首页 / 专利库 / 工业自动化和数控机床 / 偏航 / Vehicle attitude stabilizing controller

Vehicle attitude stabilizing controller

阅读:625发布:2024-02-19

专利汇可以提供Vehicle attitude stabilizing controller专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a vehicle attitude stabilizing controller capable of stabilizing a vehicle attitude against a cross wind disturbance and a road surface disturbance.
SOLUTION: This vehicle attitude stabilizing controller is provided with a yaw moment generator 21 generating yaw moment in a vehicle, a disturbance yaw moment detection means 27 for obtaining an amount of disturbance yaw moment acting on the vehicle, a disturbance suppressing yaw moment computing means 28 for obtaining an amount of disturbance suppressing yaw moment based on the amount of disturbance yaw moment detected by the disturbance yaw moment detection means 27, a control command value computing means 29 for obtaining a control command value for generating the amount of disturbance suppressing yaw moment computed by the disturbance suppressing yaw moment computing means 28 by the yaw moment generator 21, a non-steering condition detection means 26 for detecting a non-steering condition of the vehicle, and a vehicle attitude control means 30 for outputting the control command value computed by the control command value computing means 29 to the yaw moment generator 21 when the non-steering condition of the vehicle is detected by the non-steering condition detection means 26.
COPYRIGHT: (C)2002,JPO,下面是Vehicle attitude stabilizing controller专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 車両にヨーモーメントを発生させるヨーモーメント発生装置と、 車両に作用している外乱ヨーモーメント量を求める外乱ヨーモーメント検出手段と、 該外乱ヨーモーメント検出手段で検出された外乱ヨーモーメント量に基づき外乱抑制ヨーモーメント量を求める外乱抑制ヨーモーメント演算手段と、 該外乱抑制ヨーモーメント演算手段で演算された外乱抑制ヨーモーメント量を前記ヨーモーメント発生装置で発生させるための制御指令値を求める制御指令値演算手段と、 車両の非操舵状態を検出する非操舵状態検出手段と、 該非操舵状態検出手段で車両の非操舵状態が検出された時は前記制御指令値演算手段で演算された制御指令値を前記ヨーモーメント発生装置に出力する車両姿勢制御手段と、を備えていることを特徴とする車両姿勢安定制御装置。
  • 【請求項2】 車両に生じているヨーモーメントを推定する推定ヨーモーメント演算手段と、 目標ヨーモーメントを演算する目標ヨーモーメント演算手段と、 前記推定ヨーモーメント演算手段で演算された推定ヨーモーメントを前記目標ヨーモーメント演算手段で演算された目標ヨーモメントと比較し、その差分に相当する量のヨーモーメントを求める比較判断手段と、 該比較判断手段で判断された差分に相当するヨーモーメントに基づき前記ヨーモーメント発生装置で発生させるための制御指令値を求める操舵時制御指令値演算手段と、 前記非操舵状態検出手段で車両の操舵状態が検出された時は、前記操舵時制御指令値演算手段で演算された制御指令値を前記ヨーモーメント発生装置に出力する操舵時制御手段と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の車両姿勢安定制御装置。
  • 【請求項3】 前記ヨーモーメント発生装置が、左右輪の制動力を可変制御する制動力制御装置で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両姿勢安定制御装置。
  • 【請求項4】 前記ヨーモーメント発生装置が、駆動力を左右輪へ配分制御する駆動力配分装置で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両姿勢安定制御装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、左右輪への駆動の配分制御や左右輪の制動力の可変制御などを行う手段により車両に制御ヨーモーメントを発生させて横風外乱や路面外乱に対する車両姿勢を安定させる車両姿勢安定制御装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】従来、左右輪への駆動力の配分制御や左右輪の制動力の可変制御などを行う手段により車両に制御ヨーモーメントを発生させるものとしては、例えば、
    特開平11−115628号公報に記載された「車両のヨー運動制御装置」が知られている。 この従来技術は、
    図18のブロック図に示すように、車両に生じているヨーモーメンを推定する推定ヨーモーメント演算手段と、
    目標ヨーモーメントを演算する目標ヨーモーメント演算手段と、推定ヨーモーメントを目標ヨーモメントと比較し、その差分に相当する量のヨーモーメント求める比較判断手段と、この比較判断手段で判断された差分のヨーモーメントに基づき左右輪への駆動力配分値を求める左右駆動力配分演算手段と、車両に設けられた左右駆動力配分装置(ヨーモーメント発生装置)とを備えた構成となっている。 即ち、従来技術では、推定ヨーモーメントを目標ヨーモーメントに近接させるようにフィードバックを行いながら左右駆動力配分装置への制御油圧(制御指令値)を設定することにより、車両にアンチスピン方向の制御ヨーモーメントを発生させ、これにより、車両の旋回性能を向上させるようにしたものであった。

    【0003】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技術にあっては、上述のように、操操作がきっかけで発生する横加速度に基づいて左右駆動力配分制御が開始されるものであって、操舵操作が伴わない横加速度の発生、例えば、横風外乱やわだち等の路面外乱等を受けることで横加速度が発生した場合に車両姿勢を安定させることは制御対象とはなっていない。 即ち、旋回性能向上とは、ヨーモーメントを積極的に発生させることが主になっているのに対し、横風外乱や路面外乱に対する車両姿勢の安定とはヨーモーメントを積極的に抑制するという逆の制御を行うものであるため、従来の旋回性能向上制御では、横風外乱や路面外乱に対する車両姿勢の安定機能を持たせにくいという問題点があった。

    【0004】本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、横風外乱や路面外乱に対し車両姿勢を安定させることができる車両姿勢安定制御装置を提供することを目的とするものである。

    【0005】

    【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、本発明請求項1記載の車両姿勢安定制御装置は、
    車両にヨーモーメントを発生させるヨーモーメント発生装置と、車両に作用している外乱ヨーモーメント量を求める外乱ヨーモーメント検出手段と、該外乱ヨーモーメント検出手段で検出された外乱ヨーモーメント量に基づき外乱抑制ヨーモーメント量を求める外乱抑制ヨーモーメント演算手段と、該外乱抑制ヨーモーメント演算手段で演算された外乱抑制ヨーモーメント量を前記ヨーモーメント発生装置で発生させるための制御指令値を求める制御指令値演算手段と、車両の非操舵状態を検出する非操舵状態検出手段と、該非操舵状態検出手段で車両の非操舵状態が検出された時は前記制御指令値演算手段で演算された制御指令値を前記ヨーモーメント発生装置に出力する車両姿勢制御手段と、を備えている手段とした。

    【0006】請求項2記載の車両姿勢安定制御装置は、
    請求項1記載の発明において、車両に生じているヨーモーメントを推定する推定ヨーモーメント演算手段と、目標ヨーモーメントを演算する目標ヨーモーメント演算手段と、前記推定ヨーモーメント演算手段で演算された推定ヨーモーメントを前記目標ヨーモーメント演算手段で演算された目標ヨーモメントと比較し、その差分に相当する量のヨーモーメントを求める比較判断手段と、該比較判断手段で判断された差分に相当するヨーモーメントに基づき前記ヨーモーメント発生装置で発生させるための制御指令値を求める操舵時制御指令値演算手段と、前記非操舵状態検出手段で車両の操舵状態が検出された時は、前記操舵時制御指令値演算手段で演算された制御指令値を前記ヨーモーメント発生装置に出力する操舵時制御手段と、を備えている手段とした。

    【0007】請求項3記載の車両姿勢安定制御装置は、
    請求項1または2に記載の発明において、前記ヨーモーメント発生装置が、左右輪の制動力を可変制御する制動力制御装置で構成されている手段とした。

    【0008】請求項4記載の車両姿勢安定制御装置は、
    請求項1または2に記載の発明において、前記ヨーモーメント発生装置が、駆動力を左右輪へ配分制御する駆動力配分装置で構成されている手段とした。

    【0009】

    【作用】本発明請求項1記載の車両姿勢安定制御装置では、上述のように構成されるため、車両走行時において、非操舵状態検出手段で車両の非操舵状態、即ち直線走行状態が検出された時は、車両姿勢制御手段において制御指令値演算手段で演算された制御指令値を前記ヨーモーメント発生装置に出力する。 そして、この制御指令値は、外乱ヨーモーメント検出手段で検出された車両に作用している外乱ヨーモーメント量に基づき、外乱抑制ヨーモーメント演算手段で外乱抑制ヨーモーメント量が求められると共に、この外乱抑制ヨーモーメント量を制御指令値演算手段でヨーモーメント発生装置で発生させるための制御指令値として求められたもので、この制御指令値に基づいてヨーモーメント発生装置で発生する外乱抑制ヨーモーメントにより、横風外乱や路面外乱に対し車両姿勢を安定させることができる。

    【0010】請求項2記載の車両姿勢安定制御装置では、上述のように構成されるため、車両走行時において、前記非操舵状態検出手段で車両の操舵状態が検出された時は、操舵時制御手段において、操舵時制御指令値演算手段で演算された制御指令値を前記ヨーモーメント発生装置に出力する。 そして、この制御指令値は、比較判断手段において推定ヨーモーメント演算手段で演算された推定ヨーモーメントを前記目標ヨーモーメント演算手段で演算された目標ヨーモメントと比較してその差分に相当する量のヨーモーメント求めると共に、操舵時制御指令値演算手段においてこの差分のヨーモーメント量をヨーモーメント発生装置で発生させるための制御指令値として求められたもので、この制御指令値に基づいてヨーモーメント発生装置で発生するヨーモーメントにより、操舵時における車両のスピンを防止することができる。

    【0011】請求項3記載の車両姿勢安定制御装置では、上述のように、前記ヨーモーメント発生装置が、左右輪の制動力を可変制御する制動力制御装置で構成されるもので、このため、非操舵時において制御指令値演算手段で演算された制御指令値に基づき制動力制御装置において左右輪の制動力を可変制御することにより、車両に外乱抑制ヨーモーメントを発生させ、これにより、横風外乱や路面外乱に対し車両姿勢を安定させることができる。

    【0012】請求項4記載の車両姿勢安定制御装置では、上述のように、前記ヨーモーメント発生装置が、駆動力を左右輪へ配分制御する駆動力配分制御装置で構成されるもので、このため、非操舵時において制御指令値演算手段で演算された制御指令値に基づき駆動力配分制御装置において左右輪の駆動力配分制御を行うことにより、車両に外乱抑制ヨーモーメントを発生させ、これにより、横風外乱や路面外乱に対し車両姿勢を安定させることができる。

    【0013】

    【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 (発明の実施の形態1)図1は、発明の実施の形態1の車両姿勢安定制御装置の構成を示すブロック図であり、
    図において21はヨーモーメント発生装置であり、上記従来技術に開示されている駆動力配分装置や各輪の制動力を制御可能な制動力制御装置などにより構成される。
    26は車両の非操舵状態、即ち直進走行状態を検出する非操舵状態検出手段、27は車両に作用している外乱ヨーモーメント量を求める外乱ヨーモーメント演算手段、
    28は外乱抑制ヨーモーメント量を求める外乱抑制ヨーモーメント演算手段、29は前記外乱抑制ヨーモーメント演算手段28で演算された外乱抑制ヨーモーメント量を前記ヨーモーメント発生装置21で発生させるための制御指令値を求める制御指令値演算手段、30は前記非操舵状態検出手段26で車両の非操舵状態が検出された時は前記制御指令値演算手段29で演算された制御指令値を前記ヨーモーメント発生装置21に出力する車両姿勢制御手段である。

    【0014】図2は前記ヨーモーメント発生装置21の一例である制動力制御装置を示すものである。 この制動力制御装置は、周知の構造であるので、ごく簡単に説明すると、マスタシリンダ1とホイルシリンダ3とがブレーキ回路2により接続され、このブレーキ回路2の途中に、ブレーキユニット11が設けられている。 このブレーキユニット11には、ホイルシリンダ3をマスタシリンダ1側に接続させた増圧状態と、ホイルシリンダ3をドレン回路4側に接続させた減圧状態と、ホイルシリンダ3をマスタシリンダ1とドレン回路4のいずれとも遮断した保持状態とに切替可能な切替弁5が設けられている。 そして、ドレン回路4にはリザーバ6が設けられ、
    このリザーバ6に貯留されたブレーキ液をブレーキ回路2に戻すポンプ7が設けられている。 また、ドレン回路4とマスタシリンダ1とが加給回路8により接続され、
    この加給回路8を開閉するイン側ゲート弁9が設けられ、また、ブレーキ回路2を開閉するアウト側ゲート弁10が設けられている。 そして、各弁5、9、10およびポンプ7の作動を制御するコントロールユニット12
    が設けられている。

    【0015】以上のように構成された制動力制御装置にあっては、マスタシリンダ圧が発生していない状態において、コントロールユニット12の制御に基づき、イン側ゲート弁9を開弁させる一方でアウト側ゲート弁10
    を閉弁させ、かつ、ポンプ7を駆動させると、マスタシリンダ1のブレーキ液がポンプ7により加給回路8を介して吸入されてブレーキ回路2に吐出され、切替弁5の切替に基づいてこの吐出されたブレーキ液をホイルシリンダ3に供給したり、このようにホイルシリンダ3に供給したブレーキ液をリザーバ6に逃がしたりすることにより、制動力を発生させることができる。

    【0016】そして、このような制動力を4輪に対して任意に発生させることにより、車両に制御ヨーモーメントを発生させることができる。 例えば、車両の直進走行時に、横風外乱やわだち等の路面外乱等を受けることで横加速度が発生し車両に外乱ヨーモーメントが作用した場合、外乱ヨーモーメントによる車両移動方向の車輪側に制動力を加えることで外乱ヨーモーメントを打ち消す方向の制御ヨーモーメント(外乱抑制ヨーモーメント)
    を発生させ、これにより、車両姿勢を安定させることができる。

    【0017】本発明の実施の形態1では、ブレーキユニット11がヨーモーメント発生装置21に相当し、また、コントロールユニット12の一部およびこのコントロールユニット12に接続されている後述するセンサが、前記非操舵状態検出手段26、外乱ヨーモーメント演算手段27、外乱抑制ヨーモーメント演算手段28、
    制御指令値演算手段29、車両姿勢制御手段30に相当する。

    【0018】前記非操舵状態検出手段26は、図3に示すように、運転者による前輪舵δを検出する操舵角センサ35と、該操舵角センサ35で検出された前輪舵角δ信号に基づいて非操舵状態、即ち車両の直進走行状態を検出する非操舵状態検出部26aとで構成されている。

    【0019】前記外乱ヨーモーメント演算手段27は、
    図4に示すように、外乱により車両に作用するヨー角加速度βyを検出するヨー角加速度センサ38と、該ヨー角加速度センサ38で検出されたヨー角加速度βy信号から外乱ヨーモーメントを演算する外乱ヨーモーメント演算部27aとで構成されている。

    【0020】前記ヨー角加速度センサ38は、図5に示すように、連結部材38aの長手方向前後両端部にそれぞれ横加速度(以下、横Gという)S1、S2を検出する横Gセンサ33、33が設けられていて、両横Gセンサ33、33相互間の距離Lsが一定の値に設定されている。 そして、外乱ヨーモーメント演算部27aでは、
    次式によりヨー角加速度βyが求められ、 βy=(S1−S2)/Ls さらに、次式により外乱ヨーモーメントMjの演算が行われる。 Mj=βy×Kj なお、Kjは比例ゲインである。

    【0021】外乱抑制ヨーモーメント演算手段28は、
    図6に示すように、車速Vを検出する車速センサ36
    と、該車速センサ36で検出された車速Vと外乱ヨーモーメント演算手段27で演算された外乱ヨーモーメントMjから次式により外乱抑制ヨーモーメントMoを演算する外乱抑制ヨーモーメント演算部28aとで構成されている。 なお、外乱抑制ヨーモーメントMoの演算例として、 Mo=Mj×0 (V≦50km/h) Mo=Mj×0.5 (50km/h<V≦60km/h) Mo=Mj×1.0 (60km/h<V) 等がある。

    【0022】前記制御指令値演算手段29では、前記外乱抑制ヨーモーメント演算手段28で演算された外乱抑制ヨーモーメントMoを前記ヨーモーメント発生装置2
    1を構成する制動力制御装置で発生させるための制御指令値が求められる。

    【0023】車両姿勢制御手段30は、前記非操舵状態検出手段26の検出結果に基づき、前記制御指令値演算手段29で演算された制御指令値を前記ヨーモーメント発生装置21を構成する制動力制御装置に出力する。

    【0024】次に、車両姿勢安定制御装置の制御内容を、図7のフローチャートに基づいて説明する。 まず、
    ステップ101では、操舵角センサ35による前輪舵角δ検出、車速センサ36による車速Vの検出、ヨー角加速度センサ38および外乱ヨーモーメント演算部27a
    によるヨー角加速度βyの検出が行われ、続くステップ102では、これらの検出信号の読み込み周期に応じ、
    データの読み込みおよび格納が行われる。

    【0025】続く、ステップ103では、前輪舵角δを読み出し、この前輪舵角δに基づき、車両が非操舵状態(直進走行状態)であるか否かを判定し、YES(非操舵状態(直進走行状態))である時はステップ104に進み、NO(操舵状態(旋回走行状態))である時は、
    これで1回のフローを終了する。

    【0026】前記ステップ104では、前記外乱ヨーモーメント演算手段27においてヨー角加速度βyを読み出し、外乱ヨーモーメントMjの演算が行われ、続くステップ105では、外乱抑制ヨーモーメント演算手段2
    8において車速Vを読み出し、この車速Vと外乱ヨーモーメントMjから外乱抑制ヨーモーメントMoの演算が行われ、最後にステップ106では、前記制御指令値演算手段29において前記外乱抑制ヨーモーメント演算手段28で演算された外乱抑制ヨーモーメントMoを前記ヨーモーメント発生装置21を構成する制動力制御装置で発生させるための制御指令値の演算が行われると共に、車両姿勢制御手段30からの制御指令に基づき制御指令値の出力が行われ、これで1回のフローを終了する。

    【0027】以上のよう、この発明の実施の形態1では、車両の走行中に非操舵状態であると判断されると、
    車両姿勢制御手段30による車両姿勢制御が開始され、
    車両に外乱が作用している場合は、該外乱と逆方向の外乱抑制ヨーモーメントMoを車両に作用させることにより、横風外乱や路面外乱に対し車両姿勢を安定させることができるようになるという効果が得られる。

    【0028】(発明の実施の形態2)この発明の実施の形態2の車両姿勢安定制御装置は、前記発明の実施の形態1に操舵時における車両のスピンを防止する操舵時制御が追加されたものである。 まず、発明の実施の形態2
    を説明する前に、前輪舵角δ、ヨーレイトψ、コーナリングパワーC、横力Fなどの関係について説明する。 図8は一般的に用いられる車両の2輪モデルで、図において、FWは前輪、RWは後輪、WPは車両の重心、δは前輪舵角、△ψはヨーレイト、△△Yは横加速度、βはスリップ角、C1は前輪コーナリングパワー(2輪分)、C2は後輪コーナリングパワー(2輪分)、mは車両質量、Iは車両慣性モーメント、Lはホイールベース、Vは車速を示している。 この図のように車速Vで進んでいる車両のヨーレイト△ψと、スリップ角βとの運動方程式は、下記の式(11)および(12)に示すとおりである。 mV(△β+△ψ) =−C1(β+a△ψ/v−δ)−C2(β−b△ψ/V) …(11) I△△ψ =−aC1(β+a△ψ/V−δ)+bC2(β−b△ψ/V) …(12) 図9は、舵角δに対するヨーレイト△ψとスリップ角β
    の応答の形を示しているもので、これを舵角入力0として簡略化したものが図10である。

    【0029】次に、発明の実施の形態2の車両姿勢安定制御装置について説明する。 なお、この発明の実施の形態2では、前記発明の実施の形態1と同様の構成部分には同一の符号を付してその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。 図11は、発明の実施の形態2の車両姿勢安定制御装置の構成を示すブロック図であり、図において、22は車両挙動に応じた目標ヨーモーメントM
    Mを求める目標ヨーモーメント演算手段、23は車両に生じている推定ヨーモーメントMを検出する推定ヨーモーメント検出手段、24は操舵時制御指令値演算手段、
    25は操舵時制御手段である。 このように、本発明の実施の形態2は、推定ヨーモーメント検出手段23において検出した車両に生じている推定ヨーモーメントMと、
    目標ヨーモーメント演算手段22が演算した目標ヨーモーメントMMとを比較しその差分(MM−M)に相当する量のヨーモーメントを求め、操舵時制御指令値演算手段24ではその差分(MM−M)に相当する量のヨーモーメントに基づいて制御指令値を演算し、操舵時制御手段25では、演算されたヨーモーメント発生装置21に出力し、これにより所定の制御ヨーモーメントを発生させるように構成されている。 なお、前記推定ヨーモーメントMと目標ヨーモーメントMMとを比較して両者の差分(MM−M)を求める部分が請求の範囲の比較判断手段20を構成している。

    【0030】次に、目標ヨーモーメント演算手段22について詳述する。 図12は目標ヨーモーメント演算手段22の説明図であり、目標ヨーモーメント演算手段22
    は、各輪制駆動力演算部22aと、各輪荷重演算部22
    bと、各輪スリップ角演算部22dと目標横力演算部2
    2gと、目標ヨーモーメント演算部22iとを備え、車両挙動検出手段としての後述のセンサなどの入力手段に接続されている。 これら入力手段としては、通常OFF
    で運転者が制動操作を行った時にONとなるブレーキスイッチ31と、車両の前後方向加速度(以下、前後Gという)を検出する前後Gセンサ32と、車両の横方向加速度(以下、横Gという)を検出する横Gセンサ33
    と、運転者の操舵角度を検出する操舵角センサ34と、
    車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ35と、
    車速Vを検出する車速センサ36と、車両のスリップ角βを検出するスリップ角検出手段37とが設けられている。

    【0031】前記各輪制駆動力演算部22aは、4輪の各輪に作用する制動力および駆動力である制駆動力T
    1、T2、T3、T4(ただし、T1は前左輪の制駆動力、T2は前右輪の制駆動力、T3は後左輪の制駆動力、T4は後右輪の制駆動力)を求めるもので、ブレーキスイッチ31がONである時には、その時の前後Gに相当する制動力が前後で所定の割合で4輪に働いているとし、ブレーキスイッチ31がOFFである時には、その時の前後Gに相当する駆動力が駆動輪である後輪に働いているとして、各輪の制駆動力を求めるよう構成されている。 具体的には、ブレーキスイッチ31からの信号をBsig、前後Gを△△X、車両重量をmとした場合に、下記の式に基づいて求める。 Bsig=0(ブレーキOFF)のとき、 T1=T2=0 T3=T4=m△△X/2 Bsig=1(ブレーキON)のとき、 T1=T2=m△△X・(0.7/2) T3=T4=m△△X・(0.3/2)

    【0032】各輪荷重演算部22bは、前後G△△Xおよび横G△△Yに応じて、各輪荷重W1、W2、W3、
    W4(ただし、W1は前左輪の輪荷重、W2は前右輪の輪荷重、W3は後左輪の輪荷重、W4は後右輪の輪荷重)を下記の式に基づいて演算するものである。 なお、
    Lはホイルベース、aは前車軸から重心点までの距離、
    bは後車軸から重心点までの距離、hは重心高である。 W1=m(b/2L)−0.5m△△X(h/L)−
    0.6m△△Yh/t W2=m(b/2L)−0.5m△△X(h/L)+
    0.6m△△Yh/t W3=m(a/2L)+0.5m△△X(h/L)−
    0.4m△△Yh/t W4=m(a/2L)+0.5m△△X(h/L)+
    0.4m△△Yh/t

    【0033】各輪スリップ角演算部22dは、車両重心点のスリップ角βに基づいて、舵角δ、ヨーレイトψ、
    車速Vを用いて、前輪スリップ角βfおよび後輪スリップ角βrを求める演算(下記式)を行うものである。 βf=β−(△ψ/V)Lf+δ βr=β+(△ψ/V)Lr

    【0034】なお、スリップ角検出手段37は、ヨーレイト△ψと横G△△Yと車速Vに基づいて車両スリップ角βを推定する手段である。 この推定方法を説明すると、まず、次式(21)によりコーナリングパワー推定値PC 2を演算する。 PC 2 =(V/L)(ma△△Y−I△ψs)s/[△ψ(bs+V)−△△ Y]+f(△△Y) …(21) (ここで、sはラプラス演算子、mは車両質量、aは車両重心位置から前輪車軸までの前後方向距離、bは車両重心位置から後輪車軸までの前後方向距離、Lはホイールベース、Iは車両慣性モーメント、右辺第1項は車両の二輪モデルから解析的に求められる後輪のコーナリングパワー、第二項のf(△△Y)は横Gによる補正項である)

    【0035】そして、前記後輪のコーナリングパワー推定値PC 2とヨーレイト信号△ψを用いて、車両の二輪モデルから解析的に求められるヨーレイトとスリップ角の関係式である次式(22)でスリップ角(推定値)β
    を演算する。 β=−K br [(T b s+1)/(T r s+1)]△ψ …(12) [ここで、K br =(1−(ma/(LbPC 2 ))V
    2 )(b/V)、 T b =IV/(LbPC 2 −maV 2 )、 T r =[ma/(LPC 2 )]V、である。 ]

    【0036】なお、前記補正項f(△△Y)を、次式(23)に示す、|△△Y|の一次式とすることも可能である。 f(△△Y)=C * 2 |△△Y|/9.8 …(23) (C * 2は後輪タイヤのサイドフォースとスリップ角図上でサイドフォースがほぼ飽和する点と原点を結ぶ直線の傾き) あるいは、ヨーレイト△ψの代わりに横G△△Yを用いて、同じく車両の二輪モデルから解析的に求められる横Gとスリップ角βの関係式である次式(24)を用いてスリップ角(推定値)βを演算することもできる。 β=−K bg [(T b s+1)/(T g22 +T g1 s+1)]△△Y…(24) [ここで、K bg =(1−(ma/(LbPC 2 ))V
    2 )(b/V 2 )、 T b =IV/(LbPC 2 −maV 2 )、 T g2 =[I/(LPC 2 )]、T g1 =b/V、である。 ]

    【0037】また、上記(21)に替えて、次式(3
    1)により後輪のコーナリングパワー推定値PC 2を演算し、 PC 2 =(V/L)(ma△△Y−I△ψs)s/[△ψ(bs+V)−△△ Y] …(31) (ここで、sはラプラス演算子、mは車両質量、aは車両重心位置から前輪車軸までの前後方向距離、bは車両重心位置から後輪車軸までの前後方向距離、Lはホイールベース、Iは車両慣性モーメント、である。)

    【0038】上記式(22)に替えて次式(32)によりスリップ角βを演算することもできる。 β=−K br [(T b s+1)/(T r s+1)]△ψ …(32) [ここで、K br =(1−(ma/(LbPC 2 ))V
    2 )(b/V)、 T b =IV/(LbPC 2 −maV 2 )、 T r =[ma/(LPC 2 )]V、である。 ]

    【0039】前記目標横力演算部22gは、図13に示す目標タイヤ特性マップに基づいて各輪荷重W1〜W4
    と各輪スリップ角βf、βrとにより、各輪に働く目標横力Fy1、Fy2、Fy3、Fy4を求めるものである。 なお、この図13において実線で示すのが目標タイヤ特性であってこれは理想的なタイヤ特性に設定されている。 すなわち、実際のタイヤ特性は、図において点線で示すように、スリップ角βf、βrが大きくなると横力Fがある程度以上得られなくなり頭打ち状態となる特性であるのに対して、この理想的に設定された目標タイヤ特性は、スリップ角βf、βrが大きくなるにつれて横力Fが大きくなるように、つまり高いコーナリングフォースが得られるように設定されている。

    【0040】前記目標ヨーモーメント演算部22iは、
    各目標横力Fy1〜Fy4に基づいて、下記式により目標ヨーモーメントMMを演算するよう構成されている。 MM=(Fy1+Fy2)a−(Fy3+Fy4)b

    【0041】また、目標ヨーモーメントは次のように演算することができる。 MM=I(d△ψ 1 /dt)=(I/L)(△δV+δ
    △V) (ここで、△ψ 1は目標ヨーレート、Iは車両慣性モーメント、Lはホイールベース、δは舵角、△δは操舵速度ある。) 次に、前記推定ヨーモーメント検出手段23について説明する。 この車両ヨーモーメント検出手段23は、図1
    4に示すように、各輪制駆動力演算部22aと、各輪荷重演算部22bと、各輪スリップ角演算部22dと、横力低減率演算部23eと、第1横力演算部23fと、第2横力演算部23hと、推定ヨーモーメント演算部23
    iとを備えている。 ここで、各輪制駆動力演算部22a
    と各輪荷重演算部22bと各輪スリップ角演算部22d
    とについては、上述した目標ヨーモーメント演算手段2
    2で説明したものと同じものであるので説明を省略する。

    【0042】前記横力低減率演算部23eは、前記各輪制動力演算部22aが演算した各輪の制駆動力T1〜T
    4および各輪荷重演算部22bが演算した各輪荷重W1
    〜W4に基づき、下記式により各輪ごとの横力低減率k
    1、k2、k3、k4(ただし、k1は前左輪横力低減率、k2は前右輪横力低減率、k3は後左輪横力低減率、k4は後右輪横力低減率)を演算するものである。
    すなわち、制駆動力Tが大きくなると横力Fyが減るものであり、この制駆動力Tに応じた横力Fyの低減率を演算する。 k1=(W1 2 −T1 21/2 /W1 k2=(W2 2 −T2 21/2 /W2 k3=(W3 2 −T3 21/2 /W3 k4=(W4 2 −T4 21/2 /W4

    【0043】前記第1横力演算部23fは、荷重移動を考慮した横力Fを求めるもので、輪荷重Wとスリップ角βf、βrにより各輪に働く横力Fを図15に示すマップに基づいて求める。 なお、輪荷重Wが任意の時、マップデータ間で補完された値が求まるよう構成する。

    【0044】前記第2横力演算部23hは、各輪の横力低減率kならびに荷重移動を考慮した横力Fとから各輪の横力Fy1、Fy2、Fy3、Fy4(ただし、Fy
    1は前左輪横力、Fy2は前右輪横力、Fy3は後左輪横力、Fy4は後右輪横力)を下記式により求める。 Fy1=k1・F1 Fy2=k2・F2 Fy3=k3・F3 Fy4=k4・F4

    【0045】前記推定ヨーモーメント演算部23iは、
    各輪に働く横力Fy1〜Fy4から車両に生じている推定ヨーモーメントMを下記式により演算するものである。 M=(Fy1+Fy2)a−(Fy3+Fy4)b

    【0046】図16は本発明の実施の形態2の作動例を示しているもので、図において(a)は左に旋回しながら制動を行って、推定ヨーモーメントMが発生している場合を示している。 この場合、荷重が前輪側に移動すると共に右側に移動するため、図示のように、後輪の制駆動力T3、T4に比べて前輪の制駆動力T1、T2が大きくなり、よって、後輪の横力Fy3、Fy4に比べて前輪の横力Fy1、Fy2が大きくなるもので、この例の場合、右前輪において大きな横力Fy2が発生しているのに対し、左後輪においては横力Fy3が発生しておらず、いわゆるオーバステア状態となっている。

    【0047】このような車両挙動に対し、推定ヨーモーメント検出手段23にあっては、入力手段である各センサ31〜36およびスリップ角検出手段37からの入力に基づいて各輪の横力Fy1〜Fy4を求め、さらに、
    これに基づいて推定ヨーモーメントMを求める。 一方、
    目標ヨーモーメント演算手段22にあっても同様の入力手段31〜37からの入力に基づいて、理想的な目標タイヤ特性を得るのに必要な各輪の横力Fy1〜Fy4を求めると共にこれに基づいて目標ヨーモーメントMMを求める。 図示のように、この目標ヨーモーメント演算手段22において得られる各輪の目標とする横力Fy1〜
    Fy4および目標ヨーモーメントMMは、図16(b)
    に示すように、内輪の横力Fy1、Fy3に比べて外輪の横力Fy2、Fy4が大きな値となっていると共に、
    前後で同じ大きさとなる値が得られるものであり、これによって、ニュートラルなステア特性が得られる。

    【0048】そこで、本発明の実施の形態2では、推定ヨーモーメント検出手段23において検出した車両に生じている推定ヨーモーメントMと、目標ヨーモーメント演算手段22が演算した目標ヨーモーメントMMとを比較しその差分(MM−M)に相当する量のヨーモーメントを求め、操舵時制御指令値演算手段24においてその差分(MM−M)に相当する量のヨーモーメントから制御指令値の演算が行われ、該制御指令値を操舵時制御手段25からの制御指令に基づいてヨーモーメント発生装置21に出力し、これにより所定の制御ヨーモーメントを発生させるもので、この制御ヨーモーメントにより、
    車両の旋回時における車両のスピンを防止することができる。 以上の説明してきたように、この発明の実施の形態2では、前記発明の実施の形態1と同様の効果が得られる他、車両の旋回時における車両のスピンを防止して目標旋回半径R 1をトレース(R 2 /R 1 =1)することができるようになるという効果が得られる。

    【0049】(発明の実施の形態3)この発明の実施の形態3は、ヨーモーメント発生装置21として駆動力配分制御装置を用いた例を示すものであり、その他の構成は前記発明の実施の形態1、2と同様であるため、同じ構成には同じ符号を付けて説明を省略し、相違点についてのみ説明する。

    【0050】図17は、駆動力配分制御装置を示す断面図であり、図中40は差動装置である。 この差動装置4
    0の基本構成は、周知のものと同様であり、図示を省略したエンジン側に連結された推進軸41の回転力をドライブピニオン42とリングギヤ43によってデフケース44に伝達し、さらにデフケース44の回転力をデフピニオン45とサイドギヤ46、47によって左右の車軸48、49に等しく配分すると共に、デフピニオン45
    の自転により左右車軸48、49の回転数差を吸収するようになっている。 即ち、デフケース44は、車体に固定設置されたデフハウジング50に回転自在に支持されており、デフケース44の中央部の内壁にはデフピニオン45が回転自在に支持され、このデフピニオン45には、左右の各車軸48、49に結合された一対のサイドギヤ46、47がその両側からそれぞれ噛合されている。 なお、図中51、52は、各車軸48、49の先端に結合された車輪である。

    【0051】この発明の実施の形態3の駆動力配分装置は、前記差動装置40の内部に、左右の車軸48、49
    間に相対的な回転力を付与するプランジャ式油圧モータ53が組み込まれると共に、デフケース44の回転によって油圧を発生する油圧ポンプとしてのプランジャポンプ54が組み込まれている。

    【0052】前記プランジャ式油圧モータ53は、アウタロータを構成するカムリング53aの内部にインナロータを構成するシリンダドライブ53bが回転自在に配置されている。 そして、プランジャ式油圧モータ53の第1ポートP 1および第2ポートP 2は、一方のポートが供給ポートとして機能する時は他方のポートが排出ポートを構成するような位置に形成されている。

    【0053】また、一方のサイドギヤ46には中心孔5
    9が形成されており、このサイドギヤギア46と車軸4
    8との間には中心孔59に連通する筒状部60が形成されている。 この筒状部60内にはプランジャ式油圧モータ53のカムリング53a側が嵌合固定され、サイドギヤ46の中心孔59には他方のサイドギヤ47に同軸に延設された連結軸61が遊挿されている。 そして、この連結軸61の先端部は筒状部60内においてプランジャ式油圧モータ53の回転軸部であるシリンダドライブ5
    3bに結合されている。 従って、プランジャ式油圧モータ53が供給油圧を受けて正逆いずれかに回転すると、
    その回転力は左右の車軸48、49に直接作用する。

    【0054】一方プランジャポンプ54は、吸入ポートP 3および吐出ポートP 4を備え、そのカムリング54
    a側がデフハウジング50に嵌合固定されると共に、シリンダドライブ54b側がデフケース44の右側の側部外周面に嵌合固定されている。 従って、デフケース44
    が回転することにより、吸入ポートP 3から吸入された作動油が吐出ポートP 4から吐出されるようになっている。

    【0055】そして、前記プランジャポンプ54とプランジャ式油圧モータ53は圧力制御弁66と流路切換弁67を備えた油圧回路68を通して接続されている。 即ち、プランジャポンプ54の吸入ポートP 3は作動油を貯留するリザーバ69に接続され、吐出ポートP 4は流路切換弁67を介してプランジャ式油圧モータ53の第1ポートP 1 、第2ポートP 2またはリザーバ69のいずれかに切り換え接続されるようになっており、吐出ポートP 4と流路切換弁67の接続路の途中には、コントローラ70の制御によってドレーン通路71の適宜開閉する圧力制御弁66が介装されている。 流路切換弁67
    は、コントローラ70によって切換制御されるクローズドセンタタイプの4ポート3位置切換弁によって構成されており、切換位置に応じて以下の第1、第2、第3のいずれかの切換状態が得られるようになっている。

    【0056】[第1の切換状態]図17に示すように、
    プランジャポンプ54とプランジャ式油圧モータ53との間の油路を遮断すると共に、吐出側ポートP 14と吸入側ポートP 13 、および、第1入出力ポートP 11と第2入出力ポートP 12をそれぞれ連通させる切換状態。 [第2の切換状態]吐出側ポートP 14と第1入出力ポートP 11 、および、吸入側ポートP 13と第2入出力ポートP 12をそれぞれ連通させる切換状態。 [第3の切換状態]吐出側ポートP 14と第2入出力ポートP 12 、および、吸入側ポートP 13と第1入出力ポートP 11をそれぞれ連通させる切換状態。

    【0057】また、コントローラ70は、各センサ31
    〜36からの車両挙動信号を入力信号として受け、これらの信号に基づいて駆動力配分制御装置における圧力制御弁66と流路切換弁67を適宜制御し、それによって左右の駆動力の配分を調整するようになっている。 さらにまた、プランジャ式油圧モータ53のカムリング53
    a側は車軸48と一体に回転するため、流路切換弁67
    とプランジャ式油圧モータ53を接続する流路の途中にはロータリジョイント72が介装されている。

    【0058】次に、作用について説明する。 流路切換弁67が図17に示すような第1の切換状態にある時は、
    プランジャポンプ54とプランジャ式油圧モータ53との間の油路が遮断されると共に、プランジャ式油圧モータ53は第1、第2入出力ポートP 11 、P 12が絞り流路56を介して互いに接続されるためフリー回転が可能な状態となっている。 従って、この時、作動装置40の両側のサイドギヤ46、47間にはプランジャ式油圧モータ53の回転力が作用せず、推進軸41から作動装置4
    0を通して左右の車軸48、49に等しい駆動力が伝達される。

    【0059】そして、この状態からコントローラ70の制御信号により流路切換弁67が第2の切換状態に切り換えられると、吐出側ポートP 14と第1入出力ポートP
    11 、および、吸入側ポートP 13と第2入出力ポートP 12
    がそれぞれ連通され、プランジャ式油圧モータ53のシリンダドライブ53bがカムリング53aに対して相対回転するようになる。 この時、カムリング53aが筒状部60を通して左側の車軸48に、シリンダドライブ5
    3bが連結軸61を通して右側の車軸49にそれぞれ結合されているため、プランジャ式油圧モータ53の回転力が左右の車軸48、49の間に直接作用して回転差を生じさせる。 この結果、左側の車軸48が減速される一方で右側の車軸49が増速され、推進軸41の駆動力はこの増減速の割合に応じて左右の車軸48、49に配分される。

    【0060】また、流路切換弁67がコントローラ70
    の制御信号により第3の切換状態に切り換えらた場合には、吐出側ポートP 14と第2入出力ポートP 12 、および、吸入側ポートP 13と第1入出力ポートP 11がそれぞれ連通され、プランジャ式油圧モータ53のシリンダドライブ53bがカムリング53aに対して以上とは逆方向に回転するようになる。 これにより、先ほどとは逆に左側の車軸48が増速される一方で右側の車軸49が減速され、推進軸41の駆動力はこの増減速の割合に応じて左右の車軸48、49に配分される。

    【0061】なお、第2の切換状態と第3の切換状態のいずれの場合にも、左右の車軸48、49の増減速の割合は圧力制御弁66による供給作動油の圧力調整によって適宜制御される。 以上のように、左右駆動車輪51、
    52の駆動力配分を任意に調整することにより、車両にヨーモーメントを発生させることができる。 例えば、前記発明の実施の形態1の車両姿勢制御においては、外乱ヨーモーメントによる車両の移動方向の車輪側の駆動力が逆方向の車輪側の駆動力より小さくなる方向に駆動力配分制御することにより、外乱ヨーモーメントを打ち消す方向の制御ヨーモーメント(外乱抑制ヨーモーメント)が発生し、これにより、車両姿勢を安定させることができる。 また、前記発明の実施の形態2の車両の旋回時制御においては、車両の旋回制動時において内輪側よりも外輪側の駆動力が小さくなる方向に駆動力配分制御することにより、アンチスピン方向のヨーモーメントが発生し、これにより、旋回制動時における車両のスピンを防止することができる。

    【0062】以上、本発明の実施の形態を図面により詳細に説明してきたが、具体的な構成はこの発明の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。 例えば、発明の実施の形態1では、ヨー角加速度検出手段としてヨー角加速度センサを用いたが、別のセンサ信号から推定するロジックで構成するようにしてもよい。

    【0063】また、発明の実施の形態3では、油圧モータとしてプランジャ式油圧モータを用いた例を示したが、トロコイドモータその他の油圧モータを用いることができる。 また、発明の実施の形態3では、油圧ポンプとしてプランジャポンプを用いた例を示したが、トロコイドポンプ、ベーンポンプその他の油圧ポンプを用いることができる。

    【0064】

    【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1記載の発明では、車両にヨーモーメントを発生させるヨーモーメント発生装置と、車両に作用している外乱ヨーモーメント量を求める外乱ヨーモーメント検出手段と、外乱ヨーモーメント検出手段で検出された外乱ヨーモーメント量に基づき外乱抑制ヨーモーメント量を求める外乱抑制ヨーモーメント演算手段と、外乱抑制ヨーモーメント演算手段で演算された外乱抑制ヨーモーメント量をヨーモーメント発生装置で発生させるための制御指令値を求める制御指令値演算手段と、車両の非操舵状態を検出する非操舵状態検出手段と、非操舵状態検出手段で車両の非操舵状態が検出された時は制御指令値演算手段で演算された制御指令値をヨーモーメント発生装置に出力する車両姿勢制御手段と、を備えた手段としたことで、車両の直進走行状態において、横風外乱や路面外乱に対し車両姿勢を安定させることができるようになるという効果が得られる。

    【0065】請求項2記載の車両姿勢安定制御装置では、請求項1記載の発明において、車両に生じているヨーモーメンを推定する推定ヨーモーメント演算手段と、
    目標ヨーモーメントを演算する目標ヨーモーメント演算手段と、前記推定ヨーモーメント演算手段で演算された推定ヨーモーメントを前記目標ヨーモーメント演算手段で演算された目標ヨーモメントと比較し、その差分に相当する量のヨーモーメントを求める比較判断手段と、該比較判断手段で判断された差分に相当するヨーモーメントに基づき前記ヨーモーメント発生装置で発生させるための制御指令値を求める操舵時制御指令値演算手段と、
    前記非操舵状態検出手段で車両の操舵状態が検出された時は、前記操舵時制御指令値演算手段で演算された制御指令値を前記ヨーモーメント発生装置に出力する操舵時制御手段と、を備えている手段としたことで、操舵時における車両のスピンを防止することができるようになるという追加の効果が得られる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】発明の実施の形態1の車両姿勢安定制御装置を示すブロック図である。

    【図2】発明の実施の形態1におけるヨーモーメント発生機構の一例である制動力制御装置を示す全体図である。

    【図3】発明の実施の形態1における非操舵状態検出手段を示すブロック図である。

    【図4】発明の実施の形態1における外乱ヨーモーメント演算手段を示すブロック図である。

    【図5】発明の実施の形態1におけるヨー角加速度センサを示す平面図である。

    【図6】発明の実施の形態1における外乱抑制ヨーモーメント演算手段を示すブロック図である。

    【図7】発明の実施の形態1の車両姿勢安定制御装置の制御内容を示すフローチャートである。

    【図8】2輪モデル図である。

    【図9】前輪舵角δとスリップ角βとヨーレイト△ψとの関係を示す運動方程式のモデル図である。

    【図10】上記運動方程式を簡略化したモデル図である。

    【図11】発明の実施の形態2の車両姿勢安定制御装置を示すブロック図である。

    【図12】発明の実施の形態2における目標ヨーモーメント演算手段を示すブロック図である。

    【図13】発明の実施の形態2における目標横力を求めるマップを示す特性図である。

    【図14】発明の実施の形態2における推定ヨーモーメント検出手段を示すブロック図である。

    【図15】発明の実施の形態2における横力を求めるマップを示す特性図である。

    【図16】発明の実施の形態2の作動例を示す説明図である。

    【図17】発明の実施の形態3の駆動力配分制御装置を示す断面図である。

    【図18】従来例のヨー運動制御装置を示すブロック図である。

    【符号の説明】 1 マスタシリンダ 2 ブレーキ回路 3 ホイルシリンダ 4 ドレン回路 5 切替弁 6 リザーバ 7 ポンプ 8 加給回路 9 イン側ゲート弁 10 アウト側ゲート弁 11 ブレーキユニット 12 コントロールユニット 20 比較判断手段 21 ヨーモーメント発生装置 22 目標ヨーモーメント演算手段 22a 各輪制駆動力演算部 22b 各輪荷重演算部 22d 各輪スリップ角演算部 22g 目標横力演算部 22i 目標ヨーモーメント演算部 23 推定ヨーモーメント検出手段 24 操舵時制御指令値演算手段 25 操作時制御手段 26 非操舵状態検出手段 26a 非操舵状態検出部 27 外乱ヨーモーメント演算手段 27a 外乱ヨーモーメント演算部 28 外乱抑制ヨーモーメント演算手段 28a 外乱抑制ヨーモーメント演算部 29 制御指令値演算手段 30 車両姿勢制御手段 31 ブレーキスイッチ 32 前後Gセンサ 33 横Gセンサ 34 操舵角センサ 35 ヨーレイトセンサ 36 車速センサ 37 スリップ角検出手段 38 ヨー角加速度センサ 40 作動装置 41 推進軸 42 ドライブピニオン 43 リングギヤ 44 デフケース 45 デフピニオン 46 サイドギヤ 47 サイドギヤ 48 車軸 49 車軸 50 デフハウジング 51 車輪 52 車輪 53 プランジャ式油圧モータ 53a カムリング 53b シリンダドライブ 54 プランジャポンプ 54a カムリング 54b シリンダドライブ 59 中心軸 60 筒状部 61 連結軸 66 圧力制御弁 67 流路切換弁 68 油圧回路 69 リザーバ 70 コントローラ 71 ドレーン通路 72 ロータリジョイント

    フロントページの続き Fターム(参考) 3D032 DA23 DA25 DA29 DA33 DA82 DD02 EB16 EB17 FF05 FF06 FF08 3D036 GB09 GC07 GE04 GF06 GF10 GG33 GG35 GG42 GG43 GG44 GG52 GG60 GH23 GJ01 3D046 BB21 BB22 BB25 HH02 HH08 HH21 HH22 HH25 HH26 JJ02 KK12

    高效检索全球专利

    专利汇是专利免费检索,专利查询,专利分析-国家发明专利查询检索分析平台,是提供专利分析,专利查询,专利检索等数据服务功能的知识产权数据服务商。

    我们的产品包含105个国家的1.26亿组数据,免费查、免费专利分析。

    申请试用

    分析报告

    专利汇分析报告产品可以对行业情报数据进行梳理分析,涉及维度包括行业专利基本状况分析、地域分析、技术分析、发明人分析、申请人分析、专利权人分析、失效分析、核心专利分析、法律分析、研发重点分析、企业专利处境分析、技术处境分析、专利寿命分析、企业定位分析、引证分析等超过60个分析角度,系统通过AI智能系统对图表进行解读,只需1分钟,一键生成行业专利分析报告。

    申请试用

    QQ群二维码
    意见反馈