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IL−4および/またはIL−13に結合する抗体およびそれらの使用

阅读:663发布:2024-02-29

专利汇可以提供IL−4および/またはIL−13に結合する抗体およびそれらの使用专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】新規なヒト化抗−IL−4及びIL−13 抗体 及びそれらのフラグメント並びにIL−4及びIL−13に特異的に結合する新規な二重特異性抗体及びそれらのフラグメント、及びIL−4及び/又はIL−13仲介疾患又は障害(アレルギー性喘息及びアレルギー性皮膚炎を含む)を治療又は予防するための抗体の使用方法。 【解決手段】二重特異性抗−IL−4/IL−13抗体分子は、2つの軽鎖と重鎖からなり、軽鎖はIL−13に特異的に結合する特定のアミノ酸配列とIL−4に特異的に結合する特定のアミノ酸配列をリンカーで結合、重鎖はIL−13に特異的に結合する特定のアミノ酸配列−リンカー−IL−4に特異的に結合する特定のアミノ酸配列−CH1−CH2−CH3−Cからなる二重特異性抗体。 【選択図】図1,下面是IL−4および/またはIL−13に結合する抗体およびそれらの使用专利的具体信息内容。

IL−4に特異的に結合するヒト化抗体。配列番号3からなる可変軽鎖領域を含む、請求項1に記載の抗体。配列番号4および配列番号5からなる群から選択される可変重鎖領域を含む、請求項1に記載の抗体。抗体が抗体フラグメントである、代替法の請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗体。定常領域のCH1、CH2およびCH3領域を含む請求項1に記載の抗体。抗体がIgG抗体である、請求項5に記載の抗体。請求項1に記載の抗体をコードする核酸。請求項7に記載の核酸を含むベクター。請求項8に記載のベクターを含む細胞。IL−13に特異的に結合するヒト化抗体。配列番号1からなる可変軽鎖領域を含む請求項10に記載の抗体。配列番号2からなる可変重鎖領域を含む請求項11に記載の抗体。抗体が抗体フラグメントである、代替法の請求項10〜12のいずれか1項に記載の抗体。定常領域のCH1、CH2およびCH3領域を含む、代替法の請求項10〜12のいずれか1項に記載の抗体。抗体がIgG抗体である、請求項14に記載の抗体。請求項10に記載の抗体をコードする核酸。請求項16に記載の核酸を含むベクター。請求項17に記載のベクターを含む細胞。IL−13およびIL−4に特異的に結合する二重特異性抗体または二重特異性抗体フラグメント。可変軽鎖および可変重鎖をさらに含む請求項19に記載の二重特異性抗体または抗体フラグメント。可変軽鎖がアミノ酸配列 配列番号1および配列番号3を含む、請求項20に記載の二重特異性抗体または抗体フラグメント。可変重鎖がアミノ酸配列 配列番号2および配列番号5を含む、請求項20に記載の二重特異性抗体または抗体フラグメント。可変重鎖がアミノ酸配列 配列番号2および配列番号4を含む、請求項20に記載の二重特異性抗体または抗体フラグメント。可変軽鎖がアミノ酸配列 配列番号1および配列番号3を含み、そして前記可変重鎖がアミノ酸(animo acid)配列 配列番号2および配列番号4を含む、請求項20に記載の二重特異性抗体または抗体フラグメント。配列番号1および配列番号3がペプチドリンカーで一緒に連結され、そして前記配列番号2および配列番号4がペプチドリンカーで一緒に連結されている、請求項24に記載の二重特異性抗体または抗体フラグメント。ペプチドリンカーが配列番号6からなる、請求項25に記載の二重特異性抗体または抗体フラグメント。IL−13およびIL−4に特異的に結合する二重特異性抗体であり、ここで可変軽鎖は配列番号1および配列番号3を含み、そして可変重鎖は配列番号2および配列番号4を含み、そして定常領域をさらに含む、二重特異性抗体。定常領域がCH1、CH2、CH3およびCLからなる、請求項27に記載の二重特異性抗体。請求項1または請求項10に記載のヒト化抗体、および薬学的に受容可能な担体を含む医薬組成物。代替法の請求項19〜28のいずれか1項に記載の二重特異性抗体または抗体フラグメント、および薬学的に受容可能な担体を含む医薬組成物。さらにエフェクター分子に複合している、請求項1または10に記載のヒト化抗体。エフェクター分子が異種ポリペプチド、薬物、放射性ヌクレオチドおよび毒素からなる群から選択される、請求項31に記載のヒト化抗体。さらにエフェクター分子に複合している代替法の請求項19〜28のいずれか1項に記載の二重特異性抗体または抗体フラグメント。エフェクター分子が異種ポリペプチド、薬物、放射性ヌクレオチドおよび毒素からなる群から選択される、請求項33に記載の二重特異性抗体またはフラグメント。哺乳動物のアレルギー性疾患を治療する方法であって、該哺乳動物に治療有効量の代替法の請求項19〜28のいずれか1項に記載の二重特異性抗体または抗体フラグメントを投与する工程を含む、上記方法。哺乳動物のアレルギー性疾患を治療する方法であって、該哺乳動物に治療有効量の請求項1または10に記載のヒト化抗体を投与する工程を含む、上記方法。がんを治療する方法であって、哺乳動物に治療有効量の代替法の請求項19〜28のいずれか1項に記載の二重特異性抗体または抗体フラグメントを投与する工程を含む、上記 方法。がんを治療する方法であって、哺乳動物に治療有効量の請求項1または10に記載のヒト化抗体を投与する工程を含む、上記方法。哺乳動物の喘息を治療する方法であって、該哺乳動物に治療有効量の代替法の請求項19〜28のいずれか1項に記載の二重特異性抗体または抗体フラグメントを投与する工程を含む、上記方法。哺乳動物の喘息を治療する方法であって、該哺乳動物に治療有効量の請求項1または10に記載のヒト化抗体を投与する工程を含む、上記方法。哺乳動物のIL−4および/またはIL−13の異常生産に関連する疾患を治療する方法であって、該哺乳動物に治療有効量の代替法の請求項19〜28のいずれか1項に記載の二重特異性抗体または抗体フラグメントを投与する工程を含む、上記方法。哺乳動物のIL−4および/またはIL−13の異常生産に関連する疾患を治療する方法であって、該哺乳動物に治療有効量の請求項1または10に記載のヒト化抗体を投与する工程を含む、上記方法。哺乳動物のTH−2仲介反応を抑制する方法であって、該哺乳動物に治療有効量の代替法の請求項19〜28のいずれか1項に記載の二重特異性抗体または抗体フラグメントを投与する工程を含む、上記方法。哺乳動物のTH−2仲介反応を抑制する方法であって、該哺乳動物に治療有効量の請求項1または10に記載のヒト化抗体を投与する工程を含む、上記方法。請求項27に記載の二重特異性抗体をコードする核酸。請求項45に記載の核酸を含むベクター。請求項45に記載のベクターを含む細胞。IgG抗体がIgG4抗体である、請求項6に記載の抗体。IgG抗体がIgG4抗体である、請求項15に記載の抗体。

IL−13およびIL−4に特異的に結合する二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントであって、 該二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントが第一のポリペプチドの対と第二のポリペプチドの対を含み、 ここで、該第一のポリペプチドの対が軽鎖定常領域(CL)に連結する内側(C末端)の可変軽鎖領域に連結する外側(N末端)の可変軽鎖領域、および、該第二のポリペプチドの対が重鎖定常領域(CH1)に連結する内側(C末端)の可変重鎖領域に連結する外側(N末端)の可変重鎖領域を含み、 ここで、 (a)該外側(N末端)の可変軽鎖領域および該外側(N末端)の可変重鎖領域がIL−13に特異的に結合する外側(N末端)の抗原結合部位を形成し、そして、該内側(C末端)の可変軽鎖領域および該内側(C末端)の可変重鎖領域がIL−4に特異的に結合する内側(C末端)の抗原結合部位を形成するか;または、 (b)該外側(N末端)の可変軽鎖領域および該外側(N末端)の可変重鎖領域がIL−4に特異的に結合する外側(N末端)の抗原結合部位を形成し、そして、該内側(C末端)の可変軽鎖領域および該内側(C末端)の可変重鎖領域がIL−13に特異的に結合する内側(C末端)の抗原結合部位を形成し; そして、該二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントは、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域および配列番号2のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−13抗体またはその抗体フラグメント; (ii)RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域およびGFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−13抗体またはその抗体フラグメント; (iii)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメント; (iv)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域および配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメント; (v)HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域およびGYSFTSYWIH(CDR1;配列番号17)、IDPSDGETR(CDR2;配列番号18)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号19)のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメント; (vi)HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域およびGYSFTSYWIH(CDR1;配列番号20)、IDASDGETR(CDR2;配列番号21)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号22)のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメント; (vii)配列番号1のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域および配列番号2のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−13抗体またはその抗体フラグメント、並びに、配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメント; (viii)配列番号1のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域および配列番号2のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−13抗体またはその抗体フラグメント、並びに、配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域および配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメント; (ix)RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域およびGFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−13抗体またはその抗体フラグメント、並びに、HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域およびGYSFTSYWIH(CDR1;配列番号17)、IDPSDGETR(CDR2;配列番号18)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号19)のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメント;または、(x)RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域およびGFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−13抗体またはその抗体フラグメント、並びに、HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域およびGYSFTSYWIH(CDR1;配列番号20)、IDASDGETR(CDR2;配列番号21)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号22)のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメント と同一のIL−13およびIL−4上のエピトープまたはエピトープ群と結合する、 上記二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。IL−13およびIL−4に特異的に結合する二重特異性抗体またはその抗体フラグメントであって、 該二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントが第一のポリペプチドの対と第二のポリペプチドの対を含み、 ここで、該第一のポリペプチドの対が軽鎖定常領域(CL)に連結する内側(C末端)の可変軽鎖領域に連結する外側(N末端)の可変軽鎖領域、および、該第二のポリペプチドの対が重鎖定常領域(CH1)に連結する内側(C末端)の可変重鎖領域に連結する外側(N末端)の可変重鎖領域を含み、そして、 (a)該外側(N末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号1と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、該内側(C末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号3と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、該外側(N末端)の可変重鎖領域がアミノ 酸配列配列番号2と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、および、該内側(C末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号4と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、 (b)該外側(N末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号1と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、該内側(C末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号3と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、該外側(N末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号2と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、および、該内側(C末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号5と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、 (c)該外側(N末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号3と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、該内側(C末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号1と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、該外側(N末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号4と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、および、該内側(C末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号2と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、または、 (d)該外側(N末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号3と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、該内側(C末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号1と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、該外側(N末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号5と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、および、該内側(C末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号2と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、 上記二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。IL−13およびIL−4に特異的に結合する二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントであって、 該二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントが第一のポリペプチドの対と第二のポリペプチドの対を含み、 ここで、該第一のポリペプチドの対が軽鎖定常領域(CL)に連結する内側(C末端)の可変軽鎖領域に連結する外側(N末端)の可変軽鎖領域、および、該第二のポリペプチドの対が重鎖定常領域(CH1)に連結する内側(C末端)の可変重鎖領域に連結する外側(N末端)の可変重鎖領域を含み、 ここで、 (a)該外側(N末端)の可変軽鎖領域および該外側(N末端)の可変重鎖領域がIL−13に特異的に結合する外側(N末端)の抗原結合部位を形成し、そして、該内側(C末端)の可変軽鎖領域および該内側(C末端)の可変重鎖領域がIL−4に特異的に結合する内側(C末端)の抗原結合部位を形成するか;または、 (b)該外側(N末端)の可変軽鎖領域および該外側(N末端)の可変重鎖領域がIL−4に特異的に結合する外側(N末端)の抗原結合部位を形成し、そして、該内側(C末端)の可変軽鎖領域および該内側(C末端)の可変重鎖領域がIL−13に特異的に結合する内側(C末端)の抗原結合部位を形成し; そして、該二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントは、 (i)配列番号1のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域および配列番号2のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−13抗体またはその抗体フラグメントのIL−13への結合; (ii)RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域およびGFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−13抗体またはその抗体フラグメントのIL−13への結合; (iii)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域および配列番号4のアミノ酸配 列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメントのIL−4への結合; (iv)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域および配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメントのIL−4への結合; (v)HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域およびGYSFTSYWIH(CDR1;配列番号17)、IDPSDGETR(CDR2;配列番号18)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号19)のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメントのIL−4への結合; (vi)HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域およびGYSFTSYWIH(CDR1;配列番号20)、IDASDGETR(CDR2;配列番号21)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号22)のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメントのIL−4への結合; (vii)配列番号1のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域および配列番号2のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−13抗体またはその抗体フラグメントのIL−13への結合、並びに、配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメントのIL−4への結合; (viii)配列番号1のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域および配列番号2のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−13抗体またはその抗体フラグメントのIL−13への結合、並びに、配列番号3のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域および配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメントのIL−4への結合; (ix)RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域およびGFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−13抗体またはその抗体フラグメントのIL−13への結合、並びに、HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域およびGYSFTSYWIH(CDR1;配列番号17)、IDPSDGETR(CDR2;配列番号18)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号19)のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメントのIL−4への結合;または、 (x)RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域およびGFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−13抗体またはその抗体フラグメントのIL−13への結合、並びに、HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖領域およびGYSFTSYWIH(CDR1;配列番号20)、IDASDGETR(CDR2;配列番号21)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号22)のアミノ酸配列を含む可変重鎖領域を含む抗IL−4抗体またはその抗体フラグメントのIL−4への結合 を競合的に阻害する、 上記二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。さらに追加の定常領域の領域を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。追加の定常領域の領域がCH2およびCH3からなる、請求項4に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。IL−13およびIL−4に特異的に結合する二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントであって、 該二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントが二つの軽鎖と二つの重鎖を有するIgG分子を含み、 ここで、該軽鎖のそれぞれはさらなる可変軽鎖領域によりそのN末端で伸張され、および、該重鎖のそれぞれはさらなる可変重鎖領域によりそのN末端で伸張され、そして、 (a)該外側(N末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号3を含み、該内側(C末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号1を含み、該外側(N末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号4を含み、および、該内側(C末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号2を含み、 (b)該外側(N末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号3を含み、該内側(C末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号1を含み、該外側(N末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号5を含み、および、該内側(C末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号2を含み、 (c)該外側(N末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号1を含み、および該内側(C末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号3を含み、該外側(N末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号2を含み、および、該内側(C末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号4を含み、 (d)該外側(N末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号1を含み、該内側(C末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列配列番号3を含み、該外側(N末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号2を含み、および、該内側(C末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列配列番号5を含み、 (e)該外側(N末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)を含み、該内側(C末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)を含み、該外側(N末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列GYSFTSYWIH(CDR1;配列番号17)、IDPSDGETR(CDR2;配列番号18)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号19)を含み、および、該内側(C末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列GFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)を含み、 (f)該外側(N末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)を含み、該内側(C末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)を含み、該外側(N末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列GYSFTSYWIH(CDR1;配列番号20)、IDASDGETR(CDR2;配列番号21)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号22)を含み、および、該内側(C末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列GFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)を含み、 (g)該外側(N末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)を含み、該内側(C末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)を含み、該外側(N末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列GFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)を含み、および、該内側(C末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列GYSFTSYWIH(CDR1;配列番号17)、IDPSDGETR(CDR2;配列番号18)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号19)を含み、または、 (h)該外側(N末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)を含み、該内側(C末端)の可変軽鎖領域がアミノ酸配列HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)を含み、該外側(N末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列GFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)を含み、および、該内側(C末端)の可変重鎖領域がアミノ酸配列GYSFTSYWIH(CDR1;配列番号20)、IDASDGETR(CDR2;配列番号21)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号22)を含み、 ここで、ペプチドリンカーが、該さらなる可変軽鎖領域を該軽鎖に連結し、また、ペプチドリンカーが、該さらなる可変重鎖領域を該重鎖に連結する、 上記二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。ぺプチドリンカーが配列番号6のアミノ酸配列からなる、請求項6に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。IL−13およびIL−4に特異的に結合する二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントであって、 該二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントが、VL1−L1−VL2−CLの構造を有する二つの軽鎖とVH1−L2−VH2−CH1の構造を有する二つの重鎖を含み; ここで、CLは軽鎖定常領域であり、CH1は重鎖定常領域であり; L1およびL2はアミノ酸リンカーであり;そして、 (a)VL1がアミノ酸配列配列番号1を含み、VL2がアミノ酸配列配列番号3を含み、VH1がアミノ酸配列配列番号2を含み、および、VH2がアミノ酸配列配列番号4を含み、 (b)VL1がアミノ酸配列配列番号1を含み、VL2がアミノ酸配列配列番号3を含み、VH1がアミノ酸配列配列番号2を含み、および、VH2がアミノ酸配列配列番号5を含み、 (c)VL1がアミノ酸配列配列番号3を含み、VL2がアミノ酸配列配列番号1を含み、VH1がアミノ酸配列配列番号4を含み、および、VH2がアミノ酸配列配列番号2を含み、 (d)VL1がアミノ酸配列配列番号3を含み、VL2がアミノ酸配列配列番号1を含み、VH1がアミノ酸配列配列番号5を含み、および、VH2がアミノ酸配列配列番号2を含み、 (e)VL1がアミノ酸配列RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)を含み、VL2がアミノ酸配列HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)を含み、VH1がアミノ酸配列GFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)を含み、および、VH2がアミノ酸配列GYSFTSYWIH(CDR1;配列番号17)、IDPSDGETR(CDR2;配列番号18)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号19)を含み、 (f)VL1がアミノ酸配列RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)を含み、VL2がアミノ酸配列HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)を含み、VH1がアミノ酸配列GFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)を含み、および、VH2がアミノ酸配列GYSFTSYWIH(CDR1;配列番号20)、IDASDGETR(CDR2;配列番号21)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号22)を含み、 (g)VL1がアミノ酸配列HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR 2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)を含み、VL2がアミノ酸配列RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)を含み、VH1がアミノ酸配列GYSFTSYWIH(CDR1;配列番号17)、IDPSDGETR(CDR2;配列番号18)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号19)を含み、および、VH2がアミノ酸配列GFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)を含み、または、 (h)VL1がアミノ酸配列HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)を含み、VL2がアミノ酸配列RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)を含み、VH1がアミノ酸配列GYSFTSYWIH(CDR1;配列番号20)、IDASDGETR(CDR2;配列番号21)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号22)を含み、および、VH2がアミノ酸配列GFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)を含む、 上記二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。L1およびL2が配列番号6のアミノ酸配列からなる、請求項8に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。IL−13およびIL−4に特異的に結合する二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントであって、 該二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントが、4つの抗原結合部位を形成する4つのポリペプチド鎖を含み; ここで、2つのポリペプチド鎖は以下の式で示される構造を有し: VL1−L1−VL2−CL (I) そして、2つのポリペプチド鎖は以下の式で示される構造を有し: VH1−L2−VH2−CH1 (II) ここで、 VL1は第1の免疫グロブリンの軽鎖可変領域であり; VL2は第2の免疫グロブリンの軽鎖可変領域であり; VH1は第1の免疫グロブリンの重鎖可変領域であり; VH2は第2の免疫グロブリンの重鎖可変領域であり; CLは免疫グロブリンの軽鎖定常領域であり、 CH1は当該免疫グロブリンのCH1重鎖定常領域であり; L1およびL2はアミノ酸リンカーであり;そして、 (a)VL1がアミノ酸配列配列番号1を含み、VL2がアミノ酸配列配列番号3を含み、VH1がアミノ酸配列配列番号2を含み、および、VH2がアミノ酸配列配列番号4を含み、 (b)VL1がアミノ酸配列配列番号1を含み、VL2がアミノ酸配列配列番号3を含み、VH1がアミノ酸配列配列番号2を含み、および、VH2がアミノ酸配列配列番号5を含み、 (c)VL1がアミノ酸配列配列番号3を含み、VL2がアミノ酸配列配列番号1を含み、VH1がアミノ酸配列配列番号4を含み、および、VH2がアミノ酸配列配列番号2を含み、 (d)VL1がアミノ酸配列配列番号3を含み、VL2がアミノ酸配列配列番号1を含み、VH1がアミノ酸配列配列番号5を含み、および、VH2がアミノ酸配列配列番号2を含み、 (e)VL1がアミノ酸配列RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)を含み、VL2がアミノ酸配列HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)を含み、VH1がアミノ酸配列GFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)を含み、および、VH2がアミノ酸配列GYSFTSYWIH(CDR1;配列番 号17)、IDPSDGETR(CDR2;配列番号18)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号19)を含み、 (f)VL1がアミノ酸配列RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)を含み、VL2がアミノ酸配列HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)を含み、VH1がアミノ酸配列GFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)を含み、および、VH2がアミノ酸配列GYSFTSYWIH(CDR1;配列番号20)、IDASDGETR(CDR2;配列番号21)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号22)を含み、 (g)VL1がアミノ酸配列HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)を含み、VL2がアミノ酸配列RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)を含み、VH1がアミノ酸配列GYSFTSYWIH(CDR1;配列番号17)、IDPSDGETR(CDR2;配列番号18)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号19)を含み、および、VH2がアミノ酸配列GFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)を含み、または、 (h)VL1がアミノ酸配列HASQNIDVWLS(CDR1;配列番号14)、KASNLHTG(CDR2;配列番号15)およびQQAHSYPFT(CDR3;配列番号16)を含み、VL2がアミノ酸配列RASESVDSYGQSYMH(CDR1;配列番号8)、LASNLES(CDR2;配列番号9)およびQQNAEDSRT(CDR3;配列番号10)を含み、VH1がアミノ酸配列GYSFTSYWIH(CDR1;配列番号20)、IDASDGETR(CDR2;配列番号21)およびLKEYGNYDSFYFDV(CDR3;配列番号22)を含み、および、VH2がアミノ酸配列GFSLTDSSIN(CDR1;配列番号11)、DGRID(CDR2;配列番号12)およびDGYFPYAMDF(CDR3;配列番号13)を含む、 上記二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。L1およびL2が配列番号6のアミノ酸配列からなる、請求項10に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。さらにエフェクター分子に複合している、請求項1〜11のいずれか1項に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。エフェクター分子が異種ポリペプチド、薬物、放射性ヌクレオチドまたは毒素である、請求項12に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。請求項1〜13のいずれか1項に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント、および薬学的に受容可能な担体を含む医薬組成物。さらに標識を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントであって、 標識が放射標識、フルオロフォア、発色団、造影剤または金属イオンである、二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントがIL−13および/またはIL−4仲介性疾患を治療するために有用な医薬を調製するのに役立つ、治療的に有効な量の請求項1〜13のいずれか1項に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントの使用。哺乳動物のIL−4および/またはIL−13仲介性疾患の治療、抑制または予防において使用するための医薬を製造するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。IL−4および/またはIL−13仲介性疾患がアレルギー性疾患、喘息、がん、IL−4および/またはIL−13の異常生産に関連する疾患、自己免疫疾患、強皮症または突発性線維症である、請求項16に記載の使用。IL−4および/またはIL−13仲介性疾患がアレルギー性疾患、がん、喘息、自己免疫疾患、IL−4および/またはIL−13の異常生産に関連する疾患、強皮症または突発性肺線維症から選択される、請求項16に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントがTH−2仲介反応を抑制するために有用な医薬を調製するのに役立つ、治療的に有効な量の請求項1〜13のいずれか1項に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントの使用。哺乳動物のTH−2仲介反応を抑制するのに使用するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメント。請求項1〜11のいずれか1項に記載の二重特異性抗体またはその二重特異性抗体フラグメントをコードする、単離された核酸分子。請求項22に記載の核酸分子を含むベクター。請求項23に記載のベクターを含む単離された宿主細胞。

说明书全文

本発明は、新規な抗−IL−4抗体、抗−IL−13抗体および二重特異性抗−IL−4および/またはIL−13抗体ならびに哺乳動物(ヒトを含む)における不適切なIL−4および/またはIL−13の活性化または代謝をもたらす疾患または障害の改善、治療または予防におけるそれらの使用に関する。目的の抗体は、リガンド、例えばIL−4またはIL−13の連結および/またはシグナル伝達を受容体または受容体複合、例えばIL−4Rα、IL−13Rα1およびIL−13Rα2で阻害し得る。目的の抗体を含む予防的、免疫治療的および診断的組成物ならびに哺乳動物(ヒトを含む)におけるリンパ細胞および非リンパ細胞(単球、線維芽細胞および内皮細胞を含む)の不適切な代謝および/または活性化によって引き起こされる疾患を予防または治療する方法におけるそれらの使用が開示される。このような疾患としては、炎症により引き起こされるか、または炎症を特徴とする自己免疫不全(autoimmune deficiencies)および自己免疫疾患、例えば、アレルギー性喘息およびアレルギー性皮膚炎が挙げられる。

インターロイキン−4(IL−4)は、リンパ球B細胞およびT細胞、ならびに多くの非リンパ細胞(単球、内皮細胞および線維芽細胞を含む)に対する広範囲の生物学的効果を有する多面サイトカイン(pleiotropic cytokine)である。例えば、IL−4は、いくつかのIL−2−およびIL−3−依存性細胞株の増殖を刺激し、休止B細胞上のクラスIIの主要組織適合性複合体分子の発現を誘導し、そしてヒトB細胞によるIgG4およびIgEの分泌を増加させる。IL−4はTh2−型免疫応答に関連し、そしてTh2細胞により生産され、そしてTh2細胞の分化を促進する。IL−4は多数の障害、例えば、アレルギーおよび喘息に関与する。

IL−13は、活性化Tリンパ球、Bリンパ球および活性化後のマスト細胞により分泌される、最近になって同定された112アミノ酸のサイトカインである(非特許文献1、および非特許文献2)。

IL−4と共有したその多数の生物学的特性の理由により、IL−13はIL−4−様サイトカインとして記載されている。その活性は、B細胞(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5)、単球(非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10)および他の非造血細胞(非特許文献11、および非特許文献12)に対するIL−4の活性と実に類似している。IL−4に反して、他方では、休止または活性化T細胞に対する特異的効果を発揮しない(非特許文献13)。

単球/マクロファージ、Bリンパ球および特定の造血前躯体に対するIL−13の種々の生物活性はA.J.Mintyにより、さらにIL−13に関する論文のレビューにおいて、詳細に記載されている。さらに、いくつかのデータは、このサイトカインが他の細胞型に対する多面効果を有することを示す。IL−13の影響を直接受けるこれらの非造血細胞は、内皮細胞および小グリア細胞、ケラチノサイトならびに腎臓および結腸がんである。

細胞内の生体分子により伝達されるシグナルの分析における段階の1つは、その膜受容体を同定することにある。この目的を達成するために、IL−13受容体上で実施した調査研究は、IL−13およびIL−4が一般的な受容体、またはどう少なく見積もっても、一般的な受容体複合体のいくつかの成分、さらに一般的なシグナル伝達要素を有することを示している(非特許文献14、非特許文献15、非特許文献16、非特許文献17) 。この受容体は、考えられる細胞型に従って変動し得る数で種々の細胞型の表面に存在する。IL−13およびIL−4受容体の比較分布は、A.J.Minty(非特許文献18)によって示されている。

細胞表面受容体および受容体複合体は、異なる親和性でIL−4および/またはIL− 13に結合する。IL−4および/またはIL−13に結合する受容体および受容体複合体の主成分は、IL−4Rα、IL−13RαlおよびIL−13Rα2である。これらの鎖は、単量体またはIL− 4Rα/IL−13Rαl(II型 IL−4R)またはIL−4Rα/c(I型 IL−4R)のヘテロ二量体として細胞の表面上に発現される。IL−4Rα単量体およびIL−4R/cヘテロ二量体はIL−4に結合するが、IL−13には結合しない。IL−13Rα1およびIL−13Rα2単量体はIL−13に結合するが、IL−4には結合しない。IL−4Rα/IL−13Rα1ヘテロ二量体はIL−4およびIL−13の両方に結合する(非特許文献19)。

Th2−型免疫応答は、抗体生産および液性免疫を促進し、そして細胞外病原体を撃退するために作られる。Th2細胞はIg生産(液性免疫)のメディエーターであり、そしてIL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10およびIL−13を生産する(非特許文献20)。Th2−型免疫応答は、特定のサイトカイン(例えば、IL−4、IL−13)および特定のタイプの抗体(IgE、IgG4)の生成により特徴付けられ、そしてなみだ目および喘息症状(例えば、気道炎症およびの気道筋細胞の収縮)をもたらし得るアレルギー反応に特有である。

IL−4およびIL−13の両方は、それらの生物学的機能に基づいて、治療的に重要なサイトカインであり、そして多くの疾患(喘息を含む)で重要な役割を果たす(非特許文献21)。IL−4は自己免疫疾患を阻害し得ることが示されており、そしてIL−4およびIL−13の両方が抗−腫瘍免疫応答を増強する可能性を示している。両方のサイトカインはアレルギー性疾患の原因に関与するので、これらのサイトカインの阻害剤は治療的有用性を提供し得る。

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従って、IL−4を阻害する改良された薬剤、IL−13を阻害する改良された薬剤、およびIL−4とIL−13の両方を阻害する単剤が必要とされている。

発明の要旨 本発明は、IL−4および/またはIL−13に特異的に結合する、新規なヒト化モノクローナル抗体および二重特異性抗体、ならびにそれらのフラグメントおよび誘導体を提供する。抗−IL−4および/またはIL−13の単一特異性または二重特異性抗体、およびそれらのフラグメントのいくつかは、インビボでの製造および使用の間、安定な分子をもたらす鎖内のジスルフィド結合形成を防ぐように改変され得る。本発明の抗体は、本明細書中に記載される生物学的アッセイにおいて、IL−4および/またはIL−13活性を中和させる。

本発明は抗体の可変重鎖および軽鎖のアミノ酸配列ならびにそれらの対応する核酸配列を含む。

本発明の別の実施形態は、本発明の抗体配列を宿す細胞株およびベクターを含む。

本発明の別の実施形態は、IL−4および/またはIL−13機能および代謝に関連する疾患および障害を治療する医薬組成物を製造するための抗体の使用である。特に、本発明は、炎症により引き起こされる、または特徴付けられるがん、自己免疫不全および自己免疫疾患(例えば、アレルギー性喘息およびアレルギー性皮膚炎)の治療に関する。

さらなる特性および利点が本明細書中に記載され、そして以下の詳細な説明および図面から明らかとなる。

4つのポリペプチド鎖を含む二重特異性抗−IL−4/IL−13抗体分子の概略図である。2つの軽鎖はN−VL

hB-B13−リンカー−VL

h8D4-8−CL−C(CL、軽鎖定常領域)からなり、2つの重鎖はN−VH

hB-B13−リンカー−VH

h8D4-8−CH1−CH2−CH3−Cからなる。リンカー配列(G4S)

2はGGGGSGGGGS(配列番号6)である。

B−B13抗−IL−13抗体(配列番号1および2)のヒト化可変領域および8D4−8抗−IL−4抗体(配列番号3、4および5)のヒト化可変領域のアミノ酸配列を説明する。下線は、なされたアミノ酸変化を示す。太字はCDRを示す。

発明の詳細な説明 本発明は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく変更され得るので、本明細書中に記載される特定の方法論、プロトコル、細胞株、ベクター、または試薬に限定されない。さらに、本明細書中で使用される専門用語は、特定の実施形態を例示する目的のためだけであり、本発明の範囲を限定することを意図しない。他に定義されない限り、全ての技術用語および科学用語ならびに本明細書中で使用される任意の頭字語は、本発明の分野の当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料が本発明の実施において使用され得、典型的な方法、デバイス、および材料のみが本明細書中に記載される。

本明細書中で言及される全ての特許および公報は、本発明と共に、そして本発明において使用され得るタンパク質、酵素、ベクター、宿主細胞およびそれらに参照される方法論を記載し、そして開示する目的のために、参照によりその全体が本明細書に加入される。しかし、本発明が先行発明によるこのような開示に先立って権利が与えられないと認めると解釈されるべきでない。

IL−4および/またはIL−13に関連する方法および目的の生成物の作製および使用を教示する前に、技術者をガイドするために以下のいくつかの用語および語句の非限定的定義を提供する。

「インターロイキン−4」(IL−4)とは、天然もしくは内因性哺乳動物IL−4タンパク質および天然もしくは対応する内因性哺乳動物IL−4タンパク質と同じアミノ酸配列を有するタンパク質{例えば、組換えタンパク質、合成タンパク質(すなわち、有機合成化学の方法を使用して生産される)}をいう。従って、本明細書中で定義される場合、用語は、成熟IL−4タンパク質、多型変異体もしくは対立遺伝子多型、およびIL−4の他のアイソフォームならびに前述の修飾もしくは未修飾形態(例えば、脂質化、グリコシル化)を含む。天然または内因性IL−4は、成熟IL−4のような野生型タンパク質、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト霊長類)中に天然に存在する多型変異体もしくは対立遺伝子多型ならびに他のアイソフォームおよび突然変異型を含む。このようなタンパク質は、例えば、IL−4を自然に生産する供給源から回収または単離され得る。これらのタンパク質および天然または対応する内因性IL−4と同じアミノ酸配列を有するタンパク質は、対応する哺乳動物の名称で呼ばれる。例えば、対応する哺乳動物がヒトである場合、タンパク質はヒトIL−4と呼ばれる。WO03/038041に開示されるもののようないくつかの突然変異IL−4タンパク質が、当該分野で公知である。

「インターロイキン−13」(IL−13)とは、天然もしくは内因性哺乳動物IL− 13タンパク質および天然もしくは対応する内因性哺乳動物IL−13タンパク質と同じアミノ酸配列を有するタンパク質(例えば、組換えタンパク質、合成タンパク質(すなわち、有機合成化学の方法を使用して生産される))をいう。従って、本明細書中で定義される場合、用語は、成熟IL−13タンパク質、多型変異体もしくは対立遺伝子多型、およびIL−13の他のアイソフォーム(例えば、選択的スプライシングまたは他の細胞過程により生産される)、ならびに前述の修飾もしくは未修飾形態(例えば、脂質化(Hpidated)、グリコシル化)を含む。天然または内因性IL−13は、成熟IL−13のような野生型タンパク質、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト霊長類)中に天然に存在する多型変異体もしくは対立遺伝子多型ならびに他のアイソフォームおよび突然変異型を含む。例えば、本明細書中で使用される場合、IL−13は成熟ヒトIL−13の位置110のArgが喘息(アトピー性および非アトピー性喘息)に関連するGinで置き換えられているヒトIL−13変異体(成熟IL−13の位置110は前躯体タンパク質の位置130に対応する)および他のIL−13の変異体を含む。(Heinzmann el al,Hum MoI Genet.9:549−559(2000))。このようなタンパク質は、例えば、IL−13を自然に生産する供給源から回収または単離され得る。これらのタンパク質および天然または対応する内因性IL−13と同じアミノ酸配列を有するタンパク質は、対応する哺乳動物の名称で呼ばれる。例えば、対応する哺乳動物がヒトである場合、タンパク質はヒトIL−13と呼ばれる。WO03/035847に開示されるもののようないくつかの突然変異IL−13タンパク質が、当該分野で公知である。

抗体鎖ポリペプチド配列に関する語句「実質的に同一」は、基準ポリペプチド配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%またはそれ以上の配列同一性を示す抗体鎖と解釈され得る。核酸配列に関する用語は、基準核酸配列と少なくとも約85%、90%、95%、もしくは97%またはそれ以上の配列同一性を示すヌクレオチド配列と解釈され得る。

用語「同一性」または「相同性」とは、全配列に対する最大同一性パーセントを達成する必要がある場合、配列を整列化し、そしてギャップを導入した後、比較される対応配列の残基と同一である候補配列中のヌクレオチド塩基またはアミノ酸残基の百分率を意味しており、いかなる保存的置換も配列同一性の一部としては考慮されない。N末端またはC末端における伸長または挿入は、同一性または相同性を低下させると解釈されるべきでない。整列化のための方法およびコンピュータープログラムは入手可能であり、そして当該分野で周知である。配列同一性は、配列分析ソフトウェアを用いて測定され得る。

語句および用語、抗体または抗原の「機能的フラグメント、変異体、誘導体またはアナログ」など、さらにそれらの形態は、目的の完全長の抗体または抗原と共通する定性的な生物活性を有する化合物または分子である。例えば、抗−IL−4抗体の機能的フラグメントまたはアナログは、IL−4分子に結合し得るものまたはリガンド、またはアゴニストもしくはアンタゴニスト抗体がIL−4に結合する能を抑えるかまたは実質的に低下させ得るものである。

「置換」変異体は、天然配列の少なくとも1つのアミノ酸残基が除去され、そして同じ位置に異なるアミノ酸が代わりに挿入され、置き換えられているものである。置換には、分子内の1つのアミノ酸のみが置換されている単一のものと、または同じ分子において2つまたはそれ以上のアミノ酸が置換されている多重のものがあり得る。複数の置換基が連続的な部位に存在し得る。また、変異体が置換および挿入の両方を含む場合、1つのアミノ酸が複数の残基に置き換えられ得る。「挿入」変異体は、天然配列の特定の位置でアミノ酸に直接隣接して1つまたはそれ以上のアミノ酸が挿入されているものである。アミノ酸に直接隣接してとは、アミノ酸のα−カルボキシルまたはα−アミノ官能基のいずれか に連結していることを意味する。「欠失」変異体は、天然アミノ酸配列の1つまたはそれ以上のアミノ酸が除去されているものである。通常、欠失変異体は、分子の特定領域において1つまたは2つのアミノ酸が欠失している。

用語「抗体」は最も広い意味で用いられ、そして特にモノクローナル抗体(完全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、抗体フラグメントまたはポリペプチドが所望の生物活性を示す限り、1つまたはそれ以上のCDRまたはCDR誘導配列を有する合成ポリペプチドをカバーする。抗体(Ab)および免疫グロブリン(Ig)は、同様の構造的特徴を有する糖タンパク質である。一般に、抗体は、定義されたまたは認識された特異性を有するIgとみなされる。従って、抗体は特定の標的に対する結合特異性を示すが、免疫グロブリンは抗体および標的特異性を欠いた他の抗体様分子の両方を含む。本発明の抗体は、あらゆるクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAなど)、またはサブクラス(例えば、IgG1、 IgG2、IgG2a、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2など)(「タイプ」および「 クラス」、ならびに「サブタイプ」および「サブクラス」は、本明細書中で交互に用いられる)のものであり得る。天然または野生型(すなわち、人工的に操作されていない集団のメンバーから得られる)の抗体および免疫グロブリンは、通常、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質であり、2つの同一軽(L)鎖および2つの同一重(H)鎖からなる。各重鎖は一方の末端に多数の定常領域が続く可変領域(VH)を有する。 各軽鎖は一方の末端に可変領域(VL)、そして他方の末端に定常領域を有する。「人工 的に操作されていない」とは、異質の抗原結合分子を含むか、または発現するように処理されていないことを意味する。野生型とは、集団において見られる最も一般的な対立遺伝子もしくは種、または対立遺伝子もしくは多型体、または抗原結合分子のアミノ酸を変化させるための突然変異生成のような操作の形態、組換え方法の使用などにより得られる変異体もしくは誘導体と比較して、操作されていない動物から得られる抗体をいうことができる。

本明細書中で使用される場合、「抗−IL−4抗体」とは、本明細書中で定義されるIL−4に特異的に結合する抗体またはそれらから誘導されるポリペプチド(誘導体)を意味し、これらとしては、その受容体へのIL−4の結合を阻害するか、もしくは実質的に低下させる、またはIL−4活性を阻害する分子が挙げられるが、これらに限定されない。

本明細書中で使用される場合、「抗−IL−13抗体」とは、本明細書中で定義されるIL−13に特異的に結合する抗体またはそれらから誘導されるポリペプチド(誘導体)を意味し、これらとしては、その受容体へのIL−13の結合を阻害するか、もしくは実質的に低下させる、またはIL−13活性を阻害する分子が挙げられるが、これらに限定されない。

抗体の可変領域の文脈において、用語「可変」とは、抗体間および抗体の中で大きく配列が異なっており、そしてその特定の標的に対する特定の抗体の特異的認識および結合において使用される関連分子の特定の部分をいう。しかし、可変性は抗体の可変領域にわたって均一分布されていない。可変性は、軽鎖および重鎖可変領域の両方において、超可変領域としても公知である相補性決定領域(CDR;すなわち、CDR1、CDR2、およびCDR3)と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変領域のより高度に保存された部分は、フレームワーク(FR)領域または配列と呼ばれる。ネイティブな重鎖および軽鎖の可変領域は、それぞれ4つのFR領域を含み、FRは主としてβ−シート立体配置をとり、3つのCDRにより連結され、β−シート構造を連結し、場合によってβ−シート構造の一部を形成するループを形成する。各鎖中のCDRは、しばしばFR領域に近接して、他の鎖由来のCDRと結び付き、抗体の標的(エピトープまたは決定基)結合部 位の形成に寄与する(Kabat et al.Sequences of Proteins of Immunological Interest,National Institute of Health,Bethesda,MD(1987)を参照のこと)。本明細書中で使用される場合、免疫グロブリンアミノ酸残基の番号付けは、他に示されない限りKabat et al.の免疫グロブリンアミノ酸残基番号付けシステムに従って行なわれる。1つのCDRは、同種エピトープに特異的に結合する能力を有し得る。

本発明で使用される場合、用語「ヒンジ」または「ヒンジ領域」とは、抗体の第一と第二の定常領域間のアミノ酸を含む柔軟性ポリペプチドをいう。

用語「抗体フラグメント」とは、インタクトなもしくは完全長鎖の(or)抗体の一部、一般に、標的結合領域または可変領域をいう。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab'、F(ab')2およびFvフラグメントが挙げられるが、これらに限定されない。「機能的フラグメント」または「抗−IL−4および/またはIL−13抗体のアナログ」は、受容体がリガンドに結合するか、またはシグナル伝達を開始する能力を抑えるか、または実質的に低下させ得るものである。本明細書中で使用される場合、機能的フラグメントは、一般に「抗体フラグメント」と同じ意味であり、そして抗体に関して、受容体がリガンドに結合するか、またはシグナル伝達を開始する能力を抑えるか、または実質的に低下させ得るフラグメント(例えば、Fv、FabおよびF(ab')2など)をいうことができる。「 Fv」フラグメントは、非共有結合(VH−VL二量体)中の1つの重鎖可変領域と1つの 軽鎖可変領域の二量体からなる。この立体配置において、インタクトな抗体においてみられるように、各可変領域の3つのCDRがVH−VL二量体の表面上の標的結合部位を定義するために相互作用する。集合的に、6つのCDRが、インタクトな抗体に標的結合特異性を与える。しかし、単一の可変領域(または標的に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)でさえ、標的を認識し、そして結合する能力を有し得る。

「単鎖Fv」、「sFv」または「scAb」抗体フラグメントは、抗体のVH領域およ びVL領域を含み、これらの領域は、単一のポリペプチド鎖中に存在する。一般的に、Fvポリペプチドは、さらにVH領域とVL領域との間に、sFvが標的結合のための所望の構造を形成し得るポリペプチドリンカー、多くの場合、柔軟性分子を含む。

用語「ディアボディー(diabody)」とは、2つの抗原結合性部位を有する抗体フラグメントをいい、このフラグメントが同一のポリペプチド鎖中に軽鎖可変領域(VL )に連結した重鎖可変領域(VH)を含み得る。同一鎖上にある2つの可変領域間で対合 するには短過ぎるリンカーを用いることにより、ディアボディー領域は、別の鎖の結合領域と強制的に対合させられ、2つの抗原結合部位を生成する。

Fabフラグメントは、軽鎖の可変領域および定常領域ならびに重鎖の可変領域および第一定常領域(CH1)を含む。Fab'フラグメントは、CH1領域のカルボキシ末端に抗体ヒ ンジ領域由来の1つまたはそれ以上のシステインを含むようにいくつかの残基が付加されている点でFabフラグメントと異なる。Fab'フラグメントは、F(ab')2ペプシン消化産 物のヒンジシステインでのジスルフィド結合の切断により生産され得る。抗体のさらなる酵素処理および化学的処理により、目的の他の機能的フラグメントを得ることができる。

用語「線形(linear)Fab」とは、Miller et al.(2003),J Immunol.170:4854−4861により記載されているような四価抗体をいう。「線形Fab」は、各CH1−VH位置で同一の軽鎖と対合した同じCH1−VH領域のタンデムからなる。抗体の結合価を増加させ、アビディティー効果によるその機能的親和性を向上させるために、これらの分子は開発されているが、これらは単一特異 性である。

用語「二重特異性抗体(BsAb)」とは、単一分子内に2つの抗体の抗原結合部位を兼ね備える分子をいう。従って、二重特異性抗体は、同時に2つの異なる抗原に結合し得る。診断目的での適用に加えて、罹患部に有効なエフェクター系をリダイレクトすることよるか、または抗体の活性を増強するか、中和するか、もしくは刺激することにより、BsAbは新しい治療適用への道を開く。

治療目的のために異なる標的抗原に対する2つの全抗体の結合特異性を合わせようとする最初の試みは、化学的に融合したヘテロ複合体分子を利用した(Staerz et al.(1985),Nature 314:628−631)。

二重特異性抗体は、ヘテロハイブリドーマ技術によりハイブリッドハイブリドーマから生産され、そしてヘテロ複合体に観察されるものに類似するインビトロ特性を実証している(Milstein & Cuello(1983)Nature 305:537−540)。

上記のように、細胞融合から生産されたヘテロ複合体または二重特異性抗体を使用して、期待できる結果が得られたにもかかわらず、いくつかの因子がそれらを大規模治療適用に実用的でないようにする。このような因子としては、大きなヘテロ複合体のインビボでの迅速なクリアランス、どちらか一方のタイプの分子を生成するのに必要とされる手間のかかる技術、ヘテロ複合体または単一特異性抗体からのヘテロ複合体の大規模な精製の必要性および一般に低い回収率。

遺伝子工学がますます頻繁に使用され、結合特性およびエフェクター機能の所望のセットを有する、抗体または抗体誘導体を設計し、修飾し、そして生産する。

抗体フラグメント(Carter et al.(1995),J.Hematotherapy 4:463−470;Pluckthun et al.(1997)Immunotechology 3:83−105;Todorovska et al.(2001)J.Immunol.Methods 248:47−66)としても、完全長IgG形式(Carter(2001)J.Immunol.Methods 248:7−15)としても、BsAbの効率的生産のための様々な組換え法が開発されている。

2つの異なるscFvの組み合わせが、sc−BsAbまたはTa−scFvと呼ばれる最小分子量のBsAb形式をもたらす(Mack et al.(1995),Proc.Acad.Sci.USA.92:7021−7025;Mallender et al.(1994)J.Biol.Chem.269:199−206)。BsAbは、ロイシンジッパーのような二量化官能性を介する2つのscFvを遺伝学的に融合することによって構築される(Kostelny et al.(1992)J.Immunol.148:1547−53;de Kruif et al.(1996)J.Biol.Chem.271:7630−4)。

上記のように、ディアボディーは、小さな二価の二重特異性抗体フラグメントである。フラグメントは、同一鎖上の2つの領域間で対合するには短過ぎる(12アミノ酸未満の)リンカーを用いることにより、同一ポリペプチド鎖上でVLに連結したVHを含む。領域は別の鎖の相補的な領域と分子間で強制的に対合させられ、そして2つの抗原結合部位を生成する。これらの二量体抗体フラグメント、または「ディアボディー」は、二価で、かつ二重特異性である(Holliger et al.(1993),Proc.Na tl.Acad.Sci.USA.90:6444−6448)。ディアボディーは、Fabフラグメントと同じくらいの大きさである。3〜12のアミノ酸のリンカーと結合したVH領域およびVL領域のポリペプチド鎖は、主に二量体(ディアボディー)を形成するが、0〜2アミノ酸残基のリンカーでは三量体(トリアボディー)および四量体(テトラボディー)が支持される。リンカーの長さに加えて、オリゴマー化の正確なパターンは、組成さらにV領域の方向に依存しているようである(Hudson et al.(1999),J Immunol Methods 231:177−189)。ディアボディー分子の最終構造の予測可能性は非常に低い。

sc−BsAbおよびディアボディーベースの構築物は興味深い臨床的可能性を示すが、このような非共有結合分子は生理的条件下で十分に安定性でないことが示された。scFvフラグメントの総合的な安定性は、VLおよびVH領域の 固有の安定性さらにドメイン界面の安定性に依存する。ペプチドリンカーにより可能となる界面の一時的な開口が凝集、それによる不安定性および乏しい収率を助長する疎性パッチを剥き出しにするので、scFvフラグメントのVH−VL界面の不十分な安定性がしばしば不可逆的scFv失活の主な原因と考えられている(Worn and Pluckthun(2001),J.Mol.Biol.305:989−1010)。

VHおよびVL領域から二重特異性二価抗原結合タンパク質を製造する代替法は、米国特許第5,989,830号に開示されている。このようなダブルヘッド(double head)抗体フラグメントは、2つのポリペプチド鎖をコードする二シストロン性ベクターを発現させることによって得られ、一方のポリペプチド鎖は、ペプチドリンカー(VH1−リンカー−VH2)による連続する二倍のVHを有し、そして他方のポリペプチド鎖はペプチドリンカー(VL1−リンカー−VL2)による連続して連結した相補的VL領域からなる。各リンカーは、少なくとも10のアミノ酸残基を含むべきであると米国特許第5,989,830号に記載されていた。

増加した価数を有する多価タンパク質複合体(PPC)が、US2005/0003403 A1に記載されている。PPCは、一般に他方に沿って配列した2つのポリペプチド鎖を含む。各ポリペプチド鎖は、典型的に3または4つの「v−領域」を含み、反対のポリペプチド鎖上の対応するv−領域と一致する場合、抗原結合部位を形成し得るアミノ酸配列を含む。約6つまでの「v−領域」が各ポリペプチド鎖上で使用され得る。各ポリペプチド鎖のv−領域は他方に対して直線的に連結し、そして散在連結領域により連結され得る。PPCの形態で配列される場合、各ポリペプチド鎖上のv−領域は個々に抗原結合部位を形成する。複合体は1つまたはいくつかの結合特異性を含み得る。

しかし、このような分子の使用は、凝集、不安定性および乏しい発現収率を示した(Wu et al.(2001)Prot.Eng.14:1025−1033)。これらは、抗体ベースの発現単鎖を生じ得る典型的な安定問題である(Worn and Pluckthun(2001),J.Mol.Biol.305:989−1010)。

従って、本発明の目的は、凝集の形成を避け得る手段により二重特異性多価抗体を提供することである。さらに、これは治療用途に使い易くする安定性を有するべきである。

本明細書中で使用される、用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体をいい、すなわち、集団を含む個々の抗体は少量存在し得る自然発生突然変異を除き同一である。

本明細書中のモノクローナル抗体は、具体的には、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来する抗体、または特定の抗体のクラスまたはサブクラス(タイプまたはサ ブタイプ)に属する抗体における対応する配列と同一かまたは相同であり、鎖の残りが、別の種に由来する抗体、または別の抗体のクラスまたはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一かまたは相同である「キメラ」抗体、さらにIL−4および/またはIL−13に結合するか、またはIL−4および/またはIL−13の活性または代謝に影響を与える所望の生物活性を示す限り、このような抗体のフラグメントを含む(米国特許第4,816,567号;およびMorrison et al.,Proc Natl Acad Sci USA 81:6851(1984))。従って、あるクラスの抗体由来のCDRは、異なるクラスまたはサブクラスの抗体のFRに埋め込まれ得る。

モノクローナル抗体は、特異性が高く、単一の標的部位、エピトープまたは決定基に指向される。さらに、典型的に抗原の異なる決定基(エピトープ)に指向される異なる抗体を含む従来の(ポリクローナル)抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は標的上の単一決定基に指向される。それらの特異性に加えて、他の免疫グロブリンが混入していないモノクローナル抗体は、宿主細胞によりに合成される点で有利であり、そして関連遺伝子およびそれらの鎖の抗体をコードするmRNAのクローニングを提供する。修飾語句「モノクローナル」とは、実質的に均一な抗体集団から得られるような抗体の性質を示し、そして任意の特定の方法によって抗体を生産する必要があると解釈されるべきではない。例えば、本発明と共に使用するためのモノクローナル抗体は、周知技術を使用してファージ抗体ライブラリーから単離され得るか、またはポリクローナル調製物から精製され得る。本発明に従って使用される親モノクローナル抗体は、Kohler et al.,Nature 256:495(1975)により記載されるハイブリドーマ法により作製され得るか、または当該分野で周知の組換え法により作製され得る。

本発明において使用される場合、用語「多価抗体」とは、2つまたはそれ以上の抗原結合部位を含み、従って2つまたはそれ以上の抗原に結合し得る抗体をいい、同時に同一かまたは異なる構造を有し得る。用語「二価」とは、2つの抗原結合部位を含む抗体を意味する。用語「四価」とは、4つの抗原結合部位を含む抗体を意味する。

本発明において使用される場合、用語「抗原結合部位」とは、抗原の部分または全体に特異的に結合し、そしてこれらと相補的である領域を含む抗体の部分をいう。抗原が大きい場合、抗体は抗原の特定の部分にのみ結合し得、この部分はエピトープと呼ばれる。抗原結合領域は、1つまたはそれ以上の抗体可変領域により提供され得る。好ましくは、抗原結合領域は、抗体軽鎖可変領域(VL)および抗体重鎖可変領域(VH)に関連付けられる。

本発明において使用される場合、用語「抗原」とは、本発明の抗体により結合され得る分子または分子の一部をいう。抗原は、1つまたはそれ以上のエピトープを有し得る。本発明の抗体により認識される抗原の例としては、血清タンパク質、例えば、サイトカイン(例えば、IL−4、IL5、IL9およびIL−13)、生物活性ペプチド、細胞表面分子、例えば、受容体、輸送体、イオンチャネル、ウイルスタンパク質および細菌タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。

本発明において使用される場合、用語「単一特異性」とは、本発明の多価抗体が1つの抗原のみを認識し、全ての抗原結合部位が同一であることを意味する。

本発明において使用される場合、用語「二重特異性」とは、本発明の多価抗体が同一または2つの異なる抗原上の2つの異なるエピトープを認識することを意味する。

本発明において使用される場合、用語「多重特異性」とは、本発明の多価抗体が同一または多数の異なる抗原上の多数の異なるエピトープを認識することを意味する。

本発明において使用される場合、用語「リンカー」とは、本発明の抗体構築物の可変領域を連結するように適応されるペプチドをいう。ペプチドリンカーは、あらゆるアミノ酸を含み得、アミノ酸グリシン(G)およびセリン(S)が好ましい。リンカーは、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの間で、そしてその中で同一であるか、または互いに異なり得る。さらに、リンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20のアミノ酸長を有し得る。軽鎖領域と同様に、重鎖領域の好ましいペプチドリンカー単位はGGGGSである。重鎖および軽鎖のリンカー単位の数は、等しいか(対称的なオーダー)または互いに異なり得る(非対称的なオーダー)。

ペプチドリンカーは、互いの活性の妨害(例えば、立体障害)から抗体部分を妨げ、適正なタンパク質折り畳みを可能にし、そして必要な場合、抗体分子が2つまたはそれ以上の、場合により広い間隔で、同一細胞上の受容体と相互作用することを可能にするように適度な程度の柔軟性を提供するように十分に長いことが好ましい;さらに、抗体部分が細胞中で安定なままであるように十分に短いことが好ましい。

従って、ペプチドリンカーの長さ、組成および/または構造は、多価抗体の所望の特性を最適化するために、当業者により容易に選択され得る。

非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態は、ヒト抗体と比較して、非ヒト免疫グロブリン由来の配列を含む、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはそれらのフラグメント(例えば、Fv、Fab、Fab'、F(ab')2または抗体の他の標的結合サブ配列)である。一般に、ヒト化抗体は、1つ、典型的には2つの可変領域の実質的に全てを含み、ここで全てまたは実質的に全てのCDR領域は非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、そして全てまたは実質的に全てのFR領域はヒト免疫グロブリン鋳型配列のFR領域である。ヒト化抗体はまた、典型的に、選択されたヒト免疫グロブリン鋳型のものである免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部を含み得る。一般に、ヒトにおいて最小限の免疫原性である抗体分子を有することが目的である。従って、1つまたはそれ以上のCDR中の1つまたはそれ以上のアミノ酸をまた、IL−4および/またはIL−13に対する1つまたはそれ以上のCDRの特異的結合機能を実質的に最小化することなく、ヒト宿主に対する免疫原性をより小さいものに変化させ得ることが可能である。あるいは、FRは非ヒトであるが、これらのアミノ酸のほとんどの免疫原性をより小さい免疫原性のものに置き換える。そうはいうものの、上で議論されるようなCDRグラフティングは、ヒト化抗体を得るための唯一の方法ではない。例えば、フレームワーク領域がCDRループの三次元構造およびそのリガンドについての抗体の全体的な親和性の決定に関与することは珍しくないので、CDR領域を単に修飾することは不十分であり得る。従って、あらゆる手段が実施され得、非ヒト親抗体分子は、ヒトに対してより小さい免疫原性であるものとなるように修飾され、そしてヒト抗体との広範囲の配列同一性が必ずしも必要とは限らない。だから、例えば、ごくわずかな残基、特に、抗体分子上に露出しており、そして分子内に埋め込まれておらず、従って、宿主免疫系に利用しにくいものの単なる置換により、ヒト化はまた達成され得る。抗体分子上の「可動性」または「柔軟性」残基の置換に関するこのような方法が本明細書中に教示され、そのエピトープまたは決定基に対する抗体の特異性を含むことなく、得られた分子の免疫原性を減少または抑えることを目的とする。例えば、Studnicka et al.,Prot Eng 7(6)805−814,1994;Mol Imm 44:1986−1988,2007;Sims et al.,J Immunol 151:2296(1993);Chothia et al.,J Mol Biol 196:901(1987);Carter et al.,Proc Natl Acad Sci USA 89:4285(1992);Presta et al.,J Immunol 151:2623(1 993)、WO2006/042333および米国特許第5,869,619号を参照のこと。

目的のヒト化法は、免疫認識の間および免疫認識時の抗体の分子柔軟性の影響に基づく。タンパク質柔軟性は、タンパク質分子の分子運動に関連する。タンパク質柔軟性は、総タンパク質、タンパク質の一部または単一アミノ酸残基が互いに著しく異なる立体配座の集団を導入する能力である。タンパク質柔軟性に関する情報は、タンパク質X線結晶学実験(例えば、Kundu et al.2002,Biophys J 83:723?732を参照のこと)、核磁気共鳴実験(例えば、Freedberg et al.,J Am Chem Soc 1998,120(31):7916−7923を参照のこと)を実施することにより、または分子動力学(MD)シミュレーションを実行することにより得ることができる。タンパク質のMDシミュレーションは、コンピュータ上でなされ、そして互いの原子の物理的相互作用を計算することにより、ある期間にわたる全てのタンパク質原子の運動を決定することを可能にする。MDシミュレーションの出力は、シミュレーションの期間にわたって調査されるタンパク質の軌道である。軌道は、タンパク質立体構造(スナップショットともいう)の集団であり、これはシミュレーションの期間にわたって周期的にサンプリングされる(例えば、1ピコ秒(ps)毎)。スナップショットの集団を分析することにより、これはタンパク質アミノ酸残基の柔軟性を定量化し得る。従って、柔軟性残基は、この残基が存在するポリペプチドにおいて、異なる立体配座の集団を導入するものである。MD法は、当該分野で公知であり、例えば、Brooks et al.「Proteins:A Theoretical Perspective of Dynamics,Structure and Thermodynamics」(Wiley,New York,1988)を参照のこと。いくつかのソフトウェア、例えば、Amber(Case et al.(2005)J Comp Chem 26:16681688を参照のとこ)、Charmm(Brooks etal.(1983)J Comp Chem 4:187−217を参照のとこ;およびMacKerell et al.(1998)「The Encyclopedia of Computational Chemistry」vol.1:271−177,Schleyer et al.,eds.Chichester:John Wiley & Sons)またはImpact(Rizzo et al.J Am Chem Soc;2000;122(51):12898−12900を参照のとこ)がMDシミュレーションを可能にする。

ほとんどのタンパク質複合体が、比較的大きくかつ平面的に埋没した表面を共有し、そして結合パートナーの柔軟性がそれらの可塑性の起点を提供し、それらを互いに配座的に適応することを可能にすることが示されている(Structure(2000)8,R137−R142)。このようにして、「誘導適合」の例は、タンパク質−タンパク質相互作用で主要な役割を果たすことを示している。さらに、タンパク質が種々の形状、大きさおよび組成のリガンドを実際に結合し(Protein Science(2002)11:184187)、そして立体構造多様性が異なるパートナーを認識する能力の不可欠な要素であると考えられることを示す着実に増加している多数データが存在する(Science(2003)299,1362−1367)。柔軟性残基は、タンパク質−タンパク質パートナーの結合に関与する(Structure(2006)14,683−693)。

柔軟性残基は、記憶B細胞により認識され、そして免疫応答を引き起こす可能性のある相互作用領域の集団を提供する種々の立体配座に導入され得る。従って、修飾された抗体により提示される立体配座および認識領域の集団がヒト抗体により導入されるものとできるだけ類似するように、抗体はフレームワーク由来の多数の残基を修飾することによりヒト化され得る。

これは以下により、限定数の残基を修飾することにより達成され得る:(1)親mAbの相同性モデルを構築し、そしてMDシミュレーションを実行すること;(2)非ヒト抗体分子の柔軟性残基および最も柔軟な残基の同一性を分析し、さらに不均一なまたは分解反応の供給源となる可能性のある残基またはモチーフを同定すること;(3)親抗体のような認識領域の最も類似する集団を提示するヒト抗体を同定すること;(4)突然変異されている柔軟性残基を決定する、不均一なまたは分解の供給源となる可能性のある残基またはモチーフがまた、突然変異されている;そして(5)既知のT細胞またはB細胞エピトープの存在をチェックすること。陰溶媒モデルを使用して、本明細書中に教示されるようにMD計算を使用して、柔軟性残基が見出され得、シミュレーションの期間にわたる水溶媒とタンパク質原子との相互作用を明らかにする。一旦、柔軟性残基のセットが可変軽鎖および重鎖内で同定されると、目的の抗体のものと酷似するヒト重鎖および軽鎖可変領域フレームワークのセットが同定される。例えば、これは、抗体ヒト生殖細胞系列配列のデータベースに対する柔軟性残基のセットのブラストサーチを使用して行うことができる。これはまた、親mAbのダイナミック(dynamic)と生殖細胞系列標準構造のライブラリーのダイナミックとを比較することにより行うことができる。抗原の高親和性が維持されるのを確保するために、CDR残基および隣接残基は検索から排除される。

次いで、柔軟性残基は置き換えられる。いくつかのヒト残基が類似の相同性を示す場合、ヒト化抗体の溶液挙動に影響を与える可能性のある残基の性質により、選択がまた後押しされる。例えば、極性残基は、疎水性残基よりも露出した柔軟性ループを好む。CDR中で見出される場合でさえ、不安定性および不均一性の潜在源である残基はまた、突然変異される。スルホキシド形成が、酸素ラジカル、酸に不安定な結合(例えば、Asp−Proジペプチドのもの)のタンパク質分解的切断、(Drug Dev Res(2004)61:137−154)、露出したアスパラギン残基、続く小アミノ酸、例えば、Gly、Ser、Ala、His、AsnまたはCys内で見出される脱アミド部位(J Chromatog(2006)837:35−43)およびN−グリコシルカ化部位、例えば、Asn−X−Ser/Thr部位から得ることができる場合、これは露出したメチオンを含む。典型的に、露出したメチオニンは、Leuで置換されるか、露出したアスパラギンは、グルタミンまたはアスパラギン酸塩で置換されるか、または続く残基が変化させられる。グリコシル化部位について(Asn−X−Ser/Thr)、AsnまたはSer/Th残基のいずれかが変化させられる。

得られた合成列を既知のB細胞または線状(linear)T細胞エピトープの存在についてチェックする。例えば、公表されているIEDBを用いて、検索を実施する。既知のエピトープが合成列内で見出される場合、別のヒト配列のセットを検索し、そして置換する。

米国特許第5,639,641号の再表面形成法(resurfacing method)と違い、B細胞仲介性およびT細胞仲介性免疫応答(immunogenic response)の両方が本方法により対処される。本方法はまた、CDRグラフティングで時折観察される活性の減少の問題を回避する(米国特許第5,530,101号)。さらに、安定性および溶解性の問題もまた、工学過程および選定過程において考慮され、低免疫原性、抗原の高親和性および改善された生物物理学的特性のために最適化されている抗体を得る。

再表面形成抗体のためのストラテジーおよび方法、ならびに異なる宿主内で抗体の免疫原性を低下させる他の方法が、例えば、米国特許第5,639,641号に開示される。簡潔に、好ましい方法において、(1)抗体重鎖および軽鎖可変領域のプールの位置配列(position alignment)を生成し、全ての可変領域の配列位置が少な くとも約98%同一である重鎖および軽鎖可変領域フレームワーク表面露出位置を得る;(2)重鎖および軽鎖可変領域フレームワーク表面露出アミノ酸残基のセットを非ヒト(例えば、齧歯動物)抗体(またはそれらのフラグメント)について定義する;(3)齧歯動物表面露出アミノ酸残基のセットに最も厳密に一致する重鎖および軽鎖可変領域フレームワーク表面露出アミノ酸残基のセットを同定する;そして(4)齧歯動物抗体のCDRのあらゆる残基のあらゆる原子の5Å以内にあるアミノ酸残基を除いて、工程(2)で定義した重鎖および軽鎖可変領域フレームワーク表面露出アミノ酸残基のセットを工程(3)で同定した重鎖および軽鎖可変領域フレームワーク表面露出アミノ酸残基のセットで置換し、結合特異性を保持したヒト化、例えば、齧歯動物抗体を得る。

CDRグラフティング(欧州特許第0 239 400号;WO91/09967;および米国特許第5,530,101号および同第5,585,089号)、ベニアリング(veneering)または再表面形成(欧州特許第0592 106;欧州特許第0 519 596号;Padlan,1991,Molec Imm 28(4/5):489−498;Studnicka et al.,1994,Prot Eng 7(6):805−814;およびRoguska et al.,1994,PNAS 91:969−973)および鎖シャフリング(chain shuffling)(米国特許第5,565,332号)を含む他の様々な技術により、抗体はヒト化され得る。ヒト抗体は、当該分野で公知の様々な方法によりなされ得、この方法としては、トランスジェニック動物(例えば、齧歯動物)を使用し、キメラ細胞などを使用するファージディスプレイ法が挙げられるが、これらに限定されない、米国特許第4,444,887号、同第4,716,111号、同第5,545,806号および同第5,814,318;ならびにWO98/46645、WO98/50433、WO98/24893、WO98/16654、WO96/34096、WO96/33735およびWO91/10741を参照のこと。

「抗体ホモログ」または「ホモログ」とは、本明細書中で教示されるようなIL−4および/またはIL−13に特異的に結合するあらゆる分子をいう。従って、抗体ホモログは、修飾されているかどうか問わず、ネイティブなまたは組換え抗体、目的の生物学的特性(例えば IL−4またはIL−13を結合する)を保持する抗体の一部、例えば、FabまたはFv分子、単鎖抗体、1つまたはそれ以上のCDR領域を保有するポリペプチド などを含む。ホモログのアミノ酸配列は、天然の抗体のものに対する同一性を必要としないが、改善された特性または他の有益な特性を有するポリペプチドを得るために、置換アミノ酸、挿入アミノ酸、欠失アミノ酸、タンパク質中に通常見出される20以外のアミノ酸などを保有するように改変または修飾され得る。

ホモログ配列を有する抗体は、本発明のIL−4、IL−13または二重特異性IL−4/IL−13抗体のアミノ酸配列と配列相同性を有するアミノ酸配列を有する抗体である。好ましくは、相同性は本発明の抗体の可変領域のアミノ酸とのものである。本明細書中でアミノ酸配列に適用される場合、「配列相同性」は、例えば、Pearson & Lipman,Proc Natl Acad Sci USA 85,2444−2448(1988)に従うFASTA検索方法によって決定されるように、別のアミノ酸配列と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%またはそれ以上の配列相同性、より好ましくは少なくとも約95%、96%、97%、98%または99%の配列相同性を有する配列として定義される。

キメラ抗体は、異なる供給源、例えば、異なる抗体、異なるクラスの抗体、異なる動物種由来の抗体の異なる部分を有するもの、例えば、ヒト免疫グロブリン定常領域などと対合したマウスモノクローナル抗体由来の可変領域を有する抗体である。従って、ヒト化抗体は、特定のキメラ抗体である。キメラ抗体の生産方法は当該分野で公知であり、例えば 、Morrison,1985,Science 229:1202;Oi et al.,1986,BioTechniques 4:214;Gillies et al.,1989,J Immunol Methods 125:191−202;ならびに米国特許第5,807,715号、同第4,816,567号および同第4,816,397号を参照のこと。

人工抗体としては、scFvフラグメント、キメラ抗体、ディアボディー、トリアボディー、テトラボディーおよびmru(Winter & Milstein,1991,Nature 349:293−299;およびHudson,1999,Curr Opin Imm 11:548−557を参照のこと)が挙げられ、それぞれ、抗原結合またはエピトープ結合能力を有する。単鎖Fvフラグメント(scFv)において、抗体のVHおよびVL領域は、柔軟性ペプチドにより連結されている。典型的に、リンカーは、約15のアミノ酸のペプチドである。リンカーがかなり小さい(例えば、5アミノ酸)である場合、ディアボディーが形成される。抗体の最も小さい結合単位はCDR、典型的に、十分な特異的な認識および結合能力を有する重鎖のCDR2である。このようなフラグメントは、分子認識単位またはmruと呼ばれる。いくつかのこのようなmruが短いリンカーペプチドで連結され、従って単一mruよりも高いアビディティーを有する人工結合タンパク質を形成する。

目的の抗体の機能的等価物がまた、本発明の範囲内に包含される。用語「機能的等価物」は、相同配列を有する抗体、抗体ホモログ、キメラ抗体、人工抗体および修飾抗体を含み、例えば、各機能的等価物は、IL−4および/またはL−13に結合する能力、IL−4および/またはIL−13のシグナル伝達能力または機能を阻害すること、またはIL−4および/またはIL−13のその受容体への結合を阻害することにより定義される。当業者は、「抗体フラグメント」と呼ばれる分子の群および「機能的等価物」と呼ばれる群中にオーバーラップが存在することを理解する。IL−4および/またはIL−13結合能力を保持する機能的等価物の生産方法は、当業者に公知であり、そして例えば、WO93/21319、欧州特許第Ser.No.239,400、WO89/09622、欧州特許第Ser.No.338,745および欧州特許第Ser.No.332,424に開示される。

本出願の機能的等価物はまた、修飾抗体、例えば、抗体にあらゆるタイプの分子を共有結合させることにより修飾された抗体を含む。例えば、修飾抗体は、例えば、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、脱アミド化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/保護基(protecting/blocking groups)による誘導体化、タンパク質分解的切断、細胞リガンドへの連結、毒素もしくは細胞毒性部分または他のタンパク質への連結などにより修飾された抗体を含む。共有結合は抗−イディオタイプ応答を生成するのを妨げる抗体を回収する必要がない。公知の技術により修飾が達成され得、この技術としては、特異的化学分解、アセチル化、ホルミル化、代謝合成などが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、修飾抗体は、1つまたはそれ以上の非古典的なアミノ酸を含み得る。

結合親和性の最適化を可能にする多くの技術が、当業者に利用可能である。典型的に、技術は、目的の部位での様々なアミノ酸の置換、続く同種抗原またはエピトープについての突然変異ポリペプチドの結合親和性のスクリーニング分析を含む。

一旦、抗体を同定し、そして単離すると、しばしば、変異抗体または突然変異体、または突然変異タンパク質を生成するのに有用であり、ここで、例えば、抗体の1つまたはそれ以上の超可変領域において、1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が改変される。あるいは、またはそれに加えて、フレームワーク残基の1つまたはそれ以上の改変(例えば、置 換)が抗体中に導入され得、それによりIL−4および/またはIL−13に対する抗体突然変異体の結合親和性が改善される。修飾され得るフレームワーク領域残基の例としては、抗原に直接的に非共有結合するもの(Amit et al.Science 233:747−753(1986));CDRの立体配座に相互作用/影響するもの(Chothia et al.J.Mol.Biol.196:901−917(1987));および/またはVL−VH界面に関与するもの(欧州特許第239 400号)が挙げられる。特定の実施形態において、1つまたはそれ以上のこのようなフレームワーク領域残基の修飾により、同種抗原に対する抗体の結合親和性が増大する。本発明の実施形態において、例えば、約1〜約5のフレームワーク残基が改変され得る。時折、超可変領域残基が全く改変されていない場合でさえ、これは前臨床試験に使用するのに適切な抗体突然変異体を得るのに十分であり得る。しかし、通常、抗体突然変異体は、1つまたはそれ以上の超可変領域改変を含み得る。定常領域はまた、所望の、またはより所望のエフェクター特性を得るために改変され得る。

改変された超可変領域残基はランダムに変更され得、特に、親抗体の最初の結合親和性は、ランダムに生産された抗体突然変異体が、本明細書中に教示されるアッセイにおいて、改変された結合について容易にスクリーニングできるようなものである。

抗体突然変異体、例えば、CDR突然変異体を得る手段の1つは、「アラニンスキャンイング突然変異誘発」(Cunningham & Wells,Science 244:10811085(1989);およびCunningham & Wells,Proc Nat Acad Sci USA 84:6434−6437(1991))である。1つまたはそれ以上の超可変領域残基が、アラニンまたはポリアラニン残基で置換される。次いで、置換基に対して機能感受性を示すこれらの超可変領域残基を、置換部位にまたは置換部位に対してさらなる突然変異または他の突然変異を導入することによりリファイニングする。従って、アミノ酸配列変異が導入される部位を予め決定しておくと、突然変異自体の性質を予め決定する必要がない。スキャンされる残基の所望の特性に依存して、同様の置換が他のアミノ酸を用いて試みられ得る。

修飾するためのアミノ酸残基を同定するより系統的方法は、IL−4および/またはIL−13結合に関与する超可変領域残基およびIL−4および/またはIL−13結合にほとんど関与しないこれらの超可変領域残基を同定することを含む。非結合超可変領域残基のアラニンスキャンが実施され、IL−4および/またはIL−13への増強した結合について、各ala突然変異体は試験される。別の実施形態において、IL−4および/またはIL−13結合に有意に関与するこれらの残基を選択して、修飾する。修飾は、目的の残基に隣接する残基の欠失または1つもしくはそれ以上の残基の挿入を含み得る。しかし、通常、修飾は、別のアミノ酸による残基の置換を含む。保存的置換が第一の置換であり得る。このような置換が生物活性(例えば、結合親和性)の変化をもたらす場合、次いで別の保存的置換がなされ、より実質的な変化が得られるかどうかを確認し得る。

抗体範囲におけるさらにより実質的な修飾および生物学的特性の提示が、通常、部位で固有のものと特性がより実質的に異なるアミノ酸を選択することによって達成され得る。従って、このような置換は、以下を維持しながらなされ得る:(a)例えば、シートもしくはらせん構造のような置換領域におけるポリペプチド骨格の構造;(b)標的部位での分子の電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖のバルク。

例えば、天然のアミノ酸は、一般的な側鎖特性に基づいて群に分類され得る: (1)疎水性:メチオニン(Mまたはmet)、アラニン(Aまたはala)、バリン(Vまたはval)、ロイシン(Lまたはleu)およびイソロイソン(Iまたはile); (2)中性、親水性:システイン(Cまたはcys)、セリン(Sまたはser)、スレオニン(Tまたはthr)、アスパラギン(Nまたはasn)およびグルタミン(Qまたはgln); (3)酸性:アスパラギン酸(Dまたはasp)およびグルタミン酸(Eまたはglu)(4)塩基性:ヒスチジン(Hまたはhis)、リシン(Kまたはlys)およびアルギニン(Rまたはarg); (5)鎖の方向に影響を与える残基:グリシン(Gまたはgly)およびプロリン(Pまたはpro)、および (6)芳香族:トリプトファン(Wまたはtrp)、チロシン(Yまたはtyr)およびフェニルアラニン(Fまたはphe)。

非保存的置換は、別の基由来のアミノ酸とアミノ酸を交換することを伴い得る。保存的置換は、基内のあるアミノ酸と別のものを交換することを伴い得る。

好ましいアミノ酸置換としては、以下ものが挙げられる:(1)タンパク質分解に対する感受性を低下させるもの、(2)酸化に対する感受性を低下させるもの、(3)結合親和性を改変するものおよび(4)このようなアナログの他の物理化学的特性または機能特性を与えるか、または修飾するもの。アナログは、天然のペプチド配列以外の配列の様々な突然変異を含み得る。例えば、単一または複数のアミノ酸置換(好ましくは、保存的アミノ酸置換)は、天然の配列(好ましくは、分子間接触を形成する領域外のポリペプチド部分)中でなされ得る。R基または側鎖のバルクまたは立体配座の変化がない限り、保存的アミノ酸置換は、親配列の構造特性を実質的に変化させるべきでない(例えば、置換(replacement)アミノ酸は、親配列中に存在するらせんを壊す傾向にあるべきでなく、また親配列を特徴付ける他のタイプの二次構造を崩壊させるべきでない)、Proteins,Structures and Molecular Principles(Creighton,ed.,W.H.Freeman and Company,New York(1984));Introduction to Protein Structure(Branden & Tooze,eds.,Garland Publishing,New York,N.Y.(1991));およびThornton et al.Nature 354:105(1991)。

通常、改善された生物学的特性を有する抗体突然変異体は、親抗−ヒトIL−4および/またはIL−13抗体の重鎖または軽鎖可変領域のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも75%アミノ酸配列同一性または類似性、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%およびしばしば少なくとも95%同一性を有するアミノ酸配列を有する。親抗体配列に関する同一性または類似性は、必要な場合、最大パーセント配列同一性を達成するために配列を整列させ、そしてギャップを導入した後、親抗体残基と同一(すなわち、同じ残基)または類似(すなわち、一般的な側鎖特性に基づく同じ基由来のアミノ酸残基、上記)である候補配列におけるアミノ酸残基の割合として本明細書中で定義される。

あるいは、抗−IL−4、抗−IL−13もしくは二重特異性IL−4/IL−13抗体の重鎖および軽鎖のFRおよびCDR領域、またはFc領域の系統的突然変異により、 抗体突然変異体は生成され得る。抗体突然変異体を生成するための別の手順は、ファージディスプレイを使用する親和性成熟の使用を含む(Hawkins et al.,J Mol Biol 254:889−896(1992)およびLowman et al.,Biochemistry 30(45):10832−10838(1991))。バクテリオファージコートタンパク質融合(Smith,Science 228:1315(1985);Scott & Smith,Science 249:386(1990);Cwirla et al.Proc Natl Acad Sci USA 8:309(1990);Devlin et al.Science 249: 404(1990);Wells & Lowman,Curr Opin Struct Biol 2:597(1992);および米国特許第5,223,409号)は、それらをコードするバクテリオファージ粒子の遺伝子型に提示されたタンパク質またはペプチドの表現型を関連付けるのに有用であることが公知である。抗体のFab領域もまた、ファージ上に提示される(McCafferty et al.,Nature 348:552(1990);Barbas et al.Proc Natl Acad Sci USA 88:7978(1991);およびGarrard et al.Biotechnol 9:1373(1991))。

一価のファージディスプレイは、ファージ粒子上のバクテリオファージコートタンパク質の融合としてタンパク質変異体のセットを提示することからなる(Bass et al.,Proteins 8:309(1990)。親和性成熟、または種々のタンパク質の平衡結合親和性の改善は、突然変異誘発、一価ファージディスプレイおよび機能分析の連続的な適用により(Lowman & Wells,J Mol Biol 234:564 578(1993);および米国特許第5,534,617号)、例えば、抗体のCDR領域に焦点を合わせることにより(Barbas et al.,Proc Natl Acad Sci USA 91:3809(1994);およびYang et al.,J Mol Biol 254:392(1995))以前に達成されている。

配列中の定義された位置で異なる、多くの(例えば、106またはそれ以上の)タンパ ク質変異体のライブラリーは、各々が特定のタンパク質変異体をコードするDNAを含むバクテリオファージ粒子上で構築され得る。親和性精製のサイクル後、固定化抗原を使用して個々のバクテリオファージクローンを単離し、そして提示されたタンパク質のアミノ酸配列をDNAから推定する。

抗体突然変異体の生産に続いて、親抗体と比較して、この分子の生物活性を本明細書中に教示されるように決定し得る。上で述べたように、これは、結合親和性および/または抗体の他の生物活性もしくは物理的特性を決定することを含む。本発明の好ましい実施形態において、抗体突然変異体のパネルを用意し、そして抗原に対する結合親和性をスクリーニングする。スクリーニングから選択される1つまたはそれ以上の抗体突然変異体は、場合により、抗体突然変異体が新規なまたは改善された特性を有することを確認するために、1つまたはそれ以上のさらなる生物活性アッセイに供される。好ましい実施形態において、抗体突然変異体は、親抗体のものと類似するか、またはよりよい/より高い結合親和性でIL−4および/またはIL−13を結合する能力を保持する。

そのように選択される抗体突然変異体は、しばしば抗体の使用目的に依存して、さらなる修飾に供され得る。このような修飾は、さらにアミノ酸配列の改変、異種ポリペプチドへの融合および/または共有結合修飾を含み得る。例えば、抗体突然変異体の適正な立体配座の維持に関連していないシステイン残基を、分子の酸化安定性を改善し、そして異常な交差結合を防止するために、一般に、セリンで置換し得る。反対に、(特に、抗体がFvフラグメントのような抗体フラグメントである場合)システインは安定性を改善するた めに抗体に付加され得る。

別のタイプの抗体突然変異体は、改変されたグリコシル化パターンを有する。抗体において見出される1つまたはそれ以上の炭水化物部分を欠失させ、そして/または抗体中に存在しない1つまたはそれ以上のグリコシル化部位を付加することにより、これを達成し得る。抗体のグリコシル化は、典型的に、AsnへのN−結合またはSerもしくはThrへのO−結合のいずれかである。トリペプチド配列、アスパラギン−X−セリンおよびアスパラギン−X−スレオニン(ここで、Xはプロリン以外の任意のアミノ酸である)は 、アスパラギン側鎖への炭水化物部分の酵素的結合(enzymatic attachment)のための一般的な認識配列である。例えば、N−アセチルガラクトサミン、ガラクトース、フコース、またはキシロースは、ヒドロキシアミノ酸に結合され、最も一般的にはセリンまたはスレオニンであるが、5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシリシンもまた使用され得る。元の抗体の配列への1つまたはそれ以上のセリンまたはスレオニン残基の付加または置換は、O結合グリコシル化の可能性を増し得る。

抗体の有効性を高めるために、エフェィター機能に関連する本発明の抗体を修飾するのが望ましくあり得る。例えば、システイン残基は、Fc領域中に導入され、それによりこ の領域における鎖間ジスルフィド結合形成を可能にし得る。このように生成されたホモ二量体抗体は、内在性機能(internalization capability)が改善され、そして/または補体仲介性細胞死滅および抗体依存性細胞毒性 (ADCC)が向上され得る、Caron etal.,J Exp Med 176:1191−1195(1992)およびShopes,Immunol 148:29182922(1993)を参照のこと。あるいは、二重のFc領域を有する抗体が設計され得、それに より、補体溶解(complement lysis)およびADCC機能が向上され得る、Stevenson et al.,Anti−Cancer Drug Design 3:219 230(1989)を参照のこと。

抗体の共有結合修飾は、本発明の範囲内に含まれる。該当する場合、このような修飾は抗体の化学合成により、または酵素的切断もしくは化学分解によりなされ得る。他のタイプの抗体の共有結合修飾は、抗体の標的アミノ酸残基を、選択される側鎖またはN−末端もしくはC−末端残基と反応し得る有機誘導化剤と反応させることにより、分子に導入される。

システイニル残基をクロロ酢酸またはクロロアセトアミドのようなα−ハロアセテート(および対応するアミン)と反応させ、カルボキシルメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を得る。システイニル残基はまた、例えば、ブロモトリフルオロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミドゾイル)プロピオン酸、クロロアセチルホスフェート、N−アルキルマレイミド、3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィド、メチル2−ピリジルジスルフィド、p−クロロメルクリベンゾエート、2−クロロメルクラ−4−ニトロフェノール、またはクロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾールとの反応により誘導体化され得る。

ヒスチジル残基は、pH 5.5〜7.0でジエチルピロカーボネートとの反応により誘導体化され得る。p−ブロモフェナシルブロミドもまたは使用され得、その反応は好ましくは、0.1Mカコジル酸ナトリウム中pH 6.0で実施される。

リシニルおよびα末端残基を、コハク酸無水物または他のカルボン酸無水物と反応させ、残基の電荷を逆にし得る。α−アミノ含有残基を誘導体化するための他の適切な試薬としては、イミドエステル、例えば、メチルピコリンイミデート、ピリドキサールホスフェート、ピリドキサール、クロロボロハイドライド、トリニトロベンゼンスルホン酸、O−メチルイソウレアおよび2,4−ペンタンジオンが挙げられ、そしてアミノ酸はグリオキシラートを用いてトランスアミナーゼ触媒化され得る。

アルギニル残基は、1またはいくつかの従来の試薬、例えば、フェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロヘキサンジオンおよびニンヒドリンとの反応により修飾され得る。アルギニン残基の誘導体化は、しばしばアルカリ性反応条件を必要とする。さらに、これらの試薬は、リシンさらにアルギニンε−アミノ基と反応させ得る。

チロシル残基の特定の修飾は、芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンを用いてなされ得る。例えば、N−アセチルイミダゾール(acetylimidizole)およびテトラニトロメタンを使用して、それぞれO−アセチルチロシル種および3−ニトロ誘導体を形成する。チロシル残基は、125Iまたは131Iを使用してヨウ素化され、ラジオイムノアッセイに使用するための標識タンパク質を調製し得る。

カルボキシル側基(アスパルチルまたはグルタミル)は、カルボジイミド((R−N=C=C−R’)(ここでRおよびR’は異なるアルキル基であり得る)、例えば1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミドとの反応により修飾され得る。さらに、アスパルチルおよびグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反応によりアスパラギニルおよびグルタミニル残基に変換され得る。

グルタミニルおよびアスパラギニル残基は、頻繁に、中性または塩基性条件下、それぞれ、対応するグルタミルおよびアスパルチル残基に脱アミド化される。これらの残基の脱アミド形態は、本発明の範囲内にある。

他の修飾としては、プロリンおよびリシンのヒドロキシル化、セリニルまたはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン、およびヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化(Creighton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,pp.79−86[1983])、N末端アミンのアセチル化およびC末端カルボキシル基のアミド化が挙げられる。

別のタイプの共有結合修飾は、抗体にグリコシドを化学的または酵素的にカップリングすることを含む。これらの手順は、N−結合またはO−結合グリコシル化のためにグリコシル化機能を有する宿主細胞中で抗体を生産する必要がない。使用されるカップリング様式に依存して、糖が(a)アルギニンおよびヒスチジン;(b)遊離カルボキシル基;(c)遊離スルフヒドリル基、例えば、システインのもの;(d)遊離ヒドロキシル基、例えば、セリン、スレオニンもしくはヒドロキシプロリンのもの;(e)芳香族残基、例えば、フェニルアラニン、チロシンもしくはトリプトファンのもの;または(f)グルタミンのアミド基に結合し得る。このような方法は、WO87/05330およびAplin & Wriston,CRC Crit Rev Biochem,pp.259−306(1981)に記載される。

抗体上に存在する任意の炭水化物部分の除去は、化学的または酵素的に達成され得る。例えば、化学的脱グリコシル化は、抗体を化合物、トリフルオロメタンスルホン酸または等価な化合物への暴露を必要とし得、連結糖(linking sugar)(N−アセチルグルコサミンまたはN−アセチルガラクトサミン)以外のほとんどまたは全ての糖の開裂をもたらす一方、抗体を完全に残す。化学的脱グリコシル化は、例えば、Hakimuddin et al.Arch Biochem Biophys 259:52(1987)およびEdge etal.,Anal Biochem 118:131(1981)に記載される。抗体上の炭水化物部分の酵素的開裂は、例えば、Thotakura et al.,Meth Enzymol 138:350(1987)に記載されるようなあらゆる種々のエンドグリコシダーゼおよびエキソグリコシダーゼにより達成され得る。

抗体の別のタイプの共有結合修飾は、米国特許第4,640,835号;同第4,496,689号;同第4,301,144号;同第4,670,417号;同第4,791,192号または同第4,179,337に示される様式で、抗体を種々の非タンパク質 ポリマーの1つ、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリオキシルアルキレンに連結することを含む。

突然変異体または突然変異タンパク質を得るための好ましい別の技術は、ファージディスプレイによる親和性成熟である(Hawkins et al.,J Mol Biol 254:889−896(1992);およびLowman et al.,Biochemistry 30(45):1083210838(1991))。簡潔に、いくつかの超可変領域部位(例えば、6〜7部位)は、各部位で全ての可能なアミノ酸置換を生成するために突然変異される。このように生成された抗体突然変異体は、粒子状に見出されるタンパク質に融合するので、ファージ粒子上に一価様式で提示される。種々の突然変異体を発現するファージは、結合セレクション(binding selection)の周りを通って循環させられ、続いて単離され、そして高い親和性を示すこれらの突然変異体を配列決定し得る。

新規な結合ポリペプチドを選択する方法は、構造的に関連があるポリペプチドのライブラリーを利用し得る。例えば、ファージコートタンパク質に融合された構造的に関連があるポリペプチドのライブラリーは、突然変異誘発により生産され、そして粒子の表面に提示される。次いで、粒子は標的分子に接触させられ、そして標的に対して最も高い親和性を有するこれらの粒子をより低い親和性のものから分離する。次いで、高親和性バインダーは、適切な細菌性宿主の感染により増幅され、そして競合的結合工程が繰り返される。所望の親和性のポリペプチドが得られるまで、工程は繰り返される。

あるいは、多価ファージ(McCafferty et al.(1990)Nature 348:552−554;およびClackson et al.(1991)Nature 352:624−628)をまた使用して、ランダム点突然変異を発現させ(例えば、エラープローンDNAポリメラーゼの使用により生成される)、ファージ抗体フラグメントのライブラリーを生成し、次いで、IL−4および/またはIL−13に対する親和性についてスクリーニングされ得る、Hawkins et al.,(1992)J Mol Biol 254:889−896。

好ましくは、親和性成熟工程の間、複製可能な発現ベクターは、転写調節要素の厳しい管理下にあり、そして融合タンパク質の1より多いコピーを提示する粒子の量または数が約1%未満となるように、培養条件を調節する。融合タンパク質の1より多いコピーを提示する粒子の量が、融合タンパク質の単一コピーを提示する粒子の量の10%未満であることもまた好ましい。量が20%未満であることが好ましい。

フレームワーク内で異なる抗体鎖の異なるCDRまたは複数の抗体由来の合成FRを交換することにより、機能的等価物が生産され得る。従って、例えば、異なるクラスの抗体が異なる重鎖の置換による既定のCDRセットに対して可能であり(例えば、IgG1〜4、IgM、IgA1〜2またはIgD)、異なるIL−4および/またはIL−13抗体のタイプおよびアイソタイプを得る。同様に、完全な合成フレームワーク内に、既定のCDRセットを包埋することにより、本発明の範囲内の人工抗体を生産し得る。

本発明の抗体フラグメントおよび機能的等価物は、検出可能な程度でIL−4および/またはIL−13に特異的結合するこれらの分子を含む。検出可能な程度の結合は、目的の抗体への結合能力の少なくとも10〜100%、好ましくは少なくとも50%、60%または70%、より、好ましくは少なくとも75%、80%、85%、90%、95%または99%の範囲の全ての値を含む。目的に抗体の100%のものよりも大きい親和性を有する等価物もまた含まれる。

一般に、CDRは、エピトープ認識および抗体結合に重要である。しかし、抗体が同種エピトープを認識し、そして結合する能力を妨害することなく、CDRを含む残基に変化がなされ得る。例えば、エピトープ認識に影響を与えず、エピトープに対する抗体の結合親和性をなお高める変化がなされ得る。いくつかの研究により、一次抗体配列の知識に基づいて、それらの特性(例えば、結合および発現レベル)に対する抗体配列の種々の位置に1つまたはそれ以上のアミノ酸変化を導入する効果が調査されている(Yang et al.,1995,J Mol Biol 254:392−403;Rader et al.,1998,Proc Natl Acad Sci USA 95:8910−8915;およびVaughan etal.,1998,Nature Biotechnology 16,535−539)。

従って、オリゴヌクレオチド媒介部位特異的突然変異誘発、カセット突然変異誘発、エラープローンPCR、DNAシャッフリングまたは大腸菌のミューテーター株のような方法を使用して、CDR1、CDR2もしくはCDR3、またはフレームワーク領域において、重鎖および軽鎖の遺伝子配列を変化させることにより、目的の抗体の等価物を生成し得る(Vaughan etal.,1998,Nat Biotech 16:535−539;およびAdey et al.,1996,Chap.16,pp.277−291,in Phage Display of Peptides and Proteins,eds.Kay et al.,Academic Press)。一次抗体の核酸配列を変化させる方法により、改善された親和性を有する抗体を得ることができる(Gram et al.,1992,Proc Natl Acad Sci USA 89:3576−3580;Boder et al.,2000,Proc Natl Acad Sci USA 97:10701−10705;Davies & Riechmann,1996,Immunotech 2:169−179;Thompson et al.,1996,J Mol Biol 256:77−88;Short etal.,2002,J Biol Chem 277:16365−16370;およびFurukawa et al.,2001,J Biol Chem 276:27622−27628)。

「ポリペプチドセレクション」の繰り返しサイクルを使用して、例えば、サイクルの複数のセレクションにより選択される複数のアミノ酸変化のセレクションによって次々と高い親和性結合を選択し得る。リガンドまたは抗体ポリペプチド中のアミノ酸のセレクションの第一の領域を含む第一回目のセレクションに続き、リガンドの他の領域またはアミノ酸におけるさらなる回のセレクションが実施される。所望の親和特性が達成されるまで、セレクションのサイクルは繰り返される。

改善された抗体はまた、動物免疫(animal immunization)、ハイブリドーマ形成および特性を有する抗体のセレクションの標準的技術により調製される改善された特性を有する抗体を含む。

「アンタゴニスト」とは、標的分子の1つまたはそれ以上の生物活性(例えば、IL−4および/またはIL−13によるシグナル伝達)を阻害し得る分子をいう。リガンドにより活性化される細胞を無能化または死滅させることにより、および/または受容体もしくはリガンド活性化(例えば、チロシンキナーゼ活性化)または受容体へのリガンド結合後のシグナル変換を妨害することにより、アンタゴニストは、リガンドへの受容体の結合を妨害し得る(逆の場合もまた同じ)。アンタゴニストは、受容体−リガンド相互作用を完全に阻害し得るか、またはこのような相互作用を実質的に減少させ得る。

「アゴニスト」とは、IL−4および/またはIL−13の1つまたはそれ以上の生物活性を活性化する、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、抗体、抗体フラグメント、複 合体、巨大分子、小分子を含む化合物をいう。リガンドにより活性化される細胞のマイトジェンとして作用することにより、および/または細胞不活性化または受容体へのリガンド結合後のシグナル変換阻害を妨害することにより、アゴニストはリガンドへの受容体の結合と相互作用し得る(逆の場合もまた同じ)。アゴニストによる介入のこのような全ての点が、本発明の目的の等価物とみなされるべきである。

用語「細胞」、「細胞株」および「細胞培養物」とは、それらの後代を含む。意図的なまたは偶発的な突然変異のために、全ての後代は、例えば、DNAの内容が正確に同一ではなくなり得るということもまた理解される。起源細胞においてスクリーニングされる場合、同様の機能または目的の生物学的特性を有する変異後代を含む。

用語「ベクター」とは、適切な宿主中でトランス遺伝子の発現に適当な制御配列に操作可能に連結され得る核酸、トランス遺伝子、外来遺伝子または目的の遺伝子を含む核酸構築物、担体を意味する。このような制御配列としては、例えば、転写をもたらすプロモーター、このような転写を調節する任意のオペレーター配列、適切なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列ならびに転写および翻訳の終結を制御する配列が挙げられる。ベクターはプラスミド、ファージ粒子または単なる潜在的ゲノム挿入であり得る。一旦、適切な宿主中に形質転換されると、ベクターは宿主ゲノムとは独立して複製および機能し得るか、または場合によっては、宿主細胞ゲノムに組み入れられ得る。本明細書において、プラスミドはベクターの一般的に用いられる形態であるので、「プラスミド」および「ベクター」は交互に用いられる。しかし、本発明は、例えば、核酸、リポソームなどを保有するウイルス性合成分子として同等の担体機能を果たし、そしてこのようなウイルス性合成分子として当該分野で公知のまたは公知となるこのような他の形態のベクターを含むことが意図される。

治療目的の「哺乳動物」とは、哺乳動物に分類されるあらゆる動物をいい、ヒト、家畜(domestic animal)および家畜(farm animal)、非ヒト霊長類、ならびに動物園、スポーツまたはペット用の動物(例えば、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ)などを含む。

目的の抗体は、本明細書中に記載されるか、または当該分野で公知のアッセイにおいてスクリーニングされ得るか、または使用され得る。しばしば、このようなアッセイは、検出可能な試薬、すなわち、例えば、標識化を必要とする。本明細書中で使用される場合、語「標識」とは、分子またはタンパク質、例えば、抗体に直接または間接的に複合され得る検出可能な化合物または組成物をいう。標識はそれ自体が検出可能であり得るか(例えば、放射性同位元素標識、粒子または蛍光標識)、または酵素標識の場合には、検出可能な基質化合物または組成物の化学的変質を触媒し得る。

本明細書中で使用される場合、「固相」とは、実体または分子、例えば、本発明の抗体が付着し得る非水性マトリックスを意味する。本明細書中に含まれる固相の例としては、ガラス(例えば、制御されたポアガラス(controlled pore glass))、多糖(例えば、アガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコールおよびシリコーンで部分的にまたは全体的に形成されるものが挙げられる。特定の実施形態において、状況次第で、固相はアッセイプレートのウェルを含み得;他においては、精製カラム(例えば、アフィニティークロマトグラフィーカラム)に使用され得る。従って、固相は、紙、ビーズ、プラスチック、チップなどであり得、種々の材料、例えば、ニトロセルロース、アガロース、ポリスチレン、ポリプロピレン、シリコーンなどから作製され得、そして種々の形状であり得る。

IL−4およびIL−13をコードする遺伝子またはcDNAは当該分野で公知であり 、当業者に周知の方法に従って、そして、例えば以下を参照して、プラスミドまたは他の発現ベクター中でクローニングされ、そしてかなり多数の発現系中で発現され得る。

アミノ酸配列突然変異体をコードする核酸分子は、当該分野で公知の種々の方法により調製され得る。これらの方法としては、オリゴヌクレオチド媒介(または部位特異的)突然変異誘発、PCR突然変異誘発および初期に調製した目的の分子の変異体または非変異体バージョンのカセット突然変異誘発が挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Kunkel,Proc Natl Acad Sci USA 82:488(1985)を参照のこと)。

本発明の抗体、それらのフラグメント、誘導体、またはアナログ(例えば、本発明の抗体、本発明の単鎖抗体または本発明の抗体突然変異体の重鎖または軽鎖)の組換え発現は、本明細書中に記載されるような抗体または抗体フラグメントをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターの構築物を含む。一旦、抗体分子をコードするポリヌクレオチドが得られると、抗体生産のためのベクターが当該分野で公知の組換えDNA技術によって生産され得る。抗体コード配列および適切な転写および翻訳制御シグナルを含む発現ベクターが構築される。この方法としては、例えば、インビトロ組換えDNA技術、合成技術およびインビボ遺伝子組換えが挙げられる。

発現ベクターは従来技術により宿主細胞に移入され、次いで、トランスフェクト細胞は従来技術により培養され、本発明の抗体またはフラグメントを生産する。本発明の1つの局面において、重鎖および軽鎖の両方をコードするベクターは、本明細書中に詳述されるように、完全な免疫グロブリン分子を発現するために宿主細胞で共発現され得る。

種々の宿主/発現ベクター系が、本発明の抗体分子を発現するために利用され得る。このような発現系は、目的のコード配列を生産し、続いて精製され得るビヒクルを表すが、適切なヌクレオチドコード配列で形質転換またはトランスフェクトされる場合、インサイチュで本発明の抗体分子を発現し得る細胞も表す。細菌性細胞、例えば、大腸菌、および真核細胞が、一般に、組換え抗体分子の発現、特に完全な組換え抗体分子の発現に使用される。例えば、ヒトサイトメガロウィルスからの主要中間体初期遺伝子プロモーター要素を保有するもののようなベクターと併用される、CHO細胞のような哺乳動物細胞が、抗体の効果的な発現系である(Foecking et al.,Gene 45:101(1986);およびCockett et al.,Bio/Technology 8:2(1990))。植物および植物細胞培養物、昆虫細胞などをまた使用して、当該分野で公知の目的のタンパク質を作製し得る。

さらに、挿入配列の発現を調節するか、または所望の特定の形態に遺伝子産物を修飾およびプロセシングする宿主細胞が選択される。タンパク質産物のこのような修飾(例えば、グリコシル化)およびプロセシング(例えば、切断)は、タンパク質の機能に重要であり得る。異なる宿主細胞が、タンパク質および遺伝子産物の翻訳後プロセシングおよび修飾のための特徴的および特異的機構を有する。適切な細胞株または宿主系を選択し、目的の発現された抗体の正しい修飾およびプロセシングを確実にし得る。従って、遺伝子産物の一次転写物、グリコシル化およびリン酸化の適正なプロセシングのための細胞機構を有する真核宿主細胞が使用され得る。このような哺乳動物宿主細胞としては、CHO、COS、293、3T3または骨髄腫細胞が挙げられるが、これらに限定されない。

組換えタンパク質の長期的な高収率生産のためには、安定発現が好ましい。例えば、抗体分子を安定に発現する細胞株が操作され得る。ウイルス複製起点を含む発現ベクターを使用するよりはむしろ、宿主細胞は、適切な発現制御要素(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネータ、ポリアデニル化部位など)および選択可能マーカー により制御されたDNAを用いて形質転換される。外来DNAの導入後、操作された細胞は富化培地で1〜2日間増殖され得、次いで選択培地に移される。組換えプラスミド中のの選択可能マーカーにより、選択に耐性が与えられ、そして細胞がプラスミドを染色体に安定して組み込むことを可能にし、そして細胞株に拡大される。このように操作された細胞株は、抗体生産に有用なだけでなく、抗体分子と直接または間接的に相互作用する化合物のスクリーニングおよび評価に有用である。

多数の選択系が、それぞれ、tk、hgprtまたはaprt細胞中で使用され得、これらとしては、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler et al.,Cell 11:223(1977))、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska et al.,Proc Natl Acad Sci USA 48:202(1992))、メチオニンスルホキシミン(sulfoximide)の存在下グルタミン酸シンターゼ選択(Adv Drug Del Rev 58,671,2006およびLonza Group Ltd.のウェブサイトまたは文献を参照のこと)およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy et al.,Cell 22:817(1980))遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。また、代謝拮抗物質耐性が、以下の遺伝子についての選択基準として使用され得る:メトトレキサートに対する耐性を付与するdhfr(Wigler et al.,Proc Natl Acad Sci USA 77:357(1980);O’Hare et al.,Proc Natl Acad Sci USA 78:1527(1981));ミコフェノール酸に対する耐性を付与するgpt(Mulligan et al.,Proc Natl Acad Sci USA 78:2072(1981));アミノグリコシド、G−418に対する耐性を付与するneo(Wu et al.,Biotherapy 3:87(1991));およびハイグロマイシンに対する耐性を付与するhygro(Santerre et al.,Gene 30:147(1984))。組換えDNA技術の当該分野で公知の方法が、所望の組換えクローンを選択するのに通常適用され得、そしてこのような方法は、例えば、Ausubel et al.,eds.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons(1993);Kriegler,Gene Transfer and Expression,A Laboratory Manual,Stockton Press(1990);Dracopoli et al.,eds.,Current Protocols in Human Genetics,John Wiley & Sons(1994);およびColberre−Garapin et al.,J Mol Biol 150:1(1981)に記載されている。

抗体分子の発現レベルは、ベクター増幅により高められ得る(例えばBebbington et al.,DNA Cloning,Vol.3.Academic Press(1987)を参照のこと)。抗体を発現するベクター系中のマーカーが増幅可能な場合、培養物中に存在するインヒビターレベルの上昇は、マーカー遺伝子のコピー数を増加させる。増幅された領域は抗体遺伝子と関連するので、抗体の生産もまた増加する(Crouse et al.,Mol Cell Biol 3:257(1983))。

宿主細胞は、本発明の2つまたはそれ以上の発現ベクター、例えば、重鎖由来ポリペプチドをコードする第一のベクターおよび軽鎖由来ポリペプチドをコードする第二のベクターで共トランスフェクトされ得る。2つのベクターは、重鎖および軽鎖ポリペプチドの均一発現(equal expression)を可能にする同一の選択可能マーカーを含み得る。あるいは、重鎖および軽鎖ポリペプチドの両方をコードし、そしてこれらを発現し得る単一のベクターを使用してもよい。このような状況下、軽鎖は、過剰な有毒な遊離重鎖を避けるために重鎖の前に配置されるべきである(Proudfoot,Natur e 322:52(1986);およびKohler,Proc Natl Acad Sci USA 77:2197(1980))。重鎖および軽鎖のコード配列はcDNAまたはゲノムDNAを含み得る。

一旦、本発明の抗体分子は、動物により生産されるか、化学合成されるか、または組換えで発現されると、免疫グロブリン分子を精製するための当該分野で公知の任意の方法により、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー、特に、プロテインAおよびサイズ排除クロマトグラフィー後のIL−4および/またはIL−13に対する親和性による、など)、遠心分離、示差溶解性(differential solubility)により、またはタンパク質精製のための任意の他の標準技術により精製され得る。さらに、本発明の抗体またはそれらのフラグメントは、精製を促進するために、本明細書中に記載されるか、または当該分野で他に公知の異種のポリペプチド配列に融合され得る。

本発明の抗体は、当該分野で公知の任意の適切な方法により生成され得る。ヒトにおける使用を最適化し、さらに抗体自体の使用を最適化する抗体の修飾のために、本発明の抗体はポリクローナル抗体を含み得るが、特定のタンパク質の生産および操作の容易さのために、モノクローナル抗体が好ましい。ポリクローナル抗体の調製方法は、当業者に公知である(Harlow et al.,Antibodies:a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,第2編(1988))。

本発明の抗体は、好ましくはモノクローナル抗体を含む。モノクローナル抗体は、Kohler et al.,Nature 256:495(1975);米国特許第4,376,110号;Harlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,第2編(1988)およびHammerling et al.,Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas,Elsevier(1981)により記載されるようなハイブリドーマ技術、例えば、トランスフェクトーマを作製し、そして使用する組換えDNA法、または当業者に公知の他の方法を使用して調製され得る。モノクローナル抗体の生産に利用され得る他の方法の例としては、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kosbor et al.,Immunology Today 4:72(1983);およびCole et al.,Proc Natl Acad Sci USA 80:2026(1983))、およびEBVハイブリドーマ技術(Cole et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,pp.77−96,Alan R.Liss(1985))が挙げられるが、これらに限定されない。このような抗体は、IgG、IgM、IgE、IgAおよびIgDを含む任意の免疫グロブリンクラス、および任意のそれらのサブクラスのものであり得る。本発明のmAbを生産するハイブリドーマは、インビトロまたはインビボで培養され得る。

ハイブリドーマモデルにおいて、宿主、例えば、マウス、ヒト化マウス、ヒト免疫系遺伝子を有するトランスジェニックマウス、ハムスター、ウサギ、ラット、ラクダまたは任意の他の適切な宿主動物は免疫化され、IL−4またはIL−13に特異的に結合する抗体を生産するかまたは生産し得るリンパ球を誘発する。あるいは、リンパ球はインビトロで免疫化され得る。次いで、リンパ球はポリエチレングリコールのような適切な融合剤を使用して骨髄腫細胞と融合され、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press,pp.59−103(1986))。

一般に、抗体生産ハイブリドーマの作製において、ヒト由来の細胞が所望される場合、末梢血リンパ球(「PBL」)が使用され、または非ヒト哺乳動物供給源が所望される場合、脾臓細胞またはリンパ節細胞が使用される。不死化細胞株は通常、形質転換された哺乳動物細胞、特に、齧歯動物、ウシまたはヒト由来の骨髄腫細胞である。典型的に、ラットまたはマウス骨髄腫細胞株が利用される。ハイブリドーマ細胞は、好ましくは未融合の不死化細胞の増殖または生存を阻害する1つまたはそれ以上の物質を含む適切な培地中で培養され得る。例えば、親細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠失している場合、ハイブリドーマのための培地は、典型的に、HGPRT欠損細胞の増殖を防ぐ物質であるヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含む(「HAT培地」)。

好ましい不死化細胞株は、効率的に融合し、選択された抗体生産細胞による安定した高レベルの抗体生産をサポートし、そしてHAT培地のような培地に感受性であるものである。これらの骨髄腫細胞株には、マウス骨髄腫株、例えば、Salk Institute Cell Distribution Center,San Diego,Calif.から入手可能なMOPC−21およびMPC−11マウス腫瘍、ならびにAmerican Type Culture Collection,Manassas,VAから入手可能なSP2/0、FOまたはX63−Ag8−653細胞由来のものがある。

ヒト骨髄腫およびマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞株もまた、ヒトモノクローナル抗体の生産のために記載されている(Kozbor,J Immunol 133:3001(1984);およびBrodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,Marcel Dekker,Inc,pp.51−63(1987))。マウス骨髄腫細胞株NSOもまた使用され得る(European Collection of Cell Cultures,Salisbury,Wilshire,UK)。

代替法は、化学融合よりもむしろ電気融合を使用して、ハイブリドーマを形成することである。融合の代わりに、例えば、エプスタインバーウイルスまたは別の形質転換遺伝子を使用して、B細胞を不死化し得る、例えば、Zurawaki et al.,Monoclonal Antibodies,ed.,Kennett et al.,Plenum Press,pp.19−33.(1980)を参照のこと。免疫グロブリンを発現するトランスジェニックマウスおよびヒトBリンパ球を移植された重症複合免疫不全(SCID)マウスをまた使用し得る。

ハイブリドーマ細胞が増殖する培地が、IL−4および/またはIL−13に指向されるモノクローナル抗体の生産についてアッセイされる。ハイブリドーマ細胞により生産されたモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降により、またはインビトロ結合アッセイ、例えば、放射免疫測定法(RIA)、フルオロサイトメトリー分析(fluorocytometric analysis:FACS)または酵素免疫測定法(ELISA)により決定され得る。このような技術は、当該分野および当業者に公知である。IL−4および/またはIL−13に対するモノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、スキャッチャード分析により決定され得る(Munson et al.,Anal Biochem 107:220(1980))。

所望の特異性、親和性、および/または活性の抗体を生産するハイブリドーマ細胞を同定した後、クローンは、限界希釈法によりサブクローニングされ、標準的な方法により増殖され得る(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press,pp.59−103(1986))。適切な培地としては、例えば、ダルベッコ改変イーグル培地(D −MEM)またはRPMI−1640培地が挙げられる。さらに、ハイブリドーマ細胞は、動物の腹水腫瘍としてインビボで増殖され得る。

サブクローンにより分泌されたモノクローナル抗体は、従来の免疫グロブリン精製手順、例えば、プロテインA−セファロース、プロテインG−セファロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル排除クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析またはアフィニティークロマトグラフィーにより、培地、腹水または血清から適切に分離または単離される。

モノクローナル抗体を生産するための種々の方法が当該分野に存在し、従って、本発明はハイブリドーマでの生産のみに限定されない。例えば、モノクローナル抗体は、米国特許第4,816,567号に記載されるもののように組換えDNA法より作製され得る。これに関連して、用語「モノクローナル抗体」は、単一の真核生物、ファージまたは原核生物クローン由来の抗体をいう。

本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖、またはヒト、ヒト化または他の供給源からのこのような鎖をコードする遺伝子に特異的に結合し得るオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって))、容易に単離され、そして配列決定される(Innis et al.PCR Protocols.A Guide to Methods and Applications,Academic(1990),およびSanger et al.,Proc Natl Acad Sci 74:5463(1977))。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの供給源として役立つ。一旦単離されると、DNAは発現ベクター内に配置され、次いで、これは宿主細胞、例えば、大腸菌細胞、NS0細胞、COS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞または別法で免疫グロブリンタンパク質を生産しない骨髄腫細胞にトランスフェクトされ、組換え宿主細胞においてモノクローナル抗体の合成を得る。例えば、相同なマウス配列の代わりに、ヒト重鎖および軽鎖定常領域のコード配列を置換することにより(米国特許第4,816,567号;およびMorrison et al.,Proc Natl Acad Sci USA 81:6851(1984))、または非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全てまたは一部を、免疫グロブリンコード配列に共有結合することにより、DNAはまた修飾され得る。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常領域と置換されるか、または本発明の抗体の1つのIL−4またはL−13結合部位の可変ドメインと置換され、キメラ二価抗体を作製し得る。

抗体は一価抗体であり得る。一価抗体の調製方法は当該分野で周知である。例えば、ある方法は、免疫グロブリンの軽鎖および修飾重鎖の組換え発現を含む。重鎖は、一般に、重鎖の架橋を防ぐためにFc領域の任意の点で切断される。あるいは、架橋を防ぐために 、関連するシステイン残基が別のアミノ酸残基と置換されるか、または欠失される。

特定のエピトープを認識する抗体フラグメントは、公知の技術により生成され得る。伝統的には、これらのフラグメントは、インタクトな抗体のタンパク分解により誘導された(例えば、Morimoto et al.,J Biochem Biophys Methods 24:107(1992);およびBrennan et al.,Science 229:81(1985)を参照のこと)。例えば、本発明のFabおよびF(ab')2フラグメントは、酵素、例えば、(Fabフラグメントを生産するための)パパインまたは(F(ab')2フラグメントを生産するための)ペプシンを使用して、免疫グロブリン分子のタンパク分解的切断により生産され得る。F(ab')2フラグメントは、可変領域、軽鎖定常領域および重鎖のCH1領域を含む。しかし、これらのフラグメントは、組換え宿主細胞により直接生産され得る。例えば、抗体フラグメントは、抗体ファージライブラリー から単離され得る。あるいは、F(ab')2−SHフラグメントが、大腸菌から直接回収され、そして化学的に結合され、F(ab')2フラグメントを形成し得る(Carter et al.,,Bio/Technology 10:163 (1992))。別法に従って、F(ab')2フラグメントは、組換え宿主細胞培養物から直接単離され得る。抗体フラグメントを生産するための他の技術は、当業者に明らかである。他の実施形態において、最適な抗体は、単鎖Fvフラグメント(Fv)である(WO93/16185)。

ヒトにおける抗体のインビボでの使用およびインビトロ検出アッセイを含むいくつかの使用については、キメラ、ヒト化、またはヒト抗体を使用することが好ましくあり得る。キメラ抗体の生産方法は、当該分野で公知である、例えば、Morrison,Science 229:1202(1985);Oi et al.,BioTechniques 4:214(1986);Gillies et al.,J Immunol Methods 125:191(1989);ならびに米国特許第5,807,715号;同第4,816,567号;および同第4,816397号を参照のこと。

ヒト化抗体は、IL−4および/またはIL−13を結合する非ヒト種で生成される抗体分子由来であり、これら由来の1つまたはそれ以上のCDRがヒト免疫グロブリン分子由来のFR領域に挿入される。抗体は、当該分野で公知の種々の技術を使用してヒト化され得、これらの技術としては、例えば、CDRグラフティング(欧州特許第239,400号;WO91/09967;ならびに米国特許第5,225,539号;同第5,530,101号;および同第5,585,089号)、ベニアリングまたは再表面形成法(欧州特許第592,106号;同第519,596号;Padlan,Molecular Immunology 28:489(1991);Studnicka et al.,Protein Engineering 7:805(1994);およびRoguska et al.,Proc Natl Acad Sci USA 91:969(1994))、および鎖シャフリング(米国特許第5,565,332号)が挙げられる。

ヒト化抗体は、非ヒトである供給源由来の1つまたはそれ以上のアミノ酸残基を有する。非ヒトアミノ酸残基は、しばしば「移入」残基と称され、これは典型的には「移入」可変領域から得られる。ヒト化は、ヒト抗体の対応する配列に非ヒトCDRまたはCDR配列の一部を置換することによるWinterおよび共同研究者の方法に従って基本的に実施され得る(Jones et al.,Nature 321:522(1986);Riechmann et al.,Nature 332:323(1988);およびVerhoeyen et al.,Science 239:1534(1988))。従って、このような「ヒト化」抗体は、実質的に1未満のインタクトなヒト可変領域が非ヒト種由来の対応する配列で置換されているキメラ抗体である(米国特許第4,816,567号)。実際には、ヒト化抗体は、典型的に、いくつかのCDR残基および可能性のあるいくつのFR残基が、齧歯動物抗体の類似部位から置換されているヒト抗体である。重鎖定常領域およびヒンジ領域は、任意のクラスまたはサブクラスに由来し、特定のエフェクター機能のような所望の効果を得ることができる。

しばしば、ヒトフレームワーク領域のフレームワーク残基は、抗原結合を改変、好ましくは改善するためにCDRドナー抗体由来の対応する残基で置換され得る。フレームワーク置換は、当該分野で公知の方法、例えば、抗原結合に重要なフレームワーク残基を同定するためのCDRとフレームワーク残基の相互作用のモデリング、および特定の位置での異常なフレームワーク残基を同定するための配列比較により同定される、例えば、米国特許第5,585,089号;およびRiechmann et al.,Nature 332:323(1988)を参照のこと。

ヒト化抗体は、IL−4および/またはIL−13に対する高親和性を保持し、そして他の好ましい生物学的特性を保持または確保することがさらに望ましい。従って、親配列およびヒト化配列の三次元モデルを使用する親配列および種々の概念的ヒト化産物の分析工程により、ヒト化抗体を生産する。三次元免疫グロブリンモデルは、一般に入手可能であり、そして当業者にはよく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列の推測三次元立体配座構造を図解し、そして表示するコンピュータープログラムが入手可能である。表示の調査により、候補免疫グロブリン配列の機能における特定の残基の可能性のある役割の分析、すなわち候補免疫グログリンがIL−4および/またはIL−13に結合する能力に影響を与える残基の分析が可能となる。このように、IL−4および/またはIL−13結合に直接的かつ最も実質的に影響を与えるのはCDR残基であるが、所望の抗体特性(例えば、標的抗原に対する向上した親和性)が最大化されるように、FR残基はレシピエントおよび移入配列から選択され、そして組み合わせられ得る。CDR領域はまた、CDRが得られた親抗体から得られるものと異なる1つまたはそれ以上のアミノ酸を含むように修飾され、目的の向上したまたは異なる特性、例えば、より高い親和性またはより高いアビディティーの結合を提供し得る。

抗体の定常領域の特定部分を操作し、そして変化させ、親抗体において観察されるものとは異なるか、またはより良い特性を有する抗体ホモログ、誘導体、フラグメントなどを得ることができる。従って、例えば、多くのIgG4抗体はヒンジ領域と近接して鎖内ジスルフィド結合を形成する。鎖内結合は、軽鎖に関連する重鎖を含む一価分子を形成する親二価分子を不安定にし得る。ランダムベースであるが、このような分子は再関連し得る。

IgG4分子のヒンジ領域中のアミノ酸を修飾することは、鎖内結合形成の可能性を低くし得、それによりIgG4分子を安定化することが観察され、これにより二重特異性分子を形成する可能性を最小化する。向上した安定性により生産および製造の間、さらにインビボで、分子の解離を有する可能性を最小化するので、治療的抗体がIgG4分子である場合、この修飾は有益であり得る。一価抗体は、二価親分子と同じ効果を有し得ない。例えば、二価IgG4が患者に投与される場合、二価IgG4の割合は、2週間にわたって約30%まで減少する。位置228でのアミノ酸置換により、IgG4安定性は高まる。228に存在するセリンが別のアミノ酸、例えば、残りの19アミノ酸のうちの1つで置き換えられ得る。このような変化は、特に、組換え抗体を用いてなされ得、ここで配列をコードする核酸が突然変異され、位置228でのアミノ酸置換をもたらし得る。例えば、Sはプロリンで置き換えられ得る。

修飾に適切なアミノ酸の別のセットは、Fc受容体への結合および結合抗体の内在化で 重鎖を含む分子の結合に影響を与えるヒンジ領域中のアミノ酸を含む。IgG1分子中のこのようなアミノ酸としては、約233〜約237(GluLeu−Leu−Gly−Gly);(配列番号49)、約252〜約256(Met−Ile−Ser−Arg−Thr)(配列番号50)および約318(Glu)〜約331(Pro)(例えば、Lys320、Lys322およびPro329が挙げられる)の残基が挙げられる。

ヒト患者の治療には、完全なヒト抗体が特に望ましい。ヒト抗体は、当該分野で公知の種々の方法により作製され得、この方法としては、ヒト免疫グロブリン配列由来の抗体ライブラリーを使用する上記のファージディスプレイ法が挙げられる、例えば、米国特許第4,444,887号および同第4,716,111号;ならびにWO98/46645、WO98/50433、WO98/24893、WO98/16654、WO96/34096、WO96/33735およびWO91/10741を参照のこと。Cole et al.およびBoerder et al.の技術もまた、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用可能である(Cole et al.,Monoclonal Anti bodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss(1985);およびBoerner et al.,JImmunol 147:86(1991))。

ヒト抗体はまた、機能的内因性免疫グロブリンを発現できないが、特定のヒト免疫グロブリン遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを使用して生産され得る。例えば、ヒト重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子複合体が、ランダムにまたは相同的組換えにより、マウス胚幹細胞に導入され得る。あるいは、ヒト可変領域、定常領域および多様性領域が、ヒト重鎖および軽鎖遺伝子に加えてマウス胚幹細胞に導入され得る。マウス重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子は、相同的組換えによるヒト免疫グロブリン遺伝子座の導入と別個にまたは同時に非機能性の状態になり得る。特に、JH領域のホモ接合体欠失は内因性抗体生産を防止する。改変胚幹細胞は、キメラマウスを生産するために伸長され、そして胚盤胞に顕微注入される。次いで、キメラマウスを交配して、ヒト抗体を発現するホモ接合型の子孫を生産する、例えばJakobovitis et al.,Proc Natl Acad Sci USA 90:2551(1993);Jakobovitis et al.,Nature 362:255(1993);Bruggermann et al.,Year in Immunol 7:33(1993);およびDuchosal et al.,Nature 355:258(1992))を参照のこと。

トランスジェニックマウスは、IL−4またはIL−13サイトカイン(例えば、IL−4またはIL−13の全てまたは一部)を使用して通常の手順で免疫化される。IL−4またはIL−13に指向されたモノクローナル抗体を、従来のハイブリドーマ技術を使用して免疫化されたトランスジェニックマウスから得ることができる。トランスジェニックマウスに宿ったヒト免疫グロブリントランス遺伝子は、B細胞分化の間に再配列し、続いてクラススイッチおよび体細胞変異を受ける。従って、このような技術を使用して、治療的に有用なIgG、IgA、IgMおよびIgE抗体を生産することが可能である。概説について、Lonberg et al.,Int Rev Immunol 13:65−93(1995)を参照のこと。ヒト抗体およびヒトモノクローナル抗体を生産する議論およびこのような抗体を生産するためのプロトコルについて、例えば、WO98/24893;WO92/01047;WO96/34096;およびWO96/33735;欧州特許第0 598 877号;ならびに米国特許第5,413,923号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,569,825号;同第5,661,016号;同第5,545,806号;同第5,814,318号;同第5,885,793号;同第5,916,771号;および同第5,939,598を参照のこと。さらに、Amgen(Fremont,CA)、Genpharm(San Jose,CA)およびMedarex,Inc.(Princeton,NJ)のような企業が、上記のものと類似の技術を使用して、IL−4および/またはIL−13に指向されるヒト抗体を提供することに取り組み得る。

また、ヒトmAbは、ヒト末梢血白血球、脾細胞または骨髄を移植されたマウスを免疫化することにより作製され得る(例えば、XTL Biopharmaceuticals,Israelのトリオーマ技術(trioma technique))。選択されたエピトープを認識する完全ヒト抗体は、「ガイドセレクション(guided selection)」と称される技術を使用して生成され得る。このアプローチにおいて、選択された非ヒトモノクローナル抗体、例えば、マウス抗体を使用して、同一のエピトープを認識する完全ヒト抗体のセレクションをガイドする(Jespers et al.,Bio/technology 12:899(1988))。

組換え技術を使用する場合、抗体変異体は、ペリプラズム空間で細胞内に生産されるか 、または培地中に直接分泌され得る。抗体変異体が細胞内で生産される場合、第一段階として、宿主細胞または溶解したフラグメントいずれかの微粒子状破片を、例えば、遠心分離または限外ろ過により除去し得る。Carter et al.,Bio/Technology 10:163(1992)は、大腸菌のペリプラズム空間に分泌された抗体を単離する手順を記載する。簡潔に、細胞ペーストを酢酸ナトリウム(pH3.5)およびEDTAに暴露する。細胞片を遠心により除去し得る。抗体変異体が培地中に分泌される場合は、このような発現系由来の上清を、一般に、始めに、市販のタンパク質濃縮フィルター、例えばAmiconまたはMillipore Pellicon限外ろ過装置を使用して濃縮する。タンパク分解を防止するために、PMSFのようなプロテアーゼ阻害剤を含んでもよく、そして外因性汚染物質の増殖を防止するために抗生物質を含んでもよい。

細胞から調製された抗体組成物は、例えば、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析およびアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製され得る。アフィニティーリガンドとしてのプロテインAまたはプロテインGの適合性は、抗体変異体に存在する任意の免疫グロブリンFc領域の種およびアイソタイプに依存する。プロ テインAを使用して、ヒトIgG1、IgG2またはIgG4重鎖に基づく抗体を精製し得る(Lindmark et al.,J.Immunol Meth.62:1(1983))。プロテインGは、マウスアイソタイプおよびヒトIgG3に使用され得る(Guss et al.,EMBO J.5:1567(1986))。アフィニティーリガンドを結合させているマトリックスは、ほとんどの場合アガロースであるが、他のマトリックスも利用可能である。制御されたポアガラスまたはポリ(スチレンジビニル)ベンゼンのような機械的に安定なマトリックスは、アガロースを用いて達成され得るよりも流速を速め、そして処理時間を短縮することが可能となる。抗体変異体がCH3領域を含む場合、Bakerbond ABXTM樹脂(J.T.Baker,Phillipsburg,N.J.)が精製に有用である。回収される抗体または変異体に依存して、タンパク質精製のための他の技術、例えば、イオン交換カラムでの分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカでのクロマトグラフィー、ヘパリンアガロースでのクロマトグラフィー、アニオンまたはカチオン交換樹脂(例えば、ポリアスパラギン酸カラム)でのクロマトグラフィー、等電点電気泳動、SDS−PAGEおよび硫酸アンモニウム沈殿も利用可能である。

任意の予備精製工程に続いて、目的の抗体または変異体および汚染物質を含む混合物は、pH約2.5〜4.5の溶出緩衝液を使用して、好ましくは低塩濃度(例えば、約0〜0.25Mの塩)で行なわれる、低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーに供され得る。

本発明の抗体は二重特異性抗体であり得る。二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有するモノクローナル、好ましくはヒトまたはヒト化抗体であり得る。好ましい実施形態おいて、二重特異性抗体、それらのフラグメントなどは、IL−4およびIL−13に指向された結合特異性を有する。

二重特異性抗体の作製方法は周知である。伝統的に、二重特異性抗体の組換え生産は、2つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖の対の共発現に基づき、ここで2つの重鎖は異なる特異性を有する(Milstein et al.,Nature 305:537(1983))。免疫グロブリン重鎖および軽鎖のランダムな組合せのために、ハイブリドーマ(クアドローマ)は、10の異なる抗体分子の潜在的な混合物を生産し、これらの分子の一つだけが正しい二重特異性構造を有する。正しい分子の精製は、通常、アフィニティークロマトグラフィー工程により達成される。同様の手順が、WO93/08829およびTraunecker et al.,EMBO J 10:3655(1991)に開示 されている。他の二重特異性抗体の作製方法が、例えば、Kufer et al.,Trends Biotech 22:238−244,2004に提供される。

所望の結合特異性を有する抗体可変領域は、免疫グロブリン定常領域配列に融合され得る。ヒンジ、CH2、およびCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖定常領域との融合が好ましい。それは、融合の少なくとも1つに存在する軽鎖結合に必要な部位を含む第一重鎖定常領域(CH1)を有し得る。免疫グロブリン重鎖融合、および所望である場合、免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAが、別個の発現ベクターに挿入され、そして適切な宿主生物に同時形質転換される。二重特異性抗体の生成のさらなる詳細については、例えばSuresh et al.,Meth Enzym 121:210(1986)を参照のこと。

ヘテロ複合体抗体もまた本発明により意図される。ヘテロ複合体抗体は、2つの共有結合した抗体からなる。このような抗体は、例えば、不必要な細胞に対して免疫系細胞を標的化することが提案されている(米国特許第4,676,980号)。抗体は、架橋剤に関するものを含む、合成タンパク質化学において公知である方法を使用して、インビトロで調製され得ることが意図される。例えば、ジスルフィド交換反応を使用して、またはチオエスエル結合を形成することにより、免疫毒素が構築され得る。この目的のための適切な試薬の例としては、イミノチオレートおよびメチル−4−メルカプトブチルイミダート(mercaptobutyrimidate)、ならびに例えば、米国特許第4,676,980号に開示されるものが挙げられる。

さらに、IL−4および/またはIL−13に対する単一領域抗体を生成し得る。この技術の例は、ラクダ重鎖Ig由来の抗体に関するWO9425591、さらにファージライブラリーからの単一領域完全ヒト抗体の単離を記載しているUS20030130496に記載されている。

あるいは、単鎖抗体の生産について記載される技術(米国特許第4,946,778号;Bird,Science 242:423(1988);Huston et al.,Proc Natl Acad Sci USA 85:5879(1988);およびWard,et al.,Nature 334:544(1989))は、単鎖抗体の生産に適応され得る。単鎖抗体は、アミノ酸架橋を介してFv領域の重鎖および軽鎖 フラグメントを連結することにより形成され、単鎖ポリペプチドがもたらされる。大腸菌における機能的Fvフラグメントのアセンブリ技術もまた使用され得る(Skerra et al.,Science 242:1038(1988))。

本発明は、ポリペプチドに組換え技術により融合されたか、または化学的に複合された(共有および非共有複合の両方を含む)抗体を含む。本発明の融合または複合抗体は、精製を容易にするために使用され得る、例えば、WO93/21232;欧州特許第439,095号;Naramura et al.,Immunol Lett 39:91(1994);米国特許第5,474,981号;Gillies et al.,Proc Natl Acad Sci USA 89:1428(1992);およびFell et al.,J Immunol 146:2446(1991)を参照のこと。マーカーアミノ酸配列は、ヘキサヒスチジンペプチド(例えば、これらの多くが市販されており、特にpQEベクター(QIAGEN,Inc.,Chatsworth,CA)で供給されるタグ)であり得る、Gentz et al.,Proc Natl Acad Sci USA 86:821(1989)。精製に有用な他のペプチドタグとしては、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質由来のエピトープに対応する「HA」タグ(Wilson et al.,Cell 37:767(1984))および「flag」タグが挙げられるが、これらに限定されない。

重鎖および軽鎖Fv領域が連結されているペプチド単鎖結合分子を生成し得る。単鎖抗 体(「scFv」)およびそれらの構築方法は、例えば、米国特許第4,946,778 号に記載されている。あるいは、同様の手段によりFabを構築し、そして発現し得る。全ての完全および部分的ヒト抗体が、完全マウスモノクローナル抗体よりも免疫原性を低くし得、そしてフラグメントおよび単鎖抗体もまた免疫原性を低くし得る。

抗体または抗体フラグメントは、McCafferty et al.,Nature 348:552(1990)に記載の技術を使用して生成された抗体ファージライブラリーから単離され得る。Clarkson et al.,Nature 352:624(1991)およびMarks et al.,J Mol Biol 222:581(1991)は、ファージライブラリーを使用して、それぞれマウス抗体およびヒト抗体の単離を記載する。続く公報は、鎖シャフリングによる高親和性(nM範囲)ヒト抗体の生産(Marks et al.,Bio/Technology 10:779(1992))、さらに非常に大きなファージライブラリーを構築するためのストラテジーとしての組合せ感染(combinatorial infection)およびインビボ組換え(Waterhouse et al.,Nucl Acids Res 21:2265(1993))を記載する。従って、これらの技術は、モノクローナル抗体の単離のための伝統的なモノクローナル抗体ハイブリドーマ技術に対する実行可能な代替法である。

候補抗−IL−4および/またはIL−13抗体を、酵素免疫測定法(ELISA)、FACS、ウエスタン免疫ブロット法または当該分野で公知の他の免疫化学的技術により試験する。

特定の抗体ホモログがヒトIL−4および/またはIL−13に結合するかどうかを決定するために、任意の従来の結合アッセイが使用され得る。有用なIL−4およびIL−13結合アッセイとしては、FACS分析、ELISA分析、表面プラズモン共鳴(Biacore)、放射免疫測定法などが挙げられ、これらは、ヒトIL−4および/またはIL−13への抗体の結合およびそれらから得られた機能を検出する。本明細書中に教示されるヒトIL−4およびIL−13の完全長および可溶形態が、このようなアッセイにおいて有用である。IL−4および/またはIL−13への、またはそれらの可溶フラグメントへの抗体またはホモログの結合は、抗体またはホモログ由来の種の免疫グロブリンに対する第二の抗体特異性の使用により、都合良く検出され得る。

特定の抗体またはホモログがIL−4および/またはIL−13への結合を著しく阻害するかどうかを決定するために、任意の適切な競合アッセイが使用され得る。有用なアッセイとしては、例えば、抗体またはホモログがIL−4および/またはIL−13と競合する能力を定量化する、ELISAアッセイ、FACSアッセイ、放射免疫測定法などが挙げられる。好ましくは、リガンドが固定化された抗体またはホモログへの標識化ヒトIL−4および/またはIL−13の結合を阻害する能力を測定する。

本発明の抗体は、抗体が認識するか、または特異的に結合するIL−4および/またはIL−13のエピトープまたは部分に関して記載または特定され得る。本明細書中に記載されるように、エピトープまたはポリペプチド部分が、例えば、N末端およびC末端位置により、隣接アミノ酸残基の大きさ、立体配座エピトープなどにより特定され得る。

本発明の抗体はまた、交差反応に関して記載または特定され得る。(当該分野で公知および本明細書中に記載される方法を使用して見積もられるように)IL−4および/またはIL−13に対して少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なく とも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、および少なくとも50%の同一性を有する、IL−4および/またはIL−13 ポリペプチドを結合する抗体もまた、本発明に包含される。

本発明の抗体はまた、IL−4および/またはIL−13に対する結合親和性に関して記載または特定され得る。抗−IL−4および/または抗−IL−13抗体は、約10-7M未満、約10-6M未満、または約10-5MのKDで結合し得る。約10-8〜約10-15M、約10-8〜約10-12M、約10-9〜約10-11M、もしくは約10-8〜約10-10Mの 平衡解離定数またはKDを有するものような、目的の抗体におけるより高い結合親和性が 有益であり得る。本発明はまた、競合的結合を決定するための当該分野で公知の任意の方法、例えば、本明細書中に記載される免疫測定法により決定されるような、本発明のエピトープへの抗体の結合を競合的に阻害する抗体を提供する。好ましい実施形態おいにて、抗体は、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、または少なくとも50%でエピトープへの結合を競合的に阻害する。

本発明はまた、目的の抗体を含む複合体を含む。複合体は、2つの主成分、目的の抗体および第二の成分(これは、細胞結合剤、細胞毒性薬などであり得る)を含む。

本明細書中で使用される場合、用語「細胞結合剤」とは、細胞表面上の分子を特異的に認識し、そして結合する薬剤をいう。従って、細胞結合剤は、CD抗原、病原体抗原、例えば、ウイルス抗原、分化抗原、がん抗原、細胞特異的抗原、組織特異的抗原、IgまたはIg−様分子などであり得る。

細胞結合剤は、現在公知であるか、または公知となる、任意のタイプものであり得、そしてこれらとしては、ペプチド、非ペプチド、単糖、核酸、リガンド、受容体など、またはそれらの組み合わせが挙げられる。細胞結合剤は、特異的または非特異的な様式で細胞に結合し得る任意の化合物であり得る。一般に、これらの薬剤は、抗体(特に、モノクローナル抗体)、リンホカイン、ホルモン、成長因子、ビタミン、栄養素輸送分子(例えば、トランスフェリン)、または任意の他の細胞結合分子もしくは物質であり得る。

使用され得る細胞結合剤の他の例としては、ポリクローナル抗体;モノクローナル抗体;および抗体フラグメント(例えば、Fab、Fab'、F(ab')2およびFv)が挙げられる(Parham,J.Immunol.131:2895−2902(1983);Spring et al.,J.Immunol.113:470−478(1974);およびNisonoff et al.,Arch.Biochem.Biophys.89:230−244(1960))。

第二の成分はまた、細胞毒性薬であり得る。本明細書中で使用される場合、用語「細胞毒性薬」とは、細胞の機能または増殖を低下させるか、または阻害し、そして/または細胞の破壊を引き起こす物質をいう。従って、細胞毒性薬は、タキソール、メイタンシノイド(例えば、DM1もしくはDM4)、CC−1065もしくはCC−1065アナログ、リシン、マイトマイシンCなどであり得る。いくつかの実施形態において、本発明の抱合体の任意の結合剤と同様に、細胞毒性薬は、目的の抗体に直接的または開裂性もしくは非開裂性リンカーを介して細胞毒性薬に共有結合される。

適切なメイタンシノイドの例としては、メイタンシノールおよびメイタンシノールアナログが挙げられる。メイタンシノイドは、微小管形成を阻害し、そして哺乳動物細胞に極めて有毒である。

適切なメイタンシノールアナログの例としては、修飾された芳香環を有するものおよび他の位置に修飾を有するものが挙げられる。このような適切なメイタンシノイドは、米国特許第4,424,219号;同第4,256,746号;同第4,294,757号;同第4,307,016号;同第4,313,946号;同第4,315,929号;同第4,331,598号;同第4,361,650号;同第4,362,663号;同第4,364,866号;同第4,450,254号;同第4,322,348号;同第4,371,533号;同第6,333,410号;同第5,475,092号;同第5,585,499号;および同第5,846,545号に開示される。

修飾された芳香環を有する適切なメイタンシノールアナログの例としては、(1)C−19デクロロ(dechloro)(米国特許第4,256,746号)(例えば、アンサマイトシン(ansamytocin)P2のLAH還元によリ調製される);(2)C−20ヒドロキシ(またはC−20デメチル)+/−C−19デクロロ(米国特許第4,361,650号および同第4,307,016号)(例えば、ストレプトマイセスもしくはアクチノミセスを使用する脱メチル反応または水素化アルミニウムリチウム(LAH)を使用する脱塩素により調製される);および(3)C−20デメトキシ、C−20アシルオキシ(−OCOR)+/−デクロロ(米国特許第4,294,757号)(塩化アシルを使用するアシル化により調製される)が挙げられる。

他の位置での修飾を有する適切なメイタンシノールアナログの例としては、(1)C−9−SH(米国特許第4,424,219号)(メイタンシノールとH2SまたはP2S5 の反応により調製される);(2)C−14アルコキシメチル(デメトキシ/CH2OR )(米国特許第4,331,598号);(3)C−14ヒドロキシメチルまたはアシルオキシメチル(CH2OHまたはCH2OAc)(米国特許第4,450,254号)(ノカルジアから調製される);(4)C−15ヒドロキシ/アシルオキシ(米国特許第4,364,866号)(ストレプトマイセスによるメイタンシノールの変換により調製される);(5)C−15メトキシ(米国特許第4,313,946号および同第4,315,929号)(トレビア ヌーディフロラ(Trewia nudiflora)から単離される);(6)C−18−Nデメチル(米国特許第4,362,663号および同第4,322,348号)(ストレプトマイセスによるメイタンシノールの脱メチル反応により調製される);および(7)4,5−デオキシ(米国特許第4,371,533号)(メイタンシノールの三塩化チタン/LAH還元により調製される)が挙げられる。

細胞毒性複合体は、インビトロ法により調製され得る。細胞毒性薬、薬物またはプロドラッグを抗体に連結させるために、一般に連結基が使用される。適切な連結基が当該分野で公知であり、そしてこれらとしは、ジスルフィド基、チオエーテル基、酸に不安定な基、光解離性基、ペプチダーゼに不安定な基およびエステラーゼに不安定な基が挙げられる。例えば、複合体は、ジスルフィド交換反応を使用して、または目的の抗体と薬物またはプロドラッグとの間にチオエーテル結合を形成することにより構築され得る。

上で議論されるように、本発明は、本明細書中に開示される抗体またはそれらの機能的フラグメントもしくは変異体をコードする単離された核酸配列、本発明の抗体またはそれらの機能的フラグメントのIL−4および/またはIL−13−結合部分をコードするヌクレオチド配列を含むベクター構築物、このようなベクターを含む宿主細胞、およびポリペプチドを生産するための組換え技術を提供する。

ベクターは、通常、当該分野で公知の成分を含み、そして、一般に、1つまたはそれ以上の以下を含むが、これらに限定されない:シグナル配列、複製起点、1つまたはそれ以上のマーカー遺伝子もしくは選択遺伝子、翻訳を促進および/または増強する配列、エンハンサー要素など。従って、発現ベクターは、このような適切な転写または翻訳制御ヌク レオチド配列(例えば哺乳動物、微生物、ウイルスまたは昆虫遺伝子由来のもの)に操作可能に連結されたヌクレオチド配列を含む。さらなる制御配列の例としては、オペレーター、mRNAリボソーム結合部位、および/または転写および翻訳(例えば、これらの開始および終止)を制御する他の適切な配列が挙げられる。ヌクレオチド配列は、制御配列が適切なポリペプチドのヌクレオチド配列と機能的に関連する場合「操作可能に連結」される。従って、プロモーターヌクレオチド配列がヌクレオチド配列の転写を制御する場合、プロモーターヌクレオチド配列は、例えば、抗体重鎖配列に操作可能に連結される。

さらに、抗体重鎖および/軽鎖配列と天然には関連しない適切なシグナルペプチドをコードする配列を、発現ベクターに組込むことができる。例えば、抗体がペリプラズム空間または培地に分泌されるように、シグナルペプチドのヌクレオチド配列(分泌リーダー)をインフレームでポリペプチド配列に融合し得る。意図される宿主細胞において機能的なシグナルペプチドが、適切な抗体またはそれの部分の細胞外分泌を増加させる。シグナルペプチドは、細胞から抗体を分泌する際、ポリペプチドから切断され得る。このような分泌シグナルの例は周知であり、そしてこれらとしては、例えば、米国特許第5,698,435号;同第5,698,417号;および同第6,204,023号に記載されるものが挙げられる。

ベクターは、プラスミド、一本鎖もしくは二本鎖ウイルスベクター、一本鎖もしくは二本鎖RNAまたはDNAファージベクター、ファージミド、コスミドまたは目的のトランス遺伝子の任意の他の担体であり得る。このようなベクターは、DNAおよびRNAを細胞に導入する周知の技術により、ポリヌクレオチドとして細胞に導入され得る。ファージおよびウイルスベクターの場合、ベクターはまた、感染および形質導入のための周知の技術により、パッケージ化またはカプセル化されたウイルスとして細胞に導入され得る。ウイルスベクターは、複製可能または複製欠損であり得る。後者の場合において、ウイルス増殖は、一般に、相補宿主細胞でのみ起こり、そして粒子を生産するのに必要な種々のウイルス成分を有する複数のベクターを使用する。無細胞翻訳系をまた利用して、本発明DNA構築物由来のRNAを使用して、タンパク質を生産し得る(例えば、WO86/05807およびWO89/01036;ならびに米国特許第5,122,464号を参照のこと)。

本発明の抗体は、任意の適切な宿主細胞から発現され得る。本発明に有用な宿主細胞の例としては、原核生物、酵母または高等真核細胞が挙げられ、そして目的の抗体コード配列を含む組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNAまたはコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌(例えば、大腸菌、枯草菌、エンテロバクター菌、エルビニア菌、クレブシエラ菌、プロテウス菌、サルモネラ菌、セラチア菌、および赤痢菌、さらにバチルス菌、シュードモナス菌および放線菌)のような微生物;抗体コード配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母(例えば、サッカロミセス、ピチア、放線菌、クリベロマイセス、シゾサッカロミセス、カンジダ、トリコデルマ、アカパンカビ、および糸状菌(例えば、アカパンカビ、ペニシリウム、トリポクラジウムおよびアスペルギルス));抗体コード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウィルス)で感染させた昆虫細胞系;組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウィルス、CaMV;またはタバコモザイクウィルス、TMV)で感染させた、または抗体コード配列を含む組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換された植物細胞系;または哺乳類細胞のゲノム由来のプロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター)または哺乳動物ウイルス由来のプロモーター(例えば、アデノウィルス遅発性プロモーター;またはワクシニアウィルス7.5Kプロモーター)を含む組換え発現構築物を宿す哺乳動物細胞系(例えば、COS、CHO、BHK、293または3T3細胞)が挙げられるが、これらに限定されない。

原核宿主細胞に使用する発現ベクターは、一般に、1つまたはそれ以上の表現型選択可能マーカー遺伝子を含む。表現型選択可能マーカー遺伝子は、例えば、抗生物質耐性を付与するか、または独立栄養を供給するタンパク質をコードする遺伝子である。原核宿主細胞のための有用な発現ベクターの例としては、市販のプラスミド由来のもの、例えば、pKK223−3(Pharmacia Fine Chemicals,Uppsala,Sweden)、pGEM1(Promega Biotec,Madison,WI)、pET(Novagen,Madison,WI)およびpRSET(Invitrogen,Carlsbad,CA)シリーズのベクター(Studier,J Mol Biol 219:37(1991);およびSchoepfer,Gene 124:83(1993))が挙げられる。組換え原核宿主細胞発現ベクターに一般的に使用されるプロモーター配列としては、T7(Rosenberg et al.,Gene 56:125(1987))、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター系(Chang et al.,Nature 275:615(1978);およびGoeddel et al.,Nature 281:544(1979))、トリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddel et al.,Nucl Acids Res 8:4057(1980))、およびtacプロモーター(Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第2編,Cold Spring Harbor Laboratory(1990))が挙げられる。

酵母ベクターは、しばしば、2μ酵母プラスミドに由来するような複製起点配列、自己複製配列(ARS)、プロモーター領域、ポリアデニル化配列、転写終止配列および選択可能マーカー遺伝子を含む。酵母ベクターに適切なプロモーター配列としては、特に、メタロチオネイン、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(Hitzeman et al.,J Biol Chem 255:2073(1980))または他の糖分解酵素(Holland et al.,Biochem 17:4900(1978))、例えば、エノラーゼ、グリセロアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、グルコースリン酸イソメラーゼおよびグルコキナーゼのプロモーターが挙げられる。酵母発現での使用に適切な他のベクターおよびプロモーターは、さらに、Fleer et al.,Gene 107:285(1991)に記載される。酵母および酵母形質転換プロトコルに適切な他のプロモーターおよびベクターが当該分野で周知である。酵母形質転換プロトコルは周知である。このようなプロトコルの1つは、Hinnen et al.,Proc Natl Acad Sci 75:1929(1978)に記載され、これは、選択培地におけるTrp+形質転換体を選択する。

脊椎動物培養でもまたは無脊椎動物培養でも、いかなる真核細胞培養も有効である。無脊椎動物細胞の例としては、植物および昆虫細胞が挙げられる(Luckow et al.,Bio/Technology 6:47(1988);Miller et al.,Genetic Engineering,Setlow et al.,eds.,vol.8,pp.277−9,Plenum Publishing(1986);およびMaeda et al.,Nature 315:592(1985))。例えば、バキュロウィルス系が、異種タンパク質を生産するために使用され得る。昆虫系において、オートグラファカリフォルニカ(Autographa californica)核多体病ウィルス(AcNPV)が、外来遺伝子を発現するためのベクターとして使用され得る。このウイルスは、スポドプテラフルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞で増殖する。抗体コード配列は、AcNPVプロモーター(例えば、ポリヘドリンプロモーター)の制御下でクローニングされ得る。同定されている他の宿主としては、ネッタイシマカ、キイロショウジョウバエおよびカイコが挙げられる。 トランスフェクションのための種々のウイルス株(例えば、AcNPVのL−1変異体およびカイコNPVのBm−5株)が公的に入手可能である。さらに、綿、トウモロコシ、ジャガイモ、大豆、ペチュニア、トマト、およびタバコの植物細胞培養もまた、当該分野で公知の宿主として利用される。

脊椎動物細胞および培養物(組織培養物)における脊椎動物細胞の増殖は通常の手順であるが、例えば、特有の因子、支持細胞などを含む特殊な培地を必要とする難しい(fastidious)細胞株が存在する、Tissue Culture,Kruse et al.,eds.,Academic Press(1973)を参照のこと。有用な哺乳動物宿主細胞株の例としては、サル腎臓;ヒト胚腎臓株;ベビーハムスター腎細胞;チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO、Urlaub etal.,Proc Natl Acad Sci USA 77:4216(1980));マウスセルトリ細胞;ヒト子宮頸がん細胞(例えば、HeLa);イヌ腎細胞;ヒト肺細胞;ヒト肝細胞;マウス乳房腫瘍;およびNS0細胞が挙げられる。

宿主細胞は、抗体生産のためのベクターで形質転換され、そして成長因子、ビタミン、ミネラルなど、さらに使用される細胞およびベクターに適切な誘導因子を含む従来の栄養培地中で培養される。通常、使用されるプロモーター配列およびハンハンサー配列は、ポリオーマウィルス、アデノウィルス2、シミアンウィルス40(SV40)およびヒトサイトメガロウィルス(CMV)由来である。SV40ウイルスゲノム由来のDNA配列(例えば、SV40由来の早期および後期プロモーター、エンハンサー、スプライスおよびポリアデニル化部位)を使用して、哺乳動物宿主細胞において構造遺伝子配列を発現するための他の遺伝要素を提供し得る。ウイルス早期および後期プロモーターは、両方ともがウイルス複製起点を含み得るフラグメントとしてウイルスゲノムから容易に得られるので、特に有用である。哺乳動物宿主細胞に使用するための例示的な発現ベクターは、市販されている。

市販の培地、例えば、Ham’s F10、最小必須培地(MEM)、RPMI−1640およびダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)が宿主細胞を培養するのに適切である。さらに、Ham et al.,Meth Enzymol 58:44(1979)およびBarnes et al.,Anal Biochem 102:255(1980)、ならびに米国特許第4,767,704号;同第4,657,866号;同第4,560,655号;同第5,122,469号;5,712,163号;または同第6,048,728号に記載された任意の培地を宿主細胞のための培地として使用し得る。これらの任意の培地は、必要に応じてホルモンおよび/または他の成長因子(例えば、インシュリン、トランスフェリンまたは上皮成長因子)、塩(例えば、塩化物、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウムまたは塩化マグネシウム;およびリン酸塩)、緩衝化剤(例えば、HEPES)、ヌクレオチド(例えば、アデノシンおよびチミジン)、抗生物質、微量元素(通常、最終濃度がマイクロモル範囲で存在する無機化合物として定義される)およびグルコースまたは等価なエネルギー源で補充され得る。任意の他の必要な補充物質を、設計上の選択として適切な濃度で含み得る。細胞に適切で、そしてトランス遺伝子の所望の発現を可能にするような培養条件、例えば、温度、pHなどは当該分野で公知の通りである。

当該分野で公知の任意の方法により、目的のポリヌクレオチドを得ることができ、そしてポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定し得る。例えば、抗体のヌクレオチド配列が公知である場合、抗体をコードするポリヌクレオチドは、化学合成されたオリゴヌクレオチドからアセンブルされ得(例えば、Kutmeier etal.,Bio/Techniques 17:242(1994)に記載のように)、次いで、例えば、PCRによりライゲートされたオリゴヌクレオチドを増幅し得る。

あるいは、抗体をコードするポリヌクレオチドは、同じものを発現する細胞の核酸から生成され得る。特定の抗体をコードする核酸を含むクローンが入手不可能であるが、その抗体分子の配列が既知である場合、免疫グロブリンをコードする核酸を、ライブラリーのような適切な供給源から得ることができ、これは、本発明の抗体を発現するために選択されるハイブリドーマ細胞のような抗体生産細胞に特異的なものであり得る。適切なプライマリーは、PCR増幅のために構成され得る。次いで、PCRにより生成された増幅核酸は、当該分野で周知の任意の方法を使用して、複製可能クローニングベクターにクローニングされ得る。

一旦、抗体のヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列が決定されると、抗体のヌクレオチド配列は、異なるアミノ酸配列を有する抗体を生成するため、例えば、アミノ酸置換、欠失および/または挿入を生成するために、ヌクレオチド配列の操作に関する当該分野で公知の方法、例えば、組換えDNA技術、部位特異的突然変異誘発、PCRなどを使用して、本明細書中に記載される目的の等価物を得るために操作され得る(例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第2編,Cold Spring Harbor Laboratory(1990);およびAusubel et al.,eds.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons(1998)を参照のこと)。

周知の方法により、例えば、他の重鎖および軽鎖可変領域の既知のアミノ酸配列と比較して、配列超可変領域を決定することにより、重鎖および/または軽鎖可変領域のアミノ酸配列を調査し、CDRの配列を同定し得る。通常の組換えDNA技術を使用して、上記のように、1つまたはそれ以上のCDRを、フレームワーク領域内で、例えば、ヒトフレームワーク領域に挿入し、非ヒト抗体をヒト化し得る。フレームワーク領域と1つまたはそれ以上のCDRの組合せにより生成された目的のポリヌクレオチドは、IL−4および/またはIL−13、または少なくともそれらのED領域に特異的に結合する抗体をコードする。例えば、このような方法を使用して、鎖内ジスルフィド結合に関与する1つまたはそれ以上の可変領域システイン残基のアミノ酸置換または欠失を行い、1つまたはそれ以上の鎖内ジスルフィド結合を欠いた抗体分子を生成し得る。

本発明の抗体または抗体フラグメントを使用して、インビトロまたはインビボで生体サンプル中のIL−4および/またはIL−13、従って、IL−4および/またはIL−13を発現する細胞を検出し得る。1つの実施形態において、本発明の抗−IL−4および/またはIL−13抗体を使用して、組織または組織由来の細胞中のIL−4および/またはIL−13の存在およびレベルを決定する。組織または生検中のIL−4および/またはIL−13のレベルを、例えば、本発明の抗体または抗体フラグメントを用いる免疫測定法において決定し得る。組織またはそれらの生検は凍結または固定され得る。同様のまたは他の方法を使用して、IL−4および/またはIL−13の他の特性、例えば、それらのレベル、細胞局在、mRNAレベル、それらの突然変異体などを決定し得る。

上記の方法を使用して、例えば、がんを有することが既知であるか、またはその疑いのある被験体におけるがんを診断し得、ここで前記患者において測定されるIL−4および/またはIL−13のレベルは、正常な参照被験体または標準のものと比較される。目的のアッセイをまた使用して、関節炎または分化したリンパ系組織の発達と共にB細胞浸潤および濃度により特徴付けられる他の自己免疫疾患を診断し得る。

本発明は、研究用途または診断的適用に使用するために、さらに標識されたモノクローナル抗体、ヒト化抗体およびそれらのエピトープ結合フラグメントをさらに提供する。い くつかの実施形態において、標識は放射性標識、フルオロフォア、発色団、造影剤または金属イオンである。

前記標識された抗体またはそれらのエピトープ結合フラグメントをがん、関節炎、自己免疫疾患または他のIL−4および/またはIL−13仲介性疾患を有する疑いのある被験体に投与し、そして被験体の体内での標識の分布を測定またはモニターする診断方法がまた提供される。

本発明の抗体およびそれらのフラグメントは、アフィニティー精製の薬剤として使用され得る。この工程において、抗体は当該分野で公知の方法を使用して、固相、例えば、デキストランもしくはアガロース樹脂または濾紙上に固定化される。固定化された抗体は、精製されるIL−4および/またはIL−13を含むサンプルまたは同様のものを保有する細胞と接触させられ、その後、固定化された目的の抗体に結合した、精製されたIL−4および/またはIL−13または細胞を除いて、サンプル中の実質的に全ての物質を除去する適切な溶媒で支持体を洗浄する。最後に、目的の抗体からIL−4および/またはIL−13または細胞を放出する別の適切な溶媒(例えば、グリシン緩衝剤)(pH5.0)で支持体を洗浄する。

診断的適用について、目的の抗体は、典型的に、検出可能な部分で標識される。一般に、以下のカテゴリーに分類され得る多数の標識が利用可能である:(a)放射性同位体、例えば、35S、14C、125I、3Hおよび131I(抗体は、例えばCurrent Pro tocols in Immunology,vol.12,Coligen et al.,ed.,Wiley−Interscience,New York(1991)に記載される技術を使用して、放射性同位体で標識され得、そしてシンチレーションカウンターを使用して放射性活性を測定し得る);(b)蛍光標識、例えば、希土類キレート(ユーロピウムキレート)、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、リサミン、フィコエリトリンおよびテキサスレッド、蛍光光度計を使用して蛍光を定量化し得る場合、蛍光標識は、例えば、Current Protocols in Immunology、前出に開示される技術を使用して抗体に抱合され得る;および(c)種々の酵素基質標識が利用可能であり(米国特許第4,275,149号はレビューを提供する)、一般に、酵素は、種々の技術を使用して測定され得る発色性基質の化学的変化を触媒し、例えば、酵素は、分光光度法で測定され得る基質における色素変化を触媒し得るか、または酵素は基質の蛍光または化学発光を改変し得る。例えば、照度計を使用する蛍光の変化を定量化するための技術が公知であるか、または標識は蛍光アクセプターにエネルギーを放出する。酵素標識の例としては、ルシフェラーゼ(例えば蛍ルシフェラーゼおよび細菌ルシフェラーゼ;米国特許第4,737,456号)、ルシフェリン、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ウレアーゼ、ペルオキシダーゼ(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO))、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、サッカリドオキシダーゼ(例えば、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、およびグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ)、複素環オキシダーゼ(例えば、ウリカーゼおよびキサンチンオキシダーゼ)、ラクトペルオキシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼなどが挙げられる。抗体に酵素を抱合する技術は、O’Sullivan et al.,Meth Enz,ed.Langone & Van Vunakis,Academic Press,New York,73(1981)に記載される。

このような標識が使用される場合、以下のような適切な基質が利用可能である:(i)基質として水素ペルオキシダーゼ(hydrogen peroxidase)を用いる西洋ワサビペルオキシダーゼ、ここで、水素ペルオキシダーゼは色素前駆体を酸化する(例えば、オルトフェニレンジアミン(OPD)または3,3’,5,5’−テトラメチル ベンジジン塩酸塩(TMB));(ii)発色基質としてp−ニトロフェニルリン酸塩を用いるアルカリホスファターゼ(AP);および(iii)発色基質(例えば、p−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシダーゼ)または蛍光発生基質(例えば、4−メチルウンベリフェリル(methylumbelliferyl)−β−D−ガラクトシダーゼを用いるβ−D−ガラクトシダーゼ(β−D−Gal)。

他の酵素−基質の組み合わせが当業者に利用可能である。一般的なレビューについて、米国特許第4,275,149号および同第4,318,980号を参照のこと。

時折、標識は抗体と間接的に複合される。例えば、抗体をビオチンと複合させ得、そして、上記の任意の受容体がアビジンと複合し得、逆もまた同様である。ビオチンはアビジンと選択的に結合し、従って標識が間接的な様式で抗体と複合され得る。あるいは、標識の間接的な複合を達成するために、抗体は小さいハプテン(例えば、ジゴキシン)と複合され、そして上記と異なるタイプの標識または受容体の1つが抗ジゴキシン抗体と複合される。従って、抗体または突然変異タンパク質との標識の間接的複合は、第二の抗体を使用して達成され得る。

本発明の別の実施形態において、抗体を標識する必要はなく、そしてその存在を抗体に結合する標識化抗体、第二の抗体の別の形態を使用して検出し得る。

本発明の抗体は、競合結合アッセイ、直接および間接サンドウィッチアッセイ、ならびに免疫沈降アッセイのような、任意の公知のアッセイに利用され得る。Zola,Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques(CRC Press,Inc.1987)。

競合結合アッセイは、限定された量の抗体との結合に関して標識化標準物質が試験サンプルと競合する能力に依存する。試験サンプル中の抗原の量は、抗体に結合することとなる標準物質の量に反比例する。結合することとなる標準物質の量の決定を容易にするために、抗体は、一般に、競合の前または後に不溶化される。その結果、抗体に結合される標準物質および試験サンプルを、未結合のままの標準物質および試験サンプルから都合良く分離し得る。

サンドイッチアッセイは、検出される標的の異なる免疫原性部分、決定基またはエピトープにそれぞれ結合し得る2つの抗体の使用を含む。サンドイッチアッセイにおいて、分析される試験サンプルを、固体支持体上に直接的または間接的に固定化される第一の抗体に結合させ、その後、直接的または間接的に標識された第二の抗体を結合試験サンプルに結合させ、それにより不溶性の3部からなる複合体を形成させる、例えば、米国特許第4,376,110号を参照のこと。第二の抗体は、それ自体を検出可能な部分で標識してもよく(直接サンドイッチアッセイ)、または検出可能な部分で標識された抗免疫グロブリン抗体または他の適切な結合対メンバー(例えば、抗体/抗原、受容体/リガンド、酵素/基質)を使用して測定してもよい(間接サンドイッチアッセイ)。例えば、サンドイッチアッセイの1つのタイプはELISAアッセイであり、この場合検出可能な部分は酵素である。

本発明はまた、抗体、それらのフラグメント、ホモログ、それらの誘導体など、例えば、標識化複合体または細胞毒性複合体、ならびに抗体、特定の細胞型を死滅させる複合体などの使用についての取扱説明書を含むキットを含む。取扱説明書は、インビトロ、インビボまたはエキソビボでの抗体、複合体などを使用するための指示を含み得る。抗体は、液体形態または一般に凍結乾燥された固体として存在し得る。キットは、適切な他の試薬、例えば、緩衝剤、再構成溶液および使用目的に必要な他の成分を含み得る。それらの使 用のための、例えば、診断アッセイを実施する治療上の使用のための指示書と共に所定量の試薬の包装された組み合わせが検討される。抗体が、例えば、酵素で標識される場合、キットは、酵素が必要とする基質および補因子(例えば、検出可能な発色団またはフルオロフォアを提供する基質前駆体)を含み得る。さらに、他の添加物、例えば、安定剤、緩衝剤(例えば、ブロック緩衝剤または溶解緩衝剤)などを含み得る。種々の試薬の相対量は、試薬溶液濃度を提供するように変化し得、これは使用者の柔軟性、空間の節約、試薬の節約などを提供する。溶解の際に、適切な濃度を有する試薬溶液を提供する添加剤を含み、通常、凍結乾燥された乾燥粉末として、試薬は提供され得る。

本発明の抗体を使用して、哺乳動物を治療し得る。1つの実施形態において、目的の抗体または等価物は、例えば、前臨床データを得る目的のために非ヒト哺乳動物に投与される。処置される例示的な非ヒト哺乳動物としては、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、齧歯動物および前臨床試験が実施される他の哺乳動物が挙げられる。このような哺乳動物は、抗体で治療する疾患の動物モデルとして確立され得るか、または目的の抗体の毒性を研究するために使用され得る。これらの実施形態のそれぞれにおいて、用量漸増試験が哺乳動物において実施され得る。

第二の成分、例えば、抗体に複合された治療的部分を含むか含まない、単独または細胞毒性因子と組み合わせて投与される抗体が、治療薬(therapeutic)として使用され得る。本発明は、抗体ベースの治療に関し、この方法としては、IL−4および/またはIL−13仲介性疾患、障害または状態を治療するために、本発明の抗体を動物、哺乳動物、またはヒトに投与することを含む。

本発明において使用される場合、用語「治療」とは、治療および予防(prophylactic)または予防(preventative)対策の両方をいう。これは、病状、疾患の進行、疾患の原因物質(例えば、細菌またはウイルス)または他の異常状態の有害効果を予防、治癒、逆転、軽減、緩和、最小化、抑制または食い止めることをいう。

従って、本発明はまた、二重特異性抗−IL−4/IL−13抗体を含む多価抗体を含み、この抗体はこれらに結合した診断または治療に機能的なエフェクター分子、原子または他の種を有する。例えば、抗体は、がんをインビボで診断または治療するためにこれらに結合した放射性診断標識または放射性細胞毒性原子もしくは金属または細胞毒性種(例えば、リシン鎖)を有し得る。

さらに、本発明に従う抗体は、免疫測定法、精製方法および免疫グロブリンまたはそれらのフラグメントが使用される他の方法において使用され得る。このような使用は当該分野で周知である。

従って、本発明はまた、当該分野で慣行の薬学的に受容可能な担体、賦形剤または添加剤と都合良く組み合わされた、本発明に従う抗−IL−13および/または抗−IL−4抗体またはそれらのフラグメントを含む組成物を提供する。

本発明において使用される場合、用語「医薬組成物」とは、種々の調合の製剤をいう。治療有効量の多価抗体を含む製剤は、滅菌溶液、液体懸濁液または凍結乾燥バージョンであり、そして場合により、安定剤または添加剤を含む。

本発明において使用される場合、用語「障害」とは、本発明の抗体を用いる治療で効果が得られる任意の状態をいう。これらとしては、慢性および急性の障害または疾患(哺乳動物、特にヒトを問題となっている障害にかかりやすくするこれらの病的状態を含む)が挙げられる。本明細書中で治療される障害の非限定的な例としては、がん、炎症、自己免 疫疾患、感染、心疾患、呼吸器疾患、神経疾患および代謝性疾患が挙げられる。

本発明の抗体を使用して、疾患、例えば、アレルギー性疾患、Th2−仲介性疾患、IL−13−仲介性疾患、IL−4−仲介性疾患、および/またはIL−4/IL−13−仲介性疾患を治療、抑制または予防し得る。このような疾患の例としては、ホジキン病、喘息、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、アトピー性アレルギー、潰瘍性大腸炎、強皮症、アレルギー性鼻炎、COPD3、特発性肺線維症、慢性移植片拒絶、ブレオマイシン誘発性肺線維症、放射線誘発性肺線維症、肺肉芽腫、全身性進行性硬化症、住血吸虫症、肝線維症、腎臓がん、バーキットリンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、セザリー症候群、喘息、敗血症性関節炎、疱疹状皮膚炎、慢性特発性蕁麻疹、潰瘍性大腸炎、強皮症、肥厚性瘢痕、ウィップル病、良性前立腺肥大、IL−4受容体が関与する肺障害、IL−4受容体仲介性上皮バリアの破壊が関与する状態、IL−4受容体が関与する消化器官の障害、薬物によるアレルギー反応、川崎病、鎌状赤血球病、チャーグ・ストラウス症候群、バセドウ病、子癇前症、シェーグレン症候群、自己免疫リンパ球増殖性症候群、自己免疫性溶血性貧血、バレット食道、自己免疫性ブドウ膜炎、結核症、嚢胞性線維症、アレルギー性気管支配真菌症、慢性閉塞性肺疾患、ブレオマイシン誘発性肺臓炎(bleornycin−induced pneumopathy)およびブレオマイシン誘発性線維症、肺胞タンパク症、成人呼吸窮迫症候群(adull respiratory distress syndrome)、サルコイドーシス、高IgE症候群、特発性好酸球増加症候群(idiopathic hypereosinophil syndrome)、自己免疫水疱形成疾患、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、重症筋無力症、慢性疲労症候群、ネフローゼが挙げられる。

用語「アレルギー性疾患」とは、患者が通常非免疫原性である物質に対して過感作されるか、またはこの物質に対する免疫応答が増大する病的状態をいう。アレルギー性疾患は、一般に、炎症反応(例えば、局所反応、全身性反応)を引き起こすIgEによるマスト細胞の活性により特徴付けられ、この炎症は、鼻水のような軽い症状から生命を脅かすアナフィラキシーショックおよび死をもたらし得る。アレルギー性疾患の例としては、アレルギー性鼻炎(例えば、花粉症)、喘息(例えば、アレルギー性喘息)、アレルギー性皮膚炎(例えば、湿疹)、接触性皮膚炎、食物アレルギーおよび皮膚の掻痒(蕁麻疹)が挙げられるが、これらに限定されない。

本明細書中で使用される場合、「Th2−仲介性疾患」とは、病状が免疫応答(Th2−型免疫応答)により(全体または一部において)生じる疾患をいい、この免疫応答は、IL−4、IL−5、IL−9およびIL−13を特徴的に生産するCD4+ Th2 Tリンパ球により調節される。Th2−型免疫応答は、特定のサイトカイン(例えば、IL−4、IL−13)および特定のクラスの抗体(例えば、IgE)の生産に関連し、そして液性免疫に関連する。Th2−仲介性疾患は、高レベルのTh2サイトカイン(例えば、IL−4、IL−13)および/または特定のクラスの抗体(例えば、IgE)の存在により特徴付けられ、そしてこれらとしては、例えば、アレルギー性疾患(例えば、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、喘息(例えば、アトピー性喘息)、アレルギー性気道疾患(AAD)、アナフィラキシーショック、結膜炎)、高レベルのIL−4および/またはIL−13に関連する自己免疫疾患(例えば、リウマチ性関節炎、移植片対宿主病、腎疾患(例えば、腎炎症候群、ループス腎炎)、および高レベルのIL−4および/またはIL−13に関連する感染(例えば、ウイルス感染、寄生虫感染、真菌(例えば、カンジダアルビカンス)感染)が挙げられる。特定のがん(例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、頭頸部がん、乳がんおよび卵巣がん)が、高レベルのIL−4および/またはIL−13に関連するか、またはIL−4−誘発性および/またはIL−13−誘発性がん細胞増殖に関連する。これらのがんは本発明のリガンド(Iigaud)を使用して、治療、抑制または予防され得る。

本発明において使用される場合、用語「がん」とは、哺乳動物、特に、ヒトにおける、典型的に、調節されない細胞増殖により特徴付けられる生理的状態をいうか、または記載する。がんの例としては、がん腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病が挙げられるが、これらに限定されない。

本発明において使用される場合、用語「自己免疫疾患」とは、非悪性疾患または個々の自分自身の組織から生じ、そして自分自身の組織に向けられた障害をいう。自己免疫疾患または自己免疫疾患(autoimmune disorder)の例としては、炎症反応、例えば、乾癬および皮膚炎を含む炎症性皮膚疾患;アレルギー状態、例えば、湿疹および喘息;T細胞の浸潤および慢性炎症反応を含む他の状態;アテローム性動脈硬化症;糖尿病(例えば、I型糖尿病またはインスリン依存性糖尿病);多発性硬化症および中枢神経系(CNS)炎症性疾患が挙げられるが、これらに限定されない。

本発明の抗体は、別個に投与される組成物として、または他の薬剤と併用して使用され得る。抗体は、従来のIL−13治療薬(例えば、従来のIL−13薬剤、例えば、抗−IL−13Rαl、IL−4/13 Trap、抗−IL−13)+抗−IL−4抗体ならびに従来のIL−4薬剤(例えば、抗−IL−4R、IL−4 Mutein、IL−4/13 Trap)+抗−IL−13抗体およびIL−4 抗体との併用療法に使用され得る(例えば、WO05/0076990(CAT)、WO03/092610(Regeneron)、WO00/64944(Genetic Inst.)およびWO2005/062967(Tanox))。

本発明の抗体は、1つまたはそれ以上のさらなる治療薬または活性薬剤と一緒に投与され、そして/または製剤化され得る。リガンドがさらなる治療薬と投与される場合、リガンドは、さらなる薬剤投与の前、同時に、または後に投与され得る。一般に、リガンドおよびさらなる薬剤は、治療効果の重複を提供する様式で投与される。本発明のリガンドと投与されるか、または製剤され得るさらなる薬剤としては、例えば、種々の免疫治療薬(immunotherapeutic dings?)、例えば、シクロスポリン、メトトレキサート、アドリアマイシンまたはシスプラチン(cisplatimun)、抗生物質、真菌薬、抗ウイルス薬および抗毒素が挙げられる。例えば、アンタゴニストは、肺炎症または呼吸器疾患(例えば、喘息)を予防、抑制または治療するために投与される場合、これは、以下と併用して(in conjuction with)投与され得る:ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、ホスホジエステラーゼ4の阻害剤)、気管支拡張剤(例えば、β2−アゴニスト、抗コリン剤(anticholinergerics)、テオフィリン)、短時間作用型β−アゴニスト(例えば、アルブテロール、サルブタモール(salbuiamol)、バンブテロール、フェノテロール(fenoter[sigma]l)、イソエタリン(isoetherine)、イソプロテレノール、レバルブテロール(leva[iota]buterol)、メタプロテレノール、ピルブテロール、テルブタリンおよびトルンレート(tornlate));長時間作用型β−アゴニスト(例えば、ホルモテロールおよびサルメテロール)、短時間作用型抗コリン剤(例えば、臭化イプラトロピウムおよび臭化オキシトロピウム)、長時間作用型抗コリン剤(例えば、チオトロピウム)、テオフィリン(例えば、短時間作用剤、長時間作用剤)、吸入ステロイド(例えば、ベクロメタゾン(beclomethasone)、ベクロメタゾン(beclometasone)、ブデソニド、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾンおよびトリアムシノロン)、経口ステロイド(例えば、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン(prednisolone)、プレドニゾロン(prednisolon)およびプレドニゾン)、短時間作用型β−アゴニストと抗コリン剤との組み合わせ(例えば、アルブテロール/サルブタモール/イプラトロピウム、およびフェノテロール/イプラトロピウム)、長時間作用型β−アゴニストと吸入ステロイドとの組み合わせ(例 えば、サルメテロール/フルチカゾン、およびホルモテロール(formolerol)/ブデソニド)および粘液溶解剤(例えば、エルドステイン、アセチルシステイン、ブロムヘキシン(bromheksin)、カルボシステイン(carbocyslcine)、グアイフェネシン(guiafencsin)およびヨウ素化グリセリン)。

喘息(例えば、アレルギー性喘息)を予防、抑止または治療するために、本発明の抗体と投与され得る他の適切な共治療薬としては、副腎皮質ステロイド(例えば、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルチカゾン)、クロモグリケイト、ネドクロミル、β−アゴニスト(例えば、サルブタモール、テルブタリン、バンブテロール、フェノテロール、レプロテロール、ツロブテロール(tolubuterol)、サルメテロール、フォムテロ(fomtero))、ザフィルルカスト、サルメテロール、プレドニゾン、プレドニゾロン、テオフィリン、ジレウトン(zileutron)、モンテルカスト、およびロイコトリエン修飾物質(leukotriene modifier)が挙げられる。本発明のリガンドは、疾患(例えば、Th−2仲介性疾患、YL−A−仲介性疾患、IL−13仲介性疾患、IL−4仲介性疾患およびがん)を治療するのに適切な種々の共治療薬(サイトカイン、鎮痛剤/解熱剤、制吐薬、および化学療法薬が挙げられる)と共投与され得る。

本発明の抗体は、当該分野で公知の、または本明細書中に記載される薬学的に受容可能な組成物中に提供され得る。用語「生理的に受容可能な」、「薬学的に受容可能な」などとは、動物、より特にヒトにおける使用について、連邦または州政府の規制機関によって承認されるか、米国薬局方または他の一般的に認められた薬局方に掲載されることを意味する。

抗−IL−4、抗−IL−13および二重特異性抗−IL−4/IL−13抗体は、任意の受容可能な様式で哺乳動物、特にヒトに投与され得る。導入の方法としては、非経口、皮下、腹腔内、肺内、鼻腔内、硬膜外、吸入および経口の経路が挙げられるが、これに限定されず、そして免疫抑制療法が望ましい場合、病巣内投与が挙げられる。非経口注入としては、筋肉内、皮内、静脈内、動脈内または腹膜内投与が挙げられる。抗体または組成物は、任意の従来の経路、例えば、注入またはボーラス注射により、上皮層または皮膚粘膜ライニング(mucocutaneous lining)(例えば、口腔粘膜、直腸および腸の粘膜など)からの吸収により投与され得、そして他の生物活性薬剤と共に投与され得る。投与は、全身または局所的であり得る。さらに、脳室内および髄膜注射を含む任意の適切な経路により、本発明の治療的抗体または組成物を中枢神経系に導入することが望ましくあり得;脳室内注射は、例えば、オマヤ漕のような漕に取り付けられた脳室内カテーテルにより促進され得る。さらに、抗体は、特に抗体の用量減少を伴うパルス注入により適切に投与される。投薬は、投与が短期的かまたは常習的かどうかにある程度依存して、注射、好ましくは静脈内または皮下注射により与えられるのが好ましい。

種々の他の送達系が公知であり、そして本発明の抗体を投与するのに使用され得、これらとしては、例えば、リポソーム、微小粒子、マククロカプセル内へのカプセル化(Langer,Science 249:1527(1990);Treat et al.,Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez−Berestein et al.,eds.,p.353−365(1989);およびLopez−Berestein,ibid.,p.317−327を参照のこと)および化合物を発現し得る組換え細胞;受容体仲介性エンドサイトーシス(例えば、Wu et al.,J Biol Chem 262:4429(1987)を参照のこと);レトロウイルスまたは他のベクターの一部としての核酸の構築物などが挙げられる。

活性成分はまた、例えば、コアセルベーション(coascervation)技術により、または界面重合により調製されるマイクロカプセル、例えば、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセル中、それぞれ、コロイド状薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミン小球体、マイクロエマルション、ナノ粒子およびナノカプセル)中またはマクロエマルション中に封入され得る。このような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第16編,A.Osal,Ed.(1980)に開示されている。

肺投与はまた、例えば、吸入器またはネブライザーの使用により、そしてエアロゾル化剤との製剤を利用し得る。抗体はまた、乾燥粉末組成物の形態で、患者の肺に投与され得る、例えば、米国特許第6,514,496号を参照のこと。

特定の実施形態において、治療を必要とする範囲に局所的に本発明の治療的抗体または組成物を投与することが望ましくあり得る;これは、例えば、限定的ではないが、局所注入、局所適用、注射により、カテーテルにより、坐薬によりまたはインプラントにより達成され得、前記インプラントは、シラスティック(sialastic)膜または繊維のような膜を含む多孔性、非多孔性、ゼリー状の物質である。好ましくは、本発明の抗体を投与する場合、タンパク質を吸収しないか、または吸収する物質の使用に注意する。

さらに別の実施形態でにおいて、抗体は、制御放出系で送達され得る。1つの実施形態において、ポンプが使用され得る(Langer,Science 249:1527(1990);Sefton,CRC Crit Ref Biomed Eng 14:201(1987);Buchwald et al.,Surgery 88:507(1980);およびSaudek et al.,N Engl J Med 321:574(1989)を参照のこと)。別の実施形態において、ポリマー材料が使用され得る(Medical Applications of Controlled Release,Langer et al.,eds.,CRC Press(1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance,Smolen et al.,eds.,Wiley(1984);Ranger et al.,J Macromol Sci Rev Macromol Chem 23:61(1983)を参照のこと;Levy et al.,Science 228:190(1985);During et al.,Ann Neurol 25:351(1989);およびHoward et al.,J Neurosurg 71:105(1989)もまた参照のこと)。さらに別の実施形態において、制御放出系は、治療標的に近接して配置され得る。

ポリペプチドまたは抗体の治療製剤は、望ましい程度の純度を有するポリペプチドを、当該分野で典型的に利用される任意の「薬学的に受容可能な」担体、賦形剤、添加物または安定剤、すなわち、緩衝剤、安定剤、保存料、等張化剤(isotonifier)、非イオン性界面活性剤、酸化防止剤および他の多方面の添加物と混合することにより、凍結乾燥製剤または水溶液として貯蔵するために調製され得る、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第16編,Osol,ed.(1980)を参照のこと。このような添加物は、一般に、利用される投薬量および濃度でレシピエントに対して非毒性であり、従って、添加物、賦形剤、担体などは薬学的に受容可能である。

「単離された」または「精製された」抗体は、タンパク質由来の細胞もしくは組織供給源または培地由来の細胞物質または他の夾雑タンパク質を実質的に含まないか、または化 学合成した場合、化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。専門用語「細胞物質を実質的に含まない」は、ポリペプチド/タンパク質が、それが単離されたか組換えにより生産された細胞の細胞成分から分離される抗体の調製物を含む。従って、細胞物質を実質的に含まない抗体は、約30%、20%、10%、5%、2.5%または1%(乾燥重量で)未満の夾雑タンパク質を有する抗体の調製物を含む。抗体を組換え的に生産する場合、培地もまた実質的に含まない、すなわち、培地がタンパク質調製物の約20%、10%、5%、2.5%または1%未満の量を示すことが好ましい。抗体を化学合成により生産する場合、化学前駆体または他の化学物質および試薬を実質的に含まない、すなわち、目的の抗体がタンパク質合成に関する化学前駆体または他の化学物質から分離されていることが好ましい。従って、抗体のこのような調製物は、約30%、20%、10%、5%または1%(乾燥重量で)未満の化学前駆体または目的の抗体以外の化合物を有する。本発明の好ましい実施形態において、抗体は単離または精製される。

本明細書中で使用される場合、語句「低レベルから検出不可能なレベルの凝集」とは、例えば、高速サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)により測定されるように、タンパク質質量でわずか5%、わずか4%、わずか3%、わずか2%、わずか1%およびしばしばわずか0.5%の凝集を含むサンプルをいう。

本明細書中で使用される場合、用語「低レベルから検出不可能なレベルの断片化」とは、例えば、HPSECにより決定される場合に単一ピーク中に、または例えば、還元キャピラリーゲル電気泳動(rCGE)により2つのピーク(重鎖および軽鎖)中に、全タンパク質の80%、85%、90%、95%、98%または99%以上を含むサンプルおよび各々全タンパク質の5%より多い、4%より多い、3%より多い、2%より多い、1%より多いまたは0.5%より多くを有する他の単一ピークを含まないサンプルをいう。本明細書中で使用される場合、rCGEとは、抗体または抗体型または誘導される分子中のジスルフィド結合を還元するのに十分な還元条件下でのキャピラリーゲル電気泳動をいう。

本明細書中で使用される場合、IL−4および/またはIL−13抗体またはそれらの結合フラグメントを含む液体製剤に関連する用語「安定性」および「安定した」とは、一定の製造、調製、輸送および貯蔵条件下で、熱および化学変性、凝集、分解または断片化に対する、製剤中の抗体またはそれらの抗原結合フラグメントの耐性をいう。本発明の「安定した」製剤は、一定の製造、調製、輸送および貯蔵条件下で、80%、85%、90%、95%、98%、99%または99.5%以上の生物活性を保持する。前記抗体調製物の安定性は、当業者に公知の方法による凝集、分解または断片化の程度により評価され得、この方法としては、参照と比較されるrCGE、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)およびHPSECが挙げられるが、これらに限定されない。

用語「担体」とは、それと共に治療薬が投与される希釈剤、アジュバント、添加剤またはビヒクルをいう。このような生理学的担体は、滅菌液、例えば、水および油(石油、動物、植物または合成由来のもの、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などを含む)であり得る。医薬組成物が静脈に投与される場合、水が適切な担体である。生理食塩水ならびに水性デキストロースおよびグリセリン溶液はまた、液体担体、特に注射可能な溶液として利用され得る。適切な医薬添加剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂粉乳、グリセリン、プロピレングリコール、水、エタノールなどが挙げられる。所望の場合、組成物は、少量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝剤を含み得る。組成物は、溶液、懸濁液、エマルション、錠剤、ピル剤、カプセル剤、粉末、徐放製剤、デポー剤などの形態をと り得る。組成物は、伝統的なバインダーおよび担体、例えば、トリグリセリドを用いて坐薬として製剤され得る。経口製剤は、標準的な担体、例えば、医薬等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含み得る。適切な担体の例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」Martinに記載されている。このような組成物は、患者への適切な投与のための形態を提供するように適切な量の担体と共に、好ましくは精製形態の有効量の抗体を含む。当該分野で公知なように、製剤は、投与様式に適合するように構成される。

緩衝剤は、生理学的条件に近い範囲にpHを維持するのを助ける。緩衝剤は、約2mMから約50mMの範囲の濃度で存在するのが好ましい。本発明と共に使用するのに適切な緩衝剤としては、有機酸および無機酸の両方、およびそれらの塩、例えば、クエン酸緩衝剤(例えば、クエン酸一ナトリウム−クエン酸二ナトリウム混合物、クエン酸−クエン酸三ナトリウム混合物、クエン酸−クエン酸一ナトリウム混合物など)、コハク酸緩衝剤(例えば、コハク酸−コハク酸一ナトリウム混合物、コハク酸−水酸化ナトリウム混合物、コハク酸−コハク酸二ナトリウム混合物など)、酒石酸緩衝剤(例えば、酒石酸−酒石酸ナトリウム混合物、酒石酸−酒石酸カリウム混合物、酒石酸−水酸化ナトリウム混合物など)、フマル酸緩衝剤(例えば、フマル酸−フマル酸一ナトリウム混合物、フマル酸−フマル酸二ナトリウム混合物、フマル酸一ナトリウム−フマル酸二ナトリウム混合物など)、グルコン酸緩衝剤(例えば、グルコン酸−グルコン酸ナトリウム混合物、グルコン酸−水酸化ナトリウム混合物、グルコン酸−グルコン酸カリウム混合物など)、シュウ酸緩衝剤(例えば、シュウ酸−シュウ酸ナトリウム混合物、シュウ酸−水酸化ナトリウム混合物、シュウ酸−シュウ酸カリウム混合物など)、乳酸緩衝剤(例えば、乳酸−乳酸ナトリウム混合物、乳酸−水酸化ナトリウム混合物、乳酸−乳酸カリウム混合物など)および酢酸緩衝剤(例えば、酢酸−酢酸ナトリウム混合物、酢酸−水酸化ナトリウム混合物など)が挙げられる。リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤、トリメチルアミン塩、例えば、Tris、HEPESおよび他のこのように公知の緩衝剤が使用され得る。

保存料は、微生物増殖を抑制するために添加され得、そして0.2%〜1%(w/v)の範囲の量で添加され得る。本発明と共に使用するのに適切な保存料としては、フェノール、ベンジルアルコール、m−クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ハロゲン化ベンザルコニウム(benzyaconium halide)(例えば、塩化物、臭化物およびヨウ化物)、ヘキサメトニウムクロリド、アルキルパラベン、例えば、メチルパラベンまたはプロピルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノールおよび3−ペンタノールが挙げられる。

等張化剤は、本発明の液体組成物の生理的等張性を確保するために存在し、そしてこれらとしては、多価(polhydric)糖アルコール、好ましくは三価またはそれ以上の糖アルコール、例えば、グリセリン、エリトリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトールおよびマンニトールが挙げられる。多価アルコールは、他の成分の相対量を考慮に入れて、約0.1質量%〜約25質量%、好ましくは1質量%〜5質量%の量で存在し得る。

安定剤は、機能が充填剤から、治療薬を可溶化するかまたは変性または容器壁面への付着の防止を助ける添加物にまで及び得る、広義のカテゴリーの添加剤をいう。典型的な安定剤は、多価糖アルコール;アミノ酸、例えば、アルギニン、リシン、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、L−ロイシン、2−フェニルアラニン、グルタミン酸、スレオニンなど、有機糖または糖アルコール、例えば、ラクトース、トレハロース、スタキオース、アラビトール、エリトリトール、マンニトール、ソ ルビトール、キシリトール、リビトール、ミオイニシトール、ガラクチトール、グリセリンなど、イノシトールのようなシクリトールを含む;ポリエチレングリコール;アミノ酸ポリマー;イオウ含有還元剤、例えば、尿素、グルタチオン、チオクト酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリセリン、α−モノチオグリセリンおよびチオ硫酸ナトリウム;低分子量ポリペプチド(すなわち<約10残基);タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、サッカリド、単糖、例えば、キシロース、マンノース、フルクトース、グルコース;二糖、例えば、ラクトース、マルトースおよびスクロース;三糖、例えば、ラフィノース;多糖、例えば、デキストランなどであり得る。安定剤は、1活性タンパク質あたり0.1〜10,000w/wの範囲で存在する。

さらなる種々の添加剤としては、増量剤(例えば、デンプン)、キレート化剤(例えば、EDTA)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、メチオニンまたはビタミンE)および共溶媒が挙げられる。

本明細書中の製剤はまた、治療する特定の適応症の必要に応じて1つより多い活性化合物、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を有するものを含み得る。例えば、免疫抑制剤をさらに提供することが望ましくあり得る。このような分子は、意図される目的に有効な量で組み合わせて適切に存在させられる。

本明細書中で使用される場合、用語「界面活性剤」とは、両親媒性構造を有する有機物質をいい、すなわち、溶解度傾向(solubility tendency)が相対する基、典型的に油溶性炭化水素鎖および水溶性イオン基からなる。界面活性剤は、界面活性部分の変化に依存して、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤に分類され得る。界面活性剤は、しばしば、種々の医薬組成物および生体物質の調製物についての湿潤剤、乳化剤、可溶化剤および分散剤として使用される。

非イオン性界面活性剤または清浄剤(「湿潤剤」としてもまた公知)は、治療薬の可溶化を助けるため、さらに撹拌誘発凝集から治療用タンパク質を保護するために添加され得、これはまた、製剤がタンパク質の変性を引き起こすことなく剪断表面ストレスへの暴露を可能にする。適切な非イオン性界面活性剤としては、ポリソルベート(20、80など)、ポロキサマー(polyoxamer)(184、188など)、Pluronic(R)ポリオールおよびポリオキシエチレンソルビタンモノエーテル(TWEEN−20(R)、TWEEN−80(R)など)が挙げられる。非イオン性界面活性剤は、約0.05mg /ml〜約1.0mg/ml、好ましくは、約0.07mg/ml〜約0.2mg/mlの範囲で存在し得る。

本明細書中で使用される場合、用語「無機塩」とは、金属または金属のように作用する基での酸性水素または酸の一部または全ての置き換えをもたらす炭素を含まない任意の化合物をいい、そしてしばしば、医薬組成物および生体物質の調製物における等張調節化合物(tonicity adjusting compound)として使用される。最も一般的な無機塩は、NaCl、KCl、NaH2PO4などである。

本発明は、診療所または実験室にある市販の冷蔵庫および冷凍庫において見られる温度、例えば、約−20℃〜約5℃で安定性を有する液体製剤を含み、前記安定性は、貯蔵目的について、例えば、約60日間、約120日間、約180日間、約1年間、約2年間またはそれ以上について、例えば、高速サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)で評価される。本発明の液体製剤はまた、使用の前に室温で、少なくとも数時間、例えば、1時間、2時間または約3時間、例えば、HPSECで評価されるような安定性を示す。

用語「小分子」および類似の用語としては、ペプチド、ペプチド模倣薬、アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドアナログ、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、1モルあたり約10,000未満の分子量を有する有機化合物もしくは無機化合物(すわなち、ヘテロオーガニック(heterorganic)化合物および/または有機金属(ganometallic)化合物を含む)、1モルあたり約5,000g未満の分子量を有する有機化合物または無機化合物、1モルあたり約1,000g未満の分子量を有する有機化合物または無機化合物、1モルあたり約500g未満の分子量を有する有機化合物または無機化合物、ならびにこのような化合物の塩、エステル、および他の薬学的に受容可能な形態が挙げられるが、これらに限定されない。

従って、がんの場合において、本発明の抗体は、単独または他のタイプのがん治療薬と組み合わせて投与され、これらのがん治療薬としては、従来の化学療法剤(パクリタキセル、カルボプラチン、シスプラチンおよびドキソルビシン)、抗−EGFR剤(ゲフィチニブ、エルロチニブおよびセツキシマブ)、抗血管形成剤(anti−angiogenesis agent)(ベバシズマブおよびスニチニブ)、さらに免疫調節薬、例えば、インターフェロン−αおよびサリドマイドが挙げられる。

本明細書中で使用される場合、用語「治療薬(therapeutic agent)」および「治療薬(therapeutic agents)」とは、異常なIL−4および/またはIL−13の代謝および活性に関連する疾患、障害、病気などの治療、管理または改善に使用され得る任意の薬剤をいう。

さらに、本発明の抗体は、種々のエフェクター分子、例えば、異種ポリペプチド、薬物、放射性ヌクレオチドまたは毒素に複合され得る、例えば、WO92/08495;WO91/14438;WO89/12624;米国特許第5,314,995号;および欧州特許第396,387号を参照のこと。抗体またはそれらのフラグメントは、治療的部分、例えば、細胞毒(例えば、細胞増殖抑制剤または殺細胞剤(cytocidal agent))、治療薬または放射性金属イオン(例えば、213Biのようなα放射体)に 複合され得る。細胞毒または細胞毒性薬は、細胞に有毒な任意の薬剤を含む。例としては、パクリタキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラセンジオン(dihydroxy anthracindione)、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロールおよびピューロマイシン、ならびにそれらのアナログまたはホモログが挙げられる。治療薬としては、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルおよびダカルバジン(decarbazine))、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシス−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン、ダウノマイシンおよびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ミトラマイシンおよびアントラマイシン(AMC))、ならびに抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)が挙げられるが、これらに限定されない。

抗体にこのような治療的部分を複合させる技術は、周知であり、例えば、Arnon et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Reisfeld et al.(eds.),p.243−56 A lan R.Liss(1985);Hellstrom et al.,Controlled Drug Delivery,第2編,Robinson et al.,eds.,p.623−53,Marcel Dekker(1987);Thorpe,Monoclonal Antibodies ’84:Biological And Clinical Applications,Pinchera et al.,eds.,p.475−506(1985);Monoclonal Antibodies For Cancer Detection and Therapy,Baldwin et al.,eds.,p.303−16,Academic Press(1985);およびThorpe,et al.,Immunol Rev 62:119(1982)を参照のこと。あるいは、抗体は、抗体ヘテロ複合体、例えば、二重特異性抗体を形成するために、第二の抗体に複合され得る、例えば、米国特許第4,676,980号を参照のこと。

本発明の複合体は、所定の生物学的応答を修飾するために使用され得、治療薬または薬物部分は、古典的な化学治療薬に限定されると解釈されるべきでない。例えば、薬物部分は、所望の生物活性を有するタンパク質またはポリペプチドであり得る。このようなタンパク質としては、例えば、毒素、例えば、アブリン、リシンA、シュードモナス外毒素、またはジフテリア毒素;タンパク質、例えば、腫瘍壊死因子、α−インターフェロン、β−インターフェロン、神経成長因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノゲン活性化因子、アポトーシス剤(例えば、TNF−α、TNF−β、AIM I(WO97/33899)、AIM II(WO97/34911)、Fasリガンド(Takahashi et al.,Int Immunol,6:1567(1994))、VEGF(WO99/23105);抗血栓剤;抗血管新生薬、例えば、アンギオスタチンもしくはエンドスタチン));または生物学的応答修飾因子、例えば、リンホカイン、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−6(IL−6)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)または他の成長因子が挙げられ得る。

インビボ投与に使用される製剤は、無菌でなければならない。これは、例えば、除菌膜に通す濾過により達成され得る。例えば、本発明の液体製剤は、0.2μmまたは0.22μmのフィルターを使用する濾過により滅菌され得る。

徐放製剤を調製し得る。徐放製剤の適切な例としては、抗体を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、マトリックスは造形品、例えば、フィルムまたはマトリクスの形態である。徐放マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸とエチル−L−グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン酢酸ビニル、非分解性乳酸−グリコール酸コポリマー(例えば、乳酸−グリコール酸コポリマーからなる注入可能なミクロスフィア)およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が挙げられる。ポリマー(例えば、エチレン−酢酸ビニルおよび乳酸−グリコール酸)は、100日以上、分子の放出を可能にするが、特定のヒドロゲルはより短期間でタンパク質を放出する。関連する機構に依存して、安定化のために合理的なストラテジーが考案され得る。例えば、凝集機構がチオ−ジスルフィド交換による細胞間S−S結合形成であることが見出された場合、スルフヒドリル残基を修飾し、酸性溶液から凍結乾燥させ、水分含量を制御し、適当な添加物、アミノ酸置換を使用し、そして特定のポリマーマトリックス組成物を開発することにより安定化が達成され得る。

抗体または変異体組成物を、良質の医療のための原則(Good Medical Practice)に合 致する様式で、製剤し、投薬し、そして投与する。これに関連し、考慮される因子として は、治療される特定の障害、治療される特定の哺乳動物またはヒト、個々の患者の臨床症状、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与の計画、および医師に公知の他の因子が挙げられる。投与される抗体または変異体の「治療有効量」は、このような考慮により調節され、そしてIL−4および/またはIL−13仲介性疾患、状態または障害を予防、改善または治療するのに必要な最小量であり得る。

場合により、抗体または変異体は、問題の障害を予防または治療するのに現在使用されている、1つまたはそれ以上の薬剤と共に製剤される。このような他の薬剤の有効量は、製剤中に存在する抗体に量、障害または治療の種類および上で議論される他の因子に依存する。これらは、一般に、上記で使用されるのと同じ投薬量および投薬経路またはこれまでに利用される投薬量の約1〜99%で使用される。

本明細書中で使用される場合、用語「有効量」とは、IL−4および/もしくはIL−13仲介性疾患の重症度および/もしくは継続を軽減するか、1つもしくはそれ以上のそれらの症状を改善するか、IL−4および/もしくはIL−13仲介性疾患の進行を阻止するか、または疾患の退行を引き起こすのに十分であるか、またはIL−4および/もしくはIL−13仲介性疾患または1つもしくそれ以上のそれらの症状の発症、再発、発病もしくは進行の予防をもたらすか、またはIL−4および/もしくはIL−13仲介性疾患を治療するのに有用な別の治療(例えば、別の治療薬)の予防および/または治療効果を向上または改善するのに十分である、治療(例えば、予防薬または治療薬)の量をいう。

特定の障害または状態の使用または治療において有効な治療用抗体またはそれらのフラグメントの量は、障害または状態の性質に依存し、そして標準的な臨床技術により決定され得る。可能ならば、本発明の医薬組成物についての(and)用量−反応曲線を始めにインビトロで導き得る。適切な動物モデル系が利用可能である場合、用量−反応曲線を再び得、そして当該分野で公知の方法を実施して、適切なヒト用量を推定するために使用し得る。しかし、当該分野の常識に基づいて、炎症効果の縮小を促進するのに有効な医薬組成物は、例えば、約5〜20ng/ml、および好ましくは、約10〜20ng/mlの局所治療薬濃度で提供され得る。

好ましい実施形態において、治療用ポリペプチド、抗体またはそれらのフラグメントの水溶液が、皮下注射によって投与され得る。各用量は、体重1kgあたり約0.5mg〜約50mg、またはより好ましくは、体重1kgあたり約3mg〜約30mgの範囲であり得る。投薬量は、当該分野で公知の薬学的方法を実施して特定の疾患、患者集団、投与様式などで経験的に確定され得る。

皮下投与の投薬スケジュールは、疾患の種類、疾患の重症度および治療薬に対する対象(subject)の感受性を含む多数の臨床学的因子に依存して、週に1回から毎日の間で変 更され得る。

本発明は、抗体またはそれらのIL−4および/またはIL−13結合フラグメントの液体製剤を調製する方法を提供し、前記方法は、例えば、適切な分子量(mw)カットオフを有する半透膜(例えば、F(ab')2フラグメントについて30 kDカットオフ;およびFabフラグメントについて10 kDカットオフ)を使用して、精製抗体の画分を約15mg/ml、約20mg/ml、約30mg/ml、約40mg/ml、約50mg/ml、約60mg/ml、約70mg/ml、約80mg/ml、約90mg/ml、約100mg/ml、約200mg/ml、約250mg/ml、約300mg/mlまたはそれ以上の最終濃度まで濃縮することを含む。

さらに、本発明はまた、インビボにおいて改善された半減期を有する目的の生成物の安定な液体製剤を含む。従って、目的の抗体は、対象、好ましくはヒトにおいて3日を超える、7日を超える、10日を超える、15日を超える、25日を超える、30日を超える、35日を超える、40日を超える、45日を超える、2ヵ月を超える、3ヵ月を超える、4ヵ月を超える、5ヵ月を超える半減期有する。

インビボでの抗体の血清循環(serum circulation)を延長するために、種々の技術を使用し得る。例えば、不活性ポリマー分子、例えば、高分子量ポリエチレングリコール(PEG)を、多機能リンカーを用いて、または用いずに、抗体のN末端もしくはC末端へのPEGの部位特異的複合により、またはリジン残基上に存在するεアミノ基を介して抗体に結合させ得る。生物活性の損失が最小限となる線状または分枝のポリマー誘導体化が使用され得る。複合の程度をSDS−PAGEおよび質量分析により厳密に監視し、抗体へのPEG分子の適正な複合を確保し得る。未反応のPEGは、サイズ排除クロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーにより、抗体−PEG複合体から分離され得る。PEG誘導体化抗体は、当業者に公知の方法を使用して、例えば、本明細書中に記載の免疫測定法により結合活性について、さらにインビボ有効性について試験され得る。

増加したインビボ半減期を有する抗体はまた、1つまたはそれ以上のアミノ酸修飾(すなわち、置換、挿入または欠失)をIgG定常領域、またはそれらのFcR結合フラグメ ント(例えば、FeまたはヒンジFe領域フラグメント)に導入することにより生成され得る、例えば、WO98/23289;WO97/34631;および米国特許第6,277,375号を参照のこと。

さらに、インビボでより安定な抗体にするか、またはより長いインビボ半減期を有するために抗体をアルブミンに複合し得る。この技術は当技術分野で公知であり、例えば、WO93/15199、WO93/15200およびWO01/77137;ならびに欧州特許第413,622号を参照のこと。抗体はまた、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、公知の保護(protecting)/保護基(blocking)による誘導体化、タンパク質分解的切断、細胞リガンドまたは他のタンパク質への連結などにより修飾され得る。

1つの実施形態において、組成物は、通常の手段に従って、ヒトへの静脈内投与に適している医薬組成物として製剤される。典型的に、静脈内投与のための組成物は、滅菌等張水性緩衝液中の溶液である。必要に応じて、組成物はまた、可溶化剤および注射部位の痛みを和らげるための局部麻酔薬、例えば、リドカインまたは他の「カイン」麻酔薬を含み得る。一般に、成分は、活性剤の量を表示する密閉容器、例えば、アンプルまたはサシェ中の、別個にまたは一緒に混合された単一投薬形態、例えば、凍結乾燥粉末または水を含まない濃縮物のいずれかで提供される。組成物が 注入により投与される場合、これは医薬グレードの滅菌水または生理食塩水を含む点滴ボトルに調剤され得る。組成物が注射により投与される場合、成分が投与の前に混合され得るように、注射のための滅菌水または生理食塩水のアンプルが、例えば、キットに提供され得る。

本発明の液体製剤が目的の生成物の量を表示する密閉容器、例えば、アンプルまたはサシェにパッケージされている、本発明をまた提供する。本発明の液体製剤は、抗体または抗体フラグメントの量または濃度を表示する密閉容器に存在し得る。本発明の液体製剤は、例えば、1ml、2ml、3ml、4ml、5ml、6ml、7ml、8ml、9ml、10ml、15mlまたは20mlの量で、少なくとも15mg/ml、20mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、50mg/ml、60mg/ml、70mg/ml、80mg/ml、90mg/ml、100mg/ml、150mg/ml、200m g/ml、250mg/ml、または300mg/mlのIL−4および/またはIL−13抗体を有する密閉容器で供給され得る。

上記の障害の治療に有用な物質を含む製品が提供される。製品は容器およびラベルを含む。適切な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジおよび試験管が挙げられる。容器は、種々の材料、例えば、ガラスまたはプラスチックから形成され得る。容器は、IL−4および/またはIL−13仲介性障害または疾患を診断、予防または治療するのに有効な組成物を収容しており、そして滅菌アクセスポート(access port)を有し得る(例えば、容器は、皮下注射針により貫通可能なストッパーを有する静脈注射用の溶液バックまたはバイアルであり得る)。容器上のまたは容器に付随するラベルには、組成物が選択された状態の治療に使用されることが示されている。製品は、薬学的に受容可能な緩衝剤、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液およびデキストロース溶液を含む第二の容器をさらに含み得る。緩衝剤、賦形剤、フィルター、針、シリンジおよび添付文書(使用指示書を含む)を含む、市販および使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含んでいてもよい。

ここで、以下の非限定的な実施例により、技術者を手助けするために本発明が例示され、本発明が実施され得るいくつかの実施形態を描写する。

実施例1:マウス抗−ヒトIL−13モノクローナル抗体クローンB−B13のFv領域の配列決定 以下の方法に使用した試薬は、Cell Sciences,Inc.(Canton,MA,USA)から購入したマウス抗−IL−13モノクローナル抗体クローンB−B13であった。Cell SciencesはDiaclone(Besancon,F rance)の米国販売業者であり、抗体B−B13を製造する。

エドマンN末端配列決定および質量分光分析の組み合わせにより、抗−IL−13モノクローナル抗体クローンB−B13のアミノ酸配列を決定した。ポリペプチドまたはペプチドフラグメントを作成するために、抗体を以下の異なるアプローチにかけ、そして続いて、タンパク質配列データベースペプチドマッチングに関連するエドマンN末端配列決定および液体クロマトグラフィー/質量分析/質量分析(LC−MS/MS)にかけるサンプルを調製するために、これらを異なるアプローチにより分別した。

未処理であるか、または重鎖および軽鎖を分離するためにpyrogluアミノペプチダーゼで処理した抗体のSDS−Pageに続き、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜へのブロッティングおよびバンドのエドマンN末端配列決定。

抗体の特異的プロテアーゼを用いる制限された部分的タンパク質分解に続き、SDS−PageおよびPVDF膜へのブロッティングおよびバンドのエドマンN末端配列決定。

全抗体、または重鎖および軽鎖のSDS−Pageゲルバンドの制限された部分的化学分解に続き、SDS−PageおよびPVDF膜へのブロッティングおよびバンドのエドマンN末端配列決定。

特異的プロテアーゼを用いる全抗体または重鎖および軽鎖のSDS−Pageゲルバンドのタンパク質分解およびLC/MS/MS分析。

特異的プロテアーゼを用いる重鎖および軽鎖のSDS−Pageゲルバンドのタンパク質分解に続き、逆相高速液体クロマトグラフィーの分別(rp−hplc)、その後のエ ドマンN末端配列決定および画分のLC/MS/MS分析。

プロテアーゼパパインを用いる抗体の制限タンパク質分解、SDS−PageによるFd(抗体重鎖のVH−CH1フラグメント)ゲルバンドの分別、特異的プロテアーゼを用いるタンパク質分解、逆相高速液体クロマトグラフィー(rp−hplc)、その後のエドマンN末端配列決定および画分のLC/MS/MS分析。

実施例2:マウス抗−ヒトIL−4モノクローナル抗体クローン8D4−8のFv領域の配列決定 試薬のマウス抗−IL−4モノクローナル抗体クローン8D4−8を、Biozol diagnostica Vertrieb GmbH(Eching,Germany)から購入した。BiozolはBioLegend(San Diego,CA,USA)のドイツ販売業社であり、抗体8D4−8を製造する。

エドマン配列決定および質量分析の組み合わせにより、マウスモノクローナル抗−IL−4抗体(クローン8D4−8)のアミノ酸配列を決定した(Pham et al.,2006,Anal.Biochem.352:77−86;Roberts et al.,2005,Anal.Chem.67:3613−25)。簡潔に、まず抗体を軽鎖および重鎖に分離し、次いで各鎖を配列特異的プロテアーゼにより、または化学的に切断した。得られたペプチドを逆相クロマトグラフィーにより分離し、そしてマトリクス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI)および/またはLC−MS/MSにより分析した。次いで、固有のペプチドさらにインタクトな重鎖および軽鎖を、タンパク質配列の一義的決定のためにエドマン配列決定に供した。

実施例3:マウス抗−ヒトIL−13モノクローナル抗体クローンB−B13のFv領域のヒト化 本明細書で上述したヒト化プロトコルを使用して、B−B13クローンをヒト化した。問題のある残基(脱アミド部位、溶媒露出メチオニン、酸に不安定な(acide labile)部位)に対処するために、CDR中に突然変異を含む6つのヒト化バージョンを提案した。

B−B13のVLおよびVH配列を、Protein Data Bank(PDB)の2007、7月バージョンに対してブラストした。最も類似する軽鎖および重鎖アミノ酸配列が読み出された。可変軽鎖に対してそっくりなホモログが1EGJに見出された。重鎖にそっくりなホモログが1FNSに見出された。構造1EGJおよび1FNSを使用して可変領域のホモロジーモデルを構築し、これは後にMolecular Operating Environment(MOE)において実行される標準手順を使用して、エネルギーを最小化された。MOEは、Chemical Computing groupにより配布されたコンピュータを使用した薬物設計のための総合的なソフトウェア一式である。続いて、B−B13の3Dホモロジーモデルの分子力学(MD)計算を、Generalized Born陰溶媒中、1.7ナノ秒間実施した。次いで、MD軌道から得られた1,700のスナップショットを使用して、参照メドイド位置(reference medoid position)と比較して、各B−B13アミノ酸について、その標準偏差(rmsd)の分布を計算した。最終的に、各アミノ酸のrmsd分布と全体的なrmsd分布を比較する統計的検定を使用して、MDの間に見られるように、アミノ酸が十分に柔軟である場合、B−細胞受容体と相互作用し、そして免疫応答の活性化の原因となる可能性があると決定される。マウスB−B13可変領域の柔軟な位置を、局所的にダウンロードしたImMunoGeneTics Databaseの2007年1月バージョンのヒト抗体配列の対応する位置と比較した。これらの柔軟性残基の3D構造を保存する平均残基および数個の隣接残基よりも3倍大きい柔軟性を示す残基のみが、 検索のために保持された。マウスB−B13抗体可変領域柔軟性残基を置き換えるために、CDRが5.0Å以内である位置を特に考慮して、最も一致する柔軟性残基を有するヒト抗体可変領域を選択した。問題のある残基を避けるために、CDR中の多数の突然変異がまた、提案されたバージョンに含まれた。以下の配列モチーフを考察した:Asp−Pro(酸に不安定な(acide labile)結合)、Asn−X−Ser/Thr(グリコシル化)、Asn−Gly/Ser/Thr(露出範囲における脱アミド部位)、Met(露出範囲における酸化)。得られたヒト化配列を、配列類似性について合理的仮定がなされていると確信を得るUniProtKB/Swiss−Protデータベースに対してブラストした。全ての配列が多数のヒト抗体に対して高い程度で類似性を示すことが見出された。さらに、配列はImmune Epitope Database and Analysis Resource(IEDBデータベース)に列挙される既知のB−またはT−細胞エピトープを全く含んでいなかった。

重鎖の3つのバージョン(H1、H2、H3)および軽鎖の3つのバージョン(L1、L2、L3)を提案した。軽鎖の3つのバージョンはCAA83271.1(Genebank 受託番号 CAA83271)由来である。L1バージョンは4つの突然変異を有する。L2バージョンは、CDR3中のDP部位(Pro99)を除去するために、さらなる突然変異を含む。2つの推定される脱アミド部位(N34Q、N96A)であるL2と比較した場合、L3はCDR中に位置する2つのさらなる突然変異を組み込む。重鎖のH1、H2およびH3バージョンはCAC39364.1(Genebank 受託番号 CAC39364)由来である。この鋳型は、トップスコアリング鋳型(top scoring template)ではないが、既知の免疫原性配列との高い相同性(>70%)を示す配列を含まない最も高いスコアリング鋳型であった。H1バージョンは6つの突然変異を含み、そしてH2配列は、3つの脱アミド部位(N60A、N73T、およびN83T)を避けるために、2つのさらなる突然変異を組み込む。アミノ酸(amino acidy)の順次番号付けは、タンパク質内でそれらの自然順序を示す(N−末端からC−末端)。H3は、有効性を改善すると考えられる2つのさらなる突然変異(Y100RおよびD106K)を含む。VLおよびVH変異体の6つの組み合わせを、ヒト化抗体の作成に推奨した:VL1×VH1、VL2×VH2、VL1×VH3、VL3×VH1、VL3×VH2およびVL3×VH3。表1に示したように、本願の詳細な説明の節に示される再表面形成技術を使用して、アミノ酸変化をヒト化B−B13 VLおよびVH変異体になした。左欄は、マウスB−B13 mAb中の元のアミノ酸およびそれらの位置を示す。

実施例4:マウス抗−ヒトIL−4モノクローナル抗体クローン8D4−8のFv領域のヒト化 本明細書中に上記されるヒト化(再表面形成)技術を使用して、8D4−8クローンをヒト化した。2つのヒト化バージョンを提案した。1つバージョンは、問題のある残基(露出した酸に不安定な(acide labile)位置)に対処すると考えられた重鎖のCDR中に1つの突然変異を含む。

8D4−8のVLおよびVH配列を、PDBの2007、7月バージョンに対してブラストした。最も類似する軽鎖および重鎖アミノ酸配列が読み出された。可変軽鎖に対してそっくりなホモログが1YDJである。重鎖にそっくりなホモログが1IQWに見出された。構造1YDJおよび1IQWを使用して可変領域のホモロジーモデルを構築し、これは後にMOEにおいて実行される標準手順を使用して、エネルギーを最小化された。続いて、8D4−8の3Dホモロジーモデルの分子力学(MD)計算を、Generaliz ed Born陰溶媒中、1.7ナノ秒間実施した。次いで、MD軌道から得られた1,700のスナップショットを使用して、参照メドイド位置と比較して、各8D4アミノ酸について、その標準偏差(rmsd)の分布を計算した。最終的に、各アミノ酸のrmsd分布と全体的なrmsd分布を比較する統計的検定を使用して、MDの間に見られるように、アミノ酸が十分に柔軟である場合、B−細胞受容体と相互作用し、そして免疫応答の活性化の原因となる可能性があると決定される。マウス8D4−8可変領域の柔軟な位置を、局所的にダウンロードしたImMunoGeneTics Databaseの2007年1月バージョンのヒト抗体配列の対応する位置と比較した。これらの柔軟性残基の3D構造を保存する平均残基および数個の隣接残基よりも3倍大きい柔軟性を示す残基のみが、検索のために保持された。マウス8D4−8抗体可変領域柔軟性残基を置き換えるために、CDRが5.0Å以内である位置を特に考慮して、最も同一な柔軟性残基を有するヒト抗体可変領域を選択した。最終的に、問題のある残基を避けるために、いくつかのさらなる突然変異がまたなされた。以下の配列モチーフを考察した:Asp−Pro(酸に不安定な(acide labile)結合)、Asn−X−Ser/Thr(グリコシル化)、Asn−Gly/Ser/Thr(露出範囲における脱アミド)、Met(露出範囲における酸化)。唯一見出された問題のある残基は、重鎖のCDR2中のDP部位であった。得られたヒト化配列を、配列類似性について合理的仮定がなされていると確信を得るUniProtKB/Swiss−Protデータベースに対してブラストした。全ての配列が多数のヒト抗体に対して高い程度で類似性を示した。さらに、配列はIEDBデータベースに列挙される既知のB−またはT−細胞エピトープを全く含んでいなかった。

重鎖の2つのバージョン(H1、H2)および軽鎖の1つのバージョン(L1)を提案した。軽鎖のL1バージョンはBAC01676.1(Genebank 受託番号 BAC01676)由来である。L1バージョンは3つの突然変異を有する。重鎖のH1およびH2バージョンはBAC02418.1(Genebank 受託番号 BAC02418)由来である。H1バージョンは9つの突然変異を含み、そしてH2バージョンは、CDR2中のDP部位(Pro53)を除去するためにさらなる1つの突然変異を含む。2つの組み合わせ、VL1×VH1およびVL1×VH2が調製された。

表2は、ヒト化(再表面形成)技術を使用する、ヒト化8D4−8 VLおよびVH変異体中でなされるアミノ酸変化を示す。左欄は、マウス8D4−8 mAb中の元のアミノ酸およびそれらの位置を示す。

実施例5:キメラ抗−IL−13クローンB−B13モノクローナル抗体、キメラ抗−IL−4クローン8D4−8モノクローナル抗体およびヒト化変異体のクローニングおよび生成 抗−IL−13クローンB−B13および抗−IL−4クローン8D4−8の可変重鎖および軽鎖のアミノ酸配列をそれぞれ、Young L.and Dong Q.(Nucl.Acids Res.(2004),32(7),e59)により記載されるオーバーラップ伸長PCR(OE−PCR)の改良プロトコルを使用してヌクレオチド配列に逆翻訳し、そして生成した。PCR産物をInvitrogen TOPO TAクローニングキット(Cat # 45−0641)を使用して、pCR(R)4−TOPO中で クローニングし、そしてM13順方向およびM13逆方向プライマーを使用して配列決定した。可変領域をそれぞれ、定常重鎖(IGHG1、Genebank 受託番号 Q569F4)または軽鎖(IGKC、Genebank 受託番号 Q502W4)と共に融合し、NheIおよびHindIIIで消化し、そしてキメラB−B13−重鎖および軽鎖ならびにキメラ8D4−8重鎖および軽鎖の哺乳動物発現のためのプラスミドを作製するエピソーム発現ベクターpXL(Durocher et al.(2002),Nucl.Acids Res.30(2),E9により記載されるpTTベクターのアナログ)のNheI/HindIII部位に各々ライゲーションした。

抗−IL−13クローンB−B13および抗−IL−4クローン8D4−8のヒト化変異体をコードする発現クローンをまた、元の配列の提案されたアミノ酸交換に基づいて、 オーバーラップ伸長PCR(OE−PCR)により合成的に生成した。

抗体の重鎖および軽鎖をコードする発現プラスミドを大腸菌DH5aで増殖させた。トランスフェクションに使用したプラスミドを、Qiagen EndoFree Plasmid Megaキットを使用して、大腸菌から調製した。

トランスフェクションのために、HEK293FreeStyle細胞(Invitrogen)を、500mL振とうフラスコ中の無血清FreeStyle培地(Invitrogen)(100mL容量)に3×105細胞/mLで播種した。細胞を8% C O2の湿気のある環境で、110rpmのオービタルシェーカープラットホーム回転(o rbital shaker platform rotating)上、37℃のインキュベーター中で培養した。

播種の3日後の生存細胞および全細胞を、CASY電子細胞カウンター(Scharf e System GmbH)で決定した。トランスフェクションのために、90%以上の生存率を有する細胞を1〜1.5×106 細胞/mLの細胞密度で使用した。製造業者により記載された条件で、DNA:FugeneHD 2:7の比率でFugeneHD(Roche)を使用して、重鎖および軽鎖の発現プラスミドの混合物(5×10-7μgDNA/細胞)を含む500mL振とうフラスコ中で、細胞(100mL)をトランスフェクトした。トラスフェクト細胞を、110rpmのオービタルシェーカープラットホーム回転上37℃のインキュベーター(8% CO2)中で7日間培養した。

Nunc F96−MaxiSorp−Immunoプレートをヤギ抗−ヒトIgG(Fc特異的)[NatuTec A80−104A]でコーティングした。抗体を炭酸塩コーティング緩衝液(carbonate coating buffer)(50mM 炭酸ナトリウム pH 9.6)中10μg/mlまで希釈し、そして1ウェルあたり50μLで分注した。プレートを粘着テープで密閉し、そして4℃で一晩保存した。プレートを洗浄緩衝液(PBS pH.4 0.1% Tween20)で3回洗浄した。ブロッキング溶液(1% BSA/PBS)(150μL)を各ウェルに分注し、プレートをカバーした。RTで1時間後、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した。サンプルまたは標準物質(1500ng/ml〜120ng/mlの範囲)(100μL)を添加し、そしてRTで1時間そのままにしておいた。プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した。インキュベート溶液(0.1%BSA、PBS pH7.4、0.05% Tween20)を使用して1:10.000に希釈したヤギ抗−ヒトIgG−FC−HRP複合体[NatuTec A80−104P−60](100μL)を添加した。RTで1時間インキュベートした後、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した。ABTS基質(0.1M Na2 HPO4、0.05M クエン酸溶液、pH5.0中10mg ABTS タブレット( Pierce 34026)、使用前に30% H2O2(10μL)/基質溶液(10ml)を添加)(100μL)を各ウェルに分注し、発色させた。発色した後(約10〜15分)、1% SDS溶液(50μL)を添加し、反応を停止した。プレートをA405で読んだ。

タンパク質をプロテインA(HiTrapTM Protein A HP Columns、GE Life Sciences)上のアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。100mM NaClを含む100mM 酢酸緩衝液(pH3.5)を用いてカラムから溶出した後、モノクローナル抗体をPBS中で形成させ(formulate)、そして0.22μmで濾過した。280nmで吸光度を測定することにより、タンパク質濃度を決定した。還元性条件下および非還元性条件下、Agilent 2100バイオアナライザー上のProtein 200 Plus LabChipキットを使用して、各バッチを分析し、各サブユニットおよび単量体の純度および分子量を決定した 。

実施例6:ヒト化抗−IL−13クローンB−B13変異体およびヒト化抗−IL−4クローン8D4−8変異体の特徴付け 試薬の組換えヒトIL−13およびIL−4をChemicon(USA)から購入した。Biacore動力学的分析を以下のように実施した。

精製された抗体の詳細な動力学的特性化のために、Biacore 3000(GE Healthcare)の表面プラズモン共鳴技術を使用した。調査される抗体の捕捉および方向のために、特定の特異的抗体(例えば、ヒト−Fc特異的MAB 1302、Chemicon)を使用する捕捉アッセイ(capture assay)を使用した。標準的な手順を使用して、調査グレード(research grade)CM5チップ(GE Life Sciences)上の第一級アミン基(10000RU)を介して、捕捉抗体を固定化した。分析される抗体を、10μl/分の流速で、30RUの最大検体結合をもたらす調整されたRU値で捕捉した。HBS EP(10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、3mM EDTA、0.005% 界面活性剤P20)中、30μl/分の流速で、0〜50nMの濃度範囲にわたって組換えヒトIL−4およびIL−13についての結合反応速度を測定した。チップ表面を10 mM グリシンpH2.5で再生した。参照として捕捉抗体を用いずに、フローセルを使用して、BIA評価プログラムパッケージ中で速度パラメータを分析し、そして計算した。両方の抗原の付加結合を調査するために、1つの抗原を注入し、即座に次のIL−13/IL−4の抗原混合物を注入するウィザード駆動型共注入(wizard−driven co−inject)法を適用した。

TF−1細胞中のIL−4またはIL−13仲介性細胞増殖の阻害を測定することにより、生物活性について本発明の抗体を測定した。簡潔には、本発明者は、TF−1細胞の増殖を刺激するためにIL−4またはIL−13を使用した。TF−1は、サイトカインに増殖を依存し、そしてIL−4およびIL−13を含む多くのサイトカインに応答する細胞株である。(サイトカインの不在下の基準状態と比較して)誘導された増殖が、IL−4またはIL−13の生物活性を示す。抗−IL−4、抗−IL−13および二重特異性抗−IL−4/IL−13抗体が、IL−4またはIL−13誘発性TF−1細胞増殖を阻害することを示した。さらに、二重特異性抗−IL−4/IL−13抗体が、複合IL−4およびIL−13刺激により誘導されるTF−1細胞増殖を阻害することを示した。その標的、すなわち、IL−4またはIL−13に対する中和抗体有効性(antibody neutralization potency)としてのIC50(50%阻害の抗体濃度)を生成(generat)させるために、阻害効果を用量依存的に測定した。利用される方法の詳細を以下により詳細に記載する。

4ng/mlの最終濃度で、新たに添加したhGM−CSFを含む完全培地(高グルコース、25mM Hepes 緩衝剤およびグルタミン、10% FBS、1×P/S、1mM ピルビン酸ナトリウムを含むDMEM)中でTF−1細胞(ATCC、CRL−2003)を維持した。24時間前に、IL−13(15ng/ml)またはIL−4(1ng/ml)処理。0.05×106/mlで細胞を96−ウェルプレート中のhGM −CSFを含まない完全培地中に播種した。細胞を添加する前に、対応するサイトカインを含む抗体の連続希釈を、37℃で30分間プレインキュベートした。細胞を72時間培養した(37℃、5% CO2)。cellTiter96 AqueousのMTS/ PMS溶液を添加した。次いで、細胞を3時間インキュベートした。その期間後、プレートリーダーを使用して、490 nmでの吸光度を読み取った。Speedソフトウェアを使用してIC50値を計算した。

ヒト化B−B13変異体の結合反応速度および中和活性を表3に示す(nt、試験されず)。

ヒト化B−B13変異体の1つ、huB−B13 VL3×VH2は、元のマウスB−B13(13倍)およびキメラB−B13(6倍)と比較して有意に高い親和性を有する。これらのヒト化抗−IL−13抗体を使用して、喘息患者を治療する場合、改善された親和性は有効性および効果の増強をもたらし得る。さらに、ヒトにおいて使用される場合、マウス抗体またはキメラ抗体と比較して、ヒト化抗体は、免疫原性を減少させ得る。

ヒト化8D4−8変異体の結合反応速度および中和活性を表4に示す。

ヒト化8D4−8変異体の1つ、hu8D4−8 VL1×VH1は、元のマウス8D4−8(11倍)およびキメラ8D4−8(2倍)と比較して有意に高い親和性を有する。このヒト化抗−IL−4抗体を使用して、喘息患者を治療する場合、改善された親和性は有効性および効果の増強をもたらし得る。さらに、ヒトにおいて使用される場合、マウス抗体またはキメラ抗体と比較して、ヒト化抗体は、免疫原性を減少させ得る。

実施例7:ヒト化抗−IL−4/IL−13二重特異性抗体のクローニングおよび生成 二重特異性抗体(BsAb)の発現に使用される形式は、米国特許第5,989,830号に記載される二重領域ダブルヘッド形式(dual domain double head format)のIgG変異体である。この形式において、第二の抗体のさらなる可変領域により、対応する重鎖および軽鎖上のそのN末端で、IgG分子を伸張する。従って、得られたIgG分子は、2つの重鎖および2つの軽鎖からなるヘテロ四量体である。重鎖は、10のアミノ酸(G4S)2からなるリンカーにより結合され、そしてI gG4定常領域に融合した2つの異なる抗体に由来する2つの可変重鎖領域(VH1−VH2)からなる。軽鎖は、10のアミノ酸(G4S)2からなるリンカーにより結合され 、そして定常κ領域に融合した2つの異なる抗体に由来する2つの可変軽鎖領域(VL1−VL2)からなる。

8D4−8変異体の可変重鎖および軽鎖領域の配列を、(G4S)2−(GGA TC C)−8D4−8の一部をコードするそれぞれの5’末端にBamHI 制限酵素認識部位(GGA TCC)を導入するPCRにより生成した。8D4−8ヒト化変異体のVHの3’配列は、IGHG4配列(Q569F4、末端のLysの欠失ならびに2つの突然変異S241PおよびL248Eを有する)に後で融合するために、ApaI制限酵素認識部位(CH1領域の始めのアミノ酸をコードする)を用いて終結した。VL8D4−8の3’末端は、IGKC(Gene Bank 受託番号 Q502W4)に後で融合するために、定常κ鎖の始めの2つのアミノ酸をコードするBsiWI制限酵素認識部位を用いて終結した。

B−B13変異体の可変重鎖および軽鎖領域の配列を、(G4S)2−(B−B13) −(GGA GGC GGA GGG TCC GGA GGC GGA GGA TCC(配列番号7))の一部をコードするそれぞれの3’末端にBamHI制限酵素認識部位を導入するPCRにより生成させた。B−B13変異体のVHおよびVLの両方の配列を、それぞれの5’末端にNheI制限酵素認識部位、次いで、ATG開始コドンおよびリーダーペプチドコード配列を用いて生成させた。

B−B13および8D4−8のVHを、(G4S)2リンカー内でそれらのBamHI 部位を介して融合した。B−B13および8D4−8のVLを、(G4S)2リンカー内 でそれらのBamHI部位を介して互いに融合した。従って、生成された重鎖および軽鎖のタンデムは、以下の組成を有した。

二重特異性抗体重鎖:NheI−リーダーペプチド−VH−B−B13−(G4S)2 −VH8D4−8−ApaI。

二重特異性抗体軽鎖:NheI−リーダーペプチド−VL−B−B13−(G4S)2 −VL8D4−8−BsiWI。

中間PCRフラグメントの全てを、Invitrogen TOPO TAクローニングキット(Cat #:45−0641)を使用してpCRR4−TOPOにクローニン グし、そしてM13順方向およびM13逆方向プライマーを使用して配列決定した。

配列確認後、重鎖タンデムをIGHG4配列にそれらのApaI部位を介して融合し、そして可変軽鎖タンデムをIGKCにそれらのBsiWI部位を介して融合した。作製された二重領域重鎖および軽鎖をNheIおよびHindIIIで消化し、そしてそれぞれ、TBTI−重鎖および軽鎖の哺乳動物発現のためのプラスミドを作製するエピソーム発現ベクターpXLのNheI/HindIII部位に各々ライゲーションした。

表5に示されるように、B−B13および8D4−8のヒト化VHおよびVLバージョンの以下の組み合わせに基づいて、4つのヒト化二重特異性抗−IL−4/抗−IL−13構築物を生成させた。

実施例8:ヒト化二重特異性抗体の特徴付け 結合および中和活性アッセイを、前の実施例に記載されるように実施した。

表6は、4つのヒト化抗−IL−4/IL−13抗体変異体の結合反応速度を描く。二重特異性抗体の4つ全ての構築物は、高い親和性でIL−4およびIL−13に結合する。

ヒト化抗−IL−4/IL−13二重特異性抗体変異体の中和活性を表7に要約する。huTBTI3−1_1およびhuTBTI3−2_1の両方が、以下に示されるIC50でIL−13またはIL−4誘発性TF−1細胞増殖を完全に中和した。

突然変異IL−13対立遺伝子は、高頻度で喘息と関連付けられることが周知である(Heinzmann A.et al.,2000,Hum Mol Genet 9,4,p549−559)。従って、突然変異IL−13タンパク質 (ヒトIL−13 R112Q変異体、PeproTech,Rocky Hill,NJ,USA)に対する二重特異性抗体の結合反応速度を研究した。huTBTI3−1_1およびhuTBTI3−2_1は野生型IL−13に類似するIL−13変異体に結合することが、結果により示された。

表8は、突然変異IL−13タンパク質に対するヒト化抗−IL−4/IL−13分子の結合反応速度を示す。

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