A method of increasing the content of CoQ10 and CoQH2 in photosynthetic microorganisms

申请号 JP2013545362 申请日 2011-12-21 公开(公告)号 JP2014500031A 公开(公告)日 2014-01-09
申请人 サンボ インターナショナル エスタブリッシュメントSanbo International Establishment; 发明人 デュール、オリバー;
摘要 バイオリアクター内の培地で光照射の下で培養されていた光合成 微 生物 中のユビキノン(CoQ10)およびユビキノール(CoQH2)の含有量を増加させる方法であって、光合成微生物が、藍藻類、緑藻類および黄緑藻類からなる群から選択され、 酸化 ストレスを誘発するステップを含む方法。 光合成微生物をFe
3+ と一緒に培地でインキュベートすることで酸化ストレスが誘発されたという事実によって、CoQ10およびCoQH2の含有量がより高くなる。 さらに、このようにして得られた微生物の3価鉄含有量はより高く、このことはヒトの食事にとって特に今日的な意義がある。 光合成微生物からは、油性抽出物を生成することおよび乾燥藻類製品を製造することも可能である。
权利要求
  • バイオリアクター内の培地で光照射の下で培養されている光合成微生物中のユビキノン(CoQ10)およびユビキノール(CoQH2)の含有量を増加させる方法であって、前記光合成微生物が、藍藻類、緑藻類および黄緑藻類からなる群から選択され、前記方法が酸化ストレスを誘発するステップを含む方法において、
    前記酸化ストレスの誘発が前記光合成微生物をFe 3+と一緒に前記培地でインキュベートすることによって引き起こされることを特徴とする方法。
  • 前記インキュベーションが、前記培地中のFe 3+含有量が約1mg/l〜約6mg/l、特に約3mg/l〜約4mg/l、藍藻類では好ましくは約2.7mg/l、緑藻類および黄緑藻類では好ましくは約3.5mg/lのFe 3+で実施される、請求項1に記載の方法。
  • 藍藻類の前記インキュベーションが、初期の20μE・m −2・s −1から120μE・m −2・s −1まで時間的に増加する表面照射強度で実施される、請求項1または2に記載の方法。
  • 緑藻類および黄緑藻類の前記インキュベーションが、約110μE・m −2・s −1 〜約130μE・m −2・s −1 、好ましくは約120μE・m −2・s −1の一定の照射強度で実施される、請求項1または2に記載の方法。
  • 0.05〜0.50ml/l、特に0.15〜0.30ml/l、好ましくは約0.25ml/lのオレアートの前記培地への添加をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  • 乾燥バイオマスに対する重量での以下のCoQ10含有量:
    −藍藻類では少なくとも6μg/g、
    −緑藻類および黄緑藻類では少なくとも3.6μg/g
    によって特徴づけられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法を適用することによって得られる光合成微生物。
  • 少なくとも4.3のQH2/Q10比によって特徴づけられる、請求項6に記載の光合成微生物。
  • 前記バイオマスに対する重量での以下の3価鉄(Fe 3+ )含有量:
    −藍藻類では少なくとも10μg/g、
    −緑藻類および黄緑藻類では少なくとも10μg/g
    によって特徴づけられる、請求項6または7に記載の光合成微生物。
  • 前記バイオマスに対する重量での以下の3価鉄(Fe 3+ )含有量:
    −藍藻類では少なくとも30μg/g、
    −緑藻類および黄緑藻類では少なくとも60μg/g
    によって特徴づけられる、請求項6または7に記載の光合成微生物。
  • 請求項6〜9のいずれか一項に記載の光合成微生物から生成される油性抽出物。
  • 請求項6〜9のいずれか一項に記載の光合成微生物から製造される乾燥藻類製品。
  • 说明书全文

    本発明は、光合成生物中のCoQ10およびCoQH2の含有量を増加させる方法に関する。

    ユビキノン(2,3−ジメトキシ−5−メチル−6−マルチプレニルl−1,4−ベンゾキノン、C 5990 、863.34g/モル)は、コエンザイムQ 10または略してCoQ10としても知られ、その抗酸化性のため、ほとんどすべての生細胞にとって特に重要である。 CoQ10はほとんどの好気性微生物およびすべての動物に存在し、CoQ10は人体にも必須である。

    ストレスを受けていない人体においては、CoQH2とも呼ばれる還元型のCoQ10、すなわちユビキノール(2,3−ジメトキシ−5−メチル−6−マルチプレニルl−1,4−ヒドロキノン、C 5990 、865.36g/モル)が優勢である。

    ユビキノールは、ヒト血漿中のCoQ10の全含有量の80%超を占め、したがってリポタンパク質にとって重要な血漿抗酸化物質である。 ユビキノールは細胞膜中のタンパク質および脂質の酸化を抑制し、脂質過酸化およびDNA酸化変性から、さらには他の有害な分子からも保護する。 あらゆるタイプの、特に炎症が引き起こす酸化ストレスによって細胞死が起こる可能性がある。 F. H. エンズマン(F.H.Enzmann)は、自著の論文(非特許文献1)で、酸化型のCoQ10対還元型のCoQH2の割合は10:90であると指摘した。 他の著者らによると、この比は、10:30から10:90の間で変化しうる。

    モレ(Morre)およびモレ(Morre)(非特許文献2)は、彼らが「加齢関連性NADHオキシダーゼ」または「arNOXタンパク質」と呼んだ細胞外のROSの特別な供給源について記載している。 諸研究では、皮膚上に塗布されたユビキノン(CoQ10)が表皮層に浸透し、酸化の程度の低減およびarNOX活性の抑制をそれぞれ行うことが示された。 対照的に、CoQH2ならびに分子CoQ0、CoQ2、CoQ4、CoQ6およびCoQ7はこのような効果を示さなかった。 この抑制は専らCoQ10の側鎖(n−デカプレノール)によるものでありうるということが示されている可能性がある。

    (特許文献1)は、バイオリアクター内の培地で標準的な条件下で培養された光合成微生物の増殖が対数増殖期および定常増殖期を示している状態で、前記微生物中のコエンザイム−Q10の含有量を増加させる方法を記載している。 前記特許文献では、紅藻植物門(Rhodophyta)、緑藻植物門(Chlorophyta)およびハプト植物門(Haptophyta)、詳細には単細胞紅藻チノリモ(Porphyridium purpureum)、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)、パブロバ・ルテリ(Pavlova lutheri)またはクリコスファエラ・カルテラエ(Cricosphaera carterae)から選択される微細藻類が、有用な光合成微生物として挙げられている。 (特許文献1)に記載されている方法は、ストレス誘発物質の共インキュベーションによる、および/またはバイオリアクターでの表面照射強度の増加による、酸化ストレスの誘発を必須のステップとして含む。 別法として、または追加として、これは培地にオレアートを添加することによって実現することができる。

    酸化ストレスを誘発するための適切な処置として、(特許文献1)では、特に対数増殖期の終わりに、13S−ヒドロペルオキシ−9Z,11E−オクタデカジエン酸および2価鉄(それぞれFe(II)およびFe 2+ )を培地で微生物と共インキュベートすることが提案されている。

    (特許文献1)にも詳細に記載されているCoQ10の既知の有益な効果を考慮すると、CoQ10およびCoQH2を生成する方法のさらなる改善が依然として明らかに必要である。

    CoQ10およびCoQH2の含有量のさらなる増加は、遺伝子改変した藻類を用いて実現することができると考えられる。 しかし、かかる微生物の使用には問題がなくはない。 さらに、かかる手法のバイオアベイラビリティおよび有効性は、まず現在の品質基準の下で判定されなければならないということになろう。

    国際公開第2009/055951号パンフレット

    F. H. エンズマン(F.H.Enzmann)の論文「Schluessel zur Mitochondrialen Medizin」 モレ,DM. ,グオ,F. (Morre,DM.,Guo,F.)およびモレ,D. J. (Morre,D.J.)著、「加齢関連性細胞表面NADHオキシダーゼ(arNOX)はスーパーオキシドを生成し、コエンザイムCoQ10によって抑制される。(An aging−related cell surface NADH oxidase (arNOX) generates superoxide and is inhibited by coenzyme CoQ10.)」分子細胞生化学(Mol.Cell.Biochem.)第264号、101〜109ページ

    本発明の目的は、遺伝子的に形質転換されていない生物を使用して、天然物質が一定の高品質および高収率で採れる、商業的に競争のある手法で、CoQ10およびCoQH2を産出する方法を提供することである。

    この目的は、独立請求項に明示した方法によって達成される。 本発明の方法によれば、酸化ストレスの誘発は、3価鉄(たとえばFe 3+の形態のもの)を緑藻類、藍藻類および黄緑藻類とともに、それぞれ培地でインキュベートすることによって達成される。

    驚くべきことに、上記の藻類の種に、既知の2価鉄を添加するのではなく、3価鉄を添加すると、CoQ10の収率が高くなることを発見した。
    本発明のさらなる目的は、CoQ10含有量を増加させた光合成微生物を提供することである。 この目的は、本発明によれば請求項6によって達成される。

    本発明の有益な実施形態は、各独立請求項に明示する。

    培地1リットル当たりのFe 3+の添加量は、有利には、約1mg/l〜約6mg/l、特に約3mg/l〜約4mg/lである。 藍藻類では、好ましくは約2.7mg/l、緑藻類および黄緑藻類では、好ましくは培地1リットル当たり約3.5mg/lのFe
    をインキュベートする。

    本発明によれば、3価鉄(Fe(III)またはFe 3+ )をインキュベートすると、藍藻類、緑藻類および黄緑藻類の群に酸化ストレスの増大をもたらす。 理論に縛られるものではないが、この物質が脂質過酸化を引き起こし、これが膜破壊における初期反応ステップとして作用すると考えられる。 このストレスの事象に対して、藻類が反応して抗酸化物質の形成が増加する。 特にCoQ10およびCoQH2の形成が増加する。

    結果として、鉄は、藻類中に乾燥質量33μg/g〜66μg/gの量で存在したままとなる。 特に、今日では鉄を含有する食品の供給が必要と考えられているため、このことは有利である。

    好ましくは、光合成微生物は、バイオマスに対して、重量で、以下の3価鉄(Fe 3+ )含有量を有する。
    −藍藻類では、少なくとも10μg/g、
    −緑藻類および黄緑藻類では、少なくとも10μg/g。

    有利な実施形態において、光合成微生物は、バイオマスに対して、重量で、以下の3価鉄(Fe 3+ )含有量を有する。
    −藍藻類では、少なくとも30μg/g、
    −緑藻類および黄緑藻類では、少なくとも60μg/g。

    微細藻類の混合栄養増殖を、各種毎に予め決定した条件下での培養によって、光バイオリアクター内で実施した。
    使用した微生物中のCoQ10/CoQH2形成の増加については、表面照射強度の最適化、さらには酸化ストレスを誘発する物質のインキュベーションも、形成されたバイオマス中の抽出可能なCoQ10およびCoQH2の量に好ましい影響を及ぼす。 この理由として、一方では、表面照射強度をより高めることによって光酸化が増加すること、他方では、共インキュベートした物質によって引き起こされる脂質過酸化が酸化ストレスを増大させることがある。

    微細藻類中の光酸化ストレスは、光バイオリアクター内で規定の照射強度を超えた場合にのみ発生する。 しかし、バイオリアクター内で培養される微生物が増殖すると、培地の吸光度および付随的にバイオリアクターの光透過率を実質的に変化させる可能性がある。 培地の吸光度が変化する中でも光酸化ストレスを一定に維持するために、バイオリアクターの表面照射強度I は、光透過率の関数として有利になるように適合されるべきである。 好ましくは、この表面照射強度I の適合は、40μE・m −2・s −1 〜250μE・m −2・s −1の間の範囲でなされる。 光バイオリアクターでのこの表面照射強度I が適合すると、バイオリアクター内に効果的に存在する照射強度が、光透過率が減少する場合においても、要求される閾値の上にあることが確実になり、したがって、培養条件の再現性および微生物からのCoQ10の一定した高収率が確保される。 本発明を進める状況の中で、藻類のタイプによっては、光合成微生物の不所望な損傷を回避するために、照射強度の増加をあまり早期に発生させても、あまり強くしてもいけないということが理解された。 したがって、本発明を進める間に、表面照射強度の適合および最適化については、藻類のタイプによって、表面照射強度を初期値から最終値まで漸増させるか、または目下の条件に慎重に適合させた、一定の増加した表面照射強度を選択するかのいずれかを必要とすることがわかった。

    本発明による、3価鉄による酸化ストレスの誘発に加えて、本方法は、オレアートを培地に添加する追加のステップをさらに含むことができる。 これを添加すると次に、細胞内でミトコンドリアの増殖が増加する。 CoQ10/QH2は、膜中で、特にミトコンドリア内膜中で形成されるため、ミトコンドリア膜の重要な成分であるオレアートの添加は、ミトコンドリアの増殖の増加を通して、細胞内のCoQ10/QH2の濃度の増加に寄与する。 培地1リットル当たりオレアート0.05〜0.50mlを添加するのが有利である。 このようにして、特に、オレアートを0.15〜0.30ml/lの量で、好ましくはオレアート0.25ml/lを培地に添加することによって、CoQ10/QH2の特に顕著な収率の増加が達成される。

    培地にオレアートを補うのは培養の1日目と12日目の間とすることが推奨される。 詳細には、培養の3日目と6日目の間に添加される。 好ましくは、オレアートは培養の5日目に添加される。 これらの数値は培養される種によって変化しうる。
    (実施例)
    以下の実施例は、光合成微生物中のCoQ10/CoQH2の形成についての種々の培養パラメーターの変型の効果を示すものである。 緑藻類クロレラ・ケスレリ(Chlorella kessleri)、藍藻類スピルリナ・ブルガリス、スピルリナ・フシフォルミス(Spirulina fusiformis)およびスピルリナ・マキシマ(Spirulina maxima)ならびに緑藻植物門(Chlorophyta)に属する黄緑藻類をモデル生物として使用する。 モデル生物には、本発明による培養方法を使用して「ストレス」をかけて、培養時間を3日までに短縮することを達成した。

    光バイオリアクター内でのスピルリナSp. フシフォルミス/Ch. ケスレリおよび黄緑藻類の基礎培養には、ジョーンズ(Jones)らによるASW培地を使用し(ジョーンズ,R.F.、スピアー,H.L.(Speer,H.L.)およびクーリー,W.(Kury,W.)著、1963年、「紅藻チノリモの増殖に関する研究(Studies
    on the Growth of the Red Alga Porphyridium cruentum)」、植物生理学(Physiologia Plantarum)第16巻、636〜643ページ)、この培地は−変形を加えて−以下のプロトコルによって生成する。

    プロトコル中に挙げた微量栄養素溶液IIIは、以下の成分を、表に記載した濃度で含有する。

    さらに、以下の物質を、有機炭素供給源として培地に添加する。


    ・グルコース 3.00g・L

    −1 (1.7・10

    −2モル・L

    −1


    ・グリセリン 1.53g・L

    −1 (1.7・10

    −2モル・L

    −1


    ・サッカロース 8.70g・L

    −1 (1.7・10

    −2モル・L

    −1


    ・フルクトース 3.00g・L

    −1 (1.7・10

    −2モル・L

    −1


    ・および酢酸ナトリウム 1.37g・L

    −1 (1.7・10

    −2モル・L

    −1 )。

    特に、上記の培地は肉エキスを一切含有しない。
    光バイオリアクター内でのスピルリナSp. フシフォルミス(Spirulina Sp.fusiformis)/Ch. ケスレリ(Ch.kessleri)および黄緑藻類の最適化した培養には、ジョーンズ(Jones)ら(上記引用文献中)によるASW培地を−やはり変形を加えて−使用し、以下のプロトコルによって生成する。

    プロトコル中に挙げた微量栄養素溶液IIIは、以下の成分を、表に記載した濃度で含有する。

    ここで、プロトコル溶液について、鉄(II)を鉄(III)に置き換えていることがきわめて重要である。

    以下の物質を、有機炭素供給源として培地に添加する。
    ・グルコース 3.00g・L −1 (1.7・10 −2モル・L −1
    ・グリセリン 1.53g・L −1 (1.7・10 −2モル・L −1
    ・サッカロース 8.70g・L −1 (1.7・10 −2モル・L −1
    ・フルクトース 3.00g・L −1 (1.7・10 −2モル・L −1
    ・および酢酸ナトリウム 1.37g・L −1 (1.7・10 −2モル・L −1 )。

    上記の培地も肉エキスを一切含有しない。
    適切な光バイオリアクターは、熱による滅菌が可能で、培養パラメーターを制御する適切な手段を備える任意の既知のリアクターである。 この作業に特に有用な光バイオリアクターには、以下のタイプのものがある。
    − ラブフォーズ4ラックス(Labfors 4 Lux)(インフォーズ(Infors)、スイス)
    − メドゥーサ(Medusa)、10Lおよび25Lサイズのもの(QVF、ドイツ)− フラットパネルエアリフト光バイオリアクター(Flat−Panel−Airlift−photobioreactor)(スビテック有限会社(Subitec GmbH)、ドイツ)
    比較実施例1:天然の微生物中のCoQ10およびCoQH2の含有量の基準測定 スピルリナ属、たとえばスピルリナ・ブルガリスでの基準測定では、CoQ10含有量は4.1・μg/g、CoQH2含有量は18.4μg/gであった。 したがって、CoQH2含有量はCoQ10含有量の4.5倍の高さであった。

    クロレラ・ケスレリでの基準測定では、CoQ10含有量は2.5〜3.2・μg/g、CoQH2含有量は10.9〜μg/gであった。 これはQH2/Q10比4.3〜4.5に相当する。
    比較実施例2:基礎培地中での表面照射強度(OFBS)の適合 スピルリナ属、たとえばスピルリナ・ブルガリスのサンプルの培養に、初期の20から120μE・m −2・s −1までの表面照射強度(OFBS)の漸増、それに対して40μE・m −2・s −1および120μE・m −2・s −1のそれぞれ一定のOFBSを、標準的な培養条件下で13〜15日間適用した。 120μE・m −2・s −1の一定のOFBSでは、CoQ10含有量は3・μg/gで、40μE・m −2・s −1の一定のOFBSでの含有量(CoQ10含有量は5.6・μg/gであった)よりわずかに劣っていた。

    OFBSの漸増(20〜120μE・m −2・s −1 )によりCoQ10の最高収率(7.5μg/g)が得られた。 120μE・m −2・s −1での標準的な培養(3・μg/gのCoQ10)との比較では、2.5倍の生産性増加が達成された。 40μE・m −2・s −1での標準的な培養(5.6・μg/gのCoQ10)との比較では、1.33倍の生産性増加が達成された。 スクリーニング試験(4.1・μg/gのCoQ10)との比較では、1.8倍の生産性増加が達成された。

    クロレラ・ケスレリの培養には、一定の表面照射強度(OFBS)を140μE・m −2・s −1まで上昇させたものを、80μE・m −2・s −1および100μE・m −2・s −1のそれぞれのOFBSと比較するものとして、標準的な培養条件下で採用した。

    一定の80μE・m −2・s −1のOFBSではCoQ10含有量が5・μg/gであり、したがってクロレラ・ケスレリ中でのCoQ10生成量には不利な影響を及ぼした。 一定の100μE・m −2・s −1のOFBSではCoQ10含有量が6.5・μg/gであり、一方、一定の140μE・m −2・s −1のOFBSではCoQ10含有量が6.2・μg/gであり、したがって得られたCoQ10の収率が似通っていたことを意味している。 一定の120μE・m −2・s −1のOFBSではCoQ10含有量が7.0・μg/gであり、したがって、クロレラ・ケスレリのCoQ10生成量の最高収率が得られた。 80μE・m −2・s −1での標準的な培養(5・μg/gのCoQ10)との比較では、1.4倍の生産性増加が達成された。 スクリーニング試験(2.5〜3.2・μg/gのCoQ10)との比較では、2.2〜2.8倍の生産性増加が達成された。
    実施例1:最適化OFBSを使用しない、Fe 2+のFe 3+による置換 スピルリナ・フシフォルミス、スピルリナ・マキシマ、スピルリナ・ブルガリスの培養およびクロレラ・ケスレリの培養にも推奨される基礎条件からは明らかに逸脱するが、添加するFe 2+の量を、同一量のFe 3+で置き換え、微量栄養素溶液を介して添加した。 次いで、CoQ10/CoQH2の含有量を測定した。

    スピルリナの群では、Fe(II)をFe(III)に置換すると、乾燥バイオマス(DBM:dry biomass)で4.1・μg/gのCoQ10から6.2・μg/gのCoQ10へと、約50%のCoQ10の増加がもたらされた)。

    クロレラ・ケスレリの群では、Fe(II)をFe(III)に置換すると、DBMで約47〜56%のCoQ10の増加がもたらされた(それぞれ2.5・μg/gおよび3.2・μg/gのCoQ10から、それぞれ3.6・μg/gおよび4.9・μg/gのCoQ10。

    紅/褐藻類のサンプルでは比較可能な効果を達成することができなかった。
    実施例2:生物特異的に適合したOFBSの条件下でのFe 2+のFe 3+による置換 手順は実施例1の手順と類似するものとしたが、種々の濃度のFe 3+ (0mg・L −1 〜6・mg・L −1の間のFe 3+ )を培地に添加した。 スピルリナでは、好ましくは約2.7・mg・L −1のFe 3+を、クロレラでは、好ましくは約3.5・mg・L −1のFe 3+を添加した。

    これによって、スピルリナ・フシフォルミス/スピルリナ・マキシマの乾燥バイオマス中でのCoQ10生成量を20倍、すなわち4.1・μg/gのCoQ10(Fe 3+を添加せず)から82μg/gのCoQ10(Fe 3+を添加し、この生物に適合した、初期の20から120μE・m −2・s −1までの漸増OFBSを適用することによる)に増加させることが可能になり、QH2/Q10比4.5が可能になった。

    スピルリナ・ブルガリスでは、24倍、すなわち4.1・μg/gのCoQ10(Fe 3+を添加せず)から94μg/gのCoQ10(Fe 3+を添加し、この生物に適合した、初期の20から120μE・m −2・s −1までの漸増OFBSを適用することによる)への改善が達成され、QH2/Q10比が4.5倍に改善された。 さらに、対数増殖期が短縮し、付随的に基礎条件下での培養時間が短縮した(10〜13日間)。

    さらに、クロレラ・ケスレリの乾燥バイオマス中でのCoQ10生成量における31.2倍、すなわち3.2・μg/gのCoQ10(Fe 3+を添加せず)から100μg/gのCoQ10(Fe 3+を添加し、この生物に適合した120μE・m −2・s −1の一定のOFBSを適用することによる)への増加が達成され、QH2/Q10が4.5倍になった。

    クロレラ・ケスレリでのさらなる試験シリーズでは、34.8、すなわち2.5・μg/gのCoQ10(Fe 3+を添加せず)から87μg/gのCoQ10(Fe 3+を添加し、この生物に適合した120μE・m −2・s −1の一定のOFBSを適用することによる)へのさらにより大きな改善が得られ、QH2/Q10比は4.38倍に改善された。
    実施例3:黄緑藻類のCoQ10生成量に対するFe 3+の添加の効果 手順は実施例2の手順と類似するものとしたが、黄緑藻類を使用し、種々の濃度のFe 3+ (0mg・L −1 〜6・mg・L −1の間のFe 3+ )、好ましくは約3.5・mg・L −1のFe 3+を添加した。

    黄緑藻類に、この生物に適合した120μE・m −2・s −1の一定のOFBSを使用し、「天然の条件」下で、すなわちFe 3+を添加せずに、CoQ10含有量15μg/gが達成された。 一方、3.5・mg・L −1のFe 3+を添加し、やはり120μE・m −2・s −1の一定のOFBSではCoQ10含有量75μg/gが達成された。 これは、黄緑藻類のバイオマス中でのCoQ10生成量の5倍増加に相当する。

    さらなる試験シリーズでは、黄緑藻類での改善倍率は5.6倍、すなわち16μg/gのCoQ10(天然)から89μg/gのCoQ10(Fe 3+の添加およびこの生物に適合した120μE・m −2・s −1の一定のOFBSで)であった。

    双方の試験シリーズにおいて、QH2/Q10比は約4.5に到達した。
    実施例4:最適化した条件下でのFe 3+含有量の改良 Fe 3+の添加によって、バイオマス(BM)中の鉄(III)の個別濃度を次のとおり高めることができた。
    − スピルリナ・フシフォルミスでは、11μg/gBM(初期含有量、「天然」)から最終含有量33〜37μg/gBMまで、
    − スピルリナ・マキシマでは、12μg/gBM(初期含有量、「天然」)から最終含有量36〜40μg/gBMまで、
    − スピルリナ・ブルガリスでは、15μg/gBM(初期含有量、「天然」)から最終含有量45〜51μg/gBMまで。

    同様に、クロレラ・ケスレリのバイオマス中の鉄(III)の個別濃度を、22μg/gBM(初期含有量、「天然」)から最終含有量61〜66μg/gBMまで高めることができた。

    これは、藍藻類(スピルリナ)では3〜3.5倍、緑藻類(クロレラ)および黄緑藻類では2.8〜3倍のFe 3+濃度−特にヒトの食事における利用可能性のための−の増加にそれぞれ相当する。
    結論 文献によると、分子CoQ10およびCoQH2の融点は49℃である。 上記の生成方法を適用したところ、相当する分子の安定性はより高い。 具体的には、耐熱性は少なくとも80℃とより高く、耐冷性も少なくとも−24℃であることが見出された。

    この固有の安定性の改善は、適切な安定化剤(化学的/物理的、たとえば脂肪酸モノ−トリグリセリド、脂肪族アルコールおよびこれらのエステル)によってさらに高めることができる。

    本発明の培地およびさらに微量栄養素溶液の双方、ならびに炭素供給源は、動物性成分を一切含有せず、したがって、菜食主義ならびに/またはコーシャおよび/もしくはハラルの各指定の下で使用することができる。

    さらに、上記の方法に続けて、以下のものを生成することができる。
    a)緑藻類/藍藻類および黄緑藻類で、特にFe 3+を適用することによって、酸化および任意選択のオレアートプロセスから生成される油性抽出物、
    b)乾燥藻類製品(既知の技術による乾燥ステップ、たとえば凍結乾燥、噴霧乾燥および流動床乾燥などを、温度によって使用することができる)、このプロセスでは、100μmまでの粒径の粒子が中に分散可能(溶解可能)である、
    c)藻類の類脂質抽出物(藻類油とも呼ばれる)。

    この方法で得られる生成物は、以下の用途の範囲/製品(さらに下も参照されたい)において使用することができる。
    − 食品サプリメント/栄養サプリメント→錠剤、カプセル、種々の粒径の粉末の形態にて、
    − 食品中の混合物/すべてのタイプの高級食品、
    − 抗加齢製品、たとえばお手入れキット、クリーム、日焼け止め剤など、
    − 自然化粧品、
    − 皮膚細胞再生、
    − ホメオパシーの基材、
    − 動物用餌および農業用用途。

    a)任意選択で、たとえば可溶化剤としてポロクサマーを使用する活性成分複合体による可溶化、再結晶、濾過、クロマトグラフィー精製を伴う、蒸気抽出、CO −抽出、液化ガス抽出の方法を使用しての藻類からの抽出物:
    抽出物は、CoQ10およびCoQH2ならびにCoQ10/QH2を、任意選択で活性成分複合体とともにそれぞれ包含する。

    還元剤および酸化剤(酵素のおよび/または化学的/物理的)をそれぞれ添加することによって、抽出物の内容物は変化しうる。
    用途は以下の範囲において可能である。
    − 食品サプリメント/栄養サプリメント− 医薬品、注入剤の添加剤としても− スポーツ用栄養剤/経管栄養− 抗加齢− 食品および高級食品。

    b)組合せ他の生成物/生成物群(ビタミン、ミネラル、微量元素およびコエンザイムの範囲からのさらなる分子)との組合せは、予期しない可能性およびそこから得られる有効性の増加をもたらす。

    冷飲料またはジュース 乾燥藻類製品は、植物性の原材料として、通常の1日量として考えられている藻類2〜3gの量で、種々の飲料の中に混合することができる。
    温飲料 乾燥藻類粉末または油性抽出物、さらには抽出物を原料とした製品も、温飲料に有用である。
    − 茶葉にベルガモット油を噴霧するのと同様に、油性抽出物を噴霧することができる。 茶の香気に対する影響は見られなかった。
    − 藻類粉末、油性抽出物、さらには抽出物製品も、可溶性の茶、コーヒーおよびハーブティを作るための素材に混合することができる。
    パン/ベーカリ製品/長期保存ベーカリ製品 重要な点は、安定化剤を用いてまたは用いないで達成される固有の安定性の改善によって「焼成可能性」がもたらされるという事実にある。 したがって、乾燥藻類粉末は、続いて焼成するためのパン生地混成物に混合することができる。 油性抽出物を使用することも可能であり、これは色に対して影響がないという利点を有する。 抽出物製品もパン生地混成物中に使用することができるが、これは特別な法規制を受ける。

    長期保存ベーカリに、または押出し機による製造用の混合物としての用途に、乾燥藻類製品を使用することは適切である。
    特別なまたは改善された結果が、押出しプロセス後に油性抽出物または油中に溶解した抽出物製品を噴霧することによって得られた。

    「水分量の多い食品」とは、押出し機による製品から得られる食品の特殊分類で、動物用餌としても使用され、これも本発明によって生成される原材料を用いて製造することができる。
    動物用餌 乾燥藻類粉末は、ますます人気が高まっている菜食主義の動物用餌を製造するために使用することができる。 油性抽出物および抽出物製品は、ペット用の1回分の餌または乾燥餌の中にさらなる材料として使用することができる。
    お手入れキット/美容キット 抗加齢および皮膚/細胞再生の分野におけるお手入れキット中での用途が可能である。 乾燥藻類粉末の混合によって、お手入れキットまたは美容キットはいわゆるタラソテラピーの意味での追加のケア成分を含有する。 藻類には蜂巣炎に対して有益な効果があることが知られている。 したがって、油性抽出物および抽出物製品は、蜂巣炎対策製品の添加物として使用することができる。

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