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ガラス積層体の製造方法

阅读:152发布:2024-01-08

专利汇可以提供ガラス積層体の製造方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】Low−Eガラスに用いられる層のスパッタリングによる形成において、アーキングの発生を防止することができる、ガラス積層体の製造方法を提供する。 【解決手段】本発明のガラス積層体の製造方法は、スパッタリング法により、ガラス板上に、銀または銀 合金 を含む第1層を形成するステップと、スパッタリング法により、前記第1層上に、ニオブ 酸化 物またはニオブドープ酸化物を含有する第2層を形成するステップと、を備えている。 【選択図】図1,下面是ガラス積層体の製造方法专利的具体信息内容。

スパッタリング法により、ガラス板上に、銀または銀合金を含む第1層を形成するステップと、 スパッタリング法により、前記第1層上に、ニオブ酸化物またはニオブドープ酸化物を含有する第2層を形成するステップと、 を備えている、ガラス積層体の製造方法。前記第1層の形成時のスパッタリング雰囲気中の酸素濃度は、10体積%以下である、請求項1に記載のガラス積層体の製造方法。前記第1層の形成時のスパッタリング雰囲気中の酸素濃度は、3体積%以下である、請求項1に記載のガラス積層体の製造方法。前記第1層の形成時のスパッタリング雰囲気中の酸素濃度は、1体積%以上である、請求項2または3に記載のガラス積層体の製造方法。前記スパッタリング法による前記第1層及び第2層の形成を、同じチャンバー内で行う、請求項2から4のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法。前記第1層の形成に先立って、前記ガラス板上に、金属酸化物、または金属窒化物を含有する基礎層を形成するステップをさらに備えている、請求項1から5のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法。前記金属酸化物が、ニオブ酸化物またはニオブドープ酸化物であり、前記金属窒化物が、ニオブ窒化物、またはニオブドープ窒化物である請求項6に記載のガラス積層体の製造方法。前記金属酸化物が、酸化亜鉛、酸化スズ、またはこれらを主成分とする金属酸化物であり、前記金属窒化物が、窒化シリコン、またはこれを主成分とする金属窒化物である請求項6に記載のガラス積層体の製造方法。前記金属酸化物または金属窒化物と前記第1層とが隣接している、請求項6から8のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法。前記第1層上に、金属または金属酸化物を含有する保護層を形成するステップをさらに備えている、請求項1から9のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法。前記第2層は、NbOx(2.0≦x≦2.5)で表されるニオブ酸化物を含有する、請求項1から10のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法。前記第1層及び第2層の形成を複数回繰り返す、請求項1から11のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法。ガラス板と、 スパッタリング法により、前記ガラス板上に形成された、銀または銀合金を含む第1層と、 スパッタリング法により、前記第1層上に形成された、ニオブ酸化物またはニオブドープ酸化物を含有する第2層と、 を備えている、ガラス積層体。前記ガラス板と前記第1層との間に、金属酸化物、金属窒化物、ニオブ酸化物、またはニオブドープ酸化物を含有する基礎層をさらに備えている、請求項13に記載のガラス積層体。前記金属酸化物が、酸化亜鉛、酸化スズ、またはこれらを主成分とする金属酸化物であり、前記金属窒化物が、窒化シリコン、またはこれを主成分とする金属窒化物である請求項14のガラス積層体。前記第1層上に、金属または金属酸化物を含有する保護層をさらに備えている、請求項13から15のいずれかに記載のガラス積層体。前記第2層は、NbOx(2.0≦x≦2.5)で表されるニオブ酸化物を含有する、請求項13から16のいずれかに記載のガラス積層体。前記第1層及び第2層の組み合わせを複数有している、請求項13から17のいずれかに記載のガラス積層体。

说明书全文

本発明は、ガラス積層体の製造方法、及びガラス積層体に関する。

近年、Low−Eガラスと称する、赤外線反射機能を有する低放射のガラス積層体が多数開発されている。例えば、特許文献1には、スパッタリングによって基材(ガラス板)上に銀層を形成し、さらにこの銀層上に酸素含有セラミックを積層したガラス積層体が開示されている。なお、ガラス積層体とは、複数のガラス板が積層しているのではなく、ガラス板上に、複数の金属層などが積層されている積層体である。

特許第4498615号公報

しかしながら、酸素含有セラミックターゲットを用いたスパッタリング法においては、チャンバー内でアーキングが多発するという問題があった。アーキングとは、スパッタリングターゲットの表面に高電圧を印荷した際に、局所的に帯電した箇所で異常放電が発生する現象をいう。特に、セラミックのターゲットを用いた場合、金属ターゲットと比較して、アーキングが発生しやすいことが知られている。これは、セラミックターゲットは金属ターゲットと比較して導電性が低いため、高電圧をターゲットに印加した際に、ターゲット表面に局所的に電荷が蓄積しやすく、これによって、金属ターゲットと比較してターゲット表面の帯電が起こりやすいからであると考えられる。このようなアーキングが多発すると形成された層にダメージが生じるおそれや、パーティクル発生の原因となるおそれがある。したがって、アーキングの発生の改善が要望されていた。本発明は、この問題を解決するためになされたのであり、Low−Eガラス用の成膜を酸素含有セラミックターゲットを用いたスパッタリング法で行う際、アーキングの発生を防止することができる、ガラス積層体の製造方法を提供することを目的とする。

項1.スパッタリング法により、ガラス板上に、銀または銀合金を含む第1層を形成するステップと、 スパッタリング法により、前記第1層上に、ニオブ酸化物またはニオブドープ酸化物を含有する第2層を形成するステップと、 を備えている、ガラス積層体の製造方法。

なお、項1においては、第1層は、ガラス板上に直接形成される場合、及び他の層を介して形成される場合の両方を含む。同様に、第2層も、第1層上に直接形成される場合、及び他の層を介して形成される場合の両方を含む。

項2.前記第1層の形成時のスパッタリング雰囲気中の酸素濃度は、10体積%以下である、項1に記載のガラス積層体の製造方法。

項3.前記第1層の形成時のスパッタリング雰囲気中の酸素濃度は、3体積%以下である、項1に記載のガラス積層体の製造方法。

項4.前記第1層の形成時のスパッタリング雰囲気中の酸素濃度は、1体積%以上である、項2または3に記載のガラス積層体の製造方法。

項5.前記スパッタリング法による前記第1層及び第2層の形成を、同じチャンバー内で行う、項2から4のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法。

項6.前記第1層の形成に先立って、前記ガラス板上に、金属酸化物、ニオブ酸化物、またはニオブドープ酸化物を含有する基礎層を形成するステップをさらに備えている、項1から5のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法。

項7.前記金属酸化物が、ニオブ酸化物またはニオブドープ酸化物であり、前記金属窒化物が、ニオブ窒化物、またはニオブドープ窒化物である項6に記載のガラス積層体の製造方法。

項8.前記金属酸化物が、酸化亜鉛、酸化スズ、またはこれらを主成分とする金属酸化物であり、前記金属窒化物が、窒化シリコン、またはこれを主成分とする金属窒化物である項6に記載のガラス積層体の製造方法。

項9.前記金属酸化物または金属窒化物と前記第1層とが隣接している、項6から8のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法。

項10.前記第1層上に、金属または金属酸化物を含有する保護層を形成するステップをさらに備えている、項1から9のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法。

項11.前記第2層は、NbOx(2.0≦x≦2.5)で表されるニオブ酸化物を含有する、項1から10のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法。

項12.前記第1層及び第2層の形成を複数回繰り返す、項1から11のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法。

項13.ガラス板と、 スパッタリング法により、前記ガラス板上に形成された、銀または銀合金を含む第1層と、 スパッタリング法により、前記第1層上に形成された、ニオブ酸化物またはニオブドープ酸化物を含有する第2層と、 を備えている、ガラス積層体。

項14.前記ガラス板と前記第1層との間に、金属酸化物、金属窒化物、ニオブ酸化物、またはニオブドープ酸化物を含有する基礎層をさらに備えている、項13に記載のガラス積層体。

項15.前記金属酸化物が、酸化亜鉛、酸化スズ、またはこれらを主成分とする金属酸化物であり、前記金属窒化物が、窒化シリコン、またはこれを主成分とする金属窒化物である項14のガラス積層体。

項16.前記第1層上に、金属または金属酸化物を含有する保護層をさらに備えている、項13から15のいずれかに記載のガラス積層体。

項17.前記第2層は、NbOx(2.0≦x≦2.5)で表されるニオブ酸化物を含有する、項13から16のいずれかに記載のガラス積層体。

項18.前記第1層及び第2層の組み合わせを複数有している、項13から17のいずれかに記載のガラス積層体。

項19.ガラス板と、 前記ガラス板上に形成された、銀または銀合金を含む第1層と、 前記第1層上に形成された、ニオブ酸化物またはニオブドープ酸化物を含有する第2層と、 を備えている、ガラス積層体。

項19に係るガラス積層体の第1層及び第2層は、上記項10のようなスパッタリング法以外の成膜方法でも形成することができる。例えば、CVDや蒸着などを用いることもできる。

本発明によれば、Low−Eガラス用の成膜をスパッタリングで行う際、アーキングの発生を防止することができる。

本発明に係るガラス積層体の一例を示す断面図である。

以下、本発明に係るガラス積層体について説明する。本発明に係るガラス積層体は、いわゆるLow−Eガラスであり、ガラス板上に、銀または銀合金を有する第1層、及びニオブ酸化物またはニオブドープ酸化物を有する第2層を、少なくとも有する。また、ガラス板と第1層との間に、後述する基礎層を形成したり、あるいは保護層や中間層を別途設けることもできる。さらに、第1層及び第2層をさらに繰り返して形成することもできる。以下、各層について、詳細に説明する。

<1.ガラス積層体を構成する層> <1−1.ガラス板> 基材となるガラス板は、特には限定されず、公知のガラス板を用いることができる。例えば、熱線吸収ガラス、クリアガラス、グリーンガラス、UVグリーンガラス、ソーダライムガラスなど種々のガラス板を用いることができる。特に、建築用のガラスの場合は、安価なソーダライムガラスを用いることが好ましい。ガラス板の厚みは、特には限定されないが、例えば、3〜10mmとすることができる。

<1−2.第1層> 第1層は、銀また銀合金を主成分とする層である。第1層の厚みは、特には限定されないが、例えば、5〜20nmとすることができる。第1層に含まれる銀または銀合金により、近赤外線域または赤外線域の周波数の光を反射し放射率を向上させることができる。

<1−3.第2層> 第2層は、ニオブ酸化物、またはニオブドープ酸化物を主成分とする層である。ニオブ酸化物は、NbOxで表される酸化物であり、2.0≦x≦2.5であることが好ましく、2.3≦x≦2.5であることがさらに好ましい。これは、xが2.3より低いと可視光帯域で吸収量が大きくなり、可視光の透過率が低くなるからである。また、xが2.0より低いと、可視光帯域で吸収量が更に大きくなり、可視光の透過率が低くなる。その結果、第2層の反射防止膜としての機能が損なわれ好ましくない。

一方、ニオブドープ酸化物としては、例えば、酸化チタン等にニオブを0.5〜5質量%ドープしたものを挙げることができる。 ここで、ドープとは、結晶の物性を変化させるために少量の不純物を添加すること、つまり結晶格子の一部がドーパントによって置換えられていることを意味する。また、ニオブが添加されているものでもよい。つまり、ニオブの混合物であってもよい。なお、添加とは、混合物のほか、ドープを意味することもある。

第2層の厚みは、特には限定されないが、例えば、1〜100nmとすることができる。

第2層は、可視光の透過率を高くするための反射防止層、またはその一部として用いられる。すなわち、銀を含む第1層だけでは、可視光も反射してしまうため、この可視光の反射を低減するために用いられる。また、後述するように、ニオブ酸化物をスパッタリングのターゲットとして用いる場合には、ターゲットとして導電性を持たせるため、酸素欠損状態のニオブ酸化物を用いることが好ましい。但し、膜厚にもよるが、ニオブ酸化物の酸素欠損量が多すぎると、可視光の吸収量が大きくなりすぎる事があるため、後述するように、低い酸素濃度雰囲気でのスパッタリング法を行い、酸素欠損量が少ない、あるいは酸素欠損のないニオブ酸化物層を形成することが好ましい。

また、後述するように、第2層を成膜するためのスパッタリングターゲットにニオブを含有させることにより、スパッタリングターゲットにおいてアーキングの多発を防止することができる。

<1−4.基礎層> 基礎層は、ガラス板上への第1層の形成に先立ってガラス板に直接形成される層であり、金属酸化物、金属窒化物、または第2層と同じ材料を主成分とする層である。第2層の材料とは異なる金属酸化物としては、例えば、酸化スズ、酸化亜鉛などを主成分とする物質を挙げることができる。金属窒化物としては、例えば、窒化シリコンを主成分とする物質などを挙げることができる。基礎層の厚みは、特には限定されないが、例えば、5〜50nmとすることができる。この基礎層を設けることで、ガラス板より侵入する可能性のある、第1層の銀に影響を与える成分、例えば、アルカリ成分から第1層を保護することができる。また、この基礎層は、可視光の反射を低減する機能もある。特に、基礎層に亜鉛が含まれ、これと第1層が接すると、第1層の銀の結晶性がよくなるという利点がある。

<1−5.追加層> 追加層は、金属酸化物、金属窒化物を主成分とする層である。これらは、上記基礎層で説明した材料と同じである。追加層を配置する位置は、特には限定されないが、例えば、複数の第1層を形成する場合、第2層とガラス板と反対側に位置する第1層(例えば、ガラス板側から見て2番目の第1層)との間に配置することができる。あるいは、ガラス板から最も離れた最外層に配置することもできる。追加層の厚みは、特には限定されないが、例えば、5〜100nmとすることができる。追加層を最外層に配置することで、例えば、第1層をカバーし、第1層の銀が大気の影響で劣化するのを防止することができる。また、追加層を中間に設けた場合には、可視光透過率を向上させる役割を担う反射防止層とすることができる。なお、追加層は、異なる材料を積層した2層以上の構造とすることもできる。

<1−6.保護層> 第1層上にスパッタリング法で追加層を形成する場合、ターゲットは、例えば、Sn,Zn等の金属で構成される。この場合、チャンバー内は、酸素濃度が高い雰囲気となっているため、第1層の成膜の後に、追加層を積層しようとすると、銀が酸化されるおそれがある。そこで、第1層の成膜の後に、追加層を積層する場合には、それに先だって保護層を積層することができ、これによって、第1層の銀を保護することができる。したがって、保護層は、第1層と追加層との間に配置されている。保護層は、例えば、亜鉛やチタン等を主成分とする金属や金属酸化物を主成分とする材料で形成することができる。保護層の厚みは、特には限定されないが、例えば、1〜100nmとすることができる。また、保護層は、異なる材料を積層した2層以上の構造とすることもできる。なお、第2層を構成する材料は、保護層としてもの役割を果たすため、第1層と追加層との間に、第2層が配置される場合には、これが保護層となるため、金属や金属酸化物を主成分とする保護層は不要である。この観点から、第2層を保護層と称することもある。

<1−7.積層の態様> 上述した各層の組み合わせの一例を以下に示す。以下の表では、左から右に向かう順序が、ガラス板に積層される層の順序になる。表1は第1層を一つ有する態様であり、表2は第1層を2つ有する態様を示している。但し、本発明は、以下の組み合わせには限定されず、少なくとも第1層と第2層を有し、それに他の第1層及び第2層を一以上追加したり、少なくとも一つの基礎層、追加層を適宜設けることができる。なお、表中の括弧内の番号は、後述するスパッタリング雰囲気を示す番号である。また、例えば、表1のパターン1は、図1に示すような構造となる。

<2.ガラス積層体の製造方法> ガラス積層体の各層は、例えば、スパッタリング法で形成することができる。スパッタリング法を行う際の、スパッタリング雰囲気は、主として、以下の3種類にすることができる。

(1)第1雰囲気 金属酸化膜を形成する場合には酸素、また、金属窒化膜を形成する場合には窒素を20 〜100体積%とする。例えば、上記追加層をこの雰囲気で形成することができる。例えば、ZnO,SnO2等を積層する場合、ターゲットとして、Zn、Snをチャンバーに セットしておけば、酸素濃度の高い雰囲気により、ターゲットから放出されるZn,Snが酸化され、ZnO,SnO2が成膜される。

(2)第2雰囲気 酸素濃度を微量にした雰囲気である。酸素は、10体積%以下とすることが好ましく、5体積%以下とすることが好ましく、3体積%以下とすることが好ましい。酸素濃度の下限は特には限定されないが、例えば、1体積%以上とすることができる。この雰囲気では、例えば、上記第1層及び第2層を形成することができる。上記のように、酸素濃度を低くしておくことで、第1層の銀が酸化されるのを防止することができる。第1層の銀が酸化されると赤外線域の反射性能が低下するから好ましくない。また、酸素欠損量が少ない、あるいは酸素欠損のないニオブ酸化物層を形成するには、酸素濃度は、大きくなくてもよく、上記のように10体積%以下でもよく、さらには3体積%以下でもよい。

一方、酸素濃度が低すぎると、形成される酸化ニオブ膜の酸素欠損量が大きくなるので、可視光の吸収量が大きくなり、可視光の透過率が低くなる。この観点から、酸素濃度は、1体積%以上であることが好ましい。なお、酸素以外にはアルゴン等の不活性ガスを含有させることができる。

(3)第3雰囲気 アルゴン等の不活性ガスとする。例えば、上記第1層、第2層、保護層をこの雰囲気で形成することができる。また、アルゴンの他、クリプトンを使用することも可能であるが、コストを考慮すると、アルゴンが好ましい。

上記のように、スパッタリング法の雰囲気は3種類あるが、雰囲気が異なると、異なるチャンバーにおいて、スパッタリング法を行う必要がある。しかし、同じ雰囲気で成膜する場合には、チャンバーを変えることなく、同じチャンバー内で連続的に成膜を行うことができる。したがって、コンパクトな設備を実現することができる。この場合、チャンバー内に成膜対象となる複数のターゲットを取り付けておく。

例えば、表1のパターン1では、番号(2)が付されているが、これは、すべての層を第2雰囲気で形成できることを意味している。したがって、チャンバーの数は一つでよい。また、表2のパターン5では、最初の3層を第2雰囲気で形成し、その後の2層を第3雰囲気で形成した後、最後に、第1雰囲気で1層を形成する。したがって、合計3個のチャンバーで成膜が行われる。

<3.特徴> 以上のように、本発明によれば、以下の効果を得ることができる。 (1)第2層を形成するためのスパッタリングターゲットとして酸化ニオブまたはニオブドープ酸化物を用いているため、スパッタリング時のアーキングの発生を低減することができる。

(2)第1層上にニオブ酸化物またはニオブドープ酸化物の第2層が設けられているので、例えば、金属酸化物を追加層とした場合に必要な保護層(金属ターゲットやセラミックターゲット)を設ける必要がない。したがって、使用するチャンバーを少なくすることができる。その結果、製造設備をコンパクト化することができる。

(3)第2層のように、酸素欠損状態の酸化ニオブをスパッタリングのターゲットとした場合には、酸素濃度の低い雰囲気でのスパッタリングが可能となる。このような低い酸素濃度の雰囲気では、銀が酸化されるのが防止されるため、第1層をスパッタリング法で形成することができる。したがって、第1層及び第2層を同じ雰囲気のチャンバー内で成膜することができるため、コンパクトな設備を実現することができる。

(4)第2層の酸化ニオブ(NbOx)は、xが大きいことが好ましく、例えば、2.0≦x≦2.5とすることができる。このように、xを2.0以上とすると、可視光の吸収量が小さくなり、透過率が大きくなる。

以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されない。

スパッタリング法により上記第2層を形成するとき、第2層として適切な材料について検討した。以下では、4種類の材料、つまり実施例1、2、比較例1、2をターゲットとして準備した。

・実施例1 TiO2とNb2O5を、Nb2O5が1重量%量でドープした物質を用いた。 ・実施例2 NbOx(x=2.3) ・比較例1 ZnOとAl2O3を、Al2O3が2重量%量でドープした物質を用いた。 ・比較例2 ZnOとSnO2を、SnO2が50重量%量でドープした物質を用いた。

上記実施例1、2、比較例1、2について、以下の評価を行った。 (1) 基本条件 スパッタリング装置においては、ターゲットとして、127×508mmの平板ターゲットを用いた。そして、1×10-3Pa以下に真空排気したチャンバーに、ガス圧が1.3Paとなるように所定のガスを流し、直流電源を用いて5W/cm2のパワー密度で実施例1,2、比較例1,2に係るターゲットを放電させた。スパッタリング雰囲気は、アルゴンガス100%とした。 (2) アーキングの発生 上記基本条件下で、各ターゲットを放電させ、8時間の放電中に発生した合計アーキング量をアークカウンタを用いて測定した。アーキングが多発すると、形成された層にダメージが生じたりパーティクル発生の原因とあるおそれがある。評価としては、8時間で80回以上のアーキングが発生した場合には、不良が発生するおそれがあるとしてB評価とし、80回未満は問題がないとしてA評価とした。また、実際のアーキングの発生数も記載している。

(3) パーティクル発生量 上記基本条件下で、各ターゲットを放電させ、8時間の放電後にターゲット上にパーティクル(粉状物質)が発生するか否かを確認した。長時間ターゲットを放電するとターゲットからスパッタされて飛散した物質がターゲット表面に再付着することがあり、これがパーティクルの発生原因と考えられるが、これが発生すると、基板上に付着して膜欠点の原因になるおそれがある。評価としては、ターゲット上にパーティクルが発生していなければ、問題ないとしてA評価とし、パーティクルが発生していれば、B評価とした。また、実際のパーティクル量も記載している。

(4) ターゲットの割れ 上記基本条件下で、各ターゲットを放電させ、8時間の放電後にターゲットの割れによる欠けが生じているか否かを確認した。ターゲットに割れが生じると、割れた箇所で以上 放電が生じ、欠片が基板に飛散するおそれがある。評価としては、ターゲットに割れが生じていなければ、問題ないとしてA評価とし、割れが発生していれば、B評価とした。

(5) 成膜後のピンホール アーキングの発生によるターゲットに付着したパーティクルは、飛散して成膜中のガラス板に付着することがある。このように、パーティクルの付着した部分は積層膜が完全に形成されないため、パーティクルの付着していない箇所と外観の違いを生じる。具体的には、パーティクルが付着した箇所に、膜抜け欠点、つまりピンホールが生じる。したがって、ここでは、ピンホールについて評価した。評価方法は、次の通りである。まず、上記基本条件下で、各ターゲットを放電させ、8時間の放電後に同ターゲットを用いて、厚み6mm、大きさ300mm×300mmのフロートガラスに成膜を行い、30枚のガラス積層体を作製した。成膜した層の構成は、ガラス(6mm)/各種酸化物層(25nm)/銀層(17nm)/各種酸化物層(67nm)/銀層(19nm)/各種酸化物層(26nm)とした。酸化物層の成膜条件は、以下の通りである。なお、膜厚は、搬送速度を変えることで調整した。 ・酸素ガス比:2.5% ・ガス厚:1.3Pa ・投入パワー密度:5W/cm2 ・電源:直流電源

そして、成膜した直後に、拡散板を通した蛍光灯の照射下にガラス積層体を配置し、30枚のガラス積層体の中で、ピンホールの有無を観察した。なお、ピンホールは、目視で認識可能な大きさである100μm以上の点状の膜抜け欠点とする。

結果は以下の通りである。

上記結果によれば、ニオブを含む実施例1及び2は、アーキングが少なかった。一方、ニオブを含まない比較例1,2はアーキングが多かった。また、実施例は、パーティクルがほとんど発生していないため、作製されたガラス積層体にピンホールの発生がほとんどなかったが、比較例1,2は多くにおいてピンホールが発生した。

(6) 投入パワーとアーキング及びパーティクルとの関係 本発明者は、NbOxターゲットに投入するパワー(投入パワー密度)が変化すると、アーキング及びパーティクルに影響があることを見いだした。この点について、4種類の投入パワー密度にて、下記の条件下で、各ターゲットを放電させ、8時間の放電中に発生した合計アーキング量及びパーティクル量を測定した。 ・酸素ガス比:2.5% ・ガス厚:1.3Pa ・投入パワー密度:5W/cm2 ・電源:直流電源 ・ターゲットサイズ:127×508mm ・ターゲット:実施例2(NbOx(x=2.3)

結果は、以下の通りである。

この結果によれば、投入パワー密度を5W/cm2より大きくすると、アーキングの発生回数及びパーティクルの量が多くなる。したがって、投入パワー密度を5W/cm2以下とすることが好ましいことが分かった。

次に、ガラス積層体の光学特性等の検討を行うため、以下の条件により、実施例3〜16及び参考例を準備した。 (1) 厚みが6mmのソーダライムガラス上にマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜を行い、以下の実施例3〜16及び参考例に係るガラス積層体を製造した。 (2) 1×10

-3Pa以下に真空排気したチャンバーに、ガス圧が1.3Paとなるように所定のガスを流し、ターゲットに電圧印加し、放電させた。各ターゲットへの電投入はすべて直流電源を用いた。 (3) 以下の表4〜12で示す実施例3〜16及び参考例の層構成は、上から下に向かってガラス板に積層される順序を示す。また、表中には、各層の厚みと、チャンバーを上記実施形態で示した第1〜第3のいずれの雰囲気にしたかを表示している。チャンバーについて、同じ雰囲気の番号が付されている層構成は、同じチャンバーで連続的に層の形成が行われたことを示す。例えば、実施例3では、最初の3層(NbOx,Ag,NbOx)は、いずれも第2雰囲気の一のチャンバー内で連続的に形成している。また、NbOxターゲットについては、実施例3〜11,16はx=2.3、実施例12〜15はx=1.9の酸素欠損状態のものを用いた。

上記のように形成した実施例3〜16、参考例に対し、以下の評価を行った。 (1) チャンバー数 すべての層を形成するために使用したチャンバーの数である。 (2) 可視光透過率(%) 分光光度計を用いて透過スペクトルを測定し、JIS−R3106にしたがい算出した。 (3) 膜面可視光反射率 (%) 膜が形成されている側から、分光光度計を用いて反射スペクトルを測定し、JIS−R3106にしたがい算出した。 (4) ガラス面可視光反射率(%) 膜が形成されている面とは反対のガラス面から、分光光度計を用いて透過スペクトル及び反射スペクトルを測定し、JIS−R3106にしたがい算出した。 (5) 可視光吸収率(%) 上記可視光透過率T、及び膜面可視光反射率Rfを用い、(100−T−Rf)により算出した。 (6) 放射率 フーリエ変換赤外分光度計を用い、JISJIS−R3106にしたがい測定した。

結果は、以下の通りである。

上記表13及び表14からすると、酸素濃度を低くした雰囲気でNbOxとAgとを同一のチャンバーで成膜できるため、これによって、使用するチャンバーの数を減らすことができる。したがって、そのような層構成を有する実施例3〜15は、参考例に比べてチャンバー数が小さくなっている。

実施例9及び実施例15は、第1層である銀の成膜を行うときの酸素濃度が実施例3〜8と比べてやや高いため、銀が酸化していると考えられる。したがって、赤外線域の光の反射性能が低下するため、放射率が低くなっていると考えられる。また、これに伴い、第1層の銀による可視光の吸収率も高くなっていると考えられる。

実施例11は、第1層である銀の成膜を行うときの酸素濃度がかなり高いため、銀の酸化が大きく進行していると考えられる。そのため、放射率が著しく高くなっている。

また、実施例10及び実施例12は、第2層であるニオブ酸化物の成膜を行うときの酸素濃度が実施例3〜8と比べて低いため(ゼロであるため)、酸化ニオブ膜の酸素欠損量が多すぎて、よって、可視光の吸収率が高くなっている。その結果、可視光透過率が低くなっている。特に、実施例12は、第2層であるNbOxの酸素欠損量が実施例10よりも多いため(x=1.9)、実施例10よりもさらに可視光透過率が低くなっている。

また、第2層のNbOxの酸素欠損量以外は、同じ条件である実施例7と実施例13とを比べると、実施例13は酸素欠損量が実施例7よりも多いため(x=1.9)、実施例7よりも可視光吸収率が高くなり、可視光透過率が低くなっている。この点は、NbOxの酸素欠損量以外の条件が同じ、実施例6と実施例14、実施例9と実施例15についても同様である。このように、NbOxの酸素欠損量が多くなると、第2層での可視光吸収率が増加し、可視光透過率で低下することが分かった。

実施例16では、金属(ZnAl)の保護層を用い、これを第1層や第2層と同じチャンバー内、雰囲気で成膜したが、光学特性への影響はほとんどないことが分かった。

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