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Medicinal composition

阅读:1023发布:2020-11-16

专利汇可以提供Medicinal composition专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a new compound having action on the improvement of gastrointestinal motility function and suppressing occurrence of side effects.
SOLUTION: There is provided the following new compound which is rich in binding affinity to serotonin receptor 4 (5HT
4 ) and does not cause the onset of arteritis, clot formation or the like: 4-amino-5-chloro-2-methoxy-N-[(2S, 4S)-1-ethyl-2-hydroxymethyl-4-pyrrolidinyl]benzamide, or a metabolite of its acid additive salt of 4-amino-5-chloro-2-methoxy-N-[(2S, 4S)-2-hydroxymethyl-4-pyrrolidinyl]benzamide.
COPYRIGHT: (C)2010,JPO&INPIT,下面是Medicinal composition专利的具体信息内容。

  • セロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富み、動脈炎、血栓形成の起こらない、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を有効成分とする消化管運動機能改善剤。
  • セロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富み、動脈炎、血栓形成の起こらない、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を有効成分とし、製薬上許容される担体とからなる消化管運動機能改善医薬組成物。
  • セロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富み、動脈炎、血栓形成の起こらない、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を有効成分とする消化管運動機能改善剤又はこれと製薬上許容される担体とからなる消化管運動機能改善医薬組成物を使用する消化管運動機能促進のための治療方法。
  • 4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−〔(2S,4S〕−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル〕ベンズアミド又はその酸付加塩、又はこれと製薬上許容される担体を含む医薬組成物を、人又は哺乳動物に投与することを特徴とする、動脈炎、血栓形成又は脳軟化症の発現を避けつつ、人又は動物の消化管の運動機能を改善する方法。
  • 4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−〔(2S,4S〕−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル)ベンズアミド又はその酸付加塩。
  • 4位のアミノ基又は/及びピロリジニル基のアミノ基が保護されていてもよい4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−〔(2S,4S〕−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル)ベンズアミド又はその酸付加塩。
  • アミノ基が保護されていてもよい4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ安息香酸又はその反応性誘導体と(2S,4S)−4−アミノ−N−アシル−2−ヒドロキシメチルピロリジンとを反応させ、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−アシル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を得、次いでアシル基に保護基が使用されている場合は保護基及びアシル基の脱離を行うことを特徴とする4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩の製造方法。
  • アミノ基が保護されていてもよい(2S,4S)−4−アミノ−N−アシル−2−ヒドロキシメチルピロリジン。
  • アミノ基の保護基がアシル基であって、当該アシル基及びN−アシルのアシル基がホルミル、アセチル、プロピオニル、ベンゾイルから選ばれる請求項8に記載の化合物。
  • アシル基がアセチルである請求項8に記載の化合物。
  • 说明书全文

    この発明は、消化管、取り分け胃の運動を活発にして、摂取した食物の当該器管における異常な滞留を速やかに解消することに適した、作用点が末梢性であって、動脈炎等の副作用をもたない化合物、即ち、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を有効成分とする人又は動物用消化管運動機能改善剤、更には、これと医薬上許容される担体とからなる医薬組成物、更に、当該化合物の有効量を含む組成物を患者に投与することからなる消化管運動機能低下症状を改善する方法、及び当該組成物を製造するための当該化合物の使用に関するものである。

    一般名をメトクロプラミドとする化合物は、胃の運動機能を促進する性質を持つ化合物として、広く知られているが、中枢神経への作用のために、錐体外路症状その他好ましくない症状を誘発する。 又、一般名をシサプリドとする化合物も消化管運動賦活剤として実用されていたが、心室性不整脈の誘発のため、使用を中止することとなった。
    中枢神経への作用が無いか、その作用が極めて弱いものであるとされている4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−エチル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド(TKS159と記述することもある)又はその酸付加塩は、消化管、取り分け胃の運動機能を亢進する作用を備えている化合物として知られているものである(特許文献1)。

    特開平5−17434号公報

    しかしながら、本願出願人は、上記公報の発明の代表化合物であるTKS159の開発を進め、実験動物取り分け、ビーグル犬を使っての安全性試験において、TKS159を反復経口投与した場合、血栓形成、動脈炎、脳軟化等の症状の所見を見た。 斯かる症状の発現は、畢竟、医薬としての使用に適するものではないことを如実に示すものである。

    本発明者らは、マウスやラットでは現われることのなかったこれらの諸症状がビーグル犬に特異的に生成する当該化合物の代謝産物であることが見いだされた4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩により発生している症状の所見と考え、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を使用し、ビーグル犬への反復経口投与を行ったが、意外なことに、TKS159を投与した際に見られた種々の症状の所見は見られないことが判った。 それだけでなく、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩がTKS159又はその酸付加塩と同等乃至はこれに勝る消化管運動機能改善能を備えている化合物であることが見いだされた。 即ち、血栓形成、動脈炎、脳軟化等の症状の発現を回避することができる4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩が、これを有効成分とする消化管運動機能改善剤として有効に使用できることが見いだされた。 治療に使用される薬物の属性として望まれるべきは、必要とされる作用を充分に備えていることは当然のことながら、その薬物に必然不可避的に付随しているために回避することが不可能とされる好ましからざる作用の発現が取り除かれている薬物の提供は、広く求められているところである。 生命に直接影響する疾病以外の疾病においては、かかる傾向は一段と強い。 必要とする作用は充分に備えていながら、回避することができない若干の好ましからざる作用の発現が回避できないために、治療用薬物として、現実にはその役目を果たすことができなかった例が数多く存在していることは、広く知られているところである。 なお、上記の公報には4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−(5―ヒドロキシメチルピロリジン−3−イル)ベンズアミドの記載があるが、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミドは立体異性的に又は光学異性的に新規化合物である。

    本願発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を有効成分として含む動脈炎等の副作用を回避した消化管運動機能改善剤に関するものであり、更に、当該4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩と医薬上許容される担体とからなる、人又は哺乳動物(例えば犬、ネコ、、馬、羊など)に投与するための新規医薬組成物に関するものである。

    本願発明の消化管運動機能改善剤乃至これを含む新規医薬組成物は、血栓形成、動脈炎等4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−エチル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩において付随発生する副作用を避けることができる化合物、即ち、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド(TM161と記述することもある)又はその酸付加塩乃至これと製薬上許容される担体とから成る新規医薬組成物に関するものである。

    当該化合物TM161又はその酸付加塩は、生体殊に、ビーグル犬に、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−エチル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド化合物又はその酸付加塩を投与した際において、その代謝産物として見いだされるものであるところ、驚くべきことに、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−エチル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミドの投与においては不可避的に付随発生した血栓形成、動脈炎等の副作用の発現を回避することができる特性を有することが本願発明者らの研究において明らかにされた。 加えて、消化管運動機能の改善能においてはTKS159又はその酸付加塩に勝っていることも明らかにされた。 更に、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩は、セロトニン4(5HT )受容体への結合が、そのほかの受容体、例えば、ドーパミンD 受容体への結合に優先するアゴニストとして作用するものであることも明らかにされた。

    これによって、ドーパミンD への結合により生ずるとされている、沈静作用、錐体外路症状、プロラクチンの分泌亢進等の副作用が低減し得る化合物であることも明らかにされた。
    本願発明は斯かる種々の新たな知見に基づいてなされたものであって、本願発明によれば、セロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富む4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を活性成分とし、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−エチル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩の投与において不可避的に付随発生する血栓形成、動脈炎等の副作用の発現を回避することができる消化管運動機能改善剤又はこれを活性成分として含み、製薬上許容される担体とから成る医薬組成物が提供される。 副作用の回避が可能な限り極められていることが医薬品化合物の属性として必要不可欠であることに鑑み、本願発明の意義は重要である。

    真の医薬発明とは、有用な薬理活性のみならず、重篤な副作用がないことが確認されてはじめて成立するものであるからである。 すなわち本発明は有効にして且つ副作用の発現を伴わない安全な薬物であることが確かめられている消化管運動機能改善剤に関する。

    本発明は、
    (1) セロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富み、動脈炎、血栓形成等の起こらない、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を有効成分とする消化管運動機能改善剤、
    (2) セロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富み、動脈炎、血栓形成等の起こらない、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を有効成分とし、製薬上許容される担体とからなる消化管運動機能改善医薬組成物、
    (3) セロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富み、動脈炎、血栓形成等の起こらない、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を有効成分とする消化管運動機能改善剤又はこれと製薬上許容される担体とからなる消化管運動機能改善医薬組成物を使用する消化管運動機能促進のための治療方法、
    (4) 4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−〔(2S,4S〕−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル〕ベンズアミド又はその酸付加塩、又はこれと製薬上許容される担体を含む医薬組成物を、人又は哺乳動物に投与することを特徴とする、動脈炎、血栓形成又は脳軟化症の発現を避けつつ、人又は動物の消化管の運動機能を改善する方法、
    (5) 4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−〔(2S,4S〕−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル)ベンズアミド又はその酸付加塩、
    (6) 4位のアミノ基又は/及びピロリジニル基のアミノ基が保護されていてもよい4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−〔(2S,4S〕−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル)ベンズアミド又はその酸付加塩、
    (7) アミノ基が保護されていてもよい4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ安息香酸又はその反応性誘導体と(2S,4S)−4−アミノ−N−アシル−2−ヒドロキシメチルピロリジンとを反応させ、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−アシル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を得、次いでアシル基に保護基が使用されている場合は保護基及びアシル基の脱離を行うことを特徴とする4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩の製造方法、
    (8) アミノ基が保護されていてもよい(2S,4S)−4−アミノ−N−アシル−2−ヒドロキシメチルピロリジン、
    (9) アミノ基の保護基がアシル基であって、当該アシル基及びN−アシルのアシル基がホルミル、アセチル、プロピオニル、ベンゾイルから選ばれる前記(8)に記載の化合物、
    (10) アシル基がアセチルである前記(8)に記載の化合物、
    に関する。
    以下に、具体例を記述して本願発明を更に詳細に説明するが、本願発明はこれによって限定等制限的に解釈されるものではない。

    第1図は検体薬物のセロトニン受容体4への結合的親和性の変化を示す。 横軸は検体薬物の濃度(モル濃度 対数表示)を、縦軸はセロトニン受容体4と[

    H]GR113808の結合割合を示す。 ●──●は実施例9で得た検体化合物を、○──〇はTKS159塩酸塩を示す。 検体薬物の濃度が高くなるに従って、セロトニン受容体4に結合している[

    H]GR113808の量が少なくなっている。 即ち、検体薬物がセロトニン受容体4に結合する[

    H]GR113808に拮抗して結合することを示している。 実施例9で得た検体薬物のセロトニン受容体4への親和性がTKS159塩酸塩の親和性に比べて強いことが解る。

    第2図は検体薬物のドーパミンD

    受容体への結合的親和性の変化を示す。 横軸は検体薬物の濃度(モル濃度 対数表示)を、縦軸はドーパミンD

    受容体と[

    H]−spiperoneの結合割合を示す。 ●──●は実施例9で得た検体化合物を、○──〇はTKS159塩酸塩を示す。 検体薬物の濃度が高くなるに従って、ドーパミンD

    受容体に結合している[

    H]−spiperoneの量が少なくなっている。 即ち、検体薬物がドーパミンD

    受容体に結合する[

    H]−spiperoneに拮抗して結合することを示している。 実施例9で得た検体薬物のドーパミンD

    受容体への親和性がTKS159塩酸塩の親和性に比べて弱いことが解る。

    第3図は検体薬物のラット摘出標本における弛緩反応の程度を示す。 横軸は検体薬物の濃度(モル濃度 対数表示)を、縦軸はラット摘出標本における弛緩の割合を示す。 ●──●は実施例9で得た検体化合物を、○──〇はTKS159塩酸塩を示す。 検体薬物の濃度が高くなるに従って、標本の弛緩が濃度依存して起こっており、実施例9で得た薬物の作用がTKS159塩酸塩に比べて強いことが解る。

    本発明の4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩は、式(I)

    (式中、R

    は保護されていてもよいアミノ基を示す。)で表されるアミノ基が保護されていてもよい4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ安息香酸又はその反応性誘導体と、式(II)

    (式中、R

    原子又はイミノ基の保護基を示す。)で表されるイミノ基が保護されていてもよい(2S,4S)−4−アミノ−2−ヒドロキシメチルピロリジンとを反応させて式(III)

    (式中、R

    とR

    は前記と同意義。)で表される化合物を製造し、所望によりアミノ基の保護基又は/及びイミノ基の保護基を除去することにより製造される。

    上記のように、アミノ基又は/及びイミノ基の少なくとも一が保護基で保護されている式(III)で表される化合物は、新規化合物である4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド(TM161)又はその酸付加塩の合成中間体として重要であるばかりでなく、アミノ基の保護基又は/及びイミノ基の保護基が、化合物(III)の生体内に投与後に生体内で除去される場合は、TM161と同様に、血栓形成、動脈炎、脳軟化症などの副作用を避けつつ、TKS159よりも優れた消化管運動機能改善効果を奏するので、TM161と同様に使用されうる。 アミノ基の保護基及びイミノ基の保護基としては、例えばアシル基(例えばアセチル基)、BOC基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。 アミノ基又は/及びイミノ基を保護して生体内で離脱可能な保護基は、従来十分確立されていて、本発明においても保護基としてそのような生体内で離脱可能な保護基を採用してもよい。 具体的には、生体内で離脱可能な保護基としては、アシル基(例えばアセチル、プロピオニルなどの低級アルキルカルボニル基)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニルなどの低級アルキルオキシカルボニル基)などが好ましい。

    本願発明のセロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富み、動脈炎、血栓形成等の起こらない4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩は、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−エチル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩の代謝物であるところ、このものはより好ましくは次のようにして造られる。 即ち、適宜媒体中、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ安息香酸もしくはそのアミノ基を保護した誘導体又はその反応性誘導体(例えば酸ハライド、活性エステル、酸無水物等)と(2S,4S)−4−アミノ−N−アシル−2−ヒドロキシメチルピロリジンとを、場合により縮合剤を使用して、縮合反応に付して造られる。 アシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ベンゾイル等が挙げられるが、好適にはアセチルである。 アミノ基の保護基は上記アシル基であってよい。

    得られた化合物は、縮合方法の如何により酸付加塩として得られることもあるが、塩基物を酸付加塩に誘導する場合には、適宜溶媒に溶解し、所望の酸の添加により酸付加塩に誘導することができる。 ここにおいて、縮合反応に使用される適宜媒体としては、好適にはテトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、石油系炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油ベンジン等)、ジメチルホルムアミド、ピリジン、トリエチルアミン、アセトニトリル、クロロホルム等原料乃至縮合剤に不活性なものを使用する。 4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ安息香酸を反応性誘導体に変えて使用する場合における誘導体としての酸ハライドは塩化チオニル、三臭化リンによる酸クロリドや酸ブロミドであり、酸無水物はクロル炭酸エチルエステルとの混合酸無水物、活性エステルはエチルアルコールやp−ニトロフェノールとのエステル、更に、N,N−ジカルボニルジイミダゾール、N,N−カルボニルジピロールとの反応により得られる酸イミダゾリド、酸ピロリゾリドが挙げられる。 これら反応性誘導体を反応に供する場合、ピリジン、ピコリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、炭酸カリウム等の塩基を使用すると良い。 又場合により縮合剤を使用する場合とは、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ安息香酸を反応性誘導体に変換しないで反応に供する場合を指し、斯かる場合には縮合剤を使用する。 使用される縮合剤としては、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1、1−スルフィニルジイミダゾール、1、1−カルボニルジイミダゾール、四塩化チタン、三塩化リン、オキシ塩化リン、ジエチルクロルホスファイト、o−フェニレンクロルホスファイト等が挙げられる。

    縮合反応は、室温乃至は加温下に撹拌して、好適に行うことができる。 かくて得られる4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−アシル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミドは、場合により酸付加塩として生成することもあるが、塩基として生成した場合、適宜の酸付加塩に誘導する。 斯かる酸付加塩に誘導するための酸としては、塩化水素、臭化水素、硫酸、ヨウ化水素、炭酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、乳酸、琥珀酸酒石酸、フマール酸、クエン酸等が挙げられる。 酸付加塩への誘導は、塩基として生成した4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−アシル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミドを上記の酸のうち所望の酸と適宜の溶媒中で混合撹拌することによって、所望の酸付加塩を得ることができる。 酸付加塩は、通常薬理学的に許容しうる塩である。

    ここに得られた4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−アシル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩は、アシル基の脱離を経て、TKS159又はその酸付加塩において不可避的に発現する動脈炎、血栓形成、脳軟化等の副作用を回避することができる4−アミノ−5−クロロ―2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩に誘導される。 ここにおいてアシル基の脱離は、アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等)中、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を加え、加熱還流することによって達成される。

    かくてセロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富み、動脈炎、血栓形成等のTKS159又はその酸付加塩に付随的に発現する副作用を回避できる消化管運動機能改善剤、即ち、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−エチル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩の代謝物である4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を得ることができる。

    なお、上記の製造方法に用いられるアミノ基が保護された(2S,4S)−4−アミノ−2−ヒドロキシメチルピロリジンは下記の方法で製造することができる。 4−ヒドロキシ−L−プロリンアルキルエステルのイミノ基に保護基を導入してN−保護−4−ヒドロキシ−L−プロリンアルキルエステルを製造し、このようにして製造されたN−保護−4−ヒドロキシ−L−プロリンアルキルエステルのヒドロキシル基をメシルオキシ基に変換してN−保護−4−メシルオキシ−L−プロリンアルキルエステルを製造し、このようにして製造されたN−保護−4−メシルオキシ−L−プロリンアルキルエステルのメシルオキシ基をアジド基に変換してN−保護−4−アジド−L−プロリンアルキルエステルを製造し、このようにして製造されたN−保護−4−アジド−L−プロリンアルキルエステルを還元反応に付してN−保護−(2S,4S)−4−アジド−2−ヒドロキシメチルピロリジンを製造し、そしてこのように製造されたN−保護−(2S,4S)−4−アジド−2−ヒドロキシメチルピロリジンをさらに還元反応に付してイミノ基が保護された(2S,4S)−4−アミノ−2−ヒドロキシメチルピロリジンを工業的有利に製造することができる。

    この製造方法における保護基としては、上記したイミノ基の保護基が用いられ、好ましくはアセチル基である。 アルキル基は炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましく、例えばメチル基又はエチル基が例示される。 また、最初の還元反応は、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを用いて行うのが好ましく、二番目の還元反応は接触還元で行うのが好ましい。

    ここに得られたセロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富み、動脈炎、血栓形成等のTKS159又はその酸付加塩に付随的に発現する副作用を回避できる消化管運動機能改善剤である4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩は、製薬上許容される適宜の担体と共に製剤化され消化管運動機能改善医薬組成物として、実用に供される。

    ここにおいて、製薬上許容される適宜の担体としては、賦形剤である乳糖、ブドウ糖、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース、軽質無水珪酸等、崩壊剤であるデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム等、滑沢剤であるステアリン酸マグネシウム、精製タルク、ステアリン酸カルシウム等、結合剤であるデンプンのり液、ヒドロキシプロピルセルロース液、カルボキシメチルセルロース液、アラビアゴム液、ゼラチン液、ヒドロキシプロピルメチルセルロース液等、その他着色剤や矯味剤が挙げられる。 これらは所望する剤型に合わせて選択のうえ、処方され、製剤化される。

    本願発明におけるセロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富み、動脈炎、血栓形成等TKS159又はその酸付加塩に付随的に発現する副作用を回避できる消化管運動機能改善剤である4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩と適宜の担体とから成る製剤化された消化管運動機能改善医薬組成物である製剤としては、錠剤、カプセル剤、細粒剤、顆粒剤、注射剤、シロップ剤、ドライシロップ剤等が挙げられる。 これらの製剤の各々に適した担体を上記した担体の中から選んで使用する。 例えば、製剤化され消化管運動機能改善医薬組成物である製剤が錠剤である場合、セロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富み、動脈炎、血栓形成等TKS159又はその酸付加塩に付随的に発現する副作用を回避できる消化管運動機能改善剤である4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩の所定量を乳糖、結晶セルロースの所定量と共に流動層造粒機に入れ、結合剤の水溶液を噴霧しながら、造粒を行う。 次いで、崩壊剤、滑沢剤を添加、混合する。 ここに得られる造粒物を所定の大きさ、重量の錠剤となるように打錠機にて加圧成型して、錠剤を造る。

    製剤中に含まれる活性成分であるセロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富み、動脈炎、血栓形成等TKS159又はその酸付加塩に付随的に発現する副作用を回避できる消化管運動機能改善剤である4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩の含有量は、一日当たりの活性成分総投与量と関係するところ、0.05〜10mg/1回投与量とする。 投与回数は症状、投与期間、活性成分に対する個人の鋭敏さ等により医師の判断によって加減されるが、一日1〜3回投与するのが一般的である。

    本願発明における活性成分であるセロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富み、動脈炎、血栓形成等TKS159又はその酸付加塩に付随的に発現する副作用を回避できる消化管運動機能改善剤である4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩は、急性毒性試験において、経口投与においてはTKS159又はその酸付加塩よりも急性毒性が小さく、従って経口投与に向いている。 セロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富み、動脈炎、血栓形成等の起こらない、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−エチル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩の代謝物である4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を有効成分とする消化管運動機能改善剤乃至はこれと担体とからなる消化管運動機能改善医薬組成物が提供される。

    [実施例1]
    4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド一塩酸塩のセロトニン受容体4への作用の測定:
    Hartley系雄性モルモットから摘出した線条体を50mM HEPES−NaOH緩衝液(pH7.4)中でホモジナイズした後、遠心・懸濁を繰り返して、セロトニン受容体4標品を作製した。 当該受容体標品と放射性リガンド0.1nMの[ H]−GR113808及び実施例9で得た検体薬物を所定濃度に含有せしめた液とを反応させて、マルチフィルターMF−12G(グラスフィルター(Whatman GF/Cを装着))を使って吸引濾過し、濾紙の放射活性をシンチレーションカウンター(LS6500 Beckman)を使って測定し、検体薬物のセロトニン受容体4への親和性を測定した。 別に、TKS159塩酸塩についても同様に行いその親和性を比較した。
    結果は第1図に示すとおりであった。 IC 50は0.25μMであり、TKS159塩酸塩の0.45μMより低濃度であった。

    [実施例2]
    4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド一塩酸塩のドーパミンD 受容体への作用の測定:
    Wistar系雄性ラットから摘出した線条体を50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.7)中でホモジナイズした後、遠心・懸濁を繰り返して、ドーパミンD 受容体標品を作製した。 当該受容体標品と放射性リガンド0.25nMの[ H]−spiperone及び実施例9で得た検体薬物を所定濃度に含有せしめた液とを反応させて、マルチフィルターMF−12G(グラスフィルター(Whatman GF/Cを装着))を使って吸引濾過し、濾紙の放射活性をシンチレーションカウンター(LS6500 Beckman)を使って測定し、検体薬物のドーパミンD 受容体への親和性を測定した。 別に、TKS159塩酸塩についても同様に行いその親和性を比較した。
    結果は第2図に示すとおりであった。 IC 50は34μMであり、TKS159塩酸塩の3.8μMより高濃度であった。

    [実施例3]
    N−アセチル−4−ヒドロキシ−L−プロリンエチルエステルの合成:
    4−ヒドロキシ−L−プロリンエチルエステル塩酸塩600g、トリエチルアミン683g、クロロホルム2.4Lの懸濁液に無水酢酸345gを冷却しながら10℃以下で滴下した。 2時間攪拌後、水(0.6L)を加えて分液した。 有機層を硫酸マグネシウムで乾燥処理した後、減圧濃縮しN−アセチル−4−ヒドロキシ−L−プロリンエチルエステル1020gを油状物で得た。
    IR(neat)νcm −1 :3402,1740,1626,1456,1278,1195,1085,1035,967,864,568

    [実施例4]
    N−アセチル−4−メシルオキシ−L−プロリンエチルエステルの合成:
    N−アセチル−4−ヒドロキシ−L−プロリンエチルエステル1020g、トリエチルアミン435g、クロロホルム1.9Lの溶液にメタンスルホニルクロライド457gを冷却しながら15℃以下で滴下した。 30分攪拌後、1N塩酸(0.6L)を加えて分液した。 有機層を5%重曹水洗浄(600g)、水洗浄(0.6L)を順次行ってから硫酸マグネシウムで乾燥処理した後、減圧濃縮しN−アセチル−4−メシルオキシ−L−プロリンエチルエステル802gを油状物で得た。
    IR(neat)νcm −1 :3462,1742,1652,1422,1353,1268,1196,1175,958,905,531

    [実施例5]
    N−アセチル−4−アジド−L−プロリンエチルエステルの合成:
    N−アセチル−4−メシルオキシ−L−プロリンエチルエステル802g、DMF2.4Lの溶液にアジ化ナトリウム243gを添加し、内温70℃で7時間反応し、冷却後氷水(4.8L)にあけてクロロホルム(3.2L)で抽出した。 有機層を硫酸マグネシウムで乾燥処理した後、減圧濃縮しN−アセチル−4−アジド−L−プロリンエチルエステル644gを油状物で得た。
    IR(neat)νcm −1 :3472,2109,1746,1656,1418,1370,1269,1195,1055,1029,615,561

    [実施例6]
    (2S,4S)−N−アセチル−4−アジド−2−ヒドロキシメチルピロリジンの合成:
    エタノール2.5L、水素化ホウ素ナトリウム162gの懸濁液にエタノール700mLで溶解したN−アセチル−4−アジド−L−プロリンエチルエステル644gを冷却しながら10℃以下で滴下した。 終夜反応後、35%塩酸(594g)を冷却しながら20℃以下で滴下し重曹(24g)で中和した。 濾別後、イソプロピルアルコール1.3Lで溶媒置換しながら減圧濃縮し(2S,4S)−N−アセチル−4−アジド−2−ヒドロキシメチルピロリジン534gを油状物で得た。
    H−NMR(CDCL3)δ:1.8(1H,ddd),2.1(3H,s),2.4(1H,ddd),2.9(1H,d),3.5(1H,dd),3.8(2H,m),4.2(1H,ddd),4.3(1H,m),4.7(1H,OH)
    IR(neat)νcm −1 :3371,2104,1626,1445,1362,1327,1269,1048,907,617,560

    [実施例7]
    (2S,4S)−N−アセチル−4−アミノ−2−ヒドロキシメチルピロリジンの合成:
    N−アセチル−4−アジド−2−ヒドロキシメチルピロリジン534g、メタノール2.6Lの溶液に10%Pd−C 92.4gを添加し、常圧で原料が消失するまで1時間毎に容器内を水素ガス交換しながら水素添加した(30時間)。 濾別後、減圧濃縮し(2S,4S)−N−アセチル−4−アミノ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、より詳しくは(2S,4S)−(−)−1−アセチル−4−アミノ−2−ヒドロキシメチルピロリジン411gを油状物で得た。
    [α] 20 =−57.1°(c=1.28,MeOH)
    IR(neat)νcm −1 :3343,1625,1446,1361,1238,1199,1037,957,915,757,612

    [実施例8]
    4−アセチルアミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−アセチル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミドの合成:
    4−アセチルアミノ−5−クロロ−2−メトキシ安息香酸9.84g,トリエチルアミン4.5gをジクロロメタン40mlに溶解し、10℃以下でクロロ炭酸エチル4.60gを滴下した。 同温で30分撹拌した後、(2S,4S)−(−)−1−アセチル−4−アミノ−2−ヒドロキシメチルピロリジン7.03gのジクロロメタン(20ml)溶液を滴下した。 同温で終夜撹拌した後、水(20ml)を加え析出した結晶を濾取し、得られた結晶を50−55℃で温風乾燥し4−アセチルアミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−アセチル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド11.74gを得た。
    H−NMR(CDCL3)δ:1.7(1H,ddd),2.1(3H,s),2.3(3H,s),2.5(1H,ddd),3.4(1H,dd),3.7(1H,dd),3.9(1H,dd),4.0(3H,s),4.1(1H,dd),4.3(1H,m),4.6(2H,m),7.8(1H,s),8.1(1H,d),8.2(1H,s),8.4(1H,s)
    13 C−NMR(DMSO−d6)δ:28.13,28.97,38.38,52.04,53.24,59.66,61.39,63.20,67.02,124.58,135.98,143.55,161.13,161.18,167.88,141.17,174.37
    IR(KBr)νcm −1 :3251,1697,1629,1563,1511,1457,1397,1309,1238,1194,1080,1049,1013,980,638

    [実施例9]
    4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド一塩酸塩の合成:
    4−アセチルアミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−アセチル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド11.74gをエチルアルコール(60ml)で溶解し、水酸化ナトリウム(2.7g)を加えた後、8.5時間過熱還流した。 水(20ml)を加え1時間室温で撹拌し不溶物を濾別し、水(50ml)で十分洗浄した。 濾液を減圧濃縮し、得られた残渣にn−ブチールアルコール(50ml)、飽和食塩水(20ml)を加え分液した後、n−ブチールアルコール(30ml)で再抽出した。 抽出液を減圧濃縮した後、残渣にメチルアルコール(50ml)を加え溶解した後、pH6になるように18%(w/w)塩酸含有メチルアルコール(6.5g)を徐々に加えた。 氷冷し析出した結晶を濾取、少量のメチルアルコールで洗浄した。 得られた結晶をエチルアルコールで再結晶し目的化合物である4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド一塩酸塩を5.5g得た。
    mp219−222℃ [α] 20 :+4.2°(c=1.00,EtOH)
    H−NMR(CD OD)δ:1.98(1H,ddd,J=13.6,8.1,5.5Hz)、2.58(1H,ddd,J=13.68.3,8.3Hz)、3.38(1H,dd,J=12.0,4.0Hz)、3.54(1H,dd,J=12.0,7.0Hz)、3.79(1H,dd,J=11.5,5.1Hz)、3.80(1H,m)、3.92(3H,s)、3.92(1H,dd,J=11.5,3.0Hz)、4.68(1H,m)、6.51(1H,s)、7.82(1H,s)
    13 C−NMR(CD OD)δ:33.17,50.31,52.18,56.67,61.03,62.33,98.54,110.86,111.62,133.29,150.75,159.83,167.22.
    IR(KBr)νcm −1 :3418,3385,3325,3212,2437,1637,1588,1455,1207,1161,1048,832.

    [実施例10]
    ビーグル犬三頭を被験動物とし、実施例9で得た4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド一塩酸塩を、投与量100mg/kgとして、一日一回、四週間反復経口投与した。 その後、麻酔下、頸動脈より放血屠殺した後、脳、大動脈、心臓、、肝臓等を摘出し、肉眼的判定と0.1%リン酸緩衝10%ホルマリン溶液で固定し、保存した。 各器官はパラフィン包埋して薄切し、ヘマトキシン・オレンジ染色標本を作製した後、光学顕微鏡を用いて、病理組織学的検査をした。 いずれの臓器にも肉眼的に異常は見られなかった。 又、病理組織学的検査においても異常は見られず、脳軟化、動脈炎、血栓形成は認められなかった。

    [実施例11]
    Sprague−Dawly系雄性ラット4週齢のものを8日間検疫と訓化を兼ねて飼育し、体重160.3〜169.5gのものを一群5匹とし、対象区、300mg/kg投与区、1000mg/kg投与区、2000mg/kg投与区の4群に分けた。 実施例9で得た4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド一塩酸塩を乳鉢で磨砕後、当該化合物が0.5%メチルセルロース水溶液(和光純薬工業製、日局注射用水を使用して調製)10ml中に、300mg、1000mg、2000mg含まれるように加え撹拌して投与検体を調製した。 投与検体は1週間に1回、7日分を一度に調製して、冷蔵庫に保存し使用した。 1回の投与量を10ml/kgと定め、投与経路は経口投与とし、1日1回、9時〜12時に、28日間、ラット用胃管を用いて強制投与した。 対象区には0.5%メチルセルロース水溶液のみを10ml/kg投与した。
    尚、訓化及び薬物投与期間中は、固形飼料(CE−2日本クレア製)及び水道水を自由に摂取させた。
    投与期間終了後、全例を剖検し、脳、心臓、大動脈、肺、膵臓、肝臓、大静脈等の器官・組織の肉眼的観察と組織学的観察をし、病理組織学的検査をした。 いずれの臓器にも肉眼的に異常は見られなかった。 又、病理組織学的検査においても異常は見られず、脳軟化、動脈炎、血栓形成は認められなかった。

    [実施例12]
    4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド一塩酸塩のラット摘出標本における弛緩反応の測定:
    実施例9で得た薬物について、消化管運動促進作用の程度をラット摘出の食道標本を用いて測定した。
    Wistar系雄性ラットから胸腔内の食道を摘出し、縦走筋、輪走筋を含む固有筋層を取り除き、長さ約2cmの粘膜筋層標本を作製した。 標本を栄養液(NaCl 118.5,KCl 4.7,CaCl 1.3,MgSO 0.6,NaHCO 25.0,KH PO 1.2、グルコース 11.1を含む。(単位mM)に浸し、32℃で、95%O /5%CO 混合ガスを流しながら、カルバコール3×10 −6 Mを使って、標本の収縮と、その収縮の安定を確かめた後、メチセルジド、ケタンセリン、グラニセトロンをそれぞれ1μM添加し、30分後実施例9で得た薬物を公比3で累積的に適用し、弛緩の程度をトランデューサを介し、等張性(静止張約0.5g)に測定した。別に、TKS159塩酸塩についても同様に行い、その作用の強さを比較した。
    結果は第3図に示すとおりであった。 EC 50は0.7μMであり、TKS159塩酸塩の1.1μMより低濃度であった。

    [実施例13]
    ddy系雄性マウスを使用して、実施例9で得た薬物及びTKS159を経口投与には0.5%メチルセルロース懸濁、静脈投与には生理食塩液に溶かした。 これをゾンデを使用した強制的経口投与並びに静脈投与よる方法で投与し、急性毒性を観察した。

    [実施例14]
    実施例9で得た薬物50g、乳糖650g、結晶セルロース200gを秤取し、これを流動層造粒機に入れ、結合剤ヒドロキシプロピルセルロース30gを5%水溶液にして噴霧し、造粒末を得た。 次いで、崩壊剤カルボキシメチルセルロースカルシウム50gと滑沢剤ステアリン酸マグネシウム20gを造粒末に加え、混合した。 得られた打錠用造粒末を、1錠の重さが100mgとなるようにして、加圧成型し、錠剤を得た。
    ここに得られた錠剤を使用して、別に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース48g。 ポリエチレングリコール6000 7.2g、タルク1.8g、酸化チタン3g及び精製水550ccを用いて調製したフィルムコーティング液を、1錠の重さが105mgになるまでコーティングを施し、フィルムコーティング錠を得た。

    [参考例]
    TKS159を10、30および100mg/kgの投与用量で、各群ともに雄2匹のビーグル犬に4週間反復経口投与し、観察を行った結果、100mg/kg投与群の死亡例で肺動脈内および心臓冠状動脈内に血栓形成、脳実質の血管周囲腔に軽度の出血が認められた。 100mg/kg投与群の生存例では、左心室内に大型の血栓形成、腎臓の弓状動脈および小葉間動脈内の血栓形成が認められた。 また、ビーグル犬を雌雄ともに6、4、4および6匹からなる4群に分け、そのうち3群にはそれぞれ2.5、6.0および15.0mg/kgの投与用量でTKS159を、対照群には賦形剤を13週間反復経口投与し、一般状態の観察および各種検査を行った。 さらに、対照群および15.0mg/kg投与群の一部の例については13週間の反復投与期間の後、4週間休薬した回復試験をして同様の検査を行った。 検査の結果、15.0mg/kg投与群の2例では動脈炎が認められており、その部位は、脊髄神経根付近や肋骨動脈、脳軟膜、胸腺および膀胱であった。 他の1例では、小脳軟膜や肺、冠状動脈、肝臓、膀胱、胃、膣、腸、横隔膜等で、動脈中隔の壊死と周囲の細胞浸潤が認められた。 また、ビーグル犬を雌雄ともに5、3、3および5匹からなる4群に分け、そのうち3群にはそれぞれ0.25、0.75および2.25mg/kgの投与用量でTKS159を、対照群には賦形剤を52週間反復経口投与し、一般状態の観察および各種検査を行った。 さらに、対照群および2.25mg/kg投与群の一部の例については52週間の反復投与期間の後、4週間休薬した回復試験をして同様の検査を行った。 検査の結果、52週間反復投与毒性試験においては、2.25mg/kg投与群の雄5例中1例に、大腿骨骨髄および縦隔リンパ節に動脈炎が認められ、他の1例に梨状葉および海馬に軟化がみられた。

    本願発明においては、セロトニン受容体4(5HT )に対する結合親和性に富む4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩を活性成分とし、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−[(2S,4S)−1−エチル−2−ヒドロキシメチル−4−ピロリジニル]ベンズアミド又はその酸付加塩の投与において不可避的に付随発生する血栓形成、動脈炎等の副作用の発現を回避することができる消化管運動機能改善剤又はこれを活性成分として含み、製薬上許容される担体とから成る医薬組成物を提供することができる。 副作用の回避が可能な限り極められていることが医薬品化合物の属性として必要不可欠であることに鑑み、本願発明は有効にして且つ副作用の発現を伴わない安全な薬物であることから、医薬として有用である。

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