Mutant selective egfr inhibitors and their use

申请号 JP2013538820 申请日 2011-11-08 公开(公告)号 JP2013542256A 公开(公告)日 2013-11-21
申请人 セルジーン アヴィロミクス リサーチ, インコーポレイテッド; 发明人 クワンホー リー,; デチャン ニュー,; マシュー フランク バエブスキー,;
摘要 本発明は、化合物、薬学的に許容されるその組成物、およびそれらを使用する方法を提供する。 変異体選択的な上皮成長因子受容体(EGFR)キナーゼ活性をモジュレートする複素環式ピリミジン化合物を開示する。 様々な変異体EGFRの阻害における選択性を開示する。 ピリミジン誘導体を含有する薬学的組成物、およびピリミジン誘導体またはピリミジン誘導体を含有する薬学的組成物を投与するステップを含む、EGFRキナーゼ活性に関連する疾患を処置する方法を記載する。 本発明の化合物および薬学的に許容されるその組成物は、1つまたは複数のEGFR変異に関連するがんの処置に有用である。
权利要求
  • 式Iの化合物
    または薬学的に許容されるその塩であって、式中、
    は、−CF または−Clであり、
    Wは、−O−または−NH−であり、
    は、−Rまたは
    であり、
    は、−R、−C(O)Rまたは−C(O)ORであり、
    各Rは、独立に、C 1〜4アルキルまたはC 1〜4フルオロアルキルである、
    化合物または薬学的に許容されるその塩。
  • が、−CF である、請求項1に記載の化合物。
  • が、−Clである、請求項1に記載の化合物。
  • が、
    である、請求項1に記載の化合物。
  • 式IIの化合物
    または薬学的に許容されるその塩であって、式中、
    は、−R、−C(O)Rまたは−C(O)ORであり、
    各Rは、独立に、C 1〜4アルキルまたはC 1〜4フルオロアルキルである、
    化合物または薬学的に許容されるその塩。
  • から選択される請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  • 請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含む、組成物。
  • 追加の治療剤と組み合わされる、請求項7に記載の組成物。
  • 前記追加の治療剤が、化学療法剤である、請求項8に記載の組成物。
  • 生物学的試料または患者において、WT EGFRと比較して、EGFRの少なくとも1つの変異体を選択的に阻害するための方法であって、前記生物学的試料を、請求項1から6のいずれかに記載の化合物もしくはその組成物と接触させるか、または前記患者に、請求項1から6のいずれかに記載の化合物もしくはその組成物を投与するステップを含む、方法。
  • WT EGFRに関して節約的である、請求項10に記載の方法。
  • 前記少なくとも1つの変異体が、T790Mである、請求項10に記載の方法。
  • 前記少なくとも1つの変異体が、T790Mである、請求項11に記載の方法。
  • 前記EGFRの少なくとも1つの変異体が、活性化変異体である、請求項10に記載の方法。
  • 前記EGFRの少なくとも1つの活性化変異体が、欠失変異体である、請求項14に記載の方法。
  • 前記EGFRの少なくとも1つの活性化変異体が、点変異である、請求項14に記載の方法。
  • 前記少なくとも1つの活性化変異体が、delE746−A750である、請求項15に記載の方法。
  • 前記少なくとも1つの活性化変異体が、L858Rである、請求項16に記載の方法。
  • 前記少なくとも1つの活性化変異体が、G719Sである、請求項16に記載の方法。
  • 前記化合物が、少なくとも1つの活性化変異体およびT790Mを選択的に阻害する、請求項10に記載の方法。
  • 前記EGFRの少なくとも1つの活性化変異体が、欠失変異体である、請求項20に記載の方法。
  • 前記EGFRの少なくとも1つの変異体が、点変異である、請求項20に記載の方法。
  • 前記少なくとも1つの活性化変異体が、delE746−A750である、請求項21に記載の方法。
  • 前記少なくとも1つの活性化変異体が、L858Rである、請求項22に記載の方法。
  • 前記少なくとも1つの活性化変異体が、G719Sである、請求項22に記載の方法。
  • 前記化合物が、WT EGFRに関して節約的である、請求項14から25のいずれか一項に記載の方法。
  • 請求項8に記載の組成物を患者に投与するステップを含む、前記患者の変異体EGFR媒介性の障害または状態を処置するための方法。
  • 前記障害または状態が、がんである、請求項27に記載の方法。
  • 前記癌が、非小細胞肺癌である、請求項28に記載の方法。
  • 说明书全文

    (関連出願に対する相互参照)
    本出願は、2010年11月10日に出願された米国仮特許出願第61/412,388号、および2011年9月13日に出願された米国仮特許出願第61/534,330号の優先権を主張する。 これらの各米国仮特許出願の全体が、参考として本明細書に援用される。

    (発明の技術分野)
    本発明は、変異体選択的な上皮成長因子受容体(EGFR)キナーゼ阻害剤として有用な化合物に関する。 本発明はまた、本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物、および様々な障害の処置において前記組成物を使用する方法を提供する。

    (発明の背景)
    タンパク質チロシンキナーゼは、ATPまたはGTPからタンパク質基質上に位置するチロシン残基へのリン酸基の移動を触媒する、あるクラスの酵素である。 受容体チロシンキナーゼは、リン酸化事象を介して二次メッセージングエフェクタを活性化することによって、細胞の外側から内側にシグナルを伝達するように作用する。 増殖、炭化物の利用、タンパク質合成、血管新生、細胞成長および細胞生存を含む様々な細胞過程が、これらのシグナルによって促進される。

    あらゆる固形腫瘍の60%超が、これらのタンパク質またはそれらのリガンドの少なくとも1つを過剰発現することから、EGFRがヒトのがんに関与するという強な前例がある。 EGFRの過剰発現は、一般に、乳房、、頭部および頸部、膀胱の腫瘍に見出される。

    EGFRのチロシンキナーゼドメインにおける活性化変異が、非小細胞肺癌を有する患者において同定されている(非特許文献1)。 可逆的な阻害剤であるタルセバ(エルロチニブ)およびイレッサ(ゲフィチニブ)は、現在、活性化変異を有する非小細胞肺癌の患者にとって最優秀の療法となっている。 最も一般的な活性化変異は、L858RおよびdelE746−A750である。

    さらに、再発する患者の大部分において、ゲートキーパー残基であるT790Mの変異などによる後天性薬物耐性が、かかる臨床的に耐性のある患者の少なくとも半数において検出されている。 さらに、T790Mは既に存在している場合もあり、T790M変異には、独立した発がん性の役割があり得る。 例えば、ゲフィチニブによる処置を受けたことがないが、L858R/T790M変異を有する患者が存在する。 さらに、生殖系列EGFR T790M変異は、特定の家族性肺癌に関連している。

    BIBW2992、HKI−272およびPF−0299804などの第2世代の共有結合性の阻害剤を含む、現在開発中の薬物は、T790M耐性変異に対して有効であるが、WT EGFRを同時に阻害することに起因して、用量制限毒性を示す。 したがって依然として、治療剤として有用であり、変異体選択的なEGFRキナーゼ阻害剤を発見する必要がある。

    Lin, N. U. ; Winer, E. P. 、Breast Cancer Res 6巻:204〜210頁、2004年

    (発明の要旨)
    ここで、本発明の化合物および薬学的に許容されるその組成物は、変異体選択的なEGFRキナーゼ阻害剤として有効であることが見出された。 かかる化合物は、本明細書中で詳説されるものを含む。

    本発明の化合物および薬学的に許容されるその組成物は、1つまたは複数のEGFR変異に関連するがんの処置に有用である。 かかる疾患、障害または状態には、本明細書に記載のものが含まれる。

    本発明によって提供される化合物は、生物学的および病理学的な現象におけるキナーゼの研究、かかるキナーゼによって媒介される細胞内シグナル伝達経路の研究、ならびに新しいキナーゼ阻害剤の比較評価にも有用である。

    (特定の実施形態の詳細な説明)
    1. 本発明の化合物の概要 特定の実施形態では、本発明は、式Iの化合物

    または薬学的に許容されるその塩を提供し、上記式中、
    は、−CF または−Clであり、
    Wは、−O−または−NH−であり、
    は、−Rまたは

    であり、
    は、−R、−C(O)Rまたは−C(O)ORであり、
    各Rは、独立に、C 1〜4アルキルまたはC 1〜4フルオロアルキルである。

    特定の実施形態では、本発明は、式IIの化合物

    または薬学的に許容されるその塩を提供し、上記式中、
    は、−R、−C(O)Rまたは−C(O)ORであり、
    各Rは、独立に、C 1〜4アルキルまたはC 1〜4フルオロアルキルである。

    いくつかの実施形態では、R は、−CF である。 いくつかの実施形態では、R は、−Clである。

    いくつかの実施形態では、Wは−NH−である。 いくつかの実施形態では、Wは−O−である。

    一般に先に定義した通り、R は−Rまたは

    である。 いくつかの実施形態では、R は−Rである。 いくつかの実施形態では、R はC 1〜4アルキルである。 いくつかの実施形態では、R はイソプロピルである。 いくつかの実施形態では、R

    である。

    一般に先に定義した通り、R は、−R、−C(O)Rまたは−C(O)ORである。 いくつかの実施形態では、R は、−Rである。 いくつかの実施形態では、R は、C 1〜4フルオロアルキルである。 いくつかの実施形態では、R は、−CH CH Fである。 いくつかの実施形態では、R は、−C(O)Rである。 いくつかの実施形態では、R は、アセチルである。 いくつかの実施形態では、R は、−C(O)ORである。 いくつかの実施形態では、R は、tert−ブトキシカルボニルである。

    本発明の例示的な化合物を、以下の表1に記載する。

    特定の実施形態では、本発明は、先の表1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を提供する。

    本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される塩」は、良好な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等無しに、ヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な受益性/危険性割合に見合う塩を指す。 薬学的に許容される塩は、当技術分野で周知である。 例えば、S. M. Bergeらは、参考として本明細書に援用されるJ. Pharmaceutical Sciences、1977年、66巻、1〜19頁において、薬学的に許容される塩を詳説している。 本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、適切な無機酸、有機酸、無機塩基、および有機塩基から誘導されるものが含まれる。 薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸を用いて形成されるか、あるいはイオン交換などの当技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。 他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が含まれる。

    適切な塩基から誘導される塩には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN (C 1〜4アルキル) 塩が含まれる。 代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が含まれる。 さらなる薬学的に許容される塩には、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成される非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウムおよびアミンカチオンが含まれる。

    2. 例示的な実施形態の説明 本明細書で以下に詳説する通り、提供される化合物は、EGFRの少なくとも1つの変異の選択的阻害剤である。 驚くべきことには、提供される化合物は、野生型(「WT」)EGFRと比較して、EGFRの少なくとも1つの変異の選択的阻害剤であることが見出された。 特定の実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異は、T790Mである。 特定の実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異は、欠失変異である。 いくつかの実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異は、活性化変異である。 特定の実施形態では、提供される化合物は、WT EGFRと比較して、少なくとも1つの欠失/耐性変異および少なくとも1つの活性化変異を選択的に阻害する。 いくつかの実施形態では、提供される化合物は、少なくとも1つの欠失および/または少なくとも1つの点変異を選択的に阻害し、WT EGFR阻害に関して節約的(sparing)である。

    EGFRの変異は、T790M(耐性または発がん性)、L858R(活性化)、delE746−A750(活性化)、G719S(活性化)またはその組合せから選択され得る。

    本明細書で使用される場合、WT EGFRの阻害と比較して使用される用語「選択的に阻害する」とは、提供される化合物が、本明細書に記載の少なくとも1つのアッセイ(例えば、生化学的アッセイまたは細胞アッセイ)において、EGFRの少なくとも1つの変異(すなわち、少なくとも1つの欠失変異、少なくとも1つの活性化変異、または少なくとも1つの欠失変異と少なくとも1つの活性化変異との組合せ)を阻害することを意味する。 いくつかの実施形態では、WT EGFRの阻害と比較して使用される用語「選択的に阻害する」とは、提供される化合物が、本明細書に定義され、記載されている通り、WT EGFRと比較して、EGFRの少なくとも1つの変異の阻害剤として少なくとも50倍強力であり、少なくとも45倍、少なくとも40倍、少なくとも35倍、少なくとも30倍、少なくとも25倍、または少なくとも20倍強力であることを意味する。

    本明細書で使用される場合、用語「WT EGFRに関して節約的」とは、先および本明細書に定義し記載した、EGFRの少なくとも1つの変異の選択的阻害剤が、本明細書に記載の少なくとも1つのアッセイ(例えば、実施例6〜8に詳説の生化学的アッセイまたは細胞アッセイ)の検出上限でEGFRを阻害することを意味する。 いくつかの実施形態では、用語「WT EGFRに関して節約的」とは、提供される化合物が、WT EGFRを、少なくとも10μM、少なくとも9μM、少なくとも8μM、少なくとも7μM、少なくとも6μM、少なくとも5μM、少なくとも3μM、少なくとも2μM、または少なくとも1μMのIC 50で阻害することを意味する。

    特定の実施形態では、提供される化合物は、(a)少なくとも1つの活性化変異、および(b)T790Mを選択的に阻害し、(c)WTに関して節約的である。 いくつかの実施形態では、少なくとも1つの活性化変異は、欠失変異である。 いくつかの実施形態では、少なくとも1つの活性化変異は、点変異である。 いくつかの実施形態では、活性化変異は、L858Rである。 いくつかの実施形態では、活性化変異は、G719Sである。 いくつかの実施形態では、活性化変異は、delE746−A750である。

    いくつかの実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異は、L858Rおよび/またはT790Mである。

    いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、提供される化合物を、少なくとも1つの活性化変異を有する患者に投与することによって、T790M耐性変異の形成を予め阻止することができると考えられる。 したがって特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の提供される化合物またはその組成物を患者に投与するステップを含む、患者における活性化変異を阻害するための方法を提供する。

    当業者は、特定の患者がT790M変異の発がん性形態を有していること、すなわち任意のEGFR阻害剤を患者に投与する前に、T790M変異が患者に存在しており、したがって発がん性であることを理解する。 したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の提供される化合物またはその組成物を患者に投与するステップを含む、患者における発がん性T790Mを阻害するための方法を提供する。

    タルセバ(エルロチニブ)およびイレッサ(ゲフィチニブ)は、活性化変異を有する患者にとって最優秀の療法であるが、WT EGFRを同時に阻害することに起因して、用量制限毒性を示す。 さらに、BIBW2992、HKI−272およびPF−0299804などの第2世代の共有結合性の阻害剤を含む、現在開発中の薬物は、T790M耐性変異に対して有効であるが、WT EGFRを同時に阻害することに起因して、用量制限毒性を示す。

    驚くべきことには、提供される化合物は、EGFRの活性化変異および欠失変異のそれぞれを選択的に阻害することが見出された。 さらに、提供される化合物は、WT EGFRおよび関連する用量制限毒性に関して節約的である。 このことは、変異体に対していくらかしか有効でないが、WT EGFRに対して活性を維持し、したがってWT EGFRの阻害に関連する毒性によって制限される他の公知のEGFR阻害剤(例えば、BIBW2992およびHKI−272)とは対照的である。

    いくつかの実施形態では、提供される化合物は、以下の実施例6に詳説する生化学アッセイによって決定される通り、WT EGFRと比較して、EGFRの少なくとも1つの変異に対して少なくとも50倍、少なくとも45倍、少なくとも40倍、少なくとも35倍、少なくとも30倍、少なくとも25倍、または少なくとも20倍強力である。 特定の実施形態では、提供される化合物は、以下の実施例8に詳説する細胞アッセイによって決定される通り、WT EGFRと比較して、EGFRの少なくとも1つの変異に対して少なくとも20倍、少なくとも15倍、または少なくとも10倍強力である。

    いくつかの実施形態では、提供される化合物は、以下の実施例6に詳説する生化学アッセイによって決定される通り、WT EGFRと比較して、EGFRの少なくとも1つの欠失変異に対して少なくとも50倍、少なくとも45倍、少なくとも40倍、少なくとも35倍、少なくとも30倍、少なくとも25倍、または少なくとも20倍強力である。 特定の実施形態では、提供される化合物は、以下の実施例8に詳説する細胞アッセイによって決定される通り、WT EGFRと比較して、EGFRの少なくとも1つの欠失変異に対して少なくとも20倍、少なくとも15倍、または少なくとも10倍強力である。

    いくつかの実施形態では、提供される化合物は、以下の実施例6に詳説する生化学アッセイによって決定される通り、WT EGFRと比較して、EGFRのL858Rおよび/またはT790M変異に対して少なくとも50倍、少なくとも45倍、少なくとも40倍、少なくとも35倍、少なくとも30倍、少なくとも25倍、または少なくとも20倍強力である。 特定の実施形態では、提供される化合物は、以下の実施例8に詳説する細胞アッセイによって決定される通り、WT EGFRと比較して、EGFRのL858Rおよび/またはT790M変異に対して少なくとも20倍、少なくとも15倍、または少なくとも10倍強力である。

    いくつかの実施形態では、提供される化合物は、実施例7に詳説するシグナル伝達アッセイにおいて、WT EGFRと比較して、H1975細胞の二重変異体に対して少なくとも20倍、少なくとも15倍、または少なくとも10倍強力である。

    特定の実施形態では、提供される化合物は、WT EGFRと比較しても、他のタンパク質キナーゼ(例えば、ErbB2、ErbB4、TEC−キナーゼおよび/またはJAK3)と比較しても、EGFRの少なくとも1つの変異を選択的に阻害する。 式Iに図示したアクリルアミド部分は、WT EGFRおよび他のタンパク質キナーゼと比較して、EGFRの少なくとも1つの変異の結合ドメインにおける非常に重要なシステイン残基に、共有結合によって選択的に結合するための弾頭(warhead)基であることが理解される。 結合ドメインにシステイン残基を有するタンパク質キナーゼは、当業者に公知である。 結合ドメインにシステイン残基を有するかかるタンパク質キナーゼには、TEC−ファミリーのタンパク質キナーゼ(TEC、BTK、ITK、BMX、JAK3およびRLK)が含まれる。 特定の実施形態では、システイン残基は、ErbB1(一般にEGFRと呼ばれる)、ErbB2およびErbB4などのタンパク質キナーゼサブファミリーの全体にわたって保存されている。

    いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、提供される化合物は、WT EGFRおよび他のタンパク質キナーゼと比較して、EGFRの少なくとも1つの変異を、不可逆的に、選択的に阻害する(すなわち、共有結合によって修飾する)と考えられる。 いくつかの実施形態では、提供される化合物は、ErbB1、ErbB2、ErbB4、TEC、BTK、ITK、BMX、JAK3またはRLKから選択される少なくとも1つのタンパク質キナーゼと比較して、EGFRの少なくとも1つの変異を、不可逆的に、選択的に阻害する。

    それにもかかわらず特定の実施形態では、提供される化合物は、他のタンパク質キナーゼを可逆的にも不可逆的にも大きくは阻害しない。 いくつかの実施形態では、提供される化合物は、オフターゲットタンパク質キナーゼと比較して、EGFRの少なくとも1つの変異体の阻害に対して選択的であり、それによってその阻害に関連する作用および毒性を回避する。

    3. 使用、製剤化および投与 薬学的に許容される組成物 別の実施形態によれば、本発明は、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含む組成物を提供する。 本発明の組成物中の化合物の量は、WT EGFRと比較して、生物学的試料または患者においてタンパク質キナーゼを測定可能な程度に阻害し、特にEGFRの少なくとも1つの変異体を選択的に阻害するのに有効となる量である。 特定の実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異体は、T790Mである。 特定の実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異体は、EGFRの欠失変異である。 いくつかの実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異は、L858Rおよび/またはT790Mである。

    特定の実施形態では、提供される組成物中の化合物の量は、WT EGFRおよび他のタンパク質キナーゼ(例えば、ErbB2、ErbB4、TEC−キナーゼおよび/またはJAK3)と比較して、EGFRの少なくとも1つの変異を測定可能な程度に選択的に阻害するのに有効となる量である。

    特定の実施形態では、提供される組成物中の化合物の量は、WT EGFRと比較して、生物学的試料または患者においてEGFRの少なくとも1つの変異体を測定可能な程度に選択的に阻害するのに有効となる量である。 特定の実施形態では、本発明の組成物は、かかる組成物を必要としている患者に投与するために製剤化される。 いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、患者に経口投与するために製剤化される。

    特定の実施形態では、提供される組成物中の化合物の量は、WT EGFRおよび他のタンパク質キナーゼ(例えば、ErbB2、ErbB4、TEC−キナーゼおよび/またはJAK3)と比較して、生物学的試料または患者においてEGFRの少なくとも1つの変異体を測定可能な程度に選択的に阻害するのに有効となる量である。 特定の実施形態では、本発明の組成物は、かかる組成物を必要としている患者に投与するために製剤化される。 いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、患者に経口投与するために製剤化される。

    用語「患者」は、本明細書で使用される場合、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。

    用語「薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクル」は、共に製剤化される化合物の薬理学的活性を破壊しない、非毒性の担体、アジュバントまたはビヒクルを指す。 本発明の組成物において使用され得る薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルには、それに限定されるものではないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれる。

    本発明の組成物は、経口、非経口、吸入スプレー、局所、直腸内、経鼻、口腔内頬側、膣内、または埋め込み式リザーバーを介して投与され得る。 用語「非経口」は、本明細書で使用される場合、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術を含む。 好ましくは、組成物は、経口、腹腔内または静脈内投与される。 本発明の組成物の注入可能な滅菌形態は、水性または油性懸濁液であり得る。 これらの懸濁液は、当技術分野で公知の技術に従って、適切な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して製剤化され得る。 注入可能な滅菌調製物は、非毒性の、非経口が許容される賦形剤または溶媒中の注入可能な滅菌溶液または懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオールの溶液として)であってもよい。 用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル溶液および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。 さらに、無菌固定油は、溶媒または懸濁化媒体として慣例的に用いられている。

    この目的では、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油を用いることができる。 オレイン酸などの脂肪酸およびそのグリセリド誘導体は、注射可能物質の調製において有用であり、ならびにオリーブ油またはヒマシ油(特にこれらのポリオキシエチレン化型)などの薬学的に許容される天然油もまた同様である。 これらの油溶液または懸濁液は、長鎖アルコール賦形剤もしくは分散化剤、または乳剤および懸濁剤を含む薬学的に許容される剤形の製剤に一般に使用される類似の分散化剤を含有することもできる。 Tween、Spanおよび他の乳化剤などの、一般に使用される他の界面活性剤、または薬学的に許容される固体、液体または他の剤形の製造に一般に使用される生体利用能強化剤を、製剤の目的に合わせて使用することもできる。

    薬学的に許容される本発明の組成物は、それに限定されるものではないが、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤または溶液剤を含む任意の経口が許容される剤形で、経口投与され得る。 経口使用するための錠剤の場合、一般に使用される担体には、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが含まれる。 ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も、一般に添加される。 カプセル剤形態での経口投与に関しては、有用な賦形剤には、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが含まれる。 水性懸濁剤が経口使用に必要な場合、活性成分は、乳化剤および懸濁化剤と組み合わされる。 所望に応じて、特定の甘味剤、香味剤または着色剤を添加することもできる。

    あるいは、薬学的に許容される本発明の組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与され得る。 これらは、室温で固体であるが直腸温度では液体になり、したがって直腸内で溶融して薬物を放出する適切な非刺激性の添加剤と剤を混合することによって調製され得る。 かかる材料には、カカオバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールが含まれる。

    薬学的に許容される本発明の組成物は、特に、処置標的が、目、皮膚または下部腸管の疾患を含む、局所適用によって容易に到達可能な領域または器官を含む場合、局所投与されてもよい。 適切な局所製剤は、これらの領域または器官のそれぞれに合わせて容易に調製される。

    下部腸管のための局所適用は、直腸用の坐剤製剤(先を参照)または適切な浣腸製剤で行われ得る。 局所経皮パッチ剤を使用することもできる。

    局所適用では、提供される薬学的に許容される組成物は、1つまたは複数の担体に懸濁または溶解した活性な構成成分を含有する適切な軟膏剤に製剤化され得る。 本発明の化合物を局所投与するための担体には、それに限定されるものではないが、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水が含まれる。 あるいは、提供される薬学的に許容される組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体に懸濁または溶解した活性な構成成分を含有する適切なローション剤またはクリーム剤に製剤化され得る。 適切な担体には、それに限定されるものではないが、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれる。

    眼科的用途では、提供される薬学的に許容される組成物は、塩化ベンザルコニウム(benzylalkonium)などの保存剤を用いて、または用いずに、等張のpH調節した滅菌生理食塩水中の微粒子化懸濁剤として、または好ましくは等張のpH調節した滅菌生理食塩水中の溶液剤として製剤化され得る。 あるいは、眼科的用途では、薬学的に許容される組成物は、ワセリンなどの軟膏剤に製剤化され得る。

    薬学的に許容される本発明の組成物は、鼻エアゾールまたは吸入によって投与されてもよい。 かかる組成物は、薬学的製剤分野で周知の技術に従って調製され、ベンジルアルコール、または他の適切な保存剤、生体利用能を強化するための吸収促進剤、フッ化炭素、および/または他の従来の可溶化剤もしくは分散化剤を用いて、生理食塩水の溶液剤として調製され得る。

    特定の実施形態では、薬学的に許容される本発明の組成物は、経口投与するために製剤化される。

    単一剤形の組成物を生成するために、担体材料と組み合わせることができる本発明の化合物の量は、処置を受ける宿主、特定の投与方法に応じて変わる。 好ましくは、提供される組成物は、0.01〜100mg/kg体重/日の投与量の阻害剤が、これらの組成物を受け取る患者に投与され得るように製剤化されるべきである。

    任意の特定の患者のための具体的な投与量および処置レジメンは、用いられる具体的な化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組合せ、および担当医の判断、および処置される特定の疾患の重症度を含む様々な要素に応じて決まることも理解されたい。 組成物中の本発明の化合物の量は、組成物中の特定の化合物に応じても変わることになる。

    化合物および薬学的に許容される組成物の使用 本明細書に記載の化合物および組成物は、WT EGFRと比較して、EGFRの少なくとも1つの変異体を選択的に阻害するのに一般に有用である。 特定の実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異体は、T790Mである。 特定の実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異体は、EGFRの欠失変異、EGFRの活性化変異、またはその組合せである。 いくつかの実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異は、L858Rおよび/またはT790Mである。

    特定の実施形態では、提供される化合物は、(a)少なくとも1つの活性化変異、(b)T790Mを選択的に阻害し、(c)WTに関して節約的である。 いくつかの実施形態では、少なくとも1つの活性化変異は、欠失変異である。 いくつかの実施形態では、少なくとも1つの活性化変異は、点変異である。 いくつかの実施形態では、活性化変異は、delE746−A750である。 いくつかの実施形態では、活性化変異は、L858Rである。 いくつかの実施形態では、活性化変異は、G719Sである。

    いくつかの実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異は、L858Rおよび/またはT790Mである。

    WT EGFRと比較して、EGFRの少なくとも1つの変異体の選択的阻害剤として本発明において利用される化合物の活性は、インビトロで、インビボで、または細胞系においてアッセイされ得る。 インビトロアッセイは、リン酸化活性の阻害および/もしくはその後の機能的結果、または活性化EGFR(WTまたは変異体)のATPase活性を決定するアッセイを含む。 代替のインビトロアッセイは、EGFR(WTまたは変異体)への阻害剤の結合能を定量化するものである。 阻害剤の結合は、結合の前に阻害剤を放射標識化し、阻害剤/EGFR(WTまたは変異体)複合体を単離し、結合した放射標識の量を決定することによって測定され得る。 あるいは、阻害剤の結合は、公知の放射性リガンドに結合したEGFR(WTまたは変異体)と共に新しい阻害剤をインキュベートする競合実験を実施することによって、決定され得る。 EGFR(WTまたは変異体)の阻害剤として本発明で利用される化合物をアッセイするための詳細な条件は、以下の実施例に記載される。

    タンパク質チロシンキナーゼは、ATPまたはGTPからタンパク質基質上に位置するチロシン残基へのリン酸基の移動を触媒する、あるクラスの酵素である。 受容体チロシンキナーゼは、リン酸化事象を介して二次メッセージングエフェクタを活性化することによって、細胞の外側から内側にシグナルを伝達するように作用する。 増殖、炭水化物の利用、タンパク質合成、血管新生、細胞成長および細胞生存を含む様々な細胞過程が、これらのシグナルによって促進される。

    本明細書で使用される場合、用語「処置」、「処置する」および「処置している」とは、本明細書に記載の疾患もしくは障害、または1つもしくは複数のその症状を逆行させるか、緩和するか、その発症を遅延させるか、またはその進行を阻害することを指す。 いくつかの実施形態では、処置は、1つまたは複数の症状が発症した後に施され得る。 他の実施形態では、処置は、症状がない状態で施され得る。 例えば処置は、症状が発症する前に、罹患しやすい個体に施され得る(例えば、症状の病歴および/または遺伝的もしくは他の感受性要素を考慮して)。 処置は、症状が回復した後、例えばそれらの再発を予防または遅延させるために継続してもよい。

    提供される化合物は、EGFRの少なくとも1つの変異体の阻害剤であり、したがって1つまたは複数のEGFR変異体(例えば、欠失変異、活性化変異、またはその組合せ)の活性に関連する1つまたは複数の障害を処置するのに有用である。 したがって特定の実施形態では、本発明は、変異体EGFR媒介性の障害を処置するための方法を提供し、この方法は、それを必要としている患者に本発明の化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む。

    本明細書で使用される場合、用語「変異体EGFR媒介性」障害または状態は、本明細書で使用される場合、EGFRの少なくとも1つの変異体がある役割を果たすことが公知の任意の疾患または他の有害な状態を意味する。 特定の実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異体は、T790Mである。 いくつかの実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異体は、欠失変異である。 特定の実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異体は、活性化変異である。 いくつかの実施形態では、EGFRの少なくとも1つの変異体は、L858Rおよび/またはT790Mである。 特定の実施形態では、提供される化合物は、(a)少なくとも1つの活性化変異、(b)T790Mを選択的に阻害し、(c)WTに関して節約的である。 いくつかの実施形態では、少なくとも1つの活性化変異は、欠失変異である。 いくつかの実施形態では、少なくとも1つの活性化変異は、点変異である。 いくつかの実施形態では、活性化変異は、delE746−A750である。 いくつかの実施形態では、活性化変異は、L858Rである。 いくつかの実施形態では、活性化変異は、G719Sである。

    したがって、本発明の別の実施形態は、EGFRの少なくとも1つの変異体がある役割を果たすことが公知の1つまたは複数の疾患を処置するか、またはその重症度を低減することに関する。 具体的には、本発明は、増殖性障害から選択される疾患または状態を処置するかまたはその重症度を低減する方法に関し、この方法は、それを必要としている患者に本発明の化合物または組成物を投与するステップを含む。

    いくつかの実施形態では、本発明は、がんから選択される1つまたは複数の障害を処置するか、またはその重症度を低減するための方法を提供する。 いくつかの実施形態では、がんは、固形腫瘍に関連する。 特定の実施形態では、がんは、乳癌、膠芽腫、肺癌、頭部および頸部癌、結腸直腸癌、膀胱癌、または非小細胞肺癌である。 いくつかの実施形態では、本発明は、扁平上皮癌、唾液腺癌腫、卵巣癌腫、または膵臓癌から選択される1つまたは複数の障害を処置するか、またはその重症度を低減するための方法を提供する。

    特定の実施形態では、本発明は、神経線維腫症I型(NF1)、神経線維腫症II型(NF2)シュワン細胞新生物(例えばMPNSTの)、またはシュワン腫を処置するか、またはその重症度を低減するための方法を提供する。

    本発明の方法による化合物および組成物は、がんを処置するか、またはその重症度を低減するのに有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。 必要とされる正確な量は、対象の種、年齢および全体的な状態、感染症の重症度、特定の剤、その投与方法等に応じて、対象ごとに変わることになる。 本発明の化合物は、好ましくは、投与の容易さおよび投与量の均一性のために単位剤形に製剤化される。 表現「単位剤形」は、本明細書で使用される場合、処置を受ける患者に適した、剤の物理的に別個の単位を指す。 しかし、本発明の化合物および組成物の1日の総使用量は、担当医によって、良好な医学的判断の範囲内で決定されることが理解される。 任意の特定の患者または生物のための具体的な有効用量レベルは、処置される障害および障害の重症度;用いられる具体的な化合物の活性;用いられる具体的な組成物;患者の年齢、体重、全体的な健康状態、性別および食事;用いられる具体的な化合物の投与時間、投与経路および排出速度;処置期間;用いられる具体的な化合物と組み合わせて、または同時に使用される薬物、ならびに医療分野で周知の類似の要素を含む様々な要素に応じて決まる。 用語「患者」は、本明細書で使用される場合、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。

    本発明の薬学的に許容される組成物は、処置される感染症の重症度に応じて、ヒトおよび他の動物に、経口、直腸内、非経口、嚢内、膣内、腹腔内、局所(散剤、軟膏剤またはドロップ剤などにより)、口腔内頬側投与されてもよく、経口スプレー剤または鼻腔スプレー剤等として投与されてもよい。 特定の実施形態では、本発明の化合物は、対象の体重1kgにつき1日当たり約0.01mgから約50mgまたは約1mgから約25mgの投与レベルを、1日に1回または複数回、経口または非経口投与して、所望の治療効果を得ることができる。

    経口投与のための液体剤形には、それに限定されるものではないが、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルション剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。 液体剤形は、活性な化合物に加えて、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにその混合物などの、当技術分野で一般に使用される不活性賦形剤を含有してもよい。 経口組成物は、不活性賦形剤に加えて、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、ならびに賦香剤などのアジュバントを含むこともできる。

    注射可能な調製物、例えば注入可能な滅菌水性または油性懸濁液は、公知の技術に従って、適切な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して製剤化され得る。 注入可能な滅菌調製物は、非毒性の、非経口が許容される賦形剤または溶媒中の注入可能な滅菌溶液、懸濁液または乳濁液(例えば、1,3−ブタンジオール溶液として)であってもよい。 用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル溶液、U. S. P. および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。 さらに、無菌固定油は、溶媒または懸濁化媒体として、慣例的に用いられている。 この目的では、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油を用いることができる。 さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射可能な調製物において使用される。

    注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルターによる濾過、最終(加熱)滅菌、もしくは電離放射線による滅菌によって、または使用前に滅菌水もしくは他の注入可能な滅菌媒体に溶解もしくは分散させることができる無菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことにより滅菌され得る。

    本発明の化合物の効果を延長させるために、皮下または筋肉内注射による化合物の吸収を緩徐することがしばしば望ましい。 このことは、低水溶性である結晶性または非晶質材料の液体懸濁液を使用することによって達成され得る。 次に、化合物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、溶解速度は、結晶の大きさおよび結晶形に依存し得る。 あるいは、非経口投与される化合物の形態の遅延吸収は、化合物を油ビヒクルに溶解または懸濁させることによって達成される。 注射可能なデポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマーにおいて、化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって生成される。 化合物の放出速度は、化合物とポリマーの比および用いられる特定のポリマーの性質に応じて制御され得る。 他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が含まれる。 デポー注射可能製剤は、体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルションに化合物を封入することによっても調製される。

    直腸または膣内投与のための組成物は、好ましくは、周囲温度で固体であるが体温では液体になり、したがって直腸または膣腔内で溶融し、活性な化合物を放出する、カカオバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックスなどの適切な非刺激性の添加剤または担体と本発明の化合物を混合することによって調製することができる坐剤である。

    経口投与のための固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が含まれる。 かかる固体剤形では、活性な化合物は、クエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルシウムなどの少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される添加剤もしくは担体、ならびに/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤、b)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケートおよび炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、ならびにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤、ならびにその混合物と混合される。 カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は、緩衝剤を含むこともできる。

    類似のタイプの固体組成物も、ラクトースまたは乳糖などの添加剤ならびに高分子量ポリエチレングリコール等を使用して、軟および硬充填ゼラチンカプセル剤における充填剤として用いることができる。 錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび薬学的製剤技術分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製され得る。 これらは、任意選択により乳白剤を含有することができ、そして、活性成分(複数可)を腸管の特定部分のみで、またはそこで優先的に、必要に応じて遅延方式で放出する組成物であってもよい。 使用することができる包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。 類似のタイプの固体組成物も、ラクトースまたは乳糖などの添加剤ならびに高分子量ポリエチレン(polethylene)グリコール等を使用して、軟および硬充填ゼラチンカプセル剤における充填剤として用いることができる。 いくつかの実施形態では、固体組成物は、液体充填硬ゼラチンカプセル剤または固体分散剤である。

    活性な化合物は、前述の1つまたは複数の添加剤を用いるマイクロカプセル化形態であってもよい。 錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および薬学的製剤技術分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製され得る。 かかる固体剤形では、活性な化合物は、スクロース、ラクトースまたはデンプンなどの少なくとも1つの不活性賦形剤と混合され得る。 かかる剤形は、通常の慣行通り、不活性賦形剤以外の追加物質、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなどの打錠用滑沢剤および他の打錠用助剤を含んでもよい。 カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は、緩衝剤を含んでもよい。 これらは、任意選択により乳白剤を含有することができ、そして、活性成分(複数可)を、腸管の特定部分のみで、またはそこで優先的に、必要に応じて遅延方式で放出する組成物であってもよい。 使用することができる包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。

    本発明の化合物を局所または経皮投与するための剤形には、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、溶液剤、スプレー剤、吸入剤またはパッチ剤が含まれる。 活性な構成成分は、薬学的に許容される担体、および必要に応じて任意の必要な保存剤または緩衝剤と無菌条件下で混合される。 眼科用製剤、点剤および点眼剤も、本発明の範囲内であることが企図される。 さらに本発明は、経皮パッチ剤の使用を企図し、このパッチ剤は、化合物の身体への制御送達を提供するという追加の利点を有する。 かかる剤形は、適切な媒体に化合物を溶解または調剤(dispensing)することによって生成され得る。 皮膚を介する化合物のフラックスを増大するために、吸収強化剤を使用することもできる。 速度は、律速膜を提供することによって、またはポリマーマトリックスもしくはゲルに化合物を分散させることによって制御され得る。

    別の実施形態によれば、本発明は、生物学的試料を、本発明の化合物または前記化合物を含む組成物と接触させるステップを含む、前記生物学的試料におけるEGFRの少なくとも1つの変異体(例えば、欠失変異、活性化変異、耐性変異、またはその組合せ)の活性を阻害する方法に関する。 特定の実施形態では、本発明は、生物学的試料を、本発明の化合物または前記化合物を含む組成物と接触させるステップを含む、前記生物学的試料におけるEGFRの少なくとも1つの変異体(例えば、欠失変異、活性化変異、またはその組合せ)の活性を不可逆的に阻害する方法に関する。

    特定の実施形態では、提供される化合物は、生物学的試料において、(a)少なくとも1つの活性化変異、(b)T790Mを選択的に阻害し、(c)WTに関して節約的である。 いくつかの実施形態では、少なくとも1つの活性化変異は、欠失変異である。 いくつかの実施形態では、少なくとも1つの活性化変異は、点変異である。 いくつかの実施形態では、活性化変異は、delE746−A750である。 いくつかの実施形態では、活性化変異は、L858Rである。 いくつかの実施形態では、活性化変異は、G719Sである。

    用語「生物学的試料」は、本明細書で使用される場合、それに限定されるものではないが、細胞培養物またはその抽出物、哺乳動物から得られた生検材料またはその抽出物、および血液、唾液、尿、糞、精液、涙もしくは他の体液またはその抽出物を含む。

    生物学的試料におけるEGFRの少なくとも1つの変異体(例えば、欠失変異、活性化変異、耐性変異、またはその組合せ)の活性を阻害することは、当業者に公知の様々な目的にとって有用である。 かかる目的の例には、それに限定されるものではないが、輸血、臓器移植、生物学的な被検物の保存、および生物学的アッセイが含まれる。

    本発明の別の実施形態は、本発明の化合物または前記化合物を含む組成物を患者に投与するステップを含む、前記患者におけるEGFRの少なくとも1つの変異体(例えば、欠失変異、活性化変異、耐性変異、またはその組合せ)の活性を阻害する方法に関する。 特定の実施形態では、本発明は、提供される化合物またはその組成物を患者に投与するステップを含む、前記患者の(a)少なくとも1つの活性化変異、および(b)T790Mを阻害するための方法を提供し、この方法は(c)WTに関して節約的である。 いくつかの実施形態では、少なくとも1つの活性化変異は、欠失変異である。 いくつかの実施形態では、本発明は、患者におけるEGFRの少なくとも1つの変異体を阻害するための方法を提供し、ここで、少なくとも1つの活性化変異は、点変異である。 いくつかの実施形態では、本発明は、活性化変異がdelE746−A750である、患者のEGFRの少なくとも1つの変異体を阻害するための方法を提供する。 いくつかの実施形態では、本発明は、活性化変異がL858Rである、患者のEGFRの少なくとも1つの変異体を阻害するための方法を提供する。 いくつかの実施形態では、本発明は、活性化変異がG719Sである、患者のEGFRの少なくとも1つの変異体を阻害するための方法を提供する。

    別の実施形態によれば、本発明は、本発明の化合物または前記化合物を含む組成物を患者に投与するステップを含む、前記患者におけるEGFRの少なくとも1つの変異体(例えば、欠失変異、活性化変異、耐性変異、またはその組合せ)の活性を阻害する方法に関する。 特定の実施形態によれば、本発明は、本発明の化合物または前記化合物を含む組成物を患者に投与するステップを含む、前記患者におけるEGFRの少なくとも1つの変異体(例えば、欠失変異、活性化変異、耐性変異、またはその組合せ)の活性を不可逆的に阻害する方法に関する。 特定の実施形態では、本発明は、提供される化合物またはその組成物を患者に投与するステップを含む、前記患者の(a)少なくとも1つの活性化変異、および(b)T790Mを不可逆的に阻害するための方法を提供し、この方法は(c)WTに関して節約的である。 いくつかの実施形態では、少なくとも1つの活性化変異は、欠失変異である。 いくつかの実施形態では、少なくとも1つの活性化変異は、点変異である。 いくつかの実施形態では、本発明は、活性化変異がdelE746−A750である、患者のEGFRの少なくとも1つの変異体を不可逆的に阻害するための方法を提供する。 いくつかの実施形態では、本発明は、活性化変異がL858Rである、患者のEGFRの少なくとも1つの変異体を不可逆的に阻害するための方法を提供する。 いくつかの実施形態では、本発明は、活性化変異がG719Sである、患者のEGFRの少なくとも1つの変異体を不可逆的に阻害するための方法を提供する。

    他の実施形態では、本発明は、EGFRの少なくとも1つの変異体の1つまたは複数(例えば、欠失変異、活性化変異、耐性変異、またはその組合せ)によって媒介される障害の処置を必要としている患者における上記障害を処置するための方法を提供し、この方法は、本発明による化合物または薬学的に許容されるその組成物を患者に投与するステップを含む。 かかる障害は、本明細書に詳説されている。

    処置される特定の状態または疾患に応じて、通常、その状態を処置するために投与される追加の治療剤が、本発明の組成物中に存在してもよい。 本明細書で使用される場合、通常、特定の疾患または状態を処置するために投与される追加の治療剤は、「処置される疾患または状態に適する」ものとして公知である。

    例えば、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその組成物は、増殖性疾患およびがんを処置するための化学療法剤と組み合わせて投与される。 公知の化学療法剤の例には、それに限定されるものではないが、中でもアドリアマイシン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、フルオロウラシル、トポテカン、タキソール、インターフェロン、白金誘導体、タキサン(例えば、パクリタキセル)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン)、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド)、シスプラチン、mTOR阻害剤(例えば、ラパマイシン)、メトトレキサート、アクチノマイシンD、ドラスタチン10、コルヒチン、エメチン、トリメトレキサート、メトプリン、シクロスポリン、ダウノルビシン、テニポシド、アンホテリシン、アルキル化剤(例えば、クロラムブシル)、5−フルオロウラシル、カンプトテシン(campthothecin)、シスプラチン、メトロニダゾール、およびGleevec(商標)が含まれる。 他の実施形態では、本発明の化合物は、AvastinまたはVECTIBIXなどの生物学的剤と組み合わせて投与される。

    特定の実施形態では、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその組成物は、アバレリックス、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アミホスチン、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、BCG Live、ベバシズマブ(bevacuzimab)、フルオロウラシル、ベキサロテン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カルステロン、カペシタビン、カンプトテシン、カルボプラチン、カルムスチン、セレコキシブ、セツキシマブ、クロラムブシル、クラドリビン、クロファラビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダウノルビシン、デニロイキン、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン(中性)、塩酸ドキソルビシン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピルビシン、エポエチンアルファ、エルロチニブ、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、エキセメスタン、フィルグラスチム、フロクスウリジン フルダラビン、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン、ヒドロキシ尿素、イブリツモマブ、イダルビシン、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、イリノテカン、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、酢酸ロイプロリド、レバミゾール、ロムスチン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、6−MP、メスナ、メトトレキサート、メトキサレン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、ナンドロロン、ネララビン、ノフェツモマブ(nofetumomab)、オプレルベキン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パリフェルミン、パミドロネート、ペガデマーゼ、ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プロカルバジン、キナクリン、ラスブリカーゼ、リツキシマブ、サルグラモスチム、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、マレイン酸スニチニブ、タルク、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、VM−26、テストラクトン、チオグアニン、6−TG、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ATRA、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ゾレドロネート、またはゾレドロン酸の任意の1つまたは複数から選択される抗増殖剤または化学療法剤と組み合わせて投与される。

    本発明の阻害剤を組み合わせることができる剤の他の例には、それに限定されるものではないが、塩酸ドネペジル(Aricept(登録商標))およびリバスチグミン(Exelon(登録商標))などのアルツハイマー病の処置剤;Lドーパ/カルビドパ、エンタカポン、ロピニロール(ropinrole)、プラミペキソール、ブロモクリプチン、ペルゴリド、トリヘキシフェニジル(trihexephendyl)およびアマンタジンなどのパーキンソン病の処置剤;ベータインターフェロン(例えば、Avonex(登録商標)およびRebif(登録商標))、グラチラマー酢酸塩(Copaxone(登録商標))およびミトキサントロンなどの多発性硬化症(MS)を処置するための剤;アルブテロールおよびモンテルカスト(Singulair(登録商標))などの喘息のための処置剤;ジプレキサ、リスパダール、セロクエルおよびハロペリドールなどの統合失調症を処置するための剤;コルチコステロイド、TNF遮断剤、IL−1RA、アザチオプリン、シクロホスファミドおよびスルファサラジンなどの抗炎症剤;シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロホスファミド(cyclophophamide)、アザチオプリンおよびスルファサラジンなどの免疫調節剤および免疫抑制剤;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害剤、インターフェロン、抗痙攣剤、イオンチャネル遮断剤、リルゾールおよび抗パーキンソン病剤などの神経栄養因子;ベータ遮断剤、ACE阻害剤、利尿剤、ニトレート、カルシウムチャネル遮断剤およびスタチンなどの心血管疾患を処置するための剤;コルチコステロイド、コレスチラミン、インターフェロンおよび抗ウイルス剤などの肝疾患を処置するための剤;コルチコステロイド、抗白血病剤および増殖因子などの血液障害を処置するための剤;ならびにガンマグロブリンなどの免疫不全障害を処置するための剤が含まれる。

    特定の実施形態では、本発明の化合物または薬学的に許容されるその組成物は、モノクローナル抗体またはsiRNA治療剤と組み合わせて投与される。

    これらの追加の剤は、複数回投与のレジメンの一部として、本発明の化合物を含有する組成物とは別個に投与され得る。 あるいは、これらの剤は、単一の組成物において本発明の化合物と一緒に混合された単一剤形の一部であってもよい。 2種類の活性剤は、複数回投与のレジメンの一部として投与される場合、同時に、逐次的に、または互いにある時間内に、通常は互いに5時間以内に提示され得る。

    本明細書で使用される場合、用語「組合せ」、「組み合わせる」および関連用語は、本発明に従って、治療剤を同時または逐次的に投与することを指す。 例えば本発明の化合物は、別の治療剤と共に、別個の単位剤形で、または単一の単位剤形で一緒にして、同時にまたは逐次的に投与され得る。 したがって本発明は、提供される化合物、追加の治療剤、および薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含む単一の単位剤形を提供する。

    単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる本発明の化合物および追加の治療剤(前述の追加の治療剤を含む組成物中のもの)の両方の量は、処置を受ける宿主および特定の投与方法に応じて変わることになる。 好ましくは、本発明の組成物は、0.01〜100mg/kg体重/日の本発明のものの投与量が投与され得るように製剤化されるべきである。

    追加の治療剤を含む組成物において、その追加の治療剤および本発明の化合物は、相乗的に作用し得る。 したがって、かかる組成物における追加の治療剤の量は、その治療剤だけを利用する単剤療法で必要とされる量よりも少ない。 かかる組成物では、0.01〜1,000μg/kg体重/日の投与量の追加の治療剤を投与することができる。

    本発明の組成物中に存在する追加の治療剤の量は、通常はその治療剤を唯一の活性剤として含む組成物で投与されるはずの量以下である。 好ましくは、本願に開示されている組成物中の追加の治療剤の量は、通常はその剤を治療活性のある唯一の剤として含む組成物中に存在する量の約50%〜100%の範囲になる。

    本発明の化合物またはその薬学的組成物は、プロテーゼ、人工弁、血管グラフト、ステントおよびカテーテルなどの移植可能医療デバイスをコーティングするための組成物に組み込まれ得る。 血管ステントは、例えば再狭窄(傷害を受けた後に血管が再び狭小化する)を克服するために使用されている。 しかし、ステントまたは他の移植可能デバイスを使用している患者には、血餅形成または血小板活性化の危険がある。 これらの望ましくない作用は、キナーゼ阻害剤を含む薬学的に許容される組成物でデバイスを予めコーティングすることによって予防または軽減され得る。 本発明の化合物でコーティングした移植可能デバイスは、本発明の別の実施形態である。

    以下の実施例に示す通り、特定の例示的な実施形態では、化合物を以下の一般手順に従って調製する。 一般法は、本発明の特定の化合物の合成を示しているが、以下の一般法および当業者に公知の他の方法が、本明細書に記載のあらゆる化合物、ならびにこれらの化合物のそれぞれのサブクラスおよび種に利用できることを理解されよう。

    以下の実施例で利用する化合物番号は、上記表1に記載の化合物番号に対応する。

    提供される化合物は、全体が参考として本明細書に援用される2010年2月4日公開のUS20100029610に詳説されている方法を含む、当業者に公知の方法に従って調製される。

    特定のアニリン中間体を調製するための一般法

    還流冷却器を備えた100mLの三つ口RBFに、ジメチルスルホキシド(30mL)中の4−フルオロ−2−メトキシ−1−ニトロベンゼン(7.8g)およびtert−ブチル3−アミノアゼチジン−1−カルボキシレート(8.63g)、TEA(13.8g)を入れた。 反応物を95℃で8時間加熱した。 反応の完了後、反応混合物を水(300mL)に注いだ。 生成物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。 有機層をブライン(2×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。 有機層を、40℃において減圧下で完全に濃縮して、スキーム1の化合物1(14.0g)を得た。 C 1521の質量の計算値:323.2、実測値:324.3(M+H )。

    250mLの三つ口RBFに入れたスキーム1の化合物1(22g)に、TFA(50mL)を室温で添加した。 反応混合物を、室温で15分間撹拌した。 反応の完了後、反応混合物を、40℃において減圧下で濃縮して、スキーム1の化合物2を得た。 C 1013の質量の計算値:223.1、実測値:224.0(M+H )。

    250mLの三つ口RBFに入れたスキーム1の化合物2(10g)に、アセトニトリル120mL中のCS CO (28.9g)および1,2−ブロモフルオロエタン(3.38g)を添加した。 反応物を50℃で8時間加熱した。 反応の完了後、反応混合物を水に注いだ。 生成物を酢酸エチル(3×100mL)に抽出した。 有機層をブライン(2×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。 有機層を、40℃において減圧下で完全に濃縮して、スキーム1の化合物3(5.0g)を得た。 C 1216 FN の質量の計算値:269.1、実測値:269.9(M+H )。

    スキーム1の化合物3(1.0g)およびPd/C(0.20g)の1,4−ジオキサン(45mL)溶液を、室温で4時間かけて水素化した。 反応の完了後、反応混合物を、セライトベッドを通して濾過した。 セライトベッドを、1,4−ジオキサン10mLで洗浄した。 濾液を濃縮して、スキーム1の中間体2を得た。 C 1218 FN Oの質量の計算値:239.1、実測値:239.9(M+H )。

    スキーム1の中間体1を、前述の通り、1,4−ジオキサン中Pd/Cを使用してスキーム1の化合物1を水素化することによって得た。 C 1523の質量の計算値:293.2、実測値:294.2(M+H )。

    スキーム1の中間体3を、無水酢酸およびDMAPを使用して2をアセチル化し、その後、前述の通り1,4−ジオキサン中でPd/Cを使用して水素化することによって得た。 C 1217の質量の計算値:235.3、実測値:236.2(M+H )。

    (実施例1)
    化合物I−1:N−(3−(2−(4−(1−(2−フルオロエチル)アゼチジン−3−イルアミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド

    ステップ1
    磁気撹拌機、Thermo pocketおよびCaCl 安全管を既に備えた25mLの三つ口RBFに、N−Boc−1,3−ジアミノベンゼン(0.96g)および1−ブタノール(9.0mL)を入れた。 反応混合物を0℃に冷却した。 2,4−ジクロロ−5−トリフルオロメチルピリミジン(1.0g)を、先の反応混合物に0℃で滴下添加した。 DIPEA(0.96mL)を、先の反応混合物に0℃で滴下添加し、反応混合物を0℃〜5℃で1時間撹拌した。 最後に、反応混合物を室温に温めた。 反応混合物を室温でさらに4時間撹拌した。 ヘキサン:酢酸エチル(7:3)を使用するTLCによって、反応の完了をモニターした。 沈殿した固体を濾別し、1−ブタノール(2mL)で洗浄した。 固体を、40℃において減圧下で1時間乾燥した。 H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 1.48(S, 9H), 7.02(m, 1H), 7.26(m, 2H), 7.58(S, 1H), 8.57(S, 1H), 9.48(S, 1H), 9.55(S, 1H)。

    ステップ2
    DCM(25mL)中の先の粗製物(3.1g)に、TFA(12.4mL)をゆっくり0℃で添加した。 反応混合物を室温に温めた。 反応混合物を、さらに10分間、室温で撹拌した。 粗混合物を減圧下で濃縮した。

    ステップ3
    濃縮した粗混合物を、DCM(25mL)に溶解させ、−30℃に冷却した。 反応混合物に、塩化アクリロイル(0.76g)を−30℃でゆっくり添加した。 反応物塊を、室温で1.0時間撹拌しながら室温に温めた。 反応物を、ヘキサン:酢酸エチル(7:3)を移動相として使用するTLCでモニターした。 反応は1時間後に完了した。 H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 5.76(dd, J=2.0, 10.0Hz, 1H), 6.24(dd, J=2.0, 17.2Hz, 1H), 6.48(m, 1H), 7.14(d, J=8.8Hz, 1H), 7.37(t, J=8.0Hz, 1H), 7.94(S, 1H), 8.59(S, 1H), 9.60(S, 1H), 10.26(S, 1H)。

    ステップ4
    実施例1を得るために、ジオキサン(1.0mL)中のスキーム2の中間体1(16mg)およびスキーム1の中間体2(N1−(1−(2−フルオロエチル)アゼチジン−3−イル)−3−メトキシベンゼン−1,4−ジアミン、20mg)の混合物を、触媒であるトリフルオロ酢酸と共に、50℃で終夜撹拌した。 粗製物を減圧下で濃縮し、HPLC(TFAモディファイア)を使用して精製して、標題化合物(10mg)をTFA塩として得た。 H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.13(s, 1H), 8.53(br, 1H), 8.24(s, 1H), 8.07(s, 1H), 7.74(br, 1H), 7.24(m, 3H), 6.45(dd, J=10.4, 17.2Hz, 1H), 6.26(dd, J=2.0, 17.2Hz, 1H), 6.18(s, 1H), 5.92(br, 1H), 5.76(dd, J=2.0, 10.4Hz, 1H), 4.48(t, J=4.8Hz, 1H), 4.36(t, J=4.8Hz, 1H), 3.93(br, 1H), 3.69(s, 3H), 2.6−2.9(m, 4H);C 2627の質量の計算値:545.2、実測値:546.2(M+H )。

    (実施例2)
    化合物I−2:N−(3−(2−(4−(1−アセチルアゼチジン−3−イルアミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド)

    スキーム2に示す通り、ジオキサン(1.0mL)中のスキーム2の中間体1(16mg)およびスキーム1の中間体3(1−(3−(4−アミノ−3−メトキシフェニルアミノ)アゼチジン−1−イル)エタノン、20mg)の混合物を、触媒であるトリフルオロ酢酸と共に、50℃で終夜撹拌した。 粗製物を減圧下で濃縮し、HPLC(TFAモディファイア)を使用して精製して、標題化合物(12mg)をTFA塩として得た。 H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.6(s, 1H), 10.15(s, 1H), 9.45(s, 1H), 8.62(br, 1H), 6.96−7.85(m, 4H), 6.55(dd, J=2, 10Hz, 1H), 6.23(d, J=10Hz, 1H), 5.74(d, J=10Hz, 1H), 3.15−3.85(m, 6H), 1.77(s, 3H);C 2626の質量の計算値:541.2、実測値:542.2(M+H )。

    (実施例3)
    化合物I−35:tert−ブチル3−(4−(4−(3−アクリルアミドフェニルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イルアミノ)−3−メトキシフェニルアミノ)アゼチジン−1−カルボキシレート)

    スキーム2に示す通り、ジオキサン(1.0mL)中のスキーム2の中間体1(16mg)およびスキーム1の中間体1(tert−ブチル3−(4−アミノ−3−メトキシフェニルアミノ)アゼチジン−1−カルボキシレート、20mg)の混合物を、触媒であるトリフルオロ酢酸と共に、50℃で終夜撹拌した。 粗製物を減圧下で濃縮し、HPLC(TFAモディファイア)を使用して精製して、標題化合物(10mg)をTFA塩として得た。 H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.1(s, 1H), 8.4(br, 1H), 8.20(s, 1H), 8.05(s, 1H), 7.62(br, 1H), 7.43(br, 1H), 7.23−7.26(m, 2H), 6.25(dd, J=4, 10Hz, 1H), 6.10−6.14(m, 1H), 5.72(d, J=10Hz, 1H). 5.72(d, J=10Hz, 1H), 3.67−4.03(m, 5H), 3.52−3.55(m, 2H), 1.35(s, 9H);C 2932の質量の計算値:599.3、実測値:600.3(M+H )。

    (実施例4)
    化合物I−39:N−(3−(5−クロロ−2−(4−(イソプロピルアミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アクリルアミド)

    ステップ1
    磁気撹拌機、Thermo pocketおよびCaCl 安全管を既に備えた25mLの三つ口RBFに、N−Boc−3−アミノフェノール(0.96g)および1−ブタノール(9.0mL)を入れた。 反応混合物を0℃に冷却した。 2,4,5−トリクロロピリミジン(1.0g)を、先の反応混合物に0℃で滴下添加した。 DIPEA(0.96mL)を、先の反応混合物に0℃で滴下添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。 反応混合物を50℃で4時間撹拌した。 ヘキサン:酢酸エチル(7:3)を使用するTLCによって、反応の完了をモニターした。 沈殿した固体を濾別し、1−ブタノール(2mL)で洗浄した。 固体を、40℃において減圧下で1時間乾燥した。 H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 1.47(S, 9H), 6.60(S, 1H), 6.86(d, J=8.4Hz, 1H), 7.13(t, J=7.6Hz, 1H), 7.36(m, 1H), 7.50(S, 1H), 8.40(S, 1H)。

    ステップ2
    DCM(25mL)中の先の粗製物(3.1g)に、TFA(12.4mL)をゆっくり0℃で添加した。 反応混合物を室温に温めた。 反応混合物を、さらに10分間、室温で撹拌した。 粗製物を減圧下で濃縮した。

    ステップ3
    濃縮した粗製物を、DCM(25mL)に溶解させ、−30℃に冷却した。 反応混合物に、塩化アクリロイル(0.76g)を−30℃でゆっくり添加した。 反応物の塊を、室温に温め、室温で1.0時間撹拌した。 ヘキサン:酢酸エチル(7:3)を移動相として使用するTLCによって、反応をモニターした。 反応は1時間後に完了した。 H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 5.78(dd, J=2.0, 10.0Hz, 1H), 6.25(dd, J=2.0, 17.2Hz, 1H), 6.40(m, 1H), 7.02(d, 1H), 7.50(m, 2H), 7.71(S, 1H), 8.40(S, 1H), 10.35(S, 1H)。

    ステップ4
    標題化合物を得るために、ジオキサン(1.0mL)中のスキーム3の中間体1(16mg)およびN1−イソプロピル−3−メトキシベンゼン−1,4−ジアミン(15mg、WO2006/021548から調製した)の混合物を、触媒であるトリフルオロ酢酸と共に、100℃で終夜撹拌した。 粗製物を減圧下で濃縮し、HPLC(TFAモディファイア)を使用して精製して、標題化合物(6mg)をTFA塩として得た。 H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.32(s, 1H), 8.30(s, 1H), 8.05(s, 1H), 7.62(s, 1H), 7.54(d, J=8.0Hz, 1H), 7.39(t, J=8.4Hz, 1H), 7.04(d, J=8.8Hz, 1H), 6.96(d, J=8.0Hz, 1H), 6.43(dd, J=10.0, 16.8Hz, 1H), 6.27(dd, J=1.6, 16.8Hz, 1H), 6.18(s, 1H), 5.87(m, 1H), 5.78(dd, J=1.6, 10.0Hz, 1H), 5.20(d, J=8.0Hz, 1H), 3.65(s, 3H), 1.09(d, J=6.4Hz, 6H);C 2324 ClN の質量の計算値:453.2、実測値:454.0(M+H )。

    (実施例5)
    化合物I−5:N−(3−(2−(4−(イソプロピルアミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド)

    スキーム2に示す通り、ジオキサン(1.0mL)中のスキーム2の中間体1(16mg)およびN1−イソプロピル−3−メトキシベンゼン−1,4−ジアミン(15mg、WO2006/021548から調製した)の混合物を、触媒であるトリフルオロ酢酸と共に、50℃で終夜撹拌した。 粗製物を減圧下で濃縮し、HPLC(TFAモディファイア)を使用して精製して、標題化合物(8mg)をTFA塩として得た。 H−NMR(DMSO−d6, 400MHz) δ 10.12(s, 1H), 8.49(br, 1H), 8.24(s, 1H), 8.06(s, 1H), 7.71(br, 1H), 7.47(d, J=6.4Hz, 1H), 7.23(m, 3H), 6.44(dd, J=10.0, 16.8Hz, 1H), 6.23(m, 2H), 5.91(m, 1H), 5.75(dd, J=1.6, 10.0Hz, 1H), 5.21(m, 1H), 3.68(s, 3H), 1.10(d, J=6.0Hz, 1H);C 2425の質量の計算値:486.2、実測値:486.9(M+H )。

    生物学的実施例 以下に、WT EGFR(および他のタンパク質キナーゼ)と比較して、変異体EGFRの選択的阻害剤として提供される化合物の生物学的活性を測定するために使用したアッセイを記載する。

    (実施例6)
    EGFR(WT)およびEGFR(T790M/L858R)活性酵素に対する効力を評価するためのOmniaアッセイプロトコル 以下に、EGFR−WTおよびEGFR−T790M/L858Rを使用する生化学アッセイプロトコルを記載する。

    アッセイプラットフォームの機構は、販売者(Invitrogen、Carlsbad、CA)によって、以下のURLのウェブサイトに最もよく記載されている。 www. invitrogen. com/content. cfm? pageid=11338またはwww. invitrogen. com/site/us/en/home/Products−and−Services/Applications/Drug−Discovery/Target−and−Lead−Identification−and−Validation/KinaseBiology/KB−Misc/Biochemical−Assays/Omnia−Kinase−Assays. html。

    簡潔には、Invitrogen製のEGFR−WT(PV3872)およびBPS Bioscience(San Diego、CA)製のEGFR−T790M/L858R(40350)の10×原液、1.13×ATP(AS001A)、ならびに適切なTyr−Soxコンジュゲートペプチド基質(KCZ1001)を、20mMのTris、pH7.5、5mMのMgCl 、1mMのEGTA、5mMのβ−グリセロリン酸、5%グリセロール(10×原液、KB002A)および0.2mMのDTT(DS001A)からなる1×キナーゼ反応バッファ中で調製した。 各酵素5μLを、Corning製(#3574)384ウェルの、非結合表面白色マイクロタイタープレート(Corning、NY)中、体積0.5μLの50%DMSOおよび50%DMSOで調製した連続希釈化合物と共に、25℃で30分間プレインキュベートした。 キナーゼ反応を、ATP/Tyr−Soxペプチド基質ミックス45μLを添加して開始させ、BioTek(Winooski、VT)製のSynergy プレートリーダーで、60分間かけて71秒毎にλ ex 360/λ em 485でモニタした。 各アッセイの最後に、各ウェルのプログレス曲線を、線形反応速度および適合統計量(R 、95%信頼区間、絶対平方和)について調査した。 各反応の初期速度(0分〜約30分)を、相対的蛍光単位と時間(分)のプロットの傾斜から決定し、次に阻害剤濃度に対してプロットして、GraphPad Software(San Diego、CA)製のGraphPad Prismにより、log[阻害剤]と応答可変傾斜(Variable Slope)モデルからIC 50を推定した。

    [EGFR−WT]=5nM、[ATP]=15μM、[Y12−Sox]=5μM(ATP K Mapp約12μM)および[EGFR−T790M/L858R]=2.5nM、[ATP]=20μM、[Y12−Sox]=5μM(ATP K Mapp約20μM)。

    表2は、前述のEGFR阻害アッセイにおける選ばれた本発明の化合物の活性を示す。 表2は、WT EGFRと比較した変異体EGFRのデータを示し、各試験化合物についてWTと変異体の選択性の比を示す。 化合物番号は、表1の化合物番号に対応する。

    (実施例7)
    細胞培養および抗体 A431ヒト類表皮癌腫、H1975ヒトNSCLCおよびHCC827ヒトNSCLC腺癌細胞を、American Type Culture Center(Manassas、VA)から得た。 A431細胞を、10%FBS(HyClone、South Logan、UT)および1%ペニシリン−ストレプトマイシン(P/S、Lonza、Walkersville、MD)を補充したDMEM(Invitrogen、Carlsbad、CA)で増殖させた。 H1975およびHCC827細胞を、10%FBSおよび1%P/Sを補充した完全RPMI 1640(Invitrogen)で増殖させた。 すべての細胞を、加湿した5%CO インキュベーター内で37℃にて単層培養物として維持し、繁殖させた。

    すべての一次抗体を、Cell Signaling(Danvers、MA)から得、1:1000で使用した。 二次抗体を1:10,000で使用した。 ヤギ抗マウスIgG IRDye 800CW抗体を、LiCor Biosciences(Lincoln、NE)から得、ヤギ抗ウサギIgG Alexa Fluor 680をInvitrogenから得た。

    免疫ブロット 細胞を、12−ウェルプレート(Corning、Coring、NY)で90%コンフルエンスまで増殖させ、次に低血清(0.1%FBS)培地で16〜18時間インキュベートした。 次に細胞を、低血清(0.1%FBS)培地中、5、1.25、0.31、0.078、0.020または0.005μMの試験化合物で1時間処理した。 次に、A431細胞を50ng/mlのEGF(Peprotech、Rocky Hill、NJ)で15分間刺激した。 処理後、細胞単層を、冷却したPBS(Invitrogen)で洗浄し、完全プロテアーゼ阻害剤(Roche、Indianapolis、IN)およびPhosphoSTOP(Roche)ホスファターゼ阻害剤を補充した、冷却した細胞抽出バッファ(Invitrogen)60μLに廃棄(scrapping)することによってすぐに溶解させた。

    溶菌液のタンパク質濃度を、BCAアッセイ(Pierce、Rockford、IL)によって決定し、各溶菌液50μgを4〜12%勾配のSDS−PAGE(Invitrogen)によって分離し、ニトロセルロース膜(Biorad、Hercules、CA)に移し、特異的な抗体でプローブした。 りんタンパク質シグナルを、Odyssey Infrared Imaging(Li−Cor Biosciences)を使用して定量化した。

    phosphor−EGFRシグナル伝達を評価するために、ブロットをウサギ抗Phospho−EGFR(Y1068)およびマウス全抗EGFR抗体でプローブした。 Phospho−EGFRシグナルを、各試料について全EGFR発現に対して正規化した。 結果を、DMSO対照の%として示す。 正規化データを、S字型曲線分析プログラム(Graph Pad Prism version 5)を使用して、可変Hill傾斜を用いてフィットさせて、EC 50値を決定した。

    表3は、WT EGFR(A431細胞)と比較した、H1975(二重変異L858R/T790M)およびHCC827(delE746−A750変異)細胞の変異体EGFRのデータを示す。 表3に引用した化合物番号は、表1の化合物番号に対応する。

    (実施例8)
    細胞増殖 細胞を、96ウェルの組織培養プレート(Corning)中、1ウェル当たり3,000個の細胞密度で、5%FBSおよび1%P/Sを補充した増殖培地に蒔いた。 細胞を4時間かけて定着させ、次に5、1.25、0.31、0.078、0.020または0.005μMの試験化合物で72時間処理した。 細胞生存率をCellTiter Glo(Promega、Madison、WI)によって決定し、その結果を、標準曲線を使用して細胞数に変換した。 増殖阻害(GI50)値を、Graph Pad Prismによって決定した。

    この実験の結果を表5に示す。 結果は、H1975(二重変異L858R/T790M)およびHCC827(delE746−A750欠失変異)細胞では変異体選択的な阻害を示したが、WT−EGFR A431細胞では示さなかったことを示している。

    (実施例9)
    EGFR欠失/T790M変異を含有するH1975細胞におけるウォッシュアウト実験 細胞を、12ウェルの組織培養プレート中、1ウェル当たり2.0×10 個の細胞密度で、10%FBSおよび1%P/Sを補充した増殖培地に蒔く。 細胞を4時間かけて定着させ、次に低血清(0.1%FBS)培地にて終夜維持する。

    翌朝、培地を除去し、細胞を、低血清培地にて1時間、500nMの試験化合物で処理する。 細胞から、PBS(Invitrogen)を用いて化合物を2回洗い流す。 一組の細胞を、先に示した通り、0時間の時点としてすぐに溶解させる。 残りの細胞を、完全RPMI−1640増殖培地(10%FBS)で1、3、6および24時間インキュベートする。 最初の1時間に、細胞をPBSで30分毎に2回洗浄する。 DMSO(0.5%)対照を、0、3、6および24時間の時点で収集する。

    (実施例10)
    変異体EGFRの質量分析 無傷EGFR T790M/L858R(BPS Bioscience San Diego,CA)を、10倍過剰の試験化合物と共に37℃において60分間インキュベートする。 一定分量3μLの試料を、15μLの0.2%TFAで希釈した後、シナピン酸(0.1%TFA:アセトニトリル(50:50)中10mg/ml)を脱着マトリックスとして使用して、MALDI標的プレート上にC4 Ziptipを用いて直接処理する。

    (実施例11)
    H1975腫瘍のインビボ研究 雌性nu/nuマウスに、側腹部に50%マトリゲルを皮下注入し(注入量0.2ml)、1×10 個のH1975腫瘍細胞を移植した。 腫瘍の測定を週に3回記録した。 腫瘍を、平均サイズが100〜150mgに達したとき、ペアマッチングした。 群サイズは、マウス10匹であった。 試験化合物を、1日1回25mg/kgまたは50mg/kgで21日間、腹腔内投与した。 腫瘍阻害率(%)を15日目および18日目に決定した。 腫瘍が1500mm になるかまたは60日に達するまで、腫瘍体積を追跡調査した。 I−1の腫瘍阻害値は、15日目および18日目の両方で25mg/kgの場合に>80%であり、15日目および18日目の両方で50mg/kgの場合に>90%であった。

    本発明のいくつかの実施形態を本明細書に記載してきたが、基本的な実施例を変更して、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態を提供できることが明らかである。 したがって、本発明の範囲は、例示として示してきた具体的な実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきであることが理解される。

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