核内繋留RNAの調節

申请号 JP2013520822 申请日 2011-07-19 公开(公告)号 JP6059141B2 公开(公告)日 2017-01-11
申请人 アイオーニス ファーマシューティカルズ, インコーポレーテッド; Ionis Pharmaceuticals,Inc.; 发明人 ベネット,シー・フランク;
摘要
权利要求

筋肉中の、薬理学的に関連する核内繋留RNAの減少を実現するための医薬組成物であって、核内繋留RNAを切断できる核リボヌクレアーゼを活性化して前記薬理学的に関連する減少を実現するのに有効な量の、前記核内繋留RNAに相補的な化学修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、 該核内繋留RNAが、DMPKであり、 該オリゴヌクレオチドが、 連鎖デオキシヌクレオシドから構成されるギャップセグメント; 連鎖ヌクレオシドから構成される5'ウイングセグメント; 連鎖ヌクレオシドから構成される3'ウイングセグメント; を含み、ギャップセグメントが、5'ウイングセグメントおよび3'ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含み、 該オリゴヌクレオチドが、皮下投与又は静脈内投与される、 前記医薬組成物。前記筋肉が、骨格筋、心筋、及び平滑筋のいずれかである、請求項1に記載の医薬組成物。化学修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与が、全身性の効果をもたらす、請求項1又は2に記載の医薬組成物。RNAが、少なくとも1つの反復領域および少なくとも1つの非反復領域を含むヌクレオチド反復含有RNAである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。前記ヌクレオチド反復含有RNAの反復領域が、CAG、GCG、CUG、GCC、GCC、CGG、GAA、CAA、CCUG、およびAUUCUから選択される反復配列を含む、請求項4に記載の医薬組成物。反復配列が、反復領域内で、20回超、25回超、30回超、35回超、40回超、45回超、50回超、55回超、60回超、65回超、70回超、または75回超の反復である、請求項4または5に記載の医薬組成物。オリゴヌクレオチドが、ヌクレオチド反復含有RNAの非反復領域内のノンコーディング配列を標的とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。オリゴヌクレオチドが、ヌクレオチド反復含有RNAのコード領域、イントロン、5'UTR、または3'UTRを標的とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。RNAが、変異体RNAである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。変異体RNAの量が、野性型RNAの量に比べて、低減している、請求項9に記載の医薬組成物。RNAが、安定なRNAである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。RNAが、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも15時間、少なくとも20時間、少なくとも24時間または24時間超の半減期を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、前記オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定して、核内繋留RNAに対し、少なくとも95%相補的である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物。修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定して、核内繋留RNAに対し、100%相補的である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物。前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間結合が、修飾されたヌクレオシド間結合である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物。各ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、請求項15に記載の医薬組成物。前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドが、修飾糖を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬組成物。少なくとも1つの修飾糖が二環糖である、請求項17に記載の医薬組成物。少なくとも1つの修飾糖が、2'-O-メトキシエチルまたは4'-(CH2)n-O-2'架橋を含み、nが1または2である、請求項17に記載の医薬組成物。前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドが、修飾核酸塩基を含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物。修飾核酸塩基が、5-メチルシトシンである、請求項20に記載の医薬組成物。修飾オリゴヌクレオチドが、20連鎖ヌクレオシドから構成される、請求項1〜21のいずれか1項に記載の医薬組成物。オリゴヌクレオチドが、 a. 10連鎖デオキシヌクレオシドから構成されるギャップセグメント; b. 5連鎖ヌクレオシドから構成される5'ウイングセグメント; c. 5連鎖ヌクレオシドから構成される3'ウイングセグメント; を含み、ギャップセグメントが、5'ウイングセグメントおよび3'ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが、2'-O-メトキシエチル糖を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエート結合であり、前記修飾オリゴヌクレオチド中の各シトシンが、5'-メチルシトシンである、請求項22に記載の医薬組成物。修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号171〜175の核酸塩基配列の内のいずれかの少なくとも12近接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、請求項1〜23のいずれか1項に記載の医薬組成物。

说明书全文

配列表 本出願は、電子フォーマットの配列リストと共に出願されている。配列リストは、2011年6月19日に作成された、BIOL0133WOSEQ.txtの名称の約724kbのサイズのファイルとして提供されている。電子フォーマット配列リスト中の情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

発明の分野 本明細書で提供されるのは、アンチセンスオリゴヌクレオチド取込の少ない組織中の薬理学的に関連する核内繋留RNA(nuclear−retained RNA)および核内滞留時間の長いRNAの低減を実現する方法である。このような方法は、動物の核内繋留RNAおよび核内での長い滞留時間を有するRNAに関連する疾患または障害の症状を、例えば、治療、改善し、進行を遅延させ、または低減するために有用である。

発明の背景 アンチセンスオリゴヌクレオチドの全身投与は、肝臓および腎臓皮質中の高い組織中濃度、およびいくつかの他の組織、例えば、脂質、脾臓および特定の炎症性細胞中の中程度濃度を作り出す。脾臓および炎症性細胞への2’MOEギャップマー(gapmer)オリゴヌクレオチドの取込は、通常、肝臓よりも2〜5倍少ない。骨格、平滑筋および心筋、腫瘍ならびに脳、等の他の組織では、アンチセンスオリゴヌクレオチドの全身投与では、オリゴヌクレオチドの低、ないし無蓄積という結果になる。2’MOEギャップマーオリゴヌクレオチドの全身性送達では、骨格および心筋内濃度は、肝臓よりも約50倍低いという結果になる。組織内では、オリゴヌクレオチド分布は、細胞型に対して不均質である。例えば、糸球体、遠位尿細管上皮細胞およびリンパ球では、腎臓およびリンパ組織中の他の細胞に比べて、低いオリゴヌクレオチド取込を示す。薬学的効果は、体内分布データと一致する。標的とする配列が高度に最適化されている場合であっても、2’MOEギャップマーオリゴヌクレオチドの全身投与は、WTマウスの骨格または心筋では、中程度の標的抑制を生じる(Crooke ST,ed.アンチセンス薬剤技術:原理、戦略および応用(Antisense Drug Technolgy:Principles,Strategies and Applications).2nded.Boca Raton:CRC Press;2008:273−304、中のBennett CF.2’−O−メトキシエチル修飾オリゴヌクレオチドの薬理学的特性(Pharmacological Properties of 2’−O−methoxyethyl−modified oligonucleotides))。筋肉および心臓中の標的に到達させるための最近の取り組みは、ASO化学または処方の改善に注力されており、失望させる結果となっている。オリゴヌクレオチド取込に抵抗性の組織または細胞中で顕在化する多くの疾患があるという理由から、このような組織および細胞中の遺伝子に関連した疾患を効果的に標的化する方法を開発する必要性が残されている。

本明細書で提供されるのは、薬理学的に関連する核内繋留RNAの減少を実現する方法である。特定の実施形態では、核内繋留RNAは、アンチセンスオリゴヌクレオチド取込の少ない組織中に存在する。特定の実施形態では、方法は、前記核内繋留RNAを有すると疑われる動物に、前記薬理学的に関連する量の核内繋留RNAを切断可能な核リボヌクレアーゼを活性化するのに十分な量の、前記核内繋留RNAに相補的な化学修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与することを含む。特定の実施形態では、核内繋留RNAは、前記組織の疾患または状態に関連している。特定の実施形態では、動物は、核内繋留RNAに関連する疾患または状態を有するものが選択される。

本明細書で提供されるのは、アンチセンスオリゴヌクレオチド取込の少ない組織中の核内繋留RNAに関連した疾患または傷害の症状の治療、改善、進行の遅延または低減方法である。特定の実施形態では、方法は、アンチセンスオリゴヌクレオチド取込の少ない組織中の核内繋留RNAに関連した疾患または傷害を有する動物の選定を含む。特定の実施形態では、方法は、薬理学的に関連する量の核内繋留RNAを切断できる核リボヌクレアーゼを活性化するのに有効な量の核内繋留RNAに相補的な化学修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを、動物に投与することを含む。

特定の実施形態では、組織は、骨格筋、心筋、平滑筋、脂質、脾臓、骨、腸、副腎、精巣、卵巣、膵臓、下垂体、前立腺、皮膚、子宮、膀胱、腫瘍および脳である。特定の実施形態では、細胞型は、糸球体細胞、遠位尿細管上皮細胞およびリンパ球細胞である。

特定の実施形態では、投与は、オリゴヌクレオチドの全身性の効果(1つの組織を越える効果)をもたらす。特定の実施形態では、投与は、皮下、静脈内、大脳内、脳室内、髄腔内もしくはオリゴヌクレオチドの全身性の効果(1つの組織を越える効果)またはCNSやCSFへの送達をもたらす他の投与である。

特定の実施形態は、本明細書記載のいずれかの治療方法での使用のための薬剤の製造の際の本明細書記載のいずれかの化学修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を提供する。

特定の実施形態は、本明細書記載のいずれかの治療方法での使用のための、本明細書記載のいずれかの化学修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。 本明細書記載の方法で使用可能な化学修飾されたオリゴヌクレオチドもまた、提供される。

図1に、mut−hDMPK mRNA(図1A)および内在性マウスDmpk mRNA(図1B)に対するTaqmanアッセイ結果を示す。

図2にオリゴヌクレオチドによる標的snoRNA発現の抑制結果を示す。

発明の詳細な説明 前述の一般説明および以下の詳細説明は、代表的なもので、説明のためのみのものであり、請求項に記載の本発明を制限するものではないことは、理解されよう。本明細書では、別段の特別な規定がなければ、単数形の使用は、複数形を含む。本明細書で使用される、「または」の使用は、別段の規定がなければ、「および/または」を意味する。さらに、用語の「含む(including)」ならびに他の形、例えば、「含む(include)」および「含まれる(included)」の使用は、非制限的である。また、「要素(element)」または「成分(component)」等の用語は、特に別義が規定されなければ、1つのユニットおよび要素ならびに2つ以上のサブユニットを含む成分を含む両方の要素および成分を包含する。

本明細書で使われるセクションの見出しは、まとめる目的のためのみのものであり、記載動物質を限定すると解釈されるべきではない。本出願中で引用されている全ての文書、または文書の一部、限定されないが、特許、特許出願、原稿、本、および論文は、本明細書で考察の文書の一部、ならびにその全体が明示的に本明細書による参照により組み込まれる。

定義 特段の定義が提供されていなければ、本明細書記載の分析化学、合成有機化学、および医薬品化学に関連した命名、ならびにそれらの手続きおよび技術は、当技術分野でよく知られ、よく使われているものである。化学合成、および化学分析には、標準的な方法を使うことができる。認められる場合は、全ての特許、出願、出願公報および他の出版物、GENBANK受入番号および米国国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)および本明細書の開示全体を通して参照される他のデータ等のデータベースから得られる関連配列情報は、本明細書で考察された文書の一部、ならびにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。

別段の指示がなければ、下記の用語は、そこに示す意味を有する:

「2’−O−メトキシエチル」(または2’−MOEおよび2’−O(CH2)2−OCH3)は、フロシル環(furosyl ring)の2’位置のO−メトキシエチル修飾を指す。2’−O−メトキシエチル修飾糖は、修飾された糖である。

「2’−O−メトキシエチルヌクレオチド」は、2’−O−メトキシエチル修飾糖部分を含むヌクレオチドを意味する。

「5−メチルシトシン」は、5’位置に結合したメチル基で修飾されたシトシンを意味する。5−メチルシトシンは、修飾されたヌクレオベースである。

「活性医薬品」は、個体に投与された場合、治療上の利益を提供する医薬組成物の物質(複数含む)を意味する。例えば、特定の実施形態では、nrRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、活性医薬品である。

「活性標的領域」または「標的領域」は、1つまたは複数の活性アンチセンス化合物が標的とする領域を意味する。「活性アンチセンス化合物」は、標的核酸レベルまたはタンパク質レベルを低下させるアンチセンス化合物を意味する。

「同時に投与される」は、2つの薬剤を、両方の薬理学的効果が患者の中で同時に顕在化するいずれかの手法で同時投与することを指す。同時投与は、両薬剤が同じ剤形の単一の医薬組成物で、または同じ投与経路により投与される必要はない。両薬剤の効果が同時に顕在化する必要はない。効果が、ある時間帯に、重なり合うことが必要なだけであり、同一の広がりを持つ必要はない。

「投与」は、薬剤を動物に与えることを意味し、限定されないが、医療従事者および自己投与による投与が含まれる。

「薬剤」は、動物に投与した場合、治療上の利益を提供することができる活性物質を意味する。「第一薬剤」は、本発明の治療化合物を意味する。例えば、第一薬剤は、nrRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドであってもよい。「第二薬剤」は、本発明の第二の治療化合物(例えば、nrRNAを標的とする第二アンチセンスオリゴヌクレオチド)および/またはnrRNAを標的とする非アンチセンスオリゴヌクレオチド治療化合物を意味する。

「改善」は、関連疾患、傷害、または状態の少なくとも1つの指標、徴候、または症状の緩和を意味する。指標の重症度は、当業者には既知の動物の特性に基づいた、または客観的尺度により判断できる。

「動物」は、限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、等、および限定されないが、サル、チンパンジー等の非ヒト霊長類を含むヒトまたは非ヒト動物を指す。

「アンチセンス活性」は、その標的核酸に対するアンチセンス化合物のハイブリダイゼーションに起因するいずれかの検出可能な、または測定可能な活性を意味する。特定の実施形態では、アンチセンス活性は、標的核酸またはこのような標的核酸によりコードされるタンパク質の量または発現の減少である。

「アンチセンス化合物」は、素結合を介して標的核酸にハイブリダイゼーションを行うことができるオリゴマー化合物を意味する。

「アンチセンス抑制」は、アンチセンス化合物が存在しない場合の標的核酸レベルまたは標的タンパク質レベルに比べて、標的核酸に対し相補的なアンチセンス化合物の存在下、標的核酸レベルまたは標的タンパク質レベルの減少を意味する。

「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸の対応する領域またはセグメントにハイブリダイゼーション可能なヌクレオベース配列を有する単鎖オリゴヌクレオチドを意味する。

「二環糖」は、2つの非ジェミナル環原子の架橋により修飾されたフロシル環を意味する。二環糖は、修飾された糖である。

「二環核酸」または「BNA」は、ヌクレオシドまたはヌクレオチドのフラノース部分がフラノース環上の2つの炭素原子に連結する架橋を含み、それにより、二環系を形成するヌクレオシドまたはヌクレオチドを指す。

「キャップ構造」または「末端キャップ部分」は、アンチセンス化合物のどちらかの末端に組み込まれている化学的修飾を意味する。

「化学的に異なる領域」は、同じアンチセンス化合物の別の領域とは、いくつかの点で化学的に異なるアンチセンス化合物の領域を指す。例えば、2’−O−メトキシエチルヌクレオチドを有する領域は、2’−O−メトキシエチル修飾の無いヌクレオチドを有する領域とは化学的に異なる。

「キメラアンチセンス化合物」は、少なくとも2つの化学的に異なる領域を有するアンチセンス化合物を意味する。

「同時投与」は、2つ以上の薬剤の個体への投与を意味する。2つ以上の薬剤は、単一の医薬組成物であっても、または、別々の医薬組成物であってもよい。2つ以上の薬剤のそれぞれは、同じまたは異なる投与経路により投与することができる。同時投与は、並列または逐次投与を包含する。

「相補性」は、第1核酸および第2核酸のヌクレオベース間の対形成能力を意味する。

「近接ヌクレオベース」は、相互にすぐ近くに隣接するヌクレオベースを意味する。

「希釈剤」は、薬理学的活性はないが、薬学的に必要な、または望ましい組成物中の成分を意味する。例えば、注射組成物中の希釈剤は、液体、例えば、食塩水溶液であってもよい。

「用量」は、単回投与で、または指定された期間に与えられる医薬品の指定された量を意味する。特定の実施形態では、用量は、1回、2回、またはそれ超の回数の巨丸剤、錠剤、または注射剤で投与してもよい。例えば、皮下投与が所望の特定の実施形態では、所望の用量は、単回注射剤では容易に対応され得ない用量が必要であり、従って、2回またはそれ以上の回数の注射剤が所望の用量を得るために使用できる。特定の実施形態では、医薬品は、長期間、または連続的注入により投与される。用量は、時間、日、週、または月当たりの医薬品の量で表すことができる。

「有効量」または「治療有効量」は、その薬剤を必要としている個体に所望の生理的な結果をもたらすのに充分な活性医薬品の量を意味する。有効量は、治療される個体の健康および身体状態、治療される個体の分類群、組成物の処方、個体の病態の評価、および他の関連因子に応じて個体の間で変えることができる。

「完全に相補的」または「100%相補的」は、第1の核酸のヌクレオベース配列の各ヌクレオベースが第2の核酸の第2のヌクレオベース配列中に相補的なヌクレオベースを有することを意味する。特定の実施形態では、第1の核酸は、アンチセンス化合物であり、標的核酸は、第2の核酸である。

「ギャップマー」は、キメラアンチセンス化合物を意味し、この化合物中では、RNアーゼH切断を支援する複数のヌクレオシドを有する内部領域が1つまたは複数のヌクレオシドを有する外部領域の間に位置し、この内部領域を含むヌクレオシドは、外部領域を含むヌクレオシドまたは複数ヌクレオシドとは化学的に異なっている。内部領域を、「ギャップセグメント」と呼ぶことができ、外部領域を、「ウイングセグメント」と呼ぶことができる。

「ギャップ拡大(gap−widened)」は、1〜6ヌクレオシドを有する5’および3’ウイングセグメントの間またはすぐ近くに位置する12以上の近接2’−デオキシリボヌクレオシドのギャップセグメントを有するキメラアンチセンス化合物を意味する。

「ハイブリダイゼーション」は、相補的な核酸分子のアニーリングを意味する。特定の実施形態では、相補的な核酸分子は、アンチセンス化合物および標的核酸を含む。

「核内繋留RNAに関連する疾患または状態の動物の特定」は、核内繋留RNAに関連する疾患、傷害もしくは状態と診断されている動物の特定、または核内繋留RNAに関連する疾患、傷害もしくは状態を発症しやすい動物の特定を意味する。例えば、家族病歴を有する個体は、核内繋留RNAに関連する疾患、傷害もしくは状態に罹りやすい可能性がある。このような特定は、個体の病歴および標準的臨床試験または査定の評価を含む任意の方法により行うことができる。

「すぐ近くに隣接した」は、すぐ近くの配列との間に介在する配列がないことを意味する。

「個体」は、処置または治療のために選択されるヒトまた非ヒト動物を意味する。

「ヌクレオシド間結合」は、ヌクレオシドの間の化学結合を指す。

「連鎖ヌクレオシド」は、一緒に結合した隣接ヌクレオシドを意味する。

「少ない取込」または「取込に対する抵抗性」は、少ないもしくは低減されたオリゴヌクレオチドの取込を示す、またはオリゴヌクレオチドの分布もしくは濃度が低いと解っている細胞または組織を意味する。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの少ない取込の、または取込に対し抵抗性を有する細胞または組織は、肝臓または腎臓中濃度に比べて、少なくとも5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍または100倍少ない全身投与後オリゴヌクレオチド濃度を有する。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの少ない取込または取込に対する抵抗性を有する細胞または組織は、不安定な(短い半減期または核内滞留の)または非核内繋留標的を標的としたオリゴヌクレオチドの全身投与に与える測定可能な薬理学的関連効果を示さない。

「ミスマッチ」または「非相補的なヌクレオベース」は、第1の核酸のヌクレオベースが、第2のまたは標的核酸の対応するヌクレオベースと対形成できない場合を指す。

「修飾ヌクレオシド間結合」は、天然ヌクレオシド間結合(すなわち、リン酸ジエステルヌクレオシド間結合)からの置換または何らかの改変を指す。

「修飾ヌクレオベース」は、アデニン、シトシン、グアニン、チミジン、またはウラシル以外の任意のヌクレオベースを指す。「非修飾ヌクレオベース」は、プリン塩基アデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基チミン(T)、シトシン(C)、およびウラシル(U)を意味する。

「修飾ヌクレオチド」は、独立に、修飾糖部分、修飾ヌクレオシド間結合、または修飾ヌクレオベースを有するヌクレオチドを意味する。「修飾ヌクレオシド」は、独立に、修飾糖部分または修飾ヌクレオベースを有するヌクレオシドを意味する。

「修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを意味する。

「修飾糖」は、天然糖からの置換または改変を指す。

「モチーフ」は、アンチセンス化合物中の化学的に異なる領域パターンを意味する。

「天然ヌクレオシド間結合」は、3’から5’へのリン酸ジエステル結合を意味する。

「天然糖部分」は、DNA(2’−H)またはRNA(2’−OH)中に認められる糖を意味する。

「ノンコーディングRNA」または「ncRNA」は、タンパク質に翻訳されない機能的RNA分子を意味する。ノンコーディングRNAには、非常に豊富に存在し、機能的に重要なRNA、例えば、トランスファーRNA(tRNA)およびリボソームRNA(rRNA)、ならびに核小体低分子RNA(snoRNAs)、マイクロRNA、siRNAおよびpiRNAならびに長鎖ncRNA(long ncRNA)(またはlarge ncRNA)等のRNAが含まれる。長鎖ncRNAは、通常、約200ヌクレオチドより長いタンパク質非コード転写物と考えられており、遺伝子転写、転写後調節およびエピジェネティックな調節で重要な役割を果たしていることが示された(例えば、Guttman、M.et al.,Nature.,2009,458,223−227,を参照)。長鎖ncRNAは、限定されないが、プロモーター標的RNA(pdRNA)およびlincRNAを含んでもよい。

「核内繋留RNA」または「nrRNA」は、核中で豊富なまたは安定なRNAを意味する。核内繋留RNAには、限定されないが、例えば、lincRNA、反復配列含有RNAおよびヌクレオチド反復伸長含有RNAを含む長鎖ncRNA、本明細書記載のsnoRNAおよびscaRNA(enrRNA)を含む低分子ノンコーディングRNA(snRNA)を含むノンコーディングRNAが含まれる。特定の実施形態では、nrRNAは、核内のみに存在するRNA、または一部の機能的RNAのように成熟の間に細胞質を短時間だけ通過するRNA(細胞質に出た後、すぐに元の核に戻る)であるか、または核中に長い滞留時間を有するRNA(例えば、長い半減期を有するRNA)であるが、ある期間または特定のイベント、例えば、限定されないが、刺激(例えば、ストレス)に応答した反復配列(例えば、Alu反復配列)の切断、の後に、細胞質に送出されるRNAであってもよい。特定の実施形態では、核内繋留RNAは、核内のサブオルガネラ中に保持される。核内繋留RNAの例には、Xlsirt、Satellite III、HoxC5転写変異体2(ノンコーディング)、Menβ、Neat1、Neat2、hsr−omega、hothead、Kit、Xist、Air、Tsix、Mirg、Kcnqlot1、AK045070、P−rex1、ZNF127AS、NESPAS、SRG1、Hotair、Gomafu、Sox2ot、Rian、CAT2、Xite、Jpx、Ftx、RoX1、RoX2、H19、Igf2、IPW、UBE3A、ATP10C、pgc、7SK、RNA Pol II転写伸長因子P−TEFb、B2、HSR−1、BC1、BC200、NRSE、NRON、NFAT転写因子、Makorin−p1、HAR1F、HAR1R、OCC1、DD3/PCA3、PCGEM1、NCRMS、HIS−1、BCMS、CMPD、NC612、SRA、DISC2、PSZA11q14、RAY1/ST7、UBE3A−AS、SCA8、22k48、C6orf37OS、COPG2IT1、DGCR5、KCNQ1オーバーラップ転写1(非タンパク質コード)、MESTIT1、PRINS、SCA8/アタキシン8、ATN1/DRPLA、FMR1、AFF2/FMR2、フラタキシン/FXN、Htt、ジャンクトフィリン−3(JPH3)、DMPK、Znフィンガータンパク質−9、アンドロゲン受容体(AR)(X連鎖)、アタキシン−1(ATXN1)、ATXN10、タンパク質ホスファターゼPP2A(PPP2R2B)、TATAボックス結合タンパク質(TBP)、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、およびSCA8が含まれる。

「核リボヌクレアーゼ」は、核内で見つかったリボヌクレアーゼを意味する。核リボヌクレアーゼには、限定されないが、RNアーゼH1およびRNアーゼH2を含むRNアーゼH、二重鎖RNアーゼドローシャおよび他の二重鎖RNアーゼが含まれる。

「核酸」は、単量体ヌクレオチドから構成される分子を指す。核酸には、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、単鎖核酸、二重鎖核酸、低分子干渉リボ核酸(siRNA)、およびマイクロRNA(miRNA)が含まれる。核酸は、また、これらの配列の組み合わせを単一分子中に含んでもよい。 「ヌクレオベース」は、別の核酸の塩基と対形成可能なヘテロ環式部分を意味する。

「ヌクレオベース配列」は、いずれの糖、結合、またはヌクレオベース修飾とも独立した近接ヌクレオベースの順序を意味する。

「ヌクレオシド」は、糖に連結したヌクレオベースを意味する。

「ヌクレオシド擬態」は、糖または糖と塩基を置き換えるのに使用される構造体を含み、必ずしも、例えば、モルホリノ、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ビシクロまたはトリシクロ糖擬態、例えば、非フラノース糖ユニットを有するヌクレオシド擬態のようなオリゴマー化合物の1つまたは複数の位置での結合の必要はない。

「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドの糖部分に共有結合したリン酸基を有するヌクレオシドを意味する。

「ヌクレオチド擬態」は、ヌクレオシドを置き換えるために使用される構造体を含み、また、例えば、ペプチド核酸またはモルホリノ(−N(H)−C(=O)−O−または他の非リン酸ジエステル結合により連結されたモルホリノ)、等のオリゴマー化合物の1つまたは複数の位置での連結を含む。

「ヌクレオチド反復伸長を含むRNA」(enrRNA)は、反復配列伸長を含むヌクレオチドの配列を含む変異体RNA分子を意味し、このRNA分子では、三つ組みまたは四つ組みのヌクレオチドが前記配列内で連続的に通常の数より多い回数で数回反復され、前記RNAの通常の処理に影響を与える(例えば、Cooper,T.Cell.,2009、136、777−793;O’Rourke,J.R.,J.Biol.Chem.,2009,284(12),7419−7423、を参照)。

「オリゴマー化合物」または「オリゴマー」は、核酸分子の少なくとも一つの領域にハイブリダイズ可能な連結された単量体サブユニットのポリマーを意味する。

「オリゴヌクレオチド」は、連鎖ヌクレオシドのポリマーを意味する。連鎖ヌクレオシドが修飾されていても、または非修飾でもよく、相互に独立していてもよい。

「非経口投与」は、注射または注入による投与を意味する。非経口投与には、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与、または頭蓋内投与、例えば、髄腔内もしくは脳室内投与が含まれる。投与は、連続、または長期、または短期または間欠的のいずれであってもよい。

「ペプチド」は、少なくとも2つのアミノ酸のアミド結合による連結により形成される分子を意味する。ペプチドは、ポリペプチドおよびタンパク質を指す。

「医薬組成物」は、個体への投与に適した物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物は、1つまたは複数の活性薬剤および無菌の水溶液を含んでもよい。

「薬学的に許容可能な用量」は、薬理学的に関連する標的の減少をもたらすことができ、耐容性良く、最低限の、極わずかな、または無毒性の用量を意味する。

「薬学的に許容可能な塩」は、生理学的および薬学的に許容可能なアンチセンス化合物の塩、すなわち、親オリゴヌクレオチドの所望の生物活性を維持し、望ましくない毒性効果を付与しない塩を意味する。

「薬理学的に関連する減少」は、薬理学的結果を与えるRNAの減少を意味する。薬理学的結果は、例えば、疾患もしくは状態またはこのような疾患もしくは状態の症状の改善であってもよい。

「ホスホロチオエート結合」は、ヌクレオシド間の結合を意味し、この結合では、非架橋酸素原子の一つを硫黄原子で置換することによりリン酸ジエステル結合が修飾されている。ホスホロチオエート結合は、修飾されているヌクレオシド間結合である。

「部分」は、一定数の核酸の近接(すなわち、連鎖)ヌクレオベースを意味する。特定の実施形態では、部分は、一定数の標的核酸の近接ヌクレオベースである。特定の実施形態では、部分は、一定数のアンチセンス化合物の近接ヌクレオベースである。

「防ぐ」は、分から永久までの時間の間、疾患、傷害、または状態の発症または発生を遅らせるか、または未然に防ぐことを指す。防ぐは、また、疾患、傷害、または状態の発生のリスクを減らすことを意味する。

「プロドラッグ」は、不活性型で調製され、身体またはその細胞内で、内在性酵素または他の化学薬品もしくは条件の作用により、活性型に変換される治療薬を意味する。

副作用」は、治療が原因の、目的の効果以外の生理的な応答を意味する。特定の実施形態では、副作用には、注射部位反応、肝臓機能検査異常、腎機能異常、肝臓毒性、腎臓毒性、中枢神経系異常、筋障害、および倦怠感が含まれる。例えば、血清中アミノトランスフェラーゼレベルの増加は、肝臓毒性または肝臓機能異常を示している可能性がある。例えば、ビリルビンの増加は、肝臓毒性または肝臓機能異常を示している可能性がある。

「単鎖オリゴヌクレオチド」は、相補的な鎖にハイブリダイズしていないオリゴヌクレオチドを意味する。

「特異的にハイブリダイズ可能な」は、所望の効果を誘導するために、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよび標的核酸の間の充分な程度の相補性を有するが、特異的結合が所望の条件下、すなわち、インビボアッセイおよび治療処理の場合の生理学的条件下では、非標的核酸に対して最小限の効果を示すか、または無効果であるアンチセンス化合物を指す。

「安定なRNA」は、長い半減期または非常に低い代謝回転を有するRNAを意味する。特定の実施形態では、安定なRNAは、少なくとも5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、15時間、20時間、24時間または24時間を越える半減期を有する。特定の実施形態では、半減期は、RNA合成阻害剤、例えば、アクチノマイシンDまたはDRBを使ったインビトロアッセイにより示される(実施例参照)。

「皮下投与」は、皮膚直下の投与を意味する。

「糖代用物」は、少し広い意味の用語「ヌクレオシド擬態」と重なり合うが、糖ユニット(フラノース環)の置換のみを示すことを意図している。本明細書で提供されるテトラヒドロピラニル環は、糖代用物の実例であり、この場合、フラノース糖基は、テトラヒドロピラニル環系により置換されている。

「ターゲティング(標的化)」または「標的とする」は、特異的に標的核酸にハイブリダイズして、所望の効果を誘導すると思われるアンチセンス化合物の設計および選択のプロセスを意味する。

「標的核酸」、「標的RNA」および「標的RNA転写物」は、全て、アンチセンス化合物により標的とされることが可能な核酸を指す。

「標的セグメント」は、アンチセンス化合物が標的とする標的核酸のヌクレオチド配列を意味する。「5’標的部位」は、標的セグメントの5’最末端側のヌクレオチドを指す。「3’標的部位」は、標的セグメントの3’最末端側のヌクレオチドを指す。

「治療有効量」は、個体に治療の利益をもたらす薬剤の量を意味する。

「治療」は、疾患、傷害、または状態の変化または改善を起こさせるための医薬組成物の投与を指す。

「非修飾ヌクレオチド」は、天然ヌクレオベース、糖部分、およびヌクレオシド間結合から構成されるヌクレオチドを意味する。特定の実施形態では、非修飾ヌクレオチドは、RNAヌクレオチド(すなわち、β−D−リボヌクレオシド)またはDNAヌクレオチド(すなわち、β−D−デオキシリボヌクレオシド)である。

特定の実施形態 特定の実施形態は、核内繋留RNA(nrRNA)を抑制する方法、化合物、および組成物を提供する。

特定の実施形態は、動物のnrRNAを低減させる方法を提供し、動物にnrRNA標的化修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む。

特定の実施形態では、nrRNAは、本明細書で提供されるいずれか、例えば、表lまたは表2に挙げた内のいずれか一つの標的である。

特定の実施形態では、本発明の方法を使って標的化され、抑制されたnrRNAは、次記から選択されるnrRNAである:Xlsirt、Satellite III、Hox C5転写変異体2(ノンコーディング)、Menβ、Neat1、Neat2、hsr−omega、hothead、Kit、Xist、Air、Tsix、Mirg、Kcnqlot1、AK045070、P−rex1、ZNF127AS、NESPAS、SRG1、Hotair、Gomafu、Sox2ot、Rian、CAT2、Xite、Jpx、Ftx、RoX1、RoX2、H19、Igf2、IPW、UBE3A、ATP10C、pgc、7SK、RNA Pol II転写伸長因子P−TEFb、B2、HSR−1、BC1、BC200、NRSE、NRON、NFAT転写因子、Makorin−p1、HAR1F、HAR1R、OCC1、DD3/PCA3、PCGEM1、NCRMS、HIS−1、BCMS、CMPD、NC612、SRA、DISC2、PSZA11q14、RAY1/ST7、UBE3A−AS、SCA8、22k48、C6orf37OS、COPG2IT1、DGCR5、KCNQ1オーバーラップ転写1(非タンパク質コード)、MESTIT1、PRINS、SCA8/アタキシン8、ATN1/DRPLA、FMR1、AFF2/FMR2、フラタキシン/FXN、Htt、ジャンクトフィリン−3(JPH3)、DMPK、Znフィンガータンパク質−9、アンドロゲン受容体(AR)(X連鎖)、アタキシン−1(ATXN1)、ATXN10、タンパク質ホスファターゼPP2A(PPP2R2B)、TATAボックス結合タンパク質(TBP)、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、およびSCA8。特定の実施形態では、本発明の方法を使って標的化され、抑制されたnrRNAは、NEAT2(別名MALAT1)、DMPK、U16、およびU50から選択されたnrRNAである。特定の実施形態は、本明細書記載の動物の核内繋留RNAに関連する疾患または傷害の症状の治療、改善、遅延または低減方法を提供し、本明細書記載のnrRNAを標的とした修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを含む化合物を動物に投与することを含み、修飾オリゴヌクレオチドが動物のnrRNAを減らし、それにより、動物の核内繋留RNAに関連する疾患または傷害の症状を治療、改善し、進行を遅延させ、または低減する。

特定の実施形態は、核内繋留RNAに関連した疾患または状態の動物を治療する方法を提供し、核内繋留RNAに関連した疾患または状態の前記動物を特定し、前記動物に治療有効量のnrRNAを標的とする修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む。特定の実施形態では、動物に投与される治療有効量の化合物により、動物の核内繋留RNAに関連した疾患または傷害の症状を治療、改善し、進行を遅延させ、または低減する。

特定の実施形態は、nrRNAを減らす方法を提供し、10〜30連鎖ヌクレオシドからなり、前記修飾オリゴヌクレオチド全体にわたり測定して、本明細書記載のnrRNA配列のいずれか一つに少なくとも90%相補的なヌクレオベース配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を動物に投与することを含む。特定の実施形態では、nrRNAの減少により、動物の核内繋留RNAに関連した疾患または傷害の症状を治療、改善し、進行を遅延させ、または低減する。

特定の実施形態は、核内繋留RNAに関連した疾患または状態の症状の治療、改善、遅延または低減方法を提供する。方法は、核内繋留RNAに関連した疾患または状態の動物を特定し、その動物にオリゴヌクレオチドの取込に対する抵抗性の、または低い取込を示す組織中の核リボヌクレアーゼを活性化するのに有効な量の、前記核内繋留RNAの相補的な修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを投与することを含む。核リボヌクレアーゼは、アンチセンスオリゴヌクレオチド/nrRNA二本鎖を認識することにより核内繋留RNAを切断することができる。特定の実施形態では、核リボヌクレアーゼは、RNアーゼH1、RNアーゼH2またはドローシャである。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの量は、核内繋留RNAを薬理学的に関連する量だけ減らすために効果的である。特定の実施形態では、薬理学的に関連する核内繋留RNAの減少により、動物の核内繋留RNAに関連した疾患または傷害の症状を治療、改善し、進行を遅延させ、または低減する。

特定の実施形態は、アンチセンスオリゴヌクレオチド取込の少ない組織中の薬理学的に関連する核内繋留RNAの減少を実現する方法を提供し、核内繋留RNAを有するか、または有すると疑われる動物に、薬理学的に関連する量だけ核内繋留RNAを切断することができる核リボヌクレアーゼを活性化するのに有効な量の、前記核内繋留RNAを標的にしているか、またはそれに相補的な修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを投与することを含む。特定の実施形態では、核内繋留RNAは、オリゴヌクレオチドの少ない取込を有するかまたは示す、またはオリゴヌクレオチド取込に抵抗性の組織中の疾患または状態に関連しており、動物は、関連疾患または状態を有するとして選択されている。特定の実施形態では、核内繋留RNAは、安定なRNAである。

特定の実施形態は、アンチセンスオリゴヌクレオチド取込の少ない組織中の、核内繋留RNAに関連した疾患または傷害の症状の治療、改善、遅延または低減方法を提供し、組織中の核内繋留RNAに関連した疾患または傷害を有する動物を選択すること、および動物に、薬理学的に関連する量の核内繋留RNA切断を可能とする核リボヌクレアーゼを活性化するのに有効な量の、前記核内繋留RNAを標的にしているか、またはそれに相補的な修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを投与し、それにより、疾患または傷害の症状を治療、改善し、進行を遅延させ、または低減することを含む。特定の実施形態では、核内繋留RNAは、安定なRNAである。

特定の実施形態では、動物は、下記から選択される疾患を有する:ハンチントン病、ハンチントン病類縁疾患2型、筋緊張性ジストロフィー(DM1およびDM2を含む)、脆弱X関連振戦・失調症候群、脆弱XE精神遅滞、脊髄小脳失調症(表2に挙げたものを含む)、フリードライヒ運動失調症、早期卵巣機能不全、球脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症(ケネディ病)または歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(ハウ・リバー症候群)。

特定の実施形態では、組織は、骨格筋、心筋、平滑筋、脂質、脾臓、硬骨、腸、副腎、精巣、卵巣、膵臓、下垂体、前立腺、皮膚、子宮、膀胱、腫瘍および脳である。特定の実施形態では、細胞型は、糸球体、遠位尿細管上皮細胞およびリンパ球細胞である。特定の実施形態では、細胞型は、限定されないが、乳、、結腸および前立腺癌細胞を含む悪性細胞である。

特定の実施形態では、投与は、オリゴヌクレオチドの全身性効果(一つの組織を越える効果)をもたらす。特定の実施形態では、投与は、皮下、静脈内、大脳内、脳室内、髄腔内またはオリゴヌクレオチドの全身性効果(一つの組織を越える効果)もしくはCNSやCSFへの送達をもたらす他の投与である。

特定の実施形態では、nrRNAは、少なくとも1つの反復領域および少なくとも1つの非反復領域を含むヌクレオチド反復含有RNAである。特定の実施形態では、前記ヌクレオチド反復含有RNAの反復領域は、CAG、GCG、CUG、GCC、GCC、CGG、GAA、CAA、CCUG、またはAUUCU、から選択される反復配列を含む。特定の実施形態では、反復配列は、伸長される。特定の実施形態では、反復配列は、約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、100、250、500、1000、1500、2000(またはこれらの数値のいずれかの2つにより定義されるいずれかの範囲)回超、反復領域内で反復される。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド反復含有RNAの非反復領域の非コード配列を標的とする。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド反復含有RNAのコード領域、イントロン、5’UTR、または3’UTRを標的とする。

特定の実施形態では、nrRNAはノンコーディングRNAである。

特定の実施形態では、nrRNAは、長鎖ncRNAまたはlincRNAである。

特定の実施形態では、nrRNAは、変異RNAである。特定の実施形態では、変異RNAは、野性型に比較し少ないのが好ましい。

特定の実施形態では、nrRNAは、安定なRNAである。特定の実施形態では、nrRNAは、少なくとも5時間、10時間、15時間、20時間、24時間、24時間超、25時間または25時間超の半減期を有する。

特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、キメラである。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ギャップマーである。

特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、10〜30連鎖ヌクレオシドから構成される。

特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体を測定して、nrRNAに対し少なくとも90%相補的なヌクレオベース配列を有する。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオベース配列は、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体を測定して、本明細書記載のいずれか1つのnrRNAに対し少なくとも95%相補的である。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオベース配列は、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体を測定して、本明細書記載のいずれか1つのnrRNAに対し100%相補的である。

特定の実施形態では、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。特定の実施形態では、各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。

特定の実施形態では、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドは、修飾糖を含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの修飾糖は、二環糖である。特定の実施形態では、少なくとも1つの修飾糖は、2’−O−メトキシエチルまたは4’−[C(Ra)(Rb)]n−O−2’架橋を含み、式中、RaおよびRbは、独立に、H、アルキルまたは置換アルキルである。特定の実施形態では、RaおよびRbは、それぞれHである。特定の実施形態では、Raはアルキル、RbはHである。特定の実施形態では、RaはCH3、RbはHである。特定の実施形態では、修飾糖は、4’−(CH2)n−O−2’架橋を含み、式中、nは、1または2である。

特定の実施形態では、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドは、修飾ヌクレオベースを含む。特定の実施形態では、修飾ヌクレオベースは、5−メチルシトシンである。

特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、a)連鎖デオキシヌクレオシドで構成されるギャップセグメント;b)連鎖ヌクレオシドで構成される5’ウイングセグメント;およびc)連鎖ヌクレオシドで構成される3’ウイングセグメント、を含む。ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントおよび3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む。

特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、a)10連鎖デオキシヌクレオシドで構成されるギャップセグメント;b)5連鎖ヌクレオシドで構成される5’ウイングセグメント、およびc)5連鎖ヌクレオシドで構成される3’ウイングセグメント、を含む。ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントおよび3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチル糖を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合であり、前記修飾オリゴヌクレオチド中の各シトシンは、5’−メチルシトシンである。

特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、20連鎖ヌクレオシドで構成される。

特定の実施形態は、動物の核内繋留RNAに関連した疾患または傷害の症状の治療、改善、遅延または低減方法を提供し、動物に、nrRNAを減らす修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含み、修飾オリゴヌクレオチドは、a)10連鎖デオキシヌクレオシドで構成されるギャップセグメント;b)5連鎖ヌクレオシドで構成される5’ウイングセグメント;およびc)5連鎖ヌクレオシドで構成される3’ウイングセグメント、を含む。ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチル糖を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合で、前記修飾オリゴヌクレオチド中の各シトシンは、5’−メチルシトシンであり、前記nrRNAの減少により、動物の核内繋留RNAに関連した疾患または傷害の症状を治療、改善し、進行を遅延させ、または低減する。

特定の実施形態は、核内繋留RNAに関連した疾患または状態の治療、改善、または予防のための薬物の製造における本明細書記載の化合物の使用を提供する。

特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、第1の薬剤として指定され、本発明の方法は、第2の薬剤を投与することをさらに含む。特定の実施形態では、第1の薬剤および第2の薬剤は、同時投与される。特定の実施形態では、第1の薬剤および第2の薬剤は、逐次的にまたは同時に同時投与される。

特定の実施形態は、本明細書記載の核内繋留RNAに関連した疾患または状態の治療、防止、または改善用キットを提供し、キットは、本明細書記載の化合物、および任意選択で、本明細書記載の追加の薬剤または治療薬を含む。キットには、キットを使用して核内繋留RNAに関連した疾患または状態の治療、防止、または回復を行うためのインストラクションまたはラベルをさらに含めてもよい。

特定の実施形態は、アンチセンスオリゴヌクレオチド取込の少ない組織中の核内繋留RNAに関連した疾患の治療のための本明細書記載の修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を提供する。特定の実施形態では、皮下、静脈内、大脳内、脳室内もしくは髄腔内治療またはCNSもしくはCSFの治療のための使用が提供される。

特定の実施形態は、本明細書記載のいずれかの治療方法での使用のための薬物の製造における本明細書記載のいずれかの化学修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を提供する。

特定の実施形態は、本明細書記載のいずれかの治療方法での使用のための本明細書記載のいずれかの化学修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。

特定の実施形態は、92〜110、150〜160、および171〜175のいずれかのヌクレオベース配列の内の少なくとも12近接ヌクレオベースを含むヌクレオベース配列を有する12〜30連鎖ヌクレオシドから構成される修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、92〜110、150〜160、および171〜175のいずれかのヌクレオベース配列の内の少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、または少なくとも11近接ヌクレオベースを含むヌクレオベース配列を有する。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、92〜110、150〜160、および171〜175のいずれかのヌクレオベース配列の内の少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、または少なくとも19の、近接ヌクレオベースを含むヌクレオベース配列を有する。

特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、単鎖オリゴヌクレオチドである。

特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオベース配列は、配列番号:1、XXX、および170に対し100%相補的である。

特定の実施形態では、少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。

特定の実施形態では、各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。

特定の実施形態では、少なくとも1つのヌクレオシドは、修飾糖を含む。

特定の実施形態では、少なくとも1つの修飾糖は、二環糖である。

特定の実施形態では、少なくとも1つの修飾糖は、2’−O−メトキシエチルを含む。

特定の実施形態では、少なくとも1つのヌクレオシドは、修飾ヌクレオベースを含む。

特定の実施形態では、修飾ヌクレオベースは、5−メチルシトシンである。

特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、 連鎖デオキシヌクレオシドで構成されるギャップセグメント; 連鎖ヌクレオシドで構成される5’ウイングセグメント; 連鎖ヌクレオシドで構成される3’ウイングセグメントを含み、 ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む。

特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、 10連鎖デオキシヌクレオシドで構成されるギャップセグメント; 5連鎖ヌクレオシドで構成される5’ウイングセグメント; 5連鎖ヌクレオシドで構成される3’ウイングセグメントを含み、 ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチル糖を含み、各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。

特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、14連鎖ヌクレオシドで構成される。

特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、16連鎖ヌクレオシドで構成される。

特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、20連鎖ヌクレオシドで構成される。

特定の実施形態は、本明細書記載の化合物を含む医薬組成物を提供する。

核構造 真核生物の核は、いくつかの区画および構造物を含む動的構造組織を有する。最も顕著な構造は、核小体の非膜構造であり、その中で、リボソームRNAが転写され、プロセッシングされる(Thiry,M.and Lanfontaine,D.L.J.Trends Cell Biol.2005.15:194−199)。また、クロマチンドメインも重要な構造で、細胞のゲノムDNAを収容し、その発現を調節する(Cremer,T.et al.,Crit.Rev.Eukaryotic Gene Expr.2000.10:179−212)。

また、核は、スペックル、または一群の顆粒を含み、その中のクロマチン間の顆粒(ICG)がよく知られたクラスを形成し(Spector,D.L.et al.,EMBO J.1991.10:2467−3481)、これが、種々のsnRNA、snRNP(核内低分子RNA結合タンパク質)、およびRNAポリメラーゼIIの貯蔵センターである(Fu,X.Y.and Maniatis,T.Nature.1990.343:437−441)。多くの大きなスペックルは、クロマチン間顆粒群(IGC)に対応する。この群は、0.8〜1.8μmの直径の大きさで、20〜25nmの直径粒子からなり、これらは所々で連結されているように見える。IGCは、pre−mRNAスプライシング因子の構築および/または修飾に関与することが提唱されている。

核スプライシングスペックルまたはクロマチン間顆粒群(IGC)は、また、核内繋留RNAを含む(Thiry,M.Eur.J.Cell.Biol.1993.62:259−269)。特定の核内繋留RNAは、それらの寿命の持続期間の間は核内に残るが、これらの一部は、特定のシグナル、例えば、細胞ストレスに応答して細胞質に放出されることがある。RNAは、RNAアデノシンデアミナーゼによる編集および大きなRNP複合体形成の結果として核中に保持される。パラスペックル(PS)は、分離した核小体であり(Fox,A.H.et al.,Mol.Biol.Cell2005.16:5304−5315)、スプライシングスペックルの近くまたは隣接していることが多く、また、特定のRNAの核内繋留に結びつけられている。調査(Clemenson,C.M.et al.,Mol.Cell2009.33:717−726;Sasaki,Y.T.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2009.106:2525−2530;Sunwoo,H.et al.,Genome Res.2009.19:347−359)により、PSの形成と維持に重要な、構造的要素として、2つのノンコーディングRNA、Menε/NEATlおよびMenβが明らかになっている。

ストレス核小体(SNB)の形成はPSと同様であり、その類似性は、satellite反復転写物の周辺の特定の転写部位で生ずる(Denegri,M.et al.,Mol.Biol.Cell 2002.13:2069−2079;Jolly,C.et al.,J.Cell Biol.2002.156:775−781;Rizzi,N.et al.,Mol.Cell Biol.2004.15:543−551)。SNBは、RNA転写およびプロセッシングの調節因子に関連しているが、それらの実際の役割は、まだ明らかになっていない。

別の核ドメイン、クロマチン周辺フィブリル(PCF)は、核全体に分布し、snRNP、非snRNPおよびhnRNPを含む(Spector,D.L.Ann.Rev.Cell.Biol.1993.9:265−315)。これらは、PCFが転写およびpre−mRNAプロセッシング部位であることを示唆している(Fakan,S.et al.,J.Cell Biol.1984.98:358−363)。他のこのような活性核部位は、多くのRNA転写/処理要求がある細胞で認められるコイル体またはカハール体(CB)である(Lamond,A.I.and Carmo−Fonesca,M.Trends Cell Biol.1993.3:198−204;Gall,J.G.Annu.Rev.Cell Dev.Biol.2000.16:273−300)(Cajal,S.R.Trab.Lab Invest.Biol.Univ.Madrid 1903.2:129−221)。CBは、snRNPが成熟/再利用のために入り、最終的に他の機能ドメイン、例えば、スプライシングスペックルや活性転写ユニット、を組み込むために出て行くドメインである可能性がある。

さらなる核小体は、核小体に関連した核周囲区画(PNC)で、また、RNA代謝(Huang,S.J.Struct.Biol.2000.129:233−240)、核小体の顆粒および原線維領域、前骨髄球性白血病タンパク質(PML)核小体(Doucas,V.and Evans,R.M.Biochem.Biophys.Acta 1996.1288:M25−M29)、ヒストン遺伝子座体、熱ショック因子1病巣、SAM−68体、GATA−1病巣、および核ドット(nuclear dots)(Ascoli,C.A.and Maul,G.G.J.Cell Biol.1991.112:785−795)に関与している。

特定の実施形態では、本明細書記載の方法で標的化されるnrRNAは、限定されないが、核小体、カハール体、スペックル、パラスペックル、ストレス核小体、クロマチン周辺フィブリルおよび核周囲区画、等の本明細書記載の核内構造体の1つに含まれる。特定の実施形態では、本明細書記載の方法で標的にしているnrRNAは、リボ核タンパク質またはRNP複合体に関連している。

核内繋留 細胞核、特に、哺乳動物細胞中の細胞核は、高度に組織化された構造である。特定のタンパク質および核酸が、核内構造体、例えば、核小体、カハール体、パラスペックル、および核スペックル中で濃縮されている(Platini and Lamond,2004)。これらの構造体の多くは、RNAの保持を介して遺伝子発現の制御に関与する。核内繋留の機序は、RNAのいくつかの構造体の機能により媒介されると考えられている。例えば、イノシン含有RNA(またはアデノシンからイノシンへの超編集を受けるRNA)ならびに伸長3’UTRを有するRNAおよび逆方向反復配列、例えば、Alu配列を有するRNAは、核内繋留に関連付けられている(Bond and Fox 2009)。逆方向反復配列、例えば、Alu反復を有するRNAは、二重鎖ヘアピンを形成することが示されている。これらのヘアピンは、リボ核タンパク質に結合し、アデノシンからイノシンへの(A−to−I)超編集を受けうる(Zhang and Carmichael2001;Bond and Fox,2009)。また、他の調査では、安定性の理由から、ヒトRNAにおけるA−to−I編集の重要性が示された(Athanasiadis,2004;Kim,2004)。他の調査では、変異伸長ヌクレオチド反復含有RNAが核タンパク質または他のタンパク質に結合するヘアピンを形成し、それにより、核中に隔離または保持されるようになることが示されている。

従って、伸長3’UTRの存在、伸長または逆方向反復配列の存在、イノシンまたは特定の配列のA−to−I編集の存在、および核タンパク質のRNAに対する結合は、核内繋留または核内繋留RNAの安定性の増加に対する主要寄与因子である可能性がある。

特定の実施形態では、本明細書記載の方法で標的とされる、または提供されるnrRNAは、伸長3’UTRを有する。特定の実施形態では、nrRNAは、1つまたは複数の逆方向反復配列を有する。特定の実施形態では、nrRNAは、イノシンを含むか、またはA−to−I編集を受ける。特定の実施形態では、nrRNAは、核タンパク質、リボ核タンパク質またはsnRNPまたはそれらのいずれか1つまたは複数の複合体に結合する。

核内繋留RNAの安定性 nrRNAは、通常、タンパク質コードRNAに比べて、より大きい安定性を有すると考えられている。比較に基づくnrRNAの安定性は、通常、それらの構造ならびにリボ核タンパク質複合体との結合に起因する(Viegas,S.C.and Arraiano,C.M.RNA Biol.2008.5230−243)。例えば、長い半減期を有するMALAT1転写物は、保存され、ゲノムでコードされた短いポリ(A)リッチな領域を有し、これがその成熟転写物の3’−末端の位置に短いポリAテール様部分を付与する。このような短いポリ(A)領域またはテールの存在は、以前、RNA安定性を確実にするのに有効であることが示されている(Peng,J.et al.,RNA 2005.11:958−965)。Uリッチモチーフは、また、RNAの安定性にある種の役割を果たすと考えられている。ポリAテール様部分、および近くのUリッチモチーフの存在は、MALAT−1の長い半減期およびそのエキソヌクレアーゼに対する抵抗性の理由であると考えられている(WiluszJ.E.et al.,Cell 2008.135:919−932)。

特定の実施形態では、本明細書記載の方法で標的にされ、提供されるnrRNAは、ポリAテールまたはUリッチモチーフを含む。

核内繋留RNA ノンコーディングRNA 大部分の哺乳類ゲノムは、タンパク質に翻訳されない、長いRNAの転写物に転写される。このような長いノンコーディングRNAは、以前には、細胞中のアーチファクトと考えられていたが、現在では、機能的に特徴付けされ始めている。長鎖ノンコーディングRNA(長鎖ncRNA)は、アンチセンスまたは抑制、および/または他の遺伝子発現の調節により、多くの機能、例えば、構造的、ハウスキーピング、サイレンシングの1つを果たすことができる。Mercer等(Mercer,T.R.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA2008.105:716−721)は、成体マウス脳中で発現した849長鎖ncRNAを特定し、タンパク質コード能力のない大部分のプロセッシングされた転写物が、本来のRNAとして機能することを見出した。Guttman等(Guttman,M.et al.,Nature.,2009,458,223−227)は、千を超える長鎖ncRNAを特定し(大型介在性ノンコーディングRNAまたはlincRNA)、推定機能をそれぞれに割り付け、胚性幹細胞多能性から細胞増殖までのプロセスにおける広範囲の役割を証明した。

構造的機能を有するとして文献に記載されている大型ノンコーディングRNAは、Neat1(Clemson,C.M.et al.,Mol.Cell 2009.33:717−726)、Neat2/Malat−1(Wilusz,J.E.et al.,Cell 2008.135:919−932)、hsr−omega(Lakhotia,S.C.et al.,Curr.Sci.1999.77:553−563)、他のRNAをアフリカツメガエル卵母細胞の植物皮質に固定するXlsirt(Kloc,M.and Etkin,L.D.Science 1994.265:1101−1103)、ストレスの間、9q12動原体周囲領域の特定のクロマチン構造の樹立と維持に関連しているSatellite III(Jolly,C.and Lakhotia,S.C.Nucleic Acids Res.2006.34:5508−5514)、およびMenβ(Sasaki,Y.T.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2009.106:2525−2530)である。最近の調査で、長鎖ncRNAをゲノム外情報の非メンデル型遺伝のメッセンジャーに結びつけた。シロイヌナズナ中の長鎖ncRNAhothead(Lolle,S.J.Nature 2005.434:505−509)およびマウス中のKit(Rassoulzadegan,M.et al.,Nature 2006.441:469−474)は、両方とも、代替ゲノムキャッシュとして機能する。

大規模シークエンシングプロジェクトからのデータの計算機分析により、多数の真核生物ゲノム中の天然アンチセンス転写物が明らかになった(Lehner,B.et al.,Trends Genet.2002.18:63−65;Lavorgna,G.et al.,Trends Biochem.Sci.2004.29:88−94)。ヒトの天然アンチセンス転写物として、1600を越える転写物が特定された(Yelin,R.et al.,Nat.Biotechnol.2003.21:379−386)。これらは、シスまたはトランス配置で転写することができる。アンチセンス機能を有するとして文献に記載のノンコーディングRNAは、X染色体不活性化の役割を有するXist(Brockdorff N.et al.,Cell 1992.71:515−526,Brown,C.J.et al.,Cell 1992.71:527−542);Xistに対しアンチセンスであるTsix(Lee,J.T.et al.,Nat.Gen.1999.21:400−404);父性対立遺伝子の常染色体遺伝子を発現抑制するAir(Sleutels,F.et al.,Nature 2002.415:810−813);Cop2遺伝子に対しアンチセンスで、母系性にインプリントされているCop2as(Lee,Y.J.et al.,FEBS Lett.2000.472:230−234);父性的に発現するRtl1遺伝子に対しアンチセンスであるMirg(Seitz,H.et al.,Nat.Genet.2003.34:261−262);系列特異的にサイレンシングを調節するアンチセンス転写物であるKcnqlot1(Thakur,N.et al.,Mol.Cell.Biol.2004.24:7855−7862;Pandey,R.R.et al.,Mol.Cell 2008.32:232−246);Coup−TfII遺伝子に対しアンチセンスであるAK045070;P−rex1遺伝子に対しアンチセンスであるP−rex1AS(Mercer,T.R.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.2008.105:716−721);ZNF127遺伝子に対しアンチセンスであるZNF127AS(Jong1999);NESP55遺伝子に対しアンチセンスであるNESPAS(Wroe,S.F.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2000.97:3342−3346);酵母のSER3遺伝子の転写を抑えるSRG1(Martens,J.A.et al.,Genes & Dev.2004.19:2695−2704);B細胞のErbAα2mRNAに対するアンチセンス転写物(Hastings,M.L.et al.,Nucleic Acids Res.1997.25:4296−4300;Hastings,M.L.et al.,J.Biol.Chem.2000.275:11507−11513);鉄代謝に関与するHFEmRNAに対するアンチセンス転写物(Thenie,A.C.et al.,Hum.Mol.Genet.2001.10:1859−1866);nNOSタンパク質合成のアンチセンス制御因子である偽NOS転写物(Korneev,S.A.J Neurosci.1999.19:7711−7720);および、HOXD座位のトランス配置の転写を抑えるHotairを含む231の既知のHox ncRNA(Rinn,J.L.et al.,Cell 2007.129:1311−1323)である。

ノンコーディングRNAは、また、dsRNAとして遺伝子発現を調節でき、また、RNAi経路を介して遺伝子サイレンシングを誘導する。このようなセンス−アンチセンスRNA誘導遺伝子サイレンシングは、文献により充分に立証されている(Aravin,A.A.Curr.Biol.2001.11:1017−1027;Saito,K.et al.,Genes&Dev.2006.20:2214−2222;Vagin,V.V.et al.,Science 2006.313:320−324)。これらの哺乳動物の転写物は、piRNAと呼ばれており(Aravin,A.et al.,Nature 2006.442:203−207;Girard,A.etal.,Nature2006.442:199−202)、生殖系列特異的転写および転写後遺伝子サイレンシングに関与する(Carthew,R.W.Science 2006.313:305−306;Lau,N.C.et al.,Science 2006.313:363−367)。

調節の機能を有するとして文献で記載されている他のノンコーディングRNAは、Evf(Feng,J.et al.,Genes Dev.2006.20:1470−1484)、これは、ホメオボックス転写因子Dlx2;Glt2と相互作用し(Schuster−Gossler,K.et al.,Dev.Dyn.1998.212:214−228))、また、小人症表現型の調節に関与する;ニューロンの遺伝子発現に関与するGomafu(Sone,M.et al.,J.Cell Sci.2007.120:2498−2506);ニューロン新生の重要な制御因子であるSox2遺伝子を含むSox2ot(Mikkelsen,T.S.et al.,Nature 2007.448:553−560)、胎仔移植を調節するmir−101aを包含するAK021368、Satb2遺伝子に対し双方向性で、皮質ニューロン中のクロマチンモデリングを調節する長鎖ncRNA、Klhll4遺伝子に対し双方向性の長鎖ncRNA、Camkkl遺伝子に対し双方向性の、雄−特異的記憶形成に関与する長鎖ncRNA(Mercer,T.R.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.2008.105:716−721)、母系性にインプリントされている遺伝子である長鎖ncRNA Rian(Hatada,I.et al.,J.Biochem.(Tokyo)2001.130:187−190)、そのタンパク質コーディングパートナーを調節するCAT2転写物核内RNA、CAT2遺伝子(Prasanth,K.V.et al.,Cell 2005.123:249−263)、Xist遺伝子をも調節する長鎖ncRNA Xite、JpxおよびFtx(Heard,E.and Disteche,C.M.Genes&Dev.2006.20:1848−1867;Chureau,C.et al.,Genome Res.2002.12:894−908)、雄X染色体の発現を調節する長鎖ncRNA RoX1およびRoX2(Deng,X.and Meller,V.H.Trends.Biochem.Sci.2006.31:526−532)、母系性にインプリントされている遺伝子の長鎖ncRNA H19およびその対応する父性的にインプリントされている長鎖ncRNA、Igf2(Brannan,C.I.et al.,Mol.Cell.Biol.1990.10:28−36)、Prader−Willi/Angelman症候群に関与する長鎖ncRNA、IPW(Prader−Williにインプリントされている)(Wevrick,R.et al.,Hum.Mol.Genet.1994.3:1877−1882)、母系性に転写された遺伝子の長鎖ncRNAUBE3A(Albrecht,U.et al.,Nat.Genet.1997.17:75−78)、およびATP10C(Meguro,M.et al.,Nat.Genet.2001.28:19−20)、赤血球細胞中のβ−globinの遺伝子間座位から転写された長鎖ncRNA(Ashe,H.L.et al.,Gens&Dev.1997.11:2494−2509)、Th2細胞のIL4/IL13座位の遺伝子間座位から転写された長鎖ncRNA(Rogan,D.F.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.2004.101:2446−2451)、ホメオティック遺伝子を調節するmiRNA mir−iab−4−5pおよびmir−iab−4−3p(Aravin,A.A.et al.,Mol.Cell.Biol.2003.24:6742−6750)、ショウジョウバエのTRE座位を調節する長鎖ncRNA転写物(Sanchez−Elsner,T.et al.,Science.2006.311:1118−1123)、ショウジョウバエの生殖細胞転写抑制に関与する長鎖ncRNA pgc(Nakamura,A.et al.,Science 1996.274:2075−2079)、哺乳動物のRNA Pol II転写伸長因子P−TEFbに結合し、阻害する7SK(Nguyen,V.T.et al.,Nature 2001.414:322−325)、マウスの環境ストレスの間に発現上昇し、RNA Pol IIを阻害する長鎖ncRNAB2(Allen,T.A.et al.,Nat.Struct.Mol.Biol.2004.11:816−821)、熱ショック応答を活性化するHSR−1(Shamovsky,I.et al.,Nature 2006.440:556−560)、ニューロンの樹状ドメインを標的にし、脆弱X症候群に結びつけられる長鎖ncRNA BC1とBC200(O’Donell,W.T.and Warren,S.T.Annu.Rev.Neurosci.2002.25:315−338)、NRSF/REST転写装置と相互作用し、神経幹細胞から分化型ニューロンへの変化が起こるNRSE(Kuwabara,T.et al.,Cell 2004.116:779−793)、ウイルス様エプスタイン・バーウイルス中のウイルス潜伏の間に発現したウイルス性長鎖ncRNA EBER1とEBER2(Lemer,M.R.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1981.78:805−809)、またこれらは、バーキットリンパ腫細胞の悪性表現型の維持に主要な役割を果たす(Nanbo,A.and Takada,K.Rev.Med.Virol.2002.12:321−326)、NFAT転写因子の抑制因子であるNRON(Willingham,A.T.et al.,Science 2005.309:1570−1573)、Makorin−1mRNAを安定化するMakorin−pl(Yano,Y.et al.,J.Mol.Med.2004.82:414−422)、両方ともヒト脳進化に結びつけられる長鎖ncRNA HAR1FとHAR1R(Pollard,K.S.et al.,Nature 2006.443:167−172)、ならびに、活性転写部位の上流で産生され、遺伝子活性と正に関連する長鎖ncRNA PROMPT(Preker,P.et al.,Science 2008.322:1851−1854)である。

腫瘍細胞を正常細胞と比較する発現分析では、いくつかの形の癌で特定の長鎖ncRNAの発現レベルの変化が示された。報告された長鎖ncRNAは、小児癌のH19(DeBaun,M.R.et al.,Am.J.Hum.Genet.2002.70:604−611)、およびウイルムス腫瘍およびいくつかの胎児腫瘍のIgf2(Okutsu,T.et al.,J.Biochem.2000.127:475−483)(これらの両方は、腫瘍細胞OCC1中で発現が低減され、結腸癌中で高発現している(Pibouin,L.et al.,Cancer Genet.Cytogenet.2002.133:55−60))、前立腺腫瘍中で高発現している長鎖ncRNA DD3/PCA3およびPCGEM1(Bussemakers,MJ.et al.,Cancer Res.1999.59:5975−5979)、非小細胞肺癌中(Ji,P.et al.,Oncogene 2003.22:8031−8041)および子宮内膜間質肉腫および肝細胞癌中で高発現しているMALAT−1(Yamada,K.et al.,Cancer Sci.2006.97:106−112)、胞巣状横紋筋肉腫で高発現しているNCRMS(Chan,A.S.et al.,Oncogene 2002.21:3029−3037)、リンパ腫形成および赤白血病形成に結びつけられるHIS−1(Tam,W.et al.,J.Virol.2002.76:4275−4286)、乳、頸、食道、肺、卵巣、下腺、および舌癌中で高発現しているBC200(Chen,W.et al.,J.Pathol.1997.183:345−351)、B細胞腫瘍に結びつけられるBCMS(Wolf,S.et al.,Hum.Mol.Genet.2001.10:1275−1285)、屈曲肢異形成症に結びつけられるCMPD(Ninomiya,S.et al.,Hum.Mol.Genet.1996.5:69−72)、卵巣癌細胞中で発現しているHOST2(Rangel,L.B.et al.,Oncogene 2003.22:7225−7232)、前立腺癌に結びつけられるNC612(Silva,A.P.et al.,Gene 2003.310:49−57)、乳癌中で発現したステロイド受容体活性化RNAアイソフォームであるSRA(Lanz,R.B.et al.,Cell 1999.97:17−27)、ならびに、種々の癌に結びつけられるTRNG10(Roberts,T.et al.,Hum.Mol.ジェネット.1998.7:1169−1178)である。

種々の傷害に結びつけられる他の長鎖ncRNAは、アルツハイマー病のBC200(Lukiw,W.J.et al.,Neurochem.Res.1992.17:591−597)、統合失調症および双極性感情障害のDISC2(Millar,J.K.et al.,Hum.Mol.Genet.2000.9:1415−1423;MillarJ.K.et al.,Ann.Med.2004.36:367−378)、プラダーウィリ症候群のIPW(Wevrick,R.et al.,Hum.Mol.Genet.1994.3:1877−1882)、プリオン病態のプリオン関連RNA(Deleault,N.R.et al.,Nature.2003.425:717−720)、統合失調症患者の脳中で発現が減少したPSZAllql4(Polesskaya,O.O.et al.,J.Neurosci.Res.2003.74:111−122)、自閉症性障害のRAY1/ST7(Vincent,J.B.et al.,Genomics2002.80:283−294)、脊髄小脳失調症8型のSCA8(Nemes,J.P.et al.,Hum.Mol.Genet.2000.9:1543−1551)、アンジェルマン症候群のUBE3A−AS(Chamberlain,S.J.and Brannan,C.I.Genomics 2001.73:316−322)、プラダーウィリ症候群のZNF127AS(Jong,M.T.et al.,Hum.Mol.Genet.1999.8:783−793)、ディジョージ症候群の22k48(Pizzuti,A.et al.,Mol.Genet.Metab.1999.67:227−235)、びまん性汎細気管支炎のC6orf370S(Matsuzaka,Y.et al.,Immunogenetics 2002.54:301−309)、ラッセル・シルバー症候群のCOPG2IT1(Yamasaki,K.et al.,Genomics 2000.68:330−335)、ディジョージ症候群で切断されたDGCR5(Sutherland,H.F.et al.,Am.J.Hum.Genet.1996.59:23−31)、ベックウィズ・ヴィーデマン症候群のHI9およびLITl(Sparago,A.et al.,Nat.Genet.2004.36:958−960;Niemitz,E.L.et al.,Am.J.Hum.Genet.2004.75:844−849)、ロマノ−ワード、イェルヴェル−ランゲ−ニールセン症候群のLIT1(Horike,S.et al.,Hum.Mol.Genet.2000.9:2075−2083)、ラッセル・シルバー症候群のMESTIT1(Li,T.et al.,J.Biol.Chem.2002.277:13518−13527)、および乾癬のPRINS(Sonkoly,E.et al.,J.Biol.Chem.2005.280:24159−24167)である。

特定の核内のノンコーディングpri−miRNA前駆物質は、また、疾患に関連し、本明細書で提供される方法による標的とすることができる。例えば、BICは、非ホジキンリンパ腫およびバーキットリンパ腫で高発現している核内ノンコーディングpri−miRNA前駆物質である(van den Berg,A.et al.,Genes Chromosomes Cancer 2003.37:20−28)。

核小体低分子RNA(snoRNA)は、別のタイプの真核細胞の核内の核小体に局在化している核内繋留ノンコーディングRNAである。特定の例では、このようなsnoRNAは、リボソームRNA(rRNA)の前駆物質に関連していることが示された。従って、特定のsnoRNAは、ヌクレオチド修飾およびpre−rRNAのプロセッシングに関与していると報告されている。snoRNAU16およびU50は、他の小分子核内RNAの修飾に関し機能する(Fragapane,P.et al.,EMBO J.12:2921−2928,1993;Tanaka,R.et al.,Genes Cells.5:277−287,2000)。また、核酸は、核内のカハール体中で見付けられた。カハール体で見つかったRNAは、小分子カハール体特異的RNA(scaRNA)と名付けられた。特定のscaRNAは、スプライセオソーム小分子核内RNA(snRNA)のヌクレオチド修飾に関与することが報告されている。SnoRNA装置は、先天性化異常症およびプラダーウィリ症候群、等のヒト疾患に関与している(Meier,U.T.,Chromosoma 2005 114:1−14)。

ヌクレオチド反復伸長含有RNA 変異体ヌクレオチド反復伸長含有RNAは、核内に隔離されるか、または繋留されるようになる核タンパク質または他のタンパク質に結合したヘアピンを形成できる。これらのヌクレオチド反復伸長含有RNA(enrRNA)は、また、当技術分野で、リボ核タンパク質を隔離し、核内でのRNA処理の正常な作用を傷害する能力を獲得する「機能獲得型RNA(gain−of−function RNA)」と呼ばれる(Cooper,T.(2009)Cell 136,777−793;O’Rourke,JR(2009)J.Biol.Chem.284(12),7419−7423、を参照)。いくつかの疾患状態が、enrRNAに関連し、反復の閾値の数が、enrRNA中に含まれている場合のみに、前記疾患の一部が発生する。例えば、別の疾患または重症度が、特定の遺伝子中の異なる反復数である400超の反復が原因である場合でも、ある疾患状態は、同じ遺伝子中の50〜200反復が原因の可能性がある。enrRNAの原因となった一部の変異は、ヘテロ接合である可能性があり、従って、いくつかの遺伝子のコピーは、機能性である可能性があり、結果として、遺伝子の野性型コピーに影響を与えることなく、変異体バージョンの遺伝子で干渉する必要がある。疾患に関わる反復配列伸長を有する可能性のあるヌクレオチド反復含有RNA分子の例は、以下のものである:

表からの1例は、筋緊張性ジストロフィー1型(DM1)である。1/7,500の推定頻度のDM1は、進行性身体障害および若死にの原因となる常染色体優性遺伝病である。骨格、心臓、および平滑筋が罹患する。この障害の経過の変更を示す治療は今まで無かった。DM1の原因は、サイトゾルプロテインキナーゼをコードする遺伝子であるDMPKの3’非翻訳領域(UTR)中のCTG反復伸長である。変異は、分裂中の、および有糸分裂後の細胞中で不安定であり、さらなる伸長への偏りを伴う。患者は、典型的には、骨格および心筋で数千回反復を伴うDMPK対立遺伝子を有する。

DM1に関する研究により、RNA占有(RNA dominance)の発見に至った。このRNA占有の疾患過程で、CUG反復伸長(CUGexp)を含むRNAの発現が、細胞機能障害および最終的には、筋肉の細胞変性を誘導する。この過程の重要なステップは、CUG反復とMuscleblind様(MBNL1)ファミリー中のスプライシング因子との相互作用である。この相互作用が、核内ドット(nuclear foci)中へのCUGexp RNAの繋留を起こし、これが他の遺伝子の転写および転写後調節に悪影響を及ぼす。疾患の治療は、薬剤または試薬が筋肉組織により取り込まれなければならないために、複雑である。筋肉組織のオリゴヌクレオチド取込は非常に少ない。

核内繋留RNAの低減 本明細書で提供されるデータは、核内繋留RNAがオリゴヌクレオチド取込の少ない組織中の核内繋留標的を薬理学的に関連する量だけ低減することを可能とするために、ASOの切断に対する感受性が劇的に増加することを示している。例えば、アンチセンスによって、Isisが標的としている4,000を越える転写物の中で、ノンコーディング核内繋留RNAのMALAT1は、アンチセンスオリゴヌクレオチド/RNアーゼHによる抑制に対し、最も感受性の高い標的の1つであることが証明されている。データは、インビトロで50%超、抑制する転写物の大部分を標的化する多数のオリゴヌクレオチドを示している。データは、また、複数の細胞型中で非常に低いIC50値を示す。また、半減期の調査は、MALAT1は、少なくとも10時間を越える期間安定であることを示している。他のオリゴヌクレオチド薬剤(例えば、肝臓標的化薬剤)と同一基準の用量でのMALAT1を標的化するオリゴヌクレオチドの皮下投与により、骨格および心筋中のMALAT1の薬理学的に関連した減少を実現した。3.5週間の50mg/kg隔週投薬により、腓腹筋および四頭筋で、それぞれ、89%および85%の減少、ならびに、心臓で54%減少(肝臓での95%減少に比べて)を実現した。薬理学的に関連するMALAT1の減少は、また、腫瘍異種移植片モデルでも達成された。

核内繋留RNAが変異体RNAである場合は、これの感受性が、また、野性型に対して変異体RNAを選択的に減らす手段を提供する。この手法は、機能的タンパク質欠損を誘導するリスクが減るので、有利である。

アンチセンス化合物 オリゴマー化合物は、限定されないが、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオチド模倣体、アンチセンス化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびsiRNAを含む。オリゴマー化合物は、標的核酸に対し「アンチセンス」であってもよく、これは、水素結合により標的核酸に対しハイブリダイゼーションできることを意味する。

特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、5’から3’方向に記述する場合、標的にされる標的核酸の標的セグメントの逆相補配列を含むヌクレオベース配列を有する。特定のこのような実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’から3’方向に記述する場合、標的にされる標的核酸の標的セグメントの逆相補配列を含むヌクレオベース配列を有する。

特定の実施形態では、nrRNA核酸を標的としたアンチセンス化合物は、10〜30ヌクレオチドの長さである。すなわち、アンチセンス化合物は、10〜30連鎖ヌクレオベースからなる。他の実施形態では、アンチセンス化合物は、8〜80、10〜80、12〜50、15〜30、18〜24、19〜22、または20連鎖ヌクレオベースからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定のこのような実施形態では、アンチセンス化合物は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、または80連鎖ヌクレオベースの長さ、または上記値のいずれかの2つで規定される範囲の連鎖ヌクレオベースの長さからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。

特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、短縮型、または切断型修飾オリゴヌクレオチドを含む。短縮型または切断型修飾オリゴヌクレオチドは、5’末端から(5’切断)の、または、その代わりに、3’末端から(3’切断)の単一ヌクレオシド欠失があってもよい。短縮型または切断型オリゴヌクレオチドは、5’末端からの2つのヌクレオシド欠失があってもよく、または、代わりに、3’末端から2つのサブユニット欠失があってもよい。あるいは、例えば、5’末端からの1つのヌクレオシド欠失、および3’末端からの1つのヌクレオシド欠失を有するアンチセンス化合物において、欠失ヌクレオシドは、修飾オリゴヌクレオチド全体にばらまかれてもよい。

伸長オリゴヌクレオチドで、単一の追加ヌクレオシドが存在する場合は、追加のヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの5’または3’末端に位置してもよい。2つ以上の追加のヌクレオシドが存在する場合は、例えば、オリゴヌクレオチドの5’末端に(5’付加)、または、代わりに、3’末端(3’付加)に追加された2つのヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドにおいて、追加ヌクレオシドは、相互に隣接していてもよい。あるいは、例えば、5’末端への1つのヌクレオシド追加および3’末端への1つのサブユニット追加を有するオリゴヌクレオチドにおいて、追加ヌクレオシドは、アンチセンス化合物全体にばらまかれてもよい。

アンチセンス化合物、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さを増やすか、または減らすことができ、および/または活性を失うことなく、ミスマッチ塩基を導入することができる。例えば、Woolf et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:7305−7309,1992)中で、一連の13〜25ヌクレオベース長さのアンチセンスオリゴヌクレオチドの卵母細胞投与モデル中の標的RNAの切断を導入する能力を試験した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの末端近くに8または11ミスマッチ塩基を有する25ヌクレオベース長のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ミスマッチを含まないアンチセンスオリゴヌクレオチドよりも程度は少ないが、標的mRNAの特異的切断を指示することができた。同様に、1または3ミスマッチを有するものを含む13ヌクレオベースアンチセンスオリゴヌクレオチドを使って、標的特異的切断を実現した。

Gautschi et al(J.Natl.Cancer Inst.93:463−471,March 2001)は、bcl−2mRNAに100%の相補性を有し、bcl−xL mRNAに対し3つのミスマッチを有するオリゴヌクレオチドのbcl−2およびbcl−xLの両方の発現をインビトロおよびインビボで低減させる能力を立証した。さらに、このオリゴヌクレオチドは、インビボで強力な抗腫瘍活性を示した。

MaherとDolnick(Nuc.Acid.Res.16:3341−3358,1988)は、それぞれ、2つまたは3つのタンデムアンチセンスオリゴヌクレオチドの配列からなる一連のタンデム14ヌクレオベースアンチセンスオリゴヌクレオチド、および28および42ヌクレオベースアンチセンスオリゴヌクレオチドの、ヒトDHFRの翻訳を抑止する能力をウサギ網状赤血球アッセイにより試験した。それぞれ、3つの14ヌクレオベースアンチセンスオリゴヌクレオチド単独で、28または42ヌクレオベースアンチセンスオリゴヌクレオチドよりもわずかに多いレベルであるが、翻訳を抑制できた。

アンチセンス化合物モチーフ 特定の実施形態では、nrRNA核酸を標的とするアンチセンス化合物は、いくつかのパターンまたはモチーフに配置された化学修飾サブユニットを有し、アンチセンス化合物特性、例えば、標的核酸に対し強化された抑制活性、増加した結合親和性、またはインビボのヌクレアーゼによる分解に対する抵抗性を付与する。

キメラアンチセンス化合物は、典型的には、少なくとも1つの修飾された領域を含み、それにより、標的核酸に対し、ヌクレアーゼ分解に対する抵抗性の増加、細胞取込の増加、結合親和性の増加、および/または抑制活性の増加を付与する。キメラアンチセンス化合物の2つめの領域が、任意選択で、RNA:DNA二重鎖のRNA鎖を切断する核リボヌクレアーゼRNアーゼHの基質として作用できてもよい。

ギャップマーモチーフを有するアンチセンス化合物は、キメラアンチセンス化合物と考えられる。ギャップマー中では、RNアーゼH切断を支援する複数のヌクレオチドを有する内部領域は、内部領域のヌクレオシドとは化学的に異なる複数のヌクレオチドを有する外部領域の間に位置している。ギャップマーモチーフを有するアンチセンスオリゴヌクレオチドの場合には、ギャップセグメントは、通常、エンドヌクレアーゼ切断の基質として作用するが、一方、ウイングセグメントは、修飾ヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、ギャップマーの領域は、それぞれ異なる領域を含む糖部分の型により識別される。ギャップマーの領域識別のために使われる糖部分の型は、一部の実施形態では、β−D−リボヌクレオシド、β−D−デオキシリボヌクレオシド、2’−修飾ヌクレオシド(このような2’−修飾ヌクレオシドは、特に、2’−MOE、および2’−O−CH3、を含んでもよい)、および二環糖修飾ヌクレオシド(このような二環糖修飾ヌクレオシドは、4’−(CH2)n−O−2’架橋を含んでもよく、ここで、n=lまたはn=2である)を含んでもよい。好ましくは、各異なる領域は、均一な糖部分を含む。ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、「X−Y−Z」と記載されることが多く、ここで「X」は、5’ウイング領域の長さを表し、「Y」は、ギャップ領域の長さを表し、および「Z」は、3’ウイング領域の長さを表す。本明細書で使われる、「X−Y−Z」と記載されるギャップマーは、ギャップセグメントが、それぞれ、5’ウイングセグメントおよび3’ウイングセグメントのすぐ近くの位置になる配置を有する。従って、5’ウイングセグメントとギャップセグメントの間、またはギャップセグメントと3’ウイングセグメントの間には、介在するヌクレオチドが存在しない。本明細書記載のいずれかのアンチセンス化合物は、ギャップマーモチーフを持つことができる。一部の実施形態では、XとZは同じであり、他の実施形態では、それらは異なる。好ましい実施形態では、Yは、8と15ヌクレオチドの間である。X、YまたはZは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30またはそれ超のヌクレオチドのいずれかであってよい。従って、ギャップマーは、限定されないが、例えば、5−10−5、4−8−4、4−12−3、4−12−4、3−14−3、2−13−5、2−16−2、1−18−1、3−10−3、2−10−2、1−10−1、2−8−2、6−8−6、5−8−5、1−8−1、または2−6−2を含む。

特定の実施形態では、「ウイングマー」モチーフとしてのアンチセンス化合物は、ウイング−ギャップまたはギャップ−ウイング配置、すなわち、ギャップマー配置に対する上述のように、X−YまたはY−Z配置を有する。従って、ウイングマー配置は限定されないが、例えば、5−10、8−4、4−12、12−4、3−14、16−2、18−1、10−3、2−10、1−10、8−2、2−13、または5−13を含む。

特定の実施形態では、nrRNA核酸を標的とするアンチセンス化合物は、5−10−5ギャップマーモチーフを有する。

特定の実施形態では、nrRNA核酸を標的とするアンチセンス化合物は、ギャップ拡大モチーフを有する。

標的核酸、標的領域およびヌクレオチド配列 nrRNAをコードするヌクレオチド配列は、限定されないが、表1および表2に挙げたものを含む本明細書記載の配列を含む。

本明細書の実施例において各配列番号で規定された配列は、糖部分、ヌクレオシド間結合、またはヌクレオベースに対するどのような修正とも独立していることは理解されよう。従って、配列番号によって規定されるアンチセンス化合物は、独立に、糖部分、ヌクレオシド間結合、またはヌクレオベースに対する1つまたは複数の修飾を含むことができる。Isis番号(Isis No)により記述されたアンチセンス化合物は、ヌクレオベース配列およびモチーフの組み合わせを示している。

特定の実施形態では、標的領域は、標的核酸の構造的に定義された領域である。例えば、標的領域は、3’UTR、5’UTR、エキソン、イントロン、エキソン/イントロン接合部、コード領域、翻訳開始領域、翻訳終結領域、または他の定義された核酸領域を包含できる。nrRNA用の構造的に定義された領域は、配列データベース、例えば、NCBIからの受入番号により得ることができ、このような情報は、参照によって本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、標的領域は、標的領域内の1つの標的セグメントの5’標的部位から標的領域内の別の標的セグメントの3’標的部位までの配列を含んでもよい。

標的化は、アンチセンス化合物がハイブリダイズし、それにより、所望の効果が生ずる少なくとも1つの標的セグメントの決定を含む。特定の実施形態では、所望の効果は、mRNA標的核酸レベルの減少である。特定の実施形態では、所望の効果は、標的核酸にコードされたタンパク質のレベルの減少、または標的核酸に関連する表現型の変化である。

標的領域は、1つまたは複数の標的セグメントを含むことができる。標的領域内の複数の標的セグメントは、オーバーラップしてもよい。あるいは、それらは、非オーバーラップであってもよい。特定の実施形態では、標的領域内の標的セグメントは、約300以下のヌクレオチドにより分離されている。特定の実施形態では、標的領域内の標的セグメントは、標的核酸上の250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、または10ヌクレオチド、約前記値のヌクレオチド、前記値以下のヌクレオチド、もしくは約前記値以下のヌクレオチド、または前記の値のいずれか2つにより定義される範囲のいくつかのヌクレオチドにより分離されている。特定の実施形態では、標的領域内の標的セグメントは、標的核酸上の5以下、または約5以下のヌクレオチドにより分離されている。特定の実施形態では、標的セグメントは、近接している。本明細書に挙げた5’標的部位または3’標的部位のいずれかの核酸から始まる範囲により定義される標的領域が意図されている。

適切な標的セグメントは、5’UTR、コード領域、3’UTR、イントロン、エキソン、またはエキソン/イントロン接合部内で見付けることができる。開始コドンまたは停止コドンを含む標的セグメントは、また、適切な標的セグメントである。適切な標的セグメントとして、特に、特定の構造的に定義された領域、例えば、開始コドンまたは停止コドンを除外することができる。

適切な標的セグメントの決定には、標的核酸配列の他のゲノム全体の配列に対する比較を含んでもよい。例えば、BLASTアルゴリズムを使って、異なる核酸の中で類似性のある領域を特定することができる。この比較は、選択標的核酸以外の配列(すなわち、非標的または標的外配列)に非特異的にハイブリダイズできるアンチセンス化合物配列の選択を防ぐことができる。

活性標的領域内のアンチセンス化合物の活性の変化(例えば、標的核酸レベルのパーセント減少率で定義されるような)が生じうる。特定の実施形態では、表現型の変化、例えば、核内繋留RNAに関連した疾患または傷害の症状の治療、改善、遅延または低減は、nrRNAの抑制を示す。

ハイブリダイゼーション 一部の実施形態では、ハイブリダイゼーションが、本明細書で開示のアンチセンス化合物とnrRNAの間で起こる。最も一般的なハイブリダイゼーション機序は、核酸分子の相補的なヌクレオベースの間の水素結合(例えば、Watson−Crick、Hoogsteenまたは逆Hoogsteen水素結合)を伴う。

ハイブリダイゼーションは、種々の条件下で起こりうる。ストリンジェント条件は、配列依存性であり、ハイブリダイズされる核酸分子の性質および組成により決まる。

配列が特異的に標的核酸にハイブリダイズ可能かどうかを判定する方法は、当技術分野でよく知られている(Sambrooke and Russell、分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual),3rd Ed.,2001)。特定の実施形態では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物は、nrRNAに特異的にハイブリダイズ可能である。

相補性 アンチセンス化合物の充分な数のヌクレオベースが、標的核酸の対応するヌクレオベースと水素結合でき、それにより、所望の効果(例えば、nrRNA等の標的核酸のアンチセンス抑制)が生ずる場合は、アンチセンス化合物および標的核酸は、相互に相補的である。

アンチセンス化合物は、介在するか、または隣接するセグメントがハイブリダイゼーションイベント(例えば、ループ構造、ミスマッチまたはヘアピン構造)に関与しないように、nrRNAの1つまたは複数のセグメントにわたりハイブリダイズする。

特定の実施形態では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物、もしくはその指定部分は、nrRNA、標的領域、標的セグメント、もしくはその指定部分に70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%相補的または少なくとも前記値に相補的である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、nrRNA、標的領域、標的セグメント、もしくはその指定部分に対し、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的であり、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、または少なくとも19の本明細書記載の代表的アンチセンス化合物のいずれかのヌクレオベース配列の近接ヌクレオベースを含む。標的核酸を含むアンチセンス化合物のパーセント相補性は、通常の方法を使って測定できる。

例えば、アンチセンス化合物の20ヌクレオベースの内の18が標的領域に相補的であり、従って、特異的にハイブリダイズすると思われるアンチセンス化合物は、90パーセント相補性を示すであろう。この例では、残りの非相補性ヌクレオベースは、相補的ヌクレオベース内でクラスターを形成するか、または散在し、相互に、または相補的なヌクレオベースに近接する必要はない。従って、18ヌクレオベース長の、標的核酸を含む2つの完全相補性領域により隣接されている4つの非相補性ヌクレオベースを有するアンチセンス化合物は、標的核酸と77.8%の全体相補性を持ち、その結果、本発明の範囲に入るであろう。標的核酸領域を有するアンチセンス化合物のパーセント相補性は、当技術分野で既知のBLASTプログラム(basic local alignment search tools)およびPowerBLASTプログラム(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403 410;Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,649 656)を使って通常の方法で測定できる。パーセント相同性、配列同一性または相補性は、例えば、Gapプログラム(Wisconsin配列解析パッケージ、Unix用Version 8、Genetics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)により、SmithとWatermanのアルゴリズム(Adv.Appl.Math.,1981,2,482 489)を使用するデフォルト設定を使って、決定できる。

特定の実施形態では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物、またはその指定部分は、標的核酸、またはその指定部分に対し完全に相補的(すなわち、100%相補的)である。例えば、アンチセンス化合物は、標的核酸、または標的領域、またはその標的セグメントまたは標的配列に完全に相補的であってもよい。本明細書で使用される「完全に相補的な」は、アンチセンス化合物の各ヌクレオベースが標的核酸の対応するヌクレオベースと厳密な塩基対形成可能であることを意味する。例えば、20ヌクレオベースアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物に完全に相補的な標的核酸の対応する20ヌクレオベース部分が存在する限り、400ヌクレオベース長の標的配列に完全に相補的である。完全な相補性は、また、第1および/または第2の核酸の指定部分に関連して使用できる。例えば、30ヌクレオベースアンチセンス化合物の20ヌクレオベース部分は、400ヌクレオベース長の標的配列に対し「完全に相補的」でありうる。標的配列が対応する20ヌクレオベース部分を有し、各ヌクレオベースがアンチセンス化合物の20ヌクレオベース部分に相補的である場合は、30ヌクレオベースオリゴヌクレオチドの20ヌクレオベース部分は、標的配列に完全に相補的である。同時に、アンチセンス化合物の残りの10ヌクレオベースも、同様に標的配列に相補的であるかどうかに応じて、全30ヌクレオベースアンチセンス化合物は、標的配列に完全に相補的でありうる。

非相補的なヌクレオベースの部位は、アンチセンス化合物の5’末端または3’末端であってもよい。あるいは、非相補的なヌクレオベースまたは複数ヌクレオベースは、アンチセンス化合物の内部位置にあってもよい。2つ以上の非相補的なヌクレオベースが存在する場合は、それらは、近接(すなわち、連鎖)していても、または非近接であってもよい。一実施形態では、非相補的なヌクレオベースは、ギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチドのウイングセグメント中に位置する。

特定の実施形態では、10、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオベース長の、または前記数値までのヌクレオベース長のアンチセンス化合物は、4以下の、3以下の、2以下の、もしくは1以下のnrRNA等の標的核酸に対する非相補的なヌクレオベース、またはその指定部分を含む。

特定の実施形態では、10、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオベース長の、または前記数値までのアンチセンス化合物は、6以下の、5以下の、4以下の、3以下の、2以下の、または1以下のnrRNA等の標的核酸に対する非相補的なヌクレオベース、またはその指定部分を含む。

本明細書で提供されるアンチセンス化合物は、また、標的核酸の一部に相補的なものを含む。本明細書で使われる「部分」は、標的核酸の領域またはセグメント内の特定の数の近接(すなわち、連鎖)ヌクレオベースを指す。また、「部分」は、アンチセンス化合物の特定の数の近接ヌクレオベースを指す。特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも8ヌクレオベース部分に相補的である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも10ヌクレオベース部分に相補的である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも15ヌクレオベース部分に相補的である。また、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、またはそれ超の標的セグメントのヌクレオベース部分、またはこれらの値のいずれか2つにより規定される範囲に相補的なアンチセンス化合物が意図されている。

同一性 本明細書で提供されるアンチセンス化合物は、また、特定のヌクレオチド配列、配列番号、または特定のIsis番号により表される化合物、またはその部分に対し特定のパーセント同一性を有することもできる。本明細書で使われるアンチセンス化合物は、それが同じヌクレオベース対形成能力を有する場合は、本明細書で開示の配列に同じである。例えば、ウラシルおよびチミジンは、アデニンと対形成するという理由から、開示DNA配列でチミジンの代わりにウラシルを含むRNAは、そのDNA配列と同じと見なされるであろう。短縮されたおよび伸長されたバージョンの本明細書記載のアンチセンス化合物ならびに本明細書で提供されるアンチセンス化合物に対して非等価塩基を有する化合物もまた、意図されている。非等価塩基は、相互に隣接しても、またはアンチセンス化合物全体にわたって散在していてもよい。アンチセンス化合物のパーセント同一性は、比較される配列に対して同じ塩基対形成を有する塩基の数を使って計算される。

特定の実施形態では、アンチセンス化合物、またはその部分は、本明細書で開示の1つまたは複数のアンチセンス化合物もしくは配列番号、またはその部分に対し、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同じである。

修飾 ヌクレオシドは、塩基−糖の組み合わせである。ヌクレオシドのヌクレオベース(塩基としても知られる)部分は、通常、ヘテロ環式塩基部分である。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合したリン酸基をさらに含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むヌクレオシドに対して、リン酸基は、糖の2’、3’または5’ヒドロキシル部分に結合できる。オリゴヌクレオチドは、相互に隣接ヌクレオシドの共有結合により形成され、直鎖ポリマーオリゴヌクレオチドを形成する。オリゴヌクレオチド構造内で、リン酸基は、通常、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合の形成であると見なされる。

アンチセンス化合物に対する修飾は、ヌクレオシド間結合、糖部分、またはヌクレオベースに対する置換または変更を含む。修飾されたアンチセンス化合物は、ネイティブ型よりも好ましいことが多く、理由は、望ましい特性、例えば、強化された細胞取込、強化された核酸標的に対する親和性、ヌクレアーゼの存在下で増加した安定性、または増加した抑制活性が得られるためである。

化学修飾のヌクレオシドは、また、その標的核酸に対する短縮型または切断型アンチセンスオリゴヌクレオチドの結合親和性を高めるために採用できる。その結果、同程度の結果が、このような化学修飾ヌクレオシドを有する短いアンチセンス化合物で得られることが多い。

修飾ヌクレオシド間結合 RNAおよびDNAの天然ヌクレオシド間結合は、3’から5’へのリン酸ジエステル結合である。1つまたは複数の修飾された、すなわち、非天然ヌクレオシド間結合を有するアンチセンス化合物は、天然ヌクレオシド間結合を有するアンチセンス化合物より優先して選択されることが多い。理由は、望ましい特性、例えば、強化された細胞取込、強化された核酸標的に対する親和性、およびヌクレアーゼの存在下で増加した安定性が得られるためである。

修飾ヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドは、リン原子を保持するヌクレオシド間結合ならびにリン原子の無いヌクレオシド間結合を含む。代表的リン含有ヌクレオシド間結合には、限定されないが、リン酸ジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホン酸、ホスホロアミド酸、およびホスホロチオエート、が含まれる。亜リン酸含有および非亜リン酸含有結合の調製法は、よく知られている。

特定の実施形態では、nrRNAを標的とするアンチセンス化合物は、1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態では、修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物の各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。

修飾糖部分 本発明のアンチセンス化合物は、任意選択で、糖基が修飾されている1つまたは複数のヌクレオシドを含んでもよい。このような糖修飾ヌクレオシドは、強化されたヌクレアーゼ安定性、増加した結合親和性、またはいくつかの他の有益な生物学的特性をアンチセンス化合物に対し付与することができる。特定の実施形態では、ヌクレオシドは、化学修飾リボフラノース環部分を含む。化学修飾リボフラノース環の例には、限定されないが、置換基の付加(5’および2’置換基、二環核酸(BNA)のための非ジェミナル環原子の架橋結合、リボシル環酸素原子のS、N(R)、またはC(R1)(R)2(R=H、C1〜C12アルキルによる置換、または保護基を含む)およびこれらの組み合わせによる置換が含まれる。化学修飾糖の例には、2’−F−5’−メチル置換ヌクレオシド(他の開示された5’、2’−ビス置換ヌクレオシドについては、2008年8月21日付け広報のPCT国際公開第WO2008/101157号を参照のこと)またはリボシル環酸素原子をSで置換後、2’−位置のさらなる置換(2005年6月16日付け公報の米国特許公開第2005−0130923号を参照のこと)もしくは、代わりに、BNAの5’−置換(2007年11月22日付け広報のPCT国際公開第WO2007/134181号を参照のこと。この特許では、LNAは、例えば、5’−メチルまたは5’−ビニル基で置換されている)が含まれる。

修飾糖部分を有するヌクレオシドの例には、限定されないが、5’−ビニル、5’−メチル(RまたはS)、4’−S、2’−F、2’−OCH3および2’−O(CH2)2OCH3置換基を含むヌクレオシドが含まれる。2’位置の置換基は、また、アリル、アミノ、アジド、チオ、O−アリル、O−C1〜C10アルキル、OCF3、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2−O−N(Rm)(Rn)、およびO−CH2−C(=O)−N(Rm)(Rn)から選択でき、ここで各RmおよびRnは、独立に、Hまたは置換もしくは未置換C1〜C10アルキルである。

本明細書で使われる「二環ヌクレオシド」は、二環糖部分を含む修飾ヌクレオシドを指す。二環ヌクレオシドの例には、限定されないが、4’および2’リボシル環原子の間の架橋を含むヌクレオシドが含まれる。特定の実施形態では、本明細書で提供されるアンチセンス化合物は、4’〜2’架橋の二環ヌクレオシドを含む1つまたは複数の二環ヌクレオシドを含む。このような4’〜2’架橋二環ヌクレオシドの例には、限定されないが、式:4’−(CH2)−O−2’(LNA);4’−(CH2)−S−2’;4’−(CH2)2−O−2’(ENA);4’−CH(CH3)−O−2’および4’−CH(CH2OCH3)−O−2’(およびその類似体、2008年7月15日発行の米国特許第7,399,845号、参照);4’−C(CH3)(CH3)−O−2’(およびその類似体、2009年1月8日付け公報の国際公開第WO/2009/006478号、参照);4’−CH2−N(OCH3)−2’(およびその類似体、2008年12月11日付け公報の国際公開第WO/2008/150729号、参照);4’−CH2−O−N(CH3)−2’(2004年9月2日付け公報の米国公開特許第2004−0171570号、参照);4’−CH2−N(R)−O−2’、RはH、C1〜C12アルキル、または保護基(2008年9月23日発行の米国特許第7,427,672号、参照);4’−CH2−C(H)(CH3)−2’(Chattopadhyaya,et al.,J.Org.Chem.,2009,.74,118−134、参照);および4’−CH2−C(=CH2)−2’(およびその類似体、2008年12月8日付け公報の国際公開第WO2008/154401号、参照)、の内の1つが含まれる。例えば:Singh et al.,Chem.Commun.,1998,4,455−456;Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607−3630;Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2000,97,5633−5638;Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,2219−2222;Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035−10039;Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.,129(26)8362−8379(Jul.4,2007);米国特許第7,053,207号;同6,268,490号;同6,770,748号;同6,794,499号;同7,034,133号;および同6,525,191号;Elayadi et al.,Curr.Opinion Invens.Drugs,2001,2,558−561;Braasch et al.,Chem.Biol.,2001,8,1−7;およびOrum et al.,Curr.OpinionMol.Ther.,2001,3,239−243;および米国特許第6,670,461号;国際公開第WO2004/106356号;同WO94/14226号;同WO2005/021570号;米国公開特許第2004−0171570号;同2007−0287831号;同2008−0039618号;米国特許第7,399,845号;米国特許出願第12/129,154号;米国特許仮出願第60/989,574号;同61/026,995号;同61/026,998号;同61/056,564号;同61/086,231;同61/097,787号;同61/099,844号;国際出願第PCT/US2008/064591号;同PCT/US2008/066154号;国際出願第PCT/US2008/068922号;および国際公開第WO2007/134181号、を参照のこと。上出の各二環ヌクレオシドは、例えば、α−L−リボフラノースおよびβ−D−リボフラノース、等の1つまたは複数の立体化学糖配置を有するものとして調製できる(1999年3月25日付け公報の国際公開第WO99/14226号として公開された国際出願PCT/DK98/00393参照)。

特定の実施形態では、BNAヌクレオシド二環糖部分は、限定されないが、ペントフラノシル糖部分の4’と2’位置間に少なくとも1つの架橋を有する化合物を含み、このような架橋は、−[C(Ra)(Rb)]n−、−C(Ra)=C(Rb)−、−C(Ra)=N−、−C(=NRa)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−Si(Ra)2−、−S(=O)x−、および−N(Ra)−、から独立に選択される1つまたは2〜4つの連結基を独立に含み; 式中:xは、0、1、または2であり; nは、1、2、3、または4であり; 各RaおよびRbは、独立に、H、保護基、ヒドロキシル、C1〜C12アルキル、置換C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、置換C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、置換C2〜C12アルキニル、C5〜C20アリール、置換C5〜C20アリール、ヘテロ環ラジカル、置換ヘテロ環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C5〜C7脂環式ラジカル、置換C5〜C7脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、COOJ1、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)2−J1)、またはスルホキシル(S(=O)−J1であり;および 各J1およびJ2は、独立に、H、C1〜C12アルキル、置換C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、置換C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、置換C2〜C12アルキニル、C5〜C20アリール、置換C5〜C20アリール、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、ヘテロ環ラジカル、置換ヘテロ環ラジカル、C1〜C12アミノアルキル、置換C1〜C12アミノアルキルまたは保護基である。

特定の実施形態では、二環糖部分の架橋は、−[C(Ra)(Rb)]n−、−[C(Ra)(Rb)]n−O−、−C(RaRb)−N(R)−O−または−C(RaRb)−O−N(R)−である。特定の実施形態では、架橋は、4’−CH2−2’、4’−(CH2)2−2’、4’−(CH2)3−2’、4’−CH2−O−2’、4’−(CH2)2−O−2’、4’−CH2−O−N(R)−2’および4’−CH2−N(R)−O−2’−であり、各Rは、独立に、H、保護基またはC1〜C12アルキルである。

特定の実施形態では、二環ヌクレオシドは、異性体配置によりさらに定義される。例えば、4’−2’メチレンオキシ架橋を含むヌクレオシドは、α−L配置、またはβ−D配置であってもよい。以前、α−L−メチレンオキシ(4’−CH2−O−2’)BNAが、アンチセンス活性を示すアンチセンスオリゴヌクレオチド中に組み込まれた(Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365−6372)。

特定の実施形態では、二環ヌクレオシドは、限定されないが、下図に示す(A)a−L−メチレンオキシ(4’−CH2−O−2’)BNA、(B)β−D−メチレンオキシ(4’−CH2−O−2’)BNA、(C)エチレンオキシ(4’−(CH2)2−O−2’)BNA、(D)アミノオキシ(4’−CH2−O−N(R)−2’)BNA、(E)オキシアミノ(4’−CH2−N(R)−O−2’)BNA、および(F)メチル(メチレンオキシ)(4’−CH(CH3)−O−2’)BNA、(G)メチレンチオ(4’−CH2−S−2’)BNA、(H)メチレンアミノ(4’−CH2−N(R)−2’)BNA、(I)メチル炭素環式(4’−CH2−CH(CH3)−2’)BNA、ならびに(J)プロピレン炭素環式(4’−(CH2)3−2’)BNA、を含む。

式中、Bxは、塩基部分であり、Rは、独立に、H、保護基またはC1〜C12アルキルである。

特定の実施形態では、二環ヌクレオシドは、式I:

を有し、式中、 Bxは、ヘテロ環式塩基部分であり; −Qa−Qb−Qc−は、−CH2−N(Rc)−CH2−、−C(=O)−N(Rc)−CH2−、−CH2−O−N(Rc)−、−CH2−N(Rc)−O−またはN(Rc)−O−CH2であり; Rcは、C1〜C12アルキルまたはアミノ保護基であり;さらに TaおよびTbは、それぞれ、独立に、H、ヒドロキシル保護基、コンジュゲート基、反応性リン基、リン部分または支持体に対する共有結合である。

特定の実施形態では、二環ヌクレオシドは、式II:

を有し、式中、 Bxは、ヘテロ環式塩基部分であり; TaおよびTbは、それぞれ、独立に、H、ヒドロキシル保護基、コンジュゲート基、反応性リン基、リン部分または支持体に対する共有結合であり; Zaは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換C1〜C6アルキル、置換C2〜C6アルケニル、置換C2〜C6アルキニル、アシル、置換アシル、置換アミド、チオールまたは置換チオである。

一実施形態では、各置換基は、独立に、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJc、NJcJd、SJc、N3、OC(=X)Jc、およびNJeC(=X)NJcJdから独立に選択される置換基で単一または多置換されており、式中、各Jc、JdおよびJeは、独立に、H、C1〜C6アルキル、または置換C1〜C6アルキルであり、Xは、OまたはNJcである。

特定の実施形態では、二環ヌクレオシドは、式III:

を有し、式中、 Bxは、ヘテロ環式塩基部分であり; TaおよびTbは、それぞれ、独立に、H、ヒドロキシル保護基、コンジュゲート基、反応性リン基、リン部分または支持体に対する共有結合であり; Zbは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換C1〜C6アルキル、置換C2〜C6アルケニル、置換C2〜C6アルキニルまたは置換アシル(C(=O)−)である。

特定の実施形態では、二環ヌクレオシドは、式IV:

を有し、式中、 Bxは、ヘテロ環式塩基部分であり; TaおよびTbは、それぞれ、独立に、H、ヒドロキシル保護基、コンジュゲート基、反応性リン基、リン部分または支持体に対する共有結合であり; Rdは、C1〜C6アルキル、置換C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニルまたは置換C2〜C6アルキニルであり; 各qa、qb、qcおよびqaは、独立に、H、ハロゲン、C1〜C6アルキル、置換C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニルまたは置換C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシル、置換C1〜C6アルコキシル、アシル、置換アシル、C1〜C6アミノアルキルまたは置換C1〜C6アミノアルキルである。

特定の実施形態では、二環ヌクレオシドは、式V:

を有し、式中、 Bxは、ヘテロ環式塩基部分であり; TaおよびTbは、それぞれ、独立に、H、ヒドロキシル保護基、コンジュゲート基、反応性リン基、リン部分または支持体に対する共有結合であり; qa、qb、qeおよびqfは、それぞれ、独立に、水素、ハロゲン、C1〜C12アルキル、置換C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、置換C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、置換C2〜C12アルキニル、C1〜C12アルコキシ、置換C1〜C12アルコキシ、OJj、SJj、SOJj、SO2Jj、NJjJk、N3、CN、C(=O)OJj、C(=O)NJjJk、C(=O)Jj、O−C(=O)NJjJk、N(H)C(=NH)NJjJk、N(H)C(=O)NJjJkもしくはN(H)C(=S)NJjJkであり; またはqeおよびqfは、共に、=C(qg)(qh)であり; qgおよびqhは、それぞれ、独立に、H、ハロゲン、C1〜C12アルキルまたは置換C1〜C12アルキルである。

メチレンオキシ(4’−CH2−O−2’)BNAモノマーアデニン、シトシン、グアニン、5−メチル−シトシン、チミンおよびウラシルの合成および調製について、それらのオリゴマー化、および核酸認識特性と共に、報告がある(Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607−3630)。BNAおよびその調製については、同様に、国際公開第WO98/39352号および同WO99/14226号、に記載されている。

メチレンオキシ(4’−CH2−O−2’)BNA、メチレンオキシ(4’−CH2−O−2’)BNAおよび2’−チオ−BNAの類似体もまた、調製されている(Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219−2222)。核酸ポリメラーゼの基質としてオリゴデオキシリボヌクレオチド二重鎖を含むロックドヌクレオシド類似体の調製についても記載がある(Wengel et al.,国際公開第WO99/14226号)。さらに、新規の立体構造的に制限された高親和性オリゴヌクレオチド類似体である、2’−アミノ−BNAの合成について、当技術分野の記述がある(Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035−10039)。さらに、2’−アミノ−および2’−メチルアミノ−BNAが、調製され、それらの相補的なRNAおよびDNA鎖を持つ二重鎖の熱安定性が、以前に報告されている。

特定の実施形態では、二環ヌクレオシドは、式VI:

を有し、式中、 Bxは、ヘテロ環式塩基部分であり; TaおよびTbは、それぞれ、独立に、H、ヒドロキシル保護基、コンジュゲート基、反応性リン基、リン部分または支持体に対する共有結合であり; 各qi、qj、qkおよびqlは、独立に、H、ハロゲン、C1〜C12アルキル、置換C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、置換C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、置換C2〜C12アルキニル、C1〜C12アルコキシル、置換C1〜C12アルコキシル、OJj、SJj、SOJj、SO2Jj、NJjJk、N3、CN、C(=O)OJj、C(=O)NJjJk、C(=O)Jj、O−C(=O)NJjJk、N(H)C(=NH)NJjJk、N(H)C(=O)NJjJkまたはN(H)C(=S)NJjJk;ならびに qiおよびqjまたはqlおよびqkは、共に、=C(qg)(qh)であり、式中、qgおよびqhは、それぞれ、独立に、H、ハロゲン、C1〜C12アルキルまたは置換C1〜C12アルキルである。

4’−(CH2)3−2’架橋およびアルケニル類似体架橋4’−CH=CH−CH2−2’を有する1つの炭素環式二環ヌクレオシドが記載されている(Freier et al.,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429−4443およびAlbaek et al.,J.Org.Chem.,2006,71,7731−7740)。炭素環式二環ヌクレオシドの合成および調製について、それらのオリゴマー化および生化学的調査と共に、報告されている(Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.2007,129(26),8362−8379)。

本明細書で使われる「4’−2’二環ヌクレオシド」または「4’〜2’二環ヌクレオシド」は、フラノース糖環の2’炭素原子および4’炭素原子の2つの炭素原子を連結する架橋を含むフラノース環を含む二環ヌクレオシドを指す。

本明細書で使われる「単環ヌクレオシド」は、二環糖部分ではない修飾糖部分を含むヌクレオシドを指す。特定の実施形態では、ヌクレオシドの糖部分、または糖部分類似体、は、どの位置で修飾されても、または置換されてもよい。

本明細書で使われる「2’−修飾糖」は、2’位置でのフラノシル糖修飾を意味する。特定の実施形態では、このような修飾は、ハロゲン化物、限定されないが、置換および未置換アルコキシ、置換および未置換チオアルキル、置換および未置換アミノアルキル、置換および未置換アルキル、置換および未置換アリル、ならびに、置換および未置換アルキニル等から選択される置換基を含む。特定の実施形態では、2’修飾は、限定されないが:O[(CH2)nO]mCH3、O(CH2)nNH2、O(CH2)nCH3、O(CH2)nONH2、OCH2C(=O)N(H)CH3およびO(CH2)nON[(CH2)nCH3]2、等の置換基から選択され、nおよびmは、1〜約10である。また、他の2’−置換基は、:C1〜C12アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリルもしくはO−アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA開裂基(cleaving group)、レポーター基、インターカレーター、アンチセンス化合物の薬物動態学的特性改善のための基、またはアンチセンス化合物の薬力学的特性改善のための基、および類似の特性を有する他の置換基から選択できる。特定の実施形態では、修飾ヌクレオシドは、2’−MOE側鎖(Baker et al.,J.Biol.Chem.,1997,272,11944−12000)を含む。このような2’−MOE置換は、非修飾ヌクレオシドおよび他の修飾ヌクレオシド、例えば、2’−O−メチル、O−プロピル、およびO−アミノプロピルに比べて、改善された結合親和性を有すると記載されている。2’−MOE置換基を有するオリゴヌクレオチドは、また、インビボでの使用に対し有望な特性を有するアンチセンス遺伝子発現阻害剤であることが示されている(Martin,P.,Helv.Chim.Acta,1995,78,486−504;Altmann et al.,Chimia,1996,50,168−176;Altmann et al.,Biochem.Soc.Trans.,1996,24,630−637;およびAltmann et al.,Nucleosides Nucleotides,1997,16,917−926)。

本明細書で使われる「修飾テトラヒドロピランヌクレオシド」または「修飾THPヌクレオシド」は、通常のヌクレオシド中のペントフラノシル残基の6員テトラヒドロピラン「糖」による置換を有するヌクレオシド(糖代用物)を意味する。修飾THPヌクレオシドには、限定されないが、当技術分野でヘキシトール核酸(HNA)、アニトール核酸(ANA)、マンニトール核酸(MNA)(Leumann,CJ.Bioorg.& Med.Chem.(2002)10:841−854、を参照)、フルオロHNA(F−HNA)と呼ばれているもの、または下記の式Xを有する化合物が含まれる。 式X:

式中、前記少なくとも1つの式Xのテトラヒドロピランヌクレオシド類似体のそれぞれに対し独立に: Bxは、ヘテロ環式塩基部分であり; T3およびT4は、それぞれ、独立に、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をアンチセンス化合物に連結するヌクレオシド間結合基であるか、またはT3およびT4の1つが、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をアンチセンス化合物に連結するヌクレオシド間結合基であり、T3およびT4の残りが、H、ヒドロキシル保護基、連鎖コンジュゲート基または5’または3’−末端基であり; q1、q2、q3、q4、q5、q6およびq7は、それぞれ、独立に、H、C1〜C6アルキル、置換C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、置換C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニルまたは置換C2〜C6アルキニルであり;さらに、各R1およびR2は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、置換または未置換アルコキシ、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1、OC(=X)NJ1J2、NJ3C(=X)NJ1J2およびCNから選択され、式中、Xは、O、SまたはNJ1であり、各J1、J2およびJ3は、独立に、HまたはC1〜C6アルキルである。

特定の実施形態では、qm、qn、qP、qr、qs、qtおよびquがそれぞれHである式Xの修飾THPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態では、少なくとも1つのqm、qn、qp、qr、qs、qtおよびquが、H以外のものである。特定の実施形態では、少なくとも1つのqm、qn、qp、qr、qs、qtおよびquがメチルである。特定の実施形態では、R1およびR2の1つがFである式XのTHPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態では、R1は、フルオロ、R2はH;R1はメトキシ、R2はHであり、さらにR1は、メトキシエトキシ、R2はHである。

本明細書で使われる「2’−修飾」または「2’−置換」は、2’位置でHまたはOH以外の置換基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。2’−修飾ヌクレオシドは、限定されないが、糖環の2つの炭素原子を連結する架橋が2’炭素および別の糖環の炭素を連結する二環ヌクレオシド;および非架橋2’置換基、例えば、アリル、アミノ、アジド、チオ、O−アリル、O−C1〜C10アルキル、−OCF3、O−(CH2)2−O−CH3、2’−O(CH2)2SCH3、O−(CH2)2−O−N(Rm)(Rn)、またはO−CH2−C(=O)−N(Rm)(Rn)を有するヌクレオシドを含み、式中、各RmおよびRnは、独立に、Hまたは置換もしくは未置換C1〜C10アルキルである。2’−修飾ヌクレオシドは、他の修飾を、例えば、糖および/またはヌクレオベースの他の位置に、さらに含んでもよい。

本明細書で使われる「2’−F」は、フルオロ基を2’位置に含む糖を含むヌクレオシドを指す。

本明細書で使われる「2’−OMe」または「2’−OCH3」または「2’−O−メチル」は、それぞれ、−OCH3基を糖環の2’位置に含む糖を含むヌクレオシドを指す。

本明細書で使われる「MOE」または「2’−MOE」または「2’−OCH2CH2OCH3」または「2’−O−メトキシエチル」は、それぞれ、−OCH2CH2OCH3基を糖環の2’位置に含む糖を含むヌクレオシドを指す。

本明細書で使われる「オリゴヌクレオチド」は、複数の連鎖クレオシドを含む化合物を指す。特定の実施形態では、1つまたは複数のヌクレオシドが修飾されている。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数のリボヌクレオシド(RNA)および/またはデオキシリボヌクレオシド(DNA)を含む。

アンチセンス化合物中への組み込みのためにヌクレオシドの修飾に使用できる、多くの他のビシクロおよびトリシクロ糖代用環系も、当技術分野で既知である(例えば、概説論文:Leumann,J.C,Bioorganic & Medicinal Chemistry,2002,10,841−854を参照)。このような環系は、種々の追加の置換を受け、活性を高めることができる。

修飾糖の調製方法は、当業者にはよく知られている。

修飾糖部分を有するヌクレオチドでは、ヌクレオベース部分(天然、修飾、またはこれらの組み合わせ)は、適切な核酸標的とのハイブリダイゼーションのために、維持される。

特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、修飾糖部分を有する1つまたは複数のヌクレオチドを含む。特定の実施形態では、修飾糖部分は、2’−MOEである。特定の実施形態では、2’−MOE修飾ヌクレオチドは、ギャップマーモチーフ中に配置される。特定の実施形態では、修飾糖部分は、cEtである。特定の実施形態では、cEt修飾ヌクレオチドは、ギャップマーモチーフのウイング全体にわたり配置される。

修飾ヌクレオベース ヌクレオベース(または塩基)修飾または置換は、機能的に置き替え可能であるにしても、天然または合成非修飾ヌクレオベースとは構造的に識別可能である。天然および修飾ヌクレオベースの両方は、水素結合に参加できる。このようなヌクレオベース修飾は、アンチセンス化合物に対し、ヌクレアーゼ安定性、結合親和性またはいくつかの他の有益な生物学的特性を付与することができる。修飾ヌクレオベースは、合成および天然ヌクレオベース、例えば、5−メチルシトシン(5−me−C)を含む。5−メチルシトシン置換、等の特定のヌクレオベース置換は、特に、標的核酸に対するアンチセンス化合物の結合親和性を増加させるために特に有用である。例えば、5−メチルシトシン置換は、0.6〜1.2℃だけ核酸二重鎖の安定性を高めることが示されている(Sanghvi,Y.S.,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,eds.,Antisense Research and Applications,CRC Press,Boca Raton,1993,pp.276−278)。

さらなる非修飾ヌクレオベースには、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン;6−メチルおよびアデニンとグアニンの他のアルキル誘導体;アデニンとグアニンの2−プロピルおよび他のアルキル誘導体;2−チオウラシル、2−チオチミンおよび2−チオシトシン;5−ハロウラシルおよびシトシン;5−プロピニル(−C≡C−CH3)ウラシルおよびシトシン、ならびに他のピリミジン塩基のアルキニル誘導体;6−アゾウラシル、シトシンおよびチミン;5−ウラシル(シュードウラシル)、4−チオウラシル;8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシルおよび他の8−置換アデニンおよびグアニン;5−ハロ、特に、5−ブロモ、5−トリフルオロメチルおよび他の5−置換ウラシルおよびシトシン;7−メチルグアニンおよび7−メチルアデニン、2−F−アデニン、2−アミノアデニン、8−アザグアニンおよび8−アザアデニン;7−デアザグアニンおよび7−デアザアデニン;ならびに3−デアザグアニンおよび3−デアザアデニン、が含まれる。

ヘテロ環式塩基部分は、また、プリンまたはピリミジン塩基が、他のヘテロ環、例えば、7−デアザアデニン、7−デアザグアノシン、2−アミノピリジンおよび2−ピリドンと置換されているものも含みうる。アンチセンス化合物の結合親和性を高めるのに特に有用なヌクレオベースには、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジンならびに2アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシルおよび5−プロピニルシトシン、等のN−2、N−6およびO−6置換プリンが含まれる。

特定の実施形態では、nrRNAを標的とするアンチセンス化合物は、1つまたは複数の修飾ヌクレオベースを含む。特定の実施形態では、nrRNAを標的とするギャップ拡大アンチセンスオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾ヌクレオベースを含む。特定の実施形態では、修飾ヌクレオベースは、5−メチルシトシンである。特定の実施形態では、各シトシンは、5−メチルシトシンである。

医薬組成物処方のための組成および方法 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、医薬組成物または製剤の調製のために薬学的に許容可能な活性または不活性物質を混合できる。医薬組成物製剤のための組成および方法は、限定されないが、投与経路、疾患の程度、または投与すべき用量、等のいくつかの条件に依存する。

nrRNAを標的とするアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物を適切な薬学的に許容可能な希釈剤またはキャリアと組み合わせて、医薬組成物において利用できる。薬学的に許容可能な希釈剤には、リン酸塩緩衝食塩水(PBS)が含まれる。PBSは、非経口的に送達される組成物の使用に適する希釈剤である。従って、一実施形態では、本明細書記載の方法で、nrRNAを標的とするアンチセンス化合物および薬学的に許容可能な希釈剤を含む医薬組成物が採用される。特定の実施形態では、薬学的に許容可能な希釈剤は、PBSである。特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。

アンチセンス化合物を含む医薬組成物は、いずれかの薬学的に許容可能な塩、エステル、もしくはこのようなエステルの塩、またはヒトを含む動物への投与時に、(直接または間接的に)生物学的に活性な代謝物またはその残渣を与えることができるいずれかの他のオリゴヌクレオチドを包含する。従って、例えば、本開示は、また、アンチセンス化合物の薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、このようなプロドラッグの薬学的に許容可能な塩、および他の生物学的等価物に関する。適切な薬学的に許容可能な塩には、限定されないが、ナトリウムおよびカリウム塩が含まれる。

プロドラッグは、アンチセンス化合物の片方または両方の末端に追加のヌクレオシドの組み込みを含むことができ、これは、身体の中で内在性ヌクレアーゼにより切断され、活性アンチセンス化合物を形成する。

コンジュゲートアンチセンス化合物 アンチセンス化合物は、得られたアンチセンスオリゴヌクレオチドの活性、細胞分布または細胞取込を強める1つまたは複数の部分またはコンジュゲートに共有結合できる。典型的なコンジュゲート基には、コレステロール部分および脂質部分が含まれる。さらなるコンジュゲート基には、炭水化物、リン脂質、ビオチン、フェナジン、葉酸、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、および染料が含まれる。

アンチセンス化合物は、また、通常、アンチセンス化合物片方または両方の末端に結合して、特性、例えば、ヌクレアーゼ安定性、を増大させる1つまたは複数の安定化基を持つように修飾できる。安定化基には、キャップ構造が含まれる。これらの末端修飾は、末端核酸を有するアンチセンス化合物をエキソヌクレアーゼ分解から保護し、細胞内の送達および/または局在化を支援することができる。キャップは、5’−末端にあっても(5’−キャップ)、もしくは3’−末端にあっても(3’−キャップ)、または両端にあってもよい。キャップ構造は、当技術分野でよく知られており、例えば、逆位デオキシ脱塩基キャップを含む。アンチセンス化合物の片方または両方の末端をキャップしてヌクレアーゼ安定性を付与することが可能な、さらなる3’および5’−安定化基には、2003年1月16日付公報の国際公開第WO03/004602号に記載のものが含まれる。

細胞培養およびアンチセンス化合物処理 nrRNAのレベルまたは活性に与えるアンチセンス化合物の効果は、種々の細胞型でインビトロで試験できる。このような分析に使われる細胞型は、市販品メーカー(例えば、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関、Manassus,VA;Zen−Bio,Inc.,Research Triangle Park,NC;Clonetics Corporation,Walkersville,MD)から入手可能であり、細胞は、メーカーのインストラクションに従って、市販の試薬(例えば、Invitrogen Life Technologies,Carlsbad,CA)を使って培養できる。実例となる細胞型には、限定されないが、HepG2細胞、Hep3B細胞、初代培養肝細胞、A549細胞、GM04281線維芽細胞およびLLC−MK2細胞が含まれる。

アンチセンスオリゴヌクレオチドのインビトロ試験 本明細書では、細胞をアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理する方法が記載されるが、他のアンチセンス化合物で処理するために、適切に変更できる。

一般的に、細胞が培養液中で約60〜80%の集密度に到達すると、その細胞がアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理される。

アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養した細胞中に導入するためによく使用される1つの試薬には、カチオン脂質トランスフェクション試薬リポフェクチン(登録商標)(Invitrogen,Carlsbad,CA)が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、リポフェクチン(登録商標)とOPTI−MEM(登録商標)1(Invitrogen,Carlsbad,CA)中で混合され、所望最終濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチド、および通常、100nMアンチセンスオリゴヌクレオチド当たり2〜12ug/mLの範囲のリポフェクチン(登録商標)濃度を得る。

アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養した細胞中へ導入するのに使用する別の試薬には、リポフェクタミン2000(登録商標)(Invitrogen,Carlsbad,CA)がある。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、リポフェクタミン2000(登録商標)とOPTI−MEM(登録商標)1血清使用量低減培地(reduced serum medium)(Invitrogen,Carlsbad,CA)中で混合され、所望濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチド、および通常、100nMアンチセンスオリゴヌクレオチド当たり2〜12ug/mLの範囲のリポフェクタミン(登録商標)濃度を得る。

アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養した細胞中へ導入するのに使用する別の試薬には、サイトフェクチン(登録商標)(Invitrogen,Carlsbad,CA)がある。アンチセンスオリゴヌクレオチドをサイトフェクチン(登録商標)とOPTI−MEM(登録商標)1血清使用量低減培地(Invitrogen,Carlsbad,CA)中で混合し、所望濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチド、および通常、100nMアンチセンスオリゴヌクレオチド当たり2〜12ug/mLの範囲のサイトフェクチン(登録商標)濃度を得る。

アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養した細胞中へ導入するのに使用する別の技術には、電気穿孔が含まれる。

細胞は、常法によりアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理される。通常、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理の16〜24時間後、細胞を採取し、この時点で、標的核酸のRNAまたはタンパク質レベルを、当技術分野で既知の、本明細書記載の方法で測定する。一般的には、複数回繰り返して処理を行う場合は、データは、繰り返し処理の平均として表される。

使用されるアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度は、細胞株毎に変わる。特定の細胞株に対し最適アンチセンスオリゴヌクレオチド濃度を決定する方法は、当技術分野でよく知られている。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、リポフェクタミン2000(登録商標)、リポフェクチンまたはサイトフェクチンで形質移入される場合、通常、1nM〜300nMの範囲の濃度で使用される。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、電気穿孔を使って形質移入する場合は、625〜20,000nMの範囲の、より高い濃度で使用される。

RNA単離 RNA分析は、全細胞RNAまたはポリ(A)+mRNAで行うことができる。RNA単離の方法は、当技術分野でよく知られている。RNAは、当技術分野でよく知られた方法、例えば、TRIZOL(登録商標)試薬(Invitrogen,Carlsbad,CA)を使って、メーカーの推奨プロトコルに従って、調製される。

標的レベルまたは発現の抑制の分析 nrRNAのレベルまたは活性の抑制は、当技術分野で既知の種々の方法でアッセイできる。例えば、標的核酸レベルは、例えば、ノーザン法分析、競合ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、または定量リアルタイムPCR、により定量できる。RNA分析は、全細胞RNAまたはポリ(A)+mRNAで行うことができる。RNA単離の方法は、当技術分野でよく知られている。ノーザン法分析もまた、当技術分野でルーチン的な手法である。定量リアルタイムPCRは、PE−Applied Biosystems,Foster City,CAから入手可能な市販のABIプリズム(登録商標)7600、7700、または7900配列検出システムを使って都合よく行うことができ、メーカーのインストラクションに従って使用できる。

標的RNAレベルの定量リアルタイムPCR分析 標的RNAレベルの定量は、定量リアルタイムPCRで、ABIプリズム(登録商標)7600、7700、または7900配列検出システム(PE−Applied Biosystems,Foster City,CA)を使って、メーカーのインストラクションに従って行うことができる。定量リアルタイムPCRの方法は、当技術分野でよく知られている。

リアルタイムPCRの前に、単離RNAを、リアルタイムPCR増幅用基質として使用される相補的なDNA(cDNA)を産生する逆転写(RT)酵素反応に供する。RTおよびリアルタイムPCR反応を同じウエル中で順次行う。RTおよびリアルタイムPCR試薬は、Invitrogen(Carlsbad,CA)から入手される。RT、リアルタイムPCR反応は、当業者にはよく知られた方法で行なわれる。

発現が一定のシクロフィリンA等の遺伝子の発現レベルを使って、またはRIBOGREEN(登録商標)(Invitrogen,Inc.Carlsbad,CA)を使って全RNAを定量化することによりリアルタイムPCRにより得られた遺伝子(またはRNA)標的の量を正規化する。シクロフィリンA発現は、リアルタイムPCRにより、標的と同時に、多重処理でまたは別々に実行するとにより、定量化される。全RNAは、RIBOGREEN(登録商標)RNA定量化試薬(Invitrogen,Inc.Eugene,OR)を使って定量化される。RIBOGREEN(登録商標)によるRNA定量化の方法は、Jones,L.J.,et al,(Analytical Biochemistry,1998,265,368−374)中で教示されている。CYTOFLUOR(登録商標)4000装置(PE Applied Biosystems)を使って、RIBOGREEN(登録商標)蛍光を測定する。

プローブおよびプライマーは、nrRNA配列にハイブリダイズするように設計されている。リアルタイムPCRプローブおよびプライマーを設計する方法は、当技術分野でよく知られており、PRIMER EXPRESS(登録商標)Software(Applied Biosystems,Foster City,CA)等のソフトウェアの使用を含めてもよい。

アンチセンス効果の尺度として、ncRNAにより誘導された核内ドット(nuclear foci)、スペックル、パラスペックルおよび他の核サブストラクチャー等の核構造の定量化のために、免疫蛍光法の使用が可能である(例えば、実施例26参照)。インサイツハイブリダイゼーションもまた、RNAの測定に使用可能である。

タンパク質レベルの分析 特定のnrRNAのアンチセンス抑制は、関連タンパク質レベルを測定することにより評価できる。タンパク質レベルは、当技術分野でよく知られた種々の方法、例えば、免疫沈降、ウェスタンブロット分析(イムノブロッティング)、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、定量タンパク質アッセイ、タンパク質活性アッセイ(例えば、カスパーゼ活性アッセイ)、免疫組織化学、免疫細胞化学または蛍光標識細胞分取(FACS)、で評価または定量可能である。標的に対する抗体は、種々のソース、例えば、MSRS抗体カタログ(Aerie Corporation,Birmingham,MI)から特定、入手でき、または当技術分野でよく知られた従来のモノクローナルもしくはポリクローナル抗体生成方法により調製できる。

アンチセンス化合物のインビボ試験 アンチセンス化合物、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドを動物で試験し、nrRNAを抑制するその能力を評価し、表現型の変化を作り出す。試験は、正常な動物、または実験疾患モデルで行うことができる。動物への投与のために、アンチセンスオリゴヌクレオチドを薬学的に許容可能な希釈剤、例えば、リン酸塩緩衝食塩水で処方した。投与は、非経口の投与経路を含む。アンチセンスオリゴヌクレオチドでの処理期間後、RNAを組織から単離し、nrRNAレベルまたは活性の変化を測定する。特定の実施形態では、関連タンパク質レベルの変化も測定される。

特定の適応症 特定の実施形態では、本明細書では、個体の治療方法が提供され、この方法は、本明細書記載の1つまたは複数の医薬組成物を投与することを含む。特定の実施形態では、個体は、核内繋留RNAに関連した疾患または状態を有する。

従って、本明細書では、改善を必要としている動物の核内繋留RNAに関連した疾患または状態に関連した症状の改善方法が提供される。特定の実施形態では、核内繋留RNAに関連した疾患または状態に関連した症状の発症の割合を低減する方法が提供される。特定の実施形態では、核内繋留RNAに関連した疾患または状態に関連した症状の重症度の低減方法が提供される。このような実施形態では、方法は、治療有効量のnrRNAを標的とする化合物を、それを必要としている個体に投与することを含む。

特定の実施形態では、nrRNAを標的とするアンチセンス化合物の投与は、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%の、またはこれらの値の内の2つにより規定される範囲のnrRNAレベルの減少を生ずる。

特定の実施形態では、nrRNAを標的とするアンチセンス化合物を含む医薬組成物は、核内繋留RNAに関連した疾患または状態に罹患しているか、または罹患しやすい患者の治療用薬物の調製に使用される。

投与 特定の実施形態では、本明細書記載の化合物および組成物は、非経口的に投与される。

特定の実施形態では、非経口の投与は、注射による。注射は、シリンジを使って送達できる。

特定の併用療法 特定の実施形態では、本発明の修飾オリゴヌクレオチドを含む第1の薬剤は、1つまたは複数の第2の薬剤と同時に投与される。特定の実施形態では、このような第2の薬剤は、本明細書記載の第1の薬剤と同じ核内繋留RNAに関連した疾患または状態を治療するよう設計されている。特定の実施形態では、このような第2の薬剤は、本明細書記載の第1の薬剤とは異なる疾患、傷害、または状態を治療するよう設計されている。特定の実施形態では、このような第2の薬剤は、本明細書記載の1つまたは複数の医薬組成物の望ましくない副作用を治療するように設計されている。特定の実施形態では、第2の薬剤は、第1の薬剤と同時投与され、第1の薬剤の望ましくない効果を治療する。特定の実施形態では、第2の薬剤は、第1の薬剤と同時投与され、組み合わせ効果を生み出す。特定の実施形態では、第2の薬剤は、第1の薬剤と同時投与され、相乗的効果を生み出す。

特定の実施形態では、第1の薬剤および1つまたは複数の第2の薬剤が、同時に投与される。特定の実施形態では、第1の薬剤および1つまたは複数の第2の薬剤が、異なる時間に投与される。特定の実施形態では、第1の薬剤および1つまたは複数の第2の薬剤が、一緒に単一の製剤に調製される。特定の実施形態では、第1の薬剤および1つまたは複数の第2の薬剤が別々に調製される。

実施例 非制限的開示および参照による組込み 本明細書記載の特定の化合物、組成物および方法を、特定の実施形態に応じて具体的に記載してきたが、以下の実施例は、本明細書記載の化合物を説明する目的のためのみのものであり、これら化合物を制限する意図はない。本出願で取り上げたそれぞれの文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

実施例1:A549細胞中のヒトMALAT1のアンチセンス抑制 ノンコーディング核内繋留RNA転写物である転移関連肺腺癌転写物1(MALAT1)核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドのMALAT1 RNA転写物に与える効果をインビトロで試験した。5,000細胞/ウエルの密度で培養したA549細胞に、リポフェクチン試薬を使って、60nMアンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約24時間後、RNAを細胞から単離し、定量リアルタイムPCRでMALAT1 RNA転写物レベルを測定した。ヒトプライマープローブセットRTS2736(フォワード配列AAAGCAAGGTCTCCCCACAAG、本明細書では配列番号89と命名;リバース配列TGAAGGGTCTGTGCTAGATCAAAA、本明細書では配列番号90と命名;プローブ配列TGCCACATCGCCACCCCGTX、本明細書では配列番号91と命名)を使用して、MALAT1 RNAを定量した。MALAT1 RNA転写物レベルをRIBOGREEN(登録商標)により測定した全RNA含量に基づき調節した。結果を未処理対照細胞に対する、MALAT1のパーセント抑制として表した。

表3のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、5−10−5ギャップマーである。これは、ギャップセグメントが、10の2’−デオキシヌクレオシドを含み、各ウイングセグメントが、5つの2’−MOEヌクレオシドを含む。5’ウイングセグメント中の各ヌクレオチドおよび3’ウイングセグメント中の各ヌクレオチドは、2’−MOE修飾を有する。各ギャップマー全域のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。各ギャップマー全域の全てのシチジン残基は、5−メチルシチジンである。「標的開始部位」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的にしている5’−最末端ヌクレオチドを指す。「標的終了部位」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的にしている3’−最末端ヌクレオチドを指す。表3に挙げた全てのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1(GENBANK受入番号EF177381)を標的にしている。

実施例2:A549細胞中のヒトMALAT1のアンチセンス抑制 MALAT1核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの、MALAT1 RNAに与える効果をインビトロで試験した。5,000細胞/ウエルの密度で培養したA549細胞に、リポフェクチン試薬を使って、150nMアンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約24時間後、RNAを細胞から単離し、定量リアルタイムPCRでMALAT1 RNA転写物レベルを測定した。ヒトプライマープローブセットRTS2736を使って、MALAT1 RNAを定量した。MALAT1 RNA転写物レベルをRIBOGREEN(登録商標)により測定した全RNA含量に基づき調節した。結果を未処理対照細胞に対するMALAT1のパーセント抑制として表した。

表4のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、5−10−5ギャップマーであり、ギャップセグメントは、10の2’−デオキシヌクレオシドを含み、各ウイングセグメントは、5つの2’−MOEヌクレオシドを含む。5’ウイングセグメント中の各ヌクレオチド、および3’ウイングセグメント中の各ヌクレオチドは、2’−MOE修飾を有する。各ギャップマー全域のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。各ギャップマー全域の全てのシチジン残基は、5−メチルシチジンである。「標的開始部位」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的にしている5’−最末端ヌクレオチドを指す。「標的終了部位」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的にしている3’−最末端ヌクレオチドを指す。表4に挙げた全てのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1(GENBANK受入番号EF177381)を標的にしている。

実施例3:A549細胞中のヒトMALAT1の用量依存性アンチセンス抑制 インビトロでA549細胞中のMALAT1の抑制を示すいくつかのアンチセンスオリゴヌクレオチド(実施例2参照)を種々の用量で試験した。細胞を、5,000細胞/ウエルの密度で播種し、リポフェクチン試薬を使って、7.5nM、15nM、30nM、および60nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約16時間後、RNAを細胞から単離し、定量リアルタイムPCRでMALAT1 RNA転写物レベルを、プライマープローブセットRTS2736を使って、測定した。MALAT1 RNA転写物レベルをRIBOGREEN(登録商標)により測定した全RNA含量で正規化した。結果を未処理対照細胞に対するMALAT1のパーセント抑制として表5に示した。

種々のオリゴヌクレオチドによるMALAT1の抑制がMALAT1転写物全体にわたり均一かどうかを試験するために、上記用量反応実験を2つの追加のプライマープローブセットを用いて繰り返した。

プローブセットRTS2738は、フォワード配列:GAATTGCGTCATTTAAAGCCTAGTT、配列番号111;リバース配列:TCATCCTACCACTCCCAATTAATCT、配列番号112;およびプローブ配列:ACGCATTTACTAAACGCAGACGAAAATGGAX、配列番号113を有する。

プローブセットRTS2739は、フォワード配列:AGGCGTTGTGCGTAGAGGAT、配列番号114;リバース配列:AAAGGTTACCATAAGTAAGTTCCAGAAAA、配列番号115;およびプローブ配列:AGTGGTTGGTAAAAATCCGTGAGGTCGGX、配列番号116を有する。

結果を表6と7に、非処理対照細胞に対するMALAT1パーセント抑制として示す。

実施例4:HeLa細胞中のヒトMALAT1の用量依存性アンチセンス抑制 MALAT1のインビトロ抑制を示すいくつかのアンチセンスオリゴヌクレオチドを、HeLa細胞中、種々の用量で試験した。細胞を5,000細胞/ウエルの密度で播種し、表8と9に示すように、リポフェクチン試薬を使って、4.7nM、9.4nM、18.8nM、37.8nM、75nM、および150nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約16時間処理後、RNAを細胞から単離し、MALAT1 RNA転写物レベルを定量リアルタイムPCRにより測定した。ヒトMALAT1プライマープローブセットRTS2736およびRTS2738(実施例3参照)を使って、RNA転写物レベルを測定した。MALAT1 RNA転写物レベルを、RIBOGREEN(登録商標)により測定した全体RNA含量に基づいて調節した。結果を、非処理対照細胞に対するMALAT1のパーセント抑制として表した。表8と9に示すように、MALAT1 RNA転写物レベルは、用量依存的に減少した。

実施例5:HeLa細胞中のヒトMALAT1の用量依存性アンチセンス抑制 MALAT1のインビトロ抑制を示すいくつかのアンチセンスオリゴヌクレオチドを、HeLa細胞中、種々の用量で試験した。細胞を4,000細胞/ウエルの密度で播種し、リポフェクチン試薬を使って、3.7nM、11.1nM、33.3nM、および100.0nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約16時間処理後、RNAを細胞から単離し、MALAT1 RNA転写物レベルを定量リアルタイムPCRにより測定した。MALAT1 RNA転写物レベルを、RIBOGREEN(登録商標)により測定した全体RNA含量に基づいて調節した。結果を、非処理対照細胞に対するMALAT1のパーセント抑制として表した。表10に示すように、MALAT1 RNA転写物レベルは、用量依存的に減少した。

実施例6:U87MG細胞中のヒトMALAT1の用量依存性アンチセンス抑制 MALAT1のインビトロ抑制を示すいくつかのアンチセンスオリゴヌクレオチドを、U87MG細胞中、種々の用量で試験した。細胞を4,000細胞/ウエルの密度で播種し、リポフェクチン試薬を使って、3.7nM、11.1nM、33.3nM、および100.0nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約16時間処理後、RNAを細胞から単離し、MALAT1 RNA転写物レベルを定量リアルタイムPCRにより測定した。MALAT1 RNA転写物レベルを、RIBOGREEN(登録商標)により測定した全体RNA含量に基づいて調節した。結果を、非処理対照細胞に対するMALAT1のパーセント抑制として表した。表11に示すように、MALAT1 RNA転写物レベルは、用量依存的に減少した。

実施例7:siRNAによるHeLa細胞中のヒトMALAT1の用量依存性アンチセンス抑制 いくつかのヒトMALAT1 RNA転写物特異的siRNAを、HeLa細胞株中、種々の用量で試験した。細胞を5,000細胞/ウエルの密度で播種し、リポフェクタミン(登録商標)試薬を使って、0.78nM、1.56nM、3.13nM、6.25nM、12.5nM、25nM、50nM、100nMの濃度の各siRNAを形質移入した。約4時間のインキュベーション後、トランスフェクション培地を破棄し、新しい培地を添加し、細胞をさらに18時間インキュベートした。RNAを細胞から単離し、MALAT1 RNA転写物レベルを定量リアルタイムPCRにより測定した。プライマープローブセットRTS2739を使って、RNA転写物レベルを測定した。表12に、非処理対照細胞に対する抑制結果を示す。

実施例8:アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた用量反応試験およびb.END細胞中のRNA安定性との相関 マウス核内繋留標的分子:MALAT1のノンコーディングRNA安定性と標的のノックダウンに必要なアンチセンスオリゴヌクレオチドの用量の相関を調査した。

マウスMALAT1 RNA転写物(GENBANK受入番号3144_097A、本明細書では、配列番号125と命名)を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドのISIS395251(CCAGGCTGGTTATGACTCAG、標的部位3338)(本明細書に配列番号96として組み込む);ISIS399462(GGGTCAGCTGCCAATGCTAG、標的部位1280)(本明細書に配列番号117として組み込む);ISIS399479(CGGTGCAAGGCTTAGGAATT、標的部位4004)(本明細書に配列番号118として組み込む);ISIS399488(TTACCCTAGATGTTTAGCCA、標的部位4621)(本明細書に配列番号119として組み込む);ISIS399495(GAAAATGGCATGTCTGCTTC、標的部位120)(本明細書に配列番号120として組み込む);ISIS399462(GGGTCAGCTGCCAATGCTAG、標的部位1280)(本明細書に配列番号117として組み込む);ISIS395290(TAAGATGCTAGCTTGGCCAA、標的部位6552)(本明細書に配列番号121として組み込む);ISIS395275(AACATTTCCACTTGCCAGTT、標的部位5348)(本明細書に配列番号107として組み込む);ISIS399503(AAATTGATGGCCTTTTCTGG、標的部位6316)(本明細書に配列番号122として組み込む);ISIS399473(ATATGCAGCTTTTCATCAGT、標的部位3475)(本明細書に配列番号123として組み込む);およびISIS399484(ACAAGTACATTGGAGCACAT、標的部位4206)(本明細書に配列番号124として組み込む)、を種々の用量で試験した。b.END細胞を、4,000細胞/ウエルの密度で播種し、サイトフェクチン試薬を使って、3.125nM、6.25nM、12.5nM、25nM、50nM、および100nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約16時間後、RNAを細胞から単離し、MALAT1 RNA転写物レベルを定量リアルタイムPCRにより、プライマープローブセットmMALATl#2(フォワード配列TGGGTTAGAGAAGGCGTGTACTG、本明細書では配列番号126と命名;リバース配列TCAGCGGCAACTGGGAAA、本明細書では配列番号127と命名;およびプローブ配列CGTTGGCACGACACCTTCAGGGACTX、本明細書では配列番号128と命名)を使って測定した。MALAT1 RNA転写物レベルを、RIBOGREEN(登録商標)により測定した全体RNA含量に正規化した。結果を、非処理対照細胞に対するMALAT1のパーセント抑制として表13に示す。

表13の全てのギャップマーは、5−10−5ギャップマーであり、ギャップセグメントは、10の2’−デオキシヌクレオシドを含み、各ウイングセグメントは、5つの2’−MOEヌクレオシドを含む。各ギャップマー全域のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。各ギャップマー全域の全てのシチジン残基は、5−メチルシチジンである。

MALAT1ノンコーディングRNAの安定性を測定するために、b.END細胞を10時間にわたり8μg/mLのアクチノマイシンDで処理した。別の細胞セットを、75μMの5,6−クロロ−1−β−D−リボフラノシルベンズイミダゾール(DRB)で同じ時間処理した。両方のRNA合成阻害剤は、表14に示すように、同じ結果を与えた。表14は、PBS対照に対する異なる時点でのアクチノマイシンDまたはDRBで処理後のパーセントmRNAレベルを表す。データは、MALAT1 RNAは、分解されず、従って、処理期間中安定であることを示す。

表13と14のデータは、安定なRNA転写物を標的とするオリゴヌクレオチドのIC50は小さいことを示し、これらのRNA転写物は、安定でないRNA転写物に比べて、より標的化に適することを示唆している。従って、これらのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、細胞によるオリゴヌクレオチド取込の少ない場合に用いると有益であると思われる。

実施例9:アンチセンスオリゴヌクレオチドの用量反応試験およびb.END細胞中のマウス標的mRNA安定性との相関 マウス標的分子のmRNA安定性とノックダウンに必要なアンチセンスオリゴヌクレオチドの用量の相関を調査した。

「標的3」遺伝子配列を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドのISIS5、ISIS6、ISIS7、ISIS8、ISIS9、ISIS10、ISIS11、ISIS12、ISIS13、およびISIS14を種々の用量で試験した。b.END細胞を4,000細胞/ウエルの濃度で播種し、サイトフェクチン試薬を使って、6.25nM、12.5nM、25nM、50nM、100nM、および200nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約16時間後、RNAを細胞から単離し、「標的3」のRNA転写物レベルを、定量リアルタイムPCRで測定した。「標的3」RNA転写物レベルをRIBOGREEN(登録商標)により測定した全RNA含量で正規化した。結果を非処理対照細胞に対する「標的3」のパーセント抑制として表15に示す。

「標的4」mRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドのISIS F、ISIS G、ISIS H、ISIS I、ISIS J、ISIS K、ISIS L、ISIS M、ISIS N、およびISIS Oを、種々の用量で試験した。b.END細胞を4,000細胞/ウエルの濃度で播種し、サイトフェクチン試薬を使って、1.4063nM、2.8125nM、5.625nM、11.25nM、22.5nMおよび45nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約16時間後、RNAを細胞から単離し、「標的4」のRNA転写物レベルを、定量リアルタイムPCRで測定した。「標的4」RNA転写物レベルをRIBOGREEN(登録商標)により測定した全RNA含量で正規化した。結果を非処理対照細胞に対する「標的4」のパーセント抑制として表16に示す。

表15と16の全ギャップマーは、5−10−5ギャップマーであり、ギャップセグメントは、10の2’−デオキシヌクレオシドを含み、各ウイングセグメントは、5つの2’−MOEヌクレオシドを含む。各ギャップマー全域のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。各ギャップマー全域の全シチジン残基は、5−メチルシチジンである。

表15と16で示されるデータは、「標的4」を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドのIC50は、同じ細胞株の類似のモチーフを有するギャップマーに対し、「標的3」を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドのIC50よりも、約20倍小さいことを示す。

標的mRNAの安定性を測定するために、b.END細胞を8μg/mLのアクチノマイシンDで9時間にわたり処理した。別の細胞セットを75μMの5,6−ジクロロ−1−β−D−リボフラノシルベンズイミダゾール(DRB)で同じ時間処理した。両方のRNA合成阻害剤は、表17と18に示すように、類似の結果を与えた。表17と18は、アクチノマイシンDまたはDRBによる処理後の、PBS対照に対する異なる時点でのパーセントmRNAレベルを示す。データは、「標的3」mRNAは、「標的4」mRNAよりも有意に小さい安定性を有することを示す。

表15〜18のデータは、比較的により安定である標的mRNAのアンチセンス抑制は、低い安定性の標的mRNAのアンチセンス抑制よりも達成が容易であることを示唆している。

SR−B1安定性 SR−B1mRNAの安定性を測定するために、b.END細胞を8μg/mLのアクチノマイシンDで10時間にわたり処理した。別の細胞セットを75μMの5,6−ジクロロ−1−β−D−リボフラノシルベンズイミダゾール(DRB)で同じ時間処理した。両方のRNA合成阻害剤は、表19に示すように、類似の結果を与えた。表19は、アクチノマイシンDまたはDRBによる処理後の、PBS対照に対する異なる時点でのパーセントmRNAレベルを示す。データは、SR−B1mRNAが10時間にわたる処理で大きく分解せず、従って、処理の間、安定であることを示す。

実施例10:アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた用量反応試験およびHUVEC細胞中の標的mRNA安定性との相関 ヒト標的分子のmRNA安定性とノックダウンに必要なアンチセンスオリゴヌクレオチドの用量の相関を調査した。

「標的1」mRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドのISIS1、ISIS2、ISIS3、およびISIS4を種々の用量で試験した。HUVEC細胞を5,000細胞/ウエルの濃度で播種し、リポフェクタミン2000(登録商標)試薬を使って、0.0069nM、0.0206nM、0.0617nM、0.1852nM、0.5556nM、1.6667nM、5nMおよび15nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約16時間後、RNAを細胞から単離し、「標的1」のRNA転写物レベルを、定量リアルタイムPCRで測定した。「標的1」RNA転写物レベルをRIBOGREEN(登録商標)により測定した全RNA含量で正規化した。結果を、非処理対照細胞に対する「標的1」のパーセント抑制として表20に示す。

「標的2」mRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドのISIS A、ISIS B、ISIS C、ISIS D、およびISIS Eを、種々の用量で試験した。HUVEC細胞を5,000細胞/ウエルの濃度で播種し、リポフェクタミン2000(登録商標)試薬を使って、0.6173nM、1.8519nM、5.5556nM、16.6667nM、50nMおよび150nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約16時間後、RNAを細胞から単離し、「標的2」のRNA転写物レベルを、定量リアルタイムPCRで測定した。

「標的2」RNA転写物レベルをRIBOGREEN(登録商標)により測定した全RNA含量で正規化した。結果を非処理対照細胞に対する「標的2」のパーセント抑制として表21に示す。

表20と21の全ギャップマーは、2−13−5ギャップマーであり、ギャップセグメントは、13の2’−デオキシヌクレオシドを含み、5’ウイングセグメントは、2つの2’−MOEヌクレオシド、および3’ウイングセグメントは、5つの2’−MOEヌクレオシドを含む。各ギャップマー全域のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。各ギャップマー全域の全シチジン残基は、5−メチルシチジンである。

表20と21で示されるデータは、「標的1」を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドのIC50は、同じ細胞株の類似のモチーフを有するギャップマーに対し、「標的2」を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドのIC50よりも、10倍小さいことを示す。

標的mRNAの安定性を測定するために、HUVEC細胞を8μg/mLのアクチノマイシンDで9時間にわたり処理した。別の細胞セットを75μMの5,6−ジクロロ−1−β−D−リボフラノシルベンズイミダゾール(DRB)で同じ時間処理した。別の細胞セットを30μg/mLのα−アマニチンで同じ時間処理した。表21と22に示す時点で、mRNAを採取し、「標的1」または「標的2」mRNAレベルをRT−PCRで定量した。3つ全てのRNA合成阻害剤は、表22と23に示すように、類似の結果を与えた。表22は、PBS対照に対する、アクチノマイシンDまたはDRBで処理後の異なる時点でのパーセントmRNAレベルを示す。表23は、PBS対照に対する、DRBおよびα−アマニチンで処理後の異なる時点でのパーセントmRNAレベルを示す。2つの異なるアッセイの結果に基づくと、「標的2」mRNAの半減期は、2〜4時間以内であると計算される。「標的1」mRNAの半減期は、利用可能なデータからは計算できず、そのため9時間を越える。従って、表22、23のデータは、「標的2」mRNAが、「標的1」mRNAよりも有意に低い安定性を有することを示す。

表20〜23のデータは、比較的安定性の高い標的mRNAのアンチセンス抑制は、低い安定性の標的mRNAのアンチセンス抑制よりも達成が容易であることを示唆している。

STAT3アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた用量反応試験およびHUVEC細胞中のRNA安定性との相関 非核内繋留標的分子STAT3のRNAの安定性と標的ノックダウンに必要なアンチセンスオリゴヌクレオチドの用量の相関を調査した。

ヒトSTAT3 RNA転写物(ヌクレオベース4185000〜4264000(本明細書では、配列番号148と命名)から切断したGENBANK受入番号NT_010755.14の相補配列)を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドのISIS337332(GAAGCCCTTGCCAGCCATGT、本明細書では配列番号129と命名)、ISIS345785(TGCCTCCTCCTTGGGAATGT、本明細書では配列番号130と命名)、ISIS455269(GCTTAGATTCTCCTTAAACC、本明細書では配列番号131と命名)、ISIS455271(AAATGCTTAGATTCTCCTTA、本明細書では配列番号132と命名)、ISIS455272(TAAAATGCTTAGATTCTCCT、本明細書では配列番号133と命名)、ISIS455291(CAGCAGATCAAGTCCAGGGA、本明細書では配列番号134と命名)、ISIS455370(TAGGTGTTCCCATACGCACA、本明細書では配列番号135と命名)、ISIS455371(GCTAGGTGTTCCCATACGCA、本明細書では配列番号136と命名)、ISIS455391(TCAACTGTCTCCAGGCAGGA、本明細書では配列番号137と命名)、ISIS455393(CACATCAACTGTCTCCAGGC、本明細書では配列番号138と命名)、ISIS455394(GACACATCAACTGTCTCCAG、本明細書では配列番号139と命名)、ISIS455411(AACCCAATGGTAAGCCCAAG、本明細書では配列番号140と命名)、ISIS455412(TAAACCCAATGGTAAGCCCA、本明細書では配列番号141と命名)、ISIS455471(TGGAATTTGAATGCAGTGGC、本明細書では配列番号142と命名)、ISIS455525(GTACACACTATACACATTTT、本明細書では配列番号143と命名)、ISIS455527(GCCAAAAATTTACAACCCAT、本明細書では配列番号144と命名)、ISIS455530(AGAGACTAAAATCAAGGCTC、本明細書では配列番号145と命名)、ISIS455536(AGAACTGAAATTCCTTGGTC、本明細書では配列番号146と命名)、および455540(AAGTACTCTTTCAGTGGTTT、本明細書では配列番号147と命名)を、種々の用量で試験した。HUVEC細胞を5,000細胞/ウエルの濃度で播種し、リポフェクタミン2000(登録商標)試薬を使って、1.111nM、3.333nM、10nM、および30nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約16時間後、RNAを細胞から単離し、STAT3 RNA転写物レベルを、定量リアルタイムPCRで測定した。STAT3 RNA転写物レベルをRIBOGREEN(登録商標)により測定した全RNA含量で正規化した。結果を、非処理対照細胞に対するSTAT3のパーセント抑制として表24に示す。

表24の全てのギャップマーは、5−10−5ギャップマーであり、ギャップセグメントは、10の2’−デオキシヌクレオシドを含み、各ウイングセグメントは、5つの2’−MOEヌクレオシドを含む。各ギャップマー全域のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。各ギャップマー全域の全シチジン残基は、5−メチルシチジンである。

STAT3 mRNAの安定性を測定するために、HUVEC細胞を8μg/mLのアクチノマイシンDで10時間にわたり処理した。別の細胞セットを75μMの5,6−ジクロロ−1−β−D−リボフラノシルベンズイミダゾール(DRB)で同じ時間処理した。両方のRNA合成阻害剤は、表25に示すように、類似の結果を与えた。表25は、PBS対照に対する、アクチノマイシンDまたはDRBで処理後の異なる時点でのパーセントmRNAレベルを示す。データは、STAT3 mRNAが、分解せず、従って、処理の間安定であることを示す。

表24と25のデータは、安定なRNA転写物を標的とするオリゴヌクレオチドのIC50は小さいことを示し、これらのRNA転写物は、安定でないRNA転写物に比べて、より標的化に適することを示唆している。従って、これらのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、細胞によるオリゴヌクレオチド取込の少ない場合に用いると有益であると思われる。

実施例11:BALB/cマウス中のマウスMALAT1のアンチセンス抑制 マウスMALAT1 RNA転写物(GENBANK受入番号3144_097A、本明細書では配列番号125と命名)を標的とし、統計的に有意な用量依存性インビトロ抑制を示したISIS395251(CCAGGCTGGTTATGACTCAG;標的部位3338)(本明細書に配列番号96として組み込む);ISIS399462(GGGTCAGCTGCCAATGCTAG、標的部位1280)(本明細書に配列番号117として組み込む);ISIS399479(CGGTGCAAGGCTTAGGAATT、標的部位4004)(本明細書に配列番号118として組み込む);およびISIS399484(ACAAGTACATTGGAGCACAT、標的部位4206)(本明細書に配列番号124として組み込む)の、マウスMALAT1 RNA転写物をインビボで低減させる能力を評価した。

処理 雄BALB/cマウスを12時間の明暗サイクルで維持し、通常のPurinaマウス固形飼料を自由に与えた。実験の開始前、動物を研究施設中で少なくとも7日間順化した。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を緩衝食塩水(PBS)中で調製し、0.2ミクロンフィルターを通して殺菌した。オリゴヌクレオチドを、注射のために0.9%PBS中に溶解した。

マウスを6つの処理群に分割した。最初の4つの群は、ISIS395251、ISIS399462、ISIS399479、またはISIS399484を、50mg/kg用量で、週2回、3週間の腹腔内注射を受けた。5番目の群は、対照オリゴヌクレオチドISIS141923を、50mg/kg用量で、週2回、3週間の腹腔内注射を受けた。第6群は、食塩水の腹腔内注射を、週2回、3週間受けた。食塩水注射群は、オリゴヌクレオチド処理群と比較される対照群の役割をした。

MALATl RNAの抑制 最後の投与の24時間後、動物を屠殺し、肝臓組織を取り出した。MALATlのリアルタイムPCR分析用として、肝臓RNAを単離した。表26に示すように、アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理は、MALAT1 RNA転写物の発現を低減させた。結果をPBS対照に対するMALATl RNA転写物のパーセント抑制として表した。対照オリゴヌクレオチドのISIS141923は、予想されるように、MALATl RNAの有意な抑制を示さなかった。

実施例12:マウスMALAT1 RNAの用量依存性アンチセンス抑制 統計的に有意なインビボMALAT1抑制を示したISIS399462およびISIS399479を、用量反応試験でさらに評価した。

処理 BALB/cマウスに、10mg/kg、20mg/kg、もしくは40mg/kgのISIS399462またはISIS399479を、週2回、3週間注射した。別の群のマウスに、ISIS141923を、50mg/kgの用量で、週2回、3週間注射した。マウス対照群に、PBSを週2回、3週間注射した。

RNA分析 MALAT1のリアルタイムPCR分析用に、RNAを肝臓組織から抽出した。表27に示すように、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、PBS対照に比べ、マウスMALAT1の用量依存性減少を示した。結果を、PBS対照に対するMALAT1のパーセント抑制として表す。対照オリゴヌクレオチドのISIS141923は、予想されたように、MALAT1 RNAの有意な抑制を示さなかった。

実施例13:種々のマウス組織中のMALAT1 RNAの用量依存性アンチセンス抑制 統計的に有意なインビボMALAT1抑制を示したISIS399462を、用量反応試験でさらに評価した。

処理 BALB/cマウスに、12.5mg/kg、25mg/kg、または50mg/kgのISIS399462を、週2回、3.5週間、注射した。マウス対照群に、PBSを週2回、3.5週間、注射した。

RNA分析 MALAT1のリアルタイムPCR分析用に、RNAを、肝臓、心臓、前脛骨筋(TA)、横隔膜、四頭筋、および腓腹筋組織から抽出した。表28に示すように、ISIS399462は、PBS対照に比べ、全組織中でマウスMALAT1の用量依存性減少を示した。結果を、PBS対照に対するMALAT1のパーセント抑制として示す。

実施例17:MHT2W腫瘍細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの用量反応試験 MHT2W細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの効力を試験した。

MHT2W細胞を4,500細胞/ウエルの密度で96ウエルプレートに播種した。次の日に、細胞を、0.02μM、0.1μM、0.5μM、2.5μM、および10μMの濃度のISIS15(SR−B1を標的とする5−10−5MOEギャップマー)、ISIS19(MALAT−1を標的とする5−10−5MOEギャップマー)、ISIS20(MALAT−1を標的とする5−10−5MOEギャップマー)、ISIS21(STAT3を標的とする3−10−3(S)−cEtギャップマー)、またはISIS22(STAT3を標的とする5−10−5MOEギャップマー)で処理した。約16時間後、RNAを細胞から単離し、標的mRNA転写物レベルを、定量リアルタイムPCRで測定した。各標的mRNA転写物レベルをRIBOGREEN(登録商標)により測定した全RNA含量で正規化した。結果を、非処理対照細胞に対するSR−B1またはPTENのパーセント抑制として表29に示す。

表29の5−10−5ギャップマーは、オリゴヌクレオチドであり、ギャップセグメントは、10の2’−デオキシヌクレオシドを含み、各ウイングセグメントは、5つの2’−MOEヌクレオシドを含む。各ギャップマー全域のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。各ギャップマー全域の全シチジン残基は、5−メチルシチジンである。3−10−3ギャップマーは、オリゴヌクレオチドであり、ギャップセグメントは、10の2’−デオキシヌクレオシドを含み、各ウイングセグメントは、(S)−cEt糖に結合した3つのデオキシヌクレオシドを含む。

実施例18:ヒト神経膠芽腫腫瘍細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの用量反応試験 ヒト神経膠芽細胞腫細胞株、SNB19およびU251中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの効力を試験した。

SNB19細胞を4,500細胞/ウエルの密度で96ウエルプレートに播種した。翌日、細胞を、0.02μM、0.1μM、0.5μM、2.5μMおよび10μMの濃度のISIS23(STAT3を標的とする5−10−5MOEギャップマー)、ISIS21(STAT3を標的とする3−10−3(S)−cEtギャップマー)、ISIS24(STAT3を標的とする5−10−5MOEギャップマー)、ISIS20(MALAT1を標的とする5−10−5MOEギャップマー)、またはISIS25(キネシンファミリーメンバー11またはEg5を標的とする5−10−5MOEギャップマー)で処理した。約16時間後、RNAを細胞から単離し、標的mRNA転写物レベルを、定量リアルタイムPCRで測定した。各標的mRNA転写物レベルをRIBOGREEN(登録商標)により測定した全RNA含量で正規化した。結果を、非処理対照細胞に対するSTAT3、MALAT−1またはEg5のパーセント抑制として表30に示す。

U251細胞を4,500細胞/ウエルの密度で96ウエルプレートに播種した。翌日、細胞を、0.02μM、0.1μM、0.5μM、2.5μMおよび10μMの濃度のISIS23(STAT3を標的とする5−10−5MOEギャップマー)、ISIS21(STAT3を標的とする3−10−3(S)−cEtギャップマー)、ISIS24(STAT3を標的とする5−10−5MOEギャップマー)、ISIS20(MALAT1を標的とする5−10−5MOEギャップマー)、またはISIS25(キネシンファミリーメンバー11またはEg5を標的とする5−10−5MOEギャップマー)で処理した。約16時間後、RNAを細胞から単離し、標的mRNA転写物レベルを、定量リアルタイムPCRで測定した。各標的mRNA転写物レベルをRIBOGREEN(登録商標)により測定した全RNA含量で正規化した。結果を、非処理対照細胞に対するSTAT3、MALAT−1またはEg5のパーセント抑制として表31に示す。

表30と31の5−10−5ギャップマーは、オリゴヌクレオチドであり、ギャップセグメントは、10の2’−デオキシヌクレオシドを含み、各ウイングセグメントは、5つの2’−MOEヌクレオシドを含む。各ギャップマー全域のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。各ギャップマー全域の全シチジン残基は、5−メチルシチジンである。3−10−3ギャップマーは、オリゴヌクレオチドであり、ギャップセグメントは、10の2’−デオキシヌクレオシドを含み、各ウイングセグメントは、(S)−cEt糖に結合した3つのデオキシヌクレオシドを含む。

実施例19:MHT2W異種移植片腫瘍モデルでのアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いたインビボ試験 核内繋留RNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドのインビボ取込および効力を、異種移植片腫瘍モデル中の非核内繋留RNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドと比較した。

処理 MHT2W腫瘍細胞(1×106、ヒト由来)を、雌Balb/c nu/nuマウスに皮下注射した。4〜7日後、ISIS395251(CCAGGCTGGTTATGACTCAG(配列番号96)、標的とする核内繋留RNA:MALAT1)またはISIS383741(GACTCTTGCAGGAATCGGCT(配列番号149)、標的とする非核内繋留RNA:Stat3)を、50mg/kgの用量で、毎週2回、全体で7回腹腔内注射した。マウスを最後の投与の一日後、安楽死させた。

mRNA分析 MALATlおよびStat3のリアルタイムPCR分析用として、試験の最後に、肝臓および腫瘍細胞からRNAを単離し、RIBOGREEN(登録商標)で正規化した。結果を、PBS対照に対するmRNA転写物のパーセント抑制として表32に示す。

実施例23:マウス骨髄細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの薬理作用のインビボ試験 アンチセンスオリゴヌクレオチドのインビボ取込および効力をC57B1/6マウス骨髄細胞で試験した。

処理 マウス群に、毎日40mg/kgの用量のISIS19(MALAT−1を標的とする5−10−5MOEギャップマー)、ISIS23(STAT3を標的とする5−10−5MOEギャップマー)またはISIS15(SR−B1を標的とする5−10−5MOEギャップマー)を4日間、静脈内注射することにより処理した。マウス対照群に、PBSを、4日間、毎日静脈内注射した。最後の投与の1日後、マウスを安楽死させた。マウスから骨髄および肝臓組織を採取した。分析用として、CD45+白血球細胞を骨髄から単離した。

mRNA分析 MALAT−1、STAT3およびSR−B1のリアルタイムPCR分析用として、試験の最後に、RNAを肝臓、骨髄細胞および骨髄CD45+白血球細胞から単離し、RIBOGREEN(登録商標)で正規化した。表33は、PBS対照に対するマウスRNA転写物のパーセント抑制を示す。データは、SR−B1およびSTAT3を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、肝臓では強力であるが、腫瘍細胞中に容易には拡散できないことを示す。核内繋留標的MALAT−1を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、骨髄細胞中に拡散でき、標的RNAの強力な抑制を生じた。

実施例24:HepG2細胞中のヒトα1骨格アクチンのアンチセンス抑制 ヒトα1骨格アクチン核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドが、αアクチンRNA転写物に与える効果をインビトロで試験した。20,000細胞/ウエルの密度でHepG2細胞を培養し、電気穿孔を使って、10,000nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約24時間後、RNAを細胞から単離し、α1アクチンRNA転写物レベルを定量リアルタイムPCRにより測定した。α1アクチンRNA転写物レベルをRIBOGREEN(登録商標)で測定した全RNA含量に基づいて調節した。結果を、非処理対照細胞に対するα1アクチンのパーセント抑制として、表す。

表34のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、5−10−5ギャップマーであり、ギャップセグメントは、10の2’−デオキシヌクレオシドを含み、各ウイングセグメントは、5つの2’−MOEヌクレオシドを含む。各ギャップマー全域のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。各ギャップマー全域の全シチジン残基は、5−メチルシチジンである。「標的開始部位」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的にする5’−最末端ヌクレオチドを指す。「標的終了部位」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的にする3’−最末端ヌクレオチドを指す。表34に挙げた全てのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号XXX(GENBANK受入番号NM_001100.3)を標的にする。

実施例25:HepG2細胞中のヒトα1アクチンの用量依存性アンチセンス抑制 HepG2細胞中でα1アクチンのインビトロ抑制を示すいくつかのアンチセンスオリゴヌクレオチド(実施例26参照)を、種々の用量で試験した。細胞を、20,000細胞/ウエルの密度で播種し、電気穿孔を使って、625nM、1,250nM、2,500nM、5,000nM、10,000nMおよび20,000nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約16時間後、RNAを細胞から単離し、α1アクチンRNA転写物レベルを定量リアルタイムPCRで、プライマープローブセットRTS3154(フォワード配列CCACCGCAAATGCTTCTAGAC、本明細書では配列番号161と命名;リバース配列CCCCCCCATTGAGAAGATTC、本明細書では配列番号162と命名;プローブ配列CTCCACCTCCAGCACGCGACTTCTX、本明細書では配列番号163と命名)を使って測定した。α1アクチンRNA転写物レベルをRIBOGREEN(登録商標)により測定した全RNA含量で正規化した。結果を、非処理対照細胞に対するα1アクチンのパーセント抑制として表35に示す。

実施例26:遺伝子導入マウス中のヒトα1アクチンのインビボアンチセンス抑制 ヒト骨格アクチンの3’UTRに250CTG反復を持つ導入遺伝子をFVB/Nマウス中に挿入することにより、HSA(ヒト骨格アクチン)LR(長い反復)マウスを生成した。導入遺伝子は、マウス中でCUG反復RNAとして発現し、これは、核中に繋留され、筋緊張性ジストロフィー患者のヒト組織試料に見られるものと類似の核封入体または核内ドット(nuclear foci)を形成する。

インビトロで統計的に有意な用量依存性抑制を示すISIS190403、ISIS445236およびISIS445238の、ヒトα1アクチンRNA転写物をインビボで低減する能力を評価した。

処理 HSALRマウスを、12時間の明暗サイクルで維持し、通常のPurinaマウス固形飼料を自由に与えた。実験開始に先立ち、動物を研究施設中で少なくとも7日間順化した。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)をPBS中で調製し、0.2ミクロンフィルターを通して殺菌した。注射用として、オリゴヌクレオチドを0.9%PBSに溶解した。

マウスを4つの処理群に分割した。最初の3つの群は、ISIS190403、ISIS445236またはISIS445238の皮下注射を25mg/kgの用量で週2回、4週間受けた。4番目の群は、PBSの皮下注射を週2回、4週間受けた。PBS注射群は、オリゴヌクレオチド処理群が比較される対照群としての役割をした。

α1アクチンRNAの抑制 最後の投与の24時間後、動物を屠殺し、四頭筋(左と右)、腓腹筋(左と右)、および前脛骨筋(左と右)から組織を取り出した。α1アクチンのリアルタイムPCR分析用として、RNAを単離し、18s RNAに正規化した。表36に示すように、アンチセンスオリゴヌクレオチドでの処理で、ヒトα1アクチンRNA転写物発現が低減した。結果を、対照に対するα1アクチン転写物のパーセント抑制として示す。

筋肉中のα1アクチンの蛍光インサイツハイブリダイゼーション 凍結筋肉組織切片を新鮮なPBS溶液中の3%パラホルムアルデヒドで15〜20分間固定し、その後、PBSで5分間のすすぎを2回行った。核を0.5%トリトンX−100で5分間透過処理した後、組織を正常なヤギ血清で30分間ブロッキングした。α1アクチンを標的とする、Texas Red(Integrated DNA Technologies)で5’標識した2’−O−メチルRNAと共に切片をインキュベートした。切片をDAPIで対比染色し、核を標識した。切片をマウントし、標準的蛍光顕微鏡で観察した。画像の取込をMetavueソフトウェアにより行い、解析をAutoquantソフトウェアで行った。

ISIS445236およびISIS445238で処理したマウス由来の全筋肉組織切片は、リボ核ドット(ribonuclear foci)でのα1アクチンシグナルの低減した蛍光強度を示し、ヒトα1アクチンmRNAのアンチセンス抑制および核ドット(nuclear foci)中のRNAの減少を示唆している。

筋電図検査による筋緊張の評価 筋緊張は、筋肉繊維の遅延緩和に起因する反復性活動電位による。この現象は、筋緊張性ジストロフィーの患者ならびにHSALRマウスで観察される。EMGニードルを筋緊張性筋肉に挿入すると、刺入時電位が正常に止むべき場合に、電気活動が数秒過ぎるまで持続する。筋緊張性放電の頻度は、毎秒50〜100インパルスの範囲である。

筋緊張は、筋電図検査により測定でき、次のような方式で、グレード付けされる:グレード0は、針挿入による誘発が全くない筋緊張(0%針挿入)を表し;グレード1は、50%未満の針挿入により誘発された筋緊張を表し;グレード2は、50%を越える針挿入により誘発された筋緊張を表し;さらに、グレード3は、100%の針挿入により誘発された筋緊張を表す。

筋電図検査の前に、マウスに、腹腔内投与100mg/kgケタミン、10mg/kgキシラジン、および3mg/kgアセプロマジンまたは250mg/kgの2,2,2−トリブロモエタノールで麻酔をかけた。左と右四頭筋、左と右腓腹筋、左と右前脛骨筋および腰部傍脊柱筋の筋電図検査を、30ゲージ同心円状針電極を使い、各筋肉に対し最小で10針挿入を行って、以前に記載(Kanadia et al,2003,Science,302:1978−1980)のように実施した。データを、各群の4匹のマウスで観察された平均筋緊張グレードとして、表37に示したが、このデータは、ISIS445236およびISIS445238で処理したマウスの筋緊張の有意な減少を明示している。

実施例27:遺伝子導入マウスへの皮下投与による長いCUG反復mRNA(HSALRマウス)および短いCUG反復(HSASRマウス)の用量依存性抑制 長いCUG反復(HSALRマウス)および短いCUG反復(HSASRマウス)を含むmRNA転写物の用量依存性抑制を評価した。HSA短い反復(HSASR)マウスは、3’UTRの位置に250CUG反復に代わりに5つの反復が挿入されている以外は、HSAlrマウスと同じ導入遺伝子を発現する。HSASRマウスには、筋緊張、スプライシングによる変化、または他のいずれの観察可能な筋緊張表現型もない。ISIS445236をこのアッセイに使用した。

処理 HSALRマウスを4つの処理群に分割した。最初の3つの群は、ISIS445236の2.5mg/kg、8.5mg/kgまたは25mg/kgの用量の皮下注射を週2回、4週間受けた。4つめの群は、PBSの皮下注射を週2回、4週間受けた。PBS注射群は、オリゴヌクレオチド処理群が比較される対照群として機能した。HSASRマウスも、4つの群に分割され、同様に処理された。

α1アクチンRNAの抑制 最後の投与の24時間後、動物を屠殺し、組織を四頭筋(左と右)、腓腹筋(左と右)、および前脛骨筋(左と右)から採取した。RNAをα1アクチンのリアルタイムPCR分析用として単離し、18s RNAに正規化した。結果を、表38と39に示し、対照に対するα1アクチン転写物のパーセント抑制として表している。HSASRマウスの筋肉中の非核内繋留の短い反復に比べて、HSALRマウスの筋肉中の核内繋留された長い反復のより大きな抑制が達成された。

実施例28:DM1繊維芽細胞中のヒト筋緊張性ジストロフィープロテインキナーゼ(DMPK)を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを使った用量反応試験 大きなCUG反復を含む変異型のDMPK mRNAは、完全に転写され、ポリアデニル化されているが、核内に捕捉されて残っている(Davis et al,1997,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.94,7388−7393)。これらの変異体核内繋留mRNAは、筋緊張性ジストロフィー1(DM1)の最も重要な病理学的特徴の1つである。DM1繊維芽細胞中の変異体DMPK mRNAのアンチセンス抑制を試験した。

DM1繊維芽細胞を4,500細胞/ウエルの密度で播種し、サイトフェクチン試薬を使って、9.375nM、18.75nM、37.5nM、75nM、150nM、および300nMの濃度の各アンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。約16時間後、RNAを細胞から単離し、DMPK RNA転写物レベルを定量リアルタイムPCRを用い、プライマープローブセットRTS3164(フォワード配列AGCCTGAGCCGGGAGATG、本明細書では配列番号164と命名;リバース配列GCGTAGTTGACTGGCGAAGTT、本明細書では配列番号165と命名;およびプローブ配列AGGCCATCCGCACGGACAACCX、本明細書では配列番号166と命名)を使って測定した。DMPK RNA転写物レベルをRIBOGREEN(登録商標)により測定した全RNA含量で正規化した。結果を、未処理対照細胞に対するDMPKのパーセント抑制として、表41に示した。

また、DMPK転写物の3’−末端を標的とするプライマープローブセットRTS3162(フォワード配列CGGGCCGTCCGTGTT、本明細書では配列番号167と命名;リバース配列CTTTGCACTTTGCGAACCAA、本明細書では配列番号168と命名;およびプローブ配列CATCCTCCACGCACCCCCACCX、本明細書では配列番号169と命名)を使って類似の条件でアッセイを行った。結果を、未処理対照細胞に対するDMPKのパーセント抑制として、表42に示す。

アッセイした全てのギャップマーを表40に記載し、これらは、5−10−5ギャップマーであり、ギャップセグメントは、10の2’−デオキシヌクレオシドを含み、各ウイングセグメントは、5つの2’−MOEヌクレオシドを含む。各ギャップマー全域のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。各ギャップマー全域の全シチジン残基は、5−メチルシチジンである。全ギャップマーは、標的配列番号170(ヌクレオチド18540696を18555106に切断したGENBANK受入番号NT_011109.15の相補配列)を標的とする。「標的開始部位」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とする5’−最末端ヌクレオチドを指す。「標的終了部位」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とする3’−最末端ヌクレオチドを指す。

実施例29:遺伝子導入マウス中のヒトDMPKのインビボアンチセンス抑制 LC15マウス、Line A、は、(ロチェスター大学のWheeler等により開発された)全ヒトDMPK3’UTR含有遺伝子導入マウスである。このマウスは、FVB遺伝的背景と戻し交配された第二世代マウスである。導入遺伝子は、マウス中でCUG反復RNAとして発現し、核内に保持され、核封入体または核内ドット(nuclear foci)を形成するが、これらは、筋緊張性ジストロフィー(DM1)の患者のヒト組織試料に見られるものに類似している。DMPK導入遺伝子中に350〜400のCUG反復がある。これらのマウスは、早期にDM1の徴候を示し、筋肉組織の筋緊張を全く示さない。

統計的に有意な用量依存性のインビトロ抑制を示したISIS445569、ISIS444404、ISIS444436およびISIS473810(実施例5参照)のヒトDMPK RNA転写物をインビボで低減する能力を評価した。

処理 LC15、Line Aマウスを、12時間の明暗サイクルで維持し、通常のPurinaマウス固形飼料を自由に与えた。実験開始前に、動物を研究施設中で少なくとも7日間順化させた。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)をPBS中で調製し、0.2ミクロンフィルターを通して殺菌した。注射用に、オリゴヌクレオチドを0.9%PBSに溶解した。

マウスを5つの処理群に分割した。最初の3つの群は、ISIS445569、ISIS444404またはISIS444436を25mg/kgの用量で週2回、4週間の皮下注射を受けた。4番目の群は、ISIS473810を12.5mg/kgの用量で週2回、4週間の皮下注射を受けた。5番目の群は、PBSを週2回、4週間の皮下注射を受けた。PBS注射群は、オリゴヌクレオチド処理群が比較される対照群としての役割をした。

DMPK RNAの抑制 最後の投与の24時間後、動物を屠殺し、四頭筋由来の組織を取り出した。DMPKのリアルタイムPCR分析用として、RNAを単離し、18s RNAに正規化した。表43に示すように、アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理により、ヒトDMPK RNA転写物発現が低減された。結果をPBS対照に対するDMPK転写物のパーセント抑制として表している。

筋電図検査による筋緊張の評価 左と右の四頭筋、左と右の腓腹筋、左と右の前脛骨筋および腰部傍脊柱筋の筋電図検査を、以前記載(Kanadia et al,2003,Science,302:1978−1980)のように、30ゲージ同心円状針電極を使って、各筋肉に対し最小の10針挿入により実施した。LC15マウスは、筋緊張がないので、対照群も、処理群も、試験したどの筋肉においても、筋緊張を全く示さなかった。

実施例30:遺伝子導入マウス中のヒトDMPKのインビボアンチセンス抑制 LC15マウス、Line Dは、(ロチェスター大学のWheeler等により開発された)全ヒトDMPK3’UTR含有遺伝子導入マウスである。このマウスは、FVB遺伝的背景と戻し交配された第三世代マウスである。導入遺伝子は、マウス中でCUG反復RNAとして発現し、核内に保持され、核封入体または核内ドット(nuclear foci)を形成するが、これらは、筋緊張性ジストロフィー(DM1)の患者のヒト組織試料に見られるものに類似している。DMPK導入遺伝子中に350〜400のCUG反復がある。これらのマウスは、早期にDM1の徴候を示し、筋肉組織の筋緊張を全く示さない。

ISIS445569、ISIS444404、ISIS444436およびISIS473810のヒトDMPK RNA転写物をインビボで低減する能力をさらに評価した。

処理 LC15、Line Aマウスを、12時間の明暗サイクルで維持し、通常のPurinaマウス固形飼料を自由に与えた。実験開始前に、動物を研究施設中で少なくとも7日間順化させた。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)をPBS中で調製し、0.2ミクロンフィルターを通して殺菌した。注射用に、オリゴヌクレオチドを0.9%PBSに溶解した。

マウスを6つの処理群に分割した。最初の3つの群は、ISIS445569、ISIS444404またはISIS444436を25mg/kgの用量で週2回、4週間の皮下注射を受けた。4番目の群は、ISIS473810を12.5mg/kgの用量で週2回、4週間の皮下注射を受けた。5番目の群は、ISIS473810を6.25mg/kgの用量で週2回、4週間の皮下注射を受けた。6番目の群は、PBSを週2回、4週間の皮下注射を受けた。PBS注射群は、オリゴヌクレオチド処理群が比較される対照群としての役割をした。

DMPK RNAの抑制 最後の投与の24時間後、動物を屠殺し、四頭筋由来の組織を取り出した。DMPKのリアルタイムPCR分析用として、RNAを単離し、18s RNAに正規化した。表44に示すように、アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理により、ヒトDMPK RNA転写物発現が低減された。結果をPBS対照に対するDMPK転写物のパーセント抑制として示す。

筋電図検査による筋緊張の評価 左と右の四頭筋、左と右の腓腹筋、左と右の前脛骨筋および腰部傍脊柱筋の筋電図検査を、以前記載(Kanadia et al,2003,Science,302:1978−1980)のように、30ゲージ同心円状針電極を使って、各筋肉に対し最小の10針挿入により実施した。LC15マウスは、筋緊張がないので、対照群も、処理群も、試験したどの筋肉においても、筋緊張を全く示さなかった。

実施例31:SXL遺伝子導入マウスモデル中のヒトDMPKのインビボアンチセンス抑制 hDMPKを標的とするASO444401および299471を使って、SXLマウスでヒラメ筋中の標的ノックダウンを測定した。SXLマウスは、全DMPK遺伝子およびプロモーターに対し形質転換されており、DMPK遺伝子の3’UTRに1000CUG反復配列を含む。マウスに、週2回、4週間、50mg/kg投与した(各群に対し、食塩水注射対照のn=2を除く、n=3マウスに)。図1に、mut−hDMPK mRNA(図1A)および内在性マウスDmpk mRNA(図1B)に対するTaqmanアッセイ結果を示す。

実施例32:snoRNAのインビボでの抑制 U16とU50 snoRNAの有意な抑制を示すISIS462026(U16を標的とする)およびISIS477499(U50を標的とする)をマウスで試験し、ギャップマーの効力を評価した。

処理 2つの群の5匹の7週齢balb−cマウスに、それぞれ、100mg/kgのISIS462026またはISIS477499を皮下投与した。別の群の5匹のマウスに、100mg/kgの対照オリゴヌクレオチドISIS141923(CCTTCCCTGAAGGTTCCTCC、本明細書では配列番号176と命名)を注射した。別の群の5匹のマウスに、PBSを皮下注射した。PBSを投与されたマウスは、対照群の役割をした。マウスを72時間後屠殺し、標的mRNA分析用として、いくつかの組織を採取した。採取した組織は、肝臓、心臓、脾臓、白色脂肪組織(WAT)、腎臓、および筋肉であった。

RNA分析 種々の組織のそれぞれ由来の全RNAを、Tri−Reagentを使って、メーカーのインストラクションに基づいて別々に調製した。5μgの全RNAを8%ポリアクリルアミド−7M尿素ゲル中に分離し、セミドライトランスファー装置を使って膜上に移した。ノーザンハイブリダイゼーションを、U16 snoRNA特異的5’−末端標識オリゴヌクレオチドプローブ(5’−TTGCTCAGTAAGAATTTTCG−3’、本明細書では配列番号177と命名)、およびU50 snoRNA特異的5’−末端標識オリゴヌクレオチドプローブ(5’−GGTTCGGGATAAGATCATCACA−3’、本明細書では配列番号178と命名)を使って行った。U2 snRNAを検出し、ローディングコントロールとして使用した。バンドの密度を、ImageJ濃度計を使ってスキャンした。抑制結果を図2に示す。データは、ISIS462026およびISIS477499は、有意にそれらの標的snoRNA発現を抑制したことを示している。

rRNAメチル化の評価 肝臓飼料由来の全RNAを各群用にプールし、プライマー伸長分析を行い、U16 snoRNAにより標的にされる18SrRNA中の位置A485、またはU50 snoRNAにより標的にされる28SrRNA中の位置C2613でのrRNAメチル化を検出した。結果を表45に示すが、PBS対照に比べて、0.05mMのdNTP濃度で有意な抑制を示している。

実施例33:lincRNA_SFPQE、lincRNA_p21、lincRNA_HOXA1、HOTAIR、PCGEM1、およびMIATmRNAのインビトロ抑制 アンチセンスオリゴヌクレオチドを、lincRNA_SFPQE、lincRNA_p21、lincRNA_HOXA1、HOTAIR、PCGEM1、およびMIAT mRNA配列を標的とするよう設計した。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、インビトロで試験した。種々の用量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、それぞれ、種々の細胞中で試験し、対応する標的のmRNA発現レベルをRT−PCRにより分析した。

結果は、核内繋留RNA、例えば、lincRNA_SFPQE、lincRNA_p21、lincRNA_HOXA1、HOTAIR、PCGEM1、およびMIATに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、MALAT1を標的としたアンチセンスオリゴヌクレオチドにより示されたものと類似の効力(実施例1〜6参照)で、それらの標的mRNA配列を低減させることができたことを示した。 ある態様において、本発明は以下であってもよい。 [態様1]アンチセンスオリゴヌクレオチド取込の少ない細胞または組織中の、薬理学的に関連する核内繋留RNAの減少を実現する方法であって、前記核内繋留RNAを持っていると疑われる動物に、核内繋留RNAを切断し、前記薬理学的に関連する減少を実現できる核リボヌクレアーゼを活性化するのに有効な量の前記核内繋留RNAに相補的な化学修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与することを含む方法。 [態様2]前記核内繋留RNAが、前記組織中の疾患または状態と関連し、前記動物が、前記疾患または状態を持っているとして選択される態様1に記載の方法。 [態様3]前記核内繋留RNAが、ノンコーディングRNAである態様1または2に記載の方法。 [態様4]前記ノンコーディングRNAが、長鎖ノンコーディングRNA、短鎖ノンコーディングRNA、大型介在性ノンコーディングRNA(large intervening non−coding RNA)、反復配列含有RNA、ヌクレオチド反復伸長含有RNA、snoRNA、scaRNA、またはenrRNAである態様3に記載の方法。 [態様5]前記ノンコーディングRNAが、Xlsirt、Satellite III、Hox C5転写変異体2(ノンコーディング)、Menβ、Neat1、Neat2、hsr−omega、hothead、Kit、Xist、Air、Tsix、Mirg、Kcnqlot1、AK045070、P−rex1、ZNF127AS、NESPAS、SRG1、Hotair、Gomafu、Sox2ot、Rian、CAT2、Xite、Jpx、Ftx、RoX1、RoX2、H19、Igf2、IPW、UBE3A、ATP10C、pgc、7SK、RNA Pol II転写伸長因子P−TEFb、B2、HSR−1、BC1、BC200、NRSE、NRON、NFAT転写因子、Makorin−p1、HAR1F、HAR1R、OCC1、DD3/PCA3、PCGEM1、NCRMS、HIS−1、BCMS、CMPD、NC612、SRA、DISC2、PSZA11q14、RAY1/ST7、UBE3A−AS、SCA8、22k48、C6orf37OS、COPG2IT1、DGCR5、KCNQ1オーバーラップ転写物1(非タンパクコード)、MESTIT1、およびPRINSの内のいずれかである態様3または4に記載の方法。 [態様6]前記ヌクレオチド反復伸長含有RNAが、SCA8/アタキシン8、ATN1/DRPLA、FMR1、AFF2/FMR2、フラタキシン/FXN、Htt、ジャンクトフィリン−3(JPH3)、DMPK、Znフィンガータンパク質−9、アンドロゲン受容体(AR)(X−連鎖)、アタキシン−1(ATXN1)、ATXN10、タンパク質ホスファターゼPP2A(PPP2R2B)、TATAボックス結合タンパク質(TBP)、ATXN2、ATXN3、CACNA1A、ATXN7、およびSCA8の内のいずれかである態様4に記載の方法。 [態様7]前記ノンコーディングRNAが、NEAT2(別名MALAT1)、DMPK、U16、およびU50の内のいずれかである態様3または4に記載の方法。 [態様8]前記組織が、骨格筋、心筋、平滑筋、脂質、脾臓、骨、腸、副腎、精巣、卵巣、膵臓、下垂体、前立腺、皮膚、子宮、膀胱、腫瘍および脳の内のいずれかである態様1〜7のいずれか1に記載の方法。 [態様9]細胞が、糸球体細胞、遠位尿細管上皮細胞、またはリンパ球である態様1〜7のいずれか1に記載の方法。 [態様10]細胞が悪性細胞である態様1〜7のいずれか1に記載の方法。 [態様11]細胞が、悪性乳腺細胞、悪性肺細胞、悪性結腸細胞、および悪性前立腺細胞の内のいずれかである態様10に記載の方法。 [態様12]アンチセンスオリゴヌクレオチド取込の少ない組織の核内繋留RNAに関連した疾患または傷害の症状を治療、改善し、遅延または低減させる方法であって、 a. 前記組織中の前記核内繋留RNAに関連した疾患または傷害を有する動物を選択すること;および b. 前記動物に、前記薬理学的に関連する量で、核内繋留RNAを切断できる核リボヌクレアーゼを活性化するのに有効な量の化学修飾された前記核内繋留RNAに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与し、それにより、前記疾患または傷害の症状を治療、改善し、遅延または低減させること、 を含む方法。 [態様13]動物が、ハンチントン病、ハンチントン病様2、筋緊張性ジストロフィー(DM1およびDM2を含む)、脆弱X関連振戦・失調症候群、脆弱XE精神遅滞、脊髄小脳失調症(表2に挙げたものを含む)、フリードライヒ運動失調症、早期卵巣機能不全、球脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症(ケネディ病)および歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(ハウ・リバー症候群)から選択される疾患である態様12に記載の方法。 [態様14]前記組織が、骨格筋、心筋、平滑筋、脂質、脾臓、骨、腸、副腎、精巣、卵巣、膵臓、下垂体、前立腺、皮膚、子宮、膀胱、腫瘍および脳の内のいずれかである態様12または13に記載の方法。 [態様15]細胞が、糸球体細胞、遠位尿細管上皮細胞、またはリンパ球である態様12または13に記載の方法。 [態様16]細胞が、悪性細胞である態様12または13に記載の方法。 [態様17]細胞が、悪性乳腺細胞、悪性肺細胞、悪性結腸細胞、および悪性前立腺細胞の内のいずれかである態様16に記載の方法。 [態様18]化学修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与が、全身性の効果をもたらす態様1〜17のいずれか1に記載の方法。 [態様19]投与が皮下である態様1〜18のいずれか1に記載の方法。 [態様20]投与が静脈内である態様1〜18のいずれか1に記載の方法。 [態様21]投与がCNSに対して行われる態様1〜18のいずれか1に記載の方法。 [態様22]投与がCSFに対して行われる態様1〜18のいずれか1に記載の方法。 [態様23]RNAが、少なくとも1つの反復領域および少なくとも1つの非反復領域を含むヌクレオチド反復含有RNAである態様1〜22のいずれか1に記載の方法。 [態様24]前記ヌクレオチド反復含有RNAの反復領域が、CAG、GCG、CUG、GCC、GCC、CGG、GAA、CAA、CCUG、およびAUUCUから選択される反復配列を含む態様23に記載の方法。 [態様25]反復配列が、反復領域内で、約20倍超、約25倍超、約30倍超、約35倍超、約40倍超、約45倍超、約50倍超、約55倍超、約60倍超、約65倍超、約70倍超、または約75倍超の反復である態様23または24に記載の方法。 [態様26]オリゴヌクレオチドが、ヌクレオチド反復含有RNAの非反復領域内のノンコーディング配列を標的とする態様23〜25のいずれか1に記載の方法。 [態様27]オリゴヌクレオチドが、ヌクレオチド反復含有RNAのコード領域、イントロン、5’UTR、または3’UTRを標的とする態様23〜25のいずれか1に記載の方法。 [態様28]RNAが、ノンコーディングRNAである態様1〜18のいずれか1に記載の方法。 [態様29]RNAが、長鎖ncRNA、lincRNA、RNA含有反復配列、ヌクレオチド反復伸長含有RNA、低分子ノンコーディングRNA、snoRNAおよびscaRNAから選択される態様28に記載の方法。 [態様30]RNAが、変異体RNAである態様1〜29のいずれか1に記載の方法。 [態様31]好ましくは、変異体RNAが、野性型に比べて、低減している態様30に記載の方法。 [態様32]RNAが、安定なRNAである態様1〜31のいずれか1に記載の方法。 [態様33]RNAが、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも15時間、少なくとも20時間、少なくとも24時間または24時間超の半減期を有する態様1〜32のいずれか1に記載の方法。 [態様34]オリゴヌクレオチドがキメラである態様1〜33のいずれか1に記載の方法。 [態様35]オリゴヌクレオチドがギャップマーである態様1〜34のいずれか1に記載の方法。 [態様36]オリゴヌクレオチドのヌクレオベース配列が、前記オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定して、核内繋留RNAに対し、少なくとも95%相補的である態様1〜35のいずれか1に記載の方法。 [態様37]修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオベース配列が、前記修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定して、核内繋留RNAに対し、100%相補的である態様1〜35のいずれか1に記載の方法。 [態様38]前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間結合が、修飾されたヌクレオシド間結合である態様1〜37のいずれか1に記載の方法。 [態様39]各ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である態様38に記載の方法。 [態様40]前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドが、修飾糖を含む態様1〜39のいずれか1に記載の方法。 [態様41]少なくとも1つの修飾糖が二環糖である態様40に記載の方法。 [態様42]少なくとも1つの修飾糖が、2’−O−メトキシエチルまたは4’−(CH2)n−O−2’架橋を含み、nが1または2である態様40に記載の方法。 [態様43]前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドが、修飾ヌクレオベースを含む態様1〜42のいずれか1に記載の方法。 [態様44]修飾ヌクレオベースが、5−メチルシトシンである態様43に記載の方法。 [態様45]オリゴヌクレオチドが、 連鎖デオキシヌクレオシドから構成されるギャップセグメント; 連鎖ヌクレオシドから構成される5’ウイングセグメント; 連鎖ヌクレオシドから構成される3’ウイングセグメント; を含み、ギャップセグメントが、5’ウイングセグメントおよび3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、 態様1〜44のいずれか1に記載の方法。 [態様46]修飾オリゴヌクレオチドが、20連鎖ヌクレオシドから構成される態様45に記載の方法。 [態様47]オリゴヌクレオチドが、 a. 10連鎖デオキシヌクレオシドから構成されるギャップセグメント; b. 5連鎖ヌクレオシドから構成される5’ウイングセグメント; c. 5連鎖ヌクレオシドから構成される3’ウイングセグメント; を含み、ギャップセグメントが、5’ウイングセグメントおよび3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが、2’−O−メトキシエチル糖を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエート結合であり、前記修飾オリゴヌクレオチド中の各シトシンが、5’−メチルシトシンである態様46に記載の方法。 [態様48]修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号92〜110、150〜160、および171〜175のヌクレオベース配列の内のいずれかの少なくとも12近接ヌクレオベースを含むヌクレオベース配列を有する態様1〜47のいずれか1に記載の方法。 [態様49]アンチセンスオリゴヌクレオチド取込の少ない組織中の核内繋留RNAに関連した疾患の治療用の核リボヌクレアーゼを活性化できる化学修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用。 [態様50]皮下処置のための態様49に記載の使用。 [態様51]静脈内処置のための態様49に記載の使用。 [態様52]CNS治療のための態様49に記載の使用。 [態様53]CSF治療のための態様49に記載の使用。 [態様54]92〜110、150〜160、および171〜175のヌクレオベース配列の内のいずれかの少なくとも12近接ヌクレオベースを含むヌクレオベース配列を有する12〜30連鎖ヌクレオシドから構成される修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物。 [態様55]修飾オリゴヌクレオチドが、単鎖オリゴヌクレオチドである態様54に記載の化合物。 [態様56]修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオベース配列が、配列番号1、177、および198に100%相補的である態様54または55に記載の化合物。 [態様57]少なくとも1つのヌクレオシド間結合が、修飾ヌクレオシド間結合である態様55〜57のいずれか1に記載の化合物。 [態様58]各ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である態様57に記載の化合物。 [態様59]少なくとも1つのヌクレオシドが、修飾糖を含む態様55〜58のいずれか1に記載の化合物。 [態様60]少なくとも1つの修飾糖が二環糖である態様59に記載の化合物。 [態様61]少なくとも1つの修飾糖が、2’−O−メトキシエチルを含む態様59に記載の化合物。 [態様62]少なくとも1つのヌクレオシドが修飾ヌクレオベースを含む態様55〜61のいずれか1に記載の化合物。 [態様63]修飾ヌクレオベースが5−メチルシトシンである態様62に記載の化合物。 [態様64]修飾オリゴヌクレオチドが、 連鎖デオキシヌクレオシドから構成されるギャップセグメント; 連鎖ヌクレオシドから構成される5’ウイングセグメント; 連鎖ヌクレオシドから構成される3’ウイングセグメント、を含み、 ギャップセグメントが、5’ウイングセグメントおよび3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む態様55〜63のいずれか1に記載の化合物。 [態様65]修飾オリゴヌクレオチドが、 10連鎖デオキシヌクレオシドから構成されるギャップセグメント; 5連鎖ヌクレオシドから構成される5’ウイングセグメント; 5連鎖ヌクレオシドから構成される3’ウイングセグメント、を含み、 ギャップセグメントが、5’ウイングセグメントおよび3’ウイングセグメントの間に位置し、各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが、2’−O−メトキシエチル糖を含み;さらに、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合である態様55〜64のいずれか1に記載の化合物。 [態様66]修飾オリゴヌクレオチドが、14連鎖ヌクレオシドから構成される態様55〜65のいずれか1に記載の化合物。 [態様67]修飾オリゴヌクレオチドが、16連鎖ヌクレオシドから構成される態様55〜65のいずれか1に記載の化合物。 [態様68]修飾オリゴヌクレオチドが、20連鎖ヌクレオシドから構成される態様55〜65のいずれか1に記載の化合物。 [態様69]態様54〜67のいずれか1に記載の化合物を含む医薬組成物。

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