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低アクリルアミド凝集剤組成物、低アクリルアミド凝集剤組成物を使用する方法

阅读:948发布:2020-05-08

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アクリルアミド含有高分子凝集剤と、 ポリ(メタ)アクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース塩、アルギン酸塩、デンプン、グァーガム、キトサンからなる群より選択される少なくとも1種の副高分子凝集剤と、を有し、 組成物全体のアクリルアミドモノマー含有率が0.005質量%以下である低アクリルアミド凝集剤組成物。前記アクリルアミド含有高分子凝集剤を1質量%以上50質量%以下含有する請求項1に記載の低アクリルアミド凝集剤組成物。に無機凝集剤を添加した後に高分子凝集剤を添加する浄水処理方法であって、 前記高分子凝集剤として、請求項1又は2に記載の低アクリルアミド凝集剤組成物を用いる浄水処理方法。浄水処理のろ過池を洗浄したときの洗浄排水に対し、請求項1又は2に記載の低アクリルアミド凝集剤組成物を単独で用いるか無機凝集剤と併用して用い、当該洗浄排水の懸濁物質を凝集させて、固液分離する排水処理方法。請求項1又は2に記載の低アクリルアミド凝集剤組成物を汚泥に添加し、当該汚泥を濃縮又は脱水する汚泥の処理方法。前記汚泥は、請求項3に記載の浄水処理方法で前記低アクリルアミド凝集剤組成物を前記原水に添加した後に固液分離された浄水汚泥と、請求項4に記載の排水処理方法で凝集した前記懸濁物質の少なくとも一方を含む請求項5に記載の汚泥の処理方法。

说明书全文

本発明は、処理や汚泥処理に使用可能な凝集剤組成物と、その凝集剤組成物の使用に関する。

従来より、浄水処理や排水処理などの水処理には凝集剤が広く使用されている。

図1は、従来技術の浄水処理の一例を示すフロー図であって、ここでは横流式沈殿設備を有する浄水施設を例として図示する。懸濁物質を含有する被処理水(以下「原水」ともいう)は、原水導入管を通り、必要であれば着水井(着水池)を経て凝集混和槽(混和池)に送られる。凝集混和池には、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等の無機凝集剤が注入され、急速撹拌により原水中の懸濁物質を取り込んだ微細凝集フロック(マイクロフロック)が形成される。

マイクロフロックを含む原水は、その後フロック形成槽(形成池)で緩速撹拌され、原水中のマイクロフロックが更に成長する。原水は沈殿池へ送られ、成長した凝集フロックを重で沈降分離させ、懸濁物質が除去された凝集沈殿処理水は砂ろ過槽(ろ過池)に通水されて、濁質や微細なフロックが除去される。

図2は、図1の砂ろ過池の洗浄排水や凝集沈殿処理で発生する浄水汚泥を処理する処理設備を示している。砂ろ過池の洗浄排水は、排水池で固液分離されて、汚泥部分は排泥池に、越流水は返送水として、上述した浄水施設の着水井(着水池)に返送される。上述した浄水施設の沈殿池又は他の施設の凝集沈殿処理で発生する浄水汚泥は、排泥池を経由して濃縮槽で濃縮される。濃縮された浄水汚泥は脱水される。濃縮槽の越流水は返送水として、着水井に返送される。

このように、排水池や濃縮槽で処理済みの排水処理水は浄水施設の水道原水が流入する着水井に戻されて、水道水や用水の原料になる。他方、排水処理で発生する固形物(汚泥)は、機械脱水や天日乾燥により水分が除去され、土壌改良材などとして有効利用が可能である。なお、機械脱水では薬品を注入しない無薬注が基本であり、加圧脱水式(フィルタープレス型)脱水機が主流である。

ところで、近年、湖沼や河川の富栄養化により藻類の増殖が問題になっているが、上述した無機凝集剤は藻類の凝集性が悪く、藻類を十分に凝集させるには多量の無機凝集剤を必要とするため、凝集沈殿処理における固液分離性が著しく低下する。その結果、凝集沈殿処理水に濁質が増加する、或いは、凝集沈殿処理過程で発生する浄水汚泥の濃縮性が悪化するという問題が生じる。

また、近年の気候変動で、濁度の高い原水が浄水場に流入することも多く、従来の無機凝集剤だけでは安定した良好な水質を得ることができない。

これらの欠点を解決するため、フロック形成を促進するポリアクリルアミド系高分子凝集剤の使用は公知である。

しかし、無機凝集剤自体の粘度はそれほど高くないので、無機凝集剤のみを使用した凝集フロックはろ材に粘着(付着)せず、またろ材に粘着しても逆洗で容易にフロックの除去が可能であるのに対し、ポリアクリルアミド系高分子凝集剤で凝集させたフロックは、高分子凝集剤の有する粘度の影響でろ材に粘着してしまい、ろ過閉塞を起こしてしまう。

しかも、アクリルアミドは人体に有害であるため、ポリアクリルアミド系高分子凝集剤は「上水処理水中のアクリルアミド残存量が0.00005mg/リットル以下」という条件付きで平成12年4月から国内の浄水処理に使用が認められた物質である。また、ポリアクリルアミド系凝集剤に関して、日本水道協会規格の水道用ポリアクリルアミド(JWWA K126-1980)でアクリルアミド(モノマー)含有率0.05%以下(500mg/kg)と規定されている。

上水処理水中のアクリルアミド残存量を上記基準値(0.00005mg/リットル以下)を達成できるポリアクリルアミド系高分子凝集剤が市販されてはいるが、処理後の水にアクリルアミドが残留するおそれがあることから、ポリアクリルアミド系高分子凝集剤は普及していないのが現状である。

特開2004−224998号

しなやか浄水システムの構築に関する研究(J-Step共同研究)、平成27年度成果報告会 テキスト、公益財団法人 水道技術研究センター

ポリアクリルアミド系高分子凝集剤にアクリルアミドのモノマーが残留するのは、原料のアクリルアミドのモノマーを100%重合させることが困難なことに起因する。

特許文献1では、水溶液重合で特定のアゾ化合物を組み合わせて使用した上で、得られたゲル状重合体に特定の熱処理を施し、残留アクリルアミド含有量が低い凝集剤を製造している。

しかし、上記方法は煩雑な上、製造には新たな設備投資が必須であり、しかも、アクリルアミドの残留量を常に一定基準以下に抑えることは困難であり、製造条件の変動によりアクリルアミド残留量が突発的に高くなる可能性が否定できない。

しかも、このような高分子凝集剤は、無機凝集剤と比較して粘度が高いので、ろ過層が閉塞するという問題も残る。

このような状況下で、ポリアクリルアミド系高分子凝集剤の残留アクリルアミドが、安価な方法で簡便に低減できれば、水道水などの多様な分野でのポリアクリルアミド系高分子凝集剤の使用が普及し、効率的な処理や、その運転管理が期待できる。

上記課題を解決するために、本発明の高分子凝集剤は以下の構成を具備する。

(1)本発明の低アクリルアミド凝集剤組成物は、アクリルアミド含有高分子凝集剤と、副高分子凝集剤とを含有し、当該副高分子凝集剤は、ポリ(メタ)アクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース塩、アルギン酸塩、デンプン、グァーガム、キトサンからなる群より選択される。この副高分子凝集剤を用いることで、組成物全体のアクリルアミド含有率が0.05質量%以下と低くなっている。

(2)アクリルアミド含有高分子凝集剤はアクリルアミドの共重合体又は単独重合体であって、当該アクリルアミド含有高分子凝集剤のアクリルアミド含有率が0.1質量%以下のものを用いることが好ましい。

(3)低アクリルアミド凝集剤組成物には、アクリルアミド含有高分子凝集剤を1質量%以上50質量%以下含有させる、すなわち、アクリルアミド含有高分子凝集剤の含有重量比を0.01〜0.5とすることが望ましい。

本発明の低アクリルアミド凝集剤組成物の用途は特に限定されないが、例えば下記用途に用いることができる。

(4)原水に無機凝集剤を添加した後に高分子凝集剤を添加する浄水処理方法において、高分子凝集剤として、上記の低アクリルアミド凝集剤組成物を用いることができる。

(5)浄水処理に用いられるろ過池を洗浄した後の洗浄排水に、上記低アクリルアミド凝集剤組成物を単独で、又は、無機凝集剤などと併用して用い、当該洗浄排水の懸濁物質を凝集させることも可能である。

(6)上記(5)の方法で処理する洗浄排水は特に限定されないが、例えば、上記(4)の浄水処理方法で使用したろ過池の洗浄排水である。すなわち、上記(4)では、原水に低アクリルアミド凝集剤組成物を添加した後の処理水を、直接又は他の処理(凝集沈殿処理等)を経てろ過池でろ過することがある。このろ過池は必要に応じて洗浄されるが、この洗浄時の洗浄排水が上記(5)の処理対象となる。

(7)更に、上記低アクリルアミド凝集剤組成物を汚泥に添加し、その汚泥を濃縮又は脱水することもできる。

(8)上記(7)の方法で処理する汚泥も特に限定されないが、例えば、上記(4)の浄水処理方法で排出される浄水汚泥や、上記(5)又は(6)の排水処理方法で排出される汚泥がある。(4)の浄水処理方法で排出される浄水汚泥は、原水に低アクリルアミド凝集剤組成物を添加後に凝集フロックが固液分離されたものであり、(5)又は(6)の方法で排出される汚泥は、懸濁物質を固液分離したものである。

本発明によれば、残留アクリルアミドが極めて少なく、凝集性に優れた凝集剤組成物を安価に、簡便に製造することができる。本発明の凝集剤組成物は、ろ材に付着し難いので、ろ過池の閉塞問題が解消される。本発明の凝集剤組成物を排水処理で使用した場合、その排水処理で発生する処理水は返流水として着水井に戻しても、水道原水のアクリルアミド濃度を低く維持できる。

従来技術の浄水処理を説明する図面

従来技術の排水及び汚泥処理を説明する図面

本発明の浄水処理の一例を説明する図面

本発明の排水及び汚泥処理の一例を説明する図面

以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は特定の具体例に限定されるものではない。

本発明は、低アクリルアミド凝集剤組成物とその使用に関する。以下に、具体的に説明する。

[低アクリルアミド凝集剤組成物] 低アクリルアミド凝集剤組成物は、アクリルアミド含有高分子凝集剤と、当該アクリルアミド含有高分子凝集剤とは異なる副高分子凝集剤とを含む。

− アクリルアミド含有高分子凝集剤 アクリルアミド含有高分子凝集剤は、アクリルアミドモノマーを用いて生成されたポリマーであって、アクリルアミドのみを単独重合させたポリアクリルアミド高分子凝集剤;アクリルアミドと他のモノマー成分を共重合させたアクリルアミド系高分子凝集剤のうち、いずれか一方又は両方を用いることが可能であるが、いずれの場合も、アクリルアミド含有率が0.1質量%以下、0.05質量%以下、より好ましくは0.005質量%以下のものを使用する。アクリルアミド含有率の下限は特に限定されないが、含有率はゼロを超え、例えば、0.001質量%以上である。

ここで、アクリルアミド含有率とは、アクリルアミド含有高分子凝集剤に含まれる残留アクリルアミドの質量を示し、その含有率は、「水道用ポリアクリルアミド、JWWA K 126−1980、昭和55年6月28日制定、日本水道協会 衛生常設調査委員会 審議」に記載の方法で測定することができる。

ポリアクリルアミド系高分子凝集剤に用いるアクリルアミド以外のモノマー(コモノマー)は特に限定されず、(メタ)アクリル、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ビニルピロリドン、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(メタ)アリルアミン、(メチル)ジアニルアミン、ビニルピリジン、メタクリルアミド及びこれらの塩があり、これらのモノマーは1以上の置換基で置換されたものでもよく、これらのモノマー1種以上を、アクリルアミドと共重合させる。

アクリルアミド系高分子凝集剤は、好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)とアクリルアミドの共重合体又は(メタ)アクリル酸(塩)とアクリルアミドと1種以上の他のモノマーとの共重合体である。

アクリルアミド含有高分子凝集剤は、より具体的には、ポリアクリルアミド(単独重合体)、ポリ(メタ)アクリル酸(好ましくはポリアクリル酸)、又はポリアクリルアミド部分加水分解物あるいはアクリルアミドとアクリル酸の共重合体であり、例えば下記式の構造を有するものである。

上記式中、m、nは任意の数を示す。

上記のようなアクリルアミド系高分子凝集剤は、市販品のアニオン系高分子凝集剤として広く使用されており、本発明はこれらアニオン系高分子凝集剤を使用することができる。

特に、一般の浄水処理に要求される浄水グレードのポリアクリルアミド系高分子凝集剤は、凝集性が高いだけではなく、アクリルアミド含有率が0.005質量%以下に設定されているので、浄水処理や、浄水処理後の排水処理などに適している。

他方、ポリアクリルアミド高分子凝集剤(単独重合体)についても、ノニオン系高分子凝集剤として市販されている凝集剤を好ましく使用することができる。

本発明は、上記のようなアクリルアミド含有高分子凝集剤の他に、必須成分として下記の副高分子凝集剤を用いる。

− 副高分子凝集剤 副高分子凝集剤は、上記アクリルアミド含有高分子凝集剤とは異なる種類の凝集剤であって、アクリルアミド含有率が0.001質量%未満、好ましくはアクリルアミド含有率が実質的にゼロ、より好ましくはアクリルアミド含有率がゼロのものを用いる。ここで、アクリルアミド含有率がゼロとは、副高分子凝集剤の原料にアクリルアミドモノマーを使用しない、副高分子凝集剤中のアクリルアミドが検出限界以下である、または、ポリアクリルアミド系高分子凝集剤(共重合体)もしくはポリアクリルアミド高分子凝集剤(単独重合体)と製造設備を共用せずに製造された物質であることを意味する。

副高分子凝集剤は、水溶性又は水分散性の物質であれば特に限定されないが、ポリ(メタ)アクリル酸塩、CMC塩、アルギン酸塩、その他増粘剤(キトサン、グァーガム、タラガム、キサンタンガム、カラギナン、加工でんぷん)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド等から選択されるいずれか1種以上を用いることができる。これらの中でも、ポリ(メタ)アクリル酸塩、CMC塩、アルギン酸塩が好ましく、コスト面を考慮するとポリ(メタ)アクリル酸塩、CMC塩が好ましく、特にポリ(メタ)アクリル酸塩が好ましい。以下、ポリ(メタ)アクリル酸塩、CMC塩、アルギン酸塩について具体的に説明する。

ポリ(メタ)アクリル酸塩としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸カリウム、ポリメタクリル酸アンモニウムからなる群より選択される1種以上を用いることができるが、好ましくはポリアクリル酸ナトリウムを主成分とし(含有率50質量%以上)、より好ましくはポリアクリル酸ナトリウムからなるものを用いる。

ポリ(メタ)アクリル酸塩はホモポリマー、コポリマーのいずれであってもよく、好ましくは、(メタ)アクリル酸又はその塩、マレイン酸又はその塩、ビニルスルホン酸又はその塩等を重合単位として含むコポリマー又はホモポリマーである。

ポリ(メタ)アクリル酸塩は、高分子凝集剤として市販されているもののみならず、他の用途で市販されているものの利用可能である。ポリ(メタ)アクリル酸塩は、水溶性又は水分散性を考慮すると、分子量は200万〜1000万が好ましく、より好ましくは分子量が400万以上、更に好ましくは400万を超える高分子ポリ(メタ)アクリル酸塩である。ここで、ポリ(メタ)アクリル酸塩の分子量は重量平均分子量を意味する。

上記ポリ(メタ)アクリル酸塩に代え、又は上記ポリ(メタ)アクリル酸塩と一緒に使用可能な好適な副高分子凝集剤としては、CMC塩、アルギン酸塩がある。

ここで、CMC塩はカルボキシメチルセルロース又はその塩を意味し、公知のものを広く用いることが可能であるが、好ましくはCMCナトリウム塩又はCMCカリウム塩、より好ましくはCMCナトリウム塩である。

好ましいCMC塩は、蒸留水に溶解(分散)させたCMC塩(1質量%)水溶液の粘度が1000mPa・s以上のものである。CMC塩(1質量%)水溶液の粘度が1000mPa・s未満で、CMC塩の分子量が低すぎると、凝集フロックが十分に成長せず、或いは、凝集フロックを十分に成長させるためにはCMC塩を過剰に添加する必要がある。なお、CMC塩水溶液の粘度は、B型粘度計を用いて25℃で測定した値である。

アルギン酸塩は、アルギン酸、アルギン酸の塩(アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム)、アルギン酸エステルからなる群より選択される1種以上を用いることができる。

アルギン酸塩は水溶性又は水分散性であれば特に限定されないが、アルギン酸は水溶解性が低いので、アルギン酸のカルボキシル基が陽イオンと結合したアルギン酸塩が好ましい。

アルギン酸塩の中でもアルギン酸ナトリウムが特に好ましく、アルギン酸ナトリウムは冷水、温水に溶解し、粘ちょうな水溶液となる。アルギン酸塩の粘度は、その分子量、すなわち、アルギン酸を構成するウロン酸分子の重合度に応じて変化し、分子量の大きいのは低粘度でも高い粘度を示し、分子量の小さいものは粘度が低くなる。

好ましいアルギン酸塩は、蒸留水に溶解(分散)させたアルギン酸塩(1質量%)水溶液(pH3−5)の粘度が100mPa・s以上のものである。その粘度が100mPa・s未満で、アルギン酸塩の分子量が低くすぎると、凝集フロックが十分に成長せず、或いは、十分に凝集フロックを成長させるためにアルギン酸塩を過剰に添加する必要がある。なお、アルギン酸塩(1質量%)の粘度は、B型粘度計を用いて20℃で測定した値である。

− その他添加剤 低アクリルアミド凝集剤組成物には、必要に応じて、界面活性剤、防腐剤、着色剤、緩衝剤、pH調整剤などの1種以上の添加剤を添加することができる。添加剤の種類は例示したものに限定されないが、低アクリルアミド凝集剤組成物全体のアクリルアミド含有率を低くするためには、アクリルアミドが残留せず、かつ、アクリルアミド含有高分子凝集剤を分解しないものが好ましい。

− 配合 アクリルアミド含有高分子凝集剤、副高分子凝集剤、その他添加剤の配合割合は特に限定されないが、好ましくは、アクリルアミド含有高分子凝集剤の含有量が50質量%以下、より好ましくは1質量%以上50質量%以下、より好ましくは10質量%以上50質量%以下である。アクリルアミド含有高分子凝集剤の含有量が少なすぎると凝集性が低下し、逆に含有量が高すぎると処理水中の残留アクリルアミドが増加すると共に、ろ過池でのろ過層閉塞が顕著になる。

副高分子凝集剤の含有量も特に限定されないが、50質量%以上99質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以上90質量%以下である。

アクリルアミド含有高分子凝集剤と副高分子凝集剤は予め混合して一剤化してもよいし、別々に貯蔵し、使用直前又は使用中に混合する二剤化としてもよい。一剤化とする場合は、アクリルアミド含有高分子凝集剤は、室温で液状又は固体(粉末)の副高分子凝集剤と混合して低アクリルアミド含有凝集剤組成物とする。必要であれば、低アクリルアミド凝集剤組成物は、水と有機溶媒のいずれか一方又は両方に溶解させて液状とすることもできる。

いずれの場合も、組成物全体のアクリルアミド含有率(紛体品、固形分中)が0.05質量%以下、より好ましくは0.005質量%以下になるように、副高分子凝集剤を添加することが好ましい。

副高分子凝集剤は、アクリルアミド含有高分子凝集剤を化学的に変化させないので、一剤化(混合物)しても貯蔵性が劣化しない。一剤化した混合物は、取扱いが容易な上、使用の際に添加手段を複数設ける必要が無いので、設備の省スペース化、簡略化が可能になる。

発明の低アクリルアミド凝集剤組成物は、浄水処理、排水処理、汚泥処理などに広く使用することができる。以下に具体的に説明する。

[浄水処理] 本発明で「浄水処理」とは、上水道用、工場等の用水用などの多様な用途の水処理を含む概念であり、処理対象を特に限定するものではない。

本発明が適用できる浄水処理設備としては、実用化されている全ての設備が対象であり、例えば横流式沈殿設備を有する浄水施設、高速凝集沈殿設備を有する浄水設備が挙げられる。高速凝集沈殿設備としてはスラリー循環型、スラッジ・ブランケット型いずれも適用可能である。また、本発明が適用できる浄水場の排水処理設備としては、実用化されている通常の設備が対象であり、重力濃縮、機械脱水、天日乾燥などに適用できる。

以下、従来技術との対比のため、図1に類似する図3の浄水処理フローを参照し、図1と共通の説明は一部省略して具体的に説明する。

図3に示すように、本発明の低アクリルアミド凝集組成物を添加する前に、原水には無機凝集剤を注入して急速撹拌し、予め微細フロックを形成することが好ましい。ここで、無機凝集剤は特に限定されず、市販品を含む多様な無機凝集剤を使用可能であるが、鉄系又はアルミニウム系無機凝集剤が好ましく、より具体的には、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄(ポリ鉄)、塩化第二鉄及びこれらの混合物から選択される1種以上を使用する。無機凝集剤の注入量は原水の水質にもよるが、10〜200mg/リットルの範囲である。

次に、微細フロックを含む水はフロック形成槽(フロック形成池)に送られ、フロック形成池に流入する前と、フロック形成池に流入した後のいずれか一カ所以上で、高分子凝集剤として本発明の低アクリルアミド凝集剤組成物を添加する。

このとき、二剤化の低アクリルアミド凝集剤組成物を使用する場合は、アクリルアミド含有高分子凝集剤、副高分子凝集剤、その他添加剤を使用直前に混合してから添加してもよいし、フロック形成池やその前段に複数の注入設備を設け、それぞれの注入設備から任意の濃度に調製したアクリルアミド含有高分子凝集剤水溶液、副高分子凝集剤水溶液、その他添加剤水溶液を別々に添加してもよい。

低アクリルアミド凝集剤組成物は特に限定されないが、一剤化、二剤化のいずれの場合も、浄水処理の際には、合計添加量が原水1リットル当たり0.05mg〜2mgの範囲が好ましい。0.05mg未満ではフロックの成長が十分ではなく、2mgを超えると処理水のアクリルアミド含有量が多くなり、また、後段のろ過層の閉塞等が起こるおそれがある。しかしながら、本発明の低アクリルアミド含有高分子凝集剤は、副高分子凝集剤を添加することで、アクリルアミド含有量の全体量が少なくなっているので、必要に応じて副高分子凝集剤の量を増加させることで、原水1リットル当たり2mgを超える量を添加しても、上記問題を防止することが可能である。

低アクリルアミド凝集剤組成物を添加しながら、または添加した後に緩速撹拌し、フロックを成長させる。緩速撹拌の撹拌速度(回転数)は、例えばG値(単位時間単位体積あたりの仕事量Pから被処理水の粘性係数μを除した値の平方根、日本水道協会水道施設設計指針2000、P188)が無機凝集剤添加時の急速撹拌よりも低エネルギーになるよう設定し、フロックを成長させる。

フロックを成長させた後の原水は、沈殿池、砂ろ過等の通常の後段処理へ送られる。砂ろ過池のろ材は特に限定されないが、珪砂やアンスラサイトが最も一般的で、珪砂だけの場合や、珪砂とアンスラサイトをろ過材に使用する複層ろ過などがある。

フロックの成長により、沈殿池での固液分離性が向上しただけではなく、微細なフロックも成長したフロックに取り込まれるので、凝集沈殿処理水の懸濁物質(Suspended solid,以下SSとも称する)や濁度が低下し、後段のろ過処理の負担も軽減する。しかも、本発明の低アクリルアミド凝集剤組成物は副高分子凝集剤の添加により全体の粘度が低くなっているので、砂ろ過層などのろ材に粘着せず、閉塞が起こり難い。

上記は浄水処理について説明したが、本発明の低アクリルアミド凝集剤組成物は浄水処理以外の他の水処理にも使用可能である。

[排水及び汚泥処理] 本発明の排水処理フローは特に限定されないが、従来技術との対比のため、図2と類似する図4の処理フローを参照し、図2と共通の説明は一部省略して以下に具体的に説明する。

図4では、排水池へ流入前と、排水池に流入後のいずれか1か所以上で、砂ろ過池の洗浄排水に本発明の低アクリルアミド凝集剤組成物を添加する。浄水処理と同様、低アクリルアミド凝集剤組成物は一剤化、二剤化のいずれでもよく、二剤化の場合に各剤の添加方法も限定されない。

更には、低アクリルアミド凝集剤組成物のみならず、上述したような無機凝集剤も洗浄排水に添加すれば、懸濁物質(SS)の除去効率が向上する。無機凝集剤は低アクリルアミド凝集剤組成物と一緒に添加してもよいが、好ましくは低アクリルアミド凝集剤組成物を添加する前に添加する。

いずれの場合も、洗浄排水中のSSは凝集剤組成物の添加により凝集が促進されるので、排水池での固液分離性が向上し、排水池からの越流水、即ち返送水のSS濃度が低下して、返送水によるSS負荷が低減される。従って、返送先(浄水施設)の凝集工程では、無機凝集剤の削減が可能になり、また、凝集沈澱池での固液分離性も向上する。

低アクリルアミド凝集剤組成物を添加は上記に限定されない。沈殿池から排泥される汚泥は通常固形分濃度が薄いので、濃縮槽流入前のいずれか1か所以上、即ち濃縮工程に入る前の浄水汚泥に低アクリルアミド凝集剤組成物を添加し、浄水汚泥を濃縮することも可能である。

この場合の添加量は特に限定されないが、低アクリルアミド凝集剤組成物の添加量が浄水汚泥の固形物濃度に対し、0.05質量%未満では濃縮性が悪く、濃縮汚泥の濃度が十分に高くならないおそれがあり、1質量%を超えると汚泥の粘度が高まり、返流水となる分離液の水切れが悪化する、或いは、分離液の残留アクリルアミド濃度の上昇が懸念される。従って、好ましくは、浄水汚泥の固形物濃度に対し、0.05質量%以上1質量%以下の低アクリルアミド凝集剤組成物添加する。

濃縮方法も特に限定されず、濃縮槽による重力濃縮、ベルト濃縮などの機械濃縮等のいずれか1つ以上の濃縮方法を採用することができる。

上記のように、低アクリルアミド凝集剤組成物は浄水汚泥の濃縮性(固液分離性)を高めるので、濃度の薄い浄水汚泥であっても濃縮槽での良好な濃縮を可能とし、後段の機械脱水や天日乾燥の運転管理が容易になる。しかも、濃縮槽の越流水(返流水)はSS濃度が低下するので、返流先の凝集工程における無機凝集剤の削減や、凝集沈澱池での固液分離性が向上する。

すなわち、排水の汚泥濃度が高まることで、濃縮汚泥に残留する排水量が減少し、機械脱水や天日乾燥で除去処理が必要な排水量が少なくなる。その結果、機械脱水では、作業時間が短縮できるだけではなく、省エネルギー化にも寄与する。また、天日乾燥でも十分に濃縮汚泥の乾燥が可能になる。いずれの場合も、排水量が減少する結果、搬出される固形物量が減少するため、運搬費や産業廃棄物としての処理に要する費用が削減可能となる。

なお、機械脱水には、遠心脱水機、ベルトプレス型脱水機、スクリュープレス型脱水機、フィルタープレス型脱水機など多様な脱水機を用いることができるが、いずれの脱水機を用いた場合でも、本発明の低アクリルアミド凝集剤組成物を用いることで、上記の効果が達成できる。

以上は濃縮工程前に低アクリルアミド凝集剤組成物を添加する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、濃縮工程中(濃縮槽)、又は、濃縮工程の後で脱水工程の前に低アクリルアミド凝集剤組成物を添加し、その後に脱水する方法も採用することができる。濃縮工程中又はその後に低アクリルアミド凝集剤組成物を添加する場合、その添加量は浄水汚泥の固形物に対し0.05質量%以上1質量%以下が好ましい。低アクリルアミド凝集剤組成物の添加量が0.05質量%未満では脱水ケーキ含水率が十分に低下しない、返送水となる分離液のSS濃度が高い、脱水工程での脱水性が悪いなどの問題が起こるおそれがある。他方、低アクリルアミド凝集剤組成物の添加量が1質量%を超えると、浄水汚泥の粘性が高まり、脱水時の分離液の水切れが悪化する、返送水となる分離液の残留アクリルアミド濃度が上昇する等の問題が生じるおそれがある。

以下、本発明を実施例と共に更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

[実施例1] 下記のポリアクリル酸塩A1、A2、アクリルアミド含有高分子凝集剤B、C(いずれも粉末品)を下記表1の配合で混合して低アクリルアミド凝集剤組成物を得た。

‐ポリアクリル酸塩A1:水ing(株)製のエバグロースA−350、 アニオン当量−9.4meq/g、分子量:500万 ‐ポリアクリル酸塩A2:日本触媒(株)製のアクアリックFH−G、 分子量400万〜500万 ‐浄水グレード高分子凝集剤B:水ing(株)製のエバグロースWA−542、 アニオン当量−3.0meq/g、共重合体、アクリルアミド含有率0.005質量% 分子量1300万 ‐アクリルアミド高分子凝集剤C:水ing(株)製のエバグロースN−300、 アニオン当量−1.1meq/g、ノニオン系(アクリルアミド単独重合体)、 アクリルアミド含有率0.1質量%、分子量1700万 なお、ポリアクリル酸塩A1、A2はアクリルアミドが検出されず、アクリルアミド含有率はゼロ%であった。

図3に示した装置において、無機凝集剤(PAC)を20mg/Lを凝集混和池に注入し、急速撹拌してマイクロフロックを形成させた後、フロック形成池に流入直前の原水に上記凝集剤1〜11を0.1〜0.5mg/L注入して緩速撹拌を行い、浄水処理を行った。なお、浄水処理のその他条件は下記の通りとした。

‐原水流量:100m3/日(河川水) ‐原水濁度:15〜25度、原水pH:7.0〜7.4、液温:18−22℃ ‐凝集混和池:有効容積200L×2槽(周辺速度0.15-0.8m/sで撹拌) ‐フロック形成池:有効容積1200L×2槽沈殿池 (周辺速度0.15〜0.8m/sで撹拌) ‐ろ過池:ろ過速度100m/日 ‐ろ過材:有効径1mm、均等係数1.2のアンスラサイトと、 有効径0.5mm、均等係数1.2の珪砂 ‐ろ層構成:アンスラサイト層高400mm、珪砂層高400mm 上記浄水処理において、沈殿池から排出される凝集沈殿処理水の濁度と、砂ろ過池から排出されるろ過水の濁度及び連続ろ過可能であったろ過継続時間を、凝集フロックの沈降速度と共に下記表2A、表2Bに示す。

上記表2A、2Bから明らかなように、本発明の低アクリルアミド凝集剤組成物の添加率が高い、あるいは、アクリルアミド高分子凝集剤B、Cの配合割合が高いと、ろ過継続時間が短くなることがわかる。

このように、本発明の凝集剤組成物は、アクリルアミド含有凝集剤の量が少なくても、十分な沈降速度と、濁度の減少をもたらすことが確認された。

[比較例1] 実施例1で用いた、低アクリルアミド凝集剤組成物の原材料単品を高分子凝集剤として用い、実施例1と同様の条件で評価試験を行った。表3にその結果を示す。

上記表3から明らかなように、ポリアクリル酸塩A1又はA2単品での使用は凝集沈殿処理でのフロックの沈降速度は劣るが、ろ過継続時間は伸びる。粉末品浄水グレード高分子凝集剤B単品での使用は凝集沈殿処理でのフロックの沈降速度は速いが、ろ過継続時間が短い。粉末品アクリルアミド高分子凝集剤C単品での使用は、ろ過時間は長いが、凝集沈殿処理でのフロックの沈降速度が遅い。

このように、凝集剤全体としての注入量が同じであっても、ポリアクリル酸塩又はアクリルアミド含有高分子凝集剤を単品で使用した場合には、早い沈降速度、低い処理水濁度、長いろ過継続時間の全てを充足する結果が得られないことが確認された。

[実施例2] 実施例1で用いた、粉末品のポリアクリル酸A1、粉末品の浄水グレード高分子凝集剤Bをそれぞれ脱塩水で0.1質量%の濃度に溶解した水溶液を、下記表4の割合(質量比)で混合して、液体状の低アクリルアミド凝集剤組成物を作成した。

上記表4の組成の凝集剤12〜14を用い、実施例1と同じ条件で評価試験を行った。その結果を表5に示す。

ポリアクリル酸塩A:粉末品浄水グレード高分子凝集剤Bの混合比率が16:1(低アクリルアミド凝集剤組成物の含有質量比が約0.06)の高分子凝集剤14を用いた場合は凝集沈殿処理でのフロックの沈降速度は劣るが、ろ過継続時間は伸びる。他方、ポリアクリル酸塩高分子凝集剤A:粉末品浄水グレード高分子凝集剤Bの混合比率が9:1(アクリルアミド高分子凝集剤含有比が0.1)の高分子凝集剤13を用いた場合が、フロックの沈降速度やろ過継続時間が最適になった。

なお、浄水グレード高分子凝集剤Bに代えて、粉末品のアクリルアミド高分子凝集剤Cを用いた以外は高分子凝集剤12〜14と同じ配合で凝集剤組成物を作成し、同じ条件で各濁度、沈降時間、ろ過継続時間を測定したところ、この場合も高分子凝集剤の配合9:1で最適の結果が得られた。

[実施例3(比較例を含む実験例)] 高分子凝集剤1〜11を添加せず、無機凝集剤PAC20mg/Lのみを添加した以外は実施例1と同じ条件で浄水処理試験を行って凝集沈殿汚泥(浄水汚泥)を得た。浄水汚泥のpHは6.9、TS(全蒸発残留物)は0.3g/Lであった。

この浄水汚泥1リットルを1リットル容量のメスシリンダーに入れ、上記表1の高分子凝集剤2、3、6、7、粉末品のポリアクリル酸塩A1、粉末品の浄水グレード高分子凝集剤B、又は、粉末品のアクリルアミド高分子凝集剤Cを下記表6の注入率で添加して10回転倒撹拌し、浄水汚泥と各種凝集剤を混合した。その後、メスシリンダーを静置し、汚泥界面高さの経時変化を測定した。汚泥界面高さの経時変化より浄水汚泥の沈降速度と、静置開始後24時間経過後の濃縮汚泥濃度を計算した。

更に、24時間経過後に採取した上澄液の残留アクリルアミド含有率を、上水試験方法(2001年度版、(社)日本水道協会)20.3ガスクロマトグラフィー質量分析法に準拠して測定した。その結果を下記表6に示す。

浄水グレード高分子凝集剤Bと比較し、ポリアクリル酸塩A1とアクリルアミド高分子凝集剤Cを単独で使用した場合は、沈降速度と24時間経過後の濃縮汚泥濃度が劣っていた。他方、高分子凝集剤2、3、6、7は浄水グレード高分子凝集剤Bと比較しても、沈降速度と24時間経過後の濃縮汚泥濃度がほぼ同程度であり、アクリルアミド含有高分子凝集剤Bの濃度が低下したにも関わらず性能が維持されたことがわかる。更に、高分子凝集剤2、3では、アクリルアミド含有高分子凝集剤Bを含有するにも関らず、上澄み液の残留アクリルアミド含有率が検出限界値未満であった。

[実施例4(比較例を含む実験例)] 実施例1のろ過池(図3)から排出された洗浄排水について、凝集実験を行った。

この洗浄排水のpHは6.8、SSは200mg/Lであり、この洗浄排水1リットルを1リットル容量のガラスビーカーに入れ、下記表7の注入率で高分子凝集剤2、3、6、7、ポリアクリル酸塩A1、浄水グレード高分子凝集剤B、又はアクリルアミド高分子凝集剤C(いずれも粉末品)を添加し、緩速速度60rpm、緩速撹拌時間5分間でジャーテスターで凝集実験を行った。その結果を下記表7に示す。

ポリアクリル酸塩A1と浄水グレード高分子凝集剤Bの混合品である高分子凝集剤2、3でも、ポリアクリル酸塩A1とアクリルアミド高分子凝集剤Cの混合品である高分子凝集剤6、7でも浄水グレード高分子凝集剤Bと同程度の沈降速度と処理水濁度が得られた。

他方、アクリルアミド高分子凝集剤単独、ポリアクリル酸塩A1単独では、濁度、沈降速度ともに結果が悪く、本発明のような配合により濁度、沈降速度が飛躍的に改善されることが確認された。

[実施例5(比較例を含む実験例)] ここでは、実施例1の粉末品のポリアクリル酸塩A1、A2に代えて、下記CMC塩を使用した。

CMC1:日本製紙グループ製、F800HC、1質量%粘度6500mPa・s CMC2:日本製紙グループ製、F350HC、1質量%粘度2500mPa・s CMC3:日本製紙グループ製、F120MC、1質量%粘度1000mPa・s

粉末品浄水グレード高分子凝集剤Bと上記CMC塩とを、下記表8の配合で混合した本発明の低アクリルアミド凝集剤組成物(高分子凝集剤)を脱塩水で溶解し、溶解液(0.1質量%)を調製した。

上記表8の凝集剤15〜23と、CMC1〜3単品の溶解液を用い、実施例1と同じ条件で浄水処理試験を行った。その結果を下記表9に示す。

ポリアクリル酸塩A1に代えて、CMC塩を使用した本発明の低アクリルアミド凝集剤組成物(高分子凝集剤)は、CMC塩の単独使用に比べて、凝集フロックの沈降速度は遅く、凝集沈澱処理水の濁度は高かった。

[実施例6(比較例を含む実験例)] ここでは、実施例1の粉末品のポリアクリル酸塩A1、A2に代えて、下記アルギン酸ナトリウムを使用した(いずれも株式会社キミカ製)。

アルギン酸ナトリウム1:キミカアルギンI—8、1質量%粘度120mPa・s アルギン酸ナトリウム2:キミカアルギンI—3、1質量%粘度330mPa・s アルギン酸ナトリウム3:キミカアルギンI—1、1質量%粘度860mPa・s 粉末品浄水グレード高分子凝集剤Bとアルギン酸ナトリウムとを下記表10の割合で混合し、高分子凝集剤24〜32を得た。

上記高分子凝集剤24〜32を脱塩水で0.1質量%に溶解した溶解液を調製し、これら溶解液を用いて実施例1と同様に実験した。その結果を下記表11に示す。

上記表11から明らかなように、アルギン酸ナトリウム単独では十分な沈降速度が得られないが、浄水グレード高分子凝集剤Bと混合した凝集剤24〜32では沈降速度が高まった。また、低アクリルアミド凝集剤組成物(高分子凝集剤)の添加率が高い方がろ過継続時間が短く、また、高粘度のアルギン酸ナトリウムを使用する方がろ過時間が短いことが確認された。

アルギン酸ナトリウムの粘度は、上述したように、分子量、即ちアルギン酸を構成するウロン酸分子の重合度が高い程高くなる。分子量が大きいアルギン酸ナトリウムは低濃度でも高い粘度を示すので、高分子量のアルギン酸ナトリウムを用いる方が、ろ過時間の短縮に効果的なことが確認された。

[実施例7(比較例を含む実験例)] 実施例3の浄水汚泥(TS:0.3g/L)1リットルにポリアクリル酸塩A1、粉末品浄水グレード高分子凝集剤B、粉末品アクリルアミド高分子凝集剤C、高分子凝集剤2、3、6、7を、TSに対し1.0質量%の注入率で添加した後、容量1リットルのビーカーに10回移し変え、凝集させた。凝集後、2枚の脱水用ろ布に挟みピストン型脱水機を用いて、2×105Paの圧力で1分間圧搾した。脱水ケーキの含水率、脱水分離液のSS(懸濁物質)濃度や残留アクリルアミド濃度を測定した。その測定結果を表12に示す。

上記表12から明らかなように、浄水グレード高分子凝集剤Bと比較しても、本発明の凝集剤2、3、6、7は、脱水ケーキ含水率と、SS濃度がほぼ同等であった。

[実施例8(比較例を含む実験例)] 実施例3で濃縮した汚泥のうち、高分子凝集剤2、3、6、7、ポリアクリル酸塩A1、浄水グレード高分子凝集剤B、アクリルアミド高分子凝集剤Cの各注入率を1.0%(対TS)として24時間で濃縮させた汚泥を用い、脱水試験を行った。

脱水試験は、濃縮させた汚泥を2枚の脱水用ろ布に挟みピストン型脱水試験装置を用いて、2×105Paの圧力で1分間圧搾し、脱水ケーキを得た。脱水ケーキの含水率、脱水分離液のSS(懸濁物質)濃度や残留アクリルアミド濃度を測定した。その結果を下記表13に示す。

上記表13から明らかなように、本発明の高分子凝集剤2、3、6、7を用いた場合には、浄水グレード高分子凝集剤Bと比較して、脱水ケーキ含水率とSS濃度はほぼ同等であり、汚泥濃縮においても高い性能を発揮することが確認された。

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