リボ核タンパク質トランスフェクション薬剤

申请号 JP2018519320 申请日 2016-10-14 公开(公告)号 JP2018532404A 公开(公告)日 2018-11-08
申请人 ライフ テクノロジーズ コーポレーション; 发明人 ユー, シン; リアン, シクアン; ド モレラ デュ ジュ, ザビエル; ポッター, ロバート ジェイソン;
摘要 特にリボ核タンパク質複合体(例えば、Cas9/ガイドRNA複合体)の細胞内への送達に有用な組成物及び方法が本明細書に提供される。本明細書に提供される組成物及び方法は、リボ核タンパク質複合体の多能性細胞及びリンパ管細胞内への送達に特に有用である。 【選択図】図2
权利要求

リボ核タンパク質複合体と、脂質凝集体形成カチオン性脂質と、エンハンサ要素と、を含む、組成物。前記リボ核タンパク質複合体が、エンドヌクレアーゼと、リボ核酸とを含む、請求項1に記載の組成物。前記エンドヌクレアーゼが、CRISPR関連タンパク質9(Cas9)であり、前記リボ核酸が、ガイドRNAである、請求項1または2に記載の組成物。前記脂質凝集体形成カチオン性脂質が、以下の式の構造を有し、 式中、 R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が独立して、素、ハロゲン、−CY3、−CN、−C(O)OH、−CH2C(O)OH、−C(O)NH2、−OH、−SH、−SO2Cl、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NO2、−NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールであり、 L1及びL2が独立して、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NH−、−NH−、−NHC(O)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2NH−、−NHS(O)2−、置換もしくは非置換のアルキレン、または置換もしくは非置換のヘテロアルキレンであり、 lが、1〜8の整数であり、 X−が、アニオンであり、 Yが、−F、−Cl、−Br、または−Iである、請求項1〜3の一項に記載の組成物。前記脂質凝集体形成カチオン性脂質が、以下の式の構造を有し、 式中、 nが、1〜6の整数である、請求項1〜4の一項に記載の組成物。前記脂質凝集体形成カチオン性脂質が、以下の式の構造を有し、 式中、 mが、1〜10の整数であり、 o及びpが独立して、8〜30の整数である、請求項1〜5に記載の組成物。R1が、置換または非置換のヘテロアルキルである、請求項1〜6の一項に記載の組成物。前記エンハンサ要素が、核局在化シグナル配列に共有結合されるポリアミン部分を含む、請求項1〜7の一項に記載の組成物。前記ポリアミン部分が、スペルミン部分である、請求項8に記載の組成物。前記ポリアミン部分が、複数のスペルミン部分である、請求項8に記載の組成物。前記ポリアミン部分が、前記エンハンサ要素のN末端に結合される、請求項8〜10の一項に記載の組成物。前記エンハンサ要素が、配列番号1〜配列番号46の配列を含む、請求項1〜11の一項に記載の組成物。前記エンハンサ要素が、少なくとも2つの核局在化シグナル(NLS)配列を含む、請求項1〜11の一項に記載の組成物。ドナー核酸をさらに含む、請求項1〜13の一項に記載の組成物。真核細胞をさらに含む、請求項1〜14の一項に記載の組成物。前記真核細胞が、多能性細胞、リンパ管細胞、または肝細胞である、請求項15に記載の組成物。前記多能性細胞が、誘導性多能性細胞または胚性幹細胞である、請求項16に記載の組成物。前記リンパ管細胞が、T細胞である、請求項16に記載の組成物。前記組成物が、細胞培養物をさらに含む、請求項1〜18の一項に記載の組成物。細胞トランスフェクション組成物を形成する方法であって、 (i)リボ核酸、エンドヌクレアーゼ、及びエンハンサ要素を接触させることにより、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を形成することと、 (ii)脂質凝集体形成カチオン性脂質を前記リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体と接触させることにより、細胞トランスフェクション組成物を形成することと、を含む、方法。ステップ(i)の前記接触させることが、前記リボ核酸を前記エンドヌクレアーゼと接触させることにより、リボ核タンパク質を形成することを含む、請求項20に記載の方法。前記リボ核タンパク質が、前記エンハンサ要素と接触させられることにより、前記リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を形成する、請求項21に記載の方法。ステップ(i)の前記接触させることが、 (ia)前記リボ核酸を前記エンドヌクレアーゼと接触させることにより、リボ核タンパク質を形成することと、 (ib)前記リボ核タンパク質を前記エンハンサ要素と接触させることにより、前記リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を形成することと、を含む、請求項20に記載の方法。前記リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体が、第1の槽内にあり、前記脂質凝集体形成カチオン性脂質が、第2の槽内にある、請求項20または23の一項に記載の方法。前記リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体が、前記第2の槽内で前記脂質凝集体形成カチオン性脂質と接触させられる、請求項24に記載の方法。前記リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体が、前記第1の槽内で前記脂質凝集体形成カチオン性脂質と接触させられる、請求項24に記載の方法。ステップ(i)の前記接触させることが、生理学的に許容される溶液中で行われる、請求項20〜26の一項に記載の方法。ステップ(ii)の前記接触させることが、生理学的に許容される溶液中で行われる、請求項20〜27の一項に記載の方法。前記生理学的に許容される溶液が、細胞培養培地である、請求項27または28の一項に記載の方法。前記エンドヌクレアーゼが、CRISPR関連タンパク質9(Cas9)であり、前記リボ核酸が、ガイドRNAである、請求項20〜29の一項に記載の方法。前記リボ核酸が、ガイドRNAである、請求項20〜30の一項に記載の方法。前記脂質凝集体形成カチオン性脂質が、以下の式の構造を有し、 式中、 R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が独立して、水素、ハロゲン、−CY3、−CN、−C(O)OH、−CH2C(O)OH、−C(O)NH2、−OH、−SH、−SO2Cl、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NO2、−NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールであり、 L1及びL2が独立して、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NH−、−NH−、−NHC(O)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2NH−、−NHS(O)2−、置換もしくは非置換のアルキレン、または置換もしくは非置換のヘテロアルキレンであり、 lが、1〜8の整数であり、 X−が、アニオンであり、 Yが、−F、−Cl、−Br、または−Iである、請求項20〜31の一項に記載の方法。前記脂質凝集体形成カチオン性脂質が、以下の式の構造を有し、 式中、 nが、1〜6の整数である、請求項20〜32の一項に記載の方法。前記脂質凝集体形成カチオン性脂質が、以下の式の構造を有し、 式中、 mが、1〜10の整数であり、 o及びpが独立して、8〜30の整数である、請求項20〜33の一項に記載の方法。R1が、置換または非置換のヘテロアルキルである、請求項32〜29の一項に記載の方法。前記エンハンサ要素が、核局在化シグナル配列に共有結合されるポリアミン部分を含む、請求項20〜35の一項に記載の方法。前記ポリアミン部分が、スペルミン部分である、請求項36に記載の方法。前記ポリアミン部分が、複数のスペルミン部分である、請求項36または37に記載の方法。前記ポリアミン部分が、前記エンハンサ要素のN末端に結合される、請求項36〜38の一項に記載の方法。前記エンハンサ要素が、配列番号1〜配列番号46の配列を含む、請求項20〜39の一項に記載の方法。前記エンハンサ要素が、少なくとも2つの核局在化シグナル(NLS)配列を含む、請求項20〜40の一項に記載の方法。(ii)における前記接触させることの前に、前記リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体をドナー核酸と接触させることをさらに含む、請求項20〜41の一項に記載の方法。細胞トランスフェクション組成物を形成する方法であって、 (i)脂質凝集体形成カチオン性脂質を、第1の反応槽内で細胞培養培地と接触させることにより、脂質凝集体形成カチオン性脂質培地を形成することと、 (ii)リボ核酸、エンドヌクレアーゼ、及びエンハンサ要素を、第2の反応槽内で接触させることにより、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を形成することと、 (iii)前記脂質凝集体形成カチオン性脂質培地を、前記第2の反応槽内で前記リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体と接触させることにより、細胞トランスフェクション組成物を形成することと、を含む、方法。細胞トランスフェクション組成物を形成する方法であって、 (i)リボ核酸、エンドヌクレアーゼ、及びエンハンサ要素を、第1の反応槽内で接触させることにより、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を形成することと、 (ii)脂質凝集体形成カチオン性脂質を、第2の反応槽内で細胞培養培地と接触させることにより、脂質凝集体形成カチオン性脂質培地を形成することと、 (iii)前記リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を、前記第2の反応槽内で前記脂質凝集体形成カチオン性脂質培地と接触させることにより、細胞トランスフェクション組成物を形成することと、を含む、方法。前記リボ核タンパク質複合体が、エンドヌクレアーゼと、リボ核酸とを含む、請求項43または44に記載の方法。前記エンドヌクレアーゼが、CRISPR関連タンパク質9(Cas9)であり、前記リボ核酸が、ガイドRNAである、請求項43〜45の一項に記載の方法。前記脂質凝集体形成カチオン性脂質が、以下の式の構造を有し、 式中、 R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9が独立して、水素、ハロゲン、−CY3、−CN、−C(O)OH、−CH2C(O)OH、−C(O)NH2、−OH、−SH、−SO2Cl、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NO2、−NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールであり、 L1及びL2が独立して、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NH−、−NH−、−NHC(O)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2NH−、−NHS(O)2−、置換もしくは非置換のアルキレン、または置換もしくは非置換のヘテロアルキレンであり、 lが、1〜8の整数であり、 X−が、アニオンであり、 Yが、−F、−Cl、−Br、または−Iである、請求項43〜46の一項に記載の方法。前記脂質凝集体形成カチオン性脂質が、以下の式の構造を有し、 式中、 nが、1〜6の整数である、請求項43〜47の一項に記載の方法。前記脂質凝集体形成カチオン性脂質が、以下の式の構造を有し、 式中、 mが、1〜10の整数であり、 o及びpが独立して、8〜30の整数である、請求項43〜48の一項に記載の方法。前記エンハンサ要素が、核局在化シグナル配列に共有結合されるポリアミン部分を含む、請求項43〜49の一項に記載の方法。前記ポリアミン部分が、スペルミン部分である、請求項50に記載の方法。前記ポリアミン部分が、複数のスペルミン部分である、請求項50に記載の方法。前記ポリアミン部分が、前記エンハンサ要素のN末端に結合される、請求項50〜52の一項に記載の方法。前記エンハンサ要素が、配列番号1〜配列番号46の配列を含む、請求項43〜53の一項に記載の方法。前記エンハンサ要素が、少なくとも2つの核局在化シグナル(NLS)配列を含む、請求項43〜54の一項に記載の方法。(iii)における前記接触させることの前に、前記リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体をドナー核酸と接触させることをさらに含む、請求項43に記載の方法。真核細胞と、リボ核タンパク質複合体と、脂質凝集体形成カチオン性脂質と、エンハンサ要素と、を含む、インビトロ細胞培養物。前記真核細胞が、多能性細胞、リンパ管細胞、または肝細胞である、請求項57に記載のインビトロ細胞培養物。前記多能性細胞が、誘導性多能性細胞または胚性幹細胞である、請求項58に記載のインビトロ細胞培養物。前記リンパ管細胞が、T細胞である、請求項58に記載のインビトロ細胞培養物。前記培養物が、約20%〜約60%コンフルエントである、請求項57〜60の一項に記載のインビトロ細胞培養物。前記培養物が、約40%未満コンフルエントである、請求項57〜61の一項に記載のインビトロ細胞培養物。前記培養物が、約30%コンフルエントである、請求項57〜62の一項に記載のインビトロ細胞培養物。前記培養物が、約40%コンフルエントである、請求項57〜63の一項に記載のインビトロ細胞培養物。リボ核タンパク質複合体を細胞内にトランスフェクトする方法であって、細胞を請求項1〜19の一項に記載の組成物と接触させることを含む、方法。前記接触させることの前に、請求項43または請求項44により記載されるような細胞トランスフェクション組成物を形成することをさらに含む、請求項65に記載の方法。

说明书全文

相互参照 本出願は、2015年10月14日出願の米国仮出願第62/241,559号に対して35 U.S.C.§119(e)のもとで優先権を主張し、これは、本出願を以って一般的に保有され、本明細書に完全に記載されるように、参照によりその全体が本明細書に明白に組み込まれる。

配列表 本出願はここで、参照により、本出願と共に同時出願された電子配列表の資料を組み込む。電子配列表内の資料は、ASCII形式で電子提出され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2016年10月14日に作成された該ASCIIコピーは、LT01100_SL.txtと名前を付けられ、サイズは22,543バイトである。

CRISPR技術における最近の進歩により、研究者が細胞及び回路をインビボで効率的に操作できるようになっている。しかしながら、Cas9ヌクレアーゼのオフターゲット効果の可能性は、治療応用に関して大きな懸念事項を残す。最近、高編集効率及び低減されたオフターゲット効果に起因して、精製されたCas9タンパク質及びgRNA複合体(Cas9 RNP)の送達に対する注目が高まっている。Cas9 RNPは、電気穿孔を介して哺乳動物細胞に送達され得るが、使用のし易さ、低コスト、及び高処理量システムに対する適合に起因して好ましい送達方法である脂質媒介トランスフェクションは、Cas9 RNPの送達において非効率である。特に、多能性幹細胞及びリンパ管由来細胞は、脂質媒介方法論を使用するCAS9 RNPによるトランスフェクションに耐性がある。したがって、当技術分野において、これらの細胞内への核酸、タンパク質、及び/またはリボ核タンパク質の送達を可能にするトランスフェクション組成物及び方法が必要とされている。本明細書に提供される発明は、これら及び当技術分野における他の短所に対処する。

第1の態様において、リボ核タンパク質複合体と、脂質凝集体形成カチオン性脂質と、エンハンサ要素とを含む組成物が提供される。

別の態様において、細胞トランスフェクション組成物を形成する方法が提供される。本方法は、(i)リボ核酸、エンドヌクレアーゼ、及びエンハンサ要素を接触させることにより、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を形成するステップと、(ii)脂質凝集体形成カチオン性脂質をリボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体と接触させることにより、細胞トランスフェクション組成物を形成するステップとを含む。

別の態様において、細胞トランスフェクション組成物を形成する方法が提供される。本方法は、(i)脂質凝集体形成カチオン性脂質を、第1の反応槽内で細胞培養培地と接触させることにより、脂質凝集体形成カチオン性脂質培地を形成するステップと、(ii)第2の反応槽内でリボ核酸、エンドヌクレアーゼ、及びエンハンサ要素を接触させることにより、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を形成するステップと、(iii)第2の反応槽内で脂質凝集体形成カチオン性脂質培地をリボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体と接触させることにより、細胞トランスフェクション組成物を形成するステップとを含む。

別の態様において、細胞トランスフェクション組成物を形成する方法が提供される。本方法は、(i)第1の反応槽内でリボ核酸、エンドヌクレアーゼ、及びエンハンサ要素を接触させることにより、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を形成するステップと、(ii)第2の反応槽内で脂質凝集体形成カチオン性脂質を細胞培養培地と接触させることにより、脂質凝集体形成カチオン性脂質培地を形成するステップと、(iii)第2の反応槽内でリボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を脂質凝集体形成カチオン性脂質培地と接触させることにより、細胞トランスフェクション組成物を形成するステップとを含む。

別の態様において、真核細胞と、リボ核タンパク質複合体と、脂質凝集体形成カチオン性脂質と、エンハンサ要素とを含むインビトロ細胞培養物が提供される。

別の態様において、リボ核タンパク質複合体を細胞内にトランスフェクトする方法が提供される。本方法は、細胞を、実施形態を含む本明細書に提供される組成物と接触させることを含む。

図1A〜1D。LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)の識別96ウェル形式で6つの異なる細胞株を使用して60個超のトランスフェクション試薬をスクリーニングするために、体系的なDOE(実験計画)取り組みを使用した。方法の項を参照されたい。ゲノム切断効率を出として使用した。ここで、48個の試薬のみ(x軸ビン)が、4つの異なる細胞株(A549、HEK293、Hela、及びHepG2)で示された。トランスフェクション試薬47(矢印)は、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を示す。細胞型の凡例:上から下のパネル:A549、HEK293、Hela、HepG2。インデル%:「挿入及び欠失パーセント。」

図1A〜1D。LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)の識別96ウェル形式で6つの異なる細胞株を使用して60個超のトランスフェクション試薬をスクリーニングするために、体系的なDOE(実験計画)取り組みを使用した。方法の項を参照されたい。ゲノム切断効率を出力として使用した。ここで、48個の試薬のみ(x軸ビン)が、4つの異なる細胞株(A549、HEK293、Hela、及びHepG2)で示された。トランスフェクション試薬47(矢印)は、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を示す。細胞型の凡例:上から下のパネル:A549、HEK293、Hela、HepG2。インデル%:「挿入及び欠失パーセント。」

図1A〜1D。LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)の識別96ウェル形式で6つの異なる細胞株を使用して60個超のトランスフェクション試薬をスクリーニングするために、体系的なDOE(実験計画)取り組みを使用した。方法の項を参照されたい。ゲノム切断効率を出力として使用した。ここで、48個の試薬のみ(x軸ビン)が、4つの異なる細胞株(A549、HEK293、Hela、及びHepG2)で示された。トランスフェクション試薬47(矢印)は、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を示す。細胞型の凡例:上から下のパネル:A549、HEK293、Hela、HepG2。インデル%:「挿入及び欠失パーセント。」

図1A〜1D。LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)の識別96ウェル形式で6つの異なる細胞株を使用して60個超のトランスフェクション試薬をスクリーニングするために、体系的なDOE(実験計画)取り組みを使用した。方法の項を参照されたい。ゲノム切断効率を出力として使用した。ここで、48個の試薬のみ(x軸ビン)が、4つの異なる細胞株(A549、HEK293、Hela、及びHepG2)で示された。トランスフェクション試薬47(矢印)は、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を示す。細胞型の凡例:上から下のパネル:A549、HEK293、Hela、HepG2。インデル%:「挿入及び欠失パーセント。」

LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を使用する細胞トランスフェクションの一般的なプロトコルを描写する図式。

図3A〜3I。Cas9 RNP複合体及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体の安定性。Cas9 RNP複合体及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)のマスタ混合を、OPTI−MEM(登録商標)培地中で調製した。Cas9 RNP、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)、及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体のインキュベーション時間は、従属変数であった。示された時点で、OPTI−MEM(登録商標)内のCas9 RNP複合体の分割量を、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)の分割量に添加し、示された時間の間インキュベートし、その後、A549、HEK293、及びHela細胞それぞれに添加した。トランスフェクションの48時間後、ゲノム切断効率を判定した。図3A〜3C:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9 RNP複合体の安定性。図3D〜3F:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるOPTI−MEM(登録商標)のCRISPRMAX(商標)の安定性。図3G〜3I:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9RNP及びCRISPRMAX(商標)複合体の安定性。

図3A〜3I。Cas9 RNP複合体及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体の安定性。Cas9 RNP複合体及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)のマスタ混合を、OPTI−MEM(登録商標)培地中で調製した。Cas9 RNP、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)、及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体のインキュベーション時間は、従属変数であった。示された時点で、OPTI−MEM(登録商標)内のCas9 RNP複合体の分割量を、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)の分割量に添加し、示された時間の間インキュベートし、その後、A549、HEK293、及びHela細胞それぞれに添加した。トランスフェクションの48時間後、ゲノム切断効率を判定した。図3A〜3C:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9 RNP複合体の安定性。図3D〜3F:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるOPTI−MEM(登録商標)のCRISPRMAX(商標)の安定性。図3G〜3I:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9RNP及びCRISPRMAX(商標)複合体の安定性。

図3A〜3I。Cas9 RNP複合体及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体の安定性。Cas9 RNP複合体及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)のマスタ混合を、OPTI−MEM(登録商標)培地中で調製した。Cas9 RNP、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)、及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体のインキュベーション時間は、従属変数であった。示された時点で、OPTI−MEM(登録商標)内のCas9 RNP複合体の分割量を、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)の分割量に添加し、示された時間の間インキュベートし、その後、A549、HEK293、及びHela細胞それぞれに添加した。トランスフェクションの48時間後、ゲノム切断効率を判定した。図3A〜3C:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9 RNP複合体の安定性。図3D〜3F:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるOPTI−MEM(登録商標)のCRISPRMAX(商標)の安定性。図3G〜3I:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9RNP及びCRISPRMAX(商標)複合体の安定性。

図3A〜3I。Cas9 RNP複合体及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体の安定性。Cas9 RNP複合体及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)のマスタ混合を、OPTI−MEM(登録商標)培地中で調製した。Cas9 RNP、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)、及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体のインキュベーション時間は、従属変数であった。示された時点で、OPTI−MEM(登録商標)内のCas9 RNP複合体の分割量を、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)の分割量に添加し、示された時間の間インキュベートし、その後、A549、HEK293、及びHela細胞それぞれに添加した。トランスフェクションの48時間後、ゲノム切断効率を判定した。図3A〜3C:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9 RNP複合体の安定性。図3D〜3F:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるOPTI−MEM(登録商標)のCRISPRMAX(商標)の安定性。図3G〜3I:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9RNP及びCRISPRMAX(商標)複合体の安定性。

図3A〜3I。Cas9 RNP複合体及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体の安定性。Cas9 RNP複合体及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)のマスタ混合を、OPTI−MEM(登録商標)培地中で調製した。Cas9 RNP、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)、及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体のインキュベーション時間は、従属変数であった。示された時点で、OPTI−MEM(登録商標)内のCas9 RNP複合体の分割量を、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)の分割量に添加し、示された時間の間インキュベートし、その後、A549、HEK293、及びHela細胞それぞれに添加した。トランスフェクションの48時間後、ゲノム切断効率を判定した。図3A〜3C:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9 RNP複合体の安定性。図3D〜3F:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるOPTI−MEM(登録商標)のCRISPRMAX(商標)の安定性。図3G〜3I:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9RNP及びCRISPRMAX(商標)複合体の安定性。

図3A〜3I。Cas9 RNP複合体及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体の安定性。Cas9 RNP複合体及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)のマスタ混合を、OPTI−MEM(登録商標)培地中で調製した。Cas9 RNP、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)、及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体のインキュベーション時間は、従属変数であった。示された時点で、OPTI−MEM(登録商標)内のCas9 RNP複合体の分割量を、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)の分割量に添加し、示された時間の間インキュベートし、その後、A549、HEK293、及びHela細胞それぞれに添加した。トランスフェクションの48時間後、ゲノム切断効率を判定した。図3A〜3C:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9 RNP複合体の安定性。図3D〜3F:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるOPTI−MEM(登録商標)のCRISPRMAX(商標)の安定性。図3G〜3I:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9RNP及びCRISPRMAX(商標)複合体の安定性。

図3A〜3I。Cas9 RNP複合体及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体の安定性。Cas9 RNP複合体及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)のマスタ混合を、OPTI−MEM(登録商標)培地中で調製した。Cas9 RNP、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)、及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体のインキュベーション時間は、従属変数であった。示された時点で、OPTI−MEM(登録商標)内のCas9 RNP複合体の分割量を、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)の分割量に添加し、示された時間の間インキュベートし、その後、A549、HEK293、及びHela細胞それぞれに添加した。トランスフェクションの48時間後、ゲノム切断効率を判定した。図3A〜3C:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9 RNP複合体の安定性。図3D〜3F:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるOPTI−MEM(登録商標)のCRISPRMAX(商標)の安定性。図3G〜3I:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9RNP及びCRISPRMAX(商標)複合体の安定性。

図3A〜3I。Cas9 RNP複合体及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体の安定性。Cas9 RNP複合体及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)のマスタ混合を、OPTI−MEM(登録商標)培地中で調製した。Cas9 RNP、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)、及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体のインキュベーション時間は、従属変数であった。示された時点で、OPTI−MEM(登録商標)内のCas9 RNP複合体の分割量を、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)の分割量に添加し、示された時間の間インキュベートし、その後、A549、HEK293、及びHela細胞それぞれに添加した。トランスフェクションの48時間後、ゲノム切断効率を判定した。図3A〜3C:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9 RNP複合体の安定性。図3D〜3F:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるOPTI−MEM(登録商標)のCRISPRMAX(商標)の安定性。図3G〜3I:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9RNP及びCRISPRMAX(商標)複合体の安定性。

図3A〜3I。Cas9 RNP複合体及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体の安定性。Cas9 RNP複合体及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)のマスタ混合を、OPTI−MEM(登録商標)培地中で調製した。Cas9 RNP、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)、及びCas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体のインキュベーション時間は、従属変数であった。示された時点で、OPTI−MEM(登録商標)内のCas9 RNP複合体の分割量を、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)の分割量に添加し、示された時間の間インキュベートし、その後、A549、HEK293、及びHela細胞それぞれに添加した。トランスフェクションの48時間後、ゲノム切断効率を判定した。図3A〜3C:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9 RNP複合体の安定性。図3D〜3F:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるOPTI−MEM(登録商標)のCRISPRMAX(商標)の安定性。図3G〜3I:A549、HEK283、及びHela細胞それぞれにおけるCas9RNP及びCRISPRMAX(商標)複合体の安定性。

図4A〜4C。トランスフェクション効率を調節する要因。LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を介するCas9 RNPの送達。A549、HEK293、HepG2、Hela、MCF−7、及びU2OSを、2つの細胞密度で96ウェルプレート上に播種し、次いで、0.2または0.4μlのいずれかのLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を使用して、40ngのCas9タンパク質及び8.5ngのgRNA(1X)、80ngのCas9タンパク質及び17ngのgRNA(2X)、または120ngのCas9タンパク質及び25.5ngのgRNA(3X)のいずれかでトランスフェクトした。編集効率を、トランスフェクションの48時間後に判定した。Alpha Imagerを使用してインデルパーセンテージを判定し、JMP11ソフトウェアを使用して得られたデータを処理した。Cas9 RNP(図4A)の用量、細胞密度(図4B)、及びトランスフェクション試薬の量(図4C)によるインデル%のANOVA(分散分析)分析を、6つの異なる細胞株にわたって行った。

図4A〜4C。トランスフェクション効率を調節する要因。LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を介するCas9 RNPの送達。A549、HEK293、HepG2、Hela、MCF−7、及びU2OSを、2つの細胞密度で96ウェルプレート上に播種し、次いで、0.2または0.4μlのいずれかのLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を使用して、40ngのCas9タンパク質及び8.5ngのgRNA(1X)、80ngのCas9タンパク質及び17ngのgRNA(2X)、または120ngのCas9タンパク質及び25.5ngのgRNA(3X)のいずれかでトランスフェクトした。編集効率を、トランスフェクションの48時間後に判定した。Alpha Imagerを使用してインデルパーセンテージを判定し、JMP11ソフトウェアを使用して得られたデータを処理した。Cas9 RNP(図4A)の用量、細胞密度(図4B)、及びトランスフェクション試薬の量(図4C)によるインデル%のANOVA(分散分析)分析を、6つの異なる細胞株にわたって行った。

図4A〜4C。トランスフェクション効率を調節する要因。LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を介するCas9 RNPの送達。A549、HEK293、HepG2、Hela、MCF−7、及びU2OSを、2つの細胞密度で96ウェルプレート上に播種し、次いで、0.2または0.4μlのいずれかのLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を使用して、40ngのCas9タンパク質及び8.5ngのgRNA(1X)、80ngのCas9タンパク質及び17ngのgRNA(2X)、または120ngのCas9タンパク質及び25.5ngのgRNA(3X)のいずれかでトランスフェクトした。編集効率を、トランスフェクションの48時間後に判定した。Alpha Imagerを使用してインデルパーセンテージを判定し、JMP11ソフトウェアを使用して得られたデータを処理した。Cas9 RNP(図4A)の用量、細胞密度(図4B)、及びトランスフェクション試薬の量(図4C)によるインデル%のANOVA(分散分析)分析を、6つの異なる細胞株にわたって行った。

図5A〜5C。LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を使用する細胞毒性。(図5A)トランスフェクション前(0時間)及びトランスフェクションの48時間後(48時間)に、A549、Hela、及びヒト表皮ケラチノサイト(HEKa)の形態を、INCUCYTE(商標)器具により調査した。(図5B)トランスフェクションの48時間後に判定されたゲノム修飾効率を描写するヒストグラム。(図5C)細胞生存率を、トランスフェクション前(0時間)及びトランスフェクション後の48時間後にトリパンブルーにより測定した。ヒストグラムビンの凡例:0時間(斜線)、48時間(一色)。

図5A〜5C。LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を使用する細胞毒性。(図5A)トランスフェクション前(0時間)及びトランスフェクションの48時間後(48時間)に、A549、Hela、及びヒト表皮ケラチノサイト(HEKa)の形態を、INCUCYTE(商標)器具により調査した。(図5B)トランスフェクションの48時間後に判定されたゲノム修飾効率を描写するヒストグラム。(図5C)細胞生存率を、トランスフェクション前(0時間)及びトランスフェクション後の48時間後にトリパンブルーにより測定した。ヒストグラムビンの凡例:0時間(斜線)、48時間(一色)。

図5A〜5C。LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を使用する細胞毒性。(図5A)トランスフェクション前(0時間)及びトランスフェクションの48時間後(48時間)に、A549、Hela、及びヒト表皮ケラチノサイト(HEKa)の形態を、INCUCYTE(商標)器具により調査した。(図5B)トランスフェクションの48時間後に判定されたゲノム修飾効率を描写するヒストグラム。(図5C)細胞生存率を、トランスフェクション前(0時間)及びトランスフェクション後の48時間後にトリパンブルーにより測定した。ヒストグラムビンの凡例:0時間(斜線)、48時間(一色)。

図6A〜6F。Cas9 RNP及びドナーDNAの共送達。EmGFPを発現させるプラスミドDNAを、Cas9 RNPと共に、HCT116またはHEK293細胞のいずれかの中に共トランスフェクトした(図6A、6B)。代替的に、400bpのPCRフラグメントを、Cas9 RNPと共に、破壊されたEmGFP遺伝子を有する安定したGripTite HEK293(HEK293*)細胞株内に共送達した(Cas9 RNP/D)(図6C、6D)。Cas9 RNPまたはCas9プラスドナーDNA(Cas9/D)の送達は、対照の役割を果たした。トランスフェクションの48時間後、細胞をフローサイトメトリ分析及び遺伝的修飾アッセイにかけた。実験を三連で行った。図6E:凡例で示された条件下での相対パーセンテージを描写するヒストグラム。図6F:GFP+細胞のパーセンテージを描写するヒストグラム。ヒストグラムの凡例(左から右):Neg、Cas9/D、Cas9 RNP、Cas9 RNP/D。

図6A〜6F。Cas9 RNP及びドナーDNAの共送達。EmGFPを発現させるプラスミドDNAを、Cas9 RNPと共に、HCT116またはHEK293細胞のいずれかの中に共トランスフェクトした(図6A、6B)。代替的に、400bpのPCRフラグメントを、Cas9 RNPと共に、破壊されたEmGFP遺伝子を有する安定したGripTite HEK293(HEK293*)細胞株内に共送達した(Cas9 RNP/D)(図6C、6D)。Cas9 RNPまたはCas9プラスドナーDNA(Cas9/D)の送達は、対照の役割を果たした。トランスフェクションの48時間後、細胞をフローサイトメトリ分析及び遺伝的修飾アッセイにかけた。実験を三連で行った。図6E:凡例で示された条件下での相対パーセンテージを描写するヒストグラム。図6F:GFP+細胞のパーセンテージを描写するヒストグラム。ヒストグラムの凡例(左から右):Neg、Cas9/D、Cas9 RNP、Cas9 RNP/D。

図6A〜6F。Cas9 RNP及びドナーDNAの共送達。EmGFPを発現させるプラスミドDNAを、Cas9 RNPと共に、HCT116またはHEK293細胞のいずれかの中に共トランスフェクトした(図6A、6B)。代替的に、400bpのPCRフラグメントを、Cas9 RNPと共に、破壊されたEmGFP遺伝子を有する安定したGripTite HEK293(HEK293*)細胞株内に共送達した(Cas9 RNP/D)(図6C、6D)。Cas9 RNPまたはCas9プラスドナーDNA(Cas9/D)の送達は、対照の役割を果たした。トランスフェクションの48時間後、細胞をフローサイトメトリ分析及び遺伝的修飾アッセイにかけた。実験を三連で行った。図6E:凡例で示された条件下での相対パーセンテージを描写するヒストグラム。図6F:GFP+細胞のパーセンテージを描写するヒストグラム。ヒストグラムの凡例(左から右):Neg、Cas9/D、Cas9 RNP、Cas9 RNP/D。

図6A〜6F。Cas9 RNP及びドナーDNAの共送達。EmGFPを発現させるプラスミドDNAを、Cas9 RNPと共に、HCT116またはHEK293細胞のいずれかの中に共トランスフェクトした(図6A、6B)。代替的に、400bpのPCRフラグメントを、Cas9 RNPと共に、破壊されたEmGFP遺伝子を有する安定したGripTite HEK293(HEK293*)細胞株内に共送達した(Cas9 RNP/D)(図6C、6D)。Cas9 RNPまたはCas9プラスドナーDNA(Cas9/D)の送達は、対照の役割を果たした。トランスフェクションの48時間後、細胞をフローサイトメトリ分析及び遺伝的修飾アッセイにかけた。実験を三連で行った。図6E:凡例で示された条件下での相対パーセンテージを描写するヒストグラム。図6F:GFP+細胞のパーセンテージを描写するヒストグラム。ヒストグラムの凡例(左から右):Neg、Cas9/D、Cas9 RNP、Cas9 RNP/D。

図6A〜6F。Cas9 RNP及びドナーDNAの共送達。EmGFPを発現させるプラスミドDNAを、Cas9 RNPと共に、HCT116またはHEK293細胞のいずれかの中に共トランスフェクトした(図6A、6B)。代替的に、400bpのPCRフラグメントを、Cas9 RNPと共に、破壊されたEmGFP遺伝子を有する安定したGripTite HEK293(HEK293*)細胞株内に共送達した(Cas9 RNP/D)(図6C、6D)。Cas9 RNPまたはCas9プラスドナーDNA(Cas9/D)の送達は、対照の役割を果たした。トランスフェクションの48時間後、細胞をフローサイトメトリ分析及び遺伝的修飾アッセイにかけた。実験を三連で行った。図6E:凡例で示された条件下での相対パーセンテージを描写するヒストグラム。図6F:GFP+細胞のパーセンテージを描写するヒストグラム。ヒストグラムの凡例(左から右):Neg、Cas9/D、Cas9 RNP、Cas9 RNP/D。

図6A〜6F。Cas9 RNP及びドナーDNAの共送達。EmGFPを発現させるプラスミドDNAを、Cas9 RNPと共に、HCT116またはHEK293細胞のいずれかの中に共トランスフェクトした(図6A、6B)。代替的に、400bpのPCRフラグメントを、Cas9 RNPと共に、破壊されたEmGFP遺伝子を有する安定したGripTite HEK293(HEK293*)細胞株内に共送達した(Cas9 RNP/D)(図6C、6D)。Cas9 RNPまたはCas9プラスドナーDNA(Cas9/D)の送達は、対照の役割を果たした。トランスフェクションの48時間後、細胞をフローサイトメトリ分析及び遺伝的修飾アッセイにかけた。実験を三連で行った。図6E:凡例で示された条件下での相対パーセンテージを描写するヒストグラム。図6F:GFP+細胞のパーセンテージを描写するヒストグラム。ヒストグラムの凡例(左から右):Neg、Cas9/D、Cas9 RNP、Cas9 RNP/D。

細胞操作におけるCRISPR技術を描写する図式。

Cas9のために利用可能な送達形式を描写する図式。

脂質スクリーニング実験計画を描写する図式。

図10A〜10F。Xa段階、Xb段階、及びN段階を用いる、Hela細胞(上方の列)及びA549細胞(下方の列)のための脂質スクリーニングの結果のヒストグラム。各ヒストグラムビン内で、試薬用量は、(左から右の順番で)0.1、0.2、0.4、及び0.6uL/ウェルであった。

図10A〜10F。Xa段階、Xb段階、及びN段階を用いる、Hela細胞(上方の列)及びA549細胞(下方の列)のための脂質スクリーニングの結果のヒストグラム。各ヒストグラムビン内で、試薬用量は、(左から右の順番で)0.1、0.2、0.4、及び0.6uL/ウェルであった。

図10A〜10F。Xa段階、Xb段階、及びN段階を用いる、Hela細胞(上方の列)及びA549細胞(下方の列)のための脂質スクリーニングの結果のヒストグラム。各ヒストグラムビン内で、試薬用量は、(左から右の順番で)0.1、0.2、0.4、及び0.6uL/ウェルであった。

図10A〜10F。Xa段階、Xb段階、及びN段階を用いる、Hela細胞(上方の列)及びA549細胞(下方の列)のための脂質スクリーニングの結果のヒストグラム。各ヒストグラムビン内で、試薬用量は、(左から右の順番で)0.1、0.2、0.4、及び0.6uL/ウェルであった。

図10A〜10F。Xa段階、Xb段階、及びN段階を用いる、Hela細胞(上方の列)及びA549細胞(下方の列)のための脂質スクリーニングの結果のヒストグラム。各ヒストグラムビン内で、試薬用量は、(左から右の順番で)0.1、0.2、0.4、及び0.6uL/ウェルであった。

図10A〜10F。Xa段階、Xb段階、及びN段階を用いる、Hela細胞(上方の列)及びA549細胞(下方の列)のための脂質スクリーニングの結果のヒストグラム。各ヒストグラムビン内で、試薬用量は、(左から右の順番で)0.1、0.2、0.4、及び0.6uL/ウェルであった。

図11A〜11F。Cas9/gRNAトランスフェクションにおけるペプチドのためのトランスフェクションエンハンサ実験の結果のヒストグラム。細胞株(左から右、上から下):U20S、HEK293、Hela、HepG2、A549、MCF7。全てのヒストグラムのY軸は、インデル%である。示された通りに脂質を添加した。

図11A〜11F。Cas9/gRNAトランスフェクションにおけるペプチドのためのトランスフェクションエンハンサ実験の結果のヒストグラム。細胞株(左から右、上から下):U20S、HEK293、Hela、HepG2、A549、MCF7。全てのヒストグラムのY軸は、インデル%である。示された通りに脂質を添加した。

図11A〜11F。Cas9/gRNAトランスフェクションにおけるペプチドのためのトランスフェクションエンハンサ実験の結果のヒストグラム。細胞株(左から右、上から下):U20S、HEK293、Hela、HepG2、A549、MCF7。全てのヒストグラムのY軸は、インデル%である。示された通りに脂質を添加した。

図11A〜11F。Cas9/gRNAトランスフェクションにおけるペプチドのためのトランスフェクションエンハンサ実験の結果のヒストグラム。細胞株(左から右、上から下):U20S、HEK293、Hela、HepG2、A549、MCF7。全てのヒストグラムのY軸は、インデル%である。示された通りに脂質を添加した。

図11A〜11F。Cas9/gRNAトランスフェクションにおけるペプチドのためのトランスフェクションエンハンサ実験の結果のヒストグラム。細胞株(左から右、上から下):U20S、HEK293、Hela、HepG2、A549、MCF7。全てのヒストグラムのY軸は、インデル%である。示された通りに脂質を添加した。

図11A〜11F。Cas9/gRNAトランスフェクションにおけるペプチドのためのトランスフェクションエンハンサ実験の結果のヒストグラム。細胞株(左から右、上から下):U20S、HEK293、Hela、HepG2、A549、MCF7。全てのヒストグラムのY軸は、インデル%である。示された通りに脂質を添加した。

図は、Cas9PLUS(商標)試薬が、Cas9/gRNAの送達を増強したことを示す結果を描写する。細胞型のカラム(左から右の順番で):A549、HEK293、Hela、HEpG2、MCF7、U20S。Y軸:GCD%。各細胞型の結果が描写される(左から右):Cas9PLUS(商標)試薬と組み合わされたLipofectamine(登録商標)CRISPRMAX(商標)試薬、及びLipofectamine(登録商標)RNAiMAX。

定義 本明細書で使用される略語は、化学的及び生物学的分野におけるそれらの従来の意味を有する。本明細書に記載される化学構造及び化学式は、化学的分野で既知の化学結合価の標準的なルールに従って構成される。

置換基が、左から右に記述されるそれらの従来の化学式により特定される場合、それらは、構造を右から左に記述することによる化学的に同一の置換基を等しく包含し、例えば、−CH2O−は、−OCH2−と同等である。

「アルキル」という用語は、それ自体または別の置換基の一部として、別途記載されない限り、直線(すなわち、非分岐)もしくは分岐状鎖、またはそれらの組み合わせを意味し、これは、完全に飽和、一不飽和、または多価不飽和され得、指定された炭素原子の数(すなわち、C1〜C10は、1個〜10個の炭素を意味する)を有する二価及び多原子価ラジカルを含み得る。アルキルは、未環化鎖である。飽和炭化素ラジカルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、(シクロへキシル)メチル、例えば、n−ペンチル、n−へキシル、n−ヘプチル、n−オクチルの相同体及び異性体などの基が含まれるが、これらに限定されない。不飽和アルキル基は、1つ以上の二重結合または三重結合を有するものである。不飽和のアルキル基の例には、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−及び3−プロピニル、3−ブチニル、ならびに高次相同体及び異性体が含まれるが、これらに限定されない。アルコキシは、酸素リンカー(−O−)を介して分子の残りに結合されたアルキルである。

「アルキレン」という用語は、それ自体または別の置換基の一部として、別途記載されない限り、−CH2CH2CH2CH2−により例示されるが、これに限定されないアルキルに由来する二価ラジカルを意味する。典型的には、アルキル(または、アルキレン)基は、1〜24個の炭素原子を有し、10個以下の炭素原子を有する基が好ましいであろう。「低級アルキル」または「低級アルキレン」は、C1〜C8アルキルまたはアルキレン基である。

「ヘテロアルキル」という用語は、それ自体または別の用語と組み合わせて、別途記載されない限り、安定した直線もしくは分岐状鎖、またはそれらの組み合わせを意味し、少なくとも1個の炭素原子、ならびにO、N、P、Si、及びSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子からなり、ここで、窒素及び硫黄原子は任意に、酸化され得、窒素ヘテロ原子は任意に、四級化され得る。ヘテロ原子(複数可)であるO、N、P、S、及びSiは、ヘテロアルキル基の任意の内部位置でまたはアルキル基が分子の残りに結合される位置で置き換えられ得る。ヘテロアルキルは、未環化鎖である。例には、−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−S−CH2−CH3、−CH2−CH2、−S(O)−CH3、−CH2−CH2−S(O)2−CH3、−CH=CH−O−CH3、−Si(CH3)3、−CH2−CH=N−OCH3、−CH=CH−N(CH3)−CH3、−O−CH3、−O−CH2−CH3、及び−CNが含まれるが、これらに限定されない。最大2個のヘテロ原子は、例えば、−CH2−NH−OCH3のように連続し得る。

同様に、「ヘテロアルキレン」という用語は、それ自体または別の置換基の一部として、別途記載されない限り、−CH2−CH2−S−CH2−CH2−及び−CH2−S−CH2−CH2−NH−CH2−により例示されるが、これらに限定されないヘテロアルキルに由来する二価ラジカルを意味する。ヘテロアルキレン基に関して、ヘテロ原子はまた、鎖末端(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)のいずれかまたはそれらの両方を占めることができる。なおもさらに、アルキレン及びヘテロアルキレン連結基に関して、連結基の配向は、連結基の式が記述される方向により示唆されない。例えば、式−C(O)2R’−は、−C(O)2R’−及び−R’C(O)2−の両方を表す。上述されるように、本明細書で使用される場合、ヘテロアルキル基は、−C(O)R’、−C(O)NR’、−NR’R’’、−OR’、−SR’、及び/または−SO2R’などのヘテロ原子を通して分子の残りに結合される基を含む。「ヘテロアルキル」が列挙され、その後、−NR’R’’または同様のものなどの特定のヘテロアルキル基の列挙が続く場合、ヘテロアルキル及び−NR’R’’という用語が重複ではないか、または相互排他的でないことが理解されるであろう。むしろ、明確にするために特定のヘテロアルキル基が列挙される。よって、「ヘテロアルキル」という用語は、−NR’R’’または同様のものなどの特定のヘテロアルキル基を排除すると本明細書で解釈されるべきではない。

「シクロアルキル」及び「ヘテロシクロアルキル」という用語は、それら自体でまたは他の用語と組み合わせて、別途記載されない限り、それぞれ「アルキル」及び「ヘテロアルキル」の環式バーションを意味する。シクロアルキル及びヘテロアルキルは、芳香族ではない。加えて、ヘテロシクロアルキルに関して、ヘテロ原子は、ヘテロ環が分子の残りに結合される位置を占めることができる。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどが含まれるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキルの例には、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニルなどが含まれるが、これらに限定されない。「シクロアルキレン」及び「ヘテロシクロアルキレン」は、単独でまたは別の置換基の一部としてそれぞれ、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルに由来する二価ラジカルを意味する。

「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、それら自体でまたは別の置換基の一部として、別途記載されない限り、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。加えて、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば、「ハロ(C1〜C4)アルキル」という用語は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピルなどを含むが、これらに限定されない。

「アシル」という用語は、別途記載されない限り、−C(O)Rを意味し、ここで、Rは、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。

「アリール」という用語は、別途記載されない限り、多価不飽和芳香族炭化水素置換基を意味し、これは、1つに融合(すなわち、融合環アリール)または共有連結される単一の環または複数の環(好ましくは1〜3つの環)であり得る。融合環アリールは、融合される環のうちの少なくとも1つがアリール環である1つに融合される複数の環を指す。「ヘテロアリール」という用語は、N、O、及びSから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含有するアリール基(または、環)を指し、ここで、窒素及び硫黄原子は任意に、酸化され、窒素原子(複数可)は任意に、四級化される。よって、「ヘテロアリール」という用語は、融合環ヘテロアリール基を含む(すなわち、融合環のうちの少なくとも1つがヘテロ芳香族環である場合、1つに融合される複数の環)。5,6融合環ヘテロアリレンは、1つに融合される2つの環を指し、ここで、一方の環は5つのメンバを有し、他方の環は6つのメンバを有し、少なくとも1つの環はヘテロアリール環である。同様に、6,6−融合環ヘテロアリレンは、一1つに融合される2つの環を指し、ここで、一方の環は6つのメンバを有し、他方の環は6つのメンバを有し、少なくとも1つの環はヘテロアリール環である。さらに、6,5融合環ヘテロアリレンは、1つに融合される2つの環を指し、ここで、一方の環は6つのメンバを有し、他方の環は5つのメンバを有し、少なくとも1つの環はヘテロアリール環である。ヘテロアリール基は、炭素原子またはヘテロ原子を通して分子の残りに結合され得る。アリール及びヘテロアリール基の非限定的な例には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル(purinyl)、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル、及び6−キノリルが含まれる。上述されるアリール及びヘテロアリール環系の各々の置換基は、以下に記載される許容可能な置換基の群から選択される。「アリレン」及び「ヘテロアリレン」は、単独でまたは別の置換基の一部としてそれぞれ、アリール及びヘテロアリールに由来する二価ラジカルを意味する。

簡潔にするために、「アリール」という用語は、他の用語と組み合わせて使用されるとき(例えば、アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキル)、上記で定義されるようなアリール及びヘテロアリール環の両方を含む。よって、「アリールアルキル」という用語は、ラジカルを含むことを意味し、ここで、アリール基は、炭素原子(例えば、メチレン基)が、例えば、酸素原子(例えば、フェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、3−(1−ナフチルオキシ)プロピルなど)により置き換えられているアルキル基を含むアルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチルなど)に結合される。

「オキソ」という用語は、本明細書で使用される場合、炭素原子に二重結合される酸素を意味する。

「アルキルスルホニル」という用語は、本明細書で使用される場合、式−S(O2)−R’を有する部分を意味し、式中、R’は、上記で定義されるようなアルキル基である。R’は、特定の数の炭素を有し得る(例えば、「C1〜C4アルキルスルホニル」)。

上記の用語(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」、及び「ヘテロアリール」)の各々は、示されたラジカルの置換及び非置換の形態の両方を含む。

アルキル及びヘテロアルキルラジカルの置換基(しばしばアルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、及びヘテロシクロアルケニルと称される基を含む)は、ゼロから(2m’+1)までの範囲の数で、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)2R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R’’、−NRSO2R’、−CN、及び−NO2から選択されるが、これらに限定されない多様な基のうちの1つ以上であり得、式中、m’は、かかるラジカル内の炭素原子の合計数である。R’、R’’、R’’’、及びR’’’’は各々好ましくは、独立して、水素、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール(例えば、1〜3つのハロゲンで置換されるアリール)、置換もしくは非置換のアルキル、アルコキシ、もしくはチオアルコキシ基、またはアリールアルキル基を指す。本明細書に開示される化合物が1つを超えるR基を含むとき、例えば、R基の各々は独立して、各R’、R’’、R’’’、及びR’’’’基であるとして選択されるが、これは、これらのうちの1つを超える基が存在する場合である。R’及びR’’が同じ窒素原子に結合されるとき、それらは、窒素原子と組み合わされて、4−、5−、6−、または7員環を形成し得る。例えば、−NR’R’’は、1−ピロリジニル及び4−モルホリニルを含むが、これらに限定されない。置換基の上記の考察から、当業者は、「アルキル」という用語は、ハロアルキル(例えば、−CF3及び−CH2CF3)及びアシル(例えば、−C(O)CH3、−C(O)CF3、−C(O)CH2OCH3など)などの、水素基以外の基に結合される炭素原子を含む基を含むことを意味することを理解するであろう。

アルキルラジカルに関して記載される置換基に類似して、アリール及びヘテロアリール基の置換基は変化し、かつ、ゼロから芳香環系上のオープン原子価の合計数までの範囲の数で、例えば、−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)2R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R’’、−NRSO2R’、−CN、−NO2、−R’、−N3、−CH(Ph)2、フルオロ(C1〜C4)アルコキシ、及びフルオロ(C1〜C4)アルキルから選択され、式中、R’、R’’、R’’’、及びR’’’’は好ましくは、独立して、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のヘテロアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、及び置換または非置換のヘテロアリールから選択される。本明細書に開示される化合物が1つを超えるR基を含むとき、例えば、R基の各々は独立して、各R’、R’’、R’’’、及びR’’’’基であるとして選択されるが、これは、これらのうちの1つを超える基が存在する場合である。

2つ以上の置換基は任意に結合されて、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル基を形成し得る。かかるいわゆる環形成置換基は典型的には、必須ではないが、環式基部構造に結合されることが見い出される。実施形態において、環形成置換基は、基部構造の隣接するメンバに結合される。例えば、環式基部構造の隣接するメンバに結合される2つの環形成置換基は、融合環構造を形成する。別の実施形態において、環形成置換基は、基部構造の単一のメンバに結合される。例えば、環式基部構造の単一のメンバに結合される2つの環形成置換基は、スピロ環式構造を形成する。さらに別の実施形態において、環形成置換基は、基部構造の隣接しないメンバに結合される。

アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つは任意に、式−T−C(O)−(CRR’)q−U−の環を形成し得、式中、T及びUは独立して、−NR−、−O−、−CRR’−、または単一の結合であり、qは、0〜3の整数である。代替的に、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つは任意に、式−A−(CH2)r−B−の置換基で置き換えられ得、式中、A及びBは独立して、−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2NR’−、または単一の結合であり、rは、1〜4の整数である。そのように形成された新しい環の単一の結合のうちの1つは任意に、二重結合で置き換えられ得る。代替的に、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つは任意に、式−(CRR’)s−X’−(C’’R’’’)d−の置換基で置き換えられ得、式中、s及びdは独立して、0〜3の整数であり、X’は、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、または−S(O)2NR’−である。置換基R、R’、R’’、及びR’’’は好ましくは、独立して、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、及び置換または非置換のヘテロアリールから選択される。

本明細書で使用される場合、「ヘテロ原子」または「環ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(複数可)、リン(P)、及びシリコン(Si)を含むことを意味する。

「置換基」は、本明細書で使用される場合、以下の部分から選択される基を意味する: (A)−OH、−NH2、−SH、−CN、−CF3、−NO2、オキソ、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリール、非置換のヘテロアリール、ならびに (B)以下から選択される少なくとも1つの置換基で置換されるアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール、 (i)オキソ、−OH、−NH2、−SH、−CN、−CF3、−NO2、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリール、非置換のヘテロアリール、ならびに (ii)以下から選択される少なくとも1つの置換基で置換されるアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール、 (a)オキソ、−OH、−NH2、−SH、−CN、−CF3、−NO2、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリール、非置換のヘテロアリール、ならびに (b)以下から選択される少なくとも1つの置換基で置換されるアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール:オキソ、−OH、−NH2、−SH、−CN、−CF3、−NO2、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリール、及び非置換のヘテロアリール。

「サイズ限定置換基(size−limited substituent)」または「サイズ限定置換基(size−limited substituent group)」は、本明細書で使用される場合、「置換基(substituent group)」に関して上述される全ての置換基(substituent)から選択される基を意味し、ここで、各置換または非置換のアルキルは、置換または非置換のC1〜C20アルキルであり、各置換または非置換のヘテロアルキルは、置換または非置換の2〜20員ヘテロアルキルであり、各置換または非置換のシクロアルキルは、置換または非置換のC4〜C8シクロアルキルであり、各置換または非置換のヘテロシクロアルキルは、置換または非置換の4〜8員ヘテロシクロアルキルである。

「低級置換基(lower substituent)」または「低級置換基( lower substituent group)」は、本明細書で使用される場合、「置換基(substituent group)」に関して上述される全ての置換基(substituent)から選択される基を意味し、ここで、各置換または非置換のアルキルは、置換または非置換のC1〜C8アルキルであり、各置換または非置換のヘテロアルキルは、置換または非置換の2〜8員ヘテロアルキルであり、各置換または非置換のシクロアルキルは、置換または非置換のC5〜C7シクロアルキルであり、各置換または非置換のヘテロシクロアルキルは、置換または非置換の5〜7員ヘテロシクロアルキルである。

いくつかの実施形態において、本明細書における化合物内で記載される各置換基は、少なくとも1つの置換基で置換される。より具体的には、いくつかの実施形態において、本明細書における化合物内で記載される、各置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリレン、及び/または置換ヘテロアリレンは、少なくとも1つの置換基で置換される。他の実施形態において、これらの基うちの少なくとも1つまたは全ては、少なくとも1つのサイズ限定置換基で置換される。他の実施形態において、これらの基のうちの少なくとも1つまたは全ては、少なくとも1つの低級置換基で置換される。

本明細書における化合物の他の実施形態において、各置換もしくは非置換のアルキルは、置換もしくは非置換のC1〜C20アルキルであり得、各置換もしくは非置換のヘテロアルキルは、置換もしくは非置換の2〜20員ヘテロアルキルであり、各置換もしくは非置換のシクロアルキルは、置換もしくは非置換のC3〜C8シクロアルキルであり、各置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルは、置換もしくは非置換の3〜8員ヘテロシクロアルキルであり、各置換もしくは非置換のアリールは、置換もしくは非置換のC6〜C10アリールであり、かつ/または各置換もしくは非置換のヘテロアリールは、置換もしくは非置換の5〜10員ヘテロアリールである。本明細書における化合物のいくつかの実施形態において、各置換もしくは非置換のアルキレンは、置換もしくは非置換のC1〜C20アルキレンであり、各置換もしくは非置換のヘテロアルキレンは、置換もしくは非置換の2〜20員ヘテロアルキレンであり、各置換もしくは非置換のシクロアルキレンは、置換もしくは非置換のC3〜C8シクロアルキレンであり、各置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキレンは、置換もしくは非置換の3〜8員ヘテロシクロアルキレンであり、各置換もしくは非置換のアリレンは、置換もしくは非置換のC6〜C10アリレンであり、かつ/または各置換もしくは非置換のヘテロアリレンは、置換もしくは非置換の5〜10員ヘテロアリレンである。

いくつかの実施形態において、各置換もしくは非置換のアルキルは、置換もしくは非置換のC1〜C8アルキルであり、各置換もしくは非置換のヘテロアルキルは、置換もしくは非置換の2〜8員ヘテロアルキルであり、各置換もしくは非置換のシクロアルキルは、置換もしくは非置換のC3〜C7シクロアルキルであり、各置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルは、置換もしくは非置換の3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、各置換もしくは非置換のアリールは、置換もしくは非置換のC6〜C10アリールであり、かつ/または各置換もしくは非置換のヘテロアリールは、置換もしくは非置換の5〜9員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、各置換もしくは非置換のアルキレンは、置換もしくは非置換のC1〜C8アルキレンであり、各置換もしくは非置換のヘテロアルキレンは、置換もしくは非置換の2〜8員ヘテロアルキレンであり、各置換もしくは非置換のシクロアルキレンは、置換もしくは非置換のC3〜C7シクロアルキレンであり、各置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキレンは、置換もしくは非置換の3〜7員ヘテロシクロアルキレンであり、各置換もしくは非置換のアリレンは、置換もしくは非置換のC6〜C10アリレンであり、かつ/または各置換もしくは非置換のヘテロアリレンは、置換もしくは非置換の5〜9員ヘテロアリレンである。いくつかの実施形態において、本化合物は、本明細書に記載される化学種である。

「a」または「an」という用語は、本明細書で使用される場合、1つ以上を意味する。加えて、「[名詞]で置換される」という句は、本明細書で使用される場合、特定の基が、指定の置換基のいずれか1つ以上またはそれらの全てで置換され得ることを意味する。例えば、アルキル基またはヘテロアリール基などの基が「非置換のC1〜C20アルキル、または非置換の2〜20員ヘテロアルキルで置換される」場合、基は、1つ以上の非置換のC1〜C20アルキル、及び/または1つ以上の非置換の2〜20員ヘテロアルキルを含有し得る。さらに、部分がR置換基で置換される場合、基は、「R置換された」と称され得る。部分がR置換される場合、部分は、少なくとも1つのR置換基で置換され、各R置換基は任意に、異なる。

本発明の化合物の説明は、当業者に既知の化学結合の原理により限定される。したがって、基がいくつかの置換基のうちの1つ以上により置換され得る場合、かかる置換は、化学結合の原理に遵守し、本質的に不安定ではなく、かつ/または水性、中性、及びいくつかの既知の生理学的条件などの周囲条件下で不安定になる可能性が高いとして当業者に既知であるであろう化合物を提供するように選択される。例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールは、当業者に既知の化学結合の原理に遵守して、環ヘテロ原子を介して分子の残りに結合されることにより、本質的に不安定な化合物を回避する。

別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。例えば、Singleton et al.,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY 2nd ed.,J.Wiley&Sons(New York,NY 1994)、Sambrook et al.,MOLECULAR CLONING,A LABORATORY MANUAL,Cold Springs Harbor Press(Cold Springs Harbor,NY 1989)を参照されたい。本明細書に記載されるものと類似するかまたは同等である任意の方法、デバイス、及び材料が、本発明の実践において使用され得る。以下の定義は、本明細書で頻繁に使用されるある特定の用語の理解を容易にするために提供され、本開示の範囲を限定することを意味しない。

「核酸」は、一本鎖、二本鎖、もしくは多重鎖形態のいずれか、またはそれらの補体におけるデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド、及びそれらのポリマーを指す。「ポリヌクレオチド」という用語は、ヌクレオチドの線状配列を指す。「ヌクレオチド」という用語は典型的には、ポリヌクレオチドの単一の単位、すなわちモノマーを指す。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、またはそれらの修飾されたバーションであり得る。本明細書で企図されるポリヌクレオチドの例には、一本及び二本鎖DNA、一本及び二本鎖RNA(siRNAを含む)、ならびに一本及び二本鎖DNA及びRNAの混合物を有するハイブリッド分子が含まれる。核酸は、線状または分岐であり得る。例えば、核酸は、ヌクレオチドの線状鎖であり得るか、または核酸は、例えば、核酸がヌクレオチドの1つ以上のアームまたは分岐を含むように分岐状であり得る。任意に、分岐状核酸は反復的に分岐されて、デンドリマーなどのより高次の構造が形成される。

ホスホチオエート(phosphothioate)主鎖を有する核酸を含む核酸は、1つ以上の反応性部分を含み得る。本明細書で使用される場合、反応性部分という用語は、共有結合、非共有結合、または他の相互作用により、別の分子、例えば、核酸またはポリペプチドと反応することができる任意の基を含む。例として、核酸は、共有結合、非共有結合、または他の相互作用によりタンパク質またはポリペプチド上でアミオ酸(amio acid)と反応するアミノ酸反応性部分を含み得る。

この用語は、既知のヌクレオチドアナログまたは修飾された主鎖残基もしくは連結部を含有する核酸も包含し、これは、合成され、自然発生し、かつ自然には発生せず、参照の核酸と類似の結合特性を有し、参照のヌクレオチドと類似の様式で代謝される。かかるアナログの例には、例えば、ホスホルアミデート、ホスホロジアミデート、ホスホロチオエート(ホスホチオエート(phosphothioate)としても既知)、ホスホロジチオエート、ホスホノカルボン酸、ホスホノカルボキシレート、ホスホノ酢酸、ホスホノギ酸、メチルホスホネート、ホウ素ホスホネート、またはO−メチルホスホロアミダイト連結部(Eckstein,Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach,Oxford University Pressを参照されたい)、ならびにペプチド核酸主鎖及び連結部を含むリン酸ジエステル誘導体が限定されることなく含まれる。他のアナログ核酸には、米国特許第5,235,033号及び同第5,034,506号、ならびにChapters 6 and 7,ASC Symposium Series 580,Carbohydrate Modifications in Antisense Research,Sanghui&Cook,eds.に記載されているものを含む正の主鎖、非イオン主鎖、修飾された糖、及び非リボース主鎖(例えば、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴまたはロックト核酸(LNA))を有するものが含まれる。1つ以上の炭素環式糖を含有する核酸も、核酸の1つの定義内に含まれる。リボース−リン酸塩主鎖の修飾は、多様な理由、例えば、生理環境においてかかる分子の安定性及び半減期を増加するために、またはバイオチップ上のプローブとして行われ得る。自然発生する核酸とアナログとの混合物が作製され得るか、代替的に、異なる核酸アナログの混合物、ならびに自然発生する核酸とアナログとの混合物が作製され得る。実施形態において、DNA内のヌクレオチド間連結部は、リン酸ジエステル、リン酸ジエステル誘導体、または両方の組み合わせである。

核酸は、非特異的配列を含み得る。本明細書で使用される場合、「非特異的配列」という用語は、任意の他の核酸配列に対して相補的になるようには考案されてないか、または部分的にのみ相補的である一連の残基を含有する核酸配列を指す。例として、非特異的核酸配列は、細胞または生物と接触させられるとき、抑制核酸として機能しない核酸残基の配列である。「抑制核酸」は、標的核酸(例えば、タンパク質に翻訳可能なmRNA)に結合すること、及び標的核酸の転写(例えば、DNAからのmRNA)を低減することもしくは標的核酸(例えば、mRNA)の翻訳を低減すること、または転写スプライシング(例えば、一本鎖モルホリノオリゴ)を改変することができる核酸(例えば、DNA、RNA、ヌクレオチドアナログのポリマー)である。

「標識核酸またはオリゴヌクレオチド」は、核酸に結合される検出可能な標識の存在を検出することにより核酸の存在が検出され得るように、リンカーもしくは化学結合を通して共有結合的にまたはイオン性、ファンデルワールス、静電気的、もしくは水素結合を通して非共有結合的に、標識に結合されるものである。代替的に、例えば、ビオチン、ストレプトアビジンなどの高親和性相互作用を使用する方法は、一対の結合パートナのうちの一方が他方に結合する場合、同じ結果を達成し得る。実施形態において、ホスホロチオエート核酸またはホスホロチオエートポリマー主鎖は、本明細書に開示され、当技術分野において一般的に既知の検出可能な標識を含む。

「プローブ」または「プライマー」という用語は、本明細書で使用される場合、試料に対する特定のハイブリダイゼーションが検出され得る1つ以上の核酸フラグメントであると定義される。プローブまたはプライマーは、それが使用されるであろう特定の技法に応じて任意の長さのものであり得る。例えば、PCRプライマーは概して、長さ10〜40のヌクレオチドであるが一方で、例えば、サザンブロットのための核酸プローブは、長さ100超のヌクレオチドであり得る。プローブは、標的または試料へのその結合が検出され得るように、以下に記載されるように未標識または標識され得る。プローブは、1つ以上の特定の(事前選択)部分の染色体、例えば、1つ以上のクローン、単離された全染色体もしくは染色体フラグメント、またはポリメラーゼ鎖反応(PCR)増幅生成物の集合体からの核酸の源から生成され得る。標的素子上に固定化された核酸の長さ及び複合性は、本発明にとって重大ではない。当業者は、これらの要因を調整して、最適なハイブリダイゼーション及び所定のハイブリダイゼーション手順のためのシグナル生成を提供し得、かつ異なる遺伝子または遺伝子位置間で必要とされる解決策を提供し得る。

プローブは、配列にある場合、固体面(例えば、ニトロセルロース、ガラス、石英、融合シリカスライド)上で固定化される単離核酸でもあり得る。いくつかの実施形態において、プローブは、例えば、WO96/17958に記載されているような核酸の配列のメンバであり得る。高密度配列を生成することができる技法も、この目的のために使用され得る(以下の参照されたい;例えば、Fodor(1991)Science767−773、Johnston(1998)Curr.Biol.8:R171−R174、Schummer(1997)Biotechniques 23:1087−1092、Kern(1997)Biotechniques 23:120−124、米国特許第5,143,854号)。

「相補的な」または「相補性」という語は、ポリヌクレオチド中の核酸が第2のポリヌクレオチド中の別の核酸との塩基対を形成する能力を指す。例えば、配列A−G−Tは、配列T−C−Aに対して相補的である。相補性は、いくつかの核酸のみが塩基対に従って一致する部分的か、または全ての核酸が塩基対に従って一致する完全であり得る。

「単離された」という用語は、核酸またはタンパク質に適用されるとき、核酸またはタンパク質が、それが自然状態で関連付けられる他の細胞構成成分を本質的に含まないことを表す。それは、例えば、均質状態であり得、乾燥または水溶液の状態であり得る。純度及び均質性は典型的には、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーなどの分析化学技法を使用して判定される。調製物中に存在する主要種であるタンパク質は、実質的に精製される。

「精製された」という用語は、核酸またはタンパク質が電気泳動ゲル中の本質的に1つのバンドを上昇させることを表す。いくつかの実施形態において、核酸またはタンパク質は、少なくとも50%純粋、任意に少なくとも65%純粋、任意に少なくとも75%純粋、任意に少なくとも85%純粋、任意に少なくとも95%純粋、及び任意に少なくとも99%純粋である。

「単離された」という用語は、細胞または試料細胞も指すことができる。単離された細胞または試料細胞は、それらがそれらの天然状態であるときか、またはそれらがそれらの天然状態から最初に除去されるとき、細胞を通常伴う多くの構成成分を実質的に含まない単一の細胞型である。ある特定の実施形態において、単離された細胞試料は、細胞を所望の状態に維持するために必要とされるその自然状態からのそれらの構成成分を保持する。いくつかの実施形態において、単離された(例えば、精製された、分離された)細胞または単離された細胞だけが、実質的に試料中の細胞型である細胞である。精製された細胞試料は、少なくとも60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の1種類の細胞を含有し得る。単離された細胞試料は、細胞マーカの使用または細胞マーカを組み合わせて使用することにより得ることができ、そのいずれかは、未精製の細胞試料中の1つの細胞型に対して固有である。いくつかの実施形態において、細胞は、細胞分別機の使用により単離される。いくつかの実施形態において、細胞タンパク質に対する抗体は、細胞を単離するために使用される。

本明細書で使用される場合、「コンジュゲート」という用語は、原子または分子の間の会合を指す。会合は、直接的または間接的であり得る。例えば、本明細書に提供される第1の部分(例えば、ポリアミン部分)と第2の部分(ペプチド部分)との間のコンジュゲートは、例えば共有結合により直接的であり得るか、または、例えば非共有結合(例えば、静電気的相互作用(例えば、イオン結合、水素結合、ハロゲン結合)、ファンデルワールス相互作用(例えば、双極子−双極子、双極子−誘導性双極子、ロンドン分散)、環集積(パイ効果)、疎水性相互作用など)により間接的であり得る。実施形態において、コンジュゲートは、求核性置換(例えば、アミン及びアルコールのアシルハロゲン化物、活性エステルとの反応)、求電子性置換(例えば、エナミン反応)、ならびに炭素−炭素及び炭素−ヘテロ原子への複数結合の付加(例えば、マイケル反応、ディールスアルダー付加)を含むが、これらに限定されないコンジュゲート化学を使用して形成される。これら及び他の有用な反応は、例えば、March,ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY,3rd ed.,John Wiley&Sons,New York,1985、Hermanson,BIOCONJUGATE TECHNIQUES,Academic Press,San Diego,1996、及びFeeney et al.,MODIFICATION OF PROTEINS;Advances in Chemistry Series,Vol.198,American Chemical Society,Washington,D.C.,1982で考察されている。実施形態において、第1の部分(例えば、ポリアミン部分)は、第1の部分(例えば、ポリアミン部分)の構成成分と第2の部分(ペプチド部分)の構成成分との間の非共有結合性化学反応により、第2の部分(ペプチド部分)に非共有結合される。他の実施形態において、第1の部分(例えば、ポリアミン部分)は、本明細書に記載されるように、1つ以上の反応性部分、例えば、共有結合性反応性部分(例えば、アルキン、アジド、マレイミド、またはチオール反応性部分)を含む。他の実施形態において、第1の部分(例えば、ポリアミン部分)は、本明細書に記載されるように、1つ以上の反応性部分、例えば、共有結合性反応性部分(例えば、アルキン、アジド、マレイミド、またはチオール反応性部分)を有するリンカーを含む。他の実施形態において、第2の部分(ペプチド部分)は、本明細書に記載されるように、1つ以上の反応性部分、例えば、共有結合性反応性部分(例えば、アルキン、アジド、マレイミド、またはチオール反応性部分)を含む。他の実施形態において、第2の部分(ペプチド部分)は、本明細書に記載されるように、1つ以上の反応性部分、例えば、共有結合性反応性部分(例えば、アルキン、アジド、マレイミド、またはチオール反応性部分)を有するリンカーを含む。

本明細書で使用される場合、「約」という用語は、規定値を含む値の範囲を意味し、当業者は、規定値と合理的に類似すると見なすであろう。実施形態において、「約」という用語は、当技術分野において概して許容可能な測定値を使用して標準偏差の範囲内を意味する。実施形態において、約は、規定値の+/−10%に及ぶ範囲を意味する。実施形態において、約は、規定値を意味する。

「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために本明細書で互換的に使用され、ここで、ポリマーは、アミノ酸から構成されない部分にコンジュゲートされ得る。この用語は、1つ以上のアミノ酸残基が、対応する自然発生するアミノ酸の人工的な化学的模倣体(chemical mimetic)であるアミノ酸ポリマー、ならびに自然発生するアミノ酸ポリマー及び自然発生しないアミノ酸ポリマーに適用される。この用語は、マクロ環式ペプチド、非ペプチド官能価、ペプチド模倣体、ポリアミド、及びマクロラクタムで修飾されているペプチドに適用される。「融合タンパク質」は、単一の部分として組み換え発現される2つ以上の分離タンパク質配列をコードするキメラタンパク質を指す。

「ペプチジル」及び「ペプチジル部分」という用語は、一価のペプチドを意味する。

「アミノ酸」という用語は、自然発生する及び合成のアミノ酸、ならびに自然発生するアミノ酸と類似の様式で機能するアミノ酸アナログ及びアミノ酸模倣体を指す。自然発生するアミノ酸は、遺伝子コードによりコードされるもの、ならびに後に修飾されるアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、及びO−ホスホセリンである。アミノ酸アナログは、自然発生するアミノ酸と同じ塩基化学構造を有する化合物、すなわち水素、カルボキシル基、アミノ基、及びR基、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムに結合されるα炭素を指す。かかるアナログは、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド主鎖を有するが、自然発生するアミノ酸と同じ塩基化学構造を保持する。アミノ酸模倣体は、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、自然発生するアミノ酸と類似の様式で機能する化学化合物を指す。「自然発生しないアミノ酸」及び「非自然アミノ酸」という用語は、自然では見ることがないアミノ酸アナログ、合成アミノ酸、及びアミノ酸模倣体を指す。

アミノ酸は、それらの一般的に既知の3文字の記号により、またはIUPAC−IUB生化学命名委員会により推奨される1文字の記号により本明細書で称され得る。同様に、ヌクレオチドは、それらの一般的に許容される単一文字コードにより称され得る。

アミノ酸またはヌクレオチド塩基「位置」は、N末端(または、5’−端)に対するその位置に基づいて、参照の配列内の各アミノ酸(または、ヌクレオチド塩基)を順に識別する数字により表される。最適な整列を判定するときに検討されるべき欠失、挿入、切断、融合に起因して、一般的に、N末端から単に数えることにより判定される試験配列内のアミノ酸残基数は、必ずしも参照配列内のその対応する位置の数と同じである必要はない。例えば、変異体が整列した参照配列に対して欠失を有する場合、欠失の部位で参照配列内の位置に対応する変異体内にアミノ酸は存在しないであろう。整列した参照配列内に挿入が存在する場合、その挿入は、参照配列内で番号付けされたアミノ酸位置に対応しないであろう。切断または融合の場合、対応する配列内のアミノ酸に一切対応しない参照配列または整列した配列内のいずれかにアミノ酸の伸展が存在し得る。

「〜に関連して番号付けされた」または「〜に対応する」という用語は、所定のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列の番号付けの文脈で使用されるとき、所定のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列が参照配列と比較されるときに特定される参照配列の残基の番号付けを指す。

「保存的に修飾された変異体」は、アミノ酸及び核酸配列の両方に適用される。特定の核酸配列に関して、保存的に修飾された変異体は、同一もしくは本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸を指すか、または核酸がアミノ酸配列をコードしない場合は、本質的に同一の配列を指す。遺伝子コードの縮重のため、多くの機能的に同一の核酸は、任意の所定のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCG、及びGCUは全て、アミノ酸アラニンをコードする。よって、アラニンがコドンにより特定される全ての位置において、コドンは、コードされたポリペプチドを改変することなく、記載される対応するコドンのいずれかに改変され得る。かかる核酸変異は、保存的に修飾された変異の1つの種である「サイレント変異」である。ポリペプチドをコードする、本明細書における全ての核酸配列も、全ての想定される核酸のサイレント変異を説明する。当業者は、核酸内の各コドン(通常メチオニンのためだけのコドンであるAUG、及び通常トリプトファンのためだけのコドンであるTGGを除く)が修飾されて、機能的に同一の分子がもたらされ得ることを認識するであろう。したがって、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレント変異は、発現生成物に対しては各記載される配列内に潜在するが、実際のプローブ配列に対しては潜在しない。

アミノ酸配列に関して、当業者は、コードされる配列内で単一のアミノ酸またはわずかなパーセンテージのアミノ酸を改変、付加、または欠失する核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質配列への個々の置換、欠失、または付加は、改変が化学的に類似するアミノ酸でアミノ酸を置換することをもたらす「保存的に修飾された変異体」であることを認識するであろう。機能的に類似するアミノ酸を提供する保存的置換表は、当技術分野において周知されている。かかる保存的に修飾された変異体は、本発明の多形変異体、種間相同体、及び対立遺伝子への付加であり、それらを排除しない。

以下の8個の基は各々、互いに保存的置換であるアミノ酸を含有する。1)アラニン(A)、グリシン(G)、2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、4)アルギニン(R)、リジン(K)、5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、7)セリン(複数可)、スレオニン(T)、及び8)システイン(C)、メチオニン(M)。

「配列同一性のパーセンテージ」は、比較ウィンドウにわたって2つの最適に整列した配列を比較することにより判定され、ここで、比較ウィンドウ内のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の部分は、2つの配列の最適な整列に関して、参照配列(付加または欠失を含まない)と比較すると、付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。このパーセンテージは、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列内で発生する位置の数を判定して、一致する位置の数を出し、一致する位置の数を比較ウィンドウ内の位置の合計数で除算し、その結果に100を乗算して、配列同一性のパーセンテージを出すことにより計算される。

2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈における、「同一の」または「同一性」パーセントという用語は、以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して、または手動整列及び目視検査により測定された場合、比較ウィンドウにわたる最大対応性に対して比較及び整列されるとき、同じであるか、または同じである特定のパーセンテージのアミノ酸残基もしくはヌクレオチド(すなわち、例えば、本発明の全ポリペプチド配列または本発明のポリペプチドの個々のドメインの特定の領域にわたって60%の同一性、任意に65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%の同一性)、または指定された領域を有する、2つ以上の配列または部分配列を指す。次いで、かかる配列は、「実質的に同一」と言われる。この定義は、試験配列の補体も指す。任意に、同一性は、少なくとも長さ約50のヌクレオチドにおける領域にわたって、またはより好ましくは、長さ100〜500もしくは1000以上のヌクレオチドである領域にわたって存在する。

配列比較に関して、典型的には、1つの配列は、試験配列と比較される参照配列としての役割を果たす。配列比較アルゴリズムを使用するとき、試験配列及び参照配列は、コンピュータに入力され、部分配列座標が指定され、必要な場合、配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。デフォルトプログラムパラメータが使用され得るか、または代替的なパラメータが指定され得る。次いで、配列比較アルゴリズムは、プログラムパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列のパーセント配列同一性を計算する。

「比較ウィンドウ」は、本明細書で使用される場合、例えば、完全長配列、または20〜600、約50〜約200、もしくは約100〜約150のアミノ酸またはヌクレオチドからなる群から選択される連続した位置の数のいずれか1つのセグメントに対する参照を含み、ここで、配列は、2つの配列が最適に整列された後に、連続した位置の同じ数の参照配列と比較され得る。比較のための配列の整列の方法は、当技術分野において周知されている。比較のための最適な配列の整列は、例えば、Smith and Waterman(1970)Adv.Appl.Math.2:482cの局所的相同性アルゴリズムにより、Needleman and Wunsch(1970)J.Mol.Biol.48:443の相同性整列アルゴリズムにより、Pearson and Lipman(1988)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA85:2444の類似性検索の方法により、これらのアルゴリズムのコンピュータ化された実装(computerized implementation)(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WI.におけるGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)により、または手動整列及び目視検査(以下を参照されたい;例えば、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology(1995増刊))により実施され得る。

配列同一性及び配列類似性パーセントを判定するのに好適であるアルゴリズムの例は、BLAST及びBLAST 2.0アルゴリズムであり、これらは、それぞれAltschul et al.(1977)Nuc.Acids Res.25:3389−3402、及びAltschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403−410に記載されている。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、国立バイオテクノロジー情報センタ(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通して公的に入手可能である。このアルゴリズムは、高スコアリング配列ペア(high scoring sequence pairs)(HSP)を、問い合わせ配列(query sequence)において、長さWの短いワードを識別することにより最初に識別することを伴い、それらは、データベース配列において同じ長さの1つのワードと整列させたときに、いくつかの正の値の閾値スコアTと一致するか、またはそれを満たすかのどちらかである。Tは隣接ワードスコア閾値と称される(Altschul et al.、(上記参照))。これらの初期の隣接ワードヒットは、それらを含むより長いHSPを見い出すために検索の開始用のシードとしての役割を果たす。ワードヒットは、累積整列スコアを増加させ得る限り、各配列に沿って両方向に延長される。累積スコアは、ヌクレオチド配列に関して、パラメータM(一致する残基の対のためのリワードスコア;常に>0)及びN(一致しない残基のためのペナルティスコア;常に<0)を使用して計算される。アミノ酸配列に関して、スコアリングマトリクスが累積スコアを計算するために使用される。各方向におけるワードヒットの延長は停止され、それは:累積整列スコアがその最大達成値から量Xだけ低下し;累積スコアがゼロ以下に進み、1つ以上の負のスコアリング残基整列の蓄積に起因し;または、いずれかの配列の端に達したときである。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、及びXは、整列の感度及び速度を判定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、デフォルト値として、11のワード長(W)、10の期待値(E)、M=5、N=−4、及び両方の鎖の比較を使用する。アミノ酸配列に関して、BLASTPプログラムは、デフォルト値として、3のワード長、10の期待値(E)、及びBLOSUM62のスコアリングマトリクス(以下を参照されたい;Henikoff&Henikoff(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:10915)、50の整列(B)、10の期待値(E)、M=5、N=−4、及び両方の鎖の比較を使用する。

BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の類似性の統計的分析を行う(以下を参照されたい;例えば、Karlin and Altschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5787)。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の1つの尺度は、最小合計確率〔P(N)〕であり、これは、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の一致が偶然に起こるであろう確率の指標を提供する。例えば、核酸は、参照核酸に対するテスト核酸の比較として、最小合計確率が、約0.2未満、より好ましくは約0.01未満、及び最も好ましくは約0.001未満である場合、参照配列と類似すると見なされる。

2つの核酸配列またはポリペプチドが実質的に同一であるという指標は、以下に記載されるように、第1の核酸によりコードされるポリペプチドが、第2の核酸によりコードされるポリペプチドに対して発生した抗体に免疫学的に交差反応性であることである。よって、ポリペプチドは典型的には、例えば、2つのペプチドが保存的置換によってだけで異なる場合、第二のポリペプチドと実質的に同一である。2つの核酸配列が実質的に同一であるという別の指標は、以下に記載されるように、2つの分子またはそれらの補体が厳しい条件下で互いにハイブリダイズすることである。2つの核酸配列が実質的に同一であるというさらに別の指標は、同じプライマーが配列を増幅するために使用され得ることである。

「接触すること」は、その単純な通常の意味に従って使用され、少なくとも2つの固有の種(例えば、生体分子または細胞を含む化学化合物)が反応するか、相互作用するか、または物理的に接触するように十分に近位することを可能にするプロセスを指す。しかしながら、得られる反応生成物が、添加した試薬間の反応からか、または反応混合物中で生成され得る、添加した試薬のうちの1つ以上からの中間物から直接生成され得ることを理解されたい。実施形態において、接触させることは、例えば、本明細書に記載されるようなリボ核酸がエンドヌクレアーゼ及びエンハンサ要素と相互作用することを可能にすることを含む。

「対照」試料または値は、試験試料との比較のための参照、通常、既知である参照としての役割を果たす試料を指す。例えば、試験試料は、試験条件、例えば、試験化合物の存在下で採取され、既知の条件、例えば、試験化合物の不在下(陰性対照)、または既知の化合物の存在下(陽性対照)の試料と比較され得る。対照は、いくつかの試験または結果から収集した平均値も表し得る。当業者は、対照が任意の数のパラメータの評価のために考案され得ることを認識するであろう。例えば、対照は、薬理データ(例えば、半減期)または治療的尺度(例えば、副作用の比較)に基づいて、治療的利益を比較するために案出され得る。当業者は、どの標準的な対照が所定の状況において最も適切であるかを理解し、標準的な対照値との比較に基づいて、データを分析することができるであろう。標準的な対照はまた、データの有意性(例えば、統計的有意性)を判定するのに有価である。例えば、所定のパラメータに関する値が、標準的な対照において幅広く変動する場合、試験試料中の変化は、有意であるとは見なされない。

「標識化」または「検出可能な部分」は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的、または他の物理的な手段により検出可能な組成物である。例えば、有用な標識には、32P、蛍光色素、電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAで一般的に使用されるような)、ビオチン、ジゴキシゲニン、もしくはハプテン及びタンパク質、または例えば、放射性標識を、ペプチドもしくは標的ペプチドと特異的に反応する抗体に組み込むことにより検出可能になり得る他の物資が含まれる。例えば、Hermanson,Bioconjugate Techniques 1996,Academic Press,Inc.,San Diegoに記載される方法を使用する、当技術分野において既知の、抗体を標識にコンシュゲートするための任意の適切な方法が用いられる。

「標識タンパク質またはポリペプチド」は、標識タンパク質またはポリペプチドに結合される標識の存在を検出することにより標識タンパク質またはポリペプチドの存在が検出され得るように、リンカーもしくは化学結合を通して共有結合的にまたはイオン性、ファンデルワールス、静電気的、もしくは水素結合を通して非共有結合的に、標識に結合されるものである。代替的に、例えば、ビオチン、ストレプトアビジンなどの高親和性相互作用を使用する方法は、一対の結合パートナのうちの一方が他方に結合する場合、同じ結果を達成し得る。

「生物学的試料」または「試料」は、対象または患者から得られるか、またはそれらに由来する材料を指す。生物学的試料は、生検及び検死試料などの組織の切片、ならびに組織学的の目的のために採取された凍結切片を含む。かかる試料は、血液及び血液分画または生成物(例えば、血清、血漿、血小板、赤血球など)などの体液、唾液、組織、培養細胞(例えば、初代培養物、外植片、及び形質転換細胞)便、尿、滑液、関節組織、滑液組織、滑膜細胞、線維芽細胞様滑膜細胞、マクロファージ様滑膜細胞、免疫細胞、造血細胞、線維芽細胞、マクロファージ、T細胞などを含む。生物学的試料は典型的には、霊長類、例えば、チンパンジーもしくはヒト、ウシ、イヌ、ネコ、齧歯類、例えば、モルモット、ラット、マウス、ウサギなどの哺乳動物;または鳥類;爬虫類;または魚類などの真核生物から得られる。

「細胞」は、本明細書で使用される場合、代謝、またはそのゲノムDNAを保存もしくは複写するのに十分な他の機能を行う細胞を指す。細胞は、例えば、無傷の膜の存在、特定の色素による染色、子孫を生成する能力、または配偶子の場合、第2の配偶子と組み合わせて、生存能力のある子孫を生成する能力を含む、当技術分野において周知の方法により識別され得る。細胞は、原核細胞及び真核細胞を含み得る。原核細胞は、細菌を含むが、これに限定されない。真核細胞は、酵母細胞、ならびに植物及び動物、例えば、哺乳動物、昆虫(例えば、スポドプテラ属)、及びヒト細胞に由来する細胞を含むが、これらに限定されない。

「幹細胞」は、有糸分裂細胞分裂による自己複製の能力、及び組織または臓器への分化の可能性を特徴とする細胞である。とりわけ哺乳動物幹細胞の中でも、胚性幹細胞及び体性幹細胞が区別され得る。胚性幹細胞は、胚盤胞に属し、胚性組織を生じさせる一方で、体性幹細胞は、組織再生及び修復のために成体組織に属する。

「多能性の」または「多能性」という用語は、適切な条件下で、3つの胚葉(内胚葉、中胚葉、及び外胚葉)からの細胞系譜に関連付けられる特徴を合わせて呈する細胞型への分化を行い得る子孫を生じさせる能力を有する細胞を指す。多能性幹細胞は、胎児、出生後、または成体生物の組織に寄与し得る。生後8〜12週のSCIDマウスの奇形腫を形成する能力などの、標準的な技術許容試験が、細胞集団の多能性を確立するために使用され得る。しかしながら、多様な多能性幹細胞の特徴の識別も、多能性細胞を識別するために使用され得る。

「多能性幹細胞の特徴」は、他の細胞から多能性幹細胞を区別する細胞の特徴を指す。分子マーカのある特定の組み合わせの発現性または非発現性は、多能性幹細胞の特徴の例である。より具体的には、ヒト多能性幹細胞は、以下の非限定的なリストからのマーカのうちの少なくともいくつか、及び任意にそれらの全てを発現させ得る:SSEA−3、SSEA−4、TRA−1−60、TRA−1−81、TRA−2−49/6E、ALP、Sox2、E−cadherin、UTF−1、Oct4、Lin28、Rex1、及びNanog。多能性幹細胞に関連付けられる細胞形態もまた、多能性幹細胞の特徴である。

「誘導性多能性幹細胞」、「iPS」などという用語は、非多能性細胞から人工的に誘導される多能性幹細胞を指す。「非多能性細胞」は、多能性幹細胞よりも自己複製及び分化する効力が劣る細胞であり得る。より劣る効力の細胞は、成体幹細胞、組織特異的前駆細胞、初代細胞、または二次細胞であり得るが、これらに限定されない。

「自己複製」は、細胞が分裂し、親細胞の自己複製特徴を有する少なくとも1つの娘細胞を生成する能力を指す。第2の娘細胞は、特定の分化経路にコミットし得る。例えば、自己複製造血幹細胞は分裂し得、骨髄またはリンパ球経路における分化にコミットする1つの娘幹細胞及び別の娘細胞を形成し得る。コミット前駆細胞は典型的には、自己複製能力を失っており、細胞分裂すると、より分化された(すなわち、制限された)表現型を示す2つの娘細胞を生成する。非自己複製細胞は、細胞分裂を行って娘細胞を生成する細胞を指し、どの細胞も、親細胞型の可能性のある分化を有さないが、代わりに分化した娘細胞を生成する。

成体幹細胞は、胚性発達後に個体内で見られる未分化細胞である。成体幹細胞は、細胞分裂により増殖して、死滅細胞を補充し、損傷組織を再生する。成体幹細胞は分裂し、それ自体の似た別の細胞を形成するか、またはより分化された細胞を形成する能力を有する。成体幹細胞がRex1、Nanog、Oct4、またはSox2などの多能性マーカの発現に関連付けられるとしても、それらは、多能性幹細胞が3つ全ての胚葉の細胞型に分化する能力を有さない。成体幹細胞は自己複製し、固有の細胞型の子孫を生成する限定された能力を有する。成体幹細胞には、造血幹細胞、臍帯血幹細胞、間葉系幹細胞、上皮幹細胞、皮膚幹細胞、または神経幹細胞が含まれ得る。組織特異的前駆体は、特定の臓器または組織への分化にコミットされる自己複製の可能性を欠く細胞を指す。初代細胞は、卵細胞、精子細胞、及び幹細胞とは別に成体または胎児生物の任意の細胞を含む。有用な初代細胞の例には、皮膚細胞、骨細胞、血液細胞、内臓の細胞、及び結合組織の細胞が含まれるが、これらに限定されない。二次細胞は初代細胞を由来とし、長期生存インビトロ細胞培養物に対して不死化されている。

「遺伝子」という用語は、タンパク質の生成に関与するDNAのセグメントを意味し、それは、コード領域(リーダ及びトレーラ)前後の領域、ならびに個々のコードセグメント(エクソン)間の介在配列(イントロン)を含む。リーダ、トレーラ、ならびにイントロンは、遺伝子の転写及び翻訳中に必要である調節素子を含む。さらに、「タンパク質遺伝子生成物」は、特定の遺伝子から発現されるタンパク質である。

「発現」または「発現される」という語は、遺伝子に関して本明細書で使用される場合、その遺伝子の転写及び/または翻訳生成物を意味する。細胞内のDNA分子の発現レベルは、細胞内に存在する対応するmRNAの量、または細胞により生成されたそのDNAによりコードされたタンパク質の量のいずれかに基づいて判定され得る(Sambrook et al.,1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,18.1−18.88)。

トランスフェクト遺伝子の発現は、細胞内で一過性的または安定して発生し得る。「一過性発現」の間、トランスフェクト遺伝子は、細胞分裂中に娘細胞に移入されない。その発現はトランスフェクト細胞に制限されるため、遺伝子の発現は、時間の経過と共に失われる。対照的に、遺伝子が選択有利性をトランスフェクト細胞に付与する別の遺伝子と共に共トランスフェクトされるとき、トランスフェクト遺伝子の安定した発現が発生し得る。かかる選択有利性は、細胞に現れるある特定の毒素に対する抵抗であり得る。

「プラスミド」という用語は、遺伝子の発現に必要な遺伝子及び/または調節素子をコードする核酸分子を指す。プラスミドからの遺伝子の発現は、インシスまたはイントランスで発生し得る。遺伝子がインシスで発現される場合、遺伝子及び調節素子は、同じプラスミドによりコードされる。イントランスでの発現は、遺伝子及び調節素子が分離プラスミドによりコードされる場合の例を指す。

「エピソーム」という用語は、細胞内のプラスミドの染色体外状態を指す。エピソームプラスミドは染色体DNAの部分ではなく、それらを独立して複写する核酸分子である。

「外因性の」という用語は、所定の細胞または生物外を源とする分子または物質(例えば、核酸またはタンパク質)を指す。反対に、「内因性の」という用語は、所定の細胞または生物に対して自生であるか、それらを源とする分子または物質を指す。

「ベクター」は、核酸であり、これは、別の核酸を細胞に輸送することができる。ベクターは、それが適切な環境で存在するときに、ベクターにより運ばれる1つ以上の遺伝子によりコードされるタンパク質(複数可)を直接発現することができる。

「細胞培養物」は、生物外に属する細胞のインビトロ集団である。細胞培養物は、細胞バンクもしくは動物から単離された初代細胞、またはこれらの源のうちの1つを由来とし、インビトロ培養物中で長期間不死化される二次細胞から確立され得る。

「トランスフェクション」、「形質導入」、「トランスフェクトすること」、または「形質導入すること」という用語は互換的に使用され得、核酸分子及び/またはタンパク質を細胞に導入するプロセスとして定義される。核酸は、非ウィルスまたはウィルスに基づいた方法を使用して細胞に導入され得る。核酸分子は、完全タンパク質またはそれらの機能部分をコードする配列であり得る。典型的には、タンパク質発現に必要な素子(例えば、プロモータ、転写開始部位など)を含む核酸ベクター。トランスフェクションの非ウィルス方法は、送達系としてウィルスDNAまたはウィルス粒子を使用せずに核酸分子を細胞に導入する任意の適切な方法を含む。典型的な非ウィルストランスフェクション方法には、リン酸カルシウムトランスフェクション、リポソームトランスフェクション、ヌクレオフェクション(nucleofection)、ソノポレーション、熱ショックによるトランスフェクション、マグネトフェクション(magnetifection)、及び電気穿孔が含まれる。ウィルス系方法に関して、任意の有用なウィルスベクターが本明細書に記載される方法において使用され得る。ウィルスベクターの例には、レトロウィルス、アデノウィルス、レンチウィルス、及びアデノ随伴ウィルスベクターが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、核酸分子は、当技術分野で周知の標準的な手順に従ってレトロウィルスベクターを使用して細胞内に導入される。用語「トランスフェクション」または「形質導入」は、外部環境から細胞内にタンパク質を導入することも指す。典型的には、タンパク質の形質導入またはトランスフェクションは、細胞膜を横断することができるペプチドまたはタンパク質の、目的のタンパク質への結合に依存する。例えば、Ford et al.(2001)Gene Therapy 8:1−4及びProchiantz(2007)Nat.Methods4:119−20を参照されたい。

本明細書で使用される場合、「特異的な結合」または「特異的に結合する」という用語は、生理的条件下で相対的に安定した複合体(例えば、リボ核タンパク質及びエンハンサ要素)を形成する2つの分子を指す。

リガンド(例えば、抗体)がタンパク質(抗原)に結合するかどうか、及び/またはタンパク質へのリガンドの親和性を判定するための方法が、当技術分野において既知である。例えば、リガンドのタンパク質への結合は、ウェスタンブロット、ドットブロット、表面プラズモン共鳴法(例えば、BIAcoreシステム;Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,Sweden and Piscataway,N.J.)、等温滴定型熱量測定(ITC)、または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)などであるが、これらに限定されない多様な技法を使用して検出及び/または定量化され得る。

リガンドの免疫特異的結合及び交差反応性を分析するために使用され得る免疫アッセイには、ウェスタンブロット、RIA、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」免疫アッセイ、免疫沈降アッセイ、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体固定アッセイ、免疫放射定量アッセイ、及び蛍光免疫アッセイなどの技法を使用する競合及び非競合アッセイシステムが含まれるが、これらに限定されない。かかるアッセイは、当技術分野において慣例的であり、周知されている。

「抗体」という用語は、免疫グロブリン遺伝子によりコードされるポリペプチド、または抗原に特異的に結合し、それを認識するそれらの機能性フラグメントを指す。認識される免疫グロブリン遺伝子は、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、エプシロン、及びmu定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。軽鎖は、カッパまたはラムダのいずれかとして分類分けされる。重鎖は、ガンマ、mu、アルファ、デルタ、またはエプシロンとして分類分けされ、同様に、それぞれ免疫グロブリンクラスであるIgG、IgM、IgA、IgD、及びIgEとして定義される。

典型的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、四量体を含む。各四量体は、ポリペプチド鎖の2つの同一の対からなり、各対は、1つの「軽」鎖(約25kDa)及び1つの「重」鎖(約50〜70kDa)を有する。各鎖のN末端は、抗原認識を主に担う約100〜110個以上のアミノ酸の可変領域を定義する。「可変重鎖」、「VH」、または「VH」という用語は、Fv、scFv、dsFv、またはFabを含む免疫グロブリン重鎖の可変領域を指すが、一方で「可変軽鎖」、「VL」、または「VL」という用語は、Fv、scFv、dsFv、またはFabを含む、免疫グロブリン軽鎖の可変領域を指す。

抗体機能性フラグメントの例には、完全抗体分子、抗体フラグメント、例えば、Fv、一本鎖Fv(scFv)、相補性決定領域(CDR)、VL(軽鎖可変領域)、VH(重鎖可変領域)、Fab、F(ab)2’、及びそれらの任意の組み合わせ、または標的抗原に結合することができる免疫グロブリンペプチドの任意の他の機能的部分が含まれるが、これらに限定されない(以下を参照されたい;例えば、FUNDAMENTAL IMMUNOLOGY(Paul ed.,4th ed.2001)。当業者により理解されるように、多様な抗体フラグメントは、多様な方法、例えば、ペプシンなどの酵素を用いた無傷抗体の消化、またはデノボ合成により得ることができる。抗体フラグメントはしばしば、化学的に、または組み換えDNA方法論を使用することにより新規に合成される。よって、抗体という用語は、本明細書で使用される場合、全抗体の修飾により生成された抗体フラグメント、または組み換えDNA方法論(例えば、一本鎖Fv)を使用して新規に合成されたもの、またはファージディスプレイライブラリを使用して識別されたものを含む(以下を参照されたい;例えば、McCafferty et al.,(1990)Nature348:552)。「抗体」という用語は、二価分子または二重特異性分子、ダイアボディ、トリアボディ、及びテトラボディも含む。二価分子及び二重特異性分子は、例えば、Kostelny et al.(1992)J.Immunol.148:1547、Pack and Pluckthun(1992)Biochemistry31:1579、Hollinger et al.(1993),PNAS.USA90:6444、Gruber et al.(1994)J Immunol.152:5368、Zhu et al.(1997)Protein Sci.6:781、Hu et al.(1996)Cancer Res.56:3055、Adams et al.(1993)Cancer Res.53:4026、及びMcCartney,et al.(1995)Protein Eng.8:301に記載されている。

本明細書に記載される特異的タンパク質(例えば、Cas9)ン関して、指定のタンパク質は、タンパク質の自然発生形態、またはタンパク質転写因子活性(例えば、天然タンパク質と比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%以内の活性)を維持する変異体もしくは相同体のいずれかを含む。いくつかの実施形態において、変異体または相同体は、自然発生形態と比較して、配列全体または配列の一部分(例えば、50、100、150、または200の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有する。他の実施形態において、タンパク質は、そのNCBI配列参照により識別されるようなタンパク質である。他の実施形態において、タンパク質は、そのNCBI配列参照により識別されるようなタンパク質、またはそれらの機能性フラグメントもしくは相同体である。

よって、「CRISPR関連タンパク質9」、「Cas9」、または「Cas9タンパク質」は、本明細書で言及される場合、Cas9エンドヌクレアーゼの組み換え形態もしくは自然発生形態、またはCas9エンドヌクレアーゼ酵素活性(例えば、Cas9と比較して、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%以内の活性)を維持するそれらの変異体もしくは相同体のいずれかを含む。いくつかの態様において、変異体または相同体は、自然発生Cas9タンパク質と比較して、配列全体または配列の一部分(例えば、50、100、150、または200の連続したアミノ酸部分)にわたって、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態において、Cas9タンパク質は、UniProt参照番号Q99ZW2により識別されるタンパク質、またはそれらと実質的な同一性を有する変異体もしくは相同体と実質的に同一である。Cas9は、当技術分野において「ニッカーゼ」としても既知のタンパク質を指す。実施形態において、Cas9は、CRISPR(規則的な間隔をもってクラスタ化された短鎖反復回文配列)(clustered regularly interspaced short palindromic repeats)核酸配列に結合する。実施形態において、CRISPR核酸配列は、原核核酸配列である.

本明細書で使用される場合、「脂質」という用語は、以下に詳述されるように、脂肪、ワックス、ステロイド、コレステロール、脂溶性ビタミン、モノグリセリド、ジグリセリド、リン脂質、スフィンゴ脂質、糖脂質、カチオン性脂質またはアニオン性脂質、誘導体化脂質などを含み得る脂質分子を指す。

好適なリン脂質には、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジルセリン(PS)、及びホスファチジルイノシトール(PI)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジミリストイルホスファチジルセリン(DMPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、及びジオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート(DOPE−mal)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイル−ホスファチジル−エタノールアミン(DSPE)、16−O−モノメチルPE、16−O−ジメチルPE、18−1−トランスPE、1−ステアロイル−2−オレオイル−ホスファチジエタノールアミン(SOPE)、1,2−ジエライドイル−sn−グリセロ−3−ホホエタノールアミン(phophoethanolamine)(トランスDOPE)、ならびにカルジオリピンが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、リン脂質は、DOPEである。他の実施形態において、リン脂質は、DSPCである。タマゴPC、心臓エキス、脳エキス、肝臓エキス、及びダイズPCなどの脂質エキスも、本発明において有用である。いくつかの実施形態において、ダイズPCには、ヒドロダイズPC(HSPC)が含まれ得る。ある特定の実施形態において、脂質には、ペグ化脂質などの誘導体化脂質が含まれ得る。誘導体化脂質には、例えば、DSPE−PEG2000、コレステロール−PEG2000、DSPE−ポリグリセリン、または当技術分野において一般的に既知の他の誘導体が含まれ得る。

カチオン性脂質は、生理学的条件下で正荷電官能基を含有する。カチオン性脂質には、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)、N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、N−(1−(2,3−ジオレオイオキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTAP)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、N−[1−(2,3,−ジテトラデシルオキシ)プロピル]−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE)、N−[1−(2,3,ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DORIE)、3β−[N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロール(DC−Chol)、ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDAB)、及びN,N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)が含まれるが、これらに限定されない。

脂質は、ミセル膜、単層膜、及び二重層膜を形成し得る。脂質は、リポソームまたは脂質凝集体に自己形成化し得る。

「脂質凝集体形成カチオン性脂質」などの用語は、普通及び通常の意味で、脂質凝集体の形成を容易にし得る正味正荷電脂質を指す。「脂質凝集体」という用語は、より高次の構造(例えば、二次、三次、または四次構造)を形成する複数の脂質、または脂質型を含む脂質構造を指す。脂質凝集体の非限定的な例には、リポソーム、単一ラメラベシクル、多重ラメラベシクル、ミセル、アモルファス凝集体などが含まれる。本発明の脂質凝集体は、カチオン性脂質、双性イオン性脂質、中性脂質、またはアニオン性脂質を含む任意の好適な脂質を含有し得る。実施形態において、脂質凝集体は、カチオン性脂質またはカチオン性脂質型を含む。実施形態において、脂質凝集体は、カチオン性脂質、または非カチオン性(例えば、中性)脂質と組み合わされたカチオン性脂質型、または非カチオン性脂質型を含む。実施形態において、脂質凝集体は、正味の正電荷を有する。実施形態において、脂質凝集体は、カチオン性脂質及び中性脂質を含む。実施形態において、脂質凝集体形成カチオン性脂質は、米国特許第8,785,200号に記載されているようなカチオン性脂質であり、これは、参照により及び全ての目的のために組み込まれる。

実施形態において、脂質凝集体は、単一の脂質を含む。実施形態において、脂質凝集体は、複数の異なる脂質を含む。脂質凝集体が複数の異なる脂質を含む場合、脂質凝集体は、脂質ブレンドを含み得る.本明細書に提供されるような「脂質ブレンド」は、複数の脂質型の混合物である。実施形態において、脂質ブレンドは、第1の脂質型、第2の脂質型、または第3の脂質型を含む。第1、第2、及び第3の脂質型は独立して、異なり得る(例えば、カチオン性脂質及び非カチオン性脂質)。したがって、当業者は、「脂質」及び「脂質型(複数可)」という用語が同じ意味を有し、かつ互換的に使用され得ることをすぐに認識するであろう。

本明細書で使用される場合、「リポソーム」という用語は、脂質二重層により囲まれる任意のコンパートメントを包含する。リポソームという用語は、単一の脂質二重層からなり、概して、約20〜約400nmの範囲の直径を有する単一ラメラベシクルを含む。リポソームは、およそ1μm〜およそ10μmの範囲の直径を有する多重ラメラでもあり得る。多重ラメラリポソームは、次第に小さくなるサイズで1つの単一ラメラベシクルがもう1つの内側に入った単一ラメラベシクルを形成するいくつかの(2〜100のいずれか)単一ラメラベシクルから構成され得、水層により分離された同心リン脂質球の多重ラメラ構造を形成する。代替的に、多重ラメラリポソームは、大きなリポソームの中の脂質の多くのより小さな非同心球から構成され得る。実施形態において、リポソームは、多重ラメラベシクル(MLV)、大きな単一ラメラベシクル(LUV)、及び小さな単一ラメラベシクル(SUV)を含む。本発明のリポソームは、カチオン性脂質、双性イオン性脂質、中性脂質、またはアニオン性脂質を含む任意の好適な脂質を含有し得る。

本明細書に提供されるような「核局在化シグナル配列」または「NLS」という用語は、NLSが、核輸送による細胞核への移入のために結合されるペプチドまたはタンパク質を識別するポリペプチド配列または複数のポリペプチド配列を指す。NLSは、タンパク質表面上で曝露される正荷電アミノ酸残基(例えば、リジンまたはアルギニン)の1つ以上の短配列を含み得る。実施形態において、NLSは、配列PKKKRKV(配列番号47)を含む。実施形態において、NLSは、配列PKKKRKV(配列番号47)を有する。

組成物 特に、リボ核タンパク質複合体(例えば、Cas9/gRNA)を、高効率で細胞内に送達するための組成物及び方法が本明細書に提供される。本明細書に提供される組成物及び方法は、リボ核タンパク質複合体を多能性幹細胞及びリンパ球細胞内に送達する上で驚くほど効果的である。本明細書に提供される組成物は、リボ核タンパク質複合体と、脂質凝集体形成カチオン性脂質と、エンハンサ要素とを含む。

本明細書に提供されるような「リボ核タンパク質複合体」または「リボ核タンパク質粒子」は、核タンパク質及びリボ核酸を含む複合体または粒子を指す。本明細書に提供されるような「核タンパク質」は、核酸(例えば、RNA、DNA)を結合することができるタンパク質を指す。核タンパク質がリボ核酸に結合する場合、それは、「リボ核タンパク質」と称される。リボ核タンパク質と、リボ核酸との間の相互作用は、例えば共有結合により直接的であり得るか、または、例えば非共有結合(例えば、静電気的相互作用(例えば、イオン結合、水素結合、ハロゲン結合)、ファンデルワールス相互作用(例えば、双極子−双極子、双極子−誘導性双極子、ロンドン分散)、環集積(パイ効果)、疎水性相互作用など)により間接的であり得る。実施形態において、リボ核タンパク質は、リボ核酸に非共有結合的に結合されるRNA結合モチーフを含む。例えば、RNA結合モチーフ内の正荷電芳香族アミノ酸残基(例えば、リジン残基)は、RNAの負の核酸リン酸塩主鎖との静電気的相互作用を形成することにより、リボ核タンパク質複合体を形成し得る。リボ核タンパク質の非限定的な例には、リボソーム、テロメラーゼ、RNAseP、hnRNP、CRISPR関連タンパク質9(Cas9)、及び核内低分子RNP(snRNP)が含まれる。リボ核タンパク質は、酵素であり得る。実施形態において、リボ核タンパク質は、エンドヌクレアーゼである。よって、実施形態において、リボ核タンパク質複合体は、エンドヌクレアーゼ及びリボ核酸を含む。実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRISPR関連タンパク質9である。

実施形態において、CRISPR関連タンパク質9は、リボ核酸に結合されることにより、リボ核タンパク質複合体を形成する。実施形態において、リボ核酸は、ガイドRNAである。よって、実施形態において、エンドヌクレアーゼは、Cas9であり、リボ核酸は、ガイドRNAである。本明細書に提供されるような「ガイドRNA」または「gRNA」は、核タンパク質に結合することにより、リボ核タンパク質複合体を形成することができるリボヌクレオチド配列を指す。実施形態において、ガイドRNAは、1つ以上のRNA分子を含む。実施形態において、gRNAは、標的部位に対して相補的なヌクレオチド配列を含む。相補的なヌクレオチド配列は、リボ核タンパク質複合体の該標的部位への結合を媒介することにより、リボ核タンパク質複合体の配列特異性を提供し得る。よって、実施形態において、ガイドRNAは、標的核酸に対して相補的である。実施形態において、ガイドRNAは、標的核酸配列に結合する。実施形態において、ガイドRNAは、CRISPR核酸配列に対して相補的である。実施形態において、ガイドRNAの補体は、標的核酸に対して約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する。本明細書に提供されるような標的核酸配列は、細胞により発現される核酸配列である。実施形態において、標的核酸配列は、外因性核酸配列である。実施形態において、標的核酸配列は、内因性核酸配列である。実施形態において、標的核酸配列は、細胞遺伝子の部分を形成する。よって、実施形態において、ガイドRNAは、細胞遺伝子またはそれらのフラグメントに対して相補的である。実施形態において、ガイドRNAは、標的核酸配列に対して約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%である。実施形態において、ガイドRNAは、細胞遺伝子の配列に対して約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%相補的である。実施形態において、ガイドRNAは、細胞遺伝子配列に結合する。

実施形態において、ガイドRNAは、一本鎖のリボ核酸である。実施形態において、ガイドRNAは、長さ約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100個以上の核酸残基である。実施形態において、ガイドRNAは、長さ約10〜約30個の核酸残基である。実施形態において、ガイドRNAは、長さ約20個の核酸残基である。実施形態において、ガイドRNA酸の長さは、少なくとも長さ約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個以上の核酸残基または糖残基であり得る。実施形態において、ガイドRNAは、長さ5〜50、10〜50、15〜50、20〜50、25〜50、30〜50、35〜50、40〜50、45〜50、5〜75、10〜75、15〜75、20〜75、25〜75、30〜75、35〜75、40〜75、45〜75、50〜75、55〜75、60〜75、65〜75、70〜75、5〜100、10〜100、15〜100、20〜100、25〜100、30〜100、35〜100、40〜100、45〜100、50〜100、55〜100、60〜100、65〜100、70〜100、75〜100、80〜100、85〜100、90〜100、95〜100個以上の残基である。実施形態において、ガイドRNAは、長さ10〜15、10〜20、10〜30、10〜40、または10〜50個の残基である。

本明細書に提供される組成物は、本明細書に記載されるような脂質凝集体形成カチオン性脂質を含む。実施形態において、脂質凝集体形成カチオン性脂質は、以下の式の構造を有する。

式(I)に関して、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9は独立して、水素、ハロゲン、−CY3、−CN、−C(O)OH、−CH2C(O)OH、−C(O)NH2、−OH、−SH、−SO2Cl、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NO2、−NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。L1及びL2は独立して、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NH−、−NH−、−NHC(O)−、−O−,−S−、−S(O)−、−S(O)2NH−、−NHS(O)2−、置換もしくは非置換のアルキレン、または置換もしくは非置換のヘテロアルキレンである。lは、1〜8の整数である。Xは、アニオンであり、Yは、−F、−Cl、−Br、または−Iである。

実施形態において、R1は、水素、または置換もしくは非置換のヘテロアルキルである。実施形態において、R1は、置換または非置換のヘテロアルキルである。実施形態において、R1は、置換のヘテロアルキルである。実施形態において、R1は、非置換の2〜8員ヘテロアルキルである。実施形態において、R1は、非置換の2〜6員ヘテロアルキルである。実施形態において、R1は、非置換の4員ヘテロアルキルである。実施形態において、R1は、−CH2CH(OH)CH2NH3+である。実施形態において、R1は、水素である。

実施形態において、R2は、水素、または置換もしくは非置換のアルキルである。実施形態において、R2は、水素である。

実施形態において、R3及びR4は独立して、置換または非置換のアルキルである。実施形態において、R3及びR4は独立して、非置換のアルキルである。R3及びR4は独立して、非置換のC1〜C20アルキルである。R3及びR4は独立して、非置換のC5〜C20アルキルである。R3及びR4は独立して、非置換のC10〜C20アルキルである。R3は、非置換のC14アルキルである。R4は、非置換のC14アルキルである。

実施形態において、R5、R6、R7、R8、及びR9は独立して、水素、または置換もしくは非置換のアルキルである。実施形態において、R5、R6、R7、R8、及びR9は、水素である。

実施形態において、L1は、置換または非置換のアルキレンである。実施形態において、L1は、非置換のアルキレンである。実施形態において、L1は、非置換のC1〜C20アルキレンである。実施形態において、L1は、非置換のC1〜C15アルキレンである。実施形態において、L1は、非置換のC1〜C10アルキレンである。実施形態において、L1は、非置換のブチレンである。

実施形態において、L2は、置換または非置換のアルキレンである。実施形態において、L2は、非置換のアルキレンである。実施形態において、L2は、非置換のC1〜C20アルキレンである。実施形態において、L2は、非置換のC1〜C15アルキレンである。実施形態において、L2は、非置換のC1〜C10アルキレンである。実施形態において、L1は、メチレンである。

実施形態において、lは、1、2、3、4、5、6、7、または8である。実施形態において、lは、1である。実施形態において、lは、2である。実施形態において、lは、3である。実施形態において、lは、4である。実施形態において、lは、5である。実施形態において、lは、6である。実施形態において、lは、7である。実施形態において、lは、8である。

実施形態において、脂質凝集体形成カチオン性脂質は、以下の式の構造を有し、

式中、nは、1〜6の整数である。

式(II)の実施形態に関して、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9は、上述されるように定義される。例えば、R1は非置換の4員ヘテロアルキルであり、R2は水素、または置換もしくは非置換のアルキルであり、R3及びR4は独立して、置換または非置換のアルキルであり、R5、R6、R7、R8、及びR9は水素であり、L1は置換または非置換のアルキレンである。実施形態において、nは、1、2、3、4、5、または6である。実施形態において、nは、1である。実施形態において、nは、2である。実施形態において、nは、3である。実施形態において、nは、4である。実施形態において、nは、5である。実施形態において、nは、6である。

実施形態において、脂質凝集体形成カチオン性脂質は、以下の式の構造を有し、

式中、mは、1〜10の整数であり、o及びpは独立して、8〜30の整数である。式(III)の実施形態に関して、R1、R2、R5、R6、R7、R8、及びR9は、上述されるように定義される。例えば、R1は、非置換の4員ヘテロアルキルであり、R2は水素、または置換もしくは非置換のアルキルであり、R5、R6、R7、R8、及びR9は水素である。実施形態において、mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。実施形態において、mは、1である。実施形態において、mは、2である。実施形態において、mは、3である。実施形態において、mは、4である。実施形態において、mは、5である。実施形態において、mは、6である。実施形態において、mは、7である。実施形態において、mは、8である。実施形態において、mは、9である。実施形態において、mは、10である。実施形態において、o及びpは独立して、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30である。実施形態において、o及びpは独立して、8である。実施形態において、o及びpは独立して、9である。実施形態において、o及びpは独立して、10である。実施形態において、o及びpは独立して、11である。実施形態において、o及びpは独立して、12である。実施形態において、o及びpは独立して、13である。実施形態において、o及びpは独立して、14である。実施形態において、o及びpは独立して、15である。実施形態において、o及びpは独立して、16である。実施形態において、o及びpは独立して、17である。実施形態において、o及びpは独立して、18である。実施形態において、o及びpは独立して、19である。実施形態において、o及びpは独立して、20である。

本明細書に提供されるような「エンハンサ要素」という用語は、トランスフェクションを容易にすることにより、トランスフェクション効率を増加するペプチドを指す。したがって、核酸、ポリペプチド、またはそれらの複合体の細胞内へのトランスフェクション効率は、エンハンサ要素の存在下で、該エンハンサ要素の不在下でのトランスフェクション効率と比較してより高い。実施形態において、エンハンサ要素は、1つ以上のカチオン性部分を含むペプチドである。実施形態において、エンハンサ要素は、ペプチドである。実施形態において、1つ以上のカチオン性部分は、エンハンサ要素のC末端に結合される。実施形態において、1つ以上のカチオン性部分は、エンハンサ要素のN末端に結合される。エンハンサ要素は、核局在化シグナル配列に共有結合されるポリアミン部分を含み得る。本明細書に提供されるようなポリアミン部分は、一価のポリアミンである。実施形態において、ポリアミン部分は、スペルミン部分である。本明細書に提供されるような「スペルミン」という用語は、通常の意味で、CAS登録番号71−44−3により識別される化合物を指す。実施形態において、ポリアミン部分は、スペルミンコアに共有結合される1つ以上の置換基を有するスペルミンのアナログである。実施形態において、ポリアミン部分は、複数のスペルミン部分である。実施形態において、ポリアミン部分は、4つ以上のスペルミン部分である。実施形態において、ポリアミン部分は、6つのスペルミン部分である。実施形態において、ポリアミン部分は、エンハンサ要素のN末端に結合される。実施形態において、ポリアミン部分は、エンハンサ要素のC末端に結合される。

実施形態において、エンハンサ要素は、1つの核局在化シグナル(NLS)配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、少なくとも2つの核局在化シグナル(NLS)配列を含む。本明細書に提供されるエンハンサ要素は、核酸、核タンパク質、またはリボ核タンパク質複合体を細胞内に送達する上で有用な任意のペプチドであり得る。例えば、本明細書に提供される発明に有用なエンハンサ要素は、米国特許第8,058,068号に開示されている任意のペプチドであり得、これは、参照により及び全ての目的のために組み込まれる。

実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号1〜配列番号46の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号1〜配列番号46の配列であり、実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号1の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号2の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号3の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号4の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号5の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号6の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号7の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号8の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号9の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号10の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号11の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号12の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号13の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号14の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号15の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号16の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号17の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号18の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号19の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号20の配列を含む。

実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号21の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号22の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号23の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号24の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号25の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号26の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号27の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号28の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号29の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号30の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号31の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号32の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号33の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号34の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号35の配列を含む。

実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号36の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号37の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号38の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号39の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号40の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号41の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号42の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号43の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号44の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号45の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号46の配列を含む。

実施形態において、本組成物は、中性脂質をさらに含む。本明細書に提供されるような「中性脂質」は、実施形態を含む本明細書に提供される組成物のトランスフェクション効率をさらに増加することができる脂質を指す。したがって、リボ核タンパク質複合体、脂質凝集体形成カチオン性脂質、及びエンハンサ要素の細胞内へのトランスフェクション効率は、中性ペプチドの存在下で、該中性ペプチドの不在下でのトランスフェクション効率と比較してより高い。本発明で有用な中性脂質には、レシチン;ホスホチジルエタノールアミン(phosphotidylethanolamine);DOPE(ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン)、DPhPE(ジフィタノイルホスファチジルエタノールアミン)、DPPE(ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン)、ジパルミテオイルホスファチジルエタノールアミン(dipalmiteoylphosphatidylethanolamine)、POPE(パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン)、及びジステアロイルホスファチジルエタノールアミンなどのホスファチジルエタノールアミン;ホスホチジルコリン(phosphotidylcholine);DOPC(ジオレオイルホスフィジルコリン)(dioleoylphosphidylcholine)、DPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)POPC(パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン)、及びジステアロイルホスファチジルコリンなどのホスファチジルコリン;ホスファチジルグリセロール;DOPG(ジオレオイルホスファチジルグリセロール)、DPPG(ジパルミトイルホスファチジル−グリセロール)、及びジステアロイルホスファチジルグリセロールなどのホスファチジルグリセロール;ホスファチジルセリン;ジオレオイル−またはジパルミトイルホスファチジルセリンなどのホスファチジルセリン;ジホスファチジルグリセロール;脂肪酸エステル;グリセロールエステル;スフィンゴ脂質;カルドリピン(cardolipin);セレブロシド;ならびにセラミド;ならびにそれらの混合物が限定されることなく含まれる。中性脂質は、コレステロール及び他の3.ベータ.OH−ステロールも含む。

実施形態において、本組成物は、ドナー核酸をさらに含む。本明細書に提供されるようなドナー核酸は、標的核酸配列に対して、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する配列を含む核酸である。実施形態において、ドナー核酸は、標的核酸配列に対して、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する。実施形態において、ドナー核酸の補体は、標的核酸配列に対して、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する。実施形態において、ドナー配列は、PCR増幅核酸配列を含む。実施形態において、ドナー核酸は、プラスミドに由来する。

実施形態において、本組成物は、真核細胞をさらに含む。実施形態において、真核細胞は、多能性細胞、リンパ管細胞、または肝細胞である。実施形態において、真核細胞は、多能性細胞である。実施形態において、真核細胞は、リンパ管細胞である。実施形態において、真核細胞は、肝細胞である。実施形態において、多能性細胞は、誘導性多能性細胞または胚性幹細胞である。実施形態において、多能性細胞は、誘導性多能性細胞である。実施形態において、多能性細胞は、胚性幹細胞である。実施形態において、リンパ管細胞は、T細胞である。

実施形態において、本組成物は、細胞培養物をさらに含む。本明細書に提供されるような細胞培養物は、適切な細胞栄養物を含み、インビトロで細胞を維持することができる環境を指す。この環境は、適切な槽(例えば、細胞培養皿)内の液体環境、固体環境、及び/または半固体環境(例えば、カンテン、ゲルなど)であり得る。細胞培養培地が用いられ得る。「細胞培養培地」は、本明細書で使用される場合、当技術分野における、その概して許容される意味に従って使用される。細胞培養培地(当技術分野及び本明細書において「培養物培地」とも称される)は、細胞の成長(例えば、分裂、分化、維持など)を支援するように考案された液体(例えば、成長因子、ミネラル、ビタミンなど)またはゲルを含む。実施形態において、実施形態を含む本明細書に提供される組成物は、生理学的に許容される溶液をさらに含む。本明細書に提供されるような「生理学的に許容される溶液」は、本明細書に提供される組成物がそれらの生物学的特性を失うことなく含有され得る任意の許容可能な水溶液(例えば、緩衝液)を指す。実施形態において、生理学的に許容される溶液は、細胞培養培地である。

方法 本明細書に提供される方法は、リボ核タンパク質複合体の細胞(例えば、多能性細胞)内への効率的な送達に特に有用である。細胞トランスフェクション組成物を形成する方法は、リボ核酸、エンドヌクレアーゼ、及びエンハンサ要素を接触させることにより、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を形成することを含む。本方法は、脂質凝集体形成カチオン性脂質をリボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体と接触させることにより、細胞トランスフェクション組成物を形成することさらに含む。細胞トランスフェクション組成物は、予想外に高効率で細胞に送達される。

リボ核酸(例えば、gRNA)は、エンドヌクレアーゼ(例えば、Cas9)と接触させられることにより、リボ核タンパク質を形成し得る。次いで、リボ核タンパク質は、エンハンサ要素と接触させられることにより、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を形成し得る。よって、実施形態において、リボ核酸、エンドヌクレアーゼ、及びエンハンサ要素を接触させるステップは、リボ核酸をエンドヌクレアーゼと接触させることにより、リボ核タンパク質を形成することを含む。実施形態において、リボ核タンパク質は、エンハンサ要素と接触させられることにより、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を形成する。実施形態において、リボ核酸、エンドヌクレアーゼ、及びエンハンサ要素を接触させるステップは、リボ核酸をエンドヌクレアーゼと接触させることにより、リボ核タンパク質を形成するステップと、リボ核タンパク質をエンハンサ要素と接触させることにより、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を形成するステップとを含む。実施形態において、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体は、第1の槽内にあり、脂質凝集体形成カチオン性脂質は、第2の槽内にある。実施形態において、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体は、第2の槽内で脂質凝集体形成カチオン性脂質と接触させられる。実施形態において、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体は、第1の槽内で脂質凝集体形成カチオン性脂質と接触させられる。実施形態において、リボ核酸、エンドヌクレアーゼ、及びエンハンサ要素を接触させることは、中性ペプチドを接触させることをさらに含む。

上記で開示される細胞トランスフェクション組成物を形成する任意の方法に加えて、実施形態において、リボ核酸、エンドヌクレアーゼ、及びエンハンサ要素を接触させるステップは、生理学的に許容される溶液中で行われる。実施形態において、脂質凝集体形成カチオン性脂質をリボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体と接触させるステップは、生理学的に許容される溶液中で行われる。実施形態において、生理学的に許容される溶液は、細胞培養培地である。

本明細書に提供される方法に関して、実施形態を含む上述される組成物(例えば、リボ核酸、エンドヌクレアーゼ、エンハンサ要素、脂質凝集体形成カチオン性脂質、ドナーDNA、中性脂質)のいずれかが使用され得る。よって、実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRISPR関連タンパク質9(Cas9)であり、リボ核酸は、ガイドRNAである。実施形態において、リボ核酸は、ガイドRNAである。

実施形態において、脂質凝集体形成カチオン性脂質は、以下の式の構造を有し、

式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9は独立して、水素、ハロゲン、−CY3、−CN、−C(O)OH、−CH2C(O)OH、−C(O)NH2、−OH、−SH、−SO2Cl、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NO2、−NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。L1及びL2は独立して、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NH−、−NH−、−NHC(O)−、−O−,−S−、−S(O)−、−S(O)2NH−、−NHS(O)2−、置換もしくは非置換のアルキレン、または置換もしくは非置換のヘテロアルキレンである。lは、1〜8の整数である。Xは、アニオンである。Yは、−F、−Cl、−Br、または−Iである。

実施形態において、脂質凝集体形成カチオン性脂質は、以下の式の構造を有し、

式中、nは、1〜6の整数である。

実施形態において、脂質凝集体形成カチオン性脂質は、以下の式の構造を有し、

式中、mは、1〜10の整数であり、o及びpは独立して、8〜30の整数である。

実施形態において、R1は、置換または非置換のヘテロアルキルである。

実施形態において、エンハンサ要素は、ペプチドである。実施形態において、エンハンサ要素は、核局在化シグナル配列に共有結合されるポリアミン部分を含む。実施形態において、ポリアミン部分は、スペルミン部分である。実施形態において、ポリアミン部分は、複数のスペルミン部分である。実施形態において、ポリアミン部分は、エンハンサ要素のN末端に結合される。実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号1〜配列番号46の配列を含み、実施形態において、エンハンサ要素は、核局在化シグナル(NLS)配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、少なくとも2つの核局在化シグナル(NLS)配列を含む。

上記で開示される方法に加えて、実施形態において、本方法は、脂質凝集体形成カチオン性脂質をリボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体と接触させるステップの前に、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体をドナー核酸と接触させるステップをさらに含む。

別の態様において、細胞トランスフェクション組成物を形成する方法が提供される。本方法は、(i)脂質凝集体形成カチオン性脂質を、第1の反応槽内で細胞培養培地と接触させることにより、脂質凝集体形成カチオン性脂質培地を形成するステップと、(ii)第2の反応槽内でリボ核酸、エンドヌクレアーゼ、及びエンハンサ要素を接触させることにより、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を形成するステップと、(iii)第2の反応槽内で脂質凝集体形成カチオン性脂質培地をリボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体と接触させることにより、細胞トランスフェクション組成物を形成するステップとを含む。

実施形態において、本方法は、ステップ(iii)における接触させることの前に、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体をドナー核酸と接触させることをさらに含む。

別の態様において、細胞トランスフェクション組成物を形成する方法が提供される。本方法は、(i)第1の反応槽内でリボ核酸、エンドヌクレアーゼ、及びエンハンサ要素を接触させることにより、リボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を形成するステップと、(ii)第2の反応槽内で脂質凝集体形成カチオン性脂質を細胞培養培地と接触させることにより、脂質凝集体形成カチオン性脂質培地を形成するステップと、(iii)第2の反応槽内でリボ核タンパク質−エンハンサ要素複合体を脂質凝集体形成カチオン性脂質培地と接触させることにより、細胞トランスフェクション組成物を形成するステップとを含む。

上記で開示される細胞トランスフェクション組成物を形成する方法に加えて、実施形態において、リボ核タンパク質複合体は、エンドヌクレアーゼとリボ核酸とを含む。実施形態において、エンドヌクレアーゼは、CRISPR関連タンパク質9(Cas9)であり、リボ核酸は、ガイドRNAである。

実施形態において、脂質凝集体形成カチオン性脂質は、以下の式の構造を有し、

式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9は独立して、水素、ハロゲン、−CY3、−CN、−C(O)OH、−CH2C(O)OH、−C(O)NH2、−OH、−SH、−SO2Cl、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NO2、−NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。L1及びL2は独立して、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NH−、−NH−、−NHC(O)−、−O−,−S−、−S(O)−、−S(O)2NH−、−NHS(O)2−、置換もしくは非置換のアルキレン、または置換もしくは非置換のヘテロアルキレンである。lは、1〜8の整数である。Xは、アニオンである。Yは、−F、−Cl、−Br、または−Iである。

実施形態において、脂質凝集体形成カチオン性脂質は、以下の式の構造を有し、

式中、nは、1〜6の整数である。

実施形態において、脂質凝集体形成カチオン性脂質は、以下の式の構造を有し、

式中、mは、1〜10の整数であり、o及びpは独立して、8〜30の整数である。

実施形態において、エンハンサ要素は、ペプチドである。実施形態において、エンハンサ要素は、核局在化シグナル配列に共有結合されるポリアミン部分を含む。実施形態において、ポリアミン部分は、スペルミン部分である。実施形態において、ポリアミン部分は、複数のスペルミン部分である。実施形態において、ポリアミン部分は、エンハンサ要素のN末端に結合される。

上記で開示される細胞トランスフェクション組成物を形成する方法に加えて、実施形態において、エンハンサ要素は、配列番号1〜配列番号46の配列を含む。実施形態において、エンハンサ要素は、少なくとも2つの核局在化シグナル(NLS)配列を含む。

別の態様において、真核細胞と、リボ核タンパク質複合体と、脂質凝集体形成カチオン性脂質と、エンハンサ要素とを含むインビトロ細胞培養物が提供される。

実施形態において、真核細胞は、多能性細胞、リンパ管細胞、または肝細胞である。実施形態において、多能性細胞は、誘導性多能性細胞または胚性幹細胞である。実施形態において、リンパ管細胞は、T細胞である。実施形態において、培養物は、約20%〜約60%コンフルエント、例えば、約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、またはさらに約60%コンフルエントである。実施形態において、培養物は、約40%未満コンフルエントである。実施形態において、培養物は、約30%コンフルエントである。実施形態において、培養物は、約40%コンフルエントである。実施形態において、細胞培養物の生存率は、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%である。

別の態様において、リボ核タンパク質複合体を細胞内にトランスフェクトする方法が提供される。本方法は、細胞を上記で開示されるような組成物と接触させることを含む。実施形態において、本方法は、接触させるステップの前に、上述されるような細胞トランスフェクション組成物を形成することを含む。

実施例1.Cas9タンパク質/gRNA複合体の効率的な送達のための新規のトランスフェクション試薬 CRISPR技術における最近の進歩により、研究者が細胞及び回路をインビボで効率的に操作できるようになっている。しかしながら、Cas9ヌクレアーゼのオフターゲット効果の可能性は、治療応用に関して大きな懸念事項を残す。最近、高編集効率及び低減されたオフターゲット効果に起因して、精製されたCas9タンパク質及びgRNA複合体(Cas9 RNP)の送達に対する注目が高まっている。Cas9 RNPは、相対的に高効率で電気穿孔を介して哺乳動物細胞に送達され得るが、使用のし易さ、低コスト、及び高処理量システムに対する適合に起因して、脂質媒介トランスフェクションが依然として人気である。体系的な取り組みを使用して、6つの一般的に使用される哺乳動物細胞株を使用して60個超のトランスフェクション試薬をスクリーニングし、Cas9 RNPを効率的に送達することができた新規の試薬(名称、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標))を識別した。LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)−媒介トランスフェクション条件を、23個の粘着細胞株及び懸濁細胞株のセットを使用してさらに最適化し、トランスフェクトするのがより難しい細胞では電気穿孔も行った。結果は、トランスフェクション試薬及びCas9 RNPの量、ならびに細胞密度が、高効率なゲノム編集を達成する上で重要な要因であることを示した。さらに、ドナーDNAを、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を介してCas9RNPと共に共送達することができた。本明細書に記載される方法は、多様な細胞型の高処理量ゲノム修飾体をさらに容易にする。

タンパク質の哺乳動物細胞内への効率的な送達に伴う主な課題は、細胞膜の乏しい透過性及び高選択性である。細胞透過性ペプチド(CPP)の使用は、活性タンパク質の細胞内への送達を容易にすると示されている[1〜3]。ゲノム操作におけるCRISPRシステムの最近の進歩により、プラスミドDNAトランスフェクションと比較してオフターゲット効果の可能性がより低いことに起因して、精製されたCas9タンパク質の送達が魅力的になってきている[4〜6]。Cas9 RNPは、電気穿孔を介して哺乳動物細胞に効率的に送達され得るが、それは、専門機器を必要とし、かつ処理量が相対的に低い。Cas9 RNPの送達のための、iTOP(オスモサイトーシス及びプロパンベタインによる誘導性形質導入)という名前の方法などのいくつかの方法が最近報告されている。iTOPは、形質導入化合物プロパンベタイン、トリガリングマクロピノサイトーシス取り込み、及び細胞外適用マクロ分子の細胞内放出と組み合わされたNaCl媒介高浸透圧性に基づく[7]。さらに、負に過荷電されたGFPタンパク質に融合することか、またはアニオン性核酸に結合することにより、機能性タンパク質を、カチオン性脂質媒介トランスフェクションを介して哺乳動物細胞内に送達することができた。記載されるように、LIPOFECTAMINE(登録商標)2000を使用してU2OS細胞内に送達されたCas9 RNPは、統合GFPレポータにおいて最大80%の修飾効率をもたらし、LIPOFECTAMINE(登録商標)RNAiMAX(商標)を使用してインビボでマウス内内に入り、聴覚細胞におけるGFP発現が20%喪失した[5]。しかしながら、LIPOFECTAMINE(登録商標)2000からの著しい毒性もU2OS細胞内で報告された。現在の研究において、スクリーニングすることにより新しいトランスフェクション試薬を識別し、次いで、23個の異なる細胞株のセットを使用してトランスフェクションプロトコルを最適化した。

材料及び方法 材料GIBCO(登録商標)ヒトエピソームiPSC、GIBCO(登録商標)ヒト神経幹細胞(H9−Derived)、ヒト表皮ケラチノサイト、マウス胚性線維芽細胞(MEF)、マウスESC、293FT細胞、HUVEC、DMEM培地、RPMI 1640培地、IMDM、DMEM/F−12、KNOCKOUT(商標)DMEM、非必須アミノ酸溶液、組み換えヒトLIF、KNOCKOUT(商標)血清代替品、マッコイ培地200、EPILIFE(登録商標)培地、ESSENTIAL 8(商標)培地、ウシ胎児血清(FBS)、HKGSキット、GLUTAMAX(商標)、LSGSキット、TRYPLE(商標)発現酵素、GELTREX(登録商標)、OPTI−MEM(登録商標)培地、FLUOROBRITE(商標)DMEM、LIPOFECTAMINE(登録商標)2000、LIPOFECTAMINE(登録商標)3000、LIPOFECTAMINE(登録商標)RNAiMAX(商標)、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)、60個のトランスフェクション試薬の集合体、JUMP−IN(商標)GRIPTITE(商標)HEK293細胞再標的キット、NEON(商標)トランスフェクションシステムの10μLキット、pJTI R4 EXP CMV EmGFP pA、pEF1−EmGFP、2%E−GEL(登録商標)EXアガロースゲル、TranscriptAid T7高収率転写キット、MEGACLEAR(商標)転写クリアアップキット、QUBIT(登録商標)RNA BRアッセイキット、GENEART(登録商標)ゲノム切断検出キット、及び精製PLATINUM(商標)Cas9ヌクレアーゼは、Thermo Fisher Scientificからのものであった。Jurkat T細胞、K562細胞、3T3、COS−7、CHO−S、N2A、A549、HEK293、Hela、MCF−7、MDA−MB−231、U2OS、HepG2、SC−1、HCT116、NK−92、THP−1、及びRaji細胞株は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から得た。ガイドRNA(gRNA)を、gRNAテンプレートのワンポットPCRアセンブリを介して合成し、続いてインビトロ転写を行った[6]。ゲノム遺伝子座の増幅のためのCRISPR標的配列及びプライマー配列が以下の表に記載される。

細胞培養物.HEK293、3T3、Hela、MCF−7、MDA−MB−231、HepG2、COS−7、N2A、及びA549を、10%FBSで補ったDMEM培地中で成長させた。HCT116及びU2OSを、10%FBSを含有するマッコイ培地中で培養し、CHO細胞をDMEM/F−12プラス10%FBSで維持した。HUVEC細胞を、LSGSで補った培地200内で伝播した。ヒト表皮ケラチノサイト(HEKa)を、HKGSで補ったEPILIFE(登録商標)培地中で維持した。JurkatT細胞、SC−1、THP−1、及びRaji細胞を10%FBSで補ったRPMI培地中で成長させ、K562細胞を、10%FBSを含有するIMDM培地中で維持した。NK92細胞を、25%FBS、1mMのピルビン酸ナトリウム、10mMのHEPES、及び0.1mMのβ−メルカプトエタノールで補ったRPMI培地で成長させた。マウスESCを、15%KNOCKOUT(商標)血清代替品、非必須アミノ酸、L−グルタミン、β−メルカプトエタノール、及び10ng/ml組み換えヒトLIFで補ったKNOCKOUT(商標)DMEMを使用してMEF支持細胞層で培養した。GIBCO(登録商標)iPSC株を、GELTREX(登録商標)マトリクスでコーティングした培養槽上のESSENTIAL 8(商標)培地中で維持し、カルシウムまたはマグネシウムを含まないダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)中で調製した0.5mMのEDTAを使用して継代培養した。全ての細胞を、5%に加湿されたCO2インキュベータ内で37℃でインキュベートした。

体系的実験計画.トランスフェクション試薬のスクリーニンを、96ウェル形式で実施した。トランスフェクションの前日に、6つの一般的に使用される細胞株であるA549、HEK293、Hela、HEpG2、MCF−7、及びU2OSを、1つのウェルあたり10,000〜20,000個の細胞の密度で、96ウェルプレート内に播種した。トランスフェクションの当日、Cas9タンパク質とHPRT1 gRNAとのマスタ混合をOPTI−MEM(登録商標)培地中で調製し、室温で5分間インキュベートしてCas9 RNP複合体を形成した。Cas9 RNP複合体の量を、1つのウェルあたり40ngのCas9及び8.5ngのgRNAで一定に保った。一方で、OPTI−MEM(登録商標)培地中で同様に調製した各トランスフェクション試薬の量を、1つのウェルあたり0.1、0.2、0.4、及び0.6μlに変化させた。LIPOFECTAMINE(登録商標)3000及びLIPOFECTAMINE(登録商標)RNAiMAXは、対照としての役割を果たした。OPTI−MEM(登録商標)培地中のCas9 RNP複合体を、OPTI−MEM(登録商標)培地中で希釈したトランスフェクション試薬に添加した。混合物を室温で10〜15分間インキュベートして、Cas9 RNP及びトランスフェクション試薬複合体を形成した後に細胞に添加した。48時間インキュベーションして細胞を溶解し、GENEART(登録商標)ゲノム切断検出キットによりインデル(挿入及び欠失)のパーセンテージを測定した。次いで、JMP 11ソフトウェアを使用して実験データを分析した。

24ウェルプレート内での細胞トランスフェクション.トランスフェクションの前日、粘着細胞を、細胞密度がトランスフェクション時に30〜70%のコンフルエンスに達するように、500μlの成長培地中で1つのウェルあたり0.4〜1.5x10^5個の細胞の密度で24ウェルプレート上に播種した。トランスフェクションの当日、25μlのOPTI−MEM(登録商標)を1.5mlの無菌エッペンチューブに添加し、続いて、500ngの組み換えCas9タンパク質及び125ngのgRNA(およそ1:1.2のモル比)を添加した。軽くボルテックスすることにより混合して、次いで、1μlのCas9PLUS(商標)試薬を、Cas9タンパク質及びgRNAを含有する溶液に添加した。軽くボルテックスした後に、混合物を室温で5分間インキュベートして、Cas9 RNP複合体形成を可能にした。Cas9 RNP複合体は、室温で最大3時間安定した。ドナーDNAの共送達に関して、500ngのプラスミドDNAまたは線状PCRフラグメントを、この時点でCas9 RNP複合体に添加した。一方、25μlのOPTI−MEM(登録商標)を分離無菌エッペンチューブに添加し、続いて、1.5μlのLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を添加した。軽くボルテックスして、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)溶液を、室温でおよそ5分間インキュベートした。インキュベーションして、次いで、Cas9 RNP複合体を、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)溶液に添加した。LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)溶液のCas9 RNP複合体への逆添加により、ある特定の細胞株の編集効率が減少したことが見い出された。混合して、試料を室温で10〜15分間インキュベートして、Cas9 RNP及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体を形成し、次いで、細胞に添加した。トランスフェクションの48〜72時間後において、細胞をGENEART(登録商標)ゲノム切断検出キットを使用するゲノム修飾効率の分析のために採取した。代替的に、細胞をフローサイトメトリにより分析して、EmGFP陽性細胞のパーセンテージを判定した。

iPS細胞株のトランスフェクションに関して、細胞をTRYPLE(商標)で処理し、トランスフェクション時におよそ30〜40%のコンフルエンスをもたらす1つのウェルあたり40,000個の細胞の密度で、GELTREX(登録商標)でコーティングした24ウェルプレート上に播種した。代わりに、1マイクログラムのCas9タンパク質、250ngのgRNA、及び6μlのCas9PLUS(商標)試薬を使用して、Cas9 RNP複合体を調製したが、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)試薬の量は、1.5μlで一定に保った。トランスフェクションの約6時間後、トランスフェクション試薬を除去し、新鮮なESSENTIAL 8(商標)培地で置き換えた。トランスフェクションの48時間後に細胞を分析した。

MCF−7及びHepG2細胞を使用して、「逆」トランスフェクションプロトコルを試験した。上述されるように、Cas9 RNP複合体及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)試薬をそれぞれ、500ngのCas9タンパク質、125ngのgRNA、1μlのCas9PLUS(商標)試薬、及び1.5μlのLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)試薬を有する2つの分離チューブ内で調製した。次いで、Cas9 RNP溶液をLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)溶液に添加した。混合して、混合物を室温で10〜15分間インキュベートして、Cas9 RNP及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体を形成した。一方、MCF−7及びHepG2細胞をTrypLE(商標)で剥離させて計数し、続いて、1つのウェルあたりそれぞれ2x10^5及び1.0x10^5個の細胞の密度で播種した。次いで、Cas9 RNP/LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)溶液を細胞懸濁液に直接添加し、48〜72時間インキュベートした後に分析した。

NEON(商標)電気穿孔に関して、粘着細胞を培養皿から剥離させて計数した。概して、10μlの反応あたり、1x10^5個の粘着細胞または2x10^5個の懸濁細胞を使用した。NEON(商標)24の最適化プロトコルに関して、24μgのCas9タンパク質及び6μgのgRNAを120μlの再懸濁緩衝液Rに添加し、続いて、混合し、室温で5分間インキュベートしてCas9 RNP複合体を形成した。一方、2.4x10^6個の粘着細胞または4.8x10^6個の懸濁細胞を採取し、DPBSで洗浄した。吸引後、細胞ペレットを120μlの再懸濁緩衝液R中で再懸濁し、次いで、Cas9 RNP複合体と混合した。NEON(商標)24最適化プロトコルのうちの1つを使用して、10μlの試料を電気穿孔のために採取した。電気穿孔した細胞を、0.5mlの対応する成長培地を含む24ウェルに直ちに移入し、48時間インキュベートした後に分析した。最適化すると、より高用量のCas9 RNP(例えば、1反応あたり2μgのCas9タンパク質及び500ngのgRNA)の使用により、切断効率をさらに増加することができた[6]。

破壊EmGFP安定細胞株の生成.EmGFPを発現させるGRIPTITE(商標)HEK293安定細胞を、マニュアルに記載されるようにJump−In(商標)システムを介して調製した(Thermo Fisher Scientific)。破壊EmGFP突然変異体安定細胞株を生成するために、1.5μgのCas9タンパク質を、EmGFPレポータ遺伝子内の5’−ctcgtgaccaccttcacctacgg−3’(配列番号63)配列を標的とする300μgのgRNAに関連付け、次いで、電気穿孔により野生型EmGFP細胞内にトランスフェクトし、続いて、希釈を限定してクローン細胞株を単離した。順方向プライマー5’−atggtgagcaagggcgaggagctg−3’(配列番号61)及び逆方向プライマー5’−GTCCTCCTTGAAGTCGATGCCC−3’(表2s)(配列番号62)を使用して増幅した400bpの野生型PCRフラグメントを使用する相同組換えアッセイに関して、5’−CTTCAC−3’の欠失を有する安定破壊EmGFP細胞株を選択した。EmGFP機能の修復を、ATTUNE(登録商標)NxTアコースティックフォーカシングサイトメータ(Thermo Fisher Scientific)を用いてフローサイトメトリ分析により判定した。

結果 Cas9 RNPの送達に最適なトランスフェクション試薬を識別するために、体系的な実験計画(DOE)取り組みを使用して、LIPOFECTAMINE(登録商標)3000、LIPOFECTAMINE(登録商標)RNAiMAX(商標)及びLIPOFECTAMINE(登録商標)MESSENGERMAX(商標)様試薬を含む60個超のトランスフェクション試薬をスクリーニングした。最初のスクリーニングに関して、トランスフェクトするのが容易な3つの細胞株(HEK293、Hela、及びU2OS)及びトランスフェクトするのが難しい3つの細胞株(HepG2、A549、及びMCF−7)を、固定量のCas9 RNP及び4つの異なる用量のトランスフェクション試薬と共に選択した。トランスフェクションの48時間後にゲノム切断アッセイを行った。全ての配合物の中でもとりわけ、2、3の配合物だけが、市場の現在のトランスフェクション試薬と同様に良好に、またはより良好に働き、1つの配合物(LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標))が際立っていた。選択された実施例を図1A〜1Dに示した。LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を識別して、Cas9タンパク質のgRNA(Cas9 RNP)との複合体化及びCas9 RNPのLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)との複合体化の時間を調査し、各構成成分の添加及び混合の順番も決定した。最終プロトコルを図2に記載した。Cas9タンパク質、gRNA、及びCas9PLUS(商標)試薬を、OPTI−MEM(登録商標)培地を含むチューブ_1に順番に添加した。各添加の合間にボルテックスすることにより軽く混合することを実施した。図3A〜3Cに示されるように、Cas9 RNP複合体は、ゲノム切断アッセイに基づいて、室温で最大3時間安定した状態を保った。一方、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を、チューブ_2内のOPTI−MEM(登録商標)培地中で希釈した。希釈したLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)は、より長時間のインキュベーションにより切断効率が減少したことが見い出されたように、室温でおよそ15分間だけ安定した(図3D〜3F)。図2のステップ2において、チューブ_1内のCas9 RNP複合体を、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を含むチューブ_2に添加した。チューブ_2のチューブ_1への逆添加により、ある特定の細胞株におけるゲノム編集効率が減少したことが見い出された(データ表示無し)。次いで、Cas9 RNP及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体を、室温で10〜15分間インキュベートした後に細胞に添加した。より長時間のインキュベーションにより、切断効率が減少した(図3G〜3I)。Cas9 RNP及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)複合体で細胞トランスフェクションをして、トランスフェクションの48〜72時間後にゲノム切断アッセイを行った。

次に、トランスフェクション試薬の用量、Cas9 RNPの量、及び細胞密度を変化させることによりトランスフェクション効率を左右する重要な要因を調査した。6つの一般的に使用される細胞株を、Cas9 RNPの量を増加させながらトランスフェクトし、続いて、ゲノム切断アッセイを行った。分散分析(ANOVA)は、トランスフェクトした細胞中のインデル生成の効率がCas9 RNP複合体の増加と共に増加したことを示した(図4A)。96ウェルプレート内の細胞をトランスフェクトするためのCas9タンパク質及びgRNAの最適量は、1:1.2のモル比で、それぞれおよそ120ng及び28ngであった。細胞播種密度は、トランスフェクション効率を調節する上で重要な役割を果たす。図4Bに描写されるように、6つの異なる細胞株にわたる平均ゲノム修飾効率は、トランスフェクション当日に、80%の細胞コンフルエンスよりも60%の細胞コンフルエンスで著しくより高かった。さらに、効率は、より高い脂質用量よりも低い脂質用量でわずかにより高いが、違いは著しくない(図4C)。細胞継代培養及び解離などの他の要因も、細胞トランスフェクション及びインデル効率の毎日の変化に寄与した。

次いで、最大24個のウェルを量りにかけて、異なる種からの多様な粘着細胞及び懸濁細胞を含む23個の細胞株のセットを試験した。トランスフェクション前、及びトランスフェクションの48時間後に粘着細胞の形態を報告した。細胞のほとんどは、図5Aに示される例で顕微鏡下では健康に見え、A549、Hela、及び表皮ケラチノサイト(HEKa)に関して、非常にわずかな浮遊死細胞がトランスフェクションの48時間後に観察された。一方、これらの細胞株において良好なゲノム切断効率が観察された(図5B)。トリパンブルーを用いた細胞生存率アッセイは、生存細胞だけがトランスフェクション後に対照細胞と比較して適度に減少したことを示し、CRISPRmaxにより誘導された細胞毒性が相対的に低かったことを呈した(図5C)。CRISPRmaxの低細胞毒性により、トランスフェクション効率を増加するように、はるかに低い細胞密度で細胞のトランスフェクトが促進された(表I及び表3s)。例えば、N2A、マウスESC、及びiPSCはそれぞれ、トランスフェクション時に35%、25%、及び30%のコンフルエンスに成長し(表3s)、マウスRosa26及びヒトHPRT1遺伝子座で70%、75%、及び55%のゲノム編集効率を達成した(表1)。改善した効率はおそらく、低細胞密度でのトランスフェクション試薬の高い接触性に起因していた。しかしながら、最適な細胞密度は、細胞型に高く依存しており、実験で判定される必要があった。

懸濁細胞、特に造血細胞は、LIPOFECTAMINE(登録商標)3000及びLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を含む従来の脂質試薬によりトランスフェクトするのが困難であることが知られている。トランスフェクトするのが難しい細胞株の各々に関して、NEON(商標)24最適化プロトコル(表4s)を使用してCas9 RNPの送達を試験した。例えば、電気穿孔を使用して、Jurkat T細胞、K562、及びSC−1細胞において、HPRT1遺伝子座でそれぞれ95%、90%、及び56%のインデル生成効率を達成した一方で、相対的に低いゲノム修飾効率が、これらの懸濁細胞株内でLIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を使用して観察された。

癌細胞におけるSNP(単一のヌクレオチド多形体)訂正などの精密な遺伝子修飾は、生物医学的応用及び臨床応用において重要な態様である。概念実証に関して、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)を使用して、Cas9 RNPと共にEmGFPを発現させるプラスミドDNAのHCT116及びHEK293細胞内への共送達を試験した。フローサイトメトリ分析に基づいて、プラスミドDNAは、HCT116及びHEK293細胞内にそれぞれ、およそ70%及び40%の効率で共送達することができ(図6A〜6B)、これは、EmGFPプラスミド単独でトランスフェクトされた対照よりわずかに低かった。しかしながら、Cas9 RNP及びプラスミドDNAの両方でトランスフェクトされたHCT116及びHEK293細胞のそれぞれで、およそ65%及び72%のゲノム修飾効率が観察された。ゲノム内の遺伝子セグメントの精密な置き換えを調査するために、400bpのドナーDNAフラグメントをCas9 RNPと共に、破壊されたEmGFP遺伝子を内部に保有する安定したGRIPTITE(商標)HEK293細胞株内に共送達し、およそ1%の細胞がEmGFPの機能を修復した(図6C〜6D)。相同組換えの低効率は大きな障害のままであり、完全に探求する必要がある。

要約すると、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)は、Cas9タンパク質及びgRNA複合体の多様な細胞株への送達において、LIPOFECTAMINE(登録商標)RNAiMAX(商標)より強固であることが示された。使用のし易さ及び低毒性により、LIPOFECTAMINE(登録商標)CRISPRMAX(商標)は、電気穿孔の適用可能性が低い高処理薬物スクリーニング及びゲノム編集をより容易にするであろう。

参考文献(実施例1) [1]Copolovici,D.M.,Langel,K.,Eriste,E.,and Langel,Ue.(2014)Cell−Penetrating Peptides:Design,Synthesis,and Applications.ACS Nano,8(3).1972−1994、[2]Erazo−Oliveras,A.,Najjar,K.,Dayani,L.,Wang,T.Y.,Johnson,G.A.,and Pellois,J.P.(2014)Protein delivery into live cells by incubation with an endosomolytic agent.Nat Methods.11(8):861−867、[3]Jo,J.,Hong,S.,Choi,W.Y.,and Lee,D.R.(2014)Cell−penetrating peptide(CPP)−conjugated proteins is an efficient tool for manipulation of human mesenchymal stromal cells.Sci Rep.4:4378、[4]Kim,S.,Kim,D.,Cho,S.W.,Kim,J.,and Kim,J.S.(2014)Highly efficient RNA−guided genome editing in human cells via delivery of purified Cas9 ribonucleoproteins.Genome Res.24,1012−1019、[5]Zuris,J.A.,Thompson,D.B.,Shu,Y.,Guilinger,J.P.,Bessen,J.L.,Hu,J.H.,Maeder,M.L.,Joung,J.K.,Chen,Z.Y.and Liu,D.R.(2015) Cationic lipid−mediated delivery of proteins enables efficient protein−based genome editing in vitro and in vivo.Nat Biotechnol.33:73−80、[6]Liang,X.,Potter,J.,Kumar,S.,Zou,Y.,Quintanilla,R.,Sridharan,M.,Jason Carte,J.,Chen,W.,Roark,N.,Ranganathan,S.,Ravinder,N.,and Chesnut,J.D.(2015)Rapid and Highly Efficient Cell Engineering via Cas9 Protein Transfection.J.of Biotechnol.208:44−53、[7]D’Astolfo,D.S.,Pagliero,R.J.,Pras,A.,Karthaus,W.R.,Clevers,H.,Prasad,V.,Lebbink,R.J.,Rehmann,H.,Geijsen,N.(2015)Efficient intracellular delivery of native proteins.Cell.161(3):674−690。

実施例2.代表的なCRISPRMAX(商標)トランスフェクションプロトコル−−iPSC(E8培養系、24ウェルプレート形式 CRISPRMAX(商標)トランスフェクションキット:CRISPRMAX(商標)A及びB.

トランスフェクションプロトコル 0日目:トランスフェクションの前日細胞をGELTREX(登録商標)でコーティングした24ウェルプレート内に、トランスフェクション時において30%コンフルエントで播種する。

1日目(午前):トランスフェクションの当日この時点では細胞培地を変えない。以下の表の通りにCas9−gRNA/脂質複合体を調製する。

チューブ1をRTで3〜5分間インキュベートする。チューブ1の混合物をチューブ2に添加(添加の順番が重要である)することにより、複合体を作製する。ボルテックス混合する。RTで15分インキュベートする。

15分のインキュベーション後、50ulの複合体を細胞に添加する。

1日目(午後):トランスフェクションの6時間後、1mlの新鮮なiPSC培養培地を置き換えることにより、細胞培地を変える。

2日目:細胞を、37℃のインキュベータ内でインキュベートする。

3日目:トランスフェクションの48時間後、細胞を500ulのPBSで1回洗浄すること及び100ulの溶解緩衝液を添加することにより細胞を採取した後に、GCD(ゲノム切断検出)アッセイを行う。

実施例3.CRISPR技術−細胞操作 図7は、細胞操作のためのCRISPR技術の図式表示を描写する。CRISPR技術は、ヌクレアーゼを標的DNAにガイドするために短いRNAフラグメントを使用する。標的切断の後、使用者は、DNAの除去、DNAの置き換え、及びDNAの添加を含む選択肢も利用可能である。

実施例4.CRISPR−−Cas9送達形式 図8は、多様なCas9送達形式の図式表示を描写する。例えば、レポータを有するベクターを使用する直接プラスミド組み込みが最も低い効率を有し、これは典型的には、約3週間のワークフローでもたらされることが観察される。MESSENGERMAX(商標)方法論を用いることにより、より高い処理効率がもたらされ得、これは典型的には、1〜2週間のワークフローを必要とする。代替的に、CRISPRMAX(商標)は、高効率をもたらし得、これは典型的には、3〜4日のワークフローを必要とする。

実施例5.脂質スクリーニング実験計画 図9は、脂質スクリーニングの実験計画の図式表示を描写する。典型的なスクリーニング実験は、96ウェルプレート及び多様な一般的な細胞株(例えば、HEK293、Hela、HEpG2、MCF−7、k A549、及びU20)を用いることができる。試薬用量範囲は、0.1、0.2、0.4、及び0.6uL/ウェルであり得る。Cas9 prote8n/gRNAは、40ng +8.5ng/ウェルであり得る。対照試薬は、LF3K及びRNAiMaxであり得る。トランスフェクションは、図9に描写されるように達成され得る。GCDアッセイは、トランスフェクションの48時間後に実施され得る。

実施例6.脂質ライブラリ−DOE配合物 Xa段階試薬は、LF3K試薬コア化合物に基づき、多様な異なる試薬配合物をもたらす。

Xb段階試薬は、RNAiMAX試薬コア化合物に基づき、多様な異なる試薬配合物をもたらす。

N段階試薬は、MESSENGERMAX(商標)の様であり、多様な異なる試薬配合物をもたらす。

実施例7.脂質スクリーニング−Hela、A549細胞 図10A〜10Fは、Hela細胞(図10A〜10C)及びA549細胞(図10D〜10F)において、Xa段階、Xb段階、及びN段階配合物を使用した脂質スクリーニング実験の結果を描写する。各ヒストグラムの各ビン内で、試薬用量は、(左から右の順番で)0.1、0.2、0.4、及び0.6uL/ウェルである。

実施例8.トランスフェクションエンハンサ−−Cas9/gRNAトランスフェクションにおけるペプチド 図11A〜11Fは、Cas9/gRNAトランスフェクションにおけるペプチドに関するトランスフェクションエンハンサ実験の結果のヒストグラムを描写する。細胞株:U20S(図11A)、HEK293(図11B)、HeLa(図11C)、HepG2(図11D)、A549(図11E)、MCF7(図11F)。全てのヒストグラムのY軸は、インデル%である。示された通りに脂質を添加した。記号「+」は、Cas9PLUS(商標)試薬の添加を示す。Cas9PLUS(商標)試薬の添加により、全ての細胞型においてインデル%が著しく増強されたことが観察される。

実施例9.Cas9PLUS(商標)試薬により増強されたCas9/gRNA送達 図12は、Cas9PLUS(商標)試薬と組み合わされたLipofectamine(登録商標)CRISPRMAX(商標)試薬、及びRNAiMAXのA549、HEK293、Hela、HEpG2、MCF7、及びU20S細胞の実験の結果を描写する。この図は、組み合わせ実験におけるトランスフェクションの著しい増強を描写する。

実施例10.追加の細胞株におけるCRISPRMAX(商標) CRISPRMAX(商標)方法論は、以下の表5A及び5Bに列挙されるものを含む幅広い多様な細胞株で用いられ得る。

実施例11.比較結果−CRISPRMAX(商標)及びRNAiMAX 以下の表6は、細胞GCDに対するCRISPRMAX(商標)及びRNAiMAX方法論に関する比較データを表にしたものである。細胞株:HEK293、HCT116、U20S、Hela、A549、HepG2、MCF7、THP1(懸濁)、K562(懸濁)、Jurkat(懸濁)、iPSC(E8培養系)、及びmESC。

非公式の配列表. CGYGGGGGGPKKKRKVGGGLFEAIAEFIEGGWEGLIEG[配列番号1]。

CGYGPKKKRKVGGGGRGDSPCG[配列番号2]。

CGYGPKKKRKVGGKFTIVF[配列番号3]。

GCGYGPKKKRKVG、ここで、N末端がSp−5−CO−(すなわち、アミド連結部を通して結合されるスペルミン)で修飾される[配列番号4]。

GGGGGYGPKKKRKVGG、ここで、N末端がSp−5−CO−で修飾される[配列番号5]。

GGRGDMFGG、ここで、N末端がSp−5−CO−で修飾される[配列番号6]。

GGVKRKKKPGYGGGGVKRKKKPGYGG[配列番号7]。

GGYGPKKKRKVG、ここで、N末端がSp−5−CO−で修飾される[配列番号8]。

GGYGPKKKRKVGGGGYGPKKKRKVGG、ここで、N末端がSp−5−CO−で修飾される[配列番号9]。

GGYGPKKKRKVGGGGYGPKKKRKVGG、ここで、N末端がSp−5−CO−NH−CH((CH2)4−NH−5−CO−Sp)−CO−で修飾される[配列番号10]。

GKFTIVFDDDDDD[配列番号11]。

GKFTIVFDDDDDDG[配列番号12]。

GLFEAIAEFIEGGWEGLIEG[配列番号13]。

GLFEAIAEFIEGGWEGLIEGCKFTIVF[配列番号14]。

GLFEAIAEFIEGGWEGLIEGGGYGGGGGGPKKKRKVGG[配列番号15]。

GLFEAIAIEFIEGGWEGLIEG[配列番号16]。

GLFGAIAGFIENGWEGMIDG[配列番号17]。

GLFKAIAKFIKGGWKGLIKG[配列番号18]。

GRGDSPCGGKKKKKKKKKKKKKKKK[配列番号19]。

GYGPKKKRKVGG[配列番号20]。

GYGPKKKRKVGGGGGRGDMFGG、ここで、N末端がSp−5−CO−で修飾される[配列番号21]。

KFTIVF[配列番号22]。

KFTIVFGGGLFEAIAEFIEGGWEGLIEG[配列番号23]。

KFTTIVFCGYGPKKKRKVGG[配列番号24]。

KKKKKKKKKKKKKKKK[配列番号25]。

KKKKKKKKKKKKKKKKCGYGPKKKRKVGGGGRGDSP[配列番号26]。

KKKKKKKKKKKKKKKKGGCGYGGGGGGPKKKRKVGGGLFEAIAEF IEGGWEGLIEG[配列番号27]。

KKKKKKKKKKKKKKKKGGCGYGGGPKKKRKVGGKFTIVF[配列番号28]。

KKKKKKKKKKKKKKKKGGCGYGPKKKRKVGG[配列番号29]。

KKKKKKKKKKKKKKKKGGRGDSPCG[配列番号30]。

KKKKKKKKKKKKKKKKGKFTIVFDDDDDD[配列番号31]。

KKKKKKKKKKKKKKKKGKFTIVFDDDDDDG[配列番号32]。

KKKKKKKKKKKKKKKKGLFEAIAEFIEGGWEGLIEGCKFTIVF[配列番号33]。

KKKKKKKKKKKKKKKKGLFEAIAEFIEGGWEGLIEGGGYGGGGGG PKKKRKVGG[配列番号34]。

KKKKKKKKKKKKKKKKKFTIVFGGGLFEAIAEFIEGGWEGLIEG[配列番号35]。

KKKKKKKKKKKKKKKKKFTTIVFCGYGPKKKRKVGG[配列番号36]。

KKKKKKKKKKKKKKKKSSDDEATADSQHSTPPKKKRKVGG[配列番号37]。

MSYYHHHHHHDYDIPTTENLYFQGSGLFEAIAEFIEGGWEGLIEG[配列番号38]。

MSYYHHHHHHDYDIPTTENLYFQGSGYGPKKKRKVGG[配列番号39]。

MSYYHHHHHHDYDIPTTENLYFQGSKFTIVF[配列番号40]。

MSYYHHHHHHDYDIPTTENLYFQGSRGDSPC[配列番号41]。

MSYYHHHHHHGLFEAIAEFIEGGWEGLIEG[配列番号42]。

MSYYHHHHHHGYGPKKKRKVGG[配列番号43]。

MSYYHHHHHHKFTIVF[配列番号44]。

MSYYHHHHHHRGDSPC[配列番号45]。

SSDDEATADSQHSTPPKKKRKVGG[配列番号46]。

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