ステッチングされたポリペプチド

申请号 JP2016023414 申请日 2016-02-10 公开(公告)号 JP6363122B2 公开(公告)日 2018-07-25
申请人 プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ; 发明人 グレゴリー エル. バーダイン; キム ヤン−ウー;
摘要
权利要求

式(A) を有するアミノ酸またはその塩であって、式中、 L1およびL2は、それぞれ、独立して、3〜7個の炭素原子の直鎖アルキレンであり; Raは、素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;またはアミノ保護基であり; Rcは、それぞれの場合、独立して、水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり; Reは、水素、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;またはヒドロキシル保護基であり; Rfは、水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;アミノ保護基;場合によりリンカーで接続されている標識であり、該リンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンから選択されるか; またはRfとRaとで、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; xは、それぞれの場合、独立して、0〜3の整数であり; は、二重結合または三重結合である、 アミノ酸またはその塩。Raが水素またはメチルである、請求項1に記載のアミノ酸。Raが水素である、請求項1に記載のアミノ酸。Raが−COCH3である、請求項1に記載のアミノ酸。Rfが水素である、請求項1に記載のアミノ酸。Reが水素である、請求項1に記載のアミノ酸。Rfがアミノ保護基である、請求項1に記載のアミノ酸。RfがBocである、請求項7に記載のアミノ酸。RfがFmocである、請求項7に記載のアミノ酸。それぞれの が二重結合である、請求項1に記載のアミノ酸。式(A−2) である、請求項1に記載のアミノ酸。次式: のうちの1つである、請求項11に記載のアミノ酸。αらせんポリペプチドを調製する方法であって、 (i)式(A): のアミノ酸を提供する工程と、 (ii)式(B): のアミノ酸を提供する工程と、 (iii)式(C): のアミノ酸を提供する工程と、 (iv)少なくとも1つのさらなるアミノ酸を提供する工程と、 (v)式(A)、(B)および(C)のアミノ酸と、工程(iv)の少なくとも1つのアミノ酸とをカップリングさせる工程と、 (vi)工程(v)のポリペプチドを触媒で処理する工程と を含み、 L1およびL2は、それぞれ、独立して、3〜7個の炭素原子の直鎖アルキレンであり; Raは、それぞれの場合、独立して、水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;またはアミノ保護基であり; Rbは、それぞれの場合、独立して、水素、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族であり; Rcは、それぞれの場合、独立して、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり; Reは、それぞれの場合、独立して、−RE、水素、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;またはヒドロキシル保護基であり; Rfは、それぞれの場合、独立して、水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;アミノ保護基;場合によりリンカーで接続されている標識であり、該リンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンから選択されるか; またはRfとRaとで、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; Kは、1〜7個の炭素原子の直鎖アルキレンであり、 Mは、1〜7個の炭素原子の直鎖アルキレンであり、 xは、それぞれの場合、独立して、1〜3の整数であり; は、二重結合または三重結合である、 方法。前記触媒が閉環メタセシス触媒である、請求項13に記載の方法。前記触媒がルテニウム触媒である、請求項13に記載の方法。それぞれのRaが水素またはメチルである、請求項13に記載の方法。それぞれのRaが水素である、請求項13に記載の方法。少なくとも1つのRaが−COCH3である、請求項13に記載の方法。それぞれのRbがアルキルである、請求項13に記載の方法。それぞれのRbがメチルである、請求項13に記載の方法。それぞれのRfが水素である、請求項13に記載の方法。それぞれのReが水素である、請求項13に記載の方法。それぞれのRfがアミノ保護基である、請求項13に記載の方法。それぞれのRfがBocである、請求項13に記載の方法。それぞれのRfがFmocである、請求項13に記載の方法。それぞれの が二重結合である、請求項13に記載の方法。少なくとも2つの架橋を含むαらせんポリペプチドであって、それぞれの架橋が、2個、3個、または6個のアミノ酸によって分離される一対のα,α−二置換アミノ酸を接続し、該架橋が、該α,α−二置換アミノ酸のα位を接続し、該架橋がアルケニレン架橋であり、二重結合が、3〜7個の炭素原子によって、該α,α−二置換アミノ酸のα位から分離されており、該ペプチドが、室温において円二色性によって測定して50%以上のらせん性を有する、αらせんポリペプチド。前記αらせんポリペプチドが95℃において50%以上のらせん性を有する、請求項27に記載のαらせんポリペプチド。前記らせん性が222nmで測定される、請求項27に記載のαらせんポリペプチド。前記αらせんポリペプチドが、対応する架橋していないポリペプチドと比較して改善された生体活性を有する、請求項27に記載のαらせんポリペプチド。前記αらせんポリペプチドが、1つの架橋を有するポリペプチドと比較して改善されたらせん性を有する、請求項27に記載のαらせんポリペプチド。前記αらせんポリペプチドが、1つの架橋を有するポリペプチドと比較して改善された生体活性を有する、請求項27に記載のαらせんポリペプチド。

说明书全文

(優先権情報) この出願は、米国特許法§119(e)の下、2007年3月28日に出願された米国仮特許出願第60/908,566号(この全体の内容は、参考として本明細書に援用される)への優先権を主張する。

ペプチドおよびポリペプチドが、ホルモン、酵素阻害剤、基質、神経伝達物質および神経媒介物質として作用するという重要な生物学的役割により、医薬化学において、ペプチドまたはペプチド模倣物が治療薬剤として広く使用されている。生体活性のあるペプチドの立体配座は、αらせん構造、βシート構造、ターン構造および/またはループ構造のような構造的要素が組み合わさっており、この構造によって、受容体または酵素を生体で選択的に認識し、細胞と細胞の連絡に影響を与え、および/または、例えば、代謝、免疫防御および再生といった細胞の重要な機能を制御するため、重要である(Babineら、Chem.Rev.(1997)97:1359)。αらせん構造は、ペプチドの構造的要素のうち、最もよくある構造である。しかし、αらせんペプチドは、ほどけ、ランダムコイルを形成する傾向があり、ほとんどの場合で、生体活性がほぼ失われるか、または不活性になり、タンパク質分解をきわめて受けやすい状態になってしまう。

多くの研究グループは、治療薬としてもっと強固なペプチドを設計し、合成する方法を開発してきた。例えば、ある方法は、ペプチドの固有の立体配座および二次構造を維持しつつ、ペプチド鎖にもっと強固な官能基を組み込むことであった(例えば、非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;およびその引用文献を参照)。別の方法は、ペプチドを共有結合による架橋で安定化させることであった(例えば、非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8)。

Gante、J.Angew.Chem.Int.Ed.Engl.(1994)33:1699−1720

R.M.J.Liskamp、Recl.Trav.Chim.Pays−Bas(1994)113、1

Giannis,T.Kolter、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.(1993)32、1244

P.D.Bailey、Peptide Chemistry、Wiley、New York、(1990)p.182

Phelanら、J.Am.Chem.Soc.(1997)119:455

Leucら、Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA(2003)100:11273

Brackenら、J.Am.Chem.Soc.(1994)116:6432

Yanら、Bioorg.Med.Chem.(2004)14:1403

しかし、報告された方法論の大部分は、極性基および/または不安定な架橋基の使用を含むものである。

(発明の概要) 「ペプチドステープリング(peptide stapling)」は、ポリペプチド鎖に存在するオレフィンを含有する2個の側鎖を、閉環メタセシス(RCM)反応によって共有結合させ(例えば、「一緒にステープリングし」)、架橋した環を合成するという合成方法から作られた新語である(例えば、αらせんペプチドのメタセシスによる架橋について記載した、the cover art for J.Org.Chem.(2001)vol.66、issue 16;Blackwellら、Angew Chem.Int.Ed.(1994)37:3281に記載される技術を参照)。しかし、用語「ペプチドステープリング」は、本明細書で使用する場合、ポリペプチド鎖に存在する、二重結合を含有する2個の側鎖、三重結合を含有する2個の側鎖、または三重結合を含有する1個の側鎖および1個の二重結合を含有する1個の側鎖を、任意の反応条件および/または触媒を用いて結合反応を促進し、1個の「ステープリングされた」ポリペプチドを得ることを含む。さらに、用語「ペプチドステッチング(peptide stitching)」は、本明細書で使用する場合、1個のポリペプチド鎖で複数回の「ステープリング」およびタンデム「ステープリング」が起こり、「ステッチングされた」(複数回ステープリングされた)ポリペプチドを得ることを指す。

あらゆる炭化素架橋を用いたペプチドのステープリングは、特に、生理的に関連する条件下で、天然立体配座および/または二次構造を維持するのに役立つことが示されている(例えば、Schafmiesterら、J.Am.Chem.Soc.(2000)122:5891−5892;Walenskyら、Science(2004)305:1466−1470を参照)。例えば、αらせんの二次構造をとりやすいポリペプチドを、あらゆる炭化水素架橋を用いてステープリングすると、このポリペプチドが、元々のαらせん立体配座をとるように仕向けることができる。このように強制的に二次構造をとらせることで、例えば、ペプチドが蛋白質分解を受けにくくなったり、ペプチドの疎水性が上がったり、ペプチドが標的細胞膜に浸透しやすくなったり(例えば、飲作用のようなエネルギー依存性移動機構による)、および/または架橋していない(例えば、「ステッチングされていない」か、または「ステープリングされていない」)対応するペプチドと比べて、ペプチドの生体活性を高めたりできる場合がある。このような強制的な構造の制約は、アポトーシスを誘発するBID−BH3αらせんにも適用され、ステッチングされていないポリペプチドと比べ、動物モデルで白血病の悪性腫瘍の広がりを大きく抑制する。Walenskyら、Science(2004)305:1466−1470;米国特許出願第2005/02506890号および米国特許出願第2006/0008848号を参照(これらはそれぞれ、本明細書に参考として組み込まれる)。

新規のステッチングされたポリペプチドおよび「ステッチングされていない」前駆体は、本発明の重要な部分である。本発明は、新規のステッチングされたポリペプチドおよび「ステッチングされていない」ポリペプチド、およびこれらの調製方法および使用方法を提供する。さらに、本発明は、本発明のステッチングされたポリペプチドと、医薬的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する(経口投与用医薬組成物を含む)。特定の実施形態では、本発明は、αらせん構造を有するステッチングされた新規ポリペプチドに関する。特定の実施形態では、本発明のαらせんポリペプチドは、被験体の体内(例えば、胃腸管内、血流内)のような生理条件下でαらせん構造を維持する。

したがって、特定の実施形態では、本発明は、「ステッチングされていない」、以下の式を有する、実質的にαらせんのポリペプチドを提供する。

〔式中、K、L1、L2およびMは、独立して、結合であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンであり; Raは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシルであるか;またはRaは、適切なアミノ保護基であり; Rbは、それぞれの場合、独立して、適切なアミノ酸側鎖;水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり; Rcは、それぞれの場合、独立して、水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり; Reは、それぞれの場合、独立して、−RE、−ORE、−N(RE)2または−SREであり、REは、それぞれの場合、独立して、水素、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なヒドロキシル保護基、アミノ保護基またはチオール保護基であるか;または2個のRE基で、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; Rfは、それぞれの場合、独立して、水素であるか、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なアミノ保護基;場合によりリンカーで接続されている標識であり、このリンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンから選択されるか;またはRfとRaとで、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; XAAは、それぞれの場合、独立して、天然アミノ酸または非天然アミノ酸であり; xは、それぞれの場合、独立して、0〜3の整数であり; yおよびzは、それぞれの場合、独立して、2〜6の整数であり; jは、独立して、1〜10の整数であり; pは、0〜10の整数であり; sおよびtは、それぞれの場合、独立して、0〜100の整数であり;

は、二重結合または三重結合に対応する。〕 上述のペプチドのアミノ酸配列は、既知の生体活性を有するペプチドと実質的に同じ、または相同であってもよい。

特定の実施形態では、本発明は、「ステッチングされた」、以下の式を有する、実質的にαらせんのポリペプチドを提供する。

〔式中、 K、L1、L2、M、Ra、Rb、Re、Rf、s、t、y、z、j、pおよびXAAは、本明細書に定義されるとおりであり; RKL、RLLおよびRLMは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;アジド;シアノ;イソシアノ;ハロ;ニトロであるか; または2個の隣接するRKL基が結合して、置換もしくは非置換の5員環〜8員環の脂環式環;置換もしくは非置換の5員環〜8員環のヘテロ脂環式環;置換もしくは非置換のアリール環;または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成するか;2個の隣接するRKL基が結合して、置換もしくは非置換の5〜8員環の脂環式環;置換もしくは非置換の5〜8員環のヘテロ脂環式環;置換もしくは非置換のアリール環;または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成するか;または2個の隣接するRLM基が結合して、置換もしくは非置換の5〜8員環の脂環式環;置換もしくは非置換の5〜8員環のヘテロ脂環式環;置換もしくは非置換のアリール環;または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成し; u、vおよびqは、独立して、0〜4の整数であり;

は、単結合、二重結合または三重結合に対応する。〕 特定の実施形態では、本発明は、以下の式を有する、実質的にαらせんのポリペプチドも提供する。

〔式中、K、L1、L2、M、Ra、Rb、Re、Rf、Rc、RKL、RLL、RLM、s、t、x、y、z、j、p、v、u、q、XAA

は、本明細書に定義されるとおりである。〕 さらに、本発明は、 (i)式(A)のビス−アミノ酸

〔式中、L1、L2、Ra、Re、Rf、Rc、xおよび

は本明細書に定義されるとおりである〕 を提供する工程と、 (ii)式(B)のアミノ酸

〔式中、K、Ra、Rb、Re、Rf、Rc、xおよび

は本明細書に定義されるとおりである〕 を提供する工程と、 (iii)式(C)のアミノ酸

〔式中、M、Ra、Rb、Re、Rf、Rc、xおよび

は本明細書に定義されるとおりである〕 を提供する工程と、 (iv)少なくとも1つのさらなるアミノ酸を提供する工程と; (v)式(A)、(B)および(C)のアミノ酸と、工程(iv)の少なくとも1つのアミノ酸とを反応させ、式(I)のポリペプチドを得る、実質的にαらせんのポリペプチドを製造する方法に関する。

特定の実施形態では、上述の方法は、(vi)工程(v)のポリペプチドを触媒で処理する工程による、式(II)〜(VII)の実質的にαらせんのポリペプチドを製造する方法を含む。特定の実施形態では、触媒は、閉環メタセシス触媒である。

さらに、本発明は、以下の式を有するビス−アミノ酸を提供する。

〔式中、L1、L2、Ra、Re、Rf、Rc、xおよび

は、本明細書に定義される。

さらに、本発明は、実質的にαらせんの本発明のポリペプチドと、医薬的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。

特定の実施形態では、医薬組成物は、経口投与に適している。特定の実施形態では、医薬組成物は、静脈投与に適している。

さらに、本発明は、治療的に有効量の式(II)〜(VII)の実質的にαらせんのポリペプチドを、処置の必要な被験体に投与する工程を含む、被験体の疾患、障害または状態を治療する方法に関する。

本明細書は、種々の登録された特許、公開特許明細書、学術論文および他の刊行物を参照しているが、これらすべての内容は、本明細書に参考として組み込まれる。

本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、本明細書に記載している。本発明の他の特徴、目的および利点は、この記載、図面、実施例および特許請求の範囲から明らかである。 例えば、本発明は以下を提供する。 (項目1) 式:

を有する、実質的にαらせんのポリペプチドであって、式中、 K、L1、L2およびMは、それぞれの場合、独立して、結合であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンであり; Raは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシルであるか;または Raは、適切なアミノ保護基であり; Rbは、それぞれの場合、独立して、適切なアミノ酸側鎖;水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり; Rcは、それぞれの場合、独立して、水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり; Reは、それぞれの場合、独立して、−RE、−ORE、−N(RE)2または−SREであり、REは、それぞれの場合、独立して、水素であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なヒドロキシル保護基、アミノ保護基またはチオール保護基であるか;または2個のRE基で、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; Rfは、それぞれの場合、独立して、水素であるか、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なアミノ保護基;場合によりリンカーで接続されている標識であり、該リンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンから選択されるか;またはRfとRaとで、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; XAAは、それぞれの場合、独立して、天然アミノ酸または非天然アミノ酸であり; xは、それぞれの場合、独立して、0〜3の整数であり; yおよびzは、それぞれの場合、独立して、2〜6の整数であり; jは、独立して、1〜10の整数であり; pは、0〜10の整数であり; sおよびtは、それぞれの場合、独立して、0〜100の整数であり;

は、二重結合または三重結合に対応する、 ポリペプチド。 (項目2) 式:

を有する、実質的にαらせんのポリペプチドであって、式中、 K、L1、L2およびMは、それぞれの場合、独立して、結合であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンであり; Raは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシルであるか;または Raは、適切なアミノ保護基であり; Rbは、それぞれの場合、独立して、適切なアミノ酸側鎖;水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり; Reは、それぞれの場合、独立して、−RE、−ORE、−N(RE)2または−SREであり、REは、それぞれの場合、独立して、水素であるか、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なヒドロキシル保護基、アミノ保護基またはチオール保護基であるか;または2個のRE基で、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; Rfは、それぞれの場合、独立して、水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なアミノ保護基;場合によりリンカーで接続されている標識であり、該リンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンから選択され;またはRfとRaとで、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; RKL、RLLおよびRLMは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;アジド;シアノ;イソシアノ;ハロ;ニトロであるか; または2個の隣接するRKL基が結合して、置換もしくは非置換の5員環〜8員環の脂環式環;置換もしくは非置換の5員環〜8員環のヘテロ脂環式環;置換もしくは非置換のアリール環;または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成するか;2個の隣接するRKL基が結合して、置換もしくは非置換の5〜8員環の脂環式環;置換もしくは非置換の5〜8員環のヘテロ脂環式環;置換もしくは非置換のアリール環;または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成するか;または2個の隣接するRLM基が結合して、置換もしくは非置換の5〜8員環の脂環式環;置換もしくは非置換の5〜8員環のヘテロ脂環式環;置換もしくは非置換のアリール環;または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成し; XAAは、それぞれの場合、独立して、天然アミノ酸または非天然アミノ酸であり; xは、それぞれの場合、独立して、0〜3の整数であり; yおよびzは、それぞれの場合、独立して、2〜6の整数であり; jは、それぞれの場合、独立して、1〜10の整数であり; pは、それぞれの場合、0〜10の整数であり; sおよびtは、それぞれの場合、独立して、0〜100の整数であり; u、vおよびqは、それぞれの場合、独立して、0〜4の整数であり;

は、二重結合または三重結合に対応し;

は、単結合、二重結合または三重結合に対応する、 ポリペプチド。 (項目3) すべての

が、二重結合に対応する、項目1または2に記載のポリペプチド。 (項目4) すべての

が、単結合または二重結合に対応する、項目2に記載のポリペプチド。 (項目5) K、L1、L2およびMは、独立して、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜20アルキレンに対応する、項目1または2に記載のポリペプチド。 (項目6) K、L1、L2およびMは、独立して、式−(CH2)g+1−に対応し、gは0〜10である、項目5に記載のポリペプチド。 (項目7) L1が結合の場合、L2は結合ではなく、またはL2が結合の場合、L1は結合ではない、項目1または2に記載のポリペプチド。 (項目8) Raが水素である、項目1または2に記載のポリペプチド。 (項目9) Rbが水素である、項目1または2に記載のポリペプチド。 (項目10) Rfが、場合によりリンカーで接続されている標識である、項目1または2に記載のポリペプチド。 (項目11) Rfが、ヘテロアルキレンリンカーで接続されている標識である、項目10に記載のポリペプチド。 (項目12) 前記ヘテロアルキレンリンカーが、

から選択される、項目11に記載のポリペプチド。 (項目13) 前記標識が

から選択される、項目11に記載のポリペプチド。 (項目14) 前記ポリペプチドが、配列番号1〜122のポリペプチドから選択される、項目2に記載のポリペプチド。 (項目15) (i)式(A):

のビス−アミノ酸を提供する工程と、 (ii)式(B):

のアミノ酸を提供する工程と、 (iii)式(C):

のアミノ酸を提供する工程と、 (iv)少なくとも1つのさらなるアミノ酸を提供する工程と; (v)式(A)、(B)および(C)のアミノ酸と、工程(iv)の少なくとも1つのアミノ酸とをカップリングさせ、式(I)のポリペプチドを得る工程とを含む、実質的にαらせんのポリペプチドを製造する方法。 (項目16) (vi)工程(v)のポリペプチドを触媒で処理する工程をさらに含む、項目3に記載の実質的にαらせんのポリペプチドを製造する方法。 (項目17) 前記触媒がルテニウム触媒である、項目16に記載の方法。 (項目18) 式:

を有するビス−アミノ酸であって、式中、 L1は、それぞれの場合、独立して、結合であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンであり; L2は、それぞれの場合、独立して、結合であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンであり; Raは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシルであるか;または Raは、適切なアミノ保護基であり; Rcは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり; Reは、それぞれの場合、独立して、−RE、−ORE、−N(RE)2または−SREであり、REは、それぞれの場合、独立して、水素であるか、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なヒドロキシル保護基、アミノ保護基またはチオール保護基であるか;または2個のRE基で、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; Rfは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なアミノ保護基であるか;またはRfとRaとで、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; xは、それぞれの場合、独立して、0〜3の整数であり;

は、二重結合または三重結合に対応する、 ビス−アミノ酸。 (項目19) 項目2に記載の実質的にαらせんのポリペプチドを含む医薬組成物。 (項目20) 治療的に有効量の項目2に記載の実質的にαらせんのポリペプチドを、処置の必要な被験体に投与する工程を含む、被験体の疾患、障害または状態を治療する方法。

(定義) 特定の官能基および化学基の定義を以下に詳細に記載する。本発明の目的のために、化学元素は、Periodic Table of the Elements、CAS version、Handbook of Chemistry and Physics、75th Ed.の表紙の裏にしたがって定義し、特定の官能基は、本明細書に記載されるように、一般的に定義する。さらに、有機化学および特定の官能部分および反応性の一般的な原理は、Organic Chemistry、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito、1999;Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry、5th Edition、John Wiley & Sons,Inc.、New York、2001;Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers,Inc.、New York、1989;Carruthers、Some Modern Methods of Organic Synthesis、3rd Edition、Cambridge University Press、Cambridge、1987に記載されている。

本発明の化合物(例えば、アミノ酸、ステッチングされていないペプチドおよびポリペプチド、部分的にステッチングされているペプチドおよびポリペプチド、ステッチングされているペプチドおよびポリペプチド)は、特定の幾何異性体または立体異性体形態で存在してもよい。本発明は、本発明の範囲内にあるすべてのこのような化合物(cis異性体およびtrans異性体、RエナンチオマーおよびSエナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、そのラセミ混合物を含む)およびその他の混合物を包含する。

異性体/エナンチオマーが好ましい場合、いくつかの実施形態では、対応するエナンチオマーが実質的に存在しない状態で提供されてもよく、このことを「光学的に豊富に含む」と呼ぶこともある。「光学的に豊富に含む」は、本明細書で使用する場合、その化合物のかなり大部分が、1つのエナンチオマーで構成されていることを意味する。特定の実施形態では、本発明の化合物は、少なくとも約90重量%の好ましいエナンチオマーで構成されている。他の実施形態では、この化合物は、少なくとも約95重量%、98重量%、または99重量%の好ましいエナンチオマーで構成されている。好ましいエナンチオマーは、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を含む当業者に既知の任意の方法でラセミ混合物から単離されてもよく、キラル塩の合成または結晶化によって単離されてもよく、不斉合成によって調製されてもよい。例えば、Jacquesら、Enantiomers、Racemates and Resolutions(Wiley Interscience、New York、1981);Wilen,S.H.ら、Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,E.L.Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill、NY、1962);Wilen,S.H.Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.、Univ. of Notre Dame Press、Notre Dame、IN 1972)を参照。

本発明の化合物は、本明細書で記載する場合、任意の数の置換基または官能部分で置換されていてもよいことが理解されるであろう。一般的に、用語「置換された」は、この用語の前に「場合により」がつくかどうかにかかわらず、本発明の式に置換基が含まれているかどうかにかかわらず、所与の構造の水素ラジカルと、特定の置換ラジカルとを交換することを指す。任意の所与の構造の2個以上の位置で、特定の基から選択される2個以上の基で置換される場合、置換基は、それぞれの位置で同じであっても異なっていてもよい。本明細書で使用する場合、用語「置換された」は、安定な部分を生成する、有機化合物のあらゆる可能な置換基、本明細書で記載の任意の置換基(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロなど)での置換、およびその任意の組み合わせ(例えば、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど)を含むことを想定している。本発明は、安定な置換基/部分を得るために、このような組み合わせのいずれかおよびすべてを想定している。一般的に適用可能な置換基のさらなる例を、本明細書に記載の実施例に示される特定の実施形態で説明する。本発明の目的のために、窒素のようなヘテロ原子は、ヘテロ原子の価数を満足し、安定な部分を生成する、水素置換基および/または本明細書に記載の任意の適切な置換基を有していてもよい。

本明細書で使用する場合、末尾に「−エン」がついた置換基名は、その置換基から2個の水素原子を取り除いて誘導される二価のラジカルを指す。したがって、例えば、アシルはアシレンであり;アルキルはアルキレンであり;アルケニルはアルケニレンであり;アルキニルはアルキニレンであり;ヘテロアルキルはヘテロアルキレンであり、ヘテロアルケニルはヘテロアルケニレンであり、ヘテロアルキニルはヘテロアルキニレンであり、アリールはアリーレンであり、ヘテロアリールはヘテロアリーレンである。

用語「アシル」は、本明細書で使用する場合、一般式−C(=O)RA、−C(=O)ORA、−C(=O)−O−C(=O)RA、−C(=O)SRA、−C(=O)N(RA)2、−C(=S)RA、−C(=S)N(RA)2および−C(=S)S(RA)、−C(=NRA)RA、−C(=NRA)ORA、−C(=NRA)SRAおよび−C(=NRA)N(RA)2を有する基を指し、RAは、水素;ハロゲン;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;置換もしくは非置換のアシル、環状または非環状であり、置換されているか、または置換されておらず、分枝しているかまたは分枝していない脂肪族;環状または非環状であり、置換されているか、または置換されておらず、分枝しているかまたは分枝していないヘテロ脂肪族;環状または非環状であり、置換されているか、または置換されておらず、分枝しているかまたは分枝していないアルキル;環状または非環状であり、置換されているか、または置換されておらず、分枝しているかまたは分枝していないアルケニル;置換もしくは非置換のアルキニル;置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、モノ脂肪族アミノまたはジ脂肪族アミノ、モノヘテロ脂肪族アミノまたはジヘテロ脂肪族アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ、モノヘテロアルキルアミノまたはジヘテロアルキルアミノ、モノアリールアミノまたはジアリールアミノ、またはモノヘテロアリールアミノまたはジヘテロアリールアミノであるか;または2個のRA基で、5員環〜6員環の複素環を形成する。例示的なアシル基としては、アルデヒド(−CHO)、カルボン酸(−CO2H)、ケトン、ハロゲン化アシル、エステル、アミド、イミン、カーボネート、カルバメートおよびウレアが挙げられる。アシル置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらはさらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「アシルオキシ」は、式(−ORi)の「置換されたヒドロキシル」を指し、Riは、場合により置換されたアシル基であり、本明細書で記載する場合、酸素部分が親部分に直接結合している。

用語「アシレン」は、本明細書で使用する場合、一般式−R0−(C=X1)−R0−、−R0−X2(C=X1)−R0−または−R0−X2(C=X1)X3−R0−を有するアシル基を指し、X1、X2およびX3は、独立して、酸素、硫黄またはNRrであり、Rrは水素または脂肪族であり、R0は、本明細書に定義されるような、場合により置換されたアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、ヘテロアルキレン基、ヘテロアルケニレン基またはヘテロアルキニレン基である。R0がアルキレンの例示的なアシレン基としては、−(CH2)T−O(C=O)−(CH2)T−;−(CH2)T−NRr(C=O)−(CH2)T−;−(CH2)T−O(C=NRr)−(CH2)T−;−(CH2)T−NRr(C=NRr)−(CH2)T−;−(CH2)T−(C=O)−(CH2)T−;−(CH2)T−(C=NRr)−(CH2)T−;−(CH2)T−S(C=S)−(CH2)T−;−(CH2)T−NRr(C=S)−(CH2)T−;−(CH2)T−S(C=NRr)−(CH2)T−;−(CH2)T−O(C=S)−(CH2)T−;−(CH2)T−(C=S)−(CH2)T−;または−(CH2)T−S(C=O)−(CH2)T−などが挙げられ、これらは1個以上の置換基を有していてもよく;xxは、それぞれの場合、独立して、0〜20の整数である。アシレン基は、環状であっても非環状であってもよく、分枝していても分枝していなくてもよく、置換されていても置換されていなくてもよい。アシレン置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらは、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「脂肪族」は、本明細書で使用する場合、飽和および不飽和で、芳香族ではない直鎖(すなわち、分枝していない)、分枝の、非環状および環状の(すなわち、炭素環)炭化水素を含み、場合により、1個以上の官能基で置換されている。当業者に理解されるように、「脂肪族」は、本明細書では、限定されないが、アルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分、シクロアルキル部分、シクロアルケニル部分およびシクロアルキニル部分を含むことを意図している。したがって、本明細書で使用する場合、用語「アルキル」は、直鎖、分枝および環状のアルキル基を含む。「アルケニル」、「アルキニル」などのような他の包括的な用語にも、これと同じ取り決めが適用される。さらに、本明細書で使用する場合、用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」などは、置換された基および置換されていない基の両方を包含する。特定の実施形態では、本明細書で使用する場合、「脂肪族」を用い、1〜20個の炭素原子を有する、上述の脂肪族基(環状の基、非環状の基、置換されている基、置換されていない基、分枝している基、または分枝していない基)を示す。脂肪族基の置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらは、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「アルキル」は、本明細書で使用する場合、1個〜20個の炭素原子を含有する炭化水素部分から1個の水素原子を取り除いて誘導する、飽和で、直鎖または分枝鎖の炭化水素ラジカルを指す。いくつかの実施形態では、本発明で使用するアルキル基は、1〜20個の炭素原子を含有する。別の実施形態では、アルキル基は、1〜15個の炭素原子を含有する。別の実施形態では、使用するアルキル基は、1〜10個の炭素原子を含有する。別の実施形態では、使用するアルキル基は、1〜8個の炭素原子を含有する。別の実施形態では、使用するアルキル基は、1〜5個の炭素原子を含有する。アルキルラジカルの例としては、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、iso−ペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシルなどが挙げられ、これらは、1個以上の置換基を有していてもよい。アルキル基の置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「アルキレン」は、本明細書で使用する場合、本明細書に定義するアルキル基から2個の水素原子を取り除いて誘導した二価のラジカルを指す。アルキレン基は、環状であっても非環状であってもよく、分枝していても分枝していなくてもよく、置換されていても置換されていなくてもよい。アルキレン基の置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「アルケニル」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素部分から1個の水素原子を取り除いて誘導した一価の基を示す。特定の実施形態では、本発明で使用するアルケニル基は、2〜20個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、使用するアルケニル基は、2〜15個の炭素原子を含有する。別の実施形態では、使用するアルケニル基は、2〜10個の炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、使用するアルケニル基は、2〜8個の炭素原子を含有する。さらに別の実施形態では、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を含有する。アルケニル基としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イルなどが挙げられ、これらは、1個以上の置換基を有していてもよい。アルケニル基の置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「アルケニレン」は、本明細書で使用する場合、本明細書に定義するアルケニル基から2個の水素原子を取り除いて誘導した二価のラジカルを指す。アルケニレン基は、環状であっても非環状であってもよく、分枝していても分枝していなくてもよく、置換されていても置換されていなくてもよい。アルケニレン基の置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「アルキニル」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素部分から1個の水素原子を取り除いて誘導した一価の基を示す。特定の実施形態では、本発明で使用するアルキニル基は、2〜20個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、使用するアルキニル基は、2〜15個の炭素原子を含有する。別の実施形態では、使用するアルキニル基は、2〜10個の炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、使用するアルキニル基は、2〜8個の炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、アルキニル基は、2〜5個の炭素原子を含有する。代表的なアルキニル基としては、限定されないが、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニルなどが挙げられ、これらは、1個以上の置換基を有していてもよい。アルケニル基の置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「アルキニレン」は、本明細書で使用する場合、本明細書に定義するアルキニレン基から2個の水素原子を取り除いて誘導した二価のラジカルを指す。アルキニレン基は、環状であっても非環状であってもよく、分枝していても分枝していなくてもよく、置換されていても置換されていなくてもよい。アルキニレン基の置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「アミノ」は、本明細書で使用する場合、式(−NH2)の基を指す。「置換されたアミノ」は、一置換アミン(−NHRh)または二置換アミン(−NRh2)のいずれかを指し、Rh置換基は、安定な部分を形成する、本明細書に記載されるような任意の置換基である(例えば、適切なアミノ保護基;脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。特定の実施形態では、二置換アミノ基(−NRh2)のRh置換基は、5員環〜6員環の複素環を形成する。

用語「脂肪族アミノ」は、式(−NRh2)の「置換されたアミノ」を指し、Rhは、独立して、水素であるか、または本明細書に定義するような、場合により置換された脂肪族基であり、アミノ部分は、親分子に直接結合している。

用語「脂肪族オキシ」は、式(−ORi)の「置換されたヒドロキシル」を指し、Riは、本明細書に定義するような、場合により置換された脂肪族基であり、酸素部分は、親分子に直接結合している。

用語「アルキルオキシ」は、式(−ORi)の「置換されたヒドロキシル」を指し、Riは、本明細書に定義するような、場合により置換されたアルキル基であり、酸素部分は、親分子に直接結合している。

用語「アルキルチオキシ」は、式(−SRr)の「置換されたチオール」を指し、Rrは、本明細書に定義するような、場合により置換されたアルキル基であり、硫黄部分は、親分子に直接結合している。

用語「アルキルアミノ」は、式(−NRh2)の「置換されたアミノ」を指し、Rhは、独立して、水素であるか、または本明細書に定義するような、場合により置換されたアルキル基であり、窒素部分は、親分子に直接結合している。

用語「アリール」は、本明細書で使用する場合、3〜20個の環原子を有し、すべての環原子が炭素である、安定な芳香族単環系または芳香族多環系を指し、これらは、置換されていても、置換されていなくてもよい。本発明の特定の実施形態では、「アリール」は、1個、2個または3個の芳香環を有する単環、二環または三環のC4〜C20芳香族環系を指し、限定されないが、フェニル、ビフェニル、ナフチルなどが挙げられ、これらは、1個以上の置換基を有していてもよい。アリールの置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「アリーレン」は、本明細書で使用する場合、本明細書に定義するアリール基から2個の水素原子を取り除いて誘導した二価のアリールラジカルを指す。アリーレン基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。アリーレン基の置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。さらに、アリーレン基は、リンカー基として、本明細書に定義するようなアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、ヘテロアルキレン基、ヘテロアルケニレン基またはヘテロアルキニレン基に組み込まれていてもよい。

用語「アリールアルキル」は、本明細書で使用する場合、アリール置換されたアルキル基を指し、用語「アリール」および「アルキル」は、本明細書に定義されるとおりであり、アリール基は、アルキル基に接続しており、アルキル基が親分子に接続している。例示的なアリールアルキル基としては、ベンジルが挙げられる。

用語「アリールオキシ」は、式(−ORi)の「置換されたヒドロキシル」を指し、Riは、本明細書に定義するような、場合により置換されたアリール基であり、酸素部分は、親分子に直接結合している。

用語「アリールアミノ」は、式(−NRh2)の「置換されたアミノ」を指し、Rhは、水素であるか、または本明細書に定義するような、場合により置換されたアリール基であり、窒素部分は、親分子に直接結合している。

用語「アリールチオキシ」は、式(−SRr),の「置換されたチオール」を指し、Rrは、本明細書に定義するような、場合により置換されたアリール基であり、硫黄部分は、親分子に直接結合している。

用語「アジド」は、本明細書で使用する場合、式(−N3)の基を指す。「場合により置換されたアジド」は、式(−N3Rt)の基を指し、Rtは、任意の置換基である(水素以外)。置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、適切なアミノ保護基、例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、シアノ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシなどが挙げられ、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「シアノ」は、本明細書で使用する場合、式(−CN)の基を指す。

用語「ハロ」および「ハロゲン」は、本明細書で使用する場合、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)およびヨウ素(ヨード、−I)から選択される原子を指す。

用語「ヘテロ脂肪族」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義するような脂肪族部分を指し、飽和および不飽和で、芳香族ではない直鎖(すなわち、分枝していない)、分枝の、非環状、環状(すなわち、複素環状)または多環の炭化水素を含み、場合により、1個以上の官能基で置換されており、例えば、炭素原子の代わりに、1個以上の酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子またはケイ素原子を含有する。特定の実施形態では、ヘテロ脂肪族部分は、独立して、1個以上の水素原子を1個以上の置換基と交換することによって置換されている。当業者には理解されるように、「ヘテロ脂肪族」は、本明細書では、限定されないが、ヘテロアルキル部分、ヘテロアルケニル部分、ヘテロアルキニル部分、ヘテロシクロアルキル部分、ヘテロシクロアルケニル部分およびヘテロシクロアルキニル部分を含むことが意図されている。したがって、用語「ヘテロ脂肪族」は、用語「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」などを含む。さらに、本明細書で使用する場合、用語「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」などは、置換された基および置換されていない基の両方を包含する。特定の実施形態では、本明細書で使用する場合、「ヘテロ脂肪族」を用い、1〜20個の炭素原子を有する、上述のヘテロ脂肪族基(環状の基、非環状の基、置換されている基、置換されていない基、分枝している基、または分枝していない基)を示す。ヘテロ脂肪族基の置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、スルフィニル、スルホニル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「ヘテロ脂肪族アミノ」は、式(−NRh2)の「置換されたアミノ」を指し、Rhは、独立して、水素であるか、または本明細書に定義されるような、場合により置換されたヘテロ脂肪族基であり、窒素部分は、親分子に直接結合している。

用語「ヘテロ脂肪族オキシ」は、式(−ORi)の「置換されたヒドロキシル」を指し、Riは、本明細書に定義するような、場合により置換されたヘテロ脂肪族基であり、酸素部分は、親分子に直接結合している。

用語「ヘテロ脂肪族チオキシ」は、式(−SRr),の「置換されたチオール」を指し、Rrは、本明細書に定義するような、場合により置換されたヘテロ脂肪族基であり、硫黄部分は、親分子に直接結合している。

用語「ヘテロアルキル」は、本明細書で使用する場合、炭素原子の代わりに、例えば、1個以上の酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子またはケイ素原子を含有する、本明細書に定義されるようなアルキル部分を指す。

用語「ヘテロアルキレン」は、本明細書で使用する場合、本明細書に定義するヘテロアルキル基から2個の水素原子を取り除いて誘導した二価のラジカルを指す。ヘテロアルキレン基は、環状であっても非環状であってもよく、分枝していても分枝していなくてもよく、置換されていても置換されていなくてもよい。ヘテロアルキレン基の置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「ヘテロアルケニル」は、本明細書で使用する場合、本明細書に定義されるようなアルケニル部分を指し、例えば、炭素原子の代わりに、1個以上の酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子またはケイ素原子を含有する。

用語「ヘテロアルケニレン」は、本明細書で使用する場合、本明細書に定義するヘテロアルケニル基から2個の水素原子を取り除いて誘導した二価のラジカルを指す。ヘテロアルケニレン基は、環状であっても非環状であってもよく、分枝していても分枝していなくてもよく、置換されていても置換されていなくてもよい。

用語「ヘテロアルキニル」は、本明細書で使用する場合、例えば、炭素原子の代わりに、1個以上の酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子またはケイ素原子を含有する、本明細書に定義されるようなアルキニル部分を指す。

用語「ヘテロアルキニレン」は、本明細書で使用する場合、本明細書に定義するヘテロアルキニル基から2個の水素原子を取り除いて誘導した二価のラジカルを指す。ヘテロアルキニレン基は、環状であっても非環状であってもよく、分枝していても分枝していなくてもよく、置換されていても置換されていなくてもよい。

用語「ヘテロアルキルアミノ」は、式(−NRh2)の「置換されたアミノ」を指し、Rhは、独立して、水素であるか、または本明細書に定義するような、場合により置換されたヘテロアルキル基であり、窒素部分は、親分子に直接結合している。

用語「ヘテロアルキルオキシ」は、式(−ORi)の「置換されたヒドロキシル」を指し、Riは、本明細書に定義するような、場合により置換されたヘテロアルキル基であり、酸素部分は、親分子に直接結合している。

用語「ヘテロアルキルチオキシ」は、式(−SRr)の「置換されたチオール」を指し、Rrは、本明細書に定義するような、場合により置換されたヘテロアルキル基であり、硫黄部分は、親分子に直接結合している。

用語「複素環式環」、「複素環」または「ヘテロシクリル」は、本明細書で使用する場合、環状のヘテロ脂肪族基を指す。複素環基は、芳香族ではないか、部分的に不飽和または完全に不飽和である、3〜10員環系を指し、3〜8原子の単環系、および5〜6員環の芳香族アリール基または芳香族ヘテロアリール基が非芳香環に縮合していてもよい二環系または三環系を含む。これらの複素環は、酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む環を含み、窒素および硫黄といったヘテロ原子は、場合により、酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されていてもよい。特定の実施形態では、複素環との用語は、少なくとも1個の環原子が、O、SおよびNから選択されるヘテロ原子であり(窒素および硫黄といったヘテロ原子は、場合により、酸化されていてもよく)、残りの環原子は炭素であり、このラジカルは、任意の環原子によって分子の残りの部分に接続している、非芳香族の5員環、6員環または7員環または多環基を含む。ヘテロシクリル基としては、限定されないが、二環または三環の基が挙げられ、酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含む縮合5員環、6員環または7員環を含み、(i)それぞれの5員環は、0〜2個の二重結合を有し、それぞれの6員環は、0〜2個の二重結合を有し、それぞれの7員環は、0〜3個の二重結合を有し、(ii)窒素および硫黄といったヘテロ原子は、場合により、酸化されていてもよく、(iii)窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されていてもよく、(iv)上述の任意の複素環は、アリール環またはヘテロアリール環に縮合していてもよい。例示的な複素環としては、アザシクロプロパニル、アザシクロブタニル、1,3−ジアザチジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゾカニル、チアラニル、チエタニル、テトラヒドロチオフェニル、ジチオラニル、チアシクロヘキサニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロプラニル、ジオキサニル、オキサチオラニル、モルホリニル、チオキサニル、テトラヒドロナフチルなどが挙げられ、これらは、1個以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、スルフィニル、スルホニル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「ヘテロアリール」は、本明細書で使用する場合、3〜20個の環原子を有し、1個の環原子が、S、OおよびNから選択され、0個、1個または2個の環原子が、S、OおよびNから独立して選択されるさらなるヘテロ原子であり、残りの還原子が炭素であり、ラジカルが任意の環原子によって分子の残りの部分に接続している、安定な芳香族単環系または芳香族多環系を指す。例示的なヘテロアリールとしては、限定されないが、ピローリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、ピロリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、フタラジニル、ナフトリジニル、キノキサリニル、チオフェニル、チアナフテニル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリル、チアジアゾリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアジオリル、オキサジアジオリルなどが挙げられ、これらは、1個以上の置換基を有していてもよい。ヘテロアリール置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、スルフィニル、スルホニル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「ヘテロアリーレン」は、本明細書で使用する場合、本明細書に定義するヘテロアリール基から2個の水素原子を取り除いて誘導した二価のラジカルを指す。ヘテロアリーレン基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。さらに、ヘテロアリーレン基は、リンカー基として、本明細書に定義するようなアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、ヘテロアルキレン基、ヘテロアルケニレン基またはヘテロアルキニレン基に組み込まれていてもよい。ヘテロアリーレン基の置換基としては、限定されないが、安定な部分を形成する、本明細書に記載の任意の置換基が挙げられる(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなどが挙げられ、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「ヘテロアリールアミノ」は、式(−NRh2)の「置換されたアミノ」を指し、Rhは、独立して、水素であるか、または本明細書に定義されるような、場合により置換されたヘテロアリール基であり、窒素部分は、親分子に直接結合している。

用語「ヘテロアリールオキシ」は、式(−ORi)の「置換されたヒドロキシル」を指し、Riは、本明細書に定義するような、場合により置換されたヘテロアリール基であり、酸素部分は、親分子に直接結合している。

用語「ヘテロアリールチオキシ」は、式(−SRr),の「置換されたチオール」を指し、Rrは、本明細書に定義するような、場合により置換されたヘテロアリール基であり、硫黄部分は、親分子に直接結合している。

用語「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、本明細書で使用する場合、式(−OH)の基を指す。「置換されたヒドロキシル」は、式(−ORi)の基を指し、Riは、安定な部分を形成する任意の置換基であってよい(例えば、適切なヒドロキシル保護基、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、ニトロ、アルキルアリール、アリールアルキルなど、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「イミノ」は、本明細書で使用する場合、式(=NRr)の基を指し、Rrは、水素であるか、または安定な部分を形成する本明細書に記載の任意の置換基に対応する(例えば、適切なアミノ保護基、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、アミノ、ヒドロキシル、アルキルアリール、アリールアルキルなど、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「イソシアノ」は、本明細書で使用する場合、式(−NC)の基を指す。

用語「ニトロ」は、本明細書で使用する場合、式(−NO2)の基を指す。

用語「オキソ」は、本明細書で使用する場合、式(=O)の基を指す。

本明細書で使用する場合、用語「樹脂」は、固相合成に有用な樹脂を指す。固相合成は、周知の合成技術であり、一般的には、Atherton,E.,Sheppard、R.C.Solid Phase Peptide Synthesis:A Practical Approach、IRL Press、Oxford、England、1989およびStewart J.M.、Young、J.D.Solid Phase Peptide Synthesis、2nd edition、Pierce Chemical Company、Rockford、1984を参照(これらの内容全体が、本明細書に参考として組み込まれる)。本発明で利用可能な例示的な樹脂としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。

(1)アルケニル樹脂(例えば、REM樹脂、ビニルスルホンポリマーが結合した樹脂、ビニル−ポリスチレン樹脂); (2)アミン官能化樹脂(例えば、アミジン樹脂、重合したN−(4−ベンジルオキシベンジル)ヒドロキシルアミン、(アミノメチル)ポリスチレン、重合した(R)−(+)−a−メチルベンジルアミン、2−クロロトリチルKnorr樹脂、重合した2−N−Fmoc−アミノ−ジベンゾシクロヘプタ−1,4−ジエン樹脂、4−[4−(1−Fmoc−アミノエチル)−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ]ブチラミドメチル−ポリスチレン樹脂、重合した4−ベンジルオキシベンジルアミン、重合した4−カルボキシベンゼンスルホンアミド、重合したビス(tert−ブトキシカルボニル)チオプソイドウレア、ジメチルアミノメチル−ポリスチレン、重合したFmoc−3−アミノ−3−(2−ニトロフェニル)プロピオン酸、N−メチルアミノメチル化ポリスチレン、PAL樹脂、Sieberアミド樹脂、重合したtert−ブチル N−(2−メルカプトエチル)カルバメート、重合したトリフェニルクロロメタン−4−カルボキサミド); (3)ベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂(例えば、重合した2−クロロベンズヒドリルクロリド、重合したHMPB−ベンズヒドリルアミン、重合した4−メチルベンズヒドロール、重合した塩化ベンズヒドリル、重合したベンズヒドリルアミン); (4)Br官能化樹脂(例えば、重合した4−(ベンジルオキシ)ベンジルブロミド、4−ブロモポリスチレン、臭素化PPOA樹脂、臭素化Wang樹脂、重合したブロモアセタール、ブロモポリスチレン、HypoGel(登録商標)200 Br、ペプチド合成用ポリスチレンA−Br、重合した臭化セレン、TentaGel HL−Br、TentaGel MB−Br、TentaGel S−Br、TentaGel S−Br); (5)クロロメチル樹脂(例えば、重合した5−[4−(クロロメチル)フェニル]ペンチル]スチレン、重合した4−(ベンジルオキシ)ベンジルクロリド、重合した4−メトキシベンズヒドリルクロリド); (6)CHO官能化樹脂(例えば、(4−ホルミル−3−メトキシフェノキシメチル)ポリスチレン、(4−ホルミル−3−メトキシフェノキシメチル)ポリスチレン、重合した3−ベンジルオキシベンズアルデヒド、重合した4−ベンジルオキシ−2,6−ジメトキシベンズアルデヒド、ホルミルポリスチレン、HypoGel(登録商標)200 CHO、インドール樹脂、ポリスチレンA−CH(OEt)2、TentaGel HL−CH(OEt)2); (7)Cl官能化樹脂(例えば、重合した塩化ベンゾイル、(クロロメチル)ポリスチレン、Merrifield樹脂); (8)CO2H官能化樹脂(例えば、カルボキシエチルポリスチレン、HypoGel(登録商標)200 COOH、ポリスチレンAM−COOH、TentaGel HL−COOH、TentaGel MB−COOH、TentaGel S−COOH); (9)Hypo−Gel樹脂(例えば、HypoGel(登録商標)200 FMP、HypoGel(登録商標)200 PHB、HypoGel(登録商標)200 Trt−OH、HypoGel(登録商標)200 HMB); (10)I官能化樹脂(例えば、重合した4−ヨードフェノール、ヨードポリスチレン);Janda−Jels商標(JandaJelae−Rinkアミド、JandaJel−NH2、JandaJel−Cl、JandaJel−4−メルカプトフェノール、JandaJel−OH、JandaJel−1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド、JandaJel−1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド−[1,2−a]ピリミジン、JandaJel−モルホリン、JandaJel−ポリピリジン、JandaJel−トリフェニルホスフィン、JandaJel−Wang); (11)MBHA樹脂(3[4’−(ヒドロキシメチル)フェノキシ]プロピオン酸−4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、MBHA樹脂に重合した4−(ヒドロキシメチル)フェノキシ酢酸、重合したHMBA−4−メチルベンズヒドリルアミン、重合した4−メチルベンズヒドリルアミン塩酸塩Capacity(アミン)); (12)NH2官能化樹脂((アミノメチル)ポリスチレン、(アミノメチル)ポリスチレン、HypoGel(登録商標)200 NH2、ポリスチレンAM−NH2、2−アミノエチル化したポリスチレン微小球、2−ブロモエチル化したポリスチロール微小球、2−ヒドロキシエチル化したポリスチロール微小球、TentaGel HL−NH2、TentaGel M Br、TentaGel M NH2、TentaGel M OH、TentaGel MB−NH2、TentaGel S−NH2、TentaGel S−NH2); (13)OH官能化樹脂(例えば、重合した4−ヒドロキシメチル安息香酸、ヒドロキシメチル樹脂、OH官能化Wang樹脂); (14)オキシム樹脂(例えば、重合した4−クロロベンゾフェノンオキシム、重合したベンゾフェノンオキシム、重合した4−メトキシベンゾフェノンオキシム); (15)PEG樹脂(例えば、重合したエチレングリコール); (16)Boc−/Blzペプチド合成樹脂(例えば、Boc−Lys(Boc)−Lys[Boc−Lys(Boc)]−Cys(Acm)−b−Ala−O−PAM樹脂、Boc−Lys(Fmoc)−Lys[Boc−Lys(Fmoc)]−b−Ala−O−Pam樹脂、Boc−Lys(Boc)−Lys[Boc−Lys(Boc)]−Lys{Boc−Lys(Boc)−Lys[Boc−Lys(Boc)]}−b−Ala−O−PAM樹脂、Boc−Lys(Fmoc)−Lys[Boc−Lys(Fmoc)]−Lys{Boc−Lys(Fmoc)−Lys[Boc−Lys(Fmoc)]}−b−Ala−O−PAM樹脂、Boc−Lys(Boc)−Lys[Boc−Lys(Boc)]−Lys{Boc−Lys(Boc)−Lys[Boc−Lys(Boc)]}−Cys(Acm)−b−Ala−O−PAM樹脂、あらかじめ組み込まれたPAM樹脂); (17)Fmoc−/t−Buペプチド合成樹脂(例えば、Fmoc−Lys(Fmoc)−Lys[Fmoc−Lys(Fmoc)]−b−Ala−O−Wang樹脂、Fmoc−Lys(Fmoc)−Lys[Fmoc−Lys(Fmoc)]−Lys{Fmoc−Lys(Fmoc)−Lys[Fmoc−Lys(Fmoc)]}−b−Ala−O−Wang樹脂、あらかじめ組み込まれたTentaGel(登録商標)Sトリチル樹脂、あらかじめ組み込まれたTentaGel(登録商標)樹脂、あらかじめ組み込まれたトリチル樹脂、あらかじめ組み込まれたWang樹脂、アミノアルコールがあらかじめ組み込まれたトリチル樹脂); (19)チオール官能化樹脂(例えば、HypoGel(登録商標)200 S−Trt、ポリスチレンAM−S−トリチル、TentaGel HL−S−トリチル、TentaGel MB−S−トリチル、TentaGel S−S−トリチル);および (20)Wang樹脂(例えば、Fmoc−Ala−Wang樹脂、Fmoc−Arg(Pbf)−Wang樹脂、Fmoc−Arg(Pmc)−Wang樹脂、Fmoc−Asn(Trt)−Wang樹脂、Fmoc−Asp(OtBu)−Wang樹脂、Fmoc−Cys(Acm)−Wang樹脂、Fmoc−Cys(StBu)−Wang樹脂、Fmoc−Cys(Trt)Wang樹脂、Fmoc−Gln(Trt)−Wang樹脂、Fmoc−Glu(OtBu)−Wang樹脂、Fmoc−Gly−Wang樹脂、Fmoc−His(Trt)−Wang樹脂、Fmoc−Ile−Wang樹脂、Fmoc−Leu−Wang樹脂、Fmoc−Lys(Boc)−Wang樹脂、Fmoc−Met−Wang樹脂、Fmoc−D−Met−Wang樹脂、Fmoc−Phe−Wang樹脂、Fmoc−Pro−Wang樹脂、Fmoc−Ser(tBu)−Wang樹脂、Fmoc−Ser(Trt)−Wang樹脂、Fmoc−Thr(tBu)−Wang樹脂、Fmoc−Trp(Boc)Wang樹脂、Fmoc−Trp−Wang樹脂、Fmoc−Tyr(tBu)−Wang樹脂、Fmoc−Val−Wang樹脂)。

用語「安定な部分」は、本明細書で使用する場合、好ましくは、製造し、本明細書で詳細に記載する目的にとって有用な所定の時間、十分に一体性を維持するのに十分な安定性を有する部分を指す。

「適切なアミノ保護基」は、本明細書で使用する場合、当該技術分野で周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、3rd edition、John Wiley & Sons、1999に詳細に記載されているものが挙げられる(内容全体が、本明細書に参考として組み込まれる)。適切なアミノ保護基としては、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェンアシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−ピリジル)エチルカルバメートおよび(4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンズイソキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、フェノチアジニル−(10)−カルボニル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N’−フェニルアミノチオカルボニル誘導体、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシカルボニルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボリニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリメチルベンジルカルバメート、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−diチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、o−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミド、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5−置換 1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換 1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換 3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)アミン、四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノ N’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロミウムまたはタングステン)カルボニル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミン N−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミドおよびフェンアシルスルホンアミドが挙げられる。

「適切なカルボン酸保護基」または「保護されたカルボン酸」は、本明細書で使用する場合、当該技術分野で周知であり、Greene(1999)に詳細に記載されるものを含む。さらに、適切に保護されたカルボン酸の例としては、限定されないが、シリル保護されたカルボン酸、アルキル保護されたカルボン酸、アルケニル保護されたカルボン酸、アリール保護されたカルボン酸およびアリールアルキル保護されたカルボン酸が挙げられる。適切なシリル基の例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリイソプロピルシリルなどが挙げられる。適切なアルキル基の例としては、メチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、トリチル、t−ブチル、テトラヒドロピラン−2−イルが挙げられる。適切なアルケニル基の例としては、アリルが挙げられる。適切なアリール基の例としては、場合により置換されたフェニル、ビフェニルまたはナフチルが挙げられる。適切なアリールアルキル基の例としては、場合により置換されたベンジル(例えば、p−メトキシベンジル(MPM)、3,4−ジメトキシベンジル、O−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル)および2−ピコリルおよび4−ピコリルが挙げられる。

「適切なヒドロキシル保護基」は、本明細書で使用する場合、当該技術分野で周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、3rd edition、John Wiley & Sons、1999に詳細に記載されているものが挙げられる(内容全体が、本明細書に参考として組み込まれる)。適切なヒドロキシル保護基としては、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアヤコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル S,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリル N−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェンアシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4’’−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4’’−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンズイソチアゾリル S,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルtヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペンタノエート(レブリネート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート、アダマントエート、クロトネート、4−メトキシクロトネート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート(メシトエート)、アルキルメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、アルキルエチルカーボネート、アルキル 2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボネート、アルキルビニルカーボネート、アルキルアリルカーボネート、アルキル p−ニトロフェニルカーボネート、アルキルベンジルカーボネート、アルキル p−メトキシベンジルカーボネート、アルキル 3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、アルキル o−ニトロベンジルカーボネート、アルキル p−ニトロベンジルカーボネート、アルキル S−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフチチルカーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、2−ホルミルベンゼンスルホネート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシノエート、(E)−2−メチル−2−ブテノエート、o−(メトキシカルボニル)ベンゾエート、α−ナフトエート、硝酸、アルキル N,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミデート、アルキル N−フェニルカルバメート、ボレート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル 2,4−ジニトロフェニルスルフェネート、サルフェート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネートおよびトシレート(Ts)が挙げられる。1,2−ジオールおよび1,3−ジオールを保護する場合、保護基としては、メチレンアセタール、エチリデンアセタール、1−t−ブチルエチリデンケタール、1−フェニルエチリデンケタール、(4−メトキシフェニル)エチリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタール、アセトニド、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデンケタール、ベンジリデンアセタール、p−メトキシベンジリデンアセタール、2,4−ジメトキシベンジリデンケタール、3,4−ジメトキシベンジリデンアセタール、2−ニトロベンジリデンアセタール、メトキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセタール、ジメトキシメチレンオルトエステル、1−メトキシエチリデンオルトエステル、1−エトキシエチリジンオルトエステル、1,2−ジメトキシエチリデンオルトエステル、α−メトキシベンジリデンオルトエステル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデン誘導体、α−(N,N’−ジメチルアミノ)ベンジリデン誘導体、2−オキサシクロペンチリデンオルトエステル、ジ−t−ブチルシリレン基(DTBS)、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサニリデン)誘導体(TIPDS)、テトラ−t−ブトキシdiシロキサン−1,3−ジイリデン誘導体(TBDS)、環状カーボネート、環状ボロネート、エチルボロネートおよびフェニルボロネートが挙げられる。

「適切なチオール保護基」は、本明細書で使用する場合、当該技術分野で周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、3rd edition、John Wiley & Sons、1999に詳細に記載されているものが挙げられる(内容全体が、本明細書に参考として組み込まれる)。適切に保護されたチオール基の例としては、限定されないが、チオエステル、カーボネート、スルホネート、アリルチオエーテル、チオエーテル、シリルチオエーテル、アルキルチオエーテル、アリールアルキルチオエーテルおよびアルキルオキシアルキルチオエーテルが挙げられる。適切なエステル基の例としては、ホルメート、アセテート、プロピオネート、ペンタノエート、クロトネートおよびベンゾエートが挙げられる。適切なエステル基の特定の例としては、ホルメート、ベンゾイルホルメート、クロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペンタノエート、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート、ピバロエート(トリメチルアセテート)、クロトネート、4−メトキシ−クロトネート、ベンゾエート、p−ベンジルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエートが挙げられる。適切なカーボネートの例としては、9−フルオレニルメチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)エチル、2−(フェニルスルホニル)エチル、ビニル、アリルおよびp−ニトロベンジルカーボネートが挙げられる。適切なシリル基の例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリイソプロピルシリルエーテルおよび他のトリアルキルシリルエーテルが挙げられる。適切なアルキル基の例としては、メチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、トリチル、t−ブチルおよびアリルエーテルまたはこの誘導体が挙げられる。適切なアリールアルキル基の例としては、ベンジル、p−メトキシベンジル(MPM)、3,4−ジメトキシベンジル、O−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、2−ピコリルエーテルまたは4−ピコリルエーテルが挙げられる。

用語「チオ」または「チオール」は、本明細書で使用する場合、式(−SH)の基を指す。「置換されたチオール」は、式(−SRr)の基を指し、Rrは、安定な部分を形成する任意の置換基であってもよい(例えば、適切なチオール保護基、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、スルフィニル、スルホニル、シアノ、ニトロ、アルキルアリール、アリールアルキルなど、これらはそれぞれ、さらに置換されていても、置換されていなくてもよい)。

用語「チオオキソ」は、本明細書で使用する場合、式(=S)の基を指す。

本明細書で使用する場合、「その医薬的に許容される塩」は、以下に定義され、本明細書で定義されるように、本発明の化合物の任意の医薬的に許容される塩、プロドラッグ、互変異性体、異性体および/または多形体を含む。

本明細書で使用する場合、用語「医薬的に許容される塩」は、医師の妥当な判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを引き起こさずに、ヒトおよび低級動物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な便益/リスク比の塩を指す。医薬的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences、1977、66、1−19(本明細書に参考として組み込まれる)に、医薬的に許容される塩を詳細に記載している。本発明の化合物の医薬的に許容される塩としては、適切な無機酸および有機塩基、無機塩基および有機塩基から誘導されるものが挙げられる。医薬的に許容される毒性のない酸付加塩の例は、アミノ基と、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸)または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸)とから合成される塩、またはイオン交換のような当該技術分野で使用する他の方法を用いて合成される塩である。他の医薬的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、ブタン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、バレル酸塩などが挙げられる。適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN+(C1−4アルキル)4塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。さらなる医薬的に許容される塩としては、適切な場合、ハロゲン化物イオン、水酸化イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオンおよびアリールスルホン酸イオンのような対イオンを用いて合成される、毒性のないアンモニウム塩、四級アンモニウム塩およびアミンカチオン塩が挙げられる。

本明細書で使用する場合、用語「プロドラッグ」は、親化合物を放出するために体内で変換が必要な、親化合物の誘導体を指す。特定の場合、プロドラッグは、物理的特性および/または送達特性が、親化合物よりも改良されている。プロドラッグは、典型的には、親化合物に関連する医薬的な特性および/または薬理学的特性を高めるように設計されている。プロドラッグの利点は、例えば、非経口投与の際に、生理pHで親化合物よりも水溶性が向上しているか、または消化管からの吸収性が向上しているか、または長期間保存時の薬物安定性が向上しているなどの物理特性にある場合がある。近年、プロドラッグ設計に利用するために、生体内で可逆性の数種類の誘導体が開発された。カルボキシル官能基またはヒドロキシル官能基を含有する化合物のプロドラッグ種として、エステルを使用することが当該技術分野で知られており、例えば、「The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Interaction」Richard Silverman、Academic Press発行(1992)に記載されている。

本明細書で使用する場合、用語「互変異性体」は、少なくとも1個の水素原子がホルマール移動し、少なくとも1箇所の価数が変わることによって(例えば、単結合から二重結合へ、三重結合から二重結合へ、またはこの逆)、相互に変換可能な2個以上の化合物を含む。互変異性体の実際の比率は、いくつかの因子(温度、溶媒およびpHを含む)によって変わる。互変異性化(すなわち、互変異性体の対を与える反応)は、酸または塩基によって触媒されることがある。例示的な互変異性化としては、ケト−エノール、アミド−イミド、ラクタム−ラクチム、エナミン−イミンおよびエナミン−(異なる)エナミンの互変異性化が挙げられる。

本明細書で使用する場合、用語「異性体」は、任意の幾何異性体および立体異性体、およびすべての幾何異性体および立体異性体を含む。例えば、「異性体」は、本発明の範囲内にあるような、cis異性体およびtrans異性体、E異性体およびZ異性体、R型およびS型のエナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、そのラセミ混合物、およびこれらの他の混合物を含む。例えば、異性体/エナンチオマーは、いくつかの実施形態では、対応するエナンチオマーが実質的に存在しない状態で提供されてもよく、このことを「光学的に豊富に含む」と呼ぶこともある。「光学的に豊富に含む」は、本明細書で使用する場合、その化合物のかなり大部分が、1つのエナンチオマーで構成されていることを意味する。特定の実施形態では、本発明の化合物は、少なくとも約90重量%の好ましいエナンチオマーで構成されている。他の実施形態では、この化合物は、少なくとも約95重量%、98重量%、または99重量%の好ましいエナンチオマーで構成されている。好ましいエナンチオマーは、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を含む当業者に既知の任意の方法でラセミ混合物から単離されてもよく、キラル塩の合成または結晶化によって単離されてもよく、不斉合成によって調製されてもよい。例えば、Jacquesら、Enantiomers、Racemates and Resolutions(Wiley Interscience、New York、1981);Wilen,S.H.ら、Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,E.L.Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill、NY、1962);Wilen,S.H.Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.、Univ. of Notre Dame Press、Notre Dame、IN 1972)を参照。

本明細書で使用する場合、「多形体」は、結晶形態および/または結晶構造が2個以上存在する、結晶性の本発明の化合物を指す。結晶充填の違いから生じる多形体が存在する場合、充填多形体と呼ぶ。配座多形では、同じ分子の異なる配座異性体が存在することから多形体が生じる場合もある。疑似多形では、水和または溶媒和の結果、異なる結晶型が生じる。

用語「アミノ酸」は、アミノ基とカルボキシル基の両方を含有する分子を指す。アミノ酸としては、α−アミノ酸およびβ−アミノ酸が挙げられ、構造を以下に示す。特定の実施形態では、アミノ酸は、αアミノ酸である。

適切なアミノ酸としては、限定されないが、天然α−アミノ酸(例えば、ペプチド中に存在する20種類の天然に存在するα−アミノ酸のD−異性体およびL−異性体(例えば、以下の表1に記載するような、A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、V))、および非天然α−アミノ酸(以下の表2および表3に示すもの)、天然β−アミノ酸(例えば、β−アラニン)および非天然β−アミノ酸が挙げられる。

本発明のペプチドを構築するのに使用するアミノ酸は、有機合成によって調製してもよく、または他の経路(例えば、天然供給源の分解または単離)によって得てもよい。本発明の特定の実施形態では、式−[XAA]−は、以下の式を有する天然アミノ酸および/または非天然アミノ酸に対応する。

〔式中、RおよびR’は、以下に定義され、本明細書で定義されるような、適切なアミノ酸側鎖に対応し、Raは、以下に定義され、本明細書で定義されるとおりである。

多くの既知の非天然アミノ酸が存在し、これらの任意のアミノ酸が、本発明のペプチドに含まれてもよい。例えば、S.Hunt、The Non−Protein Amino Acids:In Chemistry and Biochemistry of the Amino Acids、edited by G. C. Barrett、Chapman and Hall、1985を参照。非天然アミノ酸のいくつかの例は、4−ヒドロキシプロリン、デスモシン、γ−アミノ酪酸、β−シアノアラニン、ノルバリン、4−(E)−ブテニル−4(R)−メチル−N−メチル−L−スレオニン、N−メチル−L−ロイシン、1−アミノ−シクロプロパンカルボン酸、1−アミノ−2−フェニル−シクロプロパンカルボン酸、1−アミノ−シクロブタンカルボン酸、4−アミノ−シクロペンテンカルボン酸、3−アミノ−シクロヘキサンカルボン酸、4−ピペリジル酢酸、4−アミノ−1−メチルピロール−2−カルボン酸、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,4−ジアミノ酪酸、2−アミノヘプタンジオン酸、4−(アミノメチル)安息香酸、4−アミノ安息香酸、オルト置換フェニルアラニン、メタ置換フェニルアラニンおよびパラ置換フェニルアラニン(例えば、−C(=O)C6H5;−CF3;−CN;−ハロ;−NO2;CH3で置換されている)、二置換フェニルアラニン、置換チロシン(例えば、−C(=O)C6H5;−CF3;−CN;−ハロ;−NO2;CH3でさらに置換されている)およびスタチンである。さらに、本発明で使用するのに適したアミノ酸を、例えば、ヒドロキシル化されたアミノ酸残基、ホスホリル化されたアミノ酸残基、スルホネート化されたアミノ酸残基、アシル化されたアミノ酸残基およびグルコシル化されたアミノ酸残基を含むように誘導体化してもよい。

用語「アミノ酸側鎖」は、アミノ酸のα炭素またはβ炭素に接続した基を指す。「適切なアミノ酸側鎖」としては、限定されないが、上に定義されるような適切なアミノ酸側鎖、および表1〜3に記載されるアミノ酸側鎖が挙げられる。

例えば、適切なアミノ酸側鎖としては、メチル(アラニンのα−アミノ酸側鎖は、メチルである)、4−ヒドロキシフェニルメチル(チロシンのα−アミノ酸側鎖は、4−ヒドロキシフェニルメチルである)およびチオメチル(システインのα−アミノ酸側鎖は、チオメチルである)などが挙げられる。「末端が不飽和のアミノ酸側鎖」は、末端不飽和部分(例えば、置換もしくは非置換の、二重結合(例えば、オレフィン性)または三重結合(例えば、アセチレン性))を有するアミノ酸側鎖を指し、この末端不飽和部分が、ポリペプチド鎖の他の末端不飽和部分との架橋反応に関与する。特定の実施形態では、「末端が不飽和のアミノ酸側鎖」は、末端オレフィンを有するアミノ酸側鎖である。特定の実施形態では、「末端が不飽和のアミノ酸側鎖」は、末端アセチレンを有するアミノ酸側鎖である。特定の実施形態では、「末端が不飽和のアミノ酸側鎖」の末端部分は、置換されていない。末端が不飽和のアミノ酸側鎖としては、限定されないが、表3に記載の側鎖が挙げられる。

「ペプチド」または「ポリペプチド」は、ペプチド(アミド)結合によって接続したアミノ酸残基のポリマーを含む。この用語は、本明細書で使用する場合、任意の大きさ、構造または機能を有するタンパク質、ポリペプチドおよびペプチドを指す。典型的には、ペプチドまたはポリペプチドは、アミノ酸長が少なくとも3である。ペプチドまたはポリペプチドは、個々のタンパク質またはタンパク質の集合体を指してもよい。本発明のタンパク質は、好ましくは、天然アミノ酸のみを含有するが、非天然アミノ酸(すなわち、天然には存在しないが、ポリペプチド鎖に組み込むことは可能な化合物)および/または当該技術分野で知られているアミノ酸アナログを代わりに使用してもよい。さらに、ペプチドまたはポリペプチドの1個以上のアミノ酸を、例えば、化学部分(例えば、炭水化物基、ヒドロキシル基、ホスフェート基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、結合リンカー、官能基)を付加することによって修飾してもよく、または他の改変を行ってもよい。ペプチドまたはポリペプチドは、1個の分子であってもよく、複数の分子の複合体であってもよい(例えば、タンパク質)。ペプチドまたはポリペプチドは、天然に存在するタンパク質またはペプチドのフラグメントであってもよい。ペプチドまたはポリペプチドは、天然に存在するもの、組み換えを行ったもの、または合成のもの、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、「ジペプチド」は、2個の共有結合したアミノ酸を指す。

以下の定義は、本明細書全体で使用する、より一般的な用語である。

用語「被験体」は、本明細書で使用する場合、任意の動物を指す。特定の実施形態では、被験体は、哺乳動物である。特定の実施形態では、用語「被験体」は、本明細書で使用する場合、ヒト(例えば、男性、女性または子供)を指す。

用語「投与する」、「投与すること」または「投与」は、本明細書で使用する場合、本発明のポリペプチドまたは化合物を移植すること、吸収させること、摂取させること、注射することまたは吸入することを指す。

用語「治療する」または「治療すること」は、本明細書で使用する場合、被験体が患っている疾患または状態を部分的または完全に軽減するか、阻害するか、改善するか、および/または回復させることを指す。

用語「有効量」および「治療的に有効量」は、本明細書で使用する場合、被験体に投与した場合、被験体が患う状態を少なくとも部分的に治療するのに有効な、本発明の特許請求の範囲に記載のポリペプチドと組み合わせる、生体で活性のある薬剤の量または濃度、または本発明のポリペプチドの量または濃度を指す。

本明細書で使用する場合、2個の部分が互いに「接合する」場合、2個の部分は、共有結合または共有結合ではない結合によって、直接的または間接的に接続している。特定の実施形態では、接続は、共有結合である。他の実施形態では、接続は、共有結合ではない結合である。共有結合ではない相互作用としては、水素結合、van der Waals相互作用、疎水性相互作用、磁による相互作用、静電相互作用などが挙げられる。間接的な共有結合は、2個の部分が、場合によりリンカーを介して、共有結合している場合である。

本明細書で使用する場合、「生体で活性のある薬剤」または「治療的に活性な薬剤」は、ある疾患、状態または障害を治療し、予防し、発症を遅らせ、低減または軽減させる医薬として使用される任意の基質を指し、予防的治療および治療的処置を含む、治療に有用な基質を指す。生体で活性のある薬剤は、例えば、他の化合物の効力を高めるか、または有害な効果を減らすことによって、別の化合物の効果または有効性を高める化合物も含む。

特定の実施形態では、生体で活性のある薬剤は、抗癌剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗HIV剤、抗寄生虫剤、抗原生動物剤、麻酔剤、抗凝血剤、酵素阻害剤、ステロイド剤、ステロイド性抗炎症剤または非ステロイド性抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤、抗新生物剤、抗原、ワクチン、抗体、充血除去剤、鎮静剤、オピオイド、鎮痛剤、抗発熱剤、避妊剤、ホルモン、プロスタグランジン、黄体ホルモン剤、抗緑内障剤、眼科用薬剤、抗コリン作用剤、鎮痛剤、抗鬱剤、抗精神病剤、神経毒、睡眠薬、精神安定剤、抗けいれん剤(anti−convulsant agent)、筋肉弛緩剤、抗パーキンソン病剤、抗けいれん剤(anti−spasmodic)、筋肉収縮剤(muscle contractant)、チャネル遮断薬、縮瞳剤、抗分泌剤、抗血栓剤、抗凝固剤、抗コリン作用剤、抗β−アドレナリン作動薬、利尿剤、心血管活性剤、血管作動薬、血管拡張剤、降圧剤、血管形成剤、細胞−細胞外マトリックス相互作用調節剤(例えば、細胞成長阻害剤および抗接着分子)またはDNA、RNA、タンパク質−タンパク質相互作用、タンパク質−受容体相互作用の阻害剤/挿入剤などである。

例示的な生体で活性のある薬剤としては、限定されないが、有機低分子、例えば、薬物化合物、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、ヌクレオタンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたは合成タンパク質、タンパク質に結合した低分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミンなどが挙げられる。特定の実施形態では、生体で活性のある薬剤は、細胞である。例示的な細胞としては、免疫系の細胞(例えば、脂肪細胞、リンパ球、血漿細胞、マクロファージ、樹状細胞、好中球、好酸球)、接続性の組織細胞(例えば、血液細胞、赤血球、白血球、巨核球、線維芽細胞、破骨細胞)、幹細胞(例えば、胚幹細胞、生体幹細胞)、骨細胞、グリア細胞、膵臓の細胞、腎臓の細胞、神経細胞、皮膚細胞、肝臓の細胞、筋細胞、脂肪細胞、シュワン細胞、ランゲルハンス細胞、およびランゲルハンス島のような(微小)組織が挙げられる。

特定の実施形態では、生体で活性のある薬剤は、有機低分子である。特定の実施形態では、有機低分子は、ペプチドではない。特定の実施形態では、有機低分子は、オリゴマーではない。特定の実施形態では、有機低分子は、天然産物、または天然産物の完全な構造に基づく部分的な構造(例えば、基礎構造)を有する天然産物に似た化合物である。例示的な天然産物としては、ステロイド、ペニシリン、プロスタグランジン、毒物、毒素、モルヒネ、パクリタキセル(Taxol)、モルヒネ、コカイン、ジギタリス、キニーネ、ツボクラリン、ニコチン、ムスカリン、アルテミシニン、セファロスポリン、テトラサイクリン、アミノ配糖体、リファマイシン、クロラムフェニコール、アスペルリシン、ロバスタチン、シクロスポリン、クラシンA、エリュテロビン、ジスコデルモリド、ブリオスタチン、ドロスタチン、セファロスタチン、抗生物質ペプチド、エピバチジン、α−ブンガロトキシン、テトロドトキシン、テプロチドおよびClostridium botulinum由来の神経毒が挙げられる。特定の実施形態では、有機低分子は、連邦規則集(CFR)に記載されるような、食品医薬品局で承認された薬物である。

本明細書で使用する場合、「標識」は、標識が結合した本発明のポリペプチドを検出可能にするために、組み込まれた少なくとも1個の元素、同位体または官能基を有する部分を指す。標識は、直接的に接続していてもよく(すなわち、結合によって)、またはリンカーによって接続していてもよい(例えば、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレン、またはこれらの任意の組み合わせによってリンカーを形成してもよい)。本発明のポリペプチドに任意の意図で接続可能な標識は、検出される本発明のポリペプチドの生体活性または特徴を妨害しない任意の位置にて本発明のポリペプチドに結合可能なことが理解されるであろう。

一般的に、標識は、以下の5種類のうちの任意の1つ(または1つ以上)に分類することができる。(a)同位体部分を含有する標識、同位体部分は、放射性または重い同位体であってもよく、限定されないが、2H、3H、13C、14C、15N、31P、32P、35S、67Ga、99mTc(Tc−99m)、111In、123I、125I、169Ybおよび186Reを含む、(b)免疫部分を含有する標識、免疫部分は、抗体または抗原であってもよく、酵素に結合してもよい(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)、(c)着色部分、発光部分、リン光部分または蛍光部分である標識(例えば、蛍光標識FITC)、(d)1つ以上の光親和性部分を有する標識、および(e)1つ以上の既知の結合対を有するリガンド部分を有する標識(例えば、ビオチン−ストレプトアビジン、FK506−FKBPなど)。これらの上述の任意の種類の標識を、本明細書で定義するような「診断薬」と呼ぶこともある。

特定の実施形態では、例えば、生体標的の特定の場合、標識は、放射性同位体を含み、好ましくは、検出可能な粒子(例えば、β粒子)を発生する同位体を含む。特定の実施形態では、標識は、生体系での分子内相互作用を直接解明するために、1つ以上の光親和性部分を含む。ほとんどがジアゾ化合物、アジドまたはジアジリンからニトレンまたはカルベンへの光変換に基づく、種々の既知の発光基を使用してもよい(Bayley、H.、Photogenerated Reagents in Biochemistry and Molecular Biology(1983)、Elsevier、Amsterdamを参照、内容全体が、本明細書に参考として組み込まれる)。本発明の特定の実施形態では、使用する光親和性の標識は、1個以上のハロゲン部分で置換されたo−アジドベンゾイル、m−アジドベンゾイルおよびp−アジドベンゾイルであり、限定されないが、4−アジド−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸が挙げられる。

特定の実施形態では、標識は、1個以上の蛍光部分を含む。特定の実施形態では、標識は、蛍光標識FITCである。特定の実施形態では、標識は、1個以上の既知の結合対を有するリガンド部分を含む。特定の実施形態では、標識は、リガンド部分であるビオチンを含む。

本明細書で使用する場合、「診断薬」は、造影剤を指す。例示的な造影剤としては、限定されないが、ポジトロン断層法(PET)、コンピュータ断層撮影法(CAT)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法、x線、蛍光透視法および磁気共鳴映像法(MRI)で使用するもの;制吐薬;およびコントラスト剤が挙げられる。例示的な診断薬としては、限定されないが、蛍光部分、発光部分、磁気部分;ガドリニウムキレート(例えば、DTPA、DTPA−BMA、DOTAおよびHP−DO3Aを含むガドリニウムキレート)鉄キレート、マグネシウムキレート、マンガンキレート、銅キレート、クロムキレート、CAT造影およびx線造影に有用なヨウ素系物質、および放射性核種が挙げられる。適切な放射性核種としては、限定されないが、123I、125I、130I、131I、133I、135I、47Sc、72As、72Se、90Y、88Y、97Ru、100Pd、101mRh、119Sb、128Ba、197Hg、211At、212Bi、212Pb、109Pd、111In、67Ga、68Ga、67Cu、75Br、77Br、99mTc、14C、13N、15O、32P、33Pおよび18Fが挙げられる。蛍光部分および発光部分としては、限定されないが、「染料」、「標識」または「指示薬」と一般的に呼ばれる種々の異なる有機低分子または無機低分子が挙げられる。例としては、限定されないが、フルオレセリン、ローダミン、アクリジン染料、Alexa染料、シアニン染料などが挙げられる。蛍光部分および発光部分は、種々の天然に存在するタンパク質およびその誘導体(例えば、遺伝子操作された改変体)を含んでもよい。例えば、蛍光タンパク質としては、緑色蛍光タンパク質(GFP)、改良型GFP、赤色、青色、黄色、シアン色およびサファイア色の蛍光タンパク質、サンゴ礁蛍光タンパク質などが挙げられる。発光タンパク質としては、ルシフェラーゼ、エクオリンおよびその誘導体が挙げられる。多くの蛍光性および発光性の染料およびタンパク質は、当該技術分野で既知である(例えば、米国特許出願番号第2004/0067503号;Valeur、B.、「Molecular Fluorescence:Principles and Applications」、John Wiley and Sons、2002;およびHandbook of Fluorescent Probes and Research Products、Molecular Probes、9th edition、2002を参照)。

図1.タンデム閉環オレフィンメタセシスによる、ステッチングされたαらせんペプチドの合成。(A)タンデムRCMを受けるように設計された、αらせんテトラオレフィンペプチドの構造模式図。3種類の位置異性体を与えるタンデム−RCM経路が可能であり(a+b、c+dおよびe+f)、それぞれ生成物2、3および4を与える。(B)生成物であるステッチングされたペプチド4の構造模式図。スピロ炭素(赤色の点)およびN末端オレフィンの立体配座は、モデリングによって確立された。C末端オレフィンの立体配座は、明確には確立されていないが、transであると予想されている。(C)i+4+4架橋反応生成物である、ステッチングされたペプチド8の構造模式図。スピロ炭素(赤色の点)およびオレフィンの立体配座は、モデリングによって確立された。(D)この試験で使用する、オレフィンを有するアミノ酸。(A〜D)青色の基は、紙面前側に飛び出しており、赤色の基は、紙面後ろ側にある。

図2A〜2C。温度依存性の円二色性スペクトル((A)は5、(B)は4)。挿入された図:熱融解曲線およびT

m。(C)4と5の、トリプシン消化速度の比較。

図2A〜2C。温度依存性の円二色性スペクトル((A)は5、(B)は4)。挿入された図:熱融解曲線およびT

m。(C)4と5の、トリプシン消化速度の比較。

図2A〜2C。温度依存性の円二色性スペクトル((A)は5、(B)は4)。挿入された図:熱融解曲線およびT

m。(C)4と5の、トリプシン消化速度の比較。

図3A〜3C。温度依存性の円二色性スペクトル((A)は9(97μM)、(B)は6(98μM)、(C)は8(94μM))。

図3A〜3C。温度依存性の円二色性スペクトル((A)は9(97μM)、(B)は6(98μM)、(C)は8(94μM))。

図3A〜3C。温度依存性の円二色性スペクトル((A)は9(97μM)、(B)は6(98μM)、(C)は8(94μM))。

図4。熱融解曲線およびT

m

図5。精製したペプチド9のHPLCクロマトグラム。Agilent C

18逆相カラム(3.5×150mm)で、0〜12分でB 10−64%;12〜15分でB 64−10%;15〜18分でB 10%;A:0.1%TFA水溶液、B:アセトニトリル;流速:0.5mL/分。

図6。精製したペプチド4のHPLCクロマトグラム。Agilent C

18逆相カラム(3.5×150mm)で、0〜14分でB 50−85%;14〜18分でB 85−50%;A:0.1%TFA水溶液、B:アセトニトリル;流速:0.5mL/分。

図7。精製したペプチド6のHPLCクロマトグラム。Agilent C

18逆相カラム(3.5×150mm)で、0〜20分でB 10−100%;20〜25分でB 100%;25〜30分でB 100−10%;30〜35分でB 10%;A:0.1%TFA水溶液、B:アセトニトリル;流速:0.5mL/分。

図8。精製したペプチド5のHPLCクロマトグラム。Agilent C

18逆相カラム(3.5×150mm)で、0〜20分でB 10−100%;20〜25分でB 100%;25〜30分でB 100−10%;30〜35分でB 10%;A:0.1%TFA水溶液、B:アセトニトリル;流速:0.5mL/分。

図9。精製したペプチド8のHPLCクロマトグラム。Agilent C

18逆相カラム(3.5×150mm)で、0〜14分でB 50−85%;14〜18分でB 85−50%;A:0.1%TFA水溶液、B:アセトニトリル;流速:0.5mL/分。

図10.ペプチド3、4、8および16の構造模式図。

図11.大域的最小点のペプチド4(AおよびB)およびペプチド3(CおよびD)の模式的な絵。N末端は、ペプチドの下側末端にある。BおよびDは、それぞれAおよびCを約90℃回転させたものを示す。ステープリングに接続したα炭素を球で示しており、オレフィン部分は赤色である。

図12.大域的最小点のペプチド8(AおよびB)およびペプチド16(CおよびD)ステッチングされたペプチドの模式的な絵。N末端は、ペプチドの下側末端にある。BおよびDは、それぞれAおよびCを約90℃回転させたものを示す。ステープリングに接続したα炭素を球で示しており、オレフィン部分は赤色である。

図13。ポリアラニン系ペプチド(S5−Ala−Ala−Ala−B5−Ala−Ala−Ala−B5−Ala−Ala−Ala−S5)を樹脂上でタンデム閉環メタセシスさせることによる、3箇所ステッチング。

図14。ポリアラニン系ペプチドを30% Grubbs触媒を用いて閉環メタセシスさせた、0分、5分、10分、20分、30分、60分、90分、120分、165分経過時のHPLCクロマトグラム。

図15。iおよびi+4にB

5を有するモデルペプチド(ペプチド25)からは、2箇所ステッチングされた化合物27は得られず、1箇所ステープリングされた生成物26のみが得られた。それに加え、位置iにR

5、i+4にS

5を含有するモデルペプチド(ペプチド28)は、RCMを受けなかった。このモデル試験から得た結果から、図13に示すペプチド24が、三重ステッチ生成物として最も可能性の高い構造であることが示された。この結果は、合理的な設計によって、ペプチド系に4個以上の架橋を導入することも可能であることを示唆している。

図16。Walenskyら、Science(2004)305:1466で報告されているBID BH3領域のαらせん(SAHBa)は、本明細書に記載のステープリングによって安定化され、ここに記載されているように、シトクロムC放出アッセイを行った。タンデムRCM生成物の1つであるペプチド34は、SAHBaよりも8残基分短く、おそらく、アポトーシス後のBAX/BAK経路によって、シトクロムC放出効果は同等であることが示された。ペプチド34は、抗アポトーシス性タンパク質BCL−XLに対する結合アフィニティが低く、このことは、このペプチドが、SAHBaタンパク質よりもBAXタンパク質に高い特異性を有することを示唆している。

図17。米国特許出願公開第2005/0250680号に記載されるような、α−メチル−α−末端不飽和アミノ酸の合成図。

図18。米国特許出願公開第2006/0008848号に記載されるような、α−メチル−α−末端不飽和アミノ酸の合成図。

図19。ルテニウム(Grubbs)触媒を用いた閉環メタセシス(RCM)反応の例示的な反応機構。

図20。定量免疫蛍光アッセイにおける、Jurkat細胞による、ステッチングされたペプチドの取り込み。ステッチングされた(「複数回ステープリングされた」)ペプチドは、1箇所「ステープリングされた」アナログと比較して、匹敵する細胞透過性を示す。

図21A〜21D。塩酸グアニジンに対するペプチドの安定性。ステッチングされたペプチド4は、きわめて高濃度のグアニジン塩でさえ、完全ならせん形を維持しているため、変性剤に対し、高い安定性を示す。

図21A〜21D。塩酸グアニジンに対するペプチドの安定性。ステッチングされたペプチド4は、きわめて高濃度のグアニジン塩でさえ、完全ならせん形を維持しているため、変性剤に対し、高い安定性を示す。

図21A〜21D。塩酸グアニジンに対するペプチドの安定性。ステッチングされたペプチド4は、きわめて高濃度のグアニジン塩でさえ、完全ならせん形を維持しているため、変性剤に対し、高い安定性を示す。

図21A〜21D。塩酸グアニジンに対するペプチドの安定性。ステッチングされたペプチド4は、きわめて高濃度のグアニジン塩でさえ、完全ならせん形を維持しているため、変性剤に対し、高い安定性を示す。

図22A〜22B。プロテアーゼに対するペプチドの安定性。ステッチングされたペプチド4は、トリプシン(A)に対しても、キモトリプシン(B)に対しても、ステープリングされたペプチド5よりも高い安定性を示す。

図22A〜22B。プロテアーゼに対するペプチドの安定性。ステッチングされたペプチド4は、トリプシン(A)に対しても、キモトリプシン(B)に対しても、ステープリングされたペプチド5よりも高い安定性を示す。

図23A〜23F。種々の濃度のステッチングされたペプチドの円二色性スペクトル。3箇所ステッチングされたペプチドIdは、高い熱安定性を示す。

図23A〜23F。種々の濃度のステッチングされたペプチドの円二色性スペクトル。3箇所ステッチングされたペプチドIdは、高い熱安定性を示す。

図23A〜23F。種々の濃度のステッチングされたペプチドの円二色性スペクトル。3箇所ステッチングされたペプチドIdは、高い熱安定性を示す。

図23A〜23F。種々の濃度のステッチングされたペプチドの円二色性スペクトル。3箇所ステッチングされたペプチドIdは、高い熱安定性を示す。

図23A〜23F。種々の濃度のステッチングされたペプチドの円二色性スペクトル。3箇所ステッチングされたペプチドIdは、高い熱安定性を示す。

図23A〜23F。種々の濃度のステッチングされたペプチドの円二色性スペクトル。3箇所ステッチングされたペプチドIdは、高い熱安定性を示す。

図24A〜24C。FACSによって37℃で分析した、FITC標識されたペプチドの細胞透過性。

図24A〜24C。FACSによって37℃で分析した、FITC標識されたペプチドの細胞透過性。

図24A〜24C。FACSによって37℃で分析した、FITC標識されたペプチドの細胞透過性。

図25A〜25C。ペプチドの温度依存性の細胞透過率。ステッチングされたペプチドIIeは、ステープリングされたペプチドIIdと比較して、低い温度ではほとんど影響を受けない。

図25A〜25C。ペプチドの温度依存性の細胞透過率。ステッチングされたペプチドIIeは、ステープリングされたペプチドIIdと比較して、低い温度ではほとんど影響を受けない。

図25A〜25C。ペプチドの温度依存性の細胞透過率。ステッチングされたペプチドIIeは、ステープリングされたペプチドIIdと比較して、低い温度ではほとんど影響を受けない。

本発明は、(i)少なくとも1個の末端が不飽和のアミノ酸側鎖をそれぞれ含む、少なくとも2個のアミノ酸と、(ii)少なくとも2個の末端が不飽和のアミノ酸側鎖を含む少なくとも1個のアミノ酸とを含む、新規ポリペプチドを提供する。このようなポリペプチドを、適切な条件下で反応させ、本発明の安定化した「ステッチングされた」ポリペプチドを得てもよい。特定の実施形態では、これらの複数回の「ステープリング」または架橋(「ステッチ」を含む)を使用し、ポリペプチドの二次構造(例えば、αらせん)を安定化させる。

さらに、本発明は、本発明のステッチングされたポリペプチドを含む医薬組成物を提供する。さらに、本発明は、本発明のステッチングされたポリペプチドを製造および使用する方法を提供する。

本発明のステッチングされたポリペプチドは、本明細書で記載する場合、安定化された二次構造のモチーフが何であれ、例えば、治療薬剤として、生体プローブとして、または薬物送達剤として利点がある。本発明のペプチドは、タンパク質−タンパク質結合の相互作用、タンパク質−リガンド結合の相互作用、またはタンパク質−受容体結合の相互作用の調節剤として機能する。特定の実施形態では、本発明のステッチングされたポリペプチドは、増殖性、神経性、免疫性、内分泌性、心血管、血液および/または炎症性の疾患、障害および/または状態、ならびに、早すぎる細胞死または所望ではない細胞死を特徴とする状態を治療するのに有用である。

ポリペプチドおよびタンパク質の例示的な二次構造モチーフとしては、限定されないが、αらせん、α−L、310らせん、πらせんおよびII型らせん(例えば、左巻らせん)が挙げられる。特定の実施形態では、本発明のポリペプチドの主要な二次構造モチーフは、αらせんである。

ある局面では、本発明は、式(I)の「ステッチングされていない」ポリペプチドを提供する。

〔式中、K、L1、L2およびMは、独立して、結合であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンであり; Raは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシルであるか;またはRaは、適切なアミノ保護基であり; Rbは、それぞれの場合、独立して、適切なアミノ酸側鎖;水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり; Rcは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり; Reは、それぞれの場合、独立して、−RE、−ORE、−N(RE)2または−SREであり、REは、それぞれの場合、独立して、水素であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なヒドロキシル保護基、アミノ保護基またはチオール保護基であるか;または2個のRE基で、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; Rfは、それぞれの場合、独立して、水素であるか、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なアミノ保護基;場合によりリンカーで接続されている標識であり、このリンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンから選択されるか;またはRfとRaとで、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; XAAは、それぞれの場合、独立して、天然アミノ酸または非天然アミノ酸であり; xは、それぞれの場合、独立して、0〜3の整数であり; yおよびzは、それぞれの場合、独立して、2〜6の整数であり; jは、それぞれの場合、独立して、1〜10の整数であり; pは、それぞれの場合、独立して、0〜10の整数であり; sおよびtは、それぞれの場合、独立して、0〜100の整数であり; u、vおよびqは、それぞれの場合、独立して、0〜4の整数であり;

は、二重結合または三重結合に対応する。〕 当業者には理解されるように、Rfは、ペプチド鎖のN末端に対応し、Reは、ペプチド鎖のC末端に対応する。

適切な反応条件下で、式(II)の「ステッチングされた」ポリペプチドを、式(I)のポリペプチドから作成する。

〔式中、 K、L1、L2およびMは、それぞれの場合、独立して、結合であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンであり; Raは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシルであるか;またはRaは、適切なアミノ保護基であり; Rbは、それぞれの場合、独立して、適切なアミノ酸側鎖;水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり; Rcは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり; Reは、それぞれの場合、独立して、−RE、−ORE、−N(RE)2または−SREであり、REは、それぞれの場合、独立して、水素であるか、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なヒドロキシル保護基、アミノ保護基またはチオール保護基であるか;または2個のRE基で、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; Rfは、それぞれの場合、独立して、水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なアミノ保護基;場合によりリンカーで接続されている標識であり、このリンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレン;置換もしくは非置換のアシルから選択されるか;またはRfとRaとで、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; RKL、RLLおよびRLMは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;アジド;シアノ;イソシアノ;ハロ;ニトロであるか; または2個の隣接するRKL基が結合して、置換もしくは非置換の5員環〜8員環の脂環式環;置換もしくは非置換の5員環〜8員環のヘテロ脂環式環;置換もしくは非置換のアリール環;または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成するか;2個の隣接するRKL基が結合して、置換もしくは非置換の5〜8員環の脂環式環;置換もしくは非置換の5〜8員環のヘテロ脂環式環;置換もしくは非置換のアリール環;または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成するか;または2個の隣接するRLM基が結合して、置換もしくは非置換の5〜8員環の脂環式環;置換もしくは非置換の5〜8員環のヘテロ脂環式環;置換もしくは非置換のアリール環;または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成し; XAAは、それぞれの場合、独立して、天然アミノ酸または非天然アミノ酸であり; xは、それぞれの場合、独立して、0〜3の整数であり; yおよびzは、それぞれの場合、独立して、2〜6の整数であり; jは、それぞれの場合、独立して、1〜10の整数であり; pは、それぞれの場合、独立して、0〜10の整数であり; sおよびtは、それぞれの場合、独立して、0〜100の整数であり; u、vおよびqは、それぞれの場合、独立して、0〜4の整数であり;

は、二重結合または三重結合に対応し;

は、単結合、二重結合または三重結合に対応する。〕 当業者に理解されるように、式(III)〜(VII)の部分的に「ステッチングされた」ポリペプチドも、適切な条件下、式(I)のポリペプチドから作成してもよい。

〔式中、 K、L1、L2およびMは、それぞれの場合、独立して、結合であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンであり; Raは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシルであるか;またはRaは、適切なアミノ保護基であり; Rbは、それぞれの場合、独立して、適切なアミノ酸側鎖;水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり; Rcは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;環状もしくは非環状、置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロであり; Reは、それぞれの場合、独立して、−RE、−ORE、−N(RE)2または−SREであり、REは、それぞれの場合、独立して、水素であるか、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なヒドロキシル保護基、アミノ保護基またはチオール保護基であるか;または2個のRE基で、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; Rfは、それぞれの場合、独立して、水素;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なアミノ保護基;場合によりリンカーで接続されている標識であり、このリンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンから選択されるか;またはRfとRaとで、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成し; RKL、RLLおよびRLMは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;アジド;シアノ;イソシアノ;ハロ;ニトロであるか; または2個の隣接するRKL基が結合して、置換もしくは非置換の5員環〜8員環の脂環式環;置換もしくは非置換の5員環〜8員環のヘテロ脂環式環;置換もしくは非置換のアリール環;または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成するか;2個の隣接するRKL基が結合して、置換もしくは非置換の5〜8員環の脂環式環;置換もしくは非置換の5〜8員環のヘテロ脂環式環;置換もしくは非置換のアリール環;または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成するか;または2個の隣接するRLM基が結合して、置換もしくは非置換の5〜8員環の脂環式環;置換もしくは非置換の5〜8員環のヘテロ脂環式環;置換もしくは非置換のアリール環;または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成し; XAAは、それぞれの場合、独立して、天然アミノ酸または非天然アミノ酸であり; xは、それぞれの場合、独立して、0〜3の整数であり; yおよびzは、それぞれの場合、独立して、2〜6の整数であり; jは、それぞれの場合、独立して、1〜10の整数であり; pは、それぞれの場合、独立して、0〜10の整数であり; sおよびtは、それぞれの場合、独立して、0〜100の整数であり; u、vおよびqは、それぞれの場合、独立して、0〜4の整数であり;

は、二重結合または三重結合に対応し;

は、単結合、二重結合または三重結合に対応する。〕 特定の実施形態では、

は二重結合に対応する。

特定の実施形態では、

は三重結合に対応する。

特定の実施形態では、

は単結合に対応する。

特定の実施形態では、

は二重結合に対応する。

特定の実施形態では、

は三重結合に対応する。

特定の実施形態では、上述の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)のポリペプチドは、αらせんのポリペプチドである。特定の実施形態では、上述の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)のポリペプチドは、実質的にαらせんのポリペプチドである。本明細書で使用する場合、句「実質的にαらせん」は、骨格の二面度(φ、ψ)が、平均で約(−90°,−15°)から約(−35°,−70°)をとるポリペプチドを指す。あるいは、句「実質的にαらせん」は、ある残基の二面角ψと、次の残基の二面角φを合計すると、平均で約−80°〜約−125°の二面角をとるポリペプチドを指す。特定の実施形態では、本発明のポリペプチドは、ある残基の二面角ψと、次の残基の二面角φを合計すると、平均で約−100°〜約−110°の二面角をとる。特定の実施形態では、本発明のポリペプチドは、ある残基の二面角ψと、次の残基の二面角φを合計すると、平均で約−105°の二面角をとる。さらに、句「実質的にαらせん」は、ポリペプチド鎖中で、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%または95%のアミノ酸がαらせん配座をとるか、または二面角が上で特定され、本明細書で特定される角度であるポリペプチドも指す。ポリペプチドのαらせん二次構造の配座は、周知の分析技術(例えば、X線結晶学、電子線結晶学、線維回折、蛍光偏光測定、円二色性(CD)および核磁気共鳴分光法)によって確認されてもよい。

特定の実施形態では、本発明は、以下の式を有するポリペプチドを提供する。

〔式中、K、M、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Re、Rf、XAA、RKL、RLL、RLM、s、t、j、p、y、z、v、u、qは、本明細書で記載され、定義されるとおりであり;

は、単結合または二重結合に対応し; u、vおよびqは、独立して、0、1、2、3または4である。〕 特定の実施形態では、すべての

は、単結合に対応し、u、vおよびqは、独立して、0、1、2、3または4である。

特定の実施形態では、すべての

は、二重結合に対応し、u、vおよびqは、独立して、0、1または2である。

特定の実施形態では、発明は、以下の式を有するポリペプチドを提供する。

〔式中、K、M、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Re、Rf、XAA、RKL、RLL、RLM、s、t、j、p、yおよびzは、本明細書で記載され、定義されるとおりである。〕 特定の実施形態では、発明は、以下の式を有するポリペプチドを提供する。

〔式中、K、M、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Re、Rf、XAA、RKL、RLL、RLM、s、t、j、p、yおよびzは、本明細書で記載され、定義されるとおりである。〕 特定の実施形態では、発明は、以下の式を有するポリペプチドを提供する。

〔式中、K、M、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Re、Rf、XAA、RKL、RLL、RLM、s、t、j、p、yおよびzは、本明細書で記載され、定義されるとおりである。〕 特定の実施形態では、K、L1、L2およびMは、それぞれ独立して、結合であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜20アルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜20アルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜20アルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜20ヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜20ヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜20ヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のC1〜20アリーレン;置換もしくは非置換のC1〜20ヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のC1〜20アシレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜15アルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜15アルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜15アルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜15ヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜15ヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜15ヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のC1〜15アリーレン;置換もしくは非置換のC1〜15ヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のC1〜15アシレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜10アルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜10アルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜10アルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜10ヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜10ヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜10ヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のC1〜10アリーレン;置換もしくは非置換のC1〜10ヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のC1〜10アシレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜8アルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜8アルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜8アルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜8ヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜8ヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜8ヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のC1〜8アリーレン;置換もしくは非置換のC1〜8ヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のC1〜8アシレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜5アルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜5アルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜5アルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜5ヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜5ヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のC1〜5ヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のC1〜5アリーレン;置換もしくは非置換のC1〜5ヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のC1〜5アシレンに対応する。

特定の実施形態では、Kは、環状ではない。特定の実施形態では、Kは、分枝していない。特定の実施形態では、Kは、置換されていない。特定の実施形態では、Kは、結合である。特定の実施形態では、Kは、結合ではない。

特定の実施形態では、Mは、環状ではない。特定の実施形態では、Mは、分枝していない。特定の実施形態では、Mは、置換されていない。特定の実施形態では、Mは、結合である。特定の実施形態では、Mは、結合ではない。

特定の実施形態では、L1は、環状ではない。特定の実施形態では、L1は、分枝していない。特定の実施形態では、L1は、置換されていない。特定の実施形態では、L1は、結合である。特定の実施形態では、L1は、結合ではない。

特定の実施形態では、L2は、環状ではない。特定の実施形態では、L2は、分枝していない。特定の実施形態では、L2は、置換されていない。特定の実施形態では、L2は、結合である。特定の実施形態では、L2は、結合ではない。

特定の実施形態では、L1とL2は同じである。特定の実施形態では、L1とL2は異なっている。特定の実施形態では、L1が結合の場合、L2は結合ではなく、またはL2が結合の場合、L1は結合ではない。特定の実施形態では、L1およびL2が両方とも結合である上述のいずれかの式のポリペプチドは、特に除外される。

特定の実施形態では、KとMは同じである。特定の実施形態では、KとMは異なっている。

特定の実施形態では、KとL1は同じである。特定の実施形態では、KとL1は異なっている。特定の実施形態では、KとL2は同じである。特定の実施形態では、KとL2は異なっている。

特定の実施形態では、MとL1は同じである。特定の実施形態では、MとL1は異なっている。特定の実施形態では、MとL2は同じである。特定の実施形態では、MとL2は異なっている。

特定の実施形態では、K、L1、L2およびMはすべて同じである。特定の実施形態では、K、L1、L2およびMはすべて異なっている。

特定の実施形態では、K、L1、L2およびMは、それぞれの場合、独立して、式−(CH2)g+1−;−(CH2)g−S−(CH2)g−;−(CH2)g−(C=O)−S−(CH2)g−;−(CH2)g−O−(CH2)g−;−(CH2)g−(C=O)−O−(CH2)g−;−(CH2)g−NH−(CH2)g−;−(CH2)g−(C=O)−NH−(CH2)g−;−(CH2)gCH(CH3)−O−(CH2)g−;

に対応しており; gは、それぞれの場合、独立して、0〜10である(境界値を含む)。

特定の実施形態では、K、L1、L2およびMは、それぞれの場合、独立して、式−(CH2)g+1−に対応しており、gは、0、1、2、3、4、5または6である。

特定の実施形態では、−[XAA]−は、以下の式

に対応し、式中、RおよびR’は、それぞれの場合、独立して、水素であるか、または本明細書に定義されるような適切なアミノ酸側鎖であり、Raは、上ですでに定義され、本明細書で定義されるとおりである。

適切なアミノ酸側鎖としては、限定されないが、表1〜3に記載し、本明細書に記載するような天然アミノ酸側鎖および非天然アミノ酸側鎖が挙げられる。特定の実施形態では、XAAは、それぞれの場合、式(α)に対応するαアミノ酸である。特定の実施形態では、XAAは、それぞれの場合、表1に記載したような天然L−アミノ酸である。特定の実施形態では、XAAは、それぞれの場合、表1に記載した天然L−アミノ酸であるか、または表2に記載した非天然D−アミノ酸である。

Re基は、ペプチド鎖のC末端に対応し、−RE、−ORE、−N(RE)2または−SREという選択肢に対応し、REは、上ですでに定義され、本明細書で定義されるとおりである。例えば、−[XAA]−が、以下の式のαアミノ酸

に対応する場合、特定の実施形態では、−[XAA]t−Reは、以下の式に対応する。

〔式中、REは、それぞれの場合、独立して、水素であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なヒドロキシル保護基、アミノ保護基またはチオール保護基であるか;または2個のRE基で、場合により、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成してもよい。

特定の実施形態では、Reは−OREであり、REは、水素であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;または適切なヒドロキシル保護基である。

特定の実施形態では、Reは−SREであり、REは、水素であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;または適切なチオール保護基である。

特定の実施形態では、Reは−N(RE)2であり、REは、それぞれの場合、独立して、水素であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なアミノ保護基であるか;または2個のRE基で、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成する。

Rfは、ペプチド鎖のN末端に対応する。例えば、−[XAA]−が、以下の式のαアミノ酸

に対応する場合、特定の実施形態では、Rf−[XAA]s−は、以下の式に対応する。

〔式中、RおよびR’は、上ですでに定義され、本明細書で定義されるとおりであり; Rfは、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;樹脂;適切なアミノ保護基;場合によりリンカーで接続されている標識であり、リンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンから選択されるか;またはRfとRaとで、置換もしくは非置換の5員環〜6員環の複素環またはヘテロ芳香族環を形成する。

特定の実施形態では、Rfは、水素である。特定の実施形態では、Rfは、C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、Rfは、−CH3である。特定の実施形態では、Rfは、適切なアミノ保護基である。特定の実施形態では、Rfは、−Bocである。特定の実施形態では、Rfは、−Fmocである。特定の実施形態では、Rfは、アシルである。特定の実施形態では、Rfは、−(C=O)CH3である。

特定の実施形態では、Rfは、場合によりリンカーで接続されている標識であり、リンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレン;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレン;置換もしくは非置換のアリーレン;置換もしくは非置換のヘテロアリーレン;または置換もしくは非置換のアシレンから選択される。

例示的な標識としては、限定されないが、FITCおよびビオチンが挙げられる。

特定の実施形態では、標識は、本発明のポリペプチドに直接接続している(すなわち、結合を介して)。

特定の実施形態では、標識は、本発明のポリペプチドに直接にではなく接続している(すなわち、リンカーを介して)。

特定の実施形態では、リンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキレンである。特定の実施形態では、リンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルケニレンである。特定の実施形態では、リンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキニレンである。特定の実施形態では、リンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレンである。特定の実施形態では、リンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルケニレンである。特定の実施形態では、リンカーは、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキニレンである。特定の実施形態では、リンカーは、置換もしくは非置換のアリーレンである。特定の実施形態では、リンカーは、置換もしくは非置換のヘテロアリーレンである。特定の実施形態では、リンカーは、置換もしくは非置換のアシレンである。

例えば、特定の実施形態では、リンカーは、以下のものから選択される、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキレンである。

特定の実施形態では、Raは、水素である。特定の実施形態では、Raは、C1〜6アルキルである。特定の実施形態では、Raは、−CH3である。特定の実施形態では、Raは、アシルである。特定の実施形態では、Raは、−(C=O)CH3である。

特定の実施形態では、Rbは、それぞれの場合、独立して、水素であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族である。特定の実施形態では、Rbは、水素または−CH3である。特定の実施形態では、Rbは、−CH3である。

特定の実施形態では、Rcは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリールである。特定の実施形態では、Rcは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族である。特定の実施形態では、Rcは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;または、環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のアルキルである。特定の実施形態では、Rbは、水素または−CH3である。特定の実施形態では、Rcは、それぞれの場合、水素である。

特定の実施形態では、RKL、RLLおよびRLMは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;アジド;シアノ;イソシアノ;ハロ;ニトロである。

特定の実施形態では、RKL、RLLおよびRLMは、それぞれの場合、独立して、水素であるか;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のチオール;置換もしくは非置換のアミノ;シアノ;イソシアノ;ハロ;またはニトロである。

特定の実施形態では、pは0である。特定の実施形態では、pは1である。特定の実施形態では、pは2である。特定の実施形態では、pは3である。特定の実施形態では、pは4である。特定の実施形態では、pは5である。特定の実施形態では、pは6である。特定の実施形態では、pは7である。特定の実施形態では、pは8である。特定の実施形態では、pは9である。特定の実施形態では、pは10である。

変数yおよびzは、式(I)〜(VII)のポリペプチドで示されるように、末端が不飽和のアミノ酸側鎖を含有するアミノ酸との間に、変数[XAA]で定義されたアミノ酸が何個存在するかを示す。例えば、式(I)のポリペプチドについて以下に記載するように、pは0であり(以下、式(I−c)と称する)、変数K、M、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Re、Rf、XAA、s、t、j、yおよびzは、上ですでに定義され、本明細書で定義されるとおりであり、iは、α,α−二置換された(末端が不飽和のアミノ酸側鎖を有する)アミノ酸の片側をあらわし、変数yは、iのN末端側で、末端が不飽和の側鎖を有するアミノ酸の位置に関する情報を提供し(例えば、i−3位、i−4位、i−6位およびi−7位)、zは、iのC末端側で、末端が不飽和の側鎖を有するアミノ酸の位置に関する情報を提供する(例えば、i+3位、i+4位、i+6位およびi+7位)。表3は、式(I−c)のiの特定の位置と、変数yおよびzとの相関関係を示す。

特定の実施形態では、yおよびzは、それぞれの場合、独立して、2、3、5または6である。

特定の実施形態では、yもzも2である。特定の実施形態では、yもzも3である。特定の実施形態では、yもzも5である。特定の実施形態では、yもzも6である。

特定の実施形態では、yは2であり、zは3である。特定の実施形態では、yは2であり、zは5である。特定の実施形態では、yは2であり、zは6である。

特定の実施形態では、yは3であり、zは2である。特定の実施形態では、yは3であり、zは5である。特定の実施形態では、yは3であり、zは6である。

特定の実施形態では、yは5であり、zは2である。特定の実施形態では、yは5であり、zは3である。特定の実施形態では、yは5であり、zは6である。

特定の実施形態では、yは6であり、zは2である。特定の実施形態では、yは6であり、zは3である。特定の実施形態では、yは6であり、zは5である。

特定の実施形態では、本発明は、本発明のポリペプチドの合成に使用する中間体も提供する。例えば、本発明は、以下の式を有するビス−アミノ酸を提供する。

〔式中、L1、L2、Ra、Rc、Re、Rf、xおよび

は、上ですでに定義され、本明細書で定義されるとおりである。〕 特定の実施形態では、式(A)のビスアミノ酸は、以下の式を有する。

〔式中、L1、L2、Ra、Rc、ReおよびRfは、上ですでに定義され、本明細書で定義されるとおりである。〕 特定の実施形態では、式(A)のビスアミノ酸は、以下の式を有する。

〔式中、L1、L2、Ra、ReおよびRfは、上ですでに定義され、本明細書で定義されるとおりである。〕 式(A)の例示的なアミノ酸としては、限定されないが、以下に記載するものが挙げられ、Ra、RfおよびReは、上ですでに定義され、本明細書で定義される。特定の実施形態では、Raは水素であり、Rfは、適切なアミノ保護基である。特定の実施形態では、Raは水素であり、Rfは、−Bocまたは−Fmocである。特定の実施形態では、RaもRfも、適切なアミノ保護基である。特定の実施形態では、RaもRfも水素である。特定の実施形態では、Reは水素である。

(式(A)の例示的なアミノ酸)

(合成方法) さらに、本発明は、ステッチングされた本発明のポリペプチドおよびステッチングされていない本発明のポリペプチドを合成する方法に関する。

本発明のポリペプチドの合成は、まず、アミノ酸およびアミノ酸アナログの所望の配列および数を選択することを含む。当業者が理解するように、選択されるアミノ酸構造(天然または非天然)の数、立体化学および種類は、調製するポリペプチドの大きさ、特定のアミノ酸が所望の構造モチーフ(例えば、αらせん)を形成する能力、および模倣することが望ましい任意の特定のモチーフ(例えば、p53ドナーらせんペプチド)を形成する能力によって変わる。

アミノ酸を選択したら、標準的な脱保護反応およびカップリング反応を用い本発明のポリペプチドを合成することができる。ペプチド結合の形成およびポリペプチド合成は、当業者には周知の技術であり、固相法および液相法を包含する。一般的には、Bodanszky and Bodanszky、The Practice of Peptide Synthesis、Springer−Verlag、Berlin、1984;Atherton and Sheppard、Solid Phase Peptide Synthesis:A Practical Approach、IRL Press at Oxford University Press Oxford、England、1989、and Stewart and Young、Solid phase Peptide Synthesis、2nd edition、Pierce Chemical Company、Rockford、1984を参照(これらの内容全体が、本明細書に参考として組み込まれる)。液相技術でも固相技術でも、保護基の選択や、使用する特定のカップリング技術を考慮しなければならない。液相反応および固相反応のペプチド合成技術の詳細な説明については、Bioorganic chemistry: Peptides and Proteins、Hecht、Oxford University Press、New York: 1998を参照(内容全体が、本明細書に参考として組み込まれる)。

特定の実施形態では、この方法は、本発明のポリペプチドの液相合成を含む。液相合成は、上述のように、ポリペプチドを構築する周知の技術である。例示的な液相合成は、(1)N末端を適切なアミノ保護基で保護されたアミノ酸を提供する工程と、(2)C末端を適切なカルボン酸保護基で保護されたアミノ酸を提供する工程と、(3)N保護されたアミノ酸とC保護されたアミノ酸とをカップリングさせる工程と、(4)カップリング反応の生成物を脱保護する工程と、(5)所望のポリペプチドが得られるまで、工程(3)から(4)を繰り返す工程とを含み、上述のいずれかの工程でカップリングしたアミノ酸のうち、少なくとも2個は、少なくとも片方の末端が不飽和のアミノ酸側鎖を含み、少なくとも1個のα,α−二置換アミノ酸は、2個の末端が不飽和のアミノ酸側鎖を含む。上述の一連の合成中に、種々のパラメータ(限定されないが、末端が不飽和の側鎖を有するアミノ酸の位置、アミノ酸の立体化学、末端の不飽和側鎖の長さおよび官能基、および使用するアミノ酸残基を含む)を変えてもよい。

特定の実施形態では、この方法は、本発明のポリペプチドの固相合成を含む。固相合成は、上述のように、ポリペプチドを構築する周知の技術である。例示的な固相合成は、(1)樹脂に結合したアミノ酸を提供する工程と、(2)樹脂に結合したアミノ酸を脱保護する工程と、(3)樹脂に結合したアミノ酸を脱保護したものに、アミノ酸をカップリングさせる工程と、(4)所望のポリペプチドが得られるまで、工程(3)を繰り返す工程とを含み、上述のいずれかの工程でカップリングしたアミノ酸のうち、少なくとも2個は、少なくとも片方の末端が不飽和のアミノ酸側鎖を含み、少なくとも1個のα,α−二置換アミノ酸は、2個の末端が不飽和のアミノ酸側鎖を含む。上述の一連の合成中に、種々のパラメータ(限定されないが、末端が不飽和の側鎖を有するアミノ酸の位置、アミノ酸の立体化学、末端の不飽和側鎖の長さおよび官能基、および使用するアミノ酸残基を含む)を変えてもよい。

適切な技術を用いて所望のポリペプチドを合成した後、ポリペプチドを特定の触媒と接触させ、ポリペプチドの「ステッチング」を促進する。例えば、樹脂に結合したポリペプチドを、触媒と接触させて「ステッチング」を促進してもよく、または最初に樹脂から開裂させ、次いで触媒と接触させて「ステッチング」を促進してもよい。

したがって、ある局面では、本発明は、式(I)、(I−a)、(I−b)または(I−c)のポリペプチドを製造する方法に関し、この方法は、 (i)以下の式のビス−アミノ酸

を提供する工程と、 (ii)以下の式のアミノ酸

を提供する工程と、 (iii)以下の式のアミノ酸

〔式中、変数K、L1、L2、M、Ra、Rb、Rc、Re、Rf、xおよび

は、本明細書に定義されている〕 を提供する工程と、 (iv)少なくとも1つのさらなるアミノ酸を提供する工程と; (v)適切な条件下で、式(A)、(B)および(C)のアミノ酸と、工程(iv)の少なくとも1つのアミノ酸とをカップリングさせ、式(I)、(I−a)、(I−b)または(I−c)のポリペプチドを得る工程とを含む。

本明細書で使用する場合、句「少なくとも1個のさらなるアミノ酸を提供する工程」は、式(A)、(B)または(C)の化合物とは構造的に異なる、少なくとも1個の天然または非天然のアミノ酸を提供することを指す。式(I)〜(VII)のいずれか1つのポリペプチドおよびその一部分を作成するために、上述の合成方法に、任意のアミノ酸およびすべての既知のアミノ酸を使用してもよい。特定の実施形態では、上述の合成法で使用可能なアミノ酸は、本明細書に定義され、記載されている。

特定の実施形態では、工程(iv)は、少なくとも2個のさらなる(すなわち、構造的に異なる)アミノ酸を提供する。特定の実施形態では、工程(iv)は、少なくとも3個のさらなるアミノ酸を提供する。特定の実施形態では、工程(iv)は、少なくとも4個のさらなるアミノ酸を提供する。特定の実施形態では、工程(iv)は、少なくとも5個のさらなるアミノ酸を提供する。

特定の実施形態では、工程(iv)は、本発明のポリペプチドに組み込まれるペプチドを提供する工程をさらに含む。特定の実施形態では、工程(iv)は、少なくとも2個のアミノ酸を含むペプチドを提供する工程をさらに含む。特定の実施形態では、工程(iv)は、少なくとも3個のアミノ酸を含むペプチドを提供する工程をさらに含む。特定の実施形態では、工程(iv)は、少なくとも4個のアミノ酸を含むペプチドを提供する工程をさらに含む。特定の実施形態では、工程(iv)は、少なくとも5個のアミノ酸を含むペプチドを提供する工程をさらに含む。

特定の実施形態では、工程(iv)のさらなるアミノ酸の少なくとも1種類は、以下の式に対応する。

〔式中、R’、R、Ra、ReおよびRfは、上ですでに定義され、本明細書で定義される。〕 異なるアミノ酸は、異なる二次構造を形成するための異なる性質を有する。例えば、メチオニン(M)、アラニン(A)、ロイシン(L)、グルタミン酸(E)およびリジン(K)は、すべて特に高いαらせん形成性を有する。対照的に、プロリン(P)およびグリシン(G)は、αらせんを破壊する。したがって、特定の実施形態では、工程(iv)の少なくとも1個のアミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから選択される基を指す。

特定の実施形態では、工程(iv)の上述の反応は、カップリング剤の使用も含む。例示的なカップリング剤としては、限定されないが、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBroP)、1−エチル−3−(3−ジメチルlアミノプロピル) カルボジイミド(EDC)、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、3−(ジエトキシホスホリルオキシ)−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オン(DEPBT)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)、1−ヒドロキシ−7−ベンゾトリアゾール(HOBt)、2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、2−(6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスフェート(HCTU)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TATU)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イル)ウラニウムテトラフルオロボレート(TDBTU)およびO−(N−スクシンイミジル)−1,1,3,3−テトラメチル ウラニウムテトラフルオロボレート(TSTU))が挙げられる。

特定の実施形態では、上述の工程(iv)の反応は、適切な塩基も含む。適切な塩基としては、限定されないが、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化トリエチルベンジルアンモニウム、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ピリジン(Py)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)またはトリエチルアミン(NEt3)が挙げられる。

特定の実施形態では、工程(iv)の反応は、適切な媒体中で行われる。適切な媒体は、溶媒または溶媒混合物であり、媒体を反応対象および試薬と混合して組み合わせると、反応対象と試薬との反応が促進される。適切な溶媒は、1個以上の反応成分を可溶化してもよく、または適切な溶媒は、1個以上の反応成分を懸濁しやすくする場合もある。一般的には、March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions、Mechanisms、and Structure、M.B.Smith and J. March、5th Edition、John Wiley & Sons、2001、およびComprehensive Organic Transformations、R.C.Larock、2nd Edition、John Wiley & Sons、1999を参照(これら内容全体が、本明細書に参考として組み込まれる)。適切な溶媒としては、エーテル、ハロゲン化炭化水素、芳香族溶媒、極性非プロトン性溶媒またはこれらの混合物が挙げられる。他の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、ジクロロエタン(DCE)、アセトニトリル(ACN)、クロロホルム、トルエン、ベンゼン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリジノン(NMP)またはこれらの混合物である。

他の実施形態では、工程(iv)の反応は、適切な温度で行われる(例えば、約0℃〜約100℃)。

さらに、本発明は、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)のポリペプチドまたはその一部分を製造する方法に関し、この方法は、 (i)以下の式のビス−アミノ酸

を提供する工程と、 (ii)以下の式のアミノ酸

を提供する工程と、 (iii)以下の式のアミノ酸

〔式中、変数K、L1、L2、M、Ra、Rb、Rc、Re、Rf、xおよび

は、本明細書に定義されている〕 を提供する工程と、 (iv)少なくとも1つのさらなるアミノ酸を提供する工程と; (v)式(A)、(B)および(C)のアミノ酸と、工程(iv)の少なくとも1つのさらなるアミノ酸とをカップリングさせ、式(I)、(I−a)または(I−b)のポリペプチドを得る工程と、 (vi)工程(v)のポリペプチドを触媒で処理する工程とを含む。

特定の実施形態では、工程(iv)の反応は、適切なカップリング試薬、適切な塩基、適切な媒体を含み、および/または適切な温度で行われる。

当業者は、上述の方法の工程(vi)に種々の触媒が利用可能であることを理解する。特定の触媒の選択は、使用する反応条件および特定のペプチドに存在する官能基によって変わる。特定の実施形態では、工程(vi)の触媒は、閉環メタセシス(RCM)触媒である。特定の実施形態では、RCM触媒は、タングステン(W)触媒、モルブデン(Mo)触媒またはルテニウム(Ru)触媒である。特定の実施形態では、RCM触媒は、ルテニウム触媒である。上述の合成法で使用可能な適切なRCM触媒としては、以下に示す触媒が挙げられ、Grubbsら、Acc.Chem.Res.1995、28、446−452;米国特許第5,811,515号;Schrockら、Organometallics(1982)1 1645;Gallivanら、Tetrahedron Letters(2005)46:2577−2580;Furstnerら、J.Am.Chem.Soc.(1999)121:9453;およびChem.Eur.J.(2001)7:5299に記載されている(これら内容全体が、本明細書に参考として組み込まれる)。

特定の実施形態では、RCM触媒は、Schrock触媒である。特定の実施形態では、Schrock触媒は、以下のもののいずれかから選択される。

特定の実施形態では、RCM触媒は、Grubbs触媒である。特定の実施形態では、Grubbs触媒は、以下のもののいずれかから選択される。

ベンジリデンビス−(トリシクロヘキシルホスフィン)−ジクロロルテニウム(X=Cl) ベンジリデンビス−(トリシクロヘキシルホスフィン)−ジブロモルテニウム(X=Br) ベンジリデンビス−(トリシクロヘキシルホスフィン)−ジヨードルテニウム(X=I);

1,3−(ビス(メシチル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ−(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシル−ホスフィン)ルテニウム(X=Cl;R=シクロヘキシル) 1,3−(ビス(メシチル)−2−イミダゾリジニリデン)ジブロモ−(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシル−ホスフィン)ルテニウム(X=Br;R=シクロヘキシル) 1,3−(ビス(メシチル)−2−イミダゾリジニリデン)ジヨード−(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシル−ホスフィン)ルテニウム(X=I;R=シクロヘキシル) 1,3−(ビス(メシチル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ−(フェニルメチレン)(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(X=Cl;R=フェニル) 1,3−(ビス(メシチル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ−(フェニルメチレン)(トリベンジルホスフィン)ルテニウム(X=Cl;R=ベンジル);

特定の実施形態では、RCM触媒は、Grubbs−Hoveyda触媒である。特定の実施形態では、Grubbs−Hoveyda触媒は、以下のもののいずれかから選択される。

特定の実施形態では、RCM触媒は、以下のもののいずれかから選択される。

RCM触媒に加え、炭素−炭素結合形成を促進可能な他の試薬を使用してもよいことも理解されるであろう。例えば、利用可能な他の反応としては、限定されないが、パラジウムカップリング反応、遷移金属触媒によるクロスカップリング反応、ピナコールカップリング(末端アルデヒド)、ヒドロジルコノ化(末端アルキン)、求核付加反応およびNHK(Nozaki−Hiyama−Kishi(Furstnerら、J.Am.Chem.Soc.1996、118、12349))カップリング反応が挙げられる。したがって、適切な反応性部分を、所望のアミノ酸または非天然アミノ酸に組み込み、次いで、ペプチドを反応条件下におき、「ステッチング」させ、所望の二次構造を安定化させる。

特定の実施形態では、式(B)の化合物は、以下の式を有する。

〔式中、K、Ra、Rc、ReおよびRfは、上で定義され、本明細書で定義される。〕 特定の実施形態では、式(B)の化合物は、以下の式を有する。

〔式中、K、Ra、Rc、ReおよびRfは、上で定義され、本明細書で定義される。〕 特定の実施形態では、式(C)の化合物は、以下の式を有する。

〔式中、M、Ra、Rc、ReおよびRfは、上で定義され、本明細書で定義される。〕 特定の実施形態では、式(C)の化合物は、以下の式を有する。

〔式中、M、Ra、Rc、ReおよびRfは、上で定義され、本明細書で定義される。〕 式(B)および(C)の例示的なアミノ酸(末端が不飽和の側鎖を1個有するアミノ酸に対応する)としては、限定されないが、以下に記載されるものが挙げられ、Ra、RfおよびReは、上で定義され、本明細書で定義される。特定の実施形態では、Raは水素であり、Rfは、−Bocまたは−Fmocである。特定の実施形態では、RaもRfも水素である。特定の実施形態では、Reは水素である。

特定の実施形態では、式(B)のアミノ酸は、R配置のアミノ酸である。特定の実施形態では、式(B)のR配置のアミノ酸は、D−アミノ酸である。特定の実施形態では、式(B)のアミノ酸は、S配置のアミノ酸である。特定の実施形態では、式(B)のS配置のアミノ酸は、L−アミノ酸である。特定の実施形態では、式(B)のアミノ酸は、ラセミ体である。特定の実施形態では、式(B)のアミノ酸は、D−アミノ酸とL−アミノ酸の混合物である。

特定の実施形態では、式(C)のアミノ酸は、R配置のアミノ酸である。特定の実施形態では、式(C)のR配置のアミノ酸は、D−アミノ酸である。特定の実施形態では、式(C)のアミノ酸は、S配置のアミノ酸である。特定の実施形態では、式(C)のS配置のアミノ酸は、L−アミノ酸である。特定の実施形態では、式(C)のアミノ酸は、ラセミ体である。特定の実施形態では、式(C)のアミノ酸は、D−アミノ酸とL−アミノ酸の混合物である。

(式(B)および(C)の例示的なアミノ酸)

別の局面では、本発明は、 (1)(i)少なくとも1個の末端が不飽和のアミノ酸側鎖をそれぞれ含む、少なくとも2個のアミノ酸と、(ii)2個の末端が不飽和のアミノ酸側鎖を含む少なくとも1個のα,α−二置換アミノ酸とを含む、所定の数のアミノ酸を提供する工程と、 (2)上述の所定の数のアミノ酸をカップリングさせ、第1のペプチドを作成する工程と、 (3)第1のペプチドを適切な触媒で処理し、ステッチングされたペプチドを得る、本発明のポリペプチドを合成する方法を提供する。

特定の実施形態では、「2個の末端が不飽和アミノ酸側鎖を含むα,α−二置換アミノ酸」のようなジビニルアミノ酸は、特に除外される。

特定の実施形態では、末端が不飽和のアミノ酸側鎖は、それぞれ、閉環メタセシスに対し、反応性である。特定の実施形態では、適切な触媒は、閉環メタセシス触媒である。特定の実施形態では、閉環メタセシス触媒は、上述の方法によって、少なくとも2個の架橋した環を作成する場合がある。選択したアミノ酸の性質およびペプチド鎖中の特定の位置によって、本発明のステッチングされたペプチドは、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個または7個の架橋を含んでもよく、1個以上の構造異性体(constitutional/structural isomer、すなわち、分子量は同じではあるが、接続が異なる化合物)を含んでいてもよい。例えば、以下のスキームに示すように、特定の実施形態では、式(I−c)のポリペプチドのタンデム「ステッチング」は、上に記載し、本明細書で記載するように、本明細書に示した3種類の可能なステッチングされた生成物(例えば、(II−d)、(VIII)および(IX))を与え、ここで、K、M、L1、L2、Ra、Rb、Rc、Re、Rf、XAA、RKL、RLL、RLM、s、t、j、p、y、z、u、qおよびvは、本明細書に定義されるとおりである。

特定の実施形態では、上述の合成法によって、あるステッチングされた生成物を好ましい生成物として得る。本明細書で使用する場合、「好ましい生成物」は、異性体混合物で主要構成成分として存在する、ある構造異性体を指す。特定の実施形態では、「好ましい生成物」は、異性体混合物の少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%存在する、ある構造異性体を指す。特定の実施形態では、好ましい生成物は、式(II−d)の化合物に対応する。

特定の実施形態では、入れ子の形になった架橋生成物(例えば、式(VIII))または架橋が重なりあった生成物(例えば、式(IX))は、少量生成物である。特定の実施形態では、入れ子の形になった架橋生成物(例えば、式(VIII))または架橋が重なりあった生成物(例えば、式(IX))は、反応中に生成しない。

(式(I−c)のポリペプチドのタンデム「ステッチング」)

上述の合成法を、 (1)(i)少なくとも1個の末端が不飽和のアミノ酸側鎖をそれぞれ含む、少なくとも4個のアミノ酸と、(ii)2個の末端が不飽和のアミノ酸側鎖を含む少なくとも1個のα,α−二置換アミノ酸とを含む、所定の数の天然アミノ酸または非天然アミノ酸を提供することと、 (2)上述の所定の数のアミノ酸をカップリングさせ、第1のペプチドを作成することと、 (3)第1のペプチドを適切な触媒で処理することとによって、少なくとも3箇所の架橋ステープリングを含むように、さらに改変してもよい。

さらに、上述の合成法を、 (1)(i)少なくとも1個の末端が不飽和のアミノ酸側鎖をそれぞれ含む、少なくとも2個のアミノ酸と、(ii)2個の末端が不飽和のアミノ酸側鎖を含む少なくとも2個のα,α−二置換アミノ酸とを含む、所定の数の天然アミノ酸または非天然アミノ酸を提供することと、 (2)上述の所定の数のアミノ酸をカップリングさせ、第1のペプチドを作成することと、 (3)第1のペプチドを適切な触媒で処理することとによって、少なくとも3箇所の架橋ステープリングを含むように、さらに改変してもよい。

合成方法に対する上述の改変は、単なる例示として記載したものであり、本発明の範囲または目的を制限することを意図したものではない。本発明は、上述のポリペプチドに、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個または7個の架橋ステープリングを得るために、任意の改変およびあらゆる改変を包含する。

末端が不飽和の1個または2個のアミノ酸側鎖を含む上述のアミノ酸は、末端が不飽和の側鎖を近接させるために、ポリペプチド鎖に組み込まれる。この近接する末端不飽和の側鎖は、同じ平面上にあってもよいし、またはポリペプチド鎖の同じ側にあってもよいし、ポリペプチドの任意の所与の他の配座にあってもよい。適切な触媒で処理すると、この近接する側鎖は、「ステープリング」によって互いに反応し、ステッチングされ、構造的に安定化したポリペプチドを得る。特定の実施形態では、得られた「ステープリング」が、本発明のステープリングされたポリペプチドの生体活性/治療活性を妨害しないように、末端が不飽和の近接する側鎖を整列させる。

(さらなる合成による改変) 本発明のポリペプチドを上述のように「ステッチング」した後、上述の方法は、さらなる合成による改変を含んでもよい。任意の化学修飾または生物学的改変を行ってもよい。特定の実施形態では、このような改変としては、架橋の官能基(例えば、メタセシス反応で生じた二重結合)の還元、酸化および求核付加または求電子付加が挙げられ、ステッチングされたポリペプチドを合成的に改変したものが得られる。他の改変は、ステッチングされたポリペプチドまたはステッチングされたポリペプチドを合成的に改変したものを、ステッチングされたポリペプチドのいずれかの反応場(例えば、ステッチングされたポリペプチドのN末端、ステッチングされたポリペプチドのC末端、ステッチングされたポリペプチドのアミノ酸側鎖、または1箇所以上の改変されているか、または改変されていないステッチングされた箇所(すなわち、ステープリング箇所))で、生体で活性のある薬剤、標識または診断薬と接合することも含んでもよい。このような改変は、ペプチドまたは生体で活性のある薬剤を、細胞、組織または臓器に送達するのに有用な場合がある。このような改変によって、特定の細胞または組織を標的化することが可能である。

したがって、特定の実施形態では、上述の合成方法は、 (vii)適切な条件下で、工程(vi)のポリペプチドを適切な反応剤で処理し、ステッチングされたポリペプチドを合成によって改変したものを得る工程をさらに含んでもよい。

当業者は、広範囲の反応、条件および「適切な反応剤」を使用し、例えば変換を促進してもよいことを理解し、したがって、広範囲の反応、条件および反応剤が想定される。一般的には、March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions、Mechanisms、and Structure、M.B.Smith and J.March、5th Edition、John Wiley & Sons、2001;Advance Organic Chemistry、Part B:Reactions and Synthesis、Carey and Sundberg、3rd Edition、Plenum Press、New York、1993;およびComprehensive Organic Transformations、R.C.Larock、2nd Edition、John Wiley & Sons、1999を参照(内容全体が、本明細書に参考として組み込まれる)。例示的な「適切な反応剤」は、多重結合(例えば、二重結合または三重結合)と反応性の任意の薬剤であってもよい。特定の実施形態では、適切な反応剤は、例えば、水素結合、オスミル化反応、ヒドロキシル化(モノヒドロキシル化またはジヒドロキシル化)反応、アミノ化反応、ハロゲン化反応、環化付加(例えば、シクロプロパン化、アジリジン化、エポキシ化)反応、オキシ水銀化反応および/またはヒドロホウ素化反応によって、二重結合または三重結合と反応し、官能化された単結合または二重結合を与える。当業者は明らかに理解するように、これらの上述の変換によって、特定の安定化された構造および所望の生物学的相互作用に適した官能基を導入する。この官能基としては、限定されないが、水素であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のアミノ;置換もしくは非置換のチオール、ハロ;シアノ;ニトロ;アジド;イミノ;オキソ;およびチオオキソが挙げられる。

別の局面では、特定の実施形態では、この方法は、 (vii)工程(vi)のポリペプチドを、適切な反応剤で処理し、ステッチングされたポリペプチドを合成によって改変したものを得る工程と、 (viii)工程(vii)の、ステッチングされ、改変されたポリペプチドを生体で活性のある薬剤で処理し、ステッチングされ、改変されたポリペプチドが生体で活性のある薬剤と接合したものを得る工程とをさらに含む。

さらに、別の局面では、特定の実施形態では、この方法は、 (vii)工程(vi)のステッチングされたポリペプチドを、生体で活性のある薬剤で処理し、ステッチングされたポリペプチドが生体で活性のある薬剤と接合したものを得る工程をさらに含む。

別の局面では、特定の実施形態では、この方法は、 (vii)工程(vi)のポリペプチドを適切な試薬で処理し、ステッチングされたポリペプチドを合成によって改変したものを得る工程と、 (viii)工程(vii)の、ステッチングされ、改変されたポリペプチドを診断薬で処理し、ステッチングされ、改変されたポリペプチドが診断薬と接合したものを得る工程とをさらに含む。

さらに、別の局面では、特定の実施形態では、この方法は、 (vii)工程(vi)のステッチングされたポリペプチドを診断薬で処理し、ステッチングされたポリペプチドが診断薬と接合したものを得る工程をさらに含む。

薬剤(例えば、標識、診断薬、生体で活性のある薬剤)を本発明のポリペプチドに接合させることは、種々の異なる様式で達成してもよい。この薬剤は、ポリペプチドに、ステープリング箇所で、またはポリペプチド鎖のN末端またはC末端で直接的または間接的に共有結合してもよい。あるいは、この薬剤は、ポリペプチドに、ステープリング箇所で、またはポリペプチド鎖のN末端またはC末端で直接的または間接的に共有結合ではない形態で結合してもよい。間接的な共有結合による接合は、1個以上の共有結合を用いる方法である。間接的な、共有結合ではない形態による接合は、1個以上の共有結合ではない結合を用いる方法である。非共有力/非共有結合および共有力/共有結合を組み合わせて接合してもよい。この薬剤は、共有リンカー基または非共有リンカー基によって接合されてもよい。

任意の適切な結合を使用し、生体で活性のある薬剤および/または診断薬を本発明のポリペプチドに接合してもよい。このような結合としては、アミド結合、エステル結合、ジスルフィド結合、炭素−炭素結合、カルバメート、カーボネート、ウレア、ヒドラジドなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、結合は、生理的条件下で開裂可能である(例えば、酵素によって開裂可能である、高いpHまたは低いpHで開裂可能である、熱、光、紫外線、x線によって開裂可能である、など)。しかし、いくつかの実施形態では、結合は開裂可能ではない。

(新規の安定化された構造のコンビナトリアル合成) 当業者は、上述の合成法が、本発明のポリペプチドのコンビナトリアル合成に適用可能であることを理解するであろう。コンビナトリアル合成技術は、溶液中で行うこともできるが、もっと典型的には、コンビナトリアル技術は、スプリット・アンド・プール技術(split−and−pool technique)を用いて固相で行う。一連のコンビナトリアル合成の間、種々のパラメータ(限定されないが、末端が不飽和の側鎖を有するアミノ酸の位置、アミノ酸の立体化学、末端の不飽和側鎖の長さおよび官能基、および使用するアミノ酸残基を含む)を変えてもよい。

本発明は、ある局面では、(1)樹脂に結合したアミノ酸の集合を提供する工程と、(2)この樹脂に結合したアミノ酸をそれぞれ脱保護する工程と、(3)樹脂に結合したアミノ酸を脱保護した集合を、n個(nは、カップリング対象となる、異なるアミノ酸の種類をあらわす)の等しいグループに分ける工程と、(4)n種類のアミノ酸を、脱保護したアミノ酸にカップリングさせる工程と、(5)n個のグループを混合する工程と、(6)所望のポリペプチドが得られるまで、工程(2)〜(5)を繰り返す工程とを含む、上述の本発明の新規ポリペプチドを合成する方法を提供する。上述のいずれかの工程でカップリングしたアミノ酸のうち、少なくとも2個は、少なくとも片方の末端が不飽和のアミノ酸側鎖を含み、少なくとも1個のα,α−二置換アミノ酸は、2個の末端が不飽和のアミノ酸側鎖を含む。所望のポリペプチドを合成した後、樹脂に結合したポリペプチドを触媒と接触させ、「ステッチング」を促進してもよく、または最初に樹脂から開裂させ、次いで触媒と接触させて「ステッチング」を促進してもよい。

当業者は、所望の安定化された構造を作成した後に、安定化された二次構造を有する化合物のライブラリを特定の官能部分で多様化させてもよいことを理解するであろう。例えば、遊離または潜在的なアミノ酸官能基を多様化させてもよく、またはこの代わりに、またはこれに加え、架橋に存在する遊離または潜在的なアミノ酸官能基を多様化させてもよい。特に好ましい実施形態では、ほんの一例として、安定化された構造にヒドロキシル部分を導入することによって、親水性を高めてもよい。当業者は、特定の安定化された構造および所望の生物学的相互作用と適合する官能基を導入するために、多様化反応を選択することを理解するであろう。これらの官能基の例としては、限定されないが、水素であるか、または環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換の脂肪族;環状もしくは非環状、分枝もしくは非分枝、置換もしくは非置換のヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換のアリール;置換もしくは非置換のヘテロアリール;置換もしくは非置換のアシル;置換もしくは非置換のヒドロキシル;置換もしくは非置換のアミノ;置換もしくは非置換のチオール,ハロ;シアノ;ニトロ;アジド;イミノ;オキソ;およびチオオキソが挙げられる。

(使用方法) 本発明は、ある疾患、障害または状態であると診断された被験体、またはその疾患、障害または状態になりやすいと診断された被験体に、治療的に有効量の本発明のポリペプチドまたはその医薬的に許容される形態を投与する工程を含む、その疾患、障害または状態を治療する方法を提供する。本発明のポリペプチドを投与して治療可能な疾患、障害または状態の例は、増殖性、神経性、免疫性、内分泌性、心血管、血液および炎症性の疾患、障害または状態、および、早すぎる細胞死または所望ではない細胞死を特徴とする状態を含む。

本明細書で使用する場合、増殖性の疾患、状態または障害としては、限定されないが、癌、造血器新生物障害、増殖性の乳房疾患、の増殖性障害、結腸の増殖性障害、肝臓の増殖性障害および卵巣の増殖性障害が挙げられる。

上述の方法で治療可能な癌の例としては、上皮性悪性腫瘍、非上皮性悪性腫瘍または転移性障害、乳癌、卵巣癌、結腸癌、肺癌、線維肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑液腫瘍、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胃癌、食道癌、直腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮癌、頭部および頸部の癌、皮膚癌、脳癌、扁平上皮癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、頸癌、精巣癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽腫、白血病、リンパ腫またはカポジ肉腫が挙げられる。

上述の方法で治療可能な造血器新生物障害の例としては、造血由来の過形成細胞/腫瘍細胞(例えば、骨髄、リンパ球または赤血球の系統から生じる細胞またはその前駆細胞)が関与する疾患が挙げられる。特定の実施形態では、この疾患は、急性未分化型白血病、例えば、赤芽球性白血病および急性巨核芽球性白血病から生じる。さらなる例示的な骨髄障害としては、限定されないが、前骨髄性白血病(APML)、急性骨髄性白血病(AML)および慢性骨髄性白血病(CML)が挙げられ(Vaickus、L.の総説(1991)Crit Rev.in Oncol./Hemotol. 11:267−97);リンパ性悪性疾患としては、限定されないが、急性リンパ性白血病(ALL)(B細胞系ALLおよびT細胞系ALLを含む)、慢性リンパ性白血病(CLL)、前リンパ性白血病(PLL)、有毛細胞白血病(HLL)およびヴァルデンストレームマクログロブリン血症(WM)が挙げられる。悪性リンパ腫のさらなる形態としては、限定されないが、非ホジキンリンパ腫およびその変形、末梢性T細胞性リンパ腫、成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)、大型顆粒リンパ性白血病(LGF)、ホジキン病およびReed−Stemberg病が挙げられる。

上述の方法で治療可能な増殖性の乳房疾患としては、上皮過形成、硬化性腺症および小管乳頭腫;腫瘍、例えば、間質性腫瘍(例えば、線維腺腫、葉状腫瘍および肉腫)および上皮性腫瘍(例えば、大管乳頭腫);胸部の上皮性悪性腫瘍(in situ(非侵襲性)上皮性悪性腫瘍(in situでの腺管癌(ページェット病を含む)およびin situでの小葉癌を含む)および侵襲性(浸潤性)上皮性悪性腫瘍(限定されないが、侵襲性腺管癌、侵襲性小葉癌、髄様癌、膠様癌(粘液癌)、管状腺癌および侵襲性乳頭癌を含む))および多様な悪性新生物が挙げられる。男性の胸部障害としては、限定されないが、女性化乳房および上皮性悪性腫瘍が挙げられる。

上述の方法で治療可能な肺の増殖性障害としては、限定されないが、気管支癌(腫瘍随伴症候群を含む)、細気管支肺胞上皮癌、神経内分泌腫瘍、例えば、気管支カルチノイド、多様な腫瘍および転移性腫瘍;胸膜の疾患(炎症性胸水、非炎症性胸水、気胸および胸膜の腫瘍(単発性線維性腫瘍(胸膜線維腫)および悪性中皮腫が挙げられる。

上述の方法で治療可能な結腸の増殖性障害としては、限定されないが、非新生物性ポリープ、腺腫、家族性症候群、結腸直腸の癌発生、結腸直腸の上皮性悪性腫瘍およびカルチノイド腫瘍が挙げられる。

上述の方法で治療可能な肝臓の増殖性障害としては、限定されないが、結節性過形成、腺腫および悪性腫瘍(肝臓の原発性癌および転移性腫瘍を含む)が挙げられる。

上述の方法で治療可能な卵巣の増殖性障害としては、限定されないが、卵巣腫瘍、例えば、体腔上皮の腫瘍、漿液腫瘍、粘液性腫瘍、子宮内膜性腫瘍、明細胞腺癌、卵巣嚢胞腺線維腫、ブレンナー腫瘍、被蓋上皮腫瘍;胚細胞腫瘍、例えば、成熟型(良性)奇形腫、胚葉性奇形腫、未熟型悪性奇形腫、未分化胚細胞腫、内胚葉洞腫瘍、絨毛腫;性索間質腫瘍、例えば、顆粒膜莢膜細胞腫瘍、莢膜線維腫、セルトリ間質細胞腫瘍、ヒル細胞腫瘍(hill cell tumor)および性腺芽腫;および転移性腫瘍、例えば、クルケンベルグ腫瘍が挙げられる。

本明細書に記載のポリペプチドを使用し、過剰に活性化した細胞死または生理学的な損傷による細胞死などを特徴とする状態を治療し、予防し、または診断することもできる。早すぎる細胞死または所望ではない細胞死、または望ましくない細胞増殖または過剰な細胞増殖を特徴とする状態のいくつかの例としては、限定されないが、低細胞性/形成不全の状態、無細胞/無形成の状態、または過剰形成性/過形成性の状態が挙げられる。いくつかの例としては、限定されないが、ファンコニ貧血、再生不良性貧血、サラセミア、先天性好中球減少症、骨髄異形成を含む血液の障害が挙げられる。アポトーシスを減らすように作用する本発明のポリペプチドは、望ましくないレベルの細胞死に関連する障害を治療するのに使用することができる。したがって、本発明の抗アポトーシス性ペプチドを使用し、ウイルス感染(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染)に関連する細胞死を引き起こすような障害を治療することができる。

広範囲の神経疾患は、特定のニューロン群が徐々に失われていくことを特徴としており、抗アポトーシス性ペプチドをこれらの障害の治療に使用することができる。このような障害としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、網膜色素変性症、脊髄性筋萎縮症、および種々の小脳変性が挙げられる。これらの疾患で細胞が失われても、炎症応答は誘発されず、アポトーシスが細胞死の機構であると考えられる。それに加え、多くの血液の疾患は、血液細胞の産生量が減少することと関係がある。これらの障害としては、慢性疾患に関連する貧血、再生不良性貧血、慢性好中球減少症および骨髄異形成症候群が挙げられる。血液細胞の産生障害(例えば、骨髄異形成症候群およびある種の再生不良性貧血)は、骨髄内でのアポトーシスによる細胞死が増えることと関係がある。これらの障害は、アポトーシスを促進する遺伝子の活性化、間質細胞の後天性欠乏症、または造血生存因子(hematopoietic survival factor)の後天性欠乏症、または免疫応答の毒素またはメディエータによる直接的な影響によって生じる。細胞死に関連する一般的な2つの障害は、心筋梗塞と卒中である。これら両障害で、虚血の中心領域にある細胞は、血流が急に失われることによって、壊死によって急速に死んでしまうと考えられる。しかし、虚血中心部の外側では、細胞は、もっと長い時間をかけて死んでいき、形態学的には、アポトーシスによって死ぬと考えられる。本発明の抗アポトーシス性ペプチドを使用し、望ましくない細胞死に関連するこのような全ての障害を治療することができる。

本明細書に記載のポリペプチドで治療可能な神経障害のいくつかの例としては、限定されないが、アルツハイマー病、ダウン症候群、ダッチタイプ遺伝性脳アミロイドーシス、反応性アミロイドーシス、掻痒および難聴を伴う家族性アミロイド腎症、マックル・ウェルズ症候群、特発性骨髄腫;マクログロブリン血症に関連する骨髄腫、家族性アミロイドポリニューロパチー、家族性アミロイド心筋症、単独の心アミロイド、老人性全身アミロイドーシス、成人発症の糖尿病、インスリノーマ、単独の心房アミロイド、甲状腺の髄様癌、家族性アミロイドーシス、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、家族性アミロイド神経障害、スクレイピー、クロイツフェルト・ヤコブ病、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、海綿状脳症、プリオンが介在する疾患、ハンチントン病、ピック病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病およびレビー小体病が挙げられる。

本明細書に記載のポリペプチドで治療可能な内分泌性障害のいくつかの例としては、限定されないが、糖尿病、甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症、副甲状腺機能低下症、性腺機能低下症、受胎障害などが挙げられる。

本明細書に記載のポリペプチドで治療可能な免疫性障害のいくつかの例としては、限定されないが、臓器移植拒絶、関節炎、狼瘡{ろうそう}、IBD、クローン病、喘息、多発性硬化症、糖尿病、移植片対宿主病、自己免疫疾患、乾癬、関節リウマチなどが挙げられる。

本発明のポリペプチドで治療または予防可能な心血管障害の例としては、限定されないが、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、卒中、血栓症、動脈瘤、心不全、虚血性心疾患、狭心症、突然心臓死、高血圧性心疾患;冠状動脈以外の疾患、例えば、細動脈硬化、小血管の疾患、腎症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂質異状症、黄色腫症、喘息、高血圧、肺気腫および慢性肺疾患;または介入手段に関連する心血管状態(「手技による血管の外傷」)、例えば、血管形成術後の再狭窄、シャント、ステント、合成または天然の切開片の配置、留置したカテーテル、バルブまたは他の移植可能なデバイスによるものが挙げられる。

本発明のステッチングされたポリペプチドは、天然のタンパク質−タンパク質相互作用、タンパク質−リガンド相互作用および/またはタンパク質−受容体相互作用を破壊することによって、上述の疾患、障害または状態を治療するのに役立つことがある。例えば、多くの生物学的に重要なタンパク質/タンパク質相互作用(例えば、p53/MDM2およびBcl−X1/Bak)は、らせんを形成するタンパク質が、そのらせんを収容する対の孔に入り込むことによって媒介される。p53およびMDM2の相互作用と、p53遺伝子の変異が、報告された癌の全症例の実質的に半分で特定されている(Shair Chem.& Biol.1997、4、791を参照、内容全体が本明細書に参考として組み込まれる)。細胞にストレスが与えられると、p53は、細胞周期の停止およびDNA修復、またはプログラムされた細胞死のいずれかを導く応答を統率すると考える。p53遺伝子の変異によって、p53タンパク質の機能が直接変更されるのとともに、p53は、MDM2の変更によっても変更することができる。MDM2タンパク質は、p53に結合し、p53のトランス活性化領域を破壊することが示されている。例えば、p53のトランス活性化領域から誘導される11アミノ酸ペプチドは、MDM2の孔に入り込む両親媒性の2.5回転のαらせんを形成する。

したがって、特定の実施形態では、本発明のポリペプチドは、らせん受容体に強く結合可能であり、天然のタンパク質/タンパク質相互作用を破壊するαらせんポリペプチドである。これらの構造を、高スループット技術でスクリーニングし、最適な低分子ペプチドを特定してもよい。特定の実施形態では、本発明のポリペプチドは、Xenopus MDM2タンパク質に結合可能な、αらせんp53ポリペプチドである。MDM2相互作用を破壊する新規の構造は、例えば、限定されないが、軟組織肉腫(野生型p53存在下でMDM2を過剰発現する)の制御を含む多くの適用例で有用である。これらの癌を、MDM2を捕捉し、p53の抑制を予防する低分子を用いて監視し続けてもよい。さらに、MDM2−p53相互作用を破壊する低分子を、従来の化学療法で、p53に依存するアポトーシス応答の程度を制御し、調節するアジュバント治療として使用する。

特定の実施形態では、本発明のポリペプチドは、既知のαらせんペプチドと相同性を有する。特定の実施形態では、本発明のポリペプチドは、既知のαらせんペプチドと、少なくとも80%、85%、90%または95%の相同性を有する。

それに加え、本発明のポリペプチドは、物質科学の分野で有用である。例えば、脂質および他のポリマー分子のような分子を、末端ペプチド部分に結合し、潜在的に重要なバイオマテリアルを作成してもよい。

上述の用途に加え、本発明のポリペプチドを、重要な生体環境を模倣可能な遷移金属のリガンドとして、または特定の遷移金属触媒に関連して作用させ、所望の化学反応を起こさせることによって、バイオ無機化学または触媒の研究に使用してもよい。

(医薬組成物) 本発明は、本発明のステッチングされたポリペプチドまたはその医薬的に許容される形態と、医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。このような医薬組成物は、場合により、1個以上のさらなる生体で活性のある基質を含んでもよい。いくつかの実施形態にしたがって、本発明の組成物を含む医薬組成物を処置の必要な被験体に投与する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ヒトに投与される。本発明の目的のために、句「活性成分」は、一般的に、本明細書に記載の本発明のポリペプチドを指す。

本明細書で提供する医薬組成物の記載は、主に、ヒトに投与するのに適した医薬組成物に関するものであるが、この組成物は、一般的にあらゆる種の動物への投与に適していることを当業者は理解するであろう。ヒトへの投与に適した医薬組成物を、種々の動物への投与に適した組成物にするための改変は、十分に理解されており、通常の知識を有する獣医師は、実験を行うにしても、単に通常の実験によって、このような改変を設計および/または行うことができる。本発明の医薬組成物の投与が想定されている被験体としては、限定されないが、ヒトおよび/または他の霊長類;哺乳動物(商業的に関連のある哺乳動物、例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコおよび/またはイヌ);および/または鳥類(商業的に関連のある鳥類、例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウおよび/またはシチメンチョウ)が挙げられる。

本明細書に記載の医薬組成物の配合物は、医薬分野で既知の任意の方法で調製するか、または将来開発される方法で調製してもよい。一般的に、このような調製法は、活性成分を担体および/または1つ以上の他の付随成分と混合し、次いで、必要な場合および/または所望な場合、所望な単一投薬単位または複数回投薬単位に成型および/または包装する工程を含む。

本発明の医薬組成物は、単一投薬単位および/または複数回投薬単位として、大量に調製され、包装され、および/または販売されてもよい。本明細書で使用する場合、「投薬単位」は、所定量の活性成分を含む、個々の量の医薬組成物である。活性成分の量は、一般的に、被験体に投与される活性成分の投薬量および/またはこのような投薬量の半分または3分の1のような簡便な一部分の量である。

本発明の医薬組成物に含まれる活性成分、医薬的に許容される担体および/または任意のさらなる成分の相対量は、治療される被験体の性質、体の大きさおよび/または状態によってさまざまであり、さらに、組成物の投与経路によっても変わる。例えば、組成物は、活性成分を0.1%〜100%(w/w)含んでもよい。

本発明の医薬組成物は、医薬的に許容される賦形剤をさらに含んでもよく、医薬的に許容される賦形剤は、本明細書で使用する場合、特定の望ましい投薬形態に適するような、任意の溶媒およびすべての溶媒、分散媒体、希釈剤または他の液体ビヒクル、分散助剤または懸濁助剤、表面活性化剤、等張化剤、増粘剤または乳化剤、防腐剤、固体バインダー、滑沢剤などを含む。Remington’s The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition、A.R.Gennaro(Lippincott、Williams & Wilkins、Baltimore、MD、2006)は、医薬組成物の配合に使用する種々の担体および既知の調製技術を開示している。任意の従来の担体媒体が、基質またはその誘導体に適合しない場合(例えば、生体で望ましくない影響を与えてしまう場合、または医薬組成物の任意の他の成分と有害な相互作用をする場合)を除き、任意の従来の担体媒体の使用は、本発明の範囲内であると考えられる。

いくつかの実施形態では、医薬的に許容される賦形剤の純度は、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%である。いくつかの実施形態では、賦形剤は、ヒト用途または動物用途で承認されている。いくつかの実施形態では、賦形剤は、米国食品医薬品局で承認されている。いくつかの実施形態では、賦形剤は、医薬品グレードである。いくつかの実施形態では、賦形剤は、アメリカ薬局方(USP)、ヨーロッパ薬局方(EP)、イギリス薬局方および/または国際薬局方の基準を満たす。

医薬組成物の製造に使用される、医薬的に許容される賦形剤としては、限定されないが、不活性希釈剤、分散剤および/または顆粒化剤、表面活性化剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝化剤、滑沢剤および/または油が挙げられる。このような賦形剤は、場合により、本発明の配合物に含まれてもよい。配合者の判断により、例えば、ココアバターおよび坐剤用ワックス、着色剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および香料のような賦形剤が、本組成物に存在してもよい。

例示的な希釈剤としては、限定されないが、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、ナトリウムホスフェートラクトース、ショ糖、セルロース、微晶質セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、トウモロコシデンプン、粉砂糖など、およびこれらの組み合わせが挙げられる。

例示的な顆粒化剤および/または分散剤としては、限定されないが、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、ナトリウムデンプングリコレート、クレー、アルギン酸、グアーゴム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロースおよび木製品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、シリケート、炭酸ナトリウム、架橋したポリ(ビニル−ピロリドン)(クロスポビドン)、ナトリウムカルボキシメチルデンプン(ナトリウムデンプングリコレート)、カルボキシメチルセルロース、架橋したナトリウムカルボキシメチルセルロース(クロスカルメロース)、メチルセルロース、α化デンプン(デンプン1500)、微晶質デンプン、水不溶性のデンプン、カルシウムカルボキシメチルセルロース、マグネシウムアルミニウムシリケート(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム化合物など、およびこれらの組み合わせが挙げられる。

例示的な表面活性化剤および/または乳化剤としては、限定されないが、天然乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックスおよびレシチン)、コロイド状クレー(例えば、ベントナイト[ケイ酸アルミニウム]およびVeegum[マグネシウムアルミニウムシリケート])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、グリセリルモノステアレートおよびプロピレングリコールモノステアレート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマーおよびカルボキシビニルポリマー)、カラギナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末状セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート[Tween 20]、ポリオキシエチレンソルビタン[Tween 60]、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート[Tween 80]、ソルビタンモノパルミテート[Span 40]、ソルビタンモノステアレート[Span 60]、ソルビタントリステアレート[Span 65]、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート[Span 80])、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート[Myrj 45]、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレートおよびSolutol)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、Cremophor)、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル[Brij 30])、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic F 68、Poloxamer 188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドキュセートナトリウムなど、および/またはこれらの組み合わせが挙げられる。

例示的な結合剤としては、限定されないが、デンプン(例えば、トウモロコシデンプンおよびデンプンペースト);ゼラチン;糖類(例えば、ショ糖、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトール);天然ゴムおよび合成ゴム(例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワールゴム(panwar gum)、ガティゴム、イサポール皮の粘液(mucilage of isapol husk)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微晶質セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニル−ピロリドン)、マグネシウムアルミニウムシリケート(Veegum)およびカラマツアラボガラクタン(larch arabogalactan));アルギン酸塩;ポリエチレンオキシド;ポリエチレングリコール;無機カルシウム塩;ケイ酸;ポリメタクリレート;ワックス;水;アルコールなど、およびこれらの組み合わせが挙げられる。

例示的な防腐剤としては、酸化防止剤、キレート化剤、抗菌性防腐剤、抗真菌性防腐剤、アルコール防腐剤、酸性防腐剤および他の防腐剤を挙げることができる。例示的な酸化防止剤としては、限定されないが、α−トコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムが挙げられる。例示的なキレート化剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、クエン酸一水和物、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二カリウム、エデト酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、エデト酸ナトリウム、酒石酸およびエデト酸三ナトリウムが挙げられる。例示的な抗菌性防腐剤としては、限定されないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミドウレア、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコールおよびチメロサールが挙げられる。例示的な抗真菌性防腐剤としては、限定されないが、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウムおよびソルビン酸が挙げられる。例示的なアルコール防腐剤としては、限定されないが、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾエートおよびフェニルエチルアルコールが挙げられる。例示的な酸性防腐剤としては、限定されないが、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、β−カロチン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸およびフィチン酸が挙げられる。他の防腐剤としては、限定されないが、トコフェロール、酢酸トコフェロール、デテロキシムメシレート(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、KathonおよびEuxylが挙げられる。特定の実施形態では、防腐剤は、酸化防止剤である。他の実施形態では、防腐剤はキレート化剤である。

例示的な緩衝化剤としては、限定されないが、クエン酸バッファ溶液、酢酸バッファ溶液、リン酸バッファ溶液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロピオン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、カルシウムヒドロキシドホスフェート、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱物質を含まない水、等張性塩水、Ringer溶液、エチルアルコールおよびこれらの組み合わせが挙げられる。

例示的な滑沢剤としては、限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル(glyceryl behanate)、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど、およびこれらの組み合わせが挙げられる。

例示的な油としては、限定されないが、アーモンド油、杏仁油、アボカド油、ババス油、ベルガモット油、ブラックカラントシード油、ルリヂサ油、ジュニパータール油、カモミール油、キャノーラ油、キャラウェー油、カルナバ油、ヒマシ油、シナモン油、ココアバター、ココナツ油、タラの肝油、コーヒー油、トウモロコシ油、綿実油、エミュー油、ユーカリ油、月見草油、魚油、アマニ油、ゲラニオール、ヒョウタン油、グレープシード油、ヘーゼルナッツ油、ヒソップ油、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ油、ククイナッツ油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、リツェアクベバ油、マカデミアナッツ油、マロウ(mallow)油、マンゴーシード油、メドウフォームシード油、ミンク油、ナツメグ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラフィー油、パーム油、パーム核油、桃仁油、ピーナッツ油、ケシの実油、パンプキンシード油、菜種油、米ヌカ油、ローズマリー油、ベニバナ油、サンダルウッド、サスカナ(sasquana)油、セイボリー油、シーバックソーン油、ゴマ油、シアバター、シリコーン油、大豆油、ヒマワリ油、ティーツリー、アザミ油、ツバキ油、ベチバー油、クルミ油および小麦胚種油が挙げられる。油の例としては、限定されないが、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコーン、セバシン酸ジエチル、ジメチコーン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱物油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油およびこれらの組み合わせが挙げられる。

経口投与用および非経口投与用の液体投薬形態としては、限定されないが、医薬的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁物、シロップおよびエリキシル剤が挙げられる。活性成分に加え、液体投薬形態は、当該技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤(例えば、水または他の溶媒)、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール,炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル)およびこれらの混合物を含んでもよい。不活性希釈剤以外に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤および香料といったアジュバントを含んでもよい。非経口投与のための特定の実施形態では、本発明の複合体を、Cremophor、アルコール、油、改質油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマーおよびこれらの組み合わせのような可溶化剤と混合する。

注射用製剤(例えば、滅菌注射用の水性懸濁物または油性懸濁物)は、適切な分散剤または湿潤剤と、懸濁剤とを用い、既知の技術にしたって配合してもよい。滅菌注射用製剤は、毒性のない非経口で許容される希釈剤または溶媒の滅菌注射用の溶液、懸濁物またはエマルションであってもよい(例えば、1,3−ブタンジオール溶液)。使用可能な許容されるビヒクルおよび溶媒は、水、Ringer溶液、米国薬局方の塩化ナトリウム溶液および等張性塩化ナトリウム溶液である。これに加え、溶媒または懸濁媒体として、滅菌の固定化油が通常使用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む任意の商品名の固定化油を使用してもよい。これに加え、オレイン酸のような脂肪酸を、注射用製剤で使用する。

注射用配合物は、例えば、細菌を保持するフィルターで濾過することによって、または、滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができ、この配合物を、使用前に、滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解または分散させることができる。

薬物の効果を長引かせるために、皮下注射または筋肉注射の吸収速度を遅くすることが望ましいことが多い。吸収速度を遅らせるのは、水溶性が低い結晶性物質またはアモルファス物質を液体に懸濁させて使用することによって達成してもよい。薬物の吸収速度は、溶解速度に依存し、溶解速度は、結晶の大きさおよび結晶形態に依存する場合がある。あるいは、非経口投与される薬物形態の吸収を遅らせることは、油性ビヒクルに薬物を溶解または懸濁させることによって達成される。

直腸投与用または膣投与用の組成物は、典型的には、坐剤であり、坐剤は、本発明の複合体と、適切な刺激のない賦形剤または担体(例えば、周囲温度では固体であるが、体温では液体であり、腸内または膣内で融解し、活性成分を放出するココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤用ワックス)とを混合することによって調製できる。

経口投与用の固体投薬形態としては、カプセル、錠剤、丸薬、粉末および顆粒が挙げられる。このような固体投薬形態では、活性成分を、少なくとも1つの不活性な医薬的に許容される賦形剤または担体(例えば、クエン酸ナトリウムまたは二リン酸カルシウム)および/または(a)フィラーまたは増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトールおよびケイ酸)、(b)バインダー(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、ショ糖およびアカシア)、(c)保湿剤(例えば、グリセロール)、(d)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケートおよび炭酸ナトリウム)、(e)溶液保持剤(例えばパラフィン)、(f)吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物)、(g)湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート)、(h)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイトクレー)、および(i)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)およびこれらの混合物と混合する。カプセル、錠剤および丸薬の場合、投薬形態は、緩衝剤を含んでもよい。

同様の種類の固体組成物を、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤と、高分子量ポリエチレングリコールとを用い、軟質および硬質の充填型ゼラチンカプセルにフィラーとして使用してもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬および顆粒の固体投薬形態は、腸溶性コーティングおよび医薬配合分野で周知の他のコーティングのようなコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。この固体投薬形態は、場合により、乳白剤を含んでもよく、腸管の特定の部分で、場合により遅延放出様式で、活性成分のみを放出するか、または活性成分を優先的に放出する組成物であってもよい。使用可能な包埋組成物の例としては、ポリマー基質およびワックスが挙げられる。同様の種類の固体組成物を、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤と、高分子量ポリエチレングリコールとを用い、軟質および硬質の充填型ゼラチンカプセルにフィラーとして使用してもよい。

活性成分を、上述のような1つ以上の賦形剤とともに、マイクロカプセルに入れてもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬および顆粒の固体投薬形態は、腸溶性コーティング、放出制御コーティングおよび医薬配合分野で周知の他のコーティングのようなコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。このような固体投薬形態では、活性成分は、少なくとも1つの不活性希釈剤(例えば、ショ糖、ラクトースまたはデンプン)と混合してもよい。このような投薬形態は、通常の実施の場合、不活性希釈剤以外のさらなる基質(例えば、錠剤の滑沢剤および他の錠剤助剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微晶質セルロース))を含んでもよい。カプセル、錠剤および丸薬の場合、投薬形態は、緩衝剤を含んでもよい。この固体投薬形態は、場合により、乳白剤を含んでもよく、腸管の特定の部分で、場合により遅延放出様式で、活性成分のみを放出するか、または活性成分を優先的に放出する組成物であってもよい。使用可能な包埋組成物の例としては、ポリマー基質およびワックスが挙げられる。

本発明の複合物の局所投与用および/または経皮投与用の投薬形態としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤および/またはパッチを挙げることができる。一般的に、活性成分を、滅菌条件下で、医薬的に許容される担体および/または任意の必要な防腐剤および/または必要な場合にはバッファと混合する。さらに、本発明は、経皮パッチの使用も想定しており、経皮パッチは、活性成分を体内に制御放出するという利点を有するものが多い。このような投薬形態は、例えば、活性成分を適切な媒体に溶解および/または分散させることによって調製してもよい。あるいは、またはこれに加え、速度制御膜を提供することによって、および/または活性成分をポリマーマトリックスおよび/またはゲルに分散させることによって、速度を制御してもよい。

本明細書に記載の医薬組成物を皮膚内部に送達するために使用するのに適したデバイスは、米国特許第4,886,499号;第5,190,521号;第5,328,483号;第5,527,288号;第4,270,537号;第5,015,235号;第5,141,496号;および第5,417,662号に記載されるような、短い針のついたデバイスである。皮膚内部投与用組成物は、針が皮膚内に有効に通過する長さを制限したデバイス(例えば、PCT公開番号WO 99/34850に記載のもの、およびその機能的等価体)によって投与してもよい。液体ジェット式注射によって液体ワクチンを真皮に送達するジェット式注射用デバイスおよび/または針を角質層に通し、真皮に液体を噴射するジェット式注射用デバイスが適している。ジェット式注射用デバイスは、例えば、米国特許第5,480,381号;第5,599,302号;第5,334,144号;第5,993,412号;第5,649,912号;第5,569,189号;第5,704,911号;第5,383,851号;第5,893,397号;第5,466,220号;第5,339,163号;第5,312,335号;第5,503,627号;第5,064,413号;第5,520,639号;第4,596,556号;第4,790,824号;第4,941,880号;第4,940,460号;およびPCT公開番号WO 97/37705およびWO 97/13537に記載されている。圧縮ガスを使用し、粉末形態のワクチンを皮膚の外側層から真皮に運ぶ、粉末/粒子を高速噴射して送達するデバイスが適している。あるいは、またはそれに加え、従来のツベルクリン法による皮膚内投与で、従来のシリンジを使用してもよい。

局所投与に適した配合物としては、限定されないが、液体および/または半液体の製剤(例えば、塗布薬、ローション、水中油エマルションおよび/または油中水エマルション(例えば、クリーム、軟膏および/またはペースト)、および/または溶液および/または懸濁物)が挙げられる。局所投与可能な配合物は、例えば、活性成分を約1%〜約10%(w/w)含むが、活性成分の濃度は、活性成分が溶媒に溶ける溶解限界と同程度まで高くてもよい。局所投与用配合物は、本明細書に記載の1つ以上のさらなる成分を含んでもよい。

本発明の医薬組成物は、口腔を経て肺投与するのに適した配合物で調製され、包装され、および/または販売されてもよい。このような配合物は、活性成分を含み、直径が約0.5〜約7nmであるか、または約1〜約6nmの乾燥粒子を含んでもよい。このような組成物は、簡便には、噴射剤の流れによって粉末を分散させる乾燥粉末用容器を含むデバイスおよび/または自己噴射性の溶媒/粉末分散容器(例えば、密閉容器中で、低沸点噴射剤に溶解および/または懸濁させた活性成分を含むデバイス)を用いて投与する、乾燥粉末の形態である。このような粉末は、粒子の少なくとも98重量%の直径が0.5nmよりも大きく、粒子の少なくとも95%の直径が7nm未満である粒子を含む。あるいは、粒子の少なくとも95重量%の直径が1nmよりも大きく、粒子の少なくとも90%の直径が6nm未満である粒子を含む。乾燥粉末組成物は、固体微粉末の希釈剤(例えば、糖)を含んでもよく、簡便には、単位投薬形態で提供される。

低沸点噴射剤は、一般的に、常圧で沸点が65°F以下の液体噴射剤を含む。一般的に、噴射剤は、組成物の50〜99.9%(w/w)を構成し、活性成分は、組成物の0.1〜20%(w/w)を構成してもよい。噴射剤は、さらなる成分、例えば、液体の非イオン性界面活性剤および/または固体のアニオン性界面活性剤および/または固体の希釈剤(活性成分を含む粒子と同程度の粒径を有してもよい)を含んでもよい。

肺送達用に配合された本発明の医薬組成物は、溶液および/または懸濁物の液滴の形態で活性成分を提供してもよい。このような配合物は、場合により、滅菌の活性成分を含む水溶液および/または希アルコール溶液および/または懸濁物として、調製され、包装され、および/または販売されてもよく、簡便には、任意の噴射デバイスおよび/または噴霧デバイスを用いて投与してもよい。このような配合物は、1つ以上のさらなる成分(例えば、限定されないが、サッカリンナトリウム、揮発性油のような香味剤、緩衝化剤、表面活性化剤および/またはメチルヒドロキシベンゾエートのような防腐剤)を含んでもよい。この投与経路で与えられる液滴は、平均直径が、約0.1〜約200nmの範囲にあってもよい。

肺送達に有用な本明細書に記載の配合物は、本発明の医薬組成物を経鼻投与するのにも有用である。経鼻投与に適した別の配合物は、活性成分を含み、平均粒径が約0.2〜500μmの粗い粉末である。このような配合物は、鼻から吸う様式で、すなわち、粉末の入った容器から、鼻孔にすばやく吸引することによって投与される。

経鼻投与に適した配合物は、例えば、約0.1%(w/w)〜100%(w/w)の活性成分を含んでもよく、本明細書に記載の1つ以上のさらなる成分を含んでもよい。本発明の医薬組成物は、口腔投与に適した配合物で調製され、包装され、および/または販売されてもよい。このような配合物、例えば、従来の方法を用いて調製される錠剤および/または薬用キャンデーの形態であってもよく、例えば、活性成分0.1〜20%(w/w)と、経口で溶解可能な組成物および/または分解可能な組成物を含む残り成分と、場合により、本明細書に記載の1つ以上のさらなる成分とを含んでもよい。または、口腔投与に適した配合物は、活性成分を含む粉末、および/またはエアロゾル化した溶液および/またはおよび/または懸濁物、および/または霧状にした溶液および/または懸濁物であってもよい。このような粉末状配合物、エアロゾル化した配合物および/またはエアロゾル化した配合物は、分注すると、平均粒径および/または平均液滴のサイズは、約0.1〜約200nmの範囲であり、本明細書に記載の1つ以上のさらなる成分を含んでもよい。

本発明の医薬組成物は、眼投与に適した配合物で、調製され、包装され、および/または販売されてもよい。このような配合物は、例えば、例えば、活性成分0.1/1.0%(w/w)の水性または油性の液体担体の溶液および/または懸濁物を含む点眼薬の形態であってもよい。このような点眼薬は、緩衝化剤、塩および/または本明細書に記載の1つ以上の他のさらなる成分を含んでもよい。有用な他の眼投与用配合物としては、活性成分を微晶質形態および/またはリポソーム製剤に含む配合物が挙げられる。点薬および/または点眼薬は、本発明の範囲内であることが想定されている。

配合物および/または薬剤の製造に関する一般的な考察は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 21st ed.、Lippincott Williams & Wilkins、2005に記載されている。

(投与) いくつかの実施形態では、治療的に有効量の本発明の医薬組成物を、疾患、障害および/または状態であると診断される前、診断と同時、および/または診断された後に、患者および/または臓器に送達する。いくつかの実施形態では、治療的に有効量の本発明の医薬組成物を、疾患、障害および/または状態を発症する前、発症と同時、および/または発症した後に、患者および/または臓器に送達する。いくつかの実施形態では、本発明の複合物の量は、疾患、障害および/または状態疾患、障害および/または状態の1つ以上の症状または特徴を治療し、改善し、軽減し、回復し、発症を遅らせ、進行を抑制し、重篤度を減らし、および/または発生率を減らすのに十分な量である。

本組成物は、本発明の方法にしたがって、治療に有効な任意の量および治療に有効な任意の投与経路で投与してもよい。実際に必要な量は、被験体によって変わり、被験体の種族、年齢および全体的な状態、感染の重篤度、特定の組成物、投与態様、活性態様などによって変わる。本発明の組成物は、典型的には、投与しやすく、均一に投薬できるように、単位投薬形態で配合される。しかし、本発明の組成物の1日の合計使用量は、妥当な医学的判断の範囲内で主治医が決めることが理解されるであろう。任意の特定の被験体または臓器にとって特に治療的に有効な投薬量は、種々の因子(治療される障害および障害の重篤度;使用する特定の活性成分の活性;使用する特定の組成物;被験体の年齢、体重、全体的な健康状態、性別および食事;投与時間、投与経路および使用する特定の活性成分の排出速度;治療継続期間;使用する特定の活性成分と組み合わせて、または同時に使用する薬物;および医学分野で周知の同様の因子を含む)によって変わる。

本発明の医薬組成物は、任意の経路で投与されてもよい。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、種々の経路(経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、くも膜下、皮下、脳室内、経皮、真皮内、直腸、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、クリームおよび/または液滴によって)、粘膜、経鼻、口腔、腸内、舌下;気道内、気管支内への注入および/または吸入;および/または経口スプレー、経鼻スプレーおよび/またはエアロゾル)で投与される。特に想定される経路は、静脈注射による全身投与、血液および/またはリンパによる局所的投与、および/または罹患部位への直接投与である。一般的に、最も適切な投与経路は、薬剤の性質(例えば、胃腸管環境での安定性)、被験体の状態(例えば、被験体が経口投与に耐えられるかどうか)などの種々の因子によって変わる。現時点で、肺および/または呼吸器系に直接治療薬剤を送達するには、経口および/または経鼻スプレーおよび/またはエアロゾルによる経路が、最も一般的に使用される。しかし、本発明は、薬物送達の科学において利点があると考えられる任意の適切な経路による、本発明の医薬組成物の送達を包含する。

特定の実施形態では、本発明の複合物は、所望の治療効果を得るために、1日あたり、被験体の体重1kgあたり、約0.001mg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、約0.1mg/kg〜約40mg/kg、約0.5mg/kg〜約30mg/kg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kgまたは約1mg/kg〜約25mg/kgを送達するのに十分な投薬濃度で、1日に1回以上投与されてもよい。望ましい投薬量を、1日に3回、1日に2回、1日に1回、1日おき、3日おき、1週間おき、2週間おき、3週間おき、または4週間おきに送達してもよい。特定の実施形態では、望ましい投薬量を、複数回に分けて投与して送達してもよい(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、またはそれ以上の回数投与)。

いくつかの実施形態では、本発明は、本発明のポリペプチドを含む「治療カクテル」を包含する。いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドは、複数の標的に結合可能な1種類の物質を含む。いくつかの実施形態では、異なる本発明のポリペプチドは、異なる部分を標的化する物質を含み、異なる部分を標的化する全ての物質を、同じ標的に結合させることもできる。いくつかの実施形態では、異なる本発明のポリペプチドは、異なる部分を標的化する物質を含み、異なる部分を標的化する全ての物質を、異なる標的に結合させることもできる。いくつかの実施形態では、このような異なる標的は、同じ細胞種と関係があってもよい。いくつかの実施形態では、このような異なる標的は、異なる細胞種と関係があってもよい。

本発明のポリペプチドおよび本発明の医薬組成物を、組み合わせ治療で使用可能であることも理解されるであろう。組み合わせ計画で使用するための特定の治療(治療薬または手技)の組み合わせは、所望の治療薬および/または手技の適合性、および達成される所望の治療効果を考慮する。使用される治療によって、同じ目的の所望の効果を達成してもよく(例えば、腫瘍の検出に有用な本発明の複合体を、腫瘍の検出に有用な別の薬剤と同時に投与してもよい)、または異なる効果を達成してもよい(例えば、任意の副作用の制御)。

本発明の医薬組成物は、単独で投与されてもよいし、1つ以上の他の治療薬剤と組み合わせて投与されてもよい。「〜と組み合わせて」とは、薬剤を同時に投与しなければならないこと、および/または一緒に送達するために配合しなければならないことを意図していないが、これらの送達方法も、本発明の範囲内である。この組成物は、1つ以上の他の所望の治療薬または手技と同時に、1つ以上の他の所望の治療薬または手技の前または後に投与することができる。一般的に、それぞれの薬剤は、その薬剤について決定された投薬量および/または時間計画に沿って投与する。さらに、本発明は、本発明の医薬組成物を、組成物のバイオアベイラビリティを高め、代謝を減らし、および/または代謝を調節し、排泄を抑制し、および/または体内での分配を調節する薬剤と組み合わせて送達することを包含する。

組み合わせ計画で使用するための治療(治療薬および/または手技)の特定の組み合わせは、所望の治療薬および/または手技の適合性、および/または達成される所望の治療効果を考慮する。使用する治療は、同じ障害について所望の効果を達成してもよく(例えば、本発明のポリペプチドを、同じ障害を治療するのに使用する別の生体活性を有する薬剤と同時投与してもよく)、および/または異なる効果を達成してもよい(例えば、任意の副作用の制御)。いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドは、米国食品医薬品局で承認された、第2の生体活性を有する薬剤とともに投与される。

この組み合わせで使用する生体で活性のある薬剤の量は、1個の組成物で一緒に投与されてもよいし、異なる組成物で別個に投与されてもよいことも、さらに理解されるであろう。

一般的に、この組み合わせで使用する生体で活性のある薬剤が、個々に使用される濃度を超えない濃度で使用されることも予想される。いくつかの実施形態では、組み合わせで使用される濃度は、個々に使用される濃度よりも低い。

いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、任意の生体で活性のある薬剤と組み合わせて投与してもよいし、癌の1つ以上の症状または特徴を治療し、改善し、軽減し、回復し、発症を遅らせ、進行を抑制し、重篤度を減らし、および/または発生率を減らすのに有用な治療計画と組み合わせて投与してもよい。例えば、本発明の組成物は、従来の癌治療(限定されないが、外科手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、免疫療法、補完療法または代替療法、およびこれらの任意の組み合わせ)と組み合わせて投与してもよい。

いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、腫瘍を除去する手術と組み合わせて投与してもよい。患者の残った体へのダメージは最小限にするか、またはまったくダメージを与えずに、腫瘍を完全に除去することが、典型的な癌治療の最終目標であるため、手術は、腫瘍の一部分または全部を物理的に除去するために行うことが多い。手術で腫瘍を完全に除去することが不可能な場合、さらなる治療(例えば、化学療法、ホルモン療法、免疫療法、補完療法または代替療法)を使用してもよい。

いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、放射線療法と組み合わせて投与してもよい。放射線療法(放射線治療、X線治療またはX線照射とも呼ばれる)は、電離放射線を使用し、癌細胞を殺し、腫瘍を小さくする。放射線療法を使用し、脳癌、乳癌、頸癌、喉頭癌、肺癌、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌、胃癌、子宮癌または軟組織肉腫を含む、ほとんどの種類の固体腫瘍を治療してもよい。放射線を使用し、白血病およびリンパ腫を治療することもできる。放射線療法は、外部ビーム放射線療法(EBRT)を介して外側から投与してもよく、または小線源療法によって内側から投与してもよい。典型的には、放射線療法の効果は、局所的であり、治療領域に限定される。放射線療法は、遺伝物質に傷をつけ、腫瘍細胞が成長し、分割するのを防ぐことによって、治療される領域(例えば、標的臓器、組織および/または細胞)の腫瘍に損傷を与えるか、または破壊する。一般的に、放射線療法は、近くに存在する健康な組織への損傷を制限しつつ、可能な限り多くの腫瘍細胞を損傷させようと試みる。したがって、複数回投薬し、各回の間に健康な組織を回復させることが多い。

いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、免疫療法と組み合わせて投与される。免疫療法は、種々の癌の形態で使用可能な、腫瘍に対する免疫機構を使用するものである。例えば、乳癌(例えば、トラスツズマブ/Herceptin(登録商標))、白血病(例えば、ゲムツズマブオゾガマイシン/Mylotarg(登録商標))および非ホジキン型リンパ腫(例えば、リツキシマブ/Rituxan(登録商標))。いくつかの実施形態では、免疫療法剤は、問題となっている癌細胞に特徴的なタンパク質に対するモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、免疫療法剤は、免疫系の応答を調節するサイトカインである。いくつかの実施形態では、免疫療法剤は、ワクチンであってもよい。

いくつかの実施形態では、ワクチンは、癌の発症を予防および/または遅らせるために投与することができる。いくつかの実施形態では、癌ワクチンは、発癌性感染因子による感染を予防することによって、癌の発症を予防および/または遅らせる。いくつかの実施形態では、癌ワクチンは、癌に特異的なエピトープに対する免疫応答を作り出すことによって、癌の発症を予防および/または遅らせる。癌ワクチンの一例を与えるために、HPV 16型および18型の実験ワクチンは、この種のHPVの感染を100%予防することが示され、主要な頸癌の大部分を予防することができる(Harperら、2004、Lancet、364:1757)。

いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、補完的および代替的な医薬治療と組み合わせて投与される。いくつかの例示的な補完測定としては、限定されないが、植物性医薬(例えば、固体腫瘍を治療するために、従来の化学療法と組み合わせてヤドリギ抽出物を使用);化学療法に関連する悪心および吐き気を管理し、手術に関連する痛みを制御するための鍼;祈り;精神的なアプローチ(例えば、「想像」または瞑想)は、痛みの緩和に役立つか、または気分を高める。いくつかの例示的な代替的な測定としては、限定されないが、食事および他のライフスタイルの変更(例えば、野菜中心の食事、グレープダイエットおよびキャベツダイエット)が挙げられる。

いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、嫌な、不快な、および/または危険な副作用があることの多い、本明細書に記載の任意の癌治療と組みわせて投与される。例えば、慢性疼痛は、癌自体または治療(すなわち、手術、放射線、化学療法)によって組織が連続的に損傷を受ける結果生じることが多い。この代わりに、またはこれに加えて、このような治療は、髪の抜け落ち、悪心、吐き気、下痢、便秘、貧血、栄養失調、免疫系の抑制、感染、敗血症、出血、二次的な新生物、心臓毒性、肝臓毒性、腎臓毒性、中毒性難聴などを伴うことも多い。したがって、本明細書に記載の従来の癌治療のいずれかと組み合わせて投与される本発明の組成物は、癌治療の一つ以上の副作用の発生を治療し、改善し、軽減し、回復し、発症を遅らせ、進行を抑制し、重篤度を減らし、および/または発生率を減らすのに有用な治療薬または治療計画と組み合わせて投与してもよい。いくつかの例を与えるために、疼痛を、オピオイドおよび/鎮痛薬(例えば、モルヒネ、オキシコドン、制吐薬など)で治療することができ、悪心および嘔吐を、5−HT3阻害剤(例えば、ドラセトロン/Anzemet(登録商標)、グラニセトロン/Kytril(登録商標)、オンダンセトロン/Zofran(登録商標)、パロンセトロン/Aloxi(登録商標))および/またはサブスタンスP阻害剤(例えば、アプレピタント/Emend(登録商標))で治療することができ、免疫抑制を、輸血で治療することができ、感染および/または敗血症を、抗生物質(例えば、ペニシリン、テトラサイクリン、セファロスポリン、スルホンアミド、アミノ配糖体など)で治療することができる。

いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、癌の一つ以上の症状または特徴を診断するのに有用な任意の治療薬剤または治療計画(例えば、腫瘍の存在を検出し、および/または位置を検出する)と組み合わせて投与されてもよく、および/または本発明の診断法は、任意の治療薬剤または治療計画と組み合わせて行われてもよい。いくつかの実施形態では、本発明の複合体は、一つ以上の他の診断薬と組み合わせて使用されてもよい。一例を与えるために、腫瘍を検出するのに使用する複合体は、腫瘍の検出に有用な他の薬剤と組み合わせて投与してもよい。例えば、本発明の複合体を、従来の組織生検と組み合わせて投与し、その後、免疫組織化学的染色試験および血清学的試験(例えば、前立腺血清抗原試験)を行ってもよい。これに代えて、またはこれに加えて、本発明の複合体を、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンおよび/またはMRIで使用するコントラスト剤と組み合わせて投与してもよい。

(キット) 本発明は、本発明の1つ以上のポリペプチドを含む、種々のキットを提供する。例えば、本発明は、本発明のポリペプチドと、使用指示書とを含むキットを提供する。キットは、複数の異なるポリペプチドを含んでいてもよい。キットは、多くのさらなる成分または試薬を任意の組み合わせて含んでもよい。あらゆる種々の組み合わせが明示的に記載されているわけではないが、これらの組み合わせは、本発明の範囲に含まれる。

本発明の特定の実施形態によれば、キットは、例えば、(i)送達される1つ以上の本発明のポリペプチドおよび1つ以上の特定の生体で活性のある薬剤と、(ii)処置の必要な被験体に複合体を投与するための指示書とを含んでもよい。

キットは、典型的には、例えば、プロトコルを含み、および/または本発明のポリペプチドを製造する条件、本発明のポリペプチドを処置の必要な被験体に投与する条件、本発明の新規ポリペプチドを設計する条件などを記載する指示書を含む。キットは、一般的に、1つ以上の入れ物または容器を含み、本発明の成分および試薬のいくつかまたは全部を別個に入れてもよい。キットは、個々の容器を閉じる手段(市販の比較的厳重な密閉手段、例えば、プラスチックの箱)を備えていてもよく、指示書、発泡スチレンのような包装材料などが入っていてもよい。識別子(例えば、バーコード、無線識別(ID)タグなど)が、キットの内部または表面に存在していてもよいし、キットに含まれる1つ以上の入れ物または容器の内部または表面に存在していてもよい。識別子を使用し、例えば、品質の制御、棚卸の制御、運搬、作業場への移動などの目的で、キットを個々に特定することができる。

以下の実施例によって、本発明をさらに特定的に示す。しかし、本発明は、これらの実施例によって、いかなる様式にも限定されない。

(実施例1 タンデム閉環メタセシスによる、αらせんペプチドのステッチング) ステッチングされたペプチドのスピロ結合を与えるビスオレフィンアミノ酸には、ビス−ペンテニルグリシン(B5)を選択した(図1D)。1個の炭化水素ステープリングを用いた試験から、S配置であり、N末端S5残基と組み合わせる場合、B5の炭素鎖長5が、C末端でのi,i+4ステープリングに最適であり、R配置であり、C末端S8残基と組み合わせる場合、B5の炭素鎖長5が、N末端でのi,i+7ステープリングに最適であることが確立された(Schafmeisterら、J.Am.Chem.Soc.(2000)122:5891−5892)。N末端にS5(i)、中央部にB5(i+4)、C末端にS8(i+4+7)を有し、4個の末端オレフィンを有するペプチドは、電気的には等価であるが、ペプチド骨格に対する結合の観点から、位置化学的に異なっている。

分子内反応経路のみを考慮すると、タンデム−RCMによって、3種類の位置異性体生成物2、3および4を得ることができる(図1A)。RCM中に、B5の2個のオレフィンが互いに反応(反応a)して得られる9員環は、残基内RCMで生成する他のものよりも小さい環であるため、この2個のオレフィンが優先的に互いに反応する可能性が、特に興味深い。

あらゆる可能な反応経路を観察するために、本願発明者らは、RNase AのC−ペプチドの配列を用いた単離によって試験する、モデル試験を行った(Bierzynski、A.;Kim、P.S.;Baldwin、R.L.Proc.Acad.Sci.U.S.A.1982、79、2470−2474)。反応aを試験するために、B5のみを組み込むことによって、RCMには適していない基質であるモデルペプチドを設計した(表5のII)。この物質は、おそらくシクロノネニル生成物Aを生じる遷移状態に環のひずみがあるため、文献では、シクロノネニル生成物を得るRCMの例は報告されていない。Fmocアミノ酸B5のエチルエステルも、同様の条件下でシクロノネニル生成物は得られておらず、代わりに、唯一の生成物として、二量体の18員環メタセシス生成物が生成した(スキーム2)。

a20mol% Grubbs触媒4bをジクロロメタン中で用い、完全に保護されたペプチドを有する固体支持体で、メタセシスを行った。b樹脂から開裂させた後、逆相HPLCで決定した場合の変換率[生成物/(生成物+出発物質)]。c新しい触媒を用いて、2回目の2時間メタセシス反応を行った後の生成物の収率。dRCM生成物は検出されなかった。e星印は、α−アミノイソ酪酸(Aib)をあらわし、この物質は、α,α−二置換アミノ酸S5およびS8のらせん安定化効果を模倣するために組み込まれた。f二重RCM生成物。

反応bを試験するために作成したペプチドも、感知できるほどの量の生成物を得ることはできなかった(表5のIII)。この結果から、a+bタンデム−RCM経路は好ましくないことが示され、残ったそれ以外の2つの経路は、c+dとe+fであった。モデルペプチドでは、反応cは起こらず、dのみが中程度の収率で進行した(それぞれ、IVおよびV)。一方、種々の試験結果から予想されるように、反応eおよび反応fは、効率よく進行した(それぞれ、VIおよびVII)(Schafmeister、C.E.;Po、J.;Verdine、G.L.J.Am.Chem.Soc.2000、122、5891−5892を参照)。これらのペプチドで、RCMが優れた選択性で進行することは、VIとIVを比較すれば明らかであり、1個の立体中心の配座が逆になると、ほぼ定量的に進行した反応が起こらなくなる。

6種類の1箇所のRCM反応のうち、最も効果的な2種類の反応は、eおよびfであった。この優先的な反応性は、ステッチングされたらせんを導入するのに必要な、全部で4個のオレフィン連結部を含有するペプチドを用いて保持され、e+f経路は、生成物4を高純度で与えるのに十分なほど、有利な反応である。このことを試験するために、本願発明者らは、ペプチド1を合成し、上述の成分を反応させたのと同じ条件下でRCM反応させ、ペプチドを脱保護し、生成物をLCMSで分析した。生成した混合物の90%を単一生成物のピークが占めており、残りは、未反応の出発物質であった。この生成物は、タンデムメタセシスの予想生成物の分子量を有していた(すなわち、1からエチレン2モル当量を引いた分子量)。Edman分解によって、オレフィンを含有するアミノ酸のみがRCM反応で変化することがわかった。樹脂に結合した1で、2回目のRCM反応を行い、本願発明者らは、生成物の変換率を98%より高くすることができた。1箇所のRCM反応の結果、タンデム−RCM生成物として4が最も生成しやすい構造であることがわかり、2個の可能なステッチングされた生成物3および4のコンピュータ分析によって、この結果を確認した。分子モデリングによって、生成物4の二重結合異性体のうち、最もエネルギーが低いものは、3の最も安定な異性体のエネルギーよりも約15kcal/mol低いことが示された。この結果は、一部には、生成物3で生じる3箇所のsyn−ペンタン相互作用によるものである。コンピュータ分析によって、i,i+4オレフィンがcisの配置をとることによって、約2.5kcal/mol有利になることが示され、i,i+7オレフィンには、このような配置の偏りはなく、したがって、元々の触媒が有しているtransオレフィンを生成しやすい性質が優先する。

円二色性(CD)を測定し、好ましい配座に対するステッチングの効果と、ペプチドの熱安定性を決定した。ステッチングされたペプチド4は、αらせんに特徴的なCD値を示しているが、1箇所ステープリングされたペプチド5および6よりも、温度の影響を受けにくかった(図2A、2Bおよび3B)。実際に、5は、57℃で競争的な融解転移を受けるが、95℃でも、50%を超えるペプチド4がαらせん性を保持していた。(さらなる融解データは、図4を参照)。ペプチド4がペプチド5よりもらせん安定性が大きいことは、トリプシン消化に対する抵抗性を高めることにも関与し、非常に大量のトリプシン存在下で、ステッチングされたペプチド4の半減期はほぼ3時間を示した(172分、図2C)。

i+4+4構造を有する、ステッチングされたペプチドを生成する可能性を調べるために、本願発明者らは、片側での規則(half−site rule)を再び適用し、ペプチド7を設計した(表1のXI)。この基質は、効率よくRCMを受け、二重に架橋した生成物が得られた。コンピュータ分析により、ステッチングされた生成物8(図1C)のオレフィンは、安定なαらせんを生成するためには、両方ともcis配置でなければならない。8は、ステープリングされたペプチド5よりも明らかにらせん性が大きく、i+4+7ステッチングされたペプチド4よりもらせん性が小さいことが示され、8の見かけ融解挙動が複雑なため、正確なTmの決定はできなかった。

(一般的な実験法) 市販の溶媒および試薬は、他の意味であると示されていない限り、購入した状態のまま使用した。テトラヒドロフラン(THF)は、乾燥窒素下、ベンゾフェノン存在下、ナトリウム金属を加えて蒸留した。ジクロロメタン(CH2Cl2)は、乾燥窒素下、水素化カルシウムを加えて蒸留した。水分に感受性の高い試薬を用いる反応は、不活性な乾燥アルゴン雰囲気下で行った。すべてのガラス器具は、使用前に乾燥し、すべての液体は、乾燥したシリンジと針で移動させた。すべてのNMRスペクトルは、Varian Mercury 400型分光計で記録した。1H NMRスペクトルおよび13C NMRスペクトルの化学シフト(δ)は、それぞれ、残った溶媒のプロトンまたは炭素に対するppmで報告した。高解像度ESIマススペクトルは、LCT質量分析計(Micromass Inc.、Beverly、MA)で得た。ペプチドは、9.4×250mm Agilent C18逆相カラムを用い、Agilent 1100型HPLCを用い、逆相HPLCで精製した。精製したペプチドの分析は、Agilent 1100型LC/MSD電子スプレー捕捉法によって、3.5×150mm Agilent C18逆相カラムで行った。

スキーム1.Fmoc保護されたビス−ペンテニルグリシンB5の合成

(エチル 2−(ジフェニルメチレンアミノ)−2−(ペンタ−4−エニル)ヘプタ−6−エノエート(11)) N−(ジフェニルメチレン)グリシンエチルエステル10のジアルキル化ですでに記載した手順を改変した後、その手順を使用した(Denmark、S.E.;Stavenger、R.A.;Faucher、A.−M.;Edwards、J.P.J.Org.Chem.1997、62、3375−3389を参照)。N−(ジフェニルメチレン)グリシンエチルエステル10(13.63g、51mmol)のTHF(250mL)溶液を撹拌し、−78℃で、KHMDS(11.2g、56.1mmol、1.1当量)のTHF(56mL)溶液をカニューレで15分かけて加えた。−78℃で1時間撹拌した後、得られた橙色溶液を5−ヨード−1−ペンテン(12g、61.2mmol、1.2当量)で処理した。反応混合物を室温まで加温し、2時間撹拌した。得られた懸濁物を−40℃まで冷却し、KHMDS(15.3g、76.5mmol、1.5当量)のTHF(77mL)溶液を、カニューレで15分かけて加え、1時間撹拌した。ワイン色の混合物に、5−ヨード−1−ペンテン(16g、81.6mmol、1.6当量)をすばやく加え、反応物を一晩で室温まで加温した(16時間)。反応物に飽和NH4Cl水溶液(100mL)を加えて反応を停止させた。有機物を酢酸エチルで抽出し(150mL×2回)、Na2S2O3溶液で洗浄し、塩水で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を減圧下で一晩乾燥し、さらに精製することなく次の反応で使用した。

(エチル 2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−2−(ペンタ−4−エニル)ヘプタ−6−エノエート(12)) 粗エチル 2−(ジフェニルメチレンアミノ)−2−(ペンタ−4−エニル)ヘプタ−6−エノエート11(18.2g、45.1mmol)のエチルエーテル(200mL)溶液を撹拌し、0℃で6N 塩酸溶液(45mL)を45分かけて加え、得られた混合物をさらに15分間撹拌した。有機物をエチルエーテルで抽出し(100mL×2回)、エーテル層を合わせ、濃縮した。残渣をアセトン(75mL)に溶解し、これにN−(9−フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド(16g、47.5mmol、1.05当量)のアセトン(75mL)溶液、炭酸ナトリウム(19.1g、180.4mmol、4.0当量)の水(150mL)溶液を連続して加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。生成物を酢酸エチルで抽出し(150mL×2回)、有機層を合わせ、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(7%酢酸エチル n−ヘキサン溶液で溶出)で精製し、12を白色固体として得た。

(2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−2−(ペンタ−4−エニル)ヘプタ−6−エン酸(B5)) エステルのアルキル化ですでに記載した手順を改変した後、その手順を使用した(Nodeら、J.Org.Chem.1981、46、1991)。臭化アルミニウム(22.4g、84.0mmol、3.0当量)のメチルスルフィド(90mL)溶液を撹拌し、0℃でエチル 2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−2−(ペンタ−4−エニル)ヘプタ−6−エノエート12(12.7g、27.5mmol)のジクロロメタン(90mL)溶液を15分かけてゆっくりと加えた。得られた混合物を室温まで加温し、24時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、希HClで酸性にした。生成物をジクロロメタンで抽出し(100mL×2回)、有機層を合わせ、塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残った黄色がかった固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(7%メタノール−ジクロロメタン溶液で溶出)で精製し、B5を白色固体として得た。

スキーム2.Fmoc保護されたビス−ペンテニルグリシンエチルエステル12のメタセシス

(Fmoc保護されたビス−ペンテニルグリシンエチルエステル12の閉環メタセシス) Fmoc保護されたビス−ペンテニルグリシンエチルエステル12(116mg、0.25mmol)の1,2−ジクロロエタン溶液(脱気、0.005Mを50mL)を、第1世代のGrubbs触媒(41 mg、0.05mmol、20mol%)存在下、室温で撹拌した。19時間後、反応混合物のLC/MSデータから、未反応の出発物質は5%しか残っておらず、二量体環化生成物15の少なくとも5種類の異なる異性体が生成していることが示された。単量体環化生成物13は検出されなかった。中間体14は検出されず、このことは、第2のメタセシス(分子内RCM)が速やかに進行することを示している。溶媒を減圧下で除去した後、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(12.5% 酢酸エチル−ヘキサン溶液で溶出)で精製し、白色泡状物として得た。

(ペプチド合成) 0.66mmol/gの付加能力を有するRink Amide MBHA樹脂(NovaBiochem)に対し、Fmoc化学を用い、ペプチドを調製した。使用前に、乾燥状態の樹脂を1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)で15分間湿らせた。25%ピペリジンのNMP溶液で処理し(5分間×3回)、Fmoc保護基を脱保護した。NMP中、天然アミノ酸を、2−(6−クロロ−1−H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスフェート(HCTU)を活性薬剤として用い、10当量のFmoc保護されたアミノ酸、20当量のジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)と30分間カップリングさせた。オレフィンを有する非天然アミノ酸をカップリングさせる場合、4当量のアミノ酸、8当量のDIPEAを用い、2時間反応させた。カップリング反応または脱保護反応の後、樹脂を、NMPで洗浄し(3分×3回)、CH2Cl2で洗浄し(3分×5回)、NMPで洗浄した(3分×3回)。最後のFmocを脱保護した後、NMP中、30当量の無水酢酸および60当量のDIPEAで2時間処理することによって、遊離N末端をアセチル化した。

(メタセシスおよび精製) 樹脂に結合し、N末端にキャップをしたペプチドの閉環メタセシスを、脱気した1,2−ジクロロエタン(DCE)中、20mol% Grubbs触媒を用いて室温で2時間行った。メタセシスが終了しなかったら、反応溶液を取り出し、樹脂を新しい触媒でさらに2時間処理した。樹脂をDCEで洗浄し(3分間×5回)、CH2Cl2で洗浄し(3分間×5回)、メタノールで洗浄し(3分間×3回)、減圧下で一晩乾燥した。トリフルオロ酢酸/トリイソプロピルシラン/水(95/2.5/2.5)の混合物で2時間処理することによって樹脂からペプチドを開裂させ、冷ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。遠心分離によって沈殿を集め、冷ジエチルエーテルで2回洗浄した。粗ペプチドをメタノールに溶解し、濾過して樹脂を除去し、逆相HPLCで精製し、純粋なペプチド生成物を得た。

(電子スプレーイオン化質量分析法(ESI−MS)) ペプチド9。C75H111N20O21のESIMS[M+H]+ 計算値1627.8、実測値 1627.6。

ペプチド4。C91H137N20O19のESIMS[M+H]+ 計算値 1814.0、実測値 1814.0。

ペプチド6。C82H123N20O19のESIMS[M+H]+ 計算値 1691.9、実測値 1691.6. ペプチド5。C85H129N20O19のESIMS[M+H]+ 計算値 1734.0、実測値 1734.0。

ペプチド8。C88H131N20O19のESIMS[M+H]+ 計算値 1772.0、実測値 1772.0。

(円二色性) 所定濃度になるようにペプチドを水に溶解し、吸光度分光計で濃度を決定した(トリプトファンの吸光係数ε280=5690cm−1)。Jasco J−710分光偏光計に温度制御器を取り付け、以下の標準的な測定パラメータを用い、円二色性スペクトルを集めた。解像度0.5nm、速度20nm/秒、繰り返し回数10、応答時間1秒、バンド幅1nm、経路長0.1cm。すべてのスペクトルからバックグランドを引いた後、均一のモル楕円率に変換した。各ペプチド(94〜100μM)の温度依存性CDスペクトルを種々の温度で(4°Cと、10℃から90℃まで10℃ごと)、260〜185nmまで記録した。ペプチド4について、種々のペプチド濃度(18、48、70および118μM)で、20℃でCDを測定した。熱変性曲線を作成するために、各ペプチド(94〜100μM)の222nmでの楕円率を、温度を3°C/分でゆっくりと上げながら、4℃から95℃まで1℃ごとに測定した。Tmを得るために、本願発明者らは、信頼区間が95%のすでに記載されている二段階モデルを用い、熱変性曲線を分析した(Favrin、G.;Irbaeck、A.;Samuelsson、B.;Wallin、S.Biophysic.J.2003、85、1457−1465を参照)。ステッチングされたペプチド4および8は、この温度範囲では、競争的な融解転移をおこさず、したがって、この方法ではTmを決定することができなかった。しかし、95℃でも、50%を超えるペプチド4がαらせん性を保持していた。

(ペプチド消化アッセイ) 寒天に固定されたトリプシン(Pierce、カタログ番号20230)0.4mLを、消化バッファ0.8mL(0.1M NH4HCO3バッファ、pH8.0)で洗浄した。各洗浄液を遠心分離した後、バッファからゲルを分離した。この洗浄済酵素を、消化バッファ1.6mLに懸濁させた。ペプチドの消化バッファ溶液(24M)350μLを、酵素懸濁物150μLと混合し、得られた混合物をすばやく振とうしながら、室温で10分、30分、90分、135分、180分インキュベーションした。酵素を濾過することによってインキュベーションを停止させ、濾液に残った基質を、HPLCによって280nmでピークを検出して定量した。消化アッセイは、反応速度が一次であることがわかった。Kaleidaグラフ(Synergy Software)を用い、時間(分)に対してln[S]をプロットし、線形回帰分析によって半減期t1/2を決定した(t1/2=ln2/傾き、傾き:4.04±0.16×10−5min−1(4);7.11±0.66×10−5min−1(5))。

(分子モデリング試験) らせん状態のそれぞれのリンカーが、すべて低いエネルギー構造をとるようなMonte Carlo構造探索を行った。MC構造探索の出発構造を作成するために、MacroModel’s Maestro GUI(Macromodel、v.9.1、Schrodinger、LLC、New York、NY、2005)を用い、右回りのらせん構造をもつ15残基のポリアラニンペプチドを構築した。炭化水素架橋を手動で加え、架橋部分ではないすべての原子を固定しつつ、完全に最少化させた。それぞれの異性体について、2種類の10,000段階のMonte Carlo構造探索を別個に行った。すべての計算値について、Macromodel(Macromodel、v.9.1、Schrodinger、LLC、New York、NY、2005)で実施されたように、OPLS2005力場を用いてエネルギーを評価した。すべての最少化について、Polak−Ribiere Conjugate Gradient(PRCG)法を使用し、gradient normを最少化する収束基準を<0.05kJ/mol−Åに設定した。本願発明者らは、GB/SA溶媒和処理を使用し(Still、W.C.;Tempczyk、A.;Hawlely、R.C.;Hendrickson、T.A.、A General Treatment of Solvation for Molecular Mechanics.J.Am.Chem.Soc.1990、112、6127−6129)、すべてのメタセシス反応を1,2−ジクロロメタン中で行っていたため、溶媒をクロロホルムとしてモデリングした。結合双極子のカットオフ値を使用し、静電期間およびGB期間を除外した。結合ではないとするカットオフ値は以下の通りであった。Van der Waalsでは8Å、電荷−電荷では99999.0Å(事実上無限大)、電荷−双極子では203/2Å(89.4Å)、双極子−双極子では20Å。それぞれの骨格二面角度に調和拘束(harmonic constraint)(100kJ/mol)を設定し、探索中は、らせん構造が維持されるようにした。Monte Carlo探索の各段階で、2〜5の架橋二面角を任意に選択し、この値を0〜180°の範囲で調節した。各オレフィンに対し、各段階でC末端のC−C結合を調節して一時的に破壊し、架橋に沿って二面角を変動させ、二面角を変えた後に、結合を再び接続した。少ない段階で収束しなければ、500段階までの各段階で最少化させた後、大域的最小点が50kJ以内の構造を保存した。探索後、残った構造をすべて完全に最少化させ、重複する構造(RMSD<0.25Å)を削除しつつ、大域的最小点が15kJ以内のすべての構造を保存した。1回目の操作から得た構造と、2回目の操作から得た構造を保存した後に得られた新しい構造の数はそれほど多くはなく、これにより、構造空間を完全に探索したことが示唆される。

(i,i+4,i+4+7系の分子モデリング試験(ペプチド4とペプチド3)) 分子モデリングにより、生成物4の二重結合異性体のうち、最もエネルギーが低いものは、3の最も安定な異性体のエネルギーよりも約15kcal/mol低いことが示された(表6)。この結果は、一部には、生成物3で生じる3箇所のsyn−ペンタン相互作用によるものであり、2箇所は、スピロ結合にあり、1箇所はステープリングのN末端にある(図11、CおよびD)。生成物4では、本願発明者らは、i,i+4ステープリングのcis型の二重結合では約2.5kcal/mol有利になることも発見している。i,i+7ステープリングの二重結合には、このような配置の偏りはみられないが、この異性体にはエネルギーの低い状態が存在するため、cis型の二重結合がエントロピー的に有利であると考えられる(表6の31と18)。

aエネルギーは、最もエネルギーの低い異性体の大域的最小点と比較した場合の大域的最小点であり;絶対エネルギーは、カッコ内に記載している。b各異性体の大域的最小点が15kJ/mol(3.59kcal)以内にある配座の数。

(i,i+4,i+4+4系の分子モデリング試験(ペプチド8とペプチド16)) 分子モデリングにより、生成物8の二重結合異性体のうち、最もエネルギーが低いものは、16の最も安定な異性体のエネルギーよりも約14kcal/mol低いことが示された(表7)。この結果は、一部には、生成物16で生じる4箇所のsyn−ペンタン相互作用によるものであり、2箇所は、スピロ結合にあり、1箇所は、ペプチド骨格の架橋の末端接続部のいずれかにある(図12、CおよびD)。本願発明者らは、生成物8のcis/cis異性体が、最もエネルギー的に有利な生成物であることを発見している。i,i+4結合にtrans型二重結合が付加することは約2kcal不利であり、i+4,i+4+4ステープリングでtrans型をcis型に変えると約6kcal有利になる。興味深いことに、生成物16の異性体のうち、最もエネルギーが低いものはtrans/trans異性体である。N末端のcis結合で約0.5kcal費やし、C末端をcis結合に変えると、約1.5kcal不利になる。

aエネルギーは、最もエネルギーの低い異性体の大域的最小点と比較した場合の大域的最小点であり;絶対エネルギーは、カッコ内に記載している。b各異性体の大域的最小点が15kJ/mol(3.59kcal)以内にある配座の数。

(複数回のステッチングの例) ペプチドが3個以上の架橋で安定化される可能性を観察するために、ペプチド17(図13)を、固体支持体上で位置iにS5と、i+4とi+8に2個のB5と、i+12にS5とを含有するように設計し、ジクロロエタン溶媒中、30% Grubbs触媒を用いて閉環メタセシスを行った。所定時間に、ペプチドを含有する樹脂を反応容器から少量取り出し(図14)、開裂させた後、生成物をLCMSで分析した。LCMSから、1箇所および2箇所でステープリングされた中間体が生成し、そのほとんどが最終的には消費されていることが明らかに示された。生成した混合物の90%を単一生成物のピークが占めており、この生成物は、3回架橋した予想生成物の分子量を有していた(ペプチド24)。iおよびi+4の位置にB5を有するモデルペプチド(図15のペプチド25)からは、二重にステープリングされた化合物27は得られず、1箇所でステープリングされた生成物26のみが得られた。それに加え、位置iにR5を含有し、i+4にS5を含有するモデルペプチド(ペプチド28)はRCM反応を受けず、ペプチド29も生成しなかった(図15)。このモデル試験から得た結果から、図13に示すペプチド24が、三重架橋生成物として最も可能性の高い構造であることが示された。この結果は、合理的な設計によって、ペプチド系に4個以上の架橋を導入することも可能であることを示唆している。

(実施例2 さらにステッチングされたペプチド) (さらにステッチングされたペプチド I:他のRNases Aアナログ)

(さらにステッチングされたペプチド II:FITC標識されたRNases Aアナログ)

(さらにステッチングされたペプチド III:親水性のステッチングされたペプチドアナログ)

(さらにステッチングされたペプチド IV:HIV−RREを標的とするRev系ペプチド)

(さらにステッチングされたペプチド V:HIF−1αを標的とするARNT系ペプチド)

(さらにステッチングされたペプチド VI:hDM−2およびhDMxを標的とするp53系ペプチド)

(さらにステッチングされたペプチド VII:BCL−XLを標的とするBID−BH3系ペプチド)

(さらにステッチングされたペプチド VIII:Idタンパク質を標的とするhE47系ペプチド)

(さらにステッチングされたペプチド IX:GLP−1受容体を標的とするGLP−1系ペプチド)

(さらにステッチングされたペプチド X:Hepatitis Cウイルスを標的とするNS5A系ペプチド)

(さらにステッチングされたペプチド XI:Mycを標的とするMax系ペプチド)

(さらにステッチングされたペプチド XII:MITFを標的とするMITF系ペプチド)

(省略語のリスト)

*

は、別のC−C二重結合の半分と接続する、C−C二重結合の半分を指す(ステッチングされたペプチドの「ステープリング」)。

(他の実施形態) 本発明の特定の非限定的な好ましい実施形態を上に記載した。当業者は、この記載に対する種々の変更および改変が、添付の特許請求の範囲に定義されるような本発明の精神または範囲を逸脱することなくなされることを理解するであろう。

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