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領域的に被覆されたフィルター、排気処理システム及び方法

阅读:851发布:2024-02-11

专利汇可以提供領域的に被覆されたフィルター、排気処理システム及び方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】粒子フィルター上の触媒の高温に曝されることによる劣化を軽減する。 【解決手段】所定の基材を含む粒子フィルター11とNO X 還元触媒12を含む排気処理システムにおいて、上記基材は、入口端と出口端を有し、上記入口端には、貴金属組成物が配置され、上記貴金属組成物は、約300℃未満の 温度 で、フィルター内に捕捉された粒子状物質を燃焼処理させる。上記貴金属が、少なくとも20g/ft 3 の積載量で存在し、上記フィルターの軸方向長さの50%未満とする。上記貴金属が、少なくとも30g/ft 3 の積載量で存在し、上記フィルターの軸方向長さの50%未満とする。 【選択図】図1A,下面是領域的に被覆されたフィルター、排気処理システム及び方法专利的具体信息内容。

NOX及び粒子状物質を含む排気流を処理するための排気処理システムであって、 フィルターを通って流れる排気流中に含まれる粒子状物質を捕捉するための複数の通路と要素を有する基材、及び 粒子フィルターより下流側に配置されたNOX還元触媒を有し、 前記基材は、入口端と出口端を有し、前記入口端は、貴金属組成物を、その上に配置した状態で有し、前記貴金属組成物は、約300℃未満の温度で、燃料に火を付け、及びフィルター内に捕捉された粒子状物質を燃焼処理させるために十分な発熱を発生させることを特徴とする排気処理システム。前記貴金属が、少なくとも20g/ft3の積載量で存在し、そして前記フィルターの軸方向長さの50%未満の範囲に広がっていることを特徴とする請求項1に記載の排気処理システム。前記貴金属が、少なくとも30g/ft3の積載量で存在し、そして前記フィルターの軸方向長さの50%未満の範囲に広がっていることを特徴とする請求項1に記載の排気処理システム。前記貴金属が、少なくとも40g/ft3の積載量で存在し、そして前記フィルターの軸方向長さの50%未満の範囲に広がっていることを特徴とする請求項1に記載の排気処理システム。前記基材が、壁流モノリスの状態であり、 該壁流モノリスは、縦方向に伸びる壁部によって境界付けられた、縦方向に伸びる通路を複数有し、 前記通路は、開口入口端と閉鎖出口端を有する入口通路、及び閉鎖入口端と開口出口端を有する出口通路を有し、 前記壁部は、多孔率が少なくとも40%で、その平均孔径は、少なくとも5ミクロンであり、及び貴金属組成物が壁に浸透し、そして壁部の軸方向長さよりも短い長さで、入口端から出口端へと伸びて入口領域を形成していることを特徴とする請求項4に記載の排気処理システム。縦方向に伸びる壁部が、触媒被覆物を、貴金属組成物の下側に有し、 前記触媒被覆物は、フィルターの軸方向長さの全体に伸びていることを特徴とする請求項5に記載の排気処理システム。前記触媒組成物が、卑金属酸化物を含むことを特徴とする請求項6に記載の排気処理システム。前記触媒組成物が、貴金属組成物を、約20g/ft3以下の量で含むことを特徴とする請求項6に記載の排気処理システム。NOX及び粒子状物質を含む排気流を処理するための排気処理システムであって、 軸方向長さを有する粒子フィルター、及び 前記粒子フィルターから下流側に配置されたNOX還元触媒、 を有し、 前記粒子フィルターは、該フィルターを通って流れる排気流中に含まれる粒子状物質を捕捉するための要素、及び点火酸化触媒組成物を有し、 該点火酸化触媒組成物は、前記粒子フィルターの入口端から出口端に向けて、壁部の軸方向長さよりも短い長さで伸びて入口領域を形成し、且つ約300℃以下の温度で火を付けるのに十分な量を有し、フィルターに捕捉したを燃やすための発熱を発生させることを特徴とする排気処理システム。前記粒子フィルターが、壁流モノリスを有し、 該壁流モノリスは、排気流内に配置され、及び縦方向に伸びる壁部によって境界付けられた、縦方向に伸びる複数の通路を有し、 該通路は、開口入口端と閉鎖出口端を有する入口通路、及び閉鎖入口端と開口出口端を有する出口通路を有し、 前記壁部は、多孔率が少なくとも40%で、その平均孔径は、少なくとも5ミクロンであり、及び、 前記壁流モノリスは、前記壁部に浸透した点火酸化触媒組成物を有することを特徴とする請求項9に記載の排気処理システム。更に、前記NOX還元触媒より下流側に配置されたNH3破壊触媒を有することを特徴とする請求項10に記載の排気処理システム。前記NOX還元触媒が、希薄NOX触媒を有することを特徴とする請求項10に記載の排気処理システム。更に、還元剤導入ポートを、炭化素還元剤と流体的に連結した状態で有し、前記還元剤導入ポートは、前記希薄NOX触媒よりも上流側に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の排気処理システム。前記NOX還元触媒が、希薄NOXトラップを有することを特徴とする請求項12に記載の排気処理システム。前記NOX還元触媒が、SCR触媒を有することを特徴とする請求項12に記載の排気処理システム。更に、SCR触媒よりも上流側に配置された導入ポートを有し、該導入ポートは、アンモニア供給源又はアンモニア前駆体と流体的に連結していることを特徴とする請求項15に記載の排気処理システム。更に、導入ポートと流体的に連結している状態のインジェクターを有し、該インジェクターは、アンモニア又はアンモニア前駆体を排気流に、定期的に計量導入するように構成されていることを特徴とする請求項16に記載の排気処理システム。更に、SCR触媒よりも下流側に配置されたNH3破壊触媒を有することを特徴とする請求項17に記載の排気処理システム。更に、壁流モノリスの上流側に配置された発熱生成剤導入ポートを有し、該発熱生成剤導入ポートは、発熱生成剤と流体的に連結されており、そして壁流モノリス内に蓄積された粒子状物質を定期的に燃焼させるのに十分な温度を発生させることが可能であることを特徴とする請求項10に記載の排気処理システム。発熱生成剤がディーゼル燃料を含むことを特徴とする請求項19に記載の排気処理システム。NOX及び粒子状物質を含む排気流を処理するための排気処理システムであって、 排気流内に配置され、及び縦方向に伸びる壁部によって境界付けられた、縦方向に伸びる複数の通路を有する壁流モノリス、 前記壁流モノリスよりも下流側に配置されたSCR触媒、 アンモニア又はアンモニア前駆体を、前記SCR触媒の上流側の排気流に投入するためのインジェクターを有し、 前記壁流モノリスの前記通路は、開口入口端と閉鎖出口端を有する入口通路、及び閉鎖入口端と開口出口端を有する出口通路を有し、 前記壁流モノリスの前記壁部は、多孔率が少なくとも40%で、平均孔径は、少なくとも5ミクロンであり、及び 前記壁流モノリスは、点火酸化触媒組成物を有し、該点火酸化触媒組成物は、前記壁部に浸透し、及び入口端から出口端に向けて、前記壁部の軸方向長さよりも短い長さで伸びて入口領域を形成していることを特徴とする排気処理システム。更に、前記SCR触媒より下流側に配置されたNH3破壊触媒を有することを特徴とする請求項21に記載の排気処理システム。前記壁流モノリスよりも上流側に配置された発熱生成剤インジェクターを有することを特徴とする請求項22に記載の排気処理システム。ディーゼルエンジンからの排気流を処理する方法であって、 粒子状物質を含む排気流内に、壁流モノリスを配置する手順、 NOX還元触媒を前記壁流モノリスより下流側に配置する手順、及び 壁流モノリスの上流で、発熱生成剤を定期的に導入し、前記壁流モノリス内に捕捉した粒子状物質を燃焼させるのに十分な発熱を前記壁流モノリス内で発生させる工程を含み、 前記壁流モノリスは、縦方向に伸びる壁部によって境界付けられた、縦方向に伸びる複数の通路を有し、 該通路は、開口入口端と閉鎖出口端を有する入口通路、及び閉鎖入口端と開口出口端を有する出口通路を有し、 前記壁部は、多孔率が少なくとも40%で、その平均孔径は、少なくとも5ミクロンであり、及び 前記壁流モノリスは、点火酸化触媒組成物を有し、該点火酸化触媒組成物は、前記壁部に浸透し、及び入口端から出口端に向けて、壁部の軸方向長さよりも短い長さで伸びて入口領域を形成していることを特徴とする方法。

说明书全文

本発明の実施の形態は、概してディーゼル排気処理フィルター、システム及び方法に関する。より特定的には、本発明の実施の形態は、酸化触媒で領域的に被覆された、領域的被覆粒子フィルター(zone coated particulate filter)を含むディーゼル排気処理システム及び方法に関する。

圧縮点火ディーゼルエンジンは、非常に有用であり、そして本質的(特性的)に燃料が経済的で、低速で高いトルクを有するので、乗物の伝導機構として有利性を有する。ディーゼルエンジンは、燃料が非常に少ない状態で、燃料に対する空気の割合(A/F割合)を高くして作動する。このことが理由で、圧縮点火ディーゼルエンジンは、ガス相の炭化素及び二酸化炭素の放出が非常に低い。しかしながら、ディーゼル排気(ディーゼル排気物)は、酸化窒素(NOX)と粒子状物質の排出量が比較的多いという特性を有している。ディーゼルエンジン排気は、一酸化炭素(CO)未燃焼炭化水素(HC)、及び酸化窒素(NOX)等のガス状放出物のみならず、いわゆる粒子状物質又は粒子状物を形成する凝縮物質(液体及び固体)をも含む異成分からなる混合物である。ディーゼルエンジン用の排気処理システムは、世界中の種々の規制機関により設定された排気基準に適合するように、排気物中の全ての成分を処理する必要がある。

ディーゼル排気中の全体の粒子状物質は、主に3種の主成分を含んでいる。一成分は、固体の乾燥した炭素質部分又は部分である。この乾燥した炭素質部分は、ディーゼル排気には付き物である、目視可能な煤の排出の要因となるものである。粒子状物質の第2の成分は、溶解性有機部分(SOF)である。SOFは、ディーゼル排気の温度に依存して、ディーゼル排気中に蒸気としてでも、エアロゾル(噴霧質:液体凝縮物の微細な液滴)としてでも存在可能である。(U.S.等の標準測定テストによって規定された)希薄な排気物中で、52℃の粒子状物質標準収集温度では、SOFは、凝縮した液体として存在する。これらの液体は、二つの発生源から発生する:(1)ピストンが往復動作する度にエンジンのシリンダー壁から排出される潤滑油;及び(2)未燃焼又は部分的に燃焼したディーゼル燃料である。粒子状物質の第3の成分は、いわゆるサルフェート部分である。サルフェート部分は、ディーゼル燃料中に存在する硫黄成分(の少量)で形成されている。

通常では、触媒組成物とこの組成物が配置される基材がディーゼルエンジン排気システムに備えられ、これら排気成分を部分的又は全てを無害の成分に変換する。例えば、酸化触媒(酸化触媒は、ディーゼルエンジンでは、ディーゼル酸化触媒(DOCs)とも称され、白金族金属、卑金属及びこれらの組合せを含む)は、未燃焼炭化水素(HC)と一酸化炭素(CO)のガス状汚染物質、及び粒子状物質について、これらの汚染物質を二酸化炭素と水に変換することによって、ディーゼルエンジン排気の処理を促進する。これらの触媒は、通常、種々の基材(例えば、モノリス基材を通るハニカム)上に配置され、上記基材は、ディーゼルエンジンの排気中に配置され、排気物が大気中に排出される前に処理される。所定の酸化触媒も、NOのNO2への酸化を促進する。

酸化触媒の使用に加え、ディーゼル粒子フィルターが使用され、そしてディーゼル排気処理システム中での粒子状物質の低減が達成される。ディーゼル排気から粒子状物質を除去するフィルターで、公知のものは、ハニカム壁流フィルター、巻き(wound)又は充填(packed)ファイバーフィルター、連続気泡フォーム、焼結金属フィルター等である。しかしながら、以下に記載するセラミック壁流が、最も注目を集めている。これらのフィルターは、ディーゼル排気から、90%以上の粒子状物質を除去することができる。

代表的なセラミック壁流フィルター基材は、コージライト又はシリコンカーバイド等の耐火材料で構成されている。ディーゼルエンジン排気ガスから粒子状物質をろ過するために、壁流基材が特に有用である。ハニカム構造の入口側と出口側の端部で、通路が交互に閉塞した多通路ハニカム構造が共通する構造である。この構造により、各端部で、チェッカーボード型パターンが得られる。入口軸端部で閉塞した通路は、出口軸端部で開口している。これにより、粒子状物質を伴った排気ガスが、開口した入口通路に入り、多孔性内部壁を通って流れ、そして開口した出口軸端部を有する流路(channel)を通って流れ出る。ここで、粒子状物質は、基材の内部壁上でろ過される。ガス圧により、排気ガスは、多孔性構造壁を通って流路(該流路は、上流軸端部が閉塞し、そして下流軸端部が開口している)へと導かれる。粒子が蓄積すると、エンジンのフィルターからの背圧が増す。従って、連続的又は定期的に、蓄積する粒子をフィルターから燃焼処理し、背圧を許容可能(範囲)に維持する必要がある。

壁流基材の内部壁にそって堆積(deposit)した触媒組成物は、フィルター基材の再生を補助(該再生の補助は、蓄積した粒子状物質の燃焼を促進することによる)する。蓄積した粒子状物質の燃焼は、排気システム内の背圧を、許容可能に回復させる。煤燃焼について、多くの適用例では、積極的な煤燃焼(例えば、フィルターの上流での排気物中の高温発熱効果の生成)が必要とされているが、しかしながら、煤燃焼は、消極的なもの(例えば、壁流フィルター上の触媒及び適切な高排気温度)であっても良い。両方の方法(工程)は、粒子状物質を燃焼するために、O2又はN2等のオキシダント(酸化体)を使用する。

消極的再生法は、ディーゼル排気システムの通常の運転範囲内の温度で、粒子状物質を燃焼させる。再生法(再生工程)で使用されるオキシダントは、NO2が好ましい。この理由は、オキシダントとしてO2を使用した場合よりも、かなり低い温度で煤部分が燃焼するからである。O2は、大気から容易に得ることができ、この一方で、NO2は、上流の酸化触媒を使用して排気流中のNOを酸化することによって生成される。消去的再生法の例が、特許文献1(アメリカ合衆国特許No.6,753,294)及び特許文献2(アメリカ合衆国特許No.7,097,817)に開示されている。

積極的再生法は、通常、蓄積された粒子状物質を除去し、そしてフィルター内の背圧を許容可能な背圧に回復させるために必要とされる。粒子状物質の煤部分は、酸素リッチ(希薄)下で燃焼させるのに、500℃以上の温度が必要であるが、この温度は、ディーゼル排気中に存在する一般的な温度よりも高い温度である。積極的再生法は、通常、エンジンの運転状態を変え、フィルターの前側で、500〜630℃の温度に上昇させることにより開始される。運転モード(driving mode)に依存して、再生の間の冷却が充分でない場合(低速/低負荷又はアイドリングモード)には、フィルター内部で高い発熱を発生させることができる。このような発熱は、フィルター内で、800℃以上であって良い。積極的再生を達成するために開発された、ある通常の方法では、可燃性材料(例えば、ディーゼル燃料)を排気中に導入し、フィルターの上流に設けられたディーゼル酸化触媒(DOC)に流入、燃焼させている。この補助的な燃焼による発熱は、フィルター内の煤を短時間(例えば、約2〜20分)で燃焼させるのに必要な顕熱(sensible heat)(例えば、約500〜700℃)を与える。

システムの例は、特許文献3(アメリカ合衆国特許No.6,928,806)に示されている。積極的な再生モードの間、DOCは、低温(例えば、約250〜300℃)の排気物に導入(直接的導入又はエンジンを介しての導入)された燃料に点火し、及び燃焼させ、そしてこれにより発熱を生成し、粒子フィルターに入る排気物を、フィルターから、蓄積した煤を燃焼させるのに充分な温度(約500〜650℃)に加熱し、これによりフィルターを再生して、運転での(煤の蓄積による)フィルターの圧力損失を低減させる。

アメリカ合衆国特許No.6,753,294

アメリカ合衆国特許No.7,097,817

アメリカ合衆国特許No.6,928,806

白金族金属を含む組成物に起因して、材料コストが高くなるので、(積極的再生のため)触媒被覆物の劣化を遅くするか防止する必要がある。壁流フィルターに設けられた触媒被覆物は、活性触媒成分として白金族金属成分をしばしば含み、ディーゼル排気物のガス状放出物(HC、CO)の無害な成分(例えば、CO2、H2O)への許容可能な変換を確実にしている。このような成分の積載(備えること)は、触媒が老化した後であっても、触媒基材が排気規定に適合するように調整される。この結果、白金族金属の使用の効率と耐久性が(基材に沿って)最大となる被覆設計が望ましい。

壁流基材の(ある)通常の被覆物設計は、触媒被覆物の、内壁の軸方向長さの全長にわたる均質な分布を有している。このような設計では、白金族金属の濃度は、一般的には、最も厳しい条件下で排気要件(排気規定)に適合するように調整される。このような条件は、触媒が老化(熟成)した後の触媒の特性を対象とすることが最も多い。必要とされる白金族金属濃度に関するコストは、所望とするコストよりも高くなることがしばしば有る。

上述したことから理解されるように、現在の粒子フィルターシステムは、貴金属材料コストと粒子フィルター上の触媒の(高温に曝されることによる)劣化に関していくつかの問題を有している。従って、これらの問題の一つ以上を軽減する、替わりとなるディーゼルエンジン中排気処理システムと方法を提供することが望ましい。

要約 従って、本発明の実施の形態によれば、粒子フィルター(particulate filter)とNOX還元触媒を含む、排気処理システムが提供される。一つ以上の実施の形態では、所定の基材を含む粒子フィルターが設けられるが、上記基材は、フィルターを通って流れる排気流中に含まれる粒子状物質を捕捉するための通路と要素を有し、及び上記基材は、入口端と出口端を有し、上記入口端は、貴金属組成物を、その上に配置した状態で有し、上記貴金属組成物は、約300℃未満の温度で、燃料に火を付け、及びフィルター内に捕捉された粒子状物質を燃焼処理させるために十分な熱を発生させるものである。一実施の形態では、上記貴金属が、少なくとも20g/ft3の積載量(loading amount)で存在し、そして上記フィルターの軸方向長さの50%未満の範囲に広がっている。他の実施の形態では、上記貴金属が、少なくとも30g/ft3の積載量で存在し、そして上記フィルターの軸方向長さの50%未満の範囲に広がっている。他の実施の形態では、上記貴金属が、少なくとも40g/ft3の積載量で存在し、そして上記フィルターの軸方向長さの50%未満の範囲に広がっている。特定の実施の形態では、上記基材が、壁流モノリスの状態であり、この壁流モノリスは、縦方向に伸びる壁部によって境界付けられた、縦方向に伸びる通路を複数有し、上記通路は、開口入口端と閉鎖出口端を有する入口通路、及び閉鎖入口端と開口出口端を有する出口通路を有し、上記壁部は、多孔率が少なくとも40%で、その平均孔径は、少なくとも5ミクロンであり、及び貴金属組成物が壁に浸透し、そして壁部の軸方向長さよりも短い長さで、入口端から出口端へと伸びて入口領域を形成している。

一実施の形態では、縦方向に伸びる壁部が、触媒被覆物を、貴金属組成物の下側に有し、上記触媒被覆物は、フィルターの軸方向長さの全体に伸びている。一実施の形態では、触媒組成物は、卑金属酸化物(base metal oxide)を有する。触媒組成物は、貴金属組成物を20g/ft3以下の量で有していても良い。

他の実施の形態は、NOX及び粒子状物質を含む排気流を処理するための排気処理システムであって、軸方向長さを有する粒子フィルター、;及び上記粒子フィルターから下流側に配置されたNOX還元触媒、;を有し、前記粒子フィルターは、該フィルターを通って流れる排気流中に含まれる粒子状物質を捕捉するための要素、及び点火酸化触媒組成物を有し、該点火酸化触媒組成物は、前記粒子フィルターの入口端から出口端に向けて、壁部の軸方向長さよりも短い長さで伸びて入口領域を形成し、且つ約300℃以下の温度で火を付けるのに十分な量を有し、フィルターに捕捉した煤を燃やすための発熱を発生させることを特徴とする排気処理システムに関するものである。

本発明の一実施の形態に従えば、NOX及び粒子状物質を含む排気流を処理するための排気処理システムが提供される。このシステムは、壁流モノリスを有し、該壁流モノリスは、排気流内に配置され、及び縦方向に伸びる壁部によって境界付けられた、縦方向に伸びる複数の通路を有し、該通路は、開口入口端と閉鎖出口端を有する入口通路、及び閉鎖入口端と開口出口端を有する出口通路を有し、上記壁部は、多孔率が少なくとも40%で、その平均孔径は、少なくとも5ミクロンである。上記壁流モノリスは、更に、上記壁部に浸透した点火酸化触媒組成物を有し、そして、この点火酸化触媒組成物は、入口端部から出口端部に向けて、壁部の長さよりも短い長さで伸びて入口領域を形成している。このシステムは、更に壁流モノリルから下流側に配置されたNOX還元触媒を有している。ある実施の形態では、このシステムは、上記NOX還元触媒より下流側に配置されたNH3破壊触媒を有していても良い。

一つ以上の実施の形態では、NOX還元触媒が、希薄NOX触媒(lean NOx catalyst)を有する。希薄NOX触媒を含む実施の形態では、システムは更に、還元剤導入ポートを、炭化水素還元剤と流体的に連結した状態で有していて良く、還元剤導入ポートは、希薄NOX触媒よりも上流側に配置されていても良い。他の実施の形態では、NOX還元触媒が、希薄NOXトラップを有する。

一つ以上の実施の形態では、NOX還元触媒が、SCR触媒を有する。SCR触媒を有する実施の形態では、このシステムは、SCR触媒よりも上流側に配置された(任意の)導入ポートを有していて良く、この導入ポートは、アンモニア供給源又はアンモニア前駆体と流体的に連結しても良い。このシステムは、更に、導入ポートと流体的に連結している状態のインジェクターを有していても良く、該インジェクターは、アンモニア又はアンモニア前駆体を排気流に、定期的に計量導入するように構成されていても良い。

一つ以上の実施の形態では、このシステムは、更に、SCR触媒よりも下流側に配置されたNH3破壊触媒を有していても良い。このシステムは、壁流モノリスの上流側に配置された発熱生成剤導入ポートを有していても良く、該配置発熱生成剤導入ポートは、発熱生成剤と流体的に連結されていても良く、そして壁流モノリス内に蓄積された粒子状物質を定期的に燃焼させるのに十分な温度を発生させることが可能であっても良い。発熱生成剤は、ディーゼル燃料等の燃料を含んでいても良い。

本発明の他の実施の形態は、ディーゼルエンジンからの排気流を処理する方法であって、粒子状物質を含む排気流内に、壁流モノリスを配置する手順を含み、上記壁流モノリスは、縦方向に伸びる壁部によって境界付けられた、縦方向に伸びる複数の通路を有し、該通路は、開口入口端と閉鎖出口端を有する入口通路、及び閉鎖入口端と開口出口端を有する出口通路を有し、上記壁部は、多孔率が少なくとも40%で、その平均孔径は、少なくとも5ミクロンであり、及び上記壁流モノリスは、点火酸化触媒を有し、該点火酸化触媒は、上記壁部に浸透し、及び入口端から出口端に向けて、壁部の軸方向長さよりも短い長さで伸びて入口領域を形成していることを特徴とする方法に関する。この方法は、更に、NOX還元触媒を上記壁流モノリスより下流側に配置する手順を含んで良く、及び壁流モノリスの上流で、発熱生成剤を定期的に導入し、壁流モノリス内に捕捉した粒子状物質を燃焼させるのに十分な発熱を壁流モノリス内で発生させる工程を含んでも良い。

図1Aは、本発明の実施の形態に従う排気処理システムの概略図である。

図1Bは、本発明の他の実施の形態に従う排気処理システムの概略図である。

図2は、壁流フィルター基材の斜視図である。

図3は、壁流フィルター基材の断面図である。

図4は、ウレア容器及びインジェクターを有するシステムの実施の形態を示している。

図5は、粒子フィルター出口排気ガス温度を、テスト実行時間(粒子フィルターの上流側で排気物中にディーゼル燃料を補足的に導入している)の関数として示したグラフである。

図6は、粒子フィルター出口排気ガス温度を、粒子フィルターの上流側で排気物中に導入した、補足的なディーゼル燃料の関数として示したグラフである。

図7は、内部温度を測定するために、粒子フィルター基材内に導入された、熱電対の位置を示したダイアグラムである。

図8は、燃料点火テストの間の、粒子フィルターの内部温度(更に、入口及び出口排気ガス温度)を、粒子フィルターの位置の関数として示したグラフである。

図9は、FTIRによって測定されたNO

X及びNO

2の、粒子フィルター出口での合計濃度を示したグラフで、「クリーン」な、煤のない条件と、煤を有する条件についてのものある。

図10は、積極的再生テストの間における、粒子フィルターに煤が積載された状態での、粒子フィルターの排気温度とデルタP(Delta P)を示したグラフである。

発明の詳細な説明 以下に用語について説明する。

「活性アルミナ」は、1種以上のガンマ−、シータ−、及びデルタアルミナを含む、高BET表面積アルミナという通常の意味を有している。

「BET表面積」は、N2吸収によって表面積を測定するためのBrunauer、Emmett、Teller法で使用される、通常の意味を有している。他に特別の記載がなければ、触媒担体成分又は他の触媒成分の表面積は、BET表面積を意味する。

「バルク状態」は、材料(例えば、セリア)の物理的状態を記載するのに使用される場合、材料が、(直径が1〜15ミクロンまたはそれ以下の)バラバラの粒子の状態で存在することを意味し、これは溶液中に分散しているものを、ガンマアルミナ等の他の材料上に設ける場合と対立するものである。例えば、本発明のある実施の形態では、セリアの粒子が、ガンマアルミナの粒子と混合され、セリアがバルク状態で存在する。これは、例えば、アルミナ粒子をセリア前駆体の水溶液で含浸させ、そして「か焼」を行い、アルミナ粒子上に設けられたセリアに変換することに対して対立するものである。

「セリウム成分」は、セリウムの1種以上の酸化物(例えば、CeO2)を意味する。

「上流側」及び「下流側」は、物品、触媒基材又は領域を記載するために使用される場合、排気ガス流の流れの方向を基準にした、排気システムの相対位置を意味する。

「高表面積担体」は、BET表面積が約10m2/g以上、好ましくは150m2/gの担体材料を意味する。

「白金族金属成分」又は「PGM」は、白金族金属又はその酸化物を意味する。好ましい白金族金属は、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム成分及びこれらの組合せである。

「ディーゼル酸化触媒」又は「DOC」は、ディーゼル排気中の、ディーゼル粒子状物質の有機部分、ガス相炭化水素、及び/又は一酸化炭素の放出を低減する、触媒促進の酸化工程に関する。

「積極的再生」は、燃焼可能な物質(例えば、ディーゼル燃料)を排気中に導入し、そして酸化触媒の箇所でこれを燃焼させ、これにより発熱を生成し、フィルターから煤等の粒子状物質を燃焼させるのに必要な熱(例えば、約500〜700℃)を与えることを意味する。

アンモニア破壊触媒又はAMOXは、NH3を、理想的には窒素、しかし通常では窒素NOX及びN2Oの混合物に酸化することを促進する触媒を示す。

「粒子フィルター」は、排気ガス中から煤等の粒子状物質を除去するように設計されたフィルターであり、そして粒子フィルターは、ハニカム壁流フィルター、部分ろ過フィルター、ワイヤーメッシュフィルター、巻ファイバーフィルター、焼結金属フィルター;及びフォームフィルターを含むが、これらに限定されるものではない。

本発明の、例示としての実施の形態をいくつか記載する前に、本発明は、以下に記載した構成や工程(方法)の詳細に限定されるものではないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施の形態も可能であり、そして種々の方法(手段)で行うことが可能なものである。

本発明の一つ以上の実施の形態では、分離した状態の、上流側の点火酸化触媒が、ディーゼルエンジン排気処理システムから除去されて、そして粒子フィルターに直接導入される。この場合、この直接導入は、点火/酸化触媒成分をフィルター流路(filter channel) (フィルター流路は、フィルターの入口端部から出口端分に向けて適切な長さで伸びている)の入口端部に配置することによって行われる。このようにして、積極的再生の間、導入された燃焼性燃料が点火され、そしてフィルターの入口端部で燃焼し、これにより、フィルター内で約500〜700℃の温度で必要な発熱を生成し、フィルターに蓄積した煤を燃焼させる。

本発明の実施の形態に従えば、積極的再生は、フィルターだけで行うことができ、又はフィルター上だけで行うことが可能であり、そしてシステム内で、分離状態の(別個に設けられる状態の)点火酸化触媒が除去される。システムからこの成分(要素)を除去することにより、基材と関連するシステムの被覆が除去されるという利益が得られる。更に、この分離した(別個の)成分の除去は、システムの全体的な大きさ(volume)を小さくし、そして、システムに必要とされる高価な貴金属(PGM)を相当量、低減することを可能にする。更に、点火/酸化触媒を粒子フィルターに設けることにより、エンジンにおける、(燃料消費に関連する)システム全体の背圧を低減できる。更に、(粒子フィルターと粒子状煤フィルターが別々の要素として設けられたシステムと比較して、)NOX還元触媒を含むシステムでは、例えば、統合された点火酸化/粒子フィルターから下流側のSCR触媒又は希薄NOX触媒が、これら下流側の装置のために大量の熱を発生させる。統合された点火酸化/粒子フィルターは、エンジンのより近くに移動させることができる。酸化触媒と煤フィルターの統合でシステムのサイズを小さくすることにより、粒子フィルターリングサブシステムからの熱損失が低減され、これにより下流側の要素(成分)を高温で運転することができる。通常、高温により、触媒の活性が高くなる。そして従って、酸化触媒を粒子フィルターに統合することにより、粒子フィルター内の(粒子フィルターリングサブシステムの下流側に存在する)NOX成分の挙動(特性)が良好になる。

NOX還元触媒が、還元剤としてNH3又はNH3前駆体を使用する場合、別個の(分離した)インジェクターをSCR触媒の上流側に設けることができる。SCR触媒の下流側に設けられた(フィルター再生のための)燃料添加箇所を使用すると、窒素還元触媒は、粒子フィルターの積極的再生に関して極端な高温に曝されることがない。強制的なフィルターの再生に起因する高温に曝されることがないので、SCR触媒の体積を小さくでき、これに対応してコスト低減が図られ、そしてパッキングに有利性が得られる。更に、高温に曝されることがないと、SCR触媒組成に使用できる材料の範囲が広くなる。例えば、バナジウムをゼオライトの替わりに、又はゼオライトと一緒に使用することができ、これによりSCR触媒のコスト低減が図られ、及びその効率が改善される。更に、アンモニア破壊触媒を、SCR触媒が備えられた基材の出口端に統合することができ、これにより、アンモニア破壊触媒を別に設ける必要がなくなる。システムの更なる最適化では、NH3破壊触媒を領域被覆(zone coating)又は均一被覆として煤フィルターに統合することができる。これにより、システム全体の体積(ボリューム)が縮小され、対応してコストの低減が図られそしてパッキングに有利性が得られる。

点火酸化触媒組成物で被覆された壁流基材を使用することにより、点火/酸化触媒機能と粒子状物質除去機能を単一の触媒物品に統合することができる。点火/酸化触媒は、貴金属組成物を充分な量で積載しており、これにより約300℃未満の温度(例えば、220℃〜300℃)で点火が可能となり、フィルターに収集された煤を燃焼除去する発熱を生成する。発熱によって生成された温度は、代表例では、500℃〜700℃の範囲である。粒子フィルターに点火/燃焼機能を導入する方法は多数存在するが、ある方法では、上流側の、粒子フィルター基材(例えば、ハニカム、壁流フィルター基材)の入口端に設けられた触媒の領域として、上記機能の粒子フィルターへの導入が行われ得る。この入口触媒領域は、比較的低温の排気温度である220〜300℃に曝され、及び点火を行うのに充分な触媒活性を有し、加えて、導入された燃料を適切に燃焼させて高温例えば、約500〜700℃を発生するが、この入口触媒領域がフィルターの再生に必要とされる。このことを達成できる触媒組成は種々のものが存在するが、組成物の一例では、貴金属(PGM’s)を適切な担体上に分散した状態で、及び導入された燃料の点火と燃焼に適切な積載量で含む。この詳細を以下に記載する。入口領域は、代表例では、フィルターの軸方向の長さの少なくとも10%に亘って延び、そして種々の実施の形態では、入口領域は、フィルターの軸方向長さの少なくとも約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%で延び、又は約75%以下で延びる。入口領域は、フィルターの壁に直接的に設けられて良く、又は入口領域は、フィルターの軸方向長さ全体に延びる触媒被覆物に形成されても良い。下側に位置する触媒被覆物は、銅、コバルト、クロム、セリウム等の酸化物等の卑金属酸化物又は貴金属組成物であって良い。下側に位置する被覆物が貴金属組成物の場合、積載量は、代表例では、10g/ft3以下である。従って、粒子フィルターは、白金又は他の適切な貴金属の触媒被覆物を10g/ft3で軸方向全体にわたって有していて良い。

本発明の排気処理システムの一実施の形態を図1Aに示す。図1Aに示したように、ガス状の汚染物(未燃焼炭化水素、二酸化炭素及びNOXを含む)と粒子状物質を含む排気物が、エンジン15から粒子フィルター11へと運ばれる。ここで、粒子フィルター11は、少なくとも壁部の入口領域に浸透した点火酸化触媒組成物を有する壁要素を含むが、このことについては後に詳述する。粒子フィルター11の壁部に浸透した点火酸化触媒では、未燃焼ガス状及び非揮発性炭化水素(すなわち、SOF)及び一酸化炭素が大幅に燃焼され、二酸化炭素と水を生成する。酸化触媒を使用してVOFの相当の割合を除去することで、特に、粒子フィルター11に粒子状物質が過度に堆積することの防止が補助される(粒子フィルター11に粒子状物質が過度に堆積すると、閉塞が発生する)。更に、NOとNOX成分の相当割合が、粒子フィルター11の酸化触媒部分でNO2に酸化される。煤部分とVOFを含む粒子状物質は、粒子フィルターによっても相当量(80%以上)が除去される。粒子フィルター上に堆積した粒子状物質は、フィルターの積極的再生によって燃焼され、そして、この工程は、統合されたDOC組成物の存在によって補助される。

粒子フィルターの下流側には、還元剤、例えば、アンモニアがノズル(図示せず)を通してスプレーとして排気流に導入(注入)される。ライン18(矢印18)で示した水性ウレアは、アンモニア前駆体として作用することができ、この水性ウレアは、ライン19(矢印19)で示した空気と、任意の混合ステーション16で混合可能である。水性ウレアの正確な量を計量するために、導入ポート又はバルブ14が使用可能であり、そして計量導入された水生ウレアは、排気流内でアンモニアに変換される。アンモニアが加えられた排気流は、SCR触媒として示されたNOX還元触媒12へと運ばれる。該触媒は、ハニカム等の適切な基材上に被覆されても良い。排気ガス流のNOX成分は、還元触媒12を通過し、アンモニアを使用してのNOXの選択的還元により窒素に変換される。

NOX除去の所望のレベルに依存して、NOX還元触媒12の下流側に、一個以上のNOX還元触媒を配置することができる。例えば、NOX還元触媒12の下流側の、追加的なSCR触媒をモノリス状、ハニカム流通基材、セラミックフォーム基材、又は金属基材に配置することができる。

図1Bに任意の配置構成(形態)が示されており、この配置構成では、排気処理システムに、NH3−破壊触媒、例えば、スリップ酸化触媒13が、SCR触媒として示されたNOX還元触媒12の下流側に設けられている。スリップ酸化触媒は、例えば、卑金属と0.5質量%未満の白金を含む組成物で被覆することができる。この構成は、排気物を大気中に放出する前に、過剰のNH3を酸化するのに使用することができる。一つ以上の実施の形態では、NH3破壊触媒は、粒子フィルター上に配置することができる。

壁流基材 粒子フィルターは、種々の形態で具体化することができる。例えば、粒子フィルターは、ハニカム壁流フィルター、粒子状ろ過フィルター、ワイヤーメッシュフィルター、巻ファイバーフィルター、焼結金属フィルター及びフォームフィルターの状態であって良い。特定の実施の形態では、粒子フィルターは、壁流フィルターである。酸化触媒組成物を担持する有用な壁流基材は、微細で、実質的に平行なガス流通路を複数有しており、このガス流通路は、基材の長さ方向軸に沿って伸びている。代表例では、各通路は、基材本体の一端部で閉塞されており、これと交互する通路が反対側の端面で閉塞されている。このようなモノリス担体は、断面の1平方インチ当たり、約700以上の通路を有していて良いが、通路の上述した数は、これよりも少なくても良い。例えば、担体は、1平方インチ当たり約7〜600セル、より好ましくは約100〜400セル(cpsi)である。セルは、断面が、長方形、正方形、長円形、三形、六角形であることが可能であり、又は他の多角形形状が可能である。壁流基材は、代表例では、壁厚さが0.002〜0.1インチの範囲である。適切な壁流基材の例では、壁厚さは、0.002〜0.015インチの範囲である。

図2及び図3は、通路52を複数有している壁流フィルター基材30を表している。通路は、フィルター基材の内壁53によって境界付けられ、又は包まれている。基材は、入口端54及び出口端56を有している。交互する通路が、入口プラグ58(入口栓58)で入口端が閉塞されており、そして、出口プラグ60(出口栓60)で出口端が閉塞されており、これにより、入口54と出口56で、対向するチェッカーボードパターンを形成している。ガス流62は、閉塞されていない流路入口64を通って入り、出口プラグ60で止められ、そして流路壁53(流路壁53は多孔性である)を通って出口サイド66へ拡散する。ガスは、入口プラグ58にために、壁部の入口サイドには戻ることができない。

適切な壁流フィルター基材は、セラミック状材料、例えばコージライト、α−アルミナ、シリコンカーバイド、シリコンニトライド、ジルコニア、ムライト、リシア輝石、アルミナ−シリカ−マグネシア、アルミニウムチタネート、又はジルコニウムシリケート、又は多孔性、耐火性材料で構成されたものである。壁流基材は、セラミックファイバー複合材料で形成されても良い。適切な壁流基材の例は、コージライト及びシリコンカーバイドから形成される。このような材料は、環境、特に排気流を処理する時の高温に耐えるものである。

本発明のシステムに使用するための適切な壁流基材は、多孔性壁を有するハニカム(モノリス)であって、背圧又は物品での圧力の過剰な増加を引き起こすことなく、流体流が通過するものである。本発明の実施の形態では、このシステムに使用されるセラミック壁流基材は、多孔率(細孔率)が少なくとも40%(例えば50〜75%)で、平均孔径が少なくとも5ミクロン(例えば、5〜30ミクロン)の材料から形成される。ある実施の形態では、基材は、多孔率が少なくとも55%で、平均孔径が少なくとも10もミクロンである。これらの多孔率とこれらの平均孔径を有する基材が、以下に記載する技術で被覆された場合、SCR触媒組成物を適切なレベルで、基材に積載すること(load)ができ、卓越したNOX変換効率が達成される。これらの基材は、DOC触媒を積載しているにもかかわらず、なお、適切な排気流特性を維持可能、すなわち、許容可能な背圧を維持可能である。適切な壁流基材の開示に関して、この記載により、U.S.Pat.No.4,329,162は、ここに導入される。壁流基材は、金属性、すなわち、多孔性ではないもので、壁流フィルターの孔径よりも孔径が非常に小さいものであっても良い。

本発明の実施の形態に従い使用される多孔性壁流フィルターは、上述した要素の壁部が、1種以上の触媒材料を、その上に有するか又はその中に含でいるという特徴を有している。セラミック材料が、要素壁部の入口サイドだけに存在していても良く、出口サイドだけに存在していても良く、入口サイドと出口サイドの両方に存在していても良く、又は壁部自体が全て、部分的に触媒材料で構成されていても良い。DOC触媒組成物で壁流基材を被覆するために、基材を触媒スラリーの部分に、(基材の頂部がスラリーの表面のちょうど上側に位置するように)縦に浸漬される。この方法で、スラリーが各ハニカム壁の入口面と接触するが、しかし各壁の出口面と接触することが防止される。これにより、基材の入口端の壁部の部分が被覆され、入口領域を形成する。基材が、スラリーから除去され、そして過剰のスラリーが(流路から排出させ、そして圧縮空気でスラリーが浸透した方向に対してブローし、次にスラリーが浸透した方向に対して真空引きすることにより)壁流基材から除去される。この技術を使用することにより、触媒スラリーが基材の壁部に浸透し、そして孔は、仕上げられた基材中に過剰の背圧が形成される程に塞がれることがない。ここで使用したように、「浸透」という用語は、触媒スラリーが基材上に分散した状態を記載するのに使用される場合には、触媒組成物は、基材の壁部に分散しているが、被覆層として壁部の外側表面には分散していないことを意味する。被覆は、適切な如何なる技術、例えば、アメリカ合衆国特許番号6,478,874;5,866,210及び5,963,8432に記載されているように、基材を被覆物中に浸漬させ、真空引を使用し被覆物を基材の流路内に引くことによって施すことができる。上記文献は、この記載により、その全てがここに導入される。

触媒で被覆した後、基材は代表例では、少なくとも100℃で乾燥され、そしてより高い温度(例えば、300〜450℃)で「か焼」される。か焼の後、基材の被覆された質量と、被覆されていない質量とを計算して、触媒搭載量を測定(計測)することができる。この技術分野の当業者にとっては公知なように、被覆スラリーの固体含有量を変えることによって、触媒、積載を変性(改質)することができる。この代わりに、基材を被覆スラリーに繰り返し浸漬することも行うことができ、これに続いて上述したような過剰のスラリーの除去が行われる。

酸化触媒組成物 粒子フィルター上に形成された酸化触媒は、未燃焼ガス状及び非揮発性炭化水素(すなわち、VOF)及び一酸化炭素の燃焼を提供する如何なる組成物からでも形成可能である。更に、酸化触媒は、NOXのNOの相当割合をNO2に変換するのに効果的であるべきである。ここに使用されているように、「NOXのNOの相当割合のNO2への変換」は、少なくとも20%、及び好ましくは30〜60%の範囲を意味する。これらの特性を有する触媒組成物は、この技術分野では公知であり、そして白金族金属、及び卑金属(base metal)ベースの組成物を含む。排気処理システムに使用して良い酸化触媒組成物の例は、白金族成分(例えば、白金、パラジウム、又はロジウム成分)で、高比表面積の耐火性酸化物担体(例えば、γ−アルミナ)上に分散されたものである。適切な白金族成分は、白金である。

酸化触媒の形成に使用するために適切な白金族ベース組成物は、U.S.Pat.5,100,632(’632patennt)にも記載されている。この記載により、この文献は、ここに導入される。’632patenntには、白金、パラジウム、ロジウム、及びルテニウム及びアルカリ土類金属酸化物、例えば、マグネシウムオキシド、カルシウムオキシド、ストロンチウムオキシド、又はバリウムオキシドの混合物を有し、白金族金属とアルカリ土類金属の割合が約1:250〜約1:1、及び特に約1:60〜約1:6の原子割合の組成物が記載されている。

酸化触媒に適切な触媒組成物は、触媒剤として卑金属を使用することによって形成しても良い。例えば、U.S.Pat.No.5,491,120(この文献は、この記載により、ここに導入される)は、酸化触媒組成物を開示しており、この酸化触媒は、BET表面積が少なくとも10m2/gで、そして主として、チタニア、ジルコニア、セリア−ジルコニア、シリカ、アルミナ−シリカ及びα−アルミナの1種以上であって良いバルク第2金属酸化物から成る触媒材料を含んでいる。

また、有用なものは、U.S.Pat.No.5,462,907(’907patent、この開示文献は、この記載により、ここに導入される)にも開示されている。’907patentは、セリア及びアルミナを含む触媒材料を含む組成物を教示しており、この場合、それぞれは、表面積が、少なくとも10m2/gで、例えば、セリア及び活性化アルミナが約1.5:1〜1:1.5の割合になっている。この代わりに、パラジウムが、所望の如何なる量で、触媒材料中に含まれていても良い。追加的に、有用な組成物が、U.S.Pat.No.7,078,074に開示されており、この記載により、この文献の全てがここに導入される。

PGMの入口領域での積載量は、約20g/ft3〜200g/ft3の範囲、より特定的には、約30g/ft3〜150g/ft3の範囲、及び特定の実施の形態では、約40g/ft3〜100g/ft3の範囲で変化可能である。これらの量は、これらの範囲内で、5g/ft3の量で追加的に変化することができる。特定の実施の形態では、PGMは、Pt及び/又はPdから選ぶことができ、両方とも炭化水素の良好な酸化触媒である。白金の現状の値段は、パラジウムの値段よりもかなり高く、従って、後者を使用するとコストが低くなるが、このことは、PGM需要に依存して、将来変化しても良いものである。白金は、炭化水素の酸化反応について非常に活性を有し、そして汚染に対して抵抗性を有している。パラジウムは、活性が低く、そして汚染の影響、例えば硫黄の影響を受けやすい。しかしながら、希薄排気条件下、及び800℃を超えて良い温度条件下では、白金は熱的に焼結され、従って、酸化活性が低下する。パラジウムの添加及びパラジウムの白金との相互作用により、白金の高温焼結が実質的に低減され、そして従って、その酸化活性が維持される。露出の温度が低温に維持された場合、Pt−only(Ptのみ)が、可能な最も高い酸化活性を得るための良好な選択であると考えられる。しかしながら、高温(例えば、800℃)が、特にフィルターの内部で見込まれる場合、Pdを含めることが望ましい。許容し得るPt安定性と最も高い酸化活性を得るPt:Pd割合は、約10:1〜4:1の範囲であるが、しかし2:1〜1:1の範囲の低い割合も本発明の範囲である。より高いPt含有量(例えば、1:2)も本発明の範囲内である。ある実施の形態では、白金を添加しないPdが使用されても良い。

PGMは、適切な担体材料例えば、表面積が広く、熱的安定性が良好な耐火性酸化物、例えば高表面積酸化アルミニウムに分散される。高表面積アルミナが、PGM用の適切な担体であり、そして表面積が138〜158m2/gで、孔体積が0.44〜0.55cm3/g(N2)のSBa−150(Sasol North America)が、適切なアルミナ担体の例である。セカンドオキシド(second oxide)で安定化されたアルミナも適切な担体である。アルミナのランタナ安定化により、PGM用の適切な担体が得られる。例えば、表面積が190〜250m2/gで、孔体積が0.5cm3/g(N2)のGA−200L(4質量%La2O3)安定化アルミナ(Engelhard,Port Allen,LA)が、適切な安定化アルミナである。アルミナの混合物、例えば50:50質量、SBa−150プラスGA−200Lも適切な担体である。ドープ、又はSiO2、ZrO2、TiO2、等の酸化物で処理され、安定化又は表面化学が改良された他のアルミナも使用することができる。ZrO2及びTiO2を含む(但し、これらに限定されるものではない)他の安定化担材料も使用することができる。上述したPGM担体酸化物に加え、他の触媒的に機能する酸化物を触媒領域に組み込むことが有用であることがわかった。これら例は、CeO2、Pr6O11、V2O5及びMnO2及びこれらの組合せ及び固溶体酸化物混合物等を含む。これらの酸化物(oxide)は、炭化水素、特に重質油由来の炭化水素、及び導入した燃料の不均衡化(すなわち、脱水素又は酸化脱水素)に由来する堆積(沈澱)したコークス/煤の燃焼に寄与し、そして、このようにして、追加的な燃焼活性を触媒領域に与え、更に、コークスに由来する炭化水素の堆積によるPGMの不活性化を防止する。

フィルター基材上の領域内に酸化触媒を積載することは、代表例では限定される。これは、フィルター基材の孔を満たす触媒被覆物の物理的堆積の寄与を制御することと、フィルター壁部を通っての流れ抵抗、従って背圧への悪影響を制御するためである。他方では、担体酸化物上のPGMの高い積載量について、PGMを良好に分散するために、充分な表面積を与える必要がある。一例として、入口領域のPGMの積載量が、約60g/ft3、この領域のドライゲイン(DG)が0.5g/in3が許容できる。最適のPGM積載量、アルミナの他の(より密度の高い)酸化物に対する質量比、及び他の要因を考慮してDGを調節することができる。

この領域の長さ/体積の総合フィルター長さ/体積に対する割合は、約0.20〜0.9の範囲で変動することができ、例えば、この値は0.25、0.5又は0.75であることができる。従って、例えば、直径「11.25」×長さ「14.0」のフィルター基材、領域(ゾーン)長さ/深さが約「3.0」のものが使用可能であり、又はフィルターの合計長さ/体積の割合が0.21のものが使用可能である。しかしながら、最も効果的な領域長さ/体積割合を決定することは、特定の排気放出制御システム設計の、触媒化されたフィルターを最適化することの一部である。

導入された燃料の点火と燃焼のための入口触媒領域(長さ/体積割合は変化することができる)。フィルターの非領域化部分(non-zoned portion)は、ブランク(空白)であることが可能であり、触媒化されていなくても、触媒化さえていても良い。このことは、フィルター基材の燃料長さ(fuel length)範囲に被覆物を施すことによって達成される。このことは、酸化触媒領域被覆を施す前に行うことができるが、しかし、このことは、必ずしも必要なわけではなく、そして領域被覆の後に主要本体被覆を施すことができる。主要本体被覆は、代表例では(しかし必ずしも必要なわけではない)、PGM積載量が少なく、そしてスラリーワッシュコートを有している。PGMが少ないと、コストが低くなり、そしてDGが低いとフィルターの圧力損失が少なくなる。この被覆を、分離した出口領域被覆として施すことが可能である。これは、入口燃料燃焼領域被覆を所望の長さ/深さで、フィルター基材の一端部に施し、そして次に出口被覆を基材の反対側の端部に、所望の長さ/深さで施すことによって行うことができる。この触媒被覆は、フィルター壁部の多孔性構造内に施され、そして、フィルター壁部の別個の(不連続の)被覆としては存在しない。主要本体(main body)又は出口領域の被覆物の組成は、種々に変化可能である。代表例では、触媒被覆は、アルミナ上のPGMから形成される。ある例での触媒は、SBa−150+GA−200Lアルミナ(50:50質量割合)に担持された10g/ft3Pt−Pd(10:1割合)から構成され、そしてDG=0.25g/in3で、フィルター担体の全長さにわたって施される。主要本体被覆は、(入口蝋域被覆物では完全に燃焼しない)導入された如何なる燃料の更なる燃焼にも寄与(貢献)する。これにより、全ての炭化水素と、一酸化炭素等の発生し得る部分酸化生成物が、フィルターを出る前に、完全に(そして確実に)酸化される。

NOX還元触媒 2007年に開始したUSヘビーデューティーディーゼルアプリケーションにとって、エンジン設計と較正(キャリブレーション)は、NOX基準に適合するのに充分なものである。しかしながら、アメリカ合衆国では、(特に2010年に開始する、)より厳格なNOX排出基準は、エンジン設計と較正基準だけでは適合しないと考えられており、そしてNOX還元後処理触媒が必要とされると考えられる。本発明の一つ以上の実施も形態に従うNOX還元触媒は、選択的触媒還元(SCR)触媒、希薄NOX触媒、希薄NOXトラップ(LNT)、又はこれらの組合せを含むことができる。これは、ライトデューティーディーゼルアプリケーションに施す(適用する)ことができる。

エンジン出口NOXは、主としてNO2レベルの低いNOの状態であり、そして領域化粒子フィルターの領域(ゾーン)と本体内に使用された、PGM積載量と割合を調整して、フィルター出口でのNO2のNOに対する割合を制御することができる。NO+1/2O2→NO2で表される酸化反応を、PGM機能で制御することができる。NO2/NO割合を制御することにより、下流側SCR又はLNTの効果を高めることができる。

SCR反応について、NO2/NO割合に依存して、3種の反応条件が考えられる。 (1)標準: 4NH3+4NO+O2→4N2+6H2O (2)「速い」 4NH3+2NO+2NO2→4N2+6H2O (3)「遅い」 4NH3+3NO2→3.5N2+6H2O

上記3種の条件から、NO2のNOに対する割合が1:1の場合、所望する「速い」又はより効果的なSCR反応が発生すると考えられ、そして、NO2のエンジン出口に対する相対量を増すために、酸化機能が必要であると考えられる。本発明の実施の形態に従えば、領域化された粒子フィルター上のPGMは、この機能に貢献することができ、そして、このことを達成するために、PGM積載量と割合の調整を使用できる。1:1の割合が、下流側SCRの最良の状態を与えると信じられている。NO2のレベルがより高いと、SCR反応が遅くなる点で不利が生じる。LNT運転(操作)について、エンジン出口NOをできるだけNO2に酸化することが必要である。この理由は、LNTは、主に硝酸塩(nitrate)としてNOXを吸収するからである。領域化したCSFのPGM積載量と割合の調整により、このことが達成される。LNT運転には、PGM(PGMは、全てがPtの状態でなければ、最大がPtの状態である)のより高い積載レベルが必要になると考えられる。このシステムに使用するための適切なSCR触媒の組成物は、600℃未満の温度で、NOX成分の還元に効果的な触媒作用を及ぼすことが可能であり、これにより(低い排気温度について積載量が低い条件下であっても)適切なNOXレベルを処理することができる。好ましくは、触媒物品は、システムに加えられた還元剤の量に依存して、少なくとも50%のNOX成分をN2に変換することができる。この組成物のための更なる望ましい特性は、この組成物は、O2と如何なる過剰のNH3とのN2及びH2Oへの反応に触媒作用を及ぼす機能を有し、これによりNH3が大気に放出されないということである。本発明のシステムに使用される有用なSCR触媒組成物は、硫黄成分(硫黄成分は、ディーゼル排気ガス組成物中にしばしば存在する)に曝された場合に劣化に対する耐性を有しているべきである。

適切な、触媒組成物は、例えば、U.S.Pat.No.4,961,917(’917patent)及び5,516,497に記載されており、これらの文献は、この記載により、その全てがここに導入される。’917patentに開示された組成物は、鉄又は銅促進剤(助触媒)の一方又は両方をゼオライト中に含み、その量は、促進剤とゼオライトとを合わせた合計質量の、0.1〜30質量%、好ましくは1〜5質量%である。更に、NH3を有するNOXのN2への還元に触媒作用を及ぼす機能に加え、この開示された組成物は、(特に、促進剤の濃度が高い組成物の場合、)O2を有する過剰のNH3の酸化を促進することもできる。他の適切なSCR触媒組成物は、バナジア−チタニアを含む。

このような組成物に使用されるゼオライトは、硫黄汚染に対して耐性(抵抗性)を有し、SCR工程のために、活性を高いレベルに維持する。これらのゼオライトの孔の大きさは、以下のものである。すなわち、上記孔のサイズは、短期間の硫黄汚染に起因する酸化硫黄分子の存在下、及び/又は長期間にわたる硫黄汚染に起因するサルフェートの堆積下に、NOとNH3が孔(孔系)内に適切に入り込み、そして生成分子N2とH2Oが孔(孔系)から適切に排出される程度に充分に大きいものである。適切なサイズの孔系は、3つの全ての結晶学的寸法と相互に関連している。ゼオライト技術の当業者に公知であるように、ゼオライトの結晶構造は、連結、交差、及びこれらに類似したものが繰り返される複雑な多孔性構造を示す。

直径又は断面形状が設定されている等の特定の特性を有する孔は、これらの孔が、孔のような他のものと交差することがなければ、1次元的と称される。孔が、孔のような他のものと、与えられた平面内でのみ交差する場合、このような特性を有する孔は、2(結晶学)次元で交差するといわれる。孔が、同一の平面及び他の平面に位置する他の孔のようなもの(孔状物)と、交差する場合、このような孔状物は、3次元で交差するといわれ、すなわち「3次元的」といわれる。SCR工程とアンモニアの酸素による酸化の両方のために、表面汚染に対して強い耐性を有し、及び良好な活性を有し、そして高温、熱水条件及びサルフェート毒に曝された場合であっても良好な活性を維持するゼオライトは、孔径が少なくとも約7オングストロームの孔を有し、そして3次元で交差するゼオライトであることがわかった。本発明の実施の形態は、特定の理論と結びつくことはないが、3次元における、孔径が少なくとも約7オングストロームの孔が、ゼオライト構造内におけるサルフェート分子に良好な移動性(流動性:mobility)を与え、これにより、サルフェート分子を触媒から除去し、反応物質NOXとNH3分子及び反応物質NH3とO2分子のための有用な吸着体の箇所から大量に除去できるようになると信じられている。前述の基準に適合する如何なるゼオライトも本発明に使用するのに適切であり;この基準に適合する特定のゼオライトは、USY,Beta及びZSM−20である。他のゼオライトが上述した基準を満たしても良い。

NOX還元触媒は、希薄NOX触媒(リーンNOX触媒)を含んでも良い。希薄NOX触媒は、一般的には、低温NOX触媒又は高温NOX触媒の何れにも分類される。低温希薄NOX触媒は、白金ベース(Pt−ベース)であり、そして活性なゼオライトを有している必要はないが、しかし、Pt/ゼオライト触媒は、(副生成物としての)N2Oの形成に対して、(他の触媒、例えばPt/アルミナ触媒よりも、)良好な選択性を有していると考えられる。通常、低温希薄NOX触媒は、触媒的に活性な範囲を約180℃〜350℃の範囲(約250℃で効果が最大になる)に有している。高温希薄NOX触媒は、卑金属/ゼオライト組成、例えばCu/ZSM−5を有している。高温NOX触媒は、約300〜350℃の低温範囲を有しており、最も高い効率が400℃付近で得られる。本発明の異なる実施の形態では、低温又は高温希薄NOX触媒のいずれもが、HC還元剤と一緒に使用される。

NOX還元触媒は、希薄NOXトラップを含んでいても良い。希薄NOXトラップは、U.S.Patent No.5,875,057及び6,471,924に開示されており、これらの文献は、この記載により、その全てがここに導入される。通常、希薄NOX触媒トラップは、(選択した期間、例えば、ガス状流の温度が、触媒による希薄NOX低減に不適切な場合、NOXをトラップメンバー上に吸着する)NOX吸着剤と酸化触媒との組合せを含む。他の期間、例えば、処理されるガス状流の温度が、触媒による希薄NOX低減に適切な場合、トラップ上の燃焼性成分が酸化され、トラップメンバーからNOXが熱的に脱着される。希薄NOXトラップは、通常、触媒金属成分、例えば、1種以上の白金族金属及び/又は卑金属触媒金属成分、例えば、1種以上の銅、コバルト、バナジウム、鉄、マンガン等の酸化物を含む。

NOX還元触媒組成物は、耐火金属性又はセラミック(例えば、コージライト)材料で形成されたハニカム流通モノリス基材に被覆することができる。この代わりに、この技術分野では公知の金属性又はセラミックフォーム基材に、酸化触媒を形成しても良い。

これらの酸化触媒は、これらが被覆された基材(例えば、連続気泡セラミックフォーム)により、及び/又はその固有の酸化触媒活性のために、所定のレベルで粒子状物質を除去する。

本発明の一つ以上の実施の形態では、還元剤付与システムが、NOX還元触媒の上流側及び粒子状物質の下流側に設けられ、排気システム内にNOX還元剤を導入する。U.S.Pat.No.4,963,332に開示されているように、触媒的変換器(catalytic converter)の上流側及び下流側のNOXを検知することができ、そして、上流側と下流側の信号により、パルス状に付与した値(pulsed dosing value)を制御することができる。この代わりの形態について、U.S.Pat.No.5,522,218に開示されたシステムでは、排気温度とエンジン条件、例えば、エンジンrpm、トランスミッションギア、及びエンジン速度の状態(map)から、還元剤導入器のパルス幅が制御される。U.S.Pat.No.6,415,602に記載された還元剤パルス計量導入システムについて参照しても良く、この文献はこれにより、ここに導入される。

図4に示した実施の形態では、(乗り物に設けられる)水性ウレア容器22は、ウレア/水の溶液を貯蔵しており、フィルターと圧力調整器を含むポンプ21によってくみ上げられて、ウレアインジェクター16に導入される。ウレアインジェクター16は、ライン19の圧力調整された空気を受け入れる混合チャンバーである。アトマイズ化(霧化)したウレア/水/空気溶液が得られ、この溶液は、ノズル23を介して排気パイプ24(排気パイプ24は、粒子フィルター11の下流側及びNOX還元触媒12の上流側に位置する)にパルス状に投入される。ここで、NOX還元触媒12は、任意のものであって良いNH3破壊触媒13の上流側に位置している。

本発明は、図4に示した水性ウレア計量導入装置に限られるものではない。ガス状窒素ベースの試薬も使用され得るものと考えられる。例えば、ウレア又はシアヌル酸小球インジェクターは、ウレアの固体ペレットを排気ガスで加熱されたチャンバーに計量導入し、固体還元剤をガス化(昇華温度範囲は、約300〜400℃)することができる。シアヌル酸はイソシアン酸(HNCO)にガス化し、そしてウレアはアンモニアとHNCOにガス化する。何れの還元剤を使用しても、加水分解触媒をチャンバー内に設けることができ、そして、チャンバーに計量導入された排気ガスの後流(slip stream)が、HNCOを加水分解(温度が、約150〜350℃)してアンモニアを生成する(排気ガスは、充分な水蒸気を含んでいる)。

ウレアとシアヌル酸に加え、本発明の制御システムに使用するのに特に適切な、他の窒素ベースの還元試薬又は還元剤は、アンメライド(ammelide)、アンメリン、アンモニウムシアネート、ビウレット、シアヌル酸、アンモニウムカルバメート、メラミン、トリシアノウレア、及びこれらの任意の混合物を含む。しかしながら、本発明は、より広い意味で、窒素ベースの還元剤に限られるものではない。本発明は、炭化水素、例えば、アルコール、エーテル、有機−ニトロ化合物及びこれらに類似するもの(例えば、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル等)を含む留出燃料、及びグアニジン、メチルアミンカーボネート、ヘキサメチルアミン等を含む種々のアミンとその塩(特にそのカーボネート)を含む如何なる還元剤をも含むことができる。

NH3破壊触媒組成物 一つ以上の実施の形態では、NH3破壊触媒は、耐火無機酸化物担体に分散された白金族成分で構成されている。NH3破壊触媒が、モノリス担体に堆積された場合、白金族金属成分は、代表例では、0.1〜40g/ft3及び好ましくは、0.5〜10g/ft3で存在する。これらの濃度で、白金族金属成分は、アンモニアを酸化してN2を形成するのに効果的であるが、アンモニアのNOXへの酸化を発生させる傾向は少ない。上述のように、組成物中の白金の濃度がより高いと、過剰のアンモニアをNOXに変換する傾向があるが、N2に変換する傾向は少ない。更に白金族成分のより低いレベルが、大気に排出される粒子状物質の塊状化に寄与するサルフェートの形成を最小限にするために望まれる。

適切な白金族金属成分は、白金、パラジウム、ロジウム及びイリジウム成分を含む。白金が特に適切である。NH3破壊触媒として白金が使用される本発明の実施の形態では、白金成分は、サルフェート化して、白金成分の触媒活性を更に適度にし(和らげ)、そしてNOX形成を制御する。サルフェート化(sulfation)は、組成物を硫酸で処理することによって行なうことができ、又この代わりに、最終的に被覆された組成物を排気流(該排気流は、硫黄成分を高いレベル(例えば、>350ppm)で含む燃料を使用する内燃エンジンから由来する)に配置することによって行うことができる。

一例としてのNH3破壊触媒材料は、バルクセリア(bulk ceria)及び活性化アルミナの一方又は双方に分散された白金で構成されている。このような組成(構成)は、U.S.Pat.No.5,462,907に記載されているものに類似するものである。この文献は、この記載により、ここに導入される。触媒材料は、セリアとアルミナ粒子の水性スラリーの状態で製造することができ、粒子は、水分散性又は水溶性白金前駆体で含浸される。次にスラリーを、担体に施し、乾燥及びか焼して、その上に触媒材料被覆物(ワッシュコート)を形成することができる。代表例では、セリアとアルミナ粒子を水と酸化剤(acidifier)、例えば、酢酸、硝酸、又は硫酸と混合し、そしてボールミル処理して所望の粒子サイズに形成される。この代わりに、担体の上に被覆する前に、スラリーを乾燥し、そして「か焼」することもできる。

白金触媒金属成分は、セリア粒子に導入するか、又はセリアとアルミナ粒子に導入することが好ましい。セリア−アルミナは、触媒として作用するだけではなく、白金触媒金属成分の担体としても作用する。白金前駆体とのこのような結合は、セリア−アルミナ触媒材料を、ワッシュコートとして適切な担体に被覆した後に行うこともでき、この結合は、被覆した担体を、適切な白金前駆動体の溶液に含浸させ、次に乾燥とか焼をすることによって行うことができる。しかしながら、担体にセリア−アルミナ触媒材料の被覆物を担体に施す前に、セリア粒子又はセリアとアルミナの両粒子を、適切な白金前駆動体に含浸することが好ましい。何れの場合であっても、白金金属は、例えば溶解性白金化合物の溶液としてセリア−アルミナ触媒材料に加えられ、この溶液は、セリア及びアルミナ粒子(又は担体上のセリア−アルミナ被覆)に含浸し、そして次に乾燥を行って良く、白金がその上に固定される。固定は、か焼によって行うことができ、又、硫化水素で処理することによって行うことができ、又は(金属を溶液の状態にする)他の公知の方法で行うことができる。

通常、セリアと活性化アルミナ粒子のスラリーは、白金溶液と一緒に、担体基材の上に堆積(沈澱)され、そして乾燥され、及びか焼されて触媒材料が担体に付着(接着)し、そして、白金成分が元素金属又はその酸化物に戻る。上述した工程で使用するのに適切な白金前駆体は、この技術分野では公知の、カリウム白金クロリド、アンモニウム白金チオシアネート、アミン−可溶化白金ホドロキシド及びクロロ白金酸を含む。か焼の間、又は少なくとも触媒の使用の初期フェース(initial phase)の間、このような化合物は、存在する場合には、活性元素白金金属又はその酸化物(オキシド)に変換される。

触媒材料が、薄い被覆物として(上述したような)適切な担体に施される場合、成分の割合は、通常、触媒の総単位体積当たりの材料の質量として表される。この理由は、この手段は、異なるセル密度、壁厚さ、ガス流通路等の存在に適合するからである。比較的豊富な成分、例えばセリア−アルミナ触媒材料の量を現すのには、立方インチ当たりのグラム(g/in3)が使用され、そして僅かにしか使用されない成分、例えば白金金属の量を表すのには、立方フィート当たりのグラム(g/ft3)が使用される。代表的なディーゼル排気用途のために、セリア−アルミナ触媒材料は、通常、約0.25〜約4.0g/in3、好ましくは約0.25〜約3.0g/in3の被覆担体基材、及び約0.1〜10g/ft3の白金を含んでも良い。

通常、他の成分、例えば、アルミナ用の通常の熱安定剤、例えば、希土類金属オキシド、例えばセリアも触媒組成物に加えて良い。触媒的な効果が低い、低表面積への相変換を防止する、高表面積セリアとアルミナの熱安定剤は、この技術分野では公知である。このような熱安定剤は、バルクセリア又はバルク活性化アルミナに導入しても良い。この熱安定剤の導入は、セリア(又はアルミナ)粒子を、例えば安定剤金属の可溶性化合物の溶液(例えば、バルクセリアを安定化させる場合には、硝酸アルミニウム溶液)で含浸することによって行っても良い。このような含浸の後、次に乾燥とか焼を行い、含浸された硝酸アルミニウムがアルミナに変換される。

更に、触媒成分は、他の成分、例えば他の卑金属促進剤またはこれに類似するものを含んでも良い。しかしながら、一実施の形態では、本発明の触媒組成物は、原則的に、高表面積セリア及び高表面積アルミナだけで構成されて良く、この場合、これらは1.5:1〜1:1.5で存在し、熱安定剤成分を使用しても使用しなくても良く、そして白金が0.1〜10g/ft3であることが好ましい。

実施例 以下に実施例を使用して本発明を説明するが、実施例は、本発明を限定するものではない。

実施例1 領域被覆(領域的に被覆すること)された触媒化粒子フィルターサンプルの製造 本発明に合致する領域化触媒化煤フィルター(CSF)を以下のように製造した。

コージライト壁流フィルター基材(Corning CO)で、断面が円形で、直径が10.5”、長さXが12.0”であり、そしてセルスペーシングが200cpsiで、フィルター壁厚さが0.012”のものを使用した。

この基材の被覆は、以下のもので構成されている。

a.基材全体に施された、乾燥後はDG=0.25g/in3である、僅かに水溶性(fugitive water soluble)の、任意のものである第1の被覆物、Rhoplex P−376(Rohm&Haas)。このポリマー被覆の目的は、コージライトフィルター孔中の孔の最小部を満たし、そしてフィルター基材の壁部における、次の触媒被覆の分散を良好にすることにある。

b.壁流フィルター基材の全長にわたって施された第1の触媒被覆物。この被覆物は、ランタン安定化アルミナ、GA−200L(Engelhard)、(4%La2O3を含む)及びアルミナ、SBa−150(Sasol North America)の50:50混合物に含浸された白金及びパラジウムから構成されている。白金が、最初にモノエタノールアミン安定化Pt(IV)ヒドロキシドの水溶液として、アルミナの混合物に含浸され、そして次にパラジウムが、硝酸Pd(II)の水溶液として含浸される。得られた(PtのPdに対する割合が、10:1である)PGM含浸アルミナ混合物を水中で粉砕し、粒子径分布を90%が7ミクロン未満とし、次に得られたスラリーをpH=4に調整し、そして被覆用固体(にした)。第1の触媒被覆を一通過(one pass)で、壁流フィルター基材の全長に施し、DG=0.26g/in3とし、及びPt+Pd合計が、積載が10g/ft3で、PtのPdに対する割合が10:1であった。

c.次に第2の領域触媒被覆(zone catalytic coat)を、壁流フィルター基材の入口端に、3”の長さ(深さ)に施した。この被覆は、ランタン安定化アルミナ、GA−200L(Engelhard)、(4%La2O3を含む)及びアルミナ、SBa−150(Sasol North America)の50:50混合物に含浸された白金及びパラジウムから構成されていた。白金が、最初にモノエタノールアミン安定化Pt(IV)ヒドロキシドの水溶液として、アルミナの混合物に含浸され、そして次にパラジウムが、硝酸Pd(II)の水溶液として含浸された。得られた(PtのPdに対する割合が、10:1である)PGM含浸アルミナ混合物を水中で粉砕し、粒子径分布を90%が7ミクロン未満とし、次に得られたスラリーをpH=4に調整し、そして被覆用固体(にした)。この第2の領域触媒被覆物を一通過(one pass)で、壁流フィルター基材の入口3”に施し、領域内でDG=0.53g/in3とし、及びPt+Pd合計が積載が60g/ft3で、PtのPdに対する割合が10:1であった。

これにより、全体の合計Pt+Pd積載レベルが25.0g/ft3で、全体のPtに対するPdの割合が、10:1である領域化触媒化煤フィルター(CSF)が得られた。

実施例2−燃料点火超過領域化CSF(Fuel Light-Off Over Zoned CSF) 領域化CSFの積極的再生機能を実証するために、エンジンテストセル内で燃料点火テストを行った。このテストは、エンジンテストセルにターボチャージした7.6リットル、225HPディーゼルエンジンを導入し、そして動力計に連結して行った。

点火テストのために、領域化触媒(zoned catalyst)煤フィルターをエンジンの排気ラインについて、エンジンのターボチャージャーの10ft下流に設けた。排気ラインは、燃料インジェクターを備え、これを通して補足燃料を排気流中に導入可能であった。この燃料インジェクターは、ガソリンエンジンに使用される標準タイプで、そしてこれは、エンジンのターボチャージャー下流側直下に設けられた。ディーゼル燃料インジェクター及び領域化触媒化煤フィルター(CSF)の間に、インラインミキサーが設けられた。このインラインミキサーは、アトマイズ化した状態の導入燃料と排気流との混合を補助するためのものである。エンジン運転と排気中に導入した補足燃料のために、超低硫黄ディーゼル燃料(<15ppm S)を使用して、全てのテストを行った。

テストのために、エンジンは、1570rpmの速度で、及び745Nmのトルクで運転され、これにより、領域化触媒煤フィルター(CSF)の入口での排気温度が、(CSFの表面の上流側直下(ちょうど上流側)に設けられた熱電対によって測定して、)300℃で、合計排気流が740std.m3/hrであった。CSF出口表面の下流側直下(ちょうど下流側)にも熱電対を設け、その箇所での排気温度を測定した。

比較的清浄な、煤のない領域化触媒化煤フィルター(CSF)から出発して、システムを温度について平衡化(equilibrate)及び安定化させた。これに続いて(実施時間約122分)、上述した燃料インジェクターを使用して、ディーゼル燃料を種々のレベルで、排気中に導入し、そして、CSFの入口と出口で、排気温度を監視した。結果を図5に示す。最初は、CSF入口及びCSF出口温度は同一(300℃)であったが、しかし、上流側排気流に導入する燃料の量が増加するに従い、CSF出口温度が上昇した。

ディーゼル燃料が1.2g/secで排気中に導入された1区分(約130〜135分の実施時間)では、CSF出口排気ガス温度は、545℃で、この温度は、入口排気ガス温度よりも245℃上昇したものであった。この排気温度は、積極的再生条件下で、フィルター内で煤燃焼を発生させるのに十分な範囲であった。この区分の間での排気ガス合計炭化水素含有量の測定値は、CSF入口箇所で約13,000ppmC1であったが、CSF出口箇所ではわずか約2.7ppmC1であり、CSF内で、導入された補足ディーゼル燃料が、実質的に完全に燃焼していることがわかる。

図6は、点火テストについて、入口と出口の排気温度データの関係を、ディーゼル燃料の(領域化触媒化煤フィルター(CSF)の上流の排気中への)導入速度の関数として示している。この図は、燃料の導入量が増加するに従い、CSF出口排気温度が規則的に上昇し、そして、1.5g/secの導入速度で、600℃の温度が達成可能であったことを示している。ある導入速度レベルでは、排気温度データは、バー(棒状)又は範囲として示されているが、これは、ある導入速度から次のより高い導入速度に変化する際の、温度−時間加熱応答を反映している。

上記のように測定した実施例2でのテスト(あるエンジン速度と負荷条件下での、導入された燃料の点火の、排気ガス温度への影響)。600℃の高いCSF出口排気温度が達成された。この温度は、積極的再生のために、CSF内で煤の(適度に)迅速な燃焼を達成するのに良好な範囲である。

実施例3のテストは、調査を広げ、領域化触媒化フィルター内の温度の測定を含めた。これらの測定は、CSF内での軸方向及び径方向の温度分布の両方の特性化を可能とし、導入された燃料の点火がどのように展開するかということと、その均一性を明確にした。更に、積極的再生の間、CSF内の温度は、煤燃焼が発生した同一の領域内での局所温度の代表であった。

更に、実施例3のテストは、異なる排気流を生成する異なるエンジン速度で行われ、更にこれらの速度では、異なるトルクが使用され、実施例2の実施内容の温度よりも低い入口排気温度を形成した。

これらのテストのために、領域化触媒化煤フィルター(CSF)に、内部熱電対が設けられ、内部フィルター温度を測定したことを除いては、実施例2で使用したものと同一のエンジンとテストセットアップ(テスト構成)を使用した。図7に示した配置で、10個の熱電対をフィルターに導入した。この形態は、フィルターの中心線下に5個の熱電対を有し、フィルター本体の中央の温度を測定した。これらの熱電気対は、入口面から1” (TC1)に、入口面から3”及び入口領域の後部(TC2)に、入口面から6”及びフィルター軸方向中心点(TC3)に、入口面から9”(TC4)に、及び入口面から11”(TC5)に、配置された。更に、5個の熱電対が、領域化触媒化煤フィルターの外部端から径方向1”に位置する線(ライン)に導入され。これらは、フィルターの入口面から1”(TC11)、3”(TC12)、6”(TC13)、9”(TC14)及び11”(TC15)の箇所に対応する位置に配置された。

CSFの入口及び出口面の近傍の排気ガス温度を測定するために実施例2で使用した熱電対を、このテストで排気ガス温度測定のために配置した。

テストは、3種の特徴的エンジン速度、A速度=1580rpm、B速度=1940rpm、C速度=2680rpmで、導入した燃料を使用しての点火テストを実施することによって構成された。導入した燃料の速度は、各速度条件に一定に維持され、そしてエンジントルクを変化させ、異なる入口排気ガス温度を350℃〜250℃の範囲で発生させた。安定化した温度を、入口及び出口排気ガス及びCSFに設けられた内部熱電対について記録した。

A速度テストの結果を以下の表Iに示す。

ディーゼル燃料導入速度が1.66g/sec及び入口排気温度が、305℃〜256℃の範囲、及び排気流が、739〜682std.m3/hrで、CSF出口排気温度について、658℃〜607℃の範囲(この温度は、フィルター内の適度に迅速な煤燃焼にとって、良好な範囲である)が達成可能であった。

更に、(フィルターから煤を、適当な迅速さで燃焼させるのに十分な温度である)高内部温度>500℃を、フィルター内でフィルターの長さにわたって達成することができる。

フィルターの中心線下及びフィルターの外部端から1”の内部温度は、点火テストの間、フィルター内で、温度の良好な均一性を示した。フィルターの入口表面から1”で測定した内部温度は、入口表面から更に内側で測定した温度よりも低い値であった。しかし、導入された燃料の点火は、この領域から開始されたということで、このことが理解される。更に、CSFの入口表面から1”の内部温度は、入口排気ガス温度よりも163℃〜193℃高いものであった。

A速度テスト箇所1のための排気ガス及び内部基材温度(入口ガス温度305℃)を図8に、グラフ的に示す。CSFの長さにおいて、実質的に、温度>500℃で、直線的に内部基材温度が上昇し、CSFの大半の長さ部分で、積極的再生のために、フィルター内での適当に迅速な煤の燃焼を容易にしていることがわかる。更に、フィルターの中心線(の内部温度)とフィルターの外部端から1”のCSF内部温度は、ほとんど同一であり、点火と活性燃料燃焼が均一なことがわかる。

B速度テストの結果を以下の表IIに示す。

これらの結果は近似しているが、しかし、より多い排気体積流の条件のため、及び従ってA速度テストのためよりも短い接触時間のためのものである。500℃〜約700℃の範囲のCSF出口排気ガス温度及び内部フィルター温度が達成されるべきであり、この温度範囲は、これら積極的な再生条件下で、フィルターから煤を、適当な迅速さで燃焼させる。

C速度テストの結果を以下の表IIIに示す。

これらのテストの結果は類似しており、そして導入した燃料の良好な点火を示した。この良好な点火は、十分に高いCSF出口ガス温度と内部フィルター温度とを与え、積極的な再生下に、適当に迅速な煤の燃焼を与えるものである。

実施例4 ディーゼル粒子(煤)蓄積の、(下流側SCRのための)領域化CSF出口NO2/NOX割合への影響 NOX還元触媒機能(例えばSCR)の上流側に設けられた、排気中の領域化触媒化煤フィルター(CSF)は、煤を除去し、そして排気からの炭化水素を変換する機能を有する。ここで、上記炭化水素は、NOX還元反応のためのSCR触媒上の触媒個所に干渉するものである。更に、CSFは、エンジン出口のNOをNO2に酸化可能であり、このことは、上述したいわゆる「迅速な」SCR反応を促進するのに有利である。この反応では、最良の結果を得るために、NOのNO2に対する割合が、1:1であるか、又はNO2の合計NOXに対する割合が0.50であることを必要とする。従って、その出口NO2/NOX割合について、領域化CSFの性能を評価することが重要であった。更に、CSF内で生成したNO2は、CSF内で煤と反応することができ、そしてCSF出口NO2/NOX割合を、フィルター内の煤の蓄積と共に測定することが重要であった。

このことは、上記実施例1−3からのものと同じ領域化触媒化煤フィルター(CSF)を使用して行われた。領域化CSFは、上述のように積極的に再生され、そして次に空気中600℃で、ファーネス(炉)内で残留する煤を燃焼除去し、「清浄:クリーン」なフィルターを得、そして「清浄」な風袋フィルター質量を得る。「清浄」なCSFが、6.6リットル330HPエンジンの排気流中に設けられ、そしてCSFの下流側に、サンプリング箇所を有するFTIRが設けられ、排気流中のNOX及びNO2レベルを測定する。エンジンは、3200rpmの速度及び125Nmのトルクで3時間作動し、そして排気中CSF温度が約260℃で、そしてエンジン出口粒子放出レベルは、領域化CSF内で6.1g/リットルの粒子(煤)の蓄積が発生すものであった。図9に示すように、FTIRで測定したCSF出口の合計NOX及びNO2レベルは、実行の開始時(「清浄」なCSF)から実行の終了時(煤を積載したCSF)までほとんど変化がなかった。更に、実行中のNO2/NOX割合は、開始時に0.52及び終了時に0.44で、この値は、下流側の「迅速な」SCR反応にとって、望ましい割合の範囲であり、そしてフィルター内の煤の蓄積が、CSF出口NO2/NOX割合にほとんど影響を与えないことを示している。フィルター壁内に堆積した領域化CSF内、及び従って、フィルター内に蓄積した煤ケーキの下流側に触媒被覆を設けたことの結果であると考えられる。

実施例5 フィルター内に煤を積載した領域化触媒化煤フィルターの積極的再生 実施例1−4でテストするために使用した、同一の領域化触媒化煤フィルター(CSF)に、3200rpmの速度及び125Nmのトルクでの、6.6リットル330HPエンジン上で、煤を積載した。煤を積載したフィルター(2.8g/リットル煤)を、実施例2−3で使用した7.6リットル225HPエンジンの排気ラインに配置した。該排気ラインを、積極的再生のために使用した、同一の補足ディーゼル燃料インジェクターを備えていた。エンジンは、1566rpmの速度及び680Nmのトルクに調整されており、303℃のCSF入口排気ガス温度、705std.m3/hrの排気流を形成した。これらの条件下で、フィルターの圧力損失(デルタP)が安定化すると、8.57KPaとして測定された。排気中への補足ディーゼル燃料の導入(1.62g/sec)が確立され、積極的再生を開始した。該積極的再生は、約25分間続いた。この積極低再生の結果を図10に示した。CSF出口排気ガス温度が、補足燃料導入によって、(煤の積極的燃焼にとって適切である)656℃のレベルにまで上昇したことがわかる。デルタPのレベルも排気温度の上昇と共に上昇したが、しかし実行時間の約2分後、約11.5KPaのピークに達し、この後、デルタPは減少し、そして実行(run)の終了時には、出口排気温度が656℃で、約9.3KPaであり、ピークデルタPから2.2KPa減少していた。次に、補足燃料導入を終了させ、そしてCSF出口排気ガス温度は、排気ガス温度(303℃)中のCSFと同じレベルに戻った。この時点でのフィルターのデルタPのレベルは、5.87KPaとして測定され、積極的活性の前のレベルに対して2.70KPa減少していた。積極的再生の後にフィルターを計量すると、フィルター内の煤のレベルは、60%低減していた。このことは、最適化された工程又はテストであるとは考えられないが、しかし、これは、(フィルターデルタPと煤の積載について)領域化触媒化フィルター(CSF)を使用した積極的再生を明確に実証している。

以上、本発明の実施の形態を説明したが、基本的な範囲内で、他の及び更なる実施の形態も考えられ得る。そして本発明の範囲は、請求項によって決定されるものである。

(関連する出願の相互参照) なお、本願は、U.S.暫定特許出願Ser.No.60/868,289(出願日、2006年12月01日)の優先権(利益)、及びU.S.特許出願Ser.No.11/947,324(出願日、2007年11月29日)の優先権を主張する。この記載により、上記文献は、全てここに導入される。

11 粒子フィルター 12 NOX還元触媒 13 スリップ酸化触媒 14 バルブ 15 エンジン 16 混合ステーション 18 ライン(矢印) 19 ライン(矢印) 21 ポンプ 22 水性ウレア容器 23 ノズル 24 排気パイプ 30 壁流フィルター基材 53 内壁 54 入口端 56 出口端 58 入口プラグ(入口栓) 60 出口プラグ(出口栓) 62 ガス流62 64 流路入口 66 出口サイド

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