ソーダ溶液を添加して反応を停止した。 酵素を不可逆的に不活性化する為に、温度を80℃まで上昇させ、80℃で10分後に、溶液を50℃まで冷却し、次の手順で量を半分まで蒸発させた:溶液を蒸発器に移し、0.8barの真空下で加熱し、溶液を沸点(凡そ60℃)に到達させた。 溶液を50℃まで冷却し、変性ペクチンを80%2−プロパノール中(1:3)で沈殿させた。 沈殿したペクチンをベルトプレス上で水抜きし、70℃の乾燥室中に24時間置いた。 乾燥後、ペクチンを粉砕し、篩分けを行った(DIN24)。 酵素処理されたペクチンのアセチル化度(%D(Ac))、エステル化度(%DE)、ガラクツロン酸含有量(%GA)および分子量(MW)が決定され、得られた結果が表9に示される。
【0036】
表9
【0037】
マイクロカプセルの調製 次の処方によりマイクロカプセルを調製した。
【0038】
比較例 92.9gの甜菜ペクチン(GENU beta pectin type BETA, lot HF 72-097-0, CP Kelco ApS, Lille Skensved, Denmark)及び797.0gのサッカロースを、エマルションタンク中で65℃で1.0リットルの水に溶解し、12.6gのアスコルビン酸ナトリウムを添加した。 400.0gのビタミンAパルミテート1.7ミリオンIU/gと、20.4gのDL−α−トコフェロールの混合物をビーカー中で65℃に加熱した。 この油性混合物をペクチン、糖質及びアスコルビン酸ナトリウムの水溶液にゆっくりと攪拌しながら添加し、次いで、ウルトラタラックス(Ultra Turrax T50)で10,000rpmで65℃で60分間徹底的に攪拌した。 最終エマルションを65℃の水975mlで希釈して150cPの粘度とした(ブルックフィールド粘度計、タイプHAT、スピンドルHA1で測定された)。 平均油滴サイズは140μmと測定された(Malvern Mastersizer Long bed ver. 2.19、焦点距離45mm、ビーム長2.4mm)。 次いで、エマルションは噴霧塔で微粒化され、ここで油滴が澱粉で被覆され乾燥された。 エマルション部分だけが噴霧された。 30/120メッシュで篩分け後、105,000IU/gの力価を持つ約1kgの粒状生成物が得られた(このサンプルは、50%KOH、96%エタノール及び10%アスコルビン酸ナトリウムで鹸化され、ヘプタンで抽出された。ビタミンAの量は、HPLCで測定された(Hichrom LiChrosorb CN-5.5μl、内部標準に対して250mmx4.0mm))。
生成物の安定性は、次の様にして調べられた:凡そ0.2gの生成物を計量し、小さな開口ガラス容器(15x10mm)に入れ、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで3週間保持した。 開始時、7日、14日及び21日でサンプルの力価を分析した。 得られた結果は以下の通りである。
【0039】
【0040】
実施例10 実施例1に記載された様にして調製された、コラプリン変性甜菜ペクチン92.9g及び797.0gのサッカロースを、エマルションタンク中で65℃で1.0リットルの水に溶解し、12.6gのアスコルビン酸ナトリウムを添加した。 400.0gのビタミンAパルミテート1.7ミリオンIU/gと、20.4gのDL−α−トコフェロールの混合物をビーカー中で65℃に加熱した。 この油性混合物を変性ペクチン、糖質及びアスコルビン酸ナトリウムの水溶液にゆっくりと攪拌しながら添加し、次いで、ウルトラタラックス(Ultra Turrax T50)で10,000rpmで65℃で60分間徹底的に攪拌した。 最終エマルションを65℃の水1000mlで希釈して155cPの粘度とした(ブルックフィールド粘度計、タイプHAT、スピンドルHA1で測定された)。 平均油滴サイズは1.09μmと測定された(Malvern Mastersizer Long bed ver. 2.19、焦点距離45mm、ビーム長2.4mm)。 次いで、エマルションは噴霧塔で微粒化され、ここで油滴が澱粉で被覆され乾燥された。 エマルション部分だけが噴霧された。 30/120メッシュで篩分け後、278,000IU/gの力価を持つ約1kgの粒状生成物が得られた(このサンプルは、50%KOH、96%エタノール及び10%アスコルビン酸ナトリウムで鹸化され、ヘプタンで抽出された。ビタミンAの量は、HPLCで測定された(Hichrom LiChrosorb CN-5.5μl、内部標準に対して250mmx4.0mm))。
生成物の安定性は、次の様にして調べられた:凡そ0.2gの生成物を計量し、小さな開口ガラス容器(15x10mm)に入れ、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで3週間保持した。 開始時、7日、14日及び21日でサンプルの力価を分析した。 得られた結果は以下の通りである。
【0041】
これらの結果から明らかな様に、本発明の組成物の力価及び安定性は、比較例の従来の組成物の力価及び安定性に比べて遥かに優れていた。
【0042】
実施例11 実施例2に記載された様にして調製された、α−ARA、アラビナナーゼ及びガラクタナーゼ変性甜菜ペクチン92.9g及び797.0gのサッカロースを、エマルションタンク中で65℃で1.0リットルの水に溶解し、12.6gのアスコルビン酸ナトリウムを添加した。 400.0gのビタミンAパルミテート1.7ミリオンIU/gと、20.4gのDL−α−トコフェロールの混合物をビーカー中で65℃に加熱した。 この油性混合物を変性ペクチン、糖質及びアスコルビン酸ナトリウムの水溶液にゆっくりと攪拌しながら添加し、次いで、ウルトラタラックス(Ultra Turrax T50)で10,000rpmで65℃で60分間徹底的に攪拌した。 最終エマルションを65℃の水1050mlで希釈して155cPの粘度とした(ブルックフィールド粘度計、タイプHAT、スピンドルHA1で測定された)。 平均油滴サイズは1.28μmと測定された(Malvern Mastersizer Long bed ver. 2.19、焦点距離45mm、ビーム長2.4mm)。 次いで、エマルションは噴霧塔で微粒化され、ここで油滴が澱粉で被覆され乾燥された。 エマルション部分だけが噴霧された。 30/120メッシュで篩分け後、224,000IU/gの力価を持つ約1kgの粒状生成物が得られた(このサンプルは、50%KOH、96%エタノール及び10%アスコルビン酸ナトリウムで鹸化され、ヘプタンで抽出された。ビタミンAの量は、HPLCで測定された(Hichrom LiChrosorb CN-5.5μl、内部標準に対して250mmx4.0mm))。
生成物の安定性は、次の様にして調べられた:凡そ0.2gの生成物を計量し、小さな開口ガラス容器(15x10mm)に入れ、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで3週間保持した。 開始時、7日、14日及び21日でサンプルの力価を分析した。 得られた結果は以下の通りである。
【0043】
これらの結果から明らかな様に、本発明の組成物の力価及び安定性は、比較例の従来の組成物の力価及び安定性に比べて遥かに優れていた。
【0044】
実施例12 実施例3に記載された様にして調製された、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ変性甜菜ペクチン92.9g及び797.0gのサッカロースを、エマルションタンク中で65℃で1.0リットルの水に溶解し、12.6gのアスコルビン酸ナトリウムを添加した。 400.0gのビタミンAパルミテート1.7ミリオンIU/gと、20.4gのDL−α−トコフェロールの混合物をビーカー中で65℃に加熱した。 この油性混合物を変性ペクチン、糖質及びアスコルビン酸ナトリウムの水溶液にゆっくりと攪拌しながら添加し、次いで、ウルトラタラックス(Ultra Turrax T50)で10,000rpmで65℃で60分間徹底的に攪拌した。 最終エマルションを65℃の水800mlで希釈して150cPの粘度とした(ブルックフィールド粘度計、タイプHAT、スピンドルHA1で測定された)。 平均油滴サイズは1.59μmと測定された(Malvern Mastersizer Long bed ver. 2.19、焦点距離45mm、ビーム長2.4mm)。 次いで、エマルションは噴霧塔で微粒化され、ここで油滴が澱粉で被覆され乾燥された。 エマルション部分だけが噴霧された。 30/120メッシュで篩分け後、252,000IU/gの力価を持つ約1kgの粒状生成物が得られた(このサンプルは、50%KOH、96%エタノール及び10%アスコルビン酸ナトリウムで鹸化され、ヘプタンで抽出された。ビタミンAの量は、HPLCで測定された(Hichrom LiChrosorb CN-5.5μl、内部標準に対して250mmx4.0mm))。
生成物の安定性は、次の様にして調べられた:凡そ0.2gの生成物を計量し、小さな開口ガラス容器(15x10mm)に入れ、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで3週間保持した。 開始時、7日、14日及び21日でサンプルの力価を分析した。 得られた結果は以下の通りである。
【0045】
これらの結果から明らかな様に、本発明の組成物の力価及び安定性は、比較例の従来の組成物の力価及び安定性に比べて遥かに優れていた。
【0046】
実施例13 実施例4に記載された様にして調製された、ラムノガラクツロナーゼ変性甜菜ペクチン92.9g及び797.0gのサッカロースを、エマルションタンク中で65℃で1.0リットルの水に溶解し、12.6gのアスコルビン酸ナトリウムを添加した。 400.0gのビタミンAパルミテート1.7ミリオンIU/gと、20.4gのDL−α−トコフェロールの混合物をビーカー中で65℃に加熱した。 この油性混合物を変性ペクチン、糖質及びアスコルビン酸ナトリウムの水溶液にゆっくりと攪拌しながら添加し、次いで、ウルトラタラックス(Ultra Turrax T50)で10,000rpmで65℃で60分間徹底的に攪拌した。 最終エマルションを65℃の水980mlで希釈して150cPの粘度とした(ブルックフィールド粘度計、タイプHAT、スピンドルHA1で測定された)。 平均油滴サイズは1.64μmと測定された(Malvern Mastersizer Long bed ver. 2.19、焦点距離45mm、ビーム長2.4mm)。 次いで、エマルションは噴霧塔で微粒化され、ここで油滴が澱粉で被覆され乾燥された。 エマルション部分だけが噴霧された。 30/120メッシュで篩分け後、218,000IU/gの力価を持つ約1kgの粒状生成物が得られた(このサンプルは、50%KOH、96%エタノール及び10%アスコルビン酸ナトリウムで鹸化され、ヘプタンで抽出された。ビタミンAの量は、HPLCで測定された(Hichrom LiChrosorb CN-5.5μl、内部標準に対して250mmx4.0mm))。
生成物の安定性は、次の様にして調べられた:凡そ0.2gの生成物を計量し、小さな開口ガラス容器(15x10mm)に入れ、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで3週間保持した。 開始時、7日、14日及び21日でサンプルの力価を分析した。 得られた結果は以下の通りである。
【0047】
これらの結果から明らかな様に、本発明の組成物の力価及び安定性は、比較例の従来の組成物の力価及び安定性に比べて遥かに優れていた。
【0048】
実施例14 実施例5に記載された様にして調製された、ペクチナーゼPLリアーゼ変性甜菜ペクチン92.9g及び797.0gのサッカロースを、エマルションタンク中で65℃で1.0リットルの水に溶解し、12.6gのアスコルビン酸ナトリウムを添加した。 400.0gのビタミンAパルミテート1.7ミリオンIU/gと、20.4gのDL−α−トコフェロールの混合物をビーカー中で65℃に加熱した。 この油性混合物を変性ペクチン、糖質及びアスコルビン酸ナトリウムの水溶液にゆっくりと攪拌しながら添加し、次いで、ウルトラタラックス(Ultra Turrax T50)で10,000rpmで65℃で60分間徹底的に攪拌した。 最終エマルションは155cPの粘度を示した(ブルックフィールド粘度計、タイプHAT、スピンドルHA1で測定された)。 平均油滴サイズは0.83μmと測定された(Malvern Mastersizer Long bed ver. 2.19、焦点距離45mm、ビーム長2.4mm)。 次いで、エマルションは噴霧塔で微粒化され、ここで油滴が澱粉で被覆され乾燥された。 エマルション部分だけが噴霧された。 30/120メッシュで篩分け後、349,000IU/gの力価を持つ約1kgの粒状生成物が得られた(このサンプルは、50%KOH、96%エタノール及び10%アスコルビン酸ナトリウムで鹸化され、ヘプタンで抽出された。ビタミンAの量は、HPLCで測定された(Hichrom LiChrosorb CN-5.5μl、内部標準に対して250mmx4.0mm))。
生成物の安定性は、次の様にして調べられた:凡そ0.2gの生成物を計量し、小さな開口ガラス容器(15x10mm)に入れ、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで3週間保持した。 開始時、7日、14日及び21日でサンプルの力価を分析した。 得られた結果は以下の通りである。
【0049】
これらの結果から明らかな様に、本発明の組成物の力価及び安定性は、比較例の従来の組成物の力価及び安定性に比べて遥かに優れていた。
【0050】
実施例15 実施例6に記載された様にして調製された、カルボキシペプチダーゼB変性甜菜ペクチン92.9g及び797.0gのサッカロースを、エマルションタンク中で65℃で1.0リットルの水に溶解し、12.6gのアスコルビン酸ナトリウムを添加した。 400.0gのビタミンAパルミテート1.7ミリオンIU/gと、20.4gのDL−α−トコフェロールの混合物をビーカー中で65℃に加熱した。 この油性混合物を変性ペクチン、糖質及びアスコルビン酸ナトリウムの水溶液にゆっくりと攪拌しながら添加し、次いで、ウルトラタラックス(Ultra Turrax T50)で10,000rpmで65℃で60分間徹底的に攪拌した。 最終エマルションを65℃の水1151mlで希釈して155cPの粘度とした(ブルックフィールド粘度計、タイプHAT、スピンドルHA1で測定された)。 平均油滴サイズは0.83μmと測定された(Malvern Mastersizer Long bed ver. 2.19、焦点距離45mm、ビーム長2.4mm)。 次いで、エマルションは噴霧塔で微粒化され、ここで油滴が澱粉で被覆され乾燥された。 エマルション部分だけが噴霧された。 30/120メッシュで篩分け後、222,000IU/gの力価を持つ約1kgの粒状生成物が得られた(このサンプルは、50%KOH、96%エタノール及び10%アスコルビン酸ナトリウムで鹸化され、ヘプタンで抽出された。ビタミンAの量は、HPLCで測定された(Hichrom LiChrosorb CN-5.5μl、内部標準に対して250mmx4.0mm))。
生成物の安定性は、次の様にして調べられた:凡そ0.2gの生成物を計量し、小さな開口ガラス容器(15x10mm)に入れ、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで3週間保持した。 開始時、7日、14日及び21日でサンプルの力価を分析した。 得られた結果は以下の通りである。
【0051】
これらの結果から明らかな様に、本発明の組成物の力価及び安定性は、比較例の従来の組成物の力価及び安定性に比べて遥かに優れていた。
【0052】
実施例16 実施例7に記載された様にして調製された、カルボキシペプチダーゼA変性甜菜ペクチン92.9g及び797.0gのサッカロースを、エマルションタンク中で65℃で1.0リットルの水に溶解し、12.6gのアスコルビン酸ナトリウムを添加した。 400.0gのビタミンAパルミテート1.7ミリオンIU/gと、20.4gのDL−α−トコフェロールの混合物をビーカー中で65℃に加熱した。 この油性混合物を変性ペクチン、糖質及びアスコルビン酸ナトリウムの水溶液にゆっくりと攪拌しながら添加し、次いで、ウルトラタラックス(Ultra Turrax T50)で10,000rpmで65℃で60分間徹底的に攪拌した。 最終エマルションは100cPの粘度を示した(ブルックフィールド粘度計、タイプHAT、スピンドルHA1で測定された)。 平均油滴サイズは1.77μmと測定された(Malvern Mastersizer Long bed ver. 2.19、焦点距離45mm、ビーム長2.4mm)。 次いで、エマルションは噴霧塔で微粒化され、ここで油滴が澱粉で被覆され乾燥された。 エマルション部分だけが噴霧された。 30/120メッシュで篩分け後、331,000IU/gの力価を持つ約1kgの粒状生成物が得られた(このサンプルは、50%KOH、96%エタノール及び10%アスコルビン酸ナトリウムで鹸化され、ヘプタンで抽出された。ビタミンAの量は、HPLCで測定された(Hichrom LiChrosorb CN-5.5μl、内部標準に対して250mmx4.0mm))。
生成物の安定性は、次の様にして調べられた:凡そ0.2gの生成物を計量し、小さな開口ガラス容器(15x10mm)に入れ、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで3週間保持した。 開始時、7日、14日及び21日でサンプルの力価を分析した。 得られた結果は以下の通りである。
【0053】
これらの結果から明らかな様に、本発明の組成物の力価及び安定性は、比較例の従来の組成物の力価及び安定性に比べて遥かに優れていた。
【0054】
実施例17 実施例8に記載された様にして調製された、フレーバーザイム変性甜菜ペクチン92.9g及び797.0gのサッカロースを、エマルションタンク中で65℃で1.0リットルの水に溶解し、12.6gのアスコルビン酸ナトリウムを添加した。 400.0gのビタミンAパルミテート1.7ミリオンIU/gと、20.4gのDL−α−トコフェロールの混合物をビーカー中で65℃に加熱した。 この油性混合物を変性ペクチン、糖質及びアスコルビン酸ナトリウムの水溶液にゆっくりと攪拌しながら添加し、次いで、ウルトラタラックス(Ultra Turrax T50)で10,000rpmで65℃で60分間徹底的に攪拌した。 最終エマルションを65℃の水1093mlで希釈して155cPの粘度とした(ブルックフィールド粘度計、タイプHAT、スピンドルHA1で測定された)。 平均油滴サイズは1.50μmと測定された(Malvern Mastersizer Long bed ver. 2.19、焦点距離45mm、ビーム長2.4mm)。 次いで、エマルションは噴霧塔で微粒化され、ここで油滴が澱粉で被覆され乾燥された。 エマルション部分だけが噴霧された。 30/120メッシュで篩分け後、203,000IU/gの力価を持つ約1kgの粒状生成物が得られた(このサンプルは、50%KOH、96%エタノール及び10%アスコルビン酸ナトリウムで鹸化され、ヘプタンで抽出された。ビタミンAの量は、HPLCで測定された(Hichrom LiChrosorb CN-5.5μl、内部標準に対して250mmx4.0mm))。
生成物の安定性は、次の様にして調べられた:凡そ0.2gの生成物を計量し、小さな開口ガラス容器(15x10mm)に入れ、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで3週間保持した。 開始時、7日、14日及び21日でサンプルの力価を分析した。 得られた結果は以下の通りである。
【0055】
これらの結果から明らかな様に、本発明の組成物の力価及び安定性は、比較例の従来の組成物の力価及び安定性に比べて遥かに優れていた。
【0056】
実施例18 実施例9に記載された様にして調製された、ペクチナーゼPLリアーゼ変性甜菜ペクチン92.9g及び797.0gのサッカロースを、エマルションタンク中で65℃で1.0リットルの水に溶解し、12.6gのアスコルビン酸ナトリウムを添加した。 400.0gのビタミンAパルミテート1.7ミリオンIU/gと、20.4gのDL−α−トコフェロールの混合物をビーカー中で65℃に加熱した。 この油性混合物を変性ペクチン、糖質及びアスコルビン酸ナトリウムの水溶液にゆっくりと攪拌しながら添加し、次いで、ウルトラタラックス(Ultra Turrax T50)で10,000rpmで65℃で60分間徹底的に攪拌した。 最終エマルションを65℃の水37mlで希釈して155cPの粘度とした(ブルックフィールド粘度計、タイプHAT、スピンドルHA1で測定された)。 平均油滴サイズは1.84μmと測定された(Malvern Mastersizer Long bed ver. 2.19、焦点距離45mm、ビーム長2.4mm)。 次いで、エマルションは噴霧塔で微粒化され、ここで油滴が澱粉で被覆され乾燥された。 エマルション部分だけが噴霧された。 30/120メッシュで篩分け後、313,000IU/gの力価を持つ約1kgの粒状生成物が得られた(このサンプルは、50%KOH、96%エタノール及び10%アスコルビン酸ナトリウムで鹸化され、ヘプタンで抽出された。ビタミンAの量は、HPLCで測定された(Hichrom LiChrosorb CN-5.5μl、内部標準に対して250mmx4.0mm))。
生成物の安定性は、次の様にして調べられた:凡そ0.2gの生成物を計量し、小さな開口ガラス容器(15x10mm)に入れ、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで3週間保持した。 開始時、7日、14日及び21日でサンプルの力価を分析した。 得られた結果は以下の通りである。
【0057】
これらの結果から明らかな様に、本発明の組成物の力価及び安定性は、比較例の従来の組成物の力価及び安定性に比べて遥かに優れていた。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】25℃の温度及び60%RHでのマイクロカプセルの貯蔵で得られた安定性のテスト結果を示す。
【図2】40℃の温度及び75%RHでのマイクロカプセルの貯蔵で得られた安定性のテスト結果を示す。
|