L−アミノ酸を産生する生物及びこれを用いてL−アミノ酸を産生する方法

申请号 JP2016192539 申请日 2016-09-30 公开(公告)号 JP2017042167A 公开(公告)日 2017-03-02
申请人 シージェイ チェイルジェダン コーポレーション; 发明人 チョン,キ ヨン; イ,ソク ミョン; ファン,ヨン ビン; イ,クン チョル; イ,クァン ホ;
摘要 【課題】ATPの産生性を増加させることによりL−トレオニン又はL−トリプトファンの産生性が増加された組換え大腸菌の提供。組換え大腸菌を用いてL−トレオニン又はL−トリプトファンを産生する方法の提供。 【解決手段】YsaA、YdaS、YbiXよりなる群から選ばれる一種以上のタンパク質の活性が弱化されるように変形し、ATPの産生性が増加した、L−トレオニン又はL−トリプトファンを産生する組換え大腸菌。 【選択図】なし
权利要求

配列番号2に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質YsaA、配列番号4に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質YdaS及び配列番号6に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質YbiXよりなる群から選ばれる一種以上のタンパク質の活性が弱化されるように変形された、L−トレオニン又はL−トリプトファンを産生する組換え大腸菌。前記タンパク質YsaAは、配列番号1に記載されているポリヌクレオチド配列によりコードされ、タンパク質YdaSは、配列番号3に記載されているポリヌクレオチド配列によりコードされ、タンパク質YbiXは、配列番号5に記載されているポリヌクレオチド配列によりコードされる、請求項1に記載のL−トレオニン又はL−トリプトファンを産生する組換え大腸菌。前記組換え大腸菌は、L−トレオニンを産生する大腸菌(Escherichia coli)CA03−4257P(KCCM11243P)である、請求項1に記載のL−トレオニン又はL−トリプトファンを産生する組換え大腸菌。前記組換え大腸菌は、L−トリプトファンを産生する大腸菌(Escherichia coli)CA04−2002(KCCM11245P)である、請求項1に記載のL−トレオニン又はL−トリプトファンを産生する組換え大腸菌。大腸菌において、配列番号2に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質(YsaA)、配列番号4に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質(YdaS)及び配列番号6に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質(YbiX)よりなる群から選ばれる一種以上のタンパク質の活性が弱化されるように変形された、L−トレオニン又はL−トリプトファンを産生する組換え大腸菌を培養する段階を含む、L−トレオニン又はL−トリプトファンの産生方法。前記組換え大腸菌は、L−トレオニンを産生する大腸菌(Escherichia coli)CA03−4257P(KCCM11243P)である、請求項5に記載のL−トレオニン又はL−トリプトファンの産生方法。前記組換え大腸菌は、L−トリプトファンを産生する大腸菌(Escherichia coli)CA04−2002(KCCM11245P)である、請求項5に記載のL−トレオニン又はL−トリプトファンの産生方法。

说明书全文

本発明は、L−トレオニン又はL−トリプトファンを産生する生物及びこれを用いてL−トレオニン又はL−トリプトファンを産生する方法に関する。

発酵により有用産物を産生する微生物は、生合成経路を強化させることによりATPなどのエネルギーの要求性が非常に高まることが知られている。 微生物の代謝過程において、異化反応(catabolic reaction)により産生されるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD(H):nicotinamide adenine dinucleotide)と同化反応(anabolic reaction)で用いられるニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP(H):nicotinamideadeninedinucleotide phosphate)の細胞内のバランスが非常に重要であることが知られている。そのバランスは、次の式1)に示すNADのリン酸化や次の式2)に示すNADP脱リン酸化反応により調節される。 式1) NAD++ATP⇔NADP++ADP 式2) NADP+⇔NAD++リン酸塩 このようにNADPHなどの還元を効果的に産生するためには、ATPなどのリン酸供給源が一緒に増加されなければならない。 アデノシン三リン酸(ATP:Adenosine-5’-triphosphate)は、高エネルギーリン酸結合を有し、ADPとリン酸に加分解されるときにエネルギーが産生される。ATPは、微生物の内部における電子伝達系による化学浸透性リン酸化(chemiosmoticphosphorylation)により、又は、基質レベルのリン酸化(substratelevel phosphorylation)により主として産生される。産生されたATPは、分解されながら細胞が必要とするエネルギーを供給し、解糠経路(glycolysispathway)や酸化的リン酸化反応(oxidativephosphorylation)による再生過程を経て再使用される。 このような事実に基づいて、有用産物の量産に際してエネルギー供給を円滑にするためにバクテリア内部ATPの再生過程を工程に適用しようとする研究も行われた(BiosciBiotechnol Biochem., (1997) 61: 840-845)。大腸菌におけるATP再生能に関する研究において、ysaA(NCBIGene ID: 948085)、ydaS(NCBI Gene ID: 945923)及びybiX(NCBI Gene ID: 947502)遺伝子を含む多数の遺伝子をそれぞれ欠失させる場合に母菌株に比べてATPのレベルが約150%以上増加することをグルタチオン産生に適用した研究結果がある(FEMSMicrobiol Lett., (2009) 297:217-224)。しかしながら、前記遺伝子がコードするタンパク質の活性弱化によるアミノ酸の産生性の増加に関する直接的な報告はなかった。

Biosci Biotechnol Biochem., (1997) 61: 840-845

FEMS Microbiol Lett., (2009) 297:217-224

本発明者らは、L−アミノ酸を産生するに当たって最も多くのエネルギー源として用いられるATPの細胞内比重を増加させることがL−トレオニン又はL−トリプトファンの産生性の増加に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。 本発明の目的は、ATPの産生性を増加させることによりL−トレオニン又はL−トリプトファンの産生性が増加された組換え大腸菌を提供することである。 本発明の他の目的は、前記組換え大腸菌を用いてL−トレオニン又はL−トリプトファンを産生する方法を提供することである。

前記目的を達成するために、本発明は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質(YsaA)、配列番号4に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質(YdaS)及び配列番号6に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質(YbiX)よりなる群から選ばれる一種以上のタンパク質の活性が弱化されるように変形された、L−トレオニン又はL−トリプトファンを産生する組換え大腸菌を提供する。 また、本発明は、前記組換え大腸菌を培養する段階を含むことを特徴とするL−トレオニン又はL−トリプトファンを産生する方法を提供する。

本発明は、L−トレオニン又はL−トリプトファン産生能を有する微生物の細胞内ATPを増加させることによりL−トレオニン又はL−トリプトファンの産生性が向上した組換え微生物を提供し、エネルギー代謝バランスの修復とそれによる細胞活性の増加及び培養時間の短縮、L−トレオニン又はL−トリプトファンの産生能の増加が図れる方法を提供することができる。

図1は、L−トレオニン産生菌株の母菌株に対するATPレベル(%)の相対値である。

図2は、L−トリプトファン産生菌株の母菌株に対するATPレベル(%)の相対値である。

以下、本発明について詳細に説明する。 本発明は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質(YsaA)、配列番号4に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質(YdaS)及び配列番号6に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質(YbiX)よりなる群から選ばれる一種以上のタンパク質の活性が弱化されるように変形された、L−トレオニン又はL−トリプトファンを産生する組換え大腸菌を提供する。 本発明で使用可能なL−トレオニン又はL−トリプトファン産生微生物は、大腸菌、コリネ型細菌、セラチア属細菌、プロビデンシア属細菌などのようにL−トレオニン又はL−トリプトファンを産生するいかなる微生物も使用可能であり、エシェリキア(Escherichia)属に属する微生物を用いることが好ましい。 本発明の好適な態様において、本発明は、L−フェニルアラニン産生能を有する大腸菌変異株(KFCC 10066)から染色体上のトリプトファン要求性の解除、L−フェニルアラニン生合成の遮断及びトリプトファン生合成関連遺伝子の強化による遺伝子組換えにより得られたトリプトファン産生能を有する組換え大腸菌菌株CJ600(KCCM10812P)(大韓民国登録特許第10−0792095号)を用いた。 本発明の他の好適な態様において、本発明は、L−トレオニン産生能を有する大腸菌変異株(KFCC 10718)から野生galR遺伝子の不活性化による遺伝子組換えにより得られたL−トレオニン産生能を有する組換え大腸菌菌株FTR2533(KCCM−10541)(大韓民国登録特許第10−0576342号)を用いた。

YsaAは、配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質であって、その機能は、4Fe−4S型の脱水素酵素(predicted hydrogenase、4Fe-4S ferredoxin-type component)と推定されるが、正確な機能はいまだ明らかにされていない。 YdaSは、配列番号4のアミノ酸配列を有するタンパク質であって、DNA結合転写調節子(predicted DNA binding transcriptionregulator)と推定されるが、正確な機能はいまだ明らかにされていない。 YbiXは、配列番号6のアミノ酸配列を有するタンパク質であって、その機能は、二価鉄依存性酸素化酵素(Fe(II)-dependent oxygenase superfamily)の一つであり、基質に酸素を付けて酸化させる酸化還元酵素の役割を果たすことが知られている。 本発明のポリペプチドYsaA、YdaS及びYbiXは、それぞれ配列番号2、4及び6に記載されているアミノ酸配列を有する。しかしながら、微生物の種又は菌株に応じて前記活性を示すタンパク質のアミノ酸配列に相違が存在する場合があるためこれに限定されない。 すなわち、本発明で提示した活性を弱化させることによりアミノ酸産生性の増加に役立つタンパク質である限り、配列番号2、4及び6のアミノ酸配列の1以上の位置における一つ又は数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、添加又は逆位などを含むアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする突然変異体又は人為的な変形体であってもよい。ここで、「数個」とは、タンパク質のアミノ酸残基の立体構造における位置や種類により異なるが、具体的には、2個から20個、好ましくは、2個から10個、より好ましくは、2個から5個である。なお、このようなアミノ酸の置換、欠失、挿入、添加又は逆位などには、前記ポリペプチドの活性を有する微生物の個体又は種の違いに基づく場合などの天然的に生じる突然変異又は人為的な変異(variant)により発生するものも含まれる。 本発明における前記「弱化」という用語は、タンパク質の活性が当該タンパク質をコードする遺伝子の一部又は全体を欠失させること、前記遺伝子の発現が減少されるように発現調節配列を変形すること、前記タンパク質の活性が弱化されるように染色体上の前記遺伝子配列を変形すること、又はこれらの組み合わせにより変形することを意味する。 本発明における活性弱化は、1)前記タンパク質をコードするポリヌクレオチドの一部又は全体を欠失させる方法、2)前記ポリヌクレオチドの発現が減少されるように発現調節配列を変形する方法、3)前記タンパク質の活性が弱化されるように染色体上の前記ポリヌクレオチド配列を変形する方法及び4)これらの組み合わせにより変形する方法よりなる群から選ばれる。

前記タンパク質をコードするポリヌクレオチドの一部又は全体を欠失させる方法は、細菌内への染色体挿入用ベクターにより染色体内の内在的目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを一部の核酸配列が欠失したポリヌクレオチド又はマーカー遺伝子に置き換えることにより行われる。前記「一部」とは、遺伝子の種類によるが、その位置とは無関係に、具体的には、1個から200個、好ましくは、1個から100個、より好ましくは、1個から50個である。

また、前記ポリヌクレオチドの発現が減少されるように発現調節配列を変形する方法は、前記発現調節配列の活性を一層弱化させるように、核酸配列の欠失、核酸配列の挿入、核酸配列の非保全的又は保全的置換又はこれらの組み合わせにより発現調節配列上の変異を誘導して行ってもよく、一層弱い活性を有する核酸配列に置き換えることにより行っても良い。前記発現調節配列は、プロモータ、オペレータ配列、リボソーム結合部位をコードする配列及び転写と解読の終結を調節する配列を含む。

さらに、本発明の前記タンパク質の活性が弱化されるように染色体上の前記ポリヌクレオチド配列を変形する方法は、前記配列の活性をさらに弱化させるように、核酸配列の欠失、核酸配列の挿入、核酸配列の非保全的又は保全的置換又はこれらの組み合わせにより配列上の変異を誘導して行ってもよく、一層弱い活性を有するように改良された核酸配列に置き換えることにより行っても良い。

本発明の前記タンパク質をコードするポリヌクレオチドは宿主細胞に形質導入されてもよいが、前記導入されるべき宿主細胞で使用し難いコドンに置換してもよく、N末端又はC末端が延長又は削除されてもよく、発現量の調節のために開始コドンが変更されてもよい。 本発明のポリヌクレオチドは、本発明の変異体の前記タンパク質の活性を弱化させるものであれば、それぞれ配列番号2、4及び6のアミノ酸配列に対して80%以上、好ましくは、90%以上、より好ましくは、95%以上、特に好ましくは、97%以上の相同性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを有していてもよく、最も好ましくは、それぞれ配列番号1、3及び5に記載されているポリヌクレオチド配列を有する。

本発明における前記「相同性」という用語は、両アミノ酸配列間の同一性を示すものであり、点数(score)、同一性(identity)及び類似度(similarity)などのパラメータを計算するBLAST2.0を用いる、当業者にとって周知の方法により決定される。 また、本発明のポリヌクレオチド配列は、配列番号1、3及び5のポリヌクレオチド配列又は前記ヌクレオチド配列から製造されたプローブと「ストリンジェントな条件(stringentconditions)」下で混成化されてもよく、正常に機能するタンパク質をコードする変異型であってもよい。 本発明における前記「ストリンジェントな条件」という用語は、ポリヌクレオチド間の特異的な混成化を可能にする条件を意味する。又は、その誘導体を含むポリペプチド又はタンパク質に関するものである(MolecularCloning, A Laboratory Manual, J. Sambrook et al., Editors, 2ndEdition, Cold Spring Harbor Laboratorypress, Cold Spring Harbor, New York, 1989又はCurrent Protocols in Molecular Biology, F.M. Ausubeletal., Editors, John Wiley& Sons, Inc., New York)。 好ましくは、前記「ストリンジェントな条件」とは、65℃の混成化緩衝液(3.5×SSC、0.02%フィコール、0.02%ポリビニールピロリドン、0.02%血清アルブミン、2.5mMNaH2PO4(pH7)、0.5%SDS、2mMEDTA)における混成化を意味し、SSCは、pH7の0.15M塩化ナトリウム/0.15Mクエン酸ナトリウムである。混成化後に、DNAが伝達されているメンブレインを室温で2×SSCで洗浄した後に、68℃の温度で0.1〜0.5×SSC/0.1×SDSで洗浄する。

本発明における前記「ベクター」という用語は、好適な宿主内で目的タンパク質を発現させるように好適な調節配列に作動可能に連結された前記目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドの塩基配列を含有するDNA製造物を意味する。前記調節配列は、転写を開始するプロモータ、そのような転写を調節するための任意のオペレータ配列、好適なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列及び転写及び解読の終結を調節する配列を含む。ベクターは、適当な宿主内に形質転換された後、宿主ゲノムとは無関係に複製されても機能してもよく、ゲノムそれ自体に取り込まれてもよい。 本発明で用いられるベクターは、宿主中で複製可能であれば、特に限定されるものではなく、当業界で周知の任意のベクターを用いることができる。通常的に用いられるベクターの例としては、天然状態又は組換え状態のプラスミド、コスミド、ウィルス及びバクテリオファージが挙げられる。例えば、ファージベクター又はコスミドベクターとして、pWE15、M13、λBL3、λBL4、λXII、λSHII、λPII、λ10、λ11、Charon4A及びCharon21Aなどが挙げられ、プラスミドベクターとして、pBR系、pUC系、pBluescriptII系、pGEM系、pTZ系、pCL系及びpET系などが挙げられる。本発明で使用可能なベクターは、特に制限はなく、公知の発現ベクターを用いることができる。好ましくは、pACYC177、pACYC184、pCL、pECCG117、pUC19、pBR322、pMW118、pCC1BACベクターなどを用いることができる。最も好ましくは、pACYC177、pCL、pCC1BACベクターを用いることができる。 また、本発明で用いられるベクターは、宿主細胞に形質転換されて目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを宿主細胞内の染色体内に挿入するベクターであり、好ましくは、大腸菌とコリネ型細菌で両方に自己複製可能なシャトルベクターpECCG112ベクター(Kor.Jour.Microbiol. July1991, p149-154.ノ・ガプス)が挙げられるが、これらに制限されるものではない。 さらに、細菌内への染色体挿入用ベクターにより染色体内の内在的目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを新規ポリヌクレオチドに置き換えてもよい。前記ポリヌクレオチドの染色体内への挿入は、当業界で周知の任意の方法、例えば、相同組換えにより行われる。本発明のベクターは、相同組換えを引き起こして染色体内に挿入されるため、前記染色体の挿入有無を確認するための選別マーカー(selectionmarker)をさらに備えていてもよい。この選別マーカーは、ベクターに形質転換された細胞を選別、すなわち、目的ポリヌクレオチドの挿入有無を確認するためのものであり、薬物耐性、栄養要求性、細胞毒性剤に対する耐性又は表面タンパク質の発現などの選択可能な表現型を与えるマーカーが使用可能である。選択剤(selective agent)が処理された環境では選別マーカーを発現する細胞のみが生存したり他の表現形質を示したりするため、形質転換された細胞を選別することができる。

本発明における前記「形質転換」という用語は、標的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを宿主細胞内に導入して宿主細胞内で前記ポリヌクレオチドがコードするタンパク質を発現させることを意味する。形質転換されたポリヌクレオチドは、宿主細胞内に発現するものであれば、宿主細胞内で宿主細胞の染色体内に挿入された遺伝子や染色体の他の部分に位置する遺伝子などを全て含むものである。なお、前記ポリヌクレオチドは、標的タンパク質をコードするDNA及びRNAを含む。前記ポリヌクレオチドは、宿主細胞内に導入されて発現するものであれば、いかなる形態で導入されるものでもよい。 例えば、前記ポリヌクレオチドは、自ら発現する上で必要なあらゆる要素を含むポリヌクレオチド構造体である発現カセット(expressioncassette)の形態で宿主細胞に導入されてもよい。前記発現カセットは、通常、前記遺伝子に作動可能に連結されたプロモーター(promoter)、転写終結シグナル、リボソーム結合部位及び翻訳終結シグナルを含む。前記発現カセットは、自体的に複製可能な発現ベクターの形であってもよい。なお、前記遺伝子は、それ自体の形で又はポリヌクレオチド構造体の形で宿主細胞に導入されて、宿主細胞で発現に必要な配列と作動可能に連結されたものであってもよい。 好ましくは、本発明のysaA、ydaS及びybiX遺伝子によりコードされるタンパク質の活性弱化は、当該遺伝子の欠失により行われる。これは、化学物質や紫外線などの光を用いて突然変異を誘発し、前記遺伝子部位が変異されて欠失した突然変異体を得ることができる。あるいは、遺伝子組換え技術により遺伝子活性が除去されるように作製されたヌクレオチドを相同組換えによる遺伝子置換法により染色体上の遺伝子を置き換えることにより関連遺伝子を欠失させることができ、これによりタンパク質活性が除去された突然変異体を得ることができる。

また、本発明は、配列番号2に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質(YsaA)、配列番号4に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質(YdaS)及び配列番号6に記載されているアミノ酸配列を有するタンパク質(YbiX)よりなる群から選ばれる一種以上のタンパク質の活性が弱化されるように変形された、L−トレオニン又はL−トリプトファンを産生する組換え大腸菌を培養する段階を含む、L−トレオニン又はL−トリプトファン産生方法を提供する。 本発明の前記培養過程は、当業界で周知の適当な培地と培養条件で行われる。このような培養過程は、当業者であれば選択される菌株に応じて容易に調整して用いることができる。前記培養方法の例としては、回分式、連続式及び流加式培養が挙げられるが、これに限定されるものではない。

本発明の微生物の培養に用いられる培地及びその他の培養条件は、通常のエシェリキア属微生物の培養に用いられる培地であればいずれも使用可能であるが、本発明の微生物の要求条件を適切に満たさなければならない。 本発明の具体的な態様として、本発明の微生物を適当な炭素源、窒素源、アミノ酸、ビタミンなどを含有する通常の培地内で好気性条件下で温度、pHなどを調節しながら培養する。 このとき、炭素源としては、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、マンニトール、ソルビトールなどの炭水化物、糖アルコール、グリセロール、ピルビン酸、乳酸及びクエン酸などのアルコール及び有機酸、グルタミン酸、メチオニン及びリシンなどのアミノ酸などが挙げられ、澱粉加水分解物、糖みつ、廃糖みつ、米糠、キャッサバ、サトウキビ残渣及びトウモロコシ浸漬液などの天然の有機栄養源を用いることができる。好ましくは、前記有機栄養源は、グルコース及び殺菌された前処理糖みつ(すなわち、還元糖に転換された糖みつ)などの炭水化物であり、それ以外の適正量の炭素源を制限なしに様々に用いることができる。 窒素源としては、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムなどの無機窒素源;グルタミン酸、メチオニン、グルタミンなどのアミノ酸及びペプトン、NZ−アミン、肉類抽出物、酵母抽出物、麥芽抽出物、トウモロコシ浸漬液、カゼイン加水分解物、魚類又はその分解生成物、脱脂大豆ケーキ又はその分解生成物など有機窒素源が挙げられ、これらの窒素源は単独で又は組み合わせて用いることができる。前記培地には、リン源(phosphorussources)としてリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム又は対応するナトリウム含有塩が含まれる。 無機化合物としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化鉄、硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸マンガン及び炭酸カルシウムなどが挙げられ、これらに加えて、アミノ酸、ビタミン及び適切な前駆体が含まれてもよい。これらの培地又は前駆体は、培養物に回分式又は連続式で添加することができる。 培養中に水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、アンモニア、リン酸及び硫酸などの化合物を培養物に適切な方式で添加して培養物のpHを調整してもよい。 さらに、培養中には脂肪酸ポリグリコールエステルなどの消泡剤を添加して気泡生成を抑制してもよい。また、培養物の好気状態を維持するために、培養物内に酸素又は酸素含有気体を注入してもよい。嫌気及び微好気状態を維持するために体を注入しなくてもよく、若しくは、窒素、水素又は二酸化炭素ガスを注入してもよい。培養物の温度は、通常は27℃〜37℃、好ましくは30℃〜35℃である。培養期間は、目的物質の目標生産量が得られるまで続けてもよく、好ましくは10〜100時間である。

本発明の前記培養段階で産生されたL−アミノ酸は、さらに精製又は回収する段階を含んでいてもよく、前記精製又は回収に際しては、本発明の微生物の培養方法、例えば、回分式、連続式又は流加式培養方法などにより当該分野で周知の好適な方法を用いて培養液から目的とするL−アミノ酸を精製又は回収することができる。 以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。しかし、これらの実施例は本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。

実施例1:ysaA、ydaS又はybiX遺伝子によりコードされるタンパク質が弱化されたL−トレオニン産生菌株及びL−トリプトファン産生菌株の作製 この実施例では、L−トリプトファン産生菌株であるKCCM10812P(大韓民国登録特許10−0792095)とL−トレオニン産生菌株であるKCCM10541(大韓民国登録特許10−0576342)のysaA、ydaS及びybiX遺伝子を相同組換えによりそれぞれ欠失させた。 前記L−トリプトファン母菌株であるKCCM10812Pは、L−フェニルアラニン産生能を有する大腸菌変異株(KFCC 10066)に由来する菌株であり、染色体上のトリプトファン要求性が解除され、pheA、trpR、mtr及びtnaAB遺伝子が弱化され、aroG及びtrpE遺伝子が変異されたことを特徴とするL−トリプトファン産生能を有する組換え大腸菌である。 また、L−トレオニン母菌株であるKCCM10541は、大腸菌KFCC10718(大韓民国特許公開1992−0008365)から誘導された菌株であり、L−メチオニン類似体に対する耐性、メチオニン栄養要求性、L−トレオニン類似体に対する耐性、リーキー(leaky)イソロイシン栄養要求性、L−リジン類似体に対する耐性、及びα−アミノブチル酸に対する耐性を有する、L−トレオニンを生産する大腸菌である。 欠失対象遺伝子であるysaA、ydaS及びybiX遺伝子は、それぞれ配列番号1、2及び3のポリヌクレオチド配列を示す。 このために、Datsenko KAらにより開発されたラムダレッドリコンビナーゼ(lambda Red recombinase)を利用した突然変異作製法であるワンステップ弱化方法を用いた(ProcNatl Acad Sci USA., (2000) 97:6640-6645)。遺伝子内部への挿入を確認するためのマーカーとしては、pUCprmfmloxCのクロラムフェニコール遺伝子を用いた(大韓民国公開特許:2009−0075549)。 前記3つの遺伝子の一部分とpUCprmfmloxC遺伝子のクロラムフェニコール(Chloramphenicol)耐性遺伝子の一部の塩基配列を有するプライマー1及びプライマー2、プライマー7及びプライマー8、並びにプライマー13及びプライマー14をそれぞれ用いて、pUCprmfmloxCを鋳型とし、94℃で30秒間の変性、55℃で30秒間のアニーリング、72℃で1分間の重合の条件を30回繰り返す重合酵素連鎖反応法(以下、「PCR法」という)により約1200塩基対の遺伝子断片を増幅した。

また、前記PCR増幅により得られたDNA断片は、0.8%アガロースゲル電気泳動後に溶出し、2次PCRの鋳型として用いた。2次PCRは、前記溶出した1次PCR産物を鋳型とし、1次DNA断片の5’及び3’領域の20塩基対の相補的塩基配列と、さらに前記遺伝子の5’及び3’領域を有するプライマー3及びプライマー4、プライマー9及びプライマー10、並びにプライマー15及びプライマー16とをそれぞれ用いて、94℃で30秒間の変性、55℃で30秒間のアニーリング、72℃で1分間の重合の条件を30回繰り返すPCR法により、約1300塩基対の遺伝子断片を増幅した。前記過程を経て得られたDNA断片は、0.8%アガロースゲル電気泳動後に溶出し、これを組換えに用いた。 Datsenko KAらにより開発された方法(Proc Natl Acad Sci USA., (2000) 97:66406645)によりpKD46ベクターで形質転換された対象大腸菌は、形質転換菌株(competentstrain)として製造され、形質転換は、PCR法で得られた前記1300塩基対のサイズの遺伝子断片を流入することにより行った。得られた菌株は、クロラムフェニコール耐性に含まれるLB培地で選別した。プライマー5及びプライマー6、プライマー11及びプライマー12、そしてプライマー17及びプライマー18を用いたPCR法で増幅されたサイズがそれぞれ約1450塩基対、1530塩基対、1640塩基対であるPCR産物により前記遺伝子の欠失を確認した。 クロラムフェニコール耐性を有する1次組換え菌株からpKD46を除去した後、pJW168ベクターを導入してクロラムフェニコールマーカー遺伝子を菌体から除去した(Gene,(2000)247, 255-264)。最終的に得られた菌体は、プライマー5及びプライマー6、プライマー11及びプライマー12、並びにプライマー17及びプライマー18を用いたPCRにより得られた約400塩基対、500塩基対、600塩基対の増幅産物であり、そこに意図した通り欠失が生じた。 前記方法により、L−トレオニン産生菌株KCCM10541 ΔysaA、KCCM10541 ΔydaS及びKCCM10541ΔybiXをそれぞれ作製した。なお、L−トリプトファン産生菌株KCCM10812P ΔysaA、KCCM10812PΔydaS及びKCCM10812P ΔybiXをそれぞれ作製した。

実施例2:ysaA、ydaS及びybiX遺伝子群中に2以上の組み合わせが欠失した組換えL−トレオニン産生菌株及びL−トリプトファン産生菌株の作製 実施例1に記載した方法を用いて、前記遺伝子のうち2以上の欠失が組み合わせられた組換え菌株を作製した。 前記遺伝子のうち一つの欠失が生じた菌株にラムダレッドリコンビナーゼを用いるためのpKD46ベクターを導入した後、これを形質転換菌株とした。そして、形質転換は、前記3つの遺伝子の一部分とpUCprmfmloxC遺伝子のクロラムフェニコール(Chloramphenicol)耐性遺伝子が含まれるようにPCRにより増幅された遺伝子断片をそれぞれ異なる単一欠損株に流入することにより行った。 得られた菌株は、クロラムフェニコール耐性を有しているLB培地で選別し、実施例1で示したプライマー対を用いて前記遺伝子の組み合わせが欠失したことを確認した。 前記方法により、L−トレオニン産生菌株KCCM10541 ΔysaA ΔydaS、KCCM10541 ΔydaS ΔybiX、KCCM10541 ΔybiX ΔysaA及びKCCM10541 ΔysaA ΔydaS ΔybiXをそれぞれ作製した。なお、L−トリプトファン産生菌株KCCM10812P ΔysaA ΔydaS、KCCM10812P ΔydaS ΔybiX、KCCM10812P ΔybiX ΔysaA及びKCCM10812P ΔysaA ΔydaS ΔybiXを作製した。 このようにして得られた組換え菌株のうち、KCCM10541 ΔysaA ΔydaS ΔybiX及びKCCM10812P ΔysaA ΔydaS ΔybiXをそれぞれ「大腸菌CA03−4257P」及び「大腸菌CA04−2002」と命名し、これらを2011年12月29日付けで韓国ソウル特別市西大門区弘済1洞361−221番地所在の国際寄託機関である韓国種菌協会付設韓国微生物保存センターに受託番号KCCM11243P及びKCCM11245Pで寄託した。

実施例3:作製されたL−トレオニン産生菌株及びL−トリプトファン産生菌株のATPレベルの測定 この実施例では、実施例1及び2に従い作製された菌株を用いて実際のATPを定量した。 このために、原 清敬らにより開発されたルシフェラーゼを用いた「細胞ATP合成能の定量測定方法」(An EfficientMethod for Quantitativedetermination of Cellular ATP Synthetic Activity)を用いた(JBiom Scre, (2006) V11:No.3:PP310-17)。 グルコース入りLB液体培地にそれぞれ異なる遺伝的形質を有する菌株を一晩培養した。遠心分離により上澄み液を除去し、100mMTris−Cl(pH7.5)を用いて菌体を洗い取った後、浸透性緩衝液(Permeablebuffer:40%[v/v]グルコース、0.8%[v/v]Triton X-100)を30分間処理して細胞内のATPを外部に染み出した。さらに遠心分離して上澄み液を分離し、ここにルシフェラーゼの基質として用いられるルシフェリン(Luciferin)を混ぜた。10分間反応させた後、ルミノメーターを用いてルシフェラーゼの発色度を測定してATPを定量した。その結果を図1及び図2に示す。全ての結果は、3回繰り返し実験の平均値で示す。 図1及び図2に示すように、L−トレオニン産生菌株及びL−トリプトファン産生菌株から実施例1及び2により作製された菌株は、いずれもATPレベルが増加されていることを確認した。なお、単独欠失よりもこの欠失を組み合わせることにより、ATPレベルがさらに増加される結果を得た。

実施例4:ysaA、ydaS及びybiX遺伝子によりコードされる酵素の活性が単独若しくは組み合わせにより弱化されたL−トレオニン産生菌株のグルコース入り培地における力価確認 実施例1及び2に記載した方法の通りにL−トレオニン産生菌であるKCCM10541(大韓民国登録特許10−0576342)にysaA、ydaS、ybiX遺伝子を単独欠失若しくは組み合わせにより欠失させて細胞内のATPを増加させた菌株を対象に、グルコースを炭素源として用いて力価評価を行った。 それぞれ異なる遺伝的形質を有する菌株を33℃の培養器を用いてLB固体培地で一晩培養し、表2の組成からなるグルコース入り25mLの力価培地に一白金ずつ接種した後、これを33℃、200rpmの培養器で50時間培養した。その結果を表3に示す。全ての結果は、3つのフラスコ結果の平均値で示す。

*30時間測定値 **50時間測定値 前記表3から明らかなように、本発明に従い作製された組換えL−トレオニン産生大腸菌菌株はグルコース利用度が母菌株に比べて約22%まで増加され、トレオニンの産生量は母菌株に比べて約7%まで増加されることを確認することができた。この結果は、図1から確認したATPレベルを考慮したとき、増加されたATPにより菌株の糖消耗速度やアミノ酸産生能力が増加されたことを示唆する。

実施例5:ysaA、ydaS及びybiX遺伝子によりコードされる酵素の活性が単独若しくは組み合わせにより弱化されたL−トレオニン産生菌株のスクロース入り培地における力価確認 実施例1及び2に記載した方法の通りにL−トレオニン産生菌であるKCCM10541(大韓民国登録特許10−0576342)にysaA、ydaS、ybiX遺伝子を単独欠失若しくは組み合わせにより欠失させて細胞内のATPを増加させた菌株を作製し、スクロースを炭素源として用いて力価の評価を行った。 それぞれ異なる遺伝的形質を有する菌株を33℃の培養器を用いてLB固体培地で一晩培養した後、表4の組成からなるスクロース入り25mLの力価培地に一白金耳ずつ接種した後、これを33℃、200rpmの培養器で48時間培養した。その結果を表5に示す。全ての結果は、3つのフラスコ結果の平均値で示す。

*24時間測定値 **48時間測定値 前記表5に示すように、本発明に従い作製された組換えL−トレオニン産生大腸菌菌株のスクロース利用度は母菌株に比べて約10%まで増加され、トレオニンの産生量は母菌株に比べて約5%まで増加することを確認することができた。この結果は、図1から確認したATPレベルを考慮したとき、増加されたATPにより菌株の活性が増加され、糖消耗速度やアミノ酸産生能力も増加されたことを示唆する。

実施例6:ysaA、ydaS及びybiX遺伝子によりコードされる酵素の活性が単独又は組み合わせにより弱化されたL−トリプトファン産生菌株のグルコース入り培地における力価確認 実施例1及び2に記載した方法の通りにトリプトファン産生菌であるKCCM10812P(大韓民国登録特許10−0792095)にysaA、ydaS、ybiX遺伝子を単独欠失若しくは組み合わせにより欠失させて細胞内のATPを増加させた菌株を対象に、グルコースを炭素源として用いて力価の評価を行った。 力価の評価のために菌体を白金耳で接種した後、LB固体培地で一晩培養し、表6に示す組成からなる25mlのフラスコ力価培地に一白金耳ずつ接種した。菌株の接種後に37℃、200rpmで48時間培養し、それから得られた結果を表7に示す。全ての結果は、3つのフラスコ結果の平均値で示す。

*33時間測定値 **48時間測定値 表7に示すように、本発明に従い作製された組換えL−トリプトファン産生大腸菌菌株の場合、糖消耗速度が母菌株に比べて10%まで改善されることを確認し、トリプトファンの産生量は母菌株に比べて38%まで増加されることが分かる。この結果は、図2から確認したATPレベルを考慮したとき、増加されたATPにより菌株の活性が増加され、糖消耗速度やアミノ酸産生能力も増加されたことを示唆する。 以上の説明から、本発明が属する技術分野における当業者は、本発明がその技術的思想や必須的な特徴を変更することなく異なる具体的な形態で実施可能であるということが理解できる筈である。これと関連して、以上述べた実施形態は、あらゆる面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は、前述した詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲並びにその等価概念から導き出されるあらゆる変更又は変形が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。

[受託番号] 寄託機関名:韓国微生物保存センター 受託番号:KCCM11243P 受託日:2011年12月29日 寄託機関名:韓国微生物保存センター(国外) 受託番号:KCCM11245P 受託日:2011年12月29日

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