活性化幹細胞の生成、使用、及び輸送のための方法及びシステム

申请号 JP2018524325 申请日 2016-11-11 公开(公告)号 JP2018535217A 公开(公告)日 2018-11-29
申请人 トッド フランク オヴォカイツ; OVOKAITYS, Todd, Frank; 发明人 トッド フランク オヴォカイツ; ジョン スコット ストラカン;
摘要 採取した幹細胞を、405〜980ナノメートルの範囲内にある波長を有する振幅変調レーザービームで処理することによって活性化する。このレーザービームの周 波数 は、8〜12MHzの範囲内で変調する。活性化幹細胞を用いて組織を修復及び再生することができ、このことは、非活性化幹細胞を用意し、所定周波数を有する振幅変調レーザービームで非活性化幹細胞を処理して活性化幹細胞を取得し、組織を含む体内に活性化幹細胞を投与し、ホーミングビームを用いて活性化幹細胞を体内で組織の 位置 まで誘導することによって行う。
权利要求

損傷した生物組織を修復する方法であって、 非活性化幹細胞を取得するステップと、 所定波長及び所定振幅を有する振幅変調レーザービームで前記非活性化幹細胞を処理することによって、前記非活性化幹細胞から活性化幹細胞を形成するステップと、 前記生物組織を含む体内に前記活性化幹細胞を投与するステップと、 ホーミング・コヒーレント・レーザービームが前記損傷した生物組織と相互作用するように、該ホーミング・コヒーレント・レーザービームを少なくとも1つの軸に沿って経皮的に当てるステップと を含む方法。前記ホーミング・コヒーレント・レーザービームを、20%〜90%の位相相殺を用いて発生させる、請求項1に記載の方法。前記非活性化幹細胞を、末梢血、骨髄、または脂肪のうちの少なくとも1つを含む自家調達源から採取する、請求項1に記載の方法。前記非活性化幹細胞を、患者の臍帯血及び胎盤のうちの少なくとも1つを含む外因性調達源から採取する、請求項1に記載の方法。前記非活性化幹細胞を、遺伝子が適合する幹細胞ドナーから調達する、請求項1に記載の方法。前記所定波長が405〜980ナノメートルの範囲内である、請求項1に記載の方法。前記レーザービームが674ナノメートルの波長を有する、請求項1に記載の方法。前記レーザービームが、サブフェムト秒の持続時間の短時間パルス列を含む、請求項1に記載の方法。前記非活性化幹細胞を処理する前に、前記レーザービームをビームエキスパンダーに通すことによって2倍〜7倍に変化する範囲内で拡張する、請求項1に記載の方法。前記非活性化幹細胞を処理する前に、前記レーザービームをストラッチャン−オボカティス・ノード生成装置に通す、請求項1に記載の方法。前記非活性化幹細胞を処理する前に、前記レーザービームの位相相殺を調整して所定の出を実現する、請求項1に記載の方法。前記非活性化幹細胞を処理するステップが、活性化プロセス中に、前記振幅変調レーザービームを、前記非活性化幹細胞を含む容器に当てて、前記容器を回転させると同時に縦方向に上下に移動させることを含む、請求項1に記載の方法。前記容器を、3〜5秒毎に1回転の速度で回転させて、各向きに15秒の持続時間だけ上下に移動させる、請求項11に記載の方法。前記非活性化幹細胞に比べて、前記活性化幹細胞は、アルファ・インテグリンまたはベータ・インテグリンの発現の増加、CD34の増加、または前記ホーミング・コヒーレント・レーザービーム方向の移動活動の増大、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。前記生物組織が、心筋組織、組織、腎組織、血管、免疫細胞、骨組織、歯、肝組織、内分泌組織、下垂体組織、胸腺組織、椎間板、脳組織、骨髄組織、膵臓組織、及び神経組織のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。患者の損傷した心臓組織を治療する方法であって、 非活性化幹細胞を取得するステップと、 所定波長及び所定振幅を有する振幅変調レーザービームで前記非活性化幹細胞を処理することによって、前記非活性化幹細胞から活性化幹細胞を形成するステップと、 前記活性化幹細胞を前記患者の静脈内に投与するステップと、 ホーミング・レーザービームが前記心臓組織と相互作用するように、該ホーミング・レーザービームを少なくとも1つの軸に沿って経皮的に当てるステップと を含む方法。前記ホーミング・レーザービームを、20%〜90%の位相相殺を用いて発生する、請求項1に記載の方法。患者の神経疾患を治療する方法であって、 非活性化幹細胞を取得するステップと、 所定波長及び所定振幅を有する振幅変調レーザービームで前記非活性化幹細胞を処理することによって、前記非活性化幹細胞から活性化幹細胞を形成するステップと、 前記活性化幹細胞を前記患者の静脈内に投与するステップと、 ホーミング・コヒーレント・レーザービームが前記患者の脳組織及び/または脊髄組織と相互作用するように、該ホーミング・コヒーレント・レーザービームを少なくとも1つの軸に沿って経皮的に当てるステップと を含む方法。前記ホーミング・コヒーレント・レーザービームを、前記脊髄組織全体にわたって掃引し、前記脳組織全体にわたって掃引する、請求項18に記載の方法。前記ホーミング・コヒーレント・レーザービームを、20%〜90%の位相相殺を用いて発生する、請求項1に記載の方法。

说明书全文

クロスリファレンス 本願は、次の米国特許仮出願に基づいて優先権を主張し、これらの米国特許仮出願はその全文を参照することによって本明細書にも含める: 米国特許仮出願第62/321781号、発明の名称”Method and System for Generation and Use of Activated Stem Cells”、2016年4月13日出願、及び 米国特許仮出願第62/254220号、発明の名称”Method and System for Generation and Use of Activated Stem Cells”、2015年11月12日出願。 本願は、米国特許出願第14/726457号、同じ発明の名称、2015年5月30日出願の一部継続出願であり、この米国特許出願は、米国特許仮出願第62/006034号、2014年5月30日出願に基づいて優先権を主張する。 上記の出願はその全文を参照することによって本明細書に含める。

分野 本明細書は、幹細胞を活性化するための方法及びシステムを開示し、特に、幹細胞を活性化して誘導するための、変調された超高速レーザー・インパルスの使用法を開示する。

幹細胞は、損傷または変性した細胞を置換するための治療の可能性を提供するが、治療は、十分な数の幹細胞を標的位置へ効果的かつ効率的に誘導して所望の結果を達成することができないことによって制限される。活動性の炎症性疾患の場合、幹細胞はある程度は自然に標的組織に誘引されるが、一般に、幹細胞が標的位置へ能動的に誘導及び/または導通される度合いを増加及び改善する必要性が存在する。このことは、特に、離断後の脊髄のような過去に治癒した損傷を治療しようとする際に当てはまる。

米国特許第6811564号明細書

従って、必要なものは、幹細胞を治療領域へ輸送し、接着、分化、及び融合を刺激する方法である。

以下に説明するように、Kg1a細胞入りのフラスコを通して振幅変調レーザービームを当てる際に、これらの細胞が予期せずに列をなすこと、これらの細胞が、ビームが当たった箇所で互いに接着することが判明している。試験時に、幹細胞的な特徴を有する原生細胞株Kg1aが、造血幹細胞マーカーCD34の発現を増加させたことが判明している。さらなる検討時に、変調レーザー信号の性質が細胞接着、及びアルファ・インテグリン(細胞膜貫通受容体タンパク)及びベータ・インテグリンとして知られているコミュニケーション分子にとって広範囲に刺激的であることもわかっている。フローサイトメトリーは、細胞表面上のベータ1、ベータ2、及びアルファ4インテグリン分子の、24時間でピークに達し48時間後に下降する、変動はあるが大幅な増加を示している。眼視観測は、細胞入りのフラスコにビームを指向させた際にいつも、細胞−細胞、及び細胞−(フラスコの)表面の接着が著しく増加した、ということであった。従って、刺激は幹細胞の移動及び局在を増加させつつ、幹細胞における接着分子の発現も増加させることが究明された。これに加えて、こうした共鳴信号で刺激した組織は、ビームを指向させた箇所へ幹細胞を引き寄せ、幹細胞が組織内に残ることを手助けし、この組織も刺激されてより高い接着特性を有する。以下にさらに説明するように、SONG(Strachan-Ovokaitys Node Generator:ストラッチャン−オボカティス・ノード生成)装置は、無損傷変調によりずっと深い貫入深度を有する。従って、このことは、幹細胞の有向性の移動及び接着を、再生または修復の必要時に標的組織に輸送される幹細胞の量を増加させる特定の意図をもって可能にする。

本発明は、損傷した生物組織、例えば組織、腎組織、血管、免疫細胞、心臓組織、軟骨組織、骨組織、歯、肝組織、内分泌組織、下垂体組織、胸腺組織、椎間板、脳組織、脊髄組織、または神経組織を、非活性化幹細胞を取得し、所定波長及び所定振幅を有する振幅変調レーザービームで非活性化幹細胞を処理することによって活性化幹細胞を形成し、そして、こうした生物組織を含む体内に活性化幹細胞を投与することによって修復する方法に指向したものである。

この方法は、ホーミングビームを用いて、活性化幹細胞を体内の上記生物組織の位置に誘導するステップをさらに含むことができる。随意的に、上記所定波長は450〜980ナノメートルの範囲内である。随意的に、(振幅変調の)所定周波数は8〜12MHzの範囲内である。随意的に、非活性化幹細胞を処理する前に、レーザービームをビームエキスパンダー(ビーム拡大器)に通すことによって2〜10倍の範囲内に拡大することができる。随意的に、非活性化幹細胞を処理する前に、レーザービームをストラッチャン−オボカティス・ノード生成装置に通すことができる。随意的に、非活性化幹細胞を処理する前にレーザービームの位相相殺を調整して、所定出を実現することができる。

随意的に、非活性化幹細胞を処理するステップが、405〜980ナノメートルの範囲内にある波長を有する振幅変調レーザービームを、非活性化幹細胞を含む容器に当てて、この容器を3〜5秒毎に1回転の速度で回転させ、回転と同時に、この容器を各向きにおよそ15秒間ずつ上下に移動させることを含むことができる。随意的に、レーザービームは674nmの波長を有することができる。随意的に、非活性化幹細胞は自家(自己)または外因性とすることができる。随意的に、非活性化幹細胞と比べて、活性化幹細胞は、アルファまたはベータ・インテグリンの発現の増加、CD34の増加、またはホーミングビーム方向の移動活動の増大、のうちの少なくとも1つを含む。随意的に、レーザービームの周波数を8〜12MHzの範囲内で変調する。好適例では、レーザービームの位相相殺を調整して、非活性化幹細胞を処理する前に所定出力を実現する。

随意的に、外因性の非活性化幹細胞は、胎盤及び/または臍帯血から調達する。

本発明は、損傷した生物組織、例えば肺組織、腎組織、血管、免疫細胞、心臓組織、軟骨組織、骨組織、歯、肝組織、内分泌組織、下垂体組織、胸腺組織、椎間板、脳組織、脊髄組織、または神経組織を修復、再生、治療、または手当てするためのシステムにも指向している。このシステムは、振幅変調レーザービームを発生するための振幅変調器と、振幅変調レーザービームを拡大するためのビームエキスパンダーと、レーザービームの位相相殺を調整して所定出力のレーザービームを得るための位相相殺装置と、幹細胞を含むように構成された容器と、ホーミングビームとを具え、レーザービームは、所定期間だけ容器に向けて指向させて活性化幹細胞を形成するように構成され、ホーミングビームは、損傷した生物組織に指向させるように構成され、かつ損傷した生物組織に向けて活性化幹細胞を誘導するように設定されている。

随意的に、このシステムは、所定波長のレーザービームを得るためのストラッチャン−オボカティス・ノード生成装置をさらに具えている。随意的に、振幅変調レーザービームは、405〜980ナノメートルの範囲内にある波長を有する。随意的に、振幅変調レーザービームは、8〜12MHzの範囲内の周波数を有するように変調されている。随意的に、振幅変調レーザービームは、当該振幅変調レーザービームを2〜10倍の範囲内で拡大するためのビームエキスパンダーに通すように構成されている。随意的に、上記容器は、3〜5秒毎に1回転の速度で回転すると同時に、およそ15秒間上下に移動するように構成されている。随意的に、振幅変調レーザービームによる露光後に、活性化幹細胞は、アルファまたはベータ・インテグリンの発現増加、CD34の増加、またはホーミングビーム方向の移動活動の増大、のうちの少なくとも1つを含む。

本願は、損傷した生物組織を修復する方法を開示し、この方法は、非活性化幹細胞を取得するステップと、所定波長及び所定振幅を有する振幅変調レーザービームで非活性化幹細胞を処理することによって活性化幹細胞を形成するステップと、こうした生物組織を含む体内に活性化幹細胞を投与するステップと、ホーミング・コヒーレント・レーザービームを、損傷した生物組織と相互作用するように、少なくとも1つの軸に沿って当てるステップとを含む。

随意的に、ホーミング・コヒーレント・レーザービームは、20%〜90%の位相相殺を用いて発生する。非活性化幹細胞は、末梢血、骨髄、脂肪、または歯髄のうちの少なくとも1つを含む自家の調達源から採取する。非活性化幹細胞は、患者の臍帯血または胎盤のうちの少なくとも1つを含む外因性の調達源から採取する。非活性化幹細胞は、遺伝子が適合する幹細胞ドナー(提供者)から調達することもできる。上記所定波長は405〜980ナノメートルの範囲内である。上記レーザービームは674ナノメートルの波長を有する。上記レーザービームは、サブフェムト秒(1フェムト秒未満)の持続時間の短時間パルス列を含むことができる。非活性化幹細胞を処理する前に、レーザービームをビームエキスパンダーに通すことによって2倍〜10倍の間で変動する範囲内に拡大する。非活性化幹細胞を処理する前に、レーザービームをストラッチャン−オボカティス・ノード生成装置に通してレーザービームの位相相殺を調整して、非活性化幹細胞を処理する前に所定出力を実現する。随意的に、非活性化幹細胞を処理するステップは、活性化プロセス中に、非活性化幹細胞を含む容器に振幅変調レーザービームを当てて、容器を回転させると同時に縦方向に上下に移動させることを含むことができる。容器は、3〜5秒毎に1回転の速度で回転させ、各向きに15秒の持続時間だけ上下に移動させる。非活性化幹細胞と比べて、活性化幹細胞は、アルファ・インテグリンまたはベータ・インテグリンの発現の増加、CD34の増加、またはホーミングビーム方向の移動活動の増大、のうちの少なくとも1つを含む。上記生物組織は、心筋組織、肺組織、腎組織、血管、免疫細胞、心臓組織、軟骨組織、骨組織、歯、肝組織、内分泌組織、下垂体組織、胸腺組織、椎間板、脳組織、脊髄組織、膵臓組織、及び神経組織のうちの少なくとも1つである。随意的に、非活性化幹細胞は、血液中にあって分離抽出される休眠細胞である。

本願は、患者の損傷した心臓組織を治療する方法を開示し、この方法は、非活性化幹細胞を取得するステップと、所定波長及び所定振幅を有する振幅変調レーザービームでこれらの幹細胞を処理することによって活性化幹細胞を形成するステップと、活性化幹細胞を患者の静脈内に投与するステップと、ホーミング・レーザービームが心臓組織と相互作用するように、ホーミング・レーザービームを少なくとも1つの軸に沿って経皮的に当てるステップとを含む。ホーミング・レーザービームは20%〜90%の位相相殺を用いて発生する。

本願は、患者の神経疾患を治療する方法を開示し、この方法は、非活性化幹細胞を取得するステップと、所定波長及び所定振幅を有する振幅変調レーザービームでこれらの幹細胞を処理することによって活性化幹細胞を形成するステップと、活性化幹細胞を患者の静脈内に投与するステップと、ホーミング・コヒーレント・レーザービームが患者の脳組織及び/または脊髄組織と相互作用するように、ホーミング・コヒーレント・レーザービームを少なくとも1つの軸に沿って経皮的に当てるステップとを含む。随意的に、ホーミング・コヒーレント・レーザービームを、脊髄組織全体にわたって掃引し、脳組織全体にわたって掃引する。随意的に、ホーミング・コヒーレント・レーザービームを、20%〜90%の位相相殺を用いて発生する。

本発明の上述した好適例及び他の好適例を、以下に提供する図面及び詳細な説明中に、より深く説明する。

本発明のこれら及び他の特徴及び利点を明らかにし、これらの特徴及び利点は、以下の詳細な説明を、添付した図面に関連して考慮しつつ参照することによって、より良く理解できるようになる。

米国特許第6811564号明細書に開示されたストラッチャン−オボカティス・ノード生成装置を示す図であり、同明細書はその全文を参照することによって本明細書に含める。

5mmの開口を有する1パーセント帯域幅相殺プレートによるわずかな建設的干渉効果を示す図である。

本発明の実施形態による、幹細胞を活性化し、これらの幹細胞を用いて治療を必要とする組織を治療する方法を示すフローチャートである。

本発明の実施形態による、レーザーベースのプロセスを用いることによって幹細胞を活性化するステップを示す図である。

本発明の実施形態による、所定の波長及び出力を有する振幅変調レーザービームを、非活性化幹細胞を含む容器に当てることによって活性化幹細胞を生成するシステムを示すブロック図である。

末期の心不全疾患の治療のための幹細胞注入後90日の期間中に種々の時間間隔で臨床試験に参加した患者について、駆出率値を示す表である。

末期の心不全疾患の治療のための幹細胞注入後90日の期間中に種々の時間間隔で臨床試験に参加した患者について、駆出率値を示すグラフである。

治療の90日後の臨床試験に参加した患者について、駆出率値の純変化を示すグラフである。

詳細な説明 本発明は、非活性化幹細胞を処理することによって得られる幹細胞の組成に指向している。一実施形態では、本明細書中に説明する方法及びシステムが、レーザー光の振幅変調パルスを非活性化幹細胞に当てて活性化幹細胞を作製することを含む。種々の実施形態では、幹細胞は、大幅に多数の同じ種類の細胞を生じさせることができ、これらの細胞からの分化によって他の特定種類の細胞を生じさせることができる、多細胞生物の未分化細胞として定義することができる。

幹細胞は、「自己再生」と称されるプロセスにより分裂して、それ自身と同一のコピーを作製する能力を有する。幹細胞は、分裂して、体内のあらゆる種類の組織及び器官を作製する細胞に成長することもできる。理論的には、ロバスト(頑健)な幹細胞の十分大量の投与量が、損傷または変性した組織を完全に修復することができる。しかし、実際には、人体内の所望組織に幹細胞を適用することは容易ではない。これらの細胞を所望位置まで輸送し、この所望位置に定着させ、所望位置の修復を実現することに関連する強大な挑戦が存在する。今までは、これらの目的を達成することの失敗が、幹細胞治療の有用性を制限し、大いに疑わしい結果を生じさせてきた。

レーザーベースの幹細胞治療が、有望な結果を示してきた。レーザービームの使用は、幹細胞をビーム位置まで迅速かつ強力に誘引し、細胞接着も増加させ、これにより幹細胞は所望位置を通過せずに所望位置に留まる。細胞接着は、局部組織が所望の修復に向かうことを可能にする細胞−細胞の通信の基礎となる。

一般的な幹細胞治療は、結果を観察するために3〜6週間を必要とし得るし、その結果は限定されるか統計的に有意性でないことがある。これとは対照的に、本明細書中に開示する、レーザーで活性化して誘導する幹細胞は、24時間未満で臨床改善を生じさせている。さらに、症状回復及び客観的回復は他の方法よりもずっと大きい。

実施形態では、本明細書は優れたレーザー誘導プラットフォームを記載し、このレーザー誘導プラットフォームは、幹細胞を事前活性化して接着特性を強化すること、及びその後に、深く貫入する低エネルギー・レーザービームの使用によりこうした幹細胞を所望組織に適用することを含む。

本発明の一実施形態では、非活性化幹細胞が自家または外因性である。レーザー光のパルスは、300nm〜1000nmの範囲内の波長を有し、一実施形態ではおよそ674nmの波長を有する。一実施形態では、レーザー光のパルスが、非活性化幹細胞に当てられる前にビームエキスパンダーを通過して位相共役波になる。

種々の実施形態では、活性化幹細胞が、元の幹細胞に比べて、次の改善された特徴のうちの少なくとも1つを有する:アルファまたはベータ・インテグリン、より具体的には、アルファ4、ベータ1またはベータ2・インテグリンの細胞表面発現の増加、CD34の増加、またはビームを当てる方向の移動活動の増大。

他の実施形態では、本明細書は、再生、再構成、または修復を必要とする組織の領域を有する患者を治療する方法を開示し、この方法は、活性化幹細胞を含む組成物を患者に投与するステップと、レーザービームを用いて、活性化幹細胞をこの組織の領域まで誘導するステップとを含む。実施形態では、レーザービームが、レーザー光の振幅変調パルスを含んで、活性化幹細胞の三次元方向の局在を生じさせる。標的組織への活性化幹細胞の接着は、非活性化幹細胞の接着に比べて高度である。一実施形態では、上記治療する方法が、ある患者では、脳性まひにより生じる神経学的欠損を回復に向かわせる結果を生じさせる。他の実施形態では、上記治療する方法が、他の患者では、心筋組織を再生して心機能を改善する結果を生じさせる。さらに他の実施形態では、上記治療する方法が、ある患者では、脊髄損傷を修復する結果を生じさせる。

本発明の種々の実施形態は、振幅変調レーザービームを、細胞入りのフラスコを通過するように当てることを含む実験に基づく。上記の実験における一般的観察は、細胞が多数の細胞から成る列の形に並んで、ビームを当てた領域内で互いに接着する、ということであった。一実施形態では、幹細胞的な特徴を有する原始細胞列Kg1aが、造血幹細胞マーカーCD34の発現を増加させたことが判明している。さらなる検討時には、変調レーザー信号の性質が細胞接着、及びアルファ・インテグリン及びベータ・インテグリンとして知られているコミュニケーション分子にとって広範囲に刺激的であることもわかっている。フローサイトメトリーは、細胞表面上のベータ1、ベータ2、及びアルファ4インテグリン分子の、24時間でピークに達し48時間後に下降する、変動はあるが大幅な増加を示している。眼視観測は、細胞入りのフラスコにビームを指向させた際にいつも、細胞−細胞、及び細胞−(フラスコの)表面の接着が著しく増加した、ということを示している。幹細胞の移動及び局在を増加させつつ、幹細胞内の細胞接着分子発現を増加させる刺激、並びにこうした共鳴信号で刺激された組織は、ビームを指向させた箇所へ幹細胞を引き寄せて、このように刺激されて接着性を増した組織内に留まることを手助けしやすくなる。

一実施形態では、本明細書中に開示する方法により活性化した幹細胞が、活性化していない幹細胞に比べて細胞接着性の度合いを増す。一実施形態では、本明細書中に開示する方法により活性化した幹細胞が、活性化していない幹細胞に比べてCD34の発現の度合いを増す。一実施形態では、本明細書中に開示する方法により活性化した幹細胞が、活性化していない幹細胞に比べてインテグリン分子の発現の度合いを増す。

以下でさらに説明するように、SONG装置により生成したビームは、無損傷変調によりずっと深い貫入深度を有する。このことは、幹細胞の有向性の移動及び接着を、再生または修復の必要時に標的組織に輸送される幹細胞の量を増加させる特定の意図をもって可能にする。なお、本発明は、従来技術に比べて顕著に改善された治療結果を達成する、というのは、本発明で使用する放射は、以前に開示した放射ベースの幹細胞の誘導またはホーミング方法よりもずっと大きな貫入深度を実現するからである。具体的には、従来技術の放射ベースの幹細胞の誘導またはホーミング方法は、患者の表皮表面下に最大でも5mmしか貫入することができない。これとは対照的に、本発明で使用する光源は、体内に深く貫入することができ、従って、あらゆるすべての内蔵器官と接触し、これにより、静脈内に導入された活性化幹細胞のあらゆるグループをあらゆる器官へ誘導することを可能にし、これらの器官は、胃、小腸、大腸、直腸、肛門、肺、鼻、気管支、腎臓、膀胱、尿道、下垂体、副腎、甲状腺、膵臓、副甲状腺、前立腺、心臓、血管、脾臓、子宮、睾丸、卵巣、乳腺、脳、及び脊髄を含む。一実施形態では、開示した治療の各々がホーミング(帰還)ステップを有し、このステップでは、以下に説明する放射源を患者の外部に配置し、これにより、発生する放射は、体を通って標的組織に至る最短で最も直線的な経路を有する。

本明細書中に開示するシステム及び方法は、活性化幹細胞を用いることによって人体のすべての器官を治療するために使用される。こうした幹細胞をあらゆる組織または器官に指向させることによって、組織または器官の修復が何倍にも加速される。種々の実施形態では、本明細書中に開示するシステム及び方法は、組織及び器官のうちとりわけ、肺、腎臓、血管、免疫機構、骨、歯、肝臓、甲状腺及び膵臓、下垂体及び胸腺のような内分泌組織、椎間板を再建するために用いられる。本明細書中に開示する実施形態を用いた、患者の代表的疾患の治療は次の通りである: ・鬱血性心不全を治療した。重度の終末期疾患(15%範囲内の心室駆出率)を有する患者は、治療日内に効果を示した。2〜3回の治療セッション(期間)を含む3〜6週間の期間にわたって、50〜100%、あるいはそれ以上の心室駆出率の相対的な増加が見られた。臨床症状の顕著な改善、及び症状の緩和が、本発明のシステム及び方法を用いて治療した患者に観察された。 ・パーキンソン病を治療した。治療した患者は、震え(振戦)の低減、硬直の減少、及びより大きな安定性を伴うより長い歩幅を示した。発話、呼吸、及び協調運動も大幅に改善された。 ・局在する神経損傷の領域へ幹細胞を誘導した際に、多発性硬化症を大成功で治療した。急性憎悪期であった被験者は、1時間の治療中に、腕力及び脚力の改善、より良好な発話、及び協調運動の強化を示した。 ・脊髄損傷を治療した。治療した患者は、治療後の6〜8週間かけて進行する中段中舌損傷よりも下方で、腕及び脚の機能及び感覚の改善を示した。 ・脳性まひを治療した。治療した患者は、痙性の低減、動きの範囲の増加、及び微細運動協調性の改善を示した。単一回の治療が、立ち止り及び歩行ができなくなった患者にも、新たな機能的能力をもたらすことができる。 ・筋委縮性側索硬化症(ALS(amyotrophic lateral sclerosis)またはルー・ゲーリック秒(Lou Gehrig’s Disease))を治療した。このプロトコルは、急速進行性の延髄症状(後期であるものとは対照的に、発話及び嚥下で発症する)における顕著な回復を示した。1時間の治療中に、患者は腕力及び脚力を増強し、発話、嚥下、及び舌の協調運動の改善を伴った。8週間の治療後処置で、予期された進行に戻る代わりに、患者は大幅に改善された安定な状態にあり続けた。 ・膝の故障を治療した。治療した患者は、膝関節軟骨の裂傷、具体的には半月板の急速な治癒を示し、骨内または骨上にある軟骨の再生さえもできた。 ・老化防止治療を提供する。若返り目的でレーザー活性化幹細胞治療を受けた患者は、機能及び若々しさの改善を示した。

本発明は多数の実施形態に指向している。以下の開示は、通常の当業者が本発明を実施することができるために提供する。本明細書中に用いる文言は、いずれの特定実施形態の全体的な否定としても解釈するべきでなく、あるいは本明細書中に用いる用語の意味を超えて特許請求の範囲を限定するために用いるものとして解釈するべきでない。本明細書中に規定する一般的原理は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなしに、他の実施形態及び応用に適用することができる。また、使用する専門用語及び言い回しは、好適な実施形態を説明する目的であり、限定的であるものと考えるべきでない。従って、本発明は、開示する原理及び特徴と一致する非常に多数の代案、変更、及び等価物を包含する最も広い範囲と一致するべきものである。明瞭にする目的で、本発明に関係する技術分野において知られている技術的題材に関係する細部は、本発明を無用に曖昧にしないように、詳細には説明していない。

なお、本明細書では、特定の実施形態に関連して記載するあらゆる特徴または構成要素は、特に断りのない限り、他のいずれの実施形態でも使用し実現することができる。

種々の実施形態では、活性化のために、幹細胞をレーザープロセスで処理し、このレーザープロセスは、ストラッチャン−オボカティス・ノード生成装置またはSONG装置のようなビームエキスパンダーを通した所定レーザー波長、所定の振幅変調で幹細胞を露光することを含み、こうしたSONG装置は米国特許第6811564号明細書(特許文献1)に開示され、特許文献1は参照することによって本明細書に含める。

図1は、特許文献1に開示されたSONG装置を示す。図1を参照すれば、SONG装置はレーザーダイオード2を具え、レーザーダイオード2は振幅変調器1によって制御される。レーザーダイオード2は、電流と波長との間にほぼ直線的な関係を有して最小のモード・ホッピング(モード跳び)を伴うように選択する。振幅変調器1はレーザーダイオード2への電流を変調し、レーザーダイオード2は、以下に説明する目的で、レーザーの非常に小さい波長変調を生じさせる。

レーザーダイオード2の出力は、レンズ3によってコリメート(平行光に)されて光学素子4に渡される。光学素子4は、第1回折格子、屈折素子、及び第2回折格子から成り、これによりビームが実質的に相殺される。このことは、単一の臨界波長ではなく、レーザー源の波長分散の小さい割合にわたって相殺が発生することを可能にする。相殺光学器4の受容帯域幅を超える、中心周波数の上方及び下方の波長は、相殺されずに通過する。このことは、複素のフレネル/フランホーファ(Dresnel/Fraunhoffer)ゾーンが生成されることを意味し、このゾーンは高周波数と低周波数とのうなり(ビート)周波数によって、開口の関数として定義される。その結果、図2に示すように、比較的疎らな建設的干渉のゾーンが、相殺素子の高周波数通路と低周波数通路との間に、開口から選択した方向に発生する。図2は、5mm開口の1パーセント帯域幅相殺プレートによる疎らな建設的干渉効果を示す。黒色が建設的ノードを表す。

図1に見られるように、光学素子4は、位置4Aと4Bとの間で度的に調整することができる。このことは、建設的干渉と相殺的干渉との比率を変化させる。

実際には、連続ビームを、一般にサブフェムト秒(1フェムト秒未満)の持続時間の、極めて短い持続時間のパルスの列に変換する。レーザーダイオード2の小さい波長変調は、建設的ノード及び相殺的ノードを、コリメータレンズ開口のフレネルゾーンの体積を通って急速に移動させる。このことは、フレネルゾーン内の任意の点で非常に短い(サブピコ秒の)パルス挙動を刺激し、このフレネルゾーンを、ノードが、振幅変調器の周波数によって決まるパルス繰り返し周波数で通過する。

理論的な単一経路については、相殺的干渉ゾーン及び建設的干渉ゾーンの波長が、上記2つの周波数の差になる。相殺素子の帯域幅が狭ければ、この差は非常に小さく、相殺/非相殺サイクルの有効波長は非常に長くなり、ピコ秒のオーダーになる。従って、上記システムは、相殺のないシステムとほぼ同様に挙動する、というのは、有用なフレネル/フランホーファ・ゾーンを生成するために、主たる光波長よりもずっと大きい開口を必要とするからである。こうした開口の十分にコヒーレントな光源を生成することが可能であっても、こうした光源は、利用可能なファイマン(Feynman)図の経路を大幅に増加させて、あらゆる有用な効果をなくす。

うなり周波数を十分に高くすることができれば、相殺−非相殺サイクルの波長は、実用的な開口のごく一部とすることができる。このことは、こうした波長を十分に小さくして、ファイマン経路を自由空間内で1サイクルまたは2サイクル以内に制限して、フレネル/フランホーファ効果が明らかになることを可能にする。接合の電流及び温度を調整することによって、レーザーダイオードの中心周波数及びスペクトル拡散が変調されるので、一方または両方の通過周波数の波長の非常に小さい変動によって、フレネル/フランホーファ・ゾーンのパターンは大幅に変化する。こうした変調は、振幅変調器2によって図1の開口内に生成される。

従来のコヒーレントまたは非コヒーレントなビームは、ファイマン図中に高確率の経路を有する。これらの経路どうしは非常に低い周波数(kHz)でオーバーラップ(重複)し、分子共鳴の刺激における実用性はほとんどない。しかし、上述した現象は、ビームが事実上連続になる点まで変調周波数を増加させるための手段として用いられる。従って、開口、媒質を透過するように選択したビームの領域、及び変調周波数を適切に選択することによって、建設的ノードが、ビーム中のあらゆる所定の点を、変調周波数の何倍も高い周波数で通過することができる。理想的な条件では、任意の点にある建設的ノードによる露光の持続時間は、1サイクル当たり1回反復される分子周波数の波長の持続時間の4分の1に等しい期間になる。

レーザーの波長を、原子構造によって容易に吸収されるものに選定する場合、共鳴に誘導することが望ましく、その結果、ビームは所望の変調周波数を所望の分子に効率的に伝達する。細胞接着分子、及びアルファ4及びベータ1のような人間のインテグリンは、理想的には、この方法によって化学的活性に励起することに適している。

本明細書中に説明する治療用の細胞の発生源は、自家にも外因性にもすることができる。自家幹細胞は、こうした細胞で治療される人間と同一人物から抽出した細胞を参照する。これらの細胞は遺伝子が適合して、細胞の拒絶反応の恐れをなくす。現在の方法では、自家幹細胞は、末梢血、骨髄、または脂肪から抽出するか濃縮するかのいずれかであるが、他の組織も自家幹細胞の調達源となり得る、というのは、体の実質的にすべての組織が、それ自体の幹細胞の貯蔵部を有するからである。

幹細胞の好適な外因性調達源は臍帯血である。臍帯血からの幹細胞は非常にロバストであり、長いテロメア(染色体末端部位)(新生児レベルの遺伝子の加齢時計レベル)及び強い組織修復能力を有する。機能的には、幹細胞の拒絶反応、及び移植片対宿主拒絶反応(GVHD:graft versus host disease)は、無損傷の免疫機構との関連では、こうした細胞の調達源における問題ではなかった。適合する骨髄も、細胞の調達源とすることができるが、拒絶反応及びGVHDを回避するためには高度な適合が要求される。実際に、再生用には、抗白血病の医療養生法とは対照的に、臍帯血幹細胞が安全に使用されている。

政府認可の臨床試験で用いられる本発明の一実施形態では、臍帯血から調達した幹細胞、及び単一の分娩からの胎盤を、末期心不全疾患の治療に使用し、得られた結果は極めて有望であった。

図3は、本発明の実施形態による、幹細胞を活性化し、これらの幹細胞を用いて治療を必要とする組織を治療する方法を示す。図3を参照すれば、投与される自家または外因性幹細胞を、患者に投与する前に、変調レーザー光の超高速インパルスで前処理する。概略的手順は、まず、治療用の細胞を、生物学的に適合した溶液中の自家または外因性幹細胞を分離することによって用意すること(ステップ301)を含む。次に、以下の例でさらに説明するように、これらの幹細胞をレーザープロセスで処理し(ステップ305)、このレーザープロセスは、ストラッチャン−オボカティス・ノード生成装置のようなビームエキスパンダーを通過する所定レーザー波長、所定の振幅変調で幹細胞を露光することを含む。

ここで活性化された幹細胞を患者に投与し(ステップ310)、この投与は、通常はIV(intravenous:静脈内)注入によるが、鼻腔内、CSF(cerebrospinal:脳脊髄)内、あるいは選択的な関節内または動脈内注入のような他の経路も可能である。これらの幹細胞は、ホーミングビームを経皮的に、所望の標的体積内で交差する2つ以上の軸から標的組織へ指向させることによって、標的治療位置まで誘導される(ステップ315)。患者の臨床反応を評価し、最適または所望の結果を達成するまで、必要に応じてこの手順を繰り返す(ステップ320)。

ホーミングビーム、あるいは誘導信号は、少なくとも1つの軸、好適には2つの軸から、治療される器官または組織の体積全体の表面上に経皮的に指向されることが好ましい。従って、患者はテーブル上に位置決めされ、外部に配置されたレーザービームが、第1軸に沿って標的組織に至る最も直線的な経路を有するように、かつ、レーザービームを第2位置及び/または第3位置へ移動させて、レーザービームが第2及び第3軸に沿って標的組織に至る直線的経路を有するように位置決めされ、第2及び第3軸は、互いに対して異なる方向、かつ第1軸に対して異なる方向を向く。次に、20〜90%の位相相殺、好適には50%〜70%の位相相殺、より好適には60%の位相相殺を用いて、コヒーレントなレーザービームを発生する。このコヒーレントなレーザービームは、さらに、治療する領域のサイズに応じて、特定の解剖学的部位を標的とするように、あるいはある解剖学的部位を掃引するように構成されている。例えば、誘導またはホーミング・レーザービームは、より大きな器官を、1秒当たりおよそ1〜2cmで掃引することができる。

図4に、本発明の実施形態による、レーザーベースのプロセスを用いることによって幹細胞を活性化するステップを示す。種々の実施形態では、自家または外因性幹細胞を用意し、これらの幹細胞をレーザープロセスで処理するステップが、回転が可能な容器内に非活性化幹細胞を配置すること(ステップ410)を含む。一実施形態では、容器の回転速度が3〜5秒毎に1回転である。一実施形態では、容器が回転面に直交する平面内でも移動する。容器は、回転面に対して上向き及び下向きに、各向きに約15秒の持続時間だけ移動する。一実施形態では、容器の高さが、非活性化幹細胞を処理するために使用するレーザービームの高さの倍数である。

次に、ステップ420では、所定波長を有する振幅変調されたレーザービームを発生する。種々の実施形態では、レーザービームが405〜980ナノメートル(nm)の範囲内の波長を有する。一実施形態では、レーザービームがおよそ674nmの波長を有する。一実施形態では、レーザービームの周波数を8〜12MHzの範囲内で変調する。

ステップ430では、レーザービームをビームエキスパンダーに通してビームを2〜10倍に拡大する。他の実施形態では、レーザービームを2倍未満または10倍以上に拡大する。次に、ステップ440では、レーザービームを、以上で図1及び図2を参照して説明したもののようなストラッチャン−オボカティス・ノード生成装置に通す。

ステップ450では、位相相殺を調整して、要求されるレーザービームの出力を実現する。位相相殺は、出力を測定し、測定した出力が最大値であることによって定義される最小の相殺にビームを調整し、そして測定した出力がこのレベルまで減少して所望の比率計算値に達するまで、角度を変更することによって調整する。

ステップ460では、回転する容器にレーザービームを当てて幹細胞を活性化する。

一実施形態では、上述したプロセスが、非活性化幹細胞の投与に比べてアルファ4、ベータ1、及びベータ2インテグリンの細胞表面発現が増加した幹細胞を生じさせる。一実施形態では、上述したプロセスが、非活性化幹細胞の投与に比べて、造血幹細胞表面マーカーCD34がおよそ30〜35%が増加した幹細胞を生じさせる。

図5は、所定波長を有し、所定出力を有する振幅変調レーザービームを、非活性化幹細胞を含む容器に当てることによって活性化幹細胞を生成するためのシステムを示すブロック図である。システム500は、非活性化幹細胞を含む容器510と、レーザービームを変調して405〜980ナノメートルの範囲内の振幅変調を有するレーザービームを得るための振幅変調器520と、このレーザービームを2〜10倍に拡大するビームエキスパンダーと、レーザービーム550の位相相殺を調整して所定出力のレーザービームを得るための位相相殺装置としてのストラッチャン−オボカティス・ノード生成装置540とを具えている。種々の実施形態では、容器を3〜5秒毎に1回転の速度で回転させ、及び/または同時に容器を各向きにおよそ15秒間ずつ上下に移動させる

実施形態では、本明細書中に説明するシステム及び方法が、新生児細胞の生物学的効果を有する幹細胞を作製することができる。実施形態では、非活性化幹細胞内の陽性細胞がテロメラーゼ化されて、活性化時にテロメラーゼを新生児のように長く、できれば、さらに長く有するように、非活性化幹細胞を処理する。さらに、生成される活性化幹細胞は、成長因子または化学物質の添加が全くない。

代表的な幹細胞ベースの治療は、体重1kg当たり約100万個の幹細胞を必要とし、このことは、大部分の大人用には約5000万〜1億個の幹細胞を意味する。実施形態では、本明細書中に説明する治療が、約10億個の高度に活性化された粒子または幹細胞を生み出す。先進の免疫磁性分離を含む実施形態では、約100億個の粒子を生成することができる。

本明細書中に説明するシステム及び方法の他の重要な利点は、活性化粒子のサイズに関係する。自家または外因性の治療では、代表的な10ミクロン・サイズの幹細胞を静脈内注入の手段により投与すれば、これらの幹細胞が高い確率で肺の毛細血管内に捕捉され、このことは、実際の全身輸送が投与量の小さい割合であることを意味する。本発明の実施形態では、微小サイズの粒子を生成し、これらの粒子は神経学的な用途において利点をもたらす。一実施形態では、1〜2ミクロン・サイズの活性化粒子が、より容易な肺の通過、及び血液脳関門の通過も可能にする。

本明細書中に説明する、レーザーで活性化されて誘導される幹細胞治療は、2つの重要な面で非常に優れている。第1の面は、死んでいるように見える休眠循環修復細胞を刺激して活性及び高機能にする能力である。他の面は、ビームが組織内に指向される箇所へ細胞を誘引し、細胞の接着性を増加させ、これにより、細胞が指向された位置における細胞の融合を支援するレーザー誘導信号の生成である。これらの性質は共に、こうした活発に進化する分野で、他の方法とは別に、こうした働きを設定する。このように覚醒された幹細胞は、これらの幹細胞を取り出した人物と理想的に適合して、これらの幹細胞を、再生用の細胞の安全で特に有力な発生源にする。

休眠修復粒子の並外れた性質は、これらの粒子がテロメラーゼ陽性であることである。テロメラーゼは、テロメアとして知られている染色体の末端領域を延長する酵素である。人間が生まれた時には、テロメアが長い。細胞が分裂する毎に、テロメアがほんの少し欠落しがちであり、テロメアは時間と共に短くなる。テロメアは靴ひもの先端のプラスチックに例えられ、靴ひもの先端のプラスチックは、靴ひもがほぐれてほつれることを避けるために必要である。テロメアが短くなると、細胞はより低頻度で分裂して、器官及び組織はそのサイズ及び機能が退行する。テロメアが短くなり過ぎて、誕生時の長さの約半分になると(そして、受胎時の長さの3分の1になると)、このことは通常、人間の寿命の限界である。テロメラーゼは、テロメアを再び長くして、老化時計を文字通りに巻き戻すことができる。この酵素は、通常は停止状態であり、このことが細胞及び組織に老化が生じる理由である。休眠細胞が覚醒されると、これらの休眠細胞は、活性化されたテロメラーゼの生命力により活性になり、1日前の生態、あるいはさらに若い生態の抜群に長いテロメアを伴う。

幹細胞治療にとって最大の障害は、通常、所望の修復に影響を与えるために、細胞を意図した位置に局在させて接着させることである。心不全に対しては、心臓カテーテルを用いて幹細胞を心臓の動脈内に直接注入してきた。多数発表されている研究の要約は、この方法が心機能を180日で約8%向上させたことを示している。レーザー活性化されレーザー誘導される幹細胞によれば、比較臨床試験では、最小侵襲のIVルートであるがレーザー誘導によって与えられた幹細胞は、1回の治療により、50%以上高い臨床効果を、約60倍の速さで、たった3日で示した。レーザー誘導は、幹細胞を局在させるために、動脈内に直接注入するより侵襲的な方法よりもずっと効果的であることがわかった。この効果の度合いは、疾病過程の時間的経過を5〜15年戻すことと同程度であり、本質的に組織の時計を巻き戻す。

事例研究1:レーザー誘導幹細胞が脳性まひを回復に向かわせる。 患者:低酸素性脳障害による脳性まひのある20歳の女性が、幼年期以来、重度の身体障害を有していた。彼女の認知力は相当良好に保たれていたが、彼女は著しい痙性を有し、彼女の膝は重度な屈曲の制約があった。彼女の発話は理解可能であり分かりやすいが、息漏れ声であった。彼女の検査は、共同注視の平衡異常が目立ち、右目が外向きに動きがちであった。他の脳神経検査は、発話に軽度の構音傷害があった以外はかなり正常であった。彼女の上肢力は、握力が弱い以外は正常であり、体調は比較的正常であった。これとは対照的に、下肢は著しい痙性を示し、膝の屈曲は45度までであり、このため支えなしで立つことはできなかった。

治療:1000万個の臍帯血幹細胞を注入用に用意した。これらの幹細胞を約3ccに濃縮した。これらの幹細胞は、注入前に、波長674nm、10MHzの振幅変調のレーザーで処理し、このレーザーは、まず5倍のビームエキスパンダーを通過させ、次に、本明細書中に説明するストラッチャン−オボカティス・ノード生成装置またはSONG装置を通過させた。

上記装置による最小の位相相殺で、出力は1.15mWであり、次に、光学系を調整することによって位相相殺して0.46mWの出力にした。残った光は建設的干渉の疎らなノードの形態をなし、通常の可視波長のレーザー光よりもずっと大きい貫入深度を有し、2〜5mmを超えて強度に散乱される。幹細胞は、幹細胞を含む注射器を、ビームを通して77秒間低速で回転させることによって活性化した。

活性化した幹細胞を、3秒の期間にわたるIVプッシュ(静脈内押し込み)によって患者に投与した。活性化幹細胞の注入時には、これらの幹細胞を脳及び脊髄へ指向させて、ビームは中心脊椎を上下に低速で走査するか、あるいは往復で走査し、次に、全領域を走査し終えるまで脳のそれぞれの領域上を上下に走査する。ビームの移動速度は、経皮的に投射されるそれぞれの領域上で1秒当たりおよそ1〜2cmであり、次の通りであった: 下部脊椎:2.5分間 上部脊椎:2.5分間 右後頭葉:1分間 右側頭頭頂部:3分間 右前頭葉:1分間 左前頭葉:1分間 左側頭頭頂部:3分間 左後頭葉:1分間

種々の実施形態では、以上で説明したように、幹細胞の細胞接着分子が、振幅変調レーザービームを当てることによって活性化される。幹細胞のさらなる活性化は、レーザー誘導プロセスを用いることによってこれらの幹細胞が体内に誘導されて標的組織に到達した際に行われる。一部の実施形態では、誘導レーザービームによる光誘引効果が生じ、この光誘引効果も細胞接着分子の状態の活性化に関係する。誘導レーザービームが刺激する組織の体積内での細胞接着分子の活動は、幹細胞及び標的組織を共により粘着性にする。従って、幹細胞は、誘導レーザービームがあった箇所に留まる傾向がより大きいだけでなく、幹細胞が実現するべき状態に関して、及び組織内に融合されるべき方法に関して、天然組織によって導かれる。

種々の実施形態では、誘導レーザービームがカバーする領域が、治療される器官または組織の体積全体の表面射影全体にわたって、少なくとも1軸から、好適には2軸または3軸からビームを指向させることを可能にする領域であり、このビームをコリメートして、全体を合計して最高の治療を組織の所望体積にもたらす。一実施形態では、誘導レーザービームの20〜90%の位相相殺を実行する。他の実施形態では、レーザービームの位相相殺が50%〜70%の範囲内である。さらに他の実施形態では、およそ60%の位相相殺を実行する。種々の実施形態では、治療を必要とする領域がパーキンソン病のように小さい際に、誘導レーザービームが、治療時間全体にわたって、治療を必要とする組織の位置に留まることができ、あるいは、より大きな器官を1秒当たりおよそ1〜2cmの速度で掃引することができる。

結果:この治療は十分に許容された。その直後に、彼女は、脳内及び体内に、特に下肢及び足にエネルギー及び刺激的痛みを感じることを述べた。彼女は、痙性の筋緊張の低減が既にあることも感じており、彼女は落ち着き及びリラックスを感じていた。

1週間にわたって、彼女は下肢の柔軟性の顕著な増加に気付き、脚を真っ直ぐから10〜12度の範囲内に伸ばした。1ヶ月後に、彼女は支えなしで立つことができた。治療の7週間後に、彼女は支えなしで短距離だけ歩くことができた。彼女は、手と指の細かい協調の大幅な改善を観察し、長方形及び三角形を最初に描くこともできた。彼女の呼吸制御が改善され、彼女は以前よりもずっと良好に電話で話して理解されることができることに気付いた。

事例研究2:レーザー誘導されて心筋の組織及び機能を再生する幹細胞 患者:69歳の白人男性が、多発性心筋梗塞後に末期の鬱血性心筋症を患い、15〜17%の範囲内の心臓駆出率の測定値を有していた。彼の予後診断は非常に悪く、彼が左心室補助装置の埋め込みを受ければ生存を維持する望みしかなかった。彼は外見が青白くチアノーゼ性であり、やり取りは混乱し、かん流状態と一致した。

治療:120ccの末梢血を被験者から排出した。この治療用の標準的な装置を用いて、この末梢血を20ccの幹細胞が豊富な血漿に濃縮した。このことは、推定1000万個の自家血液由来の幹細胞を提供し、他に、循環する幹細胞の休眠集団から活性化される10億個の幹細胞の可能性をもたらした。

これらの幹細胞を15ccのオゾンでオゾン処理し、このオゾンは細胞全体中を泡立たせた。レーザー設定は674nmであり、10MHzで変調し、5倍のビームエキスパンダーを通過させ、次にSONG装置を通して位相共役させて1.80mWから0.69mWにした。幹細胞は注射器内で、このビームで3分間処理した。

今回活性化した幹細胞を、定速のIVプッシュによって5分間の期間にわたって患者に注入した。活性化幹細胞の注入時には、これらの幹細胞を、経皮的に心筋へ指向されるビームで、前胸壁からの5分間の前壁心筋投射、及び側胸壁を通した5分間の側壁心筋投射により、心臓へ指向させた。ビームは、これらの領域のそれぞれに、側部から側部への、及び上下の低速掃引で指向させて、これらの両軸方向に1秒当たり約1〜2cmの速度で心筋領域全体をカバーした。

結果:治療は十分に許容された。15〜20分後に、患者の皮膚はより色付いて、彼のチアノーゼ性の唇は鮮やかなピンク色になった。彼の精神の混乱状態はずっと明晰になった。45〜60分で、彼の身体的エネルギーは増加し、席を立ってオフィス内で演奏中の音楽に合わせて踊った。

この治療を、およそ3週間の間隔で2回繰り返し、患者は体力及び機能の回復の高まりを示した。患者は、ブロック(街区)の半分しか歩くことができず、労作による呼吸困難が生じた状態から、数ブロック歩いて仕事に戻ることができる状態にまで、身体動作を実行する能力を高めた。3回目の治療後の追跡調査の心エコー図は、30〜34%の心室駆出率に至る高度に顕著な機能の倍増を示した。

事例研究3:脊髄損傷を修復するためのレーザー誘導幹細胞治療 患者:24歳の男性が、サーフィン事故におけるC4〜C5の骨折後に4年間、四肢まひを患っており、基本的に脚の機能がなく、上肢近位(肩)をすくめる動作に製薬があった。彼は、乳頭線より下の感覚が著しく低下した感覚レベルを有していた。

治療:2000万個の臍帯血幹細胞を用意して約5ccに濃縮した。レーザー設定は674nmであり、10MHzで変調し、5倍のビームエキスパンダーを通過させ、次にSONG装置で位相共役させて0.85mWから0.33mWにした。約3分間、幹細胞を低速で回転させてビームを通して上下させた。ヒアルロニダーゼで鼻腔を整えた後に、500万個の幹細胞を鼻腔内に塗布して、幹細胞が篩板を通過する能力を高めた。

1500万個の活性化した臍帯血幹細胞を、低速のIVプッシュによって5分の期間にわたって患者に注入した。活性化幹細胞の注入時には、これらの幹細胞をレーザービームによって治療領域へ指向させ、このレーザービームは、C2〜C8領域にわたって経皮的に当て、縦方向の低速移動で中心脊椎全体にわたって掃引し、次に横方向に側部から側部へ、正中線のいずれの側も15分間で2.5cm掃引した。

結果:治療は十分に許容されたが、彼は、プロセス自体の期間中には特別な経験の主観的感覚を持たなかった。1週間後に、彼の姉妹(彼の主たる介護者)が、彼が腹部領域に一層の感覚を持ったことを報告した。彼は、一層の身体的エネルギーも有し、(トレーニング用の)軽量ウェイトを腕で使用し始めることができるようにも感じた。6〜8週間後には、さらに顕著な回復があり、テニスボールを両手で打ち返す能力を含めて、腕の広範囲の動きを伴った。一部の遠位制御も可能になり、一部の機械的支持を自分でまかない始める能力を伴った。歩行動作を模擬するLokomat(ロコマット:登録商標)(ロボット型歩行訓練機)を用いて、彼は体重の約30%を支えることができるまでに好転し、脚をプール内に入れて蹴る動作を行うことができた。

事例研究4:多発性硬化症(MS:multiple sclerosis)において機能回復するためのレーザー誘導幹細胞治療 患者:52歳の白人女性が、8年間のMS歴を有して、神経症状の悪化が判明した。最初に、彼女は左腕及び左脚の衰弱、及び発話及び嚥下の問題に気付き、このことは検査で確認された。

治療:自分の大腿内側領域から30mlの脂肪を採取し処理して、脂肪組織由来の間葉幹細胞の濃縮体を生み出した。およそ60mlの末梢血を排出し処理して、例2と同じくらい幹細胞を濃縮した。次に、これらの幹細胞の両方を、約150mlの5%D形(右旋性)グルコースの2分の1生理食塩の袋内で混合した。

レーザー設定は674nmであり、10MHzで変調し、5倍のビームエキスパンダーを通過させ、次にSONG装置を通して位相共役させて1.40mWから0.55mWにした。幹細胞は、IV袋内でこのビームで処理し、このビームは側部から側部までの全体にわたって5分間低速で移動した。次に、脂肪血と末梢血との組合せに由来する幹細胞を95分にわたって静脈内投与した。

活性化幹細胞の注入時には、ビームが中心脊椎を上下に走査し、及び/または往復で走査し、次に、全領域を走査するまで、脳のそれぞれの領域全体にわたって上下に走査することによって、これらの幹細胞を脳及び脊髄へ指向させた。ビーム移動の速度は、経皮的に投射されるそれぞれの領域全体にわたって1秒当たりおよそ1〜2cmであり、レーザー誘導ステップは、注入の開始時に行い、すべての幹細胞を注入した後に再度行った。これらのステップの1回目は注入の開始の35分後に開始し、2回目は注入を開始した95分後の注入の完了時に直ちに開始した。これら2つのセッションの各々は、次のパターン及びそれぞれの持続時間を有した: 右後頭葉:1分間 右側頭頭頂部:3分間 右前頭葉:1分間 左前頭葉:1分間 左側頭頭頂部:3分間 左後頭葉:1分間 脊椎:5分間

1回目にレーザーを当てる期間中に、患者は顔及び首の全体にわたる、次に上背及び下背の重度の刺激的痛み及び電気的感覚を述べた。1回目にレーザーを当てる期間中に、彼女は顔中、首中、及び発話器官に重度の刺激的痛みを感じた。ビームが肩甲骨間にある際に、次にビームが脊椎を上下する際に、彼女は温熱感覚及び刺激的な痛みを強く感じた。

結果:治療の完了の20分後に、彼女の左の腕力は著しく良くなり、大腿近位部の力は3/5(5段階のスケール上で3)になり、伸筋の力は4.5/5(5段階のスケール上で4.5)に改善された。彼女の左の脚力は、近位及び遠位で、3.5/5(5段階のスケール上で3.5)から5/5(5段階のスケール上で5)までの本質的に完全な力の回復を示した。1年間にわたる追跡調査後には、改善が持続し、彼女は病気の悪化がなくなった。

事例研究5:パーキンソン病を回復に向かわせるためのレーザー誘導幹細胞治療 患者:71歳の白人男性が、12年前にパーキンソン病であると診断され、病気が徐々に進行している。患者は、Mirapex(登録商標)、Stolevo(登録商標)、及びアスピリン(登録商標)といった薬を常用している。彼は、しまりのない発話、小さい字で書くこと、引きずり歩行、転向困難、及び手の震えを訴えた。彼の神経検査は、右の軽度の難聴、下肢を両側に屈曲させる力の軽度な低下を示す運動機能、意図的な震えに起因して指鼻試験に失敗する傾向、遅い交互の指タッチ、及び低速でほとんど腕の振りがない小さい歩幅での、そして不安定な踵−つま先歩行での、両脚を広げた歩き方が目立った。

治療:大腿内側領域から30mlの脂肪を採取し、次に処理して脂肪組織由来の間葉幹細胞の濃縮体を生み出した。約60mlの末梢血を排出し処理して、例2と同じくらい幹細胞を濃縮した。次に、これらの幹細胞の両方を、約150mlの5%D形(右旋性)グルコースの2分の1生理食塩水の袋内で混合した。

レーザー設定は674nmであり、10MHzで変調し、5倍のビームエキスパンダーを通過させ、次にSONG装置を通して位相共役させて1.36mWから0.52mWにした。幹細胞は、IV袋内でこのビームで処理し、このビームは側部から側部までの全体にわたって5分間低速で移動した。次に、脂肪血と末梢血との組合せに由来する幹細胞を84分にわたって静脈内投与した。

注入を開始した後の約25分後に、ホーミングビームを、頭蓋左から皮膚に直交するように、中脳の黒質を標的にして3分間当てた。次に、このビームを最初のビームに対して約45度の角度に再位置決めして、2つの異なる軸から中脳の黒質に達するように、また3分間当てた。このことを右側から繰り返し、各3分間で2回当てた。注入を完了すると、この手順を、右側及び左側の各々で繰り返し、各3分間で2回当てた。この治療は十分に許容された。

結果:上記のプロトコルの完了の直後に、神経検査を繰り返し、いくつかの改善が示された。指鼻試験はより速くより正確になり、震えはずっと低減された。交互の指タッチは、より速くより正確であった。彼の歩幅はより長くなり、よりバランスがとれ、腕の振りが改善された。踵−つま先歩行はより良くなり、一層の安定性を伴った。特に目立ったのは、彼の発話がよりしっかりし、より朗々としたものになった。

彼は治療後に好転及び悪化を繰り返したが、それでも概ね改善されたままであった。彼は作業能力を毎日2クライアントから3クライアントに向上させた。彼は上記治療の繰り返しを、初期の治療後の1ヶ月後及び3ヶ月後に行った。唯一の違いは、レーザー照射を、3つの異なる軸から実質的な黒質に焦点を当てて各側に3分間ずつレーザーを当てることに増加させたことである。1軸は脳の側面から頭蓋骨の底面に平行にし、第2軸は頭部の真上から、そして第3軸はこれらの軸のおよそ中間にした。3回目の治療後に、10カ月間の追跡調査については、患者は全般的な改善を保ち続けた。

事例研究6:筋委縮性側索硬化症(ALS)を改善するためのレーザー誘導幹細胞治療 患者:69歳の白人女性が、6か月前にALSの悪性延髄変異と診断された。1〜1.5年間にわたって、彼女は腕及び脚の衰弱に気付き、衰弱は左よりも右の方が大きく、腕は脚よりも衰弱が大きかった。彼女は、シャツを脱ぐことも自分の背中をタオルで拭くこともできなかった。6ヶ月間、彼女は発話及び嚥下機能の進行性で衰弱性の悪化に気付いていた。彼女は、時折の滴下を伴う唾液の貯留も患い、貯留が過度である場合に唾液抽出装置を使用していた。彼女は、ロールパン及び柔らかいパンは、のどに詰まりやすいので避けていた。前年にわたって、彼女は40ポンド減量した。彼女は胸の中央から上部にかけての痛みも訴え、1年前のMRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴画像診断)は、C3からC6までの脊髄分節の中度から重度の網嚢孔狭窄を示していた。

彼女の検査は、非常に痩せて体脂肪及び筋肉量が減退した女性であることを示した。彼女の神経学的評価は、しまりがなく聞き取りにくい不明瞭な発話を示した。彼女は舌を出し舌の向きを制御することが困難であった。腕力は右が2/5〜3/5に低下し、左が3/5〜4/5に低下していた。脚力は右が近位及び遠位で3/5であり、左が近位及び遠位で4/5であった。深部反射は、恐らくは単なる衰弱により右が左に比べて低下していた。彼女の右足首腱反射の弛緩期は遅くなっていた。

治療:レーザー設定は674nmであり、10MHzで変調し、5倍のビームエキスパンダーを通過させ、次にSONG装置を通して位相共役させて1.28mWから0.53mWにした。幹細胞は注射器内で、このビームで3分間処理した。

臍帯血幹細胞(CBSC:cord blood stem cell)が存在し、一方は2mlで5000万個のCBSCを有し、他方は9mlで1億個のCBSCを含有した。これらの容器を、各向きに3分間ずつ上下に移動させながら、ビームの前で低速で回転させてレーザーで処理した。

大きい方の細胞入りコンテナを用いて、傍脊椎の炎症のホットスポットに、次の脊椎レベルに注入した:C6、T2、T4、T12、L1、L2、L4、及びL5。右のC6領域の注入は、注入中及び注入後数分間にわたって激しい痛みを伴った。他の傍脊椎領域の注入では、不快感は軽度であった。1億個の幹細胞のうちの3分の2はこの目的に使用し、未使用の3300万個の幹細胞は、5000万個の幹細胞を含む注射器と組み合わせた。このように抽出した8300万個の幹細胞は、無菌調製及び麻酔後に髄腔内に注入した。

レーザーは脳幹領域、頸椎、及び上部胸椎全体にわたって、低速の走査で、背部の上位から下位まで、次に、このゾーンの下面から上面まで、1秒当たり約1〜2cmで合計8分間走査した。こうした腰椎穿刺及びレーザーの照射は十分に許容され、大きな悪影響はなかった。

結果:このプロトコルの約10分後に、彼女の神経学的状態を再評価し、顕著な改善が既に明らかになった。彼女の発話は既に幾分しっかりして明瞭になり、舌の動き及び舌出しのより良好な制御を伴った。特に、彼女は、文字”m”と”n”とを区別して発音する能力がずっと良くなったことに気付いた。彼女の右の腕力は左とほぼ同等になるまで改善した。彼女の右足首腱反射の弛緩期はより速くなった。

鉛及び水銀レベルを一掃することを手助けする代謝プログラムを開始した。彼女は回復し続け、6週間の改善を持続し、他の治療サイクルのための金属の低減を待っていた。

事例研究7:軟骨を再生するためのレーザー誘導幹細胞治療 患者:73際の白人女性がカヤック事故で右膝を負傷して、半月板の複数の小裂傷に悩んでいた。彼女は、治療前の数カ月間、痛み及び動きの制約があった。膝の検査は、全範囲の動き、内側膝蓋の触診に対する軽度の柔軟性、及び軽度の捻髪(鳴ること)を示した。浸出及び神経血管検査はなく、靭帯は無損傷であった。

治療:30mlの脂肪を大腿内側領域から採取し処理して、脂肪組織由来の間葉幹細胞の濃縮体を生み出した。約60mlの末梢血を排出し処理して、例2と同じくらい幹細胞を濃縮した。このことは、脂肪由来の間葉細胞の3つの容器、及び末梢血由来の幹細胞の2つの容器を生じさせ、各容器は6〜8mlである。

レーザー設定は674nmであり、10MHzで変調し、5倍のビームエキスパンダーを通過させ、次にSONG装置を通して位相共役させて1.36mWから0.52mWにした。これらの容器を、各向きに3分間ずつ上下に移動させながら、ビームの前で低速で回転させてレーザーで処理し、脂肪由来の間葉細胞は各容器3分間、末梢血由来の幹細胞は各容器2分間処理した。

無菌調製、滴下、及び局所麻酔後に、右膝に次のものを順に注入した: 7mlの脂肪由来の間葉幹細胞(MSC:mesenchymal stem cell) 7mlの末梢血由来の幹細胞(PBSC:peripheral blood derived stem cell) 7mlのMSC 7mlのPBSC 7mlのMSC

レーザーを低速走査で、右膝前部全体にわたって側部から側部へ、そして右膝の下半分全体にわたって上下に、1秒当たり約1cmで5分間当てた。この治療は十分に許容され、治療後の1時間にわたって右膝の不快感はなかった。

このプロセス残体を、1ヶ月の間隔をおいてさらに2回繰り返して合計3セッションにした。これらの治療のすべてが十分に許容され、大きな悪影響はなかった。

結果:最後の治療後の4週間、彼女は通常は痛みがなく、体重負荷による時折の不快感しかなかった。彼女の検査結果は改善され、触診に対する柔軟性はなくなり、捻髪は最小に低減された。追跡調査のMRI走査は、内側半月の裂傷の大部分は完全に治癒し、臨床的に重篤でないものと考えられる最小の不具合が少し残ったことを示した。 ことを示した。

事例研究8:脊髄損傷を治療するためのレーザー誘導幹細胞治療 患者:中年男性の元警察署長。患者は事件で上胸部損傷を受け、上背より下の運動機能または感覚がなくなった。 治療及び結果: ・1回目の治療は傷害の約7カ月後 ・3ヶ月間持続した、持続して治癒しない仙骨潰瘍が、10日間の治療で完全に治癒した。 ・部分的な勃起機能の戻りが認められた。 ・6週間にわたって、脊髄の感覚レベルが、胸部及び背中前面の15cm下方で改善された。 ・(1回目の治療の6週間後の)2回目の治療中に、彼は腹部及び脚部に間隔を覚え、IV針が自分の足に入るのを感じた。 ・2週間後に、彼は足底刺激により、自分の足指を小刻みに動かし始めた。

事例研究9:まひを治療するためのレーザー誘導幹細胞 患者:糖尿肥満のある中年男性。6年前からまひがあり、鷲手の右手及び高密度に無感覚の右腕を伴い、手は何年も改善していない。また、30年前からT4脊髄損傷があり、それ以来変化はなく、痛み/痙攣によって悪化している。 治療及び結果: ・治療の1時間以内に、指が動き、右手の感覚が戻った。 ・2時間以内に、「月光ソナタ」を、6年間で初めて演奏した。 ・24時間後に、右手及び右腕のほとんど全機能が戻り、脊髄感覚レベルは前後とも3〜5cm改善した。 ・痛みを伴う痙攣は、最初の24時間で低減された。 ・6週間後に、脊髄感覚レベルは腰部まで顕著に改善された。

事例研究10:心機能を改善するためのレーザー誘導幹細胞 幹細胞治療についての興奮及び希望は、単に症状を管理するために戦うのとは対照的に、心臓の構造及び機能を再建するための可能性であり、時間と共に負け戦になりがちな戦いである。心不全には多数の原因及び種類が存在するが、最大原因は、虚血性心疾患及び高血圧による筋肉の損傷である。虚血は心臓への不十分な血液供給を意味し、一般に冠状動脈の狭窄によるが、動脈は正常な内径であっても、血管痙攣が時として虚血性傷害を起こし得る。高血圧は心臓壁に力学的な負担をかけ、筋肉を酷使して機能喪失に至らせ得る。一旦、心筋細胞、及び心筋細胞がもたらす関係収縮力が失われると、一般に、この喪失は永久的になる。心臓ポンプが衰弱するに連れて、心腔が拡張して心臓が心拍毎に駆出することができる血液の割合が低下する。心腔の拡張が大きくなり、駆出される血液の割合が減少するほど、臨床症状はより重篤になる。

幹細胞治療の大きな魅力は、細胞構造、及び心筋自体の機械的能力を再建する可能性である。その希望は大きかったが、臨床研究の結果は大いに期待外れであった。メタ分析は、試験対象患者基準を満足するいくつかの公表された臨床試験の結果を集積した検討である。新機軸の比較として、近年の心臓カテーテルを用いて幹細胞を直接、心臓動脈または心筋内に注入する研究のメタ分析は、挑戦を示している。幹細胞治療についての主な質問の1つは、幹細胞が実際に修復の焦点である組織に到達しているか否かである。心臓に血液供給する冠状動脈内に幹細胞を注入することによって、あるいは心筋内に直接、幹細胞を注入することによって、幹細胞が標的器官内に入ったか否かの質問に答える。直接注入でも、6か月の結果は、平均2.55%の心臓駆出率の増加に過ぎず、この値は統計的有意性を達成していない。研究班にとっての心機能の一般的なレベルを前提とすれば、このことは心機能全体のおよそ8%の増加を表す。何人かの患者は、心機能の改善及び生活の質的向上を享受したが、全体的な結果は、直接的な心臓輸送の活動的さによる予測を下回った。

以上の研究の集積では、骨髄からの自家細胞を使用した。このことは、組織適合という潜在的問題を解決する、というのは、治療を受ける人間と同一人物から細胞を抽出するからである。幹細胞が心臓組織に接着すれば、これらの幹細胞はこの人間の正常組織と合体する。結果がより強力でなかったということは、多数の細胞が接着、分化、及び合体し損なっていることを示唆する。接着するための強力な信号なしでは、これらの幹細胞の多数は心臓に留まらずに通過して全身(大)循環に至る。

本明細書中に開示するレーザー活性化及びレーザー誘導の幹細胞治療の新規な特徴は、これらの限界を克服して、より低侵襲の治療を可能にする。この方法は、幹細胞を標的組織に対してより接着性にするための、幹細胞の事前活性化を提供する。より重要なことは、組織を通る三次元ホーミング信号を与えて、幹細胞を誘引して所望の箇所に移動させ、次に、最も重要なこととして、そこに接着させる。この方法は、ある人間からの自家細胞、さらには他人から抽出した外因性細胞の両方により、有望な結果を提供する。

本明細書中に開示する新規なシステム及び方法を、認可された臨床試験で用いて、重篤な末期の心不全疾患を治療するに当たり、この治療の安全性及び有効性を検証した。一実施形態では、重篤な末期の心不全疾患のある患者10人をこの治験用に選択した。

駆出率(EF:ejection fraction)は、人間の心機能の一般的尺度として用いられる共通の医学用語である。駆出率は、心拍毎に心臓の左心室から送り出される血液の量を表す。正常な人間は55%〜70%の範囲内の駆出率を有する。55%を下回る駆出率は、心機能に何らかの問題があり得ることを示し、40%未満の駆出率は、通常、収縮期の心臓活動の高度な障害を表す。

上述した臨床試験では、10人の患者全員が25%以下のベースラインEFを有し、このことは、治療の開始時に、彼らの心機能に高度な障害があり、彼らは重篤な心不全疾患を有していたことを意味する。

治療:上述した臨床試験では、臍帯血及び胎盤から生成した外因性幹細胞を治療用に使用した。本発明の実施形態では、非活性化幹細胞を、レーザー放射で処理することによって活性化する。一実施形態では、レーザー設定は674nmであり、10MHzで変調し、5倍のビームエキスパンダーを通過させ、次にSONG装置を通して位相共役させて1.80mWから0.69mWにした。幹細胞は注射器内で、このビームで3分間処理した。本発明の実施形態では、異なるレーザー仕様及び設定の変調装置を使用することもできることは、通常の当業者にとって明らかである。

一実施形態では、上記プロセスにおいて活性化させた幹細胞を、低速のIVプッシュによって5分間で患者内に注入した。活性化幹細胞の注入時には、経皮的に心筋に指向させたビームで、前胸壁からの前壁心筋投射により5分間、及び側胸壁を通した側面心筋投射により5分間、これらの幹細胞を心臓へ指向させた。このビームは、これらのそれぞれの領域全体にわたって低速掃引で、側部から側部へ、及び上下に指向させて、心筋領域全体をこれらの両軸方向に1秒当たり約1〜2cmの速度でカバーした。

この臨床試験の結果を図6の表600に示し、この表は、3ヶ月間の治療後期間中の種々の段階における被験者全員についてのEF率を示す。図6に示すように、この臨床試験では10人の患者(患者1、患者2、...患者9、患者10)が存在し、患者1、患者2、患者3、患者4、患者5、患者6、患者7、患者8、患者9、患者10についての異なる時点のEFデータを、それぞれ、対応する行601、602、603、604、605、606、607、608、609、及び610に示す。患者毎のEFデータは6つの異なる段階で測定し:列620は(治療前の段階における)ベースラインEFデータを表し;列630は(治療後3日目の)EF Iデータを示し;列640は(治療後の7日目の)EF IIデータを示し;列650は(治療後30日目の)EF IIIデータを示し;列660は(治療後60日目の)EF IVデータを示し;列670は(治療後90日目の)EF Vデータを示す。図6中の表に示すように、患者全員の状態に顕著な改善があり、20%の患者(患者2及び患者3)が、治療後3ヶ月でほとんど正常なEFを示した。さらに、図6に示すように、患者全員について、以下に詳述するような統計的に有意な改善があった: ・患者1−EF率が3ヶ月で20%から32%に改善した。 ・患者2−EF率が3ヶ月で25%から44%に改善した。 ・患者3−EF率が3ヶ月で20%から43%に改善した。 ・患者4−EF率が3ヶ月で23%からおよそ28〜29%に改善した。 ・患者5−EF率が3ヶ月で20%から27%に改善した。 ・患者6−EF率が3ヶ月で20%から28%に改善した。 ・患者7−EF率が3ヶ月で20%から23%に改善した。 ・患者8−EF率が3ヶ月で23%から32%に改善した。 ・患者9−EF率が3ヶ月で20%から25%に改善した。 ・患者10−EF率が3ヶ月で22%から25%に改善した。

図7のグラフは、末期心不全疾患の治療のための幹細胞注入後の90日間の期間中に、上記臨床試験患者について種々の時間間隔で記録したEF率を示す。折れ線グラフ700では、x軸780がスクリーニング時刻を表し、y軸790がEF値を表す。実際のEF測定を行ったスクリーニング時刻を、720(ベースラインまたは治療前段階);730(治療後3日目)、740(治療後7日目)、750(治療後30日目)、760(治療後60日目)、及び770(治療後90日目)で示す。折れ線グラフ701、702、703、704、705、706、707、708、709及び710は、それぞれ、患者1、患者2、患者3、患者4、患者5、患者6、患者7、患者8、患者9及び患者10について、種々の時点におけるEF値の変化を示す。

図700中に示す折れ線グラフ701に対応する患者は、図600中に記載した行601に対応する患者と同じであり、同様に、図700に示す折れ線グラフ70nに対応するいずれかの患者は、図600中に記載した行60nに対応する患者と同じであり、ここにnは1から10まで変化し、対応する患者番号を表す。

図8に示す棒グラフは、治療後90日間のEF値の純変化を、すべての臨床試験患者について示す。グラフ800では、x軸880は、臨床試験に参加した10人の患者を、グラフ中にそれぞれ801、802、803、804、805、806、807、808、809及び810で示し、y軸890は、治療後90日間のEF値の純変化を患者毎に示す。図800に示す患者801は、図600中に記載した行601に対応する患者と同じであり、同様に、図800中に示すいずれかの患者80nは、図600中に記載した行60nに対応する患者と同じであり、ここにnは1から10まで変化し、対応する患者番号を表す。各患者に対応する棒は、治療の開始時に記録したEF値と治療の90日後に記録したEF値との絶対差を表す。グラフ800は、すべての患者についてEF値の顕著な変化があることを示し;EF値の最小変化は患者7及び患者10の3%であり、EF値の最大変化は患者3の23%である。

これらの臨床研究の奥深さを強調するために、比較用の心臓再生指数(CRI:cardiac regeneration index)を用いることができ、CRIは、治療を行って以来の心機能の改善を時間(日数または他の間隔)で除算した割合(%)で定義される。先験的な理由付けによって、IVに与えられた細胞は、注入後のランダムな循環移動により心筋に達する可能性がおよそ10%ある。期待されるCRIは、心臓カテーテルによって与えられる細胞については、IVに与えられる細胞に比べて少なくとも10倍良くなる。

心臓内に直接注入または注射された幹細胞については、公表された大きなメタ分析では、CRIは2.25%/180日、または1日当たり0.014%であった。これとは対照的に、IVで輸送されたレーザー誘導幹細胞は、14.3%/3日、または1日当たり4.77%のCRI結果を与えた。レーザー誘導法の心臓修復指数は、予想外にも、より侵襲的、危険かつ高価な直接的な心臓内ルートよりも300倍以上高速であった。この臨床試験後に、患者集団は平均50%の心機能の増加を達成した。患者のおよそ50%は心臓移植リストから除外された。患者のおよそ20%はほぼ正常状態まで改善された。以上の臨床試験は、今まで見られるうちでは、最高速で最良の幹細胞の結果を表している。

以上の臨床結果より、本明細書中に開示する、心臓治療用の幹細胞を輸送するための方法及びシステムは、侵襲的なカテーテル挿入治療よりも著しく優れていることがわかる。

完全な幹細胞プログラムは、活性化されて標的位置まで誘導される治療細胞だけでなく、最大の生理学的修復をシステムにもたらすための栄養補給及び代謝支援も含む。これらのプログラム及び支援は、一般的原理に従いつつ、各患者の状況に合わせて個別に調整することができる。主たる理論的根拠は、支援されるシステムの生化学的特性を知ること、及びシステムを最良に構築してバランスをとらせる栄養素及び代謝共同因子を提供することである。医薬は、医療レジメの調整を可能にする生理学的変化を人間が示すまで、不変であり続ける。通常は少なくとも2〜3ヶ月間の、合理的期間の観察後に、人間を再評価し、反応によって示されるようにプログラムを調整することができる。

本発明の実施形態では、患者は、レーザー処理された遊離アミノ酸の処方でも栄養補給される。虚血性心疾患を有する人に対しては、提供される他の付加物はレーザー処理されたアルギニンの処方である。この処方は、1.5グラムのアルギニンのレベルで、共同因子と共に1日2回、一例としては20ヶ月間、重篤な冠状動脈を有する人々に与えた。試験対象患者基準は、以前に心筋梗塞を1回以上患い、労作または休息、あるいはその両方で胸痛の再発があった人々とした。管理集団は、30間にわたって症状の改善を示さなかったのに対し、栄養補給は、労作または休息での胸痛の70〜80%の低減を伴った。これらは、労作での虚血を示さない状態に戻る有益な運動試験の場合である。恐らくは最大の関心事として、管理集団は最大運動能力の10%の低下を示したのに対し、このこと(栄養補給)は積極的な治療集団における60%の増加であった。

事例研究11:骨関節構造を再生するためのレーザー誘導幹細胞 関節、軟骨、及び腱の変性及び疾患は、痛み、衰弱、及び生活の質の低下を生じさせる最も一般的な病気のうちである。栄養、軽度の運動、及び低悪性度の抗炎症薬は、比較的軽度な場合には苦痛緩和をもたらすが、進行性の変性は、外科的修復または置換でしか緩和することができない慢性の重度な痛みを生じさせ得る。本明細書中に開示する、幹細胞を使用する新たな方法を用いて関節及び腱関係の構造を再生し、このことは、人間を永久に「チタニウム依存」にし得る侵襲的な外科手術に比べて、より少ない危険性及びより良好な機能的結果をもたらす。

幹細胞治療について発生する最大の挑戦は、骨と骨の関節の変性である。一旦、関節軟骨が減少して、粗い骨のエッジが骨上に摩擦を生じさせると、クッション及び滑りがなくなり、その一般的な見解は、そのうち関節置換が必要になる、ということであった。こうした状況における治療として幹細胞を使用するに当たり、3つの主な挑戦がある。第1の挑戦は、軟骨は循環及び血管が比較的貧弱である、ということである。このことは、第1の場所において変性に至る主な前処置要素(素因)であり、栄養素及び修復細胞を関節表面にもって来る能力の制限を伴う。第2の挑戦は、軟骨損耗及び骨棘として生じる慢性の炎症過程が、さらなる軟骨損失の傾向を加速させることである。一旦、軟骨が関節表面から完全にはぎ取られてしまうと、骨上の格子は、骨の破片を関節空間内に残し得る破壊的なプロセスであり、骨の破片はプロセスをさらに刺激して悪化させる。

特に膝及び腰の関節置換は、比較的一般的な治療介入となってきた。このことは、ひどく変性した関節及び軟骨に対して痛みを緩和し機能を改善するが、生来の構造を異物に変更した後には、元に戻すことはできない。あらゆる外科的治療が、痛み、出血、及び感染によって複雑になり得る。感染の発生は、長期の入院を伴って器具を取り除く必要性、及び感染部を骨から取り除くための抗生物質の必要性により、特に高額の医療費がかかる。こうした医学的解決策は、治療にもかかわらず慢性的に残る痛みにより希望を下回ることもある。動き及び機能の範囲は、置換後により良くなることが多いが、現在可能であり得るように、機能を生来の関節に戻すことの結果ほど良好でないことがある。

本明細書中に開示する、レーザーで活性化して誘導する幹細胞治療を、栄養補給及び代謝支援と組み合わせて、外科手術に比べて結果を改善し、健康で機能的な関節、軟骨、及び腱構造を再生する。関節及び腱のための治療は、関節空間内及び腱領域内への局所注入を許容することが多いが、修復に必要な、レーザー・プラットフォームが細胞接着を増加させる能力は、幹細胞の局所注入だけで期待されるよりも良好で高速な症状の改善及び機能的結果を生じさせた。例えば、大学のレスリングの試合中に7回の右肩脱臼を患った中年男性患者が、その負傷後の35年間、慢性痛及び動きの制約を患っていた。外科手術治療を行い、この治療は安定性を増加させ症状を軽減したが、動きの範囲をさらに制限した。彼は血小板が豊富な血漿の注入を複数回受けたが、大幅な緩和はなかった。本発明の実施形態では、自分の血液からの自家幹細胞をレーザーで活性化させ、次にIVに注入して(臀部からの進入路で)関節内に注入し、これに続いて関節内及び関節周囲組織内へのレーザー誘導を行うプロトコルを使用し、その結果は驚くべきものであった。レーザーを右肩領域に当てた直後に、痛みは基本的に完全になくなり、以前に限定されていた動きの範囲は正常に戻った。

本明細書中に説明するレーザー活性化及び誘導方法を用いることを含む他の事例研究では、中年男性の右臀部に、長期の着席後の体重負荷により、慢性の8〜10/10までの痛みが生じていた。MRI走査は、関節軟骨の損耗、並びに関節唇、または股関節包(関節被膜、関節嚢)の唇の裂傷を示した。この場合、幹細胞はIVだけに注入して、レーザーで臀部まで誘導し、関節への直接注入は全くなかった。レーザー誘導の直後に、動きの範囲は正常にまで改善され、痛みは解消された。次の2週間では、長時間の着席後の立ち上りの状況に毎回発生する通常の激しい痛みに比べれば、長時間の着席後の立ち上りによる軽い痛みという出来事しかなかった。

関節、腱、及び軟骨損傷の程度がより小さい方が、本明細書中に開示するレーザー活性化及び誘導方法に良好かつ迅速に反応しやすい。この方法により幹細胞をIVに注入し、次に随意的に、関節内、関節周囲、及び腱周囲の注入で局所的に増加させることができる。本明細書中に開示する、深く貫入し、幹細胞を誘引して接着を強める技術は、影響領域に適用すると、細胞を周囲の支持組織に取り入れつつ、再建、再生、及び構造的かつ機能的に回復させるべき特定組織への幹細胞を接着を強化する。

複雑な構造系及び生化学系として、関節の軟骨及び骨、腱及び靭帯、及び他の結合組織は、最適な修復及び機能のために多数の補助栄養素を必要とする。本発明の実施形態では、レーザーで活性化して誘導する幹細胞治療を個人に合わせた栄養素プロトコルと組み合わせて、回復の加速を支援する。例えば、変性関節炎の痛み及び炎症用には、臨床的に確証された処方ELEX JC(登録商標)が、1ヶ月間服用して、80%の人々において痛みを緩和するために有効であり、85%の人々において炎症のX線像がなくなり、このことは未治療の管理集団よりも著しく良好であった。

所定の筋骨格系問題に対しては、栄養代謝プログラムを勧める。その後に、細胞の輸送の最適な調達源及び経路を決定する。大部分の場合、この細胞は単に自家血由来の修復細胞であるが、実施形態では、自家間葉脂肪または自家細胞を用いることもできる。所定の治療後に、3ヶ月間以上の長きにわたって改善を継続させることができ、その時点で、治癒が完了したか否か、あるいは追加的な治療またはプロトコルの調整が必要であるか否かの評価がある。

本発明の実施形態では、脂肪または骨髄からの自家幹細胞、あるいは臍帯血からの同種幹細胞を用いて24時間以内に大幅な改善を実現しているが、最も有望な調達源は新鮮な自家血であるように思われる。本明細書中に開示するシステム及び方法は、血流中の微小な、さもなければ休眠中の修復細胞を刺激して活性にする能力を有して、理想的に適合する細胞の即時の調達源を提供する。一旦活性化すると、インビトロ(体外)研究は、これらの修復細胞が、配置される細胞環境に応じて、軟骨、骨、腱、及び実質的に他のすべての細胞株になることができることを示している。休眠状態では、これらの細胞は新生児のテロメア長を維持しているように思われる。こうした自家細胞の調達源は、人間の脂肪または骨髄を抽出するよりも低侵襲であるだけでなく、特に人間が生物学的により高齢である場合に、これらの調達源よりもロバストであるように思われる。

糖尿病を治療するためのレーザー誘導幹細胞 本明細書中に開示するシステム及び方法を用いて、糖尿病を治療することができる。糖尿病及びメタボリック・シンドローム(代謝症候群)は、先進国世界において流行と言える比率に達しつつあり、先進国世界はこうした急速な増加を繰り返しつつある。この問題の大きさの指数として、米国では、2012年に、人口の約9.3%に相当する、2型糖尿病を患う2910万人の大人が存在する。この時点で、1型糖尿病を患う1250万人の子供も存在する。2012年に診断された糖尿病の推定コストは、米国では2450億ドルであり、1760億ドルが直接経費であり、690億ドルが生産性低下の形のコストである。

幹細胞は、過去には糖尿病の悪影響を低減するに当たり有望な結果を示してきたが、本明細書中に開示するシステム及び方法は、幹細胞を実際の糖尿病を治療するために使用するに当たり有望な結果を示している。一実施形態では、本明細書中に開示するシステム及び方法を用いて、血液中の休眠修復細胞を刺激し、これにより、これらの細胞は幼若幹細胞の活力を有して高度に機能的になる。一実施形態では、幹細胞を用いて膵臓機能を改善し、このことは2型糖尿病を回復に向かわせるのに役立つ。侵襲的であり潜在的危険性のある、血管造影による腹腔動脈経由での膵臓床内への幹細胞の注入及び局在を必要とするのではなく、本明細書中に説明するレーザー活性化及び誘導法は、静脈内投与しか必要としない。幹細胞は、皮膚を通して安全に当てられる低エネルギー・ビームを用いて膵臓へ指向される。実施形態では、レーザー誘導信号を用いて、組織内の治療を必要とする特定領域へ幹細胞を誘引する。このレーザー信号は、さらに幹細胞を刺激して、これらの幹細胞の活性化レベルを、及び指向された位置におけるこれらの幹細胞の融合を支援する接着性を向上させる。他の実施形態では、眼球、心臓、及び腎臓内の組織のような糖尿病の持続的な合併症を有する組織も、それぞれの幹細胞をレーザービームを利用してこうした組織内へ指向させることによって治療することもできる。実施形態では、レーザー信号の出力レベルを弱くして、組織を加熱も傷つけもしないようにする。一実施形態では、674nmの波長を有するレーザー信号を、個別の光子エネルギーが、イオン化を生じさせ得るレベルを十分に下回るように用いる。本発明の実施形態では、レーザービームの波長及び関係するエネルギー密度が、十分、USFDA(United States Food and Drug Administration:米国食品医薬品局)によって安全であるものとして承認されたレベル内にある。

本発明の一実施形態では、選択した場合に、本明細書中に説明するレーザーで活性化して誘導する幹細胞治療を、パルス静脈内インスリン治療(PIVIT:pulsed intravenous insulin therapy)と共に用いて糖尿病を治療する。パルス静脈内インスリン治療(PIVIT)プロトコルは、体重に合わせて調整したインスリンの脈動注入を、2、3時間の静脈内セッションにわたって提供する。このプロセスは、炭水化物の食後に膵臓から門脈循環により肝臓に達するインスリンの健康な生理学的脈動を模擬している。この脈動は肝臓機能をリセットし再調整して、インスリンに対する体の反応を強めてインスリン耐性を低下させる。2型糖尿病については、数週間の期間にわたって10〜12回連続するセッション後に、インスリン感度が大幅に増加して、血糖レベルを改善して薬剤の必要性を低減する。1型糖尿病では、毎週のセッションが臨床研究において肯定的な結果を示し、網膜症、末梢神経障害、及び腎症(ネフロパシー)といった長期合併症の恐れの大幅な低減を伴っている。

本発明の実施形態では、標的栄養強化を用い、標的栄養強化は結果を改善するのに役立つ。L−カルニチン及びアセチルL−カルニチンを含有するレーザー活性化処方が、単独で服用すれば1カ月間で体重を約6ポンド(2.7kg)低減し、毎日30分間の速歩と組み合わせれば1カ月間で10ポンド(4.5kg)低減することが示されている。平均的なカロリー摂取量も1日当たり300カロリーだけ低減された。これらの栄養素は、長期の組織病理学の主な原因である高血糖関連の組織糖化(糖分が属さない所に化学結合する)の悪影響を低減することが示されている。2型糖尿病における減量は、血糖を低減して血糖管理を増加させて、臨床的寛解の段階に至ることさえもできることはよく知られている。

1型糖尿病では、インスリン耐性よりもむしろ膵臓内のベータ細胞の欠如に起因するインスリンの絶対的な不足が存在する。実施形態では、本発明のシステム及び方法を、1型糖尿病の治療に用いる。各種の自家幹細胞が、免疫修飾(免疫調節)及びバランスの効果を示している。関節リウマチのような主な自己免疫疾患の強さ及び合併症を低減するために、この治療法が調査されている。上記の幹細胞の使用は、膵臓のインスリン分泌ベータ細胞を選択的に破壊する1型糖尿病の自己免疫を抑制または低減する可能性を有する。一実施形態では、本明細書中に説明するレーザー活性化及び誘導方法を用いて、レーザー活性化幹細胞を誘導して膵臓内に投入して機能させることによって、失われたベータ細胞を安全かつ効果的な方法で置き換える。

以上の例は、本発明のシステムの多数の応用の例示に過ぎない。本明細書では本発明の少数の実施形態しか説明していないが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなしに、本発明を他の多数の特定形態で具体化することができることは明らかである。従って、本発明の例及び実施形態は、限定的ではなく例示的なものとして考えるべきであり、本発明は、添付した特許請求の範囲内で修正することができる。

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