Cellulose degradation, xylan degradation and β- glucan degrading enzyme inhibitors

申请号 JP54662198 申请日 1998-05-04 公开(公告)号 JP2001523104A 公开(公告)日 2001-11-20
申请人 ケー.ユー.ルヴァン リサーチ アンド ディヴェロプメント; 发明人 デルクール,ジャン; ドゥビセル,ウィノク;
摘要 (57)【要約】 本発明はキシラン分解及び/又はβ−グルカン分解酵素の阻害剤、阻害剤を得る方法、前記阻害剤及び本発明の阻害剤の活性が増大又は減少されている 微 生物 、 植物 又は植物材料を得る方法、及び様々なプロセス及び適用における阻害剤、前記微生物、植物又は植物材料の使用方法に関する。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 1. セルロース分解、キシラン分解及び/又はβ−グルカン分解酵素のタンパク質性又は糖タンパク質性阻害剤。 2. 前記阻害剤がセルラーゼ、エンドキシラナーゼ、β−グルカナーゼ、β− キシロシダーゼ、α−L−アラビノフラノシダーゼ、及び/又は他のセルロース、キシラン、アラビノキシラン又はβ−グルカン分解酵素を阻害することを特徴とする請求の範囲1の阻害剤。 3. 植物材料又はその画分から得ることができることを特徴とする請求の範囲1又は2の阻害剤。 4. 前記植物材料が小麦、マカロニ小麦、ライ麦、ライ小麦、大麦、モロコシ、カラス麦、トウモロコシ又は米からの穀物、穀粒又は穀粉からなる群から選択されることを特徴とする請求の範囲3の阻害剤。 5. 微生物又はその画分から得ることができることを特徴とする請求の範囲1 又は2の阻害剤。 6. キシラナーゼ阻害剤であることを特徴とする請求の範囲1−5のいずれかの阻害剤。 7. 水溶性種であることを特徴とする請求の範囲6の阻害剤。 8. 阻害剤が、アミノ酸配列が配列番号1及び/又は配列番号2に対して70 %より大きい相同性を持つマーカーを持つことを特徴とする請求の範囲7の阻害剤。 9. マーカーがタンパク質又は糖タンパク質のN末端アミノ酸配列であることを特徴とする請求の範囲8の阻害剤。 10. 阻害剤が、アミノ酸配列が配列番号1及び/又は配列番号2に対して8 5%より大きい相同性を持つマーカーを持つことを特徴とする請求の範囲8又は9の阻害剤。 11. マーカーがタンパク質又は糖タンパク質のN末端アミノ酸配列であることを特徴とする請求の範囲10の阻害剤。 12. 阻害剤が、アミノ酸配列が配列番号1及び/又は配列番号2と同一であるマーカーを持つことを特徴とする請求の範囲7の阻害剤。 13. マーカーがタンパク質又は糖タンパク質のN末端アミノ酸配列であることを特徴とする請求の範囲12の阻害剤。 14. 前記タンパク質又は糖タンパク質が (1)通常40kDa−43kDaの分子量を持つタンパク質又は糖タンパク質 (2)通常30kDaの分子量を持つタンパク質又は糖タンパク質、及び (3)通常10kDaの分子量を持つタンパク質又は糖タンパク質からなる群から選択されることを特徴とする請求の範囲7−13のいずれかの阻害剤。 15. 前記タンパク質又は糖タンパク質が40kDa−43kDaの分子量を通常持ち、約7より大きいpIを持つことを特徴とする請求の範囲7−14のいずれかの阻害剤。 16. 遺伝的に改変されていてもよい微生物、植物又は植物材料から請求の範囲1−15のいずれかの阻害剤を得る方法であって、前記微生物、植物又は植物材料が1以上の抽出及び/又は分別操作に供されることを特徴とする方法。 17. 請求の範囲1−15のいずれかの阻害剤を得る方法であって、微生物、 植物又は植物材料に前記阻害剤をコードする遺伝物質を導入することによって前記微生物、植物又は植物材料が遺伝的に改変されることを特徴とする方法。 18. 微生物、植物又は植物材料を形質転換する方法であって、請求の範囲1 −15のいずれかの阻害剤の活性が減少されている方法。 19. 本発明の阻害剤の活性の減少がその発現の減少によって得られることを特徴とする請求の範囲18の方法。 20. 阻害剤の活性が阻害剤の機能を阻止することによって減少されることを特徴とする請求の範囲18又は19の方法。 21. 微生物、植物又は植物材料を形質転換する方法であって、請求の範囲1 −15のいずれかの阻害剤の活性が増大されている方法。 22. 本発明の阻害剤の活性の増大がその発現の増大によって得られることを特徴とする請求の範囲21の方法。 23. 阻害剤の活性が阻害剤の機能を活性化することによって増大されることを特徴とする請求の範囲21又は22の方法。 24. 請求の範囲17−23のいずれかの方法によって得られる微生物、植物又は植物材料。 25. 大麦、モロコシ及び小麦の如き穀物のモルト製造及び/又はビール製造を改善するための、請求の範囲1−15のいずれかの阻害剤又は請求の範囲16 の方法によって得られた阻害剤、請求の範囲24の微生物、植物及び/又は植物材料の使用方法。 26. ストレートドウ、スポンジドウ、Chorleywoodパン、朝食用シリアル、ビスケット、パスタ及び麺からなる群から選択される焼かれた又は押し出された穀物製品の製造及び/又は質を改善するための、請求の範囲1−15のいずれかの阻害剤又は請求の範囲16の方法によって得られた阻害剤、請求の範囲24の微生物、植物又は植物材料の使用方法。 27. 動物飼料効率を改善するための、請求の範囲1−15のいずれかの阻害剤又は請求の範囲16の方法によって得られた阻害剤、請求の範囲24の微生物、植物又は植物材料の使用方法。 28. 澱粉由来のシロップ、ソルビトール、キシロース及び/又はキシリトール製造を改善するための、請求の範囲1−15のいずれかの阻害剤又は請求の範囲16の方法によって得られた阻害剤、請求の範囲24の微生物、植物又は植物材料の使用方法。 29. 小麦粉のグルテン−澱粉分離及び製造のための、請求の範囲1−15のいずれかの阻害剤又は請求の範囲16の方法によって得られた阻害剤、請求の範囲24の微生物、植物又は植物材料の使用方法。 30. トウモロコシ加工の改善のための、請求の範囲1−15のいずれかの阻害剤又は請求の範囲16の方法によって得られた阻害剤、請求の範囲24の微生物、植物又は植物材料の使用方法。 31. 植物の病気抵抗性を改善するための、請求の範囲1−15のいずれかの阻害剤又は請求の範囲16の方法によって得られた阻害剤、請求の範囲24の微生物、植物又は植物材料の使用方法。 32. 栄養学的及び/又は製薬的適用の改善のための、請求の範囲1−15のいずれかの阻害剤又は請求の範囲16の方法によって得られた阻害剤、請求の範囲24の微生物、植物又は植物材料の使用方法。 33. 紙及びパルプ工業の改善のための、請求の範囲1−15のいずれかの阻害剤又は請求の範囲16の方法によって得られた阻害剤、請求の範囲24の微生物、植物又は植物材料の使用方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 セルロース分解、キシラン分解及びβ−グルカン 分解酵素の阻害剤発明の属する技術分野 本発明はセルロース分解、キシラン分解及び/又はβ−グルカン分解酵素(これらはセルラーゼ、ペントサナーゼ及び/又はヘミセルラーゼとも呼ばれることもある)の阻害剤、特にエンドキシラナーゼ(例えばEC:3.2.1.8)、 β−キシロシダーゼ(例えばEC:3.2.1.37)及びα−L−アラビノフラノシダーゼ(例えばEC:3.2.1.55)の如きペントサン分解酵素の阻害剤、セルラーゼ(例えばEC:3.2.1.4)、β−グルカナーゼ(例えばEC:3.2.3.73又はEC:3.2.1.6)の阻害剤、及び他のキシラン、アラビノキシラン及びβ−グルカン分解酵素の阻害剤に関する。 これらの酵素は生物植物、植物材料又はその画分(例えば穀物、穀粒、穀粉又はその画分)中に存在する。 本発明は前記阻害剤を得るための方法及び食品、飼料及び/又は飲料工業の様々な分野における前記阻害剤の使用方法にも関する。 前記使用方法の例としては、モルト製造及び醸造、変換率を増大させるための動物飼料の製造、ストレートドウ(straight dough)、スポンジドウ(sponge dough)、及びChorleywoodパン、朝食用シリアル、様々なタイプのビスケット、パスタ及び麺の如き焼かれた及び/又は押し出された穀物製品の製造、澱粉由来のシロップ、ソルビトール、 キシロース及び/又はキシリトールの製造、小麦グルテン−澱粉分離工業、トウモロコシ加工、植物の病気抵抗性の改善、食物繊維材料の構造を保持するといった栄養学的又は製薬的適用、及び紙及びパルプ工業の分野における使用方法が挙げられる。 発明の背景大麦モルト以外にも小麦の如きモルトにされていない穀物もビール製造には一般的に用いられる(Pierce,JS,Proceedings of the European Brewery Conve ntion Congress,Madrid,1987,445)。 モルトにされていない小麦(40−50 %)は例えばベルギー白(小麦)ビールの製造に用いられる。 大麦及び小麦の内胚乳の細胞壁はそれぞれ20及び70%(w/w)のアラビノキシランを含むものの(Ballance,GM,& Manners,DJ,Carbohydrate Res earch,1978,61,107;Fincher,GB,& Stone,BA.In:Advances in Cereal S cience and Technology,Vol.VIII.Y.Pomeranz,(Ed),Am.Assoc.Cereal C hem.,St.Paul(MN),1986,207)、それらの総アラビノキシラン含有量はほぼ同じである。 つまり大麦については2.8−7.1%(w/w)であり、小麦については3.6−7.1%(w/w)である(Henry,J.,Journal of the Scien ce of Food and Agriculture,1985,36,1243;Hashimoto,S.,Shogren,MD. & Pomeranz,Y.,Cereal Chemistry,1987,64,30)。 これらの穀粒はほぼ同レベルの抽出可能なアラビノキシランをも含む。 つまり大麦については0.24−0.80%(w/w)であり、小麦については0. 25−1.18%である(Henry,J.,Journal of the Science of Food and Agr iculture,1985,36,1243;Hashimoto,S.,Shogren,MD.& Pomeranz,Y.,C ereal Chemistry,1987,64,30 Åman,P.,& Hesselman,K.,Swedish Journa l of Agricultural Research,1984,14,135;Girhammer,U.,& Nair,BM,F ood Hydrocolloids,1992,6,285)。 更に、大麦と小麦の内胚乳の細胞壁はそれぞれ70及び20%のβ−グルカンを含む(Ballance,GM,& Manners,DJ. ,Carbohydrate Research,1978,61,107;Fincher,GB,& Stone,BA.In:Ad vances in Cereal Sciences and Technology,Vol.VIII.Y.Pomeranz,(Ed), Am.Assoc.Cereal Chem.,St.Paul(MN),1986,207)。 大麦は1.7−4.1%(w/w)の水抽出可能なβ−グルカン及び3.6− 6.4%(w/w)の総β−グルカンを含む(Anderson,MA,Cook,JA,& S tone,BA.Journal of the Institute of Brewing,1978,84,233-239;Henry ,J.,Journal of the Science of Food and Agriculture,1985,36,1243)。 小麦は0.1−0.8%(w/w)の水抽出可能なβ−グルカン及び0.6−1 . 4%(w/w)の総β−グルカンを含む(Anderson,MA,Cook,JA,& Sto ne,BA.Journal of the Institute of Brewing,1978,84,233-239;Henry, J.,Journal of the Science of Food and Agriculture,1985,36,1243)。 小麦中には低レベルのアラビノキシラン(Cleemput,G.,Bleukx,W.,van Oort,M .,Hessing,M.& Delcour,JA,Journal of Cereal Science,1995,22,13 9)及びβ−グルカン分解酵素活性しか測定されないので、醸造中の小麦とモルトのアラビノキシラン及びβ−グルカンの加水分解に最も深くかかわっているのは大麦モルトであるにちがいない。 アラビノキシラン及びβ−グルカンを効率良く加水分解することは重要である。 というのも、かかる化合物はウワート(wort)の粘度(Ducroo,P.& Frelon,P .G.,Proceedings of the European Brewery Convention Congress,Zurich,19

    wing,1993,99,243)や濾過しやすさやにごり(haze)の形成(Coote,N.& Kirso p,BH.1976.,Journal of the Institute of Brewing,1976,82,34;Izawa, M.,Kano,Y.& Kanimura,M.1991.Proceedings Aviemore Conference on Mal ting,Brewing and Distillling,1990,427)の如き製造過程における問題に関与することがあり得るからである。 他の分野においてもキシラン及び/又はアラビノキシランの効率の良い加水分解は同様に極めて望ましい。 これらの分野の例としてはライ麦及び小麦を用いた製パン過程、紙及びパルプ工業が含まれる。 上述したような適用のため、キシラン及び/又はアラビノキシラン加水分解酵素の(潜在的)適用に対して多くの研究努がなされてきている。

    発明の概要本発明はセルロース分解、キシラン分解、及び/又はβ−グルカン分解酵素の阻害剤に関する。 前記阻害剤は好ましくはエンドキシラナーゼ、β−グルカナーゼ、β−キシロシダーゼ、α−L−アラビノフラノシダーゼ、及び他のキシラン、アラビノキシラン及びβ−グルカン分解酵素の阻害剤である。 好ましくは前記阻害剤は微生物、植物、植物材料又はそれらの画分(例えば穀物、穀粒、穀物の胚芽又はその画分、穀粉又はその画分)から得られる。 「酵素の阻害剤」とは、前記酵素の活性を部分的又は全体的に阻害することができる分子を意味する。 不可逆阻害においては阻害剤は酵素に共有結合的に結合しているか又は極めて堅固に結合しているので、酵素からの阻害剤の解離は極めて遅い。 この場合、阻害剤は架橋反応で前記酵素の正常な基質を通常模倣する。 対照的に、可逆阻害は酵素と阻害剤の間の迅速な平衡によって特徴付けられるであろう。 競合的阻害剤は基質が活性部位に結合することを妨げ、基質に結合する酵素分子の割合を減少させることによって反応速度を減少させるかもしれない。 非競合阻害においては阻害剤は代謝回転数を減少させるかもしれない。 基質濃度を上昇させることによって阻害が解消されうるかどうかを測定することによって競合阻害と非競合阻害とを区別することができる。 特定の生物種から単離された阻害剤であってタンパク質性又は糖タンパク質性の性質を持つものは同一種の酵素(つまり内因性酵素)に対して及び/又は異なる種の酵素(つまり外因性酵素)に対して活性であるかもしれない。 有利には本発明の阻害剤は微生物によって生産されるか又は微生物又は植物材料からの様々な抽出媒体中に存在することができる。 これらの植物材料の例としては、小麦、マカロニ小麦、ライ麦、ライ小麦、大麦、モロコシ、カラス麦、トウモロコシ及び/又は米からの穀物又はその画分、穀粒又はその画分、穀物の胚芽又はその画分、穀粉又はその画分を挙げることができる。 本発明の阻害剤はこれらから当業者には良く知られている方法によって得ることができる。 本発明の好ましい具体例によれば、阻害剤はキシラナーゼ阻害剤であり、それは通常水溶性のアルカリ性タンパク質性種であり、約7.0より大きいpI(つまり等電点の−log)を持つ。 SDS−PAGEによって測定されたキシラナーゼ阻害剤の分子量は通常40−43kDaである。 β−メルカプトエタノールを用いて還元した後、三つのSDS−PAGEタンパク質バンドが出現し、それらのSDS−PAGE分子量は約40− 43kDa、約30kDa及び約10kDaである。 40−43kDaのタンパク質又は糖タンパク質のN末端配列は今まで記述されていなかったものであり、通常以下の通りである:配列番号1: Lys-Gly-Leu-Pro-Val-Leu-Ala-Pro-Val-Thr-Lys-Xaa-Thr-Ala (ただし、Xaaは好ましくはAspである)。 30kDaのバンドは上述の通常のN末端アミノ酸配列番号1を持つが、10kDaのバンドのN末端アミノ酸配列は通常以下の通りである:配列番号2: Xaa-Ala-Pro-Val-Ala-Lys-Met-Val-Leu-Pro-Val-Ala-Met-Lys-Glu-Xaa-Val (ただし、第一のXaaは好ましくはSer,Phe又はGlyであり、第二のXaaは未同定である)。 この配列は以前には記述されていない。 従って、本発明はアミノ酸配列が配列番号1に対して70%より大きい、好ましくは85%より大きい相同性を持つマーカー(標識)か、更に好ましくは配列番号1と同一であるマーカーを持つタンパク質又は糖タンパク質であって、通常40−43kDaのSDS−PAGE分子量を持つ阻害剤にも関する。 本発明はアミノ酸配列が配列番号1に対して70%より大きい、好ましくは8 5%より大きい相同性を持つマーカーか、更に好ましくは配列番号1と同一であるマーカーを持つタンパク質又は糖タンパク質であって、通常30kDaのSDS−PA GE分子量を持つ阻害剤にも更に関する。 本発明はアミノ酸配列が配列番号2に対して70%より大きい、好ましくは8 5%より大きい相同性を持つマーカーか、更に好ましくは配列番号2と同一であるマーカーを持つタンパク質又は糖タンパク質であって、通常10kDaのSDS−PA GE分子量を持つ阻害剤にも更に関する。 有利には前記マーカーはタンパク質又は糖タンパク質の末端アミノ酸配列である。 本発明によれば、タンパク質又は糖タンパク質のマーカーはあるタンパク質族を他のタンパク質族から区別することができる特異的なアミノ酸配列(又はその対応する核酸配列)を意味する。 キシラン及び/又はアラビノキシラン加水分解酵素に対する阻害効果は例えばAZCLアラビノキシランを用いたエンドキシラナーゼ法によって示すことができる(下記参照)。 β−グルカン加水分解酵素に対する阻害効果もAZCL−β−グルカンを用いたβ−グルカナーゼ法によって同様に示すことができる(下記参照)。 本発明は前記阻害剤を発現する遺伝的に改変された微生物の如き微生物から、 植物から、又は穀物、穀粒、穀粉又はその画分の如き植物材料から前記阻害剤を得る方法にも関し、前記方法は前記植物、前記植物材料及び/又は前記微生物を1以上の抽出及び/又は分別操作に供することによる。 本発明の別の側面は本発明による阻害剤を発現させるために微生物、植物又は植物材料を遺伝的に形質転換する方法に関し、そこでは微生物、植物又は植物材料は当該分野の当業者には周知の遺伝子工学手法によって前記阻害剤をコードする遺伝物質を微生物、植物又は植物材料に導入してそれを翻訳させて発現させることによって、遺伝的に改変される。 本発明は当該分野の当業者には周知の方法によって前記阻害剤の発現を減少又は増大させることによって及び/又は前記阻害剤の阻害活性を阻止することができる分子か又は前記阻害剤を活性化することができる分子を用いることによって微生物、植物又は植物材料における前記阻害剤のレベルを変化させること、好ましくは前記レベルを減少又は増大させることを目的とする方法に更に関する。 本発明は得られた阻害剤、微生物、植物、植物材料及び/又はその画分、及び食品、飼料及び/又は飲料工業の様々な分野におけるそれらの使用方法にも更に関する。 前記使用方法の例としては、モルト製造及び醸造の改善、動物飼料の変換率の改善、(ストレートドウ、スポンジドウ、及びChorleywoodパン、朝食用シリアル、様々なタイプのビスケット、パスタ及び麺の如き)焼かれた及び/又は押し出された穀物製品、澱粉由来のシロップ、ソルビトール、キシロース及び/又はキシリトールの製造の改善、小麦グルテン−澱粉分離及び製造の改善、トウモロコシ加工、植物の病気抵抗性の改善、(食物繊維材料の構造を保持するといった)栄養学的又は医薬的適用の改善、及び紙及びパルプ工業の改善が挙げられる。 本発明は以下の好ましい具体例の記述において詳細に説明されるが、これらの具体例は本発明の範囲を限定するものではない。

    発明の詳細な説明ベルギー白ビールの製造プロセスにおけるベルギー白ビール及び中間生産物中のアラビノキシランの構造に関する研究の過程で発明者等は水によって抽出可能な小麦中の物質によってキシラン分解性大麦モルト系が阻害されるという徴候に思いがけなく気付いた。 内因性及び外因性α−アミラーゼ(Deponte,R.,Parlam enti,T.,Petrucci,V.,Silano,V.,& Tomasi,M.,Cereal Chemistry,1976 ,53,805;Buonocore,V.,Petrucci,T.,& Silano,V.,Phytochemistry,197 7,16,811;Mundy,J.,Hejgaard,J.,& Svendsen,I.,Federation of Societ ies,1984,167,210;Silano,V.α-Amylase inhibitors.In:Enzymes and the ir Role in Cereal Technology,JE.Kruger,D.Lineback and CE.Stauffer ,(Eds).Am.Assoc.Cereal Chem.,St.Paul(MN),1987,141)及びプロテアーゼ(Birk,Y.,Methods Enzymology,1976,45,723;Lawszkowski,M.,& Kato, I.,Annual Review of Biochemistry,1980,49,593)阻害剤が穀粒中に存在するということは明らかに立証されていたが、前記のことは以前には報告されていなかったことである。 実際、(1)ウワートのアラビノキシラン含有量とスタート材料の酵素活性を関連付けること、及び(2)醸造中どのようにして小麦がアラビノキシランの可溶化を阻害するのかを調査することという目的のために大麦モルト及びモルトにされていない小麦を用いた醸造中のアラビノキシランの可溶化を測定することにより、小麦中にキシラナーゼ阻害剤が存在することが明らかになった。 これは6 0%のモルトと40%の小麦で製造されたウワート中のアラビノキシランの可溶化と遊離キシロース(Xyl)の放出を100%のモルトウワート中のそれと比較することにより実際観察された。 特定の実験条件下では微生物起原のキシラナーゼをウワートに添加することによりウワート製造中のアラビノキシランの可溶化は明らかに改善された。

    実施例

    材料 β−D−アロース、β−メルカプトエタノール、p−ニトロ−フェニル−β− D−キシロピラノシド及びTrizma塩基(試薬等級、トリス[ヒドロキシメチル] アミノーメタン)はSigma,St-Louis,MO,USAから購入した。 アズリン架橋(AZ CL)小麦アラビノキシラン(Xylazymeアラビノキシラン錠剤)、AZCL及びアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)からのXylanase M4はMegazyme,Bray,Ir elandから購入した。 微生物バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、トリコデルマ・ヴィリデ(Trichoderma viride)及びアスペルギルス・ニガーからのキシラナーゼはNV Puratos,Groot-Bijgaarden,Belgiumから購入した。 緩衝液Aは:0.025M酢酸ナトリウム、pH4.7であり;緩衝液Bは:0.025M マレイン酸ナトリウム、pH6.0であり;緩衝液Cは:0.025Mリン酸ナトリウム、pH6.0であり;緩衝液Dは:0.250mM酢酸ナトリウム、p H5.0であり;緩衝液Eは:0.025M酢酸ナトリウム、pH5.0であった。 大麦モルトサンプルはCargill Malt Division,Herent(Belgium)から供給された。 発明者等は低エンドキシラナーゼ活性及び低水抽出可能Xyl含有量の二条冬大麦品種(Clarine)、及び高水抽出可能Xyl含有量の六条冬大麦品種(Plaisant)からの2種類のモルトを使用した。 Plaisantモルトサンプル1及び2は高及び低エンドキシラナーゼ活性をそれぞれ持っていた。 小麦サンプルはAmylum,Aalst(Be lgium)及びSAPSA SES SA,Jodoigne(Belgium)から購入した。 発明者等は高及び低水抽出可能Xyl含有量をそれぞれ持つSkirlou及びSoissonsを使用した。 小麦胚芽はCeres,Vilvoorde(Belgium)によって供給された。 ライ麦粉はMeneba,Rotter daul(The Netherlands)によって供給されるオランダのライ麦品種の混合物からのものであった。 品種Clarineからの大麦はCargill,Malt Division,Herent(Be lgium)によって供給された。 Clarine大麦、Plaisant 1及びPlaisant 2 itzerland,抽出収率70%)を用いて製造された。

    抽出物 BMVVM1,WWM,及びWG 粉末化された大麦モルト及び小麦又は小麦胚芽(1.00g)のサンプル(3 .00g)は緩衝液A(10.0ml)に懸濁された。 室温で15分間強く攪拌した後、懸濁液は遠心分離された(3000g、15分、20℃)。 生じた抽出物はBMWM1(大麦モルト未精白粉抽出物1)、WWM(未精白小麦粉抽出物)、及びWG(小麦胚芽抽出物)と称される。 WF,RF及びBWM 好適な穀粉又は未精白粉(2.50g)のサンプルは緩衝液B(10.0ml )に懸濁された。 室温で15分間強く攪拌した後、懸濁液は遠心分離され(10 000g、15分、20℃)、上澄みは濾過された(0.45μ)。 生じた未精白小麦粉抽出物はWF(小麦粉抽出物)、RF(ライ麦粉抽出物)、およびBWM(大麦末精白粉抽出物)と称される。 BMWM2 粉末化された大麦モルトのサンプル(5.00g)は緩衝液B(10.0ml )に懸濁された。 室温で15分間強く攪拌した後、懸濁液は遠心分離され(10 000g、15分、20℃)。 懸濁物は濾過された(0.45μ)。 生じた未精白粉抽出物はBMWM2(大麦モルト未精白粉抽出物2)と称される。

    方法 Xyl含有量の測定 抽出及び加水分解の手順はCleemput等(Cleemput,G.,Roels,SP,van Oort ,M.,Grobet PJ.& Delcour,JA,Cereal Chemistry,1993,70,324)によって記述されているのと同じであり、未精白粉(小麦及び大麦モルト)のサンプルの加熱(130℃)は抽出に先立って酵素活性を除去するために5時間行われた。 ウワートは未精白粉の水抽出物と同様の方法で分析された。 遊離Xylはアルジトールアセテート調製に先立つ加水分解ステップを省略することによって測定された。 アルジトールアセテートサンプル(1μl)(Englyst,HN.& Cumming s JH,Analyst,1984,109,937)は225℃でSupelco SP−2380カラム(30 m、0.32mm ID,0.2μm薄層厚さ)で分離され、Chrompack 9011 Chr omatograph(Middelburg,The Netherlands)で水素炎イオン化検出器を用いて検出された。 投入及び検出温度は275℃であった。 β−D−アロースは内部標準として使用された。 測定されたアラビノース(Ara)はアラビノキシラン及びアラビノガラクタンの両方から由来しており、アラビノキシランレベルを0.88× (Ara+Xyl)として計算することを不可能にする(Cleemput,G.,van Oort,M., Hessing,M.,Bergmans,MEF,Gruppen,H.,Grobet,PJ,Delcour,JA ,Journal of Cereal Science,1995,22,73-84)。 更に、小麦未精白粉の水抽出物においてはガラクトース(Gal)のかなりの部分はアラビノガラクタンから由来しないので、小麦粉について知られているようなアラビノガラクタン中のGal /Ara比率が1.5であると仮定することによるアラビノガラクタンについてのA ra数の補正は同様に不可能であった(Izydorczyk,M.,Biliaderis,CG.& Bush uk,W.,Cereal Chemistry,1991,68,139-144)。 従って、Xyl数がアラビノキシランレベルについての相対的測定値として用いられる。 同様に、醸造中のXyl レベルの増大は醸造中のアラビノキシランの可溶化の指標である。 エンドキシラナーゼ(EC 3.2.1.8)活性及びその阻害の測定 抽出物(1.0ml)BMWM1及びWWM(上記参照)は50℃で5分間インキュベートされ、それからAZCL−キシラン錠剤(Megazyme)が添加された。 その後インキュベーションは50℃で60分間続けられた。 反応は1%(w/v)Trizma塩基(10.0ml)を添加して強く攪拌することによって停止された。 室温に5分間置いた後、管は強く振盪され、内容物はWhatman N°1フィルターを通して濾過された。 吸光度は基質錠剤なしで抽出物を50℃で60分間インキュベートすることによって調製されたコントロールに対して590nmで測定された。 基質錠剤は1%(w/v)Trizma塩基を抽出物に添加した後で添加された。 活性は5 90nmでのサンプルとコントロールの間の吸光度の差として表され、乾燥モルト1g当たりで表された(ΔA

    590 /g)。 0.6mlのBMWM1(上記参照)及び0.4mlの緩衝液Aのエンドキシラナーゼ活性が、0.4mlのWWMが添加された0.6mlのBMWM1の活性と比較された。 いくつかの場合にはWWMは添加に先立って30分間煮沸され、遠心分離された(3000g、15分、20℃)。 様々な穀物からの抽出物による微生物からの酵素の阻害の評価においては以下の手順が用いられた。 抽出物(WF,WG,RF及びBWM)、又は煮沸され(30分、 100℃)、遠心分離された(10000g、15分、20℃)抽出物(250 μl)は適当に希釈された微生物のキシラナーゼ溶液250μlと共に室温で3 0分間予備インキュベートされ、キシラザイム錠剤が添加され、混合物は50℃ で60分間インキュベートされた。 手順の残りは反応を停止させるのに10.0 mlの1%(w/v)Trizma塩基の代わりに5.0mlの2%(w/v)Trizma 塩基が添加されたことを除いては上述したのと同様であった。 β−グルカナーゼ(EC:3.2.3.73)活性及びその阻害の測定 抽出物(WF,RF及びBWM)、又は煮沸され(30分、100℃)、遠心分離された(10000g、15分、20℃)抽出物(450μl)は50μlのBMwM 2と共に室温で30分間予備インキュベートされ、β−グルカザイム錠剤が添加され、混合物は40℃で60分間インキュベートされた。 手順の残りは反応を停止させるために10.0mlの1%(w/v)Trizma塩基の代わりに5.0ml の2%(w/v)Trizma塩基が添加されたことを除いては上述したのと同様であった。 醸造 au,Zurich,1987)に従って二組調製された。 100%大麦モルトウワートについては50.0gの大麦モルトが用いられ、40%の小麦を含むウワートについては30.0gの大麦モルトと20.0gの小麦が用いられた。 ウワートは15 分間2000×g(室温)で遠心分離された。 用いられた穀粒は洗浄され(15 0ml)、ウワートに添加された。 バチルス・スブチリスのエンドキシラナーゼは水(46℃)に添加され、60 %のClarineモルトと40%のSoissons又はSkirlou小麦と混合された。 ウワートに添加されたエンドキシラナーゼのレベル(0.867ΔA

    590 /g)はClarine モルトのエンドキシラナーゼ活性(0.750ΔA

    590 /g)をPlaisant1モルトのレベル(1.617ΔA

    590 /g)に増大させるのに必要なレベルと等しかった。 上述の分析は全て少なくとも2回行われ、平均値が求められた。 実験誤差(EE .)は個別値と平均値との間の差(%)から計算された。 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動及び等電点電気泳動 精製された阻害剤の分子量はLaemmli,UKの方法(Nature,1970,227,680-6 85)に従って還元(β−メルカプトエタノール1%)又はPhastSystemユニット(P harmacia,Uppsala,Sweden)を用いた非還元条件下で20%ポリアクリルアミドゲルでSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)によって測定された。 ゲルは製造者の指示(Pharmacia,Development TechniqueファイルN°210)に従って銀染色された。 低分子量マーカーはα−ラクトアルブミン(14400Da); トリプシン阻害剤(20100Da);カルボニックアンヒドラーゼ(30000 Da);オボアルブミン(43000Da);アルブミン(67000Da);ホスホリラーゼb(94000Da)であった。 阻害剤の等電点は両性電解質(pH3− 9)を含むポリアクリルアミドゲルを用いたPhastSystemユニットを用いてそして適切な標準(Pharmacia校正キット、pI3.5−9.3)を用いて測定された。 タンパク質は銀染色された(上記参照)。 タンパク質のN末端アミノ酸配列決定 N末端アミノ酸配列はオンラインで120A PTH分析器に連結されたApplied Biosystemsモデル477A気相配列決定機(Perkin Elmer,Belgium)によって決定された。

    小麦中にエンドキシラナーゼ阻害剤が存在するという証拠大麦モルト及び小麦のXylレベル及びアラビノキシラン加水分解活性は表Iに挙げてある。 100%モルトウワート中のXylレベル(表II)は0.41から0 . 62%まで変異があった(全ての分析データは乾燥物の割合として表された) 。 40%の小麦を含むウワート中のXylレベルは0.35から0.61%まで変異があった(表III)。 40%の小麦を含むウワートにおいては発明者等は60%の大麦モルトを使用した。 60%のモルトを使用した醸造中のXylの増大を100%の大麦モルトを用いたXyl増大の60%と比較すると12から58%の減少が明らかになった( 表II及び表III)。 このことは大麦モルトからのエンドキシラナーゼは小麦の存在によって阻害されたこと、及び小麦のアラビノキシランはモルトエンドキシラナーゼにとってはそれほど好適な基質ではないということを示唆する。 モルト化は大麦の細胞壁を破壊し、酵素がアクセスしやすいようにする(Selvig,A.,& A arnes,H.,Journal of the Institute of Brewing,1986,92,185)。 ウワート中の遊離Xylレベル 100%モルトウワート中の遊離Xylレベルは0.046から0.076%まで変異があり、40%の小麦を含むウワートにおいては0.025から0.04 0%まで変異があった(表IV)。 放出された遊離Xylのレベルの間の差は100 %モルトウワートについては0.032−0.044%であり、40%の小麦を含むウワートについては0.015から0.020%であった。 100%の大麦モルトウワートでの遊離Xylの放出の60%と比較した遊離Xyl放出の減少は1から32%まで変異があった(表II及び表IV)。 バチルス・スブチルスのエンドキシラナーゼの使用は遊離Xylを増大させなかった。 遊離のAraレベルも増大しなかった。 それ故、エンドキシラナーゼは副次的なβ−D−キシロシダーゼ及びα− L−アラビノフラノシダーゼ活性を持たなかった。 大麦モルトと小麦を併用した結果としてXyl又はアラビノキシランの可溶化の増大を誘導したエンドキシラナーゼの減少は遊離Xylの放出の減少よりもずっと明白であった。 このため、小麦成分による大麦モルトエンドキシラナーゼの阻害に焦点が合わされた。 小麦抽出物によるモルトのキシラン分解系の阻害 図1には緩衝液Aの代わりにWWMが添加された場合のBMWM1のエンドキシラナーゼ活性の減少が示されている。 エンドキシラナーゼ活性の減少は26から58% まで変異があった。 大麦モルト未精白粉抽出物(BMWM1)のエンドキシラナーゼ活性の減少は緩衝液の代わりに小麦未精白粉抽出物(WWM)を添加することによって得られた。 図1は未煮沸(□)及び煮沸抽出物(■)を用いて得られた結果を表す。 (a)Clarineモルト+Soissons小麦、(b)Clarineモルト+Skirlou小麦、(c)Plaisant1モルト+Soissons小麦、(d)Plaisant1モルト+Skirlou 小麦、(e)Plaisant2モルト+Soissons小麦、(f)Plaisant2モルト+Skirlo u小麦。 品種Soissonsよりも品種Skirlouを用いた場合により高い減少が観察された。 このことは品種Soissonsよりも品種Skirlouを用いた方が醸造中Xylの増大が高度に減少するということと一致する(表III参照)。 品種Soissonsよりも品種Skirl ouの方が水抽出可能なXylの含有量が高いということは醸造中、小麦基質の感受性が低いために可溶化が減少したのかもしれないということを示唆する。 WWMを煮沸すると阻害はほとんど全て起こらない。 阻害剤は熱に対して不安定であるようにみえるので、発明者等は阻害剤はタンパク質的な性質を持っているかもしれないと結論を出した。 しかし、プロテアーゼが関与している可能性はありそうにないと考えられた。 というのも、モルトからのプロテアーゼ活性は小麦のプロテアーゼ活性よりも何倍も高いからである。 減少した活性の大部分は明らかに小麦のアラビノキシランによって引き起こされたものではなかった。 というのも、熱処理は小麦抽出物のアラビノキシラン濃度を変化させなかったからである。 小麦の阻害剤が内因性大麦モルトエンドキシラナーゼ又は外因性エンドキシラナーゼに対して活性があるのかどうかは明らかではなかった。

    バチルス・スブチリスのキシラナーゼを用いた醸造:大麦モルトでの貧弱なアラ

    ビノキシラン可溶化についての結論−小麦未精白粉醸造バチルス・スブチリスのエンドキシラナーゼ(これは図2の実験条件下で比較的ほとんど阻害されなかった微生物由来の酵素の一つである)はウワート中に存在するXylのレベルを増大させた。 エンドキシラナーゼを添加せずに調製した同様のウワートと比較すると、小麦添加物として品種Soissonsを用いて94%以上のXylの可溶化、及び小麦添加物として品種Skirlouを用いて179%以上のXyl の可溶化が得られた。 バチルス・スブチリスのエンドキシラナーゼは小麦品種So issonsからよりも小麦品種Skirlouからのアラビノキシランを明らかに多く可溶化する(表IV)。

    小麦粉からのキシラナーゼ阻害剤の精製 Soissons小麦粉(2.0kg)は10.01の0.1%(w/v)アスコルビン酸に懸濁された。 懸濁液は7℃で一晩混合され、遠心分離された(7℃、10 000g、30分)。 その懸濁液に2.0g/lのCaCl

    2が添加され、pHは2 . 0M Na0Hの添加によって9.0に上昇された。 抽出物は7℃で一晩置かれ、遠心分離された(7℃、10000g、30分)。 抽出物のpHは2.0M HClを用いて5.0に調整され、抽出物は陽イオン交換器(SP Sepharose Fast Flow, 50×50mm,Pharmacia)の上にポンプされた。 カラムは緩衝液C(200m l)を用いて平衡化され、タンパク質画分は200mlの0.5M NaClで溶離された。 この溶離液は5倍に希釈され、pHは上述のように5.0に調整され、陽イオンは交換された(SP Sepharose Fast Flow,26×100mm,Pharmacia)。 カラムは緩衝液C(200ml)で平衡化され、0−0.5MのNaCl直線塩傾勾(800ml)の後、10mlの画分は脱塩され(PD 10カラム,Pharmacia)、 穀物抽出物の代わりに溶離物及び好適に希釈されたアスペルギルス・ニガーからのキシラナーゼM4を用いて上述のキシラザイム法を用いてエンドキシラナーゼ阻害についてアッセイされた。 阻害活性のある画分は集められ、脱イオン水に対して透析され(7℃、一晩)、凍結乾燥された。 凍結乾燥された材料は緩衝液D (6.0ml)に溶解され、Sephacryl S100カラム(26×670mm、Pharma cia)で分離され、同じ緩衝液で溶離された。 2.5mlの画分が集められ、阻害剤活性についてアッセイされた。 活性画分は集められ、上述のように透析されて凍結乾燥された。 凍結乾燥された材料は緩衝液E(6ml)に溶解され、同じ緩衝液で陽イオン交換された(Mono S HR 5/5,Pharmacia)。 塩傾勾(0−0.5 M NaCl)で溶離された画分は集められ、上述のようにキシラーゼ阻害についてアッセイされた。 このようにして我々はSDS−PAGE上で単一タンパク質バンドとして移動する阻害剤の画分(1ml)を得た。 それは約40−43kDaの見かけの分子量を持っていた。 β−メルカプトエタノールでの還元により、通常30及び10kDaの分子量の二つの付加的なSDS−PAGEバンドが検出される。 エンドキシラナーゼ阻害剤のN末端アミノ酸配列の決定 β−メルカプトエタノールで還元された阻害剤タンパク質及び/又は糖タンパク質画分はSDS−PAGEに供され、ブロッティングされ、N末端アミノ酸配列が決定された。 約40−43kDaのバンドのN末端アミノ酸配列(配列番号1)は: Lys-Gly-Leu-Pro-Val-Leu-Ala-Pro-Val-Thr-Lys-Xaa-Thr-Ala (ただし、Xaaは好ましくはAspである)である。 この配列は以前には報告されていない。 上述の約30kDaのバンドも上述の通常のN末端アミノ酸配列番号1を持つが、約10kDaのバンドのN末端アミノ酸配列は通常以下の通りである:配列番号2: Xaa-Ala-Pro-Val-Ala-Lys-Met-Val-Leu-Pro-Val-Ala-Met-Lys-Glu-Xaa-Val (ただし、第一のXaaは好ましくはSer,Phe又はGlyであり、第二のXaaは未同定である)。 この配列は以前には報告されていない。

    小麦及び他の穀物からのエンドキシラナーゼ阻害剤による様々な微生物からのエ

    ンドキシラナーゼの阻害図2においてはWF,RF及びBmの存在下での様々な微生物からのキシラナーゼの阻害が示されている。 30分間煮沸された穀物抽出物の代わりに(煮沸されていない)同じ穀物の抽出物が添加された場合のキシラナーゼ活性の減少(%)が示されている。 実験条件下では最も高い減少はトリコデルマ・レーセイ(Trichoder ma reesei)からの三つのキシラナーゼの混合物について見出され(82−94% )、最も低い減少はバチルス・スブチリスからのキシラナーゼについて見出された(24−39%)。 微生物からのエンドキシラナーゼ活性の減少は煮沸された穀物抽出物ではなく穀物抽出物(WF,RF及びBWM)の添加によって得られた。 図2は左から順に小麦粉(■)、ライ麦粉(□)及び大麦未精白粉(■)を用いて得られた結果を示す。 微生物からのキシラナーゼは:(a)トリコデルマ・レーセイからの三つのキシラナーゼの混合物、(b)アスペルギルス・ニガーからのキシラナーゼM4、 (c)バチルス・スブチリスからのキシラナーゼ、(d)バチルス・スブチリスからの三つのキシラナーゼの混合物、(e)アスペルギルス・ニガーからのキシラナーゼ、(f)アスペルギルス・ニガーからの五つのキシラナーゼの混合物、 (g)アスペルギルス・ニガーからの五つのキシラナーゼの混合物である。 実験条件下ではWGはアスペルギルス・ニガーからのキシラナーゼM4の活性を約80 %減少させた。

    小麦及び他の穀物からの阻害剤による大麦モルトβ−グルカナーゼの阻害図3においてはWF,RF及びBWMの存在下でのモルトβ−グルカナーゼの阻害が示されている。 30分間煮沸された穀物抽出物の代わりに(煮沸されていない) 同じ穀物の抽出物が添加された場合のβ−グルカナーゼ活性の減少(%)が示されている。 減少は7から12%まで変異があった。 大麦モルト抽出物(BMWM2)のβ−グルカナーゼ活性の減少は煮沸された穀物抽出物の代わりに(煮沸されていない)穀物抽出物(WF,RF,BVVM)の添加によって得られた。 図3は小麦粉(a)、ライ麦粉(b)及び大麦未精白粉(c)を用いて得られた結果を示す。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/55 C07K 7/08 ZNA A61P 43/00 111 C12N 1/15 C07K 7/08 ZNA 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 9/99 1/21 C12P 19/00 5/00 C12N 15/00 A 9/99 5/00 C12P 19/00 A61K 37/64 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AU,BA,BB,BG,BR,CA,CN,CU, CZ,EE,GE,GW,HU,ID,IL,IS,J P,KP,KR,LC,LK,LR,LT,LV,MG ,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,SG, SI,SK,SL,TR,TT,UA,US,UZ,V N,YU

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